令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録

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〇38番(中平均君) いわて新政会の中平均です。代表質問に登壇の機会をいただきました会派の皆様、議員の皆様に感謝を申し上げます。
 質問に先立ちまして、昨年の豚熱、ことしに入っての大規模な高病原性鳥インフルエンザの防疫措置に御対応いただいた県職員、県建設業協会、県バス協会を初めとする関係の皆様に、私から、会派を代表して御礼を申し上げさせていただきます。
 それでは質問に入ります。達増知事の明快な答弁をよろしくお願いいたします。
 知事演述において達増知事は、地方創生10年の反省を踏まえ、若者、女性に選ばれるという視点を重視し、地方創生をバージョンアップすべきときですと決意を高らかに述べました。
 そこで、岩手県として、国並びに県の地方創生10年をどのように総括するのか、国、県の施策の反省点も含め答弁をよろしくお願いいたします。
 以下の質問は質問席で行います。
   〔38番中平均君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 中平均議員の御質問にお答え申し上げます。
 地方創生10年の総括でありますが、国が昨年公表した地方創生10年の取組と今後の推進方向で総括されているように、これまでの間で、全国的に人口減少や東京圏への一極集中などの大きな流れを変えるには至りませんでした。一方、地方では、国の交付金も活用しながら施策を積み重ねてきた結果、地方の生活のしやすさや働く場としての魅力は向上しました。
 本県において、地方創生は東日本大震災津波からの復旧、復興の歩みでもあり、復興道路などの交通ネットワークの整備やまちづくりが進みました。さらに、全国トップレベルの子育て環境の実現やヘルステック・イノベーション・ハブの整備、半導体分野等における投資の拡大、岩手県立陸前高田オートキャンプ場やクライミング施設の整備など、岩手県の魅力を高める取り組みを進めてきた結果、今後の基盤がつくられた10年となりました。
 一方で、本県でも人口減少は続いており、特に、就職期における若者、女性の県外転出が大きな課題であります。県外転出に影響を与える要因の一つとして、性別におけるアンコンシャスバイアスが指摘されていますことから、県として、ジェンダーギャップ解消を重点的に進めていくことが必要であると考えております。
 また、官民投資の東京圏への集中により、東京圏の雇用の求心力が強化された面も大きく影響しており、国全体の課題として、東京圏への一極集中構造の是正と地方重視の経済財政政策を進めることが重要と考えます。
〇38番(中平均君) 答弁ありがとうございます。今、国の施策の、また、県の反省点も踏まえてということでお伺いいたします。
 もう少し具体な、こうすればよかったとか、社会減対策も、県もつくり、各自治体もつくり、結果的にはふえているような、そういうものをつくらなければ補助金や交付金は来なかったという現実もあったとは聞いていますけれども、そういった点を含めてお聞きしたいのですが、地方創生2.0では、基本的な考え方で5本の柱を示して政策体系を検討し、基本構想をまとめるとしています。
 今、知事の答弁にあったような点を取り込んでいかなければ、これはまた、この先の地方創生2.0も同じような失敗を繰り返すのではないかと危惧するのですけれども、知事は、どのようにしてこの人口減少時代に対応した地方のあり方を基本構想に反映させていくのかをお伺いします。
〇知事(達増拓也君) 国が昨年12月に公表した地方創生2.0の基本的な考え方では、東京一極集中の是正や若者や女性にも選ばれる政策の強化などに取り組むことが掲げられ、地方創生を再起動させることとしており、本年夏ごろをめどに基本構想を取りまとめることとしています。
 こうした動きに対し、これまでの地方創生10年の取り組みによる振り返りを踏まえ、地方の声を反映させることが重要であると考えており、全国知事会としても、本年1月に若者・女性にも選ばれる地方の実現に向けた緊急提言を行い、魅力ある働き方・職場づくりに向けた支援策の強化、全国一律での子育て支援策の早期かつ着実な実施、アンコンシャスバイアスの解消、国と地方が意見交換する場の設置などを国に対し提言しているところであります。
 県としても、全国知事会の人口戦略対策本部や日本創生のための将来世代応援知事同盟などの活動を通じ、地方の声を基本構想に反映させていきたいと考えています。
〇38番(中平均君) そういった中で、2月4日に行われた定例記者会見において、知事は、ジェンダーギャップ解消についての必要性、解消に向けての流れについてお答えされておりましたけれども、改めてになりますが、知事に、岩手県の若者、女性の転出超過の要因をどのように捉えているのかをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 若年層の転出超過が本県の社会減の大きな要因となっていますが、社会減の傾向には、全国と岩手県の経済、雇用情勢の差による影響が見られ、東京都の有効求人倍率が本県など地方を上回る状況下で、東京一極集中の再加速が見られています。
 また、若年層の社会減を男女別に見ると、20代前半では、男性に比べ女性の転出超過が多い傾向であり、この要因として、女性活躍促進法に基づくえるぼし認定制度などの取り組みが進む企業が、企業の規模の違いもあって東京圏に集中していることや、地方における性別のアンコンシャスバイアスが指摘されているところです。
〇38番(中平均君) そういった中において、ジェンダーギャップが生じている具体の場面といいますか事例を、現に県はどのように認識しているか。そして、令和7年度一般会計当初予算案において、事業が効果を発現するまでにどのくらい時間がかかると考えているのかをお伺いします。
〇知事(達増拓也君) 地方における固定的性別役割分担意識や性別によるアンコンシャスバイアスの存在が指摘され、本県も同様に、社会のさまざまな場面でジェンダーギャップが生じていると指摘されています。
 今年度、県が実施した男女が共に支える社会に関する意識調査の速報値では、地域社会での男女の地位の平等感に関し、平等と感じるが約2割となる一方、男性のほうが優遇されていると感じるは約6割となり、また、共働き世帯の男性の家事時間割合も女性の約4割にとどまっています。
 このため、令和7年度は、固定的性別役割分担意識の解消に向けた専門人材による講演会等の新たな開催や、家庭内の分担を見える化する家事・育児シェアシートのさらなる普及に取り組むこととし、令和7年度岩手県一般会計当初予算案に必要な軽費を盛り込んでおります。
 県内の主要な経済団体は、若者、女性の転出超過の要因分析に基づく有識者からの厳しい指摘に危機感を強くし、また、本年1月には、いわて未来づくり機構ラウンドテーブルにおいて、若者・女性に「選ばれる岩手」宣言を行うなど、経済界を中心にジェンダーギャップ解消に向けた機運が高まっています。
 こうした動きがさらに加速するよう、県としても一層取り組みを推進してまいります。
〇38番(中平均君) 今御答弁いただきました、個人の意識改革、また社会の意識改革を進めていくということなのだろうと思います。
 そういった中で、令和7年度岩手県一般会計当初予算案の中での自然減対策、有配偶率の向上、また、有配偶出生率の向上、こういった表現は、既に女性に結婚や出産を求めるバイアスがかかっているのではないかとも感じるところです。
 個人の意識改革が県の施策によって進み、対照的に社会の改革が進まず、バイアスが解消されなければ、意識改革した個人は、さらに社会減という形で地方から転出することになるのではないかとも考えますが、この点についてお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 結婚や出産は、個人の自由な選択に基づくものであるということをまず基本に据えたいと思います。そして、一人一人の生きにくさを生きやすさに変えて、若者や女性が働きやすい、暮らしやすい、選ばれる岩手県であるための一環として、ジェンダーギャップの解消に取り組みたいと思います。
 ジェンダーギャップの解消に向けては、地域や家庭、職場、学校など、さまざまな場面における意識啓発や取り組み支援などにより、社会的にジェンダーバイアスの解消を進めます。
 これらの取り組みを通じて、地域社会全体の理解が進み、それぞれの行動変容につながるよう、民間企業や関係機関、団体など、多様な主体と連携し、オール岩手で推進してまいります。
〇38番(中平均君) 表現の一つ一つというところだと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、人口減少時代に持続発展していくための財源対策等ということであります。
 地方交付税の改正については前回質問して、知事も取り組んでいくということと承知しています。ただ、制度の改正なり見直しにはどうしても時間がかかる中で、自主財源の確保に向け、自治体が連携してのふるさと納税の拡充であり、グリーンボンド、ブルーカーボン等の制度を活用していくために、県内市町村と共同で取り組む必要があるのではないかと考えますが、この点についての考え、取り組みをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 本県及び県内市町村の歳入は、いわゆる依存財源の割合が高く、持続可能な財政運営を行っていく上で、自主財源の確保は重要であります。
 ふるさと納税については、市町村においても貴重な財源となっており、農林水産物や工芸品など、県と市町村が共通返礼品として取り扱うことにより、本県の魅力を効果的に発信しながら、一層の自主財源の確保につなげることができるものと考えます。
 また、グリーン/ブルーボンドについては、市町村と共同発行した場合、発行額の拡大やコストの低減などが期待できる一方、充当事業の選定や償還年限の調整が必要といった課題もあるものと考えます。
 今後の地方財政制度の見直しが不透明な中、市町村との共同による安定的な財源確保は重要な課題であることから、広く市町村の意見も聞きながら、そのあり方を検討してまいります。
〇38番(中平均君) ぜひ検討を進めていきながら、より多くの自主財源の確保に努めていっていただきたいと思います。
 御承知のとおり、東京都は、人口減少対策として、豊富な財源を利用してさまざまな政策を打ち出してきています。正直言って、岩手県を含む地方は、同じようなことを行う予算がなかなかないというのも現実であります。そういった中で、だからこそ、岩手県オリジナルの人口減少対策であり、大都市圏との差別化、大胆な集中投資などが必要になってくるのだと思います。
 県の令和7年度当初予算案は、この点についてどのように留意して編成されたのかをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 令和7年度岩手県一般会計当初予算案では、自然減・社会減対策を主軸にした四つの重点事項をさらに推進することとし、妊産婦の通院等への支援を拡充するなど、全国トップレベルの子供、子育て支援のさらなる充実を図るほか、小規模町村の人口減少対策への伴走型支援を、庁内関係部局の連携を強化した上で、他の町村にも拡大します。
 また、本県が世界的な製造拠点となっている半導体や自動車分野などの製造業、国内外から高く評価されている観光資源や農林水産物を生かした観光業や農林水産業などについて、地元調達や高付加価値化を進め、域内経済の好循環を図りながら、インバウンド観光や輸出の拡大による外需の獲得を進め、県民所得を増加する施策に取り組んでまいります。
 さらに、ものづくり産業の人材育成、確保、海面養殖サーモンの生産拡大、再生可能エネルギーの導入促進、道路ネットワークの強化など、地域の特性を生かした産業振興等による投資拡大を図り、人口減少対策を力強く推進してまいります。
〇38番(中平均君) 今の点については、また後段で質問させていただきます。
 次に、県立病院の医療体制についてお伺いいたします。
 県立病院等の経営計画に基づく機能分化と連携強化については、昨年の決算特別委員会で医療局に対して質疑したところでありますけれども、人口の少ない地域は、医療提供体制がより脆弱になるのではないかという危惧が拭えませんが、知事はどのように捉えているのかをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 県立病院の次期経営計画では、医療の高度、専門化や人口減少等による医療需要の変化、疾病・事業別医療圏に対応し、県内で高度、専門医療を安定的に提供できる体制を確保するとともに、民間病院が立地しにくい地域では、県立病院が引き続き身近な医療を提供していくため、県立病院の機能分化と連携強化を進めることとしています。
 県立病院の医療機能の充実によって、県民が、県内いずれの地域からも、複数の専門スタッフによるチーム医療や手術支援ロボットやサイバーナイフなどの高度医療器械を用いた医療を円滑に受けることが可能となり、また、高度な治療の後は、より患者の居住地に近い地域の病院で継続して医療を受けられるようにするなど、県内全体でよりよい医療提供体制を確保できるものと考えます。
〇38番(中平均君) そこを前提としまして、県立久慈病院について聞いてまいります。
 県立久慈病院は、救急医療体制を持つ地域唯一の総合病院として医療圏域の中核を担っていると認識していますが、知事の認識をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 県立久慈病院は、久慈医療圏唯一の急性期病院として、昨年度も延べ9、000人を超える救急患者を24時間体制で受け入れ、また、新型コロナウイルス感染症への対応においても、圏域の入院患者の8割以上を担うなど、圏域の医療の中核として大きな役割を果たしています。
 今年度、医療局が策定した次期経営計画においても、県立久慈病院は、圏域の幅広い医療機能を担う病院として改めて位置づけ、一定の高度、専門医療から回復期医療までの広範な住民ニーズに応えていくこととしています。
 こうした役割を果たしながら、地域の医療を支える重要な拠点として、救急医療体制を含め、住民の皆様が安心して医療が受けられる体制を引き続き提供してまいります。
〇38番(中平均君) ただいま答弁いただきました県立久慈病院は、地域の中核として大きな役割を果たしているということでございます。
 そういった中で、県立久慈病院では、医師不足ということで、令和5年度からは、脳神経外科の救急搬送の入院受け入れを停止。そして、令和7年度からは、脳神経内科の救急搬送についても同様に停止。
 岩手県は全て高齢化が進む地域なのですけれども、脳神経疾患の救急搬送が内科、外科ともに休止ということは地域に大きな不安を与えておりますが、知事は、この点についてどう認識していますでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 県立久慈病院の脳神経疾患に係る救急医療体制についてでありますが、脳血管疾患等の救急医療への対応については複数人の医師の配置が求められているところでありますが、県内で脳卒中等の脳血管疾患を専門とする医師は、派遣元の関係大学でも十分に確保できていない状況にあります。
 こうした中、久慈圏域内の脳血管疾患等の救急患者については、医師の派遣元である岩手医科大学を初め、関係する消防、医療機関とも協議の上、八戸市など近接する医療圏の医療機関に迅速かつ円滑に搬送し、専門的な検査、治療が受けられる体制を確保したところであります。
 また、圏域外に搬送された救急患者のうち容態が安定した患者については、県立久慈病院で積極的に受け入れることとしています。
 県としては、引き続き、関係大学のほか、他の医療機関等との連携を図りながら、医師の確保も含めた医療提供体制の充実に努めてまいります。
〇38番(中平均君) そういった中で、救急は、今答弁いただいたような状況になる。そして、外来についてですけれども、これも当然、常勤医が減るということですから、体制縮小ということになると思うのですが、現在治療している人を含めて、患者への医療提供体制をどのように考えているのかをお伺いします。
〇知事(達増拓也君) 県立久慈病院で脳神経疾患の治療を受けている患者への対応についてでありますが、急性期以外の患者については、診療に支障が出ないよう、岩手医科大学や県立病院間の診療応援などにより外来の診療体制を確保してまいります。
 また、このような取り組みに加え、4月から、脳神経疾患に伴う患者のさまざまな症状にも対応できる総合診療科の医師を増員することとしており、院内の関係診療科の連携により、地域に必要とされる診療体制の確保に努めてまいります。
〇38番(中平均君) 今、救急体制と外来の体制等の答弁をお伺いしました。
 知事にお伺いしたいのですけれども、岩手県内で医師が充足して診療科目が全部整っている地域は本当にごく一部であって、ほとんどの地域において医師不足、診療科が偏在している状況であります。これは知事が就任する前からそうで、そういう中で、地域の皆さんは、医療体制を維持し、守るためにさまざまな協力をしてまいりました。
 先般の知事選挙において、知事はマニフェストプラス39で、全県的な医療提供体制と県立病院の体制等の一層の充実を図るとしておりました。今までも、県において奨学金養成医師の育成など医師確保に取り組んできたのは重々承知しておりますし、その成果も出てきていることも承知しています。ただ、実際、県立久慈病院の脳神経外科、脳神経内科も含めて、ほかの病院もそうですけれども、正直、診療科目が減ってきている、集約されてきている。
 これを機能分化という言葉で言いかえているのではないかという質問になるのですけれども、知事は過去、私が質問した際に、今後、奨学金養成医師等、いずれ医師が充足していくとお答えされています。しかし、結果的には、このような形で、なかなか充足することがなく医療体制の縮小ということになっています。
 このことに対する知事の見解をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 県では、奨学金養成医師の計画的な配置等に取り組んできたところであり、今年度末までに臨床研修を修了する奨学金養成医師は307名となり、令和7年度は県全体で185名、このうち県北・沿岸地域には67名の配置を予定しており、今後、県内の地域偏在は解消に向かい、また、県立病院の機能分化と連携強化により、県内全体の医療提供体制がさらに充実するものと考えています。
 一方で、医師の働き方改革や医療の高度化などへの対応もあり、医師の充足の実感には至っていない地域もあると認識しておりまして、医師偏在の根本的な解消には、国レベルでの取り組みが必要との認識のもと、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会において、国への提言活動などを行ってきたところであります。
 こうした活動により、国では、昨年12月に医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージを策定し、今後、都道府県においてプランの策定などに取り組んでいくこととされたところです。
 県においては、国から今後示される具体的な対策を踏まえながら、持続可能な医療体制の構築に向け、医師の確保と偏在是正に努めてまいります。
〇38番(中平均君) 今、答弁でいただきました、さまざまなことがこれからというところなのだろうと思います。
 今の答弁の中で、医師の充足を実感できない地域があるだろうという答弁が、一言一句まで一緒だと受け取ったのですが、県内各地区において、実際に充足しているという実感を持っている地域はどれだけあるのかというところです。
 そういった面を含めて、先ほどの有配偶率等の表現ではないですけれども、そういった表現等が、どうしても、本当に医師不足で、医療体制が減ってきて、どうなっているのですかと。例えば、久慈地域は、産科が最初に集約になりました。そして、今回は脳神経外科、次は脳神経内科。そういう各地域地域においての実態に対して、いずれ充足していくという答弁でありますけれども、これが具体にどうなっていくのだということを示していく必要性があると思うのです。
 予算特別委員会の医療局、保健福祉部の部局別審査でやろうとは思いますけれども、そういった点を踏まえながら、今後の医師確保対策であり病院体制に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、災害対応についてお伺いいたします。
 昨年8月12日の台風5号で県北地域に大きな被害が発生しています。一方で、久慈川支川の沢川に県が整備した排水施設、また、久慈市の整備した3カ所の排水施設の稼働、また、滝ダムの事前放流が行われました。
 一昨年も同時期の大雨により被害を受けた築堤箇所も、復旧と河川土砂撤去により再度の災害発生を防止することができています。
 また、継続的に堆積土砂の撤去、河川内の立木の伐採等を行ってきたことによる河川の流下能力が向上していたことも大きな要因となり、被害は最少限度で食いとめられました。
 原形復旧のみならず、再度災害防止に向けた河川改修と事前予防としての河川内の堆積土砂の撤去や立木の伐採等の必要性が再認識されたものと思います。
 こういった事例を踏まえ、流域治水の考えのもと、安心、安全な地域をつくっていくための今後の取り組み方針についてお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 県では、県内の全48水系で流域治水プロジェクトを策定し、流域治水に取り組む実施主体、内容、工程表を取りまとめ、防災、減災対策に取り組んでまいりました。
 今後も、令和元年台風第19号で被災した久慈市小屋畑川など、近年、洪水により家屋の浸水被害が発生した区間や資産の集中している区間等における河川改修や堆積土砂の撤去等のハード対策を着実に進めてまいります。
 また、ソフト施策として、住宅等の防護の対象がある全ての河川における洪水浸水想定区域の指定を令和7年度末までに完了させるほか、防災情報の充実強化などにより、流域治水を自らのことと捉えて行動することを促す自分事化の取り組みも進めていきます。
 引き続き、流域治水の考え方のもと、ハード対策とソフト施策を効果的に組み合わせた防災、減災対策に取り組んでまいります。
〇38番(中平均君) 次に、県北振興についてお伺いいたします。
 水産業について。
 主力魚種の不漁により大きな打撃を受けております。令和4年3月に水産業リボーン宣言を行い、さまざまな取り組みを行っていますが、例えば、野田村のホタテ養殖は、貝毒の影響で令和6年は8カ月出荷できない状況でありました。
 知事は、2月12日に開催された東日本大震災津波復興委員会において、海の変化は陸上の変化以上に進んでいる。今まで起きたことのないような危機に対しては、今までやったことのないようなことをしないと乗り越えられないと感想を述べられています。
 岩手県の水産業の状況についての知事の危機意識と、水産業リボーン宣言の成果を踏まえた今までにないどのような対策を今後講じていくのかをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 本県の水産業は、主要魚種の不漁に加え、近年の黒潮の大蛇行により三陸沖の海水温が平均より約6度高い状態が続くなど、これまでに経験したことがない状況にあり、こうした危機を克服していくことが必要です。
 県では、水産業の再生に向け、水産業リボーン宣言に基づく取り組みを推進し、ウニの蓄養、出荷は、今年度15漁協に拡大したほか、サケ、マス類の海面養殖は、来年度約3、000トンの生産が計画されるなど、取り組みが着実に広がっています。
 また、高水温に強い養殖用サクラマスの種苗開発やアサリ養殖などの新たな取り組みを進めており、こうしたリボーン宣言の取り組みを加速するため、生産と流通、加工分野が連携したサケ、マス類の海面養殖のさらなる振興策の検討や、新たな養殖対象種としてヨーロッパヒラガキの導入などを進めていきます。
 さらに、漁村地域を活性化していく海業のビジネスモデルづくり等も進めることとしており、漁業者、関係団体等と一丸となって、水産業が危機を克服できるよう全力で取り組んでまいります。
〇38番(中平均君) 続けて、サケのふ化場の関係です。ふ化放流事業が困難となっており、ふ化施設の遊休化と固定費の負担から大変厳しい状況にあります。
 県として対策を打つ必要があるのではないかと考えますが、取り組みをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) サケの不漁により、漁協は、定置漁業のほか、サケふ化放流事業についても十分に収益を確保できず、依然として厳しい経営状況にあります。
 県では、県漁連等と連携し、経営改善の指導や円滑な資金調達に向けた制度資金への利子補給を実施するとともに、サケ、マス類の海面養殖など、新たな漁業、養殖業の導入を推進しています。
 サケふ化放流事業に取り組む漁協については、国との協議、調整を行い、ふ化場の有効活用を進めるとともに、令和6年度2月補正予算案において、ふ化場施設を活用したサケ、マス類海面養殖の種苗生産をより一層促進するための予算を提案することとしています。
 こうした取り組みに加え、漁協の販売力強化にも取り組むこととしており、本県の水産振興の中核的な役割を担っている漁協経営の安定と強化が図られるよう積極的に支援してまいります。
〇38番(中平均君) 次に、白銀のひかりについて。
 県が新たに県北地方向けに開発した米の新品種、白銀のひかりの令和7年度一般会計当初予算案におけるプロモーション予算は341万円です。岩手県のフラッグシップ米である金色の風、銀河のしずくに続く品種となることが地域で期待されておりますが、白銀のひかりの普及及び販売戦略について伺います。
〇知事(達増拓也君) 県、農業団体等で策定したいわてのお米ブランド化生産・販売戦略において、生産拡大、栽培技術の確立、普及や情報発信に取り組み、令和10年に白銀のひかりの作付面積1、500ヘクタールを目指すこととしています。
 本格生産、販売を開始する令和7年度は、生産者等による栽培研究会を設立し、モデル圃場等でのデータに基づいた栽培マニュアルの普及による栽培技術の向上とともに、米卸業者などの産地招聘や県内消費者へのPRにより認知度の向上に取り組みます。
 白銀のひかりは、県北地域で現在主要品種となっているいわてっこにかわって作付を拡大していく予定でありますが、金色の風、銀河のしずくと並ぶブランド米として、県内外のスーパーや中食、外食などへの販路開拓を進めることとしています。
 白銀のひかりが、その名のとおり、本県の稲作を照らす希望の光となるよう、関係機関、団体が一丸となって取り組んでまいります。
〇38番(中平均君) 大いに期待いたします。ぜひとも、今の知事の決意のとおり進めることを期待しております。
 次に、洋上風力発電について質問させていただきます。
 昨年10月16日の決算特別委員会での質疑で、久慈市沖での浮体式洋上風力発電の導入に向けて、久慈市、岩手県が一体となって事業化に向けて動いていると認識しています。
 答弁では、地元理解が一定程度深まってきており、久慈市、関係省庁、関係部局と連携を強化し、事業実現に向けた取り組みを加速化させていくとありました。
 そこで、まず第1にお伺いいたしますが、準備区域から有望区域に向けたこれまでの取り組み状況と成果をどう捉えているのかお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 久慈市沖は、風況がよく、浮体式洋上風力発電の適地であり、現在、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律に基づく準備区域に整理されていますが、次の段階の有望区域に整理されるためには、漁業者団体等の利害関係者から、国と県が設置する協議会への参加について同意を得ることが要件となっています。
 このため県では、久慈市とともに、地元の漁業者団体との協議を重ね、おおむね理解を得られる状況となったほか、県内及び全国の関係団体を訪問し、海域利用の有無や具体的な懸念を聞き取りながら合意形成に努めてきたところであり、これらの団体からも、徐々に協議会への参加について理解が得られつつあるものと認識しております。
〇38番(中平均君) 協議会設置が有望区域に向けての前提条件と認識しておりますけれども、事業化に向けての有望区域となるのはいつくらいになると見込んでいるのかお伺いします。
〇知事(達増拓也君) 有望区域に整理されるためには、全ての利害関係者の意向を確認し、協議会を通じて議論を行う状況が整っている必要があることから、現時点で具体的な時期を見通すことは難しい状況ですが、県北地域の振興の観点からも、早期に次の段階に進めることが必要と認識しております。
 このため県としては、引き続き、漁業者団体から事業に対する懸念を丁寧に聞き取りながら、漁業との共存共栄を実現する具体的な方策について理解が得られるよう、粘り強く対話を行い、できるだけ早く有望区域に整理されるよう取り組んでまいります。
〇38番(中平均君) 改めてお聞きします。県北振興において、浮体式洋上風力発電の事業化は、どのような効果、影響があると考えているでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 県では、県北広域振興圏の地域振興プランにおいて、再生可能エネルギーを活用した地域の活性化や産業振興を掲げ、洋上風力発電の実現に向けた取り組みを進めてまいりました。
 特に、浮体式洋上風力発電は、事業規模が大きく、産業の裾野が広いことから、施設建設や維持管理において、関連産業の集積や地元企業の参入による雇用の増加など、大きな経済効果が期待されます。
 海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律に基づく協議会では、地域の将来像を踏まえて、発電事業者と地域が協働しながら、サプライチェーンの構築や地元雇用の促進などの地域振興策を検討、実施することが推奨されています。
 今後、久慈市沖の洋上風力発電においても、協議会での議論を踏まえて、地域の特性を踏まえた関連産業の育成や人材育成の取り組みにつなげていくことにより、多様な面から県北振興に大きく貢献することが期待できるものと考えております。
〇38番(中平均君) そういった点を踏まえて、今度県でつくる海洋エネルギー関連産業創出ビジョンに、浮体式洋上風力発電がどのように関係してくるのかを伺います。
〇知事(達増拓也君) 県では、令和3年に策定した海洋エネルギー関連産業創出ビジョンにおいて、海洋エネルギー関連産業の創出に向けた施策として、産業化、人材の育成、漁業との共生などを掲げ、取り組んでまいりました。
 洋上風力発電については、漁業との共生を目指して、漁業者団体との合意形成に努めてきたところですが、今後、着実な案件形成と関連産業の創出に向け、さらなる取り組みが必要です。
 現行のビジョンは令和7年度が最終年度であることから、今後、次期ビジョンの策定作業を進めていきますが、洋上風力発電は、その柱の一つとなるものであり、久慈市沖についても、ビジョンにしっかり位置づけ、関係団体などと緊密に連携しながら、実現に向けて取り組んでまいります。
〇38番(中平均君) それにあわせて、久慈港の長期構想について質問します。
 おおむね20年から30年後を見据えた長期構想でありますけれども、今回の洋上風力発電の取り組みがどのように位置づけされていくのか。また、久慈港のヤードの拡張、湾口防波堤完成を見越したブルーカーボン、養殖業の拡大等が記載されております。これらの実現に向けてどう進めていくのかお伺いします。
〇知事(達増拓也君) 久慈港長期構想は、関係するあらゆる主体が、久慈港の将来像を共有し、ともに連携しながら取り組みを進めていくためのビジョンであり、県では、令和4年9月に久慈港長期構想検討委員会を設置し、漁業、商工、観光の関係者も委員に加え策定を進めています。
 このような中、素案には、新たな地域産業、雇用の創出を目指す観点から、浮体式洋上風力発電に係る取り組みについて、風車の設置、組み立てや維持管理を行うための物流拠点を形成することを盛り込んでいます。
 また、長期構想の策定後は、港湾管理者において久慈港港湾計画の変更に着手し、公共埠頭の拡張等の実現を目指すとともに、養殖業の拡大等、その他の主体が実施する取り組みについても、その実現に向けて関係者と連携してまいります。
〇38番(中平均君) 洋上風力発電は、この間、さまざまな報道がされております。物価高騰であり、円安による事業経営収益の悪化が懸念されて、さまざま報道されている。そして、国としても対応策を打っていくという報道がありました。
 やはり長いビジョンという中で予想外の困難も当然想定されるのですが、これはやはり実現していかなければならないと思っております。知事の決意をお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) 世界的な物価高騰などが暗雲を呼び起こしているわけでありますけれども、そういったことを克服しながら取り組んで、実現していくことが、まずは岩手県における地域振興の大きな材料になりますし、そして、気候変動対策、将来世代に地球をしっかり引き継いでいくことにもつながりますので、これは実現していく方向で力強く取り組んでいきたいと思います。
〇38番(中平均君) ぜひとも、地域に向けての発信を含めて、これからも県と自治体が協力しながら、事業化に向けて動いていただきたいと思います。
 次に、県北地域のアパレル産業振興についてお伺いします。
 アパレル産業は、各地においてさまざまな努力をされております。自社ブランドの立ち上げや新商品開発などです。また、県においても、2月16日、先日の日曜日、盛岡市の商業施設においてイベントを行うなど、広くアピールされており、県の防災服等も県内業者に発注するなどしているとお伺いしています。
 また、ある会社においては、4月からの新入社員2名が県外から久慈市内の会社に入社するということでした。インターンで来たときの会社の技術力を見たということであります。人口減、特に社会減対策をいろいろ打っていかなければならないのですけれども、こういったところにも、また一つの対策というか答えがあるかと思ってお聞きしました。
 地域の基幹産業の大きな柱の一つであるアパレル産業を、これからどう盛り上げていくのかをお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 本県のアパレル産業は、県北圏域を中心に県内に広く展開されており、繊細な仕上げやすぐれた縫製技術が高く評価され、さらなる振興に向け、技術向上や販路拡大の支援に加え、学生デザインコンテストの開催やインターンシップ支援などを通じた人材の育成、確保に向けて取り組んでおります。
 県北圏域においては、イメージアップや取引先拡大を目的に事業者団体が設立され、県や教育機関と共同して、いわてアパレルフェスタで成果発表や作品展示を行うなど、特に積極的に活動しています。
 コロナ禍を経て東京一極集中が加速している状況にあり、デザイン技術などを生かすことが可能なアパレル産業は、若者や女性の就業ニーズが高く、その地元定着、さらに移住の促進にも大きな効果が期待できます。
 令和7年度一般会計当初予算案においても、魅力発信のイベント開催や販路拡大の取り組み支援の事業を盛り込んでおり、縫製事業者や関係機関と連携しながら、一層の発展を図ってまいります。
〇38番(中平均君) 順番を変更して、道路ネットワークについてお伺いいたします。
 令和3年6月に岩手県新広域道路交通計画において、国道281号を一般広域道路に、久慈内陸道路を構想路線として位置づけ、現在、沿線自治体と意見交換しながら調査の熟度を高め、検討を進めていると認識しています。
 また、令和2年度から事業化された国道281号案内―戸呂町口工区、令和6年度はトンネル前後の道路改良工事が行われました。
 久慈内陸道路の早期の実現に向けての取り組みについて伺います。また、国道281号案内―戸呂町口工区のトンネル本体着工に取りかかる時期に来ていると思いますが、お伺いいたします。知事のマニフェストプラス39の対象とも考えますが、どうでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 久慈内陸道路は、久慈―盛岡間において検討を優先する葛巻町内の区間について、より詳細な地形図などを用いてルートの検討を進めており、本年1月には、県土整備部において葛巻町と意見交換を行っています。
 令和7年度は、引き続き、沿線の市町村と丁寧に意見交換しながら、葛巻町内のルート検討の精度をさらに高めてまいります。
 また、国道281号案内―戸呂町口工区については、トンネル前後の改良工事を進め、昨年8月にトンネルの久慈市側坑口付近における仮設道路への切りかえを行ったところであります。
 引き続き、道路改良工事を進めるとともに、令和7年度は、早期のトンネル工事着手に向けて取り組んでまいります。
〇38番(中平均君) それでは、やはり道路ネットワークの横軸という意味においては国道281号が残っているところですので、早期の着工をお願いしてまいりますし、また、地域としても動いていくということですので、ぜひともお願いいたします。
 次に、観光、インバウンド対策についてお伺いいたします。
 コロナ禍後、岩手県で観光客は増加傾向、これは全国で増加傾向。そういった中で外国人観光客もふえています。県では、盛岡圏域を訪れた観光客を全県に周遊させる方針を掲げて各種の施策を行い、誘客に取り組んでおります。
 インバウンドの誘客について、これは国内観光もそうですけれども、県北地区においては、盛岡市からの誘客を当然お願いしていきながら、また、県境を越えた青森県のほう、八戸市からも誘客が必要だと考えますが、県としての認識と取り組みについてお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 本県の令和6年の外国人延べ宿泊者数は、コロナ禍前を上回る見込みであり、欧米や東南アジアからの来県が大きく伸び、こうした状況は、今後さらに拡大していくものと見込んでおります。
 欧米や東南アジアからの観光客の多くは、成田空港や羽田空港から入国し、東京都や京都府、大阪府を初めとしたいわゆるゴールデンルートに集中しており、例えば、十和田八幡平国立公園を訪れた観光客が、久慈市を初めとした県北地域を周遊し、平泉や松島を経由するなどといった、県境を越えた東北全体での広域周遊を促進し、インバウンドの地方への拡大を図っていくことが重要と考えております。
 近隣県と連携し、海外の旅行代理店を招いたツアー造成に向け取り組むほか、さきの北米地域でのトップセールスでは、ニューヨークでのニューヨークトラベル・アンド・アドベンチャーショーに出展し、青森県八戸市と福島県相馬市を結ぶみちのく潮風トレイルをPRしました。
 令和7年度一般会計当初予算案では、東北観光推進機構と連携し、アドベンチャーウイーク東北2025を開催し、海外メディアや旅行代理店を招待したPRイベントに要する経費などを盛り込んでおり、隣県や東北全体と一体となった広域周遊の促進を図ってまいります。
〇38番(中平均君) あとは予算特別委員会の部局審査等でやらせていただきますけれども、ぜひとも知事、医療の問題、わかりますよ。なかなか大変なのはみんなわかるのです。ただ、実際に医療が減らされていく地域、簡単に言えば、言い方は非常に悪いですけれども、切られていっている地域、そういった地域にとって、岩手県全体のためにという総論はわかるのですけれども、そういった点を、やはりきちんと丁寧に対応していきながら、一刻も早い医師の確保等につながることを期待して、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。(拍手)
〇副議長(飯澤匡君) 以上をもって中平均君の一般質問を終わります。
 次に、佐々木努君。
   〔36番佐々木努君登壇〕(拍手)

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