平成14年12月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇33番(佐々木一榮君) 阿部敏雄議員の産業廃棄物の不法投棄問題に関連して、知事に2点、それから時澤環境生活部長に2点お尋ねいたします。
 先ごろも報道ありますが、知事は、24日開かれた労働団体との懇談会で県境産廃問題について、県境の産廃は単純計算で撤去に400数十億円かかり、青森県と折半しても200数十億円で、我が県の産廃行政予算の何年か分が吹き飛ぶという現状認識のもとに、はっきり言って過失は青森県側が多いというように述べられたというように報道されております。その中で青森県側の負担が多くなる可能性についても示唆されたということでありますが、その根拠と、また、青森県の負担比率、この辺についてどういう認識のもとでお話しになったのか。また、この件について正式申し入れを青森県に対してもう既になさっているのか。それから、青森県の認識についてお尋ねしたいというように思います。
 それから、同時に、この産業廃棄物の事業者の排出責任について、事業者の次は事業者を監督する立場にある東京都など首都圏の自治体の責任を追及していくという意思表明をされたとも報道されておりますが、これは全国的な例も含めてこの具体的可能性をどのように認識されて、こういう御発言になったのかをお伺いしたいと思います。
 それから次に、時澤環境生活部長に2点お尋ねします。
 まず1点は、この処理に関して、財務省の当初予算要求に対する理解が厳しいというようなお話も伺っておりますけれども、現状について、この当初予算要求の見込みはどのように現在認識しておられるでしょうか。
 それから、2点目でありますが、いわてクリーンセンターはあと数年というように言われております。県北の第2クリーンセンターの計画スケジュール、また、第3クリーンセンターの設置必要性についてどのように認識をお持ちか。
 この4点についてお尋ねします。
〇知事(増田寛也君) 今、青森県境の産廃の関係について御質問ございましたが、まず私の認識としては、一番悪いのはこの産業廃棄物処理業者なわけですけれども、この産業廃棄物処理業者に対して産業廃棄物の廃棄物処分業、それから廃棄物収集運搬業の許可をしていたのが青森県です。それから、廃棄物収集運搬業のみの許可をしていたのが岩手県です。ということで私はこの点についての青森県の責任は大きいと考えております。こうした点について、今、検証委員会をそれぞれ設けて、このそれぞれの責任について議論がなされております。今年度中にこれをまとめるということでございますので、もうすぐすればこの点も含めて明らかになると思いますので、そういう検証委員会の中でこうしたことが明らかになっていくと思っております。そんなことを申し上げたわけです。
 それから、原状回復については、まだそういった青森県と岩手県との話を今進める段階では全くなくて、まず業者――廃棄物処理業者ですね――、ここの責任を徹底的に追及しなければいかぬ。その次は順番としては排出事業者だと思います。そこで、今2、600社に対してやっているわけで、これは大変困難をきわめるわけで、それからもう一つは、2、600社がまだ膨れ上がる可能性が一方でございますが、それを一つ残らず、わかったものについては全部その責任を追及すると、まずこれが一番大事なことであって、これも大変な作業が必要になりますが、まず我々の青森県、岩手県でどうのこうのというよりも、まず排出事業者の責任をしっかりと追及していくということが大事だと思いますので、まだそれぞれの処理費用負担について我々の、青森県とどうのこうのということはまだ全く考えていませんし、始めるべきでもなく、排出事業者の責任をまず徹底的に追及していきたいと思っています。
 それから、首都圏の行政ですが、これについては今までもそういった形で行政体同士の責任追及ということをした例もございませんけれども、先ほど阿部敏雄議員にも申し上げましたとおり、やっぱりこういう首都圏の――今回の場合には首都圏ですけれども――、そういった出す側の行政体の責任というものもやっぱり大きいだろうと、これもあるというふうに私は思っておりますので、これをどうするのかというのは、これからよくその論理を組み立てていきたいと思っています。今は向こうの皆さん方にも事情を御説明して、最初は全く事案について詳しく御存じなかったようですが、向こうの方に集まっていただいて、環境省も入ってそれで首都圏の自治体の関係者にも御説明しましたので、今は協力的にその排出事業者に対してのいろいろ我々が責任追及をするときに側面から協力をしていただいております。そういう協力関係が今でき上がりつつありますが、事件の性格をそうした中でより首都圏の自治体にも御理解をしていただいた上で、そしてやっぱりまず排出事業者がどこまでその責任を感じてやっていただけるか。それから、あと排出事業者がどこまで我々がさらに2、600社以外に積み上げて割り出せるかということにかかっていますが、そこをまずきちっとやって、それから一つ一つ段階を踏んで次の段階に進んでいきたいと考えております。
〇環境生活部長(時澤忠君) まず、概算要求におきまして、環境省の方が不法投棄の原状回復の補助につきまして、これまで3分の1であったものを2分の1ということで要求をしているということで、財務省の理解はどの程度なのかということでございます。先般、新聞にも若干出ておりましたけれども、これまで3分の1という補助が通常であったということで、環境省として恐らくそれを2分の1に引き上げるということの要求に対して、きちんとその法律までつくってやるということの意思表明というか、それが出てきたのではないかと思います。
 現在、年末の予算内示に向けまして、ぎりぎりした議論がなされていると考えております。私どもといたしましては、やはり当初の要求どおり2分の1ということをきちんと確保していただくと、そのために期待をしているところでもありますし、環境省にも頑張っていただきたいと考えておりますし、我々も必要な支援ということはしていきたいと考えております。いずれにしても年末の決着までもう少しありますけれども、その間の議論、濃密に今後なされていくと考えております。
 それから、第2、第3クリーンセンターの計画ということの御質問であります。自県内処理を掲げておりますので、やはり県内での処理というもののその受け皿をつくっていく必要があると考えております。これについては早期にやっていく必要があると考えておりまして、本県では、例えば農林水産業から排出される廃棄物の多くは未利用だという現状から、現在の江刺市に設置しておりますそのクリーンセンターに対比いたしまして、盛岡以北にそのような農林水産系のリサイクル機能も含めた処理施設を公共関与で整備していきたい、それがひいてはその受け皿ということにもなっていくと考えております。まずこれを進めるということで検討しているところでありまして、今年度、具体的な整備のためのその基礎調査も行っているところでございます。今後、地元住民あるいは産業界の合意形成に向けた取り組みが必要になってくるわけであります。例えば、その立地調整、具体的な場所の決定ということもしていかないといけない。さらに、事業主体をどうするかということも詰めていかなければなりません。こうした課題がありますけれども、早急に進みますように私どもとして努力をしていきたいと考えております。
〇副議長(瀬川滋君) 次に、樋下正信君。
   〔5番樋下正信君登壇〕(拍手)

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