令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇45番(佐々木順一君) 希望いわての佐々木順一でございます。
 ことしは1925年に我が国の男性が普通選挙権を獲得して100年目に当たります。また、1945年には女性が参政権を獲得いたしました。ことしでもって80年目ということになります。このような節目の年でありますので、直近の総選挙と投票率の現状などを踏まえて、民主政治全般についてお伺いしてまいります。
 国会議員としての知事の初当選は、小選挙区比例代表制が初めて導入された平成8年の選挙でありました。今回の選挙で10回目となりますが、知事の連続当選4回という経験を踏まえた御答弁を御期待申し上げ、以下お伺いいたします。
 最初に、第50回総選挙の選挙結果についてお伺いします。53.85%という戦後3番目の低投票率にもかかわらず、石破自公政権の獲得議席数は215となり、総定数465の過半数233を大きく下回りました。これは石破自公政権を信任しないという国民の意思表明であると理解すべきでありますが、首班指名選挙の結果は石破自公政権の継続となり、現在に至っております。
 国民を代表し、国権の最高機関である国会が国民の意思と真逆の結果を出したことについて、どのような受けとめ方をされておられるのか、国民の信任を受けた国会議員の政治判断によって民意が反映されないことがこれからも続くようなことがあれば、議会制民主主義が機能不全に陥ることにならないかと懸念するものでありますが、知事の御見解をお伺いいたします。
 決選投票で無効票が84票も出たことは驚きであります。小選挙区制選挙に向き合う有権者は、ベストな候補者がいない中にありながらも、どちらの候補も嫌だが、少しでもましな候補に入れるしかないと苦しい選択の中から主権者としての責任を果たしているのが大半であり、現実ではないでしょうか。国会議員の諸権利は国民から負託されたものであり、中でも首班指名選挙の行使は、法案、予算案の採決権の行使にまさるとも劣らない重要な権限であります。
 苦しい選択であっても、国会議員は国民にかわって諸権利を堂々と行使すべきであります。もとより現実政治は建前論だけでは動かないことは身をもって経験しておりますが、最重要案件に対し大量の無効票を出したことは議員内閣制の否定につながりかねず、裏金問題以上に政治不信を深めることにならないかと心配しておりますが、知事の御見解をお伺いいたします。
 以降の質問につきましては質問席で行いますので、御了承願います。
   〔45番佐々木順一君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 佐々木順一議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、選挙結果と議会制民主主義についてでありますが、昨年実施された衆議院議員選挙は、統一教会問題と裏金問題の事実関係を十分に究明することが求められている中で行われた総選挙であったことから、健全な政治を求める国民の声として当時の与党が過半数を大きく割り込み、自公政権に対して不信任を示したものと考えます。
 総選挙の直前に自由民主党と立憲民主党の党首選挙が行われており、立憲民主党では新代表のもと、野党の側に大きな固まりをつくっていこうという方針が示され、自公以外の大きな選択肢がつくられようとしていましたが、自由民主党の新総裁は、国政史上かつてないようなスピードで解散総選挙を行い、国民が十分な選択ができないような形で選挙を迎えることになってしまったと考えます。
 選挙が国民にとって政権選択になり、選挙の結果が国会の構成や首班指名の結果に結びつくという議会制民主主義の機能が十全に果たされるように、政党や政治家は努めるべきと考えます。
 次に、首班指名権の行使についてでありますが、内閣総理大臣の指名は、国会法及び議院規則において定められ、1回の投票で過半数を得た者がいないときは上位2人の決選投票を行い、多数を得た者が指名されるものとされています。
 先般の衆議院における決選投票において無効票が投じられたことは、上位に選ばれた2人の中には内閣総理大臣として支持したい人がいないという意思のあらわれと考えますが、内閣総理大臣は国会議員の中から選ばれるという憲法の規定のもと、その選挙で無効票が大量に発生するというのは、国会のあり方としていかがなものかという印象を受けても仕方がないところがあります。
 一人一人が国民の負託を得た国会議員である以上、憲法の規定に基づき、堂々とした意思決定が行われるよう、国会のあり方や選挙のあり方について、工夫と努力を重ねていただきたいと考えます。
〇45番(佐々木順一君) 政府与党が過半数割れになったことから、案件ごとに調整作業が一定程度可視化されたことは歓迎すべきであります。しかしながら、小選挙区による民意の集約と、比例代表選挙による、いわゆる多様な民意の反映の両方をあわせ持つ小選挙区比例代表並立制の本来の機能が十分に発揮されなかったことは、残念なことであります。
 この制度を正しく機能させるための前提条件としては、意欲ある政党は、任期4年を見越して、首相候補、政権の枠組み、政権公約の3点セットをあらかじめ明示することが求められると思います。
 また、政権を担った政党は、組閣、政策決定、政策実施、業績、実績評価、そして、総選挙という政党政治のサイクルを心がけなければならないと思います。
 今の制度のもとで与党が過半数割れとなったのは今回で3回目となりますが、過去2回は政権交代が実現しております。政権交代が起きた過去2回の選挙は、先ほど申し上げました3点セットと政党政治のサイクルが曲がりなりにも機能したと思いますが、首相就任から短期間での前例のない速効的な今回の解散総選挙は、有権者から政権選択の判断材料と考える時間を実質的に奪うものでありました。
 こうした自由な解散権の行使は、第2次安倍政権以降、石破政権まで連続して行使されてきており、まさに解散権の濫用そのものと言わざるを得ないと思います。このような自由な解散権の行使は、国政選挙の形骸化をもたらすのみならず、民主政治の弱体化につながることになるものと懸念しておりますが、知事の御見解をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) これまで歴代内閣が衆議院を解散した際の根拠としたのは、憲法第7条第3項による内閣の助言と承認により天皇が行う国事行為としての解散で、それを支持する学説もありますが、第69条の内閣不信任決議案が可決、または信任決議案が否決されたときに衆議院が解散されるのが憲法の趣旨であり、緩く解釈したとしても、内閣の存続が問われるようなよほどの事態でなければ解散すべきではないと考えます。
 第2次安倍政権以降、2014年や2017年の解散総選挙は、それぞれ消費税先送り解散、森友・加計問題隠し解散などと呼ばれ、大義なき解散と批判されました。また、昨年10月の衆議院解散は、自由民主党総裁選挙で石破新総裁が選ばれ、総理大臣就任から戦後最短8日間での衆議院の解散となりました。しかも、自由民主党総裁としての立場で、まだ内閣総理大臣に就任前、内閣も発足していないタイミングで解散を言及したことは、党の都合で解散をするということを宣言しているようなものだと指摘されました。これは、憲法に規定された衆議の解散というものの趣旨に反することであります。
 今、国会が少数与党という異常事態になっているのも、解散権の濫用の結果だと思います。
〇45番(佐々木順一君) 私もそう思います。解散権の憲法上の規定は、第69条、すなわち不信任案可決、あるいは信任案否決のケースと、第7条の天皇の国事行為の二つだけであります。解散権の行使は第69条に限定されるべきであり、第7条解散は非常事態に限るというのが本来の解釈であると思います。
 国民主権をないがしろにする恣意的な解散権の行使は慎むべきであり、一定程度制約があってしかるべきものと思いますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 解散権の制約は、裏を返せば、直前の衆議院議員選挙の結果を尊重すべきということであり、憲法に任期4年と明記されている衆議院を解散するのは、憲法第69条の内閣不信任決議案可決、または信任決議案否決の場合か、それに準じる重大事態の場合に限るのが適当と考えます。
〇45番(佐々木順一君) 国会は三権分立です。しかしながら、憲法上、国会だけは国権の最高機関と表現されているわけでありますから、いわば、ある意味では、司法権と行政権よりも、その上に表現上、位置づけていると思います。
 内閣中心の総理大臣が国会を解散するということは、本来は、今の状態は異常だと思いますので、何らかの規制がこれから求められるのではないかと思っております。
 次に、投票率関係についてお伺いいたします。
 第50回衆議院議員総選挙の全国レベルの投票率は、53.85%という戦後3番目の低投票率でありました。現行制度下において最も高かったのは平成21年、2009年の69.28%であります。参考までに、知事が衆議院議員に当選された際の投票率は59.65%となっております。相対的に最近の投票率は50%半ば前後となっており、参議院議員通常選挙においても同様の傾向が見られます。
 また、第49回衆議院議員総選挙に関し、公益財団法人明るい選挙推進協会が実施した調査によると、棄権の理由は、第1位が、選挙に余り関心がなかったからが30.2%、第2位が、適当な候補者も政党もなかったからが23.9%、第3位が、政党の政策や候補者の人物像など違いがよくわからなかったからが19.6%と続いております。
 一方、5年に一度行われているNHK放送文化研究所の日本人の意識調査によりますと、これは5、400人程度のサンプルと言われておりますが、私たち一般国民の意見や希望は、国の政治にどの程度反映していると思うかという問いに対し、十分反映しているがわずか1.9%であります。かなり反映しているが9.8%、少しは反映しているが60.1%、全く反映していないは25.0%という結果が明らかになっております。非常に心細い結果であります。
 要約しますと、全有権者のほぼ2人に1人が棄権していること、棄権の理由が政党及び候補者サイドに問題があること、そして、民意の乖離が想像以上であること、これが現実の国政選挙の実態であり、地方選挙も同様の傾向にあると言わざるを得ませんが、知事はこの現実をどう捉えているのかお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 昨年の衆参同日選挙後に県選挙管理委員会が行ったアンケート調査によれば、投票を棄権した主な理由として、適当な候補者や政党がないことや、選挙への関心が低いことが上位に挙げられています。また、昨年の選挙では、解散から投票日までかつてないような速さで行われ、立候補者の事前の討論会も開催できなかったことなどと相まって、本県の衆議院小選挙区選出議員選挙の投票率は過去最低を更新しました。
 これまで県や市町村の選挙管理委員会では、高校や大学等での主権者教育の取り組みを初め、選挙の際にはテレビやラジオを活用した投票への呼びかけや、18歳未満の子との親子連れ投票をPRするチラシの配布など、有権者の投票行動を促す啓発活動に取り組んできています。
 選挙は、国民あるいは住民が主権を行使し、政治的決定に参加する最重要な機会であり、民主主義の基盤であることから、さきに述べたような選挙管理委員会の取り組みに加え、政治家や政党などが奮起して、有権者が政治に参加するよう働きかけることで選挙や政治への関心を高め、投票率が向上することを期待いたします。
〇45番(佐々木順一君) 18歳への選挙権付与は平成28年、2016年の参議院議員通常選挙から適用されました。このときの全国レベルの投票率は54.70%、うち10歳代は46.78%を記録し、健闘しております。20歳代は35.60%にとどまっております。
 参考までに、30歳代以上は、10歳ごとに年齢が上がるに従いまして、ほぼ10%ずつ上昇し、60歳代をピークに、70歳代からは急激に低下しております。これは全ての選挙に共通する現象でありますが、特徴的な事柄は、18歳、19歳の選挙権が行使された平成28年の選挙以降、この年齢の投票率が下がり続ける傾向にあること、さらに深刻なのは、20歳代の投票率が10歳代よりも低く、年代別では最低の投票率になっていることであります。
 これは今までの政治の向き合い方が高齢化社会対応型で行われてきたこと、最重要テーマである人口減少対応の社会づくりの本質が女性を含む若年者層対策であるにもかかわらず、政治がこの問題にいまだ正面から向き合っていないこと、すなわち、若年者層の声が政治に反映しづらくなっていることが主な要因ではないかと思いますが、知事の御認識をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 佐々木順一議員御指摘のとおり、国政選挙や地方選挙の投票率は、若年層ほど低い傾向となっています。昨年、県選挙管理委員会が実施したアンケート調査では、適当な候補者や政党がないことや選挙への関心が低いことを理由として投票を棄権したと回答した割合が、若年層において高い傾向にあることから、若者の政治への関心が低いことが要因の一つと考えられます。
 こうした課題に対応するため、昨年7月には、県選挙管理委員会と県教育委員会が意見交換を実施し、人格形成の礎を築く小中学校段階からの主権者教育の実施に向けて取り組みを拡大しています。
 また、そうした取り組みに加え、政治家や政党が若年層に対し積極的にアピールをすること等により、これらの年代の政治参加が促進されることを期待いたします。
〇45番(佐々木順一君) せっかくでありますので、主権者教育について教育長にお伺いいたします。
 平成28年、2016年の参議院議員通常選挙から満18歳以上に選挙権が与えられましたが、これまでどのような主権者教育を行ってきたのか、小、中、高等学校別に主な内容について、簡潔にお知らせ願います。
〇教育長(佐藤一男君) 小中高等学校におきまして、それぞれの発達段階に応じ、学習指導要領に基づき、社会科、公民科の教科活動等におきまして、日本国憲法の基本的な考え方や議会の仕組み、政治参加の重要性、選挙の意義などについて学び、児童、生徒が将来の有権者となる素養を育んできております。
 具体的には、小学校におきまして、国民としての政治へのかかわり方について自分の考えをまとめること、中学校においては、民主政治の推進と公正な世論の形成や国民の政治参加としての関連について考察すること、高等学校では、政党政治や選挙、主権者としての政治参加のあり方について考察することなどといった学習活動に取り組んでおります。
〇45番(佐々木順一君) 平成27年、2015年に文部科学省は、主権者教育に関し、議会制民主主義など民主主義の意義、政策形成の仕組みや選挙の仕組みなどの政治や選挙の理解に加えて、現実の具体的な政治事象も取り扱い、生徒が国民投票の投票権や選挙権を有する者として、自らの判断で権利を行使することができるよう、具体的かつ実践的な指導を行うことが重要とする通知を出しております。ついては、これまで教材に供した具体的事象を御紹介願います。
 また、具体的事象の代表例として、例えば、伝統的なテーマでありますが、改憲、護憲の問題とか自衛隊の違憲とか合憲とか、あるいは、核兵器や原子力発電所の要否などなどありますが、人口減少問題など身近な問題まで含めると切りがありませんけれども、こうした問題も取り上げられているのか、その実績も含めてお伺いいたします。
〇教育長(佐藤一男君) 例えば、小学校の社会科では、地方自治体の政策立案の過程や予算、首長と議会の関係など、中学校の社会科では、民主政治における政党の役割や主な政党の理念や政策、国会における議席の状況など、高等学校の公民科では、憲法改正、原発政策、税制改革、教育政策など、各政党の選挙公約の比較やどの政党に投票するか考えることなど、学習指導要領に沿って学習に取り組んでおります。
 また、岩手県明るい選挙推進協議会や県議会などの御協力をいただき、小中高等学校への出前授業によって、議会の仕組みや役割、選挙の意義や投票方法などに関する講義、実際の選挙で使われている投票箱等を利用した模擬投票など、実践的な学習を行っている事例もあります。
〇45番(佐々木順一君) なかなか充実していますね。それで、先ほどの文部科学省の通知には、同時に、学校は教育基本法に基づき政治的中立性を確保することが求められるとともに、教員については、学校教育に対する国民の信頼を確保するため、公正中立な立場が求められているとも記されており、現場の教員が戸惑う原因にもなっているとお聞きしております。
 特に、中立という言葉は2回も使われており、必要以上に教員の心理的抑圧になっているのではないかという指摘もありますが、これらについて、どう指導されているのかお聞かせ願います。
〇教育長(佐藤一男君) 国が作成しております主権者教育の教師用指導資料というものがありますが、これによりますと、政治的に対立する見解がある現実の課題を取り扱うことは、生徒が現実の政治について具体的なイメージを育むことに役立つなどの効果が考えられ、一方で、これらの課題を取り上げる際には、中立性を保ちつつ指導することが必要とされております。
 また、一つの見解が絶対的に正しく、他のものは誤りであると断定することは困難であり、一つの結論を出すよりも、結論に至るまでの冷静で理性的な議論の過程が大切であることを理解させることや、多様な見方や考え方のできる事柄、未確定な事柄を取り上げる際には、生徒の考えや議論が深まるようなさまざまな見解を提示することなどが示されており、各学校ではこの指導資料を理解の上、生徒に対して指導することとしております。
〇45番(佐々木順一君) それでは、児童、生徒から特定のテーマについて、先生の意見表明を求められた場合、どう対応されているのでしょうか、お伺いいたします。
〇教育長(佐藤一男君) 先ほどの国の指導資料によりますと、多様な見解がある現実の課題を取り上げる場合において、教員がそのうちの一つの見解を提示するに当たっては、中立かつ公正な立場で指導するよう留意するとともに、教員が示した見解が多様な見方や考え方の一つであることを生徒に理解させること、見解を生徒に押しつけないようにすることなど、また、授業の狙いを踏まえつつ、議論のもとで生徒の考えをまとめていくようなプロセスが重要であることなどについて生徒にも理解させることが示されておりまして、各学校ではこのような留意点を踏まえて、適切に指導することとしております。
〇45番(佐々木順一君) 少しわかりづらいですね。意見表明していいか悪いか、聞いたわけですから。確かに、教育基本法の第14条には、特定の政党の支持、またはこれに反対するような政治教育その他政治活動をしてはならない、学校の教師もしてはならないということになっております。ただ、児童、生徒から、先生個人はどう思いますかと尋ねられた場合に、私は立場上言えませんでは教育にならないと思います。
 ただ、自らの考えを表明する場合においても、細心の注意が必要だと思います。Aという考えもあるし、BもあるしCもあると答えれば、私の考えはこうだけれども、しかしながら、お決めになるのは児童、生徒の皆さんだよと。これを前提に、あくまでも個人として意見を表明することが必要ではないかと思います。やらないのは教育上、学校の先生が児童、生徒から見れば逃げたと見られるわけでありますから、こういう考えでよろしいのかどうか。ここは議会でありますが、私は今、議員として質問しておりますが、児童、生徒だと思って、教育長は先生だと思って、どうぞお答え願いたいと思います。
〇教育長(佐藤一男君) 教員が特定の考えを自分の考えとして述べることについては、基本的には避けるべきという指導がなされております。さまざま政治的に対立する、あるいは、さまざまな見解があるような事象を取り上げる場合については、基本的に、さまざまな考え方を示していくということが重要で、その中から生徒が自分の考えをつくり上げていくということが重要かと考えております。
〇45番(佐々木順一君) よく研究してみていただきたいと思います。
 それでは、これはこの程度にしまして、先般、19名の有志による知事の連名のもとに、民主主義と地方自治を守るための緊急アピールを提言されたとお聞きしておりますが、このことを踏まえ、公職選挙法に関連し、今日的課題について知事に2点お伺いいたします。
 最初は、SNS時代の選挙のあり方についてであります。
 インターネット選挙解禁から10年余りが経過しますが、今日、X、あるいはフェイスブック、インスタグラムなどの旧来のSNSと異なり、ユーチューブやティックトックなどの動画型SNSが主流になっております。
 活用方法も多様化してなります。中には、誰も簡単に収益を上げる仕組みも登場しておりますが、この収益目的のメカニズムが近年、選挙活動の有力な手段の一つとして機能してきており、その影響力は選挙結果を左右しかねないものになっております。
 インターネット上で選挙人の意思で投稿、拡散することは表現の自由の一環として許されますが、収益目的のSNSによる特定候補者の選挙運動は、明らかに公職選挙法の精神に反するものであります。
 国会についても議論を開始しているようでありますが、選挙の公平性の観点から、収益目的のSNSによる特定候補者の選挙運動は、一定の制限を加えるべきと考えますが、知事の御見解をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 選挙は公職選挙法に基づくさまざまな制約のもとで行われており、候補者は自らの当選を目指し、その規範にのっとって選挙運動を行い、有権者が最適の選択をできるよう努めなければならないと考えます。
 佐々木順一議員御指摘のとおり、特定の候補者等が自己の当選以外の目的で、特に収益を目的として虚偽の情報や他の候補者等に対する誹謗中傷などを投稿することは、選挙の公正性を損ない、選挙が公明かつ適正に行われ、私たちの意思が正しく政治に反映されるという明るい選挙の理念をも損なうものであります。
 現在、選挙の法的課題について国会で議論が進めてられておりますが、現行法のもとにおいても、候補者や政党等は有権者に敬意を持って選挙に臨み、それぞれの有権者が自らの良心に従い、最適な選択ができるよう、適切なSNSの活用等を含め、選挙をよりよいものにする義務があると考えます。
〇45番(佐々木順一君) それでは2点目です。昨年の東京都知事選挙における同一党派による候補者の大量擁立、ポスターの掲示枠の事実上の金銭売買、あるいは、兵庫県知事選挙では、自らの選挙ではなく他者を応援するための立候補など、これまで法律が予期していなかった事態が頻発しております。何らかの規制が求められると思います。法律改正もさることながら、その前の行政指導でも対応しなければ、365日、この日本の国ではどこかで選挙を行っておりますので、法律の改正を待っているいとまもないと思いますが、これらを含めて知事はどうお考えか、お伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 現在、公職選挙法の改正に向けて国会で議論が進められている中、今月17日、知事有志による民主主義と地方自治を守るための緊急アピールに私も参加し、選挙運動を妨害するなど法の趣旨を損ないかねない事態への対策を国に要請いたしました。
 候補者や政党は、有権者に自らを選んでもらうために立候補するのであって、それ以外の目的で立候補が認められないのは、現行法においても当然であり、そうした行為を慎まなければ健全な民主主義は損なわれてしまいます。まずは、候補者や政党が選挙の主役である有権者に敬意を持って選挙に臨み、有権者がそれぞれにとって最適な選択ができるよう、選挙をより良いものとする義務を負っていることを自覚するとともに、国においては、こうした問題への抜本的な対策を早期に講じる必要があると考えます。
〇45番(佐々木順一君) それでは、企業、団体献金についてお伺いいたします。
 この問題は、3月末までに国会において結論を得ることで継続協議になっております。中でも自由民主党案は、1、000万円以上を公開対象にすることを主張されておりますが、これでは国民の不信感はますます強まるばかりであります。
 また、石破総理は、企業献金を禁止すれば憲法の政治活動の自由を侵すおそれがあると力説しておりますが、政治家個人と政党以外の政治団体に対する企業、団体献金は、既に禁止の立法措置が講じられております。政治家個人と政党以外の政治団体に対する企業、団体献金の立法措置は、憲法上問題にならずに、政党に対する企業、団体献金を禁止することがなぜ憲法上の政治活動の自由を侵すことになるのか、総理の論理は矛盾しており、理解不能であります。
 政党交付金の導入が企業、団体献金の廃止を前提に置いたものであることは検証済みであります。平成の政治改革の趣旨を踏まえ、当時の一般社団法人日本経済団体連合会が政党に対する献金を取りやめたことなどを考慮すると、企業、団体献金を禁止することは一つの見識ではあると思います。しかしながら、企業などは社会経済活動を通じ国民生活を支えるとともに、法人税や事業税なども納めるなど、社会に貢献しております。
 このようなことを考慮すると、禁止よりも透明性を極限まで追求すべきではないでしょうか。すなわち、寄附をする側も寄附を受ける側も1円からオープンにする、こうした規定を設けることによって、今日的課題は解決するものと思いますが、知事の御見解をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 企業、団体による政治献金は、自由な政治活動という側面もありますが、献金額の大きさにより政治をゆがめるおそれがあることから、世界各国においても、さまざまな形で制限が課されており、日本においても同様であります。
 一方、政治資金規正法の目的である政治活動の公明と公正の確保のためには、政治団体及び政治家に係る政治資金の収支は、広く公開されるべきと考えます
〇45番(佐々木順一君) なかなか気まずいところには触れていただけませんでした。次に移ります。
 今日、国内外を問わず、民主主義は漂流しております。政治が混乱傾向にあります。政治について、世界的な著名なある方は、次のような言葉を残しております。すなわち、政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、固い板に力を込めて穴をくり抜いていく作業である。また、政治家に必要な重要な資質は、情熱、責任感、判断力の三つであり、最大の敵は虚栄心であるとの言葉も残しております。
 一方、原敬は、宝積という言葉を座右の銘とし、この言葉を好んで揮毫されたと伝えられております。知事室には原敬日記があります。これらの格言ともいえる言葉に対する知事の所感をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 佐々木順一議員から御紹介がありました原敬元首相が好んで揮毫された宝積という言葉は、人に尽くして見返りを求めないという意味であり、原敬元首相が育った盛岡市本宮地区にある盛岡市立本宮小学校と盛岡市立向中野小学校の校訓にもなっています。
 政治家の使命は、個別の私事を理由として私事のために行うのではなく、公、国全体、国民全体の利益のために尽くすことであり、国民の生活を向上させることは、まさに宝積と言えます。
 佐々木順一議員御指摘のように、今日、国内外を問わず民主主義が漂流を続けており、投票率の低さ、立候補者の不足、政治に対する満足度の低さに見られる我が国国民の態度や意識は、民主政治が十分に機能しておらず、危機的状況にあることを示していると思います。
 加えて、失われた30年と呼ばれるような経済の低迷と、それによる長期間の実質賃金の低下や可処分所得の減少は、我が国の民主政治が機能しておらず、政治家の不祥事と相まって危機的状況をもたらしていると思います。
 政治は人々の信頼があってこそ成り立ち、政治はやはり人でありますので、政治家は、改めて原敬首相の時代の大正デモクラシーや明治の自由民権運動の担い手が持っていたような民主主義に対する情熱と使命感、誠実さ、真剣さを取り戻すことが求められており、それが政治における宝積の実践であると考えます。
〇45番(佐々木順一君) 東京都千代田区永田町1−11−23、これは自由民主党本部の住所であります。自由民主党本部の4階に幹事長室があります。その幹事長室に原敬揮毫の宝積という書が掲げられております。私が見たのは平成の初めでありますから、以降、今あるかどうかはわかりませんが、これからあのビルに入る機会も資格もないと思いますけれども、もしこの宝積の意味を自由民主党の国会議員の皆さんが正しく理解していれば、パーティー券の裏金問題は当然のことながら、秘書給与詐取事件などは起こらなかったものと思っております。これは指摘にとどめまして、次の質問に移らせていただきます。
 政治問題はこれぐらいにして、次に、人口問題についてお尋ねしてまいります。
 前提として、日本社会の現状を踏まえ、今、政治がやるべきことについて、知事のお考えをお伺いいたします。
 人口については、昭和の時代は毎年100万人程度増加しましたが、令和の今、間もなく毎年100万人程度の減少が始まり、これが今後十数年続くと見込まれております。高齢化率は、昭和の時代は5%でありましたが、今は30%、やがて40%の超高齢化時代に突入します。
 出生数は、昭和の団塊の世代は年間250万人、団塊ジュニアの世代は年間200万人、今やわずか70万人を下回る超少子化社会となっており、人口構造は昭和の三角形から令和の逆三角形に変化し、社会保障制度が根底から揺さぶられております。
 一方、経済はアベノミクス前の1ドル70円台が今や1ドル150円から160円台で、その価値は半減し、この安くなった円で食料の7割、エネルギーの9割を輸入していることが物価上昇の主な要因となっており、家計を苦しめ続けております。
 雇用は昭和の時代は多くが正社員でありましたが、派遣労働が拡大された今日、4割が非正規、女性はさらに深刻であります。人口減、少子高齢化、社会保障のほころび、円はたたき売られ、それでも食料やエネルギーは輸入せざるを得ない。物価は上がるが労働市場は弱体化し、賃金は追いつかず、年金は下がり続ける。
 こうした縮小、衰退する日本社会の現実が多くの若者たちに子供たちを産み育てる意欲を低下させており、これが失われた30年の実態と言えます。
 これらの全てを逆回転させる政治に転換させなければ、人口問題は容易に克服できないのではないかと思いますが、知事の御認識をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 結婚や出産、働き方は個人の自由な選択であり、その判断は尊重されなければなりません。一方、結婚、出産、子育てや雇用環境における生きにくさが背景となって本来の希望とは異なる選択をせざるを得ない状況に置かれている方々もおり、政策としてそうした一人一人の生きにくさを生きやすさに変えていくことが重要であります。
 安心して子供を産み育てたいと思える社会の構築に向け、安定した雇用や若者世代を中心とした可処分所得の増加、全国一律の子供、子育て支援、持続可能で安心できる社会保障制度の確立など、女性も男性も、また、子供も大人も、そして、人間を粗末にせず大事にするような、さまざまな生きにくさを生きやすさに変えていく国として仕組みを構築し、国民にわかりやすい形で示すことが今、政治に求められていると思います。
〇45番(佐々木順一君) それでは次に、国の2014年のまち・ひと・しごと創生会議の地方創生施策は、自然減と社会減の同時解決を目指すものでありましたが、子ども・子育て本部が設置されたため、政策や体制が実態として分離され、自然減対策は今、こども家庭庁に、社会減対策は総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省などが実施しており、明らかに平時の対応となっております。近い将来の国難であるにもかかわらず、人口戦略の立案、遂行を関係省庁に委ね、統括する司令塔がないことは大問題であります。
 人口問題が現役世代から将来世代まで、国民一人一人の生き方にかかわる問題であって、将来の日本の国の盛衰に係る最重要課題であるとするならば、政府がやるべきことは、人口問題は国難に向かう静かなる有事という認識に立って、この問題を国民全体で共有し、官民挙げて取り組むための英知を結集した国家ビジョンと戦略の立案、推進体制を整備し、その上に立って、中央政府、地方自治体、経済界、労働界が一体となって国民運動を展開すべきであると思います。
 特に、国家ビジョンについては、かつては平時においても国土計画、すなわち全総―全国総合開発計画でありますが、10年ごとに策定してきておりましたけれども、1990年代後半から実質的にとまっております。問題の重要性に鑑み、最低でも10年以上の確かな絵を描かないと、国民の不安を解消することはできないと思いますが、これらについて知事の御見解をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 国では2014年、まち・ひと・しごと創生法に基づき、人口と地域経済社会の展望を示した長期ビジョンと、目標と施策の基本的方向を盛り込んだ総合戦略を策定し、この年から人口問題対策を主軸とした地方創生が国全体で始動しました。しかし、これまでの10年間で人口減少や出生率低下に歯止めはかからず、国の経済財政政策や官民投資の東京圏への集中などにより東京一極集中は加速しています。
 また、食料の安定供給や再生可能エネルギーの促進など、地方の資源を活用し、多くの雇用を創出できる分野において、国全体として十分な投資が行われておらず、地方における医療や交通など社会インフラの維持も課題となっております。
 こうした構造的な課題の解決には、自治体単位での取り組みに加え、国全体として取り組むことが必要です。そのため、東京圏、地方間での人口の移動の均衡や地方重視の経済財政運営への転換などを国政の中心に据えた上で長期的な展望を改めて示し、地方創生を推進する体制の構築と施策の充実が必要であります。
〇45番(佐々木順一君) そもそも政府の地方創生本部が旗を振ってきた東京一極集中の是正のための移住促進策は、定住人口を奪い合うゼロサムゲームでありました。今や過熱気味となっております。これは自治体を疲弊させるだけでありまして、本質的解決にはならないと思います。
 本来目指すべき姿は、人口が減ることを前提に政策を考え、人口減少に伴い社会が縮小しても地域の社会機能、経済活動が維持され、生産性も高めていくことができるような新たな社会づくりであると思います。
 人口減少対策は、今を生きる現役世代はもとより、次の世代、さらに将来生まれてくる未来の世代に及ぶテーマと言えますが、対策のスタート台に立っている我々現役世代は、殊のほか、後世に対する重い責任を負っていると言わざるを得ませんが、知事はどのような認識に立って未来への責任を果たされようとしているのか、人口問題に向き合う基本的な考え方についてお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 岩手県人口ビジョンは、人口減少に歯止めをかけ、2115年におおむね80万人程度での定常状態を展望しており、これらを踏まえ、人口減少対策に最優先で取り組むこととしている第2期政策推進プランに基づき、全国トップレベルの子供、子育て支援策や、若者や女性に魅力ある雇用、労働環境の整備など、生きにくさを生きやすさに変える施策を推進しています。
 さらに、人口が減少する中にあっても、地域の社会経済システムが維持、向上できるよう、長期的な視点から、デジタル化による産業、経済の強化や、コミュニティー、社会インフラ等の対策を推進しております。
 若者、女性を初め、一人一人の人生選択の中で選ばれる岩手県であるため、県民や市町村、関係機関、団体、民間企業など、多様な主体と連携しながら取り組んでまいります。
〇45番(佐々木順一君) 県は人口問題対策本部を設置しております。市町村とも緊密に連携し、人口問題に正面から向き合っていることは承知しておりますけれども、県民運動的な動きを生み出すところまでは至っていないと思います。
 人口問題は行政上の支援もさることながら、働き方改革など社会規範をめぐる課題や個人の価値観にもかかわるテーマが多く、企業を初めとする民間や地域の取り組みも重要になることから、世代を超えた県民運動的な取り組みと、その仕組みづくりが求められると思いますが、お伺いいたします。
〇政策企画部長(小野博君) 県民運動的取り組みについてでありますが、人口減少問題は国全体の喫緊の課題であり、昨年11月の地方6団体による人口減少対策などを求める緊急提言では、国と地方が経済界、労働界など広く国民角界各層と連携し行動を起こす国民運動の提起を提言するとともに、本年1月には、本県も参加し、日本創生に向けた人口戦略フォーラムinみやぎが開催されるなど、若者、女性にも選ばれる地方の実現を目指し、産官学金労言士が一体となった取り組みが各地で進められております。
 本県におきましても、これまで、いわてで働こう宣言や、いわてで生み育てる県民運動の推進などを通じて、地域社会全体の機運醸成を図りながら取り組みを推進してきたところであり、昨年8月には、一般社団法人岩手経済同友会が主催した岩手経済戦略会議2024におきまして、人口減少をテーマに講演が行われるなど、経済界でも人口減少対策に向けた取り組みが進められております。
 こうした中、昨年12月には、県と岩手経済同友会が人口減少対策について意見交換を行い、また、本年1月には、いわて未来づくり機構ラウンドテーブルにおいて、ジェンダーギャップ解消に係る取り組みの推進に向けた、若者・女性に「選ばれる岩手」宣言を行うなど、さらなる機運醸成を図っているところでございます。
 社会全体の意識改革や行動変容につなげるため、いわてで働こう推進協議会や女性活躍連携会議、いわて未来づくり機構などを通じ、経済界を初めさまざまな関係機関、団体、地域と一体となった取り組みを加速させ、県民の皆さんにも波及させるなど、県民運動的に人口減少対策に取り組んでまいります。
〇45番(佐々木順一君) 当面、今の体制でよろしいということですね。
 それはそれとして、それでは、人口の長期的見通しについてお伺いいたします。
 先般公表された国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口のうち、標準的見通しである中位推計によれば、2100年には現在の半分の6、200万人、外国人を除けば6、000万人弱まで落ち込むこととされております。
 一方、2023年の出生数は72.7万人、合計特殊出生率は1.20で、前年の1.26から低下し、過去最低を更新しました。2024年の出生数見通しは68.5万人であり、合計特殊出生率は1.15を割り込むことが確実視されております。
 この状況では国立社会保障・人口問題研究所の2100年の出生低位推計の総人口5、100万人を下回ることも否定できないと思います。人口減少スピードの鍵を握るのは出生数でありますが、合計特殊出生率が人口置換水準2.07に到達しない限り、いつまでたっても減少し続けます。
 本県では2040年には出生率が2.07になることや、東京圏の社会増減をゼロにすることを前提に、2030年に100万人程度の人口確保を掲げて岩手県人口ビジョンを策定し、これを踏まえ、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略に基づき具体的施策を展開しておりますが、例えば、2023年の本県の合計特殊出生率は1.16を記録、社会増減数値も悪化傾向を示すなど、当初の見通しと現実との乖離は著しいものがあります。
 本県の将来人口は、国の推計以下に推移していくことは確実視されております。ついては、現実に即した推計など、岩手県人口ビジョン等、これを踏まえた第2期岩手県ふるさと振興総合戦略の再検討が求められると思います。きのうの本会議において、人口ビジョンの見直しについて議論が交わされましたが、どういう事態があれば見直すのかお伺いいたします。
〇政策企画部長(小野博君) 県では、平成26年に国がまち・ひと・しごと創生法に基づき策定した、まち・ひと・しごと創生長期ビジョン及び、まち・ひと・しごと創生総合戦略を踏まえ、2040年に人口100万人程度の人口確保を展望する岩手県人口ビジョンを平成27年に策定し、ビジョンに掲げる人口の将来展望を踏まえた第2期岩手県ふるさと振興総合戦略を令和2年に策定しているところです。
 人口ビジョンの見直しに当たりましては、国の長期ビジョンや国立社会保障・人口問題研究所の日本の地域別将来推計人口などを踏まえることとしておりますが、国において、いまだ長期ビジョンの改訂がなされていない状況であり、昨日、知事から御答弁がありましたように、現時点で見直しを行う状況にはありませんが、本県における人口の将来展望と、今後目指すべき将来の方向について、国の長期ビジョン見直しの動向を注視し、その内容なども踏まえながら、今後検討していく必要があるものと考えております。
 また、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略につきましても、人口ビジョンの見直し内容を踏まえつつ、先般、国が公表いたしました地方創生2.0の基本的な考え方におきまして、ことしの夏を目途に、今後10年間、集約的に取り組む基本構想を取りまとめることとしておりまして、その内容も踏まえ、今後検討していく必要があるものと考えております。
〇45番(佐々木順一君) 残念ながら、国もなかなかスピード感がないのが今の現状であります。先ほども知事会を通じて国に要請をすると、いわばお願いベースです。しかしながら、国と地方の協議の場があります。たしか新型コロナウイルス感染症対策では年に3回、3年間で10回くらい、国の地方の協議の場を開いておりますので、せっかくこういう法的に位置づけられた協議の場がありますから、お願いベースではなく、新型コロナウイルス感染症よりもさらに回数を上回るような頻度でもって、政府に対して人口の推計の見直しを早急に求めるべきではないかと思いますが、もう一回、政策企画部長の御見解をお伺いいたします。
〇政策企画部長(小野博君) 今、佐々木順一議員から御指摘がありました国と地方が意見交換する場についてですけれども、本年1月に全国知事会として、若者・女性にも選ばれる地方の実現に向けた緊急提言が行われまして、その中では、いわゆる法的に準備されております国と地方の協議の場ではなく、実務レベルで行う場の設置の要望が行われているところでございます。
 これは全国知事会に確認いたしましたけれども、幅広に国と協議の機会を確保する必要があるといったことで、まずはそういった率直な意見交換の場を設置しようという考えもあるようでございますが、佐々木順一議員御指摘のとおり、法律に基づく正式の場として、国と地方の協議の場が位置づけられているわけですので、まずは率直な意見を行いながら、状況により、さらに正式の場としての国と地方の協議の場も活用されるべきものと考えております。
〇45番(佐々木順一君) 確かに、国と地方で意見交換をする場、これは事務レベルです。事務レベルでは霞が関のほうが上になるわけですから、なかなか聞いてくれないのではないかと思いますので、先ほども言ったとおり、新型コロナウイルス感染症のときは年に3回、3年間で10回以上、協議の場を開いてきたわけですから、それ以上の重要問題だと思うので、ぜひ政治的な解決の場を頻繁に開いていただくように努力を求めたいと思います。
 人口問題は、例えば、東京圏と地方の格差が代表例でありますが、地域間対立を生み出しております。有効な施策を打たなければ、やがて県内にも地域間対立が生じることになります。また、年金、医療費等社会保障関係の負担割合が代表例になりますけれども、今のままでは世代間対立も顕在化してくることは避けられません。一方、労働力人口が減ることによって消費者人口も減少、これにより市場が縮小し生産性も低下、県内小規模自治体の行政機能の低下も避けられず、あらゆる経済社会システムを維持することが困難になります。
 ついては、今申し上げた事柄を可能な限り回避するため、今後どのような施策に力を入れ、人口が減少しても多様性に富んだ成長力のある社会をつくり出していくのか、行政機能の維持に苦戦を強いられている小規模自治体への支援のあり方も含めてお伺いいたします。
〇ふるさと振興部長(村上宏治君) 人口減少が進行する中で活力ある社会を形成していくためには、行政のみならず、地域内外の多様な主体と連携した取り組みを展開していくことが必要と認識しております。
 このため、県では、地域おこし協力隊など地域の核となる人材の確保、育成の支援や、地域の担い手確保対策にもつながる特定地域づくり協同組合の設立支援、副業人材と企業等とのマッチングによる関係人口の拡大などに取り組んできております。
 また、職員のなり手不足などから、行政機能の維持確保に不安を有する市町村、特に小規模自治体におきましても、安定的な行政サービスの提供による住民福祉の向上が図られるよう、市町村職員合同就職セミナーの開催や、地域経営推進費の拡充による事業推進などの支援策を講じているところです。
 今後におきましても、こうした取り組みの一層の拡充を通じまして、人口減少対策を着実に推進しながら、さまざまな主体と連携して持続可能な活力ある地域社会の構築に向けて取り組んでまいります。
〇45番(佐々木順一君) 次に、インフラの関係についてお伺いいたします。
 令和3年3月に策定されました、岩手県道路橋長寿命化修繕計画の計画期間が今年度末に終了し、令和7年度からは次期計画のもと長寿命化が進められるものと認識しております。道路に関しては公表されている同計画以外にも、岩手県道路トンネル長寿命化修繕計画、岩手県舗装個別施設計画、岩手県大型道路構造物長寿命化修繕計画など分野別の計画が用意されておりますが、公表されていないため、残念ながら、その内容をうかがい知ることはできない状況にあります。
 いずれにせよ、近年頻発する大規模災害や気候変動によるインフラへの影響のみならず、資材高騰や人材確保など事業者を取り巻く環境変化を踏まえた持続可能な計画が求められていると思います。
 県では、民間企業との連携や地域住民の参加を促進するなどの取り組みを進めていると認識しておりますけれども、担い手確保などさまざまな課題があると考えますが、計画にどのような修正を加えるべきと考えているのか、お伺いいたします。
〇県土整備部長(上澤和哉君) 道路施設の個別施設計画についてでありますが、県では、道路橋や道路トンネル等の道路施設について、より効果的で効率的な維持管理を推進するため、令和3年3月に策定した岩手県道路橋長寿命化修繕計画等の改定作業を進めており、令和7年度から令和11年度までの5年間を計画期間とする新たな計画を今年度末までに策定し、公表する予定としております。
 インフラ施設を適正に管理していくためには担い手確保などが重要であると認識しており、令和元年度から県内の土木系学科を有する高校との協働による橋梁点検を実施するなど、将来を担う高校生のインフラメンテナンスに関する知識向上や、土木技術者の担い手の確保、育成に取り組んでいます。
 これらの改定計画では、引き続き、予防保全型維持管理への転換を進めながら、担い手確保、育成にもつながる新技術の活用等により、コスト縮減が図られるような視点からも目指すこととしております。
〇45番(佐々木順一君) 次に、インフラ施設の維持管理手法についてお伺いいたします。
 先ほど申し上げましたように、人口減少による税収減や普通交付税の減少など、財政状況が厳しくなる中、インフラ維持管理に必要な財源の確保は大きな課題であります。岩手県公共施設等総合管理計画によれば、インフラ施設の修繕、更新に今後30年間で8、646億円、年平均で288億円が見込まれており、これは過去5年間の平均投資額627億円の0.5倍ということでありますけれども、調べてみると、これは巨額の経費を投じた簗川ダムの建設費用が計上されているからでありまして、この影響を除けば250億円程度ですから、今後30年間、継続的に現行の2割程度費用がふえるものと見込まれます。しかも、資材価格、労務単価の高騰で、策定時点から相当上振れしていることが想定されます。
 全国的には、一昨年、静岡県と下田市が県、市合わせて283キロメートルの道路維持業務を一体化して総価方式で一括発注し、事務作業軽減、作業の効率化、受注者の柔軟な工事実施を進めた事例があります。現実的にこの方法が経費縮減につながるのかどうか、成果を待たなければなりませんが、人口減少下での効率的な維持管理方式として、基礎自治体との連携は一つの方策だと考えます。
 財源確保の必要性は申すまでもありませんが、特に、今後ますます重要性を増すインフラ維持管理を安定的に行うための手法について工夫の余地がないのか、当局の所感をお伺いいたします。
〇県土整備部長(上澤和哉君) インフラ施設の維持管理を安定的に行うためには、点検、診断、修繕のサイクルが重要になりますが、業務の効率化等の観点から、例えば、点検にドローンを用いるなど新技術の導入を進めているところです。
 また、佐々木順一議員御紹介のスケールメリットを生かした手法等について、安定的な維持管理に有効であると認識していることから、除雪業務において、市町村と連携し、それぞれが管理する道路のうち区間の一部を交換する交換除雪や、業務の委託先の同一化、また、道路や河川、砂防施設などの維持管理業務を包括的に実施する地域維持型契約方式なども導入しているところです。
 引き続き、新技術の導入や市町村との連携などを図りながら、持続的、効果的な社会資本の維持管理に取り組んでまいります。
〇45番(佐々木順一君) 次に移ります。阪神・淡路大震災から30年目であります。よって、災害対策についてお伺いいたします。
 先般、政府の地震調査委員会は、海溝型地震などの30年以内の発生確率を引き上げました。すなわち、日本海溝の青森県東方沖及び本県沖北部は、10〜30%から20〜40%に、南海トラフは80%程度、千島海溝十勝沖は20%程度、日本海溝宮城県沖は80〜90%とされたところであります。
 地震調査委員長は、いつ起きてもおかしくない、引き続き備えをしてほしいと呼びかけておりますが、この発生確率の更新を踏まえ、今後、特に強化される事業についてお伺いいたします。
〇復興防災部長(福田直君) 日本海溝沿いの巨大地震につきまして、国の地震調査委員会が先月公表した今後30年以内の発生確率は、マグニチュード9程度の巨大地震はほぼゼロ%とされた一方、岩手県沖北部におけるマグニチュード7.9程度の地震は20〜40%とされ、時間の経過によるひずみの蓄積に伴い、従来の10〜30%より引き上げられたところです。
 本県では、市町村や有識者等を含む巨大地震・津波対策連絡会議を開催する中で、個別避難計画の作成や避難訓練を実施、さらには、後発地震注意情報が発表された場合の対応などについて、具体的な議論を行っております。
 また、県が用意する津波対策の補助金により、来年度は全ての沿岸市町村の取り組みを支援する予定であるほか、国に対しても支援の充実を求めてきた結果、地域防災緊急整備型の新地方創生交付金が新たに設けられたところであり、市町村には、これらの支援の一体的な活用を促しております。
 さらに、大規模地震への備えとしては、即時に応援職員を派遣してもらう都道府県を決めておくことも重要であり、今月開催された国の関係者会議では、日本海溝沿いの巨大地震について、即時応援都道府県の組み合わせを国が調整するよう、本県から強く要請を行ったところです。
 今後も、国や市町村との連携を図りつつ、さまざまな視点から巨大地震、津波対策を強化してまいります。
〇45番(佐々木順一君) 関連し、避難所のあり方についてお伺いいたします。
 先般、内閣府は避難所運営に関する自治体向け指針を人道支援の基本原則や避難所が備える最低限の設備などを定めた国際基準、すなわちスフィアスタンダードを反映した内容に改定し、各自治体に通知いたしました。
 改定された指針は、例えば、温かい食事の提供のあり方や、あるいは、災害発生当初のトイレは50人に1個、一定期間経過後は20人に1個、男女比は1対3、居住空間については、1人当たり最低3.5平方メートル、仮設入浴施設は50人に一つとすることなど、具体的数値を明示しております。
 ついては、この指針改定を踏まえた具体的整備方針について、優先的事柄はどういうことなのかも含めてお伺いいたします。
〇復興防災部長(福田直君) 避難所の環境改善につきましては、昨年11月に閣議決定された総合経済対策を踏まえ、環境改善につながるさまざまな資機材について、この機会に新地方創生交付金を活用して整備することを県内市町村に促してまいりました。
 その結果、多くの市町村において、快適なトイレやプライバシーを守るパーティション、簡易ベッドなど必要な資機材の備蓄が検討されておりまして、県としても今定例会に提出予定の補正予算案において、テント型のパーティションなどを備蓄するための予算を計上しております。
 また、温かい食事の提供については、地域コミュニティーによる自炊のほか、地元の料理飲食業組合との連携、NPОやボランティアによる炊き出しなど、さまざまな方策が考えられるため、市町村やNPО、有識者等を含む県の検討会の場で具体的な議論を進めているところです。
 県の市町村避難所運営マニュアル作成モデルについては、いわゆるスフィア基準をより実用的な内容に落とし込んだものにしたいと考えておりますので、検討会での議論を踏まえた上で、ことしの夏ごろまでを目途に改定を行い、避難所における良好な生活環境の確保を進めてまいります。
〇45番(佐々木順一君) 次に、県立病院について伺います。
 今、県立病院は大きな危機に直面しております。昨年末、今年度の収支が90億円の赤字になることを公表いたしました。診療報酬が上がらない中、給与改定や材料費の増嵩、物価高騰、あるいは、最低賃金の上昇に伴う経費の増など、いずれも構造的な課題に大きな原因があり、達増知事におかれては、全国知事会や地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会の場でこの課題を取り上げ、地方財政措置の拡充等の提言をされてきております。
 国から一定の支援策が補正予算で示されたと承知しており、県では、配分のあった重点支援交付金の大きな枠を割いて県立病院に物価高騰支援を行うことが明らかにされました。県としての医療を守る気概を感じますが、いまだ赤字解消には至らない予算規模であることも事実であります。
 医療局としてこの危機をどう乗り越え、医療を守っていくのか、国に診療報酬の見直しを求めていくとの言及がきのうの本会議でもありましたが、どのようなポイントを求めていくのか、重要となる見直しの項目について、具体的にお答えを願います。
〇医療局長(小原重幸君) 県立病院におきましては、収益が伸び悩む一方、給与改定や物価高騰等により費用が大幅に増加するなど、厳しい経営状況が続いており、まずは新入院患者の確保や新規、上位施設基準の取得等による診療単価の向上などの収益確保の取り組みに加え、適正な職員体制の見直しや経費の抑制など費用縮減の取り組みを進め、県立病院として自ら経営改善を図ってまいります。
 一方、物価高騰や給与改定による経費の増と診療報酬が見合っていない構造的な課題があり、こうした構造の改善に向け、入院基本料や手術料、各種指導料の引き上げなど、医療提供体制確保のための適切な診療報酬改定の早期の実施や不採算医療を担う公的医療機関としての特徴に見合った地方財政措置の拡充等を国に対し求めてまいります。
〇45番(佐々木順一君) 経営計画では医師確保を進めていく方針が示されましたが、具体的な対策が明確にされていないようなところもあります。団塊世代が後期高齢者になり、全体の人口減少は進むものの、医療需要は今後も一定程度見込まれます。
 厚生労働省は医師の偏在対策にも取り組むと方針を出しておりますが、医療局としてどのような医師確保を進めていこうとされているのか、具体的にお示しください。
〇医療局長(小原重幸君) 県立病院の医師確保についてでありますが、次期岩手県立病院等の経営計画におきましては、奨学金による医師養成を推進するとともに、県立病院の機能分化、連携強化の方向性を踏まえた医師確保を進めることとしております。
 奨学金養成医師につきましては、義務履行期間に臨床研修を加え、キャリアの初期から県内で勤務させることとしており、県立病院での勤務を通じて関係性をより強固にし、定着につなげていきたいと考えております。
 また、医師不足が顕著な県北、沿岸地域や特定診療科での医師を確保するためには、配置ルールなどの見直しも今後は必要と考えており、関係機関との協議を進めてまいります。
 また、近年におきましては、医学生や臨床研修医が将来的なキャリア形成を見据えて病院を選ぶ傾向にありますことから、疾病ごとの症例数、手術数の集積や手術支援ロボットや高精度リニアック等の高度医療器械を整備するなど、県立病院で高度な専門研修が受けられる環境づくりに取り組むとともに、県立病院に勤務する医師の約7割が関係大学の医局からの派遣であることから、引き続き、医師のキャリア形成に向けた取り組みを大学とも連携しながら進めてまいります。
 こうした取り組みに加えまして、佐々木順一議員からお話のあったとおり、国におきましても、医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージが示されたところであり、大都市県を初めとする医師多数県の臨床研修医が本県のような医師少数県で研修を行う広域連携型プログラムなどの取り組みも積極的に取り入れながら、必要な医師の確保に努めてまいります。
〇45番(佐々木順一君) それでは最後に、農業政策についてお伺いいたします。
 県では、食料・農業・農村基本法の改正を踏まえ、いわて農業生産強化ビジョンの策定に取り組まれていると承知しておりますが、農業施策の部門別計画は、平成11年策定の農業・農村基本計画が最後となっておりました。以降、姿を消し、今日に至っておりますが、二十数年ぶりに本県農業のあるべき姿を描こうとしている県の取り組みに敬意を表したいと思います。
 ついては、ビジョン策定に至った要因、掲げる政策目標、そして、柱となる施策とそれぞれの施策の展開方向についてお伺いいたします。
〇農林水産部長(佐藤法之君) 食料自給率が100%を超える本県は、食料・農業・農村基本法の改正を契機に、気候変動やGXの進展など本県農業を取り巻く環境が変化する中、強みをより一層発揮し、食料供給基地としての役割をしっかりと果たしていくことが重要と考え、いわて農業生産強化ビジョンを策定することとしました。
 ビジョンの素案では、食料自給率と農業産出額を目標に掲げ、施策推進の柱を三つとし、生産性・市場性の高い産地づくりの柱は、気候変動に対応した品種開発、県産飼料の生産拡大、輸出促進に加え、地域ごとの生産振興の取り組み、環境負荷低減と安全・安心な産地づくりの柱は、有機農業やGAPの推進、人材の確保・育成の柱は、新規就農者や多様な人材の確保、農業大学校の機能強化などの展開方向を示しております。
 今後も生産者や農業団体等と意見交換を重ね、共通理解を図りながら、国の食料・農業・農村基本計画の内容を踏まえつつ、さらに検討を進めていきます。
〇45番(佐々木順一君) 農林水産省は本年度中の改定を目指し、次期食料・農業・農村基本計画を策定中とのことでありますが、次期計画には唯一の目標であった食料自給率に加え、新たに、例えば、担い手への農業の集積率、農地面積の確保、温室効果ガスの削減量など約30項目を目標に掲げ、さらには、農業、食料関連産業の生産額が他産業並みにふえることなどをKPIとする方向と伺っております。
 また、計画期間は、これまでの10年間から5年間に変更、さらに、目標の達成状況は、最低でも年1回検証することも盛り込まれております。
 ついては、本県のいわて農業生産強化ビジョンは、国の基本計画も参考としながら検証されているわけでありますが、どのような項目を指標化するのか、検証作業のあり方も含めて、さらに、公表の時期も含めてお伺いいたします。
〇農林水産部長(佐藤法之君) いわて農業生産強化ビジョンは、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる政策を一層推進していくため策定するものでありまして、先ほど策定の時期の話もありましたけれども、本年7月の策定を目指しております。それから、計画期間につきましては、いわて県民計画(2019〜2028)の長期ビジョンの終期と合わせまして、令和7年度から令和10年度までの4年間としようとするものであります。
 指標の設定につきましては、いわて県民計画(2019〜2028)における、いわて幸福関連指標や具体的推進方策指標等との整合性を考慮しつつ、素案では三つの施策推進の柱ごとに19指標をお示ししました。国の基本計画の目標やKPIを参考に、岩手県農政審議会を初め生産者や関係機関、団体等の意見を伺いながら、目標値も含め検討していきます。
 また、設定した指標につきましては、年度ごとにその進捗状況や成果、課題等の分析を実施し、さらに必要な対策の追加や見直しを行い、次年度以降の施策等に反映していきたいと考えております。
〇45番(佐々木順一君) それでは、最後に知事に伺います。
 事の本質は、農家の皆さんが流した汗が報われるようなビジョン、誇りと意欲を持って、しかも継続的に農業に携わることができるようなビジョンを期待したいと思っております。
 また、知事はきのうの本会議でも言及されましたが、戸別所得補償制度の実現について、たびたび言及されております。よって、この制度の早期実現について、どう取り組まれるのか、ビジョン策定に向けての考え方、すなわち哲学もあわせてお伺いいたしまして、一般質問を終わりたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 世界的な人口増加による食料需要の高まりや気候変動による生産減少、ロシアによるウクライナ侵攻などにより食料安全保障の重要性が高まる中、資材価格の高騰は依然として農業経営に影響を与えており、農業者が将来にわたり意欲を持って生産活動に取り組むことのできる環境が必要です。
 農業経営のセーフティーネットについては、収入の減少を補填する収入保険制度等にとどまり、資材価格の高騰に対応していないところであり、国はかつて実施された農業者戸別所得補償制度など、農業者が将来にわたり意欲を持って生産活動に取り組むことのできる何らかの支援策を検討すべきであります。
 県では、厳しい経営環境に置かれている農業者の状況を踏まえ、国に対し、収入保険や各種類似保険制度について、農業者のニーズや関係団体の意見を踏まえた見直しなどを要望しています。
 また、いわて農業生産強化ビジョンの策定については、食料安全保障の強化に向け、生産者が将来にわたり希望を持って生産にいそしみ、日本全体として食料自給率を高めていくことが重要であり、既に食料自給率が100%を実現している本県は、大きな役割を果たしていく必要があります。
 日本の農業が危機的状況に直面している今、このビジョンを策定し、岩手県からあるべき日本の農業の姿を実現するよう国に働きかけながら、全力を尽くしてまいります。
〇45番(佐々木順一君) 終わります。(拍手)
〇議長(工藤大輔君) 以上をもって、佐々木順一君の一般質問を終わります。
   
〇議長(工藤大輔君) この際、暫時休憩いたします。
   午後2時30分 休 憩
   
出席議員(47名)
1  番 田 中 辰 也 君
2  番 畠 山   茂 君
3  番 大久保 隆 規 君
4  番 千葉秀幸 君
5  番 菅 原 亮 太 君
6  番 村 上 秀 紀 君
7  番 松 本 雄 士 君
8  番 鈴 木 あきこ 君
9  番 はぎの 幸 弘 君
10  番 高橋 こうすけ 君
11  番 村 上 貢 一 君
12  番 工 藤   剛 君
13  番 小 林 正 信 君
14  番 千 葉   盛 君
15  番 上 原 康 樹 君
16  番 菅野 ひろのり 君
17  番 柳 村   一 君
18  番 佐 藤 ケイ子 君
19  番 高 橋 穏 至 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 福 井 せいじ 君
23  番 川 村 伸 浩 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 高 田 一 郎 君
26  番 木 村 幸 弘 君
28  番 吉 田 敬 子 君
29  番 高 橋 但 馬 君
30  番 岩 渕   誠 君
31  番 名須川   晋 君
32  番 軽 石 義 則 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城 内 愛 彦 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 郷右近   浩 君
41  番 小 西 和 子 君
42  番 高 橋 はじめ 君
43  番 五日市   王 君
44  番 関 根 敏 伸 君
45  番 佐々木 順 一 君
46  番 岩 崎 友 一 君
47  番 千 葉   伝 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(1名)
27  番 佐々木 朋 和 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後2時52分再開
〇議長(工藤大輔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第1、一般質問を継続いたします。佐々木茂光君。
   〔35番佐々木茂光君登壇〕(拍手)

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