平成15年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成15年3月7日(金)
   

1開会午前10時4分

1出席委員別紙出席簿のとおり

1事務局職員
 事務局長 大沼勝
 議事課長 平澤石郎
 議事課長補佐 浅田和夫
 主任議事管理主査 八重樫典彦
 議事管理主査 浅沼聡
 議事管理主査 多田繁
 議事管理主査 田丸裕佳子
 議事管理主査 嵯峨俊幸

1説明員
 商工労働観光部長 照井崇
 商工労働観光部次長兼商工企画室長 種田勝
 商工企画監 酒井俊巳
 新産業推進監 小野雅章
 産業振興課長 江口純一
 岩手ブランド推進課長 下河原正夫
 企業立地推進課長 望月正彦
 労政能力開発課長 白木健志
 観光課長 松川求
 医療局長 千葉弘
 参事兼職員課長 佐藤巖
 管理課長 佐藤博巳
 業務課長 八木善一
 経営企画室長 細川孝夫
 システム管理室長 桜小路昭男
 医師対策監 橘山孝悦
 地方労働委員会事務局長 山瀬宗光
 総務課長 和野慶治
 審査調整課長 岩渕清
 参事兼財政課長 菊池秀一
   

〇水上信宏委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第23号、議案第27号、議案第28号、議案第30号から議案第36号まで、議案第44号、議案第45号、議案第47号及び議案第49号の以上35件を一括議題といたします。
 本日は、商工労働観光部、医療局及び地方労働委員会関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保証するため、質疑項目が複数ある場合、関連する項目についてはできるだけまとめて質疑されるとともに、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 また、定足数の確保についてもあわせて御協力をお願いいたします。
 最初に、商工労働観光部長から商工労働観光部関係の説明を求めます。

〇照井商工労働観光部長 平成15年度の商工労働観光部関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、一般会計予算でありますが、議案その1の7ページをお開き願います。5款労働費のうち、3項労働委員会費を除く36億4、736万4、000円と、7款商工費の656億3、391万5、000円、あわせまして692億8、127万9、000円が商工労働観光部関係の予算の総額であります。これは、前年度予算額に比較いたしまして86億9、621万5、000円の減、率にいたしまして約11.2%の減となっております。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 予算に関する説明書の141ページをお開き願います。5款労働費1項労政費1目労政総務費は、中小企業の労務改善及び労働関係等調査に要する経費であります。2目労働教育費は、各種労働講座の開設に要する経費であります。次に、142ページに参りまして、3目労働福祉費は、仕事と家庭両立支援促進費や労働者等生活安定支援資金貸付金など労働者の福祉の向上に要する経費であります。4目雇用促進費ですが、いわて緊急雇用対策事業費補助及び緊急地域雇用創出特別基金事業費補助は、雇用及び就業の機会を緊急に創出するため、市町村が実施する事業に対し助成しようとするものであります。地域雇用対策強化事業費は、各地方振興局に就職アドバイザーを配置し、求職者の就職活動の総合的な支援を行おうとするものであります。新規高卒者ふるさと就職支援事業費補助は、高校卒業者の就職を支援するため、未就職の新規高卒者を雇い入れた事業主に対して、市町村が補助した場合に要する経費の一部を助成しようとするものです。チャレンジド就業支援事業費は、障害者の生活面と就業面を一体的に支援するチャレンジド就業支援センターの運営に要する経費に対し助成するとともに、民間職業訓練法人への委託による身体障害者及び知的障害者の職業能力開発を実施することにより、就業支援を行おうとするものであります。若年者等就職支援事業費は、新規学卒者等を含めた若年者の就職支援を行うため、新規大学卒業予定者等を対象とした就職面接会やインターンシップ推進など各種の支援を行おうとするものであります。
 次に、144ページに参りまして、2項職業訓練費1目職業訓練総務費は、技能労働者の技術水準向上のための認定職業訓練や青年技能者の育成などに要する経費であります。2目職業訓練校費は、産業技術短期大学校を初めとする県立職業能力開発施設の管理運営や離転職者の再就職を促進するための委託訓練の実施などに要する経費であります。
 次に、飛びまして、184ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費でありますが、緊急雇用対策施設等整備奨励費補助は、県内の中小企業が施設等を整備し、失業者を常用雇用した場合、施設等の整備に要した経費に対し助成しようとするものであります。いわて新事業創造プラットフォーム推進事業費は、財団法人いわて産業振興センターが行う、創業、研究開発から事業化までの各種支援事業に要する経費の助成などであります。次に185ページに参りまして、2目中小企業振興費でありますが、商工業小規模事業対策費は、商工会、商工会議所等が行う経営改善普及事業などに要する経費及び商工会議所と商工会等が合併する場合に要する経費に対して助成しようとするものであります。小規模企業経営資源強化対策費補助は、創業や経営革新の支援拠点である地域中小企業支援センターの設置に要する経費に対して助成しようとするものであります。中小企業経営革新支援事業費は、新商品開発など新たな事業活動を実施する中小企業等に対する助成や、経営革新計画の策定についての指導、啓発に要する経費であります。
 次に、貸付金関係の主なものでありますが、商工観光振興資金貸付金は、中小商工業者等の設備改善等に要する経費に対する貸付金であります。中小企業経営安定資金貸付金は、中小企業者に対して運転資金を融資することにより、経営の健全化を図るための貸付金であります。186ページに参りまして、いわて起業家育成資金貸付金は、創意と活力ある企業育成のため、創業に要する経費に対する貸付金であります。また、信用保証事業支援費補助は、県単融資制度を利用する中小企業者の保証料負担を軽減するため、信用保証協会に対して助成しようとするものであります。新世紀型商店街創出モデル事業費補助は、商工会等が行う少子・高齢化や環境・リサイクルなど社会ニーズに対応したモデル事業に要する経費に対して助成しようとするものであります。中小企業創造技術研究開発費補助は、新製品や新技術開発等に要する経費に対して助成しようとするものであります。187ページに参りまして、地場産業総合振興対策事業費補助は、地場産業の振興を図るため、新商品開発や販路開拓等に要する経費に対して助成しようとするものであります。いわてブランドマーケティング戦略展開事業費は、いわてブランドの育成と定着化に向けた商品開発等を推進し、総合的かつ戦略的なマーケティングを支援しようとするものであります。
 次に、同じく187ページの3目企業立地対策費ですが、工業立地促進資金貸付金は、長期、低利の設備資金を融資し、工業立地の促進を図ろうとする貸付金であります。コールセンター立地促進費補助は、コールセンターの立地を促進するため、コールセンターの開設等に要する経費に対し助成しようとするものであります。188ページに参りまして、4目中小企業経営指導費は、財団法人いわて産業振興センターが行う専門家派遣事業、情報化支援事業、研修事業及び下請振興事業等に対する助成などであります。5目貿易振興費は、県産品の海外販路の開拓などに要する経費であります。6目計量検定所費は、計量器の検査や指導監督に要する経費であります。189ページに参りまして、7目工業技術センター費は、管理運営及び県内企業の技術ニーズに対応した試験研究、技術指導、企業技術者の養成等に要する経費であります。
 次に、191ページに参りまして、2項観光費1目観光総務費でありますが、財団法人岩手県観光協会育成事業費は、本県の観光振興推進のため、同協会が行う観光客誘致宣伝事業及び受け入れ態勢整備事業等に対して助成しようとするものであります。北東北広域観光推進事業費は、観光客の誘致拡大を図るため、北東北3県共同での各種観光宣伝事業や、3県とJR6社がタイアップして、4月から6月までの3カ月間、大型観光キャンペーンを実施しようとするものであります。2目観光施設費でありますが、観光客総合誘導施設整備事業費は、観光地間の移動の利便性向上を図るため、外国語併記の総合観光案内板や誘導標識を設置しようとするものであります。八幡平山頂展望休憩等施設整備事業費は、秋田県と共同で、八幡平山頂地区に新たな展望休憩等施設を整備しようとするものであります。
 以上で一般会計歳出予算の説明を終わりまして、次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 戻りまして、議案その1の11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち、当部関係のものは、事項欄の3、4及び5の3件であります。これらは、岩手県火災共済協同組合が行う火災共済契約の履行に関する損失補償、岩手県信用保証協会が行う創造的中小企業支援資金についての信用保証契約の履行に伴う損失補償、そして、財団法人いわて産業振興センターが貸与した設備に係る被貸与者からの償還金の納入がない場合の不足額の損失補償について、それぞれの期間並びに限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 次に、特別会計について御説明申し上げます。
 議案その1の33ページをお開き願います。議案第7号平成15年度岩手県中小企業振興資金特別会計予算でありますが、これは、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ28億4、391万4、000円とするものであり、歳入及び歳出の区分は、34ページ及び35ページの第1表のとおりとするものであります。
 第2表地方債は、歳出予算の1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費のうち、中小企業高度化資金貸付金に充当しようとするものであります。
 各項目ごとの内容につきましては、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 予算に関する説明書の365ページをお開き願います。歳入歳出予算の総額につきましては、ただいま申し上げましたとおりであります。
 366ページをお開き願います。まず、歳入ですが、1款繰入金1項一般会計繰入金1目一般会計繰入金は、中小企業高度化資金の貸付原資として一般会計から繰り入れるものであり、367ページの2款繰越金1項繰越金1目繰越金は、前年度からの繰越金を予定するものであります。
 次に、368ページに参りまして、3款諸収入1項貸付金元利収入1目貸付金元利収入は、設備資金貸付金などの貸付償還金であります。
 369ページの2項預金利子1目預金利子は、歳計現金の利子であります。
 次に、370ページに参りまして、3項雑入1目雑入は、違約金収入などであります。
 371ページの4款県債1項県債1目県債は、中小企業高度化資金の貸付原資の一部として中小企業総合事業団から借り入れしようとするものであります。
 次に、歳出でありますが、372ページをお開き願います。1款小規模企業者等設備導入資金貸付費1項貸付費1目設備資金貸付費及び2目設備貸与資金貸付費は、財団法人いわて産業振興センターが行う設備資金貸付事業及び設備貸与事業に要する資金を貸し付けようとするものであります。3目高度化資金貸付費は、構造改善等高度化資金貸付金などの貸付金及び中小企業総合事業団に対する償還金などであります。
 373ページの2項貸付事務費1目貸付事務費は、貸付事務及び資金の回収などに要する経費であります。
 以上で商工労働観光部関係の予算についての説明を終わります。
 続きまして、予算に関連した議案について御説明申し上げます。
 議案その2の42ページをお開き願います。議案第44号産業文化センター条例の一部を改正する条例でありますが、これは、産業文化センターのアリーナについて、使用料の区分を改めようとするものであります。
 次に、44ページをお開き願います。議案第45号産業技術短期大学校条例の一部を改正する条例でありますが、これは、産業技術短期大学校の寄宿舎料の額を増額しようとするものであります。
 以上で商工労働観光部関係の議案についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

〇水上信宏委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇藤原泰次郎委員 144ページの2項職業訓練費の中の一部でございますが、その点についてお伺いします。
 ものづくりの技能の習得や最近の雇用環境が厳しい中で、若年者等の安定した就業のために職業訓練の果たす役割は非常に大きいものがあると考えます。県内で実施されている職業訓練の実態はどうなっているのでしょうか。
 中でも、現在、県内には、地域の中小企業の事業主の方々を構成員とする17の職業訓練協会があり、地域での人材育成に大きく貢献しているものでありますが、これらの協会が実施している認定職業訓練ではどのような職種の訓練が行われているのでしょうか。こうした協会が実施する訓練に対して、県はどのような支援を行っているのでしょうか。また、認定職業訓練費の中身をお伺いいたしたいと思います。
 さらに、こうした認定職業訓練の今後の充実について、どのように考えておられるのかお聞かせ願いたいと思います。

〇照井商工労働観光部長 職業訓練につきまして私からお答えいたします。
 まず、職業訓練の実態と認定職業訓練の職種についてでございますけれども、県内で実施されております職業訓練は、国――担当は雇用・能力開発機構でございます――、県、そして民間がそれぞれその役割と機能を分担いたしまして、相互に密接な連携を図りながら実施しているところでございます。
 県では、産業技術短期大学校を初めとする7カ所の職業能力開発施設におきまして、主に高校卒業者を対象といたしまして、情報、電子、機械、建築、自動車などの科目を設置いたしまして職業訓練を行っているところでございます。平成14年度の受講生は、全体でおよそ560人でございます。
 一方、雇用・能力開発機構は主に離転職者を対象といたしてございまして、IT、経理、電気、金属加工などの科目を設置いたしまして、施設内あるいは民間の教育訓練機関への委託によりまして職業訓練を行っているところでございます。平成14年度の施設内訓練の受講生はおよそ1、300人、委託訓練の受講生は900人となってございます。
 また、各地域の職業訓練協会では、主に会員事業所の従業員を対象といたしました職業訓練を行っております。訓練期間が1年以上の普通課程における平成14年度の受講生はおよそ350人でございまして、木造建築科や建築設計科などの建築系の職種を中心にいたしまして、自動車整備科などあわせて5職種13科の訓練が実施されております。訓練期間が6カ月以下の短期課程における14年度の受講生はおよそ7、120人でございまして、普通課程と同様の職種のほかに、事務系職種あるいは情報系職種など幅広く実施されておるところでございます。
 次に、認定職業訓練費補助の中身についてでございますけれども、運営費補助と施設設備費補助がございまして、いずれも事業に要した経費に対して県と国がそれぞれ3分の1ずつ助成しているところでございます。
 運営費補助は、講師の謝金でありますとか教材費などに対する助成でございまして、平成14年度は16協会に対して総額で1億8、500万円余の助成を行っております。平成15年度におきましては、17協会に対して総額で2億2、600万円余の助成を計画いたしておるところでございます。
 また、施設設備費補助の方は、教室とか実習場などの施設あるいは機械器具などの設備を整備する場合の助成でございまして、平成14年度は1市5協会に対してあわせて1億400万円余の助成を行っております。平成15年度は、1市3協会に対してあわせて1億円余の助成を計画いたしておるところでございます。
 次に、この認定職業訓練の充実についてのお尋ねでございますが、この認定職業訓練というのは、職業訓練の体制が脆弱な中小企業が、その雇用している労働者に対しまして的確な職業訓練の機会を確保するための有効な制度でございまして、国の動向でありますとか地域ニーズを十分踏まえて、関係市町村との連携を図りながら効果的な支援を行っていく必要があると考えております。
 そこで、認定職業訓練の円滑な実施を促進するために、施設整備については、これまでは老朽化した施設の移転新築整備に重点を置いておりましたけれども、今後は、バリアフリー化に対応した施設改修とか、あるいは訓練内容の高度化に対応できる設備機器の整備促進などの支援を行ってまいりたい、このように考えております。
 また、県職業能力開発協会と連携を図りまして、雇用・能力開発機構が行っている助成制度について事業主の方々に対しまして一層の周知を図ってまいりますとともに、職業訓練指導員の免許取得講習における講師といたしまして県職員を派遣したり、あるいは訓練生の技能競技会における成績優秀者あるいは職業能力開発促進大会における事績顕著者に対する表彰を行います。それから、新たに、職業訓練協会と県立職業能力開発施設との連携を深めながら、県立職業能力開発施設の指導員の派遣でありますとか、逆に、職業訓練協会の指導員の研修の受け入れ、あるいは教材その他必要な資料の提供など、そうした支援策を講じまして認定職業訓練の一層の充実を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。

〇藤原泰次郎委員 景気もこのような状況なわけでございまして、仕事の関係からいいますと、一番大事な技術者の勉強する意欲が薄れているような感も受けるわけでございますのでお伺いいたしたわけでございます。
 次に、中小企業に対する設備資金についてお伺いします。
 県内の中小企業の方々は、新たな事業の展開や事業の拡張等を行う場合には、通常、設備投資に必要な資金は借入金で賄っているのが大半であります。借り入れを行う際には、当然ながら融資先である金融機関等に対して事業についてのきちんとした収支計画や借入金の償還計画を示して借り入れをしております。しかしながら、長引く不況や経済の先行きの不透明感が強まっている中、売り上げの減少など経営環境が悪化してきており、なかなか当初計画どおりに事業が進まないのが現状であります。
 県では、中小企業振興資金特別会計の中で、小規模事業者等設備導入資金や高度化資金といった中小企業の設備投資向けの資金を用意しておりますが、最近、中小企業の設備投資意欲が減退してきていると言われる中、その利用実績の推移はどのようになっているのかお伺いします。
 一方、このような経済情勢でありますので、中小企業の方々は、計画どおりに償還するためいろいろ苦労されていると思うのでありますが、計画どおりの償還となっているのかどうか、最近の償還状況についてもあわせてお伺いします。
 また、償還が計画どおりにいかない場合には延滞債権となり、中小企業の方々は償還のための資金繰りをしなければなりませんが、一方、そうした中小企業の方々から貸付金の回収をせざるを得ない県の担当職員の方々も大変苦労が多いと思うのであります。しかしながら、金融機関の融資と異なる公的制度ということで県内中小企業の需要も多いのではないかと考えますが、今後の小規模事業者等設備導入資金及び高度化資金の利用についてどのように見込んでおられるのかお伺いいたします。

〇江口産業振興課長 中小企業の設備資金に関する問い合わせでございます。
 まず、利用実績の推移でございますが、特別会計の中で行っている資金には二つの種類がございまして、まず、設備導入資金についてでございますが、これは、平成3年度13億6、900万円余の貸付実績がございましたが、これをピークに、その後減少傾向にあるところでございます。この3年間を見てみますと、平成12年度は3億8、900万円余、平成13年度は2億200万円余、平成14年度――本年度の見込みでございますが、1億5、800万円余となっております。
 また、中小企業高度化資金につきましては、大口の貸し付けがございました平成4年度の51億4、200万円余、平成8年度の44億4、200万円余を除きますと、ここ数年、やはりこちらも減少傾向にあるところでございます。平成12年度につきましては7億1、300万円余、平成13年度は1件のみの利用ということで600万円余、今年度――14年度の見込みといたしましては4億1、900万円余となっております。
 続きまして、償還の状況でございます。設備導入資金、高度化資金をあわせまして、当該年度の償還の調定額に対する未収入額――要するに延滞等発生しているものでございますけれども――は、平成12年度は調定額17億2、300万円余に対しまして収入未済額は3、400万円余、平成13年度は19億700万円余に対しまして1億2、500万円余となっておるところでございます。また、今年度――14年度は、27億5、200万円余に対しまして500万円余の収入未済額が見込まれておるところでございます。おおむね計画に沿った償還が行われているところでございますが、やはり長引く不況などによりまして償還が滞るといったケースも見受けられてきているのが現状でございます。
 続きまして、今後の利用の見込みでございます。設備導入資金につきましては、やはりこの状況下でございますので、急激に回復する、特に設備投資に関して回復するのは難しいという見込みがあるところでございますけれども、そのような中で、平成14年度と同等程度の実績があるものと見込んでおります。また、高度化資金につきましては、平成15年度、工場団地の建設等によりまして3億4、200万円ほどの予算を計上しておるところでございます。また、平成16年度以降につきましても、当方にこの資金を使いたいという相談が参っておるところでございます。このような形から資金の利用が見込まれておりますので、資金の効率的な活用が図られるように支援してまいりたいと考えております。

〇藤原泰次郎委員 ただいま答弁あったわけでございますが、一般的にはその利用が年々必要なように考えられるわけでございますけれども、利用実績がそれぞれ減っている傾向にあるということで、その原因はどの辺にあるのかお聞かせいただきたいと思います。

〇江口産業振興課長 年々減っている原因でございますが、この資金はどうしても設備の導入ということになってくるわけでございます。やはり、この景気の悪い時期に、設備投資をしていく環境にないということが一番の原因ではないかと考えております。企業の方は、苦しいと、やはり運転資金の調達とか、そちらの方でも苦しいわけで、優先度がそういうところにいってしまうことから設備投資が後回しになっているということで、そうしたことから利用状況が年々減少してきているのではないかと当方では考えておるところでございます。

〇高橋賢輔委員 観光総務費に関連して二、三点お伺いしたいと思います。
 今まさに経済が低迷いたしてございまして、景気も大変厳しいものになっているわけでございます。どの産業もよくないわけでございまして、特に私は、今こういう景気であればこそ、観光振興にもっと力を入れるべきだと思っているわけでございます。
 そういうことで、今、ここに北東北三県観光立県推進協議会負担金、そしてまた、北東北大型観光キャンペーン推進協議会負担金、ウェルカムプラン21推進事業費、どの項目も負担金ということでございますけれども、岩手県の観光振興に関して、県はもっと独自性を強調して、みずから率先して観光を推進すべきだと思うわけでございます。各市町村ではそれぞれこの件については努力はしてございますけれども、やはり私は、岩手県の観光というのは、県が方向を明確に示すのが一番大事だろうと思うわけでございます。
 まず、誘致拡大については観光宣伝を支援しておるようでございますけれども、これまで県は5カ所の事務所を設置されておるわけでございます。観光面に関連して、これら事務所とどういう連携をとって岩手の観光をPRしているか、その辺についてお伺いしたいと思います。
 2点目は、私は、これからはやはり国際観光を重要視してまいらなければならない世紀ではなかろうかと思うわけでございます。県内からはかなり海外に行かれていると思っているわけでございますが、岩手県に外国からどの程度来られておるのか、その辺の具体的な数字が示されるのであればそれを示していただきたいと思うわけでございます。
 特に、ウェルカムプラン21推進事業については、海外宣伝事業、そしてまた、受け入れ態勢整備等を推進するということになっておりますけれども、この受け入れ態勢の整備というのはどういうことを想定して県は進めようとしているのか、その辺の具体的な内容をお知らせ願いたいと思うわけでございます。
 私は、岩手県の観光案内板等々を見ますと、まず、横文字の看板は少ないと思っているわけでございます。本当に国際観光を進めていくのであれば、これらについてもやはり私は真剣に取り入れて進めるべきだと思うわけでございますが、その辺についてどうお考えになっておるのかお聞きしたいと思うわけでございます。
 それから、岩手県内には外国の方々が余り見受けられません。受け入れ態勢がしっかりしていないと、やはり外国の方々にはいらしてもらえないんだろうと思うわけでございます。その辺について明確なお答えを願いたいと思うわけでございます。

〇松川観光課長 まず、県外事務所との連携についてでございます。
 国内5カ所の県外事務所の観光振興面での役割についてでございますけれども、旅行エージェントやマスコミ関係者等に対する本県の観光情報の提供や、それぞれの地域における本県観光へのニーズの把握など、大都市圏での本県観光の窓口としての機能を担っておりまして、広く観光客の誘致を図るとともに、東京及び北海道事務所におきましては修学旅行誘致にも積極的に取り組んでいるところでございます。
 観光振興面での取り組みについてでございますけれども、県外事務所所在地におきまして、旅行エージェントを対象といたしました観光客誘致説明会や修学旅行誘致説明会等を実施しておりますが、この説明会には県観光協会の会員も参加いたしまして、商談会を実施するなど具体的な旅行商品の造成に向けた取り組みを行い、連携して本県への観光客の誘致に努めているところでございます。
 また、県におきましては、県内市町村などと一体となりまして新たな観光資源の掘り起こしを行っておりますけれども、これらの新しい情報につきましても、県外事務所を通じて旅行エージェントやマスコミ関係者に対して情報を提供しているところでございます。さらに、観光物産展での観光紹介あるいは事務所を訪れる方々への観光相談業務などにより、積極的な情報発信に努めているところでございます。
 今後とも、県外事務所と連携いたしまして、観光客の誘致を図ってまいりたいと考えております。
 それから、国際観光に関するお尋ねにお答えいたします。
 まず、外国からの入り込みの状況についてでございます。岩手県を訪れる外国人観光客の入り込みの推移でございますが、平成13年の入込数は、延べ数でございますが、5万5、758人回でございまして、最も多いのが台湾でございます。台湾から3万5、219人回参っております。続きまして、香港、アメリカ、韓国、中国の順となっておるところでございます。
 それから、ウェルカムプラン21推進事業についてでございますが、北東北3県におきまして、平成11年度に北東北国際観光テーマ地区推進協議会を設置いたしまして外国人観光客の誘致拡大に努めております。
 平成15年度の主な事業でございますけれども、海外宣伝事業といたしまして、台湾や韓国の旅行代理店の招待事業や韓国有数の祭りでありますハンマダン・フェスティバルへの出展事業を実施するほか、旅行商品化促進事業といたしまして、北東北3県共通の外国人観光客用割引カードでございますウェルカムカードの導入を図りまして、外客の来訪促進を図ることといたしております。
 それから、観光案内板の整備の関係でございます。
 現在、外国語の併記をいたしました観光案内板の整備を平成11年度から計画的に進めております。平成15年度につきましては、大船渡・釜石地方振興局管内の外国語併記の総合観光案内板の整備をすることといたしておりまして、平成16年度で主要なポイントにおきます外国語の併記をいたしました総合観光案内板を一とおり全県に配置したいと考えておるところでございます。

〇高橋賢輔委員 私は、今まさにサービス産業、これらは、経済を回復するためには一番やりやすい産業だろうと思うんです。私はいつも岩手県内からよそへ出ていかれる方が多いと思っています。やはりよそへ出るぐらいの数を受け入れられるような体制は大事だろうと思うわけです。国内もしかりだと思うんですが、今、外国語を知っておられる方々が少ないのではないかという感じがするわけでございます。会話程度の語学で十分だろうと思うわけでございます。今、雇用関係も随分悪化しているわけでございます。殊にも、新卒でまだ就職にもつけない方々も多いわけです。したがって、私は、語学教育の育成を考えてもいいのではないかと。一時しのぎでもよかろうと思うんですが、お聞きしますと、よその国では、飲み屋さんでも旅館でも、ほとんど日本語を知っているような感じがするわけです。しかし、日本に外国の方々を呼ぶ場合、飲み屋さんでも外国語を知っている人がいない、旅館もそのとおり、そういう状況なものですから、外国の皆さん方を受け入れようとしてもなかなか困難だろうと思うわけです。だから、グループ的な組織でもいいですから、若い人たちを募ってそういう機会を与えてもいいのではないか、こう思うんです。外国では、定職につかなくても、諸外国の話をできる方々は立派に生活設計ができるという話もお聞きするわけですけれども、今まさに大変厳しい時期ですから、やっぱり行政としてもそういったものに目を向けてもいいのではないか、こう思うわけです。どうですか、その点については。
 それから、観光の目玉というのは、やっぱり県が何か一つくらいこうだということがあるべきだと思うんです。何か国では一村一観光という構想も打ち出すような気配にもなっているようですけれども、岩手県も市町村任せみたいな感じではなく、岩手県の観光はこうあるべきだということをきちっと示すべきではないかと思うんですが、その辺はどうですか。

〇松川観光課長 ただいまの語学関係のお尋ねについて、観光サイドから答えさせていただきます。
 いわゆる国際観光的な外客の受け入れに対する体制ということでございますけれども、実は、i案内所というのを県内に整備いたしております。外国から岩手県においでいただいた観光客の方々のお尋ねにお答えし御案内するという役割を果たすわけでございますけれども、これの研修等への助成を行ってきておりまして、現在、県内には3カ所i案内所がございます。盛岡市内に北東北観光センター、盛岡のおでって、一関の観光案内所、まだ3カ所ということでございますけれども、この案内所でもって外国のお客様に外国語で御案内をするという取り組みをやっておりまして、これらの機能強化を今後図ってまいりたいと思っております。
 それから、本県の観光の目玉、特色についてのお尋ねでございます。
 本県の観光の特色についてでございますけれども、なかなか一口で申し上げられないわけでございますが、四季折々の多彩な自然、固有の歴史・文化、伝統、暮らしなど、魅力と変化に富んだ観光資源が豊富にあると存じております。陸中海岸と十和田八幡平の二つの国立公園などの豊かな自然や豊富な温泉、宮澤賢治や石川啄木、新渡戸稲造などの人物、平泉中尊寺に代表されます奥州藤原文化、鬼剣舞や鹿踊りなどの伝統芸能や伝統工芸、豊富な農林水産物などの食材を生かしました郷土料理、民話の宝庫遠野、ふるさとの原風景、農林水産業などの地場産業に根ざした生活文化、これらが本県の観光の特色であると考えております。
 これらを生かしまして、国内観光の取り組みに当たりましては、健康やいやしを求める自然志向、本物志向の高まりを踏まえまして、時間的にも経済的にも余裕のある中高年層に的を絞って岩手ならではの旅を提案し、発信し、旅行商品化を働きかけてまいりたいと思っております。
 それから、国際観光のお話がございましたけれども、国際観光におきましては、誘致対象国――台湾、韓国、中国と考えておりますけれども――の、例えば台湾、中国については、雪であるとか紅葉、温泉、韓国につきましては、スキー、温泉、ゴルフなど、相手国の旅行ニーズを踏まえまして誘致に取り組んでまいりたいと考えてございます。

〇水上信宏委員長 高橋賢輔委員に申し上げます。先ほど簡潔明瞭にとお願いしていますので、御協力をお願いします。

〇高橋賢輔委員 確かにわかります。岩手県には大変すばらしい、豊富な観光資源が当然あるわけです。したがいまして、そういう資源を十分誘客に結びつけるようなことをしないと、いいところはいっぱいあると言っておりますけれども、やっぱり誘客に結びつかなければ何にもならないわけですから、その辺を今後努力していただきたい、こう思います。

〇伊藤勢至委員 関連で1点、観光振興についてお伺いいたします。
 今、不景気な状況でありますから、外貨を稼ぐということについて、まさに高橋委員がおっしゃったように、観光という部分はいい窓口になるのではないか、こう思うわけであります。実は宮古の金浜というところに稲荷神社がございまして、6年前にここの神社のおながどこを改築した際に、床下から狐のミイラが2体出てきたということで、これは大変全国的に珍しいということでありまして、志和古稲荷神社にも木のほこらから出てきた1体があるそうでありますが、2体そろってというのは珍しいということでありまして、昨年10月にそこのお祭りに呼ばれた際に、この御神体をせっかくだからもっと世の中に出したらいいだろう、こういうことでお話ししましたら、そこの総代さん方がそれは伊藤さんに任せる、こういうことでありましたので、フライデーという週刊誌がありますが、そこに記者に私の友人がおりますので、そこの記者に流しました。そうしましたところ、昨年12月24日号に載ったんですよ。そうしましたら、これは大変御利益がありまして、全国から、長野県、新潟県、長崎県などからどんどん電話が入ってきて、拝みに来る人が随分ふえたと聞いております。観光課長にもこの情報を流したように思いましたが、いろいろ関連する部分が私は大いにあると思うんですが、これについてどうお考えになっているかお伺いします。

〇松川観光課長 情報提供いただきまして、実はその後、私どもの観光課の方にも県外から照会の電話がございました。その場所がどこにあるのかということで、ぜひそこに行ってみたいという問い合わせがございまして、対応させていただきました。
 さまざまなこういう効果的な情報発信といいますか、タイムリーな情報発信をしていくことが誘客に結びつく一例ではないかと受けとめておるところでございます。

〇伊藤勢至委員 記事に載った時期が歳末ジャンボ宝くじの締め切りの前だったということもあったりして、そういった関係で拝みに来る人たちもいたようでありますし、さらにまた、今度は年が明けてグリーンジャンボの売り出しがあったということで、これまた随分来たように聞いております。
 盛岡のJTBの支社長さんと宮古の観光協会長さんをそこに御案内をいたしましていろいろお話をしたのでありますが、宮古では冬のシーズンに魚彩王国というのをやっておりますが、こういうルートにこういう場所を組み込んだ方がいいのではないかということを申し上げたのであります。冬場の観光客誘致ということでいろいろやっておりますが、おいしいものを食べていい景色を見て、あと二つどうしても必要だと言われています。それは、色気とカリスマだと言われます。色気の部分はいきなりはしようがないといたしまして、カリスマという部分に私は合うんだと思っております。
 したがって、そういうものを活用しながら、一つの例を申し上げますと、成田の不動尊というのが日本では有名でありますが、これは、戦前は小さいほこら一つだけだったそうでありますが、腰が治ったとか目病みが治ったとか肩凝りが治ったという口コミでどんどん大きくなってきまして、現在は年末年始に172万人全国から拝みに行く神社、こういうふうになっているわけでありまして、そこまでいくかどうかわかりませんが、金浜という名前がいいですね。それから、稲荷神社、お稲荷さんはもともと商売繁盛の神様、富貴繁栄の神様、お金もうけの神様でありますから、このリンクがいいんだと思うんです。したがいまして、そういう部分を大いに活用して、沿岸の誘客、ひいては岩手の誘客につなげていただければおもしろいのではないかと思うわけでありますが、照井商工労働観光部長にお伺いして終わります。

〇照井商工労働観光部長 今、観光客のニーズも多様化しておりまして、従来の名所旧跡をめぐるような旅から、どちらかといえばみずから体験するとか、いろいろな形に変わってきております。一方、各地域には、これまで見過ごされがちだった、それこそ磨けば光る宝が結構埋もれております。私どもといたしましては、このたびの新幹線の開通などを契機といたしまして、そうした地域の宝をどんどん掘り起こして、そしてお客様のいろいろな多様なニーズに合わせて、そしてそれをうまく組み合わせて旅行商品化してお客様にどんどん本県においでいただくよう、いずれこのように考えておりますので、今御提案のありましたような点については今後どんどん私どもも市町村と一体となって進めてまいりたい、このように考えております。

〇田村正彦委員 3点だけ短く聞きます。
 新幹線のいわて沼宮内駅、開通してもう3カ月ちょっとになるんですが、ここの駅を利用した観光客の誘致策をどう考えているのか。
 もう一点が、岩手山の入山規制、西側地区も2年後に解除したいという報道がなされておりますが、こういった一連の観光行政にかかわることなんですが、防災担当部局と観光部局との意見のすり合わせというものがあるのかどうか。
 最後は、今、大型店のしのぎ合い、そういった中で、前潟地区にイオンモール、大型ショッピングセンターができるようですが、そこでの雇用見通し、どの程度の雇用があの施設で見込めるのか、この3点をお尋ねします。

〇照井商工労働観光部長 まず、いわて沼宮内駅を起点とした観光の振興ということでございますけれども、現在、いわて沼宮内駅を起点といたしました観光ルートにつきましては、首都圏とか仙台圏のスキー客を対象に、八幡平とか安比方面への周遊観光バスでありますとか観光タクシー等を運行しているところでございますが、東側、葛巻とか平庭高原方面、あるいはさらに三陸北部へと、こういったルートにつきましても、この新幹線の開業を契機に、実はいわて沼宮内駅から葛巻高原牧場コースとか、こういった観光タクシーを6コース設けているところでございます。特に、これから春の観光シーズンに向けまして、この東側方面に周遊の観光バス、これの運行も計画されております。そしてさらに、4月から6月までの3カ月間、JRと共同で北東北デスティネーションキャンペーンという大型キャンペーンをやるんですが、その際にいわて沼宮内駅発着の、例えば平庭高原へのハイキングという旅行商品、これを発売することを予定しておりまして、いずれ、このいわて沼宮内駅からのそうしたいろいろなルート、これについてどんどん力を入れていきたいと、このように考えているところでございます。
 それから、岩手山の関係でございます。岩手山につきましては、平成10年の7月から入山規制が行われて、一昨年と昨年、7月から10月にかけまして東側の4コース、これの規制が緩和されました。
 岩手山は、申し上げるまでもなく、本県の重要な観光資源の一つでございます。そこで、これまで岩手山の入山規制に関する関係者会議というものがございますけれども、そうした場などに私どもも参加をいたしまして、庁内の関係部局であるとか地元の6市町村、あるいは防災の専門家の皆さん方と、岩手山の活動状況あるいは観光関係者の取り組みの状況、さらには旅行代理店とか登山者の皆さんの動向などについて、いろいろ情報交換あるいは意見交換などをしてきたところでございます。
 それで、規制緩和に当たっては、やはり何といっても登山客の安全確保、これを最優先に考えるべきと思っておりますけれども、その最終的な判断につきましては、火山防災対策の基本的な事項を検討しております岩手山火山災害対策検討委員会というのがございますが、こちらの意見を聞いて、県と地元の6市町村が協議の上、いろいろ今後の対応等を進めているところなんですが、ことしの取り扱いについては、昨年の12月に、東側の4コースにつきまして7月1日から10月13日まで緩和するということを決め、それから、さらにこれまで立ち入りの制限をしていた平笠の不動小屋、これの使用なども、この規制緩和の期間中、使用を認めるということなどについて合意がなされたところでございます。
 私どもといたしましては、こうした合意内容に基づく情報とか、それから岩手山に関する情報を県の観光ホームページなどを使いまして、適時タイムリーに、適切に情報発信をしていきますし、また、旅行代理店などにもそういうことで情報提供をして、より多くの方々に、安心して岩手山登山を楽しんでいただけるように努めてまいりたいと考えております。
 それから、その他につきましては担当課長に答弁させます。

〇江口産業振興課長 イオンモールの出店に伴います雇用の見通しという点でございますが、これはイオンモール株式会社の方から提出をされました届け出によりますと、従業員の数といたしまして1、500名という人数の従業員を見込んでおるという届け出が出されております。そのうち、1、200名は現地採用をするというようなことで届け出がされておるところでございます。

〇田村正彦委員 先ほど部長から、東側を視野に入れたいわて沼宮内駅の利用客の誘致策というのを考えているという話がありました。今までの経緯を検証してみますと、マスコミもそうですし、また、それぞれの首長さんたちもそうなんですが、ほとんどの方々が沼宮内駅を利用して八幡平、十和田方面、岩手山方面、安比のスキー場と、こういう表現を今までずっとなさってきました。私、西根町という観光地、安比そしてまた東八幡平、岩手山、そういった観光地のふもとに住んでいろんな方と接している中で、ほとんどの方は沼宮内を向いていないんですね、実際の話は。
 今、部長がおっしゃったように、私は本当の意味で、本心で誘客を図るのであれば、せっかく平庭にはエコパーク構想も今打ち出しているわけですが、今度は事業が始まるはずですから、そういったことも入れて、葛巻、山形村、久慈と、こういったルートを観光ルートとして大いに私はこれから推進していくべきだと感じて、そのことがいわて沼宮内駅の利用客の増加につながると思っておりますので、ぜひその辺のところの意気込みをお知らせいただきたいと思います。
 またもう一点、岩手山の入山規制の関係なんですが、ずっと私、平成10年から経緯を見させていただいております。まさに、私に言わせれば、齋藤教授に押しまくられた対応であったと、はっきり言って私はそう思っています。常に私は言っておりますけれども。そういった中で、確かに意見交換とか何かはしましたよとあるんですけれども、観光という立場で、観光を支える部局としての立場でやはり強く、地域経済があれほど落ち込んだわけですから、そういった姿勢というのは私は必要ではないのか。結果的には何もなかったでしょ、私が言うとおり。地元の人はほとんどそう言っているんですから。そういったことも踏まえて、確かに西側、2年後には解除すると言っています。ただ、東側もいまだに7月から10月までのたった4カ月ですか、これだけの開放ということではとてもとても、地域に住む者にとっては納得がいかないというのが現実だと思うんですね。ぜひ、少なくとも東側はオープンにするとか、そういったことも観光を預かる部局として、防災担当部局との協議の場合は強くこれを主張していくべきではないですか。私はそう思うのですが、いかがでしょうか。
 そして最後に聞きましたが、1、500人の雇用が見込めると、地元が1、200人。大変な雇用だと思っていますので、ぜひ地元雇用対策という意味でも――それは確かに影響を受ける方もたくさんいます。それはそれとして、地元雇用対策という意味からもぜひ頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

〇照井商工労働観光部長 いわて沼宮内駅を起点とした観光振興ということでございますけれども、いわて沼宮内駅周辺それからただいまお話がありました平庭、久慈にかけて、この地区は、例えば酪農とか川遊びであるとか、あるいは郷土料理のそうした体験をするとか、あるいは食品で言えばヤマブドウのワインとか乳製品などの特産品を楽しむような、そういう本当に魅力ある観光素材がたくさんございますので、これらをうまく結びつけて、特に今まで西側にばかり向いているのではないかという御指摘でしたけれども、特に東側の方面に今後力を入れていきたいと、このように考えております。
 それから岩手山の関係でございますが、私どもとしてはそうした地元の声、それから特に登山を待ち望んでいる方々のいろんな声等も十分お聞きしておりますので、先ほどのような場とか、あと日ごろ防災部局などと大いに意見交換をしてそうした声をどんどん伝えて、そうしたファンの皆さんにおこたえできるように頑張っていきたいと思います。

〇千葉伝委員 今の田村委員の質問の中で、新幹線いわて沼宮内駅の部分がありました。今まで西ばかりの話を東にもぜひ目を向けるべき、こういうお話で大変ありがたいと思っております。ただ、ちょっと水を差すような話も気になった部分がございます。
 この新幹線ができると、こういう部分については国道281号の整備も図りながら、この久慈から山形、葛巻そしてまた岩手町と、こういう部分でやっている部分がたしかあったはずであります。そしてまた、そこの途中の自然として葛巻、山形にある平庭高原、ここの部分についても、今エコパークを初めいろんな整備を図りながらそこをまた活用していくと、こういうことで進めていただいていると私は感じております。
 もう一方では、今までは北緯40度と、こういうラインで、いろんな意味で観光の振興を図っていただきながら何としても新幹線の――ほかの新幹線の駅は二戸市とか八戸市とか盛岡市とか、ほとんどは市と、こういうところの新幹線停車駅でありますけれども、岩手町の場合は町を新幹線の駅と、こういうことで、いろんな意味で私も懸念はしておったわけでありますが、言いたいのは、東も西もこれは一緒に新幹線の駅を利用するようなやり方をぜひ進めていただきたいという、田村委員と同じような話になるかと思うんですけれども、広域の5町村あるいは6町村、そこが今一生懸命観光あるいは地域の産物を出しながら、あるいはイベントもやりながら頑張っているなと私は思っております。そこを県の方がいかにバックアップしてやっていただけるのか、ぜひやっていただきたいと、こう私は思っております。したがって、西も東も、そしてまた地域が連携してこの新幹線がせっかくできたと、こういう利用を私は図るべきと、こういうことでありますので、部長、私の今の意見も踏まえて所見をお願いします。

〇照井商工労働観光部長 今、地元の方ではいわて北緯40度、広域観光推進実行委員会というのを組織いたしまして、これは県も入っておるのですけれども、特にいわて沼宮内駅を起点としたそうした広域観光ルートとか体験型の旅行商品の開発とか宣伝事業を行って、誘客に今一生懸命取り組んでいるところでございますので、県といたしましても、この実行委員会とスクラムを組んで大いに岩手北部、たくさんのお客様に満足していただけるようなすぐれた資源がございますので、何としてもこちらの方に大勢のお客様に来ていただくよう、進めてまいりたいと思っております。

〇千葉伝委員 力強い言葉ということで大変ありがたく思います。
 駅を利用すると、こういうことであれば、先ほどのバスあるいはレンタカーあるいはタクシー、そして乗用車と、ここの部分をいろんなPRをしながら活用していただくと。
 実は乗用車の関係ですが、盛岡駅の周辺の駐車場を使うのと、あるいは新幹線のいわて沼宮内駅を使うとなると、こういった場合はPRの関係で、例えば24時間300円と今なっているわけであります。したがって、そこの部分はほかとは違って駐車料金は格安でとめられるぞと、そしてまた1日、2日置いても1、000円以内で利用ができると。ここがまず一つあろうかと思います。そういった部分のPR、それからレンタカーの部分も、私、東京の方から来た方に聞いたら、盛岡でレンタカーを借りてきたと。知らないと、こういうことを私も聞いております。そういった部分のPRとか、それは私は岩手県だけではなくて、東京都内なりにもどんどんPRをしていただきたいと、要望にさせていただきますが、よろしくお願いいたします。

〇及川敦委員 3点、制度融資の件、2点目はシルバー人材センターの件、3点目はコールセンターについて伺います。
 制度融資の概要については藤原泰次郎委員からいろいろ御質問がありましたが、私もこれまで4年間、たび重なるごとに貸し出し姿勢についてお尋ねしてきましたけれども、昨今また、後ろ向きの貸し出し姿勢について大分私のところにも苦情等が来ておりますので、また再度、課長の方からこうした現況でございますので、特に創業に関しての貸し出し姿勢について、金融機関と連携をとって取り計らいをお願いしたいと思います。きょうお尋ねしたいのは、もちろん融資を却下された方がいろんな話をされると思うのですが、創業についていろんな貸し出し案件が県の方でも信用保証協会並びに各金融機関からの情報等があると思うのですけれども、どの程度融資申請状況を把握して、特に却下された案件について、非常にすばらしい面も実はあるのではないかと思いますので、そのフォローアップをされないものかどうかということをお尋ねしたいと思います。
 次に、シルバー人材センターの件につきましては、昨年の12月に決算特別委員会でお尋ねをしました。実態を調査してほしいということで、それ以来いろいろ調査をされたやに伺っておりますので、現在この本県において、民間事業者とシルバー人材センターのさまざまな活動についての競合状況、どのようなものであったのか、また、今後の対応策についてお知らせいただければと思います。
 コールセンターにつきましては、昨年この盛岡広域圏の中でも非常に明るい話題であったと思いますし、全県的にも非常に明るい話題であったと思います。2件まで決められたということで、非常に御努力を多とするものでございますが、まだまだ潜在的な需要はあるものと理解しております。今後の誘致に向けての状況、他の都道府県並びに大都市圏でもこういう事業をかなり始めてきているので、これからも大変なことかなと思いますけれども、雇用効果については非常に高いのは実証済みでございますので、これからの状況について、また、昨年取り組んだ雇用効果についてもあわせてお聞かせいただければと思います。

〇江口産業振興課長 制度融資の件に関してお答えをいたします。
 やはりこのような厳しい景気の状況でございますので、なかなか金融機関、保証協会を含めて貸し出し保証というのが難しくなっているというような声というのは、当方も耳にしておるところでございます。これらの中で、我々、制度融資といたしましては、いかに企業の皆様にそれを使っていただくかというのが重要ということになってまいりますので、これまでも連絡会議等を通じまして、適正な貸し出しを保証するようにということの要請などを行ってまいったわけでございます。さらには、やはり今後そのようなもとでもなかなか進まないというような状況もございますので、商工団体等と関係機関等が連携して、少しでも中小企業者の方々が借りやすいような環境になるために、いろいろなサポートをしていく必要があろうと思っております。要請をしていく、かつ、連携をしていくというようなことで、さらに一層事業者の方々のフォローをしていきたいと考えております。
 申請案件の把握状況ということでございますけれども、特段、個別の案件に、細々について、当方でどういう案件を拒否したということについては承知していない状況でございます。ただ、例えばそのような中で、いい案件があればということで、何かサポートができないかという御趣旨だったと思いますけれども、やはり特に創業ということを考えました場合に、そのような方々を応援していく、支援をしていくというのは、非常に今後我々県内の経済をよくしていくという意味でも重要と考えております。そのような観点から、創業支援ということでいわて起業家大学、また、ビジネスプラン等を作成するような大学院というようなものも開催をさせていただいておるところでございます。このような場も活用していただきまして、そのようなプランを持ち込んでだめだったという方に、そういうような制度なりを御紹介する、さらには1歩でも2歩でも進めるように、いろいろなアドバイスをしていくというような事業をやっておりますので、そのような事業との連携というのを図って、創業を希望する方々に、資金供給ができるようにいろいろな体制を整えてまいりたいと思います。

〇白木労政能力開発課長 シルバー人材センターの事業と、事業者の方々の競合の関係につきましての調査状況と、県としての対応についてでございます。
 シルバー人材センターは、会員に対しまして、臨時的、短期的な就業を提供することを主な業務としておりまして、同センターが取り扱う業務につきましては、これは平成12年6月12日付の労働省職業安定局長通知でございますが、高年齢者就業機会確保事業、すなわちシルバー人材センター事業でございますが、これの実施についての通知におきまして、シルバー事業で労働者等の雇用または就業の場を侵食したり、労働条件等の低下を引き起こすおそれのある仕事は、取り扱わないよう留意することとされております。
 県といたしましては、これまでシルバー人材センターは、事業者の方々が手がけてこなかった仕事を中心に事業を行いまして、就業を希望する高齢者の方々の能力を生かした地域づくりの推進が図られるよう支援をしてきたところでありますが、業界の方々との競争が激化しているとの指摘があったことから、県内のシルバー人材センターの連合会であります社団法人岩手県シルバー人材センター連合会、それから表具・内装業、造園業の方々から、去る1月でございますが、それぞれ直接状況をお聞きしたところでございます。その結果、業界の方々からは、地域において高齢者の能力を活用するシルバー人材センター事業の趣旨については理解を示しながらも、それぞれの事業者の既存の事業分野が狭められていることについて懸念が示されたところでございます。
 県といたしましては、シルバー人材センター事業の留意事項に関する国の通知の趣旨を踏まえまして、シルバー人材センターと技能講習等を通じて、協力関係にあるこうした事業者の方々との十分な理解のもとに人材センターの事業活動が行われるよう、去る2月5日でございますが、改めて県シルバー人材センター連合会に対して指導を行うとともに、一昨日でございますが、開催をされましたシルバー人材センターの事務局長会議においても、同様にその趣旨の周知徹底を図ったところでございます。
 また、これからでございますが、3月24日に開催予定の県シルバー人材センター連合会の通常総会におきましても、各センター理事長に対して重ねて周知を図ることとしております。

〇望月企業立地推進課長 コールセンターの関係のお尋ねでございます。
 お話のとおり、2社の立地を決定しております。そのうちの1社が、昨年の5月にもう既に営業を開始しております。残りの1社の方も、既に現地法人を設立いたしまして、10月ごろには営業開始ができるかと、こう思っております。
 それから今後の見込みということなんですが、現在、複数の企業から、補助制度であるとかそれから人材確保等について問い合わせが来ております。ただ、御指摘のように各県の競争が厳しくなっておりまして、現時点では見通しを申し上げる状況ではないと思っております。
 それから、雇用効果の話がございましたが、立地決定をしております2社につきましては、2社あわせて540人の雇用計画となっております。
 いずれ、コールセンターにつきましては、雇用確保が図られるということ、それから情報関連の産業の集積も見込めるというようなこともございますので、関係市町村と連携しながら積極的に誘致活動に努めてまいりたいと、このように考えております。

〇及川敦委員 シルバー人材センターの件につきましては、今御答弁がございましたように、職業安定局長通知のもと、県内の雇用関係が余り激化しないようにうまく働きかけをお願いしたいと思っております。
 制度融資につきましては、まさに今課長から御答弁をいただいたとおりだと思いますが、例えば保証協会に行っていろんな相談をしたけれどもだめだった、金融機関に行ってだめだったとなると、恐らく結構感情的になっていると思うんですね。本来であれば、保証協会はそういう機能ではないと思うのですが、金融機関等も、この貸し出し案件についてはだめだったけれども、今、課長がおっしゃったような起業家大学と、こういうのもあるよと、こういう制度があるよと、だからこうなんだよという、そういう機能まで本来はやってもらえばいいと思っておりますので、制度融資でだめだったけれども、次の展開があるというところまで行けば、せっかく生まれつつある芽もつぶさないで済むと思いますので、その連絡会議等で再度御徹底いただきたいと思ってございます。
 融資についても、本来であれば銀行プロパーでできるものがマル保に行って、マル保でできるものが却下というような状況がこの何年かあるのかなというのが、私も金融機関の出身の一人なので余り言いたくないんですけれども、まだまだあるように思いますので、再度先ほどの御答弁のようにお願い申し上げます。
 コールセンターにつきましては、これもぜひ進めていっていただきたいんですが、あと1点お尋ねしたいのは、今、盛岡市も協調して制度をつくって、県とタイアップしながら昨年2社、何とか決めていただいたということなんでありますけれども、進出企業先の要望ももちろんあると思うんですけれども、盛岡広域並びにほかの他町村もコールセンターの誘致の可能性というのはあるのかどうなのか、これを最後にお尋ねしたいと思います。

〇望月企業立地推進課長 まず、コールセンターの立地の条件としましては、ある程度高等教育を受けた、言ってみれば大学を卒業したようなそういった方々が結構いまして、割と雇用環境がよくないところ、こういったところを最近ねらっているようです。そういった意味からしますと盛岡はまさに適地というか、そのようでございますが、ただ、県内ですと花巻とか北上とか、そのあたりにつきましてもそういった可能性はあるのかなと、このように思っておりまして、もしそういった案件がございましたら、積極的に取り組んでまいりたいと、このように思っております。

〇佐々木一榮委員 いわて起業家育成資金貸付金、地域産業活性化企業設備貸与資金貸付金、工業立地促進資金貸付金について、これはさきの2月補正で大きく減額をされておりますけれども、新年度予算計上に当たり、平成15年度の県内景気をどのように予測して計上されたのかお尋ねしたいと思います。
 それから、いわて緊急経済対策資金損失補償について6、023万8、000円計上されております。この資金は発生主義というように伺っておりますけれども、今後平成15年に入りますと、恐らく補正対応ということになってくると思いますが、この状況は予想できるものなのでしょうか。仮に予想以外の大きな損失補償が出た場合、これは歳入面では交付税措置されるというようなことでよろしいのか、確認のためにお尋ねしたいと思います。

〇江口産業振興課長 まず、各資金についてのお尋ねでございますが、14年度における企業向けの県単融資の新規利用の実績でございます。平成14年度でございますが、いわて起業家育成資金貸付金につきましては11億5、100万円余、地域産業活性化企業設備貸与資金貸付金については4億7、200万円余、工業立地促進資金貸付金につきましては5億2、700万円余と見込んでおるところでございます。
 平成15年度予算でございますけれども、県内の景気の景況をどう見ているかということでございますが、やはり長引く不況というのがあるわけでございまして、経済の先行きというのは不透明なところが多うございます。このような中で、設備投資意欲の減退ですとか、中小企業の資金需要の減少等が見られるところでありますけれども、やはりこのような資金需要がある場合にはこの資金需要に柔軟に対応できるよう、我々といたしましては、新規の融資枠については十分な資金枠を確保しようということで、平成15年度の予算を計上したところでございます。そのようなことで、いわて起業家育成資金貸付金については新規貸付金が15億円、地域産業活性化企業設備貸与資金貸付金については9億円、工業立地促進資金貸付金については40億円という新規融資枠、これは前年と同額でございますが、十分な枠を確保したところでございます。
 また、2点目のお尋ねでございます。損失補償の件でございますけれども、この損失補償につきましては、限度内で補償するということになっているところでございます。状況がどうなるかというのは見えませんけれども、現在のところではこの限度内で対応するということを考えております。

〇佐々木一榮委員 2点目ですけれども、これは発生主義ということで恐らく補正対応になると思うのですけれども、これ予想は無理だと思いますが、そうなった場合に歳入の方、これは交付税か何かで損失補償の部分というのはなるのでしょうか。これは国の方で対応するというようなことになるのか、これ確認でちょっとお願いしたいと思います。
 それから3点目、10日の月曜日まで大いわて展が東京で行われておりますが、いわてブランドマーケティング戦略展開事業費、これも2月で減額補正をしております。新年度の予算での展開事業の具体と効果についての予測をお尋ねしたいと思います。
 それから、現在17年3月に向けての市町村合併、いろいろ議論されておりますが、商工団体合併支援事業費を計上されておりますけれども、商工労働観光部として県内の商工会議所、商工会のあり方を現在どのようにお考えでしょうか。市町村合併が実現した場合、それに即してこの合併をさせるとか、そういうような指導があるのか、それとも現在ある団体の主体性に任せていかれるのか、どういうお考えかお尋ねします。

〇照井商工労働観光部長 市町村の合併に伴う商工団体の合併につきましては私から、それからブランドマーケティングの関係につきましては担当課長から答弁させます。
 この商工団体の合併につきましての基本的な考え方ということでございますが、商工会議所と商工会というのはそれぞれ根拠法が違います。商工会議所は商工会議所法、それから商工会は商工会法に基づいております。それで、1市町村の全域を区域とすることが原則とされております。しかし、市町村合併があった場合には、例外的に1市町村内を分割して並存するということが現在認められております。また、商工会議所と商工会というのは、それぞれの地域におけるいわば総合的な経済団体といたしまして、行政サイドである市町村と一体となって、その地域の商工業の振興を図るということが求められているわけです。そこで、県といたしましては、市町村合併があった場合には、商工会議所と商工会が1市町村に1商工団体であることが望ましいと考えております。この商工会議所、商工会というのは、地域の商工業者で組織するそれぞれの独立した法人でございますので、そうした将来のあり方、いわば市町村が合併した場合にどうしたらいいのか、そのあり方については、基本的にはそれぞれの団体においてみずから判断して自己決定すべきものと考えております。

〇下河原岩手ブランド推進課長 いわてブランドマーケティング戦略展開事業のお尋ねでございますが、この事業は、県内地場産品の製造業者や関係団体を対象といたしまして、顧客のニーズの把握から商品開発、販路開拓までのマーケティング活動を総合的に支援する事業でございます。平成15年度におきましては、おかげさまで年々来場者が増加してございます県のアンテナショップにおきましてアンケート調査を実施いたしまして、これに専門家の分析を加えまして、県内の地場産品の製造業者へ情報還元を行いまして、これまで以上に顧客ニーズに即した魅力ある岩手なりの商品づくりを促進することとしてございます。
 また、県内地場産品製造業者と首都圏の大手量販店との、バイヤーとの商談の場でございますいわてブランド商談会を、県内あるいは東京、大阪の県外2カ所でも開催することとしてございます。さらには、平成9年度から毎年度、県産オリジナル清酒やあるいは大豆の加工品など1品目を選定いたしまして、本県のブランド品として育成しておりますいわてブランド21推進事業におきまして、特にも平成15年度からは生産量日本一を誇ります本県の木炭のブランド化に向けて、関係団体が行います販路開拓事業を支援することにしてございます。このほかに、新たに首都圏とともに一大消費地でございます関西圏におきまして地域情報誌による情報発信を行うとともに、大阪の大手飲食業者で構成いたします社団法人大阪外食協会との交流会の開催、あるいは特産品を活用したフェアを支援するなど、多彩で安全・安心な岩手の食材の販路拡大を図ることにしてございます。このように、事業に取り組んでまいります。
 これらの事業の効果についてでございますけれども、先ほど大いわて展ということで、現在東京の高島屋でやってございますけれども、非常に滑り出しがいいという話を聞いてございます。岩手の物産につきましては、非常に中央の大手デパートからも評価を受けておりまして、これらの先ほど申し上げましたマーケティング事業を行いまして、商品開発がかなりいろんなものが進んでございまして、新しい商品が出展されております。また、商談会におきましても評価をいただいてございまして、これは13年度の実績になるわけでございますけれども、盛岡、東京でやった2カ所の商談会の結果でございますが、約1億円ほどの取引が発生してございます。この中に、新しく発生したものが約3、000万円という状況になってございまして、こういった意味でも他県の量販店のバイヤーからも評価を得てございます。
 また、先ほどの東京の銀河プラザのアンテナショップを初めといたしまして、おかげさまで売り上げの方も好調でございまして、これらお客様のニーズを酌みながらこれを地元の業者に還元いたしまして、それらをものづくりに生かしまして、どんどんいいものが生まれているというような成果がございまして、いずれ、非常に岩手の物産についての評価が高まっておると認識しておりますけれども、今後におきましても、この事業におきまして大いに県内、県外に向けまして販路の拡大を図ってまいりたいと考えております。

〇江口産業振興課長 損失補償の件でございますが、これは県の制度でございまして、県がその制度設計の段階におきまして、全体の融資額について限度額を設定して、その範囲で補償するということにしておるところでございます。このような観点から、その限度内で補償を行うということになるわけでございますが、先ほどの御質問の中で、国の方から交付税などで措置をされるかということがありましたが、県の制度ということになりますので、この制度をダイレクトに国の方から措置がされるということは、原則としてリアクション的に考えにくいという状況でございます。
 一方で、保証協会全体の財務基盤の強化ということで基金の積み増しとか、そういうことで、国の方から基金積み増しの資金が出るというようなことがございますので、そういう中での対応ということになろうかと思っております。

〇佐々木一榮委員 最後ですけれども、再度お尋ねしたいと思います。
 商工会議所と商工会の合併についてでありますけれども、これ非常に商工会側に、今市町村合併が議論されているものですから戸惑いがあって、吸収された場合に実際町村の商工会運営ができるのかと、細かい指導ができるのかという不安が非常にあるようであります。
 そこで確認しますが、合併した場合には、一つに持っていきたいという方向性でよろしいでしょうか。例えば1市4町村が一緒になったと、そうします一つの商工会議所に集約されるというような基本的な考えかどうか、これ再度お尋ねしますし、今、岩手県の商工会議所連合会ですとか、岩手県商工会と商工労働観光部は、どのような情報交換と連携を図りながら今後の会議所と商工会のあり方について進めておられるのか、今の現状について再度お尋ねします。

〇照井商工労働観光部長 市町村合併があった場合には、先ほどもお答えいたしましたけれども、法の精神あるいは市町村と一体となって商工業の振興を図るという観点から、いずれ1市町村、1団体、これが最も望ましいと県は考えております。それで、この合併の関係について、特に商工会等のそういった御紹介がございましたけれども、実はこの合併も含めてなんですが、現在、広域的な連携とかいろんな商工会なりが抱えている課題があるのですが、こういったものを今後推進していくためにはマスタープランというのを今つくっているんですが、その議論の過程などで、そうした商工会の皆さん方の御意見などをいただきながら、今進めているところでございます。

〇佐々木一榮委員 商工会も県内の町村がメンバーになっていますね。そして仮に合併していった場合に、ぽつぽつと商工会の会員となるところが減っていきます。それではやっぱり商工会の運営も大変かと思うんですね。ですから、今のうちから私は商工会議所連合会と商工会とこの辺、県当局が中に入って、今後の進め方についてはきちっとビジョンを持って進められた方が、それぞれの事例を踏まえながら検討された方がいいと思いますので、ぜひその辺をよろしくお願いいたします。

〇菊池勲委員 今の佐々木一榮委員に関連するんだけれども、私どもは3市町村が合併して、この3月いっぱいでちょうど12年たちます。合併のメリットはさまざまあるんだけれども、今部長が言っている、1自治体が一つの組織になれば大変いいわけだ。残念ながら、12年たっても商工会、商工会議所との合併はなっていないし、それから、農業団体もなっていない。だから、12年たっても当初の目的のとおりには残念ながら進展はしていない。だけれども、それ部長の責任ではない。私ども市民の責任だけれども、これから合併を議論して平成17年3月までの、合併特例法の期限までにということで各地域で議論が今始まっている。なかなか遅々として進まないけれども、目標はその期限内に何とかしようということでやっているんだけれども、行政が一緒になってそこに住んでいる組織がばらばらだと、せっかく合併しても目的を達するのは大変足手まといになっているわけです、私ども見ていて。
 今、北上の中心商店街は、恐らく部長は知っていると思うけれども、商工会議所が立派なビブレというのをつくった。それはもう半年ももたないでだめで、今度はさくら館とかになった。桜というのは随分散るのが早いんだけれども、その次はどうなるかわからないけれども。そして隣にあるジャスコ江釣子店にはパルという江釣子商工会が出店をした大きな組織がある。これはビブレとの競争で精いっぱいの戦いをしている。どうも1回目の競争は勝ったみたいだね。次の競争はいつ起きるかわかりませんけれども、そんな状態で、私どもは今新しいまちの経営をしてもらっている。私も一市民としてそこのけんかに入る気は毛頭ないんだけれども、何となくこんな形で進めたら、果たしていいまちができるのかという心配だけはいつも持っている。
 担当部長として、今、佐々木一榮委員の答弁には、そういう方針で指導してまいりたいという気持ちは十分理解はできたんだけれども、これからやる行政合併にも、あなたの部署にも関係があるわけだから、その弱腰では本当のまちはつくれないんだよ。行政合併は難しいと思う。
 私どもは、3市町村合併は18年かかったんだよ。18年かかって合併させたんだけれども、その結果、今のような状態でまだ残っているわけだ。まず商工団体の問題があると。これは表面的な問題としては出ていないんだけれども、中身ではかなり競争しているということ。農業団体も二つになっている。これらも総括しての御指導、御支援、縦割りの行政ではなく横との連携をとらないと、せっかく合併してもいいまち、いい住みやすいまちにはならないんですよ。
 部長の判断でもう一度決意をひとつ。

〇照井商工労働観光部長 市町村合併があった場合には、地元の商工会議所なり商工会が事業の効率的、効果的な実施体制、これの検討が促進されるように、いずれ県といたしましては、そうした検討に必要な情報の提供でありますとかあるいは検討をする組織、これの運営費の助成でありますとか、そういった必要な支援を行ってまいりたいと思います。
 それからまた、このたびの15年度予算にお願いしているのですが、これまでは商工会同士の合併につきましては国の方で支援制度がございましたものの、商工会議所と商工会の合併につきましては、よって立つ根拠が異なるものですから、そうしたインセンティブ、そういう助成制度というようなものもなかったんです。それで今度県の方では、今申しましたように新年度から商工会議所と商工会が合併する場合に、合併しますといろいろ、例えばコンピューターのシステムの改修とか、もちろん、いろんな建物の改修であるとか移転費とかがかかってまいります。あるいは仮に合併によってこれまであったところの事務所がなくなる、そういった場合に事業者の皆さんが不便を来たすことになるわけですから、例えば支所を置きたいというような場合には、支所長さんといいますかその方の人件費とか、こういったものを支援していこうということでお願いしておりますので、どうぞよろしくお願いします。

〇水上信宏委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時54分 休 憩
   午後1時4分 再 開

〇飯沢匡副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。

〇前田隆雄委員 2点についてお尋ねいたします。
 最初に、観光客の減少に伴うことに対する質問でございます。観光客が減っているということは、その観光にかかわる市町村にもお金が落ちないという現状だと思うんですけれども、スキー場、ゴルフ場、温泉、海水浴場など、最盛期に比べたら現在どの程度その人口は落ち込んでいるんでしょうか。
 それから、スキー場、ゴルフ場、温泉、海水浴場を有する事業者または市町村と連携した誘客運動はどのように展開されているのか、まず1点お尋ねしたいと思います。

〇松川観光課長 スキー場、ゴルフ場、温泉、海水浴場の入り込みでございますけれども、まず、スキー場につきましては、最盛期は平成4年のシーズンで372万3、000人回でございました。これが平成13年のシーズンでは198万2、000人回、対比いたしますと53.2%でございます。それから、ゴルフ場でございますが、最盛期は平成9年でございまして、84万6、491人が利用いたしております。これが平成14年では64万1、044人でございまして、最盛期の75.7%でございます。温泉でございますけれども、これは、平成13年が最も多くなっておりまして、723万1、000人回という数字でございます。それから、海水浴場でございますけれども、平成6年が最盛期でございまして、180万7、000人回でございます。平成13年が69万人回でございまして、38.2%でございます。この年は冷夏でございまして、大変落ち込んだということでございます。
 それから、これらの施設を有する事業者、市町村と連携した誘客活動についてでございますけれども、県におきましては、平成13年に東北新幹線盛岡以北開業を契機とした取り組みを進めていこうということで、東北新幹線の銀河系いわて全線開通記念事業連絡会議を設置いたしました。これにもスキー場関係団体、旅館関係の団体に参加をいただきました。市町村団体等とも連携をいたしまして、開業に向けた観光客誘致活動に積極的に取り組んできたわけでございます。
 それから、スキー場団体、ゴルフ場団体、温泉団体、市町村は、財団法人岩手県観光協会の会員になっております。この財団法人岩手県観光協会が実施いたします大手旅行エージェントなどを対象といたしました説明会などにおきまして岩手の観光資源等を紹介いたしまして、旅行商品化の促進にともに努めてきたわけでございます。
 本年4月から6月までの3カ月間、北東北3県がJR6社と共同で北東北のデスティネーションキャンペーンを実施することにいたしておりまして、これによりまして、全国に向けて本県の観光資源、魅力を発信したいと考えておるところでございます。
 それから、先般、韓国ソウルにおきまして旅行エージェントへの説明会を開催したわけでございますけれども、韓国へは、ゴルフあるいはスキーのニーズが高いということで、岩手県のゴルフ場、スキー場についても説明をしてまいったところでございます。

〇前田隆雄委員 本来であれば施設を有する事業者も一生懸命努力をしなければならないと思うんですけれども、いい観光資源を有する本県といたしましては、連携した中での観光のさらなる発展をお願いしていきたいと考えるところでございます。
 もう一点お尋ねいたします。ページ的には186ページになるわけですけれども、先ほど田村委員の質問の中でも、郊外に進出する大型店ということで、非常にいろいろな意味で大変なところもあると思うんです。雇用問題に対しては確かにいいという反面、市町村の商店街にとっては大変な脅威ではないかと思うんです。そういった中で、中心市街地活性化推進事業というのがあるようですけれども、この事業はどういったものであり、どのような形で推進されるものなのかお尋ねしたいと思います。

〇江口産業振興課長 中心市街地活性化推進事業でございますが、この事業につきましては、中心市街地活性化法に基づきます基本計画を策定いたしました市町村のまちづくり機関、いわゆるTMOが実施しようとする商店街活性化のためのソフト事業に対して助成しようというものでございまして、平成11年と13年に造成しました基金27億円の運用益と県の補助金をあわせました額を活用して助成しておるものでございます。
 具体的に助成の対象となる事業といたしましては4事業でございまして、その1番目といたしましては、この事業の具体化に向けて、関係者の合意形成を図る観点から行う講習会ですとか懇談会の開催などを行うコンセンサス形成事業を対象としております。また、商店街に不足しております業種を空き店舗を活用して誘致するための家賃補助をするテナントミックス管理事業、さらには、商店街が連携して行いますイベントの開催によって集客を図ろうとする広域ソフト事業、さらには、各種の事業計画の策定をする事業設計・調査・システム開発事業を対象に補助をいたしておるところでございます。
 このような事業を対象にするわけでございますが、市町村の基本計画に基づいております事業でありまして、商店街の活性化に結びつく効果が高いと見込まれる事業に対して助成をいたすものでございます。
 県といたしましては、地域の創意工夫を取り入れた取り組みをこのような事業を通しまして積極的に支援して、中心市街地の活性化を図ってまいりたいと考えておるところでございます。

〇前田隆雄委員 地域の総合計画にのっとった上でというお話でございますけれども、恐らく我が雫石町の商工会でもこの事業を活用しようとしているのではないかと思いますけれども、何町村ぐらい今年度この計画が出ていますか。

〇江口産業振興課長 平成14年度の事業でございますが、9事業助成をいたすことにしております。また、平成15年度の計画といたしましては、これから具体的な内容等々を聞いていくことになりますけれども、おおむね10事業程度に対して助成を行う見込みといたしておるところでございます。

〇前田隆雄委員 大型店舗進出によって近隣市町村の商店街は非常に空洞化が進んでいるわけでございますので、こういった組織と十二分なタイアップをしながらこの事業の推進を図っていただきたいと思います。

〇菊池雄光委員 午前中に藤原委員から職業訓練の質問がございまして、私も関連質問しようと思ったんですけれども、ちょっと具体の問題があれですから遠慮したんですが、先ほどは、主に認定職業訓練施設あるいは県立の施設についてどうなっているかという質問でした。私からは、国の職業訓練施設、これは花巻にあるわけですし、釜石にその分所がある。今、高失業時代で、離職者に対する再就職訓練というものも活発にやらなければならないわけですが、さっぱり国の施設の音が聞こえない、声が聞こえない、こういうふうに私は思っているんですが、この国の施設はどうなっているんですか。

〇白木労政能力開発課長 国、つまり雇用・能力開発機構が実際運営しております県内におきます職業能力開発施設でございますが、現在、花巻市に岩手職業能力開発促進センターがございます。また、もう1カ所、釜石市に同センターの釜石分所が設置されておりまして、現在、雇用・能力開発機構の能力開発施設としては県内に2カ所あるところでございます。
 そのうち、釜石分所におきましては、離転職者を対象といたしまして、情報基礎、OAシステム、建設機械、これらの科目を設置いたしまして訓練を実施している状況でございます。

〇菊池雄光委員 釜石はポリテクセンターという呼称のようでございますが、最近、就業訓練は行わない、やめる、こういった方針で、開発機構は、施設の解体とか譲渡を地元に要請している。地元の方は、今日このような状況、特に釜石なんかは大量失業者が続発しておるわけですから、何とかこの施設を続けてもらいたい、こういう強い要望を釜石だけではなくて三陸の同じような町やそれぞれの機構と一緒になって運動を起こしている、こういうことですが、これはどういうふうになっているんですか。

〇白木労政能力開発課長 釜石分所の廃止に係る経緯でございますが、釜石分所につきましては、平成9年の特殊法人の整理合理化についての閣議決定を受けまして、平成14年度末をもって廃止されることとなっております。それを受けまして、これまでは、釜石分所廃止後におきましても雇用・能力開発機構が施設の一部を所有いたしまして地域の職業能力開発に関する相談、援助などの事業を行うこととされてきたわけでございますが、本年1月になりまして、厚生労働省から、すべての建物について地元釜石市に譲渡することを基本とし、もし譲渡を希望しない場合には当該施設を取り壊しをする旨、釜石市と県に説明があったところでございます。
 それを受けまして、釜石市におきましては、施設を譲り受けるかどうかについて、その活用方法も含め現在検討中であると聞いておるところでございます。

〇菊池雄光委員 聞いておるところであるといいましても、県はそうなると傍観者のようですが、やっぱり市の立場に立って積極的に、市が要請していることは何も正しくないわけじゃないわけですから、岩手県の雇用問題の重要な位置づけを持っている職業訓練機関の存続のために、市と一緒になって全力を挙げてもらいたいと思うんです。
 この雇用・能力開発機構というのは前は雇用促進事業団といいましたけれども、岩手県にたくさんの雇用促進アパートをつくりました。私は、あれはどこでつくられたものかと思っていろいろ調べてみましたけれども、雇用保険か何かの運用で建てたけれども、本当は1年しか入っていられないアパートなんですね。それに結局今はずっと入っているわけですよ。入札とか業者の選定とか、そういった問題をめぐっていろいろ不明朗なうわさがかなり前からあったんですが、それが今度変わって機構になったと。せめて今日の高失業時代に、雇用問題に対して、厚生労働省の外郭団体ですから、こういう施設は存続させるような努力をするように強く要請してもらいたいということを要望しておきます。
 それからもう一つ、この間、3月3日に予算特別委員会の総括質問がございまして、釜石を中心とした県南部のエコタウンプランの承認の見通しについてただされましたところ、高橋副知事は、この事前協議の過程で、全体的に構想の熟度が国の求める基準に達していないなどの指摘をされていることを挙げ、承認については率直に申し上げて予断を許さない状況ではないかという答えです。予断を許さない状況ではないかということは、承認を受けられないかもしれない、こういうことなんですね。これは、私はゆゆしい問題だと思うんです。私は釜石の人間ですが、新日鉄もそうですし、商工会議所なども中心になって一生懸命釜石の再生のためにこれを活用しようということで頑張っているわけですが、それがだめになったということになると大きな問題だと思うんですが、これに対して商工労働観光部長はどうお考えになりますか。

〇照井商工労働観光部長 ただいまエコタウンの採択に向けた取り組みというお尋ねでございますけれども、このエコタウンプランについて、現在、経済産業省、そして環境省と事前の協議を行っているところでございます。この事前協議の中で、国が重視しているところが何点かございまして、その一つには、地域において既に取り組んでいる循環型のまちづくりがどうなっているのか。それから、その取り組みを発展させるための地域固有の先導性のあるリサイクル技術があるのかどうか。さらには、その技術を活用して、地域ぐるみで行う、まさに全国のモデルとなるような独創的なまちづくりの方向性が示されているのかどうかなどが指摘されています。
 具体的には、一つには、今の案では主要なプロジェクト事業が釜石市に集中している。そうすると、今、県の方で取り組もうとしている、沿岸の南部地域という広域で取り組むことの必要性がどうも不明確ではないか。それからまた、このプランの承認に当たって、全国のほかの地域でいまだ取り組まれていないような、そうしたモデルになるような、独創性あるいは先駆性、そうした主要なプロジェクトにおけるリサイクル技術の先導性が必要であるということです。さらには、資源循環型社会のまちづくりに欠かせない地域の方々の具体的な取り組みや運動がどうも不十分ではないかというようなことです。
 そこで、これら指摘いただきました課題を、今一つ一つ地元の市や町と一緒になりまして詰めの検討を行っているところでございます。県といたしましては、このプランを何とか国の理解を得られるように最大限努力していきたい、このように考えております。

〇菊池雄光委員 御承知のとおり、昨年末、青森県が17番目にエコタウンプランの承認を受けたと。私は、今、部長がおっしゃったような、経済産業省とか環境省が指摘した、釜石については独創性や先駆性が必要であるとか、あるいは県南部の地域の取り組みがどうとかということはできない話ではなくて、青森県についても、県が中心になって積極的に運動したことが結果的に全国17番目にエコタウンプランを承認される原因になったとお聞きしているわけですが、今、部長のおっしゃったように、何とか全力を挙げて、ひとつこのプランの承認のために努力していただくことを要望して質問を終わります。

〇小原宣良委員 インランド・デポ、内陸通関基地と呼ばれているものでありますが、この施設の本県への設置の見通しについてお伺いいたします。
 現在、北上流通センター内に保税蔵置場を置いて輸出関連の通関業務が行われております。今日、経済が低迷している中で、物流の活発化を本格的なものにするためにも内陸通関施設の設置が強く求められているところでございます。これまで何度かお伺いしてまいりましたけれども、特にもことしは大変重要な段階にあると思いますので、何点かお伺いいたします。
 第1点は、県内の輸出入の量をどのように把握しているのかお伺いいたします。
 第2点は、インランド・デポの本県設置に当たりまして、函館税関とも協議が何度も行われてきたわけでありますけれども、函館税関は、本県のインランド・デポ認可に当たって、必要な取扱量をどう見ているのでしょうか。そしてまた、その水準に照らしてみれば、現状における取扱量の不足分、この点を県はどう見ておりますか。同時に、今後の見通しをどう見ているのかお伺いしたいと思います。
 第3点は、このインランド・デポが本県経済に与える影響、効果をどう見ているかという点についてお伺いいたします。

〇酒井商工企画監 インランド・デポについての御質問でございます。
 まず、第1点目の県内の輸出、輸入の状況でございますけれども、ジェトロ――日本貿易振興会盛岡貿易情報センターが取りまとめました一番新しい数字は平成13年の数字でございますが、これによりますと、平成13年の輸出実績は、総額で1、121億円余という数字でございます。また、輸入の方の実績は、総額で463億円という数字でございます。
 それから、このインランド・デポの設置について函館税関の方ではどのように言っているのかということでございますけれども、いずれインランド・デポの設置について、これだけの量、これだけの件数があればという話は具体的にはされてございません。ただ、前々からお話ししていることでございますが、東北で設置されております山形県の例等を見ますと、山形県は昭和62年に設置されたわけでございますが、設置された当初15億円余であったものが翌年では62億円になってございまして、さらに、この時点では輸出だけの実績でございましたが、輸入も加わりまして、平成元年には輸出入あわせて90億円。現在は、設置当初の約5.7倍、511億円という実績がございます。
 現在、北上に日通の支店がございまして、そこに保税蔵置場があるわけでございますが、ここでの通関実績は平成13年で24億円という数字でございまして、山形の設置当初の額と比べてもかなり差があるということで、現時点でのインランド・デポの設置については、この数字だけ見れば簡単ではないという感じがいたしております。
 それから、設置になった場合の県内への影響でございますけれども、先進の例を見ましても、インランド・デポが設置された場合の効果ということで、通関手続が非常に短時間でできるようになる、あるいは輸送に係る消費税の関係等でございますが、輸送コストがかなり節減されるということで、輸出関連企業――輸入もそうでございますが――に大変大きなメリットが生ずるということでございます。したがいまして、こうした輸出入関連企業の進出が促進される、それから、当然インランド・デポが設置されますと、それに伴う物流関係がいろいろなサービス分野を含めまして集積されるということで、効果は大変大きいのではないかと感じているところでございます。

〇小原宣良委員 ジェトロの調査が紹介されましたが、本県の輸出額については1、121億円、北上の今の保税蔵置場の段階で利用されているのが24億円。したがって、これは、本県から輸出されている、まあ、貨物空港ということもあるでしょうが船が主体と考えますと、横浜港とか仙台港とか、あるいは秋田港とか、まあ、本県の港湾も含まれるわけですけれども、いずれそういう利用がなされているだろうと思うんです。その空港ないしは港湾の中で通関の手続をとることになると思うんです。したがって、額にして1、121億円は輸出の品物が出ているわけですから、これらを本県に設置されるインランド・デポを活用するということになれば、あるいは現在の北上の流通センターにある保税蔵置場を活用するというふうに向けていけば、これらはかなり実績としては上がってくると思うので、それは地元あるいは周辺の北上、花巻両市を中心としながらの取り組みが進んでいるわけですけれども、県におかれてもぜひ強力な支援をしていただきたいと思います。
 それと、これは額で紹介がありましたけれども、取扱数量も一つ大きなポイント要素になると伺っておりまして、これら数量の関係についてどのように見ておられるか。額の面からいきますと24億円という数字が出てくるわけですけれども、しかし、山形と比べてということになりますから、関東に近い、東京に近いという地理的な部分も含めて山形の優位性というのは確かにあると思いますが、ある一定の水準に達した段階で、これでいけるという段階で県が中心となって所管の函館税関の方に大きくその部分を訴えていく、あるいは要望していくということの目標が必要だと思うんです。ただ単に推移を見るという形ではなしに、県としても、一定の数量なり額なり、特に私は数量がすごく強調できる点だと思うんですが、それらの見通しをぜひお持ちいただきたいし、あるならお示しいただきたい。

〇酒井商工企画監 さきにお話がございました港湾利用との関係でございますが、まさに今おっしゃったとおりでございまして、本県の港湾を利用して輸出入されているのは非常に少ないわけでございます。したがいまして、インランド・デポ設置が港湾利用の促進にもつながっていく。また、逆に港湾利用を促進することがインランド・デポの誘致に大きな効果を発すると考えてございます。空港も含めて、港湾利用の関係につきましては、実は県土整備部の方で今年9月に岩手県港湾ビジョンというのを作成してございますし、来年度にはこれに係る具体的な施策、アクションプランをつくろうということで考えてございます。これについて、県土整備部の方からも、インランド・デポあるいは物流という関係で商工労働観光部と密接な連携をとって進めたいという話がございますので、これについては当部としてもインランド・デポ誘致という点で非常に効果的だと考えてございますので、積極的にかかわってまいりたいと考えてございます。
 それから、量ということでございますが、絶対的な金額よりも、確かに通関をする件数が非常に重要だということは税関の方からも言われてございます。したがいまして、量もさることながら、件数をふやす。件数をふやすということは、当然取り扱いする企業数をふやすということだろうと思いますので、これについては、目標というのは実は今のところ具体的には持ち合わせてございませんけれども、いずれ平成15年に北上のインランド・デポ協議会の方で、県内の企業を対象にいろいろな調査をしたいという話も聞いてございますので、その調査を一緒に協力して行いながら、どのぐらいの件数、量、企業数が見込めるのかというところを把握した上で、一定の目標値を持って税関の方に働きかけるような行動も考えていきたいと考えてございます。

〇小原宣良委員 ぜひ強力な推進策を県としてもお願いしたい。一地域一地区の市町村とかそういう狭いエリアではなしに、やはり本県の物流にかかわる問題であるし、ただいまお話あったように、本県港湾の輸出入にかかわる物流の問題でもあるというふうに広く受けとめていただきたいと思うんです。
 そこで、最後に部長にお伺いしたいんですが、今、本県経済に与える影響という部分についてお伺いいたしました。かなり私はインパクトのある施設になってくるだろうと。特に、今、認可の基準の中では輸出数量あるいは額という部分が焦点になっておりますけれども、これが設置ということになりますと輸入部分が出てまいりますから、私は、今でも輸入部分も認めて、それもカウントするという形に持っていっていただければ、県内の輸入の品物も多くあるわけですから、それらも取り扱いしてもらいたいとは思いますが、その部分は、正規のインランド・デポという中で輸入の取り扱いがなると聞いておりまして、まあ、やむを得ないのかなとは思いますけれども、いずれ輸入にかかわっても、かなり関連産業の新しい起業についても誘発することができると思いますので、地元関係の皆さんとも連携をとりながら、ぜひ県としても明確に目標数値を設定して、そこへの到達を図りながら函館税関の方と対応していただきたいと思いますが、部長、いかがでしょうか。

〇照井商工労働観光部長 北上の保税蔵置場で輸入も取り扱えるように、実は昨年7月に私も直接函館税関を訪問いたしまして要請してまいりました。その際、函館税関の方からは、まずもって県内の企業が実際どういう通関の利用実態なのか、港から来ているのか空港から来ているのかとか、同じ港でも本県の港を利用しているのか京浜地区なのか、まず、そういったことをよく把握しなければいけないのではないか。また、北上の営業所の利用ニーズが果たしてどれだけあるのか、それをきちんと調べる必要があるのではないか。もちろん営業許可をいただいている日通がどういうふうに考えているのか、こういった点をまず把握して対応する必要があるという御指導をいただきました。早速帰りまして、北上のインランド・デポ設置促進協議会の方々に対してこうした函館税関の考え方をお伝えして、いろいろ今後の対応を話し合ってみました。そうしましたら、この協議会の方でも、先ほど御紹介ありましたように、平成15年度においてそうした調査をしてみたいということでございます。
 その後また11月に、これは定例になっていますけれども、函館税関との定期連絡会に私も訪れて、再度強く要請してまいりました。いずれにしましても、函館税関から御指摘あったように、県内のそうした状況が一体どうなっているのか、そういったことを把握するのが何といっても第一ですので、今ありましたように、まずこれを把握した上で、県としてもきちんとしたそうした目標を持って、今後引き続き函館税関の方には働きかけてまいりたいと思っております。

〇小原宣良委員 最後ですけれども、本県の輸出入の実態という部分については、以前からその実態の調査に努めなければならない、あるいは一定程度やったという部分があるんですよ。しかし、現状の中でなお実態がよくわかっていない。本県の物流のルートなり、どういう形で流れているかということがよくわからないというのは、これはちょっと時間を置き過ぎだと思います。そういう意味で、早急に対応し、必要なデータはきっちりそろえながらこのインランド・デポの早期設置に向けて御努力をいただきたいということを申し上げて終わります。

〇伊沢昌弘委員 3点についてお伺いしたいと思います。
 説明書の144ページの技能五輪――技能オリンピックと読むのでしょうか――全国大会推進事業費に関連してお伺いしたいと思います。2004年の10月22日から25日までの日程で県内で技能五輪2004in銀河系いわての開催が予定されており、この間、さまざまな準備を県として進めてきていると思っているところです。この大会の目的には、国内の青年技能者の技能レベル日本一を競うことにより青年技能者に努力目標を示すとともに、一般県民及び多くの青年技能者に対してすぐれた技能に身近に触れる機会を提供するなど、技能の重要性、必要性をアピールし、技能尊重機運の醸成を図り、もって技能の振興及び産業の発展に資すると要綱のところにあったわけでありますけれども、技能を身につけるという意味から、私は大変大きな意味があるものだと思っています。あわせて、次の年の2005年の技能五輪国際大会――フィンランドのヘルシンキ大会があるそうでありますけれども――の予選を兼ねているということを踏まえていけば、全国的にも大変注目される大会になるのではないかという思いをしているところであります。
 そこで、まず、この大会の開催の概要といいますか、種目とかいろいろもう決まっている部分があると思うんですけれども、そういった概要とあわせて、これまでの準備の状況、それから今後の予定についてお示しいただきたいと思います。
 また、選手の育成費補助が今年度、来年度の予算にも計上されておりますが、出場予定選手の育成をどのように進めているのか、その状況についてもお知らせいただきたいと思います。
 2点目も続けてお伺いします。コールセンターについてお伺いしたいと思います。
 及川委員の方から先ほど質問があったわけでありますけれども、このコールセンターの誘致が地方都市でここ数年盛んになっている。雇用問題に結びつくということで大変いいことだと思うんですが、インターネットでコールセンターを調べますと、企業独自のコールセンター、独立した会社組織のものもあるようです。コールセンターの業務内容と、それから、コールセンターを利用する企業がどのような契約でやって、県民に対してどのような対応になっているのかというのがいまいちわからない面があるので、もしおわかりでしたら教えていただきたい。まあ、わかっていると思うんですが、お知らせいただきたいと思います。
 あわせて、先ほど雇用の創出ということで、今年度設置されたのと来年度で雇用が540人ぐらいとお聞きしました。この雇用形態がどのような形になっているのか。24時間対応もやっているやに聞くんですけれども、本県につくったのがそういう状況であれば、全部が常用といいますか、正社員なのか臨時雇用なのかパートなのか――パートと臨時は同じかもしれませんが――、どういう形になっているのか、その辺をお知らせいただきたいと思います。
 3点目は後で聞きます。

〇白木労政能力開発課長 技能五輪全国大会岩手大会の開催概要でございますが、この大会は、岩手県と中央職業能力開発協会との共催によりまして、平成16年――来年でございますが――10月22日から25日の4日間の日程案で、いわて産業文化センターアピオを主会場として開催される予定となっております。会場につきましては、アピオのほか、県立大学など周辺の施設、さらには、矢巾町にあります県立産業技術短期大学校の利用も検討しているところでございます。
 競技種目としましては、電子技術、機械、金属、建設・建築、サービスファッション系といった幅広い分野にわたりまして30数職種の実施を検討しております。また、参加者といたしましては、選手、関係役員約2、000人のほか、多くの一般来場者を見込んでいるところでございます。
 次に、大会の準備状況と今後の予定でございます。開催準備につきましては、職業能力開発関係団体や競技職種の関係団体など民間団体を含めた全県的な推進体制の確立がまず必要であることから、昨年7月でございますが、約100の団体、機関の参加をいただきまして、知事を会長に技能五輪2004in銀河系いわて推進協議会を設立したところでございます。
 この推進協議会では、基本計画の策定や大会スローガンの募集――現在スローガンを募集しているところでございますが――などを通じた広報、啓発などを行いまして、大会の企画、検討を行っているところでございます。
 県におきましては、今年度から庁内に専任職員を配置いたしまして本格的な準備作業に着手したところでございますが、平成15年度は、開催1年前ということもありまして準備作業の山場を迎えることから、組織体制の更なる充実・強化を図ることとしております。
 また、平成15年度には、推進協議会におきましてプレ技能五輪の開催や広報・啓発活動の積極的な展開を通じまして、平成16年度の大会本番に向けた全県的な機運の醸成に努めてまいりたいと考えております。
 出場予定選手の育成についてでございますが、岩手大会の出場選手につきましては、県内から100名程度の確保を目標としているところでございます。この目標達成のためには、関係団体・機関による積極的な取り組みと、選手を送り出していただきます企業の方々の御理解と御協力が必要不可欠でございます。推進協議会におきましては、県と関係団体・機関が連携を図りながら、選手候補者の掘り起こしや参加職種の拡大を呼びかけるなどの取り組みを行っているところでございます。
 選手候補者につきましては、平成16年度当初までに目標に達することができるよう段階的に登録を行いまして、計画的な育成強化を進めることとしております。
 また、選手の育成強化に当たりましては、平成13年度から全国大会への派遣と選手の強化訓練に助成措置を講じているところでございます。平成15年度におきましては、50名の選手を育成いたしまして、新潟大会に派遣することとしております。
 今後とも、岩手県職業能力開発協会を初めとする関係団体との連携・協力体制を強化いたしまして開催準備の取り組みを一層促進するとともに、このような取り組みを通じまして、本県技能者の技能レベルや地位の向上、そして技能をたっとぶ機運の醸成を図ってまいりたいと考えているところでございます。

〇望月企業立地推進課長 3点お尋ねがございました。コールセンターの業務内容ということですが、具体的な例といたしましては、電話の番号案内、通信販売あるいはテレビショッピングの注文の受け付け、パソコンの操作に関する問い合わせ、それから電話による市場調査、こういったものを主に行っております。
 利用企業ということですが、いろいろな企業が利用しております。一番多いのは、金融機関、家電業界、こういったところでフリーダイヤルで0120がついているところは大概このコールセンターにつながっているものと思っています。それから、ほぼ100%利用しているのはコンピューターメーカー、特にパソコンのソフトウエアあるいはインターネットの接続についての問い合わせ先は必ずと言っていいほどコールセンターになっています。それ以外で最近の新しい例では、自治体、例えば札幌市は住民の問い合わせにこのコールセンターを活用している、こういう状況でございます。
 それから、雇用形態というお話がございました。現在、盛岡市内で営業しているのはまだ1社でございます。業務拡大をしておりまして、毎月人がふえている状況ですのでなかなかつかみにくいところはあるんですが、大ざっぱに申し上げまして、3分の1が常用雇用、残りの3分の2がパートあるいはアルバイト、こんな感じかと思っております。

〇伊沢昌弘委員 技能五輪については、今お話があったように、大変意義があるものだと思っています。前に料理の関係だったと思うんですけれども、これに出る方が一生懸命お師匠さんについて魚のさばき等々を含めて勉強しているというのがあったと思うんですが、そういう方たちが目標を持ってやるということで、ぜひこれは強化をしながら、優秀な成績がとれるように、ひとつ育成もお願いしておきたいと思います。
 次に、コミュニティ・ビジネス育成事業というのが同じく説明書の185ページにあるんですが、これについてお伺いしたいと思います。
 新年度予算として268万6、000円が計上されております。コミュニティ・ビジネスは、見てみましたら、住民みずからが自分たちの地域を元気にするため、また、地域の問題を解決するため主体的に取り組んでいる事業という定義が一部にあるようでございますけれども、県がこの間進めてきたコミュニティ・ビジネス育成支援事業について、どのようなところに対して支援をしてきたのかを含めた形で教えていただきたいと思います。また、どういう事業が支援した団体の事業であるのかもお示しいただきたいと思います。
 また、こういう育成支援事業に申請をしてくる団体がいっぱいあると思うんですけれども、県内でこのような団体というのはどのくらいあるのか、県として把握していれば教えてほしいと思います。

〇小野新産業推進監 コミュニティ・ビジネス育成支援事業の実績と今後の対応ですけれども、コミュニティ・ビジネスにつきましては、今、委員おっしゃったとおりの内容と県の方でも理解しております。
 コミュニティ・ビジネスそのものにつきましては、こういった言葉の概念というのが比較的新しいものですから、こういったものを県として前からやっているわけではなくて、いろいろ検討している中で、平成13年度あたりにこういったコミュニティ・ビジネスを重点的に支援していくことが地域の活性化にもつながるということで始めたものでございます。
 今、私の方でつかんでいるところでは、県内でこういったビジネス活動まで展開しているところは大体100を超えているんじゃないかなと。一番最初にどういう団体があるかということで調査したときには、どちらかといえばボランティアとかNPOとか、そういったコミュニティー活動を重点的にやっているところでいろいろ調査いたしました。700余りの団体に調査をしたところ、今のところ県でやっているのは100をちょっと超えているかなという感じになっています。
 県の取り組みというか支援の中身ですけれども、大きく分けまして二つございまして、一つは、先ほど委員おっしゃったように、県内の先進的なモデルとなるような取り組みを行おうとする団体に対する創業とか経営支援を行うためのコミュニティ・ビジネスモデル支援事業というものを平成13年度につくっております。平成13年度は3団体ということで、高齢者への生活支援代行サービス、高齢者に対する給食・宅配サービス、NPO等の地場の特産品開発、こういうことをやろうとする団体に支援しております。平成14年度につきましては4団体ですが、この中身につきましては、障害者の在宅ワーカー支援サービスとか、あと、働く女性が行っております商店街のマーケティング支援事業、それと、同じく働く女性が行っております子供対象の手づくり教室の運営を行うような事業、それと、農家の主婦の方々ですけれども、郷土料理をやるためのレストラン、そういうふうなものの中身について支援しておりまして、今のところ、平成13、14年度で7団体の支援を行っております。
 この事業に対する団体からの要求ということですが、この事業につきましては、基本的に市町村から推薦を受けてやっているものですから、この7団体を決定したときには、大体その倍あたりの要望がございました。
 それと、この支援事業を行政主導でやるということについては、この性質上ちょっと違うのかなということもございまして、県内で先駆的にコミュニティ・ビジネスに取り組んでいる団体の代表者の方々とか、岩手県中小企業団体中央会のような経営支援機関、それと県という形で岩手コミュニティビジネス協議会を立ち上げまして、この会長さんにつきましてはその団体から選んでいただいているんですが、そういう方々でインターネットを活用した団体間のネットワークづくりとか、コミュニティ・ビジネスの活動事例集の作成とか、岩手県内各地でフォーラムを開催するなど、そういう普及・啓発活動も行っております。
 来年度の事業の中身ですけれども、来年度が3年目になりますけれども、こういった事業を継続して実施していきたいと考えていますし、このほかにも、コミュニティ・ビジネスの創業を支援するための拠点の整備とか、あとはコミュニティ・ビジネスの創出からコンサルティング、マーケティングまでの一貫した支援体制の強化なども検討してまいりたいと思っております。
 このコミュニティ・ビジネスにつきましては、高齢化の進展とか生活様式や価値観の多様化などということで、今後ますますこういったものにかかわろうとする方々、こういった方々からサービスを受けようという方々もふえてくると思いますので、そういった中で、県民生活のさまざまな分野で一層の拡充とか発展が図られるものと期待しておりまして、今後とも積極的に支援してまいりたいと考えております。

〇飯沢匡副委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

〇伊沢昌弘委員 新しい名前で、私、今、予算書を見ていて、多分昨年度もあったと思うんですが気がつかなかった部分があったんですが、これからこういう形で具体的にこういう事業をやったというのを積み重ねていけば多くの方々がこの事業に対して関心を持っていくのかなと。地域の人たちがその中で、NPOの人たちも含めてのようですけれども、地域の中で活性化のためにどんどんなっていくような気がします。
 予算的に280万円程度ですけれども、今後、これらのところ、聞くところによれば市町村からの推薦、かなり団体は多いようでありますけれども、選考採択の基準等々を含めて整理しながら、今後ふやしていくお考えはないのかお伺いしておきたいと思います。

〇小野新産業推進監 この事業につきましては、モデル事業ということで13、14、15の3年度という形にされていますけれども、この事業の中身を精査して、将来的にこれをどう生かしていくか検討してまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 最初に、雇用対策についてお聞きします。
 私は、本会議と総括質疑で、サービス残業、長時間労働の是正による雇用拡大というものを取り上げました。サービス残業の具体的なデータはないんですが、残業をなくせば2万3、000人の雇用に相当する、こういう答弁でした。私は、そういう点では、サービス残業を含めて解消するとさらに大幅な雇用が拡大できるわけで、まさに雇用拡大の決め手ではないかと思います。県は、この間ワークシェアリングを検討しておりますが、この検討内容とその具体化はどうなっているのかお聞きしたい。
 公共事業の大幅な削減は避けられません。来年度予算でも削減されています。私は、雇用の面から見ますと、公共事業を雇用効果の高い福祉、医療、環境、教育、生活密着型に転換をする、そうすれば新たな雇用拡大にも結びつくと思います。公共事業を減らしても、決して単純に雇用は減らないどころかふやす方策もあるのではないか。長野県などは思い切ってそういう方向に産業転換を図っています。そういう点での雇用拡大策というのはどう検討されているのか示していただきたい。
 それと、知事の公約にかかわって、知事は、みずからの公約で、平成14年度から1万5、000人の雇用拡大をすると言っているんです。ところが、岩手県の計画だと2万1、000人の雇用拡大になっているんです。県の計画よりも少ないことでは公約にならないんじゃないかと思いますが、どんなものでしょうか。

〇照井商工労働観光部長 新たな雇用拡大策ということでございますけれども、いずれ右肩上がりの経済成長が今後期待できない中で、本県におきまして新たな雇用の拡大を図って安定的な雇用の場を確保していくためには、やはりこれまでのような公共事業に過度に依存した地域経済からの転換を図るということが大事ではないかなと、そして今後とも成長が見込まれるサービス産業の振興でありますとか、あるいは地域に根差した足腰の強い内発型の産業を創出、育成して、地域経済の自立を図っていくということが何よりもまず大事だと考えております。
 それから、ワークシェアリングの関係でございます。これにつきましては、個々の企業がこれを導入するに当たっては、労使双方が十分な協議を行うということが何より重要でございます。そして実際に導入するか否かについては、労使の自主的な判断と合意によって対応すべきものと考えております。
 一昨年の11月に、労使双方で構成する岩手県の労働問題協議会というのがございますが、その中にワークシェアリング研究会が設置されまして、現在、他県の先進例などを参考にしながら、本県においてワークシェアリングを進めるとすればどのような課題があるのか、どのような方向が適当なのかなどにつきまして、鋭意、調査・研究が進められているところでございます。県といたしましても、この調査・研究に資するように、県内の企業やそこで働く従業員の皆さんのワークシェアリングに対する意識とか実態を調査して、現在取りまとめを行っているところでございますが、この調査の結果やワークシェアリング研究会での報告などを踏まえて、労使双方に対しましてワークシェアリングの考え方、導入に際しての課題など、具体的な判断の材料の提供に努めていきたいと考えています。
 それから、知事のマニフェストの目標のお尋ねでございますが、拝見しましたら、あれはサービス産業で1万5、000人だったと。一方、県の総合雇用対策の目標の数値は、あらゆる分野での雇用創出目標でございます。そういうことでございます。

〇斉藤信委員 わかりました。労働時間の短縮というのは、いわば残業というのは約束された以上の労働時間ですから、今、雇用が過剰ではなくて労働時間が過剰だと、これが問題になっているんです。一方で失業者がふえる。一方で働いている人たちは、残業、サービス残業が多いと、これを解消すれば雇用拡大に結びつくので、例えば2万3、000人のうち、半分やったって1万人以上の雇用をふやせるんですよ。私はこれが最も効果的な対策だと思うので、ぜひワークシェアリングの研究会をやっているので、これの具体化が図られるように検討を早く進めていただきたい。
 それで岩手県の雇用拡大策について、2万1、000人の目標が3カ年間の目標ですが、このうち常用雇用、これをどのぐらい見込んでいるか、これをちょっとつけ加えて教えてください。
 大きな2番目に、イオン盛岡出店問題についてお聞きをいたします。
 出店計画に対する県の意見、これはどのように検討をされているでしょうか。いつまでに県の意見というのが出されるのか示していただきたい。
 交通渋滞対策については、県も参加した関係機関による交通協議の結論を踏まえたものとなると思いますが、どうでしょうか。私は、交通事情その他も考えれば、イオン盛岡の規模縮小も必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。最終的には国道協議、これは国との協議ということになりますが、今後のイオン出店の見通しを含めて示していただきたい。
 深刻な不況のもとで、大型店の売り上げも減少しています。イオンは200億円の売上目標ですが、地元商店街に対する影響というのは大変大きなものになるのではないか。大型店の売上高がどう減少しているか。そのもとで、このイオンの出店は地元商店街にどう影響を与えるのか、県の考え方を示していただきたい。

〇酒井商工企画監 県の総合雇用対策での雇用目標2万1、000人のうちの常用雇用目標人数は幾らかということでございますが、これは国、県基金事業、それから県としての産業支援、さまざま産業支援による雇用の創出等を考えているわけでございますが、県の産業支援等による雇用の創出というところで5、400人、それから国の方の特定求職者雇用開発助成金というのがございますが、これはあくまでも国の方の助成事業でございますが、こちらの方で7、000人、あわせて2万1、000人中1万2、400人を常用雇用の目標としているものでございます。

〇江口産業振興課長 イオン盛岡出店に関する質問に対してお答えいたします。
 まず、県の意見の検討ということについてでございますが、昨年7月のイオンモール株式会社からの大店立地法に基づく出店の届け出を受けまして、県といたしましては、盛岡地方振興局におきまして、交通ですとか生活環境などの専門家9名による委員会というものを設置いたしましてその意見を聞くとともに、盛岡市や住民の皆様方から提出されました意見、さらには委員からも御紹介がございました盛岡市が設置をいたしました交通問題検討連絡協議会での協議結果などを踏まえながら、国の指針に基づいて審査を行ってきたところでございます。その結果といたしまして、本日、午前中でございますけれども、盛岡地方振興局の方から、届け出たところでございますイオンモール株式会社に対しまして、交通の円滑化と騒音対策、この2点の観点から、駐車場の出入り口の数と位置の改善が必要であるという意見を通知いたしたところでございます。
 また、2点目として、規模の縮小ということが必要ではないかというようなことでお話があったわけでございますけれども、この大店立地法は店舗面積の調整など、いわゆる商業調整を目的とするものではございませんで、あくまで周辺地域における交通渋滞ですとか騒音などの生活環境の保持という観点から、審査をするものとなっておるということでございます。
 今回の案件につきましては、騒音対策及び交通の円滑化ということの二つの観点から、駐車場の出入り口の数、位置について見直しが必要であり、その他の内容については適当と判断をいたしたところでございます。
 また、この交通問題を検討するに当たりましては、市で開きました検討委員会の交通協議の結果、右折レーンの設置等々いろいろ検討がなされたわけでございますが、それに基づいた判断を行っておるところでございます。
 また、今後のイオン出店の見通しということでございますが、届出書によりますと、開店予定日は4月25日ということになっておるわけでございますが、本日、県から意見を提出しておりますので、この意見を踏まえて、届け出内容を変更する旨の届け出等々の通知をイオン側がすることになっております。それ以降、2カ月間は出店ができないことになるということでございますので、事実上、4月25日に出店は無理ということになると考えております。
 また、イオンモール株式会社から聞いておるところによりますと、8月上旬の開店を予定していると伺っておるところでございます。
 また、最後の点でございますが、地元商店街に対する影響ということでございますが、平成10年5月に盛岡市の商店街連合会が調査をいたしたところによりますと、これは5万平米規模――今回のイオンは3万5、000平米とございますけれども――5万平米規模の大型店が出店した場合、市内の商店街はおおむね10%から20%の買い物客が減少するなどといった報告、影響が生ずるという推計をしておるところでございます。
 県といたしましては、地元商店街が創意工夫を凝らしながら、郊外の大型店にはないような魅力を発揮できる商店街を形成していくというのが何よりも重要と考えておりまして、さまざまな事業を通じまして、これらの活動を支援してまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 本日通知したということで、その具体的内容を承知していればもう少し立ち入った質問ができたと思うんですが、イオンは3万5、000平米弱なのですが、飲食店が6、000平米あるんですね。4万平米を超える規模なんです、実質的には。私はそういう点で大型店の売り上げが全体として減少する中で、これが出店するということは、パイは変わらないわけだから、変わらないどころか今小さくなっているわけだから、私は大変な打撃と影響になると思います。
 つけ加えて、今、県内各地にイオンの出店計画がメジロ押しです。どのように把握されているか教えていただきたい。
 最後、中小企業対策について。
 雇用対策本部の基本方針では、中小企業に対する融資制度等の充実が提起されていますが、具体的にはどういう融資制度の改善を行うのでしょうか。国の新たな借換融資制度の内容と利用状況、その普及はどうなっているでしょうか。
 金融機関による貸し渋り、貸しはがし、金利の引き上げなどの現状と是正の対策をどう講じているでしょうか。

〇江口産業振興課長 まず、イオン出店計画ということでございますが、これまで届け出があったものといたしましては、[V1]盛岡駅前の北通店ということで、マックスバリュを出店するという届け出がなされておるところでございます。その他につきましては、新聞報道にあるところでございますが、県に届け出とか相談があったものは今のところございません。
 続きまして中小企業対策でございますが、総合雇用対策における融資制度の充実という点でございます。この総合雇用対策におきましては、取引先の倒産ですとか売上高の減少に伴いまして、経営の安定に支障が生じている中小企業に対して、経営の安定に必要な資金を供給することで、連鎖倒産などによりまして離職を予防するという観点からの金融セーフティネットとしての機能と、さらには、ベンチャーなど新たな事業を起こそうということで、新規雇用創出機能というような観点から、この県単制度を位置づけておるところでございます。
 具体的に制度の充実ということでございますけれども、新規融資枠といたしましては、平成14年度の実績見込みの258億円に対しまして、497億円という十分な額を確保いたしたところでございます。また、県単融資制度を利用しやすくするというような観点から、信用保証協会の協力を得るほか、一部補助金を県からの補助金により手当てをすることによりまして、保証料の引き下げ、これは標準1.0%でございますが、それを0.7%にするというような負担軽減策を講じておるところでございます。
 また、国におけるセーフティネットの保証の対象に、支店の統廃合など、合理化を行っている金融機関からの借り入れが減少している中小企業ですとか、貸付債権が譲渡されて、中小企業者のうち再生可能性があるというようなものがつけ加えられておりますので、そのようなものにつきまして、中小企業経営安定資金の別枠で、さらに8、000万円の利用を可能とするというように制度を改変したところでございます。
 また、借換保証制度についてのお問い合わせでございます。これにつきましては、国の補正予算の方で資金繰り円滑化借換保証制度、いわゆる借換保証制度でございますけれども、この制度といいますのは、既往の保証つきの借り入れを、セーフティネット保証ですとか一般の保証で借りかえるということによりまして、中小企業者の既往借入金の返済負担を軽減し、資金繰りを円滑化するというもので設けられた制度でございます。この借りかえといいますのは、平成10年度から12年度に実施をいたしました国の中小企業金融安定化特別保証制度のみならず、セーフティネット保証ですとか一般保証も対象としており、借りかえのほか、既往保証つき借入の一本化ですとか増額保証などに柔軟に対応するというような制度となっております。
 利用の状況ということでございますが、県の保証協会では、2月10日からこの制度の取り扱いを開始いたしたところでございますが、2月末までの数字でございますが50件、10億1、500万円の保証承諾を行っておるところでございます。
 この普及ということにつきましては、これまでも各金融機関ですとか商工団体を通じてPRを行ってきたわけでございますけれども、さらにいろいろな場面を通じまして、例えば県の公報媒体等を通じて制度の普及に努めてまいりたいと考えております。
 最後でございますが、金融機関等の貸し渋り等々の現状と是正ということでございます。
 まず、この現状ということでございますけれども、中小企業者からの声を幅広く聞くということで、金融庁では、昨年11月に貸し渋り、貸しはがしホットライン相談窓口というのを設置いたしたところでございます。2月20日現在では、全国の相談件数504件、東北財務局管内は13件の問い合わせがあるということでございます。
 また、昨年12月に、県の商工会及び商工会連合会に貸し渋り等110番というのを設置いたしましたが、2月末では15件の相談が寄せられております。このようなことから、県といたしましては、中小企業者から資金繰りが厳しいというような声が上がっておるというのは承知をいたしておるところでございます。
 なお、金利の引き上げにつきましては、金融庁は金融検査マニュアルなどによりまして、同等な信用リスクを有している債務者に通常適用される新規貸出実効金利を確保するようにという指導をされており、金融機関では、これに基づいて金利設定の見直しが行われていると聞いております。
 是正の対策ということでございますけれども、これまで中小企業金融連絡会議等におきまして、円滑に資金供給がなされるよう金融機関、保証協会、さらには商工団体等々を通じましていろいろ情報交換を行い、金融機関等に対しましては適切な融資について要請を行ってまいったところでございます。
 今後におきましても、これらのさまざまな機会をとらえまして意見交換というようなことを行うほか、可能な限り中小企業者の事情に沿った対応を行うように要請してまいりたい、また、我々としても対応してまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 最後ですが、借換保証制度というのは、本当に今中小業者が求めている制度ですよ。2月10日から始まったばかりですけれども、ぜひこれを周知徹底して活用していただけるように。そうすると、毎月の返済が何分の1に減りますから、ぜひこの活用を徹底するようにしていただきたい。
 それと貸し渋り、貸しはがし、金利引き上げなんですけれども、これは大変深刻、切実な問題です。
 それで私は、いい例だけ一つ紹介をして今後の指導に生かしてほしいんですが、これはNHKのクローズアップ現代で紹介をされた茨城県のある地方銀行の例です。ここでは100社の取引先を格付けして、経営改善のアドバイスをしている。この100社のうち、破綻懸念先から要管理先に変わったのが70件、要注意先から成長先に変わったのが30件、こうして不良債権を減らして60億円の引当金を減らしたと。
 私、銀行というのは本来、こうした借り手企業を育てる、育成、支援するということが本当の仕事だと思うんですね。そういう点では、不良債権の早期処理ということで、貸し渋り、貸しはがし、金利引き上げという圧力が強まっているけれども、本来の地方銀行、信用金庫などの役割が発揮されるように、私は先ほどの金融会議、中小企業金融連絡会議、ここでの議論を深めて、岩手県では、貸し渋りや貸しはがしや金利引き上げの強要が行われないようにしていただきたい。
 部長から最後に答弁を求めたい。

〇照井商工労働観光部長 私どもといたしましても、あらゆる機会をとらえて、金融機関、保証協会等に適切な融資をするよう、要請してまいりたいと考えております。

〇村上惠三委員 斉藤委員の質問に関連して1点お伺いをいたします。
 国の不良債権を処理するということで、金融庁が今取りまとめをしている地域の金融機関向けの不良債権処理と、そのプログラムといいますか計画が策定されようとしているわけであります。そういう報道があるようでありますが、そうなりますと、今斉藤委員が言ったのに関連しているわけでありますが、地元の3行といいますか4行といいますか、金融機関が大変な打撃を受けてくるであろうと懸念されるわけであります。
 御存知のように、岩手県は中小零細企業がほとんど、大半であるわけでありますから、かなりの影響を受けるであろうと、こう思われます。こうした不良債権処理の加速というものは、こういう経済の低迷している時代でありますからますます不安が助長されまして、企業に参加する経営者あるいは従業員の不安が募るであろうと、こう思います。そういう意味で、今度の国の地方の零細小企業を締めつけるような金融機関に対する不良債権の計画について、部長はどのような御所見を持っているのかお伺いをいたします。

〇照井商工労働観光部長 県内におきましても、主要行と同じような手法で地域の金融機関の不良債権処理が行われた場合には、やはり企業倒産とか失業者の増加など、地域経済には相当深刻な影響を及ぼすのではないかと懸念しているところでございます。県といたしましては、今も紹介がございましたけれども、国あるいは金融機関、商工団体で構成しているいろいろな情報交換のようなものがございますけれども、そういった機会などをとらえて、いずれ地域金融機関の不良債権処理に当たっては、地域金融機関というのは主要行とは異なる特性、地域経済を守るとかそういう特性がありますので、やはり主要行と同じ、同一の手法でこの不良債権処理というものを行うことがなく、やはり地域性とか、その地域の置かれている経済状況、これをよく配慮していただいて、その影響を本当に慎重に検討した上で進めるように、国に対して意見を述べるなどして働きかけていきたいと考えております。

〇村上惠三委員 部長から力強いそういう所見を拝聴したわけでありますが、ほとんど企業というものは、自己資本が少なくて他人資本の銀行に支えられて運営しているわけでありまして、その部分を離されますとほとんど倒産すると思うんです。倒産ということは、今健全に動いている企業でさえ倒産しますから、失業者を出すという部分があって大変な混乱が起きてくるであろうと、こう思います。したがいまして、県としてはその対策を十分にとっているようではありますけれども、これは今まで私が伺っている範囲内では甘っちょろいことでありまして、やっぱり救援機関を守るということは地元の零細小企業を守るわけでありますから、お互いタッグでありますから、十分にそうした配慮をしていただいて今後とも頑張っていただきたいと、御要望を申し上げて終わります。

〇小野寺好委員 観光産業の生産波及効果は国内全体の5.4%、雇用効果は全雇用の5.9%であると言われております。現在製造業が非常に振るいませんので、こういった中で観光産業には非常に大きな期待を寄せたいと思います。
 こうした中で、新年度予算の中で北東北3県とJR6社との共同キャンペーン、こちらにあわせて4、700万円ほどの負担金を計画しているようであります。北東北3県とJR6社となると非常に大きくなって、焦点とか責任の所在がぼんやりするのではないかと思いますが、こうした中で、本県としては来客数をどのぐらいの目標とか、そのうち宿泊客は何人くらいと、そういった目標を立ててこの負担金を用意しているのかどうかお伺いいたします。
 また、観光産業の中で鉄道会社の役割は非常に大きいと思うのですが、特に本県とJR東日本との中でテーマを絞って、特にこれは売れるぞと、こういったものは何か開発したような観光商品があるか、そういった見込みをお尋ねしたいと思います。
 2番目に、岩手県民が気軽に県内の観光地を訪れることが必要ではないかと思うのですが、よそからだけではなくて県内の移動、こういった方面にどのような努力を払っているかお伺いしたいと思います。
 県内の観光ハンドブックみたいなのがあればと思っていろいろ探していましたら、財団法人岩手県観光協会が岩手の旅というのを発行しているようであります。これは見ていて非常に楽しくて、具体的に旅行計画なども立てられるような非常に中身の充実したものでありますが、これは余り知られていないと思うのですが、配布先とか、どの程度発行されているのか。できれば将来的に希望者には無料で配布できるような仕組みというのはできないものかどうか、お伺いしたいと思います。
 3点目として、中小企業退職金共済でありますけれども、これは資金運用面でちょっと将来的に不安だという報道がされましたけれども、略して中退共、これの本県の加入状況とか制度が変更しているような部分とか、将来見通し、こういったものはどうなっているのかお伺いしたいと思います。

〇松川観光課長 まず、北東北デスティネーションキャンペーンに関連をいたしまして、本県への入り込み数の目標値等があるかどうかというお尋ねでございます。
 今回の4月から6月までのデスティネーションキャンペーンで、北東北3県で誘客目標値というのは特に設けてはおらないわけでございますけれども、過去3回、デスティネーションキャンペーンを実施しておりまして、実施時期がおおむね同様であります第2次のキャンペーン、平成6年4月から5月まで実施をいたしております。この期間中の入り込み数が前年比で2.6%増となっておりますことから、2%から3%の増を目安と考えておるところでございます。
 それから、JR東日本との関係で本県関係の旅行商品の造成状況ということでございます。
 二つございますが、一つは、この4月からのキャンペーンのオープニングイベントということで、八戸線でSLの運行を予定いたしております。このSL、うみねこ号と申しますけれども、この運転と連動した旅行商品を造成いたしております。一つは、SLうみねこ号の旅ということで、往復の交通と宿泊のパッケージ商品。それから、さらに三陸鉄道のお座敷列車等を活用いたしました北三陸SLうみねこ号の旅、こういったものでございます。
 それから、このデスティネーションのイベントといたしまして、ふるさとハイキングというイベントをやっておりますけれども、春から初夏にかけまして、地元観光ガイドと自然との触れ合いを楽しんでもらうという企画でございまして、奥入瀬渓流と安比高原ブナ林コースなどの旅の企画がございます。
 それから、県内客の観光促進策についてでございますけれども、県内向けの観光情報の発信、いろんなチャンネルでやってきております。県の公報媒体を活用いたしまして、例えば全世帯配布のいわてグラフを活用する、あるいは県政テレビ番組を活用して発信をしてまいりました。さらには、県の観光ホームページ、岩手の旅を本年度立ち上げまして、これによりまして観光情報の提供に努めております。それから、市町村、市町村観光協会等を通じた情報提供、これも実施をしてきております。さらには、岩手県の観光キャッチフレーズ、こちら、岩手ナチュラル百貨店の周知、あるいは5月16日を観光の日としておりますけれども、これの周知などによりましてこの観光促進を図っているところでございます。
 それから、冊子・岩手の旅についてでございます。財団法人岩手県観光協会が発行いたしております総合ガイドブックでございます。これは、2年ごとに改訂をいたしておりまして、5、000部作成をいたしております。一部観光協会の会員等に無料配布をするものを除きまして、800円でございますけれども有料販売をしているということでございます。

〇白木労政能力開発課長 中小企業退職金共済制度の本県における加入状況でございます。制度的に4種類ございますが、その大半を占めております二つ、一般中小企業退職金共済制度、それから建設業退職金共済制度、これについて見ますと、平成14年3月末現在の加入者数、一般中小企業関係が5、193事業所、4万349人の従業員数となっております。また、建設業退職金共済制度は1、954事業所、加入者数が3万9、032人となっております。従業員数で見ますと、一般中小企業につきましては前年対比で5%ほど減少しております。また、建設業につきましては、逆に1.6%ほど増加をしているという状況でございます。
 それから、制度の改正の関係でございますが、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律が昨年の11月1日から施行されております。改正内容は、現在の経済及び金融情勢に対応するため、予定運用利回り、これを年3%から年1%とするとされたところでございます。それに伴いまして、退職金の額につきましては、平成14年10月分までの退職金は保全をした上で、14年11月から新しい給付テーブル、給付表でございますが、これで計算をされるとなっております。

〇菊池勲委員 部長か担当課長、今、製造業が生産拠点を外国に移動して一生懸命努力されているんだけれども、その反面、中国から日本に、ビザの名目は研修生という格好で日本に入ってくるんですね。そして、そういう若い女性群なんだけれども、地元の10人から20人前後の、ほとんど中国の女性が来て作業をしているんですよ。調査は完璧にしていないんだけれども、北上にもかなりの量になっているみたい。
 先般、北上の工業団地のある企業のところにちょっと呼ばれて行ってきました。全く知らなかったことなんだけれども、これでは我々地場産業は、誘致されてもう30年近くここで頑張っているけれども、生きる道がないんだという話なんだね。そして200人ぐらいの会社なんだけれども、どうしてもリストラはできないと。だから必死になって社員、社長以下、力をあわせて守っているんだけれども、大きな会社、北上で言えば東芝、富士通は金ケ崎でありますけれども、そういう方々は知らず知らずにリストラをして、もう2割も3割も首を切っていると。目立たないけれども、我々は残念ながら社員の首を切るのは忍びないと。
 30数年間つき合った大手の親会社に仕事を分けてもらいに行ったところが、今まで1個100円でつくったと仮定する品物を、50円なら上げると言われたというんだ。とっても50円じゃもらってきても採算が合わないから、仕事をしてもしようがないからと断ってきたんだそうだ。ところが別な会社に行っても、やっぱり70円でやっていたものが45円とか30円だという話になった。とうとうだめで、仕事を探したら、それだけ欲しかったら中国に行ってもらってきたらと言われたと。100円でやったものは中国は30円ぐらいでやっていると。50円で断ったけれども、そっちに行ったら35円とか30円になっちゃったというんだ。これでは僕らも生きられるのは時間の問題だという話になっているんだよ。
 部長のところは大変きめ細かな施策で展開してくれて、私、すべてよしと見ておった。現状はその状態になっている。
 例えばビザで、研修生として日本に渡ったそういうほとんど女の子、一体、何百名だか何千名だかちょっとわからないんじゃないかと思うんだ、日本全国ならば。だけれども、取り締まる方法はないんだという話なんだね。研修生だから、労働者としては入ってこれないんだそうですね。この実態は把握されているんですか、まずそこを聞きたい。

〇白木労政能力開発課長 研修等の在留資格で3カ月以上本県に滞在している人数でございますが、これは県の文化国際課調べでございますが、平成13年末で565人となっております。
 それから、研修生につきましては、9カ月以上の在学あるいは実務の研修を終えますと、2年3カ月の間、雇用関係のもとで実習を行うことができると、そういった技能実習生の制度がございまして、そういった技能実習生については、これは平成13年6月1日現在では181人、平成14年6月1日現在では272人、これは岩手労働局の調査でございますが、そういった実態になっております。

〇菊池勲委員 これははっきりした数字じゃないんだよね。もう北上あたりでも、私が知っている範囲ではこの程度の人数はおりますよ。今、あなた言ったのは、北上の数字ではない、あなた発表したのは。
 部長、私どもは日本の経済、岩手の経済を支えて一生懸命努力してきた。だけれども、政策の転換で、今言ったとおり、研修生という名前で何を研修しているかと言ったら、日本の若年女子労働者の仕事を、全部その研修生という名の者が、外国人が皆やっているというんだ。だから、もう女子の労働の場所はなくなった。ましてや、高校卒の労働者なんか全くない。これでは何ともやり切れないと言っているんだ。この実態、部長は知っておったの。この程度の、課長の答弁のこの数字ならばこんな騒ぎをすることはないんだよね。残念ながら、テレビ、新聞を見ても、こういう議論はほとんどされていない。私も初めて気がついたようなもんだからね。これではもう岩手の経済はおろか、守っていけないんじゃないかと思うんだ。
 先ほどのどなたかの質問では、新年度、雇用拡大は1万5、000とか2万何ぼとか言っているけれども、そんな数字より、土台そのものがぶっ壊れてきているんだ。部長、もう一回答弁してください。

〇照井商工労働観光部長 ただいまの外国人の県内における就労の実態等でございますけれども、いずれ、研修については今課長が答弁したとおりでございまして、地元の方々の就労を阻害しているというような状況にあるとすれば、これは恐らく研修というより、単純労働の方の労働者の受け入れではないかと見込まれるのですが、国の方では専門的あるいは技術的な分野の外国人の労働者については、積極的にこれを推進すると。しかし、単純労働者の受け入れについては、やはり日本の経済社会に多大な影響を及ぼすということが予想されるということで、十分これは慎重に対応することが不可欠だという閣議での決定があります。国では、この方針に基づいて今いろいろ対応されていると思いますが、私もまことに残念ですけれども、その実態、よく把握しておりません。そこで、岩手労働局なりに、国の方にその辺の実態等がどうなっているのか、早速、これ詳しくお聞きしまして、研修ではなく単純労働者の受け入れによって地元の方々の就労を阻害しているということであれば、これについては国に対して適切な対応を求めてまいりたいと思います。
 まずはそういうことで、実態を把握させていただきたいと思います。

〇菊池勲委員 部長、わからなかったのは、私ども北上でさえも多くの実態があるわけですよ。ましてや旧和賀町、合併して10年になったけれども、その地域にも、昔は地元の女性の方々を使った仕事、全部排除して全部中国人がかかっている。料金の実態を確認はしていないからわからないけれども、周りで言っている風評では、15分の1の料金で使っていると言っているんだよ。できたものは同じなわけだよ。そして若い子供たちだから見事に手先が器用で、能率がいいというんだ。比較したわけではないけれども、ただ、そう言っているから。そして何だかわけのわからないのが五、六人いるけれども、日本語が通じないと。どうも日本人のような顔をしているけれども、そうでないみたいだというんだ。まさか行って調べるわけにいかない、私どもはな。ですから、部長も把握されていないということであれば、少なくたって、これ早く調査をして――これは北上だけではないと思うんだ。全国一律だと思うけれども、特に多い、うちの北上は、企業誘致が多いものだから。昔からある企業は完全にパンク寸前で、あぷあぷしている。だけれども、小さいやつはそういう形で仕事はどんどんとっている。そして、それをあっせんする業者がいるみたいだ。だれかがもうかっているやつがいるんだ、ここに。べらぼうに、それも。10分の1やそこらで使ったら、えらいリベートを取っていると私は思うんだ。それを早く取り締まらないと、これは完璧にだめになっちゃう。あなたの努力は水の泡になっちゃうよ、部長。もう一度。

〇照井商工労働観光部長 いずれ、地域の雇用を守るというのが私どもに課せられた最大の使命でございますので、ただいまの点につきましては、早速、そういういうことで調査して、適切に対応してまいりたいと思います。

〇飯沢匡副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇飯沢匡副委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働観光部関係の質疑を終わります。
 商工労働観光部の皆さんは退席されて結構です。御苦労様でした。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時48分 休 憩
   午後3時8分 再 開

〇水上信宏委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、医療局長から医療局関係の説明を求めます。

〇千葉医療局長 平成15年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明を申し上げます。
 議案その1でございますが、49ページをお開き願います。議案第13号平成15年度岩手県立病院等事業会計予算でございますが、まず、第2条の業務の予定量でございます。収益的収入及び支出につきましては、病床数を6、189床と定め、年間延べ患者数を、入院では180万6、000人、外来では425万8、000人と見込むものでございます。
 次に、資本的収入及び支出でございますが、病院建築工事のうち、新築工事では、福岡病院は平成15年度、磐井及び南光病院は平成17年度と、それぞれ竣工に向けまして工事費など所要の事業費を計上するものでございます。増改築工事では、大船渡病院及び千厩病院は平成15年度、胆沢病院は平成16年度と、それぞれ所要の工事費を計上するものでございます。平成15年度、16年度は竣工時でございます。
 また、医療器械につきましては、磁気共鳴画像診断装置、いわゆるMRI等の購入が主なものでございます。さらに、医師養成負担金につきましては、岩手医科大学に本県出身者の入学枠5人分を確保し、その養成経費を負担しようとするものであります。
 第3条の収益的収入及び支出と第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 次に、51ページに参りまして、第5条の債務負担行為でございますが、これは、工期が翌年度以降にわたる花巻厚生・北上病院新築用地の造成工事費並びに磐井及び南光病院の工事費等の債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものでございます。
 第6条の企業債でございますが、病院建築工事や医療器械等購入等の財源となる起債の限度額を175億9、100万円とするほか、その償還方法などを定めようとするものでございます。
 52ページに参りまして、第7条は、一時借入金の限度額を133億円と定めようとするものでございます。
 第8条ですが、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものでございます。
 第9条は、薬品、診療材料等の棚卸資産購入限度額を定めようとするものでございます。
 第10条重要な資産の取得は、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械の取得でございます。
 それでは、別冊の予算に関する説明書の427ページをお開き願います。平成15年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明を申し上げます。
 初めに、収益的収入及び支出についてでございますが、まず、収入です。第1款病院事業収益は1、005億7、200余万円で、平成14年度の最終予算と比較しますと0.8%の増加でございます。
 第1項医業収益は884億2、100余万円で、1目入院収益は538億2、500余万円、2目外来収益は285億3、800余万円でございます。3目その他医業収益は60億5、600余万円で、その主なものといたしましては、救急医療等の一般行政経費に係る一般会計繰出金、健康診断等の公衆衛生活動収益等でございます。
 第2項医業外収益は121億5、000余万円で、主なものといたしまして、3目負担金交付金110億8、400余万円は、結核病院や精神病院及び高度医療等の不採算経費に係る一般会計からの繰入金でございます。5目その他医業外収益5億6、300余万円は、不動産貸付料等でございます。
 428ページに参ります。支出についてでございますが、第1款病院事業費用は1、024億8、300余万円で、平成14年度の最終予算と比較しますと0.1%の増加でございます。
 第1項医業費用は972億9、300余万円で、その主なものといたしましては、1目給与費555億1、000余万円、2目薬剤、診療材料等の材料費271億6、500余万円、3目光熱水費、各種委託料経費などの経費106億5、400余万円、5目減価償却費34億5、200余万円等でございます。
 第2項医業外費用は51億800余万円で、その主なものといたしましては、1目の企業債等に係る支払利息41億500余万円等でございます。
 次のページに参りまして、第3項特別損失は7、700余万円で、沼宮内病院の旧建物解体費でございます。
 以上、支出の合計額は1、024億8、300余万円となり、収入と支出の差し引きでは19億1、000余万円の損失が見込まれるものでございます。
 次に、430ページをお開き願います。資本的収入及び支出につきまして御説明申し上げます。
 収入の総額は215億7、200余万円であり、その主なものといたしましては、第1款資本的収入の第1項企業債175億9、100万円で、これは、さきに業務の予定量で御説明申し上げました、福岡、磐井及び南光病院等の建築工事や医療器械の購入等に充てるためのものでございます。
 第3項負担金39億8、000余万円は、企業債償還等に係る一般会計からの繰入金でございます。
 次に、支出でございますが、その総額は264億3、700余万円でありまして、その主なものといたしましては、第1款資本的支出の第1項建設改良費182億6、200余万円でありますが、その内容は、次のページに参りまして、2目建物費124億8、200余万円、3目医療器械費38億6、900余万円等でございます。
 第2項企業債償還金は73億9、000余万円でございます。
 第3項投資は3億2、500余万円でございますが、その内容は、1目長期貸付金は、医師等に対する奨学資金の貸付金として1億2、200余万円、2目医師養成負担金は2億200余万円でございます。
 第4項開発費は、情報処理システムの開発費で4億5、800余万円でございます。
 なお、432ページ以降の資金計画、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表及び予定損益計算書につきましては御説明を省略させていただきます。
 以上でございます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

〇水上信宏委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇千葉伝委員 先ほどの説明で、427ページ、平成15年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画、ここに関連しましてお伺いしたいと思います。
 医療局においては、県民の医療の確保を図るという観点で御尽力をいただいていることには大変感謝と敬意を表するものであります。その運営に当たっては、収支状況が単年度あるいは累積においても大変厳しい中にあるということは認識しているところであります。加えて、昨年4月の診療報酬の改定による外来投薬日数の緩和や健康保険制度の改正などの影響により、特に14年度に入ってから入院・外来患者数が大幅に減少しているとのことですが、まず、県立病院全体の現状として、入院及び外来患者数の動向はどうなっているのでしょうか。
 それから、入院・外来患者数が減少しているということになりますと、その主な理由は何なのでしょうか。
 今後、患者数はどう推移していくと考えているのでしょうか、最初にお伺いいたします。

〇八木業務課長 入院及び外来患者数の動向についてでございますけれども、12月末で前年同期と比較しますと、入院患者数は6万9、000人、4.9%ほどの減少、外来患者数は26万2、000人、7.6%ほどの減少となってございます。
 入院患者数が減少した主な理由は、新入院患者数が伸び悩んでいることに加えて、入院時の診療計画や療養中の指導あるいは医療技術の進歩などによりまして、平均在院日数が昨年と比較しますと1.2日ほど短縮したことが主な要因となっております。
 また、外来患者数の減少としましては、これも先ほど委員おっしゃいました昨年4月の診療報酬改定により薬の投与日数の制限が原則として廃止されたことに伴い、長期投与が増加して再来患者数が大きく減少したことが影響してございます。
 今後の患者数の推移でございますが、平均在院日数が年々短縮傾向にあることや、介護関連施設の整備、さらには人口の減少傾向、薬の長期投与の定着あるいは病院と診療所の連携促進などから患者数の増加する要素は少ないものと考えております。

〇千葉伝委員 外来あるいは入院患者の減少ということでの今の報告なんですが、しからば、平成15年度、そういったことに対して、県立病院の運営という観点で、どのような対策というか対応というか、何かお考えの部分があればお知らせ願いたいと思います。

〇千葉医療局長 今、業務課長から状況、数字を簡単に説明しましたけれども、私の認識としても、今後の患者数の増というのは、今の情勢あるいは国の医療制度改革等を勘案しますと同じように考えてございます。
 先ほど業務課長が平均在院日数の短縮ということを申し上げましたけれども、これは入院患者の減少の最大の理由です。ちょっと説明させていただきますけれども、平均在院日数は、近年、毎年減少してきています。平成14年度に急激に減少したというものではないわけでございまして、数字で申し上げますと、平成9年度はお1人の入院患者さんが22.9日です。これは年々減少してきておりまして、今現在で大体19.1日ということです。この傾向は、全国自治体病院協議会等の資料で、全国の自治体も同様の傾向であります。ちょっとうちは低いかなというぐらいですが、減少傾向は同じでございます。
 では、なぜ今まで収入がそれなりに確保されたかですが、在院日数は短縮していったんですが、退院された後の新しい入院患者さんが今までは年々ふえてきた。それが、数字で申し上げますと、平成9年から13年までで、新しい入院患者は平成9年には27病院で1日192人でした。それが平成13年には211人ということで、差が19人ですから、4年間で5人ずつふえてきている。今年度は、今現在で昨年と同数の211人ということで、結局、在院日数が短縮し、新しい入院患者さんがないという、いわゆる回転がちょっと遅くなったということが患者数の減だと思っております。
 そういったようなことで、今お尋ねのどうするんだということですが、業務課長が申し上げましたけれども、なかなか回復というのは難しいのではないかということで、ことしの1月でしたが、私ども病院関係者で組織します長期経営計画推進検討委員会を立ち上げまして検討を始めたところでございます。この委員会を中心に、今後は各圏域単位にいろいろ協議を進めまして、経営改善なり、あるいは患者数に見合う受け皿、そういったものをどうするかといったこと、あるいは個別業務でもいろいろな改善余地のあるものについて、いろいろ細かいものを積み重ねながら収益の改善に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。

〇千葉伝委員 長期計画を検討する委員会を立ち上げてこれからという部分もお聞きしました。いずれなかなか厳しいという中にあって、今後とも県立病院全体の運営に当たっては御努力いただきたいと思います。
 次に、地域医療の関係ですが、昨年10月1日に新しく県立沼宮内病院が開院してはや6カ月がたとうとしております。この間、院長初め、職員が気持ちを新たに、岩手町を初め周辺地域の医療の確保に御努力されているところであり、心から感謝するものであります。
 そこで、新しい沼宮内病院の利用状況についてお伺いします。先ほど県全体の部分はお聞きしたわけですけれども、この沼宮内病院での入院、外来の患者数はどうなっているでしょうか。
 それから、地域住民の疾病予防に有効な検診とか、あるいは予防接種は従前から推進しているところですが、その取扱件数はどうでしょうか。
 また、新病院の目玉としてリハビリテーション科が新設され、理学療法士が配置されたところであります。その実績は、6カ月分でありますけれども、どのくらいあるのでしょうか。

〇八木業務課長 新沼宮内病院の患者数でございますが、1日平均の患者数で見ますと、入院の場合、移転前は35人ほどでございましたけれども、移転後は38人ということで3人ほど増加してございますし、外来患者数は、移転前207人でございましたが、移転後198人と、9人ほど減少してございます。ただ、これは薬の長期投与が昨年4月からなされているということで、こういったものが影響しているものと考えてございます。
 それから、検診や予防接種の取扱件数でございますが、大腸がん、乳がん検診や予防接種は、今年度1月末で7、300人ほど実施してございます。昨年同期と比較しますと1、300人、22%の増加となってございます。
 新設しましたリハビリテーションの取扱実績でございますけれども、1月末で690人ほど、1日平均9人ほど実施してございますし、順調に推移していると考えてございます。

〇千葉伝委員 患者は、入院が若干増、外来はさまざまな部分で若干の減少、こういうことであります。
 二つ目にお聞きした、県立病院を中心として、保健所あるいは地域と連携して予防検診ということで、それぞれ地域があると思うんですが、ほかの地域はちょっとわからないんですが、検診率というものが地域にあっては高いということで、頑張っているわけです。
 今後、検診率が高いから、そこの地域でそういったがん等の発生率がしからばどうか、管内の地域別の疾病の発生状況の検証とか、そういうものも進めながら、こういった数字をきちっととってやることが必要ではないかと思っているところですが、それは医療局がやるのか保健所がやるのか、こういうことになろうかと思うんですが、その辺のお考えについてどうでしょうか。

〇八木業務課長 岩手町の場合は非常に検診活動に積極的でございまして、県内の市町村別の検診状況を見ても上位の方にランクされてございます。特に大腸がん検診とか乳がん検診は非常に盛んでございまして、沼宮内病院の場合、特に胃検診だと内視鏡を使った2次検診を中心に実施してございますし、1次検診でのチェックは市町村を中心にしてやってございまして、精密検査を病院の方を中心にして今やっているということで、保健活動に関しても市町村と連携を強めながら進めてまいりたいと考えてございます。

〇千葉伝委員 三つ目に聞いた、リハビリテーションということで新設していただいて、これは私も病院の方から以前ちょっと聞いたことがあるんですけれども、外来の方あるいは入院している方が要するに理学療法が必要だと、こういった中で活用されている、こういうことで大変喜んでいるということであります。希望が結構あれば、今度は1人で足りるのかという話になるかと思いますけれども。
 それから、先ほどの患者数の動向等と絡んできて、県立病院、沼宮内もそうですし、ほかの病院もいろいろと施設の整備を段階的に進めていただいている。こういった中で、地域にあっては、施設等は立派に進むけれども、マンパワーの方、医者の確保あるいは看護師等職員の確保、このあたりがどこでもいろいろ問題があると思うんです。そういったことを踏まえて、今後厳しい状況にあるというのは重々承知でありますけれども、沼宮内病院を含む県立病院の医師あるいは看護師等の確保に最大限努力をしていただいて、地域医療ということで、あるいは県内の県立病院の運営に当たって、こういうことでぜひ頑張っていただきたい。これは要望としてお願い申し上げて私の質問を終わります。

〇工藤大輔委員 千葉伝委員の質問に関連して質問したいと思います。
 厚生労働省の全国の大学病院等を対象に行った調査によりますと、患者の入院日数について、対象病院では平均が22.4日であり、最短は15.8日の慶応大学病院、最長が29.1日の大阪市立病院とその差があり、それにはそれぞれの理由があるようですけれども、先ほど県立病院では22.9日、たしかそのような答えだったと思いますが、平成15年度の見込みについてお伺いしたいと思います。
 また、手術別の入院日数の状況についてですが、例えば心臓バイパス手術の場合、平均が33.7日かかっている中、最短は18日の順天堂大学、また、最長は57日の川崎医科大学、また、心臓カテーテルでは平均11.1日、最短が6日、最長が22日、肺がんでは平均が24.7日、最短が12日、最長が39日など、さまざま病院によっては日数の違いがあるわけですけれども、本県県立病院ではどのような状況でしょうか。白内障についてもお答え願いたいと思います。そしてまた、このような日数の差をどのように分析されているのでしょうか。
 また、企業経営の立場から、県立病院はどのような基本的考えのもとに入院日数の問題について対応していこうとしているのかお伺いします。

〇八木業務課長 平均在院日数の問題でございますけれども、在院日数は、病院の機能や診療科の構成及び地域ごとの患者の傾向によって違いがございまして、本県立病院の場合、精神病院を除く300床以上の病院では18.2日、100床から300床未満の病院では20.5日、100床未満の病院では25.1日と、大きくなればなるほど在院日数が短くなっている傾向にございます。
 来年度の見込みはどうかということでございますが、入院時の診療計画の推進とか、あるいは医療技術の進歩などによって年々短縮傾向にあるので、平成15年度も若干短縮になるのではないかと見込んでいるものでございます。
 次に、手術別の入院日数についての状況でございますが、患者さんの症状や手術の方法により違いがありますが、標準的な入院日数としますと、中央病院での心臓バイパス手術は1カ月から1カ月半程度、心臓カテーテルによる手術は、症状が安定している患者の場合で7日程度となっており、肺がん手術につきましては、これは中央病院と胆沢病院の例でございますが、20日から30日となってございます。また、白内障手術につきましては、実施している県立病院で見ますと、片方の目の手術の場合、3日から7日という日数になってございます。
 大学病院の手術の日数差につきましては、状況を正確に掌握することは困難でございますので、感想を述べさせてもらいますと、病院の機能や疾病の構成あるいは手術の治療方法などの内容に違いがあると思われるほか、術後患者を受け入れる、いわゆる後方病院など地域医療機関との連携の状況も要因の一つではないかと考えてございます。
 次に、企業経営の立場から入院日数についてのお尋ねでございますが、医療技術の進歩に加え、入院診療計画の推進などによりまして、先ほど来申し上げていますが、年々在院日数が短縮してございますし、新入院患者が伸び悩んでいる中での日数の短縮は当然患者数の減少につながりますので、経営的には非常に厳しい状況にあると認識してございます。こうしたことから、長期経営計画推進検討委員会で、圏域ごとの病院機能の明確化と病院間の連携強化や病床の適正配置などについて検討を進めてまいりたいと考えてございます。

〇工藤大輔委員 確かに患者さんが少なくなり、日数が少なくなれば経営が厳しくなるということだと思います。いずれ、医療スタッフの習熟度だとか技術、レベルによってより短期になったり、また、先ほどおっしゃいましたとおり、例えば術後の患者を引き受ける地域病院等が少ないことも確かにあると思いますので、さらにまたこれらについて連携を強化してもらいたいと思います。いずれ、経営が厳しくなるということですが、前にも質問したことがあったんですが、中央病院等では経営診断等をやって経営の改善に努めているということもございますので、そういった取り組みを広く中央病院以外のところにもさらに広げてもらいながら、健全な経営に努めてほしいと思います。
 いずれこの問題につきましては、適切な手術をするというのが一番の課題だと思います。再入院だとか感染症等の発生を防ぐのが最大目標になると思いますので、県民からの信頼の高い医療提供ができるように今後とも努めてもらいたいと思います。

〇村上惠三委員 今期限りで議会を去るものですから新しい年度の予算の質疑はいたしませんけれども、医療局の経営について考えを申し上げ、局長の考えをお伺いしたいと思います。
 病院事業会計の赤字についてお尋ねいたします。
 この問題につきましては9月定例会の決算特別委員会でお尋ねした部分と重複する部分もございますが、重要な問題であると認識しておりますので、医療局長に再度お尋ねいたします。
 決算特別委員会におきましては、繰越欠損金、私から言いますと不良欠損金でありますが、この80億円を償却する方法はないのか。この80億円を解消すれば、ゼロからのスタートでありますから職員の意気込みも変わるものと思いますし、また、病院経営の品質も向上するのではないかと伺ったところであります。これに対しまして医療局次長からは、一般会計からキャッシュベースで特別利益として支出する方法あるいは資本の再評価による差益分を充てる方法などが考えられますが、検討事項もあることから研究したい旨の答弁をいただいたところであります。
 また、毎年度30ないし40億円の非現金支出があることなどから、大体毎年度140から150億円の内部留保があることも明らかにされたところでありました。これだけの内部留保があるということになれば、仮に現時点で清算すれば黒字の清算となるものと思われます。したがいまして、欠損金の償却方法の研究に際しましては、ぜひ内部留保の活用も視野に入れながら検討し、行っていただきたいと思うのであります。健全経営を目指していくためには、この課題の解決は不可避であると考えておりますので、局長から改めて答弁を求めるものであります。
 また、収支の改善を図るためには経費の縮減も図らなければなりませんが、そのためには、その多くを占める人件費を圧縮する必要があると思います。この人件費についてどのような認識を持ち、そしてまた、改善する意欲があるのかどうか、局長の御所見を賜りたいと思います。

〇千葉医療局長 累積欠損金の償却ということで9月決算特別委員会でお尋ねがありまして、当時の次長がお答えしたわけですが、重複しますけれどもお話しさせていただきます。
 まず、特別利益として累積欠損金に見合う現金を一般会計からもらって埋める方法が確かにあると思います。ただ、我々地方公営企業法に基づく公営企業でございますので、法に定める経費負担の原則というのがあります。毎年180億円から190億円一般会計からちょうだいしているわけですが、これらは、例えば救急医療だとか高度医療だとか建物の建築費だとかルールで定められるものでございまして、公営企業の原則からすれば、これらを除いた部分というのは基本的に自前で調達すべきだと。我々でいえば診療報酬で調達すべきだということになるわけでございます。また、現下の厳しい財政状況は国も地方も本県もそうだと思いますので、こういった状況の中で今の方法というのは非常に難しいのではないかと考えます。
 それから、資産を再評価してその差益を充当するという方法も9月議会でやりとりがありましたけれども、これは、地方公営企業法によりまして、例えば病院事業などが新たに法律を適用して事業を開始する。例えば、一般行政でやっていたものを公営企業に移すといった場合についてのみ認めると。いわゆる創業時のみ認めるという仕組みになってございまして、現状ではやはりこの方法もとれないと。
 先ほど委員から御提言もありましたが、内部留保資金を累積欠損金の償却に活用するということですが、先ほども病院事業の状況を申し上げました。当初予算では19億円、決算の見込みで26億円赤字ということで、今後も直ちには改善の見通しが立たないということで、内部留保も大変……。当時次長が申し上げました140億円というのは過去の数字でございまして、これから先を見通しますと内部留保も非常に乏しくなるということで、当面私どもとしては、まずもって経営全般を見直しまして、改善して経営を立て直すのが最大の責務ではないかということで、そこに努力を傾注してまいりたいということで、お答えにはならないんですが、それで御容赦願いたいと思います。
 それから、2点目の経費の圧縮、特にも人件費についての認識ですが、通常人件費の割合というのは、医業収益――本業の方に対する割合というのが、各県で比較したり経年の変化を見るんですが、平成14年度決算見込みで63.4%ということで、平成13年度の決算が60.6%ですので、3.4ポイントほど増加する。ただ、これは、いずれ単純には比較できない。院外処方の率が上がったりすると外来収益は落ちますので単純に並べては言えないんですが、率とすれば年々高くなってきているということで、いずれ大きな課題だと思っております。
 一方、環境がかなり厳しいということを再三申し上げておりますが、患者数の減少が主な要因ですので、特にも入院患者さんが減っているということであれば、やはりまずもって病床病棟を数に見合うサイズにしなければならないのではないか。そうしたことによって、今まで以上に圏域単位で中核病院を中心とした連携なり機能分担を適切にやって、職員配置についても効率的な配置というものを検討してまいりたいと思っております。
 それから、人件費以外の経費の節減には従来から努めているんですが、薬品とか材料の廉価購入、光熱水費とか、あるいは業務の民間委託とか、いろいろあると思います。機械の共同利用だとか、そういったようなことで最大限費用の縮減に取り組んで、こういった経営環境にありますので、最善の努力を傾注してまいりたいと考えております。

〇村上惠三委員 私から言わせますと、さっきも言ったように、今まで何十年もの累積赤字というものは、ふだんの赤字という物の考え方ではなくて、全くの不良債権であろう、こう思うわけであります。したがいまして、そういう不良債権を抱えての企業ということになりますから、働く職員も意気が上がらないだろうし、いつもそういうものをしょってと思うんです。その気の緩みを引き締めるとか、今後努力していこうという意欲を少なくして、悪い言葉ですけれども、時間を過ごせばいいなと。
 局長さんは2年に1回交代ということで、私は、前にも一般質問で医療知事を置くべきだと主張したわけでありまして、4年間その職にとどまってじっくりと経営を見る機構になっておらないということを指摘した覚えがありますが、そういうことを思うと、医療局の経営というのは先々まことに不安であるなという思いであります。
 そういうことですから、大変であろうと思いますけれども、やっぱり不良債権は不良債権でありますから、公営企業法に違反してまでとは言いませんけれども、それを償却する研究はなさるべきであろうと思いますので、今後とも努力をしていただきたいと思います。
 また、経費の節減ということで人件費を取り上げたということは、決して給料を安くしろという意味ではございません。さっきも局長が比率で63%、61%とかと言っていましたが、例えば人件費が50%――60%なら60%でもいいんですが――、そういうふうに設定している場合は、売り上げが減った場合はそれも下がるのが普通、我々の企業だとそうなわけです。それを赤字にしないで、結局税金を納めるわけです。法人税を納めるわけです、利益を上げて。そういう努力をして国家財政にも財源にも協力しているわけでありまして、企業とすれば、県民の場合は県民税として、県民事業税として納めるわけであります。公共団体でありますからということで、収益が下がるが人件費はそのままという考えは、そのとおり人件費を下げるということはできないわけでしょうからそうでありますけれども、これからの経営ということになりますと、企業経営であろうと何であろうと、やっぱり経営して税金を納めるんだというぐらいの工夫をしながら物を考えていかないとだめではないのか、こう思うわけであります。そうした私の個人的な考えでありますが、局長初め医療局の皆さんは今後経営努力されて、医療局が健全経営になりますように御要望申し上げて終わります。

〇田村正彦委員 さきの両委員のお話とほとんど関連するわけでございますが、抜本的な、これから先の県立病院のあるべき姿はどうあればいいのか、これは経営の面あるいは県民医療の面から考えてお尋ね申し上げたいと思っております。
 冒頭お話ありましたとおり、診療報酬の引き下げとか、あるいは薬価の引き下げ、そういったもろもろの医療改革によって経営的には非常に厳しい状況に追い込まれている。新聞紙上を見ましても、一般の医院におきましても二、三%ぐらい減るんじゃないかという予想を立てていたようですけれども、現実には15から20%も収益が減少している。そういったことで、今、医師会でがんがん騒いでいるんですけれども、本当に病院経営にとってはゆゆしき事態が今差し迫っている。ましてや、今後患者の自己負担割合が3割ということになったら、先ほど局長のお話にありましたように赤字が平成14年度ベースで26億円見込まれるという状況の中で、これから先、県立病院の経営はどういう方向に向かうのか。これも先ほど局長からお話ありました長期経営改善推進検討委員会、こういったものを設置して検討していくということですが、まず、この検討委員会の設置と、いつごろをめどに改善計画をつくろうとしているのかお尋ね申し上げます。

〇千葉医療局長 先ほど千葉伝委員に申し上げましたが、検討委員会を1月に発足させたということで、これは今、我々内部職員でやっているんですが、その考え方というのは、まさに現場に精通している、それから地域の実態もわかっている、それから、過去にも長期経営計画というのを何回か改定したりしてつくってきているんですが、いずれ自分たちでやってきたということがございます。ただ、今般、こういったことで、先ほど来申し上げているように、患者さんに合った規模にするということになると、やはり小規模化ということは当然出てくるわけでございますが、そういったことになりますと地域にとって非常に大きな問題でございますので、いずれ地域との議論というのも当然やっていかなければなりません。医師会とか、そういった関係者、いろいろなところでやっていかなければならないと思っていますが、1月に立ち上げましたのは全体の委員会ですが、やはり病院関係者でありますし、それをさらに外部の方といいますか、地域の方々に広げて御理解をいただきながら成案をつくっていかなければならないのではないかと思っております。
 非常にこういった急速な悪化ということで、本当にのんびりしていられないと思っておりますので、できれば秋ごろには何とかその方向性を出すつもりで頑張ってまいりたいと思っております。

〇田村正彦委員 これも八木業務課長の方から話がありました。入院患者4.9%、外来7.9%の減少ということでございますけれども、まさに少子・高齢化社会を反映していると思うんです。子供が少なくなる、そしてまた、高齢者は、今、施設医療というのがどんどん進んでそちらの方に行く。そういった中で、本当に対象者が減少していく状況にある。そういった中で、先ほど申し上げましたように、経営が非常に圧迫されていくような医療改革が今なされようとしていますし、現実にされておるわけです。
 私は、検討委員会でぜひ検討していただきたいと思うのは、やはり県立病院のあり方、地域にあってのあり方というのをぜひ検討課題の中に加えていただきたい。特に長期計画では、病院の改築計画が盛んに盛り込まれております。それを見ると、20キロメートルも離れていないような県立病院をそれぞれ改築したり、そういったことも計画に盛られているように感じております。私は、こういった時代に、こういう機会に、そういったものも含めて、統廃合も含めた県立病院の位置づけ、配置づけ、こういったものも考えていく時期ではないのかと思っておりますし、そしてまた、先ほど村上委員のお話にもありました人件費の問題、局長からは大きな課題としてとらえているというお話がありました。その課題解決にはどうすればいいのか、どういうところを課題だと思っているのかお尋ね申し上げます。

〇千葉医療局長 まず最初に、計画を見直すに当たって、地域でのあり方というものをきちっと踏まえろということですが、先ほど申し上げましたとおり、まず圏域の話し合いというものを大事にしまして、当然他の病院、民間含めまして、あるいは診療所といったものなり、さらには介護関連施設、そういったものを踏まえた上で検討してまいりたいと思います。
 それから、課題ですが、この計画改定というか、見直しをするに当たりましては、私たち基本的には、病院単位で物事を見るのではなくて、今おっしゃったように、比較的近い距離に病院がある場合もありますが、医療圏を単位として、各医療圏に中核病院がございますので、そことの連携、いろいろ医師不足で御迷惑をかけていますが、そういった意味におきましても、医師の連携による診療応援とか、あるいは、医師以外のスタッフでも、いろいろ検査とか、可能性があるものがあると思います。そういった効率的な配置ができるような仕組みをぜひとも考えていきたいということで、先ほど申し上げました患者の数に見合う施設と、それから、限られた資源を効率的に活用する方策というもの、また、先ほど千葉伝委員からありましたが、いずれ職員の理解と協力もなければなりませんので、そういった面でもいろいろ配慮しながら、この方策を何とか形づくってまいりたいと思っております。

〇田村正彦委員 本当に気の毒なくらい環境が厳しいので、何とか知恵を出し合って、県民医療を守るために頑張っていただきたいとお願いします。

〇田村誠委員 今の田村正彦委員の質問と多少関連するかと思いますけれども、私は、地域医療の充実という立場から、特にも気仙地域で今抱えている問題といたしまして、医師不足ということがよく言われてございます。さきの新聞報道にもございましたとおり、お医者さんが引き揚げられるなど、あるいはまた、病院の医療に対する不信というんでしょうか、そうしたことから訴えられるなど、日ごろお医者さん方はかなり一生懸命院長先生を中心に医療に従事していただいておりますし、あるいはまた、大船渡病院はことしから増築をしていただいて設備が大変立派になってまいったわけであります。しかし、今、大船渡地域では、3時間待ちの3分診療だと言われるぐらい待ち時間が長く、診療時間が短いのではないか。あるいはまた、救急救命センターの方に参りましても、専門医がいなかった。したがって、あした来い、あさって来いということで、なかなか患者さんのニーズにそぐわない点があるのではないか。お医者さんの不足に起因していると思われるような状況があるわけでございまして、いろいろ市町村も一緒になって県の方にもお医者さんをぜひ補充してほしいというお願いもしているわけでありますが、なかなか難しい。
 そうした中で、地域にも個人病院が幾つかあったんでありますけれども、その個人病院が、経営難のみならず、お医者さんの高齢化などで閉鎖してしまう。あるいは入院施設を廃止してしまっているのが実態であります。大船渡病院の場合は昨年の経営が黒字だったと私聞いておったんでありますが、そうした中で、どうしても大型病院志向なものですから、大船渡病院にだけ患者さんが集中してしまっている。その結果、お医者さんは、午前中の診療、午後の入院患者、そして夜中の重症患者、次の日は寝ないでまた外来ということで大変苦労しているわけでございますが、そういう話を聞いておったとき、前にも御質問いたしましたが、中央病院では、かかりつけ医との連携ということで、個人病院とお互いに連携をとった進め方をしながら、病院の繁忙感といいますか、お医者さんの不足などを緩和しているという取り組みを聞いたことがあるわけでありますけれども、中央病院の推進状況はどうなのか。そして、他の病院との地域連携というものをどのように考え、あるいはどのように指導しているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。

〇八木業務課長 地域医療機関と地域中核病院との密接な機能連携あるいは機能分担というのは国においても推進を図ってきておるところでございまして、中央病院では地域医療連携室というのを設置してございまして、地域医療機関から24時間ファクスで紹介患者の予約を受け付けております。したがいまして、ファクスで予約された場合には予約の返事を紹介医療機関の方に返すといったことで、紹介患者のスムーズな診療に当たっている状況でございます。
 さらに、かかりつけ医・中央病院連絡手帳というのを作成しまして、患者さんの症状等について医療機関相互に情報を共有するということで、患者さんにその手帳をお渡しして継続的な医療が提供できるような取り組みを行っている。
 この状況でございますが、本年12月現在で、診療所などから紹介を受けた患者さんは約6、500名、それから、中央病院から診療所に逆紹介した患者さんは約4、000名となってございます。
 中央病院を除く他の広域中核病院と診療所の紹介状況を申し上げますと、これも12月末現在でございますが、診療所から紹介を受けた患者さんは1万4、500人ほどでございますし、病院から診療所へ紹介した患者さんは5、000人ほどになってございます。
 それから、中央病院とはちょっと違う形ですが、釜石とか久慈病院でもファクスを設置して、紹介元医療機関と診療日の予約などの連絡調整を行っているところでございます。
 いずれ、こういう機能分化を図っていくというのを国の方でも進めていますし、医療の質の向上あるいは医療提供体制の効率化ということもございますので、地域の医療機関と紹介患者の受け入れあるいは医療機関の先生方との症例研究会、こういったものを実施しながら連携を図ってまいりたいと考えております。

〇田村誠委員 いずれ地域医療を守っていくのは、県立病院のみならず、個人病院の能力も一緒に育てていくことが幅広い医療の充実につながることであろうと思うんです。したがって、各地域の医師会の先生方と十分連携をとって、早くこうしたものをPRあるいは地域の方々にも指導していただいて、今、例えば手をちょっと切っただけでもすぐ県立病院なんですね。そして、本当に重症である患者さんを県立病院に診ていただくことができない場合もかなりあるようです。したがって、早くこうした連携医療というものを充実していただくようにお願い申し上げまして終わらせていただきます。

〇吉田昭彦委員 急を要することなので田村委員の御質問に関連してお伺いいたしますが、高田病院は、5月には院長以下4人の医師体制になるのではということで地域の方々が大変心配しているようでありますが、そのことによって医師の充足率はどのような数値になるかお伺いいたします。
 それとあわせて、4人体制では地域総合病院としての役割を果たせないのではという心配もあるわけでありますが、そのことに対しましてどのような対処をお考えになっておられるかお伺いしたいと思います。

〇千葉医療局長 高田病院ですが、今、委員おっしゃいましたとおり、大学の都合による医師の異動、それから、御夫婦で内科、小児科をやっていた方が県外に開業するということでいなくなる等でそういった状況でございます。単純にそれでいきますと50%弱の充足率ということになると思います。
 高田病院の場合は、今、内科、外科と、院長が産婦人科でございまして、女医さんの小児とそれから眼科もございますが、いずれ、今大変な状況だと思っていまして、鋭意今までも努力してまいりましたし、今も継続中でございます。数件、今折衝中のものもございます。残念ながら、今確実な御返事は申し上げられませんが、今後も最後まで頑張ってまいりたいと思っております。

〇吉田昭彦委員 ぜひ補充については局長、よろしくお願い申し上げる次第であります。
 県内27病院のうち、100%充足している病院は5病院と伺っておりますが、それ以外の病院は、軒並み充足率は100%になっていないと、そのように理解をしておったところでありますが、本県のみならず、日本全体を眺めた場合に、本県のような医師の充足がなかなか難しいのはどういう地域になるのか、そのあたりを考えた上で、やはり1県のみで対処するというのはなかなか大変なことではないか。これはむしろ、国の問題として解決をしていただかなければならない、そういう事項ではないかと思うわけでありますが、そのことに対しまして厚生労働省、国に対して、もっと強く地方の医療格差を解消するという意味合いで要請をするべきことではないかと思いますが、このことにつきまして、病院事業をやっておられる医療局長としての御所見をお伺いしたいと思います。

〇千葉医療局長 本県と類似する地域はどこかということですが、12年のデータで、大して変わっていないと思いますが、いわゆる人口10万人当たりの施設というデータがございますが、本県は下から10番目の174.3人です。ちなみに全国平均が201.5人ですが、174.3人ということで下から10番目と。大体同じあたりに福島、新潟、青森というのがございます。それから、北海道が全国平均の一つ上で24番目、203.1人なんですが、我々が耳にするところによりますと東北、特にも北部それから北海道――北海道は人口10万人当たりの数は多いと言ってもあのとおり面積が広大ですので、やはり地域によっては相当の医師不足があるだろうと思っております。
 それから、これの国に対する働きかけということでございますけれども、厚生労働省に対しましては私も11月に参りましたし、全国自治体病院協議会あるいは全国自治体病院開設者協議会というのがありまして、これでも最重点の事項として、特にも医師不足の地域、そういった地域偏在、格差是正ということの施策を確立するように要望いたしております。ただ、漫然と同じことを毎年やっていたのではだめだというお話はそのとおりでございますので、市町村分も含めて保健福祉部とも連携、あるいは場合によっては他県との連携なども、今後、研究していかなければならないと思ってございます。

〇吉田昭彦委員 高田病院の医師の補充につきましては、重ねてお願い申し上げまして質問を終わります。

〇及川幸子委員 昨年、一関の幼児の痛ましい事故がありまして、御両親は悲しみの中で医療の充実を求めて運動をされているという報道がたくさんなされております。
 そこでお伺いいたしますが、特にも小児科及び産婦人科の診療体制についてお伺いいたします。
 1点目、小児科及び産婦人科の診療科や医師はどのようになっているのか、前年度と比べてどのようになっているのか、お示しいただきたいと思います。
 2点目、産婦人科の常勤医師がいなくなる病院があると聞いておりますが、どこなのでしょうか。その状況をお示しいただきたいと思いますし、それについてはどのように対応をなされていくのか、お伺いいたします。
 3点目、小児科及び産婦人科の医師がいない病院では、急患に対してはどのように対応しているのか。
 4点目、特にも小児科救急患者に対して24時間体制で対応されているのか、その状況をお示しいただきたいと思います。

〇橘山医師対策監 小児科、産婦人科の医師の状況でありますが、小児科は17病院で標榜しており、そのうち常勤医師の配置が15病院であり、2病院が非常勤医師により対応しているものであります。非常勤医師による病院は、遠野、山田の2病院であります。それから、産婦人科は16病院で標榜しておりますが、そのうち常勤医師の配置が13病院であり、3病院が非常勤医師による対応でございます。
 なお、平成15年1月現在と前年同月との比較でございますけれども、小児科は開業退職及び研修医の研修期間終了などによりまして、3病院で4人の医師が減少しております。また、産婦人科は、大学人事異動、自己都合等による退職で、5病院で5人の医師が減少してございます。
 産婦人科医師の欠員があるかとのことでございますが、江刺病院が15年の4月から欠員になる予定でございまして、これは関連大学の医局の事情によりまして後任が受けられないものでございますが、懇願いたしておりますけれども、派遣できないということですが、大学医局と折衝いたしまして、週2日の非常勤医師による診療を行うことといたしてございます。

〇八木業務課長 まず1点目の小児科、産婦人科の医師のいない病院での急患への対応ということでございますが、まずは急患が来た場合には当直医が診察をするというのが前提でございまして、その際に専門の診療を必要と判断した場合には、2次輪番制病院あるいは救命救急センターとか高次救急センター、そちらの方に搬送するなどの対応をしているところでございます。特に分娩といいますか、お産の場合には専門のスタッフや設備等が必要としますので、こういった場合には、救急隊との連携を図りながら、速やかにかかりつけの病院に搬送するなどの対応をしていると、こういう状況でございます。
 それから、小児科の24時間体制の対応というお話でございますが、先ほど申しましたように、24時間、小児科医がずっといる病院というのは、正直言いまして県立病院はそういう体制になってございませんので、現在、小児科医の常勤医師を配置している病院は15病院ということでございますが、この常勤医師を配置している病院では、まず当直医が診察をし、そして小児科医の診察が必要な場合には、小児科医を電話なりポケベルなりで呼び出しをして診療をしていると。小児科医の数も1人、2人という限られた数の中で、可能な限りそういう体制をとってやっている現状でございます。

〇及川幸子委員 一関でのああいうことが絶対二度と起こらないようにということでお伺いするのですが、この小児科とか産婦人科のお医者さんの話を伺いますと、他の診療科の先生方の報酬よりずっと少ないことが、この医師になるなり手がいないとお聞きしているわけですが、この診療報酬の改定ということを即刻国の方に求めていかなければ、これは全く改善されていかないのではないかと思います。主婦で台所を預かる者が、毎日の買い物を求めて行くのは、何でも物がそろっているところに一番先に足を向けます。やはり、県立病院が医師の充足をなされているかどうかで、患者さん方も走ると思います。この赤字解消、いろいろ問われて先ほどから論じられておりますが、やはり医師の充足ということを一番に掲げて、国の方に大きな声で求めていかれるべきと思いますが、最後にこの御所見をお願いいたします。

〇千葉医療局長 収入の関係、診療報酬の改定については各方面から今出されておりまして、私どももそういった機会をとらえてやってまいりたいと。
 御案内のとおりですが、総務省では地方財政措置をするということで、交付税で小児科と他科との差分のようなものを補てんするという制度をつくるそうですが、ただ、これは小児科医がいてやっている病院が対象になりますので、ないところは当然これはもらえないということで、まずもってその確保が大事だというのはおっしゃるとおりでございます。
 それから医師の確保に対して、国に対して要望するべきだということですが、先ほど吉田委員にお答えいたしましたけれども、全国団体を通じましてもやっておりますし、これは保健福祉部の方で所管したんですが、たしか2月でしたか、知事名でも要請書を出したはずでございます。いずれ、そういったようなことで、最善の努力を続けてまいりたいと思っております。

〇小原宣良委員 北上病院、花巻厚生病院の統合による新しい病院建設に当たって幾つかお伺いをいたします。
 第1点は、用地取得の現況でございますが、用地の取得には、当然のことながら地権者の皆さんの協力が大変重要でございます。建設に向けた日程を含めて現状をお知らせいただきたいと思います。
 2点目は、現在の両病院の跡地利用について、医療局としてどのような考えをお持ちか。地元市とのお話し合い等もこれからあろうかと思いますが、どんな考えをお持ちなのかお伺いをいたします。
 それから3点目は、交通アクセスでありますが、これは少し将来のことにもなろうかと思いますが、早目の対応が必要であります。直接的に医療局がかかわるというよりは、関係部局との協議という中での交通アクセスの整備ということになるかもしれませんが、例えば、国道4号沿いに立地をするということでございますので、国道あるいはそれぞれアクセスの道路、これらについての整備が必要と思われます。あるいはバス、鉄道。将来は鉄道においては新駅の設置というような要望も出てこようかと思いますが、これら新病院に対応するアクセスについて、お考えはいかがでしょうか。

〇佐藤管理課長 まず第1点目の用地取得の状況でございますが、これまでに地元の北上市の御協力をいただきまして地権者会との交渉を進めてきたところでございますが、先般、地権者会の皆さんの御理解と御協力をいただきまして、大方の地権者の方々との売買契約を締結することがおかげさまでできました。それで、今年度内に契約が完了すると、そういう状況になってございます。
 それから、病院整備へのスケジュールでございますが、15年度におきましては基本構想に着手したいと思ってございまして、現在、花巻厚生病院と北上病院の医療スタッフを中心とした職員で合同の委員会を立ち上げてございまして、そこで病院の基本的な部分について検討を開始しているところでございます。
 それから、第2番目の跡地の活用ということでございますが、御案内のとおり、跡地、それぞれ花巻、北上の市街地にございまして一定の広がりを持つ土地でございます。したがいまして、公共施設への活用という観点、あるいはまちづくりの観点ということで、地元市におきまして、有効に活用していただくことが望ましいのではないかと思ってございまして、まだ具体的な協議はしておらないのですが、これから協議をしてまいりたいと思ってございます。
 それから、3点目の新病院の交通アクセスでございますが、お話がございましたとおり、北上市、花巻市の両方面からも国道4号がメーンの道路になると想定されます。それで、北上市におきまして、国道4号から病院に通じる取りつけ道路あるいは病院周辺という、そういう道路の整備ということで御協力をいただくことで、今後、市と十分な協議をしてまいりたいと思っております。

〇小原宣良委員 先ほど田村委員からも質問がございましたし、きのう私から保健福祉部の審査でお伺いをいたしましたけれども、中核病院とそれからかかりつけ医等、開業医の先生方との連携という部分が必要になってまいります。そこで今お話がありました、平成15年度において基本構想を策定するということでありまして、新病院の機能というものが明らかになってくると思いますし、それに付随したスタッフというものも具体化をされてくるであろうと思います。その基本構想を見てということにはなりますけれども、この基本構想は平成15年度、新年度のいつごろに策定をされるのか、そういう新しい病院、中核病院の機能、持ち合わせる機能ということの中で、まさにかかりつけ医といったような地域医療の役割分担というものがより一層明確になってくるであろうし、開業医の先生方の協力、役割といったものがさらに具体的に見えてくるのではないかという感じがいたしますので、それら基本構想という中で、内容が具体化する時期はいつごろとお考えですか。

〇佐藤管理課長 先ほど15年度中ということで申し上げましたが、いずれ早急に取り組みまして、早い時期に持っていきたいと思ってございます。(後刻訂正)

〇小原宣良委員 保健福祉部のところで、先ほどの議論でもありましたけれども、それらを受けた地域医療という点での役割分担、これらを医療局としては直接のかかわりを持たないということになるのか、それは保健所、統括をする保健福祉部の方であるということになるのか、そこの中核病院とかかりつけ医を初め開業医の先生方との役割分担という点では、どのようにお考えですか。

〇佐藤管理課長 大変失礼いたしました。統合によって常勤の医師の充実が図られるということもございますので、圏域内の病院等への診療応援ということにもつながっていくと思ってございますし、また、圏域内の診療所、病院間での患者紹介の受け入れ、あるいは逆紹介を推進すると。あるいは高度医療の機器の共同利用の推進とか、あるいは研修、症例検討会等の開催を行うと、そういうさまざまな形で地域医療機関との機能分担と連携というものが図られる、また、図っていかなければならないと思ってございます。

〇伊沢昌弘委員 当該委員ですけれども、当該委員であるがゆえにちょっと気になる点がありますので、お伺いをしたいと思います。
 県のホームページに、意見、提言を集約したものが載っているわけであります。私どもにもCDでいただいているのがあるのですが、この中で、五つの社会ごとに分けて集計をしているようですけれども、2番目に、快適で安心して暮らせる社会の分野で、ここのところが集計している中でいつでも一番多い件数です。その中で、健やかで安心できる暮らしの実現という項目があるのですが、ここをクリックしてみますと、医療局に対する御意見、質問、苦情というのが大変目立つという思いがしています。
 以前にも、常任委員会でお聞きをしたことがあったのですが、それぞれの病院でこういった提言、メールなりファクスなり、電話なりお手紙なりをいただいて対応に頑張っているようでありますけれども、なぜか減らないような気がしています。医療局としてこの部分についてどのような所見をお持ちなのか、傾向なりそれから対策なり、病院ごとでやっていることを含めてお知らせをいただきたいと思います。

〇佐藤管理課長 医療局に対する、病院に対する県民からの苦情、提言ということでございますが、最近でございますが、14年7月から9月までの第2四半期でございますが、受領した件数は87件でございます。
 それで、その主なものでございますが、言動や態度などが悪いという職員の接遇に関する苦情が23件、それから医師の確保など病院の運営に関する提言が15件、それから待ち時間を改善してほしいという要望などが9件でございまして、職員の対応や病院運営にかかわるものが大半を占めてございます。
 それで所見ということでございますが、いずれ要因的に考えれば患者さんが多いということで、年間600万人を超す患者さんがおられるということでございまして、ほかに付き添いの方々あるいは見舞いの方々、いずれは県立病院の職員と直接、接する機会が非常に多いということで、やはりそういうことからさまざま目立つ点があって、そういう形でいろいろ苦情なり提言という形で出されてくるのかと思っております。
 それで、これらの苦情や提言につきましては、その都度、提言者が特定できる場合には直接御本人に対応についての御返事を申し上げておりますし、さらに病院運営に反映をさせていきたい、そういうことでございます。

〇伊沢昌弘委員 件数ではそういった形で87件ということであれば、そんなにびっくりする数字かなとも、こう思うんですが、ただ病院に来られる方々は体調が悪くて来られる。病院側で、看護師さんたちは大変厳しい労働条件の中で動いている。何の気なしに発した言葉なり、何の気なしにやった医療行為が、患者さんから見てみれば、とんでもない常識外れの部分があるのではないか、そういう意見もあったのを私見ているんですけれども、そういうものについては改善も含めてできると思うんです。ただ、今まで議会の中で言ったように、医師不足の問題とか待ち時間の問題とか、コンピューター処理で変わってくるのがあるんですけれども、患者さんが病院に行っている件数からすれば私は少ないのかなとは思っています。ただ、よかったなという人の声は残念ながら入っていないんですね、余り。まともにいいことをしてもらったというのは意見が入っていない。だめな部分だけ出ていますけれども、それを改善しながら、先ほど御報告いただいたように、赤字を含めて覚悟をしながら経営をしていかなければならない。3割負担も含めて4月から始まる、私どもは凍結をしたいと、こう思っている部分もあるんですけれども、そうなったときに、もっともっと患者さんが気持ちの中で、余裕がない中で病院に行くということになろうと思いますので、そういった分野を含めてぜひ一つ一つの分析をしながら、病院で対応する部分、医療局として対応をする部分を含めて、ぜひきちっとやっていただきたいと、こう思うのですけれども、局長から、それに向けて一言御所見を賜って終わりたいと思います。

〇千葉医療局長 今の件数は恐らく苦情、要望ということで、感謝のものはあるいは入っていないのかもしれませんが、いずれ、本庁にも直接来るものも何件かありますので、先ほど管理課長から申し上げましたが、苦情とかそういった要望があった場合は、とにかく早く院内で検討会を開いて改善するものは改善すると、それから、提案者なり苦情を申し出た人に説明するのは説明するという対応をとるように、各病院、努力をしておりますので、さらにそれが進むように指導してまいりたいと思います。

〇斉藤信委員 県立病院のあり方にかかわって、私は具体的な検討課題、論点についてお聞きをしたい。
 検討委員会の資料を見ると、医療圏を単位とした連携ネットワーク、サテライト化の推進、これはどういうものでしょうか。適正な病床規模、こういうことが検討課題になっていますが、これは病床を減らすということでしょうか。
 医療法上の申請が8月末までにあります。一般病床、療養病床の申請をなされるわけですが、すべての病院が一般病床を持つということになるのでしょうか。療養病床となる病院、病棟は今の時点でどう見込まれているでしょうか。
 臨床研修制度が実施されれば、研修医が引き揚げられるのではないかと思いますが、研修医、この実態と今後の医師確保の見通しについて示していただきたい。

〇細川経営企画室長 長期経営計画検討委員会における課題の中のサテライト化ということでございますが、いずれ各圏域を単位といたしまして、中核病院が核となりましてその周辺の病院と一体的に管理運営をするような、私どもサテライト化と言っていますが、そういう方式での圏域の医療のあり方ということを進めていきたいというのが1点でございます。
 それから、病床規模の適正化、減らすのかということでございますが、いずれ圏域全体として実態を踏まえました必要な病床数がどのくらいあって、それに対してどのような機能あるいは配置が求められるかと、そういったことについての検討をしていくと。その中で、その規模がどのくらいあればいいのかということを検討していきたいと考えています。ですから、いろいろな選択肢があって小規模化ということも出てくるかと思っております。
 それから、もう一点の病床区分の選択についてでございます。病床区分の選択につきましては、圏域で必要とされる医療の提供ということにつきましては、県立病院のみならず、市町村とかあるいは民間病院等との機能分担と連携ということを基本としながらも、県立病院が地域で急性期から慢性期までの幅広い医療を担っている状況を踏まえまして、基本的には一般病床を選択するとしております。圏域の他の病院あるいは施設の機能などを勘案いたしまして、圏域の病床が県立病院に限られるというところで長期療養を担う病床が不足するという場合には、一部療養病床も整備するなど、地域ごとに検討を加えてきたところでございます。

〇橘山医師対策監 研修医のことについてでありますが、現在、大学医局に所属する研修医が、中央、大船渡など11病院で18名の方が勤務しておりますが、平成16年度から臨床研修の必修化に伴いまして、これら研修医については、委員御指摘のとおり、大学派遣に依存できなくなるものと見込んでおります。しかしながら、現在、病院独自に募集した研修医が6病院で45名勤務しておるところであり、今後も本県の医師確保という観点から、積極的に研修医を受け入れることとしておりますので、その取り組みといたしましては、中央病院では平成15年度から1年次当たり定員12名を8名ふやして20名に、また、胆沢病院は新規に8名、さらに16年度から久慈病院で6名を受け入れ、3病院で34名、1年次、2年次あわせますと68名の研修医を受け入れることとしておりますので、その体制の整備に努めているところであります。また、他の広域中核病院にも条件整備が整い次第、順次指定をしてまいりたいと考えております。
 それから、2点目の医師の確保の見通しについてでありますが、大学病院におきましては、研修医の指導体制の強化や診療体制の維持を図る必要があること、また、他の病院に医師を派遣する場合にありましても、臨床研修病院など、基幹病院に重点的に配置する方向となっていることから、中小規模の病院にとりましては、今後ますます厳しい状況になるのではないかと予想してございます。このような状況にありますけれども、今後とも引き続き、関係大学の派遣要請を強く行うとともに、他の大学へも幅広く要請活動を行うなど、医師確保に鋭意努力してまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 私は、経営問題について、幾つか個別の問題について改善点を質問したい。
 患者減少と在院日数の減少の問題ですけれども、患者減少というのは、実際、受診抑制です。私はかかりやすい病院に改善すべきだと。その際、在院日数の減少というのはやっぱり努力のし過ぎ、やり過ぎではないか、この改善を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
 後発医薬品の活用、これは医療費も減少するわけです。今、活用状況はどうなっているでしょうか。どのぐらいの節約になっているでしょうか。今後、ふやす見通しはあるでしょうか。
 この間、病院建設の落札価格、これ予定価格に対してどうなっているでしょうか。福岡病院と磐井病院は免震構造となりましたが、割高になったのではないか。免震ではなく耐震構造でも十分対応できたのではないか。どれだけ割高になっているのか、示していただきたい。
 医療器械の購入について私は決算で取り上げました。自治体病院共済会が独占しているという問題。平成14年度の実績はどうでしょうか。予定価格に対する落札価格はどう張りついているでしょうか。

〇八木業務課長 患者減少と在院日数の減少の改善ということでございますが、例えば外来患者の場合は、昨年4月からの診療報酬改定に伴う長期投与の影響、あるいは平均在院日数は入院時の診療計画やあるいは医学・医術、介護関連施設の整備など、こういったもので徐々に短縮してきたものであって、患者さんの入院期間という中身に関しては、これは個々の症状に応じて医師が判断をして決定して、退院が可能になった場合には、患者さんや御家族に事前に説明の上、退院あるいは他の病院を紹介していると、こういうことでございますので、受診抑制といいますか、追い出しということはないものと考えてございますが、いずれ患者数が減少していますので、長期経営計画検討委員会等で経営改善等についても、鋭意、検討しているところでございます。
 次に、後発医薬品の活用状況についてですが、平成14年12月末の採用数は2、964品目中280品目、9.45%、購入薬価額では3億9、000万円、2.72%となってございます。購入薬価額を年額で推計しますと、5億2、000万円ほどの購入を見込んでございます。
 それから、後発薬品の採用によりまして具体的な節約額といいますと、12月末では約6、000万円ほど、年額にしますと8、000万円ほどの薬品費の減、いわゆる先発を買ったとすればということの相殺で見ますと、これくらいの薬品費の減があったものと考えてございますし、いずれ、昨年秋以来、内服等を中心に病院の方にお願いをしまして採用をしていただいていますが、さらに注射についても、先般、病院の方にお願いをしていると、こういうことでございます。
 それから、医療器械に係る入札結果でございますけれども、平成14年度一般競争入札を12件行ってございまして、うち、自治体病院共済会は、10回参加して4回ほど落札をしてございます。
 落札に対する割合はどうかということでございますが、この入札の場合は、一回で決まる場合は、ある程度低いパーセンテージになるんですけれども、2回、3回と回数を重ねて入札をしますと、大体予定価格に近いような額での落札になると、こういう状況でございます。

〇佐藤管理課長 県立病院の落札価格という予定価格の比率でございますが、ここ数年の例で申し上げますが、まず一戸病院がございます。それは98.5%でございます。それから大迫病院が97.4%、それから沼宮内病院が94.0%、それから福岡病院が96.0%という状況になってございます。
 それから、免震構造の関係でございますが、福岡病院は免震構造で今整備をしているわけですが、耐震構造におきましても対応は可能なわけでございますけれども、大地震の際の揺れを低減できないと。それで、患者に対して心理的な恐怖あるいは不安感を与えかねないというようなこと、それから、医療機器や収容物の破損等によって医療機能に支障を来たすおそれがあるというようなことで、より安全性を重視するということから、免震構造を採用しているものでございます。
 それで、耐震構造と免震構造を比較した場合ですが、福岡病院の例で見ますと、概算で全体工事費の10%程度割高になるとなってございます。

〇斉藤信委員 医療器械で一般競争入札の結果を見ると、12件のうち100%が3件、99%が6件です。その他が72%から86%が3件。まともに競争されたというのは3件だけで、あとはもう100%、99%。私は本当にこういう入札でいいのかと、談合が疑われる実態だからこの改善を求めます。
 それと免震構造の問題で今出ましたが、10%割高になると。深刻な財政危機のもとで、これは例えば一戸病院は374床、建物が39億5、800万円、福岡病院は300床で59億6、400万円です。私はこういう免震構造の是非については慎重に検討して、今の深刻な財政危機のもとで本当に必要なのか検討すべきだと思いますが、最後、いかがですか。

〇八木業務課長 いずれ、先ほども申しましたけれども、複数回入札をしますと、予定価格を超えたことによってまた再度札を入れるということになりますので、そうしますとどうしても下がってくると、予定価格に近くなってくるというようなことでございますし、やはり予定価格の設定に関しては、過去の納入実績とかそれから他県の納入状況などを参考にしてやっていますので、そういったものが他の業者も情報を仕入れるとほぼだんだんに近くなりつつあるのも、これも事実かと思います。

〇佐藤管理課長 免震構造の採用でございますが、災害拠点病院ということで、その安全性を十分に確保するということで免震構造が望ましいわけですが、いずれその都度その都度、その個々の病院の整備構想を進める中で具体に決定をしてまいりたいと思っております。

〇水上信宏委員長 この際、管理課長から発言を求められておりますので、これを許します。

〇佐藤管理課長 大変失礼したんですが、先ほど小原委員の御質問に対しまして、基本構想の策定の時期という御質問があったわけですが、私、基本構想の策定は15年度の早い時期ということで、早い時期というのは4月も5月も早い時期だということで、15年度中の策定を目標に取りまとめたいというふうに修正をさせていただきたいと思います。
 大変失礼をいたしました。

〇水上信宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇水上信宏委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、地方労働委員会事務局長から、地方労働委員会関係の説明を求めます。

〇山瀬地方労働委員会事務局長 地方労働委員会関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、説明書の146ページをお開き願います。
 第5款労働費第3項労働委員会費のうち、1目委員会費3、468万3、000円は、委員の報酬及び委員会運営に要する経費であり、2目事務局費1億2、758万8、000円は、事務局職員の人件費等事務局の管理運営に要する経費であります。
 以上で地方労働委員会関係の予算についての説明を終わります。
 よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。

〇水上信宏委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇伊沢昌弘委員 せっかくですのでお伺いをしたいと思います。
 地労委でこの間、いろんな提訴がされている案件等々があると思うのですけれども、14年度の状況の中で、15年度まで継続しているようなものというのはあるのでしょうか。新しく14年度で出たものがあったでしょうか、その辺お伺いをしたいと思います。

〇山瀬地方労働委員会事務局長 地方労働委員会の現在取り扱っている事件といいますか案件でございますけれども、一つは不当労働行為の審査につきましては、これは今年度新規の申し立てはございませんけれども、前年度からの繰り越し、これが7件ございまして、これは現在も継続中でございます。
 それからもう一つ、うちの方の分野として大きな調整事件がございますが、これは労働関係調整法に基づくあっせんとか調停でございます。これにつきましては、一つは、労働関係調整法に基づく集団的労働関係の紛争、これは労働組合からの申請でございますけれども、これは今年度新規申請が11件ございます。これはあっせんが10件、それから調停が1件ということで、現在まで今年度11件ございます。また、繰り越しが2件ございました。したがって、今年度の組合からの申請に基づく取り扱いは13件でございます。
 それからもう一つ、今年度は、昨年の8月に条例ができまして、個別労働関係紛争の解決の促進に関する条例というのが制定されておりまして、その労働組合ではなくて、個々の労働者の方からの申請も受け付けるということで、このあっせんにつきましては地方労働委員会が知事から委任されて業務を行っております。そちらの個別労働関係紛争のあっせんにつきましては、今年度6件ございます。そういうことで、組合と個々の労働者の方、あわせて新規が今年度17件、それから継続が2件ということで、昨年は新規分が3件ということだったので、今年度は大幅にふえているという状況でございます。

〇伊沢昌弘委員 現下の不況のさなかで、これは企業側も労働者側もいろんな意味で調停も含めて出てくる、そういうことがふえるのではないかと、こう心配したものですからお聞きいたしました。
 委員の皆さんは、それぞれの立場を代表する方々が慎重審議をやるわけでありますので、できるだけこういう事案については早期に解決できるように、これは委員会が決めることでしょうけれども、事務局的にも御努力をお願い申し上げ、終わります。

〇水上信宏委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇水上信宏委員長 質疑がないようでありますので、これで地方労働委員会関係の質疑を終わります。
 地方労働委員会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時58分 散 会


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