令和4年6月定例会 第21回岩手県議会定例会会議録

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〇32番(高橋はじめ君) 全ての県民の健康長寿を願う高橋はじめであります。
 私は、環境福祉委員会審査で2件の請願が不採択と委員長報告がありましたが、この不採択に異議あり、議員各位の賛同を得たく持論を申し述べさせていただきます。
 請願陳情受理番号第74号mRNAワクチン接種時のインフォームド・コンセントのガイドライン策定に関する請願でありますが、これは、ワクチン接種という医療行為を行う医師が、その接種によって、どのような医療効果があり、一方でどのようなハイリスクがあるのかを接種希望者に丁寧に説明を行い、同意の上で医療行為をすることであります。
 委員会審査で執行部から、ワクチン接種会場で31人の辞退者があったと説明を受けましたが、体調不良なのか、説明を聞いて辞退されたのか不明でありますが、インフォームド・コンセントが機能して辞退となったと思いたいものであります。
 さて、インフォームド・コンセントとはどのようなものであるかを、ユーチューブでのドクター鹿先生の3回目及び子供用ワクチンについてのインフォームド・コンセントで事例紹介いたします。
 1、ウリジン置換mRNAワクチンの主作用は、自然免疫とT細胞免疫の抑制であり、そのことにより高効率のスパイクたんぱく合成が可能となっている。
 2、武漢型スパイクたんぱくに対する抗体が生成されるが、そのオミクロン株に対する有効中和抗体価は1カ月程度しか持続しない。
 3、最初の2回シリーズもしくは3回目ブースター接種から1カ月程度経過すると、自然免疫とT細胞免疫の低下があるので感染しやすい状態にある。
 4、スパイクたんぱく合成は細胞破壊を伴うので、変性した細胞に対する自己免疫攻撃が起きるが、自然免疫とT細胞免疫が抑制されているので炎症が起きにくい。(心筋炎は例外)
 5、コロナウイルス自体に致死的な毒性はなく、死亡は免疫反応による炎症が原因なので、自然免疫とT細胞免疫が抑制されている最初の6カ月程度は死ににくくなる。
 6、接種から6カ月程度経過すると自然免疫とT細胞免疫が回復してくるので、感染を契機として自己免疫疾患が発症して死にやすくなる。(持病の悪化)
 7、6カ月ごとに再接種を繰り返せば、新型コロナウイルス感染症で死にやすいということはなくなるが、新型コロナウイルス感染症以外の病気で死にやすくなる。(新型コロナウイルス感染症以外の重症感染症、がん、自己免疫疾患など)
 以上の内容でありますが、どんどんワクチン接種が進んでいるのは、インフォームド・コンセントがなされていないからで、医学で義務として絶対必要とされているとのことであります。
 新型コロナウイルスワクチンの1回目接種は2021年2月17日より、3回目接種は2021年12月1日からでありました。この1回目、3回目のワクチン接種2カ月後から異常に死亡者数が増加しており、明らかにワクチン接種との因果関係が出ていると言われております。
 具体には、厚生労働省人口動態統計月別死亡者数まとめによりますと、月別死亡者数は、2021年4月以降報告のある2022年3月まで、連続して過去最多記録を更新中であり、特にも本年2月は、前年度より1万9、490人増、3月は1万5、992人増と異常値を示しております。
 2021年の死亡者数は前年の2020年に比較し6万7、745人増の145万2、289人と戦後最多となり、1県分に相当する死亡者数、人口減となっています。
 本年の月別死亡者数は、1月から3月までの3カ月間で42万2、037人、前年同期比3万8、630人増加しており、このような状況は、まさに、先ほど紹介しましたドクター鹿先生のインフォームド・コンセントの中での説明どおり、がんの発症や持病が悪化するなどして死亡される方が増加しており、県民の命と健康を守るためにもいかに重要かということであります。
 請願者の願意は委員会では届きませんでしたが、議員各位に御検討いただくとともに、ワクチン接種に携わる全てのドクターに、それぞれの考えるインフォームド・コンセントに丁寧に取り組んでいただくことを願ってやみません。
 次に、請願陳情受理番号第75号新型コロナウイルス感染症の指定感染症等の指定解除を国へ求める意見書提出の請願でありますが、新型コロナウイルス感染症の発生当初は、感染力、重症化傾向率及び致死率が不明でありました。しかし、デルタ株、オミクロン株と変異が進んだ現在、感染力を季節性インフルエンザと比較して、2年以上の累計は、季節性インフルエンザの年間患者数の2分の1以下となっております。
 6月28日の医療政策室資料によれば、岩手県内で新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方96人中、65歳以上の高齢者が91人と95%を占めており、49歳以下の死亡ゼロ人、50代1人となっております。
 主なリスク因子基礎疾患では、慢性腎臓病20例、心疾患18例、糖尿病17例、悪性腫瘍16例、高血圧15例などとなっており、これらを総合して捉えますと、60歳以下の方々は、新型コロナウイルス感染症では死なない。高齢者も、基礎疾患のない人はほとんど死なないということであり、コロナ禍前の日常生活の状況にあるということであります。
 もはや武漢型新型コロナウイルス感染症が世界中に蔓延したころと異なり、オミクロン株に変異して、通常の季節性インフルエンザの半減という状況に、指定感染症に指定する意味もなく、一刻も早く解除し5類とすべきであります。
 この2年半余りの規制生活によって、日常生活や伝承文化など多くのものを失い、経済や地域社会、人と人との交流、コミュニケーションが崩壊し、人口減少と相まって国そのものの存亡の危機にさえあると言っても過言ではありません。
 古来から、疫病や飢饉において、先人たちは、神にお供えし、神楽を舞い、祈りをささげ、鬼剣舞など郷土芸能を踊って悪魔退散を行い、数々の危機や困難を乗り越えてまいりました。化学薬品に身を委ねているだけでは、みずからの健康と人生に禍根を残すこと疑いなしであります。あるがまま受け入れることで未来が開けてくるものと思います。
 今は、まさにどん深闇ではなく、宵闇が薄らぎ、じわじわと明るくなるあけぼの。梅雨明けと相まって、夏祭りをあでやかに繰り広げるときであります。その足かせが指定感染症であるならば、一刻も早く指定解除すべきであります。
 夏祭りを謳歌するため、この岩手県議会から新型コロナウイルス撃退ののろしを上げようではありませんか。終わります。(拍手)
〇議長(五日市王君) 以上で通告による討論は終わりました。
 これをもって討論を終結いたします。
 これより、請願陳情中、受理番号第70号防衛費を対GDP比2%以上に大幅増額することに反対する請願を採決いたします。
 なお、本請願に対する委員長の報告は不採択でありますが、本請願を採択することについて採決いたします。
 本請願を採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 少々お待ちください。
 起立少数であります。よって、請願陳情中、受理番号第70号は、不採択とすることに決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第76号東日本大震災被災者が必要な受診ができるよう求める請願を採決いたします。
 本請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 少々お待ちください。
 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第76号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第69号及び受理番号第71号を一括して採決いたします。
 各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第69号及び受理番号第71号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、請願陳情中、受理番号第74号及び受理番号第75号を一括して採決いたします。
 各請願は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、請願陳情中、受理番号第74号及び受理番号第75号は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
 次に、議案第1号から議案第22号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情を一括して採決いたします。
 各案件は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、議案第1号から議案第22号まで、及びただいま議決いたしました請願陳情を除く請願陳情は、委員長の報告のとおり決定いたしました。
   
   日程第24 委員会の閉会中の継続調査の件
〇議長(五日市王君) 次に、日程第24、委員会の閉会中の継続調査の件を議題といたします。
〔参照〕
    各委員会の閉会中の継続調査事件
1 継続調査
  総 務 委 員 会 ・庁内のDXの推進と働き方改革の取組について
・線状降水帯予報と防災対策について
  文 教 委 員 会 ・令和5年度県立学校の編制等について
・いわて盛岡ボールパーク(仮称)の整備状況等について
  環境福祉委員会 ・木質バイオマスエネルギー熱電併給事業等による地球温暖化対策の取組について
・生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金等の特例貸付について
  商工建設委員会 ・岩手県汚水処理事業広域化・共同化計画(最終案)について
・ものづくり人材の育成について
  農林水産委員会 ・農業における女性活躍の取組について
・有機農業の取組について
〇議長(五日市王君) お諮りいたします。委員会の閉会中の継続調査の件につきましては、各委員長から、お手元に配付いたしてあるとおり、それぞれ申し出がありますが、委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続調査に付することに決定いたしました。
   日程第25 議案第23号人事委員会の委員の選任に関し同意を求めることについて及び日程第26 議案第24号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについて
〇議長(五日市王君) 次に、日程第25、議案第23号及び日程第26、議案第24号を一括議題といたします。
 提出者の説明を求めます。菊池副知事。
   〔副知事菊池哲君登壇〕
〇副知事(菊池哲君) ただいま議題とされました人事案件について御説明申し上げます。
 まず、議案第23号は、人事委員会の委員であります熊谷隆司氏の任期が7月18日で満了となりますので、渡辺正和氏を新たに選任するため、議会の御同意を求めようとするものであります。
 人事委員会の委員は、地方公務員法第9条の2第2項の規定により、人格が高潔で、地方自治の本旨及び民主的で能率的な事務の処理に理解があり、かつ、人事行政に関し識見を有する者のうちから選任することとされており、渡辺正和氏は、法曹分野の識見を有する委員として、弁護士活動を通じて幅広い経験を有しており、また、岩手県建設工事紛争審査会委員など、行政関係の委員としても業務を的確に遂行されているほか、金融機関の監査役を務められるなど、さまざまな経験を通じ、人事行政に関してすぐれた識見を有する方と存じております。
 次に、議案第24号は、公安委員会の委員であります石川哲氏の任期が7月25日で満了となりますので、村井三郎氏を新たに任命するため、議会の御同意を求めようとするものであります。
 公安委員会の委員は、警察法第39条第1項の規定により、県議会の議員の被選挙権を有する者で、任命前5年間に、警察または検察の職務を行う職業的公務員の前歴のない者のうちから任命することとされており、村井三郎氏は、法曹分野の識見を有する委員として、弁護士活動を通じて幅広い経験を有しており、また、行政関係の委員や金融機関の社外取締役を務められるなど、さまざまな経験を通じて、本県警察の適正な運営が行われるための委員会活動が期待できる方と存じております。
 よろしく御審議の上、原案に御同意くださいますようお願いいたします。
〇議長(五日市王君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、人事案件でありますので、会議規則第34条第3項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、これより議案第23号人事委員会の委員の選任に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第23号は、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、議案第23号は、これに同意することに決定いたしました。
 次に、議案第24号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第24号は、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、議案第24号は、これに同意することに決定いたしました。
   日程第27  発議案第1号計画的な教職員定数改善及び義務教育費国庫負担制度拡充を求める意見書
〇議長(五日市王君) 次に、日程第27、発議案第1号計画的な教職員定数改善及び義務教育費国庫負担制度拡充を求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。千葉文教委員長。
   〔文教委員長千葉絢子君登壇〕
〇文教委員長(千葉絢子君) 発議案第1号につきまして、文教委員会提案でありますので、委員長であります私から、提案理由の説明を行います。
 発議案第1号計画的な教職員定数改善及び義務教育費国庫負担制度拡充を求める意見書でありますが、今期定例会において、請願陳情受理番号第69号ゆたかな学びの実現・教職員定数改善・義務教育費国庫負担制度負担率の引き上げを求める請願が、文教委員会に付託され、採択と決定したことに伴い、意見書を提案するものであります。
 その趣旨を御説明いたしますと、国は、小学校の学級編制の標準を段階的に35人に引き下げることとしましたが、中学校及び高等学校の35人学級の早期実施に加え、きめ細かい教育活動の推進に当たっては、さらなる学級編制の標準の引き下げや少人数学級の実現が必要であります。
 学校現場においては、慢性的な教員不足により、教材研究や授業準備の時間を十分に確保することが困難な状況となっております。
 また、いじめ、不登校や別室登校、貧困、複雑な家庭環境など、問題が多様化、細分化しており、よりきめ細やかな指導が必要とされていることから、これらの問題に対応するため、多くの学校では個別的な教育活動を展開しており、その指導に対応する教員の配置も必要とされております。
 さらに、新型コロナウイルス感染症対策に伴う新たな業務への対応も継続しており、依然として教員の長時間労働が課題とされていることから、学校における豊かな学びや働き方改革の実現を図るためには、教職員定数の改善が不可欠であります。
 教育予算は、三位一体改革により、義務教育費国庫負担制度の負担割合が2分の1から3分の1に引き下げられましたが、子供たちが全国どこに住んでいても、一定水準の教育を受けられることが憲法の要請するところであります。
 厳しい財政状況の中、独自財源により人的措置等を行っている地方自治体もありますが、自治体間の教育格差が生じることは大きな問題であり、子供たちの豊かな学びを保障するため、国庫負担割合の拡充が必要であります。
 以上のことから、本意見書案においては、教育環境改善のために、計画的な教職員定数改善を推進することなど、4項目の実現を国に要望しようとするものであります。
 以上をもって提案理由の説明を終わります。
〇議長(五日市王君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております発議案第1号は、委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたします。
 これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより、発議案第1号計画的な教職員定数改善及び義務教育費国庫負担制度拡充を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立多数であります。よって、発議案第1号は、原案のとおり可決されました。
   日程第28 発議案第2号東日本大震災津波の被災者が必要な医療を受けられるよう対策を求める意見書
〇議長(五日市王君) 次に、日程第28、発議案第2号東日本大震災津波の被災者が必要な医療を受けられるよう対策を求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。佐々木環境福祉委員長。
   〔環境福祉委員長佐々木朋和君登壇〕
〇環境福祉委員長(佐々木朋和君) 発議案第2号につきまして、環境福祉委員会提案でありますので、委員長であります私から、提案理由の説明を行います。
 発議案第2号東日本大震災津波の被災者が必要な医療を受けられるよう対策を求める意見書でありますが、今期定例会において、請願陳情受理番号第76号東日本大震災被災者が必要な受診ができるよう求める請願が、環境福祉委員会に付託され、採択と決定したことに伴い、意見書を提案するものであります。
 その趣旨を御説明いたしますと、岩手県は東日本大震災津波以来、被災された国民健康保険及び後期高齢者医療制度の被保険者の医療費窓口負担の免除を継続してきましたが、市町村の財政状況等も鑑み、住民税課税世帯については令和3年3月で、非課税世帯についても同年12月で免除を終了しました。
 しかしながら、低収入、年金支給額の引き下げ、高額な税金や保険料にコロナ禍と物価高騰が追い打ちとなり、多くの被災者が極めて厳しい生活を強いられていることから、経済的な理由により必要な医療受診が妨げられ、被災者の健康保持に支障が出ることがないよう、安心して医療を受けられるような配慮が必要となっています。
 以上のことから、本意見書案においては、東日本大震災津波による被災者が経済的な理由で必要な医療が受けられないことがないように対策を講じるよう国に要望しようとするものであります。
 以上をもって提案理由の説明といたします。
〇議長(五日市王君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 ただいま議題となっております発議案第2号は、委員会提案でありますので、会議規則第34条第2項の規定により、委員会の付託を省略いたします。
 これより討論に入るのでありますが、通告がありませんので、討論なしと認め、討論を終結いたします。
 これより、発議案第2号東日本大震災津波の被災者が必要な医療を受けられるよう対策を求める意見書を採決いたします。
 本案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 少々お待ちください。
 起立多数であります。よって、発議案第2号は、原案のとおり可決されました。
   日程第29 発議案第3号物価高騰対策の強化を求める意見書
〇議長(五日市王君) 次に、日程第29、発議案第3号物価高騰対策の強化を求める意見書を議題といたします。
 提出者の説明を求めます。名須川晋君。
   〔19番名須川晋君登壇〕
〇19番(名須川晋君) 発議案第3号物価高騰対策の強化を求める意見書発議の提案理由の説明を述べさせていただきます。
 今、物価高騰の影響が家計を、企業を直撃しております。令和4年4月、5月の消費者物価指数は、前年同月比で2.1%の上昇を記録し、消費税率引き上げの影響を除けば、実に13年7カ月ぶりの上昇幅となりました。
 一方で、日本は四半世紀にわたり経済が停滞、賃金が上昇していないことから、実質賃金としてはマイナスとなり、家計負担が増大する、いわゆる悪い物価高となっています。
 加えて、ロシアのウクライナ侵攻に係る各国の金融制裁の影響やエネルギー、食料品等の輸入規制により、物価の上昇に歯どめがきかない状況です。
 構造的な問題としては為替があります。1年前に1ドル110円だった為替レートが、徐々に切り下がり、3月を境に急落、一気に135円台をつけました。企業は、輸入原材料の高騰を価格に十分反映できず、鈴木財務大臣の言う、いわゆる悪い円安が進行、さらに下落の可能性も予想されています。
 こうした状況も相まって、民間調査会社や経済アナリストの分析では、年末にかけ、さらに1万品目を超える商品の値上げ、再値上げ、再々値上げと、むしろこれからが本番との指摘があります。
 この背景には、アベノミクスを起点とする異次元の金融緩和を継続する日本と、コロナ禍を乗り越え、いち早く金融緩和の縮小に踏み切った諸外国との間で金利差が拡大することで、市場で円売りが加速しているという事情があります。
 日本銀行は、異次元の金融緩和に固執し金融政策の見直しに着手しようとしていませんが、最も期待された景気浮揚効果が創出されないままの売り上げは、混乱も大きく、一歩手前まで来ているスタグフレーションが現実のものとなるリスクが念頭にあるからに違いありません。
 もはやゼロ金利政策を主軸としてきた金融政策はにっちもさっちもいかず、柔軟性を取り戻すことができない、とどまるも地獄、引くも地獄の状況に陥っていると見るのが妥当でしょう。
 冒頭で触れた賃金についてですが、最近よく取り上げられているデータが、2020年のOECD―経済協力開発機構の調査結果です。この30年間で先進国の平均賃金は軒並み40%から50%も伸びているにもかかわらず、日本は、35加盟国中22番目、わずか4%ふえただけという極めて深刻な事実は、企業収益の安全弁として非正規雇用の割合を増大させた結果でもあります。
 こうした状況下で、政府は、コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策を決定し、これに基づき総額2.7兆円規模の令和4年度一般会計補正予算を編成しましたが、うち1.5兆円は、既に支出した予備費の埋め戻しに充てられ、残るわずか1.2兆円が、原油価格高騰対策として支出されるだけの極めて不十分な内容となっています。これでは、物価高騰に苦しむ国民生活を支えることは到底できません。
 9年前、鳴り物入りで導入されたアベノミクスは、確かに超円高、株安から脱却した点は否定しませんが、目標とするところの投資の拡大、賃金の増加、消費の拡大、企業業績の改善という経済の好循環を生み出すことなく、あれほど喧伝したトリクルダウン、期待された果実も、庶民には滴り落ちてはきませんでした。
 むしろ、円安にかじを切って難局を切り抜けようとした対処法により、かえって日本のイノベーション力はそがれ、生産性も引き上げることができなかったその弊害で、日本の国際競争力は低下し、労働者は一層貧しくなったという図式です。
 つけ加えるなら、長年にわたる我が国の迷走と停滞は、政府が毎年策定する骨太の方針にきらびやかな政策が示されたとしても、結果として、その実効性に大いに問題があったと指摘せざるを得ません。
 したがって、現下の物価高騰から国民生活を守り抜くためには、過去の施策の反省も踏まえ、金融政策の見直しも含めた総合的、効果的な対策を行うべきです。
 よって、1点目に、異次元の金融緩和について、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府、日本銀行の政策連携について、市場との対話を通じながら見直しを進めること。
 2点目に、税率5%への時限的な消費税減税を実施すること。これには、世界的にもコロナ禍等の経済対策として、消費税あるいは付加価値税の減税を行っている国は90カ国以上に及び、決して特殊な措置ではないことをつけ加えさせていただきます。
 なお、消費税は、社会保障目的税であるとの論は否定しませんが、特別会計ではなく一般会計歳入であることから、減税によって社会保障費財源が一律に減らされるということはありません。
 3点目に、時給1、500円を将来的な目標に、中小零細企業を中心に公的助成を行いながら、最低賃金を段階的に引き上げること。
 4点目に、現在の年金制度は、物価上昇に見合うだけの支給額の増額が行われない設計となっていることから、年金生活者支援給付金を手厚くするなど、年金生活者を支えるために必要な対策を講じること。
 以上4点の内容を盛り込んだ意見書を提出されるよう御提案申し上げます。
 20年以上停滞する国内総生産―GDP。給料は上がらず、社会保障費はふえるばかり。昨年の出生者数は過去最低の81万人。皆さんは、この不都合なファクトを直視して、この国の行く末をどう予測されますか。的確な処方箋を見つけることができない日本は、果たして若者、子供たちに自信を持って未来を託したいと思える希望ある国なのだろうか、私は本気で愁うのであります。(拍手)
〇議長(五日市王君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第3号は、会議規則第34条第3項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、発議案第3号は、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、発言を許します。高橋穏至君。
   〔10番高橋穏至君登壇〕

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