令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇2番(畠山茂君) 希望いわての畠山茂です。
 まずは、先日から沿岸地域におきまして林野火災が続いております。懸命に消火活動に当たっている全ての皆様に敬意と感謝を申し上げますとともに、被災した皆様にお見舞いを申し上げます。一刻も早い鎮火を願うばかりでございます。
 それでは、通告に従って質問に入らせていただきます。
 まず、人口減少対策について伺います。
 総務省統計局の公表では、2008年から国内の人口が減少局面に転じ、現在も人口減少と少子化、高齢化社会が著しく進展しています。人口減少による影響は、公共インフラや行政サービスの維持、地域のコミュニティーなど多岐の課題にわたります。
 昨年4月に民間の有識者グループ、人口戦略会議は、人口減少が深刻化し、将来的に消滅の可能性がある自治体の一覧を公表し、全国で全体の約4割に当たる744市町村、岩手県では約8割の26市町村が該当しました。
 国が2014年から人口減少対策として始めた地方創生の取り組みは、毎年1兆円の財政を投入し10年間が経過しますが、地方の人口減少と東京一極集中は一向に変わっていません。
 県では、2015年に策定した岩手県人口ビジョンにおいて、2040年に100万人程度の人口の確保を目指すとしていますが、今後いかにして人口減少を緩やかにし、県民が安心・安全に暮らせる地域づくり、持続可能なまちづくりを進めていくのか、その具体的な取り組みが重要であります。
 知事は、新年度予算編成に当たり、人口減少対策の強化を重点事項に掲げ、将来を見据えた若者たち、特に女性が、岩手県に定住し、働き、結婚、子育てできる環境整備に力点を置いた予算編成に取り組んだと認識していますが、人口減少を食いとめ、地方創生に取り組む知事の決意を伺います。
 次に、地域おこし協力隊制度の活用について伺います。
 地域おこし協力隊は平成21年度に始まり、全国では、令和5年度末時点で幅広い年齢層の総勢7、200名が、移住、定住、観光、地域コミュニティー活動、漁業、農業、林業等の幅広い分野で活躍しています。活動期間はおおむね1年から3年で、じっくりと時間をかけて仕事や居住等の定住に向けた準備ができ、任期後の定住率は約70%となっています。
 令和5年度の県内の地域おこし協力隊員は266名で、前年度より約16%増と制度ができて最多となり、県と全33市町村が受け入れています。特に岩泉町では28名と最多で、移住コーディネーターを配置し、移住、定住につなげる成果を出しています。
 県では、県内の地域おこし協力隊の活動を広く県民などに発信し、地域おこし協力隊員の活動の充実や任期終了後の定着を促進していますが、人口減少下で地域が抱えるさまざまな課題解決に向けて、地域おこし協力隊を活用した地域活性化や移住、定住促進に今以上に力を入れて取り組むべきと考えますが、県の認識を伺います。
 次に、特定地域づくり事業協同組合制度を活用した地方創生と地域活性化の取り組みについて伺います。
 人口の急減に局面している地域では、農林水産業、商工業等の地域産業の担い手不足や地域活性化が大きな課題となっています。総務省が進める特定地域づくり事業協同組合制度は、人口急減地域において、都道府県知事が一定の要件を満たすものとして認定したときは、労働者派遣事業を許可ではなく届け出により実施することを可能とし、組合運営費についても財政支援を受けることができる制度です。
 令和2年度からスタートし、令和6年10月時点で全国では110市町村が認定され、市町村の財政負担は実質8分の1で、退職後も約半数の方が定住につながっています。県内では、令和4年に葛巻町、令和5年に大槌町と岩泉町が認定されています。
 今後、人口減少や事業の担い手不足、地域活性化など、地方が抱える課題解決と地方創生の取り組みの一つに特定地域づくり事業協同組合の活用が欠かせないと考えますが、県の認識を伺います。
 次に、人口減少下における県内の広域自治体連携について伺います。
 有識者の推計では、将来的に人口の7割が都市に住むとしています。一方、地方では、昭和、平成の大合併により自治体の面積が拡大しましたが、その後も人口減少や過疎化が進み、人口1万人以下の小規模自治体もふえ、将来、県民の生活に必要な機能や行政サービスの維持に危機感を感じます。
 私は、県内の各自治体が連携を強化し、圏域全体として必要な生活機能等を確保する定住自立圏構想や、都市の構造を見直して生活に必要な施設を誘導する立地適正化計画を推進するなど、今後の地域づくりにおいて、従来のフルセット型自治体から広域連携の時代に入ったと考えます。
 そこで、知事は、人口減少社会のもと、県内の公共施設や行政サービスの共有化などを含めた自治体連携の必要性についてどのように認識されているのか、所見を伺います。
 次に、人口減少下における自治体のDX―デジタルトランスフォーメーションについて伺います。
 近年、自治体における人口減少やDXの進展など行政を取り巻く環境が大きく変化しており、岩手県においても、県内全域でデジタル技術を利活用した行政サービスの共有化や行政手続の簡素化が必要な時代となっています。一方、小規模自治体では、専門的知識や人材の不足によりDXが進んでいない現状にあり、県と市町村が連携した対策が必要と感じます。
 国では、少子高齢化が進行する中で持続可能な社会を実現するため、自治体DX推進計画を策定し、自治体への推進支援を行っていますが、県は、人口減少下における自治体のDXについてどのように認識し、今後どのように推進していくのか伺います。
 次に、過疎地域における郵便局と連携した取り組みについて伺います。
 郵便事業は全国一律のサービス提供、ユニバーサルサービスを義務づけられており、郵便局は、過疎地も含め全国に2万4、000局を展開しています。一方、地方では、人口減少が進み、農協や漁協、銀行などの撤退が進んでいるほか、行政サービスの事務取扱件数が減少する中で、市町村の出張所が廃止されるなど公の施設の減少が進んでいます。
 こうした中で、総務省は令和6年3月に、郵便局を活用した地方活性化先進事例パッケージとして、郵便局での自治体窓口業務等の取り扱いの推進や郵便局と連携した空き家対策、買い物支援サービスなど、16分野の事例を全国の地方公共団体における施策の検討や実施に役立つ情報として公表しています。
 県では、平成31年に日本郵便株式会社と包括連携協定を締結し、地域見守り活動や道路損傷の情報提供を行うなど、県民が安心して暮らすことができるよう取り組んでいますが、市町村の窓口などの行政サービスについては、4市1町の一部の委託にとどまっています。
 岩手県は広大な面積を有し過疎地も多いことから、郵便局との自治体連携は過疎地の生活の利便性や地域活性化に有効と考えますが、県の認識を伺います。
 次に、健康寿命延伸に向けた取り組みについて伺います。
 厚生労働省が昨年12月に、日常生活に制限のない期間の平均を示す健康寿命の推計値を公表しました。健康寿命は3年ごとに公表され、都道府県別で健康寿命が最長だったのは男女とも静岡県で、男性73.75年、女性76.68年、一方、最短は男女ともに岩手県で、男性70.93年、女性74.28年でした。
 県では、健康いわて21プラン(第3次)の全体目標に、健康寿命の延伸と脳卒中死亡率の全国との格差の縮小を掲げていますが、生活習慣病の脳血管疾患や心疾患の年齢調整死亡率が全国的にも高く、特に本県における脳卒中死亡率は、長期的には減少傾向にあるものの、全国下位の状況が続いており、依然として本県の重要な健康課題となっています。
 そこで、本県の健康寿命延伸に向けた取り組みの現状について、都道府県別の健康寿命が最短になったことをどのように認識し、今後、健康寿命延伸に向けてどのように取り組まれていくのかお伺いいたします。
 次に、読書を通じた健康寿命延伸について伺います。
 健康寿命を延ばすには、運動よりも食事よりも、本や雑誌を読むことが大事という画期的な提言があります。イエール大学の研究でも、本を読む人のほうが、性別や健康状態などに関係なく長生きできるとしています。
 一方、昨年7月7日の岩手日報に、県立図書館の資料購入費が令和5年度は2、218万円で、都道府県順位は全国最低水準の45位と掲載され、県立図書館がアイーナに移転した平成18年度の4割程度まで落ち込み、購入数、貸出数ともに減少しています。このことは、読書をする機会や時間の減少にも少なからず影響していると考えます。
 そこで、県が行っている健康寿命延伸の取り組みとして、読書を通じた健康寿命延伸についても検討すべきと考えますが、県の認識を伺います。
 次に、健康寿命延伸に向けた社会とのつながりや生涯学習について伺います。
 健康いわて21プラン(第3次)では、人生100年時代が本格的に到来することを踏まえた、各ライフステージ特有の健康づくりの取り組みも重要としています。
 WHO―世界保健機関―憲章の前文では、健康について、健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではないとしています。また、私が読んだ有識者の指摘では、長年の調査から、後期高齢者が退院後に友人がいないと死亡率が2.5倍高い。生きがいや人生の目的がある人は長生きで、要介護や認知症になりにくい。結論は、たばこ、お酒、運動、体形より、社会とのつながりが寿命を決めると指摘しています。
 私は、高齢化社会の中で健康寿命を延ばしていくためには、老人クラブやボランティア活動などへの参加により、さまざまな世代と交流することや新たな知識を習得しようとする活動が、心の健康の維持や向上につながると考えます。
 そこで、健康寿命延伸に向けた社会とのつながりや生涯学習について、県の認識を伺います。
 次に、今後のカーボンニュートラルの取り組みについて伺います。
 環境省は、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロの達成に向けて、先進モデルとなる先行地域を選び普及を後押ししており、県内では、脱炭素先行地域として、宮古市、久慈市、陸前高田市、釜石市、紫波町が選定され、温室効果ガスの削減に取り組んでいます。
 県が令和5年3月に改訂した第2次岩手県地球温暖化対策実行計画では、温室効果ガス排出量の2050年度実質ゼロを踏まえ、県民や事業者、行政などが一体となって、気候変動の原因となる温室効果ガス排出削減対策の緩和策と、気候変動により今後予想される被害を回避し軽減する適応策に取り組むことにより、持続可能な脱炭素社会の構築を目指すとしています。
 目標では、2030年度までに温室効果ガス排出量を平成25年度比で57%削減と41%から大幅に修正、再生可能エネルギーによる電力自給率66%と65%から上方修正し、森林吸収量141万6千トンを掲げています。
 そこで、実行計画における取り組みの進捗状況についてどのように認識し、削減目標を達成するために具体的にどのような取り組みに重点を置いて事業を推進していくのか伺います。また、目標の達成に当たっては県全体での取り組みが必要と考えますが、県民への啓発活動と市町村と連携した取り組みの状況について伺います。
 次に、水産振興について伺います。
 岩手県の三陸沖は、親潮と黒潮が交わる世界三大漁場の一つと学校で学びました。しかし、近年の水産業は、サケ、サンマ、スルメイカの主要魚種の不漁や漁業者のボーナスと言われるウニやアワビも水揚げが減少しています。
 また、令和7年1月22日の岩手日報に、県内で令和6年度に水揚げされたアワビの10キログラム当たりの平均単価が、東京電力福島第一原子力発電所の処理水放出前の半値以下に下落し、漁業関係者は危機感を強めていることが掲載されました。
 県では、令和4年3月に岩手県水産業リボーン宣言を行い、具体的な取り組みとして、主要魚種の資源回復、増加している資源の有効利用、新たな漁業、養殖業の導入の三つの柱を掲げ、関係者が一丸となって沿岸地域の水産振興に取り組んでいますが、改めて三つの柱の取り組み状況について伺います。
 次に、岩手県水産技術センターの取り組みについて伺います。
 岩手県水産技術センターでは、水産分野において、漁場環境から生産、加工、流通、消費に至る一貫した試験研究を実施し、県北・沿岸地域の活力ある地域社会の実現を目指しており、令和6年3月に策定した岩手県水産試験研究中期計画に、技術開発の方向と試験研究テーマを掲げ取り組んでいると承知しています。
 一方、地球温暖化による海水温の上昇などにより水産資源や漁業、養殖業への影響も懸念されており、県内の水産業の不漁が続いている現状を考えると、計画に掲げる研究や開発については、漁業者への情報提供や関係団体と連携した経営改善の取り組みが重要になってきます。
 そこで、水産業が岐路に立たされている中、県北・沿岸地域の水産振興に向けてこれまで以上に当センターを活用した取り組みが必要と考えますが、県の認識を伺います。
 次に、岩手県産農林水産物の輸出拡大について伺います。
 農林水産物の国内需要は、人口減少や少子高齢化により市場の縮小が懸念され、また、物価高騰の影響による消費者の買い控えなど需要の拡大が難しい状況が続いており、これらを踏まえれば、海外にも目を向け、新たな市場の開拓が必要となっています。
 国では、農林水産物の輸出拡大に向け、令和2年4月に農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律を施行し、輸出に取り組む事業者の支援等を行っており、令和3年の農林水産物、食品の輸出額は年間で初めて1兆円を突破し、令和7年に2兆円、令和12年には5兆円とする目標を掲げています。
 そうした中で、県は、令和5年4月にいわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランを策定し、令和8年度の農林水産物の輸出額目標値を69億円としていますが、令和5年の農林水産物の輸出額は目標値の52億円に対し約47億円となっており、目標値に届いていません。
 私は、2月8日に開催された県政150周年記念シンポジウムで、作家の楡周平さんが、岩手県の食材はすばらしく、大きな可能性があると発言されたことに勇気をいただきました。
 県は、令和6年3月に策定したいわて国際戦略ビジョン(2024〜2028)において、県産農林水産物の重点3品目である米、リンゴ、牛肉の輸出促進について、高い経済成長や日本食レストランが増加しているアジアや輸出額が上位の北米等を主なターゲットとした販路拡大に取り組んでいますが、さらなる農林水産物の輸出促進に向けた知事のトップセールスについて、取り組み状況を伺います。
 次に、宮古港藤原埠頭工業用地の利活用について伺います。
 宮古港は、南部藩の港として交易を行うようになり、開港400年の歴史を持ちます。古くから漁業基地として、昭和50年代からは木材輸入港として活気があった港湾も、令和5年は、県内の四つの重要港湾の取扱貨物量約454万トンの5%程度しかシェアがなく、現在の港湾内は閑散とした状況にあります。
 県は、令和3年2月に策定した宮古港長期構想で、基本目標に、宮古港からいわてを発信〜つながるヒトとモノ〜未来へ世界へつながる交流拠点港を掲げ取り組んでいますが、具体的な計画が見えません。
 私は、令和5年12月定例会の一般質問において、宮古港の港湾振興について今後の取り組みや計画を伺ったところですが、改めて、岩手県の臨海部工業用地として整備されている宮古港の藤原埠頭工業用地の今後の産業立地に向けた利活用について、取り組み状況を伺います。
 次に、フェリー再開に向けた取り組み状況について伺います。
 宮古―室蘭フェリーは、平成30年6月に川崎近海汽船株式会社によって航路が開設され、就航セレモニーでは多くの市民が参加し、夢や希望を乗せた船出だったと記憶しています。運航当初は旅客利用数は好調だった一方で、収益の柱となるトラック等の利用率が低迷し、残念ながら、令和2年3月末で宮古港寄港は中止となり、間もなく5年がたちます。
 今後、物流におけるカーボンニュートラルとしてモーダルシフトのさらなる推進が求められる中、フェリー航路再開に向けた取り組み状況について伺います。
 次に、クルーズ船の誘致に向けた取り組みについて伺います。
 令和5年のクルーズ船の日本への寄港回数は、日本船と外国船を合わせ速報値で1、854回となり、コロナ禍前のピーク時、平成30年の約63%まで回復しています。また、観光立国推進基本計画では、令和7年における日本への外国クルーズ船の寄港回数の目標を2、000回としており、世界のクルーズ船寄港は増加することが見込まれています。
 こうした中、令和7年度の宮古港へのクルーズ船寄港予定は13隻で、過去最多だった昨年の8隻を上回る見通しです。一方、青森港では、青森港クルーズ船寄港促進アクションプランを作成し、青森港に寄港するクルーズ船100隻、クルーズ船旅客数10万人を掲げ取り組むなど、今後も国内での誘致活動が激化することが予想されます。
 そこで、外国クルーズ船の受け入れ環境の整備として、大型化への対応や交通機関、買い物、観光、飲食施設などの受け入れ体制の充実が必要と考えますが、さらなるクルーズ船誘致に向けた取り組みについて伺います。
 次に、不登校児童生徒を出さない取り組みについて伺います。
 文部科学省が令和6年10月に、令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果を公表しました。小中学校で30日以上欠席した全国の不登校児童生徒数は、過去最多の34万人を超え、11年連続増加、高等学校でも過去最多となっています。岩手県では、不登校の児童生徒が前年比17.9%、人数で464人増加の3、052人と過去最多となりました。
 文部科学省は、不登校支援の充実と問題解決に向けて、全ての児童生徒が安心して学ぶことができるよう、誰ひとり取り残されない学びの保障に向けた不登校対策COCOLOプランと不登校・いじめ緊急対策パッケージを策定しました。ポイントは、子供のSOSを受けとめて、子供の心に徹底して寄り添い、教育委員会や民間団体など関係する機関と連携して、きめ細やかな不登校支援をすることです。
 県教育委員会では、不登校児童生徒を出さない対策として、学校が安全・安心な居場所となる魅力ある学校づくりを進めていますが、県内では、不登校の約3割が専門的な支援を受けられていない状況にあり、いじめ件数も過去最多と高どまりの状況が続いています。
 そこで、本県での不登校児童生徒を出さない取り組みにおいては、県と関係団体の連携強化が必要と考えますが、県教育委員会の認識を伺います。
 次に、不登校児童生徒の背景について伺います。
 子供が不登校に陥る背景について、全国的な調査と分析が進められています。まず、文部科学省から調査の委託を受けた公益社団法人子どもの発達科学研究所は、令和6年3月、教員と児童生徒や保護者では認識に差があることを明らかにしました。同研究所は、不登校のきっかけを心身や生活リズムの不調に関するものとした回答が、児童生徒や保護者では7割から8割だったのに対し、教員では2割弱にとどまるなど認識に差があると指摘し、また、不登校の主な要因が無気力、不安とされてきた文部科学省のこれまでの調査について、教員が無気力、不安を選びやすかった可能性を示唆しています。
 奈良女子大学教授の伊藤美奈子委員は、学校と子供を対象にした調査結果が異なるのに加え、支援ニーズに、特になしが半数以上いることをどう解釈したらいいのかと問題提起しています。また、筑波大学教授の斎藤環委員は、本人の無気力が選択肢にあるため、学校が何となく選択してしまっている状況があると指摘しました。こうした状況に、千葉大学の藤川大祐教授は、あたかも不登校の最大の要因が、学校や家庭ではなく本人にあるという印象が生じていたと指摘いたしました。
 私は、こうした指摘を踏まえると、不登校児童生徒を出さない取り組みを進める上で、まずは、その原因をしっかりと分析することが重要と考えます。
 そこで、県においても改めて実態を分析し、その分析結果に基づいた取り組みをすべきと考えますが、県教育委員会の認識を伺います。
 次に、不登校児童生徒のいる家庭、保護者への支援について伺います。
 SOZOW株式会社は、オンラインスクールSOZOWスクール小中等部に通う小中学生の保護者187名に対して、子供が不登校になって保護者に起きた変化や学校からの情報提供の実態についてのアンケート調査を実施しました。アンケート結果では、保護者自身が孤独を感じたが5割、学校からの情報提供がそもそもなかったが5割、学校からの必要な情報提供がなく困ったが8割、不登校の保護者の約5人に1人が離職せざるを得なかったなど、不登校の保護者が苦労している状況がわかりました。
 そこで、不登校対策においては、学校だけでなく家庭での対応も重要であることから、不登校児童生徒のいる家庭、保護者への社会的な支援が必要と考えますが、教育委員会の対応状況について伺います。
 次に、不登校児童生徒の居場所づくりについて伺います。
 不登校対策については、不登校児童生徒を出さない取り組みが重要と考えますが、一方で、先ほども述べたとおり、不登校児童生徒は、毎年過去最多と増加傾向にあります。
 文部科学省では、令和5年6月に閣議決定した教育振興基本計画において、不登校児童生徒の多様な教育機会の確保に向けて、学びの多様化学校の各都道府県、政令指定都市での1校以上の設置を計画期間内において進め、将来的には、学びの多様化学校への通学を希望する児童生徒が、居住地によらずアクセスできるよう、全国で300校設置を目指すとしていますが、令和6年度に設置されている学びの多様化学校は、全国で目標の12%、35校のみで、岩手県にはありません。
 そこで、岩手県における学びの多様化学校など居場所づくりについて、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 以上で私の質問を終わります。御清聴大変ありがとうございました。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 畠山茂議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、人口減少対策についてでありますが、本県では、就職期における若者、女性の県外転出が大きな課題となっていることから、若者、女性一人一人の人生選択の中で選ばれる岩手県であるように、新しい地方創生を進めていくことが重要です。
 そこで、県では、世界に開かれたいわて地方創生予算と名づけた令和7年度岩手県一般会計予算案において、県外転出に影響を与える要因の一つであるジェンダーギャップの解消を重点的に進めるための施策を盛り込んでおり、国際的にも通用するような働き方の実現を目指してまいります。
 また、海外との交流や経済関係の発展も若者、女性に選ばれるために重要であることから、世界から高い評価を受けている岩手県の観光資源や農林水産物などを生かして、インバウンド観光と輸出の拡大にも取り組んでまいります。
 こうした先進性を高め海外展開を拡大する施策と結婚支援や全国トップレベルの子供、子育て施策、多様な雇用を創出する施策などを一体的に展開することで、世界に開かれた地方創生を進めてまいります。
 次に、人口減少下における自治体の広域連携についてでありますが、人材不足の深刻化やインフラの老朽化などにより自治体の行財政資源が制約される中、将来にわたって住民サービスの提供体制を維持するためには、自治体相互間の連携、協働が重要であります。
 これまで市町村においては、定住自立圏や連携中枢都市圏など圏域での連携により、図書館の相互利用や入札参加資格の共同審査システムの導入などの取り組みが行われており、県においても、情報セキュリティークラウドの全市町村との共同利用や、盛岡市と連携した、きたぎんボールパークの民間活用によるPFI方式での整備などの取り組みを進めてまいりました。
 来年度は、市町村職員合同就職セミナーの開催や複数の市町村による共同職員採用など、県が市町村の人材確保の取り組みを支援するほか、県と盛岡市による動物愛護管理センターの整備等に取り組むこととしており、関連する経費を令和7年度当初予算案に盛り込んでおります。
 今後におきましても、こうした取り組みを一層強化し、それぞれの自治体が、地域の特性を踏まえ、持続可能で安定的な行政サービスを提供できるよう、自治体間の連携、協働に向けた施策の推進に積極的に取り組んでまいります。
 次に、県産農林水産物の輸出拡大についてでありますが、人口減少、高齢化の進行により国内市場の縮小が見込まれる中、県産農林水産物の輸出は、生産者の所得向上などにつながる重要な取り組みです。
 令和5年度の輸出は、ALPS処理水の海洋放出やリンゴの凍霜害の影響を受けたところですが、令和5年にトップセールスを実施したシンガポールでは、県産農林水産物の品質やおいしさなどが高く評価され、前年度の輸出量に比べ、牛肉が約4割、米が約1割増加しています。
 また、トップセールスにより強化された事業者とのつながりを生かし、昨年、東北経済連合会と連携して出展した東南アジア最大級の食品見本市、タイフェックス2024において、岩手県産米が東北ナンバーワンの成約数となるなど、新たな販路が開拓されています。
 先月には、北米において、農業団体、商工団体等とともに、在外公館と連携したPRレセプションや現地量販店と連携したフェア、県内生産者も参加したいわて牛セミナーなどのトップセールスを実施し、県産農林水産物のおいしさや産地の魅力をPRしました。
 流通関係者からは、実際に取り扱いたい、消費者からは、日本で食べたものを米国でも食べたいとの声をいただくなど、米、牛肉、水産物等に高い評価を得ることができ、大いに手応えを感じました。
 今後も、関係機関、団体等と連携し、フェアの開催やバイヤーの産地招聘とともに、トップセールスを初め、県産農林水産物のさらなる輸出拡大に取り組んでまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、健康寿命延伸に向けた取り組みでありますが、今回、国が公表した主観的な健康観に基づく本県の健康寿命は、調査開始以降、男女ともに延びていますが、全国に比べて低位にあり、さらなる健康寿命の延伸に取り組む必要があると認識しております。
 県では、令和6年度を初年度とする第3次健康いわて21プランにおいて、健康寿命の延伸を全体目標に掲げ、生活習慣病の発症や重症化を予防する生活習慣の改善や社会環境の整備に取り組んでおります。
 また、医療等のビッグデータ分析結果を、地域においての健診や健康づくり、介護予防を担う市町村等に提供し、地域の健康課題の見える化を進めているほか、新たにデータの活用を通じて施策の立案、実施につなげるセミナーを開催するなど、人材の育成に取り組むための経費を令和7年度当初予算案に盛り込んだところであります。
 こうした取り組みを通じて、関係機関や団体が一体となり、オール岩手で、健康寿命が長く生き生きと暮らすことができる社会の実現に向けて取り組んでまいります。
 次に、読書を通じた健康寿命延伸についてでありますが、畠山茂議員から御紹介のありました、アメリカのイエール大学の2016年の研究では、読書をする人は、読書をしない人に比べて約2年長生きするという結果が示されたものと承知しております。
 第3次健康いわて21プランにおいては、生涯にわたって健康な日常生活を営むために、ライフステージに応じた健康的な生活習慣づくりに取り組むことを基本的な方向として掲げております。
 特に、高齢期では、就業、ボランティア活動、趣味などの社会参加、社会貢献活動が、日常生活動作の将来的な障がい発生リスクの減少や心理的健康への好影響があるなどの効果もあるとされており、読書も含めた多様な活動の促進が重要と考えております。
 今後は、今回御紹介の事例も含めまして、外部有識者等で構成される岩手県健康増進計画分析・評価専門委員会の御意見も伺いながら、取り組みについて研究を進めてまいります。
 次に、社会とのつながりや生涯学習についてでありますが、畠山茂議員御紹介のとおり、老人クラブやボランティアへの参加など生涯にわたる活動は、健康寿命の延伸や心の健康の維持に効果が期待されるところであります。
 県内では、高齢者の健康状態の把握や孤立を防止するため、県後期高齢者医療広域連合が、市町村が有している国民健康保険の保健事業や介護保険の地域支援事業のノウハウを活用いたしまして、高齢者の心身に応じたきめ細やかな保健事業を実施しているところであります。
 具体的には、高齢者の通いの場などにおける健康教育やフレイル状態の把握、気軽に相談できる環境づくりなどに取り組んでおり、県としては、引き続きこのような取り組みの支援を通じて、市民活動参加者の増加と社会とつながる機会の確保に努めてまいります。
   〔ふるさと振興部長村上宏治君登壇〕
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) まず、地域おこし協力隊制度の活用についてでありますが、地域おこし協力隊は、人口減少が進む中、地域の新たな担い手としてその役割がさらに増してきており、現在、県内で活動している隊員は、観光資源や地域産品の開発、移住、交流促進など、地域が抱える課題解決に向け新鮮なアイデアや手法により活動しております。
 県では、各地域で隊員がその特性を十分に発揮して活躍できるよう、県内全市町村に移住コーディネーターを配置し、地域で受け入れるためのサポート体制を整備するとともに、いわて地域おこし協力隊ネットワークとの連携による隊員向けの研修や受け入れ市町村との意見交換等により、隊員と受け入れ市町村双方の支援を継続的に行ってきたところであります。
 今後におきましても、各種研修や交流機会のさらなる充実によるサポート体制の強化に努めるとともに、来年度は、新たに市町村と連携した合同募集説明会を開催するなど、県全体で受け入れ体制と地域への定着支援の強化を図り、隊員の活動が地域力の維持、強化につながるよう取り組んでまいります。
 次に、特定地域づくり事業協同組合制度の活用についてでありますが、この制度は、人口減少に直面している地域において、就労その他の社会的活動を通じて、地域社会の維持及び地域経済の活性化に寄与するため創設されたものであり、地域の担い手の確保や地域課題の解決に有効であるものと考えております。
 県内では、畠山茂議員御紹介のとおり、これまでに認定された3組合において労働者派遣事業を実施しており、農業や食料品製造業といった多様な業種へ派遣されているほか、派遣職員が組合員の事業者に直接雇用されることにより、地域の産業の担い手確保につながった事例もあると承知しており、着実に成果が上がっているものと受けとめております。
 既に認定された組合以外にも、組合の設立に向けた検討の動きもあることから、県としましては、組合の設立支援を担う岩手県中小企業団体中央会や労働者派遣事業の届け出先となる岩手労働局と連携し、広く制度の有効性を周知するとともに、事業を検討している市町村に対し助言や情報提供を行うなど、特定地域づくり事業協同組合が一層活用され、地域振興につながっていくよう積極的な支援に取り組んでまいります。
 次に、人口減少下における自治体DXの推進についてでありますが、人口減少が進み、特に小規模自治体では職員の確保が一層困難になる中、行政の機能を維持しながら、複雑、多様化する住民ニーズへ対応していくためには、自治体のDX推進は不可欠と認識しております。
 このため県では、令和5年3月に岩手県DX推進計画を策定し、電子申請システムの共同利用やデータ利活用セミナーの開催、県の人材派遣等により、市町村のデジタル化を支援したところであります。
 さらに、今年度は、県の専門人材と職員が市町村を訪問し、市町村が抱える課題を掘り下げて共有したところでありまして、その結果、デジタル人材の育成、確保、オンライン申請の共同処理やシステムの共同調達などのニーズが明らかになったところであります。
 今後におきましては、こうしたニーズを踏まえ、県と市町村が参画する岩手県電子自治体推進協議会等の場で議論を深めながら、検討を進め、市町村と連携して対策を講じていくことにより、本県における自治体のDXを推進し、行政サービスの充実や効率化が図られるよう取り組んでまいります。
 次に、郵便局との連携についてでありますが、人口減少等により市町村の支所や出張所の統廃合が進む中にあって、山形県西川町では、全国で初めて、役場の窓口業務を郵便局に全面委託するなど、行政サービスを継続的に提供するため、郵便局の活用は有効な方策であると認識しております。
 本県では、全ての市町村が郵便局と包括連携協定を締結し、子供や高齢者の見守り活動等に取り組んでいる一方、畠山茂議員御指摘のとおり、窓口業務の委託は一部の市町村にとどまっているところであります。
 今後におきましては、市町村が持続的かつ安定的な行政サービスの維持に向け郵便局との連携を進めることができるよう、さまざまな機会を通じ、全国の優良事例の情報提供や業務委託する際の初期経費に対する地方財政措置の活用を促すなど、積極的に市町村を支援することにより、住民サービスの継続的な提供や住民の利便性の確保に取り組んでまいります。
   〔環境生活部長大畑光宏君登壇〕
〇環境生活部長(大畑光宏君) 第2次岩手県地球温暖化対策実行計画の進捗状況等についてでありますが、実行計画の進捗状況は、温室効果ガス排出量が多い産業部門で省エネルギー機器の導入が進んだことなどにより、2030年度に2013年度比57%削減する目標に対し、2021年度は27.7%の削減となったところであり、引き続き目標達成に向けて取り組みを推進していく必要があります。
 県では、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランの四つの重点事項の一つに、GX―グリーントランスフォーメーションの推進を掲げ、家庭や産業などの各部門において、省エネルギー対策の推進や再生可能エネルギーの導入促進などに取り組むこととしており、令和7年度当初予算案には、省エネ性能にすぐれた住宅建築、事業者による省エネルギー設備や自家消費型太陽光発電設備等の導入、バス事業者等による次世代自動車の導入などを支援するための経費を盛り込んだところであります。
 また、県民や事業者に前向きで主体的な行動を促していくため、県内101の機関、団体が参画する温暖化防止いわて県民会議を中核とした情報発信のほか、知事による小学校での出前授業、県内の大学生と連携した脱炭素化に向けた動画の配信などに取り組んでいるところであります。
 市町村とも、県市町村GX推進会議などにおいて、脱炭素先行地域に選定された県内5市町の取り組みなど県内外の先行事例や、国、県の施策に関する情報共有、意見交換を行い、県、市町村一体となった施策推進に取り組んでいます。
 今後とも、あらゆる主体と連携した取り組みを展開していくなど、オール岩手で温室効果ガスの排出削減に取り組んでまいります。
   〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、水産業リボーン宣言の取り組みについてでありますが、サケ資源の回復については、今年度の漁獲量が前年度を下回るなど依然として厳しい状況ですが、大型で遊泳力の高い強靱な稚魚の生産とその適期放流を進めています。
 ウニ資源の有効利用については、蓄養、出荷の取り組みが15漁協に拡大したほか、朝に水揚げしたウニを、新幹線等を活用し高鮮度で首都圏に届ける物流モデルの構築に取り組んでおり、高単価で取引される年末に、首都圏小売店との直接取引が実現したところです。
 サケ、マス類の海面養殖については、来年度約3、000トンの生産が計画されるなど取り組みが着実に広がっており、さらなる生産の拡大に向け県内での種苗生産体制の構築に取り組んでいます。
 こうしたリボーン宣言の取り組みを加速させるため、県では本年1月に、関係機関、団体と、新たにいわて水産連携推進会議を設置し、取り組み状況や課題を共有しながら、サケ、マス類の海面養殖のさらなる振興策など、生産分野と加工、流通分野が一体となった取り組みを進めていきます。
 さらに、令和7年度当初予算案に、高水温に強い養殖用サクラマスの種苗開発やアサリの安定した養殖管理技術の確立に要する経費を盛り込んでおり、今後も、水産業リボーン宣言に基づく取り組みを漁業者、関係団体等とともに推進し、本県の水産業が持続的に発展するよう取り組んでいきます。
 次に、岩手県水産技術センターの取り組みについてでありますが、県では、岩手県水産試験研究中期計画に基づき、生産性、市場性の高い産地形成や漁業経営の高度化、安定化などに関する試験研究を進めています。
 近年の主要魚種の不漁は、漁業者や水産加工業者などの経営に深刻な影響を及ぼしており、喫緊の課題である海洋環境の変化に対応した試験研究の充実と、その成果の迅速な普及が重要と認識しています。
 このため県では、高水温に強いとされるアサリの種苗生産などの技術開発に加え、定置網漁業の収益性向上に向けた漁協ごとの経営分析に取り組み、こうした試験研究の成果を速やかに漁業者等へ提供しています。
 令和7年度は、新たにワカメの高水温耐性種苗の開発や、ヨーロッパヒラガキの種苗生産技術開発などに取り組むこととしており、今後も、海洋環境の変化に的確に対応した水産業が展開されるよう、関係団体等と連携しながら全力で取り組んでいきます。
   〔県土整備部長上澤和哉君登壇〕
〇県土整備部長(上澤和哉君) まず、宮古港藤原埠頭工業用地の利活用についてでありますが、藤原地区の工業用地の未分譲地については、関係部局や宮古市との合同によるポートセールスを行うとともに、本年1月に開催したいわてポートフォーラム2025in東京において、企業等127社に対し、インターチェンジに直結する宮古港の優位性や三陸沿岸道路等の利便性についてPRを行ったところです。
 今後も、これまでの取り組みを通じて宮古港に関心を示した企業等を中心に、関係部局や宮古市と連携してポートセールスを行い、藤原地区の工業用地の分譲の促進に努めてまいります。
 次に、フェリー再開に向けた取り組みについてでありますが、県ではこれまで、室蘭市、宮古市と連携し、宮古―室蘭航路の運航会社に対しその再開を働きかけてきましたが、現時点で再開の具体的な見通しを確認するには至っておりません。
 物流業界においては、物流の2024年問題や脱炭素化に向けた取り組みへの対応が求められており、陸上輸送から海上輸送へのモーダルシフトが進んでいるものと考えております。
 県では、これを好機と捉え、今年度からは、室蘭以外の航路開設にも対象を広げ、複数の船社に接触して情報収集を行っています。
 引き続き、宮古市等と連携して荷主等を訪問し、宮古港の優位性をPRしながら新たな貨物の掘り起こしに努めるとともに、得られた貨物動向を船社と共有し、再開等に向けて取り組んでまいります。
 次に、クルーズ船の誘致についてでありますが、宮古港では、令和5年8月に日本に寄港する最大級のクルーズ船であるMSCベリッシマの寄港が実現しており、17万トン級の大型船の入港が可能となっています。
 受け入れ体制については、今年度、鉄道、バス事業者、商店街、観光協会等の関係者が参加する講演会やワークショップを県が主催し、おもてなしの充実に向けて意見交換したほか、外国人乗客に対してニーズや課題の聞き取り調査を行ったところです。
 県としては、今後、さらなる受け入れ体制の充実に向けて、ニーズ調査の結果を関係事業者と共有し、課題解決に取り組むとともに、港湾所在市等と連携したクルーズ船社や旅行会社への訪問などを実施し、さらなる寄港拡大を図ってまいります。
   〔教育長佐藤一男君登壇〕
〇教育長(佐藤一男君) まず、不登校児童生徒を出さない取り組みについてでありますが、不登校の未然防止のためには、児童生徒が、学校が自分にとって大切な意味のある場になっている、自分という存在が大事にされている、心の居場所になっていると実感できるなど、児童生徒にとって学校を魅力あるものにしていくことが大切であると認識しています。
 このため県教育委員会では、これまで、全ての教員を対象とした不登校の未然防止に関する研修など、さまざまな教員向け研修の実施をするとともに、平成22年度以降、国立教育政策研究所の委託を受け、宮古市、盛岡市などにおいて魅力ある学校づくり調査研究事業を実施し、その成果を広く県内の学校に周知するなど、不登校の未然防止に係る取り組みを進めてきたところです。
 また、不登校の未然防止には、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどの専門職に加え、関係機関や団体の協力も必要であることから、これまで、市町村教育委員会とも連携しながら、教育支援センター等による相談支援体制の充実、フリースクール等民間団体などとの連携強化、コミュニティ・スクールや地域学校協働活動など、地域ぐるみの取り組みを進めてきたところです。
 県教育委員会としましては、引き続き、学校、教育関係者、家庭、さらに医療、福祉等の関係機関、地域、フリースクール等民間団体など、多様な主体と連携し、不登校の未然防止に向け取り組んでまいります。
 次に、不登校児童生徒の背景についてでありますが、不登校の背景や要因は多岐にわたり、個々の児童生徒の状況も多様でありますが、文部科学省では、児童生徒の休養の必要性を明示した、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の趣旨の浸透等による保護者の学校に対する意識の変化、コロナ禍の影響による登校意欲の低下などが考えられる等との見解を示しており、本県も同様の認識であります。
 令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査においては、不登校のきっかけや背景にある事実の調査がなされ、不登校児童生徒について把握した事実として整理され、本県においては、全国と同様に、学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった、生活リズムの不調に関する相談があった、不安、抑鬱等の相談があったとの回答割合が高い結果となっております。
 不登校児童生徒への支援については、不登校となった要因を的確に把握し、学校関係者や家庭、関係機関が情報共有し、組織的、計画的に個々の児童生徒に応じたきめ細かな支援をすることが重要です。
 このため県教育委員会では、従前から、心とからだの健康観察などの諸調査により、県内全ての公立学校の児童生徒の心の健康状況やストレスの状況を把握するほか、県立学校では、1人1台端末を利用したこころの相談室により、児童生徒の悩みや相談を受ける取り組みなどを行っているところです。
 県教育委員会としましては、引き続き、市町村教育委員会と連携し、児童生徒一人一人の状況把握に努めながら、組織的、継続的な取り組みを進めてまいります。
 次に、不登校児童生徒のいる家庭、保護者への支援についてでありますが、不登校対策においては、不登校児童生徒のいる家庭、保護者が、悩みを抱えて孤立せず、適切な情報や支援が得られるようにすることが重要であると認識しております。
 このため県教育委員会では、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置や総合教育センターのふれあい電話等により、家庭や保護者への相談支援に当たってきたところです。
 また、今年度、フリースクール等民間団体との連携を図る不登校児童生徒支援連絡会議において、保護者の支援等を目的とした不登校支援フォーラムを実施したところです。
 来年度は、これらの取り組みに加え、新たに、児童生徒や保護者に対する支援や相談に関する情報が一体的に、より確実に届くよう、支援ガイドの作成やポータルサイトの構築など情報発信も強化するなど、一層の支援に取り組んでまいります。
 不登校児童生徒の居場所づくりについてでありますが、学びの多様化学校は、不登校児童生徒の個々の状況に応じた柔軟な教育課程の編成が可能であり、自己肯定感や進学意欲の向上等、一定の成果が上がっており、現在、16都道府県に公立、私立合わせて35校が設置されております。
 学校に登校できない、あるいは学校に不安を感じる児童生徒にとって、学びの場や居場所となる施設は、家庭から身近な地域にあることが望ましいことから、広い県土を有する本県におきましては、全ての市町村に教育支援センターを設置することを目標に、市町村教育委員会と連携してその取り組みを進めてきたところです。
 そうした中、今年度、市町村教育委員会に対し、今後の学びの多様化学校の設置に係る意向等を調査したところ、いずれの市町村からも、設置の意向や計画は示されなかったものです。
 これは、学びの多様化学校の設置には、学校設置基準に規定する設備等の基準を満たす必要があること、必要な教職員等の確保を要することなど、一定のハードルが存在することなどもあり、多くの市町村においては、現在取り組んでいる校内外の教育支援センターの充実強化に努めたいとの考えによるものと捉えております。
 こうした中、県教育委員会としては、令和7年度当初予算案において、新たに校内教育支援センターの支援員配置の補助に係る経費を計上するなど、市町村を支援することとしており、引き続き不登校児童生徒の多様な学びの場や居場所の確保に取り組んでまいります。
〇2番(畠山茂君) それぞれ丁寧な答弁をいただきました。大変ありがとうございます。
 私からは、それぞれ3点ほど再質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、人口減少対策と地方創生について再質問させていただきます。
 私が最近危惧しているのは、まず、岩手県内における内陸部と県北・沿岸部の格差でございます。現在、県内、特に内陸部では、半導体関連産業、また自動車産業が牽引役として若者の雇用あるいは景気、経済の成長を支えていると感じていますが、一方で、県北・沿岸地域では、人口減少が御案内のとおり約2倍のスピードで進んでいます。また、少子化では、昨年の出生数が沿岸部で極端に減っているという現実があります。そしてまた、高齢化率も高く限界集落も出始めています。
 また、私が住む宮古市でも、最近では、老舗の事業者が倒産したり、あるいは店じまいが目に見えてふえております。先日、宮古商工会議所にもお邪魔してお聞きしたのですが、宮古商工会議所で四半期ごとの事業者アンケート調査をとっているのですけれども、その中でも、先行き不安が大変大きくなって、アンケートをとるたびにふえているということも明らかになってきています。
 県では、小規模町村への伴走型支援、あるいは県北地域においては、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクト、そして、沿岸地域では三陸防災復興ゾーンプロジェクトを立ち上げて、さまざま支援の展開をしているところは理解していますが、県北・沿岸地域において、改めて地方創生に取り組むという認識の中で、今、県北・沿岸地域の人口動態等、経済状況について県はどのように認識しているのか、あるいは今後どのように取り組もうとしているのかをまずお伺いしたいというのが1点です。
 2点目が、健康寿命延伸の取り組みについてであります。
 先ほど、令和6年度からの第3次健康いわて21プランについて、ビッグデータ等を活用したさまざまな取り組みについて答弁いただきました。健康寿命延伸の取り組みの現在の状況を見ますと、県内の各自治体がスローガンや目標を掲げて、生活習慣病の改善あるいは健診受診率を向上しましょうといったそれぞれの取り組みを行っております。
 1月14日の岩手日報の投書欄にも出たのですが、大分県のおおいた創造会議の官民挙げての健康寿命日本一の取り組みが紹介されておりました。そしてまた、私が宮古市議会議員時代にお邪魔したことがある長野県では、健康寿命延伸の先進事例として、健康寿命世界一を目指す取り組みをしております。平均寿命が全国トップレベルの健康長寿をさらに前進させて、一人ひとりが生きがいを持ち、健やかで幸せに暮らせるしあわせ健康県づくりを進めております。幸せな暮らしの基礎となる県民の健康増進を図る運動ということで、信州ACEプロジェクトを2014年6月から行っていまして、一定の成果も出ております。
 岩手県では、健康いわて21プラン(第3次)において健康寿命の延伸に取り組んでいるわけではありますが、私が思うのは、本県でも、長野県だったり大分県のような先行事例を見ながら、岩手県民総出で、県も市町村も企業も、そして住民も一丸となって、今、数字上は健康寿命短命県あるいは自殺者ワーストワンというような状況にもなっておりますので、ぜひ、こういったところの返上に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、改めて健康寿命延伸に向けた知事の意気込みもお伺いしたいと思います。
 最後に、水産振興について伺います。
 先ほど取り上げた水産振興においては、漁業の担い手を継続的に確保していくことも重要であります。県の令和5年度における漁業就業者数は4、998人と、平成25年度比で、10年間で約20%減少しております。新規漁業就業者数も16人と、やはり低迷しています。また、漁業経営体数も2、812経営体と、これも平成25年度比で25%ほど減少しております。
 そこで、今後の漁業者の担い手育成に力を入れるべきと考えますが、県の取り組み状況についてお伺いしたいと思います。あわせて、担い手の確保に当たっては、新規漁業従事者にとって水産業が魅力ある仕事でなければならないと思います。これからの若い人に選ばれる職業となるように、まずは仕事の省力化、それから所得の向上、高所得化など魅力ある水産業に向けて、県はどのようなビジョンを持って今後取り組んでいくのか、この点についてもお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 健康寿命延伸についてでありますが、第3次健康いわて21プランにおいて、県民みんなで生涯にわたり健やかで幸せに暮らせる希望郷いわての実現を目指す姿として掲げ、地域社会を構成するさまざまな主体が、それぞれの力を生かし、お互いのつながりを大切にしながら、全ての県民が、いつまでも健康で心豊かに暮らすことができるいわてを目指しています。
 県では、健康寿命のさらなる延伸に向け、生活習慣病の発症や重症化を予防するため、減塩、適塩を初めとする食生活や身体活動、運動などの生活習慣の改善、健診受診率向上のための従事者向け研修会の開催、健康経営の促進などの社会環境の整備や県民一人一人が主体的に健康づくりに取り組むことができるよう、情報発信、啓発に努めているところです。
 これらの取り組みを通じて、関係機関や団体が一体となって、オール岩手で、健康寿命が長く、生き生きと暮らすことができるよう、目指す姿の実現に向けて取り組んでまいります。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 県北・沿岸地域の人口動態や経済状況についての認識と今後の取り組みについてということでありますが、県北・沿岸地域は、全県に先行して人口減少や高齢化が進行しており、1人当たりの市町村民所得は、直近の令和3年度において、県央・県南地域では増加に転じているものの、県北・沿岸地域では減少するなど、厳しい状況が続いているものと認識しております。
 このような課題を抱える一方ではありますが、県北地域では、高いポテンシャルを生かした再生可能エネルギー導入の動きが加速化しているほか、沿岸地域では、クルーズ船の寄港の増加、みちのく潮風トレイルなどによる国内外からの誘客の拡大など、地域振興につながるさまざまな動きも生じてきているものと認識しております。
 こうした状況を踏まえまして、令和7年度当初予算案におきましては、人口減少対策を重点に掲げ、各般の施策を盛り込むとともに、県北地域におきましては、バイオ炭による収益性の高い循環型農林業の確立、若者、女性が活躍できる地場産業の魅力発信、地域資源とアクティビティーを組み合わせた広域周遊観光の推進、沿岸地域におきましては、クルーズ船の誘致やみちのく潮風トレイルの受け入れ体制強化、海業振興計画に基づくビジネスモデルづくり、大規模な園芸施設を整備する企業の誘致に向けた取り組みなどに関する予算を計上しているところでございます。
 今後におきましても、市町村を初めとする多様な主体と連携し、県北・沿岸地域の特色を生かした取り組みを加速するとともに、その成果を早期に発現させながら、地域に還元して、持続的に発展する地域振興を推進してまいります。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 水産振興についてでございます。
 県では、いわて水産アカデミーを核とし、漁業の次代を担う人材の確保、育成に向けた取り組みを進めておりまして、今年度は、これまでで最多の12名がアカデミーで研修しておりますし、修了生32名が県内で漁業に就業しております。
 また、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランに基づき、効率的で収益力の高い水産業の実現に向けまして、DXなどの革新的な技術の開発、導入等に取り組むこととしており、人工衛星画像を活用した漁場探索や、サケ、マス類の海面養殖における自動給餌システムの導入などを進めております。
 こうした取り組みに加えまして、令和7年度は、新たに地域で活躍する女性漁業者の情報発信、新規就業者同士や地域の漁業者との交流会の開催に取り組むこととしており、今後も、スマート水産業を推進しながら、新規就業者の確保と定着を支援し、魅力ある水産業の実現に向けまして、市町村、漁協等と連携して取り組んでまいります。
〇議長(工藤大輔君) 以上をもって畠山茂君の一般質問を終わります。
   
〇議長(工藤大輔君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時21分 休 憩
   
出席議員(48名)
1  番 田 中 辰 也 君
2  番 畠 山   茂 君
3  番 大久保 隆 規 君
4  番 千 葉 秀 幸 君
5  番 菅 原 亮 太 君
6  番 村 上 秀 紀 君
7  番 松 本 雄 士 君
8  番 鈴 木 あきこ 君
9  番 はぎの 幸 弘 君
10  番 高橋 こうすけ 君
11  番 村 上 貢 一 君
12  番 工 藤   剛 君
13  番 小 林 正 信 君
14  番 千 葉   盛 君
15  番 上 原 康 樹 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 高 橋 穏 至 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 高 田 一 郎 君
26  番 木 村 幸 弘 君
27  番 佐々木 朋 和 君
28  番 吉 田 敬 子 君
29  番 高 橋 但 馬 君
30  番 岩 渕   誠 君
31  番 名須川   晋 君
32  番 軽 石 義 則 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城 内 愛 彦 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 郷右近   浩 君
41  番 小 西 和 子 君
42  番 高 橋 はじめ 君
43  番 五日市   王 君
44  番 関 根 敏 伸 君
45  番 佐々木 順 一 君
46  番 岩 崎 友 一 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(なし)
   
説明のため出席した者
知事 達増拓也 君
副知事 八重樫 幸 治 君
副知事 佐々木   淳 君
企画理事兼
保健福祉部長 野原 勝 君
企画理事兼
商工労働観光部長 岩渕伸也 君
政策企画部長 小野 博 君
総務部長 千葉幸也 君
復興防災部長 福田 直 君
ふるさと振興部長 村上宏治 君
文化スポーツ部長 小原 勝 君
環境生活部長 大畑光宏 君
農林水産部長 佐藤法之 君
県土整備部長 上澤和哉 君
ILC推進局長 箱石知義 君
会計管理者 滝山秀樹 君
医療局長 小原重幸 君
企業局長 中里裕美 君
財政課総括課長 佐藤直樹 君

教育長 佐藤一男 君
教育局長 菊池芳彦 君

人事委員会
事務局長 渡辺正和 君

公安委員会
委員長 村井三郎 君

警察本部長 増田武志 君
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後2時42分再開
〇議長(工藤大輔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。菅原亮太君。
   〔5番菅原亮太君登壇〕(拍手)

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