令和4年9月定例会 第22回岩手県議会定例会会議録

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〇37番(斉藤信君) それでは、高田一郎議員の統一協会問題について、関連して質問いたします。
 県内における自由民主党と統一協会との癒着は極めて深刻です。10月8日付の朝日新聞の報道によると、7月の参議院議員選挙で当選した広瀬めぐみ氏は、ことし5、6月ごろ、支援者に誘われて盛岡市の教会を訪れ、責任者に挨拶をしたとの事実を明らかにしました。これは参議院議員選挙への支援を要請したということではないでしょうか。
 別の自由民主党県議会議員は、ことし6月、教会を訪れた。自分や当時参議院議員選挙に立候補予定だった広瀬めぐみ氏について話をしたことを明らかにしています。参議院議員選挙直前に統一協会の事務所を訪れ、広瀬めぐみ氏への支援を要請したことは明らかではないでしょうか。
 霊感商法や際限のない献金などで大きな被害を与えてきた反社会的団体、統一協会に参議院議員選挙での支援を要請したとしたら、重大な癒着であり、被害者や県民に背を向ける許されないことではないでしょうか。県内各地でこうした選挙への支援が要請され、統一協会と一体となった選挙が取り組まれたのではないでしょうか。
 また、別の自由民主党県議会議員は、2019年の県議会議員選挙に立候補する際、花巻市内の教会で挨拶をしたとの事実を明らかにしています。県議会議員選挙でも統一協会との癒着があったのではないかとの疑惑は、いよいよ深くなっているのではないでしょうか。
 私のところへは、3年前の参議院議員選挙のときも、自由民主党県議会議員が統一協会に選挙の支援要請に来たとの情報が寄せられています。岸田首相は10月5日の衆議院本会議での答弁で、自由民主党と教団との関係を断絶する方針を地方議員を含めて徹底すると答弁しました。自由民主党岩手県支部連合会は、岩手県におけるこれまでの国会議員、県議会議員など地方議員と統一協会とのかかわりについて、全て明らかにすべきではないでしょうか。そうでなければ統一協会との関係を断絶することはできないと考えます。
 統一協会のもう一つの顔は、国際勝共連合という反共謀略団体の顔であります。3年前の参議院議員選挙で、正体不明の謀略団体ジャパン・ガーディアンズの名前で、全国各地で反共謀略ビラが配布されました。最近、統一協会の内部文書で、このビラを信者に配布するよう指示していたことが明らかになりました。ジャパン・ガーディアンズによる反共謀略ビラは、昨年の総選挙でも岩手県内、一関市、盛岡市内で配布されました。
 知事にお聞きします。県内における国会議員、県議会議員と統一協会との深刻な癒着についてどう受けとめているでしょうか。癒着を断ち切るためには何が必要だと考えているでしょうか。
 統一協会に関係する裁判例は、刑事事件で11件、民事事件で28件に上っています。これだけの被害が報告され刑事事件化されている教団はありません。宗教法人法に基づく解散請求をすべきだと考えますが、知事の認識を伺います。
 高校再編問題の質問に関連して質問いたします。
 来年度の学級編制の計画として、沼宮内高等学校の2学級から1学級への学級減の方針が示されました。10月の定例教育委員会議で結論が出されようとしています。
 高校再編計画後期計画は、県内各地での反対運動があり、地域説明会をさらに開催して昨年5月末に策定されました。盛岡ブロックについては、進学希望が多い盛岡南高等学校と不来方高等学校の統合計画が決められました。その大きな理由は、生徒減少のもとでの盛岡一極集中を是正しようとするものでありました。実際、来年度は、盛岡南高等学校、不来方高等学校それぞれ1学級減の方針であります。
 統合計画による盛岡一極集中の是正の効果は来年度以降あらわれるのではないでしょうか。その前に周辺校である沼宮内高等学校の学級減を強行したら、何のための統合計画だったのかということになるのではないでしょうか。周辺高等学校を守るというなら、沼宮内高等学校の来年度の学級減の計画は見直すべきではないでしょうか。盛岡一極集中を是正する具体的な方針とあわせて答えてください。
 高校再編計画後期計画では、地域を支える人材の育成など、地方創生において重要な役割を担う1学級校及び1学年2学級校の学校については、できる限り維持しつつ、入学者の状況や地域の実情等を踏まえながら、そのあり方を検討しますと明記しています。高校再編計画後期計画のこの方針を貫いて、できる限り1学年2学級校の維持に取り組むべきではないでしょうか。
 岩手町では、沼宮内高等学校の魅力化をまちづくりの重要な課題として、今年度1、559万円の予算を組み、国公立大学等への進学を目指す町営の公営塾を開催しています。現在7人の生徒が参加しています。県外からの留学生の受け入れを始め、今年度3人の入学者がありました。通学費への補助、給食費への補助、下宿代への補助も実施しています。
 遅まきながら岩手町が本気になって地元の沼宮内高等学校の魅力化に取り組んでいる矢先に、県教育委員会が学級減を強行することは、まさに岩手町の取り組み、地方創生の取り組みに水をかけるものとなるのではないでしょうか。岩手町の今年度から始まった取り組みをどう評価しているのでしょうか。
 沼宮内高等学校でも、校長先生が先頭になって、沼高通信を毎月2回作成し、沼宮内高等学校の取り組みと成果について町内の中学生に届ける取り組みを行っています。私は、こうした岩手町と高等学校の取り組みは、来年度以降に必ず成果となってあらわれると感じております。教育長はそういう見通しが持てないのでしょうか。
 沼宮内高等学校の男子ホッケー部は、高体連で12連覇し、ことしのインターハイでもベスト8に入る成績を上げています。中学校でもホッケーの取り組みが盛んで、ホッケーのまちづくりを進めています。昨年の東京オリンピックでは、岩手町出身の3人のオリンピアンが活躍しました。県外の留学生も、2人はホッケーの魅力で入学しています。このすばらしい成果を応援すべきではないでしょうか。
 答弁によっては再質問します。
   
〇副議長(小野共君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
〇知事(達増拓也君) 国会議員や県議会議員と旧統一教会の関係については、非人道的な金集めや非人道的な信者の処遇に対して、お墨つきを与えていると受けとめられかねないような言動が問題になるのだと思います。
 団体の施設を訪問すること、団体の代表やそれにかわる者に面会すること、団体の行事に出席したりメッセージを送ったりすること、その他団体の活動に協力すること、また、選挙や日常の政治活動で団体から支援や協力を受けることなどは、団体が信者に対し、あるいは勧誘の相手に対し、団体の正当性を宣伝する材料になり得るので問題であると考えます。
 旧統一教会は8月10日の記者会見で、岸田首相が自由民主党の党員や閣僚に教団との絶縁を指示しているのは、今日の報道や世論に対しての気遣いがあるのではないかという趣旨の回答を行っており、例えば自由民主党やその所属議員が今後関係を絶つと言っても、教団は勧誘の現場等で、それは方便で、本当は関係は続くのだと説明する可能性があります。そのような教団の言い分を打ち消すくらいの決定的な対応が、今求められていると考えます。
 最近の記者会見でも、教団の代表は、ある程度時間がたてば、また今までのような関係を政治と持てるのではないかという趣旨の発言をしておりますので、それまでの政治の側からの教団との関係を絶つということが、教団内部には浸透していないということが言えるのだと思います。
 宗教法人法に基づく解散請求についてでありますが、喫緊の課題である被害者の救済、そして被害の防止に対し、有力な一歩となり得るものと考えます。
〇教育長(佐藤博君) まず、盛岡一極集中の緩和と沼宮内高等学校の学級減についてでありますが、盛岡ブロックの再編は、ブロック内の中学校卒業者数が、後期計画案を取りまとめた令和2年に比較しまして、令和7年には190人減少し、さらにその先も大幅な減少が見込まれることから、それにあわせた高等学校のあり方への対応が必要であることを踏まえたものであります。
 また、生徒の多様な進路希望等に応えるため、盛岡市内の高等学校への生徒の集中の緩和や学校配置のバランスを考慮の上、盛岡南高等学校と不来方高等学校について、体育、芸術、外国語等の特色ある教育を実践する学校規模の大きさを生かした発展的な統合を行い、先導的な実践に取り組むことができる教育環境を整備しようとするものであります。
 一方、沼宮内高等学校については、先ほどの答弁のとおり、平成28年から1学級規模の欠員が続いてきたところであり、直近2年間ではさらに入学者が減少していることから、管理運営規則に基づく学級減の検討対象となったものであり、しかも、町内からの入学者が2割程度まで減ってきていること、今後も町内の中学校卒業予定者数が減少する見通しであり、入学者の大幅な増加は見込めないこと等から、学級減はやむを得ないと考えているものです。
 次に、1学年2学級校の取り扱いについてでありますが、高校再編後期計画では、1学級校や1学年2学級の学校については、できる限り維持しつつ、入学者の状況や地域の実情等を踏まえながら、そのあり方を検討しますとした上で、なお、生徒数の減少等に対応し、学級数調整を行う場合がありますと明記しており、生徒数の状況により、統合や学級減を行う場合があることを示していたところです。
 次に、岩手町による沼宮内高等学校への支援についてでありますが、これまで岩手町からは、通学費や給食費の補助や部活動等への支援など、入学者の確保や学校の活性化に向けてさまざまな支援をいただいてきたところです。
 また、県教育委員会におきましても、令和2年度から高校の魅力化促進事業を実施し、高校が行う地域と連携した探究的な学習の充実や高校の魅力発信に取り組んできたところであります。しかし、同校におきましては、志願者の減に歯どめがかからず、これは先ほども答弁した数字となっております。
 岩手町とは、早い時期から入学者が低迷している状況等について情報を共有しており、40人以上欠員が生じた1年目である昨年度には、学級減の検討対象となることについても、訪問の上、説明をしてきたところでございます。
 次に、沼宮内高等学校ホッケー部の成果についてでありますけれども、同校のホッケー部やその卒業生が、国内外の大会ですばらしい成績を上げ活躍していることは、本県の誇りであり、ホッケーのまちづくりを目指している岩手町の活性化にも寄与しているものと捉えております。
 沼宮内高等学校には、今年度、ホッケーを含め3人の県外からの入学者があったことも考慮し、今後の県外からの入学者の確保のため、沼宮内高等学校が令和4年度入試から実施している県外からの志願者受け入れについて、現在の8人を維持することとしております。
 なお、県教育委員会におきましては、令和2年度から実施している高校魅力化の取り組みを拡充しまして全県展開をしております。また、県外生を受け入れている学校の広報活動を支援するとともに、ウエブサイトNOTEを活用した情報発信など積極的に展開し、県外からの入学者の確保にも努めているところでございます。
〇37番(斉藤信君) 統一協会問題について。
 10月10日の共同通信の世論調査で、統一協会問題についての自由民主党の対応は十分でないは、83.2%です。なぜこうなっているのか。私は、自由民主党が国会議員、地方議員の統一協会との癒着を明らかにしていないことが、一番の不信の原因だと思います。
 県議会として、県内の政党として、そういう癒着の実態を明らかにすることが、この問題打開の第一の関門だと思いますが、知事の認識を伺います。
 教育長、私が取り上げました昨年決まったばかりの高校再編計画後期計画では、できる限り維持しつつとなっています。できる限り努力しているのかということを私は聞きたい。昨年方針を決めたばかりですよ。盛岡一極集中是正が目的だったのではないですか。説明会でそう説明したではないですか。その効果がこれから出るのに、何でそれを強行するのか。
 遅まきながら、岩手町は今年度から本気になって取り組んでいるのですよ。私は、その具体的な内容もお知らせしました。校長も必死で頑張っています。だから、この成果は必ず来年以降あらわれると私は確信を持っています。そういう岩手町や沼宮内高等学校の新たな取り組みに水を差していいのか。やはりそういうところを励ますのが県教育委員会の仕事ではないのかと。遅まきながらですよ。しかし、今本気になってやろうとしている。
 この方針は、まだ計画で示されただけで、最終的には教育委員会議で決まるものです。岩手町からの要望、PTAや同窓会や教育振興会も要望を出しました。私たちも要望を出しました。この要望をしっかり受けとめて、間違いのないような対応をしっかりしていただきたい。
 学校を縮小するということが県教育委員会の仕事ではないと思いますよ。どうやってこの新たな取り組みを受けとめ、応援するか、ここに教育委員会の使命があるのではないですか。このことについてしっかり答えていただきたい。
〇知事(達増拓也君) 議員御紹介の世論調査の結果については、やはり国民は、旧統一教会問題についての被害の深刻さ、日本の経済と社会に対する影響の大きさ、また、安倍元首相遭難の背景でもあるという事の重大性に鑑みて、自由民主党に対しては決定的な対応を求めている、今日の報道や世論に対しての気遣い程度と受けとめられるような対応では足りないわけであります。何が悪かったのかということを明確にし、そして、その反省にふさわしい、みずからに対する厳しい処分などを世論は求めているということだと思います。
 県議会内における対応については、県議会の自治として決定されることを期待いたします。
〇教育長(佐藤博君) ただいま、いろいろ質問等いただきました。生徒数に応じた学級編制のあり方につきましては、いろいろとこれまでも配慮しながらも取り組んできたところでありますし、また、この教員の配置につきましても、全県的な視野でこの指導体制を考えていかなければならない部分もございます。
 こういった検討を進めていく上での中心となるものは、生徒だと思います。生徒中心でいろいろと考えていかなければなりません。高校生の学びであるとか部活動、地域との連携あるいは探求活動に取り組んで、そして成長し、自分の目標が達成できるように取り組んでいるわけであります。1学級校になったとしても、そのような学びがしっかり確保できるよう、県教育委員会として、設置者として努めていくことが大事だと思います。
 沼宮内高等学校の学級減の取り扱いについて、ただいま議員からもお話がありましたように、岩手町や同窓会等からの要望書等もいただいておりまして、これは、既に教育委員の皆さんにも説明しております。さらに、今定例会における質疑等についても報告をさせていただいた上で、協議をさせていただきたいと思います。
〇副議長(小野共君) 以上をもって一般質問を終結いたします。
   
   日程第2 認定第1号令和3年度岩手県一般会計歳入歳出決算から日程第55 議案第36号損害賠償請求事件に係る和解及びこれに伴う損害賠償の額を定めることに関し議決を求めることについてまで
〇副議長(小野共君) この際、日程第2、認定第1号から日程第55、議案第36号までを一括議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、発言を許します。斉藤信君。

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