令和3年9月定例会 決算特別委員会会議録

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令和3年10月15日(金)

1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 中 村 佳 和
議事管理担当課長 藤 枝   修
主任主査 藤 平 貴 一
主任主査 糠 森 教 雄
主任主査 増 澤 綾 子
主任主査 鈴 木 貴 博
主査 阿 部 真 人
主査 刈 屋 江美子
1説明員
知事 達 増 拓 也
副知事 保   和 衛
副知事 菊 池   哲
企画理事兼
環境生活部長 石 田 知 子
会計管理者 永 井 榮 一
会計課総括課長兼
会計指導監 大 塚 貴 弘

ふるさと振興部長 熊 谷 泰 樹

保健福祉部長 野 原   勝

ILC推進局長 高 橋 勝 重

議会事務局長 南   敏 幸
次長 下 山 義 彦
総務課総括課長 米 澤   勉
政策調査課長 大 坊 真紀子

総務部長 白 水 伸 英
理事兼副部長兼
総務室長 千 葉 幸 也
参事兼
行政経営推進課
総括課長 西 野 文 香
総務室管理課長 大 森 健 一
特命参事兼
法務・情報
公開課長 戸 田   新
人事課総括課長 加 藤 勝 章
職員育成課長 熱 海 淑 子
財政課総括課長 山 田 翔 平
税務課総括課長 今 野   浩
管財課総括課長 平 野 信 二
総務事務
センター所長 小笠原 祐 喜

政策企画部長 石 川 義 晃
統括調査監 上和野 里 美
副部長兼
首席調査監 坊 良 英 樹
技術参事兼
政策企画課
総括課長 照 井 富 也
政策課長 加 藤 真 司
評価課長 高 橋 幸 司
秘書課総括課長 佐 藤 益 子
儀典調整監 高 橋 利 典
秘書課管理課長 阿 部 美登利
広聴広報課
総括課長 村 上   聡
報道課長 和 田 英 樹
総括調査監 畠 山 英 司
調査監 内 城   仁
調査監 佐 藤 直 樹

復興防災部長 戸 舘 弘 幸
副部長兼
復興危機管理室長 菊 池 芳 彦
副部長 工 藤 直 樹
参事兼復興推進課
総括課長 大 坊 哲 央
総括危機管理監 吉 田 陽 悦
復興危機管理室
企画課長 高 橋 正 志
復興危機管理室
管理課長 柳 原   悟
放射線影響
対策課長 武 蔵 百 合
復興くらし再建課
総括課長 澤 田 彰 弘
被災者生活
再建課長 下 川 知 佳
防災課総括課長 中 里 武 司
特命参事兼
防災危機管理監 西 島   敦
消防安全課
総括課長 栗 澤 孝 信
県民安全課長 多 賀   聡

監査委員 寺 沢   剛
監査委員 沼 田 由 子
監査委員事務局長 小 畑   真
参事兼監査第一課
総括課長 小 守 健 一
監査第二課
総括課長 佐々木 昭 司


〇小西和子委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、議案第28号及び議案第29号の以上17件を一括議題といたします。
 本日は、昨日に引き続き、総括質疑を行った後、議会、総務部、政策企画部、復興防災部関係を終わるように進行いたしたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、新型コロナウイルス感染症対策として、換気のため、午前は1回、午後はおおむね1時間半ごとに休憩いたしますので、御協力をお願いします。
 これより、昨日に引き続き、総括説明に対する総括質疑を行います。木村幸弘委員。
   〔木村幸弘委員質問者席に着く〕(拍手)
〇木村幸弘委員 通告しております質問を、順次させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 今回付託された決算について、実質的な新型コロナウイルス感染症対策の初年度である令和2年度のものであり、県の対応の成果と課題を、審査を通じて明らかにする必要があると感じています。本日の質疑では、その観点から、幾つか質問させていただきます。
 まず、昨年度は、新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制の確保のため、さまざまな補正予算が編成されました。さきの6月定例会の一般質問では、限られた医療資源のもと、新型コロナウイルス感染症対応に係る病床確保について、想定される最大療養数以上の病床を確保し、必要な対応ができていると答弁をいただいております。一方で、新型コロナウイルス感染症対応が優先され、一般の医療が、適切な時期に受けられなくなるということはなかったのかという点が懸念されます。
 県内の病院が、新型コロナウイルス感染症医療と一般医療を両立し、県民に提供できていたのか、その点についての県の評価と、今後の課題について伺います。
〇達増知事 新型コロナウイルス感染症医療と一般医療の両立についてでありますが、今般の第5波では、ピーク時の令和3年8月20日には、新患者数が63人、療養者数420人となり、病床使用率も76.6%となりましたが、その後は、県民の皆様の努力のおかげで、新規感染者数や療養者数も着実に減少し、誰も自宅療養することなく、入院、宿泊療養を原則とする本県の方針が維持されたところであります。
 一方、この間、医療機関によっては、他の医療機関からの紹介患者の外来診療や、待機が可能な不急の手術、検査の延期等の一般医療を一部制限せざるを得ない状況となるなど、影響が生じたところでありますが、がんなどの悪性の疾患や緊急性の高い手術、救急や分娩を含めた周産期の対応は、適切に行われたものと認識しております。
 今後、再び感染が拡大し、第6波が生じることを想定し、健康観察、診察等の体制、宿泊療養における治療体制、一般医療との両立を含めた入院等の体制などの課題について、県医療提供体制検討委員会での議論を踏まえ検討し、本県の病床等確保計画の見直しを行っていく考えであります。
〇木村幸弘委員 まず、大きな影響はなかったということでありますけれども、いずれにしても直接医療にかかわる部分の手前の段階、いわゆるがん検診などについても、多少影響があったのではないかということも聞いておりますので、そういった点を含めて万全の対応をお願いしたいと思います。
 次に、県内の患者情報の公表のあり方について伺います。これは、各委員からも質問が繰り返されている点でありますが、昨年度から、県では、患者情報を公表する際、患者の居住地を市町村または保健所管内と表示していますが、保健所管内と公表された場合、正確な実態が見えない、あるいは危機感が伝わらないなどの課題があります。
 特に中部保健所は管轄範囲が広く、居住地について、推測や憶測情報が枝葉をつけて飛び回り、かえって不適切な事態になりかねません。
 SNS等による情報拡散のスピードが著しいものがあり、リスクコミュニケーションの観点からも、その対応について、今後、見直すべきだと思いますが、伺います。
〇野原保健福祉部長 新型コロナウイルス感染症患者に関する情報については、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき、国の基本方針に準じて公表をしているところでございますが、これによれば、居住している都道府県までが公表すべき情報であり、市町村名については、原則非公表となっております。
 他都道府県では、所管保健所のみを公表している例もございますが、岩手県では、患者本人の了解が得られた場合に、居住している市町村名を公表し、了解が得られなかった場合については、所管保健所管内として、公表をしているものでございます。
 なお、店舗や職場などで、患者との濃厚接触があった方に対しては、保健所を通じ、必要な情報を提供するとともに、適宜検査につなげることにより、地域における感染防止に努めているところでございます。
 地域における新型コロナウイルス感染症対策への反映と個人情報保護との両立を考えた場合、委員御指摘の観点のほか、特にSNS等により、個人を特定しようとする動きもありますことを踏まえますと、基本的に、現状の公表方法が適切であるものと考えているところでありますが、個人が特定されない形での統計的な公表については、市町村や関係部局と協議しながら、そのあり方について検討してまいります。
〇木村幸弘委員 患者情報の公表について、例えば、いわゆる企業、団体等の自主公表といわれるものがあります。公的公表と連動させた手法の検討が必要ではないでしょうか。例えば、公的公表内容に〇〇団体の自主公表があるということを表記するなどにより、県民が、正確に情報を受け取ることができ、より適切な行動につながると思われますが、伺います。
〇野原保健福祉部長 県では、飲食店等において患者が発生し、利用者が特定できない場合にあっては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、飲食店等の同意を得た上で、店名等を公表しております。
 企業、団体等による自主公表については、その企業、団体等が、独自のガイドライン等に基づいて、必要な情報を公表しているものと承知しております。
 こうした自主公表は、それぞれの企業、団体等の判断により行っているものでありますが、なかには、さまざまな事情により、自主公表を行っていない企業、団体等もあり、公的公表との連動により、自主公表の有無による誹謗、中傷などを助長するおそれもありますことから、公的公表内容に表記することについては、慎重な対応が必要なものと考えております。
〇木村幸弘委員 情報管理はなかなか難しい課題でありますけれども、患者情報について、保健所を設置していない盛岡市以外の市町村とは、どのように共有をしているのでしょうか。また、地域の実情を把握している市町村の保健当局とは、どのように連携し、取り組んでいるのか伺います。
〇野原保健福祉部長 保健所を設置しております盛岡市以外との患者の情報共有については、患者が確認された都度、患者本人の了解を得た上で、該当する市町村に対し、速やかに情報提供を行っております。
 また、それぞれの地域において、新型コロナウイルス感染症対策を講じることができるよう、県内の各市町村に対しましても、公表した患者の情報を共有しているところでございます。
 このことによりまして、各市町村において、住民への注意喚起や、自主的検査等の実施など、必要に応じた感染症対策が実施されているものと考えております。
〇木村幸弘委員 市町村からは、例えば、自分たちで患者情報を的確に捉えながら、それぞれの自治体の中で対策を講じたいという声もあります。
 ところが、今、御答弁いただいたように、患者の了解を得た情報のみしか提供されないということで、実は、自治体のほうでも混乱し、あるいは困っているという声も聞いております。
 そういった点を、一般の公表とは別に、自治体と県の連携の中で、必要な情報については、何らかの対策に資するという意味において、改めて提供の体制を構築し、あるいはもう少し検討していく必要があるのではないかと思いますけれども、どうでしょうか。
〇野原保健福祉部長 県内各市町村は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて対策本部を設置して、それぞれの住民への注意喚起でありますとか、さまざまな取り組みを行っています。
 県では、新型コロナウイルス感染症対策本部の本部員会議の情報など、市町村の支部会議という形でリアルタイムで、情報共有をしているほか、患者情報の取り扱いにつきましても、昨年、県内で、まだ患者が非常に少なかった時期においては、最初に事例が出た都度、私のほうから各市町村長に直接御連絡申し上げて、県の対応はこのような形で考えているとか、市町村でこんなことをお願いしたいなどと御説明をした上で、情報共有しながら、連携して取り組みを進めてまいりました。
 委員御指摘の観点で、県と市町村が連携して、住民の皆様に感染対策をきちんと行っていくということは、非常に重要だと考えております。今後とも、市町村とのやりとり、意見交換会、さまざまございますので、適切な情報共有のあり方についても、検討を進めてまいりたいと考えております。
〇木村幸弘委員 感染予防対策の関係から、緻密でしっかりとした予防対策を、連携をとっていくのは大変重要だと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、令和2年度において、感染者数を低く抑えることができました。これは、県におけるさまざまな予算措置も含めた、早目の対策によるところが大きいものと受けとめています。
 ただし、今回、8月12日に、県が独自の緊急事態宣言を発出しましたが、お盆休暇などさまざまな日程を考慮し、県民に理解と協力を得るという観点からは、さらに早い段階での宣言の発出が、本来検討されるべきではなかったでしょうか。
 結果論となってしまいますけれども、この時点で、早目の対策を行っていれば、8月26日の時短要請まで踏み込む必要性が低くなったのではないでしょうか。その点は、今後の対策を考える上で、きちんと検証すべきと思いますが、知事の考えを伺います。
〇達増知事 県では、お盆や夏休み期間を見据え、7月9日に岩手警戒宣言を行い、緊急事態宣言区域等との不要不急の帰省や旅行などの自粛を、県民の皆様にお願いし、さらに、感染拡大を踏まえ、8月3日に同宣言を改定し、8月31日までの期間、都道府県をまたぐ不要不急の帰省や旅行などは、原則中止、延期するようお願いしたところであります。
 この岩手警戒宣言において、人口10万人当たりの新規感染者数が15人を超えた場合などには、いわて旅応援プロジェクトやいわての食応援プロジェクトの停止を含む県独自の緊急事態宣言等を検討、実施する旨、県民の皆様にお知らせしていたところであり、8月12日に、人口10万人当たりの新規感染者数が15人を超えたことから、岩手緊急事態宣言を行って、その後も感染が拡大したことから、医療の逼迫を避けるため、盛岡市の飲食店等に対し、時短要請を行ったところであります。
 これらを受けた県民の皆様の適切な行動により、全国的に、かつてない感染拡大が起こっている中で、感染拡大を抑制し、入院、宿泊療養を原則とする本県において、誰も自宅療養させることなく医療提供体制が維持され、1カ月余りで岩手緊急事態宣言を解除でき、その後、人口10万人当たりの新規感染者数が1人未満となるところまで下がっております。
 今後、専門家や関係団体等からの御意見なども参考に、今回の岩手緊急事態宣言における対応や効果等について、より詳細な取りまとめを行い、国の動きも踏まえ、再度の感染拡大が生じた場合の宣言のタイミングや要請内容等について検討をし、速やかな感染抑制と社会経済活動の維持、回復に生かしてまいります。
〇木村幸弘委員 考え方ですけれども、例えば7月9日あるいは8月3日、岩手警戒宣言という考え方のもとで、県民に周知を図ったということですが、県民の受けとめ方という感覚から言うと、その発し方が一般的な警戒予防と受けとめられて、県民の中で、そこに対しての警戒感がまだまだ十分に浸透していなかったのではないかと感じられるわけであります。
 そういった点で言うと、一つは、人口対10万人の目安というところの判断の基準ですけれども、ここは、15人に届かなくても、その方向や流れがあるということが見込まれる状況の中では、先を見越した、早目の対応を、知事の政治判断で発せられてもよかったのではないかと思いますけれども、その点はどうでしょうか。
〇戸舘復興防災部長 今般の岩手緊急事態宣言に至るまでの経過については、先ほど、知事から御答弁申し上げたところでありますけれども、緊急事態宣言ということになりますと、さまざま社会経済活動を強く抑えるということにつながってまいります。新規感染者数10万人当たり15人を超えると、かなりのスピードで感染拡大してまいりますので、今回はそこを判断基準として、緊急事態宣言を行わせていただいたというところでございます。
 その15人に上がっていくまでのスピードをどう捉え
いるかということに関しては、今後の検証の中で検討してまいりたいと思います。
〇木村幸弘委員 次に、危機管理の観点に立った保健所職員体制の確保についてですが、保健所の人員確保対策の重要性が指摘されています。現場からは、必要な人員配置数が確保されておらず、限界を来たしており、モチベーションにも影響しているとも聞いております。
 コロナ禍にあって、自殺、児童虐待、引きこもりといった問題も、連鎖して深刻になってまいります。喫緊の課題に対応するための人員配置の強化と中長期的な人材確保の両面から、抜本的に強化することが必要と思われますが、これに対する見解を伺います。
〇菊池副知事 保健所職員体制の関係についての御質問ですが、まず、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が見られました昨年度以降は、保健所に配置する保健師を11名増員したほか、14名の退職保健師を任用し、各保健所の体制強化に努めてまいりました。
 これに加え、本年6月には、県庁内に保健所支援本部を設置し、県内における第5波の流行を迎えた本年8月には、1日当たり約9名体制で、各保健所の支援に当たるなどによりまして、その機能強化を図ってまいりましたほか、専門職員の保健所間応援派遣や、広域振興局内の他部からも応援派遣等も行いまして、各保健所の体制を整備してまいりました。
 新型コロナウイルス感染症対応に当たっては、感染の急速な拡大やクラスターの発生など、感染状況に応じた、まさに柔軟な対応が求められる面もあり、今般、国からも、今後の感染拡大に備えた保健所体制の整備等について、必要な検討を行うよう求められておりますことから、今後、想定される第6波にも対応できる、保健所体制のあり方を検討してまいります。
 また、委員御指摘のとおり、保健所には様々な機能がありますので、今後においても、保健所がその機能と役割を十分に発揮できるよう、保健師等専門職員の長期的な育成、確保の観点から、組織体制の整備や採用等による増員、業務支援の積極的活用など、さまざまな対応により、適時的確に体制の強化に努めてまいります。
〇木村幸弘委員 ぜひ、充実強化のほうをお願いしたいと思います。
 あとの質問については、部局別審査で行わせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
〇小西和子委員長 質問者席の消毒のため、しばらくお待ちください。
 次に、小林正信委員。
   〔小林正信委員質問者席に着く〕(拍手)
〇小林正信委員 本年の3月11日で、震災から10年が経過いたしました。心のケアや、コミュニティーの再生、また、構築など、いまだ復興は道半ばであると、これまでも多くの委員からも御意見がありましたけれども、私もそう感じております。先日、災害公営住宅へお伺いいたしまして、特に高齢者の孤立といった課題がある旨、お話を伺ってまいりました。
 これまでも議論がございましたが、県として、高齢者の孤立についてどう捉え、令和2年度においては、課題解決にどのように取り組んでこられたのか、お伺いします。
〇菊池副知事 いわゆる高齢者の孤立の関係についてでございますが、被災者の見守りや相談支援を行うため、各市町村の社会福祉協議会に配置しております生活支援相談員の支援対象世帯数で見ると、令和2年度末現在の災害公営住宅に居住する2、489世帯のうち、65歳以上の高齢者世帯は1、756世帯であり、全体の約7割を占めております。
 また、令和2年度に、県社会福祉協議会が行ったアンケート調査では、15.5%の方が、現在の生活で不安や課題を感じることとして、人とのつながりを挙げておりまして、被災した高齢者が孤立を深めることがないよう、継続的な支援を行っていく必要があると考えております。
 このため、令和2年度においては、108人の生活支援相談員を配置し、市町村の民生委員や市町村担当部等が独自に配置する支援員等と、よく連携しながら、被災者の見守り等の個別支援に加え、サロン活動等の地域支援により、被災者の孤立防止に取り組んできたところでございます。
 また、災害公営住宅等での見守りやコミュニティー形成支援を重点的に行うため、生活支援相談員を災害公営住宅の集会所や空き店舗等に配置する、地域見守り支援拠点の設置を推進してきたところでありまして、令和2年度は、5市町で9カ所の拠点が設置され、そのうち災害公営住宅への設置は、3市町4カ所となっております。
 今後も、こうした取り組みを通じ、必要な見守り支援体制を確保するとともに、災害公営住宅の入居者相互の交流や近隣住民との交流を促進し、被災した高齢者が孤立することなく、地域で暮らす人々が相互に支え合うことができる、福祉コミュニティーの形成を進めていく考えであります。
〇小林正信委員 災害公営住宅では、コミュニティーの高齢化や自治会を担う役員がいないとの課題もお伺いいたしました。高齢化対策やコミュニティーの維持を考えたとき、若い世代、現役世代の入居が重要と考えます。
 県では、公営住宅のストック活用の取り組みとして、若い世代の入居を促す施策を実施しておりますが、災害公営住宅においても、同様の取り組みが必要と考えます。今後の取り組みについて、お考えをお伺いします。
〇菊池副知事 県では、若い世代の入居促進を目的として、一般公営住宅を対象に、自治会や町内会活動への参加を条件に、Wi−Fi環境を整備した県営住宅を提供する、県営住宅活用促進モデル事業を創設し、7月から募集を開始しておりまして、応募者が出始めてきているとともに、複数の問い合わせもいただいている状況であります。
 また、災害公営住宅については、一定の空き住戸が発生しておりますことから、昨年7月に、沿岸部において被災者以外の入居を可能とする一般募集を始めたところでございます。県営住宅活用促進モデル事業のような形で、災害公営住宅の活用を促進していくため、災害公営住宅の一般住宅としての利用状況なども踏まえ、関係市町村の意見を聞きながら、検討をしていく考えでございます。
〇小林正信委員 よろしくお願いいたします。
 被災地においては、防災集団移転促進事業、また、土地区画整理事業によって、整備された土地をいかに有効活用するかが課題となっております。令和2年度においては、県として、市町村と連携し、どのような取り組みを行ってきたのかお伺いします。
〇戸舘復興防災部長 市町村との連携についてでありますけれども、防災集団移転促進事業によります移転元地につきましては、これまで、県は、市町村に対し、活用事例や各種施策などの情報を提供いたしますとともに、津波立地補助金や復興特別区域における税制特例措置などの支援策の活用を促してきたところでありまして、周年型の栽培施設や農業テーマパーク、食品製造工場などの立地が進んでいます。
 また、かさ上げされた造成地につきましては、市町村のまちなか再生計画の策定を支援いたしますとともに、津波立地補助金やグループ補助金の活用を促してきたところでありまして、山田町のオール、釜石市のうのポート、大船渡市のキャッセン大船渡、陸前高田市のアバッセたかたといった大型商業施設などが整備されまして、まちなかのにぎわい創出が実現しているところであります。
 令和2年度におきましては、こうした取り組みを継続いたしますとともに、市町村が、産業用地として活用する意向のある移転元地について、復興庁も交えて意見交換等を行いまして、土地の集約、整地費用に、東日本大震災復興交付金の有効活用ができないかといったところを、ともに検討したところであります。
 造成地につきましては、復興庁、国土交通省、UR都市機構とも連携をいたしまして、市町村を対象としたまちづくり推進会議を開催し、空き地バンクに関する情報提供や、移住、定住に係る県の支援施策の紹介などを行いました。
 今後とも、復興庁や関係機関の協力を得ながら、市町村と連携し、産業の振興や地域の活性化に向けて、土地の利活用を促進してまいります。
〇小林正信委員 国では、課題の解決に向けて、復興庁の職員が現地に赴き、自治体と協力して、課題の解決に取り組む土地活用ハンズオン支援事業を創設いたしました。地域の実情に即した、きめ細やかな支援を可能とするハンズオン支援について、今後、県はどのようにかかわっていくお考えかお伺いします。
〇戸舘復興防災部長 国のハンズオン支援に係る県のかかわりでありますけれども、今年度創設された土地活用ハンズオン支援事業につきましては、本県から、山田町、大槌町、陸前高田市が、支援対象団体として採択され、地域の個別課題に応じた土地活用の方策を調査、検討しているところであります。
 県は、各市町におけるハンズオン支援事業の検討会議に参画いたしまして、より精度の高い取り組みや事業計画となるように、必要な助言を行っています。今後も、引き続き、検討会議に参画をし、復興庁とも連携しながら、事業の磨き上げを図りますとともに、事業実施に当たりましては、各種補助金、交付金、優遇税制の活用を促すなど、事業が軌道に乗るまで、きめ細かく支援してまいります。
〇小林正信委員 よろしくお願いいたします。
 令和2年度は、コロナ禍による外出自粛の影響により、救急車による救急搬送は減少しておりますが、コロナ禍以前においては、高齢化により、全国的に救急搬送の件数は急増しているという状況でした。高齢化が進む我が県において、救急搬送件数はどのように推移しているのか、また、その要因についてお伺いします。
〇戸舘復興防災部長 救急自動車による搬送人員は、震災直後の平成24年に4万5、184人であったものが、令和元年には4万8、912人と8.3%増加し、令和2年は、速報値でありますけれども、4万4、582人と、前年に比べ8.9%減少しています。
 このうち高齢者の搬送につきましては、平成24年には2万7、038人であったものが、令和元年には3万2、410人と、19.9%増加しました。搬送人員に占める割合も、平成24年には59.8%であったものが、令和元年には66.3%と、高くなっています。
 令和元年の事故種別を見ますと、全体及び高齢者とも、急病や一般負傷の割合が高い傾向が続いておりまして、高齢者について見ますと、急病が2万2、576人で69.7%、約7割になります。一般負傷が4、463人で13.8%となっています。本県における救急搬送の増加は、特に急病や一般負傷に伴う高齢者の搬送の増加による影響が、大きいと捉えているところでございます。
〇小林正信委員 このように急増している救急出動件数に対応した取り組みとして、電話で医療相談ができる救急安心センター事業♯7119については、これまで、私も質問をさせていただきましたし、本年の予算特別委員会における千葉絢子委員への答弁では、情報収集の段階にあるといった答弁であると記憶しております。新型コロナウイルス感染症対応も含め、医療資源に限界がある中、一刻も早い導入が望まれますけれども、今後の導入の見通しについて、知事の御所見をお伺いしたいと思います。
〇達増知事 救急安心センター事業の導入についてでありますが、消防庁では、♯7119の全国展開に向けた検討部会を設置し、事業実施効果の分析や明確化、事業の実施主体や財政措置のあり方、関係機関や事業との連携など、事業導入に向けた課題等を整理した報告書を本年1月に取りまとめ、現在は、導入、運用マニュアルの作成、外部委託に係る標準仕様書の作成等を進めているところであります。
 本事業については、これまでに、県内消防本部や県医師会の意見を伺ってきたところであり、消防本部からは、当面は、現状の体制で救急業務への対応には支障がないとのことでありましたが、県医師会からは、医師の負担軽減の観点から、事業導入を期待する意見がありました。
 県としては、国の動向や他県の運用状況等について情報収集や分析をしつつ、消防本部や県医師会等で構成する岩手県救急業務高度化推進協議会等の場を活用しながら、議論を深めてまいります。
〇小林正信委員 それでは次に、コロナ禍において最も強く影響を受けたのが、生活困窮者等を初めとする弱い立場の方たちでした。特に本年問題となったのが、いわゆる生理の貧困に代表されるような、若い世代の女性の困窮でした。令和2年度における、特に困窮する女性に対する支援の実施状況についてお伺いをしたいと思います。
〇菊池副知事 まずもって、生活に困窮している方に対し、県では、これまで、市町村や社会福祉協議会等と連携し、自立相談支援機関などにおける相談支援を行っているほか、岩手県男女共同参画センターにおいて、女性からのさまざまな相談に対応してきたところでございます。このうち、令和2年度における自立相談支援機関の新規相談受付件数は4、524件、そのうち女性からの相談は1、970件でありました。
 経済的な支援としては、女性も含む、コロナ禍によりさまざまな影響を受けた世帯への支援として、ひとり親世帯の臨時特別給付金は、2万5、485件、15億9、200万円余、生活福祉資金の特例貸付は、5、459件、16億6、400万円余、住居確保給付金は、301件、4、200万円余の支給を行ってきたところでございます。
 加えて、今般のコロナ禍は、社会的に弱い立場にある方の暮らしに、より深刻な影響をもたらしておりますことから、令和3年度においては、新たに、女性用品の提供や、女性の相談窓口、居場所づくりを行う女性のためのつながりサポート事業や、いわて女性のスペース・ミモザの事業に取り組み、不安を抱える女性の支援を行っているところでございます。
 県としては、引き続き、関係機関と連携し、生活に困窮している女性を初めとし、一人一人に寄り添いながら、さまざまな支援策を組み合わせた包括的な支援に取り組んでまいります。
〇小林正信委員 県においては、先ほどおっしゃられたように貧困対策の一環として、生理用品を提供する取り組みを行ってきたと認識しております。今後は、子供の貧困対策も同時に行う観点から、県内の小中学校または高校のトイレへの生理用品の配置も必要ではないかと考えております。県の御所見をお伺いします。
〇菊池副知事 学校への生理用品の配置の件でございますが、県立学校においては、養護教諭等が、児童生徒の体調や生活の状況等を丁寧に聞き取り、必要な支援、指導を行っており、登校後、児童生徒が生理用品を必要とした場合、保健室の備蓄等で対応している状況にあります。また、市町村立学校については、一部の市町村において、トイレへの配置を進める動きがあるものと承知しているところでございます。
 学校のトイレへの生理用品の配置については、必要としていることを言い出しにくい児童生徒にとって、有効な手だての一つでありまして、今後は、県立学校においては、学校のトイレへの配置に向けて、児童生徒に対し、配置の趣旨や利用上のルールを指導するとともに、管理方法を検討するなど取り組んでまいります。また、市町村立学校においても、必要としている児童生徒が安心して入手できるよう、各市町村教育委員会と連携して、対応していくと聞いております。
〇小林正信委員 それでは続いて、日本脳卒中協会では、今月を脳卒中月間と定め、脳卒中の防止のための理解促進に努めております。県も、LINEなどさまざまな媒体を活用し、脳卒中についての周知、啓発を図っているところと認識しております。令和2年度の脳卒中の死亡率、また、ここ5年の死亡率の推移と、全国平均との比較についてお伺いします。
〇菊池副知事 令和2年人口動態統計月報年計によりますと、令和2年1月から12月までの脳血管疾患、いわゆる脳卒中の本県における死亡数は1、876人で、前年に比べて63人減少しているものの、10万人当たりの粗死亡率は155.7と、全国の83.5に比べて、高い値となっております。
 過去5年の10万人当たりの死亡率は、高齢化の進展等により、単純には比較できないものの、平成28年が151.1、平成29年が155.6、平成30年が161.2、令和元年が159.1と推移しており、いずれも、全国平均よりも高くなっている状況にあります。
〇小林正信委員 国土交通省では、自動車運送業者における脳血管疾患対策ガイドラインを策定し、脳検診の必要性を訴えております。県の死亡率はかなり高い状況と伺いましたけれども、これを下げて、また、不幸な事故を防ぐ意味でも、脳検診の充実は必要と考えます。脳ドックの受診勧奨について、これまでの県の取り組みと、今後の予定をお知らせください。
〇達増知事 脳ドックの受診勧奨についてでありますが、県では、脳卒中いわゆる脳血管疾患の予防のため、平成26年に岩手県脳卒中予防県民会議を設立し、県民運動を展開してきたほか、働き盛り世代の生活習慣改善に資する、企業等が行う健康経営の促進等の取り組みを進めてまいりました。
 また、脳卒中の予防のため、主な危険因子となる高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の早期発見、早期治療につながる、特定健診の受診率向上を目的とした研修等の取り組みも進めてまいりました。
 脳ドックは、無症状の人を対象に画像検査等によって、脳及び脳血管疾患の危険因子等を発見し、脳卒中の発症あるいは進行を防止することの効果が期待されているところであり、県内においても、一部の市町村で助成事業を実施しております。
 県といたしましては、脳卒中予防のため、引き続き関係機関と連携した特定健診受診率向上の取り組みが重要と考えており、これまでの官民一体となった取り組みを進めていくとともに、委員から御指摘のあった、脳ドックの受診勧奨のあり方については、今後の国の動向や他の都道府県の取り組みも参考にしながら、研究してまいります。
〇小林正信委員 先日、岩手県トラック協会からお話を伺った際に、協会では、運転手が脳ドックを受ける際に、最大1万円の補助を行っていると伺いました。しかしながら、脳ドックを実施している機関が県内に少ないという状況のため、脳ドックの検診が進まないとの課題があると伺いました。
 県内では、13の県立病院にMRIが整備されておりますが、脳ドックを行っているのは二戸病院のみとなっております。脳ドックを推進する観点から、県立病院のMRIを活用すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
〇菊池副知事 県立病院における脳ドックの実施の関係でございますが、県立病院では、平成7年に、旧花巻厚生病院で脳ドックを開始し、その後、脳神経外科や脳神経内科などの専門医師の配置がある中央病院、中部病院、宮古病院及び二戸病院で実施してきたところでございます。
 近年は、御案内のとおり、民間医療機関や健診機関での実施も多く、県立病院での実施件数は減少傾向にあったことや、急性期の脳血管疾患に対する診療体制の整備を優先したいとする専門医師の意向から、現在では、二戸病院のみで、年7件程度の実施となっている状況にあります。
 県立病院においては、限られた医療資源を、急性期の専門的治療に注力しているところでもありまして、医療局としては、現時点で、新たに実施機関をふやすことは難しいと考えているところでございますが、引き続き、県内の脳ドックの受診動向を注視してまいる考えであります。
〇小林正信委員 了解いたしました。
 続いて、コロナ禍における育児中の母親の孤立は、ますます深刻になっている状況と考えております。まずは、令和2年度における県内の市町村の産前、産後ケアの実施状況、また、県としてのかかわりについてお伺いします。
〇菊池副知事 令和2年度末現在、妊産婦に対して、子育て経験や助産師等による相談支援を行う産前・産後サポート事業は、16市町において実施しているところでございます。
 また、母子保健法上、市町村の努力義務とされ、出産後1年以内の母子に対して、心身のケアや育児のサポートなどを行う産後ケア事業は、22市町村で実施しており、実施市町村数は、両事業とも、年々増加してきているところであります。
 県では、妊産婦等が、身近な地域で、きめ細やかなケアを受けられる環境を整備することが重要でありますことから、その取り組みの充実に向け、保健所単位で開催しております、母子保健に関する連絡調整会議の場を活用し、市町村と意見交換を行いながら、地域の実情に応じて取り組むことができるよう、助言を行ってきているところでございます。
 今年度は、先行事例を取り組みの参考としてもらうため、県内市町村における産後ケア事業の事例集を作成、配付するなど、事業実施市町村が拡大していくよう、支援しているところでもあり、引き続き、医療機関などと連携し、市町村支援に取り組んでいく考えでございます。
〇小林正信委員 22市町村で産後ケアが実施されているということで、これも、年々拡大されていると思うのですけれども、実施しているところでも、その取り組みの充実度においても、やはり差が出てきていると感じているところです。
 県立釜石病院では、普通分娩の休止に伴って、ショートステイとか、24時間ダイヤルオンライン相談など、充実した産後ケアを実施しています。助産師の負担が大きくなるといった懸念はありますけれども、県立病院において、各市町村の産後ケアをサポートするような取り組みが進めば、県内の産後ケア事業の充実に資するものと考えます。
 今後、県として、産後ケア事業についての予算を、独自に確保すべきと考えますが、御所見をお伺いします。
〇菊池副知事 産後ケア事業については、母子保健法上、市町村の努力義務とされているところでありますが、県立釜石病院においては、分娩休止に伴い、地域の市町が同病院を利用して取り組むまでの間、病院独自に、デイサービス型の産後ケア事業や24時間電話相談などを行っているところでございます。
 県といたしましては、実施市町村の拡大に向けて、複数の市町村が、一つの産科医療機関等を共同で利用する取り組みについて助言するなど、市町村の意向を踏まえつつ、妊産婦等が、身近な地域できめ細やかなケアを受けられる環境が整備されるよう、引き続き、必要な支援を行っていく考えであります。
〇小林正信委員 産後ケアをする方の人材育成という点では、東京都などで、産後ケア、子育てについての専門知識を持った家事の代行や相談にも応じる産後ドゥーラが各家庭に派遣されて、好評を得ていると伺っております。こうした産後ドゥーラのような専門家の育成、派遣なども、産後ケア事業の充実にとって、今後、重要になると考えますが、御所見をお伺いします。
〇菊池副知事 産後ドゥーラについてでございますが、産後ドゥーラは、産前、産後の身体的、心理的なサポートができる者として、専門資格の有無にかかわらず、一般社団法人ドゥーラ協会が独自に認定しているものと承知しておりますが、委員御指摘のとおり、他県の市町村等の一部では、産前、産後サポート事業において、産後ドゥーラを活用している例もあると承知しております。
 一方、産後ケア事業については、母子保健法施行規則では、助産師、保健師または看護師のいずれかを常に1名以上配置することとされており、こうした規定に基づき実施する必要があること、また、そもそも、本県において、産後ドゥーラの認定を受けている方がわずかであることなどから、その活用については、今後、検討してまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 次に、医療機器関連産業についてでありますが、この集積については、県としても、昨年度から岩手県医療機器等関連産業イノベーション創出戦略に基づいて取り組みを進めているところと認識しております。令和2年度における企業集積の進捗状況についてお伺いします。
〇保副知事 県では、これまで、産業支援機関と連携して、コーディネーターの派遣、県内企業の医療機器分野への参入支援に取り組んでまいりました。令和2年度末時点におきます医療機器製造業の登録企業数は、前年度末と比較して、2件増加いたしまして、24社となっております。また、医療機器においては非常に重要な医療機器等の品質マネジメントの国際規格でありますISO13485の認証取得も増加している状況にあります。
 数字もそのようなことでございますが、昨年度から進めている岩手県医療機器等関連産業イノベーション創出戦略におきまして、核となる施設と位置づけております、岩手県工業技術センターの敷地内に整備したヘルステック・イノベーション・ハブに、現在、さまざまな業種が入居いたしまして、11社になっており、貸研究室が満室となっている状況でございます。
 ヘルステック・イノベーション・ハブにおいて、さまざまな独創的な製品開発や、企業との共同研究、けさ、日本経済新聞に、この共同研究の様子が記事に掲載されておりましたけれども、そのような活発な動きができてきております。県として、このような取り組みをさらに進めていきたいと考えております。
〇小林正信委員 盛岡市では、医療機器関連の誘致企業に対する優遇措置を講じております。県としても、こうした市町村の動きを後押しするため、県内への進出を考えている医療機器関連企業に対する優遇措置を考えるべきと考えますが、御所見をお伺いします。
〇保副知事 今、委員からお話のありました盛岡市の優遇措置は、市が開発を進めております道明地区新産業等用地において、医療や介護機器等の製造や研究開発を行う、いわゆるヘルステック産業といったものを戦略的に誘致するため、独自に企業立地促進事業補助金の補助率のかさ上げを行っているものと承知しております。
 県としましては、企業誘致を進めるに当たり、市町村が独自の戦略に基づいて、さまざまな優遇措置を講じることは非常によろしいことだと思いますが、県としては、市町村との協働による現在の補助制度の運用のほか、今、御紹介申し上げましたヘルステック・イノベーション・ハブの整備のように、より広域的、あるいは共通的な課題といった視点から、人材確保や取引拡大、研究開発の支援といったような役割を担いたいと考えており、そういった面で、役割分担をしながら、今後とも、医療機器関連産業初めあらゆる業種にわたる企業誘致の活動を展開していきたいと考えております。
〇小西和子委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
 知事を初め、執行部の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでした。
 これより各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行いますので、その間、暫時休憩いたします。各委員は一旦退室いただき、控室でお待ち願います。
午前10時56分 休 憩

午前11時22分 再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより各部局別の審査を行います。
 質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせのとおり、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑を行うこと、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として短時間かつ簡潔に行うことを基本とすること、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないこととなっております。
 また、議会運営委員会において、新型コロナウイルス感染症対策として、各日の質問予定人数に応じて、その都度世話人会で協議の上、質疑の目安時間を決定するとされたところです。
 本日は、この後、議会、総務部、政策企画部、復興防災部関係について延べ18人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたしましたので、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、その日の質疑の目安時間にかかわらず、関連質疑の目安時間を10分とすることにいたしますので、あらかじめ御了承願います。
 初めに、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇南議会事務局長 令和2年度の議会関係の決算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、168ページをお開き願います。168ページから171ページまでにかけてですが、第1款議会費第1項議会費の支出済額は13億6、107万円余であります。内訳でございますが、第1目議会費の支出済額は9億1、806万円余であり、これは、議員の報酬及び費用弁償等の議会運営に要した経費でございます。次に、第2目事務局費の支出済額は4億2、124万円余であり、これは、事務局職員33名分の人件費及び事務費等、事務局の管理運営及び県議会のホームページをウェブアクセシビリティーに配慮した仕様へリニューアルするために要した経費でございます。次に、第3目議員会館費の支出済額は2、177万円余であり、これは、議員会館の維持管理等の管理運営に要した経費であります。
 以上で議会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇田村勝則副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 最初に、県議会の受動喫煙防止対策についてお聞きします。
 全国、東北各県の受動喫煙防止対策、受動喫煙防止条例、喫煙所の設置状況はどうなっているでしょうか。
〇南議会事務局長 まず、全国の都道府県議会における受動喫煙防止対策の実施状況についてでありますが、令和3年10月の調査では、敷地内全面禁煙は6道府県、敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用室ありとするものが11府県、建物内禁煙が11都県、建物内禁煙で喫煙専用室ありとするものが、本県を含め19県となっております。
 次に、東北地方の県議会における受動喫煙防止対策の実施状況についてでありますが、敷地内全面禁煙は、青森県、秋田県の2県、敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用室ありとするものが、福島県の1県、建物内禁煙が、宮城県、山形県の2県、建物内禁煙で喫煙専用室ありとするものが、本県の1県となっております。
 次に、全国の受動喫煙防止条例の制定状況についてでございますが、本年10月の保健福祉部の調査によりますと、12都道府県となっております。
 また、このうち東北各県の状況につきましては、山形県、秋田県及び福島県の3県が、条例を制定しております。
〇斉藤信委員 全国では、27の都府県が、建物内では禁煙ということになっています。そして、受動喫煙防止条例の制定状況では、北海道、東北地方では秋田県、山形県、福島県の3県、北海道、東北地方の4道県が受動喫煙防止条例も制定をしている。そういう中で、岩手県だけが議会棟に喫煙室を設置しているというのは、大変異常な事態だと私は思います。
 そこで岩手県は、本庁舎等が敷地内禁煙を実施している中で、県議会の議会棟に喫煙室が設置された経過と理由、改めて示してください。設置の経費はどう検討されたのでしょうか。
〇南議会事務局長 まず、喫煙室が設置された経過についてでございますが、平成22年11月1日に、超党派議員から、議会棟における全面禁煙の早期実施を求める申し入れを受け、同年11月15日の議会運営委員会から、議会棟の受動喫煙対策に係る検討が始められたものでございます。
 その後、議会運営委員会で協議が重ねられ、平成25年12月の議会運営委員会では、分煙とすることが決定されたところであり、平成26年2月の同委員会で、その対策として、喫煙場所を新たに設置することとされたものでございます。
 設置場所の検討に当たりましては、平成26年2月以降、事務局から、1階の談話室に設置する3案と現在の喫煙室の案の四つの案を提示し、各会派内での協議を経て、御検討いただき、最終的に、平成26年7月1日の議会運営委員会で、現在の喫煙室にすることに決定をされたものでございます。
 決定の理由といたしましては、設置に係る経費や利用人数による面積、設置場所などが総合的に検討され、御判断いただいたものと考えております。
 次に、設置経費の検討についてでございます。平成26年2月以降の議会運営委員会で、事務局から、談話室の全部を喫煙場所にする工事費660万円から700万円の案と、談話室の一部を喫煙場所とする工事費370万円と50万円の2案、この計3案を提示し、御協議をいただいたところでございますが、その後、委員からの要請により、現在の喫煙室の場所に設置する工事費190万円の案を追加で提出し、計4案について御検討いただいたものでございます。
〇斉藤信委員 この議会棟の喫煙室については、平成22年以来の議論となっているわけでありますけれども、結果的には、議会棟の喫煙室は、日本たばこ産業株式会社からの寄附行為で設置されました。これは、日本たばこ産業株式会社から便宜を供与されたということになるのではないでしょうか。いつ、どういう経過で寄附をされたのでしょうか。
〇南議会事務局長 まず、日本たばこ産業株式会社からの寄附行為についてでございますが、日本たばこ産業株式会社からの寄附の申し出は、総務部に対して行われたものであり、総務部からは、その寄附目的については、問題がないものと判断したと聞いております。
 次に、寄附の経過についてでございますが、平成26年7月1日の議会運営委員会において、先ほど申し上げたとおり、喫煙室の設置場所が決定となり、その方針を踏まえて、管財課に喫煙室の設置を依頼したものでございます。
 日本たばこ産業株式会社からの寄附について、総務部に確認をしたところ、当初は、県が直接工事を実施する予定でありましたが、平成26年8月26日に、日本たばこ産業株式会社から寄附の申し出があり、総務部内で寄附の妥当性を検討した上で、平成26年9月9日に、正式に寄附を受けることとしたとのことでございます。
 その後、管財課からは、日本たばこ産業株式会社からの寄附行為により設置する旨、報告を受けたところでございます。
〇斉藤信委員 議会で、190万円の予算で設置しようとしたけれども、日本たばこ産業株式会社から寄附をされたとのことですが、たばこ規制枠組み条約の第13条は、たばこ会社等が社会貢献活動や寄附をやってはならないとされているのです。これは管財課が対応したということですね。そして、そのことを、結果として、議会に報告されるというのは、おかしなことだと思うのです。議会がみずからそういう判断をしなくてはならない問題だったのではないかと思います。
 特に、新型コロナウイルス感染症対策の中で、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、感染リスクが高まる五つの場面を指摘していますが、その五つ目に、休憩室、喫煙所、更衣室での感染が疑われる事例が確認されています。新型コロナウイルス感染症対策から言っても、私は喫煙所はもう閉鎖すべきだと思いますが、なぜ、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の方針に反することになったのでしょうか。
〇南議会事務局長 いわゆる喫煙室の利用自粛のお尋ねだと思いますが、本年2月8日の議会運営委員会において、斉藤信委員から同様の趣旨の問題提起があり、当委員会において、御協議をいただいたところでございますが、最終的には、各議員の良識で判断するよう周知いただくこととなったものと、認識しております。
〇斉藤信委員 議会運営委員会の議論で、最終的には個人の責任でということでは、新型コロナウイルス感染症対策にならないのだと思うのです。大体たばこを吸うときはマスクを外すのですから。狭いところで密室ですよ。
 そこで、議会棟の喫煙室の利用者については、どう定められていますか。
〇南議会事務局長 喫煙室の利用者の定めについてでございますが、喫煙室の利用者の範囲を定めたものはございませんが、議会棟の喫煙室は、先ほど申し上げたとおり、議会運営委員会で協議を重ね、会派控室を禁煙とすることの代替措置として、設置を決定したものであり、そうした背景を踏まえれば、利用者としては、議員及び議会棟へ用事があって来訪した者が想定されているものと、認識しているところでございます。
〇斉藤信委員 実態として、議員、来訪者以外に県の職員も利用しています。マスコミ関係者も利用しています。私は、管理責任が問われる実態だと思います。
 本来、議員だけが特権的に喫煙室を使うということ自体が異常だと思うけれども、議員専用、来訪者を認めるということであれば、敷地内全面禁煙になっているときに、県職員がここに逃げ込んで喫煙するということは、許されないと思います。喫煙所の管理責任はどこにありますか。きちんと、管理、監督がなされているのでしょうか。
〇南議会事務局長 喫煙室の管理責任ということでございますが、基本的に、喫煙室の管理につきましては、財産管理や施設修繕等を除き、日常の維持管理を議会事務局が担っているところであり、施設の機能に異常がないかどうか、あるいは修繕を要する箇所がないかどうか、こういったところについて管理をしているところでございます。
〇斉藤信委員 議会棟の喫煙所ですよ。本来、利用すべきではない県職員が利用していることについて、放置していいのですか。
〇南議会事務局長 県職員の利用についてでございます。総務部では、令和元年6月27日付で、県庁舎敷地内が全面禁煙とされることに伴う服務上の留意事項について、職員向けに通知を発出したほか、本年2月15日付で、勤務時間内に職場を離れ、喫煙を行う行為は、服務規律に違反するほか、県民の誤解や不信を招き、職員の信用失墜につながりかねないものであり、厳に慎む必要があることから、改めて職務専念義務等の厳守等について、徹底を図る通知を発出したと承知しております。
〇斉藤信委員 議会棟の喫煙室ですから、総務部人事課と議会事務局が連携してやるべきだと思います。服務規律にかかわるのだから、あり方が根本的に問われるけれども、そういう対策をとるべきではないですか。
〇南議会事務局長 ただいまの御質問につきましては、私どものほうでは、いわゆる喫煙室の維持管理という観点、そして、総務部のほうとすれば、職員の服務規律という、その2点から検討する必要があるものと思われます。
 ただ、最終的には、そういう方針になれば、総務部との協議の上、進めることになりますが、その利用者の範囲等々も含めて、まだ明確に定まっているわけではございませんので、最終的には、どういう方を利用させるのかといったことについても、議会運営委員会等において、議員の皆様方で御協議をいただくことが、適切ではないかと考えております。
〇斉藤信委員 管理責任は議会事務局にあるのですから、私は、実態を調査して、人事課とよく協議をして、いわば駆け込み喫煙所にならないように、しっかりやるべきだと思いますが、いかがですか。
〇南議会事務局長 私どもは、あくまでも喫煙室の日常的な維持管理ということで、今、管理を進めているわけでありまして、もし仮に、そこに出入りする人が対象の範囲内であるのか範囲外であるのか、そういうことを見極めるということになりますと、今の人的体制の中で、常時、そこに人を配置することは、物理的に不可能な状況もございますので、そういったところも含めて、今後、いろいろと検討を進めていく必要があるものと考えております。
〇斉藤信委員 例えば、議会閉会中、県議会議員がいなくても、あそこは使われるのです。だから、そういう点でいけば、議員がいないときには閉めておくとか、そういう対策も私は必要だと思います。
 あと2点お聞きします。県議会議員の海外視察について、新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックの状況ですから、私は、来年度の海外視察は中止すべきだと思いますが、いかがですか。
 もう一つは、タブレット端末の導入で、県議会の議事録の冊子を作成しないことになりました。タブレット端末の導入で、経費がどれだけかかって、どれだけ経費が削減されたのか。県議会の議事録の冊子は何部、幾らかかっているのか、そのことを示してください。
〇米澤総務課総括課長 来年度の海外行政視察の実施についてでございますけれども、新型コロナウイルス感染症を取り巻く今後の状況については、これを見通すことは非常に困難でございますが、令和3年10月13日の議会運営委員会におきまして、視察の目的については、令和3年度と同様とし、喫緊の県政課題の解決に資する視察調査テーマとして実施すること、令和4年度の当初予算額につきましては、令和3年度と同様に、議員12人分、1、080万円を要求することが決定されたところでございます。
〇南議会事務局長 タブレット端末の導入の件でございます。タブレット端末の導入に係る経費は、令和元年度が導入経費、令和2年度は運用経費となりますが、まず、令和元年度のタブレット端末を導入した際に要した経費については、タブレット端末の購入費が903万4、000円、通信回線使用料が105万4、000円、Wi−Fi設定費が13万7、000円、端末管理サービス委託費が46万8、000円、ペーパーレス会議システム運用委託費が18万7、000円、合計で1、132万8、000円となっております。
 また、令和2年度のタブレット端末の運用に係る経費でございますが、通信回線使用料が300万3、000円、ペーパーレス会議システム運用委託費が112万2、000円、ライセンス使用料が4万9、000円、合計で417万4、000円となっております。
 また、会議録の作成部数につきましては、若干の増減はございますが、まず、定例会、そして、予算特別委員会、決算特別委員会、年間通じて、おおむね993部を作成をしているところでありまして、その作成経費につきましては、過去4カ年の平均で見ますと、会議録等印刷製本費は1、042万円となっているところでございます。
〇斉藤信委員 令和元年度は、導入経費がかかりました。しかし、昨年度の決算を見ると、651万円余の削減になっているのです。私は、県議会の議事録というのは、議会にとっては本当に重要なものですから、約1、000部今まで作成されていたとしたら、これは半分に減らしてでも、この枠内で印刷すべきではないかと思いますが、いかがですか。
〇南議会事務局長 議会改革推進会議の下部組織であります情報化推進ワーキンググループの中で検討した際に、原則として、印刷製本費の経費の範囲内でタブレット端末を導入するという方針、さらに、印刷を全く廃止するということではなくて、希望する議員に対しては、印刷した会議録等を配付するという形で、対応してきているものでございます。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで議会関係の質疑を終わります。
 議会事務局の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでした。
 次に、総務部長に、総務部関係の説明を求めます。
〇白水総務部長 令和2年度決算の概要につきましては、昨日、会計管理者から説明がありましたので、私からは、歳入歳出の構造、歳入全般及び総務部関係の決算の内容について、御説明を申し上げます。
 まず、歳入の構造について御説明いたしますので、お手元の令和2年度歳入歳出決算説明書をごらんいただきたいと思います。
 歳入歳出決算説明書の44ページをお開き願います。第3表一般会計の財源別収入状況でありますが、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は、この表の一番上の行に記載しておりますが、5、748億6、184万円余であり、前年度と比較し、92億1、523万円余、率にして1.6%の増となっております。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は、中段の行になりますが、5、409億766万円と、前年度と比較し、960億159万円余、21.6%の増となっております。
 続きまして、歳出について御説明申し上げます。少し飛びまして、56ページをお開き願います。第8表一般会計性質別経費の決算額と一般財源充当状況について、御説明申し上げます。
 まず、歳出決算の性質別の状況であります。左側の区分のとおり、義務的経費の計は2、831億935万円余、右のページに参りまして、決算総額に占める割合である決算額構成比は27.7%、前年度と比較し、3.3ポイントの減、決算額の対前年度増減率は2.4%の減となっております。
 続いて、左のページ投資的経費の計でございますが、2、640億9、956万円余、同様に構成比は25.8%、前年度と比較し、3.2ポイントの減、決算額の対前年度増減率は3.1%の減となっております。
 次に、総務部所管の事務事業に係る取り組み及び今後の取り組み方針について御説明申し上げます。
 令和2年度の予算は、東日本大震災津波からの復興を力強く進めるとともに、県民の幸福度の向上を図るいわて県民計画を軌道に乗せ、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわての実現を推進するため、財源確保や人的資源の確保に向け取り組んでまいりました。
 また、新型コロナウイルス感染症に対応するため、保健師等の確保や全庁的な業務支援体制の構築に努めてきたほか、職員の働き方改革に資する取り組みを推進してきたところであり、具体的には、サテライトオフィスの設置や、子育てや介護等と仕事の両立及び感染症の拡大防止を図るための在宅勤務制度の創設などに取り組んだところであります。
 今後とも、いわて県民計画に掲げる政策の実効性を高めるため、引き続き、行政経営プランや、働き方改革ロードマップに基づく取り組みを推進し、将来にわたって安定的な財政構造の構築が図られるよう、中長期的な視点に基づき、歳出の重点化や行政の効率化を推進してまいりたいと考えております。
 それでは、当部の決算について、お手元の令和2年度歳入歳出決算書により御説明申し上げます。
 歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。まず、一般会計についてでありますが、2款総務費1項総務管理費の一部、3項徴税費、6項防災費、16ページに参りまして、12款公債費の一部及び13款諸支出金の一部であり、予算現額の総額は1、742億9、590万円余、これに対する支出済額は1、733億2、839万円余であります。このうち、8億2、769万円余が、復興防災部への移管分となります。
 なお、このほか、ふるさと振興部から、10億6、701万円余が移管されております。
 また、令和3年度への繰越額は、ふるさと振興部からの移管分を含めて、総務費の8億1、192万円余であります。
 以上で、一般会計の説明を終わります。
 続きまして、所管する特別会計について、御説明申し上げます。
 少し飛びまして、24ページをお開き願います。一番上の公債管理特別会計でありますが、収入済額は1、612億9、780万円余であり、その主なものは、一般会計及び県債管理基金からの繰入金、借換債であります。
 26ページをお願いいたします。中ほどの支出済額ですが、1、612億9、780万円余となっており、その主なものは、県債償還元金及び利子、県債管理基金への積立金であります。
 以上で、説明を終わります。よろしく御審議を賜りますよう、お願い申し上げます。
〇田村勝則副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午前11時55分 休 憩

午後1時3分 再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇佐藤ケイ子委員 財産管理費についてお伺いいたします。財産管理費、決算は2億1、814万円余でございますけれども、令和元年度に比べると大幅に増加しております。その要因をまずお伺いいたします。
〇平野管財課総括課長 財産管理費の決算額の増要因についてでございますけれども、主な要因といたしましては、旧県立盛岡短期大学の建物の解体工事を令和2年10月から施行しておりまして、解体工事に伴う工事請負費や工事施行に先だって実施いたしました廃棄物処分に係る費用等の増加によるものでございまして、令和2年度の決算ベースで1億6、000万円余の経費となっております。その分の増加ということでございます。
〇佐藤ケイ子委員 この解体工事は、令和2年の10月から令和3年10月の予定で行われるということで、ほとんどこの工事が終わろうとしているわけですけれども、その後の活用方法については、盛岡市の児童センターとか老人福祉センターの計画があるようで、この土地全部を使用するわけではなさそうですが、この土地の処分の方針は決まっているのでしょうか。
〇平野管財課総括課長 旧県立盛岡短期大学跡地の利活用についてでございますけれども、委員から御紹介ありましたとおり、盛岡市において、その敷地の一部を山王児童センター、山王老人福祉センターの移転候補用地として使いたいという申し出がございまして、県としても、利用する部分はありますが、それらを含めて、市の分と県で利用する分、あとは、現在、図書館を改修工事しておりまして、文書庫として活用するという形で、利用する予定となっております。
〇佐藤ケイ子委員 それはそれでいいのですけれども、その処分方法は、売買なのか、交換なのか、どういう方針でしょうか。それから、盛岡市で全部譲渡を受けるわけではなさそうですが、その残っている土地の活用方針について、県はどのような方針でいるのでしょうか。
〇平野管財課総括課長 盛岡市への土地の譲渡につきましては、一般的に申し上げますと、まず、適正価格による売却ということ、あとは、場合によっては、土地の交換というような手法がございますが、その辺につきましては、今後、盛岡市と協議を進めまして、譲渡方法については決定していくという予定になっております。
 また、県としての利用の計画でございますけれども、現在、県の内部で、利用計画を詰めている段階でございまして、決まりましたならば、御報告できるかと思っております。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。未利用の資産も、県内であちこちにあるわけですけれども、この物件についても、まず、県で使用するかどうか、それから、県で使用しない場合は、市町村が使用するかどうか、市町村が利用しないということであれば、民間への譲渡もあるのだろうと思いますけれども、それは、早期に活用を考えていただきたいと思うのです。
 空き地になりますと、管理の方法とか、周辺にも御迷惑をおかけすることにもなろうかと思います。早期に処分方法を検討していただけないかという住民からの要望もあるようですけれども、そういった観点から、ぜひ早期にお願いしたいと思います。
 未利用資産について、ほかの未利用資産は、どの程度あるのでしょうか。管理費も毎年800万円、900万円かかっていると思いますけれども、どの程度あって、どのように活用されているか、管理の課題認識についてお伺いいたします。
〇平野管財課総括課長 未利用資産の活用についてでございますけれども、令和3年3月31日現在における未利用資産は、土地で106件、約117万平方メートル、建物で38件、約7万平方メートルとなっておりまして、県有地全体に占める未利用地の割合は1.5%という状況になっております。
 県におきましては、未利用資産の実態把握と計画的処分を進めるため、平成23年2月に、県有未利用資産等活用処分方針を策定しておりまして、それとともに、毎年度の活用処分計画を定めて、資産の有効活用や、利用が見込まれない資産につきましては、売却等の処分を推進しているところでございます。
 これによりまして、令和2年度で申し上げますと、26件、5万5、000平方メートルを売却いたしまして、5億7、700万円余の収入となっております。また、270件、約410万平方メートルを、国、地方公共団体あるいは民間等に貸し付けしておりまして、その貸付料ということで、令和2年度決算で、1億1、200万円余の財産貸付収入となっているところでございます。
 管理する上での課題といたしましては、資産の所在位置とか、その形状等の条件が悪くて、なかなか売却の可能性が低い財産が一定程度存在するというのは、そのとおりでございます。これらの資産については、当分の間、県が保有せざるを得ないということや、権利保全のための業務とか、委員おっしゃったように、維持管理の経費もあるということで、そういった課題があるものと認識しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 管理の仕方で、草刈りもなかなか回らなかったり、警備費もかかったり、資産管理も本当に大変だろうと思うわけですけれども、財政の見通しの中では、資産の売却もしながら、健全財政に努めていくというような答弁も必ずあるわけですけれども、実態的には、なかなか活用し切れないということだと思っております。
 ぜひ、その土地の周辺の方々の活用の仕方というのも、住民と一緒になって考えていただきたいと思うのです。学校の周辺設備なども、学校を統廃合して、使っていないのだけれども、残っている建物とか土地があって、非常に御迷惑をかけているというのも、実態としてありますので、ぜひ、活用の仕方を住民と一緒になって考えていただきたいと思います。
 それでは、次ですけれども、県職員の働き方の状況についてお伺いいたします。まず、超過勤務のことでございます。超過勤務の時間数はどうなっているでしょうか。そして、長時間労働による保健指導の対象者数はどうなっているでしょうか。
 これは超過勤務の上限規制があるわけですけれども、他律的業務と言って、該当させない業務もたくさんある中で、今、保健福祉部関係は本当に大変だと見ておりますけれども、どういう状況になっているのかお伺いいたします。
〇加藤人事課総括課長 超過勤務の状況でございますけれども、令和2年度の全庁における1人当たりの月平均超過勤務時間は、全庁で15.5時間となっております。令和元年度と比較して、0.4時間、2.5%の減となっております。
 これは、感染防止や経済、雇用対策など新型コロナウイルス感染症対応業務によります業務の増加によりまして、保健福祉部、商工労働観光部などで、超過勤務時間が増加した一方で、業務継続計画の実行や復興事業の進捗等によって、全体としては、おおむね同水準となったところでございます。
 今後も、業務の見直しなど、適切な業務マネジメントに取り組むとともに、必要な人員の確保に努め、超過勤務の縮減に向けて取り組んでいきたいと考えております。
〇小笠原総務事務センター所長 長時間労働における保健指導者対象数でございますが、令和2年度は延べ395人となっておりまして、令和元年度の301人と比べ、94人増加しております。保健指導対象者には、産業医が面談を行い、心身の状態を確認し、必要な指導を行っております。
 今後も、産業医による保健指導を継続し、長時間労働に伴う職員の健康障害の未然防止に努めてまいります。
〇佐藤ケイ子委員 超過勤務は、令和元年度より若干減少しているというお話でありましたけれども、令和2年の8月の速報値を去年お聞きしたときには、13.9時間だったのです。ですから、半年くらいで超過勤務がすごくふえた。これは新型コロナウイルス感染症対応関係だと思いますけれども、その中で、50時間も100時間も超えている保健福祉部関係、広域振興局関係もあると聞いております。本当に大変な状況だと思っておりまして、ぜひ、人員の体制などを整えていただきたいと思います。精神疾患もふえております。本当に職場環境を整えるようにお願いしたいのです。
 次に、会計年度任用職員の関係です。令和2年度から、会計年度任用職員制度が導入されております。本当は処遇改善に進むわけだったのですけれども、パートタイム化ということで、実際の勤務する時間がかなり少なくなって、職場では人が足りないというようなことになっております。パートタイムに切りかえたものの、年収とすれば、若干増額になったということですけれども、本当に期待していたような、そういう処遇ではなかったと聞いております。人員削減になったということであります。
 会計年度任用職員の処遇改善にどう取り組んできたのかお伺いいたします。
〇加藤人事課総括課長 会計年度任用職員の処遇改善でございますが、これまで、他県、市町村との均衡や募集状況を考慮した報酬水準の見直し、業務内容を考慮した特殊勤務手当の支給など、給与上の改善を行ってきたほか、休暇制度についても、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、発熱等の症状がある場合に、有給の特別休暇を取得できるようにするなど、随時、処遇の見直しを行ってきたところでございます。
 会計年度任用職員の配置につきましては、職場における必要な業務量を適切に反映させながら、適正な人員配置に努めてきております。今年度においては、新型コロナウイルス感染症対策として、保健師や看護師を追加任用するなど、常勤職員を含め、新たに生じた業務に対する配置を行ってきたところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 そういうことですけれども、実際には、会計年度任用職員の処遇が思ったよりよくないということで、求人をして人を確保するのに、大変な状況だというのも現場から出ているようでございます。さらには、公共事業なども復興関係が終了する中で、予算削減されて、職場では、人がいない、業務が回らないという声が出されているということでございます。
 新年度予算編成にもかかわってくると思いますけれども、会計年度任用職員の一層の削減の懸念が強く、職場では大変心配をしております。そのような職場環境を改善するようにお願いをしたいと思います。
 次の項目です。女性職員の登用についてです。
 女性の管理職、総括課長以上、主査以上に占める女性の割合は、どのようになっていますか。
 それから、女性活躍推進のための特定事業主行動計画の達成の見込みはどうでしょうか。お伺いいたします。
〇熱海職員育成課長 女性管理職の状況についてでありますが、総括課長級以上の管理職に占める女性の割合は、令和3年4月1日時点で9.5%となっておりまして、前年の令和2年4月1日時点と比較し、0.4ポイント上昇しております。また、主査以上に占める割合ですが、こちらも、令和3年4月1日時点で20.7%となっておりまして、昨年に比べて0.6ポイント上昇している状況でございます。
 次に、計画の目標の達成見込みでございますが、目標といたしまして、特定事業主行動計画では、総括課長級以上の管理職に占める女性割合を設定しております。令和3年度の年度目標値9.5%、こちらは達成しているところでございます。令和7年度までに、管理職に占める女性職員の割合を15%とすることを目指しておりまして、現在、計画に基づく取り組みを進めております。
 今後も、女性職員が、キャリア形成について具体的に考える機会をふやすための研修の実施、あるいはメンター制度の充実、それから、女性職員の活躍事例の発信など、計画達成に向けて取り組んでまいります。
〇佐藤ケイ子委員 計画達成に向けて取り組んでいるということでございますけれども、本当に微々たる増加という状況だと思ってお聞きいたしました。
 これで、目標の令和7年度15%、本当に達成できるのかと不安になってまいりますけれども、確実に、女性の皆さんのキャリアアップ、それから、職場の皆さんの理解、それから、働きやすい仕事と家庭の両立支援など、男女ともに、そういった職場環境の改善をしながら、女性職員の登用についても、目標15%と言わず、もう半々になれるように取り組んでいただければと思っておりますが、総務部長に見解をお聞きします。
〇白水総務部長 今、委員から重要な点を御指摘いただいたと思います。これは、今回の本会議でも答弁させていただきましたけれども、まず一つ、国全体で見たときに、2020年度までに、民間も含めて、30%まで上げようではないかということだったのですけれども、これが全然達成されていないというような状況でございます。例えば、国家公務員の課長クラスなども、直近だと5.9%、非常に低いということで、これは、国、地方問わず非常に重要な課題だと思っております。
 今、委員がおっしゃったように、理想形としては半々だと思います。まさに、男女半々なわけですから、半々ということだと思うのですけれども、そこに向けて、公務という特性上、係員の段階、係長の段階、課長補佐の段階、課長の段階、それぞれの段階で、それぞれ実務をこなして、マネジメントをやっていくというようなところもありますので、なかなか一足飛びにいかないところは、我々もじくじたる思いではあるのですけれども、いずれにしても、定めた目標は15%ということで、これはしっかりと頑張っていきたいと思っておりますし、それに満足することなく、さらに、もっと上の目標があるのだという認識もあわせて、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 私からは、一般質問でもお伺いいたしました、政務秘書の関係で質問させていただきます。
 まず、総務部に対しては給与等について、そして、政策企画部については勤怠管理のほうに分けて聞きたいと思います。
 まず、基本的なことを確認いたしますが、政務秘書の給与は、誰が決めるのでしょうか。簡潔にお答え願います。
〇加藤人事課総括課長 政務秘書の給与につきましては、条例の規定に基づきまして、上限額が定められております。その上限の範囲内で、事務的に計算等を行いまして、最終的には、総務部のほうで決定しております。
〇臼澤勉委員 総務部のほうで、知事が定めるということで理解いたします。
 昨日、佐々木宣和委員の答弁で、政務秘書の給与額の根拠、学歴あるいは職歴等を勘案した上で、一般職の職員の年収等の均衡を図って、決定していると答弁ありました。
 少し具体的な話を確認させていただきます。現在の小原政務秘書の採用時の年齢、それから、学歴、職歴等をお知らせください。
〇加藤人事課総括課長 こちらのほうについては、個人の情報でございますので、具体につまびらかにするのは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしましても、40代前半での御就任と聞いております。
〇臼澤勉委員 知事の記者会見では、40歳ということで発表しておりましたので、別に隠す必要はないと思います。就任当時は40歳、そして、具体的な職歴、もう一度確認します。小原政務秘書、そして、木戸口前政務秘書の職歴を聞いているところでは、小沢一郎衆議院議員の秘書としてお仕事されていたということが、ホームページにも出ておりますが、改めて確認します。
〇加藤人事課総括課長 ただいま、委員のほうから御紹介がございましたとおり、ホームページ等の情報等に基づきますと、大学卒業後、国会議員の秘書を経て、政務秘書のほうに就任されているということで、理解しております。
〇臼澤勉委員 小沢一郎衆議院議員の秘書を務められたということで、確認しております。
 一般職の職員の年収との均衡について確認いたします。まず、私の一般質問での答弁では、この政務秘書の給与額は、総括課長級で6級に相当するとの答弁がございました。勤務年数に応じて報酬を上げていると伺っておりますが、平成29年2月の採用時からどれくらいアップしているのかお伺いします。
〇加藤人事課総括課長 政務秘書の給与のアップ額でございますけれども、具体的な金額につきましては、何度も申し上げて、申しわけございませんが、個人の所得に関する情報でございまして、具体的な金額は公表していないところでございます。政務秘書の給料月額については、先ほど申しましたように、個々の学歴や職歴を勘案した上で、一般職の職員の年収との均衡を図って、決定しているところでございます。
 この中で、一般職の職員の給与と同様に、1年に一度の定期昇給や、人事委員会勧告の内容を踏まえた給与改定を反映させているところでございます。こちらは、マイナス改定、プラス改定、どちらのほうもあった場合は、そのようになっているところでございます。
 平成29年度以降につきましては、一般職の職員の給与改定は、増額改定が続いておりますので、政務秘書の給料月額についても、定期昇給分と、あわせて、一般職の職員と同様の改定率による増額となっているものでございます。
 また、期末勤勉手当は、一般職の職員や国の特別職の期末勤勉手当との均衡を踏まえながら、条例を改正の上、改定しております。
〇臼澤勉委員 勤務評定等を反映した形でアップしているのかどうなのかはわかりませんでしたけれども、過去の給与額1億448万円ということで、前に答弁ありまして、1年1人当たり約765万円ということでした。40歳の方で、この760万円をもらっている職員は何人いますか。
〇加藤人事課総括課長 手元に資料がないので、何人というところは具体的には申し上げられないのですが、ただ、760万円というところは、総括課長級の職員でございますので、いずれ、総括課長級の職員の分については支給されているということでございます。
〇臼澤勉委員 今回の議会で、人事委員会から、職員の給与等に関する報告及び勧告という、本当にすばらしい資料が出ております。この資料の18ページ、19ページに、それぞれの行政職の級号、こうやって出ているのですね。それで、平均年齢も出ているのです。これで見ますと、40歳の方で、6号級の総括課長がお一人いるのです。だから、隠す必要もないし、オープンになっている資料ですから、もう一度お伺いします。この方は、どういうキャリアの方ですか。
〇加藤人事課総括課長 こちらの職員につきましては、国のほうからの割愛職員と理解しております。
〇臼澤勉委員 いわゆる国家公務員の難関の試験を突破したキャリア組の方であります。
 採用時の年齢の40歳は、大体主査級でございます。今回も人事委員会の資料のほうで、モデル給与例が出ております。これを見ていただくと、40歳の年齢の方は主査級で、587万7、000円、これは勧告後の金額でございます。この40歳の主査級の年間給与額と比較すると、760万円との差額は約180万円なのです。一般職員の年収との均衡を図って設定しているというのは、甚だ疑問であります。
 次に、質問いたしますけれども、今の小原政務秘書の年齢からすると、4級相当なのですね。46歳ぐらいでしょうか。人事委員会の資料に書いていますけれども、県職員の場合、26年勤めて、4級相当だと、年齢46歳、経験年数26歳、給与月額36万7、523円、このくらいなのです。上限額49万9、000円ですけれども、これと比較しても、10万円ぐらい高いのです。
 今の知事の政務秘書の給与は、個人情報だから出せないということでしたので、聞き方を変えますけれども、現在の知事秘書の給与額、あるいは副知事の秘書が2人いますけれども、この方々の平均の給与額はどれぐらいですか。
〇加藤人事課総括課長 現時点の知事、副知事の秘書の平均給与額ということでございますが、こちらのほうの職員につきましては、おおむね、40代の主任主査級ということでございますので、モデルの給与例でいきますと、年額635万円となっております。
〇臼澤勉委員 ですから、760万円と比較しても、150万円ぐらいの差があるのです。
 それで、お伺いいたしますが、現在の小原政務秘書、国会議員の秘書もされていたと伺っておりますが、ちなみに、国会議員の政策担当秘書の資格試験の合格者、いわゆる政策秘書の資格はお持ちですか。
〇加藤人事課総括課長 申しわけございません。そちらについては、こちらのほうでは把握しておりません。
〇臼澤勉委員 いわゆる試験組の1割ぐらいしかパスできない、難関の試験であります。あるいは、10年以上秘書を経験されれば、大体この審査認定を得たものとして、政策の秘書をされるということなのですけれども、小原さんは10年ぐらい勤めていましたでしょうか。
〇加藤人事課総括課長 具体の就任の年月までは、こちらのほうでは把握しておりませんので、申しわけございませんが、答弁は控えさせていただきます。
〇臼澤勉委員 ホームページにも出ている情報ですけれども、10年は勤めてないということは確認しております。
 それで、何を言いたいかというと、いずれ、この総括課長級、6級に相当する給与の根拠、一般質問でも聞きましたが、業務内容等の妥当性が、極めて疑わしいと思っております。
 改めて聞きますけれども、特別職の報酬の改定は、広く民意を反映させるために設置されている特別職報酬等審議会に係るのが一般的でございますが、この政務秘書の報酬は、この審議会に係っているのでしょうか。お伺いします。
〇加藤人事課総括課長 特別職報酬等審議会の対象になるかどうかということでございますが、こちらは、条例におきまして設置されておりますが、その審議内容については、条例の中で、議員報酬の額並びに知事及び副知事の給料の額と規定されておりまして、政務秘書の給与については、特別職報酬等審議会の審議対象とはなっていないところでございます。
〇臼澤勉委員 対象になっていない、そういうことでございます。
 政務秘書の給与額が、この職務、そして、その責任からして、ほかの職員の給与との均衡が大いに欠けていると思います。きのうの答弁では、学歴、職歴等を勘案したとしても、一般職の職員の年収との均衡を図っているとおっしゃっていましたが、どう見ても、今の答弁も聞いて、ほかの職員の方々は納得するのかと、私は思います。
 そして、知事は、県政に果たす役割が非常にあるのだとおっしゃっていましたけれども、いろいろと聞いてみますと、単純な日程調整等のそういった業務内容に鑑みると、この現行の額が適正なのか、あるいは審議会でもチェックされていないというこの状況は指摘させていただきます。
 それで、人事課長にお伺いします。地方自治法附則における服務紀律、道府県職員服務紀律の存在は、人事課としていつ確認されましたか。お伺いします。
〇加藤人事課総括課長 こちらの取り扱いについては、組織的には、以前から把握しているものと理解しております。
〇臼澤勉委員 うそを言っては困りますよ。私が資料要求をしたときには出てこなかったのではないですか。そして、私が東京都のほうに確認してみてくださいということで、この服務紀律について確認したのではないですか。
〇加藤人事課総括課長 おっしゃるとおり、委員のほうから資料要求がございまして、調べたところでございますが、いずれ、判例等において、以前からその法令については述べられておりますので、そちらのほうの存在については、以前から承知していると理解しております。
〇臼澤勉委員 人事課総括課長は認識していなかったということですね。それが、今の判例は、どう出ているのですか。
〇加藤人事課総括課長 具体には、長野県の判例等を調べまして、そちらのほうで、その中身については理解したものでございます。
〇臼澤勉委員 今、すごく重要な答弁がございました。長野県の判決文に、今の道府県職員服務紀律の記述がございましたか。後で確認して、私はその回答を求めたいと思います。
 お伺いいたしますけれども、この道府県職員服務紀律の運用によって、この特別職の地方公務員政務秘書は、行ってはいけないことは具体的に何でしょうか。
〇加藤人事課総括課長 服務紀律の部分につきましては、法令・命令服務義務や信用失墜行為の禁止、秘密を守る義務、職務専念義務、利害関係者からの贈与等の受領の禁止、営利企業等の従事制限という規定がございまして、これらに違反した場合は、懲戒等の部分がございます。
〇臼澤勉委員 既に、この服務紀律の存在を知っていたということでございました。これまでの平成20年から今まで、県議会で政務秘書に関するそういった質疑答弁がありました。議事録をチェックしたところ、この服務紀律に関するそういったものの存在を確認して、把握して、答弁しているような内容は一切ございませんでした。
 よろしいですか。人事課、そして、県のほうで、この服務紀律の存在を知っていたのであれば、ああいう答弁にはならないと思うのです。地方公務員法上のそういった職務専念義務はない。それはいいですよ。ただ、もし、私が担当者で、答弁を書く側とすれば、地方公務員法上の服務規律はないけれども、地方自治法附則に関するこの服務紀律があるということで、一切全て何をやっていいとか、あるいは職員が自由に行動して、選挙の応援に行っていいなどという答弁にはならないのです。いかがですか。
〇加藤人事課総括課長 確かに、地方公務員法の部分については規定はないということでございますが、それに適用がないということであっても、いずれ、法令の範囲内での行動の制限、そういった職務上の制限がかかるということについては、以前からも、そういったことで理解しているところでございます。
〇臼澤勉委員 それでは、委員長にお願いしたいのですけれども、過去の答弁で、そういう前提で答弁していた記述があるのかどうか、後で、資料を公表していただきたい。これはお願いしたいと思います。
 客観的な採用基準もなく、試験も受けず、議会の承認も手続もない、不透明な手続で、高額な職員を採用している。こういったことについて、これまでも、議会のほうで、さまざまな疑義がありましたが、国政選挙の後援会活動とか、街頭演説の運動員を行うなど、政務秘書にそういった活動を認めているということを、総務部長はどう思いますか。どう思うかという質問ではなくて、問いを変えます、ストレートに。この政務秘書は誰のものですか。お伺いします。
〇白水総務部長 政務秘書については、本会議でも、るる御議論いただいたところでございます。まず、地方公務員法の制度では、特別職ということで規定がありまして、それに基づいて、本県の条例でも、知事については、政務秘書を置くことができるということで規定をしておりますので、これは制度上認められたものだということで、理解をしております。
 それから、政務秘書の職務についてですけれども、これも知事から答弁いたしておりますけれども、政務的なことと、それから、一般行政と政務との調整といった部分もありますので、それについて、全て一般職の秘書でやるというのは、一般職の秘書は、まさに、地方公務員法に基づく政治的行為は制限をされておりますので、そういった部分はございます。
 そういった円滑な県政運営の観点で、過去の長野県の判例においても、知事においては、政治的な業務があるということも含めて、まさに県全体の公益をふやしていく部分もあるということで、認められております。そういう意味で、県民にもしっかりと説明をしていく必要があるわけですけれども、いずれにしても、制度として、認められたものだと考えております。
〇田村勝則副委員長 臼澤勉委員に申し上げます。先ほど要求のあった資料については、後日、提出いたしますので、御了承願います。
〇加藤人事課総括課長 先ほど答弁申し上げました点について、一点修正させていただきたいと思います。
 先ほどの服務紀律の部分について、長野県判例で記述がありますということでの理解でございましたが、正確には、地方自治法の解説の中で、長野県判例を引用して説明しているものを確認しているということでございます。訂正して、おわび申し上げます。
〇佐々木努委員 今、総務部長から、円滑な県政運営のために役に立っているというニュアンスの話がありましたが、臼澤勉委員が、本会議でもこの場でも先ほど、政務秘書の政党活動について挙げられましたけれども、それによって、円滑な県政運営ができているというのは、どういうところからお伺いしているのか、部長の考えをお聞かせください。
〇白水総務部長 先ほど、答弁申し上げましたのは、長野県の判例を紹介をしたところでありまして、その判例の中で、いわゆる知事の職分として、政治的活動をすることによって、公共の利益を実現することも職分とする公務員であると。それを、まさに補佐する政治的活動にかかわる政務につき、これを補佐する秘書を設けるということが、その職務の円滑、効率的な遂行に資するものであるということで認められております。
 したがいまして、それを踏まえて、それぞれその地域の事情があると思いますので、これが県民によくて、これはどうだというのはそれぞれのケースがあると思いますけれども、一般論として、そういうところについては認められるということで、あの答弁を申し上げたところでございます。
〇佐々木努委員 そうすると、政務秘書の今の活動で、円滑な県政運営が図られているか、図られていないかということについては、総務部長はどのように思われていますか。
これは、知事に聞かなければ本当はだめなのでしょうけれども、総務部長として、その辺はどのようにお考えでしょうか。
〇白水総務部長 私の担当といたしまして、人事課を所管しておりまして、まさに、この大きな県庁組織の円滑な運営という意味で、新型コロナウイルス感染症対応も含めて、業務支援も含めて、こうやっていくというところでございます。
 一方で、これは、委員の皆様も御承知のとおり、国あるいは市町村を含めて、しっかり調整、連携をしてやっていかないといけない。業務も非常に複雑化、多様化しておりまして、県庁の組織だけでは、なかなか解決できない課題も広がっております。
 そういった意味で、さまざまな役割を果たしていく職員が、一致団結してやっていかないといけないと思っております。そういった意味で、これはどの方がというよりは、県庁の全ての職員がしっかり県政に寄与していただいていると考えております。
〇佐々木努委員 答弁がそれてしまったような気がするのですけれども、いずれ、議会でも、このように何年も前から政務秘書のさまざまな行動で混乱しているわけです。きょうは報酬のこともいろいろ話がありましたけれども、さまざまな面で混乱していることが、なぜ、県政の円滑な推進につながるのか。多くの県民の方々も、政務秘書の存在すら知らないという方がたくさんいらっしゃる中で、このような疑念が持たれているということに対して、総務部長はどう思われますか。
〇白水総務部長 これは事実として、私も、これまで県議会で、政務秘書をめぐるさまざまな議論が展開されたということについては承知しております。ただ、いずれにいたしましても、これは、地方公務員法に基づく特別職ということで認められた制度でございますし、条例でもしっかり規定されております。これは、知事と議長の秘書についても、政務秘書を設けられるという規定でございますし、それについては、議会でも御議論いただいて決められた制度でございますので、決められた制度のもとで運用されているものということで理解しております。
〇佐々木努委員 最後に聞きますけれども、政務秘書のこの政務というのは、総務部長は何だと思いますか。特に、知事の政務秘書の、岩手県としての政務は何だと思いますか。
〇白水総務部長 何度も長野県の訴訟の判例を引いてきて申しわけございませんが、まず、知事の職務として、政治的に活動することによって、公共の利益を実現することも職分とする公務員であるということ。その政治的活動をする、その職務を補佐する秘書ということですので、まさに、そういった説明が可能かと思っております。
〇吉田敬子委員 県営施設のマネジメントについてお伺いしたいと思います。
 我が会派の工藤大輔委員からも、総括質疑で、徹底した歳出の精査などに対する財政健全化について取り上げましたけれども、平成28年3月に、公共施設等総合管理計画を策定しまして、これは、平成30年に改定ということです。公共施設のマネジメントに取り組みながら、公共施設の老朽化問題を解決するためには、建てかえや改修、修繕が必要になります。長期的に財源を捻出し続けるためには、既存施設の運営を大幅に見直すことが必要となっております。
 昨年の私の一般質問への御答弁では、令和2年度に、岩手県公共施設等総合管理計画に基づきまして、個別施設計画を策定するということでありました。その個別施設計画を策定されたことによりまして、どの程度中長期的なコスト縮減が図られるのかお伺いしたいと思います。
 また、昨日の総括質疑で、工藤大輔委員の質問への御答弁では、今年度中に、公共施設等総合管理計画の改定を、まさに検討中だということでしたけれども、昨年度、個別施設計画を策定したことにより、どの程度コスト縮減が図られるのかお伺いしたいと思います。
〇平野管財課総括課長 公共施設等総合管理計画についてでございますけれども、委員御案内のとおり、昨年度、この計画に基づきまして、各施設の個別計画を策定し終えたところでございます。この計画は、公共施設等の計画的な維持管理は、長寿命化を推進するとともに、財政負担の平準化を図りながら、修繕、更新等に要する中長期的なコストを縮減するという視点を基本に、策定しているものでございます。
 例えば、総務部で所管しております県庁舎、地区合同庁舎、職員公舎等を対象といたしました、総務部公共施設等個別施設計画におきましては、計画的な維持管理、長寿命化、平準化によりまして、2050年までに約421億円の費用を見込んでおりまして、これは、この個別施設計画策定検討の中で、2割程度のコスト縮減となっているものでございます。
〇吉田敬子委員 2050年まで、約421億円の中の2割程度のコスト削減が図られるということであります。これは、総務部の所管の部分の個別施設計画の部分であるかと思いますが、総務部所管以外のインフラ施設だったり、公営企業施設、これは病院とか電気事業施設等が含まれておりますけれども、そういったことを含めて、今まさに全てのものの改定作業をされているかと思います。
 人口動態等の変化に対応するための施設規模や配置、機能等の適正化を含めて、今、まさに検討中かと思いますけれども、この中で確認させていただきたいことがあります。これまでの施設計画の中に、例えば、公園の中では都市公園が入っておりますけれども、森林公園が入っていない現状だったりするのですが、改定作業の中では、そういったことも含めて検討されているのかをお伺いしたいと思います。
〇平野管財課総括課長 まず最初の点で、先ほど、私が申し上げました、約421億円の概算費用ということでございますが、これは、総務部で所管する施設の個別計画で縮減した結果、それが2割程度縮減になって、約421億円ということでございます。
 次に、お尋ねのございました施設計画の見直しについてでございますが、委員おっしゃったとおり、現在、元計画であります施設総合計画の見直し作業を進めておりまして、全庁的な個別計画による縮減の規模でありますとか、そういったところは現在取りまとめをしているところでございます。今年度中には、それらを含めまして、公共施設計画の改定ということで取り組んでいるところでございます。
〇吉田敬子委員 一般質問の際に、森林公園の部分を取り上げさせていただいたのですが、森林公園に限らず、維持管理の費用の捻出に大変苦労しております。
 今回、総務部で管理されております全体の公共施設等総合管理計画の中には、県土整備部が管理している都市公園は入っているのですけれども、農林水産部が管理している森林公園の記載が、これまでの部分にはない現状です。それぞれ個別にしっかりやられていると思いますので、ぜひ、森林公園の部分も含めていただいて、検討中というところでありますけれども、今年度中にぜひ取り組んでいただきたいと思います。その所感を求めたいと思います。
 ネーミングライツは県で平成25年度から取り組んでおりますけれども、この取り組み実績、その実績に対する評価についてお伺いしたいと思います。
〇平野管財課総括課長 答弁が漏れておりました。失礼いたしました。森林公園につきましては、施設管理総合計画の中の都市公園ではなく、県民利用施設の中に包含されておりまして、そちらの中で見ているという状況でございます。
 次に、計画の見直しに当たりましては、委員がおっしゃったとおり、人口動態等を勘案しながら、施設の規模の適正化等を含めて、現在、見直しをしているところでございますので、今年度中の改定に向けて、作業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、ネーミングライツについてお尋ねがございました。県では、平成25年から、ネーミングライツの募集を開始してございまして、平成28年度に、いわて県民情報交流センターアイーナの小田島組ホールで初めて導入されたところでございます。これは現在も継続しているところでございます。
 これまで、機会を捉えまして、企業への情報提供とか、対象施設のネーミングライツ料の見直し等を行いまして、導入が進むよう取り組んできたところでございまして、今年度、県と企業のつながり、関係の中から、岩手産業文化センターアピオにつきまして、ネーミングライツについての御提案をいただきまして、この10月から、新たに、ツガワ未来館アピオとして、契約に至ったところでございます。
 ネーミングライツ事業は、県、スポンサー企業の両方にメリットがあると認識しておりまして、現在、令和4年度のスポンサー企業の募集を開始したところでございますので、県有資産の活用に向けて、引き続き、情報提供、企業訪問なども行いながら、PRを積極的に行っていきたいと考えているところです。
〇吉田敬子委員 このネーミングライツは、大変有効な一つの手段であると考えてはいるのですが、ただ、岩手県ではなかなか実績が上がっていない状況で、やっと二つ目の企業が、今回、岩手産業文化センターアピオに契約していただいたということです。
 他県の動向も見ると、企業の協力をなかなか得られない自治体が、ふえているような現状だと伺っております。例えば年額200万円、300万円という大規模な契約がなかなかできない状況で、年額20万円、30万円という小さい額で、募集していくような自治体がふえていると思っている中で、昨年度から、森林公園、ダム、緑の広場、県営武道館、県営運動公園、陸上競技場等、工夫されているという努力は感じるのですが、せっかく年額20万円にしたのに対して、実績はゼロだと思いますけれども、他県を見ると、企業へのアンケート調査や訪問をかなりされておりまして、時間をかけた地道な募集活動や企業との日常的なコミュニケーション活動をされておりますが、県として、これまでどのようなアプローチをこれまでされてきたのかお伺いしたいと思います。
〇平野管財課総括課長 委員御指摘のとおり、ネーミングライツ事業につきましては、これまでアイーナ1件だったのが、ことし、やっと2件目という状況は、そのとおりでございます。
 特に、昨年度以来、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もありまして、公の施設の利用状況は、閉鎖等もしたという実績もございますので、そういう中で、新たなスポンサー企業の確保につきましては、かなり苦労をしている状況は、そのとおりでございますが、これまで、例えば、県と企業で包括提携を結んだ企業へのネーミングライツ事業実施の情報提供とか、いわて産業振興センターの御協力をいただいて、メーリングリストでこういった情報を流していただいたりということで、情報提供をしてきたところでございますが、委員おっしゃるとおり、なかなか訪問するという実績はなかったのは、そのとおりでございますので、そういったところも含めて、今後、取り組んでまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 森林公園の場合ですけれども、年額20万円、30万円程度から開始ということで、県内の企業で森林、林業関係の企業だけでなく、そういった関係の企業であれば、もしかしたら、快く引き受けてくださる方もいらっしゃるかと思います。ただ、そのためには、県もしっかり足を運んで、こういった理由で、今は、財政難の中で、維持管理が厳しいのだという、その県の努力は必要だと思っております。
 ただ募集していますではなくて、施設ごとに応じた各分野の企業もあると思います。今回、新しいところで、ツガワ未来館アピオの契約者は、本社が神奈川県で、北上市など工場がありますけれども、ぜひ、県内の企業にも、こういうネーミングライツをやっていただけるようなところをふやしていただきたいと思います。他県では、そういった大型案件に対するところがなかなかない中で、10万円とか20万円程度だと思うのですが、トイレ、歩道橋とか道路に対するネーミングライツをやっているところもあるようですので、少額ではありますけれども、県の財政というところを、しっかり県民としてもみんなで支えるというところも含めて、とにかくそういう工夫がまだまだ必要だと思います。実績として、平成25年から始まってまだ2件目というのは、やはり少ないのではないかと思っておりますので、ぜひ、県営施設のマネジメント、改定作業をしっかりやっていただきつつ、さらなる工夫をしていただきたいと思いますが、最後に、総務部長に御所見を伺いたいと思います。
〇白水総務部長 今、重要な御指摘をいただいたと思っております。このネーミングライツについては、委員も御指摘のとおり、ほかの自治体も、さまざま工夫をして取り組んでいるところがございます。
 提供していただくその企業の側に立ったときに、一つは、そのお金を出すことでどんなメリットがあるのかということだと思います。それで、直接的には、ネーミングすることで、企業の認知度が高まって、その企業の商品を買ってもらえるとか、イメージがアップするということにつながるのかどうかということです。そういう目で見ると、例えば、首都圏のプロ野球を日々やるような球場とは全然違ってきますので、その辺の違いを、まずしっかり押さえること。
 それから、一方で、最近、CSRとか、SDGsが一番わかりやすいと思いますが、そういった環境によるイメージ戦略のようなものとか出てきていますので、それは、純粋に、もうかるかもうからないかよりも、社会的責任を果たしていくのだというような、企業とか団体も出てきていますので、そういった層にどう刺さっていくかというところもあると思います。委員がおっしゃいましたように、しっかりとさまざまな分析をして、どういった方策をとれば、応募してもらえるのかというようなところを、しっかり考えていきたいと思います。
 それから、今、行政経営推進課が中心になって、企業との協定の締結も、少しずつではありますけれども、ふやしております。例えば、そういった関係ができた企業に、ちょっと話をしてみるとか、さまざまなやり方、手法はあると思いますので、委員から今、御紹介いただいた点も参考にしながら、これについてはしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
〇ハクセル美穂子委員 緊急事態下における組織運営ということで、内部統制関係の質問をさせていただきます。
 令和2年度、新型コロナウイルス感染症対応で、県庁内でも、非常に異例かつ緊急な対応を求められてきたと、私も感じております。県職員の皆さん、そして、組織として、いろいろ創造性とか底力がまさに問われるような、そういった一年だったのではないかと思っています。
 その中で、特定の担当部局だけが、単独で忙しい状態が続いていた時期があるのではないかと思っていまして、そういう状態が続くと、まず、組織全体として、ベストなパフォーマンスを発揮することはなかなか難しい状態であったのではないかと思っています。
 そういった中で、新型コロナウイルス感染症対策に係る県の一連の対応状況について、それから、それを踏まえた今後の組織運営のあり方について、どのようにお考えなのか伺いたいと思います。
〇加藤人事課総括課長 緊急時における、組織運営についてでございます。
 新型コロナウイルス感染症対応に当たりましては、県民生活に影響が大きい、中核業務や、新型コロナウイルス感染症対策業務を優先的に実施するため、業務継続計画に基づいて、業務の見直しを行うなど、業務推進体制の確保に取り組んできたところでございます。
 また、緊急の行政需要に対しまして、機動的かつ弾力的に対応することができるように、全庁的な人的業務支援を実施してきておりまして、例えば、医療政策室のワクチン接種業務や、軽症者等宿泊施設の運営─ワクチン接種については今年度でございます─のほか、保健所に対する広域振興局内の各部からの業務支援などにより、職員の負担軽減に努めているところでございます。
 今後におきましても、業務継続計画の実行による業務の縮小、中断や業務の繁閑調整なども行いながら、柔軟な人員体制の構築に取り組んでいきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 御答弁ありがとうございました。
 保健師の関係とか、保健所への支援策はいろいろされてきたというのは、ほかの委員の質問の中でもお聞きしておりまして、いろいろと対策を練られてきたということは承知しましたが、総括質疑の際に、保健福祉部等に、新型コロナウイルス感染症の死亡者の数とか、そういったものの調査の内容をお聞きしましたら、数では把握しているけれども、例えばグラフで落としていませんでしたといったものがぽろぽろと出てきたのですが、この先、データをいろいろ分析して、政策をつくっていくような、そういう時代になっていくときに、担当部局だけで全てのことをやるというのは無理だと感じていました。県の中には、まず、統計を担う部署などもありますので、数だけでもそういったところにお渡しして、その後の政策立案に使えるようなデータにして、きちんと戻してもらうような、そういう臨機応変な組織活動のあり方を考えていくべきではないかと感じているのですが、その点についての評価と、それから、今後、そういった有機的な組織活動ができるような組織運営を、どのように持っていこうと考えていらっしゃるのかという点について、再度、お伺いしたいと思います。
〇加藤人事課総括課長 これまで、例えば、緊急に対応が必要な課題等につきましては、部局間等の連携、業務支援体制の構築、関係室課の職員をチーム員とする、クロス・ファンクショナル・チームの設置でありますとか、あとは、部局横断でワーキングチームを組んだりというところで取り組んできたところであります。そういった中で、迅速な解決を図ってきたところでございます。
 今後におきましても、環境の変化に的確に対応した組織体制を構築することが重要であると認識しておりますので、事務事業の見直しや効率化を図るとともに、業務支援等を行いながら、そういったさまざまな県政課題に、柔軟にかつ適切に対応していきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 クロス・ファンクショナル・チーム等々の事例もお話ししていただきましたけれども、部局ごとに、いろいろな業務をそこの中で集結してしまうと、その部局ごとに、例えば、データサイエンスができる人を置いていかなくてはいけないとか、そういう考え方になってしまうのですけれども、私は、効率性の観点から、調査統計課がそうかと思うのですが、県庁内に専門的なチームみたいなものがあって、そういったところに、農林、水産でも、何でもですけれども、データを渡すと、政策立案に使えるようなグラフとかそういったものになって戻ってくるような、分業のやり方も考えていく時代になってきたのではないかと感じております。
 緊急事態以外でも、働き方改革にも、こういった観点は使っていけるのではないかと思いますが、総務部長の考えをお聞きして、終わりたいと思います。
〇白水総務部長 まさに、時宜を得た質問をいただいたと思っております。これまでは、どちらかというと経験とか感覚の部分でやってきた部分が多かったのですが、この本会議でも、デジタルトランスフォーメーションの話もしていただきましたけれども、まさに、さまざまな技術革新が進む中で、行政もデータに基づく分析をしっかりしないといけないと思います。
 今回、このコロナ禍が、まさにそれを求めたのだと思います。これは、国も自治体も含めて、なかなか弱かった部分だということで再認識されたのではないかと思います。感染状況がこうなったらこうなるというところを、今回、かなり経験ができましたので、それをしっかり数値にして、データ分析していくというのは、非常に重要な局面になってきたのだと思います。
 今、人事課総括課長からも答弁いたしましたように、これまで、県庁の組織が、柔軟にさまざま連携するような形で進めてきたところでございますけれども、例えば、今年度からは、復興防災部ということで、司令塔機能を設けたところですけれども、それがどう機能しているかというところもしっかり見ながら、そもそもそういう部局再編をしていかないといけないのか。あるいは、そういうデジタルトランスフォーメーションと絡めて、司令塔を果たすような機能が要るのか、さまざま出てくると思いますので、これについては、今後もしっかりと検討をしていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 大きく2点お伺いしたいと思います。
 まず、令和2年度歳入のうち、身体障がい者などに対する自動車税の課税免除要件について伺いたいと思います。岩手県特別支援学校整備計画によりますと、児童生徒数は、若干の減少傾向にあるものの、寄宿舎の利用者は減り、自宅からの通学は増加傾向にあります。今、県では、15の本分校があるのですけれども、そのうちで、スクールバスをやっているのは7校。また、スクールバスのコースも足りないということで、ニーズは高まっていると認識しています。
 そのような状況下では、障がい児、医療的ケア児の通学に、多くの家庭でマイカー通学をしていると思われますが、身体障がい者などに対する自動車税の課税免除の状況はどうなっているのか、令和2年度の実績及び18歳未満の家族運転の場合の利用実績、近年の傾向をお示しいただきたいと思います。
〇今野税務課総括課長 課税免除の状況についてでございますが、令和2年度における身体障がい者などに対する自動車税種別割の課税免除実績は、本人運転が7、171件、家族運転が1、622件の合計8、793件となっております。
 このうち、18歳未満の家族運転は581件であり、課税免除件数は、ここ数年、ほぼ横ばい傾向にございます。
〇佐々木朋和委員 この18歳以下の家族運転の場合の使用回数要件を見ますと、本県では通院、通学、なりわいのための使用が、週1回または月4回以上とされております。
 一方で、東北地方の各県の状況を見ると、青森県、秋田県、山形県は、月1回以上、また、宮城県、福島県は、回数要件なしということです。本県の特別支援学校への通学状況や医療体制、障がい児、医療的ケア児へのさまざまなケアサービスの状況を、他県と比べてみたときに、本県の要件の妥当性をどのように認識しているのか、お伺いしたいと思います。
〇今野税務課総括課長 本県の課税免除でございますが、身体に障がいを有し、歩行が困難な方にとって、自動車が日常生活において不可欠な移動手段となっていることを鑑み、申請により、課税を免除しております。
 このうち、家族運転につきましては、障がい者の移動のために、継続して自動車を使用していることの確認のためとしまして、週1回または月4回以上という要件は必要と考えております。
〇佐々木朋和委員 一方で、同じ東北地方の中で、同じような公共交通の状況、また、気候的にも、冬が厳しかったりと同じようなところで、緩和されているという事実があるのです。
 私は、日常的に使われているということは、税を取る側としては、そういう目線なのでしょうけれども、例えば、毎日学校に通える。障がいのある程度軽い方は、自動車税は免除になり、一方で、障がいが重く、なかなか学校に通えないけれども、体調のいいときに通ってくるといった月に4回通えない人はこの要件にはならないと、こういった視点で見ると、この要件はいかがなものかなと思うわけです。
 その中で、冬場は、風邪などの罹患を恐れて、外出を控える傾向が強く、学校や通学を控えるケースもあるとお聞きしています。そのような状況下で、使用回数の判定が秋から冬であることから、判定漏れをするケースが危惧をされます。また、新型コロナウイルス感染症の影響下では、その傾向が顕著のようだとお聞きしておりますが、こういったケースについては、特別措置を設けて、救済するべきと思いますが、所見を伺いたいと思います。
〇今野税務課総括課長 定期賦課時におけます課税免除の申請におきましては、原則としまして、先ほど委員から御紹介ありましたけれども、1月から3月までの使用実績により要件を判定しているところでございます。
 その中で、本人の事情によらない学校の冬休みや、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、施設等が休業している場合などにおいては、その期間を対象期間から除外するほか、1月から3月までの使用実績により要件を満たさない場合には、直近6カ月間または1年間の使用実績により要件判定を行っております。
 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、これによっても、なお、要件から外れるようなケースにおきましては、冬場を避けた10月から12月の使用実績で判定するなどの特例的な扱いについて、検討をしていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 特例的なことを考えていただけるということは、半歩ぐらい前進したと思うのですけれども、そこまでして判定しなければいけませんかというような気もするところです。
 また、そういった特例措置について、今までもあったということなのですけれども、私もホームページを見ましたけれども、なかなか見つけられませんでした。そういったところは、ホームページや、あるいは申請に行ったときの窓口で、しっかりと説明されているのでしょうか。
〇今野税務課総括課長 免除の要件等につきましては、申請時に、丁寧に説明をしております。
〇佐々木朋和委員 申請に行くまで、そういう要件があると知らずに、行かないで終わっている親御さんもいるのではないかと思います。
 この部分の最後にお聞きしたいと思うのですけれども、財政逼迫の折ですから、不正受給は何としても防がなければいけないと思います。一方で、私は、例えば学校で、スクールバスがなくて、何日行けるかわからないけれども、学校に主たる通学手段として登録していれば、それは認めてもいいのではないかと思うのです。
 今、医療的ケア児支援法も成立をして、また、10月7日の本会議では、知事が各部長に声をかけて、子育て支援をやっていこうと言ったわけです。たしか、総務部長も声をかけられたのではないかなと思うのですけれども、こういった部分について総務部長に聞きたいと思いますが、実際に、しっかり調べて、救済されるべきケースがあるのであれば、要件緩和に乗り出すべきだと思います。県は実態把握に努めるべきだと思いますが、所見を伺いたいと思います。
〇白水総務部長 委員から御指摘いただきましたが、まず一つ、税制というものの特殊性がございまして、私も、国のほうでも、あるいはほかの自治体でも、税務の関係をやっておりましたですけれども、やはり公正中立というのが非常に求められますので、そういう意味で、今、税務課総括課長から申し上げましたように、不正受給防止の観点がございますので、その点については御理解いただきたいと思います。
 ただ一方で、委員から御指摘いただきましたように、このコロナ禍ですので、通常通えていたものがなかなか通えないとか、利用していたのだけれども、利用できないというケースもさまざまあると思います。そういう意味で、その実態に応じた課税になるように、これはしっかりしていかないといけないと思っております。
 委員御指摘のとおり、まず、実態をしっかり把握しないといけないということで、これは、まさにそのとおりだと思います。我々も、実態とか、あるいはどういったところについて困っておられるのかというようなことをしっかり把握をしないといけないと思っています。そこについては、関係部局に専門の部署もありますので、そちらと連携しながら把握しつつ、それから、税のほうとしては、どういった対応ができるのかということについては、考えさせていただければと思っております。
〇佐々木朋和委員 よろしくお願いしたいと思います。
 次に、合同庁舎における宿直について伺いたいと思います。
 午前の質疑で、佐藤ケイ子委員から、会計年度任用職員制度について質問がございました。合同庁舎等の施設の警備、宿直についても、会計年度任用職員制度に令和2年度4月からなりまして、雇い直しを行っておりますけれども、この会計年度任用職員制度を運用してみての所感と、令和3年度の動向をお示しをいただきたいと思います。
〇平野管財課総括課長 合同庁舎における当直についてでございますけれども、地区合同庁舎における当直につきましては、令和元年度までは、非常勤嘱託員として当直専門員を任用していたところでございますけれども、令和2年度からは、御案内のとおり、会計年度任用職員としての任用となったことに伴いまして、給与とか服務の取り扱いが変更となりまして、労務管理が非常に複雑化し、業務量が増大しているところでございます。また、制度移行に伴いまして、係る費用が大幅に増加したことなどが、課題であると認識しているところでございます。
 これらの課題を受けまして、現在、近隣県の状況などを参考にしながら、当直専門員のあり方の見直しについて、検討をしているところでございます。
〇佐々木朋和委員 来年度については、まだ検討の最中ということでわかりました。
 働く環境を整備するために行ったこの会計年度任用職員制度ですけれども、それによって、費用や労務の管理が大変になってというところは、何か皮肉というか、大変な問題だと思うのですけれども、こういった施設の宿直を、民間委託した場合のメリット、デメリット、経費比較等は、今、検討をされているのでしょうか。
〇平野管財課総括課長 当直の民間委託についてのお尋ねでございますけれども、現在の見直しの検討の中におきましては、当然、民間委託についても検討をしているところでございます。それによりまして、労務管理に係る業務量とか、費用面の課題は、解決できるのではないかと考えております。
 考えられるメリットといたしましては、専門業者に委託することによりまして、セキュリティーの向上と標準化が図られること、あとは、経費についても、削減が見込まれるという点でございますが、デメリットといたしましては、これまでの当直専門員個人個人の経験に基づく現場での対応のノウハウの継承がなくなるという点が考えられるところでございます。
〇佐々木朋和委員 民間委託とした場合は、これまでやってきた方々の雇用が失われるわけですけれども、今、宿直員は大体何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。検討の対象になっているのでしょうか。
〇平野管財課総括課長 各地区合同庁舎の当直専門員につきましては、各合同庁舎6名任用しておりまして、14合同庁舎で、84名の任用となっているところでございます。
〇佐々木朋和委員 会計年度任用職員制度になって、例えば、有給休暇制度も加わって、そういった意味で、労務管理が大変だということですが、こういった宿直のようなワンオペレーションでやる仕事は、この会計年度任用職員制度が合うのかというのは、個人的には疑問な部分もあるのですが、花巻市などでは、労務管理、自治体向けのクラウドシステムを導入して、そういった管理も行っているということですけれども、今後、県として、この会計年度任用職員制度に合わせた労務管理を、どのようにやっていこうと考えているのでしょうか。
〇平野管財課総括課長 当直専門員に係る労務管理についてでございますけれども、県の場合、労務管理とあわせまして、給与支給システムとの連携も考えなければならないと思っていまして、それらも含めて、総合的に検討していく必要があると思っております。
〇田村勝則副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時26分 休 憩

午後2時43分 再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇斉藤信委員 それでは最初に、新型コロナウイルス感染症対応の組織体制の強化についてお聞きいたします。
 新型コロナウイルス感染症対応による医療政策室、保健所の超過勤務の実態は、昨年度、今年度どうなっているでしょうか。
〇加藤人事課総括課長 超過勤務の状況についてでありますが、令和3年4月から7月までの1人当たりの月平均超過勤務時間の速報値は、医療政策室においては72.9時間であり、前年同期と比較し、10.7時間の増となっております。また、各広域振興局の保健福祉環境部においては、16.1時間、前年同期と比較し、7時間の増となっております。
 今年度は、ワクチン接種体制の構築や、感染者数の拡大に伴う積極的疫学調査、入院搬送調整等の業務量が増加していることから、超過勤務が増加しているものと考えております。
〇斉藤信委員 今の答弁は、今年度の4月から7月ですね。8月に、いわゆる感染拡大がピークになって、8月、9月はさらに大変な事態になっていると私は思いますが、どうですか。
〇加藤人事課総括課長 現在、8月、9月分については取りまとめ中でございますが、実態としては、感染拡大が広がった時期でありますので、超過勤務時間もかなりふえているものと理解しております。
〇斉藤信委員 県職員の超過勤務時間については、他律的部署というのがあって、これは、年間100時間未満、年720時間以下という形で勤務時間を設定されている職員がいますが、県庁全体で、こうした他律的部署の人数はどのぐらいいて、令和2年度で、この100時間を超過した職員はどのぐらいいたのでしょうか。
〇加藤人事課総括課長 他律的業務の関係でございますが、令和2年度につきましては、215の所属のうち、99が指定されております。全体としては、46%となっております。
 他律的業務の超過勤務100時間超えにつきましては、後ほど、答弁させていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 先ほど、今年度の4月から7月までで、医療政策室は平均して72.9時間と。だから、医療政策室でも100時間を超えた職員は結構いたのではないでしょうか。
〇加藤人事課総括課長 医療政策室等において上限時間を超えた職員数については、22人でございます。
〇斉藤信委員 平均で72.9時間ですから、22人は100時間を超えたということですね。私は大変な状況だったと思います。
 医療政策室、保健所の体制、保健師の増員はどう図られたのか。さらなる抜本的な増員が必要だと考えますが、今後の対応策を含めて示してください。
〇加藤人事課総括課長 医療政策室、保健所の人員体制についてでございますが、医療政策室におきましては、ワクチン集団接種の実施、市町村の接種体制確保の支援などを担うワクチン接種担当の新設や、ワクチン接種・市町村支援チームの設置を行ったほか、医療提供体制の確保等の業務を行う職員を増員するとともに、ワクチン接種や軽症者等宿泊療養施設の運営業務に対し、全庁から業務支援を実施し、業務に当たっております。
 また、積極的疫学調査や健康観察などの業務を担う保健師については、業務の増加に伴いまして、保健所で勤務する保健師を11名増員するとともに、会計年度任用職員として、14名の退職保健師を任用するなど、体制強化に取り組んでおります。
 今後におきましても、保健福祉部と調整を図りながら、感染状況に応じた、必要な体制整備に取り組んでまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 ことしの8月、第5波の県内でのピーク、1カ月で1、002人の感染者が出て、これは、県内各地で感染者が出たのが特徴なのですよ。今までは、部分的に、地域で出ましたけれどもね。ですから、応援体制もとりやすかったのだけれども、私は、8月のこの感染拡大時期は、大変苦労されたのではないかと思います。どのような組織的な対応がなされたのか、課題や教訓を含めて示してください。
〇加藤人事課総括課長 第5波による感染拡大への対応についてでございますが、先ほど答弁いたしました医療政策室や保健所の体制強化に加えまして、県庁に設置された保健所支援本部の運用や、専門職員による保健所間の応援のほか、広域振興局内の他部からの応援など、全庁を挙げた業務支援体制を構築し、対応してきたところであります。
 新型コロナウイルス感染症対策の推進に当たりましては、前例にとらわれず、スピード感を持って感染の状況に応じた柔軟な組織、人員体制を構築することが重要と認識しております。今後におきましても、組織体制の整備や、業務支援の積極的活用等により、適時適切に体制の強化を図っていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 今は、職員の数を減らしておらず、一定の人員増も図っていると私は思うのですけれども、この間の行政改革で、4、000人を切るような体制まで行ったと。ですから、今でも、私は大変厳しい状況なのだと思うのです。このような大きな感染症拡大のときには、余裕のある体制でないと臨機応変の体制ができないと思いますので、そういうことも、今後、考えていただきたい。
 2番目に、新型コロナウイルス感染症対策の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用状況についてお聞きします。昨年度の交付額と執行実績、その内容、今年度の交付額と執行実績、その内容と残額を示してください。
〇山田財政課総括課長 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金、いわゆるコロナ交付金の執行実績等についてでございますけれども、昨年度につきましては、交付金の活用可能額274億円に対しまして、感染防止対策、そして、社会生活、経済活動を支える内容の取り組みとして、207億円の予算を計上したところでございます。このうち、年度内に133億円を執行、74億円を次年度に繰り越しをさせていただいたところでございます。
 そして、本年度についてでございますけれども、交付金の活用可能額137億円に対しまして、事業者の資金繰り等を支援する取り組みに59億円を活用するなど、127億円の予算を計上させていただいたところでございます。その結果、交付金の残額については、現時点で、約10億円となっているところでございます。
〇斉藤信委員 10億円というのは大変少ない額で、私は、政府が本当に新型コロナウイルス感染症対策は何もしないで解散したことは本当に許しがたい。国がこういうときに、全国知事会も2兆円規模の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を要求しているので、そのことを前提ですけれども、国は選挙が終わったらやると言っていますけれども、途切れないように、今の約10億円も活用して、いわて旅応援プロジェクトとか、検査体制の強化を私は進めるべきだと思いますが、いかがですか。
〇山田財政課総括課長 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の今後の活用ですけれども、委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症対応に当たりましては、交付金などの財源を最大限に活用しながら、感染拡大防止であったり、社会生活、そして、経済活動を支える取り組みをしていくことが重要だと我々も認識しております。
 今後、国の経済対策の内容であったり、交付金の追加交付といった動向も注視していく必要があると思いますけれども、その厳しい財政状況下においても、交付金を含め限られた財源を最大限に活用しながら、適切なタイミングでしっかりと補正予算を組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 残額は10億円程度で大変少ないのだけれども、私は、今度の決算で100億円以上の財政調整基金の繰り入れもあるわけだから、国の対策で、後から財源配分というのはあると思うのです。だから、県の取り組みが中断しないように、ぜひ、先へ、先へと考えてやっていただきたい。
 次に、会計年度任用職員の任用状況について、先ほど来議論がありました。今年度の会計年度任用職員の任用は、昨年度と比べると、常勤、非常勤はどうなっているか。会計年度任用職員は、3年間は継続任用できるとなっていますが、継続任用された職員の状況はどうなっているかを示してください。
〇加藤人事課総括課長 会計年度任用職員の任用状況についてございます。令和3年4月1日時点で、知事部局において任用した会計年度任用職員数は、フルタイムの職員が38人、パートタイムの職員が1、517人、合計で1、555人となっており、令和2年4月1日時点の人数と比較すると、フルタイムで7人増加、パートタイムで42人の減少、合計で35人の減少となっております。
 次に、継続任用で何人任用されたかというところでございますが、令和3年4月1日時点で任用している知事部局の会計年度任用職員のうち、約94%の職員が、昨年度から引き続き任用されております。
〇斉藤信委員 会計年度任用職員の制度は、本来なら期限付臨時職員の待遇改善だったが、結果的には、フルタイムの職員が大幅に減らされ、そのために月給は減ってしまった。これが一番の問題だったと思います。
 今は、継続任用は94%ということですから、継続任用は基本的には維持されているかなと受けとめましたが、フルタイムはことし若干ふえたようです。私は、基本的には、フルタイムで仕事をしてもらうことが基本なのだと思いますので、そうした改善の方向で進めていただきたい。
 次に、旧盛岡短期大学跡地の利活用について、先ほども議論がありました。解体工事は完了いたしました。私の通勤途上でありますから、毎日確認をして、大変きれいに整地をされております。
 そこで、今後のこの跡地の活用状況について、見通しはどうなっていますか。
〇平野管財課総括課長 旧岩手県立盛岡短期大学跡地の利活用についてでございますが、先ほども御答弁申し上げましたけれども、旧岩手県立盛岡短期大学跡地の一部につきまして、盛岡市において、山王児童センター、山王老人福祉センターの移転候補用地として活用したいという意向がございます。県としての利用予定も含めまして、関係部局と今調整を行いながら、施設の配置とか、土地の譲渡方法をどうするかというところも含めまして、協議を行っているところでございます。
〇斉藤信委員 盛岡市の審議会での議論を見ますと、新設の児童センターを優先して、その後、山王児童センター、山王老人センターの順で、そうすると、3年後、4年後ぐらいの時期になるのです。だとすれば、今から、かなり詰めた議論が私は必要なのではないかと思います。全体の敷地面積が1万6、000平米ですね。盛岡市から現段階で要望されているのは、どういう敷地面積になりますか。そういうところまで協議されていますか。
〇平野管財課総括課長 旧岩手県立盛岡短期大学跡地の盛岡市との協議状況でございますけれども、敷地の広さにつきましては、盛岡市のほうでも、施設の配置等の計画がまだ定まっていないということで、内々の協議段階でございます。盛岡市としての施設整備のスケジュールについても、委員おっしゃるとおり、盛岡市の施設整備の順番もございますので、そういった市のスケジュールをも確認しながら、引き続き、その事業の進捗にあわせて検討して、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 全体として、1万6、000平米はかなりの広さです。盛岡市が今検討しているのは、大体3、000平米から4、000平米程度ではないかと思います。私は、一体的に跡地が活用されるのが一番望ましいので、そこも含めて、盛岡市とよく協議をしていただきたい。
 最後の質問です。受動喫煙防止の取り組みについて、私、先ほど議会の決算審議でも取り上げたのですけれども、議会棟の喫煙室を県職員が結構利用している。これは、服務規律違反なのですよね。これを放置していていいのかと。議会事務局と人事課がもっと連携をして、しっかり対応することが必要なのではないですか。
〇加藤人事課総括課長 議会棟の喫煙室の県職員の利用についてでございます。委員御案内のとおり、喫煙室につきましては、議員及び議会棟に用務があって来訪した者が利用することを想定していると承知しておりまして、職員が、職務上議会棟を訪れた際などに、利用している例もあると伺っております。
 喫煙室の利用等につきましては、職員に対して、県庁舎敷地内の全面禁煙化以降、複数回にわたって、服務上の留意事項や、受動喫煙防止への配慮等について周知してきたところであります。引き続き、職務専念義務の厳守等について周知徹底を図るとともに、悪質な喫煙行為が判明した場合は、厳正な対処を検討することとしております。
〇斉藤信委員 議会に用務がなくても、使っているというのが実態なのですよ。私は基本的に毎日議会に来ています。だから、わかるのですよ。しっかり服務規律に基づいてやっている人が圧倒的多数だと思います。しかし、一部の人がそうやっていたら、示しがつかないでしょう。
 そこはしっかり議会事務局と連携をとって、例えば抜き打ち調査をやる。それでもだめだったら、議会棟の喫煙室は閉鎖するというぐらいのことを考えないと私はだめだと思うのだけれども、総務部長、私は何度も取り上げているけれども何も改善されない。それでいいのですか。服務規律がこういう形で無視されている状況を打開すべきだと思いますけれども、いかがですか。
〇白水総務部長 この件につきましては、委員からも、何度も御指摘をいただいているところでございます。原則は、職員が勤務時間中に喫煙のために職場を離れることについては、委員も御紹介いただきましたけれども、これは地方公務員法の職務専念義務等の規定、それから、社会通念に照らしても、必ずしも適切とは言えないことから、こういった行為は厳に慎む必要があるということで、人事課のほうからも周知徹底をしておりますし、それから、今般、コロナ禍ということで、県のほうでも、何度か新型コロナウイルス感染症対策本部員会議を開催いたしましたけれども、その都度、職員に対しても、喫煙室における感染リスク等々ございますので、注意をするようにということで、周知徹底してきたところでございます。
 今後の対応について、委員のほうから抜き打ち調査の御提案がありましたけれども、先ほど来答弁いたしておりますとおり、新型コロナウイルス感染症対応で、BCPも発動し、そして、業務支援もしているという人員体制が大変な状況ですので、そこについては、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、今後、どういう形がいいのか、議会の皆さんの御意見もしっかり伺いながら、議会事務局とも調整をしてまいりたいと考えております。
〇加藤人事課総括課長 先ほど、斉藤信委員の質疑に対しまして、答弁漏れがございましたので、ここで答弁させていただきたいと思います。
 令和2年度の他律的部署の超過勤務で一月当たり100時間を超えた職員の実績でございますが、135名となっております。
 また、先ほど医療政策室の他律的業務の超過勤務100時間以上の人数を22名と答弁いたしましたが、18人ということでございましたので、訂正させていただきたいと思います。
〇伊藤勢至委員 ただいま、喫煙室の話が出ましたが、これに関連して、一言お伺いをしたいと思います。
 まず、言葉遣いに気をつけてもらいたい。あそこは喫煙室ではありません。分煙室であります。受動喫煙というものが問題にされて、確かに吸わない人に御迷惑をかけてはいけない、最も私たちも理解をしていまして、ただ一方では、たばこ税というのが、県を初め各市町村の財政に相当貢献していることも事実であります。そういうことも勘案した中で、吸わない人に御迷惑をかけないように、あそこを分煙のルームにしようということでやってきたのでありまして、喫煙室ではありません。
 東日本大震災津波以降、あなた方は応急仮設住宅云々の際に、応急を外して仮設住宅と言ってきましたけれども、そうではない。私が、応急をつけなさいということになってから、応急仮設住宅ということになったので、言葉というものは、非常に微妙な面がありますので、今後、喫煙室ではなくて、分煙室と言っていただきたいと思うのですが、いかがですか。
〇白水総務部長 御指摘をいただきまして、ありがとうございます。
 委員御指摘のとおり、ここができた経緯が、受動喫煙の防止ということで、それから、分煙環境の整備を図るという目的があったということでございます。
 そういった意味からも、どういうふうに呼称するのかというところは、公式に決まっているのかどうかというのは、私もちょっと承知をしていないところでございますけれども、そういった分煙室という側面も十分にあるかと思っておりますので、そこについては、認識をしっかりと持って、対応をしていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 まず、監査委員による審査意見書から、若干質問をさせていただきます。
 見ましたら、指摘事項として、財産管理簿や備品管理一覧表の未整理、契約事務の不適当なもの等の指摘も多く、担当職員の財務事務への理解不足等に起因するものもあるとの指摘がありました。
 どういうことなのだろうかと、私も非常に頭をかしげたのですが、現状での実態がどうなっているのか。それから、それらに対して、どう改善をしようとされているのかお聞きをいたします。
〇西野参事兼行政経営推進課総括課長 審査意見書に関する記載事項へのお尋ねでございます。
 若い職員も多くなってきておりまして、専門研修などで、会計知識の習得の機会を設けているのですが、制度の趣旨をきちんと理解しないまま、前年度と同じような処理を進め、誤った取り扱いをしていることも多く、また、それを組織的に防げていない職場もあることから、今回のような御意見、御指摘をいただいたと認識しております。
 そこで、このような不適切な事務処理の防止には、職員個々の制度理解と組織的な取り組みが必要ということで、県におきましては、先ほど申し上げたような研修とか、あとは、内部統制という取り組みを進めてきております。県の内部統制といたしましては、各職場で基準日が年2回ほどございますが、そこでの自己点検の実施、あとは、決裁途上で、チェックリストを手元に置いて、チェックしてくださいということを推奨しておりますが、やはり不適切な事務処理が起きまして、今回のような御意見をいただいているところでございます。
 今後におきましては、この不適切な事案の状況、またはその原因なども共有するとともに、関係機関と連携して、研修などを進めていきたいと考えております。加えまして、各所属においては、業務の見える化、業務フローとか進捗状況を共有するということを、きちんともう一度再確認して、取り組んでいただきまして、未然防止の体制を構築するなど、事務処理の適正性の確保に努めていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 ちょっと気になったのが、若い職員も多くという話もありましたが、いずれ、職場全体で、それをフォローする体制が大事だと思います。決して、私は職員体制が不足しているからではなくて、本来やるべきところ、本来チェックすべきところに、きちんとやられていないというのが、一番の問題ではないかなと思いましたので、その点もう一度。
 それから、指摘事項が前年度よりふえているという指摘もありました。これは、いろいろ仕事内容も複雑化あるいはふえている、職員体制も十分ではないというところもあるのかもしれませんけれども、県に対する県民の信頼をきちんと取り戻すためにも、これはなくす努力をもっと県民に見える形で、私はぜひやっていただきたいと思うわけですが、その点、もう一度お聞きします。
〇西野参事兼行政経営推進課総括課長 委員御指摘のとおり、一番は職場として、どのように適切な仕組みを、サービスを提供できる体制を、常につくっていくか、そういう体質にしていくかということが、一番大事だと思っています。職員体制を含めて、この職場、この業務にはこういうリスクがあるなということを、管理職を初め所属で考え、それを防ぐ取り組みを講じて、それを常日ごろから回していく、また、それによって、職場で日々の仕事を見直していく意識を持つような取り組みが行われていくことが必要だと思っております。
 ですので、仕事を前向きに捉え、常に見直すというような気持ちを、若い職員、また管理職員が常に持ち続けられるような形で、内部統制も取り組んでまいりたいと思っております。
〇千田美津子委員 それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、収入未済額の縮減についてお聞きをしたいと思います。
 特に一般会計における収入未済額が前年度に比べ、9億1、697万円余と、3.7%増加しており、その主なものは、前年度に比べて、未済額が35.8%も増加している県税だと思います。これは、コロナ禍の影響も多々あると思いますけれども、その状況について示していただきたいと思います。
〇今野税務課総括課長 令和2年度における県税の収入未済額ですが、21億4、406万円となっておりまして、前年度に対して5億6、494万円、35.8%の増となっております。
 これは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた納税者に対して、最長1年無担保延滞金全額免除という、徴収猶予の特例制度を法人二税、不動産取得税に8億6、000万円適用し、そのうち、7億4、200万円が、令和3年度の収入となったことが要因であります。
 なお、徴収猶予の特例分が令和2年度中に収入になっていたと仮定をすれば、前年度に対して、1億7、000万円ほど収入未済額が縮減となっているものであります。
〇千田美津子委員 コロナ禍による影響ということで、徴収猶予の特例等があったということ、それはわかりました。
 実は、監査委員の指摘で、職員等に督促などの実施方法について浸透を図る必要がある、あるいは、収入未済額の縮減を図るための全庁的な取り組みが必要との指摘がありまして、全くやってないわけではないと思うのですけれども、こういう指摘は非常に私も疑問に感じましたので、どういう状況からこういうことになったのか、その点についてお聞きします。
〇今野税務課総括課長 県税における収入未済額の取り組みについてでございますが、県内9カ所の県税公所におきまして、納税者個々の実情に配慮しながら、悪質な滞納事例に対しましては、差し押さえ等の滞納処分を行っているほか、県税の収入未済額の大半を占める個人県民税については、県と県内全市町村で組織しております、岩手県地方税特別滞納整理機構を県庁税務課内に設置しておりまして、収入未済額の縮減に取り組んでおります。
 平成22年度には、収入未済額は24億4、800万円まで膨らんでおりましたが、令和2年度決算では、9億4、600万円と、15億200万円の縮減を図っております。
〇平野管財課総括課長 私のほうからは、税外収入における収入未済に対する取り組みについて、御答弁させていただきます。
 滞納債権の削減に向けましては、全庁的な取り組みを推進するということで、岩手県滞納債権対策基本方針を策定しておりまして、現在、第5次の3年計画方針を定めたところです。それによりまして、債権管理の徹底とか、滞納債権対策に取り組んでいるところでございます。
 その中で、一定金額、件数以上の債権につきましては、債権別の年度ごとの回収目標を設定いたしますとともに、来月からまた始まるのですが、年2回の強化月間を定めまして、債権回収の取り組みを集中的に実施するとともに、あとは、監査の指摘にもございましたが、職員の意識を高めることも含めまして、弁護士等を講師に迎えての研修会を実施するなど、取り組んでいるところでございます。
 また、平成21年からは、一部の滞納債権につきまして、弁護士法人等の民間業者への債権回収業務を委託しておりまして、これらの取り組みによりまして、債権の令和2年度収入未済額は、令和元年度に比べまして、約4、000万円の減少という状況になっております。引き続き、債権管理の徹底に努めまして、債権回収の促進、新規発生の抑制などに取り組んでまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 それぞれ方針のもとに対応されているということがわかりました。
 私としては、過度な取り立てや催促をしろということではございませんので、そういった意味で、ぜひ、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、先ほど佐藤ケイ子委員からも質疑がありましたけれども、県職員の管理職員等の女性割合引き上げについて、一般質問でも取り上げましたが、若干質問をしたいと思います。
 先ほど、総務部長から、民間も含めて女性管理職の割合30%を目指す2030の話も答弁をされました。今、県庁内でいろいろ取り組まれている中で、一つ女性職員のワークスタイルモデル集を発行しているということがありました。私自身も見させていただきましたが、それに対する職員の反応と効果は、どのように捉えていらっしゃるでしょうか。
〇熱海職員育成課長 女性職員のワークスタイルモデル集についてであります。こちらは、作成した目的について申し上げますと、新規採用職員に占める女性の割合が増加しているという傾向がございまして、女性職員の不安の解消、あるいはキャリア形成を支援するために、令和2年3月に、ロールモデルとなる先輩職員の歩みを、女性職員のワークスタイルモデル集ということで発行をさせていただきました。こちらは、庁内職員向けに情報提供をするとともに、研修機会などを通じまして、周知を行っております。
 発行から間もないということで、職員の反応はあまり承知していないところですが、ロールモデルの資料は、女性職員の不安の解消に有効な資料だと捉えておりましたので、今後は、さまざまな場面を通じて活用してまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 今、御答弁いただきましたが、私も読ませていただいて、研修もいいのだけれども、非常にいいモデル集をつくってもらったと思います。新しい職員の皆さんが、職場や結婚、子育て、介護とかそういう部分ですごく不安が多い中で、どうやって先輩は乗り切ったのかというのが、この一冊を見ただけですごくわかるし、それから、異口同音に記してあったのが、あんまり悩まないで、全て完璧にしようと思わないで、周りに助けてもらってくださいと、次、自分が支えられるときにやればいいのだからと、そういうすごく楽になるようなアドバイスが非常にありまして、これはすばらしいなと思っております。これを、県庁内ということでありますが、ぜひ有効に活用をしていただいて、結果として、管理職の比率も高めていただければと思っています。
 もう一つ、内閣府が、ことし7月に作成した全国女性の参画マップがあるのですけれども、ちょっとそれを紹介しますが、地方公務員採用試験からの採用者に占める女性の割合で、これは、県職員だけではなくて市町村職員も含めた割合で、岩手県は38.3%で全国11位となっておりました。新規採用者に占める女性の割合が高いということですね。
 ところが、地方公務員管理職に占める女性の割合を見ますと、岩手県は7.9%で全国36位、最も高かったのが鳥取県で20.9%、次が東京都の17%、3位が岐阜県の15.7%という形になっています。
 私は、2030年までに女性管理職30%を目指すのもそのとおりですが、ぜひ、全体を引き上げる上で、県職員はもちろんですが、これらを本当にレベルアップさせるためにも、県がリーダーシップをとって、女性だけを登用しろというのではなくて、もっと女性も当たり前に登用できるような状況をつくっていただきたいと思うのですが、総務部長、一言お願いします。
〇白水総務部長 重要な御指摘をいただいたと思っております。
 まず、委員に御紹介いただきましたように、直近で、特に震災後の女性の採用職員の割合が非常に高くなっているということで、令和3年度も、直近の数字だと48.3%が女性ということで、ほぼ半々になってきております。
 ですので、今後、そういう意味では、ワークスタイルモデル集についても触れていただきましたけれども、女性職員の皆さんが、家庭の事情はさまざまあると思いますけれども、仕事にしっかり取り組んでいけるような形を構築していかないといけないと思っております。
 もう一点、委員御指摘いただきました全国の順位について、これはしっかり分析して、先進的な事例については、しっかり学んでいかないといけないと思っております。特に、委員に御紹介いただきました鳥取県については20.9%ということで、これはほかの自治体よりも非常に高い状況でございます。
 ですので、どういった形で取り組みをしているのかということについても、これはしっかりと研究、検証をしていきたいと思っておりまして、先ほども答弁いたしましたけれども、公務のいろいろな特殊な事情もございますので、しっかり経験を積んでいかないといけないという部分もありますので、なかなかすぐに、一朝一夕にはというところもありますけれども、いずれにしても、時代はやはりそういう流れですので、そこをしっかり踏まえて、かつ先進的な自治体の事例もしっかり検証して、取り組んでいければと考えております。
〇千田美津子委員 引き続き、よろしくお願いいたします。
 それでは最後に、県職員の皆さんの健康状態について、まとめてお聞きをしたいと思います。
 まず、長期の休職などの実態は、どのような状況になっているでしょうか。そして、その中で、メンタル等で休職しておられる職員はどの程度か。それから、佐藤ケイ子委員の質問にも若干ありましたが、相談体制がどのように充実、強化されているのかということ。それから、三つ目は、いろいろなハラスメントがあるわけですが、県職員の職場の中において、ハラスメントへの対応状況はどうなっているのか、質問いたします。
〇小笠原総務事務センター所長 職員の長期の休職等の実態についてでございますが、令和2年度における14日以上の長期療養者数は、延べ人数で165人となっております。そのうち、精神疾患による療養者数は110人、けがや病気等による療養者数は55人となっております。また、精神疾患による休職者数は実人員で14人となっております。
 次に、メンタルヘルスの相談体制についてでございますが、産業医、精神科嘱託医による個別相談、外部臨床心理士による巡回相談及び健康サポートルームでの個別相談などを行っております。
 今年度から、健康サポートルームに臨床心理士である心理相談専門員を配置し、これまでの保健師による相談に加えまして、心理面に寄り添った相談を行っているとともに、職員や管理監督者などからの要請によりまして、各所属への訪問相談を実施するなど、職員個々の実情に応じた相談対応を行い、心の病気の未然防止や、重症化予防に努めております。
〇加藤人事課総括課長 ハラスメントへの対応についてでございます。職場におけるハラスメントは、職員の意欲を阻害し、業務遂行の妨げとなるほか、職員の健康状態の悪化など、重大な支障をもたらすおそれがあり、いかなる形であっても許されるものではなく、その防止に向けて、良好な職場環境づくりに努めることが重要と認識しております。
 県では、昨年6月に、ハラスメントの防止等に関する基本方針を策定し、職員一人一人が、互いを尊重し、良好な職場環境の維持に努めるとともに、職員の理解を促すため、ハラスメントになり得る言動例を明示するなど、ハラスメント防止に向けた対策を進めることとしております。
 今後とも、ハラスメントに関する相談窓口の周知徹底を図るとともに、管理監督者が率先してハラスメント防止に取り組む職場環境づくりを進めるなど、ハラスメントの未然防止に努めていきたいと考えております。
〇小林正信委員 官民連携の取り組みについてお伺いしたいと思います。
 県では、企業が地域貢献活動を行う場合において、県と連携して取り組みができるように、いわて公共サービス・マッチングシステムを設置しております。民間の視点、また、民間の活力を行政サービスに取り入れるという意味で、非常に有効な取り組みと思いますけれども、令和2年度においては、問い合わせがどれくらいあったのか。また、マッチングできた実績があれば、お知らせください。
〇西野参事兼行政経営推進課総括課長 いわて公共サービス・マッチングシステムの実績についてでございますが、県では、このシステムを通じまして、令和2年度末時点で、17社と包括連携協定を締結しております。そして、その17社とは、令和2年度において、マスクの寄贈など、新型コロナウイルス感染症対策とか、オンライン会議ためのICT機器の貸し出しなどの働き方改革関連、そして、県事業への協力として、復興ポスター展の開催などの協力をいただいておりまして、件数といたしましては、107件と、前年よりも16件増と増加傾向にございます。
 また、包括連携協定締結企業以外からも、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種会場への衛生環境の向上のための関係用品の寄贈とか、県産食材とのコラボレーションをした商品開発、あとは、今年度ですが、災害時における車両貸与の協力の申し出をいただき、協定などを結んでいるところでございます。
 取り組み実績ということで、先ほど107件と答弁しましたが、お問い合わせは200件近くあり、それを各課につないでいるところでございます。
〇小林正信委員 問い合わせがかなり多いということで、今後、そうした取り組みを進めていただいて、まちづくりとか、コミュニティーの形成、また、地域を持続させていくことを考えたときに、やはり有効な取り組み、行政だけの力では行き詰まりも出てくるのかなと思っておりますので、また、さまざまな事業の効果を最大生かせるには、民間との連携が本当に有効だと思います。
 加えて、事業の財源確保についても、これまでも議論がありましたとおり課題があると考えております。このマッチングシステムと似た感じの取り組みだなと思ったのが、近年注目されているソーシャル・インパクト・ボンドについて、行政が設定した社会課題の解決に向けて、民間事業者が事業を行い、行政がその成果に応じて成功報酬を支払うという仕組みで、これは、財政リスクを抑えながら、民間の新しい取り組みを活用できる手法ということで、事業の可視化、また、行政の効率化にもつながると考えております。国や他自治体でも導入が検討されていると聞いておりますけれども、県の導入へのお考え、御所見をお伺いしたいと思います。
〇西野参事兼行政経営推進課総括課長 ソーシャル・インパクト・ボンド、特に民間から資金調達を行いながら事業を行う、成果連動型民間委託契約の活用についてでございますが、こちらは新しい手法でありますが、内閣府のまとめによりますと、平成24年ぐらいから昨年度末現在で、国内では76件ほど事業が行われているとお聞きしております。
 県内におきましても、遠野市が医療費、介護給付費の適正化のために、山口県の宇部市など3市1町と共同で取り組みをするのに使っていると聞いております。
 ただ、こちらの取り組み方ということで、先ほど委員御指摘のとおり、民間のノウハウ、そして、インセンティブということで意欲を引き出して、非常に効果的な取り組みが得られるということで、非常に注目できる手法だと思っておりますが、非常に難しいというのが、そのインセンティブになる成果指標の設定の仕方とか、報酬の支払い方によっては、事業活動が偏ってしまうこともあると、内閣府のガイドラインなどでも、留意として示されているところでございます。
 県におきましても、行政課題が複雑化していて、行政の手法だけでは解決できないこともある。また、最小の経費で最大の効果をということが求められている中にあっては、非常に注目すべき取り組みだと思っておりますので、先行事例の状況なども把握しながら、知見を蓄えまして、検討をしていきたいと考えております。
〇小林正信委員 これはヘルスケアというか、遠野市もそのような形の取り組みで使っているということだったので、そういったところの検討も、それこそ部局横断でしっかりやっていただければなと考えております。
 官民連携については、PFIの実施についてお伺いしたいと思います。岩手県と盛岡市が建設を進めている(仮称)盛岡南公園野球場は、PFI手法が活用されております。PFIの活用は、厳しい地方財政にあって、従来の公共事業よりも行政コストの削減が期待でき、インフラの老朽化といった課題にも有効な手法と思います。
 岩手県のこれまでの導入実績について教えていただきたいということと、また、他県では、PFIガイドライン等を策定して、基本的な考え方を示す例が見られておりますけれども、岩手県においては、ガイドラインの策定、また、PFIの窓口のような部分はあるのかどうか、確認をいたします。
〇西野参事兼行政経営推進課総括課長 PFIに関してでありますが、まず、これまでの実績でございます。岩手県におきましては、先ほど委員から御紹介のありました盛岡南公園野球場(仮称)整備事業に加えまして、いわて第2クリーンセンターなど3件で、PPP、PFI案件で整備を進めてきたところでございます。
 また、ガイドラインということですけれども、岩手県におきましても、多様なPPP、PFI手法の拡大のために、当初、平成14年に策定いたしておりました指針に、優先的に検討をしましょうという、目安の規定を設けた岩手県PPP、PFI手法導入指針を平成30年3月に策定いたしまして、当課が窓口になって、情報収集また相談などをしているところでございます。
〇小林正信委員 3件ということで、全国的にも都道府県でもやっているところは30件、40件とかいうところもある中で、岩手県においても、さっき言ったような財政のしっかりした取り組みとして、なるべくやっていただきたいと思いますけれども、県内でも有名なのは、紫波町のオガール、また、近年だと、盛岡市だとPark−PFIですね。公園とPFIみたいなもの。この取り組みが注目を集められております。
 PFI手法を導入するのは、民間の活力の有効な利用、また、先ほど述べたようなインフラの老朽化対策、行政コスト削減、公共事業の見える化が図られる等、メリットも多いところですが、一方、自治体や企業にノウハウが余りないため取り組めない、手続が煩雑である、また、事業の成否に対する不安が大きい等、課題もあるということです。
 こうしたこのPFI、PPPも含めて、メリット、デメリットがございますけれども、そうした部分も含めて、県として、PFIの活用について今後どのようにお考えなのかお伺いして、終わりたいと思います。
〇西野参事兼行政経営推進課総括課長 PFIだけではなく、官民連携を、これからは非常に有効なものだと考えております。
 PFIにつきましては、全国的にも先進的な事例が、本県の紫波町、盛岡市で行われておりますので、そういう市町の方々との情報交換などで、先行事例のメリット、または留意点などもすぐにお聞きできる環境にあることから、そういう情報収集、知見を集めまして、岩手県PPP/PFI手法導入指針にも、これからは、一定の基準で、先にPFIの活用を検討することというような施設整備の検討の流れをつくっておりますので、それに基づきまして、PFIの活用、または、それでできない場合は、官民連携など別な形でということで、民間との共同を積極的に進めてまいりたいと考えております。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで総務部関係の質疑を終わります。
 総務部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでございました。
 執行部席の消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、政策企画部長に政策企画部関係の説明を求めます。
〇石川政策企画部長 令和2年度の政策企画部関係の決算について説明申し上げます。
 初めに、政策企画部所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針について、説明いたします。
 まず、いわて県民計画(2019〜2028)の推進につきましては、各部局と連携し、10の政策分野やプロジェクトに掲げる取り組みを着実に進めるとともに、県民フォーラムの開催やいわて幸福白書2021の作成など、計画に対する理解醸成を図り、県民の積極的な参画、協働の促進に取り組みました。
 次に、広報関係についてでありますが、復興支援に対する感謝や、復興に取り組む岩手の姿、岩手の魅力を国内外に発信し、震災の風化防止や、復興への継続的な支援、岩手ファンの拡大を目指す取り組みを進めました。
 また、新型コロナウイルス感染症対策に係る周知、広報について、新聞、県政広報誌等、各種媒体での県民への情報発信を行いました。
 今後の業務推進に当たりましては、政策評価制度に基づきまして、新型コロナウイルス感染症の影響を含む各施策の成果や課題等の分析を行い、その結果を次の施策に適切に反映させていくなど、より効果的な政策推進に努めますとともに、新型コロナウイルス感染症に係る県民へのメッセージを含め、適時適切な広報の展開を目指していきます。
 こうした取り組みを通じて、各部局とも密接に連携を図りながら、県民計画の基本目標である東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわての実現を目指してまいります。
 続きまして、当部関係の決算について説明申し上げます。お手元の岩手県歳入歳出決算書の12ページと13ページをお開き願います。
 政策企画部に係る決算は、2款総務費2項企画費の一部であり、予算現額の総額40億5、455万円余に対する支出済額38億3、831万円余のうち、7億6、515万円余であり、このうち、17万円余が復興防災部への移管分となります。
 決算の内容につきましては、令和2年度歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で、政策企画部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇田村勝則副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇臼澤勉委員 それでは私からは、政務秘書の勤怠管理についてお伺いいたします。
 政務秘書の昨年度の県庁への出勤の回数、事前にいただきましたら、248回ということでございました。このうち、宗教団体の面会要請あるいは行政対応のサポートは何回行われたのか。あるいは、そういった行事への知事の代理出席は何回ございましたか。
〇佐藤秘書課総括課長 宗教団体からの面会要請等についてのお尋ねでございますが、政務秘書が直接受け付けしている用務については、内容等承知していないため、申しわけございませんが、お答えできかねるものでございます。
〇臼澤勉委員 回数ぐらいはわかるのではないですか。
〇佐藤秘書課総括課長 大変申しわけございませんが、承知していないところでございます。
〇臼澤勉委員 勤怠実態がなかなか明らかにしていただけない。非常に残念でございます。
 知事が公務で出張や会議で不在のとき、誰が管理されているのか。そして、長期出張、海外出張とかそういった場合、政務秘書の方が、仮に、仕事をせずに給与を受け取っても、ルール上は問題ないのでしょうか。お伺いします。
〇佐藤秘書課総括課長 政務秘書の勤務状況を全て把握しているのは知事でございます。知事が、そういった管理を行うものと理解しております。
〇臼澤勉委員 県民への説明責任の必要性はあるとお考えですか。お伺いします。
〇佐藤秘書課総括課長 大変申しわけございませんが、その点については、私のほうからはお答えできる立場ではないと存じます。
〇臼澤勉委員 それでは、お伺いいたします。先ほどの総務部審査でも、道府県職員服務紀律について確認させていただきました。その中でも、職務専念義務が規定されております。秘書課のほうで、知事にレクチャーされたことはございますか。イエス、ノーでお答えください。
〇佐藤秘書課総括課長 今回、私自身は、各条項に係る解釈について改めて確認したところでございます。知事にもお伝えしたところでございます。
〇臼澤勉委員 ということは、今回、初めて知事に御説明されたということで確認いたします。
 次に行きますが、この場合、服務規程に違反した場合、罰則規定はございますか。処分内容を含めお知らせください。
〇佐藤秘書課総括課長 先ほどの件でございますが、私自身が今回異動してまいったものですから、それで、知事に御報告申し上げたということでございます。申しわけございません。
 それから、御質問についてでございますが、罰則については、地方自治法附則第5条の規定により、明治時代に制定された管理懲戒令が準用されております。その中に規定されております。
〇臼澤勉委員 知事はどういう御反応でしたか。知っていましたか。
〇佐藤秘書課総括課長 特に、私のほうに対してのそういったお話しはございませんでした。
〇臼澤勉委員 それでは、次に行きますが、過去に職務専念義務違反はございましたか。
〇佐藤秘書課総括課長 政務秘書の職務専念義務違反に係る記録はございません。
〇臼澤勉委員 それではお伺いいたします。平成25年の6月定例会の質疑で、選挙中の街頭演説に関して、この活動の不適切さ、あるいは誰が指示されたのかという質疑が行われました。
 その際、知事は、特別職である秘書は、地方公務員法の適用外とされる職務専念義務が課されず、自己の判断により活動していると答弁されておりました。これは、職務専念義務違反ではございませんか。
〇佐藤秘書課総括課長 今回、私も、道府県職員服務紀律を改めて確認したところでございましたが、その内容につきましては、地方公務員法第35条に定める勤務時間中に職務に専念しなければならないとするものとは異なり、法令を遵守し、指揮監督者の指示に従うこととされているようでございます。
〇臼澤勉委員 第4条に、府県郡吏員は、職務のため出張を命ぜられたる場合を除くほか、指揮監督者の許可を受くるにあらざれば、その職務の地を離るることをえずという規定がございます。
 先ほどの答弁においても、この政務秘書の方は、自己の判断によって活動していると知事は答弁されておりました。
 また、平成25年2月の予算特別委員会での議事録を御紹介しますと、木戸口政務秘書が、達増陽子候補の街頭演説会における運動員として活動していた。このことに関して、誰の指示かとの問いに、知事は、地方自治法に基づく行政の執行、事務の執行として、私からの命令でやっていたわけではないとのことでありました。職務専念義務違反ではございませんか。
〇佐藤秘書課総括課長 その判断につきましては、知事が行うものと存じますので、私が答弁できる立場ではないと存じます。
〇臼澤勉委員 知事が、先ほどの道府県職員服務紀律の第4条で、指揮監督者の命令によって、あくまでも、政務秘書は動くのですよ。よろしいですか。
 改めて、ここを聞いても、なかなか回答があれでしょうから進みますが、基本的に、政務秘書の方は、勤務時間の9時−17時の概念もございませんし、おっしゃるとおり、休暇に関するそういった考え方もない。つまり、例えば、平日の勤務時間中に、先ほどお休みを取っていたのではないかというお話もありましたけれども、仮に、お休みを取っているのであれば、休暇実数をお示しいただきたい。
 そして、平日の勤務時間中に、仮に、パチンコをしていた場合に、これは、私は勤務しておりません、お休みを取っていますと言っても、どう勤務しているのかわからないわけです。職務専念義務のこの確認が取れない、そういう仕組みになっております。これに関しては、どのようにお考えですか。
〇佐藤秘書課総括課長 政務秘書は、地方公務員法の適用対象とならない特別職であり、勤務時間や休暇等の定めがなく、一般職の職員と同様の勤務管理を行う必要はないものとされております。
 一般質問及び総括質疑で、知事が答弁申し上げたとおり、政務秘書の勤務状況の確認については、知事が直接行っているところでございます。
〇臼澤勉委員 私は、地方公務員法の職務専念義務違反がないのはわかっております。ただ一方で、地方自治法に基づく服務専念義務、職務専念義務とか、あるいは守秘義務も含めて、一般の地方公務員の方々が、服務規律として規制されている、そういった縛りがあるということを言っているのであります。
 それで、進めますが、先ほど来から、東京高等裁判所の判決の文を引用されてお話しされております。改めて、この判決文を読んでいただきたいのですが、これは、知事が行う選挙活動について、その知事の職分に属する公的な活動と見るべきだと言っているのです。
 ですから、知事が行わない、知事が関係のない国政選挙について認めているわけではないのです。この前提は何なのかというと、あくまでも地方自治法であり、地方公務員法に基づく、これで設置されている政務秘書、特別職です。ですから、この地方自治の本旨に基づくという、ここから外れた行為については、これは拡大解釈すべきではない。そして、それを引用すべきではない。これは、私は指摘させていただきます。
 先に進めますが、この職務専念義務がないとの前提で、知事はこれまでも答弁されていますが、過去の答弁との整合性、訂正をするお考えはございますか。
〇佐藤秘書課総括課長 その件につきましては、一般質問で知事が答弁申し上げたとおり、地方公務員法上の職務専念義務はないが、明治時代に制定された道府県職員服務紀律による職務専念義務は適用されているということだと存じます。
〇臼澤勉委員 ありがとうございます。なかなか議論がね。議論といいますか、この事実について、私はしっかりと確認すべきだと思います。そうでなければ、知事が誤った判断で、大事な職員を派遣させてしまうというか、そういったおそれが出てきます。知事にとっても、非常に危険というか、何かいろいろと心配する立場で、私はお話しさせていただいております。
 今回の職務専念義務のほかにも、さまざま守秘義務であったり、そういったものがあるのですけれども、秘書課には、御案内のとおり、県庁からさまざまな情報が集まってきております。政務秘書の守秘義務違反は、過去にございますか。
〇佐藤秘書課総括課長 その点につきましても、記録はないところでございます。
〇臼澤勉委員 どのようなチェック体制をしいているのか、システムとして、誰がどのような形でこれをチェックしているのか、お答え願います。
〇佐藤秘書課総括課長 こちらにつきましても、政務秘書の状況を把握している知事が行うものと理解しております。
〇臼澤勉委員 私は、政務秘書は誰のものなのだろう、政務秘書は知事のものなのかなと考えたときに、石川政策企画部長にお伺いします。政務秘書は誰のものでしょうか。
〇石川政策企画部長 先ほど来お話ししておりますとおり、政務秘書は、地方公務員法、それから、条例に基づきまして、それぞれの知事の政策判断により設置されているものでございます。県政を動かす上で、重要な役割を果たしていると考えております。
〇臼澤勉委員 誰のものだとお考えですか。
〇石川政策企画部長 県政推進上、大事な役割だと考えております。
〇臼澤勉委員 私は、県民から預かった大事な職員だという立場で捉えております。この県民から預かった大事な政務秘書を、知事が、政治団体の活動や後援会の活動、あるいは選挙目的の活動に利用しているという、特に、特定政党の私設秘書を県庁に配置したような形をとって、さまざまなそういった政党の国政選挙にも使っているという、これは設置根拠の地方自治法であり、地方公務員法を、先ほどの地方自治の本旨から、私は一歩外れている、拡大していると、こう捉えるべきだと思います。
 先ほどの長野県の判決文も、あくまでも、知事が行う選挙活動でございます。そこら辺をしっかりと把握していただきたい。
 何を私が問題意識として持ったかというのは、繰り返しになりますけれども、特定政党のそういった秘書の方を県庁にスライドさせて、その方の給与を岩手県が肩がわりしているような構図になっているということを指摘したいのでございます。結局、そういった構造が許されるのかどうかと。これを、長野県の判決文のとおり、知事が行う選挙の範囲内でやっている分には、私は許されるのかなと捉えますが、国政の全く違う選挙に、大事な県民からお預かりした秘書を派遣して使っていくというのは、非常にこれはゆゆしき遺憾な状態だなと思っております。違法ではなくても、不当な事案であることははっきり言い切れるのだと思います。
 それで、監査委員にお伺いいたします。本会議でもお伺いいたしましたが、効率的、効果的な行政運営に反しているのではないかと私は思うのですけれども、代表監査委員の御所見をお伺いいたします。
〇寺沢監査委員 一般質問でもお答えいたしましたが、執行側には、効果的、効率的な行政運営を心がけていただきたいと考えております。
 監査委員は、毎年度、出先を含む全機関を対象に定期監査を実施しております。今後も、各機関の事務事業の執行状況を注視いたしまして、効果的、効率的な行政運営となっているか、適切に監査してまいります。
〇臼澤勉委員 ぜひお願いいたします。埼玉県においても、監査委員のほうで政務秘書について監査されておりますので、岩手県においても、ぜひ、しっかりチェックをしていただきたい。
 なぜならば、今回も、中期財政見通しで、令和4年度以降、98億円から168億円程度の収支ギャップが生じて、財源対策基金の取り崩しにより対応した場合に、基金残高は令和6年度末までに101億円まで減少、令和7年には基金が枯渇してマイナスになってしまうおそれがあるわけでございます。
 事務事業でも、一つ一つチェックをしながら、県民からお預かりしている大事な税金を使いながらの、ハード、ソフト、そういった事業についても、これから、我々議会のほうでも、今回は政務秘書のお話を私は取り上げさせていただきましたけれども、今、議会のそういったチェック機能がしっかりと行うようにということで、県民からも熱く期待されているということから、私は今回取り上げさせていただいたものでございます。ぜひ、石川政策企画部長初め秘書課のほうも、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、御所感がございましたら、政策企画部長よろしくお願いいたします。
〇石川政策企画部長 私どもは一般職の職員でございますけれども、地方公務員法を遵守しまして、政治的中立性を確保しつつ、政務秘書と協力しまして、県民の皆様と知事とのパイプ役を果たしながら、知事が、職務を円滑、効率的に遂行できるように努めてまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 私からは、政策評価と広報戦略についてお伺いいたします。
 これまでも取り上げさせていただいておりますが、今回も、いわて県民計画(2019〜2028)政策推進プランに対する報告書をいただいております。令和2年度の政策推進全体の達成状況から、政策企画部として、各事業の広報戦略をどのように評価しているか、課題をどう認識しているかお伺いします。
〇村上広聴広報課総括課長 政策評価と広報戦略についてのお尋ねでございます。
 県の広報に対する評価につきましては、県政モニターを対象としたアンケート等によりまして把握しておりまして、昨年度のアンケート結果によれば、県政情報がわかりやすく提供されていると思う方の割合は約6割となっております。
 一方で、県政モニターからは、県政情報を入手したい媒体として、県広報誌やテレビ等に加えまして、ホームページやSNSを希望する声も多く寄せられております。こうしたことから、これまで以上に、インターネットやSNSを活用した、積極的でわかりやすい情報発信に取り組む必要があると認識しております。
 こうしたことから、今年度は、コンテンツの充実を図り、利用者層に適した情報を適時適切に伝えるため、外部講師を招きまして、SNSの特徴を生かした、効果的な情報発信に資する研修を実施し、職員の資質向上に取り組むなど、県全体の情報発信力を強化しているところでございます。
〇吉田敬子委員 次の質問にも答えていただいた感じになってしまいましたけれども、今年度は、県全体の広報の分についての研修等をされているということで伺いました。
 県政モニターのアンケート調査で、6割が、県政情報がわかり、理解していると。ただ一方で、SNSでのさまざまな情報発信には課題があるという認識で、今年度は、そのような事業だと認識しております。
 ことし3月の予算特別委員会の際に取り上げさせていただいたときには、各部局において、それぞれの事業評価において効果を検証している状況でありますという御答弁でした。
 それに対して、今、広聴広報課で御答弁いただいているのですけれども、結局、広聴広報課でやっているものは、いわてグラフ等の発行と、県全体の広報ということであると思うのですが、私が課題認識しているのは、この政策評価の報告書の中で、各部局で、それぞれ事業をやった細かいところについては、部局ごとにSNS配信も含めた広報を担当しているのですけれども、そういったことを各部局でそれぞれやっていることに対して、分析もできていない状況で大丈夫ですかということをお話しさせていただいていました。その後の答弁で、例えばツィッターだったり、LINEだったり、実績を積んでいるようなものについては、広く県庁内で使えるように御紹介して実践していきたいと考えておりますという御答弁はいただいたのですけれども、改めて伺いますが、各部局が、今、それぞれやっている広報戦略、SNSも活用したところに対する分析を、改めてお伺いしたいと思います。
〇村上広聴広報課総括課長 各事業につきましては、各所属部局におきまして、その全体の事業目的とか成果目標に応じまして、今、委員から御紹介のありました、新聞やテレビあるいはSNS等の広報媒体を活用していると認識しておりまして、それぞれの事業活動全体の評価の中で、そういった個別の広報の効果を検証しているものと認識しております。
〇吉田敬子委員 ということは、政策企画部としては、各部局にそれぞれ分析して判断していただいているという認識でよろしいでしょうか。改めてお伺いします。
〇村上広聴広報課総括課長 今、御答弁申し上げましたとおり、例えば、最終的に、被害が減少あるいはなくなるようなことを目的として実施しているような事業であれば、その周知啓発につきましては、その被害の可能性のある当事者はもちろんですけれども、その御家族や周りの方、関係団体の方が重要な訴求ターゲットになっていくということを考えております。
 そうしたときには、それぞれに対して、どの媒体を活用して、どのような内容、タイミングで処置すれば効果的なのかということを念頭に置きながら、それぞれ、コマーシャルであったり、あるいはチラシの配布、研修会やシンポジウム等のイベント、あるいは関係団体との共催によるキャンペーンなど、さまざまな個別事業を連携して実施しているものと認識しております。
 したがいまして、そうしたテレビコマーシャル等を初めとする個別事業の評価につきましては、最終的な事業全体の例えば目的で、今、例示として申し上げました、例えば被害の減少が目的だとすれば、その減少状況等を踏まえた評価の中で、それぞれの広報事業がどういうふうにやったかというのを検証していくことになろうかと認識しております。
〇吉田敬子委員 例えば農林水産部に限って、ちょっと話させていただきますと、それぞれ農業分野、林業分野、水産業等でSNSを活用しているのですけれども、農業分野はSNSをやっているけれども、林業分野はやっていないとか、でも、SNSを活用されていることがたくさんあって、あと、広報として、もちろん新聞広告は大事だと思いますけれども、県民に、それがどう広まっているかというところの分析までをなされていないような状況の中で、私は、広報戦略として各部局でやられているSNS等を、政策企画部としてしっかり取り組んでいただきたいという趣旨なわけですが、御答弁いただくのは、広聴広報課のほうで御答弁いただいているのですけれども、この全体の評価を報告していただいているのは政策企画課のほうだと思うのです。
 私は、政策企画課のほうで御答弁いただきたいという認識でいたのですけれども、結局、広聴広報課で御答弁いただくということは、いわてグラフ等の戦略も含めた分析ということの認識なのかなと思ってしまうのですけれども、その件についてはいかがでしょうか。
〇照井技術参事兼政策企画課総括課長 広報の関係の事業について、政策的観点からということでございますが、それぞれの事業ごとに、活動内容、指標とか、あるいはその成果指標を設定しておりまして、それぞれの事業が、先ほど広聴広報課総括課長からもありましたけれども、趣旨とか目的とか、それぞれに沿ってやっているものということで、それにあわせて、達成状況とかを判断し、評価をさせていただいているという状況でございます。
 事業によって、訴求相手が違ったり、その目的が違ったり、そういうものがございますので、それぞれの事業について、それぞれ事業課がしっかり把握し、評価し、次の施策に生かしていくものと考えております。
〇吉田敬子委員 例えば、各部局で、SNS配信や広報を、担当がかわるたびに一生懸命頑張られている現状を見ているのですが、例えば保健福祉部でやって、他部局でも使えるとか、そういう横断的に、その情報を共有していただきたいなという趣旨で、今回、質問をさせていただいたのです。
 担当課のところで、確かに各部局でそれぞれやることも重要ですけれども、何か分析をする際に、担当各部でやるというのも、人材の部分も含めて、なかなか大変なところもあるのではないかなということも思っておりまして、今年度は、それも踏まえての部局横断的な、職員に対する研修等も含めてということであるかと思いますので、ぜひ、ほかの部局でやっているいいもの、または、こうしたほうがいいのではないかというターゲットに対する、本当にそこに届いているのかという分析をしっかりしていただいて、政策企画部から、ぜひ、各部局での広報戦略についてまとめていただくというか、取り組んでいただきたいと思っておりますが、御所見を伺いたいと思います。
〇村上広聴広報課総括課長 委員御指摘のとおり、SNSは今、特にターゲットとしては、若者に訴求力等がございます。また、即時性もございますので、現在もですけれども、将来的にすぐれたツールであると認識しております。
 一方で、私どもが把握している中では、現在57ぐらいの所属で、ツィッター等のSNSを利用しているということでございますが、新規利用者をふやしていくためには、利用者の興味、関心を引くコンテンツを、定期的に発信していくことが大事だと。そこが続かないということで、なかなかうまくいっていないと、各担当の方からそういった声が私どものほうに寄せられております。
 そうした観点も含めまして、先ほど御答弁申し上げましたけれども、そういったある程度SNSを意識した、どういうターゲットにどのような内容で届けていけば、より効果的なのかといった観点から検証を進めておりますし、実際使っているところと、これから使いたいところが出てくるかと思いますので、例えば、今年度、これから実施する予定の研修においては、例えばこれから使いたいところのための初級的な研修と、実際、今、使っているところで、運用上悩んでいる、どうやって評価すればいいのかというところをどう考えていけばいいかというような、少し応用編みたいな形の研修をやることで、全体的な底上げ、技術力の向上を図っていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 私は関連で、県政モニター調査の関係で、ちょっとお伺いしたいと思いますが、令和2年度の県政モニター調査は、どういった方法で、どれぐらいの人に、そして、年に何回行ったのか、今、もしわかれば、最初に、簡単に教えていただきたいと思います。
〇村上広聴広報課総括課長 希望郷いわてモニターの関係についての御質問でございました。
 これは、広く県民の声を聞いて、県政運営上の参考にするということで、現在、203名の方に委嘱をしております。昨年度─令和2年度の実績でございますが、年に4回ほど聞いております。
 その調査方法につきましては、具体的に、調査を希望する部局あるいは事業を募りまして、そういった内容につきまして、モニターの御希望に応じまして、郵送またはインターネットにより照会し、回答を頂戴しているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 県庁内のモニター調査のほとんどは、郵送での調査が今も行われているというのを私もちょっとお聞きしまして、県政モニター調査も含めて、県民121万人の希望を230人のところに集約しているという感じで捉えればいいのですけれども、ただ今回、新型コロナウイルス感染症の公式アカウントをつくりまして、アカウントのお友達件数、17万人今いらっしゃるということなので、SNSをきちんと活用して、県民の方々が、どんな意識で今いらっしゃるのか、コロナ禍のような緊急事態のときにも活用できますし、ふだんの意識調査にも、しっかりと瞬時に活用できるようなツールがありますので、このところ、新型コロナウイルス感染症のLINEアカウントの活用状況とか、利用者の中身とかも分析した上で、今後のそういった意識調査のモニターのほうにも、ぜひ活用していってほしいと私は思っているのですが、その点について、政策企画部長のお考えを聞いて、終わりたいと思います。
〇石川政策企画部長 デジタル技術の活用につきましては、県政提言やパブリックコメント、こういったものはインターネットで受け付けておりますけれども、先ほど来お話ございました、新型コロナウイルス感染症対策に関しての県民の意識、行動について行ったLINE調査は、短期間で、多くの方から回答をいただいているところでございます。
 これらの技術は、県民の意識を把握する上で、有効なツールの一つであると考えられますことから、先ほど来、担当の課長もお話ししておりますけれども、職員のデジタル技術をしっかり向上させた上で、さまざまな活用方法についても検討してまいりたいという考えでございます。
〇田村勝則副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
午後4時20分 休 憩

午後4時42分 再開
〇田村勝則副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行します。
〇佐々木朋和委員 私からは、政策評価について伺いたいと思います。
 県は、幸福度に着目した10の政策分野と50の政策項目に整理をして、政策を推進しておりますけれども、例えば、健康・余暇の直接医療体制や介護にかかわらない部分、居住、コミュニティーの社会的インフラにかかわらない部分、また、歴史・文化などの分野で、県民意識調査において、重要度の低い項目が散見されます。
 これらの分野は、まさに県が、県民の幸福度を高める、あるいは、県民の幸福度を測るために新たな設定した政策分野、項目だと思いますが、県民からは、重要と思われていないと言っては言い過ぎですけれども、幸福度の順位が低い状況にあります。
 このギャップを県はどのように捉えているのか、また、これから財政逼迫ということも言われておりますけれども、一概には言えないことは十分承知しておりますが、今後の方向性として、重要度の低いものが選択と集中の対象になっていくのか。それとも、県民の意識を変えていくと、重要度が低いと思われているものは、県民に重要と思ってもらえるように引っ張っていくのか、所見を伺いたいと思います。
〇加藤政策課長 委員御指摘のとおり、県民意識調査の57項目に係る重要度、満足度の中には、健康・余暇における、日常的に文化芸術に親しむ機会など、政策推進プランに合わせて新たに設けた項目におきまして、他の政策に比べ重要度が低くなっているものがございます。しかしながら、これらの政策の重要度は、いずれも3点を超えておりまして、県民の方々に政策の重要性を理解していただいているものと考えております。
 県としましては、重要度、満足度から、現在の県民の行政ニーズも把握することとしておりますことから、その動向を踏まえますとともに、政策の進捗状況、社会経済情勢の変化等を勘案して評価を行い、次の取り組みにつなげていくことにより選択と集中を図り、県民意識の満足度も向上できるように取り組んでいきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 今答弁のあった選択と集中を図りという言葉を聞いても、では、どこを削るのだろうかというところを感じるのです。重要度は比較的高いと言いながらも、重要度の平均が4.2です。それが県民の皆さんに聞いたときに、重要でないというのを選ぶよりも比較的高目に出ているのかなという思いもあるのです。そういった部分の分析もしていかなければいけないなと思います。
 また、知事が、この前の質疑の中でも、今の世の中は、いろいろな部分に政策の根を張りめぐらせなければいけないという話をしていましたけれども、一方で、先ほどは重要度を紹介していただきましたが、重要度が平均4.2のところ、満足度は2.994と3を下回っているのですね。これ、よく見ると、満足かどうかで、満足を5点、やや満足を4点と、どちらとも言えないの3点を全体として下回っていて、それで、満足度を全部見ていくと、本当に、4に近い3.5を超えるものがないのです。全体の政策として、県民がみんなどちらとも言えないというような状況とも見られるのです。
 ちょっと通告をしておりませんけれども、では、満足度の2.994をどのように評価していますか。
〇加藤政策課長 政策評価に当たりましては、重要度と満足度、あと、その差であります行政ニーズがどうかというところも踏まえまして、政策項目において評価しているところでありますことから、政策評価に基づきまして、次の取り組みにつなげていって、選択と集中につなげていくと、そういったところで考えております。
〇佐々木朋和委員 今のお話ですと、どこで選択、集中をしていくかという、この重要度から満足度を引いたニーズ度と、ここで政策評価をしていくところを、濃厚をつけていくというような意味合いでしょうか。
〇加藤政策課長 重要度も満足度もニーズ度も、それぞれ政策項目の中で見ながらということで、ニーズ度に限ってということではございません。それぞれ勘案して、総合的に評価するということでございます。
〇佐々木朋和委員 では、ちょっと角度を変えて、これも通告しておりませんが、さきの質問で政策企画部長が、ことしコロナ禍でもあったので、指標の変更をしていくというような方針を示されましたけれども、これは、コロナ禍だから、例えば100進むのを50にしようという数値的なものだけなのか。それとも、政策の指標そのものを変えていくことも視野に入れていらっしゃるのかお聞きしたいと思います。
〇石川政策企画部長 ただいま、委員からお話がありましたとおり、コロナ禍の関係で、進んでいるものもございますが、おくれているものも結構ございます。この見直しについてでございますが、一つは、目標値をどのように変えていくのかというのが一つあります。
 もう一つは、例えばいろいろな研修会とか、そういったものができないけれども、逆に、リモートを使った形でやるといったような場合、補足指標みたいな形で押さえていくという方法もあろうかと思いますので、そういった補足指標の追加、それから、指標の見直し、両方で考えていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 今、指標の項目にも言及をされたようにも思いましたが、ただ、コロナ禍において、例えば、それはリモートでもみたいな、補足的なところということで、コロナ禍において社会的な価値観も変化しているので、その辺、私はもう少し柔軟に対応いただきたいなと思いました。
 通告していた質問に戻りますけれども、県は、11月に政策レポートをまとめて、今後の政策の方向性の決定をしているのですけれども、例えば、先ほど重要度、満足度、ニーズ度、三つともどれも考えているということでしたが、例えば、重要度の低い項目が政策評価としてCであったとしても、重要度の高いものが同じくCとあった場合、評価としては、一つのCとして反映されているように私には見えるのですけれども、この県民調査の重要度あるいはニーズ度、そういったものはどのように評価されているのか、何か繰り返しの質問になってしまいそうですけれども、よろしくお願いします。
〇高橋評価課長 県民意識調査における重要度、満足度、ニーズ度につきましては、先ほど答弁いたしましたとおり、政策項目の評価におきまして、政策項目を取り巻く状況としまして、社会経済情勢とあわせて整理をしておりまして、政策項目に関連するいわて幸福関連指標の状況に加えまして、県の取り組み状況や他の主体の取り組み状況とともに加味することとしております。
 これらを踏まえた政策評価におきましては、丁寧に課題を分析し、今後の方向を明らかにすることとしており、その結果につきましては、予算編成過程を通じて、政策等への反映を行うこととしております。
〇佐々木朋和委員 そこの政策にどのように反映されているのかということを見える化するための、こういった資料だと思うのですけれども、その辺が総合的に勘案してということで、なかなか見えにくいのだと思います。
 今回いただいた資料の中で、重要度、満足度、ニーズ度を見ていきますと、従来から課題になっている安定した職業環境とか、医療体制とか、軸になるものは変わらず普遍的にあるのだと思います。私は、そういった部分を、同じCではなくて、プラス重きを置くような査定もしていただいて、県民の皆さんの価値観に合ったアクションプランにしていただきたいと思います。
 もう一つは、政策分野ごとの実感、分野別実感というのが、基準年と比べて比較されて、評価に使われております。令和2年度のときにも、横ばいであったとか、そういったところで全体をC評価にするとか、そういったところでも使われているのですけれども、令和2年、令和3年の調査を見ると、振り幅が小さいように見えます。これで、経年変化というのを評価の対象として妥当なのか、この辺の所見を伺いたいと思います。
〇高橋評価課長 県では、県の施策に関する県民意識調査によりまして、主観的幸福感に関連する12の分野別実感を把握しまして、その変動と要因について、岩手県総合計画審議会に設置しております、県民の幸福感に関する分析部会において、分析を行っていただいているところでございます。
 分野別実感の変化に係る分析手法につきましては、この分析部会において検討いただいたものでありまして、統計手法に基づいて、基準年である平成31年調査の結果との有意差の有無を検定することにしております。
 この分析の結果、令和2年調査では、1分野で上昇、5分野で横ばい、6分野で低下と分析されておりまして、現在分析中であります令和3年調査においても、同様に有意差が確認されているということでありますので、評価対象として妥当と考えているところであります。
〇佐々木朋和委員 わかりました。
 参考にお聞かせいただきたいのですけれども、0.何ポイントの差であれば、横ばいあるいは上昇として確定をされるものなのでしょうか。目安を教えていただければと思います。
〇高橋評価課長 何ポイントで上昇ということではなくて、その統計上の手法で、その二つの平均値の差について、統計的に検証しているということでありまして、その二つの平均値の差が5%未満を目安に検定していると認識しております。
〇佐々木朋和委員 わかりました。
 最後の質問です。先ほど、吉田敬子委員もお話をされていましたけれども、この全体の中で、各委員からも、啓発、普及、広報系の事業については、その効果が見えにくく、その成果をどのように評価をしているのかという問題点も指摘をされておりますけれども、そういった啓発、普及、広報系の事業については、その成果をどのように評価をして、事業改善につなげているのかを伺いたいと思います。
〇高橋評価課長 県では、政策的な事業につきまして、事業ごとに設定しております活動内容指標、それから、成果指標の達成状況に加えまして、上位施策との関係、それから、社会経済情勢の変化を踏まえて、事業の継続、廃止、見直し等の評価を行っているところでございます。
 その啓発、普及、広報系の事業につきましても、その他の事業と同様に、それぞれ評価を行っているところでありますけれども、県民の行動変容だったり、意識の変化、認知度の向上を目的とするなど、事業活動の結果だけではなかなか効果がわかりにくい事業につきましては、その上位施策であります具体的推進方策指標の達成状況も見たりすることによりまして、事業の方向性の検討を行っているところでございます。
〇佐々木朋和委員 上位指標の結果が出ていないということであれば、その広報の仕方も検討をしているということでしょうか。
〇高橋評価課長 例えば、今お話ししました上位指標の状況を見るという部分につきましては、例えば、その事業所を含めた県民への普及活動を行うという事業を行う場合に、事業所の認定数みたいなものを成果指標に設定しているという事業については、成果指標だけではなかなか達成度が見えないところですので、その上位の具体的推進方策指標の中に、その活動をしている県民の割合みたいなものを設定して、その指標を見ることによって、その上位施策の指標の達成状況を踏まえて評価を行うということをやっておりますので、そういった形で、上位の指標と連動した形で見ていくということをしております。
〇佐々木朋和委員 了解しました。いずれ、これから非常に財政も大変になる中で、これからどのように選択と集中をなされていくのかというのが、今の段階ではまだ見えにくいのだと思います。しっかり注視をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
〇飯澤匡委員 私の一般質問と、きのうのハクセル美穂子委員の総括質疑の中で、政策の選択と集中について、今、政策企画部長は、これから指標も変えていくような可能性を示しましたけれども、知事はそんなことを言っていませんよ。これは何ですか。その時に応じて変えていくという方針に変更したのですか。
〇石川政策企画部長 指標につきましては、幸福関連指標と具体的推進方策指標とございます。今回のコロナ禍の影響を受けまして、おくれが出たもの、あるいは逆に、デジタル化などで進んだものなどもございます。こういったものの目標値の見直し、あるいは補足指標、こういったものについて、現在各部局と検討しているところでございます。
〇飯澤匡委員 そこのところを厳しく追及したつもりだけど、知事は変えないと言っているのだから、何かちょっと統一性がないですよね。
 統一性がないということで、それはわかりました。
 幸福関連指標についても、ちょっとだけ一般質問でも触れましたけれども、AからDまであるのです。私の感覚から言うと、D評価については、幸福関連指標に挙げている以上、これは改善しなければならないですよね。改善するためには、資本と人員を投下しなければならない。そのためには予算が必要だと。
 それを言ったにもかかわらず、知事は、これは何とかなりますと言っているわけだ。これはどうやって解決していくのですか。だから、財政が厳しくなるのに、ここのところを放っておいてうまくいくのですかという問いに対して、うまくいくと答えているのだから、これはどういうふうにして改善するのですかね。これは、お金とのかかわりが絶対出てくるのですよ。それはどうですか。
〇加藤政策課長 幸福関連指標につきましては、県だけでなく、県民、その他の主体、みんなで達成していく政策でございますので、県のみならず、さまざまな力を合わせて達成していきたいと考えているものでございます。
〇飯澤匡委員 今のじゃだめだね。それでは政策評価にならないし、次なる展開にならないですよ。いいですか。正社員の有効求人倍率はDです。それから、自殺率もD。これだって、やはりお金と人員を投下しないと絶対的に上向きにならないですよ。それ、どうやるかというのを、今の佐々木朋和委員の質問と答弁を聞いていても、私は、この政策評価については、かなり無駄な作業をしていると思いますよ。
 県庁というのは優秀な人材がいるのだから、もう少し政策目標をきちんと明確にクリアにして、その目標を達成するためにはどうするかとやったほうが、県民に対しても非常にわかりやすいと思うのですよ。だって、幸福関連指標をやったって、県民は幸福と感じますか。そこからスタートしなければだめなのではないですか。問題提起だけにしますけれども、何か御所見があれば言ってください。
〇石川政策企画部長 先ほど担当の課長からも申し上げましたとおり、県の施策はさまざまな主体と共同でやっていく必要があろうかと思います。その進捗状況を測る上で、共通の言葉として、指標は大事だと考えております。しっかりそこを分析しながら、県の政策を進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 昨年度の県政最大の課題は、新型コロナウイルス感染症対策だったと思います。そこで、新型コロナウイルス感染症対策における知事のイニシアチブについて、昨年度はどのように発揮されたのか、今年度についてもあわせて示していただきたい。
〇坊良副部長兼首席調査監 昨年度の新型コロナウイルス感染症対策につきましては、知事のイニシアチブのもと、全庁を挙げて取り組んできたところでございます。
 具体的には、国に先駆けた取り組みといたしまして、岩手県新型コロナウイルス感染症対策専門委員会の設置、知事メッセージといたしまして、感染拡大地域である首都圏との往来の注意喚起を行ったこと、また、市町村と連携した中小企業への地域企業経営支援金の支給や、家賃補助の実施などが挙げられます。
 さらには、いわゆる感染された方々に対する誹謗中傷につきましては、厳に防止、抑止しなければならないということで、定例記者会見などさまざまな機会を通じ、知事から強いメッセージが発せられたことなどが挙げられます。
 今年度におきましても、引き続き、感染拡大防止対策や社会生活、経済活動の支援策に取り組んでいるところでございます。特に、本年度は県内の人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数が15人を超えれば行動抑制を行い、10人を下回れば解除するという本県独自の基準に基づく岩手緊急事態宣言を設定し、知事からの強いメッセージや新聞広告などを通じて、県民に周知を徹底したところでございます。さらには、市町村のワクチン接種体制の支援、あるいはいわて飲食店安心認証制度の創設によって消費喚起を行ったこと、こういったものが主なものとして挙げられます。
〇斉藤信委員 新型コロナウイルス感染症対策では、昨年度は、岩手県感染者ゼロが4月29日まで続きました。これは全国でも注目され、世界からも注目をされるような状況でありました。その背景に、今、答弁があったように、国に先駆けたさまざまな先手を打った対策があったと私も評価をしています。
 あわせて、今年度は、特に8月に感染拡大がありました。これは、ステージ3の段階で、独自の緊急事態宣言を発して、必要な手だてについて先手を打ってとってきたことが早目の収束につながったと思います。
 特に岩手県の場合、総括質疑でも私は触れたのですけれども、新規感染者全員に医療機関で診察を行って、CTも撮った。無症状の場合でも、肺炎症状があらわれる患者があるのです。そういうことも含めて、しっかり入院、宿泊という形で対処してきたことが、重症者も死者の数も少な目に抑えることができたと思います。そういう点で、全体として、岩手県は新型コロナウイルス感染症対策では、先駆的、積極的な取り組みを行ってきたのではないかと思います。
 次に、全国知事会は、新型コロナウイルス感染症対策の中で頻繁に開催されるようになりました。その中で、達増知事も積極的な発言を行い、マスコミでも紹介をされる状況がありました。全国知事会の役割、その中で、達増知事の役割はどうだったのか示してください。
〇照井技術参事兼政策企画課総括課長 全国知事会では、令和2年2月に新型コロナウイルス緊急対策本部を設置しまして、これまでに29回、今年度におきましては11回本部会議を開催し、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の増額、あるいはワクチンの安定供給等を、国に対して提言を行いまして、その実現が図られてきたところでございます。
 達増知事からも、今申し上げました新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の増額等のほか、地方重視の経済対策の実施、地域観光支援事業の予算の増額、米価下落対策を初めとした農林漁業者への支援などについて発言され、全国知事会の提言に盛り込まれてきたところでございます。
 今般、達増知事は、全国知事会農林商工常任委員会の委員長に就任したところでもありますので、引き続き、全国知事会と連携しながら、一層、地方の実情を踏まえた提言、要望を行っていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 新型コロナウイルス感染症対策で、全国的には、特に首都圏、大阪府を初め感染爆発が引き起こされました。ところが、昨年実施した持続化給付金とか家賃支援給付金は、去年のたった1回だけなのです。感染が爆発して、事業者が大変苦労をしているときに、そういう国の対策は今年度全くなかった。異常なことですよ。
 そうした中で、岩手県はもとより地方は、地域企業経営支援金、これは2月定例会の補正予算でした。そして、今年度もやっていますし、いわて旅応援プロジェクトも、昨年もことしも継続してやっていると。地方が本当に頑張ってこの対策を進めてきたのではないかというふうに私は思います。
 それで、3点目に、こうした取り組みを進める上で、市町村との連携をどのように図ってきたかを示していただきたい。
〇加藤政策課長 市町村との連携についてでございますが、昨年度は、4月に、県の基本的対処方針を策定し、県民の生活を守るための経済的支援、地域経済を支える産業支援など、対策の方向性を明確に示した上で、市町村と連携を図ってきたところでございます。
 このような方向性のもと、県と市町村との意見交換会や事務レベルの県市町村連絡会議の開催のほか、県の方針や補正予算の内容など、県本部員会議の情報について地方支部を通じて市町村と速やかに共有し、連携に努めてきたところであり、例えば、県の令和2年度一般会計第3号補正予算におきましては、中小事業者に対する家賃補助を国に先駆けて創設し、市町村との協調補助を実現したほか、同じく第4号補正予算におきましては、市町村の要望などを踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策市町村総合支援事業費補助を創設し、市町村が独自に、地域経済の回復等に必要な対策を講じるための支援も強化したところでございます。
〇斉藤信委員 現在は、新型コロナウイルス感染症は、感染が急減しています。しかし、冬にかけて感染が拡大する条件が広がると、第6波は必ず起こると予測している専門家が多数です。これも、私は総括質疑で紹介したのですけれども、ワクチン接種率が8割を超えるようなシンガポール、さらにはイスラエルで、この9月に急速な感染拡大もありました。
 私は、こういうときこそしっかりした対策をとるべきだと思います。私が不十分だと思っているのは、PCR検査等を含めた検査が、国も弱いし、県もまだ十分ではない。無症状の方々から感染するケースが多いのです。だから、無症状の方々を早期に発見してこそ、初めて感染の根を絶つことができる。
 この検査の取り組み、例えば抗原キットも、保育所とか学校に配布されても、十分活用されていません。せっかく配布されても活用されていないというような課題もあります。
 今までは、本当に全国的に見ても、先駆的、積極的な対策を先手、先手でやってきて、成果を上げたと私は思います。しかし、第6波を絶対引き起こさない、大きなものにしない、そういう点で、残された課題にもしっかり挑戦して、知事のイニシアチブを発揮するように、政策企画部としてしっかり支えていただきたい。政策企画部長いかがですか。
〇石川政策企画部長 新型コロナウイルス感染症対策につきましては、各部局ということではなくて、全庁を挙げて取り組むことが大事だと考えております。復興防災部あるいは保健福祉部あるいは教育委員会等々ございますので、そこら辺は、しっかり連携をとりながら進めてまいりたいと考えております。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで政策企画部関係の質疑を終わります。
 政策企画部の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでした。
 執行部席消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、復興防災部長に復興防災部関係の説明を求めます。
〇戸舘復興防災部長 令和2年度の復興防災部関係の決算について御説明申し上げます。
 なお、今年度、組織再編がありましたことから、令和2年度の復興局の所管事業及び総務部等から移管された危機管理関係業務について、説明させていただきますので、あらかじめ御了承願います。
 初めに、当部所管の事務事業に係る取り組み状況について、総括的に説明いたします。
 当部では、復興推進プランに掲げる安全の確保、暮らしの再建、なりわいの再生、未来のための伝承・発信を着実に進めるとともに、政策推進プランに掲げる自助、共助、公助による防災体制づくりなどに取り組んでまいりました。
 まず、東日本大震災津波からの復興の推進についてでありますが、市町と連携して恒久的な住宅への移行促進に取り組み、本年3月31日までに、みなし仮設住宅を含む応急仮設住宅の全ての入居者が、恒久的な住宅へ移行しております。
 また、東日本大震災津波から10年の節目を迎え、国内外で震災への関心が高まることから、被災地から復興の取り組み状況と支援に対する感謝を発信するとともに、復興への協働、参画の促進に取り組みました。
 次に、地域防災力の強化についてでありますが、地域防災サポーターの派遣による防災知識の普及や、自主防災組織の組織化、活性化の促進、市町村による避難行動要支援者の個別避難計画策定の支援に取り組みました。
 これまでの復旧、復興の取り組みにより、計画された事業の多くは完了したところでありますが、一方で、被災者の心のケアや、コミュニティーの形成支援、コロナ禍により大きな影響を受けている事業者への支援など、引き続き中長期的に取り組むべき課題については、被災地の状況に応じ重点的に対応してまいります。
 続きまして、決算の概要について説明いたします。
 当部関係の一般会計歳出決算は、お手元の岩手県歳入歳出決算書12ページと13ページの2款総務費のうち、1項総務管理費、2項企画費、6項防災費の一部、3款民生費のうち、2項県民生活費の一部、5項災害救助費、4款衛生費のうち、2項環境衛生費の一部、16ページと17ページに参りまして、12款公債費の一部ですが、これらの支出済総額は79億5、826万円余であり、翌年度繰越額は4億5、786万円余、不用額は5億4、680万円余となっています。
 決算の内容につきましては、お手元の歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇田村勝則副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 東日本大震災津波から10年7カ月が経過いたしました。ということは、福島原発で事故が起こってからも10年7カ月が経過したということになります。この間、国からあるいは経済産業省でしょうか、廃炉の方向に、今、動いているようでありまして、廃炉の作業に入っているものと、私どもの情報ではそれしか入ってないのですが、これの工程表によりますと、今後40年間かかるということしかわかりません。
 その後、国ないし関係機関のほうから、これについての情報は県に対して入っているのでしょうか。まず、そこをお伺いしたい。
〇武蔵放射線影響対策課長 福島第一原発の廃炉に向けた工程についてのお尋ねでございます。原発事故から10年経過いたしましたが、この事故後の処理、または、都度、都度の作業の状況等については、東京電力を通じまして、随時報告を受けているものです。
 また、今般、政府決定が行われました処理水に関しましても、今後の廃炉に向けた作業工程の中の一つという形で、スケジュールについては示されているところでございます。
〇伊藤勢至委員 40年もかかる、ああ、すごいなと思いました。
 ただ、私どもが心配いたしますのは、40年後ということは、自分はいないわけでありますが、ただ、この我々のすばらしい環境を引き継いでくれる次の世代に、果たして残していいものかどうか、特に、汚染水の海洋放水という、何となくそういう方向に今あるような気がしていますけれども、福島原発の前から、海の底にコンクリートの何か側溝みたいなものをつくって、1キロメートル沖に放流するみたいな話も出ていますけれども、1キロメートルぐらい沖では、仮に、我々の東北地方の海岸線は、暖流、黒潮が北上してくるわけです。そして、宮古市、今は温暖化の関係でもうちょっと北に上っているかもしれませんが、そこまで黒潮が上がってきて、宮古市辺りから、蛇行してサンフランシスコに向かっていく。
 つまり、黒潮は太平洋を循環しているのです。したがいまして、福島県沖で放流をして、1キロメートルなどは黒潮の中に組み込まれてしまいますから、そういうときに、期せずして、この原発事故以来、平成8年がピークだった秋サケが、このごろ全然元気がない。その前にサンマもだめ、その前にはスルメもだめと、こういうことで、全く海に元気がない状況にある中で、もしですけれども、海洋放水というものが行われたとしたら、風評被害にさらに追い打ちをかけられはしないか、そういう部分を大変心配をしているところであります。
 これについての答弁は、復興防災部の範疇を超えているかもしれませんので、ここではあえてどうのこうの聞きませんが、簡単に、この水産漁業についての懸念をお持ちでしょうかということを、イエスでもノーでもいいのですが、これは復興防災部長にお伺いをして終わりたいと思います。
〇戸舘復興防災部長 国の責任において、しっかりと安全性を確保してもらうことが大前提なわけでありますけれども、その前提に立っても、風評被害は起こる可能性があると思いますので、大変に心配をしております。
〇吉田敬子委員 性犯罪、性暴力被害者支援についてお伺いしたいと思います。
 県では、平成29年度から、はまなすサポートセンターを設置しておりますけれども、その相談体制について、相談件数等からこれまでの取り組みをどう評価しているのか。現在の相談体制は、平日の10時から5時までということでありますけれども、それらを含めてどのように評価しているかお伺いしたいと思います。
〇多賀県民安全課長 はまなすサポートセンターの相談実績と相談体制についての評価でございますが、平成29年10月1日にはまなすサポートセンターを設置しまして、土日祝日を除く平日の10時から17時までで相談を受け付け、対応しているところでございます。
 通年実績となりました平成30年度の相談実績につきましては、電話相談185件、面接相談54件、メール相談46件、その他相談18件で計303件、令和元年度は、電話相談174件、面接相談32件、メール相談114件、その他相談8件で計328件、昨年度─令和2年度は、電話相談169件、面接相談28件、メール相談194件、その他相談27件で計418件と、相談件数は増加傾向にあります。
 また、警察や医療機関等への付き添い、裁判の傍聴付き添いなどを行う直接支援も行っておりまして、平成30年度は198件、令和元年度は100件、令和2年度は72件となっております。
 当初は、電話相談が主と想定しまして、それに対応する専任相談員1名の配置で対応していたところでございますが、相談体制の強化と支援の充実を図るために、令和2年度から1名増員したところでございます。
 はまなすサポートセンターは、性犯罪、性暴力被害者が、ちゅうちょすることなく相談することができ、必要な支援につなぐ、重要な役割を果たしているものと捉えております。
〇吉田敬子委員 相談件数が年々増加傾向にあるということで、直接支援については、令和2年度若干減ったのはコロナ禍の関係もあり、本来は、直接支援ももっと依頼があったところに、できなかった等もあるのかなと。いずれ、相談件数は年々増加傾向にあると思っております。
 その中で、メールに関しては、特に46件、114件、194件とふえている現状で、これは、10代、20代、特に若い世代の相談が多いのではないかと思っておりますが、県の御所見をお伺いしたいと思います。
〇多賀県民安全課長 電話及び面接につきましては年齢がわかるのですが、メールにつきましては、年齢が正直わかりません。電話、面接であれば、若年者というのは一定数ありますけれども、メールの件数の中での状態はわからないということでございます。
〇吉田敬子委員 メールだけではないところの全体では、若年層がふえているということだと認識しております。
 県では、医療費公費負担をされておりますけれども、こちらの取り組み、そして、現在の支援のあり方への評価についてどう捉えているか、お伺いしたいと思います。
〇多賀県民安全課長 被害者への医療費の公費負担につきましては、性犯罪に相当する行為を受けた被害者が、岩手県警察が実施します、犯罪被害者等支援公費負担制度の対象とならない場合でありまして、一定の要件に該当する場合に、岩手県性犯罪被害者支援医療費公費負担制度によりまして、産婦人科及び精神科の受診並びに保険薬局の利用に要しました医療費の自己負担相当額を、本人にかわり県が負担しているところであります。
 この公費負担は、平成29年10月1日から運用を開始しましたが、その実績は、平成29年度が半年で4件、平成30年度が4件、令和元年度が1件、令和2年度が1件となっております。
 この医療費公費負担につきましては、令和2年の内閣府の通知を受けまして、今年度から、居住地要件を廃止しまして、居住地を問わず、被害者が本県の協力医療機関を受診した場合に、利用できることとしました。被害者の受けた傷は大きいわけですが、精神的、身体的、経済的負担を軽減し、その健康の回復に一定の役割を果たしているものと考えております。
〇吉田敬子委員 御答弁のとおり、こちらのほうでの公費負担と、あと、県警察のほうでの公費負担がありまして、県警察のほうからちょっと資料をいただきましたけれども、県警察のほうでも、大体20件弱で、常に毎年あるのですけれども、公費負担の支援は引き続きお願いしていただきつつ、あと、先ほどの相談件数が年々増加傾向にあるということで、これは氷山の一角だという認識です。
 本来は、そういった被害があったときに、なかなか声が上げづらいという状況、そして、先ほどお話しさせていただきましたけれども、若年層で、特にどうしていいかわからない子供たちも、若い世代も含めて多いのではないかなと思っております。
 現在は、平日の10時から5時までということで、こういった犯罪は夜間にもありますし、土日も含めてあるわけですけれども、そういった24時間365日体制になっていかなければいけないということで、国のほうでもそういった方向で動いておりますが、11月までに、夜間休日のコールセンターを内閣府が設置して、全国でいつでも相談できる体制が整備されるということで、それがつながるということでありますけれども、今現在の体制では、なかなか十分に対応し切れていないのではないかなと思っておりますが、今後の取り組みについて、お伺いしたいと思います。
〇多賀県民安全課長 これまで、はまなすサポートセンターは、平日の10時から17時までということではございましたが、実際には、相談者の都合に合わせて時間外にも対応するなど、臨機応変に対応はしてきたところでございます。
 ただ、委員からもお話ありましたとおり、国のほうでは、昨年の6月ですけれども、平成2年から4年度の3年間を、性犯罪、性暴力対策の集中強化期間として取り組むことを決定しまして、これを受けまして、内閣府では、夜間休日対応コールセンターを設置して、各都道府県のワンストップ支援センターと連携して、全国で24時間365日の相談を受け付ける体制を構築する方針を示して、ことしの10月1日、夜間休日対応コールセンターが設置されたところでございます。
 国のほうでは、各都道府県のワンストップ支援センターにも、平日の8時間体制と、それから、夜間休日の緊急時に対応できるようなオンコール体制の構築を求めておりまして、本県でも、これに対応できるように、国及び委託先のいわて被害者支援センターと調整しまして、11月からの連携を予定しているところであります。
〇吉田敬子委員 いずれ、その相談が年々増加している中で、本当に氷山の一角ということで、相談を受けている方々も、直接支援もあるということで、今の体制では、すごく手いっぱいな状況ではないかなということを認識しております。
 そこで、県では、中学生、高校生に対して、性暴力、性被害があったときには、こういう支援センターがあるよということで、啓発カードを渡されておりますけれども、この内容も、例えば他県だと、子供向けにはこうで、成人向けにはこうと、もう少しわかりやすい、親しみやすい内容に分けてつくられたりしているような状況でもありますし、メールアドレスの記載がなかったりとか、せっかく中学生、高校生に配布されているということですけれども、この啓発カードの中身の工夫も若干必要なのかなと思っております。
 例えば鳥取県だと、SNSをかなり利用して、カードだけではないところで、とにかく若年層にいかに相談支援体制がこういうふうにあるよということを取り組まれていたりしますので、そういった部分、ぜひ今後考えていっていただきたいと思いますし、今は中学性、高校生ですが、小学校高学年も含めて、今後は検討をしていってもいいのではないかなと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
〇多賀県民安全課長 メールアドレスとかその辺につきましては、今度つくる際には、盛り込むような形にしたいと思います。
 それから、SNSの話ですが、SNSにつきましては、若者が使用しているという意味で、非常に重要なツールだと思っているのですが、その言葉遣いとかというところで、正確に相談者に伝わるのかというと、ころがちょっと懸念されるところがございまして、今後の検討課題と思っておりますが、御意見として参考にさせていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 今回の決算は、東日本大震災津波復興の10年の節目に当たりますので、主な取り組みの成果、到達点について、最初にお聞きをいたします。
 防潮堤と海岸保全施設の復旧、整備について、工事完了地区、そして、工事中の地区、箇所の完了の見通しはどうなっているか、防潮堤の高さを、地域住民の意向を踏まえて変更し下げた地区、箇所はどうなっているか示してください。
〇大坊参事兼復興推進課総括課長 ただいま、防潮堤等の海岸保全施設の復旧、整備についてのお尋ねでございました。
 令和3年9月末時点で、海岸保全施設134カ所のうち、工事が完了した箇所は、県事業93カ所、市町村事業29カ所、計122カ所でございまして、市町村事業は全て完成しております。
 残る12カ所のうち、11カ所は令和3年度、宮古市の閉伊川水門につきましては、令和8年度の完成を目指しまして、現場の状況に応じた工夫や調整を行いながら、工事を進めております。
 また、防潮堤の高さを、地域住民の意向を踏まえて変更し下げた地区につきましては19カ所ございまして、18カ所が既に完了しており、残る1カ所は、令和3年度内の完成を目指しております。
〇斉藤信委員 岩手県の場合には、明治の津波、昭和の津波、そして、今回の東日本大震災津波と、116年の間に3回、10メートルを超える巨大な津波があったわけで、私は、基本的には、県民の財産を守る防潮堤は必要だと思います。
 ただ、これを進めるに当たって大事なことは、住民の合意なのです。ただ、あれだけの大災害の直後で、防潮堤の高さを決めるのは大変至難のわざだったと思います。そういう中でも、19カ所で住民の意向を踏まえて、防潮堤の高さを下げる取り組みもあったということは、私は大変貴重なことだったと思います。
 二つ目に、被災者の住宅再建の県独自補助の実績件数と補助額についてどうなっているでしょうか。市町村も、住宅再建への独自補助を行いましたが、市町村の独自補助の状況を、どのように把握しているでしょうか。
〇下川被災者生活再建課長 東日本大震災津波の被災者の住宅再建の状況でございますが、県と市町村が共同で実施しております、被災者住宅再建支援事業の令和3年9月末現在での支給件数は1万202件、補助額は、県と市町村を合わせまして144億792万円余となっております。
 また、住宅再建への独自補助を実施している市町村でございますが、沿岸10市町村で実施しております。主な補助の内容は、建設購入費へのさらなる補助や借り入れに対する利子補給補助等と承知をしております。
〇斉藤信委員 河北新報で、知事選の関係で県政の検証というのがあって、実は、岩手県の住宅再建の取り組みについては、宮城県ではなかったということで比較されていました。
 私は、岩手県が独自にこうした住宅の補助を行ったということが、自立再建を大いに推進したのではないかと思います。あわせて、市町村は、200万円、300万円の補助をさらに上乗せしてやっています。ですから、全体として、被災者住宅再建支援事業費加算支援金200万円をあわせて、全体では300万円ぐらいの住宅再建への支援があった。岩手県で、支給件数が1万202件という想定した計画を超えて自立再建が進んだというのは、これは特筆すべき成果だったと私は思います。
 三つ目に、グループ補助の実績、二つの機構による債権の買い取りなど、二重債務対策の支援件数、その後の経営支援の対策と体制はどうなっているでしょうか。
〇澤田復興くらし再建課総括課長 被災事業者への経営支援についてでありますが、まず、グループ補助金の実績につきましては、これまで、延べ1、571事業者に対しまして、918億円を交付決定しているところであります。
 また、二重債務問題を抱える県内事業者への債権買い取り等の金融支援件数につきましては、岩手産業復興機構における債権買い取りが110件、返済猶予が179件、新規融資が25件、東日本大震災事業者再生支援機構における債権買い取りが167件となっておりまして、これら二つの機構による債権買い取りの合計が277件、これに、返済猶予や新規融資も含めた支援件数の合計が481件となっております。
 その後の経営支援につきましては、事業者の抱える課題や事業環境の変化に応じまして、国や商工団体等の関係機関と連携して、経営相談や金融相談、商品開発や販路開拓の支援、専門家の派遣による課題解決や経営戦略策定に向けた支援などを行っているところでございます。
〇斉藤信委員 グループ補助も、東日本大震災津波の復興の中でつくられた新しい制度で、その後の大きな災害でも、これは実証されるようになった、大変貴重な取り組みだったと思います。
 ただ私は、1、571社が交付決定をされたのですけれども、その後倒産した、また、交付決定されたけれども、廃止になったという件数もあるし、特に沿岸部の業者は、震災、大不漁、そして、コロナ禍、先ほどの原発汚染水という問題もありましたが、私が先日、陸前高田市へ行ったときに、40億円だという話もありました。本当に復興のまさに途中なのです。そして、三つも四つも新たな困難に直面していると。その点で、しっかりしたフォロー、この体制はどうなっているかをお聞きします。
〇澤田復興くらし再建課総括課長 グループ補助等を含めました被災地のなりわい再生に向けまして、委員がおっしゃるとおり厳しい状況が続いております。そうした中、復興の取り組みにより大きく進展いたしました交通ネットワーク、港湾機能、こういった優位性を生かしまして、また、復興特区税制、津波立地補助金なども活用した幅広い産業の集積促進、水産業、水産加工業の振興のほか、新型コロナウイルス感染症対策を徹底した交流人口の拡大を図りまして、地域経済を活性化させていく必要があると考えております。
 そのため、具体的には、復興特区税制や国、県の補助事業などを活用いたしました企業誘致、移転元地を活用した幅広い産業の振興、造成地や移転元地等の活用の促進による中心市街地の活性化、専門家派遣等によりますグループや事業者の商品開発、販路開拓、PR等の支援、同じく専門家派遣等によります水産加工事業者の生産性、付加価値の向上支援、こういったものに取り組んでおりまして、引き続き、被災地の経済の回復を図ってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 復興再建の途上、そして、新たな困難に直面しているということですから、直接的には、商工観光労働部ということになると思いますけれども、本当に重要な今後の復興の課題として、しっかり取り組んでいただきたい。
 未来のための伝承・発信について、東日本大震災津波伝承館の来館者数とその特徴、県内震災遺構や観光等へのゲートウェイとしての役割はどう発揮されているでしょうか。
〇大坊参事兼復興推進課総括課長 まず、東日本大震災津波伝承館の来館者数でございますが、令和元年9月22日の開館以来、令和3年10月14日─きのう時点になりますが、41万3、093人の御来館をいただいております。
 来館者の特徴についてですが、団体利用、予約の9月末現在の状況から、目的別に見ますと、教育関係が276件、1万3、760人、観光関係が313件、3、168人、地域団体等のその他の利用が144件、2、127人でございまして、教育旅行を中心とした利用が、人数ベースで72%を占めているという状況でございます。
 また、観光の利用では、県内が16件、407人、県外が297件、2、761人となっておりまして、県外からの来館が多いという状況でございます。中でも、東京都からの御利用が222件、1、706人ということで、首都圏のほうからかなりおいでになっていただいております。
 ゲートウェイとしての役割についてでございます。こちらにつきましては、これまで40万人を超える御来館をいただいておりまして、三陸における伝承拠点施設として、一定の集客効果は発揮しているのではないかと認識しております。
 この間、3.11伝承ロード推進機構と連携しまして、沿岸各地の震災遺構とか、語り部団体とか、そういったところともネットワークを強めまして、伝承館におきまして、受付職員や解説員がそれぞれの施設を紹介するといった取り組みもしております。
 また、観光面におきましても、市町村、観光団体との連携を進めまして、旅行会社の認知度の向上を図ってまいりまして、伝承館を組み込んだツアー、これの造成も非常に多くなってきているというところでございます。今後も取り組みをしてまいります。
〇斉藤信委員 東日本大震災津波伝承館は、私も何度も足を運んでいますけれども、宮城県の伝承館も見ました。福島県はニュース報道でしか承知していませんけれども、一番充実して見応えのある施設が岩手県の津波伝承館だと思います。
 復興祈念公園も整備をされて、震災遺構も整備されてきていますから、そことの連携をさらに強化をすれば、魅力はますます増加するのではないかと思います。東京都からかなり来ているというのと、教育旅行がとても多いというのは、大変すばらしい成果だと思います。
 次に、いわて被災者支援センターの取り組み、その拡充についてお聞きします。昨年度のいわて内陸避難者支援センターの実績、決算額はどうなっているでしょうか。
〇下川被災者生活再建課長 いわて内陸避難者支援センターの令和2年度の実績及び決算額についてでございますが、いわて内陸避難者支援センターでは、内陸及び県外に避難している方々の住宅再建に係る意向把握や再建方法を決めかねている方への伴走型の支援等を行ったところでございます。令和2年度は、1、540回の相談に対応したところでございます。
 同センターの運営に係る予算でございますが、委託料のみで構成されておりまして、令和2年度の決算額は、5、609万6、000円余となっております。
〇斉藤信委員 いわて内陸避難者支援センターは岩手モデルと言われて、県内外の避難者、直接訪問を含めて本当に伴走型の支援をやってきました。これを引き継いで、さらに困難被災者に対応しようというのが、今年度から始められたいわて被災者支援センターであります。いわて被災者支援センターの今年度の取り組み、体制、事業費はどうなっていますか。
〇下川被災者生活再建課長 いわて被災者支援センターの今年度の取り組みと体制、事業費についてでございますが、いわて被災者支援センターでは、市町村、市町村社会福祉協議会等の関係機関や、弁護士、ファイナンシャルプランナーといった専門家と連携し、住宅ローンの返済や家族関係に関する悩みなど、多様な課題を抱える被災者への支援を行っております。
 センターの相談支援員が電話や自宅へ訪問するなどして相談に応じているほか、沿岸4カ所での無料法律相談や、弁護士及びファイナンシャルプランナーの個別派遣により、専門的な相談にも対応しているところでございます。9月末現在の相談対応回数は466回となっており、沿岸各地はもとより、県内陸部や県外を含めた被災者からの相談に対応しております。
 また、今年度、県外及び県内避難者の実態調査を実施しているところでございまして、その結果をもとに、被災者のニーズに応じた支援を行っていくこととしております。
 センターの体制については、釜石市にセンターを、盛岡市にサブセンターを設置し、兼務職員を含め、センター長1名、相談支援員等5名の計6名となっており、本委託事業に係る予算額は3、981万7、000円、委託契約額は3、941万3、000円となっております。
〇斉藤信委員 私も、このいわて被災者支援センターについては、本年3月の予算特別委員会で、重要な課題に取り組むのに、人員体制、予算が余りにも少ないのではないかと指摘をいたしました。
 改めて、私は聞き取り調査をいたしましたが、本当に大変なのです。今、人員は6名と言いましたけれども、予算規模では4人なのです。これは、委託した認定NPO法人インクルいわてが、兼務でそこに人を配置して、やっとやっているという状況であります。
 そして、この中身も、困難を抱えている方々の伴走的な支援、もう一つは、弁護士、ファイナンシャルプランナーなどの毎週1回の相談会、そして、内外の被災者の実態調査ですよ。こんなにたくさんの課題をやっているのに、予算は昨年よりも2、000万円近く減らされたと。これは大変ですよ。今、相談件数は466件ということですけれども、これは、毎月、毎月ふえていて、9月は111件の相談があった。実態調査を通じて周知されて、相談をされるということです。
 もう一つは、毎週、弁護士等の専門家の相談をやっているのです。これは予約制です。事前に相談者の中身をしっかり予備調査をして、専門家の相談のときには、二人配置されて毎週やっているのです。そして、その後相談を受けたら、フォローアップをしなくてはならない。これが伴走的支援なのです。
 そして、実態調査では、県内外の避難者の状況を、改めて今調査をしています。この点では、私は、予算も人員も減らして、これだけの仕事をやるのは本当に無理なのだと思います。岩手モデルを引き継いで、11年目もこれをやるというので、さらに全国から注目されている、さすが岩手県だと。しかし、体制がこんなに貧弱、予算もこんなに貧弱ということでは、私は、本当に現場に無理をしいることになるのではないか。
 最後に、復興防災部長に聞きますけれども、実際に取り組み状況を聞いて、新たな岩手モデルをつくるということで、この体制の拡充、取り組みの拡充を図っていただきたいが、いかがですか。
〇戸舘復興防災部長 県では、この事業の実施に当たりまして、被災者を取り巻く状況、そして、3月まで設置していた被災者相談支援センター、いわて内陸避難者支援センターにおける相談件数の推移なども踏まえながら、本年2月に、予算額、業務内容などを提示いたしまして、コンペ方式ということで、企画提案を募って、認定NPO法人インクルいわてのほうから提案をいただいて、その内容でスタートしているという状況でございます。
 この相談件数あるいは相談内容、そういったものを今年度どんな状況にあるのか、しっかりと分析をいたしまして、次年度以降の検討を進めてまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 私は2点質問をいたします。
 最初に、要配慮者利用施設の避難計画策定状況と避難訓練についてお聞きをしたいと思います。全国で、本当に自然災害が多発しているわけですけれども、今、命を守るために、洪水浸水している区域や土砂災害警戒区域内にある要配慮者利用施設の避難確保計画を、本当に100%策定になるように急ぐこと、さらには、避難訓練の重要性が指摘されております。それで、今、県内ではどのような状況にあるのか。また、今後の見通しについてお聞きをいたします。
〇中里防災課総括課長 まず、要配慮者利用施設の避難確保計画の策定率でありますけれども、令和2年10月末時点では77.1%でありましたけれども、本年7月末時点では79.2%となっておりまして、2.1ポイントの増となっています。また、本年度から報告が義務化された訓練の実施率でございますけれども、本年4月1日時点では53.6%でありましたけれども、7月末時点では60.7%となりまして、7.1ポイントの増となっております。
 それから、今後の見通し、取り組みということでございますけれども、県におきましては、定期的に庁内関係室課との連絡会議を開催し、防災に関する情報共有、取り組みに係る意見交換を行っているところでございます。
 このほか、市町村と連携いたしまして、計画策定率の低い市町村の施設管理者等を対象とした講習会を開催しております。この講習会の開催によりまして、避難確保計画の策定に取り組んでいるところでございます。
 なお、昨年度、北上市で実施しました施設管理者向けの講習会は、実施前に53.8%であった計画策定率が、この講習会の後、100%となったということで、有効な取り組みだったと考えております。
 また、今年度におきましては、9月に令和3年度岩手県総合防災訓練を実施したところでございます。この訓練におきまして、西和賀町の要配慮者利用施設の避難訓練を行ったところでございます。こうした成果をほかの市町村、施設に紹介するなどして、今後も、全ての対象施設において、計画の策定や避難訓練が実施されるよう、市町村と連携して、取り組んでまいります。
〇千田美津子委員 計画策定が約8割近くに上がっているということで、100%であれば一番いいわけですが、ただ、これまでのさまざまな重点的な取り組みをした結果が、今、答弁あったとおりで、本当にそういった意味では、多分、これからも策定率の低いところに力を集中して、100%を目指していくと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 計画を策定して、さらに避難訓練によって、いざとなったときにどう動けばいいのかというのが、自分で体得することが一番大事なので、今、実施率が60.7%ですか。それをぜひ引き上げていただきたいわけですが、その部分についてはどのようにお考えでしょうか。
〇中里防災課総括課長 避難訓練の今後の取り組みということでございます。引き続き、計画策定、避難訓練の実施に取り組んでいくということで、特に実施率の低い市町村を対象に行うということで、今年度におきましては、11月に、県北の一戸町、二戸市、それから、12月については、九戸村、軽米町を対象に、講習会を実施するということで、この11月、12月の参加予定施設ですけれども、合わせて50施設ほどを予定しております。
〇千田美津子委員 それでは、引き続きよろしくいたします。
 それでは2点目ですけれども、風水害対策支援チームの取り組みについてお聞きをいたします。台風等が接近しますと、風水害が予想されるわけですが、そういうときに、市町村の相談相手となって頑張っていただいているのが、この支援チームだと思います。
 今コロナ禍であって、活動がなかなか難しい部分もあると思いますが、この支援チームの取り組みの現状と課題についてお聞きいたします。
〇中里防災課総括課長 風水害対策支援チームでありますけれども、台風等による風水害が予測される場合に集まっていただいて、各種の気象情報等により、今後、風水害が起こり得ると予想される地域の絞り込みを行っております。警戒する時間帯、防災上の留意事項等の県から市町村に対する助言内容について、検討を行っているチームでございます。
 昨年度は助言に至りませんでしたけれども、9月の前線停滞時に、支援チーム会議を開催したところでございます。今年度におきましては、7月の台風第8号接近時に、支援チーム会議を開催し、全市町村に対しまして、助言を行ったところでございます。
 また、平常時におきましては、盛岡地方気象台と連携いたしまして、市町村の職員を対象とした研修会、図上訓練などを行っております。市町村長が気象情報等を踏まえて、適時適切に避難情報を発令できるように取り組みを行っているところでございます。
 課題ということでございますが、避難情報発令時の避難率を高めたいという思いがございます。避難率を高めるということで、県から市町村や住民に対しまして、差し迫った危機感が伝わるように、防災情報の発信の工夫をしていきたいと考えております。
 こうした問題意識がございますので、先ほど御紹介した、本年7月の台風第8号の接近した際には、市町村への助言内容についての記者発表を行ったところでございますけれども、報道機関を通じて、住民に対して、より切迫感が伝わるよう、今回は大型スクリーンを活用するなどして、その助言内容や防災上留意すべき事項等について、アピールをしたところでございます。
〇千田美津子委員 今、課題の部分で、避難率を向上させるためにいろいろ頑張っていただいているなと。特に危機感が伝わるように工夫して、さまざまやられているということで、非常に大事だなと思うのですが、一つ、私が心配しているのが、避難勧告が廃止されましたよね。いきなり避難指示になっていくわけですが、どういうふうに変わって、どういうときに行動を起こすべきかという、その1から5まである警戒レベルが住民になかなかわかりづらいところがありまして、だから、避難勧告があってからと思っている人たちがまだまだ多くて、その辺をぜひ、コロナ禍ではありますが、工夫をして周知をしていただきたいなと思うのですが、その点を伺って、終わります。
〇中里防災課総括課長 本年5月に、災害対策基本法の改正によりまして、避難勧告と避難指示の一本化といった改正が行われたところでございます。委員御指摘のとおり、戸惑う住民の皆さんもまだいらっしゃると思います。
 県としましては、PRにできるだけ努めながら、周知を図っていきたいと思いますし、あと、避難情報を発令するのが市町村長になりますので、市町村長に対する助言、周知等について、引き続き、さまざまな工夫をしていきたいと考えております。
〇小林正信委員 東日本大震災津波からの復興について、被災地におけるコミュニティー形成、また、孤立や孤独の問題が、10年経過してもまだ課題としてある状況については、これまでも議論があったと思います。孤立や孤独の問題を解決していくためには、訪問活動、アウトリーチで危険が高い方を探す。そして、コミュニティーにつなげていくといった地道な取り組みが必要と思います。そして、アウトリーチやコミュニティーを支える取り組みについては、NPO等の活動に負う部分が大きいと思います。
 県では、被災地で活動するNPOに対し補助を行っておりますが、令和2年度も含めたこれまでの支援の実績、また、その活動内容と、そして、今後の予定、見通しについてお知らせください。
〇下川被災者生活再建課長 NPOの被災地支援の推移と今後の見通しについてございますが、県では、被災者自身が主体的に参画し、活動する機会を創出することで、他者とのつながりや生きがいを持って、前向きに生活することを支援するため、平成29年度から、被災者の参画による心の復興事業により、ミニコンサート等の文化芸術や、花壇づくり等の地域の環境整備などを通じた交流事業を行う、NPOを初めとする民間団体等の取り組みに対して、補助を行っております。今年度までに、延べ11団体のNPO法人を含む、延べ46団体が事業を実施し、被災者の心の復興に寄与をいただいているところでございます。
 引き続き、NPOなどの取り組みへの支援を通じて、被災者の心の復興が図られるよう取り組んでいきたいと考えております。
〇小林正信委員 了解いたしました。
 今後、そういったNPOの皆さんのお力もお借りしして、アウトリーチ、訪問活動とコミュニティー支援、これを交互に行っていくことで、孤立を防ぐ効果があると思います。そして、今後は、特にこうした点に留意していただきながら、NPOへの支援を行っていただきたいと思います。
 またNPO自体が、補助がなくても、自立して運営できるよう、さまざまなアドバイス等も県としてもお願いしたいなと思います。その上で、これは通告していなかったのですけれども、来年から施行される労働者協同組合法について、宮城県では、既に被災地で協同労働の取り組みが行われていると伺っております。
 6月定例会では、名須川晋議員への答弁で、NPOから組織変更が見込まれるという答弁があったのですけれども、被災地支援の取り組みにおいて、協同労働が有効なのではないかと思っているのですが、その辺りの所感をお聞かせいただければと思います。
〇澤田復興くらし再建課総括課長 直接的なNPOの関係の業務につきましては、環境生活部のほうで所管をしておりまして、当部につきましては、被災地の復興に係るさまざまな事業に、NPOに御協力いただいているという立場でございます。
 そういった観点から、先ほど被災者生活再建課長から御答弁申し上げましたとおり、当部では、心の復興事業ということで、被災者の方々の心の復興に資する、さまざまなNPO団体の取り組みに対しましては、補助を行っているところでございます。
 今後も、こういった取り組みを通じまして、NPOの方々とも共同しながら、被災地の復興を進めていきたいと考えております。
〇小林正信委員 次に、いわて内陸避難者センターについては、先ほど斉藤信委員からお話がありましたので、これについては了解いたしました。
 そして、いわて被災者支援センターのお話もありましたけれども、この取り組みは、私も本当に重要な取り組みで、被災者のあらゆる課題に、また、多様な複数の課題に包括的に対応ができる、本当に全国でも先進的なセンターであり、今後の取り組みのさらなる推進が、被災地で多くの悩みを抱える方にとって必要だと考えます。
 今後は、被災各市町との連携やさらなる周知も必要と考えておりますけれども、その取り組みについてお伺いしたいと思います。
〇下川被災者生活再建課長 いわて被災者支援センターの周知の取り組みについてお答えいたします。
 センターの開設に当たりまして、本年4月から5月にかけて、県の担当者とセンター職員が、沿岸の12市町村及び市町村社会福祉協議会、県社会福祉協議会を訪問したほか、生活支援相談員を対象とする研修会等におきまして、センターの業務内容等を説明しながら、連携及び利用の促進を働きかけたところでございます。
 また、沿岸12市町村及び災害公営住宅を建設している内陸6市に対しまして、市町村広報誌での周知を依頼しまして、8月末現在で、7市町の広報誌に掲載をしていただいたところでございます。そのほか、ラジオやツィッターといった県の広報媒体を活用し、広く県民への周知に努めているところでございます。
 県外避難者に対しましても、今年度実施しております県外及び県内避難者実態調査や情報提供の際に、チラシを同封しておりまして、今後も、さまざまな機会を活用しながら、センターの周知を図り、利用の促進に努めていきたいと思います。
〇小林正信委員 引き続き、周知のほうに力も入れていただければと思います。
 そして、先ほど斉藤信委員の質疑の中で、予算のお話があったのですけれども、確認ですが、これは全て復興庁の予算で賄われて運営されて、県の持ち出しがないと記憶しておりますが、それでよろしかったでしょうか。
〇下川被災者生活再建課長 いわて被災者支援センターの事業の財源についてでございますが、こちらのほうは、委員が今お話しされましたとおり、復興庁の被災者支援総合交付金を活用しております。
〇小林正信委員 先ほどの斉藤信委員との議論の中でも、いわて内陸避難者支援センターの令和2年度の予算は、たしか6、000万円から7、000万円だったと思います。そして、このいわて内陸避難者支援センターの取り組みは、さらに、拡大をされたと私は感じているのですけれども、いわて被災者支援センターの予算が4、000万円ということでした。
 この4、000万円という予算を設定したのは、果たして、復興庁のほうから、この事業は4、000万円でできるよねと言われたのか。それとも、県のほうから、4、000万円でお願いしますということで復興庁に上げたのか。これはどちらなのか、ちょっと確認させてください。
〇下川被災者生活再建課長 いわて被災者支援センターの予算についてでございますが、いわて被災者支援センターの予算については、昨年度まで開設しておりました、沿岸4カ所の被災者総合相談センター、いわて内陸避難者支援センターのほうの相談件数とか、今年度3月末までに、応急仮設住宅の方が恒久的な住宅へ移行して、住宅再建等が進んだところなどを勘案しまして、県のほうで計上した予算でございます。
〇小林正信委員 復興庁が全部お金を出してくれるからということではないのですけれども、先ほど斉藤委員との議論の中でも、やはり大変な経営状況ということだと思います。重要な取り組みだと思いますので、4、000万円というこの設定、果たして妥当だったのかと思うわけでございますけれども、何とか、復興庁のほうにもこの取り組みをしっかり伝えていただきながら、予算確保というか、予算の設定を検討していただきたいと思います。
 次に、今予想されている日本海溝、千島海溝の地震については、被災地の皆様も大変に不安を抱かれていることと思います。県では、地震津波対策アクションプランを策定し、対策を進めていると認識しております。国の取り組みの動向を踏まえて、今後の対応を行っていくところと思いますけれども、これまでの県の津波避難対策について、まずお伺いします。
〇中里防災課総括課長 これまでの取り組みでありますけれども、東日本大震災津波の教訓を踏まえまして、海岸保全施設、まちづくり、ソフト対策を適切に組み合わせた多重防災型まちづくりを進め、被害を最小化するという減災の考え方によりまして、地域の安全の確保を図ることを、津波対策の基本に据えて取り組んできたところでございます。
 これまでも、防潮堤では防ぎ切れない最大クラスの津波に対しましては、ソフトとハードを総動員した多重防御の考え方により、住民の避難を軸とした取り組みを進めてまいりました。
 当部関係のソフト対策の具体例を御紹介申し上げますと、例えば、市町村の避難計画の策定支援、それから、災害情報システムの運用、自主防災組織の強化、防災教育の推進、住民参加型の総合防災訓練の実施などに取り組んでいるところでございます。
〇小林正信委員 千葉県では、津波発生後に詳しい津波の情報を配信し、沿岸の住民や観光客などの安全かつ適切な避難を支援する目的で、独自の千葉県津波浸水予測システムを構築、運用しているところと伺いました。
 このシステムは、アプリを通して、住民に発信、また、市町村の消防、防災関係者にも配信はされます。この整備予算額は約3、200万円とのことで、住民の命を守る意味でも、重要な取り組みだと思いました。
 岩手県においても、防災減災の観点から、こうしたシステムの運用、また、住民への発信について取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いします。
〇中里防災課総括課長 千葉県の津波浸水予測システムにつきましては、平成30年度から運用していると承知しております。この内容については、国立研究開発法人防災科学技術研究所が、千葉県沖から北海道沖の海底に敷設した日本海溝海底地震津波観測網─S−netと言っておりますけれども、このデータを受信して、システム解析により予測した津波高、津波浸水域、津波到達時間等を市町村に配信しているシステムと承知しております。
 本県におきましては、いわてデジタルマップの活用ということで、過去に県が調査いたしました、津波浸水想定に基づく津波浸水予測図を公表しているところでございます。この公開によりまして、最大クラスの想定地震における波高、津波浸水域、津波到達時間等を、このデジタルマップで表示しているところでございます。
 また、現在、県では、本県最大クラスの津波浸水想定の設定や地震津波被害想定調査に取り組んでいるところでございます。これらの成果につきまして、活用方法を幅広く検討してまいりたいと考えております。
 この千葉県の取り組みにつきまして、こういった取り組みのほか、国、防災科学技術研究所、東北大学等で、実証実験を行っていると承知しておりますので、引き続き、情報収集に努めてまいります。
〇田村勝則副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇田村勝則副委員長 質疑がないようでありますので、これで復興防災部関係の質疑を終わります。
 復興防災部の皆さんは御苦労さまでございました。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。お疲れさまでございました。
   午後6時21分 散 会



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