| 令和7年12月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録 |
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〇27番(吉田敬子君) いわて新政会の吉田敬子です。私が岩手県盛岡市にUターンしてちょうど20年になりました。故郷の豊かさや故郷への強い思いが生まれ、同時に、当時の生きづらさ、すなわち閉塞感は、今なお解消されず、正直、限界と言いたくなるほどの危機感となっております。誰かがやらなくては何も変わらないと県議会議員に立候補し、結婚、妊娠、出産を経ながら、議員の多様なあり方を模索し続け15年になりました。先輩、同僚議員の皆様を初め、多くの方々の御理解と御支援に心から感謝し、順次質問いたします。
2025年の県民意識調査で、今の生活に不満を感じる県民の割合が過去10年で最多の36.9%に達しました。長引く物価高騰や社会情勢の不安定さの影響が推察される中で、私と同世代の40代、また50代の働き盛り世代の自殺も深刻な課題となっており、県民の生きにくさを生きやすさに変えられていない、知事の政治手腕が問われる喫緊の課題です。 この生きにくさの背景の一つには、若年女性の流出の大きな要因とされる固定的な性別役割分担意識などのアンコンシャスバイアス―無意識の思い込みが根深く存在します。 〔議長退席、副議長着席〕 女性活躍推進に関する2024年度の調査結果において、女性管理職の割合は22.0%と横ばいで、登用されない理由の最多が、必要な知識や経験、判断力などを有する女性がいない、56.9%であり、これこそが女性は能力不足という名のもとで行われるアンコンシャスバイアスだと私は考えています。 また、社会全体で男性が優遇されているとの意識が69.5%と依然として高く、一般社団法人共同通信社が主要企業女性役員に行ったアンケートでは、男性の意識が旧態依然としている、昭和感覚といった閉鎖的な企業体質への警鐘が鳴らされています。 さらには、女性活躍を阻む課題として、家事、育児、介護など家庭の負担、55.6%が常に高いまま推移していることからも、個人の努力ではなく社会構造全体に問題があり、若者・女性に選ばれる岩手を実現するためには有効かつ迅速な対策を講じる必要があります。 いわて未来づくり機構では、2025年1月に、若者・女性に選ばれる岩手宣言を実施しました。ことし7月に総会及び第1回ラウンドテーブルを開催し、共同代表でもあるパネリストからは、意識改革はすぐには難しい、自分たちの世代の意識を変えるのは時間がかかる、時間が欲しいなどの危機感が薄いともとれる発言がありました。しかし、岩手県にそのような時間の猶予はあるのでしょうか。こうした指導的立場にある層の意識と、早急な変化を求める現状との認識のずれを私は感じましたが、知事はどう受けとめたのでしょうか。これまでのジェンダーギヤップ解消の取り組みの評価と覚悟をあわせてお伺いいたします。 以下の質問は降壇して行います。 〔27番吉田敬子君質問席に移動〕 〔知事達増拓也君登壇〕 〇知事(達増拓也君) 吉田敬子議員の御質問にお答え申し上げます。 ジェンダーギャップの解消に向けた課題認識等についてでありますが、本年度第1回目のいわて未来づくり機構ラウンドテーブルでは、メンバーから、アンコンシャスバイアスへの理解を深め、固定的な考えにとらわれない意識改革を進める必要がある、固定観念を一度に払拭することは難しいため、まずは意識改革から始めたい、女性活躍のためには企業風土の変革が不可欠であり、トップみずから率先して意識を浸透させる努力が求められるなどの発言がありました。 このディスカッションを通じて、無意識の思い込みを直ちに改めることの難しさを認識しつつも、意識改革の必要性を喫緊の課題として受けとめ、ジェンダーギャップの解消に向け取り組んでいくという姿勢が示されたものと受けとめています。 これまで、本県では、ジェンダーギャップの解消に向けて、経営者などを対象とした講演会、研修会の開催、働きやすい職場環境の整備、家事・育児シェアシートの普及、いわてグラフへの特集記事掲載や県政番組の制作、放映などに取り組んでいるところです。 こうした取り組みにより、経済界を初めさまざまな主体へ取り組みの機運が広がっていますが、地域社会全体のより一層の理解促進と行動変容につなげていくためには、さらなる機運醸成や中長期的な取り組みの継続、深化が必要であると考えております。 引き続き、いわて女性の活躍促進連携会議やいわて未来づくり機構など関係団体等と連携し、こうした官民の取り組みをさらに加速し、オール岩手でジェンダーギャップの解消に取り組んでまいります。 〇27番(吉田敬子君) 御答弁ありがとうございました。私は、まず、知事の危機感を今回問うているわけです。私はこのラウンドテーブルを傍聴しまして、危機感をすごく感じたわけですが、改めて、知事はいかがですか。 〇知事(達増拓也君) 危機感という点では、去年、天野馨南子さんが、まちがいだらけの少子化対策という本を出され、その本の内容は、女性活躍促進関連の法律や制度ができて以降、都会の企業がそれをいち早く励行し、地方から都会への女性の人口移動が多くなっている。それまでも地方から都会への人口移動はずっとあったわけでありますけれども、年によって男性が多かったり、女性が多かったりしたものが、一貫して女性のほうが多くなっているということが起きている。 そのことは去年、一般社団法人岩手経済同友会の岩手経済戦略会議2024でも、天野馨南子さんの基調講演で広く県内経済界に共有され、また、私や岩手大学学長、そして岩手県商工会議所連合会会長も参加している、わきたつ東北戦略会議という東北地方全体の産学官連携協議体でも、天野馨南子さんを招いて東北地方からの人材―特に若い女性の流出というテーマについて議論しました。 若い女性が毎年多く転出超過しているということへの危機は、県内の経済界にかなり共有されていて、それがいわて未来づくり機構ラウンドテーブルにも反映され、提言の策定でありますとか、また、私が先ほど述べましたような、意識改革を進める必要があるとか、意識改革から始めたい、トップみずから率先して意識を浸透させる努力が求められる等の発言にもつながったものと受けとめております。 〇27番(吉田敬子君) 私の最初の質問―知事が本当に危機感を持っていらっしゃるかということが本当に重要で、知事が危機感を持っていらっしゃらない限り、次からの質問になかなかつながっていかないのです。知事から危機感を持っていらっしゃるという御発言がありましたけれども、私は、危機感がずっとあって、今もそれが続いているのに、さらに危機感を持たないといけない状況ですよねということを問うたわけです。指導的立場にある人が、時間が欲しいというようなことを御発言されていて、それについて、知事の危機感を私は問いたいのですけれども、次の質問に行きながらお伺いしたいと思います。 知事のマニフェストプラス39には、いわて未来づくり機構を県のシンクタンクにすることが掲げられています。シンクタンクは、政治、経済、科学技術などの幅広い分野での客観的な調査、研究、分析、そして政策提言が求められます。現状で、機構は具体的にどのような県政課題について、政策提言を知事や県に提示し、それが県政に反映されていると評価しているのか。 また、知事が機構に期待するシンクタンク機能とするため、今後どのようなテコ入れを行うのか、方針をお伺いします。 〇知事(達増拓也君) あるパネリストが意識改革はすぐには難しいと発言したという吉田敬子議員の御指摘は、正確には、固定観念を一度に払拭することは難しいため、まずは意識改革から始めたいという発言のことだと思いますけれども、そこにも危機意識はあらわれていると思います。 いわて未来づくり機構でありますけれども、県内の経済団体や大学など官民の多様な団体がネットワークを構築し、地域社会の発展に向けてオール岩手で取り組み、実践していくことを目的に設置されました。 産学官のトップから構成されるラウンドテーブルでは、アンコンシャスバイアスやウエルビーイング、デジタルトランスフォーメーション、地域経済の成長など、岩手県の新たな課題について、有識者を招き、新たな知見を共有しながら発展の方向性について議論するとともに、東日本大震災津波や新型コロナウイルス感染症など、喫緊のテーマに関する共同宣言を行って、産学官それぞれの行動を促してまいりました。 加えて、連携、協働による調査研究や事業の企画、実践等を行う作業部会を設け、これまで東日本大震災津波からの産業復興や復興教育、子育て支援、地域での見守り活動、地域公共交通、岩手県発の科学技術の普及促進、地域を支える人材育成など、本県が抱えるさまざまな分野の具体的な課題について調査研究と実践を進め、ラウンドテーブルにおいて報告や意見交換を行っています。 また、いわて未来づくり機構では、令和5年からの第4フェーズの目標でありますデジタル化やカーボンニュートラルを推進し、持続可能で人口減少に負けない岩手の実現に向け、令和6年度に、地域人材育成作業部会、少子化対策支援作業部会を設置し、今年度から県内で活躍する若者や女性がラウンドテーブルに参加する、いわて未来枠を設けるなど新機軸にも取り組んでおります。 いわて未来づくり機構が、本県の産学官の知恵と行動力を結集するためのネットワークとして、本県の地域社会の総合的な発展に向けて、オール岩手で取り組み、具体的に実践していくよう、構成団体と連携し、取り組んでまいります。 〇27番(吉田敬子君) ラウンドテーブルのメンバーが全て男性だということと、若者や女性がいらっしゃらないということをこれまで指摘させていただきまして、その後に、いわて未来枠として若者、女性にも参画していただいているという答弁がありましたけれども、ラウンドテーブルのメンバーのいわて未来枠の方々が、常にラウンドテーブルの皆さんと一緒に会議に参加するということでよろしいでしょうか。 〇政策企画部長(小野博君) いわて未来づくり機構ラウンドテーブルにおける、いわて未来枠で御出席いただきます皆様ですけれども、ラウンドテーブルでは、科学技術の活用でありますとか、今回のアンコンシャスバイアスなど、さまざまなテーマを設定して行っております。そういったこともございますので、いわて未来枠の皆様については固定するのではなく、そのテーマに応じて、御活躍の方、あるいは、さまざまな角度から御意見をいただける方ということで、ここは固定ではない形で御出席いただくこととしております。 〇27番(吉田敬子君) 私はそれでは意味がないと思っております。メンバーが全て男性で、若者、女性の枠を設けましたといっても、結局、全ての会議に参加していないということですよね。シンクタンクを目指す中で、分野を決めて、ジェンダーの問題だから女性と若者を追加するということではなくて、科学技術の分野にだってジェンダーの視点が必要だと思っています。人口減少の中で最優先課題としてジェンダーギャップの解消を掲げているのであれば、全ての分野にいわて未来枠―女性、若者をそこに置くべきだと思いますが、知事はどうお考えですか。 〇知事(達増拓也君) いわて未来づくり機構設立の経緯から、このラウンドテーブルにおいては、今、県組織が行っていることでありますとか、大学当局が行っていること、そして、経済団体が行っていることの報告などもあり、また、そこでの議論をそれぞれの団体の長が受けとめて、場合によっては団体の長としての発言をそこで行うということが求められておりますので、基本的には、ラウンドテーブルメンバーは役職に基づいて選ばれているというところがあります。 その結果、そこに女性がいないということが起きているわけでありまして、そこを補う必要性から、いわて未来枠を設けたところでありますけれども、まだ設け始めたところでありますので、さまざま試しながら、効果的な議論ができるよう工夫していければと思います。 〇27番(吉田敬子君) 今後工夫していただけるということですが、科学技術だから女性や若者が要らないということでは決してないと私は思います。これからそういうところにも女性はどんどん行くべきだという社会に今なっていますので、どうしてそういうふうに分けてしまうのか、私は理解できません。知事みずから、今、工夫していきたいというお話をされましたので、ぜひ検討していただきたいと思っております。 盛岡商工会議所の谷村邦久会頭がこのたび再任され、5期目となりました。盛岡商工会議所の会頭が慣例的に岩手県商工会議所連合会の会長に就くことになっていて、いずれも5期務めるのは歴代で初めてとのことです。谷村会頭は、岩手県空港利用促進協議会長、公益社団法人岩手県観光協会理事長など県内の主要な団体の要職も務められています。この5期目の再任に対して、知事はどう受け止め、何を期待しているのかお伺いいたします。 〇知事(達増拓也君) 盛岡商工会議所会頭の再任に対する評価と期待についてでありますが、県内の中小企業、小規模事業者を取り巻く経営環境は、グリーントランスフォーメーション、デジタルトランスフォーメーションへの対応や起業、スタートアップ及び事業承継支援、災害時の支援など、対応すべき課題が複雑化、多様化しており、盛岡商工会議所を初めとする商工指導団体が果たすべき役割が非常に重要になっている中、谷村会頭のこれまでの団体運営の手腕と経験が必要とされ、再任されたものと受けとめております。 谷村会頭のもと、盛岡商工会議所は、これまで、東日本大震災津波からの復興の推進や、新型コロナウイルス感染症の拡大時、また、昨今のエネルギー価格、物価高騰や賃上げ対応などの厳しい状況における中小企業の伴走支援など、県内経済の牽引役として中心的な役割を果たしています。 また、産学官が連携したILCの東北地方への誘致や、世界遺産平泉を初めとする観光振興など、県全体の発展に向けた活動を積極的に展開しています。 盛岡商工会議所は、県内の商工指導団体をリードしていく存在でありますことから、引き続き、幅広い分野における重要なパートナーとして連携してまいります。 〇27番(吉田敬子君) 県内の商工会議所、商工会における役員の女性割合を紹介したいと思います。商工会議所では2.5%、商工会は10.3%と女性の割合がまだまだ低い状況にあります。知事からは先ほど、谷村会頭は重要なパートナーであるということでありますので、いわて未来づくり機構でもいろいろ議論されていることだと思いますから、経済の分野でも、ぜひ積極的に女性を登用していただけるよう、また、商工会議所等の役員にも女性を登用していただけるよう、ぜひ議論いただきたいと思っております。 若い女性の流出は、まちの存続の危機であるとともに、事業所の存続の危機でもあります。ジェンダーギャップ解消の取り組みとして全国的にも注目が集まる兵庫県豊岡市の中貝宗治元市長は、地元経済界の重鎮でもある商工会議所会頭のコミットがその後のまち全体のジェンダーギャップ解消戦略に向けた全面展開への大きな成功のポイントになった、若い女性が豊岡市に帰ってこないのは経済界の姿勢にもあると指摘したことで、商工会議所会頭が、自分たちが行動しなければならないとスイッチが入ったということです。 幸いにも、本県では、岩手県商工会議所連合会会長がいわて未来づくり機構の共同代表を務めております。知事は、この好機を捉え、経済界全体への危機感の共有を図り、企業での取り組みを強化すべきと考えますが、知事の御所見を伺いいたします。 これまでの企業への取り組み評価、今後の方向性もあわせてお伺いいたします。 〇知事(達増拓也君) 本県の進学、就職期における若者、女性の転出の背景として、地方における固定的性別役割分担意識やアンコンシャスバイアスの存在が指摘されており、人口減少や人手不足の観点からも、経済団体と危機感を共有し、企業と連携した取り組みを推進することが重要であります。 県では、官民連携組織である、いわて女性の活躍促進連携会議を通じて、アンコンシャスバイアスの専門家による経営者の意識改革に向けた講演会の開催や、柔軟な働き方の導入に向けた環境整備への支援など、企業におけるジェンダーギャップの解消に取り組んでいます。 これらの取り組みにより、えるぼし認定企業や、いわて女性活躍認定企業、いわて働き方改革推進運動参加事業者が増加しており、各企業では女性管理職の登用拡大や性別にかかわらない育児、介護休暇の取得促進等の取り組みが進められています。 また、連携会議を構成する19の団体では、講演会や研修の開催による意識啓発や育児休暇後の職場復帰の支援、女性管理職の登用割合の設定など、全ての団体において女性活躍やジェンダー平等の実現に向けた多様な取り組みを展開しています。 引き続き、連携会議やいわて未来づくり機構を構成する関係団体等と連携したジェンダーギャップ解消の取り組みを進め、若者や女性が働きやすい、暮らしやすい、選ばれる岩手を目指してまいります。 〇27番(吉田敬子君) 9月の決算特別委員会のときに、政策企画部長にジェンダー平等についての問題は、今は環境生活部で対応しているけれども、限界があるのではないかということをお伝えしたときに、政策企画部長は、ジェンダー平等の問題は人権の問題だから、環境生活部で対応するということをお話しされていました。私は今までの質疑でもお伝えしましたとおり、ジェンダー平等は人権だけの問題ではなくて、また、女性とか若者だけのことではないことを強調させてください。経済や地域の課題でもあるということで、今回、知事からは、環境生活部所管の女性活躍というところだけではなく、いわて未来づくり機構を所管する政策企画部でも連携してやっていっていただけるということでありますので、人権だけの問題ではないことを改めてお伝えしておきたいと思います。 次期いわて男女共同参画プランについて、固定的な性別役割分担意識の解消とアンコンシャスバイアスの理解の促進を重点施策に盛り込んだことは大変評価いたしますが、これまでの質疑で指摘したことも踏まえて、新年度の具体的な施策につながるよう期待するものであります。 パートナーシップ制度について、全国の7割の33都府県で導入済みですが、岩手県はなぜ導入できないのかお伺いいたします。 また、県が2019年度に作成した婚活支援冊子、いわてでステキな出会い叶えるBOOKに、女性はスカートやワンピースを着て、上品に可憐にと書いてありました。これが性別による役割の押しつけだと批判が殺到し、ことし10月末にホームページから削除されました。県行政にジェンダー意識が浸透していない証拠ではないでしょうか。担当である環境生活部の所感もお伺いいたします。 〇環境生活部長(中里裕美君) まず、パートナーシップ制度についてでございますが、県では、令和5年3月に、岩手県におけるパートナーシップ制度の導入に関する指針を策定し、県内市町村における制度導入を促進するとともに、自治体間の連携を推進し相互利用の円滑化を図ってきたほか、性の多様性に関するセミナーを開催し、制度の導入を後押ししてきたところでございます。 その結果、本年4月に4市が新たに制度を導入し、現時点で15市町が導入済みとなり、今後、3市町が導入予定、導入を視野に検討中の市町村も複数あると承知しております。 また、渋谷区と認定NPO法人虹色ダイバーシティの共同調査によりますと、本県県内でパートナーシップが成立した件数は、本年5月末時点で累計36件と、東北地方では最も多い件数となっております。 パートナーシップ制度を実効性のあるものにしていくためには、住民に身近な基礎自治体である市町村で制度の導入が進むことが重要と考えられますことから、引き続き、市町村における制度導入を支援するとともに、県全体でのさらなる制度普及に向けて、他の都道府県の状況も調査研究しながら、多様なパートナーシップの関係にある人々が制度を利用できる環境づくりを進めてまいります。 次に、県行政におけるジェンダー視点の確保についてでございますが、婚活支援冊子いわてでステキな出会い叶えるBOOKは、婚活に取り組む方の参考として、保健福祉部において令和元年度に作成されたものであり、今回、SNSを中心に、特定の女性像の押しつけではないかという御意見があると承知しております。 現在、県では、ジェンダーギャップ解消を進めるため全庁を挙げてさまざまな取り組みを行っているところでありますが、今後、ジェンダー視点を確保した施策が立案されるよう、次期いわて男女共同参画プランに掲げる理念等について、県組織内においても改めて浸透を図ってまいります。 〇27番(吉田敬子君) 先日、岩手県男女共同参画社会を目指す議員協議会で、ジェンダー平等に関して若者との意見交換会を実施させていただきました。大学生、20代、30代の方が参加してくださり、彼らからは、子供、若者の声を聞いて、ただ参考にするだけではなく、意思決定の場に参画させてほしいという意見がありました。全くそのとおりだと思っています。 私は初当選の2010年から、一貫して若者、女性の声をと訴えてきました。当時はまだ、若者、女性への支援の枠組みはなく、岩手県で若者女性協働推進室が設置されたのは2014年のことです。それから11年が経過し、時代や社会情勢の変化もあり、ジェンダーギャップ解消を推進する上での組織や施策のあり方も見直しが必要ではないか。私は先ほどお話ししたとおり、今のままでは限界があるのではないかと考えます。 知事に改めてお伺いしたいのですが、ジェンダー平等の問題というのはどういう問題か、人権の問題と捉えているのか、お伺いしたいと思います。 〇知事(達増拓也君) 国連の場などでも、ジェンダーの主流化という言葉があるように、あらゆる分野に関してジェンダーというテーマはかかわりますし、また、あらゆる分野でジェンダーに関する問題、課題があり、それによって、さまざまな分野で不当に苦しむ人がいたり、不条理な不自由さのもとにある人がいる。それによって社会としても課題があって、災害のときに弱いとか、あるいは、経済の点から見ても成長できないとか、社会経済的にも大変問題がある。ジェンダー平等の問題というのはそういうことだと思います。 岩手県においても、あらゆる部署において、ジェンダーということを念頭に置きながら仕事をしていく体制になっておりますし、特に人口減少対策、地方創生との関係で問題があるということが広く全国的にも共有されているところでもありますので、しっかり取り組んでいきたいと思います。 〇27番(吉田敬子君) 今後の施策に重要ですので、引き続き、さらに推進するような取り組みを期待したいと思っております。 次の質問に移ります。 昨年度開始した子どもの遊び場整備事業は、昨年度は大船渡市と遠野市で、今年度は陸前高田市と釜石市で整備を予定しています。遠野市のTOMOKのような成果は大変評価いたしておりますが、対象年齢が乳幼児から小学校低学年中心となりがちで、小学校高学年から中学生も満足に遊べる施設の不足が私は岩手県の課題だと感じています。より充実した施設整備を可能にするため、補助率の高い、広域自治体による共同整備の後押しをすべきと私は考えています。 また、現在、盛岡市と協定を結んだ民間が資金調達する形で整備を進めていますが、これは県補助の対象外になるとのことです。目指す方向性が同じであるならば、民間活力も引き出すなど各自治体の実情に合わせた補助制度に柔軟に見直すお考えはないのか。 さらに、せめて小学校高学年まで満足できる遊び場など対象年齢を明確な目標とし、その実現のための予算措置も見直していくことも必要と考えますが、県の取り組みの評価と課題、今後の方向性をお伺いいたします。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 県が令和6年度から進めております遊び場の整備に係る市町村への補助については、子育て世帯の声を踏まえ、身近な遊び場の整備を迅速に進めるため、既存の公共施設や民間施設を活用した遊び場整備を市町村と連携して進めているものとなっております。 この補助事業を活用して、令和6年度は大船渡市のDACCO、遠野市のTOMOKが設置され、これまでに大船渡市のDACCOでは、開設以来、延べ6万人以上、遠野市のTOMOKでは、延べ4万人以上に利用され、未就学児を中心に多くの子供たちに遊びの場を提供しているほか、にぎわいの創出や地域の交流の場にもつながっているものと認識しております。 このように、未就学の子供に対する遊び場の整備は進んでいるものの、吉田敬子議員御指摘の小中学生の遊び場については、昨今の夏の猛暑や熊の出没などにより遊びの場が制限されている状況があるものと承知しております。 子供の遊び場の整備については、令和6年度から、国がこども・子育て支援事業債を創設し、遊び場整備にも活用可能となっているほか、民間が主導で遊び場を整備している事例もあり、自治体や民間の創意工夫により、さまざまな形で整備が可能でありますことから、他自治体の事例も参考にしながら研究してまいります。 〇27番(吉田敬子君) 旧県営野球場の跡地活用のサウンディング調査では、子供の遊び場への活用というアイデアも示されました。また、農林水産部による屋内木育施設の整備、県土整備部によるインクルーシブな遊具、公園の推進と、各部局で単独の取り組みが先行しています。 今後、老朽化に伴い県営体育施設の再整備が予定されていますが、この機会を逃さず、子供の遊び場施設を併設することも検討していく必要があると私は考えています。 全国には戦略的に工夫され魅力的な大型屋内施設が多数あります。知事のマニフェストプラス39にも、子供の居場所、遊び場づくりとありまして、今年度は、サウンディング調査を実施したいわて子どもの森だけでなく、県として子供の遊び場―これは屋内、屋外ともにですが―課題やあり方を部局横断的に議論、共有し、今後の方向性を示していただきたいと考えますが、所感をお伺いいたします。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 子供の心身の健やかな成長のためには、遊びを通じて心身の健康を増進し、情緒を豊かにすることが大切でありますことから、県では、いわて子どもの森や、放課後の居場所を提供する放課後児童クラブ、放課後子ども教室の一層の充実を図るとともに、市町村等と連携し、子供たちが屋内、屋外でのびのびと遊び過ごせる環境づくりを推進しているところであります。 先ほども御答弁申し上げましたとおり、子供の遊び場の整備については、さまざまな整備の手法があるものと考えており、吉田敬子議員御指摘のとおり、子供の遊び場に関する施策を実施している部局が複数ありますことから、今後は、関係する部局と情報共有や意見交換を行いながら、子供の遊び場に関する課題やあり方を研究してまいります。 〇27番(吉田敬子君) 保健福祉部長の御答弁でも、小中学生の遊び場が足りないという、その認識があるのはすごくうれしく思っております。冬だけでなく夏の暑さもそのとおりでありますし、岩手県の子供たちは、全国に比してすごく肥満傾向にあります。そしてまた、大人になっても、県民の健康寿命は、岩手県はワーストになっているわけで、子供のうちから体を動かす、遊びから取り組んでいくことはすごく重要だと思います。部局でそれぞれ、財政難の中で、その都度やるということではなくて、保健福祉部が先頭に立って、子供が何を必要としていて、生涯続く人生の中で、今、何をやっていかなければいけないかということを、いずれ県営体育施設は文化スポーツ部の所感になると思いますが、ぜひ連携をとっていっていただきたいと思っております。 次に、産後ケアについてお伺いいたします。 9月定例会の一般質問や決算特別委員会では、宿泊型のみならず、デイサービス型の拡充にも両輪で取り組むことが必要と考え、専門人材の確保、育成に係る支援の強化を図るとともに、引き続き、宿泊型の実施を希望する市町村と連携し、受け皿となり得る施設との調整や助産師の紹介を行う等、市町村が目指す産後ケアの実現に向けて、丁寧な調整、支援に取り組むとの御答弁がありました。 デイサービス型と宿泊型を両輪で取り組むとのことですけれども、どのようなスケジュール感で宿泊型の導入を支援するつもりなのか、具体的な目標やロードマップをお示し願います。 また、専門人材の確保育成について、県は2024年度から、公益社団法人岩手県看護協会に助産師活躍コーディネーターを配置し、調整等を実施しています。助産師なら誰でも産後ケアを担えるわけではなく、産後ケアの質を担保するために、過去に実施したように、継続的な研修制度を設けるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 本年7月に市町村と開催をいたしました、産後ケア事業あり方会議において、宿泊型の新規での実施やデイサービス型の拡充に向けた共通の課題として、専門人材や受け皿となる施設の確保などが挙げられたところであります。 現時点では、こうした課題について、実施主体である市町村と丁寧な議論が必要でありますことから、県の支援に係る具体的な目標やロードマップをお示しできる段階には至っておりませんけれども、実施を希望する市町村や関係機関と調整を進めているところでございます。 また、産後ケア人材の確保、育成につきましては、市町村による産後ケア事業の導入を支援するため、平成29年度から令和元年度にかけて、産後ケア人材の育成研修を実施してまいりましたが、その後、母子保健法の改正により、市町村による産後ケア事業の実施が努力義務とされたことを踏まえ、現在は、産後ケアを含めた助産師の資質向上を図る研修や復職支援に取り組むとともに、助産師が産後ケアを初めとする多様な分野で活躍できる機運の醸成を目的としたセミナーを開催しているところでございます。 一方で、今年度、セミナー参加者を対象に実施したアンケートでは、乳児や出産後の女性に対するフィジカルアセスメントやメンタルヘルスなどの産後ケア研修へのニーズが高かったことから、今後、産後ケアに従事する助産師等を対象に、産後ケアに必要な知識や技術の取得を支援する研修の継続的な実施について検討してまいります。 〇27番(吉田敬子君) 研修を必要としている、やりたいという助産師がいらっしゃっても、分娩に関する研修はやっているけれども、産後ケアはまた別な研修なのです。なので、ぜひ産後ケアに関する研修をやっていただきたいと思っております。 また、施設確保が課題とのことですけれども、新たな箱物を建設する必要はなく、医療機関だけでなく、地域のホテルや旅館を産後ケアの受け皿として活用するモデルを県が主導して構築するべきではないでしょうか。宿泊施設側の理解促進や設備改修への助成、市町村とのマッチングをより積極的に行うべきと考えますが、具体的な支援策をお伺いいたします。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 産科医療機関が限られている本県において、旅館等の既存施設の活用は有効であると認識しており、これまでも実施を希望する市町村からの相談に応じ、二戸市では、県が県立二戸病院からの助産師派遣調整を行い、市内の温泉施設等を活用したデイサービス型の拡充を支援するなど、地域資源を活用した事業の実施を支援してきたところであります。 本年7月に開催いたしました産後ケア事業あり方会議においては、夜間の見守り体制の課題などから、宿泊施設を活用した宿泊型産後ケアの実施について、具体的な検討まで至っている市町村はなかったところでございますが、いずれの市町村においても、産後の母子が必要なときに支援が受けられる環境の整備が最も重要であるとの認識のもと、産後ケア事業も含めた切れ目のない支援体制の構築に努めているところであります。 県としては、実施主体である市町村の考え方や意見を十分に踏まえながら、これまで同様、実施を希望する市町村と連携し、妊産婦が身近な地域できめ細かなサービスを継続的に受けられるよう、市町村の目指す産後ケアの実現に向けまして、宿泊型を含め、産後ケア体制の支援のあり方について検討を進めてまいります。 〇27番(吉田敬子君) 保健福祉部長の御答弁のように、二戸市もそうですし、釜石市も旅館をお借りしてやっておりますので、例えば、盛岡市は特に予約待ちで3カ月という状況の中で、つなぎ温泉だったり、雫石町の鶯宿温泉もありますので、こういった広域での宿泊施設を活用した産後ケアも、ぜひ県が率先して関与しながら、支援を検討していっていただきたいと思っております。 これまでも提言している県立病院における産後ケアについて、県立釜石病院、県立二戸病院、県立大船渡病院の取り組みをさらに広げていただきたいと考えています。地域に産後ケアを実施する機関が少ないなど、地域のニーズに応じて県立病院が対応できる場合は、産後ケアを実施しているとのことですけれども、盛岡市の産後ケアは、先ほどお話ししましたとおり、3カ月予約待ちの状況です。ほかに実施している機関があったとしても、県立中央病院など県立病院において実施できる体制整備をしてもらいたいと考えますが、県の考えをお伺いいたします。 〇医療局長(小原重幸君) 県立病院における産後ケアにつきましては、吉田敬子議員から御紹介がありましたとおり、県立釜石病院に加え、今年度から県立二戸病院や県立大船渡病院で実施し、地域に産後ケアを実施する医療機関がないなど、地域のニーズに応じ、診療に影響がない形で産後ケアを実施しているところであります。 一方で、県立病院は地域周産期母子医療センターとして、周産期に係る比較的高度な医療の提供や救急搬送の受け入れに対応するなど、安全な分娩を提供する役割も担っているところであります。 県立病院の分娩件数は減少傾向にはありますが、限られた人員の中で夜勤などの体制維持に努めているところであり、産後ケアの拡充につきましては、安全な分娩を提供するための体制整備とあわせ、引き続き検討してまいります。 〇27番(吉田敬子君) よろしくお願いいたします。 県内の分娩可能施設が9市町20施設と年々減少し続けている状況は、母子の命と健康を守る周産期医療体制にとって極めて深刻だと考えています。この危機的状況に対し、岩手県保健医療計画(2024~2029)の策定時にも、周産期医療と産後ケアは一体的に取り組むべきと強く提言してきました。これは、産科医、助産師等で構成される岩手県小児・周産期医療協議会でも重要性が繰り返し指摘されてきました。保健医療計画策定後は、協議会や部会でどのような議論がされているのかお伺いいたします。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 小児や周産期医療に従事する機関で構成されます、岩手県小児・周産期医療協議会や周産期医療体制等検討部会におきましては、現保健医療計画の策定に当たりまして、周産期医療の充実に向けた施策の一つとして、産後ケアの取り組みの方向性についても計画に盛り込むことなどについて議論を行ったところであります。 計画策定後の具体的な産後ケア事業の導入促進に当たりましては、実施主体である市町村が参画し、議論を深めていく必要があると考えております。 このため、これまでも市町村との産後ケア事業のあり方会議での議論や、岩手県産婦人科医会や一般社団法人岩手県助産師会など関係団体と個別に情報共有し、意見交換を行ってきたところでありますが、現在、県、市町村、岩手県産婦人科医会や岩手県助産師会などが一堂に会し、意見交換を行う場を年度内に開催する方向で調整を進めているところであります。 こうした意見交換の場を通じて、市町村が目指す産後ケアの実現に向けて検討していくとともに、岩手県小児・周産期医療協議会とも情報共有を図りながら、取り組みを推進してまいります。 〇27番(吉田敬子君) お願いいたします。協議会の中でも、産後ケアのことは産科医からずっと指摘がありましたし、私も何度か傍聴させていただきましたが、県立病院という可能性もその協議会の中で話がありましたが、途中で話し合いにならなくなったり、そもそも令和6年度は協議会自体が全く実施されていない状況です。今年度中にその場を設けていただけるということなので、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思っております。 妊娠中では20~24歳が、産後では40~44歳の自殺死亡率が最も高くなっているとの調査結果が示されています。児童虐待相談対応件数は増加傾向で、2023年度は過去最多の2、992件。死亡事例の約7割がゼロ歳児となっており、育児の負担や孤立、予期せぬ妊娠などが背景にあり、母子を守る上で重要な時期と私は考えています。 2024年12月定例会において、岩手県における困難を抱える妊産婦に対する支援の充実・強化を求める請願が全会一致で採択され、請願の中では、特定妊婦に対する居場所の提供も含めた支援の充実について求められています。 移転新築予定の母子生活支援施設かつら荘が妊婦から利用できるよう、盛岡市と運用に関して調整すべきでありますし、広い県土に一つではなく、複数施設が必要と考えますが、所見と今後の方向性をお伺いいたします。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 吉田敬子議員御紹介の母子生活支援施設は、児童福祉法に基づき、配偶者のない女性または夫がいてもDVなどにより生活をともにすることが困難な女性とその子供を入所の対象とした施設であり、県内では盛岡市立かつら荘1カ所が設置されております。 施設の設置者である盛岡市からは、法に基づき、単身の妊婦は受け入れておらず、また、現状の施設は旧基準の建物であるため、産後の母子の生活に適した環境ではなく、産婦と乳児の受け入れは行っていないところではありますが、かつら荘は今後、移転新築を控えており、移転後は母子生活支援施設として適切な環境の整備を進め、産婦と乳児の受け入れも行う予定と伺っているところであります。 また、複数施設の必要性については、今年度から県の委託により実施しております、にんしんSOSいわての一時的な居場所支援の利用状況なども見極めながら、女性支援に関係する行政や民間団体で構成する、岩手県困難な問題を抱える女性への支援等連絡協議会の場などを活用し、妊娠から出産までの切れ目のない支援体制の構築に向けて、市町村や関係機関とともに研究していきたいと考えております。 〇27番(吉田敬子君) よろしくお願いいたします。 県は、家事・育児シェアシートによる啓発を実施していますが、具体策を講じる段階だとこれまでも提言しています。家事代行サービスやベビーシッターサービスは、費用負担の面などから利用者が限られているものの、その利用を促すことは、家事育児を女性や母親が担うベきだという意識から解放していくことにもつながると私は考えています。 産前産後サポートとして家事代行やベビーシッター利用料への助成をしている市町村もありますが、4市町村にとどまっている状況の中で、女性のキャリア継続や男性の育児参加を促すためにも、産前産後の最も負荷が高い時期だけでも先行して、県全体で統一的に支援を拡充することが不可欠と考えます。家事育児の負担が女性に大きく偏っている現状を具体的にどう変えようとしているのか、家事代行サービス、ベビーシッターヘの補助についての県の考えをお伺いいたします。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 吉田敬子議員御指摘のとおり、現状では、依然として女性の家事育児負担が大きい状況と認識しておりますが、家事育児負担の大きさは、長時間労働などの働き方の問題とも関連することから、仕事と子育ての両立支援策の総合的な整備に向けて取り組むことが重要であり、行政による支援とあわせて、企業における支援策の充実が必要と考えております。 また、ベビーシッターの利用については、安全と質に関する不安の声がありますことから、今般、国の新たな総合経済対策の中に、安全で質の高いベビーシッターを利用しやすくするための安全に関する基準に適合するベビーシッターの情報提供などを行うプラットフォームの構築が盛り込まれたところであります。 県では、こうした国の動向も踏まえながら、吉田敬子議員御指摘の補助制度も含め、支援のあり方を研究するとともに、仕事と子育ての両立支援策の総合的な整備を進めるため、企業における目標や対策を定めた一般事業主行動計画の策定促進に係る働きかけや支援を強化していく考えであります。 〇27番(吉田敬子君) 忘れてほしくないのが、ひとり親家庭は自分自身の長時間労働を是正したとしても、頼れる人が身近にいないのです。保健福祉部長のお話は、カップルというか、お父さんがいて、お母さんがいるというのが前提の考え方です。家事育児を誰かに担ってもらわないとやれない、ひとり親などがいらっしゃいますので、もっと広い視野でもって政策を考えていただきたいと思っております。 教育施策についてお伺いしたいと思います。 文部科学省が、生涯にわたる学びの基盤をつくるための重要な時期とする5歳児から小学校1年生の2年間への支援強化は不可欠と考えています。 幼児期教育と小学校教育の円滑な接続が求められる中、2025年度の架け橋期のカリキュラムを作成している市町村は、予定を含めて29市町村、幼児教育アドバイザーの配置は10市町村15名とのことですが、どのように運用されているかが私は重要と考えています。 2022年に設置されたいわて幼児教育センターは、この幼保小の架け橋を担う中核組織でありますが、センターの機能が十分に果たされているのか、幼保小接続の現状と課題をどう捉え、今後どのように改善する考えかお伺いいたします。 〇教育長(佐藤一男君) いわて幼児教育センターは、幼保小の架け橋の中核として、幼児教育及び小学校教育の教員等を対象とした研修の提供や、園や学校を中心とした関係機関の連携の促進に取り組んでおります。こうした取り組みにより、幼児教育と小学校教育の双方の学びへの理解が着実に進んでいると捉えております。 一方で、幼児教育と小学校教育をつなぐ架け橋期のカリキュラムの整備を終えているのは12市町村であり、このカリキュラムの整備促進とカリキュラムに基づいた取り組みの充実が課題であると認識しております。 このため、県教育委員会としては、今後、各市町村のカリキュラム作成の伴走支援や、研修、実践交流の場の充実に取り組み、市町村、園、学校と一体となって、幼児教育の学びが小学校教育へ円滑につながるよう努めてまいります。 〇27番(吉田敬子君) 私の子供がことし小学校に入学したのですが、1年生の段階で、既に学校に来られない子供がクラスにおります。私は自分が母になって、改めて、親もですが、子供たちが急に小学校に入った途端に投げ出されるというか、そういう感覚があって、せっかく幼保小の連携の取り組みがあるのに、市町村で重要性の認識が足りないのではないかと思っております。教育長は、課題として認識されているということですので、ぜひもっと具体的な施策にしていただくようにお願いしたいと思っております。 内閣府のインターネットによる子育て費用に関する調査によると、中学卒業までに約1、900万円、高校卒業までに約2、400万円が必要と推計されています。20年前と比較すると、中学卒業までに必要となる費用は、約350万円~550万円程度も増加し、10年前からも約150万円~210万円増加していると推計されています。高校授業料の無償化等はありがたい施策だが、子育て費用の増加分の多くは、授業料以外の通学費や昼食費、教材費、制服、部活動費などの日々の負担でもあります。 例えば近年、保護者の負担軽減のため、小学校の算数セットの備品化を検討する自治体がふえています。一時的な行政負担の増があったとしても、長期的には、子育てを支える県として費用対効果は高いと私は考えています。 家庭の収入はほとんど変わらない状況の中で、教育費だけが高騰するという中、家庭における教育費の負担をどう軽減するか、ぜひ考えてほしいと思っておりますが、県の所感をお伺いいたします。 〇教育長(佐藤一男君) 県教育委員会では、国の財源等を活用し、授業料の支援を行う高等学校就学支援金や、授業料以外の教育費の支援を行う奨学のための給付金の支給などを行っているところです。 また、令和4年度から食材高騰に伴う県立学校の学校給食費の値上げ分について支援を行うなど、保護者の経済的負担の軽減を図っているところであります。 義務教育に係る教育費の負担軽減につきましても、各市町村における就学援助が適切に実施されるよう必要な助言等を行っているほか、今般の物価高騰を受け、令和7年6月に文部科学省の通知により示された教材の学校備品化、制服、体操服の契約の見直しなどの工夫事例について、各市町村へ周知したところであります。 県教育委員会としましては、教育費の負担軽減について、これまでも、国に対して、安定した財源を確保することや、物価高騰への支援策を継続的に講じるよう要望を行っており、引き続き、学びの環境の充実が図られるよう努めてまいります。 〇27番(吉田敬子君) 県が市町村に対してそういう通知を出されたということですけれども、もっと踏み込んで、例えば小学校は市町村教育委員会が実施主体なので、市町村次第ではあるのですけれども、県全体の施策としても、こういうものをやっていったらいいのではないかという考えも念頭に置いていただけたら大変ありがたいと思っております。 本県の不登校児童生徒は前年度比9.8%増の3、351人と過去最多となり、別室登校や欠席を繰り返す児童生徒を含めると、不安やつらさを抱えた子供はさらに深刻な数に上ります。不登校対策として、県は27市町村に対する市町村教育支援センターの設置支援や、校内支援センターの整備を小学校61.6%、中学校87.2%進めております。 その一方で、岩手県不登校支援ポータルサイトの情報アクセス性の低さや、2021年度に岩手県不登校児童生徒支援連絡会議を設置し6年になりますが、不登校支援フォーラムを開催し、県内の不登校の現状や各市町村などの支援内容を知る機会にはなりますが、対象者設定の曖味さを私は感じており、既存施策の限界ではないでしょうか。 全国で多様な施策が展開される中、最も困っている当事者の子供たちや保護者への直接的な支援―特に経済的負担軽減策が求められています。昨年の一般質問でも提言したとおり、長野県のフリースクール認証制度などを参考に、本県においても、環境生活部が行っている若者の居場所支援をフリースクールヘ拡充し、県が認証するフリースクールヘ運営費補助を行うことで、子供や保護者の経済的負担軽減を図る取り組み等を検討すべきだと私は考えています。 不登校問題の深刻化を食いとめるため、県は、既存の啓発的な支援から、フリースクール認証制度と運営補助という当事者へ直接届く経済的支援等へ、支援の主軸を戦略的に転換すべきと考えますが、本県の不登校支援の今後の方針をお伺いいたします。 〇教育長(佐藤一男君) 県教育委員会では、ただいま吉田敬子議員から御紹介のありましたとおり、これまで市町村の校内外教育支援センターの設置、拡充、フリースクール等民間団体との連絡会議やフォーラムの開催などに取り組んできたところであり、今年度は、新たに支援ガイドの作成やポータルサイトの構築に取り組んでいるところです。 今般、文部科学省から不登校児童生徒への支援について、改めて、学校及びその設置者において取り組むべき内容が通知され、都道府県教育委員会においては、域内の教育委員会や関係機関、フリースクールなどの協議結果を踏まえて、校内教育支援センターの設置支援や、市町村の不登校児童生徒への支援方策の調整等の役割を果たすことが示されたところです。 県教育委員会としましては、この通知を踏まえ、引き続き、市町村教育委員会や関係機関、フリースクール等の民間団体との連携強化を図りながら、児童生徒や保護者への一層の支援に取り組んでまいります。 一方、フリースクールへの支援に関しては、国に対して、不登校児童生徒が利用する民間の団体及び施設への経済的支援のあり方について、フリースクールの定義、フリースクール等への補助の考え方や方法、評価基準、補助額等の統一的な見解や財政措置を含め、速やかに検討し、必要な措置を講ずるよう要望しているところです。 フリースクールにつきましては、その活動目的や活動内容等について、個々に状況を見ていく必要があると考えており、必要な支援のあり方やどのような支援が可能かなど、国の動向や他県の取り組みを注視してまいります。 〇27番(吉田敬子君) 今年度は支援ガイドとポータルサイトをつくられたということですけれども、教育長は、このポータルサイトを見たことはありますか。 〇教育長(佐藤一男君) はい、担当職員から示されて、見ております。 〇27番(吉田敬子君) ポータルサイトを見られて、どうでしたか。私は、これは何回もクリックしないと自分が必要な情報にたどり着かないですし、例えば、小学校1年生にとっては漢字も読めなくて難しい状況だとか、誰を対象にしたポータルサイトかがわかりづらいのですけれども、教育長はどう思われますか。 〇教育長(佐藤一男君) 職員からもさまざまそういう指摘があるということを承知しております。今回初めて構築したということですので、改善を重ねてまいるべきものだと考えております。 〇27番(吉田敬子君) お願いします。わかりづらいということを認識されているということで、そこだけはありがたいですけれども、ただあるだけで何の役にも立っていないと言ったら言い過ぎですけれども、何回もクリックしないと自分に必要な支援が何なのかということに全くたどり着かないのです。構築すればいいということではなくて、子供たちが見れる必要な情報を環境にしてほしいです。県として、小学生、中学生、高校生までを対象にしているものなのか、高校生のみを対象としたものなのか。内容を見ると小学生も対象にしているようなので、小学生でもわかるようにしていただきたいと思っております。 先ほどフリースクールに関しては、国の動向を見る、ガイドラインも国でいろいろ協議されてからとお話しされていますけれども、他県ではもう既にいろいろなことをやっているのです。岩手県では、不登校児童生徒支援連絡会議を設置してからもう6年もたっていて、ずっと支援フォーラムをやっているのです。確かに、支援ガイドをつくって、ポータルサイトもつくりましたけれども、当事者の子供や御家族からすると、この支援フォーラムが何のために開催されているのかがわからないという声も実際聞いています。教職員に対しては、もしかしたら事例共有の場としてはいいのかもしれないのですけれども、本当に一番困っている子供、御家族に対する支援は何が必要なのか、ぜひ考えていただきたいと思っております。 その中で、不登校の小中学生がオンライン教材で自宅学習すると、一定の要件を満たせば、学校長の判断で出席扱いにできます。この制度は20年も前の2005年から運用が始まり、今は1人1台端末のデジタル環境が整う中で、昨年度の県内の状況は、小学校たったの18名、中学校27名と全体の不登校児童生徒のたったの1.7%にすぎません。学校等から児童生徒や保護者等への情報提供も十分でないのではないでしょうか。 他県では、さらに進んだオンラインを活用した不登校支援を開始しています。千葉県は、県内小中学生に向けたオンライン授業を配信しており、埼玉県は、市町村が学習支援を、県が相談支援を担当し、博物館等と連携したオンライン体験活動など、全部オンラインで行っています。 このようなメタバース教育支援センターを設置している自治体が多数ふえております。オンラインを活用した学びの提供を早急に進めるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 〇教育長(佐藤一男君) 不登校による学習のおくれなどが学校への復帰の不安につながる場合もあることから、オンラインによる学びの提供により、学習等に対する意欲やその成果を認めることは、自己肯定感を高め、学校への復帰や社会的自立を支援することにつながります。 県教育委員会の調査によりますと、指導要録上の出席扱いに限らず、不登校児童生徒に対してオンラインによる学びの提供を行った実績がある学校を有する市町村は、30市町村あることを把握しております。 具体的には、1人1台端末を利用して、小中学校において、校内教育支援センターにいる児童生徒に対し、教室の授業のライブ配信や、ドリル教材を活用した学習支援を行うなどの取り組みが行われております。 また、県立高校におきましても、自宅や校内の別室にいる生徒に対し、オンラインで授業の配信を行うなど、不登校児童生徒に対する学びの提供に取り組んでおります。 引き続き、市町村教育委員会と連携して、1人1台端末を効果的に活用し、オンライン授業を配信するなどにより、不登校児童生徒の教育機会の確保に取り組んでまいります。 〇27番(吉田敬子君) 先ほど、1人1台端末を利用した取り組みは拡充していきたいとお話しされましたけれども、私が例として挙げた他県は、実際、都道府県が先行して、市町村とも連携して、小学校も中学校も、高校生だけでなくオンライン授業を配信しているのです。そういったところは、今、全く検討はしていないということでしょうか。 〇教育長(佐藤一男君) 全国の状況を調査研究しながらも、我々としては、先ほど申し上げたように、小学校、中学校、高等学校それぞれ1人1台端末を活用して、校内教育支援センター、あるいは自宅に対して授業配信する、あるいは病院等も含めてですが、そういった取り組みを、まずは着実にやっていく。子供たちのニーズに応じた取り組みを進めていくということを考えております。 〇27番(吉田敬子君) 不登校の問題について、私だけでなく多数の議員が取り上げているわけで、先ほどもお話ししましたけれども、不登校児童生徒支援連絡会議を設置して、6年たっていて、支援ガイドをつくったり、ポータルサイトはつくっているのですけれども、もっと具体的に、子供たちが学べる環境をさらに拡充していただきたいと思っております。 家から出られない子供たちも多数いるのです。外に出て、例えば教育支援センターだったり、学校の校内支援センターにというのもそのとおりですけれども、まずは、家すらも出られない子供たちがいる中で、せっかく自宅で学習できる環境を国が整えているのに、たったの1.7%しか岩手県が利用できていないという状況をしっかり受けとめていただいて、この不登校支援対策は、もっと子供とその当事者の御家族の声を聞いていただきたいと思っております。 教育長は連絡会議の場で、当事者の方などのお話を聞いて、具体的にどのように感じているのかお伺いしたいと思います。 〇教育長(佐藤一男君) この連絡会議は年に2回開催しておりますが、この連絡会議に私が参加しているわけではなくて、この連絡会議が実施している支援フォーラム等には参加しております。あるいは、個別にフリースクールにお邪魔しているというようなことがございます。 その中で、さまざま保護者のお話とか、不登校の御本人からお話を聞いたりなどして、今、大変苦労している様子とか、困難な状況というのは承知しているつもりではあります。 〇27番(吉田敬子君) 私たち大人が考える以上に、子供にとってすごく困難な状況だということを、ぜひ教育長に、改めてそこは覚えていただきたいと思います。子供たちが声を上げること自体、頑張って絞り出した声であって、その裏には、本当に困難な状況があって、本当は学びたくても学べないという子供たちが今、すごくふえているのです。どのような環境であっても、学びを保障していくのだという姿勢をぜひ見せていただきたいと思っております。 県立高校の入試で扱う調査書、内申書の欠席日数欄をなくす動きが全国で広がっています。不登校生徒への配慮でもあります。2027年度入試までに4割に当たる19都府県でなくなるとのことです。2023年度以降は、不登校の生徒の教育機会確保の観点から、在籍中学校の出席状況だけで不利に扱わないようにと国は具体的に通知しているとのことですが、本県の不登校生徒の評定の取り扱いは実際どのようになっているのか。地域や学校ごとに決まっているのか。調査書の欠席日数欄の削除について、今後の方向性をお伺いいたします。 〇教育長(佐藤一男君) 調査書には、学年ごとに各教科の評定、授業日数、欠席日数及び欠席理由等が記載されており、各中学校が受検生それぞれの調査書を作成し、出願時に高校に提出します。 この欠席日数、欠席理由については、選抜に用いず合否に影響しませんが、高校では、入学に当たっての生徒理解や支援を行うために必要な情報と捉えているところです。 県教育委員会としましては、調査書の欠席日数を初めとする記載事項のあり方について、全国の動向も注視しながら不断に検討してまいります。 〇27番(吉田敬子君) まだ検討もしていない、今後検討するということですね。全国的には今、4割に当たる都道府県でなくすということを決めていますので、ここをぜひしっかり検討していただきたいと思っております。 県立高等学校再編計画の議論が進められる中、地理的な制約をICTで克服し、小規模校でも多様な学びを提供できないだろうかと考えています。複数の小規模校や統合先の学校とネットワークで結び、外国語など特定の科目を合同で実施する合同オンライン授業の実施、大学や研究機関など、遠隔地の専門家などによるオンライン特別授業を定期的に実施し、小規模校では提供が難しい高度な学びの機会を確保する、遠隔地から支援するなどの取り組みに挑戦しようという考えはなかったのか、お伺いいたします。 〇教育長(佐藤一男君) 本年4月に策定した県立高等学校教育の在り方長期ビジョンでは、高等学校教育の充実に向けた方策としまして、中山間地等に所在する小規模校の教育の質の保証、機会の保障に向けた、教科、科目等の種類の増加、多様な学習ニーズに対応するため、遠隔教育のメリット、デメリットを踏まえながら、普及、拡大に取り組むこととしております。 県教育委員会では、これまでも、小規模校における生徒の多様な学習ニーズへの対応と質の高い学びの保証を図るため、遠隔教育に取り組んできており、令和7年度は、県立杜陵高等学校を配信拠点とし、小規模校6校に対して、延べ11科目を教育課程に位置づけて授業の配信を行っているところです。 今後も見込まれる生徒数減少により、さらなる学校の小規模化が懸念される中、小規模校における学びの質の保証と機会の保障に向け、遠隔教育の普及、拡大やICTの利活用の一層の推進など、学びの充実に取り組んでまいります。 〇27番(吉田敬子君) よろしくお願いいたします。 文化芸術の振興についてお伺いいたします。 2017年の改正文化芸術振興基本法は、年齢や経済的状況にかかわらず、誰もが文化芸術を鑑賞、創造できる環境整備を基本理念とし、乳幼児等ヘの文化芸術教育の重要性を明記しました。豊かな創造力やコミュニケーション能力を養うためには、私は、未就学児の時期こそ文化芸術の推進が重要だと考えていますが、文化庁の学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業は、2023年度から未就学児が対象外となってしまいました。 香川県の芸術士派遣事業は、子供の感性と創造力を育む画期的な取り組みとして全国的に注目されています。この事業は、県内で活動する芸術の専門家を保育所、幼稚園、こども園に派遣して、日々の保育、教育の中で、子供たちと絵画、造形活動、身体表現などさまざまな表現活動を行うものですが、このような取り組みも参考に、幼児期における文化芸術の推進に取り組んでいただきたいと考えますが、県の所感と今後の方向性をお伺いいたします。 〇文化スポーツ部長(菊池芳彦君) 県では、第4期岩手県文化芸術振興指針に基づき、子供たちの興味、関心の向上や文化芸術活動への参加を促進し、多くの子供たちに文化芸術に触れる機会を提供する取り組みを進めていくこととしています。 そうした中、県では、公益財団法人日本青少年文化センターの芸術鑑賞プログラムを活用した市町村における芸術鑑賞会の開催支援や、岩手芸術祭の関連事業である芸術体験イベント、公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団との楽しいオーケストラin岩手の開催など、子供たちの文化芸術に触れる機会の提供に取り組んでいるところです。 一方で、幼児期の子供に対するさらなる機会の提供については、まずは保育の現場や市町村等の取り組み状況やニーズ等の実態を把握することが必要と認識しております。 こうしたことから、各市町村や就学前施設に対して、文化芸術体験の取り組み状況などについて調査を行うこととし、現在、その準備を進めているところです。 吉田敬子議員御紹介の、香川県内で取り組む芸術士派遣事業などの先進的な事例につきましては、事業実施の背景ですとか課題等も含めて情報収集を行いながら、県としては、まずは市町村の状況調査を行い、その取り組みの方向性については、市町村等とも議論してまいりたいと考えております。 〇27番(吉田敬子君) 状況把握のための調査をまずはしていただけるということで、大変ありがたく思っております。まずそこに期待したいと思っております。 2022年に改正された博物館法は、博物館に文化観光、福祉、産業など多様な分野での地域連携を求めています。ことし8月に開催された公益財団法人岩手県文化振興事業団創立40周年記念講演会・シンポジウムに私も参加させていただきましたが、美術館や博物館は特別なものではなく、暮らしに溶け込む存在であるべきということ、また、青森県内五つの美術館を結んで実施したAOMORIGOKANアートフェスは、連携を通じて観光振興や経済効果を生み出したということを学びました。 先日、知事は深沢紅子野の花美術館―これは私設の美術館で、私も御一緒に鑑賞させていただきましたが―美術館の可能性についてお話しさせていただきました。博物館法改正の趣旨を踏まえ、県立、市町村立、私設の美術館の広域連携事業などを展開すべきと考えますが、所感をお伺いいたします。 〇教育長(佐藤一男君) 県立美術館では、県内の美術館と連携した魅力ある企画展の充実を図るため、これまでに、花巻市の萬鉄五郎記念美術館と、没後90年萬鉄五郎展を共同開催しているほか、盛岡市の深沢紅子野の花美術館の協力による企画展などを開催してきています。 また、毎年度、県内外の美術館と連携し、萬鉄五郎、松本竣介、舟越保武を初めとする、本県ゆかりの作家の所蔵作品の貸し出し等を行うことで、県内外への本県作家の魅力発信と鑑賞機会の充実にも取り組んでいるところです。 これからの美術館には、貴重な作品の収集、保管、展示といった従来の役割に加え、文化の力で地域を元気にしていく拠点となることが期待されていることから、他県の事例も参考にしながら、今後も、岩手県の芸術文化活動の拠点施設として、県内外の美術館と連携した取り組みに努めてまいります。 〇27番(吉田敬子君) 例えば、青森県は岩手県でいう商工労働観光部が美術館を所管していますが、観光の視点が結構大きいということも岩手県文化振興事業団創立40周年記念講演会・シンポジウムのときに、元青森県立美術館長がいらっしゃっていて、学びました。文化芸術振興の部分は文化スポーツ部の所管だと思いますし、県立美術館の所管が県教育委員会ですが、連携してそこは取り組んでいただきたいと思っております。 次に、県ではこれまで、県民向け施設への県産木材活用や木製品の導入など、木育や県産材利用を推進されてきたということで評価しております。特に、2023年の全国植樹祭は、次代を担う子供たちへの継承の重要性を認識する大きな契機となりました。このレガシーを生かし、次のステップヘ進むため、森林環境学習の質と量の向上を図る必要があると私は考えております。 緑の少年団の育成について、岩手県森林・林業会議から要望も出ていますが、使われなくなった学校林や地域の里山を教育活動に継続的に活用するため、教育現場との連携の強化や、森林、林業への関心を高めるため、中高校生などを対象とした夏休みを活用したインターンシップヘの支援など、将来の人材育成に資する新たな取り組みも検討すべきではないかと考えますが、いわての森林づくり県民税を活用した木育、森林環境教育についての評価と今後の方針をお伺いいたします。 〇農林水産部長(佐藤法之君) 県では、児童生徒等の森林への理解醸成を図るため、いわての森林づくり県民税を活用して森林環境学習会を開催し、これまで延べ約400校、1万人以上が参加したほか、いわて子どもの森や保育所など75施設への木製玩具等の導入、県民の森など4カ所の森林公園への木育スペースの整備を進めてまいりました。 また、森林の働きや林業の役割を学ぶ冊子を配付するほか、林業普及指導員が主体となり、地域の林業経営体と連携して、高校生を対象に林業機械の操作やドローンによる森林調査などの職業体験を実施しておりまして、こうしたさまざまな取り組みにより、木育の推進や森林づくりへの理解醸成、将来の林業の担い手育成につながっているものと考えています。 今般お示しした令和8年度以降のいわての森林づくり県民税の最終案では、木育の推進や森林環境学習の展開に継続して取り組むこととしておりまして、今後も、関係団体等と連携し、森林との触れ合い、森林の役割や木材のよさ等を学ぶ機会を積極的に提供するとともに、地域の魅力ある職業である林業の理解醸成に取り組んでまいります。 〇27番(吉田敬子君) 今定例会で公表された第2期岩手県公共施設等総合管理計画(最終案)の基準に基づく評価結果では、方向性のたたき台として、森林公園を県民の森へ集約する―県内には五つの森林公園がありますけれども、その五つのうち四つの森林公園を解体することになっています。 今後、県として、いわての森林づくり県民税を活用して、森林公園をどのように整備していくのかお伺いいたします。 〇農林水産部長(佐藤法之君) 県では、いわての森林づくり県民税を活用し、森林公園における木育スペースの設置など、利用者ニーズを踏まえた機能強化を図りまして、多くの県民に利用されてまいりましたけれども、人口減少が進む中、県民が将来にわたり公共施設を安全、安心に利用し続けられるよう、持続可能な公共施設のあり方を実現するという全庁的な考え方のもと、今後の森林公園の整備について検討を進めてまいりました。 公共施設の延べ床面積を2040年度までに85%程度まで削減するという目標の達成に向け、先般公表した第2期岩手県公共施設等総合管理計画(最終案)で示された評価基準のもと、2034年度までの10年間で、施設の今後のあり方を検討するためのたたき台として、県民の森について、他の四つの森林公園との集約化を前提に、施設の長寿命化改修を検討するという方向性をお示ししました。 今後、利用実態や利用者1人当たりのコストについて評価する公共施設カルテを作成するとともに、施設をめぐる社会情勢等を考慮した上で、市町村や関係団体等と丁寧に議論しながら、森林公園の具体のあり方を検討してまいります。 〇27番(吉田敬子君) 今回の公共施設等総合管理計画ですが、確かに、今後の財政見通しを踏まえると、集約とかそういうことは必要にはなってくるのですが、ただ、農林水産部として、こちらにいわての森林づくり県民税を活用して木育施設をふんだんにつくっていただいた中で、解体というのは、私はすごく残念に思っています。また、森林公園には、施設もあり、建物だけでなく森林の部分もそのまま放置するわけにはいかないでしょうから、ぜひ解体、集約という方向性ではない、何とか残せるような方向性で議論を進めていっていただきたいと思っております。 最後に、ツキノワグマ対策についてお伺いしたいと思います。 先ほど工藤剛議員が取り組み状況や今後の対策について取り上げました。今回の緊急的対策ですけれども、いろいろな取り組みが遅かったのではないかと私は捉えていますが、これまでの緊急的対策を県はどう評価しているのかお伺いしたいと思います。 〇環境生活部長(中里裕美君) これまでのツキノワグマ対策の評価についてでございますが、県では、捕獲を実施する市町村にあらかじめ配分している特例許可の捕獲枠を年度途中に追加配分することによりまして、人の生活圏に侵入してきたクマの捕獲をさらに進め、今年度は捕獲上限数の796頭を超え、10月末時点で1、000頭近く捕獲するなど、被害防止対策に取り組んできたところでございます。 また、ことし9月の緊急銃猟制度の施行に先駆けて、県のマニュアルを抜本改定するとともに、市町村の求めに応じて助言等を行う緊急銃猟対策チームの設置について定めたほか、施行後、速やかに実施した実地訓練の成果を市町村と共有することで、洋野町、釜石市における緊急銃猟の実施に寄与したものと考えております。 今般、県では、ツキノワグマ対策基本方針を策定するとともに、国に対して、各種対策の強化のための十分な予算措置について要望を行い、今定例会においては、人身被害防止のための箱わな等の設置や、麻酔捕獲の実施などに要する経費を補正予算案に盛り込んだところでございます。 引き続き、基本方針に基づいた被害防止対策について、庁内関係部局はもとより、市町村、猟友会、警察等の関係機関と連携し、取り組んでまいりたいと考えております。 〇27番(吉田敬子君) 学校の児童生徒、保護者、教職員の不安や負担軽減策について、やっと基本方針に盛り込まれましたけれども、いつから、どの程度実施することを検討されているのかお伺いいたします。 〇教育長(佐藤一男君) 県教育委員会では、ツキノワグマ対策基本方針の策定に当たって、市町村教育委員会及び県立学校の要望を確認の上、国のクマ被害対策パッケージを踏まえ、必要な対策について盛り込んだところです。 その具体的な対策は、特別支援学校におけるスクールバスによる登下校安全対策の強化、専門家の意見を踏まえた岩手県教育委員会危機管理マニュアルの見直しと学校の危機管理マニュアルの改定の促進、教職員等に対する熊出没時の対応も含めた研修の実施、国の各種交付金等を活用した登下校見守りボランティア等への安全装備等の必要な資機材の配備、県立学校、県立社会教育施設等における熊対策に必要な環境の整備などとなっております。 対策の実施時期につきましては、スクールバスによる登下校安全対策の強化や、危機管理マニュアルの見直しについては、既に着手しているところであり、その他の対策については、実施可能なものから速やかに取り組んでまいります。 引き続き、子供たちが安心して学び、生活できるよう、市町村教育委員会等と連携し、安全対策を徹底してまいります。 〇27番(吉田敬子君) 終わります。ありがとうございました。(拍手) 〇副議長(佐々木努君) 以上をもって吉田敬子さんの一般質問を終わります。 〇副議長(佐々木努君) この際、暫時休憩いたします。 午後4時15分 休 憩 出席議員(44名) 1 番 田 中 辰 也 君 2 番 畠 山 茂 君 3 番 大久保 隆 規 君 4 番 千 葉 秀 幸 君 5 番 菅 原 亮 太 君 6 番 村 上 秀 紀 君 7 番 松 本 雄 士 君 8 番 鈴 木 あきこ 君 9 番 はぎの 幸 弘 君 10 番 高橋 こうすけ 君 11 番 村 上 貢 一 君 12 番 工 藤 剛 君 13 番 小 林 正 信 君 14 番 千 葉 盛 君 16 番 菅野 ひろのり 君 17 番 柳 村 一 君 18 番 佐 藤 ケイ子 君 19 番 高 橋 穏 至 君 20 番 佐々木 宣 和 君 21 番 臼 澤 勉 君 22 番 福 井 せいじ 君 23 番 川 村 伸 浩 君 24 番 ハクセル美穂子 君 25 番 高 田 一 郎 君 27 番 吉 田 敬 子 君 28 番 高 橋 但 馬 君 29 番 岩 渕 誠 君 30 番 名須川 晋 君 31 番 軽 石 義 則 君 32 番 佐々木 朋 和 君 33 番 神 崎 浩 之 君 34 番 城 内 愛 彦 君 35 番 佐々木 茂 光 君 36 番 佐々木 努 君 38 番 斉 藤 信 君 39 番 工 藤 大 輔 君 40 番 郷右近 浩 君 41 番 小 西 和 子 君 42 番 高 橋 はじめ 君 43 番 関 根 敏 伸 君 44 番 佐々木 順 一 君 45 番 岩 崎 友 一 君 46 番 千 葉 伝 君 47 番 飯 澤 匡 君 欠席議員(2名) 15 番 上 原 康 樹 君 26 番 木 村 幸 弘 君 説明のため出席した者 休憩前に同じ 職務のため議場に出席した事務局職員 休憩前に同じ 午後4時32分 再開 〇副議長(佐々木努君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 〇副議長(佐々木努君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。 〇副議長(佐々木努君) 日程第2、一般質問を継続いたします。小西和子さん。 〔41番小西和子君登壇〕(拍手) |
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