令和6年9月定例会 決算特別委員会会議記録

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令和6年10月16日(水)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 昆 野 岳 晴
議事管理担当課長 佐 藤 博 晃
主任主査 柴 田   信
主任主査 及 川 雄 也
主査 高 橋 宗 子
主査 堀 合 俊 彦
主査 佐々木 賢一郎
主査 三 浦 訓 史
1説明員
ふるさと振興部長 村 上 宏 治
理事兼副部長兼
ふるさと振興企画室長兼県北・沿岸
振興室長 松 本   淳
地域振興室長 熱 海 淑 子
国際室長 畠 山 英 司
交通政策室長 渡 辺 謙 一
科学・情報
政策室長 小笠原   徳
ふるさと振興
企画室企画課長 兼 平 龍太朗
市町村課総括課長 佐 藤 義 房
学事振興課
総括課長 安 齊 和 男
調査統計課
総括課長 金 森 一 恵
地域企画監 千 葉 敬 仁
地域振興課長 八 巻   渉
県北振興課長 佐 藤 光 勇
沿岸振興課長 森   英 介
地方路線対策監 中 嶋 英 俊
特命参事兼
地域交通課長 山 田 智 幸
科学技術課長 阿 部   茂
デジタル推進課長 舘 本 真 一

ILC推進局長 箱 石 知 義
副局長兼事業
推進課総括課長 中 村 佳 和
企画総務課
総括課長 松 本   淳
企画総務課
企画課長 兼 平 龍太朗
企画総務課
管理課長 石 川 一 行
計画調査課長 小 國 昌 光

会計管理者兼
出納局長 滝 山 秀 樹
副局長兼総務課
総括課長 高 橋 久 代
特命参事兼
入札課長 千 葉 三 男
会計課総括課長兼会計指導監 今 雪 博 貴
特命参事兼
審査課長 佐 藤 卓 也

人事委員会
事務局長 菅 原 健 司
職員課総括課長 品 川 孝 文

監査委員 五 味 克 仁
監査委員 中 野 玲 子
監査委員事務局長 佐々木 真 一
参事兼監査第一課
総括課長 及 川 博 英
監査第二課
総括課長 長谷川 英 治

警察本部長 増 田 武 志
警務部長 天 野 真 弓
生活安全部長 藤 林 隆 博
刑事部長 金田一 正 人
交通部長 吉 田 知 明
警備部長 金 崎 将 樹
警務部参事官兼
首席監察官 加 藤 秀 昭
警務部参事官兼
警務課長 前 川   剛
警務部参事兼
会計課長 菅 原   隆
生活安全部
参事官兼生活
安全企画課長 永 澤 幸 雄
刑事部参事官兼
刑事企画課長 岩 渕 克 彦
交通部参事官兼
交通企画課長 及 川   聰
交通部参事官兼
交通規制課長 三島木 達 也
警備部参事官兼
公安課長 高 橋   淳
総務課長 向川原   学

財政課総括課長 佐 藤 直 樹
〇福井せいじ委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、議案第28号及び議案第29号の以上17件を一括議題といたします。
 本日は、ふるさと振興部、ILC推進局、出納局、人事委員会、監査委員及び警察本部関係について、延べ20人の質疑を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたしました。
 なお、関連質疑については、目安時間を10分とすること、同一部局は、審査において、質疑と関連質疑を行う場合は、その日の質疑の目安時間の範囲内とすることにしておりますので、あらかじめ御了承願います。
 また、これまでと同様に、換気のため休憩いたしますので、御協力をお願いいたします。
 初めに、ふるさと振興部長にふるさと振興部関係の説明を求めます。
〇村上ふるさと振興部長 それでは、令和5年度のふるさと振興部関係の決算について御説明申し上げます。
 初めに、ふるさと振興部が所管する事務事業の総括的な取り組みと今後の取り組み方針につきまして御説明申し上げます。
 当部では、東日本大震災津波からの復興への取り組みを着実に実施するとともに、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランに掲げる四つの重点事項のもと、ふるさと振興や社会基盤整備など、県民の幸福度向上を図る10の政策分野に基づく施策を推進してまいりました。
 三陸地域や北いわてを初めとする新しい時代を切り拓くプロジェクトの関連事業のほか、岩手県DX推進計画に基づき、あらゆる分野におけるDXの推進や関係人口の創出、拡大を図る取り組みを積極的に推進してまいりました。
 また、物価高への対応として、燃料費高騰の影響を緩和するため、公共交通事業者に対する公共交通の安全で安定した運行の維持の支援等を行ったほか、私立学校の光熱費に対し、原油価格や物価高騰の影響による価格上昇に伴うかかり増し経費の一部補助等を実施してまいりました。
 今後におきましても、引き続き、政策評価制度に基づく各施策の成果や課題の検証を行い、その結果を新規施策の展開や既存施策の見直し等に適切に反映させていくなど、より効果的な政策の推進に努めてまいります。
 続きまして、決算の概要につきまして御説明申し上げます。
 お手元の令和5年度歳入歳出決算書の18ページをお願いいたします。
 ふるさと振興部関係の決算につきましては、2款総務費のうち、1項総務管理費の一部、2項企画費、4項地域振興費の一部、5項選挙費及び7項統計調査費、それから、20ページにお進みいただきまして、10款教育費のうち、1項教育総務費の一部、22ページにお進みいただきまして、8項大学費、9項私立学校費、11款災害復旧費のうち、5項鉄道施設災害復旧費でございます。
 これらの支出済総額は187億9、459万円余でございまして、翌年度への繰越額は1億3、328万円余、不用額は3億1、102万円余となっております。
 決算の内容につきましては、令和5年度歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので,御了承をお願いいたします。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇福井せいじ委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも、簡潔明瞭に行い、議事の進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇郷右近浩委員 早速ですが、私からは、外国人が安心して生活できる環境づくりとして、お伺いしたいと思います。
 この間、ニューヨークタイムズ紙に取り上げられてから、観光で岩手県を訪れる方々、外国の方々が多く見られるようになってまいりました。また、それ以外にも、世界的な企業を含めた、いろいろな形での社会活動の中で、岩手県で暮らす外国人の方々も非常にふえてきたと、今は実感しているところであります。
 そうした中で、これから、この岩手県でも人口減少に対応していく中で、企業の人手不足対応も含めて、外国人が安心して生活できる環境をさらに整備して、岩手県の魅力をさらに高めていく。岩手県はいいところだということが口コミでも広がっていくような、多様な環境をさらにつくっていくことが、私は必要だと感じているわけであります。
 そこで、県内の在留外国人の人数、最近の動向についてお知らせいただければと思います。
〇畠山国際室長 県内の在留外国人数についてでございますが、直近における国の在留外国人統計によれば、令和5年12月末現在、本県には1万173人の外国人県民が居住しております。
 令和2年以降の新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込みがございましたが、傾向としては、総じて増加基調にあります。特に、行動制限が緩和された令和4年及び令和5年の伸びが大きくなっております。
〇郷右近浩委員 その中で、県内の在留外国人1万173人の方々ですけれども、さまざまな国であったり、地域からいらっしゃっている方々だと思います。その方々の国籍であったり、在留資格等の構成等はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
〇畠山国際室長 県内の在留外国人の国籍及び在留資格の構成についてでございますが、令和5年12月末現在の本県の在留外国人を国籍別に見ますと、ベトナムの26.2%、数にして2、663人でございます。これが最も多く、次いで中国の15.2%、フィリピンの14.8%、韓国・朝鮮の7.3%の順となっております。
 経年比較いたしますと、近年では、中国や韓国・朝鮮の構成割合が減少し、ミャンマーやインドネシアの割合が大きく増加するなど、国籍も多様化しております。
 また、在留資格別では、技能実習が34.0%、永住者が24%、特定技能15.4%、留学が5.9%の順になっております。
 全国と比較いたしまして、本県は、技能実習及び特定技能の占める割合が高くなっております。
〇郷右近浩委員 盛岡市は、特に観光とかでも、かなりいろいろ外国の方々がいらっしゃっていると感じるのですけれども、私の住んでいる地域の奥州市などでは、どちらかというと今おっしゃったような技能実習であったり、特定技能などの形で働きに来ているという方々がかなり多い。例えば土曜日や、日曜日の休みのときには、アルコールは飲んでないみたいですけれども、近くの公園等で、カラオケではないけれども、いろいろな音を流しながら、パーティーを開いていたりといったような、そうした中で過ごされている方々も結構多いということを、今、常に感じるようになっております。
 そうした中で、その在留外国人の方々が安心して地域で暮らしていくためには、病気であったり、けがなどの際に、医療機関を安心して受診できるような体制をしっかりとつくっていくことが、私は必要だと思っています。
 その中で、奥州市においては、これは医療からというよりも、ILC―国際リニアコライダーの誘致活動において、奥州市国際交流協会が、医療通訳ボランティアによる医療機関への派遣に取り組んでいます。
 ただ、奥州市で取り組んでいたことが、実は、最近では、国外から来た方々、外国人の方々の口コミでその医療通訳ボランティアをぜひ私たちも使わせてほしいと広がっています。例えば、県立中央病院に通う方が、ぜひ医療通訳ボランティアを派遣してくださいといったような形のニーズがふえてきているということです。
 これ自体はいいことだと思うのです。ただ、医療通訳ボランティアというものが、どうしても有償であったりする場合に、どうしたものかという部分等があり、今、奥州市では、その部分も、単価の上限をつくりながら、いろいろやっています。これが奥州市の問題だけではないとすると、私はさらにこれを広げていく中で県全体として、しっかり取り組んでいくほうが、外国人の方々が安心して生活できる都市、まち、県だという形をつくり上げていくことにつながっていくと思うのですけれども、その件について、県のこれまでの見解をお伺いできればと思います。
〇畠山国際室長 外国人県民が安心して生活できる環境の整備についてのお尋ねでございますが、郷右近浩委員御指摘のとおり、奥州市国際交流協会におきましては、増加している外国人への対応として、奥州市のみならず市外にも医療通訳ボランティアを派遣するなど、外国人の円滑な医療機関の受診への支援をいただいているものと承知しております。
 医療通訳ボランティアにつきましては、人材の確保、専門性の担保、訴訟への対応など、解決すべき課題があると考えておりますが、外国人が安心して医療機関を受診できる環境の整備などを含む、外国人にも暮らしやすい環境づくりは、県としても重要な課題だと認識しております。
 現在策定中の岩手県多文化共生推進プランにおきましても、医療スタッフ等の育成や、ICTを活用した受診支援といった取り組みについても、盛り込むことを検討しているところでございます。
 今後、外国人県民の一層の増加を見据え、外国人材に選ばれる岩手県という視点のもと、関係部局等とも連携しながら、災害時や病気などの際の対応などの充実を初めとする、外国人県民が安心して生活することができる環境の整備に向け、検討を行ってまいります。
〇郷右近浩委員 ぜひ盛り込んで、これからさらに進められるような形にしていただきたいと思うわけでありますけれども、片や、現在、例えば通訳に関しては、自動翻訳機とか、さらにはAI通訳機などという形のものまで出て、医療現場でそうしたものが使われてきていることも承知しております。
 ただ、外国人といいますか、それぞれの国から来ていただいている方には、宗教であったり、文化であったり、風習であったり、そうしたものが違う方々が、例えば肌を見せるのがどうだとか、診察のときにさわられるのがどうだとかも含めて、いろいろある中で、機械で言葉だけ通じればいいというのと、違うニュアンスがあり、ニーズがあるということで、この医療通訳ボランティアにいろいろな申し込みがあったり、話があるという状況であると思っております。
 ですので、これまでも、確かに県南広域振興局の皆様にもいろいろ御相談に乗っていただいたりしながら、お力をいただきながら進めてきたということですし、さらには、県でも、岩手県国際交流協会に、その実績はともかくとして、例えば通訳ボランティアのセミナーを開いたりという形で動き出してきていただいているのはわかります。ただ、これは、例えば盛岡市が全部コントロールしなければいけないという話でもないでしょうし、現在、やっていて、成果が上がっている部分、例えばそれをベースにして伸ばしていくとか、全部できているところから動かしていくことも含めて、前にさらに進めていただければと思いますが、その点も含めて、御所見をいただきたいと思います。
〇畠山国際室長 今、郷右近浩委員から指摘ありましたとおり、奥州市での取り組みは、確かにそういったマンパワーでなければ解決できないといった細かいニーズのところもあろうかと思います。先ほど申しましたように、非常に国籍の多様化という部分も進んでおりますので、ある程度翻訳の端末であるとかそういったものも、現場ではもちろん活用しながら、きめ細かなそういった対応について、全県でどのような展開ができるかというところを、関係機関とも連携しながら、検討を進めてまいります。
〇郷右近浩委員 翻訳機は翻訳機で、それは今現在やっているのもわかっています。ただ、それ以外にも、きめ細かい形で、そして、結婚してなり、仕事でなり、いろいろな形で、今、在留していただいている外国人の方々が、生活不安や、そうしたようなものは持っていると思うので、しっかりと解消できるような形をとっていただきたいと思います。機械があればいいという話でももちろんですが、全体としての考え方をつくっていただければと思いますが、ふるさと振興部長、お願いします。
〇村上ふるさと振興部長 畠山国際室長から、先ほど、岩手県多文化共生プランを、今、策定中だというお話がございました。一般質問でも議論があったところですけれども、外国人の方に選んでいただける岩手県を一番に掲げて、そのための施策を進めていく中で、外国人の確保にもつなげていきたいと思っていますし、今、郷右近浩委員からお話がありましたように、多様な国籍から、多様な属性を持つ方々が来るようになってきております。選んでいただけるということは、やはり安心して暮らしていただけるということだと思いますので、県、それから、県の国際交流協会あるいは市町村国際交流協会等、県内の組織がきちんと連携をして、さまざまな人たちのニーズに適切に対応できるようにプランを策定し、それに基づく施策を展開してまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員 私からは、三陸DMOセンターについてであります。これは一般質問で通告しましたけれども、時間がなくてできませんでした。恐らく、一般質問で通告した際には、ふるさと振興部と商工労働観光部と双方で答弁検討がなされたと思いますが、その辺の整理も含めて、お尋ねしてまいりたいと思います。
 三陸DMOセンターでありますけれども、設置されたのが平成28年であります。そして、さんりく基金が観光庁の地域連携DMOとして登録されたのが令和3年であります。
 この間の三陸沿岸部の観光客の入り込み客数は、この一覧を見させていただきまして、令和元年度は、三陸防災復興プロジェクトがありました。このときは、700万人で、観光客が大きく伸びておりますが、例えばその前年の平成30年と比較しても、令和2年度以降、入り込み客数がふえているとは、なかなか言いがたい状況であると思います。
 令和5年度は、久慈市が、なぜか、令和4年度の倍以上の観光客が来たということで、これはしっかり分析が必要だと思うのです。そのせいもあって、600万人に令和5年はふえているのですが、この間の三陸DMOセンターの取り組みが、市民に対して、しっかりと成果につながっているかどうか、その評価についてお聞かせください。
〇森沿岸振興課長 公益財団法人さんりく基金三陸DMOセンターの実績についてでありますが、三陸DMOセンターでは、観光振興による交流人口の拡大を図るため、教育旅行や観光プログラムの企画、観光人材の育成等に取り組み、三陸地域の市町村や関係団体の観光地域づくりの取り組みを支援しているところです。
 具体的には、携帯電話で位置情報を活用した来訪者の属性、動態に係る調査、分析を行い、結果を市町村や観光関係者に共有し、三陸地域における観光地域づくりの取り組みの支援、三陸観光プランナー養成塾を開催し、令和5年度までに100名のプランナーを養成するとともに、プランナーによる意見交換会を開催し、沿岸各地域に所在するプランナー相互のネットワークの強化、また、三陸観光プランナーが企画をした観光体験プログラムを、モニターツアーとして実施し、旅行会社等からの助言を得るなど、商品化に向けた磨き上げ等の支援、三陸観光ポータルサイトや各種SNS、旅行博への出展、教育旅行相談会への参加など、さまざまな機会を捉えた情報発信などに取り組んできたところです。
〇岩崎友一委員 さまざまな取り組みを行ってきたのは、そのとおりだと思います。それに対して、観光客の入り込み客数という実人数に対しては、どのような感想をお持ちでしょうか。
〇森沿岸振興課長 観光客の入り込み客数についてでありますけれども、年度別でばらつきはあるものの、必ずしも沿岸圏域の観光客の入り込み客数が、ほかの圏域に比べて伸びていないといった状況ではないと考えておりますけれども、この新たな交通ネットワーク等、また、新しい観光資源等を生かして、さらなる観光への誘客促進が必要かと考えております。
〇岩崎友一委員 そうしますと、端的に言いますと、三陸DMOセンターは、今、県として、求めている使命、役割を果たされているという理解でよろしいですか。
〇森沿岸振興課長 現在の三陸DMOセンターにつきましては、商工労働観光部とふるさと振興部の連携のもと、適切に業務はなされていると考えております。
〇岩崎友一委員 県議会としても、県議会の東日本大震災津波復興特別委員会の現地視察で、宮古市の三陸DMOセンターの視察をさせていただきました。センター長とコーディネーターからお話を聞いたのですが、そのときは、観光客の入り込み客数の数字なども出てこなくて、東日本大震災津波復興特別委員会の委員からもさまざま御質問もあったのですが、やりとりを通しても、何か本当に機能しているのかという疑問を持って、帰ってきたところでありますが、どうなのでしょう。
 今、さんりく基金の下に三陸DMOセンターという組織があって、センター長はふるさと振興部から出向という形で行っている。コーディネーターは商工労働観光部の管轄ということで、三陸DMOセンターが観光に特化して、これから取り組みを進めるに当たって、これは、部局をまたぐというよりは、私は商工労働観光部のほうに一本化すべきと考えておりますけれども、この辺の御見解をお伺いします。
〇森沿岸振興課長 三陸DMOセンターの組織体制についてでありますが、三陸DMOセンターはさんりく基金の内部組織となっておりまして、このさんりく基金につきましては、三陸DMOセンターの運営のほかに、三陸の地域振興に関する産学官の研究交流による調査研究事業や、交流人口の拡大に資するイベント、新商品、地域サービス開発に対する助成など、商工労働観光部の所管以外の事業も幅広く実施しており、こうした法人の事業内容などから、直ちに、商工労働観光部に移管することは、課題が多いものと考えています。
 また、こうした助成事業や観光振興など、幅広い分野の地域振興に係る取り組みを、円滑かつ効率的に進めるため、ふるさと振興部の所管としているところですが、今後、まちづくり会社を設立に向けた検討の中で、さんりく基金の組織体制のあり方についても、検討を進めてまいります。
〇岩崎友一委員 さんりく基金のあり方の検討といいますと、具体的にはどのような検討になりますか。例えば、さんりく基金はふるさと振興部の管轄で、三陸DMOセンターは商工労働観光部でという役割分担も含めて、検討をされるということですか。
〇森沿岸振興課長 将来のまちづくり会社の設立に向けた検討の中では、まちづくり会社のあり方、どのような事業をしていくのか、どういった分野に取り組みをしていくのかという検討とあわせまして、このさんりく基金がやるべき業務の内容や範囲、また、三陸DMOセンターの役割もあわせて検討をして、それぞれに適切に、商工労働観光部またはふるさと振興部、両部の所管がいいのか。また、どちらかのほうの所管にすべきか、そういったことも含めて検討していきたいと考えております。
〇岩崎友一委員 私は、観光というものは、県庁の職員が有能とか無能とかではなくて、特異な分野であると思っていますので、民間人を活用していくことが必要だと思っています。
 私も、株式会社かまいしDMCの河東英宜さんともよく話をしますけれども、かまいしDMCの場合は、社長が民間人で、市役所の職員はその下にいるという感じで、民間主導で、民間が先導して取り組みを進めて、成果を出している。
 恐らく県でも、三陸DMOセンターでも、かまいしDMCとも連携をしながら、さまざまな取り組みを行っているかと思いますが、いずれ、まちづくり会社云々の前に、さんりく基金は地域振興の分野です。三陸DMOセンターは観光に特化したという形で、部局の連携のもと業務を行っているということですが、実は、これはいびつだと私は思っていまして、もう少し機能させるためには、しっかり部局を分けて整理をした上で、観光振興に当たったほうがよろしいのではないかと思っておりますし、先ほど申し上げたように、民間人の活用です。下に置くのではなくて、上に置かなければ、どうしても行政の延長線上の仕事しかできないとも捉えておりますので、この辺も含めて、まちづくり会社の前に、その辺の整理が必要かと思うのですが、これはふるさと振興部長いかがでしょうか。
〇村上ふるさと振興部長 今、民間主体でといったようなお話も頂戴しました。今、沿岸振興課長からも答弁がありましたし、知事からも、一般質問で、まちづくり会社について、三陸DMOセンターが果たしている役割をさらに発展させたものといったような御答弁をさせていただいております。
 こうした点からも、今後の三陸DMOセンターの役割はますます重要になってくると受けとめております。
 私も、4月に着任以降、何度も沿岸地域に足を運ばせていただいて、首長や関係団体の皆さんと意見交換をさせていただいておりますが、顔が見えにくいとか、何をやっているのかわかりにくいみたいなお声もいただいたところでありまして、今後の役割を考えれば、その取り組みを強化していく必要があると思っております。
 民間主体でということも、当然、今後の強化の一つの観点として考えていくべきポイントかと思っております。具体的な強化策や内容は、現時点では、まだこれからの検討になりますが、今いただいた御意見も踏まえながら、今後のあり方を検討していきたいと思っております。
〇岩崎友一委員 ぜひよろしくお願いします。職員自体は頑張っていると思うのですが、向き、不向きは私も当然ありますし、それぞれ分野、分野であると思いますので、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。
 その上で、今、御答弁にもありましたが、まちづくり会社でありますけれども、まさに知事は、さんりく基金や三陸DMOセンターが果たしている役割を、さらに発展させ、地域の知恵と力を結集することにより、強力に三陸振興を進める先導的な役割を果たすと言っています。
 実は、私、この意味が全然わからなくて、このまちづくり会社の設立に当たって、現在、どのような検討がされているのか。その進捗状況と、今後の工程表について、具体的に、いつ、何をどうするかというのが、今、現段階でわかっている部分で構いませんので、御答弁をお願いします。
〇森沿岸振興課長 まちづくり会社の設立に向けた検討状況でございますけれども、今年度は、庁内にワーキンググループを立ち上げまして、現在、庁内ワーキンググループで、関係者等との意見交換を行い、議論を進めているところであります。
 年度内に、基本フレームの取りまとめを目指して議論を進めているところでございまして、今後につきましては、その基本フレームをもとに事業トライアルなども検討しながら、具体的な組織体制や事業内容について検討を進め、実現に向けて取り組みを進めていきたいと考えております。
〇岩崎友一委員 多分、現段階ではまだ何も決まっていない、ワーキンググループで検討中という話だと思いますけれども、これは、県の組織的には、そうなりますと、どうなるのでしょう。まちづくり会社が一番上で、その下にさんりく基金が来て、その下にDMOセンターという位置づけで、今、検討が進められているのでしょうか。
〇森沿岸振興課長 今、まちづくり会社の組織体制について検討を進めております。現在、三陸DMOセンターを運営しておりますさんりく基金は、公益財団法人でございまして、基本的に、営利を目的とする団体でありませんけれども、これを発展させるという考え方で、今、検討を進めております。
 例えば、新体制が自身で収益を上げて、事業等を継続させていく必要が生じた場合、現行の公益財団法人の体制では、対応が難しいことも考えられますので、どのような組織形態として、現在のさんりく基金、三陸DMOセンターの役割を継承していくかということについても検討してまいります。
〇岩崎友一委員 今定例会でも、県北・沿岸地域の人口減少を初め、経済も非常に厳しい中で、県北・沿岸振興本部長は佐々木淳副知事で、県北・沿岸振興本部があるわけでありますけれども、そういった状況を本当に真剣に捉えてもらって、今、観光の話だけをしましたけれども、三陸地域を総合的にプロデュースという言葉がどこまでフォローしていくのかわかりませんが、いずれ、部局連携は、私は、実は非常に難しい話だと思っておりますので、しっかり各部局が責任の所在をはっきりさせて、責任を持って取り組める体制になることを期待しております。まちづくり会社ができたからといって、またぐじゃぐじゃして、責任の所在がどこの部局かわからなくなっていって、またおかしな形にならなければいいという懸念もありますので、その辺をしっかりと整理をした上で、本当に三陸地域の発展につながるような組織となるようにお願いしたいと思います。
 最後、ふるさと振興部長、よろしくお願いします。
〇村上ふるさと振興部長 今後のまちづくり会社、あるいはこれを通じた県北・沿岸振興についてのお話と受けとめました。
 岩崎友一委員お話しのとおり、目的は、県北・沿岸振興をしっかりやっていくというところにあるわけで、その一つの手段として、まちづくり会社を通じた新たな観光振興、人を呼び込む仕組みも、その一つとして位置づけていくということでございます。
 所管部局のお話、責任の所在がぐじゃぐじゃしないようにということも御指摘をいただいて、どこまで一つの部局に業務をまとめられるかということは、これから整理していかなければならない部分ではありますが、きちんと責任持った体制で取り組めるように、今後、さらに検討を進めてまいりたいと思います。
〇中平均委員 私からは、久慈市沖の洋上風力の関係について質問させていただきます。
 最初に、決算ですので、令和5年度の関連予算として海洋エネルギー関連産業創出推進事業費は1、223万円余でございます。そのうち、久慈市沖の洋上風力発電については100万円余を使われているとお伺いしております。
 その確認と、あとは、これは久慈市と共同して事業化に向けて動いていると認識していますが、今はどのような状況になっているか。久慈市では、沿岸漁業者等の理解も進んできているとお伺いしておりますけれども、令和5年度から今に至るまでの状況を確認したいと思いますので、よろしくお願いします。
〇阿部科学技術課長 久慈市沖浮体式洋上風力発電の現状ということでございますが、令和5年度は、久慈市におきまして、前年度に引き続き、令和2年度までの調査事業で設定いたしました事業実施想定区域の複数案をベースにいたしまして、風況、海象、地質などの自然条件や漁業実態を把握する調査事業を実施したところです。
 今年度は、この調査結果をもとに、漁業者から御意見を伺い、事業による影響を可能な限り回避、低減できるよう、事業実施想定区域の絞り込みを行っているところであり、これまでのところ、地元漁業者から一定の理解を得られた状況と認識しております。
 先行利用者の中には、地元漁業者のほか、県内漁業者団体や、全国規模で操業する漁業団体なども含まれることから、現在、県と久慈市と共同で、これら団体を訪問しまして、事業計画の説明を続けているところでございます。
〇中平均委員 久慈市の漁業者からは、大体理解を得られてきているということでございました。そして今、その他の漁業関係の皆さんのほうに、久慈市と共同で当たっているというところでありますけれども、今、当たっているところの状況等がもしわかれば、お知らせください。
〇阿部科学技術課長 現在のところ、地元の漁業者団体の一部については、久慈市が中心となりまして、事業計画を御説明しております。それを踏まえまして、県の許可漁業者団体、あるいは全国規模で中型、大型の漁業を行っている団体を訪問いたしまして、現時点の事業想定区域をお示しし、具体的な懸念について聞き取るべく、相談をしているところでございます。
〇中平均委員 今、いわゆる準備区域に入っている、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律に基づく準備区域ということでありますけれども、久慈市と共同して、今、ある程度進んできていると認識していますが、これは有望区域、そして、促進区域と進めていって、事業化に向けていかなければならないと、そのように考えています。
 現段階での問題、課題、また、その解決のためのアプローチといったものを、どのように捉えているのかをお伺いいたします。
〇阿部科学技術課長 課題と解決のアプローチということでございますが、久慈市沖は、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律に基づく促進区域の指定手続の第一段階に当たる準備区域として整理されておりまして、次のステップである有望区域の整理に向けましては、利害関係者から協議会を開始することについて、同意を得ることが必要となります。
 現時点では、事業が想定される区域が、一部の漁場や船舶の航路と重複している可能性があることから、引き続き、関係する先行利用者との協議を行いまして、漁場や航路との具体的な重複の状況や、重複している場合の影響の程度を把握していくこととしております。
 その上で、利害関係者を特定するとともに、事業実施想定区域の絞り込みを完了させまして、協議会において、風力発電と漁業との具体的な共存共栄策を議論することについて、同意を得られるよう、取り組みを進めてまいります。
〇中平均委員 その協議会の設置に向けて、大体いつぐらいになるのとかいうスケジューリング的なものは聞かないほうがいいですか。
〇阿部科学技術課長 協議会設置の見通しということでありますけれども、これも相手方がある話でありますので、一概に述べることは困難ではありますが、いずれ、基本的には、各利害関係者の皆様から、協議会で具体的な懸念事項の御相談と、それに対する対応策を一緒に検討していくための環境を醸成していくことが大事と思っております。
〇中平均委員 スピード感を持って進めていくことが非常に大事だと思っております。既に御承知のとおりでございますけれども、岩手県久慈市沖は準備区域ということであります。一番先行している促進区域は、浮体式だと、長崎県の五島列島沖です。浮体式はほかにはないです。洋上風力自体も、太平洋側は銚子沖が有望区域に入っていますけれども、東日本という観点で見て、日本全国で見ても、太平洋側で出てくるのは、銚子沖と岩手県沖で、浮体式は長崎県と久慈市沖です。こういう状況にあって、促進区域までいかないと事業化ということにはなりませんけれども、それに向けて準備を進めていかなければならないということで、まず連携してやっていただいているものと認識しております。
 そういった中では、最初に申し上げまして、御答弁をいただきましたが、地域の漁業者との関係も一定程度進んできている。まず、この段階が進んだということだと思っております。
 そういった中において、これからだと思うのですが、久慈市の連携をどのように進めていくか、あとは、県庁内部との連携をどのように進めていくか。促進区域までいくとなると、今度は、港湾計画も変えなければならないですよね。港湾計画も、前に質問したときには、県の整備のほうだと、実際に1年はかかるという話ですので、そういった点を踏まえて、今すぐ協議会を設置して、進んでいっても、どれくらいかかるのかというところが出てくるので、そこを少しでも早く進めていくことが必要なのだろうと思っています。
 長崎県のほうは浮体式で、まず実証実験という形で進んでいると認識していますので、久慈市沖の浮体式ができれば、日本で初の浮体式ということもありますから、そのインパクト等も踏まえて、今後、スピード感を持って進めていく。地元との連携、県庁の各部局との連携、そして、国へのアプローチ、これを、今後、どのようにしていくのかをお伺いいたします。
〇阿部科学技術課長 関係部署、関係機関とのスピード感を持って進めるための連携ということでありますけれども、現在、久慈市とは、定期的に情報交換をしながら、関係団体の個別ヒアリングや先行事例の訪問調査を共同で実施いたしまして、方向性を随時確認するなど密接に連携の上、取り組みを進めているところであります。
 また、庁内部局との連携におきましては、令和5年9月に設置しました関係部局による海洋再生可能エネルギーの導入推進に係る検討チームにおきまして、事業を推進するための課題解決に向けた、具体的な議論を行っております。
 さらに、国に対しては、進捗状況を定期的に報告しまして、助言を受けているほか、先ほど申し上げました検討チームにもオブザーバーとして参加いただき、情報を密に共有しているところであります。
 今般、地元の理解が一定程度深まってきているところでありますので、これまで以上に、久慈市はもとより、関係省庁、関係部局との連携を強化しながら、事業実現に向けた取り組みを加速させてまいります。
〇中平均委員 ぜひとも、早く進んでいただくことを大いに期待します。
 きのう配られた議会事務局でつくっている情報にも掲載されていましたが、国土交通省で、洋上風力施工手順を明示と、普及拡大を年度内にということが、9月20日の官庁速報に出ていたということであります。
 これは、年度内のシナリオを明示するというもので、当然、情報をとっていると思うのですが、そういった点を踏まえて、今後進めていっていただきたいですし、先ほど岩崎友一からも指摘ありましたけれども、部局連携という中で、当然、ふるさと振興部の科学・情報政策室の所管であり、県北・沿岸振興でもありますし、県の港湾整備のほうも含めてあるので、ぐだぐだしないようにとまでは言いませんけれども、そこをきちんと連携して進めていっていただきたいということを申し添えて、質問を終わらせていただきます。
〇工藤剛委員 今定例会の私の一般質問で、盛岡市以北の振興策についてということで、ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン開校を、本県の地域振興や国際化の推進に向けた取り組みを進める上での好機と捉え、同校との連携によるさまざまな取り組みを進めると答弁がございました。
 2022年8月29日、八幡平市安比地域に開校しましたハロウ安比校には、県は年間1億6、400万円を5年間補助するとしており、達増知事も、挨拶等の中でハロウインターナショナルスクール安比ジャパンとの連携など、国際化、多文化共生を推進すると語っておられます。
 そこで、まずお伺いいたしますが、ハロウ安比校は、9月が新しい学年が入学するということになっておりまして、今年度の新入生の数と、今、それを加えた全校生徒の生徒数をお伺いします。
〇安齊学事振興課総括課長 大変申しわけありません。ことし8月29日から学期は始まっているのですが、新入生の数というところを押さえておりませんので、総体の人数でお答えさせていただきたいと思います。
 開校当時、令和4年8月30日は161人でしたけれども、3年目を迎えました、ことし8月29日現在、認可定員350人のうち実人数として305人となっております。
〇工藤剛委員 今、このハロウ安比校は、全7学年ですけれども、ことしが多分6学年目だと思うのですが、当初の予定では、7学年で約900人の生徒の予定をしておりました。そこから見ましてもかなり少ないように思うのですが、県の見解をお伺いします。
〇安齊学事振興課総括課長 ハロウ安比校につきましては、最終的には900人程度というところの定員を目標に、学校を段階的に拡張していく予定としております。当初の予定ですと、令和6年、今現在の予定ですと、定員は360人を予定しておりまして、今、認可されているのは350人であります。
 当初の予定よりも50人程度少ないところでありますが、学校から伺ったところ、コロナ禍の影響がまだ残っていて、改善傾向には見られているものの、コロナ禍における渡航制限の影響があり、いまだ、保護者が、海外に子供を送り出すことに対し、若干ちゅうちょする傾向が見られているというところであります。
 学校におきましては、これからの募集について、生徒募集の活動地域を、タイ、韓国、マレーシア、スイスなどまで広げて、また、SNSを活用した生徒募集なども加えて、生徒募集に当たっていきたいと伺っております。
〇工藤剛委員 それでは、もう一度確認しますけれども、最終的には900人というところは変わらずで、今、1学年、2学年残すところで、半分以下ですけれども、それも、学校としては予定どおりの入学者数だと捉えているということでいいのですか。
〇安齊学事振興課総括課長 最終的な目標として、900人はまだ変わらずと認識しているところであります。
 先ほど申し上げましたとおり、学校としても、まだ入学者の確保が若干足りていないところですので、募集をかけていきたいというところでございます。
〇工藤剛委員 私への答弁の中でも、本県の地域振興や国際化の推進に向けて、ハロウ安比校との連携によるさまざまな取り組みを進めていくという答弁がございましたが、もう少し具体的に、ハロウ安比校とどういう連携、取り組みをなさっているのか教えていただきたいと思います。
〇千葉地域企画監 県では、ハロウ安比校との間で、地域の振興に関する連携協定を締結しておりまして、これまで、東日本大震災津波伝承館での震災学習の実施や、知事による世界遺産出前授業を実施してきたほか、今年度におきましては、いわてマンガ大賞の作品募集にあわせた漫画講座の開催や、三陸鉄道を利用した学年別学習旅行を実施したところでございます。
 また、学校食堂での県産米や県産野菜を提供するローカル食材コーナーの設置などにも、引き続き、取り組んでいただいているところでございます。
 今後につきましても、ハロウ安比校と地域との橋渡しを丁寧に行うことによりまして、県内各地の地域の振興や国際化の推進につなげていくよう、取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤剛委員 さまざま取り組まれていることもわかります。地域との交流といいますか、中学校同士のラグビー大会やスキー大会を地元の中学校とやっているというのも聞きますし、また、安比のゴルフ場で、授業なのか遊びのときなのかはわかりませんけれども、生徒がゴルフをしている光景も見られ、正直、今までに見ることのなかった光景を見るという意味では、国際化と言えば、そういう部分も地域には広がっているということも実感をしてきておりますが、今一つ、ハロウ安比校と連携しているから、そういう国際化が進んでいるというのが、まだ少し弱いというのも地域の人たちからも聞かれます。ぜひ、今後とも、協力、連携し合って、いい発展に向けてほしいと思います。
 もう一つ、ハロウ安比校とは関係なく、盛岡市以北の振興対策ということで、私への答弁の中で、盛岡市以北をフィールドとした研究や、社会実証の成果を早期に発現し、地域に還元できる取り組みを加速させるとともに、新たな資源や環境変化に応じた取り組みを、適時、適切に展開することにより、持続的に発展する先進的な地域振興を推進していくという答弁があったのですけれども、わからないので、具体的に何をどうしていくかというのを、もう少し詳しく教えていただきたいです。
〇佐藤県北振興課長 盛岡市以北をフィールドとした社会実証等の取り組みの具体的なところでございますけれども、現在、岩手町におきまして、林地残材を原料とするバイオ炭と堆肥を混ぜた混合堆肥を農地へ施用しまして、バイオ炭の土壌改良効果の検証等、環境価値の創出による農産品の付加価値向上に向けて、収益性の高い循環型の農業の確立を目指す実証事業を行っております。
 また、一戸町におきましては、木質バイオマス資源を活用した燃料、熱電供給ビジネスの仕組みの構築に向けた取り組みを行っております。
 さらに、牧場における環境配慮型の太陽光発電の事業と畜産業の協業など、新たな技術を生かした盛岡市以北、北いわてへの投資拡大を目指して、社会実証等に取り組んでおります。
〇工藤剛委員 盛岡市以北の複数の市町村の首長から、若者が流出していくのは、東京圏や仙台圏はもちろんですけれども、県内で、県北地域と盛岡市以北から県南地域のほうに流出しているという実態もあるのを、複数の首長からお聞きしております。
 確かに、県南地域でやっています、いわゆるものづくり産業と同じようなものを県北地域にもというのは、なかなかすぐには難しいと思いますけれども、盛岡市以北の市町村では、今、御答弁にもありましたとおり、再生可能エネルギーとか、そういうものを利用して、例えば、地域新電力という意味で利用して、その電力をメリットというような位置づけで、企業誘致を考えているような市町村もございます。
 県としても、本来、補助金的な支援もしてもらいたいのですが、先立って、少なくとも知恵を出し合って、市町村と連携して、きちんと盛岡市以北の発展にも取り組んでいただきたいと思います。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、岩手県立大学の関係とふるさと納税についてお伺いいたします。
 岩手県立大学ですけれども、決算書では、運営費交付金36億4、000万円余、それから、施設整備費補助2億4、500万円余の支出がありました。この財源については、36億円のうち5割から6割くらいは交付税措置されているという説明を受けました。
 今、北上市でも、単科大学を構想するということで、調査事業を行っておりまして、北上市民から、岩手県立大学はどうなっているのかというお問い合わせがかなりあるので、私もいろいろ調べていたところです。
 学生数、定員に対する充足率、学生の出身地などは、どういう状況になっていますでしょうか。
〇安齊学事振興課総括課長 まず、岩手県立大学におきます令和6年5月1日現在の学生数及び定員に対する充足率でございますが、4大学部全体では、収容定員の1、840人に対し、在学者数が1、946人、充足率は105.8%、大学院全体では、収容定員207人に対し、在学者数141人、充足率は68.1%、短期大学部では、盛岡短期大学部が、収容定員200人に対し、在学者数が212人、充足率は106%、宮古短期大学部では、収容定員200人に対し、在学者数が163人で、充足率は81.5%となっております。
 次に、学生の出身地について、各年度の新入学生に対する県内出身者のおおよその割合で御答弁させていただきます。4大学部では6割程度、大学院では6割から8割程度、短期大学部では8割程度で、推移しているといった状況になっております。
〇佐藤ケイ子委員 その中で、ソフトウェア情報学部についてですけれども、ソフトウェア情報学部の出身者は、大体半分ぐらいが県外出身と考えてよろしいのでしょうか。そこを少し詳しくお願いします。
〇安齊学事振興課総括課長 ソフトウェア情報学部の県外出身者につきましては、佐藤ケイ子委員御指摘のとおり、おおむね50%程度で推移しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 就職率の関係ですけれども、注目されているのは、ソフトウェア情報学部の県内就職率が低いのではないかということです。それはずっと言われているところでありまして、その関係ですけれども、この岩手県立大学の就職状況で、県内就職率の傾向と課題認識はどうでしょうか。
〇安齊学事振興課総括課長 まず、岩手県立大学の就職状況と県内就職率についてでございますが、令和6年3月の卒業生の就職率につきましては、4大学部では97.6%で、対前年比で0.7ポイントの減、短期大学部では97.9%で、前年度からの増減はございません。
 次に、県内就職率でございますが、4大学部合計では38.3%で、対前年度比4.2ポイントの減、短期大学部では55.6%で、対前年度比4.1ポイントの減となっております。
 そして、就職状況等に関する課題認識でございますが、まず就職率につきましては、4大学部、短期大学部ともに堅調に推移しているものと考えております。
 次に、県内就職率についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の行動制限撤廃、また、オンライン選考の普及による県外への就職活動の活発化であったり、首都圏の有効求人倍率が高水準で推移し、県外企業からの求人が大幅に増加する一方で、県内企業からの求人は微増にとどまったこと、こういった影響により、低下しているものと捉えております。
 県内就職率を向上させるために、引き続き、学生への就職支援の充実強化を図るとともに、関係団体と連携し、県内企業の魅力の発信、また、学生への理解促進に努めていく必要があると認識しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 県内就職率を高めるためにどのように取り組んだかということで、今の答弁でも少しあったのですけれども、県内就職率は大変厳しいのは、岩手県立大学だけではなくて、県内の大学それぞれそのとおりですし、また、主要施策の成果に関する説明書の中の資料でも、東北各県の大学の卒業者の県内就職率もそれぞれ大変低いという状況で、岩手県は40%ぐらいです。青森県31%、秋田県39%、宮城県36%、山形県24%、福島県43%と、やはりどの大学も大変厳しい。首都圏に流出しているのだと知ることができるわけですけれども、この県内就職率を高めるために、本当にどうしていけばいいのか、今までどのように行っているのか、もう一度お願いいたします。
〇安齊学事振興課総括課長 岩手県立大学では、これまで、県内就職率向上のための取り組みとしまして、学内での合同企業説明会、また、個別企業説明会の開催であったり、1年生から3年生を対象とした県内企業に関する理解を深める業界研究セミナー、また、県内企業へのインターンシップ、公務員を志望する学生向けの公務員試験対策講座、また、自治体OBによる模擬面接、県内企業の就業体験を含む低学年次生向けの地域学習科目等を実施し、県内就職率の向上に取り組んできたところでございます。
 また、岩手県立大学も参画する、岩手県内全体の高等教育機関が参画しております、いわて高等教育地域連携プラットフォームでは、企業が高等教育機関に求める人材ニーズの調査や、県内学生の県内就職に関するアンケート調査を実施したほか、県内企業の採用担当者と高等教育機関の就職支援担当者による情報交換会を開催するなど、県内就職率の向上に向けた取り組みを推進しております。大学の取り組みだけではなく、そういった関係機関との連携を深めた上で、取り組みを進めていくことが必要だと認識しております。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。これからも一層努力をお願いしたいと思っております。
 岩手県立大学の建学の精神ということで、本当に実学を中心にした教員を集めていて、地域に振興を図るための目的もあるようでありますけれども、なかなか難しいことも、いつも感じているところです。
 全体経費として77億円ぐらいの運営経費がかかっていて、県からの持ち出しが、人件費分が36億円ぐらい出ていると認識すればいいのかと思っておりました。
 北上市では、市の持ち出しはなくても、大学運営ができると言っていますけれども、これはなかなか難しい話だと思ってお聞きしました。
 次に、ふるさと納税の関係です。
 この間は、総務部で、県のふるさと納税額の関係について出てきましたけれども、県内市町村合計のふるさと納税の寄附額、そして、寄附金控除で税収がマイナスになるところもあるのですけれども、その全体的な状況はどうなっているか。
 それから、特徴的な取り組みをしている市町村の事例などはどうでしょうか。お伺いいたします。
〇佐藤市町村課総括課長 ふるさと納税の寄附額と控除額についてでございますが、令和5年度における県内市町村の寄附金受入額は約231億円で、過去最高となっております。令和元年度の受入額の約64億円と比較いたしますと、4年間で約167億円の増、平均すると、毎年40億円程度増加しているところでございます。
 一方、令和5年度の寄附に伴いまして、令和6年度に市町村民税から控除される額は約15億円となっております。令和2年度における控除額の約6億円と比較いたしますと、約9億円の増となっているところであります。
 特徴的な取り組みの事例でございますが、返礼品につきましては、体験型の返礼品といたしまして、例えば、一日駅長体験や地域イベントへの参加権といったもののほかに、近隣市町村による共通返礼品といたしまして、例えば、生ハムと日本酒のセットや、肉とビールのセットといったものを提供している事例があると承知しております。
 また、寄附の使途についてでございますが、こども子育て支援事業といたしまして、出産祝い金給付事業や、移住、定住促進事業といたしまして、団地の整備であったり、住宅取得の奨励金事業などの事例があると、承知しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 ふるさと納税は、功罪両方あります。本当に地域の振興のためとか、新しい物産を開拓するとか、農畜産物も発信できるとか、メリットもたくさんあるわけですけれども、一方では、富裕層の税の節約にすぎないのではないかとか、住んでいる市町村への還元が非常に少ない。交付税措置もあるようですけれども、メリット、デメリットいろいろ問題がかなりある制度だと思っておりますが、やらざるを得ない。
 今、花巻市が牛タンを返礼品としています。寄附額は九十何億円です。だから、花巻市がひとり勝ちみたいな感じですけれども、それぞれ市町村が努力していると感じています。
 返礼品が公正に選択されているのかということで問題を提起したいと思うのですけれども、ある自治体では、首長宅のお米を返礼品として取り扱っております。その中で、市民団体から抗議も出されたり、新聞にも掲載されておりますけれども、県の課題認識はどうでしょうか。
〇佐藤市町村課総括課長 返礼品の公正な取り扱いについてでございますが、新聞等で報道のありました事案につきましては、地方税法上は、法令違反になるものではないとの総務省の見解が示されているところであります。こういったことから、制度上の問題があるものではないと認識しております。
 寄附をしていただいた方に対するお礼の品といたしまして、その地元で生産されたお米を提供すること自体は、ふるさと納税の趣旨にかなったものだと考えております。
 住民団体からの声もあったところでありますが、こういった方々の理解を得られるように、当該団体において、適切に対応していただきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 これは、総務省の見解について、階猛衆議院議員も質問したようでありますけれども、法令上の問題はないけれども、モラルとしていかがなものかということであります。
 地位利用に当たらないのかということも言われておりまして、私もこれがあって、各市町村のふるさと納税の返礼品にどの様なものがあるのかと見てみました。
 お米は、かなり多くの農家で作付していますので、誰でもそうやって返礼品にできるわけですけれども、ほかの市町村は、JAとか、農家でも、何戸かの農家のお米を返礼品としているわけですけれども、ある市では、特定の農家の、しかも、市長のお米だけ取り扱っているということです。これは、県からは何か申し入れはしないのですか。
〇佐藤市町村課総括課長 市町村から届け出のあります返礼品につきましては、まず、総務省が基準を示しておりますので、これに適合しているかどうかということを県で確認いたしまして、それを受けて、市町村は総務省に提出しているということでございます。
 県といたしましては、ふるさと納税の制度の趣旨を踏まえた形でお願いしたいという助言を行っているところでございまして、法令上の問題がないかということと、先ほど申し上げましたとおり、制度の趣旨に合致しているかどうかというところについて、必要があれば、助言をしていくという形をとらせていただいているところです。
〇高橋穏至委員 私からは、最初に、DX推進、スマートシティ推進の取り組みについて質問いたします。
 この質問は、昨日の総務部でも取り上げたテーマですが、改めて、ことし7月に実施した商工建設委員会の会津若松市のスマートシティの取り組みを参考にしたもので、人口減少対策に取り組む上で、DXを推進し、行政と企業、教育機関、金融など、多様な主体が連携して、県民サービス、住民サービスを効率的に提供する仕組みを実現するもので、そのためには、市町村だけでなく、県も部局横断的に連携して、都市OSを形成していく必要があります。
 そこで初めに、令和5年度DX推進事業の成果と令和6年度の進捗について質問いたします。まず、いわて戦略的DX・GX等研究開発事業推進費、これは、DXやGXにおける、将来、有望な研究シーズの育成事業化に結びつく研究開発の支援を実施する事業ですが、令和5年度の事業成果件数は非常に上がっているのですが、この要因あるいは成果、そして、令和6年度も実施しているのですけれども、予算をかなり縮小しているわけですが、この取り組みの方向性について伺います。
〇阿部科学技術課長 いわて戦略的DX・GX等研究開発推進事業費の実績でございますけれども、令和5年度の事業成果件数が計画値を上回っております。その要因は、研究開発資金の支援に加えまして、この事業で措置しております専任のコーディネーターが、将来、有望な研究シーズの発掘や、採択した研究開発課題の事業化に向けた企業とのマッチング、外部資金獲得に向けた申請内容のブラッシュアップを行うなど、研究開発が円滑に進むよう、大学や企業等と丁寧にコミュニケーションをとりながら、支援を行ったことを通じまして、計画値を上回った実績を得たものと認識しております。
 また、令和6年度の予算の考え方でございますが、厳しい財政状況の中にあっても、研究開発メニューの見直しや、選択と集中を図りながら、本県の重点事項でありますDX・GXの推進に資するメニューを新たに創設するなど、予算額確保に努めておりまして、令和6年度当初予算は、令和5年度当初予算と比較して、15万円の減少にとどめているところでございます。
〇高橋穏至委員 資料では、もっと減っていると思ったものですから。同じ規模で推移するということですね。
 続けて、デジタル社会の実現に向け、産学官金が連携したDXの取り組み推進、デジタル人材の確保、育成等を実施するとともに、新たに、DX推進に向けたデータ利用、オープンデータ化の取り組みを実施するいわてデジタル化推進事業費は、県内の市町村の取り組みの広がりが大事だと思うのですが、この取り組みの状況についてお伺いします。
〇舘本デジタル推進課長 いわてデジタル化推進費についてですが、電子申請・届出サービスの勉強会や、データ利活用セミナー等を開催しておりまして、こちらには、全市町村が参加しているところでございます。
〇高橋穏至委員 指標の成果で、市町村研修会は7回というのは、要は、開催した場所は7回だけれども、参加者は全市町村という捉え方でしょうか。
〇舘本デジタル推進課長 勉強会やセミナーによってそれぞれ異なりますが、電子申請システムの勉強会につきましては、年5回開催しております。また、データ利活用セミナーについては、年4回開催しております。それぞれ、全市町村が参加しております。
〇高橋穏至委員 わかりました。
 続いて、市町村行政デジタル化支援事業費ですけれども、これも、市町村がデジタル化を進める上での事業ですが、そうすると、これも全市町村に波及していると考えてよろしいのでしょうか。
〇舘本デジタル推進課長 市町村行政デジタル化支援事業費につきましては、県の電子申請・届出サービスを市町村と共同利用を行っているものです。さきに述べました勉強会のつながりで、現在九つの市町に参加していただいているところです。
 参加できていない市町村につきましては、独自で導入されているといったようなポイントがございますので、現在は、9市町にとどまっているところです。
〇高橋穏至委員 既に、独自のシステムでというお話でしたが、調査で訪れた会津若松市で、これは単独の市で行っている事例でしたが、サービスを受ける市民に対して、生活圏が、単独の市で完結しているわけではなくて、当然、近隣市町村まで及び、あるいは、医療であれば広域に移動しますので、市民あるいは県民を考えたときに、連携して、どこに行ってもサービスが受けられるという仕組みの構築が、非常に大事だというのを見てまいりました。
 そういった意味では、市町村の連携もそうですし、県と市町村、それから、実際のサービスを提供する病院とか、それから、公共サービスの事業者とか、そういった多種多様な主体が連携しながら、都市OSは、全体的な構想をしなければいけないというお話を伺ってきました。そういった構想をしっかりとつくりながら、このデジタル化を進めていかないと、要は、効率的な運用という、今、限られた財源で、いかに質のよいサービスを提供するかという意味では、そういった連携をできる大きな絵を描きながら、取り組む必要があると思うのですが、その所見をお伺いします。
〇小笠原科学・情報政策室長 スマートシティ推進に係る連携状況についてでありますけれども、スマートシティは、人口減少が進む中、デジタル技術を活用し、住民の満足度を高める取り組みと認識しておりまして、高橋穏至委員御指摘のとおり、多分野、広範囲にわたるものでございます。
 庁内の連携体制としましては、知事を本部長とし、関係部局長で構成する岩手県DX推進本部を設置し、本県におけるデジタル社会の実現に向けたDXを推進するため、部局横断で各種施策を推進しているところであり、この中で、市町村の行政デジタル化の取り組みを支援しているところでございます。
 また、市町村との連携体制ですが、市町村を含む産学官金で構成するいわてDX推進連携会議を設置し、デジタル化を通じて、地域経済の活性化や、快適な暮らしの実現を目指し、各種施策を推進しているところでございます。
 この連携会議は七つの部会を設置し、岩手県DX推進本部と連携しながら、具体の取り組みを進めることとしており、これらの部会活動を通じて、スマートシティの取り組みを支援してまいります。
〇高橋穏至委員 私が毎回のように取り上げてきた医療情報連携ネットワークは、それぞれの圏域ごとにばらばらにやっていて、全体の連携がとれない、これを何とかできないかというのを取り上げていたのですが、そういった県内全域での連携をとれるような仕組みを構築するために、ぜひ、リードしていただきたいと思います。
 次に、人口自然減・社会減対策として位置づけられている四つの事業について質問します。
 まず、いわてグローカル人材育成事業費について、本県の将来を担うグローカル人材を育成する事業ですが、これらの事業において、人口の自然減・社会減対策事業と位置づけられているのですけれども、そういう観点からの成果はどうなのかお伺いします。
〇畠山国際室長 いわてグローカル人材育成推進費についてでありますが、まず、県内大学生等の留学支援の取り組みについて申し上げます。こちらの事業につきましては、現在、まだ在学中の学生もおられますので、昨年度単体の実績だけではなく、これまでの取り組みも含めた形で、答弁を申し上げたいと思います。
 留学生支援の取り組みといたしましては、地域のグローバル化を促進するため、留学経験や、県内企業における事前、事後のインターンシップの成果や経験を地域に還元、あるいは将来的に活用するといったビジョンがあることを重視し、そのような留学計画を立案、実行する学生を対象に、これまで26名の学生の留学を支援してまいりました。現在、卒業生19名のうち、6名が県内企業等に就職するなど、一定の成果が得られているものと認識しております。
 次に、県内在住の外国人留学生等の県内定着支援促進に向けた取り組みにつきましては、県内在住外国人留学生を初めとしたグローバル人材の県内定着に向けて、外国人留学生と企業とのワークショップ、それから、外国人留学生等を対象としたグローバルキャリアフェアの開催、あるいは県内企業の訪問、インターンシップ等を実施し、県内企業と外国人留学生の交流機会の創出に寄与したと認識しております。
 県といたしましては、参加者からの意見、感想等を踏まえ、留学生等のニーズを踏まえた、情報提供や企業等とのマッチング機会を創出できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋穏至委員 19人のうち6人ということで、当然、広い視野を持って、それを還元するという意味合いだと思うのですけれども、もう少し数字が上がればいいと思いながら伺いました。
 続いて、県内大学生等定着推進事業費ですが、先ほど佐藤ケイ子委員も取り上げておりますけれども、県内大学生の定着、大学等に求める人材育成のニーズ把握、それから、これまで取り組んだ検証等を実施する事業ですが、実際やってみて、ヒアリングや意見交換により得られた成果はどうだったのか。そして、次も関係するのですが、地域ニーズ対応リカレント教育の推進費についても、地域ニーズを把握しながら、大学等が持つ資源を活用したカリキュラムを構築する事業とされているのですが、これらはどう活用されているのか、お伺いします。
〇安齊学事振興課総括課長 まず、県内大学生等定着推進事業費でございますが、こちらは産学官で構成いたします、いわて高等教育地域連携プラットフォームの枠組みを活用しまして、事業を実施しているところでございます。
 この事業のうち、県内企業と高等教育機関との就職支援担当者との情報交換会を実施しておりまして、初めて大学等の就職支援担当者が一堂に会して実施した取り組みでございまして、参加した72の事業所からは、各高等教育機関の取り組みを知ることができたり、求人の時期やインターンシップの情報を得ることができたなど、採用活動の参考になったという意見が出されました。
 また、県内8高等教育機関に対して実施した、県内就職の状況を伺うヒアリングにおきましても、就職活動の早期化への対応が課題といった意見が出されております。
 これらの意見を踏まえまして、今年度からは、早速、事業の改善に取り組んでいるところでありまして、好評を博しました県内企業と高等教育機関との情報交換会については、会場や回数の追加をし、各大学における企業等説明会については、開催時期の早期化であったり、回数の増加等、そういった充実強化に取り組んでいるところでございます。
 次に、地域ニーズ対応リカレント教育推進費でございますが、こちらについても、いわて高等教育地域連携プラットフォームの枠組みを活用して実施しているところであります。県内150社の企業のリカレント教育に関する地域ニーズ調査であったり、岩手県で働きながら、共に学ぶ業務革新のためのDX講座と題したオリジナルリカレント教育プログラムを施行したり、あとは、全県的な、リカレント教育ホームページの開設を行ったところでありまして、成果としては、リカレント教育のニーズ把握であったり、DXによる自社の課題発見、または、リカレント教育の情報発信、仕組みづくりといったものが行われたところです。
 オリジナルプログラムの受講者からは、社内の意識改革の必要性を学べたであったり、講座を通じて、社内で取り組み目標を定めたなどの声がありまして、実際に、自社のさらなるDXの導入を推進した企業については、ことし開催するシンポジウムにおいて、その取り組み成果を県内企業等に広く情報共有していただく予定としているところです。こうした取り組みを通じまして、地域のニーズに合致したリカレント教育の充実や、受講環境の推進に、産学官が連携して取り組んでまいります。
〇高橋穏至委員 そうしますと、最初の事業に関しては、位置づけ的には企業と学生をマッチングさせて、県内の就職や地域に残る人材をふやすための事業という形で捉えていいのかなと思うのですが、この事業として、学生に対してのアプローチはどうなのかということをお伺いしたいのと、後半の部分について、リカレントについては、どちらかというと就職してしまった人に対する事業ですが、この意味づけはどうなのでしょう。
〇安齊学事振興課総括課長 まず最初の県内大学等定着推進事業費についてでございますが、これは、学生に直接アプローチしているというものではございませんで、高等教育機関、そして、県内企業が連携して、県内就職に対する課題認識であったり、学生のニーズ、そういったものを共有し、そして、県内就職の充実強化に向けた取り組みを検討していくといったものであります。
 もう一つ、リカレント教育推進費でございますが、大学等の機能を活用し、学び直しとかそういったものも含めて、リカレント教育を推進していくものであります。こういったことで、企業に有益な人材を育て、また、学ぶ環境を整えることによって、人材の定着であったり、企業の成長を促すものでございます。
〇高橋穏至委員 生産性向上とか、そういった企業の魅力アップにつながる事業と捉えました。
 最後に、関係人口創出拡大事業ですが、この関係人口拡大創出事業の成果としては、数字ではしっかり出ているのですが、この関係人口の創出の結果、得られた成果は、どのように捉えているかをお伺いします。
〇八巻地域振興課長 関係人口創出拡大事業費の中で得られた成果でございますが、具体的には、その複業によってもたらされた関係人口の増大数でありますが、県では、平成30年度から複業を希望する首都圏の人材と人材を求める県内企業や団体等とのマッチングにより、地域課題解決等への参画の機会を提供する遠恋複業課を実施しているところでございます。
 事業の実施に当たっては、県外の複業希望者を対象としたセミナーや、県内での現地フィールドワークを通じまして、県内の企業、団体や、地域への理解を促しながら、マッチングを図ってまいりました。その結果として、マッチングの件数は、事業を開始した平成30年の5件から、令和元年度は22件、令和5年度は、過去最多の28件をマッチングし、これまで延べ126件のマッチングが成立したところでございます。
 複業者がふえることは、本県にとって非常に貴重な関係人口の増加となることから、受け入れ企業や団体の拡大を図るとともに、首都圏の複業希望者への情報発信をさらに強化するなどして、今後も、複業を通じた関係人口の質的、量的な拡大を図ってまいりたいと思っております。
〇高橋穏至委員 複業ということですので、よく言われるテレワークとか、さまざまな形態とは別に、実際、仕事をしながら、もう一つやるという方ですよね。そういった方の業種とかの対象になっている人にアプローチするデータはお持ちなのでしょうか。
 どういう方がそういう複業をしてきているのかというのを分析しているかという話です。
〇八巻地域振興課長 さまざまな方々が来ているのですけれども、実際に、複業でこちらに入ってきていらっしゃる方々は、例えば、地域おこしの団体に配属になったりとか、それから、農業の商品開発、現地の産物の商品開発や、販路の拡大など、そういう企画を立案するような仕事に就いていますので、そういった関係に対応できる方々をマルチにマッチングしてきたところでございます。
〇畠山茂委員 まず初めに、郵便局における行政事務の拡大について、お聞きしたいと思います。
 郵便事業は、法律によりましてユニバーサルサービス、全国一律のサービス提供が義務づけられています。郵便局は、過疎地も含めて全国に2万4、000局を展開しています。一方で、今、地方では、農協だったり、漁協だったり、信用金庫、あるいは、地方銀行などの撤退が今進んでいる状況で、地域唯一の金融機関となっているところもあります。
 また、地域によっては、派出所や小学校がなくなったりする中で、今、総務省は、郵便局が、自治体から受託できる行政事務の拡大を進めて、住民の利便性向上と、郵便局を地域の活性化に活用することを進めています。
 岩手県では、広大な面積を有して、過疎地も多いことから、郵便事業と自治体連携はどのようになっているのか。あるいは、県の考え方の認識を伺いたいと思います。
〇佐藤市町村課総括課長 郵便事業と自治体の連携についてでございますが、畠山茂委員御指摘のとおり、総務省では、郵便局が全国各地に窓口拠点を有すること、また、地域住民から顔が見える関係を構築していることなどに着目いたしまして、郵便局が持つ強みを生かした地域活性化方策の推進に取り組んでいると承知しております。
 県内では、全市町村が郵便局と包括連携協定を締結しておりまして、その中で、高齢者や子供の見守り活動の実施、また、道路損傷の情報提供、また、災害発生時の被災者支援などの取り組みが既に行われているところでございます。
 また、二戸市や釜石市等におきまして、市町村役場から離れた地域の郵便局に、公的証明書の交付に関する事務を委託している事例がございます。また、北上市や西和賀町などにおきまして、マイナンバーカードの交付申請に係る支援業務を委託している事例があると承知しております。
 県といたしましては、さまざまな機会を通じまして、郵便局を活用するための手続などについて、市町村に情報提供を行うとともに、取り組み事例の横展開を図りながら、地域の実情に応じた、郵便局との連携の促進に努めてまいりたいと考えているところです。
〇畠山茂委員 33市町村それぞれ、さまざまな連携をしていることも理解しました。
 今、総務省のホームページを見ますと、全国で、行政事務を初め、先ほど取り組みの中で出ていない部分で言いますと、買い物支援であったり、あるいは、オンライン診療だったり、消防団への加入支援や災害時の支援など、さまざまな取り組みが事例として挙げられておりますので、これから、岩手県の過疎が進む地域では、郵便局の可能性をぜひ引き出していただいて、連携強化を図っていただきたいと思います。
 次に、2点目の質問に移ります。行政におけるデジタル化の推進とAIの活用についてです。先ほど高橋穏至委員も触れた部分なので、重複しないようにお聞きしたいと思います。
 まず1点目が、2021年9月にデジタル庁が創設されました。その中では、行政のデジタル化を推進するということで、スマート自治体の実践を目指しています。具体的には、24時間、365日役場に行かなくても、さまざまな手続ができるという電子市役所、行政手続のオンライン化です。それから、手続のペーパーレス化、キャッシュレス化、また、働き方改革という意味では、先ほども出ていた在宅勤務の推進も考えられています。
 そこで、国は、2025年までに、行政の情報システムの標準化と共通化を整備するとしていますが、県内の各自治体における現在の取り組み状況はどうなのか伺いたいと思います。
 あわせて、小規模自治体では、デジタル人材確保が課題とされています。県と小規模自治体との連携の状況についても、あわせてお伺いをいたします。
〇舘本デジタル推進課長 まず、行政におけるデジタル化の推進についてでございますが、畠山茂委員お話しのとおり、国では、令和7年度末までに、地方自治体の基幹20業務システムを標準準拠システム―標準化、共通化したシステムのことでありますが、こちらに移行することとしております。
 現時点で、県内三つの市で、事業者が撤退するなどによりまして、期限までの移行が困難でありますけれども、その他の市町村におきましては、期限内に移行が完了する見込みでございます。
 なお、標準準拠システムへの移行に係る経費についてでございますが、令和7年度までが国の補助対象とされておりますが、令和8年度以降に移行が完了する市町村につきましても、補助対象となりますよう、国へ要望してまいります。
 また、標準準拠システムは、今使っております現行システムと比較しまして、クラウド利用料等の運用経費が大幅に増加すると言われておりまして、そこが見込まれていることから、運用経費に対する財政的支援についても、あわせて、国へ要望してまいりたいと思います。
 また、小規模市町村との連携についてでございますが、畠山茂委員御指摘のとおり、特に町村におきましては、一般職員の確保も困難な状況であります。また、国から県に対しまして、市町村の支援に向けて、必要な人材のプール機能を求められているところです。
 このため、今年度は、県の専門人材と職員とで、町村部を中心に訪問しまして、基幹業務システムの標準化の進捗状況、町村におきますDXの取り組み状況、DX推進におきます課題などをヒアリングしながら、相談に乗っているところでございます。
 これまで実施したヒアリングにおきましては、特に町村においては、解決すべき行政課題を明確にすることも困難なほど人材が不足している状況がございます。このため、DX推進計画の策定から実行、進捗管理まで、あらゆる場面において支援をしていく必要があると考えておりますので、引き続き、県の専門人材や職員を随時派遣しまして、寄り添った支援を行ってまいります。
〇畠山茂委員 今の説明だと、大変厳しいという状況だと理解しました。小規模自治体では、先ほどのお話のとおり、お金と人がなかなか足りないという状況ですし、きのうの情報技術研究議員連盟の御挨拶を聞いたときにも、国の方針も変わったりして、自治体が行う整備は、確かに国が予算は見るけれども、その後の維持費が自治体負担で、これもまた負担だと。特に小規模自治体はますます厳しいというお話もあったので、改めて、今の説明も聞いて、なかなか厳しいという認識を持ちました。
 次に聞きたいのは、デジタル化の推進によりまして、県職員の働き方改革の状況は、どのように推進されているのか。もう一つは、デジタル化が進みまして、県民の手続の利便性の向上は図られているのか。その2点をお聞きしたいと思います。
〇小笠原科学・情報政策室長 県職員の働き方改革の推進状況についてでありますけれども、県では、岩手県庁働き方改革ロードマップを令和2年度に策定し、勤務環境の向上、意識啓発、電子決裁・文書管理システムの導入などにより、業務の効率化に取り組んでまいりました。
 令和6年度は、会計事務DXを取り組みの柱に掲げ、部局横断のクロスファンクショナルチームを設置し、システム間の連動やペーパーレス化などによる適正な事務執行や効率化を図ることを目的に、柔軟な働き方の実現や、限られた行政経営資源の有効活用に資するシステムの検討を進めているところでございます。
 また、県民の手続の利便性については、県の行政手続に電子申請・届出サービスを導入いたしまして、オンライン化に取り組んでおり、令和6年度からは、このサービスを県内の9市町村と共同利用することにより、さらに、県民の利便性向上に取り組んでいるところでございます。
 今後、国が進める自治体情報システムの標準化、共通化や、共通システムの利用などを通じ、市町村における事務作業の統合等が考えられることから、こうした動きにあわせて共同利用参加市町村の拡大など、県民の利便性向上の取り組みを進めてまいります。
〇畠山茂委員 一歩一歩働き方改革が進んでいると認識してよろしいのでしょうか。
 それから、県民の利便性の向上の話は、9市町村とまずはつながって、やっているということです。私はまだまだ初歩的な数字ではないかと思うのですが、ちなみに、手続上、何パーセントぐらいかといったところまで把握をなさっているのですか。それとも、9市町村だけがまず取り組んでいるという、大枠のところしか把握なさってないのか、そこをお聞きしたいと思います。
〇小笠原科学・情報政策室長 9市町村以外のところにつきましても、自前でシステムを持っておりますので、それぞれで手続がオンライン化されているものと受けとめております。
 参考までに、行政手続のオンライン化ですけれども、電子申請・届出システムの利用手続につきましては、令和5年度で7万9、334件、そのうち、庁外向けが5万4、000件余、それから、庁内向けは2万5、000件となっております。
〇畠山茂委員 結構な手続がされていると認識いたしました。
 最後の質問に移ります。最後はAIについてです。今、技術革新が日進月歩で進んでおりまして、人工知能、AIの活用が、今、さまざまなところで活用されています。
 そこで、県行政の推進においても必要と考えますけれども、現在は、どのような検討がされているのか。あるいは、もう活用されているのであれば、どのような活用を行われているか、お聞きしたいと思います。
〇小笠原科学・情報政策室長 AIの利活用についてでありますが、県では、令和元年度から、会議録作成システム、それから、令和4年度からは、電子決裁や財務会計システムの操作方法、共済制度など、職員から問い合わせの多い業務におきまして、自動で回答するAIチャットボットを活用しているところでございます。
 また、令和5年度からは、自然な会話形式のコミュニケーションを通じて、挨拶文などの文章の生成や翻訳、質疑応答などといった幅広い知的作業を自動で行うAI、チャットGPTや、マイクロソフトコパイロットを活用しておりますが、現在は、十分に利用されているとは言えない状況になっております。
 AIは、業務の効率化や職員の働き方改革、人材不足の解消などに資する一方で、信憑性や著作権等の問題もございますので、昨年度策定した生成AIの利用ガイドラインによりまして、利用時の遵守事項等を職員に徹底しながら、利用事例などを紹介するとともに、セキュリティーを強化するなどの利用環境の整備を進め、積極的な業務への利活用を推進してまいります。
〇畠山茂委員 今、一般的に、世の中では、AIが普及すると、今の仕事の半分はAIが賄うだろうと想定されています。行政もその中の一つだと思います。働き方改革あるいは効率化というイメージで、さっき言ったようないろいろな課題もあると思いますが、有効に活用していただければと思います。
〇松本雄士委員 私からは、先ほど少しありましたけれども、いわて戦略的DX・GX等研究開発推進事業費についてです。いろいろ目標を上回る開発実施件数となっているのと、その要因等は、先ほど答弁ありましたけれども、この事業の内容ですが、もう少し具体的に、どのような分野、どのような相手に対して、どのような支援が行われたのか、お伺いいたします。
〇阿部科学技術課長 いわて戦略的DX・GX等研究開発推進事業費の実績、内容ということでございますが、この事業は、岩手県科学技術イノベーション指針に掲げる科学技術の展開が期待される分野と、これらの分野のDX・GXの推進のために、大学等の有する技術シーズを活用した産学官連携による研究開発を支援することにより、将来、有望な研究シーズの育成や国等の研究開発資金の獲得などにつなげることを目的としておりまして、令和5年度は、7件を新規採択しているところでございます。
 具体的には、次世代ものづくり分野におきましては、国立大学法人岩手大学と県内企業による金属加工製品のAIによる自動検査技術の開発など2件に対し、合計300万円、ライフサイエンス分野におきましては、一関工業高等専門学校と県内企業による認知症予防デバイスの研究開発など2件に対し、合計837万円、加速器分野におきましては、岩手大学による放射光を用いたハスクレイ―これは蓄放熱材料のことでございますが、その構造解析に100万円などの支援を行っておりまして、このうち、DX、GXに関連する課題としては5件、DX、GXに限定されない課題としては2件となっております。
〇松本雄士委員 非常に大切な取り組みであると思います。教育や研究開発などの将来、未来に対する投資は、もっとやっていくべきだと思っておりまして、この辺について、先ほど、令和6年のほぼ横ばいの予算だということでありましたけれども、もっと増額とか、そういう要望、ニーズはなかったのでしょうか。
〇阿部科学技術課長 先ほども御説明いたしましたけれども、厳しい財政状況の中ではありますけれども、支援メニューの見直しのほか、県の重点事項でありますDX、GXの枠を新たに設けまして、この新規事業を令和5年に立ち上げたところでございます。
 この事業は、社会に与えるDX、GXのインパクトの大きさに鑑みまして、そうした枠を設けているところでありますけれども、従来どおり、DX、GXの枠、限定されない一般的な課題についても、引き続き、採択することとしておりますので、そういった形でこの事業を組み立てているところでございます。
〇松本雄士委員 いろいろ厳しい財政の中、現状維持のところがせいいっぱいだったというところかと思いますけれども、こういった未来への投資は本当に大切だと思うのです。そして、その研究開発は複数年にまたがるものだと思うのです。いろいろ難しいと思うのですけれども、基金化して、ただ、何に使われているのかというのをしっかり見ていくためにも、きちんと期間を区切って、進捗状況をある程度できるところまでオープンにして、定期的にそれを報告するような仕組みとし、基金化などそういったオープンにした枠組みで、その研究開発をより推し進めていくという取り組みについてはどうなのでしょうか。その辺の見解について伺います。
〇阿部科学技術課長 研究開発投資は、経済成長のエンジンであるとともに、社会課題解決の鍵になるものだと考えております。
 一方で、革新的な製品開発には、外部の高度な知見の活用が必要になることや、成果がすぐには生まれないという不確実性がございますので、特に県内企業においては、研究開発投資が進めにくい傾向があると考えております。
 このため、企業における研究開発リスクを一部軽減いたしまして、大学等が有する高度な技術や人材を活用した産学連携による研究開発を積極的に支援することが重要と考えております。このため、本事業におきまして、さまざまな支援メニューを用意して、県内企業と大学等が連携する研究開発を支援しております。
 御指摘のとおり、研究開発の成果が社会実装につながるまでは一定の期間がかかります。公的資金を活用している以上は、その内容をしっかりと県民等に説明し、あわせて、専門家によるしっかりとした評価を行うことが重要だと考えておりまして、御指摘のように、期間を区切って、そうした課題を評価して、次のステップにつなげていくという取り組みが重要だと考えております。
〇松本雄士委員 基金化のところや財源確保など、いろいろ非常に難しいところはあると思うのですけれども、昨日のお話でも、財源確保のところで、いろいろ柔軟に大胆にして、チャレンジングにというワードがありました。未来への投資でありますので、ぜひとも、複数年のところで、この研究開発にしっかりとつなげるような取り組みにしていっていただきたいと思いますので、何卒よろしくお願いします。
 続いて、いわて地域おこし協力隊の件についてお伺いいたします。地域おこし協力隊の取り組みがいろいろ順調に、隊員数もふえてきていると認識しているところでありますけれども、県内市町村の受け入れ隊員数の推移と、任期終了後のその隊員の方の定住率についてお伺いいたします。
〇八巻地域振興課長 まず、本県の地域おこし協力隊の受け入れ隊員数の推移でございますが、県と市町村との合計で、単年度ベースで、令和元年度に201名であったものが、令和5年度には266名と増加してきており、その要因といたしましては、全国的にも、本県においても、地域おこし協力隊制度の周知が進み、受け入れる市町村が拡大したことによるものと考えております。
 また、任期終了後の定住率につきましては、令和5年度3月31日までに任期終了または退任した隊員297名のうち、191名が定住しており、定住率は64.3%となっております。
〇松本雄士委員 ちなみにですけれども、市町村全体で266名増と、すごくふえてきている中、県は、令和5年度目標を4人と設定して、2名の実績で、目標の半分ぐらいの実績しかなかったということがあるのですけれども、その要因についてお伺いいたします。
〇八巻地域振興課長 県としての地域おこし協力隊の受け入れにつきましては、松本雄士委員御指摘のとおり、令和5年度は、4名の予定に対して2名の方を採用したところであり、この2名につきましては、三陸ジオパーク推進協議会において、世界ジオパーク認定に向けた調査や普及活動などをしていただいているところです。
 また、4人に届かなかった要因でございますけれども、複数の応募はあったものの、数度の面接の結果、辞退者もあり、採用に至らなかったことであります。
 このことから、残りの2名につきましては、令和6年度に、再度募集を行いまして、移住、定住を促進するためのユーチューブ等を使用した情報発信やイベントの企画に対応できるような方1名が、11月に着任する予定になっております。
〇松本雄士委員 わかりました。
 地域おこし協力隊の方は、非常にありがたいですし、地域にもたらす影響は大変大きいと思っております。よそ者、若者というところ、そして、そこからのつながりは、地方にあってかなり期待できるものと思っております。
 そして、今、定住率が64.3%ということで、全国平均より著しく低いわけではないですけれども、全国平均は大体7割、69.8%となっております。この定住率を上げていくというところが非常に大切かと思うのですけれども、本県の場合、その定住者はどのような分野への就業、起業が多いのか、お伺いいたします。
〇八巻地域振興課長 地域おこし協力隊の隊員終了後の状況につきましてですが、令和5年3月31日までの任期終了者297名のうち、定住者191名という状況ですが、主なものとしては、自治体職員や地域づくり団体等への就業が85名、それから、飲食サービスやコンサルタント業などの起業が73名、それから、農業や林業などへの就農、就林等が21名となっております。
〇松本雄士委員 自治体等と地域づくり団体等への就業が85名と半分までいかないことと、起業、飲食などさまざまな分野があるのですけれども、それぞれの定住促進に向けての課題認識と、定住率を上げていくためにどのような支援が必要と考えているのか、お伺いいたします。
〇八巻地域振興課長 地域おこし協力隊員が任期終了後も、引き続き、地域に根ざした活動で、定着、定住していただくためには、任期中の活動の充実による満足度の向上が、すごく大事だと思っております。それに加えまして、住環境の整備や、起業、就業への支援や市町村からのサポートも含め、地域における受け入れ体制を整備していくことが課題と考えております。
 このため、県では、市町村や地域おこし協力隊ネットワークと連携し、隊員向けの相談窓口の設置や、任期終了後の就業、起業に向けたフォローアップを行うなど、任期終了後の隊員が岩手県に定住しながら、その能力を十分に発揮していただけるよう、サポートしてまいりたいと考えております。
〇松本雄士委員 せっかく来ていただいて、ここに根づいていただくためには、ここはいいところだという満足度向上のために、そういったフォローアップは大切だと思いますし、また、その住環境の整備といったところへの支援が、本当は大切だと思うのですけれども、今現在、住環境への支援というところで、いろいろ対応されているとか、検討しているというところがありましたら、お伺いしたいです。
〇八巻地域振興課長 住環境の整備につきましては、まず、県土整備部で、県の公舎について、1年間1万円で、無料で滞在できるというおためし居住事業などがありますし、各市町村でも、同様の事業も行っております。また、空き家を改修したりとか、そういう費用を市町村が拠出しているという事業も、市町村ごとにやっておりまして、我々といたしましては、そういった事業を一括して情報発信いたしまして、岩手県に来たい、来ようとしている人たちが安心して来られるように、きちんとまとまった情報発信を継続して行っていきたいと考えております。
〇松本雄士委員 本当に繰り返しになりますけれども、他部局との連携というところが必要になるのですが、せっかく来ていただいた方を1人も逃さないように、何とぞよろしくお願いいたします。
〇福井せいじ委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時59分 休憩
   午後1時1分 再開
〇大久保隆規副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇斉藤信委員 最初に、国による東日本旅客鉄道株式会社のローカル線切り捨て問題への対応についてお聞きいたします。
 ローカル線切り捨ての全国の協議状況、対応状況を示してください。
〇中嶋地方路線対策監 ローカル線の全国の対応状況についてでございますが、新聞報道等で把握しているもので、網羅的なものではありませんが、まずは、昨年10月に施行されました改正地域公共交通活性化再生法に基づく再構築協議会については、岡山県と広島県にまたがる芸備線において、西日本旅客鉄道株式会社の要請により、本年1月に再構築協議会が設置され、3月には第1回再構築協議会が開催されております。
 このほか、JR西日本管内では、城端線、氷見線について、第三セクターのあいの風とやま鉄道に経営移管することが、昨年12月に決定されたところです。
 JR東日本管内では、再構築協議会設置の動きは具体化しておりませんが、千葉県の久留里線、群馬県の吾妻線において、JR東日本が沿線自治体に対し、沿線地域の総合的な交通体系に関する申し入れを行い、両者の協議が開始されているところです。
 また、青森県の津軽線については、令和4年の大雨災害により不通となっている区間の復旧に関する協議が、JR東日本と沿線自治体において行われておりましたが、ことし5月にバス等に転換することで合意されたところです。
〇斉藤信委員 我々も、東日本大震災津波で、JRを三陸鉄道に移管するということがありました。今のお話にもあったように、話が進むまで復旧しないのです。大雨災害で災害を受けたところは、結局はバス転換です。
 この法律による再構築協議会は、JRの路線を廃止するのではないとなっているけれども、具体的には、こういう形でどんどん第三セクターに移管するとか、バスに転換するとかで、私は、こういう動きを、本当に警戒心を持って対応していかなければならないと思います。
 そこで、JRローカル線維持確保連絡会議や、路線ごとのJR沿線自治体会議の開催など、県内の対応状況はどうなっているでしょうか。
〇中嶋地方路線対策監 県内の対応状況についてでございますけれども、県では、令和4年11月に、JRローカル線維持確保連絡会議を開催し、鉄路の維持と、県及び沿線自治体が連携を強化して、さらなる利用促進に取り組んでいくことについて、認識を共有したところでございます。
 そうして、令和4年12月には、県と沿線自治体と共同で、国やJR東日本に対し、路線維持に向けた要望を実施したところです。
 こういったことを踏まえまして、全ての路線におきまして、沿線自治体首長会議等が開催されるとともに、今年度に入りまして、新たに、八戸線、釜石線において、利用促進協議会が設立されるなど、鉄路維持に向けた取り組みが着実に強化されてきているところでございます。
 県といたしましては、路線ごとに状況が異なることから、沿線自治体の意向も十分に踏まえながら、引き続き、沿線自治体会議や利用促進協議会等を通じ、沿線自治体と連携しながら、鉄路の維持確保に向けて取り組んでまいります。
〇斉藤信委員 JRローカル線の切り捨て問題で最も大事なのは、JRが利益を上げて、内部留保をため込みながら、これをやっているということなのです。
 そこで、JR東日本の経常収支、内部留保は今どうなっていますか。
〇中嶋地方路線対策監 JR東日本の経常収支、内部留保についてでございますが、JR東日本が公表している連結決算資料によりますと、まず、経常利益につきましては、2024年3月期決算では、2、966億円余の黒字となっております。
 また、内部留保につきましては、利益剰余金で見ますと、2024年3月期決算では、2兆2、891億円余、また、最新の2025年3月期決算第1・四半期では、2兆3、303億円余となっております。
〇斉藤信委員 これは、2024年3月期決算は、株主総会で報告された中身だと思います。約3、000億円の経常利益です。そして、2兆2、891億円の内部留保。ことしの第1・四半期で見ると、経常利益が1、064億円、これは掛ける4になると思います。内部留保は既に2兆3、300億円です。これだけ利益を上げておいて、災害が起これば、それを最大の口実にして、ローカル線を切り捨てるやり方は、私は本当に許してはならないと思います。
 そもそも日本国有鉄道分割民営化のときに、地方ローカル線は守るのだと、こういう約束で分割民営化が行われ、岩手県にとっては、新幹線を青森県に延伸するときに、たしか1、000億円ぐらい地元負担をしながら、いわば盛岡市以北のJR本線を切り捨てる。もうかるところだけやって、採算がとれないところは地方に押しつけるというやり方をやってきた。我々は本当にそれを受けてきた。
 だから、これは全く大義も何もないと、私はそう思います。もちろん利用促進、その他については取り組まなければならないけれども、公共交通は、もうけるところで利益を上げて、もうからない路線もそれで維持する。これが国鉄時代の考え方だったし、分割民営化直後もそういう立場だった。そういうことを、私は、堅持して、防戦にならないように、公正的に取り組みを進めていただきたいと思います。
 次に、バス路線の維持、地方公共交通の確保についてです。県内のバス路線の廃止、減便の状況はどうなっているでしょうか。
〇山田特命参事兼地域交通課長 乗り合いバス事業者3社におきます県内のバス路線の減便廃止の状況についてでございますが、一部のバス事業者におきまして、令和6年4月に、運転手不足を要因とした減便や路線廃止が行われておりまして、平日296便、土日、休日177便が減便されたほか、県が把握している補助路線におきましては、国庫補助路線が3路線、県単補助路線が2路線で、計5路線が廃止されたところです。
 また、9月末でございますが、国庫補助路線5路線を3路線に統合再編したことによりまして、2路線が廃止されているところです。
〇斉藤信委員 全県で296便、特に盛岡市は、そのうち240便です。だから、地方を切り捨てたのではないのですよ。県都盛岡市のバス路線がばっさり削られて、朝と夕方しかない。だから、朝行ったら、帰って来られない。本当ですよ、これ。基幹路線だけはあるけれども、例えば東緑が丘地区などは、緑が丘のアネックスカワトクがあるところまで出ないとバスに乗れないというのが実情です。これは、バス事業者に責任があるというより、コロナ禍で乗客が減ったこと、一番の要因は運転士確保ですよ。
 だから、そういう意味でいくと、バス路線、公共交通網は、本当に生存権、生活圏の一部なのです。これをどうやって守っていくかということで、少しお聞きしたいのですけれども、まず、バス会社の経営状況、運転士の確保状況について示してください。
〇山田特命参事兼地域交通課長 バス会社の経営状況と運転士確保の状況についてでございますが、乗り合いバス事業者3社におきます令和5年度の利用者数は約1、592万人で、コロナ禍前の令和元年度比で23.6%減少しておりますが、令和4年度比では7.8%増加しているところでございます。
 また、令和5年度の運賃収入については、44億7、016万円余と、令和元年度比で18.3%減少しておりますが、令和4年度比では11.3%増加し、コロナ禍前までは戻っておりませんけれども、回復基調にあると認識しております。
 次に、運転士確保の状況についてでございますが、乗り合いバス事業者3社の運転士は、年々減少しておりまして、本年4月1日時点では618人と、昨年から22人、3.4%の減少となっているところでございます。
〇斉藤信委員 コロナ禍の影響があって、令和元年度と比べると、かなり厳しい利用者数の減少、運賃収入の減少ですけれども、令和4年度と比べると、これは乗客も運賃収入もふえている。私は、これは大変重要な傾向だと思います。
 そこで、運転士が、令和6年度の4月1日で618人、令和5年度が640人でしたから、640人からまた減ってしまった。それで、岩手県が今年度予算で運転士確保の事業を始めましたね。これの取り組み状況、成果はどうなっていますか。
〇山田特命参事兼地域交通課長 乗合バス運転士確保対策費補助の活用実績についてでございます。運転士不足に伴うバス路線の減便や廃止等によりまして、地域の足が失われることを防ぐために、今年度、本補助制度を創設したところでございます。
 本事業の対象経費は、運転士の確保に要する経費、運転士の採用活動及び運転士の育成に要する経費、職場環境の改善に要する経費でありまして、今年度は、新規採用運転士に対する人件費やテレビCMなどの採用活動、女性運転士用トイレの整備などに補助する予定であります。10月1日時点の交付決定額は1、685万1、000円でありまして、予算額1、722万円の97.9%となっております。
 なお、乗り合いバス事業者におけます本年4月から9月までのバス運転士の採用人数ですが、3社合計で51名となっておりまして、前年同期間より14名の採用増となっているところであります。
〇斉藤信委員 そうすると、4月1日は618人でしたから、それにプラス51人になるのですか。
〇山田特命参事兼地域交通課長 これに51名を足した上で、ただ、離職者が出る場合がございますので、純増にならないと思われます。
〇斉藤信委員 わかりました。予算のときに聞いたときには、640人まで戻すという、そういう目標だったのですね。今の話を聞けば、それは超えているのではないかという感触です。
 しかし、県が策定した岩手県地域公共交通計画では、バス運転士の新規確保人数は、これは令和10年度目標ですけれども、330人です。330人を令和10年に向けてどうふやすのか。この点はどういう計画を持っているのでしょうか。
〇山田特命参事兼地域交通課長 乗り合いバス運転士の確保対策でございます。これまで、乗り合いバス運転士の確保対策につきましては、運輸事業振興費補助におきましても、大型二種免許の取得助成費用への補助を、バス協会を通じてやってきたところですし、また、本年度におきましては、乗合バス運転士確保対策費補助を創設したところでございます。
 ほかにも、昨年度から始めているところですが、国の東北運輸局岩手運輸支局が高校訪問を始めていまして、これに我々も同行する形で、運転士確保のPRという形でやってきているところです。
 それから、自衛隊の退官についてです。今年度からですけれども、自衛隊員は定年が早いところでありまして、特殊免許で大型二種免許を持たれている方も相当数いるということですので、バス事業者を紹介しています。来月だったと思いますけれども、バス事業者と自衛隊で連携して、駐屯地でバスの運転士体験会のようなこともやっており、このような連携を強めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 ぜひ、自衛隊からどんどんバス運転士を確保するように取り組んでいただきたい。
 最後の質問になりますけれども、マイナンバーカードについて。マイナンバーカードの交付状況、マイナ保険証の登録状況と利用状況はどうなっているか。マイナ保険証による混乱をどういうふうに把握しているか示してください。
〇佐藤市町村課総括課長 私からは、マイナンバーカードの申請、交付状況について御答弁申し上げます。
 令和6年8月末時点におきまして、申請率は県全体で90.8%、交付率は81.3%となっておりまして、交付率は全国平均と同程度となっているところでございます。
〇舘本デジタル推進課長 マイナンバーカードの健康保険証の利用状況でございますが、本年8月30日に厚生労働省保険局が公表しました資料によりますと、マイナ保険証の登録者は、令和6年7月末現在で7、451万人、マイナンバーカード保有者の80%に相当します。令和6年7月に医療機関を受診した人のうち、マイナ保険証を利用した人の割合については11.13%と承知しております。
 また、岩手県保険医協会が医療機関に対して行った12月のアンケートの調査結果によりますと、不具合があったと伺っておりますが、現時点におきまして、市町村から具体的な情報は寄せられていないところでございます。
〇斉藤信委員 マイナンバーカードの健康保険証をひもづけているのは、岩手県では61.03%です。これは、ひもづけると、5、000円ポイントとか1万円ポイントとかもらえるということで進められた。しかし、保険証を活用しているかというと、全国的には11.13%です。岩手県の資料をいただきましたけれども、岩手県では12.97%。使われてないのです。
 石破茂首相も、自由民主党総裁選挙で、これは問題だ、見直す、そういうことを言っていたけれども、総理大臣になったら何かトーンがおかしくなってしまった。
 これは法的根拠がないのです。12月2日に健康保険証を廃止するというのは、閣議決定なのですよ。
 国民が使わない、使いがたい、こういうものを強制して健康保険証を廃止して、マイナ保険証に押しつけるなどというやり方は絶対やってはならない。ふるさと振興部長に聞きましょう。石破茂さんでさえ、これは見直さなければだめだと、自由民主党総裁選挙のときには言っていた。県民、国民が使ってない。そういうマイナ保険証の強制は、私は見直すべきだと、県も声を上げるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇村上ふるさと振興部長 マイナ保険証の件についてでございます。医療が必要な方が、きちんと医療を受けられることが非常に大事なことだと思っております。いずれマイナ保険証につきましては、国民に広く理解が得られること、メリットや安全性について、国において、丁寧に説明を行うことが、まずは必要だと思っておりますので、全国知事会等を通じて、引き続き、国に適切な対応を要望してまいりたいと考えております。
〇田中辰也委員 私から2点です。まず、公共交通機関の維持、確保について質問させていただきます。ただいま、斉藤信委員の質問の中でもありましたけれども、バス路線の減便等が問題となっているところでございますが、県民の意識調査の中では、57の調査項目のうち、この項目について重要度が20位、満足度が55位、ニーズ度が3位という結果です。県民が非常に重視していて、ニーズが高いのですが、満足度が上がっていかないという点が、非常に問題ではないかという思いをしていました。
 先ほどありましたバスの問題の話もありますが、バスのみならず、鉄道、それから、各地域でやっているデマンド交通、これを総合的に一体化した交通施策が必要ではないかと思いますが、これについて伺います。
〇山田特命参事兼地域交通課長 一体的な交通施策についてでございます。県民の暮らしを支える公共交通を守るためには、鉄道や広域的なバスだけではなく、これに接続する地域内公共交通の維持、確保も重要と考えているところでございます。
 岩手県地域公共交通計画の基本方針の一つには、持続的で利便性の高い地域公共交通ネットワークの形成も掲げているところでございます。
 この基本方針を踏まえまして、市町村における地域公共交通計画や利便増進実施計画の策定、コミュニティバスやデマンド交通の実証運行、それから、接続拠点の形成や運行ダイヤの検討などにつきまして、有識者派遣による助言や補助を実施してきているところです。引き続き、市町村の取り組みにつきまして、支援をしてまいりたいと考えております。
〇田中辰也委員 この中で、デマンド交通ですけれども、これは、今、各市町村のエリアを出ない形で、運営されています。この原因は何かというと、交通事業者との調整が一番課題でして、隣の市町村区域に入る場合は、そこの交通事業者との調整をしなければならないということで、これは非常に困難な、ハードルが高い状況になっています。
 しかしながら、隣接地との経済、社会での交流は非常に大きなところがあって、隣の市町村区域まで行ければ、本当に便利なのに、なかなか進まないという現状があります。
 広域的な視点に立って、デマンド交通の運用について、もう少しエリアを広げるとか、そういう形にしていかなければならないのではないかと思っていますが、それに対して、県としても、調整機能を発揮して、広域化を進めるという考えはないでしょうか。
〇山田特命参事兼地域交通課長 市町村をまたぐデマンド交通に関してでございます。県におきましては、乗り合いバス事業者の運行する補助路線が廃止された場合には、県単独補助でございます人口減少対策路線確保事業―これは代替交通に対しての市町村に対する補助ですけれども、当該代替交通がデマンド交通等であっても、対象としているところでございます。
 また、コミュニティバスとかデマンド交通などの実証運行に対して補助する地域公共交通活性化推進事業費補助金でございますが、市町村への支援を行ってきているところでありまして、市町村が連携して、広域的な取り組みを行う場合にも、支援を行うこととしているところでございます。
 県でも、こういった市町村の取り組みを支援していきたいと当然思っておりますので、広域的な観点からの助言や調整等につきましては、関係者と一緒になって進めてまいりたいと考えております。
〇田中辰也委員 関係者と一緒になってということですが、交通施策でも、いろいろなエリア内で、路線バスにはもう頼れない状況になっているところが多くあるわけです。
 そういうところで、各市町村がやっているデマンド交通をどうリンクさせていくかとか、そういう視点での交通施策や、そういう取り組みについて、出てくるのを待つのではなくて、市町村はそれぞれのエリアの中しか考えてないので、県として、エリアを広げた場合に、どういうのが必要なのではないかという形で、市町村に議論を促し、それを広く捉えることが必要なのではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
〇山田特命参事兼地域交通課長 県におきましては、さまざまな公共交通に関します会議を実施しております。例えば、地域内公共交通構築検討会ということで、市町村の担当者を集めた会議を実施しておりますし、それから、バス路線の活性化検討会、こちらは補助路線ですけれども、こちらのほうで、国、市町村と一緒になって、検討を実施してきているところでございます。
 このような中で、市町村から、このような公共交通を考えているけれどもというお考えが出てきた場合には、どのような路線を考えていくべきか、一緒に検討していきたいと考えているところでございます。
〇田中辰也委員 どちらが先かという話になってくるので、堂々めぐりになりそうなので、やめますが、それぞれの市町村だけで完結させてしまうと、今後、本当に広域的な路線が廃止や、減便になったりする場合に、本当にエリアとしてのまとまりがなくなるのではないかという思いもしていましたので、県としては、もう少し市町村をリードするような交通施策の展開が求められるではないかと思いますが、ふるさと振興部長、どう思いますか。
〇村上ふるさと振興部長 今、山田特命参事兼地域振興課長からるる答弁申し上げましたとおり、基本的には、市町村内のエリアの交通は市町村が、市町村を越える広域的な移動手段の確保については、県が対応するものと考えております。
 各市町村を越える現存する路線のあるものにつきましては、その路線ごとに、市町村、事業者も入った会議体をつくっております。
 それ以外に、新しい広域ルートが必要だとか、あるいは、今あるルートよりももっとよいルートがあるとか、もし、そういったようなお声があるのであれば、そういったお話は、県としても真摯に耳を傾けて、市町村と一緒に考えることは、検討していくべきかと考えております。
〇田中辰也委員 そのように前広にいろいろ検討しながら、それぞれの広域的な交通網の維持が必要だと思いますので、鋭意、努力いただきたいと思います。
 続きまして2点目、小規模町村の支援につきまして伺います。特に、小規模町村におきましては、一般職もそうですが、専門職につきましては、本当に職員採用について大変苦労しておりまして、町村会のほうからも、県で採用して、派遣してくれるような制度ができないかとかいう要望も出ているところであります。
 県としては、小規模町村に対して、職員の派遣をして、支援をしているところでございますが、今、派遣した職員等からの状況等を踏まえて、どういうところが問題なのか、また、どのような支援がさらに必要なのかということを伺います。
〇佐藤市町村課総括課長 小規模町村に対する支援についてでございます。専門職員が少ない小規模町村におきましては、退職の都度、職員を募集しているものの、応募自体がないとか、そういった形で、人材確保に苦慮していることは田中辰也委員御指摘のとおりです。町村会を通じまして、必要な専門職の確保について御要望いただいているところでございます。
 このため、県では、今年度から新たに、普代村と住田町に県の保健師を派遣いたしまして、地域の保健活動を人的支援により支える体制づくりを進めておりまして、派遣先からは、保健師の派遣に対する感謝のほかに、派遣の継続や、町村採用の職員に対するOJTなどについても期待されているという話をお聞きしております。
 一方で、県におきましては、一部の専門職につきましては、職員確保が大変難しい状況になっておりまして、小規模町村の採用力を強化する必要があると考えております。
 これを受けまして、去る10月12日に、県主催によりまして、市町村職員合同就職セミナーを新たに開催いたしまして、参加した多くの大学生、専門学校生からは、市町村の仕事に魅力を感じたなど、おおむね好評をいただいたところでございます。
 県では、小規模町村においても、行政機能を維持することができるように、現在、県と市町村との意見交換を実施しております。こちらの場におきまして、課題やニーズをきめ細かに把握いたしまして、具体的な方策を取りまとめることにしております。こういったことを続けまして、引き続き、人材確保の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
〇田中辰也委員 各町村長にもお話を聞きましたが、非常にありがたい、助かっているという声でした。
 ただ、その中で、一番不安なのは先ほど言った継続性の問題で、毎年毎年人がかわっていくものなのか、ある程度長期的に派遣してもらえるものなのか、その辺について非常に不安がある今、保健師を派遣してもらっている間に、自分のところの職員が育ってくれればいいけれども、そうでなければならないし、保健師はどうしても事務作業だけでなくて、人と人とのつながりが非常に大きな職種でもありますので、小さな町村の場合は、特に継続性への問題が大きくなってくる。
 どのような形での派遣を、継続するというか、今後の方針についてどうなのだろうという不安があるという話でしたが、その辺につきまして、どのようにお考えなのでしょうか。
〇佐藤市町村課総括課長 派遣の今後の進め方ということでございます。現在、一般職も含めまして、市町村に派遣している職員は、十四、五名いるところでありますけれども、こちらの中では、毎年度交代する職員もいますが、市町村の要望等、こういったことも踏まえまして、2年から3年継続している部分もあるところです。
 今後の派遣の継続につきましては、来年度の人的支援の必要性について照会しているところでございまして、具体的な職種や職種ニーズにつきましては、こちらは回答を取りまとめた上で、対応策を検討してまいります。
 県といたしましては、市町村の意向を踏まえまして、総務部初め、特に専門職種の場合は、各部局が所管しておりますので、こういった部局と調整を図りながら、市町村のニーズに応じた支援策を講じていきたいと考えております。
〇田中辰也委員 それぞれの市町村で、非常に困っているところがあると思いますので、その要望に応じながら対応していっていただきたいと思います。
 派遣もそうですが、各広域振興局にいる職員との交流というか、一時交換もあるでしょうし、その辺の行き来のほうが、多分、本庁よりは融通がしやすいのだろうという思いをしているわけです。そういうところで、各町村とそういう交流をしながら、支援をしていくという考えについてはどうでしょうか。
〇佐藤市町村課総括課長 広域振興局との交流についてでございます。今年度につきましては、広域振興局と、例えば1年の配属という形での交流はございません。昨年度につきましては、農学関係の職員が1人広域振興局に派遣になっていると認識しております。
 この仕組み自体は継続しているところでございまして、さまざま広域振興局と市町村との意見交換を通じながら、ニーズに応じた形で応えていきたいと考えているところでございますが、本庁で所管する分、広域振興局の所管する分、それぞれしっかりとニーズに対しては応えていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 県立大学の今の運営状況について、質問させていただきます。
 これも大分継続してやっているわけですが、まず最初に、3月の予算特別委員会で、理事長報酬30万円アップの部分について、成果物を出せという答えに対して、こういう答えが出ていました。
 大学以外と連携した取り組みといたしまして、いわて高等教育地域連携プラットフォームにおきましては、岩手県立大学が中心となりまして、岩手医科大学や岩手保健医療大学などの看護系大学と連携して、医療看護検討部会を立ち上げて、高等教育における看護系人材のあり方や地元定着について、調査、研究を行っているところでございます。こういうようにたんかを切ったわけですよね。
 ところが、ことしの令和6年3月の就職状況を見ますと、看護学部においては、県外就職が66.7%と前年より悪くなっております。皆さん方が、今の理事長に期待した部分は、保健福祉部門について、県庁の経験もあるし、それから、豊富な人脈もあると語っていたわけですが、税金を投じて県内の有為ある人材を育成するという意味においては結果が出てないと、こういうことになっているわけです。
 これは新聞報道等でも大きく取り上げて、この報酬問題については、私たちからしてみれば、そういう結果が出てないことについては、その経緯なりというものをしっかり追跡をしなければならないと思っているわけです。
 ところが、今回、決算特別委員会においては、総括課長も、部長もかわっていますので、その辺がどういうことになっているのか、これをまず確かめなければいけないと思うのですが、まず最初の私の質問に対して、答えていただきたいと思います。
〇安齊学事振興課総括課長 岩手県立大学では、看護学部において、先ほど飯澤匡委員から御紹介のありましたとおり、いわて高等教育地域連携プラットフォームの中の一つの部会としてワーキンググループを設置し、その中の看護のワーキンググループの中において、連携した取り組みを充実させているところでございます。
 また、看護学部では、県内病院の看護部長や卒業生を招いてのキャリアセミナー、また、県が実施しているいわて看護就職・進学説明会への参加を促進するなど、県内病院の魅力の理解促進に取り組んでいるところですが、残念ながら、ことしの卒業生については、県内就職率が下がったという状況を認識しておりまして、今後、さらに、全学的な取り組みとして、県内就職率の向上に向けた取り組みを強化していきたいと、そのように考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 先ほど申し上げました岩手県立大学の建学の精神で建て直しを図ったという意味があったのかなかったのか、そういう元副知事職の方を送り込んでやったわけですよね。ところが、結果は出てないわけです。
 これは、報酬が30万円もいきなりアップしたことも相まって、県民に対してどうやって説明するのかということを、我々県議会も問題提起している以上、答えなければいけないのですが、その点については、どういう感想をお持ちなのか。岩手県立大学の責任ではないと言い切れるのかどうか。前の部長はそう言い切りましたよ。何を守るのかわからないけれども。今の当該部としての考え方を示していただきたいと思います。
〇安齊学事振興課総括課長 岩手県立大学の理事長の報酬につきましては、法の規定にのっとりまして、国及び地方公共団体の職員の給与であったり、他の一般地方独立行政法人及び民間事業の役員の報酬等を総合的に勘案して定めることとされております。
 飯澤匡委員御指摘の県内就職率につきましては、県内の大学やほかの東北各県と同様に、伸び悩んでいるところでございますが、理事長を初め大学の役職員の実績について、一概に金額で測ることは困難でありまして、また、県内就職率の低下をもって評価することも難しいと考えているところでございます。
 岩手県立大学では、卒業生の県内就職率向上以外にも、豊かな教養の習得や、学際的領域を重視した特色ある教育、研究、地域社会、国際社会の持続的な発展への貢献など、幅広い分野で地域に貢献しているものと捉えているところでございます。
 県内就職向上につきましては、岩手県立大学の役割として、重要な要素であると認識しておりまして、引き続き、関係機関と連携しながら取り組んでまいります。
〇飯澤匡委員 前の部長や総括課長と何ら変化がないことを確認しました。あと任期がどれぐらいあるかわからないけれども、一つ、これは社会問題になっているわけです。多くの方から、おかしいのではないかという意見があったことで、私も取り上げているわけでありまして、そこでもって、成果が出てない。成果を測ると言ったら、県内就職率は一番大きな指標ですよね。これをプロセスだけで評価をするというのだったら、県民に対してどうやって説明したらいいのか。当該部としては、どういう説明をしますか。私はそうはならないと思いますけれども、うまいこといろいろな仕掛けをやっているから、それでよしということになるのですか。
 きのうも、総務部で、県職員の特別職の再就職についても問題提起をさせていただいて、総務部では、これから、よく検討するという前向きな答弁をいただきましたけれども、いずれ、こういう形で、知らないところで、前の人の任期があるのに割り入って、それで、さらに給料がアップしたと、こういう不自然な形の意思決定をされたと。当該法人格の中で決定すると、ずっと繰り返して言っていますよ。
 しかし、県税として、その30万円アップした分も、我々は県民の税として支払っているわけですから、それに対する成果物が出てなければおかしいでしょう。
 一般の会社だったら、そういう上級職の方々に対して、給料を上げたのだから、そういう成果が出てないのはおかしいだろうと言うのが普通だと思います。私、社長だったら、どういう成果が上がっているのかとそれは追及します。プロセスだけで、仕掛けだけでいいというのだったら、これは、岩手県立大学の運営の仕方としては、少し片手落ちだと思いますが、それに対する意見を求めたいと思います。
〇安齊学事振興課総括課長 岩手県立大学の成果でございますが、これまでも答弁さしあげたところでございますけれども、知の拠点として、自治体や企業との共同研究や自治体政策形成、地域創生、DX化に資する取り組みと推進、また、地域政策研究センターに令和5年度からウェルビーイング研究部門を開設し、行政の政策展開への助言、また、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトにおいては、北いわての地域課題や産業振興への研究活動の強化、東大等との連携によるCOI−NEXTにおいては、学びの拠点づくりやまちづくり学習、再生可能エネルギーの活用による産業振興等に係る研究の推進、令和5年4月に設置した岩手県立大学復興防災支援センターにより、県や市町村等と連携した調査研究や人材育成、ダイバーシティ推進室の設置などにより、性の多様性やダイバーシティの推進、いわて高等教育地域連携プラットフォームにおいては、先ほど御説明しました岩手医科大学等と連携した看護や人材のあり方や、地元定着への調査研究などの取り組みを行っており、こういった取り組みの成果を積極的に情報発信していきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 その成果を挙げてくださいよ。これまでに、それは3回ぐらい聞いたよ。その成果を挙げてください。30万円も給料を多くもらって理事長がもう長いことやっているのだから、成果を示してください。どういう結果が出たのか示してください。
〇安齊学事振興課総括課長 さまざまな取り組みを行うことによって、自治体に政策提言をしているほか、研究部門についても、共同研究の件数が増加しているところがございます。また、岩手県立大学復興防災支援センターにおいても、沿岸等の地域と連携した取り組みが実施されておりまして、研究発表等も行われているところでございます。
〇飯澤匡委員 なかなか苦しいですよね。
 何回も言いますけれども、これは、税金で30万円も加算されているわけですから、この点は、私たちはしっかり見逃してはいけないと思っています。
 アイーナに小部屋をつくって、いろいろな人とお話をするようなスペースをつくったといいますけれども、一体全体何をやっているのですか。何か特権階級の中で、岩手県立大学の中で、そういう特別な、今まではなかったようなことをやって、こういうことをやっているぞとかいろいろな意見が出てくるわけです。そういうふうにやって、私は、県民に対して見える成果が出たらいいと思うのです。
 ところが、今の答弁でも、なかなか出てこない。これは、最初からやり方が間違っていたのだろうと、私は断ぜざるを得ません。今後も、この件についてはウォッチしていきたいと思いますし、自分に対して異論があるから、すぐ新聞社に対して質問状を送るというのも、これは、岩手県立大学としての格を落としていると私は思います。
 この質問に対しても、当該部は、個人でやっている話だし、岩手県立大学も、その話し合いに応じてやっているという結論だったけれども、一般県民からしてみれば、何をやっているのだと、こういうことになるかと思うけれども、それを客観的に見る。そして、私は、あなた方も、それに対してなかなか助言できない、そういう雰囲気をつくっていること自体がおかしいと思うのです。今回は、執行部がかわったので、そのことがどの様に変化しているかということの探りの質問でしたけれども、何ら変わってないということはよくわかりました。
 いろいろな方々から情報を得られていますので、その情報を正確に精査しながら、今後も対応していきたいと思っております。きょうは、この点だけでとどめますけれども、常任委員会で議論しようと思っても、部長も出てこないし、これはずっと追いかけている問題なので、県民に対して、しっかり議論をしている姿を見せたいということも思って、私、あえて取り上げさせていただきましたので、御理解をいただきたいと思います。今回は、これで終わります。
〇大久保隆規副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇大久保隆規副委員長 質疑がないようでありますので、これでふるさと振興部関係の質疑を終わります。
 ふるさと振興部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、ILC推進局長にILC推進局関係の説明を求めます。
〇箱石ILC推進局長 令和5年度のILC推進局関係の決算について御説明申し上げます。
 初めに、ILC推進局所管の事務事業に係る総括的な取り組み状況と今後の取り組み方針について御説明いたします。
 ILC―国際リニアコライダー計画については、国内外の研究者により、2030年ころを建設開始とするタイムラインが示され、現在、ILCテクノロジーネットワークの枠組みで国際協働による研究開発や国際有識者会議による政府間協議に向けた取り組みが進められているところであり、令和7年度の文部科学省概算要求には、このILCテクノロジーネットワークの費用等を含め、ILC関係予算として、今年度と同額の10.5億円が盛り込まれたところであります。
 ILC推進局では、これまでILCの実現に向け、ILCの多様な価値を広く発信し、県民、国民理解の醸成に努めながら、国家プロジェクトとして、政府全体で誘致を推進するよう、国等への働きかけを行ってきたところであります。
 また、ILCの実現を見据え、建設候補地として必要となる受け入れ体制の整備の取り組みを推進しており、産学官共同によるまちづくりモデルケースの策定、県内ものづくり企業の加速器関連産業への参入支援や技術指導、グリーンILCの理念の普及や取り組みの理解促進などに取り組んでまいりました。
 ILCを含むヒッグスファクトリーに関しては、昨年12月にアメリカの今後10年の素粒子物理学の方向性を示す報告書、いわゆるP5報告書の公表、中国のCEPC―大型円形加速器の技術設計書の完成、それらを受けて、欧州次期素粒子物理戦略策定の前倒しなど、日本、欧州、中国の三つの計画の検討が同時に進められ、かつその動きが加速し、情勢が大きく変化しており、今年度から来年度が、ILC実現に向けての山場と言われております。
 県としては、政府の誘致判断を後押しする国民的な機運醸成の取り組みを展開しながら、早期に日本政府に前向きな態度表明をしていただけるよう、県内外の推進団体等と連携し、国への働きかけを強化するとともに、建設候補地としての必要な受け入れ体制の整備の取り組みを推進してまいります。
 続きまして、決算の概要について御説明申し上げます。お手元の令和5年度岩手県歳入歳出決算書の18ページ、19ページをお開き願います。
 ILC推進局関係の決算は、2款総務費のうち、2項企画費の一部2億2、240万円余、不用額は1、710万円余であります。
 決算の内容につきましては、令和5年度歳入歳出決算事項別明細書に記載のとおりであり、説明を省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で、説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇大久保隆規副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇飯澤匡委員 ILCの国際ワークショップであるLCWS2024が、東京都で行われました。新たに出されたいろいろなステートメントや、特筆すべき事項、将来に向けて、岩手県がこの点について留意しなければならないといった感想でいいですから、その点について示していただきたいと思います。
〇中村副局長兼事業推進課総括課長 飯澤匡委員お尋ねのLCWS2024につきましては、県におきましても、関係団体と連携いたしまして、ポスターセッションに参加させていただきました。
 全部ではないのですけれども、私も行きましたが、英語なので、なかなか理解が難しい部分もあったのですけれども、資料等で確認をしている部分がございますので、その点について何点か説明させていただきたいと思います。
 まず一番大きいといいますか、びっくりしたという部分があるのですけれども、CERN―欧州原子核機構において、リニアコライダー施設建設という論文が発表されるということがございました。
 これにつきましては、ILCと今、欧州で行われているFCC−ee―次世代円形衝突型加速器のコストの比較や、あるいは五つのヒッグスファクトリーの持続可能性の比較などを行いながら、物理に関しては、ILCの250ギガボルトとFCC−eeは同等ということであるのですけれども、建設コストと持続可能性は、ILCがまさっているということです。結論として、ILCはCERNの通常予算の枠内で建設できるし、CERNの将来にとって、豊かなプログラムを約束するという結ばれ方をされているものがございました。
 欧州のFCC−eeにつきましては、その巨額のコストの部分が課題になっていると伺っていまして、そういう部分も踏まえて、さまざまな議論が今行われているのだという感想を持っております。
〇飯澤匡委員 明らかに、コロナ禍のほぼ終息後に、状況が変わりつつあるといいますか、特にヨーロッパの、強いて言えばドイツが、日本の建設についてなかなか決定できないことに関して、一歩踏み込んだ強いメッセージを出すようになってきたと聞いておりまして、それも、今回のLCWS2024におけるそういう発表にも顕著にあらわれたのではないかと思います。
 改めて、今の米国の状況と欧州の状況について、当該部はどのように把握し、今後の課題として、本県としてどのように対応をするつもりなのか、示していただきたいと思います。
〇中村副局長兼事業推進課総括課長 まず、アメリカの状況についてですけれども、昨年12月に、P5─素粒子物理学プロジェクト優先度決定委員会が、アメリカの素粒子物理医学研究の戦略計画をまとめた報告書を発表しております。
 こちらでは、ヒッグスファクトリーは最優先事項の一つということで、アメリカはヒッグスファクトリーの建設は行いませんけれども、アメリカが貢献するプロジェクトの選択肢として、日本のILCと欧州、CERNのFCC−eeが示されております。
 改めて、ILCが世界的に必要性の高いプロジェクトであると評価され、また、アメリカからILC実現に向けた動きが進展することを期待されているものと受けとめております。
 また、欧州の状況ですけれども、欧州、CERNのFCC−eeにつきましては、中国のCEPCの動きを受けまして、実現可能性調査の取りまとめが、令和7年3月に前倒しされております。それに伴いまして、次期欧州素粒子物理戦略も、令和7年中に方向性が明らかになる見通しとなっております。
 先ほど申し上げましたけれども、FCC−eeにつきましては、巨額の建設コストが見込まれておりまして、飯澤匡委員御紹介のドイツでは、科学技術を所管している教育・建設省が、建設コストに懸念を示しているという情報もございます。
 そういうアメリカと欧州の状況も踏まえまして、日本政府には早期に前向きな態度表明をしていただいて、ILCの日本誘致に向けて、国際的な議論をリードしていただきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 そのとおりだと私も思います。
 そこで、ことし7月に、私は、北海道・東北六県議長会において決議をされたILCの特別枠として、政府要望をしてまいりましたし、皆さん方も同席しました。
 1日置いて、今度は、岩手県議会・宮城県議会国際リニアコライダー建設実現議員連盟でも、文部科学省、内閣府等へ要望活動をしたわけですが、2回目の要望では、藤原崇代議士も同席していただいたので、かなりニュアンスは違っていたのですが、ただ、かなり厳しい状況であることは間違いない。判で押したように、第2期国際リニアコライダー(ILC)に関する有識者会議の結果のことを前提として話をするわけです。
 これは大変厳しい状況で、今後、政府が思い切って、内閣府を中心に、国際プロジェクトとして動かなければ、これはなかなか突破できないという印象を持ったのですが、皆さん方は、この現況の認識について、どのような認識を持たれているか、それについて、改めて、どのような対応が必要か示していただきたいと思います。
〇中村副局長兼事業推進課総括課長 政府の要望活動を通じた認識でございますけれども、県におきましても、ことしの6月に、知事による政府予算要望におきまして、ILC実現に向けて、政府全体で誘致を推進することなどについて、要望を実施しております。
 また、7月には、飯澤匡委員御紹介の岩手県議会・宮城県議会国際リニアコライダー建設実現議員連盟による要望にも同席させていただきました。どちらの要望におきましても、飯澤匡委員御紹介のとおり、ILCは巨額な経費がかかるプロジェクトだということであり、国際的な費用分担、あるいは技術的な問題など、幅広い議論が必要という回答でございました。
 飯澤匡委員御紹介のとおり、令和4年2月の有識者会議の報告書に沿った対応を基本的なスタンスとしておりまして、いずれも、ILCの日本誘致にはまだ慎重なスタンスだと感じております。
 今までも同じ対応でしたけれども、私ども建設候補地を有する県といたしましては、現在進められております研究者による国際協働の研究開発が着実に進むよう、政府に対して、予算の確保について要望してまいりますし、日本政府の前向きな判断を後押しするために、10月から、機運醸成の取り組みも進めております。
 こういうことをやりながら、できるだけ一日も早い政府の前向きな態度表明をしていただけるよう、取り組みを進めていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 今、衆議院議員総選挙が行われまして、どういう結果になるかわかりませんけれども、あわせて、アメリカの大統領選も近々結果が出ます。本県としても、そういう動きを踏まえて間髪入れずに、即座なる行動を起こしておくことが必要かと私は感じております。
 隣の宮城県気仙沼市出身の小野寺五典代議士が、今、自由民主党の政務調査会長になられたことは、暗闇の中で光明が見えたような感じがしますし、リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟については、今、ほとんど停止状態でありますので、これを早く立ち上げるのか、それとも別の方法でやるのか、そこら辺も情報をしっかり取って、県の対応が必要かと思いますが、その点に対する認識はいかがですか。
〇箱石ILC推進局長 今、飯澤匡委員御紹介のとおり、宮城県選出の小野寺五典議員が自由民主党の政務調査会長になったということで、先日、新聞報道で、鈴木俊一総務会長のインタビューが載っておりました。小野寺五典議員につきましては、ことしの1月に、両県議連で要望に参った際に、直接御対応をしていただきまして、非常にILCに前向き、理解が深いというところで、大変心強く思っているところでございます。
 今後、選挙後の状況等を踏まえながら、適切にしっかりと働きかけ、要望活動ができるよう、しっかり準備をしていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 文部科学省の要望活動の後に、いろいろな関係者とお話をしたら、文部科学省で、再就職あっせんに関して問題が起きたときに、ILCに対して前向きな方々が大分退任をされてしまって、この間対応していただいた技官も、科学技術に対しては、これまで、経緯としては見識があるほうではないというお話も聞きました。
 誠に不幸な時期に当たってしまっているわけですけれども、それはそれとして、事実として受けとめていかなければならないし、ついては、せっかくTDR―技術設計報告書が、北上山地がILCの建設用地としてふさわしいとして、この北上山地をベースにしてつくられているわけですから、この部分も踏まえて、これからしっかりとした対応が求められると思っております。
 私は常々、この東北地方に光が当たる最高のチャンスだと思っておりますし、本当に千載一遇のチャンスを逃すということはあってはならないことだと思っていますし、これは知事にも何回もその点は確認させていただいております。
 知事が対応できる部分は多岐にわたると思うのですが、より効果的なやり方をできるように、ILC推進局としても、その辺はしっかり配慮をしながら、対応をしていただきたいと思います。
 それから、本県独自としても、先ほど紹介しましたように、特に欧州内での議論において、事件解決みたいな動きが出ていますので、我々の考え方、そして、地域の情熱をしっかり伝える必要があると思うのですが、これについては、佐々木副知事が何らか動きがあるような話を聞いていました。その点についてはどういう対応の予定なのか、お知らせください。まだ予定なら予定でも結構です。
〇箱石ILC推進局長 ILCの今後の実現に向けましては、欧州、FCC−eeとの競合も出てくるかと思います。ことしの7月のLCWS2024の数日前に、欧州の3人の研究者が一関市に参りまして、岩手県立大学の鈴木厚人学長、佐々木副知事初め、建設候補地と意見交換をしております。
 いずれもILCに理解の深い研究者で、前向きに応援したいということでございました。そういう海外の研究者との連携は、今後、非常に重要な時期になってくると思います。
 来年3月がFCC−eeの実現可能性調査に対する意見提出の期限と聞いております。その前、年明けのいいタイミングを見まして、佐々木副知事、あるいは県議会の方々とも連携して、欧州への訪問を検討したいと考えているところでございます。
〇飯澤匡委員 きょうのラジオで、中華人民共和国の宇宙開発について、中期計画が出されて、かなりアメリカをしのぐような、そういう計画が出されたという内容が報道されていました。
 要は、中国の円形加速器も、宇宙開発とともに軍事転用のための一つの礎と考えたほうがいいのではないかと思います。アメリカとも、しっかりと意思を共有しつつ、あと、国会議連の動きも加速できるような形で、私たちもしっかりやろうと思いますし、当局もそれに留意をして、確実に、迅速に動きをしていただくことを要望して、私の質問を終わります。
〇斉藤信委員 私からも幾つか質問をしたいと思います。
 まず、改めて、ILCをめぐる国内外の動向について、整理して示してください。
〇中村副局長兼事業推進課総括課長 ILCをめぐる国内外の動向の件でございます。まず、国外の動向ですけれども、先ほども若干説明しましたが、まず、昨年の7月以降、IDT―ILC国際推進チームによりまして、ILCテクノロジーネットワークの枠組みで、国際協働による研究開発が進められております。
 あわせて、政府間協議に向けた取り組みが進められているところでございます。
 また、昨年12月には、アメリカのP5報告書で、ILCが多額の予算とともに掲載されております。
 一方、中国におきましては、昨年6月に、CEPCの技術設計書が完成しておりまして、建設に向けた動きが加速しております。
 それを受けまして、欧州、CERNのFCC−eeの実現可能性調査の報告の取りまとめや、次期欧州素粒子物理戦略の草案作成が前倒しされるなど、海外の大型加速器の動きが加速している状況でございます。
 次に、国内の関係でございますけれども、コロナ禍が終息いたしまして、昨年度から、県内外のILC関係団体による講演会等の活動が活発化してきております。
 また、本年2月に、新たに内閣府と文部科学省による将来の高性能加速器に関する連絡会が設置されまして、県で要望してきた省庁横断の新たな動きも見られるところでございますので、こうした連絡会の動きも注視しているところでございます。
〇斉藤信委員 今の説明で二つ立ち入って聞きたいのですけれども、政府間協議が進められているとのことでした。これはどういう協議なのか。
 もう一つは、ことしの2月に、内閣府と文部科学省による将来の高性能加速器に関する連絡会が設置されたとのことです。2月ですから、何回か連絡会をやられていると思うのですけれども、その検討状況はどうなっているのでしょうか。
〇中村副局長兼事業推進課総括課長 まず、政府間協議に向けた取り組みですけれども、こちらにつきましては、IDTが、令和4年度に費用分担の政府間協議に向けた国際有識者会議を設置いたしまして、現在、関係国政府による協議に向けた、その環境醸成の取り組みが進められていると承知しております。
 国際有識者会議の関係につきましては、昨年7月に、ICFA―国際将来加速器委員会におきまして、会議がまとめた報告書が発表されております。いずれ、政府間協議の前段階の環境醸成をどうしたらいいかということを、今、研究者の中で取り組みを進めているという状況でございます。
 もう一点、内閣府と文部科学省の将来加速器に関する連絡会の取り組み状況でございますけれども、こちらにつきましては、研究者コミュニティーと関係府省の検討状況の共有が目的として設置されておりまして、回数につきましては、私どもでは何回というのは把握してないのですけれども、2月と3月の連絡会の情報は得ておりまして、その際には、アメリカのP5報告書の内容や、文部科学省がアメリカのエネルギー省と意見交換を行った内容などの諸情勢について情報共有をして、意見交換を行ったと聞いております。
〇斉藤信委員 政府間協議について、国際的な費用分担が検討、協議されているとのことでした。新聞報道によると、我々は、ILCを日本が進めた場合には5割、あとの5割を国際的に分担すると、こういう形で私たちは説明を受けてきたのですけれども、国際的には、決してそうなってないという報道もありましたが、それはどうなのでしょうか。
〇中村副局長兼事業推進課総括課長 費用分担の関係につきましては、研究者の間で、過去に、その分担の枠組みを検討して、発表しているところですけれども、令和4年2月の文部科学省の有識者会議におきまして、当時の準備研究所は時期尚早など、立地も含めて再検討するといった議論のまとめが公表されました。現在は、費用分担も含めて、グローバルプロジェクトとして進めるべきということで、その報告を受けまして、今、国際的に、そういう費用分担も含めた協議が行われる調整をしているという状況でございます。
〇斉藤信委員 研究者の間では、建設する国が費用負担5割という合意があるのでしょうけれども、どうも、それが前提になっているわけでは決してないというのが、一つの状況なのだと思います。
 そこで、実は、東北経営者大会が今月11日に開かれて、この大会で、岩手県立大学の鈴木厚人学長が講演されて、こういう発言をしているのです。
 欧州や中国でも大型加速器の構想が進んでおり、2025年3月までに、日本政府からの前向きなメッセージが必要で、最後の機会となる。なかなか厳しい講演だったのではないか。これが最後の機会になる。鈴木学長はこう述べたということですけれども、この意味するものは何でしょうか。
〇中村副局長兼事業推進課総括課長 鈴木学長の講演については、今年度何回か行われておりまして、そのたびに同じような内容を発言されていると承知しております。
 先ほど来、説明しておりますけれども、欧州のCERNのFCC−eeが、中国の計画の進展を受けまして、今は前倒しで取り組みが進められているという状況でございまして、その欧州戦略のインプットというか、各研究者からの報告の期限が今年度の末、令和7年3月が締め切りとなっております。
 その前に、欧州戦略と競合しないように、日本の政府からある程度前向きな発言が出れば、欧州で検討される加速器の計画の中で、ある程度いいイニシアチブがとれるのではないかという思い等もあって、そういう発言をされているということで認識しております。
〇斉藤信委員 中国の大型加速器の計画は、単独の計画なのでしょうか。国際的な協力関係はあるのでしょうか。
〇中村副局長兼事業推進課総括課長 中国のCEPCの計画でございますけれども、こちらにつきましては、中国国内のプロジェクトでございまして、ILCのような日米を含めた国際的なプロジェクトということではございません。
〇斉藤信委員 ILCにしても、FCC−eeにしても、国際的な協力関係のもとで進められている。そういう点でいけば、私は、熟度は高いものがあると思うのです。問題は、その実現性です。8、000億円かかると言われている。要は、大変な費用がかかるということが一番のネックなのだと思いますけれども、この財源が問題です。
 この点で、私は、国内で障害になっているのは、今、国が何に金をかけようとしているのか。軍事費です。5年間で43兆円。これは、あらゆる分野から金を集める計画なのです。例えば、年間の剰余金が出たら、その半分は積み立てなければならない。半分は軍事費に回すという話になっています。
 予算特別委員会のときにも紹介したけれども、国立病院機構の基金債も軍事費に投入するという話です。子育て関係の予算も、財源がないから、医療保険から賄うことになっているのです。国会で何と答弁しているか。あらゆる財源は軍事費に回すので、そこから捻出できませんとのことです。
 こういう中で、ILCに回すなどという発想は、残念ながら、今の軍拡最優先の政府にはないのではないかと私は思います。ここが最大の障害になっているのではないか。科学技術立国は、そういう軍事大国を目指すところでは、可能性は本当になくなってしまうのではないか。来年の3月までが最後の機会だということで、鈴木学長が大変危機感を持って提起している。
 残念ながら、この時期に軍拡という話ですから、これでは、どんなに地域が頑張っても、あまりにも障害が大き過ぎるのではないかと私は思うのですけれども、これはILC推進局長に聞きましょう。そういうことも視野に入れながらやらないと、政治の一つの根本的転換も目指しながらやらないと、なかなか難しいのではないか。いかがですか。
〇箱石ILC推進局長 ILCの実現に向けての大きな課題は、ただいま御指摘いただいたとおり、約8、000億円にも上る多額の建設費、そして、その国際的な費用負担と考えております。いずれ、財源問題は避けて通れないことと認識しております。
 国際的な費用負担につきましては、先ほど副局長が答弁したとおり、現在、国際有識者会議で、政府間協議に向けた環境醸成が進められているというところでございます。ILCは、イノベーションの創出と産業の発展など、さまざまな価値を生み出す多大な経済発展効果がございます。建設費を大きく上回る2兆4、000億円から2兆6、000億円に上る経済効果という試算も出されております。
 日本の負担は、学術研究の枠を超え、日本の将来に向けた投資、つまり、日本が、今後、何で食べていくのかという基礎研究の部分で、必要不可欠な投資ではないかと考えております。引き続き、国に対して、国家プロジェクトとして、実現に向けた取り組みをしっかりと働きかけいきたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は、ILCの計画は、国際的な研究者が結集して、この日本で、そして、岩手県、宮城県の東北の地で、ILCをやるべきだと言うことは、一番の力なのだと思います。
 しかし、政府がいつになっても態度が変わらない。そういうところは本当に残念な気がします。FCC−eeにしても、多額の財源が必要になることは事実ですから、簡単ではないと思います。
 ただ、CERNは、戦後数十年の研究の成果があるわけです。私は、それが、また、CERNの強みなのではないかと思います。そういう点でいくと、どの道が最終的に選ばれるかというのは複雑な気がしますし、何よりも、日本政府が平和国家のもとで、科学技術立国を目指すと、こういう根本的な転換の中でしか、このILCという道は開かれないのではないかと、そのことを指摘して終わります。
〇大久保隆規副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇大久保隆規副委員長 質疑がないようでありますので、これでILC推進局関係の質疑を終わります。
 ILC推進局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後2時26分 休憩
   午後2時48分 再開
〇大久保隆規副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
 次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇滝山会計管理者兼出納局長 出納局関係の決算について、歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 まず、一般会計について御説明いたします。168ページ、169ページをごらん願います。
 2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は8億4、977万円余であり、これは、職員の人件費などの管理運営費及び県営建設工事入札業務に係る経費であります。
 次に、172ページ、173ページをごらん願います。
 5目会計管理費の支出済額は2億9、153万円余であり、その内容は、財務会計システム運営費、収入証紙売りさばき手数料などであります。
 次に、岩手県証紙収入整理特別会計について御説明いたします。ページが少し飛びますが、420ページ、421ページをごらん願います。
 まず、歳入でありますが、収入済額の合計は30億5、472万円余であります。
 続いて、422ページ、423ページをごらん願います。
 歳出ですが、支出済額の合計は29億6、182万円余であり、これは一般会計及び歳入歳出外現金への繰出金であります。
 次に、455ページをごらん願います。
 実質収支に関する調書ですが、歳入総額から歳出総額を差し引いた実質収支額は9、290万円余であります。
 以上で、出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますよう、お願い申し上げます。
〇大久保隆規副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇畠山茂委員 1点、入札制度の現状についてお聞きしたいと思います。総括質疑で千葉盛委員も触れた部分で、改めてお聞きしたいと思います。
 入札制度については、全国的に、あるいは国内においても、談合や贈収賄事件が散見されます。地方公共団体の財源は税金によって賄われており、調達に当たっては、透明性、競争性、公正性、それから、経済性が確保された入札制度のもと、よりよいもの、より安いものを調達しなければならないと考えます。
 そこで、国は、入札価格の事後公表を推奨していますが、岩手県は予定価格を事前公表する制度を導入し、総合評価落札方式も採用していることから、談合しにくい特徴があると思いますが、一方で、低価格や同額入札によるくじ引きになりやすいと考えます。
 県は現行の入札制度をどのように評価しているのか、お伺いいたします。
〇千葉特命参事兼入札課長 予定価格の事前公表については、国の入札及び契約の適正化に関する指針では、事前公表により懸念される事項として、落札価格の高どまり、くじ引きによる落札の増加、入札談合の可能性などを挙げております。
 本県の入札の状況を見ますと、落札率については、全国平均と比較して著しく格差を生じていないこと、また、くじ引きによる落札については、その発生割合が1%程度と非常に低い状況にあり、国の指針で示された弊害は確認されておりません。
 予定価格の事前公表は、入札の透明性、公正性の確保や事務の効率性の向上等に有効と考えています。
 また、総合評価落札方式については、経済性に配慮しつつ、価格以外の多様な要素を考慮し、企業の施工実績や技術者の施工経験、地域貢献活動などの評価基準を設けて運用しており、価格及び品質が総合的にすぐれたものを契約の相手方とすることができる入札制度と考えています。
〇畠山茂委員 今の答弁だと、適正に評価しているという答弁だったと思います。一方で、同じ予定価格を事前公表しているのは、岩手県だと、宮古市が同じような制度を取り入れているのですけれども、宮古市の状況を見ると、落札率が大体89%から91%が大半を占めていまして、くじ引きが当たり前になっています。ときには、10社を超えるようなくじ引きの落札もあったということですが、岩手県においては、くじ引きは1%だということで、適正に行われていると認識いたします。
 そこで、もう一点ここでお聞きしたかったのは、もう一つの制度の総合評価落札方式です。それこそ働き方改革であったり、女性活躍であったり、あるいは社会貢献であったり、先ほど説明がありましたけれども、そういった項目を設けて、総合評価をするという説明でした。
 私は、ここで、公共事業に入札する業者が、そういったことを求められて、入札に業者が入るのは、その企業を高める意味でもいいことだと思いますが、一方で考えますと、労働条件だったり、女性活躍だったり、社会貢献がなかなか難しい、経営が脆弱な業者は、なかなか入りにくい、取り残されるような認識も持ったりするのですけれども、そういった心配は、県は認識がないのでしょうか。
〇大久保隆規副委員長 執行部は答弁できますか。
 それでは、後ほど答弁してください。
〇畠山茂委員 今、感想として聞きたかったのです。
 2点目は、宮古市の県立宮古病院の改修工事について、医療局の説明では、総事業費が約100億円の工事となった入札が、ことしの2月に始まって、7月、8月と3回入札が行われて、結局はやり直しになって、参加業者がなくて、不調に終わったという事例があったとのことです。
 ロシアのウクライナ侵攻以来、物価高騰が続いていまして、原材料、食料やエネルギー価格など、物価高騰が続いています。それから、今、賃上げも行われていまして、経済好循環をするためにも、賃上げは必要なわけですけれども、そういった物価高騰が今も続いています。
 そこで、県の予定価格と物価高騰における入札業者が考える公示価格には、何か乖離があるのではないかと感じます。県の公共工事全体では、順調に入札が行われているのか。現在も物価高騰が続く中で、入札状況に対する県の状況と認識をお伺いしたいと思います。
〇千葉特命参事兼入札課長 入札状況に関する認識でありますが、公共工事積算における物価高騰対策については、工事所管部局がそれぞれ対応することになるため、県土整備部の取り組み状況を例として説明させていただきますと、主要資材価格の調査を毎月行い、最新の単価を用いて積算しているものと承知しています。
 また、昨今の入札状況について、医療局及び企業局を除く普通会計の入札不調の発生割合は、平成28年度及び令和元年度の台風に伴う災害復旧工事の増に伴い、平成29年度から令和2年度は11%から19%程度と高くなりましたが、災害復旧工事が減少してきた令和3年度以降は5%程度と、低い水準で落ち着いてきているものと考えています。
 なお、医療局に確認したところ、県立宮古病院改修工事の入札不調については、病院における改修工事のため難易度が高く、新築工事よりも敬遠されることが原因ではないかと聞いております。
〇畠山茂委員 今、答弁いただきまして、県立宮古病院の場合は、2回目の入札のときに予定価格を1割引き上げて行ったわけですけれども、それでも入札がなかったということで、建設業者にもヒアリングをしてみました。
 そうしたならば、建設業者の肌感覚では、物価高騰で大体資材は1.5倍ぐらい上がっているのではないかとのことでした。それから、働き方改革は、賃上げによって人件費も上がっているので、そしてまた、改修工事は、新築と違って、あけてみないとわからないので、怖いところがあるというお話もいろいろお聞きしました。
 そういった状況もありますけれども、次に3点目についてお伺いします。地域で仕事が減る中、特に今、建設業界は、沿岸部ではなかなか仕事がなくて、内陸部に出稼ぎしているような業者が大変多くなっています。
 そういった中で、公共工事は、地域経済を活性化する上でも大変有効でもありますし、県立宮古病院は、宮古地域の基幹病院でありまして、老朽化による改修工事は、住民にとっても安心、安全でありますし、歓迎するところですけれども、そこでお聞きしたいのは、今後、入札不調に終わったような事業が、これから、どのような扱いになっていくのか。一般論でいいので、お示しいただきたいと思います。
〇千葉特命参事兼入札課長 県立宮古病院に関する入札は医療局で実施しておりますので、知事部局において、入札不調となった際の工事の扱いについて申し上げますと、適切な設計単価や、現場条件を反映した積算の見直しや、施工実績要件の緩和、地域要件の拡大等の入札参加要件を適切に設定し直すことなどを行っております。
 なお、県立宮古病院の改修工事については、入札制度を所管する出納局としては、当該工事の再公告に当たり、医療局に対して、入札参加要件緩和などについての助言を行ってきたところです。
 医療局からは、今後の整備についてどのような方法が適当であるか、周辺の状況等も踏まえて、検討していくと聞いております。
〇畠山茂委員 今、地元経済はなかなか大変なところもあるので、公共工事は大変大事なので、これからも前向きによろしくお願いいたします。
〇滝山会計管理者兼出納局長 先ほどの総合評価落札方式の関係です。総じて、体力が弱い、苦戦している企業についてどうかというお話だったかと思います。総合評価においては、価格のほかにも、さまざま企業の技術力、企業努力、地域貢献活動等を評価に反映するということで、地元企業の受注機会の確保にもつながっているところです。また、そこは競争でありますので、そういう中で、地元企業の受注について配慮しますけれども、品質等にも配慮しなければならないということでございますので、総合的に、地元企業がとれるような形で進めていきたいと思っております。
〇大久保隆規副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇大久保隆規副委員長 質疑がないようでありますので、これで出納局関係の質疑を終わります。
 出納局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇菅原人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算につきまして、歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、200ページをごらん願います。
 第2款総務費のうち、9項人事委員会費でございます。予算現額1億8、109万円余に対しまして、支出済額は1億7、547万円余でございます。
 内訳でございますが、1目の委員会費は、委員3人分の報酬など委員会の運営に要した経費でございます。
 次、2目の事務局費は、事務局職員の人件費及び事務局における任用関係事務、公平審査事務及び給与関係事務等の管理運営に要した経費でございます。
 以上で、人事委員会関係の決算の説明を終わります。よろしく御審議賜りますよう、お願い申し上げます。
〇大久保隆規副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 今年度の職場状況調査の結果について示してください。
〇品川職員課総括課長 今年度の事業場調査の結果でございますが、当委員会が行いました今年度の事業場調査におきましては、月平均30時間を超える超過勤務を行った職員がいる事業場の数は、令和5年度実績で40事業場となっており、令和4年度実績の41事業場から1事業場減少したところでございます。
 なお、今後、これらの事業場に対しましては、速やかに改善を図るよう、文書指導や必要に応じて現地指導等を実施することとしております。
〇斉藤信委員 県職員の月100時間以上の超過勤務を行った職員、80時間以上の職員の実態を示してください。
〇品川職員課総括課長 月100時間以上の超過勤務を行った職員の実態についてでございますが、令和5年度実績につきましては、実人数で103人となっており、令和4年度実績の88人から15人増加したところでございます。
 その内訳でございますが、知事部局が71人、教育委員会が0人、警察本部が27人、その他の任命権者が5人となっております。
 なお、主な任命権者の令和4年度実績からの増減につきましては、知事部局におきましては6人減少、教育委員会においては2人減少、警察本部においては21人の増加となっております。
 それから、月80時間超の超過勤務を行った職員の状況でございますが、月80時間を超え100時間未満の超過勤務を行った職員の人数につきましては、令和5年度実績では、実人員で261人となっており、令和4年度実績の209人から52人増加したところでございます。
 内訳といたしましては、知事部局が16人増加して176人、教育委員会の教育職員以外の職員が6人減少して14人、警察本部が42人増加して63人となっております。
〇斉藤信委員 100時間も80時間以上も、知事部局がふえているけれども、具体的な要因は何なのか。そして、人事委員会における指導などの対応はどうなっているのかを示してください。
〇品川職員課総括課長 超過勤務が増減した要因でございますけれども、まず、超過勤務が減少した主な要因につきましては、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴う関連業務縮小によるものでございまして、増加した主な要因につきましては、物価高騰対策、知事、県議会議員選挙への対応、全国植樹祭の警備活動などによる業務の増加によるものと承知しているところでございます。
 当委員会の対応でございますが、本委員会におきましては、事業場調査の結果を踏まえまして、月平均30時間を超える超過勤務を行った職員や、時間外在校等時間が100時間以上の教育職員がいる事業場などに対しまして、文書で指導を行っているほか、毎年10事業場程度の事業場を訪問し、業務の実態を踏まえた超過勤務の縮減について、直接助言や指導を行っているところでございます。
〇斉藤信委員 県立学校職員、教職員の場合、今まで100時間以上という調査だったけれども、80時間以上というのはなかった。これは、平成6年度の調査は、令和5年度実績ということになりますけれども、これは、80時間以上も調査したのですか。
〇品川職員課総括課長 月80時間を超える時間外在校等時間調査についてでございますが、教育職員につきましては、これまで月100時間以上の状況を調査してまいりましたが、これまでの取り組みによりまして、月100時間以上の時間外在校等時間は、おおむね解消されつつあることを踏まえまして、月80時間超の状況についても調査し、さらなる長時間勤務の縮減を図っていくこととしたところでございます。
〇斉藤信委員 80時間以上の調査をしたということですね。それで、さっきの答弁になったわけですね。わかりました。
 確かに100時間以上は超異常、80時間以上も過労死ラインなのです。だから、そのことを、今年度の調査から行われたということは、評価したいと思います。
 しかし、全体とすれば、100時間以上が103人もいますから、これは改善の取り組みを強めていただきたい。
 次に、人事委員会への苦情相談について。苦情相談の件数、相談内容、内訳はどうなっているでしょうか。
〇品川職員課総括課長 苦情相談の件数等についてでございますが、令和5年度に本委員会が処理した相談件数につきましては、県職員からの相談件数が48件、市町村等の職員からの相談件数が7件となっておりまして、合わせて55件となっているところでございます。
 相談内容及び内訳につきましては、ハラスメント関係の相談が20件となっておりまして、その内訳といたしましては、セクハラに関する相談が1件、パワハラに関する相談が13件、いじめに関する相談が6件となっております。
 そのほかの相談といたしましては、任用や給与、勤務時間などに関する相談が、合わせて35件となっております。
 なお、過去5年間の傾向を見ますと、相談件数は年度ごとの増減はあるものの、増加傾向にありまして、特にハラスメント関係の相談が多い状況となっております。
〇斉藤信委員 令和5年度48件のうち、ハラスメント関係は29件ということで、半分以上はパワハラ、セクハラ、いじめです。私は、今の状況を反映しているのではないかと思います。
 人事委員会としては、こうした苦情相談を寄せられたときに、どういう形で調査をするのか。これは、個人情報をしっかり守りながらということになると思いますけれども、その調査方法を示してください。
〇品川職員課総括課長 苦情相談があった場合の当委員会の対応でございますが、まずは、相談内容を相談者から丁寧に聞き取りまして、相談者が望む対応を確認しながら、必要に応じて相談員から問題解決に向けた助言等を行っているところでございます。
 あわせまして、相談者が希望した場合には、任命権者に相談内容の伝達を行い、具体的な対応を促した上で、対応方針や調査結果等の報告を求め、それを相談者に伝達するなど、きめ細かな対応を行っているところでございます。
〇斉藤信委員 私は、総務部の審査でも、これを取り上げたのです。実は、人事課にも、パワハラ等の相談窓口があって、18件相談があった。ところが、パワハラと認定した件数は0件でした。
 しかし、認定はされなかったけれども、やはりパワハラと思わざるを得ない事態があって、所属長注意とした。パワハラ認定するという要件が厳し過ぎて、全く実態を反映してないのではないかと思いますが、人事委員会としては、パワハラの認定はどういう基準でやっているのでしょうか。
〇品川職員課総括課長 当委員会におきましては、パワハラの認定等は行っておらず、パワハラ相談があった場合につきましては、任命権者に伝達いたしまして、任命権者が判断を行うこととなっております。
 一般的に、パワーハラスメントにおきましては、三つの要件がございまして、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるものであると、これらの三つの要件を全て満たすものがパワーハラスメントとして認定されているところでございます。
〇斉藤信委員 ということは、人事委員会としては、セクハラ、パワハラ、その他のいじめは29件ですけれども、基本的には、パワハラと受けとめて、認定してもいい、そういう対応をしたと、こういうことでいいのですか。
〇品川職員課総括課長 当委員会におきましては、調査を行っているわけではありませんので、職員からの相談内容を丁寧に聞き取りまして、先ほどの3要件に該当すると判断したものについてはパワハラということで、件数をカウントしているものでございます。
〇斉藤信委員 極めて事務的な答弁なのだけれども、中身がわからないのです。だから、3要件を踏まえてパワハラとして対応したということでしょう。それは認定したということですよね。今の答弁は、パワハラとして認定したということでしょう。そういうことでいいのですね。
〇品川職員課総括課長 当委員会として調査を行っているわけではございませんので、事実関係について把握できているわけではございませんので、あくまで、相談者の申し出の内容を踏まえまして、当委員会として一旦判断したというものでございます。
〇斉藤信委員 わかりました。
 相談者からの訴えは、3要件に該当するということで受け付けたと、こういうことですね。そして、任命権者にそのことを伝えて、その現場で、所属長のところで責任を持って調査をする。そして、例えばその結果、事実はそのとおりでした。こういう措置をとりましたというのが、知事部局なら知事部局から人事委員会に報告されると、こういうことになるのですか。
〇品川職員課総括課長 斉藤信委員から御説明があったとおりでございまして、相談者が希望した場合については、対応結果について、任命権者から聞き取りまして、相談者に伝達するという形になっております。
〇斉藤信委員 わかりました。
 私は総務部の審査でも言ったのですけれども、パワハラは、実際には、暴力を使えば、これはまさに暴力事件で、これは傷害罪に問われる。わかりやすいのです。しかし、実際に、執拗な暴言、叱責、これは繰り返されると、身体的暴力以上に精神的にまいってしまうのです。自死に至るケースもあります。
 だから、私は、パワハラについては、確かにしっかりした事実関係の調査は必要だけれども、本当に身体的暴力以上に深刻な打撃と影響を与えるという、こういう立場で対応することが必要なのだと思います。その点は、人事委員会では、どういうふうにこのパワハラ相談を受けて、認識しているでしょうか。
〇菅原人事委員会事務局長 パワーハラスメント等のハラスメントにつきましては、職員の勤務意欲を減退させ、ひいては職員の心身に悪影響を及ぼす要因にもなり得るものでありまして、貴重な人材の損失にもつながりかねないリスクをはらんでいるものと考えております。また、当事者のみならず、職場全体への悪影響を及ぼしかねないことから、その防止は重要な課題と認識しているところでございます。
 先ほど、超過勤務の縮減の御指摘もございましたけれども、県職員や教員の採用におきまして、志望者が減少傾向にある厳しい状況の中、超過勤務の縮減やハラスメントの防止など、働きやすい職場環境づくり、働き方改革の取り組みを進めることは、公務職場の魅力を高め、有為な人材の確保、定着を図っていく上でも、必要不可欠なものだと考えております。
 当委員会におきましては、引き続き、事業場調査を通じた超過勤務の縮減に向けた指導、助言や、独自の相談制度を通じたハラスメントの問題解決や、防止に向けた取り組みを進めるなど、労働基準監督機関あるいは中立な第三者機関としての役割をしっかりと果たしていくとともに、任命権者と緊密に連携いたしまして、課題の共有を図りながら、職員の勤務環境の改善を図っていきたいと考えております。
〇大久保隆規副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇大久保隆規副委員長 質疑がないようでありますので、これで人事委員会関係の質疑を終わります。
 人事委員会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇佐々木監査委員事務局長 監査委員関係の決算につきまして、御説明を申し上げます。
 歳入歳出決算事項別明細書により、御説明申し上げますので、200ページをごらん願います。
 第2款総務費のうち、10項監査委員費1目委員費の支出済額は1、837万円余でありますが、これは監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要した経費であります。
 次に、2目事務局費の支出済額は2億371万円余でありますが、これは事務局職員の人件費等事務局の管理運営に要した経費であります。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますよう、お願い申し上げます。
〇大久保隆規副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇大久保隆規副委員長 質疑がないようでありますので、これで監査委員関係の質疑を終わります。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。
〇増田警察本部長 令和5年度の警察本部間関係の決算について御審議をいただくに当たり、初めに、東日本大震災津波に伴う県警察の取り組みにつきまして御説明申し上げます。
 東日本大震災津波の発災から13年7カ月を経過いたしましたが、いまだ1、100人を超える方々が行方不明のままであり、身元の判明していない御遺体は47体ございます。
 県警察といたしましては、行方不明者の家族の方からの御要望等を踏まえながら、捜索活動を継続して実施するほか、各種鑑定の活用による身元の割り出しを引き続き推進するとともに、今後も、被災地の安全、安心を確立するための活動を継続してまいります。
 それでは、警察業務の推進状況につきまして御説明申し上げます。
 県警察では、令和5年の運営重点において、県民の期待と信頼に応える力強い警察を基本姿勢とし、全国植樹祭に向けた総合対策の推進等を活動重点に掲げ、必要な各種施策を推進してまいりました。
 令和5年中の県内の治安情勢を顧みますと、刑法犯認知件数は2、856件で、前年より201件増加いたしました。特殊詐欺につきましては、認知件数は24件、被害額は約5、067万円で、前年より13件、約5、015万円減少しております。また、サイバー犯罪の相談件数は年々増加しており、令和5年は3、305件で、前年より66件増加しております。
 一方、令和5年中の交通事故の状況につきましては、発生件数、負傷者数ともに20年連続で減少しており、死者数35人は、記録の残る昭和23年以降で最少となる令和3年と同じく、同数となりました。しかしながら、人口10万人当たりの死者数では、全国平均を上回っております。
 こうした中、本年2月の県民意識調査における重要度が高い項目では、交通事故の少ない社会づくりが第1位、犯罪への不安の少ない社会づくりが第2位と、上位にランクされており、県民が切望する安全、安心を実感できる地域社会の実現に向け、県警察の総力を挙げて、各種施策に取り組んでいるところでございます。
 続きまして、令和5年度の警察本部関係の決算について御説明いたします。お手元の令和5年度岩手県歳入歳出決算書の20ページをお開きください。
 警察本部関係の決算は、9款警察費であり、歳出予算現額の総額は279億5、276万円余で、これに対する支出債額の総額は、272億5、694万円余であります。
 なお、令和6年度への繰越額は2億987万円余であります。
 決算の内容につきましては、令和5年度歳入歳出決算事項別明細書の記載のとおりであり、説明を省略させていただきますので、御了承願います。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇大久保隆規副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇小西和子委員 私からは1点のみであります。男性職員の育児休業等の取得についてでございます。
 昨年度の第2回岩手県男女共同参画審議会において、育児休業のカウントの仕方について、基本的には、期間は1日であっても取得となっている。長期間の単位でとるべきだというのが、まさに今後の課題と考えている。
 本来、何のためにとるかというところが大事であると県は答えております。育児休業の取得率を上げるのが目的ではなく、共働き世帯の男性の家事時間割合を上げていくこと、意識と慣習を家庭と職場と地域が一体となって変えていくこと、そのための手段の一つが、男性の育児休業取得で、一番重要な課題だと考えております。
 共働き世帯の男性の家事時間割合が変わらずに低く、女性に家事の負担がのしかかっているという現状を打破しない限り、少子化には歯どめがかかりません。
 というふうに、2月定例会一般質問で、県職員の男性育児休業について質問したところ、男性育児休業取得率が全国第2位となったこと、特に警察本部におきましては、男性職員の育児休業の取得率が警察部門の都道府県第1位であったとの答弁をいただきました。改めまして、心より敬意を表します。
 そこで、お伺いいたします。男性職員の育児休業の取得率は、2022年度は107.6%でありましたが、2023年度の育児休業取得状況、取得率と取得期間の分布状況について伺います。
 あわせて、今年度の育児休業取得状況と取得率と、取得期間の分布状況についてもお伺いいたします。
〇天野警務部長 初めに、県警察における男性職員の育児休業取得状況でございますが、令和5年度につきましては、令和5年度に配偶者が出産した男性職員数は100人でございまして、育児休業取得者数は85人、取得率は85.0%となっております。
 本年度につきましては、8月末現在で、配偶者が出産した男性職員数は38人、育児休業取得者数は27人、取得率は71.1%となっております。
 また、取得期間の分布状況についてでございますが、配偶者が出産した当年度に育児休業を取得した男性職員について集計をしておりまして、令和5年度につきましては、1カ月未満の取得者56人、取得率70.9%、1カ月以上6カ月未満の取得者23人、取得率29.1%、6カ月以上はなしとなっております。
 また、本年度につきましては、8月末現在で、1カ月未満の取得者10人、取得率52.6%、1カ月以上6カ月未満の取得者9人、取得率47.4%、6カ月以上はなしとなっております。
〇小西和子委員 配偶者が出産した男性職員数は、令和4年度が79人で、令和5年度は100人とふえているのは、これは育児休業の効果があったのかと勝手に考えております。
 それから、育児期間の分布についても、長くなっているというお話をいただきました。これも、取り組みの成果だと思います。
 続きまして、2023年度の産後パパ育児休業の取得状況、取得率、期間について伺います。あわせて、今年度の産後パパ育児休業の取得状況、取得率、期間についてもお伺いいたします。
〇天野警務部長 いわゆる産後パパ育休の令和5年度の取得状況についてでございますが、令和5年度中に配偶者が出産し、育児休業を取得した職員のうち、いわゆる産後パパ育休を取得した男性職員につきましては、取得者数46人、取得率58.2%、平均取得日数は20.3日となっております。
 また、本年度につきましては、8月末現在で、取得者数10人、取得率52.6%、平均取得日数が20.1日となっております。
〇小西和子委員 取得しやすい職場づくり等について、具体的な取り組みをお伺いいたします。
〇天野警務部長 男性職員が育児休業を取得しやすい職場環境づくりについてでありますが、取り組みの柱は大きく二つございます。一つ目は、育児休業等の制度の周知でありまして、これまで、警察署長等の幹部職員を対象とした会議や研修会等多くの機会を利用しまして、制度の周知指示、教養を継続しております。
 また、警察署の課長等幹部職員の取得実績の積み重ね、育児参加体験談の周知、また、配偶者の妊娠が判明した段階から、幹部職員との継続的な面談を通じた各種制度の計画的な利用勧奨、関係制度の内容や実際の利用事例等を掲載したパパ手帳の配布、子供が生まれた職員に対する本部長からのメッセージカードの送達、育児世代の職員で構成する検討チームでの働き方改革等の検討と提言、岩手県警察次世代パパ支援セミナーの開催等を推進してきたところであります。
 大きな二つ目としましては、業務の合理化や人事面での配慮等、必要に応じた組織的支援の推進でありまして、育児休業期間中の業務をサポートするため、所属内での担当業務の兼務や配置がえ、警察本部所属からの職員の応援派遣等の柔軟な運用によって、業務への支障を解消し、育児休業を取得しようとする職員の負担感の解消に努めてきたところでございます。
 また、本年4月より、育児にかかわる職員を初め、介護を必要とする職員に至るまで、全ての職員が働きやすい職場づくりに向けまして、新たに、子を養育する職員が、希望に応じて柔軟に宿日直勤務に従事できるようにする制度を導入しております。
 県警察におきましては、本年度も、職員の意見や要望、社会情勢の変化等も視野に入れながら、取り組みのさらなる充実に努めているところでございます。
〇小西和子委員 すばらしいと思います。育児休業等の制度の周知の何点か挙げていただきましたけれども、特に、育児世代の職員で構成する検討チームでの働き方改革等の検討と提言、それから、岩手県警察次世代パパ支援セミナーの開催、このようなことは、知事部局と教育委員会はかなりハードルが高いですけれども、すごく効果的だと思うのです。同世代で、どうやったら働き方改革を進められるかというのを検討して、それを提言する。すばらしいと思います。
 それから、業務の合理化や人事面での配慮と、必要に応じたその組織的支援の推進、ここだと思うのです。知事部局で、育児休業をとった職員に聞きましたら、御自分が育児休業で抜けた後、その部局が大変なのではないかなどを心配している職員がおりました。続けざまに2人続いたという職場もあったりしたのですけれども、応援職員が来るわけでもなく、そのままだったという話を聞きまして、岩手県警察で行っている、育児休業期間中の業務をサポートするため、所属内での担当業務の兼務や配置がえ、それからもう一つです、警察本部所属から職員の応援派遣等の柔軟な運用によって、業務への支障を解消し、次です、育児休業を取得しようとする職員の負担感の解消に努めてきた。これがすばらしいと私は思います。ぜひ、知事部局も教育委員会も、そのほかの職場でも、参考にすべきだと思いました。
 予算特別委員会でお伺いしたときに、育児休業等関連制度に関する正しい理解の全職員への浸透と定着、そして、男性職員の育児休業取得が当たり前という職場環境づくりに取り組んでいきますと答えていただきました。
 本当にそういうことが浸透しているなということで、さらに、育児休業だけではなくて、介護等にも使えるような働き方改革にもつながる、そういう制度も設けているというところがすごいと思います。
 では、最後であります。岩手県の最重要課題であります人口減少対策に率先して取り組むためにも、男性職員の育児休業等の取得が重要と考えます。男性職員の育児休業等の取得についての意気込みを本部長にお伺いして、終わります。
〇大久保隆規副委員長 この際、進行に御協力願うため、質疑答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。
〇増田警察本部長 県警察におきましては、職員一人一人が輝ける魅力ある職場環境の実現を目指しており、男性職員が家庭における家事時間の割合を今後さらに高めていくためにも、育児休業等を取得しやすい職場環境づくりは、この目標を達成するためには決して欠かすことのできない対策と認識しております。
 男性職員が仕事と家庭の両立や家庭生活の充実のために必要な制度、それぞれがその実情等に応じて、不安や負担がなく利用できるよう支援し、職場のワークライフバランスを推進することは、職員がまさに仕事にやりがいを感じながら、その持てる力を最大限に発揮することのできる職場環境づくりにつながるものであると考えているところでございます。
 そして、これらの施策を一層推進することで、ひいては、力強い岩手県警察を実現するとともに、県民の皆様からの期待と信頼に応えてまいりたいと思っているところでございます。
〇鈴木あきこ委員 私から質問させていただきます。
 現在、全国地域安全運動が行われていますが、その運動重点項目に記載されている特殊詐欺とSNS型投資詐欺、ロマンス詐欺について、まず初めに伺ってまいります。
 特殊詐欺防止、啓発の達成度の評価は、CMがA、ポスター4、000枚がC、チラシ10万枚がAとなっております。
 こちらは周知するものになっておりますので、おおむね高い評価になっておりますが、また、高齢者の特殊詐欺の被害件数も減少にあると伺っております。高齢者だけではなく、全体の特殊詐欺の被害状況についてお伺いします。
〇藤林生活安全部長 令和5年中の特殊詐欺の被害状況についてでありますが、認知件数は24件、被害額は約5、067万円であり、前年と比較し、認知件数はマイナス13件、被害額はマイナス5、015万円と、減少しているところであります。
 しかしながら、本年につきましては、9月末で認知件数が35件、被害額は約2億9、610万円となっており、前年度同期比プラス22件、被害額約プラス2億6、153万円と、件数、被害額ともに大幅に増加しているところであります。
〇鈴木あきこ委員 ふえていますね。ポスターであったり、CMだったりよく目にするのですが、なかなか被害が減らないというところは、これからも努力が必要なので、私たち自身も、詐欺被害に遭わないようにという意識を持ってやらなければならないと思いました。
 また一方で、高齢者の被害は少なくなっているといいますが、高齢者の詐欺被害に遭う手口が、今までと違って、国際電話を利用しての犯罪が全国的にふえてきていると聞いております。県内の状況、被害状況は、どのように把握しているのか。また、県外でも被害があるのであれば、それに対しての対策についても、あわせてお伺いします。
〇藤林生活安全部長 鈴木あきこ委員御指摘のとおり、最近の特殊詐欺の手口として、プラスから始まる国際電話番号からも電話がかかってきているという状況があります。本年9月までの認知件数35件のうち、約4割について国際電話が使用されているところです。
 対策についてでありますが、県警察といたしましては、海外との通話が不要な方に、国際電話不取扱受付センターへの休止申し込みを推奨し、犯人からの電話をブロックする対策を講じているほか、昨年5月から、NTTが無償で提供するナンバーディスプレイサービスや、留守番電話を活用することなどについて、広報や啓発活動を進め、被害の防止に努めているところであります。
〇鈴木あきこ委員 そういう情報が、私たちの耳にはまだまだ入ってない、目に入ってこないという状況があるので、私たちももちろんですけれども、先ほどの詐欺の啓発の活動とともに、そちらのほうも行っていただきたいと思っております。
 次に、最近では、全国的にSNSを利用した投資詐欺、ロマンス詐欺がふえておりますが、県内の二つの詐欺の状況についてお伺いします。
〇藤林生活安全部長 SNS型投資詐欺、ロマンス詐欺は、昨年下半期ころから全国的に急増しているところ、本県も同様の状況にあり、本年1月からの被害状況を見ますと、9月末現在で、認知件数が40件、被害額は約3億1、302万円であり、極めて憂慮すべき状況であると認識しています。
〇鈴木あきこ委員 たった9カ月で3億円以上の被害というのは、これは非常にゆゆしきことだと思っております。SNSの投資詐欺、ロマンス詐欺は、今までのよく言うオレオレ詐欺とかとは違って、LINE、アプリなどでどんどん近寄っていって、信頼させて、そして、お金をとるという手法だと聞いております。
 となると、お金だけではなくて、被害に遭った方の精神面もかなりダメージがあるのではないか。それに対してもケアが必要ではないかと思っておりますが、その被害を防ぐための取り組み、その心の対応などをどのように行っていくのか伺います。
〇藤林生活安全部長 被害を防ぐための取り組みですけれども、SNS型投資詐欺、ロマンス詐欺への対策については、本年5月、警察本部の生活安全部門や刑事部門などが連携してプロジェクトチームを発足させており、被害防止活動や検挙活動の強化をしているところであります。
 また、県内の証券取引業者や、結婚支援団体に対する協力依頼を通じて、株式投資や結婚活動などに興味を持たれている方々への注意喚起を行っているところであります。
 このほか、手口を県民に浸透させるために、犯人とのやりとりのシミュレーション画像を県警のホームページに公開しているほか、特殊詐欺被害防止対策と同様、テレビCMなどを活用して、県民へ周知しているところであります。
 また、被害者については、その都度ケアし、被害後の対策もとっているところであります。
〇鈴木あきこ委員 特殊詐欺も、今の時代、ロマンス詐欺とか、SNS投資詐欺とか、どんどん手口が巧妙になっていって、それを追いかけながら防いでいくというお仕事は大変厳しいかと思いますが、ぜひ、県民の財産と命を守るために頑張っていただきたいというのと、県民一人一人が、それに対してきちんと周知して、自分自身で防いでいくのが大事だと思っております。ありがとうございます。
 次に、犯罪少年の再犯率について伺います。再犯率が、令和5年の目標値20.0に対して、実績数が26.6、達成度Cとなっておりますが、この原因はどういうものだったのかを伺います。
〇藤林生活安全部長 達成度の評価に係る要因でありますが、犯罪少年は、近年、減少傾向にあったところ、令和4年から増加に転じております。
 また、再犯者率についても、減少傾向にあったところ、令和4年を最小に、令和5年は上昇に転じたところです。
 この要因が何かについては明らかではないものの、昨年5月に、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へと移行した後、国内の各種社会活動が活発化したことも、これに影響を及ぼしている可能性があるのではないかと考えているところであります。
〇鈴木あきこ委員 大学生が中心となって活動している少年サポート隊の活動はA評価、そして、支援対象になった少年たちの再犯率はA、たしかゼロとなっておりました。先ほどの再犯率が上がったというところと、この再犯率はAという少年サポート隊とかかわった少年たちは再犯しなかったというところの因果関係というか、何かつなげることはできないのでしょうか。
〇藤林生活安全部長 少年サポート隊につきましては、少年非行や被害少年など問題を抱える少年の立ち直り支援を目的として設置されている大学生のボランティアであり、その主な活動内容は、勉学支援やものづくり体験、農業体験、スポーツ交流、料理体験などとなっております。
 令和5年の同隊の活動については、男子5名、女子10名、計15名の支援対象者に対して、合計で38回実施しているところ、いずれの少年にも非行は認められず、まさに支援活動の成果によるものだと考えております。
 この結果を踏まえまして、令和6年度も、引き続き、少年サポート隊による効果的な活動に取り組んでまいりたいと考えております。
〇鈴木あきこ委員 少年サポート隊は大学生ということなので、少年が犯した罪の度合いによって、大学生では、対応するのは厳しいということなのでしょうか。
 再犯率は上がっているけれども、少年サポート隊がかかわった少年たちは、再犯率はゼロで、A評価だったので、少年サポート隊がかかわるのは、犯罪の度合いによって、サポート隊がカバーできる、できないというところで、この数字が違っているのでしょうか。
〇藤林生活安全部長 この少年サポート隊の活動に当たる支援少年ですけれども、これについては、保護者の同意が必要な少年について対応しているもので、それ以外の非行少年についても、警察として対応しているところでありますが、更生度であったり、再犯率というものに直接全て影響しているというようなことではありません。
〇鈴木あきこ委員 ぜひとも、大学生の少年サポート隊が活躍していることをお願いしたいと思います。
 警察のOBで構成されている岩手県警スクールサポーターの取り組みと活動状況、そして、これからどのように活動をしていくのか、そこも全部あわせてお伺いいたします。
〇藤林生活安全部長 1点目の取り組み状況についてでありますけれども、スクールサポーターは、少年の非行防止及び健全育成に資することをその責務としており、学校と警察との間の実質的な連携の担い手です。
 中学校を主たる活動の場として、児童生徒の問題への対応、非行・被害防止教室の推進、地域住民への安全情報の提供などを行っており、現在、警察官OBを8名任命しているところであります。
 令和5年中は、中学校を中心に380回の訪問活動を実施しているところであり、少年の非行事案、いじめ、校内暴力事案等に対する指導、助言を通じて、生徒指導担当教諭との連携を図っているところであります。
 次に、今後の活動についてでありますけれども、引き続き、教職員などと連携し、少年の非行防止や健全育成に資する活動を推進していきたいと考えております。
〇鈴木あきこ委員 警察官が学校に来て、いろいろ非行についてなどの話をするのは、子供たちにとっては身の引き締まるというか、警察の人が来たという抑止力もあるのではないかと思っておりますので、380回ですか、これからもぜひ続けていただいて、少年たちが非行に走らないよう、見守っていただきたいと思います。
 最後に、少年の犯罪被害防止について伺います。現在、スマホ等の普及から、小さい子供でも、簡単にSNSを利用できる環境にあります。少年少女の性被害に巻き込まれる状況が本県でもあるのかを、まず伺います。
〇藤林生活安全部長 SNSにより少年が性被害に巻き込まれる状況についてでありますが、県下においても、児童買春、児童ポルノ禁止法違反事件などが発生しており、令和5年中は25件の検挙があります。
 本年におきましては、9月末現在、14件を検挙しておりますが、児童ポルノ禁止法違反では、小学生が被害に遭うケースも認められているところであります。
〇鈴木あきこ委員 被害防止のために、これまでどのような取り組みをしてきたのか、また、今後ふえていくかもしれないこの状況を、どのように防いでいく取り組みをしていくのか伺います。
〇藤林生活安全部長 SNSによる性被害等犯罪被害防止のための取り組みについてですが、岩手県警察では、小中高等学校を初め、岩手県少年警察ボランティア協会の関係機関、団体と連携し、保護者に対する啓発活動や、少年に対する情報モラル教室、スマートフォンを中心としたフィルタリングの普及活動などの取り組みを推進しているところであり、引き続き、被害防止に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。
〇鈴木あきこ委員 子供たちにそういう教育をしても、結局、これは大人がかかわって、子供たちが被害に遭う。例えば、今、世の中で言われているパパ活とかママ活とか、そういうものは大人のモラルがない、道徳が残念ながらないというところが、すごく問題なのではないかと思っておりますが、大人に対して、そういうことをしてはいけないというのは、当たり前ですが、やってはいけないという、啓発するような何かを県警はやっていますか。本来、やってはいけないことですが。
〇藤林生活安全部長 大人に対して特化したものはありませんけれども、こういった少年事件の検挙を報道することによって、その警鐘を呼びかけるという対応をしてまいりたいと思います。
〇鈴木あきこ委員 大人が気をつけなければ防げないことがたくさんあると思うので、そのところも一緒に周知していかなければならないのは、私たち大人かと思っております。ありがとうございました。
〇郷右近浩委員 私からは、交通安全施設の整備についてお伺いしたいと思います。
 これまで、県警におかれましては、ゾーン30等で、生活道路の安心、安全。子供たちの通学路であったり、高齢者であったりが、安心して道路を歩けるような環境整備に努めていただいたことについては、いろいろ情報をずっといただき続けている中で、平成24年度から令和5年度末、令和5年度は1カ所さらに追加し、これまで39カ所に設置していただいてきたということで、地域と道路設置者、また警察、さまざま協議をしながら、こうやっていただいていることに心から御礼を申し上げたいと思います。
 ただ、そうした中で、先般、警察庁より、生活道路の法定速度を30キロメートルに引き下げる改正道路交通法施行令が公布されたと認識しております。
 どうやって交通事故をなくすか。また、交通事故で大変な目に遭う、そうしたことを何とか排除したいといった思いで、これまでもずっと発言させていただいておりましたけれども、これまでも学校回りであったり、さらには、生活道路をしっかりと進めてきている中で、今回のこの施行令については、これまでの交通施策から大きく踏み込んだものであると感じております。そうしたことでは、本当に一気に全部やってしまおうというぐらいの意気込みが、警察から感じられるものであります。
 そこで、まず、改正道路交通法施行令の内容についてお伺いしていきたいと思います。
〇吉田交通部長 先般の改正道路交通法施行令に関する御質問をちょうだいしました。改正道路交通法施行令による生活道路における法定速度30キロメートル毎時への引き下げについてでございますけれども、中央線がない道路について、現行の法定速度60キロメートル毎時から30キロメートル毎時に引き下げるというものであります。
 報道にありましたとおり、生活道路を含めた歩行者等の安全を確保するためのものであり、令和8年9月の施行が予定されております。
〇郷右近浩委員 専門用語ではないですけれども、生活道路というのは、何となくイメージはできるのですけれども、どのような道路を指しているのか。さらに、中央線というのはどのような道路に設置されているのか。今回、施行を目指しているそうした部分についてお伺いしたいと思います。
〇吉田交通部長 警察庁が交通規制を実施するに当たり、その基準を示した交通規制基準において、生活道路とは、一般道路のうち、主として地域住民の日常生活に利用される道路と示されております。
 また、中央線につきましては、道路標識、区画線及び道路標識に関する命令において、車道中央線は、車道の幅員が5.5メートル以上の区間内の中央を示す必要がある車道の中央に施工されることとなっております。
〇郷右近浩委員 だとすると、私の住んでいる地域などでも、幹線道路というか、ちょっと広い道路はあるとしても、通学路等で、子供たちをなるべく通そうとしてきた裏側の細い生活道、そうしたものが大体当てはまってくると思うのですけれども、この改正道路交通法施行令の施行までのスケジュール、それに対して県警が行うべき対応はどのようなものか、お伺いしたいと思います。
〇吉田交通部長 改正道路交通法施行令が公布され、令和8年9月の施行予定となっているところでございますけれども、今後、生活道路を含めた歩行者等の安全を確保するための措置等に関する警察庁の方針等が示されることとなっておりまして、県警察といたしましては、その内容を精査し、県内の状況等を把握した上で、適切に対応してまいりたいと考えております。そのため、県警察が行うべき具体的な対応につきましては、現時点ではお答えすることが難しい状況にございます。
〇郷右近浩委員 施行令が公布されてすぐということだと思います。だとすると、今は、まだ何も決まっていない中で、施行が予定される令和8年9月までの間は、これまでも行ってきたゾーン30、それをさらに進めたゾーン30プラス、今現在、ゾーン30自体も、ゾーン30プラススペックというか、視覚的デバイスであったりとか、いろいろなものを設置しながら進めてきていただいていると思いますけれども、これからもさらにゾーン30等を整備しながら、結果的には、全部30キロメートルになってしまえばというような思いもあるのですけれども、それをやりながら、まずはそこの新しい施行令に結びつけていくという進め方になっていくのか、お伺いしたいと思います。
〇吉田交通部長 改正道路交通法施行令による生活道路における法定速度30キロメートル毎時への引き下げに伴う措置等に関する警察庁の方針等は、いまだ示されておりませんけれども、生活道路や通学路における人優先の安全、安心な通行空間を確保するための効果的な対策として、引き続き、道路管理者等と連携しながら、ゾーン30プラスの整備を推進するなど、実効性のある交通安全対策に取り組んでまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 まだまだこれから先のことになるということでありますけれども、吉田部長とは参事官のころから、いろいろな形で地域道路の安全確保であったり、そうしたことをお話しさせていただいております。そうした中で、その現場をすごくよくわかっているということを認識しております。ぜひ、さらに進めるように頑張っていただければと思います。よろしくお願いします。
〇吉田交通部長 御質問ありがとうございました。
 地域住民に身近であります生活道路におきましては、子供や高齢者など、交通弱者と言われる方々が交通事故に巻き込まれるケースもございますので、このような事故を抑止するために、県警察といたしましては、引き続き、道路管理者と緊密に連携して、それから、地域住民との合意形成を図りながら、ゾーン30、ゾーン30プラスの整備を推進するとともに、通学路等における見守り活動や交通指導取り締まりを強化するなど、ハード面とソフト面、両面において、実効性のある交通安全対策を推進してまいりたいと考えております。よろしくお願いします。
〇大久保隆規副委員長 おおむね再開後1時間半が経過しますが、この後、質疑を表明している委員があと2人となっていることから、質疑を継続したいと思いますので、御了承願います。
〇上原康樹委員 警察庁によりますと、2024年1月から7月までの間に、殺人や強盗など重要犯罪で検挙された来日外国人は464人に上り、2008年以降で最も多かったと発表されました。
 では、この岩手県内ではどういう状況になっているのか。この5日ほどで2件、ベトナム人がかかわる犯罪が新聞報道されております。
 10月7日、松尾八幡平インターチェンジ料金所で、ベトナム人と見られる男が警察の職務質問を振り切って逃走、残り2人は逮捕されました。そして、けさの新聞、北上市でベトナム人の男性が殺人未遂で逮捕されました。事件が相次いでおります。
 早速ですけれども、松尾八幡平で逃走した犯人といいましょうか、容疑者は、今、どういう状況なのでしょうか。
〇金崎警備部長 上原康樹委員からございました10月7日に2人を出入国管理及び難民認定法違反、旅券不携帯で現行犯逮捕し、1人が逃走した事件についてでございますが、現在も捜査継続中でございますので、詳しい内容につきましては、答弁を差し控えさせていただきます。
 また、逃走中の1人につきましては、県内全域への手配を行っているところであり、県民の皆様からの情報もいただきながら、発見に努めているところであります。
〇上原康樹委員 地域には不安が漂っているはずでございます。早い対応をお願いしたいと思いますけれども、このように、外国人による犯罪といいましょうか、事案が絶えないわけでございます。
 しかし、外国人による犯罪という言い方は、ともすると偏見の助長になりますので、私はこれを控えて、質疑をしたいと思いますけれども、まず、令和5年度の外国人犯罪の対応に関する決算額は、どのような形になっているでしょうか。
〇金田一刑事部長 令和5年度中における外国人犯罪への対応に関する決算額についての御質問でございますが、該当する予算といたしましては、犯罪等国際化対策事業がございます。
 この予算につきまして、決算額につきましては、188万9、481円となっておりまして、これは、外国人犯罪における通訳人への通訳料等としての支出でございます。
〇上原康樹委員 その通訳の方ですけれども、今、何人体制で臨まれていますか。
〇金田一刑事部長 現在の通訳人の体制でございますが、部内通訳人として、7言語14人、部外通訳人として、17言語54人を、9月末現在で確保しているという状況でございます。
〇上原康樹委員 その内部、外部というところをもう少し詳しく教えてください。
〇金田一刑事部長 部内通訳、部外通訳の別につきましては、部内通訳人につきましては、警察職員の部分になります。それから、部外通訳人といたしましては、警察職員以外の方で、そういった能力を持っている方、これを委嘱いたしまして、必要なときに招集をして、対応してもらっているというものでございます。
〇上原康樹委員 部外の方への報酬はどの程度でしょうか。
〇金田一刑事部長 部外通訳人に対する謝金の関係でございますけれども、現在、1時間当たり7、857円ということで支出しているところでございます。
〇上原康樹委員 先ほども、岩手県内での事案を紹介いたしましたけれども、そうした外国人がかかわる犯罪と見られる行為に対して、その取り調べなどで活動する通訳の方、これが54人ということでございますけれども、十分な体制でしょうか。
〇金田一刑事部長 通訳人の体制でございますが、現状、確保している部内及び部外の通訳人により、現状は一定の対応はできているものと考えております。
 今後も、事件数の増加や必要となる言語の変化等を踏まえながら、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
〇上原康樹委員 普通の言葉の通訳とはまた少しニュアンスが違うお仕事になると思うのです。非常に緊張感を伴い、また、緊急性も要求されるでしょうし、突然呼び出しを受けるという場合もあるでしょうし、先ほど七千何がしという謝金のお話が出ましたけれども、私は、はっきり言って、安いと思います。
 さて、この後、アウトラインをざっとお聞きしてまいります。近年、岩手県内で外国人が逮捕される事案の件数、内容、その特徴はどうでしょうか。
〇金田一刑事部長 県内における外国人犯罪の情勢でありますが、上原康樹委員からは、逮捕事案の件数等ということで御質問をいただいていると思いますが、警察の統計上、逮捕件数のみで集計を行っておりませんので、逮捕事件と任意事件を合算した外国人犯罪の検挙状況として御説明させていただきます。
 検挙状況といたしますと、令和5年中の外国人の検挙状況につきましては、検挙件数68件、検挙人員25人となっております。
 また、令和6年―本年につきましては、8月末現在になりますが、検挙件数が80件、検挙人員は20人となっており、過去5年で見ましても、検挙、人員ともに増加傾向にあるという状況にございます。
 また、外国人犯罪の特徴といたしまして、罪種別で見ますと、過去5年を見ますと、窃盗と出入国管理法違反がその約8割を占めているという状況でございます。
 また、国籍別で見ますと、過去5年、ベトナム人が6割以上を占め、次いで中国人が約2割となっている状況でございます。
 県警察では、警察庁を初めといたしまして、他の都道府県警察との間で、被害の発生状況、あるいは犯行グループに関する情報を共有するなど、連携を強化しながら、徹底した取り締まりを推進しているという現状でございます。
〇上原康樹委員 外国人にとっては、日本のルールはほとんどよくわからない人も多いと思うのですけれども、特に、その象徴的な事例は、交通関係、外国人がかかわる交通事故、交通違反の状況はどうでしょうか。日本の交通法規を守らせるための対策はどうとられているでしょうか。運転免許証の交付状況はどうなっているでしょうか。取得に際しての不正などは発覚していないでしょうか。
〇吉田交通部長 まず、外国人の交通事故、交通違反の発生状況についてお答えします。県内における外国人の交通事故の発生状況についてでございますけれども、外国人運転者が第一当事者となった人身交通事故は、本年については、8月末現在で5件発生しております。
 次に、外国人の交通違反の状況についてでありますけれども、本年8月末現在で、187件の検挙がございます。
 続いて、日本の交通法規に守らせるための対策についてでございます。外国人に日本の交通法規を守らせるための対策についてですけれども、県警察では、外国人留学生とか、企業の外国人技能実習生等を対象とした交通安全講習を随時実施しておりまして、日本の交通ルールに関する知識の普及、母国との交通ルールの違いや、交通安全に対する考え方の違いを理解していただくよう努めております。
 続いて、運転免許証の交付状況、それから、取得に不正がないのかということでございますけれども、まず、外国人への運転免許証の交付状況についてですが、県内に居住しております外国籍の免許保有者数は、本年9月末現在で3、055人となっております。国及び地域別では、60カ国及び地域となっております。
 次に、取得に不正はないのかについてでございますけれども、当県では、過去5年間、外国人による運転免許学科試験の合格無効とか、試験中止の処分を行ったなどの不正取得の事案はございません。
〇上原康樹委員 それから、外国人がグループを形成し、広域的に犯罪を重ねるという事案も報道されておりますけれども、これに関しては、他県の県警との連携は、今どうなっているでしょうか。
〇金田一刑事部長 県警察におきましては、従前から、警察庁を初めといたしまして、関係都道府県警察と連携し、犯罪の発生状況や犯行グループに関する情報の共有を図りながら、広域的に犯罪を敢行する外国人グループ等を早期に発見し、検挙するという中で、県民の安全、安心を確保しているというところでございます。
 なお、昨年には、県警察におきましても、不法滞在をしていたカンボジア人グループによる太陽光発電施設対象の銅線窃盗事件を検挙しているところでございます。
〇上原康樹委員 外国人技能実習生の失踪がふえているという情報もあります。かつては、令和元年ごろを境に、留学という在留資格から技能実習という名目で、この日本に入ってくる外国人が急激にふえている。そういう人たちが、技能実習のための会社から突然姿を消してしまうという事案がふえているそうですけれども、犯罪の世界に巻き込まれる懸念もありますし、また、犯罪に手を染めてしまう可能性もあります。岩手県内の状況、県警の対応はどうでしょうか。
〇藤林生活安全部長 県内における外国人実習生の失踪事案の発生状況についてですが、県警察では、外国人技能実習生に特化した行方不明者の統計はとっておりませんが、出入国管理庁のホームページには、都道府県別、技能実習生の失踪者数が公表されており、それによりますと、令和5年中の岩手県における技能実習生の失踪者数は97人と承知しております。
 外国人技能実習生の失踪事案を認知した際には、行方不明届を受理した上で、通常の行方不明事案と同様に、行方不明となった状況や原因、動機について調査を行い、事件性の有無について判断しているところであります。
 外国人技能実習生の対応についてですけれども、各警察署におきまして、入国後及び適宜の時期に、技能実習生を受け入れている監理団体や企業を訪問し、管理者に対して、技能実習生の生活状況の変化に目を配るなどの失踪防止に関する依頼を実施しているところであります。
 また、技能実習生に対しては、言語や生活習慣の相違などから生じる犯罪やトラブルに巻き込まれないよう、施錠の徹底や自転車の利用方法、防犯や交通安全指導などを行い、現在または将来における犯罪誘引を除去するとともに、安全な生活が送れるように努めているところであります。
〇上原康樹委員 その動機についての今お話がありましたけれども、先ほど、ベトナム人の犯罪が多いという話もありましたけれども、私、ベトナム人の技能実習生の実態を少し調べてみましたら、大変な借金をして日本に来ている。そして、その借金は、1年、2年で返さなければいけないという条件の中での技能実習になっておりまして、そういう中で、非常に厳しい職場に配置されると、もう疾走するしかないというところまで追い詰められるのだそうです。
 日本には、職場をかえるということが法律上許されていない。だから、もう逃げ道がないわけですね。外国人留学生、特にベトナム人実習生、非常に厳しい立場の中で、みずから犯罪の中に飛び込まざるを得ないという人間も、これは多いのではないかと推測したわけでございます。
 犯罪には、それなりの人生のドラマとか、それから、事情とか、いろいろなものが絡み合っているのですけれども、まず、それを県警もよくわかって、捜査したり、そして、取り調べしたりするということも、これから非常に重要になってくると思うのです。
 そういう意味でも、先ほどの通訳の人の役割は大変に重く、重要なものだと感じました。そういうことも含めて、本部長に御所見を伺います。
〇増田警察本部長 外国人をめぐる犯罪への県警の対応ということでございますけれども、まずは、二つを柱としたいと思っております。
 一つは、外国人による犯罪に対して、引き続き、警察庁やほかの都道府県警察と情報共有を図るなどして、連携を強化しながら、徹底した取り締まりを、強力に推進していくということでございます。
 もう一つは、今、上原康樹委員からお話もあったとおり、被害者にも加害者にもならないための対策も、これは重要だと考えております。通訳人の確保についても、引き続き、頑張らなければならないと思っておりますけれども、被害者や加害者にならせないための対策といたしまして、監理団体や企業等と連携して、外国人技能実習生に対する防犯教室とか、交通安全指導、こういったものを行って、日本にしっかりとなじんでいただくことを、今後とも進めてまいります。今言った、二本を対策の両輪として、適切に対応し、今後とも、県内の治安の維持に努めてまいろうと思っている次第であります。
〇上原康樹委員 県警の今後の活動を期待させていただきます。
 ありがとうございました。
〇斉藤信委員 それでは最初に、上司のパワハラ暴行によって自死に至った、8、310万円余の賠償金を払った、この事件についてお聞きいたします。
 10月9日付の岩手日報で、2019年盛岡東署員自死事件、パワハラの当時上司に県警が賠償負担を求めるとこういう記事がありました。
 これは、10月8日の県議会の総務委員会で、佐々木朋和委員の質問に答えた答弁だったと思いますけれども、この求償権賠償負担を求める、ここに至った経過とその理由を、具体的に示してください。
〇加藤参事官兼首席監察官 パワーハラスメント行為者に対する求償権を行使すべきという結論に至った経過と理由についてでありますが、県警察におきましては、昨年の12月定例会における損害賠償議案の議決以降、他県警察や他機関における求償事例の確認、それから、弁護士への相談等を行うなどして、求償権の行使の可否についての検討を継続してまいりました。
 その結果、既に辞職した行為職員─元の上司─が、故意をもって暴行等のパワーハラスメントを行っていたという事実を重く見て、県警察として、行為職員に求償すべきという結論に達したところであります。
 最終的な求償権の行使の可否につきましては、県の職員賠償責任等審査委員会での審査を経て決定するものであり、現段階で詳細な答弁をできる状況にはございませんが、県警察におきまして、必要な事務手続を進めているところでございます。
 なお、具体的にということでございますので、引き続き、答弁をさせていただきますけれども、求償権を行使すべきという結論に至った詳細な理由についてでございます。
 行為職員─元の上司の責任につきましては、行為職員のパワーハラスメントは、警察官として、法令の規定にのっとり、適正に職務を遂行させる上で、必要な指導を行うに際して発生したものであり、いわゆるいじめや嫌がらせ目的ではなく、また、常時行われていたものでもないこと、それから、行為職員の暴行の程度は、障害に及ぶものではなく、被災職員に精神疾患発症の兆候や表見的な自死言動を認められなかったことなどの事情がある一方で、行為職員に、自身の指導は行き過ぎた指導であって、パワーハラスメントに該当する行為であるという自覚があること、そして、行為職員は、故意をもって、暴行や長時間にわたる叱責を行ったことがあることなどの事情を考慮しまして、賠償責任を負わせるべきという結論に至ったものでございます。
〇斉藤信委員 大変重要な決定だったと、私は思います。
 この求償権はどういうメンバーで検討して、どの段階、何月何日の時点で、県警本部として決定したのですか。
〇加藤参事官兼首席監察官 検討につきましては、昨年の12月定例会の議決をいただいた以降、監察課、首席監察官以下でございますけれども、ここで検討してまいりました。
 都度、警務部長、本部長にも諮りながら検討した結果、6月までの間に求償権を行使すべきという結論に至ったところでございます。
〇斉藤信委員 経過だけ先に聞きますけれども、県の職員賠償責任等審査委員会での審議を経て決定すると。これは、いつ、この審査委員会に申請をしたのでしょうか。
〇加藤参事官兼首席監察官 詳細な日付についてのお尋ねでございますが、6月20日にはその決定をして、それから、速やかに担当の県人事課に送付したところでございます。
〇斉藤信委員 そもそも、昨年12月定例会で、賠償するということを議決した。そのときの県警の説明は、本件は、盛岡東警察署に勤務していた巡査が、元巡査部長からのパワーハラスメント行為により精神疾患を発症し、平成31年1月28日に自殺に及んだものであり、公務と精神疾患の発症に相当因果関係が認められ、かつ、精神疾患と自殺に相当因果関係が認められる事案に関し、損害賠償請求がなされたと、こういう説明なのです。
 私、今の説明で、極めて重大だと思うのは、既に辞職した行為職員が、故意をもって、暴行等のパワーハラスメントを行っていたという事実を重く見て、県警察として、行為職員に求償すべきという結論に達したと。
 事件が起きたのは平成31年1月28日です。3月25日に、元巡査部長をパワハラ行為による本部長注意処分にした。これは懲戒処分でも何でもないのですよ。だったら、こんな軽い処分としたことは、間違いだったとなるのではないのですか。
〇加藤参事官兼首席監察官 パワーハラスメント行為職員に対する処分についてでありますが、この事案を認知した以降、調査は、職員の自死という非常に重大な事案であるとの認識のもと、発生した警察署の内部調査ではなく、ハラスメント調査を独立して行う警察本部警務課と非違事案調査を行う警察本部監察課の職員が、行為者の上司を初め、交番所長、同僚、元交番所長など、関係職員から聴取を重ねたほか、御遺族の協力を得て、亡くなった職員の状況等も確認しているところであります。
 また、調査すべき範囲は広範に及ぶものではなく、限定されておりましたことから、適切な期間で行われたものと認識しているところでありまして、当時の調査については、丁寧かつ必要十分なものであったと認識しております。
 調査の結果、上司の指導は、警察官として法令の規定にのっとり、適正な職務を遂行させる上で必要な指導であって、いじめや虐待の意図によるものではないと認められたところであります。
 しかしながら、その指導に当たりまして、暴行等のパワーハラスメントが行われた場面があり、その程度は傷害に及ぶものではなく、また、常時行われていたものでもありませんでしたが、指導の行き過ぎが認められたところであります。
 その上で、自死の唯一の原因の特定には至らなかったものの、パワーハラスメントが自死の一因となったことは否定できないという調査結果となったものでございます。
 このような状況から、調査の結果、先例等を総合的に勘案しまして、当時の基準に基づいて、本部長注意という処分にしたのは、適正なものであったと認識しているところでございます。
〇斉藤信委員 そんな説明、県民に伝わりませんよ。私が予算特別委員会でどれだけの期間パワハラ暴行が行われたのか聞いたときに、平成30年5月ごろから同年12月ごろまで8カ月にわたって、こういうパワーハラスメントが行われていたと。
 今の答弁では、故意をもって、暴行等のパワーハラスメントを行っていた。これが何で本部長注意なのですか。8、310万円の賠償金を払わなくてはならないような事件だったのではないですか。
 大体、あなた方は、最初から、当時はパワーハラスメント行為が自殺の一因となったことは否定できないと言っておりました。これだけでも重大なのですよ。
 県立不来方高校の自死事件でも、顧問教師の暴言、叱責、これが全てだと言ってないのですよ。その一因だと。それ以外に要因がなかったのでしょう。一人死んでいるのですよ、22歳の警察官が。警察官一人、若い、希望のある警察官が、パワハラによって亡くなっているときに、懲戒処分もできない。
 そして、今に至って、故意をもって、暴行等のパワーハラスメントを行っていた事実を重く見て、求償すると。これだけの事件が、皆さん、本部長注意で済む事件ですか。
 本部長に聞きます。この間の経過から見て、8、310万円の賠償を払った。しかし、行為者に責任があるとあなた方は決定して、賠償責任を求めようとしているわけでしょう。それだけの事件が本部長注意で済むと思いますか、本部長。
〇天野警務部長 本部長注意とした理由についてでありますが、当時の調査は、職場、同僚、上司等の関係者から聴取、その他必要な調査を全て実施し、判明した事実にも照らし、事実関係を特定したものであります。
 調査の結果、パワーハラスメントについては、自死の一因となったことは否定できないものの、自死の唯一の原因を特定できず、新たな事実も把握されなかったことから、事案の内容を先例に照らし、当時の基準に基づいて、適正に処分をしたものでございます。
〇斉藤信委員 壊れたレコードのような答弁やめてください。そのときの調査は、みんながかばい合ったということですよ。わかりますか。私のところには、そういう告発が来ていますよ。かばい合った。
 しかし、実際に、きょうの説明にあるように、故意をもって、暴行等のパワーハラスメントを行っていたと。これは新たに発覚したことですか。その当時から、こういう認識だったのですか。答えてください。
〇加藤参事官兼首席監察官 過失の暴行というのはございませんので、そもそも暴行という事実自体が、故意をもってということになりますので、その点、御認識いただければと思います。
〇斉藤信委員 8、310万円の賠償責任、行為者に責任があるという、この判断は、あなた方がやったのでしょう。本部長注意処分で、そんなことできますか。できないでしょう。
 警察の悪いところは、間違ったことを認めない。これが冤罪事件なのですよ。あの袴田事件だって、警察は、みずから捏造した証拠までやって、58年も犯罪人にした。とんでもない話ですよ。
 間違ったことは認める。せっかく求償権まで行使すると言っているのだから、おかしいでしょう。
 本部長、知らないふりしないで。本部長、これは県警の信頼にかかわる問題だと思って、私は取り上げているのですよ。あなた方が、あんなかばい合った内輪の調査で、本部長注意処分にして、退職金を払って、ごまかそうとしたのですよ。
 しかし、公務災害が申請されて、労災が認定になって、その上に損害賠償請求されて、逃げられなくなって、示談にしたのでしょう。それが事実経過ではないですか。あなた方が頭を冷やして考えたら、これは行為者に責任があると、こうやって行為者に賠償責任を追及するというのでしょう。
 本部長、ここまで私が話をしたらわかるでしょう。
 いやいや、あなたね、壊れたレコードはいいから。あなたの答弁は、壊れたレコードだよ。
 本部長に私は聞いているのですよ、県警察の責任者に。おかしくないかと。
 いやいや、どうしてみんなそうやるわけですか。
 委員長、責任者に聞いてください。
〇増田警察本部長 まずは、本県の若い警察官が上司によるパワーハラスメントの行為を受けて、その後、尊い命をみずから断たせてしまったこと、そして、大切な人材を失うという結果を招いてしまったことにつきましては、警察本部長として、極めて残念に感じているところでございまして、今後、そういった事案を二度と発生させることのないよう、現在、県警が一丸となって再発防止に取り組んでいるところであります。
 パワーハラスメントの行為者の処分の関係ということでございますけれども、先ほど、首席監察官、警務部長等からもお話があったように、ハラスメントの認定の指導は、動機が業務上に関するもので、いじめや虐待目的であるものではなく、また、指導を必要とする理由も認められた一方で、そこには、故意ということもお話がありましたけれども、暴行を伴うなど、行き過ぎたものと認定されたことなどを考慮し、総合的に判断した結果において、本部長注意という処分になっております。
 不利益処分というものは、行為の動機、対応、職責の内容等を総合的に勘案した上で、決定されるものでございまして、憶測に基づいて処分することはできないものであるところ、この事案の処分に関しましても、丁寧かつ必要な調査を実施し、その結果、判明した当時の事実をもとに、当時の基準に基づいて処分が行われたもので、適正なものであったと承知をしているところでございます。
〇斉藤信委員 当時の調査の結果で、パワーハラスメント行為が自殺の一因となったことは否定できないと、この判断自身が、いいですか、自死にかかわっているということですから、これが本部長注意になることはあり得ないと、私はそう思います。ましてや、故意だったと。これは、論戦を聞いていたら、どちらに理があるかはわかると思うので、きょうはここでとめますけれども。本当に、間違いは間違いで認めて、やったらいいのです。
 次にお聞きします。
 昨年の県会議員選挙において、買収、公職選挙法違反が1件検挙されましたが、その起訴の内容は何でしょうか。
〇金田一刑事部長 斉藤信委員御指摘のとおり、県警察では、令和5年9月施行の岩手県議会議員選挙におきまして、選挙運動をすることの報酬を渡したとの公職選挙法違反事件1件を盛岡地方検察庁に送致いたしております。
 その起訴内容ということですが、これは、他機関に関することとなりますので、県警察としてはお答えする立場にございません。答弁は差し控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 決着がついている問題ですからね。現金16万8、000円を報酬として3人に渡したということですが、この買収の原資を調べましたか。
〇金田一刑事部長 買収の原資に関する御質問でありますが、これは個別の事案に関する内容となりますので、答弁は差し控えさせていただきます。
 なお、県警察では、これまでも、選挙の種別にかかわらず、選挙の自由と公正を害する行為等を認知した場合には、法と証拠に基づいた適切な措置を毅然として講じ、民主主義の根幹である公正な選挙の実現に努めてきたところであり、今後も、同様に、法と証拠に基づいて、適切に対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 もう決着済みの事件なのだから、係争中ではないのだよ。これは決着がついているのですよ。
 買収は最悪の犯罪ですよ。今、問題になっているのは、自由民主党の裏金が使われたのではないかということですよ。そういうことを含めて原資は調査したということですか。明らかにできないけれども、原資は調査したということですか。
〇金田一刑事部長 繰り返しになりますが、個別の事案に関する内容となりますので、答弁は差し控えさせていただきます。
〇大久保隆規副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇大久保隆規副委員長 質疑がないようでありますので、これで警察部関係の質疑を終わります。
 警察本部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時49分 散 会

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