平成16年2月定例会 予算特別委員会会議録

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平成16年3月10日(水)
   

1開会  午前10時4分

1出席委員  別紙出席簿のとおり

1事務局職員
  事務局長 武田牧雄
  議事課長 平澤石郎
  議事課長補佐 八重樫 典彦
  主任議事管理主査 千田利之
  議事管理主査 近藤光宏
  議事管理主査 多田 繁
  議事管理主査 田丸 裕佳子
  議事管理主査 嵯峨俊幸
  議事管理主査 安藤知行

1説明員
  総合政策室長 照井 崇
  首席政策監 今泉敏朗
  参事兼政策推進監 廣田 淳
  参事兼行政経営推進監 酒井俊巳
  参事兼秘書課長 熊谷順太
  政策推進監 海野 伸
  政策調査監 中村一郎
  政策評価課長 中田光雄
  調査統計課長 八重樫 茂
  広聴広報課長 工藤孝男
  報道監 青木俊明
  情報公開監 中澤 一
 
  地域振興部長 大沼 勝
  地域振興部次長兼地域企画室長兼複合施設整備室長兼IT推進室長兼地域振興課長事務取扱 法貴 敬
  地域振興部参事 高橋信雄
  地域企画監 荒竹宏之
  社会貢献活動促進監 遠藤譲一
  市町村課長 松川 求
  文化国際課長 高橋勇喜
  科学技術課長 相澤 徹
  総合交通課長 千葉英寛
  複合施設整備監 千葉勇人
  IT推進監 遠藤達雄
  IT指導監 佐藤義人
  副出納長兼出納局長 水本紘一
  総務課長 熊谷素紀
  出納課長 坂林則夫
 
  人事委員会事務局長 高橋公輝
  総務課長 冨山茂貴
  職員課長 佐々木 健
 
  監査委員事務局長 久保隆男
  総務課長 八重樫 良
  監査課長 渡邉和男
 
  参事兼予算調製課長 藤尾善一
   

〇吉田昭彦委員長 おはようございます。
 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第21号まで、議案第23号、議案第29号から議案第31号まで、議案第33号から議案第36号まで、議案第39号、議案第41号、議案第43号、議案第47号及び議案第48号の以上34件を一括議題といたします。
 本日は、総合政策室、地域振興部、出納局、人事委員会及び監査委員関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、質疑につきましては、世話人会の申し合わせにより、質疑項目が複数ある場合、関連する項目についてはできるだけまとめて質疑されるとともに、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑及び答弁は簡潔明瞭に行い、午後5時を目途に審査が終了するよう議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、冒頭に質疑を表明している委員より優先して発言を認めているものでありますので、その性格上、関連性の強いもののみ、短時間、簡潔に発言されるよう、また、要望のみで終わることのないよう御協力をお願いいたします。
 最初に、総合政策室長から総合政策室関係の説明を求めます。

〇照井総合政策室長 平成16年度の総合政策室関係の歳出予算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の6ページをお開き願います。総合政策室関係の予算は、2款総務費のうち、2項企画費の11億3、769万円余、及び7項統計調査費の6億7、353万円余を合わせた総額18億1、122万円余であります。その内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 なお、金額の読み上げは省略させていただき、主な事業を中心に御説明申し上げますので、御了承願います。
 予算に関する説明書の93ページをお開き願います。2款総務費2項企画費1目企画総務費の主なものでありますが、まず、管理運営費は、人件費及び一般管理事務費であります。次に、行政経営推進費でありますが、これは、地域主権、生活者主権の考え方のもとに実施する行政経営品質向上運動などに要する経費であります。
 なお、説明欄の県出資等法人経営改善指導費につきましては、16年度に総務部から総合政策室へ移管される経費でありますが、これにつきましては、総務部審査の際に説明済みでありますので、御了承願います。
 次に、2目計画調査費の主なものでございますが、まず、総合計画推進費は、みんなで創る夢県土いわてを基本目標とした岩手県総合計画を総合的かつ効果的に推進しようとするものであります。次に、夢県土いわて政策形成調査費は、機動的かつ効率的で質の高い施策の形成及び推進を図るため、政策立案に係る調査等を行おうとするものであります。続いて、次の94ページ、広域連携推進費は、県域を越えた広域連携を推進しようとするものであります。次に、政策評価推進費は、成果重視の行政運営を推進するため、岩手県政策評価委員会の設置運営など、政策評価システムの実施に要する経費であります。3目広聴広報費の主なものでございますが、まず、広聴広報活動費は、県民に開かれたわかりやすい県政を推進するため、県政情報の提供などを行う広聴広報活動に要する経費であります。次に、銀河系いわて情報発信事業費は、本県の情報を県外に広く発信するため、インターネットやラジオ放送などによる広報を行おうとするものであります。次に、情報公開制度推進費、個人情報保護制度推進費は、制度の円滑な推進を図るため、審査会や審議会の設置運営などに要する経費であります。
 次に、ページを飛びまして107ページをお開き願います。7項統計調査費1目統計調査総務費の主なものは、管理運営費でありますが、これは、人件費及び一般管理事務費であります。次に、2目地方統計調査費は、いずれも県単独で実施する統計調査に要する経費であります。続いて、次の108ページ、3目委託統計調査費は、いずれも国の委託により実施する統計調査に要する経費であります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いいたします。

〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇野田武則委員 地域再生推進プログラムについてお伺いしたいと思います。
 政府は昨年10月に地域経済の活性化と地域雇用の創出を図るため、地域再生本部――本部長は小泉首相でございますが――を設置し、地域がみずから考え、行動する、国はこれを支援することを基本とした地域再生推進プログラムを決定したと伺っております。
 プログラムの策定に先立って、国においては、地方自治体や企業から地域再生構想の提案を募集し、全国から673の提案があり、支援措置に換算すると1、557件が提案されたと言われております。
 本県では、釜石市の環境産業を核とした地域再生で11項目、遠野市が起業と交流による地域再生で6項目、住田町が森林・林業日本一のまちづくりプロジェクトで3項目が提案されたとのことでございます。
 そこでお伺いしますが、この地域再生推進プログラムというのはどういう内容なのか、そしてまた、県はなぜ応募しなかったのかお伺いしたいと思います。

〇海野政策推進監 県内からは釜石市、遠野市、住田町がそれぞれ提案したところでございますけれども、釜石市におきましては、先ほど委員からお話ありましたように、環境産業を核とした釜石の再生という内容のもの、それから、遠野市につきましては、ふるさと遠野の起業と交流による地域再生という内容、住田町は森林・林業日本一という内容のもので提案しております。
 具体的には、釜石市におきましてはリサイクルポートの利活用から、エコタウンの地域指定の取り組み、クリーンエネルギーの利活用の推進、これに対して規制緩和とか事業推進、そういうものに取り組むような内容のものを提案しております。遠野市におきましては、ふるさとの自然再生というもの、それから、地域からのビジネスの支援という内容のもの、住田町では、木質バイオの普及等という内容のもので提案しております。
 先ほどお話ありましたように、提案内容の中で、具体的に今回のプログラムには実質的には盛り込まれなかったというのが実態でございます。
 県といたしましては、いずれ地域再生に関しましては、地域経営の主体である市町村がこれらの国の制度を活用して地域の自立や再生につなげるようなことが最も望ましいと考えております。そういう意味で、地方振興局等を通じて支援したところでございます。
 ただ、今後、6月以降にまた提案が予定されておりますので、それに向けて、県としても何らかの提案ができないかというところを現在調査中でございます。

〇野田武則委員 一つ質問ですが、県はなぜ応募しなかったのかということについて、ちょっとお伺いしたいと思っています。

〇海野政策推進監 先ほども若干お話ししましたけれども、地域再生に関しましては、やはり地域がそれぞれ持っている資源を活用して、何らかの地域活性化、それから雇用の創出、そういうビジネスチャンスをねらうというところがねらいと考えております。そういう意味で、できるだけ市町村の自立といいますか、創意工夫を発掘する、そういう支援をするという考えをまず持っておりました。そういうことで、県としての提案はしなかったということでございます。

〇野田武則委員 御承知のとおり、各市町村とも誘致企業の撤退あるいは縮小、建設業の倒産、商店街の空き店舗の増加等で地域経済の衰退、閉塞感に覆われているという現状でありますが、そういった中にあって、何とかして地域経済の再生を図りたいという強い気持ちがありまして、それこそわらをもすがる思いでこういった制度といいますか、プログラムにそれぞれの市町村が参加していると思うわけでございます。
 県の動きというのは、どちらかというと北東北3県の連携だとか、道州制とか、そういう理論的な方に目が向いているかと思うわけでございますけれども、やっぱり各地域の足元といいますか、そういったものにもう少し目を向けていただいて、積極的に各市町村のそういう実態を把握・調査していただきたいと思うわけでございます。
 今回、こういうわけで地域再生推進のためのプログラムには、取り上げられなかったということでございますが、先ほどのお話のとおり、この6月以降ですか、再び募集があるということでございますので、ぜひ、さらに一層支援をお願いしたいと思いますし、県の地域の活性化に向けた総合的な政策といいますか、強いリーダーシップが必要ではないかと思うわけでございまして、このままでは本当に自然消滅といいますか、極めて厳しい状況がさらに続くかと思うわけでございまして、また、こういう時期だからこそ、県の戦略的な総合的な政策が必要ではないかと思うわけでございます。そこで、このことが夢県土いわての実現に一歩近づくのではないかということで今質問させていただきました。ぜひ、さらにリーダーシップをよろしくお願いしたいと思います。
 最後にですが、この今の地域再生プログラムについての部長の所感をお願いしたいと思います。

〇照井総合政策室長 ただいまお話にありましたように、やはり各地域、地域、これが今なかなか元気がございません。私どもといたしましても、これを何とか元気があるものにしたいということで、さきの構造改革特区、あるいは今回の地域再生への取り組み、これにつきましては、県としても今後積極的に支援してまいりたいと考えております。とりわけ、先ほどありましたように、県としても、全県でやれるようなものなども現在ちょっと調査中でございます。
 それから、また各市町村の個々の取り組みにつきましても、情報提供、アドバイス、いろいろ地方振興局などを通じて積極的に支援してまいりたいと考えております。

〇嵯峨壱朗委員 3目広聴広報費の中の委託料について、その中身について説明をお願いいたします。

〇工藤広聴広報課長 嵯峨委員からの委託料のお尋ねに対しましてお答えいたします。
 広聴広報課の業務のうち、特に広報業務につきましては、県民に対しましてわかりやすく、親しみやすい情報を伝えるという重要な役割がございますが、テレビ、ラジオ、広報誌などの制作に当たりましては、やはり専門的な知識の活用というものが不可欠でございまして、これらの広報媒体の作成に当たりましては、民間の専門業者の方に委託してございまして、これらが大半を占めておるところでございます。
 主なものといたしましては、県政広報誌いわてグラフに7、600万円余、あと地方振興局が独自に広報誌をつくってございますが、これに1、900万円余、県政テレビ番組の制作に2、900万円余、あとラジオ広報に1、500万円余、県のホームページにも450万円余などの委託料を支払っておるところでございます。

〇嵯峨壱朗委員 広聴広報活動費の来年度新たな工夫のある点とかがございましたら、お聞かせ願いたいと思います。

〇工藤広聴広報課長 来年度の新たな取り組みという点でございますが、予算が非常に厳しいという状況でございますので、より効果的な伝達を、県民への情報提供をしたいと考えてございます。
 特に、若者あるいは障害のある方々に対する広報がちょっと手薄ではないかと我々感じておりまして、例えば、若者向けにつきましてはホームページの充実を図りたい、かつ、県政テレビ番組でございますが、これについても、一たん録画しておきまして、ホームページで見られるような環境整備を整えたいと考えております。
 あと、ユニバーサルデザインの関係でございますが、特に視覚障害者、お年寄りになってきますと、どうしても目が弱くなってくるということで、県内に、障害者手帳をお持ちの方だけでも五、六千人ぐらいだったと思うんですがいらっしゃる。予備軍の方もいらっしゃるということで、今、文字放送といったものもやってございますが、さらにインターネット、ホームページでございますが、これにもバリアフリーソフトというものを新たに組み込みまして、例えば字が拡大できるとか、あるいは文字が音声で流れるということで、そういった県の声が届きにくいような方々に特に配慮しながら、工夫を凝らしてまいりたいと考えております。

〇亀卦川富夫委員 広聴広報についてお尋ねいたしますが、そのうちの銀河系いわて情報発信事業についてお伺いいたします。
 これは、先ほどの説明等によりますと、広く岩手をPRして、岩手のよさを認識してもらうという事業であります。特に私は、今後の農業振興あるいは新しい産業の立地促進、あるいは、これから本当に観光に対する問題、観光振興、こういったものに対する期待が大きいと思うのでありますが、こういった目的を明確にしてこの事業は進めるべきだろうと思いますが、費用対効果というような観点から、これまでどのような実績としてとらえられておりますか。また、来年度の具体的な事業内容、それから期待する成果、こういったことについてお伺いしたいと思います。
 また、あわせてこの銀河系いわて大使活動推進ということがありますが、これまでの実績とこの組織というものはどのようになっておりますか、その現状と来年度の展開についてお伺いいたします。

〇工藤広聴広報課長 まず、銀河系いわて情報発信事業についてのお尋ねについてでございますが、この事業につきましては、全国紙への広告の掲載でありますとか、県外への広報誌の発行、さらには、ラジオ放送、インターネットなどを通じまして、本県の豊かな自然や歴史・文化、産業、あるいは安全・安心な食材、あるいは県の環境首都に対する取り組みでありますとか、特色ある地域づくり、そういったものを総合的に情報発信いたしまして、本県のイメージの向上を図る、あるいは知名度の向上を図りながら、本県の産業振興を初め、多面的な活性化に資するということで、先ほどお話がございました農業振興でありますとか、観光振興でありますとか、企業誘致に係る個別のPRとあわせまして、総合的な本県振興をねらいとして実施しておるものでございます。
 これらの成果ということでございますが、正直申し上げましてなかなか把握しにくい部分がございます。ただ、一つは、県のホームページへのアクセス件数でございますが、今年度は月平均13万件を超えるアクセス件数がございまして、これはすべて県外からというものではございませんが、昨年度と比べますと33%以上の増加となっておりまして、本県への関心が高まっている一つのあかしではないかと考えてございます。
 また、産業面での効果という点でございますが、例えば、県外のアンテナショップ、東京と福岡にございますが、今年度、東京のいわて銀河プラザが平均で7%、福岡は10%ぐらい売り上げが伸びている。観光につきましても、これは直近のデータはないのでございますが、旅行代理店のお話によりますと、全国的に観光が低落傾向の中にありまして、本県はまずまず頑張っているという声も聞いてございます。
 企業立地についてはなかなか厳しい状況だと思いますが、グリーンツーリズムの施設も毎年少しずつ実績が伸びているということでございまして、各部が実施する施策と相まってということで、そういった部分で効果を上げているのではないかと我々考えておるところでございます。
 来年度の事業ということでございますが、県内の食の安全・安心とか、今、食に対する不安が非常に強いという中にありまして、本県のすぐれた特徴といったものを引き続き積極的に情報発信してまいりたいと考えておりますし、ホームページの関係になりますが、ホームページを一番最初に開いたときのトップページというんですが、これを少し全面的にリニューアルしながら、さらにアクセスしやすいような、情報発信しやすいような環境整備を整えてまいりたいと考えてございます。
 次に、銀河系いわて大使の関係でございますが、実績、組織、来年度展開ということでございますが、銀河系いわて大使につきましては、平成7年度に県外における本県の情報発信、あるいは県外から見た岩手に対する御提言をいただきたいという趣旨で発足したものでございまして、現在、首都圏、関西、中京地区と九州、北海道、合わせまして200人の方々、本県にゆかりのある方々にお願いしておるところでございます。
 これまでの実績ということでございますが、大使の方々には、通常の活動の中で本県を積極的にPRしていただいております。そうした活動の中で、例えば、今年度でございますが、今年度から銀座で開催することになりました銀河系いわてフェスティバルにつきましても、大使の方に企画段階から参画いただきましていろいろアドバイスをいただきながらやりましたし、同じ方から、2月にいわてフレンドリーレストランというのを銀座に5店舗、岩手の食材を積極的に使っていただく店ということでございますが、それらについても、そういった方々の御協力、御提案の中で生まれたものでございます。
 また、今年度、福岡県の大島村、これは安倍宗任の墓があるとされているところでございますが、ここにお住まいの住職さんも大使にお願いしておりまして、その方の御縁で、修学旅行生が、中学校の生徒さんたちが空路岩手の平泉に来ていただいたというような事例などもございます。
 全体的に成果を定量的に把握するというのがなかなか困難ではございますが、本県の観光の振興、物産の振興といったものに多面的に成果を上げているものと我々は考えてございます。
 平成16年度につきましても、引き続き本県の情報発信に御協力いただくとともに、来年度は東京、大阪、北海道で、知事出席のもとで、大使の方々からさまざまな意見、御提言、あるいはアドバイスをいただくことにしておるところでございます。

〇亀卦川富夫委員 一定のお答えをちょうだいいたしました。地味な事業でありますが、着実な効果が上がっているんだなとは思いますが、もう少しめり張りをつける必要があるのではないかなと。少ない予算でありますから余計そのように感じるのかもしれません。特にインターネットの活用というものなどは、今、ホームページの部分に触れられましたが、非常に斬新なといいますか、岩手をぜひPRするということで、少ない予算ですから、分散するよりも、少し集中的に使う方がいいのかなという気もして聞いておりました。
 特に今、食の安全・安心というのは、これは本当に消費者の関心事でありますので、岩手が本当に食料基地としてのPRと申しますか宣伝、そういったことでは、ぜひ担当部等と力を合わせて、大いにこの少ない予算を活用して頑張っていただきたいと思います。

〇高橋雪文委員 1年生議員ですので、不手際があるところはお許しいただきたいと思います。
 少し基本的なことをお伺いさせていただきたいと思うんですけれども、まず、この総合政策室と総務部の関係が、ちょっと私、いまいちよくわからない。そこで、基本的なことを聞かせていただきますけれども、総務部と総合政策室の位置づけというようなものをまずお知らせいただきたいと思います。
 また、県が進めております行財政構造改革プログラムと、いわゆる総合計画の推進に当たってどういう整合性を持っているのか、これもお示しいただきたいと思います。
 もう一つは、この総合政策室の中で、やはり政策形成をする上で県民からの声を集約することが非常に重要な業務になってきていると思うんですけれども、岩手県の場合には各審議会がございまして、その中で県民の声を幅広く聞いている。この辺と、この総合政策室の兼ね合い、この点をまず最初にお聞かせいただきたいと思います。

〇照井総合政策室長 まず、総合政策室は、いわば本県の進むべき道、これから岩手県はどういう考えで、どういう方向に向かっていけばいいのか、こういうことをいろいろ幅広い分野から調査検討し、県政の運営なり企画に反映させていこうとするものです。それから、総務部は、いわば各部局の実際の事業などを推進する場合に、金の面とか、人の面とか、物の面、こういうところでいわばバックアップする、支援するような機能と大きく分けられるのではないかと考えております。
 実は、昨年4月から、総務部で所管いたしておりました、いわば行政の進め方など、いわゆる行革関係なんかですが、これが私どもの総合政策室の方に移管してまいりました。ということで、総合政策室では、これからは政策と、いわば経営、この部分を、民間会社ではよく企画経営本部とかというものがございますけれども、そういった形で、いわば全庁をリードあるいはバックアップするような形になってきております。
 それから、行財政構造改革プログラムと政策との関係のお尋ねでございますが、そういったことで、私どもはまず、政策がもちろん以前からの中心の仕事ですけれども、この政策をうまく推進していくための下支えになるのが、行革のプログラムで盛り込んでいるようなものです。ですから、それが私ども総合政策室の方で一元化されたということで、40の政策と行財政構造改革プログラムを一体となって推進することによって、現在の危機的財政状況などを克服して、県民の皆さんに心から安心して豊かに暮らせる地域社会、誇れるいわてをつくっていこうということでございます。
 それから、県民の声でございますけれども、これにつきましては、例えば今、広聴広報課で所管しておりますが、いろいろな県民の皆さんとの対話とか、あるいは統計調査課の方で、例えば県民7、000人の県政に対するいろいろな調査といったものをやっていますが、いずれそういった県民のさまざまな声を政策に反映させるということで、当総合政策室は、県民の声に基づいた政策プランをつくり、それを各部が実行するわけですが、それを今度は評価して、そしてまた次の政策、計画等につなげていく、そういう一貫したプラン・ドゥー・シーのプランとシーの部分を中心に行っているところでございます。

〇高橋雪文委員 実は昨日、行財政構造改革プログラムについて少し御意見を賜りたいということで、あらかじめ質問内容を提出させていただいたわけでございますけれども、その質問は、財政再建団体になった場合のペナルティーについてぜひ説明をしてもらいたいというものでありますが、当局の方でコメントとして、それは総務部であるということで一蹴されたということがあります。それに対して非常に、本当に総合政策室は対応できないのかなということがありまして、その点、室長はどうお考えなのか。
 そして、もし質問してよろしいのであれば、ぜひとも財政再建団体になった場合のペナルティーを教えていただきたい。

〇照井総合政策室長 今申し上げましたように、私どもの方では広い意味で経営という面、ここが担当になりましたので、ただいまの具体的な財政再建団体についての関係も、仮にもし陥った場合どうするかとか、それは財政当局の方ですけれども、いわば総括するという立場で、これについては、もし御質問ということであれば、お答えさせていただきたいと思います。

〇吉田昭彦委員長 質問がありましたから答えてください。

〇酒井参事兼行政経営推進監 それでは、財政再建団体の関係につきまして御答弁させていただきます。
 財政再建団体につきましては、昭和30年に地方財政再建促進特別措置法というものができました。これによって定められたものでございますが、単年度の財政赤字が一定規模を超えた場合に財政再建団体になるというものでございまして、財政の再建方式としては二つございます。一つは自主的に再建する方式、もう一つがこの特別措置法に基づいて財政再建をする方式とございます。
 まず、自主再建方式につきましては、これは再建法に基づきませんので、自治体みずからが再建計画を立案・実施し財政を再建するということでございまして、法律的な裏づけがございませんので、地方債の発行に制限を受けるということで――これをペナルティーと言えるかどうかということだと思いますが――災害復旧事業などを除きまして、事実上、多くの事業はできないということになります。
 一方、再建法に基づく財政再建の場合は、議会の議決と総務大臣の承認を受けました財政再建計画に基づきまして予算を編成し、実行するというものでございます。したがいまして、これは国の指導・監督のもとに歳入・歳出両面にわたって厳しい見直しが求められるということで、自治体としての主体的な自治能力を発揮するという面では、国からの縛りが非常に強いものですから、そういう面では主体的に自治能力を発揮する、責任を果たすことはなかなか難しいということになります。したがいまして、当初もそうですし、補正を組む場合も同様に国の同意が必要ということになります。しかし、先ほど申しました自主再建に比べまして、これは当然、財政再建計画の枠の中でございますけれども、地方債の発行の制限は解除されるということで、国から一定の財政上の措置を受けられるところが自主再建方式と違うところということでございます。
 具体的な影響ということになりますと、まず、歳入の方でございますと、使用料とか手数料の引き上げや適正化、これは基本的には直接県民の皆さんの方に響くことになるものでございます。それから、公有地の積極的な処分とか活用をすること、あるいは事業の性格を踏まえまして受益者負担をきちんとやるということ、それから、地方債、借入金の抑制は当然ございます。それから、歳出の方については、行政経費を抑えることは当然でございますが、職員数の適正化、あるいは建設事業等に関する単独事業の原則停止、補助事業の徹底した抑制、補助金、寄付金等の整理・縮減というものがございまして、これはペナルティーといいますか、具体的にはこういった対応が求められることになるということでございます。

〇高橋雪文委員 岩手県の場合は3割自治と言われておりまして、自主財源が非常に乏しい。実は、再建団体になった方がより県政は推進されるのではないかというような発想も大事ではないかと私は思うわけであります。メンツもありますけれども、非常に厳しい財政状況、やっぱり県民に負担をかけるんだ、どのように負担をかけるんだというところを精査しながら夢県土いわてをつくっていかなければならない、そのように私は思うわけであります。そういう将来ビジョンをしっかりと持ちながら、ぜひともその危機意識を持って取り組んでいただきたいと思うわけですが、室長の御意見を賜りたいと思います。

〇照井総合政策室長 委員お話のとおり、私ども全職員、全庁挙げて危機意識を持って、何とかこの危機的状況を克服して、夢県土いわての創造に向けて頑張ってまいりたいと思います。

〇斉藤信委員 それでは、最初に大規模事業評価専門委員会についてお聞きします。
 専門委員会の調査権限について、津付ダムがこの評価にかかることになっていますが、専門委員会の調査権は具体的にどう発揮されるのでしょうか。ダムの専門家は専門委員の中にいるのでしょうか。第三者による河川改修の代替案を検討できるのでしょうか。専門家による対案が提出された場合に、これはどう扱われるのでしょうか、お聞きします。

〇中田政策評価課長 大規模事業評価専門委員会の関係でございますけれども、調査権につきましては、政策等の評価に関する条例によりまして、四つほどございますが、一つには、議事に関係する方、地元市町村とか、地権者の方々等でございますが、あるいは専門的知識を有する方からの意見や説明の聴取を行うこと、二つ目は、資料提出の要請を行うこと、三つ目は、必要な現地調査を行うこと、四つ目は、県民からの意見の聴取などとなっております。具体的にこの調査権に基づいてどのような調査を行うかにつきましては、専門委員会が今後審議を行っていく中で決まっていくものでございます。
 また、ダム事業の調査審議に当たりましては、治水・利水、環境についての専門的な検討が必要と考えておりまして、大規模事業評価専門委員会には、これらの専門的な知識や経験を有する方々が配置されているものでございます。
 次に、第三者による河川改修の代替案についてでございますが、大規模事業評価専門委員会は、県以外の第三者から河川改修の代替案が提案された場合、専門委員会の判断によりまして、条例による必要な調査の対象として検討することが可能でございます。
 それから、専門家による対案の取り扱いについてでございますけれども、外部の専門家による対案が提出された場合は、専門委員会の中でその取り扱いを検討いただくことになるものと考えております。

〇斉藤信委員 今、調査権限の中身が四つありましたね。この中には、専門委員会として代替案を検討するというのは、今聞いた範囲ではありませんでしたね。私はそれをちょっと確認したい。
 それと、私は傍聴もしましたが、選ばれた専門委員にダムの専門家はいないと見ましたが。そして、今までの公共事業評価委員会の方々とほとんど変わりばえなかったんじゃないか、実質、専門的な審議はできないのじゃないかと。本当に治水ダムの専門家がいるんですか。

〇中田政策評価課長 まず、第1点の専門委員会が独自に対案を提案できるかということについてでございますけれども、専門委員会が必要と判断した場合におきましては、みずから対案を検討して提案するということは可能であると考えております。この場合、条例にもございますが、県は、委員会の意見を尊重して、必要な措置を講ずることになるということと考えております。
 それから、専門委員会の委員の中の専門家ということでございますけれども、現在、大規模評価専門委員会は7人の委員で構成されてございますが、治水・利水に関する専門的な知識や経験を有する委員といたしましては首藤委員長がおられますし、それから環境に関する専門的な知識、経験を有する委員として由井委員等が配置されてございます。専門委員長につきましては、土木工学、水工学等を専門とされておりまして、国や宮城県における委員会等において、ダム関係の調査審議に携わってきておられまして、豊富な専門的知識と経験を有しておられる方でございます。

〇斉藤信委員 専門委員会としては代替案を検討できる、こういう回答でしたね。ただ、私は首藤先生を存じています。宮城県でもやられたということも知っています。土木工学が専門だと。津波その他でやられていますが、河川工学ということになると、私は、またちょっと専門外ではないかと思いますよ。だから、専門委員会で代替案を検討するということになれば、政策評価条例にもありますけれども、あれは参与でしたか、専門家を配置するんですか、任命するんですか、そういうことができましたね。そういう方法をとらないと、今の専門委員会ではなかなか難しいのではないかと思います。
 それと、既に今、住民運動の中で、国土研究会という全国のダムを調査している専門団体がありますが、この専門団体が今、津付ダム、簗川ダムについての調査に着手して、中間報告まで出ています。私は、これは専門家による代替案として、ぜひ専門委員会でも検討の対象にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

〇中田政策評価課長 参与についてでございますけれども、現在、委員7名の方々で御議論、御審議いただくわけでございますけれども、さらに専門的、技術的な観点からの意見が必要となる場合におきましては、専門委員会からの要請に応じまして参与を置くことができる仕組みとなってございます。県といたしましては、委員会の考え方を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと考えてございます。
 それから、対案が提出された場合につきましては、第三者委員会、大規模事業評価委員会の中で御検討いただいて、取り扱いを検討いただいてまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 わかりました。大規模事業評価専門委員会は、条例制定で調査権限を与えたということですので、恐らく津付ダムが本格的な最初の検討課題ということになると思うんです。前の簗川ダムのときには340億円が670億円になった。たった2カ月でゴーサインですよ。この轍を踏まないように、本当に専門的・科学的な検討、県民の意見、地域の意見を聞いて評価されるように、これは強く求めておきます。
 もう一つ、私は昨年の12月決算議会で取り上げましたが、鳥取県の一件審査、私、きのうの総務部では予算編成の観点から聞きましたが、今回は公共事業評価の観点から、私が昨年の決算で聞いたときには、室長も課長も勉強したい、研究したいという答弁でした。室長、どのように研究、検討されたか。
 私は、岩手県の問題点としては、各部局ですべて評価するというやり方は、大体、歴代の先輩、上司がやってきたことを見直すのはなかなか難しいんですよ。だから、私は他部局のそういうチェック体制が、内部の評価体制でも必要ではないかと考えているんです。そういう点で、鳥取県の一件審査というのは大変重要な参考事例になると思いますので、研究の結果をお聞きしたい。

〇照井総合政策室長 鳥取県につきましては、公共事業について、国の評価に準じて、国庫補助事業を対象とした再評価に限って実施しているということです。それからまた、鳥取県ではこの公共事業評価とは別に、予算の編成の過程において財政の担当部局の職員が公共事業の現場を回りまして、事業箇所ごとに必要性であるとか、事業の規模あるいは進度等を査定していく、今お話のありました一件審査というものを実施しているということです。
 それに対して本県の場合は、公共事業担当部局が地方振興局などを通じて市町村から要望のあった事業箇所1件ごとに、その実情を踏まえて、事前評価とか再評価等を行って、そして、その評価の手法とか評価結果については、ただいまの第三者委員会、公共事業評価委員会とか、大規模事業評価専門委員会といったところで調査、審議いただきながら、次の予算に反映させていくという仕組みになっています。
 このように、本県と鳥取県ではこうした公共事業についての評価とか予算編成のシステム、仕組みがいずれ異なっているということで、私どもの方は、まさに外の第三者の客観的な目で見ていただくということに特色があるのではないかと考えております。

〇斉藤信委員 例えば津付ダムの見直し過程で、私はこの弱点がはっきり出ていると思うんですよ。というのは、津付ダムが治水だけのダムになったのに、県土整備部のいわば見解は、治水だけになってもダムはやります、その事業費はさらにふくれ上がりますと。いいですか、治水ダムになっても事業費はふくれ上がるということを堂々と出してね。
 私は総務部に聞いたんだけれども、総務部は相談を受けていないと言うんですよ。事業費がふくれ上がるときに、あなた方総合政策室は公共事業評価にかかわりますね。総務部長は財政にかかわりますね。どうしてそういうところで本当にダムが必要なのかと協議しないんですか。結局、今まで進めてきた県土整備部の判断で第三者委員会にかかるわけですよ。第三者委員会は今まで実績がないんですよ。そういうことに対してまともに検討した実績が、残念ながらない。
 私はそこに、これは花巻空港もそうなんですが、県民から見てむだだと言われる、マスコミからもかなり報道もされる事業がたくさんありますが、そういうことがまともな内部のチェックなしに進むというところに問題を感じませんか、室長。

〇照井総合政策室長 いずれ公共事業については、そういった新しい制度がスタートしました。それで、やはり公共事業の必要性、本当に必要なのかどうか、それから緊急性、本当に今やらなければならないものなのかどうか、あるいは効率性、費用対効果、これは本当にどうなんだろうとか、あるいは熟度と言っていますけれども、地域での、例えば住民の方がどういうふうに考えておられるのかとか、いずれそういったことを総合的に勘案して進めているわけです。これを第三者機関である公共事業評価、大規模事業評価専門委員会でこれからしっかり見ていただきますので、そういう面では、今後、効果がこれまで以上により発揮されてくるものと考えております。

〇斉藤信委員 私は、残念ながら議論がかみ合わないと思う。というのはなぜかというと、公共事業評価委員会、専門委員会もそうなんですが、5年、10年ごとなんですよ。その間は基本的にはチェックされないんですよ。あとは、あの事務事業評価というのは、事業を進めている部局の評価なんですよ。
 鳥取県のいいところは何かというと、予算編成が行政評価、政策評価だという立場なんですよ。これは大変大事なことですよね。県民の税金をどこにつけるか、毎年毎年そういう形で予算編成の中でチェックしていくわけです。
 公共事業評価は、基本は5年、10年ですよ。そして、事業の見直しがやむなくされる場合にかかるんですよ。そうすると、5年間はかからないということになるんです。いいですか、今のシステムは、むだな事業をやってしまってから評価にかかるということになるんですよ。だから私は、各部局ごとにそういうチェック体制が必要なんじゃないかと。また別な部の目で、本当にその評価が妥当なのか、もう一つは、現場を見て、本当にその事業が必要なのか、そういう評価システムを内部でつくらないと、第三者機関は第三者機関でいいですよ、第三者機関にかける前に内部評価がないということです。公共事業を進める部局しかないんですよ。そういう問題点を解決する必要があるんじゃないですか。

〇照井総合政策室長 私の調べた限りでは、鳥取県はいわば身内の目なんですね。私ども岩手県は、それをまさに第三者、外の目で見てもらう。
 それから再評価は、特別の何か事情の変更等があった場合は、その年限に限らずできます。できる制度です。

〇吉田昭彦委員長 斉藤委員に申し上げます。簡潔に質問してください。

〇斉藤信委員 私の質問はこんなに簡潔でしょう。
 聞かれている方は、私の言っていることがわかっていて、答弁がかみ合っていないとわかっていると思うんですよ。だから、これ以上やりません。私の言っているのは、事業を進める部局の評価だけではなく、総務部とか総合政策室があるんだから、そういう内部のチェック体制を強化しなさいということですよ。それがなければ、5年間、むだな公共事業が進められて、その後の評価にしかならないと。これは指摘だけにとどめていますから、室長。
 次に、市町村の自立と道州制論議について私はお聞きしたいと思います。
 これも私が12月の決算審査で取り上げたことですが、私は、道州制を議論する前に、県内の本当に苦労している市町村の自立こそ、今、優先して県が研究し支援すべき課題だと指摘しました。今泉首席政策監は私の質問に対して、これからは議論の軸足を市町村の側に移して、そこをどうしていくかということから考えると前向きの答弁がありました。市町村の自立への援助、これはどのように検討されているのかお聞きしたい。

〇今泉首席政策監 市町村への自立の援助をどう検討されているかという御質問でございますが、まず、基本的な認識として、住民に最も近い自治体である市町村の自立があって、それが県全体の自立につながっていくとまず考えております。そのためには、やはり市町村がみずから行財政基盤の強化を図るとともに、その役割を果たすのにふさわしい効率性や専門性を備えた行政体となっていただくことが大事であると考えております。
 一方、県といたしましては、市町村への権限移譲あるいは市町村総合補助金の拡充、市町村の自主的な合併の推進などを通して行財政基盤の強化を図っていくお手伝いをさせていただくほか、今後におきましては、さらに質の高い行政サービスの提供をするための官民協働の促進、地域固有の資源を活用した地域主体の施策推進を行って、主体的・自主的な総合行政ができるように、市町村の自立へのお手伝いをしていきたいと考えております。

〇斉藤信委員 ちょっとその答弁の問題点を指摘しますが、私は、規模の小さい町村も含めて多様な自治体を基礎的自治体として県は認めるべきだと思います。結局、市町村が総合的な行政主体として云々と言いますけれども、地理的にも、経済的にも、歴史的にも、さまざまな経過を踏まえて今の市町村はできているんです。憲法上は、私はこれが基礎的自治体だとなっていると思います。ですから、そういう多様な基礎的自治体、市町村を認めた上で、その市町村が合併を選ぶのか、自立を選ぶのか。自立を選んだ場合には、その規模の小さい市町村を応援するって、当たり前じゃないですか。総合的な行政ができなければ市町村じゃないんですか。私はそこの観点が一番大事な問題だと思いますよ。多様な自治体を認める立場で市町村の自立を進めるのか、合併が前提なのか、そのことをお聞きしたい。

〇今泉首席政策監 自立ということを考えた場合には、やっぱり多様な存在をまず認めることが前提になるのではないかと考えております。

〇斉藤信委員 そういう立場でぜひやっていただきたい。総合的な行政とか専門家というのは、ある意味でいけば県が補完すべき仕事なんですよ。市町村が県に求めているのは、そういう専門家であり、専門的指導・援助ですよ。それを市町村がやるべきだと言ったら、話が違ってくるんです。逆に県の存在がなくなってくるんです。そのことを私は指摘しておく。
 それで、道州制論議ですが、課長レベルで検討されていますが、この課長レベルでどういう検討がされているんでしょうか。

〇廣田参事兼政策推進監 課長レベルの会議の検討の内容でございますけれども、北東北広域政策推進会議というのを昨年の10月に設置いたしまして、今まで5回ほど協議をしております。今まで知事サミットで合意してきたいろいろな合意事項の点検をまず一つやっております。それから、3県がさらに連携を強めていくためには、お互いにどのような機能分担をしていったらいいのかというような内容を検討しながら将来のグランドデザインを描いております。さらには、こういったいろいろな検討について、県民の皆さんにどういう形で議論していただいたらいいかというような方法についても検討しております。

〇斉藤信委員 今、検討の課題として、3県の機能分担、将来のグランドデザインを検討している、こういう話がありました。私は、それはやり過ぎだと思うんです。増田知事の去年のマニフェストには道州制を目指すなんて一言も書いていませんよ。これは県民への公約ですよ。今回の知事の所信演述は道州制に触れたけれども、こういう表現ですよ。道州制なども視野に入れた国の地方制度調査会におけるこれからの検討を見守ってまいりたいと。自分で道州制をやるなんてことは議会では一言もしゃべっていない。そして、今、3県の県議会でどんな議論がされているのかということで、これは河北の9日付、きのうの新聞に出ました。「秋田独走 青森慎重 岩手持論」、「合併論議ぎくしゃく」と。それで、秋田県がどうやって独走しているかというと、3県合体後の新庁舎は田沢湖高原あたりがいいと、ここまで独走しているんですよ。私は、知事の公約にもない、知事の所信演述にもない、そういうことを部下が勝手にどんどん進めて独走する、秋田に追随して独走していいのかと思いますが、いかがですか。

〇廣田参事兼政策推進監 3県の連携をいろいろ積み重ねてきたわけですけれども、これが直ちに都道府県の合併とか道州制、そういった新しい地方自治制度に直接結びつくとは私どもは考えておりません。

〇斉藤信委員 今、廣田政策推進監は、3県の機能分担と将来のグランドデザインを検討していると言ったから私は聞いたんですよ。これこそまさに3県合体、そのことを検討しているんじゃないんですか。違いますか。何の将来デザインをやっているんですか。何の機能分担をやっているんですか。

〇廣田参事兼政策推進監 3県が連携をしているわけですけれども、例えば産業の戦略などにつきまして、3県が力を合わせて中国に対抗していくためには、それぞれが持っております研究機能とか、あるいは施設とか、お互いに強み、弱みがあるわけですけれども、それらをお互いに機能分担しながら一致して産業戦略を展開していく、そういう意味から私どもは機能分担を検討しております。

〇斉藤信委員 私はここで確認したい。だったら、将来のグランドデザインというのは、3県合体を前提としたものではないということで確認したい。そうなんですか、本当に。
 それと、この記事の中には、青森の知事は、3県合体は時期尚早という感じ、自分のところの財政再建すら道半ばなんだから飛躍した話はできないなあと、私は、全くこのとおりだと思いますよ。岩手も青森も秋田もみんな財政再建団体になるかならないかとなっているときに、こんな3県が一緒になってどうなんですか。私は、そういう浮ついた話ではなく、本当に市町村の自立や県のこうした今までの施策の本格的な展開を図るところにこそ総合政策が力を入れなかったら、足元を見ないで大変なことになるんじゃないですか。これは最後に室長に聞きましょう。

〇照井総合政策室長 改めて申し上げますけれども、3県での連携の推進、積み重ねていったものが、即、イコール都道府県合併とか道州制といった新しい自治制度、そういうものに結びつくものではございません。新しい自治制度の設計、これは、知事も本会議で答弁しておりますけれども、これは国の統治機構にかかわる問題です。ですから、国と地方がどういう機能分担するとか、そういうことがまず議論されて、その前提の上で進められるべきものと。その場合、やはり私どもとして重視しているのは、要は住民との距離の近さだということで、できるだけ住民に身近なサービスは住民に身近な自治体に移していくということが必要だということです。
 いずれ、この新しい地方自治制度の道州制とか、あるいは合併とか、これは今お話ありましたように、第28次の地方制度調査会で議論がスタートしました。そうした場でこれから時間をかけて十分議論をしていただきたい、このように考えております。

〇斉藤信委員 答弁がすれ違っているんですよ。私は聞いたんですよ。3県合体を前提としているのかしていないのかと。この将来的なグランドデザインというのはあくまでも連携を目指す議論なのか、その確認を聞いているんですよ、私は。
 知事は議会では、私がさっき言ったように見守るなんですよ。国の審議を見守ると。しかし、岩手日報のインタビューには、道州制を目指して一国多制度を提言していくんだと、完全な使い分けですよ、これ。公約違反ですよ、これは。
 まず、答弁を聞いた上で、私は知事の出席を最終日に求めたい。

〇照井総合政策室長 今、検討しているグランドデザインは、さきに合併ありき、そういう前提でやっているものではありません。

〇吉田昭彦委員長 ただいまの斉藤委員からの知事の出席要請につきましては、後刻世話人会で検討の上、対処いたします。

〇斉藤信委員 最後に、計画調査費の中で夢県土いわて政策形成調査費が4、547万円計上されています。この中身について、今、財政破綻で総合計画が破綻しつつある中で、どういう政策形成を進めようとしているか、その中身を具体的に明らかにしていただきたい。

〇海野政策推進監 夢県土いわて政策形成調査費につきましては、総合計画の効果的な推進を図るために、先導的、先進的なテーマを持って、部局横断的なワーキンググループ等の検討に要する経費を計上しているものでございます。今まで、木質バイオ関係とか第一次産業を軸とした地域産業のあり方、そういうものについて検討し、将来の課題といいますか、現実の施策、政策に結びつくような検討を進めている、そういうものに関してワーキンググループ、それから部局での政策立案、必要があれば専門機関等への委託等も含めた調査研究費を計上しているものでございます。

〇斉藤信委員 この調査費は、4、547万円のうち委託料が3、620万円なんです。この委託の中身についてお聞きしたい。どういうテーマでどういうところに委託をしようとしているのか。いわば総合計画を推進するという大変大事なことですよ。来年度、何をどうやろうとしているのか。私は、委託というので、本当にそんな外の知恵でいいのか、森のトレーのようにならないかと心配しているんですが、いかがですか。

〇海野政策推進監 委託費の内容でございますけれども、委託費の予算を3、600万円ほど計上しております。今現在調査しようと確定しているものにつきましては、食の安全等が今いろいろと話題になっています。そういう意味で、食と農という関係、消費者の視点での食と農の再構築、それからまた、農業地帯なりの潜在力を掘り起こして、それを地域の再生につなげていく、地域の活性化につなげていくためのモデルの構築を調査、研究するというものに予定をしております。それ以外につきましては、今年度ワーキングをやる中で、外部委託等も必要になれば、それに要する経費、これも含めたもので計上しているところでございます。

〇斉藤信委員 委託予定先はどこですか。

〇海野政策推進監 これについては、これから来年度発注に向けて検討したいと思っております。

〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇渡辺幸貫委員 今、斉藤委員がるるお話を聞いたわけですが、まず最初に、私はこの間の本会議で人口について聞きました。そうしたら、知事の御答弁では、2030年には大体120万人ぐらいの人口だろうというお考えをお聞きしました。それについて、当総合政策室では人口の予測をなさっておられるかどうかまずお聞きしたい。

〇八重樫調査統計課長 本県の人口見通しについてのお話がございましたけれども、これは、県の総合計画を作成する段階で計画期間内の人口見通しということで行っておりますし、さらに、計画期間外についても2020年までの見通しという形で立てております。
 2030年までの見通しについては、国の国立人口問題研究所の方で出した各都道府県分を推計した数字だと思っております。

〇渡辺幸貫委員 それでは知事の答弁は、私は人口問題研究所に基づいて質問したわけでありますが、その結果さっきの私の言った数字で答弁があった。それについて、それはおたくの方でお調べになってあった答弁なのか、それを再確認したい。

〇八重樫調査統計課長 そのとおりです。

〇渡辺幸貫委員 そのとおりですというお話がございましたが、私は、人口問題研究所の数字を挙げてあのとき質問した。そうしたら、ゼロ歳から9歳、つまり10年間の間に12万弱、11万何がしの人口しか岩手県にいないんですね。その人口が、30年過ぎていった状態で、それは見直ししなきゃならないと人口問題研究所は言っているんですね。そういう中で、私が聞きたいのは、あなたがおっしゃる2030年が本当にその数字に乗っているのかということです。恐らく乗っていないと思う。今、本当に確認しておっしゃったかなと。私はこの間それを見て質問したんだから。
 結局、私は120万は難しいと思う。そういう中で、今、斉藤委員からさまざま御質問があった。つまり、大規模事業の評価ということは、さっき室長が盛んに経済効果なり熟度だとか、いろいろなことを考えながらやるんだとおっしゃった。その基本は、県民が、どこにどれだけの人間が住んでいるかということです。その予測に基づいて、さっき言われたダムだとかいろいろなことが出てくるんだと思うんです。ですから、大規模事業の評価委員会なり、そういうものに人口予測が正しく反映されているのかどうか改めてお伺いしたい。

〇八重樫調査統計課長 まず、前段の人口の部分についてですけれども、私が申し上げたのは、2030年の県人口全体についてはそうだと申し上げたので、委員が前段で5歳人口ごとにお話しされていましたけれども、それはそのとおりだということではございませんで、その点は御了承いただきたいと思います。現在の出生人口が1万2、000人程度で、年6万程度でそのまま推移するということでおっしゃっていましたけれども、必ずしもそういうことではなくて、転出、転入等もありますので。ただ、総体としての人口は、2030年にはかなり減少するということでございます。
 それから、いろいろな政策に人口がどう活用されているかということでございますけれども、私どもとしては、県で推計した人口もしくは国立人口問題研究所の方で推計された人口について各部局に資料提供をしておりますので、将来予測等についてはそれを適正に利用されているのではないかと思っております。

〇吉田昭彦委員長 政策とのかかわりをどう考えるかということでお答えください。

〇八重樫調査統計課長 当然県人口なり地域人口というものは、その地域の現在並びに将来を見据えた上で基礎となるものでございますので、それを十分に踏まえた上での政策立案なり将来方向を見据えた施策の展開がなされるべきものだと思っております。

〇渡辺幸貫委員 なされるべきものだと今おっしゃった。そのとおりなんです。べきなんだ。だけれども、それが大規模事業評価委員会なんかに正しく反映されていますかということを聞いている。べきじゃないんですよ。反映されていますかということを質問したんです、さっき。だから、それについて正しく御答弁をいただきたい。

〇中田政策評価課長 大規模事業評価の中では、いろいろな事業が考えられると思いますけれども、人口等を基礎にして必要性等を説明する事業ということになれば、社会経済情勢の状況等という評価調書の欄等がございますけれども、その欄に人口が記載されて委員会の場で説明されていくことになると思いますし、その委員会の中で必要に応じて取り上げて議論もなされる場面もあるかと思います。事業によってはいろいろ状況が異なってくるかとは思います。

〇渡辺幸貫委員 ニュアンスとしては正しく評価されて、それが私たち県土の基本なんだということをもう一度根本に据えていただきたいと室長に改めて質問したい、それが1点。
 それともう一つだけ聞きたいんですが、さっき言われた道州制についての議論は国がなさることであって、私たちがすることではないんですね。だとすれば、3県連携についてどの程度まで踏み込むかということなんですね。3県連携ということが、2010年に私たちは一緒になろうなんて言うから、これは行き過ぎたことだとこの間本会議で申し上げた。だから、やはり行き過ぎちゃならないよということを私は申し上げたんだけれども、それについての御見解をはっきり本会議でいただけなかったように私は知事答弁で思っていた。
 その答弁をいただきたいことと、もう一つ警鐘を鳴らしたいのは、さっき斉藤委員から話があったけれども、3県とも大変厳しい、要するに国で言えば内政が厳しいんですね、財政的に厳しい。そうすると、歴史認識から見れば、困ったときは外に目を転じる。外向に転ずるというのは、例えば国であればよくあることですよ。外の国を侵略するとか、これは歴史に多々あることだ。それと同じように、3県連携に目を転ずるようではいかがなものかという警鐘を鳴らしたい。そういう意味で、やっぱり県政をしっかり見るという視点は決して忘れないでいるかどうか、室長にその認識を改めて伺いたい。

〇照井総合政策室長 3点お尋ねがございました。
 1点目ですけれども、私ども、やはり政策を考える場合、人口の動向、将来の見通し、これは当然基礎となるものでございますので、常にそれを踏まえて対応していかなければならない、このように考えております。
 2点目でございますが、いずれグランドデザインについては、先ほど申し上げましたように、2010年の合体ということを前提として進めているものではありません。
 3点目ですけれども、やはり歴史認識、これは、行政に携わる者だれもが、そうしたこれまでの経緯、地域の事情、地域住民がどういうふうに考えているのか、そういったことなどを過去から解きほぐして、それをしっかりと踏まえて対応していかなければならない、このように考えております。

〇工藤大輔委員 今の3県連携について関連して質問させてもらいます。
 いずれこれは賛否が分かれるものであると私も認識しております。なぜ分かれるかというと、やはり知事の方から、先ほど斉藤委員が言われたとおり、見守るということを言ってみたり道州制に向けて取り組んでいきたいということ、それぞれの場で使い分けて言っているなという感は私も当然します。ですから、このようにどっちなんだという話になってくるわけなんですが、いずれ私は、連携強化をして効果が発揮できるものがあったら、これはどんどんやっていくべきだと考えます。
 そういった中で、例えば総合政策室の方では実際知事からどのような指示を受けて、どのような気持ちでやっているのかというのは、知事が言えない分、これはそちらの方で明確に説明する必要があり、委員の皆さんに理解をしてもらわなければならないと私は思いますので、まず1点お伺いしたい。
 あと、今、合併、合体という話になっていますが、これは、例えば連携強化すればそのように進むのか。あるいは国の制度だということなんですが、市町村合併と一緒で特例債というもの、県が合体する場合も特例債をつくってほしいという、これが前提になってくるものなのかどうか。そのようなことについても考えがあればお伺いします。

〇今泉首席政策監 過般の総括の場でも知事が答弁したわけでございますけれども、基本的に、3県連携の先に合併だとか合体がありきということは毛頭考えておりません。合併、合体にいくということは、やはり統治機構を変えることでございます。これをやるためには、国と地方のあり方というものがどうあるべきなのか、役割りがどうあるべきか、機能がどうあるべきかということを一回ゼロからきちんと議論しなければいけないだろうと思っております。ですから、3県連携をそのまま続けていったからといってどこかで一緒になる、そういう性質のものではありませんし、また、そういった形で3県が一緒になっても意味がないということは知事が常々言っているところでございます。なるからには、やはりそこで何かが変わらなければいけない。何かが変わるということは、やはり一番住民の立場に立って、住民にプラスになるような形で新しい行政体が出てこなければいけないんだということは常々知事がしゃべっているところでございます。
 私どものアナウンスの仕方がまずくてそのあたりがなかなか伝わらないということであれば大変申しわけないと思っておりますけれども、今、基本的に知事が考えていることはそういうことだと私どもも受けとめて、また、そのように行動しているところでございます。(工藤大輔委員「特例債については」と呼ぶ)
 今、そういうことが念頭にありませんので、そういった特例債を要望していくとかということは当然毛頭考えておりません。

〇工藤大輔委員 最後に、例えば今後、県の方では国に対してどのような主張をしていこうとするのか。連携なのか合体なのか、どっちかというのはとらえ方はそれぞれあると思いますが、国に対してどのような主張をしていくのか。
 また、先般、地方制度調査会の分科会が県の方に見えられて知事と会談をされたようですけれども、それについて知事はどういう発言だったのか。個人的な発言もあったやに聞いてますが、どうだったのかお伺いして質問を終わります。

〇今泉首席政策監 地方制度調査会が新しくできまして、道州制の議論に多分なると思います。そこでどういった制度案が出てくるかによると思いますけれども、私どもとすれば、拙速に制度ができたからそういうふうになるんだとはならないだろうと思っていますし、もっとやはり国民的な議論というものをどう起こしていくか、その中でどういったあり方がいいのかということを私どもの方でその都度提言していく必要があるのではないかと考えております。
 なお、分権改革会議が来たときに、私、別用で席を外しておりましたので、別途、廣田の方から答弁させます。

〇廣田参事兼政策推進監 分権改革会議の御一行がいらっしゃったときに、連携あるいは将来のそういった地方自治制度についての意見なり感想を求められまして、知事としましては、現在の広域連携を積み重ねていくことが直ちに合併とか道州制に直接結びつくものではない。そういった制度の設計については、国民的な議論をじっくりと時間をかけて、国の統治機構ということですので、じっくりと時間をかけて、国と地方の役割分担も十分に見直しながら検討していかなければならない性格のものであるというお話をされました。

〇新居田弘文委員 この機会でないと質問できないわけでございますが、議案第22号政治倫理の確立のための知事の資産公開に関する条例改正についての質問を許可いただきたいと思います。

〇吉田昭彦委員長 予算とのかかわりもあると考えますので、許可します。

〇新居田弘文委員 今回、議案第22号政治倫理の確立のための知事の資産等の公開に関する条例の一部を改正する条例が再び提案されました。前回、同趣旨の改正条例が提案されましたけれども、否決されたのは御案内のとおりでございます。前回と今回の内容を比較しますと、いわゆる資産の報告書の対象者あるいは公表の方法について若干の手直しはあったようでございますが、前回否決された後、改めて提案する背景なり事情についてお伺いしたいと思います。

〇照井総合政策室長 資産公開の関係でございますが、さきの6月県議会に御提案申し上げましたけれども、否決いただいたと。その後、議会で御指摘いただいた点につきましていろいろ検討を重ねてまいりましたけれども、県民との一層の信頼関係のもとに県政を進めるという県の基本姿勢、これはやはり大事にしなければいけないということで、何としても、知事の資産について、配偶者、そして扶養する子まで広げて公表して透明性を高めたいということでございます。
 今定例会に提案したのは、知事の次の資産公開が間もなく始まりますので、これに合わせたいということでございます。

〇新居田弘文委員 県の条例の上位法律といいますか、国会議員の関係もあるわけですけれども、それを見ますと、国のレベルでも各国会議員が公表する、あるいは報告するという仕組みになっておりますが、大臣の配偶者等につきましては、それぞれ申し合わせによりまして自主的に公開しているというのが実態でございます。したがいまして、今回改正しようとしている知事の配偶者あるいは扶養される子供さんについても今の条例でも自主的に公開できるのではないかと思いますが、その辺についてはいかがでしょうか。

〇照井総合政策室長 知事のお考えは、知事それぞれの個人の判断によって公開する、しないということではなくて、しっかりとした制度として県民に情報公開したいということで、そのために条例によってこれを制度化する必要がある、そういうお考えのもとに提案しているものであります。

〇新居田弘文委員 法律で言いますと、先ほど申し上げましたように、議員に限定されております。一方、法律の前提といいますか背景には、憲法に国民の権利義務をうたい、財産権の保障とか、あるいはだれもが個人的なプライバシーについては保護される、そういう権利を有していると思います。知事は公人でありますが、家族は同一世帯であっても全く私人なわけです。私人のものをあえて公開しなければならないとする義務は、憲法上のいろいろな解釈からいっても不合理といいますか適正を欠くような感じがしますが、その辺の解釈についてお聞きしたいと思います。

〇青木報道監 配偶者等に関する資産等の公開につきましては、委員御承知のとおり既に閣僚等においても実施されているところでございまして、本人のみならず配偶者等までこういった職務の重要性が高い公職にある方について対象を広げることについては既に国民的な合意もできていると受けとめておるところでございまして、法的な問題はないものと考えているところでございます。

〇新居田弘文委員 法律に書いていますが、あくまでも国会議員は、政治倫理、その他、今、室長さんからお話あったような趣旨のもとにやっているわけですけれども、いわゆる私人の権利義務の関係で、限定的に公開とか届出の義務化をしているわけです。したがいまして、先ほど申し上げましたように、幾ら配偶者であっても、あるいは子であっても、それを公開することによってむしろその人の名誉とかいろいろなあれが傷つけられたり、あるいは、極端な言い方をしますと、財産があるためにいろいろな問題に波及したり、新たな問題に展開していくおそれもあります。そういう意味で、あくまでも現状の条例の中で知事の思いは果たせるもの、私はそう思いますが、検討していただきたいと思います。もう一度室長から所感をお伺いします。

〇照井総合政策室長 今、プライバシーとの関係等の御指摘もございました。もちろん配偶者、また、子供についても当然あるわけでございますけれども、現在、国では、国務大臣などについては平成元年から配偶者などについても資産公開を行っているところでございます。配偶者等についても本人に準じて、公益のためにプライバシーの制限を容認するということについては一定の国民的合意ができているのではないか、このように考えているところでございます。

〇佐々木順一委員 当該委員でありますのでお許しをいただきたいと思いますが、気になることが1点ありますので、簡潔にお伺いいたします。
 先日、新聞報道によりますと、総合計画推進委員会の廃止を総合政策室長が述べた、こういう報道がありました。これが事実かどうか。事実であれば、そのねらい、真意について確認をいたします。

〇照井総合政策室長 総合計画推進委員会については廃止することにいたします。その理由でございますけれども、現在の審議会は45名という大変大世帯なんですが、実はこれまで、この審議会は形骸化しているのではないか、あるいは、委員全員の発言の機会がなかなかとれないとか、いろいろそういう声がありました。そこで、総合計画の進行管理をするために、その審議会の中の一定の人数でもって総合計画推進委員会を設置しまして、そちらで実質的な御審議、御議論をいただくことにしていたわけです。それを今回、行革などの見直しでこの審議会等についても見直ししたわけですが、やはり本来の審議会で活発に議論すべきものということで、いわば部会に当たる委員会の方は廃止をしまして、そして、本審議会の方も委員の人数を20名に減らしまして、そして、こちらの方で機動的あるいは弾力的に活発に御審議をいただこうというねらいでございます。

〇佐々木順一委員 総合計画推進委員会の方は、たしか総合計画の策定、それからフォローアップ、そしてまた必要に応じて答申、また提言もされてきたものと私は理解しております。それが道半ばで、たしか総合計画の中間見直し年度は17年度までということでありましたから、このメンバーの方々の立場に立つと、結果的に途中で解職になりますよね。要するに、自分たちの使命を果たせないまま道半ばで解任をされた、結果的にはこうなると思います。やっぱり行政の審議会のあり方とすれば、総括といいますか、ある程度責任を果たして、その時点でこの推進委員会のあり方を検討されるのが筋ではないか、こう思っております。一部報道によりますと、批判があったということもありましたし、私が例えばそのメンバーであれば、突然解任を受けるということは、今までやってきたことは何なんだと、こういう気持ちに立つと思います。その気持ちが最終的には県行政の推進に影響を及ぼす可能性もないとは言えない、こう思います。したがって、17年度の見直しまで待つことはできなかったんでしょうか。そこら辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

〇照井総合政策室長 見直しについては、先ほど行政改革の見直しの一環として行ったと申し上げましたが、さらに、ちょうど任期が切れる時期でございました。そんなことで、本来の審議会はこうあるべきだということをお話し申し上げて、それで、いわば部会といいますか、メンバーの中の絞った推進委員会の方の役割りを本来の審議会に戻すということで御理解をいただいたものと考えております。

〇佐々木順一委員 45人でしたから、今の審議会は大体20人規模適正で、たしかそれを原則でやっていると思いますが、そういう20人規模にコンパクトにするということだろうと思いますけれども、さっきも言ったとおり、あと25人は解職といいますか解任といいますか、結果的にそうなりますよね。そうなると思いますが、その方々の理解は得られたわけでしょうか、そこをちょっと確認いたします。十分に得られたかどうかということ。

〇照井総合政策室長 今申し上げましたように、ちょうど任期の切れ目でございましたので、途中解職ということではございません。推進委員会の場では、その理由なり趣旨を十分説明しました。そして、各委員からは、総合計画にかける熱い思い、強い願い、そういうものを十分お聞きしました。もちろんそれを踏まえて、私ども、これから20人の総合計画審議会にそうした意見を十分反映させてまいります。私としては、これまでの委員からは一定の御理解をいただいたものと受けとめております。

〇佐々木順一委員 その新しい審議会で今後見直しに入ると思いますが、17年度までの中間見直しということでありますが、今後のスケジュール、ある一定の公表のスケジュールといいますか、そういったものをお示しいただきたいと思います。それをお聞きしまして質問を終わります。

〇海野政策推進監 先ほど室長お話しのとおり、総合計画についてはこれからもずっと堅持するということは変わりありません。ただ、今の経済情勢の状況ではその目標に達しないということもあり得るということから、いずれ中間年次、17年度までには実施計画等のあり方について検討したいと考えております。

〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇吉田昭彦委員長 質疑がないようでありますので、これで総合政策室関係の質疑を終わります。
 総合政策室の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでした。
 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時48分 休 憩
   午後1時3分 再 開

〇照井昭二副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 地域振興部長から地域振興部関係の説明を求めます。

〇大沼地域振興部長 平成16年度岩手県一般会計予算のうち、地域振興部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 なお、行政機構の再編に伴いまして、平成16年度から他部へ移管になる予算につきましても、あわせて御説明申し上げますことを御了承願います。
 お手元の議案その1の6ページをお開き願います。地域振興部関係の予算は、2款総務費のうち、3項地域振興費の211億5、338万円余、5項選挙費の10億9、267万円余、次に、9ページに参りまして、12款公債費1項公債費のうち、地域振興部関係予算が3、871万円余含まれております。これらを合わせまして総額222億8、477万円余が平成16年度の地域振興部関係予算であります。これを前年度当初予算額と比較いたしますと43億8、678万円、率にいたしまして24.5%の増となっております。
 なお、主な増加要因は、盛岡駅西口複合施設整備事業費の建設工事の進捗に伴うものであります。
 それでは、各項目ごとの内容につきまして、便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げます。予算に関する説明書の96ページをお開き願います。
 なお、平成16年度の重点事項等、主な事業の内容について御説明申し上げることといたしまして、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきますので、御了承願います。
 まず、2款総務費3項地域振興費1目地域振興総務費139億9、266万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。4行目の地域活性化事業調整費は、地方振興局において、地域住民の要望等を踏まえ、市町村と一体となって地域の特性を生かした個性豊かな地域振興を図ろうとするものであります。次に、北東北三県地域連携推進費は、北東北3県の地域連携を推進するため、北東北三県広域連携推進事業等を行おうとするものであります。次に、4行飛びまして、ボランティア活動等支援事業費は、ボランティア活動・NPO活動を支援するため、支援拠点機能を強化し、活動者への情報提供等を行おうとするものであります。次に、NPO活動支援事業費は、NPO活動がより広範かつ円滑に行われるようNPOへの支援の充実を図るとともに、NPOとの協働事業を実施し、県民参画の促進を図ろうとするものであります。次に、NPO活動拠点調査費は、NPOの活動を支援するため、県の遊休施設等を活用した活動拠点のあり方やその整備のための調査を実施しようとするものであります。次に、2行飛びまして、ゆったりいわて自然健康院推進事業費は、地域の特性ある地域づくり、地域の自立ある発展を促進するため、いわて自然健康院構想の普及に資するフォーラムの開催、地域リーダーの養成及び実践活動への支援等を行おうとするものであります。次に、1行飛びまして、エコパーク平庭高原整備事業費は、平庭高原にエコロジー体験・学習施設及び宿泊・入浴の機能を有する滞在施設を整備するため、施設の実施設計等を行おうとするものであります。次に、盛岡駅西口複合施設整備事業費は、盛岡駅西口地区に図書情報総合センター、県民活動支援総合センター等で構成する多機能型複合施設を整備しようとするものであります。次のページに参りまして、97ページですが、2目市町村振興費31億5、767万円余のうち、市町村総合補助金は、地方分権時代に対応した市町村の自主的な地域づくりを促進するとともに市町村総合開発計画の推進等を図るため、市町村の幅広い裁量で活用できる総合補助金により支援しようとするものであります。次に、合併市町村自立支援交付金は、合併特例法の適用を受けて成立した合併市町村が、自立に向けた新たな行政課題等に先導的に対応していくために必要な取り組みに対して交付金を交付しようとするものであります。次に、自治振興基金貸付事業費は、公共施設の整備の促進等を図るため、市町村、一部事務組合及び広域連合に対し、県単独の資金を貸し付けようとするものであります。次に、市町村振興宝くじ交付金は、市町村への貸し付けの原資や市町村への交付資金として活用するため、財団法人岩手県市町村振興協会に対し、市町村振興宝くじの発売収益金を交付しようとするものであります。次に、3目情報化推進費、これは新設科目でありますが、行政機構の再編に伴いまして、科学技術課の関係予算を7款商工費1項商工業費1目商工業総務費に移すことから、予算科目を情報科学費から情報化推進費に改めようとするものであります。それでは、3目情報化推進費24億9、519万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。2行目の電気通信格差是正事業費補助は、地域住民の生活に密着した情報通信基盤の整備を促進するため、移動用通信鉄塔施設整備事業を実施する市町村に対し助成しようとするものであります。次に、7行飛びまして、情報システム最適化事業費は、情報システムの最適化を図るため、オンラインシステムの大型汎用機の交換及び運営体制の見直しを行い、あわせて電子申請・届出汎用受付システム等の概略設計を行おうとするものであります。次に、3行飛びまして、いわて電子地図整備事業費は、業務の効率化・高度化や市町村・県民に対する高度な情報提供を行うため、統合型地理情報システムの整備を図ろうとするものであります。次に、4目交通対策費13億3、821万円余のうち、主なものについて御説明申し上げます。次のページ、98ページ1行目の三陸鉄道強化促進協議会負担金は、三陸鉄道の経営改善を支援するため、三陸鉄道強化促進協議会が実施する誘客促進事業等に要する経費の一部を負担しようとするものであります。次に、9行飛びまして、東北新幹線建設促進対策事業費は、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が行う東北新幹線盛岡以北の環境対策工事等に要する経費を負担するとともに、建設促進対策を実施しようとするものであります。2行飛びまして、地域バス交通等支援事業費補助は、地域住民の広域的な交通手段を確保するため、路線運行等に要する経費について、乗り合いバス事業者に補助する市町村に対して県単独で補助しようとするものであります。4行飛びまして、並行在来線対策事業費は、IGRいわて銀河鉄道株式会社による鉄道事業の経営の安定化を図るため、いわて銀河鉄道経営安定化基金を積み立てるとともに、経営の安定化に必要な経費を助成しようとするものであります。次に、5目国際交流推進費1億6、963万円余のうち、7行目の国際協力推進費は、外国人研修員の受け入れ等を通じて開発途上国の人づくり・国づくりに協力することにより、国際協力の推進を図ろうとするものであります。1行飛びまして、グローバルネットワーク推進事業費は、海外県人会や中国等友好交流地域からの留学生、技術研修員、海外自治体職員の受け入れ等を通じ、海外ネットワークの維持拡大を進め、国際交流の推進を図ろうとするものであります。
 次に、102ページをお開き願います。102ページから103ページにかけての5項選挙費ですが、1目は選挙管理委員会経費として5、516万円余、2目は選挙啓発経費として370万円余、3目は参議院議員通常選挙に要する経費として9億8、672万円余、4目は海区漁業調整委員会委員選挙に要する経費として4、708万円余をそれぞれ計上いたしております。
 次に、大きく飛びまして194ページ、195ページをお開き願います。7款商工費1項商工業費1目商工業総務費のうち、科学技術振興推進費以下、10項目の事務事業が、行政機構の再編によりまして、地域振興部から商工労働観光部へ移管になるものですが、その主なものについて御説明申し上げます。まず、1行目の科学技術振興推進費は、科学技術の振興による地域の活性化を促進するため、総合的かつ長期的な科学技術振興策を企画・推進しようとするものであります。次に、2行飛びまして、岩手県立大学学術研究振興支援事業費は、財団法人岩手県学術研究振興財団が実施する学術研究推進事業及び人材育成事業に対し、助成等を行おうとするものであります。次に、中ほどの夢県土いわて戦略的研究推進事業費は、大学等の研究開発力を生かし、本県産業の高付加価値への転換、県民雇用の場の創出に寄与するため、産業化等に向けて有望な研究開発を重点的に支援しようとするものであります。
 次に、204ページ、205ページをお開き願います。8款土木費1項土木管理費4目空港費の最後に岩手県空港利用促進協議会負担金が計上されておりますが、この事務事業につきましては、地域振興部から県土整備部へ移管になるものであります。
 次に、大きく飛びまして257ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち、地域振興部関係予算として3、871万円余が含まれております。これは、平成13年度情報通信格差是正事業資金無利子貸付金に係る償還金の元金であります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、議案その1にお戻りいただきまして、11ページをお開き願います。地域振興部関係は、第2表債務負担行為の事項欄1の盛岡駅西口複合施設情報システム整備事業であります。これは、盛岡駅西口複合施設に情報システムを整備しようとするものでありますが、システムの構築及び保守管理等に要する経費について、平成16年度から平成22年度までの期間、2億9、700万円を限度として債務を負担しようとするものであります。
 最後に、予算以外の議案につきまして御説明申し上げます。
 同じく議案その1の59ページをお開き願います。議案第16号東北新幹線鉄道の建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについてでありますが、これは、東北新幹線鉄道の建設事業に要する経費の一部を、受益市町である二戸市及び岩手町に負担させようとするものであります。
 次に、議案その2の14ページをお開き願います。議案第29号自治振興基金条例の一部を改正する条例でありますが、これは、自治振興基金の総額を減額しようとするものであります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議のほどお願いいたします。

〇照井昭二副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇伊藤勢至委員 地域振興にかかわりまして、特にも三陸沿岸の振興という1点について、提言を含めてお伺いいたしたいと思います。
 去る2月18日でありますけれども、県内版のある新聞に、「地域振興に期待 三陸ナンバー 実現へ動き活発に」という記事が上がったところであります。これに関してお伺いいたしたいと思います。
 私はこの議会に初めて議席をいただきました平成7年の第1回目の議会で一つの提言をさせていただいたところであります。余り長くないのでちょっと読みますので、ぜひお聞きいただきたいと思います。
  最後に、三陸沿岸振興について一つの提言を申し上げたいと思います。
  北は種市町から南は陸前高田市までの704.5キロメートルの海岸線を有する三陸沿岸の各地域が、今日まで連携すること、あるいは連帯をしようとしたことは余りなかったような気がいたします。同じ海に面するとはいえ、暖流と寒流と違うように、同じ条件に見えながら実態は少々違っていたのであります。やませによる北部海岸の飢餓の状況、それを原因とする三閉伊一揆あるいは津波による被害等々、同じ沿岸と言ってもそれぞれの来し方はすべて違うといっても過言ではありませんでした。そういう中で三陸鉄道の開通時、沿岸県民は熱く燃えたのですが、これも宮古-釜石間が抜けていることもあり、連帯しているという意識が今は低調であります。三陸博も成功のうちに終了したことは認めますが、これも沿岸が一つにとまではいきませんでした。今度はまた三陸縦貫自動車道が北上してきますが、これも宮古でとまります。このように三陸沿岸の住民が何か一つを中心として連帯をし、連携をして行動したことはなかったのではないかと思います。そういう中で、何をやるにもまず気持ちを一つにすることからと考え、私はこの際、自動車の三陸ナンバーを提唱したいと思います。
 こういうことで、実は提唱をしたところであります。そして、これは提唱でありますので、意見なり感想は求めませんでした。この議事録の最後には、括弧で執行部答弁はなしとなっていますが、8年経過してこのような動きが出てきたことに対しまして、私は非常に感慨を持って、期待を持って今見ているところでありまして、あるいは別な方々の発想かもしれませんけれども、県議会の中で初めて提案した者として、これはまさに三陸沿岸振興という観点から大きな動きになるのではないか、このように思っておりますので、まず、地域振興部が今どのようにお考えになっているのか、8年ぶりに答弁を求めたいと思います。

〇千葉総合交通課長 自動車のナンバープレートのお話でございました。現在、自動車のナンバープレートでございますけれども、自動車検査登録事務所ごとに表示するとなってございます。現在、全国各地で、例えば静岡県でありますとか、あるいは宮城県もそうですけれども、事務所設置がなくても新しい地域名を表示する自動車ナンバー、いわゆる御当地ナンバーと言われてございますが、そういったものの創設を求める動きがございまして、県内におきましても、釜石市を中心としまして沿岸地域でそういった動きがあるということは、県としても承知しているところでございます。
 現在、国土交通省におきまして平成14年12月からでございますけれども、ナンバープレートの地域名表示細分化に関する検討会というものを設置してございまして、いわゆる御当地ナンバーの創設の是非といったものを現在検討してございます。特にも、主な論点といたしまして、システム変更等に係る費用負担の問題、あるいはナンバープレートの本来の目的から逸脱することの可否の問題、あるいはユーザーメリットや経済効果、それから自治体システムへの負担の問題、こういった論点について検討しているということを聞いてございまして、近々報告書がまとまると聞いてございます。
 県といたしましても、こういったいわゆる御当地ナンバーでございますけれども、地域の活性化あるいは全国への知名度の向上という面では効果のあるものだと考えてございまして、今後とも国の検討状況を注目してまいりたいと考えております。

〇伊藤勢至委員 実はこの提案いたしました平成7年にも、国にそういう動きがあるというのを察知して、いち早く提言をしたつもりだったんです。当時でありますけれども、平成6年3月現在では、岩手県の三陸沿岸には15万7、969台の車両がある。県全体の19.8%、約20%ということでありますが、現在はもっとこれがふえているんだと思います。したがいまして、まず車両の台数、それらをちょっとお知らせいただきたい。
 時間がもったいないので先に進みます。
 恐らく台数は相当数ふえているんだと思っています。これをやっているんだから、もっと早く答えてくださいよ。先にやっているんだから。
 そこで、その際に、平成7年ですけれども、あのときに湘南ナンバーというのが出現しまして、真新しい動きだなということで注目したわけでありますが、その時点で、山形県には庄内ナンバーというのがありまして、当時でさえ、岩手県の三陸沿岸全体の台数の方が数量的には勝っていたんですよ。したがいまして、今も車両の台数的には負けていないと思っております。
 それから、もしこれが成るとしますと、この三陸沿岸には、北から久慈、宮古、釜石、大船渡、四つの地方振興局があるわけでありまして、大船渡も合併は成っておりますけれども、それぞれの地方振興局が市町村合併という部分を今抱えて鋭意努力中なわけでありますが、大きな意味での連携・連帯ということから考えますと、これが成就するとこれの突破口になるのではないか、そういう期待も持てるわけであります。こういうことについて広くお考えいただいた場合に、沿岸が一つにまとまって一つのことをしでかすという連携・連帯の気持ちが、根本的には、今県が進めております地域連合とか連携とか、そういうものの基本だと思いますが、部長はどのようにお考えでしょうか。

〇大沼地域振興部長 確かに御当地ナンバーの表示によりまして、地域のイメージアップ、あるいは観光宣伝にも資することができますし、さまざまな連帯感の醸成につながると、イメージとしてはわかります。ただ、それと、制度として御当地ナンバーが採用されるかどうかというのは、これはまたちょっと次元の違う話でございまして、この点につきましては、先ほど申しましたように、現在、国土交通省で今年度末を目途に検討していると聞いておりますので、その行方をまず見定めたいと思います。

〇千葉総合交通課長 先ほどお尋ねございました自動車の保有台数でございますけれども、現在、平成15年10月末では、岩手県の場合97万9、000台余りと聞いてございます。

〇伊藤勢至委員 最後でありますけれども、いずれ当局は必ず提案とか提言をすると、御説ごもっともでございますが、「ただ」とか「また」とか、必ずそれが来るんですよ。「また」とか「ただ」とか、そういうのは要りません。つまり、先駆けてやるという意欲がいつも見えないんですよね。国の動きを見てから、国が動き出したらと。そういうときに、ほかの46都道府県はみんな待っているんですよ。したがって、県が動き出したときに動いたとすれば、もう既に15番目か20番目、こんなふうに考えなければならないと思うんですよ。
 したがいまして、なかなか県内に明るい話題がない中で、こういう地域が連携をして目的を一つに持って前に進むというのは、大変明るい話題になり得るものだと思いますから、ぜひひとつ地方振興局長4人を連動してやるように、地域振興部長からそういう話題を提供するような、あるいは県が支援しよう、だからやろうと、こういうような前向きの積極的なお話をお伺いしたいと思うのであります。「ただ」とか「また」とか「しかしながら」は要りませんから、ひとついい返事をお願いしたい。

〇大沼地域振興部長 地方振興局の集まり等もございますので、その際にも話題にしてみたいと思います。

〇平澄芳委員 地方交付税についてお尋ねしたいと思います。
 市町村財政が大変厳しいわけであります。平成16年度予算が組めるか組めないかといった瀬戸際といいますか、がけっ縁に立っているわけであります。3割自治といいますけれども、3割どころか、自主財源2割を切るような町村も多いわけでございます。そうした中で、市町村がこれだけ欲しいんだというような積み上げをする、そして、それに対して交付税の額が決定されるわけですけれども、大ざっぱで結構です、積み上げた額と実際に決定、配分される額、何割ぐらいの開きがあるものか、それをお知らせいただきたいと思います。
 そしてまた、市においては、その額を国が決定し、県を通じて市に通知される。町村の場合は、国が岩手県の総枠を県に通知して、そして、それを県が各町村に配分するということのようにお聞きしていますけれども、それで間違いないのかどうか、そして、大よそで結構ですけれども、本当に簡単で結構です、概略の手法といいますか手順といったものをお知らせいただければ幸いでございます。

〇松川市町村課長 交付税の取り扱いについてお答えしたいと存じます。
 交付税は普通交付税と特別交付税があるわけでございますけれども、ただいまのお尋ねは、特別交付税に関するものと承知いたしました。これの手順、それから市町村が積み上げた額と実際との差はどの程度あるのか、そういったお尋ねでございます。
 まず、この特別交付税の算定についてでございますけれども、地方交付税の額そのものにつきましては、普通交付税も特別交付税も、地方交付税法及び関係政省令に基づきまして算定しているものでございます。特別交付税につきましては、県内市町村における災害被害等の特殊財政事情について市町村からお聞きいたしまして、総務省に対して説明を行い、その後、市分につきましては総務省において算定され、町村分につきましては、総額を総務省で決定いたしまして、県で算定し総務省において決定されているというような状況でございます。
 それから、市町村が積み上げた額との差ということでございますけれども、これは、特別交付税の算定に当たりまして、特別交付税につきましては12月と3月の2回交付ということでございますが、その交付に先んじまして、各市町村の特殊財政事情調査というものを行います。12月算定には8月から9月にかけて調査を行います。3月につきましては12月から1月まで、特殊財政事情調査というものをするわけでございます。
 これによって算定していくということでございますけれども、その際に、各市町村から算定見込み額というものを出していただいております。この算定見込み額と最終の特別交付税の決定額の差ということでございますけれども、平成14年度で申し上げますと、この算定見込み額のトータルが223億円余でございまして、特別交付税の最初の決定額が185億円余ということでございます。つまり、決定額に対しまして2割程度、120.5%の算定見込み額という状況になってございます。

〇平澄芳委員 特別交付税もそうなんですけれども、例えば、皮算用じゃないですが、このぐらいもらえるはずだというつもりでいるんですが、実際には、ふたをあけてみると思った額まで達していないのが普通だろうと思います。そして、その中身がよくわからないというか、交付税に算定されているはずなんだけれども、本当に見てもらっているのかなという思いがするわけです。
 その算定根拠といったらいいのかな、例えば、過疎債なんかは7割は交付税バックだと言われている。そういったものが100%見られているのであれば、ほかのものがかなり削られているんじゃないか、そんな思いもして、それは県の方で計算をするということですから、担当者のさじかげんということはないだろうけれども、町村にはどうしてなんだろうかという思いがあるものですから、そういった意味で、算出根拠、算定根拠みたいなものが町村に示されているのか、町村は納得しているのか、その辺をお伺いしたいと思います。

〇松川市町村課長 特別交付税の算定根拠というお尋ねでございます。
 特別交付税につきましては、委員御案内のとおり、普通交付税に反映されなかった事情を捕捉するという性格を持っておるものでございます。各年度の市町村の特殊財政事情、災害等あるわけでございますけれども、こういったものを勘案いたしまして算定しておるわけでございます。市町村の個別の事情あるいは各年度によっても違うわけでございますが、そういったものを算定して交付をしているということでございます。
 それから、全国的ないわゆる枠については総務省で決定しているわけでございますけれども、全国の災害の発生状況、これらも実際の額の算定には影響してくるものでございます。こういった事情でございまして、算定根拠の通知ということについては特に行っていないところでございます。

〇平澄芳委員 じゃ、普通交付税の場合にはどんな仕組みになっているのか、ちょっとだけお知らせいただければありがたいです。

〇松川市町村課長 普通交付税の算定についてお答えいたします。
 普通交付税につきましては、いわゆる基準財政需要額と基準財政収入額との差が普通交付税ということになるわけでございますけれども、この基準財政需要額を求めるために必要な基礎数値、例えば人口でありますとか、面積等でありますとか、いろいろあるわけでございますが、こういった基礎数値を市町村から調査させていただきまして、これをもとにいたしまして、法令で定められた方法によりまして県が普通交付税額を算定し、総務省に報告いたします。それで、総務省において決定されているということでございます。
 その法的な根拠でございますが、普通交付税については、普通交付税に関する省令というのがございますし、特別交付税につきましては、特別交付税に関する省令というのがございまして、かなり詳細な形で決められているものでございます。

〇平澄芳委員 もう一回勉強して出直してきます。
 もう1点お尋ねします。県立病院の診療所化あるいは高校再編と矢継ぎ早の改革なわけですけれども、これは、県立高校は教育委員会なりの教育的見地ということもあるでしょうし、医療局は財政再建あるいは県民の医療の確保といった観点から、いろいろな意見はありますが、そういった観点で改革を打ち出してきているわけですが、それらの地域に及ぼす影響というものを地域振興部の立場でどのようにお考えになっているのかお聞きしたいと思います。

〇大沼地域振興部長 県立病院の改革、それから県立高校の再編整備計画でありますが、いずれも県政の重要課題と認識しております。現段階ではその影響を詳細に予測することは困難でありますが、私ども地域振興部といたしましては、それぞれの地域の状況を十分に踏まえながら、地域の特性を生かした地域の活性化に向けた取り組みを支援していきたいと考えているところであります。

〇平澄芳委員 地域にしてみれば、診療所化されることによって、お医者さんが4名が2名になるとか、あるいは高校がなくなるかもしれないといったような大変深刻な、悩ましい問題を投げかけられているわけですけれども、地域振興部としても、こういうことをやるんだよと、他部局から事前協議といいますか、そういったものがあってもいいのじゃないかと。そして、地域振興部なりの意見をそれに言ってもいいのじゃないかなと思ったりもするんですよ。その辺の事前協議だとか、打ち合わせだとか、そういったものがなされたのかどうかをお聞きしたいと思います。

〇荒竹地域企画監 委員御指摘の県立病院改革につきましては、実施主体が独立の公営企業体であることなどから、当部への事前協議はございませんでした。ただし、パブリックコメントや地域における説明会をしていると伺っておりますので、県民の皆さんの意見は十分反映されているものと認識しております。
 一方で、県立高等学校の新整備計画につきましては、ことしの1月にその基本的な考え方について意見照会があったところでございます。
 今後とも引き続きまして、実施主体である教育委員会等と連携しまして、県民の皆さんの意見を聞くなどの必要な手続をもって成案が得られるものと認識しております。

〇平澄芳委員 ぜひ、意見を求められなくても、地域振興部なりの意見を、他部局であろうがぶつけてもらいたいものだなと思います。

〇田村正彦委員 1点だけお尋ね申し上げます。
 東北新幹線、在来線ともに八戸まで開通してもう1年を経過しようとしておるんですが、この経過というんですか、在来線のIGR鉄道を設立した判断、それはどういう判断に基づいて行ったのか、まずお尋ねいたします。

〇高橋地域振興部参事 IGRいわて銀河鉄道の設立の経緯というお尋ねでございますが、これは、平成7年ごろだったと思いますけれども、当時の政治的な流れの中で、東北新幹線を建設する代償として在来線は切り離す、ついては地元で引き受けることが前提で新幹線を建設するんだという政治的な判断のもとに、当時の工藤知事が政治判断を下しまして、現在のIGRいわて銀河鉄道を県が責任を持って続けるんだ、こういう判断を下したものと理解しているところでございます。

〇田村正彦委員 確かにそう私も理解しております。ということは、政治判断、いわゆる県の政策判断という理解でよろしいでしょうか。

〇高橋地域振興部参事 そのとおりだと思います。

〇田村正彦委員 そこでお尋ねしたいんですが、いわて銀河鉄道、在来線、沼宮内から盛岡までの距離と私の地元の西根から盛岡までの距離と大体同じ距離と認識しているんですが、この間の通学定期はどうなっているんですか。

〇高橋地域振興部参事 通学定期に関しましては、大更-盛岡間はJRとIGRを直通で走るものですから、2社の線路を走るということで運賃が併算されまして、現在1万3、850円でございます。(田村正彦委員「IGRの場合は」と呼ぶ)IGRの場合は、大体距離数的に大更-盛岡間が30キロございますので、それに相応する区間とすれば、委員が御指摘の岩手沼宮内32キロでございますが、これは1万210円、IGRの方が安いという状況にございます。

〇田村正彦委員 そこで、盛岡に通学する通学生にとっては非常な負担になっているんですね。これは同じ町内でも、今、大更を例に出されましたけれども、平館から行った場合はもっともっと、年間にすれば6万円も負担がふえるという状況に置かれているんです。
 こういった事態を受けて、地域の西根町あるいは松尾村の盛岡に通学する生徒を抱えている御父兄の皆さんが、町に対して、あるいは村に対して、これを何とかしてくれよと。少なくとも同じ距離を走る沼宮内との差額分、3、000円なら3、000円、4、000円なら4、000円、これは何とかならないのかという父兄の人たちのそれぞれの自治体に対する要望があるんですよ。ところが、自治体の首長に言わせれば、同じ町内であって、地元の高校に通っている子供たちもいる。そしてまた、盛岡に通っている子供たちにだけそういった補助制度とかなんかはとれないんだよという、非常に苦しい立場でもある。
 まして、さっきおっしゃいましたね、これはあくまでも県の政策判断でやったんだと。県の政策判断でやってこういう結果を招いているんですから、やっぱり私はこういう差額分なり負担増というのは、そういう政策判断をした県が一番の、県がこれに対応すべきだと思うんですけれども、これはどうですか。

〇高橋地域振興部参事 今委員御指摘のいろいろな地元の声というものは私どもの耳にも入ってございます。高校生のお子さんを持つ御両親にとってはかなりの負担であるのではないかという認識もございますけれども、一つ御理解いただきたいと思いますのは、今申し上げた、例えば大更-盛岡間の通学定期が高いというものも、最大の要因は、そういった別会社2社の初乗り運賃の併算というやり方が大きな要因となっているわけでございます。実は、これを解消すればいいわけでございますけれども、この異なる民間鉄道事業社間の併算のやり方というのは、いわば全国共通のルールみたいなものになっておりますものですから、JRとお話ししても、なかなかうんと言わないというところがございます。
 一方では、これは委員、必ずしも満足のいく答弁ではないかと思いますけれども、大更から好摩を経由して盛岡に行くその好摩-盛岡間については、基金からの補てん措置がありまして、そういう意味では西根町の高校生の方々もその基金の恩恵にあずかるという言い方は甚だ僣越ではございますが、そういう実態もあるわけでございます。
 委員の御指摘は十分わかりますものですから、これは、正直言いまして、どのように解決していいのか非常に難しい問題でございます。ここで確たる御返事ができないのが残念でございますけれども、いずれ、基金の通学定期の激変緩和措置が来年の3月で切れるものですから、それとあわせまして、沿線の自治体の首長さん方と御相談しながら、そういった花輪線問題もあわせて、いろいろ考慮して研究してまいりたいと思っております。御理解をいただければと思います。

〇田村正彦委員 激変緩和措置をとっていただいてこのぐらいの差ですよ。そして、さっきおっしゃいました、2社体制だからこういうふうになるんだと。じゃ、この2社体制をつくったのは県の政策ででしょう。県の政策判断がなかったら、2社になんかならなくて済んだんですよ。あくまでも県の政策判断でこういうふうに負担のふえる人がいるわけですよ。何も私は、いわて銀河鉄道をつくったのがよくないとは言っていないですよ。あれはあれでいいんですよ。ただ、一方でこういう負担増を強いられている人たちもいるんだよと。
 よその県を引き合いに出しておっしゃいました。それはあくまでもJRとの交渉、JRにまけさせるという交渉でしょう。そうじゃなくて、JRは当てにしなくてもいいですから、県としてどうするのか、これを考えなければこの問題は解決しないですよ。JRは全国レベルでやっていますから、岩手県だけ特殊に扱うということはできないはずですから。
 だから、やっぱり冒頭におっしゃったとおり、政治判断、政策判断でやったんですから、やっぱりそこは負担の平等化というものに県は責任を持って、解消する方法を知恵を出し合って考えるべきだと、私はそう思うんですが、いかがですか。そういう方向に向かって考えるつもりはありませんか。

〇高橋地域振興部参事 繰り返しになりまして大変恐縮でございますが、来年3月で切れる関係上、そういった形で平成16年早々にも通学定期の激変緩和の検討をせざるを得ませんので、その中で、今言った花輪線の問題も絡めて、花輪線の沿線の首長さんも含めて、それからIGR沿線の首長さんたちとも相談しながら研究してまいりたいと考えております。

〇工藤大輔委員 先ほどは平委員の方から地域振興に関する県立病院という観点、また、普通交付税、特別交付税について算定基準等の質問があり、私も似ているような質問になってしまうわけですが、現在、市町村立病院の事業にはこれらの交付税が入って運営されているところなんですが、これが減額という方向に進んでおり、一層その経営が厳しさを増しているのが現状だと思います。
 現在のその算定基準、また減額の幅はどのようであったのか、そしてまた、来年度はその改善に向けて何かやる方向があるのかどうか、まず初めにお伺いします。

〇松川市町村課長 市町村立病院に対する特別交付税措置の状況でございます。
 平成15年度の状況を申し上げたいと存じますが、県内に12の市町村立病院があるわけでございますけれども、これに対します特別交付税措置額、これは7億5、500万円となっております。これは平成14年度実績の8億3、900万円に比べましておおよそ8、400万円の減となっております。これにつきましては、平成15年度から小児救急医療を実施している病院に対する交付税措置が手厚くなったことに伴いまして、小児救急を実施していない病院に対する措置額が引き下げられたことに伴うものであると承知いたしております。12市町村中、措置額がふえましたのが2団体、減少いたしましたのが9団体、増減なしが1団体というような状況でございます。
 それから、平成16年度の見込みということでございますけれども、市町村立病院に対する16年度の特別交付税の取り扱いということにつきましては、現時点では把握してございません。今後、市町村立病院をめぐる状況に応じて、総務省において検討がなされるものと承知してございます。
 私どもといたしましては、交付税の取り扱いに関しまして情報収集を行い、随時市町村に対しまして情報提供していきたいと思っておりますし、また、市町村立病院のこういった苦しい経営状況を踏まえまして、関係市町村から意見等をお聞きし、その実情を国に伝えてまいりたいと存じております。

〇工藤大輔委員 ただいま小児救急をされるところは手厚くなったということで、これは実際、どの市町村でもやりたくてもやれないと、これは医師の問題、設備の問題等があるわけです。
 今、課長の方から、市町村の要望を聞いて国の方へということなんですが、これは保健福祉の分野でも大きくかかわるわけですが、実際、個別の病院については保健福祉の方でもよくわからない分野もあるというのが現状ではないでしょうか。これはまた、市町村課の方では、これからの減額というものもある程度方向性も何となくはわかっているのではないかと思いますが、国への要望ということのみではなくて、これからこの地域医療が守られていかないという現状に今はなってきているわけですので、県単独ないし何なりという方向もあわせて、保健福祉部の方とも協議する必要もあると思いますが、これまでどのような状況であったのかお伺いします。

〇松川市町村課長 私どもの地域振興部市町村課といたしますと、直接的な補助制度は残念ながら持ってございません。ただ、市町村の病院事業を含めました地方公営企業の経営基盤の強化ということにつきましては、例えば、業務の委託などを通じました経営の健全化に向けた助言ということをやってきておりまして、こういった観点に引き続き努めてまいりたいと存じております。
 それから、もう1点、この特別交付税も含めました全体の交付税制度に係る要望ということにつきましては、国に対しましてこれまでも実施してきたわけでございますけれども、市町村の実情を踏まえまして、今後とも財政運営に支障が生ずることのないよう国に要望してまいりたいと存じております。

〇工藤大輔委員 それでは、気持ちの入った御答弁ですので、そのとおりにやっていただきたいと思います。
 次に、もう1点、テレビの難視聴地域の解消に向けての質問をしたいと思います。
 現在、市町村では難視聴地域の解消に向けて、総合補助金等を使って整備されてこられました。来年度、実質1、500万円増ということで、その整備に向けて各市町村要望がふえることも十分にあり得ると思いますが、来年度以降もこの市町村補助金を使ったこのような整備に当たって、ハード2分の1という負担割合のもと、振興局長の決裁によって柔軟に対応されるお考えかお伺いします。

〇法貴地域振興部次長 市町村総合補助金は、市町村の創意と工夫によってかなり裁量的に使われているということで、テレビ難視聴に関する補助金も、平成12年度に吸収してそれに取り組んだところでございます。
 そういうことで、県としては、できるだけ市町村の裁量に任せる、それから、局長の権限におろしておりますので、局長の中で自由に使っていただければと考えています。

〇工藤大輔委員 わかりました。
 それでは、あとこのテレビの関係なんですけれども、私は県境の方にいるもので、岩手県のテレビがなかなか映らない番組があるということで、県内放送をすべて見られない環境下におる人間の一人だと思います。
 それで、本来このテレビのアンテナ塔がしっかり立っていけば見られるようになるわけですが、うちの地域は、青森放送だとか、向こうの方が必ず二つ入るんです。そのかわり、2局県内放送が見られないということで、地方版が見られないという影響があります。これは、いつになったら見られるのかというのはちょっとあれなんですが、本来は民放の努力も必要だとは思いますが、民放に対しては、それぞれテレビ局に対してはどのような対応をこれまで県はとられているのでしょうか。

〇遠藤IT推進監 テレビの難視聴地域の解消ということでございまして、まず1点目は、いつになったらこういう地域の解消になるのかという見込みのお話でございますが、まず、テレビの難視聴と一口に言いましても2種類ございまして、一つは、そもそもテレビ局の中継局がないために電波が届かない、そのために難視聴になっている。それから、もう一つは、電波は届いているんですけれども、山合いとか、そういった地形的な問題でなかなかよく受信できないという二つの種類がございます。
 基本的に、電波は来ているんですけれども映らないという地域につきましては、先ほどお話がございましたけれども、それぞれ組合をつくりまして共同受信施設を建てる、そういう形で解消を図っていく。これは、市町村が総合補助金を活用して現在も取り組んでいる、これまでも取り組んでおられるということでございます。これは恐らく行政側でできるだろう。
 それから、もう一つは、いわゆるそもそも電波が届かないという問題がございまして、この場合にはテレビ局の方で、要するに中継局のアンテナ基地をつくっていただかないと映らないということになります。この件につきましては、中継局の関係につきましては、いつまでになったらという、現在、地上波デジタルの問題がございまして、したがって、今ごらんになっているテレビはアナログ波のテレビでございますけれども、今後の見通しとして、現在のアナログ波について、さらにテレビ局が施設を増強する、あるいは増設するということについては、見通しとしては非常に暗いのではないかと考えています。したがいまして、それらにつきましては、アナログ波からデジタルに変換していく、デジタル放送の中でどういった中継網をしていくかといった中で、今後、テレビ局なり、そちらの方の検討状況を見ていきたいと思います。
 それから、民放への要望についてどういった形でやっているかという御質問でございますけれども、民放4社、NHKも含めまして、毎年、県内の難視聴地域の解消ということで、直接要望書をお持ちしていろいろお願いして御協力をいただいているところでございます。

〇工藤大輔委員 今、デジタル化という話がございました。これは2006年からデジタル放送がスタートし、2011年にはアナログが廃止されるということなんですが、いずれにしろ、2006年のデジタル化が実現すればこういった問題が本当に改善されるのかどうか、また、これは国策としてデジタル放送をやろうとした感がまずあるわけなんですが、本来は国でやればいいのでしょうが、本県は財政が厳しいということで、おくれずにこれは実際やれるものなのかどうかお伺いします。

〇遠藤IT推進監 アナログからデジタルの切りかえにつきましては、2006年からデジタルの放送が始まりまして、最終的には2011年7月にアナログ放送については終了、すべてデジタル放送に切りかえになる、そういうスケジュールがもう既に決まっております。
 ただいま、デジタルになった場合に、じゃ、その難視聴地域が解消されるのかというお尋ねでございますけれども、デジタル波とアナログ波の場合、また電波の飛び方が違うといいますか、デジタルですので、当然、簡単に言いますと0101の波長、そういう形でいきますので、デジタル波になった場合、現行の難視聴地域とまた地域の状況が異なってくるのではないかと考えております。
 いずれ、基本的には現行のアナログ免許からデジタル免許に放送局の方で変更になりますけれども、その際に、少なくとも現状の地域をカバーできる形で最大限民放には努力していただきたいし、国の方で免許を交付する際にも、そういう前提で対応していただきたいと考えております。
 それから、当然、デジタル化に向けましていろいろ従来の共聴・難視聴施設とか、そういったものの改修等が生じてまいります。当然、莫大な経費が県、市町村とも見込まれるという状況の中で、デジタル波に変えるというのは、委員御指摘のとおり、もともと国策としてやられたものと認識しております。したがいまして、原因者責任というわけではございませんが、国において適切な措置を講じるよう従来から要望してきておりますし、今後につきましても、国の責任で適切に対応していただきたいと強く要望してまいりたいと考えております。

〇工藤大輔委員 それでは、本当に2006年デジタル化実現のときには、できるだけ両方解決するように国の方へしっかりと要望していただきますように強くお願いを申し上げ、質問を終えます。

〇嵯峨壱朗委員 予算に関する説明書の97ページの市町村振興費の中の合併市町村自立支援交付金3億円についてですけれども、これは、合併した市町村に対して、2市町村以上5億円プラス1億円ずつということですけれども、この3億円という数字はどういう意味なのか、また、交付の方法等わかれば、そして、どのような事業が交付対象になっているのかということを説明願いたいと思います。

〇松川市町村課長 合併市町村自立支援交付金についてお答えいたします。
 この交付金でございますけれども、現行の合併特例法の適用を受けて合併した市町村を対象といたしておりまして、地方分権一括法の公布に伴う改正特例法のもとで成立した市町村、つまりは大船渡市も対象とするわけでございますが、これらの合併市町村が新たな行政課題等に先導的に対応することで生ずる特別な事情に対しまして、交付金を交付することにより合併市町村の自主的、主体的なまちづくりを支援しよう、こういうことでございます。
 16年度の予算額についてでございますけれども、3億円ということで計上いたしておりますが、この交付金は、2市町村での合併の場合、交付限度額が総額で5億円でございます。それを合併後5年度間に毎年度1億円以内を目安として交付するものでございまして、平成16年度には、既に合併している大船渡市に加えまして、二つ程度の合併市町村が成立した場合を想定し、3億円を計上したものでございます。
 それから、交付対象事業でございますけれども、一つとしては、専門職員や地域のリーダーとなる人材の養成に要する経費、二つといたしましては、合併市町村の一体感の醸成など地域アイデンティティーの形成に要する経費、それから3番目といたしましては、合併市町村のコミュニティーの形成や活動支援に要する経費を対象とするものでございまして、合併市町村の長の申請に基づいて地方振興局長が交付する仕組みにしておるものでございます。

〇嵯峨壱朗委員 この交付対象事業ですけれども、今、説明されましたけれども、実は、交付対象じゃない方に需要があるんじゃないかなという気がして見ているんですけれども、この交付要領によりますと、職員の人件費、庁舎等の維持管理に要する経費、地方債の対象となる経費が対象外となっておりますけれども、今言われた対象の部分というのは、非常に使いにくいというか、抽象的なんですよね、実際には。むしろ現実的な支援を考えるべきかと思います。その点お聞かせ願いたいと思います。
 それと、特例法といいますけれども、合併した場合には交付税が10年間維持される。その場合の基準となる交付税というのはどの時点なのか。そして、今までずっと減らされてきた分、財源対策債をもって充当しているわけですけれども、それを含めた交付税が基準になるのか、それともそれを取ったのが基準なのか示していただければと思います。

〇松川市町村課長 まず、合併市町村自立支援交付金の関係でございます。使いづらいというお話でございますけれども、これは今年度創設したものでございますが、これについては、いわゆる地方債の対象となるハード事業は対象としておりません。なぜかと申しますと、合併市町村では、いわゆる合併特例債の充当ができるわけでございますので、これについては対象から除外したものでございます。
 今、ソフト事業中心のメニューで交付をするという形にいたしておりますけれども、ソフト事業を実施する場合に必要となる最小限の、例えば補修でありますとか、イベントをやる場合のステージの整備であるとか、そういった軽易なハード事業は対象としようという形で柔軟な運用に努めているところでございます。
 それから、合併算定がえの関係でございますけれども、基準になるのはいつのものかということでございますが、合併算定がえは、例えば今年度合併をいたしまして、今年度それぞれの合併関係市町村に交付されている交付税がそのまま10年間保障されるというものではございません。あくまでも合併した市町村が個々のままいった場合を想定したものが保障されるというものでございます。
 それからもう一つ、通常収支の財源不足で赤字地方債等があるわけでございますけれども、これについても、もちろん通常収支不足で発行された赤字地方債を除いた形で交付されるということになるものでございます。

〇嵯峨壱朗委員 ということは、もう既に減らされたものを基準にやるということだから、合併した後も恐らく基本的には苦しいですね。
 それと、今、特例債が適用になるからということですけれども、合併したとしても、合併する前の市町村の起債制限比率というものはそのまま生きてくるのではないかと思うんです。となると打ち出の小づちではないと思いますけれども、その点どうでしょうか。

〇松川市町村課長 合併特例債は、御案内のとおり、後年度元利償還金に交付税措置のある大変有利な起債でございます。元利償還の70%が措置されるということでございますが、残りの3割は借金ということでございますので、これについては、過度に身の丈を超えた事業執行をした場合にはもちろん起債制限比率に影響してくるということは考えられるわけでございます。

〇嵯峨壱朗委員 つまり、恐らく実際にはさほど使えない場合が出てくるんです。起債制限比率の割合の中で絶対ひっかかってくるんです。という面からすると、ぜひ県としてはこの交付金以上に、まあ、支援プランはあるようですけれども、もっとそういったものを見越した上で支援措置をとらないと、合併しても大変です。合併するメリットがないということになりますので、ぜひその辺を考えていただきたいと思います。
 それと、私、委託料が好きなので委託料の質問をしますが、97ページ、情報化推進費のところで、委託料17億1、290万円、これは恐らくオンラインシステム運営費、情報システム最適化事業費に相当するものだと思うんですが、県立大学でも答弁ございましたけれども、これもやはり随意契約という形で某会社とする予定になっているのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
 それと、債務負担行為のところで西口複合施設情報システム整備事業、この内容についてお聞かせ願えればと思います。

〇遠藤IT推進監 情報化推進費における委託料の御質問でございますけれども、内訳といたしましては、8事業ほどその中に入っております。
 それらのものについて某会社と随意契約をやるのかという御質問でございましたけれども、来年度については今議会で予算をお認めいただいた後に執行するということになりますので、ちなみに今年度について言いますと、随意契約を行っているもの8件のうち、件数ではあれなんですけれども、事業メニューでは8事業なんですが……(嵯峨壱朗委員「金額でいいです」と呼ぶ)個別の金額ですか。(嵯峨壱朗委員「幾らぐらいの金額か、要するにアイシーエスがやっているかどうかということです」と呼ぶ)大体13億円ほどの額になります。15年度実績でいいますとアイシーエスでございます。

〇千葉複合施設整備監 盛岡駅西口複合施設情報システム整備事業ですが、これは、この施設が多くの県民に利用され、安全で使いやすいものにするために、県民サービスに関する情報を提供する、それから、施設の予約案内、来館者案内、緊急時の避難誘導を行うという情報のシステムを構築しようとするものでございます。
 16年度予算でシステムの設計を行いまして、17年度から18年度にかけてソフト開発と機器導入、18年度から22年度まで保守管理を行うために、17年度から22年度間で2億9、700万円を限度とする債務負担を締結しようとするものでございまして、契約は、16年に競争入札を行いまして選定していくというものでございます。

〇嵯峨壱朗委員 西口については、ぜひ適正な競争をして、なるべく安い価格でやってください。
 それと、今、13億円、15年度はアイシーエスであるということでしたけれども、私は、別にアイシーエスが憎いわけではないんですけれども、そうでなくて、大学費でもそうでしたし、アイシーエスとの契約が非常に多いという素朴な感覚です。ということは、競争がないのではないのかという気がするんです。ということは、もしかしたら高いものを払っている可能性があるという気がしております。だから言っているんです。これは、公共事業費を減らす何を減らすと言うけれども、実際にはこういうところから手をつけていかないとだめじゃないかと思っているんです。地域振興部長からもう少し、その点どう考えているかまずお聞かせ願います。

〇大沼地域振興部長 アイシーエスとの契約が多いということでありますが、これはいろいろ経過がございます。まず一つには、いろいろな県庁全般にわたる行政システムを開発いたしました際に、アイシーエスが手がけたものがございます。そのシステムを開発いたしますと、著作権が開発者アイシーエスに帰属しておりますので、それを補修する、あるいは維持するとなりますとアイシーエスに契約が行く、こういった流れもございます。
 これを見直すことといたしまして、15年12月に入りましてから、私どもの方で委託契約の書式を変更いたしました。つまり、開発したシステムから著作権を県の方に移転するというか帰属するような形で、今、契約を変えようとしてございます。したがいまして、12月に変更いたしましたので、それ以後、新しいシステム開発につきましては今までとは違った形での契約ができるものと考えております。

〇嵯峨壱朗委員 よく著作権というのが出てくるんですけれども、恐らくそれは当初は岩手県庁のためにつくったソフトじゃないかと思うんです。各市町村についても。その著作権がなぜアイシーエスに帰属するのか、当初からおかしいと私は思うんですけれども、どうなんでしょうか、その点は。

〇遠藤IT推進監 著作権ですけれども、最近の契約におきましては、基本的に著作権は県に帰属するという形の契約書になっております。ただ、課題は、一たんつくったシステム、途中でプログラム修正とかいろいろふぐあいが出てきた場合、あるいは税制改正等があった場合、既存システムをまた改修していくといった一連のものが出てまいるわけです。著作権法上の議論としては、一つは、権原的な著作権というのは県に移転しますけれども、ただ、それに変更を加えるもの、著作権法上は著作者人格権とかそういう言葉で呼んでいるようなんですが、そういう変更を加える場合には、もともとつくった者の同意が必要だと、承認が必要だというものがございます。先ほど部長の方からお答えしましたのは、契約関係のところ、はっきり県の方に移るようにしたとか、そういう取り組みをやったというのは、そういう著作者人格権を行使しないというのを契約条項の中にきちっと盛り込んだという形で今回対応しております。

〇嵯峨壱朗委員 これで終わるわけではないのですけれども、事情はある程度はわかりますけれども、どうしても疑問が残るんです。だからその点、ある意味では競争がない、前、教育委員会所管のところでもあったんですけれども、予定価格に対して97%で入札している。1社しか応札しない。どの機器かというのは、プリンターでしたね、一部は、270台だったかな。その定価とか、私、いろいろ調べてみましたけれども、定価に対して約9割ぐらいの価格で納品しているんです、270台を。そういう事実があるわけです。そういったことを考えると、やはり物品購入も含めて、もっと吟味した、どこかの電器会社で買った方が安いとも言われました。そういったものにもっと神経を使ってやってもらうべきだと思うんです。そういうものも含めて所感をお願いします。

〇大沼地域振興部長 委員の貴重な御意見を体して頑張ってまいりたいと思います。

〇亀卦川富夫委員 情報化推進についてお尋ねいたします。
 昨日、小野寺好委員の質疑に対しまして、増田知事は、情報化推進の考え方を答弁し、一定の方針を示しました。そこでお伺いいたしますが、この施策の基本は、誇れるいわて、自立した地域社会の形成に向けてという40の政策の中の特に七つの重点施策ということで、だれでも、いつでも情報を受発信できる情報先進県ということで、インターネットの普及、電子県庁の推進など、住民、地域の視点に立った情報化を進めます。こういうことで、18年度までインターネット人口普及率70%以上、ブロードバンドインターネット世帯普及率40%以上を目標とします。こういうことでいよいよ進め始めるわけでありますが、このIT社会というものは、我々は今まで車社会とか、あるいは先ほどもお話がありましたが、テレビの時代、こういった非常に大きな急激な時代の変化の中で生活してきましたが、恐らくそれにまさるとも劣らない大きな変革する社会ではないか。単に便利な道具として使う分にはそれで終わるんでしょうけれども、この道具の果たす、あるいはこれの使い方によってかなりの社会の変化が起きるだろう。このことは、きのうの答弁でもさまざま申し述べられておりますが、IT化によって農業などの産業がどのように変わっていくか、あるいはIT化による教育のあり方、また、IT化による医療の進化など、非常にこれは大きく変わる世の中になっていくだろうと。このとき、この七つの重点施策で挙げました施策が相当岩手の社会像というものを変えていくんだろう、このように思います。
 そこで、一体このIT化で岩手県がどのような社会になっていくのか、これは、やはりはっきり岩手の県民に示していく。一つの岩手の社会像というものの中で我々の生活が営まれるんだろう、このように理解しております。そこで、このようなIT化による岩手の社会像、将来像、こういうものを県民にぜひ示してほしいと思うのでありますが、そのような考え方はあるのかないのか、まずお伺いしたいと思います。

〇大沼地域振興部長 ただいま岩手の将来像ということでございましたが、IT技術の進展は、岩手のような広大な県土を有するところにとりましては非常に大事なツールだと思っています。具体には、距離と時間の制約を克服することができますし、新たな地域の発展可能性を秘めたものだと思っております。お話ありましたように、教育、文化あるいはそれぞれの産業の振興あるいは医療、防災、地域づくり、そういったさまざまな分野で創造性豊かな岩手が実現されていく、これが私どもが願っている岩手の社会像といいますか、ITを使った将来像ということで考えてございます。

〇亀卦川富夫委員 こういうやりとりで聞いていますと何となくそういう社会というものがぼんやりとは考えられるんですが、実際、生活者といいますか、県民の方々は、今、インターネットを覚えようとか、あるいはネットワーク化が県の行政で進められる、こういったことでどのような社会になるのか、何かわかりやすいものを示してもらいたいと思うんです。例えば、予算書の93ページに政策形成推進費とか、あるいは夢県土いわて政策形成調査費などが結構載っております。こういった予算といいますか費用を使って、今のようなIT化が18年度までには相当な普及率になってくるわけですから、これらが単に各家庭の便利な道具というのみではなくて、これを駆使した岩手県の社会というものはどういうものか、これをはっきり示していく必要が私はあるんだろうと思います。重ねてその辺をお伺いしたいと思います。

〇大沼地域振興部長 現在、私ども、誇れるいわて40の政策の中でこれを取り上げてございます。七つの重点施策の一つに掲げておりますが、その指標といたしまして示しておりますのは、18年度を目標にいたしまして、インターネットの人口普及率が70%、それから、ブロードバンド40%ということで目標を掲げてございます。いずれ、お年寄りから子供まで、そしてまた、ハンディキャップのある人たちも含めまして、だれもが容易に情報通信機器を操作して人と人とのコミュニケーションが満ちあふれる社会、こういったものを想定して進めようとしているところであります。

〇亀卦川富夫委員 今持っていないとすれば、そういう社会像をさっきのような経費の中で練ってみて、それを後ほど何かの形で広聴広報という中で県民に示していただきたい、このようにまず要望いたします。
 先ほど医療に触れましたが、このIT化の中に一連の県立病院の再編があります。私は、この再編の中で、いろいろ大切な要素はあると思うんですが、IT化というものをよほど考えていかなければいけないのではないか、このように思っております。例えば基幹病院と圏域病院の連携、そして地域医療ということになりますと、今は県立病院の再編だけでありますが、各公立病院ですとか、あるいは民間医療とのネットワーク化が非常に医療圏の中では大切なことでありまして、それを可能にするのがいわゆるIT化であります。医療局の方で今いろいろなIT化を進めているわけですが、電子カルテなどは当然やるとしても、病院間、医療機関のネットというもの、これをひとつきちっとしたものを整備して、そこでシステムアップとか、そういうものをやっていく必要があるんだろうと。先ほども莫大なお金がかかるということが答弁でありましたが、当然であります。これは、病院現場のスタッフ自身が開発するようなものでないと相当な金食いになるものです。ですからそういうものを、これは病院だけではなくて、現場のスタッフがシステムとか、そういうものを開発する能力を持たなければならない、こういう時代になってくると思うんです。そこで、ITコーディネーターなど県庁内できちっとした制度を設けて取り組む必要があるんだろうと。まずもって医療局の進めている県立病院再編あるいは医療圏の整備、そういう中で、地域振興部が今進めているインターネットの普及、こういったものでバックアップしていく必要があるんじゃないか。医療局だけに任せておくのではなくて、県庁横断的にこの辺を進める必要がある、私はこのように思っております。医療局でも申し上げていきたいと思いますが、地域振興部の考え方をお聞きしたいと思います。

〇遠藤IT推進監 事業担当部局でそれぞれシステム開発、ネットワークを組むのではなくて、各部局連携をとって、地域振興部なりがそういったものをコーディネートして、そして全庁的にこういうIT化というものを進めていくべきではないかという御質問の趣旨かと思います。
 そういった部局横断的な取り組みにつきましては、これまでも知事を本部長とする高度情報化の推進本部を設けまして、その中でいろいろ合意しながら取り組んできております。
 それから、先ほど医療局のシステムのお話がございましたけれども、これらのシステムにつきましては、県の行政情報ネットワークを使った形でシステムを構築するようなやり方とか、そういったもの等、IT推進室の方で部局横断的にそういったシステム開発の場合にはいろいろ御相談に乗りまして、より低コストで、より効果の上がるシステム、そういったものをいろいろ協議を受けながら取り進めております。
 したがいまして、今後におきましても、各部局でいろいろな情報化関係の仕事を進める上でも、部局横断的にそういう協議をしながら、よりよい効果の出るような取り組みをやっていきたいと考えております。

〇亀卦川富夫委員 現場で開発するソフトというものが私は非常に大切だろうと思います。ただ、今一気にそこに行けないとすれば、そういうものを目指して、先ほど申し上げましたITコーディネーター制度などをきちっと確立していってほしいと思います。医療局などは、今、再編を急いでいますから、恐らくどんどん進めると思うんです。これはかなりの金食いになる部分だろうと思いますので、こういう非常に財政が厳しい折、みずからが生み出す、これは非常にわかりやすくて使いやすくて、かつ安い、これははっきり実証するものがありますので、ぜひその辺を目配りをして、各部局が急ぐ余りに横断的なものから外れて進まないように、ひとつ十分連絡をとっていただきたい、このように思います。
 次に、今度、科学技術課が商工労働観光部の方に移管になります。このことで若干お尋ねしたいと思いますが、率直な感覚で物を言いますと、今までいろいろ科学技術ということで模索あるいは研究したものがいよいよ新しい産業を生み出すときになってきて、今までは地域振興部でいろいろ力をためておったものを、今度は商工労働観光部で花を咲かせるといいますか、岩手県で産業復興に寄与していく、こういうことになるのかなと思って、私は思っているだけでありますが、そういうことで地域振興部で送り出すわけでありますが、これまで科学技術課が取り組んできた中でいろいろ積み上げてきたものがあろうかと思います。そういった内容と経過、そして今後、地域振興部から商工労働観光部に移って期待することは何なのか、この辺をお尋ねしたいと思います。

〇相澤科学技術課長 科学技術課は平成5年度に設置されて以来、主に産学官の連携による研究開発あるいは県の試験研究機関の機能強化、科学技術の啓発普及、こういったものに取り組んできているところでございますけれども、産学官の連携という視点で申し上げますと、最近の取り組みといたしましては、県立大の正門前の地域連携研究センターの整備、あるいは国関連の大型の研究プロジェクトの導入に取り組んできておりまして、岩手大学のトリアジンチオールでありますとか高機能鋳鉄等々、相当程度研究が進んできているところでございます。県単独の夢県土いわて戦略的研究推進事業といった産学官の共同研究予算も創設しているところでございますし、試験研究機関関係についても、いろいろ試験研究機関相互の共同研究等を進めてきているところでございます。
 商工労働観光部に移管いたしますけれども、県民の雇用、所得といった視点で地域の経済基盤づくりは大変大きな課題になってきているところでございますので、一層産学官の連携を強化して、商工労働観光部など関係課と連携して成果を出してまいりたい、このように考えているところでございます。

〇亀卦川富夫委員 ひとつ新しい社会で大きな成果を上げていただくように期待して質問を終わります。

〇中平均委員 最初に、市町村合併についてお伺いします。
 3月6日の新聞の記事に、知事が6月の次の定例会をめどに、県条例の改正に人口1万人以上というところの村制から町制の改正に前向きな姿勢と報道されました。このことについて、担当部局の方で今どのように進めているのか。また、村から町となった場合、具体的には何がどのように変わるのか。報道では名前が変わるだけだとありますけれども、そこの実態をお聞かせください。

〇松川市町村課長 いわゆる町としての要件に関する条例の改正関係でございます。市町村合併に関係いたしまして、ことしに入りまして、県内二つの合併協議会に参加している町村から、町としての要件の緩和に関しまして要望を受けてございます。一つは、野田村・普代村合併協議会、それから、湯田町・沢内村合併協議会でございます。
 現行の条例でございますけれども、いろいろ要件がございますが、一つは人口が1万人以上という人口要件、それから二つ目が中心市街地を形成している連檐戸数が500戸以上という要件があるわけでございます。こういった二つの要望を受けましたことから、これらの要望に沿うべく、現在、改正の方法などにつきまして検討しているところでございます。これは条例改正ということになるわけでございますけれども、この改正条例案の提案につきましては、この合併協議会における議論の熟度を考慮しながら合併の実現に支障の生ずることのないように取り組んでまいりたいと考えております。

〇中平均委員 具体的な権限等がどのように変わるのかというのがなかったかと思うんですが、改めてお聞
きします。

〇松川市町村課長 失礼いたしました。
 町と村の違いということでございますが、法的な面での効力といいますか、そういったものに違いはございません。町だから権限がこういった面で大きいということはないものでございます。

〇中平均委員 一概に人口が多いから市町村合併が有利だとか、そういうことではないと思うんですが、今後やっていく上で、1万人未満での合併による新しい自治体の運営というのは実態として将来的に非常に厳しいものがあるのではないかと思うのですが、県として、例えば人口減少率とか世代間比率、人口が少なければ少ないほど正直言って厳しい状況にある各自治体の、今までのさまざまな質問の中で支援していくと言っていますけれども、実際に小規模な1万人未満の合併に対する県としての支援、また、将来的に1万人未満の合併市町村に対する将来像を県はどのようにとらえてどのように支援していこうとしているのかお聞かせください。

〇松川市町村課長 人口1万人未満の合併市町村に対する支援という御質問でございます。私ども、人口規模の小さな市町村同士の合併でございましても、行財政基盤の強化を図り、みずからの行政サービスを維持していく上で、合併というのは極めて有効であると考えてございます。その地域での議論の結果、合併を選択する市町村につきましては、合併後の規模にかかわらず、全庁挙げてその取り組みを支援していきたいと存じてございます。
 具体的な支援でございますけれども、小規模な市町村でございましても、みずからの判断と責任において行財政基盤の強化あるいは創意工夫を凝らしたまちづくりを進めていくということが基本でございますけれども、県といたしましては、合併市町村に対しまして、その必要に応じまして合併市町村自立支援交付金を交付するほか、その要請に基づいて、権限、財源、人材を一括移譲することなどによりまして、その自立への取り組みを支援していきたいと考えております。

〇中平均委員 それでは、例えば大規模の人口が多い合併でも1万人未満の合併でも、県としてはそのような支援をしていく以上、大きい自治体でも小さい自治体でも、例えば10年たっても特例債の期限が終わっても交付税の措置が終わっても同じく生き残っていけると認識して支援をしていくということでよろしいのでしょうか。

〇松川市町村課長 合併市町村あるいは合併に取り組む市町村に対する支援の基本的な考え方につきましては、市町村合併支援プランというものを14年に県で策定いたしました。今年度、例えば自立支援交付金などを創設した関係上、それを改定いたしました。したがいまして、これによりまして、合併に取り組む市町村については支援対象といたします。それから、合併重点支援地域に指定された市町村、これも支援対象でございます。それから合併市町村、これも支援対象としていくということでございます。
 この支援プランに掲げられましたさまざまな事業の導入等々あるわけでございますけれども、これによって自立に向けた合併市町村の取り組みを支援していくということでございます。ただ、合併特例法も期限のある法律でございまして、10年も何年もということでの中身ではございません。

〇中平均委員 将来設計を持って県は指導していただきたいと思います。
 引き続きまして、3月9日付の新聞に、より県に、また知事に強いリーダーシップを持たせる新しい3法案を今回閣議決定して国会の方にと新聞報道されました。この件につきまして、県として、担当の部局として、それこそ今後の合併についてどのように考えてどのように今まで以上に新しい法律のもとでリーダーシップを発揮していくのか。県は地域の自主性に任せると言ってどうも責任放棄している嫌いが見えますが、その件につきまして部長の御所見を伺いたいと思います。

〇大沼地域振興部長 今後の国会に、ただいまお話ありましたように、市町村の合併の特例に関する法律が――三つありますが――提案される予定と聞いてございます。これにはいろいろありまして、今、お話ありましたように、特例法の期限が過ぎてからでも合併はこれからも進んでくると思いますけれども、知事の関与を規定するとも聞いてございます。具体には、合併協の設置を勧告することができるという規定が盛り込まれる予定でございますが、これにつきましては、勧告は必ずしも強制力等は持たないようでございますし、内容を少し精査してみなければならないと思っております。
 いずれ、私どもといたしましては、今、特例法の期限がもう迫っていますけれども、特例法の適用を受けた合併の推進に向けて取り組んでいるところでございまして、それももちろん視野には入れなければならないんですが、とりあえずは特例法をまず目指してまいりたいと思っております。
 それから、その後の地域自治組織だとかさまざまな制度を踏まえた法改正が、今、検討されていますけれども、これについては、もう少し内容を見きわめながら慎重に対応していきたいと思っているところであります。

〇中平均委員 続きまして、情報化推進費についてお伺いいたします。
 先ほど来からの御質問、また、先週の一般質問での千葉康一郎議員、また、先日の総括質疑でもさまざま出たところではございますけれども、若干視点を変えまして質問させていただきます。
 まず最初に、今回、97ページの情報化推進費約25億円のうち、実際の基盤整備には大体3億1、000万円しか予算措置がされていない。その中で、先ほど嵯峨委員の質問にもありましたけれども、まず、オンラインシステム等の県庁内の整備に15億円以上入っている。25億円の予算のうちの15億円がまず県の中での整備の方にとられている段階ですけれども、果たしてこれで本当に先般からの質問の中で知事が言っている理念なり情報の受発信という整備が実際に目標どおりに進められるのかどうかお伺いいたします。

〇遠藤IT推進監 情報化推進費の中で、いわゆるインフラ関係の整備予算が少ないのではないか、これでできるのかという御質問かと思いますけれども、まず、基本的に、来年度の情報化の基盤整備、インフラ整備の関係につきましては、携帯電話の不感地域の解消、それから、高速インターネットの整備といったものを予算計上させていただいております。これは、事業主体が各市町村でございますので、それぞれ市町村で、携帯電話ですと事業者とのいろいろな調整の済んだものとか、そういうことで実施が可能になったものについて市町村の要望を受けましてそれぞれ予算計上しているということで、基本的に、それぞれの地域の市町村の要望にこたえられる額として計上させていただいております。
 もう一点、そういうものだけで知事の目指している情報推進県岩手が果たしてできるのかということでございますが、基本的に40の政策として、全体の事業としては平成18年度までの枠組みの中で、今回平成17年度までということで3カ年のプロジェクトで実施させていただいております。ただ、これは基本的にインフラでございますので、それ以外にそれぞれ各事業部局の方でいろいろな、農林水産でいえばトレーサビリティー、それから、先ほどございました医療局の電子カルテとか、そういったいわゆるアプリケーション部門では各事業部局の方でそれぞれいろいろな取り組みをされておりますので、いずれ当初の目標に向かって最大限努力したいと思っています。

〇中平均委員 アプリケーション部門の方でほかの部局でも予算をとっているので大丈夫ということでございますけれども、ちょっと言わせていただければ、最近のブロードバンドにしても携帯電話にしても、例えば私自身もホームページを持ってやっていますけれども、ブロードバンドの環境であれば普通に見やすい。ただ、実際にデータが多くなってくると、ISDNでとまっていれば非常に時間がかかって見れないわけです。その中で、例えて言えば、今、ADSLが普及しているというのはきのうの質問で14市町村ですか、出ていましたけれども、それも中心部だけだと。そういう中で、本当に地域からの、例えば県庁から発信するのはできるんでしょうが、それを受け取る側、また、それを受け取った上で自分たち一人一人が発信する側になっていかなければこのIT化というのは意味がないという中で、はっきり言って今のやり方では、また気がついたときに今度は全国では光ケーブルがはやっていて、もうADSLでは時代おくれになっているとか、そういう状況になるんじゃないかと思います。(「しようがないんだ」と呼ぶ者あり)
 しようがないと言って投げるのであればそれはそれで政策なんでしょうが、正直、重点項目でやっている中で、情報化推進費が、ほかの部局でアプリケーションで入っているとしても、この場合で25億円しかない。全体規模から見て本当に重点化しているのかという疑問があります。
 また、携帯電話についても、基本的には、ブロードバンドも携帯も民間で収支が合わないからこそ進めていかなければならないというのは当然なんです。収支が合わないからおくれているのが岩手県でしょうし、その上で公共事業でやっていかなければならない。それで負担がかかるのは、大変この厳しい財政下できついところではありますけれども、ただ、本当に携帯電話も今普及してきて、県北もそうですし県南もそうだと思うんですが、久慈と言うとあれなので県北地区とか、例えば携帯の電話が入る地域は一つしかないわけです。海辺の堤防沿いまで行かなければないところで、そこに夕方になると高校生なりがみんな集まって携帯をやっている。そういう状況が果たして知事の言っている次代を担う子供たちの環境にいいのかどうか。
 さまざま長くなって、しかも演説っぽくなって大変恐縮ではございますけれども、その点について、本当に重点施策ということで重要性をうたっているのが選択と集中になっているのか、部長の方から御見解をいただきたいと思います。

〇大沼地域振興部長 お話ございましたように、確かに岩手県の場合は条件不利地域が多うございまして、携帯電話等の不感地域もそちこちに散在しております。ただ、私どもの認識としては、携帯電話のインターネット等の基盤、こういったインフラ、基盤整備につきましては、まず、それぞれの通信事業者がみずから取り組むことが基本だというのが私どもの基本的な考え方です。ただ、そうは申しましても、通信事業者の場合はやはり採算性がどうしても前提になりますので、ある程度の加入者が見込まれないとなかなか踏み切ってくれません。県からはいつも要望はしているんですけれども、その辺がいつもネックになっているわけです。今年度の場合で申しますと、ADSLは大体200人の加入が一つの採算の分岐点といいますか目安と言われておりまして、具体に申しますと、西和賀地区――沢内、湯田でありますが――、県単で補助制度を活用して市町村とやろうと思ったんですが、いろいろ地域の人たちが盛り上がりまして、自分たちで加入者を集めて、そして200人以上の一つのグループをつくって、そして業者に一緒になってやってもらったといった地域がございます。西和賀のほかにもございます。そういった地域の盛り上がりも一つ必要ですし、私どもとしても、それに向けてのさまざまな相談には乗っていかなければならないと思っております。
 それから、先ほどお話ありましたように、情報の森整備事業ということで政策形成プロジェクトを立ち上げておりますので、これには国の格差是正通信事業という補助制度があります。これをまず活用することを考えたい。それから、それでもなかなか届かない場合には、今度は県単の制度をもって市町村と一緒になってやりたいということでいろいろ働きかけているところです。
 先ほど来申しましたように、今回の当初予算に盛り込みましたインフラ関係の整備でありますが、これは市町村と全部打ち合わせしてございまして、まずとりあえずできるところから、しかもある程度人口集積のあるところ、観光地、その他さまざま携帯電話の通じてほしいと願っているところはたくさんあるんです。あるんですけれども、やはり人家のある程度集まったところといいますか、住生活に直接影響を及ぼすようなところ、そういうところを優先的にやっていこうと思っております。それで、市町村と打ち合わせをいたしまして、市町村も当然負担が伴いますので、やっぱり計画的に進めてまいります。それを私どもと一緒になってすり合わせたのが今回の予算でありますので、その点では市町村と歩調を合わせながら着々と進めてまいりたいというところであります。

〇中平均委員 着々と、と言っていると本当に間に合わなくなるといいますか、お願い……、お願いではだめですね。わかりました。
 あと1点、今の携帯電話の、例えばすり合わせをしてやっていると聞きましたけれども、昨年15年度の山形、葛巻、江刺の県単でのエリア拡大事業が減額補正になっていましたけれども、この理由をお聞かせいただきたいと思います。

〇遠藤IT推進監 今年度の新規事業ということで、携帯電話のエリア拡大ということで県単の事業を6月補正で措置させていただいて、市町村、それから通信事業者の間でいろいろ調整をいたしまして、事業を予定して、先ほど委員からお話ございました3カ所程度の実施を予定しておりました。国の地方単独事業というのがございまして、これをベースに県の単独事業を組んでおります。地方単独事業のベースは、市町村が携帯の事業をやる場合過疎債を使えるということで、市町村の負担軽減をする、そういうスキームがございます。その上に県の単独の補助制度が乗っているというようなスキームです。それが昨年の11月に総務省の方で制度改正を行いまして、人口5、200人未満の市町村については実質適用できないという制度改正、私どもに言わせますと制度改悪でございますけれども、そういうのがございまして、事業者と大体おおむね話が調っておりました先ほどの3カ所の地区については、実質市町村が全額負担するという状況になりまして、過大になるということで、15年度分については事業実施をあきらめたということで、15年度予算については補正の方でおろさせていただいております。

〇中平均委員 15年度おろしたその地区について、来年度確実に実施できるのか、その状況をお伺いします。

〇遠藤IT推進監 昨年の11月にそういう形で国の方で制度改正がございまして、15年度から適用するということでございましたけれども、当然本県を含め全く使えない制度でございますので、その見直しを再度国の方に要請いたしまして、現在、総務省におきまして、制度改正について見直しを再度行っている状況でございます。基本的には、本県としては、いずれ本県で事業が実施できるような制度にしていただきたいということを強く要望しておりますし、できるだけ各地域のニーズの高い携帯電話の不感地域の解消は総務省に強く働きかけて、ぜひとも今回予定している地区については来年度実施できるように最大限努力したいと考えております。

〇中平均委員 その際、携帯も3社あるわけですが、つけるときに1社だけだと、その地区は例えばJ-フォンならJ-フォンしか使えないとかauならauだけになってしまいますので、全社のアンテナをつけるというのは正直厳しいのは重々承知しておりますけれども、それもまた強く働きかけなり、また、予算措置なりをできないものかどうかお伺いして質問を終わらせていただきます。

〇遠藤IT推進監 国庫補助事業を導入した場合に、既存の主な通信事業者3社が相乗りして携帯のアンテナを立てるという例はございます。本県の場合、いわゆる不感地域の解消といった場合には、おおむね当該地域の世帯数なり、あるいは夜間人口が少ない地域が非常に多いと。そういう地域に仮に3社が一緒に入っていくと、共倒れとは申しませんけれども、やっぱり採算上、事業者サイドでいろいろ問題があろうかと思います。したがいまして、御協力、御理解いただける事業者の方々にお願いして、まあ、複数社というのは基本的には難しいかと思いますけれども、そういう形で整備は進めてまいりたいと考えております。

〇照井昭二副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時59分 休 憩
   午後3時18分 再 開

〇吉田昭彦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。

〇伊沢昌弘委員 2点ほどお伺いしたいと思います。
 最初に、予算の説明書96ページにNPO活動支援事業費関連が盛り込まれているわけであります。NPO支援については、県はこの間、社会貢献活動の支援に関する条例、これは平成10年に策定しているわけでありますが、地域振興部の企画室内にその後、社会貢献活動促進監を配置してさまざまな支援策を講じてきていると思います。その結果、県のホームページ等を調べますと、現時点で130を超えるNPO法人の認証団体が誕生して活動していると思っています。また、認証申請をしていない団体も県内に数多くあるのではないかという思いをしているところであります。
 NPO組織は、自主的にみずからの考えで活動する団体であり、行政が過度の支援を行うべきではないものだと私自身考えるものでありますけれども、活動資金や活動の拠点となる施設の不足など、側面の支援もこれまた行政として重要なことではないかと思っています。
 今議会の冒頭、知事演述があったわけでありますが、NPO等という言葉を知事は、私が勘定いたしますと7回ほど演述の中で述べているわけであります。県との協働を含めていろいろな40の政策をやっていくためにも、県民、市町村、そしてNPO等との協働が重要だ、こういう形で述べられているところであります。
 そこでお伺いしたいと思いますが、一つ目は、基本的なことで恐縮でありますけれども、NPOに対する県の基本的な考えをお伺いしたいと思います。
 二つ目でございますが、県としてNPO活動支援事業、これは公益信託いわてNPO基金などを創設しながら展開してきておりますけれども、これまでの支援の状況、それから新年度における事業の計画があろうかと思うんですが、これについて示していただきたいと思います。
 三つ目、NPOとの協働を進めるためのガイドラインを策定いたしまして、県の事業になるわけですけれども、NPOとの協働推進事業を平成15年度、今年度は6事業ほど行ってきていると記載されているわけですが、その成果と将来に向けての課題等があれば、この際お示しいただきたいと思います。

〇遠藤社会貢献活動促進監 3点の御質問がございましたので、順次お答えさせていただきます。
 まず、最初のNPOの支援に対します基本的な考え方でございますが、NPOは、委員お話ありましたように、自主、自立的な組織でございますので、それらに対します県の支援策につきましても、側面からの間接支援を基本としております。県としましてはNPOを支援するNPO、いわゆる中間支援NPOあるいは税理士、行政書士等の専門家のお力をおかりしながら、個々のNPOを支援してまいるという基本的な考え方を持っております。
 もう1点は、本年度から平成17年度までの3カ年間をNPOに対します集中支援期間と設定しておりまして、18年度以降は、サポートルームの設置あるいはいわてNPO基金によります助成等、必要最小限の関与にとどめてまいりたいと考えております。
 第2点目の、これまでの支援状況と新年度の事業計画についてでございますが、これまでは、NPOの自主性に配慮いたしまして、平成13年度には公益信託いわてNPO基金の設置をいたしました。あるいはいわてNPOサポートルームの設置をしたところでございます。14年度には、NPOとの協働のガイドラインを策定いたしまして、15年度には、このガイドラインに基づきまして、NPO協働推進事業などの各種事業を展開してまいりました。
 新年度におきましては、これらの基本施策の継続とあわせまして、県民へのNPO活動に関する情報提供を充実してまいりたいと考えております。また、NPOから要望のございます活動拠点の支援のあり方について検討してまいる予定にしております。
 3点目の、NPOとの協働推進事業の成果とその課題でございますけれども、本年度六つのモデル事業を実施しております。主なものといたしましては、盛岡駅西口複合施設のNPOによります管理運営調査研究事業といったものを実施しております。これによりまして、NPOとの協働に対します課題の抽出、あるいはNPOとの協働に向けた職員の意識の醸成が図られたものと考えております。
 この事業は、本年度はこの6事業でございますけれども、県庁の方から課題を設定いたしまして、NPOにお声をかけまして、課題に沿った企画提案書をいただくというふうに実施しておりますが、来年度におきましては、NPO側からの県政に対する企画提案をいただきまして、それを担当部局で検討して、前向きに取り組んでまいるという方式に変えたいと思っておりまして、今年度末、3月の末には、県民の方々と本庁各部局の担当職員との意見交換会からまず始めたいと考えております。

〇伊沢昌弘委員 ありがとうございます。
 NPOがそれぞれ育ってこられている、県のいろいろな構造改革も含めて、NPOとの協働も含めてやっていると。
 私は、今最後にお話をいただいた協働推進事業について、これは県庁のいわば各部局で企画の遠藤推進監のところでいろいろ御指導しながらやっていると思うんですが、意識改革も含めてやっていく必要があるなという思いがあるわけです。3月21日でしたか、いろいろな意味でのフォーラム等を含めておやりになると、これは大変期待される部分なんですが、今年度でもかなり実績といいますか、いろいろな意味で、NPOの皆さんのいろいろな提言を受けたり、研究をやるということで進んでいらっしゃると思うんです。
 これを今後もっと県としては推進していく、そのことが、先ほど冒頭申し上げた知事の演述の中に、NPO等との協働という部分が力強く出ていると思うんですが、まだ、このNPOという法人そのもの、団体について、私も含めて、県民までにイメージ的にきちんとした理解が進んでいるのかなという思いもあるものですから、NPOという組織、市町村と言えばある程度イメージがわくわけですけれども、協働の相手としてのNPOということで県はうたっているわけでありますので、その辺のところを、わかりやすくと言えば大変難しいと思うんですが、イメージ、定義的なものについて改めてお示しいただきたい。
 それと、県との協働の部分で各部局頑張っていると思うんですが、私は、その辺の成果と課題ということでお聞きした部分があるので、いま一度各部が理解しながら、それぞれの分野のNPO団体と協働の事業がうまくいくための課題というものについて、経験的には短い期間しかないわけですが、その辺のところをお示しいただければと思うんですが。

〇遠藤社会貢献活動促進監 私どもで担当しておりますNPOは、NPO法人格を取得しているもの、及び法人格は取得しておりません、いわゆるボランティア団体を含みましてNPOとしてとらえております。
 本庁におきましては協働のガイドラインを定めまして、各部局、各所属に1名以上のNPOの推進員というものを設置しておりまして、本庁全体では、名簿では240名を超える者を配置しております。各所属に責任者を置きまして、その職員を中心にNPOについて県民の方との積極的な協働を考えていくというシステムをつくっているところでございます。
 現在までのところ、NPO法人に限りまして本県全体で131の団体が法人格取得という状況でございますが、地域的なアンバランスがかなりございます。盛岡がやはり60を超える法人が立ち上がっておりますが、地方振興局単位、少ないところは3団体というところもございます。NPOそのものは自主、自立の団体ということでございますので、活動分野もそれぞれ自分たちがやりたい分野をやるということで、活動分野についてもかなりアンバランスがございます。
 そういうことで、県がNPOとの協働を進めるに当たりましては、この地域的な偏在と活動分野の偏在、こういったものが大きな支障になると思っておりますので、私どもとしましては、NPOに関します県職員の意識の醸成を図るというものに力を入れておりますが、あわせまして、県民の方々のNPOに関する勉強、県民の方々の意識そのものを醸成しなければいけないなと。やはり協働で進めるという場合には、行政側と県民の側の両方が一緒になって活動について認識を持たなければいけないということがございますので、そういう意味で、来年度は県内のNPOの活動状況の情報提供とあわせまして、全国で1万5、000を超える団体が既に立ち上がっておりますので、そういったNPO法人の活動実績等の情報提供に積極的に取り組んでまいりたい。これによりまして、県民総参加の県政を今後より一層推進してまいりたいと考えております。

〇伊沢昌弘委員 ありがとうございました。
 安上がりの行政をやるという視点であれば私は反対していきたいと思っていたんですけれども、それぞれの分野で頑張っていらっしゃる皆さんの下支えも含めて、今後、NPOに対する御支援も強化をお願い申し上げたいと思います。
 2点目ですが、先ほど田村委員の方からも出たんですが、いわて銀河鉄道に関係いたしまして二、三御質問させていただきたいと思います。
 開業してから1年2カ月が過ぎているわけであります。当初計画を上回る営業成績を上げているのではないかという報道もあるわけでありますけれども、経営安定化基金も含めて、今後とも県とか市町村の支援が必要になっているわけであります。
 98ページには並行在来線対策事業費ということで盛られている部分もあるわけでありまして、今後とも一定程度の支援が必要だし、基金醸成までの予算が当初からの計画の中で進んでいくと思っています。こんな中で、通学定期に対する支援もあと1年で打ち切りの計画となっているわけであります。利用者の負担増が心配されるところであります。
 そこでお伺いしたいわけですけれども、開業以来、会社組織になったわけですから、いわて銀河鉄道株式会社の方で利用促進に向けた取り組みも種々やってきていると思います。それらの取り組みの内容と、開業以来これまでの利用状況はどのようになっているのか、また、それはどのように分析しているのかお伺いしたいと思っています。
 2点目は新駅の問題でありますけれども、滝沢村、盛岡市、平成17年度までに二つつくるという当初計画があったと思います。滝沢村の方は一定程度進んでいるやに聞いているわけですけれども、計画どおり進行するのか、私としても心配されるところであります。設置補助ということで、平成16年度予算には1億200万円余の予算が盛り込まれているわけでありますけれども、この新駅設置に向けた滝沢村、盛岡市における計画の進行状況をお示しいただきたいと思います。
 3点目ですが、先ほどの田村委員の質問にも絡むわけですが、沿線市町村におきまして、盛岡から目時までの間、二戸までのところですが、開業前には独自に町村で利用促進の支援策も講じなければならないなと。例えば、バスに利用のための援助をしているような町が、このいわて銀河鉄道になれば、それに乗った町民に対しても支援をしなければならないなという話を前に聞いたことがあるわけですが、現実的にこういった利用促進の支援策が沿線自治体のところで行われているのかどうか、この辺についてお伺いしたいと思います。

〇高橋地域振興部参事 ただいまのIGRについての御質問、数点ございますが、順次お答えしてまいりたいと思います。
 最初に、会社として利用促進に向けた取り組みでございますが、IGRいわて銀河鉄道におきましては、いろいろ委員の方々、報道等で御案内のこともあろうかと思いますが、さまざまな企画をしております。例えば沿線の自治体の、具体に申しますと、去年の5月5日、一戸町に子どもの森がオープンいたしました。それとタイアップした企画乗車券の発売ですとか、あるいは敬老の日に老人ホームの方々を無料でIGRの車両に乗っていただいて、奥中山高原の温泉に浸っていただいたという企画ですとか、あるいは幼稚園児をこれまた無料で招待して、奥中山高原の子どもの森に連れていったとか、そういった一連の行事、企画、それから、開業時、開業1周年の記念イベントなどを通じまして、鉄道の利用促進に積極的に取り組んできたと私の方は承知しております。
 なお、最大の利用促進策は、やはりダイヤ編成の際の利用者にとって非常に利便性のあるダイヤ編成であろうかと思いますが、これについてもいろいろJRとの、例えば新幹線との乗り継ぎを便利にするとか等々につきまして、会社としては十分配慮していると伺っているところでございます。
 一方では、県と沿線の六つの市町村で構成いたしますいわて銀河鉄道利用促進協議会というものを開業と同時に立ち上げまして、この協議会を通じましていろいろIGRに対する支援方法の協議・調整ですとか、この利用促進協議会主催の体験乗車会の実施などによりまして、沿線住民のいわゆるマイレール意識の醸成に努めているところでございます。
 それから、IGRの利用状況でございますけれども、これは、開業から1年2カ月後の本年1月末までの14カ月について調べましたところ、1日平均の乗車人員は1万2、997人でございます。これは、計画と比べますと、これは実行運賃を国に届け出した際の計画でございますが、当然これは開業前の計画でございますが――失礼しました。今の1万2、997人というのが計画でございます。実績は1万3、897人となってございまして、大体計画と比較しますと6.9%上回っているという実態にございます。そういう意味では、まずは順調なスタートを切ったのかなと考えているところでございます。
 それから、二つ目の新駅設置に向けた計画の進捗状況のお尋ねでございましたけれども、まず、巣子地区の新駅につきましては、昨年10月16日に駅の位置などにつきまして国の認可を受けておりまして、現在IGRの方でプラットホーム等の施設設計を進めているところでございます。
 一方、青山地区の新駅につきましては、若干巣子地区に比べておくれていることは事実でございますけれども、これは、昨年9月以来いろいろと国と会社の間で認可申請に向けた事前協議に少々時間をとりました。しかし、現在既にその協議が調いつつあるということで、認可申請中でございます。早晩認可がおりてくるだろうと思いますけれども、できるだけ早く認可をいただけるように、今後とも国に働きかけているという段階でございます。
 この二つの新駅の今後の見通しでございますが、並行在来線の計画概要の段階では、開業3年内に新駅二つを設置するという計画でございました。開業3年以内と申し上げますと、平成17年12月ということになりますものですから、幾ら遅くとも平成17年12月には二駅とも開業させたいという心づもりで、今鋭意作業をしているところでございます。
 それから、沿線市町村のそれぞれ独自の利用促進支援策についてのお尋ねでございますけれども、私どもいろいろ見聞したり、報道等で承知した限りにおきましては、例えば、二戸市におきましては、平成14年12月の開業に合わせて、二戸市役所の職員の旅費規程を改正して、従前60キロ以上だと特急料を支給するという規定を100キロ以上に改正した。事実上、二戸から盛岡に出張する際には新幹線を使えない、こういうような措置をとったようでございます。要するに、IGRを使えという趣旨の改正であるやに伺っております。
 そういうところもございますし、また一戸町におきましては、これは報道で御案内かもわかりませんけれども、例えば、IGRを使って一戸駅から御所野縄文公園までタクシーを使った場合に、タクシー料金の一部を助成するとか、あるいは、高齢者に対してIGR乗車1回につき100円の助成券を交付するとか、そういったものを一戸町ではやっているようでございます。
 また、ハード面では、例えば、滝沢村ですとか玉山村が、それぞれ滝沢駅あるいは好摩駅の駐輪場の舗装をしたり、そういった意味で鉄道利用者の環境づくりの整備をしていただいているということも承知しております。
 それから、盛岡市におきましては、バスと連携いたしまして、青山のゾーンバスシステム実証運行において、厨川駅へのアクセスの向上をねらった循環ルートを設定するとか、あるいは、岩手町が新年度から運行を計画している廃止路線の代替バスがございますけれども、このバスはいわて銀河鉄道との接続に大いに配慮したバスダイヤを組むというようなことも聞いてございます。
 そういったことなどなど、これは恐らくすべてではないだろうと思いますけれども、各市町村におきましては、それぞれ独自にIGRの利用促進のために御尽力いただいているものと理解しているところでございます。

〇伊沢昌弘委員 ありがとうございました。
 実は私もきょうの昼にIGRいわて銀河鉄道株式会社のインターネットを開きましたら、平成15年度上期までの輸送状況という、上期まででございますので、今のデータの方が新しいわけですが、インターネットには上期の部分で一定程度ふえていると。
 しかし、その中でちょっと気になったのは、通勤の方々の定期の利用が当初計画に比べ、それから平成15年度の計画に比べても極端に、460人ぐらい減っている。通学については、平成15年度の計画で6、974人を見越しているのに、上期の実績が7、141人だ。いわゆる通学の子供さんたちは、言ってみれば列車を使わざるを得ないといいますか、そういった意味でこれは減らないんだと思うんですね。1.37倍になったにもかかわらず、これはふえている。通勤の部分は、やはり2倍を超えているところですから、別なところにシフトしちゃったのかなという思いがしていたわけです。
 それと、ちょっと気になったのは、寝台特急の利用が、当初見越したよりも、スタートの段階では半分ぐらいだったんですが、寝台特急で平成15年度上期は830人見込んだのが664人と、これは戻ってきているような気もするので、トータルでは、先ほど参事がお話になったように計画よりはふえているという部分があるんです。
 ここで、なぜこれを聞きたいかというと、やっぱり通学のところなんです。1年後には助成が消えちゃう。そして、当初計画をした安定化基金のたしか11億円のうち、平成17年までには4億7、000万円ぐらい使ってしまうよと。通学の補助金で消えてしまう。こういったところを、あと1年あるわけですが、この経営状況を見ていった中で、やはりこれは、田村さんの質問にもお答えしているんですが、きちんとした中で通学に対する助成といいますか、そういったものは考えていかないと大変なことになるんじゃないかなという思いをしているわけであります。
 というのは、経営状態がよくなれば、当初見込んだよりは黒字転換といいますか、累積の部分を含めて前倒しが出てくるようなときに、じゃ、どうするんだということも含めて、これは考えていいんじゃないかと思うわけです。考えるのは株式会社でございまして県ではないとおっしゃられるかもしれませんが、とてつもない県民の税金を投入して新幹線の負担金、そしていわてIGR鉄道の立ち上げに県としてかかわったわけでありますので、そういった分野も含めて、今後、会社とのいろいろな経営、企画段階を含めてやるべきだと思うわけですけれども、いかがでございましょうか。

〇高橋地域振興部参事 確かに経営的に見ますとIGRにつきましては赤字ではございますけれども、当初計画されている赤字幅を圧縮しているという意味においては、良好という言い方も可能であろうかと思います。
 ただ、しかし、まだ開業して1年数カ月でございますので、この傾向が中長期的に見てどう推移するか、これについては、正直申し上げて現段階では判断しかねるのかなと。したがって、この通学定期、今委員、経営状況と絡めて御指摘がございましたけれども、当然、そういった中長期的に経営状況の推移を見た場合に、例えば、黒字転換が計画より早まって、黒字基調が中期的にも長期的にも続くという段階においては、そういった料金の問題も出てくるでありましょうけれども、今の段階では、一般論として運賃の低減とか、そういったことを考えるのは時期尚早かなと思います。
 ただ、通学定期の激変緩和については、御指摘のとおり来年の3月で切れるものですから、これは、正直申し上げまして、延期につきまして沿線の自治体の方でも賛否両論がございます。したがいまして、ことしのしかるべき時期に沿線の自治体といろいろ協議をして、来年4月以降の処置をどうすべきか決める必要があると考えておるところでございます。

〇伊沢昌弘委員 ありがとうございます。
 今々決めろ、暫定も延ばせ、こういう意味で言ったんじゃなくて、やはりいろいろな状況を勘案しながら、ぜひこれは県としても前向きにといいますか、県民の負担を軽減する――工藤さんの約束は、県民に不便をかけないと。不便とは何ぞやというと、ダイヤだけ改正すればいいというのではなくて、負担も含めてのことだと県民は理解をしながらこれはやってきた部分でありますので、経営の恒常化と鉄路が守られるということが大前提でありますが、県民の負担の軽減策についてもぜひ深くかかわっていただきたいと御要望申し上げて、終わります。

〇斉藤信委員 それでは最初に、市町村合併問題と市町村の自立の問題について、県の対応についてお聞きしたいと思います。
 法定協議会も幾つかつくられるようになりました。一番最初につくられた一関の任意協議会が発表した新市将来構想、私はこの議論の様子も地元の議員を通じて現場に行って聞いてまいりましたが、特徴として、理念のない市町村合併、そして、もう一方で、住民の暮らしという点からいけば、特に周辺の場合にはメリットがない、こういうところが私は特徴ではないか。今までの合併というのは、福祉や暮らしの問題というのは、最初は高いレベルに合わせると。今はもう最初から高いレベルに合わせられない合併になっています。
 そこで、最大の合併の理由になっているのが財政問題であります。この4市町村合併のある議会の議論で、住民にとって何かプラスがあるかという質問に対して、当局は何も示せなかったという一幕もありました。それで、私は財政問題が最大のキーポイントになっていますが、危機的状態の自治体同士が合併してなぜ財政問題が解決されるのか。合併特例債を活用すれば、さらに借金がふえる。少なくとも3分の1は借金であります。そして、10年過ぎたら地方交付税は確実に減らされる。10年過ぎなくても、今段階で減らされています。私はそういう点では財政問題の解決にもならないのではないかと。
 例えば、11年前に合併した盛岡市が今2、700億円の借金に陥って、最大の財政危機の状況にあります。これが盛岡の合併協議が進まない原因だとも指摘されているわけであります。
 これは一関に限らないわけですけれども、こうした点で、今進められている合併が本当に住民の暮らしにとってプラスになるのか、財政危機の解決になるのか、県はさまざまな協議会にも参加しているでしょうから、その点を示していただきたい。

〇松川市町村課長 市町村合併と市町村の自立に関する御質問にお答えいたします。
 市町村合併と財政問題についてでございますけれども、財政状況が大変厳しいわけでございます。この中にあって、市町村においては徹底した行財政改革によりましてみずからの行財政基盤の強化を図るとともに、住民に最も身近な基礎自治体として、その役割を果たすのにふさわしい効率性や専門性を備えた行政体制を整備していく必要があると考えております。そのためには住民合意が前提となるわけでありますけれども、市町村合併は有力な手段であると考えております。
 合併特例債についてお話がありましたが、合併特例債は、市町村建設計画に基づきまして公共的施設の整備事業等に充てることのできる地方債でございまして、御案内のとおり、その元利償還金に対しては70%が普通交付税で措置される、他の地方債に比べ手厚い配慮がなされているものでございます。
 合併市町村からの建設計画の協議に当たっては、これは県が加わるわけでございますけれども、協議に当たるわけでございますが、将来の公債費の負担が過重にならないように無理のない計画づくりを助言するとともに、行財政運営の効率化というメリットを今後のまちづくりに十分反映させるように、その協議を通じて助言してまいりたいと存じております。
 もう一つ、盛岡市の事例のお話がございました。盛岡市の関係でございますけれども、盛岡市が旧都南村と合併いたしました平成4年度以降、国の景気対策への呼応が求められたわけでございます。県内市町村においても、公共事業などの国庫補助事業の追加、あるいは地方単独事業での積極的な対応が求められたわけでございまして、その主たる財源に地方債が充てられたところでございます。
 また、近年では臨時財政対策債など、地方財政の財源不足対策として新設された地方債の発行残高も増加いたしております。
 こうした事情から、盛岡市のみならず、県内市町村全体として地方債残高が増嵩している状況にあるほか、盛岡市においては、市民生活向上のための積極的な事業実施により、地方債残高が伸びたものでございまして、合併が直接の原因で地方債残高がふえたものではないと考えております。

〇斉藤信委員 県がそこまで断言しなくていいんですね。というのは、合併建設計画を進めてきて、その借金で赤字がふえたのは事実なんですよ。あなたがそれを否定したらとんでもないことになりますよ。盛岡市がそれを否定しているわけじゃないんだから。そして、盛岡市の市勢発展計画がもう、後期計画は大幅な見直しを認めているんですから。県の市町村課長が市長にかわってそこまで言わなくていいんです。これは何も盛岡市が困ることじゃないのでね。私は事実を指摘したので。いいですか、合併した場合でもそういうふうに陥っているということをきちんと見なくちゃだめだというのが一つです。
 あと二つ目に、これは一関の4市町村の概要版ですけれども、保健・医療・福祉はどうなるかと書いています。国民健康保険税は合併時に統一します。一関市以外は全部増税です。乳幼児の医療費助成事業、これも所得制限と一部負担を設けるなど、合併時に新たな制度を設けます。これは所得制限なしのところは、全部所得制限が入ってきます。保育料、これも一関市が一番高いんですけれども、もう2万円、3万円の増税になりますよ。そういう点では、福祉、暮らしから見たら、率直に言ってメリットがないんです。私はこれは率直に指摘しておきたいと思うんです。
 それと、結局一関市の最大のメリットは338億円の建設事業、これは箱物中心ですよ、これができる。このうち114億円は借金なんです。今からこんなことをやったら本当に深刻ですよ。今でさえ借金で大変なときにね。そして、合併の最大のメリットは何かというと、議員と職員を減らすことなんですよ。これだけです。これによる物件費の削減だけです。しかし、周辺の町村から見たらどうなるか。役場に今まで150人いた、200人いた、それが支所には30人しか残らない、50人しか残らない。今までその地域で50億、100億円の……。

〇吉田昭彦委員長 斉藤委員に申し上げます。質問をしてください。

〇斉藤信委員(続) 質問しているんですよ、今、具体的に聞いているんじゃないですか。途中でやるから長くなるんですよ。今いいところなのに。佳境に入っているところでやらないでください、忘れてしまうじゃない。もうどこまでやったか忘れてしまった。参ってしまうんだよな。
 結局、周辺町村はどうなるかというと、役場がなくなって、そこの職員もなくなって、そこで発注した50億、100億円というお金がなくなるんです。これは役場経済と言われてね。周辺はそれがあるから、役場が持っているんですよ、地域が持っているんですよ。それが全部一関一極集中になるんです。だから周辺が寂れると。これが今大問題になっている。私はそういう点について、合併した場合、これは一関に限らないので、本当にそれで周辺が振興されるんですか。合併協議を通じて、市町村課長はその協議に参加していると思うけれども、周辺がそれで今まで以上に振興されると確信を持っているかどうかお聞きしたい。
 あわせて、合併問題で二つ聞きます。大船渡市が先行して合併しました。合併建設計画に対して地方交付税は計画どおり交付されているでしょうか。これは平成14年度、15年度、16年度は予算でいいですから示していただきたい。
 それと、先ほども議論がありましたが、合併3法案、この法案要綱はもう出ましたからね。きのうのニュースを見たら、岩手県はこうした知事の勧告については否定的だという報道がありました。これは知事の見解なのか、部長の見解なのか、はっきりさせていただきたい。はっきりした見解を示していただきたい。

〇松川市町村課長 まず、合併によるメリット、それから一関において周辺が寂れるという懸念に対する対応、それから合併関係法案に対する関係の3点の御質問でございます。
 まず一つは、合併に関係するメリットについてでございますけれども、これについては、例えば、その地域の状況でありますとか、どういった合併を目指すのか、どういったまちづくりを志向するのか、これによってもメリットというのは異なってくるだろうと思います。したがって、そこで例えばまちづくりの議論を行うに当たって、一つは住民サービスの向上を目指そうという議論がある一方、財政健全化も図らなければいけないという視点での話し合いも行われると思います。それから、行政効率をやっぱり高めていこうではないかという議論もあろうかと思います。一律の議論ではなくて、やっぱりいろいろな多面的な視点で議論が行われるものであって、すべての住民サービスが上がっていくというようなことは、今の議論の中ではなかなか難しいのではないかと思っております。
 まず、そのメリットということでございますけれども、多様なメリットがあるわけでございますが、まず共通して言えることは、委員も御指摘されたわけでございますが、行政のスリム化のメリット、いわゆる総務、企画等の管理部門の効率化が図られて、その分、他のいわゆるサービス提供や事業実施を直接担当する部門を手厚くすることができる、職員数の全体を少なくすることができるというメリット。それから、市町村に置くこととされている委員会、各審議会、こういったものもスリム化がされる。その分の経費の削減がされる。それから、例えば広域的な観点から、さまざまな公共施設が効率的に配置されるというようなメリットは共通してあるものと思っております。
 それから、周辺が寂れるという懸念に関する中身でございますけれども、これは、合併関連の新法の法案とも関係するわけでございますが、例えば今回、合併新法において制度化がなされようとしております合併特例区、法人格を持ついわゆる地方制度調査会の答申で言いました地域自治組織でございます。それから、地方自治法の改正も提案されるわけでございますけれども、これによります地域自治区、こういったものの活用によりまして、住民自治の強化というものが図られるといった制度化がなされるのではないか。
 したがって、これから三つの法定協議会、さらに今三つの任意協議会があるわけでございますけれども、住民自治の強化をどう図るかというときに、こういった制度が出てきたことによって具体的に議論が進むのではないかと思っております。
 それから、今回の法律案、合併関係の3法案が3月9日閣議決定ということでございますけれども、これについては、基本的には地方制度調査会の最終答申を踏まえた形で法案が作成されたものと存じております。この中の、ただいま申し上げましたような地域自治組織につきましては、住民自治の強化を図るものということで一定の評価がなされるのではないかと存じておりまして、これについては地方制度調査会の答申の際に知事がコメントを出しておるものでございます。(斉藤信委員「大船渡の回答がないぞ」と呼ぶ)失礼いたしました。
 大船渡の建設計画の関係でございます。交付税の状況ということでございますけれども、地方交付税の状況につきましては、大船渡市の状況、平成15年度の状況を聞いております。
 大船渡市の平成15年度の普通交付税の額でございますけれども、54億円余ございます。合併建設計画の中の財政計画で平成15年度見込んだ普通交付税の額は59億9、000万円余でございます。ということで、5億9、000万円の減、9.8%の減となっているわけでございますけれども、地方財政対策によりまして普通交付税から振りかえられました臨時財政対策債発行可能額を合算いたしますと、計画額を上回っているところでございます。

〇斉藤信委員 市町村合併のメリットについて、住民の暮らしから見るとないと、それは課長も認めました。そして、議員の定数を減らして職員も減らすと、私はこれはメリットだと思っていないんです。しかし、合併協議で最大のメリットと言われているのはこれなんですよ。例えば、一関4市町村では議員が今82名ですが、法定数30名になります。人口比で見ますと、一関市は人口比で割りますと21人、花泉町5人、東山町3人、川崎村は1.5人。私はこれで本当に地域の声が届くのかと思いますよ。職員も、例えば花泉町の170人の職員が支所になると65人ですよ。それで本当に地域が振興されるのかというのは、私はそんな単純なものではないと思います。
 それで今、大船渡市の交付税を聞きました。平成14年度は決算が出ていますから言いますが、75億円の計画額に対して決算額は66億円でした。そして今、平成15年度は59億9、000万円に対して54億円、臨時財政対策債があってプラスだと言うけれども、まあ借金ですね。来年度予算が新聞報道で発表されましたが56億3、000万円ですよ。だから結局、交付税全体が減らされれば合併しても減らされるんですよ。私はそういう点では、合併が財政問題を解決する錦の御旗のように言われるけれども、決して、それはドグマですよと。盛岡市がそうだし、大船渡市だって今苦労しているんじゃないですかと。これは指摘だけにとどめます。
 次に、今の合併3法案に対しての知事の見解について、きのうのNHKのニュースのニュアンスと全然違うのでもう一回聞きますけれども、きのうのニュースではこういうニュアンスですよ。市町村と対等協力の関係にある県が、一方的に合併の勧告を押しつけるのはおかしい、こういうふうにきのうのニュースでは報道されました。これはだれのコメントですか。私は、知事は以前こういうことを言っていたと思うんですね。それが岩手県の立場だと私は思うけれども、部長、以前増田知事はこういう立場を示していたと思うがそれでいいんですか。

〇大沼地域振興部長 昨日のNHKの報道というのを私は承知しておりませんが、いずれ私どもの認識といたしましては、合併は、やっぱりこれは地域の自主的な判断によるものだということは前提であろうと思っております。したがいまして、一方的な知事の勧告、あるいは協議会設置の勧告なり、これはいかがなものかなと。やはりそれぞれの地域の地理的あるいは歴史的な背景というものをそれぞれ考えるべきだということが前提にございますので、そういう意味では、知事がどういう発言をしたか私は承知しておりませんが、知事の認識も私どもの認識も一致しているものと考えております。

〇斉藤信委員 知事の発言は重大ですから、認識していないとか、わからないと、これはまずいですよ。新聞でも出ている経緯があるんですから。
 やっぱり市町村と対等協力の関係にある県が一方的に勧告するのはおかしいと、これは全国知事会の会長もそう言っているし、増田知事もそう言っていますよ。私はこういう立場で、いよいよ国から押しつけの合併が、地方分権どころか、地方分権、地方自治を破壊するものだということが明らかになってきたと思いますよ。これは指摘だけにとどめて、知事も呼びたいけれども、呼んでいますからね。
 じゃ、あと簡潔に聞きます。市町村総合補助金について。行財政構造改革プログラムでは、平成18年度から廃止の計画になっていますが、実際、来年度は拡充されます。私は、この市町村総合補助金は大事な役割を果たしていると思いますが、担当部としてその実績、成果、これが本当に廃止される予定なのか、また、部としては拡充する方向なのかを示していただきたい。
 あわせてもう一つ、地方バス関係の補助金廃止について。来年度も地方バス関係の補助金の廃止が2件、私が見たところあります。これによって今の赤字バス路線が廃止されるのか、維持されるのか、その見通しを示していただきたい。

〇法貴地域振興部次長 市町村総合補助金についてお答え申し上げます。
 市町村総合補助金は、先ほども申し上げましたけれども、平成12年度に新設されまして、3年間で市町村に6、500万円という形で、3年をワンクールということでワンサイクルの補助金を設置しているものです。それのために平成15、16、17年と一つの3年のサイクルの中で補助金を交付するということで、制度的には15年度にハードとソフトの垣根を外しまして全体で6、500万円ということで、3年ごとに評価し、見直しをしながらその制度を見直していくことにしていますので、平成18年度に向けて、今のところ拡充に向けて検討していたところでございます。
 市町村行財政構造改革プログラムを発表して以来、市町村から非常に要望が強いということで、緊急に措置するということで特別枠を設置しまして、平成16年から18年まで、市町村の総合開発計画の支援あるいは行財政構造改革プログラムの支援をするということで、3年で1、500万円を限度という特別枠を設けて拡充したところでございます。

〇千葉総合交通課長 バスの補助金の関係でございますけれども、現在、バス運行対策費補助、これは国庫補助でございますが、それと地域バス交通等支援事業、これは県単補助でございますが、この二つでバス路線の維持といったものをやろうということでやってございます。これらは政策形成プロジェクト事業としてやっているものでございまして、当初設定しましたプロジェクト事業の終期が到来するという意味で、このプログラム上、平成17年度で廃止という形で整理されているものでございます。
 ただ、私どもとしましては、平成18年度以降も、地域住民の日常生活に必要な生活交通路線は維持すべきではないかと考えてございます。
 そのためにも、このプロジェクトの成果を見たり、あるいは今後のバスのネットワークの状況の変化等ございますけれども、そういったものを勘案しながら、市町村あるいはバス事業者と意見交換をしながら、生活交通確保のためにどうやれば一番適切で、かつ効率的な対策が打てるか、そういったものを検討してまいりたいと考えております。

〇斉藤信委員 そうすると、市町村補助金は拡充の方向だと。60億円の補助金削減の中ではこれは一番大きな額を占めるんですよ。これが拡充されると、行政改革プログラムがまた見直し、破綻する、こういう関係が、これは指摘だけしておきます。
 バスの問題は、平成15年度で赤字路線が184路線でしたが、これは平成16年度の見込み、赤字路線がどうなって、本当に守られるのか、具体的な数字で示していただきたい。
 きょうの新聞で、石鳥谷町の町民健康バスが今年度で休止だ、補助金削減の必要に迫られたということですが、これは県の補助金とかかわるんですか。

〇千葉総合交通課長 来年度のバス路線の数でございますけれども、私どもで現在把握してございます民営バス路線でございますが、来年度、今年度より20路線ほど少なくなる、610路線ほどになるのかなと考えてございます。
 一方、市町村が持っております廃止路線代替バスの路線がございますけれども、これは最近増加傾向にございまして、来年度は10数路線ふえまして、320路線ほどになるのかなという気がしてございます。
 なお、来年度の国庫補助あるいは県単補助の対象になる路線でございますけれども、今年度よりも16路線ほどふえまして106路線ほどを見込んでいるところでございます。(斉藤信委員「石鳥谷町は県の補助カットと関係ないのか」と呼ぶ)失礼しました。
 石鳥谷町につきましては、私どもの方の補助の関係ではございません。

〇斉藤信委員 わかりました。
 それじゃ、最後に、エコパーク平庭高原について、来年度は4、931万円余予算化されています。長引く不況と県財政の危機的状況で、これは総事業費約23億円と言われていますが、私はこういう事業こそ見直すべきではないのかと。第三者による検証が必要ではないかと思います。特に宿泊・入浴施設、体験施設、これが、採算が成り立つというのであれば民間でやらせるべきではないでしょうか。体験施設や宿泊・入浴施設、これが採算がとれるという根拠と、運営主体、もし赤字が出た場合に県はどう責任をとるのかとらないのか示していただきたい。

〇法貴地域振興部次長 エコパーク平庭高原の事業を見直すべきではないかという御質問でございましたけれども、エコパーク平庭高原については、今、委員は20何億円ということですけれども、当初39億円事業として予定したものを事業を精査いたしまして17億円強ということで見直しをしております。地元の要望でコンパクトに見直したということです。
 それから、行財政構造改革プログラムの計画期間中の着工ということになりましたけれども、完成年度をずらして、その事業負担の抑制を見ながら期間を延ばしていったということでございます。
 それから、第三者による検証をしたらいいのではないかということでございますけれども、本事業については、平成14年度に環境省が作成しました自然公園等事業における費用対効果算定マニュアルに基づき費用便益分析を行い、県の政策評価委員会においてその評価手法について御論議をいただいております。また、平成12年、13年度には環境影響評価調査を行っておりまして、さらに、実施計画の策定段階で住民説明会を行うとともに、パブリックコメントに準じて県のホームページを通じて広く意見を聴取しております。ということで、第三者委員会については、あえて意見を聞かなくてもいいのではないかということでございます。
 それから、採算がとれるならば宿泊・入浴施設を県が整備する必要はないのではないかということでございますが、宿泊・入浴施設なる滞在施設は、あの地域を訪れる来訪者が自然体験や生活・食文化など、地域の多様な体験プログラムを実感しながら、また、平庭地域の雄大な自然空間をゆったりと、じっくりと体感するとともに、心身をいやし、健康を維持・回復する施設でありまして、エコロジー体験・学習施設の一体的な利用により、平庭地域のエコツーリズムの拠点性を一層高める本事業に必要な施設だと判断しております。
 それから、赤字になった場合どうするかということですけれども、これは第三セクターの民間の手法によりまして、今行っている第三セクターの方たちに、民間の手法でぜひやらせてくれということで、とんとんでございますけれども、赤字は出ないということになっております。

〇斉藤信委員 私がもらった資料では、エコロジー体験・学習施設が11億2、400万円、滞在施設が10億6、000万円、合わせて21億8、400万円、これは修正されているんですか。もう少し減っているんですか。ああ、そうですか。資料はちゃんとしたものを届けていただきたいね。私は今度の質問のときに求めたんですよ。あなた方は不誠実だよ。私は、質問のために資料をいただいたんだから、これはとんでもない話だよ。ここで突然聞いているんじゃないんだから。まあ、いいや。
 それで、17億円に縮小したと言いましたが、しかし、その管理運営は、いわば体験施設は葛巻町、公社は山形村の第三セクターに委託してそれぞれ独立採算だと。今、観光地の旅館、ホテルだってもう大変なんですよ。ああいうところで採算をとろうというのね、私は本当に大したものだと思いますよ。
 今、リゾート計画がどこでも全部破綻した。今、陸前高田なんかのキャピタルホテル1000も大変な赤字、負債を背負っていますよ。私は、こういうリゾート計画が破綻した中で、それを復活させるようなこういう計画というのは本当に信じがたいと思います。
 そして、赤字が出るわけがない、こういう答弁は全く科学的でも何でもない。出たらどうするんですか。いいですか、今までリゾート計画はみんな破綻しているんですよ。それは全国でも、岩手県内でも今、その負債のために大変になっているんじゃないですか。だから、出た場合にどうするんですか。これは県が持つんですか、持たないんですか。

〇法貴地域振興部次長 赤字については、まだ予測値の中ですので、今のところ、これはとんとんですけれども、黒字で経営されるということで、赤字については第三セクターというか、市町村がまず主体的に責任を持って運営するということになっておりますので、そのために平成8年から15年度までかけて中身を詰めてまいりましたので、ぜひその中でよき施設として運営されることを私は期待しております。

〇斉藤信委員 実際に第三セクターの破綻、赤字が今大問題になっているんでしょう。だから私は聞いているんですよ。実際に赤字になったときに県はどう処理するのか、責任をとるのかということを私は聞いているんですよ。
 いいですか。17億円もお金を投じて、結局赤字になって、また県費を投入するということになる場合だってあるんですから。率直に言うけれども、あなた方の試算は極めてずさんですよ。費用対効果と言っても、大体、親方日の丸の試算じゃないですか。あり得ないというのが答弁ならそれでもいいですよ。そうしたら、そのときには責任をとってもらいますよ。だから、赤字の場合にはどうなんだという、こういう可能性を考えなくちゃならんのは当たり前のことじゃないですか。それは委託なんだから。委託した場合に県の責任が問われないんですか。

〇法貴地域振興部次長 利用者数についても、最初のころはかなり大きく、過大に積算したこともありましたけれども、この平成8年から15年までに検討する際に、かなり近隣の利用状況とか……(斉藤信委員「それを聞いているんじゃないんだ。赤字になった場合どうするのか」と呼ぶ)赤字になったときには、第一義に市町村に負担してもらいます。

〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇平野ユキ子委員 質疑が長引いているところ申しわけないんですけれども、情報化推進費についてお伺いいたします。
 素朴な質問なんですけれども、25億円余りの予算が計上されていますけれども、委託料で17億円余りですね。この委託料は、右側の説明のどれに当たっているのかということが1点です。
 次に、説明の内訳を見ますと、いわて情報ハイウェイ推進費というのが3億5、000万円余りですね。それから、オンラインシステム運営費というのが中ごろにありますけれども、これが12億7、000万円で、あわせて16億1、500万円余りなんですけれども、このいわて情報ハイウェイ推進費というのは、回線使用料ですよね。それから、オンラインシステム運営費、運営費ですからランニングコストで、これはホストコンピューターの維持費ととらえていいのではないかと思いますが、つまりどちらも必要経費といいますか、ランニングコスト、維持費と言えるのではないかと思います。ということは、25億円の予算の中の16億円余りが維持費として使われているわけで、維持費として使われているのというのは、知事が昨日述べられましたように、これから県立病院へのIT導入ですとか県の行政の電子化ということで進めていくときに、予算がつけばつくほど維持費も膨らんでいく、そういうことになるのではないかと心配いたします。
 これは、多分委託するときの中身を精査していないからではないかと思うんです。減らすことも可能なのではないかと思うんですけれども、これからITを導入するときに、コンピューターなりソフトなりを導入するときには、入札時の価格だけではなくて、その後にどれほどかかるかという維持費を考えて入札すべきではないかと思います。これについて御意見を伺わせていただければと思います。
 それから、先ほど答弁の中に著作権というお話がありましたけれども、それはソフトに関する著作権なわけですよね。今、導入しているものは、現場の人間が勝手に変えられないシステムになっているんですね。だけれども、実際使う身になってみると、必要のないものとかいっぱいついているわけなんです。それを自由に変えて、その現場現場に合った、例えば今度病院で電子カルテを導入するとしますと、医局でここまで要らないというようなものもいっぱい附帯してきている状況なんだと思われます。ですから委託料も高くなっているのではないかと思います。それを現場の人間が変えられないので、どうするかというとまた委託料を払って変えてもらう。このシステムを変えていかなければいけないのではないかと思います。ですから、委託料を払ってプログラムを変えるのではないシステムで、エンドユーザーが自由に変えられるようなプログラムに変えるような、これからの導入方法としてはエンドユーザーに合わせてプログラムを変えられるような、自分で変えられるようなプログラムを導入すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

〇佐藤IT指導監 今おっしゃいましたエンドユーザーコンピューティングという概念は、エンドユーザーが自分で使いやすいようにその場で自分で修正するという運用形態の一つの仕組みでございます。メリットといたしましては、自分でやりたいようにすぐできるわけですから、まず、迅速に対応できるということ、もう一つは、もちろん委託が発生しませんのでお金が全くかからないという大きなメリットがございます。一方で、もちろんプログラムを修正するにはある程度一定の技術を必要とするということがございます。今後、システムの開発あるいは修正におきましては、そういったメリットあるいはデメリットを勘案しながら今後の研究課題にしていきたいと思っています。

〇遠藤IT推進監 まず、第1点目の20数億のうち委託料の17億円がどの事業に入っているのかというお尋ねかと思いますけれども、先ほど嵯峨委員の質問のときにもございましたが、途中飛ばしましたけれども、委託費が入っている事業は、いわて情報ハイウェイ推進費、いわてモバイル利活用促進事業費、情報の森人材育成事業費、オンラインシステム運営費、情報システム最適化事業費、いわて電子地図整備事業費、高度情報化推進費、それから情報セキュリティ対策強化事業費、これらの中に委託費が組み込まれております。
 それから、いわゆる維持管理費が非常に多いのではないかという御指摘でございますけれども、基本的には、システム開発をいたしますと、開発した後に維持管理する経費というのは当然生じてまいります。情報ハイウェイにつきましてもNTTの回線を使ってシステムを構築しておりまして、回線の使用料を支払わなければならないというのは当然に生じてまいります。それ以外の種々の経費につきましても、自前の設備で職員の人件費をかけて維持管理をすれば対外的な支出の維持管理費というのはかからないということはあり得るかと思いますけれども、基本的には、コスト的には民間を使った方が低コストで済むということで、そういう対応でシステム管理しておりますので、それに要する維持管理費というのは原則としてかかるということでございます。
 では、漫然と入札時の価格で、維持管理費のコスト低減の努力をしていないのではないか、そういう御趣旨かと思いますけれども、ただいま申しました事業の中で情報システムの最適化事業というのがございます。これは県のオンラインシステムの関係ですけれども、年間これに9億円ほど維持管理費をかけております。これについて事業の見直しをしまして、汎用コンピューターの見直しとか、あるいは運用方式の見直しとか、そういったものを行いまして、総額で3分の2程度に経費は圧縮する、そういった見直しをかけておりまして、維持管理費についても、単に翌年度そのまま契約するということではなくて、種々見直しをかけながらコストの削減に努めて対応しております。

〇平野ユキ子委員 エンドユーザーコンピューティング方式ということも考慮に入れていただけるということでしょうか。
 増田知事は、昨日、IT化を重点的に進めるという陳述をしておられましたけれども、IT化にしても、やはり岩手の身の丈に合ったIT化にしていかなければいけないのではないかと思います。中央主導型ではなく、岩手は岩手のIT化を進めていっていただきたい。県費を使っての県民のためのIT化ですので、増田知事には強いリーダーシップを発揮していただきたく、希望して質問を終わります。

〇吉田昭彦委員長 要望でいいんですね。

〇平野ユキ子委員 では、御所見を伺います。

〇大沼地域振興部長 ただいまのエンドユーザーシステムのお話でございますけれども、これにつきましては、どういった事業にどういった形で取り組むのか、あるいは経費の問題がございます。物理的に不可能ということではありませんが、技術的なものもやっぱり考えなければなりませんし、さまざまな長所、短所を検討しなければならないと思いますので、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。

〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇吉田昭彦委員長 質疑がないようでありますので、これで地域振興部関係の質疑を終わります。
 地域振興部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、出納局長から出納局関係の説明を求めます。

〇水本出納局長 出納局関係の予算につきまして御説明申し上げます。
 予算に関する説明書の87ページをお開き願います。2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、出納局関係は、説明欄の中ほどにあります4億2、500万円余であります。これは、出納局職員56名分の人件費など管理運営に要する経費でございます。続きまして、89ページをお開き願います。5目会計管理費でありますが、予算額は3億6、805万円余であります。これは、一時借入金などの利息など管理運営に要する経費及び収入証紙の売りさばき手数料等でございます。
 続きまして、395ページをお開き願います。証紙収入整理特別会計でありますが、予算額は、歳入歳出ともに79億410万円余でございます。
 歳入の主なものは、396ページにありますように、県税に係る証紙収入が51億6、143万円余であり、その内訳は、自動車税、自動車取得税等に係るものでございます。また、使用料及び手数料は27億4、267万円余でありますが、その主なものは、旅券の発給及び運転免許申請等に係るものでございます。
 続きまして、398ページをお開き願います。歳出でございますが、これは、証紙により収入した県税、使用料及び手数料等を一般会計のそれぞれの歳入科目に同額を繰り出すものでございます。
 以上で出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇佐々木博委員 水本副出納長兼出納局長におかれましては、この3月をもちまして勇退されるとのことでございますので、この機会をおかりいたしまして、一言御礼の言葉を申し上げたいと存じます。
 水本副出納長には、昭和42年、総務部人事課に採用され県職員としての第一歩を踏み出されて以来、36年間の長きにわたり、総務部、農政部、教育委員会事務局など県政のさまざまなセクションにおきまして、その幅広い見識と卓越した実行力を持って岩手県の発展に尽力されてこられました。
 平成9年4月には、盛岡地方振興局総務部次長として地域とのきずなを一層深め、豊かな感性と創意工夫を凝らし、地域の発展のために積極的に取り組まれ、平成11年4月には、一関地方振興局出納監として地域における会計事務のかなめとして、豊富な知識と旺盛な研究心を持って複雑多岐にわたる出納事務を適正に処理するとともに、管内各公署の指導や事務の改善に取り組まれました。
 平成13年4月には監査委員事務局総務課長に就任され、昨今の厳しい財政状況の中で、行財政の適正な執行の確保や行政の効率性、公平性、そして透明性の確保の面から監査委員のチェック機能への期待が高まる中で、豊富な知識と、これまで培われた行政経験、そして、持ち前の誠実な人柄でよく部課職員を統率指導し、公平な監査の実施に努められたところであります。
 そして、平成14年4月、出納局の副出納長兼出納局長に就任されましたが、就任と同時にペイオフが一部解禁となるなど、金融環境の変化に伴いさまざまなニーズへの的確な対応が求められる中、よく出納長を補佐するとともに、ペイオフ対応として金融情報の収集把握に積極的に努め、公金のより確実で的確な管理運用を図られ、支出事務の執行に当たっても、みずから率先して的確な支出審査と問題点の研究、事務改善に積極的に努められたところであります。
 こうした水本副出納長の数々の業績は、県行政に対する情熱と豊かな知識と行政経験、そして、強い責任感のたまものと高く評価するものであり、ここに改めて敬意を表する次第であります。
 長い間まことにありがとうございました。退任されても、健康には十分留意されまして、引き続き県勢発展のために御指導、御助言をいただきますようお願い申し上げまして御礼の言葉といたします。
 この際、水本副出納長から、退任に当たりまして御所見などをお聞かせいただければ幸いに存じます。

〇水本出納局長 身に余る送別の言葉をいただきまして本当にありがとうございました。
 私は、岩手県職員として36年余、仕事をしてきました。そのうちの約30年ぐらいは総務関係の仕事をずっとやってきました。また、その30年のうち、約3分の2ぐらいは予算要求とか出納とかという数字の関係した職場で仕事をしてきまして、どちらかと申しますと内部管理の面とか、総務関係の仕事の方が相当多かったように思います。
 その中で、矢巾町にあります不来方高等学校の予算要求の仕事に参画しまして、昭和59年に用地費の予算要求をスタートしまして、グラウンドの整備とか学校建設ということをずっとやってきまして、昭和63年の入学式まで5年間、学校関係の予算要求をしまして、約60億円ぐらいの予算要求をしたということで、本当にそのことが忘れることのできない思い出でございます。
 来月からは一県民となるわけでございますが、側面から岩手県の発展を見守ってまいりたいと思います。
 最後でございますが、委員の皆様の今後ますますの御健勝、御活躍を心から御祈念申し上げまして一言お礼の言葉とさせていただきます。本当に長い間ありがとうございました。(拍手)

〇吉田昭彦委員長 水本出納局長、どうも御苦労さまでございました。
 これで出納局関係の質疑を終わります。
 出納局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、人事委員会事務局長から人事委員会関係の説明を求めます。

〇高橋人事委員会事務局長 人事委員会関係の予算につきまして御説明を申し上げます。
 人事委員会関係は、議案その1の6ページでございます。2款総務費のうち、8項人事委員会費でございますが、総額1億6、581万2、000円でございます。
 内訳は、予算に関する説明書によりまして御説明申し上げますので、109ページをお開き願います。1目委員会費は750万8、000円でございますが、これは、委員3名分の報酬、その他、委員会の運営に要する経費でございます。次に、2目事務局費の1億5、830万4、000円は、事務局職員16名分の人件費及び事務費など事務局の管理運営に要する経費でございます。
 以上で人事委員会関係予算の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。

〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

〇吉田昭彦委員長 質疑がないようでありますので、これで人事委員会関係の質疑を終わります。
 人事委員会の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、監査委員事務局長から監査委員関係の説明を求めます。

〇久保監査委員事務局長 監査委員関係の予算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の予算に関する説明書により御説明申し上げますので、111ページをお開き願います。2款総務費9項監査委員費のうち、1目委員費の予算額2、328万3、000円は、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要する経費でございます。次に、2目事務局費の予算額1億9、958万7、000円は、事務局職員18名の人件費等事務局の管理運営に要する経費でございます。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

〇吉田昭彦委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。

〇斉藤信委員 県警の監査について質問したいと思います。
 今、全国で、県警の捜査費、捜査報償費、旅費、この不正支出が大問題になって、その構図は、警察庁を頂点にして全国的なシステムだというのが明らかになっております。3月7日の新聞報道を見ますと、こうした裏金疑惑を受けて、鳥取、三重、富山3県は警察予算のチェック強化に乗り出し、秋田、埼玉、大阪、兵庫、高知、鹿児島の6府県が監査の見直しを検討している、これは共同通信の調べで報道されています。例えば北海道が明らかになりましたし、福岡の場合は銃器対策課のたった一つで裏金が6、600万円、こういうことが出ています。静岡県警は、情報公開によって旅費を調べたら7割がカラ出張だったと。これは県警がみずから発表しました。
 とどまるところを知らない不正支出ですので、今まで県警の監査はどうあったのか。来年度は、これは警察庁も監査をちゃんと受けなさいと指示していますから、今、述べた国の捜査費――これは毎月現金で来るやつです――、もう一つは、報償費のうちの――これは県費でありますが――捜査費、旅費、これは徹底した監査をすべきだと思いますが、いかがですか。

〇久保監査委員事務局長 警察本部、それから各警察署に係る監査の結果でございますけれども、過去5カ年を見まして、報償費、旅費の執行に係る指摘事項はございませんでした。
 なお、警察活動報償費の執行につきましては、これは警察本部の会計課において支出手続を行っておりまして、そして資金前渡職員である警察本部関係課長あるいは各警察署長の預金口座に振り込まれるという形をとっておりまして、執行後に毎月その精算を行っておりまして、監査時にはこれらを点検しているところでございますが、これは他県においても同様のようでございますが、支出証拠書類である領収書等につきましては、捜査上問題があるとして精算書に添付されていないということで、その部分については点検できないでいるということでございます。
 警察庁の通達の話がありましたけれども、これにつきましては内容はちょっと掌握しておりませんが、新聞等の報道で知る限りでございますが、今後、関係書類の提出等において可能な限り協力をしていただかなければならないということでございます。やはり経理全般の透明性を高めていただいて、県民の信頼を得ていただくことが大事だろうと思っていまして、そういった意味で、今後効果のある監査ができるように期待しております。

〇吉田昭彦委員長 ほかに質疑はありませんか。

〇田村正彦委員 私から、この場をおかりいたしまして、この3月をもって県を勇退されると伺っております久保事務局長に対して一言御礼を申し上げたいと思います。
 久保事務局長は、昭和38年に岩手県に奉職されて以来、41年の長きにわたり、当時の経済部、農地林務部、総務部、企画調整部、生活福祉部など県の枢要な部署におきまして県勢発展のため御尽力なされましたことに対し敬意を表するとともに、心から感謝申し上げます。
 この間、昭和63年から2年間、請われて山形村の助役として、村長の片腕となって村勢の発展に尽力されました。平成7年には東京事務所企業立地課長として、優良な企業誘致のため日夜奔走されました。その後、平成9年には企画振興部市町村課長、平成11年には生活環境部総務生活課長、平成12年には水沢地方振興局長の要職を歴任されました。
 水沢地方振興局長在任中は、平成14年が郷土日高見の国の伝説の英雄アテルイの没後1、200年に当たることから、持ち前の行動力から率先して地域の各種団体、地域住民との交流を図り、アテルイ没後1、200年記念事業などを通じて、ロマンあふれる歴史がはぐくんできたアテルイの里のPRに貢献されました。
 また、昨今の厳しい財政状況の折、行財政の適正な執行の確保や行政の効率性、公平性、そして透明性の確保の面から監査委員のチェック機能への期待がますます高まる中で、一昨年の4月に監査委員事務局長に就任されました。
 久保事務局長は、豊富な知識と、これまで培われました行政経験に裏打ちされた識見、そして、スポーツマンとしての円満な性格と持ち前の誠実な人柄でよく監査委員を補佐するとともに、事務局職員を指導、監督し、公正で公平な監査の実施に努められたところであります。ここに改めて敬意を表し、心から感謝申し上げます。
 多趣味であります久保事務局長には、退任されましてもゴルフや野球などを楽しまれ、健康に留意し、県職員とは別の立場から県勢の発展のため御指導、御助言を賜りますようお願い申し上げ、御礼の言葉とさせていただきます。本当に長い間御苦労さまでございました。
 この際、久保事務局長から、退任に当たっての御所感をお持ちであればお聞かせいただければ幸いでございます。

〇久保監査委員事務局長 ただいまは、田村正彦委員から過分なお言葉をいただきまして恐縮に存じております。
 御紹介いただきましたように、いろいろな仕事に従事させていただきましたが、この間、県議会の先生方には大変お世話になりました。
 私といたしましては、それぞれの職場環境やその時々の県政課題などとのめぐり合わせなどに恵まれまして、総じて充実した時を過ごすことができたものと思っております。
 議会の併任書記時代には先生方から含蓄のある奥深いお話などを伺い、そのことが後の仕事に生かされた例などもあり、また、時には困難にもぶつかりましたが、厳しいながらも適切な御意見あるいは叱咤激励などをいただきながら事なきを得たこともあり、今、懐かしく思っております。
 県を退職いたしましても、健康である限りは仕事を続け、何らかの形で社会に貢献してまいりたい、そのように考えております。今後とも、在職時と同様によろしくお願い申し上げます。
 最後に、先生方の御健勝と御活躍を心から御祈念申し上げ、お礼のごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)

〇吉田昭彦委員長 久保監査委員事務局長は長年御苦労さまでございました。
 これで監査委員関係の質疑を終わります。
 監査委員事務局の皆さんは御苦労さまでございました。退席されて結構でございます。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時56分 散 会


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