令和8年2月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇25番(高田一郎君) 日本共産党の高田一郎でございます。私は、県民の切実な要求と県政課題について質問いたします。
 まず第1に、衆議院議員選挙の結果について質問いたします。
 今回の衆議院議員選挙では、高市政権が圧倒的多数を占める結果となりました。しかし、自由民主党政治の中身や政策を信任した結果と言えるでしょうか。高市首相は、国論を二分する政策を問うのだと言って解散に打って出ましたが、その内容について有権者に語ったわけではありません。唯一看板であった責任ある積極財政についても、具体的中身も明らかにすることはありませんでした。予算審議もせずに、解散から投開票まで戦後最短の16日間で、有権者に各党の政策などを考える時間すら与えない異常な選挙だったと思います。
 政治学者の杉田敦氏は、有権者に十分な情報と熟議の時間を与えてから意見を聞くのでなければ真っ当な民主主義とは言えない、こう発言しています。私もそのとおりだと思います。
 憲法と民主主義の面からも重大な問題点を持った選挙だと考えますが、知事の認識を伺います。
 自由民主党は今度の選挙で、小選挙区では49.2%の得票で86%の議席を獲得しましたが、5割以上の死に票が出た選挙区は133選挙区、46%となりました。そして、比例代表選挙で有権者の支持は36.7%でありました。つまり3割台の得票で7割近い議席を獲得したのは小選挙区制によるものであり、虚構の多数と言うべきものではないでしょうか。
 民意をゆがめるような小選挙区制こそ見直すべきと私は考えますが、知事の見解を伺います。
 第2に、物価高騰から県民の暮らしを守る課題についてであります。
 労働者の実質賃金は4年連続マイナスとなり、中小企業も、資材や価格の値上がりで厳しさを増しています。食費や暖房費を削らないと生活が維持できない、店を畳むことを真剣に考えている、こうした声が次々と寄せられております。
 知事は、長引く物価高の中で、県民の暮らしと営業の実態をどのように認識されているでしょうか。
 株価は5万円を超えて史上最高値を突破し、大企業は史上最高益を4年連続で更新しています。労働者の実質賃金は、アベノミクスが始まった12年前と比べて年額34万円も減少し、企業倒産は12年ぶりに1万件を超えております。経済が回復しているという実感は全くありません。なぜこんなことが起きているのでしょうか。
 第1に、大企業と大株主に富の一極集中が極端にひどくなっているということです。大企業の利益が上がっても、株主への配当と内部留保の積み増しに充てられ、労働者に回ってこない、こういう仕掛けがつくられました。この12年で株主配当が2.8倍、内部留保は200兆円以上も積み上げられています。株価を上げるために自社株買いが急増し、上場企業の自社株買いを使った資金は33兆円で、労働者の給与の2年分に匹敵する規模であります。
 第2に、アベノミクスの失政と高市政権による積極財政の名で国債を大増発し、大企業や軍事費にばらまきをしていることが、円の信頼を低下させて、円安の加速と金利上昇を招いているからであります。物価高は、まさに自由民主党政治がもたらした政治災害だと思います。
 この二つの経済失政の大転換こそ必要と考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、消費税減税について伺います。
 物価高騰から暮らしと営業を守るためには、消費税の減税が必要であります。高市首相は、飲食料品の消費税率を2年間ゼロにすることについて、国民会議で財源などを検討し、夏前に中間取りまとめを行うという考えを示しています。
 衆議院議員選挙では、ほぼ全ての政党が消費税減税、廃止を公約に掲げるなど、減税の必要性は多数の合意があります。ごく限られた消費税を温存する政党だけを集めるような国民会議の設置ではなく、直ちに法案を提出し、国会で議論すべきと考えますが、知事の認識を伺います。
 焦点は、消費税減税の財源を示すことであります。日本共産党は、政府も効果がなかったことを認めている、利益を上げる大企業への年間11兆円もの減税の見直しや、大株主と富裕層に対する所得税の優遇税制など、税の不公平を正すことを提案しています。
 財源問題についての知事の見解を伺います。
 次に、賃上げなど中小、小規模事業者への支援についてであります。
 全国に先駆けて実施した中小企業の賃上げを直接支援する物価高騰対策賃上げ支援金は、申請事業者は2、945件、人員は2万9、337人、申請額は17.6億円と、ほぼ計画どおりに達成する実績となりました。賃上げ支援策の成果と課題をどう把握されているのでしょうか。
 厳しい経営環境の中で防衛的な賃上げになっており、事業主の報酬をカットして賃上げをする事業者も出ております。花巻市や奥州市では、県の事業にかさ上げして賃上げ支援に取り組んでいます。市町村と連携すれば効果が大きいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 全国労働組合総連合が実施した最低生計費試算調査では、若者が自立して人間らしく生活するために最低必要な生活費は、時給で1、700円から1、900円となりました。政府は2020年代に1、500円の目標を掲げていましたが、高市政権になってからこの目標をおろしてしまいました。国の現行の賃上げ支援策は生産性向上を目的としており、使い勝手が悪く、地方の最低賃金審議会からも意見が上がっている社会保険料の事業主負担の軽減など、直接支援が必要であります。
 政府に対し、賃上げ目標を持つこと、中小企業への直接支援と一体で賃上げを行うことが必要であります。全国知事会としてどのように取り組まれているのでしょうか。
 小規模事業者は、運転資金の確保が課題であります。同時に、狭い地域を商圏としており、住民の所得向上が図られ消費購買力が強まらない限り売り上げが上がらないという課題もあります。
 赤字の事業所でも対象となる中小企業者等事業継続緊急支援金給付事業の復活や、新商品の開発、販路拡大事業、そして住宅リフォーム助成事業など、地域内経済循環を促進する事業に思い切った支援が必要と考えますが、小規模事業者への県の支援策を示してください。
 第3に、社会保障制度改革の諸課題について質問いたします。
 現役世代の保険料負担軽減を口実に、政府がOTC類似薬や高額療養費限度額の負担をさらに拡大しようとしております。薬剤費4分の1を保険給付から外して全額患者負担とし、残りの4分の3だけ保険適用にするとしています。現役世代で3割だった負担が5割にもなってしまいます。
 一方、高額療養費限度額は年間上限額を新設しますが、月最大38%も上限を引き上げ、そして、2年ごとに検証するなど定期的に自己負担が引き上げられようとしています。子供を持つ現役世代の患者は、治療と子供の将来を天びんにかけるような状況に追い込まれ、子供の将来も犠牲になるものではないでしょうか。
 対象となる患者数及び影響額を県はどのように把握されているでしょうか。
 高額療養費について、政府は、受診控えによる給付削減効果を1、070億円と見込むなど、患者からも強い批判を受けております。撤回を求めるべきでありますが、いかがでしょうか。
 岩手県の後期高齢者医療制度の2026年度の保険料は、年額9、869円引き上げを計画しており、市町村国民健康保険も多くの市町村で改定が検討されています。国民健康保険税は、既に協会けんぽと比べ保険料で2倍の開きがあります。今でも高過ぎる国民健康保険税ですが、来年はさらに高くなる可能性が高くなっています。児童手当の拡充や育児休業の給付金引き上げなど子育て支援の財源にするため、子ども・子育て支援納付金が医療保険から徴収されるからであります。
 後期高齢者医療制度及び国民健康保険は、どの程度の納付金となるのでしょうか。子育て世帯への支援は大事なことであります。しかし、医療保険に上乗せ徴収というのは社会保障の原理にも反するものと考えますが、いかがでしょうか。
 県内の市町村における保険税の改定状況及び引き上げる要因を、県はどのように把握されているのでしょうか。
 2000年4月からスタートした介護保険制度から25年が経過いたしました。制度発足時と比べると利用者数は3倍以上にふえており、より多くの高齢者に公的介護サービスを届ける環境を整えたという点では、大きな役割を果たしてきたと思います。しかし、一方では、給付を削り利用者負担をふやす制度改革を重ねてきました。経済的な事情により必要なサービスを利用できないケースが後を絶たず、家族の介護を理由とした介護離職や経営難と慢性的な人手不足などが起きています。
 そこで質問いたします。介護事業所の規模や地域を問わず倒産や事業存続を左右しかねない規模での減収が生じています。県内の事業所の経営状況と廃業、倒産など、経営実態を県はどのように把握されているでしょうか。
 県内の介護従事者は2万3、744人となり、制度始まって以来、初めて減少となりました。介護福祉士養成校では定員割れが続き、人手不足で入所制限が行われています。
 介護人材の不足の実態把握、介護従事者の全産業平均給与との差はどの程度になっているでしょうか。県では、介護職員の研修、職場環境改善事業などに取り組まれていますが、成果と実績はどうなっているのでしょうか。介護従事者の離職の実態も含めて示してください。
   〔副議長退席、議長着席〕
 特別養護老人ホームの待機者は615人、しかし、第9期の増床計画は350床にとどまっています。両磐、釜石、二戸、宮古、岩手中部の五つの圏域では計画が全くありません。借金をしても経営の見通しがなく、民間任せでは待機者を解消することはできません。
 待機者がいても必要な特別養護老人ホームができない要因はどこにあるのでしょうか。県は、必要な整備計画を持って進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
 生活保護制度は、生活に困窮する全ての国民に対して、その困窮度に応じて必要な保護を行うという憲法第25条に基づいた社会保障制度であります。県内では1万482世帯、被保護人員1万2、523人がこの制度を受けています。しかし、2013年から2015年にかけて行われた生活扶助費の削減、そして、物価高騰により生活保護受給世帯でも厳しい暮らしを余儀なくされています。生活困窮世帯を支援している団体からも、ガスがとめられて風呂も我慢している、友人の葬儀にも行けない、住宅扶助基準が低過ぎて物件探しが難しい、こういう厳しい状況を訴えられています。物価高に見合った水準への引き上げが必要ではないでしょうか。
 捕捉率がわずか2割程度となっています。必要な人に支援が届いていません。生活保護制度の実態や課題を県はどう把握されているでしょうか。
 受給者の55.4%が高齢者であり、25.4%が障がい者、傷病者世帯であります。猛暑続きの中で、昨年は、電気代を節約し利用しない世帯もありました。
 エアコンの設置支援や夏季加算などに取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。また、生活に必要な自動車の保有を認めるべきであります。県内の自動車保有にかかわる対応はどのようになっているでしょうか。
 第4に、東日本大震災津波の復興の課題について質問いたします。
 東日本大震災津波から15年になろうとしております。被災者への心のケア、コミュニティー支援や生きがいづくりなど、引き続き継続支援が必要となっています。国の復興予算が減少する中で、どう被災者を支援していくのかが問われていると思います。
 医療費等の減免措置が2021年12月末までで終了しています。被災者の皆さんが、経済的な理由で必要な医療を受けられないことがないよう、沿岸部においても無料低額診療事業に取り組まれるようにすべきですが、いかがでしょうか。
 災害公営住宅では、入居者の高齢化と生活苦などによって孤立化と孤独化が進行しています。コミュニティー形成の拠点となる集会所は、県営住宅29団地のうち、月ゼロ回から2回の利用にとどまっているのが19団地、65%にもなっています。生活支援相談員が配置されている団地では12回から29回活用されており、生活支援相談員の役割は、ひとり暮らしの高齢者やコミュニティーの確立にとって大変重要な支援となっております。
 7市町に配置されている生活支援相談員は、新年度どのような配置や体制になるのでしょうか。
 高齢化などにより自治会活動が困難になっており、支援を求める要望が出ております。県は、新年度予算案に活動を支援する事業を盛り込みました。大変評価するものであります。しかし、予算規模は402万円。十分な予算となっているのでしょうか。事業の内容、体制を含め示してください。
 次に、いわて被災者支援センターは、専門の相談員が被災者に寄り添って、関係機関や専門家と連携してサポートを行うなど、復興支援に大きな役割を果たしてきました。新年度からの新規相談は市町村での対応となり、委託費も3、659万円と昨年と比べて減少になっています。縮小ではなく拡充こそすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第5に、大船渡市の林野火災からの復興について伺います。
 林野火災から、きょうでちょうど1年がたちました。3、370ヘクタールが延焼し、死者は1名、住宅、非住家の226棟が延焼し、1、896世帯4、596人に避難指示が出される大災害となりました。
 そこで、生活となりわいの再建について質問いたします。
 住宅再建については、昨年末に公費解体が完了し、個別相談会を通じて本格化しつつありますが、意向調査でも被災前と同じ場所に希望する被災者は3割程度となっており、分散傾向にあります。
 住宅の再建への支援と見通しはどのようになっているのでしょうか。
 漁業者の多くは、東日本大震災津波との二重被災となりました。県は、国事業の対象にならないワカメなど養殖機器についても、県独自に再整備に要する経費の補助などの支援も行ってきました。漁協倉庫や定置網、ワカメ養殖機器などの復旧状況はどうなっているのでしょうか。
 森林の復旧については、被災した森林のうち、人工林1、785ヘクタールが森林災害復旧事業の対象となります。7月の災害査定では約240ヘクタール、事業費8億円の計画が認定され、被災木の伐採、搬出が実施されています。
 復旧事業に関する森林所有者、管理者の意向調査結果では、災害復旧を希望するが、筆数で52.3%、面積では783.7ヘクタール、55.3%となっております。森林所有者の同意を広げ、復旧計画の策定に取り組むべきであります。
 釜石市の林野火災の教訓に学んで森林所有者の負担軽減策に取り組むべきと考えますが、その進捗状況も含め示してください。
 被災木は強度試験で問題ないとされていますが、伐採がおくれると、新たなリスクを招き、劣化が進むことも研究で指摘されています。迅速な出口戦略が求められております。
 被災木の活用に向けた対応及び課題について伺います。
 総務省は、大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方をこの間検討してきました。今後の林野火災予防の実効性向上、常備消防や消防団の体制強化、そして住民避難のあり方など具体的な提言を策定いたしました。要支援者に情報が確実に届く情報伝達システムの強化など、さまざまな提言となっております。
 この提言をどのように受けとめ、火災防災対策の強化に取り組まれてきたのか伺います。
 第6に、ツキノワグマの出没から県民の命と安全を守る取り組みについて質問いたします。
 昨年の熊の出没は9、617件、人身被害は36件37人、うち死者が5人と全国最多となっております。昨年は、日々の暮らしと命が脅かされる異常な事態となり、飲食業や宿泊業にも影響が出る事態でありました。
 熊は、人間は危険でないと学び、食べ物に執着する生き物、また人里に戻るおそれがあること、こう専門家は指摘し、冬眠明けが早いということもあると指摘されております。既に県内でも人身被害が出ており、昨年の教訓を踏まえ一層の対策強化が求められていると思います。
 県は、熊対策を進めるために専門職員1名、野生動物管理専門員5名の採用など体制を強化しようとしております。任期付採用職員とのことでありますが、正規とならなかったのはなぜでしょうか。他県の状況はどうなっているかについても示してください。
 熊の出没情報をリアルタイムで地域住民に情報提供し、安全対策の強化が必要であります。花巻市では、AIカメラを設置して、熊がいる地域を早い時期から把握し、重点的に捕獲し人身被害を抑えてきました。出没時には、猟友会と連携し広報車も出して出没情報を周辺住民に知らせるとともに、子供たちの安全確保に対しタクシーでの送迎なども行われております。
 出没情報や住民の安全対策を強化すべきと考えますが、県の対応を示してください。
 農家の離農や高齢化、人口減少によって、里山が荒れて耕作放棄地がやぶ化となる地域が拡大しています。熊を呼び寄せる環境をつくっており、集落ぐるみで緩衝帯の整備が必要です。
 いわての森林づくり県民税なども活用しながら、緩衝帯の整備に計画的に取り組むべきでありますが、新年度の取り組みの計画について示してください。
 昨年は、電気柵もわなも足りない、活動手当が少なく、暮らしを犠牲にし、命を危険にさらす活動に見合う処遇になっているか大変疑問だという厳しい意見も寄せられました。
 活動手当などについては、高齢化と担い手不足に悩む地域で体制強化する上で必要な取り組みだと思います。捕獲対策や被害防止対策がどのように拡充されるのでしょうか。
 最後に、高市政権が進める大軍拡と改憲問題について質問いたします。
 高市政権は、安全保障関連3文書に基づく軍事費のGDP比2%への引き上げを前倒しで進めてきました。米国トランプ政権が求める3.5%、21兆円規模へのさらなる引き上げにも応じようとしております。
 医療と介護、生活保護の国費は18兆円であります。それを大きく上回る軍事費の突出は、大増税や暮らしの予算の削減、国債の大量発行など国民生活にも経済にも深刻な影響を与えるものと考えますが、知事の見解を伺います。
 東アジアの広範囲が射程圏に入る長距離ミサイルの大量配備と弾薬庫の増設も各地で進められております。非核三原則の見直しや国際紛争の助長となる殺傷兵器の武器輸出解禁も行われようとしております。
 衆議院議員選挙を受けて、高市首相は憲法改悪に強い意欲を示しています。憲法に自衛隊を明記し、国民投票が行われるよう粘り強く取り組む決意を示しています。自由民主党の案は、自衛の措置を口実に集団的自衛権を全面的に行使し、海外でも無制限な武力行使を可能とするものであります。
 そして、日本維新の会の提言は、9条2項削除による集団的自衛権行使の全面的な容認と国防軍の明記を求めています。
 衆議院議員選挙では、改憲発議が可能となる3分の2の議席を衆議院で得ましたが、国民は改憲に信任を与えたわけではありません。安全保障関連3文書の改定や改憲の動きを加速する危険な動きと考えますが、知事の見解を伺います。
 以上で私の質問を終わります。答弁によっては再質問いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 高田一郎議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、今回の選挙に対する認識についてでありますが、通常国会は、常会として憲法にも定められ、内閣総理大臣が施政方針演説を行い、国の予算を決める重要な国会でありますが、それを冒頭で解散する、戦後かつてないような突然の解散でありました。
 また、解散から投開票日まで16日間というのも、かつてない短期間の選挙であり、期日前投票を行った有権者にとっては、投票まで16日よりも短い期間しかありませんでした。
 その結果は、自由民主党単独で衆議院の3分の2以上、与党で4分の3以上で、戦後かつてないような国会の構成になっており、国民は、選挙で勝った負けたという次元を超えて、与党支持者も野党支持者も支持政党なしの人たちも、ひとしく緊張感を持って国政にかかわっていく必要があると考えております。
 国政選挙は、国の最高の意思決定の場であり、丁寧に準備され、丁寧に行われることが求められると考えます。
 次に、小選挙区制の見直しについてでありますが、今回の衆議院議員選挙の結果が、戦後かつてない国会の構成という解散前には誰も望んでいなかったような結果になったのは、解散から総選挙までの過程が戦後かつてないようなものだったからであり、丁寧に準備され丁寧に行われれば、現在の小選挙区比例代表並立制のもとでの選挙は、民意の反映について、それなりの機能を果たすと考えております。
 国政選挙のやり方は、国会での意思決定過程とあわせ、国民の多様な考え方や希望をいかにして最終的に一つに統合するかという工夫の問題であります。選挙の段階では民意の多様性を反映することを重視し、多党制になりやすい完全比例代表制を用い、国会の段階で多数の政党間の協議を通じて民意の統合を図るやり方から、選挙の段階で民意を二大政党ないし二大勢力に絞り、国会の段階では、その二つの勢力間の議論で民意の統合を図る完全小選挙区制という幅の中で、どのような選挙制度にするかが、その国のデモクラシーの腕の見せどころであります。
 定数削減については、人口減少が進む中にあっても地方の声が国政に適切に反映されることが、国土の均衡ある発展、地方創生の観点から極めて重要ですので、地方の議席を減らすことが、直ちに民主主義の質の向上につながるとは考えておりません。
 次に、県民の暮らしと営業の実態についてでありますが、県民の暮らしに関しては、令和8年1月の盛岡市の消費者物価指数は、前年同月比で2.3%の上昇となっており、また、毎年の消費者物価指数は、令和3年以降、上昇が続いています。
 また、中小企業では、県内事業者を対象とした令和7年11月の調査において、約9割が物価高騰等の影響があると回答している一方で、価格への転嫁率が70%以上の企業の割合は、1割未満と低い水準になっています。
 このように、食料品やエネルギー、原材料等の価格高騰により、県民の暮らしや企業の経営は、依然として厳しい状況にあると認識しております。
 次に、経済政策についてですが、財務省の法人企業統計によれば、企業の配当金は増加傾向にあります。また、内閣府の月例経済報告によれば、円安基調が続くとともに、長期金利は上昇傾向にあり、令和7年度年次経済財政報告において、食品価格引き上げの背景として、円安の進行等による原材料高が指摘されています。
 県では、県民の暮らしと仕事を守るため、これまでさまざまな物価高騰対策を講じてきていますが、国においても、国民の消費の力が高まる政策と物価高騰の背景にある過度な円安の是正に取り組む必要があると考えます。
 次に、消費税減税についてでありますが、物価高騰により県民の暮らしや仕事が厳しい状況にある中、県民の可処分所得の増加や地域経済の活性化など喫緊の課題に対応していくための施策として、消費税の減税は、有効な選択肢の一つであると認識しております。
 一方で、消費税は、地方において子育て支援や介護人材確保等の社会保障の財源として不可欠なものであることから、消費税の減税に当たっては、代替財源の確保が必要と考えています。
 消費税の減税については、国民生活の厳しい状況を踏まえ、国会において十分な議論の上、速やかに結論が得られることを期待します。
 次に、消費税減税の財源についてでありますが、消費税は、社会保障の財源として不可欠なものであることから、消費税の減税に当たっては、代替財源の確保が必要であります。代替財源の確保についてはさまざまな方策があり得るものと考えますが、国民生活や地方財政等への影響を十分見きわめた上で、国会において速やかに結論が得られることを期待いたします。
 次に、防衛費の拡大についてでありますが、防衛装備の状況については、我が国を取り巻く国際情勢を踏まえながら、その根拠や必要性など慎重な議論が必要であるものと考えます。
 特に、現在は物価高騰対策や可処分所得の増加、地域経済の活性化などの喫緊の課題に対して、国民の暮らしや仕事を守る政策に財政的にも力を入れていくべきと考えます。
 次に、憲法改正等についてでありますが、日本国憲法第9条は、さきの大戦とそこに至る日本のあり方について、深い反省のもと、過ちは二度と繰り返さないという国民的な決意として定められたものであり、国際連合憲章の理念にも合致する極めて重要な条文と考えます。
 非核三原則や防衛装備移転三原則は、戦後、我が国が積み重ねてきた平和国家としての歩みそのものであり、国際社会において果たしてきた役割や信頼を失わないためにも、これらの見直しについて政府は冷静に考える必要があります。
 戦争のない平和な国際社会を実現していくことが、全ての人々の願いであり、政府においては、憲法の趣旨を尊重し、近隣諸国との友好と正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に求めることを期待します。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、高額療養費制度の見直しについてでありますが、今回の見直しでは、受診する回数が多くなるがん患者などの長期療養者への配慮として、月額上限額が軽減される制度が維持されるとともに、新たに年間上限が導入されますが、国によると、月額上限額が軽減される制度の対象外となる見込みの方は約660万人と推計されております。
 また、見直しに係る影響額については、月額上限額の見直しや年間上限の導入などを考慮した国の財政影響に係る試算によると、国全体で給付費が約2、450億円削減される見込みが示されております。
 今回の見直しは、国において、重要なセーフティーネットである高額療養費制度を将来にわたり持続可能とするために実施するものと承知しておりますが、県では、全国知事会を通じて、医療保険制度における給付と負担の見直しについて検討を行う場合は、国の責任において、必要な医療への受診抑制につながることがないよう、制度のあり方を検討するよう国に要望してきたところであり、今後も、状況に応じて国に対し必要な働きかけを行ってまいります。
 次に、子ども・子育て支援納付金についてでありますが、令和8年度の本県の子ども・子育て支援納付金の額は、国民健康保険が6億7、754万円余、後期高齢者医療制度が4億3、756万円余となる見込みとなっております。
 子ども・子育て支援金は、子供や子育て世代を高齢者を含む社会全体で支える仕組みとして、少子化対策に受益を有する全世代、全経済主体から公的医療保険の仕組みを活用して徴収し、児童手当の拡充などに充てるため、子ども・子育て支援法などの改正により導入されたものと承知しております。
 また、県内市町村の令和8年度の国民健康保険税の改定状況については、全市町村において、子ども・子育て支援納付金分を新たに徴収項目に加えるほか、医療分、後期高齢者支援分及び介護分については、4市町村が引き上げの予定としており、その要因は、医療給付費の増加や財源不足への対応と伺っております。
 次に、県内介護事業所の経営状況等についてでありますが、本県における介護事業所の経営は、長引く物価高騰や人材不足などの影響により厳しさを増しており、岩手県社会福祉協議会の調査結果によると、単年度収支が赤字と回答した事業所の割合は増加傾向にあり、令和6年度決算においては6割を超えております。
 また、今年度の事業所の休、廃止数については、本年1月末時点で151件と過去最多となった昨年度に迫る水準となっており、その要因としては、経営難や人材不足によるものが6割を超えていることから、一層の経営支援や人材確保策を講じる必要があるものと認識しております。
 次に、介護人材育成の取り組み状況などについてでありますが、令和6年介護労働実態調査によると、本県の介護職員等の離職率は9.8%と前年度から2.4ポイント減少し、低下傾向にある一方で、約6割の事業所が従事者の不足を感じているほか、直近の有効求人倍率が、全産業平均の1.07倍に対し、介護関係の職では2.14倍と特に高くなっており、人材の確保は喫緊の課題と認識しております。
 また、令和6年賃金構造基本統計調査によると、本県の介護職員の月額平均賃金は24万2、300円であり、5年前と比較して4万2、000円上昇しておりますが、全産業平均と比較いたしますと2万4、700円低く、さらなる処遇改善が必要と考えております。
 このような中、県では、業務改善、効率化や労働環境整備、外国人や介護助手の活用、小規模事業所職員のスキルアップなど多様な研修を実施しており、今年度は延べ1、000人以上が参加したほか、介護職員1人当たり年5万4、000円相当の賃上げにつながる補助金を432法人、2、622事業所に支給するなど、処遇改善に向けた取り組みを推進しております。
 さらに、現在、介護職員1人当たり最大で月額1万9、000円相当の賃上げにつながる補助金の支給に向けて準備を進めるなど取り組みを強化しており、こうした施策を総合的に展開し、介護人材の確保や職場への定着につなげてまいります。
 次に、特別養護老人ホームの整備計画についてでありますが、令和7年4月1日時点の早期入所が必要な待機者は615人で、前年度と比べ135人の減少となっており、第9期介護保険事業計画期間中に整備が予定されていない複数の圏域においても、待機者は着実に減少しております。
 一方で、近年の施設整備においては、長引く物価高騰による運営法人の経営悪化や建設資材価格の高騰などの影響により、事業計画の見直しを余儀なくされるケースも生じており、計画的な整備を妨げる要因となっております。
 介護施設の整備は、中長期的な地域の人口動態や介護ニーズの見込みなどを踏まえ、保険者である市町村が策定する介護保険事業計画に基づき進められるものでありますが、県では、市町村計画の策定に当たり、きめ細やかな助言や提案を行うほか、来年度当初予算案に、介護施設等整備事業費の補助単価引き上げに係る予算を盛り込み、整備を促進することとしており、これらの取り組みを一体的に推進し、地域事情を踏まえた介護サービスの基盤整備が着実に進むよう支援をしてまいります。
 次に、生活保護制度の実態や課題についてでありますが、生活保護世帯の生活実態は日々のケースワークを通じて把握しているところであり、また、生活に困窮している方の状況については、生活困窮者自立支援制度の実施を通じて把握しているところであります。
 生活保護制度は全国で統一的に運用され、保護基準や運用方法は国が定めているものでありますが、物価高騰等により生活が一層厳しくなっている現状については、重要な課題として受けとめております。
 県としては、関係機関と連携しながら、生活保護世帯が最低生活費の範囲で安定した生活を送ることができるよう、支援に取り組んでまいります。
 また、生活に困窮する方が必要な保護を確実に利用できるよう、福祉事務所への助言、指導を通じまして、制度の適正な運営に引き続き努めてまいります。
 次に、エアコン設置支援や夏季加算についてでありますが、生活保護制度は、国の責任において一元的に運用されるものであり、夏季加算の創設については、制度全体の中で国において検討されるべき課題であると認識しております。
 また、生活保護世帯を対象としたエアコン購入費補助制度については、既に設置している世帯との公平性の課題があること、県内市町村からの要望等も受けていないことなどから、県としては、まずは、生活福祉資金制度などの現行制度の周知が必要と考えており、生活保護世帯に対する日ごろのケースワークなどの機会を捉えて周知を図っているところであります。
 県としては、引き続き、民生委員などの関係機関と連携して、生活保護世帯を含む、いわゆる熱中症弱者と言われる方々に対する積極的な見守り、声がけなどにより、夏場の熱中症予防に取り組んでまいります。
 次に、自動車保有についてでありますが、生活保護制度においては、利用し得る資産は最低限度の生活の維持のため活用することとされており、原則として自動車の保有は認められていないところであります。
 一方で、公共交通機関の利用が著しく困難な地域に居住する方が通勤に使用する場合や、障がいのある方が通院等に使用する場合など、一定の要件を満たすときは、保有を認めることも可能としているところであります。
 また、保有を認められた自動車の利用は保有目的に限定されていたところでありますが、令和6年度の国の運用見直しにより、通勤や通院等のために保有が認められた自動車については、日常生活に不可欠な買い物などへの利用が認められるなど、利用要件が緩和されたところであります。
 県では、国で定める要件に基づき、個々の世帯における自動車の保有の可否を適正に判断するよう、福祉事務所に指導しているところであります。
 次に、無料低額診療事業についてでありますが、無料低額診療事業は、社会福祉法に基づく社会福祉事業の一つとして、生計の維持が困難な方に対し、事業実施主体の判断により、無料または低額な料金で診療を行う事業であり、本県では現在、沿岸部2カ所を含む六つの医療機関が実施しております。
 本事業は、実施する医療機関に対しては税制上の優遇措置が講じられているものの、減免した医療費は医療機関が負担するものでありますことから、無料低額診療に取り組むかどうかの判断については、各医療機関に委ねられているものであります。
 県といたしましては、事業の推進のため医療機関への制度の周知を行うとともに、生計の維持が困難な方に対して必要な医療が行き届くよう、事業を実施している医療機関等について周知に努めてまいります。
 次に、生活支援相談員についてでありますが、令和8年度の体制について、各市町村からは、介護保険事業や地域包括ケアのほか、重層的支援体制整備事業、集落支援制度、民生委員のサポート事業などの一般施策へ、生活支援相談員による伴走支援を行いながら移行が進められているところと伺っております。
 令和8年度の配置数については、復興事業による見守り支援の対象世帯以外の住民も対象とした数にはなりますが、令和8年1月末時点で、一般施策を活用したアウトリーチなどを行う支援者は33人と伺っております。
   〔商工労働観光部長箱石知義君登壇〕
〇商工労働観光部長(箱石知義君) まず、市町村と連携した賃上げ支援金についてでありますが、本県の賃上げ支援金は、設備投資等の要件を設けずに賃上げ原資を支援する事業であり、価格転嫁が十分に進んでいない小規模事業者を中心に活用され、大きな成果があったと考えております。
 現在実施している3回目の賃上げ支援金では、最低賃金が3年連続で大幅に引き上げられたことなどを踏まえ、賃上げの要件を緩和し、また、支援金についても、従業員1人当たり6万円を基本としつつ、最低賃金発効前の賃金が時給971円未満の従業員については、支援金を8万円に増額したところであります。
 市町村による支援の状況ですが、現時点で、見込みも含め県の支援金に上乗せする市町村が四つ、県の対象とならない範囲を支援する市町村が一つ、最低賃金の引き上げ額を上回る賃上げを支援する市町村が一つ、その他一つなどとなっており、市町村が県の支援と連動することにより、よりきめ細かい支援につながっているものと考えております。
 次に、全国知事会としての取り組みについてでありますが、物価上昇に負けない賃上げを実現するため、全国知事会では、昨年8月に、達増知事が委員長を務める農林商工常任委員会が令和8年度に向けた提案、要望を行い、中小企業、小規模事業者の生産性や付加価値の向上への支援、価格転嫁の推進など、持続的な賃上げ環境の整備に向けた国の支援について要望したところです。
 また、最低賃金の大幅な引き上げ等を受けて、同じく農林商工常任委員会が、昨年10月に、都道府県が国の対策と連動して独自のさまざまな取り組みが実施できるよう、十分な財源確保等について国に対し緊急要望を行ったところであります。その後、昨年11月に閣議決定された国の総合経済対策において、重点支援交付金が拡充され、本県では、賃上げ支援金を初めとした物価高騰対策に係る支援策を実施しているところであります。
 賃上げ原資の確保に加え、社会保険料の事業主負担の増加は中小企業、小規模事業者の経営に大きな影響を与えると認識しており、今後、国の対応状況を踏まえつつ、全国知事会と連携しながら、国に対して必要な要望を検討していきたいと考えております。
 次に、小規模事業者に対する支援策についてでありますが、エネルギー、原材料価格の高騰や大幅な最低賃金引き上げの対応など、県内の中小、小規模事業者を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、こうした状況に対応するため、消費の拡大と賃上げの好循環を生み出すことが重要と認識しております。
 このため、令和8年度当初予算案に、県内店舗でのキャッシュレス決済に対してポイント還元を行ういわて県民応援プレミアムポイント還元事業、及び県内宿泊施設の宿泊者に対し割引を実施するいわて旅割キャンペーン事業を盛り込み、地域経済を支える需要を創出する取り組みを行います。
 これらの取り組みとあわせて、生産性向上や価格転嫁の取り組みも行いながら、小規模事業者を初めとする県内中小企業の支援に取り組んでまいります。
   〔復興防災部長大畑光宏君登壇〕
〇復興防災部長(大畑光宏君) まず、災害公営住宅自治会への支援についてでありますが、令和8年度当初予算案に盛り込んだ持続可能なコミュニティ支援促進事業費は、自治会に身近な存在として、災害公営住宅の自治会活動の活性化等に取り組む市町村に対し、必要なノウハウの提供や助言等を行うため、自治会支援に関し知見を有する専門家を派遣するものです。
 具体的には、専門家2名をアドバイザーに委嘱し、6市町村程度を対象に、専門家をそれぞれ年間70回程度、合わせて年間140回程度派遣し、ニーズに応じた助言等を行うこととしており、予算案には、その実施に必要な経費を措置しています。
 一部の市町村では、集落支援員制度の活用やNPO等との連携による自治会支援が検討されており、市町村職員のほか、こうした自治会支援にかかわるNPO等にも助言等を行いながら、自治会活動の維持、活性化等を支援してまいります。
 次に、いわて被災者支援センターによる相談支援についてでありますが、被災者が抱える課題が複雑化、多様化する中、県では、令和3年度にいわて被災者支援センターを設置し、被災者一人一人の状況に応じたきめ細かい相談支援に取り組んでおり、今年度の相談対応は、昨年12月末現在で、相談対応件数が2、191件で、実相談者数は199人となっています。
 この実相談者数のうち、継続的な相談支援が必要な継続相談者が147人と全体の約4分の3を占めており、この割合は年々増加する傾向にあります。
 こうした状況を踏まえ、いわて被災者支援センターでは、令和8年度以降、継続相談者への相談支援に集中的に取り組み、抱える課題の早期解決により生活再建を支援していくこととしています。
 新規相談者に対応する市町村に対しては、県関係機関等のほか、ニーズに応じ弁護士等の専門家がサポートすることとしており、いわて被災者支援センターと市町村が連携し、被災者の相談支援に対応してまいります。
 次に、大船渡市林野火災で被災した住宅の再建支援等についてでありますが、林野火災により住宅が全壊等した世帯に支給される被災者生活再建支援金の支給状況は、対象となる56世帯のうち、基礎支援金は56世帯全て、加算支援金は12世帯が支給済みとなっています。また、義援金の配分については、例えば、全壊世帯には1、800万円が支給されるほか、東日本大震災津波との二重被災等の状況に応じた加算も行われております。
 住宅再建について、県では、被災者の悩みやニーズに対応するため、大船渡市や関係機関、団体と連携し、住宅再建個別相談会等を開催してきたところであり、今後も継続的に開催してまいります。
 また、今後は、大船渡市がアウトリーチで被災者個々の支援ニーズを把握し、そのニーズに基づき、県、市、関係機関等が一体となって対応していくこととしています。
 引き続き、被災者一人一人の状況に応じた支援につなげられるよう、大船渡市等と連携した取り組みを推進してまいります。
 次に、林野火災予防対策等についてでありますが、令和7年に総務省消防庁に設置された大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会では、大船渡市林野火災での消防活動等の検証や林野火災予防の取り組みの現状等を踏まえた議論が行われ、取りまとめられた報告書には、林野火災予防や消防体制強化に関し、多様な観点からの提言が盛り込まれています。
 県では、この報告書を踏まえて制度化された林野火災警報・注意報への対応について、独自に検討会を設置し、発令基準案や住民への周知方法等の検討を行い、新たな取り組み方策を取りまとめたところであり、現在、市町村等による適切な発令への支援や制度の周知、発令状況の情報発信に取り組んでいます。
 また、報告書では、常備消防等の体制強化や装備充実等が提言されており、県では、緊急消防援助隊受援計画の見直しを鋭意進めているところであります。
 一方、体制や装備等の整備主体となる市町村及び消防本部においては、その財源確保が重要となりますことから、国において必要な財政支援等を行うよう、今後、全国知事会等とも連携しながら要望を行ってまいります。
   〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、水産業共同利用施設等の復旧状況についてでありますが、漁協の定置漁業用倉庫については、県と市が連携し国事業への上乗せ補助による再整備を進めており、昨年末に解体工事が完了し、現在、倉庫本体の建築工事を実施中で、繰り越し手続の上、令和8年12月までの完成を目指しています。
 定置網については、漁業協同組合が、国事業を活用した新たな網の導入を進めており、7月の操業開始を目指しています。県独自に再整備への支援を行ったワカメなどの養殖用機器等については、3月からのワカメ収穫期までに復旧の見込みとなっています。
 大船渡市林野火災で被害を受けた漁業者等の多くは、東日本大震災津波との二重被災となることから、今後も、被災した漁業者等の声を丁寧に伺いながら、早期復旧に向け支援していきます。
 次に、森林所有者の負担軽減についてでありますが、県では、国の森林災害復旧事業を最大限に活用することとし、順次その面積を追加しながら、先月、被災した人工林1、785ヘクタールのうち1、279ヘクタールを事業対象とする計画を国に提出し、今月、計画どおり認められました。
 大船渡市が行った地域説明会や意向調査では、森林所有者から下刈りの費用負担が大きいなどの意見が出されるとともに、復旧事業の活用を希望しないとの回答も多かったところです。
 このため市では、釜石市の事例と同様に、復旧事業の主体を市とすることに加え、下刈りへの上乗せ補助も行うことにより、所有者の負担をなしとしたほか、再度、意向確認を行う予定と伺っています。
 県としては、今後も、所有者の負担軽減に向け国に必要な働きかけを行いながら、来月策定する予定の復旧計画に活用する事業を盛り込み、その事業の実施状況も発信しながら、被災した森林の復旧が着実に進むよう、関係機関、団体と一体となって取り組んでいきます。
 次に、被災木の活用についてでありますが、大船渡市林野火災で発生した被災木については、被害の程度に応じて活用を図るとともに、時間の経過により材質の低下が懸念されることから、その早期利用を促進するためには、供給の円滑化に向けた情報共有と需要喚起が重要と考えています。
 県では、供給の円滑化については、国や林業関係団体とともに設置した県産木材供給連絡会議を5回開催し、釜石市林野火災での被災木の活用状況のほか、今回の被災木の強度試験結果等を共有しています。
 需要喚起については、県内の加工工場等への調査や復旧支援に関心がある民間企業への訪問に加え、令和7年11月、県として初めて、東京都の国産木材魅力発信拠点MOCTIONでPRを行ったほか、今月には、民間団体等が立ち上げた被災木利用チームが、全国規模の展示会で、被災木を活用して製作した合板等の建築材を商社等に直接PRしました。
 こうした取り組みを着実に進め、今後も、被災木の活用が促進されるよう、関係団体等とともに積極的に取り組んでいきます。
   〔環境生活部長中里裕美君登壇〕
〇環境生活部長(中里裕美君) まず、熊対策に係る職員の任用についてでありますが、県では、総合的な被害防止対策等を実施するため、専門的知見を有する専門職員を任期付職員として1名、狩猟免許を有するいわゆるガバメントハンターを会計年度任用職員として5名任用するよう、現在手続を進めております。
 東北各県における専門職員の任用状況は、秋田県で、任期付職員等を経て任期の定めのない常勤職員となった事例があるほか、福島県では、会計年度任用職員として、新たに来年度から任用予定であると承知しております。
 本県の専門職員につきましては、喫緊の課題である熊被害対策に集中的に取り組む必要があることや、国の交付金による財政支援が任期付職員等の任用に限定されたものであることから、まずは任期付職員としたところですが、今後の業務の進捗や国の財政支援の状況も踏まえながら、中長期的な課題にも対応できるよう、任期の延長や任期の定めのない常勤職員への任用を検討してまいります。
 また、ガバメントハンターにつきましては、熊の捕獲業務において、季節による業務量の変動に柔軟に対応するため、会計年度任用職員として任用するものでございます。
 次に、安全対策の強化についてでありますが、県ではこれまで、熊の出没状況について、市町村からの報告などを取りまとめた上で、ホームページで公表してきたところでございますが、さらなる迅速な情報の発信に向け、熊を発見した人が情報を入力することで、住民が熊の出没をリアルタイムで知ることができるアプリの開発に取り組んでおり、令和8年4月の運用開始を予定しております。
 また、県立博物館や県立美術館など、広く県民が利用する約70の県有施設に熊よけスプレーの配備を進めており、熊の出没に備えた体制を整備してまいります。
 さらに、教育関係者を対象に、電気柵や熊スプレーの使用方法に関する研修会を実施するとともに、令和7年度の出没状況を踏まえ、教育委員会危機管理マニュアルを改定するなど、学校現場の安全対策も進めてまいります。
 次に、緩衝帯の整備についてでありますが、人の生活圏と熊の生息域の境界に位置する緩衝帯の役割を果たしてきた里山の荒廃などが、人里近くに熊が侵入する要因となっていることから、ツキノワグマ対策基本方針において、人の生活圏と接する山林や耕作放棄地、河川等の刈り払いなど緩衝帯の整備に取り組むこととし、令和7年度は、県管理河川内の樹木の伐採ややぶの刈り払いを実施しているほか、市町村が実施する緩衝帯整備等に係る経費を支援しております。
 令和8年度当初予算案には、いわての森林づくり県民税を活用した、熊等の野生動物の移動経路となり得る県管理河川や出没が見込まれる県有施設周辺における樹木の伐採等の環境整備のほか、市町村が住民の意向を踏まえて取り組む緩衝帯整備や里山林の森林整備活動への支援等に要する経費を計上しております。
 また、人の生活圏と熊の生息域のすみ分けを図るため、県としてゾーニング管理指針を作成し、市町村が行うゾーニング管理計画の策定を支援する経費も計上しており、エリアに応じた効果的な被害防止対策を講じてまいります。
 次に、捕獲対策や被害防止対策の拡充についてでありますが、県では令和8年度、捕獲対策として、令和7年度に引き続き、指定管理捕獲事業による捕獲や市町村の有害捕獲事業への支援等に取り組むほか、新たに、市町村に対しガバメントハンターの任用経費を補助するとともに、先ほども申し上げましたとおり、県独自で専門職員及びガバメントハンターを任用することとしております。
 また、市街地等に熊が出没した際の麻酔捕獲体制の強化に向けて、麻酔吹き矢を整備し、麻酔吹き矢による捕獲に対応できる人材を育成する研修会を令和7年度に開催したところでございます。
 さらに、県が行う指定管理捕獲においては、ICTの活用により、わなの見回りの負担軽減を図るとともに、新たな捕獲の担い手確保のため、狩猟免許を取得していない一般県民を対象とした研修会も開催しております。
 市町村が実施する有害捕獲の報酬につきましては、一部の市町村において、国の補助上限単価に独自に上乗せを行っている現状を踏まえまして、県では、国に対して上限単価の増額などの要望を行っており、今後も、有害個体の捕獲を着実に実施しながら、市町村、猟友会等と連携し、総合的な被害防止対策に取り組んでまいります。
〇25番(高田一郎君) それでは、再質問いたします。最初に、生活支援相談員について質問したいと思います。
 先ほど答弁がありましたように、今後は、一般施策を活用して市町村ごとに対応していく。より身近なところで対応していくということですが、生活支援相談員は、被災者の皆さんを継続的に訪問して、そしてニーズを把握して、必要な支援機関につなげていくことと住民が集う場をつくっていくなど、本当に心の復興に大きな役割を果たしてきたと思います。
 問題は、今までやってきた成果を継承していくことが大事だと思います。先ほど答弁がありましたが、これまで生活支援相談員は40人程度だったのですが、今度は、一般施策ということで33人ということになります。これは一般施策ですから、被災者だけが対象になるわけではありません。そういう意味では、これまでの事業が本当に継承になるのか、逆に後退するのではないかという心配がありますが、その点についてはいかがかということをお聞きしたいです。
 二つ目に、物価高騰対策について、基本的なところをお伺いしたいと思います。
 これまで県は、医療や福祉施設への支援あるいは畜産農家、バス、タクシー事業者など、さまざまな支援を行ってきました。この支援する原資となったのが物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金です。きのうの質疑にもあったように、その交付金が62億円ほど残額になって、恐らく新年度に繰り越しになると思っております。
 問題は、これまで行ってきた支援は、今年度の下半期だと思うのですが、私は、この物価高騰が継続している中で、こうした方々に対する追加支援が必要だと思います。
 今後の物価対策に対する考え方、時期も含めて示していただきたいと思います。
 三つ目は、介護保険制度についてお伺いしたいと思います。
 本当に介護保険制度は深刻です。県内の6割を超える事業所が赤字で、そして、休止、廃止の事業所が151件と、これは途中経過だと思うのですが、一昨年は100件、その前の年は193件ですから、これに迫る勢いになっているという状況です。
 新しい年度は報酬改定、臨時の改定があって、次期の改定を待たずに2.0%改定になるということ、これは、関係者の皆さんの運動が実ってこういうことになったのではないかと思います。
 ただ、現場では、本当に場当たり的だ、物価高騰に見合っていないとか、3年に1度の報酬改定というのはどうなのかとの声が上がっています。
 今回、次期改定を待たないで臨時改定をしたことを含めて、報酬のあり方について県はどのように受けとめているのか、お聞きしたいと思います。
 介護保険事業に一番大きな深刻な影響を与えているのは、訪問介護事業だと思います。私もたびたび訪問介護事業に対する支援を行うべきだと繰り返し求めてきまして、昨年12月の臨時会で、この事業継続を支援する、訪問回数に応じて20万円から50万円の支援をするということで、こういう声に応えて実現してくれました。これは現場では物すごく歓迎しています。ただ、今、訪問介護事業が置かれている状況を見るときに、さらなる支援が必要なのではないかと思って、そのところの考えを聞きたいと思います。
 今、訪問介護事業というのは大変で、ヘルパーも高齢化して、私が行ったところは、80歳を超える人がヘルパーの最前線にいて、年齢がかさんでいますから訪問介護の回数を減らさざるを得ないです。そういうこともやりながら地域の介護サービスを支えているわけです。
 非常に特筆すべきは、宮古市が市内の介護事業所の経営実態調査をして、赤字を補填するとのことです。予算的には2、700万円とお聞きしましたが、続いて花巻市もそういう取り組みを行おうとしております。
 私は、訪問介護現場の危機的状況を県も市町村もお互いに共有しながら、宮古市のような取り組みを含めて、さらなる支援が本当に必要ではないか、そういう時期に来ているのではないかと思いますが、そこについてもお伺いしたいと思います。
 最後は、国民健康保険の問題についてお聞きしたいと思います。
 新たな子ども・子育て支援金制度が新年度から始まって、国民健康保険には、岩手県全体で6.7億円、後期高齢者医療制度は4.3億円ですから、両方合わせて11億円が新たな納付金として、国民健康保険などの税にはね返る要因となっていると思います。これは、3年かけて段階的に納付額が上がって、そして、恐らく岩手県の納付金もどんどん上がっていくのではないかと思います。
 そこで聞きたいのは、子供、子育て支援政策が国のレベルでどんどん拡大すれば、この納付金はどんどんふえていく、こういう制度設計になっているのかどうかということです。
 もう一つ、数字的なことをお伺いしたいのですが、第1回目の質問で、国民健康保険というのは協会けんぽ―全国健康保険協会と比べて2倍の開きがあるという話をしました。今回、子ども・子育て支援金が新たに加わったことによって、岩手県内の国民健康保険と協会けんぽと比べてどれだけの税負担の格差があるのか、子育て支援金の負担がそれぞれどれだけふえるのか、シミュレーションしていれば、それをお答えいただきたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 議員から、当部関係で5点御質問をいただきました。
 まず、生活支援相談員でございます。この制度につきましては、東日本大震災津波直後から15年間にわたりまして、被災地における被災者の方々に寄り添ったさまざまな支援を行っており、本当に復旧、復興、見守りに関して大きな役割を果たしてきたものと考えております。
 私どももこういった資産、この取り組みを何とか継承したいという思いのもとに、令和3年度から、毎年のように市町村と意見交換を重ねてまいりました。また、ことしは復興庁や厚生労働省の国の機関も入って、市町村と被災地の方々の支援について、どうしていくのかということで意見交換を重ねてまいりましたが、被災地の状況も地域によってかなり差がございます。生活支援相談員についての配置も、多い市町村もあれば少ないところもございます。
 市町村では、この一、二年かけまして、支援している方々それぞれについてケースごとに分析を行いまして、例えば、既存の制度である重層的支援体制整備事業で対応できるような方、そのほか、さまざまな一般施策にそれぞれ工夫をしながら、困窮事業の地域づくり事業でありますとか民生委員のサポート事業、そのほか集落支援制度、そういったようなさまざま工夫を重ねて、仕分けを行って、個々の方々が支援から取り残されることがないように、取り組みを進めていると承知しております。
 いずれ、生活支援員の方々がこれまで担ってきた役割は非常に大きいものと考えておりますし、福祉人材は地域の貴重な資産でもございますので、こういったこれまで担ってきた方々が、きちんとこれからも地域で活躍できるようなことはないかということで我々も市町村も考えております。そういった視点に立って、これからも支援に努めてまいりたいと考えております。
 続きまして、介護の関係の御質問を2点いただきました。議員から御指摘いただいたとおり、これまで過去30年ぐらいは、物価高騰もそれほどなく安定している中で、この三、四年に一気に物価高騰、また賃上げなどもございました。
 介護報酬は公定価格ですので、急な物価高騰に対して、3年に1度だと対応できないという声は、事業所からも数多くいただいております。そうした意味では、我々もそのとおりだということで、物価高騰とか賃金の上昇に臨機に対応できるような制度について、国に対して求めてきたところでございます。
 さはさりながら、今、目の前で大変な状況ということでございますので、県といたしましても、昨年12月の臨時会でさまざまな介護施設への物価高騰分、人件費分についての支援制度について提案させていただいて、議会でも承認いただいたところでございます。
 特に大変なのが訪問介護事業です。岩手県のように県土が広くてアクセスに時間がかかる、都会と違って、ガソリン代などかかり増し経費がかかる中での訪問介護事業が、非常に大きな経営の負担になってきております。県としても、訪問による移動の部分のかかり増し経費の支援でありますとか、さらには、来年度は県として事業所の休、廃止に伴い生じた空白を埋める周辺事業所への支援、通所介護事業所等の訪問機能の追加、訪問介護事業所のサテライト設置への支援などの強化も行う予算を提案したところでございます。
 また、市町村独自の取り組みとして、議員から御紹介いただきました宮古市や花巻市、また岩泉町が独自に、特に訪問介護事業所の経営が厳しいということで支援を行っております。
 こうした市町村の取り組みなどについて、他の市町村にも県として情報提供をさせていただくとともに、岩手県のような県土が広い地域で訪問介護事業を行うのは非常に大変だということについて、今後とも、市町村と連携して国に対して働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、国民健康保険の話でございます。今後、充てられる納付金がどうなるのかということでございますが、現時点での国の説明では、法に定められた児童手当の拡充、妊婦のための支援給付、令和8年4月から始まりますこども誰でも通園制度などに使われるといったような説明がなされております。
 ただ一方で、今後どのような使途になるのか、また、我々自治体にどれぐらい充てられるのかといったことは、まだ詳細が不明な部分がございますので、我々も、国の今後の動向についてはきちんと注視をして、必要に応じて地方から提言を行ってまいりたいと考えております。
 最後、5点目、協会けんぽと国民健康保険のケースで、子ども・子育て支援金のそれぞれどうかという比較の質問についてです。
 さまざまなケースがございますので、あるモデルで試算をさせていただきます。例えば、盛岡市在住で、夫婦とも39歳以下、就労者が1人、就学児の子供が2人の4人世帯で、年収400万円の場合の子ども・子育て支援金という形で試算させていただきますと、国民健康保険では年額1万2、800円、協会けんぽでは年額4、692円となるものであり、やはり国民健康保険のほうで負担が大きくなるものと試算をしているところでございます。
〇政策企画部長(小野博君) 重点支援地方交付金についてでございますが、令和7年度、予備費分と合わせました残額は、議員御指摘のとおり62億円余となっておりますが、令和8年度におきましても、物価高や賃上げなど、県民の暮らしと仕事に対してさまざまな影響が見込まれますので、それらを勘案した上で、医療、介護や運輸などの事業者支援を視野に入れつつ、令和8年度の補正予算で機動的に順次対策を講じてまいります。
〇25番(高田一郎君) 答弁ありがとうございました。生活支援相談員について改めてお聞きしたいと思います。
 先ほど野原企画理事兼保健福祉部長は、被災者の支援が取り残されないように支援していきたいということでしたが、そのとおりだと思います。ただ、一般施策への対応ということになりますと、なかなか制度的に簡単ではないと思います。例えば、先ほど重層的支援体制整備事業という紹介がありましたが、これは被災者だけの支援ではなく、高齢者、子供、生活困窮者、障がい者を含めて包括的に地域で支える事業なのです。取り組んでいる自治体を見れば、一つの町に1カ所でも、その対象となる人たちは何千人、何万人という規模になるのです。そのため、支援が被災者の皆さんに行き届かないという問題が出てくるのではないかと思います。
 これまで生活支援相談員は、令和7年度は40人だったものが、令和8年度は、一般施策で33人ということです。人数的にも全然足りないのではないかと思います。これは、やはりこれまで積み重ねた経験を生かして、全国でもすぐれている岩手県の支援を継承していくという点で、新しく一般施策でやる事業の体制では非常に弱いのではないかと思うのですが、その辺についてもお聞きしたいと思います。
 それと、介護保険制度について、訪問介護事業は本当に大変です。岩手県内で訪問介護事業所が1カ所しかない自治体がどんどんふえて、現在は7自治体に広がりました。前向きに訪問介護事業所の支援について、取り組んでいただきたいということを要望したいと思います。
 国民健康保険の問題について、野原企画理事兼保健福祉部長から具体的な影響額について答弁いただきました。子ども・子育て支援金については、国民健康保険の場合は1万2、800円、協会けんぽに加入している人は4、692円と、同じ所得でありながら8、108円も負担が違います。国民健康保険税も、モデル世帯では41万2、800円に対して協会けんぽが19万8、696円と―資料を事前にいただきました―21万4、104円、この差はどんどん広がっていくということです。同じ所得でありながら、税も、子育て支援金も、2倍以上になっていて、これは非常に矛盾しています。
 しかも、医療保険ではない子育てにかかわる負担を医療保険で対応していくという制度が拡充すれば、どんどんこの保険制度が、脆弱になっていきます。こういう制度で本当にいいのかということが、私は問われると思うのです。
 全国知事会では、1兆円の国費を投入して協会けんぽと同じようにするということを求めていますが、全然逆のほうに行っているという状況です。二重三重に矛盾した制度設計になっているのではないかと、国に強くこの制度設計の見直しを求めていくべきだと思いますが、新たな子ども・子育て支援制度ができたことも含めて、考えをお聞かせいただきたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 生活支援相談員の方々は、これまで被災地の方々をそれぞれきめ細かく個々の事情に応じて支援に努めてまいりました。市町村についても、意見交換をしている中で、個々の支援が必要な方々についてかなり把握しております。この方にはこういった制度で支援しようとか、こういった制度を活用して支援していこうという形で、かなりきめ細かく移行を進めていると理解しております。
 また、令和7年度はまだ相談員の方がおられますので、相談員の方も、伴走型で次の方にきちんと支援制度に引き継げるように働きかけを行っていると理解しております。
 いずれ県といたしましても、こういった被災者の方々が一人も取り残されることがないように、市町村と連携して、今後におきましても引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 国民健康保険制度につきましては、制度上の課題もあって、協会けんぽと国民健康保険に関して税の負担の差というのがございます。これに関しましての配慮については、これまでも全国知事会等を通じまして、国に対して提言をしてきたところでございます。
 子ども・子育て支援制度につきましては、国会で法改正により成立した制度でございますので、私どもの立場としては、制度に従って粛々と取り組みを行わざるを得ないところではございますが、制度が4月から始まりますので、その後の状況等を十分に見きわめながら、必要に応じて国に対して提言をしてまいりたいと考えております。
〇議長(城内愛彦君) 以上をもって高田一郎君の一般質問を終わります。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕

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