令和7年9月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 県民の切実な要求と県政の重要な課題について、達増知事に質問いたします。
 第1に、物価高騰から県民の暮らしと営業を守ることは、最も切実な課題であります。労働者の実質賃金は3年連続でマイナスとなり、ことしもマイナス基調となっています。特に低所得者、高齢者、ひとり親家庭などの暮らしは、厳しいものとなっています。
   〔副議長退席、議長着席〕
 日本共産党が取り組んでいる要求アンケートには、賃金が少し上がっても引かれるほうが多く、生活が苦しい。子供を育てていけるかとても不安です。食料品、生活用品が高くて買えません。もう数カ月まともな食事をしていませんなど、切実な声が寄せられています。
 中小企業、小規模企業の方々からは、資材や仕入れはどんどん値上がりしているが転嫁できない。下請単価が一方的に引き下げられているなど深刻な訴えが寄せられています。
 知事は、長引く物価高騰の中で、県民の暮らしと営業の実態をどう認識されているでしょうか。
 物価高騰から暮らしと営業を守る上で最も効果的な対策は、消費税の減税であります。ことし7月の参議院議員選挙では、全ての野党が消費税の減税、廃止を公約しました。自由民主党、公明党は、遅まきながら給付金の支給を打ち出しました。参議院議員選挙の結果は、自由民主党、公明党が、衆議院に続き参議院でも過半数割れする結果となりました。消費税減税の国民の審判が下ったと言うべきではないでしょうか。
 日本共産党は、消費税を5%に減税する財源を示しています。2012年以後の12年間で、大企業は純利益を4.6倍にふやし、内部留保を200兆円も積み増しする一方で、年間11兆円もの減税をされています。大企業へのこの行き過ぎた減税をやめれば消費税5%への引き下げはできると提案しています。
 自由民主党、公明党は、参議院議員選挙での国民の審判を踏まえ、消費税の減税を行うべきではないでしょうか。野党は、公約を守り消費税減税に真剣に取り組むべきと考えますが、知事の認識を伺います。
 あとの質問は質問席で行います。
   〔37番斉藤信君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、県民の暮らしと営業の実態についてでありますが、県民の暮らしにおいては、令和7年8月の盛岡市の消費者物価指数が前年同月比で2.7%の上昇と、令和3年以降上昇が続いています。
 また、中小企業では、県内を対象とした令和7年8月の調査において、約9割が物価高騰等の影響があると回答している一方、価格への転嫁率が70%以上の企業の割合は、約1割と低い水準となっています。
 このように食料品やエネルギー、原材料等の価格高騰により、県民の暮らしや企業の経営は、厳しい状況にあると認識しております。
 次に、消費税の減税についてでありますが、物価高騰により県民の暮らしや企業の経済状況が依然として厳しい状況にある中、県民の可処分所得の増加や地域経済の活性化など喫緊の課題に対応していくための施策として、消費税の減税は有効な選択肢の一つであると認識しております。
 一方で、消費税は、地方において子育て支援や介護人材確保等の社会保障の財源として不可欠なものであることから、消費税の減税に当たっては代替財源の確保が必要と考えております。
 国においては、今般の参議院議員選挙の結果を踏まえつつ、国民生活の厳しい状況を踏まえて、消費を拡大するような大胆な政策について速やかに実行に移されることを期待いたします。
〇37番(斉藤信君) 労働者への賃上げを実現する上で、県内では、労働者の89%を占める中小企業への支援が決定的に重要です。岩手県は、昨年から全国に先駆けて中小企業賃上げ支援金の取り組みを行っています。
 昨年の第1弾の実績はどうなっているでしょうか。ことしはさらにバージョンアップして、時給60円以上、最大50人まで300万円を支援する取り組みを行っています。これまでの実績とどのような効果を発揮しているかを示してください。
〇商工労働観光部長(箱石知義君) 物価高騰対策賃上げ支援金の実績と効果についてでありますが、令和5年12月補正予算で措置した1回目の実績は、支給事業者数2、889事業者、支給人数2万313人、支給額10億1、565万円でございます。
 令和6年12月補正予算で措置した現在実施中の2回目の申請状況は、9月26日時点で、申請事業者数2、565事業者、申請人数2万6、312人、申請金額15億7、872万円となっております。
 効果についてでございますが、従業員数別の申請件数の割合を見ると、1回目、2回目とも20人以下の事業者からの申請が多く、小規模な事業者の賃上げにつながっているものと考えております。
 また、2回目は、1人当たりの支援金額を5万円から6万円に増額し、かつ、1事業者当たりの対象人員数を20人から50人に拡充したことにより、現時点で既に1回目の支給人数を上回る申請を受け付けており、より多くの労働者の賃上げに結びついているものと考えております。
〇37番(斉藤信君) 第2弾は、労働者の数で1.3倍、支給金額だと1.5倍と、第1弾を上回る大きな実績を既に上げていると高く評価したいと思います。全国では9県に広がっているということですから、岩手県の果たした役割は大変大きかったのではないか。
 ことしの県内の最低賃金は、時給79円アップの1、031円となりました。12月1日からの実施となります。これまでにない大幅な賃上げとなります。労働者にとっては生活できる賃金にはほど遠いものでありますが、中小企業、小規模企業にとっては、これまでも防衛的な賃上げが強いられている状況でした。
 これまで以上の中小企業の賃上げに対する支援が必要だと思いますが、どう取り組まれるのでしょうか。
〇商工労働観光部長(箱石知義君) 最低賃金の大幅引き上げと中小企業に対する支援策についてでありますが、現在、中小企業、小規模事業者が持続的な賃上げを行っていくためには、生産性の向上と適切な価格転嫁の実現による賃上げ原資の確保が重要であることから、県では、生産性向上に向けた取り組みの支援や価格転嫁の取り組みを推進するとともに、ただ今御紹介ありました、本県独自の物価高騰対策賃上げ支援金による支援などを行っているところでございます。
 今回の最低賃金の引き上げについて、国は、目安を超える引き上げに対し重点支援を講じるとしていることから、全国知事会とも連携し、国に対して、大胆かつ迅速な支援の実施や財源の確保を働きかけていくとともに、今後においても、県内事業者の経営の安定や生産性向上に向け、国の施策とも連動しながら、適時適切に必要な施策を展開してまいります。
〇37番(斉藤信君) 知事が立派な答弁をしているのに、商工労働観光部長がそんな曖昧な答弁じゃ駄目ですよ。
 知事に聞きます。知事は、これまで、国が12月1日までに対策を示さなかったら県は独自にやりますと答弁しています。私は、それと合わせて第3弾をさらにバージョンアップする必要があると思います。賃上げ分が大きかっただけに、さらなる賃上げ支援金の拡充、もう一つは対象人員、50人から100人というのが岩手県の中堅企業なのです。これが一番賃上げの影響を受けているとも聞いております。ですから、今50人までですけれども、さらに70人、100人と引き上げていく。
 20時間以下のパート労働者も最低賃金を上げるのですよ。短時間勤務の方々にも、それ相応の賃上げ支援金があってしかるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、知事。
〇知事(達増拓也君) やはり、まとまった予算規模の措置が今回必要と考えておりますので、国の施策との連動ということで準備しているところでありますけれども、国の施策が出てこない場合には、まさに県単独でもやれるように準備を進めていきたいと思います。
〇37番(斉藤信君) 私は具体的な拡充の方向性を提案しましたので、よく検討して、第2弾もバージョンアップした、第3弾もさらにバージョンアップするということで検討していただきたい。
 2番目に、医療危機打開と県立病院の課題について質問いたします。
 一般社団法人日本病院会など6病院団体は、9月10日、厚生労働大臣に対して、地域の病院経営は危機的状況です。医業利益で約7割、経常利益で約6割の病院が赤字となっていますとして緊急要望を行っています。
 その内容は、一つ、2025年度補正予算において、緊急に病院への支援策を講ずること、二つ、2026年度診療報酬改定率については、10%超が必要であるということです。
 県内の医療機関、病院の経営状況をどう把握しているでしょうか。経営危機の要因をどう把握しているでしょうか。国、県の対応状況を含めて示してください。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 医療機関の経営状況についてでありますが、物価高騰や賃金上昇なども踏まえ、令和6年6月に診療報酬が引き上げられたところです。
 この診療報酬改定後の県内医療機関の経営状況を示すデータは、現時点では取りまとめられておりませんが、医療機関からの聞き取りや各種会議などにおいて、県内医療機関が非常に厳しい経営状況に置かれていることは伺っております。
 これは、公定価格である診療報酬の引き上げが物価高騰や賃金上昇に十分に対応しておらず、医療機関の経営努力のみでは対応が困難なことが、大きな要因であると考えられます。
 国では、令和6年度経済対策において、生産性の向上や職場環境の改善、病床数適正化に取り組む医療機関に対し給付金を支給しており、県も、この国の交付金を活用して物価高騰対策賃上げ支援金を支給するなどの支援を行ってきたところでありますが、これらの取り組みだけでは十分とは言えないことから、国に対し、臨時的な診療報酬の改定や必要な財政措置などの対策を早急に講じるよう、全国知事会や地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会などとも連携しながら、強力に働きかけているところであります。
〇37番(斉藤信君) 県立病院は、昨年度これまでで最大の71億円余の赤字となりました。その具体的な要因と対応策を示してください。
〇医療局長(小原重幸君) 県立病院の赤字の要因についてでありますが、県立病院収益の最も大きな割合を占める入院収益に関し、新規入院患者の受け入れを進め患者数が増加したものの、令和6年度の診療報酬改定が実質マイナス改定となった影響で、診療報酬単価が想定ほど伸びず、医業収益は19億円余の増加にとどまりました。
 一方で、給与改定による給与費の増を初め、高額薬剤の使用量の増加や物価高騰による委託料、燃料費の増加など、令和5年度から医業費用は23億円余増加しており、費用の増と診療報酬が見合っていない構造的な課題があるものと認識しております。
 さらに、新型コロナウイルス感染症、物価高騰対策関係補助金の減などにより、医業外収益が大幅に減少し、全体として71億円余の赤字となったところでございます。
 医療局といたしましては、救急や地域の医療機関との連携による紹介患者の積極的な受け入れ、上位、新規施設基準の取得、後発医薬品の使用やDXの推進による業務の見直しなど、みずからの経営努力を果たしながら、国に対し、必要な診療報酬の改定や地方財政措置の充実などについて要望してまいります。
〇37番(斉藤信君) 私は先日、県立中央病院の院長にお会いして、県立中央病院がなぜ赤字なのかと聞きました。今、物価高騰で、いわば医療資材、医療器械の高騰に全然診療報酬が追いついてないということです。もう一つは、高度医療というのは集約的な仕事で、人材をたくさん投入する、賃上げにも対応しないといけない。だから、今、高度医療をやっているところほど大変な経営危機に陥っている、こういう話でありました。今、本当に深刻な状況だと思います。
 9月30日に総務省が地方公営企業の決算の概要を示しました。国立病院の赤字は過去最大で、83%の病院が赤字、令和6年度は赤字が2倍にふえたということです。3、952億円です。もう本当に大変な状況です。
 そこで、知事にお聞きしたい。医療危機打開は本当に緊急の課題です。全国知事会、地域医療を担う医師確保を目指す知事の会の取り組みはどうなっているでしょうか。広範な病院団体との共同を含め政府の緊急対策を求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 全国知事会では、国が定める診療報酬等により運営されている保険医療機関においては、昨今の物価や人件費の上昇の影響を価格転嫁できず、非常に厳しい経営状況にあるという認識のもと、社会経済情勢を適切に反映した診療報酬の改定や、物価、賃金の上昇に応じて適時適切に診療報酬をスライドさせる仕組みの導入、臨時的な診療報酬の改定、国による緊急的な財政支援などについて、本年5月に緊急要望いたしました。
 また、私が会長を務める地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会においても、地域医療の重要な支えとなっている公立、公的医療機関等の経営継続のため、経営安定化支援策を講じるよう、国に対して本年8月に緊急提言を行いました。
 さらに、本県も構成県となっている全国自治体病院開設者協議会と公益社団法人全国自治体病院協議会が連名で、自治体病院の持続的な運営と地域医療の確保のため、令和8年度診療報酬改定の大幅な引き上げや緊急的な財政支援、地方交付税措置の拡充等について、本年8月に緊急要望を行いました。
 昨今の医療機関の厳しい経営状況の改善には全国的な対応が必要でありますので、引き続き、関係団体等と連携し、あらゆる機会を捉えて国に対策を求めてまいります。
〇37番(斉藤信君) 今こそ、国民的な協働を広げて、その先頭に岩手県知事が立って、この医療危機打開をやっていただきたい。
 次に、県立病院の課題について質問いたします。
 県立大船渡病院において、超過勤務の申請を認めない未払い問題が発生し、労働基準監督署から勧告と指導を受けて147人に1、861万円余が支払われました。これは1人当たり12万6、655円に及びます。
 労働基準法違反はあってはならないことであります。医療局長は、未払いとなった看護師等に謝罪はしたのでしょうか。未払いの原因は何だったのでしょうか。誰がどう責任をとったのでしょうか、示してください。
〇医療局長(小原重幸君) 県立大船渡病院の超過勤務手当についてでありますが、超過勤務手当の追給に係る原因については、調査の結果、勤務時間の終了後、看護記録や業務の連絡調整、書類整理などについて、短時間で行っている状況が多く確認されたところであり、超過勤務をした職員が、残務整理など短時間の業務について、超過勤務を申告するまでもないという認識があったなどと聞いているところでございます。
 超過勤務につきましては、時間外に行った業務に対する手当は適切に支払うべきものと認識しており、改めて、事前命令、事後確認の手続の原則に基づき、時間外に行った超過勤務の確実な申告、休憩時間の確保、勤務開始前及び勤務終了後の打刻の徹底など、病院内の経営会議や各部門の会議などのさまざまな機会で重ねて周知、徹底してきたところであります。
 引き続き、職員の理解と共感を得ながら、働きやすい職場環境づくりに向けて取り組んでまいります。
〇37番(斉藤信君) 余りにも反省がない、責任感がない驚くべき答弁ですよ。だから、県立宮古病院でも県立磐井病院でも、労働基準監督署から勧告と指導を受けることが相次いでいるじゃないですか。
 この問題はなぜ起こったか。県立大船渡病院の看護師が、組合の支部に、声を集めて、超過勤務の申請が受け付けられないと言って始まったのですよ。私は何度もこの場でリアルに紹介してきた。
 院長名で超過勤務を正しく申請するように通達が出されても、職場の雰囲気が許さない。総看護師長に、コーディネーターだから超過勤務を申請しないでと言われる。超過勤務になると伝えると、何が残っているのか、時間管理がなっていないと総看護師長に追い回される。申請しようとすれば責めたてられ、超過勤務の申請をせずに打刻して業務を行っていれば、いつまで残業しても何も言われない。休憩時間の超過勤務は申請されていません。それは労働基準法違反だからです。
 看護科に超過勤務の申請ができなかったから、病院長はどういう手をとったか。事務局に超過勤務の申請をしてください、こういうことまで言ったのですよ。そういう実態です。私もここで言っているけれども、あなたの耳は左から右に通るだけじゃないですか。謝罪していないのですね。1、800万円の不払いの責任はどこにあったのですか。
〇医療局長(小原重幸君) 私の責任といたしましては、いずれ、働きやすい職場環境づくりの取り組みを進めていくところにあると思っております。
 勤務時間の適切な管理につきまして、全県立病院の院長や総看護師長が出席する会議の場や個別の病院訪問など、あらゆる機会を通じて周知を図ってきたところでございます。
 引き続き、職員の理解と共感を得ながら、働きやすい職場環境づくりの取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇37番(斉藤信君) あなた、謝罪も反省もなしで働きやすい職場なんかできるわけがないでしょう。だから、繰り返し労働基準監督署から勧告、指導を受けるのですよ。私はその姿勢では駄目だと厳しく指摘します。
 次に、大船渡市大規模林野火災の復旧、復興の課題について質問いたします。
 2月26日に発生した大規模林野火災は、約3、370ヘクタールが延焼する平成以降で最大の林野火災となりました。4月7日に鎮火宣言が出されました。県内の消防とともに、15都道県から2万6、645人の緊急消防援助隊の昼夜を分かたずの消火活動に、心からの敬意と感謝を申し上げます。
 死者1名、家屋被害は226棟、うち住家が90棟で全壊が54棟、非住家は136棟で全壊が121棟でありました。強風の中で急速に延焼が広がる中、最大4、310人の方々が短時間のうちに避難されたことは、東日本大震災津波の教訓が生かされたものでありました。
 被災者の暮らしの再建の現状と課題について質問します。コンクリートの土台に屋根がわら、木造の建設型の立派な応急仮設住宅が2カ所に33戸分整備され、26世帯が入居されています。みなし仮設住宅を含めて家電6点セットとエアコンも設置されました。
 被災者の住宅再建への支援はどうなっているでしょうか。住宅再建のためには、被災家屋の解体撤去が必要ですが、公費解体の進捗状況と住宅再建の見通しを示してください。
〇復興防災部長(大畑光宏君) 被災家屋の公費解体の状況についてでありますが、大船渡市に確認したところ、9月10日現在、申請棟数220棟のうち、着手済みが112棟で、完了が30棟となっておりまして、市では12月末の完了を目指しております。
 住宅再建に向けましては、被災者生活再建支援金の対象となる55世帯のうち、基礎支援金は52世帯、加算支援金は2世帯が支給済みとなっています。
 義援金の配分につきましては、例えば、全壊世帯には1、800万円が支給されるほか、東日本大震災津波との二重被災等の状況に応じた加算も行われております。
 また、今定例会に提案した補正予算案には、被災住宅が土砂災害特別警戒区域内にあって、区域外に移転して再建する場合の費用として1件当たり最大518万5、000円、さらに、区域全体で移転する場合には、上乗せして最大435万円を補助できるよう必要な経費を盛り込んだところであります。
 これまで県では、市や関係機関と連携し、被災者向けに各種支援制度説明会を開催してきたところでありますが、今後も、被災者ニーズ等を踏まえた相談会を継続的に開催していくこととしております。
 引き続き、市、関係機関等と連携し、被災者一人一人の状況に応じた対応を進めてまいります。
〇37番(斉藤信君) 被害の大きかった漁業の復旧について、綾里漁業協同組合の倉庫と定置網の復旧への支援と見通し、ワカメ養殖漁業者の養殖機材等と漁業用倉庫への支援と再建の見通しを示してください。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 漁協の定置漁業用倉庫については、県と市が連携して、国事業への上乗せ補助により再整備するほか、定置網については、漁協が、水産会社などから網を借りて早期に水揚げを再開するとともに、国事業を活用した新たな網の導入に向けて取り組んでおりまして、倉庫とあわせて年度内の復旧を目指しています。
 国事業の対象とならないワカメなどの養殖用機器等については、県独自に再整備に要する経費への補助を措置しておりまして、来年3月のワカメの収穫期までの復旧を目指しています。
 漁業用倉庫につきましては、市が独自に復旧に要する経費への補助を措置しておりまして、県では、市事業の活用を促すなど、国、県、市が連携してきめ細かな支援に努めております。
 今般の林野火災の被害を受けた漁業者等の多くは、東日本大震災津波との二重被災となりますことから、今後も、被災した漁業者等の声を丁寧に伺いながら、漁業の再開に向けて支援してまいります。
〇37番(斉藤信君) 林地の再生と森林災害復旧事業について、人工林1、700ヘクタールが復旧事業の対象となると思いますが、森林災害復旧事業の計画面積と事業費はどうなっているでしょうか。今後の見通しを含めて示してください。
 土地所有者からは、造林後の下刈りや間伐など、長期にわたる維持管理費への不安の声が寄せられています。これまでの釜石市山林火災等の例を踏まえて、支援策をどう検討しているか示してください。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 県では、大船渡市と調整し、被害木の伐採、搬出と伐採跡地の造林の合計で約240ヘクタール、事業費約8億円とする計画を国に提出しまして、7月の災害査定において、計画どおり全て認められたところです。
 現在、被害調査の取りまとめを行っておりまして、今後、森林所有者の意向確認を進めて、順次面積を追加し、その都度、国の災害査定を受け、年内に面積、事業費とも確定する予定となっております。
 市が行った地域説明会で出された費用負担に関する意見につきましては、県では、市、国、関係団体等と設置した大船渡市林地再生対策協議会におきまして、森林所有者の負担軽減などの具体的な検討を行うこととしています。
 斉藤信議員から紹介がありました釜石市の林野火災における負担軽減の取り組みも参考としながら、被災した森林の復旧が円滑に進むよう、関係機関、団体と一体となって取り組んでまいります。
〇37番(斉藤信君) ぜひよろしくお願いしたい。最大規模の林野火災でありましたから、全国のモデルとなるような災害復旧に取り組んでいただきたい。
 次に、県立南昌みらい高等学校の新体育館整備問題について質問いたします。
 この問題は、ことし4月、旧県立盛岡南高等学校と旧県立不来方高等学校の統合によって県内最大規模の統合新設校が設置されることに伴い、県教育委員会と矢巾町が、文部科学省が提唱している共創プロジェクトによって新体育館を整備しようとしてきたものであります。
 2021年12月13日に検討委員会の協議を始め、2年半余の協議を行い、住民説明会も行って、最終的な実施設計図面を県教育委員会と矢巾町とで確認した上で、2024年5月30日に、盛岡地区新設高等学校における屋内運動場の整備等に係る覚書を県教育長と矢巾町長の間で調印したものであります。
 2026年3月までに整備することを目指し、建築工事の請負契約議案が昨年9月定例会に提出され、10月8日の文教委員会で審議されました。共創プロジェクトで整備する新しい内容について、十分な説明と資料が示されずに継続審議となり、10月24日に再び文教委員会で審議されました。その際には、これまでの協議内容、協定書で確認されるべき内容が整理された説明資料が提出され、議決され、25日の県議会本会議で全会一致で議決されたものであります。
 請負契約は正式に締結され工事が着工されました。ところが、10月31日、県教育長が矢巾町長に報告に行った際に、ゼロベースでの検討申し入れがあり、11月1日には工事現場への立ち入り中止のメールが届き、11月8日に工事が中止され、12月25日には工事契約の解除がなされることになりました。
 教育長に質問します。新体育館の建設工事が中止、契約解除となった経過と理由について示してください。
〇教育長(佐藤一男君) 南昌みらい高等学校新体育館につきましては、旧県立盛岡南高等学校と旧県立不来方高等学校の統合に伴い体育館が不足するという県の課題と、既存の体育館の稼働率が高いことやハンドボールコート公式サイズを確保できる体育館がないという矢巾町の課題を解決するために、文部科学省が提唱する共創という基本理念のもと、県と矢巾町の双方の費用負担により整備することとしたものであります。
 斉藤信議員御案内のとおり、新体育館の整備に当たっては、令和3年12月に、県教育委員会、矢巾町、県立盛岡南高等学校、県立不来方高等学校で構成する検討委員会を立ち上げ、その後、2年半余りの協議を行い、設計業者も交えて情報共有した上で、最終的な実施設計図面を令和6年4月に確定し、令和6年5月30日付で、経費の負担割合を県2、町1とする旨の覚書の締結に至ったものであります。
 また、令和5年7月から令和6年7月にかけて、町と共同で5回にわたる住民説明会を実施したところです。
 令和6年9月定例会において、工事請負契約議案の議決をいただき、同年10月25日に建築工事請負契約を締結したところでしたが、10月31日に私が矢巾町長に面会した際、町長からゼロベースでの検討の申し入れがあり、翌11月1日には、町側から協議が済む前に工事現場への立ち入りや施工は行わないよう連絡があったことから、やむを得ず、11月8日に工事を中止することにしたものであります。
 事態の打開を図るため、町との間で文書のやりとりや関係課長らによる協議、12月17日には、再度、私が町長と面会するなど、覚書に基づき整備を進めたい旨を繰り返し主張してきましたが、町からは、建築費用を負担しないなど覚書の趣旨と異なる主張がなされ、工事着工の見通しが立たないことから、12月25日付で工事契約の解除に至ったものであります。
〇37番(斉藤信君) 県教育委員会と矢巾町という、お互い公共団体同士で2年半協議して、さまざまな課題を詰めて、確認をしながら契約と同等の覚書を結んだ。工事着工した途端にゼロベースだということです。これは本当にあり得ない話、ちゃぶ台返しですよ。本当にこれは許されない事態だと私は思います。
 そこで、県立南昌みらい高等学校新体育館の早期建設を求める請願署名が町民の有志によって取り組まれ、2、766筆の署名が矢巾町長宛てに提出されるとともに、矢巾町議会に同趣旨の請願が提出されました。残念ながら、9月19日の町議会本会議でこの請願が不採択となりました。
 この状況を踏まえて、今後の県教育委員会の対応方針を示してください。
〇教育長(佐藤一男君) 斉藤信議員御案内のとおり、矢巾町議会におきまして、今般、県立南昌みらい高等学校新体育館の早期建設を求める請願が不採択となったことを考えますと、覚書に基づく新体育館の整備は困難になったものと考えております。
 県教育委員会としましては、体育の授業や部活動で旧盛岡南高等学校までバス移動している生徒の負担を考慮しますと、早期に新体育館を整備する必要があり、学校敷地内に県単独で整備する方向で検討を進めたいと考えております。
〇37番(斉藤信君) 新たに県教育委員会独自で体育館を建設するとすれば、どれだけ期間がかかりますか。
〇教育長(佐藤一男君) まだ、設計に係る予算も措置しているわけではございませんので、明確な答えはできないわけですが、やはり数年はかかるものでございます。
〇37番(斉藤信君) 数年はかかるということで、県内最大規模の県立南昌みらい高等学校は、体育館が足りないので、旧県立盛岡南高等学校の体育館を授業でも部活動でも使っている。大型バスで何度も移送している。これが数年間も続く、こういうことを本当に放置していいのかというのが問われているのではないか。
 これは矢巾町次第でありますけれども、私は、覚書に立ち返って、何らかの形で体育館を整備するのが一番早道ではないかと考えます。
 そこで、これまでの経費、設計費用、建設事業者の損害賠償請求額はどうなっているでしょうか。覚書は契約と同等の法的根拠を持つものであります。矢巾町に損害賠償請求をすべきと思いますが、どう検討されているでしょうか。
〇教育長(佐藤一男君) 県立南昌みらい高等学校の新体育館の整備に向けまして、これまでにかかった経費としては、設計委託料の9、846万6、500円がありまして、既に業者に支払い済みです。
 また、建築工事、電気設備工事及び機械設備工事につきましては、工事契約解除までの期間中に要した費用の実費分と契約解除によって得ることができなくなった逸失利益分について、損害賠償金として工事請負業者に支払うこととし、調整を進めているところです。
 契約解除となった経過と理由につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございまして、矢巾町から覚書の趣旨と異なる主張がなされたことに起因しているものと考えております。
 県単独で新体育館を整備するには、新たに設計が必要となることから、県教育委員会としましては、支払い済みの設計委託料はもとより、工事請負業者への損害賠償金につきましても、矢巾町に負担を求めていく考えであります。
〇37番(斉藤信君) 設計委託料だけで9、846万円余、恐らく請負事業者、損害賠償額は数千万円になるのではないかと思います。私は、契約違反の結果はこういう重いものだ、このことをしっかりと矢巾町には受けとめていただきたいと思います。
 次に、上司のパワーハラスメントによる20代の県職員の自死問題について質問します。
 令和7年6月定例会で遺族からの請求により9、674万円の損害賠償金を支払う議案が可決されました。
 知事に質問します。この県職員の自死事件は2020年4月に発生したものでしたが、御遺族の強い御意向で公表されてきませんでした。
 私が昨年10月15日、決算特別委員会の総務部審議で、県のパワハラの相談件数とパワハラが認定された件数を質問した際、人事課総括課長の答弁では、2020年度以降、18件の相談があり、パワハラと認定されたものはゼロと答弁がありました。まさにこれは事件の隠蔽ではなかったでしょうか。
 県議会議長名でパワハラ事案への対応と再発防止に関する申し入れを知事に行いました。対応の検証と再発防止策について示してください。
〇知事(達増拓也君) 本事案における県の対応の検証と再発防止策についてでありますが、今年度公表を行った令和2年度のパワハラによる職員自死事案については、御遺族の意向を踏まえた対応を図る中で、昨年度まで事案そのものを非公表としておりましたが、匿名にすることを御遺族に丁寧に説明すれば、その時点で公表することができた可能性もあったと考えております。
 県議会に対して、誠実かつ的確な説明や答弁に努めることは、そのチェック機能が十分に発揮される上で不可欠であるほか、公務全体の信用を失墜させないためにも重要であります。
 パワハラによる懲戒処分事案については、昨年度までの対応を改めることとし、例外なく議会への報告や公表を行ってまいります。
 また、再発防止策には不断の見直しが欠かせないものであり、今月から、ハラスメントに関する相談窓口を総務部人事課だけではなく、それぞれの部局や広域振興局にも拡充するとともに、今後、全ての階層の職員研修にハラスメント対策を盛り込むなど、さらなる対策の強化を進めてまいります。
〇37番(斉藤信君) 上司のパワーハラスメントは、本当に異常で悪質なものでありました。若い県職員をわずか2週間の間で自死にまで追い込む叱責と暴言です。自死直前には、30分間にわたって机の前に立たせたまま、叱責と暴言が繰り返されました。若い県職員が自死した後も、同じ職場の職員に対しパワハラと疑われる行為が行われました。さらに、この上司は、前の職場でもパワハラ行為があったことが確認されています。
 この上司のパワハラの悪質性と常習性をどう認識しているでしょうか。上司も周りの職員も異常なパワハラを告発し、とめることができなかった職場の問題をどう受けとめているのでしょうか。
〇総務部長(福田直君) パワハラは、職員個人の尊厳や人格を不当に傷つけるなど、人権にかかわる許されない行為であると認識しております。
 本事案の主な原因としては、加害職員とその上司のハラスメントへの認識が不足していたほか、相談体制が結果的に不十分であったためと考えております。
 そのため、ハラスメントの防止等に関する基本方針を策定し、ハラスメントに関する相談窓口を設置したほか、所属長のハラスメントへの対応を部下が匿名で評価する体制を構築するなど再発防止策を講じてきており、今般、その相談窓口の拡充も実施させていただいたところです。
〇37番(斉藤信君) 少し説得力のない答弁でしたね。
 それで、ふるさと振興部は7月28日、加害職員への求償権の行使を決定し、8月29日の職員賠償責任等審査委員会で求償権の行使が適当と決定されました。
 求償権行使の経過と理由、損害賠償額の2割とした根拠を示してください。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 求償権行使の経過についてでありますが、担当部局であるふるさと振興部において、求償権行使について意思決定後、総務部に報告を行い、総務部が開催する職員賠償責任等審査委員会で求償権の行使が適当と決定され、加害職員に対しては、9月11日に文書により求償権行使の内容等について伝達しているものであります。
 また、求償権行使の理由でありますが、加害職員は、前所属において、部下職員への指導方法について複数の上司から指導を受けたにもかかわらず、指導方法を改善せず、異動後の所属においてもパワハラ行為を繰り返したこと、また、周囲の職員が気づくほど明らかであった被害職員の体調変化を見落とし、業務量の調整や指導方法の改善をせず、部下職員の心身の健康に注意すべき安全配慮義務を欠いたこと、これらの点を踏まえ、加害職員は、わずかな注意をすれば被害職員の精神疾患の発症を予見可能であったが、何ら回避措置をとらなかったと考えられ、少なくとも重過失を認め、国家賠償法第1条第2項の求償権の行使を決定したものであります。
 求償割合につきましては、県の顧問弁護士の助言を参考とし、加害職員の過去のパワハラ行為等が担当部局に伝達されなかった等の組織的責任も勘案しながら、他の事例で、暴行を加えたパワハラ事件において、個人の過失割合を3割とした判例があり、今回の事件に関しては、暴力行為はなかったこと、また、一般的な損害賠償において、県の制度上、軽過失であっても職員の年収1年分、今回の損害賠償額の1割程度まで賠償責任を負わせることもあることを考慮し、重過失以上の行為職員に対する求償額は、これを上回ることが適当であることから、2割の求償額が妥当としたものであります。
〇37番(斉藤信君) 速やかに6月定例会で賠償額が議決され、そして、9月定例会前に求償権の行使を決定した、これは評価をしたいと思います。
 重大なのは、今の報告の中で触れられませんでしたが、加害職員の求償割合については、前所属でのパワハラ行為等について、人事担当部局への伝達が行われなかった等の組織的責任を6割と勘案したということです。私は、ここはすごく重要だと思うのですよ。いわばこの元上司は、前の職場でもパワハラ行為を行っていた。これは事件後の調査で明らかになったことなのです。それが人事異動のときに何も伝わらなかった。この責任が6割あるということです。
 私は、ここの問題を県庁の組織としてはもっと深く解明する必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
〇総務部長(福田直君) 御指摘の点につきまして、6月定例会でも御答弁申し上げましたけれども、人事課として把握できていなかったものでありますが、しっかり把握できるように見直しを図っていきたいと思っております。
〇37番(斉藤信君) 本当に深い検証をされたという感じがしないのね。
 実は、県立不来方高等学校の自死事件というのも同じ構図なのですよ。前任校の県立盛岡第一高等学校事件で、顧問教師が同じような叱責、暴言、暴行までやっていた。ところが、人事異動で県立不来方高等学校に異動したときに、全然それが伝わらなかったんですよ。同じ構図じゃないですか。
 本当にパワハラ行為というのは許されないことだということが、幹部職員にも職員にも浸透していない。私は、このことを深刻に受けとめるべきだと思います。
 そこで、パワハラの相談件数は2020年度以降、今年度の9月1日までに38件となっていますが、パワハラ認定はゼロとなっています。相談件数が少ないこと、パワハラの認定が機械的で厳し過ぎるという問題があると思いますが、これだったら誰も信頼して相談しないのではないでしょうか。相談しても認定ゼロですよ。これだったら本当に心寄せて相談しますか。
 もう一つ、実はゼロじゃないのですよ。今回の自死事件、前の職場のパワハラ、そして、この自死事件が起こった職場の別の職員へのパワハラ疑い。私は、疑いなんていうものじゃない、これはパワハラと認定しておかしくない事件だと思うけれども、何でこれはカウントされないのですか。
 この2点について答弁を求めます。
〇総務部長(福田直君) パワハラに関する相談につきましては、相談窓口を設置した令和2年度から昨年度までに29件寄せられておりまして、厳密なパワハラの要件には該当せずとも、パワハラ的な行為であっても行われるべきではないため、それぞれ調査を行うなどした上で、必要に応じて注意や指導を行っております。
 また、相談窓口の積極的な利用を呼びかけた結果、相談窓口を設置した令和2年度は2件であった相談件数が、今年度は先月末までの半年間で9件に上っております。今月からは相談窓口の拡充を行っておりますので、さらに相談が寄せられることも見込んでおりまして、必要に応じて、ちゅうちょなく相談窓口を利用するよう呼びかけてまいりたいと考えております。
 当該事案につきましては、この相談窓口の対象とはなっておりませんでしたので、含まれていなかったものでございます。
〇37番(斉藤信君) 相談されたものでないから入れていないって、パワハラと認定しているのだから。私は、本当にこれまで38件の相談そのものが全く少ないと思うけれども、相談しても認定されない。ところが、対応状況を見ると、調査の結果、行為者に対し所属長から注意。注意するだけの行為があったということでしょう。これだったら、アリバイ的に注意しているだけじゃないですか。
 パワハラの認定というのは、イコール懲戒処分の調査ではないと思うのですよ。これは切り離すべきです。パワハラがあれば、それが1回であっても複数回であっても、パワハラとして認定する、これは国際ルールですよ。そういうふうにきちんと認定するものは認定して、是正をする。懲戒処分は懲戒処分で独自の調査をしなければだめなのですから、そこを分けてやるべきだと思います。
 あわせて、最後は知事に聞きましょう。パワハラの実態調査を全職員対象に実施すべきと考えます。今、県がやっているマネジメント調査は、部分的で曖昧です。実は、今度のパワハラ自死事件のこの上司は、マネジメント調査の対象になっていないのですよ。
 いじめと同じで、今、本当に職員の最も切実な課題の一つがパワハラだと思います。私にも相談がありました。そして、これは表に出さないでほしいということでしたから出しませんが、昨年入庁した優秀な新入職員が、諦めて途中で退職しました。こういう表に出ないケースがたくさんあると思うのです。
 だから、そういう点では、この際、この事件を契機に、やはりこのパワハラの全庁調査を毎年定期的にやって、それを検証して、それを今後の対策に生かすことが必要だと思いますが、知事、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) この問題になっている事案の前所属における行為についても、加害職員とその上司のハラスメントへの認識が不足していたこと、そして、相談体制が不十分であったことから発生していたと思われます。
 そして、本事案に関しても、加害職員とその上司のハラスメントへの認識が不足していたほか、相談体制が結果的に不十分であったということで、やはり今回、相談体制については大きく改善されたと考えておりますけれども、ハラスメントへの認識の不足の点については、私も憂慮する部分があります。
 パワハラの実態調査、全職員、県組織を挙げて、このパワハラについて、それぞれ自分の頭で考えて、そして、共通の認識を持つことができ、そして、今後、ハラスメントへの認識不足ということがないようにするため、さらに踏み込んだ対応をしていきたいと思います。
〇37番(斉藤信君) 本当にこの事件を最後にするぐらいの気持ちで対応していただきたい。県教育委員会は、岩手モデル、TSUBASAモデルをさまざまな議論をやってつくりました。そのぐらいのことが県庁全体にも必要だと思います。
 次に、上司のパワハラによる警察官の自死問題についてお聞きいたします。
 2019年1月28日に発生した上司のパワハラにより22歳の警察官が自死した事件について、本部長注意という懲戒処分にもならない軽過ぎる対応について、公安委員長に質問します。
 このパワハラ自死事件は、岩手県警察本部の内部調査で、パワハラが自死の一因であることは否定できないものの、自死の唯一の原因と特定できないとして、わずか2カ月後の3月25日に、本部長注意の懲戒処分に当たらない対応といたしました。
 上司のパワハラが一因で自死したとするなら、本部長注意ではなく、免職もしくは停職等の懲戒処分とすべきだったのではないでしょうか。
〇公安委員会委員長(小野公代君) 県警察の当時の処分についてでありますが、本年2月定例会の際に村井前委員長が答弁いたしたように、当委員会では、県公安委員会として、検証の要否を含めて改めて確認いたしております。
 本事案については、非違行為の結果は重大でありますが、結果のみならず、非違行為の動機、態様等、個別具体的な事実関係、事情、当時の懲戒処分の指針にパワーハラスメントに関する基準がなかったこと、先例は、当時いずれも監督上の措置であったことを総合的に考慮して、懲戒処分ではなく監督上の措置を選択したことは、やむを得なかったと判断しております。
〇37番(斉藤信君) 余りにもお粗末な答弁でした。
 この事件は、その後、2020年12月、遺族が公務災害を申請して、公務と精神疾患の発症に相当の因果関係が認められると認定されました。さらに、2022年7月に遺族は損害賠償請求を行い、2023年12月定例会で8、310万円の損害賠償の支払いが議決されました。
 県警察本部は2024年6月30日、退職した元上司の巡査部長に対し、重大な過失があったとして損害賠償額の2割を求償する審査請求を職員賠償責任等審査会に行い、11月に損害賠償額の2割、1、662万円の求償権の行使が適当との決定がなされました。12月に支払いを求め、支払いを受けました。
 この間の経過を見れば、上司によるパワハラ自死事件は、本部長注意で済まされるべき問題ではなかったのではないでしょうか。重大な過失があったと県警察が認めているのですよ。求償権まで発動しているのですよ。市民の感覚で答えてください。
〇公安委員会委員長(小野公代君) 処分後の経過を踏まえた本部長注意という処分の妥当性についてでありますが、先ほどの答弁で申し上げたように、当委員会においては、当該事案や県警察の求償権の行使を含めた措置状況について、改めて確認しており、その結果についても、繰り返しとはなりますが、本事案については、懲戒処分ではなく監督上の措置を選択したことは、やむを得なかったものと県公安委員会としては判断しております。
〇37番(斉藤信君) 私は、その公安委員会の判断を問うているのですよ。
 実は、2月27日の私の一般質問に対し、村井前公安委員長はこう答えました。懲戒処分でなく監督上の措置を選択したことはやむを得なかった。つまり、県警察の裁量権の行使に基づく措置という処理が、社会通念上、著しく妥当を欠き裁量権を乱用したとは認められないと判断した。
 公務災害が認定され、8、310万円の損害賠償金を支払い、重大な過失があったとして上司に対して県警察自身が1、662万円の求償権を行使した事件です。本部長注意という処分もしない対応は、社会通念上、妥当を欠くものではないでしょうか。
 県民は、このようなあなた方の答弁には納得しませんよ。社会通念上これが認められると。社会通念上というのは、市民の感覚で、常識で見た場合なのです。常識で見ても、22歳の若い警察官を8カ月、暴行、叱責、暴言で苦しめた、自死に追いやった。それが本部長注意で済むと思いますか。答えてください。
〇公安委員会委員長(小野公代君) 県警察の当時の処分の妥当性についてでありますが、当委員会といたしましては、昨年の県議会2月定例会での検証すべきであるという御意見を受けて、その後に改めて県公安委員会として確認しているところでございます。当時の県警察による調査は、複数回、裏づけも含めてできるだけの調査を行っており、それに遺漏はなく、非違行為の動機、態様等、個別具体的な事実関係、事情等を総合的に考慮すれば、監督上の措置を選択したことは、やむを得ないと判断しております。
 一方で、本県の若い警察官が、上司によるパワーハラスメント行為を受けて、その後、命をみずから絶たせてしまったことにつきましては、公安委員長として極めて残念に感じているところであり、引き続き、県警察を適切に管理、指導してまいりたいと思っております。
〇37番(斉藤信君) 今の答弁は、公安委員会に対する県民の信頼を裏切るものです。
 もう一つ問題提起しますけれども、さっき私が取り上げた県職員のパワハラ自死事件です。4月に事件が発生して、調査を開始したのは6月以降です。
 自死事件という深刻な事件が起きたときに、遺族がどういう状況かわかりますか。警察は、自死事件が起こった1月以降、2カ月で調査しているのですよ。そのような調査はおかしいのですよ。遺族が心の整理もできないような状況で調査をした。だから、遺族は後から公務災害の申請をし、損害賠償もやったのですよ。
 このような調査で、たった2カ月後に、若い警察官が死んでいるのに本部長注意なんて、このような調査がまともだと思いますか。
〇公安委員会委員長(小野公代君) 県警察の当時の調査についてでありますが、当該事案については、関係する対象者が限られており、その対象者は十数名で、かつ、これを十数名の職員で調査しており、この職員らは、いずれも幹部職員で、捜査能力にたけた者でありました。
 また、その調査方法についても、各人、複数回の聴取をするなどしているほか、聴取で得られた情報の裏づけも一つ一つ行っており、その調査は、とおり一遍のものではない、十分なものであったと判断しております。
〇37番(斉藤信君) 私の質問にまともに答えられませんでしたね。事件直後の2カ月で調査することがどういうことなのか。遺族に思いやって調査したのか。おかしいでしょう。1人死んでいるときに、時間をかけて丁寧に調査するのが当たり前ですよ。厳しく処分するならともかく、懲戒処分にもならないことをやった。
 最後に県警察本部長に、残念ながら公安委員会は県警察をしっかり管理する、市民の立場で管理することができない。この事件は第三者による再検証をやるべきじゃないですか。
〇警察本部長(増田武志君) 当時の調査及び再検証についてでございますが、まず、調査の関係を申し上げますと、調査については、内部調査ではなく、本部の独立した警務課と非違事案の調査を専門的に行う監察課が、所属の影響を受けることなく、行為者である上司を初め、交番所長や同僚等、関係職員からも広く聴取をし、また、亡くなった職員の状況等についても、御遺族の協力を得て確認をしているところでございます。
 また、短い期間という御指摘につきましては、調査すべき範囲が限定されていたことから、適切な期間で行われたものでございまして、当時の調査は、丁寧かつ必要十分であったものと考えているところでございます。
 続いて、第三者機関による検証の必要性でございますが、警察行政におきましては、公安委員会制度が置かれているところ、この公安委員会制度は、国民や県民の良識を代表する者が警察を管理することによって、警察行政の民主的管理と政治的中立性を確保しようとするものでございまして、警察とは独立した合議制の執行機関として設置されているものとなります。
 また、県公安委員会は、警察法において、県警察を管理するとされておりまして、まさに、このことにより、県公安委員会が第三者機関的な機能を果たしているところでございます。
〇37番(斉藤信君) もういいよ。私は公安委員会に聞いているのだから、あなたが公安委員会の弁解をしたらどうしようもないじゃないですか。
 率直に言いますけれども、パワハラで若い警察官が亡くなった直後の2カ月に調査すること自体がナンセンスなのだと。遺族の心に寄り添うことは一つもないじゃないですか。そういうことを公安委員会も検証してください。公安委員会が県警察本部の言うことを何でも認めたら、意味ないのですよ。市民の目線で、市民が納得するようなしっかりした対応をしてください。
 次に、いわて花巻空港へのオスプレイの緊急着陸問題と特定利用空港指定問題について、知事に質問します。
 ことし7月24日9時50分ごろ、米空軍横田基地所属の輸送機CV―22オスプレイが、いわて花巻空港に緊急着陸しました。飛行中に警告灯が点灯したため予防着陸したとのことでした。実は、6日前の7月18日には、秋田県大館能代空港に同じオスプレイが緊急着陸していました。1週間に2度も緊急着陸することは、異常なことであります。
 2023年11月29日には、訓練中の同じ米空軍横田基地所属のCV―22オスプレイが、緊急着陸を繰り返した挙句に、鹿児島県屋久島東側の沖合で墜落事故を起こし、乗員8人全員が死亡しています。
 7月25日に、日本共産党岩手県委員会と県議団は達増知事宛てに緊急の申し入れを行いました。
 そこでお聞きします。オスプレイが緊急着陸した原因は究明されているのでしょうか。原因が明らかになるまではオスプレイの飛行を中止するよう求めるべきと思いますが、どう対応しているでしょうか。
〇知事(達増拓也君) これまで県では、米軍のオスプレイの飛行による県民等の不安の払拭のため、東北防衛局に対し、オスプレイの飛行ルートなど、具体的な飛行内容等を事前に明らかにすることなどを繰り返し要請してまいりました。
 こうした中で、7月24日に、具体的な飛行ルートが明らかにされないまま、米軍のオスプレイ1機が本県上空を飛行し、いわて花巻空港に緊急着陸する事案が発生しました。本県での事案は、同月18日の秋田県での事案に続くものであり、短期間のうちに北東北エリアにおいて複数の事案が発生したことは、県民に大きな不安を与えたものと考えております。
 このため、いわて花巻空港等への緊急着陸事案の原因の情報提供、さらに、オスプレイの故障の再発防止と安全確保の徹底、オスプレイの飛行日時や飛行ルート等の事前の明示などについて、米軍に求めるよう、7月31日に、改めて東北防衛局に対し文書により要請するとともに、米軍から情報提供等があった場合には、速やかに説明するよう求めたところであります。
 県民の生命、健康、財産等に影響を及ぼすことがないよう、県民の安全を最優先に対応してまいります。
〇37番(斉藤信君) 今、東北防衛局には申し入れを行ったと答弁がありましたが、回答はあったのですか。
〇復興防災部長(大畑光宏君) オスプレイが緊急着陸した原因でありますけれども、東北防衛局に確認しておりますが、米軍に対し、本県から要請があったことは伝達しているが、米軍からの情報提供はないという回答となっております。
 緊急着陸の原因はまだ不明でありますが、引き続き、東北防衛局に対しては、確認を行っていきたいと考えております。
〇37番(斉藤信君) 極めて問題ですね。1週間の間に2度も緊急着陸をした。その原因を求められても答えない。こういうアメリカの空軍、それに全く物が言えない日本の防衛省。これで日本の安全なんか守れないですよ。
 もう一つ、原因が明らかにならないときはオスプレイの飛行中止を求めるべきですが、これはやられていますか。
〇復興防災部長(大畑光宏君) 知事から先ほど御答弁申し上げました東北防衛局への要請におきまして、米軍に対し、オスプレイの故障の再発防止と安全確保を徹底するよう求めたところであります。
 先ほど知事から御答弁申し上げましたとおり、今後も必要な要請や情報収集などを行いまして、県民の生命、健康、財産等に影響を及ぼすことがないよう対応してまいりたいと考えております。
〇37番(斉藤信君) 本当に米空軍というのは国民を無視している。防衛省はそれに物が言えない。この屈従的な関係、私は、本当にこれは許されないと思います。
 そこで、5月30日には、国から県に対し、いわて花巻空港を特定利用空港・港湾に指定したい旨の説明がありました。特定利用空港・港湾とは、2022年12月閣議決定された安保関連三文書で明記されたものであります。
 国家安全保障戦略では、有事も念頭に置いた我が国国内での対応力の強化、平素の訓練、有事の際の展開等を目的とした円滑な利用、配備のためとしているように、戦争する国づくりを国内全土で進めようとするものであります。既に、自衛隊だけではなく、日米共同訓練等で米軍も利用しているのが実態であります。
 知事に質問します。米軍基地が集中している沖縄県は、特定利用空港・港湾の指定に反対しています。岩手県も、いわて花巻空港の軍事利用を許すことなく、特定利用空港・港湾の指定に反対すべきと考えますが、知事の答弁を求めます。
〇知事(達増拓也君) 国が進める特定利用空港・港湾の取り組みは、自衛隊、海上保安庁が、平素から必要に応じて空港、港湾を円滑に利用できるよう、国とインフラ管理者との間で円滑な利用に関する枠組みを設けるものとされており、国とインフラ管理者との間において、連絡、調整体制を構築し、円滑な利用に関する具体的な運用のための意見交換を行うものとされています。
 令和7年5月30日に、国から、いわて花巻空港を特定利用空港に指定したい旨の説明を受けましたが、県内港湾については指定の意向は示されておりません。
 特定利用空港については、沖縄県が管理する空港の指定が進んでいないことを報道で把握しておりますが、本年8月に、新たに地方管理空港である青森空港及び山口宇部空港と国管理空港である仙台空港の3空港が追加されたことにより、全国では14空港が指定されています。
 いわて花巻空港の特定利用空港の指定については、空港所在地である花巻市や空港関係者の意見も踏まえながら、空港管理者として対応を検討してまいります。
〇37番(斉藤信君) いわて花巻空港は民事の空港ですから、これを軍事利用されないように。実際に指定されているところは、日米共同訓練で、自衛隊だけではなくて米軍も自由に使う。本当にこれは軍港になってしまうのです。
 今、知事の答弁が、沖縄県の例も含めて、そして地元花巻市の意向も含めて、花巻市長も反対していますから慎重に対応するということでしたので、しっかり対応していただきたいと思います。
 次に、大軍拡の推進について。
 アメリカの言いなりで5年間で43兆円も投入する大軍拡に反対し、平和と暮らしを守る政治こそ進めるべきだと考えますが、知事の見解はいかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 防衛装備の増強については、我が国を取り巻く国際情勢を踏まえながら、その根拠や必要性など慎重な議論が必要であるものと考えます。
 特に、現在は、食料品を初め生活に直結する物価高騰への対策や県民の可処分所得の増加、地域経済の活性化などの喫緊の課題に対して、国民の暮らしや仕事を守る政策に財政的にも力を入れるべきと考えます。
〇37番(斉藤信君) 全くそのとおりだと私は思います。
 実は、ことし9月9日に国連がこういう報告書を出しております。世界の軍事支出は2024年に過去最高を記録し、2023年から9%以上急増するとともに、国連憲章の原則から危険なことに逸脱していることを示唆していると。エビデンスは明らかです。過剰な軍事支出は平和を保障しません。軍拡競争を助長し、不信を深め、安定の基盤そのものからリソースを転用することで、往々にして平和を損なうのです。
 報告書を公表するに当たり、グテーレス国連事務総長はこのように述べました。世界の軍事支出は昨年2.7兆ドル。これは、本来、困った人の人類の未来にこそ使うべきだと。私も全くそのように思います。
 異常な軍拡が日本だけでなく世界でもやられている。特に日本は異常ですよ。この3年間で3.3兆円も軍事費をふやして、さらに年間1兆円ずつふやしていく。どこに財源があるのですか。これだけの財源あったら、消費税減税とか中小企業を守る対策とか、そういうところにこそ回すべきだと。この点は知事と一致していますから、質問はしません。
 最後の質問に入ります。排外主義の台頭と多文化共生社会の実現について、知事に質問します。
 7月の参議院議員選挙では、衆議院に続いて参議院でも自由民主党、公明党が過半数割れとなる国民の厳しい審判が下されました。これは自由民主党政治を変える前向きの変化であります。一方で、外国人に対する攻撃、排外主義が公然と主張される民主主義と人権を脅かす危険な逆流も生まれました。
 外国人が生活保護の3割を占めている、外国人がふえて治安が悪化している、日本人の賃金が上がらないのは外国人のせいなどの言動は、事実に基づかないデマであります。
 こうした排外主義の背景には、失われた30年のもと、新自由主義政策の破綻による貧困と格差の拡大、暮らしの困難があります。その原因は、まさに大企業の利益優先、アメリカ言いなりの大軍拡の政治にこそあり、その転換こそ求められているものであります。
 しかし、暮らしの困難を外国人のせいにしてその規制を求めることは、外国人への差別を助長し、民主主義と人権を破壊するものであります。
 知事に質問します。7月に開催された全国知事会議では、青森宣言が採択されました。排他主義、排外主義を否定し、多文化共生社会を目指す我々47人の知事がこの場に集い、対話の中で日本の未来を拓くに相応しい舞台となった。民主政治を脅かす不確かで根拠のない情報から国民を守り、国民が正しい情報に基づいて政治に参画できるシステムの構築を求めていくと宣言いたしました。
 排外主義の台頭に対する知事の認識と多文化共生社会を目指す知事の見解を求めます。
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員御案内の令和7年7月全国知事会議青森宣言は、排他主義、排外主義を否定し、多文化共生社会の実現を目指し、全国知事会として採択したものです。
 本県においても、昨年度、全ての県民が、お互いの国籍や言語、文化などの多様性を尊重し、多様な人材が育まれ、幸せに暮らすことができる岩手県を実現するため、岩手県多文化共生推進プラン(2025〜2029)を策定いたしました。
 外国人県民は、ともに地域づくりに取り組んでいく重要なパートナーであり、今後においても、国籍等にかかわらず、岩手県を支える人材の確保、定着を進め、外国人県民がより暮らしやすい地域づくりを推進してまいります。
 排他主義、排外主義は、地域社会の分断を招き、多文化共生の基盤を揺るがしかねないことから、正確な情報に基づいた冷静な議論を通じて、多様性と包摂性のある、誰もが安心して暮らせる社会を築いていく必要があると考えます。
〇37番(斉藤信君) 全国知事会が、機敏にこのような形で排他主義、排外主義を許さないと青森宣言を採択したことを高く評価したいと思います。
 参議院議員選挙の最中にも、一般社団法人日本ペンクラブが、排外主義は許せないという声明も出しました。今、さまざまな市民団体が声を上げています。人権と民主主義を守ると全国知事会が政府にも各政党にも要請したのですけれども、外国人と私達は、ともに暮らし、ともに働き、ともに学ぶ、そういう点では、同等に人権は保障されなくてはならない。そのことが本当に今求められているのだと思います。
 そこで、知事に追加してお聞きをしたい。実は、ある政党の新日本憲法構想案、天皇は、いにしえより国をしらすこと悠久でありと、天皇主権を主張する憲法構想案を打ち出しました。教育勅語を復活させる、これも憲法草案に明記しています。
 さらに、この政党は、選挙戦で男女共同参画に反対を主張しました。ジェンダー平等にも反対。これは戦前への回帰を目指す時代の進歩に対する逆流ではないのかと思いますが、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員御指摘の憲法案の内容については、詳しく存じ上げないところではありますけれども、まず、私といたしましても岩手県といたしましても、日本国憲法のもと、そこに定められた天皇の位置づけを尊重し、また、基本的人権、男女平等ということも含めて、それを遵守しながら仕事をしているところであります。
〇37番(斉藤信君) 今の排外主義というのは、戦前回帰を目指す極右主義と一体で台頭しているというのが特徴です。私たちは、こうした排外主義を絶対許さないと。戦前、日本共産党は激しい弾圧を受けました。治安維持法で最高刑は死刑ですよ。天皇制に反対すれば死刑だった。しかし、今そのようなことは許されないでしょう。そういう戦前回帰を目指すということは、私たちは絶対に許してはならないのだと思います。
 そこで、最後の質問です。日本の在留外国人は約370万人、外国人労働者は230万人を超えています。県内の在留外国人数は1万1、366人、前年比で1、193人、11.7%増加しています。外国人労働者は7、866人、前年比で784人、11%増加しています。人口減少が進むもとで、製造業、建設業、農林水産業、福祉など多くの分野で外国人労働者が求められています。
 その際、一緒に暮らし、一緒に働き、一緒に学ぶ、外国人の人権が保障される多文化共生社会の実現が求められていると考えますが、そのための県政の課題と方針について示してください。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 斉藤信議員御指摘のとおり、令和6年12月末現在の県内の在留外国人数は1万1、366人、また、外国人労働者数は7、866人と、いずれも過去最高となっており、外国人県民は、ともに地域づくりに取り組んでいく重要なパートナーであると認識しております。
 そのため、本年3月に策定いたしました岩手県多文化共生推進プラン(2025〜2029)におきまして、外国人材等の受け入れ、定着支援、国籍等にかかわらず、ともに安心して生活できる地域づくり、多様性を理解、尊重する共通認識の醸成などを課題として捉え、外国人留学生や特定技能外国人材等の地域産業を支える外国人材の県内での就職、定着支援、ワンストップ相談窓口の機能充実や易しい日本語の積極的な普及、日本語学習支援が必要な児童生徒の受け入れ体制の充実等に取り組んでいるところであります。
 今後におきましても、これらの取り組みを通じて、外国人県民にとって暮らしやすく、お互いの文化的背景や考え方を理解し、地域社会を支える主体として、ともに生きる多文化共生社会の実現を目指してまいります。
〇37番(斉藤信君) 私は、さまざまな震災復興その他の課題で、沿岸地域の水産加工会社を訪問して話を聞いてきました。水産加工会社は、本当に外国人労働者なしには成り立たない。そのために、外国人のための寮をつくって、Wi-Fiを整備して、そういう形で、日本の労働者と同じような形で、住居もさまざまな形も保障してやっている。こういうところは長続きしているのです。
 日本の国の政策は、安上がりの労働者を使うということですから、私は、こういうことでは絶対ならない。このことを最後に指摘をして、終わります。(拍手)
〇議長(城内愛彦君) 以上をもって斉藤信君の一般質問を終わります。
 これをもって一般質問を終結いたします。
   
   日程第2 認定第1号令和6年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第41 議案第24号損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについてまで
〇議長(城内愛彦君) この際、日程第2、認定第1号から日程第41、議案第24号までを一括議題といたします。
 これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 次に、お諮りいたします。認定第1号から認定第15号まで、及び議案第25号、以上16件については、47人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(城内愛彦君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 お諮りいたします。ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長を除く全議員を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(城内愛彦君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしましたとおり、議長を除く全議員を決算特別委員に選任することに決定いたしました。
 決算特別委員会は、委員長互選のため、10月14日午前10時に特別委員会室にこれを招集いたします。改めて招集通知を差し上げませんので、御了承願います。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第24号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
   
〔参照〕
委員会付託区分表
(第12回県議会定例会 令和7年10月3日)
                 決算特別委員会
1 認定第1号
2 認定第2号
3 認定第3号
4 認定第4号
5 認定第5号
6 認定第6号
7 認定第7号
8 認定第8号
9 認定第9号
10 認定第10号
11 認定第11号
12 認定第12号
13 認定第13号
14 認定第14号
15 認定第15号
16 議案第25号
   
〔参照〕
委員会付託区分表
(第12回県議会定例会 令和7年10月3日)
                 総務委員会
1 議案第1号
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第2款第1項
          第2項
          第3項
          第4項
          第6項
          第7項
       第9款
   第3条
2 議案第14号
3 議案第15号
4 議案第18号
5 議案第24号
                 文教委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第2款第8項
       第10款
   第2条第2表中
    1追加中 4
2 議案第17号
3 議案第23号
                 環境福祉委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款
       第4款
   第2条第2表中
    1追加中 1
2 議案第2号
3 議案第7号
                 商工建設委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第5款
       第8款
   第2条第2表中
    1追加中 2、3
    2変更中 2〜13
2 議案第6号
3 議案第8号
4 議案第13号
5 議案第16号
6 議案第19号
7 議案第20号
8 議案第21号
9 議案第22号
                 農林水産委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款
   第2条第2表中
    2変更中 1
2 議案第3号
3 議案第4号
4 議案第5号
5 議案第9号
6 議案第10号
7 議案第11号
8 議案第12号
   
〇議長(城内愛彦君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時3分 散 会

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