平成15年12月定例会 第16回岩手県議会定例会会議録

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〇49番(及川幸郎君) 及川幸郎でございます。
 常日ごろは、県政のさらなる発展に御努力、御指導をいただいております知事初め関係各位のその御努力に敬意、感謝を申し上げます。
 さて、過般、今世紀最初の総選挙戦、つまり、衆議院選挙が行われましたことは各位御案内のとおりでございます。いつの選挙戦におきましても、当時のあるべき姿、課題等が論じられてまいりましたが、今回の選挙戦ほど、多くの課題を抱えての選挙戦はなかったであろうと存じます。つまり、イラクへの自衛隊派遣問題、日本人の拉致・核問題、国・地方の赤字財政、消費税のあり方、公共年金制度、不況による倒産、リストラ、雇用対策、教育改革、治安悪化、道路公団・郵政民営化等々、多くの課題を論じられた選挙戦でありました。その結果をも明らかに相なったところであります。結果を見、人それぞれ見方、考え方があろうかと存じます。今後は、県民の強い期待を背景に、公約の実現に取り組むものと存じますが、知事はこのたびの衆議院の選挙の結果にどのような所感、感想をお持ちでございましょうか、お聞かせを願いとう存じます。
 先ほどの佐々木俊夫議員の質問と多少重複する点があろうかと存じますが、お許しのほどお願いを申し上げておきます。
 さて、知事は、平成15年度から18年度までの4年間に、特に重点的に取り組むべきものについて、40の政策として、二つの緊急課題と七つの重点施策を掲げるとともに、行財政構造改革プログラムを作成し発表に相なったところであります。行財政構造改革プログラムの作成に当たっては、県と市町村の役割分担の徹底、事務事業の民間委託など、市町村への県事務の移譲や組織・職員体制のスリム化、職員定数の10%の削減、教職員の5%の削減、優先度の低い事務事業の廃止などであり、歳出削減案については職員の賃金カットのほか、補助金など補助制度の改革の見直しや大規模施設整備の抑制、さらには県債の借りかえによる毎年度の償還額の平準化などが盛り込まれておるところであります。
 歳入確保対策では、地域経済の活性化対策の推進、新税の導入、県有未利用資産の有効活用、県有施設の使用料の改定、減免措置の見直し等、受益者負担の適正化を図るといたしております。この中で、市町村や県民に直接関係する県単独補助金及び負担金は、この4年間で60億円削減するとするものであります。その内容は、市町村や各種団体等に対する補助金等242件のうち122件が見直しされ、約52億円の削減、負担金にあっては502件のうち228件が見直しされ、約6億円が削減される見込みのようであります。これまでの補助事業の50%が廃止になるようであります。今や、すべての地方自治体は長期不況による財政難のため、新たな財源確保に四苦八苦いたしておるのが現実であります。財政見通しの甘さや過大な社会資本の整備をしてきたことや、事業の進め方、コスト意識の取り組みの不十分さが反省として挙げられております。その結果、今回のような厳しい見直しにつながったものと存じますが、その中にあって、いかに県民生活を安定、向上させ、知事の言う夢県土いわてを実現するのか、その手腕が問われるところであり、この行財政構造改革プログラムはその指針であると理解はいたしますが、その実現には県民各位の一層の理解、協力が必要であることは申し上げるまででもございません。事業の見直しは一方的に行政側の判断によることなく、事業主体の理解が十分得られるように、また、生産者の意欲を欠くようであってはなりません。組織団体等にあっては、そのことによって活動低下を来たすようなものでありましょうが、目的達成や期限到来を理由とする事業の廃止もありましょうが、補助金等を交付する側と補助金を受ける側では、その認識が異なるのは当然であります。関係者と十分協議した上で進められることが重要と存じます。このプログラムの趣旨を徹底し、広く県民に理解と協力を得られる手だてをどのよう考えておられるものでございましょう、お聞かせをください。
 歳入確保については、前段に申し上げたとおり、地域経済の活性化対策の推進、新税の導入、県有未利用資産の有効活用、県有施設の使用料の改定、減免措置の見直しなど、受益者負担の適正化を掲げておりますが、県民の負担の強いものであり、大きな影響を来たすものであります。慎重な対応を願うものであります。
 新税の導入とは、本県の豊かな森林を県民とともに守り育てる施策などを推進するための新税のようであります。これは、単に岩手だけの課題ではなくて、広く検討されるべきものと存じます。御所見をお聞かせください。
 また、地域経済の活性化等の推進を掲げ、新産業創出、育成プログラムなどの産業活性化支援策の展開をうたっておりますが、岩手の粘り強い県民性を発揮し、自由・自立の精神と挑戦意欲やベンチャー精神を刺激する事業の展開を望むものであり、未開拓領域に挑戦できる構造改革特区の岩手県版を検討してはいかがなものでございましょう、御所見を賜りとう存じます。
 地方分権は権限と財源を地方に移譲することにありますが、財源移譲は遅々として進まないのが実態であります。この財源移譲について、知事は21世紀臨調の6県知事のメンバーの1人として提言されております。国庫補助金は原則廃止、財源の地方移譲として全国ベースで地方が実施するべきもの424件で9兆5、926億円、その他地方への財源移譲8兆8、382億円等の早期実現等、国から地方への財源移譲を積極的に進め、財源確保を講ずるといたしておりますが、これらの見通しについてもこの際お伺いをいたしておきます。
 次に、当面する農業問題についてお伺いをいたしてまいります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 かつて岩手県は食料輸入県であり、先人たちは米の50万トン運動を提唱し、それが達成された途端に、今日の減反政策に相なってございます。御承知のとおり、平成5年の大冷害時には水田の復元をいたさせ、1年後にはさらなる減反政策であります。そして今日の米政策改革大綱であり、末端では大変苦慮いたしておるのが現実であります。この時期に、今年の冷害気象による農業者は大きな被害を受けたところであります。県全体の作況指数73と報じられており、昭和55年、平成5年に次ぐ戦後3番目となる被害であります。被害状況は、県南より県北・沿岸の被害が大きく、10年前の被害から十分立ち直りもできていないときに、さらなる追い打ちに、農家は悲嘆に暮れているところであります。
 反面、中央では米の備蓄は十分であり、消費者に対して不安はないとはいたしておるものの、各地に見られる米の盗難事件が報じられるなど、不安が広がっているのも現実であります。広い県土の岩手は、県北・沿岸、山沿い等では気象条件の違いや作付品種も相違し、被害状況も異なり一様にはいかないものと思われますが、お伺いをいたしてまいります。
 まず、作況指数と実質収穫量との差異であります。農水省から時期ごとに作況指数が発表され、その数値に一喜一憂をいたしておりますが、前段にも申し上げました指数73という数字は高いとの声が聞かれるところでありますが、収穫も終了した今日どのような認識でありましょう、お伺いをいたします。
 また、そのことによって、農業災害補償法に基づく国の助成と農業共済による農家補償の関係についてお伺いをいたします。
 また、水稲種子の確保もありますが、岩手県では10年ぶりに農作物異常気象対策本部を設置いたしましたが、先ごろ開催されました農作物異常気象災害対策合同会議において、本年度供給する水稲種子が不足する懸念があることから、最大600トン追加購入するという見通しが報告されております。この購入量は、平成5年の作況指数30のときよりも800トン少ないところであります。特に、かけはし、いわてっこ、あきたこまちが深刻であると報じられております。平成5年の冷害時において、種子不足の際に沖縄の農業者の方々の協力により誕生したかけはしは、記憶に新しいところであります。収穫が落ちついた現在では、いかなる見通しでございましょう、お伺いをいたします。
 いずれ、今年度の冷害においてあきたこまちの被害が大きく、品種の再配置、適地適作が指導されるべきものと存じますが、所見をお伺いいたします。
 あわせて、冷害に強い品種の開発でありますが、岩手の稲作は常に冷害との戦いでありました。古くは江戸時代、いや、もっと以前からであり、凶作による悲劇は随所に語り継がれてまいりました。
 なすすべもなく、ただサムサノナツハオロオロアルキとは、宮澤賢治の詩の一節でもあります。そのような中にあって、根気強く冷害に強い品種改良に腐心された関係各位には敬意を表するものでありますが、さらに冷害に強い品種の開発についての取組状況もお聞かせください。
 さらに、農業者の冷害に伴うところの減収補てん支援対策であります。戦後最大の大冷害に見舞われた10年前の借入資金の返済に追われ、二重の苦労が重なっているのが現実であります。食料供給県を標榜している岩手県としても最大の危機であります。農業者が来年の耕作意欲を損なうようであってはなりません。農業者の支援策で最も急務なものは、就労による収入源の確保対策にあります。既に県は建設業者に対し、公共事業の落ち込みによる就労支援策として農業分野への進出を支援してまいりましたが、今回は公共事業への農業者の就労を積極的に奨励、推進すべきであり、その際、市町村に対する財源等も考えるべきと存じますが、御所見を賜りとう存じます。
 もちろん、ただいま考えられている支援策、そして今回の補正予算にもあるだろうとは存じますが、実施に当たっては条件の緩和等、利用者に十分配慮した実施を切望いたすものであります。また、冷害による所得の減収から脱却するためには、水田に依存することなく、所得を安定させる道も検討する必要がありましょう。農作物はもちろんのこと、遊休農地を利用したバイオマスエネルギーの開発等、長期的見地に立った積極的な振興策が求められると存じますが、御意見を賜ります。
 さらに、いもち病と減農薬栽培であります。今年は異常気象による被害に加えていもち病の被害が挙げられます。近年、特に食の安全・安心が求められており、消費者に安全でしかもおいしい米を提供することが生産者に求められております。この求めに応じ、減農薬、減化学肥料による特別栽培米に取り組んでいるところであります。特に、今年の場合、異常気象といもち病の発生が重なり、特別栽培米なるがゆえに減農薬にこだわり、防除適期の逸失、防除回数の削減等により、被害を大きくしたと存じます。良質米の生産に意欲的に取り組んだことによる悲劇であり、極めて残念でなりません。これからますます求められるであろう食の安全、生産者の顔が見え、安心して求められる岩手米の生産に取り組んでいくためにも、これまでの減農薬、減化学肥料による特別栽培の指導に問題がなかったでありましょうか。取り組んだ農業者に対する救済措置等、今後の取り組みについてもお聞かせを願いとう存じます。
 いずれ、米をめぐる環境は、消費量の減少に歯どめがかからないなどの状況下にあり、また、本年度は戦後3番目の冷害となり、米農家は大きなダメージを受けたところであります。米をめぐる環境は大変厳しいものがありますが、米は本県の基幹作物として積極的に振興を図っていくことが必要と存じます。今後の本県の米はどうあるべきか、お伺いをいたします。
 最近の話題の一つに、株式会社の農業への参入、つまり農業特区があります。農業の担い手の形態として、株式会社が農業に参入する動きが本県にもあると聞いているところでありますが、県はこのような実態をどうとらえ、今後どのように進めるものでございましょう、お伺いをいたします。
 農業問題の最後に、肉牛の増頭対策であります。
 御承知のとおり、過去においてBSE、つまり狂牛病問題が、さらには流通業界の不祥事などにより生産農家は大打撃を受けたところでありますが、しかし、関係者の並々ならぬ努力により、今日では価格も上昇しているところでありますが、あの事件により県内の飼養頭数は減少いたしてございます。肉用牛は本県農業にとって大変重要な位置を占めております。肉用牛振興は農業者の増頭対策が課題と聞いているところでありますが、今後の増頭対策を具体的な課題としてどのような対策をとっておられるものでございましょうか、この際お伺いをいたします。
 次に、商工業振興、とりわけ地域の中小商工業者対策であります。
 過般、盛岡インター付近に強大なショッピングセンターが進出し営業が開始されました。不夜城のごとき輝きと集客力の大きさは、目を見張るものがあると聞いております。消費者には歓迎されるものの、周辺商工業者には大きな脅威でありましょう。また、このセンターの核となる大手業者の出店計画は、一関、金ケ崎、玉山村と県内各地に及んでおると聞いております。計画されているこの地域の中小商工業者は、不況や冷害による購買力の低下に加え、大型店の進出に大きな不安を抱えているのが現実でありましょう。地域における商業活動の衰退は、交通弱者と言われる周辺に生活する高齢者世帯の日常消費生活に大きな不便を来たすばかりでなく、これまで養われてきた地域コミュニティー活動も停滞をし、活力を失っております。押し寄せる大手の大波に洗われる商店街は、人影のないシャッター通りとなり、かつてのにぎわいは想像さえできないものとなっております。このことを考えますと、地域の活性化は地域商業の活性化にかかっていると言っても過言でないのであります。
 また、地域商業の活性化は、いかに地域に密着した活動ができるか、人々を地域活動に参加させることができるかにかかっております。大手業者では、まねのできない地域に根ざした活動が求められているのであります。誇れるいわて40の政策の中に、心の豊かさやゆとりを実感し、安心して暮らせる地域社会づくりと掲げておりますが、この実現のためには地域が一体となって取り組むことが絶対条件であり、地域商業の活性化のために、その後押しをする岩手県の短期、長期の施策についてお伺いをいたします。
 私は、昨年9月定例議会においてお伺いいたしておりますが、地域経済と福祉を融合させた地域通貨制度の導入等は効果的な手法と存じますが、その実現の見通し等についてもお伺いをいたしてまいります。
 次に、少子化に伴う本県教育の制度の改革についてお伺いいたしますが、近年、学校教育にかかわる環境が大きくさま変わりをいたそうといたしております。誇れるいわて40の政策の中に、すべての県立学校に学校評議員を設置し、全教職員による学校運営に関する自己評価と結果の公表、中高一貫教育の導入実施等、これまでと異なり、地域に開かれた新しい学校づくりを推進しようといたしております。ともすれば、閉鎖的であった学校経営から地域に開かれた学校づくりを進めるため、学校、家庭、地域社会が連携して教育に取り組むことが極めて重要であり、その成果を大いに期待するものであります。学校と地域社会とのかかわりについてどのように取り組まれるものでございましょう、お伺いをいたします。
 さらに、民間指導者との連携でありますが、児童生徒の健全な心身発達のためにスポーツは大変重要な役割を担っていると思ってございます。現在、小・中学生のスポーツ活動に、教師では対応できないものについて、地域から父兄あるいはその競技に熱意のある指導者を部外指導者として協力をいただいているのが実態であります。その理由として、その競技に習熟していないために指導が十分できない、また、他の学校事務が多忙なこと、あるいは校内の指導者の不足、あるいは遠距離通勤のため指導時間がとれない等の理由が挙げられます。指導の内容も個々まちまちでありますが、クラブ活動、スポーツ少年団活動があり、土日関係なく指導されているのが実情であります。また、クラブ活動は、学校管理下にあり活動時間が制約されることからスポーツ少年団活動に切りかえ、学校管理から離れる傾向にあります。さらに、競技力が向上するに従い意欲が出て練習も過熱ぎみとなり、勝利に対するこだわりから、教師、指導者、保護者間にスポーツに対する疑問を感ずる例も多く聞かれるところであります。
 そこで、学校と民間指導者、クラブ活動とスポーツ少年団との連携について、あるべき姿をお伺いいたすものでございます。
 さらに、30人学級の実現についてでありますが、この課題は既に議論されておるところでありますが、再度お伺いするものであります。
 今、全国的に30人学級を実施している都道府県は、多少の差異はあるにいたしましても30都道府県、そして、県とは別に少人数学級を実施している市町村もあると伺っております。少人数学級の効果は、私が申し上げるまでもなく歴然としており、その取り組みが急がれておるところであります。知事は、新しい時代を担う人づくり教育先進県を重点施策に掲げておりますが、今回の40施策の年度別計画の中には、その取り組みに対する明示が受けとめられないところであります。確かに、この施策を実施するためには学級数の増加や教師の増員が見込まれ、財政難もあって実現が困難なことも理解できるものの、21世紀の日本をリードする人材育成のためにも必要欠くべからざるものと存じますが、所感をお聞かせ願いとう存じます。
 最後に、治安の充実でありますが、かつて日本は世界で最も安全な国と言われてまいりましたが、現在では、これまでの常識では考えられなかった多種多様な犯罪や事件が発生し、一層不安を募らせております。県民生活も同様であり、県民の安全を確保するため日夜努力されております警察官並びに関係各位に敬意を表します。
 さて、交通安全対策についてお伺いいたしてまいりますが、岩手県交通安全協会は、県内に支部を置き、その下部組織として各市町村に分会が設置されております。この組織は、交通事故の撲滅を図るため、各市町村でそれぞれ自主的に活動されております。組織運営は、会員の会費を主にし、補助金、助成金とあわせて運営されておりますが、しかし、この活動内容は十分理解されず、強制加入もできないことから会費負担の徹底ができず不満の声が聞かれるところであり、市町村は活動の趣旨にかんがみ補助金を交付いたしておりますが、岩手県行財政改革大綱プログラムでは、交通安全協会補助金は見直しの方向にあるようであります。減少することのない交通事故に対し、県民が主体的に交通事故撲滅のために活動している中にあって、交通安全推進の方法と組織運営の指導について県ではどのような見解をお持ちでございましょうか、お伺いいたします。
 また、防犯協会でありますが、この防犯協会も市町村に設置されております。この協会は、地域の犯罪予防を啓発する団体で、地域犯罪を未然に防止するため自主的活動を展開しておりますが、県内活動の実態についてもお伺いいたします。
 多種多様な犯罪、事故や発生が多発する交通事故に対するため、県警では組織を挙げて対応に追われております。しかし、犯罪予防や事故防止は警察官だけでは実現不可能であり、先ほどお伺いいたしました二つの組織を核とし、効果的な県民運動として展開する必要があろうと存じますが、御所見を賜りとう存じます。
 以上、もろもろ申し上げたところでありますが、御承知、ごらんのとおりの未熟な私なるがゆえにお伺いも幼稚なものに終始いたしましたが、皆様方の御清聴に感謝申し上げ、私の質問を閉じるものであります。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事増田寛也君登壇〕

〇知事(増田寛也君) 及川幸郎議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、衆議院議員選挙の結果について私の所感をお尋ねになりました。
 今回の衆議院選挙の結果、一つは、二大政党を軸とする緊張感ある国政が現実のものとなった、こういうふうに考えております。政権交代を具体的に掲げて、二大政党が緊張感ある選挙を戦ったということでございます。
 それから二つ目は、マニフェスト――これは政権公約ということでございますが――の重要性が随分流布されまして、政党がこうしたマニフェストを積極的に作成して、政権を担う政党はどこがいいかということを国民に選択を問うた、そういう今までとは違った側面が随分見られたと思っております。
 現実的には、自由民主党、そして公明党の連立与党が政権を担ったわけでございますので、その与党がマニフェスト実現に向けてさまざまな取り組みを展開していくと思いますが、その取り組みを国民が検証して、そして次の段階で各党の政策にそれを取り入れて、その次に進んだ段階でまた政権選択を問う選挙につながる、こういうサイクルが回転していけば、真の政党政治の復権と言うと言い過ぎかもしれませんが、今、政党不信が数多くございますので、そうした真の政党政治の確立につながっていくものと期待するものでございます。
 それから、行財政構造改革プログラムについて、趣旨徹底と県民理解を得るための手だてについてお尋ねがございます。
 この行革プログラムは、もちろん策定して終わりということではなくて、重要なことは、毎年毎年それを検証して、それを次の実施に反映させていく、そういうプログラムであると考えております。その実行の際には、各分野を実際に担当している県職員一人一人にこのプログラムの目指すものについて十分に趣旨を徹底させ、一体となって多くの県民の皆さん、市町村の皆さんに具体的な取り組みや新しい県の行政経営のあり方などについて丁寧に説明していくことが必要かと考えております。
 さらに、県民の皆様方からさまざまな御意見をいただくわけでございますが、そうした声にも真摯に耳を傾けてこの改革を進めていく必要がございますので、市町村長さん方への説明会ですとか、あるいは市町村の助役、担当課長の皆さん方への説明会等は既に開催してございますが、それを1回開催したきりということにはせずに、今後も地方振興局単位で、県民の皆さんあるいは関係する市町村、団体への説明会を開催したりということを行いたいと思っております。それから、プログラムを具体化していく大きな部分は予算編成ということになってございますが、これについては既に作業が始まっておりますので、各部局それぞれのセクションでも、関係団体や密接に関係する市町村とよく連携して意見交換をして予算編成に臨むことと指示しておりますので、これからさらにこうした取り組みをしっかり行っていきたいと考えております。
 それから、歳入確保対策について、特に森林整備に絡めてお尋ねがございましたが、森林整備の推進というのは本県の重要課題でもございますが、今、議員が御指摘のとおり、全国的な課題である、こういうふうに認識しております。岩手県としても、地球温暖化防止に貢献する森林県連合に設立当初から参画して、国に対して共同で政策提案を行う際には森林整備の財源の問題についても共同提案を行っておりますが、現時点では、いまだ国家的課題として国全体としての具体化がされていない状況でございます。したがって、現在、本県のみならず、多くの都道府県においては森林環境の保全施策の検討を進めておりますが、その際には、それぞれの県ごとに財源確保の仕組みとして、水道料金に上乗せを行う、いわゆる水源税や高知県が創設した森林環境税などの手法を参考に、今、議論を行っている、こういう状況にございます。
 私も、この問題については、国家的な課題であり、全国的な取り組みが必要だと認識しつつも、一方で公益上重要で緊急に整備が必要な森林も現在ございますので、それを公共財としてとらえ、早期に県独自での新たな森林施策の構築も必要と判断して、具体的な森林整備の手法、財源について、今、検討しているところでございます。これについては、受益と負担の関係の明確化などの議論を踏まえて、県民の皆様に御理解が得られる制度を検討して設計をしていきたいと考えております。
 それから、産業政策、地域経済の活性化対策ということで、特に議員の方から新産業の創出、育成プログラムなどの産業活性化支援策の展開について御質問がございました。これまでの取り組みを通じて浮き上がってまいりましたことは、特に新産業、ベンチャー企業を多く成功させていくためには、積極的に起業を目指す意欲ある人材の育成、それからもう一つは、事業資金の確保や販路開拓への支援、こうした二つの要素が不可欠であるということでございました。こうした中で、今申し上げました二つのことに対しての措置として、いわて起業家大学あるいは起業家大学院、いわてインキュベーションファンド、さらには販路開拓のためのマーケティング支援などの施策を行ってきたところでございますし、特に、今年度から専門支援チームが支援を行うような重点企業成長密着支援事業ですとか高度技術者起業家支援事業など、より内容の濃い事業にも取り組んできたところでございます。
 今、議員の方からも、さらにこの取り組みを進めて国の構造改革特区の岩手版のようなものも検討したらどうかというお話でございました。そのことも検討を進めていく必要があろうかと考えております。例えば、ものづくり産業集積の中心となっておりますのは本県では北上川流域でございますが、こうした北上川流域での輸出入促進のための通関に関する特区などということで国のさまざまな規制に穴をあけるといったこともいい効果が出てくるのではないかということで、今、地元の市とともに検討を進めているところでございまして、県の制度における緩和でより効果が期待されるような事例があれば、それはもう積極的にやっていきたいと思っております。さらには、今申し上げましたように、やはり国の構造改革特区の中で国のさまざま設けられております規制に穴をあけるということがより効果的な場合が多いと思いますので、他の県でも行っております取り組みも十分に参考にして、いいものはどしどし取り入れながら、本県としてもさらに検討を進めていきたいと考えております。
 それから、国から地方への税源移譲につきましての見通しのお尋ねがございました。今、国の方の骨太の方針第2弾で、4兆円の税源移譲を3年間で行う、これを小泉内閣の方で掲げまして、今取り組んでいるわけでございます。初年度の16年度については、総理の方からの指示で、11月18日の経済財政諮問会議で、初年度は1兆円の補助金の削減と税源移譲を行うようにということで各大臣に指示をされた、こういうふうに聞いております。もし仮に初年度が1兆円ということになれば、残りの2年間で残り3兆円をぜひやってもらわなければいけないと思いますし、また、それだけではなくて、今、全国知事会や、私どもの21世紀臨調もそうでございますし、市長会など各団体がこの3年間の4兆円の補助金廃止、税源移譲を第一歩として、より税額の大きなものを行うように、こういう提言を次から次にまとめたところでございますので、この4兆円の国庫補助金の廃止を今後の見直しの少なくとも第一歩として位置づけて、さらに次に続くものを用意していただかなければならないと考えております。
 見通しとしては、これからの総理のリーダーシップの発揮いかんということになると思いますが、我々としては、この16年度のものが将来につながるような内容をぜひ今年度実現させてほしい、含んでほしい、将来につながるような内容を、まず初年度のことしから含めてやっていただきたい。具体的には、公共事業や社会保障などの分野も含めて、多様な分野でまず行ってほしい。それから、確実に税源移譲を行ってほしいということで、これは総理のリーダーシップを後押しするような地方公共団体側からの積極的な支援ということも必要だろうと思いますので、そういった働きかけを強く行っていきたいと考えております。そして、ぜひ初年度にいい成果が上がるようにしていきたいと考えております。
 それから、30人学級についてお尋ねでございますが、まず、少人数教育についての考え方としては、少人数学級でやる方式と少人数指導の取り組みと二つの方式があるわけでございますが、これは、いずれも一定の効果が認められると認識しております。少人数学級については他県の方で実施をしている例でございますが、細かなところまで目が行き届いて担任とのかかわりが密になったといったようなこと、それから、不登校が減少したなどの効果が報告されておりますし、また、特に指導を要する子供、いわゆる不登校児やLD児、ADHD児への対応については、先生が1人なものですから対応が難しいといったような話もそうした県では聞かれているようでございます。
 本県では少人数指導ということで事業を実施してきているわけでございますが、登校渋りが改善されて、配慮を要する子供の指導がきめ細かくできるといったようなこと、学校への子供たちの適応が一層促進されるということや、課題別、習熟度別に集団を分けて指導を行うわけでございますので、理解や技能及び学習意欲が高まり基礎学力の向上に結びついた、こんなことが今まで結果として報告されているわけでございます。本県では、こうした少人数指導で、指導目的に応じて適切に形態を使い分けるということで、小学1年児などの低学年や、あるいは学年進行に応じても科目別にこうしたものを取り入れるということで今行ってきているわけでございますが、さらに個に応じたきめ細かな指導ができるように、今後、県単措置でこのすこやかサポートについて年次的に他の学年にも拡大するなど、本県独自の改善を加えて少人数指導の一層の充実を図っていきたいと考えております。
 それから、少人数学級についても効果が認められるわけでありますので、こちらの方についてもあわせて研究指定校方式を取り入れて実践的な研究に取り組みたいと考えておりまして、両者を通じてこれからの本県の少人数教育の推進に積極的に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
 その他のお尋ねにつきましては関係部長から答弁をさせますので、御了承お願いいたします。
   〔農林水産部長佐々木正勝君登壇〕

〇農林水産部長(佐々木正勝君) まず、作況指数と実質収穫量の差異についてでありますが、国が公表する作況調査のふるい目は1.7ミリとされております。これに対しまして、本県が実際に使用しているふるい目の大半は1.9ミリとなっておりまして、作況指数と出荷量との間で乖離を感じておりますのは、いろいろ要因はあろうと思いますが、一番の要因はこの差によるものではないかと思っております。ことしからこのふるい目の差の量について公表されておりますけれども、1.7と1.9の間で県平均で10.8%、1割ぐらいあるということでございまして、ひとめぼれで8.6、あきたこまちに至っては18%あるという状況ですので、この差によるものが一番大きいと思っております。
 また、作況指数と共済金の関係についてでありますが、作況指数は、共済金の支払い額の算定過程において参考にするべき情報の一つとして扱うこととされておりますが、実際の共済金の支払い額は、国の作況調査とは別に各農業共済組合が独自に行った圃場1筆ごとの損害評価をもとに、県連合会の検証、さらには国の認定を経て確定するものであります。県といたしましては、適正な損害評価が行われますよう共済団体を指導してきたところであります。
 次に、水稲種子の確保についてでありますが、本県の水稲種子につきましては、県内6カ所の圃場で採種を行ってきているところでありますが、来年の需要数量の2、430トンに対しまして約600トンの種子が不足する見込みとなったところであります。このため、品種別には、あきたこまちにつきましては、団地的に栽培している県内の一般圃場のほか、秋田県から150トンの協力をいただけることになっております。また、いわてっこ、かけはしなど本県のオリジナル品種につきましても、県内の一般圃場、それから備蓄の種子を充てることにしておりまして、全体として十分確保できる見通しになっております。
 次に、品種の再配置についてでありますが、ことしの冷害の中で特に被害の大きかったあきたこまちについてでありますが、減数分裂期が低温に遭遇したこと、それから、品種の特性として耐冷性が中位であったことのほかに、一部地域において適地外への作付も見られたところであります。県といたしましては、あきたこまちは良食味品種として需要が堅調でありますことから、ことしの品種配置の実態や栽培管理の内容につきましてさらに精査し、次年度以降の指導に万全を期してまいりたいと考えております。
 また、冷害に強い品種開発につきましては、本年のような気象条件下でも耐冷性、耐病性を発揮する幾つかの系統が出てきておりまして、現在、現地で栽培試験を実施しながら奨励品種としての適性について検討を行っているところであります。
 次に、被災農業者の公共事業への就労による所得確保についてでありますが、実は、既に農村部の公共事業につきましては上半期の工事発注率が約90%になっておりまして、これらの工事の現場作業員として相当数の被災農業者が雇用されているものと考えておりますが、さらなる新規雇用は難しい状況にあります。
 また、農作物を原材料とするバイオマスエネルギーの開発につきましては、現時点では、原材料となる農作物価格がかなり割高で、コスト面で問題がありますことから、長期的な観点から胆沢町などで現在研究開発を行っているわけですが、こうした動向を注視してまいりたいと考えております。
 次に、いもち病と減農薬栽培についてでありますが、本年の異常気象において、県では、米の安定生産を確保するため、減農薬栽培地域においても、実需者との調整を図りながら追加防除を行うよう再三にわたり注意報を発するなど、あるいは青空教室を開催するなどあらゆる方法によりまして強く指導してきたところでありますが、残念ながらいもち病が多発したところであります。
 県におきましては、こうした事態に至ったことについて調査をいたしました。その結果によりますと、減農薬栽培にこだわったために防除を実施しなかったとしたのは約2割でありまして、大半は、葉いもちの発生が少なかったこと、それから、予防粒剤の使用で十分であると考えたこと、あるいは8月中下旬に降雨が多くて防除作業ができなかったことなどによるものとされているところであります。
 今後におきましては、本年のような異常気象年においていもち病の発生が見込まれる場合は、減農薬栽培による特別栽培であっても、実需者の理解を得て防除を徹底するように指導してまいりたいと考えております。
 次に、今後の本県の米のあるべき姿ということでございますが、米の消費が減少する中で産地間競争がますます激化すると予想され、これまで以上に需要を先取りした米づくりに取り組む必要があると考えております。こうした中にありまして、本県が将来にわたって米主産地としての地位を確保していくためには、高品質・良食味米を安定的に供給できる体制を整備し、実需者や消費者からの信頼にこたえることが重要であります。残念ながらことしの災害により大幅な減収となりましたが、今後の本県農業にとって稲作の重要性はいささかも変わるものではないと考えておりまして、作柄の安定を基本に、これまで以上に適地適作による地域の条件を生かした売れる米づくりを推進してまいりたいと考えております。
 次に、株式会社の農業への参入についてでありますが、本県農業は、近年、農業従事者の減少、高齢化の進行などによりまして生産体制が脆弱化し、全体として農業生産力の低下が懸念されているところであります。一方、長引く不況の中で雇用情勢は依然として厳しい状況にあり、他産業から農業への就労希望者が増加するとともに、県内におきましても建設業等の農外企業が農業参入しようとする動きが出てきているところであります。
 こうした労働力をめぐる農業内外の二つの課題に対処していくためには、農外企業の農業参入への受け皿づくりを進め、農業の活性化に結びつけることが肝要であると考えております。同時に、この特区制度におきましては、参入企業は、企業が行う農業経営の内容、企業と地域内の他の農業者との役割分担等の協定を市町村長と締結することとされておりますので、県はこれが遵守されるように助言してまいりたいと考えております。
 次に、肉用牛の増頭対策についてでありますが、本県は、長年にわたりまして肉用牛を農業の重要な基幹作目として位置づけ、その振興を図ってきたところでありますが、飼養戸数や頭数は全国の上位にありますが、一方では1戸当たりの飼養規模が極めて小さく、また、飼養者の高齢化も進んでいるところであります。こうしたことから、今後は、肉用牛を経営の柱に据えた自立できる農家の育成を目指し、増頭による1戸当たりの飼養規模の拡大を最重点課題として取り組んでまいりたいと考えております。
 このため、県といたしましては、意欲のある担い手に対し、増頭に向けた低コスト牛舎等の整備はもとよりでございますが、県内で生産された優良な繁殖雌子牛、肥育素牛の県内保留が促進されるよう新たな仕組みづくりについて、今、検討を進めているところでありまして、今後とも全国有数の肉用牛産地として着実な増頭を図ってまいりたいと考えております。
   〔商工労働観光部長小原富彦君登壇〕

〇商工労働観光部長(小原富彦君) 地域商業活性化のための施策についてでありますが、地域商業の活性化に当たっては、中心市街地活性化のための構想、各市町村と商工会議所が連携して策定している、いわゆるTMO構想の実現に向けた支援を中心に各種施策を展開しているところでありますが、本県では、東北では最も多い16の市町でTMO構想が策定され、さまざまな取り組みが行われているところであります。
 これらの構想は、基本的には、まちづくりの基本計画として商店街における区画整理や街路整備事業などのいわば中長期的に取り組む事業と商店街の空き店舗対策や集客促進イベントの実施など、短期的、継続的に取り組む事業とで構成されております。この構想実現のため、県としては、中長期的な取り組みについては、各地域が区画整備など市街地整備に向け関係者間の合意形成等に係る経費について補助を行っており、また、短期的な取り組みについては高齢者や子供たちなど地域住民が集い、そしてにぎわいを回復するための即効性のあるハード・ソフト事業の支援を行っております。
 これまで、例えば花泉町の高齢者買物利便センター、東和町の定期的なイベントの開催、久慈市の空き店舗を活用したデイサービス事業、さらには、本年度宮古市の大型空き店舗の再活用による共同店舗の整備への支援などを行ってきているところであります。
 今後においても、このTMO構想の実現を基本としながら、成功事例をつくり出すためのきめ細かい支援を行い、他の地域の取り組みにも波及させることに最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。
   〔地域振興部長大沼勝君登壇〕

〇地域振興部長(大沼勝君) 地域通貨制度についてでありますが、本県におきましても、地域通貨による地域活性化への取り組みは、町内会、商工団体あるいは民間非営利団体などによりまして各地で運営が始まっております。その態様は多種多様であります。最近では、西和賀地方におきますわらびの取り組みがあります。これは、県商工会連合会中部広域指導センターと湯田町商工会、沢内村商工会が発行する地域通貨であります。除雪ボランティアですとかワラビ畑の手入れなどの活動に参加することによりまして、地域通貨わらびを受け取ることができます。そしてこの地域特産のワラビと交換できるという仕組みづくりを始めたところであります。
 地域通貨が地域の活性化のための有効な手段となり得るためには、何よりも課題解決に向けまして、地域の人々がみずから知恵を出し主体的にかかわっていくことが重要でありまして、それがクリアできた段階で有効な手段として持続的な取り組みが見込まれるものと考えております。
 地域通貨を通じた取り組みが極めて多様な分野にわたっておりまして、その形態も多様でありますことから、取り組みの目的、期待される効果などを見きわめながら、必要に応じて応援してまいりたいと考えているところであります。
   〔教育長佐藤勝君登壇〕

〇教育長(佐藤勝君) 学校と地域社会のかかわりについてでありますが、県教育委員会におきましては、それぞれの学校が地域住民の信頼にこたえ、家庭や地域と一体となって子供たちの健やかな成長を図っていくため、家庭や地域の意見などを学校運営に反映させるとともに、積極的に説明責任を果たすなど、開かれた学校づくりを進めていくことが重要であると考えております。
 具体的には、地域の自治会役員や地元の企業関係者などを学校運営について提言をいただく学校評議員として設置するとともに、地域住民にありのままの学校活動を見てもらう学校へ行こう週間や、学校公開の実施、学校の教育活動の状況を地域に発信する学校ホームページの開設などに取り組んでいるところであります。
 今後とも、地域との橋渡しや学校評価への参画など、各学校の実態に応じて、学校評議員の制度をより積極的に活用するよう指導するとともに、学校評価と結果の公表など、学校からの情報の発信に係る取り組みを促すなど、学校と家庭、地域の一層の相互理解と連携・協力が進むように取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、クラブ活動とスポーツ少年団活動等の連携についてでありますが、クラブ活動とスポーツ少年団活動は、児童生徒の健全育成を図るという理念は同じものととらえておりますが、現状はそれぞれが別々な計画により活動しているため、時として教育的な配慮が希薄化したり、児童生徒に過度な負担を強いることが見られる場合もあります。児童生徒の健全育成を図るためには、両者が活動する児童生徒の発達段階に応じた適度な運動量、適切な休養などについての共通認識のもとにルール化を図りながら、学校、指導者、保護者が協力・連携しながら、活動を支援していくことが望ましいものであると考えております。県としても、県中学校体育連盟、県スポーツ少年団本部を通じて、活動が児童生徒にとって過度にならないようになど、今後とも働きかけてまいりたいと考えております。
 なお、学校と民間指導者の連携につきましては、県内各地域において、既に地域の理解と協力を得ながら、児童生徒の体力・技術向上並びにクラブ活動の支援が積極的に進められている状況にあります。
 一方、県といたしましても、専門的な指導者に恵まれない地域に対して77校80人の民間指導者を派遣し、学校と民間指導者との間で、指導方法や内容などについて協議調整をしながら、運動部活動の活発化を図っております。
 今後におきましても、学校と民間指導者との十分な連携が図られ、効果的な指導がなされるよう努めてまいりたいと考えております。
   〔警察本部長山内正和君登壇〕

〇警察本部長(山内正和君) 初めに、交通安全の推進方法についてお答えいたします。
 全国的に交通死亡事故が減少傾向にある中、本県におきましても全国同様に、その定着化を図るため取り組んでいるところであります。特に、本県では交通死亡事故の発生実態を踏まえまして、交通死亡事故の抑止を最重点に、悪質、危険性の高い違反を中心とした取り締まりを強化するとともに、ボランティアによる高齢者在宅家庭訪問活動や事業所を中心とするライトの早め点灯運動などの施策を推進しているところでございます。
 もとより、交通事故防止は県民の皆様の御理解と御協力があって初めて達成できるものでございます。特に、高齢者在宅家庭訪問活動やライトの早め点灯運動につきましては、中・高校生を含む幅広い一般県民の皆様の御参加を得て街頭活動などを展開しているところでございますが、交通安全意識水準の向上を図るため、これらの運動のなお一層の推進を図ることとしております。
 次に、交通安全協会の組織運営についてでありますが、岩手県交通安全協会は、交通事故を防止するため交通安全思想の普及・高揚を図り、交通秩序の確立と交通安全の実現に寄与することを目的に設立された公益法人であり、県警察がその指導監督の立場にございます。同協会は、現在推進しております交通死亡事故抑止対策におきましても交通関係団体の中で中心的活動をしており、県警察といたしましては、同協会の活動が県民の皆様の御理解を賜りながら、その設立趣旨にのっとり、適正かつ積極的に行われますよう、引き続き緊密な連携を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 また、交通安全協会におかれては、交通安全県民運動の核として、交通安全運動がさらに実効の上がるよう、従来にも増して、より積極的に参画いただきたいと考えているところでございます。
 次に、防犯協会についてお答えいたしますが、岩手県防犯協会連合会は、防犯思想の普及高揚、風俗環境の浄化、少年の健全育成などの活動を行っております。組織といたしましては、県の連合会に加盟する警察署単位の17地区の防犯協会連合会と地区防犯協会に加盟する各市町村防犯協会があり、相互に連携して活動しております。特に、本県独自の取り組みといたしましては、本年6月から1年間にわたり、県内各地区の防犯協会連合会が参加した犯罪予防コンクールを行っているところでございます。
 また、県防犯協会連合会による県民活動についてでございますが、既に県警察と防犯協会連合会が連携し、毎年春と秋の2回、県民総参加による犯罪予防を目的とした地域安全運動を行っており、着実に成果を上げておるところでございます。
 県警察といたしましては、今後とも交通安全協会と同様に防犯協会との連携を強化し、同協会を核として、より一層、効果的な県民運動を展開してまいりたいと考えておるところでございます。
   

〇副議長(菊池勲君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時46分 休 憩
   

出席議員(49名)
1  番 亀卦川 富 夫 君
2  番 中 平   均 君
3  番 ザ・グレート・サスケ 君
4  番 木戸口 英 司 君
5  番 関 根 敏 伸 君
6  番 野 田 武 則 君
7  番 平 野 ユキ子 君
8  番 高 橋 雪 文 君
9  番 嵯 峨 壱 朗 君
10  番 工 藤 勝 子 君
11  番 平 沼   健 君
12  番 平   澄 芳 君
13  番 柳 村 典 秀 君
14  番 飯 澤   匡 君
15  番 田 村   誠 君
16  番 大 宮 惇 幸 君
17  番 千 葉 康一郎 君
18  番 新居田 弘 文 君
19  番 工 藤 大 輔 君
20  番 川 村 農 夫 君
21  番 樋 下 正 信 君
22  番 照 井 昭 二 君
23  番 柳 村 岩 見 君
24  番 阿 部 静 子 君
25  番 阿 部 富 雄 君
26  番 斉 藤   信 君
27  番 田 村 正 彦 君
28  番 佐々木 順 一 君
29  番 佐々木   博 君
30  番 及 川 幸 子 君
31  番 阿 部 敏 雄 君
32  番 吉 田 昭 彦 君
33  番 小野寺 研 一 君
34  番 千 葉   伝 君
36  番 伊 沢 昌 弘 君
37  番 瀬 川   滋 君
38  番 吉 田 洋 治 君
39  番 佐々木 一 榮 君
40  番 伊 藤 勢 至 君
41  番 渡 辺 幸 貫 君
42  番 高 橋 賢 輔 君
43  番 藤 原 良 信 君
44  番 佐々木 大 和 君
45  番 藤 原 泰次郎 君
46  番 菊 池   勲 君
47  番 工 藤   篤 君
48  番 小 原 宣 良 君
49  番 及 川 幸 郎 君
51  番 佐々木 俊 夫 君

欠席議員(2名)
35  番 小野寺   好 君
50  番 佐 藤 正 春 君
   

説明のため出席した者
休憩前に同じ
   

職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   

午後4時4分 再 開

〇副議長(菊池勲君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第2、一般質問を継続いたします。川村農夫君。
   〔20番川村農夫君登壇〕(拍手)


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