令和4年12月定例会 第23回岩手県議会定例会会議録

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〇13番(高田一郎君) 日本共産党の高田一郎でございます。
 議案第14号は、平泉世界遺産ガイダンスセンター条例の一部を改正する条例案であります。
 条例案審議の中で、平泉世界遺産ガイダンスセンターの指定管理者制度への移行の実態が明らかになりました。反対する理由は、一言で言えば、管理運営費と人件費を減らし、仕事はふやすという内容になっているからであります。
 今年度までは、県直営の管理で運営されております。今年度の管理運営費は1億283万円ですが、来年度から移行する指定管理者の委託料は6、700万円余で、入館料の1、100万円余を含めても7、800万円余で、2、400万円の削減となります。うち人件費は1、500万円の削減であります。人員も現在12名の体制から10名に削減する一方で、ショップの事業も行う内容となっております。
 平泉世界遺産ガイダンスセンターは、博物館に準じる施設でもあり、世界遺産の価値と貴重な文化財の普及と活用は、専門性が問われるものであります。本来、県が責任を持って運営、管理し、学芸員などの専門家を積極的に配置し活用すべきと考えます。
 次に、請願陳情受理番号第92号は、旧統一協会と県議会議員との関わりについて調査・公表を求める請願であります。議会運営委員会では不採択となったとの報告であり、議会運営委員長報告に反対の立場で討論を行います。
 統一協会は、異様な教義で信者を洗脳させるなど、違法な霊感商法や高額献金に駆り立ててきました。また、人権無視の集団結婚式を行ってきた、まさに反社会的なカルト集団であります。そして、宗教二世と言われる被害も深刻で、子供の貧困あるいは信者との結婚を強いられるなど、被害相談は現在も後を絶たない状況になっております。
 全国霊感商法対策弁護士会によれば、1987年から2021年まで、被害相談は3万4、537件、被害額は1、237億円、統一協会がコンプライアンス宣言を行った2010年以降の相談件数は2、875件、被害総額は138億円で、これは氷山の一角とも指摘されております。
 自由民主党は、令和4年9月8日に、国会議員を対象に独自の点検結果を公表しました。約半数の179人が、統一協会との接点があったことが明らかになりました。しかし、これらの調査は自己申告であって、その後、新たな接点が次々と明らかになっています。
 また、岩手日報、朝日新聞などの調査では、6人の県議会議員が統一協会との接点を認めております。しかし、昨年8月1日、統一協会関連団体が開催したピースロード2021in岩手には県議会議員も参加したとされ、また、2016年12月には、日韓トンネル推進岩手県民会議創設大会が開かれ、ここでは元勝共連合会長の太田氏が講演し、また、会長には元自由民主党県議が就任しておりますけれども、これらに参加した議員もいまだに明らかになっておりません。議員による自主申告では不明なままになっており、県議会としての調査、公表が必要であります。
 統一協会の機関誌世界日報10月31日付では、全国の地方議会で同協会と地方議員らとの関係断絶や調査、追及を求める意見書が自由民主党議員らの反対で否決されていることを上げて、自由民主党本部の指針、ガバナンスコードに新たに盛り込んだ組織、団体との責任ある関係を地方に徹底することは、容易でなさそうだと報じました。岸田首相の甘い姿勢が統一協会側に見透かされ、統一協会の側は、自分たちが選挙応援を通じて自由民主党の地方議員と築いてきた関係は切れないと、たかをくくっているのではないかと感じております。
 福岡県議会では、宗教団体とのかかわりや県議会で活動する中でどこが問題なのか調査を行い、透明性を高めていきたいと調査委員会を設置したと報じられております。
 また、盛岡市議会では、市議会として調査を行い、祝電やメッセージ等の送付、集会、イベントへの出席、選挙での支援、団体への会費納入、寄附、政務活動費による書籍購入、団体からの収入など、これまでにあった全てのかかわりを調査し、時系列でホームページ上に公表されています。
 国会では、現在、被害者救済法案の審議が行われていますが、肝心の統一協会との関係にある政治家との関係究明がおろそかになってはなりません。
 岩手県議会が調査、公表するということは、統一協会による被害で人生が台なしになった被害者が無数にいることを踏まえ、新たな被害者をつくらないという姿勢を示すことにもつながります。同時に、過去のかかわりについても、事実を踏まえて深い反省の意を表明することが、統一協会との関係を真に断つことにつながるのではないでしょうか。
 以上が反対する理由であります。御清聴ありがとうございました。
〇議長(五日市王君) 次に、米内紘正君。
   〔8番米内紘正君登壇〕

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