令和7年9月定例会 第12回岩手県議会定例会会議録

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〇20番(佐々木宣和君) 自由民主党の佐々木宣和でございます。一般質問の機会をいただきました同僚議員の皆様に感謝を申し上げ、通告に従い質問をいたします。
 まず、中小河川における流域治水の取り組みの強化について伺います。
 平成28年台風第10号災害から、早いもので9年が経過いたしました。この間、国や県、さらには岩泉町を初め、関係各位の御尽力により、今年度でいわゆる改良復旧を含む全ての工事が完了する見込みとなりました。ここに改めて深甚なる謝意を申し上げます。
 平成28年台風第10号災害の経験を踏まえ、いつ発生するかわからない水害への備えは、着実に強化されてまいりました。水位周知河川は32区間から63区間へと倍増し、洪水浸水想定区域は、ゼロから、令和7年度末までに全294河川が指定予定であります。水位計についても、危機管理型を含め84カ所から476カ所へと拡充され、水位観測網は実に5.7倍に整備されました。さらに、河川監視カメラは、わずか3カ所であったものが157カ所へと、約50倍に増加しています。また、市町村から要望の多い河道掘削やしゅんせつ事業についても、かつて例を見ない規模で実施されてきました。
 これらは、国による防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策、防災・減災、国土強靱化のための
5か年加速化対策と県の取り組みが相互にかみ合い、確実に実行された成果であり、高く評価するものであります。
 さらに、今年度末には大規模氾濫減災協議会における4年間の計画が一区切りを迎えます。国の第1次国土強靱化実施中期計画においても、流域治水は重要なキーワードと位置づけられております。直近では、盛岡市の米内川における氾濫も記憶に新しく、県民の防災意識は一層高まっています。
 こうした状況を踏まえ、流域治水の次なる計画や取り組みの強化について、県としてどのように進めていくお考えかお伺いいたします。
 次に、道路整備について伺います。
 東日本大震災津波や平成28年台風10号災害からの復旧、復興を振り返りますと、これらは、単なる復旧にとどまらず、人口減少下における新しい地域づくりの契機となる事業であったと考えます。
 象徴的な事例が道路整備であります。三陸沿岸道路や宮古盛岡横断道路の整備は、交通利便性を飛躍的に向上させただけではなく、被災地の方々に将来への希望をもたらす精神的な支えとなりました。
 さらに、具体的な整備効果として、圏域人口の増加、港湾の活性化、工場の立地などをもたらしました。
 このように、人口減少下にあっても、道路整備は有効な手段であり、経済圏域を広域化し、地域規模の維持、拡大に資するものであります。
 加えて、地域外からの資金獲得を促し、医療や子育てなど、生活環境の整備にも波及効果をもたらす重要な基盤であると考えます。
 知事は、マニフェストプラス39において構想路線に言及されており、その必要性を十分認識されているものと理解しております。しかしながら、大規模案件に予算を集中的に投下することとなれば、他の道路整備への配分が圧迫されるのではないかとの懸念もあります。
 特に、これまでの道路整備が震災や台風といった大規模災害を契機として加速してきた側面も否めず、例えば、国道106号のさらなる整備も、平成28年台風第10号災害が一つのきっかけであったと受けとめております。
 人口減少対策にも有効な道路整備について、災害時ではなく通常時における大規模案件を県としてどのように実現していくお考えか、知事の御所見をお伺いします。
 あわせて、多重性の確保という観点から、国道340号押角トンネル前後の改良について伺います。
 県はこれまで、工区を一つずつ完成させていくと答弁されております。トンネルの前後から工事を進めていただいていることは、大変ありがたいことでありますが、地元からすると、全て完成するのに50年もかかるとの声があります。
 整備効果が発揮されることを考えますと、一日も早い整備、全体像を示した計画を県としてどのように描いていくのか、改めて伺います。
 次に、中小企業、小規模事業者支援について伺います。
 県内の商工業者から寄せられる声は極めて切実であります。株式会社帝国データバンクの調査によれば、東北地方における倒産リスクの高い企業は9.1%とされる中、本県は10.3%と東北地方で最も高い水準にあります。しかも、これは最低賃金が引き上げられる前のことし6月時点の数字であります。加えて、倒産の負債総額がふえていない一方で、件数だけがふえており、規模の小さい事業者が次々と市場から退出しているのが実態であります。
 実際に、岩泉町の商工会においては、令和6年に加入者数が一気に約1割減少したと伺っております。また、宮古市では、令和3年以降、負債総額1億円を超える倒産が9件発生しており、地域経済の厳しさを示しております。
 また、法人県民税の納税事業者数と法人事業税の納税事業者数を広域振興局ごとに比較すると、赤字事業者等の割合は、盛岡地域で約53%、県南地域で約59%、県北地域で約65%、沿岸地域では実に70%を超えており、沿岸地域の厳しい経営環境が際立っております。もっとも、累積欠損金を活用して法人事業税を納めない場合などもあるため、この割合に幾らかの遊びがあることは留意が必要ですが、大きな傾向としては、そのとおりであります。
 こうした実態を踏まえれば、商工会、岩手県中小企業団体中央会の経営指導員が、財務諸表を見るとかなり厳しいと口をそろえるのも当然であります。特に、コロナ禍以降に強化してきた事業転換を図るための施策に関しては、多くの企業が、銀行から借り入れを起こせないために使えないという実情が見えてきます。
 加えて、最低賃金の急激な引き上げが経営に重くのしかかっております。令和7年最低賃金に関する基礎調査によれば、県内就業者の33.4%が時給1、031円以下で働いており、特に沿岸部では約4割に達しております。春闘の平均賃上げ率が5.34%であるのに対し、最低賃金は8.3%もの引き上げとなりました。実際の現場では、人件費を支え切れず、パートの勤務時間を削減せざるを得ない、あるいは5人雇っていた従業員を4人に減らさざるを得ないといった声が広がっております。とりわけ沿岸地域、中山間地域では、雇用の横移動先が乏しく、単なる雇用調整が、地域経済全体の縮小につながるという構造的課題を抱えております。
 長らく取り組んでいる県北・沿岸振興でありますが、この危機的な状況を踏まえて、より踏み込んだ形で、例えば、かつてコロナ禍に実施したいわて県民応援プレミアムポイント還元キャンペーンのような地域経済の刺激策など、特に需要創出型の喚起策を実施すべきであると考えますが、知事の所感を伺います。
 次に、商工指導団体の体制について伺います。
 中小、小規模事業者の苦しい実情はさきにお話ししたとおりですが、いわゆる事業者に寄り添う伴走型支援は、これまで以上に重要になってきます。そのためには、繰り返し質問してまいりましたが、商工指導団体の基盤強化―商工業小規模事業経営支援事業費補助の引き上げが重要であります。
 本年度から経営支援員の単価が引き上げられましたが、それでも、東北地方の平均に対して、経営指導員で85.5%、経営支援員で82.3%となっており、他県に比べてまだまだ低く、人事院勧告に基づくベースアップ分の上乗せもありません。
 地域経済の最前線を担う人材に投資せずして企業支援の充実は望めません。人材確保と質的強化を同時に進めるためには、財源の安定的な確保とともに、デジタル化や専門人材の登用を視野に入れた組織改革が求められます。しっかりと伴走型支援をしていくために、この商工業小規模事業経営支援事業費補助の計画的な引き上げについて、どのように考えていくか所感を伺います。
 次に、県北・沿岸振興に関連して、三陸DMOセンターやまちづくり会社の体制強化について伺います。
 三陸沿岸道路や宮古盛岡横断道路等の整備によって、久慈市では、60分圏域人口が10.4万人から29.2万人へ、宮古市では7.6万人から10.9万人へ、釜石市では11.2万人から17.6万人へ、大船渡市では14.3万人から18.8万人へと拡大いたしました。4市で60分圏域人口が合計33万人も増加しました。これは、震災復興の成果であり、地域の可能性を大きく広げる基盤整備であります。
 しかしながら、圏域人口がふえただけでは地域経済は動きません。その潜在的な市場を実際の売り上げや雇用につなげる間を埋める施策が不可欠であります。観光や交流人口の増加を地域の店舗や宿泊、交通や体験に確実に結びつける仕組みを整えなければ、インフラ整備の効果は十分に発揮されません。
 具体例を挙げれば、クルーズ船の寄港客に対しては、港に立ち寄るだけで終わるのではなく、地域の食や文化を味わい、買い物をし、再訪につながるような受け皿づくりが必要です。
 みちのく潮風トレイルも、世界に誇れる資源であるにもかかわらず、単なる通過型利用にとどまれば、効果は限定的です。滞在や消費につなげる商品造成、交通や宿泊との連携が不可欠であります。
 こうした仕掛けを担うのが公益財団法人さんりく基金三陸DMOセンターであり、今後検討が進むまちづくり会社の役割であると考えます。これまでの議論でも、担当室からKPI―重要業績評価指標の設定が必ず必要であるとの答弁をいただいております。
   〔議長退席、副議長着席〕
 であるならば、理念やかけ声にとどまらず、関係人口100万人の実現、入り込み数の増加、滞在日数や消費単価の向上といった誰にでもわかる具体的な目標を掲げ、その達成に必要な体制を早急に構築すべきです。
 せっかくのインフラ整備の成果を地域経済に直結させるため、三陸DMOセンターやまちづくり会社に間を埋める施策を強く期待しますが、県としてどのように取り組むのか伺います。
 次に、県立高校について3点伺います。
 初めに、県立高校の歴史的役割と産業振興との連携について伺います。
 本県の県立高校は、旧制中学や高等女学校、市町村立の実業高校を母体として設置され、地域の産業振興と人材育成に大きな役割を果たしてきました。かつては、県立盛岡農業高等学校で学び地元で農業を担う、県立宮古水産高等学校で水産業を学び水産庁職員を志すといった、実業高校から地域産業へ直結する就職ルートが確立しており、地域の将来像を明確に描くことができていました。
 しかし、現在は普通高校を経て大学に進学することが一般的な進路となり、実業高校と地域産業との結びつきは相対的に希薄化しています。その結果、高校教育が地域産業の担い手となる人材育成とどのように結びつくのかが見えにくくなっているのが実情であります。
 したがって、県立高校再編を進めるに当たっては、単なる規模の整理、縮小にとどめるのではなく、農林水産業や地域産業を担う人材をどう育成するのかという教育の位置づけを産業政策と一体的に描き直す必要があります。
 そこで伺います。県は、県立高校の再編と産業振興をどのように連携させ、地域産業を担う人材育成を再構築していくお考えかをお示しください。
 次に、県立高校の魅力化と生徒との進路希望実現に向けたマッチング精度の向上について伺います。
 県立高校再編の議論では、統廃合で選択肢が減るという声が大半を占めますが、本質は、その学校で何を学び、どう成長できるかであります。
 県立高校に必要なのは、少人数規模を維持することだけではなく、その高校に行けばこういう人材に育つという将来像を提示できることであります。そのためには、魅力化施策を進学実績や施設整備に限定せず、生徒の特性と学校の教育内容をマッチングさせる視点が不可欠であります。
 例えば、いわて留学を通じて県外から生徒を呼び込む際にも、どのような生徒に来てほしいのかターゲットを明確にし、どのくらい広い範囲に声をかけてリーチできるかを計画的に進める必要があります。
 そこで伺います。県は、生徒の進路希望の実現に向けた県立高校と生徒とのマッチング精度を高めるために、具体的にどのように取り組み、また、どの層、どの地域の生徒に声を広げていくのかお示しください。
 次に、通学支援と寮整備などのハード面の対応について伺います。
 専門学科の集約や魅力化を進める上で、通学環境の整備は避けて通れません。高校は義務教育ではなく、みずからの意思で進路を選ぶ場である以上、距離の問題は、遠くても通いたいと思える魅力を整備することが本質的な課題であります。そのためには、通学支援のソフト施策に加え、寮の整備や既存施設の有効活用など、ハード面での環境整備が重要になります。全国的には、寮を拠点に地域体験や部活動、探究学習を展開し、県外から進学者を呼び込んでいる成功例もあります。
 そこで伺います。県は、県立高校の魅力化を推進する上で、通学支援や寮整備などのハード面の施策をどのように組み合わせ、遠くても行きたいと思える環境づくりを進めていくお考えかをお示しください。
 本県の周産期体制、とりわけ産後ケアについて伺います。
 これまで、本県議会では、私を含め20人以上が産後ケアを取り上げ、その必要性は既に共有されています。自由民主党岩手県連でも周産期プロジェクトチームを立ち上げ、宿泊型産後ケアの整備や助産師確保、妊産婦の自殺防止などを提言として整理し、県、市町村、医師会、助産師会が連携する検討体制の立ち上げや県主導の宿泊型産後ケアセンターの検討を求めております。
 県資料によれば、令和6年から令和7年にかけてデイサービス型は18から23市町へ、アウトリーチ型も29から30市町へと拡充し、着実に前進しています。しかし、宿泊型は、助産師や乳児ケア要員など人材の確保が大きな課題であり、導入のハードルは依然高いのが現状です。
 その中で、二戸市では、市内温浴施設の1室を活用したデイサービス型の産後ケアが本年5月から始まりました。県が関与し、病院や市との調整を経て事業化に結びついた好例であり、今後の展開のヒントになるものであります。また、県立大船渡病院でも、7月から気仙地区の3市町を対象とした日帰り型の産後ケアがスタートしています。こうした個別の成功を一過性で終わらせず、仕組み化して全県に広げていくことが次の課題ではないでしょうか。
 一方で、花巻市や北上市など民間主体で進む地域があるのに対し、県立病院が担わざるを得ない地域もあり、サービスの広がりに格差が生じています。特に分娩施設のない地域では、産後ケアへのアクセスそのものが母子の安心に直結します。市町村の努力義務に委ねるだけでは限界があり、県が調整役となって人材を確保、マッチングし、適材適所に配置していく仕組みを構築することが不可欠であります。
 以上を踏まえて伺います。二戸市、大船渡市の取り組みを参考として、県内どこに住んでいても、とりわけ分娩施設のない地域でも、地域の特性に応じた産後ケアが提供できる体制の構築に向けて、県としてどのように市町村の取り組みを支援していくのか。また、宿泊型導入の最大のボトルネックである人材確保と安全管理について、潜在助産師の復職支援や研修配置支援など、人材マッチングの調整役を県がどう果たしていくのか、県の方針を伺います。
 次に、神楽のユネスコ無形文化遺産への拡張登録に向けた県の支援について伺います。
 岩手県には、既に登録されている早池峰神楽を初め、黒森神楽、鵜鳥神楽など、地域に根差した貴重な神楽が数多く残されており、県民の誇りであると同時に世界に発信できる文化資源であります。
 現在、拡張登録に向けて、全国的な連携となる全国神楽継承・振興協議会及び神楽継承・振興知事連合が設立されたところであり、本県としても積極的に関与すべき局面にあります。一方で、担い手不足や人口減少により保存、継承には大きな課題があるのも現実です。
 そこで伺います。拡張登録に向けて県が果たすべき役割と今後の方針について、また、黒森神楽、鵜鳥神楽、早池峰神楽といった県内の神楽を盛り上げていくために、ユネスコ登録を見据えた多言語での広報や記録媒体の整備、国内外への発信強化、さらには無形文化遺産を支えるための具体的取り組みについて、知事の所感を伺います。
 次に、水産業振興について伺います。
 まず、漁業協同組合への支援について伺います。
 近年、海洋環境の変化などにより本県のサケなどの主要魚種の水揚げ量は激減し、大不漁と呼ばれる状況が続いており、定置網漁業を収益の柱としている漁業協同組合では、漁獲変動に伴う減収に対し、漁業共済制度や積立ぷらす等の漁業収入安定対策事業による補填を受けながら、その経営を何とか維持している状況にあります。
 一方で、定置網漁業におけるクロマグロ資源管理の実施に伴う収入原資を補填する国の特例制度である下げどめ特例は、段階的な廃止が決まったところであり、このような大不漁が今後も続くことになれば、漁業者の負託に応える漁業協同組合の財務状況はさらに悪化し、経営基盤を揺るがしかねない深刻な影響を及ぼすおそれがあります。
 こうした危機的な不漁を克服するためには、定置網漁業を主体とする本県の沿岸漁業を牽引してきたサケ資源の回復に向けて増殖事業を継続することが重要であるとともに、サケ、マス類の海面養殖など新たな漁業に挑戦する漁業協同組合への支援についても、バランスよく施策を展開していくことが必要になると考えます。
 そこで伺います。サケ資源の回復と漁業協同組合によるサケ、マス類の海面養殖や養殖用種苗の生産への支援について、県としてどのように取り組むのか伺います。
 次に、藻場の造成について伺います。
 藻場は、多くの水産生物の生活を支えており、魚介類の餌場、隠れ場、産卵や幼稚子魚の生育の場として非常に重要な役割を果たしています。
 近年、冬場の海水温が例年より高めに推移したことでウニ等が活発に活動し、この時期に発芽した昆布等大型海藻類の芽を食べ尽くすことにより、本県でも藻場が減少し、磯焼けの状況となっています。その影響により、アワビの成長不漁やウニの身入りの低下などにより漁獲量の減少が大きな課題となっています。
 このような状況の中で、県ではアワビ等の水産資源回復に向けて、ウニの間引き等による藻場の保全活動及び藻場造成など、沿岸地域の藻場の再生に取り組んでおり、これまでに投入したブロックには、昆布等の海藻の繁茂が確認されていると漁業者から伺っています。
 藻場の再生は漁業者にとって喫緊の課題であり、沿岸各地を回り漁業者等から話を聞くと、さらにその取り組みを進めてほしいとの意見が多くあります。
 このような磯焼け対策としての藻場造成は集中的に実施するべきと思いますが、今後、県としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、林野火災対策について伺います。
 近年、全国的に大規模な林野火災が相次いでおり、本県においても、釜石市尾崎半島や宮古市刈屋地区での火災が記憶に新しいところでありますし、本年2月には大船渡市において、平成以降最大規模となる3、000ヘクタール超の森林が被災いたしました。
 森林は、県土の保全や水源の涵養など多様な公益的機能を担っておりますが、一たび火災により失われれば、復旧には長期間と多額の費用を要します。再造林や路網整備、人材確保など、課題は多岐にわたります。
 こうした中、いわての森林づくり県民税の使途拡大により、林野火災対策や被災した森林の再生に取り組めるようになることは、極めて重要であります。具体的には、防火帯の整備、林道や路網の改良、監視体制の強化、さらには、被害地の再造林支援などが復旧事業を加速させる取り組みになると考えます。
 林野火災の頻発を踏まえ、発災から半年以上が経過した大船渡市の林野火災からの森林再生について、現状の課題をどう捉え、いわての森林づくり県民税事業の活用も含めてどのように取り組んでいくのか。また、今後の県全域における林野火災対策について所見を伺います。
 次に、森林病害虫対策について伺います。
 近年、県内各地でナラ枯れ被害が深刻化しており、日常的な会話の中でも、ひどいという声を多く耳にするようになりました。被害の実態を数字で見ますと、令和5年の被害材積が3、731立方メートルであったのに対し、令和6年は6、978立方メートルと前年比187%に急増しております。
 また、松くい虫についても、被害量事態は平成15年以降減少傾向にあるものの、令和5年も18市町で被害が確認されており、依然として予断を許さない状況です。
 これらに対しては、松くい虫等防除事業やいわての森林づくり県民税を活用したいわて環境の森整備事業により対応しているところです。しかし、被害が拡大すれば森林資源の喪失は避けられず、将来の木材利用にも大きな影響を及ぼします。
 ナラ枯れにせよ、松くい虫にせよ、もはや点的な対応では追いつかず、資源の有効活用や将来の森林資源確保の観点からも、思い切った伐採、更新を今の段階で進めていくことが必要と考えます。
 そこで伺います。病害虫被害の拡大防止と将来の森林資源確保に向けて、県としてどのように取り組むのか、所見を伺います。
 最後に、知事の政治姿勢について伺います。
 今回の質問を振り返りますと、多くは災害復旧や経済危機への対応といった、いわばリアクション型の政策であります。これらは、県民の安全・安心を守るために欠かせませんが、その積み重ねだけでは、本県最大の課題である人口減少を克服することはできません。
 去る9月16日の会見で、知事は、国政に対し、裏金に縁のない内閣、政策論争の不足と厳しく批判されました。確かに、国政に課題はありますが、政治に本当に求められるのは批評ではなく、結果を出すことであります。
 石破政権は、短期間であっても、103万円の壁の見直しや高校授業料無償化など、制度と数字を伴う成果を示しました。これこそが結果責任であります。
 一方で、達増県政は、人口減少対策や県北・沿岸振興について、地域おこし協力隊、移住定住支援金、三陸沿岸道路の整備効果、DMOによる観光振興、半導体人材育成、企業誘致といった取り組みを繰り返し答弁してこられました。しかし、その成果を、何人の移住者が定住したのか、観光客数はどれほどふえたのか、それらが雇用や所得にどうつながったのか、そういった数字で示すことはなく、人口減少下における地域の将来像も、県民が共感できる水準には至っていません。
 さらに、知事は国政批判において、犯人探し、過度の悲観、分断を繰り返してきましたが、そうした手法では本質的課題は解決されません。しかも、今や国会は少数与党化と政党乱立により政策を進める力を失いつつあります。だからこそ、国会批判ではなく、県政として具体的課題を解決し、前進させる姿勢を示すことが求められています。
 知事は、折に触れて、政治は自由、行政は公平中立と述べられます。確かにそのとおりでありますが、それだけでは、課題があって施策を講じるという型から抜け出せません。結果として、震災、台風災害、コロナ禍対応といった危機に追われる中で、岩手県はリアクション型の政治になれてしまったのではないかと懸念します。
 災害復旧や危機対応は、大きな船から水をかき出す作業に似ています。重要ですが、それだけでは航路を見失ったままです。本当に必要なのは、新しい帆を張り、岩手県の未来に向けた航路を示すこと。政治が方向性を定め、行政がそれを実装する、この基本に立ち返るべきです。
 沿岸地域では、事業者の7割が赤字リスクに直面するという異常事態が続いています。商店や農家の方々は、数字で成果を示してほしいと切実に願っています。この状況を単なる危機対応で乗り越えることはできません。未来を切り拓く戦略、そして、成果を数字で示す説明責任こそが、知事の政治姿勢として問われています。
 改めて、知事として、国政の動き、特に政策の実行力にどう向き合い、どう考えるのか伺います。
 あわせて、政務秘書のあり方について伺います。
 2月定例会では、透明性の確保など、本会議や予算特別委員会の議論を踏まえ、十分に検討することとの附帯意見が付されました。この附帯意見を受け、どのように検討を進めてこられたのか。政務秘書のあり方は制度論にとどまらず、知事の政治姿勢そのものを映す鏡であることを強調して申し上げます。
 体制、透明性、そして県民への説明の方法について、具体的にお示し願います。
 以上で私の質問を終わります。答弁によっては再質問させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 佐々木宣和議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、道路整備についてでありますが、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げた各分野の政策を力強く推進していくためには、あらゆる社会経済活動や県民の安全・安心を支え、産業や観光振興の基盤となる道路等の社会資本の整備が重要であります。
 具体的には、災害に強い道路ネットワーク構築のため緊急輸送道路の整備などを、日常生活を支える安全な道づくりのため通学路への歩道設置などを、また、産業振興や交流を支えるため物流の基盤となる道路や主要な観光エリアを結ぶ道路の整備などを進めています。
 これらの道路を初めとする社会資本の計画的な整備には、国費など公共事業費の確保が必要であることから、令和8年度政府予算提言・要望において、公共事業予算の安定的・持続的な確保や防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の期間終了後における取り組みの推進等について、国へ要望したところであります。
 今後とも、さまざまな機会を捉えて、大規模事業への対応など公共事業予算の確保を国に働きかけながら、県民のニーズに応えられるよう道路整備を推進し、防災対策や産業振興など幸福の追求を支える社会基盤が整っている岩手の実現に向け取り組んでまいります。
 次に、中小企業、小規模事業者支援についてでありますが、現在、エネルギー、原材料価格の高騰の中で、中小企業や小規模事業者が持続的な賃上げを行っていくためには、生産性向上と適切な価格転嫁の実現による賃上げ原資の確保が重要であります。
 しかしながら、中小企業者等はすぐに価格転嫁を十分に進めることができず、人材確保のために防衛的な賃上げを余儀なくされている状況にあることから、県では、中小企業者等賃上げ環境整備支援事業費補助金による生産性向上の支援や、物価高騰対策賃上げ支援金による支援などを行っております。
 地域経済を支える需要を創出するため、コロナ禍において実施したキャッシュレスポイント還元事業のような消費喚起策は効果的であると考えますが、継続的に行うためには、多額の財源が必要という課題もあるものと認識しております。
 さきの参議院議員選挙でも、いわゆる減税か給付かという議論で、国の財政出動による何らかの支援策については、与野党を超えて広く主張されており、具体的な国の動きにしっかり対応してまいります。
 また、今般の最低賃金の大幅な引き上げに関しては、国の目安を超えて引き上げる場合には、国が重点支援を講じるとしていることから、今後の国の施策に対応しながら、中小企業等が現在直面しているさまざまな課題解決を進めるために、どういった支援がより効果的であるか、各商工指導団体などと連携しながら検討してまいります。
 次に、神楽のユネスコ無形文化遺産への拡張登録についてでありますが、我が国においては、全国各地に多くの神楽が継承されています。何百年もの間、時代の移り変わりや動乱さえもくぐり抜けて、人から人へと受け継がれてきました。
 古くから日本固有の文化として息づいてきた神楽が世界に広く認知されることは、人口減少等により継承の危機に直面している神楽にかかわる方々の励みになるとともに、地域の活性化にもつながるものです。
 本県では、早池峰神楽、黒森神楽、鵜鳥神楽の三つの神楽が国の重要無形民俗文化財に指定されており、早池峰神楽は島根県の佐陀神能とともに、全国の神楽で二つしかないユネスコ無形文化遺産に登録されていることから、本県が率先して神楽の価値を世界に発信していく使命があるものと考えております。
 このため、昨年度設立した国内各地の神楽をユネスコ無形文化遺産に登録するための活動を後押しする神楽継承・振興知事連合では、私が宮崎県知事、島根県知事とともに共同代表となって、国への要望活動などを行っております。
 また、県として、神楽の保存、継承に向けた補助事業のほか、いわての文化情報大事典による動画配信や自動翻訳などの世界に向けた情報発信による支援も行っているところであり、今後も、国や関係自治体とも連携を図りながら、ユネスコ無形文化遺産への拡張登録に向けた機運の醸成に努めてまいります。
 次に、知事の政治姿勢についてでありますが、いわて県民計画(2019〜2028)は、県内各地域、各分野の団体や個人の意見と県民的な議論をもとに策定したものであり、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてを基本目標に掲げて、県民の幸福実感に関連する領域をもとにした10の政策分野を設定し、アクションプランで重点的、優先的に取り組むべき政策やその具体的な推進方策を明らかにしています。
 各政策分野に関しては、関係団体からの要望を受け、各分野の有識者等による委員会や審議会における議論を経て、計画等を策定し施策を推進しております。
 これらの取り組みにより、製造品出荷額は初めて3兆円を突破したほか、自動車、半導体関連産業を中心に令和元年度から令和6年度で117社が新規立地、農林水産物、加工食品、工芸品等の地場産品の令和5年輸出額は10年前から約70%増の54億円と増加、いわてアグリフロンティアスクール、林業アカデミー、水産アカデミー、高校生等の海外派遣などによる900名を超える人材の育成、第2子以降の3歳未満児の保育料無償化や在宅育児支援金による子育て世帯の経済的負担の軽減、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会会長としての働きかけによる、国における医師偏在対策パッケージの策定など、人口が減少する中にあっても、岩手県の将来に希望を持てる成果が生まれています。全国や海外に開かれた、全国や海外に通用する岩手県の新しい地方創生が動き出しています。
 いわて県民計画(2019〜2028)を初め、さまざまな計画を県民とともに策定し進めていることが、こうした政策展開の基盤になっており、これまでの自然災害やコロナ禍などの危機事態に対しても、県民の協力のもと、迅速かつ実効性ある対応ができたものと考えています。
 これからも、県民と協働して、いわて県民計画(2019〜2028)など諸計画に基づく政策をさらに前に進めていくことで、希望郷いわてのその先へ、県民とともに歩んでまいります。
 次に、政務秘書のあり方についてでありますが、今年度は、市町村要望が政務との関連があることから、政務秘書を同席させており、政務秘書が見える機会をふやしました。ほかにも、団体関係者との意見交換や県民有志との意見交換などの機会にも、政務秘書を同席させるようにしています。
 長野県の知事特別秘書に関する判例にあるように、知事の政治的活動にかかわる政務につき公務員としてこれを補佐する秘書を設けることが、その職務の円滑、効率的な遂行に資するものであり、ひいては地方公共団体の目的に沿うことにもなるものでありますので、今後も、政務秘書の役割を十分に発揮させながら県政を推進してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、産後ケアの取り組み支援についてでありますが、産後の母子に対するケアについては、必要なときに支援が受けられる環境の整備が最も重要であるとの認識のもと、社会資源が限られている市町村においても、随時の相談支援や訪問などにより、きめ細かいサポートを行うなど、地域の実情に応じた支援が行われております。
 このような中で、県では、産後ケア事業のさらなる推進に向けて、本年7月に市町村と産後ケア事業あり方会議を開催し、各市町村における産後ケアの現状や課題、今後の展望等について議論を行ったところであります。
 各市町村では、地域の実情を踏まえ、宿泊型の新規での実施やデイサービス型の拡充等が検討されており、共通の課題として、専門人材や受け皿となる施設の確保などが挙げられたことから、県では、専門人材の確保、育成に係る支援の強化を図るとともに、佐々木宣和議員から御紹介がありました二戸市や大船渡圏域における事例と同様に、市町村と連携し、受け皿となり得る施設との調整や助産師の紹介を行うなど、市町村が目指す産後ケアの実現に向けて、丁寧な調整、支援に取り組んでまいります。
 次に、産後ケアに従事する助産師の確保などについてでありますが、佐々木宣和議員御指摘のとおり、宿泊型産後ケア事業の導入に当たっては、夜間の緊急時対応を含めた体制整備が求められるため、夜間勤務が可能な複数の人員を確保し、適切な勤務体制を構築することが課題であると認識しております。
 このため県では、一般社団法人岩手県助産師会や公益社団法人岩手県看護協会と連携し、潜在助産師の復職研修や岩手県ナースセンターでの無料職業紹介などにより、産後ケアに従事可能な助産師の確保に努めているところであります。
 また、令和6年度からは、岩手県看護協会に助産師活躍コーディネーターを配置し、助産師の紹介を希望する市町村からの相談を受け付け、助産師の紹介に至るまでの調整などを実施しており、これまでに2名の助産師を二戸市に紹介したところであります。
 現在、他の市町村から宿泊型産後ケアの拡充に関する相談も受けており、市町村の事業ニーズに合った助産師を紹介できるよう、引き続き、助産師の確保やコーディネーターによるきめ細かな人材マッチングなどに努めてまいります。
   〔県土整備部長上澤和哉君登壇〕
〇県土整備部長(上澤和哉君) まず、防災、減災対策についてでありますが、県では、県内の全48水系で流域治水プロジェクトを策定し、岩泉町の小本川等における河川改修や河川内の堆積土砂の撤去などのハード対策と洪水浸水想定区域の指定などのソフト施策に取り組んできたところです。
 今後も、ハード対策を着実に実施するとともに、防災情報のさらなる充実強化に向けて、家屋倒壊等氾濫想定区域の指定による災害リスク情報の充実や水位周知河川の指定拡大などのソフト施策を大規模氾濫減災協議会の次期計画に位置づけ、取り組みを深化させていきます。
 また、住民が流域治水をみずからのことと捉えて行動することを促す自分事化の取り組みとして、パネル展やシンポジウムの開催等による住民の意識啓発も図りながら、引き続き、流域治水の考え方のもと、防災、減災対策に取り組んでまいります。
 次に、国道340号押角トンネル前後の改良についてでありますが、国道340号は、北上高地を縦断する唯一の緊急輸送道路として、防災面においても重要な役割を担う路線であることから、県ではこれまで、宮古市と岩泉町間の押角峠工区などの整備を進めてきたところです。
 押角峠トンネル前後の未改良区間約13キロメートルについては、幅員が狭く、急カーブが連続していることから、整備が必要な区間と認識しており、早期の整備効果の発現が期待できる宮古市和井内―押角工区、岩泉町浅内工区として、合わせて約3キロメートルの区間を事業化し、整備を進めています。
 残る未事業化区間約10キロメートルについては、まずは、事業中工区の早期効果発現が図られるよう整備に注力した上で、引き続き、災害に強い道路ネットワークの構築に取り組んでいきます。
   〔商工労働観光部長箱石知義君登壇〕
〇商工労働観光部長(箱石知義君) 商工指導団体の体制についてでありますが、県内の中小企業、小規模事業者を取り巻く経営環境の厳しさが増している中、事業計画の策定や経営改善、事業承継、災害時の支援など、対応すべき課題が複雑化、多様化し、経営指導員等の業務が質、量ともに増加しており、商工指導団体が果たすべき役割は非常に重要になってきていると認識しております。
 県としても、給与水準の引き上げの検討が必要と認識しており、今年度におきまして、経営支援員の補助単価の引き上げを行ったところですが、佐々木宣和議員御指摘のとおり、依然として東北各県を下回っている状況にあります。
 一方で、これまで商工会、商工会議所に対する商工業小規模事業経営支援事業費補助については、地方交付税措置額を上回る予算額を措置しており、さらなる補助単価の引き上げのためには、そのための財源の確保をどのようにしていくかということが課題と考えております。
 本年3月に策定された国の小規模企業振興基本計画(第3期)の中で、支援機関の体制・連携強化が重点施策として掲げられ、経営指導員等の人件費や事業費の確保に必要な地方交付税措置について盛り込まれていることから、国に対して必要な財源措置を講じるよう要望したところであり、引き続き、商工指導団体の経営支援体制の強化に向けた予算拡充について検討してまいります。
   〔ふるさと振興部長村上宏治君登壇〕
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 三陸DMOセンターの強化に係る取り組みについてでありますが、復興後の三陸地域の魅力を高める取り組みを一層推進し、三陸振興を総合的にプロデュースする体制として、公益財団法人さんりく基金や三陸DMOセンターの役割をさらに発展させる方向で調整を進めており、今年度は、三陸DMOセンターへの派遣職員を1名増員したほか、将来の役割を明らかにし、取り組みの計画的な推進を図るため、さんりく基金に三陸DMOセンター検討委員会を設置し、DMOとしてのアクションプランの策定を進めているところでございます。
 その検討に当たりまして、交流人口の拡大を地域での一層の消費拡大につなげていくためには、三陸地域全体を俯瞰した観光コンテンツの開発や磨き上げ、地域DMOや関係市町村相互が連携した地域資源の活用による相乗的な効果の発揮が重要であると考えており、こうした観点から、具体的な事業とあわせて、わかりやすい指標をアクションプランに盛り込むことについても議論を進めていきたいと考えております。
 引き続き、県とさんりく基金の緊密な連携のもと、復興後の三陸地域の魅力を一層高めるための体制の整備に取り組むとともに、地域の多様な主体と連携の上、可能な取り組みから順次着手して、三陸沿岸道路などの交通ネットワークを生かした観光振興の効果が早期に発現されるよう取り組みを進めてまいります。
   〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、漁業協同組合への支援についてでありますが、サケの不漁により、漁業協同組合は、定置漁業のほか、サケふ化放流事業についても十分に収益を確保できず、依然として厳しい経営状況にあることから、県では、サケ資源の回復とともに、サケ、マス類の海面養殖など新たな漁業への支援に取り組んでいます。
 サケ資源の回復と持続可能なふ化放流体制の構築に向けては、関係団体が取り組む大型で強靱な稚魚の生産と適期の放流、ふ化場の生産機能の集約化等を支援しています。
 サケ、マス類の海面養殖は、今年度の生産実績が約3、300トン、来年度は約4、000トンが計画されるなど、取り組みが着実に拡大しており、種苗の供給体制を整備するとともに、ふ化場施設を有効活用した種苗生産をより一層促進していきます。
 こうした取り組みを通じて、今後も、漁業協同組合の経営の安定と強化が図られるよう、市町村や関係団体と連携しながら積極的に支援していきます。
 次に、藻場の造成についてでありますが、県では、アワビ、ウニ等の資源回復に向け、これまで、県内5地区13漁場でブロック投入等による藻場造成のハード対策に取り組むとともに、5地区で海中林設置等のソフト対策を支援しています。
 宮古市田老地区等では、ブロック投入などにより海藻の繁茂が広がっており、昨年度ハード対策が完成した2漁場では、今年度から地元漁業者による海中林の設置等を進めており、さらなる繁茂の拡大が期待されます。
 こうした取り組みを一層推進するため、今年度の予算を、ブロック投入を開始した令和5年度と比べ、ハード対策は約2倍の5億円余、ソフト対策は約1.5倍の1、800万円余としています。
 今後も、国に対し、必要となる予算を安定的かつ十分に措置するよう要望するとともに、藻場造成に必要な予算の確保や重点化を図りながら、ハード対策とソフト対策の一体的な取り組みを関係機関、団体と一丸となって進めていきます。
 次に、林野火災対策についてでありますが、今般の林野火災は、平成以降で国内最大規模の延焼範囲であり、復旧面積は極めて大きく、復旧、復興に相当な時間を要するものと見込まれます。
 県では、国の森林災害復旧事業を最大限に活用するほか、6月にお示しした令和8年度以降のいわての森林づくり県民税の素案において、森林づくり県民税の対象に林野火災からの復旧の取り組みを加え、林野火災被害木の除去、林野火災跡地の再生に向けた植栽や保育への支援などを盛り込み、具体的な事業内容の検討を進めています。
 国に対しては、森林災害復旧事業の実施期間の延長や地方公共団体の財政負担の軽減を繰り返し要望しており、今後もさまざまな機会を捉え働きかけていきます。
 また、全県的な対策として、テレビ、ラジオ、ソーシャルメディアを活用した広報活動、郵便、宅配事業者と連携した普及啓発、消防機関への初期消火資機材の配備等に加え、今年度、新たにコンビニエンスストアへのチラシの配架を行うなど、今後も、広く県民に対してさらなる注意喚起が図られるよう、関係機関、団体等と連携して取り組みを強化していきます。
 次に、森林病害虫対策についてでありますが、本県の民有林は、ナラ類を含む広葉樹が面積の約半分を占めるとともに、針葉樹についてはアカマツの面積が最も多くなっており、これらの豊富な森林資源を守り、次世代に継承していくことが重要です。
 県では、病害虫被害の拡大防止に向け、県の防災ヘリやドローンによる航空調査や職員が行う地上調査により被害状況をきめ細かく把握し、被害の先端地域での被害木の徹底駆除を行い、被害地域の拡大防止に取り組んでいます。
 また、森林資源の確保に向け、いわての森林づくり県民税を活用し、ナラ枯れ被害については、高齢なナラ林を伐採し、被害を受けにくい森林への若返りを図るとともに、松くい虫被害については、アカマツ林から広葉樹林への転換を進めています。
 今後も、市町村や関係団体等と連携し、病害虫被害対策を積極的に進め、本県の豊富な森林資源の保全に取り組んでいきます。
   〔教育長佐藤一男君登壇〕
〇教育長(佐藤一男君) まず、地域産業を担う人材育成についてでありますが、県教育委員会ではこれまで、専門高校を中心に、地域資源を活用しながら地域や地域産業と連携する学びの支援をしてきたところです。
 例えば、県立宮古水産高等学校が岩手県立大学、沿岸広域振興局、地元企業と協力し、サバとシイタケを使用した缶詰の開発、県立遠野緑峰高等学校が地元企業と共同し、自分たちで栽培した米、地域伝統野菜などを使用した商品開発、県立盛岡農業高等学校が地元企業、コンビニエンスストアと共同して、県産食材を使用したコッペパンの開発など、各高校において、特色や魅力のあるさまざまな取り組みがなされてきたところです。
 第3期県立高等学校再編計画(当初案)では、今後の本県における高等学校教育の基本的な考え方の柱の一つとして、地域や地域産業を担う人材の育成を掲げ、地域社会や地元企業と連携、協働し、高等学校の魅力化を進めながら、地域への理解を深め、地域や地域産業を担う人材の育成に向けた教育環境の構築に取り組むこととしております。
 県教育委員会としては、引き続き関係部局や地域、産業界などの意見を伺いながら、これまでの取り組みを深化させるとともに、これらが持続的なものとなるよう支援してまいります。
 次に、県立高校の魅力化と生徒との進路希望実現に向けたマッチング精度向上についてでありますが、県教育委員会が令和3年度に策定した、いわての高校魅力化グランドデザイン for 2031に基づき、各高校では、スクールポリシーを策定し、特色化、魅力化の取り組みを進めるとともに、ウエブ配信サイトnoteを活用した情報発信を行うなど、中学生の進路選択に資する取り組みをしてきたところです。
 また、昨年度の入学者選抜から、各高校がスクールポリシーで示す求める生徒像を参考に、生徒みずからの判断で出願できる特色入試を導入しており、生徒一人一人が、その多様な資質、能力、興味、関心、適性に基づいて、より主体的に高校を選択できるようになったものと考えております。
 近年、生徒の興味、関心や進路が多様化していることを踏まえ、生徒一人一人の特性に応じた多様な可能性や能力を最大限に伸ばし、各自の希望する進路の実現を可能とする教育環境の構築に取り組む必要があると考えております。
 県教育委員会としては、引き続き、各高校の特色化、魅力化の取り組みを支援するとともに、生徒が主体的かつ意欲的に学ぶことのできる環境の構築に向け取り組んでまいります。
 次に、通学支援と寮整備などのハード面の対応についてでありますが、第3期県立高等学校再編計画(当初案)におきまして、専門高校や総合学科高校について、よりよい教育環境の整備を図るため、より広域での再編も視野に入れながら再編等を検討し、進めることとしております。
 また、通学等の支援につきましては、将来的な生徒数の減少や、広大な県土を有する本県の通学事情等を考慮し、学校統合を行う場合で、かつ通学が困難となる場合には、地元市町村と連携した通学等の支援のあり方について検討することとしております。
 再編計画当初案公表後の地域検討会議等におきましては、教育の機会の確保という点から、今後において再編計画を進めていくに当たり、通学支援や寮整備は必要である、寮生活に係る費用負担等について家庭の理解が必要である、親元を離れる生徒の日常生活に不安があり、寮整備について慎重な対応が必要ではないかなど、多くの御意見を頂戴しており、通学などの支援のあり方については、地域それぞれの状況を踏まえ、丁寧に議論してまいりたいと考えております。
〇20番(佐々木宣和君) それぞれ御答弁ありがとうございました。知事に対して、神楽のユネスコ無形文化遺産への拡張登録以外の項目について、再質問させていただきたいと思いますし、県立高校の話も1点、再質問させていただきたいと思います。
 まず、道路整備の話ですけれども、答弁の内容として、いわて県民計画(2019〜2028)に沿って道路整備を推進していく、災害に強い道路、通学路、歩道、物流基盤、観光道路などに取り組む。また、公共事業費の安定確保を国に要望というところでありました。
 きのうもマニフェストプラス39の路線に関する質問もあったところですけれども、まず前提として、岩手県は東日本大震災津波を経験して、復興道路、復興支援道路というものをつくってもらったと思っていて、これをうまく活用していくことによって、人口減少下でもこれくらいの規模の道路をつくった、とても効果があるのだということを発信することによって、また次の投資にも向かっていくのではないか、そういう期待にもつながってくるのではないかとも思っているところなのです。
 北岩手・北三陸横断道路―北・北道路に関して、先日、自由民主党岩手県連でも市町村要望調査で―私も行きましたけれども―野田村とか葛巻町のお話を聞いて、非常に期待していて、何とか人口減少に向き合いながら、還流人口というか、人が動くような環境をつくっていってほしいという話もいただいているのです。
 国費確保を働きかける等は、毎回、御答弁でいただくのですが、これまでは国にいろいろお世話になったけれども、県としてやりたいという姿勢を示すようなことを言っていかないと、なかなか難しいのではないか。そして、一番大切なのは、やはり知事にリーダーシップを発揮してもらって、知事がつくりたいということを強く発信することが大事なのではないかと思っております。
 改めて、北・北道路だけではなく、国道107号の話もありますけれども、これらの大きな事業に関して、どのようにリーダーシップを知事が発揮されていくのかということを伺いたいと思います。
 そして、次の中小企業、小規模事業者支援ですけれども、まず、御答弁の内容は、賃上げ原資確保のための生産性向上、価格転嫁支援、生産性向上補助金、物価高騰対策賃上げ支援金を実施しているという話、キャッシュレス関係事業、私が言ったものは、効果的ですけれども、財源が必要だという話。また、国の財政出動、最低賃金支援策に対応して検討していくというところですが、これも、震災の関係もあるのですが、お伝えしたとおり、現場とすると、沿岸地域の赤字等の企業の割合が、令和4年、5年、6年で68%、70%、70.3%とどんどん上がっているようなところもあって、非常に苦しいところもありますし、先ほど言ったとおり、岩泉町の商工会の会員が1割減ったり、宮古市では負債総額1億円以上の倒産が9件あるというところでもあります。
 消費喚起策もやりつつフォローも必要というところで、これを複合的にやっていかないといけないと思っているのですけれども、この地域にこういうポイントを持って支援するというのがなかなか難しいという気もしますが、今回、私が質問したのは、県北・沿岸振興の一環としてこういうことができないのかという観点で質問しているので、その点をどう考えるのかということも改めて伺いたいと思います。
 そして、政治姿勢の話です。成果として、製造品出荷額3兆円突破、117社立地、輸出額54億円などというところで成果を挙げていました。人口減少の中でも希望の持てる成果ということをおっしゃっていました。確かにそれは事実ですが、ポジティブな面だけではなく、結局、人口減少が問題で、若者流出を何とか抑えるというか、還流をつくっていかなければいけないということで、社会減ゼロも掲げているわけです。
 実際に、今まで10年間、人口減少に取り組んできて、全国、日本国とすれば10年前の予測よりも実はプラスになっている。ただ、それは外国人の数字があるかもしれないということも全体としてありますけれども、プラスになっている。47都道府県でいっても、30道府県だったか、数字は曖昧ですけれども、プラスになっている。
 岩手県はマイナス1.5%。これは、人口減少対策がなかなかうまくいっていないというのも事実だと思いますし、先ほど言った県北・沿岸振興も、成果として語るには、いろいろな取り組みが連動した上でそういった成果につながってくることが重要だと思うので、ポイントの成果を語るのは、もちろんわかりやすいのでいいかもしれませんが、それが連動して成果を出していかなければいけないということを私は思っているのですが、改めてその点も伺いたいと思います。
 さらに、政務秘書の話ですけれども、ことしは市町村要望や団体関係者の場に同席させているという話でございました。それであれば、それこそ県職員でできるような話でもあると思います。議会の質疑の中での透明性や業務範囲の具体の説明がないということに対する答えとして、正しい答えだったのかというのは、私は非常に疑問を持ったところでもありますので、意見書に対しての対応として、どう考えて、どう対応するのかということ、これを改めて伺いたいと思います。
 最後に、県立高校の話ですけれども、今、苦労しながら、それぞれの地域の方々から御意見を伺っていると思います。前提として、私もそれぞれの地域での意見交換会を聞かせていただいて、やはり県立高校は、それぞれの地域に高校があること自体が、地域としての希望を見出すような要因であるとも思っているのです。
 まず、目指している県立高校をどう守って魅力を高めていくかが前提ですが、その中で、一つは、私立学校の無償化に対して、議会でも何度か質問があるところですけれども、これが2026年から、制度設計はまだですが、私学の動きも徐々に見えてきているようなところがあって、我々県立高校は、かなり広い範囲で、校数もあるものが、それらの動きに対応するに当たって、スピード感を持って対応していかないと、私学のほうが動きが速い、意思決定も速いので、対応できるのかというところが少し不安を持っているところです。
 例えば、後期計画期間中の方向性の中で、盛岡地区で大規模な統合等の検討を想定しているということも書かれていますけれども、これを丁寧にやらなければいけないのですが、私学の動きに対してスピード感を持ってやれるかということを考えると、私学も含めた考え方をしていかなければいけないのではないかということと、私学の無償化にどう対応していくのかということ。
 もう一つは、他県では―大阪府の話ですけれども―公立の進学校でさえ定員割れするような状況になっている。そういったものに危機感を覚えて、徳島県では、企業と連携して高校生の海外留学を支援するような枠組みをつくって実践している例があって、これはおもしろいと思ったところでもありました。
 各地域の県立高校の大切さを踏まえつつ、民間連携での留学支援など、新たな魅力化施策に県立高校としてどんどん取り組んでいくような考え方があるのかどうか伺いたいと思います。
〇知事(達増拓也君) まず、道路整備に関する知事のリーダーシップという趣旨の御質問と受けとめておりますが、国道については、これは国道と言うくらいでありまして、国の理解のない中で県単独で整備をするわけにはいかないところであります。
 一方、国直轄の道路であっても、その整備、特に復興道路や復興支援道路に関しましては、県にも負担はありますし、さまざま事務的にも県で動かなければならないところもあり、震災のときは、徳山日出男東北地方整備局長とかなり突っ込んだ議論をして、県もやるなら国もやるということで行ったところであります。
 そのようなことが国道に関する事業では求められるわけでありまして、総額1兆円規模の事業でありますから、かなり突っ込んだ議論もしたのですけれども、県管理の3桁国道の場合であっても、ふだんから県土整備部と国土交通省の出先機関との間でさまざま情報の共有と意見交換を行い、要所要所で私もそこに参加しながら道路整備を進めていく。そこに知事のリーダーシップを発揮していかなければならないと考えております。
 岩手県としては、災害に強い道路、日常生活を支える安全な道づくり、産業振興、交流を支える道路、そういう基本的な考え方に基づいて―これはもう国にも理解してもらっていて―それに沿って個別の箇所づけ等の議論をして、毎年度の事業を進めているところであります。
 そして、中小企業、小規模事業者支援について、非常に厳しいのは岩手県沿岸地域の経営者、企業の皆さんに問題があってそうなっているわけではなく、やはりコロナパンデミックということが極めて異常な事態で、一時は消費活動が完全になくなった時期もあったわけです。そして、そこから何とか立ち直っていこうとするときに、ロシアとウクライナの戦争を契機とする物価高騰問題、これも本質的には、日本も対ロシア経済制裁に参加しているがゆえに、ロシアから安いエネルギー、燃料を輸入できない、世界的にそうなので燃料代が上がっているわけですが、いわば日本国経済も、ウクライナ戦争との関係では戦時経済になっているわけであります。そういう世界的な、そして国家間のやりとりの中で、やはり地方、さらに地方の中でも経済基盤、社会基盤の比較的弱いところに、しわ寄せが来るということなのだと思います。
 そして、ポイント還元事業のような需要創出、消費喚起策は、まさに減税か給付かということで、国による大型財政出動が―これは、どういう党との連立政権になっても、誰が総理大臣になってもやる方向で議論されていると受けとめておりますので―これに対応しながら県としてもやっていきたいと思います。
 なお、沿岸・県北地域特有の課題については、沿岸地域の場合、やはり漁業の問題、水産加工業の問題がありますし、また、沿岸地域独特の観光振興もあります。県北地域にも、再生可能エネルギー、また県北地域としての観光、地域資源を生かした産業といったところへの支援については、県独自にきめ細かく行います。国として大型予算で需要の引き上げ、そして、県としてそれぞれの地域の商工関係機関とも連携しながら、効果的な施策を行っていくということをあわせてやっていきたいと考えております。
 知事の政治姿勢についてですが、成果については例示したものでありまして、県の毎年度の成果あるいは4年まとめてのアクションプランの成果については、県議会議員に資料を提出し、県民誰もが見られるようにしているところであります。そうした全体の中で判断していただければいいのですが、質問にありました、地方創生10年の観点から、人口減少対策という視点について特に再質問があったと思います。
 先ほど申し上げたような、製造品出荷額の上昇や117社の新規立地や人材育成等の経済的な成果と、子育て支援等、医師偏在対策等の福祉を合わせたやり方で、岩手県の子供、子育て支援の体制や岩手県の雇用環境は、10年前に比べると大きく改善されています。同時に、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会があって、東京都への官民の物すごい投資が行われ、東京都での雇用環境が空前の活況を示し、さらには、そこに大阪・関西万博の準備も加わったりしており、そこは国も反省しているわけです。
 地方創生10年の反省の中で、目標達成できなかったので、地方創生2.0の中で、またパワーアップして地方創生をやっていこうということであります。そこを県としても、ある分は先取りし、例えばジェンダーギャップ解消の問題でありますとか、そういった地方創生2.0で力を入れるべきところ、関係人口についてもそうです。そういったところに力を入れながら、岩手県としては、新しい地方創生を進めていきたいと考えております。
 政務秘書の業務、秘書業務というのは、いわゆる事務方の一般職公務員である秘書課総括課長の秘書業務についても、どのくらい電話をかけているかとか、相手に直接足を運んで会いに行ったかというような、何をしたかということではなく、その結果、知事がきちんと会うべき人に会っているか、知事が行くべきところに行っているのか、その結果、知事がきちんと県庁各部局を指導監督して、県の事務の執行がきちんと行われているかというところで、秘書課長の仕事のよしあしは問われるものと思います。
 そういった意味で、市町村要望というのはマスコミも入りますし、かなりオープンな場であります。そして、知事は、そこに行政の長でもあれば政治家としても臨んでおりまして、これはもう県議会議員は目撃されていると思いますけれども、本庁から広域振興局に送っている、この要望にはこういう返答をするというものを、基本的に広域振興局の担当が述べているのですが、私は、それ以上に市町村側に寄り添ったコメントをしたり、また、事務方が用意していなかったような返事をしたりもしております。
 それは、政治は行政のチェックでありまして、どうも県の今の市町村要望に対する対応は弱過ぎると政治家として判断した場合には、行政としてきちんと組織的に準備したものとは違うことを、政治家の責任で話すということがあります。そこが、市町村要望が政務と関連のある部分ですが、そういう知事の政治家としての発言に対して、同席している政務秘書が、きちんとそれを補佐しているのだということが広く見える形にしたものであります。
 いずれにせよ、附帯意見にございました政務秘書のあり方については、透明性の確保など、本会議や予算特別委員会の議論を踏まえ、十分に検討することとなっておりますので、きょうの本会議での議論も参考にしながら、さらに検討していきたいと思います。
〇教育長(佐藤一男君) 私学の無償化に対する対応と企業とのさらなる連携等の取り組みなどはないかというお尋ねでございます。
 まず、県立高校は、県内の私立高校と相まって、切磋琢磨しながら本県の高校教育を担っているということであります。そういった中で、令和2年に私学の実質無償化というものが一旦なされています。これは所得制限つきのものでございますが、この際、県立高校から私立高校へ若干の志願者の移動が認められました。
 この先、さらに所得制限のない、上限がさらに上がるということで我々も注視しておりますが、大阪府、東京都において、佐々木宣和議員からお話があったとおり、公立高校の定員割れが進んだという情報も得ておりますので、我々としても非常に高い関心を持っております。
 一方で、従前から全ての県立高校におきまして、魅力化、特色化を進めております。例えば、海外という点で申しますと、先ほど県立遠野緑峰高校の例を申し上げましたが、これは商品開発をし、台湾の物産展にこれを持ち込みたいということで今動いているという情報もあります。
 さらに、今年度、魅力化の状況をnoteを使って国内に情報発信しておりまして、それによりいわて留学を展開している状況です。このいわて留学を進めるために、今年度から、島根県立隠岐島前高等学校の島留学を立ち上げた方々から構成される地域・教育魅力化プラットフォームという団体があるのですが、その団体と連携しまして、さらなるいわて留学の推進に取り組もうとしております。
 いずれ、私学の無償化だからやるということではないのですが、私学の無償化もにらみつつ、県内公立高校の魅力化、特色化を進めて、多くの県内外の中学生に岩手県の高等学校に入っていただけるような取り組みを進めてまいりたいと思っています。
〇20番(佐々木宣和君) 道路整備の話で、復興道路に関しては、県もやるなら国もやるという話をされました。ですので、今、マニフェストプラス39で掲げている路線に関しても、県がやるということを国にしっかりと言っていただけるといいと思ったところでございます。これは質問ではありません。
 次に、人口減少対策に関して、結局、国でも東京一極集中に関しては反省点であるということですが、これは数字を見ればわかる話でもあるので、実際、多分、東京圏の集中が20%とか何か予測値よりかなり上がったのは、数字として見ているようなところでもあります。
 それと同時に、岩手県内でも、県北・沿岸部の人口減少のスピードが2倍に上がっているのも事実であるので、岩手県全体を見ている知事として県北・沿岸振興に取り組んでいるので、この部分をもう少しやったほうがいいというのを県として独自に考えていくのは、やはり県を見ている人が考えるべきものでもあるので、改めてその部分を御答弁いただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 毎年3月11日が近づいてくると、全国的に、今、沿岸被災地がどうなっているかということが報道され、その報道の中で、岩手県に限らず、東日本大震災津波により被災した沿岸地域は人口減少が著しいということが言われるのです。
 ただ、岩手県の場合、沿岸市町村からの転出超過は、多くが岩手県内の他の市への転出であり、実は県外には余り出ていないというデータがございます。そういう意味では、沿岸地域のそれぞれの市町村は、その市町村の転出超過にすごく悩んでいる。これは県としてしっかり受けとめているのですけれども、ただ、まさに県という視点から見れば、岩手県民が県外に転出しないことに貢献している、残ってくれているというところもあるわけです。
 そういう意味でも、転出した一人一人のそれぞれの事情があり、決して消滅しているわけではなく、それぞれが自己実現するため生活や仕事を広域化している。特に道路も便利になっていますので、人生の広域化というような現象が、沿岸市町村でふえているということに対して、一人一人の幸福度が高まるような寄り添い方を県も行い、そして、実際に今やっているわけです。特に沿岸地域の村とか人口の少ない町には、県から人を派遣するなどして、さらにそれぞれの市町村にきちんと住民が残るような、また帰ってくる、やってくるような、それぞれの市町村としての転出超過を防いでいくこともともにやっているわけであります。
 特に、野田村は転入超過になった年もありまして、広域化をうまく工夫すれば、むしろ人口をふやす契機があり、かつ、関係人口という視点からすれば、どんどんふやしていけるのが岩手県沿岸地域であります。そこには、そういう視点から、県が一つ一つの市町村に寄り添って、それぞれの市町村が底力を最大限に発揮できるような人口問題対策を進めてまいります。
〇副議長(佐々木努君) 以上をもって佐々木宣和君の一般質問を終わります。
   
〇副議長(佐々木努君) この際、暫時休憩いたします。
   午後4時1分 休 憩
   
出席議員(47名)
1  番 田 中 辰 也 君
2  番 畠 山   茂 君
3  番 大久保 隆 規 君
4  番 千 葉 秀 幸 君
5  番 菅 原 亮 太 君
6  番 村 上 秀 紀 君
7  番 松 本 雄 士 君
8  番 鈴 木 あきこ 君
9  番 はぎの 幸 弘 君
10  番 高橋 こうすけ 君
11  番 村 上 貢 一 君
12  番 工 藤   剛 君
13  番 小 林 正 信 君
14  番 千 葉   盛 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 高 橋 穏 至 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 高 田 一 郎 君
26  番 木 村 幸 弘 君
27  番 吉 田 敬 子 君
28  番 高 橋 但 馬 君
29  番 岩 渕   誠 君
30  番 名須川   晋 君
31  番 軽 石 義 則 君
32  番 佐々木 朋 和 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城 内 愛 彦 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 郷右近   浩 君
41  番 小 西 和 子 君
42  番 高 橋 はじめ 君
43  番 五日市   王 君
44  番 関 根 敏 伸 君
45  番 佐々木 順 一 君
46  番 岩 崎 友 一 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(1名)
15  番 上 原 康 樹 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後4時23分 再 開
〇副議長(佐々木努君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   
〇副議長(佐々木努君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
〇副議長(佐々木努君) 日程第1、一般質問を継続いたします。郷右近浩君。
   〔40番郷右近浩君登壇〕(拍手)

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