令和8年2月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇17番(柳村一君) 希望いわての柳村一です。
 初めに、金ケ崎町で発生した高病原性鳥インフルエンザへの防疫措置に従事されている県職員、関係者の皆様に敬意を表しますとともに、感謝申し上げます。
 それでは、通告に従い質問いたします。令和8年度当初予算編成について伺います。
 令和8年度当初予算は、いわて県民計画(2019~2028)第2期アクションプランの総仕上げの年の予算であると同時に、次期プランへのかけ橋となる重要な予算です。
   〔副議長退席、議長着席〕
 予算編成方針の中で、第2期アクションプランの総仕上げに取り組む予算であり、一層厳しさを増す財政環境を踏まえ、あらゆる手段による歳入確保と政策の優先度に応じた財源の最適配分を図って、限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努めることを明示されました。
 その結果が、今回提示された7、742億円に上る当初予算案ですが、震災復興や新型コロナウイルス感染症対応といった特殊事情を除いた通常分の予算が、平成18年度以来の7、000億円台に達するという、非常に意欲的な予算案が編成されたものと受けとめております。
 大型の予算が編成された背景には、人件費や社会保障関係費の上昇や物価高騰によるコスト増など、いわば守りの要因が影響しているとは思いますが、一方で、第2期アクションプランの総仕上げの年として、攻めの部分が重要であることは言うまでもありません。
 そこで、まずはこの県民一人ひとりの地方創生予算に込めた思いと、具体的にどういった分野で攻めていくのか伺います。
 また、県財政の状況に目をやると、県税や地方交付税などの一般財源の増加は見られるものの、予算編成方針において言及されているように、なかなか楽観視できる状況にはありません。令和8年度の当初予算においては、四つの財政目標はいずれもクリアされたとのことですが、財政調整基金の取り崩しが、減少しつつあるものの継続しています。
 今後も膨らみ続けることが予想される義務的経費や社会保障関係費の負担と将来への積極投資を両立させつつ、単なる帳尻合わせではない、持続可能な岩手県を実現していくことが求められると思いますが、この実現に向けた中長期的な財政運営の考え方を伺います。
 以降は質問席で行います。
   〔17番柳村一君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 柳村一議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、予算に込めた思いについてでありますが、令和8年度当初予算は、東日本大震災津波からの復興の推進とともに、四つの重点事項を中心に、県民一人一人の暮らしを守りながら、世界に開かれた地方創生を大きく展開していく時期だからこそ、県民一人ひとりの地方創生予算と名づけ、県民一人一人を意識した県政を進めていこうとするものです。
 県民からの要望、提案を受けて、県民とともに調整して新規に盛り込んだ事業予算、拡充した事業予算が多数含まれています。
 四つの重点事項の主軸である人口の自然減・社会減対策では、ジェンダーギャップの解消や産後ケアの充実、仕事と子育ての両立に向けた企業の一般事業主行動計画策定への支援、全国を対象とする新たな移住支援金制度によるU・Iターンの促進などに取り組んでまいります。
 また、キャッシュレス決済ポイント還元などの物価高対策やツキノワグマ対策など、県民の生活、仕事を守るための施策を強化するとともに、国際スタートアップカンファレンスの開催や東南アジアへのトップセールス、海外からの誘客プロモーションなどの施策により、世界に開かれた地方創生を進めてまいります。
 次に、財政の持続可能性についてでありますが、本県の一般会計当初予算の規模について、令和6年度と7年度はいずれも7、300億円台となっておりましたが、令和8年度当初予算案は前年度比413億円、5.6%の増、7、742億円としております。
 歳入面では、前年度を上回る地方交付税や国庫支出金を計上しているほか、歳出面では、義務的経費が増加する中にあっても、人口減対策、GX、DX、安全・安心の四つの重点事項について、前年度比85億円増の1、001億円を計上し、これまで以上にめり張りのある予算編成をいたしました。
 収支ギャップについては39億円のマイナスとなっておりますが、前年度よりも21億円改善することができており、令和10年度に収支ギャップを解消するという目標に向けて、さらに取り組んでまいります。
 厳しい財政状況の中にあっても、未来に向けた積極的な投資を初めとする必要な施策を着実に進めていくことが重要であり、将来にわたって持続可能な財政基盤の構築に努めてまいります。
〇17番(柳村一君) 御答弁ありがとうございました。
 当初予算において四つの財政目標をクリアされたということは評価いたしますが、依然として、基金の取り崩しに依存した予算編成が続いています。今後の社会保障関係費のさらなる増大や大規模災害への備えを考えれば、現在の貯金を取り崩しながらのやりくりには限界があります。
 先ほど、前年度よりも21億円改善することができたと御答弁されていましたけれども、総務部長にお聞きしたいのですが、収支均衡型へ抜本的に転換させていくために、今後どのような取り組みを考えているのかお伺いします。
〇総務部長(福田直君) 収支ギャップにつきまして、39億円のマイナスとなっておりますが、令和10年度までに解消するという目標を掲げております。
 ここに向けては、ミクロの面では、歳入と歳出一体的な改革を行ってまいりますし、さらに、マクロの面では、国に対して税財政制度そのものの見直し、これも今も行っておりますし、さらに強化してまいりますので、ミクロとマクロ両面から一体的な取り組みを進めていきたいと思っております。
〇17番(柳村一君) 取り組みに期待しております。
 次に、当初予算編成について質問を続けます。
 第2期アクションプランでは、人口減少対策を最優先事項に掲げ、関係人口の拡大や移住、定着支援等に多額の政策的資源を投じてきました。しかし、本県の人口減少の実態は依然として厳しく、社会減の抑制にさらなる実効性が問われます。
 第2期アクションプランの最終年度となる令和8年度を迎えるに当たり、これまでの3年間の施策が人口減少の抑制という結果にどう結びついたと総括されているのか。また、単なる機運醸成や交流の域を超え、最終年度として県民が実感できるような成果の実現を期しているのか、地方創生の加速に向けた考え方を伺います。
〇知事(達増拓也君) これまでの3年間は、コロナ禍の影響が経済や社会に残り、産業の現場や生活の現場で困難が続く時期であり、人口減少の抑制には大変厳しい環境でしたが、県は、人口の自然減、社会減対策を進めてまいりました。
 具体的には、第2子以降の3歳未満児の保育料無償化や在宅育児支援金の支給、ヘルステック・イノベーション・ハブやいわて半導体関連人材育成施設―I-SPARKの整備、陸前高田オートキャンプ場やクライミング施設の整備など、子供、子育て環境や雇用環境、魅力を高める取り組みにより、生活のしやすさや働く場としての魅力を向上させてまいりました。
 一方、東京都の有効求人倍率が本県など地方を上回る状況が続いていることが、コロナ禍や物価高騰に加わり、全国的に、人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れが変わらず、本県でも出生数の減少や転出超過が続いております。
 こうした状況ですが、ニューヨークタイムズ紙を初め複数の海外メディアへの掲載、クルーズ船の寄港やインバウンド観光の増加、農林水産物や食品の輸出の拡大などに見られるように、世界に開かれた地方創生の取り組みを通じて、関係人口、交流人口の拡大や、若年、女性の県内定着の促進を図る好機でもあり、観光、食、文化、暮らしなど、いわてまるごとのプロモーション、全国を対象地域とした新たな移住支援金制度を活用したU・Iターンの促進など、県民一人ひとりの地方創生予算と名づけた令和8年度事業の推進により、県民が実感できる地方創生の成果を目指してまいります。
〇17番(柳村一君) 一連の種まきが進んで、それが今度、花を咲かせて実になる、そのような方向性になっていただければいいかと思いますけれども、これからは具体的に数字や実感できるような材料みたいなものを提示していって、このぐらいの成果が出ているということもお示しするべきだと思いますので、そこら辺もお考えいただければと思います。
 次に移ります。令和8年度の予算執行は、次期アクションプランの策定時期とも重なります。
 義務的経費が増加する中であっても、将来に向けた積極的な投資を続けることは重要ですが、次期プラン以降の財政運営を圧迫する負の遺産とならないよう、投資対効果を見きわめた判断が重要になります。
 特に、DXやGXの分野などにおいて、将来の県税収入アップやコスト削減につなげることを視野に入れて、どのように種々の投資的要素を含む事業を予算化したのか、その考えを伺います。
〇政策企画部長(小野博君) 議員御指摘のように、厳しい財政状況の中にあっても、将来の成長に向けた投資を継続していくため、投資効果を最大限に引き出す事業立案や、財政的な見通しを踏まえた事業の優先順位づけが重要であると考えております。
 県では、いわて県民計画(2019~2028)第2期アクションプランを着実に推進するため、外部有識者を構成員とする政策評価専門委員会におきまして、事務事業の目的や達成状況について審議いただきながら事務事業評価を実施し、限られた財源の効果的かつ効率的な活用を図っております。
 本定例会に提案しております令和8年度当初予算案におきましては、地域経済の成長や効率的で質の高い行政経営を実現するため、GX分野における再生可能エネルギーのさらなる導入促進やイノベーションを推進する研究開発支援、スタートアップの成長機会創出、また、DX分野における生成AIの利活用などの事業を盛り込んだところであります。
 今後も、中期財政見通しを踏まえながら、政策評価制度の活用などを通じて、投資対効果を意識した事業立案に取り組み、将来の成長につながる投資と財政の健全化の両立を推進してまいります。
〇17番(柳村一君) 今、さまざまな効果を実現するための施策等々をお聞きしたわけでありますけれども、令和8年度予算が、稼げる自立可能な自治体への転換となるような予算になることを期待しております。
 次に、地域医療提供体制と医師確保対策について伺います。
 令和8年度当初予算案において、保健福祉部の予算額は前年を大きく上回る伸びを示しており、その背景には、高齢化に伴う社会保障関係費の膨張に加え、地域医療を守り、広大な県土で医療を提供するための県立病院等事業会計への繰り出し、医師不足解消や医療DXの推進といった喫緊の課題への対応があります。
 厳しい財政制約の中で、県民の命を守る医療体制をいかに堅持し、効率化を図っていくのか、以下伺います。
 令和8年度は、第8次岩手県医師確保計画の目標年次であり、計画では、令和8年度の養成医師の県内従事者数288人を掲げ、県では、奨学金養成医師の配置を進めています。しかし、依然として盛岡医療圏とそれ以外の地域、あるいは診療科間の医師偏在は解消されていません。
 県は、目標を達成するために、奨学金による医師養成事業に多額の予算を投入してきましたが、これまでの成果と今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 県では、令和6年3月に策定いたしました第8次岩手県医師確保計画において、令和8年度の奨学金養成医師の県内従事者数を288人と見込み、奨学金による医師養成に重点的に取り組んでまいりました。
 岩手医科大学附属病院で勤務する医師も含めた令和8年度の奨学金養成医師の県内従事予定者数は271人であり、計画値には若干達しないものの、平成28年の配置開始以来、年々着実に増加しているところであります。
 一方で、医師の働き方改革や医療の高度化などへの対応もあり、医師の充足の実感には至っていない地域や診療科もありますことから、これまで、養成医師の配置ルールにおいて、県北・沿岸地域での勤務の必須化や医師の少ない診療科の配置特例を設けるなど、地域偏在や診療科偏在の解消に向けた取り組みを進めてきたところであります。
 今後は、奨学金養成医師の県内での臨床研修の必須化により、さらに県内従事者がふえると見込んでいるところでありますが、奨学金制度による医師の配置等を通じまして、医師の絶対数の確保のみならず、地域偏在、診療科偏在などの課題解決に向けて、引き続き取り組んでまいります。
〇17番(柳村一君) 現計画では、医師の養成、確保と配置に重点を置いている計画ですけれども、義務履行終了後を見ると、奨学金養成医師のうち義務履行終了後の翌年に県内で勤務している医師は、100%の年もあるのですけれども、過去4年間平均で割合は76%となっています。
 今後の計画では、この義務履行後の県内定着率を向上させるような施策などを入れて計画を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 議員から御紹介いただいたとおり、現行の制度でこれまで義務履行が終了した医師25名のうち、引き続き県内で勤務している医師が19名、76%になっております。
 一方で、義務履行終了者の総数がまだ少ない状況ではあるのですが、自治医科大学の卒業生の全国での定着率を自治医科大学で調査しているのですが、そちらは68.2%となっておりますので、現時点である程度定着につながっているのではないかと考えております。
 一方で、議員御指摘のとおり、義務の終了後に、引き続き岩手県内で地域医療のリーダーとして担っていただくということが重要でありますので、義務終了後も定着していただけるように、配置調整の中でも、そういった観点で配置調整監の先生方とともに取り組んでいるところでありまして、今後におきましても、引き続きそのような視点に立って定着に取り組んでまいりたいと考えております。
〇17番(柳村一君) 自治医科大学よりいいということは、しっかりと対応してくれている証拠だと思いますので、引き続き定着率を上げるような仕組みを考えていただければと思います。
 次に、県立病院では、20病院全てに電子カルテを導入し、全病院間で診療情報を共有する仕組みや、新たな生活様式に対応したシステム環境を整備するなど、積極的にデジタル化に取り組んでいます。
 また、岩手県立病院等の経営計画(2025~2030)では、今後の方策として、患者、医療従事者双方の負担軽減を図るためオンライン診療を導入し、県立病院間や県立病院と施設間での活用を中心として拡充するとともに、栄養指導や入院説明等、医療以外の業務の拡大にも取り組むとしております。
 そこで、県立病院のこれまでのデジタル化の取り組み状況、令和8年度の取り組み方針について伺います。また、それらのデジタル化の取り組み、デジタル投資が、今後、県民への良質な医療の提供、現場の医師や看護師など医療従事者の働き方改革、県立病院の経営改善にどのように寄与するのかについても、あわせて伺います。
〇医療局長(小原重幸君) 県立病院のデジタル化の取り組みについてでありますが、議員御紹介のとおり、県立病院ではこれまで、電子カルテを20病院へ整備し、それら患者情報を全県立病院間で一元化して共有できる仕組みも導入し、緊急搬送や転院、治療の相談を他の県立病院の専門医と随時行えるようにするなど、患者に対し、より迅速に適切な医療を効率的に提供できる仕組みを整備してきたところであります。
 令和8年度におきましては、例えば、薬剤の確認を目視からバーコード情報の読み取りチェックに置きかえることで医療事故防止が期待できる薬剤鑑査支援システムや、退院後に作成が必要となる入院中の治療履歴の要約などを自動で作成する生成AIの導入などにより、良質な医療の提供、職員の負担軽減に取り組むこととしているところであります。
 また、今年度から導入している清掃ロボットに続いて、給食業務におきましても、負担の大きい予洗いが不要となるなど作業を軽減できる食器洗浄ロボットを導入することとしており、委託費用の削減を図ることとしているところであります。
 今後も、良質な医療の提供を継続していくため、働き方改革や経営改善に資するよう、デジタル化を一層推進してまいります。
〇17番(柳村一君) さらなる導入をよろしくお願いいたします。
 次に移ります。県内の医療提供体制は、県立病院を初め、さまざまな医療機関の努力により成り立っています。地域全体で医療機関の機能分化、連携強化を進め、在宅医療や医療、介護連携の取り組みをより進化させることで、医療提供体制を守っていく必要があると考えます。
 国では、入院、外来、在宅医療、介護との連携も含めた医療提供体制全体の将来ビジョンとして、新たな地域医療構想の議論も進めています。
 本県が策定する構想は、社会保障関係費など、財政面にも配慮しつつ、県民のウエルビーイング向上に基づくものでなければならないと考えますが、策定についての県の方針を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 現在、国の検討会において新たな地域医療構想策定ガイドラインの議論が行われており、その中で示された高齢者救急への対応、医療の質や医療従事者の確保などの主要な論点について、県内各圏域ごとに開催しております地域医療構想調整会議などの場におきまして、市町村や保健、医療、介護、福祉の関係者等と議論を開始したところであります。
 関係者からは、民間医療機関の立場からも県立病院の役割は重要であること、医療機関の経営が成り立たなければ新たな地域医療構想の推進は難しい、高齢者救急の対応には医療従事者の確保が必須であり、人材確保は喫緊の課題など、地域の実情を踏まえたさまざまな御意見をいただいているところであります。
 新たな地域医療構想の策定に当たりましては、引き続き地域医療構想調整会議などの場で議論を行い、今年度中に国が策定いたしますガイドラインや関係者の意見などを踏まえて、さまざまな視点から、地域全体で支える医療提供体制の確保におきまして検討を進めてまいります。
〇17番(柳村一君) 国の構想をしっかりと捉えつつも、岩手県に合った、住みなれた地域で最後まで暮らしたいという思いを酌み取って、次世代に誇れるウエルビーイング向上の岩手モデルの構築に努めていただければと思います。
 次に移ります。県立病院では、持続可能な医療提供体制を構築するため、経営計画において、機能分化と連携強化を一層推進していくこととしており、令和8年度当初予算案においては、その実現に向けて、県立釜石病院の建てかえや県立中部病院へのサイバーナイフの導入など、大きな新規事業が盛り込まれています。
 県民に安全・安心な医療体制を提供するため、機能分化と連携強化の取り組みを進めながら、目下の喫緊の課題である経営改善についてどのように取り組みを行うか、具体的にお示しください。
〇医療局長(小原重幸君) 今年度の経営改善の状況につきましては、新規入院患者の積極的な受け入れ等により、医業収益の大宗を占める入院収益は、昨年度と比較して29億円程度増加し、影響額が28億円に上った給与改定を行ってもなお、医業損益は6億円程度改善できる見込みとなっております。
 令和8年度におきましても、持続可能な医療提供体制の確保に向け、これまでの経営改善の取り組みを継続するとともに、機能分化と連携強化の方向性に沿って、高度治療室であるHCUの設置や地域包括医療病棟の運用などによる新規、上位施設基準の取得等、診療報酬改定の効果を最大限取り込みつつ、先ほど答弁いたしました医療DXによる業務の効率化や経費の縮減等を進めることとしております。
 今般の診療報酬改定を受けてもなお、赤字予算を組まざるを得ないなど、引き続き厳しい経営環境が見込まれる中、県立病院といたしましては、岩手県の地域医療を守り、県民が期待する役割を引き続き果たしていくため、職員一丸となって経営改善を進めてまいります。
〇17番(柳村一君) 厳しい条件ではございましょうが、建てかえやサイバーナイフの導入が、ただ単に老朽化によるものとか機器の更新ということではなく、それが収益にしっかりと返ってくるような経営計画をよろしくお願いいたします。
 次に移ります。地球温暖化対策による財政基盤強化について伺います。
 現在のエネルギー価格の高騰は、県の事務経費を圧迫しています。これに対処するには、一時的な節約ではなく、エネルギー消費構造そのものを変える構造的な歳出抑制が必要であり、GX投資を加速させることが不可欠であると考えます。
 県では、県有施設等の脱炭酸化に向けた基本方針により、高効率の空調設備への更新や再生可能エネルギーの導入などGX投資を進めることとしていますが、この投資が、将来どの程度のランニングコスト削減をもたらすと見込んでいるのか伺います。
 また、令和8年度当初予算案において、どのように投資を加速させようとしているのか伺います。
〇環境生活部長(中里裕美君) 県といたしましては、県の事務におけるエネルギー消費の低減を図り、温室効果ガス排出量の削減を実現させる必要があると認識しておりまして、令和5年10月に県有施設等の脱炭素化に向けた基本方針を策定し、令和6年度より、順次、設備更新等を進めているところでございます。
 これらの投資によるランニングコストにつきましては、今後のエネルギー価格の状況を慎重に分析する必要がありまして、現時点におきましては、将来的なコストの削減見込みを算出することは困難ではありますが、令和6年度に盛岡地区合同庁舎を対象に実施いたしました省エネルギー診断の結果によりますと、蛍光灯からLEDに更新することにより、照明による電気使用量は年間で約7割の削減が見込まれたところでございます。
 この結果を受けまして、令和8年度当初予算案におきまして、電力使用量の低減に大きく寄与するLED化を加速させるため、初期費用を抑えながら、早期に設置が可能となるリース方式での導入に着手いたしますほか、太陽光発電設備についても、自己所有にかわるPPA方式での導入可能性調査に取り組みたいと考えております。
〇17番(柳村一君) お金がない中で、一生懸命工夫していらっしゃるのはわかりますけれども、GXによる歳出抑制は、環境生活部だけの課題ではないと思います。投資判断は総務部の財政課が専管の事項でありますし、エネルギー供給は企業局の知見が必要だと思います。
 県全体で整合性のとれた投資を行うため、部局の垣根を越えたGX投資判断基準や全庁的なマネジメント体制をどのように強化していくのか。それこそ、生活環境部が先頭に立って推進すべきと考えますが、環境生活部長、いかがでしょうか。
〇環境生活部長(中里裕美君) GXの取り組みにつきましては、議員からもお話がありましたとおり、非常に重要な取り組みでございますし、今後のコスト削減が見込まれる取り組みでございます。
 その取り組みの重要性につきましては、全庁で共有が図られているところでございますので、今後も、企業局の知見もいただきながら、また、総務部との連携も密にいたしまして、取り組みを加速化させてまいりたいと考えております。
〇17番(柳村一君) よろしくお願いしたいと思います。
 次に移ります。本県は、2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比57%削減するという高い目標を掲げていますが、直近の2022年度の実績は33.8%減にとどまり、さらなるギアチェンジが求められます。
 令和8年度において、本県の強みである温室効果ガスの森林吸収や地熱、風力といった地域資源を単なる環境保全の枠を超え、稼ぐ力へと結びつけていくことが必要と考えますが、県の考えを伺います。
〇環境生活部長(中里裕美君) 2030年度の温室効果ガス排出削減目標の達成に向けては、地域経済と環境の好循環を実現することが重要であり、本県の森林吸収量や、全国トップクラスの再生可能エネルギーのポテンシャルを生かした取り組みを一層推進する必要があると考えております。
 このため、県では、森林由来のJクレジットの発行に取り組んでいるほか、市町村に対し、地域に裨益した再生可能エネルギーの導入に向けた計画策定支援などに取り組んでいるところでございます。
 また、県内市町村におきましても、新たな収益を生み出す取り組みとして、例えば、八幡平市におきましては、水稲栽培における中干し期間延長を通じたクレジットの創出による資金の獲得や、地域内の地熱発電所の電源を核とした地域新電力会社の電力を企業誘致につなげる取り組みのほか、久慈市では、再生可能エネルギー発電事業者が、売電収入の一部を地域振興のために寄附する協定の締結などの取り組みも始まっているところでございます。
 県といたしましては、このような温室効果ガス削減に向けた財源確保の先進事例を、県内市町村GX推進会議などを通じて広く情報共有しながら、県全体に波及するよう取り組んでまいります。
〇17番(柳村一君) 今おっしゃったJクレジットですけれども、これに、例えば復興支援とか生物多様性の保全といった付加価値をつけることによって、岩手県というブランド化ができると思うのです。
 その付加価値をつけることでブランド化することによって、県が全県をまとめてプラットホームとなって一本化して、どこのJクレジットも高付加価値で取り引きできるような仕組みを今後考えていくべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
〇環境生活部長(中里裕美君) 今、議員から御提案のありました取り組みですが、例えば、中干し期間の延長などは、環境に配慮したやさしいお米ということで、そういう付加価値を加えて売ることができるというようなことがございます。
 そういった取り組みは、市町村においてもさまざま取り組みが進められているところでございますので、そういった取り組みを広めながら、県として、どのような形に持っていけるのかにつきましても研究してまいりたいと思います。
〇17番(柳村一君) ふるさと納税ではないですけれども、さまざまいろいろなところでやっているJクレジットとか、あと地熱の利用とか、そういうものを県のところを見れば、岩手県でこういうところがあるとわかるような、一つにするともっともっと大きな力になると思いますので、そこら辺は少し考えていただければと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、温暖化に伴う気象災害の激甚化、頻発化は、本県行政における最大のリスクであり、ハード面のみならず、ソフト面においても事前の備えを強化していくことで、持続可能な地域社会の構築に資するのみならず、事後の復旧を円滑なものとして、ひいては中長期的な財政負担への軽減にもつながると考えます。
 県は、将来を見据えて、こうした考え方に基づき、ソフト面での事前防災、減災の取り組みを充実させていくべきと考えますが、見解を伺います。
〇復興防災部長(大畑光宏君) 県では、令和7年12月に第3期岩手県国土強靱化地域計画を策定し、致命的な被害を負わない強さと速やかに回復するしなやかさを持った安全・安心な地域社会の構築に向け、災害に強いインフラの整備といったハード面のみならず、デジタル技術の活用や被災者支援体制の充実など、ソフト面の対策も一体的に推進していくこととしております。
 令和8年度におきましては、災害への備えといたしまして、避難所受け付けの効率化、デジタル化を目指した避難者把握システムの試行導入、国、県、市町村間の災害情報共有機能の強化に向けた災害情報システムの整備、市町村、関係団体等とのネットワーク会議の設置による災害ケースマネジメント推進体制の構築、これまでに作成したモデル事例の横展開による避難行動要支援者個別避難計画の作成支援など、ソフト面での取り組みも積極的に推進していくこととし、令和8年度当初予算案に必要な事業を盛り込んだところであります。
 今後とも、いかなる災害が発生しても、人命を守り、被害を最小化できますよう、市町村、関係機関、団体と連携して、事前防災、それから減災の取り組みを推進してまいります。
〇17番(柳村一君) 防災、減災というとハード面に着目されがちですけれども、ハード面と言えば、なかなかお金がない状況で、いつ、どこで、何が起こるかわからないということがありますので、その点に関しては、ソフトであれば事前に準備ができるわけですので、取り組みなさっているようですので、それをさらに推進していくようにお願いいたします。
 次に移ります。気象災害の不確実性が増す中であっても、将来を見据えて、脱炭素化と経済成長の両立に向けた取り組みは着実に進めなければならないものと考えます。
 県では、県市町村GX推進会議を立ち上げ、県全体で脱炭素化と経済成長の両立を推進しているところですが、脱炭素化と経済成長の実現を目指す県としての大局的な方針や根幹となる政策、施策、安定的な財源確保に向けた取り組みについて伺います。
〇環境生活部長(中里裕美君) 県では、いわて県民計画(2019~2028)の第2期政策推進プランにおきまして、GXを推進し、地域経済と環境に好循環をもたらす持続可能な脱炭素社会を構築していくことを重点事項に掲げておりますほか、令和3年3月に策定しました第2次岩手県地球温暖化対策実行計画におきましても、省エネルギーと再生可能エネルギーで実現する豊かな生活と持続可能な脱炭素社会を目指す姿に掲げております。
 この実現に向けまして、省エネルギー対策の推進、再生可能エネルギーの導入促進、森林吸収源対策などの多様な手法による地球温暖化対策の推進の3本の柱のもとで、温暖化防止いわて県民会議を中核とした県民運動の展開、事業者の省エネルギー設備や自家消費型太陽光発電設備の導入支援、再造林や間伐等による森林整備の促進、気候変動に適応した品種開発や生産技術開発などに取り組んでいるところでございます。
 これらを推進するに当たりましては、安定的な財源として、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を初めとした国の交付金や補助金などを活用しているところでございまして、今後とも、地域の実情に応じた財政措置が行われるよう、国に対し、必要な支援や措置について要望してまいりたいと考えております。
〇17番(柳村一君) 環境省の地域経済循環分析や本県のエネルギー統計に基づけば、本県から県外、海外に流出しているエネルギーの代金は年間3、000億円規模だということのようです。本県GDPの約6%に達しているようです。年間3、000億円流出のうち、省エネと再エネ転換で10%改善するだけで、県内には300億円がとどまることになります。
 脱炭素をただ単に地球温暖化対策として捉えるのではなく、経済対策としての面からもしっかりと捉えていただいて、岩手県版のGX、特にも県が主導して市町村と連携してやるような形の構築をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇環境生活部長(中里裕美君) 今、議員から御提案がありましたとおり、エネルギー代金が県外に流出しているというのはそのとおりでございまして、やはり温暖化対策といたしましては、省エネを推進することに加えまして、エネルギーの地産地消を進めることが非常に重要だと考えております。
 今後、エネルギーの地産地消が進むように取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇17番(柳村一君) よろしくお願いします。
 次に、いわて県民計画(2019~2028)について伺います。
 さきの知事演述において、令和8年度は第2期アクションプランの最終年度であり、四つの重点事項や東日本大震災津波からの復興、10の政策分野の推進など、いわて県民計画(2019~2028)に基づく施策を着実に進めるとしました。
 また、次期アクションプランの策定年度でもあることから、策定に当たっては、人口減少等の社会経済情勢の変化を踏まえ、若者や女性を初め、市町村、企業、団体、個人など、県民各層から広く意見を伺い、いわて県民計画の基本目標である、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわての実現に向けて、実効性のあるプランの策定を目指すと言及されました。
 現在の第2期アクションプランにおいて設定している四つの重点事項については、自然減・社会減対策では、男女とも働きやすい職場づくりに取り組む企業の増加、GX推進では、県の水力発電を活用した自動車生産、DXの推進では、県庁内での生成AIの活用、安全・安心では、大規模災害に備えた減災、防災など、多くの分野で着実な成果を上げていると評価しております。
 一方で、第2期プラン最終年度に臨むに当たっては、これら四つの重点事項の成果と課題を改めて総括し、次期アクションプラン策定を進めることが必要です。
 そこで、次期アクションプランの策定に向けて、知事が言及された、世界に開かれた地方創生やSWGs―持続可能なウエルビーイング目標の視点を取り入れながら、第2期の成果と課題を踏まえつつ、これまでの延長線上ではない、新たな仕掛けや重点事項の抜本的な再編が必要と考えますが、次期アクションプランの構想についてお伺いします。
〇知事(達増拓也君) 県では、現在、第2期アクションプランのもと、人口の自然減・社会減対策を主軸に、GX、DXの推進を両翼とし、安全・安心な地域づくりを基盤とする四つの重点事項を中心に、世界に開かれた地方創生として、世界から評価される岩手県のよさを生かし、地方創生を進めています。
 こうした取り組みにより、欧、米、豪や東南アジアを中心とした外国人宿泊者数の大幅増加、外国クルーズ船の寄港回数の過去最多、県産農林水産物の輸出拡大などにつながっているところです。
 特に、比較的人口が少なくなっている沿岸三陸地域が世界に直接触れることがふえており、人口の少ない市町村から新しい地方創生を進める可能性が広がっています。
 一方で、この間、資源、エネルギー価格の上昇や円安による物価高騰、気候変動を背景とした災害や異常気象、野生動物被害の頻発化、全国的な人口減少による少子化や人手不足が進行しています。
 また、国内外でウエルビーイングを重視する流れの広がりや、生成AIなどの革新的な技術の普及、強い経済に力点を置いた新たな地方創生等の国の政策的な動向など、本県の社会経済を取り巻く環境は大きく変化しています。
 次期アクションプランにつきましては、こうした成果や社会経済情勢の変化を踏まえ、市町村や関係団体、若者、女性を初めとした幅広い県民の皆様からの意見を伺い、政策評価の結果等を活用しながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてという基本目標のもと、岩手県の強みを伸ばす観点や10の政策分野全体の底上げの観点なども盛り込み、プランの策定に取り組みます。
〇17番(柳村一君) お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて、これをしっかり実現できるように、次期アクションプランを作成していただきたいと思いますし、その次期アクションプランの先として次の総合計画がありますので、その礎となるようなプランとして作成していただければと思います。
 次に移ります。令和9年度予算は、次期アクションプランに基づく最初の予算であると同時に、令和10年度に終期を迎えるいわて県民計画(2019~2028)の目標達成に向けた予算となります。
 副知事の依命通知―令和8年度予算編成についてでは、ゼロベースでの優先順位の見きわめや最大限の成果を生む事業検討が求められていますが、これを真に実効性のあるものとするには、各部局における個別最適の視点に基づく、積み上げ方式ではない、全体最適の視点に立った全庁的な指針が不可欠です。
 そこで、例えば、国における経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針のように、年度の前半において翌年度予算の統一的な方向性を明確に示すことで、部局間の壁を超えた効果的な事業立案を促すべきと考えます。
 次期アクションプランの策定年度となる令和8年度においては、早い段階で予算編成の指針となる重点項目や方向性を提示することで、依命通知の内容をより具体的かつ戦略的な予算編成へとつなげていくべきと考えますが、そういった新たな仕組みの導入について、八重樫副知事に見解を伺います。
〇副知事(八重樫幸治君) 県では、いわて県民計画(2019~2028)及びアクションプランを着実に推進するため、翌年度予算の編成に向けて、年度前半の時期から、知事初め、幹部職員と各部局等との協議や、人口問題対策本部会議を初めとした知事や副知事をトップとする各種会議における検討を継続的に行い、翌年度の方針、方向性等の決定、確認を行っています。
 そこで決定された方針、方向性等に基づき、各部局からの予算要求に先立つ9月に、副知事依命通知として、翌年度に向けた全庁的な予算編成方針を示し、政策評価結果などを踏まえながら、政策推進クロス・ファンクショナル・チームも活用して、部局横断的に効果的な事業立案に取り組んでいるところです。
 次期アクションプランについては、先ほど知事が御答弁申し上げた方向性に従って、今後、市町村や関係団体、県民の意見を広く伺いながら、新たな方針、骨格をつくり上げていくことになります。
 来年度のできるだけ早い時期に次期プランの方針、骨格を調製して、令和9年度の施策、事業の全庁的な方向性を示した上で、現在の政策形成スキームの見直しも図りながら、戦略的な予算編成につながるよう取り組んでまいります。
〇17番(柳村一君) ということは、依命通知前にそういう方針を出すことは、今のところ考えていないという形でよろしいでしょうか。
〇副知事(八重樫幸治君) 予算編成方針は、各部局が予算要求を行う際の基本的な考え方や留意事項を示したものでありまして、来年度のできるだけ早い時期に施策等の全庁的な方向性を示した上で、予算編成方針につなげていくということで、政策と予算の連携に一層努めてまいります。
〇17番(柳村一君) 何かわかったようなわからないような。わかりました。わからないけれども。
 次に移ります。いわて県民計画(2019~2028)における11の新しい時代を切り拓くプロジェクトは、民間企業で言うところの両利きの経営における探索に当たる、本県の未来を決める重要な攻めの施策であると認識しています。
 現在、北上川流域、三陸、北いわての三つのゾーンプロジェクトを中心に成果が見え始めていますが、県内の地域間経済格差という課題を前に、特に、三陸、北いわてエリアには、さらなるてこ入れが必要だと考えます。
 そこで、プロジェクトが終盤に向かっている現時点において、県北・沿岸振興の柱である三陸、北いわてゾーンの両プロジェクトに対し、今後どのように予算やリソースを重点投入し、地域経済を加速化させていく考えか伺います。
 また、本プロジェクトは、性質上、通常の政策評価制度の枠外にありますが、県民の税を投入している以上、その投資対効果を県民にわかりやすく示す必要があります。計画終期に向けた想定する着地点と現時点での進捗をどのように県民へ伝えていく方針なのか、佐々木副知事に伺います。
〇副知事(佐々木淳君) 県北・沿岸地域の振興に当たりましては、県北・沿岸振興本部会議において、令和5年度から令和8年度までを期間とする第5期の基本方針に基づき、毎年度の重点的取り組み方針を定めた上で、両プロジェクトを初めとした施策を、全庁を挙げて展開しているところであります。
 令和8年度においては、新たに経済、雇用情勢など地域を取り巻く環境について多様な指標を用いて多角的に把握、分析し、より効果的に振興施策を推進する方針を定め、1人当たり市町村民所得や市町村内総生産、高卒者の県内就職率のほか、産業分野の新たな指標なども検討していくこととしております。
 こうした三陸、北いわてのゾーンに注目した指標や分析から得られる知見なども踏まえ、政策形成や予算編成に反映させていきたいと考えています。
 また、ゾーンプロジェクトは、長期的な視点に立った本県独自の取り組みであり、プロジェクトについて広く発信していくことは、さまざまな主体からの参画、協力を得ていく上で不可欠であります。
 このため、それぞれのゾーンの特徴を生かした新たなプロモーションを検討しております。そして、進捗状況や今後の見通し、地域経済等の分析結果などを、機会を捉えて広く情報発信を行い、県民の理解促進を図ってまいります。
 こうした取り組みを通じて、引き続き、三陸、北いわてゾーンの両プロジェクトの目指す姿の実現に向けて、市町村や関係機関とより連携を深め、一体となった地域振興を推進してまいります。
〇17番(柳村一君) 長期的な視点に立って新たなプロモーションを考えているということですが、そこのプロモーションに関して、例えば、知事、副知事らがトップセールスをするような三陸、北いわてゾーンに民間投資を持っていくような、そういうプロモーションのようなことも考えておられるのか、そこら辺はいかがでしょうか。
〇副知事(佐々木淳君) 議員御指摘のような多様なPR、情報発信はしたいと思っております。
 さらに、それぞれのゾーンが、先ほどの議論でもありましたとおり、統一の大きな形でいろいろな展開が大事だという御指摘もあったと思いますが、それぞれのゾーンの特徴を生かした、まさにプロモーションを見える化するような形で、近く皆さんとともにプロモーションできるような、そのような展開ができればということで、今企画、検討しております。
〇17番(柳村一君) 期待しております。
 次に移ります。知事演述において、新しい時代を切り開くための先導的な施策として、ILC―国際リニアコライダーや三つのゾーンプロジェクトのほかに、農業水産業高度化プロジェクト、人交密度向上プロジェクト、また、住民主体の持続可能な地域コミュニティーづくりや、医療等ビッグデータの活用による市町村の健康課題解決への支援、DXを活用した学びの充実、文化芸術・スポーツによる特色のあるまちづくりの推進、再生可能エネルギー由来の水素の利活用などについて言及されました。
 それぞれのプロジェクトは個々に進めるだけでなく、プロジェクト間の相乗効果を発揮させることが重要と考えます。特に、持続可能な地域コミュニティーづくりを目指す活力ある小集落実現プロジェクトと、交流、関係人口を拡大する人交密度向上プロジェクトは、担い手不足の解消において強い親和性があると考えます。
 そこで、この両プロジェクトに関して、期待できる相乗効果の可能性とそれを可能にする庁内の横断的な推進体制や、市町村等の関係団体との連携をどのように構築していくのかお伺いします。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 活力ある小集落実現プロジェクトでは、地域おこし協力隊や特定地域づくり事業協同組合など、地域活動の維持に必要な人材確保の支援等に、人交密度向上プロジェクトでは、遠恋複業課の取り組みなど、交流人口、関係人口の拡大と、地域との継続的なかかわりの創出にそれぞれ取り組んでいるところでありまして、いずれも、人口減少が進む地域における担い手確保に資する施策と認識をしております。
 これら両プロジェクトが連携することによりまして、継続的な地域活動への参画による関係人口の移住、定住人口化、外部の資源、アイデアを取り入れた地域コミュニティーの活性化や、地域の魅力の発信力強化による関係人口の拡大など、地域コミュニティーや人材確保、交流、関係人口の創出の両面で相乗効果が期待できるものと考えております。
 両プロジェクトとも、庁内関係室課で構成するワーキンググループへ相互に参画し、連携を密にして取り組みを推進することに加えまして、来年度は、ふるさと住民登録制度に呼応し、市町村等の関係団体と連携して官民協働プラットホームの構築に取り組む予定としておりまして、この体制を活用し、両プロジェクトの実効性が高まるよう取り組みを進めてまいります。
〇17番(柳村一君) このプロジェクトが単なる並列の施策ではなくて、有機的に絡めていくということで、本県が目指すべき新しい時代を切り開くというところにつながっていくと思います。
 市町村に対して、伴走型の支援組織をつくるなど、成功事例の横展開をしたり設計のアドバイスを行ったりして、このプロジェクトを有機的に絡めることによる新しい展開を期待していますので、よろしくお願いします。
 次に移ります。持続可能な財政基盤の構築について伺います。
 人口減少が加速する中、将来にわたって県民サービスを維持し岩手県の発展を支えていくためには、より強固で持続可能な財政基盤の構築が不可欠です。
 本年度、持続可能な行財政基盤の確立に向けた検討CFT―クロス・ファンクショナル・チームを設置したことは、単なる事務効率化にとどまらない、中長期的な視点での抜本的な行政改革に取り組む決意のあらわれであると受けとめています。
 そこで、中長期的な財政基盤の構築に向けて、具体的にどのような検討や見直しに着手したのか。本年度の進捗と見えてきた課題について伺います。
〇企画理事(千葉幸也君) 御指摘の持続可能な行財政基盤の確立に向けた検討CFTでは、今後の人口見通しや行財政運営等を踏まえた行政経営資源のあり方について、多面的かつ中長期的な視点から、現状、課題を明らかにした上で対応の方向性を検討してきたところでございます。
 具体的には、職員の確保、育成策として、職員不足や年齢構成の偏在解消に向けた採用試験の見直しや、即戦力人材の確保、キャリア形成への支援のほか、知識や経験を継承し、効率的、効果的な施策の推進に向けた組織の最適化や、今後、老朽化施設の急増が見込まれる中、持続可能かつ安全に維持、管理するための公共施設マネジメントのあり方などについて検討を行ってきたところでございます。
 これらの結果、令和8年度から実施するものとして、大学3年生から受験可能な採用試験の新設やアピール試験型対象職種の拡大、若手職員の育成、技術向上を目的とした畜産業務や建築指導業務の組織集約などがございます。
 一方で、DXの推進等による業務効率化や行政サービスの向上と歩調を合わせて進めていくべきものもあり、今後においても、中長期的な対応を要する事項につきましては、全庁的な体制を構築し、検討を進めてまいります。
〇17番(柳村一君) クロス・ファンクショナル・チームの検討結果が単なる報告書に終わることなく、県の組織文化そのものを変えるような強力なものになるように、企画理事には強いリーダーシップを発揮していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、次期行政経営プラン、さらには、その先の次期県民計画を見据えたとき、どのようなスケジュール感で改革を具体化させていくのか、今後の取り組みの見通しを伺います。
 また、部局横断的な調整が必要となる行政改革を推進するに当たり、知事はどのようにリーダーシップを発揮し、持続可能な岩手県を次世代に引き継いでいく考えか、見解を伺います。
〇知事(達増拓也君) 政策の着実な推進を支えるためには、持続可能な行財政基盤の構築が必要であり、その具体的事項の中には、短期的に実現可能なものがある一方で、部局間の緊密な連携を図りながら、中長期的なビジョンを形成していかなければならない事項もあり、県民計画及び行政経営プランの策定スケジュールとあわせて検討してまいります。
 議員御指摘のとおり、不断に行財政改革の取り組みを進めていくためには、部局横断的な視点が重要であり、専門職種を初めとした職員の確保策や職制の適正化、キャリアプランに応じた育成など職員体制の一体的な検討や、組織の最適化とあわせた公用施設の適正配置の検討など、関連する方策を組み合わせた上で、知事、副知事、関係部局長が出席する会議などの場を活用し、全庁で議論を深めながら、全庁の総力を結集し、実現できるところから速やかに具体化してまいります。
 人口減少など県組織を取り巻く大きな環境変化の中にあっても、持続的に県民サービスを提供していくことができるよう、将来を見据え、多面的かつ大局的な視点から、持続可能な行財政基盤の確立に向け取り組んでまいります。
〇17番(柳村一君) 持続可能な岩手県を次世代に引き継ぐことは、私たち現役世代の最大の使命だと思いますので、知事が掲げる世界に開かれた地方創生が、強固な行政基盤を確立して推進できるように、そのリーダーシップに期待します。
 次に移ります。スマートシュリンクについては、先ほど福井せいじ議員が質問しましたけれども、答弁が用意されていると思いますので、私も取り上げたいと思います。
 昨年の私の一般質問に対し、県は、DXや広域連携の取り組みを挙げつつも、国の動向を注視するとの答弁にとどまりました。しかし、広大な県土において、加速度的に人口減少が進む今、国の後追いでは手おくれになります。
 今こそ県は、受動的な姿勢を脱し、次期アクションプランの作成に当たって、行政経営のあり方を根本から転換させるべきと考えます。
 知事は演述において、公共施設の総量適正化や持続可能な財政基盤に触れられましたが、さらに踏み込み、地域の魅力を維持しながら、生活拠点の集約とデジタルによるネットワーク化を大胆に進めるスマートシュリンクを県政の基本方針に据えるべきと考えます。
 単なる施設の削減に終わらず、市町村と綿密に連携し、施設の集約や最適化によって生み出された財源を、自動運転を含む移動手段の確保やDXの推進など、住民のウエルビーイング向上に直接還元する循環型の仕組みを構築すべきと考えますが、見解を伺います。
〇政策企画部長(小野博君) 県では、社会減対策や少子化対策に加えて、人口減少を見据え、柳村一議員御指摘のスマートシュリンクの考え方につながるDXによる地域課題の解決や生産性の向上、関係人口の拡大、公共施設の総量適正化やインフラ施設の効率的、効果的な維持管理などの施策を推進しております。
 こうした中、国では昨年末、新たな地方創生に関する総合戦略を閣議決定いたしましたが、その基本的な方向には、人口減少を正面から受けとめた上での施策展開などについて示されるなど、スマートシュリンクの考え方に通じる内容が盛り込まれております。
 第2期アクションプランや第2期岩手県ふるさと振興総合戦略が令和8年度に終期を迎えることがございますので、議員御指摘のような財源の効率的な活用の観点も踏まえながら、人口が減少する中にあっても、地域の社会経済システムが維持、存続し、県民のウエルビーイングの向上が図られるような施策を盛り込んだ次期アクションプラン等の策定に向けて、市町村などとも連携し検討を進めてまいります。
〇17番(柳村一君) 先ほどのやりとりの中で県の考え方はわかりましたので、深くは言いませんけれども、人口減少や財政制約という厳しい現実に直面する今、求められているのは、岩手県の未来を切り開くための意思ある投資と大胆な構造改革です。
 第2期アクションプランの総仕上げを確実な成果へとつなげ、次世代に持続可能な岩手県を引き継いでいくために、知事を初め執行部の皆様には、部局の垣根を越えた強いリーダーシップと県民が希望を実感できる血の通った県政運営を強く期待いたします。
 教員の働き方改革の推進について伺います。
 昨年6月の改正給特法―公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法に関する私の一般質問に対し、県教育委員会は、構造的課題について、国の指針に従うとの答弁にとどまりました。
 県立学校の時間外勤務の平均値は減少傾向にあるとされていますが、一方で、月80時間以上の者をゼロにするという目標は、依然として未達成です。
 勤務時間の可視化が進む一方で長時間勤務が解消されない現状では、現場の自発的な改善に委ねるだけでは限界があると考えます。
 策定予定の実施計画において、客観的な記録により長時間勤務が確認された教師に対し、持ち授業数の削減や校務分掌の組みかえを校長に義務づけるような個別の業務量調整の仕組みを導入すべきと考えますが、見解を伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 現在、県立学校におきましては、岩手県教職員働き方改革プラン(2024~2026)に基づき、校長が定期的に全教職員と面談を実施し、時間外在校等時間の状況を共有するとともに、学校における働き方改革の実践について意見交換を行っており、その中で、長時間勤務が確認された教職員については、要因を話し合い、改善につなげていくこととしております。
 県教育委員会としましても、慢性的な長時間勤務が確認された教職員については、長時間勤務の具体的要因や今後の取り組み方針について校長へのヒアリングを行って改善を促しており、そうした中で、複数顧問の配置による部活動指導の負担軽減や校務分掌の見直しなど、業務の平準化に向けた取り組みが進められています。
 昨年6月に成立しました改正給特法への対応として、現行の働き方改革プランを一部改定し、業務量管理・健康確保措置実施計画として位置づけることとしておりますが、その中でも、県立学校においては、管理職員の適切なマネジメントのもと、学校における業務改善や教職員の健康管理に取り組むこととしており、引き続き、学校と一体となって、業務の平準化など教職員の働き方改革に取り組んでまいります。
〇17番(柳村一君) 校長のマネジメント能力に期待するだけでは、なかなか改善されていかないと思うのですね。県教育委員会が責任を持って、これ以上の負担は容認しないという明確な基準を示すことが必要ではないかと考えますけれども、それが結果として子供たちに向き合う時間の質の向上につながると思いますが、そこら辺の明確な基準を示すお考えはないかお伺いします。
〇教育長(佐藤一男君) 現行のプランにおきましても、月80時間以上の教員の延べ人数は、令和5年度の1、004人から令和6年度には248人と減少しております。
 また、国は、令和11年度までに教員の1カ月の時間外等在校時間の平均を30時間程度にする目標を設定しておりますが、県立学校におきましては、令和6年度の実績で26.7時間となっております。この実施計画においても、しっかり教員の長時間勤務の是正、特に、特定の教職員の長時間勤務について是正を図りながら、職員の働き方改革を進めてまいりたいと思います。
〇17番(柳村一君) 教職員の働き方改革について聞くと、必ず教育長は高校のことはお話しされるのですけれども、小学校、中学校の教師も県職員です。やはりそこら辺まではしっかり手当てしてあげるべきではないか。市町村教育委員会に任せるのではなく、県もしっかりと指導していく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇教育長(佐藤一男君) 実施計画につきましては市町村ごとに策定しておりますが、国の同じ指針のもと、県が説明会の開催等しながら、今年度中に計画策定するということにしております。
 この計画策定後におきましても、しっかり進捗の管理とか意見交換しながら、県立だけではなくて、市町村立も含めて、よりよいものとなるように進めてまいりたいと思います。
〇17番(柳村一君) これからは、小学校、中学校も入れていただきながら答弁していただければと思います。
 次に移ります。教員が本来の職務である授業や子供と向き合う時間を確保するためには、外部人材による物理的な業務の切り離しが不可欠と考えます。
 計画の実効性を高めるため、スクールサポートスタッフの全校配置及び、演述にあった心理職等の専門職を必要なときに即応できる体制とするべきと考えますが、見解を伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 先ほど申し上げました業務量管理・健康確保措置実施計画として位置づけることとしている働き方改革プランでは、専門スタッフ配置により、教職員が、児童生徒への指導や教材研究に注力できる環境の構築を目指すとしております。
 スクールサポートスタッフにつきましては、小中学校、特別支援学校を合わせて116人分の配置に要する経費を令和8年度当初予算案に盛り込んでおりまして、今年度の47名から69名の増となる見込みです。
 また、生徒指導の諸課題につきましては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置し対応してきたところですが、関係部局と連携を図りながら、令和7年度から、新たに事務局内に心理職の職員を配置し、エリア型カウンセラー等で構成するいわて子どものこころのサポートチームの統括を行うなど、教育、心理、福祉等の各分野が連携した教育相談体制の充実を図っております。
 引き続き、外部人材の適切な配置、活用と、心理職等の高度な知識、経験を有する専門職配置などによりまして、複雑化、困難化する学校の諸課題に対応できるよう体制を強化し、学校教育の充実と教職員の業務負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。
〇17番(柳村一君) 外部人材の全校配置と即応体制の整備は、教員の命を守るだけでなく、子供たちが受ける教育の質を担保するための未来への投資です。予算の壁や人材確保の難しさはあると思いますけれども、岩手県の教育を支えるのは人であるという原点に立ち返って、大胆な人的支援体制を次期計画の目玉として打ち出していただきたいと思います。
 次に、働き方改革を実効性のあるものとするためには、業務の削減だけではなく、テクノロジーによる自動化を推進し、教員の事務負担を物理的に軽減する必要があると考えます。
 演述にある生成AIや最新技術の導入を単なる補助にとどめず、指導案作成や事務作業を自動化する全県一律のインフラとして整備し、教員の事務負担を物理的に軽減すべきと考えますが、見解を伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 校務への生成AIの活用につきましては、岩手県立総合教育センターにおきまして、今年度1年をかけて、県内の小・中・高等学校の各1校をモデル校として研究を進めてきており、その成果をまとめた校務における生成AI活用ガイドを年度内に作成する予定です。
 このガイドには、学校現場における文書や教材作成のほか、授業改善案のアイデア出しといった活用事例がまとめられており、来年度、このガイドをもとに、県内の各学校での生成AIの活用を推進していく予定であります。
 県教育委員会としましては、学校における活用効果を踏まえ、生成AIなどICTの活用を進めながら、教員の働き方改革に努めてまいりたいと考えております。
〇17番(柳村一君) 教育長任命権者の知事は、子供たちが将来に向かって可能性を伸ばし、自分の夢を実現できるよう、誰ひとり取り残さない学びや多様なニーズに対応した教育機会の確保、社会の変化や地域の期待に応える教育環境の整備などに取り組んでいく必要があると考えておりますと述べられました。
 その夢の実現を支える主役は教師です。子供たちのためにという善意に甘え、教職員の自己犠牲の上に成り立つ教育環境は、もはや限界を超えています。
 教職員の働き方改革は、単なる労働問題の解決ではなく、知事が掲げる、岩手県の未来を担う教育を完遂するための最も優先順位の高い施策と位置づけるべきだと思います。
 教育長の御英断に御期待申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
〇議長(城内愛彦君) 以上をもって柳村一君の一般質問を終わります。
   
〇議長(城内愛彦君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時49分 散 会

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