令和4年12月定例会 第23回岩手県議会定例会会議録

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〇1番(千田美津子君) 日本共産党の千田美津子です。
 議案第45号令和4年度岩手県一般会計補正予算(第7号)について質問いたします。
 第1に、商工業総務費のいわて県民応援プレミアムポイント還元事業費として11億円が計上されています。これは、物価高騰の影響を受ける県民生活を支援する取り組みの一つとして実施されるようでありますが、県内の小売、サービス業等の店舗におきまして、商品やサービス等をQRコード決済により購入、利用した方に対して、決済額の20%分のポイントを付与し、消費を喚起するとしています。
 そこで、質問の1点目は、このプレミアムポイント還元事業は、10月の実施に次ぐ第2弾として実施されるものでありますけれども、第1弾における参加店舗数、ポイント還元額、そして年代別の利用者はどうだったのか、その実績についてお聞きいたしますし、また、この事業効果をどう評価され、今回の第2弾の実施に際しどう生かされたのかお聞きいたします。
 2点目として、対象事業者についてでありますが、県内に店舗を置く物品、サービス等を消費者に提供するものとしておりますが、多くの人たちが利用しているコンビニエンスストアを除くとした理由は何か、お聞きいたします。
 3点目は、ポイント還元率は、商品、サービス等の購入、利用に対し20%、上限額をQRコード決済1種につき5、000ポイント、5、000円相当、1回の決済当たり2、000ポイント、2、000円相当となっております。そうしますと、最高で何種類まで使用可能となるのか、その点についてお聞きいたします。
 4点目として、今回の事業実施に当たり、第1弾と同様に、対象店舗の選定、事務局を民間事業者へ委託するとしておられますが、第1弾における対象店舗の選定がどのように行われ、事務局の委託はどうなされたのか、その実績についてお聞きいたします。また、第2弾の実施は、今後どのように実施される見込みかお聞きいたします。
 5点目として、実施時期をどう考えていらっしゃるかお聞きいたします。
 第2は、観光総務費のいわて旅応援プロジェクト推進費についてお聞きいたします。
 この事業は、今月27日の宿泊分まで実施中の全国旅行支援の年明け以降の観光需要喚起策として、約21億円が計上されました。
 そこで、1点目は、これまでいわて旅応援プロジェクトが実施されてきましたが、これまでの登録事業者数、延べ利用人数、利用金額の実績をお知らせください。また、この事業実施による効果をどう評価されているのかお聞きいたします。
 2点目として、現在も継続中のいわて旅応援プロジェクト第3弾は、事業費全体が少なかったために、事業開始と同時に配分枠がほぼなくなってしまったという状況も出ました。これらについてどう認識、評価されているのかお聞きいたします。また、年内の利用については、どのような状況、見通しにあるのか、その点もお聞きいたします。
 質問は以上となりますが、答弁によっては再質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) まず、いわて県民応援プレミアムポイント還元事業の第1弾の実績等についてでありますが、参加店舗数は約1万3、600店であり、業種区分などにより、この事業への参加が可能と見込んだ県内の総店舗数の約半分の店舗の参加があったところでございます。
 また、還元額は約8億円になる見込みであり、年代別の利用者内訳は、20代以下が約8%、30代が17%、40代が31%、50代が30%、60代以上が15%となっております。
 利用者アンケートの結果によると、食料品や日用雑貨の購入が約88%と最も多く、また、利用者の80%以上が、ふだんより多く買い物をしたと回答しており、物価高騰対策はもとより、県内経済の活性化にも効果があったと受けとめております。
 さらに、この事業を契機に、キャッシュレス決済を導入してレジ作業が楽になったといった事業者からの意見や、キャッシュレス決済が簡単で驚いた等の利用者の声もあり、キャッシュレス決済の普及促進にも効果があったものと受けとめております。
 今般の第2弾の実施により、こうした第1弾の効果をさらに高めていきたいと考えており、テレビ、新聞等のメディアやウエブなどを活用した周知に努め、より多くの事業者や利用者の利用参加を促進してまいります。
 次に、コンビニエンスストアを対象店舗としなかった理由についてでありますが、対象事業者については、同様の事業を実施している他県の事例なども参考にして検討を進めたところであり、コンビニエンスストアを対象とした場合、さらに多額の事業費が必要になることや、金券などの換金性が高い還元対象外となる商品と対象商品が混在して決済されるおそれがあることなどから、対象としなかったものです。
 次に、対象となる決済の種類についてでありますが、第1弾の対象キャッシュレス決済サービスは、auペイ、d払い、ペイペイ、楽天ペイの最大4種類としておりまして、それぞれ5、000ポイント、最大で2万ポイントまでの還元を可能としたところであり、第2弾においても、第1弾と同じ方法で実施したいと考えております。
 次に、対象店舗の選定及び実施時期等についてでありますが、第1弾における対象店舗の選定については、例えば、大企業や県外事業者を対象外とすることなども考えられたところですが、この事業の主目的が生活支援であることに鑑み、より多くの店舗を対象とする観点から、先ほど答弁したとおり、コンビニエンスストアを除き広く対象としたものです。
 また、事務局につきましては、決済事業者などの事業内容の企画提案を含め、事務局を担う委託先となる事業者の公募選定を行ったところです。
 なお、今般の第2弾については、さまざまな生活用品の物価高騰が進んでいる状況から、準備期間を短縮し、来年2月を目途に実施したいと考えており、事業内容も第1弾と同様とする予定であることから、第1弾の委託先と同じ事業者との契約を想定しております。
 次に、いわて旅応援プロジェクトの実績等についてでありますが、この事業を開始した昨年4月以降、登録事業者数のうち、宿泊施設については、おおむね410施設前後で推移し、現在は413施設となっています。また、旅行会社については、おおむね70事業者でありましたが、本年10月から全国旅行支援に切りかわり、県外の旅行会社の登録がふえたことにより、現在は2、786事業者となっています。
 また、クーポン利用施設については、現在3、367施設となっています。
 利用人数については、昨年4月から本年9月までの精算実績で、延べ164万人、利用金額は約95億円となっています。
 この事業による効果については、岩手県民の県内宿泊施設への宿泊者数が、コロナ禍前の令和元年度との比較で、令和2年度のマイナス10%から、令和3年度はプラス7%に転じているほか、本年4月以降、県外の方々も含む宿泊者数も、コロナ禍前の8割から9割程度に回復していることから、観光事業者の売り上げ回復に一定の効果があったものと受けとめております。
 次に、第1弾から第3弾までを通じての事業費等についてでありますが、いわて旅応援プロジェクトは、国の地域観光事業支援の補助金を活用して実施しているところであり、第1弾及び第2弾については、全国の中でも本県の感染拡大が低く抑えられ、まん延防止等重点措置等に伴う事業の停止期間もなかったことから、他の都道府県に比べて、より多くの利用があったところです。
 こうした状況から、全国旅行支援に切りかわる際の予算不足が見込まれ、あらかじめ国に対して補助金の追加交付を要望し、15億円の追加交付受けたところであり、これを含めた約36億円で第3弾として実施していますが、行動制限の解除等に伴う旅行ニーズの高まりから、本県を含めて多くの都道府県で配分額が不足している状況と承知しています。
 こうした中、県内の多くの宿泊施設や旅行会社等において、既に配分額を使い切っているといった状況も確認しており、若干の追加配分を行いながら、12月27日まで対応していくこととしております。
 今般提案した年明け以降の事業実施については、割引率が従前よりも低くなるものの、いまだ実施期間が明確になっていないことなどから、国に対し、事業の詳細を早期に明確にすることや、必要に応じた追加交付の要望などを働きかけてまいります。
〇1番(千田美津子君) 若干、再質問させていただきます。
 まず、いわて県民応援プレミアムポイント還元事業で意外だったのが、40代、50代が多くて、それから30代、60代と続くと。それから、若い方々が意外と少ないなというのが感想です。
 それで、事業者のキャッシュレス決済等への好感触という意見や、利用者が日用品に多くを使っていて、ふだんよりも多く買い物をしている、そういう効果もあります。ただ、各店舗は決済手数料がかかるわけですから、店舗での売り上げが果たして上がっているのかどうかというのは、何かつかんでいらっしゃるでしょうか。一部、売り上げがふえず手数料だけふえるという声も聞こえてきているので、それらについて、もしおわかりになればお聞きしたいと思います。
 それから、いわて旅応援プロジェクトですけれども、利用がどんどんふえてきているという点で、非常に効果があると思っています。そして今、第3弾の部分では、多くの県で配分額が不足しているという点では、来年以降の部分がはっきりしないわけでありますけれども、いずれ、どこの県も競ってやりたいという状況にはあると思います。
 そういう中で、岩手県らしさというか、旅行会社だけではなくて、岩手県独自の工夫でのこの事業の進め方も必要ではないかと感じるわけですが、その辺、何かあればお知らせいただきたいと思います。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) 最初に、キャッシュレス決済により店舗の売り上げがふえているかという御質問でございますけれども、今、さまざまアンケート調査の結果を集計しておりますが、比較をしてそこまで分析したり、店舗に調査するのはなかなか難しいものがあると思っております。
 先ほど、答弁の最初に申し上げましたとおり、経済センサスなどとかで当初見込んでいたこのサービスを行う店舗が2万7、000店舗くらいでございます。これは、キャッシュレス決済を全然導入していないところも含めた数字でございます。その中で1万3、600店舗の参加があったということは、やはり県内の店舗等でも、物すごくこのキャッシレス決済を導入していることになると思います。
 そうした中で、やはり手数料の問題はさまざまな場面で出てきますけれども、そういうものを導入しないと、今度、逆になかなかお客さんが入ってこないということもありますので、その辺、難しい問題がありますけれども、やはりキャッシュレス決済は一定程度普及していきたいと考えております。
 それから、いわて旅応援プロジェクトの岩手県らしさということでございますけれども、一つは、キャッシュレス決済とか、これは実は県外の方も利用できますので、そういうことをやっているというのも一つの強みになると思います。それから、来年1月から3月まで冬季の観光キャンペーンをやったり、さまざまなそうしたキャンペーンとリンクさせながら誘客を拡大していきたいと考えております。
 また、岩手県だけさらに上乗せして何か配るとか、クーポンを配るとか、そこまでは難しいと思いますが、さまざまなキャンペーンなどと連動してやっていきたいと考えております。
〇1番(千田美津子君) 1点だけ、いわて県民応援プレミアムポイント還元事業でありますけれども、キャッシュレス決済を導入するとか、そういうものが広がってメリットがあるとは思うのです。消費者もですし、想定した半分くらいの事業者が参加しているというのは、それはそれでいいことだと思うのですが、私は、やはり利用者が限定されると思うのです。そういった意味で、消費喚起策として、もっと広い形の事業等の展開も重要ではないかと思います。
 これから、また新たなそういうものが出てくるかとは思いますが、そういう部分で、ぜひ、もっと間口を広げた形の物価高騰対策、消費喚起策をやっていくべきではないかと思いますので、その点、もう一度伺って、終わります。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) 県内経済の状況につきましても、コロナ禍に加えまして、燃料費や原材料費の価格の高騰によりまして、製造業や建設業を初め、非常に幅広い業種の事業者が厳しい経営環境にありますことから、基本的には、国において、より多くの事業者を対象とした大胆な支援を行っていく必要があると考えております。
 また、10月に国が公表いたしました総合経済対策におきましても、物価高騰、賃上げへの取り組みが盛り込まれておりますので、今後、これらの取り組みの具体化の動きや県内の経済状況の動きを見きわめつつ、必要な対応についての検討を進めてまいります。
〇議長(五日市王君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、ただいま議題となっております議案第45号は、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
   
〔参照〕
        委員会付託区分表
   (第23回県議会定例会 令和4年12月8日)
                 総務委員会
1 議案第45号
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
                 文教委員会
1 議案第45号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第10款
                 環境福祉委員会
1 議案第45号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款
       第4款
   第2条第2表中
    第3款
    第4款
                 商工建設委員会
1 議案第45号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第7款
   第2条第2表中
    第7款
                 農林水産委員会
1 議案第45号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款
   第2条第2表中
    第6款
   
〇議長(五日市王君) この際、暫時休憩いたします。
   午後1時26分 休 憩
   
出席議員(45名)
1  番 千 田 美津子 君
2  番 上 原 康 樹 君
3  番 小 林 正 信 君
4  番 千 葉   盛 君
5  番 千 葉 秀 幸 君
6  番 岩 城   元 君
7  番 高橋 こうすけ 君
8  番 米 内 紘 正 君
9  番 高 橋 穏 至 君
10  番 山 下 正 勝 君
13  番 高 田 一 郎 君
14  番 佐々木 朋 和 君
15  番 菅野 ひろのり 君
16  番 柳 村   一 君
17  番 佐 藤 ケイ子 君
18  番 岩 渕   誠 君
19  番 名須川   晋 君
20  番 佐々木 宣 和 君
21  番 臼 澤   勉 君
22  番 川 村 伸 浩 君
23  番 千 葉 絢 子 君
24  番 ハクセル美穂子 君
25  番 木 村 幸 弘 君
26  番 吉 田 敬 子 君
27  番 高 橋 但 馬 君
28  番 小 野   共 君
29  番 軽 石 義 則 君
30  番 郷右近   浩 君
31  番 小 西 和 子 君
32  番 高 橋 はじめ 君
33  番 神 崎 浩 之 君
34  番 城内 よしひこ 君
35  番 佐々木 茂 光 君
36  番 佐々木   努 君
37  番 斉 藤   信 君
38  番 中 平   均 君
39  番 工 藤 大 輔 君
40  番 五日市   王 君
41  番 関 根 敏 伸 君
42  番 佐々木 順 一 君
43  番 伊 藤 勢 至 君
44  番 岩 崎 友 一 君
45  番 工 藤 勝 子 君
46  番 千 葉   伝 君
48  番 飯 澤   匡 君
欠席議員(1名)
47  番 工 藤 勝 博 君
   
説明のため出席した者
休憩前に同じ
   
職務のため議場に出席した事務局職員
休憩前に同じ
   
午後4時3分再開
〇議長(五日市王君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
   
   報 告
〇議長(五日市王君) 各常任委員長から、それぞれ委員会報告書が提出されておりますが、後刻詳細に報告を求めますので、朗読を省略いたします。
   
   日程第1 議案第1号令和4年度岩手県一般会計補正予算(第6号)から日程第46 請願陳情まで(続)
〇議長(五日市王君) 日程第1、議案第1号から日程第46、請願陳情までの議事を継続いたします。
 各案件に関し、委員長の報告を求めます。菅野総務委員長。
   〔総務委員長菅野ひろのり君登壇〕

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