平成19年6月定例会 第2回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 議案第21号岩手県立岩谷堂農林高等学校校舎改築(建築)工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについて反対の討論を行います。言うまでもなく、県立高校の校舎改築工事そのものに反対するものではありません。反対する理由は、落札率が94.88%に示されるように、談合の疑惑が極めて濃厚に疑われるからであります。
 この校舎改築工事は、株式会社平野組、共栄建設株式会社、丸谷興務店株式会社によるJVが税抜き10億5、700万円で落札したものであります。
 第1に、経過の問題があります。5月18日、入札予定でありましたが、前日の17日に談合情報がマスコミを通じて県総務部に寄せられたことから、一時延期とされたものであります。その内容は、当時者しか知り得ない入札参加JVの参加業者を示し、談合で落札業者が決められているというものでありました。県はその後、入札参加予定5JV15者全社から事情聴取を行ったが、談合の事実は確認できなかった。さらに、入札契約適正化委員会談合等調査審議部会を開催し、調査、審議したものの、談合の事実は確認できなかったとして、5月29日、入札を執行。その結果、談合情報で落札者とされていた者が落札者となったものであります。県は、仮契約を保留し、工事内訳書の分析を行うことにしましたが、談合の事実は確認できなかったとしております。県は6月4日、本件談合情報について、公正取引委員会及び県警本部に情報提供をしました。ここには、県の調査の限界と不十分さが示されています。
 第2の問題は、公共事業が減少している中で、10億円を超える建築工事の条件付一般競争入札にもかかわらず、入札参加JVがわずか5JVで、実際に入札に参加したのが4JVとなったことであります。
 第3の問題は、落札率が94.88%と、談合が疑われる落札額となっていることであります。他JVの予定価格に対する比率は97.21から95.60%となっています。談合問題が県内でも全国でも問題になっているときに、94.88%というのはあり得ない高率の落札率であります。適正な競争が行われたとは言えないものであります。
 第4の問題は、県立高等学校など県教育関係の建築工事が公正取引委員会による91者に対する排除勧告の際にも談合が行われていたと指摘されていたことであります。これは現在、審判中でありますが、01年4月1日から04年10月26日までの133件の建築工事のうち、116件で談合が行われていたと指摘されました。このうち、県立高校にかかわる建築工事は32件で全体の24%を占め、そのうち23件、72%が落札率で90%を超えていました。最近でも、昨年では県立釜石南高校の校舎改築工事が落札率94.01%、05年の県立一関一高の校舎改築工事が92.74%、県立大船渡高校の校舎改築工事が92.8%となっています。今回、落札した平野組は、一関一高、大船渡高校の校舎改築工事も落札しておりました。県立高校など教育施設が談合が疑われる対象となっていることは、軽視できない問題だと指摘しなければなりません。
 最後に、県民の税金にかかわる公共事業において、談合は決してあってはならない問題であります。91者の談合が指摘されている岩手県にとっては、なおさらこの問題を真剣に受けとめて対応すべきであります。入札制度の改善に当たっては、何よりも元請、下請、孫請という建設業界の重層的、従属的な構造の改革が必要です。そのためには、同一労働同一賃金の原則が下請、孫請にも適用されることが必要です。国際的には確立している下請事務の構造を打開する公契約法、公契約条例の制定が必要であります。
 公共事業の目的は、社会資本の整備と産業の育成であります。そのためには、県民が求める学校施設の耐震改修や県営住宅の増設など、地元密着の仕事をふやし、県民にとって必要のない無駄な公共事業は見直すことが必要であります。地元企業の育成は、行政の役割であります。単純な競争の強化だけではなく、条件付一般競争入札と分離発注によって地元業者に仕事をふやすことは当然のことであります。談合は許さないという県の姿勢と立場をさらに明確にして、対策を強化するよう強く求め、議案第21号に対する私の反対討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。
〇議長(渡辺幸貫君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第6号及び受理番号第7号を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第6号及び受理番号第7号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第21号岩手県立岩谷堂農林高等学校校舎改築(建築)工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについてを採決いたします。
 本案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、議案第21号岩手県立岩谷堂農林高等学校校舎改築(建築)工事の請負契約の締結に関し議決を求めることについては、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第2号から議案第20号まで、議案第22号から議案第26号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立全員であります。よって、議案第2号から議案第20号まで、議案第22号から議案第26号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   日程第27 委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第27、委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
総務委員会

 政策評価結果(平成18年度分)について
 地域公共交通について
環境福祉委員会
受理
番号
   件             名  
3海に、空に、放射能を流さないことを求めることについての請願

 ひとにやさしいまちづくりの推進について
 地域ケア体制整備構想について
商工文教委員会

 大規模集客施設の立地誘導制度等について
 平成20年度県立学校の学科再編等について
 公立大学法人岩手県立大学の運営状況について
農林水産委員会
受理
番号
   件             名  
5食の安全と地域農業を守る請願


県土整備委員会

 総合評価落札方式について
 アセットマネジメントについて
 岩洞第一発電所について
〇議長(渡辺幸貫君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続審査及び継続調査の件につきましては、先ほど各委員長から報告のとおり申し出がありましたが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査及び継続調査に付することに決定いたしました。
   日程第28 発議案第2号平成19年度岩手県最低賃金改正等に関する意見書及び日程第29 発議案第3号地域医療を守るための県立病院の医師確保を求める決議
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第28、発議案第2号及び日程第29、発議案第3号を一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第2号及び発議案第3号を一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立全員であります。よって、発議案第2号及び発議案第3号は、原案のとおり可決されました。
   日程第30 発議案第4号義務教育費国庫負担制度の堅持及び国庫負担割合の2分の1への復元を求める意見書及び日程第31 発議案第5号教育予算の拡充、教職員定数の改善を求める意見書
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第30、発議案第4号及び日程第31、発議案第5号を一括議題といたします。
 提出者の説明を求めます。亀卦川富夫君。
   〔商工文教委員長亀卦川富夫君登壇〕
〇商工文教委員長(亀卦川富夫君) 発議案第4号義務教育費国庫負担制度の堅持及び国庫負担割合の2分の1への復元を求める意見書及び発議案第5号教育予算の拡充、教職員定数の改善を求める意見書につきまして、商工文教委員会提案でありますので、委員長であります私から提案理由の説明を行います。
 これは、今期定例会において、請願陳情受理番号第6号義務教育費国庫負担制度堅持及び負担割合2分1復元を求める請願及び請願陳情受理番号第7号教育予算の拡充、教職員定数の改善を求める請願が商工文教委員会に付託され、採択と決定したことに伴い、提案するものであります。
 まず、請願陳情受理番号第6号義務教育費国庫負担制度堅持及び負担割合2分の1復元を求める請願についてでありますが、この請願は、子供たち一人一人が国民として必要な基礎的資質を培い、社会人になるために欠かせない基盤をつくる義務教育の充実を図り、教育の全国水準や教育の機会均等を確保することは国の責務であるにもかかわらず、国は2005年、義務教育費国庫負担金の国の負担割合を2分の1から3分の1とする大幅な削減を決定したところであり、また、義務教育費国庫負担制度の見直しの中で、子供たちの教育にとって不可欠な学校事務職員及び栄養職員の適用除外も検討されるなど、教育の機会均等の確保が危惧される状況にあることから、義務教育費国庫負担制度の堅持及び負担割合の2分の1への復元を求めることを内容とするものであります。
 次に、請願陳情受理番号第7号教育予算の拡充、教職員定数の改善を求める請願についてでありますが、この請願は、少人数教育を初めとするきめ細やかな教育の実現のためには教職員定数の改善が必要であるにもかかわらず、政府は、骨太方針2006の中で教職員定数を削減する方針を示しており、一方、自治体においては、地方交付税削減の影響などにより厳しい財政運営を余儀なくされ、財政力の弱い自治体においては、独自に教員を増員することには限界があることなどから、教育条件の地域間格差が広がりつつあること、また、就学援助受給者の増大にあらわれているように、低所得者層の拡大、固定化が進む状況も見られることから、このような自治体の財政力や保護者の家計の状況によって子供たちが受ける教育の水準に格差が生じることのないよう、国の責任において教育予算を拡充し、教職員定数の改善を求めることを内容とするものであります。
 去る7月2日の委員会におきましては、以上の2件の請願について慎重審査の結果、多数をもって採択と決定いたしましたことから、同趣旨の意見書案を提案するものであります。議員各位の御理解と御賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(渡辺幸貫君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております発議案第4号及び第5号は、委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたします。
 これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより、発議案第4号及び発議案第5号を一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、発議案第4号及び発議案第5号は、原案のとおり可決されました。
   日程第32 発議案第6号岩手県議会情報公開条例の一部を改正する条例から日程第37 発議案第11号第71回国民体育大会(本大会)の招致に関する決議まで
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第32、発議案第6号から日程第37、発議案第11号までを一括議題といたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、各会派の賛同を得た委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項及び第3項の規定並びに先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(渡辺幸貫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより、発議案第7号道路特定財源の確保を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立多数であります。よって、発議案第7号道路特定財源の確保を求める意見書は、原案のとおり可決されました。
 次に、発議案第6号及び発議案第8号から発議案第11号までを一括して採決いたします。
 各案件は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(渡辺幸貫君) 起立全員であります。よって、発議案第6号及び発議案第8号から発議案第11号までは、原案のとおり可決されました。
   日程第38 発議案第12号JR不採用問題の早期解決を求める意見書
〇議長(渡辺幸貫君) 次に、日程第38、発議案第12号JR不採用問題の早期解決を求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。久保孝喜君。
   〔2番久保孝喜君登壇〕

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