令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) 日本共産党の斉藤信でございます。
 県民の切実な要求実現と県政の重要課題について、達増知事に質問します。
 初めに、大船渡市において林野火災が繰り返され、昨日発生した火災では住宅にも大きな被害が出ました。被災された方々、避難されている方々に心からお見舞いを申し上げます。日夜消防活動に取り組まれている消防関係者、自衛隊、防災関係者の皆さんの取り組みに、心から敬意と感謝を申し上げます。
   〔副議長退席、議長着席〕
 また、年明け以降に県内で発生した大規模な高病原性鳥インフルエンザ事案に対して、延べ1万人余の県職員、一般社団法人岩手県建設業協会、陸上自衛隊等関係団体の皆さんの取り組みに、心から敬意と感謝を申し上げます。
 それでは質問に入ります。
 第1に、物価高騰から県民の暮らしと営業を守ることは、最も切実で重要な課題であります。2024年の労働者の実質賃金は前年比マイナス0.2%となり、3年連続のマイナスとなりました。総務省の2024年家計調査では、経済的なゆとりを示すエンゲル係数は28.3%と43年ぶりの水準となっています。
 物価高騰が継続する中で県民の暮らしは厳しいものとなっています。中小企業は、昨年、倒産件数が76件と東日本大震災津波以降では最大となり、休廃業、解散も354件で、退出企業は合わせて430件と大幅な増加となりました。
 知事は、物価高騰の中で県民の暮らし、中小企業の実態と課題についてどう把握され、取り組もうとしているでしょうか。
 県民の暮らしを守る上で、物価上昇を上回る労働者の賃上げが必要であります。賃金は30年にわたって減り続け、全国では、実質賃金は年収で平均74万円も減少しています。県内の実態はどうでしょうか。
 県内の労働者の89%は中小企業の労働者であります。法人事業税で見ると、中小企業の66%が赤字となっています。それでも賃上げをしないと、今働いている労働者を維持できず、新たな人材の確保も難しいことから、防衛的な賃上げを実施しています。
 こうした中で、岩手県が全国に先駆けて実施した物価高騰対策賃上げ支援金は、大きな成果を上げました。その実績と特徴を示してください。
 また、2月20日からバージョンアップされた第2弾の物価高騰対策賃上げ支援金の申請が始まりました。昨年10月に最低賃金が59円引き上げられたことから、時給60円以上の賃上げに対して、1人6万円、上限50人まで300万円の補助を行う取り組みであります。
 1週間近くが経過しましたが、申請状況はどうなっているか示してください。
 以下の質問は質問席で行います。
   〔37番斉藤信君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 斉藤信議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、県民の暮らしと中小企業の実態と課題についてでありますが、食料品等の価格上昇が家計を圧迫し、エネルギー、原材料価格の高騰が中小企業の賃上げ余力を削ぐ状況が続いており、県民の暮らしや経済は厳しい状況にあります。
 令和6年の盛岡市の消費者物価指数は前年比で3.1%の上昇となり、令和3年以降、上昇が続いています。こうした状況を背景に、斉藤信議員御指摘のように、エンゲル係数は数十年ぶりの高い水準にあります。特に年収の低い階層で影響を強く受けており、低所得世帯を中心に可処分所得の増加が課題であります。
 中小企業では、県内を対象とした調査で、9割が物価高騰等の影響があると回答しており、1年前の調査結果と同じ状況が続いています。原材料や人件費の価格への転嫁は、人件費引き上げ分の転嫁を行った、または行う予定の企業の割合は4割に満たない水準にあり、円滑な価格転嫁を促進し賃上げ原資の確保を図ることが課題であります。
 こうした課題に対し、県では、昨年の補正予算において、冬期間の灯油購入費等の助成やLPガス価格高騰対策、物価高騰対策賃上げ支援などを措置したほか、令和7年度当初予算案においても、価格転嫁に取り組む中小企業向け設備投資補助などの対策を盛り込んでおります。
 県民の暮らしや地域経済の状況を注視し、今後も必要な対策を機動的に講じてまいります。
 次に、県内の実質賃金の実態についてでありますが、本県の毎月勤労統計調査による名目賃金指数を消費者物価指数で除して算出した実質賃金指数をもとに算出した実質賃金の年額は、平成8年、1996年以降、平成14年―2002年の約358万円をピークに減少傾向となり、直近の令和5年―2023年には、近年の物価高騰の影響などにより年額で約306万円となっており、ピーク時と比較して約52万円の減少となっております。
 次に、物価高騰対策賃上げ支援金についてでありますが、先般の支援金を活用した事業者数は2、889事業者、対象人員数は2万313人、支給額は10億1、565万円となりました。
 多くの中小企業が厳しい経営環境にある中、設備投資を行うなどの用件を設けずに賃上げ原資を補填するといった全国でも例のない事業であり、価格転嫁が十分に進んでいない小規模事業者を中心に、当初の申請見込みを上回る事業者に活用され、賃上げに役立った、助かったという声を多くいただいているなど、大きな効果を上げたと考えております。
 今般の物価高騰対策賃上げ支援金の実施に当たっては、県内の多くの中小企業が引き続き厳しい経営環境にあり、さらに、最低賃金が過去最大の引き上げ額となったことなどを踏まえ、より多くの方々に活用していただくため、支給対象とする賃金の引き上げ額について、最低賃金の引き上げ額である59円とほぼ同額の60円とするとともに、1事業所当たりの対象人員数を前回の20人から50人まで拡大するなど事業の拡充を図り、2月20日から申請受け付けを開始したところですが、2月25日現在、102事業所、1、093人分の申請を受け付けております。
〇37番(斉藤信君) 第1弾の物価高騰対策賃上げ支援金は、大きな成果を上げました。全国的にも注目されて、国会でもたびたび岩手県の取り組みが紹介され、私にもたくさんの照会がありました。
 第2弾は、さらにバージョンアップして、岩手県中小企業団体中央会のアンケート調査によると、4割以上が活用したいということでありますから、この活用をぜひ積極的に推進していただきたい。
 物価上昇を上回る労働者の賃上げを実現するためには、中小企業の賃上げが鍵であります。そのためには、政府による中小企業への支援、社会保険料の軽減や、岩手県のような直接支援を恒久的制度として実施することが必要と考えますが、知事の所見を伺います。
 日本共産党は、そのための財源として、安倍政権以降にため込んだ大企業の内部留保200兆円余に2%の課税を5年間実施して、少なくとも10兆円規模で中小企業への賃上げ支援に充てるべきだと提案しています。
 賃上げ支援の財源問題を含めて知事の所見を伺います。
〇知事(達増拓也君) 現在、県内の多くの中小企業は、エネルギー、原材料価格の高騰が続く中で価格転嫁を十分に進めることができず、賃上げ原資が確保できないことなどから、人材確保のために防衛的な賃上げを余儀なくされていると認識しております。
 このため、国や経済団体を初めとした関係機関と連携して、適切な価格転嫁の実現に向けた環境整備、また、中小企業の生産性向上、経営革新に向けた取り組み支援などを行いながら、消費の拡大を積極的に目指し、賃金上昇との好循環を生み出していくことが重要と考えております。
 こうした好循環を生み出していくためには、中小企業の賃上げ環境整備に向けた支援を大胆に進めていく必要があることから、全国知事会とも連携し、国に対して、さらなる支援の強化や財源の確保を働きかけてまいります。
〇37番(斉藤信君) 岩手県の賃上げ支援は大変重要なのですけれども、これは単年度でありますから、一度賃上げすると、2年後も3年後もずっと賃上げしなくてはならない。そういう中小企業の実態に合った国の対策が、私はどうしても必要だと思います。
 そこで、国民の暮らしと営業を守るためには、自由民主党政治の二つのゆがみを正すことが求められています。軍事費は来年度8兆7、000億円と、前年比9.5%ふやされ、3年間で3兆3、000億円、1.6倍にふやされています。満州事変後の3年間の軍事費1.4倍と比べても異常なものであります。
 半導体企業ラピダス株式会社には、昨年末の補正予算で1兆円、来年度予算でさらに3、000億円の補助。大企業への大盤振る舞いも問題です。その一方で、中小企業対策予算はわずか1、695億円、高額療養費制度の自己負担上限額は引き上げるなど、がん患者などの命を脅かす事態となっています。
 軍事費突出、大企業へのばらまきの二つのゆがみを正してこそ、国民の暮らしと営業が守れると考えますが、知事の所見を伺います。
〇知事(達増拓也君) 国の防衛費の増額については、その根拠や必要性など慎重な議論が必要と考えます。
 現在、食料品を初め生活に直結する物価高騰への対策や低迷する可処分所得の増加、地域経済の中核を担う中小企業の事業継続などの喫緊の課題に対応するため、国民の暮らしや仕事を守る政策を優先していくべきと考えます。
〇37番(斉藤信君) それでは次に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の現状と課題について質問します。
 一昨年の2023年5月8日以降、新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行されました。しかし、その後も感染の波が継続しています。
 高齢者施設、医療施設の第9波以降のクラスターの発生状況について示してください。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 第9波以降のクラスターの発生状況についてでありますが、令和5年5月に5類感染症移行となってから、これまでに流行の波が4回あり、それぞれの8週間の比較になりますが、高齢者施設のクラスター報告数は、第9波が63件、第10波が57件、第11波が58件、第12波が73件となっており、医療機関のクラスター報告数は、第9波が23件、第10波が30件、第11波が25件、第12波が34件となっております。
〇37番(斉藤信君) 今の答弁をよく聞いてほしいのですけれども、実はクラスターで、高齢者施設、医療施設というのは一番警戒心を持って取り組んでいるところです。そこでのクラスターが、第12波、これは昨年12月からことし1月にかけてです。このクラスターが高齢者施設で73件、そして医療施設で34件。今までの四つの波で一番多いのです。
 去年の予算特別委員会で野原企画理事兼保健福祉部長はこういう答弁をしました。クラスター数と地域の感染状況は基本的にリンクしている。私もそうだと思います。だとすれば、定点観測の報告とは違って、感染拡大はさらに深刻になっているのではないか。私の実感でもそう思います。この点について保健福祉部長の答弁を求めます。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 斉藤信議員御指摘のとおり、高齢者施設、医療施設におきましては、感染症対策を行っているにもかかわらず、12波でも多くのクラスターが発生していると感じております。ただし、第12波については、これまでの波と若干違う傾向もございました。これまでの波は、比較的急峻に立ち上がって、収束も早かったのですけれども、12波は、比較的高い波がずっと続いているといったような傾向もあり、そういったことも影響しているのではないかと考えております。
〇37番(斉藤信君) 私は、クラスター数と地域の感染状況は基本的にリンクしているということに真実があると思います。
 ですから、お聞きしますけれども、年間の新型コロナウイルス感染症による死者数の推移を示してください。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 厚生労働省が公表しております人口動態調査によりますと、新型コロナウイルス感染症による県内の死者数は、令和4年は431人、令和5年は411人、令和6年は1月から9月までで402人となっております。
〇37番(斉藤信君) 新型コロナウイルス感染症による死者数も令和6年、2024年は一番多いのです。1月から9月で402人というのは、1年間に換算しますと539人になるのです。いわば新型コロナウイルス感染症の死者数は昨年が一番多かった。
 このことを野原企画理事兼保健福祉部長はどのように分析していますか。この要因は何ですか。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 2024年に死亡者数が多かった要因でございますけれども、2023年1月は第8波の流行の終期に当たり、その後の1年間で流行のピークが8月末の第9波の1回しかなかったのに対しまして、2024年は、2月の第10波、8月の第11波、12月の第12波と流行のピークが3回あったことや、それに伴いますクラスターの発生が多かったことなどが要因として考えられております。
〇37番(斉藤信君) 今の答弁のように、昨年は新型コロナウイルス感染拡大の波が3波あったのです。だから死者が一番多かった。新型コロナウイルス感染症対策で一番大事なことは、新型コロナウイルス感染症から県民の命、健康を守ることです。
 そういう点でいくと、クラスターが多いことや、死者が多いことがあり、本当に新型コロナウイルス感染症というのは軽視できないと思います。今まで以上に本当に正確に感染対策に取り組まなくてはならない。
 まず第1に、今、私が話したように、実は定点観測ではずっと減っているけれども、特に高齢者施設、医療施設において、クラスターはふえているのだということです。そして、死者がふえているという事実をしっかり県民に知らせる必要があるのではないかと思います。そして、新型コロナウイルス感染症について軽視しないで、しっかりした対策をとるように、しっかりした情報発信が必要ではないでしょうか。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 感染拡大の状況につきましては、毎週行っております定点報告数のみならず、クラスターの発生状況や医療機関の医療の逼迫状況などによりまして、感染状況について総合的に判断しており、県民に対して定点報告数をホームページやSNSなどを通じまして情報発信を行いますほか、先ほど述べたような感染拡大の状況に応じて、県民の皆様に関しまして注意喚起を行うなど、感染拡大防止の対応を行ってきたところでございます。
 昨年12月には、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザが同時流行いたしましたので、報道機関を通じまして県民への注意喚起と感染拡大防止の呼びかけを行ったところであり、引き続き、感染状況に応じまして、適時適切に県民の皆様に対しまして情報提供に努めてまいりたいと考えております。
〇37番(斉藤信君) しっかりやっていただきたいと言うのは、極めて不十分だからです。私がきょう指摘したような、クラスターが昨年一番多かったとか、死者が昨年一番ふえているのですといった事実は全然知らされていないと思います。ぜひ、そういう大変大事な情報をしっかり県民にも伝えて、新型コロナウイルス感染症を軽視しない、しっかりした対策を講じる。
 私は、情報発信とあわせて、効果がはっきりしているワクチン接種を促進すべきだと思います。
 そこで、昨年10月から65歳以上の高齢者と60歳から64歳の基礎疾患のある方々を対象に有償でのワクチン接種が実施されました。接種状況はどうなっているでしょうか。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 県内で令和6年秋から始まりました新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種の定期接種の接種率につきましては、65歳以上の対象者が40万8、156人のところ、令和6年12月末現在で9万5、379人が接種し、その接種率は23.4%となっております。
 定期接種化に当たりましては、全ての市町村において自己負担を軽減させる助成を行ったところでありますが、接種を希望される方が経済的な理由で接種を控えることがないように、国に対しまして全国知事会と要望しているところであり、引き続き、国に対して必要な働きかけを行ってまいります。
〇37番(斉藤信君) 先ほど私が指摘したように、新型コロナウイルス感染症で死者が増加している。圧倒的に高齢者です。そのときに、昨年10月から、有償になったということはありますが、大事なワクチンの接種率が23.4%なのです。自治体別に見ますと、葛巻町が一番高くて51.1%、一番低いのが釜石市で4.9%です。行政の中にも県民の中にも、警戒心が完全に崩れているということがあるのではないか。
 調べてみてびっくりしたのですけれども、助成の期間が3月末まであったのですが、もう1月で終わっている自治体が多いのです。本当に県民の命を新型コロナウイルス感染症から守るのだという立場でこの取り組みを進める必要があるのではないかということを、特に強調しておきたいと思います。
 次に、地域医療の危機と県立病院の課題について質問いたします。
 県立病院の今年度の赤字が岩手県一般会計補正予算(第12号)を含めて80億円に及ぶということが、大きな衝撃となっています。県立病院の赤字の具体的な要因について示してください。
〇医療局長(小原重幸君) 県立病院の赤字の具体的な要因についてでありますが、県立病院の患者数は、人口減少率以上で減少が続いており、診療単価の向上によって医業収益は昨年度に比べ増加しているものの、その伸びは予定した規模に届かない状況となっております。
 一方で、給与改定による給与費の増を初め、医療の高度化による高額薬剤の使用量の増加や物価高騰による委託料、燃料費の増加などの医業費用の増が医業収益の増を上回っている状況にあり、費用の増と診療報酬が見合っていない構造的な課題があるものと認識しております。
 加えて、昨年度まで措置されておりました新型コロナウイルス感染症、物価高騰対策関係補助金の減など、医業外収益が大幅に減少したことにより、令和6年度最終予算案においては、マイナス80億円ほどの差し引き損益を見込んだところであります。
〇37番(斉藤信君) 県立病院のクラスターがどう発生したのか、今年度、前年度と比べて、その影響も示してください。
 クラスターが発生しますと、入院、外来患者を抑制しなくてはならない。これは県立病院も民間も同じです。やはり新型コロナウイルス感染症は5類感染症へ移行したけれども、病院は以前と全く同じような形でやっています。面会禁止の病院がほとんどです。そういう意味では、その影響が大変大きいのではないか。
 物価高騰による医療資材の高騰、そして、何よりも診療報酬は実質マイナス改定。特に私が聞いて驚いたのは、高額薬剤、抗がん剤、材料費が増加して、そういうものが診療報酬でしっかり見られていない。だから基幹病院の赤字が今ふえている。ここに県立病院の危機的問題があると思うのです。今までは、基幹病院がしっかり稼いで全体の赤字をカバーしてきた。しかし、今そうなっていない。ほとんどが政府の施策によるものであります。何の対策も国にはありません。
 医療機関の赤字は、県立病院だけでなく、全国の公立病院、そして民間医療機関でも起きている問題であります。一般社団法人日本病院会など3団体は、昨年11月、ことし1月、病院経営の危機的状況に対する救済措置、財政支援の要望を政府に行っています。
 全国の県立病院と医療機関の経営実態、課題について、どう把握されているか示してください。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 全国の医療機関の経営実態と課題についてでありますが、全国の県立病院等で構成する全国自治体病院協議会が昨年11月に行った国への要望では、令和6年度の診療報酬改定では、物価高騰による医療提供コストの上昇に十分に対応していないことから、支援について要望しております。
 斉藤信議員御案内の病院3団体の要望のほか、昨年10月には、日本病院会、公益社団法人全日本病院協会、一般社団法人日本医療法人協会、公益社団法人日本精神科病院協会の4病院団体協議会として、経済環境や賃金の急激な変化により、全国で病院経営が非常に厳しい状況を国に対し訴えており、また、日本医師会では本年2月に、人件費の増加や物価高騰等で医業利益、経常利益が悪化しているとして緊急的な財政支援を要望しております。
 さらには、国立大学病院におきましても、物価高騰や人事院勧告に伴う人件費増等で大学病院の赤字が増大していることを昨年12月に公表するなど、公立、民間を問わず、全国的に病院経営は非常に厳しい状況にあると把握しているところであります。
〇医療局長(小原重幸君) 県立病院におけるクラスターの発生状況についてでございます。
 令和5年度は16病院40件、令和6年度は現時点で15病院32件となっているところでございます。
 5類感染症移行前につきましては、クラスター等が発生した場合は、病棟をロックするなどして診療制限をしていたところでございますが、5類感染症移行後につきましては、病床単位で極力少ない範囲での制限ということで、極力診療に制限を設けないように医療体制を組んでいるところでございます。
 また、最近におきましては、職員の休業者数自体も、以前は、クラスターが起きているときは200人前後の職員の休業が出ておりましたけれども、最近は、クラスターにおきましても60人前後ということで、以前よりは診療に影響がないような形の体制で臨めているところでございます。
〇37番(斉藤信君) 野原企画理事兼保健福祉部長から大変危機的な状況の答弁がありました。
 日本病院会など5団体が、1月22日に要望した中身はこういうものです。病院経営は破綻寸前、地域医療崩壊の危機ということで福岡厚生労働大臣に直訴しているのです。本当に地域医療の危機、病院経営の危機。
 そこで、私は知事に質問しますけれども、全国知事会、12県で構成される地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会等では、現状をどう受けとめ、政府に対しての緊急要望などどう取り組まれているでしょうか。全国で最多の県立病院を持つ岩手県が、先頭に立って、地域医療を守る全国的な共同の取り組みを広げるべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 全国知事会では、エネルギー、原材料及び資材価格の高騰によって、国が定める診療報酬等により経営を行う医療機関等に大きな影響が出ており、非常に厳しい経営状況にあるという認識のもと、臨時的な診療報酬改定や国による補助制度の創設により、全国一律の対策を講じることを要望するとともに、昨年11月には、公立病院やその他の公的医療機関等に対する地方財政措置等の充実と緊急の財政支援を要請しております。
 今般の物価高騰による経費や材料費などの高騰で病院運営は非常に厳しい状況に置かれていることに加え、人事院勧告どおりの給与改定を実施できる診療報酬体系になっていない状況であると認識しております。
 このため、私が会長を務める地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会においても、地域医療の重要な支えとなっている公立、公的医療機関等の経営継続のため、緊急的に財政支援を講じるよう、昨年11月に緊急提言をいたしました。
 これらの課題については全国的な対応が必要であることから、引き続き、全国知事会や知事の会等を通じて、さらなる診療報酬改定や補助金による支援など、地域医療を守るための強力な施策の実施について、国に対し強く求めてまいります。
〇37番(斉藤信君) 私は、本当にもう国の施策の転換が必要だと思います。自公政権が過半数を割っているときに、103万円とか高校授業料無償化というようなレベルではないと思うのです。全国の病院経営、地域医療を守る、この点で、病院をつぶしていいのか。本当に今、地域医療を守る政策の転換が必要なのではないか。知事を先頭とした取り組みを強く期待するものであります。
 次に、昨年末に策定された岩手県立病院等の経営計画(2025〜2030)は、大きな赤字に直面して、6年間で、医師はわずか23人の増員、看護師は120人の大幅な削減とリストラ計画になったことは大変残念であります。
 私はこの間、県立大船渡病院、県立磐井病院、県立釜石病院、県立久慈病院を訪問し、院長から病院の現状、課題等について聞いてきました。どこでも、医師をもっとふやしてほしい、看護師や医療技術者をふやしてほしいと要望を受けました。久慈地域では、医師、看護師の増員を求めて7、444筆の署名が集められ、知事と医療局長に提出されました。
 必要な医師をふやしてこそ、地域住民の命と健康を守り、入院、外来とも患者をふやすことができるのではないでしょうか。
〇医療局長(小原重幸君) 医師確保についてでありますが、次期経営計画では、県内で高度、専門医療を安定的に提供できる体制を確保するとともに、民間病院が立地しにくい地域では、県立病院が引き続き身近な医療を提供していくため県立病院の機能分化と連携強化を進めることとしております。
 医師確保につきましては、人口減少に伴う患者数等の減少を見込む中にあっても、奨学金による医師養成を進め、県北・沿岸部等の常勤医が不足している病院へ着実に医師配置を進めるとともに、県立病院で高度な専門研修が受けられる環境づくりに取り組むことにより、専攻医等の確保にも努めていきます。
 今後も、医療の高度化、専門化の状況や地域の医療ニーズの状況を踏まえながら、関係大学とも連携し必要な医師の確保に努めてまいります。
〇37番(斉藤信君) 今、大変重要な答弁を行った。県北・沿岸部では常勤医師をふやすと。そして機能強化する病院もふやすと。だったら6年間で23人では足りないではないですか。全然足りないですよ。あなたの答弁と計画は、かなり大きなそごがあるのではないですか。
〇医療局長(小原重幸君) 現行の経営計画では、奨学金養成医師の計画的な配置に加えまして、医師不足に対応するため、招聘医師やシニア医師を常勤で雇用して病院に配置し、医師数の増員を図ってきたところでございます。
 次期経営計画では、奨学金養成医師の配置に加えまして、義務履行を終えた医師の定着促進も進めることとしており、招聘医師やシニア医師につきましては、地域や診療科の偏在是正に必要な病院に配置し、また、任用形態も、常勤に限らず、働き方に見合った任用とすることとしております。
 このように、奨学金養成医師の配置や定着促進を進めながら、中堅層の医師を充実させるなど、医師の年齢構成にも配慮したバランスのとれた体制を確保することにより、安定的で質の高い医療提供体制を目指していきたいと考えております。
〇37番(斉藤信君) いずれにしても、6年間で23人の医師の増員というのは、ほとんどふえないということです。それでは県立病院の充実はできませんよ。入院患者、外来患者をふやす力にもならない。奨学金養成医師は6年間で100人ふえるのです。たった23人の増員というのは本当につじつまが合わない。病院ごとの問題については、予算特別委員会で取り上げていきたいと思います。
 次に、超過勤務の不払い分の支給。県立大船渡病院の看護科における超過勤務手当不支給の問題について。
 県立大船渡病院は1月20日、大船渡労働基準監督署に対して是正報告書を提出しました。どのような調査を行い、どれだけの看護師に不払い分の超過勤務手当が支給されたのでしょうか。不払いの実態を含めて示してください。
〇医療局長(小原重幸君) 県立大船渡病院の超過勤務手当についてでございますが、令和5年度の勤務の状況について、出退勤記録をもとに全職員から聞き取り調査を実施したところでございます。
 なお、調査に当たりましては、大船渡労働基準監督署からの助言を踏まえまして、電子カルテのログ情報も補助的に活用したところであります。
 調査の結果、確認された超過勤務手当につきましては、1月15日に追給を終了したところであり、令和5年度の追給も含めた超過勤務手当の総額は、147人に対し1、861万8、294円となったところであります。
〇37番(斉藤信君) 労働基準監督署から是正勧告と指導を受けて、やっと調査をして、そしてその結果が、延べ212人、実人員で147人に総額1、861万円余が支給されました。
 超過勤務手当の不払いが大規模に発生した原因と責任はどこにあるでしょうか。
 2年前に赴任した総看護師長のもとで、超過勤務の申請を認めないという労働基準法違反の事態が発生したことは明らかではないでしょうか。総看護師長は、昨年3月末で自ら退職したということですが、以前は、県立遠野病院で同じような超過勤務手当不支給問題が発生し、このときは、9カ月分で2、400万円余の不払いでありました。これが支給されました。
 私は、1、861万円余の今回の不払い分の支給については、当時の総看護師長にも応分の負担を求めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇医療局長(小原重幸君) 今般の労働基準監督署からの指導を踏まえた調査の結果、超過勤務の追給内容は、勤務終了後、看護記録や業務の連絡調整、書類整理などについて短時間で行っている状況が多く確認されたところであり、超過勤務をした職員が、残務整理など短時間の業務について、超過勤務を申請するまでもないという認識などがあったものと聞いております。
 超過勤務につきましては、時間外に行った業務に対する手当は適切に支払うべきものと認識しており、事前命令、事後確認の手続の原則に基づき、時間外に行った超過勤務の確実な申請、休憩時間の確保、勤務開始前及び勤務終了後の打刻の徹底など、病院内の経営会議や各部門の会議など、引き続きさまざまな機会で重ねて周知、徹底していきたいと思います。
 また、総看護師長の行動、発言については、昨年度、病院において関係職員にヒアリングを行っており、その中では、特に問題行動は認められなかったものと聞いております。
 今般の追給状況を分析すると、1人1月当たり平均3.8時間となっており、業務の内容についても、短時間での残務整理となっているところでございます。
 また、元総看護師長への求償をすべきではないかということにつきましては、超過勤務は、管理者がその必要性を適切に判断の上、事前命令に基づき実施し、それに対する労働の対価を支払うものであり、特定の個人に負担を求めるものではないと認識しているところでございます。
〇37番(斉藤信君) どうして不払いが発生したのか、超過勤務の申請を認めないのです。だから申請できないのです。怖くて申請できない。だから病院長は看護科ではなくて事務局に申請しなさいという指示までした。それでも全員が申請できたわけではなかった。だから、実人員で147人、1、861万円の不払いが発生したのです。
 県立遠野病院の事案のときに、この責任はどこにあるかと聞いたらこう言った。看護科の業務の命令権者を初めとした管理者等が、勤務の実態を適切に把握できておらず、管理が不適切であった。これは県立遠野病院の話です。今回もそうではないのですか。違うところがありますか。
〇医療局長(小原重幸君) 県立遠野病院の事案のときにおきましては、出退勤記録のシステムがまだございませんでしたので、そのような管理ができていなかったということで、そのような御答弁をしたと思いますけれども、今回につきましては、出退勤記録ができるシステムを導入いたしまして、それをもとに調査等もしておりますので、そこが大きな違いであると感じております。
〇37番(斉藤信君) あなたは全然質問に答えていない。出退勤記録があったにもかかわらず超過勤務の申請ができなかったという、もっと深刻な問題なのですよ、これは。記録があったから調査したら、不払いがあったのです。
 なぜこのような超過勤務の申請ができない、1、861万円も払うような事態になったのか、誰に責任があるのですか。どこに原因があったのですか。あわせて、この総看護師長を県立大船渡病院に配置したのはあなたです。医療局長としての責任はどう感じていますか。
〇医療局長(小原重幸君) 繰り返しになりますけれども、今般の労働基準監督署からの指導を踏まえた調査の結果におきましては、超過勤務の追給内容は、勤務終了後の看護記録や業務の連絡調整、書類整理などについて、短時間で行っている状況が多く確認されたところであり、超過勤務をした職員が、残務整理など短時間の業務について、超過勤務を申請するまでもないという認識が多かったものと聞いているところでございます。
〇37番(斉藤信君) 多い人でどのぐらい払われたかというと108万円です。90万円、82万円、70万円という人もいます。あなたね、そんなごまかしではだめだ。1、861万円の不払いが発生した。いいですか、勤務管理システムがあっても不払いが出たというところに事態の深刻さがあるのですよ。そういうシステムがあっても、事前申請を認めないからこのようなことが起こるのではないですか。だから、総看護師長は、責任を感じて去年の3月末に退職したのではないですか。
 なぜこれだけの不払い、そのために大変な時間をかけて調査しなくてはならなかったのか。どこに原因と責任があるのですか。改めて言ってください。不払い分で1、861万円を払っているのですよ。原因と責任はどこにあるのですか。
〇医療局長(小原重幸君) 超過勤務の理由につきましては先ほど御説明したとおりでございますけれども、斉藤信議員御指摘の超過勤務手当の支給額が多い職員につきましては、特定の日に超過勤務が多いわけではなく、ほぼ毎日、看護記録や書類整理などで超過勤務を行っている状況もあったとの報告を受けているところでございましたので、今後、交代制勤務における効率的な引き継ぎの徹底や職場全体での支援体制を検討していきたいと考えております。
〇37番(斉藤信君) 医療局長を先頭にしたそういう無責任体制だから、こういう事態が起こるのですよ。これは厳しく指摘しておきます。2回も同じような事態が同じ総看護師長によってつくられた。この事態の重大性を責任者のあなたが感じないでどうするのですか。そんなことで医療局を指導できますか。厳しく指摘をしておきます。
 次に、高校再編問題について質問いたします。
 知事演述では、教育分野の課題の冒頭で、市町村等と連携して県立高校の魅力化を推進しますと述べられました。その知事の思いをお聞かせください。
〇知事(達増拓也君) 少子化の進行など教育を取り巻く環境が大きく変化する中、多様な人々と協働しながら、さまざまな社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開いていく持続可能な社会のつくり手を育成することが重要であります。
 高校の魅力化は、これらの実現に向けて、学校が地域や関係機関、団体と連携しながら、特色ある教育課程、教育活動を通じて、多様な生徒の学習意欲を喚起し、一人一人の可能性や能力を最大限に伸長する質の高い教育を実践することです。
 これまで本県では、市町村や地域、地域産業などの支援を受けながら、高校の魅力化の取り組みを展開し、地域を理解する学習活動等を通じて、生徒の資質、能力や自己有用感を育み、岩手県の産業や地域を支える人材を育成するとともに、小中学生の地元高校への理解促進などを図ってきたところであります。
 こうした取り組みを進める中で、小規模校が県外生を受け入れるいわて留学も着実に広がりを見せ、その志願者は年々増加し、令和7年度入試においては42名の県外生が合格したところであります。
 いわて留学は、生徒による地域の歴史、文化の理解促進や地域産業との連携、協働、伝統芸能の活性化や継承が図られるなど、将来的な関係人口の創出や増大が期待されるものであり、本県の人口戦略としても重要であることから、引き続き、市町村等との連携を図りながら、高校魅力化の取り組みを推進してまいります。
〇37番(斉藤信君) 県立高等学校教育の在り方〜長期ビジョン〜の最終案が示され、県内で地域住民説明会も開催されました。高校再編長期ビジョン最終案の主な内容と地域住民説明会で出された意見について示してください。
 あわせて、長期ビジョンの最終案には、1学級規模の小規模校について、市町村と連携して高校魅力化に取り組んでいることが評価されています。いわて留学の取り組みでは、10校で42人が合格したとのことであります。
 地域と結びつき地域に必要な高校は小規模校でも存続させ、魅力化と充実を図る取り組みをさらに進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇教育長(佐藤一男君) 県立高等学校教育の在り方〜長期ビジョン〜最終案でございますが、今後見込まれる急激な生徒数の減少を踏まえ、県立高校の教育の基本的な考え方を五つに整理しております。持続可能な社会の創り手となる人材の育成、高等学校の多様化に対応する教育環境の構築、教育の質の保証、教育の機会の保障、地域や地域産業を担う人材の育成、大学進学率の向上や専門的知識を持つ人材の育成、この五つの柱をもとに、学びのあり方、学びの環境整備と配置の考え方、教育の充実の方策等について、具体的に検討し、取りまとめたところであります。
 県教育委員会では、令和6年12月に、この最終案に係る県民説明会を県内6地区において開催し、広く県民の皆様から御意見を頂戴したところであります。
 具体的には、大学進学等で県外に出たとしても、また岩手県に戻ってきて岩手県のために頑張ってくれる生徒を育てることを考えてほしい、さまざまな制度を活用して魅力ある県立学校を目指してほしい、将来を見据え、規模の大きい高校についても学校統合が必要である、少人数の学校を必要としている生徒の存在も大事な視点である、いわて留学は地域の活性化に大きく貢献しており、ビジョンに記載のとおり進めてほしいなど、多くの御意見が寄せられました。
 県教育委員会としましては、こうした御意見も参考に長期ビジョンの策定を進めてまいります。
 それから、高校魅力化でございますが、市町村や地域、地域産業などの支援を受けながら、岩手県の産業や地域を支える人材の育成、小中学生の地元高校への理解促進、いわて留学の着実な進展などに一定の成果を上げてきました。引き続き取り組みの推進が必要と考えております。
 一方で、令和6年全日制県立高校61校の募集学級数を見ますと、1学年3学級以下のいわゆる小規模校が30校となっておりまして、今後も見込まれる中学校卒業者数の一層の減少に伴い、学校の小規模化への対応が必要であると考えております。
 次期高等学校再編計画の策定に当たりましては、長期ビジョンの基本的な考え方も踏まえながら、小規模校のあり方について、地域の方々の御意見も伺いながら、よりよい教育環境の整備に向けて丁寧に議論を進めてまいりたいと考えております。
〇37番(斉藤信君) 私は、地域と結びついた小規模校に全県的な規模で、自治体ぐるみで取り組んでいるというのは、全国に例がない、大変新しい挑戦だと思っていますので、ぜひこの方向を進めていただきたい。
 県立盛岡みたけ支援学校高等部への通学バスの実現について、昨年度以来、父母の皆さんと教育長に要望してきました。令和7年度岩手県一般会計予算案に計上されました。
 どういう形で県立盛岡みたけ支援学校高等部への通学バスは取り組まれるのでしょうか。保護者の方々の要望を踏まえて実施すべきと考えますが、答弁を求めます。
〇教育長(佐藤一男君) 県立盛岡みたけ支援学校高等部への通学バスの運行につきましては、これまで県内の他の特別支援学校はもとより、県外の事例も参考に、運転士などの対応人員、学習時程、経費などの課題を整理いたしまして、令和7年度から新たに通学バスを運行する方針としたところであります。
 通学バスの運行に当たりましては、学校所有バスを活用することとし、高等部のみならず、小中学部の保護者などの意見やニーズも確認の上、現在、学校において運行ルートや乗車時間などの詳細についての検討や運行に向けての諸準備を進めているところでございます。
 県立盛岡みたけ支援学校に対しまして、必要な助言、指導に取り組んでまいります。
〇37番(斉藤信君) 特別支援学校では、生徒も父母も大変苦労されている。そういうところにきちんと通学の保障をしっかりやる。これは教育のあり方の根本が問われているのだと思いますので、しっかり実施していただきたい。
 次に、若者と女性に選ばれる岩手へ、ジェンダー平等の実現を目指す課題について質問します。
 知事演述の中で、ジェンダーギャップを解消し、国際的にも通用するような女性の働き方を岩手で実現し、先進性を高めて、若者、女性に選ばれる岩手であるようにしなければなりませんと述べたことが、強く印象に残りました。
 知事の思い、ジェンダーギャップ解消の課題、具体的な取り組みについてお示しください。
〇知事(達増拓也君) ジェンダーギャップ問題はそもそも基本的人権の問題でありますが、人口減少問題の観点からも、若者や女性の首都圏への転出超過の要因として、地方における性別へのアンコンシャスバイアスが指摘されており、若者や女性が働きやすい、暮らしやすい、選ばれる岩手であるためには、多様な主体が、ジェンダーギャップの解消の必要性を理解し、行動に移していくことが重要です。
 本年1月には、いわて未来づくり機構ラウンドテーブルにおいて、若者・女性に「選ばれる岩手」宣言を行うなど、産学官が一体となってジェンダーギャップ解消に取り組む機運が高まっており、県としても、一層取り組みを推進していく必要があります。
 令和7年度においては、企業や地域等における固定的性別役割分担意識の解消に向けた専門人材による講演会等の開催、職場での女性活躍推進を牽引するキーパーソン養成セミナーの開催、家庭内の分担を見える化し、男性の家事、育児への参画を促す家事・育児シェアシートのさらなる普及、ものづくり産業への進路選択や就職につながる女子中高生を対象にした女性社員等との意見交換の実施などの対策を進め、性別にかかわらず、一人一人が生き生きと活躍できる社会を実現してまいります。
〇37番(斉藤信君) ジェンダーギャップの解消は、まさに戦略的な課題だと思います。私は、その土台に労働者の低賃金、長時間労働があって、ジェンダーギャップの風潮をつくっているのだと思います。その視点もぜひつけ加えていただきたい。
 県内の女性が置かれている実態について質問します。
 県内労働者の正規、非正規の実態、女性の労働実態はどうなっているでしょうか。男女の賃金格差の実態を含めて示していただきたい。
 岩手県が率先してジェンダーギャップの解消に取り組むべきだと思います。県の幹部職員に占める女性の数、比率、あわせて女性の年代別比率も示してください。県の女性幹部登用の現状と目標はどうなっているでしょうか。
〇企画理事兼商工労働観光部長(岩渕伸也君) 総務省が5年ごとに行っている就業構造基本調査によると、令和4年の岩手県における会社などの役員を除く雇用者は51万9、300人、そのうち正規職員、従業員は33万5、100人、非正規職員、従業員は18万4、200人で、正規職員、従業員の割合は64.5%となっており、このうち女性の正規職員、従業員は12万3、600人で正規全体の36.9%、非正規職員、従業員は12万4、500人で非正規全体の67.6%となっております。
 また、令和5年の賃金構造基本統計調査における岩手県の所定内給与の月額は、男性は28万1、000円、女性は22万5、000円となっており、その差は5万6、000円となっております。
 なお、賃金構造基本統計調査では、正規、非正規の区分での数値は示されていないところです。
〇総務部長(千葉幸也君) 県の女性管理職についてでありますが、県が率先して全ての職員が意欲を持って能力を最大限発揮できる組織をつくることは、若者、女性に選ばれる岩手を実現するための施策を推進していく上で、特に重要であると認識しております。
 このため県では、特定事業主行動計画において、総括課長級以上の管理職に占める女性職員の割合を令和7年度までに15%とする目標を掲げており、令和6年4月1日時点で78人、率にして13.5%となっております。
 また、全職員に占める女性の割合は年々ふえており、現在30.7%となっておりますが、年代別で見ると、30代で38.8%、20代以下では45.2%と、若い年齢層ほど高い割合となっております。
 こうしたことから、引き続き、職員の能力向上や女性職員の活躍事例の紹介などを通じ、職員のキャリア形成を支援するとともに、フレックス制度の拡大や、男性の家事、育児への参画を促す家事・育児シェアシートの活用促進など、仕事と生活の調和が図られる働きやすい環境を整備し、県組織においてもジェンダー平等の実現を進めてまいります。
〇37番(斉藤信君) 知事にお聞きしたいのですけれども、私は、ジェンダーギャップの解消も県が率先してやるべきだと先ほど質問いたしました。
 今の答弁だと、総括課長級のうち女性職員の割合は、令和7年度、来年度は15%の目標に対して13.5%だと。実は総括課長級というと恐らく50代前半。女性の労働者の比率は23.2%なのです。私は、せめて女性職員の比率ぐらいは幹部職員に登用すべきではないかと。そして、30%以上を目指すべきですよ。30%を超えると議論の質が変わると専門家は言っています。
 ジェンダーギャップ解消を掲げる達増県政でこそ、この幹部職員における女性の比率を抜本的に高めてほしい。いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 先ほどの答弁の数字につきましては、現在こうだということでありますけれども、私もそれには満足しておりませんので、今後さらに高くしていくよう努めていきたいと思います。
〇37番(斉藤信君) 前向きの答弁でした。期待しております。
 次に、警察本部の不祥事と公安委員会のあり方について質問します。
 2019年1月28日、盛岡市内の勤務先交番において、当時22歳の若い警察官が自殺する事案が発生しました。私は、直後の県議会予算特別委員会で、若い警察官が署内で自殺した事件であり、パワハラ等がなかったか、自殺の要因と背景を究明するよう求めました。
 県警察本部は、同年3月25日、上司の巡査部長を暴行罪で盛岡地方検察庁に事件送致しましたが、パワハラが自死の一因であることは否定できないものの、自死の唯一の原因を特定できないとして、懲戒処分に当たらない本部長注意の軽い処分で処理しました。その後、遺族から公務労災の申請が出され、公務と精神疾患の発症に相当因果関係が認められ、2020年12月に労災と認定されました。
 遺族は、さらに2022年7月、県警察本部に対して損害賠償請求を行い、精神疾患と自殺に相当因果関係が認められるとして、2023年12月定例会で8、310万円の損害賠償に係る議案が提出され、その後、支払われたものであります。
 県警察本部は昨年6月20日、退職した元上司の巡査部長に対し損害賠償額の一部を返還するよう求める求償権を行使するべく、県の職員賠償責任等審査委員会に申請しました。
 求償権の行使に至った理由と元上司の支払いはどうなったか示してください。
〇警察本部長(増田武志君) 求償権の行使に至った理由と元上司の支払い状況についてでありますが、県警察におきましては、令和5年12月定例会において、損害賠償議案の議決をいただいて以降、求償権の行使の可否に関する具体的な検討を行いました。
 検討の過程におきましては、元上司には、自身の指導が行き過ぎた指導であるという自覚があったこと、故意による暴行や長時間にわたる叱責を複数回行っていたこと、そして、部下の心身の健康に注意すべき義務があったにもかかわらず、その注意義務を怠ったという重大な過失が認められたところであります。
 一方、県警察においては、パワーハラスメントの発生情報を現場にとどめさせることなく、漏れなく把握した上で、組織としての善後策を検討し、適切な措置を講じて重大な結果を防止するという組織責任を負っていたものであり、それを全うするに至らなかった責任は重いということも認識したところであります。
 これらの事情を前提としつつ、専門家の知見としての弁護士への相談を行うなどして、令和6年6月までに、損害賠償額の2割に相当する額について、元上司に求償すべきという結論に達し、職員賠償責任等審査委員会に求償権の行使の可否に関する審査を付託いたしました。
 同委員会からは、11月に、損害賠償額の2割に当たる1、662万1、240円について求償権を行使することが適当との決定がなされた旨、通知を受けたことから、当該決定に基づき、県警察において、12月に元上司と接触の上、支払いを求め、求償権について支払いを受けたものでございます。
〇37番(斉藤信君) 私は、先ほど丁寧にこの間の経過を説明いたしました。いろいろなところで判断が間違っているのです。
 最初に、自死してわずか2カ月で本部長注意処分にしました。このときの理由は、パワハラが自死の一因であることは否定できないものの、自死の唯一の原因を特定できない、これが理由でした。パワハラが自死の一因で自殺しているのです。これだけで懲戒処分適用にならないわけがない。不来方高校事件は1年前に発生した。この第三者委員会の調査は1年半かかった。ここでも顧問の暴言、叱責が自死の一因という調査結果ですよ。
 パワハラが自死の一因だったら、懲戒処分にならないのはおかしいではないですか、県警察本部長。
〇警察本部長(増田武志君) 処分の関係でございますけれども、当時の調査に関しましては、しっかりと、内部調査ではなく、本部の独立した警務課と非違事案の調査を行う本部の監察課員が、所属の影響を受けることなく、行為者である上司を初め交番所長や同僚等関係した職員からも広く聴取し、また、亡くなった職員の状況等についても遺族の協力を得て確認しているところであります。
 一方、短い期間というお話もあったと思うのですけれども、期間につきましては、調査すべき範囲について限定されていたことから適切な期間で行われたと思っておりまして、当時の調査は、丁寧かつ必要十分な調査だったと思っているところでございます。
 また、処分が軽いというようなお話があったと思うのですけれども、この事案では、パワハラと認定した指導というのは、動機が業務上に関するものであって、いじめや虐待の意図によるものではなく、指導を必要とする理由も認められた一方で、その指導は、暴行を伴うなど行き過ぎたものと認定されたことなども考慮し、総合的に判断した結果、本部長注意という処分となっているところでございます。
〇37番(斉藤信君) 残念ながら、そんなのは答弁にならない。
 実は、その後、遺族は公務労災を申請しました。その結果は、公務と精神疾患の発症に相互因果関係が認められ、労災と認定された。公務と精神疾患、いわばパワハラによって精神疾患を発症しているのです。そして、その精神疾患と自殺は相当の因果関係がある。そして8、310万円の損害賠償になったのです。上司によるパワハラは8カ月間にわたってやられたのです。精神疾患に陥るようなパワハラですよ。
 公安委員長にお聞きいたします。結果的に求償権まで行使するような事件になりました。私は出発点が間違っていたと。パワハラが自死の一因だと言いながら、本部長注意処分という軽い処分にして、その後、退職して、退職金をがばっともらって終わらせたのです。しかし、遺族は納得できなかった。そして、公務労災が認められ損害賠償になった。
 この経過をしっかり踏まえて、最初の本部長注意で済ませたことに問題がなかったと、公安委員会委員長は今でもそう思っていますか。いかがですか。公安委員会でどう協議されたかも含めて答えてください。
〇公安委員会委員長(村井三郎君) 非違事案に対しまして懲戒処分をすべきかどうかの判断は、広範な事情を総合的に考慮してされるものであるため、懲戒権者の裁量に任されていると解されています。そのため、その処分の適否を審査するに当たっては、裁量権者の裁量権の行使に基づく処分が、社会通念上著しく妥当を欠き、裁量権を濫用したと認められる場合に限り違法と判断すべきものとされています。
 その判断の枠組みは、懲戒処分にしなかったことが相当であったかどうかの判断にも妥当するものと解されますので、そうした観点から、本事案について監督上の措置が相当だったのかどうか検討しました。
 昨年2月の県議会定例会で検証すべきであるという御意見をいただいた後、検証の要否を含めて子細検討し判断するため、県警察に本事案の調査、措置に係る一件記録の提出を求め、改めて公安委員会で確認しました。
 その結果、本事案については、非違事案、非違行為の結果は重大でありますが、結果のみならず、非違行為の動機、態様等、個別具体的な事実関係、事情、基準、当時の懲戒処分の指針にパワーハラスメントに関する基準がなかったこと、確認した先例は、当時いずれも監督上の措置であったことを総合的に考慮すれば、地方公務員法の規定する公正性、平等取り扱いの原則、不利益取り扱い禁止の原則に照らして、懲戒処分ではなく監督上の措置を選択したことはやむを得なかった、つまり、県警察の裁量権の行使に基づく措置という処理が、社会通念上、著しく妥当を欠き裁量権を濫用したとは認められないと判断しました。
〇37番(斉藤信君) 法律家である村井公安委員会委員長の答弁としては、極めて残念です。
 いいですか、若い警察官がパワハラで自殺したのですよ。パワハラが一因だったと。その結果、遺族が労災申請をして、公務と精神疾患と相当の因果関係がある。その精神疾患と自殺は相当因果関係があるといって損害賠償したのですよ。私は、これだけでも社会通念上、本部長注意で済まないような悪質な事件ではなかったのかと。
 求償権の行使は、文字どおり故意による悪質なパワハラだったと。だから、やめた人に求償権まで請求したのではないですか。こんな異例なことをやっているのです。それでも、社会通念上、本部長注意ということは問題がなかったのですか。今もそう思っているのですか。どんなパワハラが8カ月間行われたか、公安委員会委員長は調べましたか。
〇公安委員会委員長(村井三郎君) 先ほども申しましたとおり、県警察に本事案の調査、措置に係る一件記録の提出を求めて全体を把握いたしました。調査につきましては、本事案についての調査は、本部警務課と監察課の幹部職員が、1カ月余の短期間で必要な対象者十数名について各複数回、裏づけ調査も含めてできるだけの調査を行っており、調査に遺漏はないと考えました。また、基準については先ほど申し述べたとおり、先例についても先ほど申し述べたとおりでございます。
 先ほど御指摘のありました因果関係につきましては、県警察の調査の結果でも、ハラスメントが自死の一因となったことは否定できないという表現ですが、因果関係を認めておりますので、公務災害認定を待って因果関係を認めたという御批判は、当たらないものと考えております。
〇37番(斉藤信君) 私は、不来方事件の話も紹介しました。バレー部員が1人自死した。1年半かけた調査をしたのです。どのような暴言、叱責が行われたのか、丁寧な調査が行われて、それが自死の一因とされた。自死の一因ですよ。それで懲戒免職処分ですよ。
 1カ月半で、そんな中途半端な処分をやったこと自体が問題だったのではないですか。1カ月半で、1人死んだ事件について、本部長注意をやったこと自体が不十分だったのではないですか。十分な調査だったのですか。簡単に答えてください。
〇公安委員会委員長(村井三郎君) 対象者が限られております。先ほど本部長が述べたとおりでございます。対象者は十数名、調査した職員も十数名おります。いずれも捜査能力にたけた幹部職員でありました。それらについて、全体複数回、何度も繰り返し通り一遍の調査ではない聴取を行っております。1人から出たものについて裏づけで調査も行っております。
 私は、捜査、調査にかかわった経験がございますけれども、十分な調査であったと認めました。
〇37番(斉藤信君) 恐らく公安委員会委員長は8カ月間のパワハラ、暴行の実態を把握していないのではないでしょうか。極めて残念。警察だって間違うことはあるのだから。8、300万円の損害賠償、さらに求償するというような事態になったら、しっかりこの事件を検証すべきですよ。こういうことは再び起こってはならないと指摘だけしておきます。
 大変残念な公安委員会委員長の答弁でした。公安委員会というのは、市民の目線で警察を民主的に管理するのです。あなたは全然市民の目線じゃない。このことだけ指摘をしておきます。
 次に、広瀬めぐみ元参議院議員の秘書給与詐取事件について、改めて知事の所感を求めます。
 ことし2月6日、東京地方裁判所で初公判が開かれました。検察側の冒頭陳述では、年間1、000万円の秘書給与を損するとして、自身の長女に名義貸しをするよう頼んだが、長女は、弁護士である広瀬前議員の夫に相談したところ、夫は、ぱっと見て違法に感じると反対したが、公設第一秘書の妻に名義貸しを頼み、第二秘書の給与約342万円と退職金約16万円、合計約358万円余をだまし取ったと指摘されました。
 秘書給与の使い道については、手持ちの現金とまぜ、政治活動のほか、自身のクレジットカード代金、長女への小遣いにも充てたと明らかにされました。
 被告人質問では、秘書給与をだまし取る手口について、選挙活動中に手伝ってくれた元国会議員の元秘書から聞いたと述べたことも重大であります。広瀬氏は起訴内容を認め、即日結審し、検察は懲役2年6カ月を求刑、3月27日に判決が下されます。
 再びこうした悪質な犯行は許されません。改めて自由民主党に猛省を求めるものですが、知事の所感を求めます。
〇知事(達増拓也君) 政権与党の公認候補であった参議院議員が、自らの詐欺事件で辞職し、起訴に至ったことは、岩手県では過去に例がなく、極めて重大な事態で県民に大きな衝撃を与えました。
 これにより行われた参議院議員補欠選挙と、統一教会問題と裏金問題の事実関係を十分に究明することが求められている中で行われた衆議院議員総選挙の結果として、与党が過半数を大きく割り込んだことは、国民や県民が健全な政治を求めたものと考えます。
 このような政治家の不祥事を再び起こさないためにも、問題の事実関係を明らかにするとともに、政治家は、信頼回復に向けた行動を自ら率先して行っていくことが求められると考えます。
〇37番(斉藤信君) 私は、この裁判の冒頭陳述を見まして、余りにもひどいということで改めて取り上げた次第であります。
 自由民主党の2023年4月29日に開催された政治資金パーティーについて、選挙管理委員会委員長に質問いたします。
 政治資金パーティーの収入は2、151万円、購入者は816人となっていますが、1枚2万円では割り切れません。なぜでしょうか。
 2022年4月16日開催の政治資金パーティーについては、1、872万円の収入で、購入者は936人と報告していました。1人が1枚のパーティー券を買ったというでたらめな報告でした。私の指摘を受けて購入者を746人と修正しましたが、企業からの収入が半分以上を占めているのが全国の実態であります。企業のパーティー券購入の実態を隠すものとなっているのではないでしょうか。
 岩手県医師連盟が100万円、50人分のパーティー券を購入しています。支払い日はパーティー終了後の5月8日でありました。こんなことがあるのでしょうか。丸々政治献金ではなかったでしょうか。
 パーティー開催経費は、会場費、飲食代、記念品代、印刷費で239万円余となっています。そのほか、販売手数料として国会議員、国政候補者、県議会議員や市町村議会議員が責任者の各選挙区支部、市町村支部に交付されています。これは、いわゆるキックバックされたものではないでしょうか。
 東北6県の自由民主党県連の政治資金パーティーを調べましたが、販売手数料というものはありませんでした。自由民主党岩手県連独自のものでありました。
 選挙管理委員会委員長の答弁を求めます。
〇選挙管理委員会委員長(吉田瑞彦君) 岩手県選挙管理委員会委員長の吉田でございます。まず、日ごろ選挙管理委員会の選挙事務に御協力いただきまして、この場で御礼を申し上げます。
 それでは、斉藤信議員の御質問に答弁いたします。
 四つまとめて質問していただいてありがとうございます。この四つに共通することですので、あらかじめ選挙管理委員会の職務についてお話しさせていただきます。これは昨年2月27日の答弁でもお話ししたことと重複しますので、少し早口で答弁させていただきます。
 まず、政治資金収支報告書に関し選挙管理委員会に与えられている権限は、政治資金規正法第31条において提出された届け出書類、報告書もしくは添付書類に形式上の不備があり、または、これらに記載すべき事項の記載が不十分であると認められるときは、当該報告書等を提出した者に対し説明を求める、または当該報告書等の訂正を命ずることができるとされております。
 斉藤信議員が2番目の質問をされました、昨年のことですけれども、これは、最初人数で割り切れたはずですが、中身を見るとおかしいではないかと斉藤信議員が指摘されたことについて、この提出者に説明を求め、訂正していただいたものです。
 したがいまして、第1問の、人数で割り切れないのはなぜですかという質問については、斉藤信議員が一番よく御存じだと思いますので、それを答えにさせていただきたいと思います。
 それで、なぜかというのを一言だけ説明しますと、政治資金規正法第20条で、1人で20万円を超えるパーティー券などを買った場合には報告することになっているのですが、20万円以下であれば、特に報告書に書いていないのです。ですから、収入と人数で割ったところで答えが出てこないということになっています。
 その中身については、我々選挙管理委員会としては、これを調査する権限はございません。ですから、それはなぜかと言われたところで、これは答えられないということになります。これは御理解いただきたいと思います。
 それから、この政治資金収支報告書の提出に当たって、選挙管理委員会では何もしていないかというと、そうではなくて、毎年、全ての政治団体に対して、記載要領等を作成して文書で通知しております。職員が県内各地に出向いて対面での相談や報告書を受理する機会を設けるなど、ここは職員が親切に対応していると思います。
 政治資金規正法に掲げる基本理念としては、政治資金の収受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことがないように、この法律に基づいて公明正大に行われなければならないとされております。したがって、選挙管理委員会としては、この理念のもと、各団体において、政治資金の収支を適切に処理しているものと認識しております。
 これが選挙管理委員会の職務内容ですので、御質問にお答えするとなると、個別具体的な事実関係について、先ほど申し上げたように調査する権限がないということになります。
 ただ、1問目、2問目はそれでよろしいかと思いますけれども、3問目の質問で、岩手県医師連盟が支払った日がパーティー後の5月8日であった、こんなことがあるのですかという質問ですが、これは、民事上の一般論といたしましては、当事者同士が支払い日はそれでいいということであれば問題はないし、これについて特に法律で支払い日はいつまでにしろということは書かれていないので、こういうこともあるのではないかと思います。
 それから、キックバックされているのではないかということに関しては、これは斉藤信議員の御見解だと思いますけれども、選挙管理委員会としては、これについて答えるべき立場にございません。
〇37番(斉藤信君) 私が指摘したいのは、パーティー券収入2、151万円、1枚2万円なのです。1枚2万円のパーティー券では、割り切れないのですよ。そんなことがわかって、わざわざ報告している。
 去年の例を私がお話ししたのは、政治団体から10枚、20枚と買っていると報告しながら、1人1枚しか買っていないという報告をしていた。それだけでたらめ、ずさんな報告だということを選挙管理委員会委員長に指摘したわけであります。
 それと、販売手数料、これはキックバックなのです。受け取ったそれぞれの選挙区支部、市町村支部の政治資金報告書を調べてみました。交付金としているのです。自由に使えるお金。だから、自由に使えるお金を戻しているだけなのです。これは、残念ながら岩手県だけでありました。だから、キックバックしているのです。中には、1年間交付金と記載していない人もいました。記載しなかったら、これは裏金なのです。社会問題になって、慌てて1年後に修正したという人がいましたが、修正は1年後でした。これは自白の証明というのです。
 そういう意味で、書かれれば、それは法律に違反しないけれども、しかし、そういうキックバックの仕組みが自由民主党県連では今でも続いている。会計責任者は県議会議員です。県議会議員が責任を持った会計責任者で報告されていますから、そのことも含めて、清潔な政治を実現していかなければならない。このことを述べて、終わります。(拍手)
〇議長(工藤大輔君) 以上をもって斉藤信君の一般質問を終わります。
 以上をもって一般質問を終結いたします。
   
日程第2 議案第1号令和7年度岩手県一般会計予算から日程第105 議案第104号損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについてまで
〇議長(工藤大輔君) この際、日程第2、議案第1号から日程第105、議案第104号までを一括議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので発言を許します。高田一郎君。

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