令和7年6月定例会 第11回岩手県議会定例会会議録

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〇45番(千葉伝君) 自由民主党の千葉伝です。まずは、2月26日に大船渡市で発生した山林火災においては、死者1名、焼失面積3、370ヘクタール、家屋被害226棟、このうち全壊が175棟、このほかにも農業用施設などの焼損や菌床シイタケ栽培施設、漁具等の被害を含め、平成以来最大の山林火災となり、亡くなられた方へのお悔やみと被害に遭われた方々に対し、心からお見舞いを申し上げますとともに、早期の復旧を願うものであります。
 質問に入る前に、私にとってことしは平成7年度に県議会議員に初当選以来30年目を迎えることになりました。この30年、先輩議員や同僚議員を初め多くの皆様の御支援と御指導を賜り、今日まで歩んでくることができました。折しも、ことしは戦後80年を迎え、県においては、令和4年度から8年度までを県政150周年記念期間として位置づけ、さまざまな記念事業が展開されております。この記念すべき期間に県議会議員としての節目を迎え、150年の歴史の中で30年、岩手県とともに貴重な時を歩ませていただいたこと、特に平成25年9月から平成27年9月まで、県議会議長を務めさせていただいたことはまことに光栄であり、感慨深いものがあります。今後においても、県政に携わる一人として、皆様と力を合わせ、産業の発展、福祉の充実など、山積するさまざまな県政課題の解決に取り組み、よりよい岩手県を築くために邁進してまいる所存であり、これからの時代にふさわしい政策を皆様とともにつくり上げていきたいと考えておりますので、今後とも変わらぬ御指導、御協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
 それでは、通告に従い順次質問してまいりますので、誠意ある答弁をお願いします。
 最初に、岩手県の農業振興策について伺います。
 令和6年5月、国では、農政の憲法と呼ばれる食料・農業・農村基本法を改正しました。この改正基本法においては、食料安全保障の抜本的な強化、環境と調和のとれた産業への転換、人口減少下における農業生産の維持、発展などの実現を目指し、基本理念と関連する基本的施策を定めております。令和6年6月の県議会定例会の一般質問において、私の質問に対し、知事から、食料・農業・農村基本法の改正を契機に気候変動やGX-グリーントランスフォーメーションの進展など本県農業を取り巻く環境が変化する中、我が国の食料供給基地としての役割を果たしていくため、農業生産の増大など本県農業の強化に取り組んでいくことが必要であり、生産者や関係機関、団体の意見を伺いながら、農業ビジョンの策定に向け検討していく旨、答弁をいただいたところであります。
 その後、県においては、いわて農業生産強化ビジョンを策定することとし、先般6月10日に実施された議案等説明会において、その最終案が報告されたところであり、こうした県の取り組みに対し敬意を表するところであります。
 本県の農業の現状を見ると、農業産出額は平成23年度以降増加傾向にあり、令和5年は過去20年で最高の2、975億円となり、全国第9位であります。この内訳を見ると、畜産部門が1、975億円と全体の約66%を占め、耕種部門が1、000億円と全体の約33%という状況であります。
 今回示された、いわて農業生産強化ビジョンは、県のみならず、県内各市町村、農業団体、生産者等が本県農業の将来像を共有し、それぞれの主体がみずからの取り組みを進めていく柱となるものであり、その推進に当たっては、市町村や農業団体等と定期的な意見交換を行い、連携を一層強化していく必要があると考えるものであります。
 そこで、いわて農業生産強化ビジョンの最終案について、何点かお伺いします。
 まず、いわて農業生産強化ビジョンの策定過程では、岩手県農政審議会のほか、さまざまな方々と意見交換を行ったとされていますが、意見交換において、どのような意見が寄せられ、いただいた意見をどのように最終案に反映させたのか。また、本ビジョンの策定に向け、どのように取り組んでいくのかお示しください。
 次に、いわて農業生産強化ビジョンの内容についてお聞きします。本ビジョンの策定に当たり、本県農業の現状と課題をどう把握し、将来の姿をどのように展望したのか。また、食料自給率や農業産出額などの農業生産の目標をどのように設定した上で、どのように取り組もうとしているのか、お考えをお聞きします。
 また、本ビジョンは、本県の将来を展望した、いわて県民計画(2019〜2028)や、改正基本法の基本理念に基づき、本年4月に施策の方向性を具体化した食料・農業・農村基本計画、酪農及び肉用牛生産の振興等に関し、同年4月に国が定めた、酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針とどのように整合させているのかお示し願います。
 安全、安心な産地づくりのためには、意欲ある担い手を確保していく必要があります。次代の農業を担い、本ビジョンに掲げる将来像を実現していく人材の確保、育成にどのように取り組んでいくのかお示しください。
 次に、畜産振興について伺います。
 岩手県の畜産は農業産出額の約6割を占めるなど、地域経済にとって重要な位置づけになっていますが、最近の畜産をめぐる情勢は、穀物価格の高どまり、燃油や生産資材の高騰などにより生産費が増加し、加えて、物価高騰等により和牛肉需要が軟調に推移し、枝肉及び和牛子牛価格が低迷するなど収益性が低下し、一層厳しさを増しております。
 国においては、令和6年度補正予算により生産基盤強化対策として、畜産クラスター事業の取り組み強化費や和牛肉需要拡大緊急対策事業費を盛り込み、国難を乗り越えて畜産を守るとしています。
 こうした中、国は、本年4月に酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針を公表しました。この基本方針は、これから都道府県が作成する酪農・肉用牛生産近代化計画において、関連施策の運用の重要な指針となるものです。今回の国の基本方針の見直しの内容と、これを踏まえて、本県の酪農、肉用牛振興をどのように考えていくのかお伺いいたします。
 次に、家畜伝染病対策について伺います。
 令和6年5月に本県で初めて養豚場1カ所において豚熱が発生し、ことし1月には複数の農場で高病原性鳥インフルエンザが発生しました。豚熱については約1万9、700頭が殺処分され、埋却等の防疫措置に国や他の道県の職員のほか市町の職員、一般社団法人岩手県建設業協会や公益社団法人岩手県バス協会などの関係団体など約6、000人が対応し、再発、蔓延防止に向けた早期の対策により終息したところでありますが、6月19日現在、豚熱ウイルスに感染した野生イノシシは県内で237頭確認されている状況であります。
 また、高病原性鳥インフルエンザについては、令和6年度シーズンには全国14道県で発生し、これまで約932万羽が殺処分されております。岩手県においても、ことし1月に連続して5事例が発生し、約123万羽を殺処分し、埋却しております。防疫措置には、豚熱の防疫措置と同様に、本県職員を初め自衛隊、他道府県、県内市町村、民間企業など、延べ1万人を超える職員等が昼夜を徹し対応しており、対応した皆様に対し、改めてその御労苦に敬意と感謝を申し上げるものであります。
 国民の食生活に直結した安全で安心な畜産物の安定供給が求められる中、近年、近隣国においては、一旦発生すると地域経済に重大な影響を及ぼす、ワクチンのないアフリカ豚熱や口蹄疫等の海外悪性伝染病が発生しており、我が国へ侵入する脅威が増している現状にあります。
 こうした中、これまでの豚熱と高病原性鳥インフルエンザの発生状況を踏まえると、いずれの家畜伝染病についても、県内でいつ発生してもおかしくない状況にあると考えるところですが、今後の発生防止に万全を期するため、県としてどのような対策を進めていくのか、改めて県の見解を伺います。
 次に、産業動物獣医師及び公務員獣医師の確保について伺います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 令和7年4月、岩手大学の農学部共同獣医学科が改組され、獣医学部が新設されました。アドミッションポリシーには、獣医師は人類と動物の健康と福祉に貢献するという理念に基づき、高度獣医療の提供、人類の健康と食の安全、生命科学研究の発展に活躍できる国際的な視野を持つ人材を育成することが掲げられ、学部長のメッセージとして、地域社会のニーズに応じた教育を通じ、畜産業や動物医療の発展に貢献できる人材の育成が宣言されています。
 さらに、東京農工大学との共同教育課程を活用し、国際的に通用する獣医学教育を提供することを目指しており、これにより、岩手県内での獣医師の確保が進み、地域の畜産業の持続可能な発展や動物福祉の向上に寄与することが期待されるところであります。
 獣医師を大別すると、公的機関や農業団体等で、疾病予防や診療などを通じて畜産経営の維持発展に貢献し、安全で良質な畜産物の安定供給、家畜伝染病予防や衛生指導対応で重要な役割を担っている、畜産業に欠かせない存在としての産業動物獣医師と、人と動物の共通感染症や家畜伝染病への対策に取り組み、家畜衛生、公衆衛生等の現場において、まさに水際の防疫措置や食品衛生業務を担う公務員獣医師、さらに、ペット等の治療を専門的に行う小動物診療獣医師がおり、それぞれの分野において獣医師が活躍しております。
 近年、これら獣医師の分野において、国家資格取得後の就職先として小動物診療分野が継続的に増加し、その一方で、地方自治体の家畜衛生、公衆衛生部門の公務員獣医師の採用難や産業動物診療分野の診療獣医師の不足など、獣医師の職域偏在が見られ、産業動物獣医師と公務員獣医師の確保が問題となっているところですが、獣医師確保に向けた取り組み状況と今後の安定的な獣医療の提供のため、どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、鳥獣被害の状況と対策について伺います。
 県内では近年、鹿やイノシシの生息域が拡大し、県内のほぼ全域において捕獲され、また、農作物被害についても確認されております。また、ツキノワグマについては、令和6年度は例年並みだったものの、令和5年度の出没数は異常とも言える状況であり、人身被害も過去最多の49人の方が被害に遭われたと承知しており、最近では、盛岡市を初めとする市街地にも出没するなど、県の広範囲に野生鳥獣が出没する状況となっております。
 そこでまず、農業被害対策について伺います。野生鳥獣による農作物被害は、農業者の営農継続に向けた意欲を減退させるおそれがあり、耕作放棄や離農の原因にもなるなど、今後の農業生産や担い手の確保、育成に大きな影響があるものと考えておりますが、近年の農作物に対する被害の状況についてお示しください。
 また、鹿やイノシシなどを初めとする野生鳥獣による農作物被害を低減させていくためには、より積極的な鳥獣被害の防止対策が必要と考えますが、今年度の取り組み内容についてお示しください。
 次に、ツキノワグマの被害対策について伺います。
 ツキノワグマの出没の増加に伴い、人身被害の危険性も高まることから、市街地等に出没した熊は確実に捕獲していくべきと考えております。このような中、今年4月25日に改正鳥獣保護管理法-鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律が公布され、市街地等に熊が出没した際には、銃による捕獲が可能となり、今後において熊が県民の日常生活圏に侵入する事態に対し、安全かつ迅速な対応が期待されるところであります。後を絶たない熊の出没や人身被害について、今年度の状況はどのようになっているのかお伺いします。
 また、熊などの危険鳥獣が市街地等に出没した際に、銃による捕獲が可能となる改正鳥獣保護管理法の内容はどのようなものであり、県では、法改正を受け、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、野生鳥獣の捕獲後の処理について伺います。私は、野生鳥獣の捕獲事業は、捕獲と処理の連携が必要と考えております。有害鳥獣捕獲事業を実効性の高いものとするためには、捕獲された野生鳥獣が、適切な方法により処理される体制を整えていくことが必要であります。野生鳥獣による農作物被害額が高どまりしていること、そして捕獲頭数も増大していることを考えると、野生鳥獣の捕獲に当たる捕獲従事者の処理の負担を軽減する支援が必要と考えますが、県の見解を伺います。
 次に、動物愛護管理センターの整備について伺います。
 社会的な動物愛護思想の高まりを背景に、全国的にさまざまな動物愛護施策が進められております。岩手県ではこれまで、動物の命を尊重し、適正な飼養を推進するため、平成17年に動物の愛護及び管理に関する条例を制定し、一般社団法人岩手県獣医師会や動物愛護団体等と連携、協力し、譲渡会や動物愛護フェスティバル等を開催されてきました。令和6年度には、クラウドファンディングを活用した一時預かりボランティア事業が開始され、ボランティアの飼養管理を通じて人なれさせることにより、幼齢、または人なれが不十分な犬猫を譲渡につなげ、生存の機会の確保に向けた取り組みが展開されております。
 その一方で、多頭飼育崩壊や、飼い主のいない猫への餌やりなど、高齢化や孤独化等の社会的背景を反映した課題や懸念も顕在化しており、人と動物が共生する社会の実現に向けた動物愛護施策の一層の充実、強化が求められているところであります。
 このような中、動物愛護管理行政を担う岩手県と盛岡市は、動物愛護思想の普及啓発等の拠点施設となる動物愛護管理センターを共同で整備するため、令和7年3月に整備基本計画を策定しました。基本計画の策定までには、岩手県動物愛護推進協議会での議論や、岩手県獣医師会などの関係機関や動物愛護団体との意見交換に加え、住民説明会の開催による意見聴取などを実施し、計画の内容に反映したと聞いており、広く県民や次世代の子供たちに正しい動物愛護思想の普及啓発を担う施設として整備されることを願うものであります。
 そこで伺いますが、動物愛護管理センターは令和10年度に供用開始見込みと聞いておりますが、現在の進捗状況をお示しください。
 また、市と共同設置する動物愛護管理センターは全国でも数少なく、東北地域では初であります。全国の整備状況を見ると、本県の施設は全国でも最新のものになると思われ、その分、他県よりも独自性を兼ね備えた施設として整備できるのではないかと期待するところですが、今般整備する本県センターの特徴と施設整備後の運営の考え方について、整備計画にある、いのちを学ぶ、つなぐ、守る拠点としてのセンターの役割から、どのように反映させていく考えなのか伺います。
 次に、北いわての振興について伺います。
 北いわては、特色ある農林水産物や豊富な再生可能エネルギーなどの豊かな資源に恵まれた大きな可能性を有する地域ですが、その一方で、県央や県南地域に先行して人口減少と少子高齢化が進行しているほか、近年の物価高騰等の課題も加わり、コミュニティーの維持や地域経済に与える影響など、厳しい状況が続いております。
 県では、いわて県民計画(2019〜2028)における新しい時代を切り拓くプロジエクトの一つとして、北いわて産業社会革新ゾーンプロジェクトを掲げ、これまで、基幹産業である農林水産業と再生可能エネルギー資源を結びつける取り組みや、地域の未来を担う人材の育成など、多様な取り組みを推進してきたものと承知していますが、これまでの振興策の成果と課題をどのように捉えているのか。また、今年度、特に力を入れて取り組む施策の内容についてお伺いします。
 次に、盛岡市以北の広域的な幹線道路ネットワークの整備について伺います。
 久慈市と盛岡市を結ぶ国道281号は、地域間の交流促進と連携強化、観光振興等による地域経済の活性化はもとより、救急医療機関への搬送時間の短縮、福祉環境の充実や教育振興への寄与など、沿線市町村の住民約40万人にとって欠くことのできない重要な路線であり、災害時には、内陸部と沿岸部を結ぶ救援ルートとしても機能するものであります。
 しかしながら、国道281号には、いまだに多くの線形不良区間や隘路区間が存在しており、これらにより円滑な交通が妨げられている状況にあります。また、冬場における安全、安心な交通確保のためにも、抜本的な改良整備が必要と考えております。
 こうした状況において、関係する市町村では、北岩手と北三陸を横断する北岩手・北三陸横断道路の整備を要望しております。県は、令和3年6月に岩手県新広域道路交通計画を策定し、国道281号を一般広域道路として位置づけ、また、国道281号に重ねる形で、将来的に高規格道路としての役割を期待する構想路線として、(仮称)久慈内陸道路を位置づけております。
 盛岡市以北において、三陸沿岸北部と盛岡市を接続する広域的な幹線道路ネットワークは、地域間の交流、連携や地域経済の活性化、防災、救急医療、福祉、教育、観光振興などに大きく寄与し、北いわての振興ヘの貢献も期待されるところであり、これまでの県の取り組みに対し敬意を表するとともに、早期に整備、着工されることを強く要望するところでありますが、現在、県が進めている国道281号案内-戸呂町口工区の整備、また、国道281号に重ねる形で位置づけた構想路線の調査の進捗状況と今後の見通しについて伺います。
 次に、知事が令和7年4月19日、政治塾いわて政友会を設立したことに関し、幾つか質問いたします。
 令和7年4月25日の知事記者会見においては、記者からの質問に対し、政治は行政のチェックというキーワードを広めるのが目指すところと答えております。知事はこれまで、政治と行政のあり方について、常々、政治は自由、行政は公正中立であるべきと述べてきておりますが、政治塾いわて政友会の設立により、これまでの考え方は何か変わるものなのでしょうか。
 政治塾いわて政友会の設立は、これまでの知事の政治姿勢の延長線上にあるものなのか、さらに、政治塾いわて政友会は、今後、政策集団になっていくのか、これからの知事の政治家としての活動にどうつながるのか、何を意図しているのか伺います。
 また、同じ記者会見において、岩手県政の現状としては、政治と行政のチェックという考え方がまだまだ浸透しておらず、この考え方を広めていくという政治家としての活動の原点のようなことをやりたいと述べております。
 さらに、設立の背景と理由を問われた際、政治と行政のチェックというキーワードを使えば、県政の中での知事の政治活動をめぐるいろいろな混迷した議論を整理できるとしていますが、過去における知事の政治スタンスを見れば、あるときは不偏不党の立場、また、あるときは、県民党的立場、あるいは、政治はこの際何でもやると議員や県民の前で行動しており、私から言わせれば、いかに政治は自由といえども、一貫した政治姿勢が見えず、一体、知事の政治スタンス、いわゆる信念はどこにあるのかよくわからないところであります。知事の言う、知事の政治活動をめぐるいろいろな混迷した議論とは何のことを言っているのか、改めて伺います。
 政治は行政のチェックということについて、さらにお聞きします。知事の立場は、県民から選ばれており、政治活動は自由にできるとし、行政をチェックする立場にある一方で、行政の責任者で公正中立が大事であり、自分の中で行政の長ということと、政治家というもののバランスをとりながらやっていると知事は述べています。私から見れば、どちらかに軸足を置かざるを得ないことが多く、本当に知事が言うように、バランスをとりながら対応できるのか甚だ疑間であり、改めて、知事として二重の役割をどのように果たしていくのか伺います。
 以上で私の一般質問を終わりますが、答弁によっては再質問いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 千葉伝議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、いわて農業生産強化ビジョンの策定についてでありますが、ビジョンの素案を策定した本年2月以降、パブリックコメントのほか、岩手県農政審議会、県内全ての市町村や農業協同組合長に加え、消費者団体や中小企業団体、若者、女性、県内外の大学生との意見交換を実施し、素案に対する意見を伺いました。
 意見交換においては、人材の確保、育成に向けた目標設定、農作物を守るという観点から、鳥獣被害対策の強化、中山間地域の園芸振興や獣医師確保など、地域の課題に対応した取り組み、新規就農者が空き牛舎を活用するなど第三者継承を円滑に行う仕組みなど、本県農業の強化に向けた多くの意見をいただきました。
 こうした意見を踏まえ、最終案においては、素案における施策推進の三つの柱に、地域ごとの展開方向と試験研究の推進を加え五つの柱としたほか、農業生産の目標に食料自給率と農業産出額に加え、新規就農者数を掲げています。
 具体的な取り組みとしては、関連団体等と連携した鳥獣被害防止対策の強化、中山間地域における果樹の生産性向上と省力化の推進、広域的な人材活用等による獣医師の確保対策、第三者継承に係る相談員の配置など、円滑な経営継承の推進などを追加いたしました。
 最終案についても、岩手県農政審議会のほか、県内全ての市町村や農業協同組合長等の意見を伺いながら、本年7月の策定を目指して、さらに検討を進めてまいります。
 次に、本県農業の展望と目標の設定についてでありますが、本県では、経済のグローバル化、気候変動やGXの進展など農業を取り巻く環境が変化する中、令和4年の食料自給率は全国第6位の106%、令和5年の農業産出額は、過去20年間で最高額となる全国第9位の2、975億円となっています。
 ビジョンの最終案では、総農家数は、令和2年度の約5万3、000戸から令和17年度には約2万8、000戸に、基幹的農業従事者数は、令和2年度の約4万4、000人から令和17年度には約1万9、000人に、それぞれ減少すると予想しています。
 こうした予想の中、農業生産の増大と人材の確保、育成に向け、ビジョンに基づく施策を着実に推進することにより、この予想を上回る総農家数と基幹的農業従事者数を確保し、10年後に目指す姿を、県全体の生産量が増大し、食料供給基地としての地位がさらに向上しているとしたものです。
 このため、令和10年に、食料自給率は令和4年時点の全国第5位の水準である120%、農業産出額は、東北第2位から、令和5年時点の東北第1位の水準である3、500億円にまで、それぞれ上昇する目標を設定しています。
 この目標の実現に向け、施策推進の五つの柱ごとに、気候変動に対応した品種開発、生産基盤の強化、有機農業やGAPの推進、担い手への農地の集積、集約化、新規就農者の経営の安定化、水田地帯での県オリジナル水稲品種の生産拡大、新たな中山間地域モデルの創出、沿岸地域における大規模園芸施設の整備、データ駆動型農業技術の開発など、本県農業の強化に取り組んでまいります。
 次に、政治塾いわて政友会についてでありますが、政治は行政のチェックというキーワードを広め、世の中をよくしていきたいというのが政治塾いわて政友会です。
 政治は行政のチェックという考えは、政治は自由、行政は公正中立ということを前提としています。なお、政治は自由、行政は公正中立というのは私の考え方というよりも民主主義の基本原則であり、全ての人が共有すべき原理原則であります。
 政治塾いわて政友会は、塾生、会員等のメンバーシップにはこだわらないこととしています。いかなる政党や政治団体の支持者でも、あるいは支持する政党や政治団体がないという人たちでも、政治は行政のチェックという考え方を共有するなら、お互いを政友とみなして切磋琢磨し合えるネットワークです。
 全国的にも世界的にも、そして岩手県内でも、善良な人々が政治を嫌いになってしまいかねない政治の劣化や混乱が起きています。この傾向を逆転するために、政治は行政のチェックというキーワードで誰もが政治に親しめる運動が政治塾いわて政友会であり、私がそれを提唱し、活動を始めていることは、長野県知事特別秘書に係る訴訟の判例にある、公共の利益を実現する政治活動であります。
 次に、私の政治活動をめぐる議論についてでありますが、知事という特別職に属する公務員は、その政治活動が職務と何ら矛盾するものではなく、かえって政治的に活動することによって公共の利益を実現することも職分とする公務員です。
 したがって、知事の政治活動そのものは何ら否定されるべきではなく、むしろ活発に行われるべきものなのですが、私が過去18年間、岩手県議会で経験してきた中で、知事の政治活動というものに否定的な考え方、言いかえると、知事は政治活動をしないほうがいいという考え方に基づく議論があったと感じています。そういったことを記者会見の回答の中で述べたものであります。
 次に、知事の役割についてでありますが、長野県知事特別秘書に係る訴訟の判例にあるように、知事という特別職に属する公務員は、担当する職務の性質上、その政治活動が職務と何ら矛盾するものではなく、かえって政治的に活動することによって公共の利益を実現することも職分とする公務員であるとされています。
 ここで、担当する職務の性質上、政治活動が職務と何ら矛盾するものではないと言っているのは、選挙という政治活動の最たるものを通じて選ばれる知事は、選挙民の思いを酌み取り、選挙民との議論を重ね、その活動を生かして行政をチェックし、行政を指導する公務員であり、日常の政治活動に加え、その後のさまざまな選挙も含め、政治的活動が行政の長としての職務に生かされるということで、知事が担当する職務、すなわち行政の長というのは政治活動になじむのだと思います。
 したがって、政治家であるということは行政の長であることと何ら矛盾するものでありません。さらに言えば、知事が行政の長として公正中立であるためには、県行政が公正中立さを失っていないかどうか、県行政のルートと別に広く県民から情報や意見を得ることが大変効果的であり、それを可能にするのが政治活動であります。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、いわて農業生産強化ビジョンといわて県民計画(2019〜2028)等との関係についてでありますが、いわて農業生産強化ビジョンに掲げる農業生産の目標や指標、具体的な取り組みについては、いわて県民計画(2019〜2028)における指標や具体的な推進方策を基本とするなど、整合を図りつつ、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる政策の一層の推進や本県農業の強化に向け、いわて県民計画(2019〜2028)では示していない食料自給率と農業産出額の目標や地域ごとの展開方向、試験研究の推進などの取り組みを盛り込んでいます。
 また、本年4月に公表された、国の食料・農業・農村基本計画や酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針についても、本ビジョンの施策推進の柱や乳用牛や肉用牛の目標とともに、自給飼料の生産、利用の拡大の取り組みなどと整合を図り、今回公表したビジョンの最終案を取りまとめたところです。
 次に、人材の確保、育成についてでありますが、農業従事者の減少、高齢化が進む中、本ビジョンにおいては、10年後の目指す姿を、食料供給基地としてのさらなる地位向上に向け、地域の核となる経営体を中心に、多様な農業人材が参画した農業を展開しているとしています。
 このため、地域農業の核となる経営体の育成に向け、市町村が策定した地域計画に位置づけられた担い手の経営基盤の強化、担い手への農地の集積、集約化の促進、リーディング経営体の育成などのほか、次代を担う意欲ある新規就農者の確保、育成や、多様な農業人材の確保に向け、新規就農者の経営の安定化、若い世代の就農意欲の喚起、円滑な経営継承の推進、農業サービス事業体の活用促進など、産地づくりを支える人材の確保、育成に取り組んでいきます。
 次に、国の基本方針と本県の畜産振興についてでありますが、酪農、肉用牛生産を取り巻く情勢は、物価上昇等による生乳や牛肉の消費の落ち込み、国際情勢や円安の影響等による飼料価格の高どまりなど、大きく変化しています。
 このため、本年4月に国が公表した酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針では、目指す方向性を、前回の基本方針における増頭、増産を通じた生産基盤の強化から、生乳や牛肉の需要に応じた生産や国産飼料の生産、利用の拡大を通じた輸入飼料依存度の低減などへ見直しています。
 これを受け、令和12年度における生乳生産量と肉用牛飼養頭数の目標については、それぞれ、前回の7%増から維持、同じく21%増から3%増とするとともに、新たに飼料自給率の目標を設定したところです。
 県では、こうした国の基本方針を踏まえ、岩手県酪農・肉用牛生産近代化計画を見直すこととしており、飼養戸数や頭数が減少傾向にある中、1頭当たりの生乳生産量の向上や分娩間隔の短縮による生産性の向上、生産費の多くを占める飼料費の低減に向け、本県の強みである豊富な飼料基盤を活用した自給飼料の生産、利用拡大などの取り組みを盛り込んでいきたいと考えています。
 今後、令和8年3月の策定に向け、農業団体や市町村と意見交換を行うほか、自給飼料の生産拡大の機運醸成を図るシンポジウムを開催するなど、関係者の共通理解を図りながら、さらに検討を進め、本県が全国有数の酪農、肉用牛産地として持続的に発展していくよう取り組んでいきます。
 次に、家畜伝染病対策についてでありますが、豚熱や高病原性鳥インフルエンザなどの家畜伝染病の発生防止に向けては、野生動物や野鳥などを介した農場へのウイルスの侵入の防止とともに、農場における飼養衛生管理の徹底が重要です。
 県では、豚熱対策として、野生イノシシの侵入防止柵の点検や全市町村での経口ワクチンの散布のほか、養豚農場に対して、飼養する豚への適切な時期のワクチン接種、車両や農場敷地の消毒の徹底等を指導しています。
 高病原性鳥インフルエンザ対策については、養鶏農場に対し、立木伐採など農場に野鳥を寄せつけない取り組みのほか、鶏舎内外の点検、修繕や靴、衣服の交換、消毒の徹底等を指導しています。
 さらに、今年度は、平時から養鶏農場の管理者を対象とした連絡会議を開催し、各農場における対策強化の取り組み事例等を共有するほか、家畜伝染病の侵入リスクや感染拡大リスクの低減に有効な分割管理を推進していきます。
 こうした対策の強化を生産者や関係機関、団体等と緊密に連携して進めながら、本県において、豚熱や高病原性鳥インフルエンザが発生することがないよう、全力で取り組んでまいります。
 次に、獣医師の確保についてでありますが、県では、牛などの産業動物獣医師と、豚熱等の家畜伝染病対策などを担う公務員獣医師の確保に向け、東日本の獣医系9大学での就職説明会の開催や獣医学生のインターンシップの受け入れ、獣医学生に対する修学資金の貸し付けなどに取り組み、今年度は修学資金の貸付枠を拡大し、3名の貸し付けが決定しています。
 また、岩手大学と連携し、昨年度から、中学生、高校生を対象とした市民公開講座を行うとともに、今年度は新設された獣医学部の学生に対し、新たに家畜伝染病対策や食肉検査などの業務について講義を行うなど、公務員獣医師のPRに取り組むこととしています。
 獣医療の安定的な提供に向けては、引き続き、広域振興局が主体となり地元の市町村や農業協同組合等と検討を重ねながら、各地域の実情に応じた獣医療が継続して提供されるよう取り組んでいきます。
 さらに、昨年度から、今後の獣医療提供体制のあり方について、岩手県獣医師会や関係団体等と意見交換を始め、広域的な人材の活用や遠隔診療を活用した診療の効率化などを検討しており、今後も、大学や関係機関、団体等と連携しながら、獣医師確保に積極的に取り組んでまいります。
 次に、野生鳥獣による農業被害対策についてでありますが、本県の野生鳥獣による農作物被害額は、令和3年度は約4億1、000万円、令和4年度は約4億7、000万円、令和5年度は約5億2、000万円と、近年増加傾向となっています。
 県では、農作物被害の防止に向け、有害鳥獣の捕獲とともに、侵入防止柵の設置や里山周辺の除間伐など、地域ぐるみの被害防止活動を推進しています。
 特に、有害鳥獣の捕獲に関し、今年度は県が主体となって取り組む広域捕獲活動について、陸前高田市を加え、昨年度から1カ所増の4カ所で実施するほか、昨年度から実施している鹿の集中捕獲などの特別対策について、釜石市を加えた4市町の取り組みを支援することとしています。
 こうした取り組みに加え、野生鳥獣の被害防止対策を一層強化するため、新たに、市町村等が実施する、わな遠隔監視・自動操作システムやドローンなど、ICT機器を活用したスマート捕獲の実証などを支援し、他地域への波及を目指すこととしており、県としては、野生鳥獣による農作物被害が低減するよう、関係機関、団体と連携しながら、積極的に取り組んでまいります。
   〔環境生活部長中里裕美君登壇〕
〇環境生活部長(中里裕美君) まず、ツキノワグマの被害対策についてでありますが、今年度の熊の出没件数は、5月末現在で740件であり、令和4年度の463件と比べると増加いたしましたが、令和5年度の746件、令和6年度の731件と比べますと、ほぼ同程度となっております。
 人身被害は、5月末現在で5件、6人であり、令和4年度の6件、7人、令和5年度の8件、9人と比べますと減少いたしましたが、令和6年度の4件、4人と比べますと増加している状況です。
 また、改正鳥獣保護管理法の主な内容ですが、熊などの危険鳥獣が市街地等の人の日常生活圏に侵入し、人の生命または身体に対する危害を防止する措置が緊急に必要な場合、一定の要件のもと、市町村長が銃使用による捕獲を委託により実施することができるほか、その際、市町村長は都道府県知事に応援を求めることができることとされております。
 県では、法改正を受け、国が現在進めるガイドラインの策定を見据えながら、県や市町村、警察、猟友会等で構成する対策チームを新たに設置し、実働訓練を実施するほか、市街地等出没時対応マニュアルの改定を行うなど、適切な対応に努めてまいります。
 次に、野生鳥獣の捕獲後の処理についてでありますが、鹿等の捕獲実績が増加していく中、捕獲個体の処理が捕獲従事者の負担となっている状況にあることから、市町村の要望も踏まえまして、令和6年度に鳥獣捕獲個体処理効率化支援事業を創設したところです。
 この事業は、市町村等による捕獲個体の解体処理施設や食肉加工施設などの整備を支援し、これにより捕獲個体を処理する捕獲従事者の負担軽減を図ろうとするものであります。
 県内では民間での施設整備が検討されているところもありますが、県としても、引き続き、会議の開催や市町村との意見交換等を通じまして、当該支援事業の活用を促すとともに、活用の意向を示す市町村等に対し積極的に助言を行うなど、捕獲個体の処理が円滑に進むよう取り組んでまいります。
 次に、動物愛護管理センターの整備の進捗状況についてでありますが、令和10年度の供用開始に向けまして、現在、整備予定地を測量中でございます。本年7月から基本設計、地質調査を実施する予定となっております。
 また、センターの運営につきましては、いのちを学ぶ拠点として、人と動物の命の大切さを学ぶ、いのちの教育、いのちをつなぐ拠点として、関係団体等と連携した動物譲渡会の開催、いのちを守る拠点として、災害発生時に備えた避難所運営者等への普及啓発等の取り組みを整備基本計画に掲げているところでございます。
 これらの取り組みの事業効果を高めるためには、より多くの方々の運営への参画と利用が重要であり、本県センターが、全国でも数少ない、市との共同運営によるアクセス良好な都市型施設である優位性を最大限生かしながら、引き続き、盛岡市とともに、岩手県獣医師会や動物愛護団体、教育機関等からの意見を伺い、人と動物の共生する社会の実現に向けた効果的な取り組みを検討してまいります。
   〔ふるさと振興部長村上宏治君登壇〕
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 北いわての振興についてでありますが、県では、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトを通じたイノベーションの創出により、北いわて地域の持つポテンシャルを最大限に発揮させる地域振興に取り組んできており、これまで、交通デジタルチケットの購入などを可能とする北いわてMaaSの構築や、地域新電力会社の創設支援による久慈地域でのエネルギーの地産地消などの具体の事業が創出されてきております。
 令和4年度からは、COI-NEXT-共創の場形成支援プログラムの事業に参画し、農林水産業と豊かな再生可能エネルギー資源による地域産業の振興に向けた各種の社会実証に取り組んでおり、こうした取り組みを早期に具体的な成果に結びつけることが重要と認識しているところでございます。
 今年度は、岩手町でのバイオ炭の農地への施用、炭素貯留によるJ-クレジットの創出と農作物の高付加価値化の取り組みを進め、収穫したキャベツ等を使用したレストランフェアやセミナーを開催し、新ビジネスの創出を支援することにより、地域における成果の具体化を図っていきたいと考えております。
 また、取り組みを一層加速させるため、幅広い分野で柔軟に産学官の関係団体等が連携する、北いわて産業・社会革新推進コンソーシアムの組織体制の強化を図り、施策効果の早期発現に向けて取り組んでまいります。
   〔県土整備部長上澤和哉君登壇〕
〇県土整備部長(上澤和哉君) 盛岡市以北の広域的な幹線道路ネットワークの整備についてでありますが、まず、将来的な高規格化を見据えた規格により整備を進めている、国道281号久慈市案内-戸呂町口工区については、これまでトンネル前後の道路改良工事を進めてきましたが、トンネル工事に向けて、本年5月に令和9年度までを工期とするトンネル本体の築造工事の入札公告を行ったところであります。
 また、久慈内陸道路につきましては、現在、葛巻町と意見交換をしながら、久慈市-盛岡市間において検討を優先する葛巻町内の区間のルートの検討を進めており、6月上旬には、想定されるルートの位置や配慮事項等を葛巻町と現地で確認したところです。
 引き続き、沿線の市町村と丁寧に意見交換しながら、葛巻町内のルート検討の精度を上げ、着実に調査を進めてまいります。
〇47番(千葉伝君) 御答弁ありがとうございました。2点、再質問させていただきます。
 一つは、知事の政治姿勢についてであります。私の質問は、これまでの知事の政治姿勢に関し、政治塾いわて政友会を設立したことによって、政治と行政の在り方についての知事の考え方は変わるのかどうかといった質問だったのですが、少し答弁がはっきりしなかったような気がします。改めてお聞きします。
 それから、知事の政治活動をめぐるいろいろな混迷した議論、この混迷した議論とは何かという問いに対しては、知事の考え方を正当化するという答弁に私は聞こえたわけでありますが、私ども議会としては、知事の考え方がおかしいのではないかという議論がまだあるということだったと思っております。したがって、このことについては、これからもさらに質疑を深めてまいりたいと思っております。
 もう一つ、最後に、政治塾いわて政友会の設立は、間もなく始まる参議院議員選挙を控えた時期になることから、参議院議員選挙を意識したものと思わざるを得ないが、改めて、今度の参議院議員選挙において、知事はどういうスタンスで臨むのかお伺いしたいと思います。
 それから、二つ目の再質問でありますが、鳥獣被害対策であります。
 さまざま対策を進めていただいていることについては了としたところでありますが、防護柵、あるいは電気柵の設置とか、わなや銃使用等による捕獲により、農作物被害の低減と熊の指定管理鳥獣への追加による人への危害防止に努めてきたということでありますが、ふえ続ける鹿やイノシシ、熊に対し、従来の対策ではイタチごっことならざるを得ない状況にあると私は考えます。
 このような状況から、日本学術会議は令和元年に地域に根差した野生動物管理を推進する高度専門職人材の教育プログラムを創設し、都道府県に野生動物管理専門員と、市町村に鳥獣対策員を配置し、捕獲従事者の育成の提言をしております。
 また、環境省の2024年4月時点の調査によると、この人員の配置の状況は、鳥獣行政担当職員のうち、専門的知見を有する職員は213人で、全体の5.9%、不在というのが10都県と報告されております。そして、それが10年来改善されていない状況にあると報告してありますが、そこで改めてお伺いします。狩猟者の高齢化や捕獲になれた狩猟者の確保といった課題も残される中、県では今後、野生動物管理の推進と専門人材の確保にどう取り組んでいくのか、改めてお示しください。
〇知事(達増拓也君) 政治と行政に関する考え方が変わったのかということについては、政治は自由、行政は公正中立という考え方については、先ほど述べたように、それは変わっておりません。むしろ万人共通の普遍の原理ではないかということを述べております。
 そのほかの政治と行政に関する考え方についても、基本的に変わっておりません。ただ、政治塾いわて政友会のキーワード、政治は行政のチェックということは、余りに当たり前のことで、皆それを自明のこと、当然のこととして政治にかかわってきたのではないかと思うのですが、はっきり言葉にされたことがなかった、言語化されたことがなかったくらい当たり前のことなのですが、あえて言語化することによって、政治に絶望しているような人とか、政治を嫌っているような人に対しても、すぐその場で、目の前で、あなたも政治に参画できるし、それはとても世の中の役に立つことなのですよと、すっと入っていける、今の時代に非常に大事な表現の仕方ということを今、述べているわけであります。
 関連して、政治塾いわて政友会設立のタイミングと参議院議員選挙の関係でありますが、政治塾いわて政友会の設立宣言をしようと決意したのは、3月16日に父が亡くなり、通夜、火葬、葬儀に取り組みながら、父や祖父、曽祖父などの先祖が岩手県においていかに多くの人の縁、地域の縁にお世話になってきたかに思いをいたし、自分の人生を平時よりも深く考える中で思い立ったものであります。
 今、政治が、岩手県においても、全国的にも、世界的にも危機的状況にある中で、自分にできること、自分がすべきことを究極まで考え抜いた結果、政治塾いわて政友会の設立宣言をいたしました。
 今度の参議院議員選挙については、選挙の主役である国民一人一人がどう選挙に臨んでいくのかが重要であると考えます。主権者国民が政治を嫌うことなく、一人一人自分の生活や仕事に照らし合わせて、自分なりに国の行政の現状について考えを持ち、投票することができるよう、政治塾いわて政友会の代表としても貢献し、公共の利益に資することができればと思います。
〇環境生活部長(中里裕美君) 野生動物管理の推進と専門人材の確保についてでございますが、県では、ツキノワグマ、ニホンジカ、イノシシ等について第二種特定鳥獣管理計画を定めており、ニホンジカは年間2万5、000頭以上を、イノシシは可能な限り捕獲する方針としております。また、ツキノワグマは現計画で初めて、個体数を3、700頭から3、400頭に低減させる方針としたところです。
 令和8年度には次期管理計画を策定する予定としておりまして、令和6年度及び令和7年度に実施いたします調査による個体数推計に基づきまして、鳥獣被害の防止と適正な個体数管理に取り組んでまいります。
 また、専門人材の確保についてでございますが、県では鳥獣の保護及び管理に関する専門的知見を有する職員を現在2名配置しておりまして、先ほど千葉伝議員から御指摘のありました、全国では5.9%というお話でしたが、本県では9.1%となっております。
 そのほか、今年度は、熊対策に係る有識者など外部の専門人材をアドバイザーとして委託しまして、鳥獣被害対策への助言や先進事例を御紹介いただくことによりまして、職員の資質向上にも取り組むことといたしております。
〇副議長(飯澤匡君) 以上をもって千葉伝君の一般質問を終わります。
   
〇副議長(飯澤匡君) この際、暫時休憩いたします。
   午後3時35分 休 憩
   
出席議員(47名)
1  番 田 中 辰 也 君
2  番 畠 山   茂 君
3  番 大久保 隆 規 君
4  番 千葉秀幸 君
5  番 菅 原 亮 太 君
6  番 村 上 秀 紀 君
7  番 松 本 雄 士 君
8  番 鈴 木 あきこ 君
9  番 はぎの 幸 弘 君
10  番 高橋 こうすけ 君
11  番 村 上 貢 一 君
12  番 工 藤   剛 君
13  番 小 林 正 信 君
14  番 千 葉   盛 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 高 橋 穏 至 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 高 田 一 郎 君
26  番 木 村 幸 弘 君
27  番 佐々木 朋 和 君
28  番 吉 田 敬 子 君
29  番 高 橋 但 馬 君
30  番 岩 渕   誠 君
31  番 名須川   晋 君
32  番 軽 石 義 則 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城 内 愛 彦 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 郷右近   浩 君
41  番 小 西 和 子 君
42  番 高 橋 はじめ 君
43  番 五日市   王 君
44  番 関 根 敏 伸 君
45  番 佐々木 順 一 君
46  番 岩 崎 友 一 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(1名)
15  番 上 原 康 樹 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後3時52分 再 開
〇副議長(飯澤匡君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   
〇副議長(飯澤匡君) 日程第1、一般質問を継続いたします。軽石義則君。
   〔32番軽石義則君登壇〕(拍手)

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