令和4年9月定例会 決算特別委員会会議記録

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令和4年10月24日(月)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 中 村 佳 和
議事管理担当課長 藤 平 貴 一
主任主査 佐 藤 博 晃
主任主査 糠 森 教 雄
主任主査 増 澤 綾 子
主任主査 及 川 雄 也
主査 阿 部 真 人
主査 刈 屋 江美子
1説明員
環境生活部長 福 田   直
技監兼環境担当
技監兼廃棄物特別対策室長 佐々木 健 司
副部長兼
環境生活企画室長 浅 沼 秀 行
若者女性協働
推進室長 田 丸 裕佳子
環境生活企画室
企画課長 中 村 公 一
環境生活企画室
管理課長 米 内 敏 明
グリーン社会推進課長 高 橋 政 喜
ジオパーク
推進課長 土 澤   智
環境保全課
総括課長 加 藤 研 史
資源循環推進課
総括課長 佐々木 秀 幸
自然保護課
総括課長 酒 井   淳
県民くらしの
安全課総括課長 佐 藤 義 房
食の安全安心課長 千 葉   正
消費生活課長 大 坊 真紀子
特命参事兼
再生・整備課長 田 村 良 彦
廃棄物施設
整備課長 古 澤   勉
特命参事兼
青少年・男女
共同参画課長 鎌 田 泰 行
特命参事兼
連携協働課長 下 川 知 佳

労働委員会
事務局長 千 葉 義 郎
参事兼審査調整課
総括課長 谷 藤 親 史

商工労働観光部長 岩 渕 伸 也
副部長兼
商工企画室長 高 橋 孝 政
参事兼経営支援課
総括課長 阿 部   博
定住推進・雇用
労働室長 三 河 孝 司
ものづくり自動車
産業振興室長 十良澤 福 志
観光・プロ
モーション室長 高 橋 利 明
商工企画室
企画課長 小野寺 重 男
商工企画室
管理課長 藤 枝   修
特命参事兼
新産業育成課長 藤 澤 壮 仁
産業経済交流課
総括課長 畠 山 英 司
地域産業課長 金 野 拓 美
特命参事兼
雇用推進課長 駒 木 豊 広
特命参事兼
労働課長 四 戸 克 枝
特命参事兼
ものづくり産業
振興課長 小 野 和 紀
自動車産業
振興課長 小笠原   徳
特命参事兼
産業集積推進課長 松 本   哲
プロモーション
課長 千 葉 敬 仁

会計管理者 木 村   久
会計課総括課長兼
会計指導監 今 雪 博 貴

監査委員 五 味 克 仁
監査委員 中 野 玲 子
監査委員事務局長 藤 澤 良 志
監査第一課
総括課長 及 川 博 英
監査第二課
総括課長 佐々木 良 生

財政課総括課長 山 田 翔 平
〇名須川晋委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、及び議案第37号から議案第39号までの以上18件を一括議題といたします。
 本日は、環境生活部、労働委員会及び商工労働観光部関係について、延べ21人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたしましたので、議事進行に御協力をお願いします。
 また、関連質疑の取り扱い、換気のための休憩につきましては、これまでと同様でありますので、御協力をお願いします。
 初めに、環境生活部長に、環境生活部関係の説明を求めます。
〇福田環境生活部長 令和3年度の環境生活部の決算について御説明申し上げます。
 初めに、当部所管の事務事業に係る取り組みと成果及び今後の取り組み方針について、総括的に御説明いたします。
 当部では、東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてを目指し、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる政策の着実な推進に取り組んでまいりました。
 まず、復興推進関係についてですが、災害に強く、安全で安心な暮らしを支える防災都市・地域づくりに向け、被災家屋等への再生可能エネルギーの積極的な導入を進めるとともに、観光資源の再生への支援と、新たな魅力の創造に向け、三陸ジオパークの魅力を発信できる人材の育成などに取り組みました。
 続きまして、政策推進関係でありますが、自然環境の分野では、多様ですぐれた環境を守り、次世代に引き継ぐため、鹿等の野生動物による被害防止対策の推進や、自然公園施設の整備を進めました。
 また、循環型地域社会の形成に向け、廃棄物の発生抑制や、再使用・再利用の促進や、公共関与による新たな産業廃棄物最終処分場の整備に取り組みました。
 参画の分野では、性別や年齢にかかわらず活躍できる社会をつくるため、男女共同参画センターを拠点とした学習機会の提供や、若者や女性が活躍できる環境づくりに取り組みました。
 今後も、新型コロナウイルス感染症拡大防止策に取り組みながら、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる政策の着実な推進を図ってまいります。
 続きまして、令和3年度の当部関係の決算の概要について御説明申し上げます。
 お手元の令和3年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。環境生活部関係の決算は、3款民生費2項県民生活費の一部と、4款衛生費2項環境衛生費、16ページに参りまして、12款公債費1項公債費の一部と、13款諸支出金2項公営企業負担金の一部であり、予算現額の総額は114億16万円余、これに対する支出済額の総額は98億8、600万円余であります。
 恐れ入りますが、12ページにお戻りいただきまして、
令和4年度への繰越額は9億3、185万円余であります。決算の内容につきましては、令和3年度歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で、環境生活部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇名須川晋委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇小西和子委員 初めに、新型コロナウイルス感染症の影響により困難を抱えている女性を支援するためのいわて女性のスペース・ミモザの活動等について伺います。
 一つ目、2021年度のいわて女性のスペース・ミモザの活動実績について伺います。
〇鎌田特命参事兼青少年・男女共同参画課長 2021年度のいわて女性のスペース・ミモザの活動実績についてでございますが、いわて女性のスペース・ミモザは、新型コロナウイルス感染症の影響により、困難を抱える女性を支援するため、昨年7月に国の地域女性活躍推進交付金及び新型コロナウイルス感染症対応地方創成臨時交付金を活用して開設し、コロナ禍で困難を抱える女性の相談対応や居場所づくり、女性用品の提供等を行っているところでございます。
 昨年度は、電話や対面、メール等で延べ736件の相談が寄せられ、これらに対応したほか、市町村や大学、全県立学校等に4、771人分の女性用品を提供したところでございます。
〇小西和子委員 それでは、2022年度直近のいわて女性のスペース・ミモザの活動実績についてお伺いいたします。
〇鎌田特命参事兼青少年・男女共同参画課長 2022年度の直近のいわて女性のスペース・ミモザの活動実績についてでございますが、本年9月末現在、精神不安や家族関係、仕事等に係る延べ433件の相談に対応してきたほか、女性用品につきましては、昨年度よりも大学や私立高校等への提供を拡充しまして、5、733人分の提供を行っているところでございます。
〇小西和子委員 昨年度は二つの団体に依頼して行ったわけですけれども、今年度は一つの団体で行っているということで、進み方が昨年度よりも早い傾向にあるのではないかと思いましたし、女性用品の提供につきましても、昨年度の実績を上回っているということで、非常に頼りにされている、そういう取り組みだと見ております。
 それでは、このようないわて女性のスペース・ミモザの活動の評価についてお伺いいたします。
〇鎌田特命参事兼青少年・男女共同参画課長 いわて女性のスペース・ミモザの活動の評価についてでございますが、これまで、ミモザへの具体的な相談内容としまして、人と話せず孤独を感じる、手助けがなく育児にストレスを感じる、労働時間が減り収入が減少した、などがありまして、ミモザ相談員に話したことで気持ちが楽になった等の意見があったところでございます。
 また、学生からは、女性用品が提供されたことで、経済的にも精神的にも救われたといった声が多数寄せられているところでございます。
 コロナ禍で、女性が抱えるさまざまな困難を受けとめ、寄り添った支援を行うミモザの取り組みにつきましては、女性一人一人の安心感の醸成や課題の解決に向けた糸口に結びついているものと認識しているところでございます。
〇小西和子委員 今、苦しんでいる女性の方々は本当に大勢いらっしゃいますけれども、コロナ禍で不安とか孤独を抱える女性に対して寄り添った支援ができている。そういうふうに私も同感でございます。
 それでは、この項の最後です。生理の貧困に係る市町村の取り組みと評価についてお伺いいたします。
〇鎌田特命参事兼青少年・男女共同参画課長 生理の貧困に係る市町村の取り組みと評価についてでございますが、昨年度は、7市町村において、予算措置や防災備蓄の活用、寄付等により女性用品を独自に調達し、提供しているほか、これらの市町村を一部含む提供希望のありました29市町村に対して、ミモザから女性用品を送付したところでございます。
 今年度は、9市町村が予算措置等により調達し、提供しているほか、これらの市町村の一部を含む提供希望のあった26市町村に対して、ミモザから女性用品を送付しており、市町村では、保健センターや社会福祉協議会の窓口、小中学校等で提供が行われていると聞いているところでございます。
 ミモザには、女性用品の提供により、経済的にも精神的にも救われたといった声が多く寄せられているところでございまして、住民に身近な市町村で提供が行われることにより、コロナ禍で不安や孤独を抱える女性への支援の充実につながっているものと認識しているところでございます。
 今後も引き続き、市町村とも連携しながら支援の充実を図っていきたいと考えております。
〇小西和子委員 ほとんどの市町村で取り組みを行っている。これも、皆様方がいわて女性のスペース・ミモザの活動を実現したことによって進められたことと捉えております。敬意を表したいと思います。
 次に、ジェンダー平等社会実現と人口減少対策について伺います。環境生活部若者女性協働推進室の青少年・男女共同参画担当の皆様方は、本当に人員が限られているのですよね。その中で、岩手県のジェンダー平等社会実現のために奮闘していらっしゃることに敬意を表します。
 いわて県民計画(2019〜2028)第2期アクションプラン政策推進プラン策定状況等についてにもあるように、岩手県における若年女性の人口流出に歯どめをかけるためにも、ジェンダーギャップ―社会的、文化的に築き上げられた男女格差の解消に取り組むべきと考えます。
 昨年度行いました男女がともに支える社会に関する意識調査というのがありますよね。それから、岩手県男女共同参画年次報告書は、令和2年度分ということでしたが、昨年度まとめたものということで、取り組みのヒントがたくさんありました。
 そこで初めに、女性も働きやすく、働きがいを感じる事業所をふやすことを通じた職場のジェンダーギャップ解消の取り組みをまず進めてみてはどうでしょうか、お伺いいたします。
〇鎌田特命参事兼青少年・男女共同参画課長 職場のジェンダーギャップ解消の取り組みについてでございますが、県では、女性も働きやすく、働きがいを感じる事業所をふやすため、いわて女性の活躍促進連携会議と連携しまして、女性活躍のための経営者セミナーの開催や、いわて女性活躍推進員の企業訪問によるいわて女性活躍企業等認定制度の普及拡大、働き方改革の推進等に取り組んでいるところでございます。
 この結果、認定制度の延べ新規認定数は、本年9月末現在で379社と、着実に増加しているほか、昨年6月には、東北地方で初めて国のプラチナえるぼし認定企業が誕生するなど、先導的な事業所もふえてきており、女性が働きやすい職場環境づくりが推進されているところでございます。
 今後も引き続き、企業、団体の経営のトップ層の意識改革に向けた働きかけや、仕事と生活の両立に向けた働き方改革の推進に向けた取り組みを行うなどにより、官民が連携して、女性が働きやすい環境整備に取り組んでいきたいと考えております。
〇小西和子委員 私のところに、一般県民からこのようなメールが届きました。就労規則すら定めていない企業が多数あります。岩手県はジェンダー問題に取り組んでいますよなどと宣言されたところで、全然取り組んでいないのではないですかとしか思えないわけです。今、底辺のところで苦しんでいる人たちの声です。Uターン就職を歓迎しますと言われても、求人票に示される月収が十数万円では、人間らしい生活が到底不可能であることは一目瞭然ですということで、恐らくいい取り組みをされているのですけれども、一方で、そうやって日々生きるために苦労している人たちもいるということで、その底辺と言うのは失礼ですけれども、生活をするのに精いっぱいな人たちも含めて、底上げを図ることが重要かなと考えます。
 続けます。県は、次年度に、人口減少対策に向けた新たなポストの設置を検討していると、今定例会で説明しております。市町村や民間団体を含めた全県的な推進体制を構築し、取り組みを加速させるとしております。
 組織体制については、今後検討することと思いますが、これまで、岩手県の男女共同参画を推進して、取り組みを蓄積してこられた皆様方のこれらの実績を生かしていただきたい、そういうふうに思います。ですから、先ほどもお話にあった、職場に加えて、家庭、地域、学校を含む県全体のジェンダーギャップ解消に向けた取り組みについて、新たに設置する人口減少対策ポストで議論を始めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇鎌田特命参事兼青少年・男女共同参画課長 県全体のジェンダーギャップ解消に向けた取り組みについてでございますが、先ほどの職場のジェンダーギャップ解消に向けた取り組みと連動しまして、家庭や地域、学校等のさまざまな場において、ジェンダーギャップが解消されるよう、いわて男女共同参画プランに基づきまして、県民や事業者、団体等と一体となって、政策方針決定への女性参画の拡大や、男女共同参画を推進する教育の充実、意識改革等に取り組んでいるところでございます。
 新たに設置する人口減少対策ポストにつきましては、総務部において今後検討していくと聞いておりますが、引き続き、あらゆる分野においてジェンダーギャップが解消されるよう、総合的な取り組みを推進してまいります。
〇小西和子委員 どうぞよろしくお願いいたします。
 実は、首都圏から岩手県に移り住んだ方からの話です。結婚していて、子供もいらっしゃる方ですけれども、岩手県は、家父長制が根強く残っているということでお叱りを受けました。家父長制はわかりますよね。そして、すごく生きづらいということです。嫁とか姑、舅とかそういう感じでございますね。そこで、そういうことにも私たちも気づかなければならないと思うのです。今まで、当たり前だと思ってそういう風土にどっぷりつかってきた私たちですけれども、ほかから見たら、大変保守的な土地柄なのだなと思われていることを受けとめなければならないなと私自身思いました。
 昨年も紹介しましたけれども、兵庫県豊岡市では2021年3月に、豊岡市ジェンダーギャップ解消戦略を策定いたしました。そして、取り組みを進めています。当事者の声をしっかりと聞いて、その取り組みに反映させているのですね。専門家にアドバイザーを依頼して、精力的に推進しているところであります。岩手県も、内側の人で気がつかないことをアドバイザーにいろいろと御指導いただければいいのではないかなと思った次第であります。
 では最後に、福田環境生活部長に岩手県のジェンダー平等社会を実現するための決意をお伺いして、終わりにしたいと思います。お願いいたします。
〇福田環境生活部長 先ほどお話がありましたミモザにも、数多くの相談が寄せられているところでありますけれども、女性活躍は三つの点で重要だと考えておりまして、一つ目が、何よりもジェンダー平等な社会を実現するという上で、二つ目が、本県が人口減少時代を生き残る上で、それから三つ目が、個々の企業の経営戦略の上でも不可欠なことだと思っております。
 あしたも、女性活躍企業の認定書交付式があるのですけれども、既に認定数が目標を大きく上回っているという状況でございます。そういったことも踏まえて、引き続き女性活躍の促進に力を入れていきたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 私からは、いつもどおり、野生鳥獣の被害状況等をお伺いしたいと思います。まず、鹿、熊、イノシシ等が、今、岩手県に大変ふえているわけでありますが、その被害状況はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
〇酒井自然保護課総括課長 鹿、イノシシ、ツキノワグマの捕獲頭数と被害状況についてでございますが、令和3年度の捕獲頭数は、鹿が前年度比6、108頭増の2万6、839頭、イノシシは前年度比283頭増の945頭となっており、いずれも過去最多となっております。
 ツキノワグマの捕獲頭数は、前年度比94頭減の461頭となっております。
 農業被害額につきましては、速報値でございますが、鹿が前年度比約1、300万円減の約2億1、400万円となっており、農業被害額の全体の2分の1程度を占めております。また、イノシシにつきましては、前年度比約2、400万円増の約5、200万円となっておりまして、こちらは、年々増加傾向となっております。
 ツキノワグマにつきましては、人身被害になりますが、令和3年度は14名でございましたが、今年度につきましては、10月20日時点で22名になっており、過去最多でございました令和2年度に迫る状況になっております。
〇城内よしひこ委員 これまで、私は何度となく取り上げてきたのですが、環境はまだ全然いい方向には向いてないと思っています。鹿も県内に満遍にいますし、イノシシもふえてきた。早いうちに手を打つべきだったということに尽きることであります。
 問題を指摘したいのは、全体の数をもう一度把握し直さなければならないのではないか。それによって、駆除であったり保護であったりという計画を立て直す必要があるのではないかと思うのですが、その辺は、どのように今後の流れとしてあるのか、お伺いしたいと思います。
〇酒井自然保護課総括課長 捕獲対象となっております野生鳥獣の推定生息数でございますけれども、今年度スタートした形でございますが、それぞれ管理計画を定めております。こちらの管理計画を定める際に、全県下をモニタリングいたしまして、推定生息数の把握に努めているところでございますが、例えば鹿をとった場合につきましても、現在の計画では、約10万頭ということで推定生息数を把握しているところでございますが、ただ、モニタリングの考え方によっては幅がございまして、こちらも約8万頭から15万頭ぐらいの幅の中で、今回の計画の中では、中央値の10万頭の推定生息数を定めたということで、野生鳥獣につきましては、推定生息数を非常に把握しづらいというところがございますけれども、他県の例とか、モニタリング手法につきましても、日々進歩している部分がございますので、こうした新しい手法の研究なども行いながら、正確な把握に努めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 これまでも、なるべくとってくれと、被害状況は、皆さん全部が全部申告しているわけではなくて、もう面倒くさくて、諦めムードで申告しない方々がたくさんいる。でも、イノシシなどによる被害の数字がこうやって出てくるのは、田んぼ等に入って荒らすという、その現状があるからであります。そういったことを考えると、早め早めに手を打つべきだと思いますし、先ほどの数字で言うと、10万頭よりも、15万頭を想定して、それに向けて対策をとっていくほうが、私はベストだと思っています。
 そして、重要なのは、猟友会等も含めて捕獲をする団体、あと農業関係、もちろん保護する環境生活部の方々もそうですが、狩猟免許を許可する警察と、あとは農業共済等、いろいろな方々と一度協議会等をつくって、どういう状況なのか、そういう全体の立場で物を考えていかないと、皆さんのところだけで背負ってしまうと、どんどんネズミ算的にふえてくる。これまでも指摘しましたが、鹿を駆除したら、猟友会が山里までなかなか持って来られない状況があるということで、大半を山に廃棄して、そうすると、それを別な熊などが食べる。そうすると、熊もふえていくということであります。そういうこともつながっているのではないかという観点も含めて、ぜひしっかりと検討してほしいと思うのですが、その辺はどうでしょうか。
〇酒井自然保護課総括課長 二つの御質問ですが、まず連携の体制についてでございますけれども、農林水産部と我々でこうした有害鳥獣の関係については取り組んでいるのは御承知のことかと思いますけれども、特に鹿及びイノシシ等に関しましては、捕獲の促進や、侵入防止策等の設置などに加えまして、地域住民の方々が地域ぐるみで防止対策に取り組むことが非常に重要な取り組みと考えております。
 現在、県では、広域振興局単位で鳥獣被害防止対策連絡会を定期的に開催いたしまして、それぞれの関係者が、被害防止に対する情報共有等をしながら取り組みを進めているところでございます。
 また、特にツキノワグマは、今年度人身被害が数多くなっておりますが、今年度初めて、警察や市町村、専門の方々などが一堂に会しまして、特に市街地に出没した場合を想定した机上訓練を実施したところでございます。こちらの中では、関係法令を踏まえた市街地における銃使用が非常に難しいといった、その制限の部分であったり、実際の現場における指揮命令系統の必要性などについて、認識の共有を図ったところでございまして、今後におきましても、こういった取り組みなどを対応に生かしていきたいと考えております。
 次に、個体の処理の関係でございますけれども、環境生活部で行っています指定管理事業ですと、我々数字を把握しておりまして、令和3年度に県が委託した捕獲頭数1万1、810頭のうち、従事者による消費が約半数の5、345頭、残りが埋設と焼却で6、465頭になっております。
 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律におきまして、捕獲等をした鳥獣につきましては、放置することは原則禁止とされておりまして、基本的には持ち帰るか、持ち帰れない場合は、その場で埋設するのが基本方針になります。
 こちらの状況につきまして、猟友会にお話を聞きましたところ、県内で放置している事例自体はわずかではないかと聞いているところでございますけれども、先生おっしゃったとおり、放置しますと、ほかの動物の餌になるというところと、また、それによって生態系に影響が生じるというところもございますので、狩猟事故防止研修会や、鳥獣保護巡視員による指導といったような形で、適切な固体処理につきまして、徹底を図っているところでございます。
〇城内よしひこ委員 以前、私、この場で、そのうち電気柵の中で、おりの中で人が暮らす状況が来るのではないかという話をさせていただいたら、皆さんが笑っていましたけれども、まさに今、そういう状況ですよね。鹿は来るし、熊は町場に出る、盛岡市にも出てきているという状況ですし、道路を走っていると、一シーズンに三、四回ぐらいは道に鹿が寝ていますよね。ディーゼルカーもとまるし、そういう状況を考えると、これは本当に大きな問題だと思うのですよ。だからこそ、前任の白水環境生活部長が重要課題だと話して、退任されていきましたけれども、まさに岩手県にとってそういう重要課題だと私は思っています。
 福田環境生活部長、新しく岩手県に来られて、環境が豊かだとかそういう世界ではない状況にあるというのは、今の話でわかっていただけたと思います。今後、予算もない中で、大変だろうけれども、私は、以前、駆除をしろと言うと、いずれ規制するという話をしたのですけれども、10年前はほぼゼロだったのですよ。ところが、今になると、推定頭数が15万頭とかという話になると、これは大変な事態だと、ゆゆしき事態だと思うのですが、その辺どうでしょう。
〇福田環境生活部長 野生鳥獣の管理につきましては、御指摘のとおり、県政の重要課題の一つだと認識しておりまして、鹿、熊いずれも、捕獲頭数の目標や上限を引き上げておりますほか、イノシシについても捕獲実績をふやすといったことをしてきております。そういった点で、ギアを切りかえて対応をしていく必要があると認識しております。
 それから、寄せつけないためのやぶの刈り払いとか、そういった総合的な対応も必要になってまいりますので、関係機関と連携しながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇工藤勝子委員 今、鹿対策とか熊の対策についてお話がございました。そういう中において、私も遠野市に住んでおりまして、遠野市は、子供の数よりも鹿の数が多くなってきているのです。そういう状況の中で駆除を進めなければならない。猟友会の人たちは高齢化してきているという状況があります。そういう中で、前も聞いたことがあるのですけれども、農業以外に、今、鉄道の話も出ましたけれども、何か別な方面の被害を把握していらっしゃるのでしょうか。
〇酒井自然保護課総括課長 ただいまの御質問は、いわゆる鳥獣による被害といった場合ですと、基本的には大きくは農業被害という形で把握しております。熊の場合は人身被害もございますが、大きくは農業被害と人身被害という形になります。
〇工藤勝子委員 農業の被害だけだと、かなり予防もしていますので、限られている部分があると思うのです。けれども、これは社会に与える影響はかなり大きいはずです。JR釜石線には、急ぐときは乗らないのです。なぜかというと、もし仮にぶつかると、1時間はおくれるのです。会議に間に合わない。こういう状況がしょっちゅう起きています。それから、自動車事故もかなりあります。農業被害のほかに、こういう状況で、人的被害は熊だけですけれども、県として調査しておくべき必要があるのではないかなということを申し上げたいと思っております。
 それから、鹿とか熊には、市町村境がないのです。要するに、越えて歩いているわけで、県内全般に広まってしまったわけです。そこで大槌町ではジビエ料理等もやっていますが、セシウムの関係は、現在はどのようになっているのですか。
〇酒井自然保護課総括課長 野生鳥獣の放射性物質の関係につきましては、毎年、県で定期的にモニタリングを実施しているところでございますが、いまだに、セシウムが検出される検体があるということで、全県下で出荷制限がかかっているという状況になっております。
〇工藤勝子委員 多分、一頭一頭きちんと検査をして、それで料理に使っていると思うのです。遠野市でも検査をすれば、検出される鹿もあるし、検出されない鹿もあるという話を聞いていますので、猟友会の人たちが処理をするだけでなくて、そういう検査をして、そういう形で少しは利用できる方向性も示していってもいいのではないかなと思うのです。釜石市の鹿が遠野市にも来ている、遠野市の鹿も釜石市に行っているわけです。そういう状況を考えると、検査体制をしっかりしながら、猟友会の人たちがいろいろな形の中で、食に活用できる、そういう部分も考えていただければと思います。
 また、よく言われるのは、一箇所でもいいですから、きちんとした処理施設が欲しいということです。その検討をされているのかどうかをお聞きしたいと思います。
〇酒井自然保護課総括課長 処理施設の関係についての御質問でございますけれども、基本的には、捕獲した固体の処理につきましては、どういう扱いになりますかというと、いわゆる一般廃棄物という扱いになっておりますので、基本的には、この処理につきましては、市町村の事務と考えているところでございます。
 ただ、全国を見渡しますと、市町村が連携いたしまして、広域的に処理施設を設置している例などもございますので、こういったジビエの利用等も想定した処理の部分につきましては、こういった情報を市町村とも共有させていただきながら、取り組みを進めていければと考えております。
〇工藤勝子委員 そういう形の中で、猟友会からの要望もありますし、あちらこちらにつくるというわけではありませんので、どこか広域で、1カ所で、そういうところできちんと検査もできる、処理もできる、そして、廃棄物に回すもの、利用できるもの、そういうものを区分けしながら、少しでも頭数を減らしてほしいなという思いからであります。
 もう一点ですけれども、早池峰山麓で希少植物を保護するために囲いをつくっているはずでありますが、この成果と課題についてお伺いします。
〇酒井自然保護課総括課長 早池峰山の、特にニホンジカの高山植物の食害でございますが、こちらにつきましては、毎年、県は、森林管理者などと連携いたしまして、いわゆる鹿よけの柵を設置させていただいているところでございまして、こちらも定期的にモニタリングをして、その囲んだところについては植生の回復等が確認できるということで、柵の設置によって一定の効果はあるものと考えております。こちらについては引き続き取り組みを進めていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 終わりにしたいと思います。希少植物は、ハヤチネウスユキソウを初めとして、岩手県にとってなくしてはならない植物のはずです。そういう形の中で、今後、この囲いをもう少し広げてつくっていくことは考えていらっしゃらないでしょうか。
〇酒井自然保護課総括課長 早池峰山の鹿の食害対策でございますが、こちらは実際のところ、我々、県の職員が実際に現地に行って、手ずからその柵を設置するという形で対応させていただいておりまして、マンパワーの関係等もございますので、まず、関係機関の連携の幅が広がってくれば、範囲の拡大といったところも含めて検討させていただければと考えております。
〇工藤勝子委員 最後にしようと思いましたけれども、マンパワーとかとありますけれども、そういうことを言っているときではないと私は思うのですよ。守るべきものはしっかり守って、後世に残していくということが、今、非常に大事なのです。この貴重なハヤチネウスユキソウとか、早池峰山にある希少な植物は、なくなってしまってから再生しようと思っても再生できないのですよ。そういう形の中で、予算も厳しいかもしれませんけれども、環境生活部として、国でもいいですし、声を上げて、守るべきものをしっかり守っていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇高橋穏至委員 私は、今回、通告していましたけれども、内容が重複しますので、ここで質疑して、私の番はなしにしてもらえればと思います。
 この鳥獣被害の現状等は、今、質疑の中で出たわけですけれども、私からは、今後の展開をどうするかということで、今、第13次鳥獣保護管理事業計画の中で、令和4年度から令和8年度のそれぞれの鹿対策、イノシシ対策の計画が立てられております。先ほどの説明で、捕獲頭数と実績も出てきましたが、令和4年度―今年度は3年度に引き続き、2万5、000頭を目標に、これは指定管理と農林の有害鳥獣と二つの事業でやっているわけですが、先ほど、現状10万頭、でも、8万頭から15万頭までいると推定されるということでした。この計画では、令和5年までに半減を目指して捕獲をしていくという目標を立てているのですけれども、2万5、000頭では、とるのは半分ですけれども、その間ふえるわけで、半分には到底届かないだろうという計画になっているのではないかなと思います。
 そんな中で、関係者が心配しているのは予算です。着実に上乗せしてきたのですけれども、予算がないからといって、ふえることはあっても減らされたらもうこの計画は絵に描いた餅に終わるのではないかと思うのですが、その見込みについてお伺いしたいと思います。
〇酒井自然保護課総括課長 まず、捕獲の目標の関係と予算の関係とでよろしかったでしょうか。
 まず、捕獲の関係につきましては、委員御指摘のとおり、鹿の例をとりますと、約10万頭の推定生息数に対して、捕獲目標は2万5、000頭ということで取り組んでおりますが、現在の推計でまいりますと、2万5、000頭でいきますと、今のところ10万頭と推計しているところでございますが、今おっしゃった、半減というところまでは少し難しいと考えております。
 ただ、理想的には、もう少しとりたいところではございますけれども、一方で予算の関係ももちろんございますけれども、実際に狩猟に携わるハンターのいわゆる人数と労力等の関係で、2万5、000頭以上の部分は現実的になかなか厳しいというところもございまして、現在、まずは、その2万5、000頭の計画で確実に減らしていくという方針で取り組んでいるところでございます。
 予算の関係についてでございますが、我々の決算ということで1例をお示しさせていただきますと、まず、環境省の指定管理鳥獣捕獲等事業でございますけれども、昨年度の事業費は2億3、400万円で、こちらにつきましては、国庫3分の2となっておりまして、補助額は1億5、300万円ということで、今年度も同様のスキームで予算を確保して、取り組みを進めているところでございます。
〇高橋穏至委員 実際、とる人手というお話が出ましたけれども、予算の仕組みとして、環境者から3分の2が来ているということですけれども、年度当初に計画の予算を立てなければ、これは来ないのではないかなと思うのですが、そこら辺は、例えば令和5年度予算を組むときとか、そういうのはどうなっているのでしょうか。
〇酒井自然保護課総括課長 基本的には、今定めております鳥獣保護管理事業計画にのっとった捕獲頭数に従って指定管理の分と有害捕獲の分を振り分けるような形で、国庫補助申請をいたしまして、予算獲得をしているということでございます。
〇高橋穏至委員 予算の枠の中で、有害捕獲と指定管理ということでやるわけですが、予算だけではなくて、とれる期間が違うわけですよね。有害鳥獣は主に夏のシーズンで、それが終わってからが指定管理という形で、予算の配分だけではなくて、その活動が実際できるような予算をしっかりと確保して、令和5年度以降も対策をとっていただき、先ほども何度も出ていますけれども、農業被害が拡大しておりますので、しっかりとした予算確保をお願いして終わりたいと思います。
〇高橋但馬委員 私は、温泉法施行事務費についてお伺いいたします。
 源泉利用状況報告書の最新版、ありがとうございました。令和2年度の3月末から新しいデータベースで、82件から81件になっているのですけれども、これは、ゆうあいの里が閉業した関係で一つ減っているという理解でよろしいでしょうか。
〇酒井自然保護課総括課長 温泉利用状況報告書につきましては、毎年、定期的に利用状況を報告いただいているものでございますが、基本的には、その利用しているものとか、あとは未利用ですけれども、その源泉までまだ廃止していないようなものも含めて報告をいただいているところでございますので、その時々の状況によって多少の増減はあるという報告書になっております。
〇高橋但馬委員 温泉利用状況報告書に反映させるための温泉の現況把握については、申請書類のほか、広域振興局保健福祉環境部が定期的な立入検査を行っていると思います。どのようなチェックを行っているのかお知らせください。
〇酒井自然保護課総括課長 立入検査でのチェックでございますけれども、一般的に、新たに温泉利用の許可申請が出てきた場合ということでございます。こちらにつきましては、申請の都度、広域振興局におきまして、現地調査を行っております。その際に、温泉の湧出量であったりとか、それが自然湧出なのか、いわゆる動力を使ったものなのかといったような別、あとは、その源泉の状況であったり、実際に使う浴室の構造、あとは、その温泉の成分、こういったものなどを確認させていただいているところでございます。
 また、定期的な立入検査でございますけれども、頻度といたしましては、こちらは年に1回で、それぞれ管内の所管している3分の1ということですので、全県下で考えれば3分の1ということになりますので、一つの施設につきましては、大体3年に一遍ぐらいの頻度で検査が来るという形になりますが、こちらで施設の利用状況や、温泉の成分の表示をきちんと掲示してあるかといったようなところ、あとは、施設そのものの衛生状況といったものを、当初、許可申請があった際の内容と整合しているかどうかといったことを確認させていただいているところでございます。
〇高橋但馬委員 例えば、盛岡市つなぎ地区の未利用源泉の自噴の6カ所、動力2カ所となっているのですが、自噴の6源泉のほとんどが数十年前に自噴が途絶えて、今後、利用できない閉鉱状態にあると。温泉関係事務処理要領によると、自噴していないところが出てくる箇所は、温泉掘削の許可の第2の(6)の1と2に該当しますが、そのほかに、自噴がもう途絶えている温泉を県として把握というか、反映する必要はないのでしょうか。
〇酒井自然保護課総括課長 閉鉱状態の温泉についてでございますけれども、温泉法施行条例に基づきまして、温泉の利用権者の方が、その温泉の利用を廃止した場合や休止した場合につきましては、知事に届け出ることになっておりまして、こちらを台帳に反映させていただいているところでございます。我々のほうで、台帳上はいまだ未利用となっているけれども、高橋但馬委員がおっしゃったような、実際に見てみると、いわゆる閉鉱状態なのではないかといったところに関しましては、我々の台帳上は未利用という形にはなるのですけれども、ただ、地元の温泉組合とか、何らかの形でそういった事実関係等について情報提供があった場合につきましては、現地を確認させていただいて、実際の最初の許可の方に、どうなのでしょうかということで確認させていただいて、例えば、廃止届の提出を促す、そういった形で現状把握を進めていければと考えております。
〇高橋但馬委員 その手続を踏んだ後であれば、温泉利用状況報告書にその数値が反映されるということでいいですか。
〇酒井自然保護課総括課長 温泉利用状況報告書の調査対象ということですけれども、こちらにつきましては、基本的には現に利用されているものということになりますので、既に、温泉自体の採取をやめてしまったという廃止届が出ているものに関しましては、現況の利用状況報告の対象にはなっておりませんので、こちらは、過去に廃止された温泉だということを台帳で把握させていただいているという状況でございます。
〇名須川晋委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午前10時53分 休 憩
午前11時12分再開
〇名須川晋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇工藤勝博委員 再生可能エネルギー導入促進事業についてお伺いいたします。
 まずもって、令和3年度までの太陽光、風力、地熱、水力等の設置状況についてお伺いいたします。
〇高橋グリーン社会推進課長 国が公表しております、固定価格買取制度の認定を受けた発電設備についてお答えいたします。
 最大出力1メガワット以上の発電設備は、本年6月末時点になりますが、太陽光が152カ所、風力が6カ所、地熱が1カ所、水力3カ所、バイオマスが10カ所となっております。このほかに、固定価格買取制度の認定を受けていない設備もございます。例えば地熱発電所は、ほかに2カ所ございまして、現状としましては、3カ所が稼働しております。その他、水力発電についても数多く設置されているところでございます。
〇工藤勝博委員 再生可能エネルギーは、東日本大震災津波以降2012年から、FITという買取制度ができてから、大変急速に拡大していると思いますけれども、令和3年度でも、10億4、000万円余の貸し付け事業があります。その貸し付け事業者の貸し付け件数とか実績をお知らせください。
〇高橋グリーン社会推進課長 再生可能エネルギー発電施設等立地促進貸付金についてでございます。この貸付金は、県内の中小企業者などが再生可能エネルギー設備を導入する際、金融機関を通じて資金を貸し付ける事業でございます。金融機関から貸し付け対象事業者の報告は求めていないことから、貸し付け件数のみのお答えとなりますが、令和3年度の実績は、7件の実績になっております。
〇工藤勝博委員 大規模な太陽光発電等には、県外といいますか、外資系の企業も大変多く入っていると思いますけれども、その辺の取り扱いの状況はどうなのでしょうか。
〇高橋グリーン社会推進課長 貸付金についての取り扱いになりますけれども、この貸付金の対象者につきましては、中小企業者、県内に再生可能エネルギー設備を導入する事業者となっております。
〇工藤勝博委員 了解いたしました。
 急拡大している再生可能エネルギーですが、ことしですけれども、東北電力ネットワーク株式会社の出力制御があったり、そういう中ですけれども、県では、2030年までに電力自給率61%という目標を掲げています。そういうことについては、あわせて、電力抑制がある中で、再生可能エネルギーを拡大するという、その辺での対応はどういう状況なのでしょうか。
〇高橋グリーン社会推進課長 再生可能エネルギーによる電力自給率の目標達成に向けた取り組みでございますが、今年度、改訂を予定しております第2次岩手県地球温暖化対策実行計画では、2030年度の再生可能エネルギーによる電力自給率を66%に見直すこととしております。現状、2021年度の自給率は39%となっております。目標達成に向けましては、全国有数の再生可能エネルギーのポテンシャルを生かしまして、地域と共生する再生可能エネルギーの導入に向けて取り組んでいく必要があると認識しております。
 具体的には、事業者に対しましては、再生可能エネルギーを導入する際の低利融資貸付金でございます。そのほかに、太陽光発電と蓄電池、電気自動車を一体的に整備する際の購入費の補助、市町村に対しましては、地域資源を活用したエネルギー供給体制の構築支援や、再生可能エネルギーを誘導するポジティブゾーニングの仕組みである促進区域の設定の支援に取り組みますほか、国に対しましては、再生可能エネルギー導入の課題となっております送配電網の強化などを要望しているところでございます。
 こうした取り組みを通じまして、地域の特性に応じた再生可能エネルギーの導入を進めて、目標達成に向けて取り組んでまいります。
〇工藤勝博委員 岩手県には、火力発電とかそういう電源はないわけで、自給率を高めるのは、再生可能エネルギーが最も実現性が高いと思います。ただ、事業者にとっては、拡大しても、ことしのように出力制御があったり、そういう状況になる可能性も十分考えられるわけですけれども、そういう状況の中で、目標達成するというのもなかなか容易なことではないのではないかと思います。
 せっかく拡大したのに、抑制してくれとか、あるいはFITの買い取り価格も大分低下しているということで、令和10年でしたか、それ以降の買い取り価格は、もうそこまで下がっているという状況の中で、どういう形でこの目標を達成していくのかということも、一つのポイントになると思いますけれども、その辺に関してはいかがでしょうか。
〇高橋グリーン社会推進課長 東北電力ネットワーク株式会社が行っております、出力抑制もしくは出力制御についてでございますけれども、今年度、管内では初めてとなります出力制御が、ことしの4月に行われまして、5月までに計14回行われたところでございます。今回の出力制御は、日中に太陽光発電などの再生可能エネルギーの出力が増加いたしまして、火力発電所の出力を下げるなどの必要な対応を行っても、なお、発電量が需要量を上回る状況になったと、そのために行われたものだと承知しております。
 再生可能エネルギーの出力制御を減らすためには、蓄電池を活用したエネルギーの貯蔵などによりまして、需要と供給のバランスをとることが必要だと考えております。
 県としましては、国に対して、蓄電池の導入などによる系統安定化対策を含め、送配電網の充実、強化に向けた取り組みを展開するよう要望しているところでございます。
〇工藤勝博委員 そういう一つの技術的な形で制御できるというのも当然していかなければならないと思いますけれども、現状でもそういう状況が起きている。岩手県のみならず東北電力ネットワーク、新潟県を含めた東北地方6県、そういう中での電力のネットワークの調整になるのだろうと思いますけれども、岩手県の再生可能エネルギーのポテンシャルが高い、これからどんどん進めていくのだと、そういうことになっているのですけれども、その事業者にとってはかなりリスクも逆に高くなるのかなという感じがしますけれども、これからも計画されている太陽光あるいは大規模な風力発電もあるわけですけれども、その辺の事業者間のそういう課題というか、問題点も協議されているのかお聞きしたいと思います。
〇高橋グリーン社会推進課長 大規模な発電に関しまして、事業者との関係ということだと思いますけれども、事業者の方が、実際、発電所を計画しようとされる場合に、全て当方に事前に相談があるわけではございません。場合によりましては、例えば、ある地域で発電所を新しくつくりたいといったときに、市町村の役場に御相談が行きまして、それを受けて、県も一緒になって協議会のようなものを組織しまして、開発促進に向けて助言をするというところに参画をしている例はございます。そういった事業者とのやりとりを通じて、しっかり地域環境と共生して、地元とも共生できるような設備の導入を進めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 わかりました。
 特に、FITの買い取り価格が低下したことによって、考えられるのは、外資系の皆さんが手を引くのではないかなという心配もあると思うのです。それらも含めて、設置自治体との協議もありますけれども、県も主体的にそういう助言といいますか、そういう課題に向き合っていただきたいなと思います。
 それから、近ごろ、本当に自然災害、豪雨、あるいは突風なり、大雪なりさまざまな気象災害があるわけですけれども、特に太陽光発電の場合、そういう被害を受けやすい環境に対して、備えも必要だという状況だと思いますけれども、その辺の災害に対しての県の指導といいますか、取り組みはどういう形になっているのでしょうか。
〇高橋グリーン社会推進課長 大規模な太陽光発電施設の導入に当たりましては、土砂の流出、景観への影響などの懸念が指摘されており、国では、令和2年4月以降に、大規模な太陽光発電事業を環境影響評価法に基づくアセスメントの対象とし、本県でも、法の対象とならない規模の発電事業につきましては、県の環境影響評価条例に基づくアセスメントの対象としております。
 また、国においては、環境アセスメントの対象とならない太陽光発電につきましても、濁水や景観などに係る環境配慮の取り組みなどを定めたガイドラインを示しているところでございます。太陽光や風力発電の導入に当たりましては、環境アセスメントの実施、あるいはガイドラインの遵守などにより、土砂流出などの影響を未然に防ぐことが重要でございまして、県としては、引き続き、国や市町村と連携しまして、環境に配慮した再生可能エネルギーの導入が図られるよう取り組んでまいります。
〇工藤勝博委員 実は、ことしの7月、8月の豪雨災害で、地元八幡平市でも、そういう大規模な太陽光発電で、土砂災害、とんでもない水量が住宅地に流れ込んできたという事例がありました。
 私が一番の課題だと思ったのは、地権者と事業者が違うということで、お互い責任のなすり合いがあるのですね。そういう状況が発生した場合、本当に誰がどうするのよということだと思いますけれども、地元の市でも、対応に苦慮しているという状況です。
 地域住民、自治体でも、そういう組織があるところだったらまだいいのですけれども、全く個別の別荘地、八幡平市の分譲地があるわけですけれども、そういう状況の中で解決する住民は、大変苦慮しているという状況であります。それらを防ぐためにも、きちんとした規制といいますか、指導をなされるべきという思いで、質問をさせていただきました。その辺に関してはいかがでしょうか。
〇高橋グリーン社会推進課長 八幡平市の事例につきましては、承知しております。県としましては、そういった問題が発生しないようにということで、国に対して、事業実施に当たって、地域の意見を確実に聞く、そういった仕組みを義務づけることや、あとは、最終的に事業が終わった後に、太陽光発電設備を適正に処理する仕組み、そういったものも含めまして、きめ細かな制度改善を行うよう要望はしているところでございます。
 また、最近の動向といたしましては、国で、そういった設備を導入する際に、新しいガイドラインのようなもの、あるいは規制ができるのかできないのかといったところを検討しているとも聞いておりますので、そういった動向もしっかり踏まえながら、引き続き、検討してまいりたいと思っております。
〇工藤勝博委員 よろしくお願いしたいと思います。
 最後になりますけれども、太陽光発電が拡大してもう20年近くなるということですけれども、耐用年数が、25年、30年というわけで、2030年代には大量廃棄が想定されるということも報道されています。その廃棄の問題も、リサイクルできる部分と、全くできない部分、あるいは、買い取り価格がどんどん下がってきて、これ以上再投資できないという状況になる可能性があると思うのです。
 そういったときの廃棄物の処理も、これから県でも準備していかなければならないと思いますけれども、その辺のこれからの取り組みはいかがでしょうか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 県内で廃棄される太陽光パネルについては、現在、廃棄量が少なく、不適正処理の事案は確認されてないところであります。
 一方、太陽光発電事業終了後、太陽光パネルが放置、不法投棄される懸念があることから、国は、2019年にワーキンググループを設置し、積立制度に係る中間整理を取りまとめたところでございます。この内容を踏まえ、2020年6月に電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法が改正され、2020年7月に積立制度が開始されたところでございます。
 また、県内では、ゼロエミッション補助事業を受けて、奥州市の企業がリサイクル率100%の技術を開発しておりますので、県は、引き続き、そのような企業の支援を取り組んでいきたいと思っております。
〇工藤勝博委員 最後に、目標の66%の再生可能エネルギーの県内自給率を望んで、終わります。
〇軽石義則委員 今ほど、工藤勝博委員の質問に関連しているところもありますので、重複したところは省いて聞きたいと思います。私は、環境保全と再生可能エネルギーの拡大の両立という観点で質問したいと思います。
 岩手県環境影響評価技術審査会が開催されておりますが、その審査会の中でどのような議論がされ、現在、その対象とされているものは幾らあるのか、検討中も含めて、今の状況をお知らせください。
〇加藤環境保全課総括課長 環境影響評価の現状でございますけれども、環境影響評価制度は、事業者みずからが事業による環境影響をあらかじめ評価し、その結果を記載した環境影響評価図書を公表して、住民、市町村、県の意見を聴取し、事業計画をよりよいものにしていく制度でございます。
 県では、先ほどお話がありましたとおり、事業者に意見を述べるに当たり、大気や水、動植物や生態系などの専門家で構成される岩手県環境影響評価技術審査会の意見を聞くこととしております。その中で、大気、水、景観とか、さまざまな観点で御意見を頂戴しているところでございます。今年度は、これまで、環境影響評価法の対象となります風力発電事業4件を審査しております。
 先ほど、どのような案件を処理しているのかということでございますけれども、現在は、風力発電の手続中案件は28件、それから、バイオマス火力発電が1件、道路事業、ごみ処理、それぞれ1件ということになっております。環境影響評価は、手続が終了するまで複数年を要することから、事業者がそれを事業リスクと捉え、手続開始に消極的になる事例や、手続中においても一部で環境影響を回避、低減するために、必要な調査を十分に行わない事例などがございます。制度の意義が十分に理解されているとは言えないという課題もございます。
 県といたしましては、本県の環境保全と再生可能エネルギーの導入の両立に向けて、環境影響評価は重要と考えており、引き続き、本制度の適正な運用を努めてまいります。
〇軽石義則委員 大事なことですので、しっかり対応していただいているということだと思いますが、当然、事業者みずからするべきことだと思っていますけれども、ただ、県として、アセスメントをするときに、時間やかかる経費によって、その事業をどうするかという経営上の判断も当然しなければならないと思うのですけれども、そういう部分について、状況をどのように把握されているのでしょうか。
〇加藤環境保全課総括課長 まず、アセスメントの期間についてでございます。アセスメントは3年から4年が一般的ですけれども、事業実施の特性や、ないしは事業実施予定地の特性に応じて、必要となる調査項目や調査手法が異なることから、事業によってさまざまというところでございます。そういったことで、費用についても非常にさまざまというところかと存じます。
 我々といたしましては、事業者から相談がございますけれども、通常、施設の位置や規模、配置や構造等について、具体的な図面を説明いただいた後に、環境影響評価に必要な手続等について助言しておりまして、例えば風力発電事業を中心に多くの問い合わせや相談をいただいているところでございます。
 相談の際には、文献調査の収集や専門家からの科学的な意見によりまして、希少野生動植物や生態系、景観等への影響を十分に調査、予測評価し、その結果を踏まえ、事業計画を検討し、環境影響図書を作成するよう指導しております。こうした事前の対応を通じて、事業計画の熟度が高まり、その後の審査会での審査が円滑に進む事例もあると考えております。
 一方で、相談段階で、施設の位置や規模が必ずしも固まっていない場合もございます。そういった場合については、環境影響評価の趣旨や手続等を丁寧に説明し、具体的な事業計画の検討を助言しているところでございます。
〇軽石義則委員 そういう意味で、事業者もいろいろな考えがあるでしょうし、経営という観点もあると思いますので、いろいろ複雑な条件も絡まってきて、判断に迷うことがあって、県にも相談をしっかりしていただいているということだと思うのですけれども、規則が改正されておりますよね。その規則を改正した前後、改正前と改正後で、公平性、平等性が担保されていないと、規則が変わった段階で、事業そのものを断念するか、そのまま継続していくかという御判断も出てくると思うのですが、その部分はどうなっているのでしょうか。
〇加藤環境保全課総括課長 規則の改正についてでございます。先ほど、太陽光発電に関して、アセスメントの対象になったという話がございましたけれども、太陽光発電事業については、国が令和2年4月に、法に基づく環境影響評価の対象にいたしました。
 県におきましても、大規模太陽光発電所の建設現場から泥水が付近の川に流れるなどの問題が発生したことなども踏まえて、他県の事例なども踏まえ、法アセスメントの施行に合わせて、環境影響評価の対象にしたところでございます。
 その際に、新たに対象となるわけでございますので、環境影響評価の対象となる事業については、事業に要する許可を得て、その後に、一定規模以上の変更が生じない場合に限り対象としないという経過措置を設けているところでございます。それをもって、開発事業を十分な準備のもと進めている事業者に対しては配慮をしているところでございます。
〇軽石義則委員 時間もお金もかかっているわけですので、公平性をきちんと担保しておかないと、事業継続するか、また、新たに事業を始めようとする皆さんにも不安な部分があってはならないと思いますので、引き続き、しっかりと対応をしていただくようにお願いをしたいと思います。
 宮城県では、再生可能エネルギー発電施設への独自課税が、今、議論されているようでございますけれども、環境保全をする上で、事業者にも一定の負担をしてもらおうということで、事業者と自治体の間で議論が対立をしているという記事も載っているのですけれども、こういう考え方は、今後、岩手県としても考えていく予定なのかどうかをお尋ねします。
〇高橋グリーン社会推進課長 お話のありました宮城県の課税の条例につきましては、我々も、今、報道や宮城県の資料等でしか把握できていない部分ではあるのですが、概要といたしましては、森林開発の許可を行う発電事業に課税をするものということで認識をしております。
 現在のところ、本県では、そういったことを検討することは考えておりません。宮城県の条例も、今後、有識者の意見を聞いて、検討を進めていくということで聞いておりますので、そういった動向をまずはしっかりと注視していきたいと考えております。
〇軽石義則委員 岩手県としては、今のところそういう考えがないということですので、事業者のサイドから言えば、そういう意味では岩手県は非常に可能性の高い土地もあるし、地域もあるということで、注目されておりますので、そういう部分も、今後の自給率向上に向けてはしっかり対策をとらなければならない一つだと私は考えています。先ほど、FITに基づく実績の報告はありましたけれども、現在、自給率拡大に向けて、工事中、検討中、協議中はどのぐらいあるのでしょうか。
〇高橋グリーン社会推進課長 把握しております情報が、固定価格買取制度の認定を受けているもので、まだ稼働前のものということで、計画が何件かということでお答えいたします。太陽光発電につきましては、1メガワット以上で計画があるものが12カ所、風力発電につきましては11カ所、地熱発電につきましては3カ所、水力発電が5カ所ということで把握しております。
〇軽石義則委員 これから、さらに、自給率拡大に向けて、その計画中のものが稼働するようにきちんと後ろ支えといいますか、事業者が、発電として、県の中で、自給率を高められるようにつないでいくのは大事だと思うのですけれども、前段お話しした環境保全と再生可能エネルギー拡大を両立するのは、いろいろ進める上では、県の施策として判断が厳しくなってくる状況も予想されるのですけれども、例えば、再生可能エネルギーの拡大を優先させて、環境保全をどうクリアしていくかという方向に行くのか、環境保全を優先させて、再生可能エネルギーの拡大を抑えていかざるを得ないのか、そういう政策的判断をしていくときが近づいてきているように私は考えているのですけれども、その部分についてはどのようにお考えなのでしょうか。
〇高橋グリーン社会推進課長 まず、再生可能エネルギーの導入に当たりましては、先ほど来お話が出ておりますが、一方で、環境保全ということで、アセスメントあるいはガイドラインの遵守といったことをしっかりと手続を踏んでいただくことが必要でございます。
 もう一方では、導入促進という立場では、県としての低利融資とか、そういった仕組みもございますし、あとは、今後、市町村が再生可能エネルギーの導入を誘導する地域として、促進区域を新しくつくることができることになっております。そういった環境の保全と導入の促進は、どちらもきちんと両立しないといけないというのが、私たちのスタンスでございますので、今後におきましても、環境の保全と導入促進をしっかりと両立した上で、再生可能エネルギーの導入の促進を図ってまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 それは当然やっていただいているし、これからも変わることのないことだと考えていますが、ただ、事業者が選定して事業を始めるときには、岩手県に行くと、事業がしやすいというイメージを持つのか、厳しいので、ちょっと違うところを先にやって、その後、岩手県がどうしてもというのだったらという選択と、非常に微妙なところがあると思うのです。両方しっかりやるのは当たり前だと思うのですけれども、その部分の岩手県としての魅力というか、事業の展開を誘導する段階での誘導の仕方は、私は大事ではないかと思うのですが、そこのところをもう一度詳しくお願いします。
〇高橋グリーン社会推進課長 まず、本県の大きな特徴といたしまして、再生可能エネルギーのポテンシャルが高いということが一つございます。それは、例えば地熱発電や、風力発電につきましては、特にそういった優位性があるということでございますので、そういった情報をきちんと事業者の皆様に広く知っていただく取り組みはさらに必要だと考えております。
 そして、若干繰り返しになりますけれども、今後、市町村が設定できる促進区域という制度が新しくできましたので、県としましては、市町村がその区域を設定する場合に、配慮すべき基準を、現在、策定しております。市町村で、例えば、ここの地域に再生可能エネルギーを誘導しますということを、市町村の計画で定めることができることになりましたので、そういった区域が県内の市町村あるいは各地にしっかりと明示されてきますと、事業者といたしましても、参入がよりしやすくなるという効果があると思っておりますので、そういった取り組みを、県では市町村に対してしっかりと支援をしてまいりたいと思っております。
〇軽石義則委員 市町村が進めやすくする体制づくりは大事だと思いますし、当然、市町村からは、どちらかといったら、導入するほうを優先してお願いしてくるのではないか。保全も大事ですけれども、市町村の立場から言えば、拡大したいという意思のほうが強いのではないかと思うのですけれども、その調整のときに、県からは、保全もしっかりしなければなりませんよ、拡大もしなければなりませんと両方言われる。市町村はどちらを優先していけばいいのだろうと悩むのではないかと思うのですけれども、その場合はどちらを優先させていくのですか。
〇高橋グリーン社会推進課長 市町村によりましても、どういったスタンス、姿勢をとるのかというのは変わってくる場合もあるのかなと、私としては思っております。導入は促進したいのですが、環境等の保全も大事というのが基本的な考えなのかなと認識しておりますので、保全をする中で、できるだけ導入を進めるためにはどういった取り組みができるのかと、そういった視点で、我々としましては、事業者の方にもですが、市町村に対しても、助言ができれば、導入が進むのではないかと考えております。
〇軽石義則委員 現実的な話で、それぞれ市町村によっても事情は違うと思います。ただ、市町村なり事業者に、県の姿勢が伝わることが私は大事だと思って、きょうはお聞きしているので、市町村任せではなくて、相談窓口をしっかりとっていただいて、限られた人員でかなりの仕事をしていただいているのは十分理解はしておりますけれども、保全と自給率向上、再生可能エネルギーの拡大は、アクセルとブレーキという表現が正しいかどうかはわかりませんけれども、お互いになければならないもの同士をいかに協調させていくかというところが大事だと思いますので、ぜひ、現場の声もしっかり聞いていただいた上で、岩手県でその事業を進めてよかった、もっと進めたいというような形に、市町村ともしっかり連携をとっていただきたいと思いますので、よろしくお願いをして、終わります。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、自然保護の関係で、十和田八幡平国立公園の管理等に関する国と県、それから、市町村との連携の状況について、お伺いしたいと思います。
 令和3年度十和田八幡平国立公園の利用の状況と、それから、自然環境の保護と観光振興をいろいろやっておりますけれども、どのようにバランスをとって取り組みを進められているのか、国、県、市町村との連携のところを含めた取り組みの状況についてお伺いしたいと思います。
〇酒井自然保護課総括課長 十和田八幡平国立公園の管理の関係でございますけれども、こちらにつきましては、基本的には環境省が管理する自然公園ということになっておりまして、風景地の保護や生態系の維持といった、その全体的な管理を国が行うことになっておりまして、この中に登山道や避難小屋といったようなものが設置されておりますが、こういった設置施設については、過去に県が設置したものでございますので、こちらについての再整備などは県が行っております。
 また、地元の市町村につきましては、県から委託いたしまして、これらの施設の維持管理を行っているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 既存の登山道や施設は、県が管理している。全体のところは、環境省が管理していると、そのとおりだと思います。ただ、十和田八幡平国立公園は、ステップアッププログラム2025を策定したそうで、2回目の計画期間になりました。その中で、御生掛・八幡平エリアとか、岩手山エリアが岩手県のエリアになるのですけれども、取り組みとか、どういうことをやっていくかというのは非常に薄い計画になっていまして、どちらかというと十和田湖とか後生掛エリアとかそういったところの取り組みのほうがいろいろ書いてあるなと思っていました。
 それはどうしてかと思いつつ、環境省がステップアッププログラム2025を出している中身で、県としては、それに追従していくというか、それに沿って、これからは岩手山エリアも御所掛・八幡平エリアになるのですけれども、その辺についても、環境省のリードでやると。あとは、自然保護課としては、環境省からの指導にのっとって、必要な登山道とかそういった部分だけをまずやっていくという考え方なのでしょうか。その点についてお伺いします。
〇酒井自然保護課総括課長 ステップアッププログラムの中でのそれぞれの自治体の役割といったようなところになるかと思いますけれども、まず、こちらのステップアッププログラムにつきましては、国立公園のインバウンド対策ということで、環境省が進めております国立公園満喫プロジェクトという大もとがございますが、こちらのアクションプランのような位置づけになっておりまして、最初につくられた計画は、平成28年度12月、こちらは十和田八幡平国立公園で策定されております。
 現在、令和3年度から令和7年度を計画区間といたしますステップアッププログラム2025が動いておりまして、こちらに基づきまして、国とか自治体、民間団体が連携して、プロモーション強化や、受け入れ環境の整備に取り組んでいるところでございます。
 現在、環境生活部自然保護課といたしましては、令和3年度から継続して、八幡平市の黒谷地湿原の木歩道の再整備工事をしておりますけれども、いわゆるプロモーションというところに関しましては、当然、商工労働観光部や、地元の市町村の観光協会などとも連携して、情報発信等に取り組んでいるところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 内容をお聞きしました。私、県として、このエリアの自然保護に対してのビジョンがないということなのかなと、今の答弁を聞くと感じるのですけれども、県としては、今後、このエリアを保護もするし、どのように活用もするかという、そういうビジョン的なものはどの辺にあるのでしょうか。その点についてお願いします。
〇酒井自然保護課総括課長 先ほど申し上げたとおり、こちらは、基本的には国が直轄で管理する公園ということになっておりますので、ハクセル美穂子委員から御指摘があった、全体のビジョンと方向性といったものに関しましては、国がまず主導する立場にあるのかと考えておりますが、また、おっしゃったような方向性につきましては、今、御指摘もございますが、ステップアッププログラム2025の中で、国を初め、こちらは十和田八幡平国立公園ですので、岩手県だけではなくて、北東北3県と、それに付随する自治体や民間事業者が連携したプログラムということになっておりますので、こちらのプログラムに基づいて、保護と利用を図っていくという考えになるかと思います。
〇ハクセル美穂子委員 私が、なぜこの質問をしているかといいますと、これまでも何度も県土整備部の審査でも話をしておりましたけれども、奥地産業開発道路を通って環境生活部の管理している登山道を登っていった上に、三ツ石山という紅葉がきれいな山があります。そこの混雑について、国と県の中でも、環境生活部と県土整備部と、それから、関係市町村と一体になって話し合いながら、オーバーユースについていろいろとやっていかなければいけませんよということで、地元からも、また利用されている方、管理している方、現場の方々からいろいろな声が上がっているにもかかわらず、ここの問題がなかなか進まないというのがありまして、その点について、もちろん国はそのとおりですし、私も国の方々に確認しましたけれども、登山道の整備とか、山荘の整備は、所有されている県の方々の御意見も聞きながらでないと、なかなか進めることはできないのだという話をされました。県土整備部の関係もあります、奥地産業開発道路もありますので。
 3者、4者、5者がいろいろ入り混じっていて、どこがリードするのだという状態になっているがために、なかなか進んでいないのです。オーバーユースに関しては、道路のほうだと言うかもしれないのですけれども、三ツ石山の山頂は環境生活部の管轄になると思いますので、国と、その辺のエリアのオーバーユースをどういうふうにやっていくのかという連携というか話し合いはどの程度進んでいるのか、その点について確認したいと思います。
〇酒井自然保護課総括課長 国と関係者との話し合いの状況というところでございますが、今年度、環境省の呼びかけによりまして、本県や関係市町村、本県は道路管理者である県土整備部も入っておりますが、打ち合わせ会を開催しております。
 この中で、具体的にできる取り組みということで、まず登山道や避難小屋などに、どこにどのような形でトイレがあるかといったようなこととか、あとは、当然、混雑する時間帯がございますので、混雑時間帯を避けた利用を促すような周知する掲示などを行ったところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 その会議は、いつごろ開催されましたでしょうか。
〇酒井自然保護課総括課長 打ち合わせの会議についてでございますけれども、済みません。今、確認しておりますので、後ほどということで、よろしいでしょうか。
〇ハクセル美穂子委員 はい。
 実は、県土整備部では、いつも奥地産業開発道路の連絡協議会、こちらも毎年関係者の方々を集めて開かれているのです。こちらには自然保護課は出席してないので、県庁舎内での連携がなければ、内容についてはわからないかもしれないのですけれども、この会議が、ことし、残念なことに7月1日に開かれたのです。7月1日は岩手山の山開きの日です。なので、実際のところ、自然保護関係の現場の関係者の方は一人も出席できませんでした。
 これは県土整備部のことでしょうということですけれども、そもそもこういうふうな山開きの日に会議を開いてしまうというのもそのとおりですけれども、その日、山開きだよと、7月1日は会議を開いてはいけない日なのだよというのを、県庁内でも一緒になってやってないからこういうことになるのかなと私は感じているのですけれども、県土整備部と環境生活部との連携は、このエリアについてはどんなふうにやられているのか、その点についてお伺いいたします。
〇酒井自然保護課総括課長 県土整備部との関係ということで申し上げますと、まず基本的な考え方といたしましては、我々、環境生活部につきましては、三ツ石山荘の設置者になりますので、こちらの管理、そのほかに、三ツ石山荘から山頂に行く登山道がございますので、こちらの部分は環境生活部になりますし、そこに接続するような形で、いわゆる奥山道という形での登山道がございます。こちらは県土整備部になりますので、こちらの管理については、それぞれがそれぞれの範囲内で管理をするということになっております。また、県土整備部で会議等が開催された場合につきましては、一応こちらにもお声がけがございますので、担当者は出席させていただいて、お話は聞かせていただいているという形で、連携といいますか、何かある場合にはお声がけいただいているという状況でございます。
〇ハクセル美穂子委員 同じようなことを、私、何度もお聞きして、これはやっているのだろうなと思って、お任せしてきたのですけれども、ことし、さすがに7月1日の山開きと合致するような会議になったときに、これは何かおかしいと思いました。多分、この管轄のところではやっていらっしゃると思いますけれども、エリアという面で全然見ていらっしゃらないのではないかなと。自然保護は、別に登山道と山荘だけではないと思うのです。
 奥地産業開発道路だから、そこは県土整備部ですよというのは、どういう事業を持ってくるのかとかは、そのとおりだと思いますけれども、国立公園でステップアッププログラム2025とか書いてあるにもかかわらず、ほぼ岩手県のエリアの話などは、ドラゴンアイぐらいしかないのです。ドラゴンアイにいっぱい観光客の方が来始めて、オーバーユースになってきているような気がするみたいなことぐらいしか書いてないのです。
 でも、私は、この岩手山とか八幡平のエリア、国立公園のエリア、十和田だけに集客しているような状況ですけれども、すごいポテンシャルを持っているエリアだと思います。青森県では、グランピングをしたり、オーベルジュをしたり、いろいろなことを進めていって、観光と一体になって、まさに世界に誇るナショナルパークにするための取り組みがあるのだけれども、何で、岩手県で進まないのかとずっと思っていました。
 何か区割りでやってしまって、面としてここをどういうふうに振興していくかというリーダーがいないのではないかと感じているのです。私、どこがリーダーなのかと思ったときに、自然保護もきちんとやっていかなければいけないのであれば、環境生活部なのではないかと思いました。それについてはどのようにお考えでしょうか。
〇酒井自然保護課総括課長 ただいま、自然保護を含めて岩手山の保護と利用をどちらが進めていくべきかという御意見だったかと思います。冒頭申し上げたとおり、公園というのが、既に自然公園法の中でそれぞれ役割が決められておりまして、国立公園につきましては、国が管理する。早池峰山とか栗駒山のような国定公園であれば、県が管理して、あと、県立公園についても県が管理するということで、大きな役割分担が決められているところでございます。
 ただ、一般の国立公園の中には、これまで御指摘あったとおり、県が設置した施設も当然ございますので、そちらにつきましては、当然、県が管理はさせていただきますけれども、全体的な保護と利用のバランスを考えた取り組みに関しましては、大もとの管理者がございますので、我々といたしましては、国がリーダーシップをとるべきではないかなと考えております。
 ただ、利用の部分につきましては、当然、観光部局もかかわる部分でございますので、この部分につきましては、保護の分は我々が主になりますけれども、エリアの分に関しましては、観光部局とも連携しながら、バランスを考えた保護と利用の促進に努めていければと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 では、国のせいだと、そういうことですよね。私、国の方々とも話をしました。国はもちろん管理などをしていくリーダーです。ただ、そのかわり、国は国で全体のエリアの管理はするけれども、登山道とかオーバーユースなどを国だけで決められることではありません。管理者は県ですし、道路は県土整備部ですし、自分たちのものではないところを勝手にいろいろなことをやりますと決めていけるものではないと。だから、話し合っているのですけれども、なかなかという話をしていました。
 そういうときに、ここはオーバーユースになっているから、こういう使い方したらどうでしょうかという提案すらも実際のところやはりできないものなのでしょうか。
〇酒井自然保護課総括課長 オーバーユースの関係の御指摘がございました。オーバーユースということになりますと、当然、利用者が多いということでございますので、例えばトイレみたいなもので、利便性の向上が図られるというケースが出てくれば、その利便性の向上が、さらなる利用者を生むという部分もございますので、オーバーユースということで考えれば、当然、登山道とか山荘といった、その単体の施設ではなくて、全体の中でどういうふうに取り組んでいくかと考えていくのが大事なのかなと考えているところでございます。
 そういう意味では、環境省も交えて話を進めさせていただいて、今年度につきましては、トイレの有無や、いわゆる利用時間帯の調整についてのお声がけといったような取り組みについては始めさせていただいているところでございます。
 済みません、先ほど、確認は後ほどということでお話しさせていただきました連絡調整会議の関係でございますが、今年度につきましては、3回ほど開催させていただいておりまして、最初に開催したのが今年の5月、その後、6月と8月に連絡調整会議を開催させていただいているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 3回も会議を開いて、おまけにトイレの話はことし出た話でもないし、去年出た話でもないのですよね。随分前から地元の方々からも言われていましたし、私も質問しました。それから、自然公園保護管理員さんたちも、人はかわっているのですけれども、同じことを訴えられています。
 実際にトイレの問題ですね。結局、登山客のマナーをよくするまでは直らないと思うのだけれども、混んでいるので、いろいろなところでいろいろなことをしていったものの後片づけを、現場で自然公園保護管理員とかパトロールの方々が拾っているわけです。一番大変な仕事をしているのはそういった方々です。私たちは、ほかの人がそこでしていったいろいろな排泄物をとるなどということはしないから、どれだけ苦しいのかというのはわからないですけれども、毎日それを目にして、きれいにするためにとっている方々からしてみれば、どこかにトイレ一つつくってもらうことで、これは軽減されるのではないですかという意見は、まともな意見だと思います。
 それが、なぜ、国と県と市町村と会議をこれだけやっているのに進まないのかというのが、現場の実際の登山客の方、管理している方々の声です。ぜひ、しっかりと進めてほしいです。誰がどうだというのではなくて、もし、先ほど酒井自然保護課総括課長が言ったとおりであれば、ぜひ国の方に、しっかりとこういう課題がありますと、どうやって対策していくべきですかと言っていただきたいと思います。その点をお願いして、済みません、福田環境生活部長に最後、一言お願いします。
〇福田環境生活部長 今ほど議論ありましたとおり、自然公園法では、国立公園は国管理、国定公園は県管理となっておりますけれども、国立公園には国の同意や許可を得て、自治体や民間も施設を設置することができる制度になっておりまして、見方によっては、ここに役割分担の曖昧さが存在するのではないかと考えております。
 今回、御指摘の点を踏まえて、関係機関、関係部署との役割分担、それから、連携のあり方、こういうことについて改めて考えてまいりたいと思っております。
〇名須川晋委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時7分 休 憩
午後1時2分再開
〇川村伸浩副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇柳村一委員 先ほど、三ツ石山のトイレについて、ハクセル美穂子委員から質問があったので、それに関連して質問します。
 三ツ石山の三ツ石山荘がありますけれども、あの三ツ石山荘はどういう形態の小屋だと認識されていますか。
〇酒井自然保護課総括課長 三ツ石山荘は、避難小屋という位置づけになっております。
〇柳村一委員 避難小屋は、営業の山小屋と違って、悪天候のときや計画どおりにいかなかったときに、そこに入って、避難するというのが、主な使用目的でありますので、最近はどこの山小屋もそうですけれども、コロナ禍になって、登山客がふえて、手狭な状態になっているのは事実です。富士山とかいろいろな有名どころの山などは、トイレについても、協力金というものを払って用を足しているというような、それがそもそもの登山客のマナーみたいなことになっております。
 県としては、早池峰山できちんとした施策をしているわけですよね。前はくみ取りのトイレで、毎年、冬になる前にくみ取って下ろしていたけれども、環境に悪いということで、携帯トイレを奨励して、携帯トイレを使えるようなテントまできちんと設置してやっているわけですよね。であれば、三ツ石山荘も避難小屋ですので、そういう早池峰山と同じような施策をやりながら、訪れる人たちに快適に自然に触れ合ってもらうような施策をとるべきではないのかなと思うのですけれども、そこら辺はいかがでしょうか。
〇酒井自然保護課総括課長 三ツ石山荘避難小屋のトイレの関係でございますが、現状、あちらにつきましては、いわゆる自然浄化の形のトイレで、男女用と女性用という形で、設置をさせていただいているところでございます。デポジットの関係も含めてということになりますけれども、現状は、三ツ石山荘が混雑するのが、いわゆる紅葉時期の極めて限られた時期で、利用されている期間を通して見ると、今の数で足りてないのかということになれば、そこまでではないのかなと考えております。ですので、三ツ石山の紅葉時期の部分に関しましては、トイレの問題だけではなくて、もうちょっと全体の中で考えていければいいかと考えております。
〇柳村一委員 酒井自然保護課総括課長が言うとおりだと思います。1年を通して2週間ぐらいの混雑しているときのために、わざわざトイレをつくるのではなく、訪れる人たちのマナーをしっかりしてもらう。先ほど、トイレが混雑している時期を周知するとかと言っていましたけれども、そもそも山に入ったときには携帯トイレを使いましょうとか、そちらのほうを周知すれば、そういう問題が起きないのではないかと思います。
 あと、網張はもちろん、滝ノ上にしても、松川にしても、路上駐車がその期間だけすごく多くなります。そうすると、早池峰山のようなシャトルバスをその期間だけ出して、渋滞緩和をするとか、そういうことをすることが自然保護になると思うのですけれども、そこら辺、今後、検討していく考えはないでしょうか。
〇酒井自然保護課総括課長 早池峰山では、御指摘のとおり、基本的には今は携帯トイレしか使えないという状態です。あとは、いわゆるシャトルバスを出しての通行規制を行っておりますが、こちらにつきましても、課題が認識されて、議論を深めて、実施に至って、定着というところまで、かなり相当な年数もかかっているところでございます。
 そういった点も踏まえて、岩手山の場合、特に道路の部分に関しましては、道路管理者も関係する部分ではございますので、そういった部分の課題を整理した上で、実施時期や、実際に効果が出始める時期なども踏まえて、対策を検討していければと考えております。
〇柳村一委員 秋田駒ケ岳の秋田県側も、そのようにマイカー規制をしっかりして、自然保護を行っているわけですので、県としても、環境省の管轄だからどうのこうのというのではなく、岩手県にある自然を岩手県が守らなければいけないと思いますので、そこら辺、環境に配慮した施策をして、登山者の皆様の便利性を図っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇酒井自然保護課総括課長 大変ありがとうございます。決して責任逃れというわけではございませんけれども、まず岩手山に関しましては、かかわる関係者が多ございますので、国、県、あと、地元自治体を含めて、全体で保護と利用のバランスを考えた取り組みを進めていきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、消費生活相談関係についてお伺いいたします。
 ホームページによりますと、令和3年度の消費生活相談件数が9、075件で、県と市町村で受け付けているわけです。過去には、毎年1万件程度の相談件数であったのですけれども、昨年は最小ですね、一番少ない件数となったようであります。この減少の要因は何かあるのか、まずお伺いします。
 そして、あわせて、この相談件数の中で、若者の消費者相談が一番多いということですけれども、この相談内容の特徴はどうでしょうか。成人年齢が20歳から18歳となって、契約もできるわけですけれども、18歳くらいの契約のトラブルが全国で発生しているわけです。啓発活動はどういうふうになっているのかお伺いいたします。
〇大坊消費生活課長 まず、消費生活相談の減少要因についてでございますが、平成29年度及び30年度には、架空の未払金について、はがき、メールなどで督促するような架空請求に関する相談が1、400件程度ございましたけれども、これが年々減少しまして、令和3年度には138件まで減少しております。
 また、令和2年度と比較しまして、新型コロナウイルス感染症に関連するマスクや式場キャンセル、それから、不審な電話などの相談が減少したことが、主な減少要因であると考えております。
 なお、この傾向は、全国の相談件数についても、同様の状況となっております。
 次に、若者の消費生活相談についてでございます。若者の相談内容の特徴といたしましては、社会生活上や契約についての知識、経験が十分でないことから、スマートフォンの広告やSNSで知り合った人の勧誘により、安易に契約してしまうといった傾向が見られるところでございます。成年年齢が引き下げられました本年4月以降に、県及び市の消費生活センターで受け付けた18歳、19歳の方の消費者トラブルに関する相談は、9月末現在で33件となっております。
 主な内容としましては、初回格安をうたうSNSの広告を見て、化粧品などを購入したところ、定期購入が条件となっていたという相談とか、副業サイト、投資等でのトラブル、進学等に伴う賃貸契約、パソコン購入等に関する相談があります。
 次に、若者向けの啓発といたしましては、年度当初に、テレビや新聞等で成年年齢引き下げについて報道していただいたほか、高校や専門学校等への出前講座の実施や、フェイスブック等SNSの活用によりまして、契約の基本的な知識のほか、消費者トラブルの事例、それから、注意点、トラブルに遭ったときの相談先などについて、周知を図っているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 若者の消費者相談がふえているわけで、これは、大学、高校などでの消費者教育も必要ですし、また、トラブルになったときに、どういうところに相談すればいいのかということで、県民生活センターの存在ももう少し広報していただければと思っています。
 このセンターに相談されることで、かなり難題な問題もあると思うのですけれども、最近言われております旧統一教会関係についてですけれども、済みません、通告していた消費生活相談員のことは飛ばします。この旧統一教会関係のことですけれども、一般質問で、日本共産党の議員が質問されて、それで、20件の相談があったという答弁だったと思いますけれども、これはどのようなことだったのか。二次被害も心配されるということもあるようですけれども、どういう状況かお伺いします。
〇大坊消費生活課長 旧統一教会に関する消費生活相談でございますけれども、大変申しわけございませんが、個々の相談への対応等につきましては、具体的には申し上げられませんが、知事が一般質問で答弁したように、入信の勧誘や財産に関する相談が、平成24年度から令和4年9月までで20件あったということでございまして、消費生活相談員が、契約解除の方法や勧誘の断り方等の情報提供や助言を行ってきたものでございます。
 また、相談内容が複雑な場合は、無料弁護士相談を紹介しまして、弁護士から助言を求めるなどの対応をしてきたところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 消費生活相談で、旧統一教会関連のことを相談するというのもかなり難しい話だと思うのです。河野消費者担当大臣は、各県の消費生活センターに相談しなさいと言いますけれども、大体、法整備が進んでいない中での相談を受け付けて、どのように対応するのか、私は、現場は本当に大変だなと思って見ているのです。県内にも、旧統一教会関連の企業とか団体とか、それから、その商品を販売する店舗というのか、事業所があり、自動車学校が2カ所とかあるのです。そういった方々の関連とか、県内でも、その信者関係の方々から多分深刻な相談があるのではないかと思って見ておりました。
 今、その法体系が、消費者契約法という中で対応できるのかどうか、すごく面倒だと思うのですけれども。信者の献金とか、それから、財産を収奪されたというような相談に対して、消費者契約法では対応できないのではないかと思うのですね。信者を団体から引き離すということは、今の法体系の中ではできるのでしょうか。被害者の救済ということは、消費生活センターではできるのでしょうか。
〇大坊消費生活課長 被害者の救済についてでございますが、消費者契約法については、平成30年の改正によりまして、契約後に取り消しができる不当な勧誘行為に、いわゆる霊感商法が追加されております。
 しかしながら、先般、消費者庁が設置した霊感商法等の悪質商法への対策検討会におきましては、霊感商法による取り消しについては、裁判例がないとのことでございまして、契約すれば、確実に不幸を回避できると告げられた事実を被害者側で証明しなければならず、要件が厳し過ぎるのではないかとの御意見や、寄付を契約と解することについて消極的な意見もあったと承知しております。
 また、この検討会が10月17日に取りまとめた報告書におきましては、提言として、取り消し権の対象範囲の拡大や、その行使期間の延長のための措置を講じること、寄付の要求等に関する一般的な禁止規範及びその効果を定めるための法制化の検討を行うことなどが示されておりまして、現在、国において、法整備に向けた検討が行われていると承知しております。
 県といたしましては、消費者契約法の改正等に向けた動向を注視するとともに、消費者被害の相談があった際には、当事者やその家族が抱える悩みに応じて、弁護士等の専門家や行政の関係機関と連携を図りながら、支援を行っていきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 今、被害者の救済法案を国会で議論されるに当たって、与党の温度差があって、なかなか進んでいないのだと。ただ、今国会で、救済法案を何とか成立させようという方向であるということは報道で出ているのですけれども、本当に大変な問題だと思っております。
 では、自治体でどうするかという中で、岐阜県の例が挙がっておりました。旧統一教会被害者の皆さんと、県、県警、被害者連絡会、全国霊感商法対策弁護士連絡会なども一緒になって連絡会をつくるという動きがあって、都道府県レベルでは前例がないという報道だったのですけれども、岩手県でも、今、答弁では、弁護士につないでいるということでしたけれども、弁護士、警察、そして、被害者の方々などで連絡会を調製しなければならないのではないかなと思うのです。消費生活センターだけで解決できる問題ではないと思うのですけれども、関係団体が集まっての連絡会を調製するような考えはないでしょうか。
〇大坊消費生活課長 連絡会につきましては、今のところは、まだちょっと考えておりませんけれども、相談の状況や他県の動き、それから、消費者庁の動き等を注視しながら、必要に応じて、検討したいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 今のままでは、法体系もそのとおりなので、消費生活センターに相談されても、弁護士に言ったらいいのではないですかということで終わらざるを得ないわけですよね。本当に被害者を救済できる方向で進めてもらいたいと思っています。
 難しい案件がたくさんあるのでしょうけれども、消費生活相談員の関係です。今、消費生活相談員が、会計年度任用職員だそうですけれども、7名いらっしゃる。そのほかに、交通事故相談員や消費者教育推進専門員などいらっしゃるということで、県民生活センターと、10市で消費生活センターを運営していらっしゃるのですけれども、今の相談員の体制がどうなっているか、そして、相談員に有資格者がどの程度いるのか。消費生活相談員は国家資格ですけれども、ほとんど会計年度任用職員ということで、処遇がなかなか厳しいということもあるのですが、有資格者の状況はどうなっているでしょうか。
〇大坊消費生活課長 まず、人員体制についてでございますが、県民生活センターには7名、それから、11の市に消費生活センターがございまして、市では38名の消費生活相談員が配置されております。
 資格の取得状況につきましては、県民生活センターでは7名全員、それから、市の消費生活センターでは、38名中25名が有資格者となっております。
〇佐藤ケイ子委員 市の消費生活センターには、資格を持ってない方々もいるということです。この資格を取るのは結構大変なようでありまして、この処遇が改善されないと、この国家資格を持って相談員になろうという方々もふえないのではないかという問題になっているのですね。これは岩手県の問題ではなくて、全国の問題でもあるのですけれども、本当に難しい案件だと思っております。
 そのほかに、消費生活相談員の人材バンクの登録があるわけですけれども、その登録状況はどうなっているか。そして、私は、相談員の処遇は問題だと思っているのですけれども、その課題認識はどうでしょうか。
〇大坊消費生活課長 人材バンクにつきましては、平成31年の4月に、各市の消費生活センターにおける有資格者の人材確保を支援するために設置したところでございますが、現時点での登録者数は2名となっております。
 毎年行われる消費生活相談員の国家試験におきまして、登録を案内するなど努力しておりますが、引き続き、人材バンクのPRに努めてまいりたいと考えております。
 それから、消費生活相談員の処遇についてでございますが、報酬につきましては、職務の内容や責任、必要な知識などのほか、県のほかの相談員の報酬や東北各県の消費生活相談員の報酬等を踏まえて決定されているものと承知しております。
 県の消費生活相談員の報酬につきましては、令和3年度から月額報酬の引き上げを行っているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 旧統一教会の関係とか、本当にインターネット、SNSでの相談とか、難しい案件がたくさん相談されているはずなのですよね。ですから、こういった消費生活相談員の資格取得にも、支援をするとか、それから、相談員の処遇を改善するとか、そうしたことに取り組んでいただきたいと思っているところであります。どうぞよろしくお願いいたします。
〇斉藤信委員 それでは、第2次岩手県地球温暖化対策実行計画の策定についてお聞きいたします。
 最初に、岩手県内における温室効果ガス排出量の部門ごとの実態、岩手県の特徴について示してください。
〇高橋グリーン社会推進課長 各部門の温室効果ガス排出量の実態についてですが、本件の2019年度の主な部門の温室効果ガス排出量ですが、家庭部門が基準年である2013年度と比べて18.4%の減少、産業部門が同じく15.8%の減少、業務部門が13.2%の減少、運輸部門が6.5%の減少となっております。
 本県の特徴でございますけれども、全国の数字と比較いたしますと、二酸化炭素の排出量換算では、家庭部門が全国平均よりも割合が高くなっております。
〇斉藤信委員 次に、第2次岩手県地球温暖化対策実行計画の改訂素案において、排出量削減目標が57%と、今、提起されています。部門ごとの排出量削減目標と、その実行計画の主な中身を、示せる分で示してください。
〇高橋グリーン社会推進課長 部門ごとの温室効果ガス削減目標についてでございます。基準年であります2013年度と比較しました主な部門の削減割合でございますが、家庭部門が57%の削減、産業部門が41%の削減、業務部門が60%、運輸部門が32%の削減としております。削減対策による削減割合は、合わせまして40%としております。
 このほかに、再生可能エネルギー導入による削減効果を7%、森林吸収による削減効果を10%といたしまして、合わせて57%としているところでございます。
 削減目標に向けた取り組みという点でございますが、家庭部門におきましては、住宅の省エネ性能の向上などが必要と考えております。以下、主な内容について御紹介しますが、産業・業務部門については、省エネ性能の高い設備や機器の導入、運輸部門におきましては、ハイブリッド車や電気自動車など次世代自動車の普及などに取り組む必要があると考えております。
〇斉藤信委員 この策定のスケジュールを示してください。
〇高橋グリーン社会推進課長 策定スケジュールでございます。第2次岩手県地球温暖化対策実行計画は、県の条例に基づく基本的な計画に位置づけられておりまして、県行政に関する基本的な計画の議決に関する条例に基づき、12月定例会において素案を報告することとしております。
 また、素案につきましては、パブリックコメントを行うほか、市町村や温暖化防止いわて県民会議の構成団体の皆様を初め、県民、県内各業界などから御意見をいただく予定としております。来年度予算案の編成の過程を踏まえまして、最終の改訂案を作成いたしまして、2月定例会において御審議いただき、今年度末の改訂を予定しております。
〇斉藤信委員 12月定例会には素案が出されるということですから、改めて、12月定例会で取り上げたいと思います。
 そこで、私、2月定例会の一般質問で、県有施設への太陽光発電施設の整備について取り上げ、200カ所の公共施設について調査を今年度行うとの答弁でした。これはどのように取り組まれているでしょうか。
〇高橋グリーン社会推進課長 県有施設への太陽光発電設備の整備についてでございます。県として、温室効果ガスの排出削減に率先して取り組むために、県有施設への太陽光発電の導入に向けまして、施設面積、日照時間、積雪などの状況を踏まえた導入可能性の調査を行うものでございますが、今月中に調査を開始いたしまして、年度内に結果を取りまとめることとしております。
〇斉藤信委員 2月定例会の答弁では、県有施設200カ所調査を行うと予算もついていたのですね。ところが、今月中に調査を始めると。なぜこんな半年もおくれたのでしょうか。
〇高橋グリーン社会推進課長 当初の計画で予定しておりましたのが、国の交付金、補助金を活用いたしまして、事業を実施する予定でおりました。国の補助金には申請をいたしましたが、採択されなかったという実情もございまして、限られた予算ではございますが、ほかにきちんと確保している予算がございましたので、その範囲内で、施設を重点的に絞りまして、調査を行うということになったものでございます。
〇斉藤信委員 そうすると、県有施設200カ所調査というのが、私が事前に聞いたら40カ所重点的に調査と、5分の1にこの調査の規模が大幅に狭まったという感じなのです。それも、半年おくれましたからね。これから調査して、年度内に状況が出たら、来年度からの太陽光設備等の整備が進まないのではないかと私は思いますけれども、それはいかがですか。
〇高橋グリーン社会推進課長 調査に関してでございます。まず200カ所ということで当初御説明していたのはそのとおりでございます。予算の都合等もございまして、それを重点化して実施するという方針でございますけれども、施設数については、今回40カ所程度に絞って調査を行います。40カ所に関しましては、実際に設置できる発電の設備の規模とか、それをもとにした発電の電力量、こういったものをしっかり調査して、結果をまとめる予定にしております。
 その結果を受けまして、来年度になりますけれども、実際に導入するということになりますと、施設が荷重に耐えられるのかどうかや、関係部局とのしっかりとした連携が必要といったこともございますので、来年度については、しっかりとした導入の計画を立てまして、早期の導入が実現できるように取り組んでまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 第2次岩手県地球温暖化対策実行計画はかなり意欲的な57%の削減目標で、長野県が60%ですから、それに次ぐ規模にはなるのではないかと私は思いますけれどもね。
 しかし、200施設の調査が40カ所になって、来年度、その具体的な可能性もありながらということになると、何か意欲的な目標を掲げながら、具体的取り組みは縮小、出おくれと、私は、これは少し残念な感じです。
 2月にも紹介したのですが、東京都は、東京都の全ての公共施設に整備するのだと。規模の大きいところでさえ、そういう規模でやっているのです。だから、予算の制約ということは、GXなどは私言いたくないのだけれども、県政の重要課題に位置づけているので、不足分は来年も調査をしながら、岩手県が率先して再生可能エネルギーの導入に取り組んでいるという姿勢を示すことが重要で、私は、第2次岩手県地球温暖化対策実行計画の目標、構えと具体的な方針、これは一致しないと、県民の信頼を得られないと思いますので、よろしくお願いします。
 第二に、県央ブロックごみ処理広域化計画についてお聞きします。2021年6月に制定されたプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の内容と、それに基づく取り組みはどうなっているか示してください。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の内容と取り組みについてでありますが、この法律では、プラスチック製品の設計から廃棄物の処理に至るまでの各段階において、あらゆる主体におけるプラスチックの資源循環の取り組みを促進することを目指しております。この中で、プラスチック資源の分別収集を促進するため、市町村の分別収集、再商品化の基準、手続等について規定されたところでございます。
 これを受け、現在、多くの市町村では、これまでの容器包装プラスチックに加え、ポリバケツやおもちゃなど、全てのプラスチック製品の廃棄物の回収に向け、分別収集の方法や、処理費用の負担について検討しているところであります。
〇斉藤信委員 プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律は、ごみ処理政策の大きな転換だと言われています。国会の議論でもこういう議論がありました。2050年カーボンニュートラルということを考えると、自治体の焼却炉で、石油からつくったプラスチックを今と同じように燃やし続けることはできないと。今後は、プラスチック資源の分別回収を実施していることを、循環型社会形成推進交付金の要件とすると、こういうことまで政府から回答がある。だから、焼却中心主義から、焼却を大幅に減らしてごみを減量する、こういう方向への大きな転換点に今、直面しているのだろうと私は思います。
 そこで、県央ブロックのごみ処理広域化計画ですけれども、焼却炉の整備事業費が変更されたようです。その中身がどうなっているか示してください。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 県央ブロックのごみ処理広域計画については、現在、構成8市町において、協議検討されているところであり、その途中経過における事業費の変更などについては、県では承知していないところでございます。
〇斉藤信委員 いやいや、そんな話では私はだめだと思いますよ。県のごみ処理広域化計画に基づいて、焼却中心の大規模焼却施設整備を進めている。今、私、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の指摘をしましたけれども、そういう新しい国の方針に基づいて、今、転換が求められているのです。既に、これは市議会でも明らかになっていることですけれども、今まで、730億円の事業費総額が、ストーカ炉の場合は825億円、ガス化溶融炉の場合には約903億円と、これは公表されている話ですから、それを県が知らないなんて、県も協議会に参加しているのだから、知らないことはないでしょう。本当に知らないのですか。今、私が言ったことを知らなかったですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 協議会で示された資料によると、先ほど委員がおっしゃった数値ではありますが、その詳細については説明がなく、県では、その数値のみしか把握していないという状況です。
〇斉藤信委員 数値も答えなかったではないですか。僕は中身を聞いてないのだから。隠そう、隠そうではなく、明らかなことはきちんと答弁すると、真摯に、誠実に答えていただきたい。
 実は、この事業費は、日量500トンという従来の計画そのものなのです。ごみの減量資源化、この中身が全く入ってない。いわばごみを減らせば焼却施設は規模縮小できるというのが、このプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の狙いです。ごみ焼却によるCO2排出量を減らす。これは第2次岩手県地球温暖化対策実行計画にかかわる中身です。日量500トンの従来型の計画のまま、こんな大型焼却炉の計画が通ると思いますか。盛岡市のごみは、プラスチック、紙の包装紙等、全体の25%、そして、生活ごみの中で生ごみが50%を占めるのです。こういうのを資源化したら、大幅にごみの焼却炉を減らすことできるのではないでしょうか。そういうことを岩手県は指導しなければだめなのではないですか。そういう実態をどう把握して、県は、今度の新しい法律、カーボンニュートラル、こういう新しい方向に向かって、どういうふうに取り組む予定ですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 焼却施設の方式や規模、分別方法などについては、今後、8市町で協議、検討していくということとされております。今回、盛岡市の一般廃棄物処理基本計画の中では、生ごみの削減などにも取り組まれておりますし、食品ロスの削減についても記載されておりますので、県としては、技術的助言をしていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 日量500トンには、プラスチックを減らす計画もない、生ごみを減らす中身も入ってないのです。だから日量500トンなのです。だから、新しい法律に基づいて、このことの見直しを指導すべきです。
 時間がないので、最後に一言だけお聞きします。
 風力発電の問題で、イヌワシの生息地に風力発電計画ということで、これは、10月17日の新聞にも報道されました。風力発電は一般的にはいいのだけれども、自然豊かなこの岩手県において、イヌワシの生息を脅かすような計画は、私は、これは環境と共存できないと思います。今、風力発電で、イヌワシ等にかかわるような計画がどのぐらいあるのか、それに県はどう対応しているのか、そのことを最後にお聞きして、終わります。
〇加藤環境保全課総括課長 現在、環境アセスメントの手続中であります風力発電の案件は、28件あるとお答えしておりましたけれども、岩手県環境影響評価技術審査会から、イヌワシの生息への影響に関して、特に厳しい意見が出たものとしては、県南、沿岸、県北地域を計画区域とする複数の事案がございます。これらの事業については、審査会から、事業区域の大部分が希少猛禽類の主要な行動圏になっている。希少猛禽類の営巣地に近接していることが明らかで、事業を実施した場合、消失する可能性が高い。希少猛禽類の生息に十分に配慮して、事業区域が設定されたとは言いがたいなど、厳しい意見をいただいているところでございます。
 県といたしましては、こうした意見を踏まえ、事業者に対する知事意見において、風力発電施設の位置の再検討や基数の削減など、事業計画の見直しを求めているところでございます。
〇小林正信委員 私は若者支援についてお伺いしたいと思います。
 まず、令和3年度における若者の活躍支援の状況、達成度としては高い状況にあるのかと思いますけれども、この取り組みの詳細についてお伺いしたいと思います。
〇鎌田特命参事兼青少年・男女共同参画課長 令和3年度の若者の活躍支援の状況についてでございますが、これまで、さまざまな分野で活躍する若者の取り組み発表や、交流の場として行ってきたいわてネクストジェネレーションフォーラムについては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえて、開催規模や開催の内容の見直しを行いまして、岩手県立大学を会場に、同大学のキャリア教育の一環とし、出張いわてネクジェネトークセッション2021として開催したところでございます。
 この内容としましては、IoT技術と地域資源を活用した新たな事業創出についての講演や、デジタル化で変えるこれからの働き方、暮らし、学びをテーマとしたパネルディスカッションを行い、その様子についてはオンラインでも情報発信したところでございます。
 また、岩手県公会堂地下にありますいわて若者カフェで実施するイベントにつきましても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、従来の参集型のイベントを、参集とオンラインを組み合わせた形で23回実施したところでありまして、これによって、これまで参加が難しかった沿岸地域や県外などからの参加が可能になりまして、若者同士の交流に広がりが生まれたところでございます。
 このような取り組みに加えまして、若者交流ポータルサイト、コネクサスを運営し、若者の活動情報の共有の場を提供するとともに、若者による地域づくりや文化関連イベント開催の取り組みに対しまして、いわて若者のアイデア実現補助により10団体、若者文化振興事業費補助によりまして3団体に補助するなど、県内の若者の主体的な活動について、積極的かつ多面的な形で支援をしているところでございます。
〇小林正信委員 さまざまなイベントや取り組みをやられてきたことと思うのですけれども、この若者活躍支援においては、当事者である若者自身の意見というか考え方をしっかりと集約するということが大事なのかなと思います。岩手県においても、リバースメンター制度等もあるかと思うのですけれども、この若い世代に県政に関心を持っていただいて、かかわってもらうような、また、若者に企画してもらうような、自身に企画してもらうような取り組みが必要なのかなと思います。
 その上で、現在の体制について、若者女性協働推進室に若者政策専任の職員がいらっしゃるかと思いますけれども、将来を担う若者のための施策を充実させる上で、県側の体制の充実、整備も必要ではないかと思います。そうした体制の整備も含めて、今後の取り組みの充実の御所見をお伺いしたいと思います。
〇鎌田特命参事兼青少年・男女共同参画課長 今後の取り組みと若者政策担当者の設置ということでございますけれども、まず、今後の取り組みとしまして、今年度の取り組みを若干紹介させていただきたいと思うのですが、今年度につきましても、12月10日にアイーナを会場として、いわてネクストジェネレーションフォーラム2022を開催するほか、若者の地域活動や若者文化関連イベントの開催に対する資金面からの支援などについて、引き続き取り組んでいるところでございます。
 また、若者同士の交流の促進に関しまして、いわて若者カフェの運営に加えて、若者が身近な地域で交流、相談できる環境を整備するために、今年度から新たに、久慈市、宮古市、陸前高田市、奥州市にある4カ所の若者活動拠点に、いわて若者カフェ連携拠点として協力いただいているところでございまして、この連携拠点と協働した取り組みを進めているというところでございます。
 若者政策担当者の設置につきましては、委員から先ほど御紹介がありましたように、若者支援については、若者女性協働推進室で所管しておりますが、若者活躍の特命課長を配置しまして、担当職員とともに専任で若者活躍支援業務を行う体制となっているところでございます。
 今後も、これらの職員を中心としまして、関係部局と連携しながら、若者の活躍を支援してまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 県としても、若い世代の意識調査を3年に1回やっていらっしゃると思うのですけれども、若い世代の意識は目まぐるしく変わるものと思います。常に若者の考えを聞き、取り入れていかなければ、時代に乗りおくれる可能性もあるかと思います。例えば、さまざまイベントをやっていらっしゃいますけれども、そういったところでしっかりと若者の意見を吸い上げるような取り組み、また、SNSのサイト等もあるということで、そういったところで若者の意見を吸い上げるという取り組みとか、それをしっかり集約して、政策として出していくという取り組みも必要ではないかなと思います。そうした若者の意見を集約する姿勢、取り組みについて、お考えをお伺いしたいと思います。
〇鎌田特命参事兼青少年・男女共同参画課長 若者への意識調査ということでございますけれども、県では、これまでもさまざまな機会を捉えて、若者の声を聞くように努めているところでございまして、中学生を対象とした弁論大会であるわたしの主張や、岩手県の将来を担う人材の育成を目的とした体験交流活動であるいわて希望塾、さまざまな分野で活躍している若者の参画及び発表の場であるいわてネクストジェネレーションフォーラムなどの場を通じまして、若者の生の声を聞き、課題意識等の把握に努めているところでございます。
 また、先ほど委員から御紹介がありましたように、青少年の健全育成に関する県民意識や、行政に対するニーズを把握して、県の施策の基礎資料にするために、3年に一度、青少年の健全育成に関する意識調査を実施しているところでございます。
 今後も、さまざまな機会を捉えて若者の声を吸い上げまして、施策に反映するように取り組んでまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 いわてネクストジェネレーションフォーラムなどで集めたさまざまな若者の意見が、具体的にこのように政策に反映されていますよというような、何か具体的な若者施策等を、若者女性協働推進室等で提案したこととかというのはあるものなのですか。
〇鎌田特命参事兼青少年・男女共同参画課長 具体的な事業の声については、今、手元にございませんけれども、例えば、青少年の健全育成に関する意識調査につきましては、そちらのほうで課題を把握しまして、今度の第2期アクションプランやさまざまな計画等に、その施策を反映させるようにしているところでございます。
〇小林正信委員 ぱっと出てこないようだと、若者のための具体的なしっかり大きい取り組みが、まだ不十分なのかという気もいたします。せっかく集めたこの若者の声や意見、あるいは課題意識をしっかりと県政に反映させていく。そして、それを若者に、あなたたちの意見がこうなりましたということをしっかり伝えていくという、そういう作業をしていく中で、行政に対する信頼、若者の信頼も増していくのかなと思います。ただ活躍を頑張れと言うのではなくて、往還作用といいますか、そういうのをぜひしっかり行っていただきたい、吸い上げもしっかり行っていただきたいと思います。
 次に、困難を有する若者の支援について、まず、子ども・若者総合相談センターの相談状況についてお伺いいたします。
 また、相談の状況をどう分析しているか、もしわかれば、お伺いしたいと思います。
〇鎌田特命参事兼青少年・男女共同参画課長 子ども・若者総合相談センターの令和3年度の状況についてでございますが、県では、アイーナにある青少年活動交流センター内の青少年なやみ相談室を子ども・若者育成支援推進法に基づく子ども・若者総合相談センターとして位置づけて、総合相談窓口として、青少年やその保護者等からの相談に対応しているところでございます。
 令和3年度は、面談や電話、メールなどによりまして、延べ728件の相談を受け付けたところでございます。
相談内容は、学業や進路のこと、人間関係のことなどさまざまですけれども、相談内容の傾聴とあわせて、必要に応じて各種関係機関につなぐことなどにより、問題解決が図られているところでございます。
〇小林正信委員 延べ728件ということで、令和2年度よりもふえているという状況なのかなと思っておりました。コロナ禍によって、若い世代を取り巻くさまざまな環境の悪化、その結果、自殺者数初め多くの調査結果で悪い数値が出ていると。県としても、困難を有する若者に対する支援のさらなる充実が必要と考えますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
〇鎌田特命参事兼青少年・男女共同参画課長 困難を抱える若者に対する支援の充実についてでございますが、近年の子供、若者をめぐる状況は、情報メディアに起因するトラブル、若年無業者など問題が複雑化、多様化している状況にありますことから、教育、福祉、保健医療、雇用、更生保護など、関連する分野が連携して、それぞれの専門性を生かした支援を行っていくことが重要と考えております。
 県では、困難を抱える若者に対しまして、関係機関の連携による支援を効果的かつ円滑に実施するため、平成28年度に子ども・若者自立支援ネットワーク会議を設置したところでございます。この会議には、民間の青少年支援団体も含めた各分野の関係機関が参加しておりまして、団体間の連絡調整や情報交換により、連携体制を構築するとともに、研修会の実施等により、人材の育成や交流に取り組んでいるところでございます。
 また、若年無業者等の社会的な自立支援に向けまして、厚生労働省の地域若者サポートステーションと連携しながら、若者の活動、交流支援、訪問支援、就業支援等に取り組んでいるところでございます。引き続き、関係機関との連携を図りながら、子供、若者支援の充実を図っていきたいと考えております。
〇小林正信委員 以前にもお話しさせていただいたのですけれども、岩手県の若者施策について、元気な若者の活躍支援という部分に力を入れていると感じておりまして、コロナ禍を受けて、元気を失っている若者、困難を抱えたり、支援が必要な若者に対する支援、これを充実させていかないと、本当に若者支援が片手落ちになってしまうのではないかと考えております。その上で、先ほども申し上げました体制の強化もそうですし、具体的な取り組みも必要になってくるかと。
 困難を有する若者に対する具体策について、先ほど連携を充実させていくとおっしゃっておりましたけれども、県としても、何か事業を立ち上げるとか、具体的な取り組みも必要なのではないかと思うのですけれども、そのあたりのお考えがあれば、お伺いしたいと思います。
〇田丸若者女性協働推進室長 具体策につきましては、公益社団法人岩手県青少年育成県民会議の事業等を通じまして、社会生活に困難を有する子供、若者支援セミナーの開催や、青少年相談事例検討会などを開催し、情報共有を図ってまいりたいと考えております。
 また、先進地視察などを行いまして、先進地における子ども・若者総合相談センター等の運営体制を参考にしながら、調査を行ってまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 子ども・若者総合相談センターも、非常に頑張ってやっていただいていると思うのですけれども、専門職というか、そういうさまざまな課題を抱える若者を十分に支援できるような体制も必要なのかなと思っておりますし、また、県としても、この若者女性協働推進室に特命担当の方がいらっしゃると思うのですけれども、その方も、活躍支援と同時に、そういった困難を有する若者の支援にもしっかり目を向けて動いていただくことも重要なのかなと考えておりますので、ぜひ、この充実を図っていただければと思います。よろしくお願いいたします。
〇川村伸浩副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇川村伸浩副委員長 質疑がないようでありますので、これで環境生活部関係の質疑を終わります。
 環境生活部の皆さんは、退席されて結構です。御苦労さまでした。
 執行部席の消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、労働委員会事務局長に労働委員会関係の説明を求めます。
〇千葉労働委員会事務局長 労働委員会関係の決算につきまして、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、恐れ入りますが、その254ページをお開き願います。
 第5款労働費のうち3項労働委員会費が当委員会で所管するものでございます。予算現額の計1億1、771万円余に対しまして、支出済額は1億1、658万円余でございます。支出の内訳でございますが、1目委員会費の支出済額2、890万円余は、委員15名分の報酬や旅費など、労使紛争の解決を図るための労働委員会の運営に要した経費でございます。2目事務局費の支出済額8、768万円余は、事務局職員の人件費や旅費など、事務局の管理運営に要した経費であります。
 以上で労働委員会関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇川村伸浩副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇川村伸浩副委員長 質疑がないようでありますので、これで労働委員会関係の質疑を終わります。
 労働委員会事務局の皆さんは、退席されて結構です。御苦労さまでした。
 執行部席の消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。
〇岩渕商工労働観光部長 令和3年度の商工労働観光部関係の決算について、御説明申し上げます。
 初めに、総括的な取り組みと今後の取り組み方向についてでありますが、当部では、いわて県民計画(2019〜2028)が目指す、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわての実現に向けて、三陸沿岸道路の全線開通や復興で培った人のつながりを生かした、国内外からの誘客促進、食産業の振興などに取り組むとともに、ものづくり産業の一層の集積促進、人材の育成確保、移住、定住の取り組みの推進などを進めてまいりました。
 また、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、新型コロナウイルス感染症対策資金や地域企業経営支援金などの資金繰り支援、また、いわて旅応援プロジェクトや、いわての食応援プロジェクト、買うなら岩手のもの運動などにより、需要喚起策を展開してまいりました。
 現在、県内の経済状況は改善傾向にあると受けとめておりますが、影響の長期化に加えまして、原油価格、物価の高騰、円安の進行などにより、県内事業者は引き続き厳しい経営環境を強いられており、今後におきましても、感染状況や社会経済環境の変化等に的確に対応しつつ、関係団体と連携し、引き続き、中小企業者の事業継続、雇用の維持に向けて、資金繰り支援や需要喚起策、本業支援を連動しながら進めてまいります。
 続きまして、決算の概要について御説明申し上げます。
 令和3年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。
 一般会計歳出における商工労働観光部関係の決算は、2款総務費のうち4項地域振興費の一部、5款労働費のうち1項労政費、2項職業訓練費、14ページに参りまして、7款商工費、16ページに参りまして、11款災害復旧費のうち2項商工労働観光施設災害復旧費でありますが、これらの予算規模は1、718億4、729万円余、これに対する支出済額は1、335億5、149万円余、翌年度繰越額は138億6、377万円余、不用額は244億3、202万円余であります。次に38ページをお開き願います。中小企業振興資金特別会計でありますが、予算現額は、歳入歳出それぞれ16億664万円余であり、これに対する収入済額は15億6、537万円余、支出済額は14億8、589万円余であります。
 以上で、商工労働観光部関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇川村伸浩副委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇高橋はじめ委員 私から何点かお尋ねしたいと思います。まず初めに、指標の49、正社員の有効求人倍率についてお尋ねいたします。
 計画目標値、令和4年度1.03、令和3年度目標値1.0を掲げて事業を展開されたと思っております。実績値は0.88、達成度はD評価となっております。
 就業人口が減少する中で、必要な人員を確保するため、各事業所は、賃金、一時金の労働条件の向上、それから、職場環境の整備、社会保険、厚生年金、社宅や住宅手当の充実等、処遇改善などを図っているものと推察され、また、正社員での採用が増加しているものと思っておりましたけれども、実績値0.88という状態にあると。これは県平均でありまして、例えば地域ごと、あるいは業種ごとには相当なばらつきがあるのではないかとも推測されますが、この数値の実態はどのようになっているのか、お尋ねします。
〇駒木特命参事兼雇用推進課長 正社員の有効求人倍率の地域別、業種別の状況でありますが、年間を通じました実績値につきましては、県全体の数値だけが公表されているという状況でありまして、地域別等の年間を通じた実績は公表されていないところですが、公表数値でございます月別の職業安定所別の状況で申し上げますと、毎月の数値に上下のばらつきがございますが、高いところで北上、一関、水沢の管内が高い傾向にございます。
 また、業種ごとの状況につきましても、年間実績数値が公表されていないため、月別の産業別、新規求人数に占める正社員の割合で申し上げますと、全産業で40%台となっているのに対しまして、建設業が80%台と、高い傾向にございます。また、求人数の多い製造業は40%台後半、同じく、医療、福祉が40%前半となっておりまして、全産業平均40%台と、近い数値となっているところでございます。
〇高橋はじめ委員 内陸部は、比較的数値が高いと思っておりますけれども、ただ、県北地域や沿岸地域に行きますと、働く場が少ないということで、正社員の登用もなかなか難しいのかなと思います。
 それから、さまざまな業種が、例えば漁業も含めてということは、加工業とかそういったものに波及するわけですが、そういうところも軒並み数値が低いだろうと。それに伴って地域から流出する若者が多いことを非常に危惧しておりまして、その辺の情勢分析をしっかりとやっていく必要があると思っていますので、ぜひ、所管だけの数値ではなしに、県としても、しっかりと県内の状況を把握していただければと思っております。
 それから、最終年度となる令和4年度の目標値は1.0、計画目標値1.03とあります。この最終年度の令和4年度が半年経過しておりますけれども、現在の状況と年度末の見込み、それから、正社員の有効求人倍率を高めるための課題は何かということについて、どうお考えかお伺いします
〇駒木特命参事兼雇用推進課長 本年度の現状と、年度末の見込み、課題についてでありますが、最新の公表数値となります、ことし8月の正社員の有効求人倍率は0.94倍となっておりまして、17カ月連続で前年同月比を上回っている状況でございます。年度末の見込みにつきましては、県内経済は改善傾向にあると受けとめてはおりますけれども、物価高、円安などの影響も顕在化してきておりまして、岩手労働局にも確認いたしましたが、見通しが立てられない状況ということでお聞きしております。
 こうした物価高、円安の影響を今後とも注視していく必要があるということが、課題の一つでございますし、正社員の有効求人倍率を高めるためには、集積が進んでおります、自動車、半導体関連産業における正社員の雇用を一層進める必要があると考えているところでございます。
〇高橋はじめ委員 次に、二つ目の非正規雇用労働者についてお尋ねしたいと思います。
 国の就業構造基本調査は、5年に一度行われているということで、ことしが調査の年ということです。そうすると、今ここで議論するには、5年前の数字を使ってやらなければならないと、非常に現実離れしているような議論をしなければならないのは、非常につらいところはあるのですけれども、5年前の数値をもとにお話ししたいと思います。
 平成29年度数値によりますと、15歳以上の有業者65万4、600人、うち雇用者に占める非正規の職員、従業員比率が35.7%、約23万3、700人であります。3分の1が非正規雇用者であります。この非正規雇用労働者の賃金実態はどのように把握しているのかお尋ねします。
〇四戸特命参事兼労働課長 非正規雇用労働者の賃金実態についてでありますが、先ほどお話しのあった総務省の就業構造基本調査は、5年に一度の調査で、直近のデータは平成29年度のものとなっております。所得帯ごとのデータですけれども、非正規の職員、従業員における最も人数の多い割合の所得帯は100万円から149万円で全体の28.8%、次に多い所得帯は50万円から99万円で22.8%と、総じて低いところでございます。
 その背景といたしまして、学生アルバイトのような形態も含めておりますし、また、配偶者の方がいて、配偶者の扶養控除や社会保険料の負担を考慮して、年収を一定額に抑えるための就業調整を行っているケースなども、現状として考えられるところです。
 なお、高橋はじめ委員御案内のとおり、令和4年度の就業構造基本調査の結果は、来年7月以降に公表される予定となっておりますので、これらの調査も注視しながら、引き続き実態把握に努めてまいります。
〇高橋はじめ委員 100万円から149万円が28.8%、約3割ぐらいであります。きょうは、我々議員も年末調整の資料を出しましたが、1、000万円を超えると配偶者控除も対象外ということになりまして、経済を立て直すためには、収入をふやして消費を拡大していくのは大事なので、そういう意味ではこういう税制を、上限を取っ払うとか何かをしていただいて、雇用不足ですので、働ける人は大いに働いて所得を得て、その分をしっかりと国内で回していくという経済循環が必要ではないかと、私は思っております。令和4年度の指標がどのように出てくるか、楽しみにしておりますので、また、この問題は、機会がありましたら議論をしたいと思います。
 非正規の職員、従業員のうち、正規の職員、従業員の仕事がないからという不本意型非正規社員の割合ですが、全国12.6%、岩手県15.9%、非正規の職員、従業員に占める就業調整をしている割合―これは企業側ですが、全国26.2%、岩手県16.8%となっております。
 この間、新聞では、2021年に、不本意型非正規の割合ということで、男性17.1%、女性7.9%という数字が出ておりましたが、来年、この数字が本物なのかどうかを確かめなければなりませんが、正社員の登用及び正社員就職への切りかえを、企業や経済団体にどのように働きかけているのかお尋ねします。
〇駒木特命参事兼雇用推進課長 正社員の登用等の企業への働きかけについてでありますが、いわてで働こう推進協議会を核といたしました、いわて働き方改革運動の展開によりまして、非正規雇用労働者の正社員への登用などの企業の雇用、労働環境の向上を、オール岩手で促進しているところでございまして、企業や経済団体に対しましては、安定的雇用の確保といたしまして、国のキャリアアップ助成金を活用することなどにより、非正規雇用労働者の正社員転換、待遇改善に努めるよう、岩手労働局や市町村と連携して、要請しているところでございます。
 また、テレワーク導入経費の一部を補助するなど、働き方改革による生産性の向上を促進することにより、
県内企業における、非正規雇用労働者の正社員への登用等を支援しているところでございます。
〇高橋はじめ委員 非正規が全て問題ありということではないので、事情のある方は非正規で働かなければならないということも理解をしております。ただ、不本意型の雇用というところは、ゼロに近づけていかなければならない、そういう努力が必要だと思っています。正規雇用が増加しないと、労働者の将来の人生設計が成り立たない、つくりがたいと。家庭を持ち、子育てをしていくという人生設計が成り立たないようになってくることによって、少子化がどんどん進展していくのではないかという懸念もあります。
 また、雇用する側にとりましては、安定的な人材というか、陣容を構えるためには、非正規であれば、どんどん転職されても困るということを考えると、正規でしっかりと雇用しながら、その人材を大切に育て、そして、会社のさまざまな仕組みの中で頑張ってもらうということも大きなメリットでありますので、このところをもう一度それぞれに考えていく必要があるのではないかということで、ぜひ継続した取り組みをお願いしたいと思います。
 3点目です。キオクシア岩手株式会社の関係で質問させていただきます。
 本年4月6日、3次元フラッシュメモリを製造する国内最大級の拠点として、キオクシア岩手株式会社の北上工場―K2の起工式が行われました。2023年の夏、稼働を開始するという予定で、新たに、K2は全体で1、200人ぐらいの雇用が予定されているようですが、2023年は245人、2024年も同規模の採用をするという方針であります。現時点での従業員の募集、そして、採用の状況、新採用者の出身地、これらについて情報をお持ちであれば、お伺いしたいと思います。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 キオクシア岩手株式会社の従業員の募集、採用の状況でございます。キオクシア岩手株式会社では、ことし4月に134名の新卒者を採用しております。その後も、必要に応じて中途採用を行うなど、工場の稼働に伴い、順調に雇用を拡大しており、令和4年9月1日現在の従業員数は1、464名となっております。
 来年4月の新卒者の採用計画は、先ほど高橋はじめ委員から御指摘のとおり、245名となっております。現在の状況は、大学生等58名が内定し、高校生については、現在、採用試験を実施していると聞いております。
 また、従業員の出身地につきましては、ことし4月採用の134名中116名が県内出身者であると聞いております。
〇高橋はじめ委員 高卒者あるいは大卒者もどんどん減ってきておりまして、採用活動が思うようになかなか進まないという現状ではないかということであります。
 そういう中で、県外からも多くの採用計画というか考えもあるとお伺いしておりましたが、この辺の動きについてはどうなのか。また、県外から来られる場合は、居住環境も整備していかなければならないと思っております。それらも含めて、県としての対応をお伺いしたいと思います。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 キオクシア岩手株式会社の場合は、今、高橋はじめ委員御指摘のとおり、全国から人を集めているという状況でございます。先ほど申しましたとおり、県内出身者が多いことは多いのですけれども、やはり全国から人を集めているという状況で、キオクシア岩手株式会社では、まず、自社において寮を確保するということを優先して行っておりまして、来年4月の採用者まで含めた住宅の数は確保できる見込みと聞いております。
 県としましては、産業集積に伴う雇用の増加など、新たな人の流れが出てきております。地元市町村と連携しながら、住宅の確保も含めた必要な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇高橋はじめ委員 これからまた、五月雨式に採用がどんどん出てくると思いますし、また、関連企業も進出してくれば、その分の雇用の場もふえてくる。ただ、地元で採用できる人数も限られてきておりますので、どうしても県外に頼らざるを得ないという状況だと思います。
 そういう意味では、工場のある北上市を中心とした周辺の市町村としっかりと連携をとりながら、居住環境は遅滞なく取り組んでいく必要がある。特に釜石自動車道が開通していますので、私は、釜石市あたりまで通勤可能ではないかという思いもしております。北上市に居住しなくても、釜石市から仕事に来るようなことも含めて考えていただければと思います。
 それから、このようなキオクシア岩手株式会社の採用状況によって、地元企業が新採用しにくいという状況があります。これらについても対応していかなければならないと思いますが、その辺、県としての対応はどうか。
それから、先ほど少し言いましたが、関連企業の進出はどうなっているのか。その関連企業も、北上市周辺となるのでしょうけれども、可能であれば、雇用の場の少ない県北地域や沿岸地域に企業誘致ができればという思いもしているのですけれども、その辺のこれからの誘致企業全体の考え方をどのようにお持ちか、あわせてお伺いをしたいと思います。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 今、高橋はじめ委員から2点の質問がございました。まず1点目の地元企業への対応でございます。県では、キオクシア岩手株式会社に限らずですけれども、誘致企業、地場企業を問わず、県内のものづくり企業が人材を確保できるように、新卒者等の県内就職とU・Iターンの促進に努めているところでございます。
 具体的には、小学生から高校生、大学生までの各段階に応じて、工場見学や出前授業、企業ガイダンスなどによって、県内ものづくり産業、企業への理解促進や、岩手県で働く意識の醸成に取り組んでいるところでございます。
 また、就業支援員や、県内就業・キャリア教育コーディネーター等による県内高校生、大学生等に対する就職支援、県内外大学の理工系学部等の就職担当教員への訪問強化や、県外大学での企業説明会の開催などに取り組んでいるところでございます。
 加えまして、進路決定に影響を持つと言われています保護者や教員に対しても、工場見学等により県内企業への理解がより深まるよう努めているところでございます。
 次に、関連企業の進出も含めまして、県内全域への波及というお話でございました。キオクシア岩手株式会社の進出を契機といたしまして、これまでに、半導体製造装置のメンテナンスや産業用ガスを供給する企業など約60社の関連企業が立地しております。これらの企業においては、複数の企業が、今後、増設を検討しております。当然ながら、キオクシア岩手株式会社の近隣に立地するというのが企業の意向にはなるわけですけれども、立地場所を問わないというところもございますので、そういうところにつきましては、我々としましても、県南地域だけでなくて、県北地域、沿岸地域を含めまして、物件を紹介しているところでございます。
〇川村伸浩副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時34分 休 憩
午後2時52分再開
〇川村伸浩副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇工藤勝子委員 観光振興についてお尋ねしてまいりたいと思います。
 都道府県別魅力度ランキングにおいて、昨年度は、岩手県は30位、今回は、発表で31位となりました。民間調査の発表でありまして、調査内容も不透明でありますし、何を根拠にしているかわからないとのことでもありました。ちなみに、1位は北海道、最下位は佐賀県であります。それでも、マスコミに発表されることで、少なからず観光に影響があるということが想定されるとして、この都道府県別魅力度ランキングに対する批判が他県の知事から上がっているところでもあります。
 岩手県は、県民がもっと観光に力を入れて磨いていけば、全国に劣らない、北海道にも劣らない、すばらしい環境を持っている観光県になれると私は思っているのですが、最初で申しわけないのですが、商工労働観光部長にお聞きいたします。
〇岩渕商工労働観光部長 先般、公表されまして、メディアでも大きく取り上げられました都道府県別魅力度ランキングにつきましては、民間調査会社が、地域のブランド力を消費者が各地域に抱く魅力で数値化したものであり、アンケートが中心と承知しております。客観的なデータに基づくものではないと承知しておりますが、このようなランキングで、本県がより上位に位置づけられれば、観光入り込み客数の増加にもつながっていくものと考えております。
 この公表に際しては、メディアにおきまして、本県出身のプロスポーツ選手の活躍が大きく取り上げられていたと承知しております。県といたしましても、今年度、千葉ロッテマリーンズの冠協賛試合、黄金の國いわて・大船渡ナイターの開催などにより、首都圏からの観光誘客を拡大するための取り組みなども進めておりまして、県外の多くの方々に、本県の魅力を効果的に発信しながら、こういう魅力度ランキングの向上にも努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 岩手県は、自然環境もそうですけれども、食文化、歴史文化、いろいろな形の中で、人情的な人間性も含めて、もっと上位にランクされてもいいのではないかと思っているところでありまして、次に期待をするところでもありますし、こういう調査が本当に現実味を帯びて、いろいろな観光をする人たちに影響を与えるのかということも、不透明であると思っているところでもあります。
 そういう中におきまして、令和3年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大による全国的な緊急事態宣言、県独自の緊急事態宣言によって、観光産業に大きな影響を与えたと思っております。私は農業をしているのですが、一次産業の農業の消費も非常に大きく落ち込み、お米の価格が下落したり、非常に消費が減ったりという状況にもなって、農業も観光と一体となる必要があると思っているところであります。そういう中で、県内における観光客の状況についてお尋ねいたします。
〇高橋観光・プロモーション室長 令和3年度の観光客の状況についてでありますが、観光庁の宿泊旅行統計調査では、本県への延べ宿泊者数は約443万人と、コロナ禍前の令和元年比で約184万人減、率にして約29%減、コロナ禍の令和2年度比で、約12万人増、率にして約3%増となっております。
〇工藤勝子委員 新型コロナウイルス感染症はおさまりそうでなかなかおさまらない。これからも、きっと高くなったり低くなったりしながら続くのではないかと思っております。そういう中において、今後、広域的な連携を深めていくことも非常に大事ではないかと思っているところであります。特に北海道・北東北の縄文遺跡群の関係で、北海道と秋田県、青森県の北東北3県の周遊といったところをしっかりと情報発信していくことが必要ではないかと思っているところであります。
 その中で、北東北3県の観光客の状況と、それから、東北地方における観光客の流れは、岩手県と同じなのかもしれませんけれども、東北地方の状況をお聞きしたいと思っております。あわせて、北東北3県の連携構築における課題についてもお伺いいたします。
〇高橋観光・プロモーション室長 令和3年度の東北6県、北東北3県の観光客の状況についてでありますが、観光庁の宿泊旅行統計調査では、東北6県の延べ宿泊者数は約2、902万人と、コロナ禍前の令和元年比で約1、468万人減、率にして約34%減、コロナ禍の令和2年比で約78万人減、約3%減となっております。北東北3県では、延べ宿泊者数は約1、066万人と、コロナ禍前の令和元年で約388万人減、率にして約27%減、コロナ禍の令和2年比で約49万人増、率にして約5%増となっております。
 北東北3県との連携というお話でございましたけれども、令和3年度で見ますと、岩手観光デスティネーションキャンペーン推進協議会が主体となりまして、震災から10年目の節目となる令和3年度におきましては、東北地方が一体となった東北デスティネーションキャンペーンを中心に、観光キャンペーンを展開したところでありまして、観光情報の発信を進めたところです。
 具体的な取り組みといたしましては、岩手観光キャンペーン推進協議会による盛岡駅前でのオープニングセレモニーイベントの開催を初め、昨年度は東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も開催されましたが、その期間中におきましては、東北ハウス岩手県連において、復興の姿と支援への感謝を発信するとともに、御所野遺跡の世界遺産登録について、PRを行ったところでございます。
 また一方で、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、当初予定しておりました国内外からの誘客、東北エリア内の流動拡大につながる多くの企画が中止及び延期とならざるを得ない状況となりましたが、デジタル周遊スタンプラリーやウエブ広告、インスタグラム等を活用しながら、デジタルを中心とする情報発信を実施するなど、柔軟にプロモーションを展開したところであり、今後、これらの取り組みで得られたノウハウやデータを活用して、今後の情報発信につなげていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 皆さんの御苦労が目に見えてわかるような気がいたしました。そういう中において、東北地方に与えた影響も大きいでしょうし、岩手県に与えた経済的な損失も非常に大きかったと、私は思っているところであります。
 そういう中において、Go To トラベルも行われましたが、この県民割の効果と課題についてお伺いいたします。
〇千葉プロモーション課長 県民割の関係でございますけれども、令和3年4月から本年10月10日まで、いわて旅応援プロジェクトとして実施してきたところでありまして、8月分までの精算実績で、少なくとも延べ150万人、約86億円の利用があったところでございます。
 県民割をほぼ通年で実施した令和3年度は、コロナ禍前の令和元年度やGo To トラベル事業が実施された令和2年度と比べまして、岩手県民の県内宿泊者数が増加に転じており、県民割の効果があったものと受けとめております。
 一方で、県外の方々を含む国内の宿泊者数は、回復傾向にはあるものの、コロナ禍前まで回復してないことが課題と認識しておりまして、市町村や関係事業者と連携して、岩手県の魅力を発信しながら、県外から岩手県への誘客促進を図ってまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 今は、県外から来る観光客が結構多くなってきていると思っております。それを肌で感じるのは、やはり産直施設であります。去年は、産直施設に幾ら物を出してもなかなか売れなかったのです。ということは、遠野市とか県民の人たちはわざわざ産直施設で物を買わなくてもいいのですけれども、よそから来た人たちがいろいろ買っていくわけです。そういう形の中で、ことしの売り上げが結構伸びている状況でもありますので、さらに、今度は、国もインバウンドを再開したわけでもありまして、外国人観光客も入ってくるだろうと思います。
 この前は浅草の様子が出ておりまして、すごい人出でありました。あそこまで日本に入ってきた人たちを、少しでも岩手県、東北地方に呼び込むために、インバウンドの効果的な宣伝を、今後どのようにしようとしているか、お聞きしたいと思います。
〇高橋観光・プロモーション室長 外国人観光客受け入れの取り組みでありますが、本県におきましては、大幅に減少した外国人観光客の早期回復を図るためには、外国人観光客の半数以上を占める台湾を、重点回復市場として取り組むことが有効であると考えております。
 いわて花巻空港の国際定期便の早期運航再開に向けて、関係部局と連携して、現地航空会社や旅行会社への働きを進めるほか、本年12月には、東北観光推進機構や東北各県等と連携いたしまして、現地でのPRイベント及び旅行会社等へのセールスなどの訪日プロモーションを実施する予定としております。
 また、本県への誘客を促進するためには、情報発信などが必要でございまして、これまでも、5月の官公庁の訪日観光実証事業の実証ツアーの受け入れなどを通じて、外国の旅行会社等に対しまして、本県の感染リスクの低さを初め、徹底した感染対策や岩手県への関心を高めるための情報発信等を国内外に行ってきたところでございます。
〇工藤勝子委員 これからも、効果的な情報発信をして、ぜひ、観光業界、そして、農家の人たちを元気にするようにお願いしたいと思っております。
 最後になりますけれども、全国旅行支援の補助金が決まりました。岩手県は、最初は18億円と、東北地方で一番低いという情報でありました。それでも、15億円の追加配分があったということで、ほっとしているところでもありますが、ちなみに、宮城県は52億円、秋田県は35億円、青森県は43億円、こういう状況で、当初の配分が極端に少なかった原因は、県民割とかということも書かれていますけれども、本当はどこにあったのでしょうか。
〇千葉プロモーション課長 全国旅行支援につきましては、国の補助金を活用して実施しているところでありますけれども、その財源は、これまで実施してきた県民割と一体的に運用することとされておりまして、これまで、まん延防止等重点措置に伴う事業の停止期間がなかった本県につきましては、全国の中でも予算の執行が進んでいたところでございます。
 また、全国旅行支援につきましては、県民割と異なりまして、全国の旅行事業者が参加対象となることから、これまで配分された補助金では、事業継続が困難と見込まれたことから、国に対して補助金の追加交付を要望していたところでございます。
〇工藤勝子委員 これからもコロナ禍は続いていくのだろうと先ほど申し上げましたが、今度、国でもまた全国旅行支援をする可能性もあるわけです。そのときに、国の情報をしっかり把握して、まず一番先に、補助金をしっかり取れるような取り組みをしていかなければならないと私は思ったところであります。
 そういう中において、基本的に何が重要なのか、何が欠けているのか、原因もあったのでしょうけれども、今後の計画とか、国に対する対応について商工労働観光部長から聞いて、終わりたいと思います。
〇岩渕商工労働観光部長 全国旅行支援につきましては、プロモーション課長が答弁したとおり、4月からの県民割と一体的に運用されてきたところでございまして、私どもとしても、この全国旅行支援が、9月から始まるのか、いつ始まるのかというあたりを見ておりまして、私は9月早々に観光庁に行って、岩手県の事情を話して、それは観光庁も、岩手県を含めた数県が非常に困っている話を聞いているという話を聞いていただきまして、今般、定例会で答弁したとおり、本県初め数県に追加配分いただいたところでありまして、額は非常に少ないのですけれども、それ自体はありがたいと感じているところでございます。
 国で、Go To トラベルの予算をまだ確保していると承知しておりますので、今のような県民割の延長で、全国規模で実施すると、全国規模の旅行代理店に大きな費用がかかってしまうということで、非常にやりにくい部分がございますので、国で一括してやっていただくことも含めながら、各県が平等に最後まで期間継続できるような予算の規模でやれるように、国については、継続的に全国知事会なども通じながら、しっかりと働きかけてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 最後と言いましたけれども、ある市の職員の中で、政府のインターネットを開いている専門の職員がいるのだそうです。それは、各省庁を全部専門にやっている職員がいます。そうすると、どういう事業があって、どういう事業を出そうとしているのか、いつ、どういうことが始まるのかというようなことをしっかり捉えながら、そこにきちんと飛びついていくのだそうです。そういう職員がいることによって、他の市町村ではとれない補助金をとってこられるという話をされた職員がおりました。
 県として、観光産業もそうですけれども、専門に政府のホームページなどを、どういう補助金があって、いつ、どういうものを出すのかという情報をとって、岩手県民が少しでも豊かになるといいますか、経済的に安定するといいますか、そういうことが大事だと思いますので、ぜひ、観光面でも、そういう部分でしっかりとやっていただければということをお願いして、終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇工藤大輔委員 それでは、企業立地の関係についてお伺いをしたいと思います。
 まず、企業立地は、地域の産業を牽引するという意味では、非常にその役割は大きいと認識をしております。令和2年度においては、県南地域において、新設が31件あったということで、これは過去に例がないぐらい非常に多かったと思いますけれども、過去5年間の企業誘致の取り組みをどのように評価をしているのか、実績、また、雇用人数とあわせてお示し願いたいと思います。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 過去5年間における広域振興圏別の企業誘致の実績と雇用人数でありますが、平成29年度から令和3年度までの5年間における本県の新規企業立地件数は87件となっており、広域振興圏別では、県央広域振興圏が16件、県南広域振興圏が64件、沿岸広域振興圏が4件、県北広域振興圏が3件となっているところでございます。
 また、増設件数は、5年間で76件となっておりまして、広域振興圏別では、県央広域振興圏が6件、県南広域振興圏が52件、沿岸広域振興圏が8件、県北広域振興圏が10件となっているところでございます。
 これらに伴う雇用人数につきましては、新規の立地で約4、500人、増設で約1、700人の計6、200人となっておりまして、広域振興圏別では、県央広域振興圏が約300人、県南広域振興圏が約5、700人、沿岸広域振興圏と県北広域振興圏がそれぞれ100人となっているところでございます。
〇工藤大輔委員 誘致企業の規模によって、雇用人数にもかなり差があると見受けられます。
 そこで、全県的には、取り組みの成果指標から見れば、この企業誘致の関係は、ほとんどAという評価になっています。件数にしても、医療機器の関係の取り引きとか、取り引き成約件数とか、クラスターに新規に参加する地場企業数とか、さまざま指標を見れば、非常にいい成果になっていると思うのですが、県北地域、沿岸地域で見た場合には、実際の雇用の人数、規模感からすると、うまく進んでいるという実感をなかなか持てないのが実情だと思います。
 そこで、県北広域振興圏、沿岸広域振興圏における取り組みの成果について、この評価はAですけれども、どのように評価しているのかをお伺いします。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 県北地域、沿岸地域への企業誘致の取り組み成果でございます。県では、これまで県北地域、沿岸地域における優遇制度の拡充、あるいは国の津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金などを活用しながら、食産業や電子部品産業、造船業など、地域の資源を生かし、地域の中核となって産業を牽引するような企業の誘致、あるいは業容の拡大などのほか、地場企業の振興もあわせて取り組んできたところでございます。
 このような取り組みによって、近年では、地域では初めてとなります、医療用機械器具製造企業が操業を開始し、さらなる業容拡大も行っているほか、水産加工や機能性食品などの食料品製造企業の新規立地、あるいは大手空気圧機器製造企業や食肉加工企業による大型工場の増設など、新たな産業分野の立地や豊富な地域資源を生かした事業展開が行われていると認識しております。
〇工藤大輔委員 今、お答えいただいた内容は、既に地域に根づいて活動していただいて、それぞれ効果は出ていると思うのですが、その数というか、恐らく地域との認識にギャップがあるということについては、認識をしていただきたいと思います。
 そして、医療機器関係の話があったわけですが、県北地域、沿岸地域は、大きい企業がどっと来ても、なかなか人を集められるかどうかということについて、心配があるのが実情でもあります。なので、小さく生んで、大きく育てるということで、絶え間ない支援をしていかなければならないのだと思います。医療機器関係の会社においても、県内でつくった製品、例えば県立病院等でより使ってもらえるような働きかけ、あるいは商工団体が一体となって、そういった県内製造のものを県内の地域にある会社や病院等で使おうという、その県民運動的なものをもう少し進めていただきたいと思いますし、実績を残していただきたいと思います。それによって、例えば医療であれば、利用拡大、あるいは共同研究とか、そういった分野まで進んでいき、次の業容拡大ということにもつながっていくのだと思いますが、この件についてお伺いしたいと思います。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 工藤大輔委員からお尋ねのありました、県内で製造される医療機器の県内での利用拡大についてですが、これにつきましては、医療機器に限らず、県内で製造されたものは県内で消費していただくということにつきましては、我々も念頭に置きながら取り組んでいるところでございます。
 今、工藤大輔委員からお話のあった医療機器につきましては、当然ながら、医療局などにもつないでおりますし、その医療機器を扱っております卸業者とも話はしているところでございます。なかなか進まないという現実はあるのですけれども、そういう取り組みを我々もしております。
〇工藤大輔委員 ぜひ積極的にアプローチをかけ続けていただいて、その使用実績の成果を出していただきますようにお願いしたいと思います。
 また、これからの県北地域、沿岸地域の企業誘致の数、先ほどの数値等で見ると、県北地域、沿岸地域は新設がちょっと少なく、増設は、率からすれば比較的多いような傾向に長年あります。三陸沿岸道路も通ったということで、三陸沿岸道路のストック効果をどのように生かしていくかということが課題になっているということで、これは、広域振興局等でも、取り組み等も進めているところでありますけれども、その効果を早く見せていただける機会があればと思っております。
 県北地域で見れば、八戸市の工業圏は、青森県でもまず一番ですし、そのようなところとの距離の壁は、その時間との関係でなくなってきているということにもなっていますが、こちらに目を向けてもらうためには、今さまざまな支援策があるわけですけれども、さらにもう一歩踏み込んだ対策が必要、あるいは具体の戦略が必要ではないかと思います。それとあわせることによって、三陸沿岸道路のストック効果がより効果を発揮すると思いますが、今後の県北地域、沿岸地域の企業誘致に対する取り組みをお伺いします。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 県北地域、沿岸地域における今後の企業誘致の取り組みについてでありますが、県北地域、沿岸地域におきましては、現在、情報関連企業、あるいは電子申請等のサービスの受託企業のほか、半導体関連企業など、多様な企業の立地の動きが出てきております。詳細はお伝えできないのが残念ですけれども、こういう動きも出てきておりますので、これらを確実なものとするため、市町村や関係機関と連携して取り組んでいるところでございます。
 県では、国の津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金や、先ほども申しましたけれども、内陸部に比べてかなり有利な補助制度もつくっております。また、近年、再生可能エネルギーへの関心も高まっていることもありますし、先ほど工藤大輔委員から御紹介がありましたとおり、物流環境が大きく向上しているとことなど、さまざまな要因がございますので、引き続き、市町村や関係機関と連携しながら、企業動向、環境の変化等にも的確に対応しながら、企業誘致に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤大輔委員 全体的な話で見ればわかりましたが、より企業にぐっと刺さるような、具体的な対策を示していただき、また、まとめていただいて、このフルセットで地域へのアピールをしていただきたいと思います。これは要望にしたいと思います。
 さまざま全県の状況を数値で見れば、特許の出願相談件数とか、産学官共同研究、あるいは県産品の輸出や商談会の出展企業数など、平成29年度比で増加をしているということで、傾向的には、いい傾向にはあるのだと思います。それらを、今後、いわて県民計画(2019〜2028)の成果指標をさらに上積みをしていただけるような取り組みを積極的に進めていただきたいと思います。以前は企業ネットワークいわてが2019年には東京都で開催されました。県土整備部では、昨年、いわてポートフォーラム2021を花巻市で開催したようであります。
 このような取り組みを、商工分野では2019年に開催して以降、コロナ禍ということもあって開催できないでいると思いますが、今後、企業へのアプローチをどのように進めていくかということについてもお示ししていただきたいと思いますし、コロナ禍にありますけれども、そちらにいろいろな話が来ているのだと思いますし、いろいろ期待できるものもあるのだとも思います。コロナ禍の展望について、最後にお伺いして、終わりたいと思います。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 まず、企業ネットワークいわてについてでございます。県では、これまで市町村等と連携しまして、既に県内に立地していただいている企業のフォローアップ、あるいは新たに本県への進出を考えている企業などに対して、産業施策や立地環境等、本県の魅力をアピールすることを目的として、東京都については毎年、大阪市と名古屋市については隔年で、企業ネットワークを開催してきたところでございます。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、工藤大輔委員から今お話がありましたとおり、一昨年、昨年と開催を見送ってきたところでございます。社会経済活動の再開に向けた機運の高まりを受けまして、今年度は、来月11日に、3年ぶりに東京都で開催することとしております。今回は、産業集積を一層推進するため、県土整備部がこれまで開催してきましたポートフォーラムと一体的に開催することとしており、名称もいわてフォーラム2022 in 東京に変更し、これには知事が出席しまして、直接、首都圏の企業に働きかけることとしております。
 今後の企業へのアプローチ、それから、コロナ禍後の展望でございます。コロナ禍にあっても、企業活動は動いておりますので、我々のところにもさまざまな話が来ております。それから、我々もコロナ禍だからといってとまることはなく、企業へのアプローチを続けております。アフターコロナを見据えながら、このようなイベント等も積極的に活用しまして、引き続き、市町村と一緒になって、県を挙げて、企業誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 私は、宿泊業への支援について、1項目だけ質問させていただきたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症の拡大によって、宿泊業の方々は大きな打撃をこの間受けてきたということでありますけれども、県内の宿泊施設の数にも影響が出ているのではないかと思っています。初めに、担当は別だと思いますが、宿泊施設の数の推移はどうなっているのか。ふえてはいないと思いますけれども、減少しているということであれば、その要因が何なのかということについてお伺いをいたします。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 県内宿泊施設数の推移でありますが、旅館業の営業許可を受けた施設数でお答えいたしますと、厚生労働省の統計によれば、最新のデータでございます令和2年度は1、106件であったのに対し、5年前、平成28年度は1、141件となっておりまして、ここ5年間で35件の減少となっております。
 その理由でありますが、宿泊客の減少、営業者の方が亡くなってしまったということ、あるいは営業者の変更などが多いとお聞きをしております。
〇佐々木努委員 思ったよりも減少していないという印象を持ったわけでありますけれども、コロナ禍において、さまざまな国、県、市町村の支援、特に新型コロナウイルス感染症の特別融資などが命綱となってきたと思うわけでありますが、帝国データバンクの調査によりますと、このコロナ禍の影響を一番受けているのが宿泊業で、借入金の過剰債務の割合が一番高いのも宿泊業。そして、新型コロナウイルス感染症による融資を受けた事業者のうち4分の1が倒産の危機にあるのではないかと言われているわけでありますが、県内の借り入れの状況、そして、もう返済が始まっているところもあると思いますが、その返済の状況はどうなっているのか、もしわかればお願いします。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 宿泊業に対する融資の状況でございます。昨年5月末まで実施しておりました新型コロナウイルス感染症対応資金―ゼロゼロ融資―でございますが、この県内宿泊業に対する融資実績は174件、34億346万円余となっております。返済の状況につきましては、令和4年9月末現在で、全体の約4割に当たる72件において、返済が開始されております。
〇佐々木努委員 返済ができなくて、猶予を申請しているとか、借りかえとか、そういうところもあると思うわけでありまして、これからが、本当の意味で正念場だと思います。今は、第7波が収束したということもあり、国も大幅に水際対策を緩和したということで、外国人観光客も入り始めているということであります。それから、国の宿泊支援も始まって、宿泊業者にしては大いに期待をしたいところではあると思うのですが、コロナ禍はまだ続いておりますし、融資の返済、あるいは人手不足が重なって、さらには物価高、まさに今、宿泊業者は四重苦の状況にあると思っているわけでありまして、県としても、さまざま対策を講じてきていただいたとは思いますが、なお一層の御支援をお願いしたいと思います。
 ただ、私は、県の支援も限界があると思いまして、宿泊業の方々の努力、特に観光客や宿泊客を呼び込む努力は必要ですし、それを支える県、市町村も、できる限り県内外からのお客さんを誘客する、あるいは外国人観光客を誘致するという取り組みを進める必要があると思うわけであります。
 先ほど申し上げましたが、10月11日に水際対策が大幅に緩和され、テレビなどを見ますと、国内各地で、外国人観光客が観光を楽しむ姿が見られておりますし、また、円安に乗じて爆買いをしていく外国人の方々もいらっしゃるということで、私もすごく期待しているわけですが、11日以降、県内に何かそのような動きがあるのか。外国人のお客さんが来ているような、あるいは宿泊施設で予約が始まっているとか、そういう動きがあるのかどうか、もし押さえていれば教えてください。
〇高橋観光・プロモーション室長 水際対策の大幅な緩和に伴うインバウンドの状況についてでございます。
 10月11日から、水際措置の大幅緩和によりまして、外国人観光客の入国については、入国ビザの免除措置の再開、あるいはパッケージツアーに限定する措置の解除など、コロナ禍前とほぼ同じような状況になったということでございます。
 県内の主要な宿泊施設からの聞き取りによりますと、今月の大幅な緩和によりまして、香港、シンガポール、タイ、アメリカなどからの団体旅行による来県が増加してきているということでありまして、ある施設においては、ハワイ、シンガポールの団体旅行が複数来ており、ガイドつきの団体ツアーに動きが出てきているが、FITはまだだと感じているとのことです。また、違う施設では、タイ、シンガポールからの団体旅行がどんどん入っている。また、ある施設では、香港からの団体旅行がぽつぽつ入ってきており、きょう、アメリカのバスツアーも入ってきたということで、団体旅行を中心に外国人観光客がふえているという形でございます。
 なお、これまで本県への外国人観光客の半数以上を占めている台湾においても、10月13日からの水際措置の緩和により、団体旅行の販売が解禁されまして、今後、台湾からのインバウンドの需要が回復することを期待しております。
〇佐々木努委員 うれしい話というか、少し希望が見えてきたような気がしますが、今、答弁があったように、これまで岩手県の外国人観光客の多くは台湾とか香港と言われていましたし、その前は、中国とかも来ていらっしゃいましたが、今、それ以外の国の名前がたくさん出てきました。
 先ほどの工藤勝子委員の質問の際の答弁では、台湾からの集客をこれからも頑張っていきたいと。そのために、定期便の再開に向けた取り組みを進めていくというお話がありましたが、私は、定期便を当てにしなければ、岩手県になかなか外国人が来られないという状況はつくってほしくないと思います。
 先ほどおっしゃったように、さまざまな国から、さまざまな方々が、県内さまざまな場所に来ていただくような流れをぜひつくるべきだと思いますが、こういう機会ですから、県として、今まではこういうことを取り組んでこなかったけれども、なければないと言ってもらって結構ですけれども、これから新たにこういうことにも取り組んでみたらいいのではないかと考えていることがあったら、ぜひお聞かせいただきたいし、もし、それが非常に効果のあるものだったら、どんどん進めていただきたいと思うのですが、何かありますか。
〇高橋観光・プロモーション室長 先ほど、いわて花巻空港ではなくという話もありましたけれども、いわて花巻空港は、多くの方々を岩手県に誘客し、県内の宿泊施設に多く泊まっていただけるということで、重要なミッションだと感じておりますが、佐々木努委員のお話しのとおり、私どもといたしましては、今後は、データに基づくマーケティング分析をしながら、市場の動向などを的確に捉えて、アジア市場のリピーター層、あるいは欧米、オーストラリア、こういった市場の消費単価が高い旅行者などをターゲットに、市場別の戦略に基づいて、東北観光推進機構や東北各県と一体となって、訪日プロモーションを展開して、外国人観光客の誘客につなげ、観光消費額の拡大による本県経済の活性化を図っていきたいと考えております。
 なお、日本政府観光局においては、これからの訪日観光の柱となるのはサステナブルツーリズム、あるいはアドベンチャートラベル、高付加価値旅行の情報発信等のインバウンドの本格的な回復に向けた取り組みを強化していくことが重要だという話もございますので、そういったことも研究しながら、進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 いわて花巻空港を利用したインバウンドの促進はだめだということを言っているわけではなくて、それはそれで今までより、どんどんやってくださいということで、それ以上のことをしないと、いい流れが出てきたのに他県に行かれてしまうので、それ以外を頑張ってくださいということを私は話したわけですので、誤解をされないようにお願いします。
 そして、今、さまざまな取り組みについて研究をしていくという話がありましたが、私は、検討とか研究は確かに必要ですが、その先、いかに、それを早期に計画して、実現をさせるかというのが、最終的に岩手県が他県に勝つことにつながると思いますから、他県に負けないようなスピード感を持って、先手、先手で、さまざまな事業を企画する、あるいはPRを進めていくことに取り組んでいただきたいということを御期待申し上げて、質問を終わります。
〇菅野ひろのり委員 私からは、ものづくり産業の振興について伺います。
 令和3年度の県税収入は1、342億円ということで、前年比4.9%増の62億円ふえ、当初の見込みより増加しているということでしたが、このうち、製造業の状況はどうなっているか、まずお伺いします。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 令和3年度の県税収入における製造業の状況でございます。法人二税と言われております法人県民税及び法人事業税の令和3年度の税収のうち、製造業は約94億円となっておりまして、業種別で見ると約3割となっております。
〇菅野ひろのり委員 約3割ということでございました。確認ですけれども、これはいろいろな業種があると思いますが、どの程度の割合というか、どのぐらいの位置にいるのか教えてください。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 今、御答弁申し上げた3割ですけれども、業種別として、農業、卸、小売、サービス業等々あるのですけれども、この中では一番の税収になっているということでございます。
〇菅野ひろのり委員 北上川バレープロジェクトという計画の中で、自動車産業、あるいは半導体産業の集積をしていて、今、県の税収が少ない中で、この県の立地企業による法人税の収入、特に製造業の効果といいますか、大変大きなものがあると思っております。
 一方で、今は、円安や、世界情勢が不安定な中、ちょっと気になる情報もたくさんあるわけです。特に10月21日、先週の金曜日でありましたが、日経新聞、これは自動車産業の半導体不足を受けてということでありますが、トヨタの世界生産台数970万台の計画達成が難しいと。11月に国内8工場一部稼動停止という報道もありました。
 また、半導体も、キオクシア株式会社が先般3割の減産を発表しました。それで、一番懸念されるのが、雇用、働いている人はどうなるのだということだと思っています。これらに伴う雇用への影響はどうなっていますでしょうか。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 自動車、半導体企業の生産調整による雇用への影響ということでございます。まず、自動車産業におきましては、今、菅野ひろのり委員から御指摘のありましたとおり、半導体不足や、上海でのロックダウン等、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う部品の供給不足により、トヨタ自動車東日本株式会社岩手工場におきましても、ことしの8月まで断続的に生産ライン停止が行われ、また、先般11月も生産ラインの一部停止を行うということで、生産調整が行われているところでございます。
 これに伴う雇用調整ですけれども、トヨタ自動車東日本株式会社からは、生産ライン停止の期間中は、カイゼン活動などを行うことによりまして、人員整理などの雇用調整は行っていないと聞いております。
 それから、半導体産業におきましては、フラッシュメモリの世界的な需要の減速を受けまして、ことし9月に、キオクシア株式会社が、同社の四日市工場とキオクシア岩手株式会社の両工場において、減産を行うことが発表されたところでございます。キオクシア株式会社からの聞き取りによりますと、減産に当たって、人員整理あるいは生産ラインの停止を行う予定はないと聞いております。
 これらの企業とは情報交換を密に行っておりまして、県としましては、引き続き、本県ものづくり産業を牽引する自動車、半導体産業の動向を注視し、情報の把握に努めてまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 確認ですが、生産調整はないということでありましたけれども、例えば所得の減少であるとか、そういった懸念事項はあるのでしょうか。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 そこのところは、実は細かくは承知していないところでありますけれども、例えば半導体産業であれば、3交代で24時間働いているということでございますし、自動車産業もいずれフルで働くとかなり忙しいということでございますので、その時間が若干調整されるということはあるのではないかと思っております。
〇菅野ひろのり委員 今は、物価高で生活も苦しくて、さらに、これが賃金に影響してくるとなれば、県民の皆さんの生活が本当に大変な状況になりますので、細かいところになってくるのかもしれませんが、一方で大変重要な課題でもありますので、ぜひ、その点を把握いただきたいと思っております。
 自動車産業、半導体産業の今後の見込みについてですが、ものづくり自動車産業振興室の役割は、先ほど来から質問させていただきました雇用の確保、そして、税収の確保が最大のミッションだろうと思っております。また、自動車産業、半導体産業は、今後も、県の経済を牽引していく大きな産業ですから、これからの動向は大変重要だと思います。その見通しをお聞かせください。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 自動車産業、半導体産業の今後の見込みについてでございます。自動車産業につきましては、先ほどもお話ししたとおり、半導体不足によるラインの停止もありますけれども、依然、受注は好調と聞いております。自動車産業は、100年に一度の大変革期と言われており、今後、電動化など、カーボンニュートラル等への対応が進められていると認識しております。
 県としては、これを好機と捉えまして、いわて産業振興センターなどと連携し、県内企業の電動車部品製造への参入など、カーボンニュートラルの取り組みを推進するとともに、一関工業高等専門学校等と連携しまして、電動化に対応できる高度技術者を育成しながら、競争力の強化を進めているところでございます。
 また、半導体産業につきましては、一部企業において、生産を調整するという動きは見られますけれども、中長期的には、市場の拡大が見込まれております。また、国が経済安全保障の観点から、国内の半導体生産基盤の強化を進めておりますことから、今後も、県内の半導体部品、あるいは半導体製造装置メーカー、または、その取引先企業においても、業容拡大の動きが期待されるところでございます。
 また、東北経済産業局が事務局となって、7月に設立された産学官組織、東北半導体・エレクトロニクスデザイン研究会では、人材の育成、確保やサプライチェーンの強靱化などに取り組むこととしておりまして、このような動きとも連動しながら、引き続き、人材育成や取引拡大などを進め、県内半導体産業の成長を支援してまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 自動車産業、半導体産業は、先ほど工藤大輔委員の質疑の中でもありましたが、県南地域の新規企業立地は64件、増設件数は52件ということであり、約8割方が県南地域に集中しているということで、私も、県北地域、沿岸地域への企業誘致については注力していかなければいけないと思っています。
 今回、希望いわてでも、県内33市町村の要望のヒアリングに伺わせていただきました。県北地域の市町村からは、企業誘致や既存立地企業の活性化に向けて、従来の減税措置、そして、補助制度にとどまらず、取り組み、支援さらにやってほしいという要望があったところであります。
 今後、県北地域でどのように取り組んでいくかというところについては、先ほど工藤大輔委員の質疑で答弁がありましたので割愛しますが、引き続き、県北地域、沿岸地域にも取り組みをお願いしたいと思っています。
 最後に、企業立地促進奨励事業費補助金について伺います。全県ですから、県北地域、沿岸地域でそういった企業誘致が幅広くなされるためには、補助要件で新設だけでなく、増設も対象とするなど、県北地位や沿岸地域の条件を有利にしてもいいと思いますが、一方で、県南地域は、この補助金について、増設は要件の区分に入っていないということでございます。
 今、ドライバーの働き方改革という中で、一日の走行距離は、逆算すると500キロメートルとか600キロメートルになります。特に半導体などは高速道路で京浜港等へ行くわけですが、そうなると、県南地域の立地が、1日で行ける500キロメートルぐらいの距離となれば、需要がまだまだあるのだろうと思っています。実際に、奥州市江刺の新工業団地分譲が、予約5社決定ということで、投資250億円、雇用1、400人の見込みという報道もあったところでございます。
 ですから、私は、全県的な考えと、あとは県南地域の企業誘致の増設に対して、これを対象にしていく、拡充していく必要があるのではないかと考えておりますが、県の考えをお伺いします。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 今、菅野ひろのり委員から御紹介のありました企業立地促進奨励事業費補助金につきましては、一定規模の投資や雇用が見込まれ、地域経済や他産業への波及効果が高い製造業などを対象業種としているところでございます。この補助金におきましては、県北地域、沿岸地域など一層の産業集積が必要である地域については、増設も対象としているところでございます。
 ものづくり産業の集積を一層促進していくための企業に対する支援につきましては、現在におきましても、不断に検討を行っているところでございます。今後におきましても、限られた財源の中で、最大限の効果が発揮できるよう、全県的な視点に立った上で、企業のニーズなども十分に踏まえつつ、市町村とも相談しながら、引き続き検討を行ってまいりたいと思います。
〇菅野ひろのり委員 過去の答弁、会議録を確認しても、例えば金ケ崎町の塩野義製薬株式会社の件など、そういった拡充という声は多いのだろうと思っておりますので、引き続き、検討をお願いしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
〇臼澤勉委員 私からは、新型コロナウイルス感染症の拡大、あるいは昨今の物価高騰によって厳しい状況になっている中小企業者の事業継続に対する取り組みの中で、今定例会でも、物価高騰対策支援金について各議員からもいろいろと取り上げられておりますが、まず、今の支給実績、あるいは予算は大体10億円程度確保していたと記憶しておりますけれども、それに対する執行率がどのような状況になっているのか、評価も含めてお伺いします。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 物価高騰対策支援金の10月21日現在の支給実績でございます。二つございますが、原材料等支援金につきましては、10件で125万円、家賃等支援金につきましては、33件で280万円余ということで、合計で43件の400万円余でございます。予算は10億円ほど措置させていただいておりますが、執行率は数%という状況になっております。
 今定例会でも、使いにくい、わかりにくいというお声を頂戴しました。また、申請の場所が物価高騰対策支援金事務局ということで、商工会、商工会議所ではないことなどについて、いろいろ御指摘も受け、また、実際に、事業者の方からもお伺いしておりますけれども、そのような要因も重なっていると認識しております。
〇臼澤勉委員 執行率が本当に極めて低い。予算10億円を確保して、そういう非常に厳しい状況にあるという、県の認識はそのとおりであったと思うのです。ただ、ふたをあけてみて、実際に、原材料等支援金は10件です。家賃等支援金は33件で、今、予算に対する執行率が数%と言いますが、1%にも満たないような状況になっているわけです。
 それで、お聞きしますが、業界団体とか、中小企業事業者への情報提供とか、どのように行われてきたのかお伺いします。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 情報提供でありますが、新聞、ホームページ、市町村の広報誌及び商工団体の会報等に加えまして、ラジオCMや県のSNS等を活用して周知を図っておりますほか、コールセンターを設けて、電話による対応もしております。また、組合を所管いたします岩手県中小企業団体中央会と連携をいたしまして、傘下の中小企業団体にチラシを配布しました。
 これまでの過去の支援金では、建設業や製造業は対象となっていないことから、今回はそれらも対象になるということで、業界団体を通じた周知を重ねて行っております。岩手県中小企業団体中央会経由に加えまして、私ども県からも直接関係の団体に周知を依頼しております。
 このような状況ですが、制度の内容、活用のポイントがまだ十分に周知されてないということですので、改めて、商工指導団体や金融機関などを通じて周知をしてまいります。
〇臼澤勉委員 つまりは、まず、そういった支援ツールがあるということがしっかり伝わっているという認識なのですね。
 それでは、利用率が低いというところでちょっとお伺いしていきますが、今の事業申請に係る相談体制はどのようになっているのでしょうか。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 先ほどの答弁の繰り返して恐縮でございますが、今回の支援金につきましては、商工指導団体ではなく、一元管理ということで、専門の事務局を設置して対応しておりますが、そちらでは、申請受け付けから支払い、相談対応まで、一元で対応しておりますので、まずは、この事務局での対応ということでございます。
 また、当然にしてという言い方は変ですけれども、商工指導団体におかれましても、傘下の会員が、この支援金は何だろうということで御相談に行かれた場合には、当然、県からも情報は提供しておりますので、商工指導団体で御相談に応じていただいているケースもございます。
〇臼澤勉委員 今回のこの支援金が、県のある大手観光業者というか、JTBに委託されて行っていると聞いておりますが、なぜJTBなのかと思うわけであります。ふだん、小規模の事業を行っていますよね。中小企業者のそういった支援体制とか、さまざまなそういった指導については、商工会法とか商工会議所法を言うつもりはありませんけれども、いずれ商工業の総合的な改善、発達に努めるために、商工会あるいは商工会議所に、人件費補助、あるいはさまざまな相談体制の支援を行いながら、今まで、そういう信頼関係を築きながらやってきているわけです。ちなみに、商工会法の11条では、事業範囲で、しっかりと商工業に関しての相談に応じる、指導を行うということになっていて、新型コロナウイルス感染症とか物価高騰という、事業者が本当に悲鳴を上げているときに、頼るところは商工団体なのではないかなと私は思います。まず一元的には、商工団体がしっかり対応する。そのために、県内各市町村とか地域に、そういった窓口を設置しているという意味を、県はどのように認識しているのかとちょっと私は思って質問をしているわけであります。改めて、お伺いいたします。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 これまでの新型コロナウイルス感染症に関する支援金の業務につきましては、臼澤勉委員御指摘のとおり、各商工会、商工会議所で申請受け付けから支払いまで行っていただいておりました。こちらも人員体制の強化を図りながら、お引き受けいただいたところでありますけれども、これらの商工団体、経済活動の再開によりまして、複数の経済対策の窓口を担いながら、経営力の安定という本業の支援、あるいは伴走型支援を手厚くやっていく必要があるということでございまして、まずはそちらのほうにお力をということで、我々は考えたところでございます。
 そして、一元的に事務局で行うことで、申請の効率化を図ろうとしたところではありますけれども、やはり臼澤勉委員御指摘のとおり、頼りになるのは身近な商工会、商工会議所と私どもも理解しております。そのあたりを含めまして、実際の支払い、受け付け、審査の手続は、引き続き事務局で行いつつも、その申請に至るまでのお手伝い、あるいはその前さばき、家賃等支援金につきましては、タマネギ1個、ジュース1本でも10%以上上がっていて、売り上げが下がっていればお使いになれます。そういった申請のポイントなどが、私どもの努力不足でまだ伝わってないと感じておりますので、そのあたりをまずわかりやすく伝えつつ、窓口のほうで、商工会のほうでと考えております。
〇臼澤勉委員 私のところにも、今回のこの事業については、申請に当たって事務手続が煩雑であるとか、要件チェックに時間がかかり過ぎる、あるいは申請手続が、市町村とかでも似たような支援を独自でやっていて、そっちの支援のほうが簡素な手続で、非常に扱いやすいという話があって、商工会に対しても、問い合わせが非常に来ているそうなのです。ただ、我々は全然扱ってないのだということで、寄り添ってお話は聞いたり、相談には乗っているのだけれども、最終的には、うちらは直接的にはちょっとかかわっていないということで、現場も少し混乱しているというところは聞いております。
 それで、申請手続等の見直し、確認書類の見直しを含めた検討を、早急に進めるべきだと思っております。そこら辺の考え方をお伺いいたします。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 今回の手続の関係でございます。確認書類、今までは、売上減少に対する支援金でしたので、売上減少の書類があればオーケーだったのですが、今回は、物価高騰の部分をどう確認するかというところで、資料がふえているのは事実でございます。その上で、この関係書類をどのようにしていくかという見直しを図りつつ、また、受け付け体制につきましても、商工指導団体とお話をしながら、進めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 売上対象についても、過去3年間の売り上げ50%以上減少とか、売り上げが下がってきている中でも、いろいろ調べてみたら対象にならないということで、諦めた事業者も結構いるのです。今、本当に厳しい状況になっている中で、少しでもそういった支援を求めている。
 矢巾町の飲食店も、本当にここ最近、寿司屋も焼肉屋も店を閉じ始めているのです。本当にそういう、もう待ったなしの状況にあるということだけは、ぜひ御理解をいただきながら、必要なところに、速やかにそういった支援の手が差し伸べられるように、ぜひお願いしたいと思います。
 それから、次に新型コロナウイルス感染症対応資金の償還について、先ほど佐々木努委員からも、宿泊業のところについて御質問がありました。私は、全体のところでお伺いいたしますが、取り扱い実績と評価についてお伺いいたします。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 新型コロナウイルス感染症対応資金―ゼロゼロ融資でございます。累計で1万2、110件、1、944億790万円余の貸し付け実績となっております。
〇臼澤勉委員 今、企業を取り巻く経営の認識は、どのように捉えていますか。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 済みません。先ほど評価についての答弁が漏れておりましたけれども、多くの事業者に利用されたということと、資金繰り、経営の下支えに大きな役割を果たしたと考えております。
 最近では、県内経済は緩やかに持ち直しているという日本銀行盛岡事務所の概況報告がございますけれども、多くの事業者でコロナ禍前の売上回復に至らない。そして、全国調査ですが、債務の過剰感を感じている事業者が3割を超えるとされていることに加えまして、原材料の高騰、円安ということで、厳しい経営環境を強いられており、状況が複雑化していると認識しております。
〇臼澤勉委員 令和2年、令和3年に借りた事業者の返済が始まっておりますが、事故受け付けの金額、あるいは事故残高等、どのような状況になっているのかお伺いします。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 先ほどの融資の件、1万2、110件のうち約半数の6、642件につきまして、返済が開始されております。今、臼澤勉委員からお話のありました事故というのは、借入金の返済が滞る状態でございます。個別の資金ごとには取りまとめておりませんけれども、この保証を行っている岩手県信用保証協会の全ての保証承諾案件に係る事故の受け付けの状況は、令和4年9月末時点で、152件、16億4、500万円余、対前年比で90.1%と減少しております。事故残高でありますが、104件、9億4、300万円余、対前年比で77.9%と、同様に減少しております。
〇臼澤勉委員 この減少理由をどう捉えているのでしょうか。まだまだ非常に厳しいような状況がありますけれども、そこら辺の認識をお伺いします。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 事故につきましては、借入金の返済が滞る状態でございますが、この事故に至る前に、事故調整という、金融機関と信用保証会社が協力をしまして、速やかに正常化を図る条件変更の一種でございますが、こちらを行っておりまして、事故に至る前に、何とか調整を図るということが、功を奏しているのではないかと推察をしております。
〇臼澤勉委員 いずれリスケジュール等の条件変更、正常化を図る条件変更をしっかりと行って、事故調整を図っているというお話でありました。
 ただ、まだまだこれから予断を許さないような状況が、この物価高等々の中で、深刻なサインが今後あらわれてくるのだろうと思っております。
 現在の相談体制について、県あるいは金融機関等と連携して、どのように取り組んでいるのかお伺いします。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 コロナ禍での相談体制でございます。ことしの4月15日に、令和4年度第1号補正予算で措置いただきました事業を活用しまして、県内35商工指導団体に、ワンストップ窓口として、いわて中小企業事業継続支援センター相談窓口を開設しております。こちらにおきまして、金融機関や岩手県信用保証協会とも連携をしながら、きめ細かく相談に応じておりまして、9月30日現在、約4、500件の御相談をいただいており、現下のこの厳しい状況において、やはり相談のニーズも高いというところもございますし、さまざまな支援を展開していきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 そういった必要なところに、相談窓口を通じて、しっかり対応していると理解したいと思います。
 いずれにしましても、実効性のある経営支援対策が求められているのだと思いますし、今後、倒産防止の事業も含めて、商工団体あるいは金融機関しっかりと連携していかなければいけないと思います。具体的に、その実効性のある経営支援対策に今後、どう取り組んでいくお考えかお伺いします。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 今後の支援でありますが、先般、いわて中小企業事業継続支援センター会議という、商工団体、金融機関、産業支援機関等々を含めた総勢で五十数機関の会議を立ち上げております。その中で、例えば、すぐれた支援事例の共有とか、国の施策の共有など、さまざまな効果的な支援をすべく、関係機関が一丸となりまして、情報共有、そして、あとは地域ごとに個別の専門家派遣なども行いまして、金融面あるいは本業支援なども含めまして、この会議の中で、効果的な施策を考えてまいります。
〇臼澤勉委員 けさの岩手日報には、新型コロナウイルス感染症対策の貸付金の返済免除の記事がありました。別の事業ですけれども、私が以前に質問をさせてもらった中で、こういった過剰債務企業の債権カットの話をしました。そう簡単にできないことは重々承知していますが、こういう返済免除についてどう考えているのか。難しいのは重々わかっているのですけれども、そこら辺の対応も含めて、お伺いしたいと思います。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 震災当時は、債権買い取り、債権カットという動きがございました。国の一部でも、そういった動きがあるやに聞いております。今般の新しい経済対策の中で、新型コロナウイルス感染症対策に係る融資の借りかえを100%保証して、借りかえをするように、要は、その債務の延長といったものができるような仕組みづくりを、今検討していると聞いております。
 さきの首相の答弁の中にもありましたけれども、そういったものを使いながら、今ある融資を借りかえて、さらに延長して、何とか余力をつくっていくという動きが出てこようかと思いますので、県のほうでも機動的に対応してまいりたいと思います。
〇川村伸浩副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後4時11分 休 憩
午後4時32分再開
〇名須川晋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇吉田敬子委員 私からは、これまで、企業における仕事と家庭の両立支援について、さまざま取り上げてまいりましたが、きょうは、不妊治療と仕事を両立できる職場づくりについて、特にお伺いしたいと思います。
 不妊治療を受ける夫婦は増加しており、生殖補助医療による出生児は約14人に1人と、割合も増加しております。夫婦全体の約5.5組に1組が不妊の検査や治療を受けたことがある。また、不妊を心配したことがある夫婦は35%で、夫婦全体の約3組に1組の割合となっております。
 不妊治療と仕事の両立については、厚生労働省の調査等では、両立しているとする者は約5割しかおらず、約35%は、仕事をやめたり、雇用形態をかえているとの調査結果が出ております。本県においては、両立ができない、また、離職の割合など、本県の課題認識とそれに対する令和3年度の取り組み実績についてお伺いします。
〇四戸特命参事兼労働課長 県の課題認識と令和3年度の取り組み実績についてでありますが、令和2年度企業・事業所行動調査によりますと、回答した県内の615事業所のうち、不妊治療時の休暇制度を導入している事業者は、31事業所、5.0%となっております。また、県内の働き方改革推進運動参加事業所約740事業所を対象に、県が今年度新たに実施した、休暇制度等の利用実態調査によれば、速報値ですが、回答した394事業所のうち、不妊治療時の休暇制度を導入している事業所は、25事業所、6.3%となっております。このように支援制度の導入がまだ進んでいない状況であり、子供を持つことを希望する方が、治療に専念できる職場の意識醸成や休暇制度の導入など、不妊治療と仕事を両立できる環境づくりの促進が必要と認識しているところです。
 そうした中、令和3年度のいわて働き方改革アワードでは、未取得の年次有給休暇の積立制度を導入して、治療と仕事の両立につなげるなど、安心して働き続けられる職場環境づくりに取り組んでいる企業が受賞し、その後、取り組み事例の勉強会を行うなど、発信に努めてきたところでございます。
 また、いわて働き方改革推進協議会の場におきましても、産学官のトップの方々に対しまして、不妊治療等の休暇制度の導入促進を働きかけてきたところでございます。
〇吉田敬子委員 5.0%、6.3%ということで、制度自体は、まだまだ普及啓発していかなければいけないという実績でありました。
 そこで、私がさらに課題だと思っているのが、不妊治療に係る実態について、これも厚生労働省の調査ですけれども、不妊治療がどういうものかをほとんど知らない、全く知らないとする労働者が8割近くいるとともに、企業の67%は、不妊治療を行っている社員を把握していないという実態があります。これは厚生労働省の調査になっております。7割は、支援制度等を実施していないとの調査結果でありましたが、県内において、不妊治療を行っている労働者が受けられる支援制度等を実施している本県の企業の割合については、先ほどの割合の結果をいただきました。
 私自身は、先ほど、働き方改革等で不妊治療を行っている企業の取り組みを、事例として挙げられたということですけれども、その制度を企業につくっていただくこともそうなのですが、不妊治療自体がどういうものかを理解していない方々が多いという、経営者、特にトップの方々にも知っていただく必要があると思っております。
 これまでも取り上げているのですが、他県だと、そういった働きかけを、商工労働サイドが、企業に向けて不妊治療がどういうものであるかという紹介を、経営者向け等に研修で取り上げられているので、岩手県でも、そういったことにぜひ取り組んでいただきたいと思っておりますが、ことし2月の予算特別委員会の際には、いわてで働こう推進協議会等で、今年度新たに、勉強会と研修等を実施していくということでありましたけれども、改めてお伺いしたいと思います。
〇四戸特命参事兼労働課長 その後の取り組みにつきましては、先ほどの繰り返しになりますけれども、3月に開催いたしましたいわてで働こう推進協議会におきまして、不妊治療と仕事の両立ハンドブックを配布いたしまして、制度導入の働きかけをまず行っております。
 また、本年度につきましては、いわて働き方改革等推進事業費補助金の申請事業者に対しまして、説明会等を開催した際に、不妊治療の保険適用等についての制度説明を行ったところでございます。
 また、9月に、社員を大切にする経営の極意をテーマにした、いわて企業の魅力アップ支援セミナーを開催させていただきましたが、その中でも、不妊治療と仕事の両立ハンドブックを配布いたしまして、制度導入の働きかけを行ったところでございます。
〇吉田敬子委員 私は、休暇制度などを会社につくっていただいたり、国でも、令和3年度は、不妊治療のための休暇制度や両立支援制度の導入に取り組む中小企業事業者に対する助成金の活用等が始まっていますけれども、そういったものをお知らせするのもそうですけれども、不妊治療自体がどういうものかを知らないという方々がすごくいらっしゃって、だから、どういう仕組みで不妊治療が行われているかということを、経営者等の方々に知っていただくことも必要なのではないかと思います。他県でも、そういった事例があるということで、お話ししているのです。
 不妊治療に関する厚生労働省のさまざまな調査では、職場への共有状況として、治療をしている、治療を予定している労働者のうち、一切伝えていない、または、伝えない予定としている方が6割と最も多く、職場ではオープンにしている、また、オープンにする予定とした人は1割強にとどまっているので、実際にそういう人たちの声はなかなか企業で上がってこないのが現状だと思います。
 今年度からの保険適用拡大によって、私は、不妊治療を受ける人たちがさらに身近になってくるわけで、この制度、不妊治療がどういう過程を踏まなければいけないかということを企業の方々が知らないと、その両立支援にはつながらないという意味で、その休暇制度をつくっていただく前の段階の研修が必要ではないかということをお伝えしています。
 国が、こういった企業向けのマニュアルをことし3月に改定をしたということは、企業になかなか理解されていないから、こういう企業向けのマニュアルをいっぱいつくって、普及啓発しろということだと思いますが、その辺の認識について、改めてお伺いしたいと思います。
〇四戸特命参事兼労働課長 4月から、一般事業主行動計画の策定、届出、情報公表の対象拡大とか、くるみん認定基準の改正、新たに不妊治療と仕事の両立に関する認定制度が創設されることになったことなども踏まえまして、これまでは、さまざまなセミナーや会議を通して、制度周知を行ってきたところでございます。
 今年度、保健福祉部で、妊娠、不妊に関する正しい知識の普及啓発冊子MY LIFE PLANを作成したということで、それを企業にも広げたいというお話をいただいておりまして、その周知につきましても、一緒にやっていこうと考えております。
 また、私どもでも、働き方改革に取り組みながらも、不妊治療時の休暇制度を導入していない企業に、幾つかお話を伺ったところ、その治療中の社員の方と、制度導入に向けていろいろ話し合ったけれども、知られたくないということで、代わりに、不妊治療というのがわからない形で休暇を付与しているというお話も伺っておりまして、制度を導入していないものの、社員に寄り添った形で治療と仕事を両立する環境づくりに取り組む事業所もあると考えております。そのように、事業所にも、治療を受ける方々にも、いろいろな考え方や課題があると受けとめているところでございます。
 当部には、女性経営者8名で構成する女性就業促進部会がございまして、勉強会や商工団体との意見交換などに取り組んでいるところでございます。不妊治療につきましては、男女ともにかかわるところではございますけれども、まずは、こういったところでの議題に上げて、話し合いをもって、糸口として、どうすれば具体的な制度導入につながるか、工夫していきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 私も、周りの方々も含めて、そういう不妊治療を受けている方、受けられた方などからいろいろお話は伺うのですけれども、不妊だとか不妊治療については、プライバシーにかかわるというか、個人のことなので、なかなか自分で発信をしづらい方がやはり多くて、職場の中でも言いづらいことですし、確かにその制度自体は、不妊治療時の休暇制度としなくても、それが広く使えるような制度にすれば、私もそれが一番いいかと思います。
 次の質問として、保健福祉部や環境生活部との連携体制です。いわてで生み育てる支援本部を設置して、全庁的に取り組むと言っている中で、現在は、保健福祉部や環境生活部では、その当事者向けの不妊治療がどういうものか、支援制度がどうかということはやられているのですけれども、企業向けには、岩手県はやっておりません。いわてで生み育てる支援本部を設置して、予算特別委員会では、この支援本部を設置したからには、今後について、さらに期待させていただけるような御答弁はいただいておりましたので、そこでつくっていただいた資料も含めて、厚生労働省でも、もともとが企業向けにつくられたマニュアル等もありますので、ぜひ、そういったものをしっかり積極的に活用していただきつつ、なかなか出てこないと思いますけれども、今後、制度設計もしっかりやっていっていただきたいと思っております。最後に、御所見を伺いたいと思います。
〇四戸特命参事兼労働課長 先ほどの各部との連携体制につきましても、環境生活部には、いわて女性活躍推進員という方が、女性の活躍、企業等の認定制度の普及、拡大等で県内を回っております。その際に、各広域振興局の雇用の担当者とか、子育ての担当者も同行して、その中で、そういう拡充の制度の周知とか、働き方改革の取り組みとか、子育てに優しい制度について働きかけを行っております。
 先ほどのMY LIFE PLANのお話もしましたけれども、保健福祉部を初め、そういう大切なことを企業に周知したい場合に、なかなか機会がないということで、そういう場を、商工労働観光部サイドで提供していくことが非常に重要な役割だと考えておりますので、今後も工夫させていただきたいと思います。
〇高橋穏至委員 私からは、人口の社会減と転出減少対策及び転入増加対策について、総括質疑に関係して、ちょっと詳しいことを伺いたいと思います。
 総括質疑では、令和3年度の成果として、高校生の県内企業の認知割合などに課題はあるものの、過去最高の高卒者県内就職率、U・Iターン就職者や移住、定住の着実な増加の実績が出た。また、県内大学卒業生の県内就職率や正規社員の有効求人倍率など、数値が改善しているものもあって、社会減は、昨年3、870人に比べて、2、738人と縮小しているというのが、総括質疑で、政策企画部からいただいた答弁ですけれども、その成果について、担当部としては、転入者の実績、男女別とか、年齢階層別とか、県内の地域別あるいは転出者の実績について、同じように男女構成とか、年齢階層とか、県内の地域別はどうだったのか、詳細に押さえているのかお伺いしたいと思います。
〇三河定住推進・雇用労働室長 転入者の階層別、年齢別となりますと、20歳から24歳の男性が一番多くて、1、899名となっております。これにつきましては、令和2年10月から令和3年9月までの実態調査になっております。次いで、25歳から29歳までの転入者が1、544名、その次に、30歳から34歳までの転入者が1、049名となっております。これは男性でございまして、女性につきましては、20歳から24歳までが一番転入者数が多くて1、484名、25歳から29歳までが1、202名という結果となっております。
〇駒木特命参事兼雇用推進課長 県外への転出者の状況ですけれども、同じく、令和2年10月から令和3年9月までの状況で申し上げますと、全体で一番多いのが、20歳から24歳までのところで、男女合わせまして、5、131人転出しているところでございます。うち男性が2、635名、女性が2、496名となっているところでございます。
 また、地域別ですけれども、全体で約1万9、000人のうち、県央部が8、900名程度、県南地域が6、300人程度、沿岸地域が2、500人程度、県北地域が1、400人程度と、把握しております。
〇高橋穏至委員 今、年齢と、それから男女別で出てきたわけですが、統括質疑のときは、いわて統計白書からデータを持ってきて、これには差し引きの数値しか載っていなかったので、実際転入と転出はどうなのかなと。結局、転入も転出も、20歳から24歳、25歳から29歳が大半を占めているという状況になっているわけです。その転入対策をして、人口減にどう対応するかといったときに、男女別が大きいのかなと思ったら、男女別で見ても、余り大きな差は出てないのですが、あと、地域との差においては、キオクシア岩手株式会社の課題が先ほど出されましたけれども、北上市のほうに行くと、おかげさまで社会減ではなくて社会増ですが、実は、9割が男性で、女性はほとんどいないというお話を伺いました。そうすると、どうしても、岩手県で家庭をつくろうという形にはならないなというのを思ったわけですが、そこら辺はどう捉えていますでしょうか。
〇三河定住推進・雇用労働室長 ただいまの男女別につきまして、女性が県内に残らないということは非常に問題意識を持っておりまして、女性が県内にとどまる対策について、今後、一層力を入れていかなければならないと感じているところでございます。
〇高橋穏至委員 それを進めるために、実は、先ほど来、ほかの委員からの質問でもあったとおり、各広域振興圏でそれぞれ産業の状況も違い、抱えている課題も違うので、どう呼び込むかという対策も変わってくるのではないかと思うのです。
 そこで、誘致の政策とかそういったものも、個別にやらなければならないと思うのですが、市町村とのそういった対話はきちんとできているのかお伺いしたいと思います。
〇十良澤ものづくり自動車産業振興室長 今、高橋穏至委員からお尋ねのあった市町村との情報共有や、ふだんからの連携についてですが、企業誘致を初めとする産業振興に当たっては、まず、我々とすれば、年度当初に市町村等を個別に回りまして、市町村の戦略だったり、考え方を共有するということをやっておりますし、先ほど御答弁申し上げました、例えば企業誘致にかかわるイベントであったり、あるいは市町村と一緒になった協議会のようなものも立ち上げておりますので、それらを通じて、市町村と、一つの考え方に基づいた企業誘致というものはふだんからやっていると考えております。
〇高橋穏至委員 その結果、どういう政策を打ち出していくかということになると思うのですが、細かく分析した内容をもとにした、こういう分析だったからこういう政策が出たというのがわかるように、ぜひしていただきたいと思います。
 総括質疑のとき、11月に政策評価レポートを出しますので、そこの総合的な課題とか、今後の方向性を取りまとめる作業を今しているという答弁があったわけですけれども、今後の方向性については、今出していただいたような細かな数字とか、そこら辺に基づいた細やかな作戦がないと、最終的には、人口減少対策の政策になっていかないと思いますので、そういったものをしっかりやっていただきたいのですが、いかがでしょうか。
〇駒木特命参事兼雇用推進課長 各地域の状況とか、男女別の転出、転入の状況等をつぶさに確認いたしまして、今後、どういったことができるかといったあたりを検討しながら、例えば高校の卒業者数が、少子化の影響、進学率の向上等によりまして、減少しているという状況もあります。今後、高校生の県内就職の促進に加えまして、例えば大学生等の県内就職の促進とか、早期離職の防止の取り組み等、今後検討していきたいと考えております。
〇高橋穏至委員 そういった対策のある成果を、11月中に取りまとめるということなので、幸いに、12月の一般質問もありますので、ぜひよろしくお願いします。
〇佐々木朋和委員 私からは、自然減対策に対する商工労働観光部としての取り組みについて伺いたいと思います。
 自然減対策の中でも、最も重要な数値だと思われる合計特殊出生率がDになったというところで、特記事項、理由のところに、保健福祉施策だけではなくて、男女の仕事と子育ての両立の難しさというのが述べられております。家族・子育ての分野においてのKPIでは、総実労働時間がBで全国下位でありました。あと、具体的推進方策指標の年次有給休暇の取得率もDという結果になっておりまして、商工労働観光部に関連したKPIだと思っております。
 これらの改善に対して、商工労働観光部としてはどのような取り組みがあったのか、まず伺いたいと思います。
〇四戸特命参事兼労働課長 仕事と生活を両立できる環境をつくるためということで、長時間労働の是正とか、年次有給休暇の取得率の向上などの働き方改革や、育児休業、介護休業制度の普及促進によりまして、ライフスタイルやライフステージに応じた働きやすい職場づくりの推進が重要と認識しております。
 これまで、いわてで働こう推進協議会を核といたしまして、全県的ないわて働き方改革推進運動を展開するとともに、仕事と子育ての両立を支援する企業のすぐれた取り組みを、いわて働き方改革アワードとして表彰するほか、ITを活用した業務改善や、両立支援に係る勉強会の開催、テレワーク導入補助金、いわて働き方改革推進事業費補助金等によりまして、仕事と子育ての両立に向けた、柔軟で多様な働き方の導入に取り組む企業を支援してきたところでございます。
 また、県と岩手労働局及び市町村の三者で行っております、安定的な雇用確保のための要請活動を通じまして、デジタル技術等を活用した生産性の向上、長時間労働の是正や、労働法令に定める休暇制度の周知、休暇の取得促進等の働き方改革に向けた取り組みの推進について、30を超える経済団体等に働きかけを行ってきたところでございます。
〇佐々木朋和委員 今、取り組みについてお伺いしました。その取り組みと総実労働時間あるいは有給休暇の取得率というところのつながりが、結果として結びついているのかどうかというところの評価ですけれども、この総実労働時間、目標を決めたときには、平成29年度の東北地方1位の数値をまず目安にしたということでしたし、有給休暇の取得率も、全国でナンバーワンの沖縄県の数値を超えるというところで目指していたということですけれども、絶対的な数字の目標もあるのですが、そういった全国的あるいは東北地方の中の位置づけといいますか、そこで評価した場合は、県ではどのように評価していますか。
〇四戸特命参事兼労働課長 佐々木朋和委員御指摘のとおり、総実労働時間等につきましては、Bということでございますし、有給休暇取得率についてはDということで、東北地方の中でも、それぞれの順番が真ん中辺でございますし、また、全国の中でも、東北地方全体が、労働時間が長いとか、年次有給休暇取得率が低いという傾向にございます。
 さまざま取り組んでいるところでございますが、まだまだ取り組みが足りない。これから取り組んでいかなければいけないというところと認識しております。
〇佐々木朋和委員 これまで、議会に対して説明いただくときに、いわてで働こう推進協議会でこういうことをやっていますということで、そこでやっていることを報告いただいている形になっていて、リアルにどういうところまで進んでいるのかというのはなかなか伝わってこないという感じがしておりました。
 例えば、いわてで働こう推進協議会や、あるいは県、岩手労働局で協議をして、関係団体に周知をした、商工指導団体に周知をしたという報告はあるのですけれども、実際に、総実労働時間についてどうしようとか、有給休暇を取っていただくにはどうしようとか、そういったところの協議、こうしていきましょうといったところが目標になっているわけですから、焦点を絞って、いわてで働こう推進協議会等で議論されている内容等をお示しいただきたい。あと、そこで話し合われたことなどが、一般の企業にどのぐらい認知されていて、結果に結びついていないのか。それとも、一般の企業に周知がまだまだ不足していると思っていらっしゃるのか、その辺の評価はどのようにお考えでしょうか。
〇四戸特命参事兼労働課長 お尋ねのとおり、いわてで働こう推進協議会の中では、特にこの長時間労働の是正とか、全般的な、さまざまな取り組みがございますので、それだけをもとにした取り組みの協議はしていないところですけれども、働き方改革でどうやって業務改善をして、総実労働時間を減らしていくかということにつきましては、私どもで行っております業務改善のさまざまなセミナー等を通じまして、企業の方々に導入を促しているところもございますし、また、私どもで、職業能力開発の担当もしておりまして、そこは在職者のセミナー等を行っております。
 そういうところにつきましては、業務改善、どうしたらそういう長時間労働が是正できるかという、生産性の向上とかそういうセミナーをやっているところでございます。佐々木朋和委員御指摘のように、リーチがまだまだ十分ではなのではないかというところは、こちらでも認識しているところです。
〇佐々木朋和委員 済みません、最後、何と言ったのか聞こえませんでした。
〇四戸特命参事兼労働課長 なかなかリーチが届いてないところもあるのではないかと思っているところでございます。
〇佐々木朋和委員 リーチが届いていないのが原因だということですね。
 要は、総実労働時間を短くしていこうとか、有給休暇を取得しようということが、県としては進めているけれども、企業にまだまだ伝わり切ってないという認識だということだと思います。
 そういう課題を抱えたまま第1期アクションプランが終わってしまうというところで、大変残念だなと思っております。ずっとこれを掲げてきていたのに、リーチしているのだけれども、まだまだ進まないとか、そこの課題も明らかになって進んでいくのだと思うのですけれども、入口でとまってしまっているのではないかという印象がいたします。
 そのKPIですけれども、家族・子育てに対応する具体的推進方策指標が、いわての働き方改革推進運動参加事業者数というところ、事業者数が数字になっているというところも、私は中身ではなくて、参加事業者数というところが非常にどうなのだろうと思いますし、あとは、年次有給休暇の取得率のみにこの家族・子育て分野はなっております。
 第2期アクションプランを進めていく中にあって、いわて働き方改革加速化推進事業費のみということで、県として直接の事業も必要なのではないか、あるいは企業にリーチさせていくためには、何か具体的な焦点を絞った補助金等が必要なのではないかと思います。自然減対策についてのそういった設定ですね。今後、第2期アクションプランを練っていくに当たっては、必要なのではないかと思うのですけれども、所見を伺いたいと思います。
〇四戸特命参事兼労働課長 自然減対策の指標の設定と、その事業化についてでありますが、先ほど答弁したような、いわて働き方改革アワードとか、安定的な雇用確保のための要請活動など、さまざま行ってきたところでございまして、そういったものを指標化することも考えられるところでございますけれども、今の総実労働時間等の指標が、社会減対策の指標であるとともに、自然減対策の面でも、働き方改革を代表する指標として適当と考えているところでございます。
 また、働き方改革の事業につきましては、いわて働き方改革加速化促進事業費という大きなくくりの中に、いわて働き方改革アワードとか、勉強会等の情報発信の部分とか、テレワークの補助金とか、働き方改革の事業費補助金とか、事業を柱立てして、進めているところでございます。
〇佐々木朋和委員 岩手県では、9割が中小企業と言われておりまして、そこで働いている方も多くいらっしゃいます。いわて働き方改革アワードなどに申請をしてくる意識の高い企業について、さらに進めていただくことも重要ですけれども、多くの中小企業に、この働き方改革を進めていくことが重要だと思っておりまして、そこが足りていないから、労働課長も、リーチがまだまだという話だったのだと思います。その部分について、注目をして、次期アクションプランでは進めていただきたいという思いで質問をしておりますので、ぜひとも、御理解をいただきたいと思います。
 次に、中小企業の振興策について伺いたいと思います。この32の地域経済を支える中小企業の振興を図りますという分野において、具体的推進方策指標や、事業評価は、おおむねA、Bとなっておりますが、幸福関連指標の二つがDという形になっております。第1期アクションプランでの中小企業振興策をどのように評価しているのか、まず伺いたいと思います。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 第1期アクションプランでの中小企業振興策の評価でございます。コロナ禍での中小企業の本業支援を図るため、商工指導団体の相談スタッフの増員や、専門家派遣等の相談体制の強化を図ったこともありまして、経営革新計画承認件数や商工指導団体による指導を受けた企業数など、中小企業振興に係る具体的推進方策指標の達成度は、AもしくはBとなっております。第1期アクションプランのほとんどの期間が新型コロナウイルス感染症の影響を受け、県内経済が停滞する中、県では、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等を活用し、中小企業の事業の継続と雇用の維持を、最優先に取り組んできたところでございます。
 商工指導団体や産業支援機関、金融機関、市町村等と連携した着実な取り組みによって、一定の成果があったものと受けとめております。一方で、佐々木朋和委員御指摘のとおり、幸福関連指標の正社員の有効求人倍率と開業率につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響等により、幅広い業種で新規求人数が減少したことや、経済情勢の変化による創業計画の見直しなどがあったことから、令和3年度の達成度は、Dとなったものでございます。
〇佐々木朋和委員 開業率について、KPIでは3.2から3.5になるようにということで指標設定をして、これまで進めてきたということでありましたけれども、評価はDとなったと。これは、全国的にあるいは東北地方での順位的に、どの程度からどの程度になるということで、この数値設定をされているのか伺いたいと思います。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 今、佐々木朋和委員から御指摘のありました開業率でございます。これは、厚生労働省の雇用保険事業年報における雇用保険が新規に成立した事業所の比率ということで、この指標設定の考え方としましては、現状維持から年0.1ポイントずつ上げていくということで設定したものでございます。この数字、3.5を目標値と設定しましたけれども、これは現状値から0.1上げていったものが3.5ということでございます。
 ちなみに、令和2年度の直近の実績は3.2でしたけれども、これは東北地方で4位、全国で44位でございました。これが3.5になった場合、この実績値はまだ公表されておりませんので、正確なお答えはできかねるところはありますけれども、令和2年度と同水準と仮定すると、3.5になると、東北地方で3位、全国で40位となります。繰り返しになりますが、現状から0.1上げていくというものが目標でございますので、全国で比較すると、先ほどのような順位になります。
〇佐々木朋和委員 わかりました。本県の経済がものづくり産業、自動車産業、半導体産業で牽引しているのはありがたいことだと思いますし、評価をしていることです。
 一方で、世の中がさまざまな情勢によって変わってくる中で、やはり地場産業の振興と、あとは新しい芽ということで、開業率についても、私は力を入れていかなければいけないのではないかなという思いで質問をさせていただいております。0.1ポイントずつ積み上げるという、岩手県民らしい着実な歩みは評価いたしますけれども、44位を目標にするというのも、少し寂しいという感じがします。第2期アクションプランでは、改めてと言うとあれですけれども、ぜひ、改めて上を目指していただきたいと思いますし、そのための具体的な事業化も、ぜひ、スクラップアンドビルドでつくっていただきたいと思います。
 そして、最後にしますけれども、中小企業の振興策ということで、先ほど来議論があるとおり、誘致企業と地場企業の中で、今、人口減少の中で、人手の争いになっている部分もあります。そういった中にあっては、中小企業においても、最初の労働関係の質問とリンクするところでありますけれども、私は、中小企業の振興の中にも、年次有給休暇の取得率とか、働き方改革とか、そういったところが経営の中でも重要なポイントであり、それを進めていくことが、中小企業振興なのだというような位置づけをするべきではないかと思います。多くの中小企業の経営者も、よくしたいのだけれども、なかなかやり方がわからないというところが多くあると思います。ぜひ、その部分も検討するべきではないかと思いますが、聞いて、終わりたいと思います。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 佐々木朋和委員御指摘のとおり、今まさに、人手不足でございます。また、賃上げという話もございますが、企業を支えるのはやはり人でございます。いかに人に来ていただくか。そして、若い方あるいは女性の方に事業に参画いただく、会社に勤めていただけるかということを進めていくのは必須でございます。
 ただ、そのやり方がわからない、あるいは新たな費用がかかるのではないかという御心配はあろうかと思いますので、そのあたりは、具体的な支援策とセットで、このようにすればというモデルケースのお知らせとか、さまざまなやり方があろうかと思いますので、そのあたりは、中小企業振興を考えていく中で、一体となって進めていくべきと思っておりますので、よろしくお願いします。
〇斉藤信委員 それでは、物価高騰対策、中小企業対策についてお聞きをいたします。
 最初に、昨年度の事業者支援の実績はどうなっているでしょうか。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 令和3年度に実施いたしました主な事業者への直接的支援の実績でありますが、中小企業者に対する支援として実施した地域企業経営支援金の実績は、令和2年度第7号補正予算によるものが、7、460事業者に対し、30億9、000万円余の支給、同じく令和3年度第2号補正予算及び第6号補正予算によるものが、1万671事業者に対して、36億6、000万円余の支給となっております。
 このほか、いわて飲食店安心認証制度の認証を受けた飲食店に対する10万円の経営支援金の支給実績につきましては、4、137事業者に対し、4億7、000万円余の支給となっております。
〇斉藤信委員 昨年度は、合計しますと、70億円を超える事業者支援をやったのですよ。ですから、毎月の事業所調査で、県の補助で何が一番使われているか。第1位は地域企業経営支援金だった。これが中小企業を支えたのです。今年度はどうなっていますか。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 令和4年度に実施しております、主な事業者支援の取り組みと実績についてでありますが、令和4年度第2号補正予算で措置した貸し切りバス事業者運行支援緊急対策交付金事業は、9月末現在、65事業者に対し2、400万円余、同じく第2号補正予算で措置した運輸事業者運行支援緊急対策費事業は、9月末現在、652事業者に対し2億6、000万円余を支給したところであります。第3号補正予算で措置した物価高騰対策支援金は、10月21日現在、原材料等支援金が10件125万円、家賃等支援金が33件281万2、000円と、合計で43件、406万2、000円の支給となっております。
〇斉藤信委員 運輸関係は若干ありましたけれども、その他の事業者にはたった10億円です。それが使われてない、使えない。もう深刻な話です。先ほど答弁があった、今回の物価高騰支援金が、原材料等支援金が10件、125万円、家賃等支援金が33件、281万円と。これは使われない、使えない制度だということなのです。
 提出書類が少し改善されれば使われるのか。事業者から聞けば、これはそういうものではないのです。周知徹底されないから使われていないのではないのです。制度を調べたら使えないというのが事業者の声ですよ。申請期限が11月30日、あと1回しかありません。使われないものになったら、大失敗ですよ。見直しするというのだったら、今、早く見直しをしなかったら、これは使われないまま終わりますよ。本会議でも、これはやりとりがあって、見直すという答弁がありましたが、いつまでに、何をどう見直すのですか。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 物価高騰対策支援金制度の当初の趣旨でございますが、物価高騰は等しくどの事業者の方にも影響が生じております。その中で、特に売り上げが減少して、収入も減る、コストが上がるという事業者の方が存在いたしますので、その方々に対しましての支援金ということで、設定をさせていただいたものでございます。
 先ほどの臼澤委員への答弁の繰り返しになって、恐縮でございますが、家賃等支援金につきましては、これは過去の経営支援金と同じ要件でございますが、売り上げが減少し、1品目でも上がっていれば、家賃等支援金の申請は可能でございます。
 そのあたりの流れについて、私どもの説明がまだまだ不足しているということでございますので、先ほど具体例で、タマネギ、ジュースなどを申し上げましたが、1個でも上がっていれば、家賃のほうはお使いになれます。まずはそのあたりを詳しく、広く、丁寧に御説明してまいりたいと思っております。
 その上で、確かに、提出書類が多くなっているところはあると思いますが、そのあたりは早急に改善を図りながら、商工指導団体と連携し、周知してまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 11月30日までの申請期限になっているのだから。そして、原材料等支援金はたった10件でしょう。このチラシを見て、10万円から50万円未満の上昇額の場合、定額5万円、50万円から100万円未満の場合は10万円、100万円から150万円未満の場合15万円です。これは、50万円未満でたった5万円しか出ないのです。それを、前年の単価と比較して5品目、物価上昇分幾らかという計算をして出すのです。1カ月分調べるのだから、ばからしくてやっていられない。
 今、市町村はどうなっているか、あなた方は把握していますか。深刻なのは、大船渡市と滝沢市は、県の支援金を受け取ることを条件にしているのです。だったら、滝沢市も大船渡市も使えないでしょう。これは罪深いですよ。八幡平市は一律10万円。釜石市は10万円以上の物価高騰があったら5万円、花巻市は飲食店ですけれども10万円、紫波町は5万円から20万円、面倒くさいことをしないで、大体10万円以上の物価高騰分があったら支援します。物価高騰なんて公的資料でわかっているのだから、そんなものを事業者にいちいち単価を計算させて、1カ月分出させるということをやるべきではないです。
 本当に今月中にこの見直しをしなければ、出直しをしなければ、10億円使われないまま残ってしまう。県政に汚点を残してしまう。去年、70億円という立派な制度をつくった商工労働観光部が、こんなことでいいのですか。商工労働観光部長に聞きましょう。本当に、これはこのままやったら汚点を残しますよ。
 例えば、53億円の新たな新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、額もふやして、もっとシンプルな支援制度にすべきではないですか。そういうことは考えていますか。
〇岩渕商工労働観光部長 現在の物価高騰対策支援金につきましては、今定例会の一般質問でも答弁いたしましたとおり、限られた財源の中で、制度構築してきたこともありまして、斉藤信委員がおっしゃるような物価高騰はみんなわかっているから、何も確認せずに一律10万円を配るという仕組みにした場合には、今の予算では、全く足りなくなるという問題がございましたので、限られた財源という中で、物価高騰対策支援金に対して、一定の要件をつけたことで、実績が低いのは斉藤信委員のおっしゃるとおりでございます。
 こうした状況を踏まえまして、経営支援課総括課長が答弁しているとおり、そういう周知徹底等はしていきますが、国も、10月末をめどに、総合経済対策を策定し、公表すると聞いておりますので、その内容を十分に踏まえまして、必要な支援策等はどういうものがあるかといった検討もあわせて進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 国の経済対策を待っていたら、来年の話になりますよ。国の経済対策は、年内のものにならないのだから。だから、私が提起したように、53億円の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、上乗せして、例えば、先ほども紹介したけれども、釜石市だって、花巻市だって、物価高騰分の10万円以上の上昇分があればとなっているのです。全く無条件とは言っていないのです。これだけ物価高騰しているのですから、大体影響額ははっきりしているのです。私は、そういう意味で、本当に使いやすくて即効性がある対策を年内に講じる必要があるのではないかと、これは私の提案です。
 国の経済対策は、国の経済対策できちんとやればいいのです。ただ、これから出てくる、これから審議をされる。これは12月に決まるのです。年内のものにはならないのです。そういう意味で、年末をどういうふうに乗り越えるかということを、ぜひ真剣に検討していただきたい。
 次に、全国旅行支援の取り組みについてお聞きしたいと思います。
 いわて旅応援プロジェクト第3弾の事業費の内容と県内宿泊施設、旅行会社にどう配分をされたのでしょうか。そして、テレビ、新聞のニュースを見ますと、花巻温泉は翌日に予約停止、同じニュースで、400施設が予約停止。予約停止は翌日の話ですよ。この実態は、どういうふうに把握されていますか。
〇千葉プロモーション課長 いわて旅応援プロジェクト第3弾の実施に当たりましては、国からの補助金の予算の残額約21億円を事業費として開始したところでございます。事業費約21億円のうち、クーポンの印刷経費や事務局運営費など、必要な間接経費を除いた約18億円をいわて旅応援プロジェクト第3弾の割引原資としております。
 そのうち、国からの指示を踏まえまして、団体旅行額を2割設定した上で、今回、OTAを含む全国の旅行事業者が参加対象となることから、令和2年度に、国が実施したGo To トラベル事業の実績を勘案しまして、全国の旅行事業者と県内宿泊施設に7対3の割合で原資を配分したところでございます。
 続きまして、予約停止の状況でありますが、第3弾におきまして、県内の宿泊施設につきましては、予約数が割引原資の配分額に達した場合に事務局に報告をもらい、専用サイトで割引商品の販売が終了した施設としてお知らせしているところでございます。
 10月21日現在、63施設、全体の約15%の施設が、割引対象商品の販売が終了したものと把握しておりますけれども、報告してない施設もたくさんあると承知しておりますので、その辺は、随時、情報収集しながら、把握したいと思っております。
〇斉藤信委員 全国旅行支援は、県民も、そして、旅館、ホテルもみんな期待したのだと思うのです。ところが、もう一、二日で予約停止になってしまった。今の答弁を聞いたら、63施設、ニュースだけで400施設と言っているのですから、私は、あなた方の把握が、あまりにも貧弱というか、この事態の重大性を把握していないのではないか。大体400施設といったら、主な旅館、ホテル全部ですよ。
 そこで、私は、配分方法がやはり問題だったのではないかと思います。7対3にしろという国の指示はなかったのではないでしょうか。
〇千葉プロモーション課長 先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、今回、全国拡大ということで、OTAを含む全国の旅行事業者が対象となることから、Go To トラベルの実績を参考にしましたけれども、今回の予約停止の状況等もございますので、旅行会社、宿泊施設の状況も勘案しながら、次回の配分については検討していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 追加配分15億円余を配分されて、これについては余り制約がないと聞きましたが、思い切って、県内7、旅行会社は3ぐらいの配分にする必要があるのではないか。ただ私は、そうやったとしても、この規模は本当に1日、2日の規模になってしまうのではないか。12月末までの取り組みですから、これを12月末まで継続実施できるような思い切った財源措置を国に強く求めて、これを実現しないと、岩手県だけは全国旅行支援の対象にならないということになってしまうのではないか。15億円余の追加配分の配分方法、いつ配分するのか、そして、その大幅な事業費の増額、このことについてお聞きしたい。
〇千葉プロモーション課長 今回、追加交付の内示分、約15億円につきましては、宿泊施設等に早急に追加配分ができるように、今まさに配分割合も含めて調整を進めているところでございます。
 それから、予算の関係ですけれども、国には、全国旅行支援の対象期間中、事業を中断することなく継続実施できるよう、補助金の追加交付について要望していたところであり、今般、本県を含めまして、執行率の高い都道府県に対して追加交付がされたところでございます。
 第3弾の開始後の予約状況を見ますと、予算が不足する可能性が懸念されることから、国に対しては、引き続き全国知事会等も通じまして、追加交付について強く要望してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 追加分の配分割合をどう考えているか、いつごろにこれは配分される見通しか、そのことを聞いているので、できるだけ詳しく答えてください。
〇千葉プロモーション課長 事業者の皆様には、可能な限り可及的速やかにお知らせできるように、今まさに準備しているところでございます。
〇斉藤信委員 可及的速やかにというのはいいけれども、それは月内になるのか、月初めになるのか、そのことぐらいはね。そして、配分割合もどう考えていのか、5対5にするのか、7対3にするのか、そのことも、今どういう観点で考えているか。配分割合は見直すということで考えているのかどうか。県民はそこを聞きたいわけだから、わかるように答えてください。
〇千葉プロモーション課長 配分割合につきましては、先週末に事業開始した全国の旅行会社の10月11日から10月16日までの販売状況が、先週末にまとまったところでございまして、その販売状況も勘案しながら、割合は今まさに調整中で、速やかに宿泊事業者の皆様にお知らせできるように準備してまいります。
〇小林正信委員 まず、中小企業の支援について、先ほど臼澤勉委員から詳しく御質問ありましたので、資金繰りの支援に関しては割愛させていただいて、中小企業の事業承継の支援についてお伺いしたいと思います。
 令和3年度の状況は、事業承継促進貸付件数が0件ということで、評価はDとなっておりますけれども、この取り組みについての詳細をお伺いしたいと思います。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 令和3年度の事業承継の状況でありますが、事業承継の件数を捉まえた全体的な統計データがないことから、事業承継につながる取り組みを、県含め関連機関の状況として、お答えをさせていただきます。
 いわて県民計画(2019〜2028)で具体的推進方策として掲げております、商工指導団体による事業承継診断を受けた企業数は、令和3年度までの累計で、目標値1、555企業に対し1、908企業、事業承継の支援を受けた企業数は、令和3年度までの累計で、目標値2、400企業に対し3、172企業となっておりまして、ともに目標値を大きく上回っております。
 事業承継に係る制度融資の利用実績でありますが、コロナ禍におきまして、事業承継の進みにくさもあったやに聞いております。あと、新型コロナウイルス感染症関連の条件の非常に有利な制度もございましたので、恐らくそちらを活用された方も、もしかすればいらっしゃるかもしれませんけれども、事業承継に特化した制度融資の状況は、委員御指摘のとおりでございます。
〇小林正信委員 具体的に、事業承継したという件数は把握してないのでしょうか。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 事業承継はさまざまなケースがございます。息子や娘などの御親族に承継するケース、あるいは従業員の方に承継するケース、そして、第三者の方に承継するケースがございますが、例えば、M&Aという形で第三者の方に承継したケースは、国のレポートなどを見ると、主要なM&A会社の件数のように抽出したもので捉えている場合もありますし、あとは、親族内で継承したというものは、なかなか表に出てこないところがありますので、私どもも、そのあたりの動きは把握をしかねているという状況でございます。
〇小林正信委員 岩手県事業承継・引継ぎ支援センターがありましたよね。そことの連携はしっかりとっていらっしゃるのかどうか、確認します。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 岩手県事業承継・引継ぎ支援センターとの連携でありますが、県でも積極的にかかわって活動しておりますけれども、支援センターが支援した成約件数ということで御紹介させていただくと、令和3年度については、全部で17件、親族内が12件、第三者が5件ということで、支援センターがかかわった事業承継の件数は17件となっており、過去最高となっています。
〇小林正信委員 県としても、支援センターとしっかり連携をしていただいて、そこがメインでやっていらっしゃると思うし、県も独自でやるというよりも、そことの連携を深めていくというところだと思います。評価はDとなっていたのですけれども、成約件数は17件でかなりふえてきているということで、実態としては、事業承継も結構進んできているのと思います。岩手県事業承継・引継ぎ支援センターの取り組みをしっかり支援をしていただきながら、県としても実態把握に努めていただきながら、取り組みを進めていただきたいと思います。
 次に、スタートアップ支援、新規創業の支援について、最近、ユニコーン企業とかそういう話が出てきておりますけれども、日本としても、ユニコーン企業が少ないがために、世界との開きが出てきていると。先ほど、岩手県の開業率の評価はDということでしたけれども、起業または新規創業支援の令和3年度の状況はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 県における起業支援についてはさまざま行っておりますが、代表的なものを幾つかピックアップして御紹介いたします。
 まず、新たな事業を開始しようとする方に必要な資金を融資する、いわて起業家育成資金という融資制度がございます。この貸し付け実績は、令和3年度110件、6億7、000万円余となっております。また、地域課題の解決を目的とした岩手県地方創生起業支援金という制度もございますが、令和3年度におきましては、4件を採択したところでございます。また、令和2年9月に、官民連携で開設した起業支援拠点、岩手イノベーションベースにつきましては、さまざま事業を行っておりますが、先輩起業家等を講師とした講演会をこれまで18回開催し、延べ769名、高校生から大学生、一般の企業の方、幅広い方に御参加をいただいております。
〇小林正信委員 岩手イノベーションベースで、確かに起業後の継続支援はしっかり行っていらっしゃると思うのですけれども、そのあたりの具体的な取り組み、もしわかれば、教えていただきたい。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 起業後の支援ですけれども、経営者の方々が数人のグループをつくりまして、先輩起業家と企業活動だけではなく、人生そのもの、家庭生活そのものを赤裸々に語り合うという、門外不出の会というのがございますけれども、その中で、経営者としての磨き上げといいますか、切磋琢磨をお互いにしていくという取り組みを行っております。このほか、今年度から起業家と県内の起業を目指す若者をマッチングするメンタリングプログラム、メンター、メンティーということで、マンツーマンで御支援するような、どちらかといいますと、経営者の方々の心構えといいますか、お心支えといいますか、そちらのものも行っております。
〇小林正信委員 岩手イノベーションベースの取り組みで、非常におもしろい取り組みが出てきているというのがわかりました。また、皆さんは資金のところが不安なのかと思います。いわて起業家育成資金については、ことしは6億7、000万円と毎年度融資額がふえている。ただ、これは償還が難しい方もいらっしゃるのではないかと思っており、この運用状況について確認したいと思います。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 この融資を受けたけれども、返済がなかなか厳しいという方も中にはいらっしゃると思っておりますので、起業をすると、商工会、商工会議所の方々の支援の対象にもなるということもありますので、金融支援も含めて、地元でUターンした方が、例えばカフェを開業するといったようなケースに、商工会、商工議所がかかわっているケースもありますので、そのあたりは、起業を応援する側の我々と、あとは、商工会、商工会議所のその起業後の起業支援という形も相まって、さまざま支援をしております。
〇小林正信委員 わかりました。ぜひ、きめ細かい資金繰り支援も行っていただきたい。岩手県地方創生企業支援金も、どんどん使っていただけるようなアプローチもしていただきたい。
 日本で起業が少ない原因に、失敗に対する危惧があるとか、身内に起業家のモデルがいないとか、学校での教育がないという点があったりするのですけれども、岩手県では、イノベーションベースを起点として、さまざまこういったことをクリアするような取り組みをされているという気もいたします。今後、岩手イノベーションベースを中心とした取り組みを充実させていただきたいと思いますが、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇阿部参事兼経営支援課総括課長 小林正信委員御指摘のとおり、まさに、身近に経営者の方がいらっしゃらないという状況がございますので、まず今年度、全国から上場企業の方々、十数名が岩手県に集まりまして、その企業の方々のお話を直接聞く機会となるイベントを、11月に2日間開催をいたします。
 先ほどの講演会等につきましては、融資と投資の違いを説明したケースがあったのですけれども、なるほどそういうことかと、そこの違いも初めてわかったという方もいらっしゃいますし、あとは、商業高校での出前授業などもこの岩手イノベーションベースの会員企業が、実例を踏まえて高校生に起業の実例などもお話しし、意識の涵養と裾野拡大もやっておりますが、これらも引き続き強化し、展開してまいりたいと思います。
〇小林正信委員 この起業家マインドをどんどん県内に広げていただきたい。確かに岩手イノベーションベースはすばらしいのですけれども、県内各地でこういう取り組みができるように、これが核となって、先ほど言ったようなこういう取り組みが、県北地域あるいは沿岸地域でもしっかり広がるような、取り組みを進めていただきたいと思っております。
 もう一点は、IT企業の振興について、県は、成長戦略をもとにして取り組みを進めていることと思いますけれども、令和3年度の生産額、また、企業の集積等の取り組み状況についてお伺いしたいと思います。
〇小野特命参事兼ものづくり産業振興課長 IT産業の振興について、統計で把握できる売上高という形でお答えをさせていただきます。
 国が行っております令和3年経済センサスによりますと、IT産業の年間の売上高は520億円余となっておりまして、平成28年の340億円余と比較しますと、約180億円の伸びとなっております。
 県では、いわてIT産業成長戦略に基づきまして、三つの戦略、柱立てのもとで産業成長に向けた取り組みを進めておりまして、令和3年度の主な取り組みについて申し上げますと、一つ目の取引拡大、新製品開発の推進ということでは、特にコロナ禍で、販路の開拓、獲得の機会が限定されていたことも踏まえまして、発注の多い首都圏企業と県内のIT企業とのビジネスマッチングを開催いたしましたほか、新たな取り組みといたしまして、IT企業と県内の大手ものづくり企業とのマッチングを促進しまして、新規の取り引き成約が6件となっております。
 二つ目に、多様なIT企業の集積促進ということで、IT企業の新たな誘致件数が5件となっております。うち1件は、首都圏から県内への本店の移転でございます。
 三つ目といたしまして、高度IT人材の育成確保、定着に向けた取り組みの強化といたしまして、岩手県立大学と連携をいたしまして、高度技術者の育成講座を12講座開催しております。企業の技術者の方など、延べ60人以上が受講しているといった形になっております。
〇小林正信委員 今、IT人材の育成とか定着とかという話もありましたけれども、IT人材における関係人口をふやすことが大事なのではないかと思います。特に岩手県としても力入れているワーケーションは、IT人材との相性もよいものと考えておりまして、岩手県としても取り組みを進めていると思うのですけれども、ワーケーションを活用したIT人材の呼び込みについて、お考えをお伺いしたいと思います。
〇小野特命参事兼ものづくり産業振興課長 新型コロナウイルス感染症の影響が続く中で、テレワークやワーケーションなど、場所や地域にとらわれない柔軟な働き方が普及、拡大をしてきております。地方にいながら、首都圏とつながって仕事ができることは、地方にとっての新たな可能性につながるものと考えられます。
 こうした流れの中で、県外企業へ就職をしながら、県内に住み、仕事をすることができる人材が増加するとともに、U・Iターンの促進にもつながるものと期待しております。
 県としましては、引き続き、岩手県立大学ソフトウェア情報学部など、県内で育成をされました優れた技術者の県内就職の促進に取り組みますとともに、こうした新しい働き方を踏まえた、技術者の確保策も含めまして、県内IT産業のさらなる発展に向けて取り組んでまいります。
〇小林正信委員 ぜひ、観光と絡めてIT人材を呼び込むという取り組みの充実をお願いしたいと思います。
 本定例会の柳村一議員の一般質問で、IPUイノベーションパークの拡張について、とても前向きな答弁があったものと思っておりますので、IPUイノベーションパークの整備については、IT産業だけでなく、岩手県立大学と連携した起業家の育成にも資するものであり、県としても、岩手県立大学、滝沢市と協議をしているとのことでしたが、特にパークの西側の拡張も含めて、協議の進捗や具体的な内容について、お話しできる部分で結構ですので、お知らせいただきたいと思います。
〇小野特命参事兼ものづくり産業振興課長 一般質問での商工労働観光部長の答弁にもありましたとおり、IPUイノベーションパークへの企業の立地や入居が順調に進んで、新たな発展段階を迎えていることを踏まえまして、滝沢市ITUイノベーションパーク運営協議会におきまして、2020年に策定しました運営計画を前倒しで見直すことを視野に、現在、事務レベルで打ち合わせを行っているところでございます。
 この打ち合わせにおきましては、過去の企業の入退去や入居後の成長の状況、岩手県立大学との産学連携の取り組みや、卒業生などの就職の状況など、初期の目的である、ICT開発拠点の確立に向けた取り組み実績を検証いたしますとともに、拡張する場合の課題等について、整理、確認を行っているところであります。
 関係部局とも連携した上で、引き続き、滝沢市や岩手県立大学と協力いたしまして、パークの一層の発展に向けて取り組んでまいります。
〇小林正信委員 このパークの拡張については、先ほどお話のあったソフトウェア情報学部の卒業生を定着させるという意味でも、また、デジタル人材の育成や新規創業の促進など、さまざまな課題に対応できる一つの方策であると考えております。さまざまな課題があるか思いますけれども、商工労働観光部には、ぜひ積極性を持って取り組んでいただきたいと期待するところであります。
 最後に、IT産業の振興に関して、みらいもりおかプロジェクト推進事業について、279万円余の決算額ですけれども、令和2年度の同事業より減額になっております。このプロジェクトは、スマートシティのモデルを提示する可能性があると私は思っていたのですけれども、以前の答弁でも、他市には負けないプロジェクトとしてまいりたいという決意を伺ったところですけれども、この取り組みの令和3年度の状況についてお伺いしたいと思います。
〇小野特命参事兼ものづくり産業振興課長 みらいもりおかプロジェクト推進事業でございます。この事業は、盛岡広域振興局が、学術研究機関や産業支援機関、IT企業が集積している盛岡広域の特性を生かしまして、ITやものづくり産業の振興、スマート農業の推進、産業人材の確保等を推進するものでございます。昨年度実施しておりましたスマートもりおかプロジェクト推進事業の後継の事業でございます。
 主な取り組みといたしましては、IT連携コーディネーターによるIoTの普及啓発や産学官企業間連携の支援、県南広域振興局と連携いたしました、IT・ものづくりマッチング交流会の開催、IT企業と県内大学生等のマッチングガイダンスの開催などを行ってきたところでございます。
 決算額については若干減額でありましたが、セミナー等を開催できなかったことにより、最終的に減額になったところであり、取り組み自体はしっかりと行っているものと考えております。
〇小林正信委員 みらいもりおかプロジェクト推進事業が、どんどん減額になってなくなってしまわないように、盛岡市でも、スマートシティを目指した取り組みについて、国との連携はしているようなので、そこにしっかりかかわっていきながら、この取り組みが充実するようにお願いをして終わりたいと思います。
〇名須川晋委員長 他に質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇名須川晋委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働部関係の質疑を終わります。商工労働観光部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時53分 散 会

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