令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇5番(菅原亮太君) 自由民主党の菅原亮太です。当選後2度目の一般質問の機会をいただき、先輩、同僚議員の皆様に感謝申し上げます。
 早速始めてまいりますが、今回の私の一般質問は、知事もお読みになった岩手経済戦略会議2024における天野馨南子氏の講演を軸に質問させていただきます。
 天野氏は講演の冒頭に、少子化対策は、出生率ではなく出生数の維持が重要であると指摘されています。
   〔議長退席、副議長着席〕
 その上で、出生数減少の要因は婚姻数の大幅な減少であるとし、岩手県においては20代前半の未婚男女の社会減が大きな問題だと述べており、これらは、すなわち、出生数をふやすためには婚姻数の増加が必要であること、そして、婚姻数の増加のためには、若者の県内定着やU・Iターン政策が重要であることを示唆していると考えます。
 以上の内容を踏まえ、初めに、岩手県の人口減少対策の指標となる第2期岩手県ふるさと振興総合戦略及び岩手県人口ビジョンについて伺います
 第2期岩手県ふるさと振興総合戦略では、令和8年度に社会減ゼロ、合計特殊出生率1.58以上を目標としています。しかしながら、令和6年の社会増減がマイナス5、050人、令和5年の合計特殊出生率が1.16にとどまっている状況ですが、この現状に知事はどのような見解をお持ちかお伺いします。
 その他の質問は質問席から行います。よろしくお願いいたします。
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 菅原亮太議員の御質問にお答え申し上げます。
 県ではこれまで、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略等に基づく施策を展開してきたところであり、自動車、半導体関連産業の一層の集積や移住、定住者の増加などの成果に結びついたところです。
 一方、近年、東京都の有効求人倍率が本県など地方を上回る状況下で、新型コロナウイルス感染症パンデミック、また、物価高騰などの世界的な危機に地方が、そして岩手県も相次いで見舞われているところです。
 こうした中、国が昨年公表した地方創生10年の取組と今後の推進方向で総括されているように、全国的に、人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるに至っておらず、本県でも同様に大きな影響を受け、社会減が拡大し、婚姻数や出生数の減少が続いています。
 こうしたことから、いわて県民計画(2019〜2028)第2期政策推進プランに基づき、人口減少対策に最優先で取り組み、少子化対策、社会減対策の強化の三つの柱プラスワンの方向性のもと、若者の可処分所得の向上や仕事と子育てが両立できる働き方と子育て環境の実現、ジェンダーギャップの解消などを推進しています。
 さらに、東京一極集中の是正や安心して出産、子育てができる子供、子育てに優しい社会に向けた取り組みなど、国を挙げた対策が重要であることから、日本創生のための将来世代応援知事同盟や全国知事会の人口戦略対策本部会議などを通じ、国や他の都道府県と連携して取り組んでまいります。
〇5番(菅原亮太君) 令和8年の合計特殊出生率目標1.58以上について伺います。
 天野氏は、自治体単位の少子化対策の統計的認識として大切なことは、子供の数の維持が重要であって、岩手県の出生率の維持が重要ではないとおっしゃっております。そして、その根拠として、岩手県では出生率が高い市町村ほど出生数減少が大きいというデータを示しています。これは、未婚女性が減れば、合計特殊出生率の分母である未婚女性の割合が少なくなることから、合計特殊出生率が上がる。合計特殊出生率が高いところほど、子供を産む女性の数が少ないため、出生数が減っている状況にあると説明されています。さらに、20代の未婚女性が就職で県外に大きく出ていっているために、合計特殊出生率が上がる傾向にある。それが顕著に出ているのが岩手県であると指摘されております。
 私がチャットGPTで試算した限りでは、単純計算で約4万6、000人の子供を持たない女性が減少すると、岩手県の2040年目標の合計特殊出生率1.58に引き上がります。つまり、社会減が進行すれば、合計特殊出生率は上がるということになってしまう結果になりました。
 人口減少の主因が出生率ではなく出生数の減少であるという天野氏の認識に基づけば、人口減少対策の指標は、出生率ではなく出生数にすべきと考えます。
 人口減少対策として、まずは出生数の増加に向けた施策の推進が必要と考えますが、県の見解を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 出生数の増加に向けました県の施策の推進についてでありますが、県では昨年度、出生数の減少要因に着目した分析を行い、少子化対策には、有配偶率の向上、有配偶出生率の向上、そして女性の社会減対策の三つの柱に加え、地域の実情を踏まえた少子化対策が重要であるとの結果をお示ししたところであります。
 有配偶率の向上については、結婚支援、若者のライフプラン形成支援や若年層の賃金、収入の向上対策の強化など、有配偶出生率の向上については、仕事と子育ての両立を実現するための子育て支援サービスの充実など、女性の社会減対策については、雇用労働環境の安定と活躍できる職場の創出に向けた取り組みの強化などを今後の方向性として示したところであります。
 さらに、各地域の実情を踏まえた少子化対策として、小規模町村を対象として、地域課題の分析に基づく専門家等と連携した伴走型支援に取り組んでおり、令和7年度岩手県一般会計予算案におきましても、これらの方向性に基づき各種事業を盛り込んだところであります。
〇5番(菅原亮太君) 出生数という目標については言及がなかったかと思いました。
 次に伺いますが、岩手県人口ビジョンにおいて、本県は出生率の向上と社会減ゼロを実現することで、2040年に100万人の人口を確保することを目指すとしています。しかしながら、2040年に岩手県の人口100万人を維持するためには、仮に、ことしから社会減がゼロになったとしても、年間の死亡者数を1万9、000人とした場合、毎年約1万人の出生数が必要となります。これは、令和6年の出生数5、011人の約2倍という極めて厳しい数値です。
 知事は、この社会減ゼロがことし達成されたとしても、出生数が毎年1万人なければ2040年100万人達成が困難という現状に対して、達成できると考えているか、また、どのように実現しようとしているか伺います。
〇知事(達増拓也君) 岩手県人口ビジョンでは、ふるさと振興を進め、出生率の向上と社会減ゼロを実現することにより、2040年に100万人程度の人口の確保と2115年におおむね80万人程度での定常状態を展望しています。
 これは、多くの他の自治体と同様に、国のまち・ひと・しごと創生長期ビジョン及び総合戦略が掲げる合計特殊出生率や東京圏の社会増減の均衡を前提としたものですが、国が昨年公表した地方創生10年の取組と今後の推進方向において、人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには至っていないと総括したように、日本全体で合計特殊出生率が低下し、東京一極集中が再加速しており、国全体と全国の自治体で展望からの乖離が見込まれます。
 こうしたことから、国では、昨年12月に公表した地方創生2.0の基本的な考え方において、東京一極集中の是正や、若者、女性にも選ばれる地方をつくることなどを掲げ、地方創生を再起動させるとしています。
 国の長期ビジョンにおいては、結婚や出産はあくまでも個人の自由な決定に基づくものであり、目指すべきは、特に若い世代の結婚、出産、子育ての希望の実現に取り組み、多様な選択を可能にする環境づくりを行うものとされています。
 県においても、こうした考え方に基づき、若者の可処分所得の向上や仕事と子育てが両立できる働き方と子育て環境の実現などの人口減少対策と、人口減少下における社会、経済の維持、向上策を推進し、出生率の向上と社会減ゼロの実現を目指してまいります。
 なお、人口減少対策は国と一体となった推進が必要でありますが、国では、ことしの夏をめどに、今後10年間集中的に取り組む基本構想を取りまとめることとしており、その内容も踏まえ、必要に応じ、本県の長期ビジョン及びふるさと振興総合戦略についても見直しの検討を行う考えです。
〇5番(菅原亮太君) 国の話もされましたけれども、私は、県としてこの出生数をどうやってふやすかというところを伺っているわけであります。
 1万人を目指して、どうやって出生数をふやすか、県の取り組みを伺ってよろしいでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 先ほどの答弁を裏返しますと、国では、まだ10年前に設定した目標を取り下げていないわけでありまして、それまで日本政府は、出生率といったこと、出生数もでありますが、出産というのは個人的なことなので、国が目標を設定したことはなかったわけです。
 そして、都道府県間の人の移動についても、人口が移動した後の過疎や過密に対する対策は行っていたのですが、人口移動そのものについては、それを制限しようとか東京一極集中を解消しようということを目標に掲げたことはなかったのが、初めて10年前に掲げたわけであります。
 やはり岩手県としては、それを尊重し、東京一極集中ゼロという国の目標が達成できれば、岩手県からの転出超過をゼロにすることは現実的になるわけであります。国の出生率の目標が1.8を超えるような水準になってきて、それが日本全体に行きわたる中で、岩手県においてもしっかり取り組んでいけば、出生数をふやしていくことも現実的なことになるわけでありますので、国が目標をおろさないでいるときに、岩手県が先に、日本全体それは無理だ、岩手県も無理だということは、言えないのではないかと思っております。
〇5番(菅原亮太君) 質問を言いますね。私は、出生数をふやすために、岩手県としてどのような取り組みをしていますかと伺いました。普通に有配偶出生率向上の施策を申されればいいと思ったのですけれども、改めて―保健福祉部長に伺ったほうがよろしいですか。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 出生率の向上で人口要因と有配偶要因と有配偶出生率要因があるのですが、岩手県を分析すると、やはり有配偶要因、要するに婚姻に関するものが大きくきいていると認識しております。
 そのために、i−サポ―“いきいき岩手”結婚サポートセンターよる結婚支援の強化、また、若者のライフプラン形成支援の強化、そして、若年層の賃金、収入向上対策などに関するさまざまな取り組みを進めようというところでございます。
〇5番(菅原亮太君) 有配偶出生率の向上に向けた県の施策を伺っています。有配偶率ではなく有配偶出生率向上の施策を伺っています。お願いします。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 有配偶出生率の向上におきましては、大きく分けますと子育て支援ということになろうかと思います。これは、市町村と一緒に取り組んでおります、例えば第2子以降の3歳未満児の保育料無償化でありますとか、産後ケアの実質無償化とか、それに関係するさまざまな利用率向上のための取り組みなど、市町村と連携してさまざまな子育て支援に取り組んでおります。
 こうしたものについては、ある程度、全国に先駆けた取り組みなども進めているものと認識しているところでございます。
〇5番(菅原亮太君) 今、第2子の保育料無償化とか産後ケアとかおっしゃいました。こういった取り組みをしていながら、岩手県の出生数は、令和元年7、200人から令和6年5、011人までどんどん減っている状況でございます。
 1万人を目指す、達成は難しくても目指すことが大事だと私は思っておりまして、仮に倍ふやさないといけないというのであれば、今までの政策投入ではふえないだろう、なかなか難しいだろうと思っております。やはり出生数増加に向けて新たな取り組みが必要だと思うのですが、例えば第1子保育料無償化とかに取り組む御予定はないでしょうか。知事、お願いいたします。
〇知事(達増拓也君) まず、この約5年間の新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる経済、社会状況は極めて異常なものでありまして、その影響はまだあちこちに残っております。それが、若い世代の婚姻数の減少、出生数の減少にも出てきているという状況がありますので、まずは、そこへの対策が必要と考えております。
 さらに、物価高騰によって、1年単位で見ますと実質賃金はまだ下落を続けており、いわゆる若い世代の可処分所得が減り続けていて、結婚、出産、子育てどころではないという、状況が悪化している状況があります。
 こうした条件がなかった状況に戻れば、岩手県でやっている施策が功を奏することが期待されますし、そこに国の異次元の子供、子育て支援が加わり、また、地方がせっかく今までにないような産業政策、雇用政策で非常に質の高い雇用がそろっているときに、東京圏へ行政や民間からの投資が非常に多く、そこでの給料がとても高くなるとか、そういった東京一極集中を加速するような経済、財政政策がとられないということを組み合わせれば、岩手県が掲げてきた目標は、非現実的ではないと考えます。
〇5番(菅原亮太君) 岩手県としての取り組みを私は伺っています。出生数をどうやってふやすかということに今絞って確認しております。
 今回の令和7年度岩手県一般会計予算案では、有配偶出生率の向上、主な事業で、妊産婦支援事業費であったり市町村少子化対策支援事業費、また、いわて子育て応援保育無償化事業費補助等、予算のポイントが四つ出ておりますけれども、これは前年度よりトータルで1億円減額になっております。再三申し上げておりますように、出生数1万人を目指すという中で、出生数を倍にしないといけない。であれば予算をもっと倍かけて出生数増加対策を行っていかなければいけないと思っておりますが、むしろ本年度は1億円減らしている形です。
 知事、改めて伺いますが、出生数増加に向けてもっと予算を増額して、もしくは第1子保育料無償化とか、もっと出生数増加に力を入れてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
〇知事(達増拓也君) そういう意味で、第2子以降、そして3歳未満児の保育料と在宅育児をそれぞれ無償化、支援金交付を県全体で可能にするというのは、他の県はほとんどやっていないような全国トップレベルの子供、子育て支援策でありまして、まずはこれをしっかり広めていきたいと思います。
〇5番(菅原亮太君) 次に行きますが、この出生数で私が思うのは、出生率は1.58とあるのですけれども、1.58と言われても、分母は、子供を持つ、持たないを含めた全ての女性の数なので、具体的に何をふやすのかわからないと思っています。出生数を幾つふやしますという目標のほうが、戦略が立てやすいのではないかと思っています。
 兵庫県では、2020年から2024年の合計出生数18万人を政策目標に掲げています。岩手県も同様に、2040年、人口100万人を達成するために必要出生数を政策目標に掲げるべきと思いますが、知事の見解を伺います。
〇知事(達増拓也君) 岩手県は、国と同様に出生率を目標には掲げておりますけれども、国にせよ岩手県にせよ、出生数をふやすような政策を次々に講じてきているわけでありまして、岩手県から若い女性の数を減らすことで出生率を高めようなどという政策はとっておりません。基本的に出生数をふやすという政策をとっていて、その結果、出生率が高まっていけばいいということを国でも岩手県でもとっていることになります。
 10年前、国も出生数を直接目標にするということを選ばなかったのは、やはり出産ということは、高度に個人的な、個人の尊厳にかかわることなので、出生数という生々しい数字ではなく、合計特殊出生率を目標にしたかとは思うのです。ただ、地域ごとにでありますとか状況ごとに出生数を目標にしていくことはありだと思いますので、研究していきたいと思います。
〇5番(菅原亮太君) ぜひ研究をお願いします。
 次に、令和8年度社会増減ゼロの目標について伺います。
 第2期岩手県ふるさと振興総合戦略では、令和8年に社会減ゼロを目指すとしています。令和6年の実績を見ると、転入者が1万4、850人、転出者が1万9、900人で、社会増減はマイナス5、050人です。
 令和8年に社会減ゼロを達成するということは、転出者を何人減らして、転入者を何人ふやすかということになります。転出者の内訳は大きく三つ。高卒の県外進学者、高卒の県外就職者、そして大卒の県外就職者に分かれると思います。
 まず、高卒の県外進学者を減らすことについては、県内の進学者数をふやすということですが、県内大学の定員がありますので、これをすぐにふやすのは難しいと思います。
 次に、高卒の県外就職者を減らすことについてですが、令和6年3月卒の就職状況は、県内就職者1、493人、県外就職者596人で、県内就職率は71.5%となっています。この県外就職者を何人県内就職に持ってこられるかの目標設定が重要であり、実際のところ、500人に県内で就職していただき県内就職率99%を目指すくらいの目標が必要になると思います。
 次に、大卒で県外就職者を減らすことについては、令和6年3月卒の就職状況で、県内就職者751人、県外1、172人で、県内就職率は39%。こちらも500人くらい県内就職していただき県内就職率を65%とするくらいの目標が必要になると思います。
 次に、転入者の内訳を考えると、県外から県内への大学進学者、県外大学卒業者の県内就職、そして最後、これら以外のU・Iターンの三つに分かれます。
 先ほど、転出者で高卒と大卒で500人ずつ、計1、000人減らす目標を設定しましたので、社会減ゼロのためには、転入者はあと4、000人ふやさないといけません。県外から県内への大学進学者に関しては、やはり大学の定員がありますので、これ以上すぐにふやすことは難しい。となると、それ以外のUターン、Iターンで4、000人ふやす目標が必要です。
 このように、令和8年の社会減ゼロ達成のためには、転出者を1、000人減らし転入者を4、000人ふやす必要がありますが、あと2年で達成するのは困難と感じます。
 改めて、本県として何年までに社会減ゼロを達成するため、単年度で転出者何人、転入者何人という数値目標を出すべきと感じますが、見解を伺います。
〇企画理事兼商工労働観光部長(岩渕伸也君) 社会減ゼロの達成は、東京一極集中の是正と密接に関連するため、先ほど知事が答弁申し上げましたとおり、国がことしの夏を目途に取りまとめることとしている基本構想の内容を踏まえた本県の長期ビジョン及びふるさと振興総合戦略の見直しの必要性等の検討の中で、数値目標のあり方についても担当部と協議を行っていきたいと考えております。
〇5番(菅原亮太君) 国の大きなビジョンに合わせるというのはわかるのですけれども、県としてどう目標設定するかが大事だと私は思っています。
 次に、U・Iターンの目標設定について伺います。
 いわて県民計画(2019〜2028)の具体的推進方策指標では、U・Iターン就職者数で、令和8年累計目標を4、000人としていますが、令和5年時点での実績は788人にとどまっており、これを今後どれだけふやせるかが重要です。
 いわて県民計画(2019〜2028)には、県外からの県内就職、つまりUターンを何人、Iターンを何人という目標の設定はなく、U・Iターンで合わせて4、000人という目標のみとなっております。これでは、どのような政策を導入しても、それでUターン者が何人ふえたのか、Iターン者が何人ふえたのかは判別できません。
 やはり令和8年にU・Iターン就職者4、000人という漠然とした目標ではなく、Uターンは毎年何人、Iターンは毎年何人ずつという単年度の目標を項目ごとに細かく設定し、その実現に向けた政策導入と毎年度の効果検証が必要と感じますが、県の見解を伺います。
〇企画理事兼商工労働観光部長(岩渕伸也君) 現在のU・Iターン就職者数の実績は、県などの取り組みを利用してU・Iターンを行った人数のみとしており、その背景として、実際の全ての実績を把握することが難しい状況にあることから、実際の県内市町村ごとの実数をUターンとIターンに区分することは、さらに難しいのではないかと考えております。
 このため、まずは、現在の県などの取り組みを利用してU・Iターンを行った人数についてUターンとIターンに区分して把握する方法の検討を行い、今後、その実績の把握に努めた上で、区分した目標値の設定が可能かどうかといったことを検討していきたいと考えております。
〇5番(菅原亮太君) これは、昨年10月の決算特別委員会でも質疑しましたけれども、福井県が、県内の全会社に毎年アンケートを送って、何人のUターン者が来ましたか、Iターン者が来ましたかと調査しているのです。やろうと思えばできるので、そこはぜひお願いしたいと思っております。
 次に、知事に伺います。令和6年の5、000人の出生数、1万9、000人の死亡者数、マイナス5、000人の社会減、これがずっと続きますと、60年後、つまり2085年には岩手県の人口はゼロ人になります。
 令和2年に改訂した岩手県人口ビジョンでは、何ら対策を講じなかったら2115年には20万人程度と書いていましたが、もうそのような状態ではありません。知事のお孫さんが知事の年齢になるころには、もう岩手県はないのです。
 国の人口ビジョンの見直しがないとか国が東京一極集中を是正しないからとか、そんな悠長なことをおっしゃっている暇は岩手県にはないと思っております。本当に危機感を持って、出生数増加、社会減ゼロに取り組んでいただきたいと思っております。
 今までも、例えば令和8年までに累計でU・Iターン4、000人とか、2040年に人口100万人、2115年に20万人とか、未来の目標を掲げてやってきたのですけれども、あれをやっています、これをやっていますと言って、実際、目標年になったら、やはり達成できませんでしたというのが、これまでの繰り返しだったのではないかと思っております。
 目標を立てて、ターゲットを細分化して、そのターゲットごとに細かい年間目標の積み上げを行うことで、例えば1高校当たり、ことしは何人県内就職を目指そうとか、1企業当たりUターン就職者数を何人ふやそうとか、現場サイドで細かな目標設定ができます。
 改めて、出生数、社会増減を含めて現実的な指標の設定とターゲットを絞って、現場サイドでも単年ごとの具体的な目標設定など戦略を練り直すべきではないかと思いますが、知事に伺います。
〇知事(達増拓也君) 事前に提供されていた一般質問要旨では1の括弧何とか2の括弧何とかと、非常に質問数が多く、その中に今ぱっと見たところでその質問は見つからなかったので、今この場で新しい質問をされたという前提で、答弁漏れとかがあれば教えていただければと思いながら、今聞いたことに対して、今考えたことを答弁するような形でお話しいたします。
 1995年に岩手県からの転出超過は329人しかいなかったということで、何千人という転出超過がその前後あり、高度成長のころは2万人とか、そして、バブルのころは1万人とかという転出超過数に比べれば、ほぼゼロにできるという年はあるわけであります。日本全体と岩手県の経済情勢の中で、岩手県の経済、産業雇用情勢の調子がよければ、転出超過をゼロにできるということはあるわけであります。
 岩手県内の多くの事業者には岩手県外からやってきて、岩手県で生産活動を行っている会社や、工場があり、そこで経営する人もいれば、そこで働く人もいて、そうした人たちの涙ぐましい努力があります。東日本大震災津波を乗り越え、コロナ禍を乗り越え、今、物価高と闘っています。そうした岩手県の中で商品を提供しサービスを提供する、経済に従事している皆さんの必死の努力が、この岩手県での雇用を支え、岩手県内で働くチャンスをつくっています。これを岩手県内外の若い人やその家族、関係者にしっかり伝えていけば、岩手県の人口がゼロになることはないと信じています。
 そして、岩手県での生活に関しましても、本当にすばらしいところだ、生活するのにいいところだとして、特に震災後、復興のプロセスを通じて多くの人たちが、まずは震災復興支援、ボランティアなどの形でやってきて、地域おこし協力隊も大勢岩手県に来て定着しています。
 これも十分知られていないところでありますので、これも県内外にしっかり伝えていきながら、ただし、さまざまな生きにくさということはありますので、結婚のしにくさをしやすさに変え、子育てのしにくさをしやすさに変え、岩手県にいる人間、そして岩手県に関心のある人間を相手に丁寧な政策をしていけば、岩手県が人口的に崩壊することは絶対にないと確信しております。
〇5番(菅原亮太君) 信じてはだめだと思います。信じているだけではだめなのです。やはり実行しないといけない。その実行のために目標を設定しないといけないのです。そういう意味では、ぜひ、こういうところもこれからも議論していきたいと思っております。
 次に、自然減対策のうち、出生減対策について伺います。
 令和7年度当初予算で出生減対策をどのようにされているか伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 先ほど御答弁申し上げました出生数減少対策、言いかえますと出生数増加のための対策の三つの柱に加えまして、本県の課題や地域の実情を踏まえた少子化対策が重要であり、令和7年度当初予算案では、これらに基づいて総合的に推進する施策を盛り込んだところであります。
 具体的には、有配偶率の向上のため、29歳以下の新婚世帯に対する県独自の支援金の上乗せ補助などの取り組みに加え、i−サポ会員へのスキルアップセミナーの実施などによるフォローアップ強化を盛り込んだところであります。
 また、有配偶出生率の向上のため、第2子以降の保育料無償化や在宅育児支援金、市町村が実施いたします既存施設等を活用した遊び場の整備、産後ケア利用時の子供の一時預かりや交通費の支援に要する経費の補助などに加えまして、妊産婦支援事業の拡充に要する経費などを盛り込んだところであります。
 女性の社会減対策につきましては、女性デジタル人材育成プロジェクト事業などの取り組みに加えまして、固定的性別役割分担意識の解消に向けた取り組みを新たに盛り込んだところでございます。
 また、各地域の実情を踏まえた少子化対策につきましては、今年度得られました成果を横展開しながら、人口減少対策関係部局の連携をさらに強化の上、今年度取り組んだ地域以外での伴走型支援に取り組んでいくこととしております。
〇5番(菅原亮太君) 産後ケアについて伺いたいと思います。
 産後ケアは全ての市町村で行われていますが、宿泊型は奥州市の1カ所のみです。このため、ほかの市からの利用要望もありますが、夜勤の助産師を十分に確保できず、要望を断って市内在住者のみとしており、それでも予約3カ月待ちの状態です。
 施設や助産師の確保を含めて、各市町村で整備することは難しいことから、県として、二次医療圏ごとに宿泊型産後ケア施設の整備をすべきと思いますが、県の見解を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 本県の周産期医療におきまして分娩機能が集約化される中で、身近な地域できめ細やかなサービスを受けられる環境の整備という点で、産後ケアの推進は重要でございます。施設の整備に当たりましては、設備及び助産師等専門人材の確保の課題があるものと認識しております。
 加えまして、宿泊型も含めましたきめ細かい産後ケアを受けられる環境の構築に当たりましては、施設整備だけで実現できるものではなく、母子保健法上の事業実施主体である市町村におきまして、継続的な事業化がなされることにより、持続的に運営が可能になるものと考えております。
 県としては、市町村における産後ケアの提供体制の構築を支援することが重要との考えのもと、令和7年度当初予算案におきまして、産後ケアのさらなる利用促進のため、市町村が実施する産後ケア利用時の子供の一時預かりや交通費の支援に要する経費への補助、産後ケアにかかわる人材確保のため、県内の助産師の活用促進支援などの事業を盛り込んだところであり、医療機関や民間事業者との調整、助産師等の人材の確保など、地域の実情に応じた産後ケアの充実が図られるように市町村の取り組みを支援してまいります。
〇5番(菅原亮太君) 産後ケア事業における県の役割は、あくまで市町村の支援という内容の答弁でありました。
 先般、我々自由民主党会派は、山梨県の宿泊型産後ケア施設、健康科学大学産前産後ケアセンターママの里を視察してきました。ママの里は、山梨県と県内27市町村で組織する産後ケア事業推進委員会が事業実施主体となり、健康科学大学が委託を受けて運営しています。
 山梨県全域から車で1時間以内の位置にあり、利用料の大部分を県と市町村が補助し、在住する市町村によりますが、1泊3、600円から無料、ゼロ円で産後ケアを受けられます。夜勤可能助産師を約20名、メンタルヘルスのための心理職を3名確保しており、利用者数も年々増加し、今や山梨県の出生数の約10%の母子が利用されています。
 ママの里設置のきっかけは、少子化、核家族化で赤ちゃんに触れる体験が減少し、育児への不安を抱える母親が増加。加えて、出産の入院期間の短縮化で、体力が回復しないままの退院が増加していること、また、そういった複合的な要因で産後鬱の母親がふえていることなどを背景に、産後育児支援の在り方検討委員会において、宿泊しながら母親の回復と育児技術指導を提供する事業が必要と判断したところからと伺いました。
 山梨県の担当者からは、産後ケア事業は市町村が事業主体であり、都道府県は市町村の広域的な支援とされているが、山梨県では、助産師の確保を含め、宿泊型産後事業は小さい市町村単独では難しい。だから、県で広域的にサポートする必要があると考えたと伺っています。
 本県においても、市町村の支援ではなく、このような連携をお願いしたいと思います。少子化、核家族化における育児への不安を抱える母親の増加、出産後、入院期間の短縮化による体力が回復しないままの退院の増加、また、産後鬱の母親の増加、これは岩手県も同様です。
 ぜひ、岩手県でも産後ケアのあり方検討委員会を設置し、宿泊型産後ケア施設のニーズ調査を行ってほしいと思いますが、県の見解を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 菅原亮太議員御紹介のとおり、山梨県では、県中央部の笛吹市に位置する学校法人健康科学大学への委託により、県と市町村が共同で宿泊型の産前産後ケアセンターを1カ所設置しているところであり、当該センターの立地は、山梨県内各地からおおむね1時間程度の移動距離となると承知しております。
 岩手県における産後ケア施設の整備は、当該センターのような他県事例も参考にしつつ、本県の人口、面積、移動時間、運営主体の所在など本県の状況も加味した上で、実施主体である市町村の意向も踏まえながら慎重に検討するべき課題と認識しているところであります。
 県ではこれまでも、市町村に対して情報提供や助言を行う中で、各地域の社会資源等の状況に応じた課題やニーズの把握に努めてきたところでありますが、今後、県全体における産後ケアのあり方を市町村と議論する機会を設けたいと考えているところであります。
 そうした場で市町村との議論を行っていく中で、産後ケアに係るニーズの把握のあり方についても検討が深まるものと考えております。
〇5番(菅原亮太君) 調査を行うという形で前向きな答弁をいただいたと思い、感謝申し上げます。宿泊型産後ケアの整備に向けて一歩前に進んだかと思っておりますが、いずれにしても、胆江地域や釜石地域のように分娩できる施設がなくなった地域では、遠くの病院に通院、入院が必要となり、入院期間の短縮化による十分なケアを受けられないままの退院で産後鬱になる母親が増加していることは、深刻な状況であります。
 医療資源の集約化、分娩施設の集約化等は今後も避けられないと思いますけれども、そういった分娩施設がなくなった地域にこそ、宿泊型産後ケア施設を整備し母親のケアを行ってあげる必要があると思っております。引き続き、宿泊型産後ケアの整備に向けてさらなる前進をお願いしたいと思います。
 次に、婚姻数増加に向けた施策について伺います。
 天野氏は講演の中で、1夫婦当たりの子供の数は全国平均で1970年が1.9、2022年が1.5と8割水準を保っている一方、初婚同士婚の数は、この50年間で41%水準にまで減少し、出生数が同期間に40%まで減少したことと一致していると述べております。
 さらに、岩手県も全国平均と同様に、1夫婦当たりの子供の数は、1970年の2.2から2022年の1.6と8割水準を保っているものの、初婚同士婚の数は50年間で28%水準にまで減少し、出生数も同期間に26%水準まで減少。つまり、どちらも7割もの減少となっており、出生数の減少は婚姻減の要因が大きいとしています。
 県当局として、婚姻数の増加に向けてどのような政策をとっているか伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 婚姻数増加に向けた施策でございますが、国の出生動向基本調査によると、独身者が未婚でいる理由は、適当な相手とめぐり会わない、まだ必要性を感じない、結婚資金が足りないが主なものとなっております。
 こうしたことから、有配偶率の向上に向け、高校生など若者へのライフプラン形成支援、29歳以下の新婚世帯に対する県独自の支援金10万円の上乗せ補助に継続して取り組むほか、令和7年度当初予算案において、若年層をターゲットとしたウエブ広告によるPRを実施し、i−サポ会員数の増加に取り組むとともに、会員を対象とした結婚に向けたスキルアップセミナーの実施、各広域振興圏における結婚支援イベントの開催などの事業を盛り込んだところであります。
 県としては、これらの取り組みを通じまして、市町村や関係団体等と連携しながら、出会いの機会のさらなる創出や結婚新生活支援の強化を図りまして、県民の結婚したいという希望がかなえられるよう総合的な結婚支援を推進してまいります。
〇5番(菅原亮太君) 結婚支援について1点だけお伺いしたいと思います。企業と連携した結婚支援について伺います。
 いわて県民計画(2019〜2028)では、民間企業に対して、社員の出会いや結婚を支援する機運の醸成、環境づくりの役割を期待するとしています。
 県内企業の調査では、企業が結婚支援を行うことに対し、必要であるなどの肯定的な回答が66.7%でしたが、実施状況を見ると、結婚支援に取り組んでいない企業が全体の78.9%となるなど、必要性は感じているが実施できない現状が浮き彫りになりました。
 一方で、従業員からは、自社の未婚従業員と他社の未婚従業員とのマッチング機会の創出や、企業が未婚従業員へi−サポに関する情報提供や利用促進などを望む声が大きいとされています。
 他県では、多くの企業と取引があり顔がきく経営者などをコーディネーターに委嘱して、お見合いパーティーなど交流イベントのセッティングを依頼し、複数企業の独身男女が交流する機会を設けることで結婚を後押しする取り組みを行っているところもあります。
 今定例会の知事演述でも、民間事業者との連携による出会いの機会の創出に取り組むとありました。自社の未婚従業員と他社の未婚従業員とのマッチング機会の創出に向けて、本県でも企業と連携した結婚支援の取り組みをお願いしたいと思いますが、県の見解を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 県内企業や団体からは、従業員等の結婚を支援したい意向があっても、支援の仕方がわからない、単独での支援が困難などの声があるため、i−サポに結婚支援コンシェルジュを配置し、県内企業等を訪問し、結婚支援の実情や課題等についてヒアリングを実施しているほか、県が実施する結婚支援イベントへの協力を依頼しているところであります。
 今年度も地元企業等の協賛を得て、地域の魅力を感じながら交流できる出会いイベントを広域振興圏ごとに開催し、カップルが複数成立するなどの成果があったところであります。
 令和7年度当初予算案におきましても出会いイベントの開催を予定しており、各広域振興局におきましても、出会いの場を創出する事業を盛り込んでいるところであります。
 さらに、婚活事業に係る企業との連携協定など企業等との連携を強化し、あらゆる機会を通じて結婚や出会いの支援に関する情報を積極的に発信してまいります。
〇5番(菅原亮太君) 次に、社会減対策の若者県内定着について伺います。
 天野氏は、岩手県の社会減は20代前半に集中している。つまり、就職のタイミングで他都道府県との雇用の綱引きに敗北していると話していました。このように、結婚する前の若者が岩手県からいなくなっているのでは、婚姻数が減少し、結果的に出生数も減少するのは当然であります。社会減をとめないと出生減はとめられないと思います。
 そこで、社会減をとめるための若者の県内定着促進とU・Iターンの施策について伺ってまいりたいと思います。
 令和6年3月卒の県内高卒者の県内就職率は71.5%と2年連続で低下し、大卒者に至っては39.1%と4割を下回り、ここ10年で最低となりました。私は、県内就職率を高めることが社会減の抑制の第一歩と考えます。
 まずは、県内の小中学生、高校生に対して、県内企業や業界を知ってもらい、就職活動時に選択肢として本県の企業や業界を頭に浮かべてもらうことが重要と考えます。本県の小中学生、高校生に向けた県内企業の情報発信の取り組みと県内定着促進の取り組みについて伺います。
〇企画理事兼商工労働観光部長(岩渕伸也君) これまで、産業人材の確保に向けたさまざまな会議等において、小学生段階の早い段階から地域の産業や企業の状況を知ってもらうことが重要であるとの意見を多くいただき、こうした声を踏まえた取り組みを展開しております。
 具体的には、小学生段階からの工場見学やものづくり体験、小中学校での出前授業などの取り組みに加え、進学希望の高校生を対象に、大学の模擬授業形式で企業の紹介を行う未来のワタシゴト探究会議の開催、さらには、理工系の女子大学生が、子供たちにものづくりの魅力を伝える機会の創出などの取り組みを進めております。
 また、先月開催した、いわてものづくり産業人材育成会議の場において、企業の方から、工場見学に参加した子供たちが、どの程度実際に自分たちの会社に就職しているのかを十分に把握できていないといった声をいただいたところであり、今後、小学生から大学生までを対象とした取り組みの連動性の確保などにも工夫を講じながら、県内企業の情報発信の強化と県内定着の促進を図っていきたいと考えております。
〇5番(菅原亮太君) 私は、高卒者の県内就職率93%の福井県に、県内就職率向上に向けた取り組みについて伺ってまいりました。福井県は、2023年比で転出超過数が最も縮小した県で、社会減が1、718人縮小しています。新幹線が2024年に開通したにもかかわらず、社会減どころか、むしろ転入がふえた形でした。
 福井県の担当者からは、県内に大企業はないが、いい仕事をしている企業はたくさんあるということを学生に伝えている。都会の大学に進む学生も多いが、福井県に帰ってきてほしいので、高校生のうちから働きかけることが大事と考えていると話していられました。
 私は、このような福井県の取り組みに社会増の鍵があるのではないかと考えております。その取り組みの一つに、福井の産業という授業がありました。県内全ての商業や農業などの専門高校の1年生を対象に、同時刻にオンラインで県内企業の社長や人事担当者などが講演を行うもので、さまざまな業界を紹介してもらえるように高校教育課で企画しており、最近では、企業のほうから話したいという要望が来ているぐらいだということでございます。
 本県でも、地域の産業を理解する取り組みをこのように充実させていただきたいと思いますが、見解を伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 地域社会の持続的な発展には、その地域への誇りや愛着を持ち、地域のためにできることを主体的に考え、地域や地域産業を支える人材を育成していくことが重要と考えております。
 このため県教育委員会では、令和4年度から、各高校が地元自治体や企業と連携し、地域課題解決のための探究学習等を行う、いわて高校魅力化・ふるさと創生推進事業を実施するなど、生徒が、それぞれの地域や地元企業に対する関心や理解を高めるための取り組みを進めてきたところです。
 また、商工労働観光部を初めとする関係部局と連携しながら、地元企業の見学会、インターンシップ、地元企業の講師によるキャリアガイダンス等を通じて、地域産業や企業の理解促進に取り組んできているところです。
 今後も引き続き、地域や産業界、商工労働観光部等の関係部局と連携を図りながら、生徒が地元企業を十分に理解する機会の充実に努めてまいります。
〇5番(菅原亮太君) ほかにも、福井県の教育長が、高校生を対象に地域デザイン講座を担当して、全県立高校に福井県の企業や業界、また福井の幸福度、そして子育て政策などの魅力を伝え回っていると伺っております。
 本県の教育長におかれましては、高校生の県内定着促進について、さまざま取り組みいただいているとは承知しておりますけれども、ぜひ、さらなる取り組みとして、教育長の県内定着に向けた熱意を伝えるためにも、先ほどのような取り組みで高校生の県内就職を後押ししていただきたいと思いますが、見解を伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 高等学校における進路指導は、生徒が自己のあり方、生き方を考え、主体的に進路を選択することができるように、学校の教育活動全体を通じて、学校として組織的かつ計画的に行う必要があると考えております。
 菅原亮太議員から御紹介のあった他県の状況等も参考にさせていただきながら、先ほど申し上げましたとおり、県教育委員会として、地域や産業界、商工労働観光部等の関係部局と連携し、生徒が地元企業を十分に理解する機会の充実を図るなど、学校の取り組みの支援を通じて、生徒の県内就職に向けた機運の醸成と進路目標の実現を図ってまいります。
〇5番(菅原亮太君) わかりました。ありがとうございます。
 次に、U・Iターン促進政策について伺います。
 人口減対策として社会増を図ることは重要であります。そのためにU・Iターンの促進は欠かせません。本県の令和5年度のU・Iターン就職者数は788人と、単年度目標値の1、000人を下回っております。
 令和7年度当初予算案におけるU・Iターン促進のための取り組みについて伺います。
〇企画理事兼商工労働観光部長(岩渕伸也君) いわて県民計画(2019〜2028)においては、U・Iターン就職者数について、令和5年度から毎年1、000人ずつ、令和8年度までの4年間で4、000人ふやすことを目標に掲げて取り組みを進めているところですが、令和5年度の実績は788人にとどまっております。
 今後、首都圏等からのU・Iターンを促進していくためには、県内の働く場において、ジェンダーギャップの解消を含めた若者や女性に魅力ある雇用、労働環境の構築を進め、企業の採用情報や岩手暮らしの魅力などを的確に発信していくことが重要であると考えております。
 このため、令和7年度当初予算案においては、インターンシッププログラムの充実やSNSを活用した企業紹介などの企業の採用力強化に向けた支援のほか、U・Iターンに伴って就業することが要件とされている移住支援金の支給対象に、農林水産業を含め実家で営む仕事についた場合や、学生が岩手県に就職した場合の移転費も新たに加えるといった拡充を行ったところです。
 こうした取り組みを通じて、首都圏等からのU・Iターンをさらに促進していきたいと考えております。
〇5番(菅原亮太君) 企業立地促進奨励事業費補助金について取り上げたいと思います。
 本県では、従来の雇用創出型の企業誘致から県外から人を呼び込む企業誘致へと軸足を移し、U・Iターン者の受け皿となる企業の誘致を進めていくことも重要だと考えます。先ほど転入者を4、000人ふやす必要性を説いたところでありますが、県外からの新規雇用をふやす取り組みが重要であります。
 岩手県の企業立地促進奨励事業費補助金は、工場等の新設、増設に対する支援制度ですが、令和元年度から令和5年度までの5年間に支援した企業数は23社、新規雇用者数は258人となっています。一方、福井県の企業誘致補助金では、U・Iターン雇用や若者、女性が働きたくなる環境整備に対する上乗せ支援を設けるなどして、同じく令和元年度からの5年間に支援した企業数は35社、新規雇用者数は1、557人で、そのうち約2割に当たる287人はU・Iターン者となっています。
 岩手県では、新規雇用者数の内訳としてU・Iターン者数は把握していませんが、U・Iターン者をふやすインセンティブとして、U・Iターン者の雇用要件を設け、上乗せ支援などをするべきと思いますが、見解を伺います。
〇企画理事兼商工労働観光部長(岩渕伸也君) 企業立地促進奨励事業費補助金は、企業による県外からの新規立地や県内での増設を促進し、地域経済の活性化及び雇用の拡大を図ることを目的として、企業の設備投資を市町村と連携して支援するものであり、県では、この制度を活用して、県内各地におけるさまざまな産業の集積と若者や女性を初めとする多様な雇用の場の創出に取り組んでおります。
 そのため、この補助金に新たな要件設定を行ってU・Iターン促進策と連動させ、人口の社会減を減らすといった目的を明確化することも、人口減少対策の一つの方策であると受けとめるところです。
 現在、社会経済環境の変化を踏まえ、対象業種や対象企業、支援額などを含めた補助制度の見直しを検討しているところであり、限られた財源の中で最大限の効果が生まれるよう、他県の事例も参考としながら引き続き検討してまいります。
〇5番(菅原亮太君) ぜひ検討をお願いいたします。
 次に、地方就職支援金制度について伺います。
 岩手県の就職活動時の支援である地方就職支援金制度は、東京圏の大学に通っていた学生のみを対象として、採用活動に要した交通費について1万5、200円を上限に補助するもので、1回限りの支給です。一方、福井県では、全国の大学生を対象とし、都道府県ごとに距離に応じて支給額を定額で定めており、北海道や九州、関東圏からであれば、1回1万5、000円で、4回まで支給を認めているほか、福井県外出身者の宿泊費について、1回当たり7、000円を4回まで支給するものとなっています。
 令和6年度第3回岩手県人口問題対策本部会議において示された県政提言の人口減少対策へのさらなる活用についての中にも、県外にいると岩手県への移動に交通費がかかるといった意見もありました。
 本県への就職活動に必要な交通費や宿泊費について、対象要件の緩和、支援の拡充などをしてUターン者数の増加を図るべきと考えますが、見解を伺います。
〇企画理事兼商工労働観光部長(岩渕伸也君) まず、交通費の支援については、現在、県の地方就職支援金による上限1万5、200円の範囲での1回の支援と、ふるさといわて定住財団が実施する東北在住者5、000円、それ以外1万円での2回の支援を合わせて、年間合計3回までの支援を行っております。
 また、宿泊費の支援については、公益財団法人ふるさといわて定住財団において、上限1万円で年間2回までの支援を行っております。
 こうした支援内容のさらなる拡充については、東京圏の学生等の声や近隣県の状況などを踏まえながら、U・Iターンの増加に効果的に結びつくことを念頭に検討していきたいと考えております。
〇5番(菅原亮太君) こちらも検討をお願いいたしたいと思います。
 次に、高校生の進学先の把握について伺います。
 福井県では、高校の協力により、3年生のときに実家の住所や進学先のデータをいただきたいと保護者にお願いしており、9割以上が同意しているとのことです。この取り組みにより、県外大学への進学者にも福井県経営者協会から年2回、県内企業情報を発送できているほか、Uターン者数やUターン率についても、例えば関東・北信越エリアは改善、中京・関西エリアは減少といった状況も把握できている状況です。一方、本県においては、いわて県民計画(2019〜2028)の具体的推進方策指標であるU・Iターン就職者数の令和5年実績788人については、どこの県からのU・Iターンかは把握されていません。
 福井県では、大学新卒者等U・Iターン者数の合計が前年より87名多い1、654名となっており、就職支援協定校における就活イベントの開催、交通費支援や奨学金返還支援などの周知や活用がUターン就職を後押しする要因と考えられているということでございました。
 これらの情報を届けるためにも、学生の動向把握をすることが重要と考えます。本県においてもUターンを働きかける対象者が多いエリアをしっかりと把握して、効果的な政策をとるため、高校3年生のときに、実家の住所や進学先などのデータをいただく取り組みを進めてはいかがでしょうか、伺います。
〇教育長(佐藤一男君) 本県では、商工労働観光部におきまして、Uターン支援情報や奨学金返還支援の情報、県内外で実施するイベント、セミナーの情報等を発信するLINE公式アカウント、いわてとつながろうを運用し、登録者に対し、将来的に県内で働くこと、かかわることを考えるきっかけを提供しております。
 県教育委員会では、全ての県立高校において、卒業前の3年生に、ホームルーム等の時間を用いて、このLINE公式アカウント、いわてとつながろうの趣旨や活用方法について説明を行い、登録を呼びかけるよう依頼しております。
 引き続き、商工労働観光部等の関係部局との連携を図りながら、生徒が卒業後も岩手県とつながりを持ち続けられるような取り組みを進めてまいります。
〇5番(菅原亮太君) LINEでやっていらっしゃるということでございましたけれども、それがどれぐらい届いているかの把握はなかなか難しいのではないかと思っております。本当に現物がしっかりその学生の手に届く、情報が届くといった取り組みが必要だと思いますので、ぜひ今後もこういった検討はお願いしたいと思っております。
 最後に、女性活躍について伺ってまいります。
 天野氏は、岩手県では4年制大学卒の女性が地元就職を回避する傾向があるとした上で、岩手県の企業に対し、若手女性をメーン人材として育成しようと考えているかと問いかけるとともに、アンコンシャスバイアスで男性を採用したいと言っていては、岩手県の半分の労働生産性を捨てるようなものだとおっしゃっております。女性労働人口の生産性を引き出す雇用社会が、これからの地方、そして岩手県に求められていると思います。
 2024年10月25日の知事定例記者会見におきまして、達増知事からも、天野さんから経済界の皆さんに対してかなり厳しい指摘があり、働き方で、よほど女性が気持ちよく働くことができて、結婚、出産と両立するような働き方でないと、岩手県の人口はどんどん減るばかりということで、経済界にも衝撃が広がり、何とかしなければならないという意識も高まってきていると思います。いわて女性の活躍促進連携会議の女性の就業促進部会の方々からも提案書をいただいたところでありまして、そういう活動の蓄積もあって機運が高まってきていますので、経済界との連携を県としても強めながら、年度内にも経済界と連携しながら、改めて働きかけを強化するなどの取り組みをしていきたいと思いますといった知事の発言がございました。
 この経済界と連携しながら改めて働きかけを強化するなどの取り組みについて、令和7年度当初予算案にどのように反映したのか伺います。
〇環境生活部長(大畑光宏君) 女性活躍推進に関する取り組みについて、令和7年度当初予算案には、企業や地域等における固定的性別役割分担意識の解消に向けた専門人材による講演会等の開催、職場での女性活躍推進を牽引するキーパーソン養成セミナーの開催、男性社員を対象とした女性活躍推進理解促進セミナーの開催など、企業の経営者や人事労務担当者などを対象に、女性活躍推進を一層働きかける新たな取り組みを盛り込んでおります。
 こうした企業への働きかけについて、経済団体と連携を図り、取り組みを推進していきたいと考えております。
〇5番(菅原亮太君) 次に、いわて女性デジタル人材育成プロジェクトについて伺います。
 いわて女性デジタル人材育成プロジェクトで実施した講座の受講者の人数と就職状況、また、効果測定の方法と今後の展開について伺います。
〇環境生活部長(大畑光宏君) いわて女性デジタル人材育成プロジェクトにつきましては、昨年7月から受講生の募集を開始したところ、定員30名に対し120名の応募があり、今年度におきましては、主に非正規の女性やシングルマザー等、経済的に困窮している方に優先して受講していただいております。
 受講生は、昨年10月から約4カ月間、デジタルスキル習得のためのカリキュラムを受講したところであり、現在、在宅勤務など希望の就業スタイルや就業時間等に関する個別ヒアリングを行って、デジタルスキルの習熟度合いに応じた就業マッチングを進めている段階であります。
 また、今後、受講生に対し、満足度や意見、要望等についてアンケート調査を行うとともに、継続的に就労状況を調査し、把握していくこととしております。
 令和7年度におきましては、今年度、想定を上回る応募があったことを踏まえ、受講者数を30名から50名に拡充して実施することとし、必要な経費を令和7年度当初予算案に盛り込んだところであります。
〇5番(菅原亮太君) 次に伺いますが、先ほどお話ししました女性の就業促進部会からは、提案書の中で、家事、育児に係る外部サービスの充実や費用に対する助成を求めていらっしゃいます。
 他県では、県がキッズ、ベビーシッター事業者に委託して、家事、育児サポートサービスを提供するといったことも行っているようでございます。こういった他県の事例のように、本県も積極的に家事、育児サービスを事業化すべきではないかと思っております。
 女性の社会減対策として、本県では企業や県民の皆様の意識改革に重点を置いていると思いますけれども、セミナーや啓発といった意識改革事業だけではなくて、サービスや費用の助成といった実効性のある女性が活躍しやすい環境整備が重要と思います。
 今後の女性の社会減対策として、意識改革にとどまらず行政サービスについても事業化していくべきと思いますが、知事の見解を伺います。
〇知事(達増拓也君) 家事、育児の負担が女性に偏っている背景には、固定的な性別役割分担意識の存在が指摘されており、経済界等と連携し、ジェンダーギャップの解消に取り組むこととしております。
 県が行った令和5年県民意識調査の結果では、共働き世帯の男性の家事時間割合が女性の約4割にとどまったことから、今年度から、新たに家事、育児の分担を見える化する家事・育児シェアシートを作成し、その普及を図りながら、夫婦や家族が協力して家事、育児を行う意識の醸成に取り組んでおります。
 この取り組みについては、企業等と連携しながら令和7年度も継続していくこととし、令和7年度当初予算案に必要な経費を盛り込んだところでありますが、意識の醸成とともに、家事、育児そのものの負担を軽減する視点も大切でありますので、令和7年度においては、負担軽減につながる家事、育児支援サービスを行う企業等との連携も念頭に取り組みを進めていく考えであります。
〇5番(菅原亮太君) 今回の令和7年度当初予算案では、四つの重点事項の中の自然減・社会減対策のまさに中心にジェンダーギャップの解消が据えられました。これは、先ほどから紹介しております天野氏の講演であったり、また、女性の就業促進部会の提案を受けての新たな取り組みではないかと感じております。
 改めて、この予算でジェンダーギャップ解消を掲げた思い、そして、どのようなことをやりたいかというところを知事に伺います。
〇知事(達増拓也君) 若者や女性の首都圏への転出超過の要因として、地方における性別へのアンコンシャスバイアスが指摘されており、若者、女性を初め、一人一人の人生選択の中で選ばれる岩手であるために、ジェンダーギャップを解消していくことが重要であります。
 本年1月には、いわて未来づくり機構ラウンドテーブルにおいて若者・女性に「選ばれる岩手」宣言を行うなど、産学官が一体となってジェンダーギャップ解消に取り組む機運が高まっており、県としても一層取り組みを推進していく必要があります。
 令和7年度当初予算案には、企業や地域等における固定的性別役割分担意識の解消に向けた専門人材による講演会等の開催、職場での女性活躍推進を牽引するキーパーソン養成セミナーの開催、ものづくり産業への進路選択や就職につながる女子中高生を対象にした女性社員等との意見交換の実施などの取り組みを盛り込みました。
 ジェンダーギャップの解消は、そもそもは基本的人権の問題で、男女共同参画、ジェンダー平等は、それが当然の当たり前なことでありますが、日本においては先進的と見られるような状況でありますので、ジェンダーギャップ解消にきちんと取り組むことで、岩手県の社会や経済が先進的であることを示し、国際的にも通用するような若者、女性の働き方を岩手県で実現したいと考えております。
〇5番(菅原亮太君) 妊産婦支援事業費について伺いたいと思います。
 現状の制度は、ハイリスク以外の妊産婦の場合、市町村が助成した額と補助基準額2万円のいずれか低い額に補助率2分の1を乗じた額を上限として市町村に補助していますが、今回、令和7年度当初予算案に計上された新制度の拡充内容は、上限額10万円の範囲で、市町村が助成した額に補助率2分の1を乗じた額を上限とした補助となりました。
 改めて、この制度拡充に至った経緯と期待する効果について伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 妊産婦支援事業費の拡充についてでありますが、妊産婦のアクセス支援は、安心して妊娠、出産ができる環境の充実を図るため、今年度の国の事業化に先駆けて、県単独事業として令和2年度から順次対象を拡大しながら実施しているところであります。
 今年度、市町村から上限額の引き上げについて要望をいただいたところであり、これを受けまして、令和5年度の利用実績について分析を行った結果、対象妊産婦857人のうち35%の方が、現行の上限額を超えて交通費等を負担していたところであります。
 また、支出額がハイリスク分娩の補助額である5万円以下の方がほとんどではありますが、一部、5万円を超える方もおりますことから、この自己負担の部分がほぼカバーできる10万円を上限額としたものであります。
 今回の補助拡充により、おおむね全ての妊産婦が自己負担なしで医療機関に通院が可能となり、妊産婦の経済的な負担が減るものと考えております
〇5番(菅原亮太君) 今後のアクセス支援制度について、市町村との制度設計との調整という点について伺いたいと思います。
 今回、県としては助成額を拡大したことになりますが、妊産婦が受けられるアクセス支援は、結局のところ市町村の制度によると思います。例えば、釜石市では、自家用車での通院は距離に応じた定額助成、タクシーの場合は全額助成としていますが、奥州市では、片道4万円までの助成で、4回分のタクシー券配布となっておりまして、市町村によってこのアクセス支援制度はばらばらの状態です。
 県の10万円の補助を満額受けたい場合は、各市町村でも制度の拡充を図る必要があり、その分、市町村の負担もふえることになります。しかも、県の令和7年度当初予算案に計上されてから市町村が対応を考えることになりますので、市町村の制度拡充までにはブランクが発生いたします。
 せっかく県が補助制度を拡充したのに、市町村の制度設計が追いついていないのでは意味がありませんので、ぜひ、県と市町村が一緒のタイミングでアクセス支援のような新たな制度をスタートできるように、これからは事前に市町村と十分な調整を図った上で制度設計すべきと考えますが、県の見解を伺います。
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 市町村との調整についてでありますが、妊産婦のアクセス支援は、子育てしやすい環境づくりに向けまして県と市町村が一体となって取り組んでいるところであり、今般の制度の拡充に当たっても、検討段階から市町村と情報共有しながら進めてきており、現在、多くの市町村におきまして前向きな検討が行われているものと考えております。
 県としては、今後も市町村と連携しながら、妊産婦の通院に伴う経済的負担の軽減に取り組み、どの地域に住んでいても、安心して妊娠、出産ができる環境の充実に努めてまいります。
〇5番(菅原亮太君) 最後に、改めて、直感でいいですけれども、知事は、なぜ女性の転出超過が起きているとお考えか伺えればと思います。
〇知事(達増拓也君) 男性とも共通の要因として、東京都等の都会と岩手県の間の経済、雇用の相対的な差が大きい場合、東京都等の都会のほうが経済的に景気がよくて、雇用条件もよく、例えば初任給が高いとか給料が高いとか、ワンルームマンションに入ってそこから通えるとか、雇用の条件がいいとか、そういうものがあれば、男女共通して転出超過がふえるのです。その中で、女性がさらに転出超過が多いということについては、やはり女性の働き方に関して、都会のほうが女性の職業生活における活躍の推進に関する法律制定以降の企業のさまざまな、雇用から昇進、そして働き方に関する女性の条件をよくしてといいますか男性並みにすることが多く、その点で地方は、より努力しなければならないということがあると思います。
 なお、さらにつけ加えますと、やはり男女共通の問題ではあるのですけれども、都会と地方の間のイメージのアンコンシャスバイアスというものもあるのではないかと思っております。無条件に、都会のほうがすぐれていて地方は劣っている、生活の場としても働く場としても都会のほうがいいに決まっている、地方はだめに決まっているというような、アンコンシャスバイアスというのは、男女間のそれが今、大きなテーマになっているのですけれども、都会と地方のアンコンシャスバイアスも大きいものがあると思います。
 最近見た映画で、サンセット・サンライズという、岩手県出身の楡周平さん原作で映画化されたものでも、改めて、東日本大震災津波があって、復興があって、コロナ禍があって、東京圏の人と東北地域、三陸地域の人とのそういう、やはり都会のほうがいいに決まっているといったようなアンコンシャスバイアスが、人間関係をさまざま複雑にしているところをどう乗り越えていくか。そして、実は今、地方に住みながら都会の仕事をオンラインでやったりできるようになっていて、テレワークが可能になっている。地方創生というのは、大いに可能性があるということが映画でうたわれております。
 そういうことを岩手県や、また岩手県で働く可能性のある若い人、特に女性に伝えていく必要があると考えています。
〇5番(菅原亮太君) 確かに、おっしゃるとおり、女性の転出超過の要因としては、東京圏との雇用情勢の格差、賃金であったり有効求人倍率だったり、あとは、おっしゃったように地方におけるアンコンシャスバイアスというのは、私も確かにそういう要因があると考えております。
 女性の転出超過の要因と、それに対する対応策を考えたときに、例えば女性の正規雇用職種が限られるといった就業機会の不足に対しては、先ほど私が申したように、女性活躍促進、デジタル人材であったり、あとはU・Iターンの促進を促す企業立地、また、県内定着、U・Iターン促進が重要だと考えております。
 結婚、出産後の働きやすさのためには、産後ケアの施設の整備であったり、育児支援の行政サービス、また、第1子からの保育料無償化といった手厚い育児支援が必要だと思っています。
 女性の社会減対策というのは、今回私が一般質問でいろいろ提案してきた内容につながるわけでありまして、女性の活躍促進施策は、若者の社会減少対策につながって、U・Iターン政策にもつながって、さらに婚姻数の増加政策につながって、また出生数の増加にもつながると思っています。
 改めて知事に、女性の社会減対策、ひいては人口減少対策に全力で挑んでいくために、あらゆる政策を年度単位で目標設定しながら導入していくといった決意を伺いたいですが、よろしくお願いいたします。
〇知事(達増拓也君) 今、菅原亮太議員が挙げたさまざまな政策の方向性や、また政策は、それぞれ今実行していることもあれば検討すべきこともあると思います。
 私が知事になったばかりの18年くらい前は、岩手県の高校を卒業した人の地元就職率は5割程度でありました。それまでずっと岩手県では、高校を卒業した人の半分あるいはそれ以上は県外に就職するのが当然とみなされ、高度成長期の集団就職などもあって、就職イコール上京というような、恐らく福井県にはそういうイメージがないのだと思います。福井県には集団就職とかそういうものがなくて、福井県には就職イコール上京というイメージがない。
 ですから、そういう意識転換はこの18年間でかなり、高校卒業生の地元就職率が5割から70%台にまでなったくらいの意識転換は起きているのですけれども、ここでさらにジェンダーギャップ解消という意識転換をすることによって、これはもう世界に通用する岩手県の経済、社会を実現することになり、今後のインバウンドですとか輸出ですとか、あらゆる分野で役に立つことにもなりますので、ぜひこれを成功させて、地方創生から、さらにその先の岩手県の発展につなげていきたいと思います。
〇5番(菅原亮太君) 福井県はそういう県民意識があるのではないかとおっしゃいましたけれども、新幹線が開通したら、減るどころか、むしろ転入がふえたという状況がありますので、やはりそこは、政策の要因もあるのではないかと私は思っております。
 東京都も第1子からの保育料無償化となりました。知事は常に、第2子保育料無償化などの全国トップレベルの子育て政策とおっしゃっておりますけれども、もはやそれは、残念ながらトップレベルではなくなったのではないかと思っております。
 特に、岩手県は出生数減少率が全国ワーストに近い数字ですし、全国平均の倍のスピードで人口減少が進んでおりますので、先ほど私が提言したように、このままの出生数、死亡者数、社会減でいくと、単純計算であと60年後には人口がゼロになってしまいますよと、そういう状況だと私は危惧しております。
 人口減少が深刻な岩手県は、ほかの県よりもさらに人口減少対策への取り組みが必要だと思っておりますので、ぜひ、あらゆる施策の投入を知事にお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〇副議長(飯澤匡君) 以上をもって菅原亮太君の一般質問を終わります。
   
〇副議長(飯澤匡君) この際、暫時休憩いたします。
   午後4時6分 休 憩
   
出席議員(48名)
1  番 田 中 辰 也 君
2  番 畠 山   茂 君
3  番 大久保 隆 規 君
4  番 千 葉 秀 幸 君
5  番 菅 原 亮 太 君
6  番 村 上 秀 紀 君
7  番 松 本 雄 士 君
8  番 鈴 木 あきこ 君
9  番 はぎの 幸 弘 君
10  番 高橋 こうすけ 君
11  番 村 上 貢 一 君
12  番 工 藤   剛 君
13  番 小 林 正 信 君
14  番 千 葉   盛 君
15  番 上 原 康 樹 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 高 橋 穏 至 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 高 田 一 郎 君
26  番 木 村 幸 弘 君
27  番 佐々木 朋 和 君
28  番 吉 田 敬 子 君
29  番 高 橋 但 馬 君
30  番 岩 渕   誠 君
31  番 名須川   晋 君
32  番 軽 石 義 則 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城 内 愛 彦 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 郷右近   浩 君
41  番 小 西 和 子 君
42  番 高 橋 はじめ 君
43  番 五日市   王 君
44  番 関 根 敏 伸 君
45  番 佐々木 順 一 君
46  番 岩 崎 友 一 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
   
説明のため出席した者
知事 達増拓也 君
副知事 八重樫 幸 治 君
副知事 佐々木   淳 君
企画理事兼
保健福祉部長 野原 勝 君
企画理事兼
商工労働観光部長 岩渕伸也 君
政策企画部長 小野 博 君
総務部長 千葉幸也 君
復興防災部長 福田 直 君
ふるさと振興部長 村上宏治 君
文化スポーツ部長 小原 勝 君
環境生活部長 大畑光宏 君
農林水産部長 佐藤法之 君
県土整備部長 上澤和哉 君
ILC推進局長 箱石知義 君
会計管理者 滝山秀樹 君
医療局長 小原重幸 君
企業局長 中里裕美 君
財政課総括課長 佐藤直樹 君

教育長 佐藤一男 君
教育局長 菊池芳彦 君

人事委員会
事務局長 渡辺正和 君

選挙管理委員会
委員長 吉田瑞彦 君

公安委員会
委員長 村井三郎 君

警察本部長 増田武志 君
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後4時28分再開
〇副議長(飯澤匡君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   
〇副議長(飯澤匡君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
〇副議長(飯澤匡君) 日程第1、一般質問を継続いたします。斉藤信君。
   〔1番斉藤信君登壇〕(拍手)

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