平成16年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成16年3月11日(木)
   

1開会  午前10時3分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
  事務局長 武田牧雄
  議事課長 平澤石郎
  議事課長補佐 八重樫 典彦
  主任議事管理主査 千田利之
  議事管理主査 近藤光宏
  議事管理主査 多田 繁
  議事管理主査 田丸 裕佳子
  議事管理主査 嵯峨俊幸
  議事管理主査 安藤知行

1説明員
  教育委員会委員長 船越昭治
  教育長 佐藤 勝
  教育次長兼冬季国体推進室長兼全国スポーツ・レクリエーション祭推進室長 小原公平
  教育次長兼高校改革推進室長 伊藤 勝
  総務課長 渡邊主喜
  教職員課長 田村均次
  小中学校人事監 岩田俊雄
  県立学校人事監 山田市雄
  学校教育課長 石崎宏明
  生徒指導監 戸羽 茂
  学校財務課長 清水 眞一郎
  生涯学習文化課長 吉川健次
  文化財保護監 小田野 哲憲
  スポーツ健康課長 佐々木 正春
  高校改革推進監 鎌田善昭
  冬季国体推進監 高橋光彦
  全国スポーツ・レクリエーション祭推進監 高橋 保
 
  警察本部長 山内正和
  警務部長 山本和毅
  生活安全部長 佐藤久孝
  刑事部長 滝田忠州
  交通部長 吉村 浩
  警備部長 高橋 榮
  警務部参事官兼首席監察官 小野寺 英一
  警務部参事官兼警務課長 細田敬一
  生活安全部参事官兼生活安全企画課長 小方政司
  生活安全部参事官兼地域課長 齋藤忠利
  刑事部参事官兼生活安全部参事官兼捜査第一課長 小川口 弘
  交通部参事官兼交通企画課長 米沢義弘
  警備部参事官兼公安課長 菅原勝義
  総務課長 菊池義憲
  会計課長 田野倉 成己
  捜査第二課長 高橋俊章
  交通規制課長 伊藤健一
 
  参事兼予算調製課長 藤尾善一
   

〇吉田昭彦委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第23号、議案第29号から議案第31号まで、議案第33号から議案第36号まで、議案第39号、議案第41号、議案第43号、議案第47号及び議案第48号の以上34件を一括議題といたします。
 本日は、教育委員会及び警察本部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する項目についてはできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 これより、教育委員会関係の審査に入るわけでありますが、教育行政施策について、教育委員会委員長から発言を求められておりますので発言を許すこととし、その後、教育長から教育委員会関係の説明を求め、質疑に入ることにいたしたいと思います。

〇船越教育委員会委員長 教育委員会所管に係る予算について御審議をいただくに当たりまして、平成16年度の教育行政施策について説明申し上げます。
 県民の教育に対する期待にこたえて、子供たちに新しい時代を生き抜く力を培うためには、学校では確かな学力の向上、家庭ではしっかりとしたしつけ、また、地域社会においては児童生徒育成の環境づくりなど、それぞれ役割を十分果たしながら、かつまた、三者が相互に一体的な連携を図っていくことが何よりも重要であると考えております。
 このような基本的な認識に立って、教育改革に係る国の21世紀教育新生プランも踏まえつつ、教育行政の一層の推進に努めてまいりたいと考えておるところでありますが、こういうときに、一部に、教職員の不祥事事案が後を絶たないことはまことに遺憾であり、これを厳粛に受けとめ、県民の信頼回復に向けて全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 以下、平成16年度の施策の大綱及び重点事項について説明申し上げ、予算に係る事項については教育長から説明いたします。
 第1は、学校教育の充実についてであります。
 冒頭申し上げました学校、家庭、地域の相互連携のためには、何よりも学校が地域に開かれたものとすることが重要であり、そのために、学校評議員制度によって地域の声を反映させつつ、学校運営に関する不断の評価を実施し、かつ、その結果を公表する仕組みを定着させて、学校の透明性の確保を図ってまいります。このような取り組みを進め、地域の声が学校運営に反映される仕組みを育てていくことが今後重要であると考えております。
 また、児童生徒の学力向上に向けては、本年度行いました学習定着度状況調査を平成16年度も実施し、その分析に基づいて、指導の改善と教員の指導力の向上につなげてまいります。
 また、きめ細かな指導のさらなる充実に向けて、今年度、小学校1年生に配置した少人数指導のための教員を平成16年度は小学校2年生及び複式学級にも拡大し、個々の習熟度に的確に対応した指導など、よりきめ細かな少人数指導を推進するとともに、研究指定校において少人数学級を編成し、その効果を調査研究してまいります。
 学校教育の充実は、その直接の担い手であります教員の資質、能力に負うところが極めて大きいことから、よりすぐれた人材の確保、現任教員の研修体系の充実・向上、指導力不足等教員への適切な人事管理にあわせて、新たに、教員の養成、採用、研修の各段階を通じた総合的な資質向上のあり方について、外部有識者を交えて検討を実施してまいります。
 次に、いじめ、不登校などへの対応については、スクールカウンセラー、心の教室相談員、学校適応相談員を引き続き配置するとともに、新たに学校と保護者・地域のパイプ役として子どもと親の相談員を学校に配置し、個々のケースに応じた適切な対応を図ってまいります。
 また、特別な支援を必要とする子供たちへの対応として、盲・聾・養護学校が地域における相談、支援等を行うセンターとして、その機能を充実させるとともに、医療的ケアを必要とする子供たちのために、盲・聾・養護学校に看護師を配置する体制を拡充し、支援内容を充実させてまいります。
 一方、子供たちの体力に目を向けますと、あすの岩手を担うべき子供たちの体力・運動能力は低下をしてきている状況にあります。このため、引き続き体育スポーツ活動実践校の指定や指導者への講習会の開催などによって、いわゆる運動好きの児童生徒を育成しますとともに、児童生徒の日常生活と体力・運動能力の関係について調査研究を実施してまいります。
 次に、高等学校教育の改革については、さきに県立高等学校の新整備計画に係る後期マスタープランを示したところでありますが、まずは、このマスタープランについて、各地域において説明や話し合いを重ね、県民の意向把握に努めながら後期計画の策定を進めてまいります。あわせて、中高一貫教育のあり方や、地域住民等が学校運営に参画する新しいタイプの学校づくりを検討してまいります。
 このような学校教育の充実を図る上で、子供たちにとって安全安心な教育環境を整備していく必要があります。このため、校舎等について耐震診断を行うとともに、診断の結果、改築が必要とされる高等学校については、改築・改修による耐震化を図ってまいります。
 第2は、生涯学習の推進等についてであります。
 生涯学習の推進に当たっては、いつでも、どこでも主体的、継続的に学ぶことができる生涯学習環境の整備に向けて、いわて学講座の開催などを初め、学習機会の提供を積極的に進めてまいります。
 さらに、家庭教育について、個々の家庭のニーズに対応した情報提供や相談体制の充実に努めてまいりますとともに、地域で子供を育てる環境の充実に向けて、体験活動やボランティア活動を支援する仕組みを進めてまいります。
 また、読書が人間形成や学力向上等に持つ重要性にかんがみて、子供の読書活動推進に向け、読書ボランティアグループのネットワーク化を図りながら、読み聞かせキャラバンの展開などによって、読書習慣の形成、定着を図ってまいります。
 なお、本県には学校、家庭、住民等が総ぐるみで、地域の教育課題の解決に取り組む教育振興運動が40年にわたって展開されており、この運動の一層の活性化を促進する取り組みを進めてまいります。
 第3は、スポーツの振興についてであります。
 県民が日常生活において身近にスポーツに親しむことは、健康で、生きがいや潤いのある人生を送る上で大きな意義を有するものであります。このため、今年度立ち上げました広域スポーツセンターにおいて、各市町村への地域スポーツクラブの普及、定着を積極的に推進しますとともに、平成17年度に県内各地で展開される第18回全国スポーツ・レクリエーション祭の開催準備を進めてまいります。
 また、競技スポーツの振興については、ジュニア層に特に重点を置いた中学校指導者層の強化や、アジア地域で高い競技力を有する韓国チームとのスポーツ交流を実施するとともに、平成17年2月に本県で開催される第60回国民体育大会冬季大会スキー競技会の開催準備を進めてまいります。
 第4は、文化の振興についてであります。
 文化を大切にする社会の実現を図っていくことは、県民に感動や生きる喜びをもたらす上で極めて重要であり、主体的に文化に親しみ、かつ、文化を創造していく視点に立った環境づくりを進めてまいります。また、青少年による民俗芸能フェスティバルの開催など、岩手の価値ある民俗芸能を次代に継承していく後継者の育成に取り組んでまいります。
 また、平泉の文化遺産は、岩手が世界に誇り得る貴重な文化遺産であります。この文化遺産を県民共有の財産として、世界文化遺産の登録実現を目指し、柳之御所跡に係る史跡公園整備のための実施設計を行うなど、平成18年度に予定されているユネスコへの推薦に向けた具体的な準備を進めてまいります。
 以上、平成16年度の施策の大要について所信の一端を申し述べましたが、岩手県の教育の振興に向けて、委員皆様の一層の御理解と御協力を心からお願いを申し上げます。

〇吉田昭彦委員長 次に、教育長から教育委員会関係の説明を求めます。

〇佐藤教育長 それでは、平成16年度岩手県一般会計予算のうち、教育委員会関係の予算関係議案について御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の1ページをお開き願います。議案第1号平成16年度岩手県一般会計予算でありますが、第1表歳入歳出予算の歳出の表中、教育委員会が所管する予算は8ページになります。10款教育費の1項教育総務費から7項保健体育費までと、9ページの11款災害復旧費のうち3項教育施設災害復旧費、12款公債費のうち教育委員会所管分の7、467万円余をあわせた総額1、557億2、775万円余であります。これを前年度6月現計予算額と比較いたしますと99億4、351万6、000円、率にして6%の減となっております。
 各項目ごとの内容につきましては、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。予算に関する説明書の288ページをお開き願います。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事項を中心に御説明申し上げますので御了承願います。
 10款教育費1項教育総務費1目教育委員会費は、教育委員会の運営に要する経費であります。228ページから229ページにわたる2目事務局費は、事務局の管理運営に要する経費、児童生徒の保護者に向けた広報紙の発行などの教育広報活動に要する経費及び語学指導や地域のスポーツ指導の支援等を行う外国青年招致事業に要する経費について、平成15年度に引き続き計上しております。また、新規事業の日本の次世代リーダー養成塾派遣負担金は、関係県が共同で設置する日本の次世代リーダー養成塾へ高校生を派遣するための経費であります。3目教職員人事費は、教職員の人事管理に要する経費のほか、児童手当、退職手当等に要する経費であります。230ページをお開き願います。4目教育指導費は、教職員の研修、児童生徒のいじめや不登校などへの対策、高校生の海外派遣研修、盲・聾・養護学校の特別支援教育及び高校生の就職支援対策並びに学習定着度状況調査などの学力向上対策などについて引き続き実施することとし、所要の経費を計上しているものであります。
 なお、児童生徒のいじめや不登校対策については、スクールカウンセラーの配置数を拡充したほか、心の教室相談員の配置を継続実施することといたしております。
 新規事業の統一学力テスト実施事業費負担金は、児童生徒の学力向上対策の一環として、関係県共同で実施する統一学力テストの実施に要する経費であり、英語大好きジュニアハイスクール推進事業費は、モデル校として指定する県内の中学校3校において、英語力向上のための各種実践的取り組みを行おうとするものであります。また、学校評価システム推進事業費は、学校運営について教職員による自己評価を行い、その結果を県民に公表し、地域に開かれた学校づくりを行うため、関係各県が共同で行う学校評価支援システムの開発に要する経費等であります。230ページから231ページにわたる5目教育センター費は、教職員の研修などに要する経費のほか、総合教育センターの管理運営に要する経費であります。231ページから232ページにかけまして6目幼稚園費は、こまくさ幼稚園の管理運営に要する経費であります。次の7目恩給及び退職年金費は、恩給及び扶助料等であります。
 233ページの2項小学校費1目教職員費は、小学校教職員の人件費、旅費等のほか、児童一人一人に目配りのきいた教育を実現するため、教科指導における担任教師への支援などを行う非常勤職員を配置する学校いきいきプラン推進費を引き続き計上しております。また、少人数指導のためのすこやかサポート推進事業費は、今年度、小学校1年生の多人数学級を有する学校に配置した非常勤講師を、来年度からは、小学校2年生及び複式学級にも拡大して実施することとしております。
 234ページをお開き願います。3項中学校費1目教職員費は、中学校教職員の人件費、旅費等のほか、教科指導における担任教師への支援などを行う非常勤職員を配置する学校いきいきプラン推進に要する経費等であります。
 235ページの4項高等学校費1目高等学校総務費は、高等学校教職員の人件費、旅費等のほか、就職を希望する生徒に対する求人開拓や、進路相談などの就職支援を行う非常勤職員を配置する学校いきいきプラン推進に要する経費、新たな中高一貫教育やコミュニティスクールの導入などについての検討や、平成17年度を初年度とする後期の高等学校新整備計画を策定するための高等学校教育改革推進に要する経費等であり、いずれも継続して実施するものであります。235ページから236ページにわたる2目全日制高等学校管理費、それから236ページの3目定時制高等学校管理費は、それぞれ各高等学校の管理運営に要する経費等であります。236ページから237ページにわたる4目教育振興費は、高等学校における備品設備等の整備充実、農業及び水産業教育等に係る教育実験実習並びに不況等による家計悪化の世帯増加に伴い、高校生の修学支援のための奨学金の貸し付けを行う財団法人岩手育英奨学会への補助について継続して実施することとしております。また、新規事業の高校奨学事業費補助は、日本育英会の解散に伴い、都道府県に移管される高校生を対象とした奨学金貸与事務の実施主体となる財団法人岩手育英奨学会に対し、運営経費を補助しようとするものであります。237ページから238ページにかけまして5目学校建設費は、高等学校の建物等施設整備に要する経費であります。校舎建設事業費は、紫波総合高校の建築工事を平成15年度に引き続き実施するほか、新たに盛岡第二高校の建築工事に着手、また、耐震改築を行うため、新たに大船渡高校、一関第一高校及び釜石南高校の設計に着手することといたしております。産業教育施設建設事業費は、盛岡農業高校の寄宿舎改築を平成15年度に引き続き実施、体育館建設事業費は盛岡工業高校、それから生徒部室建設事業費は久慈東高校、部活動施設整備事業費は盛岡第二高校でそれぞれ実施するほか、教育環境の向上を図るための校舎大規模改造事業費は、北上農業高校及び久慈東高校で引き続き校舎の大規模改造を、福岡工業高校及び黒沢尻工業高校で新たに産振棟の大規模改造を実施いたします。また、校舎大規模改造事業費において、災害に強く耐震性にすぐれた安全な学校施設整備の促進を図るため、水沢工業高校ほか3校で耐震補強のための設計に着手するほか、地震に対する安全性を把握するための耐震診断を、沼宮内高校ほか18校の22棟を対象として、前倒しで実施することとしております。このほか、下水道、校舎、教職員住宅等の整備、維持管理に要する経費を計上しております。238ページをお開き願います。6目通信教育費は、通信教育の管理運営に要する経費であります。
 239ページの5項特殊学校費1目盲聾学校費は、盲学校及び聾学校教職員の人件費等の管理運営に要する経費及び盲聾学校の耐震診断に要する経費など、施設整備や施設の維持管理に要する経費であります。240ページをお開き願います。2目養護学校費は、養護学校教職員の人件費等の管理運営に要する経費、それから高等部を設置している知的障害養護学校6校に就職支援相談員を配置し就職支援を行う学校いきいきプラン推進に要する経費のほか、養護学校の耐震診断など施設整備や維持管理に要する経費であります。このうち、施設整備費において、花巻養護学校寄宿舎の改築及び宮古養護学校屋内運動場の大規模改造に着手するほか、久慈養護学校屋内運動場の設計などを行うことといたしております。
 241ページの6項社会教育費1目社会教育総務費は、多様化・高度化する県民の学習ニーズに対応する生涯学習推進費、家庭教育推進費、青少年銀河鉄道体験交流事業などを継続して実施することとしております。
 なお、生涯学習推進費に新たに子どもの読書活動の推進に要する経費について計上したほか、青少年の家施設整備費は、老朽化の著しい県南青少年の家の重油式ボイラーを、環境にやさしいペレット式温水循環ボイラーに更新しようとするものであります。
 241ページから242ページにわたる2目視聴覚教育費は、視聴覚教育の指導者養成等に要する経費であります。242ページ、3目文化財保護費でありますが、指定文化財の保存・修理への補助、埋蔵文化財センター建設費補助などの文化財保護の推進等について継続して実施することとしております。また、柳之御所遺跡整備調査事業費は、国指定遺跡柳之御所遺跡の史跡整備を促進するため、学術調査及び史跡公園整備のための実施設計を行うものであります。新規事業の世界遺産登録推進事業は、平泉の文化遺産の平成20年の世界遺産登録に向けて全県を挙げた機運の醸成を図るため、各種普及啓発事業等を行おうとするものであります。242ページから243ページにわたる4目芸術文化振興費は、青少年にすぐれた芸術鑑賞機会の提供、全国高等学校総合文化祭参加への補助、岩手県中学校総合文化祭開催への補助などの芸術文化振興事業費、岩手芸術祭開催費、高校生の文化部活動の技量向上を図るための技術講習会などを開催する高校生カルチャーキャンプ事業費などを継続して実施することとしております。243ページの5目図書館費は、県立図書館の管理運営に要する経費及び県民の生涯学習の支援拠点となる図書情報総合センターの開館に向け、図書資料の整備やデータベース化を行うほか、貸し出し図書資料の搬送体制の整備などに要する経費であります。243ページから244ページにわたる6目博物館費は、県立博物館の管理運営に要する経費であります。244ページをお開き願います。7目美術館費は、県立美術館の管理運営に要する経費であります。
 246ページをお開き願います。7項保健体育費1目保健体育総務費は、児童生徒の保健管理に要する経費、スポーツ健康に携わる関係職員の人件費のほか、指導運営に要する経費等であります。246ページから247ページにわたる2目体育振興費は、県内市町村に総合型地域スポーツクラブを育成するための経費や生涯スポーツ推進協議会運営費補助などの生涯スポーツ推進費、児童生徒の体力、運動能力の向上を図る運動大好き岩手っ子育成事業費、各種体育大会への選手の派遣に要する経費の補助、本県の全国大会等における競技力向上を図る競技力向上対策事業費などについて、継続して実施することといたしております。その他の継続事業では、全国スポーツ・レクリエーション祭への参加及び平成17年度の本県での開催に向けた祭典準備に要する経費及び平成17年2月に安代町において開催される第60回国民体育大会冬季大会スキー競技会の運営経費等を計上しております。新規の取り組みとしては、競技力向上対策費として、本県のジュニア層から成年層までの競技水準の向上を図るため、アジア地域で高い競技力を有する韓国チームとの交流試合等の実施に要する経費の補助並びに県外の優秀な指導者を招聘して実施する中学校指導者の実技講習会の開催に要する経費の補助を行うこととしております。
 247ページから248ページにわたる3目体育施設費は、県営体育施設の管理運営に要する経費及び県営運動公園陸上競技場第1種公認更新工事など、県営体育施設の整備に要する経費であります。
 次に、ちょっとページを飛んでいただきますが、256ページをお開き願います。11款災害復旧費3項教育施設災害復旧費1目学校施設災害復旧費は、県立学校施設に災害が発生した場合の復旧に要する経費であります。
 次に、257ページの12款公債費1項公債費1目元金のうち、7、467万5、000円が教育委員会所管分であります。これは、平成13年度2月補正予算で公立学校施設整備貸付金、いわゆるNTT債を導入して実施した公立学校大規模改造事業の元金償還に要する経費であり、その償還財源は全額国庫支出金が充当されるものであります。
 次に、債務負担行為について御説明を申し上げます。
 議案のその1に戻りますが、議案その1の11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表のうち、教育委員会で所管する事業は、15ページの№49、校舎建設事業から№53の博物館施設整備までの5件であります。
 №49の校舎建設事業は、盛岡第二高校及び大船渡高校の校舎改築等であります。№50の校地整備事業は、一関第二高校のグラウンド整備、№51の校舎大規模改造事業は、黒沢尻工業高校の産業教育施設、№52の養護学校施設整備は、花巻養護学校の寄宿舎改築、№53の博物館施設整備は、県立博物館屋外施設の重要文化財旧藤野家住宅・旧佐々木家住宅のカヤぶき屋根改修工事であります。これらは、いずれも工期等が翌年度以降にわたることから、それぞれ期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 次に、予算以外の議案について御説明を申し上げます。今度は議案その2の22ページをお開き願います。議案第33号県立学校授業料等条例の一部を改正する条例についてでありますが、これは、国の地方財政計画の基準等に沿って、県立高等学校の授業料等、それから岩手県立こまくさ幼稚園の保育料を増額しようとするものであります。
 以上で説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。

〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇佐々木一榮委員 質問者が多いようですので、簡潔に2点お伺いします。
 少年犯罪が増加傾向にありますけれども、県教育委員会は、県内の小・中・高等学校内のいじめ、喫煙、飲酒、恐喝、暴力、こういう実態についてはどのような形で市町村の教育委員会と連携をとられ把握されているのでしょうか、まずお伺いします。

〇戸羽生徒指導監 ただいまのいじめとか暴力行為とかのことですけれども、問題行動等調査というものがございまして、その年度ごとに翌年調べることになっていまして、今現在持っていますのは、14年度のいじめとか暴力行為とかそういうもののデータを所持してございます。それをもとに各市町村の教育委員会とか、学校現場におろしまして解決のために対策を練るようにと、そういう指導をしてございます。

〇佐々木一榮委員 なぜお聞きしましたかというと、学校内で不良生徒と接触を持たないように、先生がブレーキをかけているというような実態も実はお聞きをしております。最近非常に犯罪が多いということで、喫煙ですとか飲酒、これが地域の公園内で行われていたり公衆トイレで行われていたり、非常にこういうことが問題になっております。それで、学校とPTAの連携というのは、小学校、中学校、高校になるとある程度大人ですから比較的別の部分になるかと思いますが、警察行政と、県教委の場合は県警ですから比較的連携をとりやすいわけでありますが、小・中学校の、特に中学校と警察行政それぞれの、警察署もあるわけですが、その連携の強化というのは非常に私必要だと思います。というのは、中学校以上になりますと、はっきり言って父兄がどう指導していいかわからない。特に男の子の場合は、もう、おっさんになっているという状態でありますので、そういう意見も多く聞くわわけでありますが、これにつきまして警察行政と、特に市町村の教育委員会といいますか、小学校、中学校、私は連携強化というのは必要だと思いますが、入学時は交通安全とかそういう意味ではいいんですが、そういう意味ではなくて、犯罪について物事の善悪というものがちょっと今非常に乱れているような感じがいたします。そういう意味で、どうお考えかお尋ねをしたいと思います。

〇戸羽生徒指導監 最近特に警察と教育委員会、私どももそうですし各市町村でもそうですけれども、かなり連携を深めるような状況になっています。といいますのは、各地域ごとに、例えば学校警察連絡協議会ということで会議を持っていますし、あるいは各地区ごとに生徒指導担当の先生方が集まるわけですけれども、そこには極力警察の方にも参加いただいて、その地区の状況につきまして皆さんで共有してやっていこうと、そういう動きがございますし、片一方では、私どもにも警察の方々からのいろんな申し出といいますか、例えばいろんな事故等が予想される場合には、学校に行ってもいいですよというふうなこと等も、ありがたい話もいただいていますので、それらを学校現場におろしながら、一緒にやっていきましょうと。なおかつ、起きた後ももちろんですけれども、最近は予防的な部分で、例えば昨年度もそうですけれども、今年度もそうですけれども、各地域で警察とかそれから保健関係とか学校関係、そして地域の方々で連携してサポートチームというのをつくって、お一人お一人の子供たちや家庭を支える、そういうモデル的な事業も二つの地区でやっていまして、今年度は四つの地区に拡大をするんですけれども、そういうことで対策を練ろうと、そういう機運の中でやっておりますので、今後ともそこの連携につきましては努力していきたいと、そう考えている次第でございます。

〇佐々木一榮委員 ぜひこれはもっと連携強化をしていただきたいというふうに考えております。高校につきましても、特にも私の自宅は県立高校の目の前にありまして、公園が2カ所ありますが、非常に大変な状況、地域巡回の際の懇談会でもお年寄りから非常に言われることが多いんですが、一向に直らないような状況下にあります。進学校とは言われておりますが、何とかその辺を地域でやっていくためにも、警察との連携等も必要になってこようかと考えておりますので、よろしくお願いします。
 最後になりますが、平成16年度の県立高校の空き教室の状況はどのようになるでしょうか。また、現在考えておられる空き教室の利用方法について、地域等の要望についてあればお知らせをいただきたいと思います。
 それから、新しい後期計画も発表されたわけでありますが、統合等により使用しなくなった校舎、これの地域に対する開放の仕方でありますが、デイサービスセンターですとか図書館ですとか、地域コミュニティーセンターですとか、さまざま要望も出てこようかと思いますが、県教委は空き校舎に対してどのような方針で今後対応されていくのかお尋ねいたします。

〇清水学校財務課長 跡地利用につきましては、まだ県立高校におきましてはそうございません。今回4月から統合されますところにつきまして出てくるわけでございますので、そういうところで今いろいろ検討いたしているところでございます。
 例えば空き教室の利用というのは、現在は教室そのものについては教室が不足している、児童が減ったということで特別教室とかいろんなものに転用いたしてございます。
 それから、校舎全体の跡地利用につきましては、いろいろ例えば旧千厩高校跡地、あるいは岩泉の小川校の廃止に伴いまして、あるいは一関の農業高等学校、そういったものがございます。
 これらにつきましては、県の内部で活用できるかどうかと、県が活用できないと、使用しないという場合は、地元市町村の意向を聞きながら、市町村が希望する場合には市町村との協議を行いながら活用していくと。譲渡方法につきましてはいろいろございます。
 それから、それらを地元市町村におきましても使用しないという場合には、一般競争入札に付しまして売却処分をするというような段取りで進めているところでございます。今協議中のところもございます。そういった形で進めてまいります。

〇佐々木一榮委員 最後の確認です。地元市町村といいますか、さっきデイサービスやさまざま民間等も含めた要望の場合ですね、そうしますと無理だということになろうかと思います。というのは、基本的には空いた学校は、使用しなくなった学校は売却方向と、いわば県財産を最初に市町村と協議をして、まず売却ですよということでよろしいですね。市町村が買わないという場合には、公募して一般の方々で買う方に入札するということでよろしいですか。

〇清水学校財務課長 今、地域再生プログラムの中でいろいろ廃校等の跡地、それは国庫補助返還をしなくてもいいというようなことで今言われているわけでございますが、これは市町村が使うという場合は、社会福祉協議会とかあるいはいろんなことで使う場合に、同じ自治体であれば、そこの中で補助金返還をしなくても報告で足りるものもございます。したがいまして、県立高校でございますので、地元市町村が何らかの形で購入するなり、あるいは場合によっては無償譲渡とかあるいは無償貸し付けとかという形もあろうと思いますけれども、一般的には有償譲渡になるわけです。そうして購入して求めたものを、市町村において社会福祉協議会の福祉施設とか一定のものが要件に該当しますと、これは一定の年数を経過したものにつきましては文部科学省の方に報告事項として出せば、承認だけで済むものもございます。あるいは、承認をとってやらなければならないという場合がございますので、それはどういう使われ方をするかという、形態、いろいろなケース・バイ・ケースがございますので、そういった形で、まず市町村の方に私どもが地元の社会福祉協議会なり社会福祉施設なり、いろんなものに使うときに、やはり市町村でお求めいただくというのが基本的な考え方ですし基本原則でございます。

〇佐々木俊夫委員 先ほどは船越教育委員長の委員長演説、高邁なお話をちょうだいいたしました。どうか、この理念実現のために、教育委員会、ひとつ一生懸命努力していただきたいと思います。
 そこで教育長にお伺いいたしますが、それは高等学校の入学試験のあり方についてであります。
 きのうとおとといの2日間、ことしの県立高等学校の入学試験が実施されまして、約1万3、000人が受験をしたと聞きます。子供たちにとりましては、初めての関門でありますし、大変な苦労をされたんだろうなと思いながら、また、大きな経験であったと思います。ところで、ことしの試験方法は非常に大きな改革がございまして、学区の問題あるいは推薦制の廃止、あるいは面接制の導入、英語による面接、しかも2日間に及ぶと。そしてある学校では小論文も導入したと、このように聞くわけでございますし、さらに今度は学校によって点数配分もいろいろあるということでございまして、いわば戦後の大改革に当たるのではないかなと、こんな感じを持ちます。
 新聞報道では、おおむね事故がなく終わったという報道をされておりますけれども、教育長として、今回の改革された試験を実施されまして、あるいはまた出題された問題等の傾向もあろうと思うんですが、大幅に改正をしたことしの入学試験制度を変えた目的というものは達せられたと考えておられますか。それとも、今回実施した結果に基づきまして、さらに改善すべき問題点があるのか。もしその問題点があるとすれば、これらの検討はどのような考え方、進め方をされる見込みでしょうか。

〇佐藤教育長 きのう、おとといと行われた高校入試の件でございますが、私ども大変今回の入試につきましては、今お話がありましたように大きな改革ということで、その実施に当たり心砕いてきたわけでございますが、現場におきましては大きな混乱もなく、ここまでは無事終えたということで、今お話がありました。果たしてこの新しい入学試験制度、これの目的は達成されたかどうか、まさにこれからその基本的な方向を見出した上で改めたわけでありますが、それを今度は検証していくという段階に移っていくと考えております。まだ終えたばかり、また、合格発表前だということもありまして、すべて完了した時点におきましてその検証はスタートすると、こう考えております。ただ、今回実施しまして、その改善すべき点というのは恐らくこれから多く出てくるだろうと思っております。
 実は新しく導入しました英語による面接と申しますか英語応答試験を行ったわけでありますが、実はこれは大船渡高校でございますが、一部不適切な取り扱いといいますか、学校側の取り扱いにちょっとミスが出ました。英語による応答問題につきましては、今回初めてのケースでありますから、それを全学校もう一遍つぶさに聞き取りの調査をいたしまして、その結果、盛岡工業高校でも一部、それから久慈東高校におきましても一部、大きな混乱になるものではございませんけれども発問ミスといいますか、問いかけの方法にミスがあったということで、これからいずれ新しく導入した部分のその目的あるいは手法、そういうものについては十分に検討し、改善すべきものは改善していくということに努めていかなければならないと思っております。これからいよいよ採点、それから集計、選考などのいろいろ段階を踏んで合格決定までいくわけですが、細心の注意でまた進め、そして今委員から御指摘あった点について詰めていきたいと考えております。

〇佐々木俊夫委員 やっぱり若干の、初めてのことですのでいろいろトラブルはあると思うんですけれども、英語による新しい方式、面接というんでしょうか、これは県下の中学校のいろんな英語教育のレベルもあると思いますので、非常に難しい問題をはらんでいるなと、私はそう思っているんですけれども、率直に改善すべきものは今後とも改善させていくべきだと。結果が発表されますと、私も多分そうだと思うんですけれども、成功すれば今度の試験はよかったなと、失敗すればあれはだめだったなと、こういう評価もあるんですけれども、教育委員会というのは中立、公平に、冷静にひとつ検討すべきものだと思います。
 それでは続いてお伺いしますけれども、今回の入学試験で最も変わったと思うのは、推薦制の廃止であります。従来は推薦制である程度の入学が認められる。これはもう言うまでもございません。1日だけのテストでは人間評価はなかなか難しいと。中学校3年間のいろんな努力の成果、あるいは行動というものも評価しながら入学を認めていこうという、私は一つのこれはすばらしい制度だったと思うんですが、今回からこれが廃止されたということなんですが、今回の2日間のテストで、これを廃止した意味というものは十分達せられているんだろうかと。推薦制のあり方についてはいかがでしょうか。

〇佐藤教育長 今回の入学者選抜学力検査の見直しをかけて実施するに至った経緯といたしましては、これまで相当数の時間を要して検討を加えながら、かつまた、多角的な側面から検討を加えて今回実施に踏み切ったということで、もちろん保護者の皆さん、あるいは当然対象となる児童生徒にもその趣旨の徹底を図りながらやってきたわけでありますが、この推薦制についても学校側の理解を得ながら実施すると。
 眼目といたしましては、高校入学者の全員が基礎・基本という学力をきっちりと身につけているという、その考査をするという、今まで推薦ということになりますと一部試験科目が免除されるということになりますけれども、それを一様にしようということで、これもなかなかメリット、デメリットがございますが、公正性の原則を貫くということもありますし、そういうことで始めたものであります。これにつきましては、そういう経過、経緯のもとに新しく踏み切ったものでありますから、なかなか即改めるというか、そういうことにはなりませんが、だからと言って、この点についてよかったのかどうか、その辺の検証あるいは改善点はないのか、その辺も十分に今後も引き続き深めながらやっていく必要があるだろうと、こう思っております。

〇吉田洋治委員 私は特殊学校費のうち、養護学校費に関連いたしまして質問をさせていただきます。
 教育委員会では昨年の12月、岩手県特別支援教育推進プランを策定いたしました。盲・聾・養護学校に看護師を配置する体制をさらに充実するなど、文字どおり支援内容が計画されておりまして、私は大変心強く思うと同時に敬意を表するところでございます。
 まず、第1点として、病弱養護学校に関してお伺いをしたいわけですが、その一つは釜石養護学校についてでございます。同校は昭和51年に創設いたしましたが、当時は9学級ということでございました。今日では小・中・高あわせまして18学級と、ここも倍増いたしました。当然、学校の狭隘化、そしてまた老朽化が著しい現況でございます。用地問題など、これまでも釜石市当局とも折衝してきた経過があるわけでございますが、今後の移転計画等を含めてその経過をお伺いしたいと思います。
 二つ目は、松園養護学校への高等部設置でございますが、このことにつきましては、昨年の9月定例議会におきまして請願が満場一致で採択をされたところでございます。同校では、中学部の卒業後病気治療を継続しながら、松園地区から青山町にあります青山養護学校の高等部に進学をするとか、また、障害の状態から通学が極めて困難な状況なども見受けられますが、ぜひ高等部を設置したいと。これも早目に高等部の設置をしたいと、こういう父兄を含めた関係者の強い要望があるところでございますけれども、これらの見通しもお伺いをしておきたいと思います。
 病弱児学校に関連しまして3点目ですが、青山養護学校の諸課題についてでございます。
 同校は、県内養護学校の中で唯一高等部が設置されております。これも昭和51年に開校いたしました。現在、本校の全在学児童生徒数は65人、病弱児生徒、これは訪問教育も含めまして、そのうち26人が親元を離れまして国立病院等に入院生活をしながら学んでいると、こういう状況でございます。この盛岡病院では、昨年4月から小児科常勤医師が不在となりました。あわせて、この2月、小児科の第7病棟が閉鎖をされるという事態になりまして、中学部、高等部の生徒はにっちもさっちもいかない状態になっているのが現状でございます。そうした中で、まず一つは、小児科医師についてですが、今、岩手医大から週2日――午前とか午後とか――の非常勤として訪問診察が行われておりますが、これらが今後継続可能なのかどうか、平成16年、平成17年には研修医制度が導入されてくると、そうした場合にこの訪問診療が閉ざされる可能性もあるやに仄聞をするわけでございますが、その点について状況をお知らせください。
 二つ目は、県教委あるいは学校当局におきまして、小児科医師の派遣について厚生労働省にも非常に強く要望活動を展開していると聞いておるのですが、それらの経過と今後の見通しにつきましてお伺いしたいと思います。

〇石崎学校教育課長 病弱養護学校につきまして3点御質問がございました。
 まず、第1点目の釜石養護の件でございますけれども、釜石養護学校につきましては、昨年12月に県教委で策定しました岩手県特別支援教育推進プランの中でも、優先的に改善を進めるべき学校の一つとして位置づけまして、今後、力を入れていこうとしているところでございます。具体的には、今後、本県の盲・聾・養護学校全体のあり方、また、その配置をどうするかというような検討を来年度から着手していこうということを予定してございまして、その中で全県的な観点から取り扱っていこうという形で進める予定でございます。
 また、同校の状況等につきましては、釜石養護学校が存在しております地元の釜石市の方とも情報交換はこれまでも密接に行ってきたところでございまして、同校の状況、それから改善の必要性につきましては釜石市の方も御理解をいただいていると理解してございます。今後いろいろと検討を進めていく必要はあるわけでございますが、釜石市との情報交換につきましては、今後も密接に行っていきたいと考えてございます。
 2点目の松園養護学校の高等部についてでございますけれども、現在、松園養護学校におきましては、中学部を卒業した後も高等部の教育を希望する生徒さんがふえてきております。これらの生徒さんの中には、障害の状況等から、高等部があります青山養護学校までの通学が困難な生徒さんもいらっしゃるということから、やはり松園養護学校の方で引き続き高等部教育を受けられるようにする体制の整備が必要ではないかと考えている次第でございます。
 このような状況から、平成16年度におきましては、青山養護学校高等部の訪問教育学級の整備を進めまして、松園養護学校中学部を卒業しました障害の重い生徒さんが、引き続き松園養護学校の方で高等部の訪問教育を受けられるようにしたところでございます。また、この訪問の回数につきましても、週3回ということから、週5回行うということに拡充をいたしたところでございます。本校への高等部の設置につきましては、現在の敷地と校舎のままでは高等部教育を行うに十分な教室数を確保することがなかなか難しい状況があることから、今後どのような方法があるかについては検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 3点目の青山養護学校の件でございますけれども、まず、盛岡病院の方の非常勤の小児科医師の現在の診察の継続等についてでございますが、青山養護学校の方を通じまして、盛岡病院について今どのような状況であるかということをこのたび確認をいたしましたところ、現時点では、現在、岩手医科大学の方から派遣されているようですけれども、現在派遣されている非常勤の医師については、今後派遣がどこまで継続されるかについては、まだ明確にはなっていないというような回答をいただいているところでございます。また、あわせて、この研修医制度の導入によってどのような影響があるのかについても、実際のこの研修のカリキュラムの方の詳細がまだ把握できていないということもありまして、こちらの方につきましても現時点では確たることは申し上げられない状態にあるということでございました。
 それで、厚生労働省等への要請につきましては、昨年11月に教育委員会の担当者と青山養護学校の校長と2名で厚生労働省東北厚生局の方に出向きまして、現在の学校の置かれている状況を説明いたして、医師の確保の要請は行ったところでございますが、東北厚生局の担当課長の方からは、小児科医師の不足というものは全国的な問題でもありまして、盛岡病院の医師の確保も困難だということで、今後は、ほかの小児科医師がいる病院と連携を図りながら対応していくことが現実的ではないかという回答をいただいているところでございます。
 現在、盛岡病院の方では、松園にありますもりおかこども病院と病院間で連携をいたしまして、今後、入院しながら通学が必要であるという生徒さんにつきましては、もりおかこども病院への受け入れ対応が可能であるという状況になってございます。今後は、そのように、入院をしながら通学される生徒さんにつきましては、もりおかこども病院の方で入院をしていただきまして、そちらから青山養護学校の方に通っていただくということで対応は可能だということになってございますし、現在6名ほど盛岡病院に入院しておりますが、これらの生徒さんにつきましては卒業までは盛岡病院の方で現在入院したまま対応することは可能であるし、対応するということのお言葉もいただいているところでございますので、当面は大丈夫ではないかと認識してございます。今後とも病院との連携とか、さまざまな情報収集に努めながら、青山養護学校に通う生徒さんが安心して教育を受けられるように努力してまいりたいと考えてございます。

〇吉田洋治委員 松園のもりおかこども病院から青山養護学校に通っている生徒たち6人いるということなんですが、やはり相当重い病弱児童生徒でございますので、毎日のことでございますからタクシーを活用しているということもございまして、通学手段としてタクシーということでございますが、それにつきましてもいろんな支援体制がとられていると聞いておりますけれども、そうした支援体制についてもさらに考慮してほしいと思うところでございます。
 そして、青山養護学校の今後のあり方、特に国立病院には一番多い時期で小児科医が5人おりまして、その先生方が、青山養護学校で学ぶ子供たち、病院に入院しながら生活をしておったわけでございまして、今日的には週1日、もといたお医者さんが参りまして子供たちの就学相談とか、いろいろ今後の進路等も含めて相談に乗っているということでございますし、今、医大からお二人、週2日間行っているということでございますが、非常にそうした医師の配置状況というのが極めて不安定で不確定なわけでございますね。したがって、学校そのものもそうですし、そこに預けている親御さんたちも、子供たちのことですから、小中高と一貫体制が敷かれている学校だけにそうした不安があるわけなので、今後の展望もきちっと見きわめていかなければならないと思うのでございます。その点についても御見解があれば後でお伺いをしたいと思います。
 それから、釜石、松園のことについては十分に理解できました。積極的な対応をお願いしたいと思います。
 それから、もう一つ、知的障害の養護学校に関連しましてお伺いしたいのですが、みたけの養護学校もこれまた昭和55年に建設されまして、これも当時は13学級だったものが今日では25学級と、ここも倍増しているところでございます。そして、御承知のとおりプレイルームとか図書室等々も一般教室に活用しながら、いろいろとやりくりしながら学習をしているのが現状でございまして、しかも、あそこの駐車場なども毎朝非常に混雑をする駐車場と化しておりまして、大変な状況が毎日見受けられるわけでございます。同時に、中等部卒業後は進学希望者につきましては盛岡高等養護学校に進学しておりまして、学級増も図りながら盛岡市内の、知的障害の高等部はここだけでございますから、そうした対応をしてきているわけでございますが、みたけ養護の中等部の卒業生の今後のいろんな予測をしていきますと、やはりみたけ養護にも高等部があっていいと、あそこも小中高一貫体制でやっていいのではないかという希望が非常に強くございます。同時に、あそこは都市計画絡みで道路問題などもございますが、また、あそこにはみたけ学園も併設されまして、これは保健福祉部の方ともかかわりがありますけれども、そちらとの連携もいろいろとっていると思うのでございますが、これらの施設、学校等も含めての今後の展望について見通しがあればお伺いをしておきたい。

〇石崎学校教育課長 まず、今お尋ねがございましたみたけ養護学校への高等部の設置等についてでございますが、みたけ養護学校の狭隘化が進んでいるということは我々も十分承知しているところでございまして、岩手県特別支援教育推進プランの中でも、みたけ養護学校につきましては、平成17年度にかけまして、移転あるいは新築ということも視野に入れて、どのようにしていくのかということについて総合的な調査、研究を行うこととしているところでございまして、その中で高等部の設置についても、どうしていくかについて検討していくということとしているところでございます。これまでも保健福祉部との関係につきましては、このプランを策定する段階でも密接に連携を図ってきたところでございますし、これから総合的な検討をしていく中でも情報交換を密にしながら、連携を深めて検討も一緒にやっていきたいと考えてございます。
 青山養護学校につきましては、保護者の思い等々いろいろとあろうかと思いますので、いずれにしましても青山養護学校に通学する生徒たちが安心して通えるように努力をしてまいりたいと考えてございます。

〇及川幸子委員 船越教育委員会委員長の演述をお聞きいたしました。その結果、一つ気になったことがございます。今まで私この演述、何回も経験して読ませていただきましたが、心をはぐくむ教育がいつの間にか消えたということでございます。委員長がお読みになってから私3度ほどまた続けて心の中で字を追ってみましたが、1カ所だけ2ページに心の教育相談員という、ここの1カ所しか載っていないんですが、なぜ心をはぐくむ教育が今まで載っていた部分が消えてしまったのか。やっぱり私は心の教育、はぐくむ教育こそが原点であり、それによってすべてスポーツ振興、文化の振興、生涯学習の推進、成績向上ももちろんですが、原点はやっぱり心をはぐくむ教育ではなかろうかと思います。と申し上げますのは、大変児童虐待ということ、親が自分の子供の命を落としてしまう、そういうことが続いております。私が一般質問で申し上げてから、また1カ月のかわいい幼児を父親の手であやめてしまった事件がありました。後を絶たない状況でございます。これは大きくなってからこうだああだということよりも、幼児教育、小さいときの教育こそが大事でなかろうかと思っております。ですから、保育園、幼稚園、そして小学校の低学年のその教育こそ、心をはぐくむ教育こそが大事にされていくべきと思われますが、その点ちょっとお聞きいたします。
 そして、3ページですが、本県には学校、家庭、住民等が総ぐるみで地域の教育課題の解決に取り組む教育振興運動が40年にわたり展開されているということですが、これが果たして生かされているのかどうか、そのこともお伺いしたいと思います。もちろん学校教育だけがどうということは申し上げません。家庭教育もさることながら地域の人たちの総ぐるみの展開、そういうことでその辺がどうであろうか、もう一回教育長に心をはぐくむ教育について申し述べていただきたいと思います。

〇佐藤教育長 ただいま、教育委員長演述の中に心はぐくむ教育が抜けているということで、私ちょっと比較表があれで、気持ちといたしましては、まさに今、委員の御指摘があったとおり、特にもむしろその心をはぐくむ教育が大事だということが今まさにその声が高まっているわけでありまして、私ども教育委員会におきましてもこれには心を痛めながら、同時に、これをどうしてさらに一層子供たちにそういう気持ちを植えつけるのかという観点から、内部でも検討を加えているわけでありますが、委員長演述の中にその項がないということでありますが、行間の中にはそういう気持ちが十分に伝わるのではないかと考えております
 それから、一方では地域の地域力といいますか、地域の持つ教育力、これは今お話しありましたように、まさに学校と、それから地域と家庭、これが一体となってはぐくむべきものということで、今40年を迎えようとしている教育振興運動は、まさにこの理念に沿った形で、これまで脈々と本県の各地域で進められてきたものでありまして、これは今現在も実践区と申しまして、この数が相当数に上る。今700を超える実践区が実際にいろんな形の取り組みをしている。それは、例えば幼児から、それから青少年に至るまで一緒になって、そしてそれを指導する御老人もいたり、地域が一体となった形で進めている。その例として、例えば読書活動であるとか、あるいは環境学習であるとか、あるいはもちろん体力づくりのためのものとか、そういうかなりの分野にわたる活動がなされております。40年ということもありますので、ここでもう一度それを見詰め直して、さらにこれをどういう形で引き継ぎ、維持し、あるいは盛り上げていくか、これは平成16年度の課題だと考えております。

〇及川幸子委員 40年の取り組みをお聞きしたところですが、要するに、学校においてはとてもいい子である。成績もよくて、掃除もする。しかしながら、その反面、友達に対してはどうなのか。基本が全くなっていない子供、それを教え込むのがやっぱり学校である、そして家庭であると思うのですが、それを発見するのがなかなかできないと思うのですよね。その部分でどうやって子供と接していくか。やっぱりそうなりますと30人学級の先生が生徒に一人一人目を届ける部分が重要視されてくると思うのですが、今いろいろなことを述べられております。学校、地域、家庭と連携を組んで、それはずっとずっと前から聞かれていることですが、なぜそれならばこのようにいろいろな事件が起きるのだろうかと思うわけです。やっぱりこの心をはぐくむ教育の部分が余りよくなされていないのではないかと思うのですが、私、教育委員長にお聞きしたいんですよ。よろしくお願いします。

〇船越教育委員会委員長 ただいま、心をはぐくむ教育、それから本県が全国に先駆けて立ち上げた教育振興運動、これと二つの問題に絡めて心の教育、これでいいのかというお話でございますけれども、一番心の教育というものは、学校教育という中で果たし得る問題とそうでない問題があると。学校教育というものは学習指導と、それから生活指導の両面もやっぱり担っております。しかし、それは学習活動に関係のある部分として生活指導という部分を担うわけであって、本当の意味の生活指導、その中ではぐくまれる心の問題というのは、やっぱり家庭であり地域社会の協力によらないと果たし得ないものだと思っています。残念ながら日本の教育制度の中ではそのあたりが、みんな協力して一緒にやっていきましょうやということで、仲よく一緒にというシステムでどうも動いていて、そこのあたりがある意味では、どちらが本気になってやらなければならないかというあたりの焦点をぼかしている問題が、根っこはそこにあると思っています。その根幹はやっぱり家庭と地域社会、特に家庭教育というものを地域社会の中で、みんなで助け合いカバーしていくという、コモンズと言いますが、私は共という言葉を使っていますが、地域社会が共で、コモンズで、コミュニティーとして人を支えてきた教育の仕組みというのは、伝統的に日本は持っていたと思うのですね。残念ながら明治以降の教育制度の中でその役割を学校と個人――個人というか、私という部分に分解してしまって、コミュニティーが持っていた教育機能というものがどんどん低下している。やっぱりそれを何とかして復活しなければいけないだろうと思っています。
 心の教育というものの問題も、そういう家庭、地域社会の中できちんとした取り組みができるように、それに学校も一緒になってやっていくという仕組み、これがようやく認識されて教育基本法の見直しの論点の中に、学校、家庭、地域、この三者連携の協力関係というものがやっと問題にされたというのではないかと思っておりますが、そういう意味では、岩手県が立ち上げた教育振興運動の理念というのはやっぱり立派なものだったと、これを何とか大事に育て、新しい体制、社会の変化に沿いながらこの精神を大事にしていかなければいけないと、私個人はそのようにとらえております。

〇及川幸子委員 外野席から家庭の問題だろうという声がちょっと聞こえてまいりましたが、もちろん学校だけに押しつけるつもりはございません。もちろん家庭の教育も大事だとは思っております。しかしながら、学校に通わせている時間が大変多いということ、そして友達と遊ぶ時間も大変多いということで申し上げました。やっぱりこれから教育委員長がおっしゃったような取り組みで積極的に進めていただければ、岩手県教育も間違いない道へ進むのではなかろうかと思っています。よろしくお願いいたします。

〇工藤勝子委員 児童生徒健全育成推進費についてお尋ねをいたします。
 心の教室相談員の配置事業ということです。今、学校に行けない子供たちの心の扉を開いてくれる相談員だと思っております。子供たちの多様な相談を引き受けて御苦労なさっている部分も認めたいと思っております。県内の公立中学校の59校に配置するというようなことをちょっとメモで知りました。その中で相談員の方々は多分複数の学校を受け持つ方もあると思うのですけれども、この人数と、さらに短期、例えば10日以内で学校に戻れる子供、また、長期に及んでいる子供、そういう人数をお知らせいただきたいと思います。
 また、この相談員の方々の、私、考えてみるところに、ほとんどが教職関係の方々ではないかと思っているんですけれども、その辺の方々も若干聞いてみたいと思います。
 また、なぜ子供たちがこのように現代の世の中で、豊かな世の中でこういう悩みを持っているのか、その原因、それが学校にあるのか、例えば先生にあるのか、お友達なのか家庭なのか、いろんな部分があると思うのですけれども、その辺のところをどう把握しているのかをお聞きしたいと思います。

〇戸羽生徒指導監 心の教室相談員ですけれども、今、委員お話しのとおり来年度は59校ということでございます。それで、59校はその学区といいますか、その地域の方をお願いしていますので59人と理解してもらって結構でございます。それで、今年度――平成15年度ですけれども、そういう方々の前職業といいますか、それは教育経験者も多いんですけれども、大体30人ぐらい、半分ぐらいが教員経験者、そのほかに非常勤講師とか事務職員とか、市町村の教育相談員、そういう経験をなされた方が務めてございます。
 それから、不登校の原因、今、委員が先生とか学校にいろんな起因する部分があるのではないかというお話ですけれども、私どもが問題行動調査で理解したところによりますと、やはり不登校のきっかけとしては友人関係の問題、あるいは学業不振の問題、そして病気をして学校にその後復帰できないとか、親子関係、家庭生活の変化等々と上がっては来るのでございますけれども、ただ、不登校の生徒一人一人を見ていった場合には、一つの原因というのはなかなか判別しにくいというのが現状でございます。さまざまな要因が重なり合って、それで表に不登校という現象になっているという状況でございます。

〇工藤勝子委員 わかりました。まず、なぜ聞いたのかということ、例えば相談員の方々がどういう職種の方かというようなことを聞きましたのは、私、食育も含めて教育関係者から、例えばNPOでいろいろ農業の部分で、遠野市にもあるんですけれども、山里ふるさとネットみたいな形でNPOでやっている方々、農業に携わりながら、グリーンツーリズムを引き受けながらやっている。そういう人たちに子供たちを預けるというんですかね、そういう方法。先生は先生の道があるでしょうけれども、そういう人たちにももっと開かれた、地域の人たちに、なぜ地域が入るのか、学校と家庭と地域が入るのかといったときに、もっとこういう子供たちを地域に返すというんですかね、そこの地域の人たちの、もっと農業の人たちでもいいのではないかと思うのですけれども、そういう考えはないでしょうか。そういう人たちにも相談員になっていただいて、子供たちに農業体験などをさせたり、動物に触れさせたり、もっと自然に返してやって回復をするような考えはないでしょうか。

〇戸羽生徒指導監 もともと心の教室相談員の制度が入ってきた背景には、いわゆる子供たちの居場所がないと、今、委員指摘のとおり、学校に行けば先生と子供しか向き合っていないという状況がございました。その中にやはり、本来的には地域の方をそこに一つ導入するといいますか、地域の方は特に教職の資格も必要ない、あるいはスクールカウンセラーのように臨床心理士の資格も必要ない、いわゆる教育に熱意を持って子供に愛情を向けられる方、そしてその地域の状況を知っている方であれば、どなたでも構わないという前提でございましたし、今、不登校、不登校と問題になっていますけれども、心の教室相談員の場合には不登校の専門的な知識が必要だとか、アドバイスする資格が必要だとかということは一切ございません。逆に言うと、心の教室相談員が不登校の指導をする立場ではないということなんでございます。ですから、子供たちの悩みとか、それから一緒になってそこで共有する時間を持つとか、あるいはいろんな勉強を見るとか、そういう一つのパートナーとしての存在として心の教室相談員が導入されたものでございます。ただし、心の教室相談員はあくまでも学校の中にそういう位置づけということでございますので、外にどうのこうのという部分は少し検討しなければならない余地はございますけれども、そういう趣旨でやってございます。
 もう一つ関連して学校適応相談員の場合には、本県独自でやっていますのは、それは家庭訪問等可能ですので、そちらの方ではいろんな体験はすることは考えてございます。

〇工藤勝子委員 先ほどの質問で、例えば学校に行けない子供の人数をという話をしたのですが、回答になっていないんですけれど、その辺は回答できないものでしょうか。
 それから、この間、遠野市でタウンミーティングが100回突破記念で開かれました。その中に金子国務大臣がおいでになりまして、県内から400人ほどの方々が集まって、現場の先生からの提言がございました。その中で先生は、地域の人たちに食育を含めてお願いしたい部分があるんですけれども、資格もなければ学校での支援をする何ものもないという悩みを打ち明けました。そのときに金子大臣は、教育委員会でもいいし校長先生でもいいから、その地域の先生として任命することができないのかと、そういう方法をとったらどうですかというような提案をその中でなされました。ですから、教育委員会としてもそういう地域の先生として任命するようなこともできるのでしょうか。
 それから、こういう心の相談員で、教室だけで悩みを聞いてあげて解決できて子供さんが学校に復帰したというそういう、数字的なことはわからないかもしれませんけれども、ある程度わかる部分でお知らせをいただければと思います。

〇戸羽生徒指導監 先ほど答弁しないで済みませんでした。不登校の数ですけれども、平成14年度の問題行動調査によりますと、年間30日以上欠席した小学生、これは225人で、前年度より28人減でございます。中学生では1、085人、前年度より65人減ということで、全生徒に対する比率は、小学校で0.27%、中学校で2.38%という非常にまだ高い水準で推移してございます。
 それから、不登校が心の教室相談員によって改善された事例はないのかということでございますが、不登校が解消したのは35人ございました。また、好ましい変化が見られた者も69人ございました。平成14年度の実数でございます。

〇工藤勝子委員 もう一点お聞きしたいと思います。高等学校の新規卒業就職者支援事業についてお尋ねいたします。
 非常に厳しい社会情勢の中で、会社等も倒産をしている方もあるわけですが、非常に就職率も厳しいのではないかと思います。でも前年度よりは良好だという話も聞いております。今は好き嫌いしていられないんだから何かどこかに就職しなさいということもあるというような話を聞いたんですけれども、子供が不本意ながらも就職をした後、その職場からすぐやめる子供たちもいるわけですけれども、そのやめた子供たちへの支援はどうなっているでしょうか、お聞きしたいと思います。

〇石崎学校教育課長 いわゆる離職者に対する高等学校のケアといいますか、サポートの御質問だと理解いたしますけれども、岩手労働局の資料によりますと、平成11年3月に本県の高等学校を卒業いたしまして、その後3年間で離職した生徒といいますか、方の率というものが51.2%であるという結果が出ているところでございます。離職の理由についてはいろいろある。仕事が自分に合わなかったということとか、あるいはほかにやりたいことがあったというようなことがあるようでございますけれども、いずれ高い水準にあるということでございます。これらの生徒に対しましては、卒業したから学校は何も支援しないというわけではございませんので、やはりある程度は学校の方に何かあれば相談はしてほしいということで窓口を開いているといいますか、そういう連絡は卒業した後も続けておりまして、いわゆる就職した先に長く定着するような指導も行っているということでございます。時折やはり上京するような生徒もいて連絡がとりにくいという生徒もいるようではございますけれども、学校としましては卒業した後も一定程度は定着の指導、あるいは離職した生徒に対しましてはその後どうするのかということについては、ハローワーク等とも連携しながらケアに当たっているというところでございます。

〇飯澤匡委員 まず、大きく2点についてお伺いをいたします。
 昨年の11月20日に岩手県、福岡県、三重県、宮城県、和歌山県の5県が国際的に活躍する人材を育てるために、中高一貫全寮制のリーダー養成校を文部科学省の管轄外の株式会社方式で設立することで合意したというようなことで構想をまとめて、昨年度中にその設立準備委員会とカリキュラム検討委員会を発足させ、その具体的な計画をまとめるということの報道がなされておりますが、この状況についてどのように現在なっておるのかお知らせを願いたいと思います。
 それから、大きな2点目で、まとめていきますけれども外国青年招致事業費について。これは前から指摘をしておったんですけれども、特に市町村の教育委員会で管理する。管理掌握が市町村によって、県の指導はなされているという今までの答弁の中でありましたけれども、かなり異なるというような実態を聞いております。資産を生かし切れていないというような状況は非常に残念な状況でありますけれども、県の指導の状況はどのようになっているのかお尋ねをいたします。
 それから、関連して、このALTの事業については昭和62年から始まって、話す英語についてはある程度機運の醸成が高まり、実力がついたかどうかは、これは定かではありませんけれども、ある程度効果が上がっていると思います。高校入試の方でも表現力を重視したり、そのような傾向が続いておりますが、しかしながら、肝心な基本的な読み、それから書くという実力が著しく低下しているというような指摘もございます。そのような状況を、あわせてどのように把握していますでしょうかお知らせ願います。

〇小原教育次長 1点目のお尋ねですが、中高一貫の株式会社による学校というお話でしたけれども、確かに地方分権研究会では、当初研究に入ったころはそういった株式会社による学校の設置も、この研究会で研究していくというようなことでテーマに取り上げた経緯はございますが、その後、いろいろ各県の議論の中で別な方向に行きまして、現在、16年度から実施しようとするのは、日本の次世代リーダー養成塾というものでございまして、これを2週間ほど福岡県内で開催するというのが今、分権研究会の取り組みでございます。それでは、日本の次世代リーダー養成塾についてお話し申し上げますが、この塾は全国公募枠として80人、それから、この分権研究会の構成県、ここから80人ということです。この構成県の80人の中に岩手県からも10人を派遣するというようなことになっておりまして、全体で160人を定員として実施するということでございます。内容は、県立、私立を問わず、高校生、専修学校在籍者等を対象とするというものでございます。現在、細部を詰めていく必要があるのですが、現時点ではこれを主催する事務局と関係県で実務レベルの調整を進めております。本県から派遣する10名の高校生につきましては、4月からの募集開始に向けまして高等学校等に説明周知を図っておりますし、私立学校の方も対象になるものですから、そちらの所管である総務部等とも連携を図りながら、具体的に詰めをしているという段階にございます。

〇石崎学校教育課長 市町村が配置しておりますALTについての御質問でございますけれども、ALTにつきましては県が雇用したALTと市町村が雇用したALTも含めまして、外国語指導助手が岩手県に来県した際に受け入れのための準備のための会議を開催しているところでございまして、その際には労働契約や就業規則などの内容について留意点を説明するということとあわせまして、このALTを英語指導だけではなくてさまざまな場面で活用して、いろいろな日本の体験をさせてやってほしいとか、あるいはALTもお客さんではありませんので、責任をどんどん持たせていこうというようなことなど、ALTのその活用上の留意点についても市町村の方に説明をして指導しているという状況がございます。
 また、ALTを実際に教育現場で活用する際に、指導上の面におきまして、やはり英語の言語活動を効果的にするために、ALTをいわゆるチームティーチングなどで積極的に活用していこうということであるとか、あるいは教師自身の英語の能力というものを高める機会として積極的に活用するようにということで、県の教育委員会の方では市町村教育委員会の方を指導しているというところでございます。ただ、やはり市町村教育委員会が雇用しているALTでございますので、それ以外どのように使うかにつきましては、原則として市町村の方でその活用方法を考えていただくということでございまして、いずれにせよせっかく来ていただいているALTでございますので、いろいろな場面で有効に使っていただくことについては、今後とも県教委といたしましても指導してまいりたいと考えてございます。
 それから、岩手県の英語の状況ということでございましたけれども、委員が御指摘ございましたように、昨年10月に実施いたしました学習定着度状況調査の結果によりますと、英語については特に書くという分野について正答率がよくないという傾向が見られているということで、単語であるとか、あるいは文章であるというものを正しく書きあらわす力が十分身についているとは言えない状況にあるというところでございます。聞くことの領域につきましては、こちらが目安としておりました85%の正答率を上回っているという傾向が見られているところでございますが、こちらだけではなくてやはり読むこと、あるいは書くこと、そのほかに話すこと、聞くことという4領域がやはり英語の力を見る上で大事であるという認識に立って、学校でもこの四つの領域のバランスがとれた指導をするように、今後とも指導していきたいと考えておりますし、研修の内容等も改善をいたしまして充実をしていきたいと考えてございます。

〇飯澤匡委員 前に質問したのと全く同じ答弁なんですよね。それで、要は、市町村の教育委員会ではやはり生かし切れないというのは、一つはマンネリ化があるんだと思うのですよ。前任者がこうやったからこうやってしまうという、そういうような企画力が非常に足りないような気がします。これはその人材にもよるんでしょうけれども、ただ、悪いことばかり言ってはなんですけれども、高校の場合、学校張りつけですからこれは学校の校長先生のいろんな考えのもとで、さまざまないろんな事例も聞いております。私の提案ですけれども、特に教育委員会に預けないで複数の学校単位のような人の張りつけをするというのも考えてもいいのではないでしょうか。どうも教育委員会の中の体制自体が非常にうまく機能していないような私は気がいたしております。コメントがあればお知らせ願いたいと思います。
 それから、5県のリーダー養成校については構想倒れに終わらないように、これからも注視してまいりたいと思いますけれども、関連して今年度の事業の中に小学校の英語教育事業費というのもございます。これは国際理解教育の一環としてなるわけですが、その指針としてやはり学級の担任を中心にしてやるべきというようなことが記されておりまして、まずこの点について年間の活動計画、それから外部の人材の活用、それから認定、これは外部の人材の活用に含まれますけれども、認定の指導者等のその人の張りつけ、このようなことをどのように今、計画なされておりますでしょうかお知らせ願います。

〇石崎学校教育課長 予算にものっておりますが、小学校におきます英語教育のための事業の予算についてでございますけれども、こちら、先ほど小原次長からも説明がありましたが、地方分権研究会のプロジェクトの一つとして行う事業でございます。こちらにつきましては、総合的な学習の時間というものにおける国際理解教育の一環といたしまして、参加いたしました各県で、共同で開発いたしました教材を使いまして、小学校3年から小学校6年までそれぞれ年間約30時間程度の時間を英語活動に当てまして、よりよい英語の取り扱いということについての研究をしていくというものでございます。
 現在、岩手県教育委員会では総合的学習の時間については、あくまで学校がその内容を決定すべき時間でありますから、市町村教育委員会を通じましてその実施について希望を募っているという段階でございまして、今後、実際に希望のあった学校の中から調査研究校を指定いたしまして研究を進めていこうと考えているところでございます。その進め方につきましては、それぞれ学校での取り組みがあろうかと思いますけれども、基本的には開発した教材を中心に、また、地域の中にいらっしゃいます英語の堪能な方々の協力も得ながら、また、場合によっては小学校と中学校が連携した上で、中学校の先生の指導も受けながら、いろいろな形があろうかと思いますが、多様な形でこの事業を推進していきたいと考えているところでございます。

〇飯澤匡委員 最後になりますけれども、このような事業をなさること大変結構ですが、指摘したように、やはり肝心な、特に書きの部分、実力が低下しているという部分は、これは見逃せない部分だと思います。特に小学生については英語になれるということが中心でしょうけれども、小・中、この部分についてはやはり連携をとりながら、どの部分についてはやると、この部分については中学校だというようなことを、やっぱり改めて基本的なものはつくるべきではないかと私は思います。外部からの指導者ということになりますと、やはり教育委員会のALTということになりまして、これがまたスケジュール等やはり混乱を来していると、また、混乱を来すおそれがあるというような可能性がありますので、教育のそのカリキュラムの中身、そしてまた、人の配置、これも一体的に、パーツ、パーツでなくて、そのような形で県の教育委員会の方でも指導してはいかがかと思いますが、最後にその考え方を聞いて終わりにします。

〇石崎学校教育課長 小学校の英語のプロジェクトもそうでございますけれども、やはり英語については四つの領域がバランスよく育成されると、それぞれの基礎・基本が定着するようにするという指導をすることが何よりも重要だと考えてございます。そのためにはいろいろな、各学校でその学校に在籍している児童生徒の状況に応じた多様な取り組みがなされることが重要であろうと考えておるところでございまして、その際にはやはりALTの派遣についても、県の雇用しているALTについては事務所に配置しているところでございますが、それらについてもよく調整をとって各学校の取り組みを調整したいと考えますし、また、それぞれ同じ地域にある小学校、中学校というものが連携をいたしまして、その地域にいる児童生徒というものを連携して、小・中であれば9年一貫を見通してどのような力を確実に身につけていくかということについては、よく考えて、実際の指導、それから教育課程の改善に結びつけていくように努力させるよう指導してまいりたいと考えてございます。

〇吉田昭彦委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時54分 休 憩
   午後1時4分 再 開

〇照井昭二副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。

〇佐々木順一委員 2点簡潔にお伺いいたしますが、まず第1点目は県立高校後期マスタープランについてでありますが、分校の四つの廃止、あるいは2学級未満の原則統合などを中心とする、いわゆる素案を県教育委員会は決定をいたしまして、今各地域、関係機関などに説明をされているところでありますが、まず第1に後期マスタープランのねらい、そしてまた分校の廃止それから2学級未満の原則の統合などの判断理由、考え方につきましてまずお聞かせをいただきたいと思います。

〇鎌田高校改革推進監 後期マスタープランについてのお尋ねでございますが、このねらいでございますが、まず一つは、今日の社会の大きな変化に対応できるよう、基礎的、基本的な知識や技能を確実に生徒に身につけさせるとともに、みずから学び、みずから能力を高める自発的な精神を育て、一人一人の個性を生かし、その能力を伸長させる教育の一層の充実を図ろうとするものであります。このため、本県高等学校教育をこれまで以上に、多様で柔軟性に富んだものとして活力ある学校となるよう、その整備を進めるところでございます。
 また、基本的な考え方としまして、私どもは1学年の規模が、前期から引き続きでございますが4から8学級程度としておりまして、これにつきましては、教育課程や教員配置等の面で、少人数指導や習熟度別指導の導入が容易であること、あるいは進路希望に対応した幅広い科目が開設できることなど、きめ細かい学習指導あるいは進路指導が可能になることを根拠としております。また、部活動などでも、生徒の希望に応じ幅広い活動が成立することなど、活力ある環境の中で、社会性や協調性が培われることなどの機会を十分に確保してまいりたいというところから考えておるものでございます。

〇佐々木順一委員 今の話では、分校の廃止あるいは2学級未満の原則統合ですか、要するに規模が拡大、背景には財政難ということもあるかもしれませんが、今の話を聞きますと、何といいますか、統合しなくても、分校でもできるようなねらいではないかなという、私はそういう解釈をいたします。なぜ統合しなければならないのかという、そこと今のねらいとが一致しないところがあります。もし、違うということであればその辺は御見解を賜りたいと思いますし、もう一つ、今パブリックコメントあるいは説明会をやっているわけでありますが、特にも14校程度、統合のおそれがある高校、そこを抱える首長さん方からはいろんな御意見があると思いますが、特に首長さん方の御意見、どういった御意見が寄せられているのか、説明会の内容、また、パブリックコメントの寄せられた意見、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

〇鎌田高校改革推進監 先ほどの続きでございますけれども、確かに地域の比較的規模の小さな学校におきましても、さまざまな工夫をされてこれまでも教育活動に努めてきたわけでございますが、しかしながら、これらの学校にありましては、生徒数の減少と小規模化が一層進むことなどによって、生徒にとって活力に満ちたよりよい環境が維持できなくなるというようなことが懸念されているところでございます。したがいまして、何よりも生徒にとってよりよい学習環境を構築するという視点から、先ほど御指摘ありましたようなマスタープランの基本的な方針を策定したところでございます。
 それから、パブリックコメント等今行いましたが、これについてでございますが、まず概況でございますけれども、これまでパブリックコメントでは41団体とそれから291人の方々から意見が寄せられておりました。それからまた、県内9カ所での意見を聞く会等も実施しましたので、そこからもアンケートあるいは発言等がございましたので、その主な内容でございますが、特に今首長さん、市町村の関係の方々というお話がございましたけれども、今集計中でございまして、内容につきましては一般的な意見を御紹介いたしますが、まず寄せられた意見でございますが、統合に伴う生徒と保護者の負担をどう考えるのか。あるいは、2学級校については画一的な統合は行うべきではない。小規模校は地域の活性化を担っており、統合は過疎化を一層進めるものである。あるいは、少子化や多様化、個性化の中で、活力ある環境で生徒を育てることが必要である。計画策定に当たっては、地域との話し合いを行い、その理解を得て進めることなど、多くの意見や要望が寄せられたところであります。
 なお、今後、市町村に出向いての説明会、あるいは先ほど御指摘の市町村長さん方との話し合い等の場も設定しながら意見等をお聞きして、意見交換をしながら策定に向けて進めてまいりたいと考えております。

〇佐々木順一委員 総じて各首長さん方の御意見は、直ちに賛成をしづらい内容のものと、こう理解を今いたしました。それで、教育の向上の観点のねらいということを先ほどお聞きをいたしましたが、今後いろんな地域の御意見とかあるいは首長さん方の御意見、また、御父兄やら保護者やらの御意見を聞いて、今のところは素案だと思うので、それを最終的には成案に固めて県教育委員会の責任で原案を公表することになろうと思います。それで、その時期が大体何月になるのかということと、もう一つは、学校といえども各地域では、特に小さなまちでは一つの公共の、地域の中核的拠点としてある意味では地域の活力の中心にもなっていると思います。もう一つは、その学校のこれまでの取り組みが地域に溶け込んでおりまして、まさに地域一体となって学校が存在していると、そういう側面もあろうかと思います。こういった観点が、今後、原案を、成案を固める場合の検討の中で、そういった要素が取り込まれる余地があるのかどうか。要するに、今後意見を聞いていくということでありますから、多少の修正もあり得るということだろうと思いますけれども、そういった地域の活性化の側面、活性化ということで教育を議論するのは直接的には当たらないと思うんですが、しかしながら、現実的に地域に溶け込んでいるわけでありますので、そういった要素が今後の原案を固める場合、一つの検討の対象になり得るのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。

〇鎌田高校改革推進監 まず、地域との一体化あるいは連携というお話でございましたが、私ども、先ほども申し上げましたように市町村に出向いての説明会等も計画しております。今お示ししておりますのは、ちょっと前後しますけれども、後期マスタープランということで、後期計画を策定するための基本的な方向性を示したものでございますので、説明会等で御指摘のいろいろな意見を踏まえまして、今後計画の案を16年度の早い時期に策定し、公表してまいりたいと。まず、案を策定したいと考えております。さらに、その案につきまして――その案といいますのは、具体的な学校の別の整備計画とお考えいただいて結構だと思いますが、これを公表しまして、マスタープランと同様にパブリックコメント、あるいは意見を聞く会の開催など、地域や関係者に十分説明を行い、また、そこでその意見を聞きながら、その上で本計画を策定してまいりたいと考えているところでございます。

〇佐々木順一委員 早い時期って、何月ごろということはちょっと今は答えられない状況なんでしょうか。
 それからもう一つ、原案をつくるに当たって修正の余地が、当然御意見を拝聴してまた案を固めていくというような理解をしましたが、学校が万が一地域からなくなることによって、今まで二、三キロあるいは1キロ以内で通えた高校が、統合によりまして10キロあるいは15キロ、あるいは保護者にとっては交通費を含めまして、あるいは地域事情によってはどこかに仮住まい、下宿をしなければならないと、そういったことで保護者の経済的な問題も当然考慮しなければならない要素ではあろうと思います。そういったことを考慮されながら、今後原案をつくっていくだろうと思いますが、それを発表後、さらにまたパブリックコメントをやってまた地域の御意見を聞くことになるというような今のお話でありましたから、それはまた修正の余地がそこにもありますよということでよろしいんでしょうか、理解とすれば、そこを確認させていただきます。時期と。

〇鎌田高校改革推進監 時期につきましては、ただいま申し上げましたように何月というところまではまだ申し上げられませんけれども、なるべく生徒のためにも早い時期に案を公表したいと考えております。
 それから、先ほどの地域から学校がという、統合された場合に経済的とかいろいろな面が出てきますけれども、そのような再編に当たりましては、生徒の通学の便とかあるいはその考慮が必要かと思います。その実態について十分把握しながら計画を策定してまいりたいと思いますし、それから先ほど申しましたように、マスタープランと同じようにパブリックコメントや意見を聞く会を開催して、計画に向けて議論を深めながら、再度県民の皆様の意見を聞きながら計画の策定を推進してまいりたいと考えております。

〇佐々木順一委員 次にもう一つお聞きいたしますけれども、公立高校の生徒の大学受験の合否の提供についてです。これについてちょっとお聞きいたしますが、問題は、個人情報の提供、そしてまた、これによって金品を受領したと、この二つだろうと思います。それで、この一連の出来事が、例えば公務員法の信用失墜とかあるいは守秘義務に当たるかどうかちょっとわかりませんが、そういったもの、そしてまた県では個人情報保護条例があります。その中の目的外の利用または提供の禁止の原則に抵触するおそれはないのかどうか、その辺を教育委員会の御見解をお聞かせいただきたいと思いますし、新聞によれば何らかの提供を受けたとありますが、これはどこに帰属するんでしょうか。
 事実かどうかということを確認しないで申し上げるのもちょっと恐縮しますが、恐らく間違いではないと思いますから聞いたところでありますので、その二つをお聞かせいただきたいと思います。

〇石崎学校教育課長 ただいま御質問ございました県立高等学校におきます大学の合否情報提供の件についてでございますが、平成14年度の例で申しますと、34校でそのような在籍生徒の大学の合否情報を民間の教育事業者の方に提供していたということで、34校すべてをあわせると総額で95万円弱の手数料といいますか謝礼を受け取っていたという現状があったわけでございます。この件につきまして、個人情報保護の観点から申しますと、やはり本人の同意を得ていなかったと、手続上不備があったということでは、情報管理が適切になされていなかったということであろうと考えております。また、金品の授受の方につきましては、本来業者に情報を提出する際には、いわゆる業者の方の様式にのっとった形での作業といいますか、そういうものも発生していたというようなことでございまして、それに対する手数料といいますか謝礼というようなことであったと理解しておりまして、こちらの方は各学校の方では問題がないと考えていたようでございます。
 いずれにしましても、今回の事案につきましては、個人情報保護条例の観点から申しますと非常に遺憾な事案であったということで、県の教育委員会としましても2月26日に通知を発出いたしまして、今後は個人情報保護条例に基づいて適正な取り扱いをすることと、今後金品は受け取らないようにするということで指導を徹底したところでございます。

〇佐々木順一委員 いずれ、不適切だということは表現的には言えると思いますが、厳密に言うと、この条例上も確かに本人の同意があるときは、この目的外の利用の提供の禁止の原則には反しないわけでありますので、したがって、今後は生徒といえども15歳以上は判断能力があると思いますので、そういったことで、今後おやりになるのではないかなと思うわけでありますけれども、いずれ、一連の不祥事の延長線上にまた広い意味ではこれも不祥事だと思いますけれども、不適切という表現で処理するわけでありますが、ある意味では不祥事ではないかなと思っております。
 教育長は二度とこのようなことがないようにと、本会議で何度も答弁されてきておりますが、今や県民は二度あることは三度あると、そんな印象を持っているのではないかなと、こんな感じをしているところでもあります。
 この合否情報の提供は何といいますか、教育の向上のためにはある意味では必要なところもあると私は認識しますので、どうぞ条例の許される範囲、あるいは社会的通念上許される範囲の中でいろいろ知恵を出して、今後また情報の提供はどうあるべきか、その辺をよく知恵を出して今後取り組んでいただきたいと思うわけでありますけれども、最後に教育長、いずれさっき申し上げました二度あることは三度ある、またあるのかなというのが県民の今の偽らざる心境であろうと思っております。来年度、教育の信頼の回復のために、どういった決意で教育行政のリーダーシップをとっていかれるのか、その決意と見解をお聞きいたしまして、まだたくさんの委員の質問があるようでありますので、それをお聞きして質問を終わりたいと思います。

〇佐藤教育長 二度あることは三度あることが十分考えられますので、したがって、これが起きないようにするのが私どもの仕事だということで、徹底してこれを繰り返し自覚を促すということが大事だということで、継続的にそのような指導を徹底していきたいと、こう考えております。

〇高橋雪文委員 3点についてお聞きしたいと思います。
 まず第1点、247ページの体育施設費にかかわって御質問させていただきます。
 県の運動公園について、その耐用年数と今後の見通し、また、改築の時期も迫っているとお聞きしておりますけれども、こちらの方の検討内容について把握している部分をお知らせいただきたいと思います。
 二つ目、230ページの教育指導費について、高大連携推進事業費の具体的な事例及び高等学校新規卒業者就職支援事業の具体的な指導例と、あと雇用拡大についてどのような実績を持っているか、こちらを御説明いただきたいと思います。
 3点目、241ページの社会教育総務費の家庭教育推進費の内容についてお知らせいただきたい。そして、家庭教育の実態をどう把握されているのか、把握している部分をお知らせいただきたいと思います。

〇佐々木スポーツ健康課長 お尋ねのありました運動公園の耐用年数等についてのお答えを申し上げます。
 陸上競技場というとらえ方でお答えしてよろしいでしょうか。(高橋雪文委員「はい」と呼ぶ)
 県営運動公園の陸上競技場は、メーンスタンド及びトラック・フィールド部分は昭和41年6月に完成した施設で、37年ほど経過しておりまして、耐用年数については減価償却資産の耐用年数等に関する省令によりますと、メーンスタンド部分の耐用年数は45年ということで、あと8年ほどでございます。
 それから、トラック・フィールド部分は30年の耐用年数ということで、平成8年にその年月は経過しております。しかし、これまで本県で開催されますミニ国体、あるいは平成11年に行われましたインターハイの開催等によりまして、そういった機会をとらえながら必要に応じて改修を加えながら、改修総額費用はこれまで8億7、900万円ほどをかけてまいりまして、有効活用を図っているところでございます。
 今後におきましても、必要な改修等を加えながら、県大会規模の競技スポーツはもとより、スポーツ・レクリエーションなど幅広く県民に利用されるよう、良好な状態で維持管理をしてまいりたいと考えております。

〇石崎学校教育課長 教育指導費中の高大連携推進事業の具体的な内容についてでございますが、この事業につきましては、高校生の学力向上と進学意識の高揚を図るために、県内の高校生に大学の講義を受講する機会を提供するなど、高等学校と大学の連携を推進しようとすることをねらいとした事業でございます。
 今年度の具体的な内容につきましては、県内の4年制の5大学と高等学校、それから教育委員会の関係者によります高大連携推進会議という協議の場を設けまして、本年度といたしましては、冬季休業中を利用して、ウィンター・セッションというような高校生向けの公開講座を実施したところでございます。こちらにつきましては、岩手大学それから岩手県立大学、盛岡大学の3会場の方に高校生にその大学の方に来てもらいまして、そこで大学レベルの講義を提供するということを内容としております。
 具体的に今岩手大学では、心理学であるとか倫理学であるとか数学であるとか、各分野を広く学べるような教養の分野におきます講座、県立大学では各学部ごとに、例えば看護学部であれば看護学の基礎であるとか、ソフトウエア情報学部であればソフトウエアを実際に作成をしながら、ソフトウエアをつくるということは何であるかということを学んでいくであるとか、実習とか演習を交えた講座を用意していただきまして、盛岡大学の方では岩手の歴史とか文化をテーマにした講座などを、その大学大学の特徴を生かしたプログラムを企画していただきまして、最終的に県内各地の高等学校の方、56校から高校生292名が受講したということでございます。
 高校生の方からは、大学と高校の授業形態が違うと、授業時間も大学は50分であると。あるいは高校はどちらかというと先生が板書をしながら一方的に講義をするんですけれども、みずから考えながらノートをとらなければいけないというような授業形態の違いを体験することで、大学で充実した時間を過ごすためには集中力をつけなければならないであるとか、もっと今勉強しておかなければいけないとか、そういうような意識が芽生えておりますし、また、今回志望する内容の講座があったところに参加した生徒は、その志望がさらに強まっている傾向がございますし、そういう志望が固まっていない生徒に対しましては、もっとほかの分野のこういう授業があれば参加したいというようなことで、さらに大学への興味が高まっているという効果が生まれているところでございます。
 来年度におきましても、各大学との連携を深めまして、本事業を継続して実施していきたいと考えているところでございます。
 もう一点の高等学校新規卒業者就職支援事業の方の内容でございますが、こちらの内容は高校生キャリアアップ講座、それからジョブサポートエリアマネージャー配置事業の二つの事業をこちらの事業内容として行っているところでございます。
 まず、高校生キャリアアップ講座につきましては、県内の高等学校で就職を希望している生徒を対象に、ビジネスマナーを習得させるビジネスマナー習得講座であるとか、あるいは地域の企業の経営者の方々を呼びまして、現在の経済状況であるとか雇用状況であるとか、企業はどのような人材を求めているのかということについて講義等を行います職業観・勤労観育成講座、それから、こちらも地域の企業とかあるいは職業能力育成機関の講師の協力を得まして、生徒が希望する職業につく際に必要となる技術であるとか技能であるとかを向上させるための技能向上特別講座の3事業を63校の高等学校を中心に行いまして、生徒の社会人としての資質の向上を図ろうとするものでございます。
 一方、もう一点のジョブサポートエリアマネージャー配置事業につきましては、通学区域をもとにいたしました八つの区域にそれぞれ1名を配置いたしまして、既に63校に配置しております就職支援相談員が開拓いたしました求人情報を全県的に集約いたしまして、より効果的なマッチングを図るなどのコーディネートを行う事業でございます。
 これらの事業と雇用の拡大とのかかわりということでございますけれども、県の総合雇用対策局が実施した調査によりますと、企業が新卒者の採用に当たって特に重視するものは何かということについては、責任感であるとか積極性であるとか、それから基本的な生活態度、それから言葉遣い、マナーというものが上位に上がっているようでございまして、この高校生キャリアアップ講座によりまして、社会人としての心構えであるとか職業に対する望ましい意識を涵養するということで、生徒の資質の向上が雇用の場の拡大に役立つのではないかと期待をしております。
 また、ジョブサポートエリアマネージャー配置事業につきましては、既に配置しております就職支援相談員と一体となりまして、今年度2月20日時点での集計ではございますけれども、新たに668の事業所において918人の求人を獲得しているということで、そのうち413名の内定が達成されているという現状にあるわけでございます。
 今後とも、このジョブサポートエリアマネージャーと就職支援相談員の密接な連携を図りまして、さらに内定率が上がるように努力をしてまいりたいと考えてございます。

〇吉川生涯学習文化課長 家庭教育の推進費の内容についてでございますが、家庭の教育力の充実を図るために、三つの事業を実施しようと考えております。
 まず、家庭教育のテレビ放送を実施いたしたいと考えております。岩手っ子ばんざいというものを作成し放送しようと。これにつきましては、家庭の情報と子育てに関する学習機会を県民に提供するというもので、具体的な事例を紹介しようと。15分番組で12回の番組を10月から12月にかけまして放送しようと予定しております。
 それから二つ目は、子育てに関する電話相談すこやかダイヤルの開設でございます。これにつきましては、家庭教育全般に関する電話相談を専門の相談員が行うもので、毎週月曜日から金曜日まで、午前の10時から午後5時まで直接相談員が対応しているものでございます。それ以外の時間につきましては、ファクスと留守番電話で対応すると、そのように考えております。
 それから三つ目でございますが、子育てサポーター養成講座の実施についてでございます。地域における子供の支援の核となる子育てサポーターを養成するもので、家庭教育それから子育てに関する専門的な知識あるいはカウンセリングの知識、技術について研修を行おうというものでございまして、現在4年間やっておりますが83人が修了し、来年度も20名を研修させようと考えております。
 それから、家庭教育の実態をどのように把握しているかということでございますが、去年の2月になりますが、県内の公立学校に通う児童生徒の保護者すべてに対しましてアンケート調査を行いました。有効回答者数が3万9、900名ほどでございましたけれども、家庭教育の実態を次のようにとらえたと考えております。
 まず、テレビとか学習会の参加によりまして、家庭教育の有益な情報を得たいという保護者が多いと考えておりまして、これは40%程度ございました。それから、子供との触れ合いの大切さを認識はしていますが、思うように実現ができない家庭が多い、これは23%ほどございました。それから、家庭教育に関して不安を抱えており、核家族化等に伴い、具体的な場面の解決について、身近に相談できる相手が少ないという回答が20%ほどございました。
 以上、このようにして家庭教育の実態についてつかんでいるところでございます。

〇高橋雪文委員 それではまず最初に、県運動公園についてなんですが、各市町村でも、例えば競技場を誘致したいというような運動も行っているわけでございますけれども、それに関して、今の御答弁ですと、今の既存の施設を改築しながら将来的にも使っていきたいという御答弁をいただいたんですが、その辺をどのように考えているのか。また、北東北では青森、秋田とドーム型のスポーツ施設が実は二つずつあります。ところが、岩手県内にはドーム型、野球とかサッカーとかできる施設がないというような状況であります。今、非常に岩手県のスポーツ能力というのは全国的に見て低いわけでございますけれども、やはりそのスポーツ施設との関係もあるのではないかというふうに感じておりまして、こういうドーム型も含めて施設を新たにする、もしくはもっと有効活用をするように変えていくという検討が必要なのではないかと思いまして、御意見を賜りたいと思います。
 二つ目の高等学校新規就職支援事業の件でありますけれども、先ほど工藤勝子委員からも話されたように、高校生の場合、就職しても長くその職場にいるというのは半分ぐらいしかないと、半分はもう二、三年でやめてしまうというところがあるわけなんですけれども、あともう一つは、企業が求めている人材にまだ育成していないというところも大きな問題として挙げられると思います。私は、高等学校の教育現場の中で、日常生活の中で、そういう社会性というのは養っていかなければならないと思いまして、非常に現場の先生の社会性というのは問われるのではないかと思うわけであります。
 実は私が所属している若手の経営者の団体と市内の小学校、中学校の若手の先生方と交流をする機会があったんですが、そのときに、非常に社会性が低いと、コミュニケーションが社会人としてとれていないということを感じさせていただきました。やはり今、子供たちをどんどん社会に出して、そして社会体験をさせようというような動きがありますけれども、私はそれ以上に学校の先生方がもっと社会現場に出て、地域活動やNPO活動、そして企業の方々とコミュニケーションを図って本当の意味での社会性を身につけなければ、子供たちに十分な社会性を伝えることができないと。結局、社会活動にそぐわない子供たちがたくさんふえて、そしてフリーターと呼ばれるような、将来設計を持てない子供たちがふえてしまっているのではないかと思うわけであります。その点についてどのようにお考えか、お知らせいただきたいと思います。
 そして、3点目の家庭教育推進費の関係でございますけれども、昨年の衆議院選挙で自由民主党は、マニフェストで教育基本法の改正を訴えました。そして民主党も、この3月7日に教育基本法改正を中央審議会の答申をもとに改正をするべきだということで検討に入ったということをお聞きしております。そういった中で、新しい教育基本法の中には、家庭教育を重視していくというような内容がふんだんに盛り込まれておるわけでありますが、今までの学校教育も含めまして教育委員会所管の活動とすると、どちらかというと、家庭教育の方向が薄かったのではないかと思うわけでありますけれども、これからまさしく家庭教育と教育委員会そのもののかかわり合いがどのようにかかわっていくのかというのが、大きなテーマになってくると私は感じているところであります。子供たち、家庭においても大人になり切れない大人が親となっているというところがありまして、先ほど及川委員からもありましたが、児童虐待とか、こういうものがありますし、あとは性風俗、こういうものの乱れが非常に感じられるようになってきた。特に盛岡市内で考慮するべきは、中学生、高校生の中絶、こういう問題も実はあると。こういう問題は家庭教育がしっかりしていなければ、やはり乱れていくのではないかと思うわけであります。
 今日は価値観の多様化ということでいろいろ言われておりますけれども、教育委員長が、家庭ではしっかりとしたしつけをということで、しつけという言葉を使っておりますけれども、やはりある程度の教育委員会としての哲学を持って、私は家庭教育のこういう活動も推進していくべきではないかと思いまして、その点について御意見を賜りたいと思います。

〇佐々木スポーツ健康課長 県営体育施設の改修等に関するものですけれども、これまで県と市町村で、市町村は身近なスポーツ施設、それから県は全国的な体育施設というあり方で、特にも平成11年、岩手インターハイがあるときに市町村に体育施設がかなり整備されてきたと考えております。
 県の今後の体育施設のあり方等については、利用者の安全性あるいは利便性、そういったものを視野に入れながら、なおかつ、現在の財政事情を踏まえながら、改修等を加えながら体育施設を推進してまいりたいと考えておりますが、今後、大きな大会となりますと、平成28年に本県国体が想定されているということになっておるわけですけれども、それに向けた体育施設のあり方等についても、現有施設で十分であるのか、あるいは改修して十分であるのか、あるいは隣接県との施設の利用はどうであるのか、あるいは新たな施設等が必要であるのか。この先10年も先を見越しての形になるものですから、現在そういった状況を検討しているところでございます。
 それから、ドームに関するお話でしたけれども、確かに岩手県は積雪、豪雪地帯で、利用者からはドームの建設等についての要望等もたくさんあります。このことにつきましては、本県の体育施設のあり方に対する有識者からなる懇談会において、12年から6回ほどの委員会を持ちまして御意見をいただいてきたわけですけれども、その中のまとめの中にドームの建設ということも入っております。そういった御意見をいただきながら、ドームの建設のあり方について継続して検討することとしてありますけれども、現在の行財政構造改革プログラムの中では、その検討については平成19年以降に繰り延べになっておりますので、時期が参りましたらば、再度総合的な体育施設について検討をしてまいりたいと考えております。

〇石崎学校教育課長 教員の社会性についてのお尋ねでございました。就職にしてもあるいは高校生を進学させるにしても、将来、日本を支えるあるいは岩手を支える社会人として人材が育っていくということでございますから、やはり学校というものが社会と全く隔絶された状況で教育を行うということは望ましくないですし、やはり教員については幅広い視点を持っていただいて指導に当たってもらうことが重要だと考えてございます。
 そのような観点から、岩手県教育委員会の方では、教職経験者研修というのを初任のとき、それから5年目のとき、それから10年目のとき、15年目のときに行っているところでございますが、特に10年目の教職経験者研修においては、これは10年目の先生全員が受ける研修でございますが、3日ではございますけれども社会体験の研修ということで、民間企業等で違う業種を体験してもらうということを行っておりますし、このほかにも平成11年度から長期の社会体験研修というものを行っておりまして、こちら3カ月間ほど民間企業の方で、そのような異質の業種を体験しながら新たな教育上の視点をそこで感じてもらって、教育の指導の方の改善に生かしてもらおうということで実施をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、教員一人一人が、子供たちに模範となるような形でさまざまな社会性を身につけていただいて、さまざまな経験あるいは広い視野、視点から指導力を発揮してもらうように、研修の内容の充実に努めていきたいと考えてございます。

〇佐藤教育長 家庭教育と教育委員会とのかかわりと申しますか、行政とのかかわりでございますが、家庭教育につきましては先ほども御質問がございましたが、現在学校とそれから家庭と地域、これが一体となって知であり、徳であり、体であり、これをはぐくんでいこうという貫かれた姿勢があるわけですが、ただ、家庭教育というのはそういう言い方をしながらも、先ほど指摘がありましたように、どちらかというとどこに責任の所在があるか、あるいはどこがそれを引っ張っていく役割を果たしていくのか、これがあいまいだという御指摘がございましたけれども、今行政として家庭教育の重要性を痛感しながらも、では、どういう形でそれを支えていくか、これはまず家庭教育にかかわる周辺の事柄を情報の徹底した提供、それから啓蒙普及であるとか、あるいはそれらのいろんな形のサークルあるいは団体がありますけれども、それらに対する側面からのサポート、これをどういうふうにしていくか、そういう行政としてのかかわり、これをいろんな事業を通して進めているわけでありますけれども、今後、さらにこれを密にして、そして成果の上がる形のもの、これをどう持っていくかこれからの課題であろうと、こう考えております。
 先ほど課長から説明申し上げましたように推進事業をやっているわけでありますが、これだけにとどまらず、これからどういう形でそれら悩んだりあるいはどうしたらいいか、それぞれ困っている、そういう状況の団体も数多くありますので、これらに対するしっかりした支援システムといいますか、それをこれからさらに検討していかなければならないと思っております。

〇柳村典秀委員 それでは第1点目ですけれども、先ほども佐々木順一委員から出ましたけれども、合否情報提供、この件についてお伺いいたします。
 1月30日付の報道によりますと、合否などの情報提供は条例に抵触する恐れがあると。情報管理の実態調査を計画している文部科学省の動向を踏まえて今後の対応を考えていきたいというコメントが載っておりました。その後約1カ月して調査結果、金品を受け取っていたという中身とともに、対応として、先ほども話が出ましたが2月26日に各校長に対して通知を出したと。その内容は、生徒の個人名等は本人の承諾がなければ公表してはいけないということと、金品を受け取ってはいけないと。実質的に情報の提供については禁止をしないといいますか、認めたような形になっているわけですが、ここに至るまで国の指導とかいろいろあると思うんですけれども、その経緯をお知らせいただきたいと思います。

〇石崎学校教育課長 2月26日に通知を発出したわけでございますが、委員も御指摘ございましたように、1月29日でございました。その前に新聞報道がございまして、その第一報を受けまして、まず速報という形で県立学校全校に対しまして、予備校あるいは民間の教育事業者に対しまして、いわゆる大学受験にかかわる合否情報を提供したかどうかということの暫定的に緊急調査をいたしました。それを1月29日に公表させていただきまして、その後この35校において実際にどのような、何年前からであるとか、実際に金品は幾ら受け取っていて、そしてそれを何に使っていたのかということについて調査を始めたということでございます。その調査結果が、いろいろと各学校、今回はその際には過去3年にさかのぼりまして受け取った金額は幾らか、それは何に使ったかということについて実態調査を行ったわけでございますが、これをもとに2月27日でございますけれども、その結果をまとめさせていただきましてマスコミ等に公表をさせていただいたということでございます。その結果、先ほど述べましたように、平成14年度につきましては、合否情報提供を行っていた学校は34校で、そのうち手数料を受領した学校は30校であったと。手数料を受け取った学校の受領総額は94万7、150円であったということで、その使い道につきましては進路指導、大学受験等にかかわるための書籍の購入というのが12校、物品、普通の購入を行ったものが1校、それから進路指導のための教員が出張する際の旅費に使ったものが1校であるということ。この時点ではまだ使っていないという学校も12校あったと。

〇柳村典秀委員 私の聞いたのは、情報提供することを認めたというその理由です、経過じゃなくて。

〇石崎学校教育課長 では、理由についてお答え申し上げます。
 現時点におきまして、合否情報提供を予備校等の民間教育事業者に行うということにつきましては、現在実態といたしまして、生徒に正しい合格、大学への合否についての進路指導を行う上ではやはり必要不可欠であるという認識に立ってございます。センター試験等に参加する私立学校もふえてきているという状況もございますけれども、やはり大学受験というものにつきましては、全国レベルで競うといいますか考えていかなければいけない内容でございまして、岩手県内だけの情報では、正しいといいますか適切な進路指導ができない観点がある。その意味では、やはり全国展開しております予備校等から情報を入手する必要もございますし、逆に全国レベルの情報を使うためには、本県の高校の合否情報について提供する必要があるということで、あくまでも条例にのっとった形での対応をする必要があるわけではございますが、提供自体については禁止はいたさないということで考えたわけでございます。

〇照井昭二副委員長 答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

〇柳村典秀委員 先ほど情報を提供することは必要不可欠だと、かわりに予備校からより重要な情報をもらえるということを教育委員会として認めているわけですね。ならば、2月28日付の新聞によると、これ学校教育課長のコメントなんですけれども、学校は進路指導に役立てるため、全国の情報を得ようと協力したという認識のようだと、第三者的な言い方をしているわけですね。でも、先ほど課長は必要不可欠なことだと言っていますよね。であれば、こういう各学校に任せるということではなくて、私は教育委員会として一括して情報管理をして、教育委員会自体が資料提供して管理をするべきではないのかなと考えますけれども、この点はいかがですか。

〇石崎学校教育課長 やり方としてはそういう方法がないわけではないとは思いますけれども、やはり各学校はその在籍している生徒について基本的にすべての責任を有しているということでございます。これは、個人情報についてもそのような形で、各学校に校長というものを置いておって、その学校で基本的には自立的に、そこだけで完結するような形での事務を任せているということでございますので、また、各学校ごとに大学を受ける生徒数、受ける生徒の割合も異なっておるわけでございまして、やはり各学校ごとに適切な判断をしていただくことが必要ではないかと考えております。

〇柳村典秀委員 わかりました。ただ、金品を受け取った理由として、業務以外の仕事をしているので、それをアルバイト代といいますか、もらって当然だという意識があったということなんです。やはりそれはちょっと意識としてまずいのではないかと。教育委員会としても必要なことだと認めているのであれば、正規の業務だということを認めてあげないとならないのではないかという気がします。
 その点についてどう考えるかと、次にまた別な件ですけれども、先ほどもお2人がそれぞれ質問しましたけれども、フリーターの件についてお尋ねいたします。
 フリーターの定義ですけれども、15歳以上34歳までの、そしてアルバイトあるいは就職をしていない学生、主婦を除く人たちのことをそう言うそうです。全国で417万人いると言われておりまして、先ほどUFJの研究所ですか、そこが発表したところによると、2010年には476万人にふえるだろうという話が出ております。このことがなぜ問題かといいますと、働いて稼ぐお金が少ないために消費するお金が少ないということから、経済的に成長率を下げてしまうということと、もう一つは、社会保障の関係でも保険料を納めない層になってきますので、そういうことから大変な問題だということになっているわけです。
 そこでお尋ねするんですけれども、実は県内の高校生、高校を卒業した人たちが、先ほど来出ているんですけれども3年以内に離職する率というのが50%を超えていると、しかもこれ実は全国平均よりも高いんです。平成11年の3月卒の子たちなんですけれども、51.2%だと。全国でいくと48.2%なんです。これ平成3年からの資料があるんですけれども、平成3年が県内では38.9%、そして全国では41.7%で、ずっとこの間全国より下回っていたのが、ここに来て急に逆転して全国平均よりも高いという数字が出ています。このことについて、教育委員会としてどのように考えているのかという点をお聞かせいただきたいと思います。

〇照井昭二副委員長 答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

〇石崎学校教育課長 まず、合否情報の提供に関しまして、業務が本来の職務であるかどうかということであるわけでございますが、進路指導にかかわる必要な行為であるということでございますから、それは職務として整理されるべきであろうと認識してございます。
 それから、フリーターについてのお尋ねでございました。委員から御指摘いただきましたように、近年、卒業してから3年以内に離職する生徒の率というものはふえているという現状にあるわけでございます。これにつきましては、県の総合雇用対策局が調査をしておるわけでございますが、この離職の理由については、その仕事をやってみたら自分に合わなかったという理由、それから、本当はほかにやりたいことがあったんだというものが上位に上がっておりまして、就職を決める前に望ましい職業観、勤労観の育成が不十分だと、あるいはどこの企業に就職させるかということをマッチングしていくわけですけれども、その部分にミスマッチがあったというようなことが起因しているのではないかと考えてございます。

〇柳村典秀委員 先ほど工藤勝子委員の答弁に対して離職した生徒、3年以内ですけれども、それに対してのフォローをしているという話が出ましたけれども、これは実態として件数的にどの程度フォローしているのか、数字があればお示しいただきたいと思います。私は、ほとんどそれは不可能な話ではないのかと思うのです。というのは、先ほど来出ている数字にしても、各高校ごとにその把握している数字というのが果たしてあるのかどうなのかということなんですよね。例えば、全体としては1年目の離職率が27.2%、次が14.9%、そして9.1%、トータルして3年間で51.2%と、そうしたら自分の高校で個々の生徒、就職した生徒たちがその3年以内にどういう状態になっているのかということを把握しているのか。そして、その上でそのフォローをしているのかという点。そのことをお尋ねします。

〇石崎学校教育課長 高校の方で卒業してから就職の定着等についてフォローしているかという御質問でございますが、確かに具体的に卒業した生徒全員のうちに、どれぐらいフォローしているかという数字は実際に教育委員会の方で把握してはございません。ただ、そのすべてを卒業したからといって、もう既に関与しないという話ではなくて、やはり生徒の方から助けを求めてくるといいますか、そういった場合には学校の方でもハローワークと連携しながらも、その支援を行っているということでございます。

〇柳村典秀委員 実際はそういう話だと思うのですよね。受け身なわけです。主体としてそれを調査しているわけでもなければ手を差し延べているわけでもない。たまたま生徒が連絡をしてくればそれには対応しますよということなんですよね。でも、どの程度の人たちがそういう助けを求めて卒業した高校の先生のところに電話を入れるかというと、これは本当にごく一部のことではないのか。そもそも問題は、毎年、毎年こういうふうに出てくるフリーターですね、これを下げるためにどうしたらいいのかということを考えなければならない。そのことについては先ほど来、就職をスムーズにするためにいろんな講座を設けるとかそういったことも必要でしょうし、ただ、やっぱり各高校において自分の高校の就職した生徒の実態どうなっているかという基礎調査ぐらいはすべきではないのかと私は思います。そのことがひいては、ではどうやったらそういう生徒を少なくするのかという解決策もおのずから見えてくるのかなと思っているわけです。
 そこで、昨年来、このフリーター問題というのは大変な問題になっていまして、国の方でも予算を昨年に比べて大幅増にしてつけているわけなんです。これは厚生労働省だけでなく文部科学省とか、関係するいろんな四つの省庁が入ってのその対策をつくっているわけです。そういう中において、資料的なものも先ほど来、労働局が出している数字とか総合雇用対策局が出している数字とかという話なんですけれども、本当の生のその数字というのは高校の方が、自分の高校の実態というのはどうなのかということを調べなければならないのではないかと考えていますし、そのためには、私は今の先生方では無理だと思うのです。その専門の人たちをやっぱり置いて調査するとなれば相当な人手も必要だろうし予算もかかると。そういう人たちというのは雇用対策のために新たに雇うなり何なりして、今、実際やっているわけですので、支援策として就職支援の相談員という形でね。そういった方たちをふやしてやっていくべきではないかと考えておりますので、その点についてどういうお考えを持っているかお聞きして終わります。

〇石崎学校教育課長 委員が御提言いただきました卒業生に対する実態調査ということでございますが、やはりその卒業生が、特にどのような就業してからの実態、離職の実態等その辺のものをやっているかということについては、今後の指導に役立つデータであろうと思います。ただ、委員の御指摘のとおり、やはり各学校でやるというものについてはちょっと限界があるだろうと思っております。雇用対策の基金を使ってというお話もございましたけれども、それについてはどのような方法があるのか、教育委員会でまさにやるのかと、あるいはいろいろやり方があると思いますので、その辺は今後また連携をしていきたいと思っております。

〇千葉康一郎委員 1点お伺いいたします。県立高校の施設整備についてでございます。
 まずもって、この予算の237ページ、学校建設費の中に千厩高校の屋外運動場の整備費、これはのっているんでしょうか、どうなんでしょうかお聞きします。

〇清水学校財務課長 千葉委員のただいまの御質問でございますが、この予算には計上されてございません。

〇千葉康一郎委員 千厩高校ですけれど、この整備計画をお伺いするわけなんですが、この千厩高校はいわゆる整備計画の第1号でスタートしたわけなんですね。これは旧東高校とそれから千厩高校と一緒になってスタートしたんですが、間もなく3年目を迎えるわけなんです。ですが、これはいまだに屋外運動場がないのでございます。したがって、生徒は約2キロメートルほど離れた――2キロメートルをちょっと超えるようですけれども――旧千厩高校のグラウンドを使用している。そこまで移動するわけなんですが、本当にこの移動する時間のロス、それからさらに、移動するときの交通事故等いろいろ問題があるのではないかと心配されるわけなんですが、そんなこんなで、とにかく関係者は県に対して一日も早く屋外運動場を整備してほしいという強い要望を出しているわけなんですが、教育委員会はこの屋外運動場の整備をいつごろされるおつもりであるか、計画をお聞きしたいと思います。

〇清水学校財務課長 千厩高校のグラウンド整備の件でございますが、学習環境整備等の観点から将来的に整備は必要と考えてございます。この新たなグラウンドの整備につきましては、現高校におきます学校用地の利用状況あるいは今後の教育活動等を総合的に考慮しながら、引き続き検討していくことといたしているところでございます。

〇千葉康一郎委員 立派な答弁なんですけれども、これはいわゆるお聞きしますと背景には財政難ということだろうと思いますけれども、いずれ整備がおくれている事情を、やはりこれは地元のPTAとか関係者にこれをよく説明しておく必要があるのではないかと思いますが、このことについて伺います。

〇清水学校財務課長 ただいまのお尋ねにつきましては、昨年の4月25日でございますが、千厩高校のPTAの会長さん、あるいは同窓会長さん、それから千厩町長さん、千厩町の議会議長さん等から要望がございました。その際に、ただいま申し上げた内容で御説明をいたしておりますし、また、その後、教育長が千厩高校に参りました際にもPTA会長さん等から御要望がありまして、その旨、同様の御説明をさせていただいているところでございます。

〇千葉康一郎委員 いずれ、この問題はかなり地元としては大きな問題として取り上げられているところでございます。先ほども後期プランの話がございましたが、これから統廃合が進められるわけなんですが、この施設整備が千厩高校と同様におくれるというところがあるのではないかと私は思うのです。したがって、おくれるといった高校が出るのであればこれは問題なわけなので、したがって、やっぱりしっかりとその辺をこれから考えながら進めていく必要があるのではないかと思いますが、これから進める高校でそういう問題があるところはあるわけですか。

〇清水学校財務課長 県立高校の再編につきましては、本年1月に、平成17年度以降5年間の再編の基本的方向性といたしまして後期マスタープランを示したところでございます。今後、生徒にとりましてよりよい学習環境を構築するという視点を基本にいたしまして、多くの機会を設けて県民の方々の御意見を賜りながら、具体的な計画の策定に取り組んでいくことといたしているところでございます。こうしたことから具体的な施設整備につきましては今後の取り組みとなるわけでございますが、基本的には可能な限り既存の施設を利用していくことといたしておりまして、整備の具体化の中でいずれ検討していくということになるものでございます。

〇千葉康一郎委員 先ほど委員長の演述要旨にもございますけれども、安全・安心な教育環境の整備をしていく必要があると言われておりますが、いずれ次代を担う人づくりでございます。そういう教育環境の整備充実、これは一日も早くなされるよう強く要望して終わります。

〇野田武則委員 先ほどの教育委員会委員長の演述の中で、県民が日常生活において身近にスポーツに親しむことは、健康で、生きがいや潤いのある人生を送る上で大きな意義を有すると、そしてまた、各市町村への地域スポーツクラブの普及、定着を積極的に推進するというお話がありまして、大変心強く思ったわけでございます。
 そこで、御質問をいたしますが、例えば、私の地元の釜石市では釜石シーウェイブスというラグビーチームが活躍をしているわけでございますが、県内における各市町村のこういった総合型スポーツクラブ、どのくらい活動しているのか。そしてまた、お話によりますと平成15年度で国の補助制度が切れるというお話でございますが、その辺の事実関係についてちょっとお話を伺いたいと思います。

〇佐々木スポーツ健康課長 総合型地域スポーツクラブの県内で現在設置されているものは、今年度設置予定を含めて14市町村37クラブであります。
 それから、国の補助事業制度につきましては、地域スポーツクラブ普及推進事業という形で平成7年度から平成15年度まで補助事業が実施されてまいりました。これにつきましては、釜石シーウェイブスにつきましても平成14年度、平成15年度補助を受けておりまして、平成15年度で終わることになっております。

〇野田武則委員 今のお話ですと、14市町村37クラブがあるということで、すべてがその平成15年度で補助が切れるということだと思うわけですが、そうしますと今後の運営といいますか、それぞれのクラブの維持が大変困難だと思うわけですけれども、その辺の今後の支援体制というのはどのようになっているのでしょうか。

〇佐々木スポーツ健康課長 総合型地域スポーツクラブの理念といいますか、進めているのは、大きく分類しますと三つになっておりまして、自主運営という部分が大きなものがあります。地域住民で、自分たちで会費を出しながら運営していこう。それから、もう一つは、複数の種目で行うということで多種目型という形があります。それから、もう一つは、幼児から老人までという形で、多世代という形で、この三つの柱を持ってやっておるわけですが、今、御指摘ありました経費にかかわる部分の自主運営部分については、なかなかそのように言われてもできないだろうということから国で支援してきたわけですが、これで平成15年度終わるわけですけれども、これ以降につきましては独立行政法人の日本スポーツ振興センター、昨年の10月から名称が変わったわけですけれども、ここで行っておりますスポーツ振興くじの中でその活動を支援していこうというものがございます。これは事業費に対して2分の1補助で5年間行うということで、そういう制度がありまして、実際、現在、本県でも北上アスレチック&ラグビー倶楽部がその助成を受けながら進めておるところでございます。この申請等につきましては、法人格を持っている団体とか、あるいは市町村、そういったところから直接独立行政法人日本スポーツ振興センターの方に申し込んで、採択されれば補助を受けられるという制度がございます。

〇野田武則委員 ただいまのスポーツ振興くじの助成金の補助ということでございますけれども、採択されればということですので、そうしますと採択されない、さっきちょっと、私、質問したのは、採択されないそういうスポーツクラブに対する支援というのは、県で今後どのようにするのかということでございますし、また、あわせて、先ほど高橋雪文委員の方からも質問がありましたけれども、こういった地域のスポーツクラブ、あるいはその他の各種団体が使用するわけですが、その運動場とか、それから体育館、そういったものの県の今後の見通しといいますか、そういったものがあるでしょうか。その2点、御質問したいと思います。

〇佐々木スポーツ健康課長 スポーツ振興くじにつきましては、御存じのとおり国で見込んでおった、そのように売れないという状況にあります。具体的には、はっきりした数字はわかりませんけれども、初年度は600億円強、翌年は200億円、ことしはそれ以下ということでかなり売上金が下がってきているということで、先ほど申した助成事業についての申請等もかなりの数があるものですから、採択されるかどうかというのはわかりません。ただ、それに対する県の補助関係ですけれども、これについてはソフト面関係ですけれども、昨年8月に県のスポーツ振興事業団の中に公益スポーツセンターというものを立ち上げまして、この中ではソフト面で各市町村の総合型に対するクラブマネジャーの養成とかあるいは情報とか、スポーツ教室の支援とか、そういったソフト面の支援をしております。また、総合型とは直接的には影響ありませんけれども、選手強化事業として県体育協会を通した選手強化費の補助という形で、釜石シーウェイブスの方に補助をしているところでございます。

〇野田武則委員 続きまして、環境教育についてちょっとお伺いしたいと思いますが、平成12年からだと思うのですが、北東北3県で、まもろうみんなの地球わたしたちのふるさとという環境教育の副読本を作成しているとお伺いをしているわけですが、これは環境生活部の経費でつくられているとお伺いしたわけですけれども、既に数年経過しているわけでございまして、しかも、小学校5年生、全県下の小学校に配付されているということでございまして、今後もこの配付を続けるということであるならば、これはやっぱり教育委員会の方の予算で教育委員会の事業として確立すべきではないかと思うわけですが、その辺についてお伺いしたいと思います。

〇石崎学校教育課長 先ほどおっしゃられました環境教育のための副読本ということについてでございますが、現在、平成12年度からこれまで小学校第5学年全児童に配付して、授業あるいは総合的な学習で使われているということでございます。こちらにつきましては、知事部局と教育委員会が一体となって事業を行っているということでございまして、その中で予算については環境生活部の方でということの役割分担、我々はその活用を学校現場でどうするかということの指導をするという役割分担の中でやっているものでございまして、今後ともこの副読本がうまく学校で使われますように、環境生活部の方とも連携をしながら、その活用の充実に努めていきたいと考えております。

〇野田武則委員 もう一つなんですが、地域におきましてはエコクラブの活動とか、あるいは子供たちの自主的なボランティア活動としてごみ拾いとかさまざまな活動をしているわけですが、先ほど来お話があったとおり、家庭教育の充実あるいは地域との連携ということを考えますと、大変こういうものの活用といいますか、有効ではないかと思うわけでございます。結構、地域の皆さんの連携があってこういう活動が成り立っているわけです。ところが、御承知のとおり、土日になりますとほとんどの先生方は自分の家に帰るということで地元にいないということで、なかなか先生との連携がうまくいかないという話がたびたび聞かれるわけでございます。しかも、よく環境セミナーとかいろんな研修会、父兄の皆さんにはそういう研修会等があるわけですが、実際、ところが教職員の方にはそういう環境問題に関する研修といいますか、余りそういったものに力を入れているというのは聞いたことがないんですけれども、今後やはりそういった地域との連携を深めるというのであれば、ぜひ先生方にもそういう意味での研修体制を確立していただきたいと思っておりますが、その点一つお願いしたい。
 もう一つ、続けて質問させていただきますが、各地方振興局には教育事務所が配置されているわけでございます。ところが、我々地元といいますか、地域に住んでいる者からすれば教育に関するものは教育委員会に聞けば何とか話は通じると思うわけですが、県立高等学校については教育事務所に聞いてもなかなかわからない、各学校に聞いてくださいと、こんなふうなことになるわけで、お話を聞いたならば、教育事務所の管轄には県立学校が入っていないということのようでございます。その辺の歴史的な経過といいますか、なぜそうなっているのか、素朴な疑問なんですけれども、その点をちょっと御教示願いたいと思います。

〇石崎学校教育課長 この環境教育も含め地域の連携を深める上で、教員もさまざま地域の行事に参加すればいいという御提言でございましたけれども、やはり地域との連携をしていく上では、いろいろな場面をとらえて地域の行事に参加する、あるいは環境教育の観点でもその地域の方が行っているセミナー等に積極的に参加するような形がやはり望ましいとは思います。何分にも休日の話ですから、先生それぞれいろいろな事情あろうかと思いますけれども、そのような学習の機会があれば、そのようなものを先生方に積極的に提供するようなことに力を注いでいきたいと考えております。

〇渡邊総務課長 教育事務所の権限といいますか、そういうお尋ねだったわけでございますが、教育事務所は市町村教育委員会の組織、それから運営、こういったものに対しての仕事といいますか、あとは市町村立小・中学校に勤務する教職員の関係とか、そういった関係について義務教育中心の業務内容で対応してきたわけでございますが、ただ、最近いろいろ地域からの教育に関する要望であるとか、県民に身近な教育環境の総合的な機関になってほしいとかという声がありまして、平成13年度から教育事務所も総体的な、地域に置かれた教育のいろんな問いかけに対して対応できるような形で考えていきたいということで、教育事務所の総合化といいますか、そういった観点で検討をさせていただいておるものでございます。それで、義務教育関係だけということではなしに、今、実際に、例えば高校入試に関係する問い合わせとか、あとは中高一貫教育に係る住民説明会の準備であるとか、あとは小・中・高の関係機関との連携に関する仕事、そういった関係であるとか、あとその他の県立学校に関係するいろんな問いかけに対しても対応するようにということで、今いろいろと考えておりますので、よろしくお願いしたいと考えております。

〇照井昭二副委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

〇野田武則委員 ただいま、平成13年度から教育事務所の総合化ということで検討されているということで、大変ありがたく思っているわけです。これは、実はこの間、昨年ですが、三陸南地震があったときに学校の地震の様子を調べたときに、そのことが私、初めてわかったのですが、県立高等学校一つ一つ行かないとわからないですよね。その辺、先ほど来いろいろとお話がありますとおり、いじめの問題、それから不登校の問題、それから先ほどの県立の入試の問題、さまざまあるのですが、これはやはり皆さん一緒になって検討していかなければならない問題だと思います。そういう意味で先ほどのお話のとおり、教育事務所の総合化、機能強化、これはぜひお願いしたいと思います。
 以上で質問を終わります。

〇木戸口英司委員 私からは、教育委員会制度の見直しについて、幾つか質問させていただきます。
 文部科学省は教育委員会制度の抜本的な見直しに取り組むこととし、中央教育審議会に諮問がされております。教育委員会に対しては、一般論でございますけれども、民意の反映がないとか、形骸化しているのではないかとか、最も中央集権が徹底しているのは教育と、地方分権が進んでいない教育という中で教育委員会は文部科学省の上意下達の中にあるのではないかとか、言いなりになっているのではないかとか、あくまで一般論ですがそういう批判が多いのも確かであります。
 その中で、中教審がこの諮問をされてこれから検討をしていくということの中で、社会教育、スポーツ、文化の分野の首長部局移管、また、広域行政単位の教育委員会設置推進、教育委員選任のあり方、また、都道府県と市町村教育委員会の役割分担、こういう4点、特に挙げられておりますが、このことに対しまして現状認識、また問題認識、また所感があればお伺いしたいと思います。

〇佐藤教育長 教育委員会制度につきましては、教育の政治的中立と教育行政の安定性を確保するための制度であるということで言われているわけでございますが、近年の地方分権の進展により、今日の地方分権の流れの中で、教育委員会には地域のニーズに応じた教育行政を主体的に企画、実行していくということが今、強く期待されているわけです。今回の中教審に対する国の諮問につきましては、これは首長部局と教育委員会の関係や都道府県と市町村教委の役割分担などについての今回の諮問というものも、こうした状況を踏まえて行われたものということで、私どもそういう認識をいたしているわけでありまして、緒についたばかりということで、その審議の動向を見守りたいと考えております。

〇木戸口英司委員 このことにつきまして、先般、報道にもありました教育委員会制度について、全国の知事アンケート、これは一般質問の中でも若干取り上げられたんですが、教育委員会制度について、全国の知事の中で現状維持派は18名、改廃を求めているのが22名という結果のようであります。その中で増田知事は、教育委員会制度の存廃について、どちらとも言えない。そして、教育委員会制度か首長の直接行政かの選択を提言されている。また、県教委は余り機能していないと答えているということが報道にありました。それに対する所感をお伺いしたいと思います。
 また、県教委がこのように知事から指摘されているわけでありますが、知事が思うように機能するように知事の方から県教委に対しこれまで何か意見、提言等ありましたのかどうか、もしあれば御紹介をいただきたいと思います。

〇佐藤教育長 ただいまお尋ねのアンケートへの回答についてでありますけれども、私どもが見まして、地方分権の今こういう進展する中にありまして、県、市町村、地方公共団体の権限、責任というものが拡大する方向にある中にあって、地方教育行政が担う役割というものも、これがまた一層重要になってきているというそういう背景を踏まえて、教育委員会や学校現場も、より住民に開かれた形での運営や、住民、保護者等の声が一層反映される体制の必要性について提言されたものということで受けとめております。
 また、知事から教育委員会に対してこの制度、教育委員会制度に関する提言等、あるいは意見交換等のお話でございましたが、直接制度にかかわる意見というものはございませんけれども、本県教育の一層の振興についてということで、知事と教育委員との懇談の場がございますが、そういう場などをとらえまして意見交換しているところであります。

〇木戸口英司委員 今の紹介したアンケートの各知事の提言を見ますと、例えば千葉県知事、分権の時代に合わせた新制度の創設、和歌山県知事は、教育委員会の必置規制の廃止、岐阜県知事によりますと、知事、県議会などによる民主的コントロールを強化する制度改正などが紹介されております。私個人とすれば、栃木県知事が提言しております、教育委員会の事務を首長の権限下に置き、教育委員会は政治的中立性を担保するための監視機関とするという提言、オンブズマン的というんでしょうか、教育委員会の選任も住民公募とするような姿が望ましいのではないかと実は考えております。中教審などこれからの検討の推移も見なければならないと思いますが、もしこのことについて御意見があれば後でお伺いしたいと思います。
 次に、インターンシップについてお尋ねをしたいと思います。
 先ほど来、就職の問題、また離職の問題、フリーターの問題等取り上げられておりますが、教育長は昨年の一般質問に対する答弁の中で、調べましたら2度ほどこのインターンシップ、答弁されております。望ましい職業観・勤労観の育成、厳しい雇用状況の中でキャリア教育を進めるため、インターンシップの推進を図るということを言われておりますが、そしてまた、本年度新たに県の機関においてインターンシップを実施することとしているということも申されております。この現状、そして来年度への取り組みについてお知らせをいただきたいと思います。

〇佐藤教育長 まず今、御提言も含めてお話しありました教育委員会制度のあり方についてでありますが、今後、中教審におきましてこの3月4日に国が諮問ということで、まだ緒についたばかりでもありますので、その経緯等、十分注意深くその動向を見守っていきたいと考えております。
 それから、インターンシップについては、担当課長から御説明申し上げます。

〇石崎学校教育課長 インターンシップのお尋ねでございますけれども、インターンシップを実施する高等学校については、平成10年度から各学校ごとにその実情に応じて実施しておるわけでございますが、年々実施の率は上がってございます。平成15年度は83本分校中55校で実施をしたということで、延べ1、495社において4、720人の生徒がインターンシップを行ったということでございます。
 それから、今年度から開始いたしました県の機関において――地方振興局であるとか県立病院など――高校生のインターンシップの受け入れを開始したわけでございますが、今年度は県内の各高校24校から49名の応募がございまして、7月の下旬に3日から5日間のインターンシップを行ったということでございます。生徒の方からは、公務員の人と接して視野が広がったであるとか、仕事の厳しさというのを学ぶことができたというような感想が寄せられておるところでございます。今後とも、各校におけるインターンシップの推進、あるいは県の機関におけるインターンシップの受け入れも積極的に推進してまいりまして、高校生の望ましい職業観・勤労観の育成を図ってまいりたいと考えてございます。

〇木戸口英司委員 わかりました。年々ふえているということでありますので、大変これは重要な機会、高校生にとってはなるものと思いますので、ぜひ積極的な推進、また、受け入れ先の発掘など要望をしておきます。
 それで、インターンシップ制度について私も昨年ちょっと視察をしてまいりまして、今のは高校生のインターンシップということでありますが、これは八王子市、市の教育委員会で進めている大学生のインターンシップでありますけれども、非常にいい制度であると思いまして、ちょっと紹介を申し上げながら御意見をちょうだいできればと思うのですが、これは目的、教育委員会が、大学、八王子市は当然大学が多いわけでありますので申し入れをしていると、市内の小・中学校、そして大学との連携、協力により児童生徒の学校不適応などを中心とした教育課題の解決や、学生を地域人材として活用する教育活動の推進を図ることにより、私立小・中学校並びに大学の教育活動の充実発展に寄与するという目的のもとに、学校インターンシップ制と、小・中学校に大学生を講座の1単位として、これは教職とは限らず、心理学を専攻している学生は例えば心の教室などのその補佐役をするとか、英語、パソコンの授業の補佐役をするとか、また、パソコンの得意な学生は開かれた学校の目的に合ったその学校のホームページづくりの手伝いをするとか、また、当然スポーツの運動の補助をするとか、こういった形で学生が地域の小・中学校に通って、そして、授業の一環でありますが、広く勉強して、また学校の補佐役に回ると、非常にこれは大学生にとっても受け入れの小・中学校にとっても、非常に相乗効果の上がる制度だということで見てまいったわけであります。
 この点、岩手県、県立大学もあるわけでありまして、学生の先ほどのインターンシップの目的であります望ましい職業観・勤労観の育成とあわせて、申し上げました教育現場の活性化、先生たちにも大変いい刺激になっているという報告を受けてまいりました。こういった取り組みについて御意見があれば承って、私の質問を終わらせていただきます。

〇石崎学校教育課長 御提言いただきました小学校、中学校等の学校現場でインターンシップを受け入れるということについてでございますが、本県でも文部科学省の委嘱事業を受けまして、現在、大迫町の方を推進地域に指定して、岩手大学の教育学部と連携をしまして、同町内の小学校4校と中学校1校に学生12人を受け入れて放課後の学習相談であるとか、補習指導であるとか携わっていただいておるところでございます。この事業を行いまして、大学生の立場で言いますと教員志望の学生であるということでございまして、やはり実際の現場というものを実際に見ながら、また、子供と実際に接しながら教員という職業というものはどういうものなのかということの意識が非常に高まってきているということもございますし、やはりそういう学生が学校に入ることで子供たちもわからないところがわかるようになったということで、相互によい面が見られてきているということでございます。今回は研究授業ということで実施しているわけでございますが、これを今後どのように発展させていくかについては、よさはあるということでございますので、ほかの自治体の取り組みも見ながら、さらに検討していきたいと考えております。

〇ザ・グレート・サスケ委員 まず、外国青年招致事業についてお尋ねいたします。
 緊縮予算が求められている状況下での本事業を継続する理由をお尋ねいたします。
 また、一時的に本事業の凍結もしくは大幅削減などはできないものなのでしょうか。さらに、仮に凍結もしくは大幅削減した分を、取り扱い部局は違うと思いますが、同じ教育費の例えば私立幼稚園に関する予算などに充当できないものでしょうか。まずはお尋ねします。

〇石崎学校教育課長 お尋ねの外国青年招致事業についてでございますけれども、外国のネーティブスピーカーを本県に招致するという事業でございますが、英語圏の外国人と接する機会が少ない本県にあっては、やはり生きた英語を学んでいくと、そのための貴重な機会を提供する事業でもございますし、英語のコミュニケーション能力の育成に貢献するものであること。それから、実際にそのALTと生徒が会話をしていくということの中で、やはり英語というのは本物の外国人に通じるんだという思いと喜びというものがやはり英語活動の動機づけ、学習意欲の向上にやはり役割を果たしているということで、本県の外国語教育を充実する上で、やはりALTというのは必要な人材だろうと認識しております。実際にも昨年10月に実施しました学習定着度状況調査においても、英語のリスニングの分野においては、平均正答率86%と――これは中学校2年生でございますけれども――いうことで、一応県が目安にしております85%を超えていたということでございますので、このような観点からも外国青年招致事業については、今後も継続したいと考えているところでございます。

〇ザ・グレート・サスケ委員 実際の語学指導助手、いわゆるALTの声というのは、ちょっと岩手の方のデータ、私、見つけられなかったのですが、お隣の青森県の御本人たちの声というものを私、拾い集めてみましたら、青森県の方では、ALT本人の所感として、テープレコーダー的使われ方に不満足だというような意見がありまして、まさにこのような状況でありますから、まして県内では平成11年から76名と、今年度に至るまでずっと横ばいの採用といいますか、雇用状態になっているということで、昨年もやっているから今年度もやるという、いわゆる国の政策だから県もやろうという、いわゆる霞が関スタンダードの安易な受け入れとも見受けられるのですが、これは見直しというのはできないものなのでしょうか。その点をお聞かせ願いたいと思います。

〇石崎学校教育課長 確かに、ここ数年は76名を雇用するということでずっと続いてきているわけでございますが、先ほどもお答え申し上げました教育的効果があるということと、実際にもデータとしてリスニングの分野において一定の成果を上げているということは実際にあるということで、これらにつきましては、やはり県土の広い岩手県の状況を考えますと、76名程度の人員は今後も必要ではないだろうかという判断のもとに、来年度も76名という形で要求をさせていただいているところでございます。また、今後この事業の内容については評価をしながら、どう改善するかについては将来的な課題になろうかと思いますが、当分は76名ということで継続をしたいと考えております。

〇ザ・グレート・サスケ委員 やはり莫大な予算を使っているわけですから、私は今後も一層見直しを検討していただきたいと強く要望いたします。
 続いて、同じ教育総務費の4目教育指導費の中のいわて特別支援教育推進事業費のこれは重点事項に挙げておりますADHD――注意欠陥多動性障害児等の支援事業についてお尋ねいたします。
 これは県立中央病院の小児科でも積極的に診療しているようですが、知的発達に問題がないことから、子供のわがままととられがちな障害であります。このような問題にも光を当てて取り組んでいらっしゃる姿勢は大変すばらしいと私は敬意を表しますが、ADHDのこの予算の中での占める割合と、それから症例の現況と今後の見通しをお聞かせ願いたいと思います。

〇石崎学校教育課長 ADHD児等支援事業についてでございますが、こちらは平成15年度から平成17年度までの3カ年の事業で、現在、盛岡市、それから花巻市、水沢市の3市をモデル地区に指定してこちらで活動しているということでございます。この3市におきまして、医師あるいは教員等で構成された専門家チームというのを設けまして、これまで学校の方からALDあるいは学習障害――LD、あるいはADHD、それから高機能自閉症等の疑いがあると挙げられてきた児童生徒数は256名でございました。この256名につきまして診断を行った結果、ADHD児と判断された児童生徒は125名であったということでございます。これら実際に今回ADHD児と判断された生徒さん方の症状というものにつきましては、衝動的に動き回って、じっとして静かに学習に参加できないであるとか、あるいは一斉指導をしている中で先生の指示が、なかなか理解が難しくてパニックになるときがあるとか、あるいは注意力が持続しないというような症例が見受けられているところでございます。
 これらのADHD児と判断された児童生徒に対しましては、先ほどの専門家チームがその生徒ごとに個別の指導計画をつくって、それをもとに学校で指導を行う。また、特別支援教育を担当している教員が巡回相談チームというものを設置しておりまして、こちらが個々の学校を回りながら、そのADHD児を担当しておる教員に対して具体的なアドバイスを行っていくということで対応しているところでございます。今後ともこの事業を核にしながら、ADHD児等への教育的支援というものを充実していきたいと考えてございます。

〇照井昭二副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時52分 休 憩
   午後3時14分 再 開

〇吉田昭彦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。

〇中平均委員 それでは1点質問させていただきます。
 教職員費のすこやかサポート推進事業費について御質問をさせていただきます。
 これについては、今回の一般質問等で、今までの成果等については質問があって御答弁がありましたので、今後についてお伺いしたいと思います。
 今回、対前年度比が約1億3、000万円の増額ということで、説明書の方には今まで1年生だけだったと思ったんですが、これが2年生及び複式学級に非常勤講師をさらに多く配置し、やっていくということになっておりますが、この拡充の具体的な内容についてお伺いいたします。

〇岩田小中学校人事監 すこやかサポート推進事業の非常勤講師配置状況についてでございますが、平成15年度は、小学校1年生で、学級の児童数25人を超える学級を有する学校の学級数に応じて、130校に160名の非常勤講師を配置したところでございます。新年度につきましては、こうした取り組みに加えまして、さらに小学校2年生と多人数の児童を抱える複式学級にも拡大させる方針でございまして、少人数教育のより一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
 具体的に申しますと、小学校1年生で、1学級25人を超える学級を有する学校131校に164名の予定でございます。2年生では、1学級35人を超える学級を有する学校36校に36名の予定、複式学級につきましては16人の学級を有する学校24校に24名の非常勤講師を配置する予定でございます。

〇中平均委員 この事業、非常に珍しくと言えば大変語弊がありますけれども、評価が高い。学校側はまた、地元の小学校はもとより、各地域また保護者の期待が大きい事業だと聞いておりますし、実際そういう声も私も直接聞いております。今回予算の厳しい中で、約1億3、000万円増額されたということは大変評価されることだと考えます。その上で、今回1年生で25人を超えるクラス、2年生で35人を超えるクラスと予算の関係上また対象の基準の関係で、希望があっても手当てできなかった学校とか、そういう地域の要望があっても基準上無理だった、予算上無理だったというところもあるかと思うんですが、これに対して今後どのように拡充してまた充実させていくのかを、そこをお教えいただきたいと思います。

〇岩田小中学校人事監 今のお尋ねでございますが、基準が1年生が25人を超える、2年生が35人を超えると、そういう基準に合致したところはすべて配置をしているわけでございます。それ以外のところは無理なわけでありますが、その基準に該当しますと、すべての学校に配置をしているというふうに考えております。

〇中平均委員 非常に期待が大きい事業と聞いておりますし、ぜひとも成果を、またより一層上げていけるように御指導、担当部局の方での指導等期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。

〇吉田昭彦委員長 当該委員は簡潔にお願いいたします。

〇斉藤信委員 何で私のときだけそういうふうに言うんですか。今まで言っていないんじゃないですか。
 私は30人学級、少人数学級に絞って簡潔に聞きますから、正確な答弁をお願いしたい。
 一つは、30人学級、少人数学級の全国的な取り組みについてどう把握しているでしょうか。私の調査では、隣の宮城県、山梨県、兵庫県、愛知県、こういうところで新たに実施をされる予定ですが、把握をお聞きしたい。
 二つ目、こうした全国の30人学級、少人数学級の効果について、具体的にどう研究し把握してきたのか。
 三つ目、来年度、研究指定校方式によって各教育事務所単位で実施しようとしている小・中学校それぞれ学年と学級数、学級規模はどうなるのでしょうか。
 四つ目、研究指定校の実践的研究の成果は、検証されれば翌年から全体として実施されるべきと考えますが、どうでしょうか。

〇岩田小中学校人事監 まず初めに、30人学級、少人数学級の全国的な取り組みについてどう把握しているかというお尋ねについてでございますが、平成15年度は47都道府県のうち、モデル校を設定したり標準法定数内で運用をするなど、一部の学校で実施を開始する自治体を含めまして、29程度の自治体において学年を限定して少人数学級に取り組んでいるものと把握しております。また、本県のように、多人数学級を講師や非常勤講師によって支援しながら複数の教員の目で少人数指導を実施している自治体は、28県程度ととらえております。
 来年度におきましては、標準法定数によりまして校内体制で運用するなど、一部の学校で実施を開始する自治体を含めて、32程度の自治体において主に低学年や中学校1年生など、学年を限定して少人数学級に取り組む予定であると把握しております。
 各都道府県におきましては、それぞれの地域の教育課題や施策の効果等を踏まえながら、さまざまな創意工夫を凝らしながら取り組んでおり、少人数指導あるいは少人数学級のいずれによっても、それぞれきめ細かな指導によりまして、一定の効果は認められているものと受けとめているわけであります。
 次に、二つ目でございますが、30人学級、少人数学級の効果についてどう研究し把握しているかというお尋ねでございますが、少人数指導と少人数学級のそれぞれの効果等につきましては、全国都道府県教育委員会連合会の報告書や少人数学級を実施している他県の報告書等を取り寄せまして、それを踏まえて把握してきておるわけでございます。
 全国都道府県教育委員会連合会の報告書によりますと、少人数指導についてでございますが、児童生徒の学習意欲が高まった、課題別学習や発展的な学習、補充的な学習など、個に応じた指導がしやすくなった、児童生徒一人一人の学力が把握しやすくなり、より適切な評価ができるようになったなどと、主に学習面での効果が報告されております。
 一方、少人数学級につきましては、その主なねらいとして、児童生徒の学習習慣や生活習慣の定着を図ること、学校生活への円滑な適用を図ることが挙げられておりまして、実施した県におきましては、その取り組みを通して次のような成果が上げられております。
 児童生徒一人一人の学力が把握しやすくなりまして、適切な評価ができるようになったこと。それから、児童生徒が落ちついて取り組むようになったこと。教師とのコミュニケーションがふえたなど、主に児童生徒とのかかわりや生徒指導面での効果があらわれてきているという報告を受けておりますし、私たちもそうつかまえております。
 三つ目でございます。来年度の研究指定校方式によって、学年と学級数とか、学級規模がどう予測されるかということでございますが、来年度実施する1年生、実施学年でございますが、現在のところ、小学校におきましては1年生が2校、それから2年生を省きまして、3年生が2校、4年生が2校、5年生が3校、6年生1校、中学校におきましては1年生4校、2年生が8校、3年生が1校という候補になってございます。
 次に、学級数についてでございますが、2学級が当然手を加えない、研究指定でなければ2学級のところが研究指定をすることによって3学級に増加するというところでございます。そういうふうにお聞きいただければいいんですが、そういう学校が3校、中学校では2校です。それから、3学級が4学級に増加する学校でございますが、小学校では6校、中学校では6校、それから4学級から5学級に増加する学校が、小学校では1校、中学校で3校、それから5学級が6学級に増加するという学校が、中学校で2校ございます。
 次に、実施後の学級規模についてでありますが、25人以下の学級を有する学校が小学校で3校、中学校で2校でございます。それから、26人から30人の学級になるのが、小学校で7校、中学校で9校、それから31人から33人の学級になるのが、中学校で2校となっておるわけでございます。
 なお、学校名の発表でございますが、今後、転出入等児童生徒数の変動がありまして、指定校や指定学年の変更の可能性もございまして、今つかまえている段階ではそのような学年、学級数、学級規模でございます。
 それから最後のお尋ねで、研究指定校の実践的研究の成果が検証されれば、翌年から全体として実際に実施するのかという考えでございますが、成果が検証されれば、来年度でありますが、研究指定校におきましてアンケート調査を実施したり、また、総合教育センターとの取り組み、一緒になって研究のテーマを決めていただいておりますので、少人数学級が適切である学年や学級規模等、学校の実態に応じた編制のあり方に関して調査研究を進める予定でございます。
 そういうことでありまして、本県としては来年度の研究指定校における実践的な研究による効果を検証した上で、その後の取り組みについて検討してまいりたいと考えてございます。

〇斉藤信委員 これ最後で終わりますが、具体的な回答をいただきました。把握は私の方が把握しているということのようです。それで、ぜひ県教委も、少人数学級も少人数指導もどちらも効果があると言っていますが、言っている割には少人数学級の研究が私は不足していると思います。
 そういうことで、これは去年の9月に発行されたものですが、山形県は全国に呼びかけて、少人数学級の研究会を年一、二回やっていますよ。文部科学省も毎回参加しています。ぜひこういうものに、文章だけではなくて参加をして、すばらしい内容を本当に岩手県の研究とあわせてつかんでいただきたい。
 そして最後ですが、全国的には30数県に広がっていますが、岩手県でも実践的に研究されます。その成果を、これ2年間やると言っていますが2年待たないで、ぜひ成果が確認されれば翌年から実施すると、そういう可能性もあるのだということを回答していただきたい。

〇岩田小中学校人事監 研究指定校、まだ指定をしておらないといいますか、これから今の状況を見て指定をするわけでございまして、まずもって指定をすると。そして指定の研究内容を指定した学校の校長とか先生方と協議をしまして、どういう学年と学級規模とか、そういうことをさまざま教育センターの力を借りながら研究してまいりたいと。いずれ、方向が定まる段階を待ちたいと思っております。

〇佐々木博委員 1点だけ伺います。いわて教育の日の制定の条例化を求める請願が昨年採択されております。そこで、条例化に向けて現在作業を進められていると思いますけれども、まずその進捗状況についてお伺いします。

〇渡邊総務課長 請願の採択後、庁内の政策推進ワーキンググループでいろいろ研究をしながら進めております。その中では、専門的見地からどういうふうな形でそれを進めたらいいかというような懇談とか、そういうこともやっております。あとそれから、市町村にアンケート調査をいたしまして、教育の日を制定することについて市町村教育委員会でどう考えるかというのを調べさせていただいております。それから、庁内で、教育委員会だけではなくて県立大学とかあとは私立の関係がありますので、そういった関係の連携、そういったことをいろいろやっておりますし、あと他県の調査、広島県とか奈良県とか、あと東京都それから福島県、こういったところに実際行きまして、どういう形で進めているかというのを研究させていただいております。

〇佐々木博委員 いずれ、条例化を求められているわけですから、当然条例を制定するときには議会に提案されるわけです。いつごろを目途として作業を進められているのか、そのことについて伺いたいと思います。

〇渡邊総務課長 具体的にいつごろというのはなかなかこの場で申し上げにくいんですけれども、今年度中にいろいろその辺のところを、例えば教育振興運動との絡みとかいろいろありますので、それから請願を出した団体の方々とか、そういう方々といろいろ意見調整しながら、そして方向性を見ながら対応していきたいと考えております。

〇佐々木博委員 最後ですけれども、きょうの御答弁を聞いていましても、国の動向だとかそれから他県の動向等も調査しながらという答弁が結構多いんですけれども、岩手県の場合、先ほどの教育委員長の演述にもありましたけれども、昔から教育振興運動、非常に特色がある運動が行われてきたという、そういった教育的な一つの風土があると思うんですね。それで、教育の分野というのは私思いますけれども、一番地方の独自色が発揮できる分野だと思っているんです。余り国がどうだとか他県がどうだとか、参考にするのは結構でしょうけれども、岩手県にふさわしいいわて教育の日の条例化というものをぜひともお願いをしまして、質問を終わります。

〇亀卦川富夫委員 1点、児童館についてお尋ねいたします。
 先ほど以来、教育に関し、学校、家庭、地域の役割が問われているところでありますが、小学生低学年の放課後の生活、あるいは過ごし方、こういったものに対応する施設として、児童館が非常に大きな役割を今果たしております。予算の関係では、民生費、児童福祉施設整備にありますが、福祉事務所を通じて社会福祉協議会が運営しているということでありますが、これは非常に教育と深い関係がありますので、あえてお尋ねいたします。
 これはもともとかぎっ子対策としてあるわけでありますが、現在、この児童館運営は、先ほど以来申し上げましたように、地域社会における教育の役割に大きな力を私は発揮していると、このように思います。
 そこで教育委員会としては、予算とは別になっておりますが、その内容など実態をつかんでいると思いますが、教育委員会としてはどのように児童館の施設というものを評価しているのか、あるいは今後連携をどう考えているのか、お伺いいたします。

〇小原教育次長 民生費に計上されているとおり、保健福祉部所管の施設でございまして、ただ、委員おっしゃるとおり、放課後児童クラブということで、学校教育とは非常にかかわりが深いということで、そういう面では連携ということもありますし、あとは施設面でどうしても単独の児童館、児童クラブができないところが学校の空き教室を使いたいとか、そういう面では、市町村の教育委員会なり学校とよく連携してやっているということでございます。
 施設の実態をというお尋ねでございますが、ちょっと所管外なものですから、そこは今把握いたしておりません。

〇亀卦川富夫委員 施設そのものの実態というよりも、児童館運営によって先ほど以来申し上げているように、小学校の低学年が時間外、家庭に戻るまでの間、この間の過ごし方というのは、先ほど以来地域とか家庭とか学校という役割分担のような話があるわけですが、これをどうとらえて、これをどのように教育委員会として活用していくか、私は非常にこれは大きな意味があると思うんです。そういう意味で、あえてお尋ねしているわけですが、今つかんでいないとすれば今後十分私はこの実態を調査して、生かせるものをどんどん生かしていくと、こういう教育委員会であってほしいと、こういうことであります。
 そこで、水沢市の実態をちょっと申し上げますが、水沢市はいち早く児童館設置に動いて、今、小学校学区に全部設置してあるんです。ところが、これは福祉という観点で、非常に予算が窮屈です。それから狭隘な施設であるために、60人の定数とすれば80人くらい応募してくるんですね。そこで足切りというような話があるんですが、今そこで空き教室をつかったらどうだとか、そういう実態もあるわけです。そこで、これを福祉の方でと言っても、これはもともとかぎっ子対策ですから、足切りの場合は家庭の方に家族がいれば、例えば寝たきりの人でも、家族がいればこれは足切り対象になっていくんですね。普段は面倒を見ているんですが、いざ定数をオーバーしていくと、どうしても切らなければならないという基準があるわけです。その場合、例えばお父さん、お母さんが公務員だったと。しかし家族は2人、両親しかいないのでかぎっ子ということで、そこでは面倒を見てもらえますが、非常に厳しい経済状況の中でも、寝たきりのおじいさんがいるとすれば、これは基準外という仕分けにされることが間々ありがちだと。それを一生懸命頑張っているんですが、これを教育委員会としてサポートしていくというか、一緒になって、予算はそちらとしても、教育の現場としてこれをとらえていくということは非常に私は大切だと、そういう意味で、歴史的にも長い時間がたってきて、今や私は福祉事務所でやっているよりは、本来は教育委員会でその辺一緒になって運営するというようなものではないかと、こういうことでございますので、今後児童館のあり方ということを、今やっているわけですから十分把握していただいて、ぜひ今後の岩手の教育に生かしていただければと思いますので、ひとつその辺の決意と申しますか、方向性をお伺いしたいと、このように思います。

〇小原教育次長 委員の御指摘よくわかりました。沿革はそのとおり、運営費に厚生労働省の補助金が入っているものですから、それで運営基準等も決められておりまして、そういったことで運営がなされているわけなんですが、確かに放課後ということで、学校教育なり家庭教育なりいろいろ教育委員会との関係も深いわけですので、保健福祉部とその辺は委員の御指摘を踏まえまして、よく協議しながら対応してまいりたいと思います。

〇川村農夫委員 入試の時期でもありますので、あえて質問させていただきます。
 学校では、確かな学力の向上を目指すということから、教師の評価が高校入試における進学校への合格率、そういったものが評価の大きなウェートを占めているのではないかと。そしてそれが、進路指導において生徒自身の夢や職業観、それから将来の目標、そういったものより優先されているのではないかという、こうした疑問の声をよく聞きますが、現状をどうとらえているのかお伺いします。
 いろいろ私どものところに、よい子供たちなのに、大人――大人というのは教師という意味でもありまして、教師のエゴで子供を傷つけると、大人のエゴで子供を傷つける教師があるという投書や電話をたくさんいただいております。
 入試の時期に最も多いのが、その中学生は得意なスポーツあるいは職業観を持って自分が目指す高校があったと。ところが、進路指導の教員からは、あなたは学力がもっと上だから進学校に行きなさいと。この話が最後まで折り合わないまま、その生徒は自分の目指す高校を受験したと。そうしたら、その教師はその生徒に、合格してもおめでとうと言わないからねと。合格しても、確かにおめでとうの一言も、頑張ったねの一言もなかったと。その子供は大変なショックと教師不信、これに陥っておりました。ただ、その子も頑張って目指す高校に入って、その希望のクラブを続け、将来の仕事に向かってさらに進学したわけですけれども、その話をしてくれたのは、結局、高校を卒業するあるいは仕事につく、そういったときに、やっと口を開いて、大人あるいは周りの人に話してくれるという状況で、中学3年、高校1年のあたりには言えなかったと。
 こういう話は非常に多く聞きます。そうしたことで、入試の合格発表ももう間近であります。そうした生徒の夢を踏みにじる、傷つけるような言動がないようにしっかりと教育委員会の方から指導していただきたいと思うのですが、御所見をお伺いします。

〇佐藤教育長 今、川村委員からお話があった件ですが、現実に自分の夢を貫いてそして今もまたひたすら夢に向かって歩んでいるということで、安心しているわけですが、ただ、その経過、過程の中で、大変な気持ちの上で傷つけたり、そういうものがあったとすれば大変つらく思うわけですが、それがどういう経過かちょっとよくわかりませんので何ともあれなんですが、要は、学校は地域に開かれた学校であるという、これ今進めておりますが、と同時に、あわせて学校の中自体が教師と子供の信頼関係、これがきちんと成立して、そういう中で教育が行われるということが大前提でありますから、言わずもがなでありますけれども、教師としての資質につきましては、もちろん教師としての使命感であるとか、あるいは専門的な知識がありますけれども、何よりも大事なことは、子供に対する愛情といいますか、そういう教育的な愛情、そういうものに裏打ちされた指導力、そういうものが求められておりますので、それが欠けるあるいは欠ける嫌いがあった、そういう教師が現実にいるということになりますと、大変私どもとしてもこれをどのように指導していくか、これは今日、指導力不足であるとかあるいは教師としての資質に欠けている教師云々がよく問われるわけでありますが、このことにつきましては、内部におきましては研修体系を見直してこれをきちんとやろうとか、いろいろ対策を講じておりますけれども、今後さらに一層、そのことにつきましては力を入れていきたいと、こう思っております。
 それから、冒頭に御質問のあった進路指導とそれから高校の合格の関係でありますが、そういうことも全く聞こえてこなかったわけではないというような、そういう背景もあって、今回通学区域の見直しでありますとか、あるいは高校の入学者選抜の方法、これの改善を加えたわけでありますが、そういうことから、例えばこれまで欠員が生じた場合の再募集につきましても、これはきちんとやろうと。それは逆に言えば、自分が希望する学校をまず受けてみようということで、できる得る限り選択肢を多くしてやりたいと。そういう視点からも、今まだ基本的な方向ということで、今回新県立高等学校の整備計画のマスタープランをお示ししてあるわけなんですが、そういう観点からの視点も入れながら今進めているつもりであります。そのことも大変貴重な御提言あるいは御指摘でもありますので、そのようなことのないように、これは現場に対して資質をさらに超えた、まだ欠けている部分とも思える部分がありますので、これからもまた指導の方も徹底したいと、こう思っております。

〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇吉田昭彦委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
 教育委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、警察本部長から警察本部関係の説明を求めます。

〇山内警察本部長 平成16年度警察費当初予算について御説明申し上げます。
 岩手県議会定例会議案その1の8ページをお開き願います。一般会計歳出の第9款警察費の総額は296億8、708万2、000円であります。これを項別に見ますと、第1項警察管理費が265億9、866万円、第2項警察活動費が30億8、842万2、000円であります。
 次に、目別予算の内容について御説明申し上げます。お手元の予算に関する説明書によりまして、主なものについて御説明いたします。
 222ページをお開き願います。第1項警察管理費第1目公安委員会費は795万円であります。その内容は、公安委員の活動経費及び公安委員会の運営に必要な経費並びに委員報酬であります。第2目警察本部費は245億2、713万9、000円であります。その内容は、岩手県警察の運営に必要な経費であり、警察職員の給料、職員手当などの人件費が主なものであります。この中には、犯罪等の国際化対策として、部内通訳要員育成のための研修経費、部外通訳要員の通訳経費、警察業務の高度情報化のための警察情報管理システム経費などがあります。223ページをお開き願います。第3目装備費は3億1、609万4、000円であります。その内容は、犯罪捜査、災害対策などに的確に対応するための警察装備の経費で、車両の購入費及び車両、警備船、航空機の維持管理費が主なものであります。第4目警察施設費は10億7、656万9、000円であります。その内容は、治安の基盤をなす警察施設の整備、維持管理に要する経費であります。この中には、駐在所の建設事業費、警察署・警察待機宿舎の修繕費などがあります。224ページをお開き願います。第5目運転免許費は5億8、665万4、000円であります。この内容は、自動車運転免許の取得、更新、行政処分などに関する運転免許行政のための経費であります。第6目恩給及び退職年金費は8、425万4、000円であります。
 225ページをお開き願います。第2項警察活動費第1目一般警察活動費は7億8、622万円であります。この内容には、交番相談員の配置など、交番・駐在所関係経費及び警察通信施設の維持管理経費並びに110番通報を処理するための新通信指令システム経費などが含まれております。第2目刑事警察費は3億9、777万6、000円であります。この内容は、少年非行防止及び銃器・薬物事犯対策等保安警察に必要な経費並びに犯罪捜査に必要な経費であります。この中には、ハイテク犯罪対策、指紋自動識別システムなどの経費が含まれております。226ページをお開き願います。第3目交通指導取締費は19億442万6、000円であります。この内容は、交通指導取締活動、交通安全施設整備など交通警察に必要な経費であります。交通安全施設整備につきましては、総合的な計画のもとに、交通管制区域の拡大整備、交通信号機の改良などを行い、交通事故防止と交通の円滑化を図ろうとするものであります。
 以上のとおりでありますので、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。

〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇伊藤勢至委員 2点についてお伺いをいたしたいと思います。
 まず1点目でありますけれども、本県と青森県境の産廃不法投棄問題に関してお伺いをいたしたいと思います。
 これは実に信じられないことに、昭和57年、58年ごろから17年にわたって、東京ドームではかると27個分もの産業廃棄物が不法に投棄をされたという、全く信じられないような事件であるわけであります。今でしたら、2トンダンプやあるいは4トンダンプに建設廃材を積んで、その辺の山にぱっとあけると、3日もしないでつかまりますよね。そういう中にあって、17年も知らないでいたというのは本当に信じられない思いであります。これが青森県側が11ヘクタールの広さの中に67万立米、岩手県側が16ヘクタールの広さの中に15万立米、そしてこれを撤去するために総額が660億円かかるということであります。青森県分が440億円、岩手県分が220億円だそうであります。そこで、今国が半分出してくれるからということで、これにて一件落着のような雰囲気があるわけでありますが、私は決してそう思っていないのであります。今、県財政が大変厳しい中にありまして100億円、110億円のお金がありましたならば、これは福祉あるいは教育、そういったものに立派に転用ができるお金なわけでありまして、それがいまだに眠っていると、そういう状況にあるわけであります。
 そこでちょっとお伺いをいたしますが、この問題が発覚をしてすぐ、岩手県警と青森県警が合同捜査をされていろんな経過があったようでありますが、そのてん末といいますか、その結果はどういうことになったのか。そして今、県警といたしましては、この問題についてどういうスタンス、どういう考え方でおられるのか、まずそこからお伺いをしたいと思います。

〇佐藤生活安全部長 県境産廃の問題についてお答えします。
 県境の産廃問題に関しましては、県警察といたしましても、県の一機関という立場から重大な関心を持っているところであります。そのため、平成14年9月に県の対策室に併任の警察官1名を配置しまして、排出責任追及等の業務に従事をさせているところであります。また、県警察としましては、排出事業者等に対する直接的な責任追及はできませんが、昨年宮城県内の建設業者を摘発した例のように、措置命令違反につきましては、県からの告発がありますと法に照らして厳格に対処するなど、県の業務を側面から支援をしているところであります。
 今後とも、県と緊密な連携を保ちながら、一日も早い問題解決に向けて貢献をしてまいりたいと、このように考えております。

〇伊藤勢至委員 この問題にかかわりまして、埼玉県の縣南衛生、あるいはまた八戸の三栄化学工業あるいは三栄工業などが処分を受けたと聞いていますが、それはどういうものだったんでしょうか。そして、この会社は今も現存しているんでしょうか、お伺いいたします。

〇佐藤生活安全部長 県境産廃の刑事責任の追及につきましては、平成11年に青森県の業者と埼玉県の業者、これを摘発しまして、捜査は完了しているところであります。

〇伊藤勢至委員 捜査は完了しているというお話でございましたが、しかし、県民は実はそうは思っていないんだと思うんです。といいますのは、これは視点を変えてこの事案を見ますと、岩手県分だけの220億円適正処理をすればこれからお金がかかるということでありますから、これは見方を変えますと、多分、関東、関西の業者が排出したものを持ってきたんだと思いますが、関東、関西からこの県境までの運賃を差し引いて220億円から仮に5億円、10億円を差っ引いたとしますと、適正に処理をすれば200億円かかるものを、200億円をかけないで、安易に不法投棄をしたことによって200億円以上のもうけをむさぼっているやつがいるんだと、こう見ることもできるんだと私は思うんです。そういう中で、この小さい運び込んだ運搬業者、受け入れた産廃処分業者、そういった者だけを処分してこれで一件落着というのは、これはまさにトカゲのしっぽ切りと言われてもしようがないのではないか、私は実はこう思うわわけでありますし、このことには県民の多くがそういうふうに私は思っていると思います。
 大体、今まで東北の歴史の中で、ちょっと大きくなりますけれども、我が岩手県は中央に対して4連敗だと、こういう声もあるわけであります。アテルイがあるいは安倍一族が、坂上田村麻呂にやられてしまった。平泉の中尊寺が、平泉文化が、頼朝によってやられてしまった。最後に戊辰戦争では、賊軍の汚名まで着て敗れてしまった。今度は、こういう関東、関西の、言ってみれば排出物を岩手県が押しつけられて、そのまま一件落着にしているというのが、これは5連敗目になるのではないか、そんなことは絶対に許せないというのが県民の声だと私は思います。
 そういう中にありまして、私は11年ぐらい前になりますけれども、市議会議員でいたころに、宮古のある産廃場の問題で、公害防止条例を締結すべきということで議会で取り上げて、締結をさせて、その結果、その業者さんから実は訴えられました。損害賠償です。私は結果的には勝訴をしたんでありますが、その際にいろんな人脈といいますか、いろんな方と知り合うことができまして、政治結社の方々とかあるいはえせ何とかという、そういう方々ともたまたま話ができるようになりまして、そういう中からいろんな声が聞こえてきます。
 火のないところに煙は立たないということわざがありますけれども、関東、関西の業者が県境に産廃を持ち込む際に、岩手県のある方の了解を得なければならなかったと。そういう話が流布されておりまして、私の耳に入ってまいりました。もし、そういう人がいて、そういう絡みがもしあったとすれば、この後ろには相当大きな犯罪が隠れているのではないか。この産廃業界というのは、絶対に必要な業界ではありながら、どうもダーティーな部分が多いと言われておりますし、終局的には暴力団の資金源になっているのではないか、そういう声もあるわけであります。これはぜひ岩手県警、警察本部のメンツにかけてぜひ解明を積極的にやっていただきたい。これは県民の切なる願いだと思うのでありますが、県警といたしまして今後の取り組み、ルールがどうのこうのということよりも大きな目で見ていただいて、これから岩手県が200億円あるいは100億円の県費を、県民が泣く泣く納めた税金をそのまま払ってしまう。こういうことを、大きな巨悪を眠らせないという意味からも、ぜひ県警の、オール岩手県警、全力を挙げて取り組んでいただきたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。

〇佐藤生活安全部長 県境産廃事件といいますのは、あれは正規の許可業者による不法投棄事案ということであります。したがって、当時の法体系の中におきましては、ぎりぎりの判断で捜査を行い、青森県と埼玉県の2業者、これを立件したと、このように承知しております。今後、さらに関係者の捜査ということを言われましても、この事件につきましてはもう既に時効は成立しております。また、物の特性といったことも非常に難しいということで、警察としての直接的な捜査、これは不可能であります。
 このあたり、私も報道の関係者などからもよく聞かれますのでもう少し具体的に申し上げさせていただきますが、まず、時効ということであります。行政としての責任追及、これは捜査着手以降の法改正によりましてさかのぼって追及することができると、このようになりました。ですが、司法の場面におきましては、平成11年当時の法、これでは3年ということでありましたので、既に時効が完成しているということであります。
 次に、物の特定ということでありますが、行政措置としましては、排出業者が特定され、また、その量が特定されますと、排出者に対して、あの現場から自分が出した同じ量、これを撤去せよと、このような命令をかけることができます。ですが、司法の場面では、これがあなたが出したごみですと、こう特定をして責任を問うと、このようになります。したがって、仮に時効が完成していなくても、あの広大な投棄現場から物を特定せよというのは、まず困難だと考えております。

〇伊藤勢至委員 法律論議はちょっとよくわかりませんが、県民感情として私はお願いをしたいと思うのであります。つまり、岩手県に対して土足で踏み込んできて、ちょっとびろうな話で恐縮でありますが、ふん尿をまき散らしてそのまま逃げていったと。だけれども、それを岩手県は泣く泣く110億円ものお金をかけて清掃しようとしている。それの犯人はつかめない。この裏には、多分こういうものを出したのは、中小零細企業ではなく、大手の〇〇重工業とか〇〇電気とか〇〇プラントとか、そういったものだと思うんです。結果的に時効でございます、これは調査ができませんとなると、200億円もこうやって左うちわであぐらをかいて笑っているやつが残ってしまっているというのは、県民感情として私は理解ができないと思うんです。したがいまして、今言いました風聞にしかすぎませんけれども、そういう情報を追いかけて、そういう情報を流したところがどこか、そういうものを追いかけるとおっしゃっていただくのであれば、私が知っている情報は全部お知らせをしたいと思いますし、そういうところからほころびを追及することによって、大きな220億円もの負の遺産を解決ができる、できるとすればこれは警察力しかない、このように思うわけでありまして、もう一度今度は本部長からお考えをお示しいただいて、この件については終わりたいと思います。

〇山内警察本部長 若干繰り返しの答弁になることをお許しいただきたいわけでございますが、私ども県警察は、あくまで法の執行機関として、法律と証拠に基づいて適正な捜査手続を進めるというのが立場でございます。他方、委員から御指摘がございましたように、まさに岩手県民の皆様の怒りということも理解できるところでございまして、そういう意味で、一番最初に生活安全部長から答弁いたしましたように、県警察としても、県の一機関として最大限、現行法の範囲内でできることは最大限やらせていただきたいということで、まさに現在法的に可能な、県の方で行われておられます排出責任の追及と、こういったことに対して県警察としても最大限協力する、知見を提供するといった形で協力させていただいているところでございます。
 今後とも、引き続き、県警として現行法の範囲内で、できる範囲内で努力をさせていただきたいと考えております。

〇伊藤勢至委員 この件については、御決意をお伺いしましたので終わりたいと思いますが、いずれ、県民といたしましては本当にやるせない気持ちで、この気持ちをどこにぶつけたらいいんだと、そういう気持ちで、そうなった場合、最終的に頼るのは警察力だと、こういう県民が大勢いるということをぜひひとつ肝に銘じていただきまして、これにて一件落着にせずに、むしろこれからだと、こういうことでぜひお取り組みをいただいて、最終的に巨悪を眠らせないと、そういう岩手県警であってもらいたいと思いますので、お願いをしておきたいと思います。
 次に、交番・駐在所の統廃合についてお伺いをいたしたいと思います。
 県警が交番・駐在所の配置見直しを進め、統廃合を行うという報道がありましたが、この時勢では何ともしようがないかとは感じたものの、地域から駐在所が消えるということに一抹の不安を感じたところであります。駐在所は、昔から地域住民に親しまれておりまして、そこに赤い門灯があるだけで安心できるというのが、多くの地域住民、県民の思いであると思います。私の住まいする宮古市においても、多くの交番・駐在所が地域住民の支えになってくれているわけでありまして、私もやや不安を感じているところであります。
 そこで伺いますが、交番・駐在所の統廃合を計画するに当たり、県警察としてもさまざまな見地から検討をされたと思いますが、その基本的な考え方をお示しいただきたいと思います。

〇山本警務部長 交番・駐在所の配置につきましては、現在17警察署に51の交番、168の駐在所を配置してございます。この配置に当たりましては、人口、世帯数や事件・事故の発生状況のほか、警察署からの距離など地域の実態を勘案し、警察力が全県的に保たれるようにするということが基本でございますけれども、治安情勢の変化に的確に対応し、また、限られた警察力を効率的に運用する必要がありますことから、毎年見直しを行ってきているところでございます。
 今後の方向性といたしましては三つございまして、一つは、市街化進展地域の駐在所を交番にする。二つは、市街地周辺の駐在所を交番に統合して体制を強化する。三つは、拠点となります駐在所を複数勤務化すると、そういう方向で検討しているところでございます。いずれにしましても、施設の耐用年数を最大限生かしつつ、社会情勢の変化に対応した警察力の適切な配分に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 なお、このうち、16年度におきましては3駐在所を廃止いたしまして、その要員を負担の高い隣接の駐在所に配置して、複数勤務化を図ることとしております。

〇伊藤勢至委員 あるテレビ番組が、中学生に対して、警察官とお巡りさんの違いを言いなさいという番組を見たような気がするんですが、そのときの答えが、事件・事故があったときにパトカーですっと来るのが警察官、自転車をこいで汗をかいてくるのがお巡りさんと、こういう答えだったんでありますが、実はこのお巡りさんという部分が本当に地域には大切なわけであります。そして交番も大切なんです。今や交番は世界共通語ですよね。東アジアのどこでしたか、ベトナムとかタイとかでは、日本に習いに来ているではありませんか。こういうのが長い歴史と伝統でありますし、お巡りさんに対するひいては警察の力に対する安心感という、長年の蓄積があるわけであります。こういう中で、ただ単に経済的な理由でどうしても縮小せざるを得ないということであれば、ぜひ100億円をお上げしますからあれをつかんでください。そうしたらヘリコプターの1機や交番の5個や10個をつくってあげますよ、県民は許しますよ。そういう思いでひとつやっていただければありがたいと思うんであります。財源は県庁にあり。ぜひこの100億円をとっつかまえて、その中の50億円でもお使いになって、警察力を充実して県民の期待にこたえていただきたい、お願いをして何か感想があればお伺いして終わります。

〇山本警務部長 交番・駐在所につきましては、地域の生活安全の拠点として今なお定着をし、また、住民からも信頼を寄せていただいているところでございます。お金、何分財政的な状況もございますので、そうした範囲の中で、できる限りそうした希望にもこたえられるよう頑張ってまいりたいと思います。

〇工藤大輔委員 ただいまの交番・駐在所の統廃合に関しまして、関連して質疑をしたいと思います。
 平成16年度に統合されるのは3カ所で、その中にも九戸村の戸田駐在所、あと大船渡と紫波と聞いているところなんですが、私は旧来からこの戸田駐在所の必要性を訴えてまいりました。そしてこのような発表となったこと、非常に残念に思っているところです。先ほど伊藤委員の方からもございましたとおり、駐在所はやはりそこにあるというだけで、もう、抑止効果があるわけであり、そしてまた、九戸の戸田駐在所というのは、九戸の住民の方々と連携した形で今日まで進んで来、そして治安の維持に努めてきたというのが現実であったと思います。そのような中で、治安の水準が低下するのではないかという声も多く聞かれるわけなんですが、統合後どのような治安体制をつくろうとしていく考えなんでしょうか。
 また、先ほどの御説明によりますと、伊保内駐在所と戸田駐在所の負担率の違いと庁舎の老朽化がポイントとなってきたのかなという感じもします。そういった中で、負担率について考えれば、統合と発表する前に、伊保内駐在所に対して所管する二戸警察署の人員の中で運用するとか、また、戸田駐在所との間で運用するというふうな、総合運用による負担率の緩和ということができなかったものなのか、またやってきたのかどうか、それについて先にお伺いします。

〇佐藤生活安全部長 まず、戸田駐在所の廃止理由でありますが、議員御承知のように、戸田駐在所は築後40年を経過しまして、県内では一番古い駐在所となっております。そこで、建てかえをするか否か、この判断が緊急に求められたところでありますが、高速道路の九戸インターの開設等によりまして、伊保内駐在所の重要度がさらに増すものと、このように考えまして、戸田を廃止して伊保内駐在所の体制を強化するということにしたところであります。
 次に、地域の治安確保でありますが、戸田駐在所の施設はなくなりましても、伊保内駐在所の複数化によりまして戸田地区を担当する警察官、これはこれまでどおり配置いたします。したがって、九戸村全体としてとらえた場合は、パトロールや夜間、休日等の体制が強化されますほか、常時警戒体制もとれるというメリットが生ずるものと考えております。しかし、戸田地区の安全活動とかさまざまな相談ということにつきましては、御不便も与えることがあろうかと思われますので、出前の駐在所を開設するなどしまして、住民へのサービスを後退させないよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、伊保内駐在所はほかから増強して戸田は残すべきだということでありましたけれども、伊保内と戸田を統合して2人制にしましても、1人当たりの負担というものは県下の平均以下でございます。したがって、限られた人員の中におきましては、増強は困難という検討結果でありましたので、御理解をいただきたいと思います。

〇工藤大輔委員 今、出前の駐在所という話がありましたが、これは、施設はつくらないということなんでしょうか。
 それと、結局この負担率の関係なんですけれども、戸田の場合は防犯隊を結成して長くやってきたわけなんですね。そういった中で事件、事故等が防止されてきたということで負担率も軽減されてきたというのが実態であり、私はこういった地域はモデル地域として残して県下に広めて治安の維持に努めるべきと考えます。これを県下に広げることによって警察官の方々、人が足りないということを地域とともにやはりそれを解決していくという手法があってしかるべきというふうにも考えます。
 そこで、お伺いしますが、防犯隊の効果はどのぐらいあったのでしょうか。また、戸田と同様の取り組みをしている地域というのは、県内に実際にどのぐらいあるのでしょうか。

〇佐藤生活安全部長 まず、この出前の駐在所につきましてはいろいろ方法論があります。例えば、公民館をお借りしてやるとか、移動交番というのもございます。そういうのを持ち込むとかいろいろあります。そういったあたりは十分検討してまいりたいと思っております。
 それから、戸田は防犯、交通を含めまして住民の活動が非常に活発な地域でございます。私どもとしましても大変感謝いたしております。こうした点も十分に念頭に置きながら、住民の皆様方に説明をして理解を得たいと考えております。また、活動の支援につきましても十分配意してまいりたいと思っております。
 あと、県内で戸田のような駐在所の活動の数と申されましたが、現在手元にはございません。必要があれば後ほど委員の方に調査してお届けしたいと思います。

〇工藤大輔委員 私は、この地域合意はなかなか得られないのかなという思いを持っています。そしてまた、この決定に当たっては管轄する二戸署の意見というものを聞いた上で反映されたという認識でよろしいのでしょうかお伺いします。

〇佐藤生活安全部長 先ほどの防犯隊の活動状況でございますが、県内には約40ございます。
 それから、二戸署との合意ということでありますが、戸田駐在所につきましては、これまでも何度かずっと数年にわたって検討してまいりました。そして、地区の方々からは存続の要望というものも出されておりました。そういったことを全部踏まえながら検討して結論を出したということでございますので、御理解をいただきたいと思います。

〇工藤大輔委員 私は、歴代の二戸の署長さん方にお伺いした際に、戸田は残してほしいというふうな声を実際に聞いてきました。ですから、そういった点で二戸署とどのぐらい聞き取りをされて反映されたかというと非常に疑問に思うところです。現在の署長さんがそういった考えなのかもしれませんが、少なくとも歴代の署長さんは違ったのが実態ではなかったんですか。
 それと、今回このような発表の仕方になったわけなんですが、実際に計画を前もって数年後の計画も含めて発表して、地域でも、また、さまざまな市町村でももんでもらって実際に予算執行する等の住民合意を得るような形というものをすべきと思いますが、そのこともお伺いします。
 また、最後に、やはり警察というものは地域に根づいた行動が必要でありますので、私はその原点に立ち返って、必ずこれを執行するに当たっては地域合意をもらってからにしていただきたいことを強く要望して質問を終えます。

〇佐藤生活安全部長 歴代署長の話ということでありますが、さまざまでございます。
 それから、交番・駐在所の施設につきましては、更新するにしましても廃止するにしましても予算が伴いますので、これまでの整備状況を見ておりますと、決定から着工まで数年の歳月を要しているという実態でございます。また、その間にはいろいろな事情がありまして計画を白紙に戻すといったこともありました。したがって、余り早く地域の皆さん方に説明をしますと、過度の期待を持たせたり落胆をさせたりといったことがありますので、これまでは予算要求が通ってからの説明ということでやってまいりました。しかし、駐在所の配置見直しにつきましては、地域にとっては、これは大変なことでございますので、委員御指摘のように、今後は予算要求の段階で公表するといったことも検討してまいりたいと思っております。

〇工藤篤委員 日本は世界一安全な国と言われておりましたが、最近その神話が崩れてきているような気がします。それは日本の治安が急激に悪くなっておるという状況があります。平成14年度の刑法犯の件数、約285万件であります。これは戦後最高の犯罪件数だと言われております。一方、検挙率は約20%ということで過去これまた最低と言われておるわけでありますが、治安は最大の福祉と位置づけて県警察は県民の安全な生活を守るために日夜努力をされているところでありますが、本県の刑法犯の発生件数はこの数年増加しているのか、あるいは減少しているのか、また、この犯行の主な内容はどういうものがあるのか、あるいはまた、その検挙率は上がっているのか、下がっているのかについてお尋ねしたいと思います。
 二つ目は、最近、日本国内で外国人によると見られる犯罪が多数報道されておられますが、本県ではどんな状況になっているのか、その件数や、どのような犯行の中身があるのか、その事例についてもお伺いしたいと思います。
 それから、3点目、凶悪犯罪の低年齢化、これが大変問題になっておるわけでありますが、本県の状況はどうなっているのか、その内容についてもお知らせいただきたいと思います。

〇滝田刑事部長 それでは、私の方から平成15年における県内の刑法犯あるいは凶悪犯罪の発生状況というものをお答えしたいと思います。その後で外国人による犯罪の特徴等についてお答えしたいと思います。凶悪犯罪の低年齢化につきましては、担当の方から答弁させていただきたいと思います。
 まず、最初に県内の刑法犯、特に凶悪犯の発生状況などについて御質問でございますので、お答えしたいと思います。
 最初に、平成15年中の刑法犯の発生状況についてでございますが、県内におきましては認知件数が1万3、686件、前年比マイナス1、325件となっております。検挙件数は4、495件で、前年比でプラス230件、検挙人員は2、910名で、前年比マイナス13名といったような状況でございます。認知件数が減少して検挙件数が増加したという関係から検挙率も向上いたしております。なお、刑法犯認知件数の76.7%が盗犯でありますが、これら刑法犯の総量抑制ということで街頭犯罪の抑止活動といったようなものを昨年強力に推し進めた結果8.8%の認知減少といったような状況にございます。また、平成15年中の刑法犯認知に対する検挙率は32.8%、前年は28.4%でございますので、前年よりプラス4.4%の検挙率となっております。前年よりは多少検挙率が上がっているということでございます。
 次に、刑法犯の中の凶悪犯についてお答えいたします。
 警察で刑法犯としている犯罪は、殺人、強盗、放火、強姦、略取誘拐、強制わいせつなど6罪種であります。これはいわゆる凶悪犯と言っているわけですが、昨年の県内の認知状況でございます。認知は133件、前年よりプラス24件であります。罪種につきましては、殺人が13件で前年比プラス6件、強盗が26件で前年比プラス4件、放火が24件で前年比プラス10件、強姦が15件で前年比プラス3件、略取誘拐が7件で前年比プラス1件です。強制わいせつは48件で前年と同数でございます。
 その検挙状況でございますが、昨年以前に発生した事件の検挙も含まれておりますけれども、殺人が15件、前年比でプラス9件になっています。強盗が17件で前年比プラス2件、放火が20件で前年比プラス5件です。強姦は14件で前年比プラス1件、略取誘拐が6件で前年比プラス2件、強制わいせつは20件で前年と同数という形になっております。凶悪犯の検挙率は69.2%で前年よりプラス2.2%の検挙率になっております。ほとんどの罪種で前年より検挙率が向上しているところでございます。これらの状況を踏まえまして、凶悪犯に対する対策につきましては、組織の合理化などにより現場部門の強化を図ったり捜査力の向上を図って、各種捜査新機材の活用等々を推進しまして、検挙の向上に努めてまいる考えでございます。

〇小方参事官兼生活安全企画課長 少年非行の特徴を申し上げます。平成15年中における本県の少年犯罪は、飲酒、喫煙、深夜徘回など犯罪の前兆となる不良行為少年の補導活動を強化いたしまして、犯罪少年の未然防止に努めました結果、刑法犯で検挙した少年は1、431人でございまして、前年と比較し68人減少しております。しかし、その一方で少年の逮捕者が大幅に増加するなど、質的悪化とともに集団化の傾向が強まっているところであります。また、少年非行の低年齢化という問題につきましては、特にその傾向が強いという状況には本県ございません。

〇滝田刑事部長 それでは、私の方から、外国人犯罪の特徴的な傾向というお尋ねでございますので、答弁させていただきたいと思います。
 県内における昨年の外国人による刑法犯の検挙状況でございますが、中国人による入浴施設における強制わいせつ事件とか、あるいはトルコ人等による組織窃盗、これは北上市の方でやっております。それから、中国人グループによる車上ねらい、CD盗、あるいは中国人グループによる不正カード使用詐欺事件、あるいは中国人等がパチンコ店を対象にした緊縛強盗事件等、荒いのから、泥棒が主体、窃盗事案が主体というような状況にございます。

〇工藤篤委員 検挙率も大変向上しているようでありますし、また、先ほど外国人の犯罪の御紹介もあったわけでありますが、最近、私ども岩手県でも外国人が入ってきましてさまざまな犯罪も犯しているようでありますし、日本人が想像できないような手口で犯罪を犯すということも聞いておりまして、そうしたことも何かの機会に住民にも知らしめて、警察と一体になって住民が協力してそういう犯罪を未然に防止するということも大切であろうかと思いますので、あらゆる機会をとらえてそういう防犯対策にもさらに取り組んでいただきたいと思っています。
 最後に、もう一、二点お尋ねしますが、222ページのところに警察本部費の中に警察職員2、380人、うち警察官2、070人と記されておりますが、このいわゆる職員、警察官のうちそれぞれ女性が何人ぐらい採用されているのか、また、その中で特に管理職というのは女性の方でどれぐらい、何%ぐらいいらっしゃるのか、それも教えていただきたいと思うわけであります。
 それから、いろいろお伺いしますと、全国で平成16年度に警察官が約3、150人増員の予定だと聞いておるわけであります。本県でも約20名増員するというような話もあるわけでありますが、これは例えば今後採用する場合に女性なども当然採用するのかどうか、あわせてお尋ねしたいと思いますし、また、先ほど来いろいろ話もあったわけでありますが、この20名をどういう部署に配置をしてそういうものを考えていらっしゃるのか、あるいはまた、そういう配置をすることによってどんな成果が期待されるのかについてお尋ねしたいと思います。
 それから、もう一点、実は岩手県で環境生活部の中に青少年・男女共同参画課という課を設けておるわけでありますが、ここでさまざまな事業を実施しているのは皆さんも御承知だと思うわけでありますが、警察行政の中にも女性の視点でありますとか、あるいは意見を取り入れて何かその事業をやっているのか、そういうものもありましたらぜひひとつ教えていただきたいと思います。

〇細田参事官兼警務課長 女性警察官の採用につきましては、平成5年度から昨年4月まで66人採用しているほか、平成10年度には交通巡視員12人を女性警察官に身分を切りかえまして採用しております。現在は退職等によって60人在籍しているのが実態でございます。なお、管理職につきましては、いわゆる補佐クラスに1人登用されているということでございます。
 また、20名の増員に関して女性の採用はということでございますが、この20名の増員ばかりでなくて採用全体の中で今後とも適正な女性の登用ということ、あるいは採用ということを考えてまいりたいと思います。
 さらに、どんな職種に活用しているのかということですけれども、現在の実態を申し上げますと、警察本部を初めといたしまして、盛岡東警察署等11警察署に生活安全あるいは刑事、交通、こういった専務係として配置しているほか、交番等において地域警察官として配置しているところでございます。男女共同参画との絡みもございますけれども、女性警察官は、第一線において各種犯罪の捜査や巡回連絡、警衛警護等、多方面において活躍しており、市民応接の面では特に好印象を与えるなど、男性警察官と遜色のない活動を行っているところでございます。

〇亀卦川富夫委員 交通安全対策という点でお尋ねいたします。
 後を絶たない交通事故等にどう対処していくか、これは取り締まりと指導、この両輪が大変大切だと思います。特にも県民総参加による交通安全運動というものは大切なわけでありますが、そうは言ってもやはり指導機関あるいは取り締まり機関がしっかりしていかなければならないわけであります。そこで、指導の部分になりますとこれは警察の所管ではございませんが、交通指導員というのが各市町村におりまして、交通指導隊という名称のもとにボランティア精神ということで非常に頑張っております。そこで、警察としてこの交通指導隊とどのような連携をとって、いわゆる交通安全対策というものに力を注いでいるのか、その辺についてお尋ねしたいと思います。

〇吉村交通部長 各市町村に置かれております交通指導隊につきましては、毎年、交通安全活動をする上で必要な研修や教養を受けるなど、交通関係団体の中でも高い活動力を有している組織でございます。現在、各警察署におきまして、指導隊との連携を強化しながら、街頭における交通安全指導、広報啓発活動、さらには、学校における交通安全講習会等、地域の実態に応じたきめ細かな活動を展開しておるところでございます。

〇亀卦川富夫委員 この交通指導隊、これは現場ではいわゆる法律的な権限が全くないわけです。したがって、一例を挙げれば、登校時の横断歩道の安全確保などというときに、非常に指導員もある意味では危険というような部分も、悪質な運転手によれば生ずることがあるわけであります。したがって、非常に警察職務の多忙な中ででも、ぜひこういった部分では交通指導隊と一体となった、ある意味では指導とか、場合によっては取り締まり、そのようなことが必要だろうと思うわけであります。年間の一つの計画を立てていろいろおやりになっていることはわかるわけでありますが、日常的にこういった交通指導隊等にも目を向けていただいて、ぜひひとつお互いが両輪となって交通安全に取り組んでいただきたいと思いますが、今後のそういう取り組み方の考え方についてお伺いして終わりたいと思います。

〇吉村交通部長 委員御指摘のとおり、交通事故を防止するためには、やはり関係機関・団体との連携が何よりも重要と私どもも考えております。特に地域の交通安全運動の活動の中核として活躍しております交通指導隊につきましては、今後さらに指導、支援をしながら事故防止に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解のほどお願い申し上げます。

〇平野ユキ子委員 有事7法案が一昨日閣議決定しましたが、これについて関連したことをお伺いします。
 政府は、一昨日、報道によりますと9日、今国会で成立を目指して国民保護法案を中心とする有事7法案を閣議決定いたしましたとの報道がなされております。この有事法案は、1976年といいますから28年前になるわけですが、ソ連のミグ21戦闘機亡命事件当時に検討――私もその記事を読みながら思い出したんですけれども――されながら、やっと今回形になったもののようでございます。この背景には多分皆様御承知のとおり、一昨年の米国における同時多発テロの勃発から、それを受けて始まった米国のイラク侵攻、そしてそれを受けて昨年の日本のイラク特措法の強行採決、そしてイラクへの自衛隊の派遣と、近ごろの日本を取り巻く国際情勢はこれまでになく緊迫した状況になっていることにあると思われます。
 そこで、お伺いいたしますが、昨年、イラク自衛隊派遣法を日本政府が決めた際に、テロ組織から日本をテロの標的とすると名指しで敵国とされたことは記憶に新しいところですが、私の周りでも主婦や、それから特に若い人たちがどうしたらいいのだろうというような憂慮、不安におびえたわけですが、こういう可能性は水際で防ぐことが肝要であろうかと思われます。それについて予防措置といたしまして、国は水際で防ぐための措置はどのようにしているのか、そしてそれに対応して県警としての取り組みはどのようなものなのかということをお聞かせください。

〇高橋警備部長 国際テロ対策につきましては、その未然防止というのが最大の眼目にあろうかと思っております。県警察としても、それを大前提にしながら次の点を重点に実施しているところでございます。
 その一つは、委員御指摘のとおり水際対策についてでありますが、県内には国際開港として釜石、宮古、大船渡、この3港があります。また、地方空港として御承知のとおり花巻空港がございますけれども、これらの空港あるいは港に出入りする外国船あるいは国際チャーター便等に対しまして、入国管理局あるいは海上保安庁、税関等関係機関との緊密な連携のもとに、不審な外国人の発見等に現在努めているところでございます。
 また、その二つは、テロ関連情報の収集・分析ということでありますが、このことにつきましては警察庁を初め、他の県警察と緊密な連携のもとに、関連情報の収集に現在努めているところでございます。
 その3は、社会インフラなどの重要施設の警戒についてでございます。これにつきましては、施設の管理者等関係機関との連携のもとに、所要の警戒を実施しているところでございますし、また、異常な点がございましたら早期に通報していただくようにお願いしているところでございます。

〇平野ユキ子委員 岩手県は、今、高橋警備部長がおっしゃっていただきましたように港がありますので、北朝鮮の拉致問題等も含めてそういった警備は必要、非常に県民にとっては安心なことだと思います。それと、水際で防ぐということも肝心ですが、既に在日とか在県している外国人、先ほど工藤篤委員からも外国人の犯罪等ありましたけれども、その犯罪とはまた別に、そういった事件を起こしそうな可能性を惹起させるような人物というのを把握しているのでしょうか。これは差し支えない程度で結構ですのでお知らせください。

〇高橋警備部長 県内にそういう関連の人物等いるのかということでございますが、そうした具体的な対象につきましてはお答えを差し控えたいと思います。先ほどお話しした対策を着実に推進していきたいと考えております。

〇平野ユキ子委員 有事7法案についてですが、そちらの方にまた戻りますが、有事が起きたときの対応について定めてあるわけなんですが、国民保護法案が中心になっていますが、新聞報道によりますと、侵害排除する主体となるのが自衛隊なのか警察なのかは、省庁間の縄張り意識から整理がついていないというような説明が書かれてありますが、その連携とか、もし本当に何かテロがあったときには連携とか命令系統とかというのはしっかりしていた方がよいのではないかと思いますが、県警の取り組みとしてはいかがなものでしょうか。

〇高橋警備部長 日本が有事の際における自衛隊との連携ということでよろしいんでしょうか。(平野ユキ子委員「はい」と呼ぶ)
 有事関連3法案につきましては既に国会において成立しておりますし、また、これに伴う国民保護法制につきましては、先日、閣議決定をされたところでございます。有事に際しての警察と自衛隊との関係につきましては、第1次的に国内の治安を維持するのは警察と理解しております。とは言いながらも、一般の警察活動では対応できないいわゆる有事というふうに思いますが、そういうものに対する対応につきましては自衛隊と協定を結んでおりまして、有事の際の活動の方法等について、昨年、岩手県警と第9師団との訓練等も実施しておりますが、これらを踏まえてさらに緊密な連携のあり方等について、今後も検討してまいりたいと思っております。

〇平野ユキ子委員 有事ということで、外国人の凶悪な犯罪ということ、先ほど工藤篤委員の方からもありましたが、やはり外国人、観光客がふえておりまして、しかも日本人には考えられない凶悪な犯罪が多いわけです。窃盗団、先ほどたしか説明もございましたが、中国人による窃盗団ですとか、けさの日報の報道によりますとトルコ人の窃盗団の話が出ておりまして、これは岩手県で検挙したということで、これは本当に非常にいいことだと思いますし、またさらに、中国人の窃盗団を検挙した大久保警視が最優秀賞を受賞したというようないいニュースも載っておりまして岩手県警は優秀なんだと思いますが、実は3月5日にも、これは東京なんですけれども35億円の宝石の強盗事件、これは白昼起きたわけですが、そういった事件も起きておりますし、ATMを機械ごと壊して盗んでいくといったようなこともございますし、これは中央だけではなくて本当に地方でもあすにでも起こり得るようなそういう社会状況になってきておりますので、ますますそういった方に向けて何か対策をとっておられるのか、お伺いしたいと思います。

〇滝田刑事部長 先ほど平野委員の方からもお話しありましたが、当県で、昨年刑法犯で外国人を検挙したのは74件21名でございますが、県内で発生した事件は18件、あとは他県で発生している。この差は何であるかと言いますと、先ほどお話しありましたけれどもトルコ人ですね、これが秋田県で犯行を犯して岩手県に入ってきた。岩手県に入ってきたところを捕まえたということで、他県での発生が含まれておりますので数はこういう形になっております。そこで、刑事部あるいは生活安全部連携しまして、他県で、東京以北で発生すれば即他県警と連携をとりながら、どういう動きをしているのか見ながら、その状況によっては関係機関・団体の方に防犯広報を流すといったようなことをやっております。それから、夜間等につきましては機動捜査員、それから所轄の当直が夜間警戒を強化しまして、そういう外国人が入ってきた際の対応に当たっている。それから、逐次、東北管区内で発生した外国人による犯罪と認められる事件につきましては、ファクス等で流して広報活動に努めているといったような状況にございます。

〇平野ユキ子委員 今、滝田刑事部長がおっしゃってくださいましたように、実は外国人の犯行というのは全国的に広がっており――広がるというのは一つの窃盗団が全国的にあちこちに行くということなんですね。けさの新聞でありました盛岡地検のトルコ人窃盗団のニュースによりましても、他県に行っては自販機を荒らして愛知県の本拠地に戻るというような犯行を繰り返してきて、活動と言ったら変なんですけれども、窃盗を続けていたというような状況です。これは日本人の場合ですと住民票がありますので、どこへ行ったってすぐわかるわけなんですね。でも外国人の場合は、外国というのはそうなんですけれども、住民票とかの登録が徹底しているわけではありませんし、もちろん日本に来ればそのようなものはないので、そういった場合に捕まえる検挙率が、先ほどもちょっと問題になっていましたんですが、今まで犯罪の検挙率が日本の警察は優秀で90数%と言われていたんですが、さっき38……、何%でしたか、そんなに落ちているのか……。

〇吉田昭彦委員長 質問してください。

〇平野ユキ子委員(続) ということなんですが、その外国人に対する捜査の現況といいますか、あとは検挙率はいかがなものなんでしょうか。

〇滝田刑事部長 なかなか難しい質問でございます。平成15年中の来日外国人による犯罪でございますが、昼にもニュースで出ておりました。これはすべてあわせますと4万615件、前年比でプラス5、869件の増、検挙人員では2万7人ということで、前年比でプラス3、795人、これだけ多くなっている。全国に、先ほど委員御指摘のとおり、各地を車で飛び回っている、いわゆるヒットアンド・アウエイなんですね。犯行後すぐ新幹線で逃げるとか、いろいろやっています。それから、先ほどの宝石店も飛行機で国外かというような話がありました。そういったようなことで、県警はもちろん、全国ネットワークで対応しないと、こういう来日外国人による犯罪検挙は難しいという状況下にございます。いずれにしましても検挙率も上がっております。そういうことでこれからも当県もそういう来日外国人による凶悪犯罪を防止していきたい、あるいは発生したものは検挙、解決していきたいと思っております。

〇藤原泰次郎委員 予算に関する説明書の223ページ、警察施設に関連して組織の関係と警察署の施設の整備についてお伺いいたします。
 まず、この組織整備につきましては、これは、親法は警察法、そしてまた、本県においては警察の設置ということについては条例、また、先ほど来ございましたように交番あるいは派出所は公安委員会の規則というようなことでそれぞれあるわけでございまして、そう簡単に変えられるものではないわけでございますが、ただ、本県のこの犯罪の増加があり、また、複雑化しているということである現状を見た場合に、組織の見直しというものは今、考えられているのかどうかということが一つ。
 それから、もう一つは、県下には17警察署があるわけでございます。そうした警察の関係については今の段階では整理統合する考えがあるのかどうか。そして、またさらには、この施設の中で大分老朽化した警察署もあるわけでございまして、当面する計画の中でそうした警察署の新築あるいはやむを得ず改築という計画等についてお伺いいたします。

〇山本警務部長 警察本部の組織、機構のあり方について中長期的なビジョンがあるのかという御質問でございますが、まず、警察本部につきましては、治安情勢に的確に対応するため、平成16年度に刑事企画課と組織犯罪対策室を新設することとしてございます。それから、警察署につきましては、昨年10月に行財政構造改革プログラムが策定をされまして、平成18年度まで警察署の整備事業が凍結されたところでございます。また、市町村合併の動きもありますことから、こうした推移を見きわめた上で、警察署の管轄区域の変更が必要かどうか、あるいは建てかえをする場合の場所の選定などについて検討していく方針でございます。

〇藤原泰次郎委員 いろいろ検討されていることは非常に結構なわけでございますが、ただ、私は一番心配していますのは、非常に財政が厳しいということで、警察署の新築、増改築等必要な場合があるわけでございますが、そうした場合に非常に警察機能に影響するのではないかと思うわけでございます。と申しますのは、県下にはそれぞれの17警察署があるわけでございますが、手狭なために警察官の心身鍛錬するいわゆる体育館といいますか、道場と言えば言葉はあれですが、そういう鍛錬する場所がないところもある。例えば、地元の紫波においてもそういったようなことがなくて、今現在、警察の所要の部屋に使っていると、それで施設等は他の公民館等、あるいは町のさまざまな施設を利用しているという現状で、非常に士気にも影響するのではないかと思うわけでございまして、県内にそうした警察官の心身鍛錬の場として場所がないという警察署は何署あるのかお伺いいたします。

〇細田参事官兼警務課長 3警察署と承知しております。

〇藤原泰次郎委員 それで、先ほどの答弁にもございましたが、非常に財政が厳しいわけでございますので、そう簡単には警察署の新設というものも難しいわけでございます。ただ、当該委員でないのでこの場から申し上げるわけでございますが、やはりそうした、2年や3年で増築あるいは改築する計画があるとすれば、そこまでは我慢するにしても、新設等の場合あるいは改築等の場合に長期にわたって、例えば10数年かかるという計画しかできないという場合には、当面その警察官の鍛錬のためには、仮設のようなそういう心身を鍛えるような場所の設置も必要ではないのか。二、三年や幾らであれば我慢しろということはできるわけでございますが、今の財政からいきますというと非常に厳しいというお話もございますので、そうした面の、柔道とかそういうものについては別に暖房施設も要らないわけでございますので、そういう簡易な施設で当面10数年というものを我慢するとかという方法もあると思いますが、その辺の御所見をお伺いしたいと思います。

〇細田参事官兼警務課長 警察官の寄って立つというか、心身の鍛錬というのは非常に大事なわけですけれども、道場とかの整備につきましては、予算との兼ね合いもありますけれども警察施設全体の整備の中で検討させていただきたいと思います。

〇藤原泰次郎委員 検討させていただくということで安心するような気もしますが、どこか迫力がないというふうに思うわけでございまして、そういうことで私は大きな金をかけなさいということは言うつもりはございません。ただ、そうした道場でありますというと簡易なものでも間に合うということで、ぜひ実現していただきたいと思いますが、再度決意のほどお願いします。

〇山本警務部長 大変力強いというか激励の御意見だとお伺いいたしております。何分財政事情が厳しいということでございますけれども、我々としてもできる限り財政当局にそうした事情を説明して、警察署の改修ですとか、ある予算を活用して捜査員の活動に支障がないように努めてまいりたいと考えております。

〇小野寺研一委員 1点についてお尋ねをいたします。223ページの警察施設費についてでございますけれども、二戸警察署、新築計画がある程度発表されといいますか、いろいろな議論がされてからもうしばらくたちます。県警察はこの新しい計画といいますか、新築計画の進捗状況をどのようにとらえておられるのか、そして先ほどからお話しありましたように、予算調製あるいは財政、そういう関連部局にどのような働きかけをされてまいっているのか、その辺を、お尋ねをまずしておきたいと思います。

〇細田参事官兼警務課長 二戸警察署は、昭和46年3月に建築されまして、築後33年となり、施設も老朽化が進み、また、駐車場が狭隘化するなど、来庁する方々に不便をおかけしていることから、新築移転が必要であると認識しているところであります。しかし、昨年10月に、先ほど来お話しありますように行財政構造改革プログラムが策定されまして、警察署整備につきましても、平成19年度以降に繰り延べされたところでございます。そうしたしかるべき時期が参りましたら再度協議を進めてまいりたいと考えております。

〇小野寺研一委員 今お話しありましたように、この二戸警察署は、盛岡西署、その当時からだと私、記憶しているんです。まして、東署が新築をするということで今までずっと片づけられてきている。それは事実なんです。やるということになりましてから、もうしばらくたちます。ですから、あの二戸署の地理的状況あるいは施設の充実、そういうことを考えればとてもではないですが、信号機と信号機の間に二戸署に入る入り口がある。ましてこっちから丁字路として警察に向かっておりてくる車がある。とても二戸警察署としての機能は、私は極めて危険を伴っていると、そのように二戸管内の警察に行った経験者の人たちからは、常に危ない思いをしているのだという話がよく聞かれます。県警本部あるいは県警察として二戸警察署の新築には、もうタイムリミットというかそういう感じを持っておりますので、ぜひとも、19年という財政判断なようでございますが、このことについてよく財政当局に要請をされて、私どももできるだけのことをします。無理を申し上げているわけではないんです。十分そういう申し送りがされてきているわけでございますので、もうそろそろ、しかも新幹線が来る、そのことによって二戸署……。

〇吉田昭彦委員長 小野寺委員に申し上げます。簡潔に御質問なさってください。

〇小野寺研一委員(続) 二戸署のランクは副署長を置けるという感じで機構が変わってまいりましたので、ひとつそのことも含めて二戸警察署の新築に全力を挙げていただくようにお願いを申し上げたい。警務部長のひとつ御判断をいただきたいと思います。

〇山本警務部長 御指摘のように二戸警察署は県境を接し、警察全体としても非常に重要な地区でございます。そうした活動で、そこの警察署自体は御指摘のように本当に手狭で、かつ老朽化しているという実態は我々承知いたしております。委員の御指摘を、応援をいただいていることを力として、また財政当局によく説明をし、また、できる限り早くそうした施設を新築できるように、我々としても努めてまいりたいと考えております。

〇柳村岩見委員 交番・駐在所の充実と、平成16年度にも警察官20人増員、それからさかのぼること平成14年度に20人増員されております。これは全体的に日本全国全体として1万人、これを平成14年度、平成16年度、こういう形で本県県警では20人、20人ということになるのだと思います。その交番・駐在所の充実と警察官の増員との関係、簡単に人がふえました、人件費は見てもらいました、それだけで交番ができる、駐在所ができるとは思いませんが、それによって再編がまたすぐできるとは思いませんけれども、連動性、どの程度関係あるものと我々は受けとめればよろしいのですか。

〇細田参事官兼警務課長 平成14年度の増員につきましては、平成15年3月に、治安の悪化が懸念される都市部の交番体制の強化、増加する警察安全相談への対応、街頭犯罪対策係の新設、あるいは県南サポートセンターの新設等、治安実態に即した体制強化のために配置を行っております。また、お話しございました平成16年度の増員分につきましても、各部門の業務負担や県下全般の治安情勢を勘案して、増員効果が生かせるような配置を決定する方針であります。委員御指摘のとおり、その連動性ということですけれども、警察官は実は初任教養というのがございまして、採用後大学卒業で15カ月、高校卒業で21カ月の初任教養がございます。ですから、採用即実働とはまいりません。ただ、お話しありましたとおり、交番あるいは駐在所、そういった地域活動を強化する、街頭に警察官を出すということでは努力してまいる所存でございますので、そのように御理解をいただきたいと思います。

〇柳村岩見委員 答弁漏れがあると思いますし、それから再度確認してお聞きします。1万人全国枠ということでスタートしたという認識があるのですが、そして平成14年度に岩手県では20人、平成16年度に20人、細かく精査していませんが、もう一回ぐらい増員があるのではないかと推測いたしますが、その推測はまるっきり推測でしょうか。全国で1万人にもうなりましたか。もちろん都道府県あるいは警視庁ということであります。何も20人ずつ平均して増員させたのではないでしょう。でこぼこもあるんだと思います。ただ、1万人枠はまだ残っているかなと、もう一回ありそうだという、そんなに、あると言ったから後で私が食い下がるつもりはありませんから、ありそうならありそうだと。実際、今後やはり私は、確かに答弁はきれいだし、そのとおりだと思います。それから、採用しましてもすぐ実働に入りませんからそのとおりでありますが、歴史的に平成14年度、平成16年度、あるいは私が今言ったように推測でありますが、今後まだ1万人枠の中では残があると、それがまた配分される可能性があると想定されるときに、交番・駐在所との充実についてどう連動させるかということは――させるかというよりは連動すべきである。当然それはそういう部分がある。増員の増がすべてそこに行かないまでも、そういう部分だって必ずあるはずだと思うところです。そういった考え方につきましてお答えを願いたいと思います。
 それから、最後に一つ、昨年の12月定例会に知事が一般質問に対して答えている、岩手県における人口に対して警察官の人数、負担率が4番目と答えているんですが、私の資料、平成15年4月1日人口からいくと5番目と書いているんだけれども、それどっちが正しいですか、今後そういう話をしゃべるときに正しい方を言いたい。そう思いますのでお聞かせください。

〇細田参事官兼警務課長 最初に、増員の全国枠の関係ですけれども、平成14年度、平成15年度、平成16年度で1万人増員の計画でございました。それで、平成16年度3、150人増員になっておりますけれども、このうち1、500人は平成16年度、平成14年度から始まった3カ年の残りでございます。そして、新たに平成16年度から平成17年度、平成18年度の3カ年で1万人増員要望しておりますけれども、平成17年度、平成18年度に残る数は8、650人でございます。ですから、委員御指摘のとおり、岩手県がとれるかとれないかということですが、私どもといたしましては、県の治安実態を示しながら、引き続き増員の要望に努めてまいりたいと思っております。
 また、交番・駐在所の充実と連動させ得るのかということですが、当然そうした考えでございます。
 また、最後に、人口負担が4番目、5番目という数値が出ているけれども、どちらが本当かということですが、これは県の条例定数で割り返せば4番目でございまして、政令定数で割り返せば5番目ということでございます。実数的には680人台から690人台、1人の警察官の負担が、それが実情だろうと思います。よろしくお願いします。

〇柳村岩見委員 本部長に、実は前に私が一般質問をしたときにも、決算特別委員会でも、要するに、知事部局外であります。しかし、岩手県における治安の維持については本部長、最大の責任があるところであります。しかし、お金を持っておりません。予算を持っておりません。今後、この岩手の治安を守っていくと、維持していくということに関して、これから予算獲得で本部長、努力しなければならない部分が大変大きいんだと思います。御決意のほどを。

〇山内警察本部長 先ほど来藤原委員から道場等の整備について、あるいは小野寺研一委員から、二戸警察署の施設整備についてもお話がございました。まさにこれら、すべて予算がかかわっていることでございます。また、今、柳村委員からは、増員の関係も含めまして、岩手県の治安を維持する上で警察力が効率的に活動するためにはそれに伴う予算が必要であると、また、その予算は、私本部長がまさに知事に直接かけ合って、必要な予算を獲得すべきものだという御指摘と思います。私どもも、まさにそのとおり思っております。
 今後とも、予算の編成に当たりましては、知事査定等さまざまな機会がございますので、そういった機会に岩手県警としての実情をお話しし、必要な予算を獲得できるよう、最大限努力してまいりたいと思っております。

〇阿部静子委員 私は、オレオレ詐欺を初めとする詐欺の実情等についてお伺いをいたします。
 私は昨年9月、一般質問におきまして、オレオレ詐欺の実態をお伺いいたしました。その時点においては、県内の被害は既遂26件、未遂43件、被害額合計で1、236万円とのお答えをいただいたところでございます。最近の報道を見ますと、詐欺としての実態には変わりはないんですけれども、オレオレから警察官や弁護士など、そして本人と、その成り済まし手口が変わってきているようでございます。その県内における状況をお知らせいただきとうございます。
 また、悪質業者による架空の債権回収を装った請求書が突然舞い込む、こういう新手な犯罪も起こっているようでございます。このような中で、岩手県警では、オレオレ詐欺に使用する目的で架空口座をだまし取った男性3人を逮捕した。まことに見事でございます。そして厳しく追及していると伺っております。県内初の快挙であり、県警の威信をかけて厳しく追及をしていただきたい。
 それで、その逮捕に至るまでどのような捜査過程があったのか。これは秘密でしょうか、口外されないのかな。お話しできれば。そうしますと、そういうことによって防止策にもなるのではないかと思いますがいかがでしょうか、お答えをいただきます。

〇滝田刑事部長 いわゆるオレオレ詐欺事件等の実情ということでございますが、先ほど委員御指摘のとおりでございまして、本県におけるオレオレ詐欺事件は、昨年7月から本年2月までの発生状況を見ますと、発生と言っていますけれども警察の方で認知した件数でございます。認知件数は152件で、うち、未遂が89件、被害総額が約5、000万円となっております。
 だましの手口で一番多いのは、交通事故示談金名下です。息子さんに成りかわり、あるいは孫に成りかわり、役者はそれぞれありまして、事故の当事者が孫になって、あるいは賠償を責める相手方をつくってみたり、そういうのをやっているわけです。その後は、妊娠中絶費用名下。これも多いですね。今風なのかという感じがするんですが、それから借金借用名下。金を借りたけれども払えない、払えないからおばあちゃん何とか払ってくれということで、払い込ませるというような手口でございます。中には、先ほど委員御指摘のとおり、警察官や弁護士を装って、権力に物を言わせて金を払えとか振り込めとか、そういったような手口まで現在出てきているという状況にございます。また、最近では委員御指摘のとおり、架空の債権回収を装った詐欺事件、事案といいますか、これも急増しております。警察安全相談においては、昨年1年間で、県下で約8、500件を受理しております。被害届についても14件で約430万円という状況にございます。
 この種事犯は、不正に入手した預金通帳などを買い取るなど、あらかじめ被害者が現金を振り込む口座を用意して敢行されておりまして、計画的かつ組織的な背景が認められる事案が散見されております。
 この種事案が多発する背景には、核家族化による独居高齢者家庭の増加といいましても、おじいさん、おばあさんとかなり離れて東京圏あるいは大阪圏で孫が仕事をしていると、そういったことで、こちらに電話をかけてよこすというのが定番になっているといいますか、そういうのがふえております。それから携帯電話の普及による犯行の容易化、それから匿名化、携帯ですからなかなか追跡できない場合がございます。それから、不正に開設された預金口座売買による行為者の特定の困難、こういうようなものがありますけれども、先ほど捜査の内容ということをお話しになりましたけれども、これは個々具体的な捜査内容につきましては、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
 そういったことで、次に、防止策に県警はどう対応しようとしているのかとのお伺いでございますけれども、県警では、この種事案を県民の身近で発生している犯罪だと、これは子、孫の身内を心配する高齢者や親の心情につけ入っている、その蓄財を奪うなど極めて悪質な犯罪であるという認識をいたしまして、厳正に対処すべく捜査を行っております。
 委員からお話がありましたとおり、さきに県警では、金融機関からオレオレ詐欺で使用する預金通帳をだまし取った県内居住の3名を逮捕して、鋭意、突き上げの捜査を進めているという状況にございます。
 また、一方では、被害の未然防止の徹底を図るために、この種電話や請求があってもすぐに現金を振り込まないと、これを何とかお年寄りの方々にわかっていただきたいなと。これは金融機関等々で、最近新聞でよく目にするんですが、事前に防止していただいているという傾向もございます。
 それから、この種電話や請求があっても、すぐに現金を振り込まないで家族に確認をするとか、警察を初めとする各種相談窓口に相談をしていただきたい。
 そこで、最近は督促状というのが来ておりますので、督促状に惑わされて電話をかけたり、あるいは金を振り込んだり、そういうことだけは絶対しないでほしい。万が一電話をかけますと、それに乗って、うちの方の情報をとりますので、そうするといろんなことでつけ込んで金を取る魂胆をしますので、その辺を効果よくやっていきたい。特に、県警のホームページの方に、この件等々、オレオレ詐欺とか債権回収とか全部載っておりますので、これらも県下に広めていきたいと思っております。

〇吉田昭彦委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

〇斉藤信委員 委員長、私のときだけ何でそう言うんですか。私はかなり協力していますよ。
 それで、最初に警察の報償費、捜査費、旅費の問題についてお聞きをします。
 全国で明らかになっている警察の報償費、捜査費、旅費などの不正支出問題を、具体的にどのように把握しているでしょうか。全国的な警察庁を頂点とした不正裏金づくりというべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 ある警察官は、こう言っています。おれが偽造領収書をつくれば仕事、一般の人がやれば犯罪、こういう事態に今なっています。
 二つ目に、県警の捜査費、これは国費です。捜査報償費、旅費の今年度の総額はどうなっているでしょうか。具体的にどのように交付され支出されているでしょうか。警察官個人に振り込まれているのでしょうか。それはいつからそうなったのでしょうか。私は、県の監査に誠実に対応すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

〇山本警務部長 まず1点目についてお答えいたします。
 北海道旭川中央署の会計経理をめぐる事案や静岡県警察本部総務課における旅費、食糧費の不適正執行の事案等につきましては、マスコミや国会においても取り上げられたことは承知しております。委員御指摘の全国的なものではないかとの点につきましては、各都道府県警察はそれぞれ独立した機関でありますのでコメントする立場にはございませんが、岩手県警察といたしましては、適正な会計経理の保持についてこれまでも警察署長会議を初めとする各種会合において指示し、会計を担当する職員一人一人の意識の徹底を図っておりますほか、警務部会計課において計画的に監査を実施しているところでありまして、適正経理に努めているところでございます。

〇田野倉会計課長 それでは、二つ目の県の捜査費、国費ですが、あとは捜査報償費、旅費、今年度の総額、具体的な交付、支出、それから振り込みはいつからかということでお答えいたします。
 まず、平成15年度当初予算で申し上げますと、国費捜査費につきましては5、103万円余でございます。県費の捜査報償費につきましては3、497万円余でございます。また、国費旅費につきましては9、758万円余であり、県費旅費につきましては3億215万円余となっております。
 具体的な交付、支出の要領ですが、国費捜査費、県費捜査報償費の執行手続でございますが、まず、捜査費等を執行する所属長が毎月、当該月の所要額を本部長に要求いたしまして、当該金額を受領した後は、捜査の必要に応じて捜査員に交付をいたしております。捜査員が支出後は、捜査員から精算の報告を受けまして、所要の会計手続をしております。国費及び県費旅費につきましては、所属長が旅行命令を発し所要の会計手続を経た後、職員個人の金融機関の口座に振り込まれることになっております。旅行終了後は、その旅行の完了の確認も行っております。
 最後に、旅費を職員個人の金融機関口座に振り込みになったのはいつかということですが、国費旅費につきましては、平成9年4月1日からでございます。一方、県費旅費につきましては、平成10年4月1日から実施しております。

〇山本警務部長 3点目、県の監査への対応についてお答えいたします。
 監査員による監査では、捜査費を含む会計経理全般について監査を受けてございます。これまでは、捜査報償費の会計経理について御説明してきたところでありますが、監査の重要性にかんがみ、監査員から申し出があった場合には協力者の安全が確保されることを前提に、証拠書類の確認、関係者からの聞き取り調査等につきまして特段の業務上の支障がない限り、誠意を持って対応したいと考えております。

〇斉藤信委員 今、報償費、捜査費、旅費について聞きました。捜査費、報償費は平成15年で8、500万円をあわせて超えるという多額です。そしてその支出の仕方というのは、毎月現金です。毎月現金で入ってきて、その支出をあとは会計が処理すると、まさに言われている裏金の支出と同じなんですね。
 それで、今北海道警と静岡県警の話は、これは県警が認めたと、道警、県警が認めたというので言ったんでしょうが、今、内部告発が公然とみずからの氏名を名乗って行われています。
 これは赤旗新聞にも一面で今報道していますが、東京の元警視庁主任、これは2000年退職です。警視庁警備部警備第一課庶務係、これは庶務係というのは裏金を担当したところなんです。この大内さんが裏金づくりは警視庁を含め全国で組織的に行われていると、そういうマニュアルもあると。そして都道府県警の裏金に対して、会計検査院とか県の監査等がある前に、警察庁が直々指導をするんですよ、漏れないように。県の監査も同じです。だから、不正を正すのではなくて、不正が漏れないようにするという仕組みをしてきたということを証言しています。国、県の捜査費はほとんど裏金になる。
 それで私はお聞きしたいんだけれども、県の捜査報償費、これは犯罪の情報提供者に対するものですね。私はこういうものがすべて架空の領収書その他で支出されているのではないかと思いますが、先ほど言われた毎月の現金、これはどのように処理されているのか言ってください。

〇田野倉会計課長 捜査報償費は、経費の性格上緊急を要するために、通常の手続をしておりますと間に合いませんので、現金経理ということで処理が行われているものでございます。使途につきましては、犯罪の捜査等に従事する職員の活動のための諸経費、捜査に関する情報提供謝礼、協力者に対する諸経費で執行しております。

〇斉藤信委員 この間、決算を私調べてみました。決算総額で言いますと、例えば平成11年度は、国の捜査費と県の捜査報償費あわせて1億1、405万円でした。平成14年度はあわせて8、456万円、そして平成15年度、これは途中でしょうけれども6、552万円、徐々に減っていますね。これは社会情勢を反映していると思うんですが、犯罪がふえている中で、決して減っていない中で、この捜査費、捜査報償費、決算額が減っているのは何か理由がありますか。

〇山本警務部長 捜査報償費の執行額についてのお尋ねでございますけれども、捜査報償費執行額の増減につきましては、その年度にどのような事案があるかなど、いろいろな要因が考えられるところでございます。一般的に申し上げますれば、都市化の進展によりまして、個人からの情報収集が困難な傾向にあると。それから、警察相談業務の増加に見られますように、捜査以外の業務が増大していること、それから、司法手続の精密化に伴いまして、書類作成を初めとする業務が増大しているということが背景にあるのではないかと考えております。

〇斉藤信委員 では聞きますが、国の捜査費というのはどういうものに支出されるんですか。県警の捜査報償費は、私、先ほど言ったとおりで間違いないと思うんですね。あと、国の旅費、県から出る旅費、これはどういう区別があるんでしょうか。それとも、国から出る捜査費と旅費というのはこの予算、決算には出ないと思うんだけれども、いかがですか。出るんですか。

〇山本警務部長 捜査費のうちの国費分でございますけれども、国の公安に係る犯罪、その他特殊な犯罪の捜査に要する経費、あるいは爆発物、銃砲等危険物に関する重要な犯罪、あるいは数都道府県の地域に関係する重要な犯罪などの捜査に使われてございます。(斉藤信委員「旅費の国、県の違い」と呼ぶ)

〇田野倉会計課長 旅費につきましても、ただいま警務部長の方から説明をいたしましたが、同様の内容になっております。

〇斉藤信委員 では聞きますけれども、平成15年度の捜査費、国の捜査費5、103万円、そして旅費が9、758万円、今年度どういう事件があったんですか。

〇細田参事官兼警務課長 支出の内容につきましては、先ほどお話ししたとおりなんですけれども、個別の事件とか内容については差し控えさせていただきます。

〇斉藤信委員 これ、重大なところなんですよ。国の捜査費だけで5、103万円ですよ。旅費が9、758万円ですよ。1億4、000万円ぐらいかかっているんですよ。どういう事件ですか。そんなに事件があったんですか。そして、毎月来るお金は全部支出しているんですか。余った場合、返すんですか。

〇田野倉会計課長 支出の関係でお答えいたします。
 予算に対して執行残につきましては、不用額として戻しております。

〇細田参事官兼警務課長 国費で賄う事件と申しますのは、拳銃とか薬物とか、そういったのは報道されているとおり相当検挙されていますし、それから外国人犯罪、広域窃盗、こういったものも報道されているとおりありますので、御理解をいただきたいと思います。

〇斉藤信委員 とても御理解いただけないです。15年度1億4、000万円かかっているわけだから、具体的に、ことしのことを聞いているんですよ。ことしどういう事件があったんだと、これだけかかっているという説得力ある回答をしてくださいよ。

〇細田参事官兼警務課長 それでは、例えて言えば、昨年2月に発生しました中国人の入浴施設における強制わいせつ事件とか、あるいは4月のトルコ人等による組織窃盗事件、10月の中国人グループの車上ねらい事件、あるいは11月の中国人等グループの不正カード使用詐欺事件、同じく11月の中国人等パチンコ店対象緊縛強盗事件。窃盗事件で言えば、例示いたしましたけれどもこういった中身でございます。

〇斉藤信委員 昨年2月というのは昨年度だから、私は15年度を聞いたので、つじつまを合わせてください。報道されているなら、その事件についてこれだけの捜査費と旅費を使いましたと。今報道されている事件だからこれ明らかにしてください、後から。それはここでとめます。それはぜひ明らかにしていただきたい。
 いずれにしても、国の捜査費、県の捜査報償費は全部裏金で処理してきたというのが、北海道もそうですよ。静岡県警は出張旅費の7割はカラだったと。これは情報公開を迫られて、ついにみずから明らかにしたという結果です。北海道警も裏金の捻出は、捜査費、捜査報償費、旅費です。私はこの県警の実態をぜひ県民に明らかにするように求めて、次の問題に移ります。
 水沢の銀行員殺人疑惑事件について引き続き私は本会議で聞きましたが、まともな答弁がありませんでしたのでお聞きします。
 私は本会議でも言いましたが、この事件というのは平成6年の12月15日、ボーナスが支給された日でした。ところが、家族が捜索願を出す前に、翌日、12月16日に銀行の支店長と水沢警察署の警察官が、この失踪した人の自宅に来て、録音機、いわゆる盗聴器を仕掛けたと。私はどこから通報があったのか、家族が捜索願を出す前ですよ。家族は失踪したと思っていないときですよ。そのことをまず示していただきたい。

〇滝田刑事部長 斉藤委員のお尋ねでございますが、家族が届けない前に録音機を設置したのではないかという話ですが、これは当然、金融機関等の責任者が帰ってこないということになれば、家族の了解を得て録音機をセットして、その後の対応に当たるというのが通例でございますので、家族の了解を得て録音機をセットしていたところであります。

〇斉藤信委員 今、重大な答弁でしたね。録音機をセットしたことは認めました。私が聞いたのは、だれから通報があったかということです。家族が捜索願を出していない前に、だれが警察に通報したんですか。

〇滝田刑事部長 だれが通報したかという、要するに捜査の個々具体的な捜査内容にわたってくるんですが、これは関係者の方から、出勤していないということで心配されたということですので、当然、それは私どもとしましては万全を期すということでやっているわけでございます。

〇斉藤信委員 家族の方は、支店長と水沢の警察官が来たからびっくりしたんです。ボーナスの翌日だから1日ぐらいどこかで酔っぱらってやっているんでしょうと思っていたら、支店長と警察官が来て盗聴器を仕掛けたと、これはとてもうかつなことは話せないなと。そして翌日ですよ、捜索願を正式に出したのは。私は通報した方が一番怪しいと思いますよ、これは。

〇吉田昭彦委員長 斉藤委員に申し上げます。

〇斉藤信委員(続) 何ですか。

〇吉田昭彦委員長 予算に係る審査でありますので、予算にかかわっての質問にしていただきたい。

〇斉藤信委員(続) あなたね、警察の信頼性にかかわる、捜査にかかわる大事な問題を私は聞いているんですよ。

〇吉田昭彦委員長 続けてください。
 斉藤委員に申し上げます。予算に係る審査でありますので、簡潔明瞭に質問なさってください。

〇斉藤信委員(続) 委員長、よく聞いててくださいよ。大事なところなんですよ、今。核心をついたところになっているんだから、今。あなた何度もそういうときに水差すよ。
 それでこの事件は、翌年の3月17日に白骨死体で発見されました。警察は、自殺、他殺の両面で捜査したと言って、最終的には総合的判断で自殺だと処理したそうです。
 いつまで捜査をしたのか、最終的に自殺と判断したのはいつの時点か。そして自殺と判断したときに、家族の捜査をしていないのはなぜですか。家族は、自殺をする理由は全くありません、家庭の不和はありませんと言っていますよ。家族の捜査もしないで何で自殺なんて断定したんですか。そのことを示していただきたい。

〇滝田刑事部長 家族に聞かないという話でございますが、家族には十分聞いております。総合的に判断して、これまで申し上げたとおりでございます。
 それから、いつ判断したのかということですが、私どもの方は平成8年4月17日付、警察庁に検視調書ということで送付してありますので、そこが最終ということになります。

〇斉藤信委員 余り説得力がないですね。これは、ある裁判で出された書類ですけれども、こういうふうに言っています。
 奥さんの証言です。夫は自殺したのではない。殺されたのだと思っている。夫が自殺するような心当たりは全くない。夫が行方不明になる直前、新しく生命保険を契約している。自殺する者が生命保険に入るはずがない。警察では事件として捜査をしてくれなかった。銀行と警察が癒着していると思った。
 これはある裁判で出された家族の証言です。警察から捜査されたと言っていませんよ。自殺の理由は何ですか。

〇滝田刑事部長 先ほどから何度も言っておりますが、家族から家出人届後、遺体発見後、事情聴取をして調書化してあります。
 先ほど他の事件でという話をしておりますけれども、この他の事件というのは何を指しているのか私ちょっと理解できませんが、私どもの方ではそういうふうに関係者等十分に取り調べしてありますので、事情聴取してありますので、その辺は御了解願いたいと思います。

〇斉藤信委員 それでこの事件について、実は家族の依頼を受けて弁護士が再捜査の要求をしました。そしてこの事件にかかわる質問書を出しました。私も再捜査の要求のときには同席をして、捜査第一課長補佐、この方にお会いしまして、捜査資料については正規の手続をしてくれれば出せますと、こう言いましたが、このあなた方に対する弁護士の質問について、あなた方は何も答えていませんよ、個人のプライバシーで。家族の依頼に基づくこういう質問に対して、なぜ答えられないんですか。

〇滝田刑事部長 確かに代理人という方から、申し入れ等の回答が欲しいということで参っております。これは現行法等のルールから、可能な限りの回答はしてあります。

〇斉藤信委員 可能な限りの回答、全くないですよ。すべて答弁拒否じゃないですか。可能な限りって、何を答えたんですか。言ってください。

〇滝田刑事部長 この場で話をする内容とはまた違うのではないかと思いますので、それは弁護士会の方からの照会に基づく回答でございますので、答弁は差し控えさせていただきます。

〇斉藤信委員 では、確認しますけれども、この場で具体的な物事を私は聞くつもりはありません。家族の依頼に基づく、弁護士のそういう要請にはこたえるということで確認していいですか、では。

〇滝田刑事部長 可能な限りと申し上げましたけれども、ルールに従って、手続に従って回答してありますので、それ以上のことは、あとは別な方法でやっていただきたいと思います。

〇斉藤信委員 この回答は、答えませんという回答をしただけなんですよ。まともに答えていないんです。個人のプライバシーと公安のために答えられませんというのがあなたの答えじゃないですか。何が可能な限りですか。全面不回答じゃないですか。
 それで、全く答弁不能に陥っているので、もう一つ、なぜこのような不可解なことになっているかということについてお話しします。
 実はこれも私は取り上げてきたんだけれども、この伏線に、この銀行がかかわる不正融資疑惑事件がありました。これは県警のいわば捜査のもとに捜査されてきた事件であります。ところが、この不正事件の最中に、東北財務局に内部告発があったんです。いわば支店長が捜査されているよと。それがその銀行にも行って、この銀行の専務が慌てて県警本部に言ったんですよ、何とかしてくれと。そうしてこの問題は県警と銀行のトップで捜査打ち切りになったんです。この点については、この裁判で捜査に当たった警察官がこう証言しています。
 トップがもうできないということだということでお伝えしたと。事件着手した際は、最終的には本部長に行きます。我々個人が中断したと思われたくなかったのできちっと報告してやったというので、捜査協力者におわびをしています。これが平成6年の10月3日です。そしてこのトップが手打ちをした日に、この不正融資事件を捜査していた2人の警察官が、いわば捜査対象の人から、盛岡から水沢に行って接待を受けているんです。接待したと言っています。私たちもその場所も確認をしました。いいですか。捜査をしていた県警が、不正融資事件をですよ、それをトップの話で打ち切りになって、打ち切りになったその日に、いわば捜査対象者から2人の警察官が接待を受ける。その後も妹の就職の世話とか、警察官本人の結婚式の会場の世話を頼まれているんですよ。ところが、この不正融資事件の証拠を握っていたのが、失踪した支店次長だったんです。だからこの事件はそれだけで済まなかった。私は大変深刻な事件だと思います。だから、とても自殺などと処理できるようなものじゃないですよ。こうした銀行不正融資事件の捜査をしましたね。そして途中で打ち切りましたね。2人の警察官が、その捜査対象から接待されたことを認めますね。

〇滝田刑事部長 まず最初に、警察と銀行による事件のもみ消しではないかということでございますが、不正融資疑惑の捜査の打ち切りは、警察と銀行が癒着してやったのではないかということでございますけれども、委員御指摘の内容が具体的に何を指すのかちょっとわかりませんが、警察としては犯罪があると思料するときは、捜査を行います。しかしながら、当時金融機関の融資をめぐり、事件性のあるものとして立件した事件はありません。これが1点目でございます。
 それから2点目、関係者から接待を受けたのではないかということを言われていますが、当時の捜査員等から確認しておりますが、接待ととられるような飲食をした事実はございません。
 3点目です。これは当時捜査に当たった捜査員の名誉もありますのではっきり言わせていただきますけれども、就職の世話とかいろんなことを言ったと言っておりますけれども、これは民事事件の一方の方が話をしているだけで、うちの捜査員から確認した結果は、一切そのようなことはないと確認をしております。

〇斉藤信委員 警察が口裏を合わせて困ったことを否定しているというだけの話ですよ。
 それで、この当時の銀行の不正融資事件、K銀行ですよ。そして担当したN警察官、こう言っています。
 当時、捜査第二課長の指揮を受けておりました。捜査二課長の名前も証言しています。平成6年、2人の捜査二課長です、4月に転勤がありましたから。不正融資疑惑事件の捜査はしていたんです。そして、その捜査を打ち切ったのはトップの判断だと。そのあと殺人事件が起きているんですよ。それ否定しますか。

〇滝田刑事部長 捜査は、私ども幹部は一つ一つの捜査の中では指揮、指示しながら捜査を進めてまいるわけで、事件があると、犯罪があると思料すれば、当然指揮、指導をしながら捜査を進めております。
 それから、斉藤委員は否定するのかという話をしますけれども、いずれにしましても、個々具体的な捜査内容にわたることをこの場でと言われても、答弁は差し控えさせていただきます。

〇吉田昭彦委員長 斉藤委員に再度申し上げます。本予算特別委員会は、16年度予算特別委員会であることを踏まえ、予算にかかわりまして質問をされるようにお願いします。
 なお、質問事項がまだおありでしたら全部おっしゃってください。

〇斉藤信委員 これは、今再捜査の要求がされている、平成16年度の捜査にかかわる問題ですよ。
 それで、結局刑事部長、残念ながら答弁不能に陥って否定できないという状況です。
 銀行の不正融資事件、疑惑事件があったと、それが途中で警察と銀行のトップで打ち切りになったと。しかし、その不正融資の問題について、支店次長が重要な証拠を持っていたんです。これは家族も証言しています。それで済まないからこの事件が起きたんです。私はそういう点で、私が大事なことを聞いても全くまともな答弁がされなかったけれども、この事件では、例えば失踪したときに、かばんもなくなっているんですよ。そのかばん、見つかっていないんですよ。最後の目撃者なんかもわからないんですよ。私は本当にこういう不可解な事件の背景に、銀行と県警本部との癒着があると思います。ですから、私は銀行に対する警察OBの天下りというのは、即刻中止した方がいいと思いますが、いかがですか。

〇吉田昭彦委員長 あとは質問ありませんか。

〇斉藤信委員(続) 答弁次第です。

〇吉田昭彦委員長 質問してください。

〇斉藤信委員(続) 答弁次第だ。答弁がなければ質問できないでしょう、今聞いているんだから。

〇吉田昭彦委員長 予算にかかわっての審査でありますから、先ほど私申し上げましたが、質問する事項がありましたらすべて申し上げていただきたい。

〇斉藤信委員(続) あとは新しい質問はありません。

〇滝田刑事部長 なかなか委員には納得していただけませんが、捜査の個々具体的な内容は、何度も質問されても恐らく答えられないだろうという話になるんだろうと思うんですが、いずれにしましても、最後の目撃者と関係者、すべて捜査を尽くしてこの結論に達しているわけですから、ほかの委員方が聞くと、何か警察が手抜きをしたのではないかと思うと思うんですが、全くそういうことはございませんので、御了解願いたいと思います。(斉藤信委員「天下りは」と呼ぶ)

〇細田参事官兼警務課長 委員の質問を確認させていただきますけれども、再就職について……(斉藤信委員「天下りです」と呼ぶ)再就職については、12月議会でもお答えいたしておりますけれども、今、話されている銀行を含めて、現在3行にOB3人が再就職しているということでございます。(斉藤信委員「これは是正すべきじゃないかと聞いたんだよ。天下りしているのかと聞いたんじゃなくて、やめなさいと」と呼ぶ)

〇細田参事官兼警務課長(続) 再就職につきましては、あくまでも雇用側とOB個人との契約でございますので、組織として関与する筋合いではございません。

〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇吉田昭彦委員長 質疑がないようでありますので、これで警察本部関係の質疑を終わります。
 警察本部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時 散 会


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