令和8年2月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇18番(佐藤ケイ子君) 希望いわての佐藤ケイ子でございます。登壇の機会を与えていただきました全ての皆様に感謝し、会派を代表して質問いたします。
 さきの衆議院解散総選挙は、高市首相によるいわば奇襲作戦とも受け取られる突然の実施となりました。真冬の短期決戦の中、十分な政策論戦の時間が確保されたとは言いがたい選挙となりました。本県からは与野党合わせて5名が当選され、地域の声が真に国政へ届くことを期待いたします。
 それでは、通告に従い質問いたします。
 知事が掲げる2026年ビジョンを着実に具体化し、本県の将来を切り開く立場から、世界に開かれた地方創生の実現について質問いたします。
 人口減少と若者流出が進む本県において、従来型の地域内循環のみでは持続的な成長は望めないと考えます。今求められているのは、海外の活力や投資、人材、技術を積極的に取り込み、岩手から世界へ挑戦する企業や人材を生み出す、外に開く成長戦略であります。知事には、先頭に立つ強いリーダーシップと成果目標を示すことを求めるものです。
 私は、日本で一番美しい県は岩手県であるという書籍に触れ、本県が厳しい自然の中で培ってきた精神の強さと独自の文化に改めて思いをいたしました。宮沢賢治が理想郷をイーハトーブと呼んだように、今こそその価値を世界へ発信するべきときであり、世界に開かれた岩手という知事の理念に強く共感するものです。
 まず、2026年に開催予定のスタートアップ国際会議と、世界に開かれたスタートアップ・エコシステムの構築について伺います。
 シンガポールのベンチャーキャピタルと連携した国際カンファレンス開催のための担当職員を配置するとのことであり、地方開催は極めて意欲的な挑戦であります。しかし、イベントに終わらせてはならないと考えます。
 開催の狙い、経済効果、誘致したい投資や人材、創出を目指すスタートアップ数などの具体的な成果をどのように見込んでいるのか伺います。
 また、起業家、大学、金融機関、企業、行政が連携し挑戦が連鎖する岩手モデルをどのように構築するのか。会議後も継続的な投資と連携につなげる戦略と覚悟を知事に伺います。
 次に、県政150周年記念事業についてです。
 記念式典や未来を担う人材の海外派遣、各種イベントが計画されていると聞きますが、次の50年、100年をどう築くのかという未来志向のメッセージを国内外へ発信する機会と位置づけるべきであります。
 さらに、大谷翔平選手のパネルを全小学校へ寄贈するとのことですが、子供たちが世界を目指す志を育む教育的効果をどのように高めていくのか、将来像とあわせて伺います。
 さらに海外戦略についてです。
 タイやシンガポールでのトップセールスも予定されておりますが、重点地域をどこに定め、輸出拡大などの海外展開をどのように後押しするのか。
 また、物流高度化の鍵となる内陸保税蔵置場、いわゆるインランドデポの設置については、物流業界が中心に研究会を設置する動きがありますが、県として海外戦略のために主体的に関与し、実現に向けた工程表を描くべきと考えますが、県の考えをお伺いいたします。
 次に、地方創生関連施策を一体的に推進する戦略について伺います。
 再編が進む地方創生交付金は、待ちの姿勢ではなく、戦略的に獲得し最大限活用することが重要であります。デジタル田園都市国家構想交付金から新しい地方経済・生活環境創生交付金へ、さらに地域未来交付金へと移行する中、強い経済の構築に向けた地域未来推進型やデジタル実装型、地域防災緊急整備型などのさまざまな支援類型が用意されている地域未来交付金を活用して、どの分野に重点投資するのか。市町村や民間への伴走支援を含め、県の司令塔機能が問われていると考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。
 あわせて、関係人口の拡大に向けたふるさと住民登録制度についてです。
 総務省は、スマートフォンアプリによる登録モデル事業を全国展開する方向であり、本県でも官民協働のネットワーク形成に向け新年度予算を計上しております。
 登録者を移住や投資、仕事づくりへと結びつける仕組みをどのように構築するのか、課題をどう認識しているのか伺います。
 次に、農業施策についてです。
 近年、異常気象の頻発や国際紛争の長期化により世界の食料供給は不安定化し、食料安全保障は国家の根幹にかかわる課題となっています。加えて、円安の進行により肥料、飼料、燃油価格は高どまりし、経費は増加する一方、販売価格への転嫁は十分に進まず、離農や耕作放棄地の増加が各地で進行しております。もはや、本県農業は構造的危機の真っただ中にあると言っても過言ではありません。
 政府は食料自給率を45%へ引き上げる目標を掲げておりますが、その実現は、地方の生産力なくして成り立ちません。岩手県の農業こそが日本の食を支えているとの自覚のもと、持続可能な体制構築が急務であります。
 県は、いわて農業生産強化ビジョンにおいて、農地集積率の向上やリーディング経営体の拡大など意欲的な目標を掲げ、就農支援において一定の成果も上げているものの、これらの数字が現場の安心感に直結しているとは言いがたいのが実態であります。
 全国では、10年後に担い手が未定の農地が3割を超えるとの指摘があり、本県においても、自分の代で終わり、後継者がいないとの声が各地で聞かれます。目標達成以前に農地そのものが失われかねない深刻な状況を踏まえ、以下、具体的に伺います。
 第1に、担い手の定着支援と地域を支える中核経営体の育成についてです。
 新規就農者数の確保だけでなく、就農後の離脱防止こそ最大の課題です。就農後5年間を経営定着期と位置づけ、定期的な経営診断や販路支援を行う伴走型支援へ転換すべきではないでしょうか。また、単に経営体の数をふやすのではなく、農地の受け入れ、新規就農者の研修、作業受託など地域を支える役割を担う地域中核経営体として支援するなど、量から質へ政策の軸足を移す必要があると考えます。
 新年度予算案にはニューファーマー支援事業や農業支援サービス事業加速化総合対策事業費が計上されていますが、これらをどのように定着支援と中核経営体の育成に結びつけていくのか、県の方針を伺います。
 第2に、農地対策についてです。
 集積率の向上を掲げても引き受け手がいなければ実効性が伴いません。担い手があらわれるまで県や関係機関が農地を一時的に保有、管理する地域農地引受法人など、受け皿機能を県主導で整備すべきではないでしょうか。
 農業経営基盤強化促進対策事業費や所有者不明農地対策事業費などを踏まえ、農地を守る最後のとりでとして、県がどこまで責任を担うのか、見解をお伺いいたします。
 第3に、海外展開についてであります。
 米、リンゴ、牛肉の輸出拡大を掲げながら、物流や小ロット集荷体制が脆弱なままでは実効性に欠けます。冷蔵、検疫、通関機能を備えた内陸型物流拠点を整備し、県がまとめて出荷する体制を構築することが不可欠であると考えます。
 農林水産物輸出強化事業費等が計上されていますが、具体的な工程と実現に向けた決意をお示し願います。
 次に、誰ひとり取り残されない地域共生社会の実現に向けた福祉施策について3点伺います。
 まず第1点目は、高齢者ひとり世帯の終活支援についてであります。終活とは、人生最後に向けた活動のことです。
 岩手県における高齢化率は2025年に36%に達し、単身高齢者の割合も全国平均を上回っています。中でもひとり暮らし高齢者は、孤立、孤独死リスクに加え、亡くなった後の手続や身辺整理への不安を抱えております。
 一例として、福岡市社会福祉協議会の死後事務支援は、預託金方式で葬儀や納骨、各種解約手続までを担い、早期からの終活相談で安心感を提供しております。終活、死後事務の社会的ニーズは全国的に高まっており、公共性、信頼性の担保が不可欠であります。
 一方、民間サービスには高額負担や事後対応の不透明性が指摘されており、非営利型支援の仕組み整備が求められています。また、県内の中山間地域では、こうした支援機会すら存在せず、地域格差が生じています。
 そこで、県として、増加する高齢単身世帯の現状をどのように把握し、終活、死後事務支援の相談体制や制度設計をどのように進めるのか、見解を伺います。さらに、市町村社会福祉協議会やNPOと連携した非営利型支援の仕組みづくりに、県として具体的な支援策や財政的支援を講じる考えはあるのか、あわせて伺います。
 2点目は、重層的支援体制整備事業についてです。
 ひきこもり、生活困窮、介護負担と子育ての同時負担など複合的な課題を抱える人々に対し、制度の縦割りを超えた支援が必要であります。重層的支援体制整備事業は、分野横断での伴走支援を可能にする重要な枠組みであり、地域共生社会のかなめとなります。しかし、国の交付金が大幅に縮減される方向との報道があり、自治体の財政負担増や事業縮小を危惧する声が上がっています。
 本県では、9市町が重層的支援体制整備事業を実施しており、生活困窮や孤立化の早期発見、関係機関との連携体制が一定程度整備されつつあります。しかし、今後実施を検討している自治体がある中で、交付金の縮減が地域の支え合い基盤そのものを揺るがす可能性があります。
 県の新年度予算では、重層的支援体制整備事業に5億9、800万円、前年比6、500万円増が計上されていますが、今後、交付金縮減の影響額、影響範囲の見込みはどの程度か、また、市町村と連携した今後の推進方針、交付金縮減に対して国にどのように財源確保を求めていくのか。
   〔議長退席、副議長着席〕
 さらには、県としての独自予算措置や支援の強化方針があるのか伺います。
 3点目は、訪問介護の持続可能性についてです。
 全国的に訪問介護サービスが提供されない自治体や単一事業所しかない地域がふえています。特に過疎地では、利用者数の少なさに加え、人材不足、移動負担の大きさから採算性が確保できず、事業者倒産、撤退が相次いでいます。
 岩手県は、中山間地域が多く、高齢化率が高い一方で、訪問介護事業所の配置密度は都市部と比べて低く、空白地域が散見されます。訪問介護が途絶えれば施設入所や不必要な入院がふえ、結果として医療、介護費の膨張を招くおそれがあることから、次のような抜本的対策が必要と考えます。
 一つ目は人材確保策―処遇改善、定着支援、資格取得支援、二つ目として事業者支援―運営費補助、広域連携、移動交通費補填、三つ目としてICT活用など新たなサービスモデルの推進であります。
 そこで、訪問介護の空白地域を生まないため、県がどのような支援策を講じるのか。特に処遇改善やICT活用による効率化策について、具体的な取り組みについて伺います。
 また、市町村、地域包括支援センター等との連携による広域的な提供体制づくりの方針を示すとともに、住みなれた地域で安心して暮らし続けられる社会の実現は、県政の基本責務であることから、これらの課題に真正面から取り組む決意について伺います。
 次に、多様な学びの場の確保について伺います。
 不登校児童生徒数は年々増加しており、本県においても、令和6年度には小中学校で2、685人、高校で666人に上っています。不登校は、もはや一部の子供の問題ではなく、社会全体で支えるべき課題となっております。全国では、不登校児童生徒に対する多様な学びの場を確保するため、学びの多様化学校の設置が進められ、令和7年7月現在、19都道府県、10政令指定都市に58校が設置されています。
 こうした動きは、教育委員会に限らず、首長の強いリーダーシップのもとで進められている点が特徴であります。本県では県立高校における学びの多様化学級の検討が始まりそうですが、多様な学びの場の確保について3点伺います。
 まず1点目は、フリースクール支援についてです。
 長野県では、学校に行けない、または行かない選択をした子供たちの学びの場を保障するため、信州型フリースクール認証制度を導入しています。居場所支援型、学び支援型のフリースクールを認証し、人件費や施設整備への補助を行うとともに、研修会の開催、情報発信、学校との連携支援員の配置など、包括的な支援を実施しているということです。特筆すべきは、この制度が教育委員会ではなく、知事部局である県民文化部こども若者局が主管し、知事の政策の柱として位置づけられている点であります。
 本県においても、教育委員会の枠にとどまらず、知事部局が主体となってフリースクール支援を行い、多様な学びの選択肢を確保する必要があると考えますが、所見を伺います。
 2点目は、夜間中学の開設についてです。
 義務教育を十分に受けられなかった方々の学び直しの場である夜間中学は、教育機会確保法―義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の成立を契機に全国で設置が進み、令和7年度には32都道府県で62校と倍増しています。不登校などで十分に学べなかった既卒業者にとっても、重要な選択肢となっています。
 文部科学省は、令和9年度までに全ての都道府県、政令市に少なくとも1校の設置を促しておりますが、本県では現時点で開設予定がありません。公共交通や冬季事情を理由とする声もありますが、居住地によって学ぶ機会が制限されてはならないものと考えます。
 文教委員会で視察した香川県三豊市では、市立中学校に夜間学級と学びの多様化学校を併設し、比較的少ない予算で運営されていました。ここでも首長の強い意思が実現の原動力となっておりました。
 本県においても、知事部局が主導し、市町村と連携した夜間中学の設置を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 3点目は、不登校の親の会への支援についてであります。
 不登校の親の会は、当事者である保護者同士が悩みを共有し、孤立を防ぐ重要な役割を担っていると聞きます。本県には現在6団体あるとされておりますが、運営者同士の研修や情報交換の機会は十分とは言えない状況にあります。
 県として、親の会の実態を把握するとともに、運営者の研修や情報交換の場を設け支援策を検討すべきと考えますが、県の対応を伺います。
 最後に、男女共同参画施策の推進について伺います。
 男女共同参画社会基本法の制定から27年目になります。同法は、男女共同参画社会の実現は21世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置づけ、DV防止法―配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律や女性活躍推進法―女性の職業生活における活躍の推進に関する法律など制度の整備は進んできました。しかし、賃金格差や固定的性別役割分担意識、アンコンシャスバイアス―無意識の偏見はいまだに根強く、若者や女性の都市流出も続いています。本県の人口減少対策を進める上でも、ジェンダーギャップの解消は避けて通れない政策課題であります。
 県は、令和7年度県政方針において、人口減少対策の中核にジェンダーギャップ解消を掲げ、女性活躍を牽引する人材育成や家事、育児シェアの促進、固定的性別役割分担意識の解消等を盛り込みました。新年度予算案にも計上されていますが、予算規模や実践人材の配置は十分とは言いがたい状況にあります。意識啓発にとどまらず、雇用、賃金、管理職登用、働き方改革など具体的成果に結びつく施策へと踏み込む必要があると考えます。
 そこで伺います。ジェンダーギャップ解消を人口減少対策の柱として、どのような数値目標と工程をもって実効性ある施策を展開していくのか、知事の所見を伺います。
 次に、男女共同参画センターの充実についてです。
 岩手県男女共同参画センターは、これまで啓発や相談事業を通じて一定の役割を果たしてきました。一方、DV、孤立、貧困、若年女性支援など課題が複雑化する中、単なる講座実施の場ではなく、県全体の施策を牽引する中核拠点としての機能強化が求められております。
 現在は業務委託により運営されていますが、相談スペースの問題、専門人材の確保、低賃金など問題もあります。また、県の計画との連動性や重点目標が外から見えにくく、県の主体的関与が十分とは言えない状況にあると考えます。
 センターが市町村職員研修や好事例の共有、人材育成を担う広域支援拠点となること、さらに福祉、警察、医療機関等と連携した相談支援のハブとして継続支援体制を構築することが不可欠であります。加えて、学校や若者、NPOと協働し、次世代の担い手育成につながる開かれた拠点へ転換すべきと考えます。
 県として、センターを男女共同参画施策の中核機関と明確に位置づけ、評価指標の設定や人的、財政的支援を強化し、その機能をどのように高めていくのか、見解を伺います。
 次に、パートナーシップの制度化についてです。
 性的マイノリティーのカップルを公的に認めるパートナーシップ制度は、2015年の渋谷区、世田谷区を皮切りに全国へ広がり、現在では500を超える自治体が導入し、人口カバー率は約9割に達しています。さらに、都道府県単位でも31県が制度化しています。
 本県でも、パートナーシップ導入指針を策定し15市町村での導入が進んでいますが、町村など未導入自治体が残り、転居時の手続や行政サービス利用に不均衡が生じています。
 全ての県民が安心して暮らせる環境を整える観点から、県が主体となり全県を対象としたパートナーシップ制度を条例化すべきと考えますが、見解を伺います。
 以上、前向きな答弁を期待いたしまして質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 佐藤ケイ子議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、国際スタートアップカンファレンスの開催とスタートアップ・エコシステムの構築についてでありますが、スタートアップの創出、育成に向けては、人材、ネットワークの構築、資金供給の強化などの取り組みが重要であり、国のスタートアップ育成5か年計画においても取り組みの柱とされています。
 本県が、シンガポールのベンチャーキャピタル、インシグニア・ベンチャーズ・パートナーズとの連携により、令和8年度に開催する国際スタートアップカンファレンスは、こうした取り組みを新たに地方から行うものであり、国内外から参加した起業家、投資家等とのネットワークの構築により、県内スタートアップの成長機会の創出を図ることが狙いです。
 現在、具体的な開催内容を調整しているところでありますが、現時点では200名程度の参加を見込んでおり、国内外の投資家と県内外のスタートアップとのビジネスマッチングによる事業拡大や投資の実現を目指してまいります。
 また、インシグニア・ベンチャーズ・パートナーズは、起業家等を育成するアカデミーの本県での開設を計画しており、今後、カンファレンスの開催とアカデミーの取り組みを連動させながら、継続的なスタートアップの育成と成長を図ることとしております。
 県内はもちろん、国境や県境を越えて起業家や投資家が岩手県に集うことで、岩手県を舞台にした交流や連携、協業を通じた新たなビジネスや投資を生み、スタートアップの育成や成長の好循環を創出する世界に開かれたスタートアップ・エコシステムをつくる取り組みを県内産学官金と連携しながら進め、岩手県をスタートアップ創出の拠点にする第一歩を踏み出してまいります。
 次に、県政150周年記念事業についてでありますが、県内の小学校と連携して実施した岩手・夢アンケートにおいて、非常に多くの児童から大谷翔平選手の名前が挙げられたことから、今年度、県内全小学校へパネルの提供を行ったところです。
 大谷選手は、岩手県150年の歴史が育てた夢と希望の代表であり、児童の皆さんが、大きな夢や大谷選手のような向上心を持ち、新たな岩手県の歴史を築くことを期待しています。
 このような取り組みに加え、令和8年度は、県政150周年記念期間の最終年度となりますことから、未来志向のメッセージを国内外に発信する機会となる記念式典、記念イベントの開催や岩手県の未来を担う高校生等の海外派遣など、締めくくりにふさわしい事業を予定しており、さらに、岩手県の歩みを後世に伝え残す岩手県史の作成について検討を進めます。
 こうした岩手県の歴史を振り返り、岩手県の未来を展望する県政150周年記念のさまざまな事業を通じ、県民一人一人が夢を持ち、みずからの夢に向かって行動する未来を描くことができる機会となるよう取り組みを進めてまいります。
 次に、重点地域を見据えた海外戦略とインランドデポについてでありますが、海外展開については、いわて国際戦略ビジョンにおいて、輸出動向や経済成長の見通しなどをもとに高い効果が期待できる東南アジアや北米などを重点地域と定め、戦略的にトップセールスやバイヤー招聘などを実施しており、これらの取り組みを継続し、さらなる輸出拡大を図ってまいります。
 輸出入貨物については、盛岡貨物ターミナルにおいて既にインランドデポが運営されておりますが、県内の意欲ある物流事業者が、インランドデポのさらなる設置に向けた検討を開始していることは、世界に開かれた地方創生を推進していく上でも意義あるものと考えております。
 こうした取り組みを拡大していくためには、相当量の貨物を安定的に確保していくことが必要であり、県としては、他県の事例や荷主企業のニーズの把握などに協力しつつ、関係者とともに研究してまいります。
 次に、地方創生関連施策の戦略的推進と交付金の活用についてでありますが、県ではこれまで、国の地方創生の交付金も活用しながら、ヘルステック・イノベーション・ハブやいわて半導体関連人材育成施設―I-SPARKの整備、DX、GXの活用による農林水産業の高度化など、本県の特徴を生かした産業施策を推進してまいりました。
 こうした中、国においては、地域未来交付金を創設するとともに、昨年末に地方創生に関する総合戦略を策定し、強い経済の実現に力点を置いた地域未来戦略の推進が打ち出されました。
 その上で、都道府県は、地域産業クラスターの形成、拡大や地場産業の成長に向けた地域産業成長プランの策定が求められています。
 本県としては、こうした国の動きを好機と捉え、世界に開かれた地方創生をさらに進めるため、市町村、関係団体等と連携し、地域産業成長プランを取りまとめる予定です。
 また、地域未来交付金を初めとする国の財政措置を十分に活用しながら、本県経済の強みであるものづくり産業や県内各地で基盤となる地場産業を中心に、官民での積極的な投資喚起につながる戦略的な取り組みを推進してまいります。
 次に、ふるさと住民登録制度による関係人口拡大についてでありますが、人口減少の進行に伴う地域の担い手不足が懸念される中で、地域外の人材が地域と多様にかかわる関係人口の重要性がますます高まっています。
 国が検討を進めているふるさと住民登録制度においては、関係人口の可視化を図るアプリの開発や、これを用いたモデル事業の実施などが予定され、令和8年度末までに、希望する全国の自治体で利用可能になることが見込まれています。
 この制度の本格的な導入に備え、県では、来年度新たに市町村と連携した官民協働による関係人口拡大のプラットホームを構築するとともに、統一アイコンを用いたPR活動やふるさと納税の普及拡大等を展開することとしております。
 こうした取り組みを通じ、多様な取り組み事例の共有と優良事例の横展開を図りながら、登録者と地域との関係を深めていく全県的な取り組みを進めることにより、地域の受け入れ体制の強化や県民の機運醸成といった課題にも対応し、ふるさと住民登録制度に呼応したさらなる関係人口の量的拡大・質的向上を推進します。
 次に、担い手育成についてでありますが、県では、いわて農業生産強化ビジョンにおいて、従事者の減少、高齢化が進む中でも、食料供給基地としての役割を果たしていくため、施策推進の柱に産地づくりを支える人材の確保・育成を掲げ、新規就農者の早期定着やリーディング経営体の育成などに取り組んでいます。
 新規就農者の早期定着に向けては、地域ごとに、市町村、JA等と構成するサポートチームにおいて、就農から5年間の経営計画作成を支援し、就農後は、経営上の課題分析、栽培技術等の習得、販路開拓への支援などに取り組んでいます。
 経営体の育成に向けては、関係機関、団体と連携し、いわてアグリフロンティアスクールによる経営感覚の醸成や、税理士等の専門家派遣による法人化、多角化、機械、施設の導入への支援などに取り組んでいます。
 令和8年度当初予算案では、新たに、就農希望者と先輩農業者等との交流会や50歳以上の新規就農者も対象とした機械等の導入支援のほか、地域農業の担い手が行う農作業受託の拡大などへの支援に要する経費を盛り込んでおり、今後も、産地づくりを支える人材の育成に積極的に取り組んでまいります。
 次に、海外展開についてでありますが、本県の輸出重点品目である米、リンゴ、牛肉については、JA等の事業者と商社や輸出事業者による物流が構築されています。
 また、県内には地理的表示、いわゆるGI産品など、少量ながら多彩な農林水産物が数多くありますが、こうした品目を輸出しようとする場合、物流コストの低減に向け、多品目との混載や共同配送など効率的な物流網の構築が課題と捉えています。
 このため県では、物流事業者が主体となった研究会を立ち上げる動きも踏まえ、関係者とともに内陸型物流拠点の整備を研究していくとともに、令和8年度当初予算案に、新たにGI産品などのトライアル輸出への支援に要する経費を盛り込んでおり、今後も、関係機関、団体等と連携し、輸出に取り組む小規模事業者を支援してまいります。
 次に、高齢者ひとり世帯への終活支援についてでありますが、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、本県においては、今後、総世帯数は減少する一方で、高齢者単独世帯数は増加し、その割合も、2025年の15.1%から2040年には19.6%に増加することが見込まれており、身近に頼れる親族のいない高齢者に対する生活の維持への支援がますます重要になってきます。
 亡くなった後の手続等の死後事務支援については、現在、国において、金銭管理等の日常生活支援を行う日常生活自立支援事業の拡充や、意思決定支援を行う成年後見制度の見直しが検討されています。
 県としては、国の検討状況に対応しつつ、日常生活自立支援事業については、幅広い利用ができるよう、国に対して必要な財政措置を要望するとともに、成年後見制度については、市町村社会福祉協議会やNPO法人に対する活動支援を行うなど、引き続き、身寄りのない高齢者への日常生活支援や権利擁護の充実に取り組んでまいります。
 次に、訪問介護事業所に対する支援についてでありますが、県では、介護職員1人当たり、最大で月額1万9、000円相当の賃上げ支援や、県土が広い本県の特性を踏まえた移動経費の支援に向けた準備を進めているほか、業務改善、効率化を一層推進するため、来年度当初予算案に介護テクノロジーの導入補助金の拡充を盛り込むなど、人材確保や経営の安定化につながる取り組みを多面的に展開していくこととしております。
 また、広域的なサービス提供については、複数法人が協働で採用や物品調達を行うなど、法人間の連携促進による経営体制の強化を図るほか、ICTを活用し、地域包括支援センター等の関係機関と事業者を広域ネットワークでつなぐモデル事業を実施するなど、訪問介護サービスを広域で提供し、地域全体で支える体制づくりを推進することとしています。
 引き続き、地域の訪問介護サービスに空白を生じさせないという方針のもと、住みなれた在宅での生活を望む県民誰もが、安心して訪問介護サービスを利用できる持続可能な体制の構築に向けて、現場と危機感を共有して取り組みを推進してまいります。
 次に、フリースクール支援についてでありますが、フリースクールは、子供たちの居場所としての役割を担うほか、学習支援や体験活動を行うなど児童生徒の状況等に合わせた取り組みを行っており、その運営形態や運営状況、規模、活動内容等はさまざまであると承知しております。
 フリースクールに対する支援は、全国的に地域の実情に応じてさまざまな取り組みが行われており、近年は、運営費に対する補助など経済的な支援に取り組む自治体が徐々に増加しているものと承知しております。
 こうした中、全国知事会では、昨年7月、国に対し、教育支援センターやフリースクールなど、学校以外の多様な居場所や学びの場の整備・運営に対する支援の充実と不登校児童生徒への支援を行う民間施設等に関する支援の考え方の整理を要望しております。
 県では、教育委員会と関係部局が連携しながら、国の動向や他県の取り組みなどの情報を収集しつつ、フリースクールへの支援のあり方について検討を進めていく必要があると考えております。
 次に、夜間中学についてでありますが、夜間中学は、義務教育を受けられなかった人やさまざまな事情で学校生活に困難を抱えた人々が、学び直しや基礎的な学力を身につけるための場であり、全国的には、主に市町村による設置が進んでいるものと承知しております。
 県教育委員会においては、これまでに行った夜間中学のニーズ調査によると、学びの場を必要としている人の多くは、現在不登校の生徒であることから、まずは、学び直しを含めた柔軟な教育課程の編成が可能となる学びの多様化学校の県立高校への設置を検討することとしたものと承知しております。
 県教育委員会には、引き続き、市町村教育委員会と連携し、学び直しを希望する方々の丁寧なニーズ把握に努めながら、多様な教育機会の確保に向けた取り組みを進めてもらいたいと考えております。
 次に、不登校の親の会への支援についてでありますが、県内には、不登校を初め、子供に関する悩みを持つ保護者が集まって、情報交換や勉強会、研修会等の活動を行っている団体がありますが、不登校対策においては、保護者が悩みを抱えて孤立しないよう、適切な情報提供や支援を行うことが重要です。
 こうした中、県教育委員会が、フリースクールなどの民間団体等とともに毎年度開催している不登校支援フォーラムにおいては、保護者や親の会などの団体に対して、専門家の助言や情報交換の場を設けるなど、必要な支援に取り組んでいるところです。
 県教育委員会には、さまざまな主体との連携を図り、不登校児童生徒の保護者や親の会などの団体への支援に取り組んでもらいたいと考えております。
 次に、ジェンダーギャップの解消についてでありますが、ジェンダー平等は、そもそも基本的人権の問題であり、これまでも、いわて男女共同参画プラン等に基づき施策を推進してきましたが、人口減少対策の観点からもジェンダーギャップの解消が重要であります。
 令和8年度当初予算案においても、ジェンダーギャップの解消を人口の自然減・社会減対策の機軸に位置づけ、若者や女性に魅力ある雇用・労働環境の整備や女性管理職登用の促進などの事業を盛り込み、今年度を上回る予算規模としています。
 今定例会に提出している新たないわて男女共同参画プランでは、労働者総数に占める女性の割合や女性活躍に取り組む認定企業数のさらなる増加、女性の全国との賃金格差の縮小等を目標に掲げ、計画的に施策を推進していくこととしております。
 今後も、いわて女性の活躍促進連携会議やいわてで働こう推進協議会など全県的な枠組みを通じて、雇用労働環境の改善などの取り組みを推進し、オール岩手でジェンダーギャップの解消に取り組んでまいります。
 次に、岩手県男女共同参画センターについてでありますが、男女共同参画センターは、男女共同参画の実現に向けた情報、学習、相談、交流の四つの機能に基づく取り組みを推進しており、ジェンダーギャップの解消を図る上で重要な役割を担っています。
 その運営に当たっては、県が定める業務内容及び数値目標を達成するため、学識経験者等で構成する運営協議会において毎年度の数値目標に基づく評価を行い、多様な団体等との協働による事業や関係機関と連携した相談支援などを効果的に展開してまいりました。
 次期プランでは、センターが担う役割の重要性を踏まえた新たな取り組み推進の拠点と位置づけており、今後は、地域におけるジェンダーギャップの解消に向け、センターが養成する男女共同参画サポーターの実践的なスキルの向上を図り、市町村との協働をより一層推進するなど、男女共同参画センターの拠点機能をさらに充実してまいります。
 次に、パートナーシップ制度についてでありますが、性的マイノリティーの方の中には、性的指向などを理由に生きにくさを抱える方がおられると承知しており、一人一人が尊重される暮らしやすい社会を実現していく上で、パートナーシップ制度は意義あるものであります。
 県では、パートナーシップ制度の導入に関する指針を策定し、市町村の制度導入を後押ししてきており、現時点で15市町が導入済み、3市町が本年4月から導入予定のほか、検討中の市町村も複数あるところであります。
 また、本県でパートナーシップが成立した件数は東北地方で最も多く、制度利用が浸透してきております。
 制度を実効性あるものにしていくためには、基礎自治体である市町村での導入が進むことが重要と考えており、まずは、市町村を支援することにより、県全体でのさらなる制度普及を図り、一人ひとりが認め合い、支え合い、自分らしく生きられるいわての実現を目指してまいります。
 質問2、農業施策について、(2)農地対策について答弁をしておりませんでしたので、今、その答弁をさせていただきます。
 農地対策についてでありますが、本県では、農地中間管理機構である岩手県農業公社が、農家等の農地を借り入れ、受け手が確保されるまでの保全管理や貸し付けを行い、同公社を中心に関係機関、団体が一体となって地域農業の核となる担い手等への農地集積の取り組みを進めており、農地中間管理機構による貸付面積や新規集積面積で全国トップクラスとなっております。
 一方、令和7年3月までに県内全ての市町村で策定された410の地域計画では、担い手不足や所有者が不明な農地の存在などにより10年後の後継者が定まっていない農地、いわゆる白地農地が、農地全体に占める割合は約4割となっております。
 このため県では、地域計画の実現とブラッシュアップに向け、今年度、モデル地区を14地区設置し、新たな集落営農組織の立ち上げなどによる白地農地の解消に取り組むとともに、令和8年度は、新たに専門家と連携した所有者不明農地の所有者特定に向けた取り組みを支援することとし、当初予算案に必要な経費を盛り込んでおります。
 こうした取り組みを通じて、担い手への農地の集積、集約化が加速するよう、関係機関、団体と一体となって取り組んでまいります。(18番佐藤ケイ子君「答弁漏れありますよね」と呼ぶ)失礼いたしました。3、福祉施策について、(2)重層的支援体制整備事業について答弁させていただきます。
 本事業は、複雑化、複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制の整備を目的としており、今年度は実施が9市町村に拡大しています。
 国は、実施自治体の増加に対応するため、事業開始から5年を経過した市町村への交付割合を引き下げるなど、事業を見直すこととしています。
 この見直しによる県内への影響については、現時点では影響額を精査中とする市町村があるものの、いずれも現行の体制を維持すると伺っています。
 包括的な支援体制の整備には、介護、障がい等の各分野の支援者の対応力向上や関係機関の連携強化に継続して取り組むことが重要であります。
 このため、国に対しては、市町村事業が円滑に進むような制度運用、財政措置について引き続き要望するとともに、市町村に対しては、それぞれの実情に応じて、伴走的支援を行うアドバイザーを派遣するほか、体制の整備を行う上で有効な生活困窮者自立支援制度の推進などに取り組んでまいります。
〇副議長(佐々木努君) 以上をもって佐藤ケイ子さんの一般質問を終わります。
   
〇副議長(佐々木努君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時39分 休 憩
   
出席議員(43名)
1  番 田 中 辰 也 君
2  番 畠 山   茂 君
4  番 千 葉 秀 幸 君
5  番 菅 原 亮 太 君
6  番 村 上 秀 紀 君
7  番 松 本 雄 士 君
8  番 鈴 木 あきこ 君
9  番 はぎの 幸 弘 君
10  番 高橋 こうすけ 君
11  番 村 上 貢 一 君
12  番 工 藤   剛 君
13  番 小 林 正 信 君
14  番 千 葉   盛 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 高 橋 穏 至 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 高 田 一 郎 君
26  番 木 村 幸 弘 君
27  番 吉 田 敬 子 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 岩 渕   誠 君
30  番 名須川   晋 君
31  番 軽 石 義 則 君
32  番 佐々木 朋 和 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城 内 愛 彦 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
39  番 斉 藤   信 君
40  番 工 藤 大 輔 君
41  番 小 西 和 子 君
42  番 高 橋 はじめ 君
43  番 関 根 敏 伸 君
44  番 佐々木 順 一 君
45  番 岩 崎 友 一 君
46  番 千 葉   伝 君
47  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(2名)
3  番 大久保 隆 規 君
15  番 上 原 康 樹 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後2時59分 再開
〇副議長(佐々木努君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。工藤大輔君。
   〔40番工藤大輔君登壇〕(拍手)

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