| 令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録 |
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〇40番(郷右近浩君) 希望いわての郷右近浩です。登壇の機会をいただきましたことに、先輩、同僚議員に感謝を申し上げ、通告に従い、順次質問いたしますので、知事、そして執行部には明快な御答弁をお願いいたします。
世界に開かれたいわて地方創生予算と銘打たれた県の令和7年度一般会計予算案は、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランに掲げる四つの重点事項をより強力に推進するため、国内外から注目を集める観光資源や農林水産物など、本県の強みや魅力を生かしたインバウンドと海外輸出の拡大、ジェンダーギャップ解消に向けた取り組みの強化、第一次産業や半導体産業、介護福祉分野等における人材の確保、育成等に力点が置かれており、施策の実効性に期待をするところであります。 また、これら県民にとって重要な施策を確実に打ち出しつつ、財政面では、政策評価結果等を踏まえた事業の見直しや再構築、重点化を進めるとともに、基金の長期資金運用、ふるさと納税の魅力化、電気事業会計からの繰り入れなど、歳入、歳出両面での努力により、収支ギャップを令和6年度岩手県一般会計当初予算の80億円から60億円まで圧縮されております。 これは令和5年度に設定した財政目標を3年連続で達成するものであり、政策推進と財政規律を両立させる知事の御尽力に敬意を表するものであります。 しかしながら、県が昨年9月に公表した、岩手県中期財政見通しによれば、人口減少等を背景として実質的な一般財源総額が毎年度減少していく一方、歳出は、人件費や社会保障関係費の増加のほか、金利上昇に伴い公債費も増加し、財政収支ギャップは令和8年度は137億円、令和10年度には190億円まで拡大していくと見込まれております。 今後、収支ギャップの拡大が見込まれる中、時々の県政課題を解決し、県民福祉を増進していくためには、安定した財政基盤の構築に向け、さらなる歳入確保の取り組みが必要であります。 以下、歳入確保の取り組みについて、提案も含めつつ当局の見解をお伺いいたします。 最初に、いわて森林づくり県民税のあり方について伺います。 私は、これまでもいわての森林づくり県民税のあり方について、繰り返し質問や提案をしてまいりました。令和5年12月定例会において、知事は、地方税は地方自治の根幹にかかわる部分であり、新たな超過課税の検討に当たっては、住民サービスの受益と負担の対応関係の明確性などの観点から、丁寧な議論が必要と答弁されております。 知事との議論を踏まえた中で、私は医療提供体制の確保、地域公共交通の維持、少子化対策など、さまざまな政策課題に対応するため、現実的に、まずは今の森林づくり県民税の使途をGX―グリーントランスフォーメーション施策等へ拡大することにより一層有効に活用し、そこで節約した一般財源を自然減、社会減対策等の県政課題への対応に振りかえること、言いかえれば、一般財源を押し出すことによる財源確保が可能であると考えます。 平成18年の制度創設以来の累計で、森林づくり県民税の税収は130億円を超えております。いわて環境の森整備事業費に約100億円が活用される一方で、令和5年度末で約14億円が基金に積み上がったままとなっております。 また、令和6年度から森林環境税が課税され、県や市町村への配分額もふえております。令和7年度には県民税の第4期が終了いたしますが、この現状を踏まえ、県民から集めた貴重な財源を有効に活用する方向で、それ以降の県民税のあり方を検討すべきではないでしょうか。第4期終了後の県民税のあり方について、使途拡大の是非も含め、知事の考えをお伺いいたします。 もう一点、超過課税以外の歳入確保策についても伺います。 冒頭述べたとおり、県はさまざまな歳入確保策に不断に取り組んでいることは承知しています。例えば、先月は新たな岩手県県有林J−クレジットの創出、販売を開始しています。この岩手県県有林J−クレジットは、適切な森林管理などによる二酸化炭素の吸収量がクレジットとして国の制度により認証されたものであり、県では平成22年度から令和5年度にかけて、5、594トンのクレジットを販売し、約9、000万円の収益を上げております。今回は、今後8年間で創出される約1万3、000トンで2億円の収益を見込んでいると伺っております。 岩手県県有林J−クレジットは、森林の価値を二酸化炭素の吸収という観点から金額換算し、長期的に収益化する取り組みであり、多くの森林を有する本県にとって絶好のビジネスモデルであると考え、私も平成21年から一般質問などの機会を通じて全国に先んじた排出量取引等への参入、そして拡大を提案してまいりましたが、今後も豊かな森林など自然の恵みを有する本県の強みを生かした歳入確保のさらなる取り組み強化により、将来にわたり持続的にGX施策の財源を確保し、そこで捻出した財源を他の分野の重要施策に活用していくという考えもあると考えますが、県の所見を伺います。 次に、地域医療のあり方についてお伺いいたします。 人口の自然減が招く超高齢化社会の到来によって社会構造に大きな問題が生じる、いわゆる2040年問題が提唱されて久しくなります。岩手県にあっては、平成11年以来続く自然減に人口流出が加わり、年々、人口減少のスピードは増しており、一層危機感を強く覚えるものであります。 超高齢化社会の到来による社会問題は、さまざまな分野に及びますが、その中でも社会のセーフティーネットたる医療について伺ってまいります。 国は昨年末、医療、介護の複合ニーズを抱える85歳以上人口の増大や、現役世代の減少に地域医療の分野でいかに対応していくか、新たな地域医療構想に関する取りまとめを行いました。将来のあるべき医療体制の実現に向け、高齢者救急や在宅医療の需要への対応、医療従事者の確保を図りながら、地域に必要な医療を維持することを目指していくために、治す医療を担う医療機関と、治し支える医療を担う医療機関の役割分担を明確化し、医療機関の連携、再編、集約化を推進することが基本的な考え方として盛り込まれております。 また、構想区域をめぐっても、対応する医療領域に合わせ、従来の二次医療圏を超え、あるいは、在宅医療の分野では、二次医療圏より狭い区域での議論も必要とされるなど、地域医療のあり方が根本的に見直される契機となるような大きな構想であると私は受けとめております。 公的医療機関の割合が高い岩手県にあっては、県立、市町村立病院との新たな医療構想の議論に丁寧に耳を傾け、あるいは議論に参加し、地域医療の担い手として対応していく必要があると考えます。都道府県の地域医療構想の策定ガイドラインは来年度示されるとされており、県としての策定作業はこれからと認識しておりますが、さきに述べましたように、岩手県は国立社会保障・人口問題研究所の予測を上回る速度で人口構造の変化が起きており、高齢者の増加も全国に先駆けて起こっている課題先進県であります。 知事は、岩手県の置かれている現状を踏まえ、今回の国の地域医療構想の考え方をどう評価しているのか、考えをお聞かせください。 また、厚生労働省は昨年12月、医師偏在に関する新たな対策パッケージを公表しました。重点医師偏在対策支援区域の設定や、区域内での経済的インセンティブの支援など、これまでから一歩踏み込んだ内容ではあるものの、まだまだ十分なものとは言えないものと考えます。 達増知事は、自ら発起人となり、令和2年に地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会を立ち上げて以降、これまで毎年度省庁要望を重ね、また、早くから地域医療基本法の構想を打ち出し、学会やシンポジウムの開催を通じ、医師の確保に関する国民的世論を形成してまいりました。今回の国の対策パッケージの策定にも大きく寄与してきたものと評価するものであります。 岩手県の医師偏在指標はいまだに全国最下位であり、対策パッケージをより充実させ、地域医療のかなめである医師確保を一層進めていく必要があります。人口減少が進む中にあって、地域医療を維持していくことは今まで以上に困難になっていくことも見込まれますが、国の地域医療構想を踏まえ、今後、地方における地域医療はどのように維持していくべきなのか、県としてどのような対応をしていく必要があるのか、知事の考えをお聞かせください。 次に、患者視点に立った入院医療と経営改善について伺います。 昨今、県立病院はもとより、全国の公的病院から厳しい経営状況が伝えられており、コロナ禍前に比べ入院患者が大きく減少していることや、給与費や経費の増に診療報酬が対応していないことが原因とされております。 病院のかつてない経営環境の悪化は、公定価格で運営せざるを得ないことに起因する構造的な事情が大きいものと考えますが、一方で、国の動きが機敏とは言いがたく、まずは自らの経営努力をしていくことも必要であると考えます。 最大の経営改善策の一つは、病床利用率の向上でありますが、最近、身の周りでも入院から退院までの期間が短く、もう少し入院させてほしいという患者についても病院から退院を促されるという例を聞くことが多くあります。適切な治療が施された上での退院とは思いますが、今後、高齢者人口の増加によって独居の方々もふえ、退院後の生活を見据えたリハビリ治療等の重要度も増していくものと考えます。 県民に医療の安心を提供することは県立病院の使命であり、おのずと病床利用率の向上にもつながる取り組みであり、ひいては、県立病院の経営改善につながる好循環と考えますが、県立病院としての病床利用率向上の取り組みを伺います。 次に、産業振興について伺います。 県内のものづくり産業は、コロナ禍や半導体不足で一時低迷したものの、国内外の堅調な需要に支えられ、2022年には本県の製造品出荷額が初めて3兆円を突破し、半導体関連は自動車関連の6、697億円を抜いて7、024億円と前年の1.5倍に成長するなど好調であります。これまでの戦略的な取り組みが大きな雇用の創出と地域経済の下支え、発展の基盤をつくっているものと高く評価しております。 ものづくり産業の集積が進む県央部、県南部の北上川流域は、豊かな自然、歴史、文化に囲まれた全国的にも例がない地域であり、知事演述では、北上川流域の特徴を生かしながら、一層の産業振興と生活環境の充実を進めるとのことでしたが、今後のものづくり産業振興をどのように進めていくのかお伺いします。 現在、本県では自動車関連産業や半導体関連産業など国際競争力の高いものづくり産業が中心となって県内経済を牽引しているところであります。しかし、近年、県内に立地する大規模誘致企業の多くはグローバル企業であり、その業績は世界経済や国際間競争、技術の進展等に大きく左右され、これまでも全国各地で企業の誘致と縮小、撤退が繰り返されてまいりました。 新たな企業の進出や規模拡大は地域で多くの雇用を創出し、県内経済の活性化にも大きく寄与しておりますが、人口減少が加速する中で労働者が誘致企業へ集中する一方、中小企業が主体となる地場産業では、従業員の退職や新規採用難から人手不足が顕著となっており、古くから地域経済に貢献してきた地場産業の空洞化が懸念されるところであります。 中小企業の物価高騰対策として賃上げ支援も行われてきたところですが、持続的な賃上げの原資も乏しいため賃金格差は大きくなり、労働者に選ばれる企業として魅力ある雇用環境の実現や生産性の向上も非常に難しい現状であります。 知事演述で触れられた、世界で高い評価を受けている伝統工芸品などは地場産業の主要な製品でありますので、輸出拡大などを契機に新しい地方創生につながっていくことにも期待をしているところであります。南部鉄器や漆を初めとした伝統工芸や豊かな恵みを生かした食産業、日本酒といった特色ある地場産業を維持、強化していくために、今後どのように取り組んでいくつもりなのか、知事にお伺いいたします。 次に、産業インフラの整備について伺います。 県南地域において、自動車、半導体関係を中心に産業集積が進んでいるところでありますが、物流面に関しては、東日本大震災津波以降、釜石自動車道路が整備され、釜石港はガントリークレーンの整備によってコンテナ取扱高が増加し、沿岸地域と内陸地域を結ぶルートが形成されております。 トヨタ自動車東日本株式会社で生産される完成車については、現在、仙台港から出荷されているところですが、さきの報道にあった、トヨタ自動車による国内生産体制の再編により、2030年を目途に東北地域でも20万台が追加生産されることとなれば、現状でも飽和状態である仙台港だけでは足りなくなり、釜石港からの完成車の出荷も大いに期待されるところであります。 完成車及び物品物流も含め、港湾利活用に向けた北上市、金ケ崎町、奥州市などの県南地域の工業団地から江刺田瀬インターチェンジまでの区間、いわゆるパシフィックルートの整備、さらには、釜石港公共ふ頭の拡張整備、釜石両石インターチェンジのフルインター化など、一体で中長期的に整備計画を立てて、さらなる産業振興を進めていくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、物価高騰対策についてお伺いいたします。 県民生活を守るために急務となっている物価高騰対策について伺ってまいります。 報道によると、去る1月24日に招集された通常国会において、下請代金支払遅延等防止法、通称、下請法を改正する法律案の提出が予定されているとのことであります。 また、これに先立ち、先月16日、首相官邸において関係閣僚、中小企業の経営者らが参加する中小企業の価格転嫁や賃上げに関する会合が開催され、石破首相は、価格転嫁を阻害する商慣習の一掃に向けて取り組んでいく、改正法案はなるべく早く国会に提出し、価格転嫁や取引適正をさらに徹底したいとも述べております。 一方、県内の状況に目を向けると、四半期ごとに県が実施しているエネルギー価格・物価高騰等に伴う事業者の影響調査結果によれば、原材料費や人件費の価格転嫁状況の回答状況は、一部実現したとの回答が53%と最も多い割合を占めていますが、その内訳を見ると、価格への反映割合が1割未満という回答が45%、1割から3割未満が約35%となっているなど、価格への転嫁が十分にできていない事業者がほとんどであります。 〔副議長退席、議長着席〕 また、価格転嫁を実現したとする回答が卸売業、小売業、宿泊業などを中心に全体の約14%となっている一方で、実現しないとしている回答が、運輸業、サービス業、建設業などを中心に約13%に上るなど、県内中小企業においては、必ずしも適正な価格転嫁が進んでいない状況にあります。 実際に、私の地元である奥州市では県内鋳物産業の一大産地が形成されておりますが、産業機械鋳物業の関係者から、適正な価格転嫁が進んでいないとの声も聞いております。 これまでのような雇用を維持するため、賃金や物価を据え置くといったデフレ時代の商慣習から脱却し、県内中小事業者においても、主体的かつ継続的に適切な価格交渉を行い、適切な賃金水準を維持することができる環境整備が必要とも考えますが、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 生活者支援について伺います。 政府では昨年11月、国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策を閣議決定し、一般会計の歳出総額で13兆9、433億円、物価高の克服に3兆3、897億円を投じる補正予算を成立させました。この中で自治体の物価高騰対策を支援するものとして、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金として6、000億円を措置しております。 本県でもこの交付金を活用して、さきの12月臨時会において、55億円余の原油価格・物価高騰対策の補正予算を成立させたところであります。本対策の内訳を見れば、生活者支援関連で26億円、事業者支援関連で29億円余となっておりますが、事業者支援に近い岩手県物価高騰対策賃上げ支援費の19億円余を除けば、生活者支援関連は、LPガス価格高騰対策費と学校給食物価高騰対策等支援費の合わせて6.5億円余であります。 さらには、本定例会に提案されている令和7年度岩手県一般会計予算案においても、事業者支援関連として、中小企業等賃上げ環境整備支援事業費補助等が計上されているものと承知しております。 物価高騰の影響は、生活者、事業者が等しく受けるところであり、また、人手不足に苦しむ中で賃上げをせざるを得ない県内事業者の苦境を考えれば、もとより事業者支援の充実は必要であり、賃上げ支援等の事業者支援も手取り額の増加という形で生活者支援の面があるとする県の考え方を否定するものではありませんが、課題となっているのは、今、生活に苦しんでいる方々を速やかに支援することであり、即効性があるかどうかという点であると考えます。 さきの知事演述では、物価高騰に対し、県民の暮らしと仕事を守るため、生活者支援、事業者支援を講じてきたほか、今後も県民に寄り添った施策を機動的に講じると述べられました。速やかに県民の生活を支えることができ、かつ地域経済にも循環するような生活者支援策が必要と考えますが、知事の見解をお伺いいたします。 次に、訪問介護事業所等の支援について伺ってまいります。 厚生労働省が昨年末に公表した統計によると、令和5年度の要介護、要支援認定者数は約708万人であり、介護保険制度がスタートした平成12年度の約256万人と比べ2.8倍に増加しております。 一方、介護サービスを提供する事業者や施設の令和5年度の従事者数は、前年から2万9、000人減の約212万6、000人と初めて減少に転じました。高齢化が加速する一方で、介護従事者の減少が続けば、介護サービスを提供できない事業者が増加し、介護難民が発生することが危惧されます。 また、株式会社東京商工リサーチの調査によると、昨年の介護事業者の倒産件数は、介護保険制度開始以降で最多の172件に上っております。業種別内訳では訪問介護が最も多く81件となっており、基本報酬のマイナス改定が影響したのではないかという見方もあります。 倒産件数のうち、小規模、零細事業者が多数を占めており、効率化や協働化の支援が必要との意見もありますが、まずは訪問介護サービスの提供に支障が生じないよう、従事員の確保につながる処遇改善を行えるような制度設計が必要ではないかと考えます。 介護報酬の引き上げは、保険料や利用者等の負担増を伴いますが、サービス自体が受けられなくなるようであれば、制度として本末転倒ではないのでしょうか。 県議会においても、令和6年6月定例会で訪問介護費の引き下げ撤回と介護報酬引き上げの再改定を早急に行うことを求める請願を採択しております。このような現状を踏まえ、国に対応を強く、さらに強く求めていくべきと考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 そうした中での訪問介護事業所への支援について、さらにお伺いしてまいります。 また、厚生労働省の資料によると、令和5年度の訪問介護員の有効求人倍率は14倍を超えております。人材確保が厳しい状況にある中で、訪問介護サービスを安定的に提供できる介護報酬の設定と合わせ、訪問介護事業所への早急な支援が必要と考えます。今定例会に提出されている令和7年度岩手県一般会計予算案には、訪問介護事業所を対象とした事業が新たに盛り込まれておりますが、県として訪問介護事業所をどのように支援していくのかお伺いいたします。 次に、危機事案対応についてお伺いいたします。 東日本大震災津波からの復旧、復興が続く中においても、たびたび発生してきた大規模な自然災害に加え、全国的に感染が拡大し、世界中で多くの死者や重症者が発生した新型コロナウイルス感染症への対応、昨年1月に発生した能登半島地震を初め、他県での大規模災害発生時には本県も職員を随時派遣されているほか、洋野町で昨年発生した豚熱への対応、ことしは新年早々に高病原性鳥インフルエンザが連続発生し、過去最大の事案となるなど、これまでにないペースで頻発する危機事案への対応が求められているところであります。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大時にはBCP―業務継続計画を実施するなどの取り組みも進められてきたところですが、自治体に求められる基本的な役割を考えると、マンパワーにも限界があり、対応する職員への心身への負担も心配されるところであります。 県では、東日本大震災津波からの復興に向けた取り組みの推進とともに、自然災害や感染症等の危機事案などへの対応を一元的に統括することなどを目的として、令和3年度に復興防災部を新設し間もなく4年となりますが、この間の成果を踏まえて、近年、同時多発的に発生する危機事案に対し、効果的かつ迅速に対応するため、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 また、この危機事案対応に不可欠な建設業への支援についてお伺いしていきたいと思います。 今回の高病原性鳥インフルエンザ防疫作業に当たっては、一般社団法人岩手県建設業協会を初めとする関係団体にも御協力いただいたことに関し、改めて私からも感謝申し上げたいと思います。 地域の建設業の方々には、県職員や自衛隊、市町村職員が殺処分を実施した後、最終的な埋却処理を行うための重機オペレーターとして、昼夜を問わず従事していただいたところであり、人手不足や従事者の高齢化が著しい中、夜間や早朝の長時間労働は県職員以上の負担となっていたのではないかと推察されます。 県内の建設業者においては、今回の防疫作業を初め自然災害発生時の応急復旧などの危機事案対応、また、社会資本の整備やインフラの維持管理などの担い手として、従来から住民生活における重要な役割を担っていただいてまいりました。 一方で、昨年、負債額が1、000万円以上となった県内企業の倒産件数のうち、建設業が前年より大幅に増加しており、復興需要の一巡や物価高騰、人件費上昇が重くのしかかったのではないかとの報道もあり、厳しい経営環境が浮き彫りになっています。 県土整備の公共事業費については、令和3年度から防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を活用し、震災前の平成22年度を上回る規模を確保しているとのことですが、建設業を取り巻く環境変化などの要因もあり、一部からは依然として厳しい状況に変わりないとの声も聞くところであります。 安全、安心な地域づくりに欠くことのできない地域の建設業が持続的に発展していくためには、適切な受注環境の維持とともに、経営改善に向けた支援等も必要ではないかと考えますが、県の取り組みについてお伺いいたします。 以上、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 〔知事達増拓也君登壇〕 〇知事(達増拓也君) 郷右近浩議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、いわての森林づくり県民税についてでありますが、いわての森林づくり県民税については、これまで、公益的機能の高い森林へ誘導する間伐や、地域住民等が取り組む森林づくり活動の支援などに活用してきたところであり、森林の公益的機能の向上や県民の森林環境保全の理解醸成に大きく貢献しています。 一方で、近年の森林や林業を取り巻く情勢は、気象災害の激甚化や野生鳥獣の生活圏への出没の増加、身近な森林空間の重要性に対する認識の高まりなど、制度創設時から大きく変化しており、こうした変化に的確に対応していくことが必要と考えています。 県では、昨年9月に県民や関係団体等の意見を直接伺う県民懇談会を県内4カ所で開催したほか、県民や市町村等を対象にアンケート調査を実施するなど、広く意見を伺いながら議論を深めてきました。 県民懇談会やアンケート調査では、熊、鹿等の野生動物の出没抑制対策や、災害時に下流に被害を及ぼさないための流木対策が必要などの意見が出されています。 今年度末には、事業評価委員会が森林づくり県民税の今後の方向性に関する提言を取りまとめることとなっており、県としては、事業評価委員会の提言を踏まえるとともに、県民の皆様や県議会の御意見等を伺いながら、鳥獣被害対策、防災対策など、県民生活に直接かかわる分野等への使途拡大の可否について、具体的な検討を進めてまいります。 次に、新たな地域医療構想についてでありますが、国においては、85歳以上人口の増大や人口減少がさらに進む2040年を見据え、新たな地域医療構想等に関する検討会を設置し、外来医療や在宅医療、介護との連携を含めた将来あるべき医療提供体制の実現に向けて、地域医療構想の議論すべき論点を拡大するとともに、医療機関機能の明確化、都道府県の責務や権限、市町村の役割、財政支援のあり方等について検討を行い、昨年12月に取りまとめを公表しました。 国では、この取りまとめを踏まえ、来年度、新たな地域医療構想の推進に関するガイドラインを策定し、このガイドラインをもとに、都道府県は、地域の実情に応じた地域医療構想を策定することとなっています。 郷右近浩議員御指摘のとおり、本県では全国よりも早く高齢化が進むため、在宅医療の推進や医療、介護、福祉との連携が喫緊の課題であることから、今般示された新たな地域医療構想の方向性は、本県の実情に即した内容であり、来年度策定されるガイドラインにおいて、具体的な取り組みなどの詳細が示され、各地域で議論が深まることを期待しています。 次に、今後の地域医療のあり方についてでありますが、医師確保については、昨年12月に国から示された医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージの取り組みに加え、先ほど答弁申し上げた新たな地域医療構想の方向性の一つとなっており、来年度、国が策定するガイドラインでその取り組みの詳細についても示されることとされています。 地域の医療提供体制を維持していくためには、医師を初めとする医療従事者の確保が不可欠であり、特に、ガイドライン策定において重点的に検討される高齢者救急や在宅医療などの医療機能と、それらを担う医師の確保が重要であると認識しています。 新たな地域医療構想の策定にあたっては、このガイドラインの内容を踏まえ、医療関係者や地域の方々などを交えて、県民総参加型の議論を行い、県民に身近な医療を持続的に提供できるよう、救急医療から在宅医療、さらには福祉との連携に至るまで、切れ目のない持続可能で希望ある医療提供体制の構築に向けた取り組みを推進してまいります。 次に、今後のものづくり産業の振興についてでありますが、持続的に地域経済の発展を図っていくためには、国際競争力が高く、地域の産業、雇用に好循環をもたらすものづくり産業の振興が重要であることから、北上川流域を中心に、自動車、半導体関連産業、さらに医療機器関連産業を第3の柱として産業集積を進めているところです。 こうした中、トヨタ自動車株式会社が国内の生産体制を再編して東北地方での生産を強化するとの報道があり、また、ことしの夏から秋にかけて、キオクシア岩手株式会社の第2製造棟の稼働、半導体製造装置メーカーである東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ株式会社の新工場や空気圧制御機器メーカーのSMC株式会社のサプライヤーパーク完成などが予定されており、加えて、県央地域では医療機器関連産業の集積が拡大するなど、さらなる成長を続けております。 関係する企業の方々からは、すぐれたものづくり人材の確保に加え、豊かな自然や文化、田園風景、世界遺産などと都市機能の調和がとれた産業集積となっていること、さらには、再生可能エネルギーが豊富であるといったことなどが高く評価されており、本県の大きな強みになっていると認識しております。 今後においても、これらの産業集積を引き続き進めつつ、先端技術やオンリーワン技術を活用したスタートアップ企業の育成や、本社機能を含めた研究開発型企業の集積などを進めていく考えです。 また、北上川流域におけるものづくり産業の振興を住環境や生活環境の充実、さらには、最先端の技術の他分野への波及、県民の生活の質の向上につなげ、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる北上川バレープロジェクトの推進を図っていきたいと考えております。 次に、地場産業の振興についてでありますが、盛岡市がニューヨークタイムズ紙に掲載されたことなどを契機として、さまざまなメディアに岩手県の豊かな自然環境とともに、すぐれた食材、日本酒、鉄器や漆などの伝統工芸品が取り上げられており、国内外から本県への注目が高まっています。 また、先般の北米や、一昨年のマレーシア、シンガポールでのトップセールスを通じて、これらの国々では日本食レストランが増加していることなどを背景に、本県のおいしい食材や日本酒などに対する関心が高まっていることを実感いたしました。 こうした中、本県の農林水産物や加工食品、工芸品などの地場産品の輸出額は年々増加しており、2022年に約64億円と過去最高を記録しました。 また、本県を訪れる外国人観光客も大きく増加しており、こうした方々に本県の食を実際に味わい、伝統工芸品に触れ、さまざまな地場産品を購入いただいて、その感動をSNSで発信してもらうなどで、さらなる購買につながるといった好循環が期待されます。 このような状況を踏まえ、令和7年度岩手県一般会計予算案において、新たに輸出を行おうとする事業者を対象としたセミナー開催、また、海外での展示会への出展支援や、いわてフェアの開催、さらには、海外メディアを招いての地場産品の紹介などを盛り込んでおります。 このような取り組みとあわせて、地場産業と学生をつなげる体験実習なども行うこととしており、事業者や関係機関との連携のもと、人材育成や販路拡大に向けた支援などを行いながら、本県の特色ある地場産業の振興を図ってまいります。 次に、生活者支援についてでありますが、県民の暮らしと仕事に対する物価高騰の影響が続いている中、郷右近浩議員御指摘のように、伸び悩んでいる消費を喚起し、地域経済の好循環をつくり出すことは重要であります。 国の家計調査によれば、食料品等の価格高騰の影響等により、家計の消費支出に占める食料費の割合が数十年ぶりの高い水準にあり、特に、年収の低い階層では3割を超え、物価高騰の影響を強く受けています。 このため、県では、市町村と連携して、生活困窮世帯に対する冬季間の灯油購入費等の助成や、低所得世帯も含め広く県民の負担軽減につながるLPガス価格高騰対策などを行っております。 加えて、市町村では、国の交付金を活用して、住民税非課税世帯向けに給付金の支援などを行うことと承知しており、県、市町村で低所得世帯の消費の下支えを通じ生活者支援に取り組んでおります。 また、地域経済の好循環には、持続的な賃上げが重要であることから、県では、県内の賃金水準上昇の契機となるよう、賃上げした中小企業者等に対し、1事業所当たり最大300万円を交付する支援策を12月臨時会で議決いただいたほか、令和7年度岩手県一般会計予算案にも賃上げ支援策を盛り込んでおります。 こうした支援策を必要な方に迅速かつ確実に届けることで、県民の消費喚起と地域経済の好循環を図っていきたいと考えます。 その他のお尋ねにつきましては、企画理事及び関係部局長から答弁させますので、御了承をお願いします。 〔企画理事兼商工労働観光部長岩渕伸也君登壇〕 〇企画理事兼商工労働観光部長(岩渕伸也君) 適切な価格転嫁の実現に向けた取り組みについてでありますが、本県では、令和5年7月に、県内の中小事業者における適切な価格転嫁の機運醸成や、賃金の引き上げ等に必要な環境整備を進めるため、国や商工指導団体、経済団体等とともに、価格転嫁の円滑化による地域経済の活性化に向けた共同宣言を行い、企業が発注者の立場でサプライチェーン全体の共存共栄等を宣言するパートナーシップ構築宣言の普及拡大や、価格転嫁による経営の安定や生産性向上などの理解促進などの取り組みを進めております。 具体的には、中小企業の価格交渉力強化のためのセミナーの開催、価格転嫁に関する支援策やパートナーシップ構築宣言、国が策定した労務費の適切な転嫁のための価格交渉の指針などの周知、参画団体の取り組み状況や課題等の情報交換のための連絡会議の開催等に取り組んでいるところでございます。 また、今月10日には、いわてで働こう推進協議会に引き続く形で、賃上げや適正な価格転嫁の実現に向けた国の取り組みを議題とし、公正取引委員会も参加して地方版政労使会議が開催されたところであり、これらの国の取り組みと連動しながら、関係機関が連携して、適切な価格転嫁の実現に向けた環境整備を進めてまいります。 〔企画理事兼保健福祉部長野原勝君登壇〕 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) まず、訪問介護の基本報酬引き下げに伴う影響と県の対応についてでありますが、本県における令和6年度の訪問介護事業所の状況については、令和7年1月末現在で、8事業所が新規開設された一方で、12事業所が休廃止しており、そのうち3事業所が経営難を、6事業所が人材不足を理由としております。 また、関係団体との意見交換などにおきましても、人材不足や経営状況の厳しさから、利用者の希望に十分に応えられない状況が懸念されると伺っているところであります。 県としては、これまでも安定的なサービス提供が図られる適切な水準の介護報酬の設定や介護人材確保対策の一層の拡充等について、継続的に国に要望してきたところであり、今後とも国による介護報酬改定の効果検証や関係団体との意見交換などを通じて、訪問介護事業所等の実態把握に努め、国への働きかけをさらに行ってまいります。 次に、訪問介護事業所への支援についてでありますが、本県における令和6年4月から12月までの訪問介護職の有効求人倍率は、平均で11.33倍と介護関係の職種の中で最も高くなっており、訪問介護事業所における人材確保は喫緊の課題と認識をしております。 県では、これまで、介護ロボット、ICT等の導入支援や介護職員等処遇改善加算の取得に向けた個別支援など、事業所の働きやすい職場環境づくりや処遇改善に向けた取り組みへの支援を強化してまいりました。 これらの取り組みに加え、新たに訪問介護事業所等における人材確保体制の構築や、経営改善に係る取り組みを行う経費に対する支援につきまして、令和7年度岩手県一般会計予算案に計上し、今定例会に提案しているところでございます。 今後とも、地域において必要な介護サービスを安心して受けられるよう、訪問介護事業所等の担い手の確保や経営の安定化につながる取り組みを支援してまいります。 〔総務部長千葉幸也君登壇〕 〇総務部長(千葉幸也君) 超過課税以外の歳入確保策についてでありますが、県ではこれまで、岩手県県有林J−クレジットの発行や、電気事業会計から一般会計への繰り入れといった、豊富な自然環境を有する本県の強みを生かした歳入確保策を講じてきたところでございます。 これらは、本県におけるグリーン社会の実現に向けたGX―グリーントランスフォーメーションの取り組みを始め、本県の各種施策の推進を下支えする上で、継続的かつ安定的な財源として重要であると認識しております。 郷右近浩議員御指摘のとおり、本県のポテンシャルを踏まえ、歳入確保に向けた取り組みをさらに強化していく必要があると考えており、不断に検討を進めてまいります。 〔医療局長小原重幸君登壇〕 〇医療局長(小原重幸君) 県立病院の病床利用率向上の取り組みについてでありますが、県立病院全体の病床利用率は、入院患者の減少などによりコロナ禍以前の令和元年度72.4%から、5類感染症移行後の令和5年度は65.9%に減少しているところであります。 このため、今年度におきましては、まず新入院患者確保の取り組みとして、新型コロナウイルス感染症対応等に伴い、紹介患者の抑制を依頼してきた医療機関や介護施設からの積極的な患者紹介に向けた連携強化、救急患者に対する医療安全や患者、家族等の負担に配慮した経過観察入院の推進、地域で介護や医療を受けている方や家族の休養を目的とした、いわゆるレスパイト入院の利用促進などを行っております。 また、既に入院している患者の退院後の生活向上や再入院のリスクを減らす取り組みとして、安全な服用方法、副作用情報などの薬剤指導、疾患に適したメニューや調理方法などに関する栄養指導、自立した日常生活復帰へ向けたリハビリテーションなどの充実を図っております。 このような取り組みなどは、病床利用率の向上や経営改善に資するものであり、今年度の第3四半期の病床利用率においても、73.3%と改善傾向にあることから、今後も継続して取り組みを進めてまいります。 〔県土整備部長上澤和哉君登壇〕 〇県土整備部長(上澤和哉君) まず、産業インフラの整備についてでありますが、釜石自動車道を含めた道路ネットワークの構築やガントリークレーンの整備により釜石港の利便性が向上しており、県では、こうした事柄をPRしながら、集貨拡大に向けたポートセールスを行っているところです。 県南地区の工業団地から釜石港などの太平洋側への主要な物流ルートについては、トヨタ自動車東日本株式会社などの県南地区に立地する企業が構成員となっている、北上金ケ崎パシフィックルート整備促進期成同盟会から、国道456号の拡幅などに関する要望をいただいております。 現在、国道456号の課題箇所の解決手法などの調査を進めているところであり、同盟会とも意見交換しながら、県南地区の工業団地から釜石港へのアクセスのあり方の検討や三陸沿岸道路の機能強化を国へ要望するなど、道路と港湾が連携し、いわて県民計画(2019〜2028)に基づき、産業の基盤となる社会資本の整備、利活用を推進していきます。 次に、危機事案対応に不可欠な建設業の支援策についてですが、地域の建設業は、社会資本の整備や維持管理の担い手であるほか、自然災害や高病原性鳥インフルエンザ等の発生時に即応できる存在として、地域に欠かすことのできない重要な守り手であると認識しており、受注機会の確保などを通じ、経営力の強化を図ることが重要と考えています。 このため、県では建設業地域懇談会等で寄せられた意見を踏まえ、総合評価落札方式において企業の施工能力や地域精通度等の評価項目を見直しするなど、入札制度の改正に取り組んでいるところです。 また、いわて建設業振興中期プラン2023において、経営力の強化などを施策として位置づけており、経営管理能力の向上を目的とした経営革新講座の開催や、経営指導コーディネーターによる経営相談等を行っているところです。 引き続き、建設業団体等との意見交換を行いながら、適切な受注環境の整備や本業の経営強化への支援に取り組んでまいります。 〔復興防災部長福田直君登壇〕 〇復興防災部長(福田直君) 同時多発的な危機事象への対応についてでありますが、県や市町村の人員が限られる中、災害や家畜伝染病といった危機事象が同時に複数発生した場合に重要となるのは、民間との連携による危機対応力の強化であると考えております。 災害については、まず、自助、共助、公助の原則があり、指定公共機関である民間主体との連携も確保されていますが、家畜伝染病については、民間との連携を個別に積み重ねざるを得ないのが実態となっております。 特に家畜の殺処分については、我が国では主に県の職員が自衛隊などの応援をいただきながら懸命に従事する一方、フランスなど海外では公務員の働き方の違いもあり、民間委託などが一般的とされております。 今シーズンの高病原性鳥インフルエンザ対応では、本県でも初めて殺処分に民間委託を一部で導入しましたが、今後、民間委託をより活用しやすい環境の整備について、国に要望を行ってまいりたいと考えております。 加えて、家畜伝染病に関する県対策本部の事務局機能についても、災害対策本部の例を参考としつつ、全庁的な人員確保を図ることができないか、こちらも検討を進めてまいります。 〇40番(郷右近浩君) 御答弁、皆様ありがとうございました。何点か質問させていただきたいと思います。 まず、県民税の部分についてでありますけれども、御答弁いただきました鳥獣被害対策でありましたり防災対策、そうしたものに使うようなことも検討している、そういった方向に進めていただいているということで、ぜひそれを実現していただきたいというものであります。 今回、特に、冒頭にも質問しましたけれども、収支ギャップがある中で、当初予算ベースで80億円から60億円までギャップを圧縮してきた。これは県当局の皆様方、財政課を含めて、部局もみんなで何とかこれを埋めないといけないという中で、しっかりと取り組まれてきたものであると思いますし、そうした中での、何としても収入の部分をしっかりと整えていかなければならない中にあっては、さまざまな手当てが必要であると思います。 そうした中で、これまでも企業局の協力をいただいたり、多くのことを行ってきたと思いますが、しっかりと取り組むためにも、一つ一つ見直しであったり、チェックをしながら進めていただければと思います。そのことによって、押し出したもので違うことを行っていけるという側面があると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 介護事業所等の支援について、少しお伺いしていきたいと思います。答弁はいただいたわけでありますけれども、これから新たな地域医療構想に関する取りまとめの中で、基本的な方向性として、地域完結型の医療、介護提供体制の構築が必要とされています。そして、医療とともに高齢者の生活を支える介護との連携は今後ますます重要なものとなって、2040年には医療福祉職の人材は、現在よりも多く必要になると見込まれています。 そうした中において、介護事業所の今の厳しい運営状況については質問で触れたとおりでもありまして、本県でも令和7年度岩手県一般会計予算案で支援策を講じるという答弁をいただきましたが、今後、介護の必要性が高まる中で、介護事業所が安定的なサービスを提供するため、本来、国において適正な介護報酬水準への見直しが必要であり、そして、県としても都市部とは異なる地方における介護の現状をしっかりと踏まえて、国に対して、事務量がふえる場当たり的な、そのときだけの人件費であったり、そうした対策ではなくて、抜本的な介護報酬の見直しを引き続き要望していくようにお願いしたいと思います。 また、昨年4月に訪問介護の基本報酬が2〜3%ぐらい削減されたことで、訪問介護事業所の休止、廃止がふえている。これは認識を同じくしっかり持っていただいておりますけれども、現在頑張っている事業所も使命感で頑張っていただいているといったような状況であると拝見させていただいております。このままいけば、訪問介護を続けてきた事業所がもたなくなって、そして、介護報酬の引き下げに伴い、訪問介護事業所の運営が継続できないという危機的な状況の中で、今回、他県でありますけれども、新潟県村上市では、全国に先駆けて引き下げに伴う差額を支援するなど、独自の取り組みも見られるところであります。 こうしたことは本来あってはならない、国がしっかりと見ていかなければならないものであると私も思うわけでありますが、そこまでしなければ介護の現場は守れない。そうした状況を我が県としても危機として捉えて、しっかりと対応していただきたい。 県はこの状況をどのように捉えているのか、市町村と連携した事業所の運営支援をさらに考えていただきたいと思いますが、何かできることがないか一緒になって考えていただきたいと思います。その点についての御所見をお伺いしたいと思います。 また、高病原性鳥インフルエンザの防疫作業でありますけれども、先ほど復興防災部長から御答弁いただいた中で、民間の活用をさらにまた検討しながら、今後、今回のケースをスタートにしながら行っていくというお話がありました。今回の発生は、特に元旦に発見され、そして2日からみんなで防疫作業に当たっていく。正月元旦には役職員の皆様方が部局のそれぞれ課の方々に電話をかけながら、防疫作業に出ていただけるかということをやりながら、そして、それにしっかりと出てきていただいた職員の方々が2日から対策に走っていただいた中で、マンパワーだったりが必要な中で、なかなか大変な作業だっただろうなということを思のであります。 それに対して、今、県では措置として何百円か程度、金額は申しませんが、また超過勤務手当、代休はあるにしても、県の職員の方々が使命感で、何としても頑張りたいという思いで行っていただいたとしても、非常に大変な作業であるのではないかと思うところであります。 この部分について、先ほど民間の活用など、さらなる形を考えながら、という話もありましたけれども、今後、ぜひ改善というか、方針をつくっていっていただきたいと思うわけであります。 まずは、以上について再質問させていただきます。 〇企画理事兼保健福祉部長(野原勝君) 郷右近浩議員から介護現場、特に訪問介護事業所の厳しい状況について御質問いただいたところでございます。 介護報酬については、いわゆる公定価格という形で国が制度設計をしております。この中で、訪問介護については、都市部と違いまして、本県のように県土が広いところを訪問して各家庭に出向くというサービスを提供している岩手県にとっては、今回の報酬改定によって、経営面でも、また、人材確保面でも大きな影響を受けている。また、介護現場からも、先ほど答弁申しましたとおり、そういったことで利用者に十分なサービスが提供できないのではないかといった声もいただいているところでございます。 これまで介護職員の確保や処遇改善のために、県でも数次にわたりまして補正予算を計上しまして、今回、2月補正予算案にも環境改善について提案させていただいているところでございますけれども、そうはいいましても、根本的な制度設計、介護報酬による制度設計が、国が責任を持って、岩手県のような地域にもきちんと対応できるよう、配慮した介護報酬改定が必要であろうと考えております。 全国知事会としてもこのような要望を申し上げているところでありますが、引き続き、地方の現状につきまして、国に対して申し述べていきたいと思います。 また、郷右近浩議員から市との連携というお話もございました。市町村は介護の保険者でもあります。また、知事から答弁申しましたように、次の地域医療構想につきましては、市町村も参画をし、医療と介護の連携が大きなポイントとなってまいります。 いずれにせよ、2040年に向けまして、医療のニーズ、また、介護需要も各地域でかなり高まってまいりますので、きめ細かな医療と介護の連携につきまして、市町村とも連携して取り組みを進めてまいりたいと思っております。 〇総務部長(千葉幸也君) 高病原性鳥インフルエンザ対応に当たった職員のケアということで受けとめましたので、私から答弁させていただきたいと思います。 今回、通常の担当業務に加えて、深夜、早朝の現場で一般的な行政事務とは遠いような、非日常的な作業に従事したというようなこともありました。かつてない規模で連続して発生した今般の高病原性鳥インフルエンザへの対応におきましては、おおむね18日間にわたって、県職員延べ1万人以上の者が、寒さや積雪の中、昼夜を問わず防疫作業に従事したところであります。 従事した職員に対しましては、作業前に医師や保健師が健康状態の確認を行うとともに、作業後には、ストレス症状に関するセルフチェック、心理相談専門員による相談窓口の設置など、心身の健康に関し、きめ細かくサポートしたほか、知事部局では、繰り返し何度も従事した職員につきましては、防疫等作業手当とは別に、この6月に支給する勤勉手当の支給に当たって加算を行うということで、業務実績として高く評価を行うこととしたいと考えております。 今後とも、複雑、多様化する行政需要や新たな県民ニーズに適切に対応していくため、県政推進の原動力となる職員が心身ともに健康で、常に向上心を持ちながら、意欲的に業務を行うことが何より重要と考えておりますので、職員がさまざまな業務の場面で不安を持つことなく、県民の視点、立場に立った対応が可能となりますように、先ほど民間委託の話も答弁させていただきましたが、必要な体制の整備、支援を行ってまいりたいと考えております。 〇40番(郷右近浩君) 総務部長、すごくいい答弁、ありがとうございます。 野原保健福祉部長におかれては、今回の新しい医療構想をつくっていく中で、高齢者医療において、これまでの回復期機能について、特に2040年に向けて増加する高齢者救急等の受け皿として、急性期と回復期の機能をあわせ持つことになっていくのだろうなという中にあって、病床機能の区分に包括的機能などの位置づけを模索するなど、大きく変わっていくだろうと思います。 これから、国のはっきりした形ができて、そして県、その後に地域に落とし込む中で、次の地域医療連携会議等で話し合っていく形になっていくと思います。 そのときに、新しい要素がある中で、2040年に向けたものをしっかりとつくっていかなければならない中にあって、どのような形になっていくのか、していったらいいのか、県がしっかりとリードしてつくっていくことが必要になると思いますので、改めて力を尽くしていただきたいと思います。 最後に1点質問させていただきますが、生活者支援について、知事に改めてお伺いしたいと思います。先ほど御答弁の中で、困窮世帯、そして住民税非課税世帯という話がありました。これまでも県でさまざまな支援をする場合、そうした基準で支援を進めてきたことに対しては、私自身、そのことに対して異を唱えるものでありませんし、しっかりやっていただいていると思っているところであります。 しかしながら、県民の中で自営業者等でありますけれども、私ももともと商店をしていた者として、赤字にならないようにしっかり頑張る、何としても税金を払う、利益を出すような形で頑張る。しかしながら、いっぱいいっぱいでやっている。専従者であり、さらには家族経営の中で、家族が給料をしっかり取れるか取れないかといった形で営みをされている方々も多くいらっしゃると私は思っております。 そうなると、困窮世帯であったり非課税世帯からは外れてくる部分がありますが、県民の皆様方がガソリンや電気を初めとするエネルギーや食料品、全てが値上がりしてくる中で、また、さらには年金生活者の方であったり、自営業者や小規模な企業の方々に県の施策が届かない、大変な思いをしているといった声も聞こえてくるところであります。 これまで知事は、危機を希望に変える、取り組みをしっかりと思いながら、幸福度という指標を示して、さらに、県民の幸福をしっかりとつくり上げていく活動をされてきたと認識しております。今、物価高騰という危機に当たり、大変な思いをしている県民が岩手県に住んでいてよかった、幸福感を感じられるように、そして、安心を少しでも与えられるような施策にしっかりと取り組んでいっていただきたいと思いますが、知事の思いをお伺いしてよろしいでしょうか。 〇知事(達増拓也君) 今回の物価高騰は、戦争などの国際情勢に基づく異常な物価上昇、輸入物資を中心とした異常な物価上昇があり、そこに異常な気象による食料品の値上げも重なって、経験したことがないような物価高に今、生活者の皆さん、そして、事業者、経営者の皆さんは直面しているという状況だと思います。 先ほど答弁しましたように、県、市町村、冬季間の灯油購入費等助成、LPガス価格高騰対策、そして、住民税非課税世帯に向けた給付金の支援を行ってまいりますけれども、物価高騰の状況、そして生活の状況に応じまして、機動的に県民に必要な施策を講じてまいります。 また、小規模事業者の皆さんにとっては、提供する商品やサービスが、ある程度の値段で売れるということが重要でありますので、持続的な賃上げが可能になるような賃上げ支援にも力を入れてまいりたいと思います。 〇議長(工藤大輔君) 以上をもって、郷右近浩君の一般質問を終わります。 日程第2 議案第79号令和6年度岩手県一般会計補正予算(第10号)の専決処分に関し承認を求めることについてから日程第27 議案第104号損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについてまで 〇議長(工藤大輔君) 次に、日程第2、議案第79号から日程第27、議案第104号までを一括議題といたします。 提出者の説明を求めます。 〔総務部長千葉幸也君登壇〕 〇総務部長(千葉幸也君) ただいま議題とされました各案件につきまして御説明申し上げます。 議案79号及び議案第80号は、令和6年度岩手県一般会計補正予算第10号及び第11号の専決処分に関し承認を求めるものであります。 これらは、県内で家畜伝染病高病原性鳥インフルエンザが発生したため、防疫措置に要する経費について、特に緊急を要する予算措置が必要となったことから、補正予算第10号にあっては6億円、補正予算第11号においては13億3、000万円の増額補正の専決処分を行ったものであります。 議案第81号は、令和6年度岩手県一般会計補正予算(第12号)であります。これは、国の経済対策と連動し、障がい福祉や介護分野の人材確保、職場環境の改善に対する支援、大規模災害発生時における避難所環境改善、サケふ化場施設等を有効利用した新たな取り組みに対する支援など、喫緊の課題に対応するための経費や、県民の命と健康を守るため、物価高の影響を受ける県立病院の経営安定化に向けた支援に要する経費を計上するほか、県税等の歳入の最終見込み、所要額を踏まえた退職手当、高病原性鳥インフルエンザ対策などの緊要な課題に対応する経費を含めた歳出額の整理を行うとともに、財政健全化を着実に推進するための県債管理基金への積み立て、財政調整基金の法定積み立てに要する経費を計上するものであり、総額64億3、300万円余の増額補正を行おうとするものであります。 補正の主なものは、財政調整基金積立金97億6、100万円余、県債管理基金積立金41億7、300万円余、地域防災緊急整備事業費5、200万円余、障がい福祉人材確保・職場環境改善等事業費5億3、100万円余、介護人材確保・職場環境改善等事業費9億7、100万余、さけ定置合理化等実証事業費補助3億5、000万円、公立学校情報機器整備基金積立金2億9、000万円余、県立病院等事業会計負担金9億6、500万円等であります。 次に、繰越明許費の追加は、財産管理など135事業に係る予算を翌年度に繰り越して使用しようとするものであります。 次に、債務負担行為の追加及び変更は、空港整備事業など10件を新たに追加するとともに、11件について限度額を変更しようとするものであります。 また、地方債の追加及び変更は、地域防災緊急整備など2件を新たに追加するとともに、5件について起債の限度額を変更しようとするものであります。 議案第82号から議案第95号までの14件は、令和6年度岩手県母子父子寡婦福祉資金特別会計など10特別会計及び4企業会計の各補正予算であります。 これらは、それぞれの事業費の執行見込みに基づき、所要額を補正しようとするものであります。 議案第96号から議案第100号までの5件は、建設事業等に要する経費の一部負担及び一部負担の変更に関し、それぞれ議決を求めようとするものであります。 議案第101号は条例議案でありますが、これは、岩手競馬再生推進基金条例の一部を改正しようとするものであります。 議案第102号は、二級河川気仙川筋新昭和橋(仮称)上部工工事の請負契約の締結に関し、議案第103号は、外水沢地区砂防堰堤築造工事の請負契約の締結に関し、それぞれ議決を求めようとするものであります。 議案第104号は、損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めようとするものであります。 以上でありますので、よろしく御審議の上、原案に御賛成くださいますようお願い申し上げます。 〇議長(工藤大輔君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後5時47分 散 会 |
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