令和8年2月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇22番(福井せいじ君) 自由民主党の福井せいじです。皆さんの同意を得まして、一般質問をする機会をいただきましたことに感謝申し上げます。
 そしてまた、先般発生しました高病原性鳥インフルエンザ対応に取り組んでおります県職員の皆様初め関係者の皆様に敬意と感謝を申し上げます。ありがとうございます。
 それでは、人口減少社会の構築について質問させていただきます。
 岩手県人口ビジョンには、2040年に100万人程度の人口を確保した場合の将来の岩手県の姿が描かれています。それは、岩手県で子供からお年寄りまであらゆる世代が生き生きと暮らす、県外とつながり、岩手県に新しい発想があふれる、地方が主役になる日本の姿が岩手で実現する、この姿は、地方の姿として理想であると感じます。
   〔議長退席、副議長着席〕
 しかし、100万人、すなわち現在の約87%の人口で、いかにこの姿を構築できるかが重要であると考えます。
 一方、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によると、2040年の岩手県人口は約95.8万人とされています。また、総人口だけに注目せず、生産年齢人口が何人確保できるかが重要です。いずれにしても、今取り組むべきことは、人口減少に応じた社会構造、すなわち未来の人口減少社会の構築に取りかかることが重要であると考えます。
 過日、人口減少・公共インフラ調査特別委員会で、朝日新聞に連載された生産年齢人口が8割に減少する社会、すなわち8がけ社会の統括デスクである石松恒氏の講演を拝聴しました。また、人口減少や需要縮小を前提とした量は縮めるけれども質は充実させるといった縮充の社会づくりをテーマとした山崎亮氏の著書、縮充する日本を読み、縮充のまちづくりに取り組む兵庫県佐用町を視察調査いたしました。
 縮充とは、これまでの社会は拡大、成長、ふやすが前提でありましたが、人口減少社会では、学校も商店も社会インフラも全て今の規模で維持するのは困難で、施設は集約、サービスは効率化、しかし、中身、機能、質、満足は高めていくということであります。例えて言うと、学校は統合する、しかし、ICT活用や専門教員を充実して教育の質を向上させる。医療面であれば、病床数を最適化し、高度医療は連携で機能を強化し、診療充実を図る。まちづくりなら、コンパクトシティー化し、公共交通や拠点機能を充実させるといった、縮小しながら充実させる取り組みです。縮小は、減らして終わりですが、縮充は、減らすけれども、価値は高めるということです。
 朝日新聞では昨年、スマートシュリンク、すなわち賢く縮む考え方を施策に取り入れるべきかを尋ねる全国知事アンケートを実施しました。結果、6割近くが賢く縮む必要性を感じています。
 高知県の濱田知事は、県全体計画にスマートシュリンクを明記しています。少子化や若年層の流出を緩和させる抑制と、人口減少を前提に仕組みを見直す適用のどちらを重視するかを尋ねると、9割が同程度に重視を選択したとのことです。
 ここで知事に伺います。達増知事は賢く縮む考え方をどのよう捉え、賢く縮む岩手県の構築に取り組む意思があるかを伺います。
 これ以降は質問席にて質問させていただきます。
   〔22番福井せいじ君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 福井せいじ議員の御質問にお答え申し上げます。
 人口減少社会の構築についてでありますが、賢く縮む、いわゆるスマートシュリンクは、人口が減少しても、住民一人一人のウエルビーイングが高まる社会を目指していくとする考え方であると承知しておりまして、本県における地方創生、人口減少対策も、幸福、ウエルビーイングの向上を志向する点で同じであると捉えています。
 昨年末、国で閣議決定された新たな地方創生に関する総合戦略の基本的方向には、人口減少を正面から受けとめた上での施策展開などについて示されるなど、スマートシュリンクの考え方に通じる内容が盛り込まれています。
 県でも、いわて県民計画(2019~2028)第2期アクションプランにおいて、人口減少のもとで中長期的に維持、向上を図っていく基盤として医療、介護、福祉や地域公共交通、産業、雇用環境等を掲げ、ウエアラブル端末を活用した救急医療体制の強化や中小企業におけるAI活用人材の育成支援など、DXによる地域課題の解決や生産性の向上のほか、公共施設の総量適正化やインフラ施設の効率的、効果的な維持管理などの施策を推進しております。
 第2期岩手県ふるさと振興総合戦略が令和8年度に終期を迎えることから、国の新たな地方創生総合戦略を踏まえ、次期総合戦略の検討を進めるとともに、市町村とも連携し、人口が減少する中にあっても、地域の社会経済システムが維持、存続し、県民のウエルビーイングの向上が図られるような施策を推進してまいります。
〇22番(福井せいじ君) 今、人口減少を前提とした岩手県のさまざまな姿を構築していくということでありますが、ここで部局横断の縮充戦略について伺いたいと思います。
 拡大ではなく縮充ということが大事だと私は思っていますけれども、縮充とは、単なる縮小ではなく、先ほどお話しましたが、機能を集約し質を高め、持続可能性を確保する戦略的再編であります。医療は医療、教育は教育、産業は産業、縦割りで議論されていては、縮充は実現しないと私は考えています。
 例えば、先ほどお話ししましたが、医療機能の集約を進めるならば、同時に交通体系の再設計も必要ではないかと私は考えています。学校統合を進めるならば、地域拠点形成との一体設計は不可欠だと私は考えます。
 縮充は、個別事業の見直しではなく、やはり県土の再設計であると私は考えていますが、本県において、人口減少を前提とした部局横断の縮充戦略を統括する司令塔をどこに置くか。知事は何かそういうお考えはあるかお聞かせいただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 現在、県では人口問題対策本部を人口の自然減・社会減対策、そして、広く、地方創生の司令塔として取り組んでおりますので、議員御指摘のこの縮充という視点からも、その形が適当ではないかと思います。
〇22番(福井せいじ君) それでは、今の人口問題対策本部と各部局との連携というのは、どのような形でとっていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。
〇政策企画部長(小野博君) 現在の人口問題対策本部と各部局との連携ですけれども、現行では、自然減対策、それから社会減対策の大きく二つの柱、そこに重なるアンコンシャスバイアスといったこと、そして市町村との関係という大きな形になっておりまして、自然減、社会減対策とも、それぞれワーキンググループを置いております。
 そして、自然減、社会減それぞれについて、関係部局が集まって、それぞれの施策、今年度の状況、来年度どうするかということを議論した上で、全体として人口減少対策本部のほうに、課題、方向性、これを上げて議論するような形にしております。
〇22番(福井せいじ君) 今、小野政策企画部長は人口の社会減対策、自然減対策について、さまざま人口問題対策本部と一緒になって取り組んでいくと言ったのですけれども、私が聞きたいのは、人口減少を前提とした適応の仕方、これをどう部局別に結びつけていくか、それについてお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。
〇政策企画部長(小野博君) 失礼いたしました。現行では、先ほど御説明したような内容になっておりますけれども、先ほど知事からも答弁申し上げましたように、次の総合戦略、あるいは第3期アクションプランを検討し、策定する中で、次にどういう形で総合戦略の中に、議員お話のスマートシュリンクといったような考え方を取り込んでいくのかということがあろうかと思います。
 そうした中で、人口減少下にあっても、持続可能な地域や産業が岩手県内で維持されるような形をつくっていくために、どういった課題があるのか、どういう対策が必要なのか、改めて、人口減少を前提にした上での対策を次期総合戦略の中に位置づける必要があると思っています。
 その上で、部局横断で、人口問題対策本部の中に、それをしっかりと議論する場をつくっていくということになろうかと思います。
〇22番(福井せいじ君) 私が聞きたいのは、例えば、先ほど言ったように、医療を統合していくということであれば、アクセスをどうするか、あるいは学校統合するならば、そこの地域の拠点形成をどのようにするか、こういった人口減少を前提とした社会、地域をどうつくっていくかということを俯瞰的に考え、それを結びつける司令塔が必要ではないかということですけれども、そういう役割はどこが果たすのか。
 今、小野政策企画部長がお答えになっているのは、政策企画部がそういった立場にあるということ。それぞれの地域社会をつくる場合の機能、例えば教育であるとか、医療であるとか、産業であるとか、福祉について、人口減少を前提とした社会をどうやって、どこが司令塔となってやっていくのかということを聞きたいのですが、そういうものがもしあればお聞かせくださいということです。
〇政策企画部長(小野博君) 今、議員から御質問いただいたことは広範なテーマでございますので、各部局が専門的、専担的に取り扱っていることもございます。
 ですので、具体的、詳細なところは各部局、あるいは、そこをつないだ形で検討しますけれども、全体とすると、これは当部が所管ということではなくて、全体として議論する場なのですけれども、人口問題対策本部が全体の組織といいますか、協議体、会議体という形になるかと思います。この会議で方向性を議論していくことが、今の形の中では適切と考えております。
〇22番(福井せいじ君) 私は、実は先ほど高知県のお話をさせていただいたのですけれども、高知県の場合は、縮充の一つの形ですが、スマートシュリンクを非常に重視している。それで、スマートシュリンクを公式戦略に位置づけて、例えば、集合、伸長、縮小、創造といった4Sプロジェクトというものを掲げて、さまざまな部署に対してそういった考え方を持った地域づくりをしていかないか、未来戦略をつくっていかないかという取り組みをなさっていると伺いました。
 岩手県において達増知事は、こういう取り組み、あるいはその考え方をどのようにこれから取り入れていくか、もしお考えがあるなら教えていただきたいのですけれども、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 毎年度、県の人口の構造でありますとか、人口の社会減や人口の自然減について、それを踏まえながら翌年度の事業を組み立てたりしているところですけれども、まず、転出超過の数は年によってかなり違いますし、特に東京圏の経済状況と地方の経済状況の相対的な違いによって、バブルの時代、80年代には万単位で岩手県からも転出超過があったのですが、90年代には1、000人そこそこ、329人しか転出しなかった年もありました。
 ところが、2000年代に入って、また1、000、2、000、3、000、4、000人と、毎年そのような形で転出超過が変化していく。そういう中で、なかなか数年間にわたって一定のペースで減り続けるようなものをベースに、調整するというのは難しいのではないかと思います。
 合計特殊出生率についても、近年は、コロナ禍があって、物価高騰があって、国も岩手県も―岩手県は一定のペースで減り続けているのですが、国は結構ジグザグな合計特殊出生率の変化になっていますし、少し前には、いわゆる団塊ジュニアの駆け込み出産という特殊事情で、全国と、それから岩手県も、この合計特殊出生率の減り方が急に緩やかになって、横ばいが一定期間続くというような、そうなってきますと、それに応じて保育所の子供の数なども、それまでは減り続けていたのが、結構、中長期にわたって横ばいになって、その後、全国はジグザグになるとか。ですから、そういうことを何年計画の中で、一定のペースの縮小を前提にということは難しいかと思っております。
〇22番(福井せいじ君) ただ、岩手県人口ビジョンでは、2040年に100万人程度の人口というのは一応展望しているのですね。そうであるとすれば、やはり展望に応じた岩手県の姿を構築していく必要が私はあると思います。
 その意味で、人口減少を前提とした適応型の岩手県づくりについて、どのような形で取り組むのか、そういった意思があればお聞かせいただきたいと思ったのですけれども、再度お聞きしますが、どうでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 全体として見れば、自然減の傾向、そして社会減の傾向というのは一定ありますので、そういう中で、県民のウエルビーイング、幸福度というものを育て合うような形のそれぞれの分野の政策ということを、調整して進めていくべきと考えております。
〇22番(福井せいじ君) 知事の考え方はわかりましたが、私は、人口減少というのは避けられない事実かと思っています。重要なのは、100を守ろうとして全体を疲弊させることではなくて、私が言いたいのは、80でも、8掛けでも、持続可能な地域、質の高い社会を構築する覚悟と設計力が必要ではないかと思っています。
 本県が人口減少の先進県として持続可能なモデルを示すのか、あるいは状況に追われて再編を迫られるのか、今こそ、本来であれば、将来人口を前提とした政策設計、全体整合性の確保、そして、部局横断の縮充戦略を明確に打ち出すべきだと私は考えます。
 一応これはお話しした上で、次の質問に移りたいと思います。
 次は人口減少対策について。ここからは、少子化や若年層の流出を緩和させる抑制をテーマに、自然減対策と社会減対策について伺います。
 まず、自然減対策について。これまで何度も質問してきましたが、自然減対策は、1、有配偶率の向上、2、有配偶出生率の向上、3、子育て支援といった一連の流れに沿った取り組みが重要だと考えます。
 まず、有配偶率の向上について伺います。当局はこれまで、“いきいき岩手”結婚サポートセンター―i-サポを施策の中心とし、出会いの機会の確保、創出に対し、食事券の配布などさまざまな取り組みをしてきました。その結果、一定程度の成果を出してきたことは評価します。しかし、まだ十分な有配偶率向上には至っていません。
 そこで、結婚支援策の高度化について質問していきます。
 有配偶率の向上には、まず、結婚に至る環境整備を強化する必要があります。現在、全国では、自治体が関与するマッチングシステムの高度化が進んでおります。独身証明書の提出による信頼性向上、AIを活用した価値観マッチング、さらには、相談員による交際支援など、出会いの提供から結婚までの伴走支援を深化させています。
 一方、本県においても、若年女性の県外流出、所得水準への不安、人口分散による母数不足といった構造的問題があります。従来のイベント中心の婚活事業だけでは、有配偶率の本質的向上には限界があると考えます。
 そこで、3点提案させていただきます。第1に、広域連携の推進です。東北各県との連携や首都圏在住の岩手県出身者を対象とした参加枠の拡充により、マッチング母数を確保すべきと考えます。
 第2に、雇用、移住施策との一体化です。結婚後の生活基盤が見通せなければ成婚には至りません。県内企業との連携、U・I・Jターン、就職支援、住宅支援制度との連携など、仕事、住まい、結婚を一体設計する取り組みが必要ではないでしょうか。
 第3に、交際後の伴走支援強化です。マッチング成立後の相談体制やライフプラン設計支援を整備することで、成婚率の向上を図るべきと考えます。
 あわせて、本施策を進めるに当たり、登録者数のみならず、交際成立率、成婚率、成婚後の県内定着率といった成果指標を明確に設定し、効果検証を行うべきと考えます。
 そこで、当局に伺います。有配偶率に関する現状と課題について、どのように認識しているのかを伺いたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 本県の有配偶率は、公表されております直近の国勢調査の結果で申し上げますと、令和2年には48.9%となっており、10年前と比べて2.6%低下、長期的にも減少傾向が続いております。
 また、有配偶率に影響する婚姻件数についても同様に長期的に減少傾向にあり、令和元年から2年にかけて、コロナ禍で大きく落ち込んで以降、減少が続いております。直近の令和6年の婚姻件数は3、284組で、前年から92組、2.7%の減少となっております。
 国の出生動向基本調査によれば、独身者が未婚でいる主な理由としては、適当な相手とめぐり会わないや、自由や気軽さを失いたくない、結婚資金が足りないといったことが挙げられており、若者にとって、出会いの機会が十分でないことや経済的な要因などが課題と認識しております。
〇22番(福井せいじ君) 減少傾向にあるということでありますから、私が先ほど提案しました自治体連携型マッチングの高度化について、検討するときに来ているのではないかと思いますが、どうでしょうか。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 議員御提案の自治体連携の取り組みについては、例えば、一関市と平泉町において、宮城県の登米市や栗原市と連携して合同の婚活イベントを実施している例があり、単独の市町でのイベントの開催よりも、定員充足率やカップル成立率が高いといった成果が報告されています。
 また、本県のi-サポでは、県外に在住している方でも、結婚後に本県に定住する意思のある方も広く入会の対象としており、スマートフォンからもお相手検索が可能になるなど、利便性の向上が図られてきたところであります。
 結婚を希望する方の出会いの機会の創出については、県内に限らず県外にも視野を広げるなど、広域連携の推進は重要な視点と考えておりますが、一方で、他県との連携に当たりましては、費用対効果や運用体制の整備など、整理すべき課題も多くあるものと認識しております。
 そのため、先行事例の横展開を図るとともに、県内市町村の意向や利用者ニーズなどを把握しながら、広域連携の可能性について引き続き研究を進めてまいります。
〇22番(福井せいじ君) 私は、やはり母数をふやすことも必要だと思っています。もちろん東北各県、あるいは東京圏の出身者に広げるということは、県外流出のリスクもありますが、やはり母数を広げることによって、岩手県の魅力を、そしてまた、岩手県で働く、岩手県に住む、この暮らしの魅力化を推進していくことによって、逆に県内への流入もふやすのではないかと思っています。
 そこで伺いますが、雇用、移住施策と結婚支援を一体化した政策構築についての所見を伺いたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 議員御提案のとおり、仕事、住まい、結婚を総合的に支援することは、人口減少対策の観点からも重要であると認識しております。
 雇用、移住施策については、県ではこれまでも、商工労働観光部が中心となり、移住定住ポータルサイトにおいて、岩手県で子育てをする魅力を県内外へ発信するなど、若者の地元定着やU・Iターン促進について取り組んできたところであります。
 さらに、結婚支援と連携した取り組みとしては、洋野町が今年度初めて、人口減少対策をテーマとして実施したひろの未来フェスにおいて、結婚する未来を考えてみるのブースにi-サポが出展し、i-サポの取り組みの紹介を行ったところであります。
 また、こうした取り組みは他県においても進められており、例えば、移住と結婚を一体的に応援する移住婚に取り組む自治体の例なども参考にしながら、引き続き関係部局と連携して効果的な人口減少対策を進めてまいります。
〇22番(福井せいじ君) 本当に多層的にさまざまな形で結婚支援をするということが大事だと思いますので、今後も自治体連携型マッチング高度化、そしてまた、i-サポとの制度的な接続について考えながら、ぜひ進めていただきたいと思います。
 次に、有配偶出生率について伺いたいと思います。
 結婚してから出産に至る上では、先ほど質問した雇用、住居など二次的要件をいかに充足していくかも必要ですが、周産期医療体制の充実は欠かせません。昨年9月に自由民主党会派から提言させていただいた内容から、今質問では、特に無痛分娩の取り組みについて伺います。
 本県における出生数減少の要因は未婚化のみならず、有配偶出生率の低下、すなわち、結婚しても子供がふえない構造にあります。特に第2子以降の出生、出産をためらう理由として、経済的要因に加え、前回の出産が非常につらかった、高齢出産への不安といった出産体験そのものへの心理的負担が指摘されています。私は、ここに医療政策が直接関与できる余地があると考えます。
 無痛分娩は、出産時の強い陣痛やトラウマを軽減、産後の身体的、精神的回復を早める、もう一人産めるという心理的余力を生む、こうした効果により、第2子、第3子への意思決定に影響を与える施策です。
 欧米諸国では、無痛分娩実施率が5割から7割に達しており、無痛分娩はぜいたくではなく、出産の標準的選択肢として位置づけられています。一方、日本では実施率が約1割程度にとどまり、地方では選びたくても選べない状況が続いています。
 こうした状況の中で、これまで本県では無痛分娩施設がありませんでしたが、最近、外部の専門医等の指導のもと、無痛分娩の本格実施に向けた試行的実施をする分娩施設が出てきています。
 本県では、無痛分娩施設がこれまでなかった理由として、麻酔科医不足により24時間対応が難しい、追加費用が10万円から20万円程度かかるといった背景があります。これは個人の選択の問題ではなく、医療提供体制と政策設計の問題であります。
 人口減少下においては、全施設対応は非現実的です。そこで、県立の中核病院を無痛分娩の拠点施設として重点整備、民間クリニックにおける実施支援、ハイリスク妊婦にも対応可能な安全体制構築、周辺地域からの計画的搬送体制整備といった縮充の考え方による集約と質の向上を図るべきと考えます。
 また、無痛分娩が選べる医療になるためには、県独自の費用補助、特に第2子以降への重点支援、出産育児一時金との制度整理が不可欠です。出産費用の一部を支援することは、将来の人口減少による社会的コストを抑制する投資と考えます。
 無痛分娩推進の前提は安全性です。24時間麻酔対応基準、緊急時の帝王切開体制、合併症発症率の把握と公表を行い、妊婦と家族が納得して選択できる環境を整えるべきです。
 次期保健医療計画において、無痛分娩対応施設数、分娩全体に占める無痛分娩割合、第2子出生率との関連分析など、有配偶出生率への影響を検証する指標を位置づけるべきと考えます。
 そこで、当局に伺います。有配偶出生率低下の要因として、出産体験の心理的負担をどのように認識しているか伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 議員御指摘のとおり、出産時の強い不安や否定的な体験が、数年たっても心理的負担として残り、次の子供の妊娠、出産をためらう要因になり得るとする研究や、出産への満足度が、産後の不安や抑鬱の軽減にも寄与し、将来的な妊娠、出産の希望によい影響を及ぼすとする研究もあるなど、出産の際の心理的負担が、次の妊娠、出産の希望に影響する可能性が指摘されているものと承知しております。
 県としては、こうした知見を踏まえ、妊娠、出産に伴う心理的負担の軽減と安心して出産できる環境の整備が重要と認識していることから、引き続き関係機関と連携しながら、安心して産み育てることができる体制整備に努めてまいります。
〇22番(福井せいじ君) 今の答弁を踏まえて、またお聞きします。
 無痛分娩を出産の選択肢として医療機関を支援することについて、県の基本的な考え方を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 出産における妊婦の身体的、精神的な負担を軽減させるという観点から、無痛分娩は妊婦や妊娠を検討されている方にとって、選択肢の一つであると認識しております。
 一方、麻酔の使用といった通常の分娩とは異なるリスクもあるため、国における無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言では、安全に無痛分娩を行うことのできる体制として、無痛分娩に係る麻酔管理等ができる医師の配置や、無痛分娩を担当する医療スタッフの技術的水準の確保などが必要とされております。
 現在、県内の分娩取扱施設では、この国の提言による体制を満たすことが難しいことなどから、本格的に無痛分娩を行っているところはない状況となっております。
 このため、令和8年度当初予算案に無痛分娩実施体制整備費補助を盛り込んだところであり、安全に無痛分娩を行うために必要な研修費や医療機器等の購入費を支援することで、本県においても無痛分娩の実施を希望する分娩取扱施設に対する支援を行い、安全に無痛分娩が実施できるよう取り組んでいく考えであります。
〇22番(福井せいじ君) 今回の支援制度について、私は非常に評価するところであります。
 さらに、私はまた質問したいのですけれども、その無痛分娩の医療計画への位置づけです。拠点化、費用支援、安全技術整備を含め、医療計画に位置づける意思があるか伺いたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 岩手県保健医療計画(2024~2029)においては、限られた医療資源のもとで効率的かつ質の高い周産期医療を提供するため、周産期母子医療センターなどの医療機関の機能分担と連携のもと、分娩リスクに応じた適切な医療提供体制の整備を進めることとしております。
 現行の県の周産期医療体制については、無痛分娩に伴う急変時であっても他の分娩と同様に対応していくものであり、県としては、引き続き体制の維持に取り組んでまいります。
 また、都道府県医療計画策定のガイドライン―これは国の示したガイドラインですけれども、こちらにおきましては、個々の無痛分娩を実施する分娩取扱施設については、無痛分娩関係学会・団体連絡協議会の実施する研修、情報公開、有害事象分析事業への参画を推進することとされていることから、こうした国の指針を参考にしながら、次期保健医療計画の見直しの中で検討を進めていく考えであります。
〇22番(福井せいじ君) いずれにしましても、私も先ほどお話ししましたが、選択できる一つの方法として、ぜひとも無痛分娩が選べるような環境をつくっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、医師、看護師の確保の取り組みについて伺います。
 岩手県保健医療計画(2024~2029)において、2020年の保健医療従事者の状況を見ると、人口10万人当たり医師数は、全国269.2人に対し岩手県は223.0人であり、全国比約83%と少ない状況です。看護師は、人口10万人当たり全国1、015.4人に対し岩手県1、150.1人、全国比約113%であり、岩手県は現在多い状況です。県内の就業看護職員数は順調に増加しているものの、高齢化の進展や医療の高度化等に伴う看護職員の需要の高まりにより、看護職員不足が続くことが見込まれています。
 また、薬剤師は、人口10万人当たり全国255.2人に対し岩手県209.5人、全国比約82%と少ない状況です。薬剤師の不足状況の課題は、地域偏在と病院薬剤師の不足が顕著という業態遍在であるということです。
 一方、医療需要の推移は、岩手県の入院患者数は盛岡市を除き2025年にピークを迎え、その後減少に転じる見込みです。また、岩手県の外来患者数は2025年以前にピークを過ぎており、2015年から2040年までの間の25年間で、年間約16.4%の減少が見込まれるとされています。
 そこで伺いますが、今後人口減少と医療需要の動向に応じた医師、看護師、薬剤師の確保が必要であると思いますが、当局は、今後どのような形で確保していくかお示しください。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 県では今後、人口減少や医療需要の変化などを踏まえ、新たな医師確保計画及び薬剤師確保計画の策定に加え、いわて看護職員確保定着アクションプランの改定を進めていく予定であり、その中で、具体的な医師等の確保目標などについて検討していくこととしております。
 本県においては、少子高齢化が一層進行し、2025年から2040年にかけて85歳以上人口が約25%増加する一方、生産年齢人口は約25%減少することが見込まれており、医療人材の確保が厳しい状況が続くという大きな傾向は、今後も変わらないと認識しております。
 さらに、医療の高度化に伴うチーム医療の推進や働き方改革への対応、医療と介護の連携強化など、医療現場に求められる役割は拡大しており、地域医療提供体制を維持するためには、引き続き医療従事者の確保が不可欠となっております。
 こうした状況を踏まえ、令和8年度当初予算案では、医師奨学金55名分の貸付枠を継続するほか、薬剤師確保に向けて、病院が行う奨学金返還支援に対する新たな補助制度の導入や、看護職の県内定着を図るために修学資金貸付枠の拡充などを盛り込んでおり、引き続き、医療人材の確保に向けた取り組みを着実に推進してまいります。
〇22番(福井せいじ君) 今の薬剤師の関係ですけれども、特に病院薬剤師が非常に不足しております。私が聞き逃したかもしれませんが、病院薬剤師の確保については、特に何かお考えがありますか。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 先ほども御答弁申し上げましたが、詳細を具体的に申し上げますと、令和8年度から、病院薬剤師の確保に向けて、病院が行う奨学金返還支援に対する新たな補助制度を導入し、業態遍在の解消を目指しているところであります。
〇22番(福井せいじ君) 申しわけありませんでした。ありがとうございました。
 そして、医師確保に関しても、診療科偏在がやはり問題となっております。診療科偏在に対応した医師育成が必要であると考えますが、診療科偏在に対する取り組みもお示しいただきたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 県ではこれまで、地域医療提供体制を維持していくため、医師不足が顕著な産婦人科、小児科、放射線科及び病理診断科を選択した養成医師に対して、中小病院での勤務を免除し、専門領域での診療に専念できるよう配置特例を設けてきたところでありますが、来年度からは、県内の救急医療を支える救急科や、二次医療圏の手術体制を支える麻酔科を選択した養成医師についても、同様の配置特例を設けることとしております。
 こうした配置特例の拡充により、奨学金養成医師に対して、人材確保が課題となっている診療科を選択するインセンティブを付与するとともに、医療局奨学資金における産婦人科特別枠や、市町村医師養成修学資金における産科や小児科などの診療科指定の地域枠による医師養成を進めることにより、診療科偏在の是正を図り、県民がどの地域に住んでいても良質な医療を受けられる体制の確立に努めてまいります。
〇22番(福井せいじ君) 診療科偏在にこれからしっかり取り組んでいかなければ、地域地域に対する医療資源の提供が不確実になりますので、ぜひ取り組んでいっていただきたいと思います。
 次に、医療提供の体制構築について伺ってまいります。
 医療提供の形も、医療の高度化、専門化、感染症対応、デジタル化、医師の働き方改革など、深化、変化しています。
 このような状況を踏まえ、当局は、岩手県保健医療計画(2024~2029)において疾病・事業別医療圏を設定し、さらに本格的な人口減少、少子高齢化に対応した二次保健医療圏として、基本的な考え方を見直しの上、設定するとしています。
 既に今後の設定見直しの検討対象として釜石圏域、気仙圏域が示されていますが、今後、ICT活用による脳血管疾患医療連携体制の確立やプレホスピタル12誘導伝送の活用など、さまざまな患者搬送中の診療効率向上を踏まえた二次保健医療圏の見直しは、人口減少時代に適応した医療提供体制の整備に適合するものだと私は考えております。
 また、県当局は、いわて医療情報ネットワークシステムの運用等により、遠隔医療の体制整備の取り組みを進めています。本県は、広大な面積を有する一方で、全国と比較して人口当たりの医師数は少なく、地域間における医療資源の格差も生じていることから、限られた医療資源を有効活用しながら、医療提供サービスの効率化を図る必要があります。
 オンライン診療は、患者の通院負担軽減、医師の働き方改革などに寄与するものであり、県立病院でも患者宅や介護老人施設等との連携実施、さらには県立病院間での実施と徐々に拡充を図っています。それゆえに、患者と診療現場との実質距離ではなく、診療距離は短くなっているのが現状です。
 今後、さらにICT活用やオンライン診療などの導入を推進しながら、適正な医師数確保を図る上で、新たな地域医療構想の議論の中で、二次医療圏の見直しも含め人口減少社会における新たな医療提供体制の構築に着手すべきと考えます。
 まず初めに、県内クリニックに対するオンライン診療整備支援拡充について、当局の見解を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 医療資源の地域格差の解消に取り組むためには、限られた医療資源を有効活用しながら、対面診療を補完する遠隔地からの診療連携体制の強化は、特に県土が広い本県においては重要な視点であります。
 こうしたことから、県では、遠隔医療を推進し、オンライン診療に必要な設備整備の支援などに取り組んでいるところであり、オンライン診療の施設基準を届け出た県内の医療機関のうち、診療所については、施設基準が新設された令和4年4月時点の20施設から、令和7年12月時点で90施設と着実に増加してきているところであります。
 令和8年度当初予算案においても遠隔医療施設整備費補助を盛り込んだところであり、引き続き県内でオンライン診療に取り組む医療機関の設備整備を支援し、オンライン診療の普及を促進してまいります。
〇22番(福井せいじ君) 今後もこの支援体制をしっかり確立しながら、オンライン診療の体制を整えていただきたいと思います。
 次に、県立病院における病院間、または患者宅とのオンライン診療の体制強化について、当局の見解を伺います。
〇医療局長(小原重幸君) 県立病院間等におけるオンライン診療についてでありますが、現在、県立病院におきましては、手術後症状が安定している患者が、地元で専門医の医療が受けられるよう、基幹病院と地域病院間での連携や、精神科などの常勤医不在の診療科に対する応援として、精神病院と一般病院間での連携等によるオンライン診療を行っております。
 また、患者宅等とのオンライン診療については、通信環境や機器の設置、操作に対する支援などが必要となることから、支援の体制が整っている介護施設等と実施してきたところであります。
 今般、住田町の訪問看護事業と連携し、訪問看護師が同席することにより患者宅でオンライン診療が可能な体制が見込まれることから、来年度当初より患者宅において実施する方向で調整を進めております。
 今後におきましても、これらの実績などを検証しながら、オンライン診療の推進に向けた取り組みを強化してまいります。
〇22番(福井せいじ君) 県立病院の医療提供体制も、これから拡充していかなければいけないと思いますので、この県立病院におけるオンライン診療の体制強化についても、これからどんどん取り組んでいただきたいと思います。
 次に、岩手医科大学と県立病院間のオンライン診療体制の充実について伺います。
 今、県立病院には岩手医科大学からたくさんの医師を派遣していただいていると思います。私は、この医師の派遣は非常に重要なものだと思っておりますが、一方で、医師の派遣に係る財政的な負担とか、あるいは医師が移動する場合の負担が非常に大きくなっていると考えます。
 そこで、岩手医科大学と県立病院間のオンライン診療体制の充実について、知事の見解を伺いたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 県立病院において、常勤医師が不足している診療科への診療応援は年間約3万件となっており、その半数以上を岩手医科大学からの応援により、地域医療を提供しているところであります。
 このような中、診療応援の一部について、岩手医科大学の医師が、大学にいながら県立病院にいる患者とのオンライン診療が行えるよう、来年度早期の開始に向けて調整を進めている旨、医療局から報告を受けております。
 これにより、常勤医師の確保が難しい診療科においても診療機会の増加が期待できるとともに、大学側では、診療や研究時間の確保など、働き方改革などに寄与できるものであります。
 県立病院としても、診療科偏在への対策に加えて、旅費の削減等、経営面でも効果が見込まれるものであり、今後、医師確保の取り組みとあわせ、オンライン診療の効果的な活用、拡充に向けた取り組みを進め、地域医療の確保に努めてまいります。
〇22番(福井せいじ君) これは令和8年度から実施するということでよろしいのでしょうか。
〇医療局長(小原重幸君) 今、令和8年度の早い時期からの開始に向けまして、さまざまデモ等を実施しているところでございます。
 一部の診療科については、来年度早期からの取り組みに向けて、今、準備を進めているところでございます。
〇22番(福井せいじ君) 詳しいことをお聞きしたいのですけれども、特に沿岸、県北地域については、これは非常に重要になってくるのではないかと思っております。
 そういう意味では、どれくらいの範囲で行うのか、あるいはどれくらいの規模で行うのか、もし詳細がわかるのであればお知らせいただきたいと思います。
〇医療局長(小原重幸君) どれくらいの規模感ということにつきましては、まだお答えができない状況ではございます。ですが、なかなか常勤として配置できない病院ですとか、県北地域も含めて、オンライン診療ができないかということで調整を進めているところでございます。
〇22番(福井せいじ君) 岩手医科大学からもそういった要請があるかと思います。ぜひともこのシステムについては、これから拡充、そしてまた強化していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、人口減少時代を見据えた二次保健医療圏の見直しについて、知事の見解を伺います。
〇知事(達増拓也君) 人口減少や医療の高度化、専門化、医師の働き方改革など、医療を取り巻く環境が変化する中、限られた医療資源を効率的に活用し、県民に必要な医療を安定的に提供できる体制の確保が重要であることから、本県では、現在、九つの二次保健医療圏を設定するとともに、がん医療など、より広域的な疾病・事業別医療圏を設定し、それぞれの圏域において、必要な医療提供体制を確保しております。
 今後の二次保健医療圏については、議員御指摘の人口動向のほか、受療動向や圏域内の医療従事者の確保、医療機能の分化、連携の状況、医療機関へのアクセスなど、さまざまな状況を考慮しながら、そのあり方を検討していく必要があると考えており、地域医療構想調整会議などの場において、国の動向や県の現状を関係者と共有し、議論を行っているところであります。
 現在、国の地域医療構想及び医療計画等に関する検討会においても、二次医療圏に関する議論が行われているところであり、これらの議論に対応し、将来にわたって県民に良質な医療を持続的に提供できる体制の構築に向け、二次保健医療圏の検討を進めてまいります。
〇22番(福井せいじ君) 知事も今お答えになったように、人口減少、高齢化が進む中で、さまざまな変化があります。そういった意味では、二次医療圏のあり方は、今後の医療政策の根幹をなすものであると私は考えています。
 先ほどお話ししましたが、本県では九つの二次医療圏が設定されていますが、ここで少し確認したいのですが、圏域内の完結率、それから医師偏在の課題が指摘される中、現行圏域は将来にわたり持続可能な枠組みであるのか、改めて検証すべきだと思います。ここら辺の関係については、データを確認したいのですけれども、二次医療圏における圏域別の入院完結率、入院患者流出入率、医師数、救急搬送時間など、客観的なデータをお持ちであればお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、圏域完結率で申し上げますと、令和5年度の入院医療の圏域別の完結率は、盛岡保健医療圏は9割以上と高い水準である一方、気仙、久慈、二戸保健医療圏は7割を下回っている状況となっております。
 また、医療従事者の状況でございますが、例えば、がん医療を支える外科について申し上げますと、外科についても今の専門医制度が導入されまして、細分化が進んでおりますので一概には言えないのですが、県内で、4圏域で増加、5圏域で減少し、県全体で10年前に比べて35人減少の238人。心疾患の医療を支える循環器内科については、5圏域で増加、2圏域で減少し、県全体で9人増の127人。脳卒中医療を支える脳神経外科は、6圏域で減少、県全体で11人減の76人。脳神経内科は1圏域で増加、4圏域で減少し、県全体で7人減の65人などとなっております。
 また、搬送時間でございますけれども、こちらは全部御紹介するのは時間がかかりますので、少し概要で申し上げますと、令和5年の県内の平均の搬送時間が47.4分であり、圏域別で見ますと、一番短いのが気仙圏域の37.9分、一番長いところで申しますと、宮古圏域は広いので52.9分となっておりまして、全国平均が45.6分ですので、県土が広くて2分弱長いですけれども、おおむね全国水準の搬送時間となっているものと認識しております。
〇22番(福井せいじ君) 非常に県土が広い中にあって、やはりこの二次医療圏の設定というのも、非常に重要になってくるのではないかと私は思っています。
 今、数字をお話ししていただきましたが、単なる地理的な広さではなく、データ、数値をもとにした医療圏の見直しも必要ではないかと思っております。
 それから、今、やはり高度急性期の疾病別とか事業別の圏域も設定した上で、二次医療圏という重層的な医療圏の設定というのは、ある程度非常に合理的だと私は思っております。
 そういった意味で、今後、医師不足、それから、あと、医療環境が変化する中で、やはりここで次期地域医療構想において二次医療圏を固定的な地理区分としてではなく、人口減少を前提とした再設計に踏み出すべきかと私は思っているのですけれども、そこら辺の見解をお示しいただけないでしょうか。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 議員御指摘のとおり、医療の質の確保、あと、実はアクセスという部分は少しトレードオフな部分があるのですけれども、やはり県民が求めるのは、質の高い医療ということだと理解しています。
 その中で、現行の第8次岩手県保健医療計画(2024~2029)においては、待てない急性期、脳血管疾患とか心疾患に対しては、ある程度アクセスを重視しながら質を確保する。一方で、がんに関しては、診断してから手術まで少しお時間をいただけますので、そうした部分については、広域化というところで、疾病別の医療圏というのを新たに導入させていただいたところでございます。
 今後におきましても、2040年に向けて、85歳以上が増加し、肺炎患者であるとか脳血管疾患、骨折などがふえてくるといったことに対応した医療をどうしていくのか。また、圏域ごとにも人口構成がかなり変わってまいりますので、それらにも対応した医療提供体制についてどうしていくのかといったようなことについて、我々もさまざまなデータ分析、解析を行いながら、体制整備を進めていく考えであります。
〇22番(福井せいじ君) ぜひとも、さまざまな疾病に対する、そしてまた救急医療に対する考え方があると思いますので、広い俯瞰的な視点から医療圏の設定、そしてまた、さまざまな対応の充実を図っていただきたいと思っております。ありがとうございます。
 次に、介護の仕組み構築について、地域包括ケアシステムの拡充について聞いていきたいと思います。
 今後ますます増加していく介護需要に対して、限られた介護人材でいかに対応していくかという課題解決の取り組みも重要です。
 私は、地域包括ケアシステムは人口減少に適したシステムであると考えます。それは、1、人材不足を前提にした分散型モデルであるということ。すなわち、大規模施設に依存するのではなく、在宅、通所、訪問を組み合わせるということ。限られた専門職を地域全体で共有する発想をもとにしているから。
 次に、2、医療と介護の断絶を埋めるシステムであるということ。つまり、高齢化が進むほど慢性疾患、多疾病、多疾患併存がふえる。医療と介護を分けたままだと非効率で、包括ケアは連携を制度上組み込んでいるからです。
 また、3、ボランティア、町内会、民間事業者など、専門職以外の力を活用できる設計になっている。担い手不足の緩衝材になるということです。
 そして、4、財政的にも持続可能性を意識した仕組みであるということ。すなわち、入院、施設依存を減らし、在宅中心へ。医療費の高騰を抑制する方向性とも整合するからであります。
 ここで伺います。本県における各市町村の地域包括ケアシステムの構築状況、進捗状況についてお示しください。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 平成24年度に介護保険法が改正され、地域包括ケアシステムの推進が地方公共団体の責務とされて以来、県内では、当時51カ所であった地域包括支援センターが、現在は74カ所に増加し、より身近な場所で相談が受けられる環境となっているほか、住田町から始まった住民主体で介護予防サービスを提供する体制の整備が、現在は全市町村で取り組まれているなど、体制の構築は着実に進んでいるものと考えております。
 また、近年では、釜石市において、多職種が協働で課題を共有し対処する仕組みを構築し、切れ目のない医療、介護サービスが提供されているほか、北上市では、住民主体による要支援者等の重度化防止に向けたデイサービスが行われるなど、各地域において多様な取り組みが展開されてきております。
 一方、特に小規模町村では、専門職員の不足などにより事業の実施に困難さを抱えているなどの課題もありますことから、県では、こうした町村に対し、弁護士や有識者等の専門家を派遣し、助言を行うなど、きめ細やかな支援を行い、各地域における特性を踏まえた体制づくりを推進しているところであります。
〇22番(福井せいじ君) 今、野原企画理事兼保健福祉部長からはさまざまないい事例をお聞きしましたが、私は、やはり取り組みについては、各市町村で濃淡があるのではないかと感じております。私は今の人口減少時代に適したシステムであると言いましたが、濃淡があるということは、人的な資源の濃淡、それから、市町村の担当者による濃淡もあるのではないかと感じます。
 そういった意味でも、小さな市町村あるいは地域別にそういった濃淡がないような形で、県として指導していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そして、もう一つ聞いていきたいと思います。
 いわていきいきプラン(2024~2026)によれば、介護職員は令和22年には約6、000人の不足が見込まれているという推計があります。先ほど私は、人口減少社会において、地域包括ケアシステムは介護提供する仕組みとして最適であるとしましたが、本県で展開する場合はさまざまな課題があると思われます。
 その課題とは、1、担い手不足の加速。つまり包括ケアシステムは必ず人がいなければいけないということが前提でありますが、人口減少地域ほど担い手がいなくなります。2、医療資源など地域差の拡大。都市部と過疎地では成立条件が違い、一律モデルでは回らないということ。3、家族、コミュニティー機能の弱体化。単身高齢者の増加により、地域で支えるといっても、実際の負担が誰に行くかという問題などが挙げられます。
 ここで伺います。本県のような人口減少先進地域において、地域包括ケアシステムを実装していくには、介護施設の統合などによる介護サービス提供圏域の再編、施設偏重から在宅予防への転換、医療、介護、生活支援のデータ等の介護人材の再配置など、地域事情に応じた縮充型の地域包括ケアシステム再設計が必要と思いますが、当局の見解をお聞きしたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 議員御指摘のとおり、人口減少が加速し、担い手の不足や介護事業所などの地域偏在が進む中、本県における地域包括ケアシステムの実効性を高めていくためには、少子高齢化社会の影響を踏まえたサービス提供体制の構築が必要と認識をしております。
 このため、県では、来年度当初予算案に、広域的なサービス提供の体制づくりに向けた、複数法人による共同での採用や物品調達など法人間連携を促進する事業のほか、今後、特に必要性が高まる在宅や介護予防サービスの充実に向けて、訪問介護事業所への経営支援や、市町村における介護予防事業の促進に向けた専門職派遣などの予算を盛り込んだところであります。
 また、人口減少下での体制充実に向けては、DXの活用が有効でありますことから、例えば、二戸圏域で取り組みが進んでおりますアプリソフトを活用して医療、介護等の関係機関が情報共有を図る仕組みを、他圏域にも横展開できるよう取り組みを進めることとしております。
 さらに、来年度策定をいたします次期いわていきいきプランにおきましては、限られた人員やそのほかの資源を、広域調整の観点から最適化する視点で策定を進めるなど、地域包括ケアシステムの機能が十分に発揮し、将来にわたり持続可能なサービス提供体制が確保されるよう、取り組みを展開してまいります。
〇22番(福井せいじ君) 非常にありがたい御答弁をいただきました。
 これから介護サービス施設の統合というよりは、今お話しあった連携というのがまず第1弾にあると思いますので、そういった連携を図られるような支援体制をこれからも強化していっていただきたいと思っております。
 次に、人口減少時代に応じた産業構造の構築についてお伺いしたいと思います。
 政府は、生活保障、貧困対策、国際水準とのギャップ是正、賃上げを通じた経済成長、人手不足対策といった理由から、最低賃金の全国平均1、500円を目標ラインと掲げたこともあり、経済界でも毎年賃上げに取り組んでいます。
 また、政府の目標としては、2020年代に1、500円達成を掲げた時期もあり、試算上も年7%の引き上げで達成、到達可能とされますが、現時点で法的な期限や達成確約はなく、政権や経済状況次第で前後する可能性が高いと思われます。しかし、本県の現行の経済、経営状況の延長線では、最低賃金1、500円を達成できる状況にないと私は考えています。
 一方で、生活者の視点からは、物価高、社会保険負担が増加する中で、現行の賃金水準では生活が成り立ちにくい環境にあります。非常に矛盾していると思っています。
 本県の大部分の事業者は、小規模、多業種分散型であり、人手不足が慢性化、設備投資、DX投資が弱い状況にあります。それゆえに、大幅な生産性向上や高付加価値化を実現するには、個々の事業者の努力では限界があると私は考えています。
 そこで考えなければならないことは、規模の経済をどう補完するか、単独企業への補助だけではなく、受発注、物流、データ基盤などの共同化を進め、規模の不利を補う仕組みづくりが必要ではないでしょうか。
 県として、小規模、多業種分散型の企業が多い本県において、業種横断の共同化をどう描いているのか、知事の所見を伺います。
〇知事(達増拓也君) 複数の事業者が連携、協力し、省力化、効率化によるコスト削減を図る業務の共同化が多様な形で実践されており、事業協同組合における共同配送や共同仕入れなどの例があります。
 こうした共同化は、県内事業者の生産性向上や高付加価値化の実現につながるものであり、小規模事業者同士による場合や、業種横断の場合にも拡大していくことが必要と考えます。
 さきの令和7年12月臨時会において、これまでの中小企業者等賃上げ環境整備支援事業費補助事業を拡充し、複数の事業者による業務効率化、コスト削減の推進などの取り組みを支援する複数事業者連携枠を新たに設け、事業者同士での共通した在庫、物流管理システムの導入などの取り組みを支援することとしています。
 また、事業者間の共同化を効率、効果的に進めるためには、それぞれの事業者における業務のデジタル化、DX化が必要であることから、県では、デジタル人材の確保、育成やデジタルリテラシーの向上を進めているところです。
 今回新たに設けた複数事業者連携枠を活用しながら、単独の事業者では解決が困難な課題に対し、業種横断も含めた複数の事業者での連携を促進し、受発注、物流、データ基盤などの共同化を支援してまいりたいと思います。
〇22番(福井せいじ君) 生産性向上を掲げているのですけれども、やはり単独事業者だけではその生産性向上については限界があると私は考えています。
 さらに、賃上げに資するほどの生産性向上を図らなければいけないというときには、単独事業者だけではなく、同業種あるいは地域の中での連携が必要だと思いますので、ぜひそういった視点からの支援制度も考えていただきたいと思います。
 次に、人口減少時代を見据えた県内の産業再編の方向性について伺っていきます。
 私は過日、いわぎんリサーチ&コンサルティング株式会社の、人口減少社会における成長戦略としての事業承継と題した講演を聞いてきました。
 まず、岩手県の社長の平均年齢は62.6歳で、全国で最も高い水準であるということ、そして、後継者不在率は54.6%と同様に高水準にあるとのことでした。また、県内企業における2023年の休・廃業、解散件数は472件で、前年比12.9%増、2024年は505件で、前年比7.0%増と増加傾向にあり、企業倒産件数も、2024年は75件で、14件ふえて3期連続で増加しているとのことでした。また、令和8年1月8日付の岩手日報によりますと、2025年の企業倒産は81件となり、震災後最多を更新しました。
 休・廃業、解散、倒産はもちろん回避していくべき課題でありますが、後継者不在による廃業は、単なる一企業の問題ではありません。雇用、技術、地域サービスの消失という地域資産の喪失であります。
 いわぎんリサーチ&コンサルティングの試算によると、本県において後継者不在かつ社長が70歳以上の企業は約6、200社であり、その従業員数は約6万8、300人で、県内企業や従業員数の約17%に当たり、付加価値額、つまり売上額は総額約2、920億円で、県内総生産の約6.0%であるとのことです。それゆえに、今取り組むべきことはM&Aを含めた事業承継であり、それが企業の生き残り戦略、そして、地域経済の活性化につながると伺ってきました。
 ここで知事に質問します。人口減少社会において、全てを維持することは困難です。量の拡大ではなく、質を高める縮充の視点が不可欠です。業種内統合、機能集約、成長分野への集中投資など、再編を前提とした産業政策へ転換すべきではないかと考えます。
 私は、生産性、事業承継、産業再編は別個の課題ではなく、一連の構造問題であると考えます。努力を求めるだけではなく、構造を変える覚悟をどう示すのか。県として、県内企業の産業再編を施策としてどのように位置づけるのか、明確な方向性をお示しください。
〇知事(達増拓也君) 事業承継やM&Aによる再編は、人手不足等の事業環境の変化が生じる中、中小企業が成長を実現するための戦略的な手段であり、国においては中小M&A市場改革プランを策定し、事業承継ニーズの掘り起こしや支援機関の強化等を行うこととしています。
 本県においても、国が設置する岩手県事業承継・引継ぎ支援センター及び商工団体による相談対応のほか、事業承継補助金等による資金面の支援を行ってまいりました。
 県内の金融機関においても、事業承継を支援するファンドを立ち上げる動きもあり、引き続き、支援機関や金融機関と連携しながら、中小企業の事業承継について支援してまいります。
 さらに、国では、昨年12月に閣議決定した地方創生に関する総合戦略において、地方のGDPを東京圏以上にその成長率を高めることを成果目標に掲げ、AI、半導体などの17の戦略分野への重点投資を促進する方針を打ち出すとともに、その実現に向け地域未来戦略の策定を進めております。県としても、この方向性を踏まえ、成長分野への集中的な投資を促し、産業を育成することは、必要かつ重要と考えております。
 こうした国の方向性を踏まえ、県では今後、本県への投資拡大や県内企業の経済成長を見据えた地域産業成長プランを策定し、国の地域未来戦略と連動しながら、産業クラスターの形成や地場産業の成長に戦略的に取り組んでまいります。
〇22番(福井せいじ君) そういった方向性は、私は正しいと、一緒に考えられると思うのですけれども、ここで必要なのは、具体的な目標を設定することではないかと思っています。例えば、M&Aをこれから取り組んでいくとしたら、何年までに何社のM&Aを実現し、その売り上げ規模をどれぐらいに持っていくか、こういった具体的な目標設定も必要ではないかと私は思うのでありますが、どうでしょうか。知事、いかがでしょう。こういった目標設定については、いかがなものか教えていただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 現在そのような目標はないところでありますけれども、国が令和7年2月に、中堅企業成長ビジョンを策定し、支援総額1.4兆円の中堅企業成長促進パッケージ2025を取りまとめて、従業員2、000人以下の中堅企業と比較的規模の大きい中小企業を支援することとしておりまして、これは予算規模と対象から大体このぐらいの数と目標も見えてくるのだと思いますけれども、こういったことを参考にしながら取り組んでいきたいと思います。
〇22番(福井せいじ君) 今、具体的な目標がないということでありますけれども、やはり方向性を定めたときに、具体的な目標を持つということが、私は大事だと思います。
 廃業する、あるいは後継者不足によって企業がなくなっていく上で付加価値額―先ほど言ったのは2、920億円が喪失すると。そういった場合に、喪失するのであれば、2、920億円を新たにどこかで補完しようと、そういった考え方がなければ、私は本当の施策にはならないと思います。
 そういった意味で、方向性を定めたときには、必ずその目標を設定することが大事だと私は思いますので、ぜひともそういった考えで、各部局に取り組んでいただきたいと思います。
 先ほど、中堅企業という言葉が出ましたので、ここで中堅企業について私も質問していきたいと思います。
 地場の産業振興施策として企業誘致は大変大切だと思いますが、時間もかかる、その可能性もまた低いと考えます。そして、現在の人手不足の状況の中で、新たな企業の進出というのは、さらなる人手不足の状況を生みかねません。
 これまでの地方の産業施策は、中小企業を広く支援することを基本としてきました。もちろん、中小企業は地域雇用の基盤であり、その存在意義は極めて大きいものがあります。しかし、一方で、構造的課題が顕在化しています。第1に、生産性の伸び悩み、第2に、価格転嫁力の弱さ、第3に、域外から所得を稼ぐ企業の不足です。地方経済は、域内循環だけでは成長できないと私は考えています。域外から稼ぎ、地域内に再配分する中核企業の存在が不可欠です。
 そこで私が注目するのは中堅企業であります。経済産業省の中堅企業成長ビジョンによると、中堅企業の割合は、日本企業全体のわずか0.3%、約9、000社です。しかし、国内の雇用全体の約11%を担い、売上高では全体の約20%を生み出しているなど、日本経済における存在感は大きいと言えます。
 この二つの数字から、中堅企業が日本経済の成長と雇用創出において非常に重要な役割を果たしていると私は考えます。すなわち、中堅企業は、一定の規模と投資余力を持ち、研究開発、海外展開、設備投資を通じて地域経済を牽引する存在です。発注、雇用、税収、賃金水準、いずれの面でも波及効果は大きいと考えます。
 そこで提案するのは、本県にある中核的な中小企業をM&Aを通して関連事業者を統合し、中堅企業として育成することではないかと私は考えます。中小企業、小規模事業者は、事業承継、統合、デジタル化による生産性向上を支援する。成長意欲のある企業は、M&Aなどに取り組み、中堅企業へ引き上げる。中堅企業には、地域経済を支える中核的な役割を担ってもらう。こうした段階戦略が必要ではないかと私は思っております。
 地域を引き上げるエンジンを意図的に育てる段階に入ってきていると私は思っています。中堅企業育成について、知事の見解を求めます。
〇知事(達増拓也君) 中堅企業は、地域経済の活性化、成長に大いに貢献する存在であると認識しております。
 実際に中堅企業に成長するためには、M&Aも有力な選択肢の一つであり、そのほかにも、技術力の強化やグローバル化などによる企業規模の拡大もあり得ます。
 県といたしましては、企業それぞれの選択を後押しできるよう、M&Aに関する国の支援策も活用しつつ、また、今後策定する地域産業成長プランによる産業クラスターの形成や、海外ベンチャーキャピタルと連携した海外進出、投資の実現への支援などにより、中堅企業の育成に向けて取り組んでいきたいと思います。
〇22番(福井せいじ君) 今まで中堅企業という言葉は聞きなれない言葉だったと思うのですけれども、もちろん小規模事業者、中小企業者への支援も大事ですから、そういった産業構造の転換というのが、これからの人口減少社会に適応する産業振興だと私は考えています。ぜひともそういった新しい視点を持って産業振興に取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、知事の政治姿勢について伺います。これまでも何人かの方々が質問してまいりましたが、私もなるべくかぶらないように質問していきたいと思います。
 達増知事は、過日行われた第51回衆議院議員選挙について、2月13日の定例記者会見で、誰も望んでいなかった選挙で、誰も望ましい結果だと言えるものではないと発言しましたが、この発言は、選挙結果そのものへの評価として述べられたのか、明確にお示しいただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 議員御指摘の定例記者会見におきましては、幹事社が、衆議院議員選挙の結果を受けて、改めて御所感を聞かせてという質問がありましたので、私から、驚きの解散総選挙で驚きの国会構成になったということだと思います。自民党単独で衆議院の3分の2以上、そして、与党だともう4分の3以上という国会の構成で、戦後、日本が経験したことがない国会の構成であります。国民としては行政のチェックということが政治の基本、国民の政治参加の基本ですので、この行政のチェックということを強化しなければならない、そういう局面だと思います。国民あるいは県民の視点からしますと、政策に関心を高めるべきときだと思いますということで、物価を抑える政策でありますとか、地方の経済成長率が東京圏を上回るようにする政策でありますとか、そういうことを例として挙げました。
 その後、何人かの記者からの質問があり、その中で、突然、最短だとなぜこういう結果になるのかと知事はお考えなのかという質問に対して、私は、戦後かつてなかったような選挙の中で、それぞれベストを尽くそう、ここに投票するのがいいのだと思って、それぞれ投票しているのだとは思うのですけれども、ただ、それが日本全体で集まった結果、自民党が316というか、正確には330議席分当選しているのですよね。330議席当選するというのは、自由民主党すら願ってはいなかったので、比例候補が足りなくて14議席もほかの政党に譲るという、これまた戦後かつてなかったことが起きていて、そういう意味で誰も望んでいなかったような結果になったと私は言っているのですと答えているのです。
 議員の今の質問の中で、定例記者会見で私が、誰も望ましい結果だと言えるものではないと発言したとおっしゃいましたが、誰も望ましい結果だと言えるものではないとか、誰も望んでいないというような現在形は、私は全く口にはしておりませんで、私の言葉そのものを受けとめていただければ、御理解はいただけるかと思います。
 19日の臼澤勉議員の質問の中でも、臼澤勉議員から、選挙結果を誰も望んでいないと総括することは、民主主義の否定ではないでしょうかとの質問がありました。誰も望んでいないと言いますと、これは選挙が終わった後で、その選挙の評価として、現在形で望んでいないという意味で、それは確かにそういうことだろうと思うのですけれども、私は、誰も望んでいなかったと、解散総選挙が想定されていないときに、そういう極端な結果は誰も望んでいなかったのではないかと言っております。
 ある新聞社が、私が臼澤勉議員とのやりとりの中で現在形で話したかのような見出しをして、なぜそういう見出しをつけるのかと思っていたのですけれども、今、議員に答弁している答弁の準備の中で、実は、臼澤勉議員が現在形を用いていたということを発見しまして、したがって、今までのやりとりを……。
〇副議長(佐々木努君) 知事に申し上げます。答弁はできるだけ簡潔にお願いします。
〇知事(達増拓也君)(続) 今までのやりとりを全部含めまして、私の言葉そのものを受けとめていただければ、意味はわかっていただけると思います。
〇22番(福井せいじ君) では、別の観点で質問します。
 私は、この発言が政府・与党との関係にどのような影響を与えるのか、そして、このことが県民の利益を損なう可能性はないのかという点であります。
 地方自治体の運営は国と緊密な連携なしには成り立たない。地方交付税、各種補助金、社会資本整備、医療、福祉政策、そしてまた、ILC―国際リニアコライダーの実現という課題も私たちは持っています。いずれも国との協議、折衝、信頼関係の積み重ねによって具体化されるものであります。制度は、法令に基づくとは言え、現実の政策形成過程においては、首長と国との信頼関係が重要な要素となることは否定できないと私は考えています。
 知事は、これまで県民の利益を最優先に掲げてこられたと私は思っています。今回の発言は、県民の利益という観点から十分な配慮がなされたものだったのか、知事の明確な見解を求めます。
〇知事(達増拓也君) 私は、戦後かつてない巨大与党となった自由民主党が、いろいろな発言によって、地域でありますとか、自治体でありますとかへの予算とかいろいろな仕事の仕方を変えるということがないと信じております。もし、戦後かつてないような巨大与党が、そのような、彼はこういう発言をしたからだめだというようなことを言い出したら、戦後かつてないような困ったことが日本に起きると思います。
 県は、日常的に担当者間で関係省庁と課題やニーズを共有し、国と地方が一体となって、国民、県民の福祉の向上に向け、直面するさまざまな課題に対応しており、国との協力関係について岩手県は定評があると思っております。
 喫緊の課題に対しましては、制度の見直しや予算の確保など必要な事項について、知事が直接国に働きかけておりますし、県といたしましては、今までもそうであったし、これからもそのように政府と一緒に力を合わせて、国民、県民の課題解決、福祉向上に向けて一緒に仕事をしていきたいと考えております。
〇22番(福井せいじ君) 私は、なぜこのような発言をする必要があったのかと思います。ある意味、あの場で、あの状況の中でこういった発言をすることは、必要なかったのではないでしょうか。
〇知事(達増拓也君) まず、記者会見で記者に質問をされた場合には答えますし、やはり戦後かつてなかったような解散総選挙、そこから戦後かつてなかったような国会の構成になっているということで、国民みんな、これはもう与党支持者も野党支持者も無党派もひとしく、戦後かつてなかったような緊張感を持って国政を考えるべき、そして喫緊の課題、先ほど言ったような物価上昇でありますとか地方の経済とか、そういったことがいい方向に実現していくようにという思いから述べたものであります。
〇22番(福井せいじ君) 終わります。ありがとうございました。(拍手)
〇副議長(佐々木努君) 以上をもって福井せいじ君の一般質問を終わります。
   
〇副議長(佐々木努君) この際、暫時休憩いたします。
   午後4時6分 休 憩
   
出席議員(42名)
1  番 田 中 辰 也 君
2  番 畠 山   茂 君
4  番 千 葉 秀 幸 君
5  番 菅 原 亮 太 君
6  番 村 上 秀 紀 君
7  番 松 本 雄 士 君
8  番 鈴 木 あきこ 君
9  番 はぎの 幸 弘 君
10  番 高橋 こうすけ 君
11  番 村 上 貢 一 君
12  番 工 藤   剛 君
13  番 小 林 正 信 君
14  番 千 葉   盛 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 高 橋 穏 至 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 高 田 一 郎 君
27  番 吉 田 敬 子 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 岩 渕   誠 君
30  番 名須川   晋 君
31  番 軽 石 義 則 君
32  番 佐々木 朋 和 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城 内 愛 彦 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
39  番 斉 藤   信 君
40  番 工 藤 大 輔 君
41  番 小 西 和 子 君
42  番 高 橋 はじめ 君
43  番 関 根 敏 伸 君
44  番 佐々木 順 一 君
45  番 岩 崎 友 一 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(3名)
3  番 大久保 隆 規 君
15  番 上 原 康 樹 君
26  番 木 村 幸 弘 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後4時25分 再開
〇副議長(佐々木努君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   
〇副議長(佐々木努君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
〇副議長(佐々木努君) 日程第1、一般質問を継続いたします。柳村一君。
   〔17番柳村一君登壇〕(拍手)

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