令和7年9月定例会 決算特別委員会会議記録

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令和7年10月22日(水)
1開会 午前10時1分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 柳原 悟
議事管理担当課長 佐 藤 博 晃
主任主査 柴 田   信
主査 高橋真悟
主査 高橋美樹
主査 佐藤祐基
主査 佐々木 賢一郎
主査 三 浦 訓 史
1 説 明 員
農林水産部長 佐 藤 法 之
副部長兼
農林水産企画室長 大 森 健 一
農政担当技監 照 井 富 也
農村整備担当技監
兼農村計画課
総括課長 今 泉 元 伸
林務担当技監 砂子田   博
水産担当技監 森 山 拓 也
技術参事兼
畜産課総括課長 村 上 勝 郎
技術参事兼
水産振興課
総括課長 筒 井   実
技術参事兼
漁港漁村課
総括課長 工 藤 明 彦
競馬改革推進室長 山 田 智 幸
農林水産企画室
技術特命参事兼
企画課長 坂 田 健 一
農林水産企画室
管理課長 尾 形 将 敏
団体指導課
総括課長 臼 井   宏
指導検査課長 森   昌 弘
流通課総括課長 高 橋 秀 司
流通企画・
県産米課長 照 井 儀 明
農業振興課
総括課長 高 橋 真 博
担い手対策課長 櫻 田   学
農業普及技術課
総括課長 鈴 木 茂 寿
農業革新支援課長 稲 田 聖 児
農村建設課
総括課長 吉 田 秀 寿
農産園芸課
総括課長 柏 原 一 成
水田農業課長 日 影 勝 幸
振興・衛生課長 佐々木 幸 治
林業振興課
総括課長 高 橋 幸 司
森林整備課
総括課長 高 芝 俊 雄
整備課長 成 松 美 樹
森林保全課
総括課長 小 川 健 雄
漁業調整課長 野 澤 清 志

会計管理者 滝 山 秀 樹
会計課総括課長兼
会計指導監 矢野 睦

監査委員 五 味 克 仁
監査委員 中 野 玲 子
監査委員事務局長 大 坊 哲 央
参事兼監査第二課
総括課長 長谷川 英 治
監査第一課
総括課長 加 藤  肇

参事兼
財政課総括課長 佐 藤 直 樹
〇佐々木茂光委員長 これより本日の会議を開きます。これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで及び議案第25号の以上16件を一括議題といたします。
 本日は農林水産部関係について、延べ18人の質疑を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたしました。
 また、関連質疑の取り扱い、換気のための休憩につきましては、これまでと同様でありますので、御協力をお願いいたします。
 なお、委員各位御承知のとおり、本日の農林水産部の審査につきましては、議会運営委員会の決定に基づき、第1部、第2部に分けて審査することとし、第1部では農業関係分野について、第2部では林業関係分野及び水産業関係分野について審査することになっておりますので御了承願います。
 初めに、農林水産部長に農林水産部関係の説明を求めます。
〇佐藤農林水産部長 それでは、令和6年度の農林水産部関係の決算について御説明申し上げます。
 初めに、事務事業に係る取り組みなどについて御説明申し上げます。
 当部では、いわて県民計画(2019〜2028)の復興推進プラン及び政策推進プランに基づき、農林水産業の振興に係る取り組みや、生産資材価格等の高どまりを踏まえた影響緩和対策を実施しました。
 復興推進関係では、水産業リボーン宣言に基づき、サケやアワビ等の主要魚種の資源回復、蓄養ウニ等の増加している資源の有効利用、サケ、マス類の海面養殖などの新たな漁業、養殖業の導入に向けた支援のほか、藻場の再生や海業のビジネスモデルづくり等に取り組みました。
 政策推進関係では、意欲と能力のある経営体の育成、収益力の高い食料・木材供給基地づくりなど、四つの政策項目に基づき、農林水産業の核となる経営体の育成や、メタバースの活用等による新規就業者の確保、スマート農業技術の開発、普及や有機農業等の実践者を育成する、いわてグリーン農業アカデミーの開講、再造林等の計画的な森林整備の促進、県オリジナル水稲品種白銀のひかりの開発や、国内外でのトップセールス等による農林水産物の販路の開拓、拡大、農村の活性化に取り組む農村RMOの育成と活動支援などに取り組みました。
 また、生産資材価格等の高どまりを踏まえ、配合飼料購入費への支援や、省エネルギー化設備の導入などに取り組みました。
 今後も、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる政策の着実な推進を図るとともに、資材価格等の動向を注視しながら、経営体質の強化等に取り組んでまいります。
 続きまして、当部関係の令和6年度の決算について御説明申し上げます。令和6年度岩手県歳入歳出決算書の20ページをごらん願います。
 一般会計歳出決算の農林水産部関係は、6款農林水産業費のうち県土整備部が所管するものを除いたもの及び22ページに参りまして、11款災害復旧費1項農林水産施設災害復旧費、12款公債費の一部及び13款諸支出金の一部であります。
 特別会計の決算につきましては、40ページが県有林事業特別会計、42ページが林業・木材産業資金特別会計、44ページが沿岸漁業改善資金特別会計となっております。
 一般会計及び特別会計を合わせた当部全体の予算現額は1、027億9、034万円余、これに対する支出済額は711億9、279万円余であります。
 また、翌年度繰越額の合計は247億4、364万円余、不用額の合計は68億5、390万円余であります。
 以上で農林水産部関係の説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
〇佐々木茂光委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事の進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明のうち、第1部農業関係について質疑はありませんか。
〇神崎浩之委員 私は、岩手県の米政策について質問してまいります。
 昨今の米不足、それによる米価高騰、国は米の増産にかじを切りました。一方、米が足りているかどうか、生産量がどうか、在庫がどうか、流通がどうか、いまだわからない状況であります。新米が出て4、000円から5、000円と高値で売買されているようでありますが、実は逆に、生産者も米余りによる暴落を心配している方々がおります。
 県として生産量の把握をどうしているのかということですが、作付面積を把握する、それから、10アール当たりの単収の調査、それを県で集めまして国で公表しているということもあります。その中で、補足として、岩手県の場合は、県の農林水産部が独自に稲作状況調査等や現地調査を行っていると聞いておりますが、県として、県内の米の生産量の把握、作付面積であったり、作況指数であったり、収穫量をどう捉えているのかお聞きしたいと思います。
〇日影水田農業課長 県では、国の公表するデータにより生産量等を把握しているところでございます。
 今月、国が公表した令和7年産水稲の作付面積及び9月25日現在の予想収穫量によりますと、本県の主食用米の作付面積は4万6、900ヘクタールで、前年と比べ3、800ヘクタール増、予想収穫量は25万400トンで、前年と比べ1万5、100トン増となっているところでございます。
 また、作況指数につきましては、米の作柄のよしあしを示す指標としまして、直近30年の平年収量と比較して指数を公表してきたところでございますけれども、今回廃止されまして、新たに直近5カ年で最も収量が多かった年と少なかった年を除いた3カ年の平年値をとりまして、当年産と比較して指数化する作況単収指数ということで公表しておりまして、令和7年産の本県の指数は101と見込んでおります。
〇神崎浩之委員 先般、農林水産省の発表で、収穫量は岩手県は25万トン、それから1万5、000トンふえるという報道でありました。10アール当たり2%減少だが、主食用米の作付がふえているようだということでありますが、この報道発表に対して、県は、県内の生産量についてどのように関与してきたのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
〇日影水田農業課長 作付に関する県の関与ということところでございますけれども、こちらにつきましては、今までもですけれども、米の需要、消費動向等を踏まえて、その需要に応じた生産ということで取り組んできたところでございます。
 今回の作付面積等の増加につきましても、需要に応じてしっかりとその需要に対応した生産ということで支援をしてきたところでございます。
〇神崎浩之委員 今、需要という話が出たのですけれども、実際、米の需要はわかるものですか。確かに、需要に対して、それに生産量が伴えばいいのだけれども、需要について県は把握できているのですか。
〇日影水田農業課長 需要等につきましては、細かな部分というところにつきましては、神崎浩之委員御指摘のとおり、なかなか難しい部分はあるかなということで承知しております。実際には、関係団体等の販売状況だとか、そういったところを踏まえながら、それに見合った生産ということで一緒に取り組んでいるところでございます。
〇神崎浩之委員 そうだと思います。需要ははかりかねると思います。インバウンドも含めてということで。それはそれとして。
 国は、今までやってきた作況指数を廃止するということでありまして、2027年度から新しい方法で表示していくということだったのですが、これに対する国から県に対する指示なり情報提供なりがあるかということをお聞きしたい。
 あと、これを踏まえて、今、県はどういう動き、心配、課題をしているのかお聞きしたいと思います。
〇日影水田農業課長 新たな作況単収指数への対応等ということでございますけれども、国からは、現地の情報を詳細に調べて精度の高いものにしたいということでお話を伺っておりまして、実際、災害だとかそういったところの情報なども情報提供の依頼というところでお話を伺っているところでございます。
 今回の指数の見直しについての受けとめでございますけれども、今まで30年のトレンドで来ているところが直近5カ年の、実際には3年平均ということですので、直近の収量にかなり影響される部分はあるかと考えております。
〇神崎浩之委員 最終的には、国内全ての圃場を衛星データで解析して収穫量を予測するという話もあるのですが、現場からすれば、収穫量、稲を刈っても精米してみないとよくわからないのだということです。今回も、みんな精米するまで心配しておりました。夏の水不足等も含めて、とれたことはとれたけれども、精米してみないとわからないということがあって、これも正確な把握とはいかないと思いますが、いずれ、県独自でさまざま現場を回りながら意見を収集していくというのが一番なのかと思っております。
 それからもう一つ、県として県内の米の流通状況の把握はどの程度されているのかということであります。大昔であれば、食糧管理制度もありましたし、JAがほとんどという時代もあったのですが、現在、県内の生産者がどういうところに納めているのかという把握については、どの程度されているでしょうか。
〇照井流通企画・県産米課長 県では、県産米について、これまで全農岩手県本部や卸売業者の協力のもと、県内や主な販売先であります首都圏、関西圏、中京圏の流通量を調査しております。
 直近で把握しています令和5年産米について、主食用米の収穫量は23万6、000トンでございました。このうち、JA等集荷団体の取り扱い数量は約15万1、000トンと承知しております。これ以外の8万トンについては、飯米、縁故米などとなっておりますが、詳細な流通状況については、把握が困難な状況となっております。
〇神崎浩之委員 一般の食品も、どこにどのように流れているのかわからない状況なので、なかなか難しいとは思いますけれども、これから留意しながら進めていただきたいと思います。
 三つ目、新たな米の品種の研究と栽培技術についてどうかということであります。白銀のひかりということで、低温、県北地域向けのすばらしい米ができました。一方で、農家からは、高温に対して強い米をつくってほしいということでありまして、県農業研究センターの方々にも私も事あるごとにお話をしていて、進めていますということだったのですが、例えば、高温に強い米の研究の状況について。それから、栽培技術について、今回の米不足の中で、テレビでもさまざまな手法が出ておりました。例えば、乾田直播栽培ということで、陸前高田市や一関市や遠野市でやり始めているようですけれども、田植えが不要であり、大分、人手の省力化ができる。スマート農業も取り入れれば、さらに生産のコストが下がるということだったのですが、新たな品種の研究と栽培技術についてはどうなっているのか、お伺いいたします。
〇日影水田農業課長 水稲の品種開発についてでありますけれども、水稲の高温登熟耐性品種の開発につきましては、県では、今年度、二期作が可能な沖縄県と連携し、年2回の試験栽培を行うなど、品種開発の加速化に取り組んでおり、現在、ことし2作目が順調に生育中で、11月に候補となる品種の選抜を行うこととしております。
 また、今年度中に県農業研究センター内に、高温登熟環境を再現できる栽培評価施設を整備することとしておりまして、こうした取り組みにより、品種開発に要する期間を2年間短縮し、最短で令和10年度に奨励品種への採用の可否が判断できるよう、早期に開発を進めてまいります。
 乾田直播栽培についてでございますけれども、乾田直播栽培は、移植栽培と比べて雑草の抑制が難しく、倒伏しやすいことや、春先の低温により発芽がそろわないことなどにより、収量が安定しにくいことに加え、専用の播種機や土の鎮圧に必要な作業機等、新たな投資が必要であるといった課題があると捉えております。
 一方で、育苗や田植え作業が不要となるため、労働時間の削減、コスト低減などが期待できまして、移植栽培と組み合わせることで作業分散による規模拡大も可能ということでございます。
 乾田直播などの低コストの低減に取り組むことで、いわて農業生産強化ビジョンに盛り込んでいるところでございまして、経営体の経営規模や、所有する機械装備などの実情を踏まえて、経営体に適した技術の導入を進めているところでございます。
〇神崎浩之委員 二期作米が11月ぐらいに出るということでありましたけれども、これはどの地域でやっているのか。見てみたいし、食べてみたいと思うんですが、いかがですか。
〇日影水田農業課長 今は沖縄県の選抜というところであり、大きな面積ではやっておりません。名護市の研究施設の中において小さな面積でやっているところでございます。
〇神崎浩之委員 いずれ地球温暖化、これはなかなか抑えることができない状況の中で、岩手県の技術を駆使して、それに耐える米をつくっていただきたいと思います。
 飼料用米についてです。きのう、福井せいじ委員から酒米が足りないということだったのですが、今回、収量が減っても岩手県の米はふえるということだったのですが、飼料用米を主食用米に変えているということなのですけれども、これらの把握は県でどうされているのか。
 それから、飼料用米が主食用米に変わることによって、飼料用米を使っていた方、畜産関係を初め、影響はどうなっているのでしょうか。
〇日影水田農業課長 飼料用米生産等の動きということでございますけれども、各JA等に聞き取りをしますと、畜産農家と結びついている飼料用米については、今年度もしっかりと生産されていると聞いているところでございます。
〇神崎浩之委員 飼料用米を国は進めておいて、それに合わせた餌をブレンドして始めたところ、飼料用米から主食用米にということであって、畜産農家でもせっかくノウハウをためたところで影響が出たら心配だと思っておりました。このようなことも推移を見届けていただきたいと思います。
 それから、今、民間同士で外国米、輸入米がたくさん日本に入っているということであります。アメリカ産は2、000倍入っているということで、1キログラム341円の税金を払ってでも民間から民間では日本の米が高いということで、どんどん外国産米が入ってくるということですが、これはわかる範囲でいいですけれども、外国産米が岩手県内に入っているかどうかについて、もしわかれば教えていただきたいと思います。
〇照井流通企画・県産米課長 外国産米について、県内の流通については詳細には把握できておりません。外国産米については、国産米の不足感、価格高騰要因としてミニマムアクセス米の枠外の民間貿易による輸入が大きく増大し、大手スーパー等での取り扱いが拡大しているものと承知しております。
 商社等による外国産米の輸入であるとか、ミニマムアクセス米が主食用米に仕向けられ、流通量が増加した場合には国内需給に影響が懸念されますことから、市場への影響について、引き続き注視してまいります。
〇岩渕誠委員 私はまず、高温対策について伺います。
 地球温暖化の影響、これが米などの生産に影響して、価格等にも影響しているわけであります。そこでお伺いいたしますが、まず、令和6年度中の高温被害の具体的状況についてお示しください。
〇坂田技術特命参事兼農林水産企画室企画課長 高温被害の状況という御質問でございました。ことしの6月から8月にかけての高温少雨の影響によりまして、10月16日現在ではございますが、17市町村において、水稲、ミニトマト、ピーマンなどで被害が確認されております。
 このうち、水稲につきましては、内陸地域を中心に、不稔や白未熟粒、胴割れなどの発生による収量への影響が心配されているところでございます。
 県では、現在、市町村やNOSAI岩手―岩手県農業共済組合、JA等の関係機関と連携しながら、現場での被害調査を進めております。早期の全容把握に努めているところですので、今しばらくお待ちいただければということでございます。
〇岩渕誠委員 私も回っていると、ことしは水がないところがほとんどであり、3割、4割とか半分しかとれないとか、極端な状況になっていると思っております。今、把握中ということなので、具体的に被害金額等も含めて、きっちりと出して、状況をよりわかりやすくやっていただきたいと思います。
 そうした中で、ここ数年間は、岩手県としても高温対策に取り組んできたわけでありますが、主な高温対策についてお示しいただきたいと思います。
〇稲田農業革新支援課長 県では、ことし4月に高温等による農作物等被害防止技術対策会議を開催いたしまして、県の取り組みの方向性を取りまとめた高温等の気象変動への適応策を公表し、技術対策の指導を強化しております。
〇岩渕誠委員 技術対策をやっているのはわかりますが、それを超える環境変化に対応するのは、品種の力というのが一番であります。先ほども議論がありました耐熱の品種の開発状況、これは令和10年にやるということですが、一方で、金色の風もそこを目指してやっていると思っていました。金色の風を含んで、耐熱性を持たせた米の品種は、令和10年に、先ほど選抜をするための判断をするということだったのですが、市場投入ということになると、具体的にはどのあたりを目指しているのでしょうか。
〇日影水田農業課長 先ほど高温登熟耐性品種の開発について御答弁させていただいたところでございますけれども、令和10年度に奨励品種への採用の可否が判断できるような、最短でそういうスケジュールで進めているところでございます。そこで判断されますと、そこから種子の増殖だとかそういった作業が始まりますので、最短で2年後あたりから本格的な作付になるかと思います。
〇岩渕誠委員 そうすると、四、五年かかるという話であります。まず、ここで問題なのは、今、岩手県の主食用米の栽培のほぼ6割以上は、ひとめぼれなわけです。ひとめぼれは、御承知のとおり、岩手県では平成3年に奨励品種になって、昭和50年代の冷害をきっかけに耐冷品種ということでつくられた品種です。だから、ウィキペディアでも何でも見れば、耐冷性は極強と出ます。極強のものをずっと、6割のところでやっている。したがって、ひとめぼれで最近、食味ランキングで特Aをとれていない。ひとめぼれで全国で特Aをとっているのは大分県だけです。
 品種の力という意味で言うと、今、開発している品種を置きかえるのは、ひとめぼれを置きかえようとしているのか。今のひとめぼれに対する県の取り組み方も含めて、どういう考えなのかお示しをいただきたいと思います。
〇稲田農業革新支援課長 ひとめぼれの位置づけですが、本県で最も作付されておりますひとめぼれにつきましては、平成5年の冷害を契機に作付が拡大しており、高温登熟耐性は実際には有していないということでございます。しかしながら、近年の高温下におきましても、適切な水管理や適期収穫等を徹底することで、高い1等米比率を維持しているということで、本県を代表する品種として定着しているものと考えております。
 今、開発を進めている品種につきましては、県南地域等を中心とした品種を先行して進めているところでございますので、そういったところも総合的に判断しながら、品種導入の可否等について進めてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 これは農家の高い技術力によって保たれているというのが実態でありまして、ひとめぼれの場合は倒伏性もありますから、そういう意味では、新たな品種が必要だと思います。
 ただ、市場投入までまだしばらく時間があるとなると、この間どうするのだという話になるわけです。県南地域では、高温に強い品種が今、出ています。一番代表的なものは、山形県のつや姫です。このつや姫は、今、宮城県とかを初め各県で栽培しています。宮城県は、ひとめぼれを宮城県古川農業試験場でつくったのだけれども、食味コンクールで特Aをとるのはつや姫なのです。
 したがって、他県のところではあるのだけれども、山形県はどんどんほかでつくってくださいと転換しているので、手っ取り早い方法は、高温に強い品種を導入して、奨励品種にして、きちんと取り上げるということも対応策としてあると思います。今はつや姫をやっている人もいます、コシヒカリをやっている人もいますが、いずれも岩手県で奨励品種に入っていないから、商系統の契約とか、値段がきちんと上がる取引が絶対だというところを条件にしてやっているのだけれども、これだけ高温障害が出てくることを考えれば、現実対応として、うまくいっている品種を入れるということが必要だと思いますが、いかがですか。
〇日影水田農業課長 つや姫など他県で開発した品種の導入ということでございますけれども、つや姫につきましては、山形県の作付に関する許可が必要だという品種になっておりまして、この品種の導入に当たりましては、本県の気象条件下での栽培実証を行い、高温や低温でも安定的に収量や品質が確保できることなどを調査し、関係機関との協議のもとに導入の可否を判断しております。
 つや姫につきましては、高温登熟耐性を有しているものの、本県の高温化において、本年度、ひとめぼれより出穂が10日以上遅く、十分に登熟できなかったことから、安定的な収量、品質の確保については、なかなか難しいかと捉えているところでございます。
〇岩渕誠委員 これはぜひ現場を再調査していただきたいと思います。きっちりやっているところはやっています。そして、山形県は奨励品種にすることを条件に種子を出していますから、100町歩というハードルがあるのだけれども、まずはきちんとやれる品種があるわけで、技術もあるわけだから、それはもう一度再調査していただきたいと思います。私が現場で聞いている限りは、つや姫に対しての農家の信頼感はかなり上がってきていると思います。
 次に、米の生産体制についてお伺いいたします。
 令和6年の生産費が上がった中でも米価は上がりました。収支ラインについてお示しください。
〇日影水田農業課長 令和6年産米の10アール当たりの収入額につきましては、本県ひとめぼれのJA概算金と、国が公表している本県の収穫量をもとに試算しますと、17万2、900円となっております。
 また、10アール当たりの生産費につきましては、東北地方の生産費をもとに、価格高騰分を加味しまして、機械的に試算したところ、1から3ヘクタールの作付規模で14万1、763円となっておりまして、収入額が生産額を上回っている状況でございます。
〇岩渕誠委員 ある程度、普通にやっていれば黒字となるという状況、高値になっているからということですが、それを踏まえて、皆さん、飼料用米にも、今まで政策でやってきたところよりも高いですから、それは移動するということであります。だから、農家は飼料用米の専用品種よりは、ひとめぼれで飼料用米をつくって、保険をかけていたというのが実態だと思います。
 その中で、作付状況について、先ほどもありましたけれども、もう少し具体的にお示しをいただきたいわけでありますが、これは主食用米がふえたと言っているけれども、要は、トータルの面積ではそう変わらず、加工用米、飼料用米からの移動が見られるわけでありますが、どの程度移動しているのかお示しください。
〇日影水田農業課長 国が今月公表しました令和7年産の水田における作付状況を見ますと、本県の主食用米の作付面積は4万6、900ヘクタールと、前年と比べ約9%の増、飼料用米の作付面積は約2、900ヘクタールと、前年と比べ約40%の減、ホールクロップサイレージ用稲の作付面積は約2、000ヘクタールと、前年と比べ約22%の減、加工用米の作付面積は約800ヘクタールと、前年と比べ約38%の減というところでございます。
〇岩渕誠委員 だから、加工用米とかが足りなくて、きのうもありましたけれども、酒米が足りないということは、そういうことなのです。当然、農家はもうからないやつはやりませんから、そのようになっているわけです。だけど、そういうのでいろんな目詰まりができているということです。
 トータルの面積を見ても、農作物の作付面積はどんどん減ってきています。そうした中で増産体制にしろという国の方針が、単純に戦略作物、新規需要米を移動しろということなのか、もっとグロスをやれということなのかといえば、加工用米もやってくれ、飼料用米もやってくれとなると、普通に考えれば、全体の耕作面積をふやさないといけないということになるわけです。今後の価格動向にも大いに影響されるわけですけれども。
 そこで復田というものでございます。実際には大変厳しいものがあると思います。復田等について、これはどの程度、今、復田ができているのかどうか、県の認識を伺います。
〇日影水田農業課長 国では、平成21年産から、調整水田等の作物の作付をしていない水田への助成は行わないこととなっておりまして、現在の水田活用の直接支払交付金におきましても、同様の規定としているところでございます。
 復田に向けた調整水田につきましては、県では、水田機能を維持しつつ、水田を有効に活用する観点から、加工用米や飼料用米等への作付を進めてきているところでございまして、引き続き、水田を最大限に活用できるよう、水田での作付を推進してまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員 復田をするということは大変厳しくて、今、例えば、永年性牧草といったところでやると、コロナ禍前でしたけれども、100メートルの畦畔を直すのに、当時、大体27万円ぐらいかかると言っていたのですね。水田活用の直接支払交付金のときに私は言っていますけれども、今は多分35万円ぐらいかかるでしょう。その他、水路の整備もかかると相当な額になるわけです。同じ田んぼを復田にするにしても、調整水田のほうが楽なわけです。
 ところが、その調整水田に対しての補助金はゼロなわけです。効率よく、本当に国が本気になって復田をしようと、水田に対して作付をやろうというのだったら、この調整水田を使わない手はないわけですよね。水張り管理とかいろいろやって、すぐできるわけだから。ここに対してきちんとやらないといけないというわけでありますが、参考までに、復田に対する費用はどのぐらいかかるか示してください。
〇今泉農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 復田に係る整備につきましては、地域の状況によりまして一概には言えないわけでございますけれども、例えば、現在、国の補助事業、あるいは県単事業でつくっております、いきいき基盤整備事業で言いますと、例えば、単価的には、畦畔除去につきましては、幅があるのですけれども、10アール当たり6万円から25万円、そういった金額がかかるという単価が示されているところでございます。
〇岩渕誠委員 除去でなくてつくらないといけないのだけど、反対の話なのだけど、単純に国は増産しなさいと言うけれども、簡単ではない。もともと構造的に厳しいのですけれども、まずやってもらうのであれば、こういった補助金の細かなところまで示していかないと、本当に増産は成り立たない。これを一番知っているのは岩手県の現場です。岩手県庁もよく知っているわけで、霞が関の人間だったらほとんど知らないだろうから、きちんと対応をしていただきたいと思います。
 最後に、牛の話をします。昨年、一昨年と生産費が上がるのに対して販売金額が下がっていますから、特に子牛を中心に、赤字幅が4万円、5万円というのが平均価格でも出ている。肥育のところも上が全然伸びないという状況であります。今、畜産業界は赤字の中で苦労しているというのが実態であります。
 一番は、販売断面のいわて牛が売れないと繁殖も上がってこないという実態でありますから、ここまで来ると、ずっと十何年言っていますけれども、統一ブランドをやらないといけない局面に来ていると思います。上場頭数も4、000頭に来て、このままだと東京市場は、3、000頭台に転落する。やはり全県統一のブランドをきちんとやっていただきたいと思うのですが、見解を伺います。
〇照井流通企画・県産米課長 全県統一ブランドの必要性と進捗状況でございます。
 ブランド牛として評価を高めていくためには、市場において一定のシェアを獲得し、流通関係者の需要に応えられる頭数を継続的に出荷することが重要と考えております。
 このため、県や市町村、関係団体等で構成します、いわて牛普及推進協議会では、いわて牛生産流通戦略に基づきまして、農業団体や生産者団体とともに、出荷頭数の確保に向けて取り組んできたところでございます。
 その結果、岩手県家畜商業協同組合と岩手北上肉牛出荷組合が協議会に入会したほか、岩手県前沢肉牛生産協同組合も令和5年から、いわて牛として出荷を始めております。
 今後も、県内の各団体に対しまして、ブランド統一の意義ですとか実需者のニーズ等を伝えながら、出荷頭数の確保を図るとともに、いわて牛のブランド力向上の取り組みを進めてまいります。
〇岩渕誠委員 この答弁はもう何年も前に聞きました。もうやるか、やらないかなのです。それをきちんとやっていただきたい。そうでないと、岩手県の和牛生産者は崩壊してしまいますので、本気になってやっていただきたいと思います。
〇飯澤匡委員 知事の海外トップセールスについて、まずお伺いします。
 昨年の12月、ことしの9月、2年連続北米訪問をいたしました。全く抽象的な質問になりますけれども、この意義と具体的な成果、何を狙って2年連続行ったのか。このことについて、しっかり報告をお願いします。
〇高橋流通課総括課長 北米訪問の意義と具体的な成果についてでありますが、米国及びカナダは、令和6年3月に策定いたしました、いわて国際戦略ビジョン(2024〜2028)におきまして、県産農林水産物の有望市場と位置づけておりますことから、本県出身メジャーリーガー3人の活躍など高い話題性も生かすため、本年1月に続きまして、9月にトップセールスを実施したところでございます。
 これらのトップセールスでは、現地日系スーパーやレストランと連携した、いわてフェア、シェフやバイヤー等を対象といたしましたレセプションを開催いたしまして、多くの関係者から県産品について高い評価を得たところでございます。
 レセプションにおいて県産食材を調理しましたシェフが来県いたしまして、県産牛肉や水産物等の商談を実施したほか、9月にロサンゼルスでフェアを実施しました現地日系スーパーが、10月に他の都市で開催したフェアでも県産農林水産物を取り扱うなど、取引拡大の動きがあるところでございます。
 このような好循環を生かしまして、引き続き、県産農林水産物のさらなる輸出拡大に取り組んでまいります。
〇飯澤匡委員 知事は5期目の当選をしたとき、海外に打って出ると言いました。本人が打って出るのかよくわかりませんけれども、バンクーバーは2回連続行きましたよね。2回目というのは、それなりのベンダーとの契約だとか、そういう目的がはっきりしないと2回連続行かないものだと、普通そういうふうに考えますけれども、そこのところの具体的な契約案件だとか、そういうものはしっかり結びついているのかどうか。これは効果が期待されるから知事も2回もバンクーバーに行くと思うけれども、その点についてはどうなのですか。
〇高橋流通課総括課長 今回知事が直接現地関係者にPRした際、現地のシェフや飲食店関係者から、実際に取り扱いたいという声や、実際にフェアを継続したいという声を直接いただいたところでございます。こうした声や現地のネットワークを生かしながら、県産牛肉や他の農林水産物の輸出拡大に向けた取り組みを引き続き実施してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 フェアとかそういうのは結構なんだけれども、問題は、岩手県の生産者にとって実益が出るかどうかということが最終的に問題なわけでして、そこが課題だからトップセールスをするのでしょうけれども、僕が何回もこだわるのは、2回行ったら大体の量は確定して、フェアだけではなくて、そこはきちんと詰めて行っているのだろうと思っています。普通、民間だったらそうやりますよね。社長が行くのだったら。そういうところはなかったのですか。
 引き合いはあったということはわかりましたけれども、それを確実に、1カ月に何トンかコンテナで送るとか、そこら辺までやってもらわないと意義が出ないのではないかと私は思うのですが、そこら辺までの商談は行き着かなかったのですか。行き着いたのか、行き着かなかったのか、答えてください。
〇高橋流通課総括課長 カナダへの輸出実績というところでございますけれども、詳細なデータにつきましては、現在取りまとめ中でございますが、輸出を行っている事業者から伺ったところ、牛肉につきましては、令和5年から令和6年にかけまして、2割増につながっていると聞いているところでございます。
〇飯澤匡委員 2割とは、元は何トンなんですか。
〇高橋流通課総括課長 申しわけありません。具体的な量につきましては、業者から非公表と伺っているところでございます。
〇飯澤匡委員 それでは伝聞で2割増ということなのですね。2回も連続して行ったなら、それだけの成果を期待しますよね。そこの詰めが、フェアだけではだめなのです。ただ行って商談会をするだけでは。しっかりとした成果をあらわしていかないと。
 今後、打って出るというのだから、確実にそれを結びつけていかないとならないのですけれども、今後どのようにつなげていくのか。JAもトップが一緒に行っているわけですから、そこら辺は全農いわて本部と販売戦略について、流通課はどのような戦略を持っているのか、それを示してください。
〇高橋流通課総括課長 県としましては、JAグループや市町村、関係機関、企業等で構成いたします、いわて農林水産物国際流通促進協議会を設置しております。この協議会の活動を中心といたしまして、アジア地域や北米地域をターゲットに、米、リンゴ、牛肉を初めとする県産農林水産物の輸出拡大に取り組んでまいります。
〇飯澤匡委員 会をつくるのはいいのだけれども、確実に成果をあらわさないといけない段階に入っていると私は思っていますので、これからもしっかりと注視をしていきます。
 あした県土整備部でお話をしようかと思っているのですが、輸出については、通関はJAの関係でみんな東京都に送っているのです。それも少しもったいない。岩手県は岩手県でしっかりとした輸出体制をつくるまで、流通までしっかりやってもらわないと、岩手県としての利益が出てこないとなりますので、そこら辺もきちんと見通して、輸出に力を入れるというのだったら、何度も言いますけれども、生産者に対してこれだけ実利が出るのだという図式を県民に示していかないといけない段階に来ていると思います。その点は数値もつかんで、目標金額もつかんで、これからしっかりと情報公開をしてほしいと思います。
 全国酪農業協同組合連合会北福岡工場の閉鎖についてお伺いします。
 新聞報道によると、2028年12月には全酪連の北福岡工場が閉鎖するというニュースが出ました。これは地元の雇用や残乳処理において大きな影響が出ると私は思っておりますが、この件について、県はいかなるお考えであるのか、その影響等についてお考えを示していただきたいと思います。
〇照井流通企画・県産米課長 全酪連、全国農業協同組合連合会全国本部、東北生乳販売農業協同組合連合会及び関東生乳販売農業協同組合連合会が、共同出資によりまして新たな乳製品製造会社らくのう乳業株式会社を設立したことを受けまして、令和10年12月を目途に福島県に新設される乳製品工場に、全酪連北福岡工場の製造機能を移転するとされたところでございます。
 全酪連によりますと、同工場の雇用は、新工場での雇用の継続のほか、希望者の皆様につきまして、二戸地域での再就職を支援するとのことでございます。
 また、これまで利用していました生乳の配分等については、東北生乳販連や全農岩手県本部において調整が進められることから、引き続き、関係部局、関係団体等と情報共有を進めながら、状況を注視してまいります。
〇飯澤匡委員 雇用継続と言われますけれども、二戸地域から郡山市というのはかなりの距離があるので、同じ業種にはもう就けないだろうと思います。生乳を使った製品出荷については奥中山高原農協乳業株式会社が引き継いでいますので、そちらのほうにできれば移行するような形になるのかなと期待をしておりますが、問題は、残乳処理です。
 岩手県内でも乳業メーカーがありますので、残乳処理は北福岡工場が引き受けていただいて、さまざまな加工食品をつくってきたわけです。これを郡山市に持っていくとなると、明らかに残乳処理の物流費に関しても、農家負担を伴ってまいりますので、大変なことになりはしないかと心配しているわけです。生乳全体の動きについて、当部では残乳処理の件に関して、問題意識はどの程度持っているのかお知らせください。
〇佐々木振興・衛生課長 二戸地域の生産体制への影響についてでありますけれども、全酪連北福岡工場が受け入れております二戸地域の酪農家が生産した生乳につきましては、現在、全農岩手県本部において、県内の他のクーラーステーションを対象に、工場閉鎖後の受け入れ先を検討していると承知しております。
 全農岩手県本部では、生乳の受け入れ先を確実に確保できるよう調整していくこととしておりますけれども、酪農家の生乳輸送費の負担増などの影響が懸念されることから、生産体制への対応について、引き続き注視してまいります。
〇飯澤匡委員 それは表向きの話なので、生産量から漏れた残乳については、どこかで処理しないといけないわけです。すぐ製品にならないと、加工用となると価格も下がるし、生産者にとってはプラスにはならないわけです。近くに残乳処理場があったので、岩手県内の生産機構は安心してやっていたわけですけれども、残乳は必ず出てくるので、その辺の危機感というのは、今の答弁では聞こえなかったのだけれども、この点については、もう一回答弁をお願いします。
〇佐々木振興・衛生課長 現時点で北福岡工場が閉鎖した後の影響の具体的な内容、数値等につきましては不明であることから、今後の対応については注視してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 あくまでも東北生乳販連だったり、そこら辺が中心となって動くのでしょうけれども、いずれ余った牛乳をどのように処理するかというのは、このまま郡山市に持っていくというのはかなりの負担増になりますので、その点は、生産した生乳については、しっかり製品に持っていけるように、岩手県側としても指導のやり方についてはしっかりお願いしたいと思います。
 二戸地域については、非常に質の高い牛乳を生産していただいておりまして、大変評判が高いです。ですから、これをもっと県外に搬出するためには、もっともっと岩手県の牛乳ということをアピールしていかないとならない。何の生産品でもそうですけれども、ただ、今、酪農業界においては、飼料が高くなったり、今、岩渕誠委員から肉牛の話も出ましたが、酪農関係はもっと大変です。このことを永続的に進めていくためには、今日は残乳処理ということに焦点を当てましたが、トータルで岩手県の畜産ということをしっかり考えていかないと、このままだと本当に酪農も、肉の畜産についても、じり貧になっていきますので、この点についてはしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 単なる生産拠点の移動ということだけではなく、いろいろな面で負の影響が出てくるということをしっかり認識していただきたいと思うわけです。
 酪農関係については、岩手県も生産量も大分落ちていますので、これから酪農振興について、最後に、本県はどのような姿勢で基本的に進むのかお伺いして、質問を終わります。
〇村上技術参事兼畜産課総括課長 岩手県の今後の酪農振興ということでございますけれども、県においては、ことし7月に策定した、いわて農業生産強化ビジョンの中に、生乳生産量は若干増加というような形で進めるということにしております。そしてまた、現在、岩手県酪農肉用牛生産近代化計画の見直しをしておりまして、その中でも、国の方針では、全国で生乳生産量は維持していくという方針を立てております。これに基づきまして、岩手県においても、酪農戸数が減っている中、あるいは、飼料価格が高騰している中においても、岩手県の生乳生産量をしっかりと維持していくという目標を立てることとしておりまして、現在、関係団体としっかりと意見交換しながら、岩手県酪農肉用牛生産近代化計画の中に盛り込んでいきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 今回、移転先が郡山市ということで、新聞報道によれば、生乳生産量の多い関東地方に近い。要は、関東地方の生産量が多いので、残乳処理についても、こちらのほうが処理の量を確保できるだろうということだと思います。本当であれば、これは岩手県にとって、北福岡工場を再建させていただいて、やる。それだけの量があれば、もう一回再建ということになったと思うのですが、全体的な量が減っているので、こういうことにならざるを得ないということになっていますから、今、岩手県酪農肉用牛生産近代化計画の話がありましたけれども、このことはしっかり取り組まないと、どんどんこういう流れが岩手県から負の影響が出るということを肝に銘じて、計画は計画としてあるのでしょうけれども、しっかりとした実行をお願いしたいと思います。何かコメントがあれば、どうぞお願いします。
〇佐藤農林水産部長 飯澤匡委員から全酪連北福岡工場閉鎖の御質問を頂戴しました。飯澤匡委員からもお話がございましたとおり、二戸地区の生乳の評判が大変高い。私も二戸地域で勤務したことがありますので、この工場にも行ったことがありますし、非常に重要な施設だったと思っていますので、閉鎖ということはまことに残念でありますけれども、御指摘いただいた雇用面、従業員の雇用、それから、県内での生乳生産といったものに影響が出ないように、関係団体、関係部局、連携しながら対応していきたいと思います。
 それから、酪農全体についての御指摘も頂戴いたしました。酪農については乳価、価格転嫁が一定程度進んでいる状況とはいえ、引き続き、厳しい状況にあると認識しております。先ほど担当の課長からいわて農業生産強化ビジョンの目標、あるいは、今後、年度末に策定を予定しております酪農肉用牛生産近代化計画の話もございました。こういった検討の中で、しっかり議論を深め、関係団体とも連携しながら取り組みを進めていきたいと思います。
〇松本雄士委員 私から、最初に、市場性の高い産地づくりについてお伺いいたします。
 昨年来、検討されてきたいわて農業生産強化ビジョン、その中でも市場性を高めていくという話が触れられておりました。これまでも取り組んでいるところでございますが、市場性といってもいろいろな解釈があるわけでありますけれども、いずれ、市場性を高めていくために、今ある各分野の個別計画、特に、非公表となっていますけれども、いわて牛の生産戦略であったり販売戦略、お米もそういうものがあるのですが、そういうもののブラッシュアップ、また、見直しが必要と考えますが、その辺の見解をお伺いいたします。
〇高橋流通課総括課長 個別計画のブラッシュアップについてでございますが、県産牛肉につきましては、いわて牛普及推進協議会におきまして、出荷頭数の確保と販路の開拓、拡大を重点といたしまして、いわて牛生産流通戦略(第2期)及び、いわて短角牛生産流通戦略(第2期)を令和5年に改定し、市場に求められる産地づくりを進めているところでございます。
 また、県産米のブランド力向上につきましては、いわてのお米ブランド化生産・販売戦略推進協議会が策定いたしました、いわてのお米ブランド化生産・販売戦略におきまして、高品質、良食味米生産と地域、世代を超えた認知度向上について重点的に取り組むことととして、令和6年度に改定したところでございます。
 今般、岩手県の農業の強化に向けて策定いたしました、いわて農業生産強化ビジョンにおける農畜産物の販路の開拓、拡大と評価、信頼の向上に向けた取り組みとあわせまして、各品目の市場性を高めていくとともに、県産農畜産物のブランド力向上に努めてまいります。
〇松本雄士委員 その辺の連携、そしてまた、見直しをよろしくお願いいたします。生産強化ビジョンは、どうしても生産性向上、生産基盤のところは非常に厚く取り組まれているのですけれども、マーケットインというか、売れて何ぼというところがありますので、そういった取り組みもよろしくお願いいたします。
 次に、今、飯澤匡委員からも触れられましたトップセールスのことについてお伺いいたします。
 北米のトップセールスに2回連続行っていただいて、非常に期待の高いところでありますが、大切なのは、その後の展開であります。その後、輸出を伸ばしていくということであれば、どのようなシナリオ、戦略でもって、また関係団体と連携しながらやっていくのか。そういうのを明確に何かに位置づけていく必要もあるかと考えるのですが、見解を伺います。
〇高橋流通課総括課長 県の海外戦略についてでありますが、県では、いわて国際戦略ビジョン(2024〜2028)に基づきまして、米、リンゴ、牛肉、日本酒などを重点品目といたしまして、日本食レストランが増加しているアジアや、輸出額が上位の北米などをターゲットに、農林水産物等の輸出拡大に取り組んでいるところでございます。
 県産農林水産物の輸出拡大に当たりましては、関係機関、団体、企業及び市町村等で構成いたします、いわて農林水産物国際流通促進協議会を中心に、重点品目である米や牛肉など、多様な品目を組み合わせたパッケージ型プロモーションやトップセールス、さらには、産地からのバイヤー招聘などを通じまして、県産品の認知度向上や販路開拓に取り組むこととしております。
 松本雄士委員御指摘のとおり、県産農林水産物の輸出拡大には、今後の可能性を見据えながら、戦略性を持って段階的に取り組んでいくことが重要と認識しておるところで、国際情勢の変化、市場の動向等も踏まえながら必要な取り組みを進めるなど、関係部局と連携して海外への販路拡大に取り組んでまいります。
〇松本雄士委員 戦略、トップセールス、フェア、バイヤー招聘、商談会だというワードが必ず出てきますし、先ほど来、出ています国際戦略ビジョン(2024〜2028)というのがあるのですが、北米のことは重点プロジェクトという項立てがなっていないということがありますし、輸出に携わっている団体の方から、今の取り組みでは今後の広がりが見通せないと伺っています。今つながっている現地のスーパーマーケットもどれだけ今後、取り扱いがふえるのか。現在、岩手県は25億円ぐらいの米と肉でありますけれども、全部の生産量の1%程度です。今の取り組みの中でどれだけ広がるのだろうといったお話を伺っております。もっと本気で取り組んでいくといったときに、重点的なプロジェクト、ターゲットとする、特に販売拠点を設けるとか、より踏み込んだ取り組みが必要と考えますが、見解を伺います。
〇高橋流通課総括課長 いわて国際戦略ビジョン(2024〜2028)等におけます重点的な取り組みにつきましては、松本雄士委員から御指摘のとおり、現場の声と若干の相違等もあるという認識は承知しております。
 国際戦略ビジョン(2024〜2028)を所管しておりますふるさと振興部とも連携いたしまして、このビジョンの見直しの検討等につきまして、今後、調整をさせていただきたいと思っております。
〇松本雄士委員 あと、販売拠点等、より踏み込んだ営業展開というか、当然、県が主体というか、関係団体と一緒にということですが、その辺の拠点設置等の考え方については、どうでしょうか。
〇高橋流通課総括課長 販売拠点の設置につきましてでございますけれども、県が直接というのは、松本雄士委員御指摘のとおり、困難を伴うものと承知しております。そこで、現地とのネットワークを強化することで、そういった拠点化につながっていくものと承知しておりますので、これまでの取り組みの強化というところになりますけれども、引き続き、継続した取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇松本雄士委員 いわて国際戦略ビジョン(2024〜2028)等を他部局と連携して見直していただくというのは、それも大切ですし、ぜひやっていただきたいですが、書き物だけではなく、実際の行動のところ、販売拠点というのは店舗を県で構えるというイメージではなくて、現地でのコーディネーターであったり、動くときの活動拠点というイメージでありまして、ぜひそういったものが必要ではないのかと考えますので、検討していただきたいと思います。
 また、他部局との連携でありますけれども、ふるさと振興部であったり、商工労働観光部であったり、そういったところとの連携が非常に重要になってくる。輸出によってインバウンドの需要を喚起するということにもつながりますし、そういったことのブランディングによって国内消費につながっていくと思いますので、そういった戦略性をぜひ考えて、今までフェア、トップセールス、商談会、それだけではつながっていかないので、ぜひともシナリオを考えていただきたいと思います。
 飼料高騰対策について伺います。
 先ほど来、取り上げられておりますけれども、畜産経営をめぐる情勢は依然厳しくて、令和2年度を100%としますと、飼料価格は4割ぐらい上がっているのですが、畜産物の販売価格は10%、1割ぐらいだと農業物価統計で出ております。依然厳しい状況です。
 そのような中、県は、令和6年度まで2カ年継続して配合飼料価格安定緊急対策費補助という物価高騰対策を打ってもらったのですけれども、令和7年度以降についてはどう考えているのか、お伺いいたします。
〇村上技術参事兼畜産課総括課長 直近の配合飼料価格については、低下傾向にはありますけれども、松本雄士委員御指摘のとおり、ことし8月現在の価格は、高騰前の令和2年と比べて約4割高くなっておりまして、依然として畜産経営に大きな影響を与えていることは認識しております。
 飼料価格の高どまりにつきましては、為替だったり国際情勢の影響を受けているものでありまして、全国的な課題であることから、まずは、国において畜産経営の影響を緩和する全国一律の施策等の拡充、強化を図る必要があると考えております。
 このため、県においては、配合飼料価格安定制度を所管する国に対しまして、配合飼料価格の高騰が続いた場合におきましても、畜産経営体の再生産が可能となる十分な補填金が交付されるよう、制度の拡充を繰り返し要望しているところでございます。
 また、今後、県独自の支援策につきましては、国の動向を注視しながら、どのような対応が可能か検討していきたいと考えております。
〇松本雄士委員 国の物価高騰対策がおくれておりまして、速やかに実行してもらいたいと思っておりますし、働きかけていきたいと思っておりますけれども、国にある基金は前年の平均に対しての上昇率で出るものですから、高どまりしていると、まず出ない。緊急補填というのもありましたけれども、最近は発動されていない。県独自の補填を求める声が現場として非常にありますので、ぜひとも前向きに検討していただきたい。
 もう一つ、来年からでありますけれども、食料システム法―食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進及び食品等の取引の適正化に関する法律が施行されます。適正な価格転嫁といったところを県民、消費者に理解醸成を求めていくということも、畜産だけではなくて、全ての農畜産物において重要だと思いますので、そういった取り組みもあわせてよろしくお願いいたします。
 次に、子牛市場の活性化についてお伺いいたします。
 本県の子牛市場の平均価格は、令和7年に入ってずっと全国平均を大きく下回る状況にありまして、それが肉用牛の肥育経営安定交付金、いわゆる牛マルキン、補填金にも影響するといった状態になっております。本県の家畜市場の平均価格が低くなっている要因と、また、その対応についてお伺いいたします。
〇村上技術参事兼畜産課総括課長 本県の家畜市場の平均価格についてですけれども、令和6年度の本県の和牛子牛市場の平均取引価格は、東北地方の他県に比べて低い状況となっているところでございます。
 この要因といたしましては、東北地方のほかの県に比べまして、子牛の出荷体重など発育が劣っていることが考えられていることから、子牛が高い価格で販売されるような良好な発育を確保することがすごく重要だと考えております。
 このため、県では、肉用牛サポートチームにおきまして、子牛の発育改善指導を行うほか、生産者や若手指導者のスキルアップを目的とした研修会も開催しておりまして、これらを含めて生産性向上に取り組んでいきたいと考えております。
〇松本雄士委員 飼養管理技術の向上に向けた指導、徹底をお願いしたいと思うところであります。令和6年度の主要施策の成果に関する説明書で、和牛改良の取り組みについて、活動指標、成果指標はAとなっているわけでございます。県有種雄牛の産子の市場評価は、最近、菊美翔平が上場されて、その平均価格がよかったという報道が最近ありましたけれども、私も実際、市場に行って見ていますが、なかなか県有種雄牛の評価は厳しいものがあると認識しております。
 県有種雄牛の上場頭数の割合もかなり低い。2%から3%しか使われていないかなという状況になっておりますけれども、この状況を県としてはどう受けとめ、どのような対策をとっているのかお伺いいたします。
〇村上技術参事兼畜産課総括課長 県内の子牛市場におけます県有種雄牛産子の上場頭数割合は、年々減少傾向にあるところでございます。こうした状況につきまして、これまで県有種雄牛の産肉能力が全国トップレベルに追いついていなかったことが要因と考えておりまして、県有種雄牛産子の上場頭数割合を高めていくためには、すぐれた県有種雄牛を造成して、その利用拡大を図っていくことが重要と考えております。
 こうした中、松本雄士委員からもお話がありましたとおり、現場後代検定において全国トップレベルの産肉成績となった県有種雄牛、菊美翔平を選抜したところでございます。
 今月から菊美翔平の産子が県内子牛市場に本格上場されておりまして、最も高く取引された産子は100万円を超えて、今月の子牛市場の最高価格となるなど、高い評価をいただいているところでございます。
 今後は、県ホームページやSNS等でのPR、肉用牛専門誌への広告掲載などを行いながら、購買者からの評価を高めるとともに、こうした評価を生産者に伝えていくことによりまして、その意欲向上を図り、利用拡大につなげていきたいと考えております。
〇松本雄士委員 繁殖農家の所得向上に、最初に聞いた飼養管理技術でしっかりとした市場価格をとっていただく。また、それを県として県有種雄牛のいいブランドを使って広げていただく取り組みが重要なわけでありまして、菊美翔平には期待するところでありますけれども、まだまだ市場の評価として定着しているものでありませんので、今後ますます頑張っていただきたいと思います。
 そして、市場における子牛価格を引き上げるために、雌牛の更新も早めていかなければならないのではないか。今、全国では10歳以上については、更新加速化事業とかあるのですけれども、その前倒しであったり、県有種雄牛のザーメンについても、どんどんいいのが改良されて出てきている。そういうものへの定期的な更新。また、これは全農の話になりますけれども、市場開設を隣県とかぶらないようにやっていく。そして、繰り返しになりますけれども、飼養管理技術の向上、生産管理、そういった指導の徹底を、あらゆる団体が連携を深めて一緒にやっていかなければ、畜産県岩手として、子牛価格が戻っていかないと私は認識しておりまして、その辺の県の見解を伺います。
〇村上技術参事兼畜産課総括課長 本県の肉用牛振興につきましてですけれども、全農、畜産協会、関係団体、あるいは県、生産者を含めて、いろいろ連携していくことがすごく重要だと考えております。
 岩手県は産出額、飼養頭数とも全国上位に位置しておりまして、全国有数の肉用牛産地として持続的に発展していくということで、関係団体とか生産者、県も含めて連携した取り組みが重要と考えております。
 このため、県では、和牛改良に向けて、いわて和牛改良増殖対策事業推進協議会における種雄牛造成に取り組んでおりますほか、全国和牛能力共進会での上位入賞に向け、全国和牛能力共進会岩手県出品対策委員会における出品牛の選抜、あるいは、自給飼料の生産、利用拡大に向け、機運醸成を図るためのシンポジウムの開催など、関係団体と連携した取り組みを進めているところでございます。
 さらに、今年度は、新たな酪農・肉用牛生産近代化計画の策定に向けて、農業団体や市町村と意見交換を行っているところでございまして、関係者の共通認識を図りながら、さらに検討を進めて、本県が全国有数の肉用牛産地として持続的に発展していくよう取り組んでいきたいと考えております。
〇松本雄士委員 今週末に全日本ホルンスタイン共進会があって、私も応援に行かせていただきます。肉牛、和牛に関しては2年後であります。ここで上位に入るということがブランド力を高めるのに本当に大切だと思っておりますので、そこに向けた取り組み、そしてまた、先ほど来、話が出ていますけれども、酪農・肉用牛生産近代化計画に、可能であれば、先ほど話したような繁殖雌牛の更新のこととか、県有種雄牛の精液の一定の更新というのを促進するような取り組みを明記して、子牛市場価格の向上に向けて、取り組みを一層推進していっていただきたいと思うところであります。農林水産部長、何とぞよろしくお願いいたします。
〇畠山茂委員 初めに、岩手県内の農林水産物輸出についてお伺いをしたいと思います。
 農林水産省の発表では、2025年の上半期の農林水産物輸出額が前年同月比で15.5%増と過去最多だったという発表がありました。先ほど来、お話が出ていましたけれども、いわて国際戦略ビジョン(2024〜2028)、あるいは、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランなど、令和8年度までに岩手県では輸出額を69億円といった目標を掲げております。
 そこで、現在の輸出状況、プラスなのかマイナスなのか、まずお伺いしたいと思いますし、あわせて、今後の輸出戦略について、先ほどお話があって、同じであれば省略して結構ですし、何か違うところがあれば答弁を求めたいと思います。
〇高橋流通課総括課長 輸出の現状についてですが、本県の輸出額の実績につきましては、毎年、ジェトロ岩手が取りまとめを行っております。令和6年度の実績は、現時点でまとまっていない状況でありますが、県産農林水産物の品質の高さ、おいしさなどは海外でも評価されており、令和5年は、ALPS処理水の海洋放出やリンゴ凍雪害の影響を受けたものの、令和4年度の輸出額は、過去最高の55億円となるなど、堅調に推移しております。
 この戦略につきましてですが、トップセールス等の取り組みにつきましては、先ほど御紹介させていただいたとおりでございますが、こういった取り組みを進めまして、新たに構築、強化されたネットワークを生かしながら、バイヤーの招聘、岩手フェアを継続し、県産農林水産物のさらなる輸出拡大に取り組んでまいります。
〇畠山茂委員 輸出額は順調に伸びているという説明だったと思います。
 次にお伺いしたかったのは、アメリカのトランプ大統領によりまして、トランプ関税と言われる15%の関税に今なっております。そこで、県内の事業者への影響について、県の認識をお伺いしたいと思います。
 あわせて、県内事業者に対する不安に対しまして、今後の支援策を何か検討しているのかお伺いしたいと思います。
〇高橋流通課総括課長 今般の米国の関税措置は、日本経済に多大な影響を与え、世界的な景気の下振れも懸念されるところであり、農林水産業や食品製造業に対しても大きな影響を与えることが懸念されます。
 このため県では、県内事業者を支援するため、米国が関税措置を適用すると発表があった直後、本年4月に相談窓口を設置し、資金繰りや輸出に関する相談の受付を開始しているところでございます。
 また、全国知事会とも連携いたしまして、農林水産物に対する万全な国境措置の確保など、国内生産への悪影響を防ぐ対策を講じるよう要望しているところでございます。
 その後、本年8月7日から米国の関税措置が実際に適用されましたが、県産農林水産物の輸出に取り組む県内事業者からは、現時点で大きな影響は生じていないと伺っているところでございます。
 引き続き、県内事業者等と情報交換を進めながら、今後の動向を注視するとともに、事業者の不安が払拭されるよう、機会を捉えて国に対して万全の措置を講じるよう働きかけるなど、国やジェトロなどの関係機関と連携して対応してまいります。
〇畠山茂委員 これからもぜひ輸出額増額に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 次に、宮古・下閉伊地域における獣医師確保についてお伺いをいたします。
 近年、獣医師を取り巻く状況は著しく変化をしています。そこで、県では、獣医療を提供する体制の整備を図るための岩手県計画という長い名称の計画を令和3年度から10年計画で今、実施をしております。初めに、県内の獣医師を取り巻く状況について、お伺いをしたいと思います。
〇佐々木振興・衛生課長 県内の獣医師の状況についてでありますけれども、令和6年12月末現在の獣医師法に基づく獣医師の就業状況等の届出によりますと、現在の県獣医療計画策定年度の令和2年12月末と比べまして、小動物臨床獣医師では98名から100名、産業動物臨床獣医師では150名から152名と、おおむね横ばいで推移しており、公務員獣医師につきましては、124名から107名と減少傾向にあります。
〇畠山茂委員 今、数字が出ましたけれども、獣医師を取り巻く環境は、ことし1月の高病原性鳥インフルエンザの発生から、県としては動物愛護センターの設置、あるいは、先ほどあった畜産とか、あるいは、今、ペットブームであるので、さまざまに獣医師の需要はふえているのだろうと思います。
 今の説明では横ばいだということですが、次にお聞きしたいのは、この計画に掲げる診療施設の整備及び獣医師の確保に関する目標に対しての推進状況、このところをあわせてお伺いしたいと思います。
〇佐々木振興・衛生課長 県獣医療計画の目標に対しての推進状況でありますけれども、令和3年3月に県が策定しました県獣医療計画におきまして、令和12年度を目標年度としており、牛などの産業動物臨床獣医師では155名を確保することを掲げております。令和6年12月末現在では152名と3名少ない状況となっております。
 また、農林水産分野の公務員獣医師を80名確保することを掲げておりますけれども、令和6年12月末現在では61名と、19名少ない状況となっております。
 このため、県では、牛などの産業動物獣医師と、高病原性鳥インフルエンザや豚熱等の家畜伝染病対策を担う公務員獣医師の確保に向け、獣医学生に対する修学資金の貸付や、東日本の獣医系9大学での就職説明会の開催、獣医学生のインターンシップの受け入れなどに取り組んでいるところであります。
 こうした取り組みにより、この5年間で19名の獣医師が県内の産業動物分野に就業したところであります。
〇畠山茂委員 そこで、メーンの宮古・下閉伊地域の獣医師確保についてですが、下閉伊地域では、県農業共済組合の家畜診療所が令和3年1月に診療休止となりました。それから、同年3月には、宮古家畜診療所まで休止となりまして、宮古・下閉伊地域は獣医師不足が深刻な状況となっております。
 畜産、酪農を営む農家にとって、本当に死活問題となっています。近年は毎年、県への市町村要望が寄せられているところでありまして、県としての同地域における現状認識と、獣医師確保に向けた取り組み状況をお伺いいたします。
〇佐々木振興・衛生課長 県農業共済組合では、令和4年4月から宮古地域を、令和6年4月からは、釜石・大槌地域、気仙地域、久慈地域を家畜診療対象外としてきたところです。
 県では、広域振興局が主体となり、地元の市町村や農業協同組合等と検討する場を設け、地域の家畜診療のあり方等について検討を進め、令和6年3月までに、家畜診療対象外となった地域全てで県農業共済組合のかわりに家畜診療を引き受ける開業獣医師が確保されるなど、安定的に獣医療を提供できる体制が構築されていると承知しております。
 宮古・下閉伊地域におきましては、昨年度、家畜診療所を退職した獣医師が宮古地域で新たに開業し、現在では開業獣医師6名が家畜診療を行っており、現時点では大きな支障は生じていないと承知しておりますけれども、畜産農家は、開業獣医師の高齢化等により、将来の地域の家畜診療体制について不安を抱いているとお聞きしております。
 このため、昨年度から、今後の獣医療提供体制のあり方について、県獣医師会や関係団体等と意見交換を始め、広域的な人材の活用や遠隔診療を活用した診療の効率化などを検討しており、大学や関係機関、団体等と連携し、各地域の実情に応じて、獣医療が継続的に提供されるよう取り組んでまいります。
〇畠山茂委員 今の説明では、十分だというふうに捉えているような説明でございましたけれども、家畜農家からすると、生き物なので、24時間365日見る中で、緊急的な事案のときに、この方が1人で対応できないという場面があって、動物なので死んでしまって、資産がゼロになってしまうということも現実的にあるようなので、ぜひ農家が安心して家畜、酪農できるような体制をこれからも支援していただければとお願いして、終わります。
〇佐々木努委員 私も先ほどの松本雄士委員に続いて、肉用牛生産振興についてお伺いします。
 初めに、コロナ禍の時期に全国的にかなり子牛価格が下落、低迷しておりましたが、ことしに入って、これまた全国的に子牛価格が急上昇しています。全国の子牛価格の現状、上昇している現状と、今後の価格動向の見通しをどのように見ておられるか、お聞きします。
〇村上技術参事兼畜産課総括課長 全国的な和牛子牛の上場頭数の減少を受けまして、令和6年10月以降、全国の和牛子牛の平均取引価格は、前年同月を上回って推移しております。令和7年9月の価格は、1頭当たり約66万7、000円と前年同月と比べて約16万6、000円増となっております。
 今後の価格動向の見通しという御質問ですけれども、価格動向を見通すことは難しいと考えておりますけれども、報道によれば、繁殖農家の離農などによりまして、引き続き、和牛子牛の生産の減少傾向が見込まれるとともに、例年、子牛市場価格は年末に向けて高くなる傾向があることから、現状の価格帯で推移するものと考えております。
〇佐々木努委員 それでは、県産和牛子牛価格の現状、そして、全国比較はどのようになっていますか。
〇村上技術参事兼畜産課総括課長 県産和牛の子牛価格につきましてですけれども、令和6年11月以降、前年同月を上回って推移しております。令和7年9月の平均価格は、1頭当たり約66万円と、前年同月に比べて約16万円の増となっております。
 先ほど答弁申し上げましたけれども、全国平均と比べますと、県産和牛子牛は、1頭当たり7、000円低いという状況となっております。
〇佐々木努委員 今、7、000円ということでありましたが、これは1カ月の差ということでおっしゃったようですが、これまでの平均で比べると、もっと差はあると思っています。依然、岩手県の市場の価格は低い状況にあると私は認識しているわけでありますが、先ほど来、価格が低い要因についてはお話をいただいたので、それはそれとして、しっかりと対策を講じていただきたいと思います。
 私が心配しているのは、価格もそうなのですが、上場頭数の減少、これは全国的にそうなのですが、岩手県も毎月どんどん上場頭数が減っているという状況にあります。この要因、そして、今後の見通しはどのように見ておられますか。
〇村上技術参事兼畜産課総括課長 本県におけます令和6年度の子牛市場の上場頭数につきましては、1万7、328頭でございまして、直近で最も多かった令和2年度の1万8、916頭から約1、600頭減少している状況でございます。
 この要因につきましては、生産者の高齢化などによりまして飼養戸数が減少していることが影響していると考えられております。
 飼養戸数につきましては、今後も減少が見込まれますが、一方で、1戸当たりの飼養頭数は増加するなど、経営規模の拡大が進んでいるところもございますので、こうした動きを加速させまして、増頭を希望する経営体への畜舎整備の支援とか、あとは、生産効率を高める分娩間隔の短縮によりまして、子牛市場上場頭数を県としては維持していきたいと考えております。
〇佐々木努委員 私の周りの繁殖農家の方もどんどんやめていっておりまして、本当に心配でしかないわけでありますが、今、対策もおっしゃられたので、その対策については、しっかりと行っていただきたいと思います。
 そして、先ほども話題になっておりました、菊美翔平も含めた県有種雄牛の現状、評価については、非常に評価が高いという先ほどのお話でありましたが、高いのであれば、繁殖農家の方も積極的に種つけをするという行動に出ると思うわけです。今月の市場から本格上場が始まったということでありますが、来月以降、どのような状況で推移すると見ているのか。公益社団法人全国和牛登録協会での登録頭数を見れば、どの程度生まれているかというのを把握されていると思いますが、その見通しについて教えてください。
〇村上技術参事兼畜産課総括課長 県有種雄牛の評価については、佐々木努委員がおっしゃるとおりでございますけれども、今月、菊美翔平の産子が上場されて、この5日間で36頭ほどの上場になっているという形になりました。来月以降、上場頭数につきましては、確定しているものはまだないのですけれども、生まれたものがそのまま上場されるかどうかということについても、情報収集しながら、これからPRなどを含めて取り組んでいきたいと考えておりまして、頭数については、今のところ把握できていないところでございます。
〇佐々木努委員 最低でも9カ月後には、このぐらいの頭数は上場されるであろうという見通しはわかるわけですので、ぜひそういう動きを把握していただきたいと思います。
 私は、菊美翔平、福太郎3にけちをつけるつもりは全くありませんで、むしろ今、御活躍している県有種雄牛については、これからどうなるかわかりませんけれども、頑張ってほしいなと思っているわけであります。
 ただ、今後の県の種雄牛造成事業については、本当にこのままでいいのか、続けていいのかということは、これまでもずっと問題提起をしてきました。そのような中での県の今後の種雄牛造成の方針については、どのようになっているのかお聞かせください。
〇村上技術参事兼畜産課総括課長 県有種雄牛の造成につきましては、これまで、県、JA全農いわて、7農協等で構成します、いわて和牛改良増殖対策事業推進協議会におきまして、血統や産肉能力に加え、生産者の利用希望などを踏まえながら、種雄牛の選抜等を行ってきたところでございます。
 先ほど佐々木努委員からもお話がありましたとおり、令和5年度から6年度にかけて実施しました、種雄牛造成に係る生産者やJA等との意見交換では、産肉能力の高い種雄牛が必要、県内外の購買者に対するPRの強化が必要、食味など新しい指標の活用が必要などの意見があったところでございます。
 これらの意見を踏まえまして、産肉能力の早期把握に有効なゲノム解析技術を活用するとともに、牛肉のおいしさの指標とされるオレイン酸に着目して、種雄牛の造成を進めているところでございます。
 今後とも、本県が肉用牛産地として高い評価が得られるよう、生産者、関係者と一体となって取り組んでいきたいと考えております。
〇佐々木努委員 わかりました。つまり、これからも続けていくという意思表示だと思いますが、私は、今も県の種雄牛造成事業はやめたほうがいい、撤退したほうがいいという思いに変わりはありません。
 その大きな理由は、一般社団法人家畜改良事業団という、岩手県の種雄牛造成の何十倍、何百倍もすぐれて、そして、頭数もそうなのですが、大きな規模の団体が、すぐれた種雄牛を毎年のように大量に世に送り出している中で、こじんまりと行っている岩手県の種雄牛造成がどこまで太刀打ちできるのかということを考えれば、私はほぼ勝つことは不可能だと思っていますし、先を見た繁殖農家の方々も、そのような思いでいる方がたくさんいらっしゃる。むしろ、そういうものに人件費も含めて何億というお金をかけるのであれば、優良繁殖元牛を県内全域に残すことで、一般社団法人家畜改良事業団も含め、どの種をつけても高く購入していただけるような素地をつくっていくことのほうが、これから畜産県岩手、肉用牛の生産振興を図っていく上で正しい道ではないかと私は思っています。
 ですので、確かに、菊美翔平が成功すれば、現場でも考え方が違ってくるかもしれませんけれども、これは、もし成功すれば宝くじに当たったようなものだというような認識でいないと、今後の岩手県の子牛生産の中で大きな禍根を残すことにもつながりかねないということを私は指摘させていただきます。
 そして、最後に、先ほども申し上げましたが、優秀な繁殖雌牛をいかに残していくか、これが大事だという観点から、県には、繁殖元牛を導入、更新をするための新たな事業に着手していただきたいと思うわけでありますが、それも含め、今後の子牛生産頭数の回復と価格向上に向けた取り組みについて、どのように行っていくのかお伺いをいたします。
〇村上技術参事兼畜産課総括課長 子牛の生産頭数の確保に向けましては、高齢での離農による飼養頭数の減少を補うための肉用牛経営体の規模拡大のほか、生産効率を高めるための分娩間隔の短縮が必要です。そしてまた、子牛価格向上に向けては、子牛が高い価格で販売されるよう、良質な発育を確保することが重要と考えております。
 このため、県では、牛舎整備等の推進とともに、肉用牛サポートチームにおいて、分娩間隔の短縮や子牛の発育改善指導を行うほか、生産者や若手指導者のスキルアップを目的とした研修会を開催するなど、生産者、関係団体、県が一体となった生産性向上に取り組んでいるところでございます。
 これまでの取り組みとともに、現在、新たな酪農・肉用牛生産近代化計画の策定に向けて、全農や畜産協会等の関係団体と意見交換を進めておりまして、本県が全国有数の肉用牛産地として、持続的に発展していくよう取り組んでいきたいと考えております。
〇佐々木努委員 子牛価格の低迷は県だけの責任では全然ないわけでありまして、県の方々も頑張っていらっしゃるということはよく理解をしているつもりでありますが、現場は古い体質がまだまだ残っていて、なかなか変えようとしても変えられないという部分があって、それが肉用牛振興の足かせにもなっていると思うので、その辺の意識改革を県でしっかりやっていただきたいと思います。
 それから、これは全農の関係になるので、ここでどうこう言っても仕方がないのですけれども、特に県南市場においては、最近、子牛市場で競りが午前中で終わってしまうなんていうケースが結構あって、もちろん頭数の減少ということが要因なわけでありますけれども、少ない頭数の市場に大手の購買者が来るというのはなかなか難しいことでありまして、1日の市場において頭数をそろえるというのは、高く買っていただくためには必要なことだと思います。
 今、県南市場は、2日間において行われていますが、私は本当に2日間でいいのかという思いで見ています。1日にして、頭数をそろえて、遠くから高く買ってもらえる購買者に来てもらうという方策も検討すべきではないか、そういう動きがあるというようにも聞いておりますが、県としてはどのように見ておられるのか、最後にそれをお聞きして、終わります。
〇村上技術参事兼畜産課総括課長 まず、子牛市場の上場頭数をふやしていくということについては、繁殖農家、肉用牛農家の頭数を確保していくということと、分娩間隔を短縮して効率よく子牛を産ませるということは、生産としては大事だということは考えております。
 そしてまた、全農としましても、今年度から市場開設日の調整、他県と調整するという動きもやっておりまして、実際には、5月には県南市場と宮城県の市場がかぶったときには1日ずらしたという事例もありまして、そのような形で、全農サイドでも市場開設日を調整しながら、他県とかぶらないように調整しながら、多くの購買者に来場してもらうような取り組みを行っていると聞いております。(佐々木努委員「1日にすべきではないかという日程をどのように」と呼ぶ)
 失礼しました。市場開設者であります全農の取り組み、考え方もありますので、全農で今、日程の調整をやっていることもありまして、それは話を聞きながら、県としてもどのような取り組みができるか、情報収集しながら注視していきたいと考えております。
〇村上秀紀委員 それでは、先に多面的機能支払交付金について伺います。ここ5年の交付状況から、各地域の現状と課題について伺います。
〇吉田農村建設課総括課長 多面的機能支払交付金の過去5年間の取り組み状況でございますが、活動を取りやめる組織があるものの、県全体の取り組み面積は増加しておりますが、地域別で見ますと、県央・県南地域の取り組み面積が増加しているのに対しまして、県北・沿岸地域では減少している状況でございます。
 農村地域の人口減少や高齢化が進む中、農業、農村の維持活動を支援する多面的機能支払が果たす役割は重要と認識しております。今後も活動を維持、拡大していくために、引き続き、構成員や事務を担う職員の人材確保とともに、効果的な活動に向けた組織の広域化や事務作業の外部委託などを進めて、取り組みの効率化を図っていきたいと考えているところでございます。
〇村上秀紀委員 現状では、地域別には伺ったとおりですけれども、今後、この先5年、10年と考えたときに、それぞれの地域の団体とか人数の推移は、どのように想定されていますでしょうか。
〇吉田農村建設課総括課長 今後の推移でございますが、県内では、構成員の高齢化、人口減少しておりまして、活動組織自体の活動人員の確保が非常に難しくなっている状況だと考えております。これを受けまして、ほぼ横ばい、あるいは、若干減少する方向にあるのかと認識しているところでございます。
〇村上秀紀委員 しかし、多面的機能を維持していくということは大事なところだと思うのですが、人員を確保していくために、どのような対策を考えていらっしゃいますでしょうか。
〇吉田農村建設課総括課長 今後、活動を維持、あるいは拡大していくためには、活動組織の構成員の減少、高齢化の進行によりまして、参加者が減少することを食いとめていかなければならないと考えているところでございます。
 国では、地域の維持活動の継続に向けまして、食料・農業・農村基本計画の中に企業、学校、農業に関心のある非農業者等の活動組織のマッチングを推進すると記載しておりますので、本県におきましても、関係人口の増加による体制の強化等の方法を研究してまいりたいと考えているところでございます。
〇村上秀紀委員 我が事として取り組んでいる農家はいいと思うのですが、マッチングを図るに当たって、そのモチベーションを維持できるかどうかに対して、具体的には、例えば、ある程度の有償ボランティアというのか、ある程度の報酬も必要になってくるかと思うのですが、その辺の仕組みはどのようになっているでしょうか。
〇吉田農村建設課総括課長 外部団体、第三者による活動の参加でございますけれども、各活動組織におきまして、マッチングした上で、規約等の中でボランティア、第三者の方々への報酬、あるいは日当を支払う形の合意形成を図っていただきまして、わずかではございますけれども、日当として払っていただければなと思っているところでございます。
〇村上秀紀委員 これまでの交付金、事業費はしばらく横ばいなところです。そのわずかな中でどのように捻出していくか、今後も維持や継続していくに当たりましては、経費が、例えば草刈りの燃料代とか、この5年では2割程度上がっていると思います。先ほどお話ししたとおり、国からの交付金の増額も見込めない状況である中、例えば、マッチングを図っていくに当たっては、ギャップに対応してしていくためにも、また、人員確保の原資上乗せという意味からも、例えば、国からの金額は横ばいだったとしても、改めて県と市町村で協力して、そのギャップを埋めるような仕組みも検討していかなければ、マッチングもうまく進まないのではないかとも考えるのですが、それについてはいかがでしょうか。
〇吉田農村建設課総括課長 まず、資材価格の高騰の関係でございますけれども、人件費が高どまりしておりまして、県では、現在活動している組織の体制強化といたしまして、市町村と連携して、活動経費の節減に向けました組織の広域化、集落間連携による資材、人材、技術力の融通などについて働きかけているところでございます。
 さらに、村上秀紀委員から御提案いただきました市町村との連携ということでございますけれども、まずは、我々といたしましては、活動組織にその状況をしっかり聞き取って、物価高騰がどのように影響しているのか実態を把握してまいりたいと思っております。その上で、市町村と意見交換を行いまして、どのような協力ができるかを検討してまいりたいと思います。
〇佐々木茂光委員長 この際、村上秀紀委員の質疑の途中でありますが、昼食のため午後1時まで休憩いたします。村上秀紀委員、御了承願います。
午前11時59分 休 憩
午後1時2分 再 開
〇千葉秀幸副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇村上秀紀委員 続きまして、マニフェストに掲げられています関係人口の拡大から、移住、定住の推進についての中で、農林水産部に係るところについて伺います。
 こころ高まる農山漁村感動体験創出事業費は、ここ数年、継続して取り組まれている事業ですが、事業の変遷を踏まえまして、何点か伺います。
 大きく三つの取り組みが行われていますが、いわてグリーン・ツーリズムスタディ、教育旅行誘致説明会でのPR活動、各地域協議会等の育成支援、それぞれについて成果を伺います。
〇高橋農業振興課総括課長 ここ数年の経過なども踏まえて御説明いたしたいと思います。
 まず、いわてグリーン・ツーリズムスタディの成果というところでございます。
 このグリーン・ツーリズムスタディにつきましては、新型コロナウイルス感染症の収束後を見据えまして、旅行者の増加、あるいは多様なニーズに対応するため、令和3年度から5年度にかけましては、グリーンツーリズムの受け入れ実践者等を対象に、いわてグリーン・ツーリズムカレッジを開講してまいりした。
 この中で体験メニューの充実、あるいは農家民宿の開業に必要な知識などの習得を支援したところでございますが、グリーンツーリズムの交流人口は、こういったことを踏まえまして回復基調というところではありますけれども、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、民泊に取り組む農業者等が減少していることもありまして、実践者の掘り起こしの課題を踏まえ、グリーン・ツーリズムスタディの実践を起こすような形で取り組んでまいったところです。
 こういった取り組み、あるいは旅行者誘致の説明会も踏まえまして、体験型教育旅行者の利用人数につきましては、令和6年度は、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の令和元年度から比べまして約3万9、000人を上回る4万1、000人といったような状況といった成果もございます。あるいは、各地域協議会の取り組みにつきましては、例えば、事例を研修するようなワークショップとかに取り組んできたのですが、そういったところで、先ほど申し上げた体験型教育旅行の回復といったものにもつながっております。また、令和6年度末までに、盛岡市、あるいは紫波町、遠野市といった16の地域協議会におきまして、国の農泊地域に採択され、農村での滞在型旅行の取り組みといったものが展開されている状況でございます。
〇村上秀紀委員 それぞれの取り組みが行われていまして、コロナ禍前に比べても、それぞれの数値も上回っているということで、成果指標としても、グリーンツーリズム、交流人口については、目標が令和6年度120万人に対して上回っているという実績が出ています。実績値もA評価となっております。人口についてはこのとおりだと思うのですが、地域別の人数とか、あるいは、一番大事な消費額というのは、どのようになっていますでしょうか。
〇高橋農業振興課総括課長 地域別の交流人口というお尋ねでございました。先ほど村上秀紀委員から御紹介のありました、県全体のグリーンツーリズムの交流人口はそのとおりでございますが、地域別、広域振興局別に見ますと、県南地域が最も多くて51万4、000人、次いで、盛岡地域になりますけれども、47万5、000人、沿岸地域が次になりますけれども、18万7、000人、県北地域が12万7、000人となっております。
 消費額につきましては、調査対象者であります旅行者の目的、あとは滞在期間、手段、さまざま多岐にわたるということ、あるいは、宿泊費、交通費、消費項目はいろいろなところがありまして、調査の実施はなかなか困難と考えておりまして、把握は行っていない状況にございます。
〇村上秀紀委員 この四つの地域別にすると、随分差が開いていまして、ここについては、それぞれ連携しながら、どれだけ泊数をふやしていけるかもあるでしょうし、県トータルとして底上げが図れるように今後検討していただきたいという部分がございます。
 消費額については、現在把握するすべがないという話でしたが、人数だけを目標として取り上げていくと、いつかの時点で受け入れる人員の負担だけがどんどんふえていくということが大変懸念されます。実際に消費額がふえてこないと、地域の活性化に対してはほど遠いものと感じています。改めて、消費額が把握できる体制づくりをぜひつくっていただきたいと考えているのですが、それについてお願いします。
〇高橋農業振興課総括課長 消費額につきましては、先ほど答弁を申し上げたとおりではございますが、経済というか所得という観点で、農業生産だけではなくて、グリーンツーリズムなりに取り組むということは、観光的な消費プラスアルファというところにもつながり、これが、ひいては地域の経済といったところにも回っていくという観点も大変重要な視点かと思っております。
 村上秀紀委員から御指摘いただいたことも踏まえまして、どのような対応が可能か、調査研究をさせていただきたいと思います。
〇村上秀紀委員 ここについては、ぜひお願いしたいと思います。これまでこれを継続してやってきている中で、今年度からは、新規事業として農産漁村体験受入体制強化対策事業が始まっております。これまでの継続事業の中からも出てきた課題などから、新たな事業も生まれてきていると思うのですが、その辺、どういったところから生まれたものなのか伺います。
〇高橋農業振興課総括課長 令和6年度から始まっている、こころ高まる農山漁村感動体験創出事業につきましては、都市と農山漁村の交流人口の拡大を図るために、先ほども御紹介申し上げましたけれども、旅行者の多様なニーズに対応できる実践者の確保、育成等に取り組み、これまで先ほど御紹介したような成果が生まれてきているところでございます。
 一方、新たな課題といたしまして、グリーンツーリズムの受け入れを行う、例えば農林漁家の高齢化、新型コロナウイルス感染症の影響等によりまして、農林漁家民泊登録戸数の減少、あるいは、地域協議会の解散といったようなことも見られましたことから、増加する教育旅行、あるいはインバウンド等、多様なニーズに対応できる受け入れ体制の強化が必要になったところでございます。
 このため、各地域協議会の活性化、広域連携による教育旅行等の受け入れ体制の整備を支援するということで、令和7年度に農山漁村体験受入体制強化対策事業を創設したものでございます。
〇村上秀紀委員 今の体制に強化して、さらに交流人口をふやしていくというすべだと思います。例えば、今回の新規事業のほかに、今、各地で少しずつですけれども、農村RMOも立ち上がっていると存じます。これもそれぞれ関係人口の拡大の取り組みの一翼を担っている事業だと思うのです。国としても、食料・農業・農村基本計画にも関係人口拡大に取り組む農村RMOの割合の増加を目標に掲げております。
 今、県では、五つの市、町で七つの団体が農村RMOに取り組んでいると伺っていると思っておりますけれども、現状から今後どのような取り組みの方針とか、あるいは、抱えている課題というものについて伺います。
〇高橋農業振興課総括課長 農村RMOの特徴につきましては、先ほど村上秀紀委員から御紹介いただきました。県内の農村RMOにおきましては、魅力ある地域資源を生かしまして、例えば、農泊のほか農業体験、収穫祭等のイベント開催、廃校の交流拠点といったものを活用、農村関係の人口拡大に向けた取り組みが現在、進められております。
 県としては、引き続き、国の事業の活用等によりまして、農村RMOの形成や取り組みを支援したいと考えておりますが、一方、農村地域全体、農業も含めてですけれども、従事者の減少、あるいは高齢化が進む中で、農村の維持、活性化に向けては、農業の振興はもとよりですけれども、多様な主体の連携、協働によりまして地域コミュニティーの活動を活性化していきたいと考えておりまして、こういった取り組みを通じながら、農村関係人口の拡大につなげていきたいと考えております。
〇村上秀紀委員 人材不足、人材面の課題ということで、総務省の調査でも、こういった人材面の課題とか活動のマンパワー不足、あるいは、組織を引っ張るリーダーがとにかく不足していて、行政の方々にも一緒に入っていただきながらという意見が出ていると伺っております。今、お話しされた課題もこれに共通するものだと感じております。
 関係人口の拡大から、最終的には移住、定住の推進について行っている事業ということで、目的に向かってぜひ、さまざまな観点から取り組んでいただきたいですし、最初に申し上げましたとおり、それぞれ組み立てて事業を行うに当たっては、人数だけでの把握、KPIはなかなか、本当にその成果が出ているかということに対して難しい部分もありますので、消費額が把握できるような体制づくりを改めてお願い申し上げまして、私からの質問は終わります。
〇菅原亮太委員 私からは、乾田直播、湛水直播の普及について伺います。
 岩手県農業生産強化ビジョンにも、生産性の向上というところで、低コスト稲作栽培技術マニュアルに基づき、湛水直播、乾田直播などの労働生産性の向上など、生産コスト低減の取り組みを推進しますとの記載があります。
 湛水直播、乾田直播のメリットについては、先ほどの答弁で、苗づくり、種植えが不要、また、土が乾いた状態で実施するので高速作業によって労働生産性、コスト低減といったメリットがあると伺いました。
 現状、乾田直播、湛水直播の県内の普及率はいかがか、伺います。
〇日影水田農業課長 県内の普及率についてでございますけれども、県では、大規模経営体を中心に乾田直播栽培も含めて直播栽培を推進しているところでございます。
 こういった中で、水稲作付面積15ヘクタール以上の大規模経営体におきましては、令和6年度の直播栽培面積が735ヘクタールで、普及率は約6%となっております。
〇菅原亮太委員 この普及率については、東北6県と比べると岩手県は少し低いような状況になっておりますけれども、改めて、県として直播の普及率の目標設定も必要ではないかと思いますが、それについて見解を伺います。
〇日影水田農業課長 目標の設定ということでございますけれども、直播栽培につきましては、経営体の経営規模や圃場の条件、所有している機械装備などの実情を踏まえ、移植栽培との組み合わせにより各経営体での導入を進めているところでございます。県としましては、こういった状況も含めまして、直播栽培の目標値は設定していないところでございます。
 また、東北各県におきましても、直播栽培の目標値は設定していないということで承知しております。
〇菅原亮太委員 奥州市も今、乾田直播の普及に向けて取り組んでいきたいところであるそうですけれども、奥州市も目標値は今、設定できていないというところで、今後の動きとして、そういった目標値の設定があれば、より一層推進ができるのではないかというところで提案させていただきたいと思います。
 次に、普及についての課題でございますけれども、先ほどの答弁では、雑草対策、また、新たな機械導入の経費といったところが挙げられておりました。まず、直播専用作業機について、補助の取り組みはどのようになっているか伺います。
〇日影水田農業課長 直播専用等も含めましての補助の関係でございます。直播栽培では、湛水直播につきましては、播種に使用する機械、乾田直播につきましては、播種機のほかに土の鎮圧に必要な機械等が必要ということでございます。
 県としましては、国の事業を活用するとともに、県独自の事業等により湛水直播専用の播種機や土の鎮圧に必要な作業機のほか、乾田直播や麦、大豆にも利用できる汎用性のある播種機の導入を支援しているところでございます。
 今後も経営規模や経営状況も踏まえまして、直播栽培の機械導入を支援してまいります。
〇菅原亮太委員 次に、雑草対策として、雑草防除などの技術指導などの取り組みについては、いかがでしょうか。
〇稲田農業革新支援課長 直播栽培の技術指導についてでございますけれども、全般的なことですけれども、県では、国の東北農業研究センターや県農業研究センターが作成したマニュアルに基づいて、農業改良普及センターが現地の状況を踏まえ、水管理や漏水対策、雑草対策などの技術指導をしているところです。
 また、生産者の乾田直播技術の向上及び普及を図るため、令和2年度に、東北農業研究センターと連携し、行政、農業機械メーカー、生産者等を会員とする普及促進会を設置しまして、現地検討会や実績検討会、フォーラムなどを実施しております。
 さらに、良好な発芽や倒れにくいなど、銀河のしずくの品種特性を生かし、乾田直播栽培の実証圃の設置や現地研修会などを行っており、こうした取り組みにより、現地への栽培技術の普及定着を図っていくこととしております。
〇菅原亮太委員 雑草防除についてですけれども、雑草防除の時期であったり、農薬散布回数が直播栽培に当たって、現在の基準が直播に適しているかどうかを伺っていきたいと思います。
 先日の日本農業新聞でも、二つ事例がありました。佐賀県農業試験研究センターについて、直播栽培でウンカ類に使える種子処理剤が登録されたことで、県内での直播栽培の普及に向けて取り組みが始まっている。ただ、現在、8月の防除は主要害虫であるウンカに合わせて行う体系だが、高温などにより防除適期がずれた病害虫への効果を含む体系構築の検討が必要と書いてありました。
 次に、宮城県病害虫防除所について、増加している乾田直播は、雑草防除が課題になることを受け、県が定める環境にやさしい農産物の認証に関して、新たに同栽培に合わせた栽培基準も設定し、技術体系の確立を目指すと書いてありました。
 他県では直播栽培に合わせた防除体系の構築について検討は進んでいるところでありますけれども、改めて、岩手県における体系構築の状況について伺います。
〇稲田農業革新支援課長 最初に、病害虫のほうから説明したいと思います。
 気象経過や病害虫の発生状況を踏まえて、県では適時、病害虫発生予察情報を発信していまして、病害虫防除が適時適切に行われるよう指導しております。
 雑草防除に関してですけれども、農薬登録されている除草剤の種類が少ないということで、使用方法等が移植栽培と異なる。普通の田植えをする栽培と異なりますので、県では、除草剤について県農業研究センターでの効果試験、農業改良普及センターでの現地展示圃の成績等をもとに、毎年度、岩手県農作物病害虫・雑草防除に関する技術資料というのをつくっているのですけれども、これを見直し作成しております。直播栽培に適した除草剤の種類や使用時期などを示しているところです。
〇菅原亮太委員 次に、渇水対策について伺ってまいります。
 令和6年度及び令和7年度の渇水状況及びそれに対する土地改良区の対応状況について、伺います。
〇今泉農村整備担当技監兼農村計画課総括課長 まず、令和6年度でございますけれども、小雪、少雨の渇水の影響によりまして、水田の中干し期間の延長ですとか、あるいは、エリアを分けて順番に配水する番水を実施した土地改良区がございましたが、7月以降、県内全域でまとまった降雨がありまして、それ以降は通常どおりの配水が可能となっております。
 令和7年度でございますけれども、6月から8月にかけての少雨によりまして、県内12カ所の農業用ダムにおける8月末の平均貯水率が平年の約4割まで低下しまして、一部の土地改良区では用水が必要となる出穂期に、取水量制限などを余儀なくされたところもございました。
 取水に影響がありました土地改良区では、中干し期間の延長や番水に加えまして、応急ポンプの活用によります水の反復利用を実施するなど、用水の確保に取り組んだところでございます。
〇菅原亮太委員 我々自由民主党会派としても、ことしの渇水状況を受けまして、土地改良区にもヒアリングをしたところでございました。今おっしゃったように、課題があったということは我々も承知しているところでございます。渇水による今般の農作物の被害状況については、いかがでしょうか。
〇坂田技術特命参事兼農林水産企画室企画課長 本年度の高温少雨の影響によります10月16日現在の状況でございますが、17市町村において、先ほどは水稲の被害状況を申したのですが、ミニトマトやピーマンなどで被害が確認されております。
 水稲については、内陸地域を中心に、先ほどお話ししたように、不稔や白未熟粒、胴割れなどの発生、野菜におきましては、トマトやミニトマトなどで花落ち、ピーマンの尻ぐされ果などが発生しております。
 県では、現在、市町村、岩手県農業共済組合、JA等の関係機関と連携しながら被害調査を迅速に進めておりまして、早期の全容把握に努めながら、委員の皆様に丁寧に今後説明していきたいと考えております。
〇菅原亮太委員 今回、渇水対策を行った土地改良区さんに対して、今般の国、もしくは県からの補助、どういったものがあったか伺います。
〇吉田農村建設課総括課長 県では、番水や水の反復利用に加え、水位が低下した河川の土砂撤去などの渇水対策に取り組んだ土地改良区等を支援するため、今議会において、対策に要した経費を補助する補正予算の議決をいただいたところでございます。
 この補助事業につきましては、国事業を活用するものでありまして、国2分の1の補助に県4分の1を上乗せいたしまして、合計で4分の3を補助することとしております。
〇菅原亮太委員 予算額については、3、000万円ということでしたけれども、今、どういった被害状況があったかというところは土地改良区にヒアリング中かと思いますけれども、確定時期はいつごろかお示しいただけますでしょうか。
〇吉田農村建設課総括課長 補助額の確定でございますけれども、9月使用分の電気料金の請求額を踏まえまして精査する必要がありまして、確定する時期は今月末になると予定しております。
 なお、事前に土地改良区等から申請補助額を聞いたところでございますけれども、申請が予定されている県全体の補助額は、今定例会で議決をいただいた予算額と同程度となる見込みでございます。
〇菅原亮太委員 わかりました。今回、ヒアリング結果によって予算増額の可能性もあるかと思っておりましたけれども、現在では同程度というところであったと思います。
 最後ですけれども、また起こるやもしれない渇水被害でございますが、なかなか難しいところではありますけれども、今後の被害軽減に向けての国や県の取り組みについて伺って、終わります。
〇吉田農村建設課総括課長 近年の気候変動を踏まえますと、今後も少雨が想定されますことから、渇水に対しては事前の備えが重要であると認識しております。
 このため、県では、引き続き、関係団体、機関と連携いたしまして、気象条件に対応した栽培管理に加えまして、用水管理の徹底、中干し期間の延長等によるさらなる節水を働きかけるとともに、今年度実施いたしました国事業を積極的に活用いたしまして、渇水への対策を万全に期してまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 最初に、米不足の要因と課題について質問します。
 米価格の高騰の実態はどうなっているでしょうか。米価格の高騰の要因は米不足にあったことを政府も認めましたが、なぜ米不足に陥ったのでしょうか。
〇照井流通企画・県産米課長 米価格高騰の実態についてでございますが、国の公表資料では、全国の流通段階ごとの価格上昇の状況について、本年8月現在で、生産者からJA等の集荷業者への販売価格は、精米5キログラム当たり約1、800円で、前年同期と比較して約5割増加しております。集荷業者から卸売業者への販売価格は、同じく約2、300円で、約6割増加しております。消費者に販売される小売価格でございますが、同じく約4、200円で、約4割増加となっています。
 米不足の要因についてでございますけれども、ことし8月に公表されました国の資料によりますと、国では、毎年、需要量と生産量の見通しを作成していますが、生産では、高温障害等により精米歩どまり、精米後の製品率が低下した、実際の需要量は、インバウンド需要や家計購入量の増加など1人当たり消費量の増加があったことにより、生産量は需要量に対して不足したなどと分析していると承知しております。
〇斉藤信委員 わかりにくい答弁でしたね。もっと庶民が聞いてもわかるように言ってください。
 相対取引価格は全銘柄平均では幾らなのか。店頭価格、私がもらった資料では、令和7年産があるのは、県産ひとめぼれです。8月、3、879円、昨年が2、401円で1、478円の値上げということになっております。
 政府も米不足を認めなかったのです。流通の目詰まりだと。しかし、結果的には、生産量が減反、減反でぎりぎりまで需要予測に近づける生産でやったのです。ところが、需要予測が完全に30万トンぐらいずれてしまった。711万トン。そして、生産量が670万トンぐらいです。40万トンぐらいの不足、格差が生じた。これが最大の原因です。
 仕組みとすれば何が問題かというと、需要と供給をぎりぎりで生産量を決めるというやり方が間違っているのです。幅がないから。主食ですからね。少しの不足があっても価格は高騰するのです。そして、米不足になれば、集荷業者が競争して米の確保に当たる。ここに一番の問題があるのです。ゆとりある需給計画ではなくなって、農家の責任で減反、減反を押しつけた。
 実は、令和2年、令和3年あたりは、米の生産者の時給は10円でした。令和4年は、せいぜい60円ぐらいです。時給ですよ。だから、もうやっていられないといって、どんどん農家をやめてしまったということです。米不足をつくったのは自由民主党農政の大失敗、私はこのことは率直に言っておきたいと思います。
 そこで、2025年産米をめぐる需給の見通しを示してください。
〇日影水田農業課長 国が令和7年9月に策定した米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針によりますと、玄米ベースの供給量は、速報値である本年6月末の民間在庫量157万トンと、本年産の主食用米等の生産量728万トンから745万トン、政府備蓄米の供給量24万トンと合わせて、908万から926万トンと見込んでいます。
 玄米ベースの需要量は、先ほど申し上げましたとおり、インバウンド等の需要も踏まえまして、前年並みから、前年より約10万トン少ない697万から711万トンを見込んでおりまして、供給量から需要量を差し引いた、令和8年6月末の民間在庫量は、本年6月末を上回る198万トンから229万トンと推計しているところでございます。
〇斉藤信委員 これは最近の発表ですと、2025年の主食用米の収穫量は昨年に比べて大幅に増加して、需要を最大50万トン上回る見通しだと。9月25日時点の収穫量の見通しは747万7、000トンで、昨年比68万トン増ということです。50万トン需要を上回る見通しと。増産に転じたのはいいのだけれども、50万トン余ったら、米の価格はどうなるのでしょうか。今の概算米価格というのは、かなり高値で取引されていますから、簡単には下がらないのだと思います。そうすると、高い米だから買わない、米が余ってしまう。これは二重の問題が起きるのではないか。
 大事なことは、増産に転じるというのだったら、このように余ったときに、それにどう対応するか。しっかり政府は買い入れて市場から隔離する、こういう体制がなかったら、またまた農家の自己責任になってしまうのです。あれだけ令和の米騒動と言われて、米政策の転換が求められているときに、備蓄米を放出しただけで米政策は全然変わっていないわけです。農家の自己責任です。主食の米を守ると言うのだったら、余ったときには政府が買い入れる。
 そしてもう一つは、農家の再生産の保障ができる価格保障、所得補償の充実です。それがなかったら、農家は安心して米をつくれない。そういう意味で、石破政権はもうかわってしまったけれども、令和の米騒動の教訓を踏まえて、農家が安心して米づくりができる米農政への転換、県がしっかり政府に求めるべきだと私は思いますが、これは農林水産部長に聞きましょう。
〇佐藤農林水産部長 斉藤信委員御指摘のとおり、生産者が再生産可能な価格をつくっていく。農家が安心して生産できる体制を構築していくことが重要だと思っております。県が国に対しまして米の需給調整の着実な推進ですとか生産者が再生産可能な米価の維持、安定と、消費者が購入しやすい価格に十分配慮し、実効性のある対策を講じることですとか、生産、流通コスト等を踏まえた合理的な価格形成、取引を推進するための仕組みを早期に構築すること、こういったことについて要望しております。
 今後もこうした要望を繰り返し働きかけて、生産者が安心して米生産できるような状況をつくっていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 アメリカの例を紹介したいと思いますけれども、アメリカの農業予算は、日本円で言うと30兆円です。その六、七割は貧困層への食料支援です。10兆円を超えています。小麦を余るぐらいつくっているのです。それを食料支援に回している。これがアメリカの農業政策です。米を輸出するときにも、ばっちり輸出補助金を出しています。
 そういう意味でいけば、日本ぐらい米にしろ、農業にしろ、全てが農家の自己責任などという農政は、アメリカにもない、ヨーロッパにもない。ヨーロッパは、価格保障プラス所得補償ですから。令和の米騒動というのは、余りにも貧しい自由民主党農政の失敗を明らかにした。これを本当に生かした米政策、農業政策への転換を私は改めて求めていきたい。
 あわせて、ここまで減反をやってきましたから、米生産の生産基盤がかなり弱体化しているのではないか。稲作農家も大幅に減少しているのではないか。米生産基盤、面積、そして稲作農家の推移を示してください。
〇日影水田農業課長 国の作物統計調査によりますと、本県の令和6年度の主食用米の面積は4万3、100ヘクタール、生産量は24万5、200トンとなっております。平成27年度と比べて、作付面積は10%の減、生産量は9%の減となっているところでございます。
 また、国の農林業センサスによりますと、最新の令和2年度の稲作農家数は2万7、272経営体となっておりまして、5年前の平成27年度と比べ、21%の減となっているところでございます。
〇斉藤信委員 稲作農家21%の減です。水田活用交付金の実績、水田活用の実態、これを示してください。
〇日影水田農業課長 水田活用の直接支払交付金の支払い金額でございますけれども、令和6年度の支払い金額は、114億7、000万円となっているところでございます。
〇斉藤信委員 もう少し聞いたのだけれども、いいです。水田活用交付金の額は114億7、000万円なのですが、令和7年は主食用米が3、800ヘクタールふえました。ところが、その他、飼料用米、加工用米、麦、大豆、その他、4、900ヘクタール減っているのです。水田面積は減少です。飼料用米とか大豆などを減らして主食用米に回した。しかし、水田面積は減少した。これだったら何の解決にもならないのです。ならないどころか、ゆがみをつくってしまう。飼料用作物は1、908ヘクタール減っているのです。WCS―ホールクロップサイレージ用の稲、これも飼料ですけれども520ヘクタール減っている。麦は162ヘクタール、大豆は336ヘクタール、飼料作物、デントコーンなどだと思いますけれども、722ヘクタール減っている。酪農、畜産の基盤を崩しているのではないでしょうか。
 大事なことは、全ての水田の多面的活用です。そういう方向に水田活用交付金は使われるべきだし、増産といったら、ほかを犠牲にして主食用米に行く。これでは何の解決にもならないのではないか。いかがですか。
〇日影水田農業課長 水田活用直接支払交付金の活用でございますけれども、生産者等の需要、そういった取り組みに応じまして、ニーズに応じて交付しているといったような現状でございます。価格等の動向もいろいろあって、作付面積、あるいは交付金額といったところの変動はあるところでございますけれども、現場の需要等にしっかり対応しながら、交付の支援をしてまいりたいと思います。
〇照井農政担当技監 斉藤信委員から指摘がありましたとおり、米の増産に当たっては、主食用米だけではなくて加工用米とか飼料用米とか、全体を生産拡大することが必要だと思っておりまして、この点につきましても、国に対して県から要望しているところでございます。
〇斉藤信委員 私は、水田活用直接交付金の制度というのは、基本的には水田の多面的活用を進める大事な制度です。ところが、米が不足になると主食用はふえるけれども、ほかは減ってしまう。こういうことではだめなのだと思います。今、農政担当技監が言うように、飼料用作物も飼料米も加工米も必要なのです。私はそういう意味で、この活用、維持を変な見直しをさせないで進めるようにしていただきたい。
 次に、酪農の実態についてお聞きをいたします。
 酪農、畜産農家の減収の実態と対策、酪農家の戸数はどう推移しているでしょうか。
〇佐々木振興・衛生課長 酪農経営につきましては、国の畜産物生産費統計の公表値に、農業物価統計の公表値を単純に掛け算した数値をお示ししますと、国と県の緊急対策を除き、令和6年の搾乳牛1頭当たりの収支が約15万円となっており、畜産物生産費統計の令和2年の公表値と比べて約10万円の減少となります。
 また、ことし9月、県が経営診断や伴走支援を行っている酪農家11戸を対象に経営状況を調査した結果、令和6年の搾乳牛1頭当たりの収支は約23万円となっており、令和2年と比べて約2万円の減少となっています。
〇斉藤信委員 令和2年と比べて1頭当たりの減収は10万円、これは正確だと思います。ですから、100頭飼養している酪農家は1、000万円の減収なのです。ところが、後の答弁が驚いた。県が何戸か調べてみたら1頭当たり23万円黒字だというのです。それはおかしいのではないでしょうか。
 今、酪農家は本当にやっていけないと思います。私は議会の場でも何度かリアルに実態調査を踏まえて紹介したことがあるのですけれども、例えば、成牛90頭、子牛60頭を飼っている、規模拡大した農家です。飼料代だけで前年2、500万円から3、200万円に上がった。これだけで700万円の値上がりです。規模拡大して月100万円近く、それだけで借金を払わなくてはいけない。やっていけない、維持できない、こういう酪農家が多いのです。
 だから、今質問して答えなかったけれども、酪農家の戸数は、令和2年835戸、令和7年650戸、185戸、22.1%減なのです。5戸に1戸以上の酪農家はやめてしまった。1頭22万円も黒字になるのだったら、やめる農家はいないではないですか。私は、あなた方の調査というのは、農家の実態にも苦しみにも全然寄り添わない、こんなことを聞いたらびっくりすると思いますよ。我々はそんなに楽しているのかと。楽するどころか、やめるかどうするか瀬戸際に迫られているのが酪農家の実態です。
 それで、昨年度は配合飼料への補助と合わせて1頭当たり1万円の補助があったのです。しかし、令和7年度はなくなりました。補助はどんどんやせ細っている。ぜひこれを復活させて、酪農家が生き残れるようにしっかりやっていただきたい。
〇小林正信委員 私も畜産振興についてお伺いしたいと思います。
 私から、県内の畜産品の輸出、特に和牛、いわて牛がメーンなのかなと思いますけれども、令和6年度の輸出の状況についてお伺いしたいと思います。
〇高橋流通課総括課長 畜産物の輸出に向けた取り組み状況等についてでございますが、県では、いわて国際戦略ビジョン(2024〜2028)に基づきまして、米、リンゴとともに牛肉を重点品目といたしまして輸出拡大に取り組んでいるところでございます。
 牛肉の輸出拡大に向けましては、いわて農林水産物国際流通促進協議会を中心に、在外公館と連携したレセプションや、バイヤーを招聘した商談会などを実施したところでございます。
 また、県産牛肉の認知度向上及び販売促進を図るため、輸出先国でのレストランフェアや、食品関連事業者などに和牛のおいしい食べ方を伝える現地セミナーの開催、さらに、これは鶏肉の輸出拡大を図るため、民間事業者が実施する施設整備への支援などを行ったところでございます。
〇小林正信委員 先ほども畠山茂委員から、トランプ関税の話もございました。特に和牛、いわて牛はアメリカが輸出先としても大きい部分があったのではないかと考えておりますけれども、県内畜産品のトランプ関税による影響について、どう捉えているのかをお伺いしたいと思います。
〇高橋流通課総括課長 トランプ関税による影響についてでございますが、県では、米国が関税措置を適用するとの発表があった本年4月に、県内事業者向けの相談窓口を設置し、資金繰りや輸出に関する相談の受付を開始したところであります。
 その後、実際、本年8月7日から米国の関税措置が適用されたところでございますが、県産農林水産物、牛肉を含めましてですけれども、輸出に取り組む県内事業者から、現時点で大きな影響は生じていないと伺っているところでございます。
〇小林正信委員 畜産農家の方に大きな影響が出なくてよかったと思っているところでございますけれども、今後、いわて牛、和牛を初め、畜産品の輸出に向けては、先ほどもお話がございましたけれども、ブランド化の取り組みも重要であると思います。今後、ハードルが高いと言われているようでございますけれども、中国への輸出というところも考える必要もあるのかと思います。
 こうした輸出先、また、輸出量の拡大については、食肉の衛生検査の取り組みが大事なものと思っております。しかしながら、全国の食肉処理場、屠畜場は全国どこも老朽化が進んでいる。まず老朽化が第一の課題ですけれども、ほかにも屠畜場はさまざまな課題があるものと考えているところでございます。県内の食肉処理場、屠畜場の現状を伺うとともに、施設整備も必要になってくるのかと思いますけれども、これについての県の考えをお伺いしたいと思います。
〇照井流通企画・県産米課長 屠畜場の整備についてでございますけれども、適切な安全、衛生管理や効率的な業務処理等が求められますことから、計画的な施設整備が必要であると認識しております。
 輸出認定施設である株式会社いわちくでは、平成12年3月に牛の処理施設である第一食肉処理場が竣工しまして、その後、輸出認定に向け、国庫補助事業の活用でありますとか、出資団体からの増資を受けながら、逐次施設整備を行ってきたところでございます。令和2年3月には、新たな豚処理施設が竣工しまして、現在稼働しているところでございます。
 輸出に関する施設整備につきましては、輸出拡大に向けた取り組み状況と、屠畜場を運営します事業者の経営状況などを踏まえまして、国庫事業等を活用しながら、引き続き適切に対応してまいります。
〇小林正信委員 輸出の拡大というところを考えますと、施設をしっかり整備していくことが重要だと思いますので、ぜひとも県も力を入れて取り組みを進めていただきたいと思うところでございます。
 次に、畜産農家、あるいは酪農家の現状についてお伺いしようと思います。私も和牛の繁殖農家にお話をお伺いしましたところ、子牛の価格は50万円から70万円ぐらいで安定しているけれども、物価高で利益がなかなか出なくて大変だということとか、あるいは、先ほどもございましたけれども、高齢化でもう限界だということで、やめる農家の方も多い。雫石町の中央家畜市場においても、上場頭数が少なくなって、全体規模の半分くらいしか使われていないのではないかというお話もございました。ぜひとも和牛農家支援を進めていただきたいと思います。
 先ほども申し上げたとおり、高齢化が課題となっている。後継者育成というのがあとは大事なのかと思いますし、県立農業大学校の取り組み、これは大変重要なものと思います。特に、畜産、酪農に関しては、肉畜経営科、酪農経営科が毎年、人材の育成、輩出に取り組んでいただいております。
 その上で、近年は女性の入学者がふえてきているということで、肉畜経営科では、令和7年度の1年生は、9名中、女性が6名ということです。これは女性活躍という面からも大変すばらしいことなのかと思いますけれども、ただ、畜産農家からは、皆さんの就農が本当に大丈夫なのかという心配の声も私も耳に入っております。せっかく県立農業大学校で2年間一生懸命学んでいただいた大切な皆様でございますので、卒業後のフォローについても十分な手当をしていただき、できれば岩手県で就農していただけるように支援していただきたいと考えますけれども、県の卒業生へのフォローについてお伺いしたいと思います。
〇鈴木農業普及技術課総括課長 県立農業大学校の畜産関係の学生に対するフォローについてでございます。
 まず、卒業前からしっかりと技術や知識を実学、実践で学んでいただくというのが2カ年間で学生の皆さんに対してなすべきことと捉えております。
 今、人数的な御紹介もいただきましたけれども、令和2年から6年度まで、5カ年間の卒業生の就農状況を御紹介いたします。5カ年間で卒業生80人が卒業しておりまして、このうち自営就農された方が2割です。雇用就農が4割となっております。そのほかにも、農業関連団体や企業への就職を含めますと、8割の学生が農業分野に就労されているということでございます。
 卒業後、就農された方につきましては、県立農業大学校にいるうちから就農計画というものをしっかりつくっていただくことをサポートしておりますし、卒業してからは、県農業改良普及センターが中心となって、地域の関係機関、団体と連携しまして、早期の経営安定に向けて、さまざまなサポートを展開しているということでございます。
〇小林正信委員 8割の方がしっかり農業関係で活躍されているということですが、あと2割の方も、せっかくこのように充実した環境で農業を学んでいただいたので、100%になれるように、ぜひとも取り組みをさらに進めていただければなとお願いしたいと思います。
 次に、中山間地農業農村活性化推進対策事業についてお伺いしたいと思います。
 地域ビジョンの策定については、平成28年から取り組んでいただいていると伺っておりまして、まずは、地域ビジョンのこれまでの取り組み状況、また、課題についてお伺いしたいと思います。
〇高橋農業振興課総括課長 県では、先ほど小林正信委員から御紹介がありました、平成28年度から令和4年度まで、いわて農業農村活性化推進ビジョンに基づき策定されました、36の地域ビジョンのうち、29のビジョンにつきまして、県単事業である、いわて中山間地域いきいき暮らし活動支援事業により、都市住民との交流活動や加工品開発などの支援に取り組んでまいりました。
 また、令和5年度からは、農地の保全や生活支援等に取り組む農村型地域運営組織、いわゆる農村RMOの形成に向けた将来ビジョンなども地域ビジョンに位置づけ、作成、実践に取り組んでいるところでございます。
 本県の中山間地域は、不利な生産条件の中で、地域の核となる担い手、あるいは新規就農者、小規模、兼業農家、多様な担い手が参画しながら農業生産、地域活動の活発化、こういったものを実際通じながら、活力ある農業農村を実現していくことが重要と考えておりまして、県では、こうした活動に対する取り組みを積極的に進めていきたいと考えているところでございます。
〇小林正信委員 この地域ビジョンについては、中山間地域の活性化というところに重きを置いて取り組んでこられたと認識をしておりますし、国の地域計画というのもございまして、これについては、人・農地プランを受けて、農地の集約をどうするかという点に力を入れた取り組みなのかと思います。先ほどもお話がございましたけれども、地域の集落の未来をどうしていくかという点においては、共通の部分もあるかと思いますので、地域ビジョンと地域計画の統合といいますか、そういった部分にも今後、力を入れていっていただきたいと思います。
 その上で、令和6年度は、地域ビジョンの策定集落が1カ所ということになっておりますけれども、この具体的な内容についてお伺いしたいと思います。
〇高橋農業振興課総括課長 この地域ビジョンの策定集落についてでございますが、令和6年度は、奥州市の南股地区が、先ほど御答弁申し上げました農村RMO形成に向けまして、地域の将来ビジョンの作成に取り組んだところでございます。
 この将来ビジョンには、地域の守るべき農地等の情報を集約した農地利用計画や、交流拠点としての廃校の活用、高齢者の見守り活動などの内容が盛り込まれ、本年度はこのビジョンに基づく取り組みが行われているところでございます。
〇小林正信委員 岩手県の中山間地、あるいは集落を持続可能なものにしていくというところで、本当に大事な取り組みをされているなと思って聞いておりました。この地域ビジョンにおきましては、未来を担うリーダー、集落リーダーを決めて地域の将来を持続可能にする取り組みを進めていくものと認識しておりますけれども、今後において、将来を担う人材の確保、育成については、必要なものと思います。
 県内でも若い移住者が中山間地で新たに就農して、集落では若者を集落全体で応援して盛り上げていって、基盤整備も行って、法人もつくって、この地域の未来、頼むよと若者に未来を託すみたいな感じで、若者と一緒に地域活性化を図っているという事例も私もお伺いしているところでございます。
 今後、農業従事者の減少が進む中で、先ほどからも農村RMOの取り組みというお話もございましたけれども、地域や集落を担う人材の確保、あるいは育成について、県の取り組みをお伺いして、終わりたいと思います。
〇高橋農業振興課総括課長 農村におけます就業人口の減少、高齢化の一層の進行が見込まれる中、農村の活性化に向けましては、地域活動などコミュニティーを支える取り組みをさらに進めていく必要がありまして、こうした取り組みをリードする人材の確保、育成が重要と認識しております。
 県では、地域リーダーの確保、育成を図るため、必要な知識や能力の習得に向けまして、岩手大学等と連携し、いわてアグリフロンティアスクールに農村地域活動に係る講座を開設しておりますほか、集落リーダーを対象に育成研修会の開催などに取り組んでいるところでございます。こうした取り組みを通じながら、地域の将来を担う人材の確保、育成を図ってまいりたいと考えております。
〇千葉秀幸副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉秀幸副委員長 質疑がないようでありますので、これで第1部農業関係の質疑を終わります。
 農業関係の皆さんは退席されて結構です。
 次に、第2部、林業・水産業関係について質疑はありませんか。
〇神崎浩之委員 私は、高田松原の松の葛被害への対応について、1点お伺いいたします。
 再生が進められております名勝高田松原の4万本の松が、昨年から松枯れ被害が深刻化しているという状況であります。4年をかけて8ヘクタール、苗木を植樹されております。つる性植物の葛が幹や枝に巻きつき、繁殖し、光合成を妨げているという状況であります。
 まず、この間の経過について、それから、被害本数についてお伺いいたします。
〇小川森林保全課総括課長 東日本大震災津波で被災した高田松原につきましては、治山事業等によりまして、平成29年度から令和3年度にかけて、クロマツなどを約8ヘクタールを植栽し、下刈りなどの保育作業を適期に実施しながら、高田松原の再生に取り組んできたところです。
 神崎浩之委員から御指摘のありました、葛による被害につきましては、令和5年の夏ごろから、一部の区域におきまして、つる性植物の葛が大量に繁茂し、植栽したクロマツなどに覆いかぶさっている状況が確認されており、今年度につきましても、同様の状況を確認しているところでございます。
 また、被害本数についてでございます。県では、被害本数までは把握しておりませんが、令和5年度に初めて葛による被害を確認した際、およそ0.1ヘクタールの区域で、植栽したクロマツなどが枯死している状況を確認したところです。
 今年度におきましても、葛が繁茂している状況を確認していますが、クロマツなどが枯死している区域につきましては、令和5年度に確認した0.1ヘクタールから拡大していないと認識しているところです。
〇神崎浩之委員 直接、陸前高田市長にも聞きに行ってまいりました。そこで、200本くらいが枯れているということでありました。ヘクタールの表示もいいですが、200本、松が死んでいるということでありました。この原因について、どこからこの葛が来たのか、そういう分析はありますか。
〇小川森林保全課総括課長 葛被害が発生した原因ということでございます。葛につきましては、神崎浩之委員御指摘のとおり、マメ科のつる性植物で、本県を含めまして日本中どこにも普通に自生しているものでございます。
 発生原因というのはなかなか特定は難しいわけですけれども、高田松原の基盤造成におきましては、住宅等の高台移転のために造成した際に使用した、地元の山を切り崩してつくった土を有効活用したところでございまして、この土の中に葛の種子などが含まれていた可能性があると考えています。
 また、葛につきましては、繁殖力が大変強くて、高温多湿の環境下で旺盛に成長すると言われておりますので、近年の夏場の高温などが葛が大量に発生した要因の一つではないかと推測しているところです。
〇神崎浩之委員 再生の土の中にあったのではないかという話もありますし、また、夏場の高温ということもあって、さまざまなところに温暖化の影響もあると今、感じたところであります。
 3メートル、4メートルやっと育ったところに30メートルぐらいのつるが覆いかぶさっているということで、今、その駆除に地元のボランティアも含め、県の方も含めて対応しているわけでありますけれども、密集した松の間をちくちくされながら、つるを駆除、撤去というのは非常に難儀だという話であります。
 私もそもそも最初の植樹のときに、なぜこんなに密集させて植えたのかという心配をしていたのですけれども、当初の密集させて植えたというのは、どういう理由があったのかということをお聞きしたいと思います。
〇小川森林保全課総括課長 高田松原などの海岸防災林につきましては、植栽したクロマツなどによりまして、早期に地表や隣地をうっ閉させまして、海岸から飛んでくる砂や、塩分を含んだ風等の防止効果を発揮させる必要があるため、一般的な造林地よりも苗木を密集させて植えるということにしておりまして、高田松原についても、そういう植栽をしたところでございます。
〇神崎浩之委員 そうすると、密集させて植えるということで、葛対策ではなくて、一般的には、今後は間引きしていくとか、そういうことで進むのか、そこをもう一回確認させてください。
〇小川森林保全課総括課長 今後の間引きを含めた保育作業ということでございます。
 神崎浩之委員御指摘のとおり、これから植えたクロマツなどが生育していくに伴いまして、木の枝同士が、葉っぱがぶつかり合ったりとか、そういう状況になってきますので、必要に応じて間伐などをしながら、海岸防災林として機能を発揮するような状況に向けて、適正な保育管理に努めていく予定でございます。
〇神崎浩之委員 一般的な今後のスケジュールですけれども、今回、さらに葛のつる撤去等が必要だと思います。高田松原の景観上もありますが、砂を飛ばせないとか、潮害被害の保安林という重要な役割もあるわけですけれども、そういうことも含めて、今後の葛の被害対策も含めて、どう対応していくのかお聞かせいただきたいと思います。
〇小川森林保全課総括課長 葛被害への対策ということでございますが、県では、令和6年度に葛の駆除を効率的に行うためのクロマツなどの枝打ち3.76ヘクタールと、クズを直接除去するつる切り0.86ヘクタールを実施したところでございます。
 また、今年度は、間伐5.91ヘクタールとつる切り2.6ヘクタールの実施を計画しております。
 今後につきましても、クロマツなどの生育状況、それから、葛の繁茂状況等を注視しながら、つる切りの実施など必要な対策を行ってまいります。
〇神崎浩之委員 もう一つ、高田松原の松の関係ですが、木製防風柵を当初から設置しております。現在は松の生育に伴って設置目的を果たしており、腐敗が進んでいることから、観光客の安全や、景観も含めて、先ほどの葛対策も含めて、撤去すべきではないかと思うのですが、今後、これに対する対応はどうしていくのでしょうか。
〇小川森林保全課総括課長 木製防風柵は、クロマツなどの苗木や幼木を強風等から保護し、健全な生育を促すことを目的として、植栽と一体的に設置したところです。
 しかし、近年は、神崎浩之委員から御指摘のありましたとおり、経年変化で防風柵の一部が腐食している状況が散見され、地元の陸前高田市からも撤去してほしい旨の要望をいただいたところでございます。
 このため県では、クロマツなどの生育状況や防風柵の破損状況、それから、高田松原を訪れる観光客への安全性等を確認の上、令和8年度以降、所期の設置目的を果たした防風柵の撤去について検討してまいります。
〇神崎浩之委員 さまざま観光の面でも、復興教育の面でも、どんどん高田松原に来てくださいと言っているのですが、いざ献花するときに、下がああいう状況であれば非常に寂しいと思っております。
 私は令和5年に全国育樹祭に参加させていただきました。茨城大会だったのですが、それまでは植樹祭と育樹祭の違いがわからなかったです。行ってみて初めてわかったのですが、茨城県の場合は、平成の天皇陛下が植えたものを秋篠宮様が育樹するということで、15年から20年ぐらいたって、また皇室が来られるということで植樹祭があって、15年ぐらいたって育樹祭が来るということです。そういうこともありますので、そのときには皆さんの期待どおりの高田松原の再生ができているようにお願い申し上げて、質問を終わります。
〇関根敏伸委員 私からは、大船渡市で発生いたしました大規模林野火災による森林災害復旧事業等々の状況について、全般的にいろいろ教えていただきたいと思います。
 先ごろの新聞報道ですと、大船渡市の発表でしょうか、10月9日付で、この火災による産業被害額という発表の仕方がされているようですが、42億円ということになっているようであります。森林被害の状況については県が調査中ということでございますが、森林被害の調査の状況、被害額の確定のめど等々について、教えていただきたいと思います。
〇高芝森林整備課総括課長 森林被害についてでありますが、森林被害の調査は、県が主体となりまして、大船渡市等と連携し、衛星画像の解析と現地調査により進めてきたところです。
 調査結果につきましては、現在、取りまとめを行っており、10月末までに森林の被害面積とあわせて被害額を大船渡市から公表する予定でございます。
〇関根敏伸委員 間もなく公表ということでございますね。そこで、基本的なことをお伺いしたいのですが、そもそも森林被害額の算定の仕方ということです。本来であれば、例えば、伐採して市場に出して、売却できたときの経済的価値を積み上げて被害額を決定するものなのかどうか、基本的なところを教えていただきたいと思います。
〇高芝森林整備課総括課長 森林の被害額につきましては、森林保険の算定基準に基づきまして算出する予定となっております。これにつきましては、これまでの林野火災についても同様の対応となっております。
〇関根敏伸委員 余り理解できないのですけれども、先ほど質問した経済的価値の積み上げということではないのですか。
〇高芝森林整備課総括課長 失礼いたしました。木材を実際に販売して、その収益をもって被害額を算定するものではなく、森林がその場所にある段階で、森林保険、これは森林が気象災害等に遭った場合に支払われる保険制度がございます。その保険の算定基準を用いまして森林の被害額として算定を進めるものになっております。
〇関根敏伸委員 難しいようですけれども、少し理解できました。そこで、ここに関してお聞きするのですが、森林はそもそも経済的価値だけではなくて、よく言われることです。多面的な機能を持っているわけですよね。水源の涵養でありますとか県土保全でありますとか、一節によると、緑の社会資本という言われ方をして、国では森林の価値を70兆円と試算をしているわけです。こういった多面的な価値も関与されているのかどうか。そこをお聞かせいただきたいと思います。
〇高芝森林整備課総括課長 森林被害の被害額の算定に当たりましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、森林保険の基準を使っております。この森林保険の基準につきましては、将来、収穫される木材としての価値等々を基準にしているものでございまして、森林の多面的価値というものにつきましては、それ以外のものも含まれるということで、今回の被害額の算定にはそういったものは含まれないという形になります。
〇関根敏伸委員 基本的には経済的価値で被害額が積み上がるということですね。
 加えて言いますと、例えば、今、森林の持つ温暖化への貢献ということで、J-クレジットなども実質的な形で動き始めているわけです。今、県でも県有林などが中心になってJ-クレジットの販売なども行われておりますけれども、県では約9万ヘクタールがJ-クレジットの対象となるポテンシャルを持っているということも言われております。こういったことも、ある意味、CO2の固定がなくなる、J-クレジットによる販売の益がなくなるといったことも生じてくるわけです。
 今回のような大規模森林火災というものが、恐らく今後、温暖化の中で発生してくることを踏まえたときに、森林被害のあり方的なものも、ある意味、岩手県が先進的なものと言ってはなんですけれども、そういったことも考慮していく必要もあるのではないかと考えますが、いかがなものでしょうか。
〇高芝森林整備課総括課長 森林被害の額につきましては、統一的な基準を用いて算定する必要があることから、これまでどおり、森林保険の額を適用したいと考えております。
 一方で、森林のJ-クレジットなどの付加価値的なものにつきましては、今後、再生された森林、再生する見込みの森林をどのように価値をつけていくかという考え方になろうかと思います。こちらにつきましては、今後の森林の復旧のあり方ということで、現在、大船渡市等と設置しております、大船渡市林地再生対策協議会の中で、森林のあり方、今後の再生のあり方も含めて検討してまいりたいと思います。
〇関根敏伸委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 その上で、今後の災害復旧事業のスケジュール、そして、進捗状況について教えていただきたいと思います。
〇高芝森林整備課総括課長 県では、大船渡市と調整いたしまして、被害木の伐採、搬出と伐採跡地への造林の合計で約240ヘクタール、事業費約8億円とする計画を国に提出し、7月の災害査定において、計画どおり全て認められたところでございます。
 令和7年度事業については、9月に市が発注を行ったところであり、綾里地区において、被害木の伐採、搬出約30ヘクタールを行う予定となっています。
 今後、森林所有者の意向確認を進め、順次面積を追加し、その都度、国の災害査定を受け、年内に面積、事業費とも確定する予定となっています。
〇関根敏伸委員 今の御答弁にあったとおり、第1回の災害査定が終わったということですね。事業料が約7億9、300万円ということです。これは順次、被害状況を確定した上で面積がふえていく、あるいは、災害査定額が積み上がっていく。そして、これが年内に確定するという理解でよろしいでしょうか。
〇高芝森林整備課総括課長 関根敏伸委員から御指摘のありましたとおり、被害調査結果を受けて、現在、大船渡市が行っている森林所有者への意向確認も進めながら、順次、面積等も追加して計画を追加していく予定となっております。
〇関根敏伸委員 その上でですが、復旧事業を進める上での課題です。これは一般質問などでも取り上げられておりまして、課題の状況が明らかになっているようでありますが、改めて復旧事業を進める上での課題をお知らせいただきたいと思います。
〇高芝森林整備課総括課長 今般の林野火災は、平成以降で国内最大規模の延焼範囲であり、復旧面積は極めて大きく、復旧、復興に相当な時間を要するものと見込まれます。
 県では、国の森林災害復旧事業を最大限に活用し、被災した森林の復旧に取り組むこととしているほか、国に対しては、森林災害復旧事業の実施期間の延長や地方公共団体の財政負担の軽減を繰り返し要望しており、今後もさまざまな機会を捉え、国に働きかけていきます。
〇関根敏伸委員 事業実施期間は、例えば、引き起こしで2年、伐採、搬出で4年、造林まで5年というのが一応のめどになっているようでありますが、この事業期間の延長は、必須だと思うのですけれども、国の期間延長に対しての状況等はどのようになっているのか、あわせてお伺いしたいと思います。
 あと、所有者の負担軽減ということも言われていたようでありますけれども、本会議の中では、下刈り作業について、非常に負担が大きいといったことに対しても国に要望していると伺っていますが、この辺の状況について、お伺いいたします。
〇高芝森林整備課総括課長 これまで、国に対しては事業期間の延長や下刈り関係について要望してきているところです。国から正式な回答は示されておりませんが、これまでの農林水産大臣による視察などを通じて、国も現場の実情は十分に理解されているものと考えております。そのようなことを踏まえながら、今後もさまざまな機会に必要な要望を行ってまいります。
〇関根敏伸委員 国ではしっかりと現地の状況を踏まえて、要望に沿った対応をしていただける。しっかりと国の制度の中で災害復旧事業が進められる、このような認識でぜひお願いをしたいと思っております。
 その上で、人員体制のことも触れられておりました。市町村の場合は林業関係に精通した職員が少ないということで、県からスポット職員を配置するとか、中長期的な派遣ということも一般質問の中で答弁されておりましたけれども、それに加えて、具体的な、いわゆる伐採、搬出、造林、この作業、事業量が膨大になるわけであります。県内外も含めた対応が必要ではないかと思うのですが、人員というか事業体について、県としては今、大枠、どういったように捉えていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。
〇高芝森林整備課総括課長 国の森林災害復旧事業の計画、こちらにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、現在、合計で240ヘクタールという計画を順次追加していく予定となっております。本年度事業につきましては、約30ヘクタールということで、現在事業が進められておりますが、今後、年度ごとにどのような事業計画となるかにつきましては、今年度中につくる予定の計画で、こちらの計画の内容を踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。
〇関根敏伸委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 その上で、被害木の利活用でございますけれども、利活用の取り組み、あるいは販路開拓等々についても必要になってくるかと思いますが、この現状はどうなっているのか、教えていただきたいと思います。
〇高芝森林整備課総括課長 大船渡市の林野火災は被害面積が極めて大きく、発生した被害木について、被害の程度を把握するとともに、それに応じた活用を促進する必要があります。
 このため、県では、県産木材供給連絡会議を3回開催しまして、釜石市林野火災における被害木の活用状況などについて情報共有をしているところであります。
 また、京都大学や東北大学などと連携しまして、被害木の強度試験を実施しておりまして、7月時点の木材の強度は健全木と遜色ないことが確認され、構造材などの建築用材としての活用可能性があることなどについて広く周知を図ったところでございます。
 販路開拓につきましては、県内の加工工場等への調査や復旧支援に関心のある民間企業への訪問に加えまして、県内外のイベント等で被害木活用の普及啓発を行っているところでございます。
〇関根敏伸委員 強度に問題がないということでございますので、ぜひ被害木活用に理解のある業者を開拓をしていただいて、しっかりと被害木活用にも取り組んでいただきたいと思います。
 森林の復旧とあわせて、その後の森林経営の効率化に向けた集約化への取り組みといったこともさまざま補助メニューであるようでございますけれども、こういったことにはどのように取り組まれているのかお伺いをいたします。
〇高芝森林整備課総括課長 森林の復旧と合わせた集約化への取り組みということでございます。
 今般の大船渡市林野火災の被害を受けた森林について、森林所有者が所有する面積が小規模の場合には、現場での復旧作業や、その後の森林経営を効率的に進めていくため、森林の集約化の取り組みを進めることが重要であります。
 県では、大船渡市、国、関係団体等とともに設置した大船渡市林地再生対策協議会において、森林災害復旧事業を最大限に活用し、復旧を進めることとしております。今後、事業の要件となっている森林経営計画、こちらは一体的なまとまりを持つ森林の施業に関する計画でございますが、この計画の作成支援を通じて、森林の施業の集約化が進むよう取り組んでまいります。
〇関根敏伸委員 農地でも今、集積、集約化が非常に大きな課題になっておりますので、この火災を契機といたしまして、集約化を進めていただきたいと思っております。
 最後に、林野火災を受けて、消防庁と林野庁が大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方検討会というのを設置して、報告書がこの間、出されました。大部分は消防に関する部分だったと思いますが、その中に、森林にかかわる部分として、今後の火災予防対策としての火入れの規制でありますとか、あるいは、万が一火災が発生したときの防火用の林道の開設の促進といったものも記載されていたようでありますけれども、この報告書を受けて、県として何か動きがあるのかどうか、最後に教えていただきたいと思います。
〇成松整備課長 県では、国の報告書を受けまして、ことし6月に設置いたしました火災警報に関する検討会におきまして、消防法に基づく火災警報や、ことし8月に報告書を受け新設されました林野火災注意報の適切な運用など、林野火災予防のための取り組み方策を検討しているところでございます。来年2月の運用に向けまして、県、市町村、消防本部、山火事防止対策推進協議会の構成団体など、関係機関、団体が一丸となりまして、広く県民に林野火災注意報等の新たな制度の周知を図るとともに、林野火災防止に関する普及啓発に取り組んでまいります。
〇千葉秀幸副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時33分 休 憩
午後2時52分 再 開
〇佐々木茂光委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇臼澤勉委員 私からは1点、東日本大震災津波から14年8カ月たちますので、原木シイタケ生産環境再生の取り組みについてお伺いいたします。
 まず、令和6年度決算ですので、令和6年度主要施策の成果に関する説明書の推進方策指標に、原木干しシイタケの生産者1人当たりの生産量、目標値164キログラムということで掲げられておりますが、これがNA―記載なしでありまして、ここの状況が今わかればお知らせいただきたいと思いますし、あわせて、評価をお願いいたします。
〇高橋林業振興課総括課長 令和6年次の原木干しシイタケの生産量は、令和6年度主要施策の成果に関する説明書には数値が間に合いませんでしたが、現時点で国から公表されたところでありまして、令和5年から5トン増加の60トンとなっております。
 これを受けた原木干しシイタケ生産者1人当たりの生産量は、201キログラムとなっておりまして、目標値の164キログラムを上回ったところであります。
 この評価でありますけれども、令和6年は令和5年において気象条件が悪くて、令和4年から令和5年にかけて大幅な減収となったものでありますけれども、令和6年が平年並みの作柄となったということで、対前年比では増加したところではありますけれども、いずれにしましても、震災前と比較しますと約3割となっておりまして、引き続き、産地の再生の取り組みが必要と考えております。
〇臼澤勉委員 今回のいわて県民計画(2019〜2028)でも、収益力の高い食料、木材の供給基地をつくるのだということを掲げておりますし、今回の指標が目標達成したとはいえ、生産者数は震災前の平成22年の990人が令和6年で299人と7割減少、生産量においても、震災前の201トンから60トンと7割減少しているわけでございます。これで目指す姿を達成していると言えるのでしょうか。お伺いいたします。
〇高橋林業振興課総括課長 臼澤勉委員御指摘のとおり、震災前と比較しまして、生産者数、生産量ともに7割減ということになっておりまして、厳しい状況は変わらないと考えております。目標値の達成については、いまだ行っていないと思っておりますので、引き続き、産地再生に向けた取り組みが必要と考えております。
〇臼澤勉委員 私は、この指標の設定に当たって、県としてどういう姿を目指していくのか、それに直結するような成果指標であるべきだと思います。後ほどそこら辺も含めて、質疑をいろいろ交わしていきたいと思いますが、今回の7割減少している理由を県としてどう分析されているのかお伺いします。
〇高橋林業振興課総括課長 原木シイタケの生産者の人数につきましては、先ほど御指摘ありましたとおり、震災前が990名であったものが令和6年が299名ということで、こちらにつきましては、原発事故による出荷制限、生産者の高齢化に伴います廃業等によりまして、令和7年に3割まで減少しているというところと認識しております。
 さらに、令和4年度までは市場価格の低迷ということもありまして、植菌本数も大きく減少しておりまして、生産量も減少してきたという経緯がありますので、そういった形でこれまでの生産者数、生産量ともに減少してきたと認識しております。
〇臼澤勉委員 さまざま県も御努力いただいて、生産者の支援をされていると私も認識はしております。
 次の質問に移ります。令和6年度の原木購入支援本数についてであります。
 目標値29万トンと設定しておりましたが、実績は21万本ということで、目標値と実績がだいぶ隔たりがあると思うのですが、その原因をどう捉えているのか。そして、今後の目標値の設定をどう考えているのかお伺いいたします。
〇高橋林業振興課総括課長 この目標値につきましては、県内で原木購入を希望する全ての生産者を対象に要望調査を行いまして、報告のあった要望本数を事業計画として取りまとめたところでございます。
 令和6年度は29万本の要望となっておりましたが、生産者が要望時点で見込んでいた植菌について、高齢化等や体調不良等によりまして植菌をとりやめたということがございまして、実績が21万本に減少したものでございます。
 こちらにつきましては、原木購入を行う生産者の意向を丁寧に伺いながら、必要な事業計画の把握に努めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 確認ですけれども、私がなぜ聞いたのかというと、今回の原木の購入支援本数が目標に達しなかったということが、原木需要が強くて仕入れができなかったのか、はたまた、生産者の減少とか需要の減少等々の影響で減っているのか、そこら辺を聞きたかったわけであります。
 一方で、干しシイタケの価格が令和6年は県平均で5、416円ということで、震災前の4、564円より久々に回復したというか、上回っている価格において、逆に言うと、原木の需要、価格が高値で取引ができるということを考えると、生産意欲は上がってくるのかとも思いますし、そういったところをどう捉えているのか、お伺いいたします。
〇高橋林業振興課総括課長 原木の部分につきましては、原木が入手できないということではなくて、減少理由につきましては、生産者の体調不良、高齢化等による生産規模の縮小によるものと聞いておりまして、原木の入手が困難なためということについては聞いていないところであります。
 臼澤勉委員御指摘のとおり、シイタケ価格が令和6年次に震災前の価格を上回ったところでございますけれども、これまで低い価格で推移してきたこともありまして、生産者の意欲の減退がこれまでも見られたところでありまして、植菌してすぐに収穫できるという形ではないものでありますので、いずれにしても、今後、こういった高い価格が継続するようであれば、生産意欲が回復してくるものと期待しているところでございます。
〇臼澤勉委員 それでは、これまでのかかり増し経費支援も取り組んでいたと思うのですけれども、これまでの実績と、今後どう取り組んでいこうと考えているのかお示し願います。
〇高橋林業振興課総括課長 かかり増し経費、いわゆる原木について、原発事故の影響によりまして高騰した原木価格、それから、震災前価格との価格差というところだと思います。震災前の価格との価格差につきましては、東京電力ホールディングス株式会社に損害賠償を請求して賠償の対象になっているところでございます。震災前価格までの価格差についてはそういった形でありますけれども、震災前価格の半分につきまして、国の補助事業により支援をしているという状況になっております。
〇臼澤勉委員 そこはわかるのですけれども、原木価格は震災前に比べて約2倍以上上昇している実態がありまして、そういった部分のかかり増し、あるいは、生産者にとっても負担が大きくなっている、そこを支援しながら、何とか支えていると捉えております。
 次の質問に行きますが、第3期復興・創生期間への対応についてであります。県に生産者からどのような要望とか不安の声が届いているのかお伺いします。それを受けて、原木シイタケ産地再生に向けてどのように位置づけ、取り組みを進めていこうとしているのか、大きなところで恐縮ですが、お伺いいたします。
〇高橋林業振興課総括課長 原木価格の高騰が続いているということでございますことから、生産者からは、第3期におきましても、原木購入に対する補助を継続してほしいという要望を受けておりまして、県としましても、国に対して原木購入経費の支援の継続について要望しているところでございます。
 国におきましては、第2期復興・創生期間以降における東日本大震災津波からの復興の基本方針におきまして、本県を含む原子力災害被災地域では、地域の実情に応じた施策を実施していくことが重要ということで、良質な原木や原木シイタケ等の産地再生に向けた取り組みを進めるとされておりまして、基本的には、第2期と同様の記載となっているところでございます。
 県におきましては、第2期復興・創生期間において高騰している原木の購入支援、原木林の再生、消費拡大に向けた消費者への情報発信等に取り組んできたところでありまして、第3期におきましても、国の方針を踏まえて、こうした取り組みを継続して、原木シイタケの産地再生に向けて生産量の拡大と新規参入者の確保に取り組んでいくことが必要と考えております。
〇臼澤勉委員 私はもっとわかりやすく、端的に言えば、山の再生なくして産地の再生はないのだと思います。そういった意味では、隣の宮城県でも、これまで放射性物質濃度調査などを行いながら、令和6年もやっておりますが、県内で70カ所近くを調査されていると。そうすると、平均値が30ベクレルぐらいに低減されているという数字も出ているんですけれども、岩手県の場合はどうなっているのかというところをお聞きしたいと思います。
 私が把握している中では、昨年の2024年までに県内35カ所で原木林のセシウム濃度調査をやっているということでありますが、その状況、結果、そして評価をお知らせください。
〇高橋林業振興課総括課長 放射性濃度調査の結果でございます。出荷制限地域内の検査結果、臼澤勉委員御指摘の35カ所に加えまして、通常実施している検査もつけ加えたところで、延べ640カ所になりますけれども、そちらで放射性濃度検査を実施しておりまして、そちらについては、放射性濃度がシイタケ原木として十分利用可能な値であったと確認しているところでございます。
 ただ、出荷制限後の数年間の検査結果と、直近数年間の検査結果を比較しますと、放射性物質濃度が高いエリアが減少する傾向が見られたところでございますけれども、検査する場所によりまして、スポット的に高いところとか、ばらつきがまだまだ見られているところでございますので、全てが安全に活用可能とは見られていないところでございます。
〇臼澤勉委員 いずれ、もう少し時間はかかるのかもしれませんけれども、まだまだ東日本大震災津波の影響は山にも残っていますが、引き続き、土壌の交換性カリウムの取り組みだとか、さまざまやっていく必要はあろうと思います。
 山の再生に加え、今度は担い手の対策ですけれども、次のいわて県民計画を推進していくに当たって、目標を達成する上では、生産量をしっかりと確保していくこと、そして、生産者の不安を解消していくこと、体調不良でやめていくようなお話もありましたけれども、県として今後目指すべき生産量であったり生産者数、あるいは新規参入者、大分高齢化もしていると思いますけれども、どこを目指して取り組んでいこうとしているのかお伺いいたします。
〇高橋林業振興課総括課長 原木干しシイタケの生産量につきましては、令和6年次は60トンということで、繰り返しになりますが、震災前の3割となっておりまして、震災以降、減少傾向で推移しているという状況でございます。
 第3期復興・創生期間における目指すべき生産量、それから、1人当たり生産量、生産者数及び確保すべき新規生産者数につきましては、お示しすることができないところでございますけれども、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランにおきましては、原木干しシイタケ1人当たりの生産量の計画目標値としまして、令和8年次に170キログラム、また、しいたけ等特用林産振興対策事業費の成果指標としまして、毎年2人の新規参入者数を目標としているところでございます。
 指標や目標値につきましては、今後、さまざま現状を分析しながら、次期アクションプランに向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 私は、1人当たり170キログラムとか、あるいは、新規参入者2人で、どうやって岩手県の原木シイタケの再生を図っていけるのか。そこの認識が甘いというか、緩いと思うのです。私は決して、ピーク時の平成4年、933トンを目指せとか、そういうことを言っているわけではなくて、次の担い手をしっかりと育てていく対策なくして、そして、山の再生なくしては復活できないと思うのです。そういった意味では、この5年間でしっかりと再生計画、目標値を立てて、予算の重点化、あるいは東京電力ホールディングス株式会社への働き、さまざまな関係機関の協力を仰ぐといった強い覚悟と姿勢を持って臨むべきと思いますが、最後にそこの覚悟を部長、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
〇佐藤農林水産部長 原木シイタケの生産量につきまして、臼澤勉委員からさまざま御指摘をいただいたところです。現状としては、減っているという傾向がありますけれども、今のまま減っていくのをよしとしているわけではございません。なかなか厳しい状況はもちろんあると思いますけれども、減るというところをいかに少しでも回復させていくか、そういった取り組みをすることが必要だと思っております。
 目標につきましては、先ほど担当の課長からも答弁いたしておりますけれども、今いただいたさまざまな御指摘も参考にしながら、次期アクションプランに向けまして、指標については検討していきたいと思っております。
 それから、東京電力ホールディングス株式会社の賠償請求の話もございました。私も賠償請求にはここ2年、実際に参加をさせていただきまして、東京電力ホールディングス株式会社に直接申し入れを行っています。東京電力ホールディングス株式会社側の回答は、前向きな回答はいただいていないところで、賠償請求は、価格差が出ないと賠償できないというのが今の東京電力ホールディングス株式会社の考え方ですので、そのような状況であれば、産地再生という取り組みの観点から何か支援ができないのかということも申し上げましたが、今のところ、これについてのプラスの回答はいただいていないところであります。引き続き、東京電力ホールディングス株式会社側にも産地再生の取り組み、新規の就業者が入ってくることが非常に大事でありますので、繰り返し強く申し入れをしていきたいと思っています。
 担い手の部分と販売力の向上といった部分もあわせて取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇軽石義則委員 それでは、水産にかかわって質問させていただきます。
 岩手県の水産業も非常に厳しい状況、養殖も主要魚種の不漁も、そして、特に漁業者、漁家には磯漁を含めて収入源としては大きくかかわってきていると思うのです。海の中はなかなか難しい判断もあると思いますが、そういう部分を県としてもこれまでも研究を積み重ねて対策等を進めてきたと思います。
 加えて、先般の大船渡市林野火災において、非常に大きな面積が焼失して、それが海に与える影響もかなり心配されていると思うのですが、漁家もそれを心配しているようです。雨によって海水が淡水化したり、水温の温度変化、養分の流入、加えて、いろいろな課題があると思うのですけれども、火災による山の保水力の低下によって、海に与える影響はどのように把握されているでしょうか。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 林野火災の影響によりまして、仮に、土砂崩れなどで一度に大量の土砂が海面に流出しましたり、あるいは、長期間にわたって海水が著しく濁るほどの濁水が流れ出た場合には、周囲のアワビ等の磯根資源や餌となります海藻類、プランクトンを餌とするホタテガイ等の養殖生産物の生育に悪影響を及ぼす可能性が考えられるところでございます。
 一方、現時点では、漁業への影響は確認されておりませんが、今後、大雨などが降った際の状況などを市や関係団体と連携して注視し、対応してまいります。
〇軽石義則委員 そういう想定がされるところの段階だと思いますけれども、想定されるものはしっかり対策をしておくことが大事だと思いますし、今後の話にもなりますけれども、これは土砂の流入のみならず、多くの雨水が海に入ることによっての影響はかなり大きいとも、いろいろな資料を見ても載っているわけです。それらの対策は今後どうしようとしているのか教えていただけますか。
〇小川森林保全課総括課長 県では、林野火災跡地における土砂流出等を防止するため、治山事業による応急対策として、ことし6月中旬までに大型土のうを9カ所設置し、設置後は現地の職員が降雨の後に巡回点検を行っているところです。
 また、今年度は緊急対策としまして、人家や道路等に近接する9カ所で治山ダムを整備することとしており、今月中に全ての工事請負契約を締結する見込みとなっておりまして、契約後は早期の完成に向けて取り組んでいくこととしております。
〇軽石義則委員 できるだけ早くしてほしいというのが現地の強い思いだと思いますので、引き続き対応していただきたいと思いますし、そういう意味で、これからの漁業を継続する、担い手もつくるためには、今の現状をどう把握して、それにどう対策するかという研究も大事だと思います。
 ふるさと振興部の審査のときもお話ししましたけれども、北里大学の研究センターがありますけれども、2024年度の報告書を見ますと、代表者の方の挨拶の中に、大学として教育、研究に活用を慎重に議論しなければならないという締めの挨拶が入った報告書でありまして、これは学校として存続するためには生徒の確保も大事ですし、当然、研究成果も出さなければならない。そういう状況にあって、研究センターがそのまま存続できるかどうか。慎重というのは、多分そういう意味も入ってくると思っているのですが、これまで50年を超える歴史があるわけでして、その経過をどのように認識しているのか、まずはお伺いいたします。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 北里大学海洋生命科学部ですが、軽石義則委員からも御紹介がありましたけれども、昭和47年に現在の大船渡市に水産学部として三陸キャンパスを設置して以来、本県沿岸海域をフィールドとしました水産分野の幅広い研究に取り組まれ、人材育成に加えまして、本県水産業の発展や地域振興に大きく貢献してきたものと認識しております。
 具体的に申し上げますと、貝毒の原因プランクトンに関する研究ですとか、サケの資源動向に関する調査、マツカワ養殖の種苗生産技術の開発などにつきまして、県水産技術センターとも連携して取り組んできたところでございます。
〇軽石義則委員 いろいろな成果もしっかりと県と連携してやってきたということは認識をされておりますけれども、具体的に、大学と協議の場を持ってきたとか、打ち合わせ、調整する場を持っているとか、そういう関係づくりはどのようにしてきたのでしょうか。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 現在の北里大学との関係ですが、北里大学海洋生命科学部は、東日本大震災津波後、神奈川県相模原市に拠点を移しまして、現在、三陸キャンパスに三陸臨海教育研究センターを設置しまして、海洋実習ですとか地域連携の拠点として活用しているところでございます。
 県水産技術センターにおきましては、現在、同大学とサケ資源の回復に向けました稚魚の遊泳力強化に関する研究ですとか、あとは、未利用資源の活用に向けたテナガダラの加工技術などについて、共同で研究に取り組んでいるところでございます。
 また、同大学は県や沿岸市町村、県内外の研究機関等で組織する、いわて海洋研究コンソーシアムの会員となっておりまして、三陸沿岸地域におけます海洋に関する研究の推進に当たって、連携した取り組みを進めているところでございます。
〇軽石義則委員 具体的に、大船渡市は協定書を結んで、しっかりと文書で両者の役割分担を確認しているようですけれども、県としてはそういうところまでは行っていないということですか。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 水産分野に限った形での県と大学との協定は、現状では結んでおりません。
〇軽石義則委員 そういうことであれば、大学との関係をより強くつないでいく役割をするには、大船渡市は既にやっていますけれども、それぞれの役割分担をしっかり協定書等で、県としても水産の部分に限ったとしても、とりかわしたほうがいいのではないかと思うのですが、どうでしょうか。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 先ほど御答弁させていただきましたとおり、現在も県水産技術センターと連携した形で各研究課題について取り組んでいるところでございます。
 今後につきましては、そうしたこれまでの関係を引き続き発展させるような形で、よりよい関係のあり方について、御指摘のような手段も念頭に入れながら考えてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 前段でお話ししたとおり、研究センターも今後どうするかという慎重な議論はしなければならないという代表者の方の話が報告書の中にも盛り込まれているわけですので、それであれば、そこには共同研究において、それぞれの役割を果たしましょうということだけではつなぎにならないと思います。県も、具体的に言えば、場所も、人も、お金も、協力できることは一緒にやりますよというものがあったほうが、大学もそのことをしっかり踏まえた上で、今後の関係を継続していくか、判断をする上でもそれは大きな力になるのではないかと思います。協定書はこれから検討していただくということのようですが、具体的に、今後、大学とどういう関係を持って、できればキャンパスを再開していただいて、そこに来ていただいた方々、また、岩手県の水産業を守るために担い手、研究者を含めて人材を育成していく機関にしていくことは、より大事ではないかと私は思うのですが、その点はどうでしょうか。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 本県の水産業ですけれども、海洋環境の変化等によりまして、サケ等の主要魚種の不漁など危機的な状況にあると認識しております。ついては、サケ資源の回復や、高水温に対応した養殖技術の開発など、これまで以上に本県水産業の課題解決に向けた連携が必要と考えております。
 先ほども申し上げましたが、同大学が有しております専門的な知識を本県水産業の振興に生かしていただきますとともに、軽石義則委員から御指摘のありました人材についても、本県でぜひとも活躍していくような形で、引き続き、連携の取り組みを進めていきたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひそのことを具体的に見えるようにしていくことが大事だと思います。
 最後に、農林水産部長、ふるさと振興部にもふるさと振興の立場から、同大学との連携をお願いしておりましたし、水産を担当する部としても、一緒にそれは取り組む必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
〇佐藤農林水産部長 今、水産業を取り巻く厳しい環境の中で、産学官が連携した取り組みがますます重要になってくると思っております。北里大学との部分につきましては、先ほど答弁があったとおり、これまでさまざまなつながり、パイプがございますので、これをぜひ継続して、さらに強くしていくような取り組みを具体的な関係としてつくっていきたいと考えております。
 そういった検討の中で、キャンパスが戻るとか、協定を結ぶとか、そういった部分の対応につきましては、大船渡市、関係団体といろいろ意見交換をしながら進めてまいりたいと思います。
〇大久保隆規委員 私からは、サケ・マス海面養殖イノベーション推進事業費3、900万円余及び県産サーモン養殖確立支援事業費540万円余に関連して質問したいと思います。
 まず、県内サーモンについてでございますが、県内サーモン養殖の現状と取り組みについてお示しいただきたいと思います。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 主要魚種の水揚げが大幅に減少する中、安定的な収益の確保に向けまして、サケ、マス類の海面養殖が県内9地区において行われておりまして、今年度の生産実績が約3、300トン、来年度は約4、000トンが計画されるなど、取り組みが着実に拡大しているところでございます。
 また、さらなる生産量の拡大に向けましては、養殖用種苗の確保が喫緊の課題であると認識しておりますことから、県では、養殖用ギンザケの種卵の量産化を実現しまして、令和5年度から販売を開始したところでございます。
 今後、本県オリジナル種苗の開発や、県内18カ所のサケふ化場のうち11カ所の施設を有効活用しました、サケ、マス類の海面養殖用種苗の生産を一層推進するなど、漁協が行います種苗生産体制の構築を支援してまいります。
〇大久保隆規委員 令和2年から実際、種苗の生産が本格化しました本県も、着実に生産量、水揚げが上昇しておりまして、本年度で3、344トンということで、喜ばしい限りと思う次第でございます。また、来年は広田湾での陸前高田サーモンも水揚げが始まるわけでございますので、4、000トンという大体の予想数字が達成できるように、まずは念じておきたいと思います。
 そういう中で、全体に国内のサーモン養殖生産量が2024年で約2万5、000トン、そのうち大体1万5、000トンが先行する宮城サーモンという形だと思いますので、そういった意味で、本県のサーモンの養殖事業をまだまだ伸ばしていかなければいけないし、まだまだ伸びていく余地は大幅にあるのではないかと思う次第でございます。
 そういうことで、これまでの県としてのサーモンの取り組みに加えまして、今後の展開について、どのようなお考えかお示しをお願いしたいと思います。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 県では、サケ、マス類の海面養殖のさらなる生産拡大を図るため、ICTを活用しました養殖用種苗の効率的な生産に関する実証や、高水温に強い養殖用サクラマスの種苗開発を進めるなど、県内での種苗生産体制の構築に向けた取り組みを進めてまいります。
 また、県産サーモンのさらなる知名度向上や消費の拡大に向けまして、ことし1月に設置しました、いわて水産連携推進会議において、生産者のほか、加工、流通業者などの意見も伺いながら、産地としての岩手県をアピールするためのキャッチフレーズやロゴマークを設けまして、県内外へのPR等を実施するなど、県産サーモンのブランド化が図られますよう、関係団体と一丸となって取り組んでまいります。
〇大久保隆規委員 今、御答弁がございました、県産サーモンとしてこれからブランド化していくという取り組みについて、私は農林水産部の取り組みを高く評価したいと思います。と申しますのは、御当地サーモンは、国内、生産量の多い少ないは含みますけれども、既に120以上あると言われております。御当地サーモンも、ブームから、言わば戦国時代に入っているとも言えるのではないかと思いますが、この戦国時代を岩手県のサーモンが勝ち抜いてマーケットの支持を得ていかなければならない。おのおのの9地区の各サーモンが、おのおのが1対120、1対120でやるのではなくて、岩手三陸のサーモンとしてひとくくりの中、例えば岩手大槌サーモン、あるいは、久慈市の琥珀サーモン、あるいは、今度始まる陸前高田市のサーモンだと、それぞれの個性を光り輝かせながら、例えば、自動車のブランドでいうと、有名なポルシェがありますけれども、911もあれば、カイエンもあれば、パナメーラも、いろいろな車種があるわけです。それと同じで、いろいろなサーモンがあって、岩手県産の三陸サーモンがブランディングとして他地域に対して優位性を獲得していくことが大きな目標になっていくのではないかと思います。
 世界的にも海外のサケ、マス養殖生産量は350万トンです。そのうち日本に約20万トン入ってきて、国内生産が2万5、000トンですから、消費量の約85%はノルウェーなどからの輸入に頼っているという状況ですから、国内でも流通する素地はまだまだたくさんありますし、あるいは、さらに東南アジア等々への輸出といったことも視野に見えてくると思います。
 サーモンは洋の東西に限らず、多くの国の方々から非常に愛されている食材でもありますので、これから大きく育てていきたい。そのためには何としてもブランディングを成功させなければいけません。ただ単にマークをつくるとか、そういうことではなくて、大きな志を持って、今後の大きな世界的な展開も含めたグランドデザインのもとに、しっかりとした一流のネーミング、そして、ロゴマーク等々のブランディングをしていかなければいけないと私は思う次第でございまして、その辺、農林水産部長の意気込みをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
〇佐藤農林水産部長 サーモン養殖に対する非常に熱い期待をいただいたと思っております。先ほど答弁ありましたとおり、サーモン養殖の取り組みは非常に拡大しているということで、さらに県としても伸ばしていきたいと思っております。
 その中で、ロットとして生産量が3、300トンとか4、000トンというところまで来ましたので、出口の対策といいますか、販売対策に力を入れていこうということで、1月にいわて水産連携推進会議を立ち上げました。この立ち上げに対しましても、団体とかから期待の声をいただいております。これをしっかりと受けとめて取り組んでいきたいと思いますが、キャッチフレーズにつきましては、大久保隆規委員からも御指摘のあった各地の取り組みを生かして、多様な魚種でつくられているということが本県の特徴だと思いますので、これを生かせるようなキャッチフレーズにしていきたいと思いますし、ロゴマークのほうは、これは本当に大事になってきますので、よくよく関係者と意見交換しながら練り上げたいと思っております。
 いずれにしましても、引き続き、県がしっかりリードして、サケ、マスの海面養殖を拡大させていきたいと思います。
〇畠山茂委員 今、明るい話題の大久保隆規委員の話から、少し暗い話の水産業の秋サケの取り組みについてお伺いしたいと思います。
 ことしも秋サケの不漁が予想されております。その中で、今から6点ほどお伺いしますので、よろしくお願いします。
 1点目に、不漁対策の一つに、稚魚の巨大化に取り組んできておりました。そこで、これまでの成果と検証結果についてお伺いいたします。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 県とサケ増殖団体では、回帰率の向上に向けまして、改良餌の導入などにより、大型で遊泳力の高い強靱な稚魚の生産に令和4年度から本格的に取り組んできたところでございます。
 放流した稚魚が回帰するまで3年から5年程度を要しますことから、今年度に回帰するサケから対象としまして、放流効果の検証に取り組んでいくこととしております。
〇畠山茂委員 今年度帰ってくるサケから検証していくというお話なので、これはこのままで、また見守っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、2点目に、稚魚放流事業は、昔は年4億匹の体制がずっと長い間続いてきておりました。ことしの放流事業は計画が7、500万匹に対しまして1、900万匹にとどまるなど、厳しい状況が続いております。そこで、来年の種卵確保に向けた取り組み状況についてお伺いをいたします。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 県では、先ほども申し上げましたが、サケ資源の回復に向けましては、稚魚の生産と必要な種卵の確保とともに、大型で強靱な稚魚の生産と適期の放流を推進しているところでございます。
 そのうち種卵確保につきましては、国や県の補助事業によりまして、親魚確保に要する経費を支援しますとともに、県外からの種卵確保に要する経費を支援しているところでございます。
 また、関係団体と連携しまして、定置網で漁獲されたサケを親魚として活用しますほか、北海道に対して要請を行いますなど、他道県からの種卵移入に係る調整を積極的に推進したところでございます。
 なお、来年度に向けた見通しでございますけれども、まず、県内での種卵確保状況ですが、10月10日現在、約30万粒ということで、現時点での計画数に対して4%という状況でございます。
 また、県水産技術センターの秋サケ回帰予報によりますと、今年度、河川遡上する親魚から確保できます種卵の数量は2、000万粒ほどということで、こちらは先ほどお話のありました生産放流計画数に対しまして、計画の約4分の1弱ということで、非常に厳しい状況となっております。
 先ほど申し上げましたとおり、県内での種卵確保とあわせて、県外からの種卵移入といったあたりに引き続き全力で対応してまいりたいと思います。
〇畠山茂委員 現在だと4分の1ぐらいがめどになるというお話でした。
 次に、3点目に、20年前のサケの回帰率は5%台だったようですが、2023年は0.02%まで落ち込んでいます。今後の回帰率の目標と現状についてお伺いをいたします。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 サケ増殖団体によりますふ化場再編策の中では、令和4年度から、稚魚の放流計画数を7、500万尾とした上で、大型で強靱な稚魚の放流等によって回帰率の向上を目指しているところでありまして、県もその取り組みを支援しているところでございます。
 その一方で、令和6年度の回帰率も0.02%にとどまっておりまして、また、種卵不足によって、令和5年度以降は7、500万尾の放流計画を達成できない状況が続いておりますことから、サケ資源の回復を図るためには、繰り返しになりますが、サケ稚魚の生産に必要な種卵の確保とともに、生残率が高いとされる大型で強靱な稚魚の生産と適期放流を一層推進することによりまして、また、県では、試験研究で得られた成果を速やかに生産現場に普及することなどによりまして、回帰率の向上に取り組んでまいります。
〇畠山茂委員 現在だと0.02%ということで、令和4年度に巨大化した稚魚がことし戻ってくるので、そこに期待をしたいということだと思います。
 4点目に移ります。ふ化放流事業は、本来、水揚げ額に基づく漁協や漁業者などの賦課金が原資だと思います。現在は国の東日本大震災津波の復興支援金で賄われていると認識しておりますけれども、改めて、本事業の財源の状況と今後の財源の見通しについてお伺いをいたします。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 サケ増殖団体によるまとめによりますと、令和6年度のふ化放流事業では、約4億5、000万円の事業費に対しまして、畠山茂委員からも御紹介のありました、国の東日本大震災復興特別会計によります、被災海域における種苗放流支援事業を用いた国と県の支援によりまして、約3億3、000万円、率にしますと約7割が賄われている状況となっております。
 サケ増殖団体と関係漁協では、ふ化場の生産機能の集約化による経費の節減を進めておりまして、事業費のさらなる圧縮を目指しておりますが、国の令和8年度予算の概算要求によりますと、当該事業の要求額が前年度から約2割の減額となっておりまして、県では、事業の継続と必要な予算の措置について、引き続き、国に対して要望してまいります。
〇畠山茂委員 今の状況は、4億5、000万円かかった中で、7割を、国と県の補助でやっていますけれども、来年度はそこからまた2割減るという予想だということでございました。
 次に5番目、秋サケの採卵数が確保できない中で、地域におけるふ化場の稼働状況と今後の活用方法についてお伺いいたします。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 サケ増殖団体及び関係漁協におきましては、令和4年度以降、県内のふ化場を、採卵から放流までを一貫して担う拠点ふ化場と、拠点ふ化場を補完する地域ふ化場に区分しまして、生産機能の集約化による経費の節減を進めてきたところでございます。昨年度は、解散しました久慈川漁協のふ化場を除きます18ふ化場において、サケ稚魚の生産が行われているところでございます。
 ふ化場を運営する漁協では、サケ等の不漁によって、ふ化場運営に必要な財源の確保が難しくなっておりますことから、サケ、マス類の海面養殖用種苗の生産など、ふ化場施設を有効活用することによって新たな収入源とするための取り組みが進められております。県では、そうした取り組みを支援することによって、ふ化場施設が引き続き利用されるよう取り組んでまいります。
〇畠山茂委員 18ふ化場で維持費がなかなか厳しくなってきている説明がございました。
 そして、最後に6点目ですが、秋サケの事業は長年にわたって沿岸の基幹産業として漁業を支えてきておりました。近年は、先ほどの説明があったとおり、壊滅的な状況にあります。予算も結構多額な事業費を使っているわけですが、今後の県の取り組みの方針をお示しいただきたいと思います。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 県では、関係団体や国等と協議を重ねながら、サケ増殖事業の取り組みを進めてきたところでありまして、関係団体から県に対しましては、サケ資源の早期回復と持続可能なふ化放流体制の実現に向けた支援の継続について、要望が寄せられているところでございます。
 本県におけるサケ増殖事業は、昭和50年代に本格化して以降、国の支援を受けながら、ふ化場等の施設整備を進めてまいりましたとともに、生産技術の向上に努めているところでございます。したがって、施設の有効活用や技術の継承についても、考慮すべきものと認識しております。
 当面は、先ほども答弁させていただきました、大型で強靱な稚魚の生産と適期放流の効果を検証しますとともに、今後の環境変化の見通しなども踏まえながら、引き続き、関係団体や国等とともに、サケ増殖事業の方向性について検討してまいります。
〇畠山茂委員 サケ事業は長い間、沿岸水産業を支えてきた事業でもありますし、多くは漁協経営の支えとなっていた事業でもございますので、ぜひこれからも支援をしながら、また、回復することを期待したいと思います。
 次に、ナラ枯れ、松くい虫対策についてです。
 ナラ枯れ、松くい虫対策については、多くの市町村要望でも対策が求められております。近年は、山々を見回しても拡大が顕著になっていると思います。そこで、現在の被害状況について、拡大しているのかどうかということと、あわせて、今後の対策についてお伺いしたいと思います。
〇成松整備課長 まず、被害状況についてでありますけれども、本県民有林におけるナラ枯れ被害量は、令和2年度以降減少傾向で推移していたところですが、令和6年度は約7、000立方メートルと前年度から87%増加しており、被害市町村数は前年度より1市多い20市町村となっております。
 また、松くい虫被害量は、平成25年度の約4万4、000立方メートルから年々減少しており、令和6年度は約1万3、000立方メートルと前年度から4%減少し、被害市町村数は前年度と同じ18市町となっております。
 次に、今後の対策についてでございますが、県では、ナラ枯れや松くい虫の被害拡大防止に向けまして、県の防災ヘリやドローンによる航空調査や職員が行う地上調査により被害状況をきめ細かく把握し、被害の先端地域での被害木の徹底駆除に取り組んでいます。
 また、予防対策といたしまして、いわての森林づくり県民税を財源とする、いわて環境の森整備事業費により、高齢なナラ林を伐採し、被害を受けにくい森林への若返りを図るとともに、アカマツ林から広葉樹林への転換を進めております。
 引き続き、市町村や関係団体等と連携し、森林病害虫被害の防除対策に積極的に取り組んでまいります。
〇畠山茂委員 松くい虫のほうは減少傾向にありますけれども、ナラ枯れは187%と約倍近くに急にふえているということで、市町村要望でも目に見えてふえているので、どうにかしてほしいという要望がふえております。先ほどいわての森林づくり県民税を活用しながらということですが、もう少し柔軟にそのお金を活用して、さらなる要望を求めているようなので、その点を考慮して取り組んでいただきたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは最初に、大船渡市の大規模林野火災の復旧、復興についてお聞きいたします。
 森林災害復旧事業の意向確認について、どうなっているでしょうか。森林所有者から出されている具体的な不安や課題はどうなっているでしょうか。
〇高芝森林整備課総括課長 森林災害復旧事業の意向確認についてでございます。
 大船渡市では、先月から、森林所有者を対象に地域説明会や意向調査を行っており、11月中に意向調査の結果を取りまとめる予定と伺っております。
 地域説明会では、森林所有者から、木材としての価値が下がり赤字となることや、下刈りなどの費用負担が大きいことを心配するという意見が出されておりまして、こうした声に対応した支援策を検討していくことが必要だと認識しております。
〇斉藤信委員 あっさりした答弁で、もっとたくさん出ているのだと思います。私は一般質問でも取り上げまして、きょうも質問がありましたけれども、240ヘクタール、約8億円の事業費で、これは事業が開始されている。今年度は30ヘクタールの被害木の伐採。ただ、9月の住民説明会では、市は被災した人工林1、700ヘクタールのうち、2分の1超の面積で事業を優先的に進める考えを示した。1、700ヘクタール、これは人工林ですけれども、その半分以上進めたいという考えを示しました。年内には計画を立てるという計画ですよね。これはどうですか。
〇高芝森林整備課総括課長 森林災害復旧事業の事業計画につきましては、6月に森林の伐採と造林、合わせて240ヘクタールの計画を国に提出したところであります。その後の計画につきましては、森林所有者の意向調査を現在、市で進めておりますが、この調査結果も踏まえながら、順次計画量を追加して、年内に計画を作成するという見込みであります。
〇斉藤信委員 年内に1、700ヘクタールの半分以上はやりたいということなのでしょう。そうではないのですか。年内に事業化するといいますか、国に計画を提出する。それはどのぐらいの目標になっているのですか。
〇高芝森林整備課総括課長 こちらの計画量につきましては、現在、意向確認を行っている途中ということで、現在、その数値については、まだ確定していないところでございます。
〇斉藤信委員 説明会はかなり繰り返しやられているようであります。東海新報の報道ですけれども、所有者や管理者は植栽後に森林保険の保険料や除草作業といった管理費用負担が発生。木材の運搬、売却も所有者負担で、木材売却益より運搬費用が上回る可能性がある。下刈り費用の概算は、1ヘクタール当たり年間4万8、000円で、市は負担軽減額を検討している。軽減策を検討していると、はっきり示されないのです。年内に意向確認をしたいというわけですから、どういう支援ができるのか、これははっきり示さないとだめなのではないでしょうか。
 本会議の答弁では、知事の答弁だったと思いますけれども、いわての森林づくり県民税も活用できるという答弁もありました。だから、県はこういう支援策をやりますということで、不安があるわけだし、将来的な負担というのは、1年、2年ではなく、植林、造林となりますと、20年、30年以上かかるわけだから、そこの不安を払拭するような具体的な支援策を示すべきではないでしょうか。
〇高芝森林整備課総括課長 今般の大船渡市林野火災の規模が大変大きいということもございます。国から激甚災害の指定を受け、その分の財源が国から支援を受けられるということで、森林災害復旧につきましては、国の森林災害復旧事業を優先的に活用するということを検討しております。
 事業計画の対象となっていない下刈りの事業につきましては、国の森林整備事業の活用が見込まれるところでございますが、下刈りの所有者負担についても、市でも検討を進めているということでございまして、検討状況によって支援をしていきたいと考えております。
 そのほか、いわての森林づくり県民税の活用につきましては、現在、令和8年度以降の素案の中で、林野火災からの復旧の取り組みということを加えまして、被害木の除去、跡地の再生に向けた植栽保育の支援ということを検討しておりますが、こちらの事業内容については、現在、具体的な検討を進めているところでございます。
〇斉藤信委員 年内に森林所有者の意向を受けて、大船渡市の意向とすれば1、700ヘクタールの半分超は事業化したいということでしょう。そういう意味でいけば、説得力ある説明が必要だと思います。私は2月の予算特別委員会のときに、2017年5月に発生した釜石市の林野火災で、413ヘクタールが焼失して、これは大船渡市が事業主体になって、これは激甚ではなくて国の森林整備事業でした。それでも所有者負担なしでやったのです。被害木の伐採、整理は約217ヘクタール、植栽は196ヘクタール、下刈りは約345ヘクタール。こういう形で、所有者負担なしで、激甚でない場合でもやった実例があるわけですから、釜石市はどういう支援をしたのか、県はこのときどういう支援をしたのか、このことを示していただけますか。
〇高芝森林整備課総括課長 釜石市の林野火災に係る復旧につきましては、釜石市が事業主体となり、被害木の伐採、整理や植栽等を進めているということで、所有者負担がない形が進めております。こちらの場合は、国の事業を活用したということで、県でもその分の負担を行ったところでございます。
 その後の下刈りでございますが、所有者から委託を受けた釜石地方森林組合が所有者からの委託を受ける形で、国の補助事業を活用しておりますが、木材の販売収益等を活用しながら消費者負担の軽減を図ったと伺っております。
〇斉藤信委員 釜石市のそういう実例もあるわけだから、今回は激甚の指定もあるし、規模も大きいということで、私は釜石市の支援、県のそのときの支援を上回る支援策を具体的に提起して、所有者の合意を広げていく必要があるのではないかと思います。検討しているという話では、山林所有者は決断できません。
 大船渡市の場合は7億円余の見舞金が寄せられていますから、それをどう活用するかということはあるでしょう。しかし、土地所有者が決断するこの時期に合わせて具体的な支援策を示して、例えば、いわての森林づくり県民税もこういうことで活用できるというのなら、はっきり示してやる必要があるのではないか。
 あと、先ほど私が紹介した山林所有者の不安の中には、植栽後に森林保険の保険料を心配している。今まで山林所有者、森林保険に入っている方々はどのぐらいあったのでしょうか、なかったのでしょうか。
〇高芝森林整備課総括課長 森林保険の保険加入についてでございますが、現在のところ、森林保険の保険制度につきましては、今般の大船渡市林野火災の加入面積は165ヘクタールということで、人工林面積の約1割程度が加入しているということでございます。
 加入をどのように進めているかということでございますが、国の補助事業を活用して、植栽をする場合に森林保険の加入ということで、そちらのほうをお願いしているところでございます。
〇斉藤信委員 わかりました。240ヘクタールの中で165ヘクタールの方が加入しているということですね。そうではないですか。
〇高芝森林整備課総括課長 大変失礼いたしました。今、御答弁しました165ヘクタールは、延焼範囲約3、000ヘクタールの中の加入ということで、すでに加入している方ということでございました。これから加入する方というのは、現在まだ面積は確定しておりませんが、国の森林災害復旧事業を活用して事業を進める場合には加入をしていただくということで、今後計画を詰めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 わかりました。林野火災の前に既に加入しているのが165ヘクタール、これは保険がおりるということですね。
〇高芝森林整備課総括課長 森林保険につきましては、現在、森林保険の取り扱いの窓口である岩手県森林組合連合会が森林の被害調査を実施しております。10月初旬時点でございますが、約8割の調査が終了いたしまして、おおむね年内には終了する見込みということで伺っております。
〇斉藤信委員 わかりました。ぜひ県も市も具体的な支援策を示して、1、700ヘクタールが災害復旧の対象です。最大限、激甚の対象になるように取り組んでいただきたい。
 次に、水産業再生の取り組みですけれども、これは最初に、大規模林野火災にかかわって、漁業者の減少、そして、漁業への影響はあったのか、なかったのか、そこを示してください。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 まず、漁業者の減少につきましては、被災した漁協からは、今回の林野火災を理由に廃業した漁業者はいないと伺っております。
 一方で、特に被害の大きかった綾里漁協におきましては、ワカメ塩蔵加工用の機器が被災しましたため、通常ですとボイル塩蔵出荷していたところが生出荷に切りかえた漁業者がいたということで、具体的には、ワカメ養殖を行った56人中6人が生出荷に切りかえたところでございます。
 一方で、全員が収獲可能となりまして、生産量につきましては、前年に比べて約1.4倍の生産量になったところでございます。
 そのほか、ウニ漁につきましては、市や漁協によります漁具等の導入支援によってこちらも操業が可能となりまして、前年に比べて約2倍の漁獲量があったところでございます。
〇斉藤信委員 今の答弁、本当に驚きました。漁業者の生産量や漁獲量の減少はないどころか、ワカメは1.4倍で、ウニ漁は2倍。水産業は被災後、ふやしたということですか。たしか、綾里地区のワカメは県内で一番高い価格がついたと記憶していますけれども、被災した漁民の方々はこうやって頑張ってこられるところに本当に頭が下がる思いであります。
 それで、水産業全体のことについてお聞きしますが、厳しい今の主要魚種、養殖などの状況の中で、岩手県水産業リボーン宣言に基づく取り組み状況、成果、魚種変化に対応した支援策の強化などについて示してください。
〇筒井技術参事兼水産振興課総括課長 県では、岩手県水産業リボーン宣言に基づく取り組みを進めまして、ウニ資源の有効利用につきましては、蓄養、出荷の取り組みが今年度16地区に拡大するほか、サケ、マス類の海面養殖については、先ほども申し上げましたが、今年度の生産実績が約3、300トン、来年度の出荷分が4、000トン計画されるなど、取り組みが着実に拡大しております。
 また、魚種変化に対応した支援としましては、水揚げが増加しているマイワシ等について、加工原料として活用を図るためのセミナーの開催ほか、新たな販路や物流のビジネスモデルの構築や、水産加工業者が他の企業等と連携して取り組む商品開発等への支援など、新たな取り組みを進めているところでございます。
 さらに、本年1月、新たに、いわて水産連携推進会議を設置しまして、生産分野と流通分野による連携した取り組みを推進しているところであり、魚種の変化に対応する取り組みなどについても一層強化しているところでございます。
〇斉藤信委員 岩手県水産業リボーン宣言はそれなりに取り組まれていると思います。
 最後です。クロマグロの漁獲状況、定置網に入っている状況、そして、放流、漁獲割当の状況と拡大策について示してください。
〇野澤漁業調整課長 クロマグロの漁獲状況等でございますが、本県では、定置網とはえ縄で漁獲されておりまして、令和7年度におけるクロマグロの漁獲量は、9月末現在、小型魚が73.6トンで漁獲可能量の71%、大型魚が43.3トンで漁獲可能量の47%を消化しております。
 このうち、定置網につきましては、小型魚は定置網が全量を占め、大型魚は32.2トンで漁獲可能量の50%を消化しているところでございます。先ほど斉藤信委員から御指摘がございました、既に漁業者ごとに配分された漁獲可能量を超えるおそれのある定置網につきましては、今年度の実績はまだ把握しておりませんが、入網したクロマグロの放流を行っているところでございます。
 実績ですけれども、まず、定置漁業者がみずから推定した放流量の報告を受けておりまして、令和6年度につきましては、約5、400トンになっております。
 漁獲割当の拡大につきましては、クロマグロの漁獲管理を国際的に行う委員会におきまして、今年度の漁獲枠が拡大されまして、前年度と比べまして小型魚が15%、大型魚が62%の増となったところでございます。
〇斉藤信委員 去年の実績を言いますと、漁獲されたクロマグロは153トンです。一方で、定置網、放流したのは、今、答弁があったように、5、409トン、漁獲の35倍です。これは令和5年と比べてもふえているし、特に、令和5年と比べると、放流している数がほぼ倍にふえています。私は確実にクロマグロ資源は回復されてきていると思います。これからの漁獲が値段も上がって漁民が市場潤う時期ですから、ぜひ大型魚はまだ余裕があるようですので、しっかり水揚げすると同時に、抜本的な拡充、あと、県内でも大型巻き網などを減らして、沿岸地域にふやすということを強く求めて、終わります。
〇佐々木茂光委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木茂光委員長 質疑がないようでありますので、これで農林水産部関係の質疑を終わります。
 農林水産部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。御苦労さまでした。
午後4時09分 散 会

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