令和8年2月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇21番(臼澤勉君) 自由民主党の臼澤勉です。2月定例県議会におきまして、代表質問の機会をいただきました同僚議員各位に対しまして、衷心より感謝を申し上げます。
 また、衆議院議員選挙で、我が自由民主党に対し有権者の皆様から大きな信任をいただきましたことに、重ねて感謝を申し上げます。その期待の大きさに身が引き締まる思いでありますが、引き続き、県民の皆様の声を丁寧に拾いながら、物価高や経済対策を初めとする県政の諸課題の解決に一丸となって取り組んでまいります。
 それでは、会派を代表して質問いたします。
 まず初めに、知事は、今回の衆議院議員選挙の結果について、誰も望んでいなかった選挙で、誰も望んでいなかった結果が出たと問題発言されました。
 誰も望んでいなかったとは、有権者の何割を指す言葉なのでしょうか。今回の投票率は59%と前回を上回り、与党3議席、野党2議席という結果でありましたが、これが民意ではないとするなら、知事が認める民意とは何か、簡潔にお示し願います。
 次に、知事は、安保法制について、憲法の平和主義、立憲主義の観点から到底納得できず、将来にわたり禍根を残すと厳しく批判、辺野古代執行を不適切、民主主義の崩壊、さらに県政では、2030年度の再生可能エネルギー電力自給率66%と原発に依存しない社会像を掲げてこられました。
 ところが、知事が実質的に支持する中道改革連合は、選挙直前に、安保法制を合憲、辺野古移設を現実的に継続、安全性が確認された原発の再稼働を容認する基本政策を掲げました。
 かつて立憲主義の破壊、民主主義の崩壊とまで述べた立場と、これらを容認する勢力への実質的支持は、思想的にどのように整合するのでしょうか。
 知事はこれまで、オール岩手として野党共闘の支援を受けてきましたが、安保容認、原発再稼働容認を掲げる中道改革連合を実質的に支持することは、これまで知事を支えてきた支持層が掲げる旗をおろすに等しい選択ではないでしょうか。
 知事の政治信条が変わったのか、それとも判断基準が変化したのか。政治的信条の一貫性について明確に説明をお願いいたします。
 次に、中道改革連合の財政政策に対する評価について。
 財政規律を過度に重視し抑制的な財政スタンスをとることは、結果として、岩手県への大規模投資の機会を逸し、地域間競争においておくれをとるリスクを高めるのではないかと危惧いたします。
 そこでお伺いいたします。知事は、今回の選挙における中道改革連合の財政政策が、本県の産業振興と県民所得の向上、さらには将来的な財政基盤の強化にどのように資すると判断されたのか、その具体的根拠をお示し願います。
 次に、危機管理投資、食料安全保障の確立に向けた施策について。
 本県農業の持続可能性を考えた場合、老朽化したインフラの更新を急ぐ自由民主党の投資路線と、年2.3兆円規模の食料直接支払制度を柱に所得を補う中道改革連合の補償路線、岩手県の実情に照らし、どちらが現実的で発展的であるとお考えでしょうか。
 また、財源が限られる中、補償重視は基盤整備予算の抑制につながる懸念があり、県として整備予算を国に要望しながら、政治的には補償重視政党を全面支持する姿勢は、整合的と言えるのでしょうか。
 県内では71地区で圃場整備が現在進行中であり、工期は約10年を要するほか、農業共同利用施設も30年を超える施設が125施設、全体の7割強に及ぶ中、成長投資である基盤整備と所得補償的政策のいずれを優先するのか、知事の政治的判断を明確にお示し願います。
 以下の質問につきましては、質問席で行いますので、御了承をお願いいたします。
   〔21番臼澤勉君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 臼澤勉議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、誰も望んでいなかったという発言についてでありますが、ことし1月初めの時点で、誰が今回のような解散総選挙を望んでいたでしょうか、と思うわけであります。
 1月23日に通常国会が冒頭で解散され、16日後の投開票が閣議決定されました。誰が通常国会の中止を望み、誰が戦後最短の日程での選挙を望んでいたでしょうか、と思うわけです。戦後、通常国会冒頭での解散の例がありましたが、そのときは、野党や世論から衆議院解散が強く求められていました。
 以上のような経緯に鑑み、私は、誰も望んでいなかった選挙と申し上げております。
 そして、誰も望んでいなかった結果ということでありますが、誰が自由民主党単独で衆議院の3分の2以上、与党としては4分の3以上という国会の構成を望んでいたでしょうか、と思うわけです。自由民主党は実は330議席当選していたのですが、比例候補の数が足りなかったブロックがあり、14議席を他の政党に譲渡しました。自由民主党も実際に起きた結果を事前には望んでいなかったことになります。
 戦後かつてなかったような解散総選挙で、戦後かつてなかったような国会の構成になったわけでありますが、そこにどのような民意を解釈するかについては、マスコミの分析や有識者の解説でも多様な解釈が提起されており、民意を簡潔に示すのが大変難しい選挙になったと思います。
 次に、安保法制と政治信条についてでありますが、議員御指摘の1月16日の知事記者会見での中道改革連合についての発言ですが、私はまず、体制や政策など中身についてはまだ見えてきていないと述べ、政治と金の問題や戦争と平和及び人権の問題で、公明党が自由民主党との連立を解消したその理由に共鳴する勢力の結集が、岩手県の政治の正常化、日本の政治の正常化というテーマになるなら応援するかもしれないという趣旨を述べました。
 安保法制については、運用の仕方によって、日本がかつて大日本帝国の時代に他国の領土で行ったような武力による威嚇や武力の行使を認めるおそれがあるので、私は、日本国憲法のもとでは不適切な法制だと考えます。その点について10年前から私の考え方に違いはありません。
 次に、中道改革連合の財政政策についてでありますが、今回の選挙における中道改革連合の財政政策については、食料品に関して消費税ゼロということを軸に、消費の力を高め、物価高問題を克服し、景気をよくするものと理解しておりました。
 一方、岩手県の財政スタンスですが、安定的な行政サービスを提供するための財政基盤を構築するため、事務事業の精査など徹底した歳出水準の適正化と限られた財源の重点的かつ効果的な活用に努めることとあわせ、あらゆる歳入確保策に取り組み、政策の推進と財政健全化の両立を実現しているところです。
 令和8年度当初予算案は、県民の暮らしを守り、ともに支え合う取り組みを強化し、世界に開かれた地方創生を進めていく予算として編成しました。
 これまでも、厳しい財政状況の中で、物価高対策など県民の暮らしを守るための施策のほか、全国トップクラスの子育て支援、自動車・半導体関連産業の集積、スタートアップ企業の育成、道路等の社会インフラ整備など、未来に向けた投資を進めてきました。
 国に対しては、地方への重点投資など地方重視の経済財政運営を求めてきたところであり、今後も、国費や有利な地方債などの地方財政措置を最大限活用して、財政負担の軽減を図り、必要に応じてちゅうちょなく機動的な財政出動を行ってまいります。
 次に、農業政策についてでありますが、県では、昨年7月、本県農業を強化するために策定したいわて農業生産強化ビジョンにおいて、生産基盤の強化を盛り込み、国が別枠で確保するとした農業構造転換集中対策と連動しながら、生産基盤を整備し、農業共同利用施設を再編、整備することとしています。
 圃場整備予算については、これまでも着実に増額してきたところであり、令和8年度は、国の補正予算を積極的に活用し、前年度と比べ19億円増で過去最大規模の150億円を見込んでいるほか、農業共同利用施設の再編、整備については、令和8年度当初予算案において、新たに県が上乗せ補助を行う経費として約10億円を計上しています。
 また、食料安全保障の重要性が高まる中、資材価格の高騰は、依然として農業経営に影響を与えておりますが、農業経営のセーフティーネットは、収入の減少を補填する収入保険制度等にとどまり、資材価格の高騰に対応していないところであり、国は、生産者が将来にわたり意欲を持って生産活動に取り組むことができるよう、所得補償制度の導入など何らかの支援策を検討すべきであります。
 県としては、こうした支援策の導入を国に働きかけながら、生産基盤の強化など、生産強化ビジョンに基づく取り組みを着実に進め、本県農業が将来にわたり持続的に発展できるよう全力を尽くしてまいります。
〇21番(臼澤勉君) 知事はいろいろと弁明されましたが、知事の誰も望んでいなかった発言、これは、私は、残念ながら知事自身の評価を下げたのではないかと思います。今の答弁を聞きますと、私なら、そういう趣旨であれば、誰も予想しなかった選挙で、誰も予想しなかった結果が出ました、こういう日本語になるかと思いました。
 この選挙結果を誰も望んでいないと総括することは、民主主義の否定ではないでしょうか。行政の長、知事として、民意を尊重し、敬意を示したらいかがかと思いますが、何かコメントがあればお願いします。
〇知事(達増拓也君) 単独の政党が衆議院の3分の2以上を占めるということは、戦後かつてなかったことでありますし、与党になると4分の3以上となる。もはや各委員会の運営や国会の日程の決定などなど、今までの戦後の民主主義のもとでの国会の慣例というものが通用しない、前例がない、そして誰も経験したことがないような国会が、今、日本国民の前にあります。
 これは、やはりゆゆしい事態であって、誰もそれを期待していなかったし、望んでもいなかったと言えると思います。もし望んでいるとしたら、それは誰が望んでいたのか、そして、望んでいたからには、そのような与党圧倒多数のもとでの国会の運営の仕方や、そこから出される政府の行政の政策の展開など、既に今、国民に理解が広がっていると思いますけれども、それがあるのでしょうか、と思うわけであります。
〇21番(臼澤勉君) 民意の最終的確定は選挙結果、これが全てです。民意を評価できない知事が、なぜ民主主義を語れるのですか。私はそう思います。
 そして、自由民主党が議席を伸ばした大きな要因の一つ、まあ、高市旋風もあるのかもしれませんが……(達増拓也知事「はっはっは」と呼ぶ)……旧立憲民主党の退廃にあるのではないか、このように思います。選挙のためなら、基本政策、信念、理念を180度転換する新たな政党に日本のかじ取りを任せられないという、このノーを突きつけた民意の結果であると、このように思います。知事を支えたコアな支持層の信頼も揺らがないのかと、このように思うところであります。
 そして、危機管理投資、食料安全保障の確立に向けたところの再質問で、先ほど食料安全保障上の優先順位に明確なお答えがなかったのですが、第1順位は投資なのか補償なのか、どうお考えになっているのか。
 私は、危機管理投資については、ある程度、優先順位があると考えます。なぜなら、供給能力がなければ補償は意味を持ってこないかと思うのです。
 そして、事業投資効果を早期に発現させるために、今、生産者に希望の光を与えるのが政治の役割だと思います。圃場整備は今、標準工期6年間で事業完了を図るためには、残事業費約1、000億円を要するのですが、年間35億円を上積みすれば、この標準工期内で事業完了が図られていくと私なりに試算いたします。
 知事、ぜひこの6年間で加速化するように、今、事業をやっているような地区についても早く卒業させて、投資効果を発現させるようにすべきと思いますが、御所見をお伺いします。
〇議長(城内愛彦君) 達増知事に申し上げます。不謹慎な行動を謹んでください。
〇知事(達増拓也君) つい大きい声で笑ってしまったことは、これから気をつけていきたいと思います。
 大事なことなので申し上げますけれども、戦後かつてなかったような解散総選挙によって、戦後かつてなかったような国会の構成が生じたということについては、これは日本国民として、やはり注意深く対応していくべきことと考えます。
 そして、民意という意味でありますけれども、選挙の結果による国会の構成に従って、その後さまざまな、内閣の法律に従った行政の執行でありますとか、そういったことが行われることについては、私は何らそれを否定するものではありません。選挙制度、公職選挙法に基づいて選挙が行われた、その結果について、覆すべきだ、覆すということを私が言っているわけではなく、今まで戦後日本になかったような国会の状況が立ちあらわれたことに関して、やはり国民一人一人が気をつけ、より、特に行政のチェックを、国民が気をつけなければならない局面に今あるということを言っているわけであります。
 そして、基盤整備と農家の所得補償の優先順位についてでありますが、基盤整備を強化していくことは必要なことでありまして、先ほど述べたような事業の拡大をしているところであります。
 しかし、一方で、物価高騰による農家の経営の厳しさは、さきの補正予算でありますとか、政府も緊急の財政措置を講じなければならないような事態でありまして、平時においても農業経営のセーフティーネットを保障することが、やはり農業にとっては重要、これは岩手県にとっても全国にとっても重要と考えるものであります。
〇21番(臼澤勉君) 次に進みます。次に、マニフェストプラス39と岩手県ふるさと振興総合戦略について。
 知事のマニフェストプラス39は、県民との約束であります。成果を示す責任があります。掲載された大型事業は、事業費ベースで数千億円規模にも及ぶと答弁されておりましたが、中期財政見通しとの具体的整合性は明確ではありません。
 実質公債費比率が起債許可団体の基準になる18%に近づき、財政調整基金の枯渇が懸念される中で、公共施設等の維持、更新、年平均873億円、県庁舎の再整備には540億円、ランニングコストを含めれば50年間で900億円以上のコストが見込まれておりますが、進捗に応じながら順次反映していくという過去の答弁は、私は不十分だと考えます。
 責任ある積極財政の考え方のもと税収基盤を強化する投資を行うためにも、このマニフェストプラス39に掲げる、例えばスポーツ医・科学センターなどの実施時期、事業規模、財源に係る見通しについてお示しいただきたい。
 あわせて、責任ある議会の判断を得るためにも、実質公債費比率や将来負担比率に与える影響、本県の財政状況を明確にお示しいただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) マニフェストプラス39の各項目に関連する施策のうち、施設整備など時間を要するものについては、市町村や関連する分野の方々から意見を伺いながら、事業規模や所要の財源等を合わせて検討を進め、その検討状況に応じて、順次、関連する事業について財源の見通しもお示ししながら予算化しているところです。
 実質公債費比率や将来負担比率についてお尋ねがありましたので、ごく粗い試算で申し上げますと、施設整備などを行うために1、000億円程度の県債発行を行った場合、実質公債費比率が約1%、将来負担比率は約15%上昇するものと見込まれます。
 各年度の決算に基づいて実質公債費比率や将来負担比率などの健全化判断比率をお示ししながら、毎年度の予算審議を通じて議会の皆様にチェックいただきながら、必要な施設整備などを進めてまいります。
〇21番(臼澤勉君) 具体的な回答はなかったのですが、これまでも何度か議会でも質問させていただきましたが、私は、県民は今どのようなことを求めているかと思えば、やるやる宣言で終わらせない県政を求めているのだと思います。常に、答弁では先送り、検討、そして様子見。県民は何年待てばこのマニフェストの姿が見えてくるのでしょうか。
 実施時期、財源の見通しを示せないのであれば、逆に、任期中に着手できない事業はどれですか。具体的にお答えください。
〇知事(達増拓也君) 検討の作業やその他、法令に基づき、あるいは計画に基づいて進めている作業は、全て県民の皆さんと一緒にやっていることでありまして、必要な手続、また県民の皆さんが今求めている、あるいは納得する手続を踏まえながら進めていくようにしているところであります。
 そして、見通しを示すのが難しいので、将来の、これについては絶対できないということも、見通しを示すことは難しいわけでありますけれども、地方一般財源総額の動向など予見可能な部分については、可能な限り反映させることとして見通しを作成しております。どれだけ突き詰めても、財政収支上の不確定要素は存在いたします。特に建設事業については、複数年かけて方針や計画を検討し、用地の取得や古い建物の除去、基本設計、実施設計などを経て建設に着手しているところが一般的でありまして、そうしたことを県民の皆さんと一緒にしっかり進めていくということであります。
〇21番(臼澤勉君) いずれ、今後大きく予算を必要とするようなことが見えてくる中において、今後の県財政、県運営を中期財政見通しの中にも組み入れていかなければ、我々議会側も、今後の予算審査も含めて正確な判断ができてこないという意味でお尋ねしております。
 県民の皆さんは、検討したことを実行したとは思っていないわけでございまして、いずれ、この任期期間に含めて、いろいろと手続はあるにしても、大きな方向性も含めて示していく責任があると思います。
 具体的に一つ、岩手県消防学校整備についてお伺いします。
 この消防学校も、平成30年度以降検討が進められてきておりますが、整備規模や財源を含む具体的方向性はいまだ明確になっておりません。消防学校を再整備することは、私は、単なる建物の更新ではないと捉えています。防災は最大の福祉であり、県民の命を守る投資であると捉えております。
 いつまでに検討を終わらせ、いつから事業着手するのか。新たな消防学校に求める機能と整備地の考え方も含めお答えいただければと思います。
〇知事(達増拓也君) マニフェストプラス39、また、もともとのマニフェスト、いわて県民計画(2019~2028)や第2期アクションプランの政策など、そういったものを県民の皆さんと共有するような形で、選挙が終わったら、今度は、それを県民の皆さんと一緒に実行に移していくわけであります。消防学校の整備につきましては、新たな消防学校は、消防に関する知識及び技能の習得、向上のため、実火災に対応した消火活動訓練など高度な教育訓練が実施可能な実践的訓練施設を備えた施設とし、また、災害活動を支援する広域防災拠点としての機能を備えた施設としてあり方を検討する必要があります。
 これまで消防学校のあるべき姿や必要となる実践的訓練施設、宿泊が必要な学生の生活環境等について検討を進めて、現在、現地新築、移転新築、長寿命化改修といった具体的な整備手法や施設規模等とともに、活用可能な財源の検討を進めております。来年度もこれらの検討を進め、その熟度を高めてまいります。
 整備地については、災害上のリスクのほか、工事期間中の学校運営や訓練実施への支障の有無なども考慮し、整備手法と一体で検討してまいります。
 これらの検討結果を盛り込んだ整備基本計画については、令和9年度に策定し、その後、順次設計等の作業に着手する予定です。
〇21番(臼澤勉君) マニフェストにも、消防学校については、岩手医科大学の災害時地域医療支援教育センターとも連携しながら拠点整備に取り組むと明記されております。災害医療活動も含めた岩手医科大学との一体的な連携整備がこのように必要と思いますが、マニフェストのとおり、知事、やられますか。イエスかノーかでお答えください。
〇知事(達増拓也君) マニフェストで県民と共有したその言葉をしっかり踏まえながら、先ほど申し上げましたように、必要な内容、財源、そして災害上のリスクも考慮して決定していきます。
〇21番(臼澤勉君) ぜひ着実に進めていただきたい、このように思います。
 人口減少問題は本当にしっかり質問したいのですが、時間の関係で、先に進めさせていただきます。3の危機管理投資についてお伺いいたします。
 危機管理投資について。最大の危機管理投資は、私は健康寿命延伸と自殺対策であると考えます。
 知事は、どの分野に重点投資し、いつまでにどの指標をどの水準まで減らすお考えでしょうか。目標は全国順位なのか、実数なのか、明確にお示しいただきたい。
 また、成果が十分でない現状について、政策設計に課題があったのか、執行に問題があったのか、知事の責任認識をお伺いします。
〇知事(達増拓也君) 健康寿命と自殺率についてでありますが、本県では、健康寿命に影響を与える脳血管疾患の予防、早期発見、早期治療等の取り組みを、市町村や関係機関等との連携のもと総合的に推進するとともに、包括的な自殺対策プログラムである久慈モデルの実践に官民一体となって取り組んでまいりました。
 特に、本県の脳血管疾患の死亡率は、65歳未満の若年層から全国よりも高く、また、自殺者数は、近年は40歳代及び50歳代が多くなっていることから、働き盛り世代への対策を強化してまいりました。
 これまでの取り組みによって、脳血管疾患の年齢調整死亡率は長期的には減少傾向にあり、先月公表された警察庁自殺統計によると、令和7年の本県の自殺者数は193人と過去最少となり、40歳代及び50歳代の働き盛り世代の自殺者数は、前年からほぼ半減となっております。
 しかしながら、いまだに200人近くの方が自殺で亡くなっていること、また、国が公表した本県の健康寿命が全国に比べ低位にあることを重く受けとめ、本県の健康課題や自殺の状況を検証、分析しながら、その検証に基づいた適切な対策を講じていくことが必要であります。
 令和8年度においては、メンタルヘルスセミナーによる職場での自殺予防策の強化や、企業等と連携し、健康経営に取り組む事業所のさらなる増加などに加え、新たに有識者と連携した市町村の健康課題解決に向けた伴走型支援に取り組むこととしておりまして、多様な関係者との連携、協力のもと、実効性の高い施策を推進し、目標達成に向けて取り組んでまいります。
〇21番(臼澤勉君) 私が伺っているのは結果であります。自殺者が県内193人。過去最小になったとは言うものの、県民一人一人の命であります。知事は、常日ごろ、誰ひとり取り残さないと言いながら、成果を示さないことこそ取り残しているのではないか、このように思います。
 いずれ、この命を守る政策には言いわけは通用しないわけであります。ぜひ、自殺率全国平均以下、健康寿命全国水準以上に、これは政治責任であり必ず達成すべき約束である、このように思います。
 そして、職員のパワーハラスメントに起因する自死事案について。
 事実公表が発生から5年後となり、さらに、加害者側が約1、935万円の重過失に基づく求償請求に対し、支払い義務なしとして提訴する事態となっております。
 そもそも県は、パワハラ自死事件の組織責任を認めながらも、処分は加害者停職4カ月、所属長戒告にとどまっております。
 誰が最終責任者なのか、簡潔に、明確に一言でお答えください。
〇知事(達増拓也君) 県の職場においてパワーハラスメントが発生し、職員のとうとい命が失われたことに対しまして、まずは御遺族に寄り添うことが一番の責務であり、県として、御遺族の意向に沿った形で対応を続け、賠償を行いました。
 その上で、本事案の主な原因として、加害職員とその上司のハラスメントにかかわる認識不足が挙げられますことから、議員御指摘のとおり、職員個人の責任として、加害職員等を懲戒処分したものであります。
 組織のトップである知事としては、今回の事案を教訓として、同じ悲劇を二度と繰り返さぬよう、再発防止に取り組むことが大切であると考えております。
 今年度から相談体制を各部局や広域振興局にまで拡充し、来年度から全ての所属の業務目標にハラスメント防止を盛り込み、全ての職員層の研修にハラスメント対策を組み込むこととしており、今後も、組織を挙げて再発防止策の不断の見直しを行ってまいります。
〇21番(臼澤勉君) 知事、遺族への配慮を理由に論点をずらさないでください。最終責任者は誰かと聞いているのであります。
 県政の統括者は知事であります。最終責任者は知事御自身にあるのかないのか。ある、なしでお答えください。
〇知事(達増拓也君) 責任ということに関して申し上げますと、加害者に不法行為責任があり、管理職に管理監督責任があり、トップの経営陣、県幹部に安全配慮義務と内部統制責任があると考えます。
〇21番(臼澤勉君) そのとおりです。地方自治法第154条にも規定されているとおりでございます。
 そして、今この求償提訴をされている中で、加害者側が支払い義務なしとして提訴する状況について、県の処分や調査が不十分だったからではありませんか。調査の第三者性に問題はないのかどうか。
 先ほど知事は、自身の最高責任者としての責任を述べておりました。なぜ県でこの第三者性の調査をやらないのか、お伺いします。
〇知事(達増拓也君) 懲戒処分については、行為の動機、態様、被害者の立場なども総合的に勘案しながら決定したところでありまして、その際に、事実関係についても明らかにしたところであります。
〇21番(臼澤勉君) 明らかにする、今回のこの事態を知事は本当にどう受けとめているのかと逆に聞きたいです。私は、恐怖で動く組織に未来はない、このように思いますし、責任をとるのがトップの役割である、こう思います。
 そして、今回の事案は氷山の一角である可能性を否定できません。知事就任以降、9人もの職員がみずから命を絶っている現実を知事は重く受けとめるべきであります。
 そして、9人のうち3人の自死要因が不明であるならば、全庁一斉の無記名第三者調査を実施すべきと考えます。また、本件は個別事案ではなく、公益通報と組織対応のあり方が問われております。利害関係のない外部機関による独立調査を実施すべきであります。御所見を伺います。
〇知事(達増拓也君) 実態調査についてでありますが、無記名による実態調査といたしまして、部下が匿名で所属長を評価する制度を、今年度から所属長のみならず担当課長等への対応も調査項目に盛り込み、全庁一斉のパワハラの実態調査として試行的に実施したところであります。
 来年度は、さらにパワハラの実態調査としての実効性をより高めるために、自身へのパワハラに限らず、周囲の職員の状況も含めて回答できるようにする方向で調整しておりまして、今後も不断の見直しを進め、パワハラによってみずから命を絶つということが、この県組織の中で二度と起こらないように努めてまいります。
〇21番(臼澤勉君) いずれ、3人の方の自死要因が不明という状況にある中で、要因が不明である以上、検証が十分であったとは言えないと私は思います。外部調査は責任追及のためではなく、私が言っているのは、県組織の信頼回復のための提案であります。職場要因について第三者が再検証すべきではありませんか、お伺いします。
〇知事(達増拓也君) 個別具体的な自死のケースについて御質問いただいたわけでありますが、御指摘の3件につきましては、職場のみならず、御遺族の御協力もいただきながら確認を行っており、いずれも業務に起因する明確な事実は確認されていないものであります。
 自死という極めてデリケートな事案における自死の理由については、公私問わず悩み事や自身の健康不安など複合的要因が多いと推察されますが、個人の尊厳及び御遺族の心情に最大限配慮した上で、状況により、顧問弁護士等に相談するなど客観性の担保にも留意しつつ、原因の究明には努めたいと思います。
〇21番(臼澤勉君) いずれ私は、今、組織の中で何が起きているのか、そういった部分についても、本当にしっかり受けとめていただく必要があると思います。そういった観点から、全庁の無記名のアンケート調査も含めて、今回の事案を含めて、全庁職員調査、アンケートをやるべきだと思います。
 私は、リーダーに必要なことは二つあるとある方から教えをいただきました。一つは、長く行政を運営していると、職員に対して常に改革のマインドを示していくことが必要になるということ。もう一つは、後ろ向きな姿勢ですけれども、自分に対する批判を聞く機会をつくっていくということ。
 知事は、長年知事を務められていますから、職員以上に全ての情報を知っているわけで、なかなか職員たちも、いろいろ言いたいことも言えなくなるような部分が出てくるのではないかと推察します。いずれ、自分の耳が痛いようなことも聞くような場をぜひつくってはどうかと思います。
 知事は、組織責任を認めながらも、処分は軽く、公表は5年後、そして、批判を聞けないトップに改革は進められない、このように思います。県政の最高責任者として知事の政治判断が問われていると思いますので、しっかりとした対応を求めたいと思います。
 県立病院の経営改善と管理者設置条例の撤回について伺います。
 県立病院は、昨年度は73億円の赤字を計上し、令和7年度も新たな借り入れが必要とされるなど、創設以来最大の経営危機に直面しております。
 こうした中、医療局に管理者を新設する条例が提案されましたが、必要性や効果の説明が尽くされないまま撤回されました。
 マニフェストで県立病院の充実を掲げた知事として、経営再建の具体策とあわせ、なぜこの時期に管理者設置を提案し、撤回したのか、政策判断の妥当性についてお尋ねいたします。
〇知事(達増拓也君) 県立病院事業は、かつてないほどに経営状況が悪化する中、医療従事者の確保や新興感染症への対応に加え、少子高齢化の進展による医療、介護連携など、求められる役割が高度かつ多岐にわたってきており、経営計画の着実な推進や来年度策定される新たな地域医療構想との連動に向け、組織体制の強化が必要と考え、医療局管理者を設置する条例案を提出したものであります。
 しかしながら、条例審査の過程においてさまざまな御意見をいただき、その論点整理に相応の期間を要しますことから、議案を一旦撤回したところであり、今後、再提案の可否を含め対応を検討してまいります。
 県立病院の経営改善については、来年度においても、医療現場のデジタル化による業務の効率化、診療報酬改定による新たな報酬体系への対応、医療局内に横断的なプロジェクトチームを設置するなど対応を強化しており、全国的に公立病院の経営が厳しい中にあっても、岩手県の地域医療を守るため今後も着実な経営改善を進めてまいります。
〇21番(臼澤勉君) 今回の管理者設置の狙いは、県立病院の未曽有の経営危機からの経営の立て直しにあると私は捉えておりますが、今の体制で何が限界なのか、管理者を設置しなければ解決できない経営課題は、具体的に知事、何ですか。
〇知事(達増拓也君) そのような論点整理に相応の期間をいただきたいということで、議案を一旦撤回させていただいたところでございまして、再提案の可否を含めて対応を検討させていただきたいと思います。
〇21番(臼澤勉君) 本当の基本的な問題点ですよ、ここの論点整理というのは。この論点も整理しないで、県庁の皆さんは我々議会に提案されたのですか。今までにないですよ、こういうお話は。私は本当に、正直驚いております。明確に提案理由あるいは撤回理由も示せない。
 今言いましたとおり、県立病院は昨年度73億円の赤字、そして228億円の一般会計からの繰り出し。県民の税金で穴埋めしながら、経営改革は撤回。今回の条例案撤回は、改革ではなく課題の先送りではないですか。しっかりその辺は整理して早急に我々に示していただきたい。
 次に、成長投資と地域未来戦略について。
 中小企業の振興について。対症療法的な物価高対策や一時的支援だけでは限界があります。今求められるのは、価格転嫁率全国ワーストからの脱却に向け、生産性向上と産業構造改革を通じた稼ぐ力の強化であり、設備の近代化やデジタル投資が大きな鍵となります。
 価格転嫁による経営の安定化や生産力向上に向けた設備投資、DXなど事業者を後押しする取り組みが急務と考えますが、具体的な数値目標と支援策をお示し願います。
〇知事(達増拓也君) 中小企業の振興についてでありますが、原料価格の高騰や人材の確保、賃上げへの対応は極めて重要であり、国を初めとした関係機関と連携し、適切な価格転嫁に向けた環境整備を進め、県内中小企業の生産性向上を支援する補助制度を実施してまいりましたが、県内の事業者を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、さらなる取り組みが必要であります。
 さきの令和7年12月臨時会におきまして、事業者が行う適切な価格転嫁や経営改善計画の策定を支援するため、専門家派遣費用を補助する事業を新たに計上し、中小企業者等賃上げ環境整備支援事業費補助を拡充し、新たにデジタル化、DX化の枠を設け、事業者の設備投資を支援することとしております。
 これらの事業では、専門家派遣を受ける事業者数延べ600者、経営革新計画承認事業者数100者という支援目標を設定しております。
 さらに、価格転嫁の円滑化による地域経済の活性化に向けた共同宣言に、今月から新たに金融機関が参画いたしまして、オール岩手で事業者に対する価格転嫁の働きかけを行うことを確認しております。
 関係機関と連携しながら、これまで以上に県内中小企業の価格転嫁の推進や生産性向上に取り組んでまいります。
〇21番(臼澤勉君) 私の問いの趣旨は、これまでの対症療法的、そして相談支援型の行政ではなく、産業構造改革型の攻めの経済政策について伺っているわけであります。岩手県の経済を守る行政で終わらせるべきではない、稼ぐ県に転換する、こういったタイミングに来ているのだと捉えて伺っております。
 そして、地域未来戦略について。知事は、今回の解散総選挙後に、大儀がないと評価され、結果判明後には、国や政府の動きを厳しく見ていく必要があると発言されておりました。この厳しく見ていくとの発言は、国の成長戦略17項目に対して、傍観なのか、それとも積極的に対応していく姿勢なのか、どちらでしょうか。
 半導体ではキオクシア岩手株式会社や東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ株式会社などが立地し、医療・創薬では医工連携や核医学拠点が集積、さらに、次世代太陽電池のペロブスカイトや六ケ所村でのフュージョンエネルギー関連プロジェクトも視野に入れるなど、本県には絶好の好機であると私は捉えております。
 今後、創設が予定される地域未来基金費の活用も含め、国と連動し成長分野へ攻め込む具体的ビジョンを示すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 私は、今回の解散総選挙を、かつてない解散選挙であるとか、また、誰も望んでいない解散選挙という言い方をしておりますけれども、大儀がないと言った記憶はございません。まず、今まで前例がない、初めての状況という、その形式面に着目し、そこから引き起こされた結果についても、これも戦後初めての前例がない、誰も経験したことがないという形式面に着目して、国や政府の動きを国民は厳しく見ていく必要があると述べたところであります。
 そして、成長分野にかかわる地域未来戦略の具体的ビジョンについてでありますが、国は、強い経済の実現に向け、AI、半導体などの17の戦略分野を設定し、投資の拡大につながる取り組みを強化する方針を打ち出しています。
 国が進める地域未来戦略は、東北や北海道などのブロックごとに国が策定する17の戦略分野を中心とする戦略産業クラスター計画と、都道府県が策定する地域産業成長プランの二つにより構成され、本県でも、こうした国の動きを世界に開かれた地方創生のさらなる推進の好機と捉え、国の検討会議に参画し、県独自のプランをことし夏前には策定する予定です。
 本県には、自動車や半導体関連産業に代表されるものづくり分野の産業集積や、世界から評価される高品質な県産品、国内外で活躍するスタートアップ企業など、成長が期待される産業分野や多様な魅力があります。
 また、本県が誘致を進めるILC―国際リニアコライダーについて、その関連技術はさまざまな産業の基盤となり、半導体や先端医療などの国が掲げる成長戦略分野の推進にも大きく貢献するものであります。
 このような本県のポテンシャルを生かすため、県は、国と県の取り組みが相乗的に効果を発揮するよう、国、市町村、関係団体と連携しプランを策定し、あわせて、今後国から詳細が示される見込みの基金や、地域未来交付金などの国の財源措置も十分活用して、戦略的に取り組んでまいります。
〇21番(臼澤勉君) 本当にいろいろやりとりさせていただきました。いずれ、今県政に求められているのは、理念ではなく実行と成果、そしてその責任であります。やるやる宣言で終わらせない県政、検討ではなく変化を県民は求めております。
 挑戦しない地域に未来はない。強く豊かなふるさと岩手県の発展のために、引き続き行政をチェックしてまいります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
〇議長(城内愛彦君) 以上をもって臼澤勉君の一般質問を終わります。
 次に、佐藤ケイ子さん。
   〔18番佐藤ケイ子君登壇〕(拍手)

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