令和6年9月定例会 決算特別委員会会議記録

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令和6年10月15日(火)
1開会 午前10時1分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 昆 野 岳 晴
議事管理担当課長 佐 藤 博 晃
主任主査 柴 田   信
主任主査 及 川 雄 也
主査 高 橋 宗 子
主査 堀 合 俊 彦
主査 佐々木 賢一郎
主査 三 浦 訓 史
1説明員
知事 達 増 拓 也
副知事 八重樫 幸 治
副知事 佐々木   淳
企画理事兼
保健福祉部長 野 原   勝
企画理事兼
商工労働観光部長 岩 渕 伸 也
会計管理者 滝 山 秀 樹
会計課総括課長兼
会計指導監 今 雪 博 貴
ふるさと振興部長 村 上 宏 治
ILC推進局長 箱 石 知 義
医療局長 小 原 重 幸
教育長 佐 藤 一 男

議会事務局長 坊 良 英 樹
次長 藤 原 由喜江
総務課総括課長 米 内 敏 明
政策調査課長 嵯 峨 真理子

総務部長 千 葉 幸 也
理事兼副部長兼
総務室長 松 村   達
参事兼
人事課総括課長 内 城   仁
総務室特命参事兼
管理課長 柳 原   悟
法務・情報
公開課長 石 田 宣 之
職員育成課長 藤 原 ひろみ
財政課総括課長 佐 藤 直 樹
行政経営推進課
総括課長 八重樫 倫 子
税務課総括課長 多 田 勝 利
管財課総括課長 岩 間 吉 広
総務事務
センター所長 藤 村   朗

政策企画部長 小 野   博
理事兼副部長兼
首席調査監 西 野 文 香
政策企画課
総括課長 本 多 牧 人
政策課長兼調査監 荒 澤 秀 昭
評価課長 菊 池   剛
秘書課総括課長 畠 山 直 人
秘書課管理課長兼
調査監 千 葉 絵 里
儀典調整監 金   亜希子
広聴広報課
総括課長 菊 地 亮 弘
報道課長 佐 藤 栄 幸
総括調査監 高 橋 秀 司
総括調査監 大 野 貴 洋

復興防災部長 福 田   直
副部長兼
復興危機管理室長 北 島 太 郎
副部長兼
消防安全課
総括課長 戸 田   新
総括危機管理監兼放射線影響
対策課長 田 澤 清 孝
復興危機管理室
特命参事兼
企画課長 山 本 洋 樹
復興危機管理室
管理課長 千 葉 智 貴
復興推進課
総括課長 森 田 竜 平
復興くらし再建課総括課長 前 田 敬 之
被災者生活
再建課長 山 崎 重 信
防災課総括課長 田 端 政 人
防災危機管理監 駿 河 芳 典
消防保安課長 細 川   徹
県民安全課長 木 村 幸 地



監査委員 五 味 克 仁
監査委員 中 野 玲 子
監査委員事務局長 佐々木 真 一
参事兼監査第一課
総括課長 及 川 博 英
監査第二課
総括課長 長谷川 英 治
〇福井せいじ委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、議案第28号及び議案第29号、以上17件を一括議題といたします。
 本日は、11日に引き続き、総括質疑を行った後、議会、総務部、政策企画部、復興防災部関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、基本的感染対策として、換気のため、午後はおおむね1時間半ごとに休憩いたしますので、御協力をお願いいたします。
 これより、11日に引き続き総括説明に対する総括質疑を行います。田中辰也委員。(拍手)
   〔田中辰也委員質問者席に着く〕
〇田中辰也委員 それでは、最後の1人ですので、少しおつき合いいただきたいと思います。
 それでは、総括質疑を始めさせていただきます。
 昨年に引き続き、県北振興の成果について、まずお尋ねいたしたいと思います。昨年度も幸福度を視点といたしまして質問させていただきました。引き続き、この観点から県北振興の成果についてお伺いいたします。
 県北広域振興圏で幸福だと感じている人の割合は、昨年の53.9%から、ことしは54.5%と0.6ポイント上昇しております。しかしながら、県平均は56.9%から58.5%と1.6ポイント上昇しており、県平均との格差はさらに拡大したということになってしまいました。
 また、幸福度を判断する際の重要指標として昨年取り上げました家計の状況ですが、県北では49.9%から50.3%へ0.4ポイント上昇、全体としては、県内が3.9ポイント増ということで大きく上昇していたため、県平均も54.0%と1.1ポイント上昇している状況であります。一方、自由な時間や余暇については、県平均として53.5%と0.6ポイント上昇しているにもかかわらず、県北圏域は昨年同様47.5%と、変わらずということでございました。
 このことから、県北圏域においては、やはり自由な時間や余暇を楽しむことよりも、家計の状況を重視する傾向が県全体と比較してよりあらわれている状況かと思います。これをもとに質問させていただきます。
 昨年も県北振興や若者の定着に向けた取り組み強化をするとの答弁をいただいているものでございますけれども、これらの成果が出てくるのは、どうしても中長期的なものにならざるを得ないと思います。今の状況を見ると、なかなか家計の状況もよくならないということが非常に大きな問題かと思っておりますので、市町村と連携して短期的な効果を求めるような施策展開も必要と思いますが、所見を伺いたいと思います。
〇達増知事 田中辰也委員御指摘の幸福関係の指標に加え、有効求人倍率も二戸地域、久慈地域ともに県平均を下回っており、地元事業者の生産性や魅力の向上等により、産業振興に向けた取り組みを一層強化していく必要があると受けとめております。
 こうした中、県では、本年度の県北圏域の振興に関する重点的取り組み方針において、地域の未来を牽引する産業振興、地域資源を生かした北いわてへの交流人口の拡大、産業構造の変化に即応できる人材の育成などを掲げ、各種施策を展開しております。
 産業振興においては、漆やアパレルなど県北地域の特色ある産業の強化を図るため、国内最大級の見本市への出展支援や新技術導入支援、首都圏のメーカー等との商談会の開催などにより、早期の販路開拓や取引拡大を目指しています。
 また、人材の確保を図るため、広域移住体験ツアーによるU・Iターンの促進や地域おこし協力隊の受け入れ拡大支援、全県で展開する物価高騰対策賃上げ支援金等による地域への定着に向けた取り組みを加速しています。
 これに加え、一戸町との連携のもと、世界遺産である御所野遺跡を核とした誘客促進や受け入れ態勢整備、世界遺産登録3周年記念イベント開催などの事業を実施することにより、交流人口や関係人口の拡大にも取り組んでいます。
 今後も、こうした取り組みによる成果を積み重ね、市町村との緊密な連携のもと、地域の産業振興や人材確保の取り組みを一層充実させていくとともに、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトの推進により、豊かな地域資源を高度に活用し、産業と社会のイノベーションを一体的に進めながら県北地域の振興に取り組んでまいります。
〇田中辰也委員 いろいろ取り組んでいただいていてありがたいと思うところでございますが、やはり、県としては強いところをどんどん伸ばしていって県全体の力をつけていく、これは当然のことだと思うのですが、伸び切れないところをどう支えて伸ばしていくかが、非常に大事だと思っております。
 特に県北・沿岸地域はなかなか伸び切れないところがあって、農業においても、狭隘な土地、中山間地が多くて効率性が悪いというところもあって、なかなか農業後継者も育たないような状況もある。土地改良もいろいろ要望は出しているのですが、順番がなかなか回ってこないうちに、だんだん人が少なくなってきてという悪循環になってきているところもあると思います。また、公共工事についても、なかなか進まないというところもあります。
 そういうところで、県北・沿岸地域にある程度軸足を置いた公共的な投資を考えていく必要性もあるのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
〇村上ふるさと振興部長 県北・沿岸振興について改めてお伺いされたと思っておりますが、先ほど知事から御答弁申し上げましたとおり、県北・沿岸振興本部を設置して、その中で県北地域、沿岸地域それぞれの重点取り組み方針を定め施策を展開しているところでございます。
 田中辰也委員から公共事業の例もお示しいただきましたけれども、県北・沿岸振興は、県の重点施策、重要課題でありますので、今後も、県北地域、沿岸地域の経済がしっかり回っていくように、公共事業という例もありましたけれども、そういったものも含めて取り組んでいきたいと思っております。
〇田中辰也委員 いろいろな施策を組み合わせながら取り組んでいってほしいと思います。
 また、再生可能エネルギーのポテンシャルが非常に高いと言われている地域でございますが、その利益の多くが地域、地元に還元されていないように感じております。県北振興のため、事業者と地域がウイン・ウインとなるような施策展開も必要かと思いますが、お伺いいたします。
〇村上ふるさと振興部長 県北地域は、豊かな自然環境を背景に、高い再生可能エネルギーのポテンシャルを有しており、その導入も進んでいるものの、県北地域8市町村のエネルギーの域外への販売額から域外からの購入額を差し引いたエネルギー収支は、2018年の環境省の試算によると、年間約196億円の赤字となっております。
 そうした中、発電したエネルギーを地域に還元し、県北地域の振興につなげていくためには、再生可能エネルギーの地産地消を促進する必要があると考えております。
 このため県では、再生可能エネルギーの地産地消に取り組む地域新電力の創設などを目指す市町村に対しまして、県単独補助事業により支援を行ってまいりました。この支援によりまして、地域の水力や太陽光で発電された電力を供給する地域新電力が、久慈市と陸前高田市に設立されたところでございます。
 また、県北地域の農業事業者と連携し、酪農エリアでの営農型太陽光発電の実証実験に向けた現地調査などを行っているほか、久慈市におきましては、民間主導により太陽光発電の電力を地域新電力に供給し、エネルギーと経済価値の地域内循環を促進する取り組みが進められるなど、地域のポテンシャルを生かしたさまざまな取り組みが展開されております。
 今後におきましても、このような取り組みをさらに発展させることによりまして、地域と事業者がともに便益を受けられるような再生可能エネルギー施策を展開し、県北地域の振興を図ってまいります。
〇田中辰也委員 さまざまな可能性がありますので、その可能性に向けて、市町村と連携しながら取り組んでいってほしいと思います。
 続きまして、地域に貢献する人材の育成についてお尋ねいたします。
 いわて県民計画(2019〜2028)の教育の項に、地域に貢献する人材を育てますとありまして、地域の担い手の育成推進を明記しているものです。岩手県教育振興計画にも同様に記載されているものであります。
 また、令和4年改訂版のふるさと振興総合戦略には、地域に貢献する人材の育成の項に、(4)として、県立学校における地域を支えることのできる人材の育成が掲げられており、地域における学校の役割を踏まえ云々とありましたが、令和5年の改訂版では、これは削除されております。しかしながら、県としてはそのような視点の必要性は変わっていないのではないかという前提で、質問させていただきます。
 現在の新たな県立高等学校再編計画の計画期間は令和7年度までとなっており、次期計画策定に向け検討が進んでおりますが、県は、地域における県立高等学校の役割をどのように考え、地域に貢献する人材を育成するためには、専門学科など、どのような学校配置が必要であると考えているのか伺います。
 また、県の捉える地域とはどのようなものであるかも、あわせて伺います。
〇佐藤教育長 県立高等学校の役割と学校配置についてのお尋ねでございます。高等学校教育におきましては、義務教育で育成された資質、能力をさらに発展させながら、生徒が高等学校在学中に成年に達することも踏まえて、社会で必要となる資質、能力を育成することが求められております。
 その上で、現行の高校再編計画後期計画におきまして、地域における学校の役割として、地域や地域産業を担う人づくりを掲げ、多様な分野の学びを確保しながら、生徒が自己の興味、関心に基づき、地域の社会情勢や産業振興の動向等を踏まえ、学ぶことができる教育環境の整備を図ることとしております。
 現在策定中の県立高等学校教育の在り方〜長期ビジョン〜におきましては、専門高校につきまして、産業振興の方向性や、地域が必要とする産業の人材育成を見据えた学科編制や学びのあり方について検討すること、それから、各専門分野の中心的役割を担う専門高校については、学校規模を維持することにより、職業教育のセンタースクールとしての機能を維持すること、小規模の専門高校におきましては、各分野の専門性を維持しながらよりよい教育環境の整備を図るため、より広域での再編も視野に入れながら検討を進めることなどとしております。
 それから、地域の用語についてのお尋ねでございましたが、現行の高校再編計画あるいは現在策定中の長期ビジョンにおきましては、この地域の用語は、具体的に定義づけをして使用しているものではありませんが、総じて高校の所在する市町村やその隣接する区域などを一帯として捉えております。
〇田中辰也委員 答弁いただきましたけれども、前のふるさと振興計画でありました、県立高校における地域を支えることのできる人材の育成という項がなくなっているわけですが、そのものについては、そのまま理念として残っているという考えでいいのかどうか確認させていただきたいのと、もう一点、それを踏まえた上で、その地域にはどういう県立高校が必要と教育委員会としては考えているのか伺います。
〇佐藤教育長 ふるさと振興総合戦略の令和4年度版に記述のあった、県立高等学校における地域を支えることのできる人材の育成の部分につきましては、その題目以下に具体的な項目が記述されておりますが、事業の進展等に応じて別な部分に書き分けておりますので、理念としてなくなったものではないと御理解いただければと思います。
 現行の高校再編計画後期計画におきまして、先ほど地域や地域産業を担う人づくりを掲げておりますというお話をいたしましたが、今策定中の長期ビジョンにおいても、そういったものは変わりがないと考えております。
〇田中辰也委員 やはり地域で学びたいという生徒たちの意欲をしっかりとかなえるような環境は必要だと思っていますので、その点をしっかり留意しながらやっていただきたいと思います。
 それと、いろいろな形で市町村も頑張って、高校のあり方をいろいろ考えて努力しています。この間も、県立西和賀高等学校が生徒数拡大という形で、今いい状況になってきているところで要望も出てきているところです。
 今、伸びようとしている、これから一つ殻をむこうとしているところでどう支えていくか、そっ啄同時という言葉もありますが、それに対して県がタイミングを逸することなくやる必要があるとは考えますが、どうでしょうか。
〇佐藤教育長 本県に県立高等学校は62校ございますが、それぞれ魅力づくりに取り組んでいただいていると思います。地域の御支援もいただきながら、高等学校が魅力づくりを打ち出せるように支援してまいりたいと考えております。
〇田中辰也委員 地域の努力を無にすることなく、一緒に取り組んでもらいたいと思います。
 また、岩手県教育振興計画では、学びの基盤づくりにおいて、県立高等学校の長寿命化改修、大規模改修並びにトイレの洋式化が掲載されております。2月定例会の一般質問でも県立福岡高等学校の建てかえについて質問させていただきましたけれども、地域から要望が寄せられているのみならず、入学志願者の中には、校舎の老朽化、特にトイレの現状に危機感を抱いている生徒が少なからずいると聞いております。現状と今後の整備の方向性について伺います。
〇佐藤教育長 県立高校における校舎等の整備につきましては、安全・安心で充実した学校生活を送ることができる教育環境を目指して、高校再編計画等との整合性も図りながら、全県の施設の老朽化の状況等も踏まえて計画的に進めていく必要性があると考えております。
 現在、学校施設の経過年数のみではなく、建物の設備の劣化状況に応じて改修や修繕も行っており、福岡高校につきましても、これまで、屋上防水や暖房配管の修繕のほか、トイレの洋式化等を行ってきているところです。
 なお、トイレの洋式化について申し上げますと、教職員及び生徒数に応じて算出する充足率で申し上げますと、ことし5月1日現在で福岡高校は100%となっております。ただ、本年度も老朽化の進んでいるトイレの改修を行うことによりまして、全トイレ数における洋式トイレ数で算出する洋式化率が、令和5年度末42.3%でしたが、今年度末で46.2%となる見込みでございます。
 引き続き、施設の老朽化、教育ニーズの多様化に応じた教育環境の計画的な整備に努めてまいります。
〇田中辰也委員 ありがとうございました。(拍手)
〇福井せいじ委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
 知事を初め、執行部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 これより各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行いますので、その間、暫時休憩いたします。
   午前10時20分 休憩
   午前10時51分 再開
〇大久保隆規副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより各部局別の審査を行います。
 質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせのとおり、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑を行うこと、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として短時間かつ簡潔に行うことを基本とすること、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないこととなっております。
 また、議会運営委員会において、各日の質疑予定人数に応じて、その都度、世話人会で協議の上、質疑の目安時間を決定するとされたところです。
 本日は、この後、議会、総務部、政策企画部、復興防災部関係について、延べ15人の質疑を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたします。
 なお、関連質疑については目安時間を10分とすること、同一部局の審査において質疑と関連質疑を行う場合は、その日の質疑の目安時間の範囲内とすることにいたしましたので、議事の進行に御協力をお願いいたします。
 初めに、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇坊良議会事務局長 令和5年度の議会関係の決算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、164ページをお開き願います。164ページから167ページまでにかけてでありますが、第1款議会費第1項議会費の支出済額は13億5、414万円余であります。内訳でありますが、第1目議会費の支出済額は8億7、750万円余であり、これは、議員の報酬及び費用弁償等の議会運営に要した経費であります。次に、第2目事務局費の支出済額は4億3、805万円余であり、これは、事務局職員33名分の人件費及び事務費等、事務局の管理運営に要した経費並びに議会改革の一環としてICT化を推進するため、タブレット端末及びペーパーレス会議システムの本格導入に要した経費でございます。次に、第3目議員会館費の支出済額は3、858万円余であり、これは、議員会館の維持管理等の管理運営並びに議員会館の消防設備等の改修に要した経費であります。
 以上で議会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇大久保隆規副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは、最初に、県議会の議員の出欠表示電光掲示板が故障したままになっていますが、故障の原因とこの間の経過、対応について示してください。
〇米内総務課総括課長 まず、出退表示装置の故障につきましては、議員の皆様に大変御不便をおかけしているところでございます。
 この出退表示装置につきましては、昭和43年製で、製造から50年以上が経過したところでございます。これまで、事務局で把握している限りでは、大きな故障もなかったところでございます。
 この装置の故障の原因とこれまでの経過についてでございますが、本年2月1日に表示ランプが点灯しないというふぐあいが生じましたことから、同日、本庁舎とともに議事堂の維持管理を所管しております総務部管財課と専門の電気工事業者が原因を調査しましたところ、スイッチ及び配線の経年劣化によりショートしたことによるものと判明いたしました。
 その後の対応でございますが、応急復旧を試みようといたしましたが、先ほど申し上げましたとおり、製造から50年以上が経過しており、ショートした部分以外にも損傷の影響が見られまして、また、交換部品も調達が困難なことから、速やかな応急復旧は不能との判断に至ったものでございます。
 このことから、1階ホールと事務室にパソコンとディスプレーを設置し、議員の皆様の登堂状況を共有できるよう応急措置を講じているところでございます。
 なお、この件につきましては、4日後の2月5日の議会運営委員会におきまして、議員の皆様に復旧には相当の時間を要することにつきまして御説明させていただいたところでございます。
 事務局といたしましては、早期の改修に向けまして、これまで複数回にわたり、総務部管財課やふるさと振興部の科学・情報政策室と議事堂内の設備の現状を確認の上、既存設備の活用可能性、改修する場合のさまざまな整備手法等につきまして、協議、検討を重ねてきているところでございます。
〇斉藤信委員 2月1日に故障して、もう8カ月以上経過しているわけですね。県議会の入り口、玄関です。緊急対応はしていますけれども、私は、この故障した状況を放置したままというのはいかがなものかと思います。改修の見通し、その必要経費はどう算定されているか示してください。
〇米内総務課総括課長 改修の時期とその必要経費についてのお尋ねでございました。故障発生からこれまでの期間、先ほども触れましたが、総務部管財課や庁内の情報セキュリティーを所管するふるさと振興部科学・情報政策室とともに、この議会棟の設備の確認を行うなどしながら、既存設備の活用の可能性とともに、改修することとした場合の、例えば出退表示をLED表示や、あるいは液晶モニターにした場合、また、配線を信号線またはLAN回線にした場合などのさまざまな仕様の検討を行ってきております。
 その結果、必要経費につきましては、表示の方式や回線の方式にもよりますが、現時点での概算で1、500万円から3、500万円程度と相当な額が見込まれておりますことから、改修の時期につきましても、このような状況を踏まえ検討してきたところでございます。できましたら、令和7年度内の早期の改修に向けまして、総務部管財課などとも連携を図りながら事務手続を進めてまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 改修費用が1、500万円から3、500万円、ちょっと幅があり過ぎて、どういう算定なのか。それと、もう既に8カ月経過して、来年度予算になると、1年以上放置することになるわけですね。私は、こういうときこそ補正予算を組んで、予備費もそういうためにあるわけだから、早急にやるべきことはやると。県議会議員の海外視察をやっていないわけですよ。こういうものももう3年ぐらい返上しているわけですから、そういうことも含めて、年内に改修に取り組むべきだと思います。
 これは議会事務局長に聞きましょう。そういう考えでやる必要があるのだから、やったらいかがですか。
〇坊良議会事務局長 早期の改修についてでございます。繰り返しになりますけれども、改修費用が現時点の概算で、先ほど申し上げましたとおり1、500万円から3、500万円程度と相当な額に及ぶところでございます。
 県庁舎とともに議会棟の維持管理を所管する総務部管財課やセキュリティー面を所管するふるさと振興部科学・情報政策室と連携を図りながら、令和7年度の早期の改修に向けまして事務手続を進めてまいりたいと考えているところでございます。御理解のほどよろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 できる限り早期に、当初予算となったとしても、直ちに改修が実施されるようにやっていただきたい。
 次に、都道府県議会における喫煙所の設置状況についてお聞きいたします。全国、東北各県の状況はどうなっているか。
〇米内総務課総括課長 まず、全国の都道府県議会における喫煙所の設置状況についてでありますが、令和6年9月時点の調査では、全面禁煙は9都道府県、敷地内に喫煙所を設置しているところが15府県、建物内に喫煙室を設置しているところが18県、その他屋上等に喫煙場所を設けているところが5県となっております。
 また、東北各県議会におけます喫煙所の設置状況についてでございますが、全面禁煙は青森県、秋田県の2県、敷地内に喫煙所を設置しているところが宮城県、山形県、福島県の3県、建物内に喫煙室を設置しているものが本県の1県となっております。
〇斉藤信委員 岩手県庁はもとより、全国の都道府県庁は、庁舎内はもう全面禁煙、基本的には敷地内禁煙だと思うのです。議会だけが喫煙所を設けるというのは、私は県民から見て本当に理解が得られないのではないかと思います。
 今の答弁でも、敷地内全面禁煙が9都道府県、敷地内、いわば庁舎内にはないというのが15府県、そして、東北地方は岩手県を除いて全部建物の中には喫煙所がないということです。私はそういう意味で、本当に岩手県議会の状況というのは、全国の動向にも時代の流れにも逆行しているのではないかと思いますが、どう受けとめていますか。
〇米内総務課総括課長 ただいまの、全国の動向あるいは時代の流れにも逆行しているのではないかという御指摘でございましたが、本県議会の喫煙室と全国の動向等の関係につきましては、先ほども喫煙所の設置状況等の数値で答弁させていただきましたとおり、さまざまな形態ではありますが、喫煙室を設けているところは47都道府県中38府県となっているところでございます。
 このような状況を踏まえまして、全国における喫煙室の状況を踏まえますと、これに関して事務局として見解を申し上げることは、差し控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 少なくとも庁舎内にはないというのが24都道府県です。敷地内も含めてありますなどという答弁は、正確ではないです。
 それで、受動喫煙防止に関して健康増進法という法律があって、県にも条例があるのです。私は、こういう立場に至ったら、県議会が庁舎内に喫煙室を設置しているのは大変異常なことだということは、率直に指摘しておきます。
 それで、今の喫煙所には、県職員は使用禁止、こういう張り紙を張りましたが、その後の県職員の利用状況は把握しているでしょうか。
〇米内総務課総括課長 県職員の利用等についての把握のお話でございました。職員の利用につきましては、昨年10月20日付けの県議会棟喫煙室の職員の利用禁止等についての総務部長通知に基づきまして、適正に利用されているものと考えておりますが、仮に、斉藤信委員御指摘のような状況にある場合は、総務部と連携して対応していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 私は、基本的には毎日、県議会に来ております。県職員、特に幹部職員がたびたび使っていることもあります。全体としては大幅に減少したという感じですけれども、ただ、完全に禁止されていないというのも実態としてあります。
 県職員は禁止だけれども議員が利用できるというのも、県職員だって議員だって同じ人間で、私は、県議会議員が使えるということは矛盾なのではないかと思います。
 特に議会の閉会中、これは基本的に閉めたらいいと思うのです。議員が仕事に来たら、それはそのときにあけるぐらいのことをすれば、もっと徹底されるのではないかと思いますが、いかがですか。
〇米内総務課総括課長 議会閉会中の喫煙室の閉鎖についてでございますが、分煙施設としての喫煙室は、平成26年7月の議会運営委員会において設置することが決定されたものでありますことから、これらの利用方法等にかかわります基本的な事項を変更する必要がある場合につきましては、議員の皆様で御協議の上、決定いただくものと考えております。
 議会事務局といたしましては、お決めいただいた方針に従いまして対応してまいりたいと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 私が言っているのは、県議会議員がいないときもあいているということなのです。県議会議員がいないときもあいているから、どうぞお使いくださいみたいなものなのです。それは矛盾なのではないかと思います。利用規則外の話で、いなかったら閉める。これは当然のことで、会議室は必要なときにあけるとなっているのですから。閉会中のほうが日数は多いわけですから、私は、そういう改善も必要なのではないかと思います。
 これは利用規則にかかわるのでしょうか。いないときに閉めるなどというのは、管理上、当たり前の話ではないですか。
〇米内総務課総括課長 先ほど申し上げました、平成26年の議会運営委員会におきまして、この利用の方法につきましては皆様にお示しさせていただいたところでございますが、この点につきまして、例えば閉会中でも議会棟にいらっしゃるマスコミの方とか、あるいは業者の方、そういった方々も利用できると、従前から皆様と共有させていただいているところでございます。
〇斉藤信委員 マスコミの方、業者の方が利用できるというのも全くおかしい話です。駆け込み寺ですよ。それを議会が提供しているということ自身も私は矛盾だと思います。これは、ぜひ議会運営委員会でも、昨年から新しい議会になったのですから、議論をしていただくようにお願いしたい。
 次に、政務活動費のネット公開について伺います。
 政務活動費の収支報告書について、政治資金収支報告書と同様に、私はネットで公開すべきだと思いますが、全国の状況はどうなっているでしょうか。
〇米内総務課総括課長 全国の状況についてでございます。政務活動費の領収書のホームページでの公開についてでございますが、神奈川県議会事務局が実施しました本年6月21日の調査によりますと、都道府県議会では26都府県において公開しているところでございます。
〇斉藤信委員 26都府県ということになると過半数です。岩手県議会は、この政務活動費の公開では、当初は先陣を切ったのです。先陣を切って領収書の添付をやったのですよ。私は、こういう岩手県議会のこれまでの取り組みから見たら、もう26都府県が領収書を含めてネットで公開している。私は岩手県議会もやるべきだと思います。やるためには何が必要ですか。
〇米内総務課総括課長 本県議会では、収支報告書のインターネット公開をしておりますが、現行の取り扱いにつきましては、これまで各会派におきまして協議を重ねてきていただいたところであり、その結果、平成29年1月、当面は現状どおりといたしまして、全国の状況等について情報収集をしながら、その動向を注視するとともに、必要に応じて再度協議することとされたところでございます。
 これを踏まえまして、政務活動費の領収書等添付書類をホームページで公開することにつきましては、今後、議会改革推進会議の場などにおきまして、これまでと同様に議員間で協議されていくべきものと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 これは議会改革のテーマとして、ぜひ取り上げてやっていただきたい。
 最後の質問ですが、県議会議員の海外視察の状況について、昨年度、今年度の全国の実施状況、岩手県議会の状況について示してください。
〇米内総務課総括課長 まず、海外視察の昨年度、今年度の全国の実施状況ということでございます。令和5年度における全国の都道府県議会の海外行政視察の実施状況についてでありますが、実施が26県、実施せずが本県を含め21都道府県となっております。
 次に、令和6年度、今年度における全国の都道府県議会の海外行政視察の実施予定についてでありますが、令和6年8月時点での調査では、実施が23道県、実施せずが7県、未定が本県を含め17都府県となっております。
 次に、本県の状況はというお尋ねでございました。令和6年度は、現時点で海外行政視察議員派遣提案書、これは議員派遣の運用についてで定める提案書でございますが、こちらについては提出されておりません。
〇斉藤信委員 昨年度は実施が26県ということです。少し全国的には広がった感じですけれども、私は、海外視察を全面的に否定しているわけではないのです。県政にとって議会が必要だという場合には、議会の代表が海外視察をやることはあり得ると思います。ただ、4年に1回、議員に当選すれば海外視察できるというこのやり方は、県議会議員の特権的なやり方で、私は見直すべきではないのかと思っております。
 実際に、県議会は、もう3年ぐらい連続して海外視察をやられていないと思いますけれども、年間の予算を含めて示してください。
〇米内総務課総括課長 これまでの海外派遣の状況、そして予算の関係でございます。まず、これまでですけれども、平成30年度から令和5年度までは実施しておりません。
 現在、1、080万円の予算となっております。内訳は、旅費が82万5、000円の12人分、それから役務費、これは通訳に要する経費でございますが、7万5、000円の12名分ということで、合計したところ、1、080万円となっております。
〇斉藤信委員 平成30年からやっていないということは6年連続で実施をしていない。私は、こういう状況をよく検証して、海外視察のあり方を見直すべきではないのかということを指摘して、終わります。
〇大久保隆規副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇大久保隆規副委員長 質疑がないようでありますので、これで議会関係の質疑を終わります。
 議会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇千葉総務部長 令和5年度決算の概要につきましては、会計管理者から説明がございましたので、私からは、歳入歳出の構造及び総務部関係の決算の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、歳入の構造について御説明いたしますので、令和5年度歳入歳出決算説明書をごらんいただきたいと思います。
 歳入歳出決算説明書の56ページをごらん願います。第3表一般会計の財源別収入状況でありますが、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は、この表の一番上の行に記載しておりますが5、164億8、424万円余であり、前年度と比較し155億189万円余、率にして2.9%の減となっております。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は、中段の行になりますが3、112億6、443万円余と、前年度と比較し554億1、190万円余、15.1%の減となっております。
 続きまして、歳出について御説明申し上げます。少し飛びまして、68ページをごらん願います。第8表一般会計性質別経費の決算額と一般財源充当状況について御説明申し上げます。
 まず、歳出決算の性質別の状況でございます。左側の区分のとおり、義務的経費の計は2、652億2、399万円余、決算総額に占める割合である決算額構成比は34.2%、前年度と比較し1.1ポイントの増、決算額の対前年度増減率は5.3%の減となっております。
 続いて、投資的経費の計は1、141億2、057万円余、同様に構成比は14.7%、前年度と比較し1.3ポイントの減、決算額の対前年度増減率は15.8%の減となっております。
 次に、総務部所管の事務事業に係る取り組み及び今後の取り組み方針について御説明申し上げます。
 令和5年度の予算は、自然減・社会減対策、GXの推進、DXの推進、安全・安心の四つの重点項目を掲げ、いわて県民計画第2期アクションプラン(2019〜2028)のもと、県民の幸福度向上を図る10の政策や新しい時代を切り拓くプロジェクトを推進するため、財源確保や人的資源の確保に向け取り組んでまいりました。
 今後とも、東日本大震災津波からの復旧、復興に必要な取り組みの推進といわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランに掲げる四つの重点項目を最優先課題と捉え、政策評価結果等を踏まえた積極的な見直しや再構築を行い、最大限の事業成果を生み出せるよう、歳出の重点化や行政の効率化を推進してまいります。
 それでは、当部の決算について、令和5年度歳入歳出決算書により御説明申し上げます。
 歳入歳出決算書の18ページをごらん願います。まず、一般会計についてでありますが、2款総務費1項総務管理費の一部、3項徴税費、22ページに参りまして、12款公債費の一部及び13款諸支出金の一部であり、予算現額の総額は1、777億2、408万円余、これに対する支出済額は1、767億8、188万円余であります。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 続きまして、所管する特別会計について御説明申し上げます。
 少し飛びまして、50ページをごらん願います。公債管理特別会計でありますが、予算現額は、歳入歳出それぞれ1、664億1、684万円余であり、これに対する収入済額は1、664億1、588万円余、支出済額は、収入済額と同額でございます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇大久保隆規副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇小西和子委員 私からは1点のみです。事項別明細書では168ページになりますが、給与等にかかわって質問いたします。男性職員の育児休業等の取得についてです。
 昨年度の第2回岩手県男女共同参画審議会において、育児休業のカウントの仕方について、基本的には期間は1日であっても取得となっている。長期間の単位でとるべきだというのがまさに今後の課題と考えている。本来何のためにとるかというところが大事であると県は答えております。
 育児休業の取得率を上げるのが目的ではなく、共働き世帯の男性の家事時間割合を上げていくこと、意識と慣習を家庭と職場と地域が一体となって変えていくこと、そのための手段の一つが男性の育児休業取得で、一番重要な課題だと考えております。
 共働き世帯の男性の育児時間割合が変わらずに低く、女性に家事の負担がのしかかっている現状を打破しない限り、少子化には歯どめがかかりません。
 そこでお伺いいたします。次世代育成支援及び女性活躍推進のための特定事業主行動計画に、目標値100%として掲げております男性職員の2023年度の育児休業等の取得率と期間を伺います。目標値100%に迫る取得率であったと捉えておりますけれども、要因をどのように分析しているのか伺います。あわせて、2024年度の直近の取得率と期間について伺います。
〇藤原職員育成課長 男性職員の育児休業の取得についてでございます。2023年度、令和5年度における育児に伴う特別休暇等を含めた取得率は、知事部局等におきまして96.1%、育児休業の取得期間につきましては、1カ月以上取得している職員が59.7%となっております。
 また、今年度、令和6年度においては、直近で把握している6月末時点の数値となりますが、取得率は96.3%、1カ月以上取得している職員は80.8%と、いずれも増加している状況でございます。
 このような状況につきましては、令和2年度から令和7年度までの6年間を計画期間とします次世代育成支援及び女性活躍推進のための特定事業主行動計画に基づきまして、育児支援計画シートによる所属長との面談や、子育て支援セミナーの開催、それから、若手職員に対するメンター制度の導入、庁内保育施設の設置など、継続的に取り組んできた結果、育児に積極的にかかわろうとする男性職員の増加や育児休業を取得しやすい職場風土が形成されてきたものと認識しております。
〇小西和子委員 取得率も上がってきましたし期間も延びてきたと答弁いただきました。職場風土も向上してきたかと思っております。
 次にお伺いいたします。一昨年10月から民間にあわせ、公務員の育児休業は取得できる回数が1回から、原則2回まで可能になりました。子供が生後8週間以内に男性が別途休業できる回数も1回から2回にふえました。制度の周知や取得しやすい職場環境づくりなど、どのように進めているのか伺います。
〇藤原職員育成課長 育児休業の制度の周知と取得しやすい職場環境づくりについてでございます。育児休業の制度の周知に当たりましては、子供が生まれた職員に対し、男性、女性それぞれが利用できる子育て支援制度をきめ細かく紹介しました仕事と家庭の両立ハンドブックを作成、配布しているほか、新採用職員研修や各種セミナーなどにおいて、小西和子委員から御指摘のありました出生時育児休業、いわゆる産後パパ育休も含めまして、育児休業等の制度の周知を行っております。
 また、全庁的な意識改革に向けまして、若手職員と管理職それぞれを対象とした子育て支援セミナーを継続的に開催しており、若手職員には子育てへの積極的なかかわりに対する動機づけや育児休業等の制度の周知を行っております。また、管理職には、子育てしやすい環境づくりと業務マネジメントについての意識づけを行っているところでございます。
〇小西和子委員 さらに取り組みを進めているということがわかります。
 次ですけれども、男性の育児休業取得日数は全国トップクラスですが、家事、育児時間の状況については、どのように把握しているでしょうか。
〇藤原職員育成課長 男性職員の家事、育児時間の把握についてでございますが、家事、育児時間の定量的な把握は難しいものの、現在、各職場において、子供が生まれるときに、所属長が、仕事の面のみならず、生活面でのさまざまな制約や希望する配慮事項等を適切に把握するため、育児支援計画シートを活用した職員への面談を行っております。
 また、今年度は、この育児支援計画シートを見直し、出生後の面談において、新たに保育園等への送迎や家族の協力体制、子供が病気になった際の看護体制などについて、家事、育児へのかかわりにつきまして、可能な限り把握するように努めております。
〇小西和子委員 本当に至れり尽くせりという感じで、すばらしいと思っております。
 私は小学校の教員だったのですけれども、現在、特に小中学校ですが、人員不足のために、育児休業等の取得を申し出ても、人がいないからやめてくれと言い出す始末です。それくらい労働環境が大変厳しいというところでありまして、県職員の皆さんは、育児支援計画シート等を使って、さまざまな支援をされていることがわかりました。
 ここに2023年9月20日付の岩手日報の記事がありまして、育休取得日数全国トップ。本県の男性ですけれども、日数はトップなのですけれども、家事、育児時間は37位というのがありました。これは、さまざまな家事、育児を行っているかどうかということでのポイントのようであります。全国平均23.7日の取得日数は大幅に上回っているのですけれども、家事、育児時間の評価が低く、本県の総合順位は13位にとどまった。家事、育児時間だと37位であったというような分析が載っておりました。
 私は前回、とるだけ育休と失礼なことを言ったのですけれども、そのときよりは大分よくなっているのではないかと思っておりまして、実際に育児休業をとった職員の方にもお聞きしたりしておりました。
 では、次の質問に移ります。最後の質問です。岩手県の最重要課題である人口減少対策に率先して取り組むためにも、男性職員の育児休業等の取得促進と家事、育児時間の増加が必要と考えます。総務部長の決意をお伺いいたします。
〇千葉総務部長 御指摘いただきましたとおり、人口減少対策は本県の最重要課題でございまして、育児休業の取得促進を初め、仕事と家庭の両立支援について、まずは我々公務員が率先して取り組むことが重要であると認識しております。
 また、全庁を挙げて、働きながら安心して子供を産み育てられる環境をつくることは、職員全体の意識改革や若手職員のモチベーション向上につながるほか、今後の有為な人材の確保にも不可欠であると考えております。
 男性職員の育児休業取得率は、令和4年度に全国第2位となったところでございますが、決してこれに甘んじることなく、引き続き、実際に取得した職員や職場の意見なども踏まえながら、さらなる制度の充実や取得促進に取り組んでまいりたいと存じます。
〇小西和子委員 取得した職員に聞きましたところ、管理職の方々からすごく積極的に育児休業をとるようにという声がけがあったりして、ありがたいということでした。
 ただ、心配なのは、育児休業をとったところの部署の仕事の調整ができているかといったら、それは、それぞれの部署でそれぞれ補い合うということですという答えが返ってきました。県警察本部ですと、全体を見回してそこの調整をしているということを聞いておりますので、ぜひそのような動きがあるといいと思います。
 私が一つすごく気になったことがありましたので、お話をさせていただきます。地方紙に─これは岩手日報ですけれども、若手県職員の精神不調増という報道がありました。県によると、精神不調で14日以上続けて療養した職員は、2019年度から100人前後で高どまりしています。そのうち2023年度に精神不調で療養した若手職員が51人となり、10年で10倍に急増したと説明しております。若手に集中する理由は不明と報道されておりますが、やはり実態をもう一度把握、分析して、原因を明らかにすべきではないかと考えます。
 県では、臨床心理士や保健師を相談窓口に配置するなど対策を講じているとのことですが、病気休暇、休職者の代替を配置するなど、日数が限られることもあるかと思いますが、そこの先輩の職員たちだったら、声をかけたら来てくれるのではないかと私は思うのですけれども、業務量に応じた人員配置をすべきと考えます。
 知事は、職員の健康を第一に、安心して生き生きと働ける職場環境を構築すると述べております。職場環境を整えることで、なお一層、男性職員の育児休業等の取得が促進されるものと考えますので、取り組みの強化をよろしくお願いいたします。
〇千葉総務部長 私も御指摘いただきました職場環境の充実というか、メンタルヘルスに関しては非常に重要な課題だと思っております。
 御紹介いただきましたけれども、臨床心理士、それから保健師を配置して健康サポートルームの充実を図っているのですが、ならないのが一番、元気に気持ちよく充実した職場環境でやっていただくのが一番なのですけれども、どうしてもそういった環境に置かれてしまっても病気になってしまうというのはあるわけです。いずれにせよ、病気にならないように私たちは職場環境を充実させる。それから、病気になってしまっても、早期に復帰できるように環境を整えるということを今後ともしっかりやっていきたいと思います。
〇高橋穏至委員 私からは1点、働き方改革と行政DXの推進状況及びふるさと振興部との連携について質問いたします。
 昨年の決算特別委員会の監査意見の中で、正確な事務運営と内部統制の改善について質問いたしましたが、今回も、指摘事項は減少しているが、発生原因や再発防止策を共有するなど全庁的な取り組みを進めるとともに、必要な執行体制の確保にも留意しながら、適正な事務の執行に努められたいという意見が付されております。また、職員の確保や働き方改革を進めるとともに、行政のDXを進め、事務の効率化に取り組む必要があるとあります。
 そこで、人的なチェック体制の強化とか内部統制に向けて、やはりDX、デジタル技術の推進が必要と考えるわけです。当初予算における行政DXの重点事項として、総務部で電子決裁・文書管理システム運営費1、900万円が計上されておりますけれども、全体像として、令和5年度から業務の効率化を推進し、柔軟な働き方の実現に向けた職員テレワークのための環境整備や、庁内情報システムの運用に関する事業である庁内基幹業務システム整備事業費1、300万円やデジタル化推進事業費5、200万円がふるさと振興部に移管されております。
 全体として取り組むべき庁内の運用と、今回ふるさと振興部に移管された事業について、連携状況はどうなっているのかお伺いします。
〇八重樫行政経営推進課総括課長 働き方改革と行政DXの推進についてでございます。県では、令和2年度に策定いたしました岩手県庁働き方改革ロードマップに基づきまして、勤務環境の向上や意識啓発に取り組むとともに、電子決裁・文書管理システムの導入など業務の効率化に取り組んできたところでございます。
 また、本ロードマップのもとで、令和6年度の取り組みといたしまして会計事務DXを掲げ、財務会計システムとほかのシステムとの連動やペーパーレス化などによって、適正な事務執行や効率化を図ることを目的としまして、ふるさと振興部のほか、関係所属から構成するクロス・ファンクショナル・チームを立ち上げ、庁内基幹業務システムの最適化に取り組んでおります。
 各事業につきましては、それぞれ所管課において業務を実施しているところでございますが、行政DXにおける各取り組みにつきましては、クロス・ファンクショナル・チームのほか、弾力的にワーキンググループを設置するなど、連携して進めるとともに、働き方改革に資する取り組みについては、岩手県DX推進本部でも共有するなど、県行政のデジタル化と働き方改革を一体に進めていくこととしております。
〇高橋穏至委員 さまざまなクロス・ファンクショナル・チームとか岩手県DX推進本部とか、それぞれにあるわけですけれども、いかにこの全体像を最適化するかが大事かと思うわけです。
 実は、ことし7月に商工建設委員会で会津若松市のスマートシティの視察調査に参りまして、非常に感動して帰ってきたわけです。要は、会津若松市のスマートシティの取り組みによって、あらゆる分野の取り組みを一つのシステムとして取り組んで、都市OSを構築し、そして、その結果、行政サービスの最適化を図るという取り組みをなされておりました。
 これはあらゆる分野ですので、もう庁内全体でやらなくてはいけない。当然、会津若松市でも取りまとめをする会議がありまして、そこのリーダーといいますか取りまとめは一体どちらなのか。全体を見るという意味では総務部の取りまとめなのかと思いながらも、ふるさと振興部の取りまとめなのかとも思います。その辺の連携というか仕組み、先ほど言われました岩手県DX推進本部などがあるようですが、どちらなのでしょうか。
〇八重樫行政経営推進課総括課長 ただいま高橋穏至委員から御質問ありました地域の情報化につきましては、ふるさと振興部で所管しておりますので、スマートシティなども、ふるさと振興部が所管という形になっております。
〇高橋穏至委員 会津若松市という一つの市を取り上げたのですが、地域の取り組みと捉えてしまうとそうなるのですが、要は、県行政として地域とかかわり合うという形で、県がそれぞれの市町村とつながっていかないと、人口減少の中で、それこそ運営が厳しい小規模の町村があるわけです。その中でそれぞれにやってくださいというのは絶対無理なわけで、これは会津若松市のときもお話を伺いましたけれども、やはり広域で取り組んでいかないと人口減少には立ち向かえない。広域でやるためには、どうしても単独の市町村でやっていくと限界がある中で、そこの連携をしっかりしていかなくてはいけないのではないかと思っております。
 この件に関しては、実はあしたのふるさと振興部でも触れるのですが、やはり、ふるさと振興部でも課題意識は共有しておりました。ただ、県全体としてどういう仕組みをつくるかという絵は全然まだ描けていないので、そこをしっかりとこれから取り組んでいかなければならないのではないかと思います。現在でまだそこまで行っていないのであれば、今後また質問していきたいと思いますが、どうでしょうか。
〇千葉総務部長 現在、県行政の推進に当たっては、さまざまなシステムを稼働して業務を進めておりまして、実態としては、既存のシステムを適宜、個別にカスタマイズして運用しています。
 市町村支援や、それから、県全体としてどうするかということでありますが、もともとの発想としては、ふるさと振興部の科学・情報政策室で進めるということでやっていたのですけれども、高橋穏至委員から先ほど紹介いただきました、総務部で電子決裁・文書管理システムをやったではないかというのは、そのシステムをとにかく入れるために、働き方改革でありますとか文書管理でやったほうがすぐ進むのではないかといったことで、数年間だけ総務部で所管したのですが、本来のあり方としては、ふるさと振興部で一体的にやることを考えて進めているものでございます。
 現状、全体像を示せていないではないかとか具体はどうなのだというような、まだ詰め切れていないところはありますけれども、今後、業務の見直しにそのシステムがつながったり、県民サービスの利便性、それから、市町村の利便性も必要だと思います。そういったものとともに、働き方改革や行政の質の向上も含めて、総務部として、関係部局と連携してしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋穏至委員 全体像をつくる中で、いろいろなシステムがばらばらだと連携ができないということなのですが、これを解決する一つの糸口がありましたので、そこら辺については、ふるさと振興部との連携であしたまたやりたいと思います。よろしくお願いします。
〇高橋但馬委員 ことし6月定例会でも質問させていただいたのですが、県庁舎のあり方について伺っていきたいと思います。
 県庁舎管理費について、知事局棟の耐震改修と議会棟の建てかえの方向性が示されました。令和5年度より県庁舎議会棟ほか空調設備改修工事、令和6年度は知事局棟のエレベーター改修工事が行われていると理解しているのですが、耐震改修と建てかえ前に、どの程度の経費負担を想定しているのか、まずは伺います。
〇岩間管財課総括課長 県庁舎の改修、建てかえまでの経費負担についてのお問い合わせでございます。県庁舎については、有識者懇談会において今議論しておりまして、年度内に大まかな整備の方向性を取りまとめることとしております。基本構想の着手から整備完了まで、ほかの自治体で見ますと、やはり十数年程度の期間を要することが想定されております。
 現段階で県庁舎の工事で必要なものということで、優先度が高い必要最小限のものというところに絞って考えても、可能な限り延命化を図ったとしても、今後、5年程度の間に現庁舎で2.5億円程度の費用がかかる可能性があると見込んでいるところでございます。
〇高橋但馬委員 耐震改修と建てかえに向かう中で、同時に今の既存の建物の老朽化が進むと考えられるのですけれども、緊急度や優先順位をどのように捉えて必要な工事を行っていくか、見通しをお示しください。
〇岩間管財課総括課長 一般論として、今後、大規模な改修ですとか整備が想定されている場合、経費効率、それから、利便性の観点を含めましても、できるだけ大規模整備のタイミングに合わせて必要な対応を実施するのが合理的であることはそのとおりなのですけれども、一方で、高橋但馬委員御指摘のとおり、検討している間にも老朽化は進行していきます。
 加えて、今の県庁舎は、建築基準法等の既存不適格の状態にあります。ですから、法令上最低限必要な設備の改修ですとか維持はもちろん必要ですし、故障等、明らかに行政運営に支障がある場合については、やはり対応していかなければいけない。ですから、法令上定められているものと緊急に対応が必要になるものという部分に絞って対応していきたいと考えているところでございます。
〇高橋但馬委員 いずれにしろ、必要に追われた場合は改修していかなければならないということだと思います。知事部局棟と議会棟以外にも、地区合同庁舎も管理していかなければならないと考えますが、財政負担が大きい中、どのような計画で進めていくのかお知らせください。
〇岩間管財課総括課長 令和5年度の地区合同庁舎管理費は8億7、700万円ということで、多額の経費を要している実態があります。
 地区合同庁舎は県内14カ所に設置しておりますけれども、県庁舎と同様、老朽化が進んでおりまして、今後5年程度の間に各種設備の更新等で30億円程度の費用がかかる可能性があると見込まれています。
 6月定例会で高橋但馬委員の御質問にお答えしましたとおり、現在、DXの進展による業務効率化ですとか県内の道路環境の整備に伴う移動時間の短縮等を踏まえまして、本庁組織の大くくり化や出先機関の役割、活動エリア等の見直しなどの検討を今庁内で行っております。
 この検討結果も踏まえまして、組織、職員体制と整合をとって、地区合同庁舎の計画的な管理といいますか改修といいますかのあり方を検討していく必要があると考えております。
〇高橋但馬委員 いずれ、この後、県庁舎の職員数も減少していく場合に、それに見合った建物サイズ、議会棟であるとか知事局棟が必要になってくると思うのですけれども、その辺も考えた見通しはあるのでしょうか。
〇岩間管財課総括課長 現在、県庁舎のあり方を検討する中で、将来必要な庁舎規模というのは検討しております。人口減少がある程度進むことを前提に考えた場合に、先日、皆様にお示ししているとおり、3、500人から4、000人程度の職員体制で、現在よりも800名から300名ぐらいは減少する体制で行政運営することとなった場合の庁舎規模ということで検討しております。
 一方で、高橋但馬委員が気にされている各地区合同庁舎と県庁舎ということになってきますと、先ほど申し上げたとおり、今、検討している組織の大くくり化ですとか、各合同庁舎の所掌の部分の見直しですとかといったものとかなり密接に関連するかと思っています。現段階では、県庁舎の整備の中では、先ほど申し上げた人数になった場合での規模のシミュレーションを行っているところです。
〇飯澤匡委員 それでは、まず、県財政に係ってお伺いします。
 先般、岩手県の中期財政見通し、令和6年度から令和10年度のものが提示されておりますが、私の経験上、この中期財政見通しは大体5年間のスパンでやるのですが、この計画期間中に財政調整基金がマイナスになるのは初めてです。これは、よほど県財政が逼迫している状況にあるわけであって、今後の取り組み等についてもあわせて示されていますが、今までどおりのことをやっていたのでは、全く効果が上がらないと思料されるわけです。
 今の危機感をどのように当局は感じているのか。あわせて、今後の取り組み等で、やはり今までどおりではない、新しい取り組みを提示していかないと県財政は全くいい方向には行かないと思うのですが、その点についてお示しいただきたいと思います。
〇佐藤財政課総括課長 厳しい財政状況というのは飯澤匡委員御指摘のとおりでありまして、収支ギャップを単年度で改善することは難しいと考えております。そのため、毎年度20億円ずつの改善を財政目標としているところであり、令和5年度100億円、令和6年度80億円の目標は達成、今後も毎年度20億円ずつギャップを減少し、令和10年度に収支ギャップを解消することを目標に取り組んでいます。
 具体的な対応でありますが、歳入面では、新しい取り組みとしては基金の有効活用、長期資金運用、ふるさと納税の魅力化、さらなる拡大をしていくといったものに加え、県有資産や使用料を見直し、より低利での資金調達等により歳入確保に努め、歳出面では、徹底した歳出水準の適正化を図っていきます。
 一つ一つの取り組みを積み重ねて、毎年度20億円ずつ収支キャップを改善していきます。
〇千葉総務部長 後段でお話しいただきました現状のままではだめではないかというところについてでございますが、社会経済がこれだけ急激かつ大きく変化する時代でございまして、御指摘のとおり、これまでの取り組みの延長にとどまらない柔軟な施策、大胆な施策が求められているものと考えております。
 地域経済を支える中小企業の振興、国際競争力の高いものづくり産業の振興、付加価値の高い農林水産物の販路拡大など、従来の取り組みは当然重要でございますが、一方で、国際的な視点から、常に新たな稼ぐ分野を探し、チャレンジすることが大事だと考えております。
 総務部といたしましても、県全体がそういった方向を向いて取り組みを進めていく体制をつくってまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 以前、やはり財政状況が厳しくなって、平成15年から平成18年まで行財政の構造改革プログラムをつくりましたね。これに沿って、かなり県債の発行なども抑制されて計画的に進んだというのはあるのですが、今回はもっと厳しい状況だと私は思うのです。このような短期的な取り組みであるとか、こういったプログラムみたいなものは策定する用意がありますか。
〇佐藤財政課総括課長 現状では、飯澤匡委員のお話しされたそういったプログラムをつくる予定はないのですが、いずれ、一気に改善するのは難しいので、20億円ずつ解消していって、令和10年度に収支ギャップを解消することを今の目標としているところであります。
〇飯澤匡委員 それでは今までどおりのやり方を踏襲しているというような印象なのですが、今、高橋但馬委員からお話があった県庁舎の建てかえはよほどお金がかかるわけですが、これは今の県財政の中で別個に何か基金を積むという予定でもあるのでしょうか。でなければ、今、いろいろとお話し合いをして、どういうやり方がいいかと検討していますが、肝心のお金が自分の手元になければ絵に描いた餅になると思うのですが、その辺の方策を現時点でどう考えているのかお示しください。
〇佐藤財政課総括課長 県庁舎に関しては、先ほど説明したとおり、現在検討が進んでいるところでありまして、整備するに当たっては、他県で言えば、基金を初めに検討しています。頭金というのですか、一般財源で出す部分もありますので、それを積まなければならないのですが、それに関しては、県庁舎の整備方針を今後詰めていきますので、その中で検討していきたいと思っています。
〇飯澤匡委員 区切りが悪いので、あとは休憩にしてください。
〇大久保隆規副委員長 それでは、この際、飯澤匡委員の質疑の途中ではありますが、昼食のため午後1時まで休憩いたします。飯澤匡委員、御了承願います。
   午前11時57分 休憩
   午後1時1分 再開
〇大久保隆規副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇飯澤匡委員 引き続き、県庁舎の建てかえには相当な準備のお金が必要になるわけですが、中期財政見通しには、これはもちろん入っていないということを確認させていただきますし、そうなると、この議論が本格化していった場合に、さらに財源の担保はかなり厳しい状況になるわけです。その辺の見通しみたいなものはあるのか、また、知事はこの間、有識者会議の動向についても評価する部分があるとかないとかというような答弁がありましたが、当然、知事からもこの財源確保については、庁議などでもお話とか指示とかあるのでしょうか、お尋ねします。
〇千葉総務部長 県庁舎の財源ということでの庁議でのお話は、私の記憶する限りはありませんけれども、ただ、予算編成などに当たって、財源確保についてはこちらから説明させていただいて、知事からも財源確保策、例えば電気事業会計のお話ですとか、それから、ブルー/グリーンボンドのお話などもやってきたところでありますが、そういった財源確保策をしっかりやるようにというお話はいただいております。
〇飯澤匡委員 またこの議論は改めてさせていただきますが、両方しっかりやっていかないと、再建をするのであれば、そこのところもきちんと原資に見合うような方策を考えておかなければならないし、指示がないというのは、私には想像ができないというか、かなり片手落ちのような気がします。
 そこで、財源確保のために地方消費税に着目して、この点について効果を上げている山形県を引き合いに出して御提案申し上げたいと思うのですが、貨物割というものがありまして、岩手県は昨年度で2億5、500万円、それに比して山形県は10億円、約4倍の地方消費税を得ているわけです。
 この大きな要因は、要するに、県内で通関をして、それが今の消費税ですと2%強ですか。今それに比するだけのものがちょっと下がっておりますけれども、要するに10億円も自由に使えるお金があるということは、県財政にとっては大変いい話だと思うのです。
 実はこれについてもいろいろ提案を水面下でさせていただいていますが、かなり消極的なのです。さっきの答弁でいろいろ国際的なことについても積極的に行いたいということですが、岩手県として攻めに転じる財源確保策というのは、もっと研究してしかるべきではないか。例に挙げて、このような通関を岩手県内で行えるような方策も研究材料として検討すべきではないかと思うのですが、いかがですか。
〇千葉総務部長 地方消費税の関係でございますけれども、御指摘のとおり、地方消費税は譲渡割と貨物割がございまして、本県は貨物割の占める割合が低く、全国34.2%ですが、本県は1.2%ということであります。
 今御指摘いただいた関係のお話はインランドポートのことだと思いますが、地方消費税の貨物割といいますのは、輸入貨物を取引した際に課税されるものでありまして、利便性の高い保税蔵置場を新たに設置することで、輸入量が増加すれば税収の増加につながるものと認識しております。
 このインランドポートにつきましても、東北地方では、御紹介のとおり山形県で整備されていると承知しておりますが、輸入貨物の需要とか活用事業者の確保などのさまざまな課題を解決する必要があるものの、一般論ではありますけれども、税収の確保に資する取り組みの一つであると考えております。
〇飯澤匡委員 今、輸入の部分と言われていますけれども、いずれ、半導体にしても農産物の輸出にしても、要は輸出、輸入というのは表裏一体でありまして、半導体にしても、山形県が輸入が多いというのは、中国からサプライチェーンの関係で入ってくるわけです。ですから、それを切り離してやること自体、もう少し研究が必要なのではないかと思います。
 以前、インランドデポ、インランドポートについては県議会でも議論されたときがありましたが、要は保税運送が随分緩和されて、コンテナについては国内貨物だということで、岩手県でも直接釜石港に持っていけることで余り必要性がなくなったということであります。先ほど申し上げましたように、これから岩手県が輸出についても打って出る、それから、さっき言った輸出と輸入は表裏一体ということも考えれば、もっともっと税収を上げることについて研究して、戦略的に行う必要があると私は思います。
 これについては、もし仮に整備するとなれば、国の交付金の交付なども受けられるわけです。具体的には、広域的地域活性化基盤整備計画を作成して、これを受け取るというようなことも既にやっているわけであります。もっと前広に、税収を涵養するやり方は、各部局に任せると、これができるできないとかという話になりがちなので、これは総務部として総体的に考える必要があると思うのですが、その点についての基本的考えをもう少し踏み込んで答弁いただけたらと思います。
〇千葉総務部長 インランドポートにつきましては、先ほども申し上げましたが、本県の輸出入の状況、それから設置による効果などを検討、検証すべきものと考えます。
 飯澤匡委員の御提案は、総務部長として受けとめますと、本県の厳しい財政状況を憂慮され、既存の施策にとらわれず、常に国内外の情報への感度を高めて取り組みの不断のアップデートをすべきだといった趣旨の、県庁全体、総務部としてもそうですけれども、そういった鼓舞激励であるとも思っております。
 本県の現状の強みや弱みを踏まえつつ、社会経済情勢にマッチした新たな、そして大きな視点での施策立案を今後進めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 これは、部局ごとに商工労働観光部でやりますと、現状ではできませんと簡単に答えが出てくるのです。これではいかぬのです。ですから、税源をしっかり確保するという意味において、もう少し俯瞰的な行動をしていただきたい。今回の質問は、総務部長のおっしゃるとおりなのです。
 それで、最後の質問ですが、全く別の方面の質問をしますが、県職員の退職後の再就職先の公表についてお伺いします。
 岩手県は、職員等の退職管理に関する条例で、公表対象を管理または監督の地位にある職員または役員の職としており、特別職を含んでいないわけですが、この点はなぜそういうことになっているのか。仙台市や山形県などでは、ホームページ上などでも、今の情報公開のあり方として必要不可欠なものと自主的にやっておりますが、岩手県の基本的な考え方、なぜやっていないのか、これからどうするのか、お尋ねいたします。
〇内城参事兼人事課総括課長 特別職の職員等の退職管理に関する条例の適用についてでございます。県では、地方公務員法に基づきまして、元職員による働きかけ規制、それから、再就職に関する透明性を確保する観点から、職員等の退職管理に関する条例を制定し、退職管理の適正確保に必要な措置を講じているところでございます。
 他方、地方公共団体の特別職の職員につきましては、地方公務員法が適用除外となっておりますことから、同法の規定に基づく本県の退職管理の条例につきましても、特別職は対象外としているところでございます。
 それから、今後に向けてということでもお話がございました。本県といたしましては、いわゆる天下り批判が国家公務員であったことも踏まえまして、退職予定者の人材バンクを設置したり、あとは、さまざま国を上回る措置をしてきたところでございます。
 ただ一方で、飯澤匡委員御指摘のように、他県でもそういった条例、条項があること、それから、よりその透明性の確保という点では、県民への説明責任を果たす必要があると考えておりまして、今後も引き続き、そういった点は重要な視点であると考えております。
〇飯澤匡委員 昨年も県立大学理事長の件を引き合いに出してお尋ねいたしました。監査委員からも、報酬が30万円上がったという事実は事実としてあるわけでございますので、新聞報道等でいろいろ疑念があるということは事実だということで、県民に対して丁寧に説明を尽くしていく必要があると考えておりますということでした。これは、皆さん方も現場にいたから御記憶のことと思いますが、今の答弁では、監査委員の指摘について正面から捉えていないと思うわけですが、総務部長、今後についていかがですか。
〇千葉総務部長 特別職の取り扱いでございますけれども、公務員倫理、それから、行政の透明性の確保に関する社会的要請が高まる中で、御指摘のとおり、一般職か特別職かにかかわらず、県民に必要な情報を適切に提供することは重要な視点だと考えております。
 これまでの経緯については先ほど申し上げたとおりでありますが、現在、特別職の再就職の状況を公表している団体は限られているところではありますが、さらなる透明性を確保し、県民への説明責任をしっかりと果たしていくため、今後、特別職についても公表する方向で検討を進めていきたいと考えております。
 また、この事案にとどまらず、昨今、職員採用が困難になる中で、働き方改革などを一層加速化し、公務の魅力を高めるとともに、県民に信頼される行政経営が行われますよう、総務部としても、さまざまな取り組みを積極的に展開してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 県立大学理事長の給料が30万円以上上がったというのは、もう一つ加えますと、元副知事は、在任任期を残して入り込んでいったわけです。その点についても、なぜそうなったのかということも県民に対する説明責任があると思うのです。
 加えて、30万円以上給料が上がったということは、県税をそれだけ入れているということですから、それに対する結果責任も求められる。この点については、当該部は関係ないので詳しくは聞きませんが、いずれ、こうした事実が新聞報道されて、それがおもしろくないから今度は訴えるみたいな、そういうことが続くと、県に対する信頼感も損なわれると私は思っています。
 今、総務部長から積極的に対応するというような答弁がありましたので、それはもう直ちに行っていただきたいと思います。
 詳細については、ふるさと振興部でやりますので、ここで私の質問は終わらせていただきます。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、県人事委員会から勧告を受けているわけですけれども、その対応状況についてお伺いいたします。
 ことしの人事委員会勧告はまだでありますけれども、昨年10月17日の勧告では、給与だけではなく、公務運営に関する事項として6項目の対策を人事委員会は求めているわけです。
 その内容、改善状況について伺うわけですけれども、まず一つ、有為な人材確保についてはどうか。採用試験の見直しの検討、専門職等の確保、受験者層に向けた広報活動などの人材確保の取り組み状況はどうだったのか。
 それからもう一つ、人材育成のほうです。研修の充実と研修参加を後押しする職場づくり、女性職員のキャリアアップ形成の研修、ジョブローテーションによる能力向上の取り組み、これはどうだったか。まず二つの項目を伺います。
〇内城参事兼人事課総括課長 私からは、人材の確保に関して御答弁申し上げます。
 まず、採用試験につきましては、令和5年度から、社会人を対象とした試験におきまして、民間でも広く用いられております適性検査でありますSPIを導入するとともに、試験を複数回の実施としたほか、今年度から県北・沿岸地域に勤務地を限定した試験を新たに実施するなど、受験者の確保に向けた見直しを行っているところでございます。
 続きまして、専門職員の状況でございますが、これまで実施してきた獣医師等の通年募集などの取り組みに加えまして、他県などで職務経験を有する方を対象とした選考試験につきまして、今年度から技術系の試験対象職種を拡充するとともに、受験上限年齢の引き上げを行うなど、その確保に向けた取り組みを強化しているところでございます。
 三つ目、広報活動でございますが、県の業務へ関心を高め、働きやすい職場環境づくりへの取り組みなどを紹介するため、大学訪問、民間主催の就職説明会への参加、それから、県内高校生向けの出前授業などを実施しているほか、人事委員会事務局におきましては、学生等に向けた知事メッセージをユーチューブで広く配信するなど、さまざまな取り組みを展開し、県職員の魅力発信に努めているところです。
〇藤原職員育成課長 私から、人材育成についてお答えさせていただきます。
 まず、職員研修についてでございますが、能力開発研修としまして、職務や職責に応じて階層別に実施する基本研修や個人の職務遂行に必要な基礎知識を習得することを目的とした特別研修、主体的な能力開発に向けた自己啓発支援などを体系的に実施しているところです。
 これらの研修の実施に当たりましては、研修受講後のアンケート結果を踏まえ、随時、内容のブラッシュアップを図っているほか、役職定年を迎えた職員のさらなる活躍推進に向けて、新任専門幹等研修を新設するなど、状況の変化に応じた新たな研修の追加も行っているところでございます。
 また、大学院等の派遣者による成果発表会の開催など、自己研さんの多様な選択肢を提示しているほか、オンラインで受講できるeラーニングや、自宅で学習可能な通信講座の受講支援など、さまざまな受講手法を用いながら、職員自身が積極的に能力開発に取り組んでいける環境を整備しているところでございます。
 次に、女性キャリア形成でございます。女性職員のキャリア形成に向けましては、おおむね採用6年以降の若手職員を対象に、仕事と家庭の両立に向けたキャリアを考えるキャリアデザイン研修を実施していますほか、中堅職員を対象としたリーダー研修、管理職を対象としたマネジメント力向上研修を実施しておりまして、将来的な女性リーダーの育成や管理職としての能力の養成を計画的に進めているところでございます。
 また、これらの研修やメンターへの相談を通じて培われた職員自身のキャリア志向に加え、職員の家庭の状況や本人の適性にも配慮しながら、職員として視野を広げられるよう、さまざまな部門に配属させる計画的なジョブローテーションを進めることで、管理職も含む多様なキャリアの形成と能力向上を支援してまいります。
〇佐藤ケイ子委員 今の答弁の中で、県北・沿岸地域に限定した職員募集がありましたけれども、その応募状況はどうでしたか。
〇内城参事兼人事課総括課長 県北・沿岸地域のいわゆるエリア限定の採用試験の状況でございますが、10名の募集に対しまして39名の応募があったところでございます。今後、具体的に選考に入っていきますが、こういった成果もしっかり見ながら、引き続き考えていきたいと思います。
〇佐藤ケイ子委員 県職員と市町村職員、どちらも受験して、でも、県は広域異動があるからということで市町村職員を選択する場面も今までもあったわけですけれども、こうやって県北・沿岸地域のエリア限定の職員という枠もあるというのは、非常にいいと思ってお聞きしました。
 次に、長時間勤務のことですけれども、業務の効率化、それから、県議会の協力等の取り組みということが出されておりました。それはどうだったか。それから、超過勤務の実態としてはどうだったのか。職員1人当たりの月の超過勤務時間、令和4年度は15.6時間だったということですけれども、令和5年度の実績はどうでしょうか。
〇内城参事兼人事課総括課長 超過勤務の状況でございます。これまでも超過勤務の縮減に向けましては、業務の効率化に取り組んできたところでありまして、今年度は、ペーパーレス化の一層の推進でありますとか業務改革、改善研修の実施など、働き方改革と連動した取り組みをさらに強化しているところです。
 また、今、お話もございましたとおり、議会対応業務に関しましては、議会側においてさまざまな対策を検討、実施していただいていることを踏まえまして、執行部側においても、答弁作成者のスキルアップ、添付資料の最少化のほか、今定例会からは、原則、答弁検討を深夜や土日に実施しないことなどを目標に掲げまして、全庁を挙げて取り組んでいるところです。
 次に、超過勤務の状況でございますが、昨年度、令和5年度の1人当たりの月平均超過勤務時間数につきましては、全庁で13.8時間となっておりまして、令和4年度から2.3時間の減、コロナ禍前の令和元年度との比較においても2.1時間の減少となっているところです。
〇佐藤ケイ子委員 超過勤務が集中しているところに他律的業務という指定職があるわけですけれども、それを減らすべきではないかという議論もずっとあったわけですが、そこはどうなったのかを聞きます。
〇内城参事兼人事課総括課長 他律的業務の関係でございますけれども、他律的業務の比重の高い部署の指定につきましては、業務の実態等を踏まえまして見直しを随時しており、今年度4月1日時点で52部署、昨年度から18部署の減となっているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。改善に努められているということであります。
 次に、両立支援の推進ということですが、ここは小西和子委員も質疑しておりますので省略いたします。
 それから、心身の健康管理については、長期療養者、これは精神疾患も含むということで、その状況はどうなっているのか。かなり若年層の職員の方々の長期休業があると聞いておりますけれども、どうでしょうか。
〇藤村総務事務センター所長 長期療養者の状況についてでございますが、令和5年度における14日以上の継続療養者数は延べ人数で177人であり、昨年度に比べ15人増加しているところです。
 そのうち精神疾患による療養者数が延べ人数で107人と最も高く、昨年度と比べ2人増加し、近年は110人前後で推移しております。
 こうした状況を踏まえまして、総務事務センターへの臨床心理士の配置や新採用職員との個別面談のほか、本年度は、各広域振興局本局に健康サポート専門員を配置するなど、若手職員も含めまして、職員に身近なところでの相談体制の充実を図っているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 次に、ハラスメント対策についてお伺いいたします。
 相談窓口の強化、それから、周知、相談対応職員のスキルアップへの取り組みが人事委員会から求められておりますけれども、令和4年度の苦情相談は40件、うちハラスメント関係は24件ということだったようですが、令和5年度の状況はどうだったかお伺いいたします。
〇内城参事兼人事課総括課長 ハラスメントの関係でございます。まず、相談窓口の強化、それから、対応職員のスキルアップということに関しましては、毎年度、複数の担当者を外部の専門研修に派遣しておりまして、被害に遭われた方のメンタルケアを含めた専門知識、それから、ロールプレー等による実践的な対応手法の習得を図っております。また、その知識やスキルを職場でも共有することで、対応職員の質の確保と安定的な窓口の運営が行えるように取り組んでいるところでございます。
 また、その窓口の周知に関しましては、全職員宛てに発出する服務通知のほか、各種の研修やセミナー等の機会を捉えて紹介するなど、悩みを抱える職員が迷いなく相談することができるように、その浸透を図っているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 今の答弁で件数はなかったようなので、相談件数についてもお伺いしたいと思います。
 あと、ハラスメントの相談をするとか申し出をするというようなことがきちんとできていればいいわけですけれども、どこかの県知事みたいに、何も言えない状況だと非常に困るわけです。
 例えばハラスメントを申し出ることもそうですし、公益通報についてもそうです。どこかの県のように、公益通報をしたらば、犯人探しみたいなことをされてしまっては困るわけで、公益通報制度の運用も的確に行われているのか、通報件数などもお伺いいたします。
〇内城参事兼人事課総括課長 ハラスメントに関しましては、職員苦情相談ということで、人事委員会と当方人事課でそれぞれ窓口を設置しているところでございますが、昨年度の実績で申し上げると、4件の相談があったところです。
 続きまして、公益通報の関係でございます。県では、人事課に設置いたします組織内部の通報窓口に加えまして、外部の窓口として、弁護士にも通報できる制度としております。これにより、組織内部の不正や不祥事等を早期に発見し、その対処に当たり、透明性や公正性が確保される仕組みで運用がなされているところでございます。
 また、通報件数でございますけれども、平成18年度の制度創設以来、本年9月末で申し上げますと、全9件の通報がございまして、その内訳は、内部窓口である人事課への通報が8件、外部である弁護士への通報が1件となっております。
〇佐藤ケイ子委員 適正に対応をお願いしたいと思います。
 それでは、次は、指定管理者施設の賃金スライドの件についてお伺いいたします。
 県民所得を底上げさせていくにつけては、公共サービスにかかわっている方々もしっかりと賃金アップをしていかなければならないわけですけれども、指定管理者制度の契約の中で、なかなか反映できないという問題がありました。
 これは、私は去年もことしの予算でも取り上げておりますけれども、今回、来年度から賃金スライドを設けるということを公表したことについては、非常に評価したいと思っております。
 それで、この賃金スライドの件で、全国でも同様の決定をした自治体があるようですけれども、その全国の状況はどうだったか。それから、まとめてお伺いしますけれども、この対応で影響を受ける対象人員、影響額の試算はどのようになっているか。そして、今後、県内各自治体への波及も当然していかなければならないわけですけれども、その周知の方法はどう考えているのか、まとめてお伺いいたします。
〇岩間管財課総括課長 指定管理施設の賃金スライド制度の導入についてでございます。あくまでも本県での調査ということですけれども、5月時点で、毎年度予算に何らかの形で賃金上昇を反映させている県は9県ございます。うち鳥取県、福岡県では今年度から賃金スライド制度を導入しておりまして、北海道が来年度から導入する予定だと伺っております。
 一方、検討中あるいは導入を予定していない自治体も多うございまして、9月時点ですと、東北地域では、来年度からの導入を決めているのは本県のみということでございます。
 引き続きまして、その対象となる人員についてでございます。本年4月時点での指定管理者から提出されます職員配置計画書をもとに算出しますと、800人程度の方に影響があるのではないかと見込んでおります。
 影響額については、これも試算になります。と申しますのは、指定管理者の人件費は、利用料とか、そういったもので見ている部分もございまして、全額が指定管理制度という形で本県から支払われているわけではありません。ただ、仮の試算ということでございますけれども、人事院の民間給与の伸び率2.8%、これをそのまま適用させますと、令和7年度の影響額は5、300万円程度ではないかと試算しているところです。
 今後、県人事委員会から民間企業の実態調査の報告が出ますので、その額で精査していくことになると考えています。
 最後、県内自治体への周知ということでございますけれども、実は、10月3日付で全市町村に通知を発出しております。通知には、本県で導入する際の考え方等を記載したマニュアルも添付しておりまして、各市町村で参考にして制度設計できるような形でお送りさせていただいております。
 基本的には各市町村が判断することになりますけれども、既に問い合わせが複数寄せられておりますので、導入に向けた検討が進められているのではないかと推測しているところです。
〇佐藤ケイ子委員 やはり公共サービスにかかわる方々は、指定管理者制度の中で非常に低賃金なのです。非常勤、そしてパートとか、そういった正規雇用ではない方々が非常に多くて、これは県民の所得にも影響してくる。県民の所得を底上げする上でも、リードしていただきたいと思っております。
〇松本雄士委員 私からは、グリーン/ブルーボンドの活用について伺わせていただきます。
 全国の自治体で初めてのブルー適格事業を盛り込んだボンドの発行について、令和5年度発行に係るインパクトレポートを拝見させていただきましたけれども、非常にいい取り組みだと思っております。もっと可能性とか広がりを検討できないかと思っております。
 まず初めに、令和5年度発行の50億円について、6倍程度と非常に応募も多かった。そしてまた、県内企業の応募も多く、配分も9割ぐらいは県内だったと伺っております。
 県内企業は、どのような投資意識で投資されたと認識されているのか、まず伺います。
〇佐藤財政課総括課長 グリーン/ブルーボンドは、県民や事業者、市町村を初めとする県内外のさまざまな主体と協働しながら、本県におけるGXを推進するための財源確保策として発行したものであり、県内企業、団体の皆様につきましても、こうした本県の政策理念や取り組みに共感いただき、購入していただいたものと認識しております。
 加えて、投資表明いただいた投資家名は県ホームページにおいて公表していますし、企業や団体みずからのホームページ等でも公表できますので、この広告効果に対する期待もあったものと考えております。
〇松本雄士委員 県内の企業もSDGsやESG、環境的なところに対する意識は非常に高いものと思います。ただ、具体的にどう動いていいのかわからないときに、この取り組みへの参加というのは、企業にとっても非常にいいものだったのだろうと思っております。
 そのような中、環境負荷に配慮した持続可能な第一次産業を確立していくための事業をより多く資金使途に盛り込んでいくこと、それでさらなる応募が期待できると思うのです。いわゆるその使途のところで、もっと第一次産業のところであるとか応募額の増額であるとか、そのあたりについての見解を伺います。
〇佐藤財政課総括課長 グリーン/ブルーボンドも地方債の一種であり、原則として、公共施設または公用施設の建設事業費の財源を調達する場合等、地方財政法第5条に掲げる場合においてのみ発行できるものとされております。
 これを踏まえてできるものとして、例えば、岩手県農業研究センターなどの県有施設において、二酸化炭素排出量の削減効果が見込まれる施設整備を実施するような場合には活用する可能性がありますが、金利に影響を与えるほどの需要を集めることができるかというと、そこは少し難しいと考えています。
〇松本雄士委員 その使途の可能性は後段でいろいろお伺いしたいと思うのですけれども、今少し金利の話も出たのですが、こういった環境配慮というあたりで、低利で調達できたというところがあるのですが、今後、その金利が上昇していく中で、他の地方税の発行よりも優位性のある資金調達となり得るものなのでしょうか。
〇佐藤財政課総括課長 現行の金融市場では、御紹介がありましたとおり、通常の債券よりも低い利率で条件決定しており、こういった状況が続けば、資金調達コストの軽減も期待できるものと考えております。
〇松本雄士委員 わかりました。
 また、そのインパクトレポートの中で、投資に対する効果とか事業実施内容という表現になっているのですけれども、何カ所整備したとか、環境の維持管理のところもそういう記載があります。そこをもっと推計値になるかもしれないのですけれども、具体的に、これだけCO2の削減になったとか、もっと環境の取り組みで緑の面積が広がったとか、インパクトレポートのところを、今後の投資につなげていくためにも、もっと効果を具体的に記載していくようなことが必要になると考えるのですけれども、その点についても伺います。
〇佐藤財政課総括課長 一応、初の取り組みということで頑張ったつもりではあったのですが、松本雄士委員御指摘のようなことを踏まえて検討していきたいと思います。
〇松本雄士委員 次に、少し各論的なところについてお伺いしていきます。先ほどもその使途でできるものは岩手県農業研究センターぐらいかというような話もあったのですけれども、私は、さきの一般質問でも質問させていただきまして、今、国においては、みどりの食料システム戦略等にいろいろ取り組んでいる。中長期的な観点から調達、生産、加工、流通、消費、その各段階においてカーボンニュートラルの取り組み、環境負荷低減を推進している。持続可能な食料システムの構築に向けて取り組んでいるというところで、アグリボンドはどうですかというような質問をしました。
 その際の回答が、国際基準等に基づくフレームワーク、当該債券に対する市場におけるニーズ、発行業務を引き受ける金融機関の有無の課題がある。現行の債券以上に発行の優位性を確保するためには、今後さらなる研究が必要ということで、全くその可能性は否定せずに、テクニカルなところで対応できるのではないかという回答という受けとめでありましたが、実務で具体的にその課題となるところはどこなのかお伺いいたします。
〇佐藤財政課総括課長 グリーン/ブルーボンド等のESG債については、国際基準などに基づいて、債券の発行団体が、資金の使途等を定めるフレームワークをあらかじめ作成し、これを第三者機関が認証することで、債券取引の促進と市場の公平性が保全される仕組みが確立されている上、企業等によるESG債へのニーズも相まって、現在の市場規模までの拡大につながったものと考えられます。
 仮に、本県でアグリボンドを発行しようとする場合、国際基準や第三者機関による認証といった仕組みがなく、フレームワークに対する客観的な評価が得られませんので、投資家に対する訴求力を欠くことになります。また、認証がないことにより、金融商品としての魅力を欠き、投資需要の獲得も難しいものと考えられることから、低利での調達が困難になると考えられます。
 こうしたことを踏まえ、金融機関が発行業務に対し消極的になる可能性があり、現状、大まかでありますが、実務上、こういった具体的な課題があるものと認識しております。
〇松本雄士委員 まだ第三者認証のところであったり、そういうフレームワーク的なものが確立していないからというお話でありましたけれども、令和5年度の投資表明一覧の県内企業を見ますと、県内の協同金融組織等が多く参画されている。また、最初にお伺いしたとおり、今、そういった県内企業の意識も非常に高く、時間はかかるかもしれないですけれども、そういったいろいろな声を聞きながら、また、専門的な機関にも相談していただきながら、そういった取り組みを進めていただきたいと切に思うところであります。
 今までの回答で全部難しいということでありましたけれども、例えば、グリーン/ブルーボンドが、今いろいろ、藻場の再生等にも使われているというのがあるのですけれども、収穫した農畜産物を加工、調整、冷蔵、冷凍して安定な食料の供給の構築に資する、また、中山間地域の暮らしの向上にも資する、例えばゼロカーボンのそういった加工、貯蔵、調整施設プロジェクトのような先進的な農業施設に活用するといったことは可能なのかどうなのか。また、その際、事業主体や既存の補助事業の活用等との併存において、問題となると考えられるところはどういうところがあるのかをお伺いいたします。
〇佐藤財政課総括課長 松本雄士委員御指摘の施設について、仮に、県有施設として県事業において整備する場合は、県のフレームワークの充当事業のうち、太陽光発電関連設備の導入に該当する可能性があると考えられます。
 ただ、一般的には、御提案の施設は民間事業者による整備が想定されますので、その整備に対して地方債を財源として活用することはできないので、グリーン/ブルーボンドとしても活用できないものです。
〇松本雄士委員 地方財政法第5条の地方債の制限において、その使途が厳しく制限されているというのは、私も教えられて、見たところであります。民間主体の施設にも難しいだろうと思うのですけれども、例えば、県であったり公共団体が建てて、指定管理をさせるみたいなものに対して、ゼロカーボンみたいなものを当てはめていくというアイデアはあるのかないのか、お伺いいたします。
〇佐藤財政課総括課長 先ほど紹介がありました藻場等も、県で整備していますから地方債を充てていますけれども、いずれ、県で整備するのであれば可能性はあります。ただ、それを県で整備するかどうかというのは、私の知っているところで、今、加工、貯蔵、集出荷施設で県が整備しているものはなかったと思います。そこは農業施策との関連になりますが、いずれグリーン/ブルーボンドとしては、民間でやる場合には使えないというものになります。
〇松本雄士委員 北海道では、乾燥調整施設を公共団体が有して、そういった農業団体に運用を指定管理的に任せている例もあったかと思っているのですけれども、しっかりそういうものもいろいろ調査しながら、先ほどの質問の中でも、今後厳しくなっていく財政の中で、財源確保するとありました。そこには柔軟で大胆なチャレンジをしていかなくてはならないという話で、知事からも、財源確保策として、もっとこのグリーン/ブルーボンドを活用していくという話が先ほどの答弁の中でもあったと認識しております。
 いろいろな可能性、使途の広がりというところをもっと研究して、環境の維持、整備のところだけではなくて、将来の産業振興、そして税収につながるような活用の検討も進めていただきたいと思いますので、お願いいたします。
〇斉藤信委員 それでは、最初に、私も公益通報制度についてお聞きいたします。
 県庁における公益通報制度は、制度自体どうなっているのか。
〇内城参事兼人事課総括課長 公益通報制度についてでございます。県では、コンプライアンスの確立のために、職務の遂行に当たり、職員の法令等に違反する行為等に関して、これを知った職員等からの通報を受け付け、通報した職員等を保護することを目的に、平成18年度に実施要綱を定めまして、県としての公益通報制度を運用しているところでございます。
 この制度が適切に機能するように、通報窓口といたしまして、人事課内に設置する内部窓口に加えまして、弁護士による外部窓口を設置し、通報内容に係る調査権限を付与しておりますほか、退職した職員においても、一定期間通報を可能とするなど、組織内部での不正や不祥事等を早期に発見して、公正に対処できる体制を確保しているところでございます。
 また、その制度の内容、それから窓口につきましては、全職員に向けて定期的に発出している服務通知において周知をしておりますほか、ホームページにおいて、県民を初め、広く外部にも周知しているところでございます。
〇斉藤信委員 先ほどの答弁で、公益通報の件数は、人事課に8件、外部の弁護士に1件ということでした。調査件数、是正件数を示してください。
〇内城参事兼人事課総括課長 件数については、今、斉藤信委員からもお話がありましたとおり、これまで全部で9件が来ております。
 これらの通報があったものに関しましては全て内容を確認しておりますが、これらのうち公益通報の要件に該当した3件を公益通報という形で受理いたしまして、必要な調査、それから指導を行って、県としての是正措置を講じているところでございます。
 是正措置は、3件全てについて是正措置がとられているところでございます。
〇斉藤信委員 この公益通報制度は、よく説明を受けますと、職員の法令等に違反する行為等に関してのものです。法令等に違反するという意味でいけば、それなりにハードルがあって、法令に違反するかどうかの認定ということになるわけです。それが3件だったということです。
 それで、兵庫県は余りにもひどいのですけれども、どういう形で通報者が保護されているのか、保護するのか、そこを示してください。
〇内城参事兼人事課総括課長 通報された方の保護についてでございます。県の公益通報に関する要綱におきまして、公益通報者は、正当な公益通報を行ったことによって、いかなる不利益も受けないと規定しておりまして、その実効性を担保するため、先ほど御答弁申し上げたとおり、外部の窓口を設置しているほか、通報の受理から調査、その結果に基づく措置に至る全ての過程において、通報者の匿名性が一貫して確保されております。また、通報者を探索することも禁じられているところでございます。
 さらに、不利益な扱いを受けるおそれがある場合には、外部窓口に訴えることができる旨定めておりますし、外部窓口の調査員には、必要に応じて、知事に対して是正措置を講ずるよう勧告する権限が付与されるなど、通報者の保護を担保しているところでございます。
〇斉藤信委員 私は、外部への通報の窓口があるというのは大変大事だと思うのです。ただ、弁護士1人なのです。その第三者の弁護士に通報があった場合に、それが法令に違反するかどうか、誰がこれを調査し、認定するのでしょうか。
〇内城参事兼人事課総括課長 それにつきましても、外部の調査員が判断することになります。
〇斉藤信委員 そうすると、弁護士のもとに外部の調査委員がいるということになりますか。
〇内城参事兼人事課総括課長 外部の弁護士自体が、外部調査員という位置づけになっているものでございます。
〇斉藤信委員 そうなると、なかなか弁護士の仕事も大変になるのではないか。大体、第三者委員会というのは、第三者委員会があって、調査委員会があるぐらい、調査というのがすごく大事なのです。私は、外部の窓口をもっと充実させる必要があるのではないかと思います。これは問題提起にしておきます。
 その公益通報の内容を見ますと、パワハラを受けたという通報があるのですが、残念ながら受理されなかった。それで、県のパワハラについてお聞きしますけれども、パワハラにかかわる相談件数がどのぐらいあって、認定された件数は何件でしょうか。
〇内城参事兼人事課総括課長 パワハラの状況でございますが、令和2年度に県としてのハラスメントの指針を策定しております。令和2年度以降でカウントいたしますと、18件の相談が相談窓口に来たところでございますが、実際にパワハラと認定されたものはゼロでございます。
〇斉藤信委員 私は、これを聞いてびっくりしたのです。18件パワハラの相談があったのだけれども、パワハラと認定されているのはゼロなのです。ただ、どういうふうに対応したかというと、認定されないものも、調査の結果、行為者に対し所属長から注意、これが多いのです。調査の結果、行為者に対して所属長から注意ということは、パワハラがあったということです。
 私は、パワハラの認定そのものの基準が少し高過ぎるのではないかと思います。実際には、多くの件数で所属長注意をやっているのです。所属長注意というのはどういうことなのですか。何を根拠に注意されるのですか。
〇内城参事兼人事課総括課長 ハラスメントの認定につきましては、当方では、国の人事院の規定、基準を用いまして考えております。ハラスメントの要件がございまして、その中の一つに、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であったかどうかという基準があります。この点で、ハラスメントに認定できるかどうか線を引くところになりますが、そこはなかなか難しいところがあります。
 ただ、一方で、ハラスメントに認定されなかったとしても、不適切な対応、職場での行動があった場合には、それは我々といたしましても厳正に対処する必要があると考えておりまして、まずは、所管部局を通じまして、所属長等からしっかりと指導させるという対応をとっているところでございます。
〇斉藤信委員 だから、私は、パワハラの認識というのが少し機械的なのではないかと思います。例えば、教育委員会で、これは県立不来方高等学校のバレー部員の自死事件がありました。これの原因は顧問教師の暴言、叱責なのです。警察官が上司からパワハラを受けて、これも自殺をした。8、700万円の賠償金を払った。これも上司からのパワハラですよ。暴言、叱責というのが本当に人間を死に追い詰めるぐらいのもので、ある意味、私は、身体的な暴力よりも暴言、叱責のほうが悪質で影響が大きいと思うのです。
 パワハラの指針をつくったのが令和2年ですから、このパワハラに対する認識、受けとめというのが余りにも軽過ぎるのではないのか。もっと深刻に受けとめなくてはならないのではないか。結果的には所属長注意という、注意せざるを得ない、そういう事実もあるわけでしょう。人格を否定するような発言を受けたと、こういうパワハラ相談があったのです。
 パワハラが、どれだけ職員を追い詰めるのか。身体的暴力よりもある意味深刻な影響と打撃を受けるという認識はありますか。
〇内城参事兼人事課総括課長 ハラスメント対策の重要性につきましては、我々としても非常に重く考えております。その所属における所属長の役割が特に重要であると我々も考えておりまして、新任の総括課長研修の中でも、このハラスメントの講座を設けまして、具体的な、これは他県の事例なども引き合いに出しながら、非常に重大な事案になるといったことをしっかり指導しているところもございます。
 また、その防止に向けまして、所属長ではなく、部下の職員から上司を評価させるというような仕組みも用意しておりますので、そういった中で、しっかりとしたハラスメントの防止を講じていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 残念ながら、パワハラ相談をやっても認定されなかったということでは、相談する気にならないです。相談しても認定されない。私は、やっぱりこの認定の仕方、認定の基準はもっと考えるべきだと思います。所属長から注意しなくてはならないようなものはパワハラでしょう。それは問題提起しておきますから、ぜひ認定すべきは認定するという認定のあり方について、再検討していただきたい。
 次に、会計年度任用職員の待遇改善についてお聞きいたします。
 会計年度任用職員の制度が実施されて5年目となりますが、正職員と会計年度任用職員の実態はどうなっているでしょうか。フルタイム、パートタイムの状況、比率、男女比、年代別に示してください。
〇内城参事兼人事課総括課長 会計年度任用職員の任用の状況についてでございます。知事部局における令和6年5月1日時点の実人員は1、373人となっておりまして、一般職員の総数5、581人のうち会計年度任用職員の占める割合は約4分の1となっております。
 それから、会計年度任用職員のフルタイム、パートタイムの状況でございますが、フルタイムが55人で約4%、パートタイムが1、318人で約96%となっております。
 また、男女別の割合についてでございますが、男性が約43%、女性が約57%となっておりまして、年代別の割合につきましては、30歳代以下が約10%、40歳代が約21%、50歳代が約25%、60歳代以上が約44%となっております。
〇斉藤信委員 会計年度任用職員は、残念ながら96%がパートタイムなのです。この間、会計年度任用職員の賃金の改善状況はどうなっていますか。
〇内城参事兼人事課総括課長 会計年度任用職員制度の導入によります処遇改善の状況につきましては、パートタイムのモデル年収で見ますと、今年度から勤勉手当の支給により、昨年度から約29万円増額して約253万円となりまして、制度導入前の臨時職員と比べますと約70万円増額しており、東北地域の他県との比較で申し上げますと、2番目に高い水準となっております。
〇斉藤信委員 今のはパートタイムの賃金と聞いていいのですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
 それで、96%がパートタイムですから、パートタイムの会計年度任用職員と高卒で入職された10年後の賃金の比較はどうなりますか。
〇内城参事兼人事課総括課長 常勤職員との比較ということでよろしいでしょうか。パートタイムの会計年度任用職員と高卒で10年勤務した場合の比較で申し上げますと、約120万円の年収差でございます。
〇斉藤信委員 岩手県の会計年度任用職員の特徴は、男性が43%を占める。他の市町村などと比べて男性の比率が高いのです。いわば家族の生計を支えている人たちです。それが10年たてば、高卒で入った県職員と比べて120万円の格差が既に出る。私は、この会計年度任用職員の3年後の審査、試験を国はもうやめるということですが、県も同等の対応をするのでしょうか。
〇内城参事兼人事課総括課長 再度の任用につきましては、一般質問でも総務部長からお答えを申し上げておりますが、他県の動向も勘案しながら、再度の任用の上限回数の撤廃に向けて、検討を進めていく予定です。
〇斉藤信委員 最後の質問でありますけれども、法人事業税の推移と減少している要因、赤字で対象とならない中小企業数と率はどうなっているでしょうか。
〇多田税務課総括課長 本県の法人事業税の状況についてでありますが、令和5年度の決算見込み額は280億4、600万円となっており、令和4年度決算額と比較すると6億7、700万円、2.4%の減少となっております。
 その要因といたしましては、全国的には、円安を背景に輸出関連企業を中心に税収が伸びた一方で、中小企業の割合が高い本県においては、税収が伸びなかったためと考えております。
 また、赤字で課税対象とならない中小企業数ですが、県で集計が可能な県内に本店等を有する普通法人についてお答えいたしますと、令和5年度に課税対象とならなかった法人は1万1、314社で、法人全体の65.8%、うち資本金1億円以下の法人については1万1、283社で、99.7%となっております。
〇斉藤信委員 法人事業税の収入が減っているのは中小企業が多いからで、法人事業税の赤字は65.3%、ほとんどが中小企業ということです。
 こういう中で最低賃金が59円上がると、中小企業にとっては赤字の中で対応せざるを得ない。そういう労働者が5万人以上いると一般質問の答弁ではありました。
 中小企業の対策が必要だと、これは総務部に聞いても仕方がないので、続編は商工労働観光部でやりますけれども、以上で終わります。
〇大久保隆規副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇大久保隆規副委員長 質疑がないようでありますので、これで総務部関係の質疑を終わります。
 総務部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、政策企画部長に政策企画部関係の説明を求めます。
〇小野政策企画部長 令和5年度の政策企画部関係の決算について説明申し上げます。
 初めに、政策企画部所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針について説明いたします。
 まず、いわて県民計画(2019〜2028)の推進につきましては、各部局と連携し、いわて県民計画(2019〜2028)第2期政策推進プランのもと、四つの重点事項を中心に人口減少対策に最優先で取り組み、10の政策分野やプロジェクトを着実に進めるとともに、いわて幸福白書2024の作成など、計画に対する理解醸成を図り、県民の積極的な参画、協働の促進に取り組みました。
 次に、広報関係についてでありますが、復興に取り組む岩手県の姿や岩手県の魅力を県内外に発信し、東日本大震災津波の記憶と教訓の伝承につなげるとともに、復興への継続的な支援や岩手ファンの拡大を目指す取り組みを進めました。
 さらに、県民の多様な意見の把握に努めるとともに、県の重要施策や感染症対策に係る周知、広報として、県広報誌やSNSなど、各種媒体での県民への情報発信を行いました。
 今後の業務推進に当たりましては、政策評価制度に基づき、第2期政策推進プランに掲げる各施策の成果や課題等の分析、施策への反映などにより、効果的かつ効率的な政策推進に努めます。
 また、東日本大震災津波からの復興の状況や、岩手県の持つ価値や魅力を県内外の人々と共有するため、積極的かつ適時適切な広報の展開を目指してまいります。
 こうした取り組みを通じて、各部局とも密接に連携を図りながら、いわて県民計画(2019〜2028)の基本目標であります東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわての実現を目指してまいります。
 続きまして、当部関係の決算について説明申し上げます。
 岩手県歳入歳出決算書の18ページと19ページをごらん願います。政策企画部に係る決算は、2款総務費2項企画費の一部であり、予算現額の総額14億1、740万円に対する支出済額13億6、511万円余のうち8億1、456万円余となります。
 決算の内容につきましては、令和5年度歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で政策企画部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇大久保隆規副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇岩崎友一委員 一般質問でも取り上げましたけれども、政策企画部に関する部分で、本県の社会減対策の方向性についてお伺いしたいと思います。
 一般質問で私が対策の軸足の関係で取り上げましたけれども、ことしも2回開催されております県の人口問題対策本部会議の資料等々も全部読ませていただきました。そしてまた、これまでの県の社会減対策の取り組みを見てきて、なかなか成果が出ていないというか社会増につながっていないという現状があります。
 また、今、岩手県は、質問でも取り上げましたけれども、県内にいる若者をターゲットに軸足を置いて対策を講じているわけでありますけれども、これから岩手県の子供たちの数もどんどん減っていく。加えて、今、県でもいろいろなアンケートをとっていて、高校生などと話をしていましても、魅力的な職場がないとか公共交通が不便とか、いろいろな結果も出ていますが、恐らく都会に出たい理由というのは、夢であったり憧れであったり、何かそういった思いもあって、やはり岩手県の若者だけをターゲットにする社会減対策でこれから社会増につなげていくというのは、非常に厳しいのではないか。
 そういった意味から、全国でさまざまな人が人口移動しているわけでありますけども、そういった各地の転出者に選ばれるような岩手県をつくっていく、そういった部分に軸足を置いていくことが必要ではないかという趣旨で質問しました。知事からは、結果としては、岩手県はその対策はどうかというのが2回目の答弁でありました。
 改めて、政策企画部として、その方向性とこれまでの成果も踏まえてどのようにお考えか、お聞かせ願います。
〇荒澤政策課長兼調査監 社会減対策の施策のターゲットについてでありますが、本県の人口の社会減は、進学、就職期における若年層の転出が大きな要因となっており、これまで、いわてで働こう推進協議会などを中心に、官民が一体となった県内定着の取り組みを進めてきたところです。このような取り組みは、県内の若者や女性の定着のみでなく、県外の方に岩手県を選んでいただくためにも重要であると考えています。
 また、県外から岩手県への人の流れをつくるため、いわてU・Iターンクラブ加盟大学と連携した取り組みや、首都圏等でのU・Iターン就職イベントの開催、盆や年末年始の盛岡駅や花巻空港でのU・Iターン促進プロモーションなど、ニューヨークタイムズ紙掲載の効果も活用しながら、U・Iターンの促進に向けた取り組みを行ってきたところです。
 このような取り組みを通じて、県外からの移住者数は着実に増加しており、昨年度は1、800人を超え過去最多となったほか、定住のきっかけとなる地域おこし協力隊の人数も年々増加しています。
 引き続き、県外のさまざまな方を対象としたU・Iターンの促進とあわせ、多様な雇用の創出や労働環境と所得の向上、全国トップレベルの子供、子育て環境の実現など、県内外多くの方が岩手県に定着していただけるよう取り組んでまいります。
〇岩崎友一委員 そうしますと、今後も引き続き、これまでと同じ方向性で、岩手県の若者をターゲットにした社会減対策を講じていくという理解でよろしいのでしょうか。
〇小野政策企画部長 人口減少対策において、選んでもらえる、選ばれる岩手、これは非常に重要な切り口で基本だと思っております。
 私ども政策企画部といたしましても、県のホームページの人口減少対策のところを今年度途中でリニューアルいたしました。そこは、外からの方にも、岩手県内で今暮らしている若い人たちも含めて、選んでもらえる岩手県、これを一番基本にすることが重要ではないかといったことで、そういうふうにリニューアルしております。そういった考え方では、先ほど岩崎友一委員からお話のあった考え方は、私も同じであります。
 では、どうするのかといったことですけれども、まずは足元の人口減少対策はしっかりやっていかなければいけないと思っておりますので、軸足を移すのはなかなかどうかと思うのですけれども、やはり選んでもらえる岩手県という考え方に立って、これからどこに行こうか、県外に行こうかといろいろ考えている若い方々も含めて、選んでいただける岩手県にしていくことが一番重要だと考えております
〇岩崎友一委員 私も確たる証拠があって提案しているわけではなくて、恐らく社会減対策は、対策を打って、成果、効果が出るのは5年後、10年後、もしかしたらもう少し先の話になるかもしれませんが、これまでやってきたとおりであると、恐らく厳しいのだろうなと思います。ですから、軸足という話を私もいたしましたが、そこまでではないにしても、一般質問でも商工労働観光部、保健福祉部に対しても具体的な政策の提案もしましたが、受け入れる際の間口を広げて、受け皿を広げて、もっと来やすいような制度をつくったり、今ある制度を拡充したりというのは重要であると思います。
 いつあるかわかりませんけれども、次は第3回になります、人口問題対策本部会議の場で、受け入れに当たっての間口を広げるといった部分もぜひ議論していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
〇小野政策企画部長 人口問題対策本部会議でもさまざま議論になっているのは、例えば外国人の方々とか、いろいろ議論はあると思うのですけれども、そういった方々も含めて、選んでもらえる、あるいは来ている方々が快適といいますか、岩手県で暮らしていく上で生きづらさがないようにしていくといった視点も重要だと考えておりますので、今、岩崎友一委員からお話があった内容も含めて幅広く議論してまいりたいと思います。
〇岩崎友一委員 ぜひよろしくお願いします。
 最後に、この関係で1個だけですが、県としても、先ほど佐藤財政課総括課長から答弁いただきましたように、いろいろやっていると思うのです。例えば岩手県立大学の卒業生の県内就職率などを見ても、ふるさと振興部でも取り組んでいるとは思うのですが、ただ、結果として、短期大学部を除けば、令和5年度も総合政策学部以外は県内就職率が、看護学部が33.7%、社会福祉学部が47.8%、ソフトウェア情報学部に至っては25.4%と、ほぼ県外に出ていっている状況です。やってはいるけれども、なかなか成果が出づらい部分もあるので、やることはやりながらも、だめだったらどうするかというのをセットで、持っていかれたら持ってくるとか、それも含めて考えていただきたいと思います。
 次に、2点目が、これも一般質問で取り上げました県政懇談会の関係です。
 これに関しては、知事ともいろいろやりとりをさせていただきましたが、取り組み自体はいい取り組みであると思います。今回、私も令和元年から令和6年分を全部、やりとりだったりアンケート結果を見せていただいて、今回質問で取り上げたのですが、先ほど地域おこし協力隊のお話もありましたが、この会議には、地域おこし協力隊の方も多く出席をされている。実際の移住者であったりU・Iターン者であったり、そういった社会減対策のヒントがここの中にあるのだろうと議事録を読んでいて感じたところであります。
 これをせっかくやって、知事も意見を聞いて、政策企画部長が毎回司会なので結構記憶に残っていると思うのですが、それに対して、県として政策企画部の広聴広報課でお返しをしているという形でやっていると思います。本当にいいヒントがあると思うのですけれども、もう少しこの意見、提言をしっかりと受けとめて、先ほど言った人口問題対策本部会議などで、例えば、この提言の中で社会増減に関する部分だけピックアップして、これはどうなのだとか、何かそういった新しい取り組みを検討しながらやっていくことが、移住、定住者からの声ですから一番生の声だと思うのです。そういった部分はもう一歩踏み込んでもよろしいかと思うのですが、いかがでしょうか。
〇菊地広聴広報課総括課長 県政懇談会の意見、提言に対する対応について、改善が必要ではないかというような御意見を頂戴いたしました。私も担当として年10回開催している県政懇談会に毎回出席して、御意見をいただいておりますけれども、まさに復興とか地域振興とか、実際に各現場で取り組んでいる皆さんが、日々の活動の状況であるとか、その中で感じている課題、そして、県への要望など、貴重な意見、提言をお話ししていただくということで、それらをしっかり受けとめて反映していくことは、大変重要と認識しております。
 それらの取り扱いにつきましては、一般質問でも答弁いたしましたとおり、庁議の場などで共有して、所管部局において参考とするように促しているということで、その中で、県政に関する取り組みの改善の提案、要望などについては、県としての取り組み状況、今後の対応方針を取りまとめて、参加者に回答するとともに、県ホームページで公表しているという取り扱いになっております。
 岩崎友一委員から今お話もありましたとおり、やはり実際に参加された皆さんが、こういうことを話してよかったと感じていただけるように、我々としても、その取り扱いについては、よりよいものとなるように、引き続き改善していく必要があると考えております。
 少しこれから検討しなければならないところもございますけれども、まず1点目として、県への施策の反映を促進するというところについては、皆さんからいただく意見はかなり具体的なものが多いので、実際には各担当部局で検討していく必要がありますけれども、庁議であるとか、先ほど申し上げた人口減少対策本部会議の中で取り上げていくことも考えていかなければならないと思います。
 これらの庁議とか本部会議になると部局長レベルの出席者になりますけれども、それ以外の職員についても、例えば副部長が出席する会議であるとか、課長が出席する会議であるとか、広聴広報の担当者が出席する会議であるとか、さまざまな場面を通じて、この貴重な御意見を紹介して、県施策の検討、実施に当たって参考にするよう、周知徹底は今後も図ってまいりたいと考えております。
 もう一点、参加者の側への情報提供という点について、現状では各回ごとにこういう意見があって、こういう対応状況になっていますということをお示ししておりますけれども、もう少し踏み込んで、例えば、年度ごとにこういう提言があって、現状こういう検討状況になっている。改善できたものはこうで、まだ取り組んでいるのはこういうものだといったところをまとめてお示しするですとか、あるいは、過去にまだ県の施策として反映できていませんという形で回答したものについて、その後の状況を見直すとか、そういった点での工夫の余地はまだあると思います。
 今年度残りの回あるいは次年度以降についても、そういった観点での見直しは、取り組んでまいりたいと考えております。
〇大久保隆規副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いいたします。
〇岩崎友一委員 ぜひお願いします。この点では最後2点なのですが、1点目が、実はこの提案、提言を見ていて私が感じるのは、県でも実はしっかりやっていたりするのだけれども、情報が届いていないがゆえに、こういった意見が出ているというのも何件かあるわけです。
 私も今思うのは、情報の発信のあり方で、これはホームページに載っていますといっても、今ホームページは誰も見ないし、フェイスブックよりもインスタグラムだし、インスタグラムよりもTikTokだし、媒体自体がどんどん変わってきている状況にあって、何がいいのかというのは、行政という立場もあるかと思うのですが、しっかり受け取る側に伝わるような情報発信の仕方をしていけば、県がやっていることももっとつながるとは思うのです。それを私が読んだ中で感じたのですが、この受けとめに関してはいかがでしょうか。
〇菊地広聴広報課総括課長 おっしゃるとおり、現在、県の広報の中心になっているのは、例えば県政広報誌ですとか、あるいはホームページですけれども、広聴広報課でも、県以外の外部の方々、例えば市町村の広聴広報の担当者であるとか、あるいは民間のマスコミの方々から、毎年さまざま御意見を頂戴しております。その中で、例えばSNSをどのように活用していくかとか、あるいは今やっている広報誌とデジタルの部分での連携をどう進めていくかといったような御意見も頂戴しておりますので、そういった視点も大事にしながら、せっかくいただいた御意見とその意見への対応状況が、県民の皆さんに届くように取り組んでまいります。
〇岩崎友一委員 私が申し上げたのは、最後の実施状況が云々ではなくて、今やっている移住施策にしても、子供政策系にしても、さまざまな県の取り組みがしっかりと伝わっていないという部分でありますので、そういった理解でお願いします。
 最後に、ホームページにも県政への提言という形で載っていると思うのです。こういった御意見をいただいて、A、B、Cと反映状況を区分して、何をやっているというふうに今返しているかと思うのですけれども、Aで返していても、実はAではないよなというものもいっぱいありますし、特に、B、Cで返しているものがありますね。それに関しては、県として検討して、B、Cで終わるのではなくて、その後、新しいこういった制度をつくりました、こういった取り組みを行っていますという、さらに一歩踏み込んだ形でやらなければ、ただただやりっ放しになってしまうと思います。
 Aに関しても、本当にこれがAなのかを各部局任せではなく、政策企画部でしっかりとグリップしていただきたい。その上で、B、Cに関しては、どうやったらBがAになるか、CがBになるか努力していただいて、その後のこうやった、ああやったということも、ぜひホームページを更新するような形でやっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
〇菊地広聴広報課総括課長 現状ですと、県政懇談会が終わった後に、一度その状況を取りまとめて、その次は、次年度の予算がまとまった段階で、反映状況として修正すべき点はないかどうかを確認しております。その後につきましては、確かに課題と考えておりまして、特にBとかCという扱いになっているものにつきましては、その後の対応についても、確認作業を政策企画部広聴広報課としても音頭取りをしながら、各部局と連携して取り組んでまいりたいと思います。
〇岩崎友一委員 ぜひよろしくお願いします。
 これが難しいのは、人口減少の問題も入り口と出口は政策企画部で持っているけれども、真ん中の部分、具体の部分は各部局であって、政策企画部には権力も財源もないというのが、今の組織の非常に難しいところだと思うのです。
 政策企画部としてはやりたいことがあるかもしれない。これは恐らく政策企画部長に聞いても、逆に私が答弁されても厳しいと思うので、質問はしませんけれども、いずれ、本当に県の体制のあり方も含めて、政策企画部は県の頭脳でありますので、しっかりと人口減少、これは社会増減も含め、少子化も含め、改善につながるように努力していただきたいということをお願いして、質問を終わります。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇臼澤勉委員 今の岩崎友一委員の質問で、私も知事の総括質疑で、いろいろ社会減対策、特に若者、女性の人口流出の話を聞きました。あのときも、今、政策企画部長からは、選ばれる県に、それがやはり基本だということでおっしゃっていました。
 そういった意味での重要な指標としては、大学生の県内定着率ですが、これがもう4割を切って、今39%かそのぐらいの割合に落ちてきています。ここの指標からは、やはり県内外から大学生が岩手県を選んで来ている、この若者たちを逆に定着させる、ここの具体的な対策、取り組みを考えるべきだと思いますけれども、御所見をお伺いします。
〇小野政策企画部長 県外から岩手県の大学を選んで来ていただいた方々、例えば岩手県立大学ですと、ソフトウェア情報学部という特徴的な学部がありまして、なかなか全国でもありそうでないといったことですので、県外から多くの学生が来ていただいています。
 そうした中で、どこに就職するのかといったときの、今度は就職先のところで、岩手県内で、必ずしもデジタル系でなくても、ものづくり産業系であっても、そういった能力や知識を活用できるところはあるのですけども、そういった企業などがなかなか認識されないといったような状況もあると聞いております。
 ですので、岩手県の大学のさまざまな分野で学んでいただいている学生に、岩手県の中で活躍、就職できる企業はどこがあるのかがしっかりと伝わらないといけなくて、しかも、県外ですと情報がかなり早いといったこともありますので、そこに負けないぐらい早く情報を出し、そして、学生の皆さんが選択する上で必要となっているような情報が行き渡る、到達することが重要かと考えております。それは庁内でもさまざまな議論があるところでございます。
 どうしたらそこが伝わるのか、得意な会社もいろいろありますので、そういったところと一緒にやるのがいいのか、あるいは県内の団体を巻き込みながらそういったPRをしていくのがいいのか、さまざまな手法があると思いますけれども、そこは関係する部局とも連携しながら、取り組みを進めてまいりたいと思います。
〇臼澤勉委員 知事に対しても、本質的な課題認識は何なのかと聞いたら、いずれ東京一極集中だという答弁なのですけれども、この議論はもう十何年も含めて、知事も就任当時から言っている話です。問題の本質は、やはり全国との賃金格差であったり、今も答弁がありましたけれども、県内の働く場であったり、そういった雇用環境、そういった産業政策を、商工労働観光部のみならず、農林水産部も含め、第一次産業も含めて、県庁のエンジン役である2階とか5階を中心にもっとぐるぐる回すことが必要です。そういった部分をしっかりと、十何年前と今で何がどう違うのかといったところ、今何をこうやって強化しているのかといったところを検討しながら、半導体も含めていろいろやってはいます。それでも、今そういった県内の大学生の定着率が低い。
 開業率も、いわて統計白書を改めて今眺めていたら、やはり全国ワーストでございます。開業率を高めれば全て解決するとは言いませんけれども、さまざまなそういった取り組みを、政策企画部がシンクタンク機能として各部局に指示していく。具体的なやるべきことというのは1点、もうはっきりしていると思うのです。知事の5期目なりの中で、やるべき本質的なところはもうはっきりわかっている。そこは改めて政策企画部としてどういう提案をして、あるいはゼロベースで見直すと言っている事業のスクラップも含めて各部局にどういう指示をしているのか。そういった部分を今後どのように取り組むのか、改めてお伺いします。
〇小野政策企画部長 先日の第2回目の人口問題対策本部会議でも、社会減、それから少子化対策、それぞれ3本の柱がございます。今年度も3本の柱プラスワンで取り組みを進めておりますけれども、その中で、どういったところを来年度重点化していくか、これをしっかり議論して、方向性を確認して、では、来年度は何に取り組んでいくのかというところを、今、各部局と一緒になって事業化を進めているところでございます。
 やはり女性の社会減対策、アンコンシャスバイアスのところは非常に大きな問題だと考えておりますので、ここについては重要なポイントになるかと思います。また、今、臼澤勉委員からお話がございました就職の環境、職場環境、これもとても大きな課題だと思っておりますので、この辺を中心に、来年度に向けて具体的な取り組みを進めてまいりたいと思います。
 また、臼澤勉委員からお話がございました東京一極集中、これはマクロの問題でなかなか難しくて、国と地方の相対的な力関係、経済環境がありますので、国がやらなくてはいけないところ、地方がやらなくてはいけないところ、それぞれ役割分担があると思います。国だけというわけではなくて、やっぱり地方がやらなくてはいけないところはしっかりやっていく。ただ、マクロとして見た場合に、強烈な東京一極集中の吸引力を何とかしてほしいとずっと我々も要望などで訴えかけているということですので、御理解をよろしくお願いいたします。
〇臼澤勉委員 最後にいたします。総括質疑の際にもお伺いしました。いずれ、4広域圏で見た場合にも、沿岸・県北地域の若者、女性、特に20歳から24歳の減少率も、沿岸地域でマイナス40%であったり、県北地域では47%となっていて、これって本当にこれからどうするのと思いました。今後10年、20年先を見たときのそういった少子化対策とは言いますけれども、もうそこの社会の構造自体を維持することがなかなか厳しいような環境が、数字で見えてきています。
 そういった部分で、今、小さい市町村といろいろ一緒になって取り組んでいることは、それは評価いたしますけれども、私は、もう今は具体的に動いていくような時期だと思うのです。最後に、そこの今後の取り組みについても、改めてお考えをお伺いしたいと思います。
〇小野政策企画部長 臼澤勉委員からございました県北・沿岸地域の話でありますけれども、これはふるさと振興部でもまた御議論があるかと思いますが、やはり11のプロジェクトの中の三陸防災復興プロジェクト、それから、北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクト、これでさまざま手を打って取り組みを進めておりまして、ある程度形が見えてきているところもありながら、まだ現在進行形のところもございます。
 やはり産業をしっかりしていくといったものが重要と思っておりますので、沿岸地域の新たな道路環境の整備によりまして、経済社会状況も大きく変化している。臼澤勉委員から先ほどお話がありましたように、そういったところも活用して、それぞれ県北・沿岸地域における経済環境をよくしていく。
 主要魚種の不漁といった問題もございますけれども、これも農林水産部でさまざま検討を進めて、また研究も進めているところです。これで解決するといったものはないのがなかなか難しいところではあるのですけれども、こういったところもあわせて取り組みを進め、時間がないといったこともそのとおりでございますので、県として来年度予算に向けて何をやっていくのか、ここもしっかり全庁的に議論をしながら進めてまいりたいと思います。
〇大久保隆規副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時36分 休憩
   午後2時56分 再開
〇大久保隆規副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇高橋穏至委員 私からは、先ほど休憩前の続きになるような議論になるわけですけれども、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略の関係ですが、令和5年度は第2期岩手県ふるさと総合戦略の改定が行われまして、12月に発表されたところであります。令和5年度事業ということで、その取り組んだ体制や経費等、大まかな部分についてお伺いします。
〇荒澤政策課長兼調査監 第2期岩手県ふるさと振興総合戦略の改定作業に係る体制及び経費の内訳についてでありますが、県では、国のデジタル田園都市国家構想総合戦略やいわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランの策定などを踏まえて、昨年度、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略の改訂を行ったものです。
 改訂に係る体制につきましては、各部局と連携の上、政策企画課が戦略の素案と最終案を作成し、それぞれ9月及び12月県議会定例会の議案等説明会にて報告させていただいたほか、委員20名から構成されます岩手県総合計画審議会に報告の上、御意見などをいただきながら改訂しています。
 なお、主な経費につきましては、審議会委員の報酬、旅費、また、会場の使用料などとなっております。
〇高橋穏至委員 先ほどの岩崎友一委員や臼澤勉委員の話の中でもありましたが、体制と聞いたのは、結局、計画は政策企画部でつくるけれども、実際やる事業はそれぞれの課に散らばっていて、それの成果が出るかどうかは事業によるのだけれども、取りまとめは政策企画部でやらなくてはいけない。
 そこで体制というのを聞いたのですが、昨年も私は予算特別委員会の総括質疑あるいは一般質問でも取り上げているのですが、今回の主要施策の成果に関する説明書を見ましても、特に人口減少に関する教育、子育てですとか、事業の中身を見ていると、実際、事業をやった活動内容指標とか成果指標はA評価であっても、その結果がこちらのほうに反映されない事業が多い。特に、いわてで生み育てるに至っては、令和4年度の段階で57%ということで、なかなか成果に結びつけていないような状況なのですが、この辺をどのように捉えているかお伺いします。
〇菊池評価課長 いわて幸福関連指標と事務事業の活動内容指標、成果指標との関連についてでありますが、いわて県民計画(2019〜2028)第2期政策推進プランでは、いわて幸福関連指標から各事業の活動内容指標までの目的と手段の関係を精査したロジックモデルを構築し、施策や事務事業の立案等を行っているところです。
 高橋穏至委員御指摘のとおり、事務事業に設定した指標と上位にあるいわて幸福関連指標の達成度に相違が生じているケースもございます。
 その要因といたしまして、いわて幸福関連指標や具体的推進方策指標は、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプラン4年間の目標値を設定していることに対し、事務事業で設定する各指標の目標値は、毎年度の当初予算を踏まえて設定しているため、上位の指標と比較し高い達成度となる傾向にあることや、各事務事業の効果がいわて幸福関連指標の成果につながるためには、一定の時間を要するものがあることなどが要因と考えているところです。
 令和5年度の決算、今回の実績測定評価において、いわて幸福関連指標などの達成度が低い政策や施策については、現在進めております政策形成支援評価においてロジックモデルを確認するとともに、社会経済情勢等も踏まえた分析を行い、来年度の事業効果につながるよう施策の立案等に取り組んでまいります。
〇高橋穏至委員 毎年計画を立てて指標をつくっている関係と長いスパンで見る関係の違いということですが、そうすると、それぞれの事業に関しては毎年達成できれば、結果として、その先は幸福関連指標とかが上がらなければおかしいということで、ここがこれまで取り組んできた中でもなかなか上がらない。全体の流れだからどうしようもない部分もあるのですが、特に、これは政策だけで解決できる指標ではない合計特殊出生率とかは、目標を変えてもかえって乖離していく。しかしながら、目標値を立てている以上、それに結びつくような、ロジックモデル自体も本当にこれでいいのかという見直しも必要かもしれません。
 その辺の取り組みをしていかないとなかなか結果が出てこないのではないかと思うのですが、その中で、その見直しの際にKPIを変えたりしている項目もあるのです。そういった指標そのものを見直すことは、結果に結びつく方向に行くために必要なこともあるのではないかと思いますので、決して悪いとは言わないのですが、その道筋が本当にそれに合っているのかどうかという部分なのです。それぞれの事業と関連しながら、分野ごとの目標設定というのは、政策企画課のほうで指標の見直しとかをやっているのか、それとも担当課とすり合わせした上でやってきているのか、その辺はどうなのでしょうか。
〇小野政策企画部長 指標の見直しといったお話がございました。第2期ふるさと振興総合戦略あるいはいわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランを含めて、どういうつくり方をしているのかといいますと、やはり大方針、例えば新たに策定する、あるいは見直し、改訂をするといったときに、どういう観点で何について見直すのかというのは、政策企画課で基本的な考え方を示して、各部局で具体的な中身について議論していただく。ただ、全体を見ませんと、そごがあったり背反したり、あるいは横並び感がずれていたりといったこともありますので、各部局からさまざま改訂あるいは策定の案ができたところで、政策企画課で全体を見て、そこを調整して、最終的に成案に持っていくというような取り組みをしております。
 KPIの見直しにつきましては、基本的には、よい指標が出てきた場合には、それを見直すという形になるかと思うのですけれども、基本的にKPIよりも前に施策、取り組みがあって、その取り組みを表現するのにどの指標が一番適切なのかといった観点から指標を選択することが、一番大事かと思っております。
 毎年度出るもの、2年おくれで出るもの、あるいは5年に1度出るもの、さまざまな指標がございまして、我々も指標の選択をする中で、実は指標の選択肢が限られているといったところが難しいところではあります。いずれ、そこは政策企画課もしっかり、部局からの案を踏まえて一緒になって考えております。
〇高橋穏至委員 そうすると、指標、KPIに関しては、基本は政策企画課で構成して、あとは担当する事業に関連する部分の数値とかは全部そちらから吸い上げたというか連携した上で設定しているのか。要は、見直しがあったとき、当初のKPIの設定と比較して全部一覧表をつくったのですけれども、そもそもはかり方が違えば数字はがらっと変わるのですが、同じようなつくりであっても、いつの間にか目標が変わっているとかが結構ありましたので、それについては、担当する事業の課とすり合わせした上で、どういう設定にするかということをやった数字なのかどうか。
 私は、一般質問のときに、どうやって数字を出しているのですかというと、今までの成果から追っていって出た数字ですという答弁をいただいたことがあるのです。そうしたら、できる数字にしてしまっているのではないかという気がしたものですから、もう一度聞きたいと思います。
〇小野政策企画部長 具体的な指標、それから目標値、目標水準については、やはり詳細まで一番わかっているのは各担当部でございますので、そちらのほうでどういったものを設定しようと考えているのかというのは出していただきます。その上で、具体的には、計画をつくるときに我々で一緒にヒアリングを行って、それが適切なのかということを議論した上で設定しているといったことでございます。ですので、政策企画部といたしますと、全体を見ているといったことになります。
 また、高橋穏至委員から先ほどお話がありましたが、単に率で伸ばすといったことは、我々の考えとすると、それはやってはいけないことだと思っております。見直しに当たって、今般、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプランの指標の見直しを今検討中でございますので、そこについても、単に率で伸ばすということではなくて、どこに向かって目標を設定しているのかということをきちんと明確にするよう徹底したいと思います。
〇高橋穏至委員 この後、それぞれの課のほうで事業がありますので、そちらの中でもまた、個々に関しては確認していきたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは、最初に、知事のマニフェストプラス39について、これまでも議論がありましたが、既に実施している件数、事業に着手している件数、具体的な検討を進めている件数、それぞれ示してください。
〇本多政策企画課総括課長 マニフェストプラス39の件数についてでございますが、先日、10月9日に委員の皆様にも御提供させていただきました資料に基づきまして、各項目の進捗度合いの整理状況を申し上げますと、既に順次実施しているものが31件、それから、事業に着手しているものが1件、具体の検討を進めているものが7件となっているところでございます。
〇斉藤信委員 マニフェストプラス39については、既に順次実施が31件、中身については、一部実施というものもあるでしょうけれども、全体として積極的に取り組まれているということを私は評価をしたいと思います。
 それで、実は知事選挙の際に、知事は、世界に発信する地域振興と市町村との連携というのも打ち出しました。この1年間、知事はかなり積極的に海外に出られて岩手県のアピールをしてきたと思いますけれども、知事の外遊の成果を含めて示してください。
〇本多政策企画課総括課長 まず、世界に発信する地域振興についてでございますが、県では、いわて県民計画(2019〜2028)第2期政策推進アクションプランにおきまして、戦略的な県産農林水産物の輸出促進や外国人観光客の誘客拡大などを掲げているところでありまして、海外に打って出る岩手として多様な施策を展開しているところです。
 そうした中、令和5年度におきましては、県産農林水産物の販路拡大のためのオンライン商談会やフェアの開催、また、グローバル産地づくりの推進、いわて花巻空港利用促進などに取り組んだところでございます。
 令和6年度におきましても、こうした施策に加えまして、新たにニューヨークタイムズ紙の効果を全県に波及させるための外国人観光客の県内周遊促進にも取り組んでいるところでございます。
 また、岩手県の魅力の周知や知名度の向上には、斉藤信委員御指摘のとおり、知事によるトップセールスや発信も非常に有効でありますことから、令和5年度におきましては、マレーシアやシンガポールで県産農林水産物や日本酒等のトップセールスを実施したほか、令和6年度におきましても、5月の中国訪問における上海定期便の早期運航再開の要請、それから、6月の夏季ダボス会議での岩手県についての情報発信などを展開しているところでございます。
 また、市町村との連携につきましては、人口減少問題を初め、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる施策を推進するに当たりましては、県と市町村の連携は非常に重要と考えているところでございます。
 県ではこれまで、市町村が必要とする分野への人的、技術的な支援を行ってきたほか、また、地域経営推進費などを活用した地域課題の解決に向けた支援などを実施しているところでございます。
 また、令和6年度におきましても、少子化対策に取り組む小規模町村に対する伴走型支援、それから、保健師の派遣でありますとか、7月には知事、市町村長によるトップミーティングを開催するなど、県、市町村の一層の連携強化に取り組んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 知事は、選挙後、岩手県を世界に発信するということでかなり精力的に取り組んでいるし、私は人事課から聞いたのですけれども、地域との連携という点でいくと、新型コロナウイルス感染症対策で保健師をふやし、この保健師を手薄な小規模の市町村を支援する体制に活用しているということであります。ぜひマニフェストプラス39の着実な推進に取り組んでいただきたい。
 次に、人口減少対策についてお聞きいたします。
 人口減少の直接的な要因は、少子化と非婚化だと思いますが、その実態を示してください。
〇荒澤政策課長兼調査監 非婚化の実態についてでありますが、国立社会保障・人口問題研究所の資料によりますと、本県の2020年における50歳時点での未婚割合は、男性で29.6%、女性16.7%となっています。
 また、全国の状況でございますが、男性28.3%、女性17.8%となっており、全国、本県いずれも、男女ともにデータ統計上、1950年以降、未婚割合は上昇傾向です。
 欧米諸国に比べ、日本では嫡出でない子の割合が少ないため、婚姻の状況は、出生数に直接的な影響を及ぼすものと認識しております。
〇斉藤信委員 今の答弁にもあったのですけれども、50代の男性で未婚が29.61%、もうほぼ30%です。女性の場合は16.70%ということで、男性と女性でこんなに乖離する理由は何でしょうか。
〇小野政策企画部長 手元に年齢階層別の男女の数値がありませんけれども、先日、岩手経済同友会主催の人口減少対策の戦略会議がございまして、そこで天野馨南子さんという株式会社ニッセイ基礎研究所の方が講演されたのですが、その中の資料を見ても、特に婚姻のところで、女性の方が県外に転出されるといったこともあるかと思うのですが、やはり岩手県の場合には男女の人口比が、男性のほうが多くなってしまっているといったことも影響しているかとも思います。
〇斉藤信委員 いずれにしても、少子化で若者が少ない中で非婚化が50代で約3割ですから、これはダブルでもう人口が減っていく、こういう悪循環になっていると思うのです。
 特に私は、男性が29.61%で、女性が16.70%、女性が、この年代が少ないと言っても比率ですから、私は、男性がこれだけ非婚率が高いということにもっとメスを入れて─政府もそうだし県もそうなのだけれども、若い女性、若い女性と言うのです。何か若い女性に責任があるような押し出しなのですけれども、逆に、男性が3割も非婚になっている。ここに私は、ある意味、深刻な問題があるのではないのか。
 男性が結婚できない理由、ここにもっとメスを入れる必要があるのではないのか。やっぱり低賃金、非正規、そして労働強化、私は、そういうところにしっかりメスを入れないと、本当に効果的な対策にならないのではないかと思います。
 そこで、非婚化は皆さんも指摘していますが、非婚化を打開していく具体的な対策はどうなっているでしょうか。
〇荒澤政策課長兼調査監 非婚化の打開策でございますけれども、非婚化はさまざまな要因が関係していると認識しておりますが、公共政策としては、結婚を希望する方が、経済的、社会的な困難から結婚を諦める状況を解消することが重要であると考えております。
 このため、いきいき岩手結婚サポートセンターの登録料無料キャンペーンやマッチング機能の強化、市町村と連携した新婚世帯への支援など、有配偶率の向上に向けた取り組みを強化するとともに、県内中小企業向けの賃上げ支援金を措置し、県民の所得向上を促進してきたところです。
 このような取り組みを通じまして、令和5年度は、i−サポの会員数が1、000人を超え、成婚数も過去最多26組となるなど一定の成果が見られておりますが、労働環境や賃金の向上とあわせて、国や市町村等と緊密に連携しながら、さらなる施策の充実強化を図っていきます。
〇斉藤信委員 私は、やはり今の若者が岩手県で働きたい、岩手県で結婚して家庭を持ちたいという岩手県をつくっていかないと、地域をつくっていかないとだめなのだと思うのです。
 さっき大学の県内就職率の問題で、私は常任委員会でも取り上げたのだけれども、確かに4割を切るという状況です。岩手県立大学の状況を聞いたら、今までになく首都圏の応募が多いというのです。だから、もう激しい競争になって、首都圏の場合は賃金とか宿舎とか週休2日制とか、そういうものがありますからもちろん条件も良く、そういう中で、岩手県で働く魅力がどこにあるのか、どういう職場があるのか。やっぱり首都圏とは違う岩手県で働く魅力、生活する魅力があるのだと思います。
 だから、そういうものに企業と一体で、大学も含めて、本当に思い切って取り組んでいくことが必要ではないかと考えますが、その点はいかがですか。
〇荒澤政策課長兼調査監 若者が岩手県で働きたい、結婚したいという取り組みについてでございますが、若者が岩手県で働きたい、岩手県で結婚して家庭を持ちたいと思えるように、多様な雇用の創出と労働環境や賃金の向上に加えまして、全国トップレベルの子供、子育て環境の実現に向けた第2子以降の3歳未満児に対する所得制限を設けない保育料の無償化や在宅育児手当支給に係る市町村への支援のほか、高校生を初めとする若者のライフデザイン形成のための支援など、ライフステージに応じた総合的な取り組みを官民が一体となって進めているところです。
 また、令和5年度は、物価高騰の影響を受けている若者など生活者、事業者を支えるため、国の経済対策に全国に先駆けて呼応し、累次の補正予算を編成して対応してきました。
 このような取り組みを通じて、物価高騰対策賃上げ支援金につきましては、令和6年9月19日現在、見込みを上回る2、562事業所からの申請を受け付けるなど、賃上げの促進に効果を上げているほか、これまでに、いわて働き方改革推進運動に1、000社を超える企業が参加、東北地域最多の企業が経営革新計画に基づく生産性向上を実施、県内全市町村が第2子以降の3歳未満児に係る保育料無償化を実施、i−サポ会員数が8月末時点で前年同月比121%の1、000人を突破などの成果につながっていると認識しています。
 今後は、若者が岩手県で希望する生き方が実現できるよう、全国トップレベルの子供、子育て環境の実現、多様な働き方ができる職場環境の整備、労働環境や所得の向上に加え、アンコンシャスバイアスの解消などジェンダー平等等の視点も踏まえ、さらなる施策の充実強化を図っていきます。
〇本多政策企画課総括課長 先ほど来、大学生の地元定着ということでいろいろ議論がありますけれども、斉藤信委員御指摘のとおり、大学生をまず残すということが大事でして、そのためには、まず、岩手県で育った子供たちが地元の大学に行くという視点もすごく重要かと考えております。
 昨年度から、地元の高校と大学と企業が一堂に会して、岩手県の大学に入るとこういうことが研究できる、その研究した成果は地元のこういう企業で役立てることができるということを周知する取り組みを行って、かなり多くの高校生の皆さんが参加しているというところもございます。
 そういった取り組みに加えまして、今、荒澤政策課長が御答弁申し上げましたとおり、まず、安定した所得でありますとか暮らしやすさといったものが重要なのだろうと考えておりますので、賃上げ支援でありますとか、あとは可処分所得ということでいいますと、住宅の支援でありますとか、そういった取り組みを行いながら、岩手県で働くことができるいい会社がたくさんあるといった情報でありますとか、通勤時間が少ないとか、あと生活にかかるお金が少ないといった暮らしやすさも岩手県の魅力だと考えておりますので、そういったところも発信しながら、社会減対策に取り組んでいきたいと考えております。
〇斉藤信委員 人手不足は、岩手県も深刻だけれども、全国的に深刻なのです。それだけに本当に就職戦線は激しい争奪戦になっています。
 そういう点で、今、それぞれの課長から詳しく話があったけれども、例えば中小企業への賃上げ支援、直接支援というのは、全国で岩手県が初めてやったのです。これは党首討論でも岩手県、岩手県と紹介されたのです。だから、岩手県はこう頑張っている、こういう魅力があるということをここで言うだけではなくて、もっと若者に届くようなPRといいますか周知を本当に考えて、どんなにいいことをやっても、知らせなかったらみんなのものにならないのです。そこをぜひ考えていただきたい。
 最後、知事がこの1年間、市町村長から直接要望を受けるということで、所管課として、この間の知事のイニシアチブの成果をどう受けとめているのか示してください。
〇本多政策企画課総括課長 市町村長による知事への要望を受けての成果でございますが、市町村長からの要望への対応につきましては、市町村のニーズを的確に把握し、市町村と一体となった県政運営を展開する上で重要な機会と捉えているところです。
 令和5年度は31市町村、令和6年度も33市町村全ての要望に知事が出席し、さまざまな課題などについて直接お聞きしているところです。
 こうした要望内容につきましては、全庁的な共有、議論を経て、それらも踏まえて翌年度の適切な予算編成等につながっていると考えているところでございまして、例えば物価高騰対策、人口減少対策を初め、各分野において、県と市町村が連携して課題の解決に取り組んでいるところです。
〇大久保隆規副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇大久保隆規副委員長 質疑がないようでありますので、これで政策企画部関係の質疑を終わります。
 政策企画部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 次に、復興防災部長に復興防災部関係の説明を求めます。
〇福田復興防災部長 令和5年度の復興防災部関係の決算について御説明申し上げます。
 初めに、当部所管の事務事業に係る総括的な取り組み状況と今後の取り組み方針について御説明いたします。
 当部では、いわて県民計画(2019〜2028)のもと、東日本大震災津波からの復興を着実に推進するとともに、自然災害などの危機事象への備えや安全・安心なまちづくりの推進などに取り組んでまいりました。
 まず、復興推進関係についてでありますが、ハード面で計画された事業の多くが完了したほか、伝承、発信の中核を担う東日本大震災津波伝承館は、本年6月に来館者数100万人を超えております。
 一方、被災者の心のケアやコミュニティーの形成支援、新型コロナ禍、物価高騰などの影響を受けた事業者への支援など、引き続き、中長期的に取り組むべき課題については、被災地の状況に応じ重点的に対応するなど、関係部局と連携を図りながら、いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプラン復興推進プランに掲げた安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生、未来のための伝承・発信の4本の柱に沿った取り組みを進めてまいります。
 次に、政策推進関係についてでありますが、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震などの大規模自然災害に備えるため、巨大地震・津波対策連絡会議による具体的な減災対策の検討などを実施するとともに、近年、激甚化、頻発化する台風などの災害に対し、風水害対策支援チームにおいて、市町村の即応体制について確認するなど、災害対応力の強化に向けた取り組みを進めました。
 また、鳥インフルエンザ等の家畜伝染病への対応については、大規模事案発生時における自衛隊への派遣要請を行うための市町村との連絡体制の整備に取り組みました。
 さらに、犯罪被害者を支援するため、民間支援団体や警察等と連携した総合的な支援に取り組むとともに、本年4月1日に、犯罪被害者等支援条例を施行したところでございます。
 今後も、防災、減災の主流化という全庁的な考え方のもと、庁内各部局や関係機関と連携する中で、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震、岩手山の噴火災害、さらには、温暖化に伴う豪雨災害など大規模なリスクに備えるほか、消防や救急、交通安全や防犯といった日常的なリスクへの対応もあわせて行うことにより、県民の安全・安心の確保に取り組んでまいります。
 続きまして、決算の概要について御説明申し上げます。
 岩手県歳入歳出決算書18ページをごらん願います。復興防災部関係の決算は、2款総務費のうち、1項総務管理費の一部、6項復興防災費、3款民生費のうち、2項県民生活費の一部、5項災害救助費、それから、22ページに参りまして、12款公債費の一部であります。これらの支出済総額は33億1、850万円余であり、翌年度繰越額は8億9、244万円余、不用額は2億2、495万円余となっております。
 決算の内容につきましては、歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 説明は以上でございます。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
〇大久保隆規副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇松本雄士委員 私からは、個別避難計画の件について伺いたいと思います。
 これまでも何度か確認させてもらっているのですけれども、昨今、8月上旬には、西日本広域に南海トラフ地震の臨時情報が発令された。そしてまた、本県においても日本海溝・千島海溝周辺地震がいつ起きるか、今起きても不思議ではないという状況にある。そういう中にありまして、災害対策基本法が改正されて3年半程度がたちまして、個別避難計画につきましては、あくまで市町村の努力義務ではありますけれども、やはり一人一人の命をしっかりと守っていく、生きていくという取り組みを県にもしっかり後押ししていただきたいと思っておりまして、質問をしていきます。
 まずもって、個別避難計画を策定している市町村の数についてお伺いいたします。
〇山崎被災者生活再建課長 個別避難計画を作成している市町村の数でございますけれども、令和6年4月1日現在、避難行動要支援者の全員分または一部を作成している市町村は32市町村でございます。
〇松本雄士委員 33市町村中32市町村ということですけれども、今、一部という表現がございました。大切なのは市町村の数ではなくて、一人一人に着目したということでありますので、県全体で避難行動要支援者名簿に登録されている総数に対して、個別避難計画が策定されている人の割合についてお伺いいたします。
〇山崎被災者生活再建課長 令和6年4月1日現在でございますが、全県の避難行動要支援者名簿登録者が7万5、817人、このうち個別避難計画作成済みの方は1万9、269人、率にして25.4%となっております。
〇松本雄士委員 前回、予算特別委員会のときに確認したときは20.3%ぐらいでありましたので、25%と少しは進んでいるのですけれども、まだまだ低位であると思っております。
 それで、いわて県民計画(2019〜2028)を見ますと、その具体的推進方策は、その指標を市町村の数と置いてAランクといった評価をされているのですけれども、これは果たして本当にAランクという評価でよろしいのでしょうか。やはり人に着目した指標に置きかえるべきと考えますけれども、その見解を伺います。
〇山崎被災者生活再建課長 個別避難計画作成市町村数ということで指標になっておりますが、これまでの取り組みの結果、まず、32市町村が少なくとも着手をするに至っているところでございまして、今後、県の取り組みというか市町村の取り組みを見ていくに当たっては、全体の要支援者名簿登載者数に対する計画作成数で見ていくことが必要なのかと思いますけれども、指標の見直しについては、タイミングもありますので、検討してまいりたいと思います。
〇松本雄士委員 なかなか個別避難計画の策定が進まなかった、難しいという中において、ファーストステップとして市町村という指標を置いて次のステップということです。ただ、私は、そういった数ではなくて、また計画をつくることが目的ではなくて、守るべき命を守るということ、生きていくというところが最終的な本質的な目的でありますので、そこにどうつなげていくのかということかと思っております。
 そこで、前回も確認させてもらっていますけれども、浸水区域とハザードマップ上の危険地域において、個別避難計画が作成されていない要支援者の割合について、どう把握されているかお伺いいたします。
〇山崎被災者生活再建課長 浸水区域等危険地域における個別避難計画未作成の要支援者でございますけれども、国の取り組み指針におきまして、個別避難計画の作成に当たり、ハザードマップ上、危険な場所に居住する者については、特に優先的に作成すべきとされております。
 避難行動要支援者名簿に登載された方全員の個別避難計画を作成しているのは、現在4市町となっておりますけれども、他の市町村では、避難行動要支援者が危険地域に住んでいるかの確認を行っていないところもございまして、優先度の高い要支援者の把握が課題となっていることから、市町村に対し、個別避難計画の作成とともに、優先度の高い要支援者の把握についても、引き続き促してまいります。
〇松本雄士委員 国の指針においても優先的にということです。前回お伺いしたときは3市町でありました。それが4市町と、まだまだ取り組みとしてスピード感を上げていかなければならない。これだけの災害を経験した本県にあって、そういったハザードマップ上の危険区域の要支援者に対して、しっかり危険を認識していくことが重要なのだと思います。
 それで前回、そういった地域において、久慈市においては、居住情報を地図情報に落とし込んで可視化する取り組みを実施しているという先進事例の答弁もございました。この久慈市の取り組みの今の状況と他市町村への横への展開の状況についてお伺いいたします。
〇山崎被災者生活再建課長 昨年度、久慈市におきまして、避難行動要支援者の居住情報を地図情報システムに落とし込んで可視化するという取り組みを行いまして、久慈市においては、そういったハザードマップ上の要支援者の居住の状況などの把握ができたということでございます。
 そのことにつきましては、ハザードマップ上でリスクのある方の情報の把握の一つの手法ということで、そういった内容については、今年度、市町村の担当者会議でありますとか意見交換会の場で情報共有していて、そのような手法について紹介したところでございます。
〇松本雄士委員 県内のみならず、いい取り組みはどんどん共有して、横展開して、この計画策定を進めていっていただきたいと思います。また、令和3年か4年から国でも個別避難計画作成モデル事業、加速化促進事業を展開しているところであります。これらの事業への本県の参画状況や今後の考えについてお伺いいたします。
〇山崎被災者生活再建課長 国のモデル事業については、本県の市町村で活用したところはない状況でございまして、昨年度は、より地域の状況がわかった方ということで、県でアドバイザーに伴走支援のような形で地域に入ってもらって、昨年度は4市町で取り組んだところでございます。
 今年度は、そういった昨年度の取り組みをほかの市町村に紹介しながら、手法の横展開を図っているところでございます。
〇松本雄士委員 国のモデル事業を見ますと、他県は積極的にいろいろ参画して、ツールとか計画策定の取り組みをいろいろなアイデアを出しながらやっているというのを拝見させていただきました。ぜひ本県でも、その活用を積極的に検討していただきたいと思います。
 そして、繰り返しますけれども、私は、計画をつくるのはファーストステップとして必要ですけれども、それはあくまで手段であって、目的ではない。本当にどう難を逃れて生きるのか、守れる命を守るのかというところが本質的なところであります。
 そういったところにおいて、実効性ある取り組みをどう進めていくのかというところ、計画の中にも当然落とし込むべきとは思うのですけれども、いかに個別避難行動を担保していくのか、実効性を確保していくのか、そこに対する取り組みと今の考えをお伺いいたします。
〇山崎被災者生活再建課長 実効性のある計画作成についてでございますけれども、市町村において、先ほど御答弁したとおり、作成率が今25.4%にとどまっておりますが、その理由としましては、高齢化や近所づき合いが少ないことにより避難支援の担い手が不足していることや、避難行動要支援者名簿に登載されている方の人数が多く、計画を策定するための行政のマンパワーが不足しているということも挙げられております。
 そのため、今後ですけれども、行政だけではなかなか個別避難計画の作成を進めていくことは困難だということがありまして、自主防災組織、それから福祉専門職など、そういった方々と連携して、地域ぐるみで取り組んでいく必要があると考えております。
 県としましては、自主防災組織が主体となった個別避難計画を策定した事例を市町村と共有するほか、要支援者を日常的に支援する立場の保健師やケアマネジャー等の福祉専門職に対して、研修会等を通じて個別避難計画作成への参加を促すなど、全県で、引き続き個別避難計画作成が進むよう取り組んでいきたいと考えております。
 また、地域の防災力を強化することが重要で、自主防災組織リーダー研修会や防災士養成研修会などによる地域防災の中核人材の育成や、自主防災組織の新規結成、研修会に防災サポーターを派遣するなど、自助、共助による防災体制づくりに取り組んでいきたいと考えております。
〇松本雄士委員 今、御答弁いただいたとおりかと思います。支援者もいないし高齢化が進んでいるし、何かあったらまず自分のことであります。一方で、自主防災組織、各地域の自治会等も大分疲弊している。また、公助、行政にも限界があるというのはそのとおりです。ですから、課題だらけなのですけれども、そういった中で、本当に優先度を高くしていかなければならない人を見きわめていく、そういう把握が大切かと思います。
 先ほどもハザードマップ上のというのがありましたけれども、計画作成や優先度の高い支援者の把握にはどう努められているのかお伺いいたします。
〇山崎被災者生活再建課長 優先度の高い要支援者の把握でございますけれども、先ほども答弁させていただきましたが、市町村におきましては、その計画作成の優先度の高い要支援者の把握が課題になっています。なかなかそこが難しい理由というのが、これも先ほど答弁したとおりですが、要支援者の数に対して市町村の行政のマンパワーが追いつかないこともあるということがございます。
 ですので、その地域の例えば民生委員であるとか自主防災組織の方とかを巻き込んで状況の把握に努めて、地域というか全体で、行政だけではなく、そういった連携の形で要支援者の把握をしていく必要があるものと考えております。
〇松本雄士委員 わかりました。非常に難しいと改めて認識しています。
 自治会とか行政頼みは限界があるという中で、よりリアリティーを高めていくためには、お世話になっている主治医の方とか福祉、介護職の方との連携というところをしっかり押さえていく、また、そういった方々を巻き込んでというところが大切だと思います。
 本県の福祉専門職等の参画状況が、国の調査結果を見ますと市町村で余り高くない。33市町村のうち12市町村という内閣府の調査結果がありまして、ぜひ、こういったところを高めていっていただきたいと思います。
 また、医療的ケア児等の方は、電源の確保といったときに、近くのディーラーのEVがどこにあるとか、どういったところに非常用電源があるとか、そういったところを押さえるだけで守れる命等があると思いますので、非常に難しいとは思いますけれども、先ほどのいろいろな計画策定率向上に向けて、市町村の支援のほどよろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 それでは、最初に、東日本大震災津波からの復興で残された課題について、今後どう取り組むのかお聞きします。
 国の第2期復興・創生期間は来年度までということになっていまして、政府は、基本的にはそれで復興の取り組みは完了するという方向を示しています。
 しかし、先ほどの復興防災部長の説明でも、残された課題、心のケアの問題とか、被災者の生活再建支援とか、水産業の復興、再生の課題とかがあると思いますけれども、こうした引き続き中長期で取り組むべき課題について、国は第2期復興・創生期間以降、どう取り組もうとしているかを示してください。
〇森田復興推進課総括課長 復興の残された課題についてでございます。国の基本方針では、岩手県を含む地震、津波被災地域につきまして、令和7年度末までに、復興事業がその役割を全うすることを目指すとされているところであります。国においては、本年4月に有識者によるワーキンググループを設置しまして、令和8年度以降における復興施策の方向性について、現在検討を進めているところでございます。
 この8月に中間報告が行われましたけれども、ワーキンググループの構成員の皆様に本県への現地視察を行っていただくなど、支援の継続を強く訴えた結果、全ての復興事業が令和7年度末で一律に廃止される事態にはならない見通しとなったものでございます。
 現在、ワーキンググループにおいて最終報告に向けた議論が継続しているところでございまして、引き続き、国に対して、被災者の皆様に寄り添った対応を求めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 当部にかかわる問題では、被災者の生活再建で、いわて被災者支援センターが大変重要な役割を果たしていると思いますが、いわて被災者支援センターの昨年度の取り組みの実績を示してください。
〇山崎被災者生活再建課長 いわて被災者支援センターの取り組み実績についてでありますが、令和5年度は126人から相談があり、相談対応回数は2、941回となっております。
 いわて被災者支援センターに寄せられる相談は、被災を起因としながらも、その後の生活環境や社会環境の変化に伴い、複雑かつ複合化しているところです。具体的には、生活費の負担増による家計の逼迫、住宅ローンなど多額の負債の整理など、家計や債務に関する相談が多くなっています。
 また、専門的な支援が必要なケースについては、弁護士やファイナンシャルプランナーとも連携しながら、一人一人の状況に応じたきめ細やかな支援を行っております。
 今後も、いわて被災者支援センターの特徴を十分に生かしていくため、引き続き、弁護士会等の関係機関などと連携を図るとともに、介護や子育て、生活困窮など、支援ニーズに対応した包括的な支援に取り組む市町村や市町村社会福祉協議会などと一層の連携を図っていくこととしております。
〇斉藤信委員 今の答弁がありましたけれども、相談対応回数は、令和4年度は2、664回でありました。令和5年度は2、941回とふえています。専門家派遣―これは弁護士等による相談会ですけれども、これも令和4年度は125回に対して、令和5年度131回とふえているのです。
 いわて被災者支援センターでは、一人一人の被災者の相談に対して、大変詳しいカルテをつくって継続的な支援を行っていますが、この個別支援計画の作成とその解決状況、支援完了状況を示してください。
〇山崎被災者生活再建課長 いわて被災者支援センターにおける個別支援計画の作成等の状況ですけれども、令和3年度の開設から令和5年度末まで、545人から相談が寄せられ、このうち継続した支援が必要と認められた383人について個別支援計画を作成しており、これまでに252人の支援が終了し、131人の支援を継続している状況でございます。
〇斉藤信委員 こういう形で1回の相談、法律相談だけでは解決しない。継続的な支援を行って、そして、体制が弱い中で訪問同行支援、アウトリーチ、これもやっているのです。これが昨年度は99回でした。前年度より倍以上にふえています。そういう点で、私はいわて被災者支援センターの体制の強化が必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇山崎被災者生活再建課長 いわて被災者支援センターの体制強化についてでありますが、同センターに寄せられる相談は、複雑かつ複合化し、従来の福祉分野である介護や子育て、生活困窮ごとの対応では困難なケースが生じていることから、課題の解決に向けては、適切な専門機関へのつなぎがより重要となっておりまして、今年度も弁護士等の専門家や市町村、市町村社会福祉協議会などとの一層の連携の強化によりまして、相談体制の充実に努めているところでございます。
〇斉藤信委員 相談体制の充実に努めているが、体制は余り変わっていない。これだけの相談、法律相談、そして同行支援と、継続的な支援とやって、いわて被災者支援センター、岩手県がこういう形で専門家の協力を得てやっているというのは、全国的にとてもすばらしい取り組みなのです。みんなびっくりします。東日本大震災津波からもう13年たって、岩手県は引き続きこういう取り組みをやっている。
 例えば心のケアの取り組みは50人体制です。こちらは四、五人体制。今の取り組みは、どんどん相談件数もふえ、同行支援もふえている中で、何十人とは言わないけれども、必要な体制の強化も考えていただきたい。
 次に、福島原子力発電所事故による汚染水について。
 汚染水の海洋放出による県内への影響、損害賠償請求の取り組みはどうなっているでしょうか。
〇田澤総括危機管理監兼放射線影響対策課長 まず、処理水の海洋放出による県内への影響についてでございます。昨年8月からの処理水の海洋放出に伴いまして、昨年度のアワビの価格が前年比で4割ほど、ナマコの価格が3割ほど下落するなどの深刻な影響が出ております。
 また、損害賠償の状況についてでございますけれども、東京電力ホールディングス株式会社は全国の数値のみ公表しているところでありますが、今月9日時点で、約670件の請求に対して280件、430億円ほどの支払いが行われたと伺っております。
 一方、県内の状況でございますが、県内の漁業団体は、いまだに東京電力との交渉の途上で、また、水産加工業者も一部東京電力との協議を行っている状況ですけれども、一方で、影響を受けながらも損害賠償請求に至っていないケースがあるということも聞いております。
 このため県では、影響を受けた事業者に対する東京電力の損害賠償が円滑に進むよう、国や東京電力に対しまして、政府予算要望の際に被害の実態に即した速やかな賠償を求めておりますほか、沿岸市町村や県漁連と共同で同様の要望を行うとともに、水産関連業者を支援するための説明会の開催などに取り組んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 7月26日に、岩手県が岩手三陸連携会議、岩手県漁連と一緒になって政府に要望したというのは評価したいと思います。しかし、まだ損害賠償請求まで行っていない、請求するのが面倒だということです。被害を与えている側が、このような面倒な被害を受けても請求できない仕組みにしているのは、私は、もっと簡素にして請求できるようにさせなくてはだめなのだと思います。
 そこで、先日、宮古市で説明会がありましたね。この説明会の内容、当事者からどんな意見や要望が出されたのか示してください。
〇田澤総括危機管理監兼放射線影響対策課長 今、斉藤信委員からお話しいただきましたとおり、県では、先月、宮古市におきまして水産関連業者向けの説明会を開催しております。事業者、漁業団体、その他関係団体50名程度の皆様に参加いただきました。
 その中では、経済産業省から水産業を守る政策パッケージを初めとする支援事業の説明を行いましたほか、県内事業者による東京電力への損害賠償請求を支援するため、東京電力から損害賠償に必要な書類や手続等の説明を行ったところでございます。事業者の皆様からも、輸出関係の証明書類等の確保に手間がかかるといったようなお声も伺っております。
 今回の説明会の中では、一方的な説明だけではなくて、希望する事業者を対象にした東京電力との個別相談会も開催しておりまして、東京電力では、今後、相談のあった事業者を個別に訪問して、請求に向けた支援を行っていく意向と聞いております。県としても、東京電力に対しては、丁寧な対応、そして迅速な対応を求めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 それでは、最後に、局地的豪雨対策についてです。
 8月、盛岡市に大変な豪雨がありました。被害も出ました。そこで、多発する風水害の対応に対して、岩手県風水害対策支援チームがさまざま検討されて、今後の防災対策について市町村に通知が出されましたが、その具体的な内容をわかりやすく示してください。
〇田端防災課総括課長 市町村への通知でございますけれども、この通知は、線状降水帯などの突発的な風水害に対する平時からの備えの重要性や災害時の対応について、改めて周知したものでございます。
 その内容でございますけれども、気象情報等を踏まえた平時からの対応として、避難情報発令地域の絞り込み規程の整備等により発令基準を見直すこと、即時に避難所の開設ができるよう具体的な設置基準を記載したマニュアルの整備、見直しを行っておくこと、災害時の対応として、気象情報で線状降水帯や短時間の大雨が発生した場合に必要な対応が行えるよう、あらかじめ体制を検討しておくこと、水位周知河川に指定されていない河川についても水位等の情報を収集する方法があるので、その方法などについて事前に確認しておくこと。
 また、住民への周知における平時からの対応として、住民に対しては、避難のあり方をわかりやすく周知すること、ハザードマップにより、それぞれの住民に危険な場所を確認するよう促しておくこと、災害時の対応としては、Lアラート―災害情報共有システムを活用して住民への迅速な情報伝達を行うため、地区名や避難所の情報を事前にしっかりリスト化して登録するなど、あらかじめ準備をしておくこと等となっております。
〇斉藤信委員 今はもう線状降水帯というのは全国どこでも発生する、大雨特別警報も出る、こういう状況で、私は、地球温暖化が背景にあると思いますけれども、風水害の状況が大きく変わっているのだと思います。
 盛岡市の対応などを見ますと、しっかりした平時の体制、訓練、こういうものなしに対応できなかったのではないかと、私はこのように受けとめているのですけれども、2016年の台風10号災害の教訓をどう生かすのか。
 岩泉町は、これをしっかり受けとめて、例えば、犠牲者を出した高齢者施設などは、毎年避難訓練をやっているわけです。やっぱり訓練をやっていなかったら、いざというときにできないと思うのです。
 そういう意味で、全県的にも県内市町村でも、この岩泉町の台風10号災害の教訓を生かす取り組みがどうなされているのか、なされていないのか、どうすればいいのか、そのことをお聞きします。
〇田端防災課総括課長 平成28年の台風10号の教訓でございます。斉藤信委員御指摘のとおり、平成28年の台風10号のときのような台風につきましては、県、市町村でその教訓を生かした対応を行っております。
 まず、県では、平成28年のときの教訓を踏まえて、市町村長への河川情報に係るホットラインの実施、それから、風水害対策支援チームによる台風接近時の避難勧告等の発令や避難所開設に係る市町村への助言、グループホームや特別養護老人ホーム等の要配慮者利用施設における避難確保計画の策定支援などに取り組んできたところでございます。
 岩泉町では、その教訓を踏まえて、元消防署長を危機管理監に任用し、新たに危機管理課を設置、専任職員を3人に増員するなどの組織の充実を図ったほか、防災士養成研修講座の開催や協議会の設置、ドローン運用隊の設置、それから、ウエブ雨量観測器を町独自に配備するなど、地域防災力の向上に取り組んでいると承知しております。
 こうした取り組みは、県主催の危機管理トップセミナーなどで紹介して他の市町村の参考にしていただいておりますし、そういった取り組みが徐々に広がってきているだろうと認識しております。
〇斉藤信委員 岩泉町が、台風10号災害の教訓を受けて、防災士も養成をして、今の答弁のように危機管理体制を強化してやっているわけですね。私は、本当に全市町村でこれを学ばなくてはならないのではないかと思います。
 実は、盛岡市の豪雨で、障がい者施設はいち早く自主避難したのです。その理由は、あの岩泉町の楽ん楽んの教訓なのです。ところが、避難したところが体育館で、とても障がい者の方々が避難生活できるような状況でなかったのも事実です。
 私は、障がい者施設とか高齢者施設の場合には、本当に避難して、そこで1日でも生活できるようなしっかりした避難施設を準備し、そこに避難できる訓練がされるという、そのことが大変大事なのではないかと感じましたが、いかがでしょうか。
〇田端防災課総括課長 御指摘のことでございますけれども、やはり、一つは計画をしっかりとつくる、もう一つは、御指摘のとおり、しっかり訓練するということで、日ごろ訓練でできないことは本番のときにもできないということは、私ども県の職員も肝に銘じておりますし、そういった取り組みをそれぞれ市町村だったりでもやっていただくように、事あるごとにお話していただいております。
 今度の総合防災訓練などでも、避難の訓練など、そういったものもやることになっております。そういった取り組みを通じて、計画と訓練がしっかり行われるように、市町村と一緒になって取り組んでまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 私は、まず最初に、自衛隊の個人情報提出問題について質問いたします。
 まず、県内の市町村における青年名簿の自衛隊への提出の実態はどうなっているのでしょうか。また、提出できる法的根拠も含めて示してください。
〇田端防災課総括課長 本県では、県内の33全市町村が、18歳に該当する方の氏名、生年月日、性別及び住所について、紙媒体などにより情報提供を行っていると承知しております。
 法的根拠でございますけれども、自衛隊法施行令第120条、防衛大臣は、自衛官又は自衛官候補生の募集に関し必要があると認めるときは、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができると規定されております。
 各市町村では、この求めに応じて、提供するか否かを判断した上で提供しているものと認識しております。
〇高田一郎委員 今、答弁あったように、残念ですけれども、事前に資料をいただいたのですが、33の市町村で、本人の同意もなしに、1万382人の個人情報が提供されております。しかも、住民基本台帳法では、個人情報の提出を禁止しているのですね。そういう点で二重に異常な対応だと思います。
 しかも、今、自衛隊の任務も大きく変わって、敵基地攻撃を可能とするような、いわば海外で活動するように自衛隊の任務が拡大している。そういう状況の中で、安易な情報提供に問題があると思いますし、こういうやり方はやっぱり改めていくべきだと、やるべきではないと私は思います。
 しかも、先ほどその法的根拠について答弁がありました自衛隊法施行令第120条、私もこれを読んでみましたけれども、先ほど答弁があったように、自衛官の募集に関して必要があると認めたときは、資料の提出を求めることができると、こうなっております。それで、この資料の提出の中に個人情報の提出が含まれるかどうかということが問われていると思います。
 この自衛隊法施行令の中身を見ても、114条以降から募集事務について明記しているのですけれども、この中には個人情報の提供について一切記述がないのです。つまり、私から言わせれば、無理に解釈をして、そして、さまざまな通知で要請しているということになるのではないかと思います。
 本来、どこの条文を見ても、できないにもかかわらずやっているということ自体、私は問題ではないかと思うのですけれども、その点はいかがですか。
〇田端防災課総括課長 個人情報の提供につきましては、自衛隊が市町村に対して直接依頼しているところでございまして、それぞれの市町村において、個人情報の保護に関する法律の規定に従って対応されていると考えております。
 なお、この個人情報の取り扱いにつきましては、令和5年4月1日から個人情報保護法の規定に基づいて実施されておりまして、同法を所管する個人情報保護委員会からは、先ほどの自衛隊法施行令第120条に基づく募集対象者の個人情報の提供については、個人情報保護法の第69条以降の法令に基づく場合に、該当するという見解も示されておるところでございます。
〇高田一郎委員 今お話があったように、それぞれの市町村の個人情報の条例に基づいて、それぞれ市町村の判断だというのは、そのとおりだと思います。
 ただ、今答弁にあった法的根拠が自衛隊法施行令第120条というのであれば、この施行令の中には、資料の提出の中に個人情報の提出が含まれているかどうかというところが一番問われるのです。この施行令の中には、どこを読んでみても個人情報の提出までは含まれていないのです。だから、ここをよく精査して、正しく解釈して対応していってほしいと思います。
 次に、地域防災拠点となる避難所の改善について質問したいと思います。
 能登半島地震では、発災後かなりの期間、温かい食事も、あるいは段ボールベッドもなくて、備蓄対応に大きな課題があったのではないかと思います。東日本大震災津波の教訓が生かされなかったことが指摘されています。
 少なくとも、この教訓を踏まえて、洋式トイレ、温かい食事の提供、段ボールベッドについては、発災から48時間以内に避難所に整えることが必要だと思いますし、避難所・避難生活学会もそれを提唱しております。
 本県では、避難所に対して十分これが行き渡るような状況になっているのか、その備蓄の状況についても示してください。
〇山崎被災者生活再建課長 避難者への48時間以内での物資の支給についてでございますけれども、御指摘のとおり、避難生活による二次的な健康被害が生じないように、トイレ、キッチン、ベッドの確保は重要だと認識しておりまして、今御紹介がありました一般社団法人避難所・避難生活学会においても、48時間以内に確保するよう提唱していると承知しております。
 県が策定している岩手県災害備蓄指針におきましては、東日本大震災津波での避難者数をもとに、5万人の避難者を想定した備蓄を市町村との役割分担により行うこととしておりまして、現在、県内6カ所の広域防災拠点に食料や飲料水、簡易トイレ、段ボールベッドなどを備蓄しております。
 トイレ及び段ボールベッドについては、引き続き必要数の備蓄に努め、避難所生活が一定期間続くことが見込まれる場合には、速やかに提供できるような体制を整えていきたいと考えております。
 また、温かい食事の提供につきましては、食材のほか、調理に必要な資器材の確保が必要ですが、熊本県益城町では、町内の料理飲食業組合と協定を締結し、災害時に炊き出しを行う人員や資器材、食材を確保する体制を構築している例もありますことから、そういった例も参考に検討してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 東日本大震災津波を教訓に、避難者5万人を想定して、6カ所にそれぞれ備蓄しているというのはわかりましたけれども、私が聞いたのは、東日本大震災津波発生から48時間以内に温かい食事を提供できるのか、あるいは段ボールベッドがあるのか、そして、トイレが十分設置されるのか、ここが問われていると思うのです。能登半島地震の教訓だと思います。
 恐らく、被害が大きくなれば大きくなるほど避難する人も多いので、岩手県という一つの自治体で完結できないと思うのです。恐らく、県をまたいで応援するとかあろうと思うのです。そういった体制があるのか、そして、48時間以内というのが非常に大事だと思うのですけれども、どのようになっているのでしょうか。
〇山崎被災者生活再建課長 まず、物資の備蓄につきましては、県で全て賄うということではなくて、まずは、住民の方のある程度の備蓄も想定した上で、市町村と県で役割分担して、広域的な災害があったときには、県のでそういった物資の配送、手配を行う体制をつくっているところでございます。
 配送につきましては、県から配送することについては、公益社団法人岩手県トラック協会とも協定を締結しておりまして、また、道路が通行できない場合は、ヘリコプター等の航空機での輸送も行うということで、迅速な配送体制をとっているところでございます。
〇高田一郎委員 いろいろと説明いただきましたけれども、やっぱり発災から48時間以内というのが非常に大事だと思いますので、他県とも連携しながら、そういう体制や備蓄になるように、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 4月の台湾の地震に際しては、翌日に温かい食事が提供され、個人のテントまで提供されたということが報道されております。そして、イタリアでは、先ほど言った三つ、トイレ、食事、それからベッド、これが48時間以内に提供できるように法律で明記している。海外では、いわゆるスフィア基準というのがスタンダードになっているのです。スフィア基準というのは、災害時に被災者の人権を尊重した避難所運営をする国際基準、最低基準です。
 これは海外ではもうスタンダードになっているのですけれども、岩手県の避難所運営マニュアルとか、あるいは地域防災計画の中にも、この国際基準を大事にして、しっかり位置づけて明記したものにしていくべきではないかと思うのですが、この点もいかがでしょうか。
〇山崎被災者生活再建課長 県では、市町村避難所運営マニュアル作成モデルを作成して、市町村にお示ししているところでございますけれども、この作成モデルには、スフィア基準そのものについては取り入れておりませんが、男女共同参画の視点に配慮した避難所運営を求めております。
 市町村の避難所運営マニュアルの中には、このモデルを参考に、例えば、女性用のトイレの数を男性用のトイレの数よりも多くするなどといったスフィア基準の方向性で、そういった規定が盛り込まれているところもございます。
 まずは、そういった規定をつくるというところを、市町村に促してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 盛り込んでいないけれども、その理念を大事にして計画をつくっているということなのですが、徳島県では、市町村の避難所運営は、このスフィア基準の理念で取り組むよう地域防災計画の中に明記しております。こういったところも参考にしながら、今、国際的な最低基準なのですから、スフィア基準とは何だということも含めて、よく徹底していただきたいと思っております。
 避難所の問題については、やはり冷暖房などの空調設備の整備が不可欠だと思います。猛暑の中でも災害は発生するわけですから、この整備が不可欠だと思うのですけれども、整備状況はどのようになっているのでしょうか。暖房、冷房を含めて示してください。
〇山崎被災者生活再建課長 冷暖房など空調設備の状況でございますけれども、まず、冷房機器を整備している指定避難所数については、令和2年10月1日現在で517カ所から、令和4年12月1日現在で590カ所と増加しているところです。
 また、暖房機器についても、同じく令和2年10月1日現在で1、344カ所から、令和4年12月1日現在では1、377カ所と増加しております。
〇高田一郎委員 今、いろいろ説明いただきましたけれども、私も資料をいただいたのですが、冷房施設については、岩手県の設置割合は32.9%、全国は63%と、半分ぐらいの状況なのです。先ほどもお話ししたように、猛暑の中でも災害は発生しますので、しっかり状況を把握して、計画的に整備できるように取り組んでいただきたいと思います。
 最後ですけれども、自主防災組織の問題について質問いたします。
 今の自主防災組織の活動状況をどのように把握されているのか、課題は何か、伺います。
〇田端防災課総括課長 自主防災組織の活動状況につきましては、市町村や自主防災組織への直接の聞き取りのほか、自主防災組織へのアンケート調査により把握しているところでございます。避難訓練や炊き出し訓練、防災マップの作成などに取り組んでいると承知しております。一方で、地域で中核となる防災人材の不足などにより、活動が低調な組織が見受けられるということでございます。
 県ではこれまで、自主防災組織リーダー研修会や防災士養成研修などを実施してきましたが、今年度は、新たな取り組みとして、これまで学校の防災教育や地域の研修会の講師として活用していた地域防災サポーターを自主防災組織に派遣して、直接、各種訓練の実施や地区防災計画の策定などの支援を行っているところでございます。
 今後とも、市町村と連携して自主防災組織の支援に取り組んでまいります。
〇高田一郎委員 自主防災組織は、結成されてもなかなか機能していない、そういうところが結構見受けられるのではないかと思います。私は、キーワードは人材の育成と訓練の継続だと思っています。
 ことし、私の地元の中里まちづくり協議会が内閣総理大臣表彰を受賞しました。ここでは、マップをみんなで話し合いながら作成して、とにかくどんなことがあっても、コロナ禍のときも含めて継続して避難訓練に取り組んで、地域の防災力の意識を物すごく高めているのです。そこには防災サポーターもいますし防災士もいます。これが力になっているのではないかと思います。
 私は、そういう意味では、人材をこれからさらにどう育成していくのか、訓練を継続してできるような自主防災組織、継続して取り組めるような仕組みづくり、この二つが大事かと思っております。人材をどう育成しているかについての今後の県としての対応策と、訓練を継続できるような仕組みをどうつくっていくのか。これが大事だと思います。
 自主防災組織の結成率を高めることも大事ですけれども、中身をどう充実するか、こういうところが大事かと思いますので、その点についての県の考えを伺います。
〇田端防災課総括課長 人材育成は、まさにそのとおりだと思います。県ではこれまで、防災士の養成につきましては、新規取得を支援をしてきたところでございます。
 今年度からでございますけれども、取得している防災士の方々あるいは、主に防災士メーンではありましたけれども、県議会議員にも参加していただきまして、地域の防災リーダーとなっていただけるような方々を対象としまして、いわゆるフォローアップ研修といったものを開催しているところです。
 こういった取り組みですとか、先ほど御紹介しましたけれども、あるいは今年度は地区にアドバイザーを直接派遣して、直接訓練ですとか策定の支援を行うといった取り組みも始めたところでございます。
 先ほどと重複いたしますけれども、こういった取り組みを広げていって、市町村と一緒になって、連携して支援してまいりたいと考えております。
〇大久保隆規副委員長 おおむね再開後1時間半が経過いたしましたが、この後、質疑を表明している委員があと1人となっていることから、質疑を継続したいと思いますので、御了承願います。
〇小林正信委員 私も風水害対策についてお伺いします。
 まず、自主防災組織強化事業費についてお伺いしようと思いますけれども、今しがた高田一郎委員から詳しく質疑がございましたので、わかりました。
 そして、今般の台風第5号、また8月の盛岡市の線状降水帯発生については、改めて住民避難の重要性が認識されたと思います。特に河川流域においては、住民が氾濫の危険性をあらかじめ認識できていること、それが適切な避難につながることが重要と思います。8月の豪雨災害においても、目の前の米内川の氾濫に気づかないでいて、玄関のドアをあけたら水が入ってきたというお話を私も直接お伺いいたしました。
 こうした逃げおくれを防ぐために、全国でも危機管理型水位計の設置が進められております。これはスマートフォンなどで誰でも河川の水位を確認できるということで、避難指示を待たずとも、みずからの判断で避難をすることが可能となる。
 危機管理型水位計の県内の設置状況等、住民への周知についてお伺いします。
〇田端防災課総括課長 危機管理型水位計は、住民の円滑な避難につなげるため、水位観測網の充実を図る目的で、河川管理者が設置して水位情報の提供を行っております。
 県内の危機管理型水位計は、令和6年3月末現在で、262河川、327カ所運用していると伺っております。
 危機管理型水位計で観測したデータは、国11機関、34道府県、41市町が参画する危機管理型水位計運用協議会のポータルサイト、川の水位情報というもので確認できるようになっております。
 また、これは県の河川課が運営している岩手県河川情報システムにリンクしており、県では、これらのサイトの利用について、河川情報システムですとか県のホームページなどで周知を図っているところでございます。
〇小林正信委員 せっかく周知を図っているところですけれども、川の増水に気づかない方が今回もいらっしゃったということで、これはスマートフォンですぐわかるという利点があるので、例えば災害が起こりだとなったら、ツイッターとかSNSとかで発信するということも今後重要かと思っておりますので、ぜひその充実をお願いしたいと思います。
 逃げおくれを防ぐには、住民一人一人の防災意識を高めることが重要だと思います。地震や家族の避難行動計画を時系列で定めるマイタイムラインの取り組みについては、前にも質問させていただきましたけれども、県としても、防災士や市町村の職員を対象に、作成研修を実施したと伺っております。
 今後とも、こうしたマイタイムラインの取り組みを活用しながら、住民の防災意識の向上を図るべきと考えますけれども、御所見をお伺いします。
〇田端防災課総括課長 県では、各家庭において、一人一人がどのタイミングでどのような避難行動をとるか、時系列に整理したマイタイムラインの作成を促進するため、各地域の自主防災組織等のリーダーを対象とした自主防災組織リーダー研修会などにおいて、このマイタイムラインの作成キットを配布いたしまして、作成の重要性について周知を図っているところでございます。
 今後も、こういった研修の場などを通じまして、このマイタイムラインの作成を促していこうと考えております。
〇小林正信委員 ぜひとも、これはさらに広げていっていただきたいと思いますし、近年では、地域ごとに避難計画を考えるコミュニティータイムラインという取り組みも進んでいます。長野県等でこれが充実しているということでございましたので、タイムライン防災の充実をぜひともお願いしたい。
 そして、総括質疑でも取り上げました流域治水という、ハード、ソフト両面からの取り組みでありましたけれども、同時に、ハード面は県土整備部が担うと思うのですが、ソフト面は復興防災部の取り組みが重要になってくるかと考えております。
 復興防災部として、この流域治水の取り組みをどのように充実させていくのか、お考えをお伺いしたいと思います。
〇山本特命参事兼企画課長 流域治水の取り組みについてでありますが、近年、自然災害が激甚化、頻発化する中で、流域のあらゆる関係者が協働して取り組む流域治水の推進については、重要であると認識しております。
 復興防災部が所管いたします第2期岩手県国土強靱化地域計画におきましても、流域治水の取り組みを国土保全、交通分野における重点施策と位置づけております。こちらは毎年度、計画に基づく施策の進捗状況を把握し、岩手県国土強靱化地域計画推進アドバイザリー会議における有識者の意見を踏まえながら、必要な対策の追加や見直しを行い、次年度以降の施策、事業に反映していくこととしております。
〇小林正信委員 わかりました。復興防災部としても、この流域治水、その流域の住民に対して特にアプローチを行っていく、防災意識を高めていくところに、ぜひとも今後も力を入れていただきたいと思うので、よろしくお願いしたいと。
 岩手県風水害対策支援チームについては、先ほど斉藤信委員からも質疑がありました。8月27日の盛岡市の豪雨災害では、気象庁の半日前予測が出なかったために、避難の判断ができなかったというお話もありました。今後は、市町村とも連携しながら、独自の情報発信、状況判断ができるよう、さらなる充実が図られるべきと考えます。
 支援チームの市町村との連携状況と今後の取り組みの充実について、お考えをお伺いします。
〇田端防災課総括課長 岩手県風水害対策支援チームでございますけれども、台風の接近などにより被害が予測される場合に、市町村の迅速な避難指示の発令を目的として、平成29年6月に設置したものでございます。
 設置以来、これまで9回招集して、7回助言を行っておりますが、予報技術の進歩ですとか風水害の頻発に対応した取り組みも模索しているところでございます。今の予報技術の中で、幾ら独自にということを考えた場合でも、例えばあした、例えばきょうの夕方、線状降水帯が発生しますという助言はなかなかできかねるところでございます。
 そういったこともございまして、9月には、線状降水帯などの突発的な大雨の発生に備えて、避難情報の発令基準ですとか避難所の即応体制の見直しなど、平時の準備が非常に大切だということで、県風水害対策支援チームに、そういった突発的な大雨の対応についてどういった助言ができるのだろうかということを諮問しまして、その上で市町村に助言の通知を出しております。
 今後、予報技術などが進歩してくる中といいますか、そういったものに対応して、県風水害支援チームでやるのか別な方法でやるのか、そういったものも踏まえて対応してまいりたいと思っております。
〇小林正信委員 県風水害対策支援チームの目的はやはり予測をしていくというところ、避難指示をしっかり出していくというところだと思います。私も、県風水害対策支援チームというのは、もう少し機動的なもので、災害があったときには、ぱっと集まって何か検討して、ぱっと何かするのかというイメージがあったのですけれども、令和5年度は会議の開催が一回もなかった。これは、例えば災害が起こりやすい夏の期間とかは、常に待機して、すぐ集まれる状況にしておくとか、即応体制といいますか、そういう充実も必要なのではないかと考えているところでございます。
 そういったところも、今後この風水害対策支援チームの充実をぜひとも図っていただきたいし、復興防災部としても、この防災というところ─復興については、多分県土整備部とか農林水産部とかのところも大きいので、復興というところはほかとの連携もあると思うのですけれども─は、復興防災部がかなり力を入れてやっていくというところが重要だと思いますので、緊張感を持ってやっていただきたいと思っているところです。
 続いて、災害マネジメントサイクル推進事業費について、令和5年度の取り組みをお伺いします。
〇田澤総括危機管理監兼放射線影響対策課長 令和5年度の災害マネジメントサイクル推進事業費の取り組みについてでございますが、令和5年度は、国や他県等が発行しております東日本大震災津波記録誌あるいは検証報告書約80冊を収集いたしまして、本県が作成した東日本大震災津波からの復興─岩手からの提言─の内容との比較を行い、今後の災害対応に生かすべき教訓や課題等を分析いたしました。
 その結果といたしまして、平時から復興まちづくりのための準備をする事前復興まちづくり、あるいは被災者の主体的な自立、生活再建のプロセスを支援する災害ケースマネジメントの取り組みなどを、重要な課題として整理したところでございます。
 こうした分析結果を踏まえまして、令和6年度は、事前復興まちづくり、それから、災害ケースマネジメントの推進に向けた調査研究等に取り組むこととしたところでございます。
〇小林正信委員 今、災害ケースマネジメントのお話が出ました。今、きちんと災害ケースマネジメントの体制を整備しておければ、十分に未来の災害に対応できると考えているところです。
 その上で、災害時のさまざまな課題に対応するには、行政職員だけでは難しいということがあると思います。民間団体や企業との幅広い連携、先ほど公益社団法人トラック協会との連携ということもありましたけれども、こういったところも重要だと思います。
 災害ケースマネジメントを、さらにさまざまな主体と協働して体制整備をしていっていただきたいと思いますけれども、今の体制整備の検討状況と今後の推進のお考えについてお伺いしたいと思います。
〇山崎被災者生活再建課長 災害ケースマネジメントの検討状況と今後の推進の考えでございますが、本県における災害ケースマネジメントの推進に向けては、広く福祉分野や防災分野の有識者や関係機関と意見交換を行うため、これらの分野に精通した学識経験者、県社会福祉協議会、いわてNPO災害支援ネットワーク及び県、市町村の行政担当者を構成員とした、岩手県災害ケースマネジメント推進検討会議を立ち上げまして、9月18日に第1回の会議を開催したところです。
 この第1回会議では、災害ケースマネジメントに係る国、県、市町村の取り組み状況、現状と課題の共有を行ったほか、災害ケースマネジメントの主体はどこか、アウトリーチ人材が備えるべきスキルはどのようなものか、人材派遣調整の体制や仕組みはどうあるべきかという論点について御意見をいただきました。
 また、今年度は、市町村や社会福祉協議会を対象とした研修会を開催したほか、岩手県立大学と協働し、災害ケースマネジメントの推進に必要なアウトリーチ人材の育成プログラムを作成することとしておりまして、人材育成に取り組むこととしています。
 この検討会議では、今年度中に主な論点に関する中間整理を行い、災害ケースマネジメントの全県的な体制構築を進めてまいります。
〇小林正信委員 ぜひよろしくお願いします。岩手県が発祥というか、岩泉町の災害から取り組みが進んできて、岩手県としても力を入れてきた分野だと思いますので、ぜひ充実をお願いしたい。
 最後に、東日本大震災津波からの復興ということで、先ほど斉藤信委員から、いわて被災者支援センターの取り組み状況についてお話がございました。その中で、私も令和5年度の取り組みをお伺いしようと思ったのですけれども、先ほど斉藤信委員の質疑でわかりましたので、ここは割愛したいと思います。
 今後、復興事業が通常事業に移行していくということでしたけれども、いわて被災者支援センターの取り組みは、沿岸被災地にとってまだまだ必要な取り組みとして継続していくべきと私は考えます。
 しかしながら、その中でいわて被災者支援センターが行う伴走型支援、市町村との連携というところも非常に重要になってくるかと思うのですけれども、このセンターと市町村の連携の状況について、これまでもお伺いしましたが、令和5年度の状況はどうだったのか、お伺いしたいと思います。
〇山崎被災者生活再建課長 いわて被災者支援センターの市町村との連携状況ですけれども、令和5年度は、被災者からの相談内容に応じて、市町村等関係機関との連絡調整を1、628回行ったほか、市町村等関係機関から紹介された相談が80件あるなど、センターと市町村が連携しながら相談支援を行ってまいりました。
 相談者の中には、被災から10年以上たってようやく相談する気持ちになった方や高齢になった方など、心身の状態に配慮が必要なケースがあり、また、相談内容が複雑化、複合化し、従来の福祉分野である介護や子育て、生活困窮ごとの対応では困難なケースが生じていることから、包括的な支援を行う市町村や市町村社会福祉協議会などと一層の連携を図っていくこととしております。
〇小林正信委員 今おっしゃったように、やはり、いわて被災者支援センターに対する相談は増加し、複雑化もしているというお話でございました。また、社会福祉協議会等の連携あるいは重層的支援体制整備事業費というところ、これを沿岸地域でやっているのが多分いわて被災者支援センターなのかと私も考えているのですけれども、そういった取り組みにも進化をさせていくというか、生活支援相談員もいわて被災者支援センターの取り組みと連携をする中で相談スキルを上げていっていただくとか、そういった部分も今後重要になってくるかと思っておりますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 そして、今後のことでございます。
 復興事業が通常事業に移る中で、いわて被災者支援センターの取り組みが縮小してしまうと。先ほど斉藤信委員からありました、岩手県独自の取り組みなのだからもっと拡大するべきだろう、というところは私も全面的に賛成です。しかしながら、縮小する可能性あるいはなくなってしまう、あるいは年度がかわったら国からの予算が一気にばつんとなくなってしまうということが本当に私も懸念しているところでございます。
 国から本事業について何かアナウンスのようなことがあったのかどうかも含めて、今後の支援センターの取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇山崎被災者生活再建課長 いわて被災者支援センターの今後の取り組みでございますけれども、このセンターは、東日本大震災津波の復興過程において被災者の恒久的住宅移行後の支援を行っており、国の被災者支援総合交付金を活用しておりますが、国の基本方針において、復興事業については、第2期復興・創生期間の終期である令和7年度を目途に、その役割を全うすることを目指すとされております。
 先ほど答弁申し上げましたとおり、被災者を取り巻く生活環境の変化によりまして、被災者の抱える問題も複雑化、複合化しており、被災地域においては、依然として支援の継続が必要な状況と認識しております。
 そういった支援ニーズが高い状況を踏まえまして、第2期復興・創生期間後である令和8年度以降においても、復興事業として継続できるように国に求めてまいりたいと思っています。
〇大久保隆規副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇大久保隆規副委員長 質疑がないようでありますので、これで復興防災部関係の質疑を終わります。
 復興防災部の皆様は御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後4時46分 散 会

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