令和3年9月定例会 決算特別委員会会議録

前へ 次へ

令和3年10月19日(火)

1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 中 村 佳 和
議事管理担当課長 藤 枝   修
主任主査 藤 平 貴 一
主任主査 糠 森 教 雄
主任主査 増 澤 綾 子
主任主査 鈴 木 貴 博
主査 阿 部 真 人
主査 刈 屋 江美子
1説明員
文化スポーツ部長 熊 谷 正 則
副部長兼
文化スポーツ
企画室長兼
オリンピック・
パラリンピック
推進室長 佐 藤 法 之
文化スポーツ
企画室企画課長 佐 藤 卓 也
文化スポーツ
企画室管理課長 佐 藤 竜 太
文化振興課
総括課長 岡 部 春 美
世界遺産課長 佐 藤 嘉 広
スポーツ振興課
総括課長 畠 山   剛
冬季国体・
マスターズ
推進課長兼
事業運営課長 松 崎 雄 一
特命参事兼
連携調整課長 高 松 秀 一

教育長 佐 藤   博
教育局長 佐 藤 一 男
教育次長兼
学校教育室長 高 橋 一 佳
教育企画室長兼
教育企画推進監 渡 辺 謙 一
参事兼教職員課
総括課長 八重樫   学
予算財務課長 千 葉 順 幸
学校施設課長 新 田 芳 文
学校教育企画監 中 川 覚 敬
首席指導主事兼
義務教育課長 三 浦   隆
首席指導主事兼
高校教育課長 須 川 和 紀
高校改革課長 森 田 竜 平
首席指導主事兼
産業・復興
教育課長 菊 池 郁 聡
首席指導主事兼
特別支援教育課長 近 藤 健 一
首席指導主事兼
生徒指導課長 泉 澤   毅
首席経営指導
主事兼小中学校
人事課長 金 野   治
首席経営指導
主事兼県立学校
人事課長 木 村   基
保健体育課
首席指導主事兼
総括課長 清 川 義 彦
生涯学習文化財課
首席社会教育
主事兼総括課長 藤 原 安 生

企業局長 佐 藤   学
次長兼
経営総務室長 八重樫 浩 文
技師長 藤 原 清 人
経営総務室
特命参事兼
管理課長 鈴 木 光 将
経営企画課長 伊 藤 邦 彦
業務課総括課長 山 谷 紀 彦
電気課長 高 橋   浩
発電所再開発
推進課長 石 川 幸 洋

会計管理者 永 井 榮 一
会計課総括課長兼
会計指導監 大 塚 貴 弘

監査委員 寺 沢   剛
監査委員 沼 田 由 子
監査委員事務局長 小 畑   真
参事兼監査第一課
総括課長 小 守 健 一
監査第二課
総括課長 佐々木 昭 司

財政課総括課長 山 田 翔 平


〇小西和子委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、議案第28号及び議案第29号の以上17件を一括議題といたします。
 本日は、文化スポーツ部、教育委員会及び企業局関係について、延べ15人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は23分といたしますので、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑につきましては、その日の質疑の目安時間にかかわらず、関連質疑の目安時間を10分とすることにしておりますので、あらかじめ御了承願います。
 また、換気のため、これまでと同様に休憩いたしますので、御協力をお願いします。
 初めに、文化スポーツ部長に、文化スポーツ部関係の説明を求めます。
〇熊谷文化スポーツ部長 それでは、令和2年度文化スポーツ部の決算について御説明申し上げます。
 初めに、当部所管の主な事務事業に係る取り組みと成果などについて御説明いたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてでありますが、文化芸術、スポーツ分野においても大きな影響を受けたことから、県では、文化、スポーツ施設の感染予防対策や文化施設利用補助など関係団体等の状況、要望を把握しながら、その支援に努めました。
 次に、復興推進の取り組みでは、復興五輪を掲げる東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け県民の機運醸成を図り、聖火リレーの運営準備などに取り組みました。
 次に、政策推進の取り組みのうち、健康・余暇分野については、文化芸術に親しむ機会の提供や障がい者の文化芸術活動を推進するとともに、県民誰もが生涯にわたってスポーツを楽しむことができる共生社会の推進などに取り組みました。
 次に、教育分野については、文化芸術活動を支える人材の育成や、障がい者トップアスリートを含むアスリートの競技力向上などに取り組みました。
 次に、居住環境・コミュニティ分野については、岩手芸術祭を初めとした文化イベントの開催やスポーツ大会、合宿の誘致などを通じ、人的、経済的交流などに取り組みました。
 次に、歴史・文化分野については、御所野遺跡の世界遺産登録に向けた取り組みを進めるとともに、平泉世界遺産ガイダンスセンターの整備などを進めました。
 今後におきましても、文化、スポーツの振興に向けた取り組みを着実に推進し、県民の文化芸術活動、スポーツに楽しむ機会の充実を図ってまいります。
 続きまして、令和2年度決算の概要について御説明申し上げます。
 お手元の令和2年度岩手県歳入歳出決算書12ページをお開き願います。2款総務費8項文化スポーツ費でありますが、これらの支出済総額は39億6、044万円余であり、翌年度への繰越額は535万円余、不用額は9、896万円余となっております。
 決算の内容につきましては、お手元の歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきます。
 以上で、文化スポーツ部関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇小西和子委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇菅野ひろのり委員 先ほど文化スポーツ部長の説明の中で、文化芸術の機会を提供していくということがありました。いわて県民計画(2019〜2028)実施状況報告書を見ますと、例えば芸術文化は、県立文化施設の利用ということで達成度がD、県営スポーツ施設も同じようにDで、新型コロナウイルス感染症の影響があるという記載がありました。
 まず初めに、令和2年度決算について、コロナ禍によってどのような影響があったのか、収益、利用者などをお聞かせください。
〇岡部文化振興課総括課長 文化芸術活動への新型コロナウイルス感染症の影響についてでありますが、公演等の中止、延期を余儀なくされる状況が続いております。当部所管の岩手県民会館においては、令和2年度の使用料収入が5、162万9、000円で、前年度と比較して42.5%の減収となっているところでございます。
 また、令和2年度の利用者は12万3、315人で、前年度と比較して61.7%減少している状況でございます。
〇菅野ひろのり委員 減少ということでありました。確認ですが、この収益の額に対して、新型コロナウイルス感染症に伴う減収への補填というか対応分は入っているものでしょうか。また、金額がわかれば教えていただきたいと思います。
〇岡部文化振興課総括課長 利用収入の中には、継続して安定的な運営を行っていただくための指定管理料の増額は入っていません。純粋に使用に対していただいた使用料収入でございます。
 安定的な運営をしていただくために、昨年度、指定管理料の増額を行ったところですけれども、補正額としては、9月補正と2月補正を合わせて5、100万円ほどの増額をしているところでございます。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 先ほど御質問いただきましたスポーツ活動への影響についてでございますが、新型コロナウイルス感染症による一時休館や各種大会の中止、無観客試合等の影響で、当部所管の県営スポーツ施設9施設では、令和2年度の利用料金収入が5、358万9、000円で、前年度と比較し11.6%の減収となりました。
 また、令和2年度の利用者は61万2、000人で、前年度と比較して38.4%減収しているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 まず、新型コロナウイルス感染症の影響はやはり非常に大きくて、そのような機会をしっかり提供していかなければいけないと思っています。今回取り上げた中で、県立施設は、今は指定管理料を上げながらと言っていただきましたが、老朽化も著しい中で今後これをどのように維持、活用していくのかというのが非常に大きな課題だと思っています。
 そこで、岩手県文化スポーツ部所管公共施設個別施設管理計画について伺います。細かいところははしょりますが、外部監査が示されています。その結果から、インフラの長寿命化という観点でこの計画があるわけですが、その指摘には、施設規模、総量の適正化を大事にしなければいけないという指摘がありますが、反映されていないように見えます。あわせて市町村との連携も指摘されています。役割分担、連携の観点もあわせて、どのように検討されているのか伺いたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 まず、スポーツ施設の県内の現状でございますが、施設の規模や総量の適正化については、岩手県文化スポーツ部所管公共施設個別施設管理計画の総論にある基本的な取り組み事項として、個別施設の長寿命化とあわせて推進することとしているものでございます。
 県内のスポーツ施設は、平成11年度の岩手インターハイや平成28年の希望郷いわて国体に向け、競技会場になる市町村に対し県が補助するなど、県と市町村が連携して整備を進めてきたことから、現在は、県営、市町村営のスポーツ施設を合わせまして、全国大会が開催できる施設を初めとして、各地に数多くの施設が整っていると認識しております。
 また、市町村との連携等についてでございますが、県では、外部有識者による県営スポーツ施設のあり方に関する懇談会の提言を受けまして、県は市町村で保有していない施設機能を補完するなどの役割を担い、市町村と連携していくことが重要と認識しているところでございます。
 このことから、市町村のスポーツ施設の現状を調査し、改修が必要な施設や今後の整備予定等について個別に確認するなど、連携の方策を含め意見交換を行っているところでございます。
 また、民間活力やノウハウを活用し、現在、盛岡市と共同で進めている新野球場整備を先行事例としていくことも考えているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 具体的に、今、盛岡市との連携ということを挙げられておりますが、市町村も含めて岩手県の公立スポーツ施設の保有状況を拝見させていただきました。例えば野球場は県内に70施設、体育館は230施設等、公共施設が非常に多い。今回、県も中期財政見通しで厳しい財政でありましたし、市町村も同様なところがたくさんあると思っています。
 さきほど方針の中で、市町村が保有していないところは県と連携しながらという答弁がありましたが、今市町村との連携では、どういう取り組みが進められているのか、協議がされているのか、もう少し具体的にお願いします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 市町村との連携、意見交換についてでございますが、定期的に市町村のスポーツ施設の現状を調査して、改修が必要な施設や今後の整備予定等については個別に市町村と確認するなど、今後の連携の方策も含め、意見交換を行っているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 例えば具体的に、県南地域のみどりの郷に民間施設ではありますがスケート場があります。しかしながら今期は休止だと10月1日のニュースでありました。今後も、来期以降も未定となったときに、当然そこでは小中学校のホッケーの練習であるとかさまざまな地域の行事、あるいは、青山学院大学のスケート部の合宿も数年前から行っている状況の中で、今ある県と公立あるいは民間も含めた施設の配置状況も見直していかなければいけないのではないかと考えています。
 先ほど野球場の例で示しましたが、非常に広範囲に類似施設がたくさんあって、これは今の県の施設を長寿命化しつつも、やはり適正な配置を考えていかなければ、今後のスポーツ振興の観点からは、さっきの例で言うと、ここの地域ではスケート施設がなくなった、プールがなくなった、遠くて通えないというような課題が目の前にあると思っています。その点に関して県はどのように考えておられますか。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 ただいま御指摘いただいた点につきましては、もちろん重要な視点として疑わないところでございます。県有施設とあわせまして県内には市町村営の公的な施設がありますので、全体の最適を考えながら、まずは市町村のお考えをしっかりと伺いながら、状況に応じて連携して対応していくべきものであると考えております。
〇菅野ひろのり委員 先ほど答弁いただいたように、ぜひ連携をしていっていただきたいのですが、今の県有施設だけの計画は、あくまでも耐震や長寿命化の観点で、施設をどう維持するかということだと思っています。私が文化スポーツ部に求めたいのは、スポーツ振興の観点から、子供たち、あるいは地域の方々に、これからもスポーツあるいは文化の環境を提供できるような県内の配置にしていただきたいということでございます。計画は今あります。しかしながら、スポーツ振興の観点で、先ほどの配置あるいは市町村との連携を踏み込んで協議をして進めていただきたいと思います。
〇名須川晋委員 菅野ひろのり委員の質問に関連して、新しくできる(仮称)盛岡南公園野球場について、正式名称はいつ決まるのかということと、あと、こけら落としの試合は、恐らくプロ野球の試合になるかと思います。この開催規模といいますか、何試合ぐらいというところで、既に打診をしている時期かと思うのですけれども、どういうチームの対戦が計画されているのかといった状況についてお伺いいたします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 ただいま御質問いただきました新野球場の名称についてでございますが、これはこれからずっと使っていく名称で、大事な部分であると思います。この点については盛岡市と現在検討を進めている状況でございますので、公表についてはもうしばらくお待ちいただきたいと思っております。
 それから、こけら落としの試合についても、記念すべき試合ということで、皆さんに楽しんでいただけるような、訴求力のある試合を目指しまして、現在、鋭意検討をさせていただいているところでございます。
   〔「エンゼルスとマリナーズ」と呼ぶ者あり〕
〇名須川晋委員 私もエンゼルスとマリナーズの公式戦と言わず、4月利用開始ですとオープン戦もちょっと難しいのかなと思いますけれども、岩手県人のすぐれた野球選手が所属するチームがふさわしいと思っているのですが、そういうところも加味した選定をしているのかどうか。両チームともですよ。そういうところをもう少し、何月ごろで、何試合で、どの程度話が煮詰まっているのかお伺いいたします。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 申しわけございません。盛岡市との絡みがあるものですから、ちょっとお話しできる範囲が限られて大変恐縮でございます。
 お話しいただいたとおり、今、岩手県出身の選手が非常に活躍しておりますし、世の中から認められているところでございますので、私どもとしても、できればそれらの選手が出場するような試合を何とか開催できないかということも含めまして、今後、鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 コロナ禍におけるさまざまな影響に関しては、菅野ひろのり委員が聞いたこととほとんど同じですので、一つ目のところは了解しました。
 それで、通告している二つ目ですけれども、まず、施設の利用状況についてはよくわかります。しかし、一番注意して見なければならないのは、そこで利用する人だと思うのです。さまざまな文化、スポーツ活動をしている人への影響ですね。そのような調査は行っているのでしょうか。その点をまずお伺いしたいと思います。
〇岡部文化振興課総括課長 新型コロナウイルス感染症による文化芸術活動への影響についてでありますが、県では、文化芸術団体等に対しまして、定期的に新型コロナウイルス感染症の影響についての実態調査を行っております。直近の調査においては、活動に影響があると答えた団体が9割に及んでいるという状況でございます。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 スポーツ活動への影響についてでございますが、文化活動と同様、県内で活動するスポーツ関係団体に対して新型コロナウイルス感染症の影響についての実態調査を定期的に実施しておりまして、ことし9月の調査では約99%の団体が活動に影響があると回答しています。具体的な影響としては、大会、イベント等の中止や延期、練習、稽古等の自粛、活動場所の不足などの回答が多く寄せられたところでございます。
〇武田哲委員 文化芸術のほうでは、具体的にどのような回答があったのでしょうか。
〇岡部文化振興課総括課長 具体的な影響としては、稽古、練習等の自粛や、公演、展覧会の中止と答える団体の割合が多くございました。
〇武田哲委員 私は、文化芸術推進フォーラムが出しているコロナ禍における影響調査を見ました。そのときに、文化芸術活動が一番物すごい影響を受けていると。例えば令和元年度と令和2年度を比べたときに、令和2年度の飲食業は約27%の影響があった。しかし、その他のバレエや音楽、能や伝統芸能といったところは、その倍以上、50%以上の影響を受けていました。
 要は、そのような活動がある程度抑制される中で、次の世代も育たなくなってくるのではないですか。そのような次の世代のところについては、団体からはどのような声があったのかお伺いしたいと思います。
 あと、スポーツのほうでは、今年度、我が母校の岩手高校ラグビー部も、インターハイ直前に新型コロナウイルス感染症の影響によって大会に出られなくなったということがありました。そのような集団で接触プレーが多いスポーツの方々は、さまざまな影響があったと思います。そうした中で、今後どのような支援を考えていくのかお伺いいたします。
〇岡部文化振興課総括課長 民俗芸能団体からは、委員御指摘のとおり、発表や練習の機会が減少していることで、後継の方々へ継承していく機会が少なくなってきているという声は、私どもにも上げられてきております。
 県としては、そのような状況を踏まえ、昨年度、いわて文化芸術活動支援事業ということで、文化芸術団体等の活動継続、再開を支援する補助金を創設したところでございます。
 今年度は幸い岩手芸術祭総合フェスティバルが開催できましたので、そこでの発表の機会も確保したところでございますし、今後、民俗芸能に関しては、岩手民俗芸能フェスティバルを開催する予定で、そのような場で発表の機会を提供することを考えております。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 先ほど委員から御指摘のございましたスポーツ分野、特に団体競技に関することしの影響でございますが、私どもも、先ほど御紹介がございました勝ち上がりながらも上位の大会に出られなかった選手、チームについて、非常に心を痛めております。国のガイドラインにのっとりまして、各競技団体が大会ごとのガイドラインを定めております。それにのっとった形で出場できないとやむを得ず判断されたものに関しましては、非常に残念でございます。
 そういう中で、私どもができること、例えば各県営施設等の新型コロナウイルス感染症対策の徹底でありますとか、岩手緊急事態宣言最中にも閉場した期間がございましたが、そういう場合でも、例えば上位の大会につながる、どうしても必要なものについては、練習等に使用していただけるような配慮を行ったところがございます。あとは、競技団体を通じて、感染症が蔓延しないように徹底した啓発指導等を引き続き行ってまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 実際に伝統芸能などは、各県内の自治体を見ているとなかなか財政状況も厳しい。各種団体の補助金をまず削られるのですね。スポーツもそうです。同じように、遠征費などを削られてくる状況が見られます。せっかく盛り上がってきたけれども、次の後継者を確保するにも、その補助金もない。減ってくる。そのような中でコロナ禍の影響を受けたと、本当に苦しんでいるようなのです。
 この間、岩手県文化芸術振興議員連盟で早池峰神楽を見て、とても感動しました。人が一生懸命演じる、それを見るだけでもよいのですが、しかし、これがコロナ禍でどのように継承されていくのか。
 各市町村にいろいろな芸術団体があります。その人たちの現在の活動状況を考えると、補助金ももらえない、そして、後継者が入ってこない、発表の場もないとなってくると、発表の場をつくっていきますだけではもう足りないのではないかと感じています。今後どのような支援を考えておられるのか。その点がはっきりしないと、自治体から補助金ももらえない、そして発表の場もないとなってくると、そこで手助けするのが県なのかなという感じもしております。コロナ禍で心もかれてきていますので、いろいろな潤いを与えていただきたいと思います。
 そして、スポーツもそうです。コロナ禍でさまざまな大会に出られなかったことで、その団体の中で、かわりの大会などを開催してくれています。その中で、遠征費などが随分削られてきているようですので、どのような支援のあり方が必要なのか、その点をお伺いしたいと思います。
〇岡部文化振興課総括課長 岩手芸術祭フェスティバルを先日開催しました。これは会場での公演もあったわけですが、あわせましてオンライン配信も実施したところでございます。
 昨年度は、新型コロナウイルス感染症の影響がありまして、先ほど申しましたとおり、練習の場も、さらには発表の場も少なかったということもありましたので、沿岸部中心ではございましたが、芸能団体の動画を配信させていただきました。そのようなことで、個々に集まることについては感染症対策を施しながら、今後は、ウェブや動画の配信もあわせて行っていきたいと考えております。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 先ほど委員から御指摘ございましたスポーツの各種大会に対する支援についても、大切な部分であると考えております。現在も、競技団体が実施する強化練習あるいは合宿などに要する経費については支援を行っておりますので、引き続き、そちらも支援していきたいと考えております。
〇武田哲委員 いずれにしましても、コロナ禍で人と触れ合うこともはばかれる中で、何を心の潤いとして与えられるかというところまでしっかり考えながら、見る側に、それを演じる人、描く人、そのような人たちに、もっと明るい話題をぜひ提供してもらいたいと思います。さまざまな動画配信などを行っても、一番は、やはり身近な人から会場の中で直に感じる環境をもっともっとつくっていかないと、それはスポーツも芸術文化も一緒だと思います。そこの心の響き合い、そのようなものをぜひこれからもつくっていっていただきたいと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
 次に4点目、我が会派の臼澤勉議員からも一般質問でありましたが、岩手県水泳連盟から温水プールについてさまざまな要望が出ています。その点についてもう一度お答えいただければと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 県営屋内温水プールについては、御指摘のとおり御要望をいただいております。県営屋内温水プールについては、平成5年12月の開所から築27年を経過し、老朽化が進んでおりますけれども、本年2月に岩手県文化スポーツ部所管公共施設個別施設管理計画を策定し、計画的な修繕、改修を図りながら長寿命化を図っていくこととして、現在、計画に沿って取り組みを進めているところでございます。
〇武田哲委員 利用者はどのような状況でしょうか。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 利用者はやはり一定程度ございます。県営温水プールは、県内で唯一の公認の大会を開催できる場所、あるいは、御家族で楽しめる施設を有した施設ということで、皆様から御好評をいただいておりますし、評価いただいているところでございますので、維持、改修に取り組んでまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 これから維持、改修といっても、採算ベースはどれくらいと思ってやっているのでしょうか。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 採算ベースということですが、公の施設でございますので、民間の施設と違いまして、いろいろな方に使っていただくという公的な役割もあるので、採算ベースについてはなかなか申し上げづらいところでございます。もちろん、利用料収入を初めとしてなるべく多く収入を確保しながら、健全な経営にもっていくことは当然必要なことであると考えております。
〇武田哲委員 県の財政に余裕があれば、公的なとか、そのような言葉の中で一生懸命支える姿勢は評価いたしますが、この後、県の財政状況も厳しくなってきます。そうしたときに、施設の改修だけではなく、どのように利用者に利用していただくか、集めるか、そういった視点はどのような状況なのでしょうか。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 今御指摘いただきました利用者の増加については、非常に大事なテーマだと考えております。そういうことからも、例えば今、指定管理者制度を使って管理していますが、民間のそのようなノウハウを活用しながら、毎年工夫を凝らしながら、少しでも利用者をふやすように今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 最後にしますけれども、いずれにしても県の財政、懐事情も考えながら、そして、どのようにして利用者をふやしていくか。あるいは、長寿命化もそのとおりですが、思い切った移転。要は、利用者をもっとふやすという観点でいくか、どこかで決断しなければならないときが来ると思いますが、その決断を我々にも示してもらいたいのです。長寿命化、長寿命化と言いますが、こうなったらこっちへ行きますとか、思い切って場所を移すことも視野に入れながら検討が必要だと思います。今後はそういう数字や目標を立てながらやっていかないと、後で、ここの決断が間違っていたと。正しい決断になるかもしれませんが、その基準をしっかりと見せていただきたいと思いますが、その点を伺って最後にしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 現在、県営の施設については、令和2年に定めた岩手県文化スポーツ部所管公共施設個別施設計画にのっとり進めているところでございます。上位計画の岩手県公共施設等総合管理計画は10年の計画でございますが、この周期が令和6年となりますので、その改定の時期と合わせまして、先ほど申し上げた、下に位置する個別施設計画についても、その時点で市町村等のお声を聞きながら、必要に応じてまた検討を進めていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 武田哲委員から郷土芸能の関係の話がございました。郷土芸能はほとんどが自主団体です。自分たちで継承していかなければならない。そして、自分たちの財産、地域の財産、そして宝だという思いを持って続けているわけであります。ただ、高齢化になりまして非常に厳しい状況になっていることも事実であります。そして、コロナ禍によって子供たちが参加できない状態になってきております。ですから、この継承していくという部分について、子供たちに引き継がれないままになってしまうのではないかという大きな危機を持っていると私は思っております。
 そういう中において、岩手県において、この郷土芸能団体は各市町村にどのくらい存在していて、どのくらいが自主的に活動されているかという実態を把握されていますでしょうか。
〇岡部文化振興課総括課長 県内の郷土芸能団体については1、000団体以上あると把握しております。現時点では個々の芸能団体の活動について細かい調査はしていないのですが、各地域に文化芸術コーディネーターが配置されていますので、活動状況についてはそのような方々からお伺いしているところでございます。
〇工藤勝子委員 実態がよくわからないという答弁だったと思っております。1、000団体以上あると。昭和の時代には岩手県には5、000団体あったというお話もございました。それがこういう時代になって、今は1、000団体。だけれども、岩手県の文化ですよ。そして、文化スポーツ部というのがある中で、この郷土芸能も岩手県の大切な文化のはずでありますので、市町村からそれぞれ聞き取りをするなり調査する。コーディネーターがいるなら特に、どういう形で引き継がれているのか、そして今どういう状況なのか、今後とも継続してやっていける状況なのか、きちんと調査する。
 それぞれの市町村からの本当に微々たる補助金で賄っている部分がありますし、ほとんどが自分たちの持ち出しでやっているわけです。ぜひこういうところも文化スポーツ部としてしっかりと調査して、これからも継承できるような体制なり、岩手県の激励とか、そして、指定団体にどんどん指定していくべきではないかと思いますが、文化スポーツ部長、いかがでしょうか。
〇熊谷文化スポーツ部長 ただいま委員からお話がありましたとおり、コロナ禍だからこそ、スポーツもですが、芸術文化の重要性がクローズアップされていると思います。特に岩手県の各地に継承されている民俗芸能、郷土芸能については、委員からもお話がありましたとおり、県の大きな文化資源でありますので、これをいかに活用していくかというのは大きな課題だと思っております。
 文化振興の場合は、主体は民間の活動団体でありますので、その団体の意見、要望も聞きながら、実態を把握しながらしっかり支援をしていきたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 私からもスポーツ振興について質問させていただきます。
 いわて競技力向上事業費9、852万円余を令和2年度でお使いになってスポーツ振興を図っていると、決算書で確認しております。このいわて競技力向上事業の対象となったスポーツの種類と、各団体への支援金額がどれくらいになっているのか。それから、競技力向上のための活動がどのような成果となって発揮されたのかについて、お伺いしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 いわて競技力向上事業の対象となったスポーツの種類についてでございますが、オリンピックと国体、両方の実施競技を合わせまして、51競技を広く対象とさせていただいたところでございます。
 各競技への支援策については、例えば競技団体が実施する強化練習や合宿に要する経費への支援や県体育協会が指定する強化指定クラブへの活動支援、ハラスメント防止等に向けたスポーツ・インテグリティに係る研修会への支援、競技成績に直結する最新競技用具の整備などを行いました。
 このほか、アスリートの県内定着に向けた取り組みとして、県体育協会内に無料職業紹介所を開設し、成年選手の県内定着を支援したところでございます。
 なお、各団体に対する競技ごとの支援金の詳細については、今手元にございませんが、各競技団体に向けて、先ほどのメニューに沿った内容で支援をさせていただいているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 51競技という結構たくさんの団体があって、その団体への競技力向上の支援のお金と、ほかにも、スポーツ・インテグリティ─怒ったり、どなったりしないという指導者への活動、それから、アスリートのその後の支援策まで含めて、この金額だということはわかりました。
 それで、今51競技あるということですが、県内の人口減少も結構進んでいる中で、スポーツ団体の存廃などに何か影響が出ていないのか、その点についてお聞きしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 県体育協会によると、県体育協会に加盟する競技団体の選手登録者数は減少傾向が見られますものの、現在は、加盟団体の廃止や解散の動きはないと確認しております。
〇ハクセル美穂子委員 団体数はそのままだけれども、競技者の人数は減少傾向にあるという御答弁でした。これは県内の子供たちのスポーツ団体の中でも進んでいると思っておりまして、私も、今後その団体がきちんと存続していけるのか、団体ごとに取り組みができるのか、危惧しているところです。
 この関連で、いわてスーパーキッズ発掘・育成事業では、もともと運動能力の高いお子さんが、今自分がやっている競技以外の競技も体験して、本当に適正があるのはどの競技かとか、自分が楽しい、進めていきたいと思う競技、いろいろな競技を試していく事業をしていただいております。
 私は、このいわてスーパーキッズ発掘・育成事業で、一人のお子さんが一つの競技だけではなく、いろいろな競技に触れるというのは非常にすばらしいことだと思っていまして、スポーツ医・科学的にも成果が出ているのではないかと思っていますが、このいわてスーパーキッズ発掘・育成事業はどのような効果が出ているのか。これまでも出ていますけれども、体の面での効果について、どのような御見解をお持ちなのか伺いたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 いわてスーパーキッズ発掘・育成事業については、委員御指摘のとおり、競技力の向上という観点と、心身ともに健全な育成という両方の面から、効果が出ているというお声をいただいております。
 例えば競技力向上ですと、このいわてスーパーキッズ発掘・育成事業の卒業生がオリンピックを初めとした国際大会に出場し活躍するとか、あるいはスポーツ医・科学を中心としたサポートについては、県内の学校や団体から要請をいただきまして、そちらに出向きながら、いわてスーパーキッズ発掘・育成事業と同じような内容の講演をさせていただき普及に努めているということで、御好評をいただいております。
〇ハクセル美穂子委員 御答弁のとおり、このいわてスーパーキッズ発掘・育成事業は何年もやってきていますので、この事業の中で培われた子供たちの身体能力の向上策を、運動能力の高い子供だけではなく、普通の、いわゆる私のようなというか、普通に学校に行っていたり、普通に地域のスポーツ少年団でスポーツに取り組んでいるお子さんたちも、いろいろなスポーツに触れることで、今自分はこのスポーツが好きでやっているけれども、実は才能としてはこっちが適正かもしれないし、違うシーズンでのスポーツにも触れるとか、そのような機会をさらに広げていって、スポーツを人生の中で楽しみ、スポーツで子供たちの人生が豊かになるような方向に広げていくことが大切なのではないかと考えていますが、今後このいわてスーパーキッズ発掘・育成事業の広がりというのはどのように捉えられているのか、お伺いしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 いわてスーパーキッズ発掘・育成事業については、例えば事業のホームページにおいて、競技体験トレーニングやスポーツ栄養に関する講座などの活動記録を定期的に配信させていただいております。
 また、県では、スーパーキッズが在籍する小中学校を訪問して事業の取り組みについて学校と情報交換を行うとともに、県内全小学校に募集チラシを送る時期には、各地区を巡回して事業の説明を行いながら、応募や事業の効果について子供たちに伝えていただくように、学校に依頼をさせていただいております。
 さらに、事業におけるメンタルトレーニングやコンディショニング等のスポーツ医・科学の取り組みについても、小中学校から依頼を受けまして、知見のある講師を派遣して講座を行い、子供たちの心身の健康づくりに寄与しているところでございます。
 今後も引き続きこのような取り組みを進めて、県内の子供たちに知見を広めていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 いわてスーパーキッズ発掘・育成事業をさらに行って、子供たちにこの知見を広げていきたいという御答弁だったと理解いたしました。
 いわてスーパーキッズ発掘・育成事業だけやっていても、普通のお子さんたちは、なかなかこのスーパーキッズに受かることができないので、スポーツ少年団や単一のスポーツに取り組む機会が多いのです。そんな中で、子供の人口も少なくなってきて、人数が足りないので、チームスポーツ同士で選手を取り合うというようなことも、今だんだん見受けられてきました。そして、実際に取り合った結果、チームスポーツができなくて、その地域ではこのスポーツはできないというような状況も徐々に見受けられてきています。
 それで、私が考えているのは、全てのスポーツが大体同じ大会日程だったりするので、大人の私たちが少しずつその仕組みを変えて、子供たちが二つとか三つ、違うスポーツを小中学校期にできるような仕組みをつくっていくべきではないかと考えています。それで、子供たちが、例えば、夏は野球をして冬はクロスカントリーやスケートとか、バスケットボールと野球とか、海外で言うシーズン制のような形も取り入れながら、スポーツ団体ごとにスポーツをする子供を取り合う状況ではなくて、少なくとも小中学校のときには、いろいろなスポーツに触れて、いろいろ体を動かすことによって運動機能を向上させるような取り組みに、私たちが仕組みを変えていく必要性をすごく感じているのですけれども、その点について文化スポーツ部としてはどのようにお考えなのかお伺いしたいと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 今委員から御指摘いただいた点につきましては、まさに当部が目指している全体的なバランスのとれた向上のメニューに合致する考え方であると思っております。私もそのように育ってまいりましたので、その考えには非常に賛同できます。スーパーキッズの考え方にも合致しますので、例えば県体育協会あるいは各競技団体の研修会や指導者の講習会もありますし、メンバーの意見交換会等もございますので、そのような中で今のようなテーマを取り上げさせていただきながら、検討してまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 前向きな御答弁ありがとうございます。この大会日程等々、一部署でできることではないというのは私も理解しております。文化スポーツ部の関係団体だけではなく、中学校体育連盟や高等学校体育連盟等、教育関係も含めて大きい議論にして、どれが適切な形なのかというのをきちんと話し合っていく必要があると思います。
 また、大会日程等々を組み合わせて、どのスポーツもその意義をしっかり考えながら施設も含めて存続する、どこをどのようにしていくかという大きなグランドビジョンになるのではないかと思いますので、一朝一夕にできることではないのですが、文化スポーツ部という名前を掲げている部が率先してこの議論を引っ張っていって、県内でいろいろなスポーツができ、そしてそれが県民の皆さんの人生の豊かさにつながる、そのようなスポーツ振興につながるように願っておりますので、ぜひ進めていっていただきたいと思います。
 最後に文化スポーツ部長のお考えをお聞きして終わりたいと思います。
〇熊谷文化スポーツ部長 いわてスーパーキッズ発掘・育成事業の関係では、今年度東京2020オリンピック競技大会の開会式で大坂なおみ選手に聖火をつないだ城西中学校3年の高橋選手は、その後の全国小学校陸上競技交流大会で、走り高跳びで優勝しておりますし、津志田小学校6年生の富沢選手は100メートルで優勝しました。どちらも現役のスーパーキッズでございます。こういった流れをこれからも途切れなく生かして、次の子供たちの目標や意欲につながるように取り組んでいきたいと思います。
 先ほど委員から御提案のありました地域ぐるみのスポーツをする環境については、学校のクラブだけでは無理ですので、地域のスポーツ少年団、総合型地域スポーツクラブ、市町村の体育協会なども一体となりながら、子供たちがスポーツを身近に楽しめるスポーツ環境の整備に取り組んでいきたいと思います。
〇小西和子委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午前11時4分 休 憩

午前11時22分 再開
〇小西和子委員長 休憩前に引き続き質疑を行います。
〇米内紘正委員 私からも、地域における子供たちのスポーツの選択肢について、総合型地域スポーツクラブあるいは部活動と関連して質問させていただきます。
 総合型地域スポーツクラブについては、10年以上前から毎年質問も出ていまして、私も議事録等を全部拝見したのですけれども、やはり最後は、研究しますとか、連携していきますというところで終わっていて、なかなか具体的なところが見えてきていない。これは、そろそろ具体的なロードマップや県の役割を考えていかないといけない時期であろうと思っております。
 というのも、昨年、令和2年の岩手県における出生数は約6、700人であります。大活躍しておりますメジャーリーガー大谷翔平選手の生まれた1994年の岩手県の出生数は約1万3、600人です。つまり、もうそのときから半減しているわけであります。そうすると、部活動であったり、先ほども出ていましたスポーツ少年団であったり、そういう選択肢を地域でどう確保していくか、本当に考えていかなければいけない。今、中学3年生は1万人いますが、12年後には中学生の人口は3分の2になってしまいます。そうすると、今のチームのスポーツが本当に維持していけるか。昨年も休日の部活動の地域移行という議論が出ておりました。ここに合わせて、受け皿となり得るとしたら総合型地域スポーツクラブになっていくのだろうと思いますが、その現状についてお伺いしていきます。
 まず、今の総合型地域スポーツクラブの会員数の現状と推移、できれば中学生とか高校生というカテゴリーで教えていただけますでしょうか。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 総合型地域スポーツクラブについてでございますが、クラブ数の最新データは、令和3年10月現在、26市町村59クラブでありまして、過去5年間の推移を見ますと、市町村数はほぼ横ばい、クラブ数は2クラブ増加しています。
 また、会員数の最新データでは、令和2年度の1万2、954名となっています。過去5年間の推移は、ピークである令和元年度の1万3、721名までは毎年増加していましたが、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で減少しています。
 また、中学生、高校生の会員数ということでしたが、これまでこのカテゴリーでは全国的に統計はとっていませんが、本県においては独自に、令和元年度から小学生も含めた小学校、中学校、高校の児童、生徒を合算した会員数を調査しておりまして、令和2年度の合算の会員数は4、791名となっています。
〇米内紘正委員 これから部活動の地域への段階的な移行を考えていく上で、総合型地域スポーツクラブがどれほど受け皿になっていく能力を持っているかというところは、細かく追っていったほうがいいと思います。今は小学校、中学校、高等学校という合算でありましたが、この中のカテゴリーも、中学生が、高校生がどれほどできる環境にあるのか、今後の見通しですね。会員数、クラブ数はどのように見通しているのか。あるいは、今後の展開、戦略について、地域移行していったときに今の状況でクラブ数が足りるのか。今のままで足りるけれども1クラブ当たりをどのように運営していかなければいけないのか等についてお聞かせいただければと思います。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 総合型地域スポーツクラブの今後の展開等についてでございますが、県民が身近にスポーツを楽しむ機会の充実を図るとともに、子供たちのスポーツの選択肢が広がる環境を整備するためには、多種目、多世代、多志向という特徴を持つ総合型地域スポーツクラブの量と質の充実が必要だと考えております。
 具体的な戦略としては、県体育協会に設置した岩手県広域スポーツセンターの専任指導員がクラブや市町村を訪問するなど、クラブの創設や育成に向けた取り組みを継続するとともに、クラブの指導者を対象とした研修会や資格の取得支援など、体制の強化に向けた取り組みを進めてまいります。
 加えまして、休日部活動の段階的な地域移行に係る受け入れ先としての役割も、今後、総合型地域スポーツクラブに期待されていますので、その点からも、教育委員会と連携して、中学生の受け入れ体制の整備に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇米内紘正委員 その中で、今ちょっとなかったのですけれども、今のクラブ数で岩手県全域を果たしてカバーできるものなのか。もしできないとしたら、どれくらいのエリアにどのようにクラブを配置していけばいいのか等、岩手県広域スポーツセンターや県体育協会の方と共有されているものはあるのでしょうか。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 現在、例えば、これは教育委員会の分野になりますが、今年度から学校の部活動移行に関して、国の事業を使い、モデル的に調査事業を行っております。あるいは、当部においても、総合型地域スポーツクラブを初めスポーツ少年団とかほかの団体もありますので、それらの現状を把握し掛け合わせた中で、受け皿として必要な数がどれくらい弾き出せるのかというところは検討しているところでございますが、現在まだ明確な数字をお示しできるところではございません。
 いずれにいたしましても、現在の総合型地域スポーツクラブのクラブ数だけでは、確かに全部受け入れることは難しいのではないかと考えております。
〇米内紘正委員 総合型地域スポーツクラブの運営に当たって、私も運営者の方からお話を聞くと、いろいろな課題があって、個々の問題にぶつかっているかと思います。それをどう把握されて、現状ではクラブ数が足りない、ふやしていかなければいけないというときに、その課題、ハードルとなっているのはどういうことか認識されておりますでしょうか。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 総合型地域スポーツクラブの課題についてでございますが、県体育協会に設置している岩手県広域スポーツセンターにおいて県内各クラブを巡回指導する中で現状を確認したところ、クラブ本来が抱える課題としては、自主財源の確保や、運営に必要な人材の確保、育成が上げられると把握しております。
 また、今後、段階的に進める予定である休日部活動の地域での受け入れの面からは、これらに加え、指導者の確保や、学校と受け入れ先との調整役なども課題として捉えられているところでございます。
〇米内紘正委員 これまでも十数年にわたり毎回、先進事例を研究しますという答弁があったわけですけれども、その中で岩手県がモデルとすべき先進事例といいますか、どういう形を目指していくかということについて、もしあればお聞かせください。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 先進事例についてでございますが、例えば昨年度、新潟県燕市を訪問し、総合型地域スポーツクラブを活用した中学生の受け入れに係る先進事例を研究させていただきました。この事例は、燕市のスポーツ協会が事務局を担いまして、総合型地域スポーツクラブや競技団体、スポーツ少年団などが協力して中学生の受け皿となり、自主財源を確保しながら活動しているという事例でございました。
 県としては、こういう先進事例を参考にしながら、どのような形で受け皿の体制を強化していくかも含めて、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇米内紘正委員 その検討を、来年度と言わずに、目の前に差し迫っているものとして、県が何を果たしていくのかという具体的なロードマップを考えていかなければいけないと思います。
 先ほど12年後と言いました。課題もたくさんあると思います。指導者の問題、運営費用の問題、あるいはクラブチームが出てきたときに大会の参加資格ですね。中学校、高等学校とどう大会の体制を整えていくかとか、既存団体との調整も大変だと思います。
 県教育委員会と一緒に連携しますというのは毎回あるのですけれども、それをどうしていくのか。そして、ロードマップをつくっていく上で、地域の子供たちのスポーツの選択肢を確保していく上で、部局横断的に考えていかなければいけない中で、今ボールはどちらが持っているのか。文化スポーツ部が全部を一体としてまとめていくのか。あるいは、部活動に関しては教育委員会もありますから、そこはどこが主導していく形になるのでしょうか。
〇畠山スポーツ振興課総括課長 主導に関しましては、なかなか難しい御回答になりますけれども、学校の部活動という切り口で考えた場合には県教育委員会がその役割を担うことになりますし、現在は休日の部活動の地域移行ということの入り口から徐々にその動きを広めようとしておりますので、県教育委員会と連携して進めてまいりたいと考えております。
〇米内紘正委員 その辺は、この後、県教育委員会のほうでも聞かせていただくのですけれども、やはりそんなに簡単な問題ではないと思います。低コストで持続可能なスポーツ団体を地域で担っていくわけですから、相当なパワーと引っ張っていく力、どちらがやるとか両方一遍にやるとき、誰かが引っ張っていく。そういうプロジェクトを展開していかないと、残された12年の中で岩手県内において形を残すことは難しいと思います。
 スポーツ庁も含めて去年から動き出して、去年からではないですね、もうずっと前から動いておりまして、今、葛巻町と岩手町がそのモデル地区としてやっていると思うのですけれども、岩手県は日本全国の中で真っ先にこの課題にぶつかる場所だと思うのです。子供たちがこんなに少ない、でも県土は広い。これが狭ければ、ぎゅっと収縮した形でクラブチームというのはできるかと思うのですが、この広い県土の中で、家庭の負担にならないように移動手段も考えながら構築していくというのは本当に難しい問題だと思いますので、ぜひ具体的なロードマップを早急に県でも考えていただきたいと思うのですが、最後に文化スポーツ部長の所感をお伺いいたします。
〇熊谷文化スポーツ部長 部活動の段階的な地域移行については、少子化の中で児童生徒にさまざまなスポーツの機会を提供する、そして地域でスポーツに取り組む、地域での一体感という点でも、総合型地域スポーツクラブの役割は一層重要になると思っております。特に総合型地域スポーツクラブの受け入れ体制の部分は文化スポーツ部が中心になって進めるべきと思っておりますので、県教育委員会との役割分担、緊密な連携を一層進めて取り組んでいきたいと思います。
 また、地域の特色を生かした取り組みも大事だと思います。今は岩手町と葛巻町がモデル地区としてやっていますが、来年度はさらに違う2市町村でモデル事業を行います。県内でも先行事例をつくりながら、それを展開していくようなことを考えていきたいと思います。
〇小西和子委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇小西和子委員長 質疑がないようでありますので、これで文化スポーツ部関係の質疑を終わります。
 文化スポーツ部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 執行部席の消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、教育長に教育委員会関係の説明を求めます。
〇佐藤教育長 令和2年度の教育委員会の決算について御説明申し上げます。
 初めに、教育委員会が所管する事務事業の総括的な取り組みと今後の取り組み方針等について、御説明いたします。
 教育委員会におきましては、東日本大震災津波からの教育の復興と学校教育及び社会教育、家庭教育の充実の二つを大きな柱として、本県教育の振興に取り組みました。
 まず、東日本大震災津波からの教育の復興については、県立野外活動センターひろたハマラインパークの移転復旧が令和3年3月に完了し、7月に全面オープンしたところです。被災した教育委員会所管の県施設は全て復旧しましたが、児童生徒の心のサポートや震災の教訓の次世代への継承などの課題があることから、引き続き、児童生徒一人一人に寄り添った支援に取り組むとともに、いわての復興教育の推進などに取り組んでまいります。
 次に、学校教育の充実については、新型コロナウイルス感染症対策を行いながら、児童生徒の健康、安全を第一に学びの保障等に取り組んできたところです。また、県立高校においては、地域課題の解決に向けた探究的な学びや小規模校における地域と連携した魅力ある学校づくりなどを推進してきました。
 ハード面では、県立学校の無線LAN環境を整備したほか、児童生徒用1人1台端末等の配備や普通教室等へのエアコン設置など、学習環境の整備を感染症対策とあわせて進めてきました。
 今後におきましても、ICT機器等を効果的に活用し、子供たちの知、徳、体のバランスのとれた生きる力の育成に向けた教育の充実や、地域、関係機関との連携、協働による県立高校の特色化、魅力化に向けた取り組みを進めてまいります。
 次に、社会教育・家庭教育の充実については、県民の学びの場を確保するため、新型コロナウイルス感染症対策を講じつつ、教育振興運動と連携した体験活動や、県立博物館、県立美術館における公開講座の開催等に工夫しながら取り組んでおり、引き続き、地域学校協働活動の推進、多様な学習機会の充実などに取り組んでまいります。また、昨年度策定した岩手県文化財保存活用大綱に基づき、市町村における文化財保存活用への支援に、引き続き取り組んでまいります。
 続きまして、決算について御説明申し上げます。
 お手元の令和2年度岩手県歳入歳出決算書の14ページをお開き願います。教育委員会関係の一般会計歳出決算額は、10款教育費のうち1項教育総務費の一部、16ページ8項大学費及び9項私立学校費を除いたものと、次の11款災害復旧費4項教育施設災害復旧費の一部を合わせた支出済総額1、377億8、506万円余であり、翌年度への繰越額は48億4、458万円余、不用額は14億2、571万円余となっております。
 決算の内容については、令和2年度歳入歳出決算事項別明細書に記載しておりますが、説明は省略させていただきますので御了承願います。
 以上で説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇小西和子委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇千葉秀幸委員 いじめ防止についてお伺いしたいと思います。
 まず、令和2年度のいじめの認知件数は、御承知のことと思いますが、過去最多の8、146件でありました。これは大変問題だと思っているわけですが、令和元年度より142件も上回っております。まずは、この結果についての県の認識についてお伺いいたします。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 令和2年度のいじめ認知件数8、146件の結果への認識についてでございますが、県教育委員会としては、いじめの認知件数が多い、少ないということではなく、認知したいじめにどのように対処したかが重要であると考えておりまして、いじめの認知は、そのスタートラインに立ったあかしであると考えております。今後も、学校における積極的認知と適切な対処、及び未然防止が図られるよう努めてまいりたいと思います。
〇千葉秀幸委員 わかりました。いじめの定義を見ても、昔より本当に小さいところから声を拾うようになっていますから、これくらいの件数になったということは私も理解いたします。
 ただ、いじめがエスカレートすると、岩手県でも過去に事例もありましたが、自殺に追い込まれる等々、深刻な悩みになると思いますので、早期の対策が必要と思っております。
 そこで、いわて県民計画(2019〜2028)実施状況報告書を私も拝見させていただきました。いじめ防止対策の推進といじめ事案の適切な対処というところで、県は、岩手県いじめ防止等のための基本的な方針に基づき取り組んできた中において、道徳教育あるいは人間教育の充実に取り組みましたというような評価をしております。
 先ほどの繰り返しですが、過去最高のいじめ件数になった結果と県が取り組んできた取り組みと成果が相反している状況かと思いますが、具体的にはどう取り組んでこられたのかお伺いしたいと思います。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 いじめに対する取り組み内容と成果についてでございますが、県教育委員会としては、県内の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の生徒指導の中核となる教員を対象とした研修を毎年継続して実施してきておりまして、教職員の資質の向上を図るとともに、児童生徒が安心して学校生活を送ることができる居場所づくりや、主体的に取り組む協働的な活動を通して自己有用感を育み、きずなづくり等に取り組んできたところでございます。
 学校におきましては、定期的にアンケート調査や面談を行い、いじめの早期発見と積極的な認知を推進してきたところでございます。
 近年のいじめの認知件数の増加については、いじめの事案が深刻化する前に組織的に対処している結果であり、研修等の成果でもあると捉えているところでございます。いじめは、どの子供にも、どの学校でも起こり得るとの前提のもと、初期段階のいじめであっても積極的に認知することが重要であることを、これからも広く周知を図っていきながら対応してまいりたいと思います。
〇千葉秀幸委員 教員の指導も行いながら取り組んでいるということであったと思います。
 先に1点お伺いしたいのですけれども、教師向けのいわて道徳教育ガイドブックを拝見しましたが、これをもとに教師は道徳の授業をされているのでしょうか。
〇三浦首席指導主事兼義務教育課長 道徳教育の推進については、自己の生き方を考え、主体的な判断のもとに行動し、自立した人間として他者とともによりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標として、学校において、道徳の教科はもとより、学校の教育活動全体で取り組むこととしております。
 その中核となる道徳科の指導に当たっては、委員御指摘のとおり、いわて道徳教育ガイドブックを作成して、教員の指導力の向上に努めているところでございます。
〇千葉秀幸委員 わかりました。いじめと道徳教育はすごく密接な関係にあると私は思っております。そこで、いわて道徳教育ガイドブックは、私も一通り見させていただきましたが、いじめはやってはいけませんよとか、あるいは、命を大切にしましょうという教育など、ざっくりした中身であったように見受けられました。本来であれば、いじめはなぜしてはいけないかとか、命を大切にするというのはどういうことか、あるいは、勉強はなぜ必要なのかというような、教師が生徒にどう働きかけていくべきかの指導内容ではなく、ただ道徳の進め方を明記しているというようなガイドブックの印象でございました。
 そのような指導がゆえに、生徒のいじめ件数がふえたり、いじめ問題が出たときには、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーに任せきりになったり、教師サイドで食いとめられる問題も食いとめられなくなってきた背景もあるのかなと、私はそのガイドブックから勝手ながら感じました。
 当局は、そのガイドブックをどう評価されているのかについてもお伺いしたいと思います。
〇三浦首席指導主事兼義務教育課長 委員御指摘の、いわて道徳教育ガイドブックについては、学習指導要領改訂に伴い、教育活動全体を通じて行う道徳教育について、特に道徳科の授業づくりのポイントや道徳科の評価をどのように適切に行えばよいのかということについて、中心に取り扱ってきたものでございます。
 委員御指摘のとおり、子供たちに道徳的な実践力や規範意識を育てる教育については、あわせて県で取り組んでいる道徳教育事業の中で、例えば、道徳教育の研究指定校を毎年度指定しており、その研究成果を道徳教育啓発リーフレットとして、具体的な実践内容について県内に広く周知し、教育活動全般の中で、命の大切さについてもあわせて子供たちに身につけさせるように指導してまいりたいと考えております。
〇千葉秀幸委員 了解しました。相手は本当に小さい子供です。ただ、授業をこなすというより、明確な考え方、方向性を示すことが大事になってくると思います。先ほど、道徳教育ガイドブックの見直し、あるいは教師への指導方法を検討していくというお話もいただきましたので、ぜひともよろしくお願いします。
 それでは、カウンセラーについて伺います。
 私が小中学生、高校生のときはカウンセラーなどはおらず、多くの教師に解決してもらったという記憶があります。もちろん震災のときの傷であるとか、コロナ禍等々でふえた傷、あるいはいじめ等もあるので、昔より非常に面倒な問題が起きてくるというようには理解しております。
 本当に難しい問題は専門家に頼むのはよいと思うのですが、面倒な問題はカウンセラー任せにするということがあるとすれば、教師がいじめに対する接し方や指導のあり方等々、見直しを再周知すべきと考えますがいかがでしょうか。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 スクールカウンセラーの取り組み状況でございますが、スクールカウンセラーは、チーム学校の考え方のもと、児童生徒一人一人の悩みに寄り添うために、心理の専門であるスクールカウンセラーを配置し、教育相談の体制の充実を図っているところでございます。
 スクールカウンセラーは、その専門的な知見から、児童生徒と個別の面談を通じて心の状態を把握するとともに、授業観察等を通じて児童生徒の人間関係や集団の状況について教師に助言などもしているところでございます。
 一方、教師は、日ごろの授業や学校生活を通して児童生徒の状態を把握しておりまして、その把握した状態から、スクールカウンセラーとお互いに情報交換を図りまして連携しているところであります。その連携を通じて、さまざまな状況に対応していると認識しているところでございます。
〇千葉秀幸委員 教員、スクールカウンセラーそれぞれではなく、しっかりと連携しながら対応しているということでございました。
 一つ確認ですが、令和2年度まではスクールカウンセラーは、満額、国の補助で行ってきましたが、今年度はどうなっているのかについてお示しいただきたいと思います。あわせて、小中学校、高等学校への配置状況についてもお示しいただきたいと思います。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 令和2年度までは、震災対応ということで、全額、国の補助事業を活用して行ってきたところでございますが、今年度は、国の補助事業とあわせて、一般の補助事業ということで、3分の1の補助を使って取り組んでいるところでございます。
 スクールカウンセラーの事業に関しましては、令和3年度は約2億8、000万円余の予算を計上して取り組んでいるところでございます。
 小中学校、高等学校への配置状況については、今年度は小学校には定期的に学校を訪問するという配置状況については47%、中学校については99%、公立高校においては100%の配置、特別支援学校についても100%の配置状況となっているところでございます。
〇千葉秀幸委員 配置状況も示していただきました。いじめ件数別に見ますと、8、146件のうち小学生が6、352人、中学生が1、396人、高校生が320人、特別支援学校が78人と、子供が小さければ小さいほどいじめ件数が多いというデータがあるわけでございますが、小さい子供ほどいじめが多いのに、小さい子供がいる学校ほど配置率が低いという状況でございます。ここも改善が必要と考えておりますが、このような配置になっている要因も含め、見解をお伺いいたします。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 どうしても年齢が低いと、集団へのかかわり方が上手ではないために、さまざまな問題が発生しやすい状況が起きていると認識しているところでございます。ただ、その内容については、ちょっとしたいたずらというようなことも含まれていると認識しているところでございます。ですので、年齢、学年が進むにつれて、相談内容、いじめの内容は深刻なものになりやすいことから、高等学校や中学校への配置を多くしているところでございます。
 また、配置されていない小学校についても、同じ中学校区のスクールカウンセラーが必要に応じて訪問し相談に乗れるような体制をとっておりますので、全ての学校でそのような相談体制ができるものと認識しております。
〇千葉秀幸委員 それでは確認ですが、相談したい生徒への全対応ができているということでよろしいでしょうか。生徒が納得するまで相談に乗ってあげられる体制になっているのかについてお伺いいたします。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 全ての子供たちの相談、保護者も含めた相談に対応できていると認識しております。
〇千葉秀幸委員 わかりました。いじめというのは、カウンセラーを置いたからゼロになるわけでもない。あるいは、最初に申し上げましたが、道徳教育をしたからゼロになるわけではないことは、私も重々理解しているところでございます。本当にゼロにするのは相当難しい問題であるということは理解している中で、それぞれの環境の中で解決することは全力でやっていくべきですが、改めて関係者全員で問題意識を共有し、どこかに任せる対応ではなく、県教育委員会全員で、学校現場も含めて取り組んでいくことが重要と考えておりますが、今後の戦略等々についても、教育長に所見をお伺いしたいと思います。
〇佐藤教育長 いじめ、不登校についてでございますが、先ほど生徒指導課長からも答弁がありましたけれども、チーム学校として、児童生徒一人一人に対して、教職員が組織体制の総力を挙げて対応していく。そこに、専門的な知見から、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの力もかりて、学校が一体となって組織的に対応していく。そして、その学校現場を教育委員会がしっかり支えていくことが大事だと考えております。
 近年、いじめ、不登校の数がふえている状況の中で、児童生徒も多様な課題を抱えております。そのようなことにしっかり対応できる組織体制で今後も対応してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員長 この際、千葉秀幸委員の質疑の途中ではありますが、昼食のため午後1時まで休憩いたします。千葉秀幸委員、御了承をお願いいたします。
午後0時4分 休 憩

午後1時3分 再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇千葉秀幸委員 午前中は教育長から御答弁をいただいたところで昼食ということになりましたが、少しだけ続けたいと思っております。
 冒頭に、8、146件のいじめ件数があった中において、数字よりも取り組みのほうが大事だということをおっしゃっておりました。全くそのとおりだと思いますが、事実上、過去最多の8、146件という数字が出てしまっているので、そこはしっかりとお受けとめをいただいた上で、改善に向かって御努力をお願いしたいと思っておりましたので、よろしくお願いいたします。
 最後に、ICTの整備状況について確認だけさせていただきます。まず、ICTの整備状況、活用実績についてお伺いいたします。
〇須川首席指導主事兼高校教育課長 ICT導入による成果と活用方法についてでありますが、県立高校での成果としては、例えば国語の授業では、論文を読んだ生徒自身の考えをクラス全体で共有し、ほかの生徒の考えを参考に自分の考えを深める協働的な学びが行われていたり、また、数学の授業では、予習復習のために教員の説明資料や動画を生徒と共有し、教諭への質問もオンラインでいつでも可能にすることで、それぞれの生徒の学習ペースに合わせた個別最適な学びが行われている学校もあります。
 また、ICTを効果的に授業に活用した実践例をお互いの授業参観や教科研修会等を通じて教員間で共有することで、ICT活用の取り組みを徐々に拡大している学校もふえているところでございます。
 先ほど環境についての御質問もありましたが、現在、全ての県立学校の教職員及び児童生徒全員にマイクロソフトアカウントを配付済みでございます。その中にありますTeamsを使いまして、生徒への課題の配布や連絡、オンライン会議機能等でのやりとりも可能となっているところでございます。
 今後は、ICTを活用して、授業だけでなく、さまざまな教育活動の中で他校の生徒や外部の人材とも連携を深め、県内だけではなく県外や海外とも交流し、学習指導要領が掲げる主体的、対話的で深い学びを実現していきたいと考えております。
〇千葉秀幸委員 了解しました。英語教育等にも非常に有効だと言われておりますので、徐々に進めていただきたいと思っております。
 児童生徒1人1台端末により、いよいよ実用化してきたのかなということも、今の答弁からもうかがえたところでございます。そこで、子供たちの感想というか、果たして授業は円滑に進んでいるのか、その辺の状況についてお伺いしたいと思います。
〇須川首席指導主事兼高校教育課長 生徒の活用状況、使用しての生徒の実感ですが、まずは、現在、県立高校は1人1台の環境にはなっておりません。そのため、各校に配付されている機器もしくは各生徒のスマートフォンや、スマートフォンを持っていない生徒は各校に配付になっているクロームブック等を授業の中で活用しています。
 一番単純なところでは調べ学習から入るわけですけれども、それだけではなく、先ほどもちょっとお話ししましたが、自分の考えの共有やグループの中での共有など、自分のスマートフォンもしくは学校にあるクロームブックを授業で活用することで、一人一人の生徒が自分の考えを伝えたり、全体で共有するものについても近くの画面で見ることができるなど、生徒たちもICT機器の有用性を実感しているところだと思います。
〇千葉秀幸委員 わかりました。教職員へのタブレット等も配付となったところでございますし、しっかりと児童生徒と共有を図って進めていただきたいと思っております。
 先ほど少し話がございましたが、ICTの導入により、今後、市町村や企業との連携に取り組んでいくという話があるようですけれども、その戦略について伺って終わりたいと思います。
〇中川学校教育企画監 市町村との連携でございますが、現在、県教育委員会と市町村教育委員会とでICTの推進に係る協議会を設置しておりますので、その中で、活用事例等も共有しながら、一体的に進めてまいりたいと考えております。
 また、企業との連携については、さまざまな企業がオンラインドリルやコミュニケーションツールを開発、提供しておりますので、そのような企業とも連携しながら教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
〇米内紘正委員 私からは部活動について質問させていただきたいと思います。午前中、文化スポーツ部の審査でもさせていただいたのですが、それと関係性のあるところで質問します。
 学習面では、ICTの運用発展に伴う学習の均質化、均等化により都市部との格差がかなり是正されていくと思っております。ただ、部活動、地域におけるスポーツの選択肢に関しては、今後なかなか厳しい状況にあるのではないかと思います。
 午前中もお話しましたが、現在、岩手県内に中学校が約150校あると思いますけれども、中学生が約3万人。12年後、令和2年、令和3年生まれの子が中学校に入るころには、その人口は3分の2になってしまうわけです。
 中学校が一番わかりやすいかと思います。その中で中学生のスポーツは、やはり学校の部活動がメーンになってくると思うのですが、人口減少による部活動の状況、現在どれくらいの選択肢を提供できているのか、今後それはどういう見通しになっていくのか、把握されていたら教えていただきたいと思います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 本県における部活動についてでございます。委員御指摘のとおり、生徒数の減少が進んでいます。特に中学校では、運動部に所属する生徒が確実に減っているデータがございます。
 このため、これまでどおりの部活動運営が大変厳しく、学校単位での大会出場が困難であるということ。また、学校に希望する部がない、あるいは、今後部がなくなるかもしれないという課題、心配があり、学校の活動だけでは生徒のニーズに応えることが困難な状況となっております。
 このような状況を踏まえまして、今後は、持続可能な中学生のスポーツ、文化活動の仕組みをしっかりと構築していく必要があると考えております。
〇米内紘正委員 私も、県内の中学校にはどんなクラブ活動があるのかというのを見て、その後、東京都の中学校、高等学校のクラブ活動の状況を見てみたのですが、やはり多くの種類があるわけです。中学校までやっていたことというのは、そのまま高等学校でも続ける方が多いので、中学校のときに選択肢がなければ高等学校でも、幾ら人数がいても、そういう部活動の多様性というのはつながっていかないのかなと強く感じています。
 ことし東京2020オリンピック競技大会が開催されましたが、サーフィンやスケートボードといった新しい競技も出てきて、いろいろなものに目が行く中、地域でこれから子育てする世代になり、自分がさせたいスポーツ、していたスポーツが学校にない、子供に選択肢を与えられないとなったら、こういった一つ一つの要因も人口の社会減につながっていくと思うのです。だからこそ、これは文化スポーツ部にもお話ししたのですけれども、喫緊の課題として10年単位でどうするか、ロードマップをどうつくっていくかというところを考えていかなければいけないと思っております。
 そこで、部活動の休日の地域移行の問題であります。今は連携、連携と言っているかと思いますが、今後それをどのように具体に進めていくか、どこの機関が、誰が調整してというところは、今どのように動いているか教えていただけたらと思います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 先ほど申し上げた課題等を踏まえまして、一昨年から、岩手県中学生スポーツ・文化活動に係る研究会を設置し、今後のあり方や活動の方向性を検討してきたところでございます。
 ことし5月にその研究会の有識者会議から、今後のあり方についての提言が公表されたところでございます。その提言では、中学生の望ましい活動と環境の姿を実現するために、中学生の活動を支える市町村、市町村教育委員会、学校、関係団体、指導者等の各主体に求められる役割、取り組みについて、今年度から短期的に取り組むこと、継続して検討しながら中長期的に取り組むことを分けて明示されております。
 今後は、この提言を踏まえまして、本県の中学生の活動の選択肢が広がるように各主体で取り組んでいくということでスタートを切っております。
〇米内紘正委員 午前中の文化スポーツ部の審査では、その受け皿として総合型地域スポーツクラブが担っていくという話だったのですけれども、今の提言内容だと、やはり教育委員会で、学校、市町村で完結していくように聞こえてしまったのですが、総合型地域スポーツクラブと文化スポーツ部との連携はどのようにされているのでしょうか。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 県教育委員会としては、まず、生徒のニーズに応えるための一つとして学校の部活動をしっかり充実させる。それから、それに加えまして、生徒のニーズに応じられない地域や、学校規模によっては活動が制限される、選択肢が狭まるというケースについては、地域の受け皿体制をつくっていただき、そこで活動していただこうということでございます。
 ただ、地域によっては、受け皿体制がすぐに構築できるところ、民間のスポーツクラブ等も存在しないところ等、さまざまかと思います。そのような課題を整理するために、今、実践研究に取り組んでいるところで、地域移行については、本県に限らず全国全て、47都道府県で研究をされております。岩手県と同様の地域の取り組みを参考にしながら、どういう受け皿の体制づくりが可能かというあたりを検討していく予定になっております。
〇米内紘正委員 10年間ずっと研究されてきて、課題を持って研究していきます、検討します、連携しますという話がありましたので、そろそろその研究の成果を発揮するとき、ロードマップをつくるときなのかというのは、午前中からお話ししているのですけれども。
 ここまで言うと少し過激になってしまうのですけれども、私も部活動で育ってきた。10年間バレーボールをやって、部活動の中でいろいろなものを学んできた。我々やその上の世代というのは、そういう世代だと思うのです。だから、部活動は絶対だと信じている心もあります。
 でも、これからを考えたときに、学校で部活動の機会を提供できるか。本当に半減、半減、6、700人、3、000人と、どんどん子供たちが減っていったときに、今回はまだ休日の部分の移行ですけれども、その先の議論まで含めて俯瞰的に議論していかないと、気づいたらこうなっていた、気づいたらもう部活動がほとんどなかったとならないか。盛岡市内の野球部でも合同のチームはかなりありますし、そうならないように今から先手を打っていかないと、子供たちのスポーツの選択肢は確保できないのではないかとかなり懸念しております。そのスピード感についてのところを最後に教育長にお伺いいたします。
〇佐藤教育長 児童生徒が減っていく中で、子供たちがやりたいことができる環境をつくっていかなければいけないのは、まさに御指摘のとおりです。そして、特に地域におけるスポーツの重要性も十分理解しているところでありまして、早く対策を講じていかなければいけない。子供たちにとっては、自分のやりたい競技、自分のやりたいことができなくなっていくということがあってはならないものだと思います。
 一つのヒントとして、スポーツとは別に文化芸術、郷土芸能については、地域にしっかりとした受け皿としてさまざまな団体があり、それが学校の教育活動ともうまく連携が図られて、むしろ地域の郷土芸能を担っていくような形で活動がされています。
 一方で、スポーツの面では今さまざまな新たな競技が出てきているという実態もあり、子供たちにとっても自分が何に適性があるのか、どの競技を選択するのかなど、多様な選択肢も求められていると思います。
 その点についても、ことし岩手県中学生スポーツ・文化活動に係る提言をいただいたところでございますので、これはスピード感を持って、地域での受け入れ体制の整備に向けて知恵を絞りながら取り組んでいくことが必要だと考えています。
〇高橋但馬委員 まず初めに、いわて県民計画(2019〜2028)に記されている不登校対策の令和2年度の具体的な取り組みをお知らせください。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 令和2年度の不登校対策の取り組みについてでありますが、本県では、国が不登校対策として推進している魅力ある学校づくり調査研究事業に取り組み、令和元年度から令和2年度までの2年間、宮古市に事業委託をして、その成果を、中学校区の学校が連携した不登校未然防止の取り組みとして、広く県内に周知したところでございます。
 また、県内に配置しているスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを活用し、学校の教育相談体制の充実を図りながら、不登校児童生徒を含めた一人一人のニーズに応じたきめ細かな支援に努めてきたところでございます。
 さらに、不安や悩みを抱えた児童生徒が学校や家庭以外に相談できる窓口として、24時間子どもSOSダイヤルの相談員、ふれあい電話に対応する相談員を配置するとともに、相談窓口を紹介したカードを県内全児童生徒に配布したり、学校の各教室に掲示している生命尊重ポスターを活用して、学校以外の相談窓口の周知を図ってきたところでございます。
 不登校児童生徒の学びの場としては、県教育委員会では、岩手県総合教育センターに教育支援センターを設置するとともに、市町村においては、市町村が設置した適応指導教室やフリースクール等の民間施設と連携して、不登校児童生徒の教育機会の確保に努めてきたところでございます。
〇高橋但馬委員 私には中学校3年生の娘がいまして、そこで5クラスあるのですけれども、各クラスに1名から2名、不登校の生徒がいるという話を聞いています。
 それで、令和2年度の岩手県内の小中学校で30日以上欠席した不登校の児童生徒数は、小学校が356人、中学校が1、016人と過去5年間で最多となっていますし、国公私立高等学校が516人で、これは1、000人当たりの不登校生徒数にすると、東北地方では、宮城県が20.3、岩手県が16.6と2番目の多さになっていますが、この現状をどう捉えていますか。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 委員御指摘のとおり、東北地方では宮城県に次ぐ多さという状況になっております。不登校生徒は年々増加傾向にあることから、この現状については重く受けとめているところでございます。ただ、他方で、中途退学の率は全国に比べて低くなっておりまして、退学者数は年々減少傾向にあります。
 学校は、不登校生徒に対して家庭訪問等で面会を繰り返しながら学習支援をしたり、学校復帰できた生徒に対して別室で支援を行うなど、一人一人に応じた支援に努め、卒業まで丁寧に対応しているものと捉えているところでございます。
 県教育委員会では、今年度から全ての公立高校にスクールカウンセラーを配置いたしまして、学校の教育相談の充実を図ったところでございますので、今後も、不登校の未然防止に努め、自己存在感や充実感が感じられる居場所づくりの取り組みを進めるとともに、不安や悩みを抱えた生徒に寄り添った支援ができるよう、教育相談の充実をさらに図ってまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 いろいろな取り組みをされているのは十分承知しておりますが、全国でも不登校の数が13番目と、かなり高い数値が出ていると思います。そのために、県教育委員会として初めて岩手県不登校児童生徒支援連絡会議を設置したと思いますが、その意図についてお知らせください。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 今年度、県教育委員会で設置した岩手県不登校児童生徒支援連絡会議についてでありますが、設置の背景としては、平成28年度に制定された教育機会の確保等に関する法律及び、不登校児童生徒への支援に関する令和元年度の文部科学省通知を踏まえまして、不登校児童生徒の学校以外の学びの場を保障するため、教育委員会及び学校とフリースクール等民間施設との連携を深めるために設置したところでございます。不登校児童生徒の支援のあり方をともに検討していくことを目的としておりまして、今年度から開催しているものでございます。
 今年度は、フリースクール等の民間施設相互や、教育委員会との連携基盤をつくることを狙いとして、コロナ禍で延期していましたが、9月21日にオンラインにより開催したところでございます。それぞれの取り組みに関する情報交換、課題の共有、今後の連携のあり方等について意見交換を行ったところでございます。
〇高橋但馬委員 県内にあるフリースクールの入会金と月謝の部分で、年間で42万円かかるというところがありまして、フリースクールのデメリットとしては経済的負担が大きいとの声もあり、他県でフリースクールに直接補助している自治体もあると聞いていますが、岩手県としてどう支援していくのかお知らせください。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 フリースクールに対する支援についてでありますが、現在は、県教育委員会としては、岩手県不登校児童生徒支援連絡会議を通して、フリースクール等関係機関との情報共有を図っている段階でございます。今後も、この連絡会議をきっかけとして、お互いに連携を深めて、相互の取り組みを理解しながらそれぞれの支援に生かしていくことが、不登校児童生徒に対するよりよい支援につながるものと認識しているところでございます。
 また、経済的に困窮している家庭の不登校児童生徒に対しましては、フリースクール等への通所に係る補助制度として、電車や乗り合いバスの定期券割引制度がございます。そのような支援制度については、先日のフリースクール等の支援連絡会議において情報交換をしたところでございます。
 今後も、フリースクール等との連携を深めながら、お互いの取り組みについて情報共有し、よりよい支援のあり方をともに考えていくことで、不登校児童生徒への学習の保障、安心した生活の場の提供になるよう努めてまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 文部科学省では、フリースクール等民間団体に対する運営費の支援事業は実際にはしていないようですが、教育支援センターやフリースクール等へ通うことが困難な児童生徒に対する経済的支援のあり方に関する調査研究事業ということで、事業費5、000万円で8カ所指定して、いろいろな情報共有を行っていると思います。
 せっかく岩手県不登校児童生徒支援連絡会議を設置したのですから、国の事業にならってしっかり情報共有をして、県としてどのような支援ができるか、そのあり方を考えていってほしいのですけれども、その辺についてお知らせください。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 フリースクールにおける児童生徒の支援については、委員御指摘のとおり、文部科学省ではさまざまな研究事業が行われておりまして、多様な教育機会の確保のために必要な経済支援の方策というのがあるわけですが、文部科学省では現行制度の活用も含めて検討を進めていくと言っております。
 本県においても、今後もさらに連携を図りながら、フリースクールが児童生徒にとって安心できる居場所になるための支援を検討してまいりたいと考えております。
〇佐々木努委員 2点お聞きします。
 初めに、学校給食について伺いたいと思います。
 県内で学校給食に米飯が導入されたのは私が小学校のころですから、多分50年くらいたつと思うのですが、それから徐々に全国でパンから米飯給食にシフトしてきたと理解しています。
 平成26年の決算特別委員会で、県内の小中学校の米飯給食の割合について聞きましたが、そのときは、平成25年のデータで週3.7食ということでした。それから現在までの推移についてお聞かせいただきたいと思います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 米飯給食の実施状況の推移についてでございます。本県における小中学校の米飯給食の回数は、平成26年度以降増加傾向にございまして、直近3カ年の状況では、平成30年度は1週当たり平均4.0回、令和元年度も同じ4.0回、令和2年度は4.1回という状況になっております。
〇佐々木努委員 徐々に上がっているということですね。これは全国的なことですが、全国では3年前の調査で3.5回でしたから、岩手県はずっと進んでいると理解しています。教育委員会の取り組みには敬意を表したいと思います。
 ちなみに、県内の市町村で完全米飯給食に取り組んでいるところは、私は野田村しか思いつかないのですが、ほかに取り組んでいるところを御存じですか。わかればで結構です。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 野田村以外は、こちらでも承知しておりません。
〇佐々木努委員 野田村では平成26年から完全米飯給食にしているようです。
 それで、私はパンが好きとか嫌いとかということではなくて、学校給食というのは子供の将来の食生活に大きな影響を与えると言われておりますし、最近、子供の肥満がふえてきている。これは食生活の変化、欧米化も影響していると専門家は指摘しているわけであります。その解消のために、それから、日本の世界に誇る和食文化を子供たちにしっかり継承していくという面からも、何年か前にもお話ししましたけれども、学校給食を全て米飯給食にすべきではないかと思っていますが、県教育委員会ではどのようにお考えですか。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 米飯給食の考え方についてでございますが、米飯給食は、委員御指摘のとおり、伝統的な食生活の根幹である米飯に関する望ましい食習慣を身につけることや、地域の食文化を通じて郷土への関心を深めるという教育的意義を持つものと考えております。
 県教育委員会としては、学校における食育の生きた教材となる学校給食の充実を図るため、学校給食関係研修会等を通じて、一層の地場産物の活用や米飯給食の充実に取り組んでいくこととしております。
 全て米飯給食にすべきではないかという御意見でございますが、学校給食の食品構成については、文部科学省の学校給食摂取基準により、多様な食品を適切に組み合わせて児童生徒が各栄養素をバランスよく摂取しつつ、さまざまな食に触れることができるようにすることとされております。穀類については、米のほかパン、麺なども示されています。そのようなバランスをとりながら配慮されているものと考えております。
〇佐々木努委員 国からのさまざまな資料には確かにそのように書かれているわけですが、米の消費拡大をここで言うのはどうかとも思いますが、米離れが子供、大人かかわらず進んでいるという状況の中で、米を食べるという習慣は、日本人として、なくしてはならないと私は思うわけであります。そういう意味で、ぜひ御飯を食べる機会をふやしてほしい。
 そうでなくても、家庭でパンや麺を食べる子供がふえているというのは、皆さんも御承知だと思います。そういうデータが出ている中で、教育の場ではしっかり体をつくる米を食べる。しかも安全な県産米であればなおよいのですが、そういう意識を植えつけさせるためにも、岩手県全体で給食は米を食べようという運動を全国に先駆けて行ってもよいのではないかと思うわけです。パンや麺は家で食べればいいと思います。ある調査では、子供の半分は朝食にパンを食べてくるということですから、朝、家でパンを食べて、また昼、給食でパンを食べるということだと、栄養面のバランスも含めて、子供の食育にもよくないのではないかと私は思うわけであります。
 週平均4.1回を来年一度に5.0回にはできないと思います。少しずつでも構いませんので、この回数をどんどんふやしていく、岩手県ならではの取り組みを進めていただきたいと思いますが、教育長はどのようにお考えでしょうか。
〇佐藤教育長 ちょうど今新米の時期で、御飯が大変おいしい時期であります。学校における食育あるいは学校給食のあり方は、確かに国からも、栄養教諭が学校にいて、家庭を巻き込んだ食育の推進であるとか、大事なのは、食を通じて自分の健康管理にもつなげていかなければいけないことだと思います。
 そういう意味では、バランスよい食習慣を身につけて、朝御飯をしっかり食べて登校するといったことがまず大事だと思います。委員御指摘のとおり、米飯給食についても、岩手県は米の主産地でもあり、おいしい米がいっぱいとれていますから、その取り組みについては、各市町村教育委員会とも連携を深めながら呼びかけていきたいと思います。
〇佐々木努委員 ありがとうございます。どうしてもパンをというのであれば、米粉パンというものもありますから、さまざま工夫をしていただくと、私も大変うれしいです。
 次に、部活動についてお伺いしたいと思います。
 通告していませんが、令和2年度、令和3年度の中学校における部活動の加入率がもしわかれば、最初にお聞きしたいと思います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 中学生の部活動加入率でございますが、昨年度は調査を実施しておりませんので、令和元年度の加入率でございます。本県、男子は96.5%、女子は97.7%となっています。
〇佐々木努委員 元年度までしか出ていないということですね。県が部活動は任意加入ということで進めようとしている中なので、できれば令和2年度の数字が欲しかったのですが、調査を進めていただければと思います。
 それで、今申し上げましたとおり、国、県の方針、それから各市町村の部活動のあり方に関する方針にも、部活動は自主的、自発的な活動であると、いわゆる任意加入であるという文言が盛り込まれる改定が行われていると思いますが、ことしの2月の時点では28市町村で改定済み、4小中学校で改定予定、1市で検討という答弁をいただきました。現在はどのようになっているでしょうか。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 市町村における部活動の方針の改定状況についてでございますが、本年9月15日現在で、33市町村のうち32市町村で改定済みで、残る1市町村では、自主的、自発的な参加を盛り込んだ方針の改定に向けて現在取り組んでいる状況であると伺っております。当該1市町村の教育委員会に対しまして、引き続き丁寧に説明を行い、方針の改定を要請してまいります。
〇佐々木努委員 その1市町村というのは多分一関市だと思いますが、何が要因で改定が進まないと認識されていますか。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 当該市町村教育委員会では、改定に向けてこれまで管内の中学校校長会と協議を重ねてきたと伺っています。今年度に入りまして、校長会に加え、体育協会、PTAの代表者や競技団体等、より幅広く関係者の意見を聞きながら検討し、方針改定に向けて取り組んでいると伺っております。
 県教育委員会としては、通知のほか、直接出向きまして、ほかの市町村の改定状況等も説明しながら、方針の改定をお願いしてきたところです。少しでも早く改定が進むよう要請してまいります。
〇佐々木努委員 何度も申し上げますが、これは全県の統一的な考え方で進まなければならないことだと思います。どこか1市町村の考えが違って、そこだけが改定しないということは絶対あってはならないし、現に一関市の方からも、これまで部活動強制加入のような形になっていて、子供が非常に苦しい思いをしたという話が幾つも聞こえてくるわけですね。そういう中にあって、改定をしないということについては、私は本当に残念でなりません。
 県教育委員会も一生懸命働きかけはしているのだと思いますが、私の名前を出してもらっても結構なので、県議会の場でもこういう厳しい指摘があったということをぜひ一関市教育委員会にも伝えていただいて、岩手県に住む全ての子供たちが安心して部活動ができる、あるいは学校生活が送れる、そういう環境をつくるように努力していただきたいと思います。所感がありましたら聞いて終わります。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 委員御指摘のとおり、今、部活動改革を進める上でも、方針の改定が最低条件といいますか、スタートラインかと思われます。県全体で取り組むべきこととして、統一感を持って適切な部活動のために進めてまいりたいと思います。そのためにも、方針の改定を速やかに進めていただくように要請してまいります。
〇吉田敬子委員 まず、支援を要する児童生徒への就学支援についてお伺いします。
 公立の小中学校においては、特別支援学級や通級指導教室が設置されておりますが、それらに在籍する児童生徒数の推移について、どう捉えているかお伺いしたいと思います。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 県内の公立小中学校における特別支援学級に在籍する児童生徒数の推移ですが、特別支援学級は令和元年度が2、448名、令和2年度が2、618名、令和3年度が2、835名と、年々増加しております。
 通級指導教室は、令和元年度が1、474名、令和2年度が1、450名、令和3年度が1、383名と、こちらは減少しております。
 特別支援学級在籍数の増加の要因としては、地域内の小中学校、義務教育学校において教育を受けたいとの保護者の意向を受け、市町村教育委員会が特別支援学級の設置を進めるケースがふえてきたことが考えられ、障がい等により特別な支援を必要とする児童生徒の教育の場の充実が図られていると捉えております。
〇吉田敬子委員 地域内、自分たちの住むところでの教育を希望している御家庭がふえているという現状だと思います。市町村教育委員会で学級設置を進めておりますが、県としてどのような支援に取り組んでいるか、その取り組みについての評価をお伺いいたします。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 市町村教育委員会が学級設置を進める場合の県の支援策の評価についてですが、特別支援学級の在籍数、教室数の増加に伴い、担当の教員も増加している中、適切な支援を行うための研修の必要性が高まっていると認識しております。
 県教育委員会においては、特別支援学級等で学ぶ多様な教育的ニーズがある児童生徒に対して、教員が適切に対応することができるように、特別支援学級等を初めて担当する教員を対象とした研修をまず4月の第1週に開催しております。そして、1学期、2学期の各1回ずつ研修を実施しているところです。
 特別支援学級の設置数、児童生徒数の増加の現状を踏まえまして、いわて特別支援教育推進プランにおいては、特別支援教育新任担当、2年目担当、3年目担当を対象とした継続型の研修を実施することとし、3年間にわたって継続的に当該校及び当該教員を支援する取り組みを進めているところです。
 支援策の評価としては、3年間継続して研修を行うことで、一定の専門性の向上につながっていると認識しております。ただ一方で、児童生徒の多様なニーズに対応するためには、さらなる専門性の向上が必要であるとも思っております。
〇吉田敬子委員 御答弁にもありましたとおり、多様なニーズに応えていくというところが、学校現場では大変苦労されているのかなと思っておりますが、一方で、きめ細やかな対応をしっかり整えていく必要がありますので、県として、研修も行いながら、プラス、現場でどのようなことがさらに必要かということを引き続き注視していただきたいと思います。
 その中で、医療的ケア児の就学支援についてお伺いしたいと思います。
 県内の医療的ケア児数、医療的ケア児の就学状況について、特別支援学校と公立の小中学校の現状についてお伺いします。
 県では、医療的ケアを行える看護師と教職員を育成しておりますが、その現状についてどう認識しているかお伺いしたいと思います。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 まず、県内の医療的ケア児の人数及び就学状況の現状についてですが、令和2年度の調査によると、特別支援学校に62名在籍しております。内訳として、通学生が40名、訪問教育対象が22名となっています。公立小中学校については、小学校に8名、中学校に1名在籍しております。
 それに伴う看護師の配置ですが、特別支援学校には34名の看護師を配置しております。小中学校においては、看護師を配置しているケースと、保護者が対応しているケースがございます。
〇吉田敬子委員 特別支援学校には34名の看護師がいらっしゃるということですが、公立の小中学校には、令和2年度は小学校8名、中学校1名ということで、9名の医療的ケアの児童生徒が通っている中で、看護師が配置されているケースと御家族が付き添っているケースがあります。私が課題としているのは、御家族が付き添わなければいけないケースで、本来の支援の方向は看護師等が配置となっているのですけれども、御家族が付き添っているケースについてお伺いしたいと思います。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 小中学校における医療的ケア対象のお子さんに保護者が付き添っているケースについてですが、医療的ケアと申しましても、種類、程度はさまざまです。小中学校における医療的ケアのお子さんの中には、例えば導尿と言いまして、自己導尿も含めてですが、そういう形で軽微な医療的ケアのお子さんもいらっしゃいますし、インシュリン注射も医療的ケアに含まれております。
 例えば、痰の吸引が頻回で常時ケアが必要な場合は、もちろん看護師を配置するという方向で検討すると思いますが、導尿などは定時の医療的ケアということで、そのときだけ保護者に来ていただくであるとか、インシュリン注射等も後々は自分でやれるということを目指しながら、低学年のうちは保護者に来ていただいているケースがあると承知しております。ですので、学年が小さいうちは看護師等が対応するものでも、後々は御自分でできるような医療的ケアの内容もあって、自立に向けて保護者が一緒に付き添いながらケアしているものもあると承知しております。
〇吉田敬子委員 数としてはなかなか言えないのかなと認識しました。
 御家族が御理解されて、自分が学校へ行くので大丈夫ですという御家族もいるかと思いますが、一方で、どうしても看護師を見つけられずに御家族が通っているケースがあると認識しており、そのケースに関してはやはり課題だと思っております。
 県では、保健福祉部と県教育委員会で、医療的ケアを行える看護師等の研修を毎年度されております。これらの看護師は特別支援学校だけに配置するのではなく、公立の小中学校にも同じように配置できるかと思いますけれども、この研修を受けた方々がしっかり実績として現場に行かれているのかお伺いしたいと思います。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 看護師の研修について、県教育委員会が行っている研修は、学校に既に配置になっている看護師に向けての研修会でございます。年に1回、各校に配置の看護師に集まっていただいて、例えば、各校で医療的ケアを行う際の課題やヒヤリ、ハット事例を共有する中で、安全な医療的ケアが実施できるように、学校に配置の看護師に向けての研修と、学校の中で医療的ケアを担当する教員も含めて研修を行っております。
〇吉田敬子委員 保健福祉部のほうでも同様に、医療的ケアを行える看護師等に対して支援を行っております。これは保健福祉部の管轄でありますが、一方で、岩手県重度心身障がい児・者及び医療的ケア児・者支援推進会議は、県教育委員会も一緒に入って協議されていることですので、保健福祉部で取り組んでいることが県教育委員会と連携がとれているのか。それぞれの部局がそれぞれ研修をしている現状なのかなと、改めて認識させていただきました。
 まず、小学校に入る前のことですけれども、就学先決定までの流れとして、市町村教育委員会で就学前年度の12月末までに就学先の決定をされることになっています。盛岡市では、当事者の方々からの声もたくさんいただいて、10月の早期決定で対応していくということで踏み込んでやっていただいておりますが、盛岡市だけでなく、県内全域の市町村で早期決定の声がありますけれども、県の見解をお伺いしたいと思います。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 就学先の10月の早期決定についての県の取り組みですが、現行の制度では、市町村教育委員会において小中学校入学前の10月1日現在での学齢簿が作成されることになっており、そこから就学時健診を実施し、その後、市町村教育委員会が就学先の決定を行うという一連の手続となっております。
 県教育委員会としては、教育支援のためのガイドラインを発行し、学齢簿作成前の早期からの教育相談や、就学前から小学校段階への引き継ぎ体制の確立、関係機関の連携などについて、市町村の好事例とあわせて、研修会や会議等で担当者に周知しているところです。
 あわせて、各特別支援学校の副校長等に就学支援アドバイザーを委嘱し、市町村教育委員会における早期からの教育相談実施への取り組みを支援するなど、全ての市町村において保護者が早い段階から市町村教育委員会に相談し、就学先への見通しを持つことができるように努めているところです。
〇吉田敬子委員 各市町村でそれぞれ頑張っていただいておりますけれども、盛岡市ではできてほかの市町村ではできないという現状は、当事者からすると、ぜひ早目に決定していただきたいと思うのです。でなければ、その後の全ての支援がおくれるということでしたので、県全体でそこを統一というのは難しいかもしれないですが、ぜひ各市町村の取り組みを強化していただきたいと思います。
 岩手県重度心身障がい児・者及び医療的ケア児・者支援推進会議に、令和2年度は、保育と教育の部分の課題を解決するための部会が設置されました。具体的な支援方法について検討されたと伺っておりますが、今後の支援のあり方についてお伺いしたいと思います。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 岩手県重症心身障がい児・者及び医療的ケア児・者支援推進会議に設置された保育・教育部会についてですが、小中学校における医療的ケア児受け入れに係る現状と課題を整理する中で、乳幼児期段階の支援者等から進学先への早期からの情報提供であるとか、各市町村間での情報共有等の必要性が論点となっていたところです。必要な情報を切れ目なくつなぐ機会や、つなぐための様式を整える方策等についても議論を行いました。就学前の早期から、保健福祉部局と教育委員会が、医療的ケアを必要とする幼児の情報を共有するということが今後の課題にも挙げられております。
 県教育委員会の今後の支援のあり方として、県立特別支援学校における医療的ケア体制整備に関する要領等を市町村教育委員会に提供するとともに、既に取り組みを進めている市町村の事例の周知に努めることとしたいと思います。
〇吉田敬子委員 今の御答弁では、保育・教育部会では、看護師配置に関しては特段何も議論されなかったと思うのですけれども、ことし9月に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行されて、子供たちが希望する学校で教育を受けられることが義務になったわけですね。その中で、看護師配置のことも先ほどお伺いしましたが、当事者の御家族からすると、看護師を配置して子供たちに教育を受けさせたいのと、御家族御自身が仕事を辞めなければいけない現状を何とかしてほしいと。自分たちは仕事を続けたいというところの課題があって、この看護師配置の取り組みをしっかり進めていただきたいと思っているのですけれども、保育・教育部会での看護師配置に関して、県として何ら課題は感じていないということでよろしいのでしょうか。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 市町村における小中学校への看護師の配置ですが、例えばある市町村では、特別支援教育支援員として看護師免許を持っている方を雇用し、医療的ケアに対応しているケースもございますので、さまざまな市町村の事情に応じて配置の形があるのかと思います。
 今回の法整備を受けまして、地元で学びたいという医療的ケアのお子さんがふえたとしたときに、どのような形で看護師を雇用し、そしてケアを担当するのかについては、改めて県としても課題として認識し、検討し、市町村と連携してまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 ぜひそのような現場の声をしっかり聞いていただきたい。先ほどは支援を要する児童生徒の話をさせていただきましたが、医療的ケア児が今ふえている中で、子供たち全てに、多様なニーズに応じたきめ細やかな教育の機会を提供していただきたいと思っております。
 看護師配置についても、ぜひしっかり取り組んでいただきたいです。先ほど、特別支援学校において通学と訪問教育の数を答弁いただきました。訪問教育は御自宅で教育を受けているということですが、もしかしてこの中には、看護師がいらっしゃれば通学できる子供たちもいるのではないかと思っておりますけれども、こちらについてはいかがでしょうか。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 詳細なケースについて一つ一つは確認できておりませんが、中には、教育の環境が整えば通学という形をとりたいという児童生徒もいると思われます。ですので、教育環境の整備については、特別支援学校においても、希望して学びの場として学校に通える体制がとれるかどうかについても、一つ一つのケースに応じて検討してまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 今回、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行されて、これがスタートですので、当事者の皆様は大変期待しております。教育現場でしっかり対応していただくことを望みつつ、最後に教育長にお伺いします。
 インクルーシブ教育と言われてずっと経過しておりますけれども、教育現場でさまざまな支援を要する子供たちもふえている中で、このインクルーシブ教育─共生社会の実現というところになると思いますが、県として、インクルーシブ教育の今後の取り組みについて、教育長にお伺いして終わりたいと思います。
〇佐藤教育長 インクルーシブ教育は大変重要な取り組みだと認識しております。また、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行になりましたので、その対応について、私どもも来年度の新たな取り組みに向けて、今さまざま検討しているところでございます。
 今さまざまな支援を要する児童生徒がふえてきている中で、早期にその状況を把握し、それぞれの児童生徒一人一人にどのような形で支援をしていくか。それには、県教育委員会だけではなく、市町村教育委員会と話を深めて、最適な対応を考えていく必要があると思います。医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行されておりますので、このような取り組みについても積極的に検討を進めていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 私からは3点質問をさせていただきたいと思います。
 まず1点目が、今後の学校部活動のあり方についてです。
 課題のポイントとしては、さきに米内紘正委員が質問されました、子供の数が少なくなっていく中で部活動の多様な選択肢をどのように確保していくかという観点と同じでありますが、今後どうしていくべきかという点については、またちょっと違う観点ですので、質問させていただきたいと思います。
 県内小中学校は小規模になってきていて、また、先ほど佐々木努委員が御質問したとおり、部活動の強制加入はしない方向で進み、柔軟な対応に変化していると私も思っておりますし、それがよいことであるというのも同様の認識であります。ただ、人数が少ないということで、廃部になりそうだとか、廃部になった部活もちらほらと見受けられるようになってまいりました。
 その中で、中学生の部活動で兼部ができるのは相撲部、陸上部、スキー部の三つで、それ以外は中学校体育連盟等の決まりがあって兼部が許されていない学校もあるとお聞きしています。なぜこの三つの競技なのか、これはいつ決められたのか。
 また、多様な選択肢を子供たちに与えるためにも、この三つの部活動以外にも兼部ができるように改善する必要はないのかについて、どのような考えをお持ちであるか伺いたいと思います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 中学生の大会参加に伴う中学校体育連盟の規定には、複数の競技、大会参加について規定されていますが、それがいつからかというのは不明でございます。
 今後、多様な活動、大会参加を認めることについては、今般、中学生のスポーツ・文化の活動のあり方に関する研究会を経て、有識者会議から提言が出されました。その中でも、関係団体に求められる役割ということで、大会の柔軟な扱い、合同チーム等の編成、参加基準の見直しの柔軟な運用について検討することとなっております。このような取り組みを進めることによりまして、今後は複数の部活動についての取り組みも含めて、生徒の多様なニーズに応えられるような環境や体制づくりに関係機関と連携していく考えです。
〇ハクセル美穂子委員 今後は、兼部等も含めて多様な部活動のあり方を検討していくというような前向きな御答弁をいただいたと思っております。
 文化スポーツ部でもお話しさせていただきましたが、いわてスーパーキッズ発掘・育成事業で幼少期に多様なスポーツを体験させることによって、運動能力の高い子供の運動能力をさらに高めてトップアスリートに育成していくという実績があるわけですが、運動能力の高い子供だけではなくて、学校教育の中ではいろいろなお子さんがいます。そのお子さんが幼少期にさまざまなスポーツに触れる機会をつくることは、体も非常に健やかに発達する一つになるのではないかと考えおります。
 ただ、教育委員会の中でどのように大会日程を組むのか。大会日程は教育委員会なのかというのもあるのですが、各部活動の大会が同じ日程というのが今の状況でございますので、中学生が二つの部活動を兼部したいといっても、大会日程が重なってしまっている部活動であれば、二つの競技をすることは現実的に不可能な状態であります。
 ですから、県内のスポーツの運営にかかわってくださっているスポーツ団体も含めて、それぞれの競技の振興を図るためにも、これからスポーツを楽しむ子供たちのためにも、どのような仕組みをつくっていくべきなのかということを教育委員会のほうからも議論のテーブルにのせていただきたいと思っているのですが、その点について教育長のお考えをお聞きしてもよろしいですか。
〇佐藤教育長 複数の競技の大会に参加できるような子供たちの活躍の場ということだと思いますが、実際には、岩手県中学校体育連盟や岩手県高等学校体育連盟に各種競技の専門部会があり、そこで年間のスケジュールが決められていると思います。そこからどのような形で大会の調整ができるか、これは大変大きな課題だと思います。
 今年度もさまざまな全国大会で小学生、中学生、高校生が活躍されて、コロナ禍の関係で教育長訪問はなかったのですけれども、近々報告に来られるという話も各連盟から聞いております。そのような機会に、議員からもこのような質問がありましたということも含めて、お話をさせていただきたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 前向きな御答弁ありがとうございます。
 先ほど保健体育課総括課長がおっしゃっていた、岩手県中学生スポーツ・文化活動に係る研究有識者会議のまとめの中にも、全国の事例として、神戸市や札幌市教育委員会で行われている事例などもあるので、直面している課題というのは全国同じなのかなと、私もこの資料を見せていただいて感じました。これは県だけの議論ではないと思います。結局、全国大会も絡んで日程が決まると思うので、全体的な議論の流れができてくると日本のスポーツ振興もさらに進むのではないかと思いますので、国にもこのような状況をぜひ訴えていただければありがたいと思いますが、これは要望で終わらせていただきます。
 次に、二つ目の質問をさせていただきます。GIGAスクール構想で導入したタブレット端末の活用方法についてでございます。
 令和2年度の活用状況については、千葉秀幸委員の御質問の中でお話しされていましたので、その答弁を踏まえた上で追加の部分を質問させていただきます。
 タブレット端末は、今はまず学校の中で使われているということですが、これは不登校児童生徒がオンラインで学校の授業に参加するというような不登校児童生徒に対する取り組みにも活用できると考えおりますけれども、今、岩手県でそのような取り組みを行っているのか、今後どのように活用していくべきと考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
〇三浦首席指導主事兼義務教育課長 1人1台タブレット端末の有効な活用策についてでございますが、委員御指摘の不登校児童生徒に対する遠隔指導について、オンラインによる同時双方向での取り組み事例については、県内ではまだ承知していないところでございます。一方で、不登校の児童生徒が端末を自宅へ持ち帰り、オンラインドリルを活用した学習支援を行い、学級担任がそれを把握し児童生徒と確認を行うという事例が県内にあることは承知しております。
 家庭への持ち帰りが不登校児童生徒へのタブレット端末を活用した指導には必要になると思いますけれども、市町村の環境整備の状況等については、各地域の実情や課題を踏まえた上で、現段階での状況を引き続き改善に向けて進めていく必要があると捉えているところでございます。
 一方で、学校に来ることができない児童生徒に対して学習機会を保障していくということについては、学力の保障のみならず、当該児童生徒の将来的な社会的自立を支援する意味でも非常に重要であると認識しています。
 ICTを活用した学習支援については、児童生徒が自宅にいながら学習に取り組むことができるという利点がある一方で、実際の運用に当たっては、先ほど申し上げました各家庭の通信環境の整備はもちろんありますが、加えて、学校と家庭の十分な連携、協力関係を築いていくこと、あるいは、当該児童生徒の状況を踏まえ、過度の負担にならないように適切な学習内容を検討していくことなど、幾つか留意すべき点もあるところでございます。
 県教育委員会としては、学校がこうした児童生徒の一人一人の状況に寄り添いながら、適切に支援ができるように、市町村教育委員会と連携を図りながら支援してまいりたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 オンラインドリルを少しはやられているというのをお聞きしたのでちょっとうれしかったのですけれども、タブレット端末が1人1台配付になるというのは、コロナ禍で大変な中でしたが、やはり必要だということで進んだよい点の一つであると思っています。
 実は、去年のコロナ禍で一斉休校しなければいけなくなって、熊本市ではオンライン授業に切り換えをしました。そのときに、不登校生徒がオンライン授業であれば少しだけでも授業に参加できるということで参加し始めたという、偶然によいことが起こったのです。そういう声が市内の各学校から複数上がってきて、熊本市では、オンライン授業の不登校生徒に対する活用が有効であるということを見出されているのです。
 熊本市教育委員会では、来年度から本格的にこの取り組みを不登校生徒向けの取り組みとして行うそうで、オンライン学習支援校を設定して、どのように支援していくべきか、試験的にモデル事業実施の取り組みまで進んできているそうです。
 実際に、不登校だったけれども、3学期には学校に通えるようになったお子さんもいるということなので、ぜひとも岩手県でも、これからICTのタブレットを使っていく中で、小規模校でよいと思うのですが、活用がうまくいっているところで不登校児童生徒に対する活用方法を検討して、実証事業などにも取り組んでいただきたいと私は考えているのですけれども、今後そのような考えがあるのかどうかお伺いしたいと思います。
〇三浦首席指導主事兼義務教育課長 委員御指摘のとおり、タブレット端末の活用が不登校児童生徒に対する支援として大変有効ではないかという可能性について指摘されていることは、把握しております。
 ただ、委員からも御紹介があったように、全国でもまだそのような事例が少ない状況の中で、県内でも、そのような活用方法もあるのではないかということで、実際に活用に向けて検討を進めている学校や市町村もあると聞いております。
 県教育委員会としても、そのような学校あるいは市町村と十分に連携を図りながら、また、さまざまな情報提供等も図りながら、そのような活用についても検討を進めていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 ぜひ進めていただきたいと思います。
 最後に、発達障がいのお子さんを診療してくださる医療機関、発達障がいの外来を行うと小児科等との連携や情報共有のあり方について、令和2年度の県教育委員会の取り組みがもしありましたらお伺いしたいと思います。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 発達障がい外来を行うクリニックとの連携状況についてですが、いわて特別支援教育推進プランにおいて、児童生徒の様子や学校での取り組みなどをまとめた引継ぎシートを開発し、令和2年度から児童生徒が進学する際や医療機関を受診する際に、学校と保護者との合意形成のもと、引継ぎシートにより情報共有を行い、学校と医療機関の連携した取り組みを進めています。
 医療機関において、学校での児童生徒の様子や学校での取り組みを理解し受診等に役立てていただけるよう、引継ぎシートの活用、学校と医療機関との連携について、各種会議及び研修会において、引き続き周知を図ってまいりたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 引継ぎシートについては承知しました。
 スクールカウンセラーが行うWISC検査等、諸検査についての情報共有等についてはどのようなお考えでしょうか。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 学校に配置されているスクールカウンセラーは、児童生徒へのカウンセリングを行うことが配置の主な目的であります。スクールカウンセラーが当該児童生徒へのカウンセリングに必要な場合は心理検査を行う場合もありますが、医療機関における診断を目的とした検査とは別なものと捉えております。
〇ハクセル美穂子委員 それでは、例えば保護者から検査をお願いしたいと話があった場合は、どのような対応になるのでしょうか。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 保護者から検査の依頼があった場合においては、例えば、保護者が何を目的として検査を依頼されるのかにもよると思います。学校現場で検査を行う場合は、その対象のお子さんの苦手さ、強さを明らかにし、教育活動に生かしていくことが主な目的でございます。保護者がもちろんそのことを目的とされて、その子の苦手なところをはっきりさせて手だてを打ちたいというのであれば、学校で検査できる者がいれば検査をして、指導、支援に役立てていくこともあるかと思います。
〇ハクセル美穂子委員 私は前に課題として問題意識を皆さんと共有した機会があるのですが、実は今、岩手県立療育センターで受診している方の予約から初診までの待機状況というのが、およそ4カ月です。今どんなに改善したくても4カ月待たなければ初診まで行かないというのが現状で、その点を改善するために、民間の小児科医の方が勉強されて、発達障がい児協力支援医療機関ということで、岩手県医師会で発達障がい児の初期診察をできるような機関をつくる取り組みをされています。ただ、小児科の多くはWISC検査ができるカウンセラーが常にいるわけではなく、保護者の方からそのような情報を渡された場合は診察ができたりとか、検査の制度上の課題点がまだ多くあるそうです。
 学校が理解してくれて、そのような検査結果等も医師と連携している学校に行っているお子さんは、近くの小児科の医師に診てもらいながら早目にそのような診療を受けることができる状況にありますが、そうでない子供は、結局、4カ月、半年待ちながら、ずっと学校で困難な状況を抱えながら学んでいるという状況が今県内にあります。
 検査や引継ぎシートがあるのですから、保護者と医療機関と学校の連携の仕組みをつくっていただきたいと考えておりますので、ぜひ前向きな検討を今後お願いしたいと思います。その点、もう一度、今後の考え方についてお伺いして終わりたいと思います。
〇近藤首席指導主事兼特別支援教育課長 確かに診療に向けて初診の待ちがかなりあるという状況も承知しております。
 保護者の中には、診断を早く受けたいのか、あるいは、教育の中できちんと手だてを受けて、その子に合った教育をしたいのか、やはりそこにも保護者のニーズがあると思います。
 ですので、医療とつながった場合は、医療機関と保護者との目的の共有等を図りながら、やはり一番は子供が自分の苦手さなどを理解しながら環境に適応して学びを進めていく、そこが一番大事なところだと思いますので、保護者と共有しながら、学校と、医療につながった場合は医療機関とも連携を進めていきたいと思います。
〇田村勝則副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時29分 休 憩

午後2時47分 再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇千葉盛委員 それでは質問させていただきます。
 まず、いじめ等について。先ほども質問がありましたが、2020年度のいじめ認知件数が前年度より増加したということで、まず、県としてしっかりといじめについて対応、対策ができているのかお伺いいたします。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 いじめの対策についてでございますけれども、先ほどもお答えしましたが、教職員の資質の向上を図るとともに、安心して学校生活を送ることができる居場所づくりや、児童生徒が主体的に取り組む協働的な活動を通して自己有用感を育み、きずなづくりに取り組んできたところでございます。
 いじめは、どの子供にも、どの学校でも起こり得るとの前提のもと、初期段階のいじめであっても積極的に認知することが重要であり、近年のいじめの認知件数の増加については、いじめ事案が深刻化する前に組織的に対処してきた結果であると捉えております。
 今後におきましても、教師がいじめの問題を決して一人で抱え込むことなく、学校いじめ防止基本方針に基づき、いじめの未然防止に向けた具体的な取り組みの強化やいじめの認知、それに伴って早期発見と適切な対処ということで、重大事態発生の防止に取り組みながら、それぞれの事案の解消や解決に向けて、各学校を支援してまいりたいと思っております。
〇千葉盛委員 その中で重大事態が8件起きているようですけれども、それに対してどのような対応がなされているのか、また、それは解消されているのかお伺いいたします。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 重大事態については、今年度の問題行動等調査により初めて内容について公表することになりましたが、第1号と呼ばれる児童生徒への重大な被害等に係るものが2件、相当期間の欠席が6件、計8件と認識しているところでございます。
 その8件については、重大事態になりましたので、各組織において第三者を含めた調査委員会を立ち上げて調査を進めて、解決に向けて取り組んでいるところですが、先日の追跡調査によると、4件が解消しておりまして、残り4件については、現在調査を継続している、または、報告書を作成中と捉えているところでございます。
〇千葉盛委員 その重大事態については、引き続きしっかりと対応していただければと思います。
 次に、学校におけるいじめ等の認知ということで、さまざまなツールを使ってやっていると思うのですけれども、その中で、いじめや体罰、家庭内での虐待などの問題に対する活動として、小中学校の児童生徒に子どもの人権SOSミニレターが配布されていると思いますが、学校ではこれがどのように活用されて、学校での問題把握や解決に反映されているのかお伺いいたします。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 小中学校での子どもの人権SOSミニレターの活用についてでありますが、法務局の子どもの人権SOSミニレターは、小中学校を通じて全ての児童生徒に配布しており、援助希求の一つであると認識しています。
 相談したい児童生徒は、いじめや体罰、家庭内での虐待など、さまざまな悩みを手紙により直接法務局に相談できるもので、法務局では、届いたミニレターの内容により、学校や関係機関と連携を図りながら、その解消に努めているものと承知しております。
 困ったときには一人で悩まず、学校の内外を問わず相談しやすいところに相談することが最も重要であると認識しておりますので、今後も、さまざまな機会を捉えながらその周知を図っていくよう、引き続き努めてまいりたいと思っております。
〇千葉盛委員 そのようなさまざまなことを通して、子供にどのようなことが起きているのかしっかり調べていってほしいのですけれども、このミニレターも、ただ子供たちに配るだけではなくて、子供たちがその意味をきちんと理解して活用してもらわなければ意味がありません。そういったところはしっかりと活用されているのか、把握されているか、その辺についてお伺いいたします。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 子どもの人権SOSミニレターについては、ただ配るだけではなく、法務局の職員の方が直接学校に来られて教職員に話をしたり、また、学校によっては直接その意図を話しながら配布するという状況であると認識しておりますので、子供たちにその意図がきちんと伝わるように今後も周知を図ってまいりたいと思います。
〇千葉盛委員 認識しているということと、学校によってはただ配っているだけというのも散見されますので、このような一つ一つのことが子供の状況把握に本当に必要なことでもありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次は、学校での体罰についてお伺いいたします。
 再発防止岩手モデル策定に向けての進捗状況はどのようになっているのか、また、体罰を行った教員の調査状況や処分はどうなっているのか、お伺いいたします。
〇木村首席経営指導主事兼県立学校人事課長 再発防止岩手モデル策定委員会の進捗状況についてでございますが、ことし1月に第1回再発防止岩手モデル策定委員会を開催し、これまでに4回の策定委員会を開催したところでございます。
 策定委員会では、八つの部会を設置して再発防止に向けた具体的な検討を行い、その部会の提案に対し、策定委員会の場で各委員から御意見等をいただきながら進めているところでございます。
 これまでに、再発防止岩手モデル策定に当たって、御遺族及び被害者家族からの意見聴取の場を設け、御意見や御要望をいただいたところでございます。また、部会から、当時の学校及び県教育委員会における対応状況の調査結果に係る中間報告をし、各委員、御遺族等から、追加調査が必要な部分や結果の整理の仕方などについて御意見をいただいたところでございます。これらの御意見等を踏まえながら検討を進め、学校現場における体罰、ハラスメントの再発防止等に向け、再発防止岩手モデルの策定に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、元顧問教諭に対する措置については、当時の管理職、同僚、部員など関係者に対して事実関係の確認作業を進めている状況でございます。
〇千葉盛委員 とすれば、再発防止岩手モデルは年度内に策定されるということでよいのかということと、元顧問教諭への処分について、これは体罰があって生徒が亡くなってしまったということが事実としてあるわけですけれども、処分までにどうしてこんなに時間がかかっているのかお伺いいたします。
〇木村首席経営指導主事兼県立学校人事課長 再発防止岩手モデル策定の見通しについてでございますが、それぞれの部会において設置目的に応じた検討を進めているところでございます。策定委員会において協議、集約し、取りまとめのできたものについては、今年度末から順次公表を目指して進めているところでございます。
 本事案の処分については、県教育委員会としても重大事案という認識のもと、御遺族の要請を踏まえて、第三者委員会による調査を行ったものでございます。調査報告書においては、本事案の発生に関して、元顧問教諭だけでなく、学校や県教育委員会の対応の問題点についても考察されておりまして、本事案の関係職員に対する措置の検討に当たっては、そのようなことも含めて、当時の関係者に事実関係の確認作業を進めているところでございます。
 また、一般的に非違行為に対する措置を検討する場合には、これまでに措置の対象になっていない過去の類似行為がないかどうか確認することとしているため、その確認作業も並行して進めており、時間を要する状況となっているものでございます。
〇千葉盛委員 再発防止岩手モデルの策定については、しっかりとよろしくお願いします。
 処分については時間を要しているということですが、いつ頃までに調査を終わらせて処分を下していこうと考えているのかお伺いいたします。
〇木村首席経営指導主事兼県立学校人事課長 本事案に係る関係職員に対する措置については、必要な事実関係の確認作業を進めている状況でございまして、現時点で措置の時期については、事実確認、措置の要否、量定等についての検討が終了次第としか申し上げられないことを御容赦願いたいと思っております。
〇千葉盛委員 次に、教育活動や部活動についてお伺いします。
 昨年来、コロナ禍において教育活動や部活動がかなり制限されてきたと感じております。特に岩手緊急事態宣言下において、修学旅行や遠足、体験活動など校外活動についても、外部との接触のある活動内容を見直し、適切な感染防止対策を徹底することとしており、活動自体の自粛は求めていない中で、県内の学校としては校外活動についてどのような対応が行われたのかお伺いいたします。
〇須川首席指導主事兼高校教育課長 岩手緊急事態宣言下における校外活動についてでありますが、令和3年8月12日付、学校教育長通知、新型コロナウイルス感染症岩手緊急事態宣言についての中で、外部との接触がある教育活動を見直し、適切な感染防止対策を徹底することとしており、各県立学校では、その通知を受け、各校の状況に応じて適切に対応していると承知しているところでございます。
〇三浦首席指導主事兼義務教育課長 小中学校においては、例えば修学旅行について、旅行先の感染状況や児童生徒及び保護者の意向を踏まえた上で、延期や中止の判断をしたり、感染対策の徹底や活動内容の見直しを行った上で実施する学校があるなど、設置者である市町村教育委員会の方針のもと、校外活動等の実施の可否や延期等について、各学校において適切に判断されたものと捉えております。
〇千葉盛委員 では、次に部活動についてお伺いいたします。
 夏季休業中の原則休止のみにもかかわらず、各市町村での対応の仕方や県施設の休館等の影響により、休み明けの部活動やスポーツ少年団の練習ができる地域、できない地域、あと、大会が実施できた地域、できなかった地域など、地域やスポーツの種類、練習施設などによって差が生じてしまったようですが、これを市町村や関係機関等に委ねるだけではなく、県の解決や調整する努力がもう少し必要だったのではないかと思いますけれども、このことをどのように捉えているでしょうか。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 休み明けの部活動等に地域や競技により差が生じたことについてでございますが、県教育委員会では、県立学校に対し、感染状況に応じた対応や留意事項について通知し、適切な活動の実施を促してきたところでございます。
 中学校については、市町村教育委員会に対し、県立学校の取り組みに準じた対応を要請しています。また、スポーツ少年団については、県体育協会から市町村教育委員会等と連携した活動を依頼しておりますことから、県内の学校における部活動等においては、共通した取り組みをお願いしたところでございます。
 通常の活動において、学校施設以外の場所を利用している部活動等については、コロナ禍の影響による施設閉館等の関係で、活動が制限された状況もあったと把握をしています。
 今後も、感染拡大防止を最優先にした上で、部活動やスポーツ活動に取り組む児童生徒の活動の機会がしっかりと保障されるよう、関係機関と連携してまいります。
〇千葉盛委員 その中で、県外の全国大会に参加した生徒や教員が一定期間学校を休まされるなどの対応が行われたところもあったようですが、適切な対応が行われていたのか、県内の状況についてお伺いいたします。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 全国大会に参加した生徒や教職員への対応についてでございますが、県教育委員会では、県立学校及び市町村教育委員会への通知において、全国大会等への参加については、主催者が講じる感染防止対策に従うとともに、会場となる地域の感染状況等を事前に確認するなど、慎重に判断し、保護者の同意を得て参加すること、また、大会参加前後の健康観察を徹底することを通知したところでございます。
 なお、市町村の中には、大会が開催された地域の感染状況等を踏まえて、帰県後、参加者に対しPCR検査の実施を依頼し、検査結果が判明するまでは自宅待機としたという事例があったことは把握しておりまして、このような事例については、設置者として適切に対応されたものと認識しております。
〇千葉盛委員 PCR検査の結果が出ても何日か休んだという話も聞きましたので、今後は、そういうところを把握しながら、適切な対応をしていただければと思います。
 部活動の時間についてですが、スポーツ庁のガイドラインでは、部活動の活動時間が、平日2時間、休日3時間、週2回以上の休養日を設けることなどを求めておりますが、これが県内ではどの程度守られているのか、現状についてお伺いします。
 一方で、たださえコロナ禍の中で思うように活動ができていない状況で、これを過度に遵守する余りに、かえって活動できないストレスを抱えたり、プレーに支障を来す生徒が出ている事例もあるようです。生徒たちの意見も反映させながら臨機応変に対応できるように、学校や体育協会など、スポーツにかかわる人たちと話し合っていくべきだと思いますが、あわせてお伺いいたします。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 スポーツ庁のガイドラインに準じた実施状況についてでございますが、県教育委員会では、ガイドラインに沿って、岩手県における部活動の在り方に関する方針を策定し、適切な部活動の推進に努めるところでございます。
 部活動の休養日や活動時間については、県内各学校の方針に基づき、適切な活動が行われているものと認識しております。
 また、コロナ禍における活動については、委員御指摘のとおり、物足りなさを感じたり、自粛期間があって、活動したいという生徒の要望もあろうかと思いますが、現在、コロナ禍の感染防止対策を講じた上で、可能な限り生徒の活動を保障するという観点のもと、また、コロナ禍が収束した状況では、今取り組んでいる適切な部活動の推進という観点から、方針に基づいて進めていただきたいと考えておりますので、生徒の声を聞きながらも、適切な部活動が進められるように取り組んでまいります。
〇千葉盛委員 最後にいたしますが、コロナ禍を理由に子供たちの教育活動や部活動がかなり制限されてきたと感じております。子供たちの教育活動を最優先にできるように、感染対策をしながらしっかりと進めていっていただきたいと思いますが、最後に教育長の所見を伺って終わりたいと思います。
〇佐藤教育長 新型コロナウイルス感染症の対応等についてございますが、学校現場での教職員あるいは児童生徒のさまざまな工夫や努力によって、学校で大きな感染拡大に至ったという事例は起きておりません。また、各種大会等も、子供たちの日ごろの活動の成果を発表できるような万全の対策を講じながら実施され、そこでの感染確認も幸い出ておりません。これも本当に多くの関係者の皆様方が、児童生徒の学校教育活動、また、さまざまな活動に対して、可能な限り実施できるような取り組みをしていただいたということでございます。
 最近は、感染者は確認されておりませんけれども、いつまたどのような形で感染拡大が生じるか不明なところもございます。今後も、これまでどおり、まず児童生徒の活動の機会を可能な限り確保する取り組みと、新型コロナウイルス感染症対策にも万全を期してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 再発防止岩手モデル策定委員会の取り組みと顧問教諭の処分の問題について、関連でお聞きをいたします。
 先ほどの答弁で、この間、再発防止岩手モデル策定委員会は4回開催されて、県教育委員会、学校の対応については中間報告が出されたと。そして、今年度末から順次、まとまったものについては公表という答弁がありました。
 八つの分科会での検討はあると思いますけれども、再発防止岩手モデルというのは一つのまとまったもので、分科会での検討されたものがばらばらに出されるような性格のものではないと思うのですが、この点はどうなのか。
 もう1点は、顧問教諭の処分の問題です。県立不来方高校事件については、第三者委員会が、23回でしたか、長期にわたってかなり丹念な事実経過を明らかにして、個々には顧問教諭の暴言、体罰について具体的に認定をされた。県教育委員会、学校の対応の問題点も指摘をされました。
 もう一つは、県立盛岡第一高校事件というのがあって、実は、不来方高校の前は盛岡第一高校の顧問だった。ここでも暴言、体罰事件というのがあって、学校や県教育委員会は全く対応しなかったために裁判に訴えられたのです。それで仙台高等裁判所まで争って、そこで体罰、暴言というのが裁判で認定されて、賠償が求められたということです。いわば盛岡第一高校事件は裁判で事実が明らかになり、不来方高校事件は第三者委員会が長期にわたって事実経過を明らかにした。
 先ほどの答弁を聞くと、顧問教諭に事実確認を求めていると言っているけれども、この確定した裁判、第三者委員会の長期にわたる調査結果を踏まえたら、1年も2年もかかるような事実確認ではないと思うのです。何でこんなに時間をかけているのか。処分しなかったら毎月給料は払われるのですよ。処分の基準から言ったら、免職に値するような事件だったと思います。なぜこんなに時間がかかっているのか、そのことについてお答えいただきたい。
〇木村首席経営指導主事兼県立学校人事課長 再発防止岩手モデル公表のスケジュールについてでございますが、先ほど各部会で検討したものから順番にという答弁をさせていただきましたけれども、もちろん部会としては、再発防止岩手モデル策定委員会にかけて全体の場で議論いただいた上で、共通の認識のもと、再発防止岩手モデル策定委員会の場を経た形で提示していくという形で進めたいと考えております。
〇八重樫参事兼教職員課総括課長 処分の時期についてですが、前任校の事案に関しては、確かに裁判で事実が確認されまして、そのことについては処分を行っているところでございます。
 今、措置を検討しているのは現任校の事案であり、先ほど斉藤信委員からも御指摘のあった第三者委員会による調査については、御遺族の御要望を踏まえて、県教育委員会が捜査等に関与しない形で行われたものでございます。また、調査報告書の中の記述においては、本報告書で述べていることは、法的責任を前提とするものでも、また、特定の個人の責任を問うものでもないと明記されております。したがいまして、任命権者である県教育委員会として、改めて事実関係の確認をしっかりと行った上で、措置についての判断を行う必要があると考えておりまして、現在、必要な調査を実施しているものでございます。
〇斉藤信委員 再発防止岩手モデル策定委員会の部会で、県教育委員会、学校の対応については中間報告が出たと言いました。その他はどうなのですか。全体としてどういう進捗状況なのか、そのことをまず示していただきたい。
 あと、顧問教諭の処分で言いますけれども、あの盛岡第一高校事件の処分は極めて甘かった。それは、不来方高校事件があるから、極めて限定したような処分だったと思います。だから、盛岡第一高校事件にふさわしい処分では全然なかったと思います。
 あの事件は、体罰、暴言で被害者は不登校に陥り、精神的に重大な打撃を受けて、大学進学の受験もできなかったのですから、まさに青春を奪われたような事件でした。
 そして、不来方高校事件は、実はあの調査報告書の中身は何かというと、丹念に事実経過を明らかにしたのです。そこにあの調査報告書の一番の特徴があるのです。事実経過を明らかにしたのですよ。個人の責任は問わなくても、どういう事件だったか、どういう背景で、顧問教師がどういう発言、暴言をしたか、明らかになっているのです。そこまで事実が第三者で徹底して解明されているのに、県教育委員会が、1年どころではない、2年も事実確認をしていること自体が異常ではないですか。放置していると言われても仕方ないですよ。いつまでにけじめをつけるつもりなのか。そういうけじめをつけてこそ、再発防止岩手モデル策定委員会は、本当に責任を持った再発防止岩手モデルを出せるのだと思いますけれども、改めてお聞きします。
〇八重樫参事兼教職員課総括課長 措置の進捗状況についてでございますが、先ほど県立学校人事課長からも申し上げましたとおり、関係者へ事実関係の確認を行っている状況でございます。
 特にこの事案に関しては、先ほど前任校での事案で裁判になった部分については処分したと申し上げましたが、その裁判の中において争点とされた行為以外にも類似の行為があったと疑われるような内容が記載された書証が提示されたことから、その具体的な内容についても調査し、事実関係を確認する必要があるということで、そういうところにも時間を要している状況でございます。
〇木村首席経営指導主事兼県立学校人事課長 各部会の進捗状況についてでございます。第4回では、人事管理等検討部会の理由解明チームのみの報告でございましたので、第3回までの報告で把握しているものについてお答えさせていただきたいと思います。
 まず、体罰・ハラスメント防止マニュアル・ガイドライン検討部会では、現在、教職員に対する意識調査を実施しております。これはマニュアル、ガイドライン等が現場でどのように認識され、どのように活用しているのか、現場の教員の体罰、ハラスメントに対する意識、あるいは現場での体罰、ハラスメント防止のためにどのような取り組みをしているか等について意識調査をしており、現在集計中でございます。
 部活動指導者研修検討部会については、コーチングスキル、スポーツ・インテグリティに関する研修会の実施について報告がございました。
 進路指導・キャリア教育検討部会については、これまで実施していた研修会、大学進学を希望する生徒が多い学校の教員を対象とした、みずからの意思と責任により進路選択をする能力の育成等の研修会を実施したという報告がございました。
 管理職研修検討部会からは、新任校長、新任副校長研修で実施したボトムアップの手法による職場づくり、生徒指導における危機管理等の研修を実施したという報告がございました。
 部活動参加体制検討部会については、現在、県立高校の入試改善検討委員会が立ち上がっておりまして、それについても進めているという報告がございました。
〇高田一郎委員 最初に、児童生徒の新型コロナウイルス感染症の感染状況と今後の感染対策について質問いたします。
 まず、昨年度と今年度の児童、教職員の感染状況及び教職員のワクチン接種の状況はどのようになっているのでしょうか。
 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は子供たちに大きな環境変化をもたらしていると思います。きょうも議論になりましたいじめや不登校、あるいはストレスや肥満の増加などの健康の悪化も指摘されています。県教育委員会はこの影響についてどのように把握されているでしょうか。
 また、児童生徒の受診抑制も大変心配、危惧しております。学校における定期健診での要受診児童の受診の実態把握はどのようになされているのか、まとめてお聞きいたします。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 県内公立学校における児童生徒の新型コロナウイルス感染症への感染状況についてですが、児童生徒合わせまして、令和2年度は29名、令和3年度は10月15日現在で242名の感染が確認されています。
〇八重樫参事兼教職員課総括課長 教職員の新型コロナウイルス感染症への感染状況についてでございますが、令和2年度は5名、令和3年度は10月15日現在で36名となっております。
 続きまして、教職員の新型コロナウイルスワクチン接種のこれまでの状況についてでございます。10月15日取りまとめ時点の状況として、市町村立学校及び県立学校を合わせたワクチン接種を希望する教職員については、一部未報告の市町村を除き、2回目の接種を終えた割合は約84%となっております。これに1回目の接種または1回目の接種の予約を終えた教職員を含めた割合では、約97%となっております。これは、県内の各市町村や医療機関、そして県内の大学など多方面から御協力をいただいたことから、ワクチン接種が進んできたものと認識しております。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 新型コロナウイルス感染症の感染拡大による子供の環境変化への影響についてでございますが、先日公表された問題行動等調査では、新型コロナウイルス感染症の感染回避に起因する長期欠席者という項目が新たにつくられまして、そこでは何名かの欠席が確認されたものの、そのほかについては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による子供の環境変化の直接的な影響については、分析、確認できていない状況でございます。
 一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により、学校教育活動に一定の制限が生じていることについては認識しているところでありまして、引き続き、児童生徒が安心して学校生活を送ることができる居場所づくりや、主体的に取り組む協働的な活動を通して自己有用感を育み、きずなづくり等に取り組んでまいりたいと考えております。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 学校健診による要受診児童の受診状況についてでございますが、学校健診により要受診の診断を受けた児童の中には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を懸念し通院を控えたり、医療機関の状況により予約がとれなかったりするなど、受診を希望しても受診できなかったケースもあったと承知しております。
 要受診の児童が医療機関受診の際にどの程度新型コロナウイルス感染症の影響を受けたか、その数等についての詳細は把握しておりません。
 今後も、要受診の児童については、感染防止を優先した上で、速やかに受診できるよう、保護者に早期の受診を促すなど、市町村教育委員会と連携して取り組んでまいります。
〇高田一郎委員 新型コロナウイルス感染症の感染は減少しているものの昨年と比べて大幅にふえており、今後の第6波も懸念されるわけでありますので、一層の対策が必要になってくると思います。
 そこで、最後に答えていただいた学校での定期健診に伴う要受診の児童の受診の実態についてであります。今の答弁では、要受診とされた児童の受診について、県教育委員会としては把握されていないということでありました。それで、岩手県保険医協会が学校に行った調査―この結果についてはホームページにありますが、これを見ますと、要受診のうち歯科、眼科、内科、耳鼻科などの未受診者は、小学校、中学校を問わず5割、6割、いわゆる半分以上の子供たちが、再受診が必要なのだけれども受けていないという実態が明らかになりました。
 この調査内容を見ますと、例えば受診勧告を出しているけれども受診していないため目を細めながら生活しているとか、眼科に行かない子は入学からずっと受診していないので年々視力が悪くなっている、そういう中で学校で学ばなければならないという事態になっていますが、市町村教育委員会はこの結果については把握していると思います。
 未受診の理由は、やはり新型コロナウイルス感染症の影響もあると思います。全てがその理由ではないと思いますけれども、その理由、原因を明らかにしながら、県教育委員会としても、市町村教育委員会と連携し、いかに支援をして病院に行ってもらうか、市町村任せにしないで、県もしっかりとここにかかわっていく必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 委員御指摘のとおり、要受診の生徒については、未受診の理由が新型コロナウイルス感染症にかかわらず、早期受診が大事であると思います。家庭の理解がまず何より一番かと思います。学校を通じて保護者への周知を図りながら、市町村教育委員会とも連携して、原因を把握して取り組んでまいりたいと考えています。
〇高田一郎委員 よろしくお願いいたします。
 それで、ことしの子供の新型コロナウイルス感染症の感染状況は昨年の8倍にもなっております。保護者世代のワクチン接種比率も低く、今後も第6波の心配もあると専門家からも指摘されておりますので、引き続き学校現場における感染対策が非常に重要な課題になっているのではないかと思います。
 そこでお伺いしますけれども、スクールサポートスタッフは、学校現場で感染対策、あるいは教職員の負担軽減等、大きな役割を果たしてきたと思いますけれども、この配置状況と成果、効果はどうだったのか、この点について伺います。
〇八重樫参事兼教職員課総括課長 新型コロナウイルス感染症対策のスクールサポートスタッフについてでございます。令和2年度は、全ての学校に配置することとして予算措置を行い、実績としては、小学校で283名、中学校で138名、義務教育学校で2名、高等学校で71名、特別支援学校で18名の計512名の配置となったところでございます。
 令和3年度においては、当初予算で措置した70名に、第2号補正予算で112名を増員いたしまして、配慮を要する児童生徒が在籍する特別支援学校や一定規模以上の小中学校を中心に配置し、未配置校については、配置校のスタッフによる巡回や必要に応じた出張等も行いながら、地域全体で感染防止に取り組んでいるところでございます。
 これらのスタッフが、教室内の換気や消毒などの感染症対策作業、児童生徒の健康観察の取りまとめ作業等に従事することで、教員の負担が軽減され、児童生徒への指導や教材研究等に注力できるようになるなど、コロナ禍における学びの保障につながる成果が得られたものと考えております。
〇高田一郎委員 コロナ禍における感染対策、あるいは教職員の負担軽減につながる大変大きな役割を果たしてきたという答弁でありました。
 今答弁があったように、令和2年度は512名のスタッフで、ほぼ全ての学校に配置したと。しかし、今年度は182名と大幅に減ったわけですが、なぜこうなったのですか。昨年に増して学校の感染対策をさらに強化しなければならないわけでありますけれども、なぜこうなったのでしょうか。
〇八重樫参事兼教職員課総括課長 令和2年度は、学校における消毒作業等の衛生管理を初め、講ずべき感染症対策の程度がはっきりとしていなかった中で、国の大規模な補正予算があったことから、全ての学校に配置し、感染対策に万全を期すこととしたものでございます。
 今年度は、当初予算編成段階においてワクチン接種が順調に進むという前提のもと、当面の措置を講じることとしたもので、また、学校における衛生管理についても、知見に基づくマニュアル等が整備されてきたことから、国庫補助の考え方を踏まえた上で、最低限必要な人数を配置することとしたものでございます。
〇高田一郎委員 そうすると、これは国の補正予算が令和2年度はあったけれども、今年度はなくしたということですね。県教育委員会はこれを了とするのですか。
〇八重樫参事兼教職員課総括課長 スクールサポートスタッフの充実については、今年度は、県の政府予算要望の中でスクールサポートスタッフの配置に係る国の予算の拡充について要望しています。そのほか、全国知事会、北海道東北知事会等の機会も捉えて要望しているところでございます。
〇高田一郎委員 国の補正予算が措置されなかったということで、本当に感染対策は大変大事なのだけれども、ますます大事になっている中で削ったということは、国や文部科学省は何を考えているのかという思いをしております。今年度は、いろいろお聞きしますと、独自の予算を措置して一定程度努力したということは評価しますが、答弁があったように、今後第6波も予測されるわけで、今感染者が減少しているときだからこそ感染対策が必要になっています。これに対しては、やはり国が責任を持ってしっかりと予算が措置できるように対応していただきたいと思います。
 もう一つは、子供たちに対する検査体制の強化であります。こういう感染が減っている中にあって、だからこそ、検査体制を強化して封じ込めるという戦略が大変大事だと専門家も指摘されています。そこで国は、地方自治体、教育委員会に抗原検査キットの配布を行いました。岩手県内の学校にはどのように配布されているのか、活用状況はどうなっているのか、この点について伺います。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 抗原検査キットの配布については、高等学校分については既に全ての学校に配布しております。小中学校については、市町村教育委員会に一旦配送されたものが22市町村、学校に直接配布済みが7市町村、まだ到着していないのが2市町村でございます。
 活用に当たりましては、学校医の指導のもと、検査実施前や検査実施後の手順をあらかじめ決めておくことですとか、保護者から同意書を得ておくことなど、検査実施体制を整備した上で使用することとしております。活用に向けては、各学校において児童や保護者に丁寧な説明の上、理解を得ながら各学校において体制の検討を進め、今後に備えている状況でございます。
 今後は、各学校において実施体制の整備が進められるように支援し、抗原検査キットの有効活用につなげてまいります。
〇高田一郎委員 抗原検査キットの活用状況もお聞きしたのですけれども、今の答弁ですと、活用されていないということですか。市町村教育委員会、学校までは届いているけれども活用はされていないという状況ですか。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 現在、実施体制の整備を進めているところで、整った学校もあると伺っております。
 学校での指導としては、基本的には、発熱等の風邪症状がある場合は、登校せず自宅で療養し、登校後もその症状が出た場合は、速やかに帰宅し医療機関の受診を促すことを基本として対処していると捉えております。
〇高田一郎委員 今、体調不良になった場合には医療機関を受診するよう指導することが基本だという答弁でした。直ちに医療機関を受診できない場合に対応するというのが文部科学省の方針でもあり、今の答弁と同じであったと思います。
 そうではなくて、私たちは新型コロナウイルス感染症と1年数カ月闘ってきて、多くの若者、子供たちは無症状者なのです。第5波では無症状の子供から大人に感染して、そして家庭内感染で大変になったということですから、症状が出たから検査するのではなくて、今後は、無症状者を早く発見して保護、隔離するという方向に変わっていかなければだめだと思うのです。
 ドイツでは、週2回、自宅や学校で検査ができるなど、既に体制が整った国も出てきています。症状が出てから対応するのではなく、その前に発見して保護するという方向に転換すべきで、県教育委員会もそういう方向で考えていくべきだと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
〇清川首席指導主事兼保健体育課総括課長 現段階の活用の手引においては、症状がある生徒、教職員のみに使用することになっています。現在はその手引に従って進めるしかございませんが、今後、さまざまな対応が求められたときには、柔軟に対応していく考えでございます。
〇高田一郎委員 手引がそうなっているのはわかりますが、新型コロナウイルス感染症は、子供、若者の多くが無症状で、それが大人に感染して広がっていくという特徴を持っていますので、検査体制のあり方について抜本的に考えを改めていただきたいと思います。
 それで、修学旅行のこともお聞きしたいのですが、修学旅行もかなりの学校で中止を余儀なくされ、さまざまな学校行事も中止になっております。子供たちは本当に長い間の我慢で、不満やストレスが広がっていると思います。
 新型コロナウイルス感染症に対する正しい情報を児童に提供して、感染の仕組みを学んだり、あるいは、単なる受け身ではなくて、自分の頭で考えて納得して行動する。今子供たちが我慢していることあるいは感染対策が、社会に役立っているのだということを教える、学ぶ。今子供たちには本当に無力感が広がっているわけですから、そのようなことを防ぐ教育が非常に大事になっているのではないかと思います。
 この点で、県教育委員会はどのような努力、また学校現場ではどのような対応をされているのかお聞きしたいと思います。
〇三浦首席指導主事兼義務教育課長 学校における新型コロナウイルス感染症についての学びについてでございますが、新型コロナウイルス感染症について正しく理解し、感染症を恐れるだけでなく、児童生徒が、自分は何ができるか、あるいは、何をすべきかを考え行動することで、自分が周囲や社会へ与える影響について前向きに捉えることができるような教育を行う必要があると捉えているところでございます。
 例えば、県や国が紹介した新型コロナウイルス感染症を正しく理解するためのさまざまな資料を活用して、新型コロナウイルス感染症に対する知識だけでなく、そのことが及ぼす差別意識や不安等への影響について主体的に考えてお互いに話し合い、一人一人の人権意識や思いやり、あるいは生命尊重の心などを育む取り組みを行っている学校があると承知しております。
 また、児童会や生徒会が中心となりまして、医療従事者に感謝や激励のメッセージを届ける取り組みを行うなど、児童生徒の活動が地域や社会に元気を与えた事例もあると聞いております。
 県教育委員会としては、子供たちがみずから考え行動する中で、未来に希望を持って自己実現を目指すことができるよう、市町村教育委員会と情報共有しながら、今後も支援してまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 最後に、一関工業高校と水沢工業高校の統合問題についてお聞きいたします。
 さまざまな議論があって、新たな県立高等学校再編計画後期計画が策定されましたが、今後の取り組みについて、統合校の設置場所についてはお互いに引っ張り合いがあってはならないと思います。また、産業人材のニーズに応え、生徒にとって魅力のある学校にしていく必要があると思います。
 今後の議論のあり方、スケジュールについて簡単に説明してください。
〇森田高校改革課長 今後の進め方についてでございます。
 県南地区の工業高校の統合については、新たな立地も含めて設置場所を選定する方針としており、その設置場所については、外部有識者等で構成する委員会による協議も検討しているところでございます。
 今後、これと並行しながら、統合対象校間において、統合新設校の学習内容や学校運営などに関する検討、調整等を進め、その後、地域の代表者、学校関係者で構成される統合検討委員会を設置し、統合新設校に係る具体的な内容、魅力的な学校づくりについて検討してまいりたいと思っております。
〇千田美津子委員 まず、学校での校則問題についてお聞きいたします。
 今、校則のあり方が社会問題となってきました。校則は教育活動の一つであり、本来は学校で決めるものだと思いますけれども、子供の人権問題に直結するという特徴があります。というのも、校則で子供の髪型や服装などのいわばライフスタイルを規制する場合、ライフスタイルはその人の基本的な人権に抵触することにつながるからです。
 そこで何点か具体的に質問いたします。
 ことし6月8日付で文部科学省が校則の見直しについての通知を出したところでありますけれども、県教育委員会としてはこの通知をどのように受けとめ、どう対応されたのかお聞きいたします。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 文部科学省の校則の見直しについての通知に関する受けとめについてでありますが、文部科学省から校則の見直し等に関する取組事例についての事務連絡を受け、6月10日付で県教育委員会からも、学校の実態に応じた校則の見直し等に対する取り組みについて通知したところでございます。
 校則は、社会通念に照らして合理的と見られる範囲で、学校や地域の実態に応じて適切に定められるものであり、学校種や児童生徒の実情、地域の状況、校風など、学校がその特色を生かし、創意工夫しながら、必要に応じて見直すべきものと捉えているところでございます。
 県教育委員会では、本年7月に県立高等学校に対しアンケート調査を実施したところであり、各学校の実態把握とともに、今後とも積極的に見直すように指導してまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 県教育委員会としても、文部科学省からの通知に基づいて、6月10日付で県教育委員会としての通知を出し、また、7月には県立高校に対して調査を実施されたということで、前向きに取り組まれていると感じました。県立高校の調査の件は後で質問いたします。
 それで、県内の中学校、高校における校則見直しの状況はどうなっているか、把握をされているでしょうか。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 県内の中学校、高等学校における校則の見直しの状況についてでありますが、先ほどの文部科学省からの通知を受け、県立学校だけではなく、市町村教育委員会にも、学校の実態や地域に応じた校則の見直し等に対する取り組みについて通知したところでございます。
 中学校の実態については把握しておりませんが、県立学校の状況については、本年7月にアンケート調査を実施して把握したところでございます。その結果によりますと、令和になってから校則の見直しを行った県立高等学校は63%、見直しを検討している学校は31%という状況でありまして、県立のほとんどの高等学校において、適切に見直しをした、または見直しをしている状況であると把握しているところでございます。
〇千田美津子委員 市町村教育委員会にも通知を出しているということで、県立高校については、今御答弁があったように、令和になってから見直しをしているのが63%、今後見直しを検討しているのが31%で、かなりのところが見直しをする方向にあるということがわかりました。
 市町村教育委員会にも通知を出されて、それによって動きはこれから出てくるのだと思います。市町村教育委員会も前向きに取り組んでいるのかもしれませんが、通知を出しっ放しではなく、見直しの状況について把握する必要があると思うのですがいかがでしょうか。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 委員御指摘のとおり、各市町村教育委員会の状況についても把握していくことは大事なことかと思いますが、それぞれの設置者が適切に対応していると認識しておりますので、その部分については、今後、状況を注視しながら検討してまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 引き続きよろしくお願いいたします。
 それで、県立高校のかなりのところが最近見直した、あるいは見直すという回答をされたようでありますが、見直した結果について県教育委員会はどのように感じておられるのか、その受けとめをお聞きしたいと思います。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 校則を見直した結果の受けとめについてでございますが、児童生徒にとって身近な校則を取り上げ、児童生徒みずからが課題を設定し改定していくという過程は、児童生徒が主体的に社会に働きかける力や実践力を育むことのできる効果的な活動の一つであると認識しているところでございます。
 学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況は日々変化するものと捉えておりまして、校則の内容は児童生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、今後も積極的に見直しを行うよう、県教育委員会としては、引き続き学校を支援してまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 今後とも十分に取り組みを進めていただきたいわけですが、実は、日本共産党では4月に校則問題のプロジェクトチームを立ち上げまして、6月に校則アンケートを実施しました。その結果、校則をめぐる苦しみや要望が予想以上に深く大きいということがわかりました。
 中学生、高校生の8割が学校の校則に疑問に思うものがあると答え、例えばツーブロックという髪型があるようなのですが、その段差ができるような髪型を禁止するとか、靴下の色、長さ、ワンポイント、あるいはコートの色を指定する、そして髪が長い場合には髪を結ぶゴムの色まで指定する等々、そういう書き込みがかなりたくさんありました。
 さらに、中学生、高校生の7割が頭髪や服装の検査があると答え、そして同じく7割がその検査がとても嫌だと答えています。その検査の仕方ですけれども、一列に並ばされて、教師3人に囲まれて顔を近づけられたり髪を触られたりしながら検査をされる。それから、下着の色まで確認されるのは嫌だとか、これは岩手県教育委員会ということではなくて、全国の事例ですが、膝立ちさせてスカート丈を確認されるなど、具体的な記載がかなりあったようであります。行き過ぎがすごくあると私も感じました。
 それから、先ほど答弁もありましたが、校則というのは、みんなで考え、そして子供たちが自主的に疑問な部分をただしくしていくという取り組みにつながるのですが、校則について全く説明を受けていないという答えが52%、校則をどうしたら変えられるか全く教えられていない、書かれていないというのが69%であり、非常に疑問に思う状況がありました。
 また、アンケートでは教職員の皆さんの声も聞いて、その9割が、おかしいと思う校則がある、あるいは、子供の権利や人権の視点で見直すべきものがあると答えているのです。
 私は、岩手県内の県立高校の校則を見させていただきました。全部はちょっと頭に入っていないのですけれども、やはりツーブロックの髪型は禁止するとか、生まれつき赤いとかそういう地毛については届けをしなければならない、あるいは、集会や印刷物は学校長の許可が必要だというように、さまざまな規定がまだまだあるなと思いました。服装を細かく規定するというのも、やはりかなり問題があると思うわけです。
 これらについては、国からの通知を受けて、あるべき姿に、議論を前向きに進めてもらう、そういうきっかけにしていただきたいわけですが、このような……
〇田村勝則副委員長 質問者に申し上げます。簡潔にお願いします。
〇千田美津子委員(続) 済みません。このような校則の実態をどう考えているか、お聞きしたいと思います。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 委員から御指摘をいただいた全国の調査結果については、私も認識しているところでございます。県内各学校の校則についても、私も一通り目を通させていただきました。やはり中には時代にそぐわないものも実際にあるということ。例えば、ツーブロックとかアフロというような規定がまだ残っていると認識しておりますし、また、服装の整容指導も実施していると把握しております。
 ただ、先ほども御答弁申し上げたとおり、今後見直しを図っていくとか、時代に合わせて進めていくというようなことで取り組んでいますし、また、規定ではそうなっているけれども実際の指導場面では適用していない等、現在の時代に合わせた指導を行っていると認識しているところでございます。
 校則問題については、毎年、年度初めに高等学校の生徒指導連絡協議会を開催させていただきながら、通知等により、児童生徒の主体的な取り組みの推進が図られるよう周知しているところでございまして、生徒総会などを活用しながら、今後もそれらの問題を検討していくように支援してまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 これからさまざま見直しが行われると思いますが、大事なのは、どういう視点で見直しを行うかということだと思います。私は、基本は子どもの権利条約に掲げられた、例えば表現の自由、思想、良心の自由、宗教の自由、結社、集会の自由、私生活の自由など、大人が享受している自由と同じ自由を子どもの権利条約が規定しているのです。ですから、全部を校則にかけるとかではなくて、この視点に立って、校則問題について、岩手県教育委員会の指導のもと、子供たちはもちろん、保護者も先生も参加してみんなで議論をしていく、そういう校風をつくっていくことが必要ではないかと思いますがいかがでしょうか。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 児童生徒にとりまして、身近な校則について話し合う機会を設けることは、校則に関する理解を深めるとともに、校則を自分たちのものとして守っていこうとする態度を養うことにつながるものと認識しているところでございます。
 一方で、小中学校は総合的な学習の時間において、高等学校は総合的な探究の時間において、児童生徒の主体的な学習を通して、変化の激しい社会に対応して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質、能力を育んでおりますので、その活動においてみずからの意見を発表したり、話し合う活動に取り組んでいるところでございます。
 今後も、そのようなさまざまな機会を捉えながら、児童生徒の主体性や社会性が育まれるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇千田美津子委員 今の答弁の中で、道徳教育などの中でさまざまな力が育まれているというのは、そのとおりだと思います。ただ、県内の校則を見ますと、例えば子どもの権利で、大きく言えば四つあるわけですが、生きる権利、育つ権利、守られる権利、ここまではよいのですが、参加する権利という部分で、随分多くのところが自由にできないように規定されております。
 そういった意味では、9月3日付で学校教育室長名で出された通知は、生徒の主体的な取り組みを促し、PTAに意向調査をしたり、生徒や保護者が何らかの形で参加する例や、学校のホームページに校則を掲載することで見直しを促す例もあると書かれていて、私はすごくいい通知だと思っています。ですから、これに沿った形できちんと対応していただくことが求められていると思うのですが、教育長、いかがでしょうか。
〇佐藤教育長 今委員から御指摘がありましたが、私どもも7月にアンケート調査をしまして、その調査結果について、各県立学校長宛てに通知を出させていただきました。
 具体的に話をさせていただきますが、校則の内容は、児童生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、絶えず積極的に見直さなければならず、見直しについて生徒の主体的取り組みを促し、そして、紹介があったとおり、PTAに意向調査をしたりするなど、生徒や保護者が何らかの形で参加する例もあるほか、学校のホームページに校則を掲載することで見直しを促す例もあるということで、本調査結果で得られた内容を参考に、各学校における生徒指導の充実を図る取り組みをお願いしますと通知しているところでございます。
〇千田美津子委員 ぜひそのようにお願いしたいわけですが、実は、全国的には、教職員も生徒も率直に話し合える自由で人間的な雰囲気を学校に取り戻す必要があるのだという指摘があります。そういう本来あるべき姿になる必要があるのに、教職員の皆さんも大変多忙であり、多忙化の解消が先だという指摘もあるわけですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
〇八重樫参事兼教職員課総括課長 委員から御指摘いただきましたとおり、教職員の多忙化の解消については大きな課題と認識しておりまして、県教育委員会としては、平成30年6月に岩手県教職員働き方改革プランを策定し、令和2年度までの取り組み期間において、教職員の負担軽減と健康確保に取り組んできたところでございます。
 また、ことし2月には、新たに令和3年度から令和5年度を取り組み期間とする岩手県教職員働き方改革プラン(2021〜2023)を策定し、教員の時間外在校等時間の縮減などの目標を定めまして、学校における働き方改革の実現に向けた取り組みを総合的に推進しているところでございます。
 今後も、働き方改革プランに基づく取り組みを学校とともに進めまして、教職員が子供たちと向き合うことのできる時間を少しでも多く確保できるように努めてまいりたいと思っております。
〇千田美津子委員 よろしくお願いいたします。
 最後に、いじめ、不登校問題ですが、他の委員からの質疑がかなりありました。岩手県が調査した児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査の部分で私が気になったのが、生徒間の暴力行為がふえていることで、この現状と、増加している原因をどのように分析されているかお聞きいたします。
〇泉澤首席指導主事兼生徒指導課長 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査で、小中学校で暴力行為が増加している原因についてでございますが、令和2年度における暴力行為の発生合計件数は564件であり、前年度と比べて43件の増加、どの校種においても生徒間暴力が発生件数の大半を占めております。
 この増加については、いじめの認知と相関があると捉えており、いじめの態様の中の軽くたたいたり蹴ったりという行為について、いじめだけではなく、生徒間暴力としても集計していることによるものと認識しているところでございます。
 学校という集団生活における交友関係においては、自分の感情をコントロールできずに短絡的な行動で発生しているものが多いと捉えており、教育活動全体を通して、他者とともによりよく生きていく基盤を今後も育んでまいりたいと思います。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで教育委員会関係の質疑を終わります。
 教育委員会事務局の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 執行部席の消毒のため、しばらくお待ちをいただきます。
 次に、企業局長に企業局関係の説明を求めます。
〇佐藤企業局長 令和2年度の企業局関係の決算等について御説明申し上げます。
 令和2年度の事業運営に当たりましては、岩手県企業局長期経営方針(2020〜2029)及び第1期中期経営計画にのっとり、クリーンな電力と、良質な工業用水の安定供給に取り組むとともに、効率的な経営に努めてまいりました。
 また、震災復興、ふるさと振興へ寄与するため、東北電力株式会社との共同の取り組みであるいわて復興パワーを継続し、電気料金の割引や一般会計への繰り出しを行うなど、地域貢献に積極的に取り組んだところでございます。
 それでは、まず、認定第13号令和2年度岩手県電気事業会計決算について御説明申し上げます。
 電気事業会計決算の1ページをお開き願います。1の決算報告書(1)、収益的収入及び支出でありますが、収入第1款電気事業収益の決算額は77億9、424万円余、支出第1款電気事業費用の決算額は54億2、646万円余であります。
 2ページをお開き願います。(2)、資本的収入及び支出でありますが、収入第1款資本的収入の決算額は6、191万円余、支出第1款資本的支出の決算額は21億1、426万円余であり、不足に対し欄外に記載のとおり、減債積立金等で補填しております。
 次に、3ページの損益計算書をごらん願います。営業利益は、一番右側の中ほどに記載のとおり、20億3、368万円余、下から4行目の経常利益と、その下の当年度純利益は22億4、254万円余でございます。
 なお、次ページ以降については、説明を省略させていただきます。
 次に、議案第28号令和2年度岩手県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて、御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、議案その3の1ページをお開き願います。令和2年度岩手県電気事業会計の未処分利益剰余金35億9、720万円余のうち、13億5、466万円余を資本金に組み入れるとともに、9億4、254万円余を建設改良積立金に、1億8、000万円を環境保全・クリーンエネルギー導入促進積立金に、11億2、000万円を震災復興・ふるさと振興パワー積立金にそれぞれ積み立てようとするものであります。
 電気事業会計に関する説明は以上でございます。
 続きまして、認定第14号令和2年度岩手県工業用水道事業会計決算について御説明申し上げます。
 工業用水道事業会計決算の1ページをお開き願います。1の決算報告書(1)、収益的収入及び支出でございますが、収入第1款工業用水道事業収益の決算額は10億6、875万円余、支出第1款工業用水道事業費用の決算額は7億6、465万円余であります。
 2ページをお開き願います。(2)、資本的収入及び支出でありますが、収入第1款資本的収入の決算額は23億9、886万円余、支出第1款資本的支出の決算額は32億3、652万円余でございまして、不足に対し、欄外に記載のとおり、減債積立金等で補填しております。
 次に、3ページの損益計算書をごらん願います。営業利益は、一番右側の中ほどに記載のとおり4、697万円余、下から5行目の経常利益は5、062万円余、当年度の純利益は下から3行目の5、993万円余でございます。
 なお、次ページ以降については、説明を省略させていただきます。
 次に、議案第29号令和2年度岩手県工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分に関し議決を求めることについて、御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、議案その3の2ページをお開き願います。令和2年度岩手県工業用水道事業会計の未処分利益剰余金1億966万円余のうち4、973万円余を資本金に組み入れるとともに、5、993万円余を減債積立金に積み立てようとするものであります。
 以上で企業局関係の決算等について説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇田村勝則副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇岩城元委員 まず初めに、電気事業会計決算における純利益が大幅増になっております。令和元年度と比較して経常利益73.9%の増加、純利益においては85.6%の増加となっておりますが、その要因について御説明をお願いします。
〇八重樫次長兼経営総務室長 電気事業会計決算におきます純利益大幅増の要因についてでございます。
 これは、水力発電において、降水量の影響を受ける出水率の増等により電気料収入がふえたことにより経常収益が前年度比5億9、300万円余の増となったことに対し、水力発電設備に係る委託費等の減により経常費用が前年度比3億5、900万円余の減となったことなどによりまして、前年度比10億3、400万円余の増となったものでございます。
〇岩城元委員 出水の増ということでございます。水力は意外と安定して発電するのかなと思っていたものですから、ありがとうございます。
 次に、第1期中期経営計画における発電計画についてお聞きいたします。
 岩手県企業局長期経営計画では、長期ビジョンの中で再生可能エネルギーの維持拡大が必要と書いてありますが、再開発の推進と新規開発の考え方と状況についてお知らせください。
〇高橋電気課長 新しい発電計画についてでございますが、企業局では、第1期中期経営計画において、供給電力量の目標を定めて安定供給に努めているほか、稲庭高原風力発電所、胆沢第二発電所及び入畑発電所の再開発事業を位置づけて、再生可能エネルギーの維持拡大を進めております。
 今後も、企業局として、これまでのノウハウや技術の蓄積がある水力発電や風力発電について、その強みを生かした新規開発や再開発に取り組んでいきたいと考えておりますが、近年、送電網の接続に制約があるほか、水力発電は開発適地の奥地化に伴う建設コストの増加などにより、新しい発電所の建設に直ちに取り組むには課題も多いところでございます。
 このことから、当面は、固定価格買取制度の抜本的な見直しなど再生可能エネルギーに関する国の政策動向を注視しつつ、引き続き調査等を進めてまいります。
〇岩城元委員 そうしますと、再開発や新規開発については、調査はするけれども、なかなか難しい状況ということですね。
 ちなみに、2050年カーボンニュートラルを目標に掲げ、再生可能エネルギーの推進が強く求められていますが、その中でも洋上風力が大変注目をされております。企業局として、どのような関心があるのかお知らせください。
〇高橋電気課長 洋上風力へのアプローチ、関心についてでございますが、県内の洋上風力については、洋野町や久慈市等において国の調査事業を実施していると承知しております。
 洋上風力は、事業規模や費用が非常に大きくなることのほか、本県においては、事業化前の基礎調査の段階にあるものと認識していることから、今後の事業環境等を踏まえながら、関係部局等と連携し、企業局としてのかかわり方について検討していく必要があると考えております。
〇岩城元委員 確かに今調査中という状況ではありますが、岩手県沖は非常に有望な地域と言われておりますので、ぜひ県もバックアップをして、力を入れていただきたいと思います。
 次に、岩手県地球温暖化対策実行計画におけるグリーン社会実現に向けた取り組みがあればお知らせください。
〇伊藤特命参事兼経営企画課長 グリーン社会実現に向けた取り組みについてでありますが、企業局においては、第2次岩手県地球温暖化対策実行計画に掲げる脱炭素社会に向けた取り組みの一環として、本年7月に簗川発電所の運転を開始したところであり、現在、再開発を進めている稲庭高原風力発電所については、本年度末の運転開始に向けて基礎本体の工事を進めているところでございます。
 また、年数が経過した胆沢第二発電所や入畑発電所については、大規模改修による機能回復や高効率機器の導入による再開発を進め、供給電力量の増加とともに、さらなるCO2排出量の削減効果の拡大に取り組むこととしております。
 今後も、再生可能エネルギーの維持拡大のため、再開発や新規開発地点の調査、事業可能性の検討を進めていきたいと考えております。
〇岩城元委員 最新の機器等も選定しながら再開発をしつつ、二酸化炭素の排出削減ということで、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 次に、再生可能エネルギーの地産地消に向けた取り組みについてでございますが、久慈地域や宮古などで既に取り組みが行われていると承知しておりますけれども、この実績と、今後の企業局としての取り組みについてお知らせください。
〇伊藤特命参事兼経営企画課長 再生可能エネルギーの地産地消の取り組みについてでありますが、企業局では、県内の産業経済の発展と民生の安定に寄与するという観点から、これまでも県内への電力の安定供給を基本として取り組んできたところでございます。
 また、この売電先の選定に当たりましては、地域経済循環の担い手である県内の地域新電力を支援するため、令和2年度から、公募型プロポーザルにおいて、県内事業者を対象とした枠を設定しているところでございます。
〇岩城元委員 ちなみに、公募の今の状況はどのようになっていますでしょうか。
〇伊藤特命参事兼経営企画課長 現在の電力供給計画は、令和2年から令和3年度までということで、次期売電契約は令和4年度から令和5年度までということで、先日、公募型プロポーザルを実施いたしまして、選定先はホームページで公開しておりますが、東北電力株式会社と久慈地域エネルギー株式会社ということで、現在と同じ相手先が契約候補選定者となっております。
〇岩城元委員 さらに広がりが出てくればよいのではないかと考えます。
 次に、RE100についてです。RE100は再生可能エネルギー100%の電力ですけれども、企業にすればイメージの向上や環境に配慮しているというブランドイメージにつながるのかなと思っていますが、企業に対して、RE100の電力がありますよということで、企業誘致のお考えはないでしょうか。
〇伊藤特命参事兼経営企画課長 委員からRE100について御説明がありましたが、そのほかに、自治体や中小企業等を対象とした再エネ100宣言REActionという取り組みもありますけれども、本県からは久慈市などが参加するなど、今後、これらの企業からの再生可能エネルギーによる電力のニーズが高まっていくものと考えております。
 企業局では、令和2年度から、東北電力株式会社や久慈地域エネルギー株式会社と連携し、県内企業を対象としたCO2フリーの電気を供給する取り組みを進めているところであり、このような企業ニーズにも対応しているところでございます。
 今後とも、再生可能エネルギーによる電力供給が、企業誘致を初め地域振興に生かされるよう、関係部局と連携し、取り組んでまいりたいと考えております。
〇岩城元委員 そのような形でどんどん進めていただければと思います。今まさに再生可能エネルギーに追い風というか、本当に必要なものと認識されておりますので、ぜひ力を入れて、さらに剰余金を生み出していただきたいと思います。
〇伊藤勢至委員 北東北の中では本県の沿岸、特に洋野町沖合の風力発電が先進的な取り組みをしていると私は思っておりました。そうしましたところ、菅内閣の終わりのちょっと前ごろに、あるテレビを見ていましたら、風力発電の大きな海中のシャフトやブロックを積んだ台船─クレーン付の大きな船ですね。その船がいっぱい映って、洋野町もここまできたのかと思っておりましたところ、秋田港だという報道がありました。秋田県ですよ。菅内閣の終わりの秋田県ですよ。おお、これはおもしろい、これは週刊誌のネタだなと思ったのですが、そんなことはどうでもいいのですが、そういう情報は承知をしていますか。
〇高橋電気課長 今、委員からお話のあったとおり、秋田港、能代港沖の洋上風力発電が日本の中で一番、事業計画が進んでいる状況でございます。
 秋田洋上風力発電株式会社という会社が設立されておりまして、出資者には、丸紅株式会社や株式会社大林組という大手企業から秋田の地元の企業まで参画していると聞いております。出力的には、33基、14万キロワット、事業費約1、000億円という情報を得ております。
〇伊藤勢至委員 風力発電の取り組みについて、北東北の青森県、秋田県、岩手県、この3県の中では、本県はどのような位置におりますか。
〇高橋電気課長 本県では久慈市と洋野町がございますが、久慈市は、海洋再生エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用に関する法律の促進区域の中の3段目にございます、一定の準備段階に進んでいる区域ということで、調査が進められています。
 洋野町は、浮体式の洋上風力発電の地域一体的開発に向けた調査研究事業というのが、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構―NEDOの事業にございますが、その候補地に選定されて、現在調査を進めているという状況でございます。
〇田村勝則副委員長 皆様に申し上げます。概ね再開後1時間半が経過いたしますが、この後、質疑を表明している委員があと1人となっていることから、質疑を継続したいと思いますので御了承願います。
〇斉藤信委員 最初に、新北上浄水場建設事業について、工事の進捗状況はどうでしょうか。3期に分けた整備計画と伺っていますが、この3期の整備計画の見通しを含めて示してください。
〇山谷業務課総括課長 まず、新北上浄水場整備計画と工事の進捗状況についてであります。新北上浄水場は、北上工業団地における複数のユーザー企業から提出された工業用水の使用計画等に基づきまして、中長期的な工業用水の需要量を予測し、平成30年度から令和8年度までの9年間を3期に分けて整備する計画としております。
 現在施工中の第1期工事においては、令和5年4月の一部給水開始に向けて、取水口、浄水施設及び配水管等の工事を行っているところでありまして、概ね順調に進捗しているところでございます。
 また、第2期及び第3期工事においては、段階的に浄水場の給水能力を強化するため、浄水施設内の沈殿池や配水池などの水槽のほか、配水ポンプ等の機械設備などを追加整備していく計画としているところでございます。
〇斉藤信委員 複数のユーザーということでありましたが、大きいのはキオクシア岩手株式会社だと思います。先ほど答弁があった令和5年4月に一部給水というのは、既に今も給水していると思いますけれども、そのように受けとめてよろしいですか。
 キオクシア岩手株式会社が増設計画を今進めていますけれども、それへの対応はどうなっているのでしょうか。どの期で対応するのでしょうか。
〇山谷業務課総括課長 キオクシア岩手株式会社の現在の需要に関しましては既設浄水場から給水していますが、今後、キオクシア岩手株式会社を含めたユーザー企業の給水要望が、既設浄水場の給水能力を超える見通しであります。
 このため、段階的に新北上浄水場の整備を進めていくということで、令和5年4月からは日量約2万立方メートル、令和7年3月からは日量約4万立方メートル、令和9年3月からは日量約6万立方メートルへ給水能力を増強しながら、その中でユーザー企業の給水要望に応えていく計画でございます。
 なお、個別のユーザー企業の給水量については、企業個別の経営情報に関係するため、答弁は差し控えさせていただきます。
〇斉藤信委員 わかりました。それで、予算特別委員会のときには、総事業費176億円の投資回収時期は45年間で、約2億4、000万円の黒字という話でありました。ここに変化はないのか。
 それと、45年間ということになると、新北上浄水場の耐用年数との関係も問われると思いますけれども、新北上浄水場の耐用年数はどう設定されているのでしょうか。
〇山谷業務課総括課長 総事業費約176億円の投資回収時期についてでございますが、一部給水を開始する令和5年度から44年目となる令和48年度を投資の回収時期と見込んでおります。さらに、委員御指摘のとおり、その次の年になりますが、45年間で約2億4、000万円の黒字となる見込みであります。これについては現時点において変わりございません。
 次に、収支見込みと耐用年数の関係についてでございますが、新北上浄水場の長期的な収支については、施設設備の平均的な法定耐用年数である45年間をもとに試算しております。その期間中には、電気設備や機械設備といった耐用年数の短い設備も当然ありますので、その設備ごとに適時適切に修繕、更新を行うということで収支計算をしているところでございます。
〇斉藤信委員 県内ではかつてない大規模な工場の建設整備に対応するということです。ただ、45年たって2億4、000万円の黒字だけれども、その時点で耐用年数が来てしまうということですから、先の見通しをしっかり立ててやっていただきたい。
 二つ目に、企業局における気候危機打開CO2削減効果と2030年の目標について、先ほども質問がありました。私もお聞きしたいと思います。
 一つは、簗川発電所は年間約5、700トンのCO2排出量削減に寄与すると説明をいただきましたが、企業局の水力、風力、太陽光、それぞれのCO2排出量削減効果はどうなっているでしょうか。
〇高橋電気課長 企業局の水力、風力、太陽光の各発電に伴うCO2排出量削減効果についてでございますが、令和2年度の供給電力量をCO2排出量に換算すると、水力発電については約32万トン、風力発電については約3万トン、太陽光発電については740トンであり、合計では35万トン程度と認識しております。
 なお、この量は、一般家庭から1年間に排出されるCO2の量で換算すると、約8万8、000世帯に相当するものでございます。
〇斉藤信委員 企業局はCO2削減に大変貢献していると思います。問題は、国連の目標は2030年までに2010年比で45%削減なのですよ。CO2をたくさん排出している国は、50%、60%という高い目標を立てるべきだというのが国連の提起なのです。ですから、岩手県も計画を立てていますけれども、これからが勝負だと。
 そこで、2030年に向けた企業局としての県のCO2削減の目標と関連したCO2の新たな削減の計画目標はあるのでしょうか。
〇高橋電気課長 2030年に向けた計画目標についてでございますが、まず企業局では、10年間の計画を定めた岩手県企業局長期経営方針において、再生可能エネルギーの維持拡大を掲げ、簗川発電所の建設を初めとする県内へのクリーンな電力の安定供給に取り組んできております。
 お尋ねの2030年に向けた削減目標については特に設定しておりませんが、現在、稲庭高原風力発電所の再開発事業における発電効率の高い風車への更新及び、胆沢第二発電所や入畑発電所の再開発における高効率機器の導入により、供給電力量の増加とともに、さらなるCO2排出削減に寄与するように取り組んでいるところでございます。
 今後も、再生可能エネルギーに関する国の政策動向を注視しつつ、引き続き、発電所の新規開発や再開発に向けた調査検討を行いまして、再生可能エネルギーの維持拡大を通じたCO2排出削減効果の拡大について、関係部局と連携して取り組んでまいります。
〇斉藤信委員 今、再開発事業について触れられましたので、胆沢第二発電所、入畑発電所、そして稲庭高原風力発電所、この再開発事業によって、新たにCO2排出削減の効果はどのくらい見込まれるのか示してください。
〇高橋電気課長 3カ所の再開発事業におけるCO2排出削減効果でございますが、3カ所の合計で、供給電力量の増加が約200万キロワットアワーでございます。これをCO2に換算すると約2、600トン(後刻「1、000トン」と訂正)増加となります。
〇斉藤信委員 そうすると、再開発事業で2、600トンのCO2削減には貢献できると。先ほど岩城元委員からも質問がありましたが、岩手県のCO2削減目標は、2013年比41%の削減目標なのですね。これは国が見直したので国より低い目標になって、あさっての環境生活部の審査で私は取り上げるのですけれども、岩手県のCO2削減目標を達成する上で、企業局がどういう役割を果たすのか、このことなしに幾ら目標を掲げても、目標に届かないのですね。それぞれの民間企業に対しても岩手県が協定を結ぶくらいのことをしなかったら、CO2削減努力目標に届かないと思うのです。そういう大変差し迫った、切実な、必ずやらなくてはならない目標だと思います。そういう点で、環境生活部と実行計画をやり切るという上で協議があるのかないのか、今後どうするのかを示してください。
〇高橋電気課長 まず、先ほどの数字を訂正させていただきます。2、600トンと申し上げましたが、3カ所では1、000トンで、ほかの発電所の改良なども含めて、全部で2、600トンということでございました。失礼いたしました。
 それから、関係部局との協議は委員御指摘のとおりだと思いますので、鋭意協議させていただきまして、できるだけ岩手県の目標に貢献できるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇八重樫次長兼経営総務室長 最初の御質問の、グリーン社会といいますか、再生可能エネルギーの促進に向けての環境生活部との協議についてでございます。
 こちらについては、環境生活部を中心にグリーン社会に向けての検討会議、ワーキンググループのようなものがありまして、そちらのメンバーに当企業局も入っておりまして、いろいろと協働しながら検討しているところでございます。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで企業局関係の質疑を終わります。
 企業局の皆さんは御苦労さまでございました。
 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後4時43分 散 会


前へ 次へ