令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇35番(佐々木茂光君) 自由民主党の佐々木茂光でございます。令和7年2月定例会に当たり、登壇の機会を与えていただきました先輩、同僚議員の皆様に心から感謝を申し上げます。
 それでは、一般質問を始めさせていただきます。知事並びに関係部局長には県民に向かい、誠意ある答弁をお願い、期待するものであります。
 初めに、沿岸被災地の建設業振興について伺います。
 東日本大震災津波の発災から間もなく14年を迎えようとしております。被災地の復興の取り組みに深く携わってきたのは、まさに県内外の建設業者であります。建設業は地域社会資本の整備や維持管理等の極めて重要な担い手であると同時に、県民生活や県内社会経済を支える大きな役割を担う存在であります。
 いわて復興レポートには、県内の公共工事請負金額の推移が示されておりますが、平成26年度をピークに減少しており、令和5年度の公共工事請負金額は、社会情勢の変化もありますが、震災前の平成22年度に比較しても少ない状況にあります。震災復興事業の終了により沿岸地域の建設業の事業環境の変化は、ある程度想定されていたものと考えますが、さらに悪化している状況にあり、知事は現状をどう捉えているのか、また、建設業の役割の重要性も踏まえ、今後の対応についてお伺いいたします。
 次に、沿岸被災地の人口減少対策について伺います。
 私は、沿岸被災地に人が戻り、また、まちが賑わいを取り戻してこそ復興が完了したと言えるとの信念から、今まで一般質問の機会をいただく度に、沿岸被災地の人口減少対策について知事にお聞きしてまいりました。
 沿岸被災地の人口は、岩手県人口移動報告年報によると、令和6年10月現在20万6、000人余りで、昨年度同時期より約5、500人減少し、東日本大震災津波発災前の平成22年10月の人口から、率にして約25%の減少となっております。
 また、総務省が発表した2024年の人口移動報告では、本県の転出者は2万411人、転入者は1万5、538人と4、873人の転出超過となり、東京一極集中が進行している状況にあるとのことであり、沿岸の被災地でも同様の傾向となっているのではないかと思われます。
 知事は、沿岸被災地の人口減少の状況から、これまでの取り組みは十分に効果を上げてきたとお考えでしょうか。これまでの検証と沿岸地域の振興も踏まえ、今後の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、東日本大震災におけるグループ補助金の返納について伺います。
 東日本大震災におけるグループ補助金は、多くの中小企業が甚大な被害を受けた東日本大震災津波をきっかけに設けられた制度であり、1事業者当たり15億円を上限に、国と県が再建費用の4分の3を補助する制度となっております。まとまった額の資金が補助されたことから、復旧の足がかりとなったグループ補助金でしたが、経済情勢や経営環境が大きく変化したことから、事業譲渡や店舗改修などを余儀なくされた事業者が出てきており、当該事業者に対し補助金の返納が求められるといったケースが発生し、大きな課題が生じております。
 国の補助金とはいえ、被災した事業者の支援を目的としたものであります。柔軟な対応が必要ではないかと思いますが、グループ補助金の返納の実態と県の対応についてお伺いいたします。
 次に、石破首相の施政方針演説に対する所見について伺います。
 石破首相は、去る1月24日に召集された第217回通常国会での施政方針演説で、かつて国家が主導した強い日本、企業が主導した豊かな日本、加えて、これからは一人一人が主導する楽しい日本を目指したいと考えております。楽しい日本を実現するための政策の核心は地方創生2.0であり、これを令和の日本列島改造として強力に進める。令和の日本列島改造は、第1の柱は、若者や女性に選ばれる地方、第2の柱は、産官学の地方移転と創生、第3の柱は、地方イノベーション創生構想、第4の柱は、新時代のインフラ整備、第5の柱は、広域リージョン連携と5本の柱で、厳しい国際競争の中、日本全体の活力を取り戻すべく進めていくと話されております。
 この石破首相の施政方針について、東日本大震災津波の被災地の知事として、どのように受けとめているのか御所見をお伺いいたします。
 次に、新規漁業就業者の確保、育成について伺います。
 農林水産省の統計データによると、本県の漁業就業者数は、令和5年には4、998人となっており、平成30年と比較すると、約1、300人も減少しております。また、就業者に占める65歳以上の割合は年々増加し、令和5年は44.5%となり、高齢化が進行している状況にあります。
 近年、収入に対する不安や、生活や仕事に対する価値観の多様化により、漁家の子弟が必ずしも漁業に就業するとは限らなくなっております。本県の新規漁業就業者のうち、漁家子弟以外の者の割合が半数以上を占める状況とのことであり、こうした潜在的な就業希望者を確保し、担い手として育成していくことは大変重要と考えます。
 本県の新規漁業就業者の実態を踏まえ、漁業経験の浅い、または漁業経験ゼロの就業者を地域へ定着させ、将来の中核的経営体へと育成するためには、きめ細かな支援が必要と考えますが、県の対応についてお伺いいたします。
 また、新規漁業就業者の確保のためには、小中高生に漁業の魅力を伝え、漁業を将来の職業として選択してもらえるための積極的な取り組みも必要と考えますが、県の対応について、あわせてお伺いいたします。
 次に、水産業の不漁対策について伺います。
 近年の海洋環境の変化などにより、秋サケを初め、サンマ、スルメイカなどの主要魚種の不漁や、磯焼けの拡大によるアワビやウニの漁獲量の減少など、沿岸地域の基幹産業である水産業は非常に厳しい状況が続いております。特に、サケは沿岸地域の経済を支える重要な水産資源であり、漁業者はもとより、サケに依存している地元の水産加工業者も大打撃を受けております。
 一方で、近年、これまであまり県では水揚げされていなかったマイワシなど南方系の魚種がふえており、漁業者や水産加工業者など地元の関係者は、このような増加している魚種の活用に少なからず期待しているところであります。
 水揚げされた魚種の変化にも対応した新たな取り組みが必要と考えますが、県はこの水産業の厳しい状況をどのように捉え、今後どのように対応していくのかお伺いいたします。
 次に、藻場の再生について伺います。
 藻場は豊かな生態系を育む機能に加えて、二酸化炭素を吸収するブルーカーボン生態系として大きな役割を果たしております。本県の藻場は、海水温の上昇等に伴い、磯焼けが拡大している状況にあり、ウニ、アワビの漁獲量は年々大きく減少しております。
 このような状況の中で、県では、アワビ、ウニ等水産資源の回復、増大に向けて藻場の保全、造成に取り組んでいると伺っておりますが、これらの取り組みにより、現在どの程度新たな藻場が造成されているのか、また、藻場の保全活動により間引きされたウニについては、漁業者の新たな収入源として畜養に取り組まれている漁業協同組合もありますが、間引きされたウニの有効利用に向けた県の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、急潮による定置網の被害対策について伺います。
 本県においては、ここ数年、三陸沿岸域でも急潮が多発しており、定置網等の漁具が破損するなどの被害が発生しております。特に、定置網の復旧には多額の費用がかかり、復旧に要する期間も長期にわたるほか、復旧期間中の定置網の水揚げがなくなるため、定置網を経営する漁業協同組合及び漁業者の負担が増大しているところであります。
 急潮の主な発生要因は、三陸沿岸域に流入する黒潮の影響によるものと考えられており、近年、黒潮の北上が強まっていることから、今後も急潮の発生は続くものと予想されます。近年の急潮による定置網の被害の状況について伺います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 また、漁業共済制度への加入も被害対策の一つと考えますが、加入状況と加入促進に向けた県の取り組みと、被害の防止や減災に向けた取り組みについて、あわせてお伺いいたします。
 次に、漁業協同組合の経営状況について伺います。
 漁業協同組合は、漁業者による協同組織として組合員のための販売、購買等の事業を実施するとともに、漁業者の経営の安定、発展や地域の活性化にさまざまな形で貢献しております。しかし、近年の海洋環境の変化等により、水揚げや水産物の販売、収益の減少、高齢化等による組合員の減少により、漁業協同組合の経営は非常に厳しい状況が続いております。
 このような状況に打ち勝つため、サケ、マス類の海面養殖などの新たな取り組みも始まっているところですが、この不漁が続く厳しい状況の中にあって、将来にわたって漁業共同組合が経営を維持し、漁業者に対する役割を十分に果たしていくためには、漁業協同組合の経営改善等の取り組みが必要と考えますが、現在の漁業協同組合の経営状況と経営改善等に向けた県の取り組みについて伺います。
 次に、ILC―国際リニアコライダーの推進について伺います。
 世界の素粒子物理学研究者コミュニティーは2004年から国際チームによるILC技術開発を進め、2013年には北上山地を世界唯一の建設候補地に選定したところであります。
 ILCは国際研究拠点の実現であるとともに、イノベーションの創出や交流人口の拡大など、県内への産業振興や雇用創出、学術、教育、生活環境などのさまざまな分野に波及効果が生まれると期待されており、東日本大震災津波により大きな被害を受けた被災地の創造的な復興にも資するものであります。
 これまでの取り組みの中において、県内外への機運醸成が足りないなどと苦言を呈されてまいりました。そのような声に応えるべく、令和5年2月、岩手県、宮城県両県17市町から成るILC実現建設地域期成同盟会が発足し、実現に向けた活動が展開されているところであります。
 ILCの誘致の実現に向けては、令和7年3月が大きな節目と言われており、欧州のFCC−ee―次世代円形衝突型加速器の実現可能性調査が公表されるほか、欧州素粒子物理戦略の更新への意見提出の期限とされており、日本政府の前向きな表明が期待される大事な時期と認識しております。この大きな節目に当たり、知事の本気度が伝わるよう、今まで以上に知事が率先して世の中に見えるような取り組みが必要と考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、国道343号笹ノ田地区の道路整備に向けた取り組み状況について伺います。
 国道343号は、内陸部の生産拠点と沿岸部の港湾を結ぶ物流ルートであり、また、観光拠点を結ぶ広域観光ルートとして重要な路線となっております。私は、陸前高田市と一関市の間にある笹ノ田峠は、地理的条件から交通の難所となっており、その解決のためには新笹ノ田トンネルの整備が必要であり、事業化に向けた県の取り組み状況について、これまでも質問をしてまいりました。
 その中で、県からは、笹ノ田峠に新たなトンネルを整備する必要性などに関し、専門的見地から助言をいただく、国道343号笹ノ田地区技術課題等検討協議会を設置し、さまざまな課題について検討していると伺っております。
 令和5年6月定例会において、私は協議会での検討期間について質問したところ、現時点では検討に要する時間は示せないとの答弁でありました。あれから国道343号笹ノ田地区技術課題等検討協議会での検討は深まっているのではないかと思われますが、改めてお伺いいたします。
 新笹ノ田トンネルの整備に向け、国道343号笹ノ田地区技術課題等検討協議会において、どの程度の検討期間を想定しているのか、また、事業化の見通しについて、県の見解をお伺いいたします。
 次に、国土強靱化に向けた進捗状況について伺います。
 近年、気象変動の影響により気象災害は激甚化、頻発化する一方、高度経済成長期以降に整備されたインフラの老朽化が加速度的に進行し、適切に対応しなければ、本県の行政、社会経済システムが機能不全に陥る懸念があります。
 広大な県土を有する本県には、まだまだ改良、改善を要する危険な箇所が多くあります。県道釜石住田線は、大雨があれば川の氾濫による冠水や、沢からの土砂流出により道路が寸断され、冬場も法面からの湧水により路面が凍結するなど、さまざまな不便を来している路線となっております。
 本路線については、これまでも計画的な整備を進めていると伺っておりますが、改めてこれまでの整備の状況と、今後の整備計画について、お伺いいたします。
 また、沿岸地域には落石注意の標識が至るところに設置されており、いざ落石が発生した場合、重大な事故につながるおそれがあります。
 本県のこのような状況を踏まえれば、落石や崩落の危険のある法面の対策等を前倒しで実施するなど、取り組みをさらに加速化すべきと考えますが、公共事業費の十分な確保に向けた国への強い働きかけなど、今後の県の対応についてお伺いいたします。
 次に、地域医療の充実について伺います。
 県立病院の次期経営計画は、人口減少による患者の減少や従事者の確保、医療の高度、専門化を踏まえ、高度な医療と身近な医療の両立を担っていくことが示されました。このために医療機能や人材の集約を進めていくことも理解できることであり、私も県民の一人として賛同するものであります。反面、取り残される地域はどうなるのかという疑問もまた持っているものであります。
 県議会でも機能強化という点に関し鋭い議論が交わされてきましたが、私からは、県立病院のもう一つの大きな役割である、民間医療機関が成り立たない地域で身近な医療をしっかり担っていくという点を取り上げます。
 住田町や九戸村、旧大迫町などの地域では、まさに民間医療機関も新たな立地が難しく、県立の地域診療センターが地域唯一の医療機関として、これまで住民の命と健康を守ってまいりました。住田町では、福祉や介護と医療の連携を維持していくために連携会議を持ち、看護師や保健師の皆さんや介護サービス事業者と地域診療センターが一体になり、住民の健康を守っております。一層高齢化が進む地域において、在宅医療や訪問診療など医療へのニーズが高まるばかりであり、地域診療センターに寄せられる住民の期待は非常に大きいものがあります。地域診療センターの役割をどう考え、維持していくのか、御見解をお伺いいたします。
 次に、地域診療センターを担う医師の養成について伺います。
 医療局では、この6年間で60人以上の医師をふやし、県立病院全体として医師確保の取り組みは成果を上げていると聞いております。一方で、岩手県立大船渡病院附属住田地域診療センターの常勤医は1名で、可能な限り住みなれた土地で、家族や近所の隣人たちと安心して暮らせる環境であることが大切と考えております。
 介護の現場は、その厳しい労働環境から人手不足が問題となっていると承知しております。各施設では働きやすい職場環境づくりや処遇の改善など、人材確保に向けてさまざまな取り組みをされているものと思いますが、一部の施設では、設備は整っているが必要な職員を確保することができないといったお話も聞いております。介護人材の不足問題を県ではどう把握しているのか、また、人材確保に向けて、どのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。
 次に、学校部活動の地域クラブ活動への移行について伺います。
 学校部活動は、生徒のスポーツ、文化芸術に親しむ機会を確保し、自主的、主体的な参加による活動を通じて達成感の獲得、学習意欲の向上などに役に立つとともに、自主性の育成に寄与するものとして大きな役割を担っております。
 一方で、深刻な少子化の進行により、学校の生徒数の減少が加速化し、学校部活動を存続することが厳しい状況となっております。国では、令和4年12月に学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインを策定し、新たな地域クラブ活動を整備するために必要な対応等について、その考え方を示しました。
 本県においても学校の生徒数が減少している状況にあり、学校部活動の維持が困難となる前に、学校と地域との連携による新たな地域クラブ活動への移行を早急に進める必要があると考えます。県の取り組みについてお伺いいたします。
 次に、不登校対策について伺います。
 文部科学省が昨年10月末に公表した、令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によると、本県の小・中・高等学校での不登校児童生徒数は、小学校が843人で前年比36.6%の増加、中学校が1、616人で前年比16.4%の増加、高等学校が593人で前年比1.7%の増加と、全てで増加の状況となっております。また、過去5年間の状況を見ると、不登校児童生徒数は、毎年増加している状況にあります。
 私は、不登校の原因は大変複雑化しており、対策は学校のみではなく、家庭、地域、関係機関との連携が重要であると認識しております。県は、現在の不登校児童生徒の増加の要因分析を行い、誰一人取り残さない学びを保障する対応が必要と考えますが、その対応状況についてお伺いいたします。
 次に、沿岸南部地区高校へ医系進学コースの設置について伺います。
 昨年5月に開催された県立高等学校教育の在り方に関する地区別懇談会において、沿岸南部地区の市町村長から、沿岸地域の医師不足を解消するため、医系進学コースを設置するよう意見がありました。医師養成は県政課題の一つであり、医師偏在の地域格差をなくすためにも、ぜひ沿岸南部地区の高校に医系進学コースを設置し、地域医療人材の育成を図っていただきたいと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
 次に、県立高田高等学校への特色ある学科設置等について伺います。
 陸前高田市では、市内唯一の高校である県立高田高校と一緒に、姉妹都市であるクレセントシティ市と国際的な友好関係を発展させるため、県立高田高校に特色ある学科として国際学科の設置等を行い、地域の特色を踏まえた取り組みを進めたいとの考えを伺っております。これについても、県教育委員会としても支援していくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
 これで一般質問を終わります。ありがとうございした。(拍手)
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 佐々木茂光議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、沿岸被災地の建設業振興についてでありますが、東日本大震災津波に関連する復興事業がおおむね完了したことから、県内公共事業の減少に伴い、県内の建設企業を取り巻く環境は厳しさを増しております。
 一方で、地域の建設業は社会資本の整備や維持管理の担い手であり、また、自然災害や高病原性鳥インフルエンザ等の発生時に即応できる存在として、地域に欠かすことのできない重要な守り手としての役割を持っています。
 このことから、県では、いわて建設業振興中期プラン2023において、地域の建設業が目指すべき姿を実現していくため、経営力の強化など六つの施策を掲げ、経営革新講座の開催、経営指導コーディネーターによる経営相談、建設DXによる生産性向上を推進する企業への補助など、建設業が社会経済情勢の変化にも対応できるよう、建設業団体等と連携し、建設企業の経営力の強化に取り組んでいるところであります。
 引き続き、地域の建設業の持続的、安定的な経営に向けた取り組みを進めるとともに、安全、安心な地域づくりや県民生活を支える社会資本整備を計画的に進めるため、必要な公共事業予算の確保を国に働きかけてまいります。
 次に、沿岸被災地の人口減少対策についてでありますが、県では、復興の推進が人口減少対策でもあるという考えのもと、いわて県民計画(2019〜2028)に三陸防災復興ゾーンプロジェクトを掲げ、復興の取り組みにより大きく進展した交通ネットワーク等を生かした企業立地の推進や地域産業の振興、三陸地域の多様な魅力の発信等に取り組んできました。
 しかしながら、沿岸地域においては、全県平均を上回る人口減少率となっているほか、主要魚種の不漁や物価高騰等の課題が復興の進展に影響を与えており、厳しい状況が続いています。
 一方で、復興支援の取り組みを契機に移住した若者や、水産アカデミーを経て漁業で活躍している女性、三陸地域の自然環境などにひかれU・Iターンした若者など、三陸地域の価値や魅力による若者、女性の定着の動きも見られています。
 こうした状況を踏まえ、令和7年度岩手県一般会計予算案においては、人口減少対策を重点に掲げ各般の施策を盛り込むとともに、沿岸地域については、みちのく潮風トレイルの受け入れ体制強化、クルーズ船の誘致に係るプロモーションの強化、海業振興計画に基づくビジネスモデルづくり、大規模な園芸施設を整備する企業の誘致に向けた取り組みなどに関する予算を計上しています。
 今後も、市町村や民間団体等の多様な主体と連携を図りながら、効果的に観光振興や産業振興に取り組むとともに、その成果の早期発現に努め、持続的に発展する沿岸地域の創造に取り組んでまいります。
 次に、石破首相の施政方針演説についてでありますが、国では、昨年、地方創生10年間の成果と課題を踏まえ、地方創生の再起動に踏み出しました。今回の石破首相の施政方針演説では、地方創生を政権の最重要課題の一つに位置づけており、地方の切実な課題に向き合ったものと考えます。
 沿岸被災地における地方創生は、東日本大震災津波からの復旧、復興の歩みでもありました。この間、沿岸被災地の人口は減少しましたが、一方で、復興道路を初めとする交通ネットワークの形成や市町村ごとのまちづくりが進み、みちのく潮風トレイルが海外主要メディアに取り上げられるなど、今後の基盤がつくられた10年でもありました。
 こうした成果を土台に、基幹産業である漁業を初めとする農林水産業や関連産業、地域の特色ある製造業などの振興とともに、三陸地域の魅力を生かしたインバウンド観光や輸出による海外展開を拡大し、さらに、ジェンダーギャップ解消により先進性を高めることで、若者、女性に選ばれる、世界に開かれた地方創生を進めていくことが重要であります。
 佐々木茂光議員から御紹介のあった地方創生の五つの柱には、性別によるアンコンシャスバイアスの解消、農林水産業、食品産業の高付加価値化や観光産業の活性化、二地域居住の促進などが掲げられており、県が進める、世界に開かれた地方創生、沿岸被災地の復興を後押しするものになるものと受けとめております。
 次に、ILCの推進についてでありますが、県では、毎年度の政府予算要望において、ILCの実現を最重点項目とし、関係省庁や与党、自由民主党への要望活動を行い、また、全国知事会等が行う要望においても、国の積極的な対応を求める内容を盛り込むなど、知事会等と一体となって要望を行っています。
 また、県内産業界が中心の岩手県国際リニアコライダー推進協議会や、産学官が連携して誘致に取り組む東北ILC推進協議会等、さまざまな推進団体と連携し、オール岩手、オール東北での要望活動を実施してまいりました。
 さらに、国内の研究者の調査研究を支援するとともに、海外の研究所への訪問や国際会議への協力等を通じ、海外の研究者や政府関係の有力者等と友好な関係を構築し、北上山地におけるILC実現への協力をお願いしてまいりました。
 こうした中、令和5年度は国のILC関連予算が倍増し、令和6年2月には新たに内閣府と文部科学省による加速器連絡会が発足、同年12月には自由民主党の政務調査会の中で有識者のヒアリングが行われ、新たな取り組みが始まっています。
 ILCをめぐる国際情勢は、佐々木茂光議員御紹介のとおり、日本、欧州、中国の三つの計画が同時に進められており、国内の議論を加速する必要があります。県としては、政府に一日も早い誘致の決断をしていただけるよう、県内外の推進団体等と一層の連携を図り、オール岩手、オール東北で、機運醸成の取り組みや関係省庁への働きかけを展開するとともに、ILCプロジェクトにより受け入れ環境の整備を着実に推進するなど、ILCの実現に向け全力で取り組んでまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔企画理事兼商工労働観光部長岩渕伸也君登壇〕
〇企画理事兼商工労働観光部長(岩渕伸也君) グループ補助金についてでありますが、グループ補助金を活用して復旧した施設、設備の売却や廃棄、補助目的外への転用といった財産処分の承認に伴って、これまでに返納された実績は、令和7年2月10日時点で延べ109件、3億7、389万円余となっております。
 こうしたグループ補助金の返納は、補助金等に係る予算執行の適正化に関する法等の関連法令に基づいて行われるものでありますが、一方で、この補助金が事業用財産の大部分を失った被災事業者の復旧支援が目的であることに鑑みれば、経営環境の変化に応じた業態転換や新分野への挑戦など、事業継続に向けて前向きに取り組む場合には、可能な限り柔軟な対応が必要であると考えております。
 このため、これまで、補助対象施設や設備を廃棄する場合であっても、同等の施設や設備を整備する事例、また、有償で譲渡する場合であっても、譲渡先が事業を承継し継続して事業継続する事例などについては、返納を求めずに財産処分を承認するといった柔軟な対応に努めてきたところであり、引き続き、国に対して、財産処分の背景や実態を丁寧に説明して、その共有を図りながら、被災事業者の事情を十分に考慮した対応に努めてまいります。
   〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕
〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 介護人材の確保についてでありますが、昨年12月の県内の介護職の有効求人倍率は、全産業の1.17倍に対して2.22倍となっているほか、令和5年度介護労働実態調査によりますと、本県の65.4%の事業所が従事者の不足を感じており、介護人材の確保は喫緊の課題であると認識しております。
 県では、参入の促進、労働環境、処遇の改善、専門性の向上の三つの視点から総合的に介護人材確保対策に取り組んでおり、特に、業務改善、業務効率化に資する介護ロボット、ICT等の導入支援や、介護職員等処遇改善加算の取得に向けた個別支援など、事業所の働きやすい職場環境づくりや処遇改善に向けた取り組みへの支援を強化してきたところであります。
 令和7年度においては、業務改善、業務効率化等に関する相談、支援にワンストップで対応する、(仮称)介護生産性向上総合相談センターを設置するなど、取り組みをさらに強化していくこととしており、引き続き、事業所が必要な人材を確保し、質の高いサービスを提供できるよう、市町村や関係団体等とも連携しながら取り組んでまいります。
   〔農林水産部長佐藤法之君登壇〕
〇農林水産部長(佐藤法之君) まず、新規漁業就業者の確保、育成についてでありますが、県では、いわて水産アカデミーを核とし、漁業の次代を担う人材の確保、育成に向けた取り組みを進めており、ホームページ等を活用した情報発信に加え、沿岸地区の高等学校の訪問、首都圏での漁業就業支援フェアへの出展などを行い、今年度は、これまでで最多の12名がアカデミーで研修するとともに、修了生32名が県内で漁業に就業しています。
 令和7年度は、本県漁業への関心をさらに高めていくため、令和7年度岩手県一般会計予算案に、新たに地域で活躍する女性漁業者の情報発信や、農業分野に続き、メタバースを活用した就業相談会の開催に要する経費を盛り込んでいます。
 アカデミーの修了生に対しては、修了から5年間、定期的な訪問による状況確認とともに、独立に向けた国事業等の活用への助言などのほか、令和7年度は、新たに新規就業者同士や地域の漁業者との交流会の開催など、地域を牽引する漁業者の育成に向け、市町村、漁業協同組合等と連携して取り組んでいきます。
 また、新規就業者を確保する上で、小中高生等に本県漁業の魅力などを伝え、漁業への興味を持ち、理解を深めてもらうことも重要と考えることから、県では、水産高校と連携して県内陸部の中学校での出前授業を開催し、これまでに4名が水産高校に入学しています。
 さらに、本県漁業を紹介するリーフレットの作成、配布や、漁業体験などの取り組みを行っており、小中高生等に漁業を将来の職業として選択してもらえるよう、さまざまな取り組みを進めていきます。
 次に、水産業の不漁対策についてでありますが、サケ等の主要魚種の不漁は、漁業者や水産加工業者などの経営に深刻な影響を及ぼしており、不漁に打ち勝つ新たな取り組みが必要と認識しています。
 県では、水産業リボーン宣言に基づく取り組みを進め、ウニの蓄養、出荷は、今年度15漁業協同組合に拡大したほか、サケ、マス類の海面養殖は来年度約3、000トンの生産が計画されるなど、取り組みが着実に広がっています。
 また、水揚げが増加しているマイワシ等について、加工原料として活用を図るセミナーの開催のほか、新たな販路や物流のビジネスモデルの構築や、水産加工業者が他の企業等と連携した新商品開発など、新たな取り組みを進めています。
 さらに、本年1月、新たに、いわて水産連携推進会議を設置し、生産と流通、加工分野の関係者による一体的な取り組みを進めていき、水産業が不漁に打ち勝ち、持続的に発展するよう取り組んでいきます。
 次に、藻場の再生についてでありますが、県では、アワビ、ウニ等の資源の回復、増大に向け、ブロック等の投入による藻場造成のハード対策と、ウニの間引き等のソフト対策を一体的に進めています。
 これまで、大船渡市など5地区13漁場において藻場造成の取り組みを進め、昨年度投入したブロックには、昆布等の海藻の繁茂が確認されています。
 令和7年度岩手県一般会計予算案には、新規の2漁場を含め藻場造成のさらなる拡大に必要な経費を盛り込んでいます。
 また、間引きしたウニの蓄養、出荷の取り組みが15漁業協同組合に拡大したほか、朝に水揚げしたウニを、新幹線等を活用し、高鮮度で首都圏に届ける物流モデルの構築に取り組んでおり、高単価で取引される年末に首都圏小売店との直接取引が実現したところです。
 県としては、今後も、関係機関、団体と一丸となって、藻場の再生と間引きしたウニの有効利用の取り組みが着実に進むよう、積極的に取り組んでいきます。
 次に、定置網被害についてでありますが、急潮による定置網被害は、令和5年度に8カ統、約2億9、000万円となっているほか、昨年8月の台風第5号による定置網被害は、14カ統、約3億円となっています。
 定置網に係る漁業共済制度は、不漁等による漁獲金額の減少を補償する漁獲共済と、災害等による施設損害を補償する漁業施設共済があり、令和5年度の加入率は、漁獲共済は99%、漁業施設共済は37%となっています。
 県では、関係団体と連携し、漁業施設共済制度への加入促進に向け、漁業者への説明会等を開催してきましたが、来月研修会を開催し、近年の定置網被害への備えとして、漁業共済制度への更なる加入を促進していきます。
 また、急潮による被害の防止や軽減に向け、急潮情報を適時に発出し、漁業者への注意喚起のほか、定置網の強靭化に向けた国事業の導入促進など、今後も関係団体等と連携しながら、漁業経営が安定するよう取り組んでいきます。
 次に、漁業協同組合の経営状況についてでありますが、県内の漁業協同組合は、マイワシの水揚げが好調なものの、秋サケの不漁やアワビの価格低下等により、令和6年度の決算においては、依然として厳しい状況が見込まれます。
 このため、県では、県漁業協同組合連合会等と連携し、経営改善の指導や円滑な資金調達に向けた制度資金への利子補給を実施するとともに、サケ、マス類の海面養殖などの新たな漁業、養殖業の導入を推進しています。
 また、令和6年度岩手県一般会計補正予算(第12号)において、さけ定置合理化等実証事業費補助を新たに盛り込み、漁業協同組合におけるサケ、マス類の海面養殖の種苗生産を一層促進することとしています。
 こうした取り組みに加え、漁業協同組合の販売事業の強化に向け、水産物の先進的なブランド化の取り組みや販路開拓の取り組み等を学ぶセミナーを継続して開催することとしており、今後も、漁業協同組合の経営安定と強化が図られるよう積極的に支援していきます。
   〔県土整備部長上澤和哉君登壇〕
〇県土整備部長(上澤和哉君) まず、国道343号笹ノ田地区の取り組み状況についてでありますが、昨年7月に開催した第3回国道343号笹ノ田地区技術課題等検討協議会において、整備方針案の検討を行い、長大トンネルを含む現道南側のバイパスルートが優位と考えられるものの、複雑な地質の課題が確認されていることから、広範囲に地質の状況を調査できる空中電磁探査を行うこととしました。
 これを受けまして、昨年9月にヘリコプターを用いて現地での地質データの測定作業を行い、現在は、専門家から助言をいただきながら、取得したデータの解析や解析結果の取りまとめ、技術的課題のさらなる検討を進めております。
 笹ノ田峠に新たなトンネルを整備することについては、大規模な事業となることが想定されることから、整備方針案や技術的課題の検討を慎重に進めていく必要がありますので、現時点では検討に要する期間やその先にある事業化の見通しをお示しすることはできませんが、引き続き、着実に検討を進めてまいります。
 次に、国土強靱化に向けた進捗状況についてでありますが、県道釜石住田線については、住田町中埣地区の900メートルの区間において、令和3年度に中埣工区として道路改築事業に着手し、今年度は用地測量を行っており、令和7年度岩手県一般会計予算案には、用地及び補償費等を盛り込んだところです。
 また、法面からの落石対策等については、国道340号の陸前高田市銭洞地区などで国土強靱化関係の補正予算も活用しながら進めております。
 これらの取り組みを着実に進めていくためには、国費の確保が重要であることから、昨年実施した令和7年度政府予算に関する提言・要望において、国に対し、公共事業予算の安定的、持続的な確保などを提言、要望したところであります。
 引き続き、さまざまな機会を捉えて国に働きかけていくなど、公共事業予算の安定的、持続的な確保に努めてまいります。
   〔医療局長小原重幸君登壇〕
〇医療局長(小原重幸君) 地域診療センターの役割についてでありますが、次期経営計画では、民間の医療機関が立地しにくい地域において、県立病院が身近な医療を継続的に提供していくことを役割の一つとして掲げ、地域診療センターについては、地域の初期医療等の外来医療を担っていくこととしています。
 これまでも地域の医療機関や介護施設、行政と連携し、かかりつけ医機能や訪問診療の実施を初め、町などが開催する健康講座への参画や新型コロナウイルス感染症等の各種予防接種の実施など、地域包括ケアシステムの一翼を担ってきたところであり、引き続き、地域のニーズに沿った医療の確保に努めてまいります。
   〔文化スポーツ部長小原勝君登壇〕
〇文化スポーツ部長(小原勝君) 学校部活動の地域クラブ活動への移行についてでありますが、県では、地域の受け入れ体制の整備を進めるため、令和3年度から、国の事業などを活用して、これまで、運動部活動においては12市町村、文化部活動においては1町が地域移行に取り組んでいます。
 また、昨年度策定した、地域クラブ活動の整備等に向けた県の考え方を示す、学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方に関する方針に沿って、令和6年度は、岩手県における地域クラブ活動の在り方に関する協議会を7月と本年2月に開催し、学校、保護者などの関係者と情報共有や意見交換を行ったところです。
 さらに、児童、生徒も対象とした、岩手県の中学生にとって望ましい環境について、さまざまな立場から意見を交わすワークショップや市町村等を対象とした相談会、先進事例の紹介等を行う事例発表会を開催してきました。
 令和7年度は、引き続き、これらの取り組みを実施するほか、地域移行を進める市町村へ助言や指導等を行うアドバイザーを配置することとし、かかる経費などを令和7年度岩手県一般会計予算案に計上したところです。
 こうした取り組みを通じて、教育委員会と連携し、市町村等における地域移行に係る課題の解決を図りながら、希望する子供たちが地域クラブ活動により多く参加できる受け入れ体制等の整備に取り組んでまいります。
   〔教育長佐藤一男君登壇〕
〇教育長(佐藤一男君) まず、不登校対策についてでありますが、不登校の背景や要因は多岐にわたり、個々の児童生徒の状況も多様でありますが、文部科学省では、児童生徒の休養の必要性を明示した、教育機会確保法の趣旨の浸透等による保護者の学校に対する意識の変化、コロナ禍の影響による登校意欲の低下などが考えられるなどとの見解を示しており、本県においても同様の認識です。
 不登校児童、生徒への支援については、不登校となった要因を的確に把握し、学校関係者や家庭、関係機関が情報共有し、組織的、計画的に、個々の児童生徒に応じたきめ細かな支援策を策定することや、社会的自立へ向けた支援をすることが重要です。
 県教育委員会では、これまで、魅力ある学校づくりによる不登校の未然防止、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置、市町村の教育支援センターの設置や拡充による相談支援体制の強化、フリースクール等民間団体との連携会議の開催、保護者等の支援を目的とした不登校支援フォーラムの開催などの取り組みを実施してきたところです。
 これらに加え、新たに、令和7年度岩手県一般会計予算案において、校内教育支援センターの支援員配置の補助に係る経費を措置したほか、児童生徒や保護者に対する支援や相談に関する情報が一体的に、より確実に届くよう、支援ガイドの作成やポータルサイトの構築など情報発信も強化するなど、児童生徒や保護者の一層の支援に取り組んでまいります。
 次に、県立高校の医系進学コースの設置についてでありますが、県教育委員会では、これまで、本県の地域医療を担う医師の確保に向け、いわて進学支援ネットワーク事業費や保健福祉部、医療局との連携による岩手メディカルプログラムの実施等により、医学部進学者の裾野拡大に取り組んできました。
 また、現在、策定に向け検討を進めている県立高等学校教育の在り方〜長期ビジョン〜では、10年、15年後の将来を見据えた岩手県の高校教育の基本的な考え方の五つの柱の一つに、大学進学率の向上や専門的知識を持つ人材の育成を掲げることとしております。
 医系進学コースの設置については、当該ビジョン策定を踏まえ、医学部医学科等への進学を見据えたカリキュラムの見直し、国からの教員加算を活用した単位制等の導入、地域の児童生徒の志望動向や保護者、地域のニーズ、地域の中学校卒業予定者数の推移等、さまざまな観点から、設置校も含め検討を進めてまいります。
 次に、県立高田高等学校への特色ある学科設置等についてでありますが、東日本大震災津波により流出した県立高田高校の実習船が米国のクレセントシティ市に漂着し、地元デルノーデ高校の生徒の尽力により、同校に返還されたことを契機に、2018年4月、陸前高田市とデルノーデ郡の間で姉妹都市協定が締結されるに至ったと伺っております。
 こうした中、陸前高田市から同校に対し国際学科の設置の相談がなされていると承知しているところですが、県立高校の新たな学科の設置や学科の改編につきましては、県立高等学校再編計画の策定時に、社会の変化や児童生徒及び保護者のニーズ、地域が必要とする人材、中学校卒業者数の推移予測といった多角的な視点から検討の上、実施してきたところであり、県立高田高校においても同様に検討する必要があります。
 一方で、学科改編等によらずに、現行の普通科文系コースの英語科目などの単位数をふやすことにより、生徒や地域のニーズに沿った教育内容の充実を図るといった方策もあります。
 県教育委員会といたしましては、引き続き、関係者による生徒や保護者のニーズ把握や、同校と陸前高田市の意見交換に対し適切に助言してまいります。
〇35番(佐々木茂光君) 答弁ありがとうございました。三つほど再質問させていただきたいと思います。
 まず第1点は、東日本大震災津波から13年、14年が経過するということで、沿岸部は人口減少が進んでおり、私が前々から言っているように、東日本大震災津波のときに陸前高田市でいえば1、700人、1、800人の方が一気に亡くなった状態から、14年たって人口がさらに減ってきている状況にあります。
 これまでの取り組みがどうだったのかというところはある程度、それぞれの自治体の取り組みもあれば、県の動きの中でそれぞれの自治体が行ってきているわけですけれども、そういった中で、県の示さんとする方向性というものが果たしてそれでよかったのかどうだったのか、検証があったのかどうかということをまず1点。
 これから地方創生という中に盛り込んだ形で、今度はそれぞれの自治体と連携を強めながら対策を講じていくということでありますので、その辺、詰めるところ、どういうところに力を入れて進めていくのか。今までどおりのやり方がいいのか、ある程度成果が出ないのであれば、方向も変えていく必要もあるのではないかと思うのですが、これからの取り組みについて、まず1点、お話をいただきたいと思います。
 それからもう一点は、ILCの今の置かれている状況をどのように捉えているのか。先ほど質問の中にも入れましたけれども、今が日本としての態度を示すリミットでないかという声も聞こえてくる中で、どのような対応を図っていくのか、そういった点をお示しいただきたいと思います。
 それからもう一点は、震災復興事業が終わって建設業の事業が大幅に落ち込んだわけで、先ほどお話しした法面の崩壊、落石が散見されてきております。気候変動によって、洪水になったり集中豪雨があったりということで、一般道路を含めて、内陸部もそうですが、急斜面の道路がある。そういうところが万が一崩れて事故でもあったならば、大変な大きな事故になるわけで、見えているところは早々に手をかけて、安全を確保するような工事をしたらいいのではないかということを提案しているわけですが、その辺のこれから取り組む姿勢等についてもお話をいただきたいと思います。
 明らかに仕事がないというのが今の現場の声です。先ほど答弁にもあったのですが、今、働き方改革をしながらも給料を上げたりするけれども、実際、その余力がないというのが現状の姿だということは恐らく承知していると思うのですが、いかにして建設業を含めて公共事業費を高めていくかという、この先の考え方についても、あわせてお話をいただきたいと思います。
〇知事(達増拓也君) ILCの状況についてでありますが、3月末までに次期大型円形加速器FCC−eeの実現可能性調査の報告が欧州において取りまとめられること、その3月末が、次期欧州素粒子物理戦略に対する世界の研究者からの第1回目の意見提出の締め切りとなっていること、そして、欧州戦略は、4月以降、追加の意見提出やオープンシンポジウムの開催などを経て、12月に草案が取りまとめられるということで、そのような流れの中で、非常に今、重要な時期を迎えていると受けとめております。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 被災地の人口減少対策について御質問をいただきました。
 復興の取り組み、あるいは被災地の取り組みということで、知事から三陸防災復興ゾーンプロジェクト等の取り組みについても答弁させていただいたところですけれども、こうした各般の取り組みにつきましては、適時評価等の見直しを行いながら取り組んできておりまして、新たな取り組みなどもそのたびに加えながら施策を展開してきたものと考えております。
 各市町村との人口減少対策への連携の強化というのは、本年度、来年度と取り組みを強化したいと思っておりまして、広域振興局における体制も強化させていただきたいと考えているところでございます。
 いずれ、県と市町村が一体となって地域の人口減少対策に立ち向かっていかなければならないと思っておりますので、一層連携を強化しながら取り組んでまいりたいと思っております。
〇県土整備部長(上澤和哉君) まず、道路落石対策のお話がありました。
 まず、道路の法面等につきましては、平時の道路パトロール等におきまして法面の異常等について確認し、緊急性がある場合等については対応をしているところでございます。
 また、県では、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランにおきまして、緊急輸送道路の落石等の要対策箇所93カ所のうち、令和8年度末までに31カ所の対策を完了することを目標として取り組んでいるところでございます。このうち、今年度末までに23カ所の対策が完了する見込みであり、引き続き、目標達成に向けて取り組んでいくとともに、平時のパトロール等にしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 また、建設業の事業費等のお話がありましたけれども、県民の安全、安心な暮らしを守り、地域の産業振興を支えるためには社会資本の整備は不可欠なものであり、公共事業予算については安定的に確保していくことが必要であり、これまでさまざまな機会を捉えて国に働きかけを行っておりました。本県は幅広い県土でございますので、そういった予算の安定的、持続的な確保に努めてまいりたいと思います。
〇35番(佐々木茂光君) ILCの件ですけれども、今、知事のお話を聞いていると、随分のんきに構えているなと、私はそういうふうに感じたのですけれども、実際、ILCが実現するために今、何が必要なのか、知事の今、考えていることをまず一つ聞きたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 日本の国会、そして関係省庁、国内外の研究者コミュニティー、これらが目標を具体的に共有したときに事業はスタートするわけでありまして、そのような調整が行われることができればスタートということになります。
〇35番(佐々木茂光君) そうであれば、そのスタートを切るための動きは当然必要なわけですよね。うちから働きかけるというのは、果たしておかしいのかどうなのか、そこまでは私も承知しないのですけれども、あれだけ北上山地を候補地として挙げられたときから、県民こぞって全力で取り組んで、それをトップである知事が皆様から受けて、何とかこの誘致に向けて全力で取り組もうということで今まで来ているわけです。
 知事がいつも言うのは、あくまでも日本の国の判断待ちなのだという態度でおりますけれども、それを覆すためにも、それを急がせるためにも、知事が自ら先頭に立って絶対これを実現させるのだという思いをぶつけながら取り組んでいかないと、これは実現する可能性はほぼゼロに近くなっていくのではないかと思うのです。ましてや今、そういう時期であるならば、もっと膝詰めして、逆に、知事が国と機運を高めていく必要があるのではないかと思うのですが、今後どのような態度で進めていくのか、まず知事の気持ちを聞かせてください。
〇知事(達増拓也君) 国をひっくり返してはILCは実現しないわけでありまして、先ほど述べた国会、関係省庁、そして国内外の研究者コミュニティー、それぞれの考え方の調整、すり合わせが進んでいるところでありますし、また、その中に岩手県も県として、また、オール岩手、あるいはオール東北として、そういった調整が進むように、あるときは周旋し、また、周旋している主体を支援するような形で進めているわけでありまして、これをきっちり進めていくことが肝要と考えております。
〇副議長(飯澤匡君) 以上をもって、佐々木茂光君の一般質問を終わります。
   
〇副議長(飯澤匡君) この際、暫時休憩いたします。
   午後4時9分 休 憩
    
出席議員(47名)
1  番 田 中 辰 也 君
2  番 畠 山   茂 君
3  番 大久保 隆 規 君
4  番 千葉秀幸 君
5  番 菅 原 亮 太 君
6  番 村 上 秀 紀 君
7  番 松 本 雄 士 君
8  番 鈴 木 あきこ 君
9  番 はぎの 幸 弘 君
10  番 高橋 こうすけ 君
11  番 村 上 貢 一 君
12  番 工 藤   剛 君
13  番 小 林 正 信 君
14  番 千 葉   盛 君
15  番 上 原 康 樹 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 高 橋 穏 至 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 高 田 一 郎 君
26  番 木 村 幸 弘 君
28  番 吉 田 敬 子 君
29  番 高 橋 但 馬 君
30  番 岩 渕   誠 君
31  番 名須川   晋 君
32  番 軽 石 義 則 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城 内 愛 彦 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 郷右近   浩 君
41  番 小 西 和 子 君
42  番 高 橋 はじめ 君
43  番 五日市   王 君
44  番 関 根 敏 伸 君
45  番 佐々木 順 一 君
46  番 岩 崎 友 一 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(1名)
27  番 佐々木 朋 和 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後4時27分再開
〇副議長(飯澤匡君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   
〇副議長(飯澤匡君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
〇副議長(飯澤匡君) 日程第1、一般質問を継続いたします。郷右近浩君。
   〔40番郷右近浩君登壇〕(拍手)

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