令和3年9月定例会 第17回岩手県議会定例会会議録

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〇22番(臼澤勉君) 自由民主党の臼澤勉です。
 このたびは7度目の一般質問の機会をいただきました先輩、同僚議員の皆様に感謝を申し上げます。
 県は先月、中期財政見通しを公表いたしましたが、本県の財政は、近年、全国と比べて税収が伸び悩む中、人口減少に伴い地方交付税が減少するなど、収入が大幅に減少して支出を下回る状況が続いています。現在は県の貯金である基金を取り崩して対応していますが、人口減少や少子高齢化の進展などにより、社会保障関係費や県立病院への繰出金について、今後さらに負担がふえる可能性があります。
 全国比較できる令和元年の決算統計を見ると、実質公債費比率15.3%、全国45位、将来負担比率221.7%、全国37位、財政力支出0.37041、全国35位、震災分を除く歳入に占める地方税の割合22.5%、全国36位と、各種の指標において全国の下位にあるなど、他県と比べても決して余裕のある財政状況にはありません。
 このような厳しい財政状況において、県は、今後の税収見通しを含め、ポストコロナに係る出口戦略をどう立てているのかお伺いいたします。
 歳入減の大きな要因が地方交付税の影響であります。令和3年度の実質的な普通交付税交付額は、平成22年度対比で383億円も減少しております。その要因として、人口減や農業生産人口減による人口を算定基礎とした経費の減少、国の制度見直しによる借金返済に対する措置額の減少、社会保障関係費増大の影響が挙げられます。
 職員数や施設維持といった経常的経費を人口減少に見合った形でスリム化させ、政策的経費を捻出しなければなりません。県は、このような財政の構造的な問題にどう対処するのかお伺いいたします。
 県職員の長時間労働や若手職員の離職が問題となっている中、新型コロナウイルス感染症対策の中心的役割を担う医療政策室の超過勤務は、全庁平均の約5倍と極めて厳しい勤務状況にあります。また、県職員の精神疾患による療養者は、この3年間で約2倍、実人員で98人と高どまっており、一向に改善が見られません。
 一般的に、組織は予算と人を減らさないように、既得権、セクト主義に陥りがちになり、新たな課題ができると部局横断組織をつくる傾向にあります。既存の仕事のスクラップを含めた整理と分配が必要であります。政策のプロ集団が、県民のために能力をフルに発揮できるよう、組織マネジメントをどのように改善していくお考えか、知事にお伺いいたします。
 広域振興局を含めた県の部長級ポストを見ますと、事務方のゼネラリストの方々が多く登用されております。農林水産業を初めとする産業振興や地域振興策など、多様化、高度化する行政課題に的確に対応していくためには、事務職員のみならず、専門性の高い技術職の積極的な登用が必要と考えます。
 そこでお伺いいたします。技術職員の登用、特に部長級ポストへの登用について、人材育成や計画策定、部局連携体制強化の観点も含め、人事当局ではどのように対応しようとしているのかお伺いいたします。
   〔副議長退席、議長着席〕
 壇上での質問は以上でございます。以下の質問は質問席にて行います。
   〔22番臼澤勉君質問席に移動〕
   〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 臼澤勉議員の御質問にお答え申し上げます。
 まず、ポストコロナにおける県の財政運営についてでありますが、今後の税収見通しについては、さきに公表した中期財政見通しにおいて、国の試算に基づき伸びる見込みとはしているものの、コロナ禍における厳しい経済状況等を踏まえ、税収の動向を引き続き注視していく必要があると考えております。
 また、人口減少と相まって、より厳しい財政状況が続くことが予想される中においても県民に必要な行政サービスを安定的に提供していくために、持続可能な行財政基盤を構築していくことが重要であります。
 今後も、本県の感染状況や国の動向を踏まえ、感染拡大の防止や社会経済活動を支える取り組みを進めつつ、いわて県民計画(2019〜2028)に基づく10の政策分野や新しい時代を切り拓くプロジェクトを着実に推進するとともに、令和4年度の予算編成方針において新たに掲げた三つの重点テーマ、人口減少への対応、デジタル化による地域課題の解決、グリーン社会の実現に資する施策を戦略的に展開してまいります。
 次に、組織マネジメントについてでありますが、社会経済情勢が変化する中、県民ニーズを適切に把握し、行政サービスを安定的、持続的に提供していくためには、職員の能力を十分に引き出し、組織として成果を発揮するマネジメントが重要です。
 このため、職員の能力向上を図りながら、デジタル化を通じた業務の効率化の推進やコロナ禍におけるBCPの実行による業務の優先順位づけや見直しなど、効果的で効率的な業務遂行体制の構築に向け取り組んでいます。
 今後におきましても、働き方改革ロードマップに基づき、職員が働きやすい職場環境の整備を進め、職員一人一人が、高い意欲を持って地域課題の解決に当たることができる組織運営体制の構築を目指してまいります。
 その他のお尋ねにつきましては、関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
   〔総務部長白水伸英君登壇〕
〇総務部長(白水伸英君) まず、県財政の構造的な問題への対応についてでありますが、議員御指摘のとおり、さきに公表いたしました中期財政見通しにおきまして、本県の実質的な一般財源総額については、今後、国勢調査人口の減による普通交付税の減少などに伴い、毎年度減少していく見込みとしており、厳しい財政状況が続くものと認識しております。
 このような見通しも踏まえて、令和4年度の予算編成方針においては、歳入について、国費の最大限の活用を図るほか、使用料、手数料の見直しや未利用資産の処分など、あらゆる手段によって歳入確保に努めることとしております。
 また、歳出については、特に経常的経費である基礎的経費や一般行政経費について、縮減目標を設定した上で、事業効果や効率性等を踏まえた事務事業の精査など、徹底した歳出の見直しを図ることで、限られた財源の重点的かつ効果的な活用を図ってまいります。
 次に、技術系職員の登用についてでありますが、社会情勢の変化に対応し、県民ニーズに的確に応えていくためには、適材適所の人員配置の考え方のもと、従来の枠組みにとらわれずに人事制度を運用していくことが重要と認識しております。
 技術系職員の育成については、OJTなどを通じてそれぞれの専門性を高めながら、ジョブローテーションの中で、企画や予算などの政策的分野への配置や社会科学系の大学院への派遣などにより、多角的な視点を育むことが重要と考えております。
 こうした考えのもと、多様な県政課題に対応できる職員を育成し、積極的な登用を進め、マネジメント業務に従事する技術系職員の管理職は着実に増加しており、今後も、部局間の職員交流を積極的に行うなど、事務職や技術職の区分にとらわれず、職員の育成、登用を進めてまいります。
〇22番(臼澤勉君) 極めて厳しい行財政環境にあって、小さな改革の積み上げにより財源を生み出す努力が重要だと思っております。そこで今回、政務秘書制度についてお伺いいたします。
 御案内のとおり、政務秘書は、議会承認や任期のない特別職の地方公務員であります。知事の任命により選ばれる政務秘書は、かねてから、その存在意義や合理性についての疑念が持たれてきましたが、まずその役割について確認いたします。
 政務秘書の業務は、知事の政治的活動にかかわる秘書業務など、一般職の秘書に対応させることが適当でない業務や行政事務と政務との調整とのことでありますが、これらの業務は一般職の秘書では本当にできないのでしょうか。まず知事にお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 知事は、その職務の性質上、行政の長として行政事務をつかさどるほか、政治活動を行う場合があり、その政治的活動にかかわる政務につき、公務員としてこれを補佐する秘書を設けることが、その職務の円滑、効率的な遂行に資することから、地方公務員法第3条第3項第4号の規定に基づく特別職の地方公務員として、政務秘書を任用することが認められています。
 知事の政治活動にかかわる秘書業務や、行政事務と政務との調整を担わせるため、政務秘書が必要と考え、これまで任用してきたところであります。
〇22番(臼澤勉君) それではお伺いいたします。全国の設置状況ですけれども、全国の都道府県で政務秘書を設置しているのは、本県を除いてどのくらいございますか。その数をお答えください。
〇総務部長(白水伸英君) 現在のところ、本県を除きまして7県となっております。
〇22番(臼澤勉君) たった7県です。つまり一般職の秘書でもできるのです。ほかの自治体では政務秘書を置かなくてもできるということを、まず確認させてください。
 次に、政務秘書の業務内容についてお伺いします。
 政務秘書の業務内容について、事前に当局から、知事の政治的活動の具体的内容の資料をいただきました。それには具体的な内容として四つございます。公務の日程等の調整、政務関係者からの電話や訪問の応対、ファクスレポートと政治家としての発信にまつわるサポート、四つ目として、宗教団体から面会要請等があったときの対応及び行事対応のサポートということでございました。
 それでは、ちなみに先月9月の1カ月間の業務実績について、ファクスレポートとか宗教団体からの面会要請等、何回ありましたか。わかる範囲でお答えください。
〇知事(達増拓也君) 政務秘書の勤務状況の確認につきましては、知事である私が直接行っております。勤務時間や休暇等の定めがないため、一般職の職員と同様の勤務管理を行う必要はないものとされております。
 政務秘書は、地方公務員法の適用対象とならない特別職であり、県の特別職の指定に関する条例に規定する特別職であります。
〇22番(臼澤勉君) 事前に私もこの四つの中の一つの項目、ファクスレポートを取り寄せました。これまで100回程度ありましたけれども、実は、3カ月でたった1回しかファクスレポートは発信されていない。ことしに入っても2カ月あるいは3カ月で1回だけなのです。宗教団体からの面会要請がどのくらいあるのか、恐らく答えられないと思ったのでお伺いしますけれども、この四つの業務に国政選挙の特定候補者への後援会活動も含まれるのか、イエスかノーかでお答えください。
〇知事(達増拓也君) その可能性もあるかと思います。
〇22番(臼澤勉君) 可能性がある、イエスということだろうと思います。なぜこれを明記しないのかと思うのであります。
 このような業務は、多額の税金を支払って公務員が行う業務なのでしょうか。私は私設秘書が行う業務ではないかと思いますが、簡潔にコメントをお願いします。
〇知事(達増拓也君) そうは思いません。
〇22番(臼澤勉君) ありがとうございます。そのように知事は思わないということなのでしょう。
 それでは、ちょっと確認します。まず、給与の実態をお伺いしていきます。事前に給与額を照会いたしましたが、これも残念ながら開示していただけず、極めて不透明な状況であります。それで、私なりに条例で規定する上限月額49万9、000円で試算すると、年間760万円であります。
 総務部長に伺います。平成19年4月の達増知事就任から現在まで、岩手県がこの政務秘書に支払った給与、各手当の総額は幾らですか。年平均はお幾らでしょうか、お伺いします。
〇総務部長(白水伸英君) 平成19年から現在までの約14年半におけます給料月額のほか、期末手当及び寒冷地手当、退職手当を含めました政務秘書への給与総額でございますけれども、1億448万円余となっております。1人1年当たりの平均は約765万円となっております。
〇22番(臼澤勉君) 1億円を超える金額でございます。ちなみに、この給与は一般職の何級に相当するのでしょうか。そして、大卒上級職で、何年ぐらい県庁に勤める職員に相当する給与かお尋ねいたします。
〇総務部長(白水伸英君) 政務秘書の給与でございますけれども、学歴あるいは職歴等を勘案した上で、一般職の職員の年収との均衡を図って決定しております。本県におきましては、現在、総括課長級ということで6級の職員に相当いたします。
〇22番(臼澤勉君) 何年ぐらい勤務した職員になりますか。
〇総務部長(白水伸英君) 総括課長級の職員ということで、これもさまざまございまして、年代からいたしますと、大体40代から50代前半ということでございます。いつ入庁されるかによりますので、そこの年次は何年ということではございませんけれども、大体年代としてはそれぐらいでございます。
〇22番(臼澤勉君) 実は、私も大卒上級職で採用されて、25年奉職いたしました。ただ、私の俸給は及びません。それよりも高い給与でございます。
 何を言いたいかと言いますと、客観的な採用基準もなく、試験も受けず、議会の承認手続もない不透明な手続で職員を採用し、高額な給与を支給しているという、この現状をまず認識いただきたいということでございます。
 続きまして、政務秘書の勤怠管理について伺います。政務秘書の勤務や休暇に関する規律はなく、週5日、9時―5時の勤務が義務づけられているわけでもございません。この勤務実態は、知事以外に誰も把握しておらず、在庁時間を照会してもデータは公表されません。実際に勤務しているのかしていないのかも含めて、誰がチェックするのか、知事は把握していますか。
〇知事(達増拓也君) 先ほども述べましたとおり、政務秘書の勤務状況の確認については、知事である私が直接行っております。
〇22番(臼澤勉君) それではお伺いします。9月の勤務時間をお示しください。
〇知事(達増拓也君) これは、同様に特別職である私自身が、何日、何時間働いたということをぱっと言えないのと同様に、政務秘書の何日、何時間ということについては、そういった観点からは管理をしておりません。この間、新型コロナウイルス感染症対策に取り組む中でも、私自身の岩手県における政治的な立場に関連したさまざまなやりとり、調整、私との協議など、的確、適切に行っていました。
〇22番(臼澤勉君) それでは確認いたします。職務専念義務はございますか。
〇総務部長(白水伸英君) 職務専念義務等の関係でございますけれども、政務秘書の服務につきましては、地方自治法の附則の第5条、それから地方自治法の施行規定第10条の規定により、明治時代に制定された道府県職務規律というものが適用されておりまして、その中で職務専念義務が規定されております。
〇22番(臼澤勉君) 極めて重要な答弁がございました。実は、平成25年6月定例会の質疑で、選挙中の街頭演説の行動に対して、この活動の適切さ、あるいは誰が指示したのかというような質疑がございました。その際、知事はこう述べております。特別職である秘書は、職務専念義務が課されず、そして―省略いたしますが、自己の判断において活動していると知事は答弁されておりますが、これは過去の答弁と矛盾し、整合性がとれないのではないでしょうか。
 政務秘書の問題は、地方公務員法に規定する職務専念義務等の服務規律がない前提でこれまで知事はこの議会で答弁されてきました。極めて重要なポイントであり、私は過去の答弁の訂正を求めますが、いかがですか。
〇知事(達増拓也君) 先ほど申し上げましたとおり、政務秘書は地方公務員法の適用対象とはならない特別職ですので、地方公務員法上の職務専念義務はないわけでありますけれども、先ほど総務部長が答弁したように、明治時代の例による職務専念義務、当時の概念になりますけれども、それはあるということです。
〇22番(臼澤勉君) 当時の概念ではなくて、地方公務員法ではそれはないけれども、この服務規律は地方自治法の附則によって今もなお生きているのですよ。
 改めてお伺いいたします。9月上旬、これは平日ですけれども、知事の政務秘書が横沢参議院議員と立憲民主党の佐野候補者と企業訪問されておりました。この行為は、いわゆる地盤培養行為たる後援会活動として整理されます。
 このような知事みずからが行う選挙、政治的活動とは関係のない特定候補者への選挙運動や後援会活動は、政務秘書が行う活動として適切であるか、認識を伺います。また、知事の指示で行われたのか、改めて伺います。
〇知事(達増拓也君) 長野県の知事特別政務秘書に係る訴訟の判決において、知事という特別職に属する公務員は、担当する職務の性質上、その政治活動が職務と何ら矛盾するものではなく、かえって、政治的に活動することによって、公共の利益を実現することも職分とする公務員であり、公務のみならず、政治的活動にかかわる政務につき、公務員としてこれを補佐する秘書を設けることが、その職務の円滑、効率的な遂行に資するものと。これは判例と言っていいと思うのですけれども、今御指摘の事項は、知事の政治的活動にかかわる政務として行われたものと理解しております。
〇22番(臼澤勉君) 平成20年5月15日の東京高裁の判決、これは、知事自身が行う選挙活動等について、知事の職分に属する公的活動であるという、こういった話なのです。いいですか、この判決文は、知事以外の国政選挙や他の候補者への選挙活動まで含むとは書かれていないのです。拡大して解釈すべきではありませんし、この議会の答弁で引用すべきではない。これは御指摘しておきます。
 次に、政治姿勢についてお伺いします。
 47都道府県のうち、条例を制定しているのが24の都道府県、約半数です。そして、設置しているのは、本県を含めてわずか8都県。既に大阪府、京都府、兵庫県などは、世間からの厳しい指摘を受けて、政務秘書職は設けておりません。
 県民目線で改革を標榜する知事として、政務秘書職の廃止を考えるべきだと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 岩手県は、私を含め、戦後7人の知事のうち5人が国会議員経験者であり、3代目の千田正知事―参議院議員経験者でいらっしゃいますけれども―から、政務秘書が任用されてきたと理解しております。
 そのように、岩手県は政治活動、政治経験がある知事が、政務秘書を活用しながら県政を進めてきたという歴史、私は伝統と言ってもいいかと思いますけれども、そういったものを踏まえて、私も今4期目、14年間、県民の皆さんの支持と理解に基づきながら、そのように知事の仕事を進めてきたところであります。
〇22番(臼澤勉君) 私も県に奉職したとき、中村知事から工藤巌知事にちょうどかわったときです。あのときに私の上司が工藤知事の秘書になられました。
 聞きますけれども、歴代の知事で政務秘書を置かなかった知事は誰ですか。
〇知事(達増拓也君) 1代目、2代目、そして5代目、お三方と理解します。
〇22番(臼澤勉君) もう少し明確にお答えいただきたかったのですけれども、いずれ工藤知事の時代、工藤知事は置かなかったですね。増田県政も、2期目、3期目は置かなかったです。私も一緒に働きましたのでわかります。置かなくてもできるのですよ。ほかの県でもやっているのです。
 いいですか。全国の約8割の都道府県で政務秘書を置いていないこの状況、岩手県で毎年多額の財源不足が生じて、財源対策三基金の残高がこれから減少する、枯渇する、より一層厳しい財政状況が続く中で、政務秘書に多額の公金をかける積極的な理由、必要性は何ですか。
〇知事(達増拓也君) 増田知事も政務秘書を活用されていた時期があったと記憶しておりますけれども、まずは、知事自身が自分の政治的基盤を県内において強く高めていくことは、知事が強力なリーダーシップをとって県政を進めていくことに役に立ちます。知事がその次の選挙でおぼつかない、2回目の選挙を全然考えないのであれば、そういう必要性はないと思うのですけれども、自分自身の選挙、また、自分を支持する人たちの選挙とどうかかわっていくか、県民の選挙にまで至らない政治的な動向にどうかかわっていくかということは、そこをきわめればきわめるほど、知事は強いリーダーシップを発揮することができるという傾向がございます。
 過去、知事の方が、全国でさまざまな政局の転換で不本意ながら知事をやめなければならないとか、次の選挙に出られないとかという事例をあまた見ておりますけれども、そういうことになりにくいということがあります。
 そして、先ほど宗教関係の用務の指摘がありましたけれども、政務に関する仕事を一般職員になるべくやってもらわなくても済むようにする、あるいはそういう疑いがある、政務にかかわるかもしれない公務といったことについても、その調整などを一般職員がやらなくて済むというメリットがあります。
 そしてもう一つ、岩手県が、これも100年前、原敬首相のころから、岩手県の政治のありようが日本全体の政治のありように深くかかわっていて、戦前は官選知事ですから、知事がそこに直接かかわることはないのですけれども、戦後は、知事も選挙で選ばれる政治家でありますので、やはり岩手県が明治維新以降担ってきた、日本政治をよくしていくための一つの中心であるということに知事としてかかわっていくためにも、これは、私がそのような岩手県であることが、岩手県のためになると考えているからですけれども、政務秘書が必要と感じております。
〇22番(臼澤勉君) 私は、政務秘書を否定しているものではなく、私が言いたいのは、今の県が置かれている財政的な部分において、年間760万円の給与を支給されている総括課長級の政務秘書を置くよりも、今、県職員の中でも具体的な政策課題で困っている、そういったところに1人置く、そして進めていくということだって考えるべきではないかと私は思うのです。
 だから、私は財源の話とか財政の話、組織の話、今、職員たちが汲々としているこういった状況において、知事みずからが職員に対して身を切る覚悟を示すべきだと思っています。
 代表監査委員にお伺いいたします。監査委員は、いかにすれば公正で合理的かつ効率的な行政を確保することができるか、最小の経費で最大の効果を上げるようにしているか、組織や運営の合理化に努めているかといった観点で監査を行っていると認識しています。
 行財政改革で職員不足の中、全国の多くの自治体で、あるいは政令市においても廃止しているこの政務秘書制度について、経済性、効率性、有効性の観点から、監査委員の当該制度の運用状況に対する御所見をお伺いいたします。
〇代表監査委員(寺沢剛君) 政務秘書につきましては、地方公務員法及び条例に基づき、地方公共団体の長の政策判断により設置されるものと承知しております。監査委員がその適否について言及することは、慎重であるべきと考えております。
 本県においては、監査委員は、監査基準に基づき、経済性、効率性、有効性の観点も踏まえて、監査対象機関の定期監査等を実施しております。これまでの監査結果において、政務秘書について指摘または注意した事項はございません。
 今後も適切に監査してまいりますが、執行側においても、効率的、効果的な行政運営を心がけていただきたいと考えております。
〇22番(臼澤勉君) 政務秘書制度は、給与であったり勤怠管理、業務内容についても、全く不透明で非常にわかりにくい、効果が薄い、私はこのように思っております。
 県財政は、先ほども知事が御認識を答弁されておりましたと思いますけれども、非常に厳しい状況にあります。経済性、効率性、有効性の観点においても、費用対効果が疑わしい制度を積極的に維持し続ける合理的理由が、私は極めて薄いと。なぜこれを、ほかの県で廃止しているのに、我々はそれにまた賛同するような動きをできないのか。これまでも1億円以上の公金がこうやって使われております。ただ、実態は、その勤務状況が、ほかの職員のように本当に生産的なお仕事というか、こういう言い方は大変失礼になるから控えますけれども、ただ、やはり具体的な中身をもっと示しながらオープンにしていっていただきたい。
 私は、財政再建に向けた知事の本気度をきょうは確認させていただきました。ありがとうございました。
 続きまして、新型コロナウイルス感染症に係る危機管理対策と経営支援についてお伺いいたします。
 私は、危機管理上、最悪を想定し重症者の受け入れ態勢を強化すべきと考えておりますが、今定例会の9月補正予算案で、岩手医科大学に重症患者向けの仮設病床6床を新たに整備する予算が計上されました。いつ第6波が来るかわかりませんが、改めて、今回の重症者受け入れ態勢を強化する危機管理対策上の狙いと今後の医療体制強化に向けた県のお考えをお伺いいたします。
〇保健福祉部長(野原勝君) 新型コロナウイルス感染症対策の医療提供体制でございます。
 本県におきましても、いわゆる第5波によりまして、8月には新型コロナウイルス感染症の患者が急増し、8月13日に病床使用率が50%を超えたことから、確保病床を250床から350床に拡大するとともに、新たに3棟目の宿泊療養施設を稼働させたところでございます。あわせて、患者の症状やリスクに応じた入院等調整を行うことにより、自宅療養が生じることなく医療体制を維持することができたところでございます。
 一方で、全国的には重症患者が増加し、感染拡大地域を中心に医療の逼迫が生じたことから、本県においても、第6波以降の感染拡大に備えた体制の強化が必要と認識しております。
 このため、岩手医科大学における重症患者受け入れのための新たな施設の整備や宿泊療養施設の拡充、感染症患者に対応するための病床確保などの経費を、本定例会に提案している補正予算案に盛り込んだところでございます。
〇22番(臼澤勉君) 知事は日ごろ、一人一人の幸福追求権を保障するとおっしゃっております。危機管理の視点で最悪の事態は自死の問題であります。知事は、平成19年就任時のマニフェストで、自殺死亡率を全国平均以下に減らすため自殺予防対策を強化すると県民に約束されました。
 就任時の知事演述も読ませていただきましたが、北海道、北東北各県と連携しながら、普及啓発などの予防対策を重点的に推進するとも述べておりましたが、具体的にどのように連携し成果を上げてきたのか、お伺いいたします。
 また、直近の本県自殺死亡率は21.2人と6年ぶりに全国ワーストになりました。県は、それでも年々改善の傾向にあるとおっしゃいますが、20歳から39歳の死因のトップが自殺であり、若年層や働き盛り世代の自死の割合が高まる傾向を抑えなければいけません。
 これまでの取り組みを検証しながら、地域のさまざまな分野の関係団体とのネットワークを構築し、県民総参加による連携強化策をいかに展開するお考えかお伺いいたします。
〇知事(達増拓也君) 北海道、北東北各県との連携については、平成19年度当時、健康づくり推進に向けた連携の中で、共通の課題である自殺予防対策として心の健康に関する普及啓発教材の作成などに取り組んできたところであり、こうした取り組みを踏まえて、北海道、東北7県保健福祉主管部長会議や東北地方、北海道の精神保健センター所長会で取り組み状況の情報共有などを行っています。
 また、自殺予防に取り組む北東北3県の民間団体では、毎年度100人を超える規模の交流会を開催しているところ、県では、このような取り組みを財政面や人材面から支援し、相談支援技術の研さんや広域的な連携ネットワークの形成の強化などが図られています。
 自殺はさまざまな要因が関係し、幅広い分野における包括的な取り組みが重要であることから、本県では、岩手県自殺対策推進協議会を中心に多様な主体が連携し、官民一体となって取り組んできたところ、自殺者数は、ピーク時から半分以下に減少するなど一定の成果があらわれています。
 しかしながら、令和2年において、自殺死亡率が6年ぶりに全国で最も高くなったことなどから、本年7月に開催した岩手県自殺対策推進協議会におきまして、これまでの取り組みを検証し、岩手県自殺防止宣言を改定し、それぞれの役割に応じた一層の取り組みを推進することといたしました。
 コロナ禍が長期化する中にあって自殺リスクが高まることが懸念されます。悩みを抱えた人を孤立させることがないよう、多様な主体が連携し、岩手の総力を結集して、誰も自殺に追い込まれることなく、幸福を実感できる地域社会の実現に向けて取り組んでまいります。
   
〇議長(五日市王君) 本日の会議時間は、議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
   
〇22番(臼澤勉君) 私も隣の秋田県のNPO蜘蛛の糸ネットの理事長ともお話しした機会があります。やっぱり相談する先というところで、知られたくない、相談する方は、知らないところというか、誰にも気づかれないところでというようなところがあります。そこを、秋田県や青森県とも、あるいは県境の方々が連携しながら、そういった体制を強化していくのがまず一つ。
 それから、さまざまな既存事業の相談窓口がございます。事業メニューはあるのです。ただ、私がこう見ても、事業メニューはあるけれどもどこに相談していいかわからないのです。ぜひ事業メニューを体系的に整理していただいて、その中で強弱をつけて、本当に必要な方に対する支援が届くような工夫をやっていくことも、新たな事業を興すのではなくて、そういった整理もぜひ進めていただきたいと思います。
 次に、経営支援対策についてお伺いいたします。
 県内企業の経営状況は、東日本大震災津波、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で三重債務となり、過大債務を抱えている企業がさらに増加しております。岩手県信用保証協会によると、延滞等の返済が滞る大口事故が散見され、事故受け付けの金額は前年比155%でありますが、リスケジュール等の条件変更による正常化条件変更、いわゆる事故調整は、前年比で254.4%と、早期対応を進めているおかげで事故残高はいまだ増加に至っていないという状況にあります。
 しかし、ゼロゼロ融資の約半数は、もう据え置き期間が終了し償還が開始されております。飲食業、サービス業の返済緩和条件変更が多く、今、極めて深刻なサインがあらわれ始めております。
 県は、現在の企業の経営状況をどう認識し、実効性のある経営支援対策を考えているのかお伺いいたします。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) 事業者に対する影響調査では、令和2年3月以降、売り上げが大きく減少している割合が一貫して高い数値で推移しており、多くの事業者が、極めて厳しい状況を強いられていると受けとめております。
 また、先月開催した会議においても、金融機関から、飲食や宿泊業者では、融資を受けた資金を含め手元資金が減少しており、今後の資金繰りを懸念するといった声があり、金融機関や県信用保証協会と償還猶予等の条件変更に柔軟に対応していくことを改めて確認したところであります。
 県としても、地域企業経営支援金や新型コロナウイルス感染症対策資金を拡充するなどの対応を進めており、こうした資金繰り支援と需要喚起策を連動させた取り組みを効果的に展開していく考えであります。
 さらに、国に対し、持続化給付金や家賃支援給付金の再度の支給など、必要な財政支援を働きかけつつ、商工指導団体と連携し、事業者が主体的に行う新しい生活様式に対応した新分野展開、業態転換等の本業の立て直しに向けた取り組みを積極的に支援してまいります。
〇22番(臼澤勉君) 年末に向けて、これから本当に厳しい状況になってまいります。それで、過剰債務企業が多く存在するために、既存の抜本的な事業再生、債権カットは労力を多く費やす必要があり、非常に手間がかかりますし、全ての企業に対応するのは困難だろうと思っております。一方で、債権カットは、金融機関とか保証協会の財務も毀損するおそれがあります。
 私は、新たなスキームが今必要になっていると思いますし、これは県だけではなかなかできないのも重々わかります。ぜひ、国の対応も含めて事業再生トータルプランを進めていただきたいと思うのですけれども、御所見をお伺いいたします。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) 金融機関や商工指導団体においても、今後、本業支援を強化していくべきとの考えが強く打ち出されており、国が実施する事業再構築補助金の活用などに積極的に取り組んでいる状況です。
 県においても、こうした取り組みを進め、事業者の経営の立て直しに向けた本業支援を本格的に進めるため、事業継続伴走型支援事業を設け、相談対応スタッフの配置や専門家派遣などによる商工指導団体の体制強化を図っております。
 また、こうした取り組みを進めるためには、事業者の財務内容の改善も必要であり、現在、債権買い取りや出資等の手法を用いて事業再生を目指すファンドによる支援も行われておりますが、これをより効果的なものとするためには、東日本大震災津波の際と同様に、国の出捐も含めたプッシュ型での支援体制の構築も必要と考えており、国に対する働きかけを行ってまいりたいと考えております。
〇22番(臼澤勉君) 人口減少対策とデジタル社会の推進について伺います。
 これまで岩手県議会では、人口減少対策調査特別委員会を設置し、2年間にわたりまして調査させていただきましたが、移住ニーズに即した情報発信やテレワーク環境の強化、サテライトオフィス誘致など、若い女性層の県内就職、定着促進を強化し、転職なき移住を加速させるべきとの意見も出されております。
 若い女性層を含め、本県に新たな人の流れを根づかせる戦略を県はどう考えているのか、まずお伺いいたします。
〇商工労働観光部長(岩渕伸也君) 本県への人の流れについてでございますが、本県では、北上川流域における自動車、半導体関連産業を中心とする企業立地や増設などにより、ものづくり産業の雇用ニーズが大きく高まっていることに加え、大手IT企業の首都圏からの本店移転を契機に、IT関連産業の集積への期待も高く、こうした状況に加えまして、テレワークの急速な浸透を背景とした、いわゆる転職なき移住の推進により、本県への新たな人の流れを大きなものとしていくことが重要と考えております。
 このため、今年度は、移住に要する経費の支援や若者のライフステージに応じた住宅支援、また、医療、看護、福祉などの女性の就業ニーズの高い職種の県内企業とのマッチングなどの取り組みを進めております。
 今後も、若者や女性を初めとした、一人一人がその能力を発揮し、やりがいを持って働き、暮らすことができるよう、移住先や仕事のマッチングなどに取り組んでまいります。
〇22番(臼澤勉君) 私は、この人口減少対策において、デジタル庁もできて、今まさにデジタル化の推進に県を挙げて進めております。ぜひ、この辺の環境整備を進めるべきだという立場でお伺いいたしますが、まず、県で今進めているデジタル化の中で大きなポイントは何かというと、人材育成です。この人材は、都道府県の電子化推進度ランキングというものがあって、これを見ますと、総合1位は茨城県。岩手県はたしか中間の22位ぐらいだったと思いますけれども、さまざまな評価項目があります。ただ、このときに総合1位である茨城県の知事が、マイクロソフトやシスコシステムズの役員を歴任しているということで、リーダーシップがやはり大きいというようなことも聞いております。
 本県においても、県と民間企業との間で人材が流動的に行き来するような仕組み、リボルビングドア―回転ドアですね、この仕組みを整える必要があろうかと思っております。
 ただ、このときに留意しなければいけないのは、やはり特定企業への利益誘導が起こらないような配慮、そういった部分の体制をしっかりつくること、そして、優秀な人材を民間や国から引っ張ってくる、そして県の組織の中にもノウハウを蓄積していく、そういった取り組みが必要だと思いますが、今後の人材確保、育成に向けての県としての戦略をお伺いいたします。
〇総務部長(白水伸英君) 県組織におけるデジタル人材の確保と育成についてでございます。
 県のDX推進には、適切なデジタル技術の活用とともに業務の改革を進めることが重要でございまして、行政経営推進課などの専担部門においては、業務効率化や改革に適した高度な知識、技術を有するデジタル人材が、また、各部門においては、ITリテラシーや改革マインドを有する人材が必要と認識しております。
 このため、専担部門のデジタル人材は、経験者採用や民間との人事交流、業務委託などにより新たに確保することとあわせ、職員の民間企業への派遣、専門研修の受講等によりスキルアップするなど、さまざまな手法の活用を検討しております。
 また、各部門の職員についても、デジタル人材を講師とした研修などにより、職制等に応じた知識、能力を育成し、ボトムアップを図る取り組みを検討しております。
 このようなさまざまな手法により、人材の育成、確保に取り組むとともに、デジタル人材から得た知識やノウハウを活用しDXを推進してまいります。
〇22番(臼澤勉君) 今、国でもそういったさまざまな取り組みを進めております。先日、紫波町に、片山さつき代議士がいらっしゃって、スーパーシティとDXの講演がございました。その中で統計分析、コンピューターサイエンスの知識をもとに、大量のビッグデータから新たな知見を引き出し、価値を創造するデータサイエンティストの人材育成が重要だということです。今、国では、大学などと連携しながら実践的なカリキュラムを展開しようということで、毎年5万人、5年間で25万人の人材を育成する方向で検討を進めていると伺いました。
 ぜひ、岩手県立大学あるいは岩手県立産業技術短期大学校等でこのDX人材を重点的に育成すべき、そういった取り組み、準備を率先的に進めていくべきだと思いますが、県の所見をお伺いします。
〇ふるさと振興部長(熊谷泰樹君) DX人材の育成についてでございます。
 社会のデジタル化が加速する中、デジタル技術の活用とともにデータサイエンティストなどの高度なデジタル人材の育成を行う高等教育機関の役割が、ますます重要になっているところでございます。
 現在、岩手県立大学ソフトウェア情報学部では、令和元年度にデータ・数理科学コースを設け、データサイエンティストの育成にも力を入れているところでございます。
 また、岩手県立産業技術短期大学校におきましては、AIやIoTなどを授業に組み入れ、技術革新や企業ニーズに応じた人材育成に取り組んでおります。
 県では、本年6月に産学官で構成するいわて高等教育地域連携プラットフォームを設立いたしまして、DXを含めた人材育成を重要なテーマとするよう検討を進めております。
 また、本県におけるDXの推進にオール岩手で取り組むいわてDX推進連携会議を7月に設立したところでございますが、DX人材の育成、確保に向けた支援に取り組むこととしているところでございます。
 県といたしましては、これらの連携組織において、関係機関、団体との議論を深めながら、地域に貢献するDX人材の育成、県内定着を図り、本県のさまざまな分野におけるDXの推進につながるよう連携して取り組んでまいりたいと考えております。
〇22番(臼澤勉君) 私の地元の矢巾町では、最先端技術を活用した国家戦略特区、スーパーシティ構想に応募しております。このスーパーシティ構想において三つの課題を挙げております。健康寿命の延伸と医療扶助費の抑制、多層型コミュニティーとセーフティネットの再構築、それから、中心市街地と周辺農村部の格差解消という三つの課題解決に向けて、国家戦略特区をぜひ採択したいということで今取り組んでおります。
 このスーパーシティ構想について、私は、県がもっと取り組むべき重要な課題が提案されていると思っていますし、県として、このデジタル人材の確保支援を含めて、こういった自治体への支援、あるいは主体的に関係部局のさまざまな事業とか職員を投資しながら、市町村あるいは県が一緒に、より連携しながら新たな課題解決に向けた取り組みを進めるべきだと思いますけれども、県の御所見をお伺いいたします。
〇ふるさと振興部長(熊谷泰樹君) スーパーシティ構想とDXについてでございます。
 県ではこれまで、矢巾町と特区の指定に必要となる情報の共有を図るとともに、データ連携基盤に関する専門家を交えた意見交換を行ってまいりました。
 また、国において採択がなされた場合には、産業分野、環境保全分野等の取り組みに岩手県立大学や岩手県立産業技術短期大学校も参画することとなっております。
 本年7月に設立いたしましたいわてDX推進連携会議の商工部会におきまして、矢巾町の担当者を招き、矢巾町のスーパーシティ構想を構成する先進的な取り組みに対する理解醸成にも取り組んできたところでございます。
 スーパーシティに関係の深いDXに関しましては、北上川バレープロジェクトにおきまして、自動運転やスマート農業などの事例研究、東京大学と一関高等専門学校の連携によるAI人材育成講座の開催など、産業分野におけるさまざまな取り組みを進めているところでございます。
 県といたしましては、いわてDX推進連携会議等におきまして、DX人材に関する議論を深めながらDX人材の育成に取り組むこととしており、矢巾町のスーパーシティ構想と連携させながら、本県のさまざまな分野におけるDXの推進につながるよう取り組みを進めてまいります。
〇22番(臼澤勉君) 人口減少対策調査特別委員会で、会津若松市のアクセンチュア・イノベーションセンター福島の中村彰二朗さんを呼んでお話を伺ったりもしました。県としても、そういうDXにたけたコーディネートしてくれるような人材、あるいは国からも派遣してもらうような取り組みをぜひ後押ししていただきたいと思います。
 次に、四つ目、米政策とみどりの食料システム戦略について伺います。
 先日示されました令和3年産米の概算金、主食用のひとめぼれ2、300円減の1万円、あきたこまち2、600円減の9、500円、銀河のしずく2、300円減の1万500円でございました。
 私も、この令和3年産米の米価が概算金と同等に低下した場合に、どのくらいの影響額が出るのかと思って試算いたしました。そうしましたら77億円もの甚大な影響が出ている、このようなことでございました。
 また、組織法人経営の生産費を試算しますと、60キログラム当たりで1万1、723円、労務費を引くと生産原価が8、974円となって、もう生産限界ぎりぎりのラインに今いるわけでございます。
 そこでお伺いしますけれども、県は、米価下落による生産者への経営対策をどう講じるお考えなのかお伺いいたします。
〇農林水産部長(佐藤隆浩君) 米生産者の経営安定対策についてでございます。
 新型コロナウイルス感染症の影響によります外食需要の減少に伴いまして、全国的に米の需給が緩和しており、全農岩手県本部が発表いたしました令和3年産の米の概算金が、昨年度に比べ引き下げとなるなど、米生産者への影響を懸念しております。
 米の生産流通は、都道府県単位では完結せず、国全体での対応が必要となりますことから、県では先月、国主導による実効的な過剰米への対策、それから、消費喚起などの需要拡大対策を推進するよう、国に対して要望したところです。
 また、生産者の経営安定に向け、経営継続に必要となる資金の円滑な融通や既往債務の償還猶予等が図られるよう、県内の金融機関に対しまして要請しましたほか、広域振興局や農業改良普及センターなどに相談窓口を設置し、生産者からの経営相談や活用可能な無利子資金の周知等を行っているところです。
 さらに、量販店等と連携いたしましたキャンペーンなど、県産米の販売促進や消費拡大に向けた取り組みを進めており、引き続き、関係団体と連携しながら生産者の経営安定が図られるよう積極的に取り組んでまいります。
〇22番(臼澤勉君) 今回、ひとめぼれもそのとおりでございましたが、岩手県のブランド米である銀河のしずくが1万500円ということで2、300円も減りました。青森県の青天の霹靂は500円安の1万5、100円、山形県のつや姫は500円安の1万5、300円、ほぼ現状維持を貫いておりました。ただ、岩手県の銀河のしずくは、ほかの品種と同様に大幅な下げ幅でありまして、取り扱いの流通業者の評価とかもそれぞれあるとは思いますけれども、この各県の差は何なのか。
 そこでお伺いしますけれども、今回の概算金の下げ幅を受けて、県は、この銀河のしずくの位置づけ、将来の品種構成をどう考えているのか明確に示していただきたい。これが生産者の声であります。また、銀河のしずくを主力品種とする生産、販売体制を構築して、いわて純情米のブランド力を強化していただきたい、こういった声も生産者団体から出ております。あわせて、生産者が意欲を持って生産し、何よりも所得向上につながる基準の整備、生産基準の変更などをどう考えているのかお伺いいたします。
〇農林水産部長(佐藤隆浩君) 銀河のしずくの生産、販売体制についてでございます。
 県ではこれまで、銀河のしずく等を県産米のフラッグシップとして、ブランド力の向上を図り、県産米全体の評価向上につながるよう取り組んできたところでございまして、今後におきましても、本年3月に策定いたしました新たないわてのお米ブランド化生産・販売戦略に基づき、県産米の評価向上、消費拡大を進めていくこととしております。
 特に、銀河のしずくにつきましては、実需者、消費者からの評価も高く、外食、中食等の需要も拡大しておりますことから、ひとめぼれに次ぐ作付面積となるよう、あきたこまち等から銀河のしずくへの転換を促進することとしています。
 また、ブランド力の向上でございますが、全国トップクラスの品質と食味の確保が不可欠でありますことから、品質目標として掲げている玄米たんぱく質含有率等が達成されますよう、栽培研究会の活動などを通じて、生産者と連携しながら取り組んでいくこととしています。
 さらに、これまで築いてきました全国の米卸売業者等とのネットワークを生かし販売促進活動などを進めていくこととしており、県オリジナル品種を核といたしまして、県産米全体のブランド力が向上するよう、関係団体と連携しながら積極的に取り組んでまいります。
〇22番(臼澤勉君) 生産者、農業協同組合からは、たんぱく含有率の目標値を撤廃しない限りは生産拡大は難しいのではないかという声を伺っております。あるいは販売先からは、ひとめぼれとのすみ分けの明確化、そして、集荷量1万トンを超えるレベルに持っていかないと、やっぱり大消費地の認知度も上がらないというような御指摘もあります。
 ぜひ、この辺の具体的なすみ分けを含めて、生産者団体、私がお米の担当をしていた当時は経済農業協同組合連合会ですけれども、そういった方々、あと卸、仲卸、全国のそういった事業者の方々、流通業者の方々としっかり連携して、声を聞いていただきたい。そして、何よりも生産者の声をしっかりと聞いて、農業改良普及員がたくさんいますから、しっかりと取り組んでいただきたい。お願いいたします。
 それから、国が策定したみどりの食料システム戦略への対応について伺います。
 米生産を含む本県農業の特徴は、私は、畜産との連携による堆肥を活用した土づくりにあり、ブランド戦略の重要なポイントだと認識しております。
 本県の堆肥施用実績、10アール当たり水稲で1.1トン、畑作物、野菜で3.1トン。これは、青森県、宮城県、福島県の基準を大幅に上回っており、土づくりへの意識が高いと言えます。また、農林業センサス2020によると、有機農業に取り組んでいる作付面積が、本県は4、958ヘクタールで全国4位、東北地方では宮城県に次いで2番目に多いのです。有機農業作付経営体数2、626、これも全国で5番目に多いのです。
 そこでお伺いします。本県農業の現状や課題を踏まえた農政推進方針を策定し、将来にわたって化学農薬、肥料の削減、二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指した食料供給基地いわてを発展させていくべきと考えますが、中長期的な考え方も含め、計画策定のお考えをお尋ねいたします。
〇農林水産部長(佐藤隆浩君) みどりの食料システム戦略への対応でございます。
 県では、平成11年度に制定されました持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律に基づき、平成12年3月に県の指針を策定いたしましたほか、平成24年度には、“ひと”と“環境”に優しいふるさといわて農業プランを策定いたしまして、化学農薬や肥料の使用量を削減する効率的な病害虫防除、それから堆肥等による土づくり、こういったものを進めてまいりました。
 これまでの取り組みをさらに強化していくため、令和12年度までを計画期間といたしまして本年3月に策定いたしました“ひと”と“環境”に優しいいわての農業生産推進方針に、化学農薬や肥料を削減できるスマート農業技術の活用や有機農業の推進に向けました人材育成等を新たに位置づけ、関係者と一体となって取り組むこととしております。
 こうした本県の取り組みは、本年5月に公表されましたみどりの食料システム戦略の取り組み方向とおおむね一致していると考えておりまして、県といたしましては、この戦略に基づく国の施策の動向を踏まえながら、化学農薬や肥料、温室効果ガス排出の削減に向けました環境に優しい農業を積極的に推進してまいります。
〇22番(臼澤勉君) それでは、県立高校の再編計画と教育委員会制度についてお伺いいたします。
 令和3年2月定例会で、学校は誰のものという問いに、教育長は、最終的、究極的には子供のものと答弁されましたが、学校は地域の核になるもので、前の文部科学省の事務次官は地域住民のものとおっしゃっておりました。つまり、広く地域住民の意向を反映した教育行政の実現に向け、教育長、教育委員たちは、密室ではなく、住民に開かれた議論のもと、合議制で決定していくことが不可欠であります。
 平成13年の法改正でも教育における住民自治が強化され、教育委員会議は原則公開、教育行政の説明責任を果たすよううたわれております。また、平成26年の改正では、会議の議事録の作成、公表の努力義務が規定され、会議の透明化が進められているところであります。
 しかし、今回の再編計画の議論において、多くの議論が教育委員会協議会などにおける非公開の場で行われており、議論の経過について十分な透明化が図られたかは、甚だ疑問であります。
 教育長の御認識を伺います。県民の知る権利は、地方自治の本旨に根差すものであり、最大限尊重していかなければいけないものだと私は思います。基本的な考え方は変わっているのでしょうか。議論の内容を非公開にする合理的基準を含めお知らせ願います。
〇教育長(佐藤博君) 高校再編計画後期計画の策定に当たりましては、地域の代表者による地域検討会議や一般県民との意見交換会、要望に応じた説明会及びパブリックコメントを行い、丁寧に意見を伺ってきたところです。
 また、地域説明会を追加で開催し、県民の理解が深まるよう努めてきたところであり、教育委員には、その実施状況や要望内容等も報告し、意見を伺ってきました。
 教育委員との議論につきましては、教育委員会議のほか教育委員会協議会等で議論を進めてきたところでありますが、今後は、議案以外の案件であっても、重要な案件については、議論の過程について、例えば方向性や方針等について、教育委員会議で中間報告等を行い、より開かれた議論となるよう努めていきたいと考えております。
〇22番(臼澤勉君) 前向きな答弁と受けとめてよろしいですね。
 私は、この前も議会でお話しさせていただきましたけれども、教育委員会協議会は、確かに公開の会議の原則には当たらないということで、うまいようにこれを使っているのではないかと疑ってしまった一人なのです。この議案を見ますと、後期計画案の全体方針、後期計画案の方向性、地域検討会議の実施状況について、こういった議題は、別にクローズするような、議論に支障を来すような話ではないのです。もっとオープンにして進めるべきです。
 非公開とする場合は、例えば、いじめとかの個別事案における関係者の個人情報を保護する必要があるような場合、あるいは次年度の新規予算事業に関する具体的補助金の額とか対象の選定とか、意思決定の前に情報を公開することが公益を害する場合を想定していると。これは、改正地方教育行政法にも書いているわけです。限りなく限定的に運用すべきだ、このように書いております。
 ぜひ、この辺のところもしっかり踏まえていただきたいし、そもそも教育委員会制度って何なのかと。御案内のとおり、戦後、アメリカからそういった仕組みが来て、教育のプロでなくても、一般の市民の人たちが選挙で選ばれて、教育のあり方とかを議論して合議制で決定していくと。
 この日本においては、議会での委員の承認がございますけれども、まさにこれは、住民による意思決定、レイマンコントロールのこの基本的な最も大事な教育委員会制度における肝ですよ。ここの部分を先ほどの教育長の答弁で、私は前向きに捉えます。これからは、そういった方向性の部分やオープンの議論については公開していくというようなお話でありましたが、あえて聞きます。これまでの教育委員会協議会の議事録を今からでも公開するお考えはありますか、お伺いします。
〇教育長(佐藤博君) 協議会の議事録の関係につきましては、その内容を公開することによりまして、率直な意見の交換または意思決定の中立性が損なわれるおそれがあって、事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるというようなことで、これまで非公開の扱いとしてきました。
 また、今、議員御指摘のとおり、今回の後期計画の策定過程におきましては、確かに、全体の方針であるとか後期計画案、それから地域検討会議等の実施状況といったところが議題になったものもございます。こういったことから、今後、例えば統合検討委員会の議論とかといったものも、しっかり教育委員会議に報告した上で、議論の透明化等を図っていきたいと考えております。
〇22番(臼澤勉君) 教育長、いいですか。意思決定の前に情報公開することが公益を害する場合を想定しているのですよ。だから、意思決定の前は、それはクローズでいいですよ。意思決定の後にオープンにしたらいいのではないですか。各委員が今回の高校再編に向けて、どんな議論をされたのか、我々市民は知る権利があると私は思うのです。それが開かれた教育行政の姿勢につながると思いますし、計画はもう決まったわけですから、そこに対して、各委員のそういった代表の方々のお考えも知る機会になりますので、ぜひ検討していただきたい。
 平成20年度の県議会で当時の教育長は、秘密会のあり方につきまして見直しが必要との認識を示して、原則公開で行ってまいりたいと明確に答弁されております。教育委員会協議会とはまた別かもしれませんけれども、基本的な姿勢は、当時の平成20年度の教育長もこうやって示しているのです。このときも、今後、議論、検討していくと。教育長としては、これは前向きに取り組んでいきたいと答弁されておりました。
 その後、県教育委員会ではどんな議論をされていますか。
〇教育長(佐藤博君) 当時のことといいますと、私もそこははっきり確認はしておりません。また、今般の計画策定に当たっての委員との議論は、率直な議論を大変多くいただきました。それらについては、これまでの協議会の取り扱い、そして、これまで非公開としてきたものですから、その扱いには変わりございませんが、先ほども答弁しましたように、今後、議案以外の案件であっても、重要な案件、県民が知るべきもの、そういった公開しても支障のないものは当然公開していって、より開かれた議論となるようにしていくべきものと考えております。
〇22番(臼澤勉君) ぜひ開かれた教育行政を望むものでございます。
 それで、盛岡地区の高校再編計画について伺います。
 盛岡地区に生徒が集中している現状緩和が狙いとして、2023年度に盛岡南高校、不来方高校、両校の学級数を減らし、2025年度に統合する、体育や芸術など特色ある教育を生かす発展的な統合とのことでありました。
 令和7年に統合新設校がスタートいたしますが、今の小学6年生が新たな高校に入学することになります。進路判断する上でも、早い時点で統合校の具体的な内容を示すべきと考えますが、今後の手続を含めて、具体的な発展的統合の内容をお示しください。
〇教育長(佐藤博君) 盛岡地区の統合新設校は、文系、理系の学びのほか、芸術、外国語、スポーツに関する多様な学びを確保するとともに、地域や高等教育機関との交流、連携を図りながら、特色ある学びの横断による探究活動の展開や、地域課題の解決に向けた実践に取り組む学校として整備してまいりたいと考えております。
 今後、統合対象の2校において、統合新設校の学習内容や学校運営等に関する検討、調整などの作業を始めるとともに、学校関係者や地域の代表者等で構成される統合検討委員会を設置したいと考えているところであり、特に、将来の受験生やその保護者の方々に向けた統合新設校の内容等に関する適切な情報発信にも努めながら、丁寧に進めてまいりたいと考えております。
〇22番(臼澤勉君) 最後に、本質的な課題をデータに基づいて御指摘いたします。本県の高校は、全国を上回るペースで学校の小規模化が進んでおります。1学校当たりの生徒数、平成22年468.1人、これは全国40位でございましたが、令和元年387.5人ということで全国44位に減少しております。また、1学校当たりの決算額を見ましても、平成22年3億8、000万円ですか、全国41位、それが令和元年で3億7、200万円ということで41位に減少しております。
 もともと小規模な高校が多いため、1学校当たりの決算額は低位安定となるのでしょうけれども、生徒1人当たりの決算額は、平成22年が81万円、全国15位から、令和元年が96万円、全国6位に急上昇しております。
 生徒数が大幅に減っているのに高校は余り減っていないということで、小規模化が進展しているため、当然ですが1人当たりのコストは上昇しております。手厚い教育機会を確保しているという前向きな評価はできるかとは思いますけれども、県財政は極めて厳しい状況にありまして、財政の視点、コスト面での議論を深めないと、子供たちの持続可能な教育環境は維持できなくなるのではないかと危惧しております。
 教育長は、専門的、技術的に教育委員の議論を主導する責任がございますが、どのようにお考えかお伺いいたします。
〇教育長(佐藤博君) 県立高校は、広大な県土を有する本県の各地域における公教育の基盤として、どの地域に居住していても高校教育を受けられる機会の保障を図る役割も担っているところであり、今後、中学校卒業者数が減少する状況においては、多様な観点から高校配置のあり方について議論する必要があると認識しております。
 こうした点も含めまして、教育委員に対しては、教育行政等に係るさまざまな情報提供に努めるところでございますし、また、総合教育会議や全国都道府県教育委員会連合会総会等への出席、あるいは市町村の教育長、教育事務所長等との意見交換、各種行事への参加や学校訪問を行うことなどによって活動していただき、知見を広げていただいております。それらの活動に加え、委員御自身の活動による見識に基づいた意見等を頂戴しております。
 引き続き、教育委員会の会議等における議論が活発に行われるよう、委員の皆様方にさまざまな活動の機会の確保や適切な情報提供に努めていく考えです。
〇22番(臼澤勉君) 財政が厳しいから学校を統合していけばいいという単純なお話ではないのです。教育委員の中でも、検討を進めていく上ではよりよい学校はどうあるべきかといった視点で前向きな統合戦略がしっかりと議論されているのだと思います。ただ、私には全く見えないのです。ぜひ、そういった議論を主導しながら、財政問題も含めた今後の教育環境はどうあるべきかというところを検討していただきたいと思います。
 それでは、最後に県有スポーツ施設の整備計画についてお伺いいたします。
 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されたことしこそ、スポーツ医・科学サポートの拠点整備に向け踏み出す時期に来ていると思います。昨年の答弁では、いわてスポーツ推進プラットフォームを構築し、活動拠点の整備に向けた検討を行うとされておりますが、現在の検討状況と来年度予算要求に向けて具体的な今後のスケジュールをお伺いいたします。
〇文化スポーツ部長(熊谷正則君) スポーツ医・科学サポートの拠点整備についてでありますが、いわて県民計画に掲げる文化・スポーツレガシープロジェクトでは、官民一体によるスポーツ推進体制を構築し、国体、ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックの経験やノウハウを生かした競技力向上などに取り組むこととしています。現在、外部有識者から意見を伺いながら、令和4年度のプラットフォームの設立を目指し検討を進めています。
 スポーツ医・科学サポートについては、県ではこれまで、大学や医療関係者等と連携し、選手強化のトレーニング指導やアスレチックトレーナー養成、市町村体育協会主催の健康教室への講師派遣などを実施しており、これらの取り組みが、スーパーキッズの全国大会での上位入賞や本県出身選手の国内外の大会での活躍につながっているものと考えております。
 今後は、競技団体からニーズの高いトレーニング指導やコンディショニングなどのメニューの充実強化を図り、このような取り組みを重ねていく中で拠点のあり方についても検討していきます。
〇22番(臼澤勉君) ぜひ前に前に進めていただきたいと思うのですが、県営スポーツ施設が県内にいろいろございます。老朽化も進んでおりますが、市町村あるいは県の水泳連盟からも、体育館や屋内温水プールといった県営スポーツ施設の建設に対する要望が出されております。
 特に、県営屋内温水プールについては、今年度、経年劣化による施設設備の老朽化が進んでいることから躯体調査を行っていると伺っておりますが、私は、これからの施設更新、整備においては、三つの視点が重要になってくるのだろうと思います。一つは、単独の目的ではなくて、より多くの公共的機能、多目的化といった視点。二つ目が、市町村や民間との連携の視点。三つ目が、民間事業者を活用し稼働率をアップさせていく。こういった視点が重要になってくると思います。
 県として、施設整備、更新に向けた検討状況は、どの程度進んでいるのかお伺いいたしますし、また、市町村との連携、指定管理者制度の効果的な運用に向けたサウンディング型市場調査を進めるべきだと考えますが、県の御所見をお伺いいたします。
〇文化スポーツ部長(熊谷正則君) 県営スポーツ施設の整備についてでありますが、県では、本年2月、令和2年度から令和6年度までを期間とする岩手県文化スポーツ部所管公共施設個別計画を策定し、県営体育館や県営室内温水プールなど7施設については、計画的な修繕、改修を図りながら長寿命化を図っていくこととし、県営野球場については、盛岡市営野球場と集約化を図ることとしたところでございます。
 盛岡南公園野球場(仮称)の整備に当たっては、県と盛岡市の財政負担の軽減を図るため、市と共同でPFI方式を採用し、民間活力やノウハウを活用した整備を行っています。
 議員から提案のあった民間のニーズや意見を聞くサウンディングの手法も含め、市町村等の意見を初め、民間のアイデアや利用者ニーズを的確に把握しながら、効率、効果的なスポーツ施設の運営に努めていきます。
〇22番(臼澤勉君) 大変ありがとうございました。さまざま質問させていただきました。最後に、知事に県民党的な立場の質問は省略いたしました。大変失礼いたしました。
 ただ、歴代の知事がどういう思いで県民党と名乗っていたか、私なりに思うと、真に公平無私、特定の政党政派に偏ることなく、県民に対し誠心誠意、超党派県政を推進する、この考え方だと思っております。ぜひよろしくお願いいたします。(拍手)
   〔「関連」と呼ぶ者あり〕

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