平成16年2月定例会 第6回岩手県議会定例会 会議録

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〇25番(阿部富雄君) 議案第28号平成15年度岩手県一般会計補正予算(第6号)について、農林水産委員長にお聞きします。
 本案は、いわて森のトレー生産協同組合が補助目的を達成していなかったり、補助金の交付に違背している事案について、林野庁から補助金の返還を求められていることに対し、国庫補助金返還に要する経費を補正しようとするものです。
 報告では、本事案に係る責任の所在については、各般にわたり、詳細に審査を行い、鋭意その解明に努めた。その結果、意見を付し可決したとのことですが、意見は、当該事案については責任の所在を明確にするとともにとあり、いまだ十分な解明がなされず、執行部に解明をゆだねるように受けとめられるところです。鋭意その解明に努めたとしていますので、具体の審議過程及びその結果についてお聞きします。
 知事は、本議会の予算委員会の総括質疑で次のように答弁しています。県の責任ということもあるわけでございますので、そうした責任、こうした事態に至ったその職員の責任も明らかにしなければならないと思いますし、それから二度とこうしたことが発生しないような徹底した改善策もはっきりとした形でとるということでございますので、こういう県の今置かれております立場をぜひとも県議会の議員の皆様方、そして県民の皆様方にもぜひ御理解をいただきたいとしています。
 県の責任、職員の責任について、県からどのような内容が示されたのか、また、どのような議論がなされたのか。また、再発防止のための改善策について、県からどのようなことが示され、どういう議論がなされたのか、お聞きします。

〇農林水産委員長(阿部敏雄君) ただいまの阿部富雄議員のお尋ねの件でありますが、先ほど委員長報告で申し上げたとおり、当該議案の審査に当たりましては、責任の所在及び改善策も含め各般にわたり、慎重に審査を行いました。
 総務委員会との7回の連合審査会を通じ、事案の発生原因は、事業計画の策定から事業の完了確認調査、さらに会計検査院による指摘後の県の対応まで各段階にわたり審査するとともに、県の責任、職員の責任につきましては、特にも現場で直接かかわった若い職員に責任を負わせることなく、指導監督した上司、県幹部の責任についても公正に調査、処置すべきであるなどの意見が出され、活発な議論が交わされたところであります。
 改善策を含め今後の対応につきましては、当該事案を教訓に、事業計画策定の段階から厳密な審査、十分な検討を行うことや、完成後の完了確認の徹底、事業成果の確認体制の強化などの対応策が当局から示されたところでありますが、二度とかかる事態を招くことがないよう、完了確認検査の改善、国及び市町村との連携の強化などについても議論が交わされたところであります。
 また、先般の連合審査会において、知事の県の最高責任者として、現時点がスタートであり、今後の対応については、みずからの責任において全力で取り組みたいと発言したことを重く受けとめ、先ほど御報告いたしましたとおり、今後の調査及び改善策の実施について万全を期されるよう意見を付し、全会一致により決定したところであります。
 以上です。

〇25番(阿部富雄君) 県の責任、職員の責任についての答弁中、一般の職員については責任が及ばないようにというような話の答弁でありましたけれども、そこでお伺いしますが、県の責任というのは、私は知事の責任ということになるだろうと思います。政治的責任は免れない、このように思っているわけであります。知事の責任については、一般的には、知事が弁済する、あるいは引責辞任する、こういうことなどが責任のとり方であろうと思いますし、先ほど職員の責任については、一般職員に及ぶことのないようにということでありますから、当然代決専決規程によって専決事項でやっておりました担当者といいますか、具体的に申し上げれば当時の農林水産部長になろうと思いますけれども、こういう方々が責任をとる。そのとり方については、損害賠償を命ずる、あるいは懲戒免職などの懲戒処分ということになるだろうと思います。
 こうした具体の責任が明らかにされないまま本議案を可決するということは、県民の理解が得られないことではないかと思います。
 県からこうした具体の責任が明らかにされなかったのでしょうか。また、委員から責任の所在を明確化し、具体の責任のとり方を求める議論がなされなかったのか、お聞きいたします。

〇農林水産委員長(阿部敏雄君) ただいまお答えしたとおりでありますが、責任の所在を明確にすべく、長期間にわたり、これまで多くの議論を交わし、慎重に審査いたしました。
 県の責任、職員の責任につきましては、特にも現場で直接かかわった若い職員に責任を負わせることなく、指導監督した上司、県幹部の責任についても公正に調査、処置すべきであるなどの意見が出され、活発な議論が交わされたところであります。
 また、知事から、事案発生の原因については、主に事業計画の策定等の問題と会計検査院指摘後の県の対応の問題であると考えられるが、さらに詳細に調査を進めたい。最高責任者として、現時点がスタートであり、今後の対応については、みずからの責任において全力で取り組みたいとの発言を重く受けとめ、先ほど報告いたしましたとおり、全会一致で決定したところであります。
 以上です。

〇議長(藤原良信君) 以上で通告による質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。
   〔26番斉藤信君登壇〕


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