令和8年2月定例会 第15回岩手県議会定例会会議録

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〇知事(達増拓也君) 本日ここに第15回県議会定例会が開会されるに当たり、今後の県政運営について、私の所信の一端を申し上げます。
 初めに、昨年2月に大船渡市で発生した大規模な林野火災により犠牲になられた方の御冥福をお祈りし、いまだ応急仮設住宅で不自由な暮らしを余儀なくされている方々を初め、被害に遭われた皆様に、心からお見舞い申し上げます。また、全国からお見舞いや多大な御支援をいただきましたことに、改めて御礼申し上げます。
 県としては、国や大船渡市と連携を図りながら、被災地の一日も早い復旧、復興に取り組んでまいります。
 2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻等によるエネルギー価格の急騰に端を発した輸入物価の上昇は、円安とも相まって、食料品や日用品などさまざまなものの価格上昇に波及しています。緩やかな物価上昇は経済の安定的な成長に伴うものですが、現在は、急激な物価上昇に経済の成長が追いついておらず、県民の暮らしや仕事が苦しい状況にあります。
 県では、県民の暮らしと仕事を守るため、これまでさまざまな物価高騰対策を講じてきました。さらなる対策として、昨年12月には、生活困窮世帯を初めとした生活者への支援、中小企業者向けの賃上げ支援や経営基盤強化対策を初めとする運輸、交通、農林水産業、介護、福祉、医療等の各分野向けの幅広い事業者支援を盛り込んだ大型の補正予算を編成しました。
 また、本日提案いたしました令和8年度一般会計当初予算においては、県民の消費を下支えするキャッシュレス決済ポイント還元事業や、地域経済の活性化につながる観光需要を喚起するいわて旅割キャンペーン事業などを盛り込んでおり、こうした支援策を必要な方々に届けてまいります。
 2014年に地方創生が国全体で本格始動しましたが、この間、東京一極集中はむしろ加速し、全国と同様に本県でも、婚姻率や合計特殊出生率の低下、人口の社会減が続いています。
 一方で、毎年度の地方創生関連事業の効果もあり、地方における生活や雇用の環境は向上を続けており、岩手県では、子育て環境の改善や道路ネットワークの構築、自動車、半導体関連産業の集積、家庭と仕事の両立を支援する認定企業数の増加などの成果があらわれています。
 こうした社会的、経済的基盤の上で、大谷翔平さんに代表される岩手県人のスポーツ、文化芸術分野での活躍を初め、著名な海外メディアに紹介された生活文化や自然環境、高品質の県産品、世界的な賞を受賞しているスタートアップ企業、革新的なものづくり産業の集積などが、岩手県のよさとして国内外から高い評価を受けています。
 昨年12月、国は、経済重視の新たな地方創生の総合戦略を示しました。地方のGDP成長率を東京圏以上に高めることを成果目標に掲げており、地方重視の経済財政政策で、地方の経済状況が東京圏よりも高まれば、東京一極集中に歯どめがかかり、本県を含め地方における人口の転出超過が減少することが期待されます。
 猛暑や渇水、林野火災、野生動物被害など県民の暮らしを脅かす危機に共通する背景として、気候変動があります。気候変動対策は、国連が掲げるSDGsの根幹でもあり、自然との共生を図り、地球温暖化を抑制する取り組みが重要です。
 近年、SDGsをさらに発展させて、より深く人間の幸福、ウエルビーイングを重視するSWGsという考え方がさまざまな団体等から提唱され、注目されています。
 岩手県では、いわて県民計画(2019~2028)の基本目標の中で、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてを掲げ、県民のウエルビーイングの向上を目指す県政運営に既に取り組んでいますが、国内外の企業や団体等にもウエルビーイングを重視する流れが広がっています。
 岩手県のよさが世界から評価され、インバウンド宿泊者数が過去最多を更新し、地場産品の輸出額も増加傾向が続いている今、世界に開かれた地方創生を進めることが有効です。
 世界に開かれた地方創生は、国境を越えて人、物、お金を生かすやり方であり、そのためにも、岩手県のよさを県民が共有し、発信していくことが求められます。今までにない新しいことにチャレンジし、さまざまな分野でイノベーションを進めましょう。
 世界に開かれた地方創生の基本的な枠組みとして、四つの重点事項、三つのゾーンプロジェクト、そして、ILCの推進について述べたいと思います。
 まず、四つの重点事項です。
 いわて県民計画(2019~2028)第2期政策推進プランでは、人口の自然減・社会減対策を主軸に、脱炭素と成長の両立を目指すGX―グリーントランスフォーメーションの推進と情報通信技術の力を生かすDX―デジタルトランスフォーメーションの推進を両翼とし、さらに、安全・安心な地域づくりを基盤とする四つの重点事項を掲げ、市町村や関係団体等と連携しながら一体的に取り組みを進めています。
 人口の自然減・社会減対策では、一人一人に寄り添って、生きにくさを生きやすさに変えていくインクルージョンの考え方が大事です。ジェンダーギャップの解消や、結婚、妊娠、出産、子育ての各ライフステージに応じた支援、魅力ある雇用、労働環境の整備、関係人口の拡大などを通じて、県民を初め、岩手県とつながる皆さんが、岩手県をベースに能力を発揮し、希望をかなえられるよう後押しをします。
 GXの推進では、再生可能エネルギーの導入や森林等の活用によるCO2の吸収源対策を促進し、地域経済と環境に好循環をもたらす脱炭素社会、持続可能な社会を目指します。
 DXの推進では、生成AIを初めとしたデジタル技術の活用により人手不足解消や生産性向上を図るイノベーションの創出を促進していきます。
 安全・安心な地域づくりでは、ツキノワグマ被害などの喫緊の課題への対応と将来起こり得る災害への備えを進め、リスクに対して強靱な地域を構築していきます。
 県内の地域特性を生かして住民、企業、大学、自治体、NPOなどの多様な主体が、リソースを持ち寄り、連携し、イノベーションを実現する三つのゾーンプロジェクトをさらに推進します。
 北上川流域では、コンパクトカーの生産拠点化、半導体関連産業の生産能力増強、医療機器関連産業の進展など、産業の集積と雇用の創出による成長が続いています。
 いわて半導体関連人材育成施設I-SPARKを初め、産学官連携や高等教育機関による人材育成も展開されています。
 また、工業地帯でありつつ、豊かな自然、歴史、文化に囲まれ、都市型の生活環境とともにあるという、他に例がないような地域です。
 このような北上川流域の魅力を国内外に広く発信し、一層の産業振興と生活環境の充実を進めます。
 三陸地域では、復興事業を通じて形成された交通ネットワークが基盤となり、クルーズ船の寄港が年々増加し、コンテナ取扱貨物量が東日本大震災津波前より大幅に増加しています。
 大規模施設園芸企業の誘致に向けた県、市町との連携や海面養殖サーモンの水揚げ量増加など、産業振興の取り組みも進展しています。
 また、東京大学が、県との包括連携協定に基づく取り組みの一環として、昨年、地域創生シンクタンク三陸ふるさと社会協創センターを大槌町に設立しました。科学的知見の集積や研究技術の開発などを通じて、沿岸地域の社会課題解決につながることが期待されます。
 産学官民が連携して、防災学習やみちのく潮風トレイル、食や文化、スポーツを通じた交流人口、関係人口の一層の拡大に取り組み、三陸地域の振興を図る体制を整え、国内外とつながる三陸を創造します。
 北岩手地域では、地熱や太陽光で発電した電力を、地域新電力会社を通じて地域内で循環させる再生可能エネルギー事業者と関係市町村の包括連携協定により地域課題を解決するなど、豊富な再生可能エネルギー資源を生かした地域振興が展開されています。
 さらに、大学や企業等と連携して、バイオ炭を活用したJ-クレジットの創出と農作物の高付加価値化や、ウニの増殖溝を使用したJブルークレジットの創出など、新しいビジネスも始まっています。
 先進的なイノベーションゾーンとして、食産業やアパレル産業、漆関連産業などの特色ある産業を振興し、持続的な地域経済を構築していきます。
 以上のような三つのゾーンの魅力や先端的な取り組みを広く発信し、関心を高め、さらに多様な主体の参画を図ります。
 ILC―国際リニアコライダーは、世界の素粒子物理学研究の最先端施設であり、誘致が実現すれば、世界中から研究者や技術者が集まり、学び、働く国際都市が形成されます。ILC関連技術は、さまざまな産業の基盤となり、半導体や先端医療といった国が掲げる成長戦略分野の推進にも資するものです。
 世界に目を向けると、大型円形加速器FCC-ee計画を含む欧州素粒子物理戦略の策定が進んでいますが、昨年、米国での研究者との意見交換などを通して、ILC関連技術に対する評価の高さを改めて実感したところです。
 こうしたILCの意義や基礎科学の重要性について、国民的な理解を深める取り組みを進め、県内外の推進団体や経済界等と連携して国への働きかけを行い、ILCの実現に向けて全力で取り組みます。
 また、受け入れ環境の整備や加速器関連産業への参入促進を推進します。
 令和4年1月に盛岡県から岩手県に改称されて150周年となり、本年5月には、現在の県域が確定されて150周年となる節目を迎えます。
 岩手県の歴史を振り返り、岩手県の未来を展望するため、令和4年度から令和8年度までを県政150周年記念期間と位置づけ、これまで、県民の皆様とともに記念事業を行ってまいりました。記念期間の最終年度となる令和8年度は、県域確定日の5月25日に合わせて記念式典を開催します。
 さらに、岩手県の未来を担う人材の海外派遣の実施や、東日本大震災津波からの復興の姿と三陸地域の魅力を発信する記念イベントの開催など、さまざまな事業を展開します。
 また、本県の歩みを後世に伝え残し、歴史への理解や郷土愛の醸成に資する岩手県史の作成について検討を進めます。
 令和6年6月に開催された夏季ダボス会議2024への参加を契機とするつながりを生かし、海外ベンチャーキャピタルと連携した国際スタートアップカンファレンスを令和8年秋に岩手県で開催します。国際的なイノベーション拠点としての岩手県の可能性を国内外に示し、世界に開かれた新たなスタートアップ・エコシステムを構築することで、スタートアップ企業の成長機会を創出します。
 令和9年2月には、第81回国民スポーツ大会冬季大会スキー競技会―いわて八幡平雪ゆめ国スポを開催します。岩手県からスポーツの感動を全国に伝え、岩手県のおもてなしや食、自然、歴史、文化などの魅力を発信し、交流人口、関係人口の拡大につなげます。
 令和8年度は、いわて県民計画(2019~2028)第2期アクションプランの最終年度であり、令和9年度からの2年間を計画期間とする第3期アクションプランの策定年度であります。
 四つの重点事項や東日本大震災津波からの復興、10の政策分野の推進など、いわて県民計画(2019~2028)に基づく施策を着実に進めます。
 また、第3期アクションプランの策定に当たっては、人口減少等の社会経済情勢の変化を踏まえ、若者や女性を初め、市町村、企業、団体、個人など、県民各層から広く意見を伺い、いわて県民計画(2019~2028)の基本目標にある、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわての実現に向けて、実効性あるプランの策定を目指してまいります。
 以下、令和8年度の施策について具体的に申し上げます。
 初めに、東日本大震災津波からの復旧、復興です。
 東日本大震災津波から15年になろうとしています。
 県は、いのちを守り海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の創造を目指す姿とし、県民一丸となって復興に取り組んできました。
 現在、令和8年度までを期間とする県の第2期復興推進プランに基づき、残された津波防災施設の整備や日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に備えた対策の推進、コミュニティーの形成支援、事業者の販路開拓支援などを着実に進めています。
 一方で、被災者の心のケアや水産業を初めとするなりわいの再生など、引き続き取り組むべき中長期的な課題があります。このため、令和8年度は、現行プランの着実な推進とともに、これまでの成果と課題を踏まえ、令和9年度を始期とする第3期復興推進プランの策定に取り組みます。
 これからも、誰ひとりとして取り残さないという理念のもと、三陸のビルド・バック・ベター―よりよい復興を進めてまいります。
 安全の確保として、閉伊川水門の令和8年度完成に取り組むとともに、これまで整備した社会資本を適切に維持管理します。
 日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に備え、個別避難計画の策定やスフィア基準に沿った避難所環境の整備など、市町村と一体となって地震、津波対策を推進します。
 避難者把握システムについて、試行導入を行い、市町村へのさらなる普及を図ります。
 関係者が連携して必要な支援を行う災害ケースマネジメントのネットワーク会議を設置し、平時からの関係者間の連携を強化しアウトリーチ人材を育成します。
 ALPS処理水の処分への対応を含め、原子力発電所事故に起因する放射線影響対策に取り組みます。
 暮らしの再建として、被災者の生活安定に向け、いわて被災者支援センターや市町村等との連携を強化します。
 こころのケアセンターによる被災者に寄り添った支援を継続しながら、市町村等を中心とした包括的な支援体制の構築を進めます。
 スクールカウンセラー等の配置により、児童生徒の心をサポートします。
 いわての復興教育を推進し、岩手県の復興、発展を支える人材を育成します。
 災害公営住宅におけるコミュニティーの維持、活性化に向けて、市町村主体の取り組みを支援します。
 なりわいの再生として、サーモンの海面養殖をさらに強化し、高水温に強い種苗の開発や県産サーモンのブランド化を進めるとともに、ワカメ、アサリ養殖への転換やウニ蓄養の事業化を支援します。
 いわて水産アカデミーにおいて、地域漁業の次代を担う人材を育成します。
 水産加工業の企業間連携や、魚種の転換に対応した商品開発、販路開拓を支援します。
 高収益な園芸作物や原木シイタケの生産を支援します。
 三陸地域の魅力を生かした誘客拡大を図るため、受け入れ態勢を強化し、国内外へのプロモーションを行います。
 未来のための伝承・発信として、東日本大震災津波伝承館を拠点とし、事実、教訓の伝承に取り組みます。
 いわて復興未来塾の開催や県外向け情報発信、海外の津波博物館等と連携した交流事業を行います。
 大船渡市林野火災からの復旧、復興については、暮らしの再建に向けて、土砂災害特別警戒区域内からの移転への補助など、早期の住宅再建を支援します。
 また、なりわいの再生として、水産業共同利用施設の復旧や新たな定置網の導入等による漁業の本格再開に向けた支援、インフラの整備として、被災木の伐採、搬出と再造林、砂防堰堤等の整備に取り組みます。
 国や大船渡市と連携を図りながら、一日も早い復旧、復興に取り組みます。
 次に、いわて県民計画(2019~2028)の10の政策分野です。
 県民一人一人が、お互いに支え合いながら、幸福を追求していくことができる地域社会の実現を目指し、幸福を守り育てるための取り組みを進めます。
 健康・余暇の分野では、新たな地域医療構想の策定、推進に向けて、市町村や保健、医療、介護、福祉の関係者、各種団体等と連携し、将来にわたって県民に良質な医療を持続的に提供できる体制を構築します。
 県立病院の機能分化と連携強化を進め、県立病院全体のネットワークを生かし、持続可能な経営基盤の確立を図ります。
 医師の確保と地域や診療科の偏在是正、医療DXを進めます。
 病院薬剤師の確保に向けた新たな修学資金支援制度を導入し、看護職の県内定着に向けた修学資金の貸付枠を拡充します。
 回復期リハビリテーション機能のニーズを踏まえ、建てかえを行う県立釜石病院に、いわてリハビリテーションセンターと連携した回復期リハビリテーション病棟を整備します。
 介護人材の確保に向けて、多様な人材の受け入れや労働環境、処遇の改善を支援します。
 高齢者が住みなれた地域で安心して暮らすことができるよう、地域包括ケアシステムの充実を促進します。
 生活習慣の改善や健診受診率の向上など、健康寿命の延伸を推進します。
 岩手県自殺対策アクションプランに基づき、官民一体での包括的な自殺対策と自殺予防の啓発を強化します。
 岩手県福祉総合相談センターと岩手県立県民生活センターの一体的整備について、令和9年度内の供用開始を目指し建設工事を進めます。
 中山の園整備基本計画に基づき、令和9年度からの建設工事着手に向けて設計業務等を進めます。
 県民が文学に親しむ機会の充実や、障がい者の文化芸術活動の推進に取り組みます。
 性別や年齢、障がいの有無にかかわらずスポーツを楽しむことができる環境を整備します。
 家族・子育ての分野では、子供の権利が尊重される岩手県であるよう、子供や若者の声を施策に反映するとともに、新たに策定する児童虐待防止アクションプランに基づき、児童虐待への対応を充実させます。
 i-サポによる結婚支援、第2子以降の3歳未満児に係る保育料の無償化や在宅育児支援等により、結婚、子育てに希望を持てる環境づくりを進めます。
 性別を問わず、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠、出産を含むライフデザインや将来を考えて健康管理を行うプレコンセプションケアを推進します。
 市町村が目指す産後ケアの実現に向けて、利用料無償化等の支援に加えて、複数市町村が共同で産後ケアを実施する場合の費用を支援するなど、地域の実情に応じた支援の提供体制を構築していきます。
 周産期医療の充実に向けて、周産期医療情報ネットワークの機能強化や妊産婦のアクセス支援、無痛分娩の実施に向けた医療機関への支援等を行います。
 医療的ケアが必要な児童等に質の高い療育を提供し、家族の負担を軽減します。
 ヤングケアラーやダブルケアなど複雑化、複合化した支援ニーズに対する包括的な支援体制を整備します。
 企業における仕事と子育ての両立支援の充実のため、一般事業主行動計画の策定促進に向けた社会保険労務士による支援や関係条例の制定に取り組みます。
 長時間労働の是正や有給休暇の取得促進など、働き方改革をさらに推進します。
 動物愛護管理センターの令和10年度の開所に向けて整備を進めます。
 教育の分野では、市町村等と連携して、県立高校の魅力化を推進します。
 県立高校における医系コースの設置や進学型単位制の導入等により、医系等分野を目指す生徒を支援します。
 多様な教育ニーズに対応した特色ある教育活動を支援し、私学教育の充実を図ります。
 中学校の部活動の地域展開を推進します。
 いわゆる教育無償化について、国と連動して、高校生等への授業料支援や、公立小学校等の学校給食費の抜本的な負担軽減に向けた支援を行います。
 いじめや不登校の未然防止や、不登校児童生徒の学びの保障に取り組みます。
 県立職業能力開発施設の再編整備基本計画の策定を進めます。
 I-SPARKを活用し、幅広い世代を対象とした半導体関連人材を育成します。
 新たに策定する農業大学校整備基本計画に基づき、老朽化した教育施設の建てかえに向けた設計業務等を進めます。
 アスリト、パラアスリートの競技力の向上、スーパーキッズの発掘、育成に取り組みます。
 スポーツ医・科学センターについて検討を進めるとともに、岩手県営体育館と岩手県勤労身体障がい者体育館の集約化に向けた調査等を行います。
 居住環境・コミュニティの分野では、市町村と連携して、広域バス路線の維持や代替交通の確保を進めます。バスの運転士確保を支援します。
 沿線自治体等と連携して、三陸鉄道やIGR、JRローカル線の維持、確保に取り組みます。
 水道事業の基盤強化を図るため、次期水道ビジョン等の策定に向けた検討を進めます。
 新たに策定するいわて汚水処理ビジョン2025に基づき、汚水処理施設の整備、維持管理を推進します。
 空き家の利活用を通じ、若者や移住者等に対する市町村の住宅確保対策を支援します。
 地域おこし協力隊の受け入れ体制を強化し、隊員の活動、定住を支援します。
 いわて暮らしの魅力発信を強化し、市町村と連携して、全国を対象とした若者、女性向けの新たなU・Iターン支援金制度を創設します。
 県営住宅を活用したお試し居住体験や社宅、学生寮としての利用促進に取り組みます。
 岩手県多文化共生推進プラン(2025~2029)に基づき、日本人県民と外国人県民が、ともに暮らしやすい環境づくりを推進します。
 安全の分野では、新たに策定した第3期岩手県国土強靱化地域計画に基づき、防災インフラ等のハード整備と、要配慮者への支援や孤立可能性集落対策等のソフト施策を組み合わせ、効果的な防災、減災対策を推進します。
 新たに運用が開始された林野火災警報・注意報の周知や、市町村や消防本部に対する気象情報の提供、発令時の情報発信支援を行います。
 岩手山の入山規制の一部緩和について、関係団体と連携して登山者への周知や安全対策を行います。
 地域防災サポーター制度を活用した自主防災組織の組織率の向上、活性化や、消防団員の加入促進など、地域の防災体制の強化を支援します。
 犯罪被害者等への支援について、コーディネーターによる関係機関との連携や市町村の条例制定への支援に取り組みます。
 山岳遭難等での救助活動や各種犯罪の捜査活動において、ドローンの積極的な利活用を進めます。
 特殊詐欺やSNS型投資、ロマンス詐欺の被害防止に向けて、広報啓発活動を強化します。
 増加している交通事故の抑止に向けて、高齢ドライバーに対する交通安全教育や効果的な広報を行います。
 消費者トラブルの被害防止のため、消費者教育を推進し、相談対応を充実させます。
 新興感染症に備えて、関係者間の連携を強化し、発生に備えた研修、訓練等を行います。
 家畜伝染病の発生予防、蔓延防止のため、ワクチン接種、必要な資機材の導入や施設整備への支援、民間事業者との連携を含めた危機事案発生時の体制強化を進めます。
 仕事・収入の分野では、持続的な賃上げ原資の確保に向けた中小企業、小規模事業者の取り組みを支援します。経営革新計画の策定やデジタル技術の活用、複数事業者の連携、円滑な価格転嫁の促進など、生産性向上による賃上げ環境の整備を進めます。
 燃料、資材価格等の高どまりに対し、農林漁業者の経営安定や生産性向上を図り、経営体質の強化に取り組みます。
 高品質の県産農林水産物、加工食品、日本酒、伝統工芸品等の輸出や国内販路拡大、インバウンド観光等の拡大を目指して、市場のニーズに応じた戦略的なトップセールスを展開します。さらに、取引拡大や誘客、観光消費額増加につながるプロモーションや事業者に対する継続的なフォローアップを実施します。
 県内周遊、滞在型観光の促進やクルーズ船のさらなる寄港拡大、いわて花巻空港の一層の利用促進を図ります。
 いわてで働こう推進協議会を核とした若者、女性に魅力ある職場環境の整備や県内企業の発信力強化への支援、県内出身学生への働きかけの強化により、県内就業やU・Iターンによる人材確保を進めます。
 いわてスタートアップ推進プラットフォームを活用し、各ステージに応じた起業支援や女性起業家同士のネットワークの形成に取り組みます。
 自動車や半導体、医療機器関連産業など、ものづくり産業の一層の集積と高度化を促進します。また、企業の新規立地や増設などにより多様な就業の場を創出します。
 民間資金を活用して産業支援機関の新たな設備導入に取り組みます。
 ECサイトを活用した県産品の販売拡大を支援します。
 昨年締結した石川県との震災復興等に関する協定に基づき、両県の魅力発信、相互誘客を促進します。
 農林水産業を牽引する経営体の育成や、メタバース就業相談会、リモート就業体験、いわて林業アカデミー、いわて水産アカデミー、第三者継承の支援強化等を通じて、新規就業者を確保、育成します。
 外国人材や農福連携による多様な農業人材の受け入れを支援します。
 県オリジナル水稲品種を核に、県産米の生産を安定させ、販路を拡大し、認知度を向上させます。
 高収益の園芸作物、畜産物、特用林産物の生産を振興し、県産木材の利用を促進します。
 気候変動に対応した水稲品種開発や果樹の導入、乳用牛等の暑熱対策に取り組みます。
 AIを活用したリンドウの選花や放牧監視、ドローンによる松くい虫やナラ枯れ被害木の早期発見など、さらなるスマート技術を開発、実装します。
 国の農業構造転換集中対策と連動して、いわて農業生産強化ビジョンに基づき生産基盤を整備し、農業共同利用施設を再編、整備します。
 農山漁村の活性化に向けて、農村RMO―農村型地域運営組織の形成や海業のビジネスモデルの構築を支援します。
 歴史・文化の分野では、国内最多の三つの世界遺産を誇る本県において、本年、平泉と御所野遺跡が、それぞれ登録15周年と5周年を迎えます。この機会を捉えて、橋野鉄鉱山も含めた本県の世界遺産の価値や魅力を県内外に発信し、来訪、周遊を促進します。
 本県が誇る民俗芸能について、鑑賞と発表の場を確保し、担い手の活動意欲の向上や若い世代への継承意識の醸成を図ります。
 本県の黒森神楽や鵜鳥神楽を含む日本各地の神楽のユネスコ無形文化遺産登録を目指し、国や関係自治体とも連携して、国内外へのさらなる魅力発信を行います。
 自然環境の分野では、ツキノワグマ、鹿、イノシシ等の新たな管理計画を策定します。
 ツキノワグマ対策基本方針に基づき、ゾーニング管理や市町村による出没防止策への支援、捕獲者の育成、確保、個体数管理等について、ガバメントハンターの活用も図りながら、市町村や猟友会等と連携してツキノワグマ対策を強化します。
 鹿、イノシシ等の捕獲や電気柵等の設置への支援、新たな侵入防止技術の実証に取り組みます。
 いわての森林づくり県民税を活用して、新たに、野生動物の人の生活圏への出没抑制や大雨時の流木被害の軽減等に取り組みながら、森林の公益的機能の維持、増進に一層努めます。
 次期産業廃棄物管理型最終処分場の令和8年度内の完成に向けて、整備事業を支援します。
 温室効果ガスの削減目標達成に向けて、今定例会に提出しております改訂第2次岩手県地球温暖化対策実行計画に基づき、県民理解の増進や高い断熱性能を有する岩手型住宅の普及、事業者の脱炭素経営、森林整備や藻場再生等に取り組みます。
 県有施設や港湾、空港の脱炭素化を進めます。
 新たに策定する第3期岩手県海洋エネルギー関連産業創出ビジョンに基づき、市町村や関係団体と連携して、海洋再生可能エネルギー発電の事業化を推進します。
 県の水力発電所を再開発し、CO2フリー電力の県内企業等への供給を拡大します。
 社会基盤の分野では、岩手県DX推進計画に基づき、市町村との共同による新たな公共施設予約システムの構築、運用や、災害情報システムの機能向上を進めます。
 大学や企業等によるDX、GX、安全・安心な地域づくりに資する研究開発への支援や、宮城県仙台市に整備された次世代放射光施設ナノテラスの利活用体制の構築に取り組みます。
 全県展開した流域治水プロジェクトを踏まえ、河川改修や砂防堰堤の整備などのハード対策と、家屋倒壊等氾濫想定区域の指定などのソフト施策を効果的に組み合わせた防災、減災対策を推進します。
 災害に強い道路ネットワークの構築や通学路への歩道設置等の安全な道づくり、産業や観光を支える道路整備を行うとともに、岩手県新広域道路交通計画に位置づけた広域道路ネットワークの強化に向け、構想路線等の整備や調査を着実に進めます。
 自転車通行空間の整備や広域サイクリングルートを活用した観光振興に取り組みます。
 港湾施設の適切な維持管理や、関係機関と連携したポートセールスを行います。
 道路や下水道等の社会資本について、個別施設計画に基づき、予防保全型維持管理に取り組みます。
 建設関連団体と連携し、建設業の魅力発信や建設DX、生産性の向上を推進します。
 参画の分野では、今定例会に提出しております新たないわて男女共同参画プランに基づき、固定的性別役割分担意識の解消やアンコンシャスバイアスの理解促進など、男女共同参画、女性活躍を推進し、ジェンダー平等のスタンダード化を進めます。
 デジタル分野で即戦力として活躍できるスキルを備えた女性デジタル人材を育成し、就労まで一貫して支援します。
 夫婦やパートナー間での家事、育児のシェアや家事そのものの負担軽減に向けた取り組みを促進します。
 いわて若者カフェを全県に波及させ、若者の主体的な活動を支援します。
 パートナーシップ制度の導入拡大に向け、市町村を支援します。
 いわて県民計画(2019~2028)の新しい時代を切り拓くプロジェクトについては、さきに述べた三つのゾーンプロジェクトやILCプロジェクトに加え、イノベーションを創出する先導的な施策を進めてまいります。
 農林水産業高度化推進プロジェクトでは、高温登熟耐性を持つ水稲品種やスマート農業に対応したリンゴ樹形の早期開発、効率的な種苗生産に向けたサケふ化場の有効活用など、収益性の高い農林水産業を目指します。
 人交密度向上プロジェクトでは、国が創設したふるさと住民登録制度等を活用し、官民協働による関係人口拡大ネットワークの形成やふるさと納税の普及拡大など、ブランド力の向上による全県的な関係人口の創出、拡大を推進します。
 また、住民主体の持続可能な地域コミュニティーづくりや医療等ビッグデータの活用による市町村の健康課題解決への支援、DX等を活用した学びの充実、文化芸術、スポーツによる特色あるまちづくりの推進、再生可能エネルギー由来の水素の利活用など、それぞれのプロジェクトを進めてまいります。
 地域振興について、四つの広域振興局を拠点に、各圏域のニーズや課題に応じた施策を展開いたします。
 特に、人口減少が進んでいる県北・沿岸圏域においては、豊かな地域資源や新たな社会資本を最大限に生かした産業振興を推進します。
 新たに国の過疎地域等政策支援員制度を活用して、各広域振興局の特命課長等との連携のもと、市町村の人口減少対策への支援を強化します。
 市町村のデジタル化を支援する人材を県で新たに確保し、ニーズに応じた伴走型支援等を行い、市町村のDXを促進します。
 合同就職セミナーやインターンシップの受け入れ、共同採用などの市町村の人材確保に対する支援、市町村職員研修による人材育成、職場環境整備への支援に取り組みます。
 施策の推進に当たり、県民サービスを持続的、効果的に提供していくため、職員の働き方改革や中長期視点での機動的かつ最適な組織、職員体制の見直し、行財政改革を一層進めます。
 生成AIの急速な技術革新に対応し、職員のリテラシー向上に努めながら、利活用を積極的に推進し、業務効率化や質の高い行政サービスの提供に向け、生成AI活用型の行政経営を展開します。
 ハラスメント対策について、不断の見直しを行い、職員一人一人が、安心して生き生きと働ける職場環境づくりを進めます。
 第2期岩手県公共施設等総合管理計画に基づき、市町村や関係団体等と丁寧に議論しながら、将来世代の過度な財政負担を回避するため、公共施設の総量適正化に取り組みます。
 県庁舎整備について、本年度内に取りまとめる岩手県庁舎再整備基本構想に基づき、県民の意見を広く聞きながら基本計画を策定します。
 ふるさと納税やグリーン、ブルーボンドの発行、基金の有効活用等による歳入確保策を実施し、持続可能な財政基盤を構築します。
 およそ30年前、日本が世界のGDP総額に占める割合は約18%でしたが、その後、世界経済が伸長する反面、日本経済は横ばいで推移し、世界に占める割合は、今や4%程度にまで縮小しました。
 可処分所得も低迷が続き、特に若い世代の経済社会活動の縮小、結婚、出産の減少につながり、さらに、東京圏と地方の経済状況の差により人口の極端な一極集中が進みました。
 しかし、日本経済の相対的低下が続く一方で、日本の食文化に代表される生活文化やスポーツ、音楽、漫画やアニメなどのソフトパワーが海外に拡大、浸透し、日本の存在感を高めています。
 今、インバウンド観光や農林水産物、食品の輸出の増加にあらわれているように、豊かな自然と歴史に育まれた食文化に代表される日本の質の高い生活文化が、世界各地で求められています。
 日本の質の高い生活文化は、主に地方で育まれてきたものであり、その代表的存在が岩手県であることを世界に伝えたのが、2023年に行くべき52カ所に盛岡市を紹介したニューヨークタイムズ紙の記事でした。
 こうした背景のもと、菊池雄星さん、大谷翔平さん、佐々木朗希さんと3人もの岩手県出身者がメジャーリーグで活躍しています。世界の人たちが彼らに拍手喝采を送る姿は、日本、そして岩手県のよさへの称賛でもあり、世界に大きく開かれていくことを私たちに促すメッセージにも感じられます。
 岩手県における質の高い生活文化は、質の高い農林水産物、質の高い工業製品、質の高いサービスやクリエーティブの基盤であり、魅力的な地域づくりの基盤です。ぜひ、世界に開かれた地方創生を進め、県境や国境を越えて、人や物、お金の流れを広げ、お互いの幸福を守り育てていきましょう。
 ここにおられる議員の皆様並びに県民の皆様の深い御理解とさらなる御協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   
   日程第7 教育委員会教育長の演述
〇議長(城内愛彦君) 次に、日程第7、教育委員会教育長の演述であります。佐藤教育長。
   〔教育長佐藤一男君登壇〕

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