令和3年9月定例会 第17回岩手県議会定例会会議録

前へ 次へ

〇3番(小林正信君) 私からは、令和3年度岩手県一般会計補正予算第7号、4款の予防費、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業について伺いたいと思います。
 これまで、接種状況については一般質問等でも論議がありましたけれども、接種もある程度進んできている状況かと思います。そこで、例えば在宅の重度心身障がい者の方あるいは在宅の認知症の方など、接種から取り残されてしまう方もおられるのではないかと懸念しております。これは市町村が担う部分であるかと思うのですけれども、こうした方々への接種の意思の確認とか、あとは円滑な接種について、県としてわかっていることがあればお知らせいただきたい。
 また、副反応のお話もありましたけれども、その中でも、特にアナフィラキシーショックとか重篤な副反応がどれくらいあったのか、また、県内の健康被害救済制度の申請状況についてお知らせいただきたいと思います。
 また、前日の答弁においてブレークスルー感染が県内20名あったとのことですけれども、もしわかれば、感染された方の経過がどうであったのか、重症化が防げたのかどうかお伺いしたいと思います。
 また、先ほど3回目接種の議論もございましたけれども、年内には医療従事者の3回目接種が想定されております。医師会との協議体制、市町村との連携、また接種計画等について、今の準備状況をお伺いしたいと思います。
 また、このワクチン接種の予算について、ワクチン接種体制確保事業またワクチン接種の負担金等については、いずれも国が10分の10負担ということでこれまで進んできたかと思うのですけれども、県として、これまで予算的には十分確保できていたのか、また、3回目の接種体制のための必要な予算確保についてお伺いしたいと思います。
 続いてもう一点、補正予算の同じく4款の公衆衛生総務費の母子保健対策費について、モバイル型妊婦・胎児遠隔モニターを整備するとの内容ですけれども、まず、この事業の概要について、もう少し詳しくお知らせいただきたいと思います。
 また、県立釜石病院の普通分娩停止に伴う患者輸送車の活用について、基本的には、妊娠37週以降で陣痛が出た妊婦は利用できないのではないかといった議論が釜石市議会であったと伺いました。この患者輸送車の活用についての考え方をお知らせいただきたいことと、また、県立釜石病院において助産師による産後ケアが行われている、また24時間の電話相談等も行うということですけれども、その内容についてお知らせください。
〇保健福祉部長(野原勝君) まず、在宅等でいる方のワクチン接種についてでございます。在宅で認知症のある方や重度の障がいのある方などにつきましては、重症化リスクに応じまして、市町村に早期の接種を県でも働きかけてまいりました。一部の市町村では、巡回接種などにより優先的な接種を実施してまいりまして、それぞれ1回目で対応した方法で2回目接種も今実施などしていると承知しております。
 そのほか、基本的には、そうしたいわゆるハイリスクの方々につきましても、市町村におきまして、希望される方に、かかりつけの先生方でありますとか、さまざまな方法で接種が行われているものと認識しております。
 次に、アナフィラキシー等の副反応の状況でございますが、副反応の事例につきましては、国では、医療機関名や都道府県名を公表していないことから、全国の状況について御答弁させていただきます。令和3年2月17日から9月12日までの期間の1億4、627万回の接種におきまして、副反応疑いの報告がその0.02%、2万5、598件となっておりまして、その主な症状は、吐き気、嘔吐などであり、県内の接種におきましても、同様の症状が出た方がおられるということを伺っております。
 また、次に、健康被害救済制度の申請状況でございます。県内の新型コロナウイルスワクチンの健康被害救済制度の申請件数は、10月6日時点で4件となっております。これは、先ほど委員からアナフィラキシーの御質問がございましたけれども、この4件については、アナフィラキシーの状況であったと伺っております。
 また、県が設置する新型コロナウイルスワクチン専門相談コールセンターでも、健康被害救済制度に関する相談については受け付けてはいないのですけれども、接種後の副反応でありますとかワクチンの有効性、安全性など、約1万1、000件のお問い合わせをいただいておりまして、そういった形で対応しているところでございます。
 また、ブレークスルーについて、その経過ということでございますが、ブレークスルーについては、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム―HER−SYSという形で、医療機関が入力する形で20件と把握はしているのですが、個々の経過までについてはそのシステムで把握できない状況でございます。ただ、現場の方々、医師から、ワクチン接種を受けた方は、罹患されたとしても症状は非常に軽く済んでいるといった声を非常に多くいただいています。現場からは、やはりワクチン接種を受けた方は、ブレークスルー感染であっても、いわゆる重症化予防の効果はあるのではないかという話を伺っているところでございます。
 続きまして、3回目の追加接種に向けた医師会等との調整でございますが、国では、早ければ12月に3回目の接種を開始するとしておりまして、各自治体に対しまして、迅速に行うための接種体制を準備するよう通知しているところでございます。
 県では、これを受けまして、さきに開催した市町村との会議におきまして、接種時期や県と市町村の主な役割等について、周知、意見交換を実施したところでございます。
 また、これと並行しまして、早ければ年内の追加接種が想定されています医療従事者等に対する接種も含めまして、現在、医師会とも協議を始めているところでございまして、引き続き、市町村や関係機関と調整の上、迅速かつ円滑に3回目の追加接種ができるように準備を進めてまいります。
 次に、ワクチン接種の体制確保に係る予算につきましては、これまで、国に対しまして、接種体制確保や接種の加速化を図るための所要額を報告し、必要な財源を確保してきているところでございます。
 また、3回目のワクチン接種の体制確保に係る予算につきましては、具体的な内容についてはまだ国から示されていないところではございますが、これまで同様、必要な予算が確保されるものと見込んでおりまして、必要に応じまして、予算確保について国に要望していく考えでございます。
 最後に、母子保健対策費についてでございます。まず、モバイル型妊産婦遠隔モニター整備費補助事業につきましては、搬送中などに妊婦の状態を遠隔でモニタリングできるモバイル型妊婦・胎児遠隔モニターの整備に要する経費を補助しようとするものであります。これによりまして、例えば搬送中に遠隔でドクターが指示をして、助産師等が対応できる、また、準備をして迅速に医療的な介入ができるといったような効果が期待できるものでございます。
 また、県立釜石病院の患者輸送車や産後ケア事業につきましては、医療局で今後実施していく事業でございますが、患者輸送車については、陣痛発生時を含めまして、県立釜石病院に来院した妊婦を搬送する必要がある場合に、県立釜石病院から県立大船渡病院等に向けて、原則、助産師が同乗の上で妊婦を専用搬送する取り組みを行おうとするものでございます。
 また、県立釜石病院で行います産後ケア事業につきましては、産婦の出産後の心身の癒しを目的に、病院の施設におきまして、助産師等が産婦の健康状態のチェック、授乳の相談、乳房マッサージ、休息の確保、赤ちゃんへの沐浴、体重測定、食事や発育の相談など、総合的な支援を行おうとするものでございます。
〇3番(小林正信君) 確認ですけれども、このモバイルモニターは、要するに患者輸送車に搭載するということで、その患者輸送車は、釜石市で陣痛が起きた妊婦をしっかり県立大船渡病院まで助産師も含めて送っていくことができるということでよろしかったですね。
 釜石市議会の議論では、医者の指示がないとこの患者輸送車を動かせないというようなこともあって、そうなると、いつ陣痛が起きるかわからない状況で患者輸送車が動かせない状況も出てくるのかなというような懸念もあったのですが、そのあたり、患者輸送車は24時間対応であるのか。釜石市でも救急車がそこまでたくさんあるわけではない。救急車が出払った場合には、患者輸送車の出番なのかと思うのですけれども、患者輸送車は24時間出ることができるのかということ。
 産後ケア事業については、原則、市町村が事業をやるということだと思うのですけれども、今回は、県が予算を措置して産後ケア事業をやるということなのかどうかというあたりを確認したいと思います。
〇医療局長(小原勝君) 患者輸送車の運用につきましては、先ほど妊娠37週云々というお話もありましたけれども、基本的には、妊娠37週を過ぎますと救急車対応ではないということの議論の中での話かと思います。24時間、必要があれば、その医師の判断というのは、常に連絡を取り合っておりますので、輸送してくれとか、まだ様子を見てくれといったような指示を仰ぎながら患者輸送車を運用していきます。その際には、助産師も乗って、不測の事態にも備えるというような運用をしてまいります。24時間対応していくことになります。
 それから、産後ケアにつきましては、基本的には市町村が行う事業とされております。今回は、釜石市が産後ケアについての事業の準備をしていただいておりまして、その間、県立病院で独自に行うものでございます。御理解いただきたいと思います。
〇議長(五日市王君) これをもって質疑を終結いたします。
 次に、お諮りいたします。認定第1号から認定第15号まで、議案第28号及び議案第29号、以上17件については、47人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、認定第1号から認定第15号まで、議案第28号及び議案第29号、以上17件については、47人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決定いたしました。
 お諮りいたします。ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条第1項の規定により、議長を除く全議員を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしましたとおり、議長を除く全議員を決算特別委員に選任することに決定いたしました。
 決算特別委員会は、委員長互選のため、10月14日午前10時に特別委員会室にこれを招集いたします。改めて招集通知を差し上げませんので、御了承願います。
 次に、ただいま議題となっております議案第1号から議案第27号までは、お手元に配付いたしてあります委員会付託区分表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
〔参照〕
委員会付託区分表
(第17回県議会定例会 令和3年10月7日)
決算特別委員会
1 認定第1号
2 認定第2号
3 認定第3号
4 認定第4号
5 認定第5号
6 認定第6号
7 認定第7号
8 認定第8号
9 認定第9号
10 認定第10号
11 認定第11号
12 認定第12号
13 認定第13号
14 認定第14号
15 認定第15号
16 議案第28号
17 議案第29号
   
〔参照〕
委員会付託区分表
(第17回県議会定例会 令和3年10月7日)
総務委員会
1 議案第1号
   第1条第1項
   第1条第2項第1表中
    歳入 各款
    歳出 第1款
       第2款第1項
          第2項
          第3項
          第4項
          第6項
          第7項
       第9款
   第3条
2 議案第13号
3 議案第14号
4 議案第15号
5 議案第21号
6 議案第26号
7 議案第27号
文教委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第2款第8項
       第10款
   第2条第2表中
    1追加中 1
2 議案第20号
3 議案第23号
環境福祉委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第3款
       第4款
2 議案第2号
3 議案第7号
4 議案第16号
5 議案第19号
商工建設委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第5款
       第6款第3項(第2目中県土整備部関
係)
       第7款
       第8款
       第11款第3項
   第2条第2表中
    1追加中 2〜5
    2変更中 4〜10
2 議案第6号
3 議案第12号
4 議案第17号
5 議案第18号
6 議案第22号
7 議案第24号
8 議案第25号
農林水産委員会
1 議案第1号
   第1条第2項第1表中
    歳出 第6款第1項
          第2項
          第3項(第1目、第2目中農林
             水産部関係、第3目、第
4目)
          第4項
          第5項
       第11款第1項
   第2条第2表中
    2変更中 1〜3
2 議案第3号
3 議案第4号
4 議案第5号
5 議案第8号
6 議案第9号
7 議案第10号
8 議案第11号
   
   日程第46 議案第31号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについて及び日程第47 議案第32号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについて
〇議長(五日市王君) 次に、日程第46、議案第31号及び日程第47、議案第32号を一括議題といたします。
 提出者の説明を求めます。菊池副知事。
   〔副知事菊池哲君登壇〕
〇副知事(菊池哲君) ただいま議題とされました各人事案件について御説明いたします。
 まず、議案第31号は、教育委員会の委員であります小平忠孝氏の任期が10月10日で満了となりますので、泉悟氏を新たに任命するため、議会の御同意を求めようとするものであります。
 教育委員会の委員は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第2項の規定により、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有する者のうちから任命することとされており、泉悟氏は、5年にわたり2校の高等学校の校長を務めるなど教育に関する深い造詣と幅広い識見を有しており、本県の教育を推進するための委員活動が期待できる方と存じております。
 次に、議案第32号は、公安委員会の委員であります高橋真裕氏の任期が10月10日で満了となりますので、谷村邦久氏を新たに任命するため、議会の御同意を求めようとするものであります。
 公安委員会の委員は、警察法第39条第1項の規定により、県議会の議員の被選挙権を有する者で、任命前5年間に警察または検察の職務を行う職業的公務員の前歴のない者のうちから任命することとされており、谷村邦久氏は、本県の主要な経済団体の要職や企業の経営者を務められるなど、経済、産業分野における豊富な経験と高い知見を有しており、本県警察の適正な運営が行われるための委員会活動が期待できる方と存じております。
 よろしく御審議の上、原案に御同意くださいますようお願いいたします。
〇議長(五日市王君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、人事案件でありますので、会議規則第34条第3項の規定及び先例により、議事の順序を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(五日市王君) 御異議なしと認めます。よって、これより議案第31号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第31号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、議案第31号教育委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
 次に、議案第32号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについてを採決いたします。
 ただいま議題となっております議案第32号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
〇議長(五日市王君) 起立全員であります。よって、議案第32号公安委員会の委員の任命に関し同意を求めることについては、これに同意することに決定いたしました。
議長(五日市王君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後6時55分 散 会

前へ 次へ