令和4年9月定例会 決算特別委員会会議記録

前へ 次へ

令和4年10月21日(金)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 中 村 佳 和
議事管理担当課長 藤 平 貴 一
主任主査 佐 藤 博 晃
主任主査 糠 森 教 雄
主任主査 増 澤 綾 子
主任主査 及 川 雄 也
主査 阿 部 真 人
主査 刈 屋 江美子
1説明員
保健福祉部長 野 原   勝
副部長兼
保健福祉企画室長 松 村   達
医療政策室長 佐々木   亨
子ども子育て
支援室長 高 橋 久 代
保健福祉企画室
企画課長 畠 山 直 人
保健福祉企画室
管理課長 田 澤 清 孝
健康国保課
総括課長 阿 部 真 治
医療情報課長 大 内   毅
地域福祉課
総括課長 前 田 敬 之
長寿社会課
総括課長 前 川 貴美子
障がい保健福祉課
総括課長 日 向 秀 樹
医務課長 中 田 浩 一
地域医療推進課長 山 崎 重 信
感染症課長 三 浦 節 夫
特命参事兼
次世代育成課長 佐々木 浩 一

医療局長 小 原   勝
次長 小 原 重 幸
経営管理課
総括課長 千 田 真 広
職員課総括課長 宮   好 和
医事企画課
総括課長 佐 藤   誠
業務支援課
総括課長 千 葉 直 樹
薬事指導監 勝馬田 康 昭
看護指導監 冨 山   香
医師支援推進室長 植 野 歩 未
医師支援推進監 尾 形 健 也
医師支援推進監 尾 形 憲 一

会計管理者 木 村   久
会計課総括課長兼
会計指導監 今 雪 博 貴

監査委員 五 味 克 仁
監査委員 中 野 玲 子
監査委員事務局長 藤 澤 良 志
監査第一課
総括課長 及 川 博 英
監査第二課
総括課長 佐々木 良 生

財政課総括課長 山 田 翔 平
〇名須川晋委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、及び議案第37号から議案第39号までの以上18件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部及び医療局関係について延べ15人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は23分といたしましたので、議事進行に御協力をお願いします。
 また、関連質疑の取り扱い、換気のための休憩につきましては、これまでと同様でありますので、御協力をお願いします。
 初めに、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇野原保健福祉部長 令和3年度の保健福祉部関係の決算について御説明をいたします。
 初めに、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる政策の着実な推進に向けた当部所管の事務事業に係る取り組み状況等について御説明をいたします。
 まず、復興推進関係についてでありますが、岩手県こころのケアセンター及び、いわてこどもケアセンターなどによる心のケアの支援のほか、生活支援相談員により見守り活動などの被災者支援に取り組んでまいりました。
 続いて、政策推進関係でありますが、まず、健康・余暇分野では、特定健診などの受診率向上の取り組みを初め、自殺リスクが高い方への支援体制の充実強化、奨学金による医師養成や即戦力医師の招聘、周産期医療提供体制の強化などのほか、生活困窮者の自立支援や介護職員及び保育士の育成、確保などに取り組んでまいりました。
 次に、家族・子育て分野では、結婚、出産、子育てなどのライフステージに応じた切れ目ない取り組みの総合的な推進のほか、障がい児の療育支援体制の充実などに取り組んでまいりました。
 また、安全分野においては、新型コロナウイルス感染症への対策として、検査体制や保健医療体制、ワクチン接種体制の充実、強化などに取り組んでまいりました。
 今後とも各政策の着実な推進のため、新型コロナウイルス感染症対策、被災地等における心のケア、自殺対策や医療提供体制の充実、結婚、家庭、子育てに希望を持てる環境づくりなどに取り組んでまいります。
 続きまして、令和3年度保健福祉部関係の決算について御説明いたします。お手元の令和3年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。
 当部関係の一般会計歳出決算は、3款民生費のうち1項社会福祉費、3項児童福祉費、4項生活保護費、4款衛生費のうち1項公衆衛生費、3項保健所費、4項医薬費、16ページにまいりまして、11款災害復旧費のうち5項保健福祉施設災害復旧費、13款諸支出金のうち1項公営企業貸付金、2項公営企業負担金の一部であり、予算現額の総額は1、759億6、130万円余、これに対する支出済額の総額は1、653億3、942万円余であり、令和4年度への繰越額の総額は10億5、314万円余となっております。
 続きまして、特別会計について御説明いたします。26ページをお開き願います。
 母子父子寡婦福祉資金特別会計の決算状況でありますが、予算現額5億5、577万円余に対し、支出済額は1億6、789万円余であります。
 国民健康保険特別会計の決算状況でありますが、予算現額1、173億4、780万円余に対し、支出済額は1、168億5、629万円余となっております。
 決算の内容につきましては、令和3年度歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で保健福祉部関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇名須川晋委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇小西和子委員 日々、新型コロナウイルス感染症にかかわる大変な業務に当たられている保健福祉部の皆様方に心から敬意を表します。
 私からは1点のみです。ひとり親家庭等総合相談支援事業についてお伺いいたします。
 内閣府が2021年度に中学校2年生と保護者5、000組を対象に実施した子供の生活状況調査の結果を取りまとめた分析報告書によると、食料について、過去1年で買えない経験があるとした保護者が全体で約11%であるのに対し、中間的な所得の半分に満たない、いわゆる貧困家庭では約38%に上っています。また、進学希望を子供に尋ねると、全体の半数が大学またはそれ以上に進みたいと答えたのに対し、貧困家庭では28%にとどまります。費用負担の重さから部活動への参加を見合わせると答えている子供もいます。
 このような貧困の広がりに加えて、新型コロナウイルス感染症の流行はひとり親の苦境をあらわにしました。相談したいと思っても利用できる公的制度の存在を知らなかったり、相談をためらったりなどして支援に至らないケースもあります。
 岩手県では2020年9月1日から岩手県社会福祉協議会に委託して、ひとり親家庭等応援サポートセンターを開設し、ひとり親家庭からの相談を受け付け、公的支援施策につないできました。そこで伺います。ひとり親家庭等応援サポートセンターの昨年度の相談件数と主な内容等と対応状況について伺います。
 続けます。今年度、直近の相談件数と主な内容等をお伺いいたします。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 ひとり親家庭等応援サポートセンターの昨年度実績等についてでありますが、令和3年度の延べ相談件数は1、449件であり、主な相談内容としては、医療、健康に関することが344件、人間関係に関することが212件、子育て、教育に関することが205件、就労に関することが175件などとなっております。
 また、相談内容に応じて関係機関にもつないでおり、主な対応としては、福祉制度を利用するため居住地の市町村につないだ、養育費に関する相談があり弁護士につないだ、障害福祉サービスを利用するため相談支援事業所につないだなどといった対応を行ったほか、ひとり親家庭向けの支援制度の紹介などの対応も行ったところでございます。
 続きまして、今年度の相談件数についてでございますが、令和4年9月末現在の延べ相談件数は57件であり、主な相談内容としては、税金、借金に関することが10件、生活費、収入に関することが9件、就労に関することが8件などとなっております。
 生活費や収入、借金などお金に関する相談に対しては生活困窮者自立相談支援機関や、本事業で実施しておりますファイナンシャルプランナーの個別相談につないでおり、就労支援が必要なケースに対しましては、居住地のハローワークの就職ナビゲーターにつなぐなどの対応を行っております。
〇小西和子委員 驚きました。令和3年度は1、449件、そして、今年度は上半期ということでしょうか、57件、余りにも開きがあり過ぎます。相談件数に大きな開きがある理由を伺います。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 相談件数の差についてでありますが、昨年度は同一の相談者からの相談に対しまして、傾聴も含め繰り返し対応する事例が多かったところでございますが、今年度、相談員の変更に合わせ、サポートセンターとしての相談対応のあり方について再検討を行ったところでございます。
 本来、サポートセンターは、相談内容に応じ地域の相談機関や専門機関を紹介したり、市町村社会福祉協議会や民生・児童委員など、身近な支援者による伴走型支援につないだりすることを主な役割としておりますことから、今年度は初期の相談対応において、悩みや支援ニーズを丁寧に拾い上げ、その課題やニーズに対応した関係機関に適切につなぐことをより重視して相談対応を行っているところでございます。
 そのため、相談支援を必要とするひとり親家庭等にサポートセンターが認知されること、そして、関係機関から連携の協力を得られることが重要であることから、今年度は、市町村、市町村社協、ハローワーク、民生・児童委員等に加え、教育委員会や保育園、幼稚園にもリーフレットを配布し、当事者の方への周知や支援のつなぎへの協力について依頼を行っているところでございます。
〇小西和子委員 相談の方針を変えたということと、関係の機関につなぐことに力点を置いてやっているということでございます。令和3年度の数値につきましては、たった2人の相談員であるのに対して1、449件というのはおかしいという声がそちらこちらから上がっておりましたので、今年度はあるべき姿になったのかなということで、少し安心しております。
 次にいきます。支援者研修の実施状況をお伺いいたします。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 支援者研修の実施状況についてでございますが、ひとり親家庭等応援サポートセンターでは、地域において、ひとり親家庭等の支援に携わる県、市町村、市町村社会福祉協議会及び民生・児童委員などの支援者の対応力を目的とした支援者研修を実施しております。
 令和3年度は、県、市町村、市町村社協等の支援者を対象に、盛岡、県南、沿岸、県北の各圏域において研修を実施しまして、57名が参加したところでございます。また、民生・児童委員を対象とした研修は、新型コロナウイルス感染症の影響で、いずれも書面配布による研修となりましたが、五つの圏域におきまして、ひとり親等支援をテーマに実施したところでございます。
 令和4年度におきましても、今後、各圏域において支援研修を実施する予定としております。
〇小西和子委員 支援者対象は4会場で行って、57人のみの参加ということと、民生委員、児童委員対象は書面でということで書面でということで、コロナ禍であってもこれは少な過ぎるかなと思っております。
 今年度のことについても同じようでございますけれども、9圏域において実施予定であるというようなことも従前聞いておりますので、ぜひそれは実現していただきたいと思っております。
 当初、私は、ワンストップセンターを盛岡圏域なら盛岡圏域に置いて、スーパーバイザーが対応してということをさまざまな場で主張してきましたけれども、結局は、県としては広い県土なのだから、9圏域でみんなやるべきだと言って、当初はスーパーバイザーを配置するとまで言っておりました。9圏域にひとり親家庭等サポートネットワーク会議を設立し、相談窓口を設け、スーパーバイザーを配置するということでありましたが、見通しはどうですか。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 ひとり親家庭等サポートネットワーク会議についてでございますが、各地域において、困難を抱えるひとり親がどの窓口に相談しても専門機関につながる連携体制を構築するため、関係機関等で構成する、ひとり親家庭等サポートネットワーク会議を設置することとしております。
 令和3年度におきましては、当初、9圏域でのネットワーク会議の設置を見込んでおりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響などにより取り組みが延期となり、年度末時点で2圏域のみの設置となったところでございます。
 今年度は、新たに一つの圏域において既にネットワーク会議を設置、開催しているほか、さらに二つの圏域におきまして、現在、年度内の設置、開催に向けて、構成団体などの具体的な調整が行われているところでございます。
 地域によって人材や支援団体等が異なることから、設置に当たっては、実情に応じて効果的な支援体制となるよう調整を行う必要があることから、ひとり親家庭等応援サポートセンターが現地に赴いて支援を行いながら、未設置の圏域も含め、全ての圏域でネットワークが構築されるよう取り組みを進めてまいります。
〇小西和子委員 非常に残念です。もう2年もたっておりますけれども、コロナが、コロナがと何度も聞きました。だけれども、コロナが、コロナがと言っているうちに、ひとり親家庭がどんどん困窮しているのです。そう思いませんか。
 昨年度は9圏域のうち宮古と二戸の2圏域、調整中が7圏域ということでした。ことしは3圏域、宮古、二戸、大船渡、調整中が6圏域ということでしたので、ぜひ9圏域で実施できるように努力していただきたい。
 そこには直接、センターのほうから赴いてということでしたが、どうしても手薄になるわけですよね。だから、宮古、二戸、大船渡圏域以外のところは置き去りにされているわけです。そういうことでいいのでしょうか。
 次にいきます。社会福祉法人岩手県社会福祉協議会に委託して、ひとり親家庭等応援サポートセンターを開設してから2年がたちました。それもコロナ禍の2年なのです。この事業の目的は、ひとり親家庭等の多様なニーズに包括的に対応し、支援の必要な家庭をさまざまなサービスに確実につなげるとともに、より効果的にサービスが活用されるよう、民間団体や関係機関の緊密な連携による相談支援体制を整備するために実施するものと、すごくすばらしい目的を掲げているのです。でも、これは全く実現されていません。この目的を達成し、実現するための決意をお伺いして終わりにします。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 ひとり親家庭等総合支援事業については、県が平成30年度に実施した岩手県子どもの生活実態調査において、公的支援施策の周知が十分に行き届いていないこと、公的相談窓口が十分に活用されていないことが明らかになったことを受けて、令和2年度から、ひとり親家庭等応援サポートセンターを設置し、関係機関、団体のネットワーク構築による相談支援体制の構築を進めているものであります。
 新型コロナウイルス感染症の影響の長期化など、ひとり親家庭を取り巻く環境も厳しくなっておりますことから、支援を必要とするひとり親家庭等が確実に相談につながり、適切な支援を受けられることが重要であると認識しております。
 全県のサポートネットワーク会議は、新型コロナウイルス感染症の影響で書面開催が続いていたのですが、今年度は2年振りに対面型で開催したところでございまして、まず、サポートセンターを認知していただき、関係機関、団体の間で顔が見える形での連携、協力体制を築いていくことが大事だと考えております。こうした取り組みを全圏域に広げていきながら、地域で見守り、支える仕組みづくりに向けて取り組んでまいります。
〇工藤勝子委員 私からは、戦後戦中、厳しい世の中を生き抜いてきた人たちが間もなく終末を迎えようとしているわけであります。穏やかに安心して過ごしていただきたいわけで、その思いを込めて、介護老人福祉施設、特別養護老人ホームの関係について質問してまいります。
 早期入所が必要とされている介護者が944人と発表されました。前年対比13.3%増であります。特養ホーム入所申し込みは4、415人、うち在宅待機者は1、347人であります。そういう中で、基本的には、介護の関係は市町村が行う介護保険事業に対して県が支援することだとは思っておりますが、早期入所が必要とされている944人への対応として、県は市町村との協議、支援状況、今後の入所計画をどのように推進していこうとしているのかお伺いいたします。
〇前川長寿社会課総括課長 ただいま工藤勝子委員から御紹介いただきました入所待機者、県内に944人ということになっております。県では、第8期の県介護保険事業支援計画におきまして、期間中の特養の開設が462床予定されております。そのほか、認知症高齢者グループホームも開設が198床予定されているところでございます。
 県では、待機者の解消に向けまして、市町村が介護保険事業計画に基づいて行う施設整備に対する補助を行うとともに、介護人材の不足によりまして受け入れを見合わせている施設もあると伺っておりますので、介護人材確保対策を進めることにより、介護サービス基盤の整備を総合的に進めていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 入所が必要な方々をよく見てみますと、老老介護の人たちも多くなってきていますし、いわていきいきプラン(2021〜2023)を見ますと、認認介護、認知症になっている人がさらにまた認知症の家族を見ているということ、ダブルケアの問題もあります。子育てしながら介護する人、また、ヤングケアラーの問題もあります。そういう中において、介護されている人ではなくて介護をしている人が先に倒れて亡くなるケースもあります。
 今もハードの話もありました。また、介護人材の養成もありました。そういう中において、ベッド数をふやすために今後、介護療養病床の設置期限が令和5年度末とされているということもございました。期限内の介護療養病床の設置の考え方がわかりましたらお知らせいただきたいと思います。
〇前川長寿社会課総括課長 介護療養病床の関係につきましては、済みません、確認をさせていただいて、後ほど答弁させていただきたいと思います。
〇工藤勝子委員 よろしくお願いいたします。
 多分、これは例えば県立病院等のベッドを利用する関係もあるだろうと思っておりますが、そういう中で、医療局との連携もあるのではないかと考えております。
 そういう中で人材の育成は非常に大事であります。介護福祉士を養成する学校の関係で、専門学校、福祉介護課で学ぶ生徒数の把握、県内の定着率についてお尋ねいたします。
〇前川長寿社会課総括課長 県内の介護福祉士養成施設の生徒数と県内への定着についてでございます。
 県内の介護福祉士養成施設は、いずれも2年制で4施設設置されております。令和3年度における卒業者数は70人、そのうち県内で介護職として就職した方は62人、県内就職率は88.6%となっております。
〇工藤勝子委員 そういう中においても、令和7年度には2、705人が不足するということが、いわていきいきプラン(2021〜2023)の中にもあったわけですけれども、今後、生徒数が年々減少する中で、介護を選択していく子供たちも減っていくわけでありまして、今後、介護を職業としていく学生を支援する対策について、県はどのように考えているのかお伺いいたします。
〇前川長寿社会課総括課長 ただいま工藤勝子委員から御指摘がありましたとおり、介護の仕事に就く若い世代の方々が減っているということ、それから、介護福祉士養成施設のほうでも、定員に対する入学者の状況がおおむね4割程度で推移しているという厳しい状況にございます。
 こうした中で、県でも支援をしていきたいと考えておりまして、例えばですが、岩手県介護福祉士養成施設協会が実施しますさまざまな活動ですとかイベント等の取り組みに対して、県で補助金を支援するという取り組みなども行っているところでございます。
〇工藤勝子委員 人材が不足する中で、今後、対策として介護ロボットの導入なども非常に大事ではないかと思っております。そういう中で、資料を見ますと、介護ロボット等導入支援事業がありまして、2億9、000万円余、決算額は1億2、000万円余です。繰越額が8、300万円余とあるわけですが、今後、介護ロボット導入に対する県の考え方についてお伺いしたいと思います。
〇前川長寿社会課総括課長 介護ロボットにつきましては、やはり介護人材が不足している中で、介護職員の方々の負担軽減ですとか業務の効率化、生産性の向上という観点から考えまして、非常に重要な取り組みと考えておりますので、今後も引き続き、力を入れて支援してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 ぜひ予算を拡充して介護施設に導入ができるように、しっかりやっていただきたいと思っておりますし、今、新型コロナウイルス感染症の関係で外国人実習生の人たちもなかなか入ってこない状況になっているわけです。調べてみますと、473施設の中で外国人技能実習生が40人ぐらいいたのですけれども、今後、もし新型コロナウイルス感染症がおさまってきたら、さらに外国人労働者を入れるような考え方があるのでしょうか。
〇前川長寿社会課総括課長 外国人介護人材につきましても、現場の皆様からの声を聞きますと、ぜひ取り入れていきたいということです。ただ、さまざま手続が難しいですとか、そういった事情もあるとお聞きしておりますが、そのあたりも施設の方々からいろいろ御意見をいただきながら支援をしていきたいと考えておりますし、セミナーや研修等も実施して、横展開を図れるようにしていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 よろしくお願いしたいと思っております。
 次に、健幸づくりプロジェクトがあります。健康、医療、介護データを連結するビッグデータの連携基盤の構築の推進状況についてお尋ねいたします。
〇大内医療情報課長 医療等ビッグデータ連携基盤構築の推進状況でございます。県では、いわて県民計画(2019〜2028)に健幸づくりプロジェクトを掲げまして、各種データの分析結果を健康寿命の延伸に向けた施策に活用するため、国民健康保険などの県内各医療保険者等が保有する健診や医療、介護のレセプトデータなどを匿名化した上で集積する岩手県独自のシステムの構築を進めてきたところでございます。
 現在は、集積したデータをもとに、市町村比較などにより地域の健康課題の把握を行う基本となる分析に着手しているところでございまして、今年度内を目途に、まずは疾病状況及び受療行動、特定健診結果及び後期高齢者健診結果の三つのテーマの分析結果につきまして、市町村等の保険者へ提供することとしております。
 今後は、医療と介護の関連などについて順次分析を進めていくこととしておりまして、データに基づく地域の健康課題の見える化などを進めまして、市町村が行う健康づくりの取り組みを支援してまいります。
〇工藤勝子委員 ぜひ医療と福祉、介護、この辺がしっかりと結びついて連携がとれるように、こういうデータの共有なども今後重要になってくると思いますので、ますますお願い申し上げたいと思っています。
 本県の高齢者人口が来年41万人ということでピークを迎えると言われております。要介護者になってしまうには高齢もありますけれども、50代、60代、脳疾患、脳卒中という形の中で、回復しないまま介護が必要になる人、死亡する人が多いのが現状です。そういう中において、全国でも非常に上位を占めているわけです。これはがんも同じです。いわて県民計画(2019〜2028)の中で幸せを実感できる大きな要素は健康であることということがデータ的に出ているわけです。
 それで、岩手県で健康づくりの推進というのは、もっともっと大事ではないかと私は思っているところであります。団塊の世代の人たちが次に向けて健康で長生きできる状況をつくり、全国で不名誉なことを挽回していかなければならないのではないかと思っております。そういう部分で、健康づくり推進の方法について、考え方をお聞きしたいと思います。
〇阿部健康国保課総括課長 2019年の国民生活基礎調査によりますと、例えば、要介護の方の介護が必要になった主な原因として、脳血管疾患は2番目に多く、脳血管疾患の予防が介護予防の観点からも非常に重要です。
 県では、健康いわて21プラン(第2次)におきまして、脳卒中死亡率全国ワーストワンからの脱却、健康寿命の延伸を全体目標に掲げまして、脳血管疾患など生活習慣病を予防することを基本的な方向の一つとして取り組んできました。
 具体的には、脳血管疾患の予防に関しては、岩手県脳卒中予防県民会議、これは662の団体、関係機関の方に加盟していただいておりますが、そういった官民挙げての取り組みで食生活の改善、運動、禁煙支援など、オール岩手の活動の展開などを行っております。
 今後は、健康、医療、介護データをもとにした分析も進めながら、栄養、食生活、身体活動、運動などに関する生活習慣の改善など、また、高齢者も含めたライフステージに応じたさまざまな取り組みについて、引き続き、市町村や関係団体と連携しながら、生涯を通じた健康づくりを推進してまいります。
〇工藤勝子委員 これは長年続いていることでありまして、健康いわて21プランも確かに必要かもしれませんけれども、県民がどのくらい理解しているかということだろうと思うのです。成果があらわれないことの原因は、何が原因だと思っていますか。
〇阿部健康国保課総括課長 例えば、脳血管疾患でありますと、女性については相変わらず全国ワースト1位です。男性については、若干改善して、3位ということではございますが、生活習慣の改善、そういったところは日々努力しておりますが、なかなか時間がかかる問題でもあると思います。
 これからは、先ほど医療情報課長からもありましたけれども、データなども活用して、より科学的な知見に基づいて、効果的な取り組みといったものも今後新たに展開して、今までの取り組みに加えて、客観的なエビデンスに基づいた効果的な取り組みで粘り強く取り組みを進めていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 全国ワーストワンを解消するために、ぜひもっと情報発信の仕方を考えていただきたい、私はそのように思っております。地方においては、非常に病院が遠いということもあります。早期発見であれば軽症で済むこともあるのですけれども、病院的な問題もあるのかなと考えているところであります。
 次に、介護施設における新型コロナウイルス感染症の影響についてお尋ねいたします。新型コロナウイルス感染症の発生から3年目に入っております。県内における介護施設の発生状況の把握と対応、課題についてお尋ねいたします。
〇前川長寿社会課総括課長 県内の介護施設における新型コロナウイルス感染症の発生状況の把握と対応、課題についてでありますが、令和4年10月20日現在における高齢者施設、事業所等でのクラスター発生件数は189件となっております。
 クラスターが発生した高齢者施設等に対しましては、保健所やいわて医療福祉施設等クラスター制御タスクフォースによる入院調整や感染対策に係る支援のほか、地域の医療関係者や市町村職員などによる介護サービスを継続するための支援などが行われているところでございます。
 クラスター発生施設等に対し、これらの支援を速やかに提供するためには、地域の関係機関が連携しまして、地域の実情に応じた支援体制を構築する必要があると考えております。
 また、高齢者施設の取り組みとしまして、感染症や災害が発生した場合に必要なサービスが継続的に提供できるよう、業務継続に向けた計画の策定、研修、訓練の実施等を進める必要があると考えております。
〇工藤勝子委員 資料を見ますと、入所している人もですが、職員の方もかかっている状況ですね。私から見ると、一般家庭から比べると、絶対新型コロナウイルスなど入らないような徹底した消毒をやられているわけです。そういうところに入り込んでくるというわけで、原因はどのように捉えていますか。職員から入るのか。空気感染ですのでわからないかもしれませんけれども、わかる範囲内でお願いいたします。
〇前川長寿社会課総括課長 詳しく分析等を行っているわけではございませんが、関係者からの聞き取りなどによりますと、入所系の施設に関しましては、利用者の方から発生するということはないと思いますので、職員の方が感染して持ち込んでしまうという場合もあると思いますし、デイサービスとか通所系の事業に関しましては、利用者の方が御家族から感染して持ち込まれるという例もあるとお伺いしております。
〇工藤勝子委員 これによって介護施設による影響はどのようになったのでしょうか。例えば、通所、デイサービスをやめるとか、そういう関係があったと思うのですけれども、そういうのはあるでしょうか。
〇前川長寿社会課総括課長 新型コロナウイルス感染症の発生による影響についてでございますが、今、御指摘があったとおり、高齢者施設等でクラスターが多発した令和4年7月以降、通所系の事業所の臨時休業が非常に増加しております。直近の8月では85カ所、対前年比で8.5倍となっております。
〇工藤勝子委員 質問事項を出していなかったのですけれども、先ほど職員からウイルスが持ち込まれる可能性があるという話があったわけですけれども、また、通所で来る人たちから持ち込まれる。そういう人たちの予防接種状況は調べていらっしゃるでしょうか。
〇佐々木医療政策室長 介護施設の職員の個別のデータというのはとってはおりませんけれども、介護施設、高齢者施設については、特に優先的に接種を進めるため、一般の接種者よりもさらに早く重点的に接種するということで、介護施設ごとにそれぞれ接種体制をとっていただきながら接種を進めているということですので、施設ごとには職員への接種は進めているという状況になっているかと考えております。
〇工藤勝子委員 それでは、感染拡大のリスクを低減させるために、施設整備、空調などのような設備を県が補助していると思っているのですが、環境整備の効果についてお伺いしたいと思います。
〇前川長寿社会課総括課長 感染拡大リスクを低減するための施設、環境整備についてでございますが、居室に対する簡易陰圧装置の設置に対する費用ですとか、玄関室、家族面会室及び居室の生活空間の区分けを行うゾーニングの環境等の整備に対する経費について、市町村を通じて事業者に対して補助を行っております。
 これまで簡易陰圧装置の設置については33施設、家族面会室等ゾーニング環境の整備につきましては7施設に補助を行ってきておりますが、例えば、家族面会室の環境整備を行った施設からお伺いしたところでは、入所者や御家族の方が安心して面会できるということで好評を得ているとお聞きをしておりますので、今後もこうした整備に対する補助を継続してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 こういう施設整備や環境整備を要望している施設というのはどのくらいありますか。
〇前川長寿社会課総括課長 済みません、今、手元に施設の数は持ち合わせておりませんので、後ほど回答させていただく形でもよろしいでしょうか。
 それから、先ほど委員から御質問のありました介護医療院の関係ですけれども、今、あわせて答弁させていただいてもよろしいでしょうか。
 介護医療院への転換の関係でございますけれども、12施設中、令和元年から3年度中に2施設が介護医療院に転換しまして、2施設が一般病棟等に転換、3施設が廃止、令和4年度には3施設が介護医療院に転換予定でありまして、1施設が療養病床に転換予定となっております。また、1施設が介護医療院への転換または廃止について検討中となっております。
〇工藤勝子委員 こういう整備を行ったことによって、家族の方も安心して面会できるような状況ということで、それぞれの施設で、例えば、整備をしたいという要請があれば、県としては補助金を出すということですけれども、その補助金にも限度があるのではないかと思っているわけです。そういうのを大幅に確保してくださいといっても、また無理な部分もあるのかなと思っておりますけれども、今後の感染症拡大を抑えるためには、そういう施設整備、環境整備ということも進めていきながら、介護施設に新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生しないような状況をぜひつくっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 何か所感がありましたらお聞きして、終わりたいと思います。
〇前川長寿社会課総括課長 高齢者施設におけるクラスターにつきましては、ことしの7月以降、急激に拡大しておりまして、私どもも大変心を痛めているところでございます。今、委員から御指摘があったように、こういった環境整備も含めまして、さまざまな取り組みを進めていかなければいけないと思っております。また、御指摘のとおり、財源にも限りがあるところではございますが、必要なものについては優先順位等も考えながら、補助を進めていきたいと考えております。
〇中平均委員 では、私から、こころのケアセンター、こどもケアセンターについて、まずお伺いしてまいります。
 ケアセンターの個別対応件数は、平成27年度、1万1、613件をピークにして、昨年の令和3年度、7、274件となっております。こどもケアセンターについては、受診件数等の取りまとめが若干変わっているということですけれども、1、922件、相談件数が延べ2、319件となっているとお聞きしております。内容は、健康上の問題であり、家庭、家族の問題、内容等、多様な相談背景があるとお聞きしておりますが、まず初めに、この内容等をどのように分析しているのかをお伺いさせていただきます。
〇日向障がい保健福祉課総括課長 こころのケアセンターにおける相談等の状況についてでございますけれども、今、委員から御紹介がありましたとおり、大人のほうのこころのケアセンターについては、延べ7、000件を超える相談件数が続いているところでございます。相談内容といたしましては、気分障害や睡眠障害など、ストレス関連の症状に関するものが多くなっているところでございます。
 被災地におきましては、時間の経過に従いまして、被災者が抱える問題が複雑化、多様化しておりますことから、被災によるストレスに加えまして、復興の進展に伴う生活環境の変化が精神的な負担になっているなどの課題があるものと承知しております。
 こういう背景を受けまして、相談件数が高どまりしているのではないかと考えております。
〇中平均委員 相談件数が高どまりしているというところであります。そういった中において、ケアセンター、こどものケアセンターを含めて、今、決算審査をやっていますけれども、今後どのようにケアセンターを維持していくということだと、私は思っているのですけれども、この辺をどう考えているのかお伺いいたします。
〇日向障がい保健福祉課総括課長 こころのケアセンターの必要性等についてでございますけれども、被災地における心のケアのニーズはいまだに高く、先ほど御答弁申し上げたとおり、相談件数も高どまりしている状況から、支援を必要とする方々がいまだ多い状況にあると考えております。
 沿岸地域の自治体の多くは、もともと精神保健医療福祉に携わる専門職等の確保が難しい地域でもありまして、新たに新型コロナウイルス感染症への対応も生じておりますことから、こころのケアセンターに求められる役割は引き続き高いものと認識しております。
 県といたしましては、引き続き、こころのケアセンターを中心とする相談支援体制を堅持し、被災者に寄り添った対応を継続するとともに、地域の保健師などの人材育成、スキルアップ支援や心の健康の普及啓発等を行い、関係機関等と連携しながら、包括的、中長期的に取り組んでいく必要があると考えております。
〇高橋子ども子育て支援室長 こどもケアセンターについてでございますが、子供の心のケアにつきましても、その必要性につきましては、先ほど日向障がい保健福祉課総括課長が答弁申し上げたとおりでございますが、子供特有の事情としまして、こどもケアセンターにおける相談の中には、例えば、幼少期に被災した子供が心の傷がありながらも、これまでは余り意味が理解できないまま潜在化し、一見すると、けなげないい子であったものが、成長に伴い言語理解が進む中で、心の傷として顕在化し、思春期の不安定な心理状態と相まって、心身の不調ですとか行動面の課題となっている事例も報告されているところです。
 東日本大震災津波から11年が経過した今、むしろ時間が経過したことで症状として顕在化してくる場合もありますことから、子供の心のケアにつきましても、長期的な視点に立ち、被災地域において継続していく必要があると考えております。
〇中平均委員 昨年も質問してそういう御答弁でしたけれども、やはり時間がかかっていくということなのだろうと思います。
 そして、それに関連して、自殺対策ということでもお伺いしたいのですが、先日の総括質疑でも議論がございました。平成29年の10万人当たり21人から、昨年、令和3年度が10万人当たり16.2人という数字で、成果が出てきているということであります。ただ、今年度は数字が厳しいのではないかという話も聞いておりました。
 まず初めに、今年度の現段階での数値、令和4年度の数値をいただいて、そして、おそらく数字がふえているのだろうと思うのですが、その増加の要因をお伺いします。
〇日向障がい保健福祉課総括課長 今年度の状況でございますけれども、警察庁統計によりますと、9月末現在の速報値でございますが、自殺者数は193人で、過去3年の同月比で申し上げますと、令和3年より42人増、令和2年より16人減、令和元年より24人減となっております。
 今年の動向につきましては、現時点では詳細な分析はできてはおりませんけれども、前年に比べ、男性では40歳代以外の全ての年代、女性では30代、40代、60代、70代の方々が増加しておりますことから、働き盛り世代や高齢者世代に対する取り組みの強化が必要であると認識しております。
〇中平均委員 現在で193人ということであれば、去年の数字が今の数字ということですね。数値的なことで言えば、平成15年のころ、全県で527人亡くなっていて、沿岸部で122人だったものが、昨年で全県193人、沿岸部41人と確実に減少してきている。成果、効果が出てきているというところであります。
 久慈モデルとして平成13年から始まって、対策を打ってきている。最初は振興局の3年間の地域活性化事業調整費か何かで始まったのが、それが切れるときに県の保健福祉部の予算ということで全県に波及しながら進めていったと記憶しております。
 そういった中で、その効果、成果が出てきているというところでありますけれども、ことしの数字は深刻なものがあるのだろうと考えています。また、来年度も引き続き対策が必要になってくると思いますが、今後、事業等をどのように考えているのかをお伺いいたします。
〇日向障がい保健福祉課総括課長 今、委員から御紹介があったとおり、長期的には減少傾向にありますけれども、年度によって増減が生じているという状況にあるかと思っております。自殺対策につきましては、総合的な取り組みを進める必要もありますし、状況に応じてさまざまな取り組みを加えていくことも必要かと考えております。
 こうした観点から、令和3年度におきましては、コロナ禍が長期化する中で、働き盛り世代や女性のメンタルヘルス対策として、こころのセルフケア動画を作成いたしましてSNSで発信をしておりますほか、国が行っている相談窓口と連携協定を結ぶなど、相談体制を強化しているところでございます。
 また、今年度は自殺対策のキャッチコピーを定めまして月間名称として使用しているほか、県民にわかりやすく相談窓口を紹介する特設ウエブサイトを開設しております。働き盛り世代への対策の強化も必要となっておりますことから、企業の労務担当者を対象とするゲートキーパー研修を新たに実施することとしております。
 今後でございますけれども、国では現在、次期自殺総合対策大綱の策定を進めておるところでございますので、新たな大綱を踏まえまして、本県の自殺対策アクションプランを改定いたしまして、さらなる自殺者数の減少に向けて、多様な主体と連携いたしまして、官民一体となった取り組みを包括的に推進していく考えでございます。
〇中平均委員 国のほうも大綱が改定されるということでもありますし、あわせてやっていくということだと思います。
 そういった中で、最初に質問した、こころのケアセンター、こどもケアセンターというのも当然、被災地におけるメンタルケア、あわせて自殺対策というものにも大きく寄与しているのだろう。その結果、成果が出てきている。先ほど答弁にありましたとおり、年度、年度によって増減はどうしても出てきてしまう中にありますけれども、全体のトレンドとしては、きちんと下がってきているということなのだと思います。
 国においては、昨年3月9日の閣議決定で、今後の復興という中で、心のケアセンターについては、適切な支援のあり方を検討すると閣議決定で出ておりますけれども、適切な支援のあり方というのはどのようなことなのか、今、どのような方針が示されているものなのか、わかる範囲で結構ですので、お示しください。
〇日向障がい保健福祉課総括課長 今、委員から御紹介のあったとおり、その適切なあり方を検討し、対応していくという方針が示されているところではございますけれども、国の第2期復興・創生期間は令和7年度までとされておりますが、その後の方針につきましては、現時点では具体的に示されていないところでございます。しかしながら、心のケアは、先ほど来答弁させていただいたとおり、中長期的な取り組みが必要であるという前提に立ちまして、国に対しては継続的な支援を求めていきたいと考えております。
〇中平均委員 先般、秋葉賢也復興大臣に被災地を訪問していただいて、いろいろ見ていっていただいているということでありますが、岩手県、宮城県を訪問した際に、ぶら下がりの記者会見で、どちらの県でも検証が必要だと発言されています。閣議決定があって、大臣も検証が必要と言っている。第2期復興・創生期間以降、令和7年というと、ことしが令和4年ですからあと3年の中で、どのように進んでいくのかということなのだと思います。その点、今のところ、国から明確な方針等が示されていないということでありますが、こどものケアセンターは100%の国費で運営していると認識していますけれども、来年度はその点は確保できそうな状況にあるかどうか教えてください。
〇日向障がい保健福祉課総括課長 令和5年度の国の概算要求の中には、今年度と同様の心のケアに関する予算が盛り込まれておりますことから、来年度につきましては、額につきましてはこれから動くこともあるかとは思いますけれども、同様のスキームで支援していただけるものと今のところ考えております。
〇中平均委員 最後に野原保健福祉部長にお聞きしたいのですけれども、令和5年度、おそらく6年度、7年度までは何とかいくように当然していかないといけないと思うのですが、令和7年度以降の基本方針の中で、支援のあり方等々、国のほうでもいろいろ考えているのだと思うのです。先ほど御答弁いただいている中で、医療資源が貧弱な岩手県においては、ケアセンターのシステムは必要なものだろうと。これは県のほうでも私たちも一致した認識ではないかと思うのです。令和7年度までに別の体制を構築できるというわけでも当然ないでしょうから、令和7年度以降も引き続きシステムを維持していきながら、岩手県として、被災県としてのメンタルケアであり、自殺予防対策を進めていく必要があると思うのですが、その点を踏まえて、今後も引き続き活動を進めていくために、県として、国に実情なりを踏まえてわかってもらった上での予算措置等を要求していかなければならないと思うのですが、その点について答弁をいただきたいと思います。
〇野原保健福祉部長 心のケアについては、東日本大震災津波後11年が経過いたしましたけれども、むしろ被災地の方々については、より問題が複雑化、多様化していると考えておりまして、より被災者の方々に寄り添ったきめ細かな心のケアが、それも長期的な視点に立って実施していくことが必要だと我々は認識しております。
 そのためには、委員からも御紹介があったとおり、沿岸地域のほうは心のケアをサポートする、担う保健医療福祉の人材というのは、もともと脆弱な地域でございました。こうした携わる人材の確保、また、ケアセンターの運営に要する経費など、令和7年度以降も見据えた安定的な財源の確保が必要であると考えております。
 県ではこれまで、政府予算要望におきまして、所要額の確保、全額国庫による財政措置の継続について、機会あるごとに要望してきたほか、復興大臣などが現地視察に訪れた際に合わせまして、本県の現状、こころのケアセンターのほうもあわせて、私どもからも大臣等に御説明するとともに、直接要望を行ってきたところでございます。大臣も、心のケアは重要だということで、それを受けてコメントをいただいていると認識しているところでございます。
 引き続き、本県の実情を踏まえました心のケアの必要性や意義を御理解いただけるように、機会を捉えて国に働きかけてまいりたいと考えております。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇神崎浩之委員 ただいまの中平均委員の自死対策、それから心のケアについて、県内の精神科医療の状況と課題についてお伺いしたいと思います。
 先ほど答弁の中で、もともと沿岸地域は精神科医療が弱かったということでありますが、私は、岩手県全体が非常に精神科医療が弱いと感じております。心のケアに加えて、通常の大人も含めた精神科医療について、現状と課題についてお聞きしたいと思います。
〇日向障がい保健福祉課総括課長 今、御紹介のあったとおり、精神科医療につきましては、医師の数もそうですけれども、箇所数も他県に比べると少ない状況でございます。特に、沿岸部におきましてはその状況は顕著でございますので、例えば、通院をしたいと希望しても、なかなか距離的な問題であるとか、待機が生じるというような課題もあるかと思っております。
 実際の診療等に当たっていただいている医療機関におきましては、なるべく多くの方に医療を提供できるように取り組んでいるところとお聞きしておりますけれども、なかなか難しい状況が続いているという認識でございます。
〇神崎浩之委員 沿岸地域だけではないのですよね。医療が手厚いと言われている盛岡地域でさえ、今、精神科医療にかかるのは難しい現状であるということはわかっていらっしゃいますでしょうか。例えば、新患で、心の悩みを持っていて精神科に通いたいといっても、四、五カ所ぐらいあるわけですが、新患を受け付けるのは1カ月、2カ月、3カ月先だという話であります。この盛岡地域でさえです。新患で新たにかかりたいということだけれども、1カ月、2カ月、3カ月待ちだという現状があるのですが、その辺についてはどういうふうに把握されているのか。
 あわせて、岩手県には精神保健福祉センターがあるのですけれども、ここの現状についても非常に弱い体制だと思っております。前はしっかりとした精神科の医師が所長としておったわけですけれども、岩手県の心の悩みのよりどころの岩手県精神保健福祉センターの脆弱ぶりというか、そこも含めて、県内の沿岸地域にかかわらず、盛岡地域でさえ精神科にかかれない状況について、どう把握して対応しているのかお聞きいたします。
〇日向障がい保健福祉課総括課長 今、神崎浩之委員から御紹介があったとおり、なかなか受診までの期間が長くなってきているということについては認識しております。その要因といたしましては、近年、気分障害、いわゆるうつなどの症状を持つ方がふえてきているという背景もありまして、患者数の増があることと、あとは、精神科医療を担うドクターなどがなかなかふえていかないということが要因にあるかと思っております。
 受診調整については、医療機関でも可能な限り対応するという方向ではあるのですけれども、先ほど申しましたとおり、患者数の増などもありますことから、なかなか難しい状況が続いているということでございます。
 それから、県精神保健福祉センターにつきましても、精神科医の確保が重要ではありますけれども、近年は常勤の精神科医を確保することが困難となっておりまして、非常勤対応となっているところでございます。さまざまな相談等も寄せられている県精神保健福祉センターでございますので、引き続き、精神科医の確保について努力をしていきたいと考えております。
〇名須川晋委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午前11時9分 休 憩
午前11時27分再開
〇名須川晋委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇前川長寿社会課総括課長 先ほど工藤勝子委員から御質問のありました感染拡大リスクを低減するための環境整備を今後希望している施設ということでございましたけれども、現在取り組みを進めているところも含めての数字になりますが、多床室の個室化につきましては3施設、簡易陰圧装置の設置につきましては34施設、ゾーニング環境整備につきましては、玄関室、家族面会室等合わせまして25施設が環境整備を希望しているということになっております。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、子育て支援策や少子化対策の関係について御質問したいと思います。
 令和3年の出生数は6、472人ということで、前年比246人減です。合計特殊出生率は1.3ということで、これは皆さん御存じのとおりですけれども、第2子、第3子の出生率については、どのように推移していたのでしょうか。その点についてお伺いしますとともに、令和3年度の子育て支援というか、少子化対策の取り組み、関連する取り組みの状況と照らし合わせて、今後打っていくべき政策をどのように考えているのか、その点についてもお伺いしたいと思います。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 第2子、第3子の出生率の推移についてでありますが、過去20年間の15歳から49歳の女性人口1、000人に対する出生数の推移を見ますと、第2子につきましては、平成14年の15.0から令和2年には12.0に減少しております。第3子につきましては、平成14年が5.2であり、その後、上昇するものの、平成25年の6.3をピークに減少傾向となり、令和2年は5.2となっております。
 第2子、第3子に対する施策ということでございますが、まず、国立社会保障・人口問題研究所が実施した、出生動向基本調査におきますと、理想の数の子供を持たない理由については、子育てや教育に係る経済的な負担を理由に挙げる方が最多となっておりまして、経済的負担が出生数減少の主な要因の一つであると認識しております。
 これまで、県としましては、国の制度に基づき、3歳以上の子供に係る幼児教育、保育の無償化、ゼロ歳から2歳までの第2子の保育料の軽減、第3子以降の保育料の無償化に係る費用を負担するほか、独自の取り組みとしましては、子供医療費助成の現物給付化ですとか、3人以上の子供を持つ世帯を対象に子育て応援パスポートを発行し、県営施設の利用料の減免をするなど、経済的な支援に取り組んでいるところでございます。
 また、第2子の出生率が低下傾向にあることにつきまして、第2子をためらう理由といたしましては、経済的負担だけではなく、晩婚、晩産化による高齢での出産、1人目における女性側の育児の負担感などの影響もあるものと認識しておりまして、結婚、出産、子育ての各ライフステージに応じた取り組みの強化を総合的に進めていく必要があると考えております。誰もが理想とする数の子供を持つことができるよう、さらなる施策の充実について検討してまいりたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 先ほど行ってきたというか、国もやっている支援策等々を御案内いただきましたが、その中で、所得制限が入っているのはどの支援策だったでしょうか。その点、もう一回お願いいたします。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 所得制限に関しまして、これは確認して御答弁いたします。
〇ハクセル美穂子委員 済みません、急な振りでごめんなさい。
 先ほどお話ししてくださったような支援をまずしていただいていますけれども、そういった支援に加えて、これから県民運動もしていって、機運醸成をするとしています。機運醸成については、私が県議会議員に当選したあたりから子育て応援の店のような、これこそ機運醸成ではないかというのもずっとやり続けていましたけれども、それに加えて、もう一個、これからやっていくというので、それだけではない政策も打っていかなければいけないのではないかと思っています。
 例えばですけれども、政策に期限を設けたりして、効果的な政策を見つけるようなモデル的な事業を県内の市町村と行っていくとか、そういうふうな新しい、実験的な試みをしてみるというようなお考えなどは、今はどのように考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 少子化対策、自然減対策につきましては、県民運動なども実施していきますけれども、県のみならず、市町村や関係機関などと連携して取り組む必要があると思っておりまして、その中でも市町村としっかり連携して取り組む必要があるかと考えております。市町村も独自の支援策を設けておりまして、それと連動して効果的な対策になるように検討していきたいと思っておりますが、県としては、少子化についてはさまざまな要因があるということでございまして、先ほどの経済的な理由ですとか育児への負担感、そういったもので2人目をためらうという話もさせていただきましたが、そういった総合的な施策を進める中で、市町村独自の取り組みですとか、他の自治体が取り組んでいるような先行的な取り組みもしっかり内容や効果なども検証、研究しながら、本県の取り組みとしてどういった取り組みをしていったらいいか、そういった視点も含めて検討してまいりたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 来年度の予算につながる部分でもあるので、ぜひしっかりと検討していただきたいと思いますけれども、先ほど御案内をいただきました国立社会保障・人口問題研究所が行った出生動向基本調査、2021年の結果を私も見てみましたらば、おもしろい傾向が出ているなというところを発見しました。この中で、これまでは学歴が高いほど出生する子供の数の平均値が低い傾向があったのですけれども、2021年、初めて、妻が大卒以上の夫婦の出生数平均が上がっていました。1.66から1.74ということで、夫、妻、両方が大卒以上だと上がってきている。
 それから、第1子の出産前後に育児休業制度を利用して就業継続した妻、出生子供数も低下せず、1.98から微増で2.03になっている。そういうような結果が出ていて、おもしろいなと私は思ったのですけれども、これは経済的というところで、しっかりとした正規の職員になって、産む奥さん、女性のほうもしっかりと出産前後の仕事があるという状態が、子供を第1子、第2子、第3子と産んでいく上で重要なことだということを示しているのではないかと思っていました。
 そういうような御家庭は、私は所得制限をつけると引っかからないような支援策も出てくるのではないかと思っていまして、所得制限に対する考え方も変わっていかなくてはいけないポイントに今、来ているのではないかと思っているのですけれども、そういったところについては、今後、これまでどおりに継続していくのか、そういった部分を勘案していろいろ変えていくのか、その点については、どのようにお考えでしょうか。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 所得制限の考え方につきまして、まず、先ほど委員から御質問いただいた、先ほど紹介した制度への所得制限でございますが、ただいま御紹介した施策の中で所得制限のあるものは、ございません。ただ、子育てに係る制度の中では、手当の関係もそうですし、さまざまな助成で所得制限があるものもございます。等しく子供に施策を提供する観点と、限られた施策の中で負担について考慮しながら、幅広く施策を展開するという両面の考え方、そこをバランスをとりながら施策を考えていかなければならないというところもございますので、今後の少子化の状況を受けて、施策を充実、強化していく中で、それは一つの考え方というところで、それらも含めて今後の取り組み、施策について検討してまいりたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 検討していただくというか、そういった方向で御答弁いただきました。これらの調査の結果を見ていますと、育児休業をしっかり取って、そして、育児休業の有給の手当についても、しっかりとつけていくことが第2子、第3子を持ちたいと思っている方がしっかりと持っていけるような社会になるポイントなのかなと思います。
 今、育児休業を取得すると、制度上は67%の給料が有給で補填されるというような制度になっているのですけれども、この67%、下がるという点について、そこの部分をちゅうちょして第1子でやめようかなという方もいらっしゃるという話をよく聞きます。第2子、第3子までいかない。
 それから、男性の育児休業が進まないところも、やはりこの67%というか、会社によってはそこからもうちょっと上乗せしているところもあると思いますけれども、育児に携わることで若干所得が減ってしまうというときに出産をちゅうちょされる方がやはりいるというのをお聞きしますので、この辺についての補填策みたいなものも、例えばですが、今後、市町村で出産祝い金、補填する部分にはならないけれども、それを補完するような形で支援策を出すというようなところに県としても2分の1助成とか、そういった形のモデル事業を進めていくべきではないかと思っているのですが、大胆な支援策をやってみるというお考えは、今のところ、どうお考えなのかお聞きしたいと思います。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 子育て支援、少子化対策の取り組みですが、先ほども申し上げましたとおり、市町村でもさまざまな取り組みを実施しております。その中で成果を上げているものがあるのかどうか、これを県内に広げるとよいのではないか、そういった各市町村の取り組みなども研究しながら、そして、今後、県民運動も含めて子育て支援、次期アクションプランに沿って充実させていく方向でありますので、市町村の取り組み、他の自治体の取り組みといったところもしっかりと研究しながら、モデル的に有用な事例なども収集しながら、研究、検討を進めてまいりたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 最近、ネットの中で話題なのは、ハンガリーの少子化対策とか非常に出ています。出産祝い金のことを調べている中でも、大手携帯会社のグループなどは、第3子100万円はそのとおりですが、第4子で400万円、第5子で500万円を支給しているといった民間の会社を私は発見しまして、びっくりしましたけれども、そういうふうに重点的に事業をやっていくというのがいいのかなと思っています。ただ、財源などもありますので、よく県土整備部などでも、最近は社会実験と称して道路を改良する前にいろいろなことを試してみるというのをやったりしていますので、保健福祉の分野でも、どういうことを取り組みたいかと提示されていて、これについて実験的にやってみて、効果があったならば県内に広めたいという試みをやっているところに対しての支援策のようなものをつけていくというのも新しいやり方としてぜひ考えていただきたいと思いますので、その点について、今後の方向性的なところも含めて、野原保健福祉部長のお考えをお聞きします。
〇野原保健福祉部長 ハクセル美穂子委員から少子化対策について、総合的な、具体的な御提言、今後どういうふうな施策をやっていくかという形で御提言をいただきました。第2子、第3子ということで言うと、例えば、働き方改革もありました。雇用形態、正規、非正規、賃金の問題、労働環境の問題、あとは、出産の部分の支援、保育環境の整備、こういったものがさまざま絡み合っていますし、第2子の壁というのは、いわゆる経済的な部分が大きいというのは、さまざまな調査でも出ていると我々も認識しています。
 そのような中にあって、どのように施策を組み合わせていくのか。岩手県の現状を分析して、他県の状況なども調べてみると、女性の仕事の時間が長いとか、そういったことが少し見えてきている部分もあります。そうなると、労働サイドであるとか、企業などとの連携といいますか、そういった取り組みも必要ですし、先ほど佐々木次世代育成課長からるる答弁させていただきましたけれども、市町村でも第2子の方の出産一時金であるとか、市町村ごとにそれぞれ工夫しながら事業をされておられます。
 県と市町村の役割分担という考え方もありますし、市町村でそれぞれ地域の特徴を捉えていい事業をやっているというのを我々が支援するという視点もあります。委員から所得制限のお話もありました。所得制限も、ほかの制度との整合ということもありますし、いろいろな事業、いろいろな視点で検討を進めないとならない。特に少子化対策を検討している中では、日々強く感じているところでございます。
 委員からいただいたさまざまな提言は、それぞれ有効な手法だと思っていますので、どういう形で組み合わせて、岩手県の現状に即した実効ある施策ができるのかというのは不断に研究、検討し、来年度予算にもし反映できるものがあれば、反映させてまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 前向きな答弁をありがとうございます。すごく難しい課題だというのは私もわかっていまして、これをやってもなかなか出生率が上がりませんという村の村長さんが御意見を出しているというのも聞いておりますので、どれかと決めることは難しいので、モデル的なものをやりながら模索していくという方向性もぜひやっていただきたいと思います。
 もう一つ、国立社会保障・人口問題研究所の調査結果でおもしろいなと思ったのがあったのですけれども、異性の交際相手と知り合ったきっかけというのが、2021年に初めてネットというのが出てきて、ネットと答えた男性が11.9%、女性は17.9%、そういう時代になってきたのだなというのをすごく如実に言っている調査結果が出ておりました。
 この結果を見ますと、i−サポは、やっていいと思うのですが、インターネットなどで申し込みできるような、マイナンバーカードとかと組み合わせるとできるような時代が来るのではないかと思っていますので、ぜひi−サポのほうの工夫もしっかりとやっていただいて、結婚していただいて、そして出産していただくという流れを強化するところについて、これからさらにまた力を入れていってほしいと思います。
 そのことをお願いして終わります。
〇軽石義則委員 それでは、難病関係についてお伺いいたします。現状、新型コロナウイルス感染症もあって、それぞれの難病の患者の皆さんも、家族を含めて大変な状況になっているのではないかと考えておりますし、そういう声も聞こえてくるのですけれども、その現状をどのように把握され、そして、課題として持っているものがあれば、まずはお聞きいたします。
〇阿部健康国保課総括課長 難病の関係につきましては、大きな問題としましては、毎年、岩手県難病・疾病団体連絡協議会から要望いただいております医療費助成の範囲の拡大だとか、難病に係る医療提供体制のさらなる充実というものもありますが、殊に新型コロナウイルス感染症に関して見ますと、各地域、保健所単位で、例えば患者交流会だとか、いろいろな集まりもやっていたのですが、やはりコロナ禍ということで、特に患者交流会実施回数が激減している状況にございます。難病患者さんは、難病ということで、出口や先行きが見えない、見通しにくいという非常に大きな不安を抱えていらっしゃいますので、同じ境遇を持った方とのお話し合いによって不安が少しでも解消されるといったこともございます。
 コロナ禍ではあるのですが、各地域の取り組みも全体を底上げしつつ、交流会も含めた難病患者さんが共有し合える場といったものも、これからコロナ禍の状況を見つつではあるのですが、何とか回復させて、盛んに実施していきたいと考えております。
〇軽石義則委員 確かに、新型コロナウイルス感染症の対策をしながらとなれば、今までやってきたものを通常に戻すということも難しいと思いますし、まさに非接触型の交流といいますか、そういうものを広げていかないと、不安や疑問を解消していくことはできないのではないかと思うのです。難病患者地域支援ネットワーク事業や、難病医療提供体制整備事業、それぞれ体制をつくって、難病患者の入院調整等を含めて、協議会を設置して行うという事業もされているのですが、それぞれその事業が今どういう状況なのかお示しください。
〇阿部健康国保課総括課長 まず、難病医療提供体制整備事業でございますが、岩手医科大学附属病院が拠点病院となりまして、全県で22の医療機関が協力病院になっております。事務局を岩手医科大学附属病院に県から委託しまして、連絡調整、それから、コーディネーターを2名配置しまして、難病患者さんの入院調整なども行っていただいております。
 課題としまして、どこの病院に行けばどの難病の治療が受けられるのか、そういうのがわかりづらいという声を患者団体から伺っておりますので、岩手医科大学附属病院を中心とした医療機関の連絡協議会の中で、情報の発信のあり方を今、研究して、わかりやすい発信方法の案を練っておりまして、早ければ年明けにも公表して、難病患者さんが医療によりアクセスしやすいようになるかと思います。
 それから、難病患者地域支援ネットワーク事業というのは、保健所を中心として行うものでございます。先ほども話しましたが、なかなか新型コロナウイルス感染症の関係で低調な部分はあり、また、実は地域差もありますので、おくれている地域については、なぜおくれているのか見ますと、外形的な要素ではございますが、設置要綱というものをつくっておりません。まずは設置要綱をつくって、目的とか所掌事項をつくって、地域の関係者が何をやるべきかをしっかり共有して行うことがまず大事だと思っておりますので、その点は、我が課のほうからも低調な保健所に対しては、底上げの支援を行っていきます。
 また、加えまして、難病患者への支援は医療サービスの提供だけではなくて、福祉サービスの提供も非常に重要です。この福祉サービスの提供の中核をなすのが市町村になりますので、地域での活動というものは非常に大事になっておりますので、その点につきましては、今後さらに強化してまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 ぜひ関係するそれぞれの団体、また、市町村を含めて連携をしっかりとっていただきたいと思います。
 そういう意味で、非接触型の交流、相談ができるような体制を整備する上では、それぞれ必要な経費もかかってくると思いますし、各関連団体も、団体そのものの運営も人手も含めて厳しいような状況なのですけれども、それぞれの団体が抱えている課題とか、取り組みをしようとしても前に進めない状況等を含めて、どのように把握をされているでしょうか。
〇阿部健康国保課総括課長 例えば、岩手県難病・疾病団体連絡協議会におきましては、相談員を3人配置しているのですけれども、職員が高齢化しているということ、後継者をどう育てていくかということのお悩みをお持ちです。したがいまして、県としましても、例えば、岩手県難病・疾病団体連絡協議会で相談関係について看護師の資格を持っている人の人材募集をするときに県も間に入って、例えば、看護関係の団体などに適当な人材はいないかということを仲立ちしながら確保に努めていきたいと考えますし、また、国で医療関係の研修会もやっておりますので、そういったところにも積極的に派遣していきたいと考えております。
 また、患者団体におきましても、高齢化が進んでいたりして、そこでも会員数が減っているだとか、引っ張っていく人が高齢化して大変だという話もあります。ですので、会員数の確保ということでいえば、医療費助成の対象になっている難病患者自体はふえておりますので、さらに患者団体の構成する方をふやすという意味であれば、例えば、保健所はもとより、患者が来る医療施設などに会員募集の案内を置かせていただくとか、そういった県としてできることも患者団体と連携しながら取り組んでいきたいと考えます。
〇軽石義則委員 連携をとっていただくことも大事ですし、そういう組織があって相談できる、共通の課題を共有できるところがあると安心につながっていくと思います。今、難病患者もふえているという答弁でしたけれども、実態、数字としてはどのようにふえているのか、今、把握されていますか。
〇阿部健康国保課総括課長 例えば、特定医療費の受給者の対象の数ということでありますれば、令和4年3月末で9、799人おります。比較の対象、かなり前になりますが、私が二十数年前に難病を担当していたころは、疾患の数も大分少なかったのですけれども、当時4、000人程度でございましたので、対象疾患がふえたということもございますが、そういう状況になっております。
〇軽石義則委員 数字もふえている、病気の対応もふえてきていると思うのですけれども、先ほど難病相談支援センターのお話もありました。非常に厳しい状況だということのようですけれども、そういう中での相談件数はどういうふうに推移されてきているのか、また、相談の内容がどのような傾向になっているのか、わかれば教えてください。
〇阿部健康国保課総括課長 岩手県難病・疾病団体連絡協議会からいただいたデータによりますと、令和元年と2年が大体2、800件、2、900件の相談でしたが、令和3年度は約4、000件になっております。新型コロナウイルス感染症という不安から相談もふえたのではないかという話は伺っております。
〇軽石義則委員 現状、私もふれあいランド岩手に行っていろいろお話を聞いたり見たりしているのですけれども、岩手県難病・疾病団体連絡協議会が今、仕事をしている執務スペースは、フロアの一角を仕切ったような形で、そこで一生懸命やっているのです。財政の問題もあって、それ以上スペースをどう拡大していくかというのはなかなか難しい課題だとは思うのですけれども、相談がふえてきているとすれば、電話以外でも直接出向いて話もしたいというような人も、家族も含めてこれからふえてくるのではないか。そうすれば、そういうスペースをしっかり確保することによって、安心、安全が確保できていくのではないか。そして、後継者も執務状況を見て、私もそこでお手伝いしていこうかなというような気持ちも持ってもらわないとつながっていかないと思うのです。その部分についてはどうでしょうか。
〇阿部健康国保課総括課長 岩手県難病・疾病団体連絡協議会の難病相談支援センターの執務スペースですけれども、最初は、ふれあいランド岩手の中でいろいろな団体が入っている大部屋の中にデスクがありました。その後、喫煙室を改修しまして、そこが個別相談できるスペースということになったのですが、相談員も3人になったということで、元喫煙室のスペースも事務所のようになってしまったということで、ことしになってから、同じふれあいランド岩手の中の同じフロアに、さほど利用頻度の高くない相談室が二つあるということがわかりまして、関係者と調整を図りまして、もし個別の相談があった場合は、ルールをきちんと明確にして、使えるように調整をしました。
 また、アウトリーチという話もありました。今、難病の患者に対する医療等に関する法律施行後5年で、国でも見直しをやっておりまして、その見直しの案を見てみますと、難病患者の支援については、福祉との連携といったものをもっときちんと明確にすべきだといったこともあります。なので、そういった法律の改正によって、難病相談支援センターが担う業務が拡大するだとか、相談件数の推移を客観的に捉えて、もし難病相談支援センターの充実、強化が必要であれば精査をして、財政措置が伴いますので、なかなか壁は高いかもしれませんが、客観的な必要性を十分整理した上で、具体的に検討を進めてまいりたいと考えます。
〇軽石義則委員 必要であればと、必要だから私も聞いているので、そういう意味では、必要なので考えてほしいという思いですので、酌んでいただければと思います。
 それで、各団体もそれぞれ家族会を持って対応していますけれども、家族会という団体があることすら周知徹底されていなくて、悩んでいる御家族もいるのではないか。患者さんは当然、病院には行くので、県の関係箇所、広域振興局や保健所、県立病院などいろんなところでそういう団体があって、いろいろ相談することがあればそちらにどうぞという案内とか、PRの協力をしていくことも大事ではないかと思うのです。ヘルプカードはかなり県でも、いろいろ媒体を使って皆さんに周知してもらっていますけれども、そういう団体の取り組みや誘導というものを保健福祉部からも関係箇所に協力はしていきましょうと、県庁全体に周知するような活動が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
〇阿部健康国保課総括課長 ただいまの御指摘のとおり、難病患者は外から見てなかなかわかりづらいということもあります。したがいまして、そういった方々がどこに行っても不自由なく配慮されるようにするにはどうしたらいいのかといったものをきちんと考える必要がございます。つきましては、岩手県難病・疾病団体連絡協議会だとか関係する患者団体とも十分相談をしながら、どうやれば効果的に進めていけるのか、連携して一緒に取り組んでまいりたいと考えます。
〇軽石義則委員 相談して進めているうちに時間はたってしまって、本当に困っている方々が対応していただけないのだと諦めにつながっていかないように、早急にお願いしたいと思います。一例でありますけれども、私のところに岩手県腎臓病の会の皆さんから、民間の病院では新しく透析を始めた方には、そういう会があるというPRはしていただけるようですけれども、新型コロナウイルス感染症で県立病院も忙しいことは十分理解していますが、どうも県の施設のほうではなかなかそういうPRといった協力や、ポスターを貼ってパンフレットを配るくらいのお願いをぜひ聞いてほしいという要望も来ておりますので、それらについても対応していただきたいと思います。非常に難しい話ではなくて、それらはお金がかかるものでもないですし、それによって難病患者の皆さんがつらい今の状況を克服できるとすれば、早くやることが私は大事だと思うのですけれども、最後に野原保健福祉部長に一言聞いて終わりたいと思います。
〇野原保健福祉部長 難病患者さんやその御家族は、いろいろ悩まれていることが多いと思います。同じ悩みを抱えている難病の団体の方々を知らない方もおられます。こういった方々に、まずはそういった団体があって、困りごとがあれば相談できますよということを周知していくことは非常に重要だと思っています。
 周知するには、例えば、医療機関にかかっていますのでそこを通じて、ドクターは忙しいのでなかなか難しいところはあるかと思うのですが、医療機関を通じて、そういった患者さんが通うような機会があるような場所を通じて周知していくというのは非常に重要だと思っておりますので、県としても、これは我々が頑張ればいいだけの話ですので、しっかり頑張って、周知に努めてまいりたいと考えております。
〇名須川晋委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午後0時6分 休 憩
午後1時2分再開
〇川村伸浩副委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇高橋穏至委員 私からは、総括質疑の中で合計特殊出生率の質問をしたのですが、その中で、結婚支援の事業について、令和3年度の取り組み状況の成果ということで質問したのですが、その答えが、いわて子育て応援の店とか、いわて子育てにやさしい企業等認証の認証数が目標数を上回って推移するなど一定の成果があった一方で、結婚サポートセンター会員による成婚者数などが目標を下回ったというような内容でした。これは主要施策の成果に関する説明書に書いてあるとおりですけれども、それ以上深く質問できなかったので、答弁の中で合計特殊出生率向上に向けた取り組みを令和3年度の実績を踏まえて、成果や課題を検証しながら取り組みますというところで終わったのですが、その中でも若干気になった点について、質問させていただきます。
 二つの事業があるわけですけれども、最初に、岩手であい・幸せ応援事業では、“いきいき岩手”結婚サポートセンターの新規登録会員数は、目標200人に対して334人で、登録会員数は実は目標は達成してAだったと。“いきいき岩手”結婚サポートセンターの会員同士の成婚数は、目標13件に対して14件でAとなっておって、しかしながら、サポートセンター会員における成婚者数はD、目標数を見ると、毎年110人を目標としていて、その結果、令和元年が56人、令和2年が34人、令和3年が36人ということで、指標が片やA、片やD、ここら辺、どう整理されているのかお伺いします。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 岩手であい・幸せ応援事業についてでありますが、具体的推進方策指標である結婚サポートセンター会員における成婚者数については、平成29年度の会員数1、105人を基準にして、令和4年度までの成婚者数の中期目標を設定したものであり、構成事業の活動内容指標である新規会員登録者数及び成果指標である会員同士成婚者数は、令和2年度の会員数569人を基準として、1年間で達成すべき短期目標を設定したものであります。
 具体的推進方針指標における成婚者数が目標を達成できていないことにつきましては、会員数が当初の想定より伸び悩んでいることが主たる要因と考えており、i−サポの周知等による会員数の増が課題であると認識しております。
 今年度はテレビCMや新聞への広告掲載、SNSによる情報発信等を実施した結果、令和3年度末の会員数は646人と増加傾向に転じたところでありまして、令和4年度においては、いわてで生み育てる県民運動と連動した広報を実施するほか、お出かけi−サポを14市町村に拡大しての開催、コンビニエンスストアへのリーフレット配架、女性を対象とした結婚相談会の実施などにも取り組むこととしており、市町村や関係機関とも連携しながら、さらなる会員数の拡大を図っていきたいと考えております。
〇高橋穏至委員 当初の目標数と今設定している目標数を中間で見直ししながら目標設定しないと、片やA、片やD、その結果がDという不合理な数値が出てくると思いますので、そこはしっかりと見直す必要があるのではないか。
 それから、先ほどもハクセル美穂子委員からも出たのですが、出会いの傾向として、出会い系とかそういうのがふえているという話がありました。
 私が昨年2月の予算特別委員会でも触れていた部分ですが、まずは会員の拡大を図っていくということで、その点については、会員の拡大はある程度上向いているということですが、大事なのは次の段階に行くところで、できない理由として、初日の総括質疑では、新型コロナウイルス感染症の影響で直接触れ合う機会がなかったとかさまざまな理由を言っていますけれども、去年の2月の定例会の答弁で、SNSを活用した活動とか民間団体、市町村の取り組みを含めて連携していくということに関しては、特に、広い岩手県土の中で1カ所では無理で、先ほどお出かけi−サポという話もありましたが、市町村との連携、あるいはSNSの活用など行っていく必要があるのですが、この事業は結婚サポートセンターのほうに委託というかお願いしている格好になると思いますが、その体制というのはとれているのでしょうか。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 i−サポにつきましては、県、各市町村、関係団体が負担をしながら、公益財団法人いきいき岩手支援財団に運営していただいていますが、年間2回、運営委員会を開催いたしまして、事業の進捗状況ですとか結婚支援に向けた意見交換なども実施しているところであります。
 各市町村においても独自に結婚支援の取り組みを実施しておりますので、それぞれの市町村の実情に応じた結婚支援、それから、県としては広域的なところで見た市町村をバックアップするような支援のあり方についても意見交換等をしているところでございます。
 市町村との連携が非常に重要だと考えておりまして、市町村のほうでもi−サポの入会金の助成ですとか、それぞれの実情に応じた婚活事業を実施しております。そういった事業と連携するとともに、i−サポについての広報誌への掲載ですとか、地域企業への周知、それから、地域企業との出会いの場の拡大、発掘、そういったことも市町村と連携しながら取り組んでいきたいと考えております。
〇高橋穏至委員 市町村との連携を見ながら、ここに出てくる数値は全県でという数字しかわからないのですけれども、広域振興圏単位での取り組み状況というか、成果はばらつきがあるかどうか、もしわかったら教えていただきたいのですけれども。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 圏域ごと、市町村ごとの状況でございますが、i−サポに関して申し上げますと、会員数、成婚者数、それぞれ傾向を見ますと、まず、会員の拡大が課題であると答弁申し上げましたけれども、会員につきましては、県北地域でやや会員登録が進んでいない部分もありまして、そこについては、取り組んでいかなければならないと思っています。今年度、県北広域のほうでも市町村議会のカシオペア連邦議会議員協議会の会合の中で、i−サポについて周知をさせていただいて、改めて全県で格差のないように周知活動を進めていく必要があると考えております。
〇高橋穏至委員 総括質疑のときもお話ししたのですが、細かく状況を見ていかないと成果はなかなか出ないと思いますし、各市町村でも同じ悩みで一生懸命やっていますので、それぞれの市町村でふえることによって県下全体がふえるという形になるように、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 もう一つの事業である、いわてで家族になろうよ未来応援事業、取り組み市町村数15の目標に対して15できたということでAになっていますけれども、それぞれの市町村の実際にやってみた実績、目標を達成していたのかとか、市町村結婚新生活支援事業費補助件数の目標45に対して実績82となっているのですが、それぞれの市町村の評価はどうだったか、押さえているかお伺いしたいと思います。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 いわてで家族になろうよ未来応援事業についてでありますが、この事業につきましては、活動内容指標に掲げております、結婚新生活支援事業、これは国の地域少子化対策重点推進交付金を活用しながら、市町村が新婚世帯の住宅費用や引っ越し費用等を支援する事業でございまして、委員から御指摘がありましたとおり、令和3年度の実施市町村数は、計画値15市町村に対して実績値は15、成果目標である補助件数、新婚世帯への助成金の件数につきましては、目標45に対して実績82件ということで、合計1、833万8、000円を支給したところであります。当初の目的を上回って支給したということで、新婚世帯に活用いただけたものと考えております。
〇高橋穏至委員 これも私、令和2年の9月定例会のときに、国の制度の補助率が上がるし、所得要件も下がるので、もっと拡大したほうがいいということを取り上げたのですが、成果として目標は達成しているということですけれども、その当時は10市町村だった。10が15にふえたということです。これはもうちょっとふやせないのか、今後の課題や対応をどう考えているか伺いたいと思います。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 先ほど委員から御紹介がありましたとおり、この事業につきましては、令和2年度は10市町村において実施されておりまして、令和3年度から補助上限、市町村への補助率が拡充されたことに伴いまして、令和3年度は15市町村、今年度、令和4年度は17市町村と、徐々にではありますが、実施市町村数は拡大してきております。
 今後に向けては、この事業が県内における結婚機運の醸成につながるためには、実施市町村数のさらなる拡大が課題であると認識しております。市町村からは、財政負担や事務負担、それから、交付金の要件の複雑さなどから実施に踏み切れないという声もございますことから、県内市町村で組織します、これはi−サポの運営委員会と同時に実施しております、結婚新生活支援事業推進連絡会において、実施している市町村の実施状況、実施するメリットですとか事業ノウハウ、そういったものを共有しながら、未実施の市町村も含めて取り組みを進めていきたいと考えておりますし、国に対しても、財政支援の拡充や制度の柔軟化について要望しているところでございまして、これについても、引き続き要望を続けてまいりたいと考えております。
〇高橋穏至委員 令和4年は17市町村にふえたということで非常にいいかなと思いますが、所得制限の緩和もまだもう少し足りないのかなという気がしていましたし、確認ですけれども、国の補助制度であるので県が負担することはないですよね。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 この事業は、委員御指摘のとおり、国の交付金事業でございまして、国と市町村の負担で実施をしております。
〇高橋穏至委員 決算書に補助率2分の1と3分の2と二つ記載されているのですが、その違いは何か気になりました。たしか令和2年は2分の1だったけど、国の分が3分の2にふえたということですが、今回の説明書に二つ載っているのですけれども、これはどういうことなのか伺います。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 国において交付金の内容が拡充された際に、3分の2という形で補助率が上がったのですが、これは都道府県主導型市町村連携コースということで、単独の市町村でそれぞれやるということではなくて、県も含めて連携して取り組むということを実施すれば補助率を3分の2にかさ上げするというような仕組みの制度でございます。本県はこちらのほうを活用しておりまして、先ほど申し上げました連携会議を開催したり、市町村と連携をしながらの事業展開を行うということで、高い補助率のほうで運用しているところでございます。
〇高橋穏至委員 わかりました。令和3年度の決算、予算3、600万円余に対して決算が2、500万円余ということで、予算を消化していないのですけれども、目標件数は達成しているのに予算を使い切っていない理由は何でしょうか。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 これにつきましては、市町村の所要見込み、補助予定件数をもとに当初予算を編成しているところでございますけれども、実際、残額が出た理由としては、目標は上回ったものの、件数は見込みを下回ったということでございまして、実際、要件を満たさなかったとか、なかなか申請に至らなかったケースとかもあり、予算を全て消化しきれていないという状況にございます。
〇高橋穏至委員 となると、表に書いてある目標、市町村の補助件数の目標45件に対し実績82件で非常に上回っているのに、結局、予算ベース、決算ベースでは当初目標にいっていないということは、書いてあるそもそもの目標が違っているのではないかという気がするのですけれども、いかがですか。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 目標値につきましては、予算上は、先ほど申し上げたとおり、市町村の執行見込み、補助の見込みにより積み上げておりますけれども、この事業が結婚支援に資する事業とするために必要な政策的な目標数値との整合性を今後図っていきながら、しっかりと成果が上がるように取り組んでまいりたいと考えております。
 先ほど補助率の話を申し上げましたけれども、一部、一般コース、事業の中身によりましては2分の1の補助もあるということでございます。ただ、大きなところでいいますと、県と市町村と連携して実施しておりますので、3分の2が基本ということでございます。
〇高橋穏至委員 そうすると、やはり目標と実際の予算立ての計画時点のすり合わせがちょっと足りなかったということになろうかと思います。そこは目標設定、本当はもっと高い目標だったのではないかと思われますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 県との連携で3分の2になるということは、県も幾らか出すということで、先ほどは、県は全然出す必要はないと言いましたけれども、出しているということでいいのですか。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 補助率につきましては、県との広域連携を進めるというところで、国から国庫負担金として3分の2の補助をいただいているところでございます。県も協働してやるということで国の補助の補助率を上げて実施できているというような状況でございます。
〇高橋穏至委員 連携する中に県の予算は入っていないのかという質問です。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 大変失礼しました。国の交付金で行っているこの事業のスキームからいいまして、県と連携することで国の交付金のかさ上げがされているということで、そこに県の補助が入っているということではございません。
〇高橋穏至委員 あともう一つ懸念されるのが、国から交付金というか補助金でいただいて、予算化したけれども、結局消化できなかったということで、今後に影響を与えるのではないかということも心配するのですが、今後、そこはしっかりと確保しながら取り組みを進めなければいけないと思うのですが、そこら辺の懸念はないでしょうか。令和5年に向けての取り組みなどに影響はないか伺います。
〇佐々木特命参事兼次世代育成課長 実施するに当たって市町村数もふえてきているというところで、市町村も予算を獲得しながら実施している事業でございますので、その予算がフルに活用されるよう、この事業の活用促進に県もともにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
〇高橋穏至委員 しっかりと予算を確保していただいて、まずはしっかりと成果を上げていただきたいということで、今後の取り組みをしっかりしていただきたいということを申し添えて、終わりたいと思います。
〇高橋但馬委員 決算年度であります令和3年4月に盛岡市の高齢者施設で42名、そして、5月には胆江地域で80名のクラスターが起きていると思います。対応に追われております保健福祉部に心から敬意を表します。
 私は、新型コロナウイルス感染症対応病院への介護老人福祉施設利用者、陽性者患者受け入れについて、1点お伺いいたしたいと思います。
 特別養護老人ホームなどの老人介護福祉施設の利用者に陽性患者が出た場合、新型コロナウイルス感染症対応病院で受け入れ先が見つからず、施設にとめ置かれる場合が散見されております。原因は何だったのか、そして、改善策についてお知らせ願います。
〇三浦感染症課長 高齢者施設等で陽性者が確認された場合でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の症状により、入院治療が必要な方については医療機関に入院していただいているところでございます。
 介護が必要な軽症な方が医療機関に入院した場合、医療従事者を通常よりも相当数多く配置する必要があり、医療現場の逼迫につながることから施設内で療養をお願いしているほか、介護等が必要な患者向けの宿泊療養施設を運用しているところでございます。
 施設内療養に際しましては、ゾーニングや感染対策について施設から相談された場合、保健所による助言、指導のほか、いわて医療福祉施設等クラスター制御タスクフォースの派遣による感染対策及び施設運営継続等に関する支援を行っているところでございます。
 また、高齢者施設に対し、入所者、職員の日々の健康状態の把握を行うなど感染防止対策について周知しているほか、施設の協力医療機関等に対し、施設内療養の患者への投薬や診療後のフォローなど、関係機関の連携体制の整備について研修会等を実施しているところでございます。
 今後におきましても、感染対策の助言、指導を行いながら、施設内療養者の健康観察を十分行い、必要に応じて医療につなげていくところでございます。
〇高橋但馬委員 今おっしゃっていただいた対応の状況は、入所継続指示の前提条件の部分でよろしいですね。ありがとうございます。
 それでは、利用者に徘徊などがある場合、病院が引き受けられない場合があると聞いております。今後もとめ置きの可能性があるとすれば、今後、クラスターの要因になりかねないと考えるところでありますけれども、介護施設の施設整備や検査キットの常備などについて支援を強化するべきだと思いますけれども、御所見を伺います。
〇三浦感染症課長 高橋但馬委員御指摘のとおり、認知機能等の低下により感染防止対策が難しい方については、施設内の感染拡大の要因になりかねないものと考えております。
 県では、高齢者施設等での感染防止対策として、先ほど前川長寿社会課総括課長からも御答弁申し上げましたとおり、ハード面になりますけれども、簡易陰圧装置の設置や多床室を個室に改修する費用でございますとか、ゾーニング環境の整備に関する費用等を補助しているところでございますほか、希望する入所者等について、オミクロン株の感染拡大を踏まえ、PCR検査により入所系の施設の従事者に対して、おおむね週1回の頻度で検査を実施してきたところでございます。
 今後は、国からの抗原検査キットの配布見込みが判明した後に、11月を目途に感染状況が高まっている期間において、抗原検査キットにより、入所系のほか、通所系や訪問系の職員、施設の従事者に加え、新規入所者等についても対象とする国の事業が示されておりますので、週2回程度の頻度で検査を実施することを検討してまいります。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、生活福祉資金貸付の関係、ほかお伺いいたします。
 コロナ禍の影響で家計が苦しいということで、最大60万円を給付する新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金というのがあるわけですけれども、これは年度内で打ち切るという方針になっております。生活福祉資金緊急小口資金、総合支援資金という特例貸付を利用して自立支援金ということになっていくのですけれども、質問は、令和3年度の特例貸付の緊急小口資金と総合支援資金の件数、そして金額、実績はどうでしょうか。あわせて、最近の状況、令和4年度の状況はどうかまで、まずお伺いいたします。
〇前田地域福祉課総括課長 まず、令和3年度の特例貸付の実績についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響による減収世帯への支援として、令和2年3月から本年の9月まで特例貸付が実施されており、令和3年度の貸し付け実績につきましては、緊急小口資金が1、901件、3億5、200万円余、総合支援資金が2、175件、12億4、100万円余、合わせて4、076件、15億9、400万円余となっております。
 次に、令和4年度の状況についてでありますが、緊急小口資金が329件、6、100万円余、総合支援資金が206件、1億円余、合わせて535件、1億6、200万円余となっております。
 申請件数の動向を四半期ごとに捉えてみますと、ことし4月から6月までの件数は、四半期ごとの件数が最も多かった令和2年度の4月から6月の3カ月間の4分の1以下まで減少しているというところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 新型コロナウイルス感染症が始まったときは、もう大変なことになって、そして緊急の資金貸付というのが出てきたわけですけれども、今度は落ち着いてきたということもあって、特例貸付が終わり、今度は償還ということになるわけですよね。償還というのがなかなか実際は厳しいことになるのだろうと思います。償還、そして、償還免除、この対応はどういうふうになされますか。
〇前田地域福祉課総括課長 償還及び償還免除についてでありますが、特例貸付分につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮した償還の据え置き期間が設定されており、令和5年、来年1月から順次償還が開始されることとなっております。
 また、償還免除につきましては、国の通知において、償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができるとされており、現在、事業主体である社会福祉協議会におきまして、今年度が償還免除の判定時期となる8、000件強の債権について、借受人に案内を送付するなど償還免除申請の受付事務を進めているところでございます。
 こういった償還免除の審査を含め、償還事務を進めるに当たりましては、住民税非課税世帯以外でありましても償還が困難と見られる世帯への早急な支援策が必要と考えており、貸付金の返済が生活再建の妨げとならないよう、社会福祉協議会において資金相談員を配置し、償還が困難な世帯への相談支援や生活困窮者自立相談支援機関との連携により、必要な支援につなげております。
 また、県におきましては、免除要件の見直し及び償還猶予の積極的な活用などの対策を講じるよう、国に対して要望しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 償還が厳しいということで、住民税非課税世帯には償還免除策が出てきたりするわけですけれども、それも知っているかわからないというので、通知をするということですから周知はされるのだろうとお伺いいたしました。免除の対象にならない方々も結構いらっしゃる中で、今、自己破産が多くなるのではないかというようなことが新聞などにも掲載されておりまして、生活困窮者自立支援制度というのを今度は活用していただくことになるのだろうと思いますけれども、生活困窮者自立支援制度もさまざまなメニューがあります。そうした活用の相談などはどういうふうに対応しようとしているのでしょうか。
〇前田地域福祉課総括課長 生活困窮者自立支援制度についてでございます。こちらはコロナ禍の前からあるものでございますけれども、生活困窮者自立支援制度の中で自立支援相談、また、さまざまな支援策を講じるということになっております。
 その中でも生活困窮者自立相談支援機関、こちらは県内に23カ所ございますが、新規相談受付件数でありますが、令和元年度は約2、600件であったものが、令和2年度及び3年度は、いずれも4、000件台の相談となっておりまして、それぞれの機関において対応しているところでございます。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響に関しましては、先ほどの生活福祉資金のほか、住居確保給付金の要件緩和でありますとか、また、御質問のときにも御紹介いただきました新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の給付制度が設けられてきております。
 住居確保給付金の実績でございますが、令和2年4月に対象が拡大されて以降、この7月まで456件、また、金額にして計7、200万円余、また、生活困窮者自立支援金につきましては、令和3年7月の制度開始以降、この7月まででございますが、529件、金額にして計9、700万円余の利用でございます。
〇佐藤ケイ子委員 さまざまな制度があるのですけれども、実際はなかなか使えなかったり、また、生活困窮者自立支援制度の相談で、結局は、生活保護を受けないような歯どめみたいになってしまったりという問題も一部であるので、市町村社会福祉協議会、福祉関係の部署としっかりと連携をして、支援制度の活用を十分に図っていただければと思うところです。
 次の質問に移ります。介護職員、保育士などの処遇改善の件でございます。
 令和4年2月から、介護職員、保育士等の賃金を月額9、000円引き上げる処遇改善が行われておりますが、実際、全産業の平均よりも、月額6万円というデータもありますし、8万円というデータもあるのですけれども、一般に、福祉職は低い給与であります。特に、福祉職場は女性の職員が非常に多くて、日本全体の男女格差にもつながっている話になるのですけれども、賃金アップするということで制度が始まって、福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金の申請、そして交付状況はどうなっているのかお伺いいたします。
〇前川長寿社会課総括課長 介護職員に係る処遇改善支援補助金の申請、交付状況についてでございます。
 本事業は、介護職員処遇改善加算を取得しており、かつ、令和4年2月から9月までの間に賃金改善に取り組んだ事業所を対象としておりまして、処遇改善加算を取得しております3、513事業所のうち、2、803事業所に対し、総額9億5、800万円余を交付したところでございます。
 なお、本事業の交付申請手続におきましては、賃金改善額の総額のみ報告を求めているものでございますので、対象人数については把握していないところでございます。
〇高橋子ども子育て支援室長 保育士等処遇改善臨時特例事業の実施状況についてでございます。本事業は、市町村におきまして、本年2月から9月までの間行われた事業であり、実績につきましては、今後取りまとめとなりますことから、国への交付申請ベースでの数値となりますが、実施施設数は、対象施設555施設のうち406施設でございまして、事業費の総額は、約7億3、500万円となっているところでございます。
 また、同じく本事業の交付対象人数につきましては、国への交付申請手続におきまして報告事項とされておりませんことから、県としては把握していないところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。そうすると、介護のほうで9億幾ら、保育のほうで7億幾らの交付をするということでありますけれども、実際、対象施設であっても申請していないところもあるわけですよね。この申請の制度のあり方が非常に複雑で、なかなか面倒だというようなこともあるのだろうと思います。かなり難しい制度だなと思いますし、それから、9、000円アップといっても、職場内で対象になる職種も限定されていたりして、職場内のバランスを保つために、実際は9、000円上がらないという状況なわけですよね。ですから、私が思うには、今でなくてもいいのですけれども、実際こういう事業をやって、何人がどれくらい平均給与が上がったのかという検証を後で行ってほしいと思っております。実際に制度があっても使い勝手が悪いというのは、制度の見直しをさせていかなければならない問題だと思っております。
 今度、保育のほうですけれども、今までは特例交付金ですけれども、介護のほうは、利用料とか保険料で今後は対応していく。保育のほうは、10月から公定価格を改定していくことになるのですが、そうすると県と市町村の負担も出てくるのですけれども、そこはどういうふうになっていくのでしょうか。
〇前川長寿社会課総括課長 今後、介護報酬の改定により加算として措置される場合の負担増についてでございます。処遇改善の補助金につきましては、これまで全額、国の補助金により措置されてきたところでございますが、本年10月以降は介護報酬改定により介護給付費に含まれるということで、本年4月から9月までの本事業の総額9億5、800万円余をもとにしまして、県の負担を15%、市町村の負担を12.5%として粗い試算をしたところ、10月から来年3月までの負担額につきましては、県が1億800万円程度、保険者につきましては、24保険者で9、000万円程度になるものと見込んでおります。
〇高橋子ども子育て支援室長 公定価格の改定によります県、市町村の負担増についてでございます。保育士等処遇改善臨時特例事業につきましては、これまで全額が国の交付金によるものでございました。本年10月以降については、公定価格による措置に変更されまして、子ども・子育て支援法に基づき、事業に要した費用のうち国が2分の1、県と市町村がそれぞれ約4分の1の負担となっております。
 本年4月から9月までの本事業の事業費総額が約5億3、000万円でございまして、これをもとに粗い試算をしましたところ、10月から来年3月までの負担額は、県と市町村がそれぞれ1億3、000万円程度になるものと見込んでおります。
 なお、今回の財源見直しに伴います県、市町村の負担増分につきましては、地方交付税による措置が行われると聞いておりますが、県といたしましては、国の動向を注視しつつ、必要に応じて国に対し、過大な地方負担が生じないように要望をしてまいりたいと思います。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。
 次にいきます。児童虐待の項目です。
 児童相談所では相談が多くて大変だということで、児童福祉司の増員を図ってきたとの資料でありました。平成30年度は37人だったけれども、令和3年度には54人になったということでした。児童虐待の件数が増加して、いくら増員しても児童福祉司1人当たりのケース数はもっと増加していて、達成度Cという資料になっておりました。虐待の件数はどのような状況になっているのか、まずお伺いいたします。
〇高橋子ども子育て支援室長 虐待の件数などについてでございますが、児童相談所における令和3年度の児童虐待相談対応件数は1、709件でありまして、虐待の分類ごとの件数も御紹介させていただきたいと思いますが、心理的虐待が1、073件で全体の62.8%と最も多くなっております。また、身体的虐待が350件で20.5%、ネグレクトが254件で14.9%、性的虐待が32件で1.9%となっている状況でございます。
〇佐藤ケイ子委員 伸びているということで、児童福祉司の増員計画をここ数年やってきたわけですけれども、配置基準は人口3万人につき児童福祉司1人という割合でしたか、そこは私、定かではなくなったのですけれども、増員計画は今後どうなるのでしょうか。人口の割合で児童福祉司の配置基準があるわけですけれども、相談件数がこういうふうに多くなってきた場合に対応できるのかと思うのですけれども、どうでしょうか。
〇高橋子ども子育て支援室長 児童福祉司の増員計画についてでございます。これまで児童相談所の児童福祉司につきましては、国の児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づいて、委員お話のとおり、平成30年度の37人から令和3年度には54人、さらに、本年度は57人と20人の増員を図ってきたところです。
 このプランでは、児童相談所の体制を強化するため、児童福祉司の配置基準につきまして、人口に応じた配置を従前の人口4万人につき1人から、3万人につき1人としたほか、里親養育支援を行う児童福祉司を新たに各児童相談所に1人配置すること、また、市町村支援を行う児童福祉司を、新たに30市町村につき1人配置することとされたところでございまして、経過措置として、従前の配置基準を適用することができる令和3年度末までの間にこの基準を満たすように計画的に増員を進めてきたところでございます。
 また、今後の児童福祉司の増員計画についてのお尋ねでございますが、児童福祉司を順次増員していくという国の計画の期間は終了したところではございますが、児童福祉司の配置につきましては、引き続き、人口当たりの数、児童虐待相談対応件数、また、里親や市町村への支援を考慮することとされておりますことから、今後の動向を見据えまして、これらの基準を総合的に勘案し、検討していく課題と認識しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。総合的に検討していく、この総合的というのがちょっとみそですよね。結局、なかなかやれないかなというようなニュアンスで私は受けとめてしまったのですけれども、ぜひ子供たちの健やかな成長のためにも、そして、職員が健康で働き続けられるためにも、増員計画を具体的に図っていただきたいと思います。
〇岩城元委員 私は、新型コロナウイルス感染症対策、介護施設の関係でお聞きしたいと思います。
 午前中、工藤勝子委員からも質疑がございました。これについて、重なる部分がございましたので、そちらは割愛したいと思います。
 新型コロナウイルス感染症対策関係補助事業で、令和3年度の実績ということと、それから、新型コロナウイルス感染症の高齢者施設でのクラスターの発生状況、これは189件ということでした。そして、これにより利用制限をした通所施設数は85施設ということであります。通所施設でありますので、利用者を受け入れないという状況だったと思いますが、利用者がいなければ介護報酬を請求できないと思いますけれども、そういった報酬減の状況というのは把握しているのでしょうか。
〇前川長寿社会課総括課長 介護報酬の関係になりますけれども、デイサービス等通所事業所で臨時休業等を行った場合、休業期間中は介護報酬が得られないということになります。また、再開後も利用者が平時の状態に戻るまでかなり時間がかかるという話も伺っておりますので、長期化した場合、やはり経営に大きな影響を及ぼしているものと認識しております。
 具体的にどのぐらいの減収になっているかというところは把握しておりませんが、幾つか施設からお聞きした例によりますと、400万円から500万円減収になった例があるとお聞きをしております。
〇岩城元委員 数百万円単位で減収となるというお話でございます。これは、85施設と把握をされているのであれば、各施設のそういう状況を聞き取ってもいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
〇前川長寿社会課総括課長 ただいま御指摘ありましたとおり、具体的な状況等を把握していく必要があると考えております。ただ、クラスターが発生した施設も、その後、なかなか平時に戻るまでに時間を要している部分もございまして、今後、調査のあり方等については検討させていただきたいと思います。
〇岩城元委員 そのようにお願いしたいと思います。ちなみに、こういった減収になるという部分で、施設からは、何か補填なり補助なり救済措置みたいなものがないのかどうか、問い合わせはあったのでしょうか。
〇前川長寿社会課総括課長 今、御指摘のとおり、幾つかの施設からはそういった減収について補填というか補助のようなものがないのかというお問い合わせはいただいております。
〇岩城元委員 現状ではこれを補填するような事業、施策はないと私も承知しております。ちなみに、これもある施設のお話ですけれども、デイサービスを1カ月程度休業したという中で、職員の方の手当カットというところにまで事業者のほうが、やむを得なかった理由だと思うのですけれども、そうなったということも聞いていました。ですので、そうなると、先ほど午前中に工藤勝子委員等の質疑もあったのですけれども、介護施設の待機者が944名、それから、介護人材も将来2、705名不足するといったような状況の中で、コロナ禍において介護人材が離れていってしまうのではないか。もしくは、事業所自体が立ち行かなくなるのではないかと私はすごく懸念をしております。これについては、どのようにお考えでしょうか。
〇前川長寿社会課総括課長 ただいま御紹介いただきましたとおり、私どものほうでも高齢者福祉施設協議会等との意見交換や、そのほか機会を捉えて施設の方々からお話を聞いているのですけれども、そういった中で、今、御紹介いただいたように、介護報酬の減によって賞与等の一時金の支給に影響が出ている事例もあるということを伺っております。また、こうした待遇への影響が施設職員の離職につながる懸念というか可能性もあると考えておりまして、できるだけ休業期間が長期化して介護報酬の大幅な減少につながることのないような対策というところで、感染者を早期に発見するための検査体制の充実ですとか、感染が確認された場合に早期に対応する、あるいは、リスクを低減するためのさまざまな支援というものに継続して取り組んでいくことが必要であると考えております。
〇岩城元委員 ありがとうございます。ぜひしっかり対応していただきたいと思いますし、新型コロナウイルス感染症も全く終息というか、減る気配もない。二、三日前も高齢者施設のクラスターが発生しております。施設の職員は職場では当然、感染対策をしっかりしています。しかし、家庭に帰っても子供からの感染や、出かける際もかなり気を遣って生活もされています。こういったストレスの中で手当の減額ということは、とてもではないという声も聞こえていますので、ぜひ新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金なども活用しながら、あと、介護保険制度などにも働きかけをして、賃金に影響がないような形で取り組んでいただきたいと思います。野原保健福祉部長から所見を一言お願いします。
〇野原保健福祉部長 コロナ禍も3年になろうとしています。この間、介護現場、また、医療現場の職員の方々、本当に高い緊張感を持って、うちから持ち込まないようにしないとならないとか取り組みをされていらっしゃいます。岩城元委員から御紹介があったとおり、施設内感染、これは施設が頑張らないといけない部分もあるのですが、これだけ感染力が強いオミクロン株の状況の中で、施設の努力だけではなかなか難しい部分もあります。我々もさまざま技術的な支援、財政的な支援もしなくてはなりません。
 この問題は岩手県だけではなくて全国的な課題だと認識していますので、県でも全国知事会を通じて国に対して要望しているところでございます。引き続き全国知事会と連携して、必要な対応等を国に対しても求めてまいりたいと考えております。
〇岩城元委員 ありがとうございます。ぜひ国に働きかけも同時に行って、ただ、本当に喫緊の課題と捉えていますので、ぜひ力を出していただくようにお願いします。
〇斉藤信委員 私は、新型コロナウイルス感染症対策について質問したいと思います。
 昨年度の第5波、今年度にかけての第6波、そして、第7波における感染者数と死者数はどうなっているでしょうか。
〇三浦感染症課長 県内では第5波である令和3年7月から9月までの3カ月間の感染者数は1、800人、死者数は6人でございました。第6波である令和4年1月から6月までの6カ月間では、患者数は3万4、557人、死者数は43人でございます。第7波である令和4年7月から9月までの3カ月間では、患者数が7万436人、死者数は97人となっております。死亡率は、それぞれ0.33%、0.12%、0.14%であるところでございます。
〇斉藤信委員 今の答弁のように、第6波、第7波で感染者数が激増して、死者数は第7波で、今、97人というお答えでしたけれども、10月分を含めると103人ということになります。そういう意味では、私、第6波、第7波、オミクロン株によって新型コロナウイルス感染症の感染状況は激変した。特に、第7波では死者数が激増した。このことについて、高齢者施設のクラスターも急増していますが、高齢者施設のクラスターの急増の状況、そして、死者数の激増の状況、その要因と教訓をどう分析、検証しているか、実態を含めて示してください。
〇三浦感染症課長 御紹介がありましたとおり、国のアドバイザリーボードにおきましても、第7波の感染拡大の要因として、より感染力が強いオミクロン株BA.5系統に置きかわり、ワクチンの3回目の接種と感染により獲得された免疫が徐々に衰退したことなどと分析しており、これまで発症が少なかった若い世代を含む全世代の感染と、これに関係した高齢者施設、学校などでの施設内クラスターにより、さらに感染を拡大させたものと考えているところでございます。
 死者数の増加につきましては、感染者数の増加に伴い、高齢者などの重症化リスクの高い方が感染による持病の悪化で亡くなられる例が増加したことによるものと分析しております。
 高齢者施設でのクラスターの要因につきましては、外部と接触のあった職員を介し施設内に持ち込み、業務上、入所者との接触頻度が高い状況でございますので、感染拡大につながったものと推測されております。第7波における高齢者施設のクラスター数は、先ほど御紹介がありましたけれども、10月20日現在で132件、2、000人以上の方が施設内での感染が確認されているところでございます。
 これを教訓に、県では、高齢者施設の職員に対する集中的検査を実施しておりまして、先ほど御紹介させていただきましたけれども、8月に実施した検査では328施設、2万8、125件の検査を実施し、陽性率は0.4%となっており、現在も検査を継続して感染拡大の防止について対応しているところでございます。
 また、関係機関と連携した医療体制の強化や宿泊施設の拡充、健康フォローアップセンターの設置、ワクチン接種の推進などの感染防止対策を強力に講じてきたところでございまして、感染者数を一定程度抑えてきたと考えております。
〇斉藤信委員 高齢者施設のクラスターのこの間の推移を紹介しますと、8月は131件中60件、9月は55件中28件、10月は2日前までですけれども、28件中16件、いわばクラスター発生の約半分、9月、10月は半分以上。感染者数は10代未満、10代が多いです。しかし、クラスターは圧倒的に高齢者施設がこれだけ多い。私、この問題はもっとしっかり分析しないとだめなのではないかと思います。この点、いかがでしょうか。
〇三浦感染症課長 斉藤信委員から御紹介があったとおり、高齢者施設のクラスターが目立つ状況でございますけれども、9月26日から重症化リスクのない人の感染症の発生届が医療機関から出なくなって、数字だけの報告になっております。65歳以上の方、基礎疾患をお持ちの方、妊婦の方等々の疫学調査を注視するということでございまして、そちらの方のクラスターの状況については把握できるのですけれども、それ以外の方のクラスターの把握が難しくなっているというところが一番の原因ではないかと思っております。
〇斉藤信委員 オミクロン株の第6波では、子供の教育・保育施設のクラスターが一番多かった。第7波に入って、高齢者施設の場合には、まさに命にかかわる形で犠牲者が急増したのだと思います。実際に死亡者を見ますと、ちょうどきのうで200人になっているのですけれども、65歳以上が185例、92.9%。ですから、亡くなる人は圧倒的に高齢者なのです。高齢者対策、高齢者施設の対策、先ほど施設で頻回の調査も行っているということでしたが、これから第8波が確実に来ると専門家が指摘していますので、これは1回限りにしないで、しっかり定期的な頻回の調査を継続実施すべきだと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
〇三浦感染症課長 斉藤信委員御指摘のとおりでございまして、国でも今から3カ月間くらい、感染状況を見ながらにはなりますけれども、この頻回調査については続けていくということで連絡が来ておりますので、そのスキームに基づきまして、県としても実施していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 本当に高齢者施設については特別の手当をとっていただきたいし、今、多くが施設内療養になっていますから、高齢者施設での療養です。本来、高齢者施設というのは療養施設ではないのです。そこで多くの方々が療養しているという点では、本当に抜本的な支援の体制といいますか、そのことも考えていく必要があるのではないか。
 そこで、次に、年末にかけての第8波とインフルエンザのダブルの感染拡大の予想と対策はどうなっているでしょうか。
〇三浦感染症課長 第8波とインフルエンザの感染拡大の予想と対策についてでございますけれども、昨日の国の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードでも、季節性インフルエンザの例年よりも早期の流行と新型コロナウイルス感染症との同時流行が懸念されることが報告されているところでございます。この二つの感染症は、発熱やせきなどの症状が類似し、その判別が難しいことから、検査、診療体制の整備が重要と考えているところでございます。
 県ではこれまで、新型コロナウイルス感染症に対する医療体制の構築に努めてきたところでございまして、現在、414カ所の新型コロナウイルス感染症に対応した医療機関を指定し、これらの医療機関のうち403カ所においては、季節性インフルエンザの診療についても対応可能ということでございます。
 新型コロナウイルス感染症の検査キットについては、感染拡大時においても必要な検査が実施できるよう、県において不足する医療機関への配布を行ってきたところでございますし、今後の同時流行に備えて、季節性インフルエンザの検査キットについても、感染拡大時に不足しないよう、関係機関と連携し必要な調整を行っていきたいと考えています。
 また、同時流行に備えまして、新型コロナウイルスワクチンの早期接種に加えまして、季節性インフルエンザワクチンの接種も重要であることから、必要な方が早期に予防接種を受けられるよう、実施主体である市町村を支援してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 きのうの厚生労働省のアドバイザリーボードに有識者の有志が提起しました。こういうふうになっています。国内の多くの地域で感染者は増加に転じており、一部のヨーロッパやアジアの国々の状況から考えても、第8波の流行が起こる可能性は非常に高いと考えられる、こういうことです。そして、政府は新型コロナウイルス感染症の感染者、最大時45万人、そして、インフルエンザの感染者は30万人と想定しています。驚くべき規模です。この基準は何かというと、ことしの第7波、夏に沖縄県で感染爆発した規模です。
 このように予想しながら、政府は何の対策もとらない。感染拡大を抑止する何の対策もありません。海外からの流入は全く無規制。今、海外でどうなっているかといいますと、ドイツは1週間当たり平均で1日11万人、フランスは8万人です。日本を超えて今、世界1位になっているのです。人口比で考えたら、日本の4倍、5倍の感染拡大が既にヨーロッパで、オミクロン株の亜系統と言われていますけれども、こんなときに何の対策もとらなかったら、本当に感染爆発どころではない、超爆発になってしまうのではないか。そういう点で、国は余りにも無策だと。これに追随していたら必要ない対策はとれない。
 そこで、私は最低こういう対策をとるべきだと思います。一つは、これだけの感染が予想される中で、国は感染者がふえたら、65歳以下は発熱外来に行かないで、自分で抗原検査キットで検査してくださいと言っています。受診抑制ですよ。今、県内には414カ所の発熱外来がありますけれども、私は第1点として、最大限、これを広げるということが必要なのではないか。受診抑制ではなくて、安心して受診できるような体制を確保する。
 第2に、何といってもワクチンです。政府はワクチンは前回接種から3カ月過ぎたらという新しい方針を出しました。年内1億人だというのです。数を言う割には年内に1億人のワクチン接種の体制はとれないと思います。大体、3回目のワクチン自体が停滞しているのです。この停滞を打開する。特に感染が拡大している10歳未満、10代、20代、30代、40代のところでどうワクチン接種を進めるか。
 そして、三つ目には検査の徹底です。これは先ほど言いました。高齢者施設では徹底した検査をやっていく。あと、保育園や学校でも本当に必要な検査を早めにやっていくことが必要だと。
 四つ目には、必要な病床の確保をしなくてはならないと私は思うけれども、こういう点で、県は具体的にどのように対策を考えているでしょうか。
〇三浦感染症課長 今後の感染拡大の話でございますけれども、確かに、診療・検査医療機関につきましては、今でもどんどん受付をして、急激にふえる状態ではございませんけれども、先日も2件ほどふえることで今、調整しておりまして、ふやしていくことにしております。
 検査については、先ほども御紹介いたしましたけれども、そういった診療・検査医療機関でも検査できるような形をとっておりますし、あと、先ほど言ったような検査の体制もとりながら、集中的検査を継続してまいりたいと考えております。
 ワクチンについては、別途回答させていただきます。
〇佐々木医療政策室長 ワクチン接種についてお答え申し上げます。
 現在、3回目のワクチン接種につきましては、人口に対して全体で73.8%接種が進んでいるということで、全国と比較すると、全国が65.8%ということでございます。4回目、特に高齢者等になりますけれども、60歳以上の方については76.7%ということで、委員御指摘のとおり、年齢の高い方については比較的接種が進んでいますが、その一方で、若い世代の接種率が低いというところがございます。これまでも打ってきた中での副反応の経験とか、そういうところもあって控えている部分もあるとは思いますけれども、引き続き、若い世代にもそういう広報等を強めていきたいと思っておりますし、県の接種の中でも、グループとか団体とか、そういう形での接種の工夫も入れて取り組みを進めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 次に、高過ぎる国民健康保険税の引き下げの問題についてお聞きいたします。
 国保税の最大の問題は、協会けんぽとの格差が大きく、高過ぎる国保税となっていることだと考えます。実態と改善の方針はどうなっているか示してください。
〇阿部健康国保課総括課長 モデルケースとしまして、夫婦とも39歳以下、就労者1人、就学児2人の4人世帯で年収400万円の場合、盛岡市の国民健康保険税と協会けんぽの保険料を試算しますと、令和4年度で、盛岡市の国保税が40万円、協会けんぽの保険料が20万2、164円であり、国保税が19万7、836円高くなっています。
 これは、国民健康保険の加入者の年齢が高い、医療費水準が高い、年金者、無所得者の割合が高い、所得水準が低いといった構造的な問題が原因と考えています。現在の国保制度におきましては、国の財政支援の拡充によりまして財政基盤の強化が図られてきましたが、保険税負担の伸びの抑制は図られているものの、こうした構造的な課題の解決に対応したものになっているとは言えないと考えています。
 このため、全国知事会を通じて、国に対し、国庫負担率の引き上げなどさまざまな財政措置の方策を講じ、構造的な課題を解決し、医療保険制度間の公平性を確保するとともに、今後の医療費の増加に耐え得る財政基盤の安定化を図るよう要望してきたところであり、今後も財政措置の拡充について、さまざまな機会を通じて国に働きかけを行ってまいります。
〇斉藤信委員 今あったように、中小企業の労働者が加入する協会けんぽと国保は、ほぼ2倍の格差があるのです。この2倍の格差の是正なしに本当に国保が国民、県民の命の暮らしを守る制度にならない。ここを最優先に、全国知事会が前に国に求めた1兆円の公費の投入、このことを堅持して取り組んでいただきたい。
 そこで、国保税が高い仕組みの問題としては、均等割の問題があります。所得があってもなくても、世帯加入者一人一人に同じように2万5、000円ぐらいかかる。この均等割が人頭税です。これは改革されるべきだと私は思います。特に緊急に改善すべきは、子供の均等割の免除、減免です。政府もこの矛盾にやっと気がついて、就学前の均等割については2分の1減免する。けちくさい話ですね。なぜ子供は全部減免しないのか。就学前に限定して、それも全額ではない2分の1減免。私は本当に矛盾を感じながら、打開できないところに大きな問題があると思います。
 その点で、宮古市、陸前高田市が18歳の子供まで均等割の減免をしていますけれども、これを県内市町村に広げるべきではないのか。そのために必要な財源はわかりますか。
〇阿部健康国保課総括課長 均等割の軽減につきましては、自治体の財政力の差などによらずに、全国どこの地域においても同等な水準で子育て世代の負担解消が行われるべきものと考えます。また、国保制度は国民皆保険を支える重要な制度でありますので、国の責任において措置していただきたいと考えております。
 したがいまして、県としましては、県単独の政府予算提言、要望や全国知事会等を通じまして、子供の均等割軽減措置につきましても、対象年齢及び軽減額の拡大を国に要望しているところであり、今後も粘り強く働きかけてまいります。
〇斉藤信委員 宮古市は18歳の子供の均等割の免除は1、200万円、ふるさと納税の寄附金を使ってやっているのです。こういう手法なら、私は国がやらないまでも、今すぐ市町村ができるのではないか、知恵を出しておきます。
 それで、時間がないのであと二つまとめてお聞きします。高過ぎる国保税を引き上げないために、一般会計から繰り入れることは、住民の命と健康を守る地方自治体としては当然の措置ではないか。
 もう一つ、今、市町村間で1人当たりの医療費に大きな格差があります。釜石市と九戸村は1.5倍違います。そういう中で統一保険料を進めることは実態に合わないのではないか。この点について、県の対応、見解を示していただきたい。
〇阿部健康国保課総括課長 一般会計からの繰り入れにつきましては、法律で認められているもの、例えば、低所得世帯への減免、それから、出産一時金については一般会計から繰り入れて、その分、地方交付税措置されるのですが、いわゆる赤字補填となる法定外繰り入れにつきましては、国民健康保険に加入していない住民にも負担を求めることになりますので、ここは慎重な対応が必要であり、このような法定外繰り入れにつきましては、解消に努めるよう国からも指導されております。
 このため、県としましては、第2期岩手県国民健康保険運営方針におきまして、決算補填を目的とした法定外繰り入れは解消に努めることとしており、市町村とともに取り組んでおります。
 次に、保険税水準統一についてでございますが、今、委員からも御紹介があったとおり、市町村によって医療費水準に1.5倍程度の差がございます。この差を考えますと、保険税水準を統一した場合、過渡的には医療費水準が低い市町村の納付金がふえるなどの課題があります。また、保険税水準統一のやり方、それから時期についても、市町村間で考えに隔たりがある状況にあります。
 そのため、県としましては、時間をかけまして市町村との間で慎重に検討を行うこととしており、その検討状況も踏まえながら、例えば、岩手県国民健康保険運営協議会などで協議を進めているところでございます。
〇斉藤信委員 だから、僕は冒頭に、協会けんぽの2倍も格差があって高いのだと。その高い国保税を引き下げるために、地方自治体が一般会計から繰り入れすることは当然の責務ではないかと言ったのです。時間がないから答弁は求めませんが、そこを最大の問題として解決しなければ、繰り入れはだめなどというだめな話ではだめだと指摘して、終わります。
〇川村伸浩副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後2時21分 休 憩
午後2時42分再開
〇川村伸浩副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇高橋はじめ委員 斉藤信委員の新型コロナウイルス感染症の質疑に関連して、私からも何点かお伺いしたいと思います。
 まず、新型コロナウイルス感染症後遺症及びワクチン接種後遺症の調査というものが厚生労働省から各都道府県に出されたという情報がございますけれども、それについて、どのような調査をやっていくのか、その調査の内容や方法、その辺についてお尋ねしたいと思います。
〇佐々木医療政策室長 調査の通知については、私のところでまだ把握はしておりませんけれども、国のほうで、例えば、新型コロナウイルス感染症の後遺症というものにつきましては、診療の手引きというのを国で何回か出しておりまして、それの更新版というのが昨日出されておりますので、それについては、各医療機関に通知しているところでございます。
〇高橋はじめ委員 非常に大事なことなので、その辺は、新型コロナウイルス感染症に感染した後の方々の後遺症、副反応ということでしょうか。それと、ワクチン接種後の後遺症、副反応、これについて、しっかりと調査をしていただきたいと思っています。
 それから、昨日、ワクチン接種後に親族が死亡した遺族と支援者、この方々が集まって会を結成したということであります。そして、国の予防接種健康被害救済制度への申請手続の支援、あるいは、情報共有するための遺族会ということだそうでございます。今朝、新聞報道がありました。現在、遺族の方々は、国に対してこの制度の救済申請をして、結果待ちだということのようでございまして、認定がされない場合は、国に対して集団訴訟も検討するということでの会の結成だそうでございます。
 先ほど本県の新型コロナウイルス感染症の死亡例が出されておりましたが、これについて、ワクチンの接種履歴があるのかどうかという調査は行っているのか、それについてお尋ねしたいと思います。
〇佐々木医療政策室長 亡くなられた方、新型コロナウイルス感染症関係の死亡者という形で出ている方についてのワクチン接種歴については、これまでの疫学調査を行っていた場合には、医療機関のほうでワクチン接種があるかどうかということも調査票には記載するということはございました。ただ、医療機関の取り扱いとして、記載があるという場合と、記載がされていないものもあるところでございまして、正確な数字としてどのぐらいの方がワクチンを接種したという数字は把握できていないものでございます。
〇高橋はじめ委員 先ほど接種率等々も含めますと、亡くなられた方々も高齢者が中心ということですから、施設に入所されている方は、少なくとも2回は接種している、あるいは、3回目も接種している可能性もあると想定できると思うのです。その辺も含めて、私も前から何度かお尋ねしておりますけれども、ワクチンが果たして本当に所期の目的どおりの効果を出しているのかどうか。そのことも検証しながら、これから先、4回目、5回目、6回目とワクチンの接種ということが来たときに、先ほどは全ての方が接種すべきだという話もあったのですけれども、そういう経緯を見ながら、ワクチンを接種したくない、もうこれ以上やりたくないという人がかなりいるということも現実問題あるわけでありますので、そういう本人の意思決定もしっかりと尊重していかなければならないとも思います。
 そしてまた、50代未満で亡くなっている方はいないわけですよね。50代で2人だったと思いますが、そういう若い世代が感染で亡くなってはいないというところで、子供さんたちを含め、若い世代にワクチンを接種すべきだという努力義務を含めて、これは大きな今後の問題になる心配もあります。その辺は努力義務という厚生労働省から話がありますが、県内で若年者へのワクチン接種をどのような形で伝達しているか、その辺はどうなっていますか。
〇佐々木医療政策室長 今回のワクチンの、特に小児についての努力義務ということでございます。小児科学会などの見解でも、オミクロン株の流行によりまして、これまで余り感染のなかった若い世代、特に小児についての感染が結構広まっていて、数がふえる中で重症化する子供たちもふえている。そういう中で、医療機関、製薬会社等での検証の結果も踏まえて、やはり効果があるということでの推奨という形で国からは示されております。ワクチン接種の努力義務というところでございますけれども、この意味といたしましては、感染症の緊急の蔓延予防の観点から実施するということで、国民の皆様にも接種に御協力をいただきたいという趣旨だということでございます。いわゆる義務ということではございませんので、予防接種法上、努力義務という形になっておりますけれども、通常の義務とは異なりまして、接種は強制ではなく、あくまでもそれぞれの御判断で打っていただくものでございまして、そういう趣旨で市町村でも、保護者の方々にも通知等は行っていると考えております。
〇高橋はじめ委員 新型コロナウイルス感染症が急速に広まったときに、新型インフルエンザの感染者数が下回ったのですね。新型コロナウイルス感染症が出たので、新型コロナウイルス感染症が強くてインフルエンザのほうはほとんど発症者がいなかった。今、ここに来て、新型コロナウイルス感染症もインフルエンザも同じくらい出てくるという予測がされているのですけれども、ことしあたりは新型インフルエンザがほぼ主流で、新型コロナウイルス感染症のほうはPCR検査をやらなければ発症はわからないという状況になってくるのではないかと私は思いますけれども、その辺、どのような見通しというか分析をされているのかお尋ねして、終わりたいと思います。
〇三浦感染症課長 インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行についてでございますけれども、昨日の国のアドバイザリーボードでも、新型コロナウイルスについても、インフルエンザウイルスについても流行する可能性が高い、懸念されているということで申されておりますので、過去2年間、同時流行はなかったわけでございますけれども、県といたしましては、同時流行に向けて準備をして、県民の皆様の健康を守っていくというのが使命だと認識しておりますので、保健福祉部門ではそういった対応をしてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 それでは、私も生活福祉資金について通告してありましたので、質問いたします。
 本県の貸し付け決定件数は1万95件で、総額は34億3、200万円余と伺っております。住民税非課税世帯は償還免除ということで、先ほどの質疑では約8、000件がその対象となるというお話でありました。改めて確認したいと思いますけれども、1万95件のうち約8、000件ですから、住民税非課税世帯で償還免除対象にならないのは2割の世帯ということでよろしいでしょうか。具体的な数字があれば示していただきたいと思います。
 この住民税非課税世帯を少しでも超える場合は償還を求めるということは、生活がさらに困難になるものではないかと思います。先ほど前田地域福祉課総括課長からは、生活再建の妨げとならないように、償還免除の要件緩和を国に求めているということであります。私も当然だと思います。そこで、これに対する国の動向がどうなっているのかについても伺いたいと思います。
 いずれ、これから一人一人の生活困窮者に対する丁寧な相談と自立に向けた支援がますます大事になっていると思います。生活困窮者支援のプラットホームの整備などでいろいろな対応をしていくということでありますけれども、どのような拡充、対応になるのか、現場からは職員、相談員の強化、社会福祉協議会なども体制の強化を求める声も寄せられていますけれども、体制強化も含めて県の対応を示してください。
〇前田地域福祉課総括課長 まず、償還免除でございますが、先ほど私、8、000件強の債権について案内を送付していると佐藤ケイ子委員の質疑のときに答弁申し上げましたけれども、今年度が償還免除の判定時期となるのが8、000件強ということでございまして、それらが全て免除となるということではございません。現在、社会福祉協議会によりますと、償還免除申請があったのが1、475件ということでございます。また、このほかにも住民税非課税世帯に該当するところは出てくるかと思いますけれども、正確なところは承知していないところでございます。
 また、今回の償還免除につきまして、国の動向がどうなっているかというところです。住民税非課税世帯以外の償還免除要件でございますけれども、先ほども答弁申し上げましたとおり、県では全国知事会を通じまして、生活再建を最優先に考えた償還免除要件の見直しを行うよう国への要望を行っております。これに対して、所管省庁である厚生労働省からは、それらについての取り扱いについては、これまでの方針以外のものは特段示されていないところでございます。
 三つ目に、プラットホームなどでの今後の支援と、社会福祉協議会の体制強化というところでございます。一義的には、県社会福祉協議会、または市町村社会福祉協議会で償還が困難な世帯への相談支援や適切な債権管理のために必要な資金相談員を設置しております。県としても、人件費を含む事務費の補助を実施しておりまして、国に対し、事務費の全額国庫負担を償還期間が終了するまで継続するよう要望しているところでございますが、償還免除の要件に該当しないことになっても、引き続き、厳しい家計状況にある方への相談支援は必要でありますので、市町村、市町村社会福祉協議会などと連携し、家計の見直しや就労支援などの取り組みなど、さまざまな方策を組み合わせた重層的なセーフティーネットによる支援に取り組んでまいりたいと思っております。
〇高田一郎委員 住民税非課税世帯については、正確な数字を持ち合わせていないという話でしたけれども、私も地元の一関市社会福祉協議会に大体2割程度だというお話を聞きました。住民税非課税世帯といっても、非常にハードルが高いのです。盛岡市の場合は、単身世帯では年収41万5、000円、家族4人のモデルケースでは154万9、000円が住民税非課税世帯です。私も地元で利用している方から相談を受けまして、160万円の年収があるけれども、無年金の90歳のお母さんと二人暮らし。月額7万円の家賃のアパートに住んでいて、とても返せないというお話がありました。全体の大体2割といっても、残りの8割の方々の償還が始まるとなるとかなり厳しい状況になるということでありますので、県も引き続き、償還免除の基準、要件緩和を国に強く求めて取り組んでいただきたいと思います。
 今後、一人一人の自立を援助する上で生活保護を利用する人もふえてくると思います。まず、最後のセーフティーネットである生活保護について、コロナ禍において、生活保護世帯数及び申請数というのは、どのように変化しているでしょうか。
〇前田地域福祉課総括課長 コロナ禍における生活保護の状況についてでございます。生活保護の申請件数につきましては、令和2年度の後半ごろから、対前年同月比で増加の傾向が続いております。これらずっと増加が続いておりまして、令和4年度に入ってからも同様に、対前年同月比での増加が見られるというところです。
 また、被保護世帯数でございますが、こちらは本県では令和2年度以降、前年同月比でありますが、減少の傾向が続いてまいりましたが、本年5月から7月は、対前年同月比で微増となっております。
〇高田一郎委員 前年同月比で微増になっているということでありますけれども、全体として急激にふえているわけではありません。私も資料をいただきましたけれども、それは今、議論した生活福祉資金が一定の防波堤になっているということだと思いますし、同時に、生活保護について、受けたくないという意識がやはりまだまだあるのかなと思います。該当する方々が本当に権利として受けられるような環境をつくっていくことが私は非常に大事だと思います。
 厚生労働省は新型コロナウイルス感染症の終息後の自立を考慮して、自動車の保有や生命保険などの資産についても、一定程度処分を保留するという弾力的な運用をしなさいということを各県に求めていますけれども、これは実際の窓口でこういうことが徹底されているのでしょうか。
〇前田地域福祉課総括課長 弾力的な運用の徹底についてでございます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえた令和2年4月の国からの事務連絡におきまして、稼働能力の活用や一時的な収入の減により保護が必要となる場合における保護の要否判定等に当たっては、現下の状況を踏まえた生活保護業務の弾力的な運用を適切に実施するということが示されたところでございます。ここには、委員から紹介のあった自動車であるとか保険の関係も含まれております。
 この内容が県内の保護実施機関の査察指導員や地区担当員に確実に行き届くよう、県では各福祉事務所への文書の通知のほか、県内全ての福祉事務所を対象とした毎年度の生活保護法施行事務監査など、さまざまな機会を捉えまして、通知に沿った適切な運用がなされるよう指導を徹底しております。
 また、市町村社会福祉協議会、生活困窮者自立相談支援機関などに対しましても、弾力的な運用を含めて生活保護制度を十分に理解の上、相談があった際には丁寧に説明するよう周知し、適正な申請につながるよう努めているところでございます。
〇高田一郎委員 その通知が非常に大事なので、引き続き、徹底に取り組んでいただきたいと思います。
 生活保護というのは、先ほどもお話ししたように、扶養義務者の優先援助ということも言われてきて、なかなかそれがハードルで、実際、対象になっても受けられない、実際、生活保護の捕捉率は2割とか3割とかと言われております。本当に困っている方々が、対象になる方々が権利として受けられるような制度にしてほしいということをずっと県にも求めてきました。
 そこで伺いたいのですけれども、生活保護の扶養照会について、県のホームページでは、保護の要件について、扶養義務者からの援助優先という文言があります。これは扶養が義務であるという印象を与えかねないのではないかと思います。これを見た瞬間、これはもう諦めしかないという誤解といいますか、諦めてしまうような文言というのは見直していくべきではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
〇前田地域福祉課総括課長 扶養照会についての理解についてでございます。生活保護法第4条には、扶養義務者の扶養が保護に優先して行われると規定されているところでございます。この趣旨につきましては、実際に扶養義務者から扶養が行われた際に、被保護者の収入として認定するということであり、扶養義務者による扶養の可否が保護の要否判定に影響するものではないということを意味しております。
 こういった趣旨につきまして、急迫した事由がある場合には必要な保護を行うことを妨げるものではないというように福祉事務所では説明するよう周知いたします。また、生活保護申請をためらわせることが行われないように、今後、ホームページの文言などにつきましても、誤解を招かないような形で、国や他の自治体などのものも参考にしながら、今後検討してまいりたいと思っております。
〇高田一郎委員 生活保護法第4条では扶養義務者の優先ということでありますから、それを踏まえた記述になっていると思います。ただ、厚生労働省の通知では、扶養が期待できると判断される人にだけ扶養照会を行うという通知もあります。ホームページ上に扶養義務者からの援助優先という文言があると、これでもう諦めてしまうという状況になりかねませんので、捕捉率も2割、3割ということも指摘されておりますので、そういう立場で適切に見直し、改善していただきたいと思います。
 次に、介護保険制度についてお聞きいたします。令和3年度は介護保険の低所得者の居住費、食費についての収入、資産要件の見直し、いわゆる補足給付の見直しが行われた年でありました。この負担増となった高齢者の方々、認定数に占める割合など、補足給付の見直しによってどのような影響が出ているのか、これについて、まず示してください。
〇前川長寿社会課総括課長 補足給付の見直しによる影響についてでありますが、介護保険施設またはショートステイ利用者の食費及び居住費につきましては、原則利用者負担であるところ、低所得者については負担限度額を定めて負担軽減を図り、その額と国が定める基準費用額との差額を保険給付として補っているところであります。
 負担限度額の認定につきましては、毎年8月1日を基準日としまして一斉更新を行っております。令和4年度に補足給付の対象とされた方は、速報値ではありますが、1万4、154人、食費の負担限度額が増となったと見込まれる方は、施設入所、短期入所合わせまして5、010人となっております。補足給付の対象となった方の35%が食費の負担増となっているところでございます。
 また、預貯金要件の見直しによりまして対象外となったと見込まれる方につきましては、一斉更新において申請があった方のうち、155人となっております。
〇高田一郎委員 5、010人、35%の方々が負担増になっているということであります。大変な負担増だと思います。月額どの程度の負担増になっているのか、もし資料があれば示してください。
〇前川長寿社会課総括課長 月額の負担増の額についてでございますが、区分がございまして、これまで第3段階という段階だった方が、制度の見直しによりまして新設された区分、第3段階の2に該当する場合になりますけれども、月額2万2、000円の増になっております。
〇高田一郎委員 年間にしますと二十四、五万円、大変な負担増だと思います。こういう負担増に続いて、2024年の介護保険法の見直しが今、行われております。国では3年に一度の介護保険法の見直しの議論が年内にもまとめられようとしており、次期通常国会に提案されようとしています。
 社会保障審議会(介護保険部会)は、主な論点として、介護サービスの利用料の2割、3割負担の対象を拡大、二つ目、ケアプランの有料化、三つ目、要介護1、2の生活援助の保険外し、四つ目、福祉用具貸与制度の購入への転換、五つ目、介護老人保健施設などの多床室の部屋代の有料化など、大変な中身です。介護の現場からは、史上最悪の改悪だという声が出ております。これが実施されますと大変なことになると思いますが、県としてはどのような影響を考えているでしょうか。
〇前川長寿社会課総括課長 介護保険法の改正による影響についてでございますが、順番が少し前後いたしますけれども、まず、多床室の室料負担の見直しに関しましては、対象となる施設、具体的には介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設になりますけれども、こちらがそれぞれ約5、800人、150人、100人となっておりまして、こちらの方々に影響が及ぶものと見込んでおります。
 次に、要介護1、2の方に対する訪問介護、通所介護サービスが市町村の地域支援事業に移行した場合につきましては、訪問介護の利用者で約6、000人、通所介護の利用者で約1万1、000人に影響が及ぶものと見込まれております。
 次に、ケアプランの有料化につきましては、介護保険の全ての利用者、約6万9、000人に新たな負担が生じることが見込まれておりますほか、福祉用具貸与制度につきましては、現在、約2万7、000人の方が利用しております。これらの方々の一部に影響が及ぶ可能性があると考えております。
〇高田一郎委員 それで、午前中も介護保険の問題で質疑が交わされました。特別養護老人ホームについては、今、早期入所となっている高齢者944人に対して、第8期岩手県介護保険事業支援計画では660床、つまり、第8期の整備が行われても入所できないという方々がたくさんいらっしゃるということですね。特別養護老人ホームだけではありませんけれども、保険料を払っても必要なサービスが受けられない。これは医療保険では考えられないことですよね。
 今、介護保険の議論で求められているのは、サービスを減らすという議論ではなくて、いかに必要なサービスを提供していくのかという議論だと思います。今度の見直し議論というのは、サービスを全面的に減らして、とにかくどんどん保険外しをしていく。これまでも要支援1、2とか、特別養護老人ホームの入所者も3以上でなければならないとか、制度を維持するために、どんどんサービスを保険から外してきた。これをさらに拡大するのが今度の国の計画だと思います。
 10月から高齢者の医療費負担増、年金削減、物価高騰、本当に負担増で高齢者の暮らしは逼迫しております。私はこんな無謀な介護保険制度の大改悪は国にしっかりと中止を求めていくべきではないかと思います。年内にまとめて、来年の通常国会提案ですから、今々、声を上げていかなければいけないと思いますけれども、いかがですか。
〇前川長寿社会課総括課長 先ほど御質問のありました補足給付もそうですが、どんどん利用者の方々の負担が大きくなっているというのが現状でございます。ケアプランの有料化ですとか、要介護1、2の方を保険給付の対象外とするようなことにつきましては、これまでも平成30年以降継続して議論が行われているところでありますが、利用者負担の増加ですとか、市町村における生活援助サービスの実施状況を踏まえた検討が必要と考えております。
 県としては、介護保険制度の円滑かつ安定的な運営と適切なサービスの供給を図ることが何より重要であるという認識のもと、これまでも国に対しまして、安定的な介護サービスの提供のための介護報酬設定ですとか利用者負担の軽減など、低所得者対策の充実について要望してきたところであります。引き続き、国の動向を注視しながら、必要な働きかけを行っていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 それでは最初に、新型コロナウイルス感染症対策の件についてですが、1点目に、全数把握の見直しが行われて以降、新型コロナウイルス感染症の感染者の救急搬送に係る困難事例の状況がどうなっているか、お伺いしたいと思います。
〇三浦感染症課長 全数把握の見直しに伴う陽性者の緊急搬送困難事例の状況についてでありますが、第7波による感染者数増加の影響もあり、6月27日から9月25日までの新型コロナウイルス感染症疑い患者の受け入れ照会回数4回以上や現場滞在時間が30分以上などの救急搬送困難事例は18件あったと聞いております。
 また、全数登録の見直しが始まった9月26日から10月16日までの同件数でございますけれども、2件となっているとお聞きしております。
 搬送困難事例の多くは全数把握の見直し前と同様に、発熱等の症状はあるが、例えば、骨折などの疑いの整形外科に関する患者でございますとか、高齢者等で車両の乗降に困難を伴う場合などと聞いており、現時点においては、大きな状況の変化はないものと考えております。
〇木村幸弘委員 見直し後の陽性者の救急搬送困難事例の問題ですけれども、先日、NHKの報道の中でも盛岡地区の消防本部の事例が紹介されておりました。先月9月に52件の救急搬送があった。これ自体も、昨年の同月比で言うと2倍以上の大変大きな救急搬送の件数になっているということですけれども、その中で新型コロナウイルス感染症の感染の疑いのケースが4件あったということで、消防本部とすれば、これまでは保健所が陽性者の情報を把握していたことによって、スムーズに連携をとって搬送できていたものが、全数把握の見直しが行われたことによって、患者の情報がないために時間がかかるケースが出ているということが指摘されておりました。
 改めてそういうことを考えますと、それぞれの立場の中で、全数把握見直しに伴って、感染者に対しての取り組みを情報共有しながら連携をとっているのかという点について、改めて県の考え方、対応についてお聞きしたいと思います。
〇三浦感染症課長 緊急搬送事案につきましては、全数把握の見直しが行われる前に、当方の入院等搬送調整班におきましても、盛岡地区の広域消防組合消防本部に行って、こういった状況になることを事前に調整させていただいておりますし、各圏域においても、保健所において消防と打ち合わせさせていただいております。2割ぐらいの患者については発生届が出ている状況でございますけれども、それ以外の患者については、保健所で把握できていないというのは委員の指摘のとおりでございますので、消防との打ち合わせは、常に患者の移送ですとか、そういったことで保健所も情報共有を図っているところでございますので、そういった枠組みの中で、おっしゃるとおり、保健所に問い合わせしてもわからないという案件は当然ふえてきていると思いますけれども、今後とも情報共有しながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 いずれ全数把握の見直しによって医療現場であるとか保健所業務の権限が、総括質疑でも言いましたけれども、それ自体は一つの考え方の中で軽減されていくことはいいのですけれども、しかし、本来の患者の命にかかわる問題をしっかりと取り組んでいくという意味から言うと、救急搬送におくれが生じるような問題が発生すること自体が本末転倒ではないかと思いますし、そういう観点から言えば、今の制度の見直しによって、どこまでどういうふうに情報共有を図ることができるのかという問題がまたあろうかと思いますけれども、この点についてしっかりと、さらに関係機関が十分に意見交換しながら、どういう形でお互いの連携をとっていくことができるのか、そういった点について、しっかりと対応していただきたいと思いますので、お願いしたいと思います。
 2点目に、医療特別参与がことし8月から任用されました。新型コロナウイルス感染症対策の推進のためということで、その任用がされているわけでありますけれども、改めて、任用されて以降、どのような業務の内容、あるいは実績、そして、任用されたことによってどういう成果が上がっているのか伺いたいと思います。
〇佐々木医療政策室長 医療特別参与についてでございます。新型コロナウイルス感染症に対応した適切な医療体制の構築等に向けた助言、提言をいただくために、感染症対策等に幅広い識見を有します岩手医科大学救急・災害医学講座の眞瀬智彦教授に医療特別参与に就任いただいているところでございます。
 医療特別参与には、新型コロナウイルス感染症に関し、患者の基礎疾患や症状などに応じて搬送先の調整をいただいているほか、8月以降の感染拡大時における医療提供体制につきまして、高齢者施設におけるクラスター対策や、入院医療施設の負担軽減のための介護の必要な患者の宿泊療養施設の立ち上げなど、随時助言をいただきながら対策を進めているところでございます。
 このほかに、本県のDMATの運用などの災害医療対策や、ドクターヘリなど搬送体制を含む救急医療体制の構築についても、その知識と経験を生かした助言をいただいているところでございまして、県の医療体制の質の向上に大きく寄与いただいていると考えております。
〇木村幸弘委員 この特別職の任用については、一つの目的があって任用されたわけですから、それに基づいてしっかりとやっていただきたいわけですけれども、ただ、今回、全数把握の見直しが行われたことによって、8月から任用されていますから、そういう状況を考えますと、参与の役割分担というか、そういったものは変わってきていないのか、あるいは、重症化リスクのある方だけを対象にした対応になっていくのか、その辺の業務内容にかかわる全数把握見直し等の関係については、どのように整理をされて対応しているかお伺いします。
〇佐々木医療政策室長 医療特別参与には、それまでの入院調整という実際の事務の部分については、災害医療支援チーム、DMATの統括という形で調整にもかかわっていただいていたところでございますけれども、新型コロナウイルス感染症医療対策につきましては、今回、委員がおっしゃっているとおり、全数把握の見直しなど、そのフェーズに応じまして、さまざま医療体制を変えていかなければならない。そして、医療現場それぞれの事情もございます。そういう中で、迅速に適切に新型コロナウイルス感染症対策医療が進んでいくようにということで、参与については、日常的にさまざまな助言をいただきながら医療対策に取り組んでいるというところでございます。
〇木村幸弘委員 業務内容の中に受け入れ体制の整備や患者の重症度に応じた入院等搬送調整などもあったものですから、そういう意味で言うと、最初に指摘をさせていただいた救急搬送体制も含めて、参与の役割の中に実は入ってくるのではないかという部分も感じたものですから、そういう意味で、いずれそれぞれの役割の中で、今ある制度上の条件をしっかりとお互いに理解しながら取り組みを進めていただくように、この点についてもよろしくお願いしたいと思います。
 次に、自殺対策の関係ですけれども、午前中の中平均委員からも質問があって、現在の自殺者数の数字などもお答えをいただいたので、ちょっと残念だなと感じておりましたが、改めて、しかし、2021年度の本県の自殺死亡率がワースト1位から26位へと改善をされたということ、そして、幸福関連指標で令和3年度の目標値とされていた人口10万人当たり17人を切る形で16.2人の結果につなげたということですので、これ自体は、長年にわたって自殺対策に取り組んできた関係者の努力には本当に敬意を表したいと思います。
 改めて、しからば、2021年度、こうした結果につなげた取り組みをどう評価しているのかという意味で、2021年度の自殺対策の緊急強化事業等を含めて、相談支援体制や、あるいは人材養成、普及啓発の事業実績についてお伺いしたいと思いますし、それがどのように今回の自殺死亡率改善へとつながる要因と考えているのか、つながったと分析しているのか、その成果を含めてお答えをいただければと思います。
〇日向障がい保健福祉課総括課長 ただいま自殺対策に関する相談支援体制の整備、それから、人材育成、普及啓発、要因等のお尋ねがございました。
 まず、令和3年度におきましては、コロナ禍が長期化する中で、自殺リスクが高まることが懸念されることなどから、岩手県自殺予防宣言を改定したほか、県精神保健福祉センターに開設いたしました、こころの相談電話の回線の増強など相談体制を強化したところでございます。
 また、人材育成といたしましては、県、県精神保健福祉センター、保健所がオンラインなどを活用し、ゲートキーパー指導者養成研修などを開催したところでありまして、実績といたしましては、47回で1、132人が受講したところでございます。
 また、普及啓発事業に関してでございますけれども、9月と3月の月間を中心に普及啓発活動を実施するとともに、令和3年度の新たな取り組みといたしまして、いわてアスリートクラブ―いわてグルージャ盛岡のことでございますけれども、と連携協定を締結し、若い方向けの広報活動を実施したほか、働き盛り世代や女性向けのセルフケア動画を作成しまして、配信しているところでございます。
 減少の要因というところでございますが、自殺は多様かつ複雑な原因や背景を有しておりますことから、特定の要因を上げることは難しいところではございますけれども、令和3年は新型コロナウイルス感染者数が他都道府県に比べて少なく、社会経済的、心理的影響が少なかったと考えられること、また、全国に比べて若者や女性の死亡数がふえなかったこと、官民一体となった自殺対策への取り組みが成果としてあらわれてきたことなども関係しているものと考えております。
〇木村幸弘委員 確かに、これによって決定的に自殺者が減ったという要因はなかなか難しいのかもしれませんけれども、ただ、今までの取り組みの中で、自殺対策ということでいえば、頼りになる人の力といいますか、マンパワーが、相談対応にしろ、いろいろなかかわりの中で、どういう接点を多くの人たちが持って、人がかかわっていくことによってそれを予防できる力になっていくのだろうと思っているわけです。
 そういう意味で、今回のゲートキーパーのさまざまな担い手育成研修であるとか、あるいは、こころの相談電話も回線を増設して取り組みを進めたなどの対応もしているわけでありますけれども、しかし、残念ながら、一年一年で一喜一憂するわけにはいかないという難しさが今年度の数字の結果に出ているのかなと。半年で去年と同じ自殺者数になっているということですから、そういう意味で言うと、ますますコロナ禍で感染者が拡大したことや、これから残り半年、年末も控え、年度末に向かって非常に経済的な問題も含めて懸念される材料が随分あるわけですよね。そうしますと、せっかく令和4年度で16人という目標を掲げて、もうほぼそこに達成するのではないかと思われていた矢先に今年度の今の状況ですので、何とかこれをとどめ、あるいは、現状の中で何とか維持をしていくための対策強化が必要だろうと思うのですけれども、その点については、どのようにお考えかお聞きしたいと思います。
〇日向障がい保健福祉課総括課長 今年度の自殺対策の取り組みについてでございますけれども、今年度は、まずは県民の皆様へ自殺対策をわかっていただくという取り組みを強化したいという考え方から、特設ウエブサイトを開設いたしまして、働き盛り世代への対策を強化したり、メンタルヘルス対策ということで、企業の労務担当者や相談対応を行う方を対象としましたゲートキーパー研修などを新たに実施することとしております。
 午前中も答弁申し上げましたけれども、さまざまな取り組みが必要になるかと思いますので、官民一体となった取り組みとなるよう、これからも努めていきたいと考えております。
〇木村幸弘委員 わかりました。危機感を持って対応したほうがいいのではないかと思います。2021年度でいい結果をつくってきた、ある結果を出してきたわけですけれども、しかし、この段階に至って、残念ながら厳しい状況になっているということを踏まえると、今やっている取り組みをどう県民に理解させ、あるいは緊張感を持ってもらうか、あるいは、関係者の中で、これまで一度や二度の接触しかなかった部分をもう一回ふやしてみようとか、そういった形の中でかかわりをつくっていくような強化の対応を発信していく必要があるのではないかと思うのです。
 そうすると、県でよくやりますけれども、今回の自殺対策について、今年度も半ばで去年と同じ数になったということをもって、知事を先頭にして緊急宣言を発するとか、そういった形の中で全県民にアピールをしながら、身近なところで心のケアを必要としている方々に寄り添ってほしいということも含めた発信をぜひ強化すべきではないかと思うのですけれども、そういった考え方でやるべきだと思いますが、野原保健福祉部長に答弁をお聞きして終わりたいと思います。
〇野原保健福祉部長 自殺対策は何かやればこうなるという特効薬はなくて、本当に地道にやらなくてはならない取り組みだと認識しています。昨年、幸いに数値は非常に改善したわけですけれども、我々としては、むしろ、コロナ禍にあって、その次はまた増加に転じるのではないかという危機感を持って取り組みをしようということで進めてまいりました。
 9カ月間で昨年と同じくらいの人数ということで、残り3カ月ですけれども、9月は自殺防止月間ということで少し取り組みをしたのですが、コロナ禍にあって、さらに物価高騰であるとか、今、経済状況が非常に厳しい中にありますので、自殺リスクの高まりというのが非常に懸念される状況だと我々も認識しておりますので、関係者、関係機関とこうした点を非常に共有して、自殺対策、岩手県にとって一人でも自死を選ぶ方がいないことを目指して取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 私は、認知症の対策について、2025年には高齢者の5人に1人、およそ730万人が認知症になると言われておりまして、政府は令和元年に認知症施策推進大綱を策定、認知症の方との共生、また、認知症の予防を車の両輪として施策を進めており、認知症になっても地域や社会とつながりを持って生きていける環境の整備が今、必要である。この予防と共生という部分で、コロナ禍で具体の取り組みが滞る状況もあったかと思いますけれども、まず、令和3年度における認知症の対策について、細かにお聞きいたします。
〇前川長寿社会課総括課長 令和3年度の認知症施策に関する取り組みの状況についてでございます。県では、認知症になってもできる限り住みなれた地域で自分らしく安心して生活することができるよう、認知症に関する普及啓発や、当事者、家族の支援、相談、診療体制の充実等に取り組んできたところでございます。
 令和3年度は、新たに4カ所の認知症疾患医療センターを指定しまして、全ての二次保健医療圏9カ所にセンターを設置したほか、認知症の正しい理解と知識を持つ認知症サポーターを8、277人養成するとともに、養成されました認知症サポーターの皆様がチームを組みまして、認知症の人や家族に対する早期からの支援等を行う取り組みを進めるため、コーディネーターの養成を行い、新たに2市町でチームが立ち上がったところでございます。
 このほか、認知症支援において専門的な役割を担う人材や支援に携わる医療、介護従事者に対する研修等を開催いたしまして、認知症ケアに携わる人材の育成にも取り組んだところでございます。
〇小林正信委員 厚生労働省は今年度から、認知症の当事者と家族がともに活動、交流する場の提供、当事者と家族の一体的支援を打ち出しております。当事者のさまざまな意欲の向上、また、家族の介護の負担感軽減に有効と期待されておりまして、支援の仕組みの構築が急がれるものと思います。認知症サポーターの方やコーディネーターの設置も充実してこられたので、こういった交流の場、一体的支援の充実も次なる取り組みに重要だと思うのですけれども、そのあたりのお考えをお伺いしたいと思います。
〇前川長寿社会課総括課長 ただいま委員から御紹介がありました、認知症の人と家族への一体的支援につきましては、今年度から地域支援事業交付金の対象事業としまして新たに創設されたものとなります。
 これまでの調査研究等によりまして、認知症の人、家族ともに参加する場で、互いの思いを共有し、関係調整を行う一体的支援を行うことが、良好な家族関係の維持等に有効であるという可能性が示唆されているところでございます。
 県内ではまだ本事業を実施している市町村はございませんが、実施に向けた検討を行っている市町村が複数あると伺っておりまして、県では、こうした市町村を支援するために研修会の開催等によりまして、先進事例の横展開を図るなど、実施に向けた支援を行ってまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 ぜひ市町村への支援をお願いしたい。そして、認知症における成年後見制度は、当事者や家族を支える制度として期待されております。その利用促進に向けて、各地で相談窓口となるセンターを設ける自治体もふえておりますけれども、岩手県の状況はどのようになっているのかお伺いしたいと思います。
〇前田地域福祉課総括課長 成年後見制度の取り組みについてでございますが、認知症の高齢者など判断能力が不十分であるため、成年後見制度の利用が必要な方については、これまでも各市町村が設置する地域包括支援センター等において相談を受け、適切な制度利用につないできたところでございます。
 また、一部の市町村におきましては、庁舎内に成年後見の相談窓口を設置したり、社会福祉協議会やNPОへの委託により相談業務や申し立て支援等の制度の利用促進に取り組んでいるところもございます。
 県におきましては、各地域において、市町村を中心とした関係機関のネットワークの構築を推進し、令和3年度には全市町村でネットワークが構築されたところであり、委託を受けた支援機関等との連携により、成年後見制度の利用を考えている方が、より相談しやすい環境づくりを推進していく考えでございます。
〇小林正信委員 この制度は支える制度として期待されている中で、市民後見人の育成などさまざま課題がまだあるのかなという部分もあるので、県としても課題を探っていただきながら、この制度がしっかり充実するように取り組みを進めていただきたいとお願いいたします。
 次に、児童養護施設や里親など社会的養護のもとで育って、18歳となって保護から離れた子供を、ケアから離れるという意味でケアリーバーと呼ぶとのことです。厚生労働省が昨年4月に公表したケアリーバーの実態調査では、その窮状が浮き彫りとなりました。岩手県としてケアリーバーの実態をどう捉え、令和3年度はどのような支援を行ったのかお伺いします。
〇高橋子ども子育て支援室長 ケアリーバーへの支援としては、出身施設や里親による訪問、電話等のアフターケアのほか、民間団体に委託して実施しております社会的養護自立支援事業におきまして、支援コーディネーターを配置し、進学や就職を控える子供を施設訪問の上、退所後の継続支援計画を作成するとともに、生活相談支援員が退所前後の子供の生活や就職相談に乗るなどのサポートを行っておりまして、令和3年度は28人の継続支援計画の作成を行ってきたところでございます。
 また、施設等を退所し、進学や就職後も安定した生活を送ることができるよう、児童養護施設退所者等自立支援資金貸付事業におきまして、一定期間の就業継続により返還免除となります家賃や生活費、各種資格取得の経費の貸し付けを行っておりまして、令和3年度は生活支援費4件360万円、家賃支援費3件228万円、資格取得支援費2件46万円余の貸し付けを行ったところでございます。
〇小林正信委員 今、里親の方とか出身施設の方とか、さまざま心を砕いていただいているということでしたけれども、ある調査では、施設や里親がケアリーバーの所在を把握できないというようなことが7割ぐらいあるというお話もあるということでした。
 2024年に施行される改正児童福祉法では、18歳を超えても都道府県において必要とする支援が継続できるようになった。加えて、退所後のサポート強化についても都道府県の業務として盛り込まれるようになった。こうした施行を前にして、県としてケアリーバーの支援について、さらにどのように充実されていかれるおつもりか、そのお考えをお伺いしたいと思います。
〇高橋子ども子育て支援室長 ケアリーバーに対する今後の支援についてでございますが、施設退所後の安定した生活につなげるためには、施設入所や里親委託のうちから自立に向けた支援を行っていく必要があることから、社会的養護自立支援事業における支援コーディネーター等によるサポートを早期に実施していくとともに、必要に応じて自立支援資金貸付事業の活用につなげていきたいと考えております。
 また、退所後につきましては、施設や里親によるアフターケアの実施、自立援助ホームによる入所受け入れや相談対応など、対象となる子供の実態と進路希望に合わせて支援を実施していきたいと考えております。
 また、委員御紹介の本年6月の児童福祉法の改正によりまして、令和6年度から施設等の利用上限年齢が撤廃されますことから、これまでのこうした支援に加えまして、国の事業メニューの活用も検討しながら、年齢にかかわらずケアリーバーへの支援が実施できるように努めてまいりたいと思います。
〇小林正信委員 児童養護施設を卒業された方などは、かなり厳しい環境に置かれ、身寄りがほとんどないというような状況で、ぜひ手厚い支援を継続して行っていただければと思います。
 続きまして、がん患者に対する支援について、コロナ禍で基礎疾患やがんを抱える方々は大変な不安を抱えられていることと思います。その上で、岩手県においても、がん患者が使用するウィッグ、かつらに対する補助など、がんにかかっても安心して暮らせる社会を目指して施策を進められていることと思います。令和3年度におけるがん患者への配慮の充実支援についてお伺いしたいと思います。
〇山崎地域医療推進課長 令和3年度におけますがん患者の支援状況についてでございますけれども、まず、県では県内10カ所のがん診療連携拠点病院に対して事業費補助を行いまして、がんの治療、緩和ケア、相談支援などの機能強化を図ったところでございます。
 また、県内のがん相談支援センター、就労支援や医療費制度など、がんと診断された方が必要とするさまざまな情報を掲載した、いわてのがん療養サポートブックを作成いたしまして、県内のがん診療連携拠点病院等で配布するともに、県のホームページにより情報提供したところでございます。
 このほか、若年のがん患者が受精卵や卵子、精子等を凍結保存する妊孕性温存療法に要する費用の助成ですとか、先ほど委員からもお話がありました、市町村が実施するがん患者への医療用ウィッグ購入費助成費の補助を実施したところでございます。
〇小林正信委員 本当にさまざまな配慮をいただいていると感じます。特に、ここで前立腺がんや膀胱がんの方に対する支援ということで、こういう方々はがんの手術後に頻尿とか尿漏れが多くなってしまって尿パッドをつけるということで、トイレに入ったときに、これを捨てるサニタリーボックスが必要だと。サニタリーボックスを設置する公共施設や商業施設が結構多くなってきている。埼玉県などでは、県内の施設225カ所ある県有施設の男性トイレに100%サニタリーボックスが設置されているということでした。がん患者に対する配慮ということで、岩手県の状況、サニタリーボックスはどうなっているのかお伺いしたいと思います。
〇前田地域福祉課総括課長 サニタリーボックスの設置についてでありますが、県庁舎及び合同庁舎の10カ所のうち2カ所に、また、公の施設52カ所のうち7カ所において、男性用トイレ内にサニタリーボックスを設置しております。
 なお、県では全ての人が安全かつ円滑に利用できる環境の整備を進めるため、ひとにやさしいまちづくり条例に基づき公共的施設整備基準を定めており、この中におきましては、建築物における便所の整備基準として、車椅子使用者用便房の設置、オストメイト対応設備の設置、乳幼児を座らせることができる設備を備えた便房の設置などを定めているところであり、ひとにやさしいまちづくりの普及促進に取り組んでいるところでございます。
〇小林正信委員 10カ所のうち2カ所、また、52カ所のうち7カ所ということなので、もう少し拡大できるのかなと。サニタリーボックスはそんなに高いものでもないですし、盛岡市は市庁舎のトイレ全てに設置されている。9月定例会ではほぼ全ての市有施設への設置が予算計上された。県としても社会的包摂という部分をいわて県民計画(2019〜2028)に掲げているということで、こうした細やかな配慮をぜひ進めていただければと思います。
 続いて、夕方支援についてお伺いします。障がいのある生徒さんが特別支援学校を卒業すると、放課後等デイサービスが利用できなくなり、夕方の早い時間に帰宅せざるを得なくなる。このため、家族が就労を諦めたり、仕事を変えざるを得ない状況がある。このため、夕方の時間帯の支援、夕方支援を求める声が上がっております。県内の夕方支援の状況、取り組みについてお伺いします。
〇日向障がい保健福祉課総括課長 18歳以上の障がい者のいわゆる夕方支援の状況についてでございますけれども、特別支援学校等を卒業した18歳以上の在宅の障がい者につきましては、生活介護などの日中活動系サービスや就労継続支援などの就労系サービスを利用することが想定されますが、例えば、生活介護におきましては、標準的な開所時間が送迎時間を除き6時間以上とされていることから、夕方時間のサービス利用が課題となる場合があるところでございます。
 このため、県内市町村におきましては、地域生活支援事業を活用しまして、障がい者等の日中における活動の場の確保や、障がい者等の家族の就労支援などを目的とします日中一時支援事業を実施しておりまして、令和3年度は30市町村で事業が実施され、実人員で1、200人程度の方が延べ7万2、000回程度の支援を受けているところでございます。
〇小林正信委員 結構な市町村が行っていらっしゃるということで、地域によって、まだ差が夕方支援にあるのかなと考えております。また、障がい者における18歳の壁とも言える問題は、家族の就労のほかにも介護する親の高齢化という問題もありまして、例えば、さいたま市等では、生活介護事業所に通う障がい者を午後3時以降も一時的に受け入れる、先ほどお話がありましたように、日中一時支援事業を実施する施設に補助を出す仕組みをつくっている。本年度からさいたま市では夕方支援が実現した。岩手県としても、夕方支援の充実について、今後どのようにお考えなのかお伺いしたいと思います。
〇日向障がい保健福祉課総括課長 先ほど御答弁申し上げたとおり、県内では多くの市町村が日中一時支援事業として夕方支援に取り組んでいるところでございまして、引き続き、事業に取り組んでいただけるよう、県としましても働きかけを続けていく考えでございます。
 一方、生活介護や就労継続支援などの障害福祉サービスが、障がい者やその家族のニーズに十分対応できていないところもありますので、開所時間や報酬の設定など制度の拡充が必要と考えておりますので、こういう点につきましては、機会を捉えて国に要望していきたいと考えております。
〇小林正信委員 わかりました。県としてもぜひ広げていってもらいたいと思います。先日も、夕方支援をもっと広げてほしいという御家族の切実な声を伺ったところでございます。まだまだ支援の広がりが足りていないという部分もありますので、ぜひ細やかな夕方支援の実施をお願いしたいところでございます。
 最後に、救急車を呼ぶかどうか迷ったときにアドバイスを受けられる電話相談の♯7119について、これまで消防本部や県医師会との意見交換、また、岩手県救急業務高度化推進協議会における議論が行われてきたかと思いますけれども、令和3年度を含めて、これまで具体の導入を目指してどれくらい議論が深まってきたのかという部分をお伺いしたいと思います。
〇山崎地域医療推進課長 救急安心センター事業、いわゆる♯7119についてでございますけれども、今、委員から御指摘のとおり、この事業は住民が急な病気やけがの際に専門家が相談に応じる、救急車を呼ぶかどうか迷った際に相談に応じる相談窓口事業でございまして、総務省消防庁において事業の全国展開を図っているものでございます。県では、復興防災部を中心として、今お話のあった岩手県救急業務高度化推進協議会等の場において、消防本部や医師会等の御意見を伺いながら、事業の導入の検討を進めているところでございます。
 本年2月に同協議会を開催いたしまして、事業導入の必要性について意見交換を実施したところでございますが、救急医療に携わる医師を含む多くの委員から、救急車の適正利用や救急医療機関の負担軽減等の効果を期待して、導入に肯定的な意見が上がったところでございます。
 一方、事業の導入に当たっては、費用対効果や費用負担のあり方、運営形態など検討すべき課題があることから、引き続き、復興防災部と連携しまして、他地域での先行事例等について情報収集しながら検討を進めてまいります。
〇小林正信委員 この導入についての議論がずっとされてきて、結論がいつ出るのかなと私も思っていたのですけれども、今、検討されているということで、スケジュール的にはいつころ導入できるのかというあたりを、もしわかればお伺いしたいと思うのですけれども、これを聞いて終わりたいと思います。
〇山崎地域医療推進課長 導入のスケジュールでございますけれども、岩手県救急業務高度化推進協議会は毎年、復興防災部が事務局で開催しておりますけれども、昨年度、一昨年度、新型コロナウイルス感染症の関係がありまして、実は書面開催という形になっております。どうしても委員が消防関係者、医療関係者ということで、最前線で新型コロナウイルス感染症対応をされている方ということで、いろいろ御意見はいただいておりますが、先ほど申しました課題をどうしていくかというところの議論を深めていくのはこれからという状況になっておりますので、いつ導入できるかということについては、ここでははっきりとは申し上げられませんけれども、新型コロナウイルス感染症の状況も見ながらではありますが、議論のほうは復興防災部と一緒に進めてまいりたいと考えております。
〇川村伸浩副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇川村伸浩副委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
 保健福祉部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
   午後3時59分 休 憩
午後4時17分再開
〇名須川晋委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇小原医療局長 認定第12号令和3年度岩手県立病院等事業会計決算につきまして御説明申し上げます。
 県立病院等事業の運営に当たりましては、事業の効率的な運営と経営の健全性に配慮しながら、公的医療機関としての使命である地域医療の確保と保健衛生の向上に努めてきたところです。
 令和3年度におきましても、新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査や患者の入院治療などにしっかりと対応するとともに、良質で効率的な医療提供体制と、これを支える持続可能な経営基盤の確立のため、岩手県立病院等の経営計画(2019〜2024)のもと、多様な取り組みを展開してきたところです。
 しかしながら、医師の絶対数の不足はもとより、地域偏在、診療科偏在が依然解消されていない状況であり、また、新型コロナウイルス感染症の影響により、患者動向等の先行きが不透明であるなど、依然、厳しい経営環境に置かれているところです。
 こうした状況ではありますが、今後におきましても、新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期すとともに、あわせて通常診療との両立に取り組むことにより県民に良質な医療を持続的に提供できるよう努めてまいります。
 それでは、お手元の決算書に基づきまして、その概要を御説明いたします。決算書の1ページをお開き願います。認定第12号の決算書であります。
 まず、決算報告書の収益的収入及び支出ですが、収入の第1款病院事業収益の決算額は、表の右から3列目、1、179億3、200万円余、支出の第1款病院事業費用の決算額は、表の右から4列目、1、136億1、100万円余です。
 2ページをお開き願いまして、資本的収入及び支出ですが、収入の第1款資本的収入の決算額は、表の右から3列目、136億7、600万円余、3ページにまいりまして、支出の第1款資本的支出の決算額は、表の右から6列目、224億9、700万円余、繰越額は、右側、2億7、100万円余です。
 なお、資本的収入額が資本的支出額に不足する額、90億3、700万円余につきましては、過年度分損益勘定留保資金などで措置するものです。
 次に、損益計算書について御説明申し上げます。5ページをお開き願います。
 上から5行目、経常利益では43億2、000万円余、純利益では43億1、500万円余となり、黒字決算となったものです。このことにより、当年度累積欠損金は416億2、200万円余となりました。
 なお、6ページ以降の剰余金計算書等につきましては、説明を省略させていただきます。
 以上で医療局関係の説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇名須川晋委員長 ただいまの説明に対して質疑はありませんか。
〇飯澤匡委員 県立病院はコロナ禍が3年に及ぶ中にあって、県民の安心、安全のとりでとなっていること、出口の見えない中で医療関係者が御奮闘いただいていることに本当に敬意を表したいと思います。
 まず、決算ですので不明な点をお知らせください。
 1番目ですが、今期は2年連続黒字という純利益を出しました。これは大変いいことだと思います。この要因について、その内容をお知らせください。
〇千田経営管理課総括課長 2年連続の純利益が生じた要因の分析でありますが、令和2年度決算が24億9、100万円余の純利益となった要因でございますが、入院、外来ともに患者数が減少したものの、診療報酬の改定、それから、上位施設基準の取得などによって診療単価が大きく上昇したこと、新型コロナウイルス感染症によるクラスターの発生に備え、受け入れ病床を確保したことによる減収分や、感染対策に要した費用の増加分について、国や県一般会計からの補助金などによって補填されたことなどによるものと分析しているところでございます。
 また、令和3年度決算が43億1、500万円余の純利益となった要因についてですが、新型コロナウイルス感染症に対する自主的な受診控えがある程度おさまったことによりまして外来患者数が増加したこと、また、検査や手術の再開などにより、検査料、手術料などの診療単価が増加したことや、新型コロナウイルス感染症患者の受け入れに伴います入院料の増加などにより収益が増加したこと、それから、令和2年度と同様に、国や県一般会計からの補助金などにより補填されたことなどによるものと分析しております。
〇飯澤匡委員 そこで、県の一般会計から200億円超の繰出金があるわけでございますが、バランスシートで資産から負債を引いたものだけを見ますと、単純に、729億5、000万円余が資本金及び剰余金となっています。これはマイナスになったら債務超過で倒産ですから大変なことになるのですが、恐らく財務状況が厳しいというのは、資料の中を見ますと、財務的キャッシュフローがあまりよろしくないということで、こういう一般会計からの繰り出しがあるのだと思うのですが、そういうことでよろしいのかというところが第1点。
 それから2点目は、令和2年度の繰出金は227億円となっていますけれども、令和3年度はどれぐらいになっているのか。
 それと、勘定科目でどこを見れば繰出金は一番よくわかるのか、その点について示していただきたいと思います。
〇千田経営管理課総括課長 まず、令和3年度の一般会計からの繰入金でございますが、収益的収支、資本的収支を合わせました合計では、242億8、600万円余となっております。
 それから、令和3年度におけます財務分析でございますけれども、現行の岩手県立病院等の経営計画(2019〜2024)におきましては、経営状況の検証に用いる経営指標及び数値目標を設定しておりまして、令和3年度の実績においては、通常の病院活動による収益状況を示す経常収支比率が103.8%と、目標としておりました101.6%以上を達成しているところでございます。
 一方で、病院の本業であります医業活動から生じます医業費用に対する医業収益の割合を示します医業収支比率ですが、86.3%であり、新型コロナウイルス感染症の影響によります患者数の減少で収益が減少したほか、給与費、材料費及び経費等の費用の増加によりまして、目標としておりました87.1%以上に届かなかったということから、医業収支としては厳しい状況となっており、一層の収支の改善の取り組みが必要と評価しております。
 それから、一般会計からの繰入金の額の勘定はどこに記載されているかということでございますが、この表には勘定科目が載っておりませんので、追ってお答えをいたします。
〇飯澤匡委員 長期前受金というのが多分そうではないかと思うのですけれども、額がピタリと合わないので、これは後でいいです。会計的な問題なので。
 そこで、今、キャッシュフローのことを触れましたけれども、過去3年間、上下に大分振れているのですよね。特に、財務活動によるキャッシュフローについて、今年度は三角になっていますが、ところが、令和元年度は25億円、令和2年度は16億円、ことしは、その他の会計借入金の返済による支出というのが20億円マイナスになっているのです。どういう会計方針でこういう状況になっているのか、わかればお知らせください。
〇千田経営管理課総括課長 決算書の41ページの右から3列目に負担金というものがございます。それから、右から4列目のところ、目の欄の負担金交付金というところがございますけれども、これらの額が3条の一般会計からの繰入金の額ということになりますし、同じ決算書の2ページ目の一番左、区分のところですけれども、第2項負担金というところの決算額、86億2、700万円余が資本的収支の繰入金の額ということになります。
〇飯澤匡委員 これは質問の大きな本旨の中ではないので、まあいいや。ただ、気になるのは、後に質問しますけれども、真水で岩手県が出している企業債の償還額について、持続可能で希望ある岩手を実現する行財政研究会から随分指摘されているのです。要するに、固定費の支出が多いのでという点だと思うのです。この点が財務状況をかなり圧迫しているという状況になるわけです。それで、キャッシュフローについても不安定な点が多いということだろうと思います。
 そこで、財務状況の最後になりますけれども、累積欠損金がまだ416億円あるわけですね。これの解消に向けた岩手県立病院等の経営計画は2024年までですか、あと2年後までは計画は立てているのでしょうけれども、その後の見通し、なかなか見通しを立てられないでしょうけれども、どのような腹づもりでこれを解消しようとしているのか、その点についてお伺いします。
〇千田経営管理課総括課長 累積欠損金についてでありますが、これまでの事業活動によります損失額、赤字額が累積したものでありますが、その損失額の中には、減価償却費や平成26年の会計制度の見直しに伴いまして計上した特別損失などの現金支出を伴わない費用が含まれていることから、直ちに県立病院等事業会計に支障が生じるものではないと考えております。
 しかしながら、今後の事業活動におきまして累積欠損金が増大し続ければ、将来、資金収支の悪化によります内部留保資金の減少により、建設改良の補填財源に不足を来す可能性もあることから、現行経営計画の着実な実行に取り組んでいるところであり、極めて厳しい経営環境ではありますが、さらなる収益の確保と費用の効率的な執行に努め、経営の健全化を図ってまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 わかりました。次の計画などについても、しっかりとその点は立てていただくようにお願いしておきたいと思います。
 財務状況の分析については、また後で勉強させていただきたいと思います。
 次の質問ですけれども、先ほど触れましたが、持続可能で希望ある岩手を実現する行財政研究会の報告書を見ますと、以前の質問者でも指摘されていますけれども、随分踏み込んだ内容になっているわけですよね。目を引くのが基幹病院の統合、そして、ハイボリュームセンターという名前がいきなり出てきたということ、それから、地域病院については、その必要性は認めるけれども、行間を読むと、遠隔治療や、自治体との協力とは随分とうたいつつも、その機能分担について余り明確には書いていない。
 そこで気になるのは、病床削減問題で大揺れに揺れたときを振り返りますと、岩手県は言いにくいことをこちらに言わせて、しらっとやってしまうのではないかと、少し猜疑的な目で見ると、そういう思いをするわけです。その点について、医療局は独自の判断でしっかりと現状を分析し、地域の期待に応える病院経営をやっていただきたいというのが私の本旨です。
 ただ、人口減少がどんどん進んでいく中で、現状のままということもあり得ない事実なので、ただ懸念するのは、先ほど言ったように、屋上屋で重ねた研究会の報告書をもって、こう言っていますからこれに従いますというのでは困るわけですから、その点について、医療局はこれからどういう経営方針であるのか、大きな幹のところでいいですから、小原医療局長、どのように捉えて次の病院の経営計画に進めるつもりなのか、その点を意見表明してください。
〇小原医療局長 現経営計画が令和6年まででございます。今後、国からも経営強化ガイドラインが示され、新しい経営強化プランという形で次の経営計画を県立病院事業としてつくっていくことになります。
 人口減少に伴いまして、委員御指摘のとおり、医療需要のほうにも全体的に縮小のような影響が見込まれます。ですので、そういう中で、急性期から在宅医療に至るまでの切れ目ない医療提供体制を持続的に確保するために、さまざまな改革と申しますか、さまざまな見直し、手直しは必要になってくるであろうと考えております。
 そういう中で、国が示した公立病院経営強化ガイドラインでは、医師、看護師等の不足、人口減少、少子化に伴う医療需要の変化等に対応して、持続可能な経営を確立するため、役割、機能の明確化、最適化、連携強化が重要と指摘されておりますので、現在、保健福祉部で行っている次期保健医療計画の策定に向けた調査、分析にも参画して、次期経営計画の策定においては、さらに地元の意見も踏まえながら、各県立病院が求められる機能、規模、機能分化などについて、今回の研究会の提言も参考にしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 これから議論が進んでいくと思うわけです。研究会の報告書を見ますと、企業債の償還額が多額に及ぶ。財務的な部分を全面に押し出してやっているような、私はそういう印象を受けるのです。ただ、医療局としては、確かに経営としては、それも外れてはいないのですけれども、ポストコロナ、要するに、コロナ禍以降の地域病院のあり方については、以前から私は指摘をしていますけれども、しっかりとした機能分担、それから、自治体との連携については、もっとしっかり踏み込んで経営をしていくべきだと私は思います。
 最近、新型コロナウイルス感染症の影響で県立病院運営協議会も、私も行事が重なったりして出席できないし、県立病院に行って院長にお話を聞くというのもはばかるような状況で、内容については以前よりは余りうまく把握できていないのだけれども、それは私だけに限らず、自治体の方々とも意見交換というのは最近失われているような、失われているというか、ちょっと疎遠になっているような感じがしますので、そこのところは特に留意をされて、特に地域病院については、その経営方針をしっかり立ててほしいということを申し上げたいと思います。
 もう少し言いたいですけれども、きょうはこれぐらいにして、小原医療局長、私の提案に対してどのような思いなのか、それについて伺います。
〇小原医療局長 ほかの県にない形で、県が直接、地域病院という形を運営して、県民に直接医療を提供してきたというところは、我々も先人の判断を評価しているところでありますし、今回の研究会でも、その点では評価をいただいているところであります。
 地域病院の役割は、地域での初期医療を担っているほか、回復期の病棟を設けたり、地域での介護との連携など地域ケア会議に出席するなど、そういう対応も行っています。あるいは、施設の嘱託医や学校医などの役割も担っている地域病院もあります。そういう重要な役割を担っておりますので、今後、そのあり方について、今果たしている役割をしっかりと確認しながら検討してまいりたいと思います。
 県立病院運営協議会のほうでも、そうした議論については、ぜひいただきたいと考えております。なかなか対面での開催ができなかったわけですけれども、重要な場と考えておりますので、運営協議会の議論の中身が充実するように、開催方法についてしっかり検討をして、充実した開催となるように努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 今、持続可能で希望ある岩手を実現する行財政改革の報告書が議論になりましたので、私、一つだけお聞きしたい。総務部でも取り上げたのですけれども、私が一番危惧したのは、県立病院の創業の精神、県下にあまねく良質な医療の均てんをと。ところが、報告書は、その県下にあまねくがなくなって、良質な医療の均てんをとなっているのです。そのことについて、医療局長はどういうふうに受けとめましたか。
〇小原医療局長 考え方としての、あまねく医療の均てんをというところの趣旨は変わらないものと私も考えております。
〇斉藤信委員 了解しました。総務部長も曖昧な答弁だったけれども、大意はないというような答弁だったので。ただ、言葉というのは本来厳密なものですから、本当の狙いがどこにあるかはわかりません。人口減少に伴って県立病院のあり方を検討する、改革するということは当然あるかもしれない。しかし、県下にあまねく医療の均てんという創業の精神は、どういう改革のもとでもやはり守らなくてはならない。それが岩手県の県立病院たる精神だと思いますので、そのことを冒頭にお聞きいたしました。
 最初に、新型コロナウイルス感染症の対応についてお聞きをいたします。県立病院の感染症病床の確保、昨年度の新型コロナウイルス感染症患者の入院対応はどうだったのか、今年度はどうか、県内感染者の入院患者に占める割合を含めて示してください。
〇佐藤医事企画課総括課長 県立病院の感染症病床の確保及び新型コロナウイルス感染症患者の入院対応についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れるため、フェーズに合わせて病床を確保しており、県立病院においては、6病院に22床配置している感染症病床を含め、16病院で最大で280床の病床を確保しているところであります。
 令和3年度においては、1、988人の感染患者を受け入れており、県内の確保病床に入院した患者としては、全体の約54%を受け入れているところであります。
 令和4年度においては、9月末までに1、363人の感染患者を受け入れており、県内の確保病床に入院した患者としては、全体の約55%を占めているところであります。
〇斉藤信委員 県立病院が新型コロナウイルス感染症で入院患者の半分以上を対応したと、私は高く評価したいと思います。あわせて、県内には盛岡市立病院とか水沢市立病院とか公的病院がまた重要な役割を果たしているのも事実で、合わせますと8割以上、公立、公的病院が重要な役割を果たしたし、私は、県立病院全体のネットワークで、応援体制を含めて重要な役割を果たしたのではないかと思います。
 次は、県立病院内のクラスターの発生状況、感染、濃厚接触者などによって欠勤者が200名近くになったということがテレビや新聞などでの報道でも出されましたけれども、その状況と、それへの対応はどうだったのか示してください。
〇宮職員課総括課長 県立病院におけるクラスターの発生状況についてでありますが、県からの発表においても、施設名は公表されていないことから、個別の病院名については答弁を差し控えさせていただきますが、実際、幾つかの県立病院においてクラスターが発生しているところでありまして、特に、第7波の期間中に多く発生しているところであります。
 次に、感染や濃厚接触などによる欠勤者の状況と対応についてでありますが、県内で感染者数が大きく増加した8月以降では、8月23日に1日当たりの欠勤者が最大の210人となりましたが、以降、減少いたしまして、10月18日現在では61名となっているところであります。
 出勤困難な職員が多数発生した病院においては、地域の救急医療を最優先で守るため、BCPを発動し、比較的緊急性の低い手術や検査の延期などにより対応しているところであります。
 さらに、県立病院においては、令和3年度から県立病院間の応援体制を強化するため、看護師を四つの圏域に各8名、計32名を配置し、職員の感染者数の増加等により医療体制が逼迫した際には、県立病院のスケールメリットを生かして相互応援を行っているところでございまして、今年度上半期の実績では、延べ1、364日の応援を行うなど、県立病院全体で診療への影響を最小限にとどめられるよう努めているところであります。
〇斉藤信委員 欠勤者の最大は210名だったと。中央病院が何度かテレビに出て、60人前後の欠勤者で、一定の医療制限をせざるを得なかった。ほかの病院でもそういうことになったと思います。そういう厳しい中で、診療応援、今、聞いて改めて驚きましたが、1、364日、これは上半期だけでこれだけの応援体制をとられたと。まさに二重の県立病院のネットワークを生かした対応だったと思います。
 それで、次に、医師、看護師確保の状況についてお聞きいたします。経営計画から見て、医師の確保はどうなっているでしょうか。
〇尾形健也医師支援推進監 経営計画に対する医師確保の状況についてでありますが、現行の岩手県立病院等の経営計画(2019〜2024)では、令和元年度から令和6年度までの6カ年で臨床研修医を含め81名の増員を計画しているところでありますが、令和3年度は12名の増員計画に対し、配置実績は24名の増員となったところです。また、今年度は11名の増員計画に対して、8月1日現在で28名の増員となっているところでございます。
 この医師数が増加している主な要因としましては、県立病院で義務履行を行う奨学金養成医師の配置が、令和4年度は107名と令和3年度と比較として13名増加しております。養成医師の配置が始まった平成28年度以降、年々配置数が増加していることなどよるものと考えているところです。
〇斉藤信委員 令和3年度、これは計画に対して12名増という実績、令和4年度も計画に対して17人増と。それはそれで私は評価するのですけれども、令和元年度から令和3年度で見ますと、40名の計画に対して34名の実績で、マイナス6となっていますから、正確に経営計画とのかかわりでいけば、きれいごとだけではなかったということも私は指摘しておきたいと思います。
 次に、看護師の確保がこの経営計画から見てどうなっているのか。令和3年度までの3カ年で見ると、マイナス10となっているところに私は驚きを感じております。何でこういうことになったのか。新型コロナウイルス感染症で今年度、昨年度、大変な努力をされている中で看護師が減ったと。信じがたい実態ではないのか。その要因、今後の対策を含めて示してください。
〇宮職員課総括課長 看護師の確保についてでございますが、令和元年度から令和3年度までの配置実績は、医療の質の向上で27人を増員する計画に対し53人の増員、産育休に対する代替職員確保で45人を増員する計画に対しては48人の増員、病床適正化で33人を減員する計画に対しては72人の減員とし、合計で39人を増員する計画に対し29人の増員としたところであります。
 また、計画の中間見直し後の令和4年度の配置実績でございますが、医療の質の向上で4人を増員する計画に対し2人の増員、産育休に対する代替職員確保で、計画どおり14人の増員、病床適正化で10人を増員(後刻「減員」と訂正)する計画に対し1人の減員とし、合計で8人を増員する計画に対して15人の増員としたところでございます。
 令和3年度までの配置実績が計画から減少したのは、患者数の減少等を踏まえた病床適正化を進めてきたことによるものでありまして、これを踏まえ、医療の質の向上等に係る増員を前倒しで進め、中間見直し後の計画においても、計画期間全体で医療の質の向上について、中間見直し前の計画を18人上回る57人の増員を図ることとしているところでございます。
 また、計画とは別に、新型コロナウイルス感染症に対応するため、県立病院全体で36人を増員配置しているところであり、今後とも看護師の負担軽減、良質な医療の提供及び医療の安全を確保するための体制整備に努めていくものであります。
〇斉藤信委員 私は、そもそも県立病院の経営計画で、看護師の増員計画が余りにも少なかったということを一貫して指摘してきました。少ない計画の中で、3年間で計画に対してマイナス10、そこは本当にコロナ禍のもとで、先ほどの答弁にもあるように、ことしの上半期だけで1、364日の応援体制をとらざるを得ない。こういう中で、なぜ計画から10人もマイナスになるような結果になったのか。これから聞きますけれども、看護師の実態、月8日を超える夜勤者の状況とその解消の取り組みについて示してください。
〇宮職員課総括課長 今の御質問にお答えをする前に、先ほどの私の答弁で訂正したいところがございますので、お話しいたします。
 計画の中間見直し後の令和4年度の配置実績についてお話しいたしましたが、その中で、病床適正化で10人を減員する計画と本来申し上げるところ、私、10人を増員する計画と間違ってお話ししました。病床適正化で10人を減員する計画に対して1人の減員ということで、訂正させていただきます。失礼いたしました。
 続きまして、看護職員の月8回超えの夜勤者の状況と解決の取り組みについてでありますが、月8回超えの夜勤に従事した看護職員の数は、令和3年度におきましては、13病院で延べ1、733人となっており、令和2年度と比較して、延べ621人増加しているところでございます。
 また、令和4年度については、第1・四半期までの実績で、14病院延べ487人となっており、令和3年度の同じ時期と比較して、延べ89人減少しているところでございます。
 令和3年度の増加の要因としては、特に新型コロナウイルス感染症の陽性者との接触、または感染疑いなどに伴う出勤停止者が発生したこと、職員の子が通う学校などの休校などによる休暇取得者が生じたこと伴う調整、また、ワクチン接種後の副反応発生による休暇などの取得に伴う調整などが挙げられております。
 医療局においては、先ほど述べさせていただきました新型コロナウイルス感染症に係る体制強化のための増員のほか、これまでも育児休業取得者等の代替職員の正規職員による配置、夜勤専従などの多様な勤務形態の導入、採血業務の臨床検査技師への移管などのタスクシフティングの推進、あるいは、外部専門家を通じた業務の見直し、さらには、病児保育の導入による院内保育の充実などにより職員の負担軽減を図る取り組みを進め、離職防止や新採用職員の確保を図るとともに、業務の繁閑に応じ、県立病院間で相互応援を行うなど、看護職員の夜勤回数の抑制に向け取り組んできたところであります。引き続き、夜勤回数の抑制に向けた取り組みを推進してまいります。
〇斉藤信委員 私は現実をよく見る必要があると思うのです。令和3年度の月8回超の夜勤者は1、733人で、前年度621人も上回ったと。それは新型コロナウイルス感染症の関係があります。しかし、ことしの第1・四半期ですから4月、5月、6月です。487人だと。実は7月以降に感染拡大して、先ほどお話ししたような、昨年を上回るような欠勤者が出ているのです。だから、確実に昨年度を超えますよ。そういう状況の中で、看護師の増員計画が達成されなかったということが大問題ではないかと、改めて指摘をしておきます。
 もう一つお聞きします。普通退職者、途中で早期退職する看護師の状況、年代別状況、その理由を示してください。
〇宮職員課総括課長 看護師の普通退職の状況についてでございますが、令和3年度の普通退職者は102名となっております。前年度と比較して23名の増となっているところです。
 年代別で見ると、20代が45名、30代が24名、40代以上が33名であり、いずれの年代においても、結婚や家族の介護等、家庭事情による理由が多数となっているところであります。
〇斉藤信委員 本当に看護師さんは厳しい中で、早期退職、中途退職といいますか、去年は102名。そして、その中で一番多いのが20代です。102名のうち45名ですから、45%と言ってもいいぐらいの数です。30代が24名、だから、若いうちにやめてしまっているのです。結婚とか何かあるのだけれども、それでも働ける職場でなかったら看護師を確保できないではないですか。結婚しても安心して働ける職場をつくらなかったら、ざるで水をやるような感じになってしまうと思うのです。
 私はここをシビアに見て、そういう意味でも看護師の待遇改善が決定的に重要だと。だから、私は経営計画の看護師増員計画そのものが余りにも貧困ではないかと思っているのですけれども、そこの増員計画を見直して、県立病院に行くとあんな仕事することになるのかということで、実習をやれば本当に行きたくなくなるという声も一部にある、一部です。全部とは言いません。だから、そういう意味では、県立病院が看護学生にとっても魅力のある、ああいうところで働きたいと思われるような看護師の待遇改善を図る必要があるのではないか。
 県立大学の看護学部の先生方とも懇談する機会がありました。同じことを言っていました。だから、看護師確保を考えれば、看護師の待遇改善というのが大変大事だということも指摘をしておりました。
 時間がないので、最後に、看護師の処遇改善についてお聞きいたします。2月から9月の処遇改善は、全看護師を対象にいたしました。その際の医療局の持ち出しは幾らだったか。10月から診療報酬に基づく病院を限定した処遇改善となりました。残念ながら、対象外の病院の看護師は今回の処遇改善の対象にならない。これだけ頑張っているときに、そして、先ほども答弁があったように、15病院以外の病院からも応援に行っているわけです。応援に行った日数だけ加算するような処遇改善でいいのかと。今回は43億円の純利益を上げたわけですけれども、財政の見通しがある限り、全ての看護師を対象にして処遇改善をやるべきではないか。そのために必要な経費は幾らか、そのことを示してください。
〇宮職員課総括課長 まず、令和4年2月から9月までの看護職員の処遇改善について御説明いたします。
 国の看護職員等処遇改善事業において、国の補助金により実施することとされ、補助対象となるのは15病院に限られたところではございましたが、医療局においては、一時的な補助金による措置であることや、経営への影響等を踏まえ、全ての病院等の看護職員を対象に月額4、000円の特殊勤務手当を支給したところでございます。
 このことによる医療局の負担は、特殊勤務手当のほか、超過勤務手当などの基礎額増加による増加分を含めて、8カ月間の合計で2、700万円ほどとなり、このうち全病院等を対象としたことによる影響は、1、100万円ほどの増加となったものでございます。
 続きまして、令和4年10月以降の看護職員の処遇改善についてでありますが、改めて制度の概要等も説明いたしますが、(「時間ないから簡潔に」と呼ぶ者あり)よろしいでしょうか。
 それではまず、この施設基準を満たす15病院の看護師、准看護師及び助産師、約3、150人を対象に月額1万2、000円、先ほどの3倍の特殊勤務手当を支給するということに制度が変わったところでございます。
 これに係る年間の所要額は6億100万円余、うち医療局の負担は7、300万円余となるのに対し、処遇改善の対象とならない看護師、約300人も対象とした場合は、さらに5、400万円を要し、医療局の負担は1億2、800万円余となる見込みでございます。
〇名須川晋委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇名須川晋委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後5時6分 散 会

前へ 次へ