| 令和7年12月定例会 第13回岩手県議会定例会会議録 |
| 前へ | 次へ |
|
〇41番(小西和子君) 希望いわての小西和子でございます。通告に従い、順次質問をいたします。
初めに、高市新政権の政策と県政について伺います。 10月21日、高市早苗自由民主党総裁が首相に選ばれ、高市政権が発足しました。首相は11月7日の衆議院予算委員会で、中国が台湾を侵攻する台湾有事に関し、戦艦を使い、武力の行使も伴うのであれば、どう考えても存立危機事態になり得ると答弁しました。 存立危機事態は、安倍政権下の2015年に安全保障関連法で新たに規定されました。日本が直接攻撃されていなくても、綿密な関係にある他国が武力攻撃され、日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危機がある事態と政府が認識すれば、集団的自衛権が可能になると規定されました。他国間の戦争に加わる道を開き、憲法第9条が定める専守防衛に反する違憲性も指摘されています。 歴代首相は、国会で問われても、存立危機事態と台湾有事の関連について明言を避けてきました。日中間の緊張を高めるだけでなく、手の内を明かせば抑止力を低下させるおそれがあるとの判断からです。実際、今回の首相答弁は、中国側が強気の対抗措置を繰り出す火種となっています。 首相はその後、最悪のケースを想定した答弁と釈明し、従来の政府見解と変わらないと軌道修正しました。今後は特定のケースについて明言を慎むと述べましたが、今回の発言は撤回していません。 一方、中国側の反応は、訪日の自粛や日本への留学を慎重に検討するように求める勧告を次々に打ち出しています。首相は10月末、習近平国家主席との会談で戦略的互恵関係を確認し、関係改善の糸口をつかみかけたところでした。首相の不用意な言動でその好機を逸するのは、日中はもちろん、東アジアの安定と発展にとって損失でしかありません。今回の首相の発言についての知事の見解を伺います。あわせて、岩手県への影響についての考えを伺います。 中国政府は日本産水産物の輸入を再度停止しました。岩手県に与える影響をどのように捉えているのか伺います。 中国政府は自国民に日本への渡航自粛を呼びかけました。岩手県の観光業に与える影響はどのように捉えているのか伺います。 核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませずとする非核三原則に関し、高市首相は見直しを検討する考えを明らかにしました。持ち込ませずの概念が、同盟国の核抑止力の実効性を低下させかねないのが理由とされます。戦後の安全保障政策の大きな変更であり、日本が進めてきた核兵器のない世界への取り組みに逆行しています。さらには、東アジアの緊張を高める要因にもなりかねません。 非核三原則は1967年、当時の佐藤栄作首相が国会答弁で表明し、1971年に衆議院が沖縄返還に向け遵守を求める決議を採択しました。その後も、国是として堅持するとの国会決議を積み重ね、歴代首相も踏襲してきました。ところが、高市首相は11月11日の国会審議で、来年に改定を目指すとした安全保障関連3文書をめぐり、非核三原則の堅持を明言しませんでした。既に政府内では見直しに向けた議論を始めているとされます。 非核三原則が重みを持つのは、唯一の戦争被爆国として、二度と核を使わせてはならないとの信念が込められているからです。広く国民に定着し、ことし8月の全国調査でも、80%が堅持すべきと答えています。高市政権は発足以降、防衛費増額や安保三文書改定の前倒し、武器輸出の要件緩和の検討などを矢継ぎ早に繰り出しています。その上、非核三原則もなし崩しにすれば、国際社会から、日本は核戦力にくみすると受けとめられるのではないでしょうか。 2024年7月8日、知事は全国の知事で初めて核兵器禁止条約参加署名に署名しました。2025年10月現在で、日本政府に核兵器禁止条約の参加、調印、批准を求める意見書は、岩手県議会、33市町村議会全てが採択し、全国で唯一100%となっています。高市政権の非核三原則の見直しを検討する動きについて、知事の見解を伺います。 次に、人口減少対策と男女共同参画施策について伺います。 岩手県が2019年度に発行した婚活支援冊子、いわてでステキな出会い「叶えるBOOK」~婚活スキルアップしたいあなたへが、発行から時を経て2025年10月下旬、SNSでかつてないほど大炎上を巻き起こしています。今、なぜ過去の冊子が掘り起こされ、これほどまでに批判を浴びているのでしょうか。 このページが注目されたのは10月27日、あるX―旧ツイッターユーザーの投稿からです。なかなかひどい内容。女性のファッションのポイントは、パンプス、スカートかワンピースで、首、手首や足首が出るため可憐な雰囲気になるそうだ。サイト内で紹介されていた婚活スキルアップ女性編というページのスクリーンショットを添えて、こう投稿しています。さらには、婚活ではナチュラルで上品に見えるメイクがおすすめですといった記載があります。 10月29日現在、542万回表示されるほど、この投稿が拡散されたことで、女性を中心に不快感をあらわす声が殺到する状況です。岩手県の方には申しわけないけど限界と絶望を見た気持ち、結婚したい女性が清楚で可憐な雰囲気を演出したいのなら、それでいいと思うが、それは自分で決めることで、役所が指導するようなことではない、女性が地方を離れる理由が如実にあらわれていると、古い価値観を県の公式サイトで推奨するのはおかしいという声が続出しました。 女性版への批判が炎上する一方、男性版「叶えるBOOK」に対する非難はSNS上でほとんど見られません。その理由は、女性版と男性版の圧倒的な緩さの違いにあります。 服装について、女性版がパンプスとスカートかワンピースの着用を強制し、可憐さを強調しているのに対し、男性版は、清潔感のある服装という基準にとどまり、ジャケット、シャツ、パンツスタイルのほか、自分のキャラクターを把握するための5パターンが提示され、カジュアルなイラストも採用されています。 さらにマインド面では、女性版が、浪費癖はないか、部屋が散らかっていないかと内省を執拗に強いるのに対し、男性版は、自分を褒める、他人に感謝するといったポジティブな内容が中心です。 立ち居振る舞いも、女性には、口角は上がっているか、やさしいまなざしを意識しているかが求められるのに対し、男性版には、明るい笑顔、積極的に会話に参加するとあります。男性版は最低限の清潔感で済むのに対し、女性版は、個性を殺し、男性の好みに合わせた御しやすそうな存在への変身を要求しています。この非対称性こそが炎上の根本原因ではないでしょうか。ある婚活コーチの自分らしさ重視のメッセージこそが、現代の婚活当事者から共感を呼んでいます。 岩手県は現時点で公式コメントを出していませんが、公金でつくった冊子が、女性の多様性を無視し、少子化対策のはずが逆効果との批判がおさまらない中、早急な見直しが必要ではないでしょうか。見解を求めます。 政策全般にかかわる全ての領域、政策分野にジェンダーの視点を入れていくことは、女性も男性も生きやすい岩手県に変えていくとともに、人口減少対策にも大きな効果があるものと考えられています。ジェンダーの主流化をさらに前に進める県政の実現が求められています。 来年度からの、いわて男女共同参画プラン(2026~2030)が今定例会に提出されています。その中に、岩手県男女共同参画センターの拠点機能の充実等と明記されました。岩手県の男女共同参画センターは、この県の中で、男女共同参画を推進する拠点として唯一位置づけられています。格差が生じないように、全国どこでも男女共同参画を推進するようにという国の方針も出たところです。 知事に伺います。令和7年10月決算特別委員会の質疑で、岩手県男女共同参画センターは全国の中位くらいとの答弁がありました。環境や機能の充実の検討を行うとのことでしたが、中位くらいということですから、東北地方の他県の男女共同参画センターと同等の受け皿拡大のための予算、人員確保の検討も行うべきと考えます。スケジュールも含め見解を伺います。 次に、ジェンダー平等社会の位置づけについて伺います。 日本が、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、いわゆる女性差別撤廃条約を批准してからことしで40年目の節目に当たります。しかしながら、日本におけるジェンダー平等の実現は依然として不十分であり、構造的な課題が残されています。 6月、世界経済フォーラムがことしのジェンダーギャップ指数を発表しましたが、日本は世界148カ国中ll8位で、主要先進国の中で最下位となっていることからも明らかです。 児童買春事犯等、性被害に関する福祉犯被害者について、2024年中、全国では5、849人で、前年比プラス1、695人、県内においては55人で、前年比プラス21人と、いずれも前年より増加しております。また、SNS利用に起因する児童買春事犯等の福祉犯被害者は、2024年中、全国では1、028人、県内でも30人に上るなど高い水準で推移しており、18歳未満の少年少女を取り巻く情勢は厳しい状況にあります。 そこで、県警察における児童買春事犯等、性被害に伴う福祉犯被害者に対する支援の状況、また、SNSを利用した福祉犯被害を防止するための取り組みについて伺います。 性暴力、性犯罪被害に遭われた方への相談等を行うはまなすサポートセンターの昨年度と今年度の相談対応件数と傾向、取り組みと課題について伺います。 ことし4月から県委託事業を開始し、予期せぬ妊娠で悩んでいる方への相談等を行う、にんしんSOSいわての直近までの相談対応件数と傾向、取り組みと課題を伺います。 文部科学省、内閣府による、子供たちを性犯罪、性暴力の加害者、被害者、傍観者にしないための生命の安全教育は、2023年度から2025年度の3年間、さらなる集中強化期間と位置づけ、就学前の教育、保育を含め、全国の小、中、高、特別支援学校等で活用することを目指しています。しかし、性暴力、性被害の防止を子供たちが正しく理解するためには、性にかかわる教育を避けて通ることができません。現在のはどめ規定が弊害となっており、はどめ規定の撤廃を求めていく必要があります。 いわゆるはどめ規定とは、現在の小学校理科や中学校保健の学習指導要領にある、受精に至る過程や妊娠の経過を取り扱わないものとするという文のことです。 現状では、多くの子供たちがインターネット上の不正確で暴力的な性情報に触れ、誤った理解を持ってしまうリスクがあります。これは、性感染症や予期せぬ妊娠、そして性暴力の被害を拡大させる一因となっています。包括的な性教育が子供、若者の性行動に与える影響を心配する声もありますが、国際的な実証研究では、科学的、包括的な性教育を受けると性行動は慎重になるという結果が出ています。岩手県内の包括的性教育の実態について校種別に伺います。 性に関する指導における外部講師活用状況についても伺います。 〔副議長退席、議長着席〕 性教育の貧困は、子どもたちの命と未来に直結する深刻な問題です。科学的で人権に根差した包括的性教育を全ての子供たちに届けるために、教える内容を狭め、委縮を招くようなはどめ規定は必要ありません。文部科学省も、はどめ規定は、教えてはならないという趣旨ではないと説明していますが、はどめ規定に対する教育長の見解を伺います。 選択的夫婦別姓制度については、28年ぶりにようやく国会で審議入りをしましたが、結果的に、今国会での成立は達成できませんでした。教育現場では、ジェンダー平等の意識は少しずつ浸透してきていますが、ひとたび社会に出ると、女性の労働や政治参画の場面で大きな格差が生まれてきます。地方では、若い女性が大都市圏に転出する傾向があります。このことは、性別役割分担意識などの固定概念が影響しているとも言われています。 教職員においては、管理職の女性比率は低いままです。このことが隠れたカリキュラムになってはいないでしょうか。教育現場がジェンダー平等と言えるのかを問い直し、職場、地域、社会のあらゆる場における意思決定の場に、女性が積極的に参画していく必要があります。 ジェンダー平等の実現は世界的な潮流です。誰もが自分の生き方を自由に選択し、自分らしく生きることが認め合える社会実現に向けて、ジェンダーの主流化を進める必要があります。岩手県のジェンダーの主流化の進捗状況を知事に伺います。 次に、豊かな教育の実現について伺います。 新学期が始まっても担任がいないなど、学校での教員不足と教員の長時間労働は、子供たちの教育に深刻な影響を与えています。教員の長時間労働の問題を解決するためとして、6月に公立の義務教育諸学校等の教職員の給与等に関する特別措置法、いわゆる給特法が改正されました。しかし、今の追い詰められている学校の状況を変えるには、ほど遠いと言わざるを得ません。今必要なのは、教員の長時間労働をなくす働き方改革と、教員定数を改善することの両方を同時に進めることです。 現場では、不足した教員の授業や仕事を現在いる教員でカバーせねばならず、長時間労働を余儀なくされています。教員不足の結果、現場に余裕がありません。もう少し時間があれば丁寧に子供たちに接することができるのにというはがゆさを多くの現場の教員から聞きます。教員としては、授業をしておしまいではなくて、その後で子供たちのノートを丁寧に見て、ここが間違って伝わっているとか、この子はここでつまずいているとかをつかんで次に臨むのが理想ですが、その時間がありません。少し表情が気になる子に、もう少し時間があれば話を聞いてあげられるのに、それができないと聞きます。 岩手県は全国に先駆けて35人学級を実現してきました。これまで加配定数を活用して必要な教員を配置してきましたが、国が中学校における35人学級の方針を打ち出したことから、それが実現されれば、基礎定数として必要な教員を配置できる見込みとなります。児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査を踏まえ、まずは、小学校の低学年から30人以下学級を進めていかなければならないと考えます。さらには、20人以下学級までを目指していくべきと考えます。 加えて、2024年度の心とからだの健康観察の結果で、特に小学校低学年の要サポートの割合が、沿岸部においては依然として高い状況が続いており、早急に取り組まなければなりません。県教育委員会として少人数学級は必要と捉えているのか、進めていこうと考えているのか伺います。 教員の数をふやすということは、子供1人当たりの教員定数をふやすという意味です。そもそも日本は、教員の数が国際的に見て少ない国です。児童生徒1、000人当たりの教職員数が日本は82人ですが、欧米の多くの国は100~140人です。その上、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど子供の心のケア、生活のケアを専門的に担う職員も極めて少ないのが現状です。今は特別なケアが必要な子供がふえています。そうした専門家に学校に常駐してもらうことが必要な時代になっています。 学校現場の病休者は10月末時点で221人。その51%に当たる112人が精神疾患を理由とするものです。発生率は、県の他部局と比較するとどうでしょうか。 2023年度の文部科学省調査によれば、病休者に占める精神疾患者の岩手県発生率は、全国と比較するとワースト12。東北地方ではワーストとなっています。スクールサポートスタッフ配置率が全国で最下位グループであることも影響しているのではないでしょうか。学校現場の職場環境のどこに問題があると分析しているのか、どのような業務を削減することができると考えているのか伺います。 また、そのために策定する業務量管理・健康確保措置実施計画は、どのようなものを考えているのかも、あわせて伺います。 部活動は、中学校における長時間労働の主な要因の一つですが、部活動の地域移行については、受け皿となる地域団体や指導者の確保が必要と考えます。部活動の地域移行の課題と進捗状況を伺います。 職員団体の調査では、管理職によるパワハラといえるような実態も明らかとなっています。精神疾患に罹患する教員が多いのは、明らかに職場環境に起因すると考えられます。だとすれば、公務災害と捉える必要があると考えられます。管理職が精神疾患も公務災害と捉え、発生しないように対応すべきと考えますが、そういった研修は行われているのか伺います。 以前なら子供時代に先生の姿に憧れて自分も教員になりたいと思う子がいましたが、今の子供たちは、ものすごく忙しくしている先生の姿しか見ていません。現に教員志望者は減っています。教員になるためには過労死を覚悟しなければならないと悩んでいる学生もいるほどです。教員の志望者をふやし、教員不足を解決するには、これから状況が改善するという明るい未来を示すことが大事です。きちんと教員が配置されていて安心して通える学校を子供たちに保障すること。それは子供やその保護者のためだけではなく、社会を維持していくためにとても大事なことだということを再認識する必要があると考えますが、知事の見解を伺います。 次に、働く者の処遇改善について伺います。 10月17日、県人事委員会から、県職員の給与改定に係る勧告が示されました。1万975円、3.03%の民間で働く人々との賃金格差に基づき、約3%の給料表の改定を行うよう勧告がなされました。また、人事院勧告に基づき、通勤手当の引き上げも勧告されたところです。全国の地方公務員賃金の引き上げなどが、初任給格付の引き上げなどを含めて行われる中にあって、岩手県職員の賃金改定は十分とは言えないまでも、今回の勧告は、より引き上げを進めていこうと踏み込まれたものと認識しており、通勤手当に関しても、国家公務員における引き上げ同様、進められるものと認識したところです。 しかし、労使交渉での県当局の回答は、国家公務員における交通用具利用者の通勤手当の改善の一部が2025年4月に遡及し見直されるのに対し、2026年1月実施と後退したものとなっています。 そこで伺います。なぜ国人事院勧告で現行制度での手当額の引き上げを燃油高騰を踏まえて4月に遡及したにもかかわらず、県は1月実施で行うこととしたのか、考えをお示し願います。 今回の県人事委員会勧告と労使交渉に基づき、会計年度任用職員の給与改定も4月遡及で見直しされることとなりました。この間の制度改正や労使交渉により、会計年度任用職員の処遇改善は大きく進み、県当局の努力や労働組合の行動により働きやすい環境は大きくつくられたと認識しております。 一方、一部の県の職場では、予算が限られるとして、会計年度任用職員の雇いどめがやむを得ず進められているという報告もされています。試験研究機関において基礎研究の予算がないことから、研究補助となるべき会計年度任用職員の採用が制限されていることについて、昨年も御指摘させていただきました。 昨今のノーベル賞の受賞では、日本人研究者が受賞において基礎研究の重要性を訴えており、その視点に立って、基礎研究の予算確保と研究補助となる会計年度任用職員の配置が進められることで、県における試験研究がより充実されることと考えております。昨年の一般質問の際に岩手県農業研究センターにおける会計年度任用職員の人件費について質問しましたが、その後の状況も含めて岩手県農業研究センターの基礎研究予算の確保と人的配置に関して伺います。 また、同様に、環境分野の試験研究機関である岩手県環境保健研究センターにおける基礎研究予算の確保と人的配置に関して、あわせて伺います。 会計年度任用職員の配置が必要とされながら、予算確保の観点から継続雇用されないとなれば、行政サービスの低下が危惧されます。行政サービスの向上との観点からも雇いどめが行われずに、適正な職員配置がなされるべきです。県の考えをお伺いします。 最後に、いわての森林づくり県民税について伺います。 岩手県は、県土の約8割を森林が占める森林県です。これまで森林の手入れを担ってきたのは、主に林業関係者でした。ところが、長引く不況、安価な輸入材の増加による国産材価格の下落、後継者不足など、林業を取り巻く状況の変化によって、きちんと山を手入れすることができなくなりました。森林には、渇水や洪水を緩和し、良質な水を提供する水源涵養機能や、土砂崩れなどを防ぐ山地災害防止機能など、私たちの暮らしにさまざまな恩恵をもたらす機能があります。 しかし、間伐などの手入れをしなければ、日もささず動植物も生育できない、荒れた森林になってしまいます。今もなお手入れされない森林がふえ続けています。このまま放っておくと災害の危険性が高まり、地球域温暖化が進むなど、岩手県の環境バランスが狂い始めるのではとの危惧する声が聞こえています。私たちの暮らしに影響を及ぼす大事なことです。 2006年度に創設された、いわての森林づくり県民税は、5年を1期として実施してきました。県では、森林の公益的機能を維持、増進し、良好な状態で次の世代に引き継ぐため、公益上重要な森林の整備や森林環境を保全するさまざまな活動への支援などを進めてきました。2025年度に第4期の最終年度を迎えることから、このたび、2026年度以降の取り組みについての最終案が示されました。課題であった認知度をお示しください。 さらには、これまでの取り組みや森林、林業を取り巻く情勢を踏まえ、2026年度以降は、県としてどのような取り組みを行っていくのか伺います。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔知事達増拓也君登壇〕 〇知事(達増拓也君) 小西和子議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、今回の首相の発言についてでありますが、今回の発言は、存立危機事態という外交、安全保障に関する国の法制度の解釈について、首相としての考えを述べたものと承知しています。 内閣は、国会、ひいては国民に対し連帯して責任を負うものであり、存立危機事態というような重要事項に関しては、内閣全体として、よく検討した内容を公表するようにしてほしいと思います。 また、本県への影響についてでありますが、岩手県大連経済事務所及び岩手県雲南事務所からの情報も参考にすれば、一部の交流事業に影響があったものの、現時点では、現地事務所の運営、各種事業及び経済活動に大きな支障はないところです。 日中両国の関係は、今回のように、さまざまな要因により、時として大きな影響を受けることがありますが、そのような状況においてこそ、両国における地方相互の交流や民間レベルの交流が一層重要になるものと考えております。 県としては、引き続き、大連、雲南の両事務所を通じた情報収集に努めるとともに、関係機関と連携を深めながら、適切に対応してまいります。 次に、非核三原則についてでありますが、核兵器や戦争のない平和で安全な社会は人類普遍の願いであり、我が国は平和憲法のもとに、いわゆる非核三原則に基づき、その確保に努めてきたところであります。 本県においても核兵器廃絶の声を示すため、平成10年7月には、核兵器廃絶平和岩手県宣言が県議会において全会一致で決議されたほか、小西和子議員御紹介の、日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名については、多くの県民から賛同の意が示され、昨年7月に私も署名いたしました。 昨年12月には、日本原水爆被爆者団体協議会がノーベル平和賞を受賞し、今年は戦後80年を迎え、非核、平和に対する関心が高まっているところであり、非核三原則の見直しは、平和を切に願う県民の思いにそぐわないものと考えます。 日本は唯一の戦争被爆国であり、政府においては核兵器をなくしていこうという国民の思いをしっかりと受けとめ、核兵器のない平和な世界を構築するために積極的に取り組むよう期待するものであります。 次に、岩手県男女共同参画センターについてでありますが、県では、暮らしやすい、働きやすい、若者や女性に選ばれる岩手であるため、官民連携によるジェンダーギャップ解消に向けた取り組みを推進しているところであり、男女共同参画センターは、その推進拠点として重要な役割を担っています。 センターについては、都道府県により運営形態や業務範囲がさまざまであるため、単純な比較は容易ではありませんが、東北各県のセンターの活動事業費に限定して比較すると、本県は中位に位置し、相談員の数はおおむね同程度となっています。 現在、国においては、男女共同参画センターの業務及び運営に関するガイドラインの年内の策定を目指しており、県としては、その内容や他県の状況等を踏まえながら、センターの環境や機能の充実について検討する必要があると認識しております。 今後におきましても、本県のセンターが男女共同参画を推進する拠点として、関係団体や各市町村との連携を深めるとともに、各地域で活動している男女共同参画サポーターも活用しながら、その機能を十分に発揮できるよう取り組んでまいります。 次に、ジェンダーの主流化の進捗状況についてでありますが、県では、いわて男女共同参画プランにおいて、あらゆる分野における女性の参画拡大や女性の活躍支援などを施策の基本的方向の柱に掲げ、各種取り組みを進めています。 具体的には、審議会等の女性委員、県の管理職等の女性割合を高める取り組みや、防災、農林漁業、建設業などの各分野における固定的な性別役割分担意識を解消するための取り組み等を通じて、さまざまな分野におけるジェンダー平等を目指しております。 また、岩手県総合計画審議会に若者・女性部会を設置し、若者、女性の視点を今後の施策立案に生かしていくこととしています。 こうした取り組みは、全庁を挙げて総合的に推進するとともに、いわて女性の活躍促進連携会議を通じて官民が連携して展開しており、経済、行政、教育の各分野で女性の管理職登用が着実に進んでいるほか、女性の参画拡大に向けた意識啓発や環境整備等が図られているところであり、さまざまな分野においてジェンダー平等及びジェンダーの視点が確保される環境づくりが進んでいます。 県としては、現在策定作業を進めている、いわて男女共同参画プラン(2026~2030)に基づき、一人一人の人生選択の中で、選ばれる岩手県であるために、ジェンダー平等がスタンダードである岩手県の実現を目指してまいります。 次に、豊かな教育の実現についてでありますが、教育は、教育を受ける者の人格の完成を目指してその成長を促す営みであり、一人一人の豊かで幸せな人生と社会の持続的な発展に向けて、極めて重要な役割を有しています。 本県の教育を支えている教員の多忙化という問題については、その実態や背景を、教育にかかわる者はもちろん、地域の人たち、そして地方自治にかかわる私たちが理解して、学校現場で教員がその役割を果たせるよう、オール岩手で豊かな教育を目指していく必要があると思います。 教育委員会においては、これから岩手県の教員を目指そうとする人たちが教職に魅力を感じ、また、日々情熱を持って子供たちに向き合っている岩手県の教員が、やりがいや意欲を持って働くことができるよう、教員が働きやすい環境づくりに努め、ウエルビーイングの向上に取り組んでもらいたいと思います。 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。 〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、婚活支援についてでありますが、県が公式ホームページで公開していた婚活支援冊子について、SNSを中心にさまざまな御意見があることは承知しております。 同冊子については、県に対し電話や問い合わせフォームなどから延べ21件の御意見と問い合わせが寄せられ、その中に、不快に感じるとの御意見が複数あったことから、公開を取りやめたものであります。 同冊子は、婚活に取り組む際に、どういった身だしなみや心構えが必要かわからないといった相談をいただいたことを受け、婚活に取り組む方に参考にしてほしいという趣旨で令和元年度に作成したものでありますが、県にいただいた御意見を踏まえ、行政による情報発信のあり方を改めて検討し、今後は一層の配慮を行い、皆様に安心して御利用いただける情報発信を行っていくことが重要であると認識しております。 県ではこれまでも、i-サポ―“いきいき岩手”婚活サポートセンター会員の御意見などを踏まえながら、結婚支援の取り組みを見直してきたところでありますが、今後も婚活に取り組む方からの声を丁寧に聞き取りながら、抱える悩みに寄り添った支援をしてまいります。 次に、にんしんSОSいわてにおける相談対応についてでありますが、ことし4月からの相談対応件数は、10月までに93件と、前年同時期の61件よりも増加しており、傾向としては、20歳未満の方からの相談が約4割と最も多く、相談の内容についても、約4割が妊娠についてのものとなっております。 取り組み内容については、SNSを利用した相談窓口のほか、一時的な居場所支援についても実施しているところでありますが、こちらは10月末時点では、入所に至った事例はないところであります。 行政の相談につながりにくい若年の女性の方や妊娠についての相談窓口として機能している一方、課題としては、予期せぬ妊娠に至る前の予防的な取り組みとして、体や性に関する正しい知識の提供や、自分自身を大切にし、性に関する自己決定ができるような支援の強化が必要と考えております。 このため、女性支援に関係する行政や民間団体で構成する、岩手県困難な問題を抱える女性への支援等連絡協議会などの場を活用しながら、関係機関と課題を共有し、連携した支援に努めてまいります。 〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕 〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、水産物の輸入停止による本県への影響についてでありますが、県では、これまで、国に対しさまざまな機会を捉え、輸入停止措置即時撤廃に向け要望してきたところであり、本年5月、中国向け輸出施設の再登録手続が完了した施設から順次、輸出が可能となりました。 ALPS処理水の海洋放出による輸入停止措置により、アワビの入札価格は3年連続で下落するなど影響が続いていたことから、輸入再開は県としても待ち望んでいたものであり、関係団体等からも、再度の輸入停止に至ったことに対し、残念であるという声を聞いています。 県内では、再登録手続を行い輸出再開に至った施設はなく、現時点で再度の輸入停止による影響はないものと考えていますが、県では、引き続き、今後の政府間交渉の取り組み状況を注視しながら、早期の輸出再開に向け、国に働きかけてまいります。 次に、岩手県農業研究センターについてでありますが、県農業研究センターの基礎研究予算の状況を見ると、令和7年度は約2億5、000万円で、令和6年度の約2億4、000万円と比べ、約4%増加しています。 このうち、会計年度任用職員の人件費は、給与改定により、令和7年度が約9、200万円と、令和6年度の約8、700万円と比べ、約6%増となっています。また、実人数ですが、令和7年度は51人で、令和6年度の55人と比べ4人減少しており、これは高齢化や他の企業への就職により減少したものでありますが、延べ勤務時間では、令和7年度は約4万3、000時間で、令和6年度の約4万4、000時間とほぼ同等となる見込みです。 次に、いわての森林づくり県民税についてでありますが、森林づくり県民税は、これまで、公益的機能の高い森林へ誘導する間伐や、地域住民等が取り組む森林づくり活動の支援などに活用してきたところであり、森林の公益的機能の向上や県民の森林環境保全の理解醸成に大きく貢献しています。 今年度、県民2、000人を対象に実施したアンケート調査では、認知度は51.4%と、5年前の41.4%から10ポイント上昇しており、また、制度の継続に賛成、または、どちらかといえば賛成との回答が約8割を占めています。 一方で、近年の森林、林業を取り巻く情勢は、気象災害の激甚化や野生鳥獣の人の生活圏への出没増加、身近な森林空間の重要性に対する認識の高まりなど、制度創設時から大きく変化しており、こうした変化に的確に対応していくことが必要と考えています。 県では、事業評価委員会からの提言を受け、6月に素案をお示しし、パブリックコメントや地域説明会、県議会での御意見等を踏まえ、先月、最終案を取りまとめ、今定例会に条例改正案を提案したところです。 最終案では、令和8年度以降も森林づくり県民税の制度を継続し、環境重視の森林づくりと県民理解の醸成の取り組みの充実を図るとともに、新たに、森林に関連する安全、安心な県民生活に資する取り組みとして、熊等の野生動物の人の生活圏への出没抑制のための環境整備、大雨時の流木被害を軽減するための危険木の伐採、除去、安心して自然環境に親しむための森林公園等の環境整備などを盛り込んでいます。 今後も、本県の豊かな森林環境を次の世代に良好な状態でしっかりと引き継いでいけるよう取り組んでまいります。 〔商工労働観光部長箱石知義君登壇〕 〇商工労働観光部長(箱石知義君) 中国政府による日本への渡航自粛呼びかけによる観光業への影響についてでありますが、県では、令和6年3月に策定した、みちのく岩手観光立県第4期基本計画において、アジアを重要な市場とし、台湾を最重点、中国、香港、韓国を重点市場に設定し、誘客に取り組んでおります。 令和6年における本県の外国人延べ宿泊者数36万4、000人余のうち、中国は2万8、000人余で、全体の7.7%を占めております。中国からの宿泊者数はコロナ禍で大きく減少し、その後も回復がおくれている状況にあるものの、台湾に次いで第2位となっております。 今回の渡航自粛の呼びかけの動きを受け、県内主要ホテルに対して行った聞き取りでは、一部でキャンセルが確認されたものの、大きな影響は報告されておりません。 なお、中国系航空会社による減便の実施の動きがあるなど、今後の見通し、影響が不透明であることから、県といたしましては、引き続き情報収集を行い、動向を注視してまいります。 〔復興防災部長大畑光宏君登壇〕 〇復興防災部長(大畑光宏君) はまなすサポートセンターの相談対応状況についてでありますが、性犯罪、性暴力被害者を支援する、はまなすサポートセンターでは、現在、専任相談員3名を含む6名体制で、国のコールセンターとも連携しながら、24時間365日相談対応を行うとともに、医療機関等への付き添いなどの直接支援も実施しています。 センターにおける令和6年度の相談件数は404件であり、前年度に比較し9件の増加で、年代別では、10代から30代の相談が全体の約6割を占めております。今年度の相談件数は、10月末時点で304件となっており、前年同期と比較し89件増加しています。 センターが性犯罪被害者等の心身等の負担を早期に軽減し、再び平穏な生活を営むことができるよう支援していくためには、被害者からの速やかな相談が重要となることから、センターの役割や支援内容等の周知を進め、その認知度をさらに高めていく必要があると考えています。 このため、県では、県ホームページやSNS等による情報発信、小学5年生や中学1年生を対象としたカード型リーフレットの配布などに取り組んでおり、引き続き、さまざまな機会を捉え、はまなすサポートセンターの周知等に取り組むとともに、弁護士会や医療機関等の関係機関との連携を一層進めていくなど、性犯罪被害者等に寄り添った支援の充実に取り組んでまいります。 〔文化スポーツ部長菊池芳彦君登壇〕 〇文化スポーツ部長(菊池芳彦君) 学校部活動の地域移行についてでありますが、県では、地域クラブ活動の体制整備を進めるため、令和3年度からの国の実証事業を活用し、これまで、運動部活動については11市町村、文化部活動については2市町で地域移行に取り組んでおります。 今年度新たに地域スポーツクラブ活動アドバイザーを配置し、各市町村に対する助言、指導を行っており、各市町村からは、持続的な活動を続けるための指導者の確保、活動場所や移動手段の確保、学校との連絡調整などが課題として挙げられております。 県では、これらの課題解決に向けて、競技団体や総合型地域スポーツクラブの指導者を対象として、指導者資格取得のための支援を行っているほか、他の市町村の取り組み事例を共有する情報交換会等を開催しているところです。 今般、国が示したガイドラインの骨子において、令和8年度から13年度までの改革実行期間内に、原則、全ての休日部活動について地域展開の実現を目指すとされたところです。 県としては、引き続き、市町村の取り組み状況の把握や取り組み事例の共有、アドバイザーを通じた指導、助言等を通じ、部活動の地域展開に向けて教育委員会とも連携しながら取り組んでまいります。 〔総務部長福田直君登壇〕 〇総務部長(福田直君) まず、県職員の手当についてでありますが、御指摘いただいた通勤手当の引き上げについては、本県ではこれまで、引き上げの場合も引き下げの場合も遡及して適用することはなく、将来に向かって改定してきたところであり、今回の引き上げについても、来年1月からの適用とすることとしております。 一方、今後は暫定税率の廃止に伴い、ガソリン価格の下落が見込まれる中で、少なくとも再来年1月まで通勤手当の引き下げは行わないこととなるため、いずれ均衡は図られているものと考えております。 なお、本定例会に提案している給与条例等の改正案には、給料月額の引き上げに加え、防疫等作業手当の大幅な引き上げなども盛り込んでいるほか、育児休業職員の業務をカバーした職員に対するボーナスの加算、いわゆる同僚手当としての育休応援加算も今月から新たに設けるところであり、今後も職員の処遇改善に資する見直しを行ってまいります。 次に、会計年度任用職員についてでありますが、県として安定的な行政サービスを提供するため、地域社会全体で人手が不足する中にあっても、県民サービスに応える効果的、効率的な行政体制、最適な人員構成を実現することが重要と考えております。 そのため、本県の知事部局における会計年度任用職員は近年減少傾向にあったものの、今年度は前年度比17人増の1、411人分の予算を確保しているところでございます。 また、職員の任用形態は個々の職務の内容に応じて吟味することになりますが、今年度初めての試みとして、会計年度任用職員から任期付職員への転換を視野に入れた採用試験を実施した結果、複数の会計年度任用職員の方が来年度から任期付職員に移行する予定となっております。 今後も職員一人一人の働きやすさを確保し、やりがいや成長実感を高めるとともに、県民ニーズに応じた行政サービスを持続的に提供していくため、適正な職員配置に努めてまいります。 〔環境生活部長中里裕美君登壇〕 〇環境生活部長(中里裕美君) 岩手県環境保健研究センターについてでありますが、県環境保健研究センターの基礎研究予算につきましては、管理運営費と外部資金を除く試験研究費で計上しているところであり、令和7年度の予算額は約2億1、000万円で、令和6年度の約1億9、000万円と比べ、約9%の増となっております。 令和7年度の会計年度任用職員の実人数は14人で、令和6年度から3人減となっておりますが、これは、検査件数の減少に伴うPCR検査補助員数の減等によるものでございます。 また、会計年度任用職員の人件費は、令和7年度が約4、800万円であり、令和6年度の約4、900万円と比べ、約3%の減となっておりますが、これは、ただいま御説明いたしました補助員の減と賃金引き上げによる増との相殺によるものでございます。 〔教育長佐藤一男君登壇〕 〇教育長(佐藤一男君) まず、包括的性教育の実施状況についてでありますが、包括的性教育は、性交、避妊、ジェンダー、人権、多様性、人間関係、性暴力なども含めた教育であると承知しております。 学校では、学習指導要領に基づき、児童生徒の発達段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることなどに配慮しながら、関係教科の授業や特別活動において、性に関する指導を行っております。 具体的には、小学校では、体育科の保健領域で思春期の体の変化について、中学校では、保健体育で性機能の成熟や性感染症の予防等について取り扱うこととされており、高等学校では、保健で家族計画と人工妊娠中絶等について学ぶこととなっております。 また、産婦人科医や助産師などの専門家を講師として、妊娠や避妊、性感染症、異性の尊重や性暴力などについて講演をいただくなど、令和6年度は小学校で約4割、中学校で約8割、高等学校で約9割の学校において指導を受けております。 次に、いわゆるはどめ規定についてでありますが、現行の学習指導要領において、妊娠の経過は取り扱わないものとするなどの、いわゆるはどめ規定については、これらの発展的内容を教えてはならないという趣旨ではなく、全ての子供に共通に指導するべき事項ではないという趣旨であると認識しております。 また、学校における性に関する指導に当たっては、個々の児童生徒間で発達の段階の差異も大きいため、集団で一律に指導する内容と、個々の児童生徒の抱えている問題に応じて個別に指導する内容と区別をしておくなど、計画性を持って実施することが大切だと考えております。 次に、さらなる少人数学級についてでありますが、本県では、児童生徒一人一人へのきめ細かな指導を実現する観点から、少人数学級の推進は重要と認識し、小中学校全ての学年において35人学級を実現しているところであり、学校からは学習指導や生徒指導において効果があるとの報告を受けております。 また、30人を超える規模の学級を複数有し、学習指導の面で課題を抱える学校に対しては、少人数指導を目的とした教員の加配を優先して行うなど、少人数教育を推進してきたところです。 学級編制基準のさらなる引き下げには教員定数の確保が必要ですが、国からの加配定数が減少傾向にあり、また、必要な教員確保についても課題となっていることから、引き続き、国の動向に対応しつつ、他県の状況や本県における教員の確保状況等も踏まえ、検討してまいります。 次に、学校現場の職場環境についてでありますが、県教育委員会では、学校における働き方改革に関し、教職員を対象に毎年度アンケートを実施しており、今年度実施したアンケート結果では、あなたの職場は働きやすい環境かという項目において、74.5%が肯定的な回答となっており、ここ数年、増加傾向にあります。 一方で、職場で最も改善してほしいものという項目に対して、業務の全体量や適正な人員配置との回答が多く、また、時間外勤務の要因は何かという項目に対しては、中学校、高校では部活動、小学校では担任業務や保護者、地域対応などの回答が多く、こうした声を踏まえた業務の削減や見直しが必要と認識しております。 こうしたことから、県教育委員会では、岩手県教職員働き方改革プランに基づき、部活動の段階的な地域移行や、統合型校務支援システムの導入による業務の効率化、コミュニティースクールと地域学校協働活動の一体的な推進などの取り組みを進めるとともに、市町村教育委員会と連携しながら、業務の不断の見直しを行っております。 今般の給特法改正により義務づけられた、業務量管理・健康確保措置実施計画についても、こうした現行プランの取り組み状況や課題を踏まえて策定する方針であり、引き続き、学校現場の声を丁寧に聞きながら、教職員の働き方改革の取り組みを進め、職場環境の改善に努めてまいります。 次に、精神疾患の予防に関する研修についてでありますが、精神疾患により療養が必要とされる教職員は本県でも増加傾向にあり、また、精神疾患は復職までの期間が長期にわたり、再発しやすいことから、教職員のメンタルへルス対策の強化が重要と認識しております。 教職員の心身の健康状況の把握や受診、療養の勧奨など、管理監督者の果たすべき役割は大きいことから、今年度は、管理監督者を対象としたメンタルヘルスセミナーを2回開催し、合計153人の参加がありました。セミナーでは、メンタルへルス対策の推進における管理監督者の役割や不調者に対する具体的な対応について、理解を深めたところであります。 また、県内4地区で、市町村立小中学校の管理職等を対象とした安全衛生管理研修会を開催し、職場の安全衛生管理活動の充実に向けた講義やグループワークを行ったところです。 引き続き、これらの取り組みを通じて、教職員の心身の健康保持と管理職を中心とした安全衛生管理体制の整備に努めてまいります。 〔警察本部長増田武志君登壇〕 〇警察本部長(増田武志君) まず、児童買春事犯等、性犯罪に関連する福祉犯被害者に対する支援の状況についてでありますが、県警察では令和5年から、岩手県立大学看護学部と共同で、性被害防止相談室であるトークルーム~anone~を開設、運用を開始し、性に関する専門的知識を有する助産師が、性被害を受けた少年の支援や性被害に遭うおそれのある少年の相談に対応しているところ、令和7年10月末までに、9名の少年に対し9回の支援等を行ってきたところであります。 また、性被害等によって心に傷を負うなどトラウマを抱える少年に対しましては、その精神的打撃の程度や被害の内容等を総合的に勘案した上で、心の健康相談としての、県警察で委嘱した精神科医による専門的なカウンセリングや、警察本部に設置した少年サポートセンターにおける、臨床心理士や公認心理師によるカウンセリングを行っており、心のケアを図るための支援に取り組んでいるところでございます。 次に、SNSを利用した福祉犯被害を防止するための取り組みについてでありますが、小、中、高等学校においては、警察職員による情報モラル教室を実施しており、令和6年中は401回の開催、合計で5万4、605名の児童生徒等に対し、安全なSNS利用を行うための指導を行い、犯罪被害の未然防止に努めております。 県警察におきましては、引き続き、関係機関、団体との密接な連携を確保しつつ、児童買春事犯等の性的被害に関連する福祉犯被害者への支援とともに、被害の防止に向けた取り組みを進めてまいります。 〇41番(小西和子君) 御答弁ありがとうございました。再質問をいたします。 まず、働く者の処遇改善について伺います。総務部長にお伺いいたします。 県職員の手当についてですけれども、総務部長の答弁では、通勤手当の4月遡及をしない理由として、2008年県議会12月定例会の附帯意見を踏まえて、これまでの通勤手当の改定は、1年間のガソリン価格の平均値をもとに改定要否を検討し、翌年1月から改定してきた経緯があることを挙げております。しかし、2025年人事院勧告は、ガソリン価格を初め諸経費の高騰という実態を踏まえ、4月に遡及して改定することが適当との判断となっています。2008年県議会12月定例会の附帯意見の際の情勢とは異なる状況であり、2008年12月県議会の附帯意見を理由として、遡及しないという理由にはならないと考えます。 特に、本年4月から12月までの職員負担を強いる内容となることも踏まえ、諸物価等の高騰実態を踏まえた改定とすべきと考えます。これを踏まえ、2008年県議会12月定例会の附帯意見にとらわれず改定すべきと考えますが、見解を伺います。 続けます。会計年度任用職員の配置について、農林水産部長にお伺いします。 県農業研究センターの基礎研究に欠かせない会計年度任用職員の配置に関し、過去の同水準の体制を確保している趣旨の答弁でしたが、試験研究機関の実態はそうなっていないと伺っています。外部研究資金に依存した研究予算の体質から、会計年度任用職員の安定的な配置となっていないとのことでした。外部研究資金に依存しない基礎研究経費の増額により、研究体制の確保こそ必要であると考えますが、見解を伺います。 再度、総務部長にお伺いいたします。総合案内人の配置についてです。これは会計年度任用職員の配置にかかわっての再質問です。 さきの決算特別委員会の総務部審査において、同じ会派の佐藤ケイ子委員が総合案内員の配置の必要性を訴え、検討状況を質しましたが、来訪者の状況や情報公開申請件数を踏まえつつ、今後のあり方を検討するとしていました。総合案内員に関し、行政サービス確保の観点から、単に定量的な業務量だけで必要性を図るのではなく、実態を踏まえて、継続配置を検討すべきと考えます。 さきの決算特別委員会から1カ月が経過しております。検討が進んでいると思いますが、当該総合案内員の配置に向けた予算確保を含め、どのような方向になっているのか、見解を伺います。 次に、豊かな教育の実現について伺います。教育長に伺います。 さらなる少人数学級についてですけれども、県教育委員会から提供いただいた資料によると、小学校は30人学級の実現に係る学年別必要教員数は、1学年39人、2学年33人です。国からの加配、小学校191人のうち72人配置すると、低学年30人学級が実現します。全国に先駆けて、国からの加配を活用して35人学級を実現してきた実績が岩手県にはあります。低学年から30人以下学級を実現されることについての見解を求めます。 続けます。学校現場の職場環境についてです。先ほども現在の働き方改革プランをもとにという御答弁でしたけれども、業務量管理、健康確保、措置実施計画の内容については、誰が、どの業務をいつまでに削減するのかといった、より具体的な計画が必要だと考えます。そのような実施計画となるのかお伺いします。 3点目、部活動の地域移行について、文化スポーツ部長にお伺いいたします。 岩手県教職員の働き方改革プランに係るアンケート調査の結果では、中学校、高等学校教員への負担が大きいと感じる業務はとの問いに対し、部活動と回答した割合は20%以上で、最多となっています。学校の働き方改革を進めるため、また、現在、地域クラブの移行が進んできているところについては、制度が確立しないていないため、保護者負担が増加しているという指摘もあります。早期に地域移行を進めるべきと考えますが、タイムジュールをどう計画しているのか伺います。 教育長に伺います。職員研修についてです。 現在、精神疾患で休んでいる事例について、公務に起因すると考えられるものはあるのか。また、それはどういう事例なのか。話せる範囲で示していただきたいと思います。また、はっきりと公務に起因すると言えない場合でも、現に精神疾患で休んでいる教職員がいる実態をもとに、そうならないために、管理職のマネジメントが重要と考えますが、県教育委員会の見解を伺います。 いわての森林づくり県民税についてです。農林水産部長にお伺いしますが、新規の野生動物の出没抑制に向けた里山や河川沿いの森林などの整備についてとありましたけれども、その詳細をお示しください。 以上、よろしくお願いします。 〇総務部長(福田直君) まず、通勤手当についてでありますが、これまで平成29年の引き下げや令和2年、令和5年の引き上げにおいても、いずれも1月からの適用としてきたところであり、今回のみ遡及適応するとなると、適用期間にそごが生じるものと考えております。 また、国においては、11年ぶりの通勤手当の引き上げとなりますが、本県では令和2年や令和5年にも随時引き上げを行ってきたところであり、今後もこれまでの経緯やガソリン価格の実態を把握しながら、丁寧に対応してまいります。 次に、総合案内員についてでありますが、現在、9地区の合同庁舎に配置しており、来庁者への案内のほか、情報公開に関する申請対応などを行っていただいております。 一方で、既に総合案内員を置いていない合同庁舎が存在することや、来庁者への対応件数が少ないことなどを踏まえ、所管部局において、今後のあり方が検討されてきたところでございます。 その結果、9カ所のうち6カ所は来年度から総合案内員によらない体制に移行することとしておりますが、並行して来庁者への案内方法の変更や情報公開事務の見直しを進めることとしており、県民サービスの確保と職員負担の軽減に努めてまいります。 〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、県農業研究センターについてでございます。先ほど前年度との比較で答弁を申し上げましたけれども、もう少し長いスパンで試験研究費全体の状況を見ますと、外部資金のほうは、東日本大震災津波からの復興を目的に平成25年度から国、大学等とともに実施してきた共同研究が令和2年度に終了しまして、令和2年度、3年度の比較をしてみますと、令和2年度から令和3年度で2億円が1億円と約半分に減少しまして、その後は横ばいに推移している状況であります。 一方、基礎研究費のほうは、近年の状況を見ますと、おおむね横ばいで推移している状況でございまして、決して大きく減っている状況にはないものと承知しております。 7月に策定しました生産強化ビジョンの柱に試験研究の推進を掲げておりますので、小西和子議員御指摘のとおり、基礎研究費の確保は重要と考えております。 引き続き、外部資金の活用、あるいは国の事業の活用、こういった工夫もしながら、基礎研究予算の確保と研究体制の整備に取り組んでまいります。 2点目のいわての森林づくり県民税の新規となります野生動物の出没抑制のための環境整備の内容ということであります。今回の令和8年度以降のいわての森林づくり県民税の最終案で、熊等の移動経路となり得る河川内等の樹木の伐採、やぶの刈り払い等の取り組みという形で盛り込ませていただいております。 現時点では、今申し上げました内容を予定しているところでありまして、さらに具体的な事業内容については、関係部局とも連携しながら、来年度の予算編成過程の中で検討していきたいと考えております。 〇文化スポーツ部長(菊池芳彦君) 部活動の地域移行についてでありますが、国の実証事業等も活用しながら取り組みを進めている市町村がある一方で、市町村の取り組みには地域の資源なども背景に、その進捗には差があるところでございます。 地域移行については、地域での連携の推進や地域の実情に応じた取り組みが必要であり、県として統一した工程的なものはお示しはしておりませんが、国のガイドラインの骨子に示すとおり、令和13年度までの改革実行期間内に、原則、全ての休日の部活動について地域展開を目指すというスケジュールで取り組んでいく必要があると考えております。 保護者負担の御指摘もございましたが、新たに生じる保護者等の費用負担などに対する財政支援について、本年度、国に対して要望も行っているところであります。地域移行に向けた、地域において学校、保護者、そして、地域の関係者一体の連携を図ることが重要でありまして、そのための地域の協議会といった場をまだ設置されていない市町村に対しましては、アドバイザーの指導、助言なども通じて設置の促進を図るとともに、先ほど答弁しましたが、他の市町村の取り組みの共有などを図るなどして、地域展開に向けて取り組みを進めてまいりたいと思います。 〇教育長(佐藤一男君) まず、小学校低学年における30人以下学級についてでありますが、先ほど小西和子議員から、今年度加配された小学校分191人という御紹介がございましたが、この国から措置されている加配につきましては、専科指導、あるいは児童生徒指導など、それぞれに活用目的が定められておりまして、今年度措置されている小学校の国の加配で、少人数学級に活用できる加配数は43となっております。 したがいまして、小西和子議員から御提案のありました小学校低学年30人以下学級の実現には、さらなる加配を国からいただく必要があるということで、国に対し加配定数の十分な措置を要望しつつ、国の動向を踏まえて、さらに、本県における教員の確保の状況を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。 それから、業務量管理・健康確保措置実施計画につきましてですが、国の通知によりますと、この計画の具体的な内容、実施方法につきましては、国が示す指針の内容に即して、地域の実情に応じて決めることとされております。現在、県教育委員会では、各校長会、職員団体、PTA等の代表者を構成員とする岩手県教職員働き方改革プラン推進会議を開催し、現行プランの取り組み状況や課題等について意見を伺いながら、計画策定に向けた準備を進めております。 本計画の策定は、学校の働き方改革の現状を可視化した上で、保護者、地域住民等と課題を共有し、取り組みを進めるためのものでありますので、国の指針を踏まえ、実効性ある計画となるように策定作業を進めてまいります。 それから、精神疾患の要因についてのお尋ねでございます。発症の要因としましては、人事異動等による職場環境の変化、それから、業務の多忙、同僚などの人間関係、児童生徒や保護者との関係などが挙げられますが、多くの場合、一つの要因だけではなく、家庭の問題も含めて、複数の要因が重なって発症に至っていると理解しております。 こうした状況を踏まえまして、管理職には、日ごろから教職員の変化を見逃さないよう、適時の声がけや必要に応じての面談等を実施し、校務分掌の見直しや病院受診の勧奨など丁寧な対応を行うことによって、教職員の精神疾患を未然に防止をする取り組みが必要と考えております。 〇41番(小西和子君) ありがとうございました。教育長に再度質問させていただきます。 35人学級を実現したときの国の加配は、何の加配を活用してきたのか。 全国を見ると、県単位で25人学級を実現している県があります。東北地方でも35人を下回る学級を実現している県が2県あります。1、2年生が無理であれば、1年生だけでもと思います。どうしてかといいますと、不登校、いじめ、それから、対教師暴力等がふえているのです。中には教師の指を2本折ったという子供もいます。特に低学年の要サポートの割合が沿岸部において依然として高い状況が続いております。このことは、子供たちが、僕を、私を見て、先生に向き合ってほしいといった切実な声ではないでしょうか。ここについては、再度答弁を求めます。 30人以下学級を進めるということが、これからの状況が改善するという明るい未来を示すことになると思うのです。 もう一点ですけれども、御子息を過労死で亡くされた遺族の方の言葉ですので、聞いていただきたいと思います。学校が子供の命の大切さを説く場であるなら、それを教える教師こそ、自分自身の健康と家族、周囲を思いやる心を培っていただきたいと思います。どうか学校の現状を見つめてください。給特法にむしばまれた職場環境を変えるという強い信念のもと、職場環境に取り組んでください。 教員志望者が減っている理由として、94%が長時間労働など過酷な労働環境を挙げています。持続可能な岩手県の教育に変えていくための決意を教育長に伺います。 〇教育長(佐藤一男君) まず、少人数学級の点についてでございますが、確かに、一律に小学校1年生、2年生から加配の取り組みは、全体の加配数の関係もあり取り組んでおりませんが、最初の答弁で申し上げましたとおり、現在、30人を超える規模の学級を複数有している学校で、学習指導の面で課題を抱えている学校に対して、この加配を優先的に活用している実態があり、そのように加配を使っております。 なお、本県は35人学級に早い段階で取り組めたということでありますが、先ほど加配が減少傾向にあると申しましたが、加配の仕組みも必ずしも当時と一緒ではないのですが、ピーク時には少人数指導に充てられる加配は、平成22年に490の加配をもらっていました。これが今は100台ですので、35人学級にした当時の状況とは違う状況があります。いずれ、国に対しては必要な加配措置を要望してまいりたいと思います。 それから、教員の働き方改革は喫緊の課題でございまして、現場の状況をよくしなければ、いずれ教員を志望する学生も減ってくるということで、実際に志願者の倍率、特に小学校が厳しく1倍台という状況になっております。 これは本県に限らず、学校現場を取り巻く環境が厳しい状況にありますが、この給特法の改正を契機に定めることになりました、業務量管理・健康確保措置実施計画を多くの方や団体の意見も聞きながら、しっかり実効性のあるものにつくりながら、市町村教育委員会とも一緒になって推進してまいりたいと考えております。 〇41番(小西和子君) 教員を目指す若者をふやすためにも、岩手県の教育は、これからの状況が改善するようだという明るい未来を示すことが大事だと思うのです。ぜひもう一度検討していただくことを要望して、終わります。 〇議長(城内愛彦君) 以上をもって小西和子さんの一般質問を終わります。 〇議長(城内愛彦君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後6時4分 散 会 |
| 前へ | 次へ |