平成14年12月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇22番(小野寺好君) 公明党の小野寺好であります。
 今回、ありがたくも一般質問の機会をいただきましたので、昨今の不安な社会情勢に対し、県民生活の安全・安心のためにという観点で、以下質問をいたします。
 まず、災害対策のための河川整備についてであります。
 現在までのところ、ことし一番の災害は、7月11日を中心とした台風6号による水害でありました。犠牲者の出た釜石市、大打撃を受けた東山町を初め、県内全域で被害が発生いたしました。被災者の皆様には心からお見舞いを申し上げる次第であります。
 その1週間後にも台風7号が同じようなコースをたどるのではないかとの予報に、多くの県民は肝を冷やしましたが、東海上にそれ、小さな被害で済みました。防災のための全県的、抜本的河川改修となると莫大な予算と年月を要することになりますので、今後の整備を待ちたいと思いますが、今回はまず、盛岡市内の県管理河川についてのみお伺いいたします。
 巣子川と合流する木賊川でありますが、これは滝沢村から流れてきて、盛岡市上堂の北大橋右岸で北上川に注ぎます。かつては蛇行したこの流れが周辺の農地を潤す役割を果たしておりました。しかし、現在ではみたけ、月が丘、青山地域は住宅地と化し、とても木賊川からあふれた雨水を吸収できる状況にはありません。この台風6号の場合、盛岡では194ミリの総雨量が記録され、2メートル程度の川幅では何ともなりませんでした。しかも今回、青山三丁目のJR新幹線高架下地内での以前なされた工事の影響とすれば、人災ではないかとも考えられる水路決壊で、この地域では駐車場の車も水没するという大水害が発生いたしました。狭く、しかも天井川という現状に、地域では、強い雨が降るたびに不安にならざるを得ない状況にあります。
 昨日、柳村議員が木賊川の改修事業の見通しを尋ねておりますが、上流での遊水地計画も結構ですが、これとは別に、既に整備されている諸葛川への分流のための工事を早急に計画すべきと考えます。例えば、県立みたけ学園、あるいは県立盛岡北高校付近では、これらの二つの河川が最接近いたしますが、この地域での新たな河川工事の可能性についてお伺いいたします。
 また、同じく盛岡市内の南川でありますが、盛南地域では、雫石川から取り込んだ水が水田地帯を潤していましたが、JR東北線東側の津志田地内から日赤病院まですべて住宅地になっており、県管理河川である南川の断面積を広げることは困難になってまいりました。今回の台風6号の際には、南川周辺では土のうを積み上げて対応した次第であります。次々と宅地化してきたとき、河川管理者は何をしていたのか、今後どう対処していく考えなのかお伺いいたします。
 同じく、盛岡市内の簗川でありますが、台風6号の出水で、東中野地内において堤防が一部崩落いたしました。かろうじて決壊を免れましたが、住民の不安ははかり知れないものでした。東安庭に避難を指示し、徹夜で応急処置に当たり、どうにか災害を免れましたが、何が原因であったのか、今回の復旧工事で今後は心配ないのかどうかお伺いいたします。
 次に、防災ヘリコプターについてお尋ねいたします。
 一昨年の予算委員会において、防災ヘリコプターの出動についてお伺いしたことがありますが、その後、救急業務が増加し続けているやに聞いております。林野火災、地震災害、豪雨災害等での活躍及び隣県の防災ヘリや自衛隊ヘリの応援に感謝しております。しかし、点検整備中とか災害の同時発生の際は、隣県の防災ヘリを当てにした1機だけの体制では不十分であることは同僚議員の指摘するところであります。救急業務を含む出動回数が年々増加していること、広大な岩手県、そして東北での同時多発災害の増加という現状を見れば、2機目の導入を考えるべきであります。
 去る8月26日、若松謙維総務副大臣が来県した折に、公明党岩手県本部としてこのような状況を説明し、2機目の導入に理解を求め、要望したところであります。このたび盛岡東警察署が完成し、そのヘリポートは、県警ヘリのほか防災ヘリにも利用できると伺っております。場合によっては、現在のものより一回り小さいものとか、救命救急活動を主目的にするドクターヘリのようなものの導入を検討してはいかがでしょうか。
 あわせて、市町村から職員を派遣されている航空消防隊とは別に、県直属の救急航空隊をつくれないものかどうかお伺いいたします。
 次に、交通信号機の設置と分離信号の実証評価について伺います。
 歩行者及びドライバーにとっては、高齢者でなくても、交差点での前方と左右の安全確認は大変であります。しかし、信号機があれば負担と危険は軽減されますが、新たな設置は事実上なかなか容易ではありませんし、変更もなかなか困難です。例えば、盛岡駅前とか、国道4号と国道455号の交差点、国道396号手代森の銀行前など、住民の皆さんから信号機設置要望の声が寄せられます。開運橋西や国道4号加賀野交差点、同じく4号上田交差点のように、場所によっては現状のままでは事故を誘発しかねない、利用勝手が悪い信号であると変更を求める声もあります。
 信号機の設置基準や右折矢印の可否、毎年の予定数と順番待ち一覧等、どのような形で住民要望が反映されているのかお伺いいたします。
 次は、分離式信号であります。
 かつて各地で注目を集めていたスクランブル交差点は、忙しい世の中にふさわしくないとのことでしょうか、徐々に減少してまいりました。しかし、交通死亡事故の抑制を最重要課題と位置づけた場合、ふえ続ける車をとにかくスムーズに流そうという車中心の交通環境から、人中心に変えていこうという考えが出てまいります。
 こうした背景があってでしょうか、警察庁と国土交通省は、来年度から全国の1、000地区をあんしん歩行エリアに指定し、歩行者などが巻き込まれる事故の3割減を目指すとしています。既に盛岡市では、歩行者が横断する間はすべての車をとめる、歩行者・車分離式信号を試験導入しております。半年程度の試みと伺っておりましたが、どのような結果が得られましたか、お伺いいたします。
 次に、最近の治安状況と犯罪検挙率について伺います。
 昨年1年間に警察が国内で認知した刑法犯は358万件、うち交通犯罪以外は273万件で、検挙率は19.8%に低下し、善良な住民の生活を脅かしております。特に、傷害、強盗など暴力的な9罪種は5年間で2.5倍に急増したとのことであります。県内においても、昨年の刑法犯認知件数は1万5、125件、うち検挙3、562件で検挙率23.5%となっております。交通事故は5、762件で、死亡149人、負傷7、142人となっております。
 社会全体の犯罪に対する抑止力などというものはなく、驚くような事件・事故が続いております。本県でも、子供の段階で発生しているいじめという概念をはるかに超えた暴行傷害から、分別があり人生を悟ったような年配者まで、広範な年代層が犯罪にかかわっております。
 また、少年による悪質な犯罪が目立ってふえてきており、自殺に追い込んでしまうまでのいじめ、中学生の無免許運転事故、携帯電話の出会い系サイトを利用した中学生の犯罪なども発生しております。あろうことか、生徒を指導する立場の教員、不正を取り締まる立場の警察官の事件・事故の続発、予想を越える高級自家用車や高額な建設機械の盗難、積極的な国際交流に便乗して入ってきた外国人グループによる組織的犯罪等々、絶えることなく発生しております。
 このような背景からか、最近は自衛手段として、自宅の警備や身辺警護を警備保障会社に委託する傾向があります。安全は身銭を切って自分で買う時代になってしまったのでしょうか。
 県警察本部長は、このような状況をどのように認識し対応しているのか、具体的に次の2点についてお伺いいたします。
 一つは、犯罪抑止策と検挙率向上策についてであります。
 この程度ならとがめられないという意識を持たせないこと。つまり、軽微な段階での摘発が重要であると考えます。例えば、自転車窃盗、年少者の犯罪、家庭内暴力、不法就労滞在者など、早期に犯罪の芽を摘み取ることが大切でありますが、検挙率向上に向けた県警察本部のこれからの対応策をお伺いいたします。
 もう1点は、県民の立場に立った警察活動の推進についてであります。
 根本的な犯罪の抑止には、警察活動に対する県民の理解と協力が不可欠であります。しかしながら、報道されているような警察官の不祥事、警察の対応に対する苦情や要望は少なくありません。県警察は、県民の期待と信頼にこたえる警察を基本姿勢としていると聞いていますが、この基本姿勢を推進するため、どのような方策をとられているのかお伺いいたします。
 警察官にもさまざまな人がいますが、警察といえども組織の盛衰は人材次第であります。ことし20人の警察官増員が認められたようでありますが、この20人の警察官を含めて、県警察の人材育成策はどのように行われているのか、あわせてお聞きしたいと思います。
 次に、弱い立場にありながら言うべき言葉を発することのできない児童の身の安全についてお尋ねいたします。
 日本国憲法は、すべての国民の基本的人権は、侵すことのできない永久の権利であるとしていますが、子供の人権については十分に保障されているとは言えず、悲惨な事件が繰り返し発生しております。先週も気仙沼市で2歳の長女が母親に殴り殺されるという事件がありました。これら事件の主たる要因は、親の貧困や無知ではないかと思います。すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならないとの児童福祉法の理念はいまだ達成されてはおりません。児童虐待防止法が施行されて2年が経過いたしました。この法律では、国及び地方公共団体は、児童虐待の早期発見、迅速、適切な保護に努めなければならないとしていますが、早期対応という点で本県ではどのような成果を上げているかお伺いいたします。
 また、知事は、職員をして立入調査権を行使することができるとされておりますが、家庭という極めてプライベートな場への介入という難しい問題にどのような姿勢で臨んでいるか、お尋ねいたします。具体的には、児童相談所の役割及び児童福祉司の職務実態はどうであるか。県内に6カ所ある児童養護施設の運営状況にどのような変化が生じているかお伺いいたします。
 先日、約50人の子供さんをお世話しているというある児童養護施設にお伺いいたしました。親の病気や死別で保護者がいないのだなと思っておりましたが、何と全員に親がいるとのことでした。父母から遺棄あるいは虐待されている子がふえたとのことで、しかも虐待を受けてきた子供のケアには職員が1対1で当たらなければならないようであります。職員にはこれまでとは違う資質の向上が求められていて、幅広い研修、訓練が必要であること、また、今の時代、子供たちの教育と社会への巣立ちにはそれなりの経費がかかるなどとお話ししておりました。こうした時代の変化の影響について、児童養護に関しどのような認識で対応しているかお伺いいたします。
 あわせて、児童生徒の安全な養育という点で、里親制度についてお伺いいたします。
 都市部では、児童養護施設が満杯になったことに加え、家庭での濃密な人間関係が必要との観点から、里親制度が再評価されてきております。このような折、今月3日栃木県で、不幸にして里親による虐待死亡事件が発生いたしました。本県では、里親に対する研修、休養、あるいは児童相談所との連携といった支援体制はどのようになっているかお伺いいたします。
 また、虐待を受けた児童生徒を専門に養育する専門里親制度が本年10月からスタートしていますが、本県での状況をお伺いいたします。
 次に、不登校対策、県立高校中途退学問題についてお伺いいたします。
 私が平成7年に初めて一般質問の機会をいただいた際、不登校の状況と対策をお伺いいたしました。平成7年9月議会の答弁でしたが、小学校127人、中学校574人という答弁でありました。それがどうでしょうか。先ごろ公表された資料では、昨年の不登校児童生徒数は小学校253人、中学校1、150人で2倍になっているのであります。平均するとおよそ中学校の1クラスに1人いることになります。
 友達、先生との関係、いじめ、わからない授業等々の原因が考えられ、しかも、まだまだ不登校予備軍がいると言われますが、このままふえ続けたならば、義務教育は名ばかりで、教育の崩壊になると危惧いたします。大人でもつまらない講演会に2時間もつき合うのは苦痛であります。仮に、児童生徒がわからない授業を受けるために学校に行くとすれば、学校が楽しいはずはありません。学校、県教育委員会は、不登校児童生徒にどのような対策を講じてきたのかお尋ねいたします。
 昨年の県立高校中途退学者は793人、一昨年は862人と公表されております。毎年のことでもあり、中学校の進路指導、本人及び家族の意思であり、いたし方ないという冷たく突き放した見方がある一方、高校教育を受けようと門をくぐったものの、学業、人間関係でついていけない、期待したものとは違うと、いわば不信任を高校に突きつけたという物の見方もあります。普通科高校を希望していても、依然として定数が少ないとか、職業学科高校を希望しても、社会の産業構造の変化に対応していないということのないよう、生徒自身の声が学科再編に反映されるようなものになっているのでしょうか、お尋ねいたします。
 家庭の責任も大きいはずではありますが、県立高校中途退学の問題について、学校、県教育委員会としては責任の所在をどのように考え、これまでどのような対策を講じてきたかお伺いいたします。
 次に、不妊治療についてお伺いいたします。
 不妊は病気ではないから健康保険の対象にはならず、あえて子を産みたいとなると、一部の例外を除き、原則自己負担で不妊治療を受けることになります。超音波検査などでのタイミング指導、排卵誘発剤、人工授精、体外受精などがあって、高額な経済的負担、長期に及ぶ治療、精神的重圧等々、それでもかなわなかった場合の落胆は察するに余りあります。
 厚生労働省の推計では、全国で不妊治療を受けている人は28万人余とされています。身近なところとして、宮城県や秋田県に通わなければならないなどとも聞きますが、本県の不妊治療の状況、対応の実態はいかがでしょうか。
 また、今後のこととして、県は理解不足による偏見の排除、相談や支援の受け付け窓口、治療費の助成や貸与など、不妊治療についてどのような取り組みをしていくのかお伺いいたします。
 昨年3月に温泉療法についての一般質問を行い、国民医療費がふえ続けている状況を踏まえ、古くから利用されてきた温泉を活用する方法をお伺いいたしました。保健福祉部長の答弁は、温泉を利用した健康づくりとリハビリテーションの実施例の紹介のみであり、踏み込んだ答弁をいただけず残念に思いました。
 県内には良質な温泉が多いにもかかわらず、十分活用されておりません。温泉療法は、少ない経費で高い効果が得られる代替医療で、生活習慣病対策、高血圧症や高脂血症など、投薬によらない療養法として期待できます。温泉療法医の活用や温泉利用指導者養成講習会の開催などについて、前回の質問の後、検討してきた経過があるかどうかお伺いいたします。
 また、環境省は先月、国民温泉保養地指定基準を見直し、支援していくことを決めております。市町村が温泉地整備をする際、補助金を出すとしていますが、これにかかわって、温泉地を支援する予定について県の方針があるかどうかお伺いいたします。
 次に、音楽療法について、知事の御認識と今後の展望をお伺いいたします。
 最近、福祉現場で知的障害者や痴呆症高齢者への音楽療法効果が注目されておりますが、音楽療法を行う音楽療法士が国家資格ではないこと、医療保険が適用にならないことなどが障害になっております。音楽療法とは、音楽の持つ生理的、心理的、社会的働きを応用し、心身の障害の軽減回復、機能の維持改善、生活向上、問題となる行動の変容などの目的をもとに、意図的、計画的に行われる治療プロセスであります。
 日野原重明医師が会長を務めている日本音楽療法学会が有名で、578人の音楽療法士を認定しております。また、財団法人兵庫県ヒューマンケア研究機構では、兵庫県音楽療法士養成講座を開設し、27人の音楽療法士を誕生させているほか、岐阜県や三重県桑名市、大分市、奈良市などでも音楽療法士を認定あるいは養成しているとのことであります。
 音楽は、士気を鼓舞したり、競争社会での疲れをいやすとか、人間の生活をさまざまにフォローしてくれます。これからのこととして、音楽療法への理解、普及を図るための研究会、講演会等の開催予定、さらには音楽療法士の養成と派遣などについて、知事はどのような御所見をお持ちでしょうか、お伺いいたします。
 最後に、園芸療法について、保健福祉の観点で質問いたします。
 土や植物に触れることで心や体の健康づくりを進める園芸療法が注目されております。アメリカで30年ほど前から、ベトナム戦争帰還兵を対象に園芸療法が始まりましたが、これが高齢者や障害者の機能回復についても効果を発揮しているとのことで、国内の医療・福祉施設でも園芸療法を取り入れているところがふえてきています。しかし、作業療法士が療法として行う場合以外は医療行為として認められず、また、国家資格に認定されているわけでもありません。
 そこで、兵庫県の場合、独自に県認定の園芸療法士の資格を制定しているようであります。これを発展させるため、ことし9月、兵庫県立淡路景観園芸学校に園芸療法課程が開設されております。そのオープンに先立って、私は、県議会公明党として視察してまいりましたが、本格的人材の配置と充実した施設に驚嘆いたしました。高齢化が著しい本県でも、このような施設整備、資格取得を検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 以上、登壇しての質問を終わります。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕
〇知事(増田寛也君) 小野寺好議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、簗川の堤防崩落の原因とその後の復旧工事についてのお尋ねでございますが、まず、本年7月の台風6号は、県内各地に甚大な被害をもたらしたところでございますが、改めて、お亡くなりになられた方々、被害に遭われた皆様方に対しまして、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
 この簗川の沿川は、近年、土地区画整理事業や宅地開発などによりまして、人口の増加や資産の集積が著しく、県では、治水上最も重要な河川として位置づけをいたしまして、治水安全度の向上を図るため、現在、ダムと河川改修による抜本的な治水対策を進めているところでございます。
 先般の台風6号による出水は、近年にないほど大変大きなものでございまして、堤防の崩落いたしました箇所は、その洪水による洗掘作用によりまして生じたもの、このように私どもは考えております。この被災後直ちに、洪水によるさらなる被害の拡大を防止するために、ブロックを投入いたしましたり、河道を対岸に切りかえるなどの対策を講じますとともに、堤防の応急復旧を速やかに行ったところでございます。
 去る10月に災害査定が終わりましたので、間もなくですけれども、本年12月には工事に着工することとしておりまして、復旧工事に当たりましては、先般のように堤防が洗掘されないように、一方で生態系や環境にも配慮した護岸工や根固め工を行うなどして、再度災害の防止に努めてまいりたいと考えております。
 次に、音楽療法、そして園芸療法についてお尋ねがございましたけれども、近年、全国的に各地の福祉施設などにおきまして、乗馬療法、陶芸療法、箱庭療法、アニマルセラピーなど、各種の療法とともに、今お話がございました音楽療法や園芸療法を活用した取り組みが行われておりまして、これらの療法は、心の安定、意欲の向上、身体活動の活発化などをもたらして、心身の機能改善に一定の効果があるとの報告がなされております。
 また、国では、厚生労働省が厚生科学研究として音楽療法の臨床効果判定に関する研究を進める中で、この療法の有用性などを評価して体系化する取り組みが行われている、このように承知しております。
 本県でも、県の委託によりまして岩手県手をつなぐ育成会が行っております心身障害児の療育キャンプに、音楽療法が取り入れられているところでございます。また、多くの県内の福祉施設の職員によりまして、入所者に対する機能訓練の一環として、音楽や園芸などを取り入れた指導が行われておりますとともに、関係者が研究セミナーを開催するなど、幅広い活動が展開されておりまして、こうした活動に対しまして県の長寿社会振興財団による助成も行われているわけでございます。
 今後におきましても、介護を要する高齢者や障害者に対するサービスの質の向上という観点から、関係者による多様な取り組みがなされるといいのではないかと思っております。こうした音楽療養、園芸療法にもっと理解が広まるように研修の場や講演会などにも専門の方に来てもらって、いろいろなそういう場でさらに理解を広めるようなことをすることも大事だろうと思いまして、県内の医療・保健・福祉関係者の御意見も一方で伺いながら、引き続き県でも支援をしてまいりたいと考えております。
 なお、資格化などについてのお話もございましたが、この点については科学的な有用性や規制の必要性などを含めて、制度化の方向性について今、国で幅広い検討が必要とされておりますので、その動向を十分に見守りたいと考えておりまして、さらには、先ほど議員からお話がありました兵庫県立の淡路景観園芸学校の取組状況、これは9月からということのようでございますので、まだ始まったばかりということのようでございますが、これについてもよく状況を調べてみたいと思っておりまして、その推移も注視してまいりたいと考えております。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔県土整備部長猪股純君登壇〕
〇県土整備部長(猪股純君) 災害対策のための河川整備についてでありますが、まず木賊川の改修事業において諸葛川への分流が可能であるかどうかにつきましは、現在の計画では、遊水地と河道改修の組み合わせにより治水対策を行うことにしておりますが、市街化の進展によりまして河道拡幅が困難であるということから、諸葛川への分流を含めた治水計画の見直しを検討しているところであります。分流のルートにつきましては、地域の土地利用の状況や宅地開発の状況などを勘案しながら、これから検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、南川の治水対策についてでありますが、その河川改修計画はJRの下流から一般国道4号を過ぎた地点までの区間については、宅地化が進んでおり河道の拡幅が困難であるということから、できる限り現在の川幅で洪水を処理できるように、地下に暗渠を併設いたしました二層構造の河川で改修する計画としておりまして、その他の区間につきましては、河道を拡幅整備することとしております。この計画に基づきまして、北上川合流点から一般国道4号までの区間については、県が統合河川整備事業として、また、一般国道4号より上流については、盛岡市が都市基盤河川改修事業として、ともに平成5年度に着手し、事業促進に努めているところであります。当地域では、盛岡南新都市開発整備事業の整備に合わせ流域の治水対策が急務となっておりますことから、今後とも、地元盛岡市と連携しながら事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
   〔総務部長小原富彦君登壇〕
〇総務部長(小原富彦君) 防災ヘリコプターについてでありますが、防災ヘリコプターの需要は年々増加しており、林野火災における空中消火や災害時の救助活動、山菜とりやキノコとりなどで多発する行方不明者への対応、さらには山岳地帯や遠隔地における傷病者の救急活動など、多方面で活用されております。特にも、春先の林野火災多発時等には出動要請が重複することもありますが、このような場合におきましても、県警ヘリコプターとの連携及び東北各県との協定に基づく相互応援により、支障なく対応しているところであります。
 このような状況から、御提言のありました、現在の機種よりも一回り小さい機種、あるいは救命救助活動を主目的とするドクターヘリなどの新たなヘリコプターの導入につきましては、現時点では考えていないところでありますが、今後の救急需要の動向等を見きわめながら、検討してまいりたいと考えております。
 なお、県直属の救急航空隊の整備についてでありますが、救急車やヘリコプターの救急隊の編成基準が法的に定められておりまして、救急業務を行うヘリコプターでは、救急隊員2名以上で編成する必要がありますが、この隊員につきましては一定の要件を満たす消防職員を充てることになっておりますので、救急航空隊を県職員のみで編成するということについては難しいものであります。
   〔保健福祉部長長山洋君登壇〕
〇保健福祉部長(長山洋君) まず、児童虐待についてでありますが、児童虐待の相談件数は、平成12年度111件、平成13年度173件と、児童虐待防止法が施行されたこと等に伴い著しく増加しているほか、相談、通告の経路も多様化してきております。これらの相談等に速やかに対応するため、本年4月から福祉総合相談センターに虐待対応専門チームや家庭支援専門家チームを設置し、家庭や地域からの虐待相談に応ずるとともに、その児童や保護者へのきめ細かなカウンセリングなどを行っているところであります。さらに、家庭への立入調査等に際しましては、児童の人権と生命の安全確保を最優先に考えて、事前に保護者への十分な説明を行った上で、プライバシーに配慮しながら対応しております。
 また、児童相談所においては、児童や保護者へのさまざまな相談支援を行う役割を担っていることから、その中心となる児童福祉司を本年4月に2名増員し、業務の円滑な推進を図っているところであります。
 次に、児童養護施設の状況については、入所定員330人に対し、本年11月現在の入所児童数は326人で、定員に対する充足率は98.8%と、前年同期に比べ5.2ポイント増加しております。今後の入所児童の動向等を見ながら、定員の見直し等の検討を進めているところでございます。
 また、児童養護施設においては、虐待を受けた児童が増加していることから、これらの児童に個別に対応する職員が今年度から全施設に配置されるなど、その処遇の改善が図られております。今後におきましても、研修などを通じ職員の資質向上に努めるとともに、児童の適切な保護と自立の促進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、里親制度についてであります。福祉総合相談センター等においては、里親を対象として研修を実施しているほか、里親に児童養護施設の児童を3日間程度委託して養育経験をさせるなど、児童相談所と里親の連携を図りながら適切な支援を行っているところであります。また、里親に対する休養については、本年10月に里親に一時的な休息を与える制度が創設されましたことから、この活用を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、専門里親については、里親として3年以上の養育経験やおおむね3カ月間の認定研修を受講するなどの要件があることから、本県においてはまだ登録者がない状況でございます。このため、里親に対しまして、専門里親登録の意向調査の実施や児童養護施設での養育体験等を通じ、専門里親への登録を促すとともに、今後、広く県民に周知、その確保、養成に努めてまいりたいと考えております。
 次に、不妊治療の実態についてでありますが、県が平成12年7月から12月を対象として実施した医療機能調査によりますと、一般的不妊治療の実施医療機関は45カ所で、治療延べ件数が約1、400件、高度不妊治療の実施医療機関は3カ所で、治療延べ件数が84件となっております。
 また、不妊治療への県としての取り組みについては、各保健所に設置している女性健康支援センターにおいて、不妊治療に対する正しい知識と理解の普及に努めるとともに、岩手医科大学附属病院に設置しております不妊専門相談センターにおいて、専門医による医学的な不妊相談に応じているところであります。
 なお、県として不妊治療費にかかる助成等は行っておりませんが、岩手医科大学附属病院に開設されている高度不妊治療センターや不妊専門相談センター等の機能をより一層活用するとともに、不妊に関する情報提供等普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
 次に、温泉療法についてでありますが、温泉療法医につきましては、現在、県内には日本温泉気候物理医学会に認定された方が数名おり、県内に1カ所設置されている温泉利用型健康増進施設や複数の病院等において温泉療法の指導に携わっておられます。医療費の動向と温泉療法の関係につきましては今後の研究を待たなければなりませんが、日本健康開発財団等が主催する温泉利用指導者養成講習会などの開催につきまして検討した経緯がございますが、これは国が定めた受講するための一定の資格、例えば保健師であるとか管理栄養士であるとか、そういった既にライセンスを持っている方が要件になるなどありますので、本県単独の開催では、まとまった受講者を集めるということが難しいのではないかという状況にございました。このようなことから、今後、温泉療法医の活用と温泉利用指導者の養成につきましては、県民や県内の医療機関、健康増進施設等のニーズを見きわめながら対応してまいりたいと考えております。
   〔環境生活部長時澤忠君登壇〕
〇環境生活部長(時澤忠君) 国民保養温泉地の整備に対する支援についてでありますが、この指定を受けた温泉地を有する市町村が、温泉の保健的利用、自然との触れ合い、自然教育の推進を図るために、温泉センター、自然観察施設、野営場等の整備を行う場合には、国庫補助を導入することが可能となっております。本県では、4カ所の温泉地が国民保養温泉地の指定を受けておりまして、市町村が事業主体となった施設整備に対しまして、この補助制度の活用により、あるいは他の国庫補助制度等を活用して支援を行ってきたところであります。指定温泉地の選定基準につきましては、昭和27年度に定められたものでありまして、環境省では、その後の社会経済状況の変化に伴い、選定要件として不適当となった項目もありますので、来年度から3カ年計画で選定基準の見直しを検討する予定と聞いているところであります。
 今後、選定基準の見直しによりまして、補助制度のその採択基準等がどうなっていくのか現在不明でありますが、県といたしましては、国の検討状況を見守りながら、指定を希望する市町村の要望にこたえられるように努力をしてまいりたいと考えております。
   〔教育長五十嵐正君登壇〕
〇教育長(五十嵐正君) まず、不登校対策についてでありますが、不登校は、本人の意識や友人や教員との関係、家庭の問題などさまざまな原因や背景が複雑に重なり合って起こるもので、どの子供にも起こり得るとの認識のもとにきめ細かな対応を行う必要があると考えております。また、不登校から回復をし、再登校などの好ましい結果が見られた事例をよく分析してみますと、家庭訪問や電話等の働きかけなど教師と保護者のしっかりした連携のもと、児童生徒と真剣に向き合い、その状況を的確に把握しながら、個々に応じた指導援助がなされたときに特に効果が認められております。
 このため、県教育委員会といたしましては、スクールカウンセラー事業の拡充や、教員のカウンセリング研修の実施により、不登校傾向を持つ児童生徒を早期に把握をしたり、水産高校の実習船りあす丸を活用した不登校児童生徒と保護者対象の乗船体験実習、学校復帰を支援する適応指導教室への支援などの施策に取り組んでまいりました。また、各学校においても個別指導や習熟度別によるわかる授業を展開するとともに、家庭訪問等を通じた学習・生活相談の実施や総合教育センターなどの相談機関との連携を図りながら教職員の共通理解のもと、学校復帰を組織的に支援する取り組みを行ってきたところであります。
 今後におきましては、不登校の改善に効果のあった取組事例や既存の事業の成果等の情報をすべての学校に提供することなどにより、各学校の取り組みを支援するとともに、悩みを抱える児童生徒個々については、学校が中心となり関係機関と十分連携しながら家庭への支援も図っていくよう、指導してまいりたいと考えております。
 次に、県立高校の中途退学についてでありますが、高等学校への進学率が98%を超える現在、生徒の能力・適性、興味・関心、進路希望等は多様化しております。このため、県立高等学校新整備計画においては、中学生の学科希望の実態を踏まえ、普通科、専門学科等の学科配置を計画したところであり、学科改編に当たっては、この計画に従い、毎年度の中学生の志願予定の動向も十分考慮しながら、生徒の進路希望等の多様化、社会や産業界の変化にも対応できる学科の配置に努めているところであります。
 また、中途退学は、本人、家庭、学校等さまざまな要因が複雑に絡み合っており、その責任の所在を一概に論ずることは困難ですが、それぞれがその立場をわきまえて役割を十分に果たすことが何よりも大切であると考えております。中途退学の理由を見ますと、別の高校へ入学したい、就職したいなどの進路変更や学習意欲の喪失、人間関係がうまく保てないなどが挙げられております。
 このため、中学校においては、進路意識を確かなものにするため、民間人による職業講話や総合的な学習時間における職場体験活動を実施するとともに、高校1日体験入学を通して志望高校への理解を深めさせるなど、進路指導の充実に取り組んでおります。
 また、高校では、生徒の興味・関心に応じて、魅力ある学校づくりを進めるとともに、個別指導や習熟度別の指導等によるわかる授業の実施や、高校教員が入学後早い時期に中学校を訪問して意見交換を行って、その成果を学習指導や教育相談等に生かしているところであります。さらに、中途退学をしていく生徒に対しては、本人の将来の希望や保護者の考えを十分考慮し、退学後の就職や再入学等の進路に関する相談や指導を行っているところであります。
   〔警察本部長熊崎義純君登壇〕
〇警察本部長(熊崎義純君) 初めに、交通信号機の設置基準についてお答えいたします。
 交通信号機の設置や移設につきましては、設置要望のあった場所ごとに、道路幅員や車線数及び交差点間隔などの道路状況、それから交通実態、住宅や学校、公共施設などの沿道環境、交通事故発生状況などに加えまして、道路利用者の御意見を十分に踏まえ、総合的に検討をいたしているところであります。
 具体的な設置箇所につきましては、毎年警察署ごとに開催をしております交通規制対策協議会において、住民の方々から寄せられた要望について、設置の必要性を検討していただいております。その結果を踏まえまして、公安委員会において設置箇所を決めることとしております。信号機の設置・改良につきましては、今後とも地域住民の方々の要望を幅広く把握するとともに、交通実態及び周辺の交通環境など、地域の実情を踏まえ、緊急性、必要性が認められる箇所に信号機を設置するように努力してまいりたいと考えております。
 また、右折矢印灯器でありますが、これを整備するためには右折レーンが必要でありますことから、必要な交差点につきましては道路管理者と協議をしながら、交差点形状の改良を含め設置の検討を進めているというところでございます。
 次に、本年3月に盛岡市内の2カ所に導入をいたしました歩車分離式信号機の効果についてであります。
 導入当初、渋滞が発生をしたわけでありますが、秒数の調整を実施した結果、渋滞が緩和され、また、歩行者事故につきましても、導入後1件も発生をしておりません。同期間中に道路利用者を対象として実施したアンケート調査におきましても、約9割の方が歩車分離式信号機の導入を望んでおられるということでございますことから、県内の交通信号交差点における歩行者事故の実態等を踏まえ、歩車分離式信号機につきましては、その整備についてさらに検討してまいりたいと考えております。
 次に、犯罪抑止対策と検挙率向上方策等についてお答えいたします。
 まず、全国的な状況でございますが、全国の刑法犯の認知件数は6年連続して戦後最多を記録し、さらに本年上半期においては135万件を超え、昨年をさらに上回る勢いで増加をしております。こうした情勢から、犯罪発生の対応に追われて警察力が追いつかない、すなわち捜査活動に精力を傾注しがたいという状況が出てきておりまして、検挙率の低下ということにも少なからず影響を及ぼしているという現状にありますことから、現在、全国警察を挙げて犯罪の発生を抑止し、捜査活動に取り組めるような状況をつくるといったさまざまな取り組み、努力がなされているところであります。
 本県におきましては、殺人、強盗などのいわゆる重要犯罪や重要犯罪に転ずるおそれのある侵入盗の検挙率というのは、全国平均に比較しますと、かなり高い検挙率を示しているところでありますが、刑法犯全体での検挙率ということになりますと、全国平均は上回っておりますものの、従前に比較すると遺憾ながら低水準で推移をしております。また、犯罪に対する県民の不安感というものも高まっておりますことから、県警察といたしましても犯罪を抑止し、発生した犯罪を迅速に検挙すると、こうした対策を強力に推進していかなければならないと考えているところであります。
 具体的には、まず犯罪抑止の面では、刑法犯の認知件数を押し上げている自転車盗、車上ねらい、万引きなど県民の身近な犯罪の防止とその検挙の推進ということを内容としたいわゆるスリークライム作戦を展開し、犯罪総量の抑制に努めているところであります。さらに、県民の生活空間である街頭で発生し、県民が最も不安感を感じる街頭犯罪、この抑止対策を強力に推進する必要があります。このため、警察官による街頭活動の強化とあわせ、いわゆる犯罪抑止機能のある安全・安心のまちづくりに向けて、地域住民や関係機関・団体と一体となった地域安全活動を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 また、犯罪検挙の面でありますが、犯罪実態に応じた警察力の集中投入でありますとか、ハイテク等を活用した捜査支援システムなどによりまして、凶悪な重要犯罪の徹底検挙に努めるとともに、警察官によるパトロールや職務質問の強化により、自転車盗のような軽微な犯罪につきましても看過することなく、街頭犯罪の積極的な検挙に努めてまいりたいと考えております。
 次に、警察の基本姿勢を推進するための方策ということでございますが、県警察におきましては、組織運営の基本姿勢として県民の期待と信頼にこたえる警察というふうに掲げて、県民の視点に立った警察活動に取り組んでいるところであります。
 まず、近年の社会経済情勢などの変化に伴いまして、県民からの相談、要望というものが著しい増加を見せているところであります。こうした相談、要望は、まさに県民のための警察として活動の原点であると考え、相談者の立場に立った対応がなされるようにということで、日々、指導、教養を徹底しているところであります。あわせて、警察活動に対する苦情につきましても、誠実に対応し、その結果を公安委員会に報告をしております。
 また、県民の信頼と期待にこたえる警察を実現するためには、仕事で成果を上げるということが不可欠であります。こうしたことから交通死亡事故の抑止、悪質重要犯罪の徹底検挙など県民の平穏な生活を侵害する事案に指向した重点的な警察活動を推進しております。
 また、御指摘のように職務倫理教養をさらに徹底するなど、不祥事案の絶無を期すとともに、使命感にあふれ、かつ県民の共感を得られる人間性豊かな警察職員の育成ということが大変重要であると認識をしております。
 そこで、県警察の人材育成についてでありますが、近年、犯罪が複雑、多様化する中で、警察職員として、これらに的確に対応するための知識と技能というものを高めるとともに、法を執行する者として高い廉潔心を持ち、県民の立場に立って接することができる、そういう人材を育成していくために、警察学校における教養はもとより、職場においてもさまざまな機会教養を実施しているわけでございますが、より指導を徹底してその内容の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 県警察といたしましては、今後とも、県民の理解と協力を得ながら、厳しい治安情勢の中で、県民の期待にこたえられるように努めてまいる所存でございます。
〇22番(小野寺好君) 何点かについて、よく理解できなかった部分について再質問させていただきます。
 まず、最初に知事の方から簗川の御答弁いただきましたが、これについて今度専門家の立場で県土整備部長にお伺いしたいと思います。この簗川については、昨年、魚道整備ということで盛岡市内のあるD建設会社がここの魚道整備の工事を請け負っております。先ほど休憩時間に部長の方に写真をお示ししましたけれども、工事途中で中途半端にやめてしまって、人の背丈のくらいのブロックをこの河川の中に去年から積み上げたままずっとあるわけです。簗川は自動車学校のあたりで少し緩やかにカーブするわけですけれども、そこのところにこのブロックを積み上げたまま、その後全然工事が進んでいない。私、4月24日にこの写真を持って担当の方に行きましたけれども、その後2カ月以上もたっても何の変化もない、そういったところに台風6号が来たわけです。緩やかにカーブするところに河川の中にブロックを積み上げたままで、この写真を見ますと、前に大水が出たときに少し堤防の根本がえぐられている。既にそういった前兆があったところに今回の台風6号で、水の量、また流れを妨げるようなものとか、こういったことで崩落があったのではないか。こういったことで、この一帯の魚道整備はどうなったのか、台風の後にまた写真を撮りましたけれども、そのままだったんですが、その後、いつの間にかなくなっていた。これは崩落の一因ではなかったかと思いますが、これについて専門的な立場の部長はどのような御見解か、お伺いしたいと思います。
 あと、同じく河川で、南川ですが、二層式にというお話ですが、これも分流ということで、もしかしたら鴨助堰というのがあるんですけれども、こちらに流すことができるのではないかと思うんですが、これについては検討したことがなかったかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
 木賊川ですけれども、先ほど壇上の質問のときに、盛岡北高あるいはみたけ学園のあたりで一番短くなりますし、また勾配もとれるということで具体的にお示ししたんですが、具体的なそういった場所とかは何も検討はなさらなかったのでしょうか、その点をちょっとお聞きしたいと思います。
 児童養護施設の関係なんですけれども、330人の定数に326人ということでしたが、昨今の世の中の状況を見ると、あれっ、もうちょっとふえたらどうなるんだろうかなと、定員以上に収容してもらうことになるのでしょうか。その辺、今後の計画がどうなのかお伺いしたいと思います。
 あと、不妊治療の関係で、現在、助成する制度はない、場合によっては3けた、100万円前後のお金がかかるようなんですが、将来的に少しは助成するような方法、あるいは貸し付けとかを考えていった方がいいかなとか、そういったものはないのでしょうか。県の制度としての助成制度、今後のことですが、ちょっとお伺いしたいと思います。
 それから、不登校の関係で、最近、学校に行かなくても別なところに通えば学校に通ったことにしますよ、日数をカウントしますよ、そういったことをしているところもあるんですが、本県ではどうだったでしょうか。
 あと、高校中退の関係で、昔からそうなんですが、行きたい高校、でも入れる高校ということで、結局やめていく人の多くは1学期あたりが勝負かと思うんです。そういったことで、本当に高校と中学校の、特に中学校での進路指導といった部分でもっと積極的にかかわるべきではないかと思うんです。そういった、高校に入ってきて、間違って入ってきたなというようなことのないように、連携ですね、こういったことを今後どのようにしていくかお聞きしたいと思います。
 それから、信号の関係ですけれども、前に予算だったか決算の特別委員会のときに、どのくらいの要望があるのかということで、御答弁は約200カ所の要望があると。ところが年間の予算は、年によっていろいろ違うかと思うんですけれども、40カ所ぐらいではないか、そういった御答弁を聞いたことがあるんですが、具体的にどういった箇所で要望が出されていて、公安委員会としてはそのうち、これとこれ、この辺がやっぱり必要だなと思っているような、そういった一覧表みたいなものをお示ししていただくことはできないのでしょうか。それがちょっと気にかかりましたので、もしかしてそういった一覧表があれば、自分たちの地域もいずれ検討されているんだなということで、期待を持って待てるのではないかと思いますので。
 この信号の関係で、先ほど指摘しました例えば加賀野交差点なんですが、十字路で、自分の行く真っすぐの方、自分の向かっている信号が交差点の中で赤になった。急いで交差点から出たいと思って、向こうから来る車も赤だろうなと思うんですが、ところが時差式で、正面から来るのは青、これで事故が起きてしまう。よく見ると、信号機の上の方に時差式信号と書いてある。急いでいる人は対向車しか見ない。その地域に住んでいない人はわからない。しかも、夜は時差式信号というのが全く見えません。そういったことで何年も前から同じような状況にあっても、だれも直そうとしない。そういった部分のチェックとかはどうやっているのか。
 それから、今回盛岡駅前で新しく道路が2車線から4車線になって、本宮方向から開運橋に右折しようとする場合に2台か3台しか通過できない。たくさん苦情が行っているかと思うんですが、全然直らない。こういったふだん通っていて、みんなが不思議だな、不思議だなと感じていても、何年たっても全然変わらないような部分に対するチェックを今後どのようになさっていくのか、そういった点。
 あと、駅前ですけれども、3月の質問のときに、ことしの4月から駅前の交差点の流れをちょっと変えますよと。駅前がくいを打ったようになっていて、私は前から、駅前に信号機をどうですかと言っているんですが、全然取り入れてもらえませんで、何か不自然なくいを打ったような状況になっていて、ホテルメトロポリタンの方から駅に行く場合に、一遍開運橋に向かってぐるっと回っていかなければならないとか、もっと単純明快な交差点にできないものか。そういった点についてもちょっとお伺いしたいんです。
 ちょっと長くなりましたが、お願いします。
〇県土整備部長(猪股純君) 簗川の被災は魚道ブロックが原因ではなかったのかという話でございますが、簗川橋上流のコンクリートブロックにつきましては、護岸工事に使用するブロックを右岸側に仮置きしていたものでございますが、これにつきましては、今回の決壊箇所の下流にございまして、現地の状況から見まして、このブロックの影響によって被災が生じたということではなくて、やはりこの台風6号による近年にない大きな出水そのものがこの簗川堤防の被災の原因であったものと考えております。
 しかしながら、河道内にこういったものを残すというのは余り好ましいことではないと思いますので、各現場で、工事の空間的な制約条件とかいろいろございますので、そういった現場の状況も踏まえまして、これから、できるだけこういったことは避けるように配慮していきたいと思います。
 それと、南川でございますが、堰に流すことを検討しなかったのかというような話でございましたけれども、具体にどういう検討をしたかというのは今承知しておりませんが、いろいろな各種の状況を想定しながら総合的に検討して、今の計画を立案したということでございます。
 それと、木賊川の分流について、具体的な場所について検討していないのかという話でございますが、これにつきましては現在、いろいろな調査をする中で、具体的な場所も想定しながら検討しているということでございます。関係機関と、地域開発等もあるようでございますので、そういったものも配慮しながら、どこがいいのかというようなこともこれから具体に検討を進めていきたいと思っております。
〇保健福祉部長(長山洋君) 児童養護施設の定員の見直しについて御質問がございました。近々この定員についても見直しをしながら、少しふやしたいと考えております。
 これは、かつて養護施設の入所児童が少ない時期がございまして、暫定定員を組んでいる養護施設が何件かあります。ですからそこの部分を、例えば70人入所できるのに50人の定員でいっているというところが何カ所かありますので、そこのところを使えるようにということで検討しております。
 それから、不妊治療の治療費の助成ということでございますけれども、この件については国のレベルでもかなり議論が行われていると聞いております。いわゆる診療報酬の方で見れないかどうかということを検討されているようです。ただ、いろいろケースがありまして、1回で成功する場合、あるいは数回でもなかなか難しい場合とか、いろいろ技術的に難しい部分がありまして、今後さらに検討が必要であると国の方では考えているようでございます。
〇教育長(五十嵐正君) 不登校についてでございますけれども、一時、登校を刺激しないというようなことで、不登校の数がふえてきたようなケースもございましたが、最近はできるだけ学校に登校させたいということで指導しているわけでございます。適応指導教室に通っている子供たちについては、学校では出席という形でカウントして認めているということでございます。
 それから、退学についてでございますけれども、確かに高校1年のときの1学期、連休明けあたりに、退学したいというような申し出があるわけですが、こういった子供は、多くは進路変更したいと。議員おっしゃるように、普通高校に行きたかったけれどもとか、そういうケースが多いので、これについては中高の連携を十分にとっていかなければならないということで、一日体験入学とか、できるだけ高等学校の学習の内容とかそういったものを中学校の方に情報提供しながら、ミスマッチといいますか、そういうものがないように努めていきたいと思っております。
〇警察本部長(熊崎義純君) まず、信号機の設置につきまして、順番待ちのリストのようなものがあるのかどうかという御質問でございますけれども、信号機の設置箇所の決定につきましては、毎年、設置要望に対して、設置できるかどうかということを検討しております。そういう意味で、順番待ちのリストというようなものではなくて、というのは、毎年交通の実態が変わりますものですから、毎年ごとに検討しているということでございます。
 もちろん、毎年のように上がってくる要望もあるわけですけれども、私も個別にリストを点検しておるわけではありませんので、具体的にはちょっとわかりませんが、恐らく、交差点が近過ぎるとか、いろいろな問題があってそうなっているということもあろうかと思います。
 次に、御質問がありました加賀野交差点と開運橋、駅前などでありますけれども、もちろんそうしたところも含めまして、いろいろな御意見、要望もありますし、定期的に点検活動をしておりますので、問題点とかは十分把握しておるわけでございます。
 加賀野交差点につきましては、右折レーンが設置できれば、矢印による信号処理が一番好ましいと思うんですけれども、やむを得ず、現在時差式で対応しているということでございまして、右折レーンの設置につきましても検討を進めていると聞いております。
 それから、開運橋につきましては、信号機で橋の前後を挾んでおりますので、どうしても橋の上に車両が滞留するということで、非常に右折しにくいという現状がありまして、これは非常に苦慮を重ねておるところであります。
 駅前の交通処理につきましては、安全という観点から、できるだけ車の流れの交差を少なくするということで、住民の方、関係する方々といろいろ協議をした結果ああいう形にしたということで、苦心の策でございます。なお、御指摘がある点については承知しておりますので、いろいろ工夫していきたいと考えております。
〇副議長(瀬川滋君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
   
〇副議長(瀬川滋君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
日程第2 認定第1号平成13年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第39 議案第26号市町村立学校職員の給料の調整額に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例まで
〇副議長(瀬川滋君) この際、日程第2、認定第1号から日程第39、議案第26号までを一括議題といたします。
 議案第16号から議案第26号まで、以上11件につきまして提出者の説明を求めます。小原総務部長。
   〔総務部長小原富彦君登壇〕
〇総務部長(小原富彦君) 本日提案いたしました各案件について御説明いたします。
 議案第16号は、平成14年度岩手県一般会計補正予算であります。これは、一般職の職員及び市町村立学校職員の給与改定等に要する経費として、総額61億2、730万8、000円を減額補正しようとするものであります。
 議案第17号から議案第19号までは、平成14年度の岩手県県有林事業特別会計ほか2特別会計の補正予算でありますが、これらも、それぞれ職員の給与改定の所要額を補正しようとするものであります。
 議案第20号は、特別職の職員の給与並びに旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、国の例に準じて、特別職の期末手当の支給割合を改定しようとするものであります。
 議案第21号は、一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、国の例に準じて、特定任期付職員の給料月額及び期末手当の支給割合を改定しようとするものであります。
 議案第22号は、一般職の任期付研究員の採用等に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、国の例に準じて、任期付研究員の給料月額及び期末手当の支給割合を改定する等、所要の改正をしようとするものであります。
 議案第23号は、一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、国の例に準じて、一般職の職員の給料月額並びに初任給調整手当、扶養手当、期末手当、勤勉手当及び期末特別手当の額を改定するとともに、人事委員会規則で定める職員に係る通勤手当の支給額の特例を設ける等、所要の改正をしようとするものであります。
 議案第24号は、一般職の職員の給料の調整額に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、一般職の職員の給料月額の改定に伴い、一般職の職員の給料の調整額に関する経過措置について所要の改正をしようとするものであります。
 議案第25号は、市町村立学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、国の例に準じて、市町村立学校職員の給料月額並びに扶養手当、期末手当及び勤勉手当の額を改定するとともに、県人事委員会規則で定める職員に係る通勤手当の支給額の特例を設ける等、所要の改正をしようとするものであります。
 議案第26号は、市町村立学校職員の給料の調整額に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例でありますが、これは、市町村立学校職員の給料月額の改定に伴い、市町村立学校職員の給料の調整額に関する経過措置について、所要の改正をしようとするものであります。
 以上のとおりでありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださるようお願いいたします。
〇副議長(瀬川滋君) これより、質疑に入ります。質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

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