平成16年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成16年3月12日(金)
   

1開会  午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
  事務局長 武田牧雄
  議事課長 平澤石郎
  議事課長補佐 八重樫 典彦
  主任議事管理主査 千田利之
  議事管理主査 近藤光宏
  議事管理主査 多田 繁
  議事管理主査 田丸 裕佳子
  議事管理主査 嵯峨俊幸
  議事管理主査 安藤知行

1説明員
  環境生活部長 中村世紀
  環境生活部次長兼環境生活企画室長 簗田 幸
  環境生活部次長兼産業廃棄物不法投棄緊急特別対策室長 長葭常紀
  環境生活企画監 稲田 収
  交通安全対策監 露木公雄
  食の安全安心推進監 下屋敷 正樹
  環境保全課長 野本祐次
  資源循環推進課長兼産業廃棄物不法投棄緊急特別対策監 滝川義明
  自然保護課長 鈴木健夫
  資源エネルギー課長 高橋敏美
  青少年・男女共同参画課長 藤原健一
 
  保健福祉部長 長山 洋
  保健福祉部次長兼保健福祉企画室長 佐藤敏信
  参事兼保健福祉企画監 藤沢重一
  少子・高齢化対策監 水野和彦
  医療国保課長 六本木 義光
  保健衛生課長 工藤竹昭
  地域福祉課長 福島寛志
  監査指導監 清枝純一
  長寿社会課長 赤羽卓朗
  障害保健福祉課長 高橋裕好
  児童家庭課長 細川敦子
 
  参事兼予算調製課長 藤尾善一
   

〇吉田昭彦委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第23号、議案第29号から議案第31号まで、議案第33号から議案第36号まで、議案第39号、議案第41号、議案第43号、議案第47号及び議案第48号の以上34件を一括議題といたします。
 本日は、環境生活部及び保健福祉部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する項目についてはできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 最初に、環境生活部長から環境生活部関係の説明を求めます。
 なお、皆様のお手元に配付いたしております資料、社団法人日本アイソトープ協会滝沢研究所における新事業計画について(概要)は、議案に関する説明に引き続き説明を求めますので、御了承願います。

〔参照〕
配布資料1-1
配布資料1-2
配布資料1-3
配布資料2-1
配布資料2-2
配布資料2-3
配布資料2-4
配布資料2-5
配布資料2-6
配布資料2-7
配布資料2-8
配布資料2-9
配布資料2-10
配布資料2-11
配布資料2-12
配布資料2-13
配布資料2-14
配布資料2-15

〇中村環境生活部長 まず、環境生活部関係の平成16年度当初予算につきまして御説明を申し上げます。
 議案その1の6ページをお開き願います。議案第1号平成16年度岩手県一般会計予算でありますが、環境生活部関係の予算は、6ページの3款民生費2項県民生活費の5億6、463万2、000円、7ページでございますが、4款衛生費2項環境衛生費の一部の61億1、849万1、000円、さらに、次の9ページに参りまして、13款諸支出金2項公営企業出資金の一部の1億826万4、000円及び3項公営企業負担金の一部の64万4、000円であります。総額で67億9、203万1、000円でございます。これは、前年度当初予算額と比較いたしまして17億5、153万9、000円の減となるものであります。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明を申し上げます。
 予算に関する説明書の122ページをお開き願います。
 なお、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきまして、主な事業の内容を中心に御説明申し上げますので、御了承をお願いいたします。
 122ページ、3款民生費2項県民生活費1目県民生活総務費の主なものでありますが、消費生活協同組合等育成事業費は、消費生活協同組合の育成や支援等を行おうとするものであります。食の安全安心対策推進費は、食の安全安心委員会の運営及びシンポジウムの開催等を行おうとするものであります。2目交通安全対策費の主なものでありますが、交通安全指導費は、正しい交通ルールを守る県民運動の助長や市町村の交通指導員設置への支援等を行おうとするものであります。123ページに参りまして、3目青少年女性対策費の主なものでありますが、青少年育成県民会議運営費補助は、青少年育成県民運動を助長しようとするものでありまして、いわて男女共同参画プラン推進事業費は、人材育成やフェスティバルの開催及び女性のチャレンジ支援ネットワークの整備等により、男女共同参画社会の実現に向けた施策の推進を図ろうとするものであります。岩手っ子の夢ゲット大作戦事業費は、子供たちがかなえたい夢を、青年ボランティアの支援を得ながら実現に取り組むことを通じて、子供たちの主体性や協調性をはぐくむとともに、青年ボランティアの育成を推進しようとするものであります。青少年プラン(仮称)策定費は、青少年の健全育成に向けた基本理念や中長期ビジョンを明らかにし、総合的な施策を推進するため、岩手県青少年プラン(仮称)を策定しようとするものであります。
 ページを少し飛びまして、136ページをお開き願います。4款衛生費2項環境衛生費1目環境衛生総務費の主なものでありますが、いわて環境地元学推進費は、環境に対する関心を高め環境に配慮した行動の促進を図るため、環境アドバイザーの派遣やe-ラーニングシステムの運用など、環境学習への取り組みを支援しようとするものであります。環境首都創造ネットワーク形成促進費は、県民・事業者・行政による環境パートナーシップいわてを育成支援するとともに、子どもエコクラブの活動支援をしようとするものであります。流域交流ネットワーク形成推進費は、流域における健全な水循環の確保に向けて、上流地域と下流地域のネットワークを形成し、各主体の協働による取り組みを推進しようとするものであります。循環型地域社会形成推進事業費は、循環型地域社会を形成するため、環境に配慮した産業活動の促進や環境関連産業を育成するとともに、廃棄物の減量化やリサイクル等の推進に向けた総合的な施策を推進しようとするものであります。次の137ページにかけましてですが、新エネルギー導入促進事業費は、新エネルギーの導入や省エネルギー対策を促進するため、クリーンエネルギーフェアの開催や住宅への新エネルギー機器の導入に要する経費に対して補助しようとするものであります。137ページの地球温暖化対策推進費は、地球温暖化防止に向けた推進計画を策定するとともに、普及啓発セミナー等を実施しようとするものであります。いわて環境の森形成促進費は、地球温暖化対策の観点から、二酸化炭素吸収源としてのいわて環境の森の形成を促進しようとするものであります。次に、138ページに参りまして、3目環境衛生指導費の主なものでありますが、廃棄物適正処理監視等推進費は、廃棄物の不適正処理や不法投棄を未然に防止するため、産廃Gメンの配置やスカイパトロールなどを行おうとするものであります。浄化槽設置整備事業費補助は、浄化槽設置整備に対して助成しようとするものであります。下水道事業債償還基金費補助は、浄化槽の整備促進を図るため、市町村が設置いたします下水道事業債償還基金の積み立てに要する経費に対して助成しようとするものであります。自動車リサイクル推進事業費は、自動車リサイクル法の周知を図るため、関係業者等への説明会を開催するとともに、関連施設に対する監視指導等を行おうとするものであります。産業廃棄物処理モデル事業推進費は、産業廃棄物の適正処理を推進するため、モデル施設の運営主体であります財団法人クリーンいわて事業団に対して運営費の貸し付け等を行おうとするものであります。139ページに参りまして、廃棄物処理モデル施設整備費は、公共関与によります廃棄物処理モデル施設を盛岡以北に整備するため、用地及び事業主体の検討等を行おうとするものであります。県境不法投棄現場環境再生事業費は、青森県との県境地域に不法投棄された廃棄物の撤去や汚染土壌の浄化などにより、現場の原状回復を図ろうとするほか、首都圏を中心とする排出事業者等の責任追及を行おうとするものであります。4目環境保全費の主なものでありますが、休廃止鉱山鉱害防止事業費は、旧松尾鉱山について、坑廃水に起因した河川の水質汚濁防止のため、中和処理を実施しようとするものであります。化学物質環境対策費は、環境中の化学物質汚染調査を実施し、環境汚染の実態を把握しようとするものであります。ダイオキシン類発生抑制対策事業費は、ダイオキシン類の発生を抑制するため、家庭ごみの庭先での焼却の全面禁止などを定めた条例の浸透状況を検証し、適切な対応を図ろうとするものであります。水質汚濁未然防止推進事業費は、湖沼や内湾などの閉鎖性水域での水質汚濁の未然防止を図るため、富栄養化の原因となる窒素や燐について、流域や地域ごとにその収支等の状況調査を実施しようとするものであります。環境創造資金貸付金は、中小企業者等が実施する公害防止施設の整備や省資源・省エネルギー設備の導入に係る貸し付けを行おうとするものであります。5目自然保護費の主なものでありますが、自然環境保全対策費は、自然環境保全地域を適正に保全するため、自然保護指導員を設置するなど、総合的な自然保護施策を推進しようとするものであります。次に、140ページに参りまして、自然公園等保護管理費は、自然公園を適正に管理するため、自然公園管理員の設置等を行おうとするものであります。いわてグリーンボランティア活動推進事業費は、自然公園等におきまして、自然環境等の保全をボランティアとのパートナーシップにより積極的に推進するため、ボランティアの養成及び活動支援を行おうとするものであります。国立公園等施設整備事業費は、陸中海岸国立公園及び十和田八幡平国立公園等におきまして、歩道や避難小屋等の自然公園施設を整備しようとするものであります。6目鳥獣保護費の主なものでありますが、シカ特別対策費は、五葉山地域に生息するホンシュウジカを適正に保護管理するとともに、農林作物の被害の防止を図るなど、総合的な対策を推進しようとするものであります。特定鳥獣モニタリング調査事業費は、カモシカ及びツキノワグマの適正な保護管理を推進し、個体群の保護と被害防除等を図るため、保護管理計画の策定や生息動向等の調査を行おうとするものであります。希少野生動植物保護対策事業費は、希少野生動植物の保護に関する条例に基づきまして、希少野生動植物の生息・生育状況のモニタリングや指定希少野生動植物等の監視等を行い、希少野生動植物の保護対策を推進しようとするものであります。
 ページを飛びまして、259ページをお開き願います。13款諸支出金2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち、工業用水道事業会計出資金は、工業用水道事業の経営健全化を図るため、工業用水道事業会計に対して出資を行おうとするものであります。
 260ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、電気事業会計負担金及び工業用水道事業会計負担金は、地方公営企業職員に係る児童手当に要する経費の一部について、それぞれの会計に対して負担をしようとするものであります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。恐れ入りますが、議案その1に戻っていただきたいと思います。議案その1の11ページをお開き願います。第2表債務負担行為のうち環境生活部関係は、事項欄の2環境創造資金の融通に伴う利子補給でありまして、これは、中小事業者が国民生活金融公庫等から融資を受けた場合に利子補給を行うもので、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 続きまして、予算以外の議案について御説明申し上げます。恐れ入ります、今度は議案その2でございます。議案その2の23ページをお開き願います。議案第34号岩手県手数料条例の一部を改正する条例でありますが、当部関係は23ページから24ページにかけて掲載しております。これは、岩手県手数料条例第2条の別表第2環境生活事務関係手数料のうち、特定住宅用地認定申請手数料等を徴収する事務の根拠規程であります租税特別措置法施行令の一部改正に伴い、36の項及び37の項の引用条項などについて所要の整理を行おうとするもの、並びに使用済自動車の再資源化等に関する法律の施行に伴い、解体業許可申請等について、26の項から30の項を追加し、手数料を徴収しようとするものであります。
 以上が環境生活部関係議案の説明でございます。
 次に、社団法人日本アイソトープ協会が滝沢研究所において計画している新たな事業について御説明申し上げます。
 恐れ入ります、お手元に配付しております社団法人日本アイソトープ協会滝沢研究所における新事業計画について(概要)をごらんいただきたいと存じます。
 配付資料の1ページをごらんください。現在、日本アイソトープ協会滝沢研究所におきましては、医療用の放射性廃棄物に限って処理を行っているところでありますが、今回、そこの(1)にありますように、専用の新たな処理施設を設置して研究用の放射性廃棄物も処理することができるようにするということが、この新しい事業計画の主な内容になってございます。
 なお、この事業を行うに当たりましては、放射線障害防止法に基づく国の業の許可を受ける必要があるものでございます。
 (2)でございますが、そのほかに研究用放射性廃棄物の搬送に利用した容器を洗浄し再生する施設と、(3)でございますが、がんの早期発見のための最新のポジトロン断層撮影装置、いわゆるPET装置を備えたPET検診センターを設置することが計画されておるものでございます。
 次に、2ページでございますが、この新しい事業計画に係る安全性の確保に関するアイソトープ協会の考え方を要約したものでございます。
 次に、3ページをごらんいただきたいと思います。従来処理してきておりました医療用と、今回新たに処理しようとする研究用との比較表をお示ししてございます。
 1番でございますが、研究用の方の放射性廃棄物は、大学や研究機関などで発生するものでございまして、発生量は日本全国で1年間に8、500本、これは200リットル入りドラム缶で換算いたしまして8、500本でありますが、そこの真ん中の方に、4のところですが、現在、一部が茨城県東海村にございます日本原子力研究所東海研究所におきまして処理されておりますほかは、ほとんどが協会の全国5カ所の施設において保管のみなされております。平成14年度末での保管量は7万本であると聞いております。
 この協会において保管している研究用の放射性廃棄物を処理しようというのが、今回の計画の大きな部分であります。
 今度は3ですけれども、研究用の場合には、例えばトリチウムとか、炭素14であるとか、セシウム137などのように半減期が長いものが含まれております。あるいは、2のところにありますように、核種の種類も、これまでの医療系の19核種から増加するなどの相違点がございます。ただ、研究用の場合には、上位5核種、五つの核種で全放射能量の99.4%とほとんどを占めるとされておりまして、200種を超える核種がすべて等しく搬入されるものではないというものでございます。
 また、医療用と研究用とは発生事業所の段階からドラム缶の色で明確に区別されて別々に取り扱われることになっておるものでございます。
 それから、ここの6でございますが、処理後の状況でございますが、速やかに協会の保管施設に返却し、滝沢研究所には保管しないものと聞いているところでございます。
 次のページ以下でございますが、これは日本アイソトープ協会が昨年9月に滝沢村に提出しておりました事業計画書の写しをそのまま添付しておるものでございます。今概要を御説明しましたが、2ページから7ページまでは、この計画の詳細の説明が記載されているものでございます。8ページから12ページまでは、施設の配置図、立体図、処理フロー図等が添付されてございます。それから、13ページでございますけれども、処理対象となる廃棄物の種類、持ち込み廃棄物の種類と処理量等が記載されてございます。
 次に、この新しい事業計画に対する県の考え方でございますけれども、まず、新事業計画の安全性につきましては、以下申し上げますが、二つの理由により、安全性が保たれているものと考えております。
 一つは、今回の処理の放射線の量が少量でございまして、自然界における放射線レベルとの比較で大差がないということでございます。放射線障害防止法では、この法律で定めます施設の排気口とか排水口における排気・排水に関する放射線の濃度限度でございますが、この排気を例えば1年間吸い続け、または排水を1年間飲み続けたと仮定した場合であっても、一般公衆の線量限度未満となるように設定されてございます。これは年間1ミリシーベルトということになるものでございます。そういうことで、十分に安全側に立った考え方が取り入れられて基準が定められてございます。
 また、自然放射線による被曝というものも常時あるわけでございますが、これは、世界平均で年間2.4ミリシーベルトとされておりまして、これと比べても低いものでございます。
 さらに現在、協会と滝沢村とで交わされております公害防止協定には、排気・排水の濃度限度を法の基準よりもさらに10分の1というふうに定めてございます。同様の協定が今度また新たに取り交わされることになれば、さらに安全性が確保されるものと考えてございます。
 第2点でございますけれども、国内におきまして既に安全に処理している実績がございます。茨城県東海村にございます日本原子力研究所東海研究所におきましては、昭和40年代から研究用の放射性廃棄物の処理が無事故で安全に行われてきております。処理の安全性は技術的にも確立されたものと判断することができます。
 このようなことから、研究用放射性廃棄物については、関係法令等の制度や事業計画に関しては安全性が保たれていると考えられますが、実際の運用に関しましては、これら法令や協定等の規定が確実に遵守されることにより、さらに安全性が担保される仕組み、例えば協会と滝沢村によります協定等が必要であると考えているものでございます。
 県といたしましては、このような考え方に基づきまして、確実な、例えば核種の特定、それから協定外の核種を持ち込みする場合には事前協議を行うこと、あるいは処理した後の廃棄物の搬出は確実に実施するなどなど、できる限りこの新事業計画の安全性を担保するための仕組みにつきまして、事業主体のアイソトープ協会と滝沢村との間で協議が行われ、協定などの具体的な措置が取り決められることが望ましいものと考えてございます。必要があれば、協会や村に対する助言も検討してまいりたいと考えてございます。
 以上で議案及び提出資料の説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願いいたします。

〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇伊藤勢至委員 139ページの県境不法投棄現場環境再生事業費に関してお伺いいたしたいと思います。
 この件は、既に御案内のように、青森県と岩手県の県境に昭和五七、八年ごろから17年間にわたって、東京ドームに換算して27個分もの不法投棄が発生した、だれも気がつかなかった、こういう事案でありまして、これを適正に処分するために、岩手県は220億円をかけてこれからやる。国が半分出してくれるということにはなりましたが、国費と言っても、我々も国民でありまして、我々が払った税金、そして県費110億円といえば、我々が払った税金がこれに投入される、こういうことなわけでありまして、大変巨額な、しかももったいないお金をここにつぎ込まなければならない、こういうことになったわけであります。
 この第一義的な管理、監督、監視をするという役目は環境生活部にあったと思いますが、そういう観点から、このことについての責任といいますか、そのことについて、まず、どのようにお考えになっているのかお伺いいたしたいと思います。

〇滝川資源循環推進課長 県境廃棄物不法投棄問題に関する当部の責任ということでございましたけれども、県といたしましては、当然こういったことが起きないように監視、また、起きた場合には速やかな措置を命ずる等の責務があるわけでございます。確かに、今おっしゃいましたように、17年間もということでございますが、何せ、当初は青森県が許可をした業者だということで、本県の方は収集運搬の業の許可のみということで、結果的には私どもの調査が、決して十分とは言えませんけれども、そういった経過がありまして、なかなか発見がスムーズにいかなかった。
 ただ、当時、私どもの地元の保健所の方が最初にこういった不法投棄のおそれがあるということを探知いたしまして、さらに県警と連絡の上、現在の責任追及等の責務を果たしているわけでございます。決して十分にはいかなかったわけですけれども、こういった事情もありまして、私どもとしてはこの対応に一生懸命取り組んでいるということでございますし、これからも責任追及等を通じて、そういった責務を果たしてまいりたいと考えてございます。

〇伊藤勢至委員 できてしまったことは仕方がないという言い方があるかもしれませんけれども、しかし、110億円という大金を被害者である岩手県が県民のお金を使って後始末をしなければならない、こういうことに対しては、県民は本当にやるせない、辛い思いをしているんだと思います。
 今、責任追及を含めてこれからもやられるとお話がありましたが、ぜひそれをやっていただきたい。つまり、この事案は岩手県の分だけですけれども、適正な処理をするとこれから220億円かかる、こういうことであります。物件が残っているということは、見方を変えますと、これは、この埼玉県の懸南衛生なんかが運んできたということから、関東圏、首都圏の廃棄物だと考えられますが、主に中小企業ではなくて、多分大手企業が出したものだと思うんですね。そうすると、これを適正に処分をするとなると220億円かかるということは、適正に処分をしなくて不法投棄をしたから、岩手県まで運ぶ運送費を引いて200億円ぐらいをもうけているやつがいる、こういうことだと思うんですよね。適正に処理をしないわけですから。この巨悪の部分を追及しなければ岩手県民は納得しないと思うわけであります。
 これから捨てられたものの精査をしていくのでしょうが、これはあくまで代執行ということですから、代執行はかわってやるということですから、あくまでも真犯人を、岩手県に土足で踏み込んでうんこ、しょんべんをたれ散らかしていったやつらを、ぜひともとっつかまえてはりつけにしてもらいたいような思いですよ。
 110億円といったら、今県内に12の地方振興局があるわけですが、どこでも50床ぐらいの特養老人ホームを欲しがっています。これは一つ8億円。そうすると、12つくっても、まだおつりが来るぐらいの金額なんですよ。こういうものをみすみす被害者の岩手県がお金を出してやるというのはまことに納得がいかない、こういう思いがあると思います。したがいまして、これは環境生活部の化学的な保健所のエースなりプロパーを二戸に集めて、全庁を挙げて、警察とも協力をして、ぜひこの犯人追及に取り組んでほしい、巨悪を眠らせないでほしい。こそ泥なんか何ぼつかまえたって意味がない、大きいのをつかまえなければいけない、このように思うわけでありますが、部長の方から、その覚悟のほどをお聞きいたしたいと思います。

〇中村環境生活部長 御指摘ございましたように、不法投棄を実行した処分業者を初め、関係者の責任は徹底して追及し、県民の負担を極力なくすということが県の責務であると認識してございます。
 このため、いろいろな法律上の手法を検討して、可能なあらゆる手法を駆使いたしまして、関係者の責任を徹底して追及してまいりたいと考えております。

〇伊藤勢至委員 今どきでしたら、2トンダンプ1台、あるいは4トンダンプ1台の建設廃材をその辺の山に持っていって、ぱっとあけて逃げても、すぐつかまえますよね。それなのに、東京ドーム27個分、17年間もという部分をつかめないはずはない、このように思いますので、ぜひ県の力を挙げてお取り組みいただきたい。これは県民の熱い期待と同時に、お金がなくて大変厳しい県財政の中でも、県民はそこに期待をしているんだと思うんです。代執行が決まった、国からの補助が決まった、これにて一件落着ということではなくて、この110億円ものお金を使うという部分に重きを置いて、これからも真剣に取り組んでいただきたいとお願いしたいと思います。
 そこで重ねてお伺いいたしますが、今度は、この処分の方法につきまして、プロポーザルということでいろいろなところから提案型の企業の考えを集めて、今そういう段取りで仕事を進めておられると伺っております。まず、この方法を用いたことはどういうことなのか、そして、差し支えない範囲でいいんですけれども、今どういう状況で進んでいるのか、そこをお知らせいただきたい。

〇中村環境生活部長 県境産廃の処理に関しまして、その処理の方法の設計につきましてプロポーザルという手法を講じました。これは、ことしの1月21日に環境省から、特別措置法に基づく岩手県の事業実施計画に同意をいただいているわけですけれども、その同意を受けて、さらに具体的な処理の手法を専門的な立場から、最も効率的な方法で、有効な方法でやろうという趣旨で提案を求めたものでございます。
 現在の進捗状況でございますけれども、現在8社からプロポーザルを受けての計画書が出されまして、プレゼンテーションを行いました。これは学識経験者等の委員会を設置いたしまして、どういう提案が一番いいかということを選定する委員会をつくっているわけですが、そこでプレゼンテーションを受けた段階でございまして、3月20日にさらにまた検討委員会を開催いたしまして、その席で委員の先生方にどこの提案が一番いいかということを決めていただきたいというような段取りで進めようとしておるものでございます。

〇伊藤勢至委員 最終的にはその8社の中から1社に絞られるんだと思いますけれども、仮にA、B、C、D、E、F、G、Hの8社として、A社のプレゼンテーションには、例えば燃え殻の処分についてはいいものがあった、B社にはバークの処分について見るべきものがある、あるいはC社には廃油とか廃プラとか、八つの応募してきたところがそれぞれにいいところを持っていた。だけれども、1社に絞ってしか契約ができないとなった場合に、それはどうされるのでしょうか。1社のここはいいんだけれども、こっちにはもっとこっちの方がいいものを持っているといった場合、どういう選択をされるんでしょうか。

〇中村環境生活部長 検討委員会の意見がどのような形になるのか、それを見てからのことでございますけれども、ただいま委員にお話いただきましたような、A社のいいところと、B社のいいところ、C社、そういうものをいろいろとなった場合に、原則としては、プロポーザルのやり方として、提案してきたところのいいところだけを寄せ集めるといいますか、取り合うというのは、これは提案する方も一生懸命検討して出してきているわけですので、いいとこどりだけをするのは基本的には難しいと思います。
 ただ、それはそれといたしまして、全体としてはA社の提案がいいけれども、ここの部分だけはB社の案を採用すべきだということになれば、それは、委員会の方でそういう意見ということになりますれば、実行者側の県として、それを具体的に受け入れられるような方法を検討するというようなことになるわけでございます。今回はトータルの計画をやるものでございまして、これを受けて、実質的な処分の実務、例えば掘削でありますとか、運搬でありますとか、処理、それはまた次の段階で契約というか、それはまた別の方向になっていくということもあるわけでございまして、トータルのコーディネートになるわけでございます。

〇伊藤勢至委員 基本的に、多分ジョイントベンチャーみたいな、県内業者と何とかと組むとか、いろいろあるんだと思いますけれども、この産廃そのものが、先ほども言いましたように、埼玉県の懸南衛生というところが運搬してきたということから見ると、関東、関西の廃棄物であろうと予測されるわけでありますよね。そうしたときに、今回のプロポーザルに応募してきて、こういう技術で、こういうことで200億円もの仕事を受注するという業者が関東、関西の業者だったら、また、これはやられっ放しじゃないかと思うんですよ。関東、関西のごみを不法に岩手県に投げられて、それを処分するとき、また110億円もの金を関東、関西の業者に払ってやってもらったら、やられっ放しだとお考えになりませんか。いかがでしょうか。

〇中村環境生活部長 今回、プロポーザルで提案を求めておりますのは、処理の方法と、これから恐らく10年間にわたって処理をしていかなければならないだろうと思うんですけれども、それのコーディネートをするということで、今回そこで1社を選定いたしましたところに、例えば220億円で全部そのところと契約するというものではございません。ここは言うなればコーディネート、全体の管理をすると。
 それで、先ほどもちょっと申し上げましたが、具体的に、例えば掘削をする場合には、掘削をする業者の方と代執行を実施いたします県とが契約をする。運搬をする場合にはまた、運搬する事業者と県が契約をする。自県(圏)内処理ということを目標にしておりますので、県内の処理施設で処理をする場合には、その処理施設と県がまた別途契約をする、そういうような形になるものでございまして、必ずしも全部県外の事業者と一式を契約するというものではございません。
 なお、付言して申し上げますれば、極力県内の事業者の方に、この事業に御協力をいただきまして、適正な処理がなされるようになってもらいたいものだと考えておりますので、そのような形で進めてまいりたいと考えてございます。

〇伊藤勢至委員 大変前向きなお考えをお示しされたと思いますが、岩手大学の工学部もありますし、工業技術センター等も岩手県にあるわけでありますから、プロポーザルの考え方のみをいただくこととして、自県内の、まさに地産地消というのは食べ物についてですが、能力、仕事も県内にあるものを使って、岩手県が出す110億円はもちろん、国からもらう110億円も県内の力でやるということになれば、渋々ながらも県民は納得してくれるんだと思うんです。関東、関西のものを投げられて、しかもそれを処分するのに、また関東、関西の業者に追い銭をぶつような、こういうやり方はいけないと思いますので、ぜひ県内の能力を使って、県内の潜在力を使って、最終的にダンプで運搬だけが岩手県だったとか、水をくむだけが、あるいは排水処理をするだけが岩手県だったということがないように、大多数が岩手県で処理できるようなお金の使い方になるように、それをぜひ研究をしていただいて、進めていただきたい、このように思います。
 そこで一つお伺いしますが、どうもよからぬうわさというのはつきものであるわけでありますが、こういう処分のプラント屋があるんですよね。こういうものをこう処分したい、こう処分したいと。そのプラント屋さんにある業者筋から仮発注があったという情報は聞いておりませんか。つまり、ここを受注する予定だから、そうなるとこういう機械を使うから、これをつくる段取りをしておけとか、そういう動きがあったやに聞きますけれども、そういうのは承知しておるでしょうか。

〇中村環境生活部長 お話の件につきましては全く聞いておりません。

〇伊藤勢至委員 後で教えてあげますけれども、火のないところに煙は立たないと言いまして、実はこの産業廃棄物といういろいろな部分、これは世の中にぜひともなければならないものであります。例えがびろうで恐縮ですけれども、経済活動を盛んにするためには、御飯をいっぱい食べて頑張りなさい。だけれども、排尿、脱ぷんはいけませんでは、これはならないわけでありまして、床の間と玄関だけでは生活ができない、絶対必要なものだと思います。ただ、この後ろには相当ダーティーな部分がありまして、一説には暴力団の資金源になっている、そういう話もないわけではないんです。
 青森県なんかは、岩手県よりもっとひどいんですよ。五所川原に原燃の貯蔵施設を600億円ぐらいかけてつくりましたね。完成しました。これは多分、交付金とか固定資産税が20億円から30億円入るということでつくったんですが、青森県はこれから440億円かかるんですね。そうすると、そこに来た交付金も何も、またみんな国に吸い上げられるような格好なんですよ。ただただごみ捨て場にされて、関東、関西に利用されている、基本的にこういうことだと思うんですよ。
 ですから、そういう大きな目線で見た際に、これは、ただ物を片づけてきれいにする、それで終わりということではなくて、もっと大きな目線で、背後に何があるのか、どういうものがあるのかという部分もお考えになっていただきながら、本当の真犯人はだれなのか、巨悪はだれなのかという部分をぜひ中村部長の正義感で追及していただきたい、このように思うわけであります。
 ぜひとも、これは岩手県民が大変注目して、しかもむだなお金にならないようなかけ方をしてもらいたいと思っているものだと思いますので、最後に、トータル的な取り組みの心情をもう一度お伺いして、終わります。

〇中村環境生活部長 ただいま委員からお話のございました趣旨も踏まえまして、一つは、責任ある者に対して、その排出責任等を徹底して追及してまいりたい、それからもう一つは、現場の処理に当たりましては、極力県内の事業者の方にも御協力をいただいて、原則自県(圏)内処理という形で対応してまいりたいと考えております。

〇嵯峨壱朗委員 2点ほどお伺いします。
 一つは、私は初めて予算にかかわるので、基本的な質問ですけれども、予算書と所管というのがすごく入り組んでおりましてわかりにくいと思うんですが、なぜこうなっているのかお聞かせ願いたいと思います。
 それと、その具体的な例ですけれども、例えば、食の安全安心対策推進費及び食品表示情報レベルアップ推進事業費が入っていますけれども、これは衛生費の方ではないかという気がするんです。そして、特に衛生費の方で食品衛生指導費に計上されている食の安全にかかわるさまざまな予算がございますが、そういったものとのかかわりはどうなっているのか、まずお聞かせ願いたいと思います。

〇稲田環境生活企画監 最初に私の方から、予算科目が入り組んでいるというようなことについてお答え申し上げたいと思います。
 歳出科目の区分につきましては、地方自治法第216条の規定によりまして、歳出の目的に従ってこれを款、項に区分しなければならないことになってございます。環境生活部が分掌している事務は、県民の生活に関する事務と環境及び生活衛生に関する事務でございますことから、歳出科目はこれらの目的に従いまして民生費と衛生費に区分しているものでございます。
 なお、環境生活部と保健福祉部の所管する歳出科目は、項を区分する目におきましては明確に区分されておりますことから、事務の執行上は特に支障を来していないところでございます。

〇下屋敷食の安全安心推進監 食の安全安心関係業務、これは民生費でございますが、これに関する予算科目についてのお尋ねでございましたが、食の安全安心関係業務につきましては、消費者の生活に密接した業務となっておりまして、その費目の性質上、県民生活に関する民生費として取り扱っているということになっております。例えば、食の安全安心対策推進費は、食に関するシンポジウムとか、あるいは食品表示情報レベルアップ推進事業ですと、県民から公募する食品表示ウオッチャーとか一般の電話相談ということでございまして、民生費という扱いになっているということでございます。
 それから、食品衛生指導費でございますけれども、これにつきましては、主に食品衛生法に基づきまして、食品製造加工業者、事業者でございますが、これらの食品衛生管理を指導する業務ということで分けているということでございます。

〇嵯峨壱朗委員 事業上支障はないということのようですけれども、地方振興局単位で見ますと、保健所が恐らくほとんどこういったことに対する窓口になっているのではないかと思うんです。製造業者に対する指導も含めて、あと、恐らくこの消費者についての部分もそうではないかと思うんですが、保健所については保健福祉部の方の予算になっているようですが、その辺はどうなっているのでしょうか。

〇中村環境生活部長 例えば地方振興局に行った場合とかということですけれども、現在は、保健所は地方振興局の保健福祉環境部と兼務という形になっております。地方振興局の保健福祉環境部は民生費を使いますというか、主として民生費を執行いたします福祉関係、それから衛生費を執行いたします保健関係と環境関係、さらに、県民生活を担当いたします、これも民生費の中に入っているという形になってございます。
 民生費と衛生費が過去に、例えば、私どもは今、環境生活部でございますけれども、数年前は環境保健部でございました。そのほかに生活福祉部というのがあったわけでございまして、環境、生活、福祉、保健、この4部門が、大体組み合わせが行ったり来たりして民生費と衛生費の二つを執行するという形になってきておる過去からの経過がございますので、このような形に行ったり来たりになっているわけでございますが、実務上は、先ほど企画監から答弁いたしましたように、このもう一つ下の目という区分があります。款、項というのが議案で分かれているんですが、予算に関する説明書では目、節というさらに細かい分け方をしてございます。そちらの方では、執行する形はきちんと区分けをされてございますので、実務上の支障はないと考えてございます。

〇嵯峨壱朗委員 大体わかりましたが、大きい目でいくと、例えば、これは自治法が悪いのか、現実のさまざまな環境の変化に対応してつくってきた県の組織のあり方に問題があるのかわかりませんけれども、その辺どう思っているかということを部長からお聞かせ願えればと。
 それと別のことですけれども、浄化槽設置整備事業費補助を県は市町村に出しているわけですが、これにかかわって、浄化槽の保守点検について、これは、浄化槽法の施行条例に基づいて県に登録するという形になっていますが、県とのかかわりというんですか、県はどこまでこれについて関与しているのかについてお願いしたいと思います。

〇中村環境生活部長 浄化槽の保守点検と県とのかかわりにつきましては、滝川資源循環推進課長からお答え申し上げます。
 もう一つ御質問ございました自治法との関連でございますけれども、この予算の、例えば歳出科目でございます。歳出にありましては、款、項というものは地方自治法で目的に従って区分しろということになってございまして、施行規則では標準的にこういう、例えば民生費だとか、衛生費、総務費と、今、県が使っておりますような款、項の標準型が規則で示されてございます。これに従ってもっと、例えば使いやすいといいますか、わかりやすいといいますか、やりやすいやり方があるのかどうかということでございますが、これはいろいろ研究すればあるのかもしれません。そのとき、そのときで時代も変わっていますので。ただ、このままの、今のやり方でも、私の立場で申し上げますれば、実務上は大きな支障はないと考えてございます。
 ただ、予算の作成制度全体ということになりますと、議案の提出、構成、これは総務部で所掌してございますので、もっと別の観点から全体をどうするかということは、中で言えば総務部の中で検討されるべきものと思いますが、私はこのままで当面は支障がないものと考えております。

〇滝川資源循環推進課長 浄化槽の保守点検業者と県のかかわりということでございますが、浄化槽を保守点検する業務を行う場合は県の登録を受けなければならないということになっていまして、県は一定の基準に従って、こういった業者について登録業務をしているということでございます。

〇嵯峨壱朗委員 それでは、組織とか予算については、またどこかで聞きたいと思いますが、私が言いたかったのは、わかりにくいということを言いたかったんです。実際にやる県の職員の方々はもうなれているからでしょうけれども、一般的には、何だかよくわからないと思うんです。そういうことで言ったまででございます。
 それと、浄化槽のことですけれども、保守点検業者というのは何件ぐらい登録されているのか、そして、この点検業務については、わからないと言えばそれまでですが、どういう形で実際に浄化槽をつけている人と点検業者がかかわっているのか。なぜ聞くかというと、何で点検にこの業者が来たのかわからないというのがあるんです。私もよく言われるし、私もそう思ったんですけれども。どういう形で設置者と契約した形になっているのかを。

〇滝川資源循環推進課長 済みません、点検業者の数はちょっと今手元にございませんが、設置者は、浄化槽法に基づきまして、浄化槽を適正に管理しなければならないという義務があるわけでございます。そこがきちんと管理されないと、性能がよくても汚い水が出る可能性があるということで、例えば水質なり、消毒剤なり、浄化槽の稼働状況を専門に見る方が見なければならないということで、設置者みずからできないという場合が一般的でございますので、専門の業者、知事に登録した業者に見てもらうというやり方でございます。

〇嵯峨壱朗委員 わかりました。
 私が疑問だったのは、なぜか、設置者、利用者が、点検業者に頼んだ記憶もないし、よくわからないのに点検に来るんですよね。それについての疑問です。わからなければわからなくていいんですけれども、その辺がちょっとよくわからなかったんです。何でこの人が来るのかと思って。

〇滝川資源循環推進課長 お話によりますと、ひょっとしたら、浄化槽の通常の保守点検業務ではなくて、別途、設置者に対して、車で言えば車検みたいに年1回検査をしなければならない。それはまた別の機関がやっていまして、それは県で一つ指定しております浄化槽協会にあります社団法人の検査センター、そこで、さらにレベルが高いといいますか、専門の見地から、本当に保守点検されて良好な状況かどうかを検査するという制度がございます。それは別途、保健所から設置者の方にお知らせして、設置者の方が検査センターに依頼して年1回の検査を受けるという仕組みが別途ございます。ひょっとしたら、そちらのお話かと思います。

〇亀卦川富夫委員 交通安全のことについてお尋ねいたします。
 これは昨日でしたか、岩手県交通安全対策協議会から、正しい交通ルールを守る県民運動、こういうものが配布されました。中をずっと見てみますと、これは交通安全に対して県も相当一生懸命に取り組んでいる様子がうかがわれます。
 その中で、どうしても交通事故防止のためには、取り締まりと指導という車の両輪――今、両輪という話がありましたが、両輪でやらなければいかん。
 きのう、県警の質疑の中で、いわゆる交通安全指導員のことについてお聞きしました。所管はこちらでございますが、あえてお聞きしたのは、取り締まりの警察の方で、指導に当たる交通指導隊の役割をどのように見ているかということをお聞きしたわけですが、非常に両輪として頑張ってほしいというような旨のお話でありました。
 そこで、この交通指導員の役割は非常に大きいということがわかるわけですが、それではこの現状はどうなっているのか。言ってみれば、ボランティア精神に基づいてやっているものに期待しているわけであります。そこで、大変な稼働日数、あるいはボランティアといいながらかなりきつい部分があるのではないか。その辺の現状をどのように把握して、これをどのように育成しようとしているのか、まずその1点をお伺いしたいと思います。

〇露木交通安全対策監 交通指導員の方々でございますけれども、身分は市町村の特別職の非常勤職員ということになっております。
 それから、取締機関との連携、育成についてのお尋ねでございますけれども、全市町村の交通指導隊は、岩手県交通指導隊連絡協議会を結成しております。協議会の事業といたしまして、毎年度、県警本部の協力を得ながら新任指導員や女性指導員の研修会を実施しているところでございます。
 また、地域における交通安全指導等の活動は、所轄の警察署との連携のもとに行っているものと承知しております。
 県は、交通指導隊連絡協議会の事務局を担っておりますほか、市町村に交通指導員設置事業補助金を交付いたしましてその育成に努めてきているところでございますけれども、地域における交通安全運動の中核として交通指導隊に果たしていただいている役割の大きさにかんがみまして、今後とも効果的な活動を行っていけるように努めてまいりたい、このように考えているところでございます。

〇亀卦川富夫委員 そのような気持ちで接していただきたいわけでありますが、現実的には、今、お触れになったとおり、法律上の権限がないんですね。そこで、きのうも申し上げたんですが、例えば登下校の際の取り締まり、こういったところは大体横断歩道の安全確保ということになるんですが、権限がないものですから、たまたま危険な場面に遭遇したときに大変な思いをしている、こういうことで、警察との連携をもっと十分にやってほしいということを申し上げました。これはぜひひとつ所管の部分でも意を通じてやっていただきたい、このように思います。
 それから待遇面、ボランティア精神に基づくということですから、これは金銭面での対応はいかがなものかとは思いますが、それにしても一般隊員は年間15万1、000円、大体そのような報酬で、水沢のことを例に挙げますと、これは90日を基準にしているようでありますが、出動が恐らく100日、130日という人もいるようであります。大体3時間ぐらいを基準というんですが、結構長時間にわたるものがある。特に、土曜日、日曜日あるいは祭日というようなときに、あるいはさまざまなイベントのときに出動する。そうしますと、身分も、特別職とはいいながら、やはりお勤めになっている方あるいはさまざまな仕事をやりながらのボランティア精神ということでやっているわけであります。そういった意味では、かなりきつい部分があろう、このように思いますが、ぜひその辺の待遇改善ということをひとつ真剣に考えていただければ、このように思います。財政困難の折でありますから、なかなかそういうふうな部分にはいかないと思いますが、日常そういうふうに非常に苦労されている方々がいるということは十分把握されていると思いますが、なおその辺の気持ちを待遇改善ということで具体的にしていただければ、このように思うんですが、いかがお考えになっているかお伺いして終わりたいと思います。

〇露木交通安全対策監 交通指導員の方々の待遇についてでございますけれども、報酬と申しますか、個々の交通指導員の方々にお支払いしている金額というのは、先ほど申し上げましたように、各市町村が委嘱なり任命なりしている関係上、各市町村によってその金額は個々に違うものでございます。県といたしましては、先ほど委員からお話がございましたように、年間90日を限度といたしまして、1日当り上限1、200円の2分の1でございますけれども、これを県の補助金として市町村の方に交付しているということでございます。
 それから、身分の問題につきまして、本県議会におきましても過去においていろいろ御議論なされているところでございますけれども、法律上、確かに身分等が明確になっていないということがございます。県といたしましては、全国の交通安全主管課長会議、それからブロックの会議等の場におきまして国に対して要望してきているところでございまして、今後とも要望を続けてまいりたい、このように考えております。
 なお、平成14年6月でございますが、内閣府から各県の交通安全対策主管課長あてに、都道府県レベルでの組織の設置を検討してもらいたいと。岩手県は既に協議会を設置しているわけでございますけれども、全国でこれを設置してもらいたい。全国のおおむね半数以上の都道府県において県レベルの組織が設置された際に全国の組織を設置したい、こういう通知をいただいているところでございます。

〇及川幸子委員 循環型地域社会形成推進事業費1億2、500万円の内容についてお示しいただきたいと思います。産業廃棄物の処理業者に対する育成という事業が二つほど挙げられております。この状況、今後の見通しをお知らせいただきたいと思います。これが1点でございます。
 次に、廃棄物の適正処理監視等推進費4、000万円についてですが、これの状況、昨年はどういうふうに不適正が確認され、そして、今後どのようにされていくのかをまずお伺いいたします。

〇滝川資源循環推進課長 来年度の循環型地域社会形成推進事業の概要ということでございますが、主なものは、ゼロエミッション推進事業ということで、企業が減量化等に取り組む際の補助事業が中心でございます。そのほかにリサイクル品市場形成促進事業という新たな事業も設けていまして、これは、いわゆる小売店が環境に配慮した販売方法をとる場合にこれを県で認証していこうということを今考えてございます。そのほか、今年度からやっております再生資源利用認定製品の認定制度等が主なものでございます。
 それから、排出事業者・業者等に対する指導の状況ということでございますが、御承知のとおり、14年度から産廃Gメンを11名に全県でふやしまして、特に県境産廃の事案も教訓にしまして、こういった監視体制を強化しようということで進めておりまして、今年度はまだでございますが、14年度で申し上げますと、11名で8、020件の立入検査を実施しております。
 その状況でございますが、こういった強化のかいもございまして、徐々に立ち入った際に指導しなければならないという案件が減ってきているという状況でございまして、例えば率で申しますと、11年度は5.8%ありましたのが14年度には1.9%ということでございます。基本的には、再資源、再利用を進めながら、ルールを守ったきちんとした処理をやっていただくということで取り組んでまいりたいと考えております。

〇及川幸子委員 ゼロエミッションに向けた企業に向けた指導ということですが、再生資源利用認定制度ということですが、業者さんから相談されるのは、再生に向けた取り組みをしようと自社の経費を使って何とか環境の保全に努めようということで一生懸命に取り組んでいるんだけれども、県に行くと窓口が狭くてなかなか意見を聞いてくれない。時間がかかる。県境の不法投棄があったから、まあ、神経質になっているのはわかりますけれども、余りにも厳し過ぎるのではないかという指摘があるのですが、いかがでしょうか。
 それから、立ち入った件数ですけれども、8、020件は多いんですが、私の目の、そして周りの人たちの目の届く範囲で、山にはその建設会社の廃材とかいろいろ捨てられてあります。そして、空き地にはやっぱり建設業者さんの建材が山積みになっている状況がまだ見受けられますし、私自身も電話をいただきましてある山に行きましたら、やっぱり廃棄物が山積みになっている現状を見てまいりましたが、これを徹底して調べられて指導されているのでしょうか。

〇滝川資源循環推進課長 再生利用を進めるために県の窓口が厳し過ぎるのではないかというお話もございましたけれども、廃棄物を利用して資源化する、再利用するという事業は非常に望ましいことでございまして、基本的にはそれをいろいろ応援しているわけですが、一方では、これを手抜きして、再資源化と言いながらごまかして悪いことをして不適正処理をして周辺環境に迷惑をかけるという事例も多いものでございますから、やはり基本的には、廃棄物の処理をする以上は、きちんとした法律に基づく基準は最低限守っていただかなければならないということで、それは、再利用の場合であれ単純な処理の場合であれ貫いていかざるを得ないのではないかということで、ただ、あわせていろいろな支援制度がございますので、そちらを利用していただきながら、ぜひ再資源化には努めていただきたいと考えてございます。
 それからもう一点、建設廃材等が山積みの現状が方々にあるということでございますが、私どもの方にも現場の方からいろいろな情報が上がってきていまして、それぞれ現場の方と本庁で連絡をとりながら、原因者の追及なり、あるいはわかったところについては指導、それでもだめな場合は法に基づく措置命令等で対応してございます。
 もし何かそういうことが見られない案件等情報をお持ちでございましたら、ぜひ地方振興局を通じて情報をいただければ速やかに対応したいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

〇及川幸子委員 現状ではチップの山積みとか、ガラスの破片の山積みというのが見受けられますので、どうぞ今後とも適切な指導をやられて、再生資源利用の認定制度の認可を早目にとられるような指導をなさっていただきたいと思います。
 それから、最後ですが、先ほど伊藤勢至委員が申し上げました県境の不法投棄の部分、原状回復のために10億円という金額ですが、伊藤勢至委員の意見と同感であります。この10億円に……(「100億だ」と呼ぶ者あり)いや、今年度のこれに載っているのが10億円でありますから、そういう事情でございますので、これを見ながら私言っております。まず、とりあえずこの10億円について私は申し述べるのでございますが、やはり県内業者の方々、それから、産廃事業所に勤めている従業員の方々に私直接お話を伺ってまいりました。建設現場と同じように建設業界さんと同じように、今、死活問題であると。私たちはもう産廃業では生きられないだろうと。これでは本当に従業員の100人の首切りをして、150人の首切りをして、次に何かの仕事を求めていかなければならないというところまできているという大変厳しい状況を伺いました。大手中央から、この二戸の現場に向けた取り組みのために、やっぱり県内に新しい事業を立ち上げて産廃事業をやっている業者さんがあらわれているそうです。その価格は、今まで1キロ90円ぐらいだったのが、50円、40円という価格で攻めてくるので、やっぱり生きられない。これを何とかしてほしいという大変悲痛な声を聞いてまいりました。伊藤勢至委員と同じように、先ほど部長がおっしゃいました、とても心強く私も思いましたので、なるべくこの10億円のその部分を何十社にも配分しながら、県内の業者が生き残れるように雇用の確立に向けた取り組みをもう一度お伺いしたいと思います。

〇中村環境生活部長 県境産廃の件でございますけれども、自県(圏)内処理ということを原則にいたしまして、特別措置法の期限であります10年間で全部撤去したいという大きな目標でもってやろうとしております。その中で、処理に当たりましては、極力地元の業者の方にも御協力をいただきたいと考えてございます。技術的な形でできるところとできないところということが当然どんな事業でもあると思うんですけれども、県内の事業者の方に協力していただける部分については極力県内の事業者の方に協力をいただいて取り進めてまいりたいと考えているものでございます。

〇佐々木博委員 何点かお伺いしたいと思います。
 最初に、環境衛生指導費の関連でお伺いしたいと思いますけれども、江刺に開設しています財団法人クリーンいわて事業団についてでありますけれども、開設の当初はなかなか利用者も少なくて運営に苦労されたと伺っておりますが、最近は、廃棄物の処理を適正にしなければいけないという考え方というのが大分普及してきたのではないか。特にも、この産業は動脈産業に対して静脈産業と言うそうでありますが、21世紀は静脈産業の時代だと言う方もおりまして、非常にそういった点では適正に処理される方々がふえてきた。大変いい傾向だと思いますけれども、したがいまして、クリーンいわて事業団の経営も大分改善が見られるんじゃないかと思うんですけれども、現在どういう状況にあるのか、まず、そのことについてお示しいただきたいと思います。

〇滝川資源循環推進課長 江刺のクリーンセンターを経営している事業団の経営状況ということでございますが、確かに当初は100トンを割り込むような受け入れ状況でございましたが、ここ数年は250トン程度で推移してございまして、経営的にも大分改善されてきてございます。特に、現在は、債務超過を解消するなど順調に推移しているという状況に至ってございます。

〇佐々木博委員 大変喜ばしいことだと思います。
 それで、1カ所では足りないということで、ここにも重点施策について説明が載っていますが、公共関与による廃棄物処理のモデル施設を盛岡以北に設置を予定している、このことについてお伺いしたいと思うわけであります。
 産業廃棄物、特にも最終処分場、管理型と安定型と両方あるわけですが、管理型の場合なんかは、必要だということは総論としてはみんな理解しているわけですけれども、それを現実に持っていくということになりますと各論では反対されるという例が多いようであります。そういった中にあって、聞くところによりますと、この公共関与の産業廃棄物処理施設については、むしろ市町村から誘致してほしいといった要請も出ているやに伺っておりまして、そういった点は、やはり県が関与するということが一つの信頼性の担保になってそういった動きになっているのかなと思っているわけでありますけれども、ただ、一方では、廃棄物処分場はともかくとしまして、例えば焼却炉等、かなりの設備投資のお金がかかる事業だろうと思うんです。今、一般、産業廃棄物ともにですけれども、こういった焼却炉等の建設にPFI事業を取り入れている全国的な事例がかなりございます。例えば、最近の例ですと、昨年起工式をやったばかりですけれども、倉敷市が一般廃棄物と産業廃棄物と両方一緒にガス溶融炉で燃やすという――これもPFI事業ですけれども――工事が始まって、まだ完成していませんが、そういった事例もございます。
 そういった中にあって、県としましても、多分最終処分場あるいは焼却炉、いろいろ分けなければいけないと思いますけれども、PFIでやれる部分がかなりあって、それはぜひとも検討していただきたい、検討すべきではないか、そういった考えを持っているんですが、そのことについてお伺いしたいと思います。

〇滝川資源循環推進課長 第2クリーンセンターの事業主体のあり方ということでございますけれども、実は現在、どんな形のもの、どれぐらいの規模のもの等について基本計画を検討していまして、実際の運営主体につきましては、来年度予算の中でそういったことも含めて検討するということで、特に私どもとしては、このPFI事業の可能性について検討してまいりたいと考えてございます。

〇佐々木博委員 ぜひとも前向きに取り組んでいただきまして、まだ県の事業でPFIは1件もないんですね。ぜひともこれを第1号として取り組んでいただいて、そして成功事例としていただきたい、そのように思います。
 次に、青少年女性対策費の関連でお伺いしますけれども、岩手青年海外交流セミナー事業費、この事業の内容、それから、どういった方々が参加されているのか、その募集方法等について教えていただきたいと思います。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 青年海外事業でございますけれども、県内から公募いたしまして、市町村の推薦等を受けて出てきた方々を海外に派遣しているものでございまして、今年度はシンガポールとマレーシアに10名ずつ派遣しております。これが一つでございますけれども、あともう一つは、シンガポールとかマレーシアとか、海外からこちらに交流で来る方々がございますので、それを青年たちでまた受け入れるための事業ということで実施しております。

〇佐々木博委員 来ていただく方についてはともかく、こちらから行く方々、要するに何日間ぐらい行って、どういう交流をするんですか。その内容について知りたいんですが。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 事前に参加者でテーマとかを決めまして、こういうところを視察したいとか見学したい、こういう方々と交流したいというものを決めまして参加しておりますが、そのほかにホームステイを実施しておりまして、2泊3日とかホームステイをやって、大体1週間ということで行ってきているところでございます。

〇佐々木博委員 昔、岩手青年の船の事業がありまして、私、この予算特別委員会で、この事業はやめた方がいいと提言したことがあります。海外に行くことが非常に珍しい時代であればこういった事業もあるいは効果があるかもしれませんが、今、海外はだれでもほとんど行ける時代です。子供さんならともかく青年ですから。私は、集団で岩手県の人が海外に行って、そんな短期間だけ交流してくるということが実際何の意義があるのかなと思って甚だ疑問なんです。むしろ今の時代であれば、岩手県の青年たち、単身で海外のいろいろなところに行って、物すごい苦労をしながら頑張っている青年たちがいっぱいいます、個人で行って。むしろそういう方々に少しでも援助した方が私ははるかに意義があるんじゃないかと。ですから、この事業、ずっと形は変わって継続されてきているようでありますけれども、私は、来年度とは言いませんけれども、ぜひ見直していただきたい、そのように思うんですけれども、御所見があればぜひお伺いしたいと思います。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 この事業につきましては、受け入れの方が一つと、15年度から見直して、それまで40人を4カ国に派遣しておりましたけれども、精選するということで20名にしたものでございます。ただ、一般の海外旅行、ツアーに出かけるのと違いまして、やっぱり行ってまいりますと、受け入れ団体とかと十分調整のもとに行きますので、普通海外旅行等では見ることのできない、あるいは会うことのできない人たちと交流してくることができて、それは海外旅行に出かける青年たちが多くなったから不要ではないかということではない面があるかなとは思っておりますが、いずれまた一定程度続けた後、3年のプロジェクトでやっておりますので、その後また状況を見ましてさらに検討するということになろうと思います。

〇工藤大輔委員 先ほど及川幸子委員も質問されました循環型地域社会形成推進事業についてですが、及川委員の趣旨とほとんど一緒ですが、15年度は、1億5、400万円の予算という中で2月には1億400万円の大幅減という補正措置がされているわけですが、その理由は一体どうだったのかということと、このような状況でこの事業が果たして成立していくのかどうか、それについてまずお伺いします。

〇滝川資源循環推進課長 ゼロエミッション推進事業の今年度分については御指摘のとおり減額になったわけですけれども、これにつきましては、実は年度途中補正でスタートした事業でございまして、応募が19事業所ありましたが、最終的に採択になったのは5件、ただ、そのうちの1件が辞退したということで、4件が最終的に採択ということで、この分1億余補助額を予定していたものが最終的には4件で2、100万円程度に落ち込んだ、これが大きな原因でございます。
 この理由といたしまして、事業所の中には、廃棄物を再利用するということが主でございますので、事業に当たって、破砕機などの機械を設置する場合、廃棄物処理法上の許可を得なければならないというのが結構ございまして、こういった必要な許可を得る見込みがすぐに立たないために断念した、あるいはだめになったというもの、あるいは、中身が十分理解されていないで、その効果が不十分だと判定されたものがたくさんございまして最終的にはこういったふうに少なくなったということでございます。私どもとしては、この補助事業の内容や法の手続への理解が不十分だったということで、さらにこれは来年度に向けてPRを強化しなければならないということで、来年度に向けましては、事業者の方々が利用しやすい事業内容となるように、例えば補助対象経費の見直し等も含めまして、さまざまな手続も含めて見直しをやっておりますし、この内容につきまして広く知っていただくために、PR用のパンフレットを作成しまして、これを既に現在商工団体や市町村あるいは企業経営の相談支援機関がございまして、そちらの方に配布し、事業者説明会等においても使っているということで、来年度はぜひ予算に近いぐらいの補助採択をしたいものだと考えてございます。

〇工藤大輔委員 比較的新しく始まったばかりの分野ということもあったでしょうし、確かに、本年1月から施行されたというか、途中からだったという要因もあったと思いますが、いずれ、今言われましたとおり、周知徹底ということを図りながら、また、育成という観点は本当に大きいと思いますので、当初思っていたレベルのものが出てこなかったというのも実態なのかなとも思いますが、その辺も含めて、来年度、よりよい体制ができますように御尽力を願いたいと思います。
 もう一点質問させてもらいます。浄水場の耐震化の件についてですけれども、日本水道協会の中で定めている水道施設の耐震工法の指針があると思いますが、現在、県内ではこの浄水場の耐震構造がどのような割合で備わっているんでしょうかお伺いします。

〇野本環境保全課長 ただいま御質問ありました浄水場の耐震化対策でございますが、耐震化対策は、昭和55年に水道施設耐震工法指針というものができまして、それ以降はこれに基づいて対策がとられていると聞いてございます。
 実際に県内でどのくらいの対策がとられているかと申しますと、なかなか私どもの方で把握できていないところがございまして、正直なところを申しましてどの程度かわからないところがございます。
 ただ、耐震対策につきましては、石綿セメント管を含む老朽管等の施設更新を各水道事業体で行っているところでございまして、耐震対策上、更新の必要性があります石綿セメント管につきましては、平成14年度末で総延長1万2、881キロメートルのうち387キロメートル、管路総延長の3%が残っている状況にございます。
 こうした施設の更新につきましては、国庫補助等を活用して計画的に対策事業を推進しているところでございます。

〇工藤大輔委員 速くてなかなかすべて上手に聞き取れなかったんですが、厚生労働省の方で全国でアンケートをとった結果、20%台しか耐震構造がとれていないというのが実態だと思います。これはいずれ調べてもらえればわかると思いますが、宮城県沖だとか三陸沖という地震が心配されている中で、これはやはり強化指定をして、そういった地震等に対応できるように事前に整備をし、そして市町村等を助けていくという対策を私はまさに今とるべきではないかと思うところであります。
 例えば、静岡の方ですと、東海地震を想定してこの対策をとった結果、約40%、まだ半数にはいってませんが、50%弱の整備率という状況にもなっていますので、その辺について、今後県ではどのような考えで取り組んでいくか最後にお伺いして質問を終わります。

〇野本環境保全課長 浄水場の耐震化対策でございますけれども、こちらの方、こう言ってはなんですけれども、国の補助メニューにもなかなか乗りにくいこともありまして、計画的に推進するのが難しいところがございますけれども、施設更新等の折に触れて計画的に耐震化を進めるよう市町村に助言をしてまいりたいと考えます。

〇平野ユキ子委員 私は、2・4・5-T系除草剤に関して質問したいと思います。
 これは昨年の12月定例議会で大宮議員が質問したことに関連しているわけですが、まず、そのときの環境生活部長の御答弁の中で、今、5年ぶりの水質及び土壌調査もやっているので年度内には結果が出ると思いますということでしたので、もし結果が出ていたらお知らせいただきたいと思います。
 それと、その費用というのはこの予算書でどこに計上されているのでしょうか。あるいは県だけではなく、多分負担しているところがあると思いますので、その割合等もお示しいただければと思います。

〇野本環境保全課長 本年度、5年ぶりに2・4・5-T系除草剤につきまして水質及び土壌調査を行っている件でございますが、結果が出ておりまして、水質、土壌ともに2・4・5-T系除草剤を起因としますダイオキシン類は検出されておりません。そういう意味では安全が確認されている状況にございます。
 それから、その調査費がどのようになっているかということでございますが、16年度予算で申しますと、139ページのところにございます化学物質環境対策費の方に含めまして、水につきましては県の方で調査をしております。土壌につきましては、国の方で調査をしたところでございます。

〇平野ユキ子委員 水は県で、ということは、水質調査は平成12年から毎年行っておりますよね。幾らぐらいかけているんでしょうか。

〇野本環境保全課長 水質だけの内訳というのは直ちにわからないところでありますけれども、ダイオキシン類の環境モニタリング、大気ですとか地下水ですとか土壌ですとか底質、こちらも含みますと、来年度の予算で4、535万円、ほぼこれくらいかかっておりまして、12、13、14、15と、これの4倍の内訳となろうかと思います。県内全域でございます。

〇平野ユキ子委員 意外にかかっているなと思って実際驚いているんですが、私、これは県で負担すべき問題ではないのではないかと思いますので、これから、なぜ水質調査をするに至ったかについて基本的なところに立ち返って質問していきたいと思います。
 この2・4・5-T系除草剤が埋設されたのは昭和46年だということですが、昭和46年、だれの指示でだれが埋めたのでしょうか。そして、どういう目的で埋めたのでしょうか。目的といいますのは、埋設する当時の状況で構わないのですが、将来使う可能性があると思って、つまり保管の目的だったのか、あるいは使えないから廃棄だったのかということをお伺いしたいと思います。

〇野本環境保全課長 2・4・5-T系除草剤でございますが、青森営林局が林野庁の指示に従いまして、もう使えない除草剤を林野庁の指示どおりにコンクリート固化して埋設した、こういう状況でございます。

〇平野ユキ子委員 そうしますと、林野庁ですから、国の指示でコンクリート固化、つまりもう使えない状況にありますから、廃棄物として埋めたということになりますよね。
 それを前提にお話ししたいんですが、この埋設物があるということが明らかになった経緯は、昭和59年、愛媛県において林野庁が国有林管理用のダイオキシンを含む除草剤を不適正処分していたことが発覚して全国的に問題になりました。そこで本県でも調査したところ、21カ所、久慈、雫石、岩泉、川井、湯田の各営林署内に約6、000キログラム、正確に言えば6、070キログラムだそうですが、およそ6トンものダイオキシンを含む除草剤が埋設されていることが判明し、問題になったわけです。
 昨年聞きながら、前にも確か議会で問題になったことがあるなと思いまして議事録を調べさせていただきましたら、平成11年には斉藤信議員も質問していますし、さらに同じ年の7月には佐藤正春議員も質問していらっしゃいます。そして、12年には川口民一議員も質問しておられます。そういった経緯があって問題になっておりましたので、問題になった当時の薬物の状況を調べてみましたところ、この当時、98年度版なんですけれども、認められている除草剤としては1、073種類あるわけですけれども、この中には2・4・5-T系の除草剤は含まれておりません。つまり、この当時既に使用禁止になっている。今のお話を聞きますと、昭和46年にもう使わないということで固化したということですから、この当時からもう使ってはいけない危険なものだということが判明していたと思いますが、その点についていかがでしょうか。

〇野本環境保全課長 問題の2・4・5-T系除草剤でございますけれども、当時、ダイオキシンが問題になりまして、林野庁の指示により固化して埋設したものであるということでございます。

〇平野ユキ子委員 ちょっと質問が悪かったのかもしれません。廃棄するというものですから、これは廃棄物に当たるわけですよね。しかもその当時も、それから今現在、私が調べた資料は98年度版から毎年変わっていますから、さらに新しく変わっている現在の廃棄物を投棄する場合の投棄法からいきますと、これはどういうものに入るんでしょうか。廃棄物というのは一般廃棄物と特別管理産業廃棄物とに分かれると思うのですが、この2・4・5-T系というのはどちらに入るのでしょうか。

〇滝川資源循環推進課長 私が承知している範囲では、当時、林野庁が廃棄物処理法を所管しておりました厚生省の方と相談して、どういう廃棄方法がいいかということで、指示があったようなコンクリートで固化して、深さ2メートル以上でしょうか、そこに埋めるべきだというふうにあったと聞いています。
 廃棄物の種類そのものについては、当時の性状が今はっきりしませんので、私が聞いている範囲では粒状でございますので、産廃の種類に該当しないとなれば一般廃棄物になってしまう。法的な解釈だけ申し上げますとそういうことになろうかと思います。

〇平野ユキ子委員 これは一般廃棄物ですか。

〇滝川資源循環推進課長 その当時の性状が今確認できませんので、まことに申しわけありませんが、私が聞いた性状を申し上げますと、粒状のもので、廃棄物処理法で定めている産業廃棄物、例えば汚泥とか、いろいろなものに該当しなければ一般廃棄物に分類せざるを得ないということでございます。

〇平野ユキ子委員 それでは私の方から申し上げますが、岩手県内に埋設されている2・4・5-T系剤は粒状です。粒剤で、そして、それをコンクリートで固化して埋めたわけです。それは、特別な廃棄物を埋設するときの方法であります。特別な廃棄物というのは、特別管理産業廃棄物と今申し上げたものの部類に入るものの処理の一つの方法だそうです。この特別管理産業廃棄物というのは、人体に重大な影響を与える危険性が高いとされるもので、今現在の法律では管理に注意を要することになっています。いろいろな処理の方法がありますけれども、一つの方法がコンクリートで固めるものです。このようにして埋められているわけです。しかも2・4・5-T系剤の毒性を調べれば、有害であることは明らかだと思います。これをこのまま放置しておくと、どんな容器に入れても劣化が心配されますから、いずれこのダイオキシン系の毒物は水和性ですから、水に溶解して流れ出してくることは必定です。
 ぜひここでもう一度考えていただきたいのは、この特別管理産業廃棄物となりますと、これは自分の土地内であっても、勝手に埋設したり処分したりすると今は法律上罰せられることになっております。数年前ですか、一関とか金ケ崎の工場の中からトリクロロエチレンが出て摘発されて処罰されたことがありました。この業者は今ではもうつぶれてしまってないのですが、国有林の中に埋設した2・4・5-T系廃棄物は特別管理廃棄物には当たらないのでしょうか。もし当たるとしたら、今の法律に照らすと違法だということになりますが、いかがでしょうか。

〇滝川資源循環推進課長 昭和46年当時でございますと廃棄物処理法ができたばかりで、今決めている特別管理産業廃棄物という概念は導入されておらなかったということでございまして、今の法律をそのままもし当てはめればどうかということですが、先ほども言いましたように、性状からいうと、当時のものが確認できないのではっきり申し上げられないけれども、もし粒状で、産業廃棄物の種類が13種類でしたか、それに該当しなければ一般廃棄物ということになってしまうということだけでございまして、当時、私が聞いた範囲では、廃棄物処理法を所管する厚生省、そこでもう一つ、そういった薬物の処理については毒劇法という法律がございまして、そちらの薬務サイドの方の指導も受けて、林野庁と協議して、あの方法が環境保全上最もいい方法だという当時の判断でやったということだけは聞いております。

〇平野ユキ子委員 当時の判断ではなく現在の判断でやっていただきたいのですが、この環境問題は昭和46年当時は出ていませんでした。今現在出てきて大問題になっていることであります。殊にも、青森県境の国内最大級と言われる不法廃棄処理に健闘されている皆様方のことですから、この2・4・5-T系除草剤を放棄しておくというのは非常に県民にとって大変な問題になっているということはわかると思います。
 21カ所埋設されているということが明らかになっていますが、1カ所だけは場所が特定できていません。つまり、46年という33年前のことですから、だんだん土地の変化ですとか草木などの成長ぐあいからわからなくなってしまうわけです。先ほども申し上げましたけれども、ダイオキシンの2・4・5-T系除草剤は水和剤ですから、水に溶け、怖いのは、国有林というのは上の方にあるのではありませんか。下の方に民有林があります。どんどん影響は出てくるはずです。先ほども言いましたけれども、幾らコンクリートで固めても水がしみ込めば薬液がしみ出してくることはいずれ明らかですので、これはベトナム戦争で使われた枯葉剤にも相当する劇薬だと一部から聞いております。ですから、私は母として、催奇性があります枯葉剤、2・4・5-T系剤も催奇性があると聞いています。ぜひこの2・4・5-T系……。

〇吉田昭彦委員長 平野委員、簡潔に質問してください。

〇平野ユキ子委員(続) これから入ります。2・4・5-T系剤を、国に対して毅然とした態度で臨んだ環境生活部の部長初め皆様方ですので、ぜひこれを国に対して完全撤去を求めていただきたいと思います。それについていかがでしょうか。

〇中村環境生活部長 この2・4・5-T系の処理でございますが、委員御指摘のとおり、昭和46年になされたわけでございます。当時は、廃棄物処理法にまだ特管物とかそういう規制がなかったわけでございまして、廃棄物処理法というよりも、毒物劇物取締法ないしは肥料取締法を適用して、こういうものはこういう形で処理をすべきだということで、岩手県内のものについては、コンクリートで固化をいたしまして流出防止の対策をとった上で埋め立てをしたというのが当時のことでございます。
 廃棄物処理法は実は毎年のように改正になってございまして、その都度こういうものはいいとか悪いとかという基準が変わってきておるわけでございますが、当時はそういう形で、当時のやり方としてはそれはそれでよかった。では、今、どうかということでございますけれども、コンクリートで固化したものが、いずれはコンクリートが風化してまた溶け出す危険があるのではないかというお話があったのですが、そういうことがあるかないかということを調査するために県は毎年その流域で水質の調査をやって、封じ込めたものがもしかして外に出ているのか出ていないのかという調査を毎年モニタリングをしていると。ことしは水質だけではなくて、埋め立てたところの土壌も、5年ぶりですけれども調査をした。その結果は、漏出はしていないというのが今の状況でございます。
 それはそれといたしまして、将来のそういう漏出の危険性を防止するためにぜひ撤去すべきだということなわけでございますけれども、モニタリングの結果、現在は安全であるけれども、将来にわたって安心という、地域の方々の安心という観点からいけば撤去するのが一番安全かつ安心にもつながるわけでございますので、安全の観点プラス安心の観点も踏まえて、国の方には、国の責任によって、埋設者であります林野庁の責任において撤去するように引き続き要望するということを関係市町村ともども協議会を結成しております、その場でいろいろ協議をしてまいりたいと考えてございます。

〇平野ユキ子委員 いずれ国が埋設したものに対して、今お伺いした4、535万円もの調査費用、これは4年間なそうですから、やはり億を超える単位の金額です。これを支払っていく必要、責任の所在をきちっとした上で、これは国が指示して埋めたものですから、民間がすれば犯罪だけれども、国がすればこれは不法投棄、犯罪ではないのかという問題にもなります。そこのところをきちっと踏まえた上で国に対して要望していただきたいと思います。
 今の中村環境生活部長のお答え、実は議事録の中で3度も4度も読みました。もう少し前向きな回答をいただければ、住民の不安を取り除くために、これは負の遺産ですから、次世代に残してはいけないものです。環境立県を目指している岩手県にとりましては、これも取り除いてほしいことの一つでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 御意見があれば。

〇中村環境生活部長 前の課長の答弁にちょっと舌足らずな部分がありまして、化学物質対策費4、500万円ということを申し上げましたが、これは、ここのダイオキシンの調査だけではなくて、県内のいろいろな河川とか大気とか、そういうものの調査費全体の額でございまして4、500万円。ここのダイオキシンの調査費はその一部でございまして、うんと少ないと思うんですが、今手元に正確なその費用の数字がございませんので、後ほど調べましてその額をお答え申し上げたいと思います。これが一つでございます。
 それから、国に要望するだけではちょっと足りないのではないか、もっとということでございますけれども、これは、国がやったから法律違反にならないということではなくて、埋設した46年当時はそのやり方は合法的だったというものでございますので、国が国の責任で、義務として法律上撤去しなければならないという制度にはなっていないものでございます。今のこれを適用するにどうかというと、土壌環境汚染防止法というのが去年できまして、それは、過去には適法だったけれども、今の基準に照らして見ると問題があるという埋設物等をどのような形でどう対処すべきか、それを決めた法律が去年できました。そういう新しい法制度ができました。そういうのに照らしてどういう形をとることになるのかというようなことも含めまして、国への要望とあわせましてそちらの方も検討してみたいと考えております。

〇吉田昭彦委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時57分 休 憩
   午後1時5分 再 開

〇照井昭二副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、野本環境保全課長から発言を求められておりますので、これを許します。

〇野本環境保全課長 午前中の答弁に若干舌足らずなところがございましたので、2・4・5-T系除草剤埋設に係るダイオキシン類の調査経費につきまして御説明申し上げます。
 こちら、平成12年が65万2、000円、平成13年は65万6、000円、平成14年は87万6、000円、平成15年度は136万5、000円ということで、平成12年度から平成15年度まで計354万9、000円が、2・4・5-T系除草剤埋設に係るダイオキシン類の調査経費として支出されたところでございます。

〇照井昭二副委員長 質疑を続行いたします。

〇野田武則委員 シカ対策についてお伺いしたいと思います。
 この件につきましては何度か取り上げられているようでございますけれども、一向に被害が減らず、さらに頭数もますますふえているような感じがいたしますので、あえて取り上げさせていただきたいと思います。
 そこで、被害対策とともに、野生動物の保護対策もあろうかと思うわけですが、県の基本的な対応について、まず最初にお伺いしたいと思います。

〇鈴木自然保護課長 シカ対策でございますけれども、シカは北限のホンシュウジカであるということでございます。ということで、適正に保護すべき大型鳥獣だということで考えてございます。したがいまして、農林業被害防止対策のために個体数調整ということを実施することも重要ではございますが、一方では、地域の個体群を適切に維持いたしまして、人との共存を図ることも必要であると考えております。
 そういう観点から、シカにつきましては、平成9年度に第1次計画、平成14年度に第2次計画の特定鳥獣保護管理計画を作成いたしまして、適切な保護管理と被害防除を図るため、農林水産部ですとか、関係部局との連携のもと、総合的な対策を推進すべきものと考えてございます。

〇野田武則委員 シカの被害につきましては、一番問題になるのは里ジカではないのかなということだと思うわけでございまして、このごろでは、ジョギングしている最中にシカと遭遇したり、あるいは川を渡ってきまして住宅街の方にも入ってきている、そういう情報といいますか、たくさん寄せられているわけでございます。
 その里ジカの具体的な対策についてお伺いしたいと思います。

〇鈴木自然保護課長 里ジカ対策でございますけれども、シカによる農林業被害の防止対策といたしまして、従来から耕作地への防護ネットの設置、それから造林地への忌避剤、シカが嫌うものの塗布、散布といったことを行っておりまして、これについては継続して実施することとしてございます。
 また、里ジカの被害対策としては、有害捕獲が有効であろうということでございまして、これを適切にやることが対策として大事なわけでございますが、市町村によって若干取組姿勢の差も見受けられます。したがいまして、猟期終了後ですとか、作付時期及び収穫時期など被害が顕著な時期に、関係市町村と連携の上、重点的に実施したいと考えてございます。それで、本年度、来年度の捕獲頭数は一応100頭ということにしてございますが、その関係市町村からの捕獲申請があれば、予算上の100頭という枠にこだわらずに許可してまいりたい、必要があれば捕獲頭数の増加について検討していきたいと考えてございます。
 具体的に、再来週になりますか、22日でございますが、大船渡地方振興局におきまして会議を開催することとしてございます。その場で県、市町村、農協、森林組合、猟友会などと、里ジカの被害対策としての、先ほど申し上げました効果的な有害捕獲について協議して、里ジカ対策に取り組んでいきたいと考えてございます。

〇野田武則委員 わかりました。
 次はカモシカについてお伺いしたいと思いますが、カモシカは、これまでは文化財保護法によりまして天然記念物に指定されておりますことから、被害があっても捕獲できなかったわけでございますけれども、県の方におきましては、特定鳥獣保護管理計画を作成し、有害捕獲をできるようにしたい、こういうお話を聞いておるわけでございます。その辺の具体的な内容につきまして、そしてまた、いつからそれが可能となるのか、その辺をお伺いしたいと思います。

〇鈴木自然保護課長 カモシカの特定鳥獣保護管理計画の作成でございますが、平成16年度中にカモシカの特定鳥獣保護管理計画を策定いたします。そして、カモシカの捕獲を希望する市町村の市町村管理計画、市町村での捕獲計画をつくっていただきます。これに基づきまして、平成17年度には県の管理捕獲計画を作成するという予定でございます。
 カモシカは天然記念物でございますので、この計画をつくっただけでは即捕獲というわけにはまいりませんで、捕獲するためには、文化財保護法によります現状変更許可申請、それから国の文化審議会での審議ということが必要でございますので、そういった手続を経ますと、早ければ平成17年度末にも捕獲が可能になるのではないかと考えてございます。

〇野田武則委員 平成17年度末ということでございますが、ぜひそのスケジュールどおり進むように御尽力をお願いしたいということでございます。
 最後に一つだけお伺いしたいと思いますが、シカの方は農林水産部、カモシカについては教育委員会が担当ということで部局が分かれているわけでございますが、そういう関係もあって、なかなか被害の情報とか、いろいろ提供しても、早急な対応がなされない面もあろうかと思うわけでございます。そういった部局の調整は環境生活部でやっているということでございますので、ぜひ、その辺の部局の調整を含めましてリーダーシップを発揮していただきたいと思っております。
 もう一つですが、捕獲は捕獲で、これは仕方のないことなんですが、やっぱり動物保護という観点からも、生存可能な地域というものをこれからは人間の手でつくっていかなければならないのではないかと思うわけでございます。それが緑の回廊という言葉で、これは林野庁の森林の生態系の方ですが、あわせて、それに今の野生動物の保護も組み入れた県としての全体的な、総合的な考えで取り組んでいただきたい、こんな考えを持っているわけでございます。多分、農林水産部の方にそのことをお話しすれば、いや、それは環境生活部の方だとおっしゃられると思うわけでございますが、やはりここでリーダーシップを発揮していただくようにぜひお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

〇鈴木自然保護課長 おっしゃるとおり、部局間調整というのは非常に大事でございますので、そのための会議ですとか委員会とかを私ども持っておりますので、そういった場できちんと連携が図れるように取り組んでまいりたいと思います。
 それから、緑の回廊につきましては、委員おっしゃるとおり国の事業でやっておるところでございますけれども、私どもも、県が入る会議みたいなものにも出席させていただく機会もございますので、そういった場をとらえて、野生生物の保護といった観点も訴えていきたいと思っております。

〇関根敏伸委員 二、三御質問させていただきたいと思っておるわけでございますが、準備しておりました質問がことごとく同一会派諸先輩方に質問されまして、若干動揺しております。いかんせん1年生議員なものですからアドリブと修正がきかないもので、若干ダブる部分もあろうかと思いますが、違った聞き方でちょっとお聞かせいただきたいと思いますので、御了承よろしくお願いしたいと思います。
 私は、循環型地域社会形成推進事業に関しまして何点かお尋ねさせていただきます。
 まず第1点、先ほど及川委員と工藤委員からも御質問があったんですが、産業・地域ゼロエミッション推進事業についてでございます。今年度の採択状況等々に関しましてはお答えをいただきましたので、今後の大きな方向性をまずお伺いさせていただきたいわけです。
 昨年、1億2、000万円の事業で6月補正からつけられたわけですが、今年度が4、000万円ほどの減額になっている理由と、今後、長期にわたってこの事業をどのようにとらえていらっしゃるのか、大きな方向性をお伺いさせていただきたいということです。
 あわせまして、この事業の目的は、企業、地域でのごみ減量とリサイクル化、あとは抑制技術の開発、産業においての利用製品の開発等々にあろうかと思いますが、この事業の成功によってノウハウを積み上げて、全県的にごみ抑制の地域社会を実現したいという目論見であろうかと思います。いろいろな事業を積み上げて、成功例が積み上がっていったときの研究成果の帰属のことでございますが、いわゆる予定でありますと、帰属は企業であったり、研究団体に帰属するということになっておりますが、2分の1とか3分の2、10分の10での補助事業ということで実施した場合、それから、そのノウハウを広く県民全体に使うという視野から考えた場合、この辺のことについてどのようにお考えなのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思っております。

〇滝川資源循環推進課長 ゼロエミッション推進事業の今後の方向性ということでございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、今年度自体は4件にとどまったということでございますが、その中身としますと、やはり研究開発事業も含まれておりますし、新たなリサイクルに供すことができる技術が開発されるということもございます。そのほかに、実際にプラスチックなんかを土木の資材として再利用する事業と、研究以外にも実際にそれを展開するということがございまして、基本的にはこういった事業を応援するということで、広く産業界に、いわゆる新分野といいますか、リサイクル、資源化を進める環境産業の育成につなげていく呼び水といいますか、第一歩として応援していこうという方向でございます。そういった資源循環型の社会を目指す重要な事業と考えておりますので、引き続き継続していきたいということでございます。
 それから、成果の帰属につきましては、実はいろいろと議論があるところですが、最終的に詰め切っていません。基本的には、研究であれば、やはりそれを開発した企業に所属するというのが原則であろうと考えてございます。ただし、採択事業でございますから、こういった技術があるということは広く公表いたしまして、それをさらにほかの企業が活用するとか、そういうことに役立てていただければ、よりよい方向に行くのではないかと考えてございます。

〇関根敏伸委員 今答弁がありました方向性で、この事業の成功と、あと、言いました県民に広く浸透できるような仕組み等々に関しまして、ぜひ積極的なお取り組みをお願いしたいと思いまして、次の質問に移らせていただきます。
 これも先ほど質問が出ましたが、いわゆる優良な業者の育成という観点から、産業廃棄物処理業者育成センター、あとは、これは業界の協会だと思うんですが、それぞれ700万円、100万円と今年度もついておりますし、来年度も同額が見込まれておるわけでございます。また、これは全国的にも初めての試みであるようですが、期待の意味を込めまして、まず、このセンターでの1年間の取組状況、あとは業者育成に向けましたこの事業に対しての手ごたえ、あと、最終的にこの業者の育成に対しましてどのような方向性をお持ちなのか、以上の点に関しまして御質問させていただきたいと思っております。

〇滝川資源循環推進課長 御承知のとおり、社団法人産業廃棄物協会を県が育成センターと指定しまして、これは7月でございましたけれども、その後、センターとして新たな制度であるいわゆる業者の格付制度、産業廃棄物処理業者の格付制度の事務をスタートしたということでございます。
 実際の募集はこの1月から実施しまして、現在までに申請が80件程度上がってきているということで、これが基準に適合するかどうかの審査中であるという状況でございます。今年度末には一定の基準を満足するものを適合業者として決定し、公表するということで取り組んでいただいているということでございまして、県としては、この事務を支援するために、今年度700万円の事務費の補助をしているという状況でございます。
 それから、今後の目指すべき方向ということでございますけれども、これまでどちらかというと、言い方に語弊がありますが、信用されない業界ということも、実際上、問題を起こした経緯もありましてそういったとらえ方をしてきたこともございます。しかし、私どもが目指しております循環型地域社会を形成する上では、この業者の方々が、排出事業者あるいは県民からも信頼される仕事をしていただくことが重要でございます。そういうことで、私どもとしてはこういった社会を目指すパートナーとして位置づけていきたいと考えてございますので、業者、それから業界も、自主管理、自主規制の気持ちでこういった制度をみずから導入したいということでございましたので、県もあわせて応援しているということです。ぜひ、そういった信頼が得られる循環型地域社会形成のパートナーとしての役割を果たすことができるような業者に、私どもとしても育成を図っていきたいと考えてございます。

〇関根敏伸委員 ありがとうございます。
 ぜひ、格付等の事業をこれから積極的に推進されまして、優良業者の育成に努めていただきたいと思うんですが、もう一つ、保証金を拠出して、万が一の事故に遭った場合のいろいろな担保の部分の制度をつくっていらっしゃるようですが、これは県内外業者すべて加入してスタートしているものなのかどうか、その辺をまずちょっとお伺いさせていただきたいと思います。利用実態というか、現実の状況をちょっとお知らせいただきたいと思います。

〇滝川資源循環推進課長 この格付制度と同時に、いわゆる産業廃棄物処理業者が万一事故等を起こした場合に、原状回復費用に充てるための保証金を積んでおくという制度も、この育成センターでスタートしております。現在のところこれに参加している業者が50ほどと今聞いてございます。これは、特に県内の業者、県外の業者にかかわらず、その制度に参加できるということですので、県としても、格付制度とあわせて、この保証金制度も社会的信用を得られる一つの手段と考えますので、こういったことについて県としてもこの制度のPR、あるいはセンター自体の支援を続けていきたいと考えてございます。

〇関根敏伸委員 ありがとうございます。
 今の50社というのが多いのか少ないのか、私からすると非常に少ないなという印象を受けております。県内、県外の業者を合わせますとかなりの量、正確な数字はつかんでおりませんが、それで現実的に50社しか参加していないということであれば、まだ本格的な制度としてスタートが切れていないのではないかと思っております。また、この辺の積極的な推進をお願いしたいと思っております。
 最後に、直接この事業費にはかかわらないんですが、いわゆる循環型地域社会の形成に関する条例に伴った処理施設の設置に伴う事前協議あるいは住民説明の部分に関して、この実態をちょっとお聞かせいただきたいと思っております。
 各地でこの施設の設置等に向けました業者の動き、住民等の説明の状況が出ているのではないかと考えておりますが、その現状と、単純なことを聞きますが、これは住民説明だけでいいものか、住民合意、正式な書面での、住民とのそこまできちんとした形式的なものまで求めているものなのか、まず、ちょっとお聞かせください。

〇滝川資源循環推進課長 今の話は産業廃棄物の処理施設を建設する際に、事前に住民に説明するようにという規定があるということでございますが、これは、今年度の当初からスタートした条例の中でこういった手続を義務づけてございまして、おっしゃるとおり、条例では住民に対しまして、地域の住民あるいは関係する土地の所有者等に対しまして、法的な手続をする前に、事前に事業計画の内容等を説明しなさいということになっていまして、その結果を県の方に報告しなさいということになっています。
 県としましては、直接的には基準なんかで住民から合意をとりなさいとまでは規定しておりませんが、いただいた住民説明の結果の報告書に基づきまして、十分に住民の御理解を得られていないという場合につきましては、基本的には、さらに説明して、十分に理解を得るようにという指導はしてございます。

〇関根敏伸委員 そうしますと、基本的には業者と住民との間の説明の時点では、県は積極的には、県のかかわりと申しますか、これはないと判断してよろしいのですか。

〇滝川資源循環推進課長 直ちに県がその両者に関与するということではなくて、事業者の方にはこういった手続を説明して、こういった趣旨で説明しろという指導はします。
 一方、よくあるケースとして、地域の方から反対だということで県の方にいろいろと要望等がある場合がございます。それについては、当然、条例なり、この手続を説明するとともに、住民の方に対しても、事業者の説明を聞いて、よく要求なり考えをお伝えするようにということの間接的な指導はございます。

〇関根敏伸委員 私も、個人的にはそのような形で、地域的にもこのような事例が一つ、二つ出てまいりまして、そのような相談を受けることがございます。私としてもどうこうと言えないわけですが、ただ、さっき言いましたとおり、この循環型社会を形成する場合において、業者の育成と同時に、施設の設置というのはどうしても欠くべからざる要件になってくると思います。ですから、その中において、県の果たす役割とか県のスタンスというものをもう少し明確にしていかれた方がよろしいのではないかと。
 業者と地域に丸投げだということをおっしゃる方もいらっしゃるものですから、県の果たすスタンスをぜひもう少し明確にやっていただきたいということと、今言いましたけれども、どちらかというと不法投棄の事案がばっと取り上げられるものですから、勢い、産業廃棄物業者そのもののイメージが非常に悪くなる。ですから、そのイメージによって、今度は新しい施設を設置しようとするときに住民から合意が得られない。設置場所がなかなか決まらないと、捨てる場所がないので不法投棄が出てくる。このような非常に悪循環というか、目指す方向になかなか現実が整合していかないという現状になってくるのではないかと思われておりますので、やはり県の明確なスタンスをひとつお願いしたいということ。
 それと、やっぱり住民に安心感を与える、地域に責任をとるという意味で、先ほど言った保証金の部分、これをきちんと全業者に、例えば義務づけるのかどうなのかはわかりませんが、万が一何かあった場合に、地域住民に迷惑はかけないという仕組みをつくっていかないと、やはり地域住民としては、合意してくれと言っても、なかなか難しい部分があるのではないかと思っております。その辺の考え方をちょっとお聞かせいただきたいと思います。

〇滝川資源循環推進課長 先ほどは主に手続といいますか、必要な基準の話を説明させていただきましたけれども、先ほども申し上げましたように、条例で合意までとれとは明示していませんが、住民の方に行う事業をきちんと説明して、そして住民の方々も理解した上で事業を進めるのが最も望ましい形態だと考えていますので、私どもとしては、そういう方向で指導していくということでございます。
 一方、住民の代表といいますと市町村長にもなるということでございますので、例えばそういった判断をする際には、市町村長にもこの施設について意見を伺って、それも参考にしてまいりたいと考えてございます。
 それから、保証金の義務づけといった考え方ということでございますが、基本的には、この格付制度あるいは保証金につきましては、業界の自主的な管理、規制を行政として育てていくというスタンスで当面取り組みたいと考えておりますので、今立ち上がったばかりでございますが、当面はその制度を動かすための支援という形で取り組まざるを得ないのではないかと考えていまして、今のところ、直ちにこれを全業者に制度として義務づけるということまでは考えてございません。

〇関根敏伸委員 ありがとうございました。
 いずれにいたしましても、この循環型社会の形成において、社会全体としてごみが出ない仕組みづくり、リサイクルできる仕組みづくり、あと業者の育成、それから住民合意、この3点はそれこそ三位一体で進めなければならないものだと思っておりますので、より積極的な推進をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

〇佐々木一榮委員 産業廃棄物の処分場の件で関連して2点お尋ねいたします。
 ただいま滝川課長の方から、市町村の位置づけ、市町村長の意見を求めることがあると、参考という意味だと思いますが、これは、住民の代表である市町村長の意見をどの程度重要視されるお考えなのかお尋ねしたいと思います。
 今、現実問題いろいろお世話になっておりますが、一関市議会が、地元住民の要請があって議会で採択をした案件がございます。ただ、これは県の方ではもう既に動いて、業者の受け付けは済んでいるわけでありますので、この点についてお伺いしたいと思います。
 それから、この業者の情報公開について基本的にどのようにお考えかでありますが、一関の菊芳商店という会社が倒産しまして、その状態で放置されている。ところが、これは県費では原状に復帰できないということで、新たな業者がまたやりたいといっても、なかなか地元の住民の賛同が得られないという意味で、これは何かといいますと、やっぱり事業者、その業者がどういう経営状況で、だれが株主で、本当に最後までやってくれるのかというのが一番住民の方々の心配の要素だと私は認識しております。ですから、この辺の情報公開についての考え方として、県は、どこまで住民団体の方々に公開できるとお考えかお尋ねしたいと思います。

〇滝川資源循環推進課長 市町村長の意見をどの程度重視するのかということですが、申しわけありませんが、まだ明確にはちょっとお答えできかねます。一つ一つの案件が、その地域住民の方々とか、かかわる人が一つ一つ違いまして、そういう中で市町村長にも必ず意見を求めるということでございまして、ある場合は非常に重要視させていただく場合もあるとだけお答えさせていただければと考えております。
 それから、情報公開につきまして、例えば県がいただいた申請書なり協議書なり、いろいろあるわけですけれども、これを、個人情報のところもございますので、ある程度慎重な取り扱いが要るのではないかとは考えてございます。これにつきましても、恐らくこういった施設を建設するのに非常に重要なことの一つは、事業主体の信頼性だと考えてございまして、これが住民に理解されないとなかなか進まないということで、むしろ私どもとしては、事業主体、計画者の方が、積極的に住民の方々に御説明なり、御理解いただく努力をしていただく、その中で必要な情報をどんどん公開していくべきではないかと考えてございます。

〇佐々木一榮委員 確かに事業主体が説明責任で、住民の方々に理解と納得いただいて、そこで事業活動、企業活動を起こすということはごもっともだと思いますが、冒頭、この審査の一番最初に伊藤勢至委員から、県境産廃に絡んで、どうしてもこの種の事業については奥が深いというお話がありました。例えば、表上は1部上場企業であったり、さまざまな企業だったり。ところが、それから広がるさまざまな関連が出てきたりということが結構多いとも伺っております。そういった意味から非常に心配しておりまして、例えばそれがいいとなった場合に、仮に事件が起きてから、住民が心配するのは、じゃ、県が許可した、それで中断した場合に、県が許可した以上、最後まで責任をとってくれるのかといった場合に、今度、県もとれないのが現実だと思うんですね。ですから、このチェックについては、やはり厳密にといいますか、限度があると思いますので、本来であれば第三者機関なり何かも通しながらやるべきかなとも思いますが、課長から御意見を伺いたいと思います。

〇滝川資源循環推進課長 事業主体の内容、例えば財務内容とか、役員の構成状況とか、こういったことにつきまして、実は法に基づく正規の設置許可申請の際には当然審査させていただきます。今の事前協議でも、ある程度それを求めておりますが、事前協議の中では直接的にはそれは審査対象外で、基本的な構造とか、地域住民の方々にどんな説明をしてきたかということが中心になってございます。
 いずれ、これをもう少し早くやるということもあるいは効果があるのかもしれませんけれども、基本的には、事業者の説明が地域の方々に理解が得られるような対応が最も望ましいと考えています。県としても、この事前協議のあり方を含めて、どんな形でこういったものを審査していくべきかということについては、引き続き研究させていただきたいと思います。

〇木戸口英司委員 順番でありますが、関根委員の質問に関連した質問とさせていただきます。というのも、育成センターについては、私も一般質問で取り上げさせていただきまして、また先日、岩手県産業廃棄物協会にもお伺いして、いろいろ状況を聞いてきたものですから、その中で私の感じたこと、疑問に思ったことを数点質問させていただきます。
 今、課長からお話がありましたとおり、第1回目の格付制度の申請がスタートして、今審査中ということをお伺いしてまいりました。その中で、12月ごろにこの制度が正式に発表されて、そして1月の申請と、少し時間がなかったというようなこともあったようでございます。今、80社の申請ということでありましたが、この産業廃棄物協会の会員企業が220社と、1回目とすればこのぐらいかなという部分もあるかと思いますが、いずれこういうところでスタートした。
 この現状については、先ほど若干話がありましたが、またこの申請状況について御所感があればお伺いしたいことと、あとこの格付、先ほど適合業者という命名でありましたが、これをさらに今後ランクづけ、建設業で言えばA級、B級、C級という言い方なんでしょうけれども、どういう言い方かわかりませんが、これからそういうことも進めていくということをお聞きしてまいりました。
 申請資料を見ると、かなり細かい項目に分けてこれをチェックしていくということのようでありますが、これを今後どのような形かで点数化のような進め方だと思います。どのような基準というか、県としてどういう考えによってこれからこのランクづけ、指導していく考えであるのか、その点をお聞きしたいと思います。

〇滝川資源循環推進課長 申請の状況につきましては、先ほど申し上げましたとおり、1月5日からスタートいたしまして、現在、80件程度を審査中ということでございます。
 それで、もう一つ御質問ありました、今回は初めての制度でもあるし、いきなりA、B、Cみたいなランクづけは行わないで、一定の基準以上のものを適合という形で格付するという形でございます。
 実は、当初はいきなりランクづけができないかということを研究してまいりましたけれども、何しろ全国でも初めての制度でございますし、さまざまな学識者の意見を聞いても、いきなりは難しいのではないかということで、現在この、いわゆる基準以上のものを適合という形でやっています。
 確かに将来、近い将来と申し上げていいかどうかわかりませんが、この目指しているところは、おっしゃいましたようにA、B、Cみたいなランクづけを目指したいと思っています。
 基本的には、遵法性はもちろんでございますけれども、財務状況、それからその会社自体の管理体制、持っている施設の状況がどうなのか、こういったことを書面なり、実際に立ち入って調査して、その中で、おのずとそのランクが出てくるかもしれない。そういった実際の制度の施行状況を見ながら、県としてもそういった方向に持っていくように、センターの方と協議をしてまいりたいと考えてございます。

〇木戸口英司委員 わかりました。
 当制度は、言うまでもなく産業廃棄物の排出事業者が優良な処理業者を選定する有効な情報となるものでありますし、適正な処理が進むことはもちろんでありますけれども、先ほど来、この業界が不信感を持たれるような状況もあったという中で、透明性が高まると業界のレベルアップも図られる有効なものであると思います。協会の方も、県の環境生活部のバックアップ体制、大変よくやっていただいているということを聞いてまいりましたので、なお一層この点、これからいい、全国に先駆けた制度になるように、この指導をお願いしたいと思います。
 これからの課題として、先ほど80社ということでありますが、この6月ごろですか、また2回目があると。これからどんどん申請がふえて、適合業者の数がふえていくことが課題であろうかと思いますが、この育成センターを進めている廃棄物協会、組合の組織率というものが、東北の中でも岩手県は低くなっているということを聞いてまいりました。岩手県知事の許可を受けた処理業者が、県内に本社がある企業が大体750ぐらいあると聞いてまいりましたが、先ほど私が申し上げましたとおり、220社ぐらいが協会に入っている。この現状、これからその組織率アップ、これは協会の問題でもあるわけでありますが、どういった点に問題があって、これからどういう指導をしていかなければいけないと考えているのか、お伺いしたいと思います。
 それから、この格付制度、それからこの格付によって適合業者がこれから発表されていくわけでありますけれども、排出事業者に対するPR、やっぱりこれは利用する方がこの制度をよく理解して、しかもいい業者を使っていく、これからそういうことが大事になってくるであろうと思います。県はこのPRをどのように考えているか、この点をお伺いしたいと思います。

〇滝川資源循環推進課長 産業廃棄物協会の組織率のお話でございましたが、確かに数としては東北では低い方なんですが、実は組織率から言うと、対県内業者からいけばそう低くもない方なんです。
 そういうことでございますが、いずれこの制度自体が、先ほど申し上げましたように、業界自体がお互いに研修し合い、勉強し合って信頼できるところにレベルアップしていこうということから始まった制度で、それを県が応援するという形をとっているわけでございます。いずれ自主的な管理、自主的な規制によってレベルアップを図るという意味で、この母体となっております協会自体が、確かにそういった基盤をより強くするという意味でも、加入率がどんどん上がっていくことが望ましいのではないかとは考えてございます。
 県としては、協会自体というよりも、協会が行う事業に対しまして、例えば研修事業とか、相談事業とかに対しまして、このセンターとは別に支援事業も行ってございます。そういった意味で組織率アップが県としても望ましいと考えてございます。
 それから、格付制度のPRでございますが、基本的には、ほかの事業でもそうですけれども、特に今回の場合には、排出事業者の方々へのPRが重要であると考えてございまして、県としてもこれを進めていきたいと思ってございます。
 今、この格付制度を含めた、例えば新しい県の条例ができたばかりでございますので、それらを含めたパンフレットを作成してございまして、それを用いまして、毎年度、地方振興局単位で行っている排出事業者に対する説明会で活用する、あるいはそういった商工団体に配布する等によりまして、県としても、ぜひこの制度の周知に努めてまいりたいと考えてございます。

〇木戸口英司委員 この格付制度の申請もかなりな事務量ということのようでありますし、せっかく努力している業者が、県内で認知されて、そして仕事に結びついていくことは、この制度を成功させるために必要なことだと思いますので、このPRにぜひ御努力をお願いしたいと思います。
 それから、先ほど来、伊藤委員また及川委員からも再三お話があったことでありますが、やはり県境不法投棄事件の県内地元処理業者の参入ということについては、県の産業廃棄物協会からも再三環境生活部の方に要望が出ているとお聞きしてまいりました。この辺は、先ほどお話がありましたので、私からも強く要望しておくということにとどめたいと思います。
 それで、お話の中で出てまいりましたのが、県内で安定型処分場の処理量が不足してきているということを聞いてまいりました。県で把握している処理量の数字というものは、不足していないような数字の実態把握なのかもしれませんが、処分が進んでいく中で、処分場の残りの処理できる量がだんだん不足してくれば、この処理の納入を少し抑制しがちな業者も出てきているというようなお話も聞いてまいりました。この辺をどのように把握されているかお聞きしたいと思います。
 また、こういった県の中で処分量が不足してくる、そういった事業について、例えば組合として臨んでいくことはできないかということもいろいろ考えがあるようであります。県の方にもお話が来ているのではないかと思いますが、この方向性の中で、先ほど関根委員からもお話がありましたが、例えば組合でやるということであれば、地元対策についてもいろいろ県のバックアップもいただきながら順調に進む部分があるのではないかとか、また、今、許認可の時間がかかり過ぎるという及川委員からの御指摘もありましたが、こういった部分、スピードアップも図れるのではないかという希望も出ているようであります。これをあわせてちょっとお伺いしたいと思います。

〇滝川資源循環推進課長 コンクリート殻なんかを埋め立てる安定型処分場でございますけれども、数字的なといいますか、県でつかまえている数字を申し上げますと、本年度当初時点では、県内で31カ所が稼働しておりまして、約66万立方メートルの残余容量がある、受け入れ能力があるということでございました。確かにこれを最近1年間の埋立量で割りますと約6年程度ということで、御指摘ありましたように、一部の事業者なり業者の方から逼迫感があるということは伺ってございます。
 ただ、実は今年度になりまして2社が合わせて60万立方メートルほどの処分場を増設あるいはオープンいたしまして、少しこの状況が緩和されているのではないかとは考えています。
 それから、もう一つでございましたが、組合として、恐らく業者の団体として安定型処分場を建設する場合ということでございますが、県としましては、この安定型処分場については、民間がぜひ自主的に民間主導で整備されることが望ましいのではないかと考えていますので、どこまで応援できるかどうかちょっとわかりませんが、そういった方向に合うものだということで、好ましいものではないかと考えております。
 さらにつけ加えますと、安定型の廃棄物、コンクリート殻等は、特に最近、建設リサイクル法と相まって路盤材等に活用される事例がふえてきていますので、そういったことで、まず出る量を減らす、リサイクルに回すといったことも、県としてはあわせて指導してまいりたいと考えてございます。

〇木戸口英司委員 わかりました。
 今、課長の方からリサイクル製品ということのお話が出ましたけれども、次にそのことを聞きたいと思いますが、さまざま研究開発も進みまして、リサイクル製品が世に生まれてきているわけでありますが、その生み出す話は先ほど来質問で出ておりますが、これは出口が大事であろうと思います。やはり当初、製品コストが高くなるということも一般的には言えることだと思いますし、それによって需要が上がらず、また、結果としてコストもなかなか下がらないという状況、そういう意味で、リサイクル製品をつくれ、つくれという県の指導、施策もそのとおりでありますが、なかなかこれが世に出回っていかないという現実もあるようであります。
 路盤材の話も出ましたが、さまざま建築資材とか、こういうリサイクル製品が相当出てきているようであります。若干当初金額が高くついても、環境首都いわてということでありますので、例えば公共事業の中で優先的に使っていくとか、また、これは県内でも、県庁もちろん県民に対しても、県民運動的にこのリサイクル製品の使用というものの盛り上げを促していく、喚起していくということは重要であろうと思います。その点、御所見をお伺いしたいと思います。

〇滝川資源循環推進課長 県におきましては、御承知のとおり、グリーン購入制度やISO14001の運用の中で、特にこういったリサイクル製品を率先して利用ということに努めてきているわけでございまして、今年度から実質スタートしました県独自の認定製品制度も始めたということで、現在25品目を県独自に認定しているということでございます。
 特にこれにつきましては、県庁内で土木サイドとか農林サイドも含めまして、リサイクル品の優先利用を進めるための方策をいろいろ検討してございます。特に、公共事業において優先的に利用するよう何らかの方策がないだろうかということで検討しておりまして、その方向で、さらに関係機関との協議を進めてまいりたいと考えてございます。
 もう一つは、やはりこういった製品があるよ、資源を再利用した製品でぜひ使うべきだということをPRしていくことが重要だと考えてございまして、市町村や県民の方々、あるいは事業者の方々の理解と参加を得るということが、御指摘のとおり重要だと思っております。
 今後、こういったセミナーあるいは製品の展示会の開催、それから、実は今つくっているんですがPR用のパンフレット、これらを用いまして広く広報し、一層の普及啓発に努め、ぜひそういった機運の醸成を図ってまいりたいと考えてございます。

〇木戸口英司委員 わかりました。
 それでは、これからのもろもろの取り組みを期待したいと思います。
 それでは、ちょっと質問を変えて、これを最後にしたいと思いますが、私、一般質問で花巻市の化製場の問題、太田油脂の問題につきまして取り上げさせていただきました。県の責任大ということを訴えさせていただきまして、部長からも、今後の推移をしっかりと監視していく、これからの太田油脂対策をしっかりやっていくという力強いお話をいただいたわけであります。いずれ、一昨年の大変ひどい状況からは若干改善されたものの、まだ近隣で早朝など、においが発生していることもあるということの苦情が、ひどいときに比べれば少なくなったとはいえ、地元住民から寄せられているところでございます。環境生活部としての現状の認識、現在の状況等をお知らせいただければと思います。

〇中村環境生活部長 太田油脂の関係でございますけれども、平成14年度にいろいろ指導いたしまして、設備の改善工事をしたということで、15年度は、その前年に比べれば、例えば悪臭被害の状況も非常に少なかったと認識してございます。でも、少なかったわけですから、当然ゼロではないわけなんですが。
 1年だけということではなくて、引き続き継続的にモニタリング、監視調査もしてまいります。それから、市との間でも、今までの反省に立って、市との連携も大事だということで、連絡協議会を地方振興局と市ということで設置もしてございます。そういうような点もあわせまして、今後とも引き続き、悪臭公害の防止対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

〇木戸口英司委員 ありがとうございます。
 いずれ、これも長い問題、花巻市にとりまして、また地元住民にとりまして本当に大変な問題であります。また、特に鳥ということでありますが、この残渣処理ということで、今いろいろ問題になっている部分、農業、それから食肉行政というものに対する不信というものにもつながりかねない問題であります。また、あの場所が適合地であるかということは、地元としてはこれからずっと訴えていくことになろうと思います。
 いずれ厳しく監視を強めていただきまして、何か問題が少しでも発生したときには、この対策、また厳しい処分をお願いして、質問を終わらせていただきたいと思います。

〇阿部静子委員 男女共同参画推進事業についてお尋ねいたします。
 昭和56年から約7、000人もの修了者を育成し、県民から婦人の船として親しまれてまいりましたいわて女性洋上セミナーを平成14年度をもって廃止いたしました。15年度から新たな研修体制による事業を実施し、16年度、来年度においても継続する予算となっているようでございますが、15年度の実施状況とその結果をどう評価していらっしゃるのかお示しいただきます。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 平成15年度の研修の実施状況でございますけれども、この研修につきましては、15年度から、これまでの女性洋上セミナーの研修を見直して、初級から上級まで新たな研修体系を整備充実して、段階的に学習できるようにしたものでございます。
 初級のあすばるエンパワーメント研修では、福岡県のあすばるフェスタに4泊5日の日程で女性52人の参加により実施しております。また、中級のサポーター養成講座では、県内において11講座に59人の参加により実施いたしました。上級のいわて男女共同参画ヌエック研修では、全国の自主活動を発表する場であります国立女性教育会館ヌエックで実施するフォーラムに3泊4日の日程で女性37人、男性2人の参加で実施してございます。同じく、上級の男女共同参画海外派遣研修には、オーストラリア、ニュージーランドに10日間、女性9名と男性1名を派遣してございます。
 これらの人材養成研修を体系的に実施することによりまして、参加者の知識や経験、活動に応じた研修受講が可能になりまして、効果的な人材育成が図られているものと考えてございます。
 研修修了後の活動につきましては、修了者の自主的なグループ活動を初め、市町村における発表など、それぞれの地域において自主的に活動を始めているところでございます。

〇阿部静子委員 ありがとうございました。
 今度は系統的に、初級から上級までという、その認定というのもなさるのですか。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 今年度から段階的な研修体制としたものでございますので、その前の関係の研修を受けているかとか、あるいは地域活動をその後実施しているかとか、そういう状況を見ながら受講していただくというふうにしてございます。

〇阿部静子委員 昭和56年から23年ですか続いてきた、この婦人の船の愛称で呼ばれた修了者は、県内各地域において、船の会であるとか、あるいはまた女性海外派遣事業修了者で組織をする翼の会などとあわせて、各地域での活動をもとにし、県における男女共同参画フェスティバルというのがございますよね、あそこにおけるワークショップであるとか、いろいろ活動をしてきたわけでございます。今、課長のお話にもちょっと出てきましたけれども、昨年のその修了者は、具体的にどんな活動をやってきていたわけでございますか。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 船の会の皆さんにおいては、今までいろいろなグループ等をつくりまして活動してきておりますし、平成15年度の研修を修了した人たちも、既に、例えばヌエックの研修に参加した人たちは、自主的にヌエックの会というものをつくりまして、自分たちの研修会の開催等しておりますし、海外に行った方々も、また自分たちの会をつくっておりまして、来年は自分たちで、ヌエックであるとか、あるいはいわて男女共同参画フェスティバル等に積極的にエントリーして、ワークショップを開設するとかということでやっております。
 また、市町村の女性の集いでありますとか、そういうところで講師を務める等、もう積極的な活動が始まっているところでございます。

〇阿部静子委員 本年度、その海外の研修に参加した人で、花巻市の方だったかな、新聞にその感想を載せていました。オーストラリア、ニュージーランドにおける研修の有意義なことがるる、いい文章で載ってございました。ああ、こういう成果があるんだなと思って、その事業の中身に敬意を表するところでございます。
 それで、来年度、平成16年度の事業の具体的な内容と、その取り組みに対する県としての期待する成果はどういうものでございましょうか。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 平成16年度の研修につきましても、今年度から始めたばかりでございますので、同様の体系で事業を実施することを考えておりますが、これによって効果的な人材の育成がさらに図られるのではないかと考えております。
 また、今年度の参加者と同じように、各自主的な活動として、ワークショップの開設であるとか、いろいろな研修会の開催等をさらに進めていただけることを期待しております。

〇阿部静子委員 その上級、中級、初級、認証みたいなものがあって、誇りを持って、自分が今度は地域において指導する側といいますか、そういう立場というものをはっきりと示す方法もあっていいのではないかなと思ったりもいたします。詳しい事業の中身等を見てまいりますと、いわゆる県外先進地というのは、全国の女性会館の方であるとか、今課長がおっしゃったところですね。それから、各団体に助成金を出すやに報道されてございますが、公募にするのか、申請にするのか、それはどうでございますか。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 本年度から地域活動推進の助成費ということで実施してございますが、公募しまして、応募いただいたものを審査の上で決定しているところでございます。
 最高2分の1の補助で最高額10万円ということで、いろいろな団体から出していただいているところでございます。

〇阿部静子委員 1団体10万円で、予算とすれば10団体ぐらいに補助したい、こういうお話でございます。欲しい人たちいっぱい出てくるんだろうと思いますけれども、そこのところを公平にどうか、順番でもいいですし、そして、活性化が図られるようにお願いしとうございます。
 角度を変えまして、今度は男女共同参画の県条例についてお伺いいたします。
 一昨年の10月に県条例は制定されました。その中の目玉でございます苦情処理委員会は昨年4月から施行に入ったと思ってございますが、今までのところで苦情処理委員会に提出された案件というのはどれだけで、中身はどんなもので、それへの対応はどうでございましょうか。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 岩手県男女共同参画調整委員の提出案件についてでございますけれども、15年4月1日から男女共同参画に関する苦情及び相談を受け付けてございます。文書による申し出のあった男女共同参画に関する苦情及び相談の申し出案件は、平成16年2月末現在で5件ということになってございます。内訳は、施策についての苦情が1件、人権侵害事案についての相談が4件でございます。
 苦情等への対応でございますけれども、県民から申し出のありました施策についての苦情1件につきましては、男女共同参画調整委員3名の合同で調査を重ねまして審査をした結果、平成15年10月に岩手県教育委員会教育長あて調整委員から指導を行ってございます。これに対しまして、平成15年12月に教育長から、いわて男女共同参画プラン全体の見直しにあわせて、プランの教育に関する分野にもっと具体的な取り組みや状況を盛り込むなど検討していきたい、そのほかに、より一層学校運営が男女共同参画の理念に基づき行われるように努めてまいりたいという措置報告をいただいているところでございます。
 人権侵害事案についての相談4件につきましては、すべて処理済みとなっております。

〇阿部静子委員 苦情処理委員会における提出事案に対する対応にしても、やはりあってよかったなという思いでいっぱいでございますが、しかし、このようにすばらしい条例ができましても、それが実効あるものとして県内の皆さんにきちっと定着しなければ絵にかいたもちになってしまうわけでございまして、昨年の場合には、アンケート調査をしましたら、わずか30%しかその条例の存在を知らなかったという数字が出ているわけでございますが、その後、浸透についてどのような施策を図り、そして、到達目標みたいなもの、それをいつまでにどのくらいとお考えでございましょうか。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 条例の県民への浸透につきましては、男女共同参画フェスティバルなどのイベントでありますとか、Joinという情報紙の発行でありますとか出前講座あるいは今年度始めましたトップセミナー、こういうものの開催あるいは各種広報媒体を使用するなどによりまして積極的に普及を図っていきたいと考えてございます。
 また、何といたしましても、地域での浸透を図る上では、市町村におきまして男女共同参画計画の策定というのが非常に重要でございます。現在は9市町村でつくっておりますが、今、策定作業中のところが12市町村ありまして、さらに策定を始めたいというところが1ございまして、こういう市町村の計画策定の取り組みの促進を図ることによりまして、また、男女共同参画サポーターによる地域での普及活動とあわせて、より身近な地域での一層の進展を図ってまいりたいと思っております。
 なお、何年度までに何%にしてもらうという目標等は立てておらないところでございますが、これらの施策を積極的に進めることによって、できるだけ多くの方に理解していただきたいと考えております。

〇阿部静子委員 いろいろ御努力をなさっているようですし、女性自身、男性自身、自分らしく平等に生きていくという思いを込めながら、先日は、岩手県で男女共同参画社会を目指す議員協議会を開催しまして、男性議員の皆さんと一緒に私たちも、それから、県内の女性議員にも出席してもらって研修会を行いました。大変有意義でございました。やはり県内におきましても、県議会の取り組みをどうか、各自治体においてもそれが広がっていくような、そういう広報といいますか呼びかけといいますか広報活動というのが必要なのではないかと思ってございますが、いかがでしょうか。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 先日行われました議員協議会の研修会、本当にすばらしかったと思っております。全国でもこういう協議会というものをつくられているところがそもそもそんなにないのかなと思いますが、本当にすばらしいことだと思っております。
 また、この前の協議会におかれましては、市町村の女性議員も加えて研修を一緒になさったということで、そういうこと等からも徐々に浸透していくのではないかと思っております。
 また、他県との会合があった際とか、あるいは市町村のいろいろなイベントの際に、私どもとしても、こういうものができて県議会でも一生懸命やっていただいておりますということはPRしているところでございまして、そういうことから徐々に、つくりなさいと言う筋合いのものでもございませんので、ただPRを通じていろいろ動きが広まっていけばと考えているところでございます。

〇阿部静子委員 そうです。やってくださいとは言えないんでしょうけれども、岩手発信で何とか、全国に先駆けての活動だということをお示しいただければいいのではないかと思います。

〇斉藤信委員 最初に、簗川ダムの利水問題について、水需給にかかわる盛岡市との意見交換の概要というのが知事の記者会見で発表されました。水の需給予測は資源エネルギー課と環境保全課がかかわっていますので、私、ここで立ち入って質問したいと思います。
 平成37年で盛岡市は日量4万4、412立方メートルの余裕があると試算をされました。これは、1人当たり451リットル、こういう換算ですが、それでも約10万人分余るということになります。私は、さまざまなリスクを考えても、この盛岡市の水需給というのは十分余りあると考えますが、いかがでしょうか。
 この試算自身が私は問題だと思います。一つは、1人当たりの1日最大使用量が実績で377リットルなのに、なぜ450リットルと試算をするのか、これは実態に合わないのではないか。400リットルで試算すれば5万8、000立方メートル余るということになって、御所ダムの水も必要なくなってくるわけであります。盛岡市の水需給計画の試算では、今までは御所ダムはいつ活用することになっていたか、活用する計画があったか。私が知るところでは、御所ダムは人口30万8、000人のときに必要になってくるというのが盛岡市の計画だと承知していますが、皆さんの試算では28万人そこそこしか人口はいかないと。だったら御所ダムの水は使われないということになるんじゃないでしょうか、まず、ここから聞きます。

〇野本環境保全課長 盛岡市が平成37年で日量4万4、000立方メートルの余裕がある、その点についてリスクを考えても余りあるという点についてですけれども、通常時におきます盛岡市の将来水需給につきましては現有水源で対応可能であると試算されておりますが、異常渇水や水質事故等の危機管理時における対応につきましては盛岡市内部で検討していると聞いているところでございます。
 続きまして、1人当たり1日最大使用量が実績で377リットルでありまして、450リットルと試算することは実態に合わないのではないかという御質問につきましては、平成13年度におきます実績、1人1日最大給水量は、本県の平均ですと402リットル、それから全国の平均ですと453リットルとなってございまして、今回の試算値451リットルは妥当な値であると考えてございます。
 それから、御所ダムに関しましては、御所ダムの水につきましては、盛岡市が現在新たな総合計画の策定にあわせまして水道の全体計画についても見直し、その中で御所浄水場の建設時期についても検討しているところと聞いてございます。

〇斉藤信委員 1年間にわたって盛岡市と水需給を議論してきた割には、あなたの話は本当に科学的根拠を欠いていますよ。
 改めて聞きます。では、4万4、000トン、10万人分余っていてもリスク対応できないんですか。一般論として私聞きますよ。リスク対応ではどのぐらい必要なんですか、一般論として。いいですか。平成37年度のあなた方の過大な試算でも10万人分余るんですよ。それでもリスク対応で足らなくて簗川に水が必要になってくるんですか。一般論でいいから、リスク対応、そんなことをしたら2倍の水が必要になってくるじゃないですか。一般論で、リスク対応というのはどのぐらい必要なのか示していただきたい。
 もう一つ、私、1人当たり451リットルというのが過大だと言っているのは、盛岡の実態から言っているのです。岩手県の平均も全国の平均も聞いていない。今まで盛岡市、18年間の1人当たりの最大使用量は幾らですか。そこからなぜ450リットルが出てくるんですか。これからはすべて節水ですよ。あなた方は、資源循環型と言っていて、こんなむだ遣いをするような計画をみずから立てたらどうしようもないじゃないですか。もっと水を効果的に活用する、それが当たり前の発想じゃないですか。この点についてお聞きしたい。
 御所ダムについては、今まで盛岡市の岩手県の公共事業評価委員会に対する報告は、人口30万8、000人のときに御所ダムは必要になってくる、こういう報告でした。ところが、今回、人口推計したら、30万人どころか28万人そこそこです、平成37年で。今までの盛岡の計画だったら、御所ダムの水は使えないじゃないですか。そういうことは検討したんですか。
 そして、これだけむだと浪費の試算をしたが……、まあ、そこまでにしましょうか。

〇野本環境保全課長 まず、一般論でリスクについてという形で御質問がございましたが、現在、盛岡市内部で検討しているところでございますので、一般論であってもお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
 それから、これからむだ遣いは避けて効率的にということですけれども、推計でございますので、そういった政策的要因を考慮することは難しく、増加要因としまして、例えば核家族の進行によります世帯数の増加ですとか水洗化率の向上ですとか生活24時間化などありまして、過去10年間の実績をもとにトレンドで推計していますので、やはり私どもとしては451リットルは妥当な値だと考えてございます。
 それから、御所ダムにつきましては、先ほど申しましたが、現在、盛岡市の方で新たな総合計画の策定にあわせまして水道の全体計画についても見直して、その中で御所浄水場の建設時期についても検討しているところでございます。

〇斉藤信委員 完全にあなたの論理は破綻しましたね。結局、リスク管理については何の根拠もないと。それは盛岡の判断だと。ところが、451リットルを聞くと、全国平均だと。盛岡の実態については全然考えないと。盛岡市は、世帯数はふえていますよ。それでも1人当たりの1日最大給水量はふえてないんです。横ばいか低下ですよ、今。これが流れなんですよ、時代の。451リットルにあなた方が盛岡市と協議してやった科学的根拠は全くない。これは過大な試算と言うべきです。私は質問で、せめて400リットルと試算すれば、5万8、000トン、15万人近く余りますよと指摘しているのです。都合のいいときは全国平均を持ち出して都合の悪いときは盛岡の判断だと。そういうのは科学的根拠と言わないんだよ。
 結局御所ダムの問題については、これはまだ未解決の問題です。盛岡が御所ダムの水を使うか使わないかわからない段階でこんなむだな試算をするということはおかしいでしょう。今までの計画だったら御所ダムは使われないんですよ、人口でいったら。盛岡が御所ダムの水を使うか使わないかわからないのに、使うことを前提にして、それでも余ると。どれほどむだかわかりますね。
 これは論理破綻したので次に進みますが、盛岡広域6市町村の水需給計画の試算をしました。なぜ6市町村の試算を実施したのでしょうか。簗川ダムに関係のない市町村を巻き込んだのはなぜでしょうか。要請もないのにこんな試算をしていいんでしょうか。

〇野本環境保全課長 今回、県と盛岡市が合同で行いました水需給推計の検討につきましては、さまざまな議論のあります盛岡市の利水計画につきまして意見交換を行うことを目的としまして、市と県と了解の上で実施したものでございます。
 なお、今回実施した水需給推計でございますけれども、あくまで試算でございまして、関係市町村の水道事業を拘束する性格を有するものではございません。

〇斉藤信委員 余計なことをあなた方はしたんですよ。これは一昨日の盛岡市議会で取り上げられました。実は、6市町村の水問題については、昨年の6市町村の合併協議会の後の懇談会で当時の桑島市長が問題提起したんです。そうしたら、滝沢村も雫石町も紫波町も簗川ダムへの利水参加は必要ないと答えたんです。決着済みの問題ですよ、これは。いいですか、6市町村の首長で話し合って、簗川ダムへの利水参加は必要ないと回答しているんですよ。何で必要ないと言っているのをやったんですか、勝手に。私は、岩手県の越権行為だと思いますよ。要請もされていない、簗川ダムに利水参加もしていない、そこについてなぜやったんですか。

〇野本環境保全課長 あくまで盛岡市と県とでお互いに了解した上で、将来の広域の水需給計画、水需給の推計をするということでございまして、あくまで試算でございまして、特段関係町村の水道事業を拘束するものではございませんので、やったということでございます。

〇斉藤信委員 あなたは、知事が記者会見で何と言っているかわかりますか。盛岡市との協議の中で、盛岡市は4万4、000トン余るが、広域6市町村で試算すると1万4、000トン不足する。広域から考えれば簗川ダムへの利水が必要だ、知事がそう言ったんですよ。そういう試算なんですよ、これは。盛岡市とだけやったんじゃないんですよ。いわば広域市町村の試算を勝手にやって、盛岡とは関係ない市町村は水が不足するからあなた方は簗川ダムに参加しなさいという、こういう試算結果なんです、これは。いいですか、やってはならないことをあなた方はやった。
 もう一つ重大なのは、でたらめな試算をしたということなんです。科学的な試算ならともかく、でたらめな試算をした。私は、本会議でも指摘したけれども、滝沢村、雫石町へ行ってきました。紫波町の様子も聞きました。滝沢村は、全然将来的な水の需給に困っていません。というのは、岩手山の地下水が豊富だからです。雫石町は、今、浄水については配水能力の半分ぐらいしか使っていませんよ。だから、雫石町の町長は、あの試算は余計なお世話だと言っているんですよ。なぜ余っているのに不足するという試算をあなた方はしたのか。勝手な五つの条件をつくったんですよ。地下水は将来3分の1に減らす。あなた方の試算は減らすことしか考えていない。しかし、地下水というのは、そこがだめになったら次を掘るんです。当たり前のことなんですよ。特に雫石、滝沢は、豊かな地下水に恵まれて、岩手山の水は一番おいしいんですよ。どうしてこんな実態とかけ離れた、余裕があるのに不足という試算になったんですか。

〇野本環境保全課長 今回、推計を行うに当たりまして、水源の考え方としまして、委員御指摘のとおり五つの条件を設定いたしました。将来を見通した水源の安定確保を第一に考えているところでございまして、少しでも水量や水質確保に不安のある水源につきましては、取水量を減少または水源を廃止することにいたしました。地下水や伏流水につきましては水量減や枯渇のおそれがありますので、実際そのような事例も生じていることから、取水量を減少、水源を廃止する等の対象としたところでございます。
 それから、小規模水源を多数……(斉藤信委員「条件を聞いているんじゃないんだよ、実態と違ったのはなぜかと聞いているんだよ」と呼ぶ)維持するには、水源の管理や水質検査など多大な人員と経費を要することから、効率的な経営の観点に立ちまして、大規模な安定水源があればこれに切りかえることが妥当であると考えておりまして、小規模水源を一定量以外は廃止したということでございまして、この条件につきましては妥当なものだったと考えております。

〇斉藤信委員 実態と違うのになぜ妥当なんですか。地下水だって、一つ埋まれば次掘るんですよ。掘る可能性があると言っているんですよ。いいですか、水問題というのは、昔からまさに命にかかわる問題、これは本当に争いの種になってきたんですよ。知事が広域市町村では5万8、000トンも不足するなんていうことを言ったらとんでもないことなんですよ、これは。わかりますか、この水の重要性。
 そして、あなた方は、みずから水需給計画の中期ビジョンで北上川上流は余るとなっているんじゃないですか。みずから中期ビジョンを出したときには余るのに、今度やったら不足するという、県自身がこんな矛盾した報告を出していいんですか。どっちが正確なんですか。

〇高橋資源エネルギー課長 県の中期ビジョンと今回の試算が食い違っているじゃないかということでございましたけれども、中期ビジョンは、あくまでも広範な県あるいは各流域圏の全体的――マクロな将来的水需給の方向性や見通しを示すことを目的としております。したがいまして、水源につきましては、各地域の実情を考慮した細かい条件等は設定いたしませんで、ビジョン作成時点で使用可能と考えられる水源は、将来的にもその量が確保できるということで水需給の推計を行ったものでございます。
 一方、今回の試算は、各地域の具体的な将来の水需給を把握し、新規水源を開発する必要があるかどうかという課題を確実に検証することが目的でありましたことから、将来の安定水源を得るための一定の条件を想定いたしまして、現有水源の実態を踏まえ、水需給の試算を行ったものでございます。
 中期ビジョンの推計と今回の試算結果は、目標年次、市町村数の違いもありますけれども、前提としております想定条件であります、先ほどから御説明申し上げております将来安定水源の評価の違いからこのように異なったものと考えているものでございます。

〇斉藤信委員 今の答弁、大変大事なんですよ。どっちかというと中期ビジョンの方がまだ実態に合っている。それをわざわざ特別な条件、間違った条件をして過大な不足という答えを導き出した。私は、これは本当に県のミステークだと思いますよ。それを知事が堂々と記者会見で発表するなんていうのは、私は重大な政治問題だと思う。
 最後に、この問題で部長にお聞きしたい。盛岡市と県との協議で、なぜ広域6市町村、頼まれてもいない、利水参加もしていないところまで協議をしたのか。これを正しいと思っているのか。そして、実態に合わないこういう結果が出たことについてどう思いますか。余計なお世話だと言っているんですよ、ほかの町村は。恫喝だと、これは。部長の見解を最後にお聞きします。

〇中村環境生活部長 6市町村の試算を実施した理由でございます。これは、簗川ダムの計画を当初立てたときに、簗川ダムを利用した利水に参加する気持ちがあるかどうかということを、盛岡市だけではなくて、矢巾町、当時の都南村、雫石、滝沢、玉山というふうに、広域の市町村について照会をしております。今回、ダムの計画をもう一回立て直すことになるわけでございますが、それに当たりましての利水につきまして、仮に当時意向を確認した市町村の分を含めてやるとすればどうなるのかということを改めて6市町村も含めて試算をしたわけでございまして、判断をするためのいろいろな資料の中の一つとしてそういう形で試算をしたものでございまして、市町村を恫喝するとか越権とかというようなことではなくて、改めてダム計画を見直すためのいろいろな判断材料の一つということで、そういう観点から作業をしたものでございます。

〇斉藤信委員 やめようと思ったけれども、今の経過の話で重大なことがあるんです。簗川ダムへの利水参加で滝沢が抜けた。都南村が合併して都南村の分も盛岡が請け負った。盛岡は滝沢の分も請け負ったんですよ。それはなぜかというと、多目的ダムだから、その水を盛岡は、歴史的経過からいくと押しつけられたんです。県はそこに責任があるんですよ。しかし、滝沢も簗川の利水は必要ないという判断をしているんですよ。要請があるならともかく、要請もないのにあなた方はすべきじゃないですよ。
 私はさっき言ったけれども、昨年の6市町村の首長会議ではっきりと表明されているんですよ、簗川の水は必要ないと。私は、合併問題なら要請されなければ首を突っ込まない、これは当たり前の態度だと思う。この水問題も重大な問題ですよ。要請もされないのに不足しているなんていうとんでもない実態に合わない試算をしたということは重大なミスだと指摘して次に入ります。
 次に、DV問題について、この間のDV問題の相談件数の推移と対応、解決件数はどうなっているでしょうか。
 DVの実態調査が行われました。その特徴、対応の強化点について示していただきたい。特に私は、この調査の中で、誰かに相談したかというので、これは23.3%でした。誰に相談したかという点では、友人、知人が65.7%で、家族が次に47.8%、県の福祉総合相談センターはわずか3%であります。県の相談件数は多いんですよ。多い中でも、実際に相談したかと聞くと3%になっている。私は、その点では、県の専門的相談機能を飛躍的に強化する方策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
 DV防止法改正案骨子がもう出ていますが、被害者の自立支援について、県が基本計画を定める、こういうことが提起されています。私は、県の取り組みというのはますます重要で、加害者更生の取り組みが求められていると思いますが、これも含めて県の対応についてお聞きしたい。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 DVの相談件数の推移についてでございますけれども、配偶者暴力相談支援センター――県福祉総合相談センターでございますが――におけるDV相談件数については、平成14年度は電話相談193件、来所相談88件、あわせて281件、対前年比32.5%の減となっております。ただし、来所相談件数は、13年度92件、14年度88件と横ばいでございます。
 相談件数は、DV防止法が公布、一部施行されました13年度に急増いたしまして、13年度には電話相談、来所相談あわせて416件で、12年度の182件と比較して2倍以上となったところでございます。15年度は、1月末現在で前年同月現在と比較して若干の増加傾向ということでございます。
 相談への対応、処理状況についてでございますが、助言、指導がほとんどでございますけれども、危険性、緊急性が高い場合には、被害者及びその同伴家族の一時保護を行ってございます。この一時保護の件数につきましては、平成14年度28件でございます。平成14年度における一時保護所を退所した後の状況につきましては、母子生活支援施設へ入所したもの7件、帰宅したもの6件、帰郷したもの――実家とかそっちの方でございますが――6件などとなってございます。
 また、相談者のうち、DV防止法の規定により裁判所へ保護命令の申し立てを行った件数は、平成14年度は12件となってございます。
 次に、DVの実態調査の結果と特徴についてということでございますが、この調査は、男女間における暴力を主要テーマに、平成15年2月から3月にかけまして岩手県に居住する男女2、000人を対象として調査したものでございます。この調査によりますと、男女間における暴力についての意識につきましては、身体的暴力を初めといたしまして、暴力と認識している者の割合が全国調査より低くなってございます。
 また、配偶者からの暴力の被害経験につきましては、暴力の被害、加害の経験とも全体的に全国調査の割合より下回っておりますが、暴行につきまして、女性の16.3%が暴行を受けたことがあり、暴行を受けたことのある男性3.6%の4.5倍となっているところでございます。
 今後の対応の強化点といたしましては、この調査で男女間における暴力について、全国調査と比較して少ないとはいいながら相当程度の被害が出てございますので、今後ともDV施策の一層の推進が必要であると考えてございます。特にもDVに対する認識をよく持ってもらうように、県民に対する広報啓発活動の一層の推進を図る必要があると考えてございます。
 また、専門的相談機能の強化についてでございますけれども、県内の相談機関や相談窓口については一層周知を図るとともに、相談員等に対する研修を実施いたしまして、相談業務担当者の資質の向上を図るなど、相談機能の充実に努めていきたいと考えております。あわせて、被害者が相談しやすい環境の整備や被害女性のための相談の窓口の拡充につきましてさらに検討していきたいと考えております。
 DV防止法の改正案骨子の関係でございます。参議院の共生社会に関する調査会のプロジェクトチームによりまして公表されたDV防止法改正案骨子において、被害者の自立支援について県が基本計画を定めることとされていることにつきましてはDV防止法改正の動向に応じて適切に対応してまいりたいと思っておりますが、当面、DV被害者の自立支援等につきましては、現在、作業を進めておりますいわて男女共同参画プランの見直しの中で検討していきたいと思っております。
 加害者更生の取り組みについてでございますけれども、国では、平成14年度から、海外の配偶者からの暴力の加害者更生に関する取り組みなどについて調査、研究を実施しておりまして、16年度は、地域における加害者更生についての調査、研究をしていくこととしているところでございます。
 県といたしましては、DV被害者に対する保護、支援を図るとともに、加害者に対するケアも重要であると考えておりまして、国の動向を踏まえながら、女性に対する暴力対策関係連携会議の場を活用するなどして、加害者に対するケアの方策について検討していきたいと考えております。

〇斉藤信委員 DVについて1点だけ。警察からの資料で見ますと、警察のDVの相談件数は平成14年で142件、平成15年は途中ですが100件ということになっていますが、これは、そちらの相談件数とダブっているんでしょうか。警察は警察、そちらはそちらということになるのか。警察の資料を見ますと、被害者で見ますと、平成14年は女性が141人、男性1人、こういうふうになっておりました。これは実態としては、男女共同参画のあなたのところで警察の件数も含めて把握されているのか教えてください。

〇藤原青少年・男女共同参画課長 先ほど申しました件数につきましては、配偶者暴力相談支援センターでの相談件数でございます。
 なお、警察にも寄って配偶者暴力相談支援センターにも来るという場合もございますので、その場合は2件と勘定されているものでございます。

〇斉藤信委員 最後です。きょう冒頭に部長から、日本アイソトープ協会滝沢研究所における新事業計画について報告がございました。伊沢委員の本会議での質問に答えたものであります。
 私は、そこにかかわってお聞きしたいんだが、これは新事業計画ということで出されていまして、研究用の放射性廃棄物の処理は、日本原子力研究所東海研究所で一部処理しているというだけですね。なぜここだけでしか一部処理できなかったのか、これの理由を示していただきたい。
 その結果、平成14年末の貯蔵量は7万本になっているわけですね。これは大変なことです。そして、滝沢村で研究用の処理をやった場合、この7万本が滝沢村に来るということになると思うんです。ですから、これは大変重大な問題で、今までなぜやれなかったのか。
 それと、研究用の放射性廃棄物というのは、いわば排出事業者が主にどこなのか。わざわざ岩手まで持ってこなければならないものなのか。恐らく私は関東とか関西が中心ではないかと思うんです。それをわざわざ岩手まで運んで処理しなければならないものなのか大変疑問を感じます。それが2点目です。
 3点目に、この問題については、焼却をして、一定期間貯蔵後、搬出となっています。いわば最終処分は別だよという意味なんですね。しかし、この研究用の放射性廃棄物については、最終処分が決まっていないんじゃないでしょうか。結局これが決まってなければ、実態としては滝沢の研究所が最終処分になってしまうんですよ、現実問題としては。私は、これは全く片手落ちの対策ではないか、そういうふうに感じますが、いかがでしょうか。
 4点目に、今、医療用の廃棄物が処理されて保管されていますが、これが平成14年度末で2万本となっています。貯蔵施設能力は2万2、000本です。もうほとんどいっぱいなんですね。これは、どういうふうに処理される見込みでしょうか。これは大変深刻な話ですよね。医療用の処理自身が大変深刻な状況になっているのではないか。医療用については、焼却、圧縮、破砕、保管廃棄施設において保管となっているんですね。その後の処理はするという方向はないわけですね。結局、最終的に、今までの医療用廃棄物もどういうふうに最終処分されるのか。
 最後ですが、先ほどの部長の説明を聞くと、何か県が安全性を自信を持って説明しているように見受けられました。そうではなくて、先ほどの説明はあくまでもアイソトープ協会の計画を説明したと。アイソトープ協会にかわって説明したということだと思います。県として安全だというふうに今の段階で説明すべきじゃないし、そして、これは最後の最後ですが、これは風評被害なんかも含めて地域に重大な影響を与える問題です。地域住民との合意と理解と納得というのが最大の条件だと思っています。そういう点でも部長の見解をお聞きしたい。

〇中村環境生活部長 数点御質問がございましたので、順を追ってお答えいたします。
 まず、研究用の分、なぜ原子力研究所の東海研究所で一部だけ処理してそのほかは処理されていないのかということでございますけれども、処理というのはどういうことかその前に申し上げますけれども、処理というのは、この場合は、焼却をして減量するというのが処理の基本的なやり方でございます。そういう処理施設が東海研究所にあったので、そこでは処理をしているわけです。ほかの研究施設はどうなのかというと、処理をしないでそのまま減量しないで保管だけをしている、そういうのが実態でございます。
 次に、研究用の排出者、滝沢村に持ち込んでくるところはどこかということでございますけれども、現在、研究用のこれをやっておりますのは全国で約1、600事業所ございまして、大学の理学部、工学部、農学部、医学部あるいは試験研究所等でございますので、排出者は全国からということになるものでございます。
 それから3番目でございますけれども、一定の処理をした後、搬出する最終処分の関係でございますけれども、これは、焼却処理をして、一定期間貯蔵後、搬出する、アイソトープ協会の計画ではそうなってございます。会議の冒頭、私、御説明申し上げましたが、このあたりについて、制度的あるいは計画上はきちんと安全性は確保されているけれども、例えば一定期間貯蔵後、搬出の一定期間というものが、一定期間とはいつなのかというようなときに、例えば3カ月後であるとか半年後には必ず搬出するとか、そういうようなことを村と協会との間できちんと取り決める、できれば協定にそういうことをきちんと盛り込むということが必要である。そうでなければ、あるいは委員が御懸念のように、なし崩しに一定期間なるものが何年も10年も続いてしまうというようなことになってはまずいので、その辺はきちんとやるべきだということを県の考え方として御説明を申し上げたわけでございます。
 最後でございますが、県としてどう考えているんだということですが、冒頭の御説明は、アイソトープ協会が滝沢村に協議をしております新しい事業計画の概要を説明をいたしました。あわせて、これに対する県としての考え方も御説明を申し上げた。二つのことを御説明申し上げたつもりでございます。

〇斉藤信委員 2番目の排出先の問題では、大学、試験研究機関では全国だと。しかし、密度があるんですから。私は、大学や試験研究機関だということになれば、やっぱり主には関東、関西ということになると思うんです、密度からいったら。だから、滝沢まで持ってくるというそれ自身、決して合理性がないのではないか。もっと近いところで処理するのが当然ではないかと私は思います。新しい事業計画なんですから。それについて私はお聞きしたい。合理性からいったら、近いところで処理する。岩手県は自県(圏)内処理と言っているんだから、何もそこまで我々が請け負わなくていいのではないかと思います。自県(圏)内処理という立場からいって、新しい核のごみを、放射能汚染のごみを受け入れる必要はないのではないか。
 それと、三つ目の一定期間貯蔵後、搬出と、今、部長さんは3カ月とか何とかと具体例を挙げました。そんな話じゃないでしょう、実際には。3カ月後にどこかに持っていくんですか。研究用の放射性廃棄物というのは半減期が例えば5、730年とか100年とか12年とかですよ。今までの医療用廃棄物であれば59日とか28日とかなんですよ。そういう意味では全然レベルが違うんですよ。だから、私は、最終処分という考え方が求められてくると思うんです、この問題については。研究用の放射性廃棄物は最終的にどこで処理するという国の計画はあるんですか。また、処理施設の中で処理するという考え方なのか、そのことを国の計画としてどうなっているか示していただきたい。そして、一定期間とここで書いたことは、部長が言うように3カ月とか6カ月とかという、そういう都合のいい話なのかどうか、これははっきり答えていただきたい。
 最後ですけれども、滝沢村に……(「最後が10回目だぞ」と呼ぶ者あり)あなたほどでもないんじゃないか。ラジオメディカルセンターが導入されたときに、実は、これは県も一緒になって誘致したということがありました。そして、村を二分する大問題になった。私はそれだけに、今回新しい事業計画で、既に協定書があって、一度は滝沢村は協定の変更を拒否しているんですよ。だから、私は本当にこれは慎重な対応が必要で、日本アイソトープ協会の代弁のような立場を県はとるべきでない。あくまでも滝沢村の対応を見守るべきだと思いますが、いかがですか。

〇中村環境生活部長 まず、全国から集まってくるのを引き受けるのは合理性がないということでございましたけれども、この放射性物質の処理は、廃棄物処理行政とは若干異なってございまして、国の直轄行政ということになってございます。
 今回は、国ではなくて文部科学省の主管法人であります社団法人日本アイソトープ協会が事業主体となっているわけでございますけれども、国の考え方といたしまして、やはり放射性の処理施設、小さいものをぽつぽつ建てるのにも限界があるので、どこかで一元的に処理をしたいということで、いろいろな候補地を実は検討していたのだそうです。その結果、滝沢村にお願いをしたいということで来たという経過があると承知してございます。そういう理由で滝沢村に今協議があるというものだと理解してございます。
 それから、処理をした後の取り扱いがどうなるかということでございますけれども、減量処理をしたものにつきましては、最終的に国が最終処分場を整備して、そこで処理をするという計画になってございます。なってございますが、現時点で最終処分場の場所をまだ国は決めておりませんというか、見つけられていない状態になってございます。したがいまして、処理はするけれども、そのままでは行き先がないというのが今の状態です。だから、行きようがないものをそのまま処理をした滝沢村に積み上げておくということではなくて、もとの研究施設に保管しているものを減量のために滝沢に持ってきて、そこで減量の処理をする。処理をしたならば、またもとのところに戻す、そういう形を、期間を決めて持ち帰れということをきちんと村はアイソトープ協会に申し入れをして、それを協定書に明確にする必要があると私が申し上げているのはそこのところでございます。協会の方は、一定期間経過後に搬出する、今、そういう提案をしているわけですが、一定期間という期間を明示させる必要があると考えているものでございます。
 いろいろな議論が当時、昭和62年から今の医療系をやっていろいろなことがあったんですが、あのときはまたあのときで企業立地との関連もあったりして、安全性の問題もあったけれども、いろいろなこともあった。今回は、そういうこととはまた事情がかなり違っておるわけでございますが、いろいろな御意見があることは確かにそのとおりでございまして、滝沢村におきましても、これをどのように取り扱うべきかということに対して村議会に特別委員会を設置していろいろな検討をしておると聞き及んでございます。地元の意向は当然十分に尊重されるべきものだと思ってございます。県は県としてのそういう考え方を必要があれば助言をする、こういう立場だというふうに思っております。

〇伊沢昌弘委員 当該委員でございますけれども、ただいまのRMCの問題で、資料をおつくりいただいてきょう御説明いただいたということで、あえて手を挙げさせていただきました。
 斉藤委員が私の疑問点も含めて言った部分が多いんですが、部長、私、本会議場でこれを取り上げて、再質問で総務部長にも、担当部のところ、何としても環境生活部がやるんですかと。今までかかわってきて、環境問題も含めて委員会の中に課長が入ってかかわってきた。よって、いろいろな意味での問い合わせ等を含めて、これは中村環境生活部長のところで担当せよ、こうなったようですが、今、お話あったように、62年スタートの段階で、50年代、56、57年、58年あたりに企画調整部が企業誘致との絡みでやっていて、最終的には、62年の6月の公害防止協定には、村長とアイソトープ協会の会長茅誠司さんと、岩手県知事〇〇ならわかるんですが、岩手県企画調整部部長〇〇の判こで協定に立ち会いになっている部分があるんです。その延長があって、私はやっぱり中村環境生活部長のところで担当するというのは、できてからの監視というのは十分わかるんですが、今までのように御説明をいただいて、アイソトープ協会の考えの中で御説明をいただくというのは、どうも私不都合があるんじゃないか、こう思うんですが、改めてそこの部分をお聞かせいただきいと思うんです。

〇中村環境生活部長 県の内部でどこが担当するのかといういろいろな議論があったわけでございますけれども、当時、昭和62年に医療系を処理したときは、企業誘致担当部門がこの問題を担当してございました。その後、立地が決まりましてから、企業立地のいろいろな附帯施設等の誘致の方がまだ懸案として残っておった。それともう一つ、操業開始したから安全確保しなければならない。具体的には、周辺農地のモニタリングということで、安全対策に関する面は環境サイドがやる、それから、地域振興といいますか、誘致あるいはそれに関連するいろいろな関連産業、地域振興については企業立地サイドが担当するということで、ずっと県庁の中でそういう役割分担をしながら今日まで推移してきた経過がございます。
 最初、この安全監視委員会ですか、協会、村、地域住民、それから県も安全のための監視委員会に入っているんですが、そのメンバーも企業立地担当が入ったままスタートしてございましたけれども、やはりこれは環境保全というか、環境監視という観点から対応すべきだということで、平成11年に事務の引き継ぎをいたしまして、企業立地担当から環境担当にその監視委員会の事務を引き継いだという経過がございます。
 今、どうなのかということですが、私、きょう資料を提供して御説明をしたわけでございますけれども、あくまでもこの研究用放射性廃棄物の導入に関して、安全であるか否かという観点から資料を提出して、その観点から御説明を申し上げました。これを積極的に誘致すべきか誘致すべきでないか、誘致することによって、例えば地域の活性化につながるのかつながらないのか、その影響はとか、そういう面での立場から申し上げたものではございません。あくまでも安全面という面から資料を提出して、その安全性についてはきちんと協定を結んで、計画がきちんと実行されるような形を整えれば安全と考えるということを申し上げたものでございます。

〇伊沢昌弘委員 私もこれをずっと振り返ってみると、19核種の医療系廃棄物、きょうの資料の中にも最大長くて59日の半減期だと、これが隣の方を見れば最大5、730年だと。これも上位五つの中に入っているという形があります。群では2から4という形で、毒性だとかいろいろな部分がある。よって、わからないということだと思うんです。要は、協会から出たいろいろな資料は、20年近くやってきたけれども、何ら問題がなかったと。これをひっくり返せば、半減期がこれしかないものがよしんば飛んだにしても、作物の影響をとっていくと、春植えた米を秋にとる、春先にもし飛んだものが残っていることを考えれば、これは出てきませんよ。ところが、5、700年も半減期があるものがもし飛んだとしたら、これはどうなりますか。よって、今までの部分で問題がないのだからいいのだという形が果たして言えるかなというところをやっぱり一つ考えてほしいと思います。
 それと、現在まで研究用が保管されているというのは、東海村を含めて、言ってみれば高レベルのところがいっぱいあります。雰囲気も含めて、いろいろな地域の放射線をはかったものは全国的にもデータが出ています。本県よりもたしか自然の放射性のものが高いというところも各地区ではデータが出ているわけです。そんな中でもし飛び出したということがあっても、低レベルのものがカウントされているのかというと、わからないと思うんです。そういったことも踏まえて、私もきょうの説明を聞いて、部長がいろいろ安全性も含めて問題がなかったと。これは、アイソトープ協会の資料に基づいての御説明だと思うわけですけれども、今、滝沢村は議会中です。きのうも本会議を含めて質問が出ているそうであります。県や国等のいろいろな意見も聞きながら対応しなければならないということになっているという状況のもとで、改めて、先ほど必要があれば助言も考えていきたいと。その助言は、協定の中に期間を入れるとかという観点ではなくて、もっと広い分野から、県として、先ほどの半減期の問題も含めて、毒性の問題も含めて十分な対応をしていただきたいものだ、こういうふうに思うわけであります。
 20年前に比べて騒ぎが起きてないというのは確かです。しかし本当は、あのときに19核種であれだけ騒いだものが、今、この研究用のものが出てきたときに皆さんが余りお騒ぎにならないというのは、なれっこになっている部分も当然あると思うんです。これが私は怖いなという思いがありますので、改めて部長、そういった意味でこの問題について対応のあり方をお聞かせいただきたいと思います。

〇中村環境生活部長 今回、研究用、確かに半減期が非常に長いものが持ち込まれます。半減期が長いということは、改めて申し上げるまでもなく、放射能を発散するのがなくならないまま長期間滞留するということでございますので、医療用のように最終処分地が見つかるまであそこの倉庫にドラム缶に入れて積み上げておくのではなくて、一定期間という期間をきちんと示して、そこでしたものはそこに積み上げておかないで最初の研究機関に返すということがぜひ必要であろうということを申し上げているのでございます。
 それから、過去の経験で、例えば茨城県の東海研究所でも事故がないと申し上げました。それから、申し上げたかどうかちょっと失念しましたが、滝沢の医療用のここでもきちんと監視委員会が正常に機能しておりまして、データはオールオープンでございますし、こんなことを言ってはなんですが、持ち込みに批判的な方さえも監視委員会に賛成反対を問わず入ってもらってきちんとチェックをしているという非常によい体制で監視をしております。その結果、こちらも事故がなかった。だからそれでいいのだということではないと。それはそれで、やはりせっかくこういう新たな提案があるので、きちんと初心に立ち返って、新しい提案ですからやっていくべきだと。
 具体的には、今、取り扱い133の核種だとか225の核種だとかという、19種類限定ではなくて非常にいっぱい持ち込みする核種がふえる、主要なものは五つだけなんですけれども、ふえることになっております。したがって、核種を特定しないで研究用のものは全部持ち込むというような提案、このアイソトープ協会の文書からだけ見るとそういう提案になっております。やはりこれでは問題があるので、核種を限定して、安全性が確認されるこれとこれとこれは持ち込み対象ですと。もしそれでなくて、また技術の進歩とかいろいろなことで新しい核種も処理したいというのであれば、それはそれで持ち込む前に村と事前協議をするとか、そういうような形で、運用の面できちんと安全性が確保されるような対策を講じる必要があると考えているものでございます。

〇照井昭二副委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇樋下正信委員 最後と思いますので、2点ほど質問させていただきたいと思います。
 地熱熱水有効利用促進と室内温水プールの管理費のところでございますけれども、昨年の一般質問でも大宮委員が質問しておったと思いますけれども、葛根田の地域において、国費を導入して地熱を交換して雫石地域で農業ハウスとか長山小学校、また、県の温水プールなどの温水とか暖房に使われているわけですが、現在の使用状況がどのようになっているかお知らせ願いたいと思いますし、もう一つは、この温水プールの運営についてですが、当初の計画に対して収支はどうなっているのか。また、利用入場者数、この状況はどうなっているのかお知らせ願いたいと思います。

〇高橋資源エネルギー課長 雫石の地熱熱水供給事業につきましての現在の状況と温水プールの収支の状況と入場者数のお尋ねでございました。
 まず、1点目の現在の熱水の方の状況でございますけれども、年度によって若干異なりますけれども、14年度で申し上げますと、造成量が約43万トンございまして、このうち約27万トン――造成量の約6割ぐらいになりますけれども――を供給いたしておりまして、27万トンのうちの約7割が温水プール、残り3割が15件の旅館あるいは小学校あるいは農業ハウス等に供給しているのが実態でございます。
 収支の関係でございますけれども、14年度の実績の場合、運転経費は全体で約6、300万円ほど熱水の造成施設にかかってございまして、熱水利用者の方々からは協力金をいただいておりますけれども、約800万円ほどということになってございます。差し引き5、500万円ほどが県の持ち出しということで、収支にかなり乖離があるということでございます。
 いずれ、運転管理費につきましては、この実証調査の目的の一つでもございますので、経済性確保のためにかなり縮減に努めているところでございますけれども、そういうこともありまして、かなり当初の計画と比べますと暫減の傾向にはなっておりますけれども、先ほど申し上げましたように、まだ事業化にはかなり乖離があるということでございます。
 それから、温水プールの入場者数並びに収支の状況でございますけれども、プールの方は、13年度までは利用料金が料金改正前ということもございまして、13年度は入場者数全体で、プールとトレーニングルームあわせまして4万3、157人だったんですけれども、14年度が5万5、052人ということで、128%になっております。これは、14年4月から料金を、例えば大人810円だったものを400円ということ、高校生、学生が580円だったのが300円、小学生以下が無料になったということもありまして、入場者数がふえてございます。ちなみに、ことしの2月末現在ですと5万3、158人となってございます。
 それから、収支の関係でございますけれども、これも先ほどの14年度ベースで申し上げますと、プールは雫石町の方に委託してございますけれども、経費が7、200万円ほどでございます。プール使用料は、先ほど申し上げましたように料金改定もございまして約700万円ほどとなってございます。差し引きますと6、500万円ほどの持ち出しということになります。したがいまして、先ほどの熱水の造成施設本体と温水プールをあわせますと、14年度ベースで申し上げますと約1億3、600万円ほど経費がかかっておりますけれども、協力金とプールの使用料が約1、500万円ですから、差し引きしますと1億2、000万円ほど県で持ち出しをしているという状況でございます。

〇樋下正信委員 両方で1億2、000万円持ち出しということで、あそこはすばらしい環境の場所なわけでございまして、自然に恵まれていますし、スキー場があったり、プールがあるということも含めて、例えば大学とか高校、全国の合宿とか、ある人に言わせると、そういう施設を持ってきて最後はプールに入ってリハビリできる、フォローができるというようなことも言われている方がおりますので、その辺の今後の活用策、この1億2、000万円を埋めるような何か考えがあればお聞かせ願いたいと思います。

〇高橋資源エネルギー課長 温水プールの利用の関係で、特に合宿等の団体の状況につきましての対応でございますけれども、プールの方につきましては、今年度の場合、2月末現在でございますけれども、合宿で延べ132日、利用者数が19団体5、497名。大会が六つありまして、15日間大会をやってございます。この間の利用者数が約6、900人ということでございまして、合宿の利用者数等も14年度と比べてかなりふえていると考えてございますけれども、今後とも、委員から御指摘ございましたように、温水プールにつきましては、こういう合宿あるいは団体等の活用に積極的に努めまして収支の改善に幾らかでも頑張っていきたいと考えてございます。

〇照井昭二副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇照井昭二副委員長 質疑がないようでありますので、これで環境生活部関係の質疑を終わります。
 環境生活部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後3時16分 休 憩
   午後3時34分 再 開

〇吉田昭彦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 なお、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いいたします。1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、御協力方お願いいたします。
 保健福祉部長から保健福祉部関係の説明を求めます。

〇長山保健福祉部長 平成16年度保健福祉部関係の当初予算及び予算関連議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号平成16年度岩手県一般会計予算についてでございますが、お手元の議案その1の6ページをお開き願います。当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費482億9、700万円余のうち、2項県民生活費を除く477億3、200万円余、次のページの4款衛生費247億400万円余のうち、2項環境衛生費の一部を除く185億8、600万円余、9ページに参りまして、12款公債費1、526億4、600万円余の一部1億6、000万円余、次の13款諸支出金1項公営企業貸付金から3項公営企業負担金までのうち、2項公営企業出資金と3項公営企業負担金の一部を除く269億7、200万円余であり、合わせますと934億5、100万円余の予算となっております。これを今年度の6月現計予算と比較しますと26億2、300万円余の減額で、率にいたしまして約2.7%の減となっております。
 予算編成に当たりましては、政策評価に基づく重点化施策や誇れるいわて40の施策及び行財政構造改革プログラム等を踏まえ、施策の重点化・優先化を図り、保健・福祉・医療の取り組みを一体的に推進し、快適に安心して暮らせる社会の実現に向けて、施策の充実に努めたところであります。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、お手元の予算に関する説明書の113ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略し、主な事業を中心に説明させていただきますので、御了承願います。
 3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、114ページに参りまして、ひとにやさしいまちづくり推進事業費は、民間事業者がスロープや自動ドアなどを整備し、だれもが使いやすい施設にするために必要な資金の貸し付けや、県立施設へ車いす対応トイレを整備するなど、ユニバーサルデザインの考え方に基づいたまちづくりを総合的に推進しようとするものであります。次に、114ページから115ページと116ページにかけまして、2目身体障害者福祉費のうち、114ページの上段、障害者社会参加促進事業費と、次の115ページ上段、身体障害者福祉活動推進費は、身体障害者の社会活動への参加や自立を促進し、福祉の増進を図るものであります。同じく、中段の重度心身障害者(児)医療助成費は、市町村が行う助成事業に対して補助するものであります。116ページに参りまして、3目知的障害者福祉費の上段、知的障害者更生援護費は、市町村が行う施設訓練等支援費の支給に要する経費等に対し、負担または補助を行うものであります。117ページに参りまして、4目老人福祉費の上段、老人福祉活動推進費は、市町村が行う老人福祉事業への助成や在宅介護の担い手を育成しようとするものであり、次の老人福祉施設整備費は、老人入所施設及び老人利用施設を整備するものであります。118ページに参りまして、下から三つ目、介護給付費等負担金は、市町村等が行う介護給付及び予防給付に要する費用の一部を負担するものであります。次に、120ページに参りまして、6目国民健康保険指導費の国民健康保険事業安定化推進費は、保険者の財政基盤の安定を図るとともに、高額医療費の一部を負担するものであります。
 少しページを飛んでいただきまして124ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費の中段にあります特別保育事業費は、多様化する保育需要に対応するため、市町村が行う各事業等に対し補助するものであります。125ページに参りまして、乳幼児、妊産婦医療助成費は、市町村が行う助成事業に対し補助するものあります。126ページに参りまして、母子福祉費の児童扶養手当支給事業費は、児童扶養手当とその支給事務に要する費用であります。
 次に、128ページに参りまして、4項生活保護費2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助費等の給付に要する経費であります。次に、129ページに参りまして、3目生活保護施設費の下段、松山荘施設整備費は、老朽化が進んでいる松山荘の改築整備を行うものであります。
 130ページに参りまして、5項災害救助費1目救助費の下段、被災者生活再建支援基金負担金は、被災者生活再建支援制度の拡充を図るための負担を行うものであります。
 次に、131ページに参りまして、4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費の上段、母子保健対策費は、特定の不妊治療に要する経費や総合周産期母子医療センターの運営費等に対し補助するものであります。132ページに参りまして、3目予防費の下段、特定疾患対策費は、パーキンソン病等の特定疾患患者に医療費の給付等を行うものであります。次に、133ページに参りまして、4目精神保健費の上段、精神障害者入院等措置費は、措置入院患者の医療の給付等を行うものであります。134ページに参りまして、5目老人保健費の上段、老人保健対策費は、老人保健法に基づき医療費及び保健事業費の負担等を行うものであります。次の6目環境保健研究センター費は、管理運営及び環境や保健衛生等の諸課題に対応するための試験研究に要する経費であります。
 次に、137ページに進んでいただきます。2項環境衛生費2目食品衛生指導費の中段、牛海綿状脳症対策費は、BSEスクリーニング検査に要する経費であります。次の食品リスク管理強化事業費は、残留農薬などの検査を行う食品検査機器を整備するものであります。
 少しページを飛んでいただきまして、143ページをお開き願います。4項医薬費2目医務費でありますが、144ページに参りまして、中段の医師確保対策は、自治医科大学等が実施する医師養成事業に対し補助するものであります。次の救急医療対策費は、病院群輪番制病院の運営費補助及び高度救命救急センターの運営費補助を行うものであります。次に、145ページに参りまして、3目保健師等指導管理費の上段、保健師等指導費は、看護師等養成所及び院内保育施設の運営費補助を行うものであります。
 ページを飛んでいただきまして、258ページをお開き願います。13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対し、運転資金の貸し付けを行うものであります。
 次の259ページに参りまして、2項公営企業出資金1目公営企業出資金のうち、県立病院等事業会計出資金は、県立病院等事業会計に対し出資を行うものであります。
 260ページに参りまして、3項公営企業負担金1目公営企業負担金のうち、県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行うものであります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 もう一度、議案その1にお戻りいただき、11ページをお開き願います。当部の関係は、第2表債務負担行為の表中、中段、事項欄3の松山荘施設整備であります。これは、松山荘の改築整備に係るもので、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、議案第2号の平成16年度岩手県母子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げますが、便宜、予算に関する説明書により説明させていただきます。
 再び予算に関する説明書にお戻りいただきまして、316ページをお開き願います。歳入と歳出の予算総額は、それぞれ4億1、400万円余となっております。317ページから322ページにかけましての歳入は、一般会計からの繰入金と繰越金、諸収入及び県債であります。次に、323ページから326ページにかけましての歳出は、母子家庭及び寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
 以上で、母子寡婦福祉資金特別会計予算の説明を終わります。
 引き続きまして、予算に関連する議案について御説明申し上げます。
 議案その2の23ページをお開き願います。議案第34号の岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、当部の関係は、24ページに参りまして、中段、別表第3の17の項中、3、400円を3、500円に改め、同表28の項中、8、900円を1万2、700円に改めるとなっておりますが、これは、保健福祉事務関係手数料の別表第3、17項中の死体保存許可手数料と、同表28項中の保育士試験手数料の額をそれぞれ増額改正しようとするものであります。
 次に、26ページから27ページと28ページにかけましての議案第35号の岩手県環境保健研究センター検査等手数料条例の一部を改正する条例は、岩手県環境保健研究センターにおいて行う水質検査について、種別等を改め、及び手数料の額を増額改正しようとするものであります。
 以上で、保健福祉部関係の予算議案についての説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇及川幸子委員 重度障害者施設の現在の状況をお知らせいただきたいと思います。お伺いしたところ、今後の取り組みがないという大変ショックな言葉を受けたのでございますが、本当にそうなのでしょうか、お伺いいたします。

〇高橋障害保健福祉課長 まず、重症心身障害児施設に関してでございますが、県内に現在4カ所設置されてございまして、県外施設の入所13人を合わせますと、平成15年4月1日現在285人が措置されております。
 本県におきましては、平成13年7月に県内施設としましては初めて、民間による重症心身障害児施設みちのく療育園を整備するなど、重い障害を持たれる、特に重症心身障害児の処遇の充実に努めてきております。
 現在、県内には20名の待機者がおりますが、必ずしも早急な入所の措置を必要とする状況ではなく、各市町村において実施されております重症心身障害児(者)通園事業や児童デイサービス等の充実によりまして対応してまいりたいと考えているところでございます。
 なお、来年度におきましては、障害児の地域療育支援体制の強化と重度障害児療育機能の充実を図るため、有識者等から成ります組織、仮称でございますが、療育システム検討委員会を立ち上げまして、障害児療育システム形成推進事業を実施し、検討してまいりたいと考えているところでございます。

〇及川幸子委員 ありがとうございます。
 20名の待機者は早急な対応を迫らなくてもいいというお答えでしたが、実際、私は矢巾町のみちのく療育園にも訪れました。本当に満員で、1人の介護士さんに1人がかかるような、本当に重度の方でいらっしゃいましたし、その献身的な介護を見るにつけて、本当に頭の下がる思いがして帰ってきたわけです。現状は、とても入所したい人が多くて大変だというみちのく療育園の話を伺ったわけです。それで、こういう施設がもっと欲しいのだという現況でございましたよ。20名の方が余り早急な入所を申し込んでいないというのはちょっと違うのではないかと。
 私の知り合いも、県内に入所できなくて東京に入所させている状況下にあります。その入所できない人のために、どこかほかの県を紹介するのでしょうか。

〇高橋障害保健福祉課長 実は、県内には国立療養所を中心といたしまして、重症心身障害児施設3カ所、それから、先ほど申し上げました民間の施設が矢巾町にございますが、合わせますと定員といたしましては330床ございます。そのうち、現在入所している子供さんたちが285名ということで申し上げたところでございますが、実は、そのほかにも八戸病院、それから仙台市にございます西多賀病院、遠くは滋賀県まで委託して措置している事例もございます。こういう中で、実は東北の各県の児童相談所間におきまして調整しながら、入所者の緊急時の対応等の場合において、融通し合いながら対応するというようなことで対応してきてございます。

〇及川幸子委員 ありがとうございます。
 児童相談所は私の方では一関市まで行けばいいということで伺っております。後で訪れて、現況を知ってみたいと思います。
 次に、身体障害者、精神障害者の通所授産施設整備についてお伺いいたします。
 現在、水沢市には身体障害者通所授産施設がありません。また、胆江地区においては精神障害者通所授産施設がなく、身障者受け入れ施設は金ケ崎町1カ所、20人施設でございます。身体障害者と精神障害者の施設整備が全くおくれていると言っても過言ではありません。財政難で予算がなかなかつかないことは十分承知しておりますが、北海道旭川市あかしあ労働作業所のように、三障害者合築運営を図り60名の障害者の方々の日々の社会活動の参加に役立っていることを伺っております。
 そこで、胆江においても身体障害者、精神障害者の合築を一日も早く望むものでありますが、トイレ、廊下、玄関など、一緒に利用することにより建設費の削減を試みるその計画について、県当局の御所見をまずお伺いいたしたいと思います。

〇高橋障害保健福祉課長 平成16年度の障害者通所授産施設の整備につきましては、各圏域のニーズを踏まえまして、身体障害者通所授産施設の創設1カ所、精神障害者通所授産施設の創設1カ所、これは今委員御指摘の合築を予定しているものでございます。さらに、知的障害者通所授産施設の増築1カ所、精神障害者小規模通所授産施設の創設2カ所を当初予算に計上いたしまして、本年2月に国庫補助協議をしたところでございます。
 国の来年度施設整備方針としましては、真に緊急性・必要性の高い施設の整備を優先的に行うとのことでございますが、本県におきましては、引き続き予算獲得に向けまして最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

〇及川幸子委員 計画を知り、大変うれしく思っておりますが、私の水沢市では、20年経過して、なかなか要望が通らないということで、北上福祉会では、平成16年7月社会福祉法人許可、平成16年9月建設、平成17年4月開所と、ここまで地域住民は計画を練ったわけでございます。そして、寄附金も集めて、いざ市から県へ、県から国へと申し入れをしましたが、財政難で予算獲得はままならないということでありました。
 国においては県の優先順位を尊重するとしておりますが、一体その優先順位、今現在で水沢市は何番なのでしょうか。

〇高橋障害保健福祉課長 委員御指摘のとおり、実はここに来るまでに相当地域の中で経緯がございまして、作業所等を踏まえて今日の計画が成り立ったと聞いてございます。そういう意味も含めまして、通所部門では高い位置に位置づけまして、何とか獲得したいということで努力してまいっております。

〇及川幸子委員 ありがとうございます。
 いずれ6、000人を超える身体障害者、精神障害者の方々のためを思えば、親の願いもいろいろな思いをして、汗をたらして本当に皆さんから寄附を集めて、いざできるのかなと思ったところ、まだまだ先が暗いということでございますが、何とかまた明るい方向性を見出していただきたいと思います。

〇佐々木大和委員 県民医療の確保・充実についてお伺いいたします。
 広い県土を有する我が県では、少子・高齢化がまた急激に進行しておりまして、まさに県民医療の確保と健康維持は大変な課題でございますし、担当部も大変な努力をされております。
 この状況の中で、県立病院と市町村立医療機関及び民間医療機関の緊密な連携は大変重要であります。これらの連携、そしてまた協調が県民医療の確保に今大変重要だと考えるわけですけれども、いかに県民医療、地域住民医療を確保し充実していくかという理念のもとに、県立病院、そしてまた市町村立医療機関及び民間医療機関が何を担うべきか、役割分担を明確にしていただきたいというような意見もございます。
 ひとつ、県立病院と市町村立病院、そしてまた民間医療機関の役割分担をどう考えておられるかお伺いしたいと思います。
 また、あわせて市町村立並びに民間医療機関への県の支援はどのように取り組んでおられるのか、その点もお伺いいたします。

〇長山保健福祉部長 このテーマにつきましては、昨年の秋から数回にわたりまして町村会あるいは市長会と意見交換の場を多く設けてきました。いずれ、その役割についてもう少しきちとんとするべきではないか、こういう御意見が多数を占めております。
 その役割とか機能というものにつきましては、平成11年度策定しました保健医療計画というものがございます。それで一応方向性なり目指すべきところは示してあるわけですけれども、4年経過しました。その間さまざま、医師確保の問題ですとか、医療費の適正化の問題、あるいは介護保険制度ができたとか、さまざまな情勢の変化がございます。改めて大きな議論というものが必要なのではないかと私どもも認識しておりまして、実は来年度、この保健医療計画を見直すということにしてございます。その際に、医療審議会あるいは市町村や、保健医療関係者等で構成しておりますそれぞれの医療圏ごとに地域保健医療協議会というものがございます。この場で、岩手県としての役割は何か、あるいは市町村としての役割は何かということを実態に即した形で議論をしていただきながら、そうした意見をもとにして方向性を見つけ出すということでございます。
 その他、支援策につきましては、六本木課長の方から御説明いたします。

〇六本木医療国保課長 市町村立医療機関及び民間医療機関に対する県の支援でございますけれども、市町村立あるいは民間を問わず、全体の医療機関に対しての支援制度が幾つかございます。これは、へき地診療所あるいはへき地医療拠点病院に対する運営費等の補助、それから病院群輪番制、あるいは小児輪番等の救急医療を行っているところに対する補助、それから救命救急センター、災害拠点病院に対する補助等がございます。
 それから、民間医療機関と公的医療機関だけを対象とする補助制度もございます。この場合の公的というのは、日赤と済生会だけが対象となりますけれども、これも救急とか在宅とか、あるいは不採算地域、小児医療等に対する運営費補助等を内容としております。
 そのほかに、市町村の医療機関のみを対象とする制度がございまして、国保の直営診療に対する整備費の交付金とか、あるいはへき地診療所の運営費の交付金等がございます。
 これらすべて合わせまして、平成15年度の実績で申しますと131件、総額で10億5、700万円余りの財政的な支援を行っているところでございます。

〇佐々木大和委員 今いろいろ財政問題から県立病院も大変でありますけれども、131件の支援をしているという部分の市町村立初めいろいろな病院が、その運営面で大変苦労しております。県の方の財政も大変ですけれども、市町村はさらに大変なようでして、それぞれの抱えております病院、それから診療所に対しての繰り出し補助金等が大変財政を圧迫しているというようなことで、いろいろな要望が出てきております。そういう中で、県の方でもさらに、県民医療を確保する意味において、ぜひその辺には力を尽くしていただきたいと思うわけです。
 ちょっとここで、これはへき地診療所の関係でありますけれども、そういう中で、現実に無医村であったところに医師がやってまいりまして、そして、その成果が高くうたわれたことが一つの小説になっております。これは現実のものとしてあったわけですが、そのモデルがあるわけですけれども、その際に、そこの村長さんの言葉がこの地域医療で非常に参考になるような気がします。「医療現場に責任者がいないのは、行政の立場にとって何より辛い。赴任さえしてくれたらどんな医師でもいいと考えていた」というようなことを赴任前に言っております。そして、お医者さんが来てから、そのときに村長さんが言った言葉は、「治療はほどほどでいい。病人を治すより、病人をつくらないよう先生は村民を教育してほしい」、そういうような言葉を言いまして、まさに大病院と異なり、診療所の役割は治療よりも予防に尽きる、そのことを知悉した村長ならではの言葉だろうというようなことが言われております。
 予防が徹底すれば、必然的に病気にかかる人が減って、診療所としては赤字になるんですけれども、それはむしろ喜ばしいことなんだ。そういう診療所が好ましくて、診療所そのものが黒字であるようでは、地域医療はうまくいっていない、そういう違った面の見方もあるんだろうと思います。
 そして今回、保健福祉部施策関係の当初予算のポイントというところで、保健福祉行政の方向として、事後対応型社会から事前対応型社会の構築に、より一層重点を移し、安心と安定のある社会を確保するとともに、人生の質に着目し、岩手に生まれ、生活できる喜びを実感できる健康安心・福祉社会の実現を図るというのが、今回の当初予算のポイントとして示されております。
 小児救急医療はまさに今、喫緊の課題でありますし、あわせて医師確保対策もそのとおりであります。心身障害者等に対する医療費補助助成も充実していくということでやっておりますが、この事後対応型の社会、またこういう体制から、事前対応型の社会ということになっていけば、診療所とか地域病院の役割のそういう示し方が必要なのではないか。その辺が、先ほど部長の答えたところで次の検討課題ということになっているようでありますけれども、いずれそういう、現場といいますか、各町村の方ではそういう形での医療の推進を考えていることが結構多いように感じます。
 そこで、この市町村等が実情に合った支援策を求めている、そういう形で県の方には要望されているわけでございますけれども、このような状況の中で、これからどうその対策を構築していかれるのか、これからの計画、来年度の見直しということでありますが、保健福祉部長の所見をいただきたいと思います。

〇長山保健福祉部長 まさしくこれからあと10年、20年たったらどうなるかということに視点を置いて考えなければならないものだと思っています。つまり、今までも老人保健法という法律が、まさにその目的のためにつくられたものでございます。老人医療費がどんどん増嵩していく中で、やはり病気にならないような形で事前に手を打っていくということが二本柱になっているわけです。その二本柱の一つをヘルス事業という形で言っています。それはがん検診であり、いろいろな集団検診を早くからやることによって、病気や何かを早く発見する。そういうことで、重くなってから高い金を出すよりも予防の方に力を注ぐべきではないかという発想で組み立てられているもので、これまでもそういう形で進めてきました。
 しかし、なかなかそういう徹底が図られていないということがございました。例えば、がん検診を受けても、精密検査を受けなさいと言われたときに、本当に精密検査を受けている人が何人いるかとか、そういったことをこれからきちんと検証しながら、市町村と一緒になって、科学的データに基づいて住民に対しての啓発活動をやっていかなければならないだろうと思います。
 例えば、早期に発見されたがんが200万円ぐらいで済む。それが重度になって、本当に末期になってくると1、000万円とか何千万円とかかるケースもあるわけです。その費用を結局だれが負担するかということになりますと、我々の毎月出している保険料から払っているわけです。ですから、予防活動も徹底するという形で、これからは市町村と一緒になって進めていかなければならないだろうと思っています。事前対応型という意味は、そういうことを訴えたつもりでございます。
 前任者はたばこの問題で大変しかられたわけでございますけれども、そういったようなこととか、酒を飲むとか、ストレスをためるとか、そういったようなことをとにかく少なくするような市町村でのヘルス事業といいますか、あるいは職場での取り組みというものも、これから一緒になって改めて訴えていきたいと思います。

〇亀卦川富夫委員 児童福祉のうち、児童館の整備についてお尋ねいたします。
 この少子化の進む中で、子供を産みやすい、育てやすい岩手県を実現しますという40の政策の中で、児童館を平成17年までに140カ所にします、こういう項目があります。
 そこで、この児童館でございますが、これは今、放課後児童健全育成事業ということで大きな役割を果たしていると思うわけです。特に教育の現場では、学校、家庭、そして地域と、特にもこの地域と家庭を結ぶような中で、この児童館の果たす役割、場所によっては児童センターというような呼称でやっているところもあるわけでありますが、これについての現状と、教育上必要だという意味での、位置づけは福祉の関係の方にありますが、教育との関係等についての現状と今後の考え方についてお尋ねしたいと思います。

〇細川児童家庭課長 それでは、児童館の整備につきましてお答えいたします。
 現在、児童館の設置状況でございますが、これは、児童福祉法に基づきます児童厚生施設ということでございまして、設置主体は市町村と、あるいは社会福祉法人でもできるということになっております。
 現在、県内には137館、休館のものがこのほか6館ございますので、合わせまして143館設置されてございます。規模によりまして児童センターという区分と小型児童館という形で2つの種類がございます。
 御案内のとおり、地域におきます児童健全育成の拠点ということで、母親クラブとか、その他の人たちと連携を図りながら児童の健全育成を図っているわけでございますけれども、特にも、これから少子化を迎えまして、一人一人の子供たちが、より明るく、健康に過ごす、特に放課後を過ごすということになりますと、放課後児童クラブという制度もございますが、保護者、保育に欠ける子供以外の方々、これは、児童館はどなたでも御利用できるというものでございますが、地域のお母さん方と一緒にさまざまな活動をやったり、お年寄りとの交流をやるといった形で活動をやっているわけでございます。
 今後におきましても、子供たちがより健全な環境の中で過ごせるように、例えば教育委員会で来年度計画しているようでございますけれども、地域子ども教室推進事業といったようなものがございますので、そういったものとの交流を図りながら、スポーツとか文化活動、また、さまざまな体験ができるような形で推進してまいりたいと思っております。
 それから、昨年の5月5日にオープンいたしましたいわて子どもの森、おいでいただいた委員の方もおいでになるわけでございますけれども、その機能を地方の移動児童館ということで、積極的に出向いてまいりまして、遊びの機能を地方に還元していくということもやっておりますので、それらを含めて健全育成の推進に努めてまいりたいと考えております。

〇亀卦川富夫委員 一つここで運営上の問題で、確かに児童福祉という中でのこの予算の位置づけでありますから、どうしても市町村での持ち出しといいますか、そういうものが大きいわけです。
 例えば水沢市の例でいいますと、水沢市の場合は小学校学区全部に児童センターがあります。そういう中で、私は極めて重要な位置づけのもとにやっていると思うんですが、予算を見ますと、8館ですから、大体1、400万円台の補助の中で、一般財源を9、000万円ぐらい持ち出しまして1億円強の予算の中で運営しているわけであります。私は、それなりの成果が非常に上がっていると思うんですが、児童福祉という予算の中でいきますと、どうしてもそういう窮屈な予算の中でしかできない。したがって、今の教育委員会との連携などで、この辺がどのようにうまく運営できるのかが私はポイントだと思います。
 それで、この40の政策の中でも、特に、今後は幼稚園と保育所、これらの一体的運営という、いわゆる幼保一元化というような話と一致してくるのではないかと思うんですね。ですから、児童館という成り立ちでありながら、やはり教育という部分との融合によってもっと活用がしやすいもの、こういったものを岩手県の中で各市町村のモデル的なところと十分連携を密にして、ひとつ打ち出してみたらどうだろうと。そういうものを今後の子供を産みやすい、育てやすい岩手県という一つの大きな事業にこれを育てていただきたい、このように思うわけでありますが、いかがでございましょうか。

〇細川児童家庭課長 確かに、児童館の運営に対する補助につきましては、国庫補助制度もございますけれども、限られた予算の中で地域で大変御苦労していらっしゃるというのは承知いたしております。
 今御指摘ありましたように、幼稚園、保育園あるいは児童館一体となった相互連携といいますか、そういったことにつきましては、児童館はちょっとあれなんですけれども、幼稚園と保育園の総合施設化といったものについては、県といたしましても40の政策の中にもございまして、今後検討してまいりたいと考えております。
 ただ、児童館につきましては、ちょっとまた位置づけが違うものでございまして、そうは申しましても、総合的な児童の健全育成の観点から、どういう役割を持たせて推進していけばよろしいのか、地域の実情もそれぞれ異なるわけでございますけれども、総合的に検討してまいりたいと思います。

〇佐々木博委員 それでは何点かお聞きしたいと思いますが、最初に、介護保険についてお伺いします。
 平成12年度から始まりました介護保険、今年度で4年経過したわけでありますけれども、保険の被保険者となって介護を受ける権利を持つと、思想はいいわけでありますが、実際どうなのかなといいますと、例えば、在宅サービスがまだ非常に脆弱でありまして、そのせいもあって施設に入居を希望する方が多い。ところが、施設も数が少なくて待機者が多いだとか、いろいろな問題もまた見えてきているような、そんな気がいたしております。
 そこで、4年経過したこの段階で、介護保険についてどういった課題があるのか、あるいはまた、当初想定していなかったような問題で何かそういった課題も出てきているのか、それらについて最初にちょっとお伺いしたいと思います。

〇赤羽長寿社会課長 介護保険制度施行後の状況あるいは課題についてでございますけれども、平成12年に始まりまして、大きな混乱もなく、ほぼ円滑に施行されてきたのではないかと考えております。サービスの利用も進んできておりまして、着実な定着が図られたといったことで評価しているところでございます。
 こういった一方で、いろいろな課題も抱えていると認識しておりまして、全国的に見ますと、サービス量が急速に伸びて、制度の持続についてこれからどういうふうに図っていったらいいかといったような検討が国の段階でもなされているところでございます。
 本県の状況を見ますと、委員の御指摘にありましたように、在宅サービスの弱さ、在宅でサービスを希望する高齢者への対応が不十分であるとか、あるいは市町村ごとのサービスに格差が出てきているということでございますとか、あるいは施設、居宅、ケアマネジメントを含めまして、サービスの質の向上のための取り組みが必要になってきているといったような課題もあると認識しております。
 今後、国で現在、制度の見直しも行っておりますので、そういった動向も踏まえながら、市町村と連携して円滑な制度運営に努めてまいりたいと考えております。

〇佐々木博委員 ありがとうございます。
 確かに施設が足りないということで、施設をつくらなければいけない、あるいはいろいろサービスがふえてきたということは、介護保険の財政にも大変大きな影響を与える問題だろうと思います。そのとおり決まるかどうかわかりませんが、一部マスコミ等の報道によりますと、例えば要支援は在宅サービスを外すだとか、あるいは特別養護老人ホームで今、例えば食事代等も全部介護保険料から賄われていますね、それを外すだとか、そういった動きもあるやの報道もなされているわけであります。
 何か、本当にただただ今のまま野放しで――野放しといいますか、やっていきますと、介護保険の財政が破綻するのではないか、やはり何らかの手だてが早急に必要なのではないかというような気もしているわけであります。しかしながら、また一方では、そう言っても、施設に入居する方々の希望は大変多い。
 そこでちょっとお伺いしたいわけですが、特別養護老人ホームなんかは国の補助の関係もありますから、いろいろそれらを待って建設されるわけでありますけれども、例えば、最近非常に希望者がふえてきております痴呆性の高齢者のグループホーム、これなんかは、民間の方々で、補助も何も要らないから、例えば自宅を改造してでも提供したいというような方もいらっしゃるわけであります。しかしながら、実際には、在宅であってもサービスに介護保険を使うということで、なかなか希望どおり、要するにつくりたい人もいる、入りたい人もいながら、実際にはこれが進まないというような現状もあるわけです。この辺のところにつきましては、これはやはり何ともならないものなのでしょうか、ちょっとお伺いしたいんですが。

〇赤羽長寿社会課長 痴呆性のグループホームにつきましては、平成19年度までに992人分のベッドを、定員を確保したいと考えてございます。現在、各市町村で定めた計画によりまして、それぞれの市町村でグループホームの設置に努めていただいているところでございますが、平成15年度現在では、当初の計画を若干下回るような状況になってございます。
 グループホームの設置につきましては、委員の御指摘ございましたように、民家の改修等でもやれるということになっておりますので、市町村には、一般の住宅で、遠隔地に離れたところではない場所で、地域の人たちと交流が持てるようなところでグループホームを設置して、痴呆の方たちへのサービスが行われるように支援しているところでございますし、これからもそういった形でグループホームの設置を進めてまいりたいと考えております。

〇佐々木博委員 ありがとうございます。
 今年度の新しい事業で、予算の重要事項の説明にありますけれども、ご近所介護ステーション設置支援事業費補助ですか、それから、モデル介護支援ハウス整備費補助という二つの事業がございます。恐らくこれは厚生労働省で言っている小規模多機能施設というものの先取りで、県で考えられた事業だと認識しておりますけれども、それぞれ予算額がございますが、この施設、この予算でどれぐらいのそれぞれの事業件数と、それから、どれぐらいのそこに収容できる人員、人数といったものを想定されているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

〇赤羽長寿社会課長 ご近所介護ステーション、あるいはモデル介護支援ハウスにつきましては、国のこういった小規模多機能モデルといったものを学びながら、あるいは本県におけるいろいろな取り組み事例を学びながら、プロジェクト事業として取り組んでいるものでございます。
 ご近所介護ステーションの設置につきましては、予算規模は2、700万円ほどでございまして、6カ所ぐらいを実施したいと思っております。民家改修でありますとか、あるいは使われなくなった診療所を改修してやってみるといったことで、まず、デイサービスセンターを中核としまして、ヘルパーステーションとか、あるいはケアマネ事業所といったものをつくっていっていただけないかなと考えております。
 一つは、2、700万円ほどで6カ所やりたいと考えておりますが、1カ所当たりの定員につきましては、デイサービスであれば10人から20人ぐらいを想定してございます。
 それから、モデル介護支援ハウスにつきましては、2、000万円の事業で2カ所程度を予定しておりまして、1カ所当たり9人ぐらいの方に利用していただけるのではないかと考えてございます。
 私どもとしましては、小規模多機能のモデルのようなスタイルをとっていただくとすれば、この二つの事業が相互に連携してうまく事業が組み立てられないかなと考えておりまして、各関係者の御意見も伺いながら、ぜひ岩手なりのモデルをつくっていきたいと考えております。

〇佐々木博委員 ありがとうございます。
 岩手型のこの二つのモデル事業だと思いますけれども、ぜひとも御努力をいただいて、成功させていただきたい、そのようにお願いする次第であります。
 それから、介護保険につきましては、いろいろ言われておりますが、恐らく二十歳以上から保険料を徴収するような方向になっていくのではないかと思います。要するに年金と一緒なんですが、保険料だけを取っても先が見えないということでは、本当に保険としての信用がなくなってしまうと考えます。ですから、そういった点で、本当にこれからどういったサービスを提供していくのか、負担と給付の関係というものをしっかりと認識していただいて、そして国にもいろいろ働きかけていただいて、信頼を裏切らないような介護保険というものを継続してぜひともやっていただきたい、そのように要望いたします。

〇長山保健福祉部長 今御指摘のとおり、2015年問題と国の方でもいろいろ考えているわけですけれども、今の団塊の世代が高齢者の方に移行していく、それが2015年ごろなわけです。生産年齢人口が2とすれば高齢者の人口が1、2対1になります。そうすると、いわゆる年金の負担、医療費の負担、介護保険の負担、さまざまな形で今の我々の子供とか孫たちに全部のしかかってくるという事態が懸念されるわけです。ですから、今のうちにそういった部分を、ツケを回さないような形で制度を変えていかなければならないというのが現状だろうと思っております。
 この介護保険の将来のあり方についてですけれども、今二つのパターンでいろいろ事例が出されてきています。北海道に鶴居村というタンチョウヅルが来る村があるんですが、そこでは、人口が二千五、六百人のところで、毎月の介護保険料が4、000円近い、5、000円近いということでやっています。一方、長野県の坂井村というところでは、同じ人口規模でも介護保険料が2、000円足らずのところです。どこがどう違うかといいますと、北海道の方は、いわゆる施設サービスの方がかなり進んだ、それで単価が高いということになります。一方で、坂井村の方は、施設はつくらん。そのかわり、今まで3人だったヘルパーを120人にふやした。そして、自宅で療養したいという年寄りのために、近所の人たちが、げた履きヘルパーと言っているようですけれども、その人たちが行ったり来たりしながらサービスを提供していく。その結果、高齢者の人たちは自分のうちで住める、一生を過ごせる。しかも、周りの人たちのサポートができる、それから介護費用が2、000円足らずで済む。どちらを選ぶかは、これからそれぞれの地域の議論の上での判断になるだろうと思います。どちらが年寄りにとってハッピーかということを考えながら、作業を進めていく必要があるのではないかと思います。
 それから、今のご近所介護ステーションですけれども、特別養護老人ホームに入ると、高齢者の費用が1年間に360万円ぐらいかかります。それをみんなで負担するわけですけれども、このご近所介護になると、在宅サービスの費用で済むのではないか。そういうことになると、半分あるいは3分の1ぐらいのサービス提供である程度の水準が保たれるのではないかという、全国のそういう事例が出てきていますので、そういった事例をそれぞれ研究しながら、コストを下げながらサービスをある程度キープする、しかも孫や子供たちに負担をかけないという仕組みづくりを、我々が今責任を持って取り組んでいかなければならないことだろうと思います。

〇工藤勝子委員 母子福祉から見た父子についての考え方を聞いてみたいと思います。
 母子に対しては医療費助成とか、セルフサポート事業支援、それから児童扶養手当支給ということで、いろいろ助成やら支援をいただいていることに対しましては、女性としても非常に大きく評価もいたしますし感謝もいたします。ですけれども、説明書の中で一つも父子ということが出てこないんですね。その中で世帯数がどのぐらいあるかというと、母子世帯は8、695世帯、これは5年ごとの調査なそうで、平成10年の調査です。父子の方はどのぐらいいるかというと1、369世帯ということです。その辺のところでお考えを聞いてみたいと思います。

〇細川児童家庭課長 父子世帯についての考え方ということでございますけれども、確かに母子世帯に比べまして、経済的支援とかが少ないということは事実でございます。ただ、父子世帯は母子世帯に比べまして、経済的にはまず恵まれているといいますか、私どもの調査ですと、一番困っていることはどういうことですかということで若干調査したものがあるんですけれども、やはり、子供の養育とか、家事全般、そういうことで困っていらっしゃる方が多いということは承知いたしております。
 このために、県といたしましては、確かに予算書には項目が出ていないので、その辺がちょっと私どもの不足の部分かもしれませんが、母子世帯等の等の中に父子世帯も含めて御利用いただいているサービスがございます。
 一つが、日常生活支援事業というものがございまして、これは、母子、父子に限らず、病気になったり、生活環境が激変したり、そういったとき、日常生活を営む上で支障が生じてくるわけです。そういう世帯に対しまして生活援助をする、あるいは子育ての支援をするということで、短期的ではございますけれども、家庭生活支援員の派遣を行う制度がございます。これは、県が直接やっているわけではございませんけれども、県の母子寡婦福祉協会に委託して行っております。
 実績等を見てまいりますと、登録している世帯の数は全体で255件で、父子世帯がそのうちの8件だけということで、父子世帯の方、御遠慮がちの方が多いのかなという気がいたしております。しかも利用の状況を見てまいりますと、ゼロなんですね。ですから、もっと御利用していただいてもよろしいのかなと思っております。
 それから、二つ目は電話相談事業も行っておりまして、土曜日、日曜日も開設いたしておりますので、御利用いただければと思います。こちらの方も父子世帯の活用はゼロという状況でございます。
 それ以外に、特別相談といたしまして弁護士による法律相談等も行っております。ただ、これは結構活用していただいておりまして、15件ほど実績がございます。
 確かに表立った支援という形にはならないかもしれませんが、今後とも制度のPRをいたしまして、父子対策の充実にも努めてまいりたいと考えております。

〇工藤勝子委員 平成10年の調査の中で、働いていない世帯があるんですね。働けない。例えば病気だとか障害のため、それから育児のために働けないという人もいるわけです。人数は少ないかもしれませんけれども、57名という数字がその当時出ております。ですから、やはりこういう父子世帯に対しての特別きちっとしたものをもう一度見直してみるべきじゃないかということです。
 今後考えられないかということと、それから、今、電話相談とかいろいろありましたけれども、知っておりますかという調査の中で、ほとんど1、000人以上の方が知らないと。そういう窓口があることを知らないと答えておりますので、多分PRの不足もあるだろうと思います。確かに母子家庭と違って所得をきちっと持っている方々も多いようですけれども、年齢的に20歳未満という方もあるんですね、平成10年の時点で。5年ごとですから、去年――15年度にまた調査が入ったのではないかと思うんですけれども、結局ふえているのではないかと思うんです、別れる人が多い、離婚する人たちが多いわけですので。特にも、就学未満、学校に入らない子供たちも多いですし、小学校の子供を抱えた人たちもかなり多いです。また、中には5人以上抱えているという結果も出ております。ですから、PRも含めながら、父子に対してのきちっとした項目を設けての支援は考えられないでしょうか。

〇細川児童家庭課長 確かにおっしゃるようにPRは不足しているということでございますけれども、今後、市町村を通じて、また、役所だけではなくていろいろなルートを考えながらPRには努めてまいりたいと思います。あわせまして、父子対策の重要性については十分認識したつもりでございますので、今後どういうことができるのか考えてまいりたいと思います。

〇野田武則委員 児童手当についてお伺いしたいと思います。
 現行では義務教育就学前まで第1子と第2子は月額5、000円、第3子は1万円ということになっておりますけれども、平成16年度からの児童手当法の改正によりまして、この支給対象が拡大されることになっております。その点について具体的にお示ししていただきたいと思います。
 また、各市町村の費用負担もあると思いますが、各市町村への指導徹底がなされているのかどうか、その辺もお伺いしたいと思います。

〇細川児童家庭課長 児童手当制度についてでございますけれども、改正の予定がございまして、4月からということになるわけですが、改正の主な内容につきましては、今、御案内のとおりですが、支給対象の年齢がこれまで6歳到達後の最初の年度末までということでございましたけれども、これが小学校3学年の終了まで、9歳到達後最初の年度末までということになります。対象児童といたしましては、大体推計で全国で650万人から940万人ぐらいになるということです。
 それから、児童手当の負担の関係でございますが、14年度、学校基本調査というものがございますけれども、それに基づきまして県で試算してみたわけでございますが、大体小学校1年から3年まで含めまして4万人ぐらいの児童がこの手当の対象になるということでございまして、延べにいたしますと48万9、000人、約49万人になります。
 新制度による県負担の見込み等でございますが、手当額が5、000円の方と1万円の方と分かれますけれども、あわせまして大体4億7、000万円の見込みとなっております。

〇野田武則委員 各市町村の実施状況についてお伺いします。実施状況といいますか、指導徹底の仕方といいますか。

〇細川児童家庭課長 PRにつきましては、県からも通知をいたしておりますので、市町村においても広報紙等を活用して周知徹底を図っているものと存じております。

〇野田武則委員 続きまして、シングルマザーの支援体制についてお伺いしたいと思います。
 厚労省の人口動態統計によりますと、12年間連続で増加してきました離婚件数が13年ぶりに減少に転じる、こういう話を聞いております。当然婚姻件数も減少している、こういうことでございますけれども、結婚、離婚に対して慎重になっているのは、経済的な理由も考えられるわけですが、特に小さい子供を抱える母親にとりましては、不況の中で離婚したら生活できない、こういうことで我慢をしているのではないかと思うわけでございますけれども、本県の離婚件数あるいは結婚件数の数字はどうなっているのでしょうか。また、その分析といいますか、どのようにお考えになっているかお伺いしたいと思います。

〇細川児童家庭課長 離婚の件数についてでございますけれども、これは推移を見てまいりますと、平成10年以前は千七、八百件ぐらいでございましたけれども、それ以降は伸びておりまして、平成15年、これは推計値でございますが、私どもで把握しているのは2、806件ということで、平成11年が2、086件でございますので、大体1.35倍ぐらいになって、伸びていると把握してございます。
 結婚件数については、今、持ち合わせておりませんので。

〇野田武則委員 その数字はいいんですけれども、そういった流れの中で、どのように分析といいますか、どのようにお考えになっておりますか。

〇細川児童家庭課長 平成13年の国民生活白書等を見てお答えするわけでございますが、離婚の原因については一番多いのが性格が合わないということで、いわゆる性格の不一致ということだと思います。これを1970年と2000年で比較いたしますと、例えば女性が1970年のとき32.1%が2000年には46.2%、男性が1970年が53.8%、2000年が63.2%ということで、性格が合わないという率が高くなってきているということでございまして、いろいろ個人的な事情があるとは思いますけれども、なかなか難しいです。

〇吉田昭彦委員長 野田委員、端的に聞いてください。

〇野田武則委員 こういう不況の中で子育てをしているお母さん方は大変だと思うわけですが、昨年の10月ですか、母子寡婦福祉協会というところに自立支援センターを設置されたというお話を聞いておりますけれども、その活動の実績といいますか、その経過をお伺いしたいと思います。

〇細川児童家庭課長 このように離婚がふえてきているということで、母子対策につきまして私どもも真剣に取り組んでいるわけでございます。この中で、ことし新たに起こした事業がございまして、母子家庭の就労を支援するという観点からやった事業ですけれども、母子家庭等就業・自立支援センターというものを設置いたしまして、母子寡婦福祉協会に委託いたしております。
 活動状況は、去年の10月20日からでございますので余り日にちがたっておりませんが、就業相談件数は67件ございまして、就職準備・離転職セミナーといったものも開設してございます。これは年4回やりまして、これまで105人ほどの受講生がおいでになります。

〇野田武則委員 どうぞ今後とも強い御支援をお願いしたいと思います。
 最後ですが、先ほど工藤勝子委員の方からもお話がありましたが、父子家庭への支援ということで、児童扶養手当は母子家庭だけと思うわけですが、父子家庭には行かないと。東京都の方は、こういった扶養手当とは別に児童育成手当という名目で東京都独自の支援をしているようでございますけれども、当然岩手県にはそういったものはないようでございます。何を言いたいかといいますと、要するに家庭じゃなくて子供に行くお金といいますか、それを重視したいと私は思うわけでございましてこういう話をしているわけですが、先ほどの父子家庭への支援と同じことなんですけれども、今までの母子という考えじゃなくて、子供に対する支援というものをぜひ考えていただきたいということでございます。
 少子化対策には随分と力が入れられているようでございますけれども、やはり少子化対策、いろいろな対策をとられましても、なかなかこれは難しい問題だろうと思うわけでございます。その最終的な原因といいますか、行き着く先というのは、やはり女性の人生観あるいは自立した生活ということがまず大きな課題としてあるのではないかと思うわけで、その障害になっているのは、やはりシングルマザー、離婚した後の子育てあるいは自分の経済的な自立が大変難しい、これが少子化の一番の大きなネックではないかなという思いをするわけでございまして、今までの福祉、当然福祉ではありますけれども、いわゆる少子化のように政策誘導的な、そういう視点からもう少しシングルマザーに対して目を向けてほしい。シングルマザーだけではなくて父子家庭も同じでございますけれども、それが男女共同参画の新しい時代の大きな視点になるのではないか、こういう思いをしているわけでございます。増田知事はよく岩手流という言葉を使っておりますけれども、岩手流の支援体制をぜひ行っていただきたいと思います。
 もう一つ最後ですが、部長にお伺いいたします。県内の各市町村とも小児科医師、産婦人科の医師が大変不足して困っているわけでございまして、なかなかその解決ができない状況でございます。行き着く先は医師確保だと思うわけでございますが、岩手に来て小児科の医師として働きたい、あるいは産婦人科の医師として働きたい、そういうメリットのある政策を保健福祉部では何か考えておられるかどうかちょっとお伺いしたいと思います。

〇長山保健福祉部長 医師確保につきましては、この議会でも大変関心を持って議論されたところでございます。いずれ、新しい医師養成制度を市町村と一緒になってやる。自分の町から1人でも2人でも医師を奨学生制度に乗せて養成していただきたい。今までは、どちらかというと県にお任せみたいなところと、それから、一部の市町村が一生懸命にやっているだけで効果的なものがなかったということで、改めて全市町村が本気になって自分の町に医師を確保するという意気込みで取り組んでいただきたいというつもりでございます。
 この新しい養成制度の発表がありまして、もう既に十四、五人引き合いが来ているということでございます。他県からも関心を持っておられる方が来て、岩手のそういうところで働いてみたいという引き合いもあるようでございます。岩手県の場合には、さらに臨床研修の指定病院として104ぐらいの受け入れの体制をとっているわけですけれども、70数人応募があった。これは、今年度に比べれば倍増したということで、全国的にも、どうやったらそういうふうに応募がふえるんだという関心を持っていただいて、これは企業秘密だと言って余り教えてませんけれども、いずれ我々も努力しますし、地元の市町村の方にもぜひそういう人材の発掘をお願いしたいということで、とにかく地元で開業していただきたい、そういうことを我々一緒になって考えてきたということでございます。

〇野田武則委員 大変ありがとうございます。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

〇吉田昭彦委員長 委員の皆様に申し上げます。定足数を確保するため、離席されないよう御協力をお願いします。
 それから、時間も経過しておりますが、進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

〇嵯峨壱朗委員 2点まとめてお聞きします。
 1点目は、社会福祉事業団についてでございます。この設立の経緯ですけれども、その辺をまず1点。そしてまた、法人改革プランの中で一定の改革をする方向を打ち出しているわけですけれども、それについて来年度どういうふうな対処をしているかということをお聞かせ願いたいと思います。
 それと、子どもの森、去年委託したわけですけれども、これは改革プランの方向に反するのではないかという気がしておりますけれども、それについてお聞かせ願いたいと思います。
 もう一点は後でします。

〇福島地域福祉課長 社会福祉事業団の設立の経緯ということでございましたが、現在は、入所型施設10施設と利用型施設4施設、この中にはいわて子どもの森も含まれているわけですが、その14施設を委託しているわけでございますけれども、昭和46年に社会福祉法人岩手県社会福祉事業団を設立いたしまして、当時の県立施設の管理運営を委託したのが始まりでございます。その後現在まで、施設数はふえてきておりますが、委託運営をしていただいているというものでございます。
 それから、見直しについての御質問がございました。これについては、直接の大きなきっかけは、14年度に実施されました包括外部監査であります。この中で、今、管理運営委託している施設などを民間の社会福祉法人に移管するなどして県費持ち出しを少なくするべきだというような提言をいただいたところでございます。これを踏まえまして、昨年の10月に県立社会福祉施設等あり方検討委員会を設置し、今日まで5回検討委員会を開催し、検討していただいているところでございます。今月中にもまた第6回目を開催いたしまして、なるべく年度内にその検討結果の報告をいただくということになっているものでございます。

〇嵯峨壱朗委員 ということは、その結果を待ってということですが、来年度、特に予算上それに対応したものはとっていないということですね。
 それから答弁漏れですけれども、子どもの森を委託したのは、それまでの調査結果を受けたものと逆行するのではないかということです。
 もう一つ、児童相談所についてお伺いします。最近、急増している児童虐待がございますが、それに対応するような形で児童虐待防止法の改正の動きがあるやに聞いておりますけれども、これは、児童相談所の機能強化というのもありますけれども、警察との連携というものが大きい要素を占めているようですが、県としてはどのような対応をするのかというのをお聞かせ願いたいと思います。
 また、現在の児童相談所の体制で、こういった増加する児童虐待等に対応できるのかどうかということもあわせてお伺いします。

〇福島地域福祉課長 私からは、事業団の見直しについて、来年度どういう対応をするのかということと、その中で、いわて子どもの森、これはちょっと改革の動きと合わないのではないかという点についてお答えを申し上げたいと思います。
 先ほど申しましたとおり、県立施設等につきまして、現在、あり方検討委員会を開催しておりますが、この報告をいただきました後に、当面、来年度をめどといたしまして、その報告を踏まえて、尊重しながら、具体的な改革に向けた改革プランなりプログラムなりといったものの策定に取り組んでまいりたいと思っておりますので、特段の予算計上についてはございません。
 それから、いわて子どもの森につきましては、その大分以前から児童厚生施設の整備ということで別途またその事業が進められてきたものでありまして、見直しの動きは、整備が固まり、完成した後の包括外部監査やら、そういった動きを踏まえてのものということでございますので、時期は近接はしておりますが、その点で御理解をいただければと思います。

〇細川児童家庭課長 虐待防止法の関係についてでございますけれども、これについては、現在まだ動いているということもお聞きしておりますので、正確には承知しておりません。
 ただ、児童福祉法の一部改正の部分につきましては、これまで児童相談所が第一義的に対応してまいったわけでございますけれども、市町村の窓口強化、相談体制の強化を図るというふうに今後動いていく。これは、法案が成立すれば来年度4月スタートと、そういうふうに動いていくということは承知いたしております。
 それから、児童相談所の体制の件でございますけれども、御案内のとおり、相談件数が昨年同時期に比べまして15件ほど伸びております。これに見合った児童福祉の関係で、いろいろこれまでも一般質問等でも出されておりましたけれども、現時点におきましては、おおむね対応できているというように認識いたしております。今後におきましては、相談件数とか先ほど申し上げました児童福祉法の一部改正等もあるようでございますので、それらを見ながら適正に対応してまいりたいと考えております。

〇嵯峨壱朗委員 報道等でこういった改正の動きについてはかなり出ておりますので、当然そういった流れも含めて知っておくべきですよ、それは。わかりませんではだめだと思います。
 それと、児童相談所ですけれども、15件の増ということですけれども、だれに相談したらいいかわからないというケースも多々あるので、児童相談所、例えば久慈では盛岡のセンターの支所みたいなところに1人福祉司がおりますけれども、それで対応できるわけがないですね、基本的には。これまでこういった児童虐待が話題になる以前にも、子供たちのさまざまな問題に対して対処できないのが実態なんです、わかっていると思いますけれども。そういった段階でこういう新たなことがクローズアップされてきて、不可能に決まっているわけですよ。それでいいと思うというのはちょっと認識が違うと思っていました。
 青森県では、数年前にかなり多くの福祉司をふやしたと聞いておりますけれども、であれば、岩手としても、この間のような深刻な事件も起きているわけですから、ぜひやっていくべきじゃないかなと思うんですけれども、もう一点その点についてお伺いしたいと思います。

〇長山保健福祉部長 虐待の問題、これからさまざまな法改正があります。やはり子供の数から言いますと、14歳以下の子供は大体県内でも20万人ぐらいいるだろうと思います。ドメスティックなというか、家庭内の部分ですので非常にわかりにくいというのがまず第1点。だれが一番先に発見できるんだろうかといいますと、大体1歳6カ月健診とか3歳児健診とかで裸にする。あるいは学校の健診のときに裸にしたときにわかる。そういったようなことで、住んでいるところの身近な人たちが第一発見者になり得る。そういうことで、地元の近所の人たち、あるいは市町村の人たちが一番親身になって世話できるような仕組みづくりがこれからなされます。そういったものと、それから、学校の中にもさまざまな相談員だとか適応指導員だとか、そういった形で人がふえてきます。そういう多くの人たちのかかわりによって、できるだけ日常的な見守りといいますか、そういう仕組みをこれから考えていった方がいいのではないかということで、先般開かれました虐待防止の連絡会議等でもいろいろ話し合いが出ました。まず、発生してからではなくて、発生する前の予防というのも大事ではないか。その予防対策として何が必要かということで、いろいろ子育ての不安なり悩みに近くで対応できるようなことを考えた方がいいということで、子育てサークル、あるいは同じような年代の人たちが同じ悩みを相談できるような仕組みづくり、そういう場をいっぱいつくる方がかなり効果があるということを話されています。
 いずれ、相談件数なり何なりの推移を見ながら、児童相談所の体制の強化というものは、これからまたそういう内外の動静も踏まえながら検討していくことにしたいと思っています。

〇嵯峨壱朗委員 福祉法の改正に伴って、身近な市町村で対応しているものと連携していくということでしょうが、例えば精神科医の常駐とは言いませんけれども、それも岩手県では3カ所どこにもないわけですね。いずれ、おくれているわけです。こういったものについては、確かにコストの面もあるでしょうけれども、夢県土いわてですから、ぜひこういった面からもバックアップして初めてそういった実現に向けていくと思うので、これから警察、学校、病院、医師、そして児童相談所が一体となって、ぜひこれがないようにやっていただきたい。そして、もっと現実的に、福祉司がやっぱり足りないんですね。これも専門的な人がいて初めて相談できて解決されると思うので、その辺を改めて考えていただきたいと思います。

〇阿部静子委員 身体障害者福祉費のうち、全国ろうあ者大会についてお伺いいたします。
 項目的にお伺いします。主催者、日時、会場、規模、内容等についてお示しをいただきとうございます。
 準備等開催への取り組みに県はどのようなかかわりを持っているのか。補助費300万円というのはちょっと少ないのではないか。その補助率が定額とございますけれども、全国大会はこのくらいとか、違う大会はこのくらいとかという、その基準はどうでございましょうか。

〇高橋障害保健福祉課長 まず、大会の概要についてでございますが、第52回全国ろうあ者大会が財団法人全日本ろうあ連盟の主催、岩手県ろうあ協会の主管で平成16年6月9日から13日までの5日間にわたって盛岡市で開催されることになってございます。
 本大会は、聴覚障害者の社会的自立と社会的地位の向上及び社会福祉の増進を目指して開催されるもので、手話や労働などに係る研究分科会、聾唖者によります演劇、福祉機器展、美術展、写真コンテストなど各種のイベントが計画されまして、全国から約2、500人の参加を見込んでいるものでございます。
 次に、大会に対する県のかかわりについてでございますが、県といたしましては、大会の趣旨に賛同し、本県福祉の向上に寄与するものであることから、後援、大会開催費補助金の予算措置を行うとともに、大会に係ります広報や手話通訳者の派遣を行うなど、側面的に支援をすることとしております。
 また、補助金についてでございますが、本県の厳しい財政状況を踏まえまして、大会が十分な研さんと交流を深める場として運営されるよう、300万円の予算措置をしたところでございます。
 なお、県の補助金のほかにも、開催地であります盛岡市、民間基金の助成等も予定されていると伺っております。
 なお、補助率を定額としましたのは、各種イベントに対します県のこれまでの予算の補助方法に準じたものでございます。

〇阿部静子委員 私の聞き取りが悪かったのかもしれませんが、会場はどことおっしゃいましたか。

〇高橋障害保健福祉課長 主会場は岩手県民会館を中心として、盛岡市内で開催されます。

〇阿部静子委員 一昨年でございましたか、チャレンジドという全国の集会がございまして、大変感動的な集会でございました。参加費が2日間で5、000円だったように記憶いたしておりますが、そういう参加費でもたくさんの人たちが集まって、あの大会の中で生きる喜びを障害を持った方々が交歓し合ったという本当にすばらしい会だったわけですが、こういう全国的な集会というのは、私ども開催をする県にとっても集まっていらっしゃる方々にとっても大変大事な集会であろうと思います。そして、聴覚障害者というのは、一見してわからないわけです、一般の人たちには。そういう部分への会場県としての気の使い方等も含めながら、主催者側と連携をとって、岩手はすばらしいところだという、いらした方々への印象がうんと大事だと思うんです。その点へのお心遣いや予算の使い方の面でもっと工夫をしていただきたいと思います。
 聞くところによりますと、団体が違ってもう一つ全国集会があると伺いましたが、いかがでございますか。

〇高橋障害保健福祉課長 難聴者の方々の全国大会が――これは人工内耳友の会全国大会でございますが――平成16年6月18日から21日の日程で開催されると伺っております。

〇阿部静子委員 ただいまのはいわゆる中途難聴障害の方々のお集まりのようでございますが、その方々への助成という部分はどうなっておりますか。

〇高橋障害保健福祉課長 当該大会に対します補助金に関しましては民間基金からの助成が予定されていると伺っておりまして、県からの補助は予定してございません。

〇阿部静子委員 そこの部分ですね。片や民間だけの部分と、そういうところにも気を使われて、公平にやってくださるようにお願いして終わります。

〇吉田昭彦委員長 議事進行に協力を願うため、質疑は重点的に、答弁は簡潔にお願いいたします。

〇斉藤信委員 県単医療費助成事業の改悪、負担増の具体的な内容についてお聞きしたい。
 一つは、各事業ごとの対象者の負担増は総額幾らになりますか。実人員1人当たりで幾らの負担増になるでしょうか。
 重度心身障害者の負担増は一番重く大きくなるが、典型的な弱い者いじめではないかと思います。障害者団体、県難病連などは、患者の命にかかわる重大問題として負担増の見直しを求めていますが、この間どのような話し合いがされ、この痛みを県はどのようにとらえているのでしょうか。
 重度障害者医療費助成、乳幼児医療費助成は、これで東北6県では最低水準になります。これでバリアのないユニバーサル社会先進県とか安心して暮らせる社会先進県、子育て日本一のスローガンを掲げることはできると考えているでしょうか。知事の公約違反に当たるのではないでしょうか。
 ひとり暮らし老人医療費助成事業で、これまた対象を大幅に縮小されますが、具体的にどうなるでしょうか。

〇六本木医療国保課長 事業内容ごとに申し上げます。
 乳幼児については、県予算の通年ベースで7、300万円、妊産婦については8、100万円、母子家庭につきましては8、400万円、重度心身障害者につきましては2億5、600万円の負担増と見込んでおります。
 これをすべての対象者の数で割って1人当たりということで申し上げますと年間四、五千円程度となりますけれども、今度の負担を求める方々は制度対象者のうちの46%を除いた方53%ほどでございますので、その数でいいますと、年間1人当たり7、000円程度の負担増ということで見込んでございます。
 それから、障害者団体の意見の反映ということでございますが、団体に対しましては、県の案を事前に説明申し上げまして意見を聞きました。意見としては、従前どおり全額給付を求める意見が強かったわけでございますが、これに対しましては、市町村民税非課税の者に対しましては従来どおり全額給付することといたしました。これによりまして、重度心身障害者については、受給対象者の約4割については従前どおり負担なしということになります。
 また、意見の中では、負担を求めるとしても、負担額に上限を設けていただきたいとか、急激な負担増とならないようにしていただきたいという意見がございました。これに対しましては、当初の案は総医療費の1割負担を求める案でございましたけれども、そこを見直しまして、無理なく負担ができるように、医療機関、診療科ごとに、入院では月額5、000円、外来では月額1、500円の基準額を設定し、それを超えた額については給付するといった内容といたしました。これを、一部のサンプルでございますけれども、重度心身障害者1、600人余りの医療給付の状況を見まして月額の負担がどの程度になるかということを見ますと、平均いたしますと、医療を受けている方で1人当たり月3、600円の負担となると見込んでございます。

〇赤羽長寿社会課長 ひとり暮らし老人医療費助成の大幅な減少ということでございますが、現在400人弱の方が受給されておりますが、そのうち受給者はその4割程度になると見込んでございます。
 それから、負担増の関係でございますけれども、先ほど医療国保課長から申し上げました考え方でいきますと、約200万円の負担増ということになります。

〇斉藤信委員 そうすると、重度心身障害者の場合は、実人員で割ると2億5、600万円の負担増は幾らになるか、これを教えてください。今、実際には1、600人で試算すると3、600円でしたが、負担増を対象になる実人員で割っていただければ幾らになるでしょうか。
 というのは、難病連の要望でも、断じて容認できないと。医療の支えがなければ生きていけないと。なぜかというと、一番新しいパートナー2月号に難病連の特集がありまして、難病患者というのは、交通費や宿泊費の負担が大きいと。難病の専門医というのは盛岡中心にしかないわけですね。県内各地から交通費をかけて、宿泊費をかけて来る。そして、本当に定職にもつけない。こういう中で本当に苦労されているわけで、医療費助成制度というのは、そういう点でいけば命綱だと。それが切り縮められるというのは本当に切実なものです。私は、東北6県と比較しても、岩手県は本当に最低、一番冷たいやり方だと。そういう点で、実態をもう一度示していただきたい。
 ひとり暮らしも4割になるんですね。6割切っちゃうんですね。本当にこんな冷たいやり方はない、これは指摘だけにしておきます。
 あわせて、先ほど児童虐待の問題がありました。私も一貫してこの問題を質問していて、児童福祉司の増員はないというさっきの答弁に驚きを禁じ得ません。この10年間の児童虐待件数の推移を示してください。児童福祉司の体制を示してください。ことしは、全国的にも岩手県内でも大変痛ましい事件が起きて、児童虐待件数もふえているんですよ。こういうときに児童福祉司をふやさないという、私はこれは福祉行政ではないと言わなければなりません。私は、総括質疑で知事に虐待の実態、虐待専門チームの状況を聞いていますかと言ったら、担当部から報告を受けてませんと。何ですか、これは。深刻な事件まで起きて、全国的な社会問題になって相談件数もふえているときに知事に報告もしていない。私が知事に聞いても答えられない。驚くべき状況ですよ、これは。あなた方の怠慢じゃないですか。
 私は、相談センターに行って詳しく聞いてきましたが、本当に深刻な状況で、対応する児童福祉司、専門家が不足しています。児童虐待専門チームは6人といっても、児童福祉司はそのうち2人で、これは1月末現在ですけれども、139件中87件この専門チームが対応しているんですよ。その件数がふえ続けている。国の交付税措置は19人です。配置は今、13人です。厚生労働省は、来年も児童福祉司をふやしますと言っているんですよ。毎年国はふやしているんですよ。何で岩手県はやらないんですか。まずこのことをお聞きしたい。

〇六本木医療国保課長 重度心身障害者につきまして試算いたしますと、増加額を対象者である3万人程度と見込んでおりますので、その数で割りますと、年間約8、000円程度の増となります。
 それから、対象者の数は3万人ですけれども、そのうちの4割の方が自己負担なしということを考えますと、負担をする方について見ると1万二、三千円程度になると見込まれます。年間の額でございます。

〇細川児童家庭課長 ここ10年の相談件数の推移でございますけれども、平成6年に岩手県の場合は12件でございます。それからずっと参りまして、平成10年に67件、平成14年度に172件となってございます。
 それから、児童福祉司の数でございますけれども、平成14年に専門家チームができたときに13名になってございます。(斉藤信委員「その前は」と呼ぶ)その前は11名でございます。
 それから、知事に対する報告の件でございますけれども、部といたしましては、事件性のある虐待事例等あるわけですけれども、それらの事例、それから、それに対する対応等については随時報告いたしております。

〇斉藤信委員 知事に報告していると言うのなら知事を呼んでいただきたい。私の質問に、報告を受けていないと言うんだから。児童虐待専門チームの実態もわからなかったんですよ。あなた、聞いていましたか。いつ、どのように報告したか、後から答えてください。
 児童虐待相談件数がこの10年間で12件から172件、14倍にふえている。児童福祉司は11人から13人ですよ。国はこの間毎年交付税措置をふやし続けて、今、岩手県の基準が19人になっている。来年もふやすと言っている。それにもかかわらず岩手県はふやそうとしない。私は、まさに信じがたい福祉行政だと思いますよ。
 児童の虐待というのは命にかかわる問題で、今、結局どういうことになっているかというと、児童福祉司1人当たりの人口、岩手県は10万8、900人、これは、全国下から3番目にひどい数ですよ。交付税措置をされている数ぐらい配置して当たり前じゃないですか。先ほど部長は、近くで、地域で見るんだと。しかし、児童虐待をやるような家庭というのは、そういうところから隔離されているから問題なんですよ。実際相談があってフォローする場合はそれは大事なことなんです。だから、子育てサークル、そういうところに行ったら児童虐待にならないので、そういうところに行ける人が少ないから問題なんですよ。だから、早期発見、早期治療、もう一つは専門的な対応なんですよ。そういう点で、一番専門的に対応しなければならない児童福祉司を、相談件数が14倍になりながらこの10年間でたった2人しかふやしてこなかった。部長、これであなたは本当に十分だと思っているんですか。なぜ交付税措置がされているにもかかわらずふやさないんですか。改めて聞きたい。
 知事への報告の具体的な実態を聞きたい。どっちがうそを言っているんですか。

〇長山保健福祉部長 実態につきましては課長から報告したとおりでございますけれども、交付税というものの考え方、確かに数字としては出ています。また、それぞれの実態、地域の実情というものを勘案しながらそれぞれ配置すべきものと考えておりますので、今後、そういった現状を踏まえながら、ふやさないとは言ってなくて、今後、法改正の状況とか、あるいは他の機関の増強の問題とか、そういったことを勘案しながら検討していきたいと申し上げているところでございます。
 それから、知事に対する報告についてですけれども、課長の方からは、虐待で傷害とか何か、そういう事件が起きたとか、そういったことについては報告を上げていますけれども、日常的な、例えばチームの実績だとか、そういうことについてはその都度上げているというものではございません。事細かに余り細かいのを上げても大変な話ですから、そういう意味で、この間の傷害の亡くなった事例だとか、そういうことは報告をしているところです。ですから、聞かれた内容と別な観点で答えたのではないかと思われます。

〇吉田昭彦委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑は、重点的に単刀直入に質問されるようお願いいたします。

〇斉藤信委員 今、部長は、ふやさないということではないと言いました。ぜひこのとおりやっていただきたい。実は、私、毎年この問題を取り上げて、相談件数の状況を見て言って、ふやしてこなかったんですよ。しかし、そうではないと言うんだから、今の状況が全国的にも岩手県の状況を見てもこういう深刻な状況ですから、本当に前向きに対応していただきたい。
 もう一つ、私、知事が詳しい報告を受けていないのは事実だと思うんです。いないんだから。だから私は、あなた方の責任だけを追及するつもりはありません。しかし、残念ながら私の質問に対して知事は答えられなかったんですよ。虐待専門チームの実態がわからないんだから。本当に残念なことですよ、これは。これはきっちり報告してください。議会でも取り上げたんだから。
 最後、あと二つ、簡単に聞きます。
 障害者支援費制度について、利用者とサービス量、計画に対して実績はどうなっているでしょうか。全国的には100億円が不足したんですね。岩手県の場合はどうだったでしょうか。
 公益法人の活動と政治団体の活動の峻別について厚生労働省の通知がありましたが、岩手県の対応はどうだったでしょうか。

〇高橋障害保健福祉課長 本県におきます平成15年度の支援費の所要額でございますが、事業費ベースで101億円となっております。このうち、国庫分は51億円、県費分は約13億円であります。県費予算につきましては、2月補正によりまして所要額を確保したところでございます。
 なお、今月3日に開催されました全国会議におきまして、支援費の予算については、国の方からほぼ確保されたという説明を受けております。

〇六本木医療国保課長 公益法人の活動と政治団体の活動の峻別についてということで、平成13年8月に通知をいただいております。公益法人の活動、これは医師会、歯科医師会、看護協会等を前提としておりますけれども、その活動と政治団体の活動が一体であるかのような誤解を与えるようなことがないように指導してくださいといったような内容でございました。これを受けまして、すぐに改善を指導いたしました。その後、医師会につきましては平成15年、看護協会も15年に立入検査をいたしました。また、歯科医師会については平成14年に立入調査を行って状況を確認しておりますけれども、活動状況としては、政治団体との峻別は図られているという状況でございました。

〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇小野寺好委員 市町村国保を非常に心配しておりますので、国民健康保険指導費についてお伺いしたいと思います。
 一つは、国民健康保険安定化推進費、今回18億9、000万円ですが、この後の見通しはどうなるのか。
 二つ目が、国保税を納める方も非常に大変かと思いますが、最近の国保税収入の増減はどうなっているのか。
 三つ目として、将来、小さな町村を救うためでしょうか、仮に県一本の国保事業になった場合、岩手県にとってはメリットがあるのか、そんなところをお聞きしたいと思います。

〇六本木医療国保課長 保健基盤安定化推進費の中身は2本ございまして、市町村が行う低所得者の保険料の軽減に対しての一般会計からの繰入分を国と県で補てんするというものが1本でございます。それから、高額医療費共同事業を制度化いたしまして、70万円以上の高額医療費については県等が支援して安定化を図る、この2本でございますが、この二つとも平成15年から17年までの時限措置ということで行われる内容となっております。その間に、各市町村の運営状況等、全国の状況を見た上でその後の制度を検討するとされている内容でございます。
 それから、収納額につきましては、平成12年、13年、14年と見ておりますと、額の伸びが見られない状況となってきております。それから、問題となっているのは、収納率が引き続き低下しているといったような状況にございまして、各市町村の国保の財政状況も次第に厳しくなっておりますし、中には一般会計を繰り入れざるを得ないようなところもぼつぼつ生じ始めているといった状況にございます。
 国保制度を県で一本化ということについてのメリットということでございましたけれども、これについては、国の方向性として国保の保険者を県単位での一本化というようなことが示されましたけれども、県からは、このことについて、保険者の規模を大きくすることによって財政の安定化が図られることは理解できる。ただし、例えば保険税徴収のところを見ますと、市町村に残すとしておりますけれども、徴収に対するインセンティブが落ちるのではないかということが懸念される。それから、国保で行っております市町村の予防事業に当たります保健事業のところも非常にきめ細かなところでございますので、それを県単位で保険者となって実施するに当たっては、やはり今までのようなきめ細かさとか実情に応じた対応が難しくなるのではないか、そういった懸念を県の意見として伝えているところでございます。

〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇田村誠委員 長山洋保健福祉部長におかれましては、この3月をもって県を勇退されると伺っておりますので、これまでの御尽力に対し、この場をおかりして一言御礼を申し上げます。
 長山保健福祉部長は、昭和43年、県立杜陵学園において県職員としての第一歩を踏み出されて以来、36年の長きにわたり、その幅広い識見と卓越した指導力を発揮され、県勢の発展に多大な貢献をなされました。
 特にも、県民生活に最も密着した保健福祉、医療等の各分野におきまして、すぐれた洞察力と沈着冷静な判断力を持って多くの困難な事態を乗り越えられ、その力量を遺憾なく発揮されましたことは皆様御案内のとおりであります。
 その間、長山部長は、一関地方振興局及び水沢地方振興局の生活福祉部長を経て、平成6年に生活福祉部障害福祉課長に就任され、県内初の総合的福祉交流施設であるふれあいランド岩手の開設に手腕を発揮されました。
 そして、環境保健部健康推進課長当時の平成8年には、全国的にO-157による食中毒が多発し、児童に死者が出るなど大きな社会問題となりましたが、長山部長は、何よりも児童の生命、健康の確保が大事として、率先し陣頭指揮に当たられ、早期の収束に導き、国からも高い評価を受けたところであります。
 平成9年には保健福祉部保健福祉課長に就任され、保健所の機能強化等を手がけられました。
 さらに、平成10年には医療局次長に就任され、県立一戸病院と県立北陽病院の統合、移転・新築計画を推進するとともに、新経営計画の策定作業を開始されました。
 平成11年には生活環境部次長兼環境政策室長につかれ、岩手県環境基本計画の策定をされるとともに、東北で最も早いISO14001の認証取得に尽力されました。
 平成13年には医療局長に就任、県立花巻厚生病院と県立北上病院の統合整備方針及び新病院建設地を決定され、県立沼宮内病院の移転・新築整備を進められた後、平成14年7月に現職の保健福祉部長に就任されたのであります。
 保健福祉部長として、すべての人が暮らしやすい社会の実現を目指すユニバーサルデザインの重要性を常に説かれながら、医療相談体制や小児救急医療体制、医師確保対策の整備に意を用いられるとともに、県立社会福祉施設のあり方の検討やいきいきプラン2008の策定、支援費制度へのスムーズな移行、さらには、県立児童館いわて子どもの森の開館など数々の業績を上げられました。
 また、平成15年春以降、世界的規模で脅威となったSARSに対し、岩手県行動計画を速やかに策定し、県民の不安解消に努められたのも長山部長であります。
 このように、県行政に熱い情熱を注ぎ、真摯で温厚篤実なお人柄は、同僚・部下職員の尊敬の的と常々伺っております。さらに、本県の保健福祉医療行政に記されたたぐいまれなその業績は、後世に末永くその名を残すものと確信いたしております。ここに改めて深く敬意を表しますとともに、感謝を申し上げる次第であります。
 最後になりますが、長山部長におかれましては、退任後も健康には十分留意され、なお一層の御活躍を御祈念申し上げまして御礼の言葉といたします。
 この際、長山部長から、退任されるに当たっての御所感などをお聞かせいただければ幸いと存じます。ありがとうございました。

〇長山保健福祉部長 ただいまは過分なお言葉を賜りまして、余り褒められることもないもので、いつも心の冷たい部長と街頭で有名になっておりまして、そういうこともありまして非常に恐縮でございます。
 議員の皆様方には、公私ともさまざまな形で御厚情をいただきましたことに対しまして深く感謝を申し上げたいと思っております。正直のところ、ほっとしております。
 先ほどの答弁でもいろいろございましたけれども、これから社会福祉の充実あるいは医療の充実というのは大変なことでございます。ただ、本当に今までやってきて、社会保障制度が充実すればするほど何かが失われていくなというふうに思っています。何かなという感じはちょっとわかりませんけれども、年金の制度が成熟すればするほど、家庭の養育機能といいますか、扶養機能がなくなるなとか、あるいは、高齢者がどこで生活してどこで一生を終わるのかな。自宅で生活するのが本当なんだろうな。だけど、家族が大変だということで施設整備をいっぱいやってきたんだけれども、入っている人たちの3分の2は本当は入りたくないんだなという気持ちを大事にするか。あるいは、早朝保育、延長保育、夜間保育、これは母親なり父親のためにつくられたんですけれども、子供にとってどうなのかなと。朝から晩まで預けられて、子供の生育というのはどうなんだろうなという思いがしまして、ちょっと頭がこんがらかっております。
 いずれ、そういうことを視点に置きながら、これから本当に収入も少なくなることを考えながら、制度というものを足元から見詰め直して、我々が本当にそういう扶養を受ける段階になったときに野たれ死にしないような仕組みづくりを今から備えていかなければならないんだろうなと感じます。
 ちょっと偉そうなことを言いましたけれども、本当に長い間お世話になりました。(拍手)

〇吉田昭彦委員長 長山保健福祉部長、本当に御苦労さまでございました。ありがとうございました。
 これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
 保健福祉部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時42分 散 会


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