| 令和7年2月定例会 第9回岩手県議会定例会会議録 |
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〇36番(佐々木努君) いわて県民クラブ・無所属の会の佐々木努です。会派を代表し質問いたします。
初めに、年明けから発生が続いた高病原性鳥インフルエンザは県民に大きな不安を与えましたが、県、市町村を初め多くの関係機関、団体の懸命な防疫作業によって収束が図られました。我々の会派からも、この場をおかりし、作業に携わった全ての方々に心から感謝と御礼を申し上げます。 高病原性鳥インフルエンザの蔓延は、畜産県岩手に大きな打撃を与えることから、県におかれましては、引き続き防疫対策に万全を期していただきますようお願いいたします。 それでは、質問に入ります。 〔副議長退席、議長着席〕 岩手県の人口減少が加速度的に進んでいますが、その大きな要因は、出生数の減少による自然減と若者を中心とした県外流出による社会減であります。 世の中のさまざまな変化によって出生数に歯止めをかけることが非常に困難になっている今、その減少スピードを極力緩めていくためには、やはり次の世代を生む若者の県外流出に歯止めをかけ、他県から若者を受け入れることが不可欠です。 しかし、それは簡単なことではありません。昨年、大手不動産会社が全国47都道府県それぞれに住む20歳以上の男女18万4、000人―各県3、000人程度ということでありますが―を対象に、住み心地や幸福度など30項目について聞き取りをし、それぞれの項目の平均をもとに順位づけをした都道府県の魅力度ランキング2024を公表しました。 それによると、1位が3年連続で福岡県、2位が2年連続で神奈川県、3位が東京都で、我が岩手県は40位までに入っておらず、秋田県、青森県、山形県の東北3県とともに順位なしという結果でした。 盛岡市がニューヨークタイムズ紙で高い評価を得ても、メジャーリーグで大谷翔平選手ら岩手県出身の若者たちが活躍しても、県の魅力度にはつながっていないのだと思うと残念ですが、これが岩手県に住む若者のふるさと岩手に対する評価であり、岩手県の現実だと我々は理解しなければなりません。 私は、生まれ育った岩手県に強い愛着を感じています。他県よりも魅力的だとは正直思っていませんが、それでも、暮らしていくためには十分な場所だと思っています。しかし、それは私の住む地域に人口や産業が集積しており、医療資源も確保され、交通の便もよいという生活環境に恵まれているからであって、県内には、さまざまな面で不便を来している地域があることを思えば、全ての県民が、岩手県での暮らしに満足しているわけではないのだと思います。 そして、それが若者にとって岩手県に住むことに魅力を感じず、県外流出につながっていたり、岩手県に若者が集まらない理由になっているとしたら、やはり魅力度の向上は、人口減少対策において最大の課題であると思います。 何をもって魅力的というかは人それぞれの感覚によるものであり、一概にこれだとは言い切れませんが、少なくとも、子育て世代を初め若者や子供たちにとって、住みやすいということは何よりも大事な要素であり、そのための環境整備に全力で取り組まなくてはなりません。 知事は、先日の施政方針演述において、ジェンダーギャップを解消し、国際的にも通用するような女性の働き方を岩手県で実現し、先進性を高めて、若者、女性に選ばれる岩手県であるようにしなければなりませんと述べられました。 それはとても大事なことだと誰もが思いますが、これまでもなかなか思うように進まなかったこの難題を、知事はどう解決されるおつもりなのか、その意気込みと手段を我々、そして県民の皆さんにお聞かせ願いたいと思います。 壇上での質問は以上とし、以下の質問は質問席で行います。 〔36番佐々木努君質問席に移動〕 〔知事達増拓也君登壇〕 〇知事(達増拓也君) 佐々木努議員の御質問にお答え申し上げます。 人口減少対策についてでありますが、本県の人口の減少は、少子高齢化による自然減に加え、進学、就職期における若年層の転出による社会減が大きな要因となっており、これまで、魅力ある雇用環境の構築、トップ層の意識改革などに向けた企業への働きかけなど、官民一体となった県内定着の取り組みを進めてまいりました。 現在展開している全国トップレベルの子供、子育て支援策など自然減対策の充実は、若者や女性に選ばれる重要な要素でもあり、社会減対策にもつながるものであります。 さらに、復興支援の取り組みを契機に移住した若者や水産アカデミーを経て漁業で活躍している女性、漆などの伝統工芸、自然環境などに引かれU・Iターンした若者など、本県の価値や魅力は、関係人口、交流人口の拡大のみならず、若者、女性の定着にも寄与しています。 若者、女性を初め、一人一人の人生選択の中で選ばれる岩手県であるために、ジェンダーギャップを解消し、岩手県の社会や経済の先進性を高め、国際的にも通用するような若者、女性の働き方を岩手県で実現することを目指してまいります。 〇36番(佐々木努君) 意気込みはよくわかりましたが、私は、これまで知事が人口減少対策を進めていくために取り組んできたことと、今回、女性の県外流出を防ぐために取り組んでいこうとしていることの違いがよくわからないのですけれども、令和6年度までの取り組みと知事がこれからやろうとしていることは、どこがどう違うのかお聞かせ願いたいと思います。 〇知事(達増拓也君) 過去からの継続に加え、さまざま重ねてきているわけでありますけれども、生きにくさを生きやすさに変える、就職しにくさを就職しやすさへ、結婚しにくさを結婚しやすさへ、そして、出産、子育てのしにくさを出産、子育てのしやすさへという基本的な施策に加え、新しい雇用を岩手県内にということで、半導体、自動車関連産業を初めとするものづくり産業の振興、農林水産業の振興、スタートアップなど新機軸も含めたサービス業の振興といったことをそこに重ねてまいりました。 特に、1995年に岩手県からの転出超過が329人しかいなかった年があったわけでありますけれども、東京圏の経済、雇用情勢と岩手県を含む地方の経済、雇用情勢で、地方に優位性があった場合に、そのような劇的な転出超過数の減少、地方回帰ということが起きておりますので、県内の経済、雇用環境の改善には、特に力を入れてきたところであります。 近年、地方からの転出超過の男女比較をした場合、女性が男性より多くなり、それが、近年さらに女性が多いということが増してきている。その背景としてジェンダーギャップの問題、性別に関するアンコンシャスバイアスの問題があるということで、特に岩手県の場合、主要な経済団体が、そのジェンダーギャップ解消、アンコンシャスバイアス解消に力を入れていこうという機運もあることから、県もともに取り組むことで効果を発揮していきたいと考えております。 〇36番(佐々木努君) ジェンダーギャップの解消もアンコンシャスバイアスの解消もずっと前から取り組んできたはずで、全然新しいことではないと私は思っているので、言葉を変えて、表現を変えて何かをやっていこうとかということではなく、実際にこういうことをやって女性の県外流出を防いでいこうというものを、私は知事の口から聞きたかったわけです。 それは今お聞きしませんけれども、私は、そういう趣旨で今質問をしたということだけ御理解いただきたいと思います。 次の質問に参ります。少子化社会における子供たちを取り巻く環境の変化と対応策についてお聞きしたいと思います。 2023年の岩手県の出生数は5、432人でありました。10年前、2014年は8、803人でしたから、10年で3、371人も減ったということになります。合計特殊出生率も、達増知事が知事に就任した2006年は1.39で全国19位でしたが、2023年は1.16まで減少、全国順位も39位に下がり、人口10万人当たりの出生率に至っては、ここ数年、46位が定位置になるなど悪化の一途をたどっている状況であります。 なぜこんなことになってしまったのか本当に残念でなりませんし、知事は、私以上にじくじたる思いをしていらっしゃるのではないかと思います。 これらの数値は市町村の数字の積み上げですから、知事に責任があるということは、私は申し上げませんけれども、このような事態になっていることに、もし知事が悔しさを感じているのであれば、私は、しっかりと行動にあらわしていただきたいと思っております。 そのことを冒頭申し上げて、質問に入ります。初めに、学校給食費についてお聞きいたします。 少子化対策や子育て支援の観点から、全国的に市町村による学校給食費に対する支援が進んできましたが、我が県においては、令和6年度は11市町村が完全無償化を実施していて、2市町が要件を設けて実施、それ以外の20の市町村においても一部補助を行うなど、年々支援が拡大しています。 しかしながら、家庭の負担軽減、子供たちの栄養管理や食育の推進、学校の事務負担の軽減等、家庭や学校、子供たちにとってはよいことずくめですが、市町村の財政負担は非常に重くて、多くの市町村が県に対して支援を求めています。 我々の会派でも、これまで何度も県の支援を求めてまいりましたが、改めてお聞きします。令和7年度当初予算案には学校給食費の無償化に関する事業費は盛り込まれていませんが、今後、県として無償化に取り組むお考えはないでしょうか。 〇知事(達増拓也君) 学校給食の無償化は、自治体の財政力の差などによらず、全国どこの地域においても同等な水準で行われること、さらに長期的な視点で切れ目なく行うことが重要と考えており、昨年6月に国に対し、学校給食費の無償化の実現について要望しております。 また、昨年8月、12月には、国全体として学校給食費の負担のあり方を抜本的に整理した上で、国の責任で財源を含め具体的な施策を示すよう、全国知事会としても国に申し入れました。 文部科学省では、令和5年度、こども未来戦略方針に従い、学校給食の実態調査を行って、昨年12月に児童生徒間の公平性や安定的な財源確保など、給食無償化に関する課題が公表されました。 現在、国において、来年度予算案を通じ給食無償化について議論されており、県としては、国の動きを注視しながら、全国知事会とも連携し、引き続き必要な働きかけを行ってまいります。 〇36番(佐々木努君) 先日の衆議院予算委員会で石破総理が、2026年度以降、小学校を念頭に、できるだけ早い時期に制度化したいとおっしゃったようなので、国の動きもこれから出てくるかと思いますが、必ずしも、総理がそう言ったから無償化が行われるかと言えば、私はそう簡単にはいかないと思います。 そういう状況の中で、知事も御承知のとおり、東京都、そして青森県では、小中学校の学校給食費完全無償化を行っています。それから、香川県、和歌山県、三重県、千葉県でも、市町村の無償化に向けた支援を行っている状況で、どんどん都道府県単位の支援が広がっています。これは全て知事のトップダウンで決まったということです。知事がやると言えばやれるし、やらないと言えばやれない、そういうことなのだと私は思っております。 このように少子化が進む我が県であるからこそ、私は積極的に取り組んでいただきたい。これは、例えば段階的に、中学校から始めるとか、あるいは小学校から始める、あるいは市町村が行っている支援の一部を県が少しずつでも助成するとか、そういう取り組みだってできるはずですが、そういうことに対しても検討の余地がないのかお伺いいたします。 〇知事(達増拓也君) やはり学校給食費の無償化は、自治体の財政力の差などによらず、全国どこの地域においても同等な水準で行われることが重要でありますので、今、国において給食無償化の議論がなされているところでもあり、その取り組みに注目しているところであります。 〇36番(佐々木努君) 検討の余地もないという答弁だと受け取りました。 それでは、旧玉山村で過去に行われたすずらん給食についてお話をしたかったのですが、次に進みます。 不登校対策についてお聞きしたいと思います。 近年、全国的に不登校の子供たちが増加しておりまして、文部科学省の行った児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果によりますと、令和5年度の我が県の不登校児童生徒の数は、小学校が前年比226人増の843人、中学校は前年比228人増の1、616人、高等学校は前年比10人増の593人、小中高合わせて3、052人ということで、過去最多を更新しました。 私は、学校でのよいこと、悪いこと、その全ての経験が生きていく上で大切な、貴重な糧になると信じていますので、子供たちには学校に通ってほしい、今、不登校になっている子供たちには、一日も早く学校に戻ってほしいと思っています。ですが、なかなか学校に行けない子供もいるということが今の問題であり、実態であると思います。 そこで、初めに伺いますが、知事は、岩手県の子供たちのこのような状況、不登校が激増している状況について、どのように受けとめられているのか、そして、今後、知事はどのように対応されようとしているのかお聞きいたします。 〇知事(達増拓也君) 不登校児童生徒の増加についてでありますが、学校教育の意義、役割は、各個人の有する能力を伸ばしつつ、社会において自立的に生きる基礎を養うとともに、社会の形成者として必要とされる基本的な資質を培うことを目的としており、その役割は極めて大きいと言えます。 一方、不登校児童生徒が増加する中にあって、不登校児童生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があるとされています。 これまで県教育委員会では、魅力ある学校づくりによる不登校の未然防止、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置、市町村の教育支援センターの設置や拡充による相談支援体制の強化、フリースクール等民間団体との連携会議の開催、不登校の子供を抱える保護者等の支援を目的とした不登校支援フォーラムなどを実施してきました。 知事部局としても、不登校等を経験した生徒等の受け入れを行っている私立学校に対し、多様な学びの機会の確保のため必要な支援を行っております。 不登校対策は、学校、教育関係者、家庭、さらに医療、福祉等の関係機関、地域、フリースクール等民間団体など、多様な主体が連携し、児童生徒の社会的な自立に向け取り組んでいくことが必要と考えております。 〇36番(佐々木努君) もっと主体的なお話があればよかったのですが、私は、知事の役割として、この不登校対策も含め、できることは、やはり教育費をしっかり確保することだと思います。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置もお金が非常にかかることでありますし、これからお聞きするフリースクール対策についても、それ相応の予算が必要になってくるということでありますので、それをぜひ知事の教育における役割としてやってほしいと思います。 今お話ししたフリースクールですけれども、全国的に広がりを見せておりまして、本県でも18カ所のフリースクールが今運営されていて、現在192人の子供が通っているということであります。 子供たちにとって大事な居場所を提供してくださっているフリースクールの方々には、本当に感謝の気持ちでいっぱいでありますし、これからも需要がふえるであろうと思っておりますので、引き続き頑張っていただきたいと思っているところであります。 ただ、フリースクールは、開設者や支援者の善意によって運営されている状況でありまして、どの施設も運営費の捻出に苦慮されています。また、家庭においては、フリースクールに通わせるため、月平均4万円にもなると言われる利用料に加えて交通費もかかります。フリースクール、利用者ともに大きな負担が生じているのも実態であります。 このような状況に対応するため、長野県や茨城県では、県が認定したフリースクールに対して運営費を支給、あるいはフリースクールに通わせる家庭に給付金を支給する等の支援も行われていることは、御承知のことだと思います。 我が県においても同様の取り組みを行うべきと考えますが、そのお考えはないかお伺いいたします。 〇知事(達増拓也君) フリースクールは、子供たちの居場所としての役割を担うほか、学習支援や体験活動を行うなど、児童生徒の状況等に合わせた取り組みを行っており、その運営形態や運営状況、規模、活動内容等はさまざまであると承知しております。 全国知事会では、昨年8月、国に対し、フリースクールなど学校以外の多様な居場所や学びの場の整備、運営に対する支援の充実と、不登校児童生徒への支援を行う民間施設等に関する支援の考え方について整理することを要望しました。 本県では、教育支援センターの全市町村への設置促進に加え、令和7年度当初予算案において、校内教育支援センター、いわゆるスペシャルサポートルームの支援員配置の補助に係る経費を措置するなど、市町村を支援することとしております。 県教育委員会は、今後も、国の動向や他県の取り組み等を注視しながら、児童生徒の学びの場や居場所の確保のため、フリースクール等民間団体との連携を強化し、児童生徒や保護者の一層の支援に取り組んでいくものと考えています。 〇36番(佐々木努君) いくものと考えておりますではなくて、知事が予算をつけると言えば、これは予算がつく事業でありまして、長野県も茨城県も同様に、知事が、これは大事な事業だからということでつけられたというお話です。これも人ごとではなくて、岩手県の子供たちのこのような状況をしっかり県が支えていくという姿勢に知事にも立っていただかないと、この問題はいつまでたっても解決しないと思います。御検討をよろしくお願いします。 次に、子供の遊び場の整備についてもお伺いしたいと思います。 私は、子供たちは年中外で遊ぶものだと思っていましたが、今、地球温暖化の関係で、夏は非常に暑いということで、熱中症対策も含めて親もなかなか外で遊ばせたがらないと聞いていますし、実際、子供が外で遊んでいる姿を余り見なくなりました。 今、岩手県の子供たちの肥満が問題になっていますし、長時間のゲームも問題になっています。そういうものも、やはりこういうところが影響しているのではないかと私は思うわけであります。やはり子供が室内で伸び伸び遊べるような環境を早急に整備しなくてはならないと思っています。 実際に、多くの保護者の方々からも、岩手県には遊ぶ場所がない、子供たちが室内で1年中通して遊ぶ場所がない、何とかつくってくれという要望をいただいています。 そこでお聞きしますが、知事は、そういう子育て世代の方々の声にどう対応していかれようとしているのか、お聞きいたします。 〇知事(達増拓也君) 子供の遊び場の整備についてでありますが、県では、身近な遊び場の整備が迅速に進むよう、今年度から新たに、既存の公共施設や民間施設を活用した遊び場整備を行う市町村に対する補助事業を実施しており、大船渡市では、南三陸ショッピングセンターサン・リアに、行政機能と遊び場や交流の機能をあわせ持つこども家庭センターDACCO、遠野市では、中心市街地活性化センターとぴあに、地域産材を使用した大型木製遊具TOMOKが設置されました。 令和6年12月末時点でDACCOには延べ3万736人、TOMOKには1万4、673人が来場しており、にぎわいの創出にもつながっているところです。 県としては、一人でも多くの子供が、身近な地域で、悪天候時や冬期間においても安心して遊ぶことができるよう、令和7年度岩手県一般会計当初予算案にも本事業を盛り込み、市町村と連携して遊び場の整備を促進してまいります。 〇36番(佐々木努君) 知事は、保護者の方々のニーズをしっかり把握していないのではないかと思っています。私も遠野市のTOMOKは行ってきましたし、実際に、私の地元から行ってみたという人の話も聞きましたが、確かに立派で、そして、木を使っているので非常に温かみのある施設で、いい施設なのだけれども、せいぜい30分もいれば十分な、そのような施設であって、何回も行くところではないという評価でありました。 悪い施設ではないけれども、ほかから人を呼ぶという目的でつくられた施設ではないので、それで十分だという考え方もあると思いますが、私は、他県のように、もっと広域に、子供が半日ぐらいはゆっくりそこで遊べるような、しかも走り回れるような、そういう施設をつくるべきではないかとこれまでも何度も申し上げてきたわけであります。 一戸町にあるいわて子どもの森の整備も進めていただきたいのですが、県南地域にも、同様にとは言いませんけれども、せめて施設内で県南地域の子供たちが集まって遊べるようなところを県はぜひ整備してほしいと思うのですが、そのお考えはありませんか。 〇知事(達増拓也君) 遊びや体験活動は、子供の健やかな成長の原点であり、1年を通して遊べる環境づくりは重要と認識しております。 県では、広域的な視点から、児童健全育成の中核的施設となる東北地方では2カ所のみである大型児童館、いわて子どもの森を設置し、全県的な子供の遊びの場の提供とあわせて、県内の児童館への指導や連絡調整等の役割も果たしてまいりました。 子供の遊び場の整備については、先ほど答弁申し上げたとおり、近年、市町村においても、地域の実情や創意工夫による取り組みが進められているところであります。 県としては、引き続き、広域的な視点から、子どもの森において多様な遊びや体験プログラムを提供するともに、市町村の遊び場整備の取り組みを支援することにより、遊びを通じた児童の健全育成に取り組んでいく考えであります。 〇36番(佐々木努君) これもゼロ回答で非常に残念なわけであります。本当に、他県は少子化に危機感を持って、県も市町村も一緒になって子供の居場所、遊び場づくりに取り組んでいて、これだけおくれているのは、私は、いろいろ回ってみた中では岩手県だけではないかと思っています。 ぜひ、知事もこういうことに関心を持っていただいて、そんな立派なものをつくってくれと頼んでいるわけではなくて、工場の跡地や公共施設で廃止になったようなところを活用してもいいと思います。あるいは民間の力をかりてもいいと思うので、そういう魅力的な施設を県南地域につくって、若い人に逃げられないようにしていただきたいと思います。 次に、子供を育てるお父さん、お母さん方への支援、民間企業の支援についてお伺いしていきたいと思います。 民間企業による子育て支援の重要性は言うまでもありませんが、国においても、次世代育成支援対策推進法の中で、常時雇用従業員101人以上の企業に企業版子育て支援計画である一般事業主行動計画の策定を義務づけています。100人以下は努力義務ということで、これによって、我が県でも101人以上の企業が453あるそうですが、この全てで策定が進んで、大企業においては、この子育て支援が急速に格段に進んできたと理解しています。 ただ、岩手県の企業のほとんどは100人以下の中小企業でありまして、実際に一般事業主行動計画を策定している企業の割合は、わずか2.4%ということで、必ずしも県内で、この企業による子育て支援が進んでいるとは言いがたい状況であると思います。 そういう背景もあって、私はこれまで、もう10年以上前から、県において100人以下の企業に対しても、県が条例をつくって、ぜひ一般事業主行動計画をつくってもらうようにしてほしいということを要望してまいりましたが、知事はやっとこの条例化をするということを明言され、今、担当課で取り組んでいると思っています。 去年の決算特別委員会で、一体いつ条例は制定されるのかということを聞いた際は、お答えいただけませんでしたが、今後のスケジュールについてお示しいただければと思います。 〇知事(達増拓也君) 一般事業主行動計画の条例制定に向けては、今年度は、先行して条例制定した富山県に職員を派遣し、条例化に至った経緯やスケジュール、企業への支援の方法、条例化による成果等についてヒアリングを実施し、その内容をもとに関係団体等との意見交換を進めているところであります。 令和7年4月1日を施行期日とする次世代育成支援対策推進法が改正され、一般事業主行動計画については、育児休業取得状況などの数値目標によるPDCAサイクルの導入などが義務づけられたところであり、条例化に向けて、その改正内容を踏まえた検討や中小企業を代表とする関係団体との調整を進め、令和8年度中の制定を目指します。 〇36番(佐々木努君) ぜひ、おくれのないように、県が民間と一体となって取り組んでいただきますようお願いいたします。 次に、県民の健康づくりについて質問いたします。 先日、厚生労働省が公表した2022年の都道府県別健康寿命の推計値によれば、我が県の男性が70.93年で全国で47番目、女性が74.28年で全国で47番目、つまり男女ともに全国最下位の健康寿命が短い県であるということでありました。ちなみに、男性は前回調査、2019年でも47位ということで最下位を死守して、健康寿命も0.46年短くなったという非常に残念な結果でありました。 参考までに申し上げますと、男性の1位は静岡県で、岩手県とは2.82年の差、女性1位も同じく静岡県で、岩手県との差は2.4年であったということであります。 このように、幸福感に深く関連する健康寿命が他県に比べて短い要因を、県はどのように分析しているのか、また、改善に向けこれまでどのように取り組まれてきたのか、お聞かせいただきたいと思います。 〇知事(達増拓也君) 今回、国で公表した主観的な健康観に基づく本県の健康寿命は、国が推計を始めた2010年から比較すると、2022年の推計値で、男性で1.50年、女性で1.03年延びていますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり、前回2019年の推計値を下回っています。 本県は、健康寿命に影響を与える脳血管疾患や心疾患などの有病率が全国に比べて高い傾向にあり、これらの疾患による死亡率が、65歳未満の若年者層から既に高いことが主な要因となっています。 こうした状況を踏まえ、令和6年度を初年度とする第3次健康いわて21プランでは、脳卒中死亡率の全国との格差の縮小、健康寿命の延伸を全体目標として掲げ、生活習慣病の発症や重症化を予防するため、減塩、適塩を初めとする食生活や身体活動、運動などの生活習慣の改善、健診受診率の向上のための従事者向け研修会の開催、健康経営の促進などの社会環境の整備に取り組んでおります。 〇36番(佐々木努君) そうすると、これまでの取り組みは無駄だったといいますか、余り身にならなかったということでいいわけですね。 健康寿命が男女とも最下位だったというニュースが流れると、私は本当に嫌な気持ちになるというか、岩手県のイメージも非常に悪くなるし、何よりも、岩手県は医者も少ないし介護士も少ない。そういう状況で健康寿命が短いということは、そういう方々に負担がかかる、あるいは家族の方にも負担がかかる、社会保障費もどんどんふえていくという悪循環でしかないということです。 これを本当に岩手県の大きな課題として取り組まないと、今後、若い人に対するアピールもそうですけれども、岩手県のイメージアップにはつながらないと思うわけであります。その対応については、また別の機会にお聞きしますけれども、私は、知事が先頭に立ってしっかりやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、2年前もここで取り上げましたが、HPVワクチン―子宮頸がんワクチンの接種についてお伺いしたいと思います。 子宮頸がんワクチンが、若い女性がかかる子宮頸がんを予防するのに非常に有効だということは御承知のとおりだと思いますが、一時、8年間、国が接種の積極的勧奨をやめた時期があって、そしてまた再開されて今に至っているという状況の中で、この間、県においては、定期接種、それから、積極的勧奨をやめた8年間に接種できなかった方々に対するするキャッチアップ接種に取り組んでこられたと思っています。 その令和6年度の取り組み結果はどうだったのかお聞かせください。 〇知事(達増拓也君) 今年度は、3年間続いたキャッチアップ接種の最終年度となりますので、市町村においては、対象者への個別通知やホームページ、広報紙による周知を行ったほか、盛岡市では、盛岡市医師会と連携した集団接種を実施するなど、集中的な取り組みが進められてきました。 県においては、新聞やSNSなどの広報媒体を活用した周知のほか、18歳以上の対象者に向け大学等と連携したポスター掲示や、社会人向けに協会けんぽ等の保険者との連携による広報紙での周知を図ったところであり、私も、令和6年7月の定例記者会見において呼びかけを行いました。 接種状況については、対象者4万8、681人のうち、1回以上接種した方は、令和6年12月末現在、4月1日から3、827人増の2万3、746人となり、割合にして48.8%となっております。 〇36番(佐々木努君) 私も担当に話を聞きましたが、岩手県の接種率は全国平均を大幅に上回っているという話でした。関係者の方々、そして県の職員の方、担当の方にも、私は、一生懸命頑張っていただいたと思っておりますので、感謝申し上げます。 ただ、キャッチアップ接種をいまだに受けていない方がまだ半数以上もいらっしゃること、そして、無料でできる期限がもう来月末に迫っているということで、もう一踏ん張り、県には頑張っていただきたいと思うわけであります。 今後、期限までの接種に向けて、県としてどのように取り組まれるのかお聞かせ願いたいと思います。 〇知事(達増拓也君) 国は、令和7年1月29日の通知で、今年度末までに1回以上接種した方については、来年度に限り、残りの回数も公費で接種できる旨の経過措置を示しました。 これを受けて、各市町村では、公費負担に係る経過措置について、ホームページや広報紙等による周知のほか、多くの市町村では、対象者への個別通知を改めて行っております。 県では、公費負担に係る経過措置について、県ホームページやSNSを活用した周知を図っているところであり、これから年度末まで1カ月程度の時間がありますので、接種を希望される方が早目に医療機関で接種いただけるよう、引き続き周知に努めてまいります。 〇36番(佐々木努君) ぜひよろしくお願いいたします。 最後に、水道事業について質問いたします。 埼玉県八潮市で起きた下水道管の破損による事故は、社会インフラの老朽化の進行という大きな課題を浮き彫りにし、下水道のみならず、道路やトンネル、橋梁等、私たちの生活に欠かせないさまざまな社会インフラの老朽化対策が喫緊の課題であることを改めて認識させられました。 そのような中で、私たちが生きていく上で絶対に欠かせない社会インフラの一つである上水道も、給水施設や水道管の老朽化が進み、老朽化対策の強化が求められています。 しかしながら、水道事業を担う市町村等の事業者は、水道料金の値上げが難しい状況の中で、施設の更新などによる維持費の増加や給水人口の減少による料金収入の減少によって、その多くが厳しい経営を強いられており、将来的に安定した経営を確立するために、経営統合や施設の共同利用等、国が進める広域化への一層の取り組みが不可欠になっています。 そこでお聞きします。県内の水道事業の広域化や広域化に向けた取り組みはどのように進んでいるのか、また、広域化に向け、県はどのような役割を果たしているのか伺います。 〇知事(達増拓也君) 平成30年に改正された水道法では、引き続き水道事業は原則市町村が経営することとされた一方、水道の基盤強化に向けた都道府県の新たな役割として、水道事業者間の広域的な連携の推進が位置づけられました。 県では、市町村等の意向を踏まえ、広域的な事務の共同化や施設の共同化などに関するシミュレーションやマッチングを行い、岩手県水道広域化推進プランを令和4年度に策定しました。 県は、このプランに基づく広域連携が実現できるよう、検討テーマ別に関係市町村等による検討会を九つ設置し、県も参画しながら、市町村間の意見の取りまとめや費用対効果の検証などを支援しており、気仙地区3市町では、令和6年度から水質検査業務の共同委託を開始しました。 一方、DX―デジタルトランスフォーメーション化や技術職員の確保など、取り巻く環境の変化により検討テーマを見直す意向を示す市町村等もあることから、新たな課題に対応した検討会の設置など、市町村の課題認識に沿った取り組みを進めてまいります。 〇36番(佐々木努君) つまり、広域化の取り組みは、現段階では余り進んでいないという認識でいいわけですね。私はそのように捉えていますし、実際に担当課あるいは市町村に聞き取りをしても、具体的に前に進んでいる事例はないという話でした。 ただ、これは知事も御承知のとおり、先ほど申し上げた老朽化対策も含め、これから、今の経営状況が続けば、20年後には、場所によっては10倍、20倍に水道料金を上げなければ運営できないような事業者も出てくるということで、国は非常に危機感を持って、早く広域化あるいは施設の共同化を進めさないという指導を県や市町村に行っていると私は理解しています。 県も、水道事業は市町村が行うべきものだという認識であるから、県として余り踏み込めない、あるいは踏み込まないという姿勢をとっておられるのではないかと思いますけれども、やはり県民の命の源である水を守るという当事者意識を持って、もっと広域化に向けて県がビジョンを示して、旗振り役になって広域化に向けた取り組みを進めてほしいと思うわけでありますが、そのおつもりはないか、知事にお伺いいたします。 〇知事(達増拓也君) 水道事業の広域的な連携の形態には、経営主体を統合する事業統合のほか、維持管理の共同実施や施設の共同設置などさまざまな形態があり、将来的な水需要や収支の状況などとともに、水道利用者である住民の意向などを把握の上、適切な形態を選択していくことが必要と考えております。 県としては、現在設置しているテーマ別の検討会での議論を深め、維持管理等の共同実施の実現に向けた取り組みを支援するほか、市町村等が適切な選択を行えるよう、今後、市町村等とともに将来的な水道事業のあるべき姿を考えていくなど、給水人口や地理的条件など、市町村ごとに異なる事業環境や住民の意向を踏まえた広域的な連携がさらに促進されるよう取り組んでまいります。 〇36番(佐々木努君) 私は、その答弁では余りにも主体性がないというか、ここまで広域化が長い間議論されても進まないのは、やはりもう市町村間の、事業者間のさまざまな協議だけでは先に進むことができない状況になっているということなのだと思います。 ですから、そういうときに、やはり県はもっと主導的に、この地域は統合してこの水道事業を経営していく地域にしていくべきだというビジョンを示しながら、市町村あるいは事業者に広域化を促していく、そういう取り組みが、今もう待ったなしに来ているのではないかと思います。 他県では、県が独自に水道を運営している県もある中で、岩手県はそれがないだけでも、私は随分楽なのだと思います。本当に我々が生きていく上で大事な水道が、今非常に厳しい状況になっていて、市町村、事業者が大変な状況になっているということをもう一度再認識していただいて、今後、この広域化やさまざまな取り組みについて、県がもっと主体性を持って取り組んでいただくことをぜひお願いしたいと思います。 再度、知事にお伺いしたいと思います。 〇知事(達増拓也君) 水道事業のあり方に関しては、水道利用者である住民の意向が非常に重要であり、岩手県内市町村においても、住民の意向を把握しながら維持管理の共同実施や施設の共同設置など、さまざまな形態についてテーマ別に検討会での議論を深め、適切な選択を行えるよう努めているところであり、県としても、そのような市町村とともに、将来的な水道事業のあるべき姿に取り組んでまいります。 〇36番(佐々木努君) 知事の視点が今の答弁でよくわかりました。引き続きこの問題については取り組ませていただきます。よろしくお願いいたします。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 〇議長(工藤大輔君) 以上をもって佐々木努君の一般質問を終わります。 〇議長(工藤大輔君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後4時45分 散 会 |
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