平成15年2月定例会 第17回岩手県議会定例会会議録

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〇23番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第54号、66号、69号から75号、78号から82号、84号について反対の討論を行います。
 議案第54号は、2002年度岩手県一般会計補正予算(第5号)であります。この中には、介護予防・生活支援事業費補助2億7、500万円余や、緊急地域雇用創出特別基金積立金12億2、000万円など県民の要望にこたえるものもありますが、主な内容は、国の経済対策に呼応して従来型の公共事業96億6、100万円余を初め118億円余を計上するものであります。具体的には、簗川ダム建設事業に20億円、津付ダム建設事業に2億円など見直すべき大型開発推進の内容となっています。私の一般質問で既に指摘したように、簗川ダムも津付ダムも治水上も利水、環境の点でも抜本的に見直すべきであります。こうした従来型の大型開発は景気対策にならないばかりか、県財政を危機的状況に追い込み、県民に借金を押しつけるものであります。今度の補正で新たに22億3、400万円余の県債が発行され、結局今年度末の県債残高は1兆3、400億円余となり、県民1人当たり95万7、000円余、4人家族なら382万円余の借金を押しつけるものとなっています。
 増田知事は、こうした国の押しつけから脱却して、公共事業費の削減を言っていますが、言っていることとやっていることが全く違うのではないでしょうか。経済対策と言うなら、国民総生産の6割を占める家計を暖める政策、とりわけ県民の命と健康、暮らしを守る医療・福祉の拡充をこそ進めるべきであります。公共事業の中身も、むだと浪費、不要不急の大型開発を見直し、老朽校舎の改修や特養ホームの増設、県営住宅の増設など、県民の切実な要望にこたえる事業、経済波及効果、雇用効果の高い事業を進めるべきであります。食の安全安心対策推進費50万4、000円余は、緊急性はなく、本来、来年度当初予算に組み込むべきものであります。
 以上が補正予算に反対する理由であます。
 議案第66号は、2002年度岩手県立病院等事業会計補正予算であります。外来、入院の患者数の減少によって医業収益が減少し、25億9、000万円余の赤字見通しとなったことは残念なことであります。診療報酬の改悪もありますが、在院日数の減少が収益の減少となっていることは改善すべきであります。特に問題なことは、マイナスの給与改定で、4月にさかのぼって9億3、700万円余の減額補正となったことであります。これは職員1人当たり19万1、000円にもなる減収であります。
 議案第69号から75号は、東北新幹線鉄道の建設事業と県営建設事業に要する経費の一部を市町村に負担させようとするものであり、反対するものであります。
 議案第78号から82号は、盛岡駅西口複合施設建設工事の請負契約にかかわるものであります。契約予定額の総額は202億円余で、その財源は県債の発行175億円、一般財源が26億円余となるものであります。深刻な県財政の状況のもとでは、本来事業の凍結、延期、見直しが求められているものであります。設計金額に対する落札額も、昇降機設備工事の80%以外は、93.8%から97.3%と高値で張りついており、適切な競争がなされていないと指摘せざるを得ないものであります。
 議案第84号は、遠野第2ダム洪水吐トンネル築造工事の請負契約に関するものであります。この工事に関しては、2度にわたって談合情報が寄せられ、入札を延期したものの、結局2度目の談合情報どおりの業者が落札したものであります。落札金額は設計金額に対し93.9%でありました。一般競争入札において、談合情報どおりに落札するということは、確率的にも本来考えられないものであります。ゼネコン同士の談合体質が疑われるものであります。こうした入札の場合は、入札を取り消し、やり直すなどの対策を講じるべきであります。また、長野県のように専門家を入れた入札適正化委員会などで徹底的に調査すべきであります。
 以上申し上げ、私の反対討論といたします。御清聴ありがとうございました。

〇議長(谷藤裕明君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、議案第66号を採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立多数であります。よって、議案第66号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第67号及び議案第68号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立多数であります。よって、議案第67号及び議案第68号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第54号、議案第69号から議案第75号まで、議案第78号から議案第82号まで及び議案第84号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立多数であります。よって、議案第54号、議案第69号から議案第75号まで、議案第78号から議案第82号まで及び議案第84号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第55号から議案第65号まで、議案第76号、議案第77号、議案第83号、議案第85号及び議案第86号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

〇議長(谷藤裕明君) 起立全員であります。よって、議案第55号から議案第65号まで、議案第76号、議案第77号、議案第83号、議案第85号及び議案第86号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   

〇議長(谷藤裕明君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後1時55分 散 会


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