令和7年2月定例会 予算特別委員会会議記録 |
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令和7年3月10日(月)
1開会 午前10時2分 1出席委員 別紙出席簿のとおり 1事務局職員 議事調査課 総括課長 昆 野 岳 晴 議事管理担当課長 佐 藤 博 晃 主任主査 柴 田 信 主任主査 及 川 雄 也 主査 高 橋 宗 子 主査 堀 合 俊 彦 主査 佐々木 賢一郎 主査 三 浦 訓 史 1説明員 復興防災部長 福 田 直 副部長兼 復興危機管理室長 北 島 太 郎 総括危機管理監兼 放射線影響 対策課長 田 澤 清 孝 復興危機管理室 特命参事兼 企画課長 山 本 洋 樹 復興危機管理室 管理課長 千 葉 智 貴 復興推進課 総括課長 森 田 竜 平 復興くらし再建課 総括課長 前 田 敬 之 被災者生活 再建課長 山 崎 重 信 防災課総括課長 田 端 政 人 消防保安課長 細 川 徹 県民安全課長 木 村 幸 地 会計管理者兼 出納局長 滝 山 秀 樹 副局長兼 総務課総括課長 高 橋 久 代 特命参事兼 入札課長 千 葉 三 男 会計課総括課長兼会計指導監 今 雪 博 貴 特命参事兼 審査課長 佐 藤 卓 也 人事委員会 事務局長 菅 原 健 司 職員課総括課長 品 川 孝 文 監査委員事務局長 佐々木 真 一 参事兼 監査第一課 総括課長 及 川 博 英 監査第二課 総括課長 長谷川 英 治 環境生活部長 大 畑 光 宏 副部長兼 環境生活企画室長 小 國 大 作 環境担当技監心得 兼環境保全課 総括課長 加 藤 研 史 若者女性協働 推進室長 阿 部 美登利 環境生活企画室 企画課長 吉 田 知 教 環境生活企画室 管理課長 藤 川 耕 平 特命参事兼 グリーン社会 推進課長 千 田 志 保 ジオパーク 推進課長 桜 田 功 資源循環推進課 総括課長 古 澤 勉 廃棄物施設 整備課長 石手洗 慎 自然保護課 総括課長 酒 井 淳 県民くらしの 安全課総括課長 木 村 真 智 食の安全安心課長 千 葉 正 消費生活課長 今 俊 晴 青少年・男女 共同参画課長 藤 井 茂 樹 連携協働課長 大 内 玲 子 財政課総括課長 佐 藤 直 樹 〇菅野ひろのり委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。 上原康樹委員及び菅原亮太委員は、欠席とのことでありますので、御了承願います。 議案第1号から議案第21号まで、議案第27号から議案第43号まで、議案第47号、議案第48号、議案第50号、議案第52号から議案第67号まで、及び議案第69号の以上58件を一括議題といたします。 本日は、復興防災部、出納局、人事委員会、監査委員及び環境生活部関係について延べ21人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたします。 また、関連質疑の取り扱い、換気のための休憩につきましては、これまでと同様でありますので、御協力をお願いいたします。 初めに、復興防災部関係の審査を行います。 なお、戸田副部長兼消防安全課総括課長及び駿河防災危機管理監は、災害対応のため欠席となりますので、御了承願います。 復興防災部長に復興防災部関係の説明を求めます。 〇福田復興防災部長 まず、今回の林野火災につきましては、昨日、鎮火の前の鎮圧が宣言されまして、本日10時に全ての避難指示が解除されたところでございますが、議会の皆様には、さまざまな御配慮をいただいておりまして、改めてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。 それでは、令和7年度の復興防災部関係の予算関係議案について御説明申し上げます。 初めに、復興防災部における予算の編成に当たっての基本的な考え方について御説明いたします。 令和7年度は、いわて県民計画(2019〜2028)第2期復興推進プランに基づき、安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生、未来のための伝承・発信の取り組みを着実に実施するとともに、第2期政策推進プランに基づき、自助・共助・公助による防災体制づくり、事故や犯罪が少なく、安全・安心に暮らせるまちづくりなどの取り組みを推進しております。 まず、復興推進の取り組みについてでありますが、安全の確保に向け、災害ケースマネジメントの推進のため、関係者が連携して必要な支援を行う体制整備に取り組むほか、暮らしの再建に向け、いわて被災者支援センターにおける被災者への相談支援などに取り組むとともに、なりわいの再生に向け、水産加工業者が行うデジタル技術の活用や女性が働きやすい職場環境の整備に対する支援など、引き続き、被災地の現状、状況に応じ対応してまいります。 また、東日本大震災津波伝承館を拠点として、事実と教訓の伝承、発信に取り組むほか、復興フォーラムの開催等を通じて、県内震災伝承施設等のネットワーク化を進めるなど、国内外に復興の姿を発信してまいります。 次に、政策推進の取り組みについてでありますが、自助・共助・公助による防災体制づくりに向け、デジタル技術を活用した避難所受け付けの効率化や避難所外被災者の把握等に関する実証実験、防災意識の向上、沿岸市町村が行う津波による犠牲者ゼロを目指す取り組みへの支援のほか、津波避難や医療的ケア児等の個別避難計画の作成、避難訓練などに取り組んでまいります。 また、事故や犯罪が少なく、安全・安心に暮らせるまちづくりに向け、犯罪被害者等に対する支援のためコーディネーターを設置するほか、支援に従事する人材育成や県民への啓発などに取り組んでまいります。 続きまして、予算議案について御説明申し上げます。 議案第1号令和7年度岩手県一般会計予算でございますが、議案その1の10ページをお願いいたします。 復興防災部関係の予算は、2款総務費のうち、6項復興防災費の25億1、000万円余、3款民生費のうち、2項県民生活費の一部2、300万円余、11ページに参りまして、5項災害救助費の2億1、300万円余、13ページに参りまして、12款公債費の一部1億4、700万円余、これらを合わせまして、総額で28億9、500万円余となっております。前年度当初予算額と比較しますと9億8、400万円余、率にして約51.5%の増となっておりますが、これは、防災行政情報通信ネットワーク更新工事の実施等によるものです。 予算の内容につきましては、お手元の予算に関する説明書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。 次に、予算以外の議案について御説明申し上げます。 73ページをお願いいたします。議案第16号防災行政情報通信ネットワークの建設事業に要する経費の一部を負担させることに関し議決を求めることについては、令和6年度及び令和7年度において実施する防災行政情報通信ネットワークの建設事業に要する経費の一部を、受益市町村に負担させようとするものであります。 以上で復興防災部関係の説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願いいたします。 〇菅野ひろのり委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事の進行に御協力をお願いいたします。 また、大船渡市林野火災の質疑については、当連絡本部会議で一括して行うことが可能なことから、予算特別委員会の部局別審査におきましては、急を要する場合のみとするなど、極力配慮いただくよう申し入れが世話人会であったものでございます。つきましては、質疑を予定されている方々は、簡潔にお願いいたします。 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。 〇軽石義則委員 復興防災部の皆様方には、これまでの火災対応、本当にお疲れさまでございます。地元の皆さんもやっと安心できるような状況になってきたのではないかと思います。 それでは、犯罪のない安心・安全まちづくり推進についてお伺いいたします。 県警察本部にもお伺いしましたけれども、本県の刑法犯の認知件数が増加傾向にあるということでございますので、その要因については、当然、県警察本部でもその対応、対策はしているということでありましたが、担当する復興防災部として、どのように要因を分析しているのか、まずはお伺いしたいと思います。 〇木村県民安全課長 刑法犯認知件数の増加要因についてでありますが、令和6年中における本県の刑法犯認知件数は3、319件でありまして、前年から463件の増となっております。 増加の主な要因としましては、住宅を対象とした窃盗を中心とした窃盗犯が289件の増加、特殊詐欺を含む知能犯が114件の増加、不同意性交等罪、不同意わいせつ罪などの風俗犯が30件増加したことなどが挙げられます。 特にも、窃盗における無施錠の割合が高いというところが、課題と認識しております。 〇軽石義則委員 その意味でも、地域の皆さんにも防災意識を高めていくことが大事だというのは、県警本部の質疑でも話されておりましたけれども、それを具体的に進める上では、復興防災部としても取り組みをされていると思いますが、地域における防犯活動の現状、また課題等あれば、お知らせ願います。 〇木村県民安全課長 地域における防犯活動の現状と課題についてでありますが、地域の防犯活動を担っていただいているのが、ボランティアを初めとする地域住民の方々でございます。その方々の高齢化、それから後継者不足によりまして、地域の防犯活動についても、活動の停滞、継続が困難となることが懸念されているところでございます。 〇軽石義則委員 そういう現状は把握されているということでありますので、その対応は、県警本部でも、社会情勢が変わってきて対応も非常に難しくなってきていると質疑の中で話されておりましたけれども、地域でも対応がかなり難しい社会になってきたのではないかと思います。私が育つころの話もしましたけれども、地域の大人に怒られながら育ってきて、やっとここまで来たわけですが、今、声をかけると110番されて、声もかけられない。見ても、見ないことにしたほうがいいのではないかというような社会になってきているような気がするのですけれども、それらは、地域で守るべきものは、しっかり守っていかなければならないと思うのです。 具体的な取り組みは警察がすることも大事ですが、やはり復興防災部としても、県警本部と連携して一緒にやること、また、地域の皆さんにその意識を持ってもらうことが大事だと思うのですが、その部分はどのように取り組んでいらっしゃるでしょうか。 〇木村県民安全課長 県警本部との連携した取り組みについて御説明いたします。 犯罪のない安全・安心なまちづくりを推進するため、当部におきましては、地域の防犯活動への支援ですとか、防犯関係機関、団体で構成する安全安心まちづくり推進協議会を通じた全県的な啓発活動を行っております。 警察におきましては、パトロールなどの治安対策、安全安心マップによる犯罪の発生状況等の情報提供などを行っておりまして、連携を図りながら取り組んでおるところであります。 連携をとりながらも、安全・安心なまちづくりにつきましては、みずからの安全はみずからが守るという自助、それから、互いに守り合い、支え合うという共助が大事だと思われます。 こうした考えに基づいた県民の地域における自主的な活動が重要でありますので、県民に対する防犯意識の啓発を継続的に県警と連携して行いつつ、仕事や子育てに忙しい中でも、活動が可能なら、見守りなどの取り組みも啓発して取り組んでいきたいと考えています。 〇軽石義則委員 地域のそれぞれ課題もあって、自治会、町内会、また民生委員のなり手を見つけるのもなかなか大変だというのが現状だと私は認識しているのですけれども、そういう地域で役割を担っていただいている皆さんが、そのような活動をしっかりできるような支え、または支援が大事になってくると思います。 社会が安心できることは、なかなか難しいこともあると思いますけれども、時代の流れによって背景も変わってくるのは当然だと思います。その部分について、自主的な防犯活動には限界があるのではないかとも考えるのですが、自主的な防犯活動に具体的にどのような支援をされているのか、現状をどう捉えているかお伺いします。 〇木村県民安全課長 自主的な防犯活動への支援の現状と課題についてでありますが、地域で防犯活動に取り組む団体に対しましては、地域安全活動への指導、助言を行う地域安全アドバイザーを派遣しております。 また、県の担当職員による地域出前説明会を実施しているほか、子供たちによる地域の安全マップを作成する取り組みに対する支援、及びその地域安全マップのコンクールなどを開催し、啓発活動を充実させているところであります。 地域安全アドバイザーを派遣した研修会や出前説明会につきましては、令和6年度の参加者はいずれも400人を超えており、一定の成果を上げていると認識しておりますが、その一方で、派遣先が固定化するなど、いかに幅広い活動となって地域の自主的防犯活動に結びつけていくよう支援できるかというところが課題であります。 〇軽石義則委員 現状と課題をしっかり把握されているとすれば、そこに具体的に、それぞれの地域課題もあると思いますので、それらは広域振興局も含めて連携をとっていただいていると思うのですけれども、安心・安全を守るのはなかなか難しいことです。みずからの安全を守ることも大事だと先ほどお話がありましたけれども、これを皆さんに理解して、そして行動に移してもらうことが大事ではないかと思うのです。 ましてや、これから人口流出をとめて、新たな人口流入も含めて考えていくとすれば、安心できる県、まちであるからこそ、新しく岩手県に行って暮らそう、生活しようとなるようなことも大事だと思います。そういうところをもっと皆さんに理解してもらうようなPRの方法もあると思うのですが、それらについて具体的にどのように取り組んでいますでしょうか。 〇木村県民安全課長 具体的なところで言いますと、毎年、警察本部及び県の防犯協会連合会との共催によりまして、安心・安全まちづくり県民大会を開催しております。また、春及び秋の地域安全活動、それから6月の鍵かけ実践推進月間、さらには年末年始の地域安全活動などの機会を捉えて、連携した防犯活動の啓発に取り組んでいるところであります。 〇軽石義則委員 私も地域の防犯隊に加盟しているのですけれども、私でもその防犯隊の中では若いほうなのです。そういう意味では、もっといろいろな方々にそういうところに参加していただくような啓発が大事だと思いますし、年をとっているからだめだと言っているのではなくて、やはり体力も一定程度ないと、防犯活動というのは、いろいろな意味で大変なこともあります。警察と一緒にはやっているのですけれども。 私も初詣の防犯活動にも出ているのですが、昔は、先輩方から聞くと、初詣でもかなり乱闘事件等いろいろあって、非常に厳しい時代もあったけれども、今はみんな整然と列をなして初詣をしているような、そういう意味では、きちんとした安心・安全を県民に啓発していただいているのだとは思うのですが、ただ、人でやる部分については限界もあると思うのです。どうしても人と人とのかかわりを持ちづらい社会になっているというのは、先ほどお話ししたとおりですので。 そういう意味で、防犯カメラの活用というのは、県警でも必要だと、十分に有効にその対策、いわゆる犯罪の抑止も含めてありましたけれども、岩手県として、担当部として、防犯カメラはどのように認識されているでしょうか。 〇木村県民安全課長 防犯カメラについての認識でございますけれども、防犯カメラにつきましては、犯罪の未然防止に貢献するとともに、犯罪者の特定にも有効であり、非常に重要なツールであると認識しております。 本県の防犯カメラの設置台数につきましては、都市圏と比較すると少ないと認識しておりますけれども、県内においては、商店街が人の動きを調べるために設置したカメラを防犯にも活用している事例があるなど、さまざまな事例があると聞いております。 個人情報の保護等、留意すべき点もあると思いますが、防犯を含めた複数の用途に使うことができれば、設置が広がる可能性があると考えております。 〇軽石義則委員 民間の皆さんは、そうやって自分たちで犯罪抑止も含めて取り組みをしているのですけれども、行政としてきちんと対応していかなければならないときではないかと思います。当然、プライバシーの保護、個人情報を含めて管理はしっかりしなければならないと思うのですが、その部分についてはどのように対応されているのでしょうか。 〇木村県民安全課長 行政としては、県で設置している防犯カメラはないのでございますが、市町村におきましては、設置に係る補助等を出しているところがあります。そういったところでは、しっかりと防犯カメラ設置のガイドラインを設けて、設置に対して補助するなどして促しているところでございます。 県としましては、安全安心まちづくり推進協議会の場におきまして、防犯関係の団体だけではなく、教育、商工業などの団体も入っている協議会でございますので、さまざまな分野の関係団体と防犯カメラについての情報共有を図って、防犯カメラの適切な設置、活用を促進していきたいと考えています。 〇軽石義則委員 法的なこともあって市町村が直接やっているかとは思いますけれども、県としても、それに対応することはもう必要になってきているのではないかと思います。熊がまちに出てくることもあります。そして、認知症の高齢者が自宅から出て、うちに戻れないとか、通学路でもいろいろ危険なことも発生しているようです。そういう意味では、地域の目が大事なことは間違いないですけれども、人だけではもう対応し切れないときだからこそ、県としても、それにしっかり対応していくような法的なものもあれば、国としっかり連携して取り組むことが必要だと私は思うのですが、その点はどうなのでしょうか。 〇木村県民安全課長 軽石義則委員から今御指摘ありましたとおり、県としても、まさにそういったところについて研究し、ガイドライン的なものを考えていく必要があると認識しております。 国におきましては、昨年11月に閣議決定した国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策におきまして、防犯対策の強化としまして、防犯カメラの設置のほか、防犯パトロールに使用する青色回転灯装備車、いわゆる青パトの整備など、地域防犯力の強化への支援が盛り込まれています。 そういった地域での防犯力の強化というところ、人の目が行き届かないところの強化には、防犯カメラの設置も一つの有効なツールでございますので、しっかりそこに向けて警察本部と連携して、情報収集を図りながらその辺を詰めていきたいと思います。 〇軽石義則委員 ぜひ、検討して、結果が出たときにはもう既に重大な事件事故が起きているということにならないように、早急に、必要なものは求められているときに対応できる状況にしていくことが大事だと思います。 県警察と相談することも大事だと思いますが、担当部として、市町村の状況もしっかり把握した上で、県として具体的に動き出し、県もやろうとしているのだということを県民に伝えていくことが大事だと思います。復興防災部長、どうですか。最後、ぜひそうしますということはなかなか言いづらいと思いますが、思いは一緒だと思いますので、お答えを聞いて、終わります。 〇福田復興防災部長 御指摘のとおり、安全・安心な地域づくりは大変重要だと考えております。来年度予算案の4本柱におきましても、災害だけではなく、身近なリスクへの対応ということを前面に出させていただいております。 先ほど木村県民安全課長から答弁がありましたとおり、昨年11月に閣議決定された総合経済対策においても、闇バイトなどを踏まえまして防犯対策の強化がしっかりと書かれており、その中で防犯カメラの設置支援も行うと書かれております。こういった政府の支援をいかに活用して、県として、市町村として支援できるか、しっかり考えてまいります。 〇神崎浩之委員 正月からの高病原性鳥インフルエンザ対応、そして、それに引き続きの大船渡市の林野火災、本当に復興防災部長以下、部の皆様には大変御苦労をおかけしております。 一方、今回の大船渡市の関係で県庁にもいろいろ問い合わせしたこともあるのですが、結構鈍い反応が多くて、これは議会中だったせいなのかという気持ちもあって、議会中の災害対応ということも今後考えていかなければならないのではないかと思っております。現地の状況が県庁ではなかなか把握できないということを多々感じております。 私も2回大船渡市に行きまして、さまざまな課題を背負ってきょうに臨んだところでありますが、先週、あわせて質疑要旨を出したのですが、それは次回の岩手県議会災害対策連絡本部会議だということで、1回出した質疑要旨を整理しながら質疑させていただきたいと思います。 今回、14年前の東日本大震災津波と違った大変さがあるということを現場の方はよく言っております。この件につきましては、次の岩手県議会災害対策連絡本部会議の中で質疑させていただきますけれども、津波のときとは違う、今回は大変だということを聞いてまいりましたので、その辺、よろしくお願いしたいと思います。 まず、質疑の第1点でありますが、今回の災害にかかわらず、災害、防災というものの一番大切なこと、防ぐべきこと、これはどういうものと考えているのかお伺いしたいと思います。 〇田端防災課総括課長 今回の大船渡市林野火災のみならず、災害対応におきまして一番大切なこと、防ぐべきことは、やはり住民の生命と財産を守ること、特に住民の生命を守ること、そういったものが失われることを防ぐことが大切と考えております。 今回も、このことを第一に、消防、防災の各機関が連携して対応してきたところでございます。 〇神崎浩之委員 よろしくお願いいたします。 まず命です。現場でも、命を守るのだ、二次被害、それから関連死を防ぐのだ、助かった命を絶対守り抜くのだという気概であります。 助かった命と、これを守るためには、ハイリスクというのは、高齢者であったり障がい者であったりということであります。これは保健福祉の分野でもありますが、復興防災部としても、これらを十分に把握しながら体制整備していただきたいと思います。 次に、復興防災部の県庁の中での位置づけについて、確認させていただきたいと思います。 石破総理が防災庁を設置するということに対して、知事は、過去の災害経験を蓄積し、人材を育成し、行政や民間、研究機関などの防災人材を統合する司令塔役としてつくられれば、うまく機能すると思うというコメントをされておりました。 恐らく県の復興防災部もそういうことだと思いますが、復興防災部の県庁の中での位置づけを復興防災部長としてどう把握されているのかと、災害ケースマネジメントということが今回の予算案でも出ていますけれども、この機能について、あわせてお伺いしたいと思います。 〇福田復興防災部長 まず、私から災害対策本部について御答弁させていただきます。 まず、これまでの対応といたしましては、発災当日に災害対策本部を設置し、本部長である知事のもと、緊急消防援助隊や自衛隊による大規模な消火活動、そして、庁内各部局との連携による避難者への支援を行っております。 〇山崎被災者生活再建課長 災害ケースマネジメントの検討の状況について御答弁申し上げます。 本県では、市町村やNPO、社会福祉協議会を含む有識者等を構成員とした災害ケースマネジメント推進検討会議を昨年9月に立ち上げて、必要な体制の構築に向けた議論を進めております。 具体的には、市町村が災害ケースマネジメントを行う場合に、ボランティアやNPOを活用することが考えられること、また、県が研修を行うことで、人材育成を行い、災害ケースマネジメントの担い手として協力いただくことなどについて議論が交わされておりまして、県では、研修修了者への認定書の交付や登録制度などについて検討を進めているところでございます。 〇神崎浩之委員 今もですけれども、災害ケースマネジメントは重要なのです。ぜひとも研修だけではなくて、災害時、急に機能できるような体制整備をしていただきたいと思います。 次に、県庁が、災害が起こったときに、市町村や広域振興局からの報告だけではなく、県庁みずから現場に行くことも非常に重要だと思っております。 災害関連死を防ぐことが一番の目的という答弁もありましたけれども、そういうことも含めて、災害時には部としても、司令塔でありますから、ここに残りながらも、やはり避難所や福祉避難所の現場にも行く。福祉避難所はハイリスクですから、そういうことはどういうお考えなのか。 あわせて、避難所の課題とは何なのか。避難所の課題、防災担当部として支援する内容は、先ほどケースマネジメントということも言っておりましたけれども、この点についてお伺いしたいと思います。 〇田端防災課総括課長 復興防災部では、火災が発生した翌日から職員を派遣し、大船渡市の災害対応を支援しているところでございます。 派遣した職員は、市の災害対応全般についての相談に応じ、助言等を行っているところですが、避難所を訪問し、温かい食事やトイレ、風呂、ベッドなど、避難所の環境について確認しているところでございます。 今回の林野火災は、強風にあおられて火災が一気に広がったため、避難者数も急激に増加することとなり、避難所の数がふえたほか、空気の乾燥などによって消火活動が難航し、避難所の数も急速に増加したことから、避難所の運営に苦慮する状況が見受けられました。 そのため、3月1日から近隣市町村が職員を派遣したほか、市からの要請もあり、3日からは県と市町村から職員を派遣して、避難所運営の支援を行っているところです。 〇前田復興くらし再建課総括課長 私から、避難所の課題と支援の内容について御答弁させていただきます。 避難生活による二次的な健康被害が生じないよう、トイレ、温かい食事、ベッド、風呂の確保が重要と認識しております。 県といたしましては、県内6カ所の広域防災拠点に簡易トイレ、携帯トイレ、段ボールベッドなどを備蓄し、速やかに提供できる体制を整えてきたところであり、段ボールベッドやパーティション、テントにつきましては、県が先月26日に即日送付した分を含め必要な数が現地に届き、避難所での設置が進んでいることを確認しております。 また、全ての避難所において十分な数のトイレが備わっていること、飲食業生活衛生同業組合による温かい汁物の提供、近隣の入浴施設への送迎バスの運行を確認しております。 さらに、車中泊で避難されている方も確認しておりますが、健康面での懸念があることから、県では、市に対し、旅館、ホテルを避難所として活用した場合に、災害救助法の対象となるとの助言を行ってきたところでございます。 〇神崎浩之委員 私は、大船渡市に関して遠慮して一般論として聞いていたのですが、答弁のほうが踏み込んでいただいて大変恐縮しております。 そういうことなので、せっかくですから御紹介させていただきます。答弁は要りません。 今、避難所では、福祉避難所への移動希望者に対する相談が滞っているということ。避難所が必要だということで、そういう方に対して、一人一人、一般避難所で面接、アセスメントをして、移動対象とした場合には、移動に係る調整、避難所から福祉避難所への調整業務、それから、福祉避難所の対象外となった方に対しては、不平不満への対応ということもやっている。 今、避難指示解除になりまして、一般避難所から自宅に帰る、そういう中で、帰る場合の支援をどうやって送り出していくかということも、今、現場で大変な御苦労をされているということを、まず紹介だけさせていただきます。 それから、福祉避難所の運営マニュアルもないようですし、福祉避難所運営対応も今回初めてだということで、現場は混乱しておりますということを次の岩手県議会災害対策連絡本部会議のときに質疑させていただきます。 さて、ちょうど1年前の3月19日、私は能登地方に行きました。戻って、3月21日の東日本大震災津波復興特別委員会にて、県の受援体制について働きかけたことがありました。県として受援体制、それから、市町村への受援の支援の体制等について、どうなっているのかお伺いしたいと思います。 〇田端防災課総括課長 今回の林野火災では、緊急消防援助隊として東日本の各自治体から、1日当たり最大550隊2、043人の応援をいただいております。令和5年度に大規模な実働訓練を本県で実施していたこと、あるいは令和6年3月に広域防災拠点配置計画の見直しを行い、沿岸地域にも緊急消防援助隊や自衛隊の活動拠点となる広域防災拠点を設置したこともあって、要請の手続とか活動拠点の調整が円滑になされたと考えております。 また、ボランティアの受け入れにつきましては、大船渡市社会福祉協議会が、2月28日に災害ボランティアセンターを開設して、ボランティア活動希望者の受け付けとか名簿の作成のほか、避難所等での支援ニーズの把握を行っているところでございます。 県では、災害対策本部に受援班を設置して、被災地のニーズや応援の申し出などの情報を担当部局と共有し必要な対応を行う体制をとっており、関係団体とも連携して対応しているところでございます。 〇神崎浩之委員 避難所の把握についてお伺いしたいと思います。 来年度の予算案で避難所運営デジタル化実証事業費、それから、避難行動要支援者個別避難計画の推進がうたわれております。これにつきまして、どういう体制を今後とっていくのかお伺いしたいと思います。 〇田澤総括危機管理監兼放射線影響対策課長 それでは、私から避難所運営のデジタル化の取り組みについて御説明いたします。 この取り組みでございますが、今年度から実施しておりまして、内容といたしましては、LINEを活用いたしまして、災害時の被災者把握システムの実証実験を行っております。その中で、LINEを活用することによって、避難所での受け付け業務の効率化あるいは避難所外避難者の居場所や支援ニーズの把握に取り組んでいるところでございます。ことしの実証実験では、その辺を十分活用できるのではないかということで、市町村からも評価をいただいております。 一方で、高齢者の方を中心にLINEを活用することが難しいといった御意見がございますし、緊急時にスマホを持たないで避難してくる方もいらっしゃいますので、そういった方へのフォローが課題であるといった御意見もいただいております。来年度におきましても、市町村と連携いたしまして実証実験に取り組み、必要な改善を図っていきたいと考えております。 また、このシステムで取得した個人のデータがございますけれども、これは被災者把握だけではなく、必要な支援にどうやってつなげていくかといったところも発展的な課題としてあるかと捉えており、来年度の実証実験では、そうした点にも踏み込んだ内容にしたいということで、今、鋭意調整しているところでございます。 〇神崎浩之委員 全くそのとおりでありまして、ケアマネジャーに聞くと、高齢者は携帯を持っていないので、安否が、どこにいるかわからないということでありましたので、よろしくお願いします。 最後に、婦人消防協力隊についてまとめて質疑して終わります。婦人消防協力隊の役割、課題、今後の育成についてであります。 地域には自主防災組織を推進する動きがありまして、自主防災組織と婦人消防協力隊の位置づけ、役割はどう違うのだという疑問が出ております。今回、住田町の婦人協力隊員が、隊長を先頭に大船渡市でも炊き出しをしております。 災害支援救援隊の方々は、全国各地からの消防署の方々が、住田町の体育館に寝泊まりしております。最初、住田町の役場に行って相談したら、しなくていいということだったそうでありますが、さまざまな方々と話し合いをして、災害支援救助隊の活動が長期にわたると見て、温かい食事の提供を始めたということであります。 全国から来る救援隊の方々は、自分たちで食事を準備するという位置づけでありますが、20キログラムの水を背負って、急斜面、重いホースを持っての消火活動は大変なことだと思い、温かい豚汁、すいとんなどを、誰かに頼まれたわけでもなく、他の団体とも協力しながら炊き出しをしているということであります。 私は、自主防災組織と違って、そういう広域的な活動が婦人消防協力隊にはあるのではないかと思っておりますが、この点についてというか、先ほどの役割、課題、今後の育成、自主防災組織との役割分担についてお伺いしたいと思います。 〇細川消防保安課長 婦人消防協力隊についてでございます。 婦人消防協力隊あるいは女性防火クラブですけれども、平時には、防火指導であるとか家庭用火災警報機の設置促進、災害時には、神崎浩之委員御指摘のとおり、避難所における炊き出しとかで運営に参画するなど、地域における火災予防や防災活動において重要な役割を果たしていただいております。 自主防災組織との役割分担についてということもございました。炊き出し等の避難所運営に参画する部分は、自主防災組織と一部役割が重なっていると認識しております。そういったところを踏まえまして、県としましては、地域における防災力確保に向けて、県、市町村、有識者等で構成する検討会を来年度立ち上げることとしております。 消防団、自主防災組織のあり方について検討する中で、婦人消防協力隊なども含めた地域防災力の強化に向けた方策等について検討していければと考えております。 〇千葉盛委員 まずもって、本当に今般の大船渡市の林野火災については、復興防災部の皆様方には御尽力いただきまして、御対応いただきましてありがとうございました。きのう、ようやく鎮圧宣言が出されまして、きょう避難指示が解除されたということで、あしたは東日本大震災津波から14年を迎えるということで、その前にこういった形になって本当によかったと思っております。 今回の林野火災を通してもそうですけれども、やはり避難者への情報提供のあり方とか避難情報の出し方について、さまざま課題等が寄せられておりました。本当に、いつ、どこで、どういった災害が起こるかわからないという中で、この辺だけは聞いておきたいと思いましたので、質疑させていただきます。 まず、大船渡市の林野火災を例にとって質疑させていただきますけれども、きのうの時点でも、やはり皆さん、自分の家がどうなっているのか、地域がどうなっているのか全くわからないという状況でして、きょう避難解除されましたので、今まさに皆さん、そういった状況を確認しているところだと思います。 市役所等ではいろいろ被害状況等を把握していますけれども、そういった細かいところを把握しておりませんし、もちろん表にも出しておりませんので、本当に皆さん、今大変な思いをされて自分の地域に戻っていると思います。 先週も、78棟の住宅や空き家、作業場の被害が確認されたとか、きのうも二百何棟とか数字が出ておりますけれども、本当に、そういった数字は出てくるのですが、避難されている方は全然わからない状況だったということです。さまざま空撮とか映像とか画像が示されていましたけれども、そういったものも含めて、いろいろな推測とか憶測とかが出されて本当に混乱しているような状況でした。 こういった情報のあり方について、これまでの被害状況等とかさまざま出ていましたけれども、もっとさまざまなやり方があったのではないかという課題が多くの方々から指摘されておりました。そういった意味で、県としてどのように認識されているのかお伺いしたいと思います。 〇田端防災課総括課長 今回の火災でございますけれども、千葉盛委員御指摘のとおり、火の広がりが非常に早かった、想定外に広がった、乾燥等もあってということでございますが、そういったことで、被害状況の確認ですとかが非常に難しかった状況となっております。そうしたことで、避難した方々は、自分の財産、おうちなどがどうなっているかを知りたいというニーズはあったものと承知しております。 正確な情報は、消防、市役所、当局でもなかなか難しかったのでございますけれども、そうした中でも、少しでも避難者に状況を確認していただくため、県では、報道機関が公開している空撮映像を避難所で視聴できるようにしたほか、各報道機関が独自で開設している情報や動画などが掲載されている特設サイトの一覧表を作成して、情報提供を行うことで、お年寄りの方はなかなか難しいかとは思いますけれども、スマートフォンなどから確認できるようにするなど、情報提供に努めてきたところでございます。 大船渡市においても、広報のお知らせ版を毎日発行するなどして、お知らせしてきたところでございますけれども、こういった難しい状況の中での情報提供のあり方については、今回、一段落といいますか、災害対応、復旧が終わった後に、また検証がなされる必要があるのではないかとは考えております。 〇千葉盛委員 これからだと思いますので、しっかり検証していただいて、どういう課題があって、どういう情報提供が必要なのかというのは、本当にこれからどこで災害が起こるかわかりませんので、よろしくお願いしたいと思います。 もう一つが、避難情報の出し方ということで、結果的に、本当に長引いたというか、ようやくおさまってくれてありがたいのですけれども、避難者が思っていた以上にこの火災が長引いてしまったということで、避難指示が出されたときは、皆さんそんなに長引くと思っていないので、あわてて避難するような形になってしまいました。そこで、火災の発生直後とかはしようがないですけれども、連日、避難指示が出される中で、避難準備してくださいとか、そういった情報が欲しかったということもありましたし、あと、時間帯が、これはしようがないのですが、夕方、夜という遅くの時間帯に複数回出されたときもありました。 避難してから何日かたった後に被害状況がもっともっと拡大してしまったので、結果的な話としては、時間があったのではないか、だから避難準備を出してほしかったとか、あと、高齢者はすぐ逃げられないので、やはり高齢者避難準備等の情報も欲しかったということです。 いろいろなことがありましたが、そういった中で、避難情報のあり方について、県は市と連携していたと思いますけれども、どのように対応されてきたのかをお伺いいたします。 〇田端防災課総括課長 今回の火災でございますけれども、先ほども申し上げましたように、延焼の広がりが早かったということで、市でも避難指示の発令に苦慮したと聞いております。 そういった中でも、今回は火災でございますので、避難指示に関しましては、消防機関の助言を受けながら行っていたということで、広がりに対しての判断としては、迅速な避難指示を出していただいたものと考えております。 県との連携ですけれども、避難指示に関しては、先ほど申し上げましたように、消防機関の助言を得ながら市長が出すことになっております。県では、市が発出する避難指示について、県の防災情報システムを通じて、Lアラートによって素早く住民に広く周知ということを担っているところでございます。引き続き、連携を図りながら災害対応を行ってまいりたいと考えております。 〇千葉盛委員 情報提供もそうですし避難情報の出し方もそうですけれども、しっかり検証していただいて、次につなげていっていただきたいと思います。 最後に、具体的なことは24日の岩手県議会災害対策連絡本部会議で行うということですのでそちらで聞きますけれども、知事も先週、被災者の生活再建のために、できるだけ早い時期の補正予算の編成など、必要な対応を進めていくという考えも早々に示しております。きょう避難指示が解除されて、今から被害の全容等見えてくると思いますので、本当に被災者の再建が進むように、また事業者の支援も進むように、さまざま、きめ細やかに寄り添って対応していっていただきたいと思いますので、その辺について復興防災部長にお伺いして、終わりたいと思います。 〇福田復興防災部長 これまで緊急消防援助隊や自衛隊による大規模な消火活動を展開する一方、発災当日に災害救助法の適用を行い、避難所の運営や温かい食事の提供、日本赤十字社の活動、さらには、被災した住宅の応急修理や応急仮設住宅の確保などの所定の経費を国と県が負担することとしております。 被災者生活再建支援金については、内閣府との調整を行ってきた結果、先週6日に、県として被災者生活再建支援法の適用を決定したところです。 今後、被災者への支援金の給付に向けては、罹災証明書の発行が必要となるため、現在、そのデータ基盤となる被災者台帳システムへの入力が行われるよう、大船渡市と調整を進めております。 先週7日には激甚災害の指定見込みが示されており、森林の災害復旧のための経費について国庫補助が行われる見通しが立ったところです。 また、水産業を初めとするなりわいの再生については、東日本大震災津波からの復興途上にありますが、今回の林野火災でさらなる被害が懸念されるところであり、農林水産部や商工労働観光部と連携しながら被災地の復興を支援してまいります。 〇村上貢一委員 私も、まずは今回の大船渡市林野火災に対する復興防災部の部長初め、皆様方の御尽力、御対応に感謝を申し上げる次第でございます。今、復興防災部長からも確固たる決意のお話をいただきました。しっかりと部局横断して、県一丸となって被災地の支援、復旧、復興に努めていただければと思います。よろしくお願いいたします。 私からは1点、岩手県犯罪被害者等支援計画素案についてお伺いいたします。 今、県内における重要犯罪の認知件数はおおむね60件前後で推移しておりますが、令和2年以降は年々増加傾向にあります。令和5年度においても82件ということでございます。日本国内では60万件ほどの数字というところもあらわれております。そういうさまざまな犯罪が後を絶たない、新聞でも連日そのような報道がある中、県内、県外にかかわらず県民の誰もが巻き込まれる可能性があります。 そういう中、昨年3月に犯罪被害者等支援条例を県は制定し、4月に施行されました。現在は、その条例の支援施策を具体化し、犯罪被害者等に寄り添ったきめ細やかな支援を行うとともに、社会全体で犯罪被害者等を支えていく体制が必要であることから、支援に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための岩手県犯罪被害者等支援計画を策定するということであります。 そのことで岩手県犯罪被害者等支援計画のパブリックコメントが昨年暮れに行われたと思いますが、それに対して、主な意見の内容と、その意見をどのように生かしていくのかをお伺いいたします。 〇木村県民安全課長 計画素案についてパブリックコメントを実施した結果についてでございますが、2人から計9件の意見をいただいたところであります。 その内容は、主に市町村との情報共有や関係機関との連携強化の図り方についての質問でございまして、意見として計画素案に反映したものはなかったところであります。 〇村上貢一委員 私は、やはり意見は意見としてしっかりと受けとめて、今後生かしていけるように、何とかお願いしたいと思います。 今回、令和7年度当初予算案の犯罪被害者等支援推進事業費に293万円余が計上されております。それは、コーディネーターの設置、人材育成、県民への啓発とありますが、その事業の意義、内容についてお伺いいたします。 〇木村県民安全課長 犯罪被害者等支援推進事業費についてでありますが、本事業は、犯罪被害者等支援条例の趣旨を踏まえ、犯罪被害者等が受けた被害、置かれている状況等に応じた適切な支援が行われること及び犯罪被害者支援について、県民の理解を深めることを目的として実施するものであります。 具体的には、支援に携わる全ての関係機関、団体との連携強化を図り、被害者のニーズに沿った適切な支援を行うための調整を担う犯罪被害者等支援コーディネーターの配置、支援に携わる担当者を対象とした研修会の開催、県立大学生との協働による県民の被害者支援への理解促進のための啓発活動の実施などとなっております。 〇村上貢一委員 そのコーディネーターは、どういう資格、条件等があるのか、その辺についてお伺いいたします。 〇木村県民安全課長 コーディネーターにつきましては、特にこの資格が必要だということはございませんが、県として配置するこのコーディネーターには、関係機関、団体との調整を図る能力とともに、適切な支援ニーズの把握のために、被害に遭った方との面談等を行って適切な支援に結びつけることができるようにするため、心理や福祉などの分野の知識を有している方がふさわしいと想定しております。 〇村上貢一委員 何名なのか、そして任期、やはりしっかりとその辺の土俵の上で行っていくためには、長い間というか、キャリアをしっかり持った人が永続的にやることも一つの妙案かと思いますが、その点についてお伺いいたします。 〇木村県民安全課長 コーディネーターの人数につきましては、まずは、新たに1名配置することを想定しております。任期につきましては特に定めておりません。いずれ、コーディネーターとして、調整機能、心理、福祉などの資格を有している方でふさわしい方を人選し、できる限り長くコーディネーターとして活躍してくれることを期待するものであります。 〇村上貢一委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、支援計画素案には施策の体系として四つの柱があります。一つは、総合的支援体制の整備・充実、二つ目として、精神的・身体的被害の回復・防止、三つ目として、損害回復・経済的支援等、四つ目として、県民の理解の増進と配慮ということでございますが、推進体制として、庁内各部局、市町村、関係団体等が目指すべき姿を共有し、犯罪被害者等のニーズを踏まえ、相互連携、協力を図りながら施策を推進するとありますが、しっかりとした体制をどのように図り、構築し、進めていくのかお伺いいたします。 〇木村県民安全課長 支援体制の構築についてでありますが、策定中の岩手県犯罪被害者等支援実施計画においては、犯罪被害者等に対し必要な支援を途切れることなく提供するため、犯罪被害者等が、支援に携わる機関、団体のいずれかに問い合わせや相談を行えば、県が設置している総合的対応窓口に情報が集約され、関係する機関、団体が一体となって必要な支援を積極的に提示、提供する多機関ワンストップ体制を整備することとしております。 来年度、県が新たに配置する予定の犯罪被害者等支援コーディネーターには、この多機関ワンストップ体制のかなめとなる調整機能を担っていただくことを想定しており、県、警察、いわて被害者支援センターが連携し、コーディネーターを中心とした支援体制を整えてまいります。 〇村上貢一委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、市町村の条例制定についてお伺いいたします。 今、東北地方では、青森県では全市町村のうち7自治体、秋田県では全市町村が条例の制定をしております。宮城県においても、現在は全市町村で条例が制定されており、山形県では8自治体、福島県では17自治体ということでございますが、現在の県内においては、今、盛岡市が条例制定に向けて3月定例会で審議をしている最中でございますが、ほかの市町村には、その動きは見られないと私は認識しております。 東北地方でも市町村で条例制定がないのは岩手県だけでございます。ぜひ、今回の県の条例制定、支援計画策定に歩調を合わせた市町村の条例制定を望むものですが、県として、伴走的な連携支援の御所見をお伺いいたします。 〇木村県民安全課長 市町村の条例制定への支援についてでございますが、現在策定中の計画においては、市町村と県、関係団体との連携を密にし、市町村における条例制定や犯罪被害者支援策の具体化に向けた取り組みを支援し、実効的な犯罪被害者支援の実現に努めることとしております。 まずは、各市町村が実施する具体的な支援施策をまとめたメニューリストを示すことで、市町村において必要な支援施策が明確化され、これが条例制定に向けた動きにつながることを期待しているところであります。 村上貢一委員からお話がありましたとおり、現在、盛岡市では、条例案を3月定例会に提案していると承知しております。市の条例制定に向けた検討委員会には、私も委員として出席しまして、県条例を踏まえた助言を行ってきたところです。 他の市町村においても条例制定に向けた動きが広がるよう、県として情報提供や助言などを行いまして、個々の市町村の事情に応じて必要な支援を行っていく考えであります。 〇村上貢一委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。やはり被害者にとって最も重要なのは初期支援だと思います。そういう中で、基礎自治体として住民に寄り添っている市町村の役割は、非常に大きいと思います。ぜひとも、盛岡市でも条例が制定になった暁には、コーディネーターと県と、まずは3者で32市町村をしっかり回ってもらって、条例の制定を訴えかけて歩く、それくらいの気持ちを持って取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 〇木村県民安全課長 まさにそのような取り組みとして、足で歩いて、しっかりと意見交換を行い、現場の状況、そして各市町村の事情を踏まえながら支援をしていきたいと考えております。 〇村上貢一委員 どうぞよろしくお願いしたいと思います。 もう一つ、最後に、犯罪被害者の経済的負担の軽減という意味で、見舞金、支援金の支援が非常に大事なところでもございます。国でも犯罪被害者給付金制度がありますけれども、それは申請から給付まで半年かかるというものもあります。とにかく緊急介入といいますか初期のスピード感が非常に大事でありますから、一時立てかえ金でありますとか見舞金とか、さまざまな支援メニューの中でのものがありますので、支援金に対するそれぞれの国の役割、県の役割、市町村の役割があるとは思いますが、ぜひその三つがしっかりリンクして、被害者を支援するような体制を築いていただきたいと思います。 見舞金、支援金支援への御所見をお伺いいたします。 〇木村県民安全課長 今、村上貢一委員からお話しありましたとおり、犯罪に遭われた方は、まず、被害直後の経済的負担の軽減が大きいところでございます。まず、国では、遺族給付金、重傷病給付金、障害給付金などといった犯罪被害者給付金がございますけれども、支給までに時間がかかるということがございまして、国においては、仮給付金制度などを充実させるという話も聞いておりますので、まずは、その十分な周知を図っていくこととしております。 その上で、被害直後の経済的負担の軽減に対する制度ということでの検討になりますが、全国どこに居住しても、同じ経済的支援を受けることがまず必要だと考えております。例えば、災害発生時の被災者に対する災害障害見舞金ですとか災害援護資金といった先行制度がございます。村上貢一委員からお話がありましたとおり、国、都道府県、市町村それぞれの役割分担を踏まえながら、融合的な見舞金制度等の確立に向けて、国や全国知事会に提案していく考えであります。 〔「関連」と呼ぶ者あり〕 〇鈴木あきこ委員 私も、犯罪被害者等支援計画の策定について質疑予定でございましたので、ここでさせていただきます。 村上貢一委員が質疑されたとおり、私も同じことを質疑しようと思っておりました。そのとおりだと思います。私からは、ワンストップ支援のことですが、時間が勝負だと私は思っていまして、警察なり病院なり、夜中でも、その報告があれば、24時間体制で支援していただけることが、被害者にとっての精神的な負担、あるいは体的にも負担が一番少ないであろうと思っております。 ただ、それにはコーディネーターが現在1名ということは、非常に少ないと思っております。そのコーディネーターの養成、育成も早期に行っていただきたいことと、ワンストップで24時間支援はできる、あるいは県として行っていこうという思いがあるのか、まず伺います。 〇木村県民安全課長 まず、コーディネーターの養成につきましては、新年度は1名の配置ということで考えております。それは、知識、経験を有する方の人選にもかなり苦慮することも想定されますので、まず1名、しっかりそういったコーディネーターを配置するという体制を築いていきたいと考えております。その上で、さまざまな分野、例えば弁護士ですとか社会福祉士といった資格、それから、犯罪被害者支援の経験を有する方々、複数のコーディネーター体制を見据えて取り組んでいきたいと思います。 コーディネーターにつきましては、研修で育成されるものではない、なかなか難しいと思っています。やはり専門的な知識、経験、それから調整能力を有している方は、ある程度限られてくると思っております。ただ、お一人ではなく複数の体制を見据えて考えていきたいと思っております。 それから、24時間相談が受けられる体制でございますが、現状、犯罪被害者の方が相談する体制は、警察に相談する、もしくはいわて被害者支援センターに相談するということで、そちらの相談窓口は24時間対応しております。そこからの連絡を受けまして、必要な調整を図って、県としてしっかりとした支援に結びつけていく体制を今回つくろうとしております。相談を受けて迅速に動く体制につきましては、警察と連携して、現在もあることを御承知いただければと思います。 〇鈴木あきこ委員 そういう体制であれば、これからますます強化していただきたいこと、あと、ワンストップの中に、例えば警察に相談しました、警察で事情、内容を説明しました。次は、例えば支援センターみたいなところに行きます。また自分で同じことを説明します。そして、弁護士がつきました。また弁護士のところに行って同じことを説明しますというような、二次的な精神的被害が起こりますので、そういうところでも、ワンストップで協力して行っていただきたいと思います。 あとは、そういういい制度があっても、県民が知らなければ、何となく自分で泣き寝入りしてしまうことも現状あると聞いております。その県民への周知方法についても伺います。 〇木村県民安全課長 今、鈴木あきこ委員からお話がありましたとおり、実際に被害に遭った方が複数の機関に同じことを何回も相談することは、被害者にとってかなり重い負担ですし、まさに二次被害と言っていいような状況だと思います。そういったことのないように、多機関のワンストップ体制をしっかり構築していくことに取り組んでまいります。 それから、県民への周知についてでありますが、犯罪被害者の支援に対する理解と協力を含めまして、県民への周知は重要であると考えております。今年度は、県内4カ所で犯罪被害者支援条例の説明会を開催しましたほか、ポスターの作成、県立大学の学生との協働により、犯罪被害者支援のリーフレットを作成して配布しているところであります。 そういった活動を通じまして、さらにさまざまな広報媒体、SNS等を活用した周知も含めて取り組んでまいりたいと考えております。 〇鈴木あきこ委員 では、そのように期待しております。県民の心と体と生活していく体制を守っていただくようにお願いして、終わります。 〇大久保隆規委員 皆様、大変お疲れさまでございます。本当にありがとうございます。 県では、令和6年、能登半島地震の発生を踏まえまして、内閣府で平成26年度に調査した中山間地等の集落散在地域における孤立集落発生の可能性に関する状況調査のフォローアップ調査を、今回、県独自で実施されております。その主な内容についてお示しをお願いしたいと思います。 〇田端防災課総括課長 今年度県が行ったフォローアップ調査でございます。 農業集落あるいは漁業集落の中で、災害によってアクセスが困難となる―アクセスといいますのは、車両または船舶でアクセスできない可能性がある集落でございます―集落について、その集落数、集落の特定と、あと、備蓄等の状況などについて、国が行った調査とおおむね同様の調査を行ったものでございます。 その結果でございますけれども、今回、孤立可能性のある集落は、速報値で449カ所となっております。 また、その調査の結果、集落内で水や食料を備蓄している集落が1割程度にとどまっていること、それから、半数近くの集落で通信手段が整備されていないことが明らかになったところです。 〇大久保隆規委員 孤立可能性集落が449カ所ということでございまして、平成26年度の内閣府の調査の時点では県内378カ所だったものが449カ所に、実に71カ所もふえていることが、今回の県の調査で判明したということでございます。 まず、私は、県が独自にフォローアップ調査されたことを高く評価し、感謝申し上げたいと思います。 この数字をよくよく見てみますと、前回の調査に比べて減少したところは、宮古市が43カ所から27カ所と16カ所の減、大槌町も21カ所から5カ所へと16カ所の減、それから、一関市が5カ所から1カ所と4カ所の減ということでございます。逆にふえたところを申しますと、盛岡市でも16カ所から38カ所へと22カ所もふえ、大船渡市におきましても48カ所から96カ所へと48カ所ふえるということで、ほかは皆、横ばいもしくは軒並みという状況で、71カ所もふえている状況だと思います。 もちろん、これは土砂災害警戒区域の指定が進んだことによるといったところも関連している面はあると思いますけれども、ただいま御答弁いただきましたように、水の備蓄も前回の47カ所から50カ所と11.1%という数字でございますし、食料の備蓄も、同じく現段階で48カ所の10.7%と、要するに9割のところでは、公民館、集会所などにも水及び食料の備蓄もない状況だということが判明しているわけです。 情報通信手段の整備状況にいたしましても、201カ所から、今回251カ所ということで、割合にいたしますと55.9%で、約半数に上るところが通信手段も途絶してしまうという現状にございます。 そういう県内の状況でございますが、今回の調査結果を踏まえまして、今後の対策強化についてどのようなお考えなのか、お示しをお願いしたいと思います。 〇田端防災課総括課長 今後の対策でございますが、今回の調査を受け、県では、市町村で備蓄している物資を孤立する可能性のある集落に一部移動するなど、集落の実情に合った備えをすること、それから、優先的に安否確認を行う集落のリスト化を進め、災害が発生した際には、防災ヘリコプターやドローンで円滑な安否確認を行えるよう合図の方法―合図の方法といいますのは地域防災計画で決まっております―を周知すること、通信機器をいち早く届ける方法の検討をするとともに通信機器の配備に取り組むことなどについて、市町村に助言の通知を発したところでございます。 また、個々の集落の状況をあらかじめリスト化しておくことが重要であることから、今回の調査結果を集落ごとにカルテ化して市町村に活用してもらうこととしており、引き続き、市町村と連携して効果的な対策を検討してまいります。 〇大久保隆規委員 そこで、3月11日をあすに控えまして、昨日の新聞に、政府広報で内閣府から一面のこのような、災害の備えを日本の標準装備にしていくということで、これは大変いい広告をしていただいたと感謝しております。 こういう災害への備えを日本の標準装備にしていくという国の考え方に基づいて、県もしっかり市町村と連携していただいて、水にしても食料の備蓄にしても、全然足りていない実態があり、孤立可能性集落449カ所ということでございます。県内におきましては、2016年8月に上陸した台風10号の大雨で、岩泉町や久慈市で道路の寸断などによる集落の孤立が発生しましたし、昨年8月の台風5号でも、両市町で住民らが孤立状態となっております。今回の大船渡市の大規模林野火災におきましても、大変な危機に直面したわけでございます。 そういったところで、今後、今回の調査に基づいて孤立集落に対する対策を強化していくことに関しまして、復興防災部長の決意、あるいは今後の進め方についての主な考え方などのお示しをお願いして、終わりたいと思います。 〇福田復興防災部長 集落が孤立した場合に備え、県の総合防災訓練では、防災ヘリコプターによる救助訓練を行っておりますほか、各集落における通信手段の確保や物資の備蓄については、市町村との連携のもとでその充実を図ってまいります。 さらに、先般お認めいただいた補正予算におきましては、新地方創生交付金を活用して、被害状況の把握や物資の輸送を担うドローンの配備に関する予算も含まれております。 今後も、さまざまな視点から孤立集落の対策の強化を図ってまいります。 〇鈴木あきこ委員 先ほど、冒頭申し上げませんでしたが、大船渡市の林野火災の鎮圧、大変安堵しているところですが、これからまだまだ大変だと思いますので、どうぞ県としても寄り添って、皆さんの支えになっていただきたいと思っております。 それでは、質疑させていただきます。災害時の避難場所について伺います。 災害時の避難場所は、指定緊急避難場所、そして指定避難場所と二つ種類がございます。こちらは各市町村が指定すると承知しておりますが、これは何か基準があって指定されているのかをまず伺います。 〇田端防災課総括課長 まず、指定緊急避難場所でございますが、こちらは災害対策基本法施行令の第20条の3にございまして、災害が発生するなどした場合に、居住者等に速やかに開放されること、あるいは開放されていること。あるいは、避難者を受け入れる場合に、避難上の支障を生じさせないこと。あるいはその災害に対して安全区域内である、あるいは安全性を満たす施設等であることなどとなっております。 一方、今回設置したのが指定避難所となるわけですけれども、避難所の指定基準については、同じく施行令第20条の6により、被災者等を避難させるために必要かつ適切な規模のものであること。速やかに被災者等を受け入れることが可能な構造または設備を有するもの。想定される災害による影響が比較的少ない場所のものであること。車両その他の運搬手段による輸送が比較的容易な場所にあるものなどと定められております。 申し上げましたように、指定緊急避難場所といいますのは、一時的に、指定避難所といいますのは、一定期間居住するということになっております。 〇鈴木あきこ委員 今なぜ伺ったかというと、人口減と言いつつも、盛岡市内は人口が密集しているわけでありまして、地域限定にはなりますが、盛岡市盛南地域は2万人超えの市民が住んでいるわけで、そこの避難所が大変少ないということで住民の方からお話をいただいております。 その中で、仙北町というところは東北本線が通っておりまして、アンダーパスが多くなっております。そうすると、洪水であれ何であれ、そこを通って西側に逃げろと言われているようでございます。これは盛岡市からの指定でございますので、県がどれくらい把握しているかは存じ上げませんが、ただ1点疑問だったのは、県の施設、例えば高校であったり、本宮地区であると県立美術館等があるのですが、そこはどうも指定されていない、そこには逃げられないという状況になっているようでございます。 あの地域は2万人超えですが、最終の避難場所が盛岡タカヤアリーナ―盛岡市総合アリーナ。そこにかなりの人数が避難してくることが予想される中で、住民が非常に不安に思っております。県の施設が開放されない、火災の場合、大規模火災のときには校庭、あるいは何かのときは体育館ですが、水害のときの、例えば校舎の3階とか2階とかという指定はないようでしたが、それは何か決まりがあってそのような形になっているのか伺います。 〇田端防災課総括課長 指定緊急避難場所あるいは指定避難所等につきましては、市町村において、災害種別ごとに避難者数などを想定して、必要な数の避難所、緊急避難場所を指定しているものと認識しております。 一方で、能登半島地震の際は、発災が年末年始の時期だったことなどもあり、想定以上に避難者が避難所に押し寄せ、混乱が生じたということも聞いております。より多くの避難者を受け入れられる準備を進めるよう、市町村に検討を促してまいりたいと思っております。 なお、その際は、現在でもアイーナ―いわて県民情報交流センターなど県営施設を指定避難場所として指定している事例もございます。県営施設の利活用についても検討いただき、必要に応じて相談いただくよう、あわせて周知してまいります。 〇鈴木あきこ委員 一番心配なのは、高齢者と、病気をしているとか、災害弱者と言われる方を心配しておりました。先ほど言いました盛岡タカヤアリーナまで、仙北町から2キロメートル以上歩いていかなければいけない状況で、非常に不安を持っております。その間に、例えば県立盛岡商業高等学校、先ほど申しました県立美術館等が使用できれば、かなり緩和できるのではないかと思っております。 レクチャーのときに、市から要請があって、協定を結ぶと県の施設も使えるというような趣旨のお話をいただいておりました。これを言うと盛岡市が悪いみたいになるのはあれですが、市でそこまで把握しているかどうかというような感じがあったので、先ほどもありましたけれども、ぜひ県からも周知していただきたいと思います。その点、もう一度お伺いします。 〇田端防災課総括課長 アイーナを指定避難所に指定したときに、まさに私が担当しておったわけでございます。むしろ、そのときは防災にかかわっていなかったので、市からの申し出によりということで進めたわけでございます。ですので、市は、県有、県営施設がどちらにあるかとか、あるいはそういった協定とか手続については、承知しているものと認識しております。 〇鈴木あきこ委員 大変失礼いたしました。多分、私の聞き間違いです。ありがとうございます。 では、県民が安全に避難できるよう、さらに働きかけあるいはいろいろな対策をお願いしたいと思います。 では、次に行きます。消防力強化事業費について伺います。 消防力強化事業費が220万円ぐらいと思っておりましたが、それはどのような事業に使われていくのか伺います。 〇細川消防保安課長 消防力強化事業費についてでございますが、この事業につきましては、消防団員の資質向上を図るために、公益財団法人岩手県消防協会に対して教育訓練事業を委託するほか、消防団の活性化や団員確保を図るため、防災思想普及啓発事業等に対する補助を行うものでございます。 また、女性消防職員のキャリア形成を支援するために、全国女性消防吏員交流会に県内の消防職員を派遣するものでございます。 〇鈴木あきこ委員 消防団の方々がいろいろ勉強していただくと、それぞれの地域の防災力の強化につながっていくと思っておりますので、ぜひお願いします。 あと、消防団員を確保するというところで少し伺います。このたびの大船渡市での林野火災においても、他県から消防署員の方たちが来て大変支援していただきましたことに感謝いたします。そのときに、土地勘のない他県の方々を誘導してくれたのが、消防団の方々でもあるとニュース報道等で伺っておりました。ということは、やはり消防団員を確保することは、非常に大事なことだと考えております。 一般質問でも、四国4県と同程度の大きさの本県で―土地の大きさだけで比べるのは本来ではないかもしれませんが、このたびのような災害が一度起きると大変な被害になりますので、消防団員確保というところで、今後、さらに県がどのように市町村と連携していくのか伺います。 〇細川消防保安課長 消防団員の確保についてでございます。 まずもって、今般の大船渡市の林野火災では、消防団の方々にも、消火活動、後方支援活動など、昼夜を問わず活躍いただいていることに感謝申し上げます。 消防団員の確保ですけれども、地域の防災力強化に欠かせないものでございます。県では、今年度、県民、消防団員を対象にアンケート調査を実施したところでございますが、その調査結果を踏まえまして、年額報酬、出動報酬の引き上げや直接支給の働きかけ、機能別団員制度の導入の促進、市町村や国が認定する消防団協力事業所へのインセンティブ付与、消防団応援の店の登録拡大、こちらについては市町村との連携が必要になりますので、市町村と連携して取り組んでいきたいと考えております。 〇鈴木あきこ委員 消防団員は命をかけて地域を守ろうという、今回も大変すばらしい力を発揮してくださったと思っています。そういうボランティアに携わってくださる方々が一人でもふえていただくよう、ただいまおっしゃっていただいたような対策をもってやっていただきたいと思います。 〇畠山茂委員 日本海溝・千島海溝沖地震を想定した質疑としたいと思います。 けさのNHKのニュースでも報道されていましたけれども、千島海溝沖の調査で、ひずみが大きくなっていて発生する可能性が高いという指摘もございます。 それで、1点目にお伺いしますのが、個別避難計画についてです。総括質疑でも触れられておりまして、県内33市町村で完全にできているのが4市町村、一部が28市町村で、平均で25%の作成率という答弁がありました。 個別避難計画は、自治体においては努力義務となっております。新聞報道によれば、この日本海溝・千島海溝沖地震の被災想定自治体の作成率は約2割ということでありました。 そこで、沿岸部の12市町村の作成状況をお伺いします。あわせて、おくれている自治体への支援をどのように考えているのか、その点についてもお伺いいたします。 〇山崎被災者生活再建課長 沿岸部の自治体の個別避難計画の作成状況でございますけれども、沿岸12市町村では、令和6年4月1日現在、田野畑村で避難行動要支援者名簿に登録された方全員分の個別避難計画を作成しておりますほか、そのほかの全ての市町村が、個別避難計画の作成に着手しております。しかしながら、避難行動要支援者名簿登録者数に対する個別避難計画作成割合は14.8%と、全県平均の25.4%と比較して低い状況でございまして、時間的な猶予が限られる津波避難における計画作成の困難さが、その要因の一つと考えられます。 県では、今年度、有識者の助言を得ながら、沿岸12市町村の担当者とともに津波避難に特化した個別避難計画の参考様式を検討しておりまして、来年度当初予算案に、この参考様式を活用した計画作成と避難訓練のモデル事例を作成するための経費を新たに盛り込んだところでございます。 引き続き、沿岸市町村とともに、計画作成が進むように取り組んでまいりたいと考えております。 〇畠山茂委員 担当者を決めるのは大変なことだとは思うのですけれども、高齢者、障がい者、医療的ケア児、さまざまな被災者を守るためにも、作成の支援をしていただきたいと思います。 2点目に移ります。日本海溝・千島海溝沖地震の対策についてお伺いいたします。 14年前の東日本大震災津波、そしてまた、今回の大船渡市の林野火災においても、いつ自然災害が起こるかわからない状況であります。そこで、日本海溝・千島海溝沖地震が真冬の深夜に発生した場合、本県では最大7万4、000人の避難者が見込まれると共同通信社の報道がありました。シミュレーションでは、宮古市が最大で1万8、722人を初め、久慈市や釜石市でも1万人を超えるということです。 今回の大船渡市の林野火災でも明らかなように、指定緊急避難場所での防災対策が不十分と考えられます。県の認識をお伺いしたいと思います。 また、新しい指導では、市町村において備蓄情報を公開する方向と聞いておりますが、その取り組みの状況についてもお伺いしたいと思います。 〇田端防災課総括課長 指定緊急避難場所での防寒対策等についてでありますが、特に、冬季の津波からの避難に当たっては、低体温症を防止することが重要と認識しております。 指定緊急避難場所は、災害の危険から身を守るために緊急的に避難する場所ですが、屋外にあることも多く、低体温症対策用品を供給できない場所もあると認識しております。 このことから、まずは住民が、避難する際に防寒対策をしっかり行っていただく必要はございます。避難場所で安全が確認された場合は、速やかに防寒対策がなされた指定避難所等に移動していただくことが重要と考えております。 避難所での防寒対策として、市町村では、段ボールベッドや毛布、災害用備蓄マット、ストーブ等を備蓄しているところですが、地震・津波対策強化事業費補助金や国の新しい地方経済・生活環境創生交付金を活用して、さらなる整備を進めるよう促しているところでございます。 備蓄情報の公表につきましては、県から市町村に対し、内閣府が運用する物資調達・輸送調整等支援システムへの正確な登録等を依頼しているところであり、適切な物資等の管理と備蓄情報の公表により、避難生活の質の向上を図っていきたいと考えております。 〇畠山茂委員 次にお伺いしたいのが、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画の作成では、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法があって、それに基づき、事業者が津波から、お客様あるいは従業員等を守るために作成する計画なわけであります。 沿岸12市町村において、計画では30センチメートル以上浸水すると想定されている地区の事業者は対象となるとのことですが、こういった取り組みは、どのような状況なのかもお伺いいたします。 〇田端防災課総括課長 事業者が作成する対策計画の策定状況でございます。 対策計画は、国の日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画に基づき作成が進められてきましたが、令和4年3月に新たな津波浸水想定を公表し、津波浸水区域が変更となったこともございまして作成義務者が増加したこと、また、令和4年9月に国の基本計画が変更となり、新たに後発地震への注意を促す情報が発信された場合にとる防災対策を記載することになったところです。 したがいまして、作成済みであった事業者も、計画の変更を行う必要が生じております。2月末時点で、作成義務者1、076事業者のうち、65%となる700事業者が、計画の作成または変更を行っております。 県では、通信事業者など県に対策計画を提出する事業者に対して個別に働きかけを行っているほか、沿岸市町村では、消防署と連携して対策計画の作成を促しており、今後も、関係機関と連携しながら早期の作成に向けて取り組んでいきます。 〇畠山茂委員 それでも65%までは来ているということで、これからも努力をお願いしたいと思います。 三つ目に、新年度予算案の地震・津波対策緊急強化事業費2、300万円についてお伺いします。 本県最大クラスの津波被害想定をした避難対策や自主防災組織の育成、活性化に取り組むソフト対策と説明ではありますが、新年度ではどのような取り組みをするのかお伺いいたします。あわせて、迅速な避難が被災者ゼロに結びつけることになると思いますが、避難タワーなどハード面の対策については、どのような検討をしているのかもお伺いいたします。 〇田端防災課総括課長 地震・津波対策緊急強化事業費の取り組みとハード対策についてであります。 まず、補助金により、おむつなど要配慮者用備蓄品や防寒アルミシートなど低体温症対策用品の整備のほか、自動車避難に係るシミュレーションの経費とかリヤカーなど自主防災組織の活動に必要な資機材の整備といった、沿岸市町村が実施する津波による犠牲者ゼロを目指すためのソフト対策を支援しています。令和7年度は、沿岸12市町村全てでこの補助金を活用する予定となっております。 また、県と沿岸市町村で設置した巨大地震・津波対策連絡会議を開催し、後発地震注意情報発表時の対応の検討や、各市町村の津波避難対策の取り組みの共有などを行っていきます。 ハード対策の検討については、沿岸市町村において、市町村津波避難計画に基づき、避難路の整備や津波避難ビルの指定に向けた検討に取り組まれております。 津波避難タワーについては、津波避難ビルの指定ができる建物がない場合に建設を検討するものと考えておりますが、現時点で津波避難タワーの建設を計画している市町村はないものと承知しております。 〇畠山茂委員 まだ計画はないということですけれども、シミュレーションでいうと、もし来た場合には、結構な被害者が出るというような数字も出ておりますので、これは、ぜひ市町村と連携して検討していただきたいと思います。 日本海溝・千島海溝沖地震対策の最後の部分でお聞きしたいと思います。 東日本大震災津波や今回の大船渡市の大規模林野火災でも、大規模災害においては、各個別の自治体では対処がなかなか厳しいところもございます。そこで、広域での対応や後方支援体制が重要と今回再認識したわけでありますけれども、県内の広域支援体制の構築状況を改めてお伺いしたいと思います。 〇田端防災課総括課長 県内での広域な支援体制の状況でございますが、まず、全国的な支援の仕組みとしては、都道府県等の消防本部や航空隊を派遣して支援を行う緊急消防援助隊、避難所運営や住家被害等の調査業務等を支援するために全国の都道府県等から職員を派遣する応急対策職員派遣制度がございまして、今般の大船渡市の大規模火災でも、緊急消防援助隊の支援をいただいたところでございます。 県内の市町村は、大規模災害時における岩手県市町村相互応援に関する協定を締結しており、相互応援体制を整備し、大規模な災害が発生した際は、応援協力を行うこととしております。 また、消防に関しましても、消防相互応援に関する協定を12消防で締結しておりまして、大規模災害や特殊災害などに対応することとしております。 今般の大船渡市の大規模火災でも、このような協定により、県内の市町村から物資の支援や職員の派遣、各消防本部から消火活動等の応援が行われたところでございます。 〇畠山茂委員 協定のもとに支援体制は充実していると認識いたしました。 避難所運営についてお伺いします。総括質疑とか、先ほど委員の皆さんも触れていましたが、私からも改めてお伺いしたいと思います。 現在、避難所運営は、大きなところは自治体職員がやっておりますし、小規模避難所では、町内会の役員が運営に当たっているところもあります。避難所では、避難者名簿の作成から、安否確認、食事の準備など負担が大変大きいと私は感じております。 一方で、議会でもいろいろ出てくるスフィア基準に基づいて、先ほど説明がありました簡易ベッドとか温かい食事、あるいはトイレも20人に一つはとか、いろいろその基準にのっとって取り組んではいると思いますが、改めて、県内の避難所の状況をどのように認識しているのかお伺いしたいと思います。 〇山崎被災者生活再建課長 避難所の状況についてでございますけれども、市町村の避難所運営マニュアルでは、スフィア基準そのものについて記載しているものは把握しておりませんが、市町村によって差はあるものの、広い生活空間の確保や女性用トイレを男性用トイレより多くすることなど、良好な生活環境の確保に向けた対応を記載しているところでございます。 今般の大船渡市林野火災における避難所においては、今回は、電気や水道などのライフラインが確保されていたこともあって、トイレなどの衛生環境が保たれているほか、テント型パーティションによるプライバシーの確保、岩手県飲食業生活衛生同業組合などによる温かい食事の提供など、大船渡市の職員はもとより、ボランティアを含む多くの関係者の尽力によって、生活環境の確保に向けた活動が行われてきたところでございます。 県では、大船渡市の避難所の例も参考にしながら、夏ごろをめどに、市町村避難所運営マニュアル作成モデルについて、スフィア基準をより実用的な内容に落とし込んだものに改定し、市町村が避難所における良好な生活環境の確保ができるように支援していきたいと考えております。 〇畠山茂委員 夏をめどに避難所運営のマニュアルを改定していくということで、了解しました。 高齢者や障がい者、医療的ケア児など、県内自治体における福祉避難所の設置や指定状況をお伺いしたいと思います。あと、近年はペット同伴の避難者もふえております。大船渡市でもそういった新聞報道がございました。ペットを許可する避難所の設置状況もあわせてお伺いしたいと思います。 〇山崎被災者生活再建課長 まず、福祉避難所の設置状況でございますけれども、令和6年5月1日現在、県内全ての市町村で計406カ所が指定または協定の締結により福祉避難所として確保されており、そのほとんどが社会福祉施設となっております。 それから、ペット連れの避難者への対応ですけれども、県が作成した市町村避難所運営マニュアル作成モデルでは、居住空間からある程度離れた場所にペット専用スペースを設けることなど、ペット連れの避難者への対応について記載しているところですけれども、具体的には、各避難所の状況に応じて運用されるものと考えております。 今般の大船渡市林野火災においては、グリーンピア三陸みやこと旧大船渡市立吉浜中学校に、避難者とペットが一緒に過ごすことができる環境を整えたほか、大船渡保健所では、一時預かりの相談を受け付けるという対応を行ったところでございます。 〇畠山茂委員 ペット避難所の関係はまだ道半ばのような答弁だったので、これからというか、今はペットを飼っている方がたくさんいるので、今回の林野火災でも、それで、結局は車に寝泊まりしている方も多かったというような報道があります。ぜひ、市町村と検討なさっていただいて、よりよい善処をしていただきたいと思います。 〇斉藤信委員 それでは、私からも最初に大船渡市の大規模林野火災について質疑したいと思います。 昨日の夕方5時に鎮圧宣言が出されて、きょうの午前10時に全地域で避難指示が解除されたと、一つの山を越えたという感じがいたします。防災関係の皆さんの連日連夜の取り組みは、緊急消防援助隊、最大時は2、000名を超える規模で、24時間体制で3交代で消火に当たられたということです。本当に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。けさの情報を見ても、まだ1、000人規模で緊急消防援助隊の活動が待機も含めてきょうもあるということです。 そこで、先ほども出たのですけれども、私も何度か避難場所に行ってまいりました。やはり自分の自宅や地域がどうなっているかという情報が、避難場所には十分提供されなかったということです。マスコミで上空からの映像などがニュースに出るわけです。でも、どこが燃えているのか、どこまで燃えているかという正確な情報が伝わらない。 大船渡市が午前、夕方と1日2回、市長が丁寧な記者会見を毎日やっていた。その情報が、先ほどお話しあったように、お知らせ版で届くのだけれども、一番知りたい自分の自宅や地域の状況が提供されなかったということです。これは、自衛隊の偵察機や県警のヘリコプターが毎日飛んでいるわけですから、私は、適切な情報提供があってよかったのではないかと思います。まず、そのことについてお聞きします。 〇田端防災課総括課長 住家の延焼状況などリアルタイムでの把握が、急速な延焼の拡大によりなかなか難しかっただろうというのが、まず一つとしてございます。そういった中でも、避難者は御自宅がどうなっているかというのは、斉藤信委員御指摘のとおり、一番知りたいことだったのだろうと考えております。 自衛隊や警察のヘリコプターの情報につきましては、こちらとしても提供について検討いただいたところでございますけれども、技術的なところが今回間に合わなかったので、これについては、提供の仕方について、技術的な検討を加えていかなければならないだろうと思っております。 そうした中で、先ほど斉藤信委員も御指摘いただきましたが、民間のテレビ局で空撮映像とか市長の記者会見をリアルタイムでユーチューブでは配信しておりました。そういった情報がリアルタイムでいつ流れるか避難している方々がわからないと、結局、情報が行かないということもございますので、民間の主に放送事業者でございますけれども、そういったリアルタイムの情報をいつユーチューブに出すのだということを、知り得る限り情報収集しまして、大船渡市を通して避難所に情報提供したところでございます。 〇斉藤信委員 次に、避難者の避難生活の改善ですけれども、特に、命を守るという点でいけば、高齢者、障がい者の対策が大変重要だったと思います。今回、四つの福祉避難所が機能したと思います。きのう午後5時の時点でも38人が福祉避難所に避難しているということでした。ただ、結構な人数が避難しているのだけれども、対応する人員はふえないのです。だから、私は、そこに避難したときに、職員の体制も支援しないと大変なのではないかと思います。 あと、避難者の3分の2は、親類、知人宅への避難です。ここには情報が届かないということとあわせて、必要な支援物資、食事も含めて、提供しますというアナウンスはありました。しかし、十分なものにならなかった。3分の2はそういうところに避難しているわけですから、その人たちを対象にした被災者支援センターみたいなものが必要だったのではないかと感じていますが、いかがでしょうか。 〇前田復興くらし再建課総括課長 高齢者や障がい者への対応でございます。こういった方々の健康被害の悪化を防ぐため、先月28日に、日本赤十字社の救護班が全ての避難所に入り、健康状態のチェックでありますとか支援ニーズの聞き取りを行うなどの活動により、医療、福祉的支援に確実につながる体制を構築してきたと認識しております。 また、福祉避難所の体制でございますけれども、福祉避難所も必要な支援が行われる、また配慮が行われるような建物の仕組みになっているところでございます。その施設職員だけではなかなか十分な対応が難しかったということも聞いておりますが、福祉施設同士で協定などを行っているところも県内の中にはあったと認識しております。 福祉避難所の今回の対応については、改めて確認し、次なる改善につなげてまいりたいと思っております。 〇斉藤信委員 応急仮設住宅の整備も調整されていると聞いていますが、綾里地区は、たくさんの漁港があって、漁村集落がある。そういう点でいくと、そういう集落単位に住田式の木造住宅などの整備を、何よりも被災者の要望を聞いてやる必要があるのではないか。その際、東日本大震災津波では行われた電化製品3点セット、エアコンのセット、これはぜひ東日本大震災津波並みにやっていただきたい。 あと、被災者生活再建支援法の適用も決まりました。物価上昇の中で、これも大震災のときに岩手県が市町村と100万円上乗せして、沿岸市町村はさらに200万円から300万円上乗せしたのです。これで多くの被災者たちが自立再建した。 今回も、二重の被災ですから、東日本大震災津波並みの支援、そしてグループ補助金も含めてぜひ検討していただきたい。 〇前田復興くらし再建課総括課長 3点お尋ねがございました。避難指示の解除を受けまして、大船渡市と調整を図りながら、被災者との生活再建を早急に進める必要があると認識しております。 まず、応急仮設住宅につきましては、建設型、賃貸型のほか、公営住宅の活用などが考えられます。大船渡市を交えて関係部局との協議を行っているところでございまして、供与の方式と所要数につきましては、被災世帯の人員構成や地域の結びつきなど、被災者の意向も踏まえながら、市と十分に調整し決定したいと考えております。 次に、住宅への家電製品などについてということでございます。建設型、賃貸型住宅の場合、これまでの災害救助法の適用事例によると、給湯設備、ガスコンロ、照明器具は一体の設備とみなされておりますが、救助法の対象とならない可能性のある用品もございます。これらにつきまして、過去の災害時に受けた支援団体からの提供状況なども参考にしながら、また、救助法の対象、非対象につきましては、国とも協議しながら検討したいと考えております。 3点目ですが、被災者生活再建支援の県の上乗せでございます。これまでも、直近だと令和元年台風19号などの際に、被災者生活再建支援法の適用対象外の市町村や適用に至らない半壊世帯、床上浸水世帯に対し、市町村への補助により支援金の支給を行う制度を設けた例がございます。 今回は、強風により広がった火災が原因で住家被害が生じたものであり、過去に余り例を見ない災害ということもございますが、今後、被害状況が明らかになった場合に、被災者の生活再建についてのあり方は、市や関係部局と連携して検討してまいりたいと考えております。 〇菅野ひろのり委員長 この際、斉藤信委員の質疑の途中でありますが、昼食のため午後1時まで休憩いたします。 斉藤信委員、御了承願います。 午後0時3分 休 憩 午後1時1分 再開 〇ハクセル美穂子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 〇斉藤信委員 それでは、復興の残された課題について伺います。 第2期復興・創生期間以降の東日本大震災からの復興の基本方針の見直しが、昨年12月27日に復興推進会議において決定されたとお聞きしていますが、岩手県の要望がどのように取り入れられる方向なのか示していただきたい。 〇森田復興推進課総括課長 復興の今後の課題についてでございます。 国では、本年度当初から有識者によるワーキンググループを設置しまして、復興における中長期的な課題に関する本県の現状、また意見等も踏まえながら、第2期復興・創生期間後の復興施策のあり方の検討を進めているところでございます。 ただいまお話しありましたとおり、国が昨年12月に決定しました第2期復興・創生期間以降の東日本大震災からの復興の基本方針の見直しに向けた主な課題等におきましては、心のケア等の被災者支援などについては、真に必要な範囲で復興施策による対応も検討するとされております。 国では、本年夏に復興の基本方針を見直すことにしております。現在も議論が継続されていることから、今後においても必要な支援が継続されるよう、被災者に寄り添った対応を求めてまいります。 〇斉藤信委員 心のケア等ということで、引き続き取り組まれる方向だと思います。 岩手県も、ワーキンググループが現地に来たときに、いわて被災者支援センターから聞き取りもしていただいたと思います。いわて被災者支援センターの今年度の実績と、この取り組みも、私は引き続き活動に取り組まれると受けとめていますが、いかがでしょうか。 〇山崎被災者生活再建課長 いわて被災者支援センターの今年度の取り組みの実績でございますけれども、今年度は、令和7年1月末現在で85人から相談があり、相談対応回数は2、351回となっております。 今後ですけれども、来年度も引き続き、弁護士やファイナンシャルプランナーと連携し、一人一人の状況に応じたきめ細やかな相談支援を行っていくこととしております。 また、第2期復興・創生期間後ということでございますけれども、いわて被災者支援センターも、さまざま相談ニーズがまだある状況だと認識しておりますので、令和8年度以降についても、復興事業として継続するように国に求めてまいります。 〇斉藤信委員 私がいただいた資料には、スクールカウンセラーの配置等も岩手県は要望しているということですが、これはどうですか。 〇森田復興推進課総括課長 心のケア等の被災者支援などにつきましては、この、などの部分には、被災した子供たちへの支援も入っております。その中において、当然スクールカウンセラーの手当てについても入っておりますので、本県としては継続を要望している状況でございます。 〇斉藤信委員 これは、岩手県が本当によく頑張って、ワーキンググループや国の機関に働きかけてきた成果だと思いますので、引き続き頑張っていただきたい。 次に、これは最後になりますけれども、福島原発事故による汚染水の影響、対応についてお聞きいたします。 汚染水の海洋放出による県内の影響、損害賠償請求の取り組みはどうなっているでしょうか。 〇田澤総括危機管理監兼放射線影響対策課長 まず、影響についてでございます。 令和5年8月からの処理水の海洋放出に伴いまして、海洋放出前の令和4年度に比べまして、アワビの令和5年度漁獲分の価格が約4割、令和6年度漁獲分の価格が約5割低下したほか、ナマコの令和5年度漁獲分の価格が約3割、令和6年度漁獲分の価格が、1月末現在での比較となりますが、約2割低下するなど深刻な影響が出ております。 県内の漁業団体におきましては、東京電力ホールディングス株式会社と賠償に向けた交渉を行っており、アワビについては、令和5年度分の損害について賠償の考え方が合意され、賠償金の支払いが行われております。ナマコにつきましても、令和5年度分の損害の賠償の考え方について合意がなされ、支払いに向けた準備が進められていると伺っております。 また、影響を受けた水産加工業者においても、賠償に向けた交渉を行っていると伺っております。 県におきましては、影響を受けた事業者に対する東京電力ホールディングス株式会社への損害賠償請求が円滑に進むよう、国や東京電力ホールディングス株式会社に対し、政府予算要望に加えまして、沿岸市町村や県漁連と共同での要望も行っているところでございます。 今後におきましても、中国政府による輸入停止措置の見直しの状況でありますとか東京電力ホールディングス株式会社との損害賠償交渉の進捗等の状況を踏まえて、必要な要望を行ってまいります。 〇斉藤信委員 中国への輸出禁止、輸出規制、あちらから言えば輸入なのでしょうけれども、これは、見直しという報道はあるけれども、どのように進捗しているのか。それと、中国、香港への輸出額の実績、現状を含めて示してください。 〇田澤総括危機管理監兼放射線影響対策課長 まず、最初にお尋ねがありました見直しの動きの状況でございます。 本県から国に対しまして、輸入停止措置の即時撤廃について、さまざまな機会を捉えて要望してきたところでありまして、一定の前進が図られていると認識しております。国によりますと、現在、中国政府が参加する形でIAEA―国際原子力機関によるモニタリング調査が進められているということで、この結果を踏まえて、中国政府が輸入停止措置の調整に着手すると聞いております。輸入再開に向けた検討に入ったといった報道も承知しておりますけれども、輸入規制緩和の具体的な内容ですとか時期について、国からの説明はまだございませんので、今後の動向を注視してまいりたいと考えております。 2点目の、本県の水産物の輸出額の状況でございます。県とジェトロが行っている貿易等実態調査というアンケート調査がございますが、本県産水産物の令和5年度の中国及び香港への輸出実績額は約7億円となっております。海洋放出開始後の実績を示す令和6年の実績額については、現在調査中で数字としては把握しておりませんが、農林水産省が公表している全国の数値によりますと、令和6年の水産物の中国への輸出額は61億円で、前年比約9割の減と承知しております。中国への輸出が事実上停止している状態でございますので、本県の事業者においても、同様の影響が生じているものと認識しております。 〇斉藤信委員 中国には9割減だけれども、ほかのところへの輸出がふえたということも聞いていますが、これを最後に聞いて、終わります。 〇田澤総括危機管理監兼放射線影響対策課長 香港への輸出の状況でございます。 先ほど申し上げましたジェトロと共同で行っている貿易等実態調査によれば、若干ふえているといった数字も出ておりますけれども、この調査はあくまでアンケート調査ということで、回答事業者には変動がございますので、県全体として実際にふえているのかどうかというのは正確にはわかりかねているところでございます。いずれ、今後におきましても、事業者の状況については情報把握に努めてまいりたいと思います。 〇小林正信委員 まず、国の新しい地方経済・生活環境創生交付金について、これまでも質疑がありましたけれども、改めて、確認のため、県における防災、減災対策においての活用状況をお伺いしたいと思います。 〇田端防災課総括課長 県では、国の新しい地方経済・生活環境創生交付金を活用し、大規模災害発生時における避難所環境の改善を図るため、段ボールベッドや炊き出し用かまど、ラップ式トイレを整備して、被災した市町村の避難所運営に配慮するなど、備蓄することとしております。 そのほか、孤立集落対策として、ドローンや災害活動車両、防災ヘリコプター指揮車両等の整備を行うこととしております。 〇小林正信委員 災害活動車両の予定もしているということでしたけれども、この交付金の主なメニューの中に、トイレトレーラーとかキッチンカーの整備もできるとなっておりまして、国のこの交付金の補助率は2分の1ですが、地方負担分に対する財源措置がとられることから、実質、地方の負担はなしになるということも伺っております。 能登半島の地震においては、やはり避難所におけるトイレや食事、また、お風呂等の整備について、その必要性が再確認されているところであります。 トイレトレーラーについては、現在、東北地方では大仙市が整備している、都道府県では群馬県が導入していると伺っているところでございます。 今後、さまざまな災害を想定して、県としても国の交付金を活用して、トイレトレーラーやキッチンカーの整備を行っていくべきと考えますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。 〇田端防災課総括課長 トイレトレーラーやキッチンカーは、災害時に避難所等の生活環境の確保に効果的であり、令和6年能登半島地震においても有効に活用してきたと認識しております。 一方で、災害時での活用は限定的でございまして、この交付金の要件でもある平時のイベントとか防災訓練での活用が必要と考えており、県では、平時の活用を踏まえた導入の可能性について研究してまいります。 〇小林正信委員 了解いたしました。やはり市町村でもトイレトレーラーやキッチンカーを整備できるところかと思うのですが、これは、維持とかイベントでの活用とかも考えれば、県として導入していくべきなのだろうと思いますので、ぜひ研究しながら、それを検討まで引き上げていっていただければと思います。よろしくお願いいたします。 いわて被災者支援センターについてです。 今般の大船渡市の林野火災の影響で、生活再建が必要な方が増加すると予想されるところであります。センターは、東日本大震災津波の被災者支援のために設置されておりますけれども、センターの伴走型の生活再建支援は、あらゆる被災者の支援に有効と考えますので、大船渡市の被災者支援にも、センターと連携した取り組みが期待されるところかと思っております。 その上で、センターの人員等も含めた充実は今後必要かとも考えておりますけれども、県の御所見をお伺いしたいと思います。 〇山崎被災者生活再建課長 いわて被災者支援センターでございますけれども、センターに寄せられる相談は複雑かつ複合化しておりまして、介護や子育て、生活困窮事の対応では困難なケースがふえているということで、課題の解決に向けては、市町村や専門機関との連携がより重要となってきていると認識しております。 このことから、引き続き、弁護士会等の関係機関と連携を図るとともに、包括的な支援に取り組む市町村や市町村社会福祉協議会などとの連携も強化して、相談対応の充実に努めてまいりたいと考えております。 〇小林正信委員 了解いたしました。その市町村とかとの連携のところも十分やっていただければと思いますけれども、やはり支援センター自体の機能は非常に重要なのかと思います。市町村でもなかなか解決できないようなケースでも、このセンターがしっかり対応していっていただいているところでもあるかと思います。このセンターの取り組みも、今後の市町村、県の取り組みにも十分反映させていただきながら、充実を図っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 続いて、復興防災部長からも、令和7年度の取り組みとして、災害ケースマネジメントの取り組みについては述べていただいておりましたけれども、県としても、民間団体などと連携しながら、さまざま、どういう体制がいいのか、どういう取り組みがいいのかというところの協議を進めていただいていると思います。 また、大船渡市の林野火災においても、被災者に寄り添ったきめ細かい状況把握、また、その生活再建が展開できるよう、この災害ケースマネジメントの手法を発揮して、支援に当たっていただきたいと思っているところでございます。 今後、個人情報をどのように共有するかとか、さまざまな課題があるかとは思いますけれども、そうしたところも乗り越えながら、さらなる災害ケースマネジメントの取り組みの充実を図っていただきたいと考えております。 県の今後の取り組みの一層の充実についてのお考えをお伺いして、終わりたいと思います。 〇山崎被災者生活再建課長 災害ケースマネジメントの今後の取り組みでございますけれども、まず、県では今年度、市町村や社会福祉協議会等の職員を対象とした研修会を開催したほか、岩手県立大学と協働して、災害ケースマネジメントの推進に必要なアウトリーチ人材育成プログラムの作成に取り組んできたところでございます。 来年度につきましては、このプログラムを活用してアウトリーチ人材の育成に取り組みますとともに、今年度設置した災害ケースマネジメント推進検討会議での検討を進めまして、今御指摘のような、個人情報の取り扱いですとか、県と市町村、関係団体が連携して、災害ケースマネジメントに取り組むためのガイドラインの作成に取り組んでいきたいと考えております。 〇ハクセル美穂子副委員長 ほかに質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 〇ハクセル美穂子副委員長 質疑がないようでありますので、これで復興防災部関係の質疑を終わります。 復興防災部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。 次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。 〇滝山会計管理者兼出納局長 出納局関係の予算について御説明申し上げます。 まず、議案第1号令和7年度岩手県一般会計予算のうち、出納局関係は、予算に関する説明書の90ページをごらん願います。2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、出納局関係の予算は9億528万円余であり、職員の人件費などの管理運営費及び県営建設工事入札業務に係る経費であります。92ページ下段の5目会計管理費2億5、310万円余は、財務会計システム運営費などであります。 次に、議案第9号令和7年度岩手県証紙収入整理特別会計予算は、同じく予算に関する説明書の384ページの歳入と385ページの歳出とをあわせてごらん願います。歳入歳出予算額は、それぞれ33億975万円余であります。 歳入は、386ページ、1款証紙収入1項証紙収入は、1目県税11億6、144万円余、2目使用料及び手数料18億1、061万円余、3目軽自動車税環境性能割3億3、769万円余であります。 歳出は、388ページ、1款繰出金1項一般会計繰出金は、1目県税、2目使用料及び手数料に係る証紙収入を一般会計に繰り出すものであります。 389ページ、2項歳入歳出外現金繰出金は、1目軽自動車税環境性能割に係る証紙収入を所在市町村に払い込むため、歳入歳出外現金に繰り出すものであります。 以上で出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 〇ハクセル美穂子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。 〇畠山茂委員 私からは、入札制度の改革について4点お伺いしたいと思います。 初めに、県は令和7年度より一般競争入札制度を見直し、総合評価方式にチャレンジ型を創設するということであります。この点は、建設業協会からも要望があったところでございます。 そこで、新たな制度の内容と目的、期待する効果をお伺いしたいと思います。 〇千葉特命参事兼入札課長 総合評価落札方式では、施工実績評価を重視した簡易2型による発注件数が9割以上を占めており、近年の入札件数が減少する中では、施工実績の有無により受注機会を確保できない企業の増加が懸念され、業界団体からも、受注機会の減少により実績づくりが困難であるとの声があることから、県営建設工事の施工実績がない場合でも受注機会が得られるよう、新たな入札方式であるチャレンジ型を導入することとしたものであります。 チャレンジ型は、施工実績の有無が評価に影響を及ぼす項目を極力除外する評価方法とし、令和7年4月の入札公告の工事から試行的に行い、初年度の実施件数は全県で9件以上を見込んでいるところです。 これにより、これまで施工実績がないために評価点を得られなかった企業が受注機会を得られるほか、チャレンジ型で実績を得た企業は、その後、総合評価落札方式の簡易2型への受注機会が拡大するなどの効果が期待されるところです。 〇畠山茂委員 業界からの要望があって、今まで実績がないと入札にも参加できなかったところを、チャレンジ型をつくって幅を広げてやっていくということで、一つの方法として、これからも検討しながらやっていただきたいと思います。 二つ目に移ります。現在、資材や人件費、光熱費などの物価高騰、それから、働き方改革によりまして公共事業への応札がないケースも出てきております。最近ですと、県立宮古病院の改修工事でも、建設に3度応札がなくて、結果的に違約金を7、800万円ほど支払うケースも出ております。 そこで、県では物価高騰が続く中、調査基準価格をどのように検討しているのかお伺いしたいと思います。あわせて、一部の建設会社からは、一般管理費の算定率引き上げを求める声もありますけれども、その認識についてもお伺いしたいと思います。 〇千葉特命参事兼入札課長 調査基準価格についてでありますが、業界から調査基準価格の引き上げを要望する声があることも認識しています。 低入札価格調査制度においては、国が公共事業の品質確保や賃金の適切な確保の観点から、調査基準価格算定モデルとして、直接工事費、共通仮設費、現場管理費及び一般管理費等の算入率を示しており、本県では、基本的にこの算定モデルに準拠することとしています。このため、令和4年4月の国のモデルの算入率の引き上げに合わせ、本県においても、一般管理費等の速やかな引き上げを行ったところです。 今後のさらなる引き上げについては、国の動向を注視しながら対応していきたいと考えています。 〇畠山茂委員 そこは、ぜひお願いしたいと思います。公共工事が進まないということは、ある意味、県民の福祉の推進とか、さまざまな面で影響が出てくると思いますので、そこは配慮願いたいと思います。 3点目に移ります。建設業は今、2024年から働き方改革ということで、週休2日制とか残業時間減少など取り組んでおります。 そこで、デジタル化の推進、働き方改革が叫ばれる中で、入札制度においても、国や県、市町村において、あるいは県庁内の部局間においても、書類作成の簡素化と共通化を求める現場の声があります。 そこで、国や県、市町村での取り組みはどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。 〇千葉特命参事兼入札課長 書類作成の簡素化、共通化についてでありますが、工事書類の簡素化については工事担当部局の取り組みとなりますが、受発注者の業務の効率化、省力化のため、提出書類を必要最小限にとどめるとともに、不要な書類作成の削減、二重提出の防止、県営建設工事においても国様式での提出が可能となるよう、工事書類の標準化を進めたところと聞いています。 また、市町村においても、同様の取り組みを実施していると聞いています。 〇畠山茂委員 ぜひこれも、世の中はデジタル化が進んでおります。働き方改革で簡素化、共通化を今後とも、国、県、市町村それぞれ同じ歩調で進めていただきたいと思います。 最後になりますが、ことし正月に高病原性鳥インフルエンザがございました。最近だと大船渡市の林野火災があり、そしてまた集中豪雨とか、本当に今、自然災害はいつ、どこで起こるかわからない状況であります。 そういったときに、自然災害が発生しますと、建設業協会には24時間の御支援、協力をいただいているところでございます。一方で、今、公共事業はそのとおり、件数、金額とも減少傾向の状況にあります。 そういったことで、県として公共事業の入札制度のあり方について、先ほどのチャレンジ型を導入してみたり、あるいは今、県では予定価格の事前公表などをやっておりますけれども、今後、これからの入札制度の改善をどのように考えているのか、最後にお聞きしたいと思います。 〇千葉特命参事兼入札課長 入札制度のあり方についてでありますが、県では、競争性、透明性、経済性等にすぐれた一般競争入札を原則とし、さらに、総合評価落札方式の導入、拡大により、ダンピング防止や地元企業の技術力、企業努力、地域貢献活動等を適切に評価し、地元企業の受注機会の確保にも配慮した制度の運用に努めてきたところです。 また、復旧、復興事業の完了などにより工事発注件数や金額が減少する中にあっては、総合評価落札方式において、評価項目の見直しや新たな入札方式であるチャレンジ型を試行的に導入するなど、社会情勢に応じた制度の見直しに取り組んでいるところです。 今後とも、入札動向を注視するとともに、業界団体の御意見を伺いながら適切な入札制度の運用に努めてまいります。 〇畠山茂委員 入札制度は、先ほども答弁あったとおり、時代時代に合わせて改革が必要だと思いますので、今後ともよろしくお願いします。 〇斉藤信委員 それでは、私から、最初に落札率の状況について伺います。 5年間の落札率の推移はどうなっているでしょうか。 〇千葉特命参事兼入札課長 5年間の落札率の推移についてでありますが、県営建設工事における一般競争入札の加重平均による平均落札率は、令和2年度と令和3年度がそれぞれ91.6%、令和4年度が92.1%、令和5年度が92.0%、令和6年度が、12月末までで92.6%となっております。 〇斉藤信委員 全国の状況も岩手県と比較して示してください。 〇千葉特命参事兼入札課長 全国との比較についてでありますが、国の入札契約適正化法等に基づく実施状況調査結果によりますと、単純平均による全国の落札率は、令和2年度が93.8%、令和3年度が93.5%、令和4年度が93.9%、令和5年度が94.0%、単純平均による岩手県の落札率は、令和2年度が92.4%、令和3年度が91.8%、令和4年度と令和5年度が92.0%となっております。 〇斉藤信委員 岩手県の落札率を見ますと、本当に微増、横ばいとなっています。全国と比較しますと、令和5年度でいうと、全国が94.0%、岩手県は92.0%と。私は、2ポイントの差というのは大きいと思います。 このことを踏まえて、県営建設工事の発注状況、そして、県内企業の落札件数と割合を示してください。 〇千葉特命参事兼入札課長 県内企業の落札件数と割合についてでありますが、県内企業の落札件数は、令和2年度が1、047件、令和3年度が890件、令和4年度が836件、令和5年度が954件、令和6年度は、12月末までで673件となっております。 県内企業が落札した件数の割合は、令和2年度が94.7%、令和3年度が96%、令和4年度が94.7%、令和5年度が96.0%、令和6年度は、12月末までで96.6%となっています。 〇斉藤信委員 県営建設工事の落札の比率は高まっているのだけれども、令和2年までは件数が1、000件以上あったのですね。今、令和6年度は673件ですから、まさに6割台に減少しているという大変深刻な状況だと思います。 そこで、私も入札制度の改善についてお聞きしますが、総合評価落札方式にチャレンジ型の試行を導入したと。この点で、既に秋田県、宮城県で導入しておりますが、その実績、成果についてはどう受けとめているでしょうか。 〇千葉特命参事兼入札課長 他県の試行導入の実績等についてでありますが、東北地方では、宮城県においては令和3年4月から、秋田県においては令和5年8月からチャレンジ型が試行導入されています。 令和5年度の実績件数については、宮城県が18件、秋田県が数件と聞いています。 また、チャレンジ型の実施によって、これまで、いわゆる受注実績がない、あるいは少ない企業が、確実にチャレンジ型入札において入札に参加されて、受注している状況と聞いております。 〇斉藤信委員 まだまだのような状況に感じますけれども、公共工事発注の平準化による通年施工の取り組みは、どのようにされているでしょうか。 〇千葉特命参事兼入札課長 工事発注の平準化の取り組みについてでありますが、県土整備部が策定した、いわて建設業振興中期プラン2023においては、働き方改革の推進を重点事項として位置づけ、その中で施工時期の平準化についても取り組んでいくこととしているところです。 具体的には、工事発注部局において、ゼロ県債の活用や積算の前倒しにより早期発注に努めているほか、債務負担行為の活用により、年度当初の閑散期においても工事の施工を可能とするなど、施工時期の平準化に取り組んでいるところと聞いています。 〇斉藤信委員 国の経済対策が年末に出て、それ自身が、年度内に発注すれば、施工は4月以降ふえていくのだと思います。 次に、ダンピング防止対策の取り組みはどうなっているでしょうか。 〇千葉特命参事兼入札課長 ダンピング防止対策の取り組み状況についてでありますが、令和3年4月の入札制度の見直しにおいて、総合評価落札方式の対象拡大及び価格評価点の調整並びに低入札価格調査制度の失格基準価格の改善を行い、ダンピング防止対策の強化を図ったところです。 具体的には、価格以外の多様な要素を考慮することが、結果としてダンピング対策につながる総合評価落札方式を3、000万円以上の工事で原則適用としたこと、低入札時に価格評価点を打ち切り調整することで過度な価格競争を抑制すること、従前は、入札者が5者以上のときのみ適用していた失格基準価格を、入札者数にかかわらず全てに適用することとしたものです。 これらの取り組みにより低入札落札の発生率は、制度見直し前の22.9%から27.4%に対して、見直し後は17.9%から19.5%と20%を下回って推移しており、一定の効果が出ているものと考えています。 〇斉藤信委員 次に、失格基準価格の引き上げと最低制限価格制度の導入について、全国の動向も含めて示してください。 〇千葉特命参事兼入札課長 最低制限価格制度の導入についてでありますが、令和6年7月1日現在で、全国では43都道府県で制度があり、東北地方では、青森県、秋田県、山形県、福島県で制度を設けています。 本県では、平成19年7月の入札制度の見直しの際に、今後、一般競争入札を本格的に実施していくに当たり、透明性を一層高めるため、また、総合評価落札方式を導入し、拡大していく観点から、最低制限価格制度を廃止した経緯があります。 現在、県が採用している総合評価落札方式及び低入札価格調査制度は、ダンピング防止を図りつつ、企業の技術力や企業努力、地域貢献活動等を適切に評価し、価格と品質が総合的にすぐれたものを契約の相手方にしようとするものであり、最低制限価格を下回った入札を一律に排除する最低制限価格制度よりもすぐれたものと考えております。 競争性、透明性、経済性を確保しつつ、企業の地域活動等が適切に反映されること等の観点から、現行の低入札価格調査制度を運用し、また、総合評価落札方式も効果的に活用しながら、ダンピング防止に適切に取り組んでまいります。 〇斉藤信委員 全国の43都道府県が最低制限価格制度を実施しているわけです。私が最初に聞いたように、岩手県の落札率はどうなのか。全国は94%で岩手県は92%だということでした。どうしてこれで岩手県のやり方が全国よりすぐれていると言えるのか。結果とすれば、低価格の落札になっていると言わざるを得ないのではないでしょうか。 建設業者は、今はもう資材、賃金が高騰傾向にあって、企業が安定的な経営を維持するためには、落札率95%以上でないと成り立たない、これが建設業者の声です。全国がやっている、そして、実績的にも全国から落札率が2%も低い問題をどのように受けとめているのか。これは出納局長に聞きましょう。2%も低くて、全国よりすぐれているということにはならないのではないか。 〇滝山会計管理者兼出納局長 最低制限価格制度につきましては、全国でも総合評価落札方式を導入しておりますので、そこでは最低制限価格制度を併用できないということで、全国でも最低制限価格制度ばかりを導入しているわけではなく、低入札価格調査制度と併用している状況にあります。 落札率の問題につきましては、県民の税金を有効に使うという点では低いほうがいいわけで、あるいは建設業にとってみれば高いほうがいいということの中で、私どもとしても、発注件数等が少なくなってきておりまして、競争性が高まっていると感じております。ですから、ダンピングという状況が生じないように、ダンピング防止対策に力を入れてきた経緯がございます。 そういう中で、全国との落札率は著しく低いと言うほどには至っていない、またダンピング防止もできているという状況でございますので、現在の入札制度を、引き続き業界等の意見も聞きながら継続していきたいと考えております。 〇斉藤信委員 著しく低いとまでは言いませんけれども、2%の格差はかなり大きいものがありますよ。それをしっかり受けとめていただきたい。 次に、業者が切実に要求しているのは、予定価格の事前公表の廃止です。しっかり積算した公平な入札制度にしてほしいということです。これは真っ当な要求であり、住宅の品質確保の促進等に関する法律の改正における運用指針でも、このことが明記されているのではないかと思いますけれども、事前公表制度にしがみつく理由は何でしょうか。 〇千葉特命参事兼入札課長 予定価格の事前公表について、県では、予定価格の漏洩が発生しないため入札の透明性、公平性が確保されることや、再度入札がないため事務の効率化が向上すること等から有効として導入し、国の指針に基づき十分に検討を行いながら運用しております。 制度導入以降、予定価格の事前公表により国の指針で示された弊害は確認されておりませんが、引き続き、入札動向や他県の状況等を注視しながら、適切に対応してまいります。 〇斉藤信委員 建設業者、当事者が、しっかりした積算をしたい、そして公平な入札にしてほしいと、私は、これは本当に真っ当な要望だと思うのです。行政は、事前公表すれば気が楽かもしれない。しかし、今はコンピューター、ITの時代ですよ、どんな積算でも可能なのですよ。そういう競争になってしまう。 予定価格の事前公表の全国的な状況はどうなっていますか。 〇千葉特命参事兼入札課長 予定価格の事前公表の状況については、令和6年7月1日現在で、全国では、事前公表のみとしているのが13県、事前公表と事後公表を併用しているのは16都府県、事後公表のみとしているのは18道府県となっています。 東北地方では、事前公表のみとしているのは、青森県、岩手県、宮城県の3県、事前公表と事後公表を併用しているのは秋田県、山形県の2県、事後公表のみとしているのは福島県1県となっています。 〇斉藤信委員 今の答弁を聞いても、事後公表のみが全国では18道府県と一番多いのですよ。併用が16都府県、事前公表だけはたった13県です。全国がなぜこうなっているのか、そして、建設業者自身が切実に要望しているこの声が、なぜ受けとめられないのか。私は、本当に業者の切実な要望を聞いて、しっかり検討していただきたい。 これは最後の質疑になりますけれども、高病原性鳥インフルエンザの発生がありまして、地元の建設業協会、業者は大変な奮闘をされたと思いますが、こうした貢献はどのように評価をされ、入札に生かされるのか示してください。 〇千葉特命参事兼入札課長 高病原性鳥インフルエンザ防疫措置等への貢献に対する評価についてでありますが、地域の建設業は、社会資本の整備や維持管理の担い手であるほか、災害等の緊急時に即応できる必要不可欠な存在であり、地域の守り手として重要な役割を果たしていると認識しているところです。このため、一般社団法人岩手県建設業協会とは、家畜伝染病における緊急対策業務に関する協定を締結しています。 今回の高病原性鳥インフルエンザ防疫対応についても、この協定により対応していただいており、その取り組みは、県営建設工事競争入札参加資格審査と総合評価落札方式一般競争入札の評価項目において、災害活動の実績として加点評価する仕組みとしています。 〇斉藤信委員 高病原性鳥インフルエンザは県内で5件も発生して、1月いっぱい、県職員はもとより、建設業協会も本当に大変な取り組みをなされたと思います。そういうことが、今後の入札でしっかり評価されて取り組まれるようにお願いして、私の質疑を終わります。 〇ハクセル美穂子副委員長 ほかに質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 〇ハクセル美穂子副委員長 質疑がないようでありますので、これで出納局関係の質疑を終わります。 出納局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。 次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。 〇菅原人事委員会事務局長 人事委員会関係の予算につきまして、予算に関する説明書により御説明申し上げますので、114ページをごらん願います。 2款総務費9項人事委員会費のうち、1目委員会費の686万円余は、委員3人分の報酬など委員会の運営に要する経費でございます。次に、2目事務局費の1億6、600万円余は、事務局職員の人件費、事務費など事務局における任用関係事務、公平審査事務及び給与関係事務等の管理運営に要する経費でございます。 以上で人事委員会関係の予算の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。 〇ハクセル美穂子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 〇ハクセル美穂子副委員長 質疑がないようでありますので、これで人事委員会関係の質疑を終わります。 人事委員会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。 次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。 〇佐々木監査委員事務局長 監査委員関係の予算について御説明申し上げます。 予算に関する説明書により御説明申し上げますので、116ページをごらん願います。2款総務費10項監査委員費のうち、1目委員費の予算額2、622万3、000円は、監査委員4人の報酬、給与及び監査等に要する経費でございます。次に、2目事務局費の予算額2億1、195万8、000円は、事務局職員21人の人件費等、事務局の管理運営に要する経費でございます。 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 〇ハクセル美穂子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 〇ハクセル美穂子副委員長 質疑がないようでありますので、これで監査委員関係の質疑を終わります。 監査委員事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。 次に、環境生活部長に環境生活部関係の説明を求めます。 〇大畑環境生活部長 それでは、令和7年度の環境生活部関係の歳出予算について御説明申し上げます。 初めに、当部における予算編成の基本的な考え方でありますが、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランのもと、四つの重点事項に関する取り組みを初め、さまざまな政策分野の取り組みを推進してまいります。 まず、復興推進の取り組みにつきましては、災害にも対応できる自立・分散型のエネルギー供給システムの構築に取り組むとともに、NPOなどの多様な主体が行う復興支援活動等を支援してまいります。 次に、政策推進の取り組みについてでありますが、家族・子育てにつきましては、青少年が主体的に自立した活動ができる環境づくりに取り組むとともに、令和10年度の開所を目指す動物愛護管理センターの基本設計等を進めてまいります。 居住環境・コミュニティについては、広域連携など水道事業の基盤強化を促進するとともに、生活衛生関係営業者に対する経営指導等の取り組みを支援してまいります。 安全につきましては、消費者施策を推進するとともに、食品表示の監視等を実施していくほか、高病原性鳥インフルエンザ等の危機事案への適切かつ迅速な対応など、県民の食の安全・安心の確保に取り組んでまいります。 自然環境につきましては、野生鳥獣による被害の防止に取り組むとともに、生物多様性や良好な大気、水環境の保全、環境学習や三陸ジオパーク活動の推進、廃棄物対策などに取り組んでまいります。 また、温室効果ガス排出量の削減に向けて、県民、事業者、市町村等の各主体における脱炭素化の促進や再生可能エネルギーの導入促進とともに、県有施設等の脱炭素化の取り組みを推進してまいります。 参画につきましては、若者や女性の活躍を支援していくとともに、固定的性別役割分担意識の解消に向けた取り組みの推進など、性別にかかわらず、一人一人が生き生きと活躍できる男女共同参画社会の実現に向けた環境整備に取り組んでまいります。 続きまして、歳出予算について御説明申し上げます。 議案その1の10ページをごらん願います。環境生活部関係の予算は、3款民生費2項県民生活費の一部、11ページに参りまして、4款衛生費2項環境衛生費の全部、1ページ飛んで、13ページに参りまして、12款公債費1項公債費の一部及び13款諸支出金2項公営企業負担金の一部を合わせまして、総額102億2、337万6、000円であります。これを前年度当初予算額と比較いたしますと、市町村の水道施設耐震化事業に対する国庫補助が、県を介した間接補助から国による直接補助へ変更となったことに伴う事業費の減などにより、1億2、660万7、000円の減となります。 予算の内容につきましては、予算に関する説明書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承をお願いいたします。 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。 同じく、議案その1の15ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、当部関係は、6福祉・消費生活関連相談拠点施設(仮称)整備事業であり、福祉総合相談センターと県民生活センターとの一体的整備が翌年度にわたることから、債務負担行為を設定しようとするものであります。 次に、予算関連議案について御説明申し上げます。 議案その2に参りまして、30ページをごらん願います。議案第29号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、当部関係の改正内容は、大変恐縮ですが121ページまで飛んでいただきまして、別表第3の改正となりますが、具体につきましては、次のページ、122ページに参りまして、宅地造成等規制法の一部改正に伴い、自然保全地域等における宅地造成や特定盛り土等に関する工事の許可の申請に対する審査等について、手数料を徴収しようとするものであります。 次に、141ページをごらん願います。議案第33号いわて県民情報交流センター条例の一部を改正する条例についてでありますが、別表第1に規定する使用等の許可の対象となる施設に多目的スペースを加えるとともに、141ページから142ページの中ほどまで記載しております別表第2の1の表及び142ページの中ほどから144ページまで記載のございます2の表を改め、利用料金の上限額を引き上げようとするものであります。 以上で説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 〇ハクセル美穂子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。 〇高橋はじめ委員 私からは、大きく2点質問したいと思います。 まず1点は、公共関与型産業廃棄物最終処分場の整備事業についてであります。これは12月定例会で補正予算が組まれたものでありますが、なかなか質疑する時間がなかったので、ただいま質問させていただきます。 この整備事業に29億円増額となりましたけれども、現場の軟弱土質の改善等に33億円の予算ということであります。新聞報道によりますと、工事車両が行き来する運搬路がぬかるみ、通行に支障が出ているとして補強するということでありました。 この予算の積算根拠についてお伺いいたします。 〇石手洗廃棄物施設整備課長 現在、八幡平市において、一般社団法人クリーンいわて事業団を事業主体として最終処分場の建設工事を進めているところですが、今回の整備事業費の増額については、場内残土置き場に通じる運搬路のぬかるみが著しく、切り土を運搬するダンプ等の走行性の向上を図るため、セメント改良による運搬路の整備を行うこととしたことや、切り土作業の効率化を図るため、ブルドーザーによる押し土の工程を追加したこと、また、工期縮減を図る観点から、防災調整池のコンクリート擁壁を現場製作から工場製作に変更したことなどにより、合わせて33億円の増額としているところです。 〇高橋はじめ委員 施工上の課題として土質改良等を行うということであります。どのような土質改良の工事をやるのか、その内容、工事前にこれは予測できなかったものなのかどうか、あわせて伺います。 〇石手洗廃棄物施設整備課長 土質改良については、現場で発生した軟弱な土を盛り土材としてこの工事に利用できるよう、土の強度を増すためセメント混合による土質改良を行うものでございます。 次に、工事前に予測できなかったかということについてですが、設計の段階において、必要なボーリング調査等を行い、火山灰質の土壌が多いことは確認されておりましたが、現場内の良質土との混合等により盛り土材としての性能を確保できるとの調査結果でありました。 しかしながら、ボーリング調査は、ピンポイントでの土質に対し状況が把握できる一方で、面的な状況を把握することが難しく、工法や工程の見直しを行って対応しているところでございます。 〇高橋はじめ委員 実は、令和5年12月にも補正予算を組んでおりました。同じように土質改良ということでありましたけれども、その令和5年度の内容についてもあわせてお尋ねします。 〇石手洗廃棄物施設整備課長 今の質問につきましては、令和5年度の補正予算ということでよろしかったでしょうか。 令和5年度の状況につきましては…… 〇ハクセル美穂子副委員長 答弁できますか。後ほど。 〇石手洗廃棄物施設整備課長(続) 後ほど高橋はじめ委員に回答したいと思います。 〇高橋はじめ委員 2度にわたりまして補正予算を組まれたということでありました。当初この計画は、1期工事の予算として133億円ということでありました。それが令和5年度に28億円増額補正されて161億円、そして、昨年12月に29億円増額補正されて190億円ということで、2年連続補正された結果、当初予算プラス57億円ということで、現在190億円になっているのです。 この計画におきましては、概算工事費として約250億円―当初の133億円のときにそういう数字がたしか示されていたような気がしたのですけれども、こうたびたび補正予算が組まれてくると、そもそもこの場所が、果たして本当に適地であったのかと思います。もっともっと厳密に、あるいは事前にしっかりと調査をやっておけば、こうした増額補正をしなくてもよかったのではないかと思いますし、トータルの整備費の予算も膨らむ心配はないのではないかとも思ったところです。 この選定に至る経過について、これから2期、3期の工事を控えていますので、この選定が果たして問題なかったのかどうか、その辺についてお尋ねいたします。 〇石手洗廃棄物施設整備課長 建設場所の選定についてでございますが、平成25年3月、県が学識経験者など10人を委員とした公共関与型産業廃棄物最終処分場整備候補地選定委員会を設置し、県内全域を対象として、さまざまな法規制の有無や埋め立て規模の確保可能性、水道水源からの距離、放流先河川までの距離、建設費などにより適地の段階的な絞り込みを行ってきたところです。 その後、各地域における説明会での住民からの御意見、自治体の御意見などについて総合的に判断し、最も優位性の高い八幡平市に受け入れを要請し、選定に至ったものでございます。 2期、3期の工事については、おおむね15年、30年後の実施を計画しており、クリーンいわて事業団では、将来的な資材価格、労務費などの上昇による事業費の増額も見据え計画を精査していくと承知しており、県としても、引き続き、事業団に必要な助言等を行っていくこととしています。 〇高橋はじめ委員 こうして、たびたび補正予算で積み増ししていって、当初の250億円が300億円を超えていくようなことになっていくと、果たしてそれで、今度は搬入してくる業者の単価が上がっていかないのかどうか、そういったことにも結びついていくわけです。 あとは、県の補助が例えば4分の1、国の補助が4分の1、あとの半分は事業団で借り入れしていく、そのような財政の流れになっていくわけですが、それについても、事業団が対応できるのか、どう捉えておられるのですか。 〇石手洗廃棄物施設整備課長 まず、工事費の増額についてでございます。現場の工事につきましては、工事の進捗に伴いまして、施工上の課題についてはおおむね出尽くしたと認識しております。その対策についても、めどが立っているところでございます。 また、今後の工事費増については、資材価格の上昇が見込まれておりますけれども、不測の事態が生じない限りは、さらなる工事費の増額はないものと考えております。 また、事業団の処理料金についてでございます。事業団では、昨今の物価高騰の影響を受けまして、令和6年8月に処理料金の改定を行ったところでございます。当面は、経費節減に取り組みまして処理料金の抑制に努めていくとともに、社会情勢を注視して適切な料金設定を行うと聞いております。 工事費につきましても、引き続き、技術的、効果的な施工に努めまして、コスト縮減を図っていくと聞いておるところでございます。 〇高橋はじめ委員 回答は、事業団のことだから他人事のように聞こえますけれども、要は、これをずっと進めてきたのは環境生活部の担当課ですね。選定委員会を発足して、その委員会の審議をやりながら、当初は115カ所、第1次ですね。第2次で39カ所、第3次で10カ所、第4次で5カ所、こういう絞り込みをして、この5カ所についても、現地調査をしながら、適地なのかどうかという絞り込みをしていった。 大枠、進め方は問題ないような気がするのですけれども、そもそもこの八幡平地域は、火山地帯の降灰がずっと長年にわたってある地域、そういう土質なのです。私も素人だから詳しいことはわかりませんけれども、火山灰土というかその土は、非常に保水というか水を含みやすいし、だから、湿気があればぬかるみが増していく。ただし、乾けば、今度はぱさぱさになってしまって、手で握ってもこぼれるような感じにもなっていくわけです。 だから、本当の意味で、この場所が適正だったのかどうかというところが、繰越明許費で新年度の工事が始まるのですけれども、この補正予算まで組んでいかなければならないところに結びつくのではないかと思っています。 北上山地であれば、大陸プレートに海洋プレートがぶつかって隆起した岩盤状のかたいところなので、そうそう問題はないからILC―国際リニアコライダーも候補地になったところなのだけれども、それらを考えると、この西側のところは、そもそも視点としては間違ったのではないかと思いますが、その辺は選定委員会ではどのような議論をされていますか。 〇石手洗廃棄物施設整備課長 建設予定地の地盤に関しまして、公共関与型産業廃棄物最終処分場整備基本計画におきましては、火山砕屑岩類及び未固結の砂質土及び粘性土という土質が報告されております。 また、そのときのボーリング調査、文献調査等により、予定地の地盤については、切り土材を盛り土材として流用することが十分可能であると考えられるとしておりましたが、一方で、最終的には土質試験により土質性状を把握し、盛り土材としての適性を確認する必要があるとの見解も示されておりました。 適時、盛り土材料として使用可能であるか土質試験を行いまして、盛り土材として必要な強度を確認しながら、現在工事を進めているところでございます。 今後、2期、3期の工事着手の際は、1期工事における試験や着工実験の最新の工法などを十分に検討しまして、その現場に最適な方法によりまして、工事費の低減に努めていきたいと考えております。 〇高橋はじめ委員 このような問題点もはらんでいながら、これから1期工事が完成し、2期、3期と、一つの工事の工期が終わった後は15年間受け入れして、その後にまた2期工事、さらに3期工事と行くわけでありますから、ここにいる我々は、全て終わるまではほとんどいないと思います。しかし、財政的な負担はこれから先の方々にしっかり残っていくわけでありますので、厳密に、我々は可能な限り負担が増さないように、しっかり取り組んでいかなければならないとも思うわけであります。 その辺を皆さん方には期待しなければならないし、環境生活部長には、こうした事態が、2度もこのような状況になったことについては、どのような見解を持っておられるのか、お伺いしたいと思います。 〇大畑環境生活部長 高橋はじめ委員から御指摘のありました事業費の増額、工期の延長、処分場の建設地の選定が果たしてよかったのかという御指摘については、真摯に受けとめなければならないだろうと思っております。ただ、一方で、事前のボーリング調査等で、この地域の中でやっていけるだろうという判断があったことについては、御理解いただければと思っております。 また、今回12月補正予算で予算の増額と事業費の増額をお願いしたところであります。これに至るまでに、私も2回目の事業費の増額になることを踏まえて、きちんと精査すること、それから、事業団の経営が今後、この計画の1期から3期まで、処分場の管理が全て終わるまで約60年かかる長期の計画になっておりますので、その中で事業団が適切な健全な経営ができるのかどうかをきちんと精査した上で事業費を積み上げるようにということで、資源循環推進課とさまざま議論をしてきたところであります。 今回、増額をする一方で、工事の縮減等も行いまして削減する工事費もございます。そのトータルで今回33億円の増額ということでありますけれども、いずれ、事業団が適切に健全に経営していけるように、私どもも今回のこの整備事業をしっかり進めていきたいと思っております。 〇高橋はじめ委員 いろいろこの件で情報を集めていくと、地元の有力者の我田引水ではなかったのかという声も聞こえてくるわけです。だから、それらも含めて、我々は、本当にここで問題なかったのか、しっかり県民に説明できるように取り組んでいかなければならないので、ぜひ、そのことをお願いしたいと思っております。 また、いろいろ疑念が出ましたら質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 二つ目ですが、有害鳥獣の適正管理、駆除についてであります。 以前にニホンジカの保護政策を行ってきたと記憶しておりますが、どのような適正管理、保護政策であったか、それから、ニホンジカの適正管理、駆除方針について伺います。 〇酒井自然保護課総括課長 ニホンジカに関するこれまでの保護政策でございますけれども、五葉山地域の鹿は、昭和初期までの乱獲によりまして一旦生息数が減少したところでございまして、県におきましては、関係機関と連携いたしまして、捕獲禁止を初めとする各種の保護施策を実施したところでございます。 一方、この生息数の回復に伴い、昭和60年代からは、農林産物への被害が顕著になってきたところでございます。これを受けまして、平成2年には、副知事を委員長といたしますシカ対策委員会、平成6年には、学識委員によるシカ保護管理検討会を設置いたしまして、総合的な対策を実施してきたところでございます。 平成12年11月に入りまして、旧鳥獣保護法―鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に基づき、五葉山地域の当時の5市町を対象区域といたしまして、第一次五葉山地域のシカ保護管理計画を策定して以降、平成19年の第3次シカ保護管理計画におきましては、対象地域を全県に拡大いたしまして捕獲等に取り組んできたところでございます。 その後、全国的な鹿被害の拡大を踏まえた平成26年の鳥獣保護管理法―鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の改正にあわせまして、県では、第4次シカ管理計画を改定いたしまして指定管理鳥獣捕獲等事業を開始したところでございまして、現在は、令和8年度を終期といたします第6次シカ管理計画に基づき、鹿被害対策に取り組んでいるところでございます。 また、ニホンジカの個体数管理の部分でございますけれども、現在動いております第6次シカ管理計画の中では、鹿の推定個体数を約10万7、000頭と推定しておりまして、早期に個体数を半減させるため、基本的な捕獲目標を年間2万5、000頭以上と定めているところでございます。この目標を達成するため、指定管理鳥獣捕獲等事業ですとか有害捕獲に加えまして、県による広域捕獲や市町村等によるエリアを限定した集中捕獲も実施しながら、個体数管理を強化しているところでございます。 令和7年度岩手県一般会計予算案におきましては、国の交付金の状況により変動することも見込まれますけれども、約2万8、000頭を捕獲する予算を計上させていただいたところでございまして、引き続き、農作物等被害の防止に向けまして、市町村や猟友会など関係機関と連携し取り組みを進めてまいります。 〇ハクセル美穂子副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いいたします。 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。 午後2時23分 休 憩 午後2時42分 再開 〇ハクセル美穂子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。 〇石手洗廃棄物施設整備課長 先ほどの高橋はじめ委員からの御質問に関して、令和5年度の工事費増についてということでございますが、主な要因といたしましては、現場の切り土に伴いまして発生した土を盛り土材として使うためのセメント改良に21億円の費用が計上されております。 〇ハクセル美穂子副委員長 質疑を続行いたします。 〇高橋穏至委員 まず最初に、若者・女性活躍支援事業の評価方法と目標についてということで、人口減少対策、女性の社会減対策につながる事業で非常に重要であるということで、一般質問でも取り上げた中身でございますが、主に令和7年度の取り組みの内容について質問いたします。 まず、いわて家事・育児シェア普及推進事業費あるいは固定的性別役割分担意識解消促進事業費ということで、いわて家事・育児シェア普及推進事業ではキャンペーンとなっていますし、固定的性別役割分担意識解消促進事業はセミナーとか講演会となっているわけで、意識啓発事業は、いつも決算のときには、何回やって、何人参加しましたという成果指標が出てくるのですが、その効果が本当にどれくらいあったかがなかなかはかりかねる事業ではあると思うのですけれども、令和7年度の目標と評価についてお伺いします。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 若者・女性活躍支援事業に関する評価ということでございます。令和7年度に取り組む若者・女性活躍支援事業の事務事業評価の成果指標の目標について述べさせていただきます。 高橋穏至委員から御紹介のありました、いわて家事・育児シェア普及推進事業費につきましては、家事、育児の分担を見える化する家事・育児シェアシートの普及に取り組むものとなっておりまして、指標は、ウェブサイトへのアクセス数を目標として8、000回を目指すことにしております。また、もう一件、固定的性別役割分担意識解消促進事業費は、企業や地域等における固定的性別役割分担意識の解消に向けた専門人材による講演会等を開催するもので、指標としましては、講演会等の参加者数として目標を500人と設定しているところでございます。 〇高橋穏至委員 これは、類似した事業でもよくこういった指標が設定されますが、ただ問題は、事業はやりました、達成度はAです。でも、最終的ないわて幸福関連指標の達成度はCですなどとなる事業が非常に多いのです。 そのときに、例えば、セミナーであれば、人数はすぐ数えられるのですけれども、セミナーをやることによってどういう効果があったかというような、アンケートでもいいのですが、そういったことをしっかりはかっていかないと、セミナーをやって、人が来たからそれで終わりとなって、実際にはどれぐらい効果があったかというのは、結果的には人口減少はとまらなかったということで終わってしまう。 せっかくやる事業ですので、評価方法について、例えばウエブのアクセス数だけだと、アクセスした人が何を思ったか、実際にやったかというのもわからない。ウエブの中に、実際やってみてどうかという反応があるかどうかがわかるようなつくり込みにするとかしないと、この事業の評価ははかれないのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 家事・育児シェアシートに関しましては、今回、ウェブサイトで県民の皆様に体験していただいて、家事、育児の見える化に取り組んでいただくものでございます。 シェアシートの体験者につきましては、セミナー等を受講した方も含めて、事業にかかわった方々には、ウェブサイトへのアクセスだけではなく、アンケート調査等も行う予定としております。それに取り組んだことにより、満足度ですとか、それによってどう意識が変わったか、または今後に向けてどういった要望等があるか等、しっかりお伺いしながら、今後の取り組みの参考にさせていただきたいと考えております。 〇高橋穏至委員 ぜひ、そのようにきちんと事業の評価の方法も工夫していただければと思います。 続いて、いわて若者活躍支援強化事業費、これも一般質問で取り上げたいわてネクストジェネレーションフォーラム関係の事業であります。それから、いわて女性活躍支援強化事業費は、企業認証といった取り組みですけれども、これらについても予算的には減額になっているのですが、今年度の事業効果、目標について伺います。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 いわて若者活躍支援強化事業費でございます。こちらは、いわて若者カフェの運営ですとかいわてネクストジェネレーションフォーラムの開催等を行うものでございます。成果指標といたしましては、イベント参加者の満足度割合を、来年度の目標でございますが90%を目指しております。 また、いわて女性活躍支援強化事業費は、女性活躍企業等認定の普及拡大等に取り組むものでございまして、えるぼし認定企業、いわて女性活躍認定企業数を90社とすることなどを目標としているところでございます。 〇高橋穏至委員 いわて若者カフェですけれども、何カ所というか、どういう場所で開催するか。新聞にも出ていたのですけれども、若者が流出する傾向の割合が多いのは、中心部より周辺部といいますか人口の少ないところほど多い傾向があるのですが、全県的に見て、地域的にはどういう場所でやろうとしているのかお聞かせください。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 いわて若者カフェでございます。岩手県公会堂の地下にあるいわて若者カフェを中心に、若者の活動、交流を支援しているところでございますが、県公会堂の地下だけではなく、連携拠点という形で、宮古市、久慈市、陸前高田市、一関市にそれぞれ拠点を設け、そちらでも、若者が活動、交流できる場としてさまざまな活動を行っているところでございます。 それが今年度の実績でございまして、来年度は、1カ所ふやして5カ所を連携拠点として、さらに拡大して取り組むこととしております。 〇高橋穏至委員 5カ所ということですけれども、これは、例えばどこかNPOに委託しているとか、あるいは市町村と連携してやっているとか、どのような形で開催しているか教えてください。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 例えば宮古市でございますが、NPO法人みやっこベースと連携した形で、子供たちとか若者の居場所づくりとか、さまざまな交流のイベント等を行っているところでございます。また、若者からのさまざまな相談等があった場合は、カフェマスターが常駐しておりますので、そちらで相談を受けている状況でございます。 〇高橋穏至委員 NPOもこちらの担当でございますので、拠点をぜひふやしてほしいと思います。県だけではなくて、これは市町村を巻き込んでもいいと思いますので、例えば、行く行くは市町村に出して市町村事業にしてしまうとか。そうすると、市町村ではもうやらざるを得ない状況になるとか、そういった仕掛けもぜひ考えていただければと思います。 女性デジタル人材育成プロジェクト事業費については総括質疑でたくさん出ましたので、ただ、ニーズに追いつかないような事業量になっていることがわかりました。この事業がこれだけ応募があることの背景を、どうつかんでいるのかだけお聞きしたいと思います。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 いわて女性デジタル人材育成プロジェクトでございますが、今年度7月から募集を開始したところ、定員30名に対して120名と4倍の応募があったところでございます。 この事業ですけれども、女性が、リモートワーク等で多様な働き方ができたり、あとは、デジタル分野ということで、さまざまこれから成長が見込まれるということがございまして、そういった意味で今回応募が多かったのではないかと考えております。 〇高橋穏至委員 そのスキルを身につけることによって仕事の幅ができると思っているということのようですが、これも同じように、特に仕事の機会が少ない県北・沿岸地域などで、企業とか、例えば就職先につながるようなところと連携して事業を組むことで、あれを受ければ仕事ができるなどといったPRもしながら、企業でも人材不足だと思いますので、連携して、そちらからも予算というか、事業ができるような仕掛けも考えてみたほうがいいと思うのですが、いかがでしょうか。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 今回のデジタル人材育成プロジェクトの募集に関しましては、全県に募集をかけたところでございます。応募が多かったことから、非正規雇用の女性等を中心に、また地域のバランス等も考慮して受講者を決定したところでございます。 今後、就業マッチングを行っていく形になります。その際には、県内のデジタル分野の企業にもぜひ就業していただきたいと考えておりまして、この事業を委託している事業者とも協力しながら、そういったニーズの掘り起こし等も行っているところでございます。 引き続き、そういった業態といいますか企業とも連携を図りながら、取り組んでいきたいと考えております。 〇高橋穏至委員 県内には産業技術短期大学校もあります、それから、北上コンピュータ・アカデミーもあるのですが、そういったところとの連携で機会をどんどんふやしていって、女性がしっかりこの地で働けるような環境をつくっていただきたいと思います。 次に、GX―グリーントランスフォーメーションの推進事業について伺います。 環境生活部で取り組むGX関連事業ということで三つほど例示していましたけれども、事前のヒアリングで、脱炭素化推進事業とか再生可能エネルギー導入促進事業とか、こういった事業をやって、どれくらいの温室効果ガス削減効果があるかはなかなかつかめないということを伺っていました。 ただ、この事業をやって、成果指標になるかと思いますけれども、それぞれの事業の目標をお聞きいたします。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 脱炭素化推進事業等の目標でございますが、脱炭素化推進事業費においては、県民の行動変容につながる広報、事業者に対する省エネルギー設備導入への補助、そして、再生可能エネルギー導入促進事業費では、エネルギーの地産地消を促進するための事業者向けの自家消費型の太陽光発電設備の導入補助などを行うこととしております。 先ほど高橋穏至委員からも御指摘ございましたが、単年度というところは難しいところではございますけれども、令和6年度の状況は、自家消費型太陽光発電設備導入補助においては1、880キロワットの導入が進んでおり、その二酸化炭素削減効果は年間約1、000トンと見込んでおります。 また、省エネルギー対策推進事業費補助において導入した設備では、おおむね60トン(後刻「おおむね70トン」と訂正)の二酸化炭素削減効果が見込まれており、令和7年度当初予算案におきましても、国の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の重点対策加速化事業も活用しながら、事業者の脱炭素化支援として、今年度と同等の削減効果を見込んでいるところでございます。 また、もう一つの事業の再生可能エネルギー利用発電設備導入促進資金貸付金は、県内に再生可能エネルギー設備を導入する中小企業者に対して、金融機関を通じて資金を貸し付けするものでございまして、令和7年度当初予算案に盛り込んでおります預託金は、令和6年度までの貸付残高に対する預託額に加え、令和7年度の新規融資対応分も含めております。 新規融資分の導入規模は、これまで多くの貸し付けを行っている太陽光発電設備での活用を想定した場合、出力約2、000キロワットの設備導入に相当するものと試算しておりまして、それによる二酸化炭素削減効果は、年間約1、000トンと見込んでおります。 このようなところで温暖化対策を進めていきたいと思っております。 〇高橋穏至委員 この質問をした背景といいますか、実はGX関係は特別委員会もございまして、そこでいろいろなセミナーもやるのです。何年までに何%という目標設定から事業をバックキャストで組み立てているのですが、バックキャストですと、積み上げと違って、実際できるかどうかの道筋がなかなか見えてこないという指摘がございます。 あと、昨年の決算特別委員会で、目標に対して、たしか太陽光の設備に関しては半分強だったかと思っていました。ということで、なかなかそこの目標が達成できていないということで、何か工夫が欲しいのではないかと思ったところです。 国の予算とか、いろいろ使っているからいいのですが、ただ、それで本当に目標達成できるのかというところをしっかり考えてほしいのですけれども、何か工夫みたいなものはありますか。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 脱炭素化につきましては、県、市町村だけではなかなか難しいところもございまして、事業者の皆様方と一緒に取り組んでいく必要があると考えております。 そこで、今年度、今月中ではございますけれども、事業者で取り組んでいる脱炭素事例などを取りまとめた事例集を発行させていただき、どういう取り組みをすれば脱炭素化が進むかを皆様方と共有したいと思っております。そちらにつきましても、金融機関にも多くの脱炭素に向けた相談が寄せられていると聞いているところでございますので、金融機関とも連携しながら、脱炭素化に向けた機運を醸成していきたいと考えているところです。 〇高橋穏至委員 そのきっかけづくりということで、岩手県では取り組んでいないのですけれども、例えば、担当は違うかもしれませんが、省エネ家電にポイント還元しますとか、広く消費者に、家庭につなげるような政策も考えてみてはどうかと思います。 次に、指定管理鳥獣関係です。 先ほど、高橋はじめ委員からも質問があって、鹿に関しては2万8、000頭の予算を組んでいますということですが、それ以外に、イノシシとかツキノワグマはどれくらいの目標設定としているか伺います。 〇酒井自然保護課総括課長 令和7年度当初予算でございますけれども、こちらは、同じように指定管理鳥獣の国の交付金を活用しておりますので、変動分が見込まれますが、先ほど申し上げましたとおり、鹿につきましては約2万8、000頭、イノシシにつきましては約3、800頭分を捕獲する予算を計上したところでございます。 また、熊につきましては事情が若干異なりまして、令和7年度の捕獲上限数を今年度と同数の796頭としておりますけれども、そのうち指定管理鳥獣捕獲等事業で捕獲可能な頭数として、最大200頭分の予算を計上させていただいたところでございます。 〇高橋穏至委員 もう一つ、実は去年お話しして、ニホンザルの取り組みをしたほうがいいということで、早速調査を始めていただくということで非常によかったと思っておりますが、今回は調査事業となっていますけれども、今後に向けた管理方針とか、あるいは捕獲になるのか、ここら辺はわからないですが、今後の進め方をどう考えているかお伺いします。 〇酒井自然保護課総括課長 ニホンザル対策につきましては、令和7年度につきましては、ニホンザルの調査事業ということで予算を計上させていただいているところでございます。 まず、県といたしましては、令和7年度にしっかり生息状況調査を行った上で、その調査結果を踏まえまして、猿による被害の防除対策とか個体数管理のあり方につきまして、市町村とか有識者による専門家会議を開催いたしまして、第二種特定鳥獣管理計画の策定も含めて検討していきたいと考えております。 〇高橋穏至委員 これは去年、住田町にお話を伺いに行ったときに、何と学校の校庭を猿が群れて歩いているビデオを見せられました。これは非常に問題だと思いながら、そのときに伺ったのが、東北地区で猿に対する対策をしていないのは岩手県だけで、ほかはみんなやっているということでした。 ほかでは先行事例がありますので、そういったものを参考にしながら、ここ数年で急激にふえているということを聞いていますので、鹿もそうでしたけれども、気づいたときには、もう手のつけられない状況にならないようにしていただきたいと思います。 その取り組みについて、最後、環境生活部長に伺って、終わります。 〇大畑環境生活部長 ニホンザルにつきましては、住田町を初め、沿岸南部の市町村から強い要望をいただいております。 今回、令和7年度当初予算案に調査事業費を計上させていただいておりましたので、先ほど総括課長から御答弁申し上げたとおり、生息状況調査をしっかり行って、科学的根拠を持った上で、有識者の皆さんから御意見を頂戴して、第二種特定鳥獣管理計画といったところの検討をしっかりやっていきたいと思っております。 〇佐々木朋和委員 今も議論がありましたけれども、いわて女性デジタル人材育成プロジェクト事業費について、お聞きしたいと思います。 一般質問でも多くの方が取り上げておりまして、令和6年度は30名の定員のところに120名の申し込みがあって、好評であったということでした。 この事業は、デジタルスキルの習得研修と就労マッチングを一緒にやるということです。就労マッチングについては、どのような結果が出ているかはまだ明らかになっておりませんので、その実績、就労マッチングの状況も含めてお示しいただきたいと思います。ことし2月から始まったということで、まだマッチングには至っていないかもしれませんが、受講者の希望の就業スタイルを含めて、お示しいただきたいと思います。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 いわて女性デジタル人材育成プロジェクトにつきましては、受講生が昨年10月から4カ月間、デジタルスキル習得のためのカリキュラムを受講したところでございまして、現在、在宅勤務など希望の就業スタイルや就業時間等に関する個別ヒアリングを行っており、デジタルスキルの習熟度合いに応じた就業マッチングを進めているところでございます。 なお、受講生からのアンケート結果によりますと、希望の就業スタイルについて、リモートワーク―在宅勤務になりますが―できるのであれば、契約の形態にはこだわらないと回答された方が最も多く、次いで、フリーランスとか正社員への転職などを希望されている状況でございます。 〇佐々木朋和委員 この就労マッチングに進むには、国家資格とかではなく、修了試験に合格しなければいけないということでしたが、30名の中で、修了試験に合格された方は何名ぐらいだったのでしょうか。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 デジタルスキルを習得しているかどうかにつきまして、その習熟度が一定の基準を満たしているかどうかを確認する試験を受託者で行っていただいており、30名の受講者のうち、現在12名の方が合格している状況です。それ以外の方たちにつきましては、今後、さらにこの基準をクリアできるように、延長受講を推奨しているところでございます。 〇佐々木朋和委員 延長受講ということですけれども、どういうスタイルになるのでしょうか。例えば来年度に向けて50名の枠をとっているわけですけれども、その枠の中に入れて延長受講するということですか。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 今回受講している方たちにつきましては、まずは合格していただいて、合格できなかった場合には、延長受講を推奨しているところでございます。 なお、今年度の事業はあくまでも3月までとなりますので、今後さらにもう一回やりたいとか再チャレンジということであれば、来年度の50名の枠の中に再度応募していただくように、個別に周知しているところでございます。 〇佐々木朋和委員 少し理解できなかったのですけれども、今回合格されなかった方は、再試験を受けるということですか。すぐ再試験を受けると。何かスキルをプラスで学ぶ機会とかはあるのでしょうか。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 今回の受講者につきましては、先ほど申し上げましたとおり、4カ月のeラーニング等で学習していただいたところでございます。 先ほど延長受講の話をさせていただいた皆さんにつきましては、まだ習熟度が一定程度の基準に達していないということでしたので、再度、習熟度が高まるようなeラーニング等の受講をしていただいた上で、再受験をしていただくという仕組みになっております。 〇佐々木朋和委員 再受験は今年度中に行われるわけですか。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 再受験のタイミングにつきましては、受講者の習熟レベルによりますので、そのスキルが達したと判断されれば、随時試験を受けていただいて、合格することが可能となっております。 〇佐々木朋和委員 わかりました。我々が抱いていたイメージとは大分違うのではないかと思います。120名の応募があったわけで、その中で経済的理由とかそういったところで選んだということですが、結局は3分の1しか合格しなかった。 そういった部分について、経済的弱者の方への支援なのか、あるいはデジタルスキルを実際に身につけた方をふやしてというところなのか、その目的は何か。今度定員を50名にふやすということですが、そういった部分についてもう一度精査が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 今回、合格者が少なかった理由といたしましては、受講生自身の体調不良とか、同居家族が病気を患い介護が必要になったといった理由もございましたし、スキル習得自体がなかなか難しかったといったこともあったところでございます。 来年度につきましては、どういった形の方に受講していただいて、どういったカリキュラムを行うかにつきましては、今後、もう少し検討させていただきたいと考えております。 〇佐々木朋和委員 私も、前にこの事業が出たときに質問させていただきましたが、今回、これを受けることによって、何かしら就職に有利になる国家資格が得られるとかではないわけです。この事業の中で修了された方は、この就労マッチングに進めるということがメリットであって、今度は、本当に就労マッチングができるのかということが大きな課題になってくるかと思います。しかも、受けた方の3分の1しかそこには進めないという状況です。 これは全国組織で今、他県にもこういった事業を国の予算を使ってやっている団体がおられるわけですけれども、この修了状況について、我が県よりも先んじて行っている自治体もあると思うのですが、その他県での参考事例と就労について、どのように把握されているのか。 懸念するのは、そうやってやる県がふえていくことで、この事業を受講して、女性の方がスキルアップされて就労支援に進む方がふえていくと同時に、仕事もふえればいいですけれども、全国的にこの事業を受講した女性がふえていけば、また仕事のパイが狭くなる。今度、仕事のシェアリングをして就労という話も出ていますから、みんなで就労して本当に賃金が上がるのか、手取りが上がっていくのかという懸念も出てきます。 そういった意味で、全国的な参考事例をどのように認識されているのか、お知らせいただきたいと思います。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 女性のデジタル人材育成でございます。佐々木朋和委員から御案内もありましたとおり、他県でも、本県同様にこういった人材育成に取り組んでいる例が出てきている状況でございます。他県も、先ほどの習熟度の部分では、スキル習得という面で大分苦戦されていると伺っております。 やはり受講生それぞれが希望するスタイルで就労できることが、本県といたしましても望ましいと考えております。他県等での就業スタイルのトレンドといたしましては、在宅勤務など育児や介護等により時間的、場所的制約がある女性でも働きやすいスタイルにより、就労されている方が多いと聞いております。 リモートワークによる二拠点生活ですとか副業など、若者の新しい価値観にも対応した多様な働き方の広がり等も念頭に、今後事業を進めていくことが重要と考えております。 〇佐々木朋和委員 具体的に就労について出たのですけれども、他県においては、講座を終えて、合格されて、その中でしっかり仕事を得られている状況なのかどうか、そういったことを聞きたかったのですが、お知らせいただけますか。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 今回の事業の仕組みですけれども、デジタルスキル習得を講習していただく委託業者が、あわせて就業も紹介する事業となっており、これに取り組んでいる他県については、就労につながっているという状況は聞いております。ただ、継続性とかについてまでは把握できていないところでございます。 ただ、いずれ実績としては他県でも出ている状況ですが、本県はまだこれからというところでございますので、引き続き、しっかり就労につながるように取り組んでいきたいと考えております。 〇佐々木朋和委員 では、就労先は委託事業者がピックアップして見つけている状況なのでしょうか。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 特にリモートワーク等のものにつきましては、全国的にそういった働き方を募集している企業と受託者のほうで、マッチングしていただいている状況でございます。 〇佐々木朋和委員 わかりました。本県においては、例えば初年度は、受講してすぐのときには仕事があったけれども、次年度になったらそれが終了してしまうといったことがないように、継続的に就労機会があるような形で、県が事業としてやって、就労マッチングまでやりますと言ってやっている事業ですから、ぜひそこはお願いしたいと思います。まだ就労状況について見えていない事業ですので、これからも注視していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、固定的性別役割分担意識解消推進事業費について伺いたいと思います。 職場や地域に存在する性別によるアンコンシャスバイアスへの気づきや見直しを促す啓発活動を強化するために、専門家に委託して、経済団体や地域等を対象に講演会等を実施するほか、岩手県男女共同参画センターによる企業向け出張セミナーを実施するとしております。 新規事業ですが、外部専門人材による講演の内容、今までの男女共同参画であるとか女性活躍とはどのように違ってくるのか、また、予定回数もお示しいただきたいと思いますし、出張セミナーの内容についてもお示しいただきたいと思います。 全部聞いてしまいますけれども、これは、知事もアンコンシャスバイアスを解消するということで高らかに宣言して進めておりますので、この事業だけでは不十分ではないかと思います。こういった講座をふやしていくとか、経年的な目標やマイルストーンも必要ではないかと思いますが、御所見を伺いたいと思います。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 まず、外部専門人材による講演の内容についてでございます。性別による固定的な役割分担意識とかアンコンシャスバイアスを解消していくためには、例えば、家事、育児は女性がするべきだとか組織のリーダーは男性のほうが向いているなど、自分自身が持つバイアスの存在に気づくことが大切であると指摘されております。 このため、令和7年度は、外部専門人材をアドバイザーに委嘱し、アンコンシャスバイアス等への気づきを促す講演会等を企業経営者や地域等を対象に、経済団体や市町村等と共催する形で、県内各地で4回から5回程度開催することとしております。 詳細な内容につきましては、今後、外部専門人材と相談することとしておりますが、職場や家庭、地域におけるアンコンシャスバイアスの事例とかアンコンシャスバイアスに気づく必要性、アンコンシャスバイアスの解消に向けた具体的な対処方法などを内容とする講演を想定しております。 次に、出張セミナーの内容についてでございますが、アイーナにございます岩手県男女共同参画センターの職員が、企業に出張して、アンコンシャスバイアスの解消に関するセミナーを社内研修等で開催するものとなっております。公募により応募のあった県内企業10社で実施することを想定しております。 具体的なセミナーの内容につきましては、アンコンシャスバイアスが企業に与える影響とか解消に向けた取り組みの必要性等についての講話と、掃除や片づけなどの家事に役立つスキル習得体験等の構成を想定しておりまして、個々の企業と相談しながら実施する考えでございます。 最後に、経年的な目標やマイルストーンの設定についてでございますけれども、本事業では、講演会等の参加者数を事務事業評価の成果指標として、令和7年度は500人を目標とする考えでございます。 なお、いわて県民計画(2019〜2028)の幸福関連指標では、共働き世帯の男性の家事時間割合を令和8年度までに女性に対し50%とすることを目指しております。また、いわて男女共同参画プランの指標では、地域社会の中で男女が平等と感じている人の割合を令和7年度までに30%とすることを目指しているところでございます。 本事業のほかにも、いわて家事・育児シェア普及推進事業などの取り組みを実施することで、これらの目標達成につなげていく考えでございます。 〇佐々木朋和委員 県としてアンコンシャスバイアスの解消を掲げたからには、経年的な目標の中でも、今年度は500名ということでお聞きしましたが、やはり経年でふやしていくような長期的なビジョンに立って事業を進めていただきたいと応援する思いでいますので、よろしくお願いします。 次に、動物愛護管理センター整備事業費及び動物愛護管理推進事業費について伺いたいと思います。 動物愛護管理推進事業費について、令和6年度のボランティアの延べ人数と一時預かりした犬、猫の頭数、譲渡に至った頭数、県内各地の収容所の改善状況をお示しいただきたいと思います。 〇千葉食の安全安心課長 動物の一時預かりボランティアについてでございますが、当該事業は令和6年10月から開始したものであり、令和7年1月末の時点で登録いただいたボランティア数は、重複もございますが、ミルクボランティア26名、社会化ボランティア45名、長期預かりボランティア13名、延べ人数は84名でございます。 また、一時預かりを依頼した動物の頭数でございますが、合計で、猫125頭、犬4頭、このうち譲渡に至った頭数は、合計で、猫82頭、犬3頭でございます。 次に、今年度の県内の動物管理施設の改善状況についてでございますが、犬を収容するおりの拡張などの改修は、昨年度までに全ての動物管理施設において完了したところであり、今年度は、猫の譲渡をさらに推進するため、県央保健所におきまして、これまで活用されていなかったスペースを活用し、猫の譲渡室として新たに整備を行うとともに、冬季の譲渡室の温度管理向上のために、オイルヒーターを追加で設置したところでございます。 〇佐々木朋和委員 令和7年度については、予算額を増額して取り組むということでございますけれども、令和7年度の方向性をお示しいただきたいと思います。 〇千葉食の安全安心課長 来年度の動物の一時預かりボランティア事業の方向性についてでございます。 この事業は令和6年10月1日から開始しましたが、来年度は年度当初から1年間の運用とし、今年度と同様に、一時預かり期間中に必要な物品のほか、対象となる犬猫の体調不良時の診療費の一部を負担することにより、さらなる譲渡推進に取り組んでまいります。 なお、本事業によりまして、動物の生存機会の拡大等に効果があったものと認識している一方で、一時預かりボランティアの数が保護動物の数に対して少ないといった地域的な偏在も見られることから、効果的な周知等について、一時預かりボランティアや動物愛護推進員の方々から意見を伺いながら検討し、より多くの方に御協力いただけるよう取り組んでまいります。 また、来年度の動物管理施設の改善の方向性でございますが、夏季の施設内の温度管理向上のために、全保健所にサーキュレーターなどの送風機を配備するほか、必要に応じた修繕等を実施し、令和10年度の開所を目指している動物愛護管理センターの整備も見据えながら、動物の飼養管理環境の向上に努めてまいります。 〇佐々木朋和委員 サーキュレーターということですけれども、エアコンではないのですかというのが、動物愛護団体の皆さん方からのお声だと思います。 一関地域の収容所は、オイルヒーターを2台入れるとブレーカーが落ちてしまうとか、お湯が使えない、あるいは医療費が1匹につき1万1、000円までだということで、それ以上かかった分についてはボランティアが手出ししている、薬の常備がない、そういった課題が出てきております。 収容所は抜本的な整備、改革の必要性もあると思いますが、一言伺って、終わりたいと思います。 〇千葉食の安全安心課長 今後の施設の整備でございます。現在進めている動物愛護管理センターの設置とあわせて、各広域振興局の動物管理施設については集約する方向で、さらに動物愛護管理センターのサテライト施設として位置づける方向で検討しているところでございます。 今後、岩手県動物愛護推進協議会等の意見も伺いながら、令和10年度を見込んでいる動物愛護管理センター開所に向けた取り組みと並行して取り組んでまいります。 〇ハクセル美穂子副委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 先ほど高橋穏至委員から御質問がありましたGXの推進事業に関する答弁の中で、省エネルギー対策推進事業費補助で導入した設備につきましての二酸化炭素削減効果をお話しさせていただきました。その際、おおむね60トンとお話しさせていただきましたが、こちらはおおむね70トンでございましたので、訂正させていただきます。 〇工藤剛委員 私からは、花巻市にあります岩手県化製油脂協同組合の化製場についてお伺いいたします。 この化製場は、岩手県の畜産振興にとって非常に重要で必要不可欠な施設であると認識しております。しかし、この化製場から発生していると見られる悪臭が、長い期間にわたって花巻市の住民を苦しめているとの話を聞きました。 それは、昨年11月、いわて県民クラブ・無所属の会の会派の活動として、市町村による県への要望の聞き取り調査で私が花巻市を訪れたときのことです。花巻市長から、この悪臭問題の解決に向けて、県としてももっと積極的に取り組んでほしいとの内容でございました。このことは花巻市の岩手県に対する要望書の中にもありますので、県としても把握していると思います。 そこで、まずは、この化製場の悪臭問題について、県としてはどのように認識しているのかお伺いいたします。 〇千葉食の安全安心課長 花巻市の化製場の悪臭問題に係る県の認識についてでございます。 当該化製場の悪臭問題につきましては、花巻市が実施した事業所の臭気濃度測定の結果が、花巻市悪臭公害防止条例の規制基準に適合しておらず、それまでの改善措置に実効性がないとの理由で、市が平成28年度に改善勧告を行っておりますが、現在も改善措置が完了しておらず、周辺住民から苦情が寄せられている状況にあり、県としても、花巻市と連携して対応すべき課題であると認識しております。 〇工藤剛委員 今の御答弁ですと主体が花巻市のように聞こえるわけですが、これまで県として行ってきた対応をお伺いいたします。 〇千葉食の安全安心課長 悪臭問題に係る現在、そして今後の対策、対応についてでございます。 化製場の臭気対策につきましては、昨年度までも、必要に応じ県と市が連携して立入検査を行ってきたところでございますが、今年度からは、県と市が合同で実施することを基本とし、その検査結果や指導事項等を県と市で確実に共有することとしたほか、事業者への相談対応にも県と市が一緒に対応しているところでございます。 今年度の合同立入検査は、3カ所ある施設に、11月末まで計5回実施したほか、1月には県単独での立入検査を1回実施し、化製場法―化製場等に関する法律や化製場法施行条例に定める基準に従って、化製場の構造設備や衛生措置の適合状況を確認したところでございます。 これまでの検査の結果、2施設について、新たに壁等の一部破損や清掃の不徹底など構造設備基準等に適合しない事項が確認されたことから、事業者に対し、当該不適合事項の改善について文書により指導を行い、改善計画書を中部保健所に報告するよう求め、事業者から、昨年12月25日及びことし1月14日付で計画書の提出があったところでございます。 県では、提出された計画書を精査の上、今年度中に管轄保健所と県庁関係課による立入検査を実施し、改善計画書に沿った改善がなされているかを確認の上、不十分である場合などは、引き続き必要な措置を指導してまいります。 また、この結果につきましても、花巻市と共有し、県と市が連携して化製場法及び悪臭防止法の双方の観点で効果的な臭気、悪臭対策の実施について、事業者に対する指導を徹底してまいります。 〇工藤剛委員 私も現地に行ってみました。もちろん風向きなど日によってさまざま違いはあるかもしれません。私が行ったときは、当該化製場は十字路の角にあるわけですけれども、東西の道路では、全くにおいもしなかったのですが、逆に南北に走っている道路に向かって車からおりますともう、すぐ独特なむわっとするにおいで、正直、この中で朝から晩まで生活しているのは、私だったらつらいなというような環境だと感じました。 今、花巻市と合同で立入検査もしているという話でしたが、花巻市の今年度の要望の中に、県による悪臭対策が実質的にない状況において、悪臭問題が顕在化してから約50年経過した現在に至るまで、根本的な解決に至っていない状況が続いておりますとうたっているのです。 このことについて、県としてはどのように考えていますか。 〇千葉食の安全安心課長 悪臭問題の根本的な対策でございます。 現在、悪臭が問題となっている施設は老朽化が進んでいる状態でございまして、悪臭問題の根本的な解決のためには、施設の大規模な改修あるいは新設といった手段も考えられるところでございます。 このため、大規模改修あるいは新設等について、事業者の意向やそれに向けた課題について確認しつつ、これまでに確認された不適合事項に対する指導に加え、事業者による根本的対策の実施につきましても指導したいと考えております。 〇工藤剛委員 確かに今御答弁にありましたとおり、花巻市としては、平成28年、花巻市の条例の中で改善勧告を出し、それに対して改善計画書も出してもらったそうです。しかし、なかなか悪臭の解決には至っていないということで、令和5年11月に、悪臭公害対策技術参与を今まで1人置いていましたが、もう一人新たに追加しまして、先ほど御答弁にありましたように、県と一緒に現地調査をしたということです。 現地の立入検査においても、ことし、施設ごとに年4回から5回ほど立入検査をしたというお話でしたが、今までに関しては、工場ごとではなく、施設全体において年2回ほどしか立入検査をしていなくて、いわゆる見落としといいますか、立入検査が不十分なのではないかというお話までされておりました。 県が、県民の生活環境を守るとの立場から必要であるだけでなく、県による畜産振興の一環として、当然県が解決するべきではないかと考えますと要望書の中にうたっているのですが、この花巻市の見解に対して、県はどのように考えていますか。 〇千葉食の安全安心課長 県が解決すべきという部分についてでございます。 今年度、花巻市と合同で行った立入検査の中で認められた不適合な部分が、先ほど工藤剛委員のお話にもあった花巻市の技術参与の分析によりますと、花巻市の勧告に従って進めている悪臭防止対策がなかなか進まない理由が、この不適合事項にあるということでございました。 県としましては、この不適合の部分について徹底した指導を行って改善を促すことによって、結果的に悪臭防止対策の向上につながるものと考えております。 〇工藤剛委員 県として、特に市町村との連携を強化させることで、ここ1年、去年、ことし、達増知事も、市町村要望会のときには知事本人が出席して要望を聞くというようなことで、今まで以上に市町村との連携を密にして進んでいくことをうたっているわけですから、花巻市の言い分、県の言い分はあるのでしょうけれども、もう少し花巻市と連携を密にして、いろいろ話し合って、一緒になって取り組んでいくべきものと思いますので、そこは指摘しておきます。 もう一度お聞きしますけれども、この化製場は、あくまでも県が許可を出している施設でございますので、いわゆる許可権者としての今後の対応をお伺いします。 先ほど、立入検査で穴があいていたとかすき間があるとかという不適切な部分に改善命令を出したということです。そこで、改善計画も今回出されていると思うのですが、それに対し、計画が本当にやられているかどうかを確認しなければいけないと思うのですけれども、その件についてもお伺いいたします。 〇千葉食の安全安心課長 まず、立入検査で認められた不適合事項に対する指導でございますが、改善命令ではなく、文書指導を行っている段階でございます。その文書指導に基づいた報告書が、事業者から今上がってきているところでございます。 この計画書に沿った改善の状況につきましては、今年度中に、保健所だけではなく、県庁の関係課も合同で立入検査をした上で確認し、その結果について、改めて花巻市とも共有しながら指導を進めていきたいと考えております。 〇工藤剛委員 今年度中ということですから、いずれ今月中には改善計画に対してもう一度点検をするということで、その辺はしっかりお願いいたします。 他県では、臭気処理設備の設置に関する規定等を県の化製場法施行条例に定めている例もあるわけですが、そういうことについて、岩手県の考えをお伺いいたします。 〇千葉食の安全安心課長 条例への臭気処理設備等の規定を盛り込む改正等についてでございます。 昭和23年に制定されました化製場法でございますが、これには悪臭に関する抜本的な規制が含まれておらず、その後、化製場のほか、工場や事業場による悪臭が社会問題となり、これに対応するため、昭和46年に悪臭防止法が制定された経緯がございます。 悪臭防止法では、住民に身近な市町村に改善勧告や改善命令の権限が委ねられており、県として、化製場法施行条例に悪臭防止に関する新たな規制を盛り込むことは、このような経緯や法令体系を踏まえると、慎重に対応していく必要があると考えているところでございます。 悪臭対策の実効性を担保するためにも、県と市が連携して化製場法及び悪臭防止法の双方の観点で、効果的な臭気、悪臭対策の実施について、事業者に対する指導を徹底してまいります。 〇工藤剛委員 まずは、事業者から出てきました改善計画によって、この問題が解決するかどうかのチェックをやっていくところからだとは思うのですが、いずれ結末といたしましては、事業者が計画書どおりに実行していました、はい、よかったですではなく、あくまでもこの悪臭問題が解決することが着地点でございます。 問題解決するまで、花巻市と一緒になって県としても取り組んでいくことをお願いしたいのですが、もう一度、その確認をお願いします。 〇千葉食の安全安心課長 今後、この提出されている計画書に沿った改善状況を確認しながら指導を進めてまいりますが、工藤剛委員御指摘のとおり、計画書に沿った改善状況にとどまらず、この悪臭問題の解決に向けて、市と連携しながら今後も取り組んでまいります。 〔「関連」と呼ぶ者あり〕 〇名須川晋委員 今年度の悪臭発生状況はどのようになっているかということで、昨年11月末まで市と県とで5回とおっしゃいましたか4回でしたか、県単独ではことし1月に1回ということでございました。それで課題があぶり出されて、これから改善が図られるのではありましょうけれども、これである程度のプレッシャーがかかったかどうかというところで、悪臭が減っているのかどうかの確認を含めたデータをお聞かせください。 〇千葉食の安全安心課長 今年度の悪臭の発生状況についてでございます。 悪臭の発生状況につきましては、悪臭公害防止条例を所管する花巻市から化製場法を所管する中部保健所に対しまして、悪臭苦情及び臭気測定結果等について、合同立入検査の際などに情報提供いただいているところでございます。 花巻市からの情報によりますと、市に寄せられた苦情件数は、平成25年から平成30年までは横ばい傾向、令和元年以降は増加傾向であり、令和4年度からは減少しているものの、悪臭モニターの感知件数は高どまりの傾向が認められると承知しているところでございます。 また、花巻市による化製場の臭気測定結果につきましては、平成21年度から横ばい傾向と承知しているところでございます。 〇名須川晋委員 私の事務所でも、朝行くと、やはりにおってきておりまして、回数的にも余り変わりないなというのが実感でございます。 ぜひともしっかりと、強制力をもってとは言えませんけれども、改善を図っていただかなければいけないし、改善が図られたといえども、長年にわたってそういう状況でございますから、なかなか厳しいのが現実であろうと思います。 根本の問題は農林水産部の審査において質疑するかと思いますが、県の畜産行政のあり方ということで、排出している近辺につくることが先決というか根本なのかと思います。 最後に、もう一度、県条例の改正についてということでお伺いさせていただきます。 花巻市は、県条例の改正を、もう少し強制力のあるものに変えてほしいということを指摘しております。この辺についてもう一度お聞かせ願いたいと思います。 地元花巻市矢沢地区は、令和10年に、小学校と中学校が合わさった義務教育学校が建設される予定でございまして、どうもそこの小中学校とか地元の説明会でも、やはり参加者から、においについて指摘される状況がございます。 その学校施設にはエアコンを入れるという御答弁で、窓をあけるのではなく、エアコンをもって室温の管理をするという方向なのだそうでございますけれども、窓を自由に気軽にあけられないという状況が現実としてこれまでも存在してきたし、今後もあるということでの対応になるのでしょうが、地元では、強制力のある施策の執行を求めているわけでございます。その点でも、県条例の改正も大きな一つの抑止力になるかと思いますが、もう一度だけ、そこについて御答弁をお願いいたします。 〇千葉食の安全安心課長 県条例の改正についてでございますが、先ほども答弁させていただいたように、悪臭防止法が制定された経緯あるいは法体系等を考えると、県条例改正については、慎重に対応していく必要があるかと思います。もし改正するにしても、実効性を持った内容にすることができるかといった課題もあるところでございます。 令和10年に義務教育学校が設置されるということもあるところでございます。先ほど来、答弁させていただいているように、現在認められる不適合事項が、悪臭が解決しない根本の原因にあるというところもございますので、まずは、その不適合事項の改善に向けた指導に注力していきたいと考えております。 〔「関連」と呼ぶ者あり〕 〇千葉伝委員 ただいま化製場の関係で工藤剛委員あるいは名須川晋委員からそれぞれ質疑がありました。実は、私は40年ぐらい前に花巻市で仕事をしていたときに、ここにもタッチしたことがあります。そこの問題は、今出ている、一つは水質関係で、川に大分流されているという話と悪臭の話でありました。 さっき話がありましたけれども、矢沢地区という場所ですが、私がいたあたりに何をやったかというと、学校の窓を二重窓、それから周辺の住宅、住んでいるところもほとんど二重窓にするということで、かなりそれに金をかけたということが当時ありました。 それで、問題は、ここの化製場に対して県、人の保健所、私は家畜の保健所だったのですが、屠畜して発生したものをそこで処理することから、どうしても煮たりさまざまやるのでにおいが出ます。言いたいのは、当時も、そこの許可の分をストップできないかという話まで実はあったのです。 過去に許可したところに対して、県が法的な処置で期間を限定してとめたことはあるのでしょうか。 〇千葉食の安全安心課長 当該化製場に対しては、これまでの指導の中で、法に基づく改善命令を発出したことはございますが、停止命令まで至った事例はございません。 〇千葉伝委員 ここは、いずれ改善命令、改善勧告まで出してかなり厳しい対応もしてきたということで、ただ、業者側が、わかった、わかったというようなことでしたが、1年たっても、結局ほとんど何もしていない。同じことを繰り返してきているというのが当時もあったのですが、何となく今聞いたら、まだ同じことをやっているのかという感じもします。 問題は、ここに対して法的に処置したらいいのではないかと言うのは簡単ですが、実際、ここをストップさせると、先ほど名須川晋委員も言ったとおり、畜産振興との関係でここの施設は、必要悪とは言わないけれども、必要なものだということが背景にある。このことから、業者も何となく余り積極的じゃないということも疑うような格好があることから、行政側からすれば、環境生活部と農林水産部とあわせて、この施設をいかに改善する、あるいは新しくする、そういったあたりまで市と一緒になってやっていかなければ、これはいつまでも続くと思うのですが、新たな施設を考えるということに対してはいかがでしょうか。 〇千葉食の安全安心課長 現在、文書指導の段階でございます。まずは、この文書指導に沿った改善を求めてまいりますが、改善が進まない、この基準に適合しない状況が継続する場合には、勧告を行った上で、なお改善が進まない場合には、化製場法に基づく措置命令なども念頭に置きながら進めてまいります。 また、根本的な新設等につきましては、先ほども答弁させていただいたように、まずは事業者の新設あるいは根本的な解決に向けたことをどのように考えているか確認しながら、また、それを行う上でどのような課題があるのかを聞き取りながら、目の前の基準適合の指導とあわせて、根本的な解決についても指導を進めていきたいと考えております。 〇千葉伝委員 ずっと昔からの話ということで私も今発言させてもらったのですけれども、いずれにしても、この問題を解決することは、背景に畜産振興との関係もあることから、しっかりした対策をした施設でやるということで、ほかの県に、畜産県岩手だということで威張っていられないと私は特に感じております。 したがって、環境生活部あるいは農林水産部、花巻市、場合によっては国とも、そういった施設に対する助成も含めたことも考えてしっかり対応すべきではないかと思うのですが、環境生活部長、最後に一言。 〇大畑環境生活部長 ただいま議論になっております化製場につきましては、県としてきちんとした指導を進めていくことはもちろんであります。その指導に当たりましては、花巻市と一緒に、花巻市が設置しているアドバイザーの御意見も伺って指導しているところでございます。 畜産振興上の観点ということで、農林水産部との連携というお話も頂戴いたしました。私も農林水産部に籍を置いたことのある者でございますので、畜産振興の上で化製場が必要不可欠だというのは、そのとおりだと思っております。 農林水産部とも連携して、今後の方向性としてどうあるべきか、あるいは畜産業界の話もよくよく聞きながら、どういった方向性をとっていけるのかというところの議論を深めていければと思っております。 〇小西和子委員 いわて女性のスペース・ミモザの活動等についてお伺いいたします。 女性のためのつながりサポート事業費1、490万円、前年度比プラス20万円が計上されております。孤独、孤立や生活困難など、さまざまな困難を抱える女性を支援するため、当事者に寄り添ったきめ細かな相談体制の整備や居場所づくり等を実施するとあります。 今年度のいわて女性のスペース・ミモザの活動実績について伺います。あわせて生理の貧困に係る取り組み実績について、市町村も含めて伺います。 いわて女性のスペース・ミモザの活動の評価についてもお伺いいたします。 〇阿部若者女性協働推進室長 いわて女性のスペース・ミモザの活動実績についてであります。 相談実績についてですが、今年度1月末現在で、電話や対面、メール等で延べ1、935件の相談が寄せられており、既に前年度の相談件数を上回るなど、年々増加傾向にあります。 次に、女性用品の提供についてですが、今年度1月末現在で、全市町村、全県立学校、大学等に延べ3、979人分を提供したところでございます。また、市町村の独自の取り組みについては、昨年度より一つ多い八つの市町村が、予算措置をして女性用品の提供を行っております。 次に、ミモザの活動の評価についてでありますが、ミモザは設置してから4年目を迎え、今年度の相談件数がことし1月末時点で既に前年度の相談件数を上回っており、ミモザの認知が定着してきていると認識しております。 ミモザへの相談内容については、家庭内の人間関係や家事、介護等の負担に関する悩み、心身の健康や経済的な不安に関する悩みなどが多く、これらの悩みが複雑、複合的となっている相談もふえてきており、誰にも話ができず悩んでいたが話せてよかった、話を聞いてもらえて安心した等の意見が寄せられているところです。 また、女性用品を提供した女性からは、物価高騰で食料品等が値上がりしているため、とても助かる、これからも女性用品の無償提供を継続してほしいといった声が数多く寄せられております。また、一部の大学では、クラウドファンディングにより女性用品を学生へ無償提供するなど、生理の貧困に対する理解と支援の輪が広がっているところでございます。 女性が抱えるさまざまな困難を受けとめ、寄り添った支援を行うミモザの取り組みは、女性一人一人の安心感の醸成や課題の解決に向けた糸口に結びついているものと認識しております。 〇小西和子委員 昨年同時期より400件ほどふえていることがわかりました。 では、次年度の取り組みについて伺います。 〇阿部若者女性協働推進室長 来年度のミモザの取り組みについてでありますが、今年度と同様に、電話や対面、メール等で相談を受け付けるほか、県内2カ所でサロンを開催するなどの居場所づくりと、市町村や高校、大学等への女性用品の提供を引き続き行うこととしております。 また、ミモザの相談件数が増加し、内容も複雑化していることを踏まえ、相談員を2名から3名に増員することとし、相談者の事情に配慮して柔軟に対応するため、ミモザの相談員が相談者に出向くアウトリーチ型の相談を強化するなど、相談支援体制の拡充を行っていく考えであります。 引き続き、市町村や保健福祉部等関係団体とも連携しながら、困難や不安を抱える女性が安心して生活できるよう支援してまいります。 〇小西和子委員 相談員が2名から3名になったということですけれども、予算は20万円しかアップしていないということですね。 私は、女性相談の窓口はすごく充実していると思うのです。今、男性の相談窓口は岩手県男女共同参画センターのみです。多分、皆さん御存じだと思いますけれども、ミモザを開設したときに女性の自殺件数が減ったのです。ですから、少なくとも広域振興局ごとに、私は男性の相談窓口も開設すべきだと考えます。そのことが自殺予防対策にもつながると考えておりますので、検討をお願いいたします。 先ほどからジェンダーギャップ解消の取り組みについて質疑が行われていて、非常にうれしく思っておりますけれども、兵庫県豊岡市の豊岡市ジェンダーギャップ解消戦略をモデルに、環境生活部が中心となって、部局横断で推進することを御期待申し上げます。 環境保全についてお伺いいたします。 原発事故等により発生した放射性物質汚染廃棄物の本県への搬入処理、処分についてお伺いいたします。これは、宮城県が仲介し、廃棄物を保管している自治体に県外の廃棄物事業者を紹介して、県外で焼却し、民間処理場に焼却灰を埋め立てるということが、搬出元や搬出先の住民に知らされず秘密裏に強行されているという情報が入りました。 そこで、市民団体が本県のごみ広域処理施設等において宮城県の放射能汚染廃棄物を処理処分実施の疑念に係る質問・要望書を提出しております。市町村が保管する放射性物質汚染廃棄物は一般廃棄物であり、市町村の責任のもと適切に処理が行われているところです。宮城県において発生した放射性物質汚染廃棄物の宮城県外での処理については、風評被害等の懸念から、自治体及び事業者の特定につながる情報は非公表という条件で行われていると聞いていますという回答が岩手県環境生活部長からありました。 そこでお伺いいたします。他県で発生した放射性物質汚染廃棄物が本県で焼却や埋設が行われている可能性について、実態を把握し、県としての姿勢を明らかにすべきではないかと考えます。見解を伺います。 〇古澤資源循環推進課総括課長 他県で発生した放射性物質汚染廃棄物の本県への搬入についてでございます。 東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質で汚染された農林業系副産物などの廃棄物は、小西和子委員御紹介のとおり、廃棄物処理法―廃棄物の処理及び清掃に関する法律上、一般廃棄物ということで、市町村の責任のもとに処理されているところでございます。 現在、県内では、関係市町村において、まだ処理されていない農林業系副産物がございますので、これらが、まずは優先して処理されていくべきものと考えております。 なお、他県の市町村が本県において処理を行う場合においては、廃棄物処理法に基づき、事前に搬出元、搬出先の市町村間で協議を行うことになっております。これまで、県内市町村から県に対して相談等は寄せられていない状況でございます。 〇小西和子委員 放射能は微量でも危険であるということは、誰も否定できません。放射性物質は、焼却することにより環境へ拡散します。それを地元自治体の責任として県が看過することは、県民の健康や環境を守る行政として無責任だと思います。環境立県を唱える本県の姿勢としても納得できません。 昨年12月20日の閣議決定で、福島第一原子力発電所事故の除染で出た除染土の再利用や処分に向け、具体策として、1キログラム当たり8、000ベクレル以下の土を全国の公共工事で道路の盛り土等に利用する方針で、ことし春ころまでに基本方針を取りまとめるように指示しております。 来年度、法改正がなされ本県での再利用を国から求められた場合、受け入れるのでしょうか。そのときのため、条例等で本県としての姿勢を明らかにしておく必要があるのではないでしょうか、見解を伺います。 〇加藤環境担当技監心得兼環境保全課総括課長 福島第一原子力発電所事故の除染土の本県への受け入れについてでございます。 福島県の中間貯蔵施設に保管されている除去土壌につきましては、今後、国が示す再生利用基準及び復興再生利用ガイドラインによりまして、1キログラム当たり8、000ベクレル以下の土壌を再生復興資材として全国の公共事業で活用する方針と聞いておりますけれども、現時点において、環境省から受け入れとか再生復興資材等に関する詳細な説明はない状況でございます。 なお、本県は、県南3市町において、いまだ除去土壌を相当量保管している状況にあることから、まずは、国が示す埋立処分基準及び福島県外における除染により発生した除去土壌の処分に係るガイドラインにより、県内で保管している除去土壌の処分に向けた検討を進める必要があり、福島県の再生復興資材の受け入れを検討できる状況にはないと認識しております。 〇小西和子委員 受け入れる状況にはないということですけれども、放射性物質汚染廃棄物は、放射能の量が低下するまで移動させずに保管することが鉄則であります。汚染廃棄物を運搬することにより、拡散、飛散し、被曝することは避けられませんので、今後ともよろしくお願いします。 世界有数の地震多発地帯において、東北電力女川原子力発電所が稼働しています。世界一地震の影響を受けやすい原子力発電所とアメリカの原子力学会で発表されております。 現行ガイドラインである、放射性物質により汚染された廃棄物等の焼却・処分等に係るガイドラインでは、対応できなくなってきています。そのため、次の3点の条件を含む条例を制定すべきと考えます。 1点目、他県で発生した放射性物質による汚染物を本県に搬入しないこと。2点目、福島第一原子力発電所事故で発生した汚染土等を本県で使用しないこと。3点目、放射性物質汚染廃棄物の処理、処分は、県民への情報公開を行い、民意を第一に決定すること。 このような3点を含めた条例を制定すべきと考えますが、見解を伺います。 〇加藤環境担当技監心得兼環境保全課総括課長 放射性物質に汚染された廃棄物、土壌の処理についてでございます。 本県は、東日本大震災津波に伴う原子力発電所事故によりまして大きな影響を受け、いまだ汚染された農林業系副産物の焼却が続けられているほか、今後、除去土壌の処分を検討しなければならない状況であり、関連施設の誘致とか廃棄物の受け入れに積極的に取り組む市町村はないものと考えます。 また、本県には原子力発電所が立地しておらず、東日本大震災津波を経験した経緯からも、放射性物質に対する県民の理解を得ることが難しいことなどから、県では、高レベル放射性廃棄物最終処分場を受け入れる考えがないことを表明しているところであり、放射性物質に汚染された廃棄物、土壌等の処分等についても、この考え方に基づき対応していくことになると考えております。 条例化というお話ではございますが、福島第一原子力発電所事故に伴いまして発生した放射性物質汚染廃棄物とか除染土につきましては、国、東京電力等が責任を持って対処するべきであるということで、そういったところを国、発電事業者に要望してまいりたいと考えております。 〇小西和子委員 すごく安心するような答弁をいただきましたけれども、やはり条例を制定することによって、それが歯どめになると私は考えます。 県民の健康や環境を守る行政として、環境立国を唱える岩手県の姿勢を示すためにも条例を制定すべきと考えますが、環境生活部長の答弁をお願いして、終わりたいと思います。 〇大畑環境生活部長 小西和子委員から御提案がございました条例の制定についてでございます。 全国の状況を見ますと、御提案と中身が全く同じだということではないのですけれども、趣旨とすると同じような条例をつくっているのが、都道府県レベルでは北海道のみとなっております。北海道がそういう条例をつくることになった経緯については、道内の市町村で関連施設を誘致しようという動きがあったからだと聞いております。 一方で、本県の状況は、先ほど環境保全課総括課長から御説明申し上げたとおり、農林業系副産物の処理を進めなければならない、あるいは除去土壌の処分も今後検討していかなければならないという状況にある中で、北海道と同様に立法措置を講じてやるべき状況にあるかどうかは、非常に悩ましいところでございまして、丁寧な議論が必要かと思っております。 また、原子力政策は国が推進してきたものでもございますので、ALPS処理水と同様、廃棄物の問題につきましても、国民の不安や懸念といったところには、国あるいは原子力発電事業者が責任を持って丁寧に対応していくべきとも考えております。 〇ハクセル美穂子副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。 午後4時10分 休 憩 午後4時27分 再開 〇菅野ひろのり委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 〇村上貢一委員 まず、私からは、年明け以降の高病原性鳥インフルエンザの発生という重大事案に対して、大畑環境生活部長を初めとした環境生活部の皆様方の御尽力、御対応に衷心より感謝と敬意を申し上げます。 さて、その緊急事態の最中に、盛岡市高松の池では、野鳥への餌やりはやめてくださいという看板があるにもかかわらず、ハクチョウやカモ、野鳥に餌やりをする市民が散見され、その市民に対しての意見をいろいろと私のほうに頂戴いたしました。 現在、鳥インフルエンザ発生の感染経路は不明だったと認識しておりますが、感染対策、蔓延対策を徹底するという観点から質問させていただきます。 現在、県内の渡り鳥の主な飛来地の状況と直近の動向、また、鳥インフルエンザ感染による死亡野鳥数の状況と直近数年間の動向についてお伺いいたします。 〇酒井自然保護課総括課長 まず最初に、渡り鳥の状況でございますけれども、環境省が毎年1月中旬を基準日といたしまして、渡り鳥の飛来地の状況について全国一斉に調査を実施しており、その中で、県でも、ガン、カモ、ハクチョウ類の主な飛来地での冬季の生息状況や傾向を把握しているところでございます。 今年度は、県内で336カ所の飛来地を調査いたしまして、うち246カ所で飛来を確認しております。ハクチョウ類の主な飛来地といたしましては、花巻市の三郎堤や盛岡市の高松の池などとなっております。 生息状況でございますけれども、ハクチョウ類で6、789羽、ガン類で3、542羽、カモ類で2万2、399羽と、計3万2、730羽確認されておりまして、傾向といたしまして、ハクチョウ類では近年増加の傾向が見られるところでございますが、ガン、カモ類につきましては、おおむね近年同程度の飛来を確認している状況でございます。 次に、死亡野鳥の状況でございますけれども、県におきましては、主に県民の方とか市町村の方から情報提供いただきまして、死亡野鳥の回収や検査を行っております。海外から渡り鳥が飛来してくるおおむね10月くらいを開始期としてシーズンと捉えておりますが、今シーズンは、現時点で40件の検査を実施しておりまして、そのうち高病原性鳥インフルエンザが確認されたものが3件となっております。 過去の高病原性鳥インフルエンザの発生件数でございますけれども、令和2年シーズンについてはゼロ件、令和3年は27件、令和4年は6件、令和5年は19件といった状況になっております。 〇村上貢一委員 承知いたしました。 それでは次に、第13次鳥獣保護管理事業計画が県にございます。その中において、野鳥の異常死の早期発見や発生時の対応体制を強化するために、野鳥の生息状況の把握、死亡野鳥調査等の野鳥サーベイランス及び野鳥緊急調査等を実施する人材の育成・確保というところがございますが、その現在の状況と課題をお伺いいたします。 〇酒井自然保護課総括課長 死亡野鳥調査等を実施する人材の育成についてでございますけれども、県におきましては、野生鳥獣の生態に関する知識や経験を有し、猟銃の取り扱いに精通した方を鳥獣保護巡視員として委嘱いたしまして、鳥獣保護区のパトロールや狩猟期におけるマナー啓発のほか、死亡野鳥の回収などに従事していただいているところでございまして、この方々を対象に、定期的に研修会を開催して資質向上に努めているところでございます。 また、毎年度、各広域振興局担当職員を対象といたしまして、高病原性鳥インフルエンザの基礎知識や死亡野鳥の回収など初動対応の確認、簡易検査の実技の研修を実施しているところでございます。 死亡野鳥の監視に当たりましては、迅速かつ的確な対応が重要と考えておりますので、引き続き研修会などを開催して、人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。 〇村上貢一委員 それでは、鳥インフルエンザと野鳥とのかかわりや野鳥との接し方、渡り鳥など野生動物への餌づけ防止や接触防止についてなど、住民への情報提供、普及啓発の取り組みの状況と課題をお伺いいたします。 〇酒井自然保護課総括課長 高病原性鳥インフルエンザと野鳥との関係性、県民への情報提供というところでございますけれども、国の野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る対応技術マニュアルの中では、渡り鳥などの野鳥の移動が高病原性鳥インフルエンザウイルスの長距離の動きに関与していることが疑われるとされておりまして、原因だとまでは言及されていないのが現状でございます。 このことから、まず、野鳥への接し方につきましては、例えば、死亡野鳥を発見した場合などには素手で触れないといったことであったり、野鳥が密集することで鳥インフルエンザの感染が拡大するおそれがありますことから、餌やりを自粛するといったことにつきまして、国と同様、県におきましてもホームページやSNS、県政番組等で注意を呼びかけておりますほか、鳥獣保護巡視員の巡視活動の中でも、県民に対して注意喚起を行っているところでございます。 また、実際に野鳥の鳥インフルエンザの陽性が確認された場合につきましては、報道機関へ速やかに情報提供するとともに、ホームページによる県民への情報提供と注意喚起、家禽飼養者に対する飼養衛生管理の徹底などについて周知しているところでございます。 こうした行動を実践していただくためには、県民一人一人への周知と意識の向上が大変重要になってくると考えておりますので、まず、ホームページ等を通じた情報発信、巡回活動を通じた注意喚起などに継続して取り組む中で、実現に取り組んでまいりたいと考えております。 〇村上貢一委員 その中で、例えば小さい子供が餌をやったりしていると、かわいいねとはなるのですけれども、それでは困るわけです。子供のころからそういう意識を指導していただくところが大切だと思うのです。 小中学生や子供たちへの意識啓発活動の取り組みなどの状況、課題についてお伺いいたします。 〇酒井自然保護課総括課長 子供たちへの意識啓発活動の取り組み状況でございますけれども、県におきましては、餌やりではないですが、県内小中学生を対象といたしまして、公益財団法人日本鳥類保護連盟が、愛鳥週間に合わせて主催しているポスターコンクールへの積極的な参加を促すことで、ポスターの制作過程を通じた野生鳥類に対する保護意識の育成に取り組んでいるところでございます。 また、そのほかに、県がアイーナに設置しております環境学習交流センターが開催する講座の中で、こちらは一般県民を対象としたものになりますけれども、野生生物に関する講義などを行っております。 そのほか、滝沢市にある岩手県鳥獣保護センターでは、夏休みの自由研究などで親子連れを受け入れることがございますけれども、そうした際に、野生動物の基本知識のほか、渡り鳥などの野生動物への餌づけ防止、接触防止など、接し方についても説明を行っているところでございます。 〇村上貢一委員 子供たちには、なぜ野生動物に餌をあげてはいけないのかというところを、しっかりと、丁寧に、わかりやすく教えていただければと思います。 そして、先ほど鳥獣保護巡視員というお話もありましたけれども、その管理事業実施体制において、改めてお伺いしますが、鳥獣保護巡視員の役割、そして、県内への配置の状況、活動の内容についてお伺いいたします。 〇酒井自然保護課総括課長 鳥獣保護巡視員の役割などについてでございますけれども、県におきましては、鳥獣保護管理事業の円滑な運営や狩猟の適正化を図るため、県内で計75名の方を鳥獣保護巡視員として委嘱しております。こちらの配置につきましては、平成の合併前の、旧58市町村の単位を基本といたしまして配置しているところでございます。 主な活動内容につきましては、鳥獣保護区のパトロール、狩猟者や有害捕獲従事者に対する狩猟マナーの指導、適切なわなの設置方法に関する指導、鳥獣の生息状況調査等の実施、このほか、死亡野鳥の回収であったり、陽性が確認された際の野鳥監視重点区域の巡回等を実施しているところでございます。 〇村上貢一委員 こういう話があるのです。高松の池でも、善意ある方が、再三餌づけをやっている方に対して注意はしたいのだけれども、なかなかそういう立場でもないしできない。軽石義則委員からも、声をかけて110番されても困るなという話がありました。まさしくそのとおりで、鳥獣保護巡視員という肩書のもとで、餌やりパトロールというところでの巡回指導をしっかりやってもらえればと思うのですけれども、お伺いしたところ、以前、鳥獣保護員だったときにはその注意喚起ができたが、鳥獣保護巡視員という立場になってから、その注意喚起ができなくなったというような答えをいただいたのですが、その点についてお伺いいたします。 〇酒井自然保護課総括課長 現在の鳥獣保護巡視員の委嘱の形態でございますけれども、お話の背景といたしますと、従前は、県の非常勤職員として任用していた時期がございます。こういったときですと、非常勤とはいえ県の職員ということでの理解があるかと思いますが、現在は、私人の方を委嘱するような形でお願いしております。そういう意味でいいますと、県の職員という身分があるわけではございませんで、あくまで巡視員という肩書のもとで指導していただいている部分で、若干御認識が従来とは変わってきたところかと理解しております。 〇村上貢一委員 そういう中で、地域での鳥獣保護管理への助言、指導、環境教育の推進といった新たな要請も鳥獣保護巡視員にあるということでございますが、その要請の中身に、できれば餌やりパトロールなども入れてほしいと思うのですが、いかがでしょうか。 〇酒井自然保護課総括課長 先ほど鳥獣保護巡視員の人材育成のところでも御答弁申し上げたところでございますけれども、定期的に研修会等は開催させていただいて、巡視員の方々のスキルの向上なり知識の涵養といったところは、取り組ませていただいているところでございます。 村上貢一委員がおっしゃるとおり、県内でいきますと、過去に野鳥における高病原性鳥インフルエンザにつきましても、例えば久慈市とか大船渡市で極めて局所的、集中的に発生した事例があったり、あとは、全般的なまた別の状況でございますが、市街地に熊が大量出没して、熊が指定管理鳥獣に追加されるといった、鳥獣保護管理行政を取り巻く環境が変化しているところもございます。こうした変化などを踏まえまして、引き続き人材育成には取り組んでいきたいと考えております。 〇村上貢一委員 自粛は強制されるものではありません。そういう中で、鳥インフルエンザによって大変な、123万羽という殺処分があり、我が岩手県の基幹産業である養鶏業がそういうことになっているわけでございますから、しっかりと感染の可能性があるところを一つずつ、一つずつつぶしていって蔓延防止にもつなげていければと思います。 盛岡市でも、感染拡大中に高松の池のほとりに、例えば石灰をまけばいいのではないかというような話もあったと聞いております。しかし、なかなかそういうこともできずに、本当に市民の善意だけが頼りなのですが、なかなかそれもできない。監視強化区域外ではありますけれども、しっかりとその辺も市民、県民に意識づけして、岩手県の農業、養鶏業を守る、そういう気持ちになれるぐらいに頑張ってもらいたいと思いますが、最後に環境生活部長のお話を聞いて、終わりたいと思います。 〇大畑環境生活部長 高病原性鳥インフルエンザの発生につきましては、養鶏業は本県の農業産出額の大きな部分を占めている産業だとは理解しております。それを防止するために、自然保護課総括課長から御説明したとおり、環境省がつくっているチラシの配布でありますとか、そういったところに取り組ませていただいてはおりますけれども、それを県民の皆さんに、どこにどういう影響があるかということをきちんと理解していただいて、行動してもらうことが必要だろうと思っております。 シーズンが始まる秋口には、農林水産部と連携して県政番組などで広報しておりますので、そういったところで県民の皆様に理解していただいて、行動に移していただくことに留意しながら、進めていければと思っております。 〔「関連」と呼ぶ者あり〕 〇千葉伝委員 今、高病原性鳥インフルエンザの防疫対策に係る分で村上貢一委員から話がありました。聞きたいのは、高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された野鳥の種類がわかれば、教えていただきたいと思います。 〇酒井自然保護課総括課長 今シーズンに陽性が確認された3件の鳥の種類ということですけれども、今シーズン確認された3件でございますけれども、オオハクチョウが2羽、あと、野鳥のノスリが1羽ということになっております。 〇千葉伝委員 過去に久慈市で出たときは、野鳥というか飛来する渡り鳥ではなく、カラスがかなり、10羽中8羽か9羽がプラスになった例があります。そういうことからすれば、原因としては、渡り鳥等と今言われている部分だけではなく、年中いるカラスあるいはスズメ、そういったあたりもウイルスを持っている可能性が高いと思っております。 そういったことから、ウイルスの検査をする場合、死亡した鳥を調べる場合に、そういったあたりもしっかりやるべきではないかと思うのですが、検査はどこでやっているのですか。それから、届いた鳥は、どういう処分になっているのでしょうか。 〇酒井自然保護課総括課長 死亡野鳥が発見された場合ということでございますけれども、現在、基本的には広域振興局の保健福祉環境部または保健福祉環境センターの職員が回収に行きまして、検査につきましても、同じように広域振興局なりセンターで実施しているところでございます。 こちらにつきましては、県の検査だけではなく、国の検査もありますので、県の検査が終わった後、検体につきましては国にも送って、いわゆる高病原性がなかったかどうか。あと、県の調査で陰性であっても、遺伝子検査の結果、陽性になる場合がございますので、そういった複数の調査で病原性の確認をしているところでございます。 〇千葉伝委員 いずれ、渡り鳥、野鳥という観点でかなり注目されるのですが、私が言いたいのは、ふだんいるカラスあるいはスズメ等についても、しっかりと監視するべきではないかということで、よろしくお願いします。 〇岩渕誠委員 まず、県内の再生可能エネルギーの現状についてお伺いいたします。 個別具体の質問に入る前に、先月、国は第7次エネルギー基本計画を策定いたしました。中身については皆さん御承知のとおりだと思います。2040年段階で、現在よりも1.2倍ぐらいの電力量を見込んで、その電源構成については、再生可能エネルギーを最大で半分にするというような非常に大きな目標になっていると思います。 この国の新たなエネルギー計画について、県はどのような所感をお持ちか、まずお尋ねします。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 ただいま岩渕誠委員から御紹介がございました国の新たなエネルギー計画でございます。 先ほどお話しいただいたとおり、再生可能エネルギーを主力電源として最大限活用すること、そして、電源構成も2040年度において、2023年度現在の23%から、4割から5割程度まで引き上げると記載されております。 再生可能エネルギーのさらなる導入は、化石燃料からの燃料転換の促進につながり、事業者において脱炭素経営が促進されるなど、事業者や家庭における温室効果ガス排出削減の取り組みの加速化にも寄与するものと考えております。 〇岩渕誠委員 細かな再生可能エネルギーの電源構成については後で伺います。 これを踏まえて、岩手県では地球温暖化対策実行計画を2023年3月に改訂しておりまして、その中で、再生可能エネルギーの目標を記載していると承知しております。新年度、2025年が一つ中間の年度となっておりまして、これで再生可能エネルギー電力自給率を53.8%、初めて過半を超えるというような目標を設定していると承知しています。 そういう意味におきまして、新年度、本当にそのとおりになるかどうかということですが、現状で、県内の再生可能エネルギー稼働の状況と、もともとの計画がありますから、これについてどれぐらいの差があるのか、そして、この実現は可能なのかどうか、このあたりをお聞かせください。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 現在の県内の再生可能エネルギーの導入量でございますが、令和5年度に新たにグリーンパワー住田遠野風力発電所と安比地熱発電所が稼働したことによりまして、前年の令和4年度から134メガワット増加しております。令和5年度段階で1、967メガワットまで導入が進んでいるところでございます。 第2次岩手県地球温暖化対策実行計画における令和5年度の導入目標は1、966メガワットとなっておりまして、おおむね計画どおりに進んでいると考えております。 〇岩渕誠委員 わかりました。 さて、ここからが国の新しい計画との問題ということになります。この2023年の断面で立てた計画は、第6次の国の計画にある程度呼応していると考えますと、再生可能エネルギーを倍にしていくのだという観点がある。そこに対しての岩手県の貢献がこれからさらにできるのではないかと思っているわけであります。一方で、細かく見ていきますと、総電力消費量が1.2倍にふえるという国全体の方針と違って、県内の電力の自給の見通しは0.3%マイナスで見込んでいるわけです。そうすると、少しそごが出てくるかと心配もしているところがあります。 そうした中で、国は、その上がる分をどうするのだというところで見ると、技術革新とかいろいろなことをやると言っているのです。例えば、サーキュラーエコノミーとかカーボンプライシングとかいろいろなことを言っているのですが、具体になってくるとペロブスカイト太陽電池の普及、そして、最も大きく期待しているのが浮体式洋上風力発電ということになると思います。 そういった中で、岩手県は洋上風力発電については極めて高いポテンシャルを持っているということで開発が進んでいるわけでありますが、これは今後の岩手県の再生可能エネルギー計画の中でどのような位置づけにしてあるのか、そして、どのような支援をしていくことになるのか、このあたりをお聞かせいただきたいと思います。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 ただいま御指摘のございました洋上風力発電施設でございますけれども、現在の岩手県地球温暖化対策実行計画の中で、そちらの導入量につきましては想定されていないところではございます。ですが、国の再生可能エネルギー海域利用法における準備区域と今なっております、久慈市沖の洋上風力発電施設の検討がまさに進められているところでございますので、今後のそれらの動きを私どもも注視していきたいと考えております。 県におきましては、実行計画の中間年が令和7年度となっておりまして、この令和7年度に計画の見直しを予定しております。先ほど申しました洋上風力発電施設、そして、そのほかにもさまざまな再生可能エネルギーの導入計画があるところでもございますので、こうした動きを踏まえながら、実行計画の見直しの中で、今後の再生可能エネルギーの目標値の検討を進めていきたいと思っております。 〇岩渕誠委員 これは大変重要な答弁だったと思います。現在の計画では、2040年に再生可能エネルギー電力自給率を100%にする、そして2050年には135%ぐらいになる計画のはずでありますが、それに洋上風力発電が入っていないということでありますから、どんどんそれを上乗せしていく可能性が出てきたということだと思います。 一方で、これを個別に見ていきますと、国の計画の中では、太陽光を、今大体9.8%のところが最大29%にする、風力は1.1%から最大で8%にする、このあたりが規模的には大きくなってきます。水力もあるのですが、水力はほとんど伸びないという計画の中で、今言った太陽光と風力がどんと伸びる計画になって、これを押さえようとしているのですが、岩手県の状況を見ると、太陽光は上がるけれども、そんなに多くはない。そして、構成比からすると、バイオマスとか風力の割合が非常に大きいということになります。 見直しに当たっては、国の計画には太陽光発電があるのだけれども、やはり県独自で今まで支援してきた電源、それに洋上風力発電を加えた形での計画の見直しという方向性になるのでしょうか。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 洋上風力発電だけに限らず、広く見ていきたいと思っております。 例えば太陽光発電につきましても、設置の場所が限られるところもありますので、委員御指摘のとおり、伸び悩みというところは否めないかとは思っておりますが、ペロブスカイト太陽電池であるとか、さまざまな新技術が開発されてきているところもございます。 そのような中で、どういう電源が岩手県として今後見込めるかというところを、来年度の計画の見直しの中で検討していきたいと思っております。 〇岩渕誠委員 今、具体に出たペロブスカイト太陽電池は、2年後ですか、東京都内に高層ビルを建てて、そこにペロブスカイト太陽電池を入れるようなフラッグシップのようなものが出てきますから、恐らく将来的には、建築の基準の中に入れ込んで何とか達成しようというのが、国の思惑かとは読んでいるのですが。 問題は、今、再生可能エネルギーが岩手県でもまたかなりアクセルが踏まれる段階の中でのGXとの絡みです。これは、今の国の方針でいうと、再生可能エネルギー電源の中で、代表質問でも言いましたけれども、カーボンニュートラルの工業団地をつくっていくとか、製品に対してどういう電力でつくっていくかが今後のGXあるいは世界への貿易の中では非常に重要なポイントになるということを考えれば、まず第一義的に、今、岩手県は大きく再生可能エネルギー―大国とはあえて言いませんけれども、非常に有力な中で、このつくられた電源がどこで使われているのかをきちんと把握する必要があると思います。 これは本来の意味での県内の電力、再生可能エネルギー電力自給率を把握していかないと、岩手県はただただ生産して、その電力をほかにやってしまって、今後の成長のエンジンをとめてしまう可能性があると思います。 私は、県内の電力自給率、再生可能エネルギー電力自給率の把握をしっかりすべきだと思っているのですが、この辺はどうですか。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 ただいま御指摘のございました再生可能エネルギーの地産地消といいますか、県内での自給率でございます。 現在、県では再生可能エネルギーによる電力自給率につきましては、その算定方法を県内の再生可能エネルギー発電電力量と県内で使用されています需要電力量で算出しております。 電気の小売業への参入の全面自由化に伴いまして、消費者が再生可能エネルギーによる電力を供給する事業者を選択できることになった一方で、小売事業者から電力の供給先が公表されていないことなどにより、その状況を把握することは、困難なところとなっております。 ですが、再生可能エネルギーの地産地消は、地域企業の脱炭素経営の促進や災害にも対応できるエネルギー供給体制の構築にもつながるところでございますので、再生可能エネルギー電力が実際に地域で活用されている状況を把握することは重要であると考えております。 今後、有効な把握方法等について研究していきたいと考えております。 〇岩渕誠委員 差し当たって、企業局の発電については行き先がわかるわけですから、これは、まず新年度中に公表して、一つの基準にしていただきたいと思います。 最後に、岩手県のGXのエンジンは再生可能エネルギーだということになると、これを産業部門にどうつけていくか。代表質問でも言いましたけれども、トヨタのLBXは代表的なものですが、とにかく工業団地丸ごとということも今後可能になってくるし、今後は、そういうところでないと来ないというのが産業界の要請だと思います。 改めて、カーボンニュートラルの工業団地の造成については、商工労働観光部サイドときちんと話をして推進すべきだと思いますが、環境生活部長、いかがですか。 〇大畑環境生活部長 地球温暖化対策という視点でのお話であります。いずれ、産業界においても、原料から製造、運搬、そして消費までを見据えて、温室効果ガスを排出しない取り組みは求められてくる、今後、ますますそういう動きが強くなってくるだろうと思っております。 例えば、八幡平市では、昨年、地域新電力を設立して、地域内の地熱発電所から生まれる電力の地産地消に取り組んでおります。その先には、こうしたグリーン電力の供給を一つの企業誘致の武器にしたいという話も聞いたことがございます。 こういった動きが広く県内に展開されて、生産活動とうまく結びついていけばとは思っております。県市町村GX推進会議もございますので、そうした中で市町村ともさまざま議論、意見交換させていただいて、どういう方向性が打ち出せるのか、商工労働観光部も交えて話をしていければと思います。 〇岩渕誠委員 時代、産業界の考え方、優先順位が変わる中で、極めて重要な観点でありますので、私は、あえて語弊のある言い方をしますと、2番ではだめなのです。一番にやらなければいけないのです。ぜひそれはお願いしたいと思います。 次に、鳥獣被害の実態についてお伺いいたします。 私の地域は、イノシシが大変多くて困っております。捕獲状況、新年度の目標についてお伺いいたします。 〇酒井自然保護課総括課長 イノシシの捕獲の状況、来年度の目標でございますけれども、まず、令和5年度の捕獲頭数は、生息域に地域的な偏在が見られるところでございますが、全県で捕獲されているところでございます。前年度比635頭増の1、614頭ということで、実績が初めて1、000頭を超えたところでございます。 次に、来年度の目標でございますが、現在、第3次イノシシ管理計画では、イノシシにつきましては、可能な限り捕獲する方針ということで取り組んでおりますけれども、当初予算案におきましては、国の交付金の状況にもよりますが、現時点で約3、800頭を捕獲する予算を計上しているところでございます。 〇岩渕誠委員 これは国全体で頭数をかなり減らすと―たしか20万頭か、もう少し減らすという感じでしたね―ありましたので、かなりやっていただきたいと思います。 細かく言うと、1、600頭のうち県南広域圏が半分となっています。私の地元地域は350頭ぐらいあるのですが、去年は、稲刈りが終わった田んぼに、国道の脇だったのですが、イノシシが来ていました。びゅんびゅん走るのだけれども、逃げない。私も奥のほうに草刈りに行ったら、6頭ぐらいの群れと15メートルぐらいのところで対峙しましたが、逃げないのです。襲ってこられるかと思って非常に恐怖を感じましたけれども、本当に生活圏に来ているという実態であります。 問題は、その3、800頭をどうやって捕獲するかです。今、猟友会初めいろいろお願いしているわけでありますけれども、では、今とれる人はどれぐらいいるのかというところであります。実態をお示しください。 〇酒井自然保護課総括課長 イノシシの捕獲に係る狩猟免許取得者の状況でございますけれども、狩猟免許につきましては、イノシシに限らず、ほかの鳥獣につきましても、免許を持っていれば捕獲可能でございますが、令和5年度の狩猟免許所持者数は4、339人で、5年前の平成30年度と比較いたしますと1、188人増加したところでございます。 また、狩猟免許所持者に占める40歳未満の割合につきましても16.7%で、近年、少しずつではございますけれども、若手狩猟者も増加傾向にあるところでございます。 〇岩渕誠委員 イノシシとかの猟は、わな猟が多いと思います。ただ、最終的には、どうしても猟銃を使ってやるケースが多いようです。本当は猟銃でいろいろやればいいんですけれども、これはやはり犬が必要なのです。人が行ってイノシシというわけではなくて、犬が何頭かいて、これをやってやるというところが、実は経費的にも手法的にもばかにならないということで、やりたいけれども、なかなかできないということがあるわけです。 新しい試みとして、おととい、一関市で猟友会とドローンの会社が協力して、ドローンを出して熱源を見て、あるいは枯れ木の場合は上から目視してというところで、これは二つ合体して鹿猟をやりました。狩猟で2頭捕獲しております。 ドローンというのはいろいろ使えるのですけれども、そういった新しい技術によって、経済的な負担とかいろいろな負担を軽減して、どうやってとる量をふやしていくかということもぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 〇酒井自然保護課総括課長 いわゆる捕獲に関する新たなICT等の導入でございますけれども、こうした取り組みにつきましては、既に市町村におきましても、国の交付金を使いながら、ドローンを使ったものですとか、あとは、鹿の場合ですと、カメラで、端末をつけて、わなにかかれば通報するといった仕組みの実証とかも行われているところであります。こういった取り組みについては、県におきましても積極的に支援してまいりたいと考えております。 〇岩渕誠委員 今年度の予算でイノシシが何頭いるか、今までは把握不能だと言っていたものの把握に努めて、3月末にその結果が出るそうであります。今後、分析をして、どの地域にどういう個体がいて、どういうところに手を打てばいいのかという分析になると思います。新年度も継続してその予算があると思いますので、引き続き対応いただくようにお願いして、終わります。 〇斉藤信委員 最初に、地球温暖化対策についてお聞きいたします。 岩手県における温暖化の現状をどのように把握しているでしょうか。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 本県の温暖化の現状でございますが、気象庁によりますと、県内の観測地点では、盛岡市の2024年の年平均気温が12.6度となっておりまして、2年連続で観測開始以来最高を記録しているほか、宮古市、大船渡市も、それぞれ2023年に年平均気温が過去最高となっております。 地球温暖化の原因の一つと言われる異常気象の影響により、本県においても、昨年8月の台風の豪雨など甚大な被害を及ぼす極端な気象現象のほか、農作物の品質低下や漁獲量の減少、いそ焼け、野生鳥獣の生息域の変化、熱中症の増加など県民生活への広範な影響が見られています。 地球温暖化対策は喫緊の課題であるという認識のもと、県民、事業者、市町村等と連携し、実行計画に基づく取り組みを進めております。 〇斉藤信委員 温暖化の現状は本当に我々も実感するような状況で、先日、東北大学が発表した三陸沖の海水温の上昇は5度、6度と世界で一番高かったとのことです。魚というのは1度上がっただけで生息できないのです。だから、それだけ本当に異常な状況が岩手県の近況にも出ているということです。 そこで、国際的には2035年度に向けた温室効果ガスの削減目標が新たに提起されました。日本はそれに対応して、2035年度に2013年度比で60%削減という方向を出したのですけれども、これは低いのではないかと批判もされています。しかし、2030年に2013年度比での47%削減から2035年度は2013年度比で約60%削減という目標を出したのですけれども、岩手県が目標設定したときには国の目標より高い、前向きな先進的な目標だった。 県としても目標を見直し、引き上げることが求められているのではないでしょうか。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 温室効果ガス排出削減の目標値についてでございますけれども、先ほど斉藤信委員から御紹介がございましたとおり、令和5年に県の実行計画を改訂した際に、それまで41%削減する目標であったものを、全国的にも高い水準である57%の削減に引き上げております。これは国の2030年の目標を上回るものでございます。 今後の目標の引き上げについてでございますけれども、先月、国において地球温暖化対策計画が改定されまして、先ほど斉藤信委員から御紹介があったとおり、2035年度、2040年度の目標が設定されているところもございます。 こうした動向であったり本県の取り組みの進捗状況を踏まえながら、来年、令和7年度に中間年となりますので、こちらの中で計画の見直しを進めてまいります。そして、目標の引き上げ等につきましても、その中で必要性を検討してまいります。 〇斉藤信委員 私たちが予測していた、世界が予測していた以上に、温暖化の状況、去年などは1.5度Cぐらい上がったのではないかと言われるような状況になっているので、県民レベルで温暖化による現状を共通認識にして、バージョンアップして、あらゆる業界、団体で取り組む必要があるのではないかと思います。 そこで次に、県は、県有施設の温室効果ガス排出量を2013年度比で60%削減という目標を掲げました。県有施設の脱炭素化の取り組みの実績、来年度の方針を示してください。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 県有施設の脱炭素化の取り組みでございますが、今年度につきましては、二戸地区の特別支援学校のZEB化、釜石地区合同庁舎など19施設の照明などのLED化、公用車14台のハイブリッドを含むEV化、県立高校5校への太陽光発電設備導入に向けた設計などに取り組んできたところです。 令和7年度につきましては、本年度着手いたしました二戸地区の特別支援学校のZEB化を継続するとともに、一関地区合同庁舎など59施設の照明などのLED化、公用車7台のEV化、県立高校5校への太陽光発電設備の設置と県立高校など5施設の設計を進める予定としております。 〇斉藤信委員 ぜひ、県が先頭に立って温暖化対策に取り組んでいる姿を示していくことが必要だと思います。 特に、県は事業者向けの支援に取り組んでいます。事業者向けの支援事業の実績について示してください。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 県では、事業者の脱炭素化に向けた取り組み支援といたしまして、省エネ設備や自家消費型太陽光発電設備の導入補助、太陽光発電設備とEVなどをあわせて導入する際の補助のほか、バス事業者などがEVを導入する際の補助を実施しております。 本年度の実績といたしまして、省エネ設備につきましては、28事業者のLED照明や空調設備等の導入に対し支援を行っております。自家消費型の太陽光発電設備につきましては、12事業者、合計1、880キロワットの設備導入に対し支援を行っております。バスのEV化につきましては、2社、計4台の導入に対し支援を行っております。 また、本県のEV環境の整備のため、今年度から取り組んでおります充電インフラ整備につきましては、急速充電器6基の整備に対し支援を行いました。 なお、太陽光発電設備の導入にあわせてEVや蓄電池などを導入する経費に対する補助につきましては、今年度は導入の実現につながらなかったことから、来年度事業に当たっては、周知の強化を進めてまいります。 〇斉藤信委員 市町村は、かなり省エネ設備の補助事業などもやっていますけれども、県は事業者向けで取り組むということで、基本的にはすみ分けだと思いますが、事業者に対する支援を一層強めていただきたい。 各市町村の温室効果ガス排出量の削減目標、脱炭素化の具体的な取り組みはどうなっているでしょうか。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 市町村の削減目標につきましてですが、市町村におきましては、既に18市町村において地球温暖化対策実行計画を策定済みでございます。国の目標でございます46%以上としております市町村は、17市町村となっております。そのうち、県の目標である57%以上の高い目標を掲げている市町村は、軽米町の77%、久慈市の62%、金ケ崎町の59%など5市町となっております。 次に、市町村の脱炭素化の取り組みについてですが、住民や中小事業者に対して省エネ設備導入や再生可能エネルギー導入補助など、それぞれの地域の特性を踏まえた取り組みを進めているところであり、特に、国の脱炭素先行地域として選定されております5市町にあっては、津波被災跡地での果樹栽培と組み合わせた太陽光発電施設の設置や木質バイオマス熱供給施設の導入など、それぞれの地域課題解決に向けて取り組みを進めているところです。 〇斉藤信委員 市町村も取り組んでいるのですけれども、家庭向けの省エネ家電等への補助事業を見ますと、令和5年度は10市町村だったのが、今年度は8市町村になって、これは広がらないと思います。中身を見ますと、8市町村のうち、6市町村はエアコン設置補助です。本当に今はエアコンがないと命にかかわるような夏場の状況になって、一番先駆的にやっていたのは山田町ですが、山田町は、毎年やってもかなりの申請が毎年あるのです。私は、本当にそういう規模で、これは全市町村に広がるように県としても取り組みを進めていただきたい。 県央ブロックごみ処理広域化計画について伺います。 ことし1月22日に、盛岡市等県央ブロックの9市町村が、施設規模、処理目標を見直しましたけれども、どうなったのでしょうか。 〇古澤資源循環推進課総括課長 盛岡広域環境組合における施設整備検討委員会の進捗状況についてということになります。 検討委員会では、施設規模、処理方式、環境保全対策及び余熱利用等について調査審議するために設置され、斉藤信委員御紹介のとおり、ことし1月に委員会が開催され、施設整備基本計画の素案について協議し、施設規模の変更などについて議論されたということで、結果的に、施設規模につきましても438トンから378トンに縮小ということで協議されていると認識しております。 〇斉藤信委員 438トンから、今度は378トンに縮小、減量したのですけれども、その理由は何ですか。 〇古澤資源循環推進課総括課長 今後のごみの減少傾向、それから、災害廃棄物の処理量についてもその能力には入れないというようなところを検討した結果、その規模になったということで承知しております。 〇斉藤信委員 正確に言うと、いわば焼却場を整備する付近の環境負荷の低減、もう一つはカーボンニュートラルにどう貢献するか、三つ目は財政の理由です。 私は、環境負荷と言うのだったら、盛岡南インターチェンジの近く―学校もある、住宅もある、商店街もある交通の要衝に、こんな大規模な焼却施設をつくるべきではないと思います。 そして、この三つの理由というのは、財政問題が一番大きかったような気がしますけれども、本当のごみを減量するという目標、計画がないのです。私が決算特別委員会でお聞きしたときに、大変大事な答弁が古澤資源循環推進課総括課長からありました。国の考え方も、ごみ処理施設の整備に当たっては、プラスチックの再資源化への対応、温室効果ガスの排出削減を求めている。いわば国として、プラスチックの再資源化、温室効果ガスの排出削減を求めているということです。 ところが、そういう目標が盛岡広域環境組合にはないのです。人口減少程度の削減目標にしかなっていない。私は、こういう計画でいいのかと思います。プラスチック資源循環促進法―プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律もできた。そして、盛岡広域でいけば4割ぐらいが生ごみだと言われている。プラスチック、紙類は2割だと言われている。ここに本格的に取り組んだら3割、4割ぐらいのごみ量を減らせると思うけれども、プラスチックの再資源化はどのように検討されているのでしょうか。 〇古澤資源循環推進課総括課長 まず、盛岡広域環境組合の地域計画における目標値ということで、総資源化量を令和10年度で2万8、417トンという目標を設定しておりますし、リサイクル率ということであれば、18.9%まで上昇させるという計画になっております。 また、先ほど斉藤信委員から御紹介ありましたとおり、国におきましても、プラスチック資源循環促進法に基づくプラスチック類の分別収集、資源化につきましては、要請されていることでございますので、これについての具体的な取り組みで言うと、令和5年2月に構成市町により締結した県央ブロックごみ処理広域化の推進に関する協定の中で、プラスチック類の分別収集、資源化につきましては、令和14年度までに関係市町の全域で実施すると書かれておりますので、それに基づき各整備運営主体、市町村であるとか組合になるわけですけれども、具体化していくことになるものと認識しております。 〇斉藤信委員 地球温暖化対策にもなりますので、ぜひ思い切ったごみの減量、それを踏まえた施設の整備、これは場所も含めて根本的に検討すべきだと思います。 半導体企業におけるPFOS―ペルフルオロオクタンスルホン酸による汚染の問題について伺います。 実は、四日市市のキオクシア株式会社の工場の排水口から国の暫定指針値の2.6倍ものPFOSが検出されたと大問題になっております。半導体企業はPFOSを使っていますので、私は、しっかりした調査、検査をやるべきだと思いますけれども、いかがですか。 〇加藤環境担当技監心得兼環境保全課総括課長 PFOS、PFOA―ペルフルオロオクタン酸の関係でございますけれども、斉藤信委員御指摘のとおり、主たる用途の一つに半導体が挙げられております。エッチング剤ですとかレジスト、反射防止剤などさまざまな物に使われていると認識しております。 PFOS、PFOAにつきましては、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づきまして、PFOSは平成22年、PFOAにつきましては令和3年に製造、輸入等が原則禁止されておりまして、代替物質への転換が進みつつあるものと考えております。 なお、PFOS、PFOAにつきましては、現状では水質汚濁防止法の規制対象物質にはなっておりませんので、公害担当といたしましては、個々の工場、事業場における使用状況や排水状況は把握していない状況でございます。環境省で設置されている専門家会議の議論を注視するとともに、私どもといたしましては、公共用水域、河川等のモニタリングを工場の周辺とかでもやっておりますので、そういったモニタリング調査を通じまして、県内の状況把握について努めてまいりたいと考えております。 〇斉藤信委員 排水口で検査をしたところ、PFOAとPFOSの合算値で1リットル当たり125.93ナノグラムを検出したということで、国会でも取り上げたケースがあります。社会問題にもなっていますので、きちんとした検査をやる必要があるのではないかと思いますが、一言だけ答えてください。 〇加藤環境担当技監心得兼環境保全課総括課長 先ほど申しましたとおり、PFOS、PFOAはまだ規制物質にはなっていない状況でございます。一方、周辺部で公共水域、河川等の調査は実施しております。これが指針値を超えているということになった場合には、さかのぼりの調査をするとか、いろいろ追加の調査をして、利水に問題がないようにしっかり取り組みたいと考えております。 〇小林正信委員 女性デジタル人材の育成プロジェクトについて、これまでも議論がありましたけれども、120名の応募があるなど人数はある事業であり、これを50名に受講者をふやすということでした。 私も以前、山口県の事例を取り上げましたけれども、山口県では、県、大学、企業、団体が一丸となって女性デジタル人材の育成を促進するコンソーシアムを設立して、講座の提供からインターンシップの受け入れ調整、就業まで一貫して支援を行い、令和5年度は24名がデジタル人材として就業したとのことです。 就労支援マッチングも含めて、企業を初めさまざまな主体が参画する山口県のようなコンソーシアムの設置など、プロジェクトのさらなる充実を図るべきと考えますけれども、御所見をお伺いします。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 いわて女性デジタル人材育成プロジェクトでございますが、先ほど来、御答弁させていただいておりますとおり、デジタルスキルの習得から就業マッチングまでを一貫して行うという趣旨から、受託業者に一括で委託するような形で取り組みを進めてきたところでございます。 小林正信委員から御指摘のありましたような企業とまさに連携した取り組みも大切だと思っておりますので、次年度の事業を進める中で、そういった部分についても検討させていただければと考えております。 〇小林正信委員 この参画する主体をどんどんふやしていただきたいと思う次第でございます。 これまで、女性の活躍推進には女性の声を聞くべきとの意見がこの委員会でも出ておりますけれども、取り組みの状況についてお伺いします。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 県ではこれまで、男女が共に支える社会に関する意識調査を実施し、家庭や職場、地域社会等における男女の地位の平等感や女性の意見が反映されているか等についてアンケート調査を行っているほか、岩手県男女共同参画センターやいわて女性のスペース・ミモザの相談対応を通じて、悩みや困難を抱える女性からの声も伺っているところでございます。 また、いわて女性の活躍促進連携会議の各部会におきまして、各分野で活躍する女性や、高校生、大学生との意見交換等を行っているほか、県政懇談会、いわてネクストジェネレーションフォーラム、いわて若者カフェなどの場を活用し、若者、女性からの提案や意見等を直接伺っているところであり、今後も、このような機会を広く活用しながら、若者、女性の声を関係機関や団体等と共有するほか、さまざまな施策の立案等に生かしていく考えでございます。 〇小林正信委員 お話を伺うと、やはり会議とか懇談会、提言等で若者、女性の声を聞いているということですけれども、今後しっかりとした政策をつくるためには、十分なデータが必要なのではないかと。さらに多くの女性に特化した声を伺うべきではないかと考えます。 予算や担当をしっかりつけて、女性の意見をデータとして集める必要があるかと思いますが、女性の声を聞く取り組みの今後について、お考えがあればお伺いしたいと思います。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 先ほど答弁させていただきました男女が共に支える社会に関する意識調査につきましては、3年に1度ではございますが、女性等からいただいたさまざまな御意見等について分析をして、その結果を今後の施策に反映していくこととしておりますので、こういった調査を活用しながら進めていきたいと考えております。 〇小林正信委員 わかりました。総括質疑で女性活躍のタスクフォースについて取り上げましたけれども、人口問題対策会議の下のワーキンググループ、また、関連する部局横断の体制の充実を図るとのことでしたので、期待したいと思います。 今後、女性に選ばれる岩手県を目指すには、ジェンダーギャップの解消はもとより、雇用、就業支援、困難を抱える女性の支援、女性の健康に係る支援など、総合的な女性支援を進め、発信していく必要性があると考えます。 先ほど紹介したように、山口県は、子育て中の未就業女性と子育て中の女性に理解ある企業とのマッチングを行ったり、子育て出勤のための環境整備、あるいは女性が働きやすい職場環境の整備に対して補助金を出すとか、結構具体的な取り組みを行っています。 ワーキンググループの充実あるいは部局横断体制の充実を図って、もう少し具体的な成果に結びつく事業、政策を検討し、総合的な女性政策を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いします。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 いわて女性の活躍促進連携会議でございますが、防災ですとか子育て支援、就業促進、農林水産、建設など多様な分野の関係部局や関係団体等が連携し、全庁的な取り組みを進めてきたところでございます。 また、人口問題対策本部会議での議論等も踏まえまして、来年度の当初予算案等を検討したところでございます。 引き続き、全庁的、全県的な枠組みを活用しながら、関係部局はもとより、関係機関、団体等との連携を強化し、性別にかかわらず、一人一人が生き生きと活躍できる社会の実現に向けて取り組んでまいります。 〇小林正信委員 ワーキンググループも個々でしっかり充実していただいて、開催頻度を上げるとかしていただいて、常に女性活躍推進の取り組みについて目配りをしていただきたいと思います。 次に、若者に対する支援について、岩手県子ども・若者自立支援ネットワーク会議の開催状況と内容についてお伺いしたいと思います。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 子ども・若者自立支援ネットワーク会議の開催状況についてでございます。 この会議は、社会生活を円滑に営む上での困難を有する子供、若者に対し、教育、保健福祉、雇用など関連する分野の関係機関が連携した支援を行うため、関係機関の連絡調整や情報共有、人材育成などを行っているものでございます。 今年度は、ことし1月に会議を開催いたしまして、県や各関係機関の取り組み状況、課題認識などについて共有を行ったほか、関連した取り組みについて、社会生活に困難を有する子供、若者支援をテーマとしたセミナーや支援機関の相談員向けの研修会を開催し、関係機関が連携した若者支援の充実を図ったところでございます。 〇小林正信委員 ネットワーク会議でもさまざま議論があったことと思いますが、そうした中で、青少年悩み相談は、令和4年は1、136件、令和5年は922件ということで、目標値の460件を大きく超えている状況です。 また、中学校、高校の不登校は過去最高で、令和5年は中学校1、616人、高校593人と、特に高校は、不登校になった後の支援が十分ではないと認識しております。 10代後半から20代の若者世代の支援について、ネットワーク会議の議論も通して、今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 今後の取り組みについてでございますが、会議の中では、今後の課題といたしまして、家庭環境や障がいなど複合的な課題を抱える若者が少なくなく、対応に当たり関係機関の連携が必要であること、スタッフにも多様な対応能力が求められていること、各種相談機関について県民への周知が必要といったことが挙げられたところでございます。 そのため、若者が相談しやすい体制づくりに向け、若者の悩みに応じた各種相談窓口を取りまとめ、主に中高生などに向けて周知、広報を行っていくこととしております。 また、発達障がいやヤングケアラーなど若者の社会的自立に関連する問題について、関係機関の相談員の能力向上が図られるよう研修の機会を設けていきたいと考えております。 〇小林正信委員 若者支援と一くくりになって環境生活部が担当されているのですけれども、いわてネクストジェネレーションフォーラムやいわてわかすフェスとかいわて若者カフェとか、若者の活躍を後押しする取り組みと不登校やひきこもり、ニート、就労支援など困難を抱える若者支援は、立て分けて考えなければならないかと考えております。 岩手県は、若者の活躍支援は、いわて若者カフェとかを進めているけれども、困難を抱える若者に対する支援は、状況が深刻化する中にあって、なかなか充実してきていないと私は感じているところです。 自立支援ネットワーク会議はすごく充実してやっていただいているのですけれども、もっと会議の開催頻度を上げるとか、さらに充実させていただくとか、そこに集まる部局の皆さんの連携もしっかり深めていただく、そういったところを進めていただいて、若者の自立支援の政策を進めていただきたいと考えますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。 〇藤井青少年・男女共同参画課長 若者に選ばれる岩手であるためには、積極的に活動する若者を後押しするだけではなく、悩みや困難を抱えている若者にしっかり寄り添うことが必要であると考えております。 そのため、若者支援に向けましては、引き続き、子ども・若者自立支援ネットワーク会議の場を活用するとともに、女性活躍支援と同様に、全庁的な枠組みである人口問題対策本部会議においても議論を行うなど、各部局横断でしっかり相談しながら、支援の充実に取り組んでいきたいと考えております。 〇小林正信委員 わかりました。ありがとうございます。 第2次岩手県地球温暖化対策実行計画では、多様な手法による対策の推進として、ブルーカーボンの推進を挙げています。現在の取り組み状況についてお伺いします。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 ブルーカーボンの現在の取り組みでございますが、県内では、釜石市で養殖ワカメや昆布を活用した釜石版ブルーカーボンオフセットの促進を図っているほか、洋野町では、ウニの増殖溝を活用した藻場の創出、保全活動でJブルークレジットの認証を、普代村では、養殖ワカメと昆布が横浜市のブルーカーボンオフセット認証を受けるなど、各地域でその取り組みが広がりを見せております。 また、県も共同提案者である釜石市の脱炭素先行地域の取り組みでも、鉄鋼スラグを活用した藻場再生により、ブルーカーボンを創出する計画を進めていくこととしております。 昨年4月に国が国連に提出した温室効果ガス排出・吸収量において、ブルーカーボン生態系の一つである海草藻場、海藻藻場による吸収量を初めて盛り込んだことなどを踏まえて、県では今年度、漁業関係団体とブルーカーボンについて意見交換を行っているところであり、継続して情報交換などを行い、その普及を図っていくこととしています。 〇小林正信委員 脱炭素社会調査特別委員会でジャパンブルーエコノミー技術研究組合の桑江理事長に来ていただいて、いろいろお話を伺ったのですけれども、周知、啓発、さらにブルーカーボンを知ってもらうことが大事なのだということを、私は結論として受けとめました。 県としてもさらなる周知、啓発の取り組みをお願いしたいと思いますし、以前、岩手県として、ブルーカーボンの推進のための協議体をつくるべきとの質問に対し、漁業者団体にも聞いてみるとの答弁がありましたけれども、この推進協議体設置のお考えについてお伺いしたいと思います。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 まず、周知、啓発でございますけれども、温暖化防止いわて県民会議という県内の101の全県的な団体、機関で構成しております会議の総会におきまして、学識経験者からブルーカーボンに関する国内の状況も含めた講演を行っていただいたなど、周知、啓発も進めてまいっているところでございます。 また、ただいま小林正信委員から御提案ございました協議体の設置につきましては、北海道や宮城県などで進めておられると承知しておりますが、県内の取り組みにつきましては、既に取り組んでいる団体や漁業関係団体との意見交換を進めながら、検討を進めていきたいと思っております。 〇小林正信委員 協議体ができれば少し盛り上がってくるかと思いますので、そのあたりも着実にやっていただければと思います。 続きまして、水素の利活用について伺います。 令和7年度の具体的な取り組みについてお伺いしたいと思います。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 再生可能エネルギーを用いて水素を製造する、いわゆるグリーン水素を将来的に県内で製造し活用していくことを見据え、今年度は、水素製造にも活用することができる再エネ電力量の調査を実施してきたところです。 令和7年度においては、この調査結果を踏まえて、県内で製造し利用するモデルの構築を行うこととし、それらの経費を令和7年度岩手県一般会計予算案に計上しています。 また、物流分野の脱炭素化に向け、運送事業の関係団体やガス事業者を初めとした県内企業、大学、市町村などが参画する水素ステーション等研究会との意見交換を継続するとともに、水素利活用の取り組みを広く普及する理解促進セミナーを開催するなど、事業者や県民の機運醸成に向けて取り組みを進めてまいります。 〇小林正信委員 県としては、水素ステーションを何とか設置したいということでずっとやっていらっしゃる、そういった課題もある中で、水素ステーションの設置についてのさまざまな取り組みも令和7年度進めていかれるということでした。そうした課題も含めて、今後の取り組みについてお考えをお伺いしたいと思います。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 水素につきましては、例えば高温熱での製品製造など、電化による脱炭素化が難しい分野での活用が期待されており、将来的な脱炭素社会に欠かせない有効な選択肢の一つと考えています。 国では、令和6年に施行された水素社会推進法―脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律において、水素を供給、利用する計画を認定する制度を創設するなど、水素の普及に向けた取り組みを加速化させているところです。 県におきましても、いわて県民計画(2019〜2028)に水素利活用推進プロジェクトを掲げ、再生可能エネルギー由来の水素の利活用などを推進していくこととしており、国の動向も注視しつつ、特に産業部門や運輸部門における化石燃料からの燃料転換に向けて、水素に関する理解促進や機運醸成に取り組んでいきたいと考えております。 〇小林正信委員 水素バスとか、そういったものも結構取り入れている自治体もあるようですので、そうしたものも注視しながらやっていただければと思います。 最後に、総括質疑でもお伺いしましたグリーントランスフォーメーションの推進で、ペロブスカイト太陽電池について、県内に工場を有する企業でも生産体制に向けた動きがあるとの答弁がございました。 視察させていただいた福岡市においても、生産する企業との連携が十分行われていて、活用が非常に進んでいるというところをお伺いしました。 佐々木副知事も、ペロブスカイト太陽電池を初め、新技術を活用した再生可能エネルギーの積極的な導入に取り組むという答弁がございました。県内に工場を有する企業、こちらはI-SEP―いわて半導体関連企業集積促進協議会の会員でもあるようですけれども、こういった企業と連携を深めていくとか、県内、県外を含めてこういった企業との連携も含めて充実させていただきたいと考えますが、県の御所見をお伺いして、終わりたいと思います。 〇千田特命参事兼グリーン社会推進課長 ただいま小林正信委員から御紹介ありましたとおり、県内でも、一関市内で液晶ガラス基板加工などを手がける工場におきまして、ペロブスカイト太陽電池の生産に乗り出すといった報道もあったところでございます。 また、国内企業でも、昨年12月に積水化学工業株式会社が、早期の供給体制構築の実現に向けて、2027年に100メガワットの製造ラインの稼働を目指して設備投資を行うと、プレスリリースを行ったとも承知しております。 このように、国の第7次エネルギー基本計画に位置づける次世代太陽電池の早期社会実装に向けて、民間企業の動きが活発になっているものと考えております。 県といたしましては、ペロブスカイト太陽電池は、今後の再生可能エネルギーの導入拡大につながると期待されることから、積極的な導入に向けて、県内外の企業の動向を把握しながら、企業との連携可能性を考えていきたいと思っております。 〇菅野ひろのり委員長 ほかに質疑はありませんか。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕 〇菅野ひろのり委員長 質疑がないようでありますので、これで環境生活部関係の質疑を終わります。 環境生活部の皆さんは御苦労さまでした。 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれをもって散会いたします。 午後5時46分 散 会 |
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