令和7年6月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇1番(田中辰也君) 田中辰也でございます。本日、一般質問の機会をいただきました先輩、同僚議員の皆様に感謝を申し上げ、通告に従いまして質問をさせていただきます。
 将来にわたって大きな課題となる人口減少社会への対応において、解決しなければならないと思われる諸課題が山積しております。諸課題の中で、まずは、岩手県で持続的に生活していくためには、岩手県の豊かな資源を生かした十分な所得確保が求められると思います。
   〔副議長退席、議長着席〕
 その資源を生かしていくためには、地域や経済を牽引していく人材が必要であり、その人材育成は、県政の大きな課題であると思います。それに加え、県民誰もが、どこに住んでいても、自由に往来ができ、医療、介護などのサービスを不安なく受けられることも大事な要素であると考えます。
 また、人口減少下において、小規模自治体は、現在既に運営に苦慮しております。現在以上に人口減少が進むことを考慮すると、身近な住民サービスを維持するためには、現状のままでは解決しなければならない課題が多いものと考えます。今回、私は、この山積する諸課題のうち、これら五つの観点から質問をいたします。
 地域資源を生かす産業振興について伺います。
 岩手県で暮らしていくためには、確かな所得の確保が必要であると考えます。そのために、岩手県の持つ豊かな地域資源を十分に生かし、産業を振興し、豊かな所得を得ていかなければなりません。しかしながら、昨今の自然環境、経済環境の変化などにより、さまざまな課題が出てきております。これらの諸課題について伺います。
 まず、温暖化対策について伺います。
 岩手県も近年、真夏日の日数がふえるなど温暖化の傾向が顕著であります。県では、高温耐性を持つ水稲のオリジナル品種を開発しているようですが、現在の状況を伺います。果樹においても温暖化の影響があるものと考えておりますが、品種改良等は行われているのでしょうか。
 また、一戸町の奥中山地区では、冷涼な環境を生かしてレタスなどの品質のよい高原野菜を生産しておりますが、近年は、夏の猛暑により品質が低下することがあり、時期によっては、栽培地の変更など必要な対策を講じる必要があると考えますが、現状と対策について伺います。
 次に、白銀のひかりの生産と販売について伺います。
 県の新たなオリジナル品種である白銀のひかりの作付が始まっております。生産者の皆さんは、収益の上がる優良な品種となることを期待しております。
 白銀のひかりは、冷涼な県北地域の環境に適応した食味のよい品種として開発してきたものであり、今後、いわてっこからの作付転換を目指すとお聞きしておりますが、普及拡大に当たっては、栽培適地での作付を進め、近年続く高温による影響を考慮しつつ、米の食味ランキングで特Aの評価を獲得できるよう栽培技術の向上を図ることや、需要に応えていくことができる生産量の確保、作付拡大につながる販路の確保が重要と考えます。
 県では、白銀のひかりをどのように育てていこうとしているのか、白銀のひかりの普及拡大及び販売戦略について伺います。
 以下の質問は、降壇し、質問席で行います。
   〔1番田中辰也君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 田中辰也議員の御質問にお答え申し上げます。
 温暖化対策についてでありますが、農業は、気候変動の影響を受けやすい産業であり、近年、夏季の高温など気象災害が頻発化していることから、気候変動の影響に的確かつ効果的に対応していくことが重要です。
 県では、高温に強い農作物の品種開発を進めているほか、ことし4月に、新たに品目ごとの高温等の気候変動への適応策を取りまとめ、技術対策の指導を強化しています。
 水稲の高温耐性品種の開発については、今年度、二期作が可能な沖縄県と連携し、年2回の試験栽培を行うなど品種開発の加速化に取り組んでおり、現在、ことし1作目の収穫期を迎え、候補となる品種の選抜を行っています。また、岩手県農業研究センター内に、高温登熟環境を再現できる栽培評価施設を今年度中に整備することとしています。
 果樹については、夏季の高温のもとでも着色不良の少ないリンゴ品種の開発に取り組んできており、9月下旬に収穫可能で着色が良好な紅いわてを開発し、県内で広く栽培されています。また、新たに温暖化に適応した市場性の高い桃の導入に向け、岩手県農業研究センター県北農業研究所のほか県内17カ所において栽培実証等を進めています。
 レタスなどの高原野菜については、高温少雨により生育の停滞や品質の低下が発生することから、畑地かんがい施設の整備や、夏場により標高の高い土地での栽培などを進めています。
 こうした取り組みにより、本県が、気候変動への適応力をさらに高め、我が国の食料供給基地としての役割をしっかりと果たしてまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、農林水産部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤法之君) 白銀のひかりについてでありますが、県、農業団体等で策定した、いわてのお米ブランド化生産・販売戦略において、生産拡大、栽培技術の確立、普及や情報発信に取り組み、令和10年に作付面積1、500ヘクタールを目指すこととしています。
 生産面では、県北地域を中心に5地区で生産者等による栽培研究会が設立され、栽培マニュアルの普及による栽培技術の向上、特に、夏季の高温対策を含め生育状況に応じた水管理や施肥管理、適期収穫等を徹底し、品種の特性である収量の安定的な確保に取り組んでいきます。
 販売面では、金色の風、銀河のしずくと並ぶブランド米として、消費者や実需者への丁寧なPRによる認知度向上とともに、県内外のスーパーや中食、外食などへの販路開拓を進めていきます。
 県北地域の生産者の要望を受けて開発した白銀のひかりが、本県の稲作を照らす希望の光となるよう、関係機関、団体が一丸となって取り組んでまいります。
〇1番(田中辰也君) 温暖化については、今さまざまな対策を打っていただいておりますが、先ほど桃の取り組みのお話をいただきました。悪いほうだけではなくて、いいほうも、今までつくれなかったものがつくれるようになることも十分に考えられると思っていますので、そういう攻めの戦略も必要かという思いをしています。
 そういうところに関しまして、今、担当部局として何か取り組んでいることがあれば、御紹介いただきたいのですが。
〇農林水産部長(佐藤法之君) やはり近年の温暖化で適地が変わってきているということだと思っています。桃も、一昔前であれば岩手県で栽培するということは考えにくいところだったと思うのですが、そういう意味で、適地として進められるのではないかということで、桃の栽培実証を進めて、さらに実証の場所も拡大しながらやってきております。
 それ以外の品種につきましては、米の沖縄県での試験もそうですけれども、新しい品種というよりは、これまで取り組んできたものに、さらに高温耐性を高めていく取り組みを試験研究機関の中で今進めている状況でございます。
〇1番(田中辰也君) 温暖化は地球の環境変動の大きな流れの中で動いているので、すぐにもとに戻ることは恐らく考えられません。ある程度のトレンドとしては、これから温暖化が進んでいくのだろうと思っていますので、そういう方向である程度考えていかなければならないという思いもしています。
 縄文時代中期、縄文文化が一番華やかなりしころは、北東北地域が非常に栄えていた、日本中で一番栄えていた時代だったと言われているところでございます。そういう意味で言えば、今後、岩手県にもすばらしい時代が到来するということも考えられますので、しっかりと取り組んでいってほしいと思うところでございます。
 続きまして、白銀のひかりでございますが、今、できるだけブランドとして認知されるようにという形でお話をいただいているところです。ただ、今はある程度限定しながら作付をしている状況だと思いますが、これをどのような形で生産拡大を図っていくのかというところは、状況次第だという説明でした。その辺について、ある程度の目標は、最初5、000トンとお聞きしていましたが、そのところに変わりはないでしょうか。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 先ほどの答弁の中では、生産量というよりは面積のほう、いわてのお米ブランド化生産・販売戦略で定めた目標年であります令和10年に作付面積1、500ヘクタールを目指して取り組んでいくということでございます。基本的には、今、県北区域で栽培されておりますいわてっこから転換を図っていくことを目指して取り組んでいくということでございます。
 今年度については、本格栽培の初年度ということもありまして、作付面積は約100ヘクタール強だったと記憶しておりますが、順次、先ほど申し上げましたような栽培マニュアルの徹底ですとか栽培研究会の活動を通じて、そしてまた、品種の特性なども生産者の皆さんに周知をしながら生産拡大に努めてまいります。
〇1番(田中辰也君) 県北地区の農家にとって非常に希望の光、本当の光になる品種だと思っていますので、農家とともに、一生懸命前に向かって進めていってほしいと思います。
 同じく米に関連してでございますが、酒米についてお尋ねいたします。
 岩手県の清酒につきましては、令和5年9月に地理的表示、GI岩手の指定を受けております。さらなる海外輸出増大を目指す好機にあると思っているところでございます。これから世界に打って出る岩手県としては、有望な商品の一つと考えております。しかしながら、昨今の米価高騰のあおりを受けまして、酒造用原料米の価格も高騰しており、各酒造メーカーの経営を圧迫しているところでございます。
 岩手県の魅力的商品の一つである清酒を安定的に販売していくためにも、酒造会社等への支援が必要であると考えるものでありますが、いかがお考えでしょうか。
〇商工労働観光部副部長(橋場友司君) 本県の日本酒は、田中達也議員御紹介のとおり、令和5年9月にGI岩手に指定され、さらに、昨年12月には伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されたこと等を受け、ブランド価値が高まっておりますことから、県としても、国内外での販路拡大に積極的に取り組んできております。
 岩手県酒造組合によりますと、主食用米の価格高騰を受け、吟ぎんがを初めとする県酒造好適米の価格が、大幅に上昇しているとのことです。また、主食用米の価格高騰を受け、全国的には、酒米の生産者が、主食用米へ作付を転換する動きもあると聞いているところです。
 質の高い岩手県の日本酒の安定的な生産の確保に向け、引き続き、県酒造組合と意見交換を行いながら、酒米価格の動向を注視するとともに、国が備蓄米を加工用米として放出した場合の影響や他県の取り組み事例等も踏まえて必要な対策を研究してまいります。
〇1番(田中辰也君) 適宜、必要な対策を打っていただきたいと思うところでございます。
 また、先ほど答弁いただきましたように、作付転換が全国的には出ている可能性もあるということでございますので、農家が安定的に主食用米、また酒造好適米、いずれにおいても作付できるように、意欲的に生産できるようにしていく適切な支援もあわせて必要かと考えますが、いかがでしょうか。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 本県では、県とJA等の農業団体とで組織する岩手県農業再生協議会で策定しました水田農業の推進方針に基づいて、酒造好適米については、県内の酒造業者とのマッチングを支援し、安定的な供給に努めております。関係団体からは、本県の本年産酒造好適米の作付面積は、前年並みと伺っております。
 主食用米につきましても、水田農業の推進方針に基づき需要に応じた生産を推進しており、本年産の主食用米の作付面積は、4月末現在、前年産と比べ約2、500ヘクタール増の約4万5、500ヘクタールとなる見込みです。
 今後も、酒造好適米、主食用米とも、実需者との結びつきの強化を図りながら、生産者が意欲を持って生産できるように、関係機関、団体と一体となって取り組んでまいります。
〇1番(田中辰也君) 適宜、支援をお願いしたいと思います。
 次に、話を変えまして、内水面漁業の現状と課題についてお伺いいたします。
 県内の優良な河川は、自然環境を保持するのみならず、河川での遊漁者を県内外から集めて優良な観光資源ともなっているものであります。しかしながら、3月末に久慈川漁業協同組合が解散し、河川の漁業資源の管理ができない状態となっております。気候変動や有害鳥獣の増加により漁業資源が減少し、遊漁者にとっては魅力的な河川とならなくなったことも、県内各内水面漁業協同組合の経営悪化の原因の一つとも考えられます。
 県では、県内の内水面漁協の経営状況をどのように把握しておられるのか、また、内水面漁業の課題解決に向け、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 県内の内水面漁協は、近年の河川環境の悪化やカワウ等の食害による資源の減少により遊漁料収入が減少するなど十分な収益を確保できず、令和5年度決算では、30漁協のうち約半数が当期損失金を計上し、厳しい経営状況にあると認識しております。
 このため県では、水産資源の回復に向けまして、市町村や内水面漁協等と連携しカワウの被害防止対策を推進しているほか、効率的な資源造成に向けまして、経費等の面ですぐれる小型なアユの早期放流や、イワナの放流後の生残率向上に向けた種苗生産などの研究を進めております。
 遊漁料収入の増加に向けましては、スマートフォンで簡単に遊漁券を購入できる電子システムの導入を促進するとともに、地域住民による河川環境整備への支援など、遊漁者にとって魅力ある河川づくりに取り組んでおります。
 また、内水面漁業の振興を図るため県が策定しました第2期岩手県内水面漁業振興計画が今年度末で終了となりますことから、現在検討を進めております次期計画には、遊漁者の減少、食害や近年の温暖化など、厳しい環境変化に対応するための取り組みを盛り込んでいきたいと考えております。
 今後、内水面漁場管理委員会での意見も伺いながら、取り組み内容を具体化していくこととしており、引き続き、内水面漁協の経営安定と内水面漁業の振興に市町村等とともに取り組んでまいります。
〇1番(田中辰也君) 内水面漁業については余り光の当たらないところだと思いますが、重要な資源でもありますので、各漁協等とも協議しながら、しっかりと支援をしていってほしいと思います。
 次に、岩手県の魅力を高める観光振興について伺います。
 自然、歴史、文化、食など多様で魅力的な資源を持つ岩手県ですが、いま一つ、多くの観光客の皆さんに理解されていないのではないかと思われます。以前と比較すれば認知度が上がってきているのは事実ではありますが、岩手県の持つポテンシャルからすれば、まだまだ物足りないように感じます。そのため、さらなる情報発信と観光の広域化が必要ではないかと考えます。
 また、住んでいる住民がすばらしいと思わないものには、他の地域の人に魅力的に映ることはないと思います。県民一人一人が、もっと岩手県の魅力を理解し、みずから発信者となってPRしていけば、さらにすばらしいことと思います。
 県民にも県外の方々にも、岩手県の魅力をもっと理解していただけるよう情報発信の強化が重要と考えますが、県のお考えを伺います。
〇商工労働観光部副部長(橋場友司君) 田中辰也議員御指摘のとおり、本県の多様な観光資源の魅力をより多くの観光客の皆さんに御理解いただくことはもちろん、改めて、岩手県に暮らす県民が再認識し誇りに感じることは、大変重要であると考えております。
 県では、みちのく岩手観光立県第4期基本計画の目指す姿に、住んでよし、訪れてよしの観光地域づくりを掲げ、県内外に向けた本県の魅力の発信に取り組んでいます。
 例えば、JR東日本と連携した観光キャンペーンにおいて、本県の魅力あるコンテンツを特設サイトや各種SNS、全国主要駅へのポスター掲出によりPRしているほか、県公認Vチューバー岩手さちこを活用して、若年層を中心に親しみやすい形で本県の魅力を発信しています。
 また、本県の観光のブランド力強化を目的に、市町村や観光関係者を対象として先進事例や情報発信手法を学ぶセミナー等を開催しているほか、県民や旅行者を対象としたSNS投稿キャンペーンも実施したところです。
 今後も、県、市町村、観光関係者のみならず、県民や旅行者の皆さんも巻き込んで、岩手県の魅力の発信の強化に取り組んでまいります。
〇1番(田中辰也君) 今、旅行者は団体旅行よりも個人旅行、プライベート旅行が多くなってきており、その動機づけは、SNSがほとんどのように感じておりますので、検索に引っかかるというものがチャンスだと思います。訪れた人が、こんなところに来ましたよというのは当然ですが、住んでいる人たちが、きょうの朝、これがきれいだったよとか、こんなおいしいものを食べたよとかというものをどんどん出して、岩手県はこんなにすばらしいんだよという発信を県民一人一人がやっていけるような環境づくりに努めていってほしいと思います。
 続きまして、高森高原風力発電所の安全点検結果につきましてお聞きいたしたいと思います。
 高森高原風力発電所の風車ですが、魅力的な観光資源の一つともなっているものであります。しかしながら、秋田県での事故を受け、点検のため休止しており、状態について不安に思っている方も多くいるようであります。
 その点検結果と今後の対策について伺います。あわせて、風車付近への接近が禁止されておりますが、今後どのような対応となるのか伺います。
〇企業局長(小島純君) 保守事業者による風車の点検作業は6月9日から25日まで行われておりますが、現在のところ、目に見える大きな損傷等はないものと聞いているところです。
 今後、製造装置メーカーが、詳細な点検結果をもとに風車の安全性を判断することとしており、時期は見通せないものの、企業局としては、その判断を待って運転を再開する方針であります。
 また、風車付近への立入禁止措置につきましては、同じく時期は見通せませんが、今後究明される事故原因を踏まえた再発防止策が示された後に、解除の可否について検討していく方針です。
〇1番(田中辰也君) これは、点検が終わったけれども、結果がまだ出ていないという認識でよろしいわけですね。どういう形の結果になるかは、まだ結果が出てこないでしょうが、秋田県での事故原因がどうなのか、その立地場所に係るものなのか、それとも製造過程に係るものなのか、どういう原因なのかによって対応の仕方が変わってくると思いますので、その原因をしっかり把握した上で対応をしていただきたいと思います。
 それでは、続きまして、地域の将来を担う人材育成について質問いたします。
 まず、県立高校の新たな再編計画策定について伺います。
 人口減少社会の進展に伴い、県内の児童生徒数の減少が続いてきております。その中で県教育委員会は、新たな県立高校の再編計画を策定しようとしております。これまでも生徒数の減少に伴い統合再編が実施されてきたところでございますが、地方部においては、これ以上減少すると、多様な学びの意欲を満足することができない状況になってきております。
 人口減少下において、生徒の多様な学びの意欲を満足し、将来の岩手県を担う人材を育成していくために必要な県立高校のあり方について伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 変化の激しい時代に、少子化、人口減少が進む中、子供たちが広大な県土を有する本県の地理的要因によって教育の機会を損なうことなく、さまざまな社会的変化を乗り越えて豊かな人生を切り開く力を身につけさせることが重要です。
 先般策定しました県立高等学校教育の在り方長期ビジョンでは、基本的な考え方としまして、持続可能な社会の創り手となる人材の育成、教育の質の保証、教育の機会の保障、地域や地域産業を担う人材の育成などを掲げ、県立高校の役割や特色等に応じた教育環境の構築に取り組むこととしております。
 現在、この長期ビジョンを土台として、第3期県立高等学校再編計画を検討しているところであり、県民の皆様から御意見を伺いながら、策定に向けて丁寧に検討を進めていきたいと考えております。
〇1番(田中辰也君) あわせて、これにも関連しますが、生まれ育った地域で教育を受けられる環境の整備は必要だと思っておりますので、この観点からお尋ねいたします。
 人口減少は、県北地域、沿岸地域で加速度的に進んでおり、このままでは地域において学ぶことが難しくなることも予想されます。高校全入の時代となっており、生まれ育った場所や環境により、高校での教育を受けられないことがあってはならないことだと考えております。
 せめて高校までは自宅から通学可能な学校があることが理想だと考えておりますが、生徒数の減少に伴う学校の統廃合等が検討される場合もありますので、より遠隔地の学校に通わなければならない生徒も出てくるかもしれません。その場合の学びの環境の保障について伺うものであります。
 まず、地域で学ぶ子供たちのより上位校へ挑戦したいという意欲をどう満足させるかに関してでございますが、上位校への進学に際しまして、時間や費用をかけて、近くの高校ではなく遠くの高校での学びを選択する生徒も多くいるわけでございます。こういうことがなくてもいいような環境整備をしていくことも必要なことであろうと思います。
 そのため、それぞれの地域内において、例えば、県立中学校を併設しながら中高一貫教育校を設置したり、進学に特化する特進クラスを設置したりという検討をしてはいかがかと思います。
 また、地域内での学びを選択する際、校舎の老朽化が生徒の進学意欲をそいでいる面もあるかと思います。私の母校でもあります県立福岡高等学校の校舎は、一番古いものが昭和42年3月の完成であり、改築に対して早急な対応が必要と考えます。
 昨年2月の定例会におきまして一般質問をさせていただきましたが、高校再編計画等との整合性も図りながら、全県の施設の老朽化状況等を踏まえ、計画的に進めていくことが必要であると答弁をいただいたところでございます。その後の検討状況について伺うものであります。
 加えて、地域での学びを保証するためには、生徒の部活動も含めた多様な希望に応える必要があると思います。しかしながら、生徒数の減少により学校規模が小さくなることにより、希望する部活動が満足にできない状況も出てきております。
 現在の学校単位ではなく、地域を一くくりとして捉え、学ぶ場所は別でも、ともに部活動ができるような環境の整備も必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
〇教育長(佐藤一男君) 大きく3点お尋ねいただきました。まず、併設型中高一貫教育校の設置についてでございます。
 本県の併設型中高一貫教育は、県立一関第一高等学校及び附属中学校において実施しておりまして、探究的な学びの実施や大学進学等において一定の成果を上げているところです。一方で、県全体への成果の波及効果などについての課題も認められているところです。
 そういった中で、長期ビジョンにおきましては、併設型中高一貫教育について、これまでの成果や課題を踏まえ、県立中学校設置による周辺地域も含めた義務教育に与える影響や中学校卒業予定者数に基づく見通し等を考慮の上、今後のあり方について検討し、取り組むこととしております。
 2点目でございます。福岡高校の改築についてでございますが、県立高校の学校施設につきましては、一斉に改築、改修の時期を迎えておりまして、施設整備の需要が増大しているところであります。安全・安心で充実した学校生活を送ることができる教育環境を目指し、現在策定中の次期高校再編計画と整合性を図りながら、施設の老朽化の状況に応じて計画的に整備を進める必要があります。
 福岡高校の校舎は築58年以上が経過しておりまして、これまで屋上防水や暖房配管などの改修や修繕を行ってきたところですが、校舎全体の老朽化が顕著であることから、地域における将来的な生徒数の減少や多様化する教育ニーズ、県全体の公共施設マネジメントの方向性を踏まえながら、改築等を検討してまいります。
 3点目でございます。地域の状況を踏まえた部活動についてでありますが、県教育委員会では、令和6年1月に策定いたしました岩手県における学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方に関する方針におきまして、学校単独で学校部活動を設けることができない場合や専門的指導者が不在の場合には、生徒の活動の機会が損なわれることがないよう、複数校の生徒がその地域の拠点となる学校部活動に参加するなど、合同部活動等の取り組みを推進しているところです。
 また、県高等学校体育連盟-高体連では、単独チームを編成できない場合などに合同チームによる大会参加を認め、令和6年度の高校総合体育大会では、12競技42チームが参加しているところでございます。
 県教育委員会といたしましては、引き続き、少子化が進む中、生徒の多様なニーズを踏まえ、将来にわたってスポーツ、文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を確保できるように取り組んでまいります。
〇議長(工藤大輔君) 教育長、進学に特化する特進クラスの設置についての検討も同時に質問されているので、答弁を求めます。
〇教育長(佐藤一男君)(続) 特進クラスの点についてのお尋ねでございますが、中高一貫教育校の検討をする中で、別途、こういったクラスの設置が可能なのかどうかということも検討してまいりたいと思います。
〇1番(田中辰也君) この問題点の趣旨は、何回も質問させていただいておりますが、地域で子供をしっかり育てて、その地域のリーダーを生んでいくのだということが大事なことだと思います。
 その中で、本当に飛び抜けて優秀な人はもっとあれだと思うのですが、本当にこれからやっていってほしい人たちが、どんどん地域から抜け出していくのは、地域の今後、将来に非常に暗い影を落とすと思っているところでございます。中高一貫であったり特進であったり、いろいろなことに地元でチャレンジができる、通学時間の余裕を持って部活動もできる、いろいろな活動もできる、重要な高校時代を送れる環境を整備していくべきではないかという思いをしていますので、それについては、もう少し前向きに検討していただきたいと思うところでございます。
 その中で、生徒数が減っていくのは必然的なことで、これは避けて通れないことだと思います。それで、今の学校の設置基準なり運営基準なりで考えていくと、どうしてもこれ以上経営できないという形になる可能性が高いという状況になると思います。
 その中で、各学校を、先ほど部活動では連携をしてという話をしていましたが、例えば、開設科目であっても、ないところとは共通しながらやるとか、学ぶ意欲をそがないような、共通で開講できるような-多分、今ある学校のくくりとしてはない発想だと思うのです。ただ、これほど広大な岩手県という県土に散らばっている子供たちを、どう育てていくかということが非常に大事なことだと思います。
 そういうところで、オンライン授業も含めながら、たまには一緒に学びながらということも含めて、少し大きくくくりながら学校を設置する-学校を設置すると言っていいかどうかあれですが、そういう学びの環境を整えることも、岩手県においては今後必要な課題となってくるのではないかと思っているわけですが、教育長の所見を伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 複数の学校で共通の学びをするということで、現在、田中辰也議員からお話があったものと最も近いのは、遠隔教育ということかと考えております。県立杜陵高等学校に配信拠点を置きまして、県内六つの小規模高校ですが、なかなか授業開設ができない、科目開設できないもの、物理とか地理とか、そういったものについて、3科目だと思いますが、今開設して学んでいる状況もあります。
 県立高等学校教育の在り方〜長期ビジョン〜にも書いてあるのですが、遠隔教育、それから、田中辰也議員からお話のあった学校間連携については、今後の高校教育の一つのあり方として検討していくべき事項ではないかと考えております。
〇1番(田中辰也君) 岩手県のこの広大な県土に分散する子供たちをしっかりと育てていくという視点も大事かと思います。現状にとらわれず、いろいろな可能性を探って、検討を続けていってほしいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、郷土愛を育む教育の推進について伺います。
 未来の岩手県を担う人材育成には、子供たちに岩手県を好きになってもらい、岩手県をよく知り、岩手県に貢献したいと思うような郷土愛を育む教育が不可欠であると思うところでございます。
 県並びに市町村での取り組みの現状と今後のあり方について伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 県教育委員会では、岩手県教育振興計画(2024〜2028)におきまして、郷土に誇りと愛着を持ち、岩手で、世界で活躍する人材の育成を掲げまして、いわての復興教育に取り組んでいるほか、キャリアパスポートを活用したキャリア教育、学校と地域が連携した岩手県の歴史や自然、文化等を探求する学習などを推進しているところです。
 また、市町村におきましても、一戸町のいちのへ御所野縄文学や洋野町の海洋教育ひろの学に取り組む事例など、各地域の特色を生かした学校と地域が連携した取り組みを進めてきたところです。
 地域にかかわる学習は、郷土愛を育成し、社会を創造する人づくりにもつながる重要なものと捉えており、引き続き市町村教育委員会とも連携しながら、各学校の取り組みを支援してまいります。
〇1番(田中辰也君) 県でも市町村でも取り組んでいるということでございますが、その中で大事なのは、学ぶだけではなくて、伝える活動が必要だということではないかと思っております。
 私も社会人の時代に全国、また海外にも行って、いろいろな人とお話をする際に、田中君はどんなところで育って、どんな文化があったのかということをよく聞かれました。私は、岩手県で18年間育ってきたはずなのに、岩手県にこんないいところがある、こんなすばらしいものがあるということが、口から出てこなかったのです。
 やはりそういうことを高校生ぐらいまでのうちに、自分の口から説明できるようなことをしっかりやらせておくことが、郷土への誇りを持つことにもつながってくると思います。頭で理解するだけではなく、口でしっかり説明できるような形にさせてやることが大事なことかと思いますし、理解促進にもつながると思います。そういう取り組みもあわせて取り組んでいってほしいと思います。
 あわせて、教育振興運動についてお伺いいたしたいと思います。
 岩手県独自の取り組みである教育振興運動ですが、60年を経て、そのあり方につきましては、いま一度考え直すべきときではないかと思うところでございます。
 児童生徒数の減少に伴いまして小中学校の統廃合が進み、地域から学校が遠い存在になっているところもあります。現在のままの活動を続けていても効果的な運動にはなり得ず、現場からは、県が諦めてくれればいいのになという声も聞こえてくる状態であります。
 地域が教育を支援する、また教育に参加することは、学校教育にとどまるものではなく、広く地域社会とともにあるべきものと考えます。人口減少の進展により、郷土に受け継がれてきた芸能や祭礼を継続することが困難になる場合も出てきております。地域の歴史や文化を継承するための活動も、学校が身近でなくなることにより途絶えようとする地域もあります。
 この際、岩手県の教育振興運動を進化させ、郷土愛を育む教育のため、学校、地域が連携していく体制を再構築してはいかがかと考えますが、いかがでしょうか。
〇教育長(佐藤一男君) 教育振興運動は、子供、家庭、学校、地域、行政の5者が、それぞれの役割と責任を果たし、地域ぐるみで子供たちを育む本県独自の運動として長年取り組んできたものであり、昨年度60周年を迎えまして、記念大会によるさらなる機運醸成を図ったところであります。
 また、教育振興運動推進プラン(2024〜2028)は、全県共通課題に、家庭学習の充実とともに体験活動の充実を掲げまして、学校だけではなく、公民館や自治会等も主体となって、郷土芸能や世代間交流、就業体験など、各地域の特色を生かしたさまざまな体験活動を通じて、子供たちに地域の魅力を理解してもらう取り組みを進めてきているところです。
 本県でも、人口減少対策が喫緊の課題となる中で、持続的に発展する地域社会をつくっていくためには、田中辰也議員から御指摘のありましたとおり、郷土への誇りと愛着を持ち、未来の岩手を担う人材の育成が重要と考えており、今後も、教育振興運動などによります学校と地域が一体となった取り組みを充実させていきたいと考えております。
〇1番(田中辰也君) 当初、60年前につくったときの目標はある程度達成しているのだろうと思います。それよりさらに先の岩手県の教育を目指してこの運動を高めていく必要があると思っていますので、市町村、また地域と連携しながら、運動を進めていってほしいと思います。
 次に、産業技術短期大学校の県北地域への設置に係る検討状況について伺います。
 この件につきましては、何度もお尋ねさせてもらっているところでございます。県北地域への県立産業技術短期大学校の設置に係る、現在の検討状況についてお伺いいたしたいと思います。設置検討に当たっては、所管の商工労働観光部のみならず、県北振興に寄与するような全庁をまたいだ検討が必要だと私は思っているところでございますが、いかがお考えでしょうか。
 また、単なる職業訓練のみならず、地域に新たな産業を育成し、若者が起業もしくは創業できるような魅力的な教育訓練を行う必要があると考えるものでございますが、このような考えに対しまして、どのような検討がなされているのか、知事のお考えをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 県北圏域への産業技術短期大学校の新設に当たっては、産業技術短期大学校のみならず、高等技術専門校を含めた県立職業能力開発施設のあり方などとあわせた検討も必要であり、現在策定を進めている県立職業能力開発施設再編整備計画の中で具体化することとしております。
 これまで担当部の職員による職業能力開発施設あり方検討ワーキンググループにおいて、人口減少下における県立職業能力開発施設の役割などについて検討を進めてまいりました。
 今後は、本県の産業振興の方向性や社会環境の変化を踏まえて、関係部局を含め、再編整備計画の素案の策定に向けより具体的な検討を進めてまいります。
 素案の策定後は、外部識者等で構成する再編整備に関する検討委員会を設置することとしており、いわて県民計画(2019〜2028)の北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトに掲げる地域産業の未来を担う人材の育成に資するよう、県北圏域を含めた幅広い分野の方々から御意見を伺いながら、再編整備計画の策定に取り組んでまいります。
〇1番(田中辰也君) これは知事の肝いりの政策でもありますので、非常に力強い御答弁をいただいたと思っております。
 その中で、一つだけ確認させていただきたいと思います。以前からずっとお話をさせていただいておりますが、商工労働観光部だけで検討すると、どうしても職業訓練に偏ってしまう。私は、そうではないのだ、やはり県北地域に今後新たな産業を興すような新たな課程が必要なのではないかと思っているところでございますが、それにつきまして知事のお考えをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 職業能力開発施設再編整備計画の策定を進めていくに当たって、現在の産業技術短期大学校における学科の単なる統廃合等のみとするのではなく、今後の本県の産業振興の方向性や、また、社会環境の変化を踏まえて、どのような学科等が必要かといった検討を十分に行う必要があります。
 また、高校生等が、どのような専門知識を学び、それをどのような分野で生かしていきたいかというニーズを踏まえたものとすることも重要であると考えております。
 田中辰也議員御指摘のとおり、そういった内容の検討をするに当たっては、地域社会のさまざまな分野の今後のあり方についてと連動させながら検討していく必要があり、外部識者等で構成する検討委員会を設置し、地域の皆さんも含めて幅広い分野の方々から意見を伺い、検討を進めていきたいと思います。
〇1番(田中辰也君) 知事のおっしゃられたとおり、そういう広い視野で少し検討していただきたいと思います。地域の産業人その他の方々からも、現在の職業訓練に特化したようなことではなく、先を見据えた、今、AIであったりICTであったりがどんどん進んでいく、それが地域の例えば農林水産業にどう貢献していくか。そこでつくったプログラムが全国、全世界に発信できるような産業がここからできるかもしれない、そういう希望を持てるような課程をつくっていただきたいという話がありましたので、どうぞ検討をよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、地域交通の確保について伺います。
 まず、バスの運行確保等について伺います。
 採算性の悪化や運転手が確保できないことなどによりまして、県内各地でバス路線の減便、廃止がなされているところでございます。バスの利用者は高齢者や学生など交通弱者が多く、代替交通手段の確保に苦慮しているところであります。
 市町村では、域内交通確保のため、デマンド交通やコミュニティーバスの運行を行っておりますが、いずれもかなりの財政負担を伴いながら実施しているのが現実であります。
 バス路線の運行確保と今後の公共交通のあり方についてのお考えを伺います。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 田中辰也議員御指摘のとおり、燃料費の高騰や運転士不足等によりバス路線の休廃止が進んでおりますことから、これまで以上に強い危機感を持ちながら、環境変化に応じたバス運行の維持、確保に取り組む必要があるものと認識しております。
 現在、県では、広域バス路線の運行や市町村が必要な代替交通を確保する取り組みなどに対する補助を実施しておりますほか、乗り合いバス事業者の運転士確保や採用活動等に対する支援などにも取り組んでいるところであります。
 また、今年度からは、地域の公共交通のあるべき姿の検討がスムーズに進むよう、市町村ごとに個別ヒアリングを実施し、地域公共交通利便増進実施計画の策定に向けた伴走支援にも取り組んでいるところでございます。
 公共交通は、県民が安全・安心に暮らすことができる生活環境を維持する上でも不可欠なものであり、引き続き、持続的で利便性の高い地域公共交通ネットワークの形成が図られるよう、国、市町村及び事業者と連携しながら、各般の施策に全力で取り組んでまいります。
〇1番(田中辰也君) 実際問題といたしまして、例えば九戸村から二戸市の学校に通う、逆に二戸市から九戸村の学校に通うというところで、朝はバスの便があるのだけれども、夕方はバスがなくてどうしようもないという、現実問題としてそういうことが出てきております。やはり学びにも影響が出てきていることも考慮しながら、市町村と連携しながら取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、デマンド交通など域内交通に各市町村で取り組んでいるわけでございますが、域内交通は市町村の圏域内のみでしか運行していない、隣の市町村に行くことができない状況になっております。先ほど言ったような、九戸村から二戸市に行くこともできない状況になってきているということでございます。
 これはなぜ難しいかというと、公共交通会議とかの問題があるわけですが、隣接市町村との経済的な、また文化的な交流の深い地域にあって、地域交通の確保においては本当に大きな障壁となっているところでございます。隣接市町村まで地域交通を運行できるようにするとなると、先ほど言ったとおり、ほかの運行事業者等が参入してきて協議しなければならない。利害関係者がふえ協議がまとまらないということが実際に多くなってきているところでございます。
 市町村をまたぐ路線バスは、先ほど言ったような減便や廃止によって地域の交通体系が分断されていたり、時間によってはなかったりという状況になっておりますし、バス会社はバス会社として、収益上の問題もあって、増便や拡大、運転手の確保もできないという話もあって、なかなか意に沿えないという回答も得ているところでございます。
 このような状況下においては、市町村の取り組む域内交通を拡大運用、相互運用していくことが、問題解決するための一つの手段として非常に有効な手段と考えます。
 この市町村をまたぐ広域運行に向けて、県がある程度積極的に関与し市町村をサポートするべきではないかと思うわけでございますが、県のお考えを伺います。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 県では、市町村に対し、人口減少対策路線確保事業により、乗り合いバス事業者が広域的な補助路線を廃止した場合に、代替交通を確保する取り組みに補助しているほか、地域公共交通再編・活性化推進事業費補助金により、広域的な路線を含めたコミュニティーバスやデマンド交通の実証運行に要する経費に補助を行っているところであります。
 先ほど答弁申し上げましたとおり、今年度から市町村のヒアリングを行い、市町村の利便増進実施計画の策定支援を行っているところでありますけれども、これに加えまして、個々の課題に適した有識者の派遣や関係市町村間の調整、バス事業者との仲介など、交通ネットワークの再編やサービス面の改善等のための各種のきめ細やかな取り組みを行っております。こうした中で、広域バス路線あるいはデマンド交通等のあり方についても検討していく必要があると考えております。
 引き続き、市町村連携による広域的な取り組みが推進されるよう、各地域の状況を踏まえた助言や支援に積極的に取り組んでまいります。
〇1番(田中辰也君) 朝とか、ある程度一定的な需要がある場合は大型のバスは非常に有効なのですが、それ以外のところで現行のバスを運行するのは、事業者にとっても非常に困難な場合もあります。そういうところには、小回りのきくデマンドであったりコミュニティーバスであったりということが大事なのだろうと思っております。
 今の問題として、その先に行けないというのが一番の課題なのです。ですので、そこを、広域振興局を中心としながら、域内の交通事業者をある程度まとめながら、共存していく道を探っていかなければならないという思いをしています。
 そこにつきまして、もう少し県の関与、努力、協力をいただきたいと思いますが、その辺につきましてはどのようにお考えでしょうか。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 先ほど来、答弁申し上げております市町村に策定支援をしている公共交通事業利便増進実施計画は、地域公共交通法で自治体に努力義務が課せられている地域公共交通計画の中に位置づけられる計画であるわけです。この計画は、例えば、路線の編成の見直しであったり、運賃設定の見直しであったり、ダイヤの改正であったり、市町村の地域公共交通が最適化されるための計画づくりを事業者にも入ってもらってやるものですが、ことしそれにすごく力を入れて計画づくりの応援をしております。
 計画をつくると国庫補助要件が緩和されるといったメリットもあったりしますので、我々も応援しているのですけれども、当然、我々が入り込んで市町村と地域の公共交通網の策定を一緒に進めていくということは、今やり始めたところですので、実際に市町村と議論していく中で、ここは市町村の中で完結できないから、市町村域をまたいだ路線が必要という議論も当然出てくると思います。
 そういったものについては、広域振興局が中心になるかと思いますけれども、県が間で調整をしながら交通の最適化を図っていきたいと考えております。
〇1番(田中辰也君) 市町村もいろいろ苦慮しておりますので、寄り添った伴走支援をよろしくお願いいたします。
 次に、運転手確保についてお伺いいたします。
 バス、タクシーの運転手の確保が非常に困難な状態が続いております。また、高齢化も進んでおり、このままでは運行がますます困難となることも想定されます。
 県としては、現状をどのように把握して、どのような支援を行っているのか伺います。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) まず、県内乗り合いバス3社における運転士数は、令和元年度の835人から令和6年度は621人と、5年間で214人、25.6%減少しており、また、県内のタクシー事業者の運転者数は、同期間の5年間で2、675人から2、077人と、598人、22.4%減少しているなど、運転士確保は喫緊の課題となっております。
 こうしたことから、バスにつきましては、事業者の運転士確保や採用活動等に対する支援に加えまして、大型2種免許の取得や乗務員の勤務環境の改善への支援に取り組んでいるほか、タクシーにつきましても、利用者の減少や燃料費高騰の影響を受けている事業者に対し、運行支援を行ってきたところであります。
 これらの取り組みもありまして、バスにつきましては、令和元年度から令和5年度は、各年平均して退職者が採用者を約30名上回っておりましたけれども、令和6年度は採用者が8名上回るという形になっておりまして、下げどまりの傾向が見られているところであります。
 また、国に対しましても、待遇改善に向けた支援策や経営上の財政支援を強く要望しているところであり、今後も、地域公共交通を担う運転士の確保が図られるよう、事業者への支援のほか、国への働きかけを含め、各種施策に取り組んでまいります。
〇1番(田中辰也君) 事業者としっかり連携しながら伴走支援をしていっていただきたいと思います。とにかく運転手がいないと、そもそも何もできなくなりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、内陸部と沿岸部を結ぶ道路の整備について伺いたいと思います。
 内陸部と沿岸部を結ぶ交通網につきましては、釜石自動車道や宮古盛岡横断道路などの整備が進み、盛岡市以南では大きな効果をもたらしております。しかしながら、県北部においては、いまだ急峻な山越えを強いられており、通行に当たってはかなりの時間を要しているのが現状であります。
 県北部においては、地元から北岩手と北三陸を横断する道路の整備要望が出されておりますが、この要望に対する現在の検討状況と今後の対応につきましてお伺いいたします。
〇県土整備部長(上澤和哉君) 県北地域の道路ネットワークの強化は、災害に強い県土づくりに加え、県北地域の産業振興や広域観光の推進の観点からも重要な課題と認識しております。
 このため、岩手県新広域道路交通計画では、県北地域においても内陸部と沿岸部の連絡強化を図るため、久慈市と盛岡市を結ぶ国道281号を一般広域道路に、さらに、これに重なる形で(仮称)久慈内陸道路を構想路線に位置づけております。
 こうした考え方に加えて、現道の課題が多く確認された葛巻町内の区間を優先し調査を進めることを北岩手・北三陸横断道路整備促進期成同盟会における沿線の市町村長と共有しており、現在は、葛巻町と意見交換をしながら葛巻町内の区間のルートの検討を進め、本年6月上旬には、想定されるルートの位置や配慮事項等を葛巻町と現地で確認したところです。
 引き続き、沿線の市町村と丁寧に意見交換しながら、葛巻町内のルート検討の精度を上げ、着実に調査を進めてまいります。
〇1番(田中辰也君) 国との絡みもあると思いますので、事業実現に向けまして、事業採択に向けましてしっかり取り組んでいってほしいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、安心・安全な地域づくりにつきましてお伺いしたいと思います。
 まず、中山の園の施設整備についてお伺いいたします。
 中山の園整備基本計画案が公表され、現在地、また県立一戸病院内、みたけの杜隣接地の3カ所で分散整備するという方向性が示されました。その整備内容について、まず伺います。
 それと、施設の新設や大規模改修に当たっては、利用者や職員の利便性を考慮し、先を見据えた整備が必要と考えます。職員宿舎の改修も含め、どのように対応するのかお伺いいたします。
 また、医療的ケアを必要とする入所者については、一戸病院内に新たに整備する施設を利用するとのことですが、現在も空き病棟を一戸町が借り上げ、有料老人ホームなどとして利用しているものであります。
 一戸病院内に設置する施設については、通常の病棟運営を行いながら、新たに障がい者施設である中山の園の一部施設を受け入れることになるため、混乱を生じないような対応が必要であり、医療的ケアを常時必要とする入所者のためには整備を急ぐ必要もあると考えますが、どのような整備を検討していくのか伺います。
〇知事(達増拓也君) 中山の園の整備についてでありますが、利用者の高齢化や重度化に加え、障がい特性が多様化している現状を踏まえ、それぞれの特性に応じた居住機能を整備することにより、利用者の状態に応じた適切な支援体制や安全性の確保を図ってまいります。
 中山の園整備基本計画案では、各居室は個室を基本とし、利用者が安心して生活できる居住空間を確保するとともに、合理的かつ効率的な導線を確保し、利用者にも職員にも使いやすい施設構造とすることとしています。
 また、職員の確保を図るため、職員宿舎も必要数整備する予定です。
 特に、医療的ケアが必要な高齢障がい者等に対応するため、県立一戸病院内にも分割して整備を行いますが、救急対応や通院の負担等の課題を解消するため、早期の着工を目指す考えです。
 なお、障がい者支援施設部分は、病院の外来部門や病棟とは階を分けて整備することを想定しており、改修工事及び整備後の運営に当たっては、病院の運営に影響を及ぼすことのないように、病院側とも十分に調整を図ってまいります。
〇1番(田中辰也君) 知事も先般、現地で視察されたとお伺いしております。私も先般、しばらくぶりに見てまいりましたけれども、以前よりかなり老朽化が進んでいるなという思いもしましたし、入所している人たちも、これは少し不便だなというような思いもしたところでございますので、一日も早く快適な環境をつくっていただきたいと思います。
 見てきたところは、入所者の年齢層が比較的低いところで、車椅子もそんなに往来していないところだったのですが、それでも、本当に四十数年前の昔の施設だなという思いをしています。できるだけ早急に、特に医療ケアが必要な、急いでやらなければならないところを優先的に整備していってほしいという思いをしていますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、地域医療における県立病院の果たす役割について伺います。
 県内医療における県立病院の果たしてきた役割は非常に大きく、広大な県土を有する岩手県において、良好な医療提供を続けてきたことは、大きな成果であると考えます。しかしながら、岩手県立病院等事業会計の赤字が大きくなってきており、このままでは持続的な経営に不安が残ります。
 今後の地域医療において県立病院の果たす役割について、市町村や民間医療機関も交えながら検討、協議を行い、公的医療提供のあり方について新たな方向性を見出していかなければならないのではないかと考えておりますが、これにつきましてのお考えを伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 地域医療における県立病院の果たす役割についてでありますが、令和6年3月に策定いたしました岩手県保健医療計画(2024〜2029)においては、県立病院を含む公的医療機関は、救急医療、小児医療、高度、専門医療など、採算性等の面から民間医療機関による提供が困難な医療に加え、圏域における医療資源等の実情に応じて、初期救急やプライマリーケアなど地域住民に身近な医療を提供する役割を担うものとしております。
 本計画は、市町村や民間医療機関、県立病院、大学などの医療関係者等と協議を重ねて策定したものであり、県では、この計画に基づき必要な取り組みを進めていくこととしており、また、医療局におきましても、県立病院経営委員会や病院運営協議会で市町村や外部有識者などの意見を経営に生かす取り組みを行っていると承知しており、今後も、関係者と連携しながら、持続可能な医療提供体制の構築を進めてまいります。
〇1番(田中辰也君) いざというときが一番問題だと思っておりました。先般の新型コロナウイルス感染症が発生したときの、予防接種をしたりするときに、九戸村は地域医療センターしかないものですから、医者がそもそもいない状況で、なかなか手が回らなかったりしたところで、広域でいろいろ協議しながら、医師会も含めて検討してきたという経緯もあります。
 そういうところで、県北地域は特に公的機関の比重が大きいですから、民間はなかなかないのですが、そういうところで、民間と公的なところとしっかり連携しながらやっていかなければ医療が破綻することになってくるかと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 続きまして、地域包括ケアシステム充実のためのリハビリテーション医療につきまして、お伺いいたしたいと思います。
 医療、介護、福祉の連携を図る地域包括ケアシステムは、QOLの向上に非常に効果的と考えるものでありますが、急性期医療が終了した後、医療圏において回復期のリハビリテーション機能がなく、システム全体がうまく機能しないところがあるように私自身感じているところがあります。
 早期に機能回復を行い自宅で生活することにより、心身ともに豊かな生活を送ることが可能と思いますが、リハビリテーションの充実についての県のお考えを伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) リハビリテーション医療についてでありますが、本県では、地域医療構想において必要とされる病床機能を確保するため、二次医療圏ごとに設置いたしました地域医療構想調整会議で議論を行ってきており、例えば二戸医療圏では、令和2年1月から、県立二戸病院にリハビリテーションを初めとする回復期の医療機能を担う地域包括ケア病床50床が新設されたところであります。
 高齢化が進行する中、脳卒中患者などの予後の改善や社会復帰、在宅高齢者の自立支援などを図る上で、心身機能や日常生活活動等の向上に資するリハビリテーションは、一層その重要性が増しております。
 昨年12月に公表された国の新たな地域医療構想における取りまとめにおいて、現行の回復期機能に、今後増加することが見込まれる高齢者の救急搬送に対応するため、高齢者等の急性期患者について、治療と入院早期からのリハビリを行い、早期の在宅復帰を目的とした医療提供機能を追加する考え方が示されたところであります。
 県としては、こうした国の動向や地域医療構想調整会議における議論を踏まえながら、県内のリハビリテーション提供体制のさらなる充実が図られるよう、引き続き検討を進めてまいります。
〇1番(田中辰也君) 保健福祉部長も問題点を認識されておったと思っております。福祉の先進国である北欧のデンマーク等では、いち早く手術をして、手術し終わった後すぐリハビリテーションに入って、家庭に戻れるように、しっかりそういう循環がうまくなされています。これをしっかりつくることによって、介護する家族たちの負担が軽減されますし、医療費、また介護費用の軽減にもつながると思っておりますので、さまざまな課題は多いと思いますが、充実に向けて取り組んでいっていただきたいと思います。
 続きまして、国民健康保険税水準の統一に向けた検討状況について伺いたいと思います。
 国民健康保険の制度運用に当たっては、国から国保税水準の統一を図るようにという方向性が示されているところでございます。同じ所得水準、世帯構成であれば、同じ保険税水準で徴収することになるということでございますが、各市町村によって医療費削減のための取り組み等を行っており、医療費の水準にもばらつきがあるのが現状であります。
 これまでは、各市町村の医療費削減効果が保険税等にダイレクトに反映されていたわけですが、保険税水準を統一した場合には、直接的な反映は難しく、医療費削減の取り組みがおろそかになる可能性もあると考えます。
 現在においての検討状況等について、どのようになっているのか、まずは伺いたいと思います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 国民健康保険税水準の統一に向けた検討状況でありますが、国民健康保険は、特に小規模な保険者において高額な医療費が発生した場合に、保険税が変動し、財政運営が不安定になることが課題となっており、こうした保険税の変動を抑制し、国保財政の安定的運営を図るため、本県では、令和6年度からの第3期岩手県国民健康保険運営方針に基づき、保険税水準の統一に向けて段階的に取り組むこととしております。
 一方で、市町村の1人当たり医療費は最大と最小で約1.5倍の差があり、保険税水準の統一により、過渡的に医療費水準が低い市町村の納付金がふえることや、田中辰也議員御指摘のとおり、各市町村で行っている医療費適正化のインセンティブが働きにくいなどといった課題があると認識しております。
 これまで県では、市町村との意見交換や地区別勉強会などを通じまして、各市町村の個別課題などの把握に努めてきたところであり、今年度から、市町村等の担当者で構成するワーキンググループにおきまして、保険税水準の統一に向けた議論を進めることとしております。
 今後も、市町村の意見を丁寧に伺いながら、医療費適正化に関するインセンティブ等を含めまして、さまざまな課題について検討を進めてまいります。
〇1番(田中辰也君) 医療費削減の取り組みは、本当に各市町村いろいろ工夫を凝らしながら取り組んでいっているところでございますので、それにつきましては、さらに推進していけるような形でやっていってほしいと思います。
 国民健康保険の加入世帯数はどこの市町村も本当に少なくなってきておりまして、逆に言うと、本当に弱い人たちの保険になってきつつあるという思いもしています。そういう意味でも、セーフティーネットとしての機能もきちんと果たせるような取り組みをしっかりしていかなければならないと思っていましたので、検討につきましてよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、消防団員確保に対しましての県の取り組みについて伺いたいと思います。
 ことし2月に大船渡市で大規模林野火災が発生しました。林野火災におきまして亡くなられました方の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方にお見舞いを申し上げるものでございます。
 このように、火災のみならず、風水害を含め多様化する災害に対しまして、各市町村の消防団の果たす役割は非常に大きなものがあります。しかしながら、いずれの市町村においても団員の確保には大変苦慮しており、活動に制限が出る場合も少なくありません。
 各市町村においては、市町村の職員が入団し活動することは珍しくありませんが、県職員の消防団への入団状況について伺うものであります。
〇復興防災部長(大畑光宏君) 県職員の消防団への入団状況についてであります。
 消防庁による調査結果では、本年4月1日現在、消防団に入団している県職員は、速報値で74人となっております。
 県では毎年度、県新採用職員研修で消防団の活動内容等を紹介しながら、消防団員が地域防災の中心的な役割を担っていることなどの説明をいたしまして、積極的な入団を働きかけているところでございます。
 消防団への加入につきましては、地域の防災力向上はもとより、地域の状況を理解し、地域貢献意識の醸成にもつながるものと考えておりますので、引き続き、消防団活動への職員の理解促進に取り組み、消防団への加入について働きかけを進めてまいります。
〇1番(田中辰也君) 勤務地と居住地が全然違っていたりする場合も当然ありますので、無理やりというわけではありませんが、やはり休日であったり、いる場合には、ある程度協力してもらいたいということはあるかと思います。無理のない範囲で県としても積極的にPRをしていっていただければ、各市町村の消防団の充足率も高まってくるのではないかと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 最後に、小規模町村の支援について伺います。
 職員の共同募集について伺うところでございます。
 土木技師と保健師につきまして、市町村職員を今年度共同で募集するということでございます。この場合、個人において複数の市町村から採用名簿に登載することが可能なこととなるのかどうか、まず伺います。
 この場合においても、その採用名簿に登載された個人が、あくまでもそれぞれの市町村を選択することになると理解してよろしいのか。その場合には、このシステムは、市町村の共同採用になった場合にも、市町村によっては採用に至らないケースも当然あり得ることと考えてよろしいのか、この点につきまして伺います。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 県では、今年度から職員の確保が困難な沿岸、県北地域の市町村を対象として、その中でも特に採用が難しい保健師及び土木技師の2職種で、市町村職員の共同採用の取り組みを開始したところであります。
 この取り組みでは、受験者は、各市町村の応募要項に掲げる応募条件等を踏まえ、1度の申し込みで最大2団体まで受験することが可能であり、面接などの試験を経て、それぞれの団体で合否を決することから、受験者によっては、二つの団体から内定を受けることも想定され、その応諾については受験者が判断することとなります。
 採用に至らない市町村が生じるという点では、それぞれが独自に行う通常の採用選考と相違はございませんけれども、県としましては、受験者への周知、採用事務の省力化、効率化など、共同採用の優位性を生かし、小規模自治体でありましても、必要な人材を確保し、持続可能で安定的に行政サービスを提供できるよう、市町村のニーズに応じた支援を行ってまいります。
〇1番(田中辰也君) それでは、少し確認させていただきたいのですが、2団体応募できるということは、例えば、今年度の場合は、手を上げている市町村がどのくらいあって、2団体しか応募できないとなると、その応募すらない市町村が出てくることも当然あり得るという認識でよろしいでしょうか。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 今年度の実施市町村ですけれども、保健師が10市町村、土木職が13市町村となっております。
 この中から1人の受験者が2団体を選んで応募することになりますので、数にもよりますけれども、結果として、応募がなかった市町村が生じるということは、あり得るかと思います。
〇1番(田中辰也君) 予算特別委員会の総括質疑のときもお聞きしたかと思うのですが、沖縄県の例を挙げて、共同採用しても応募がない村があるという状況です。本当に小さな町村にとっては、一般職ですらなかなか応募がないという状況が続いています。今回、とりあえずやってみながら改善していかなければならないかという思いもしておりましたし、各市町村とも魅力化というか、応募を意欲的にしてくれるための努力は当然やっていかなければならないと思うわけです。その両輪で攻めていかないと、小規模になればなるほど、なかなか職員が集まらなくなってきて、いろいろな業務ができない。
 専門職については、一般職がやっている例も多々見受けられる状況にもあります。そういうことによって行政事務が滞る可能性も出てきますので、そういうところについてしっかりフォローできるような制度に、今回初めてやるので、これを受けてやっていってほしいと思いますし、市町村の要望もしっかり聞きながらやっていってほしいと思います。
 次に、専門職員の派遣についてお伺いします。
 保健師などの専門職員の小規模町村への派遣を実際に始めましたけれども、それを受けている町村からは、非常に高い評価を受けております。広域振興局単位においては、さらなる町村への派遣も可能かと思いますが、これまでの成果を踏まえまして、今後の対応について伺うものであります。
 また、町村会からは、専門職の人材確保に向けて、県が職員を一括採用して、町村に派遣するような仕組みを構築してくれないかという要望がなされているところでございますが、それについての検討状況をお伺いいたします。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 特に、小規模自治体では、職員を募集しても応募がないなど専門職員の確保に苦慮しておりますことから、県では今年度、普代村に保健師を、田野畑村に林学職をスポット的に派遣し、専門分野における地域課題の解決を支援しているところであります。
 一方、県におきましても、一部の専門職種で必要数を確保できていない状況にありますことから、今後、全ての派遣要請に応じることが難しくなる可能性も想定されますが、関係部局と調整を図りながら、市町村のニーズに応じた支援策を講じてまいりたいと考えております。
 また、県による専門職員の一括採用につきましては、給与設定のあり方を初め、退職手当の負担割合、人事配置の考え方など、自治体間で調整が必要な課題があり、すぐに実施することは難しい面もありますけれども、こうした手法も含めまして、市町村が持続的かつ安定的に行政サービスを提供することができるよう、引き続き、市町村の意向を伺いながら、効果的な人的支援策について幅広に検討してまいります。
〇1番(田中辰也君) 本当に、何度も申し上げますが、小さなところは職員の確保だけでも大変ですし、一般職が兼務しながらやっている状況が多々あります。そういうところで、県から一時的にでも派遣してもらいながら業務を支援してもらったりということは、非常に助かるところでもございます。任用についても、できれば一括しながら共同でやってもらえば、来た職員もある程度余裕を持って働けるのかなという思いもしていましたので、町村会等の要望についても真摯に検討していっていただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございます。(拍手)
〇議長(工藤大輔君) 以上をもって田中辰也君の一般質問を終わります。
 以上をもって一般質問を終結いたします。
   
   日程第2 議案第1号令和7年度岩手県一般会計補正予算(第2号)から日程第14 議案第13号損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについてまで
〇議長(工藤大輔君) この際、日程第2、議案第1号から日程第14、議案第13号までを一括議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

前へ 次へ