令和3年2月定例会 予算特別委員会会議記録

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令和3年3月15日(月)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 嵯 峨 俊 幸
議事管理担当課長 藤 枝   修
主任主査 千 葉 絵 理
主任主査 糠 森 教 雄
主査 鈴 木   忍
主査 阿 部 真 人
主査 赤 坂 宏 紀
1 説 明 員
保健福祉部長 野 原   勝
副部長兼
保健福祉企画室長 下 山 義 彦
医療政策室長兼
保健福祉企画室
総括新型コロナ
ウイルス感染症
対策監 工 藤 啓一郎
子ども子育て
支援室長 中 里 裕 美
保健福祉企画室
企画課長 大 内   毅
保健福祉企画室
管理課長 中 田 浩 一
保健福祉企画室
特命参事兼新型
コロナウイルス
感染症対策監 吉 田 陽 悦
健康国保課
総括課長 福 士   昭
地域福祉課
総括課長 阿 部 真 治
長寿社会課
総括課長 小 川   修
障がい保健福祉課
総括課長 菊 池 優 幸
医療情報課長 山 田 翔 平
特命参事兼
医務課長 浅 沼 玉 樹
特命参事兼
地域医療推進課長 鎌 田 泰 行
特命参事兼
次世代育成課長 日 向 秀 樹

医療局長 熊 谷 泰 樹
次長 三田地 好 文
次長 小 原   勝
経営管理課
総括課長 鈴 木   優
職員課総括課長 一 井   誠
医事企画課
総括課長 久 慈 一 広
業務支援課
総括課長 佐 藤   明
薬事指導監 奥尚
看護指導監 高 橋 弥栄子

医師支援推進室長 高 橋 幸 代
医師支援推進監 菊 地 健 治
医師支援推進監 千 田 真 広

参事兼
財政課総括課長 小 原 重 幸
〇岩渕誠委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第26号から議案第30号まで、議案第33号、議案第35号、議案第37号から議案第39号まで、及び議案第42号の以上31件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部及び医療局関係について、延べ20人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は21分といたしましたので、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、目安時間を10分とすることといたしておりますので、あらかじめ御了承願います。
 また、これまでと同様に、換気のため休憩いたしますので、御協力をお願いいたします。
 初めに、保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇野原保健福祉部長 令和3年度の保健福祉部関係の当初予算及び予算関連議案について御説明申し上げます。
 なお、組織改編により、来年度、当部から復興防災部に移管予定の事業につきましても、当部において御説明させていただきますので、あらかじめ御了承願います。
 初めに、令和3年度予算編成に当たっての基本的な考え方でございますが、当部では、新型コロナウイルス感染症対策の徹底と東日本大震災津波からの復興を着実に進めるとともに、いわて県民計画(2019〜2028)のもと、県民みんなで目指す将来像の実現に向け、健康・余暇、家族・子育て、安全、仕事・収入、参画の各政策分野で掲げる取り組みと、新しい時代を切り拓くプロジェクトに掲げる健康づくりプロジェクトを引き続き、戦略的、積極的に推進していく予算として編成をしたところであります。
 まず、新型コロナウイルス感染症への対応についてでありますが、引き続き、感染拡大の状況に応じ、入院病床等の確保や入院等搬送の調整、積極的疫学調査の徹底などの対策を講じてまいります。
 また、新型コロナウイルスワクチンについては、市町村、県、医師会等と連携して、医療従事者への接種を進めますとともに、県民の皆様に迅速で円滑な接種が提供できるよう、市町村を支援してまいります。
 次に、復興の推進の取り組みでありますが、4本の柱の一つ、暮らしの再建につきましては、被災者の生活の安定と住環境の再建に向けて支援します、災害に強く、質の高い保健・医療・福祉提供体制を整備します、健康の維持・増進を図るとともに、要保護児童を支援します、地域コミュニティの再生、活性化を支援しますの4項目に取り組んでまいります。
 続いて、政策推進の取り組みでありますが、まず、健康・余暇の政策分野では、生涯にわたり心身ともに健やかに生活できる環境をつくります、必要に応じた医療を受けることができる体制を充実します、介護や支援が必要になっても住み慣れた地域で安心して生活できる環境をつくりますの三つの政策項目について取り組みを進めてまいります。
 また、家族・子育ての政策分野では、事故や犯罪が少なく、安全・安心に暮らせるまちづくりを進めます、安心して子供を生み育てられる環境をつくりますの二つの政策項目について取り組みを進めてまいります。
 加えて、安全の政策分野では、政策項目、感染症による脅威から一人一人の暮らしを守ります。
 さらに、仕事・収入の政策分野では、子育てと仕事の両立を図る家庭の支援などにより、政策項目、ライフスタイルに応じた新しい働き方を通じて、一人一人の能力を発揮できる環境をつくります。
 参画の政策分野では、政策項目、性別や年齢、障がいの有無にかかわらず活躍できる社会をつくりますについて、それぞれ取り組みを進めてまいります。
 そして、新しい時代を切り拓くプロジェクトに掲げる健康づくりプロジェクトでは、健康、医療、介護のビックデータを活用した健康増進の取り組みを進めてまいります。
 以上が、令和3年度予算編成に当たりましての当部の基本的な考え方でございます。
 続きまして、当部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号、令和3年度岩手県一般会計予算でございますが、お手元の議案その1の6ページをお開き願います。
 当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費934億4、782万円余のうち、2項県民生活費と5項災害救助費の一部を除く906億2、546万円余、7ページの4款衛生費389億5、037万円余のうち、2項環境衛生費を除く295億7、905万円余、9ページに参りまして、12款公債費1項公債費の一部219万円余、13款諸支出金1項公営企業貸付金及び2項公営企業負担金のうち、2項公営企業負担金の一部を除く333億63万円余であり、合計で1、535億735万円余の予算額となっております。
 これを前年度当初予算と比較をいたしますと181億2、252万円余、13.4%の増となっております。これは、新型コロナウイルス感染症に対応するための予算を措置したことなどによるものであります。
 なお、3款民生費5項災害救助費及び12款公債費1項公債費の一部、合わせて1億8、133万5、000円につきましては、当部から復興防災部に移管になるものであります。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 次に、議案第2号、令和3年度岩手県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げます。
 引き続き、議案その1の19ページをお開き願います。
 歳入と歳出の予算総額は、それぞれ2億6、794万円であります。
 20ページに参りまして、歳入は一般会計からの繰入金と繰越金及び諸収入であります。
 21ページの歳出は、母子家庭及び父子家庭、寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
 以上で、母子父子寡婦福祉資金特別会計についての説明を終わります。
 次に、議案第10号令和3年度岩手県国民健康保険特別会計予算について御説明申し上げます。
 引き続き、議案その1の43ページをお開き願います。歳入と歳出の予算総額は、それぞれ1、107億6、575万円余であります。
 44ページから45ページにかけましての歳入は、1款は市町村からの負担金である国民健康保険事業費納付金、2款は国民健康保険事業に係る国の負担金及び補助金、3款から5款までは、それぞれの事業に係る社会保険診療報酬支払基金等からの交付金、7款は一般会計からの繰入金などであります。
 46ページの歳出、1款総務費は、職員給与費などの事務的経費、国民健康保険団体連合会への負担金、国民健康保険運営協議会に係る経費であります。2款国民健康保険事業費は、国民健康保険事業に係る保険給付費等交付金、後期高齢者支援金、介護納付金、特別高額医療費共同事業事業費拠出金などであります。
 3款保健事業費は、市町村が行う保健事業や医療費適正化の取り組みを支援するためのヘルスアップ支援事業に要する経費であります。
 4款基金積立金は、国民健康保険財政の安定化を図る事業等に要する経費の財源に充てるため、国民健康保険財政安定化基金に積み立てを行うものであります。
 5款諸支出金は、前年度の療養給付費等交付金等の確定に伴い生じた交付金等の返還に要する経費であります。
 6款繰出金は、一般会計において実施する、国保被保険者に係る保健事業等の経費に対する繰出金であります。
 以上で、国民健康保険特別会計についての説明を終わります。
 続きまして、予算に関する議案について御説明いたします。議案その2の20ページをお開き願います。
 議案第27号看護師養成所授業料等条例の一部を改正する条例についてでありますが、現行、条例本則で災害に限り、知事が必要と認める場合に授業料のみを減免することができることとしており、今般の新型コロナウイルス感染症の影響のような災害以外の場合には、その都度、条例附則で適用範囲を定めてまいりましたが、近年の災害等の発生状況等を踏まえ、学生への支援を迅速かつ的確に行うため、条例本則に、県民生活に著しい影響を及ぼす大規模な災害や感染症などが発生した場合には、授業料、入学選考料、入学料及び寄宿舎料の減免等ができることとし、減免等を行う具体的な災害等については規則で定めることとする条項を設けるなど、所要の改正を行おうとするものであります。
 少し飛びまして、28ページをお開き願います。
 議案第30号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、保健福祉部関係の改正につきましては、29ページに参りまして、別表第4、保健福祉事務関係手数料でありまして、29ページ26の項、介護保険法関係に係る手数料については、経費の増加等に伴い、現行手数料を見直そうとするものであります。
 また、29ページの90の項から35ページ173の項、及び大きく飛びまして、79ページ71の2の項から109ページ184の5の項にかけましての医薬品医療機器等法関係に係る手数料については、法の一部改正に伴い、審査等の手数料を新たに徴収するほか、経費の増加等に伴い、現行手数料を見直そうとするものであります。
 以上で、保健福祉部関係の予算関係議案の説明を終わります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
〇岩渕誠委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔、明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇佐々木順一委員 新型コロナウイルスワクチン問題に限定いたしまして、質疑をしてまいります。
 まず、国が示したワクチン接種の優先順位に基づきまして、4月12日から高齢者に対する接種が開始されるとお聞きしております。先行して、本県でも医療従事者の接種が開始されておりますけれども、約5万人と見込まれております本県の医療従事者への接種は、現時点で何人終えているのか、また、接種完了はいつごろをめどとしているのか、お伺いいたします。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 医療従事者向けワクチンの配給スケジュール等でございますが、具体的な接種計画につきましては、国から、第1弾が3月1日の週と3月8日の週にそれぞれ5箱ずつ、計10箱。第2弾が3月22日の週と3月29日の週にそれぞれ2箱ずつ、計4箱。1回目接種分それぞれの3週間後に、2回目接種分として同数の配給が予定されておりまして、合計で28箱、2万7、300回分、1万3、650人分に相当いたしますが、この配給が予定されております。
 これ以外の県への具体的な配給量については、現段階では示されていないところでございます。
 県では、新型コロナウイルス感染症患者への接触頻度及び医療提供体制の確保を考慮いたしまして、感染症指定医療機関等に配給する計画で、3月6日から接種が始まっております。本日3月15日の朝現在の実施状況でございますが、4、660人となっております。
 また、医療従事者への接種を終える見込みの時期につきましては、国から示されている供給スケジュールでは、5月前半までには全ての医療従事者分の確保見通しが示されていることから、ワクチンの配給があり次第、速やかに接種できるよう、関係機関と連携を図りながら接種を進めてまいります。
〇佐々木順一委員 わかりました。
 医療従事者から、次は、国では優先接種の方々に対して、終了時期はいつまでということを示しているのか、また、優先接種が終わりますと、今度は、64歳以下16歳以上の方々に移行しなければならないと思います。国では、この一般の方々に対する方針をどう示しているのか。一部報道によりますと、来年の2月ごろには終えたいという新聞報道もありましたが、いずれ早期に対象者に接種して、集団免疫を獲得することがワクチンの最大の狙いであると思っておりますので、そういう国からの方針がどうなっているのかお伺いをいたします。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 ワクチン接種の対象と期間についてでございます。予防接種法に基づく国からの予防接種実施の通知がございまして、対象者につきましては、現在のファイザー製ワクチンの場合ですと、16歳以上の者となっております。この方々の中で、現在、接種に係る具体の調整を行っている優先接種のうち高齢者につきましては、国から示されているワクチン供給のスケジュールでは、6月末までに全ての高齢者分の確保見通しが示されているところでございます。
 また、ワクチン接種全体の実施期間につきましては、本年の2月17日から来年の2月28日までとされているところでございまして、国としては、来年2月28日までに終了する前提で、ワクチンを確保、配給するものと考えているところでございます。
〇佐々木順一委員 それでは、絶対数のワクチン確保が何よりも求められると思いますが、限られたワクチンでありますので、最大限有効的にかつ効果的に全市町村に配らなければならないと思うわけでありますが、どのような考え方に基づいて33の市町村に配分されるのか、それをお伺いいたします。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 まず、ワクチンの配分のスケジュール等でございますが、現在、県では高齢者向けワクチン接種の配給について、実施を担う市町村と調整を進めております。その中で、第1弾として、4月5日の週に県に2箱、第2弾及び第3弾として、4月12日の週と19日の週にそれぞれ10箱ずつ、第4弾といたしまして、4月26日の週に33箱。これを合計いたしますと55箱、5万3、625回分、2万6、812人分が国から県に配給されることになっております。
 先週、市町村別の配給数を示したところでございまして、この考え方についてでございますが、国からは、箱単位での配給を求められております。第1弾として配給される2箱につきましては4月12日に接種を希望しており、かつ65歳以上の人口が最も多い上位2市の盛岡市と一関市に配給することといたしました。
 第2弾及び第3弾として配給される計20箱につきましては4月19日の週までに接種を予定しており、高齢者が多い市町村順に1箱ずつ配給することといたしました。第4弾につきましては、全市町村に1箱ずつ配給する予定としております。
〇佐々木順一委員 国からの配分がかなり限定されているわけでありますから、できれば短時間に速やかに、少なくとも優先接種の対象になっている高齢者の方々には、第4波の話もありますし、ことしの夏乗り切って、また、ことしの秋、冬に備えるためにも、夏ごろまでには、重症化のリスクが高い高齢者には接種を完了するのが本来望ましいと思っております。
 かつて100年前のスペイン風邪のときは電子顕微鏡も何もなかった時代でありますから、ウイルスが原因だったということは誰もわからなかったわけでありまして、治療方法もない、治療薬もない、あるのはマスクだけ。それで感染防止に努めまして、それでも3年間ぐらい終息するまでには時間がかかったと言われております。
 部長は、ドクターでもありますので、ここで部長に聞きますが、重症化リスクの高い高齢者の方々は、夏までにやはりワクチン接種を終えるべきであると私は思いますが、部長はどうお考えでしょうか、お伺いいたします。
〇野原保健福祉部長 多くの方々がワクチン接種を受けると集団免疫といった効果が期待されるところでございます。人口の6割から7割がワクチン接種をすれば、この集団免疫を獲得できる可能性があると指摘されているところではございます。
 また、新型コロナウイルスワクチンの発症予防効果や重症予防効果については既に証明されているところでございまして、いまだ特効薬も開発段階であることから、多くの方にワクチンの接種を受けていただくことによりまして、発症者を減らし、特に委員から御指摘あったような高齢者の方は、重症化のリスクが高いことがございますので、重症者、死亡者を減らすこと、また、そのことによりまして医療機関の負担を減らすことが期待されると考えております。
 県では、ワクチンの接種対象となる16歳以上の県民の方々、特に優先接種の高齢者の方々が、接種が円滑かつ迅速に進みますよう、市町村、医師会と連携して取り組んでまいります。
〇佐々木順一委員 それでは、優先接種の高齢者区分についてお伺いいたします。
 五つに分類されておりますが、本県の対象見込み数はどれぐらいか、五つの区分に基づいて、対象者数とその区分の内容をお伺いいたします。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 対象見込み数でございます。医療従事者につきましては、接種希望者として、3月12日現在で約4万5、000人となっております。その対象範囲ですが、新型コロナウイルス感染症の患者や多くの疑い患者に頻繁に接する業務を行う病院、診療所、薬局などの職員や救急隊員、保健所職員などとなっております。
 また、住民の優先接種の対象である65歳以上の高齢者の方につきましては約40万6、000人、慢性の呼吸器の病気などの基礎疾患を有する方につきましては約7万6、000人、高齢者施設等の従事者として約2万5、000人、60歳から64歳の方につきましては約8万6、000人を見込んでいるところでございます。
〇佐々木順一委員 かなりの数でありますね。5月ごろには億単位のワクチンが確保されるとの河野新型コロナウイルスワクチン接種推進担当大臣の話もニュースになっておりましたが、いずれ一にも二にも国が責任を持って早急に配分することを求めていきたいと思っているところであります。
 それでは、基礎疾患の方々についてお伺いいたしますが、ワクチン接種を希望される基礎疾患を持っている方々についてですが、これはどのような方法で特定するわけでありましょうか。
 それから、参考までに聞きます。1回目と2回目は何日間置くのですか。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 基礎疾患を持つ方につきましては、ワクチン接種の予診票がございまして、それに基礎疾患に関する設問がございます。これに自己申告をしていただくこと、そして、ワクチン接種を受ける際の問診により特定することとあります。
 また、ワクチン接種の間隔でございますけれども、1回目を接種してから、標準的には20日の間隔を置いて2回目の接種を受けていただくことになります。
〇佐々木順一委員 4月12日から全市町村で始まるわけでありますが、かなり少ないワクチンの数でありますね。当初は集団接種でやろうというのが基本だったと思うのですが、ほかの県では、集団接種と病院とか個別接種と表現しているようでありますが、どちらかというと個別接種を優先して、極端な話、かかりつけ医まで接種の会場にして、そういう地方自治体もあると聞いております。
 本県の場合、限られた数でありますから、最初は個別接種でやって、数が多くなってくると集団接種と組み合わせると、こういう方法も考えられるわけでありますが、この接種会場についてはどういうお考えを持っているのかお伺いいたします。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 市町村における接種の実施方法でございますが、3月12日現在で実施いたしました市町村の接種体制確保に係る進捗状況調査によりますと、体育館や公民館などの特設会場での集団接種を予定しているのが22市町村、医療機関での集団接種が13市町村、医療機関での個別接種が18市町村、そして、検討中が2市町村となっております。
 このように市町村では、地域の実情や住民の利便性などを踏まえて、集団接種と医療機関での個別接種とを組み合わせての検討が進められているものと承知しております。
〇佐々木順一委員 わかりました。それでは、優先接種が仮に終わったことにして、64歳以下16歳以上の方々に移行するわけでありますが、特に16歳となると高校生あるいは大学生もいると思うのですが、こういう方々は、我々も学校で集団接種をやった経験がありますので、どちらかというと学校を会場にして集団接種をやったほうがいいのではないかと思うのですが、この辺はどういうお考えでしょうか。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 生徒の接種に当たっては、学校での集団接種も想定されるところでございます。ただし、接種に当たって、原則住民票所在地の市町村で接種することとなっておりますので、学校での集団接種の実施において、関係市町村が調整を十分に図る必要があると考えております。
 県としては、市町村と教育委員会の調整が図られるように支援をしてまいります。
〇佐々木順一委員 それでは次に、ワクチンの接種体制確保事業の一環として、県は医学的な専門知識が必要な内容に対応する相談センターの設置に取り組まれております。どのような業務を担うのか、センターの完成時期はいつか、3月中とお聞きしておりますが、どうなのか。
 あわせて、市町村でもコールセンターを設置しますが、その整備状況はどうか。それから、県と市町村の役割、どういう役割分担になっているのかお伺いいたします。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 まず、県が設置する岩手県新型コロナワクチン専門相談コールセンターの業務についてでございますけれども、市町村での対応が困難な医学的知見が必要となる副反応に係る相談等の対応とか、さまざまな症状に対応ができる専門的な医療機関への情報提供などを行うこととしているところでございます。開始時期については、今月中に設置できるよう準備を進めております。
 次に、市町村の相談窓口につきましては、接種場所やクーポン券等に係る住民からの問い合わせに対応するコールセンターとなりますが、その準備状況につきましては、3月12日時点で、新たにコールセンターを設置した市町村が10市町、既存の相談体制を拡充した市町村が2町村、コールセンターを設置せず、既存の窓口での対応となるのが5町村、検討中が16市町村という状況でございます。
〇佐々木順一委員 いずれ4月12日から始まるわけでありますので、ワクチンは最後の切り札でありますから、速やかにできるだけ優先的にお年寄りの方々が夏までに終えるように万全を期していただきたいと思っております。
 今、変異株がいろいろ出てきております。えたいの知れない変異株でありますから、えたいの知れないと言ったら表現が悪いかもしれませんが、県民の皆さんもこれはかなり不安の気持ちを抱いていると思います。一説によると、従来型と比較して感染力が2倍あるとか、あるいは致死率が高いとか、病原性も強いとか、あるいは若者にも感染しやすいとか、さまざま言われております。また、再感染の可能性も高いと、こういう指摘もあります。
 仮に再感染となれば、従来型の病棟と変異株の病棟と分けなければならないという事態も生ずると思います。また、防護服とかの備品とか、あるいはそういう機材も、仮に感染力が今の2倍だとすると、今の2倍用意しなければならないと、こういうことも生じると思いますが、そういうことであれば、検査体制、医療提供体制の強化も必要だと思いますけれども、部長はこれについてどう思うのでしょうか。万が一のために危機管理であれば、従来型が今Aプランだとすれば、この変異株に備えてBプランも考えなければならないのではないかと思いますが、部長のお考えをお聞きいたします。
〇野原保健福祉部長 新型コロナウイルスの変異株については、委員から御紹介があったとおり、さまざまなタイプが報告され、感染力や致死率、病原性などを、今、世界中でさまざまな分析が進められているところであり、その動向については我々も注視しております。
 県では、変異株の疑いを確認するためのスクリーニング検査を実施しておりまして、2月から検査を開始し、2月末まで47件の検査を実施し、全てにおいて変異株は検出されていないところであります。
 県では、これまで診療・検査医療機関320カ所の指定や、広域かつ重症度に応じた入院調整等によりまして、医療提供体制が逼迫する状況には至っていないところでございます。また、県の病床確保として、国から示された最大患者推計379人に対しまして、蔓延期のフェーズ3には最大で病床と軽症者等の宿泊医療施設の合計731床を確保する計画としています。危機管理の観点からも余裕を持った医療提供体制を整備しているところでございますが、委員から御指摘いただいたとおり、今後の変異株の拡大の警戒、想定をいたしまして、県の感染症対策専門委員会等の専門家の意見も伺いながら、感染拡大に備えた視点で体制強化に努めていく考えであります。
〇佐々木順一委員 最後にします。今回の新型コロナウイルス感染症で日本の医療提供体制が崩れたわけであります。入院先の調整待ちで自宅で亡くなった方がいたり、それから、医者の数は少ない、ベッドは多いけれども、ICUの治療室も先進国の中では非常に少ない。
〇岩渕誠委員長 佐々木順一委員に申し上げます。質疑の目安時間を超過しておりますので、議事の進行に御協力をお願いいたします。
〇佐々木順一委員 かしこまりました。間もなく終わります。
 つきましては、今後の医療体制はどうあるべきか、感染症の対策も含めて見直す必要があると思いますが、部長の見解を聞いて終わります。
〇野原保健福祉部長 今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、全国的に医療提供体制に大きな負荷がかかり、さまざまな課題が浮き彫りになりました。今後、感染症の拡大にも対応できる柔軟な医療提供体制を構築していくためには、通常の医療体制の充実とともに、感染拡大時を想定した転用可能な病床やスペースの確保、専門人材の確保、医療機関の連携や役割分担の検討が必要と考えています。
 国では、令和6年度からの次期医療計画において、新興感染症等の医療対応を新たに盛り込み、今後、具体的な取り組み事項や数値目標等について検討を行う予定であり、県としても、この動向を注視しながら、今般の新型コロナウイルス感染症への対応から得られた知見等を踏まえまして、新興感染症等にも対応できる柔軟な医療提供体制の構築に向けた取り組みを進めてまいります。
〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇高橋はじめ委員 今のワクチンについてであります。ワクチンを接種するかしないかは個人の判断ということになっておりますが、今いろいろな報道とかそういったもので見ると、3割前後の人がワクチン接種をしないのではないか、あるいは様子を見たいという声もあるわけでありますけれども、その辺について、なぜそのようなことが起きているのか、今、想定できるものはどういうものかお尋ねします。
〇野原保健福祉部長 今、開発されている新型コロナウイルス感染症のワクチンで、日本に導入されているのは3種類ございますけれども、これまでの不活化ワクチンや生ワクチンと違う手法で、メッセンジャーRNAといったようなベクターワクチンという形で新しい手法を用いて開発されたワクチンです。
 そういった意味でも長期的な副反応等については、まだまだこれから解明しなくてはならないといったことも指摘されております。そういったこともあって、やはりワクチン接種は新しい製法ですので、効果はもちろんあるのですが、副反応等はどうなのだろうというところで少し御懸念されている向きもあろうかとは考えております。
 県では、ワクチンを接種することを強要するというのではなくて、メリットとデメリットをきちんと理解した上で、県民みずからが接種をしていただく体制を整えていくことが重要であると考えておりますので、適切な正確な情報を県民の皆様にきちんと提供して、ワクチン接種が進むように取り組んでまいりたいと考えております。
〇高橋はじめ委員 そのさまざまな情報がなかなか我々のところに伝わってこないというのが現状なのです。ですから、鶏卵法でつくるワクチンと今回のDNAの関係でのワクチンとこういう違いがある。それから、現在、副反応として、接種直後にこういう症状が出る。ただ、それが5年先、10年先どうなのかということは、まだ今の段階では全く予見できないという状況だということ。それらを含めて、説明がきちんとされていないとやはり理解してもらえない。
 もう一つは、私は69歳、ことし古希になりますけれども、高齢者になれば免疫力はどんどん低下していくと言われております。そういう中で、基礎疾患あるなしにかかわらず、果たして、免疫力が低下しているところにこのワクチンを打って問題ないのか、そういう高齢者の心配もある。それから、基礎疾患を持っている人が亡くなられている人が多いという話もある。そういう中で基礎疾患を持っている人が接種して、果たして問題ないのかどうかというところの疑問などもあるわけですね。その辺も丁寧に説明していかないと、不安とか心配だけがどんどんひとり歩きしてしまう。そういうことだと私は思っています。ですから、そのことをひとつお願いしたい。
 それから、もう一つは、接種しない人に対する差別をなくしていかなければならないと思うのです。新型コロナウイルス感染症に感染したことで、相当世間的に冷たい目で見られたというところも一部あるわけです。今度、ワクチンを接種しない方が同じような状況になりはしないかという心配があるわけです。その辺の対策については、どのようなことをお考えですか。
〇吉田特命参事兼新型コロナウイルス感染症対策監 
ワクチンを接種しないことによる差別という部分については、あってはならないことと考えております。先ほど部長から答弁ありましたとおり、ワクチン接種のメリットと、それから、基礎疾患を持っていて不安な部分についてはしっかり解消できるように、コールセンター等で相談の窓口を設けて対応していくというところで、不安の解消には努めていきたいと考えております。
 ワクチン接種しない人への差別については、決して発生しないように、そういった呼びかけをいろいろな媒体を通じながらしっかりと広報していきたいと考えております。
〇高橋はじめ委員 誰しも新型コロナウイルス感染症に罹患したいという人はいないと思うし、どうやって防いだらいいかということも真剣に考えております。一方で、自分が、果たしてワクチン接種で本当に大丈夫なのかとかという心配をされている方もいますので、ぜひ、丁寧に情報提供もしっかりとしていただければと思っております。よろしくお願いしたいと思います。
〇岩渕誠委員長 答弁はよろしいですね。
〇岩崎友一委員 私は医師確保の関係で質問をいたします。
 今定例会の知事の演述におきましても、健康・余暇の部分で、医師確保計画に基づき、医師の地域偏在、診療科偏在の改善に取り組むということで、知事の強い決意というか覚悟を聞いたわけであります。
 それで、医師確保計画でありますけれども、これは今年度スタートして令和5年までの4年間の計画であります。間もなく初年度が終了しようとしておりますけれども、まず、初年度の実績、成果といいますか、それと評価についてお尋ねいたします。
〇浅沼特命参事兼医務課長 医師確保の状況でございますけれども、本県の医師数は、国の調査によりますと、医療施設従事医師数が平成28年の2、458人から、平成30年度は2、503人と、増加している状況でございます。一方、県内においては、盛岡以外の医療圏では医師少数区域となっている状況でございます。
 県におきましては、委員からも御紹介のありました医師確保計画に基づきまして、即戦力医師の招聘や奨学金による医師養成などに取り組んでいるところでございまして、こういった取り組みにより、奨学金養成医師につきましては年々増加しているところでございます。来年度は100名の医師を配置できる見込みとなっております。着実に医師数は増加しており、今後も偏在解消に向けて進んでいくものと考えております。
〇岩崎友一委員 この医師確保計画初年度においては、順調であったという評価でよろしいですか。
〇浅沼特命参事兼医務課長 例えば地域別では、県北沿岸地域におきましても43名配置するなど、沿岸地域の配置についても増加しておりまして、今後もさらに沿岸地域等への配置も拡大が見込めますので、一定の成果があらわれているものと認識しております。
〇岩崎友一委員 わかりました。
 実は、この医師確保計画、私もいろいろと勉強をさせていただきまして、この計画どおりに養成医師が育ち、また、即戦力医師が招聘されれば、本当に岩手県の医療は充実していくということで期待をしていたわけであります。
 県立釜石病院の件についてお伺いします。これは、直接的には医療局の管轄かと思うのですが、この医師確保計画との整合性を考えれば保健福祉部で取り上げたほうがよろしいかと思いまして、あえて取り上げますけれども、先般、県立釜石病院の分娩に関して、ことしの10月以降は分娩ができなくなる、県立大船渡病院に集約をするということで説明がありました。
 実は、この医師確保計画の中の第5章に、産科及び小児科の医師確保計画がありまして、その中で周産期医療の体制の部分で、地域における分娩取扱施設の確保、継続支援というのも計画に載っているわけでありますけれども、なぜ、このような状況になったのかというのを御説明いただきたいと思います。
〇鎌田特命参事兼地域医療推進課長 県立釜石病院における分娩取り扱い停止の理由についてでございますが、医療局からの情報として、県立釜石病院は、これまで地域周産期母子医療センターである県立大船渡病院の協力病院として、県立大船渡病院からの産科応援医師1名により院内助産を含む正常分娩に対応してきたところであるが、この秋から分娩に対応する産科応援医師の派遣が困難となること、このことから県立釜石病院での分娩は、令和3年10月以降、県立大船渡病院に集約し、県立釜石病院では、妊産婦健診や婦人科外来を行うことを確認しているところでございます。
〇岩崎友一委員 医療局からの情報によればと、そのとおりだと思うのですが、医師確保計画は保健福祉部の管轄だと思うのですが、その計画で、先ほど申し上げましたけれども、分娩取扱施設の確保、継続支援をうたっている保健福祉部の立場からはどのように捉えているのですか。
〇鎌田特命参事兼地域医療推進課長 県立釜石病院における分娩取り扱い停止についての保健福祉部の考え方でございますけれども、保健福祉部としましては、県立釜石病院における分娩停止及びこれに伴う県立大船渡病院への分娩機能の集約につきましては、医師不足の中で安全・安心な分娩環境を確保するとともに、医師の働き方改革にも考慮した上での苦渋の対応と理解しているところでございます。
〇岩崎友一委員 やはり計画との整合性がとれないわけです。しっかりと確保していくと言いながら、一方で、計画の2年目にして既にこういった状況が生じている。釜石市、大槌町は、実際、産科の開業医がおりませんから、正常分娩は全て県立釜石病院、ちょっと問題があれば県立大船渡病院で今まで出産をしておりました。一部、県立宮古病院のほうに行っている方々もおりました。そういった中で、今、少子化対策をやっていこうと、あるいは、移住、定住をやろうという中で、この産科の有無の位置づけは非常に大きいわけであります。
 医師確保全体の考え方も含めまして、この県立釜石病院の分娩を県立大船渡病院に集約するという過程において、医師の派遣等々、当然、保健福祉部も医師確保に関係しているわけでありますけれども、医療局も含めて、どのような協議がなされたのか、これは丁寧に説明をお願いしたいと思います。
〇高橋医師支援推進室長 今回の県立釜石病院での分娩取扱中止につきましては、岩手医科大学からそのような方針が示されて以降、我々、県医療局として岩手医科大学の担当教授と何度も面談を重ねてきまして、何とか継続できないかということで要請を続けてまいりました。
 しかし、先ほど答弁の中で産科医の応援派遣が難しくなったということがございましたけれども、詳しく申し上げますと、これまで県立釜石病院は、平成19年8月から産科の常勤医がいなくなって、それ以降、県立大船渡病院から1名の応援医師の派遣によりまして、正常分娩に対応してきたということでございます。
 そういう形になってからもう10年以上一人の医師が県立釜石病院で分娩を継続してきたということになっておりまして、岩手医科大学の医局からは、一人の医師が今1週間交代で応援に入っているわけです。その一人の医師が夜間に分娩に対応して、交代要員がいないために翌日の外来も対応しなければならないという非常に厳しい勤務時間、労働条件の中でそれが継続されてきたということになっております。
 ここに来て、来年度、小児科の配置の問題も出てきておりました。小児科医局からは、来年度大量に医局員が退職する見込みであり、県立釜石病院の新生児に対応する小児科医師の配置がやはり難しくなったということがございました。
 それに加えて、今、2024年4月から、医師の働き方改革によりまして、医師に対しても上限規制が2024年4月から適用になるということで、岩手医科大学、県立病院も含めて、今、医師の働き方改革、長時間労働の是正に向けた取り組みを開始しているところです。岩手医科大学といたしましても、そのような中で、小児科も含めて一人の医師がそのような過酷な状態で勤務を継続させることが非常に難しくなっているという労働環境の変化がありまして、やむを得ずということでございました。
 もちろん岩手医科大学といたしましても、周産期、産科医療が地域にとって非常に期待が大きいということ、継続してほしいという要望があることも十分わかりつつ、そして、我々の県としての願いも十分わかりつつ、やむを得ない方針だということでございまして、我々も、県立病院としてもそれを受け入れざるを得ないという状況であったということでございます。
〇岩崎友一委員 私がちょっと疑問に思うのが、今、答弁していただいたことも踏まえて、今年度からの医師確保計画があるわけですよね。現状厳しいという状況をわかっていて、その上で、今年度からの医師確保計画を策定したと思うのです。そうすれば、この計画自体が甘いと思いますし、医局の話が出ましたけれども、この医師確保計画をつくる際に、これは県が勝手につくっているものなのか。これは岩手医科大学としっかり協議をして、こういった方向性で、実際に医者を何人ふやしましょうという数値も出ているわけでありますが、そういった部分は岩手医科大学と県でしっかりと話し合ってこの医師確保計画はつくられているものなのかどうか、どうでしょう。
〇野原保健福祉部長 昨年度策定した医師確保計画については、これは全国一律に国が医師偏在指標を策定して、岩手県は残念ながら最下位だったわけでございますが、令和5年度までに偏在を解消しようということで、4年間で下位3分の1を、その3分の1以上にするという目標を機械的に掲げて、全国一律にこのような目標でやっています。医師少数県である岩手県もそのような形で取り組んでいます。
 プロセスにつきましては、県の地域医療対策協議会等で、岩手医科大学も入ったところで、この内容についてはきちんと丁寧に説明をしながら協議を重ねて積み上げたものでございます。
 一方で、目標については、やはり医師偏在指標、医師は下位3分の1を脱する、産科、小児科に関しては全国平均並みにするという、これは正直申し上げてかなり高い目標を我々の決意として掲げさせていただきました。正直申し上げますと、確かにこの目標に至っていないというのは事実です。ただ、高い目標を掲げてさまざまな施策を打つことで、この計画策定をしたというところでございます。
〇岩崎友一委員 岩手県には国立大学の医学部がない。岩手医科大学と連携してやっていくという道しかないわけであります。県からも財政的な部分も支援といいますか、事業も含めて委託したり、かなりやっているわけであります。この計画をつくって実行するには、当然、岩手医科大学の理解と協力がなければ進められないわけであって、そこはもっとしっかりと丁寧に岩手医科大学と協議をする必要があったのではないかと思うのですが、それはどのように考えますでしょうか。
〇高橋医師支援推進室長 もちろん岩手医科大学の産科の医局とは常日ごろから、我々面談を重ねる中で情報共有しておりまして、大学としても産科医を、何とか医局員をふやしたいということで努力はしているわけでございます。県といたしましても、さまざまな招聘医師、奨学金養成医師等々、あとは養成医師の特例とかをつくりまして、特別枠も今年度からつくりました。そういう形で連携して、それぞれ何とかふやすための努力は続けているわけです。
 県立磐井病院を除いて岩手県の地域周産期母子医療センターは岩手医科大学に担っていただいているところです。大学ももちろん何とか医局員をふやしたいという気持ちはあって、大学としてもさまざま努力をしていると私たちは考えております。
 少ない医局員で総合周産期母子医療センターとして大学を維持していかなければいけない。県内各地から超ハイリスクの妊婦が送られてくるわけですから、それに対応しつつ、県内の地域周産期母子医療センターも維持していかなければいけない。少ない医局員の中で、全県的に、どうしたら岩手県の周産期医療体制を維持していけるかということを、大学の先生たちも本当に日々御苦労されている。私たちは面談しておりましてそれを感じておりますので、何とか県と大学も協力してやっていこうという思いは共有していると考えております。
〇岩崎友一委員 私は、基本的に産科の医師も足りないので、医師に負担をかけるという思いは当然なくて、安心・安全な環境で産むということも、これは最優先の話でありますから、それは理解します。であれば、県として即戦力医師の招聘の目標値も定めておりますけれども、この招聘に当たっての取り組みは、具体的にどういったものをやるという想定で、今年度どういった活動をしてきたのか、お知らせをいただきたいと思います。
〇高橋医師支援推進室長 医師招聘につきましては、もちろん産科とか小児科とか少ない診療科の先生に来ていただくことは非常にありがたいことでございますけれども、必ずしも少ない診療科の先生が招聘に応じていただけるという状況ではございません。まずは招聘医師の絶対数をふやしていくということで、診療科にかかわらず来ていただける医師につきましては、御支援いただくという方向で取り組んでおります。
 今年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響がございまして、今までのように全国飛び回って招聘活動をするということができませんでしたけれども、ウエブ面談に応じていただける医師につきましては、ウエブでの面談をしているということでございます。
 ただ、今年度は9名の方に来ていただいております。来年度につきましても、今のところ5名の先生が岩手県で勤務いただけることになっております。今年度、来年度から勤務していただく先生のうちお二人の先生が、お一人は10年前の東日本大震災津波のときにDMATとして被災地に入ってくださった先生が退職をして、もう一度被災地で支援したいということで、10年の時を経て、また被災地に、岩手県に来てくださる先生が、産科ではございませんが、おります。もう一人は九州からいらっしゃいますけれども……
〇岩渕誠委員長 答弁は簡潔に願います。
〇高橋医師支援推進室長(続) 済みません。
 退職後に被災地をもう一回応援したいと言ってくださっている先生がおります。今年度は外に出ての招聘活動はできませんでしたけれども、そうやって心を寄せてくださる先生がまだいらっしゃるということで、非常にうれしく思っております。
 ということで、招聘も産科に限らずでございますけれども、今後も取り組んでいくということになっております。
〇岩渕誠委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。
〇岩崎友一委員 県立釜石病院の分娩の県立大船渡病院への集約は、決して了と、わかりましたということは当然言えないわけでありますけれども、念のために確認しておきたいのですが、今回は集約ということで、停止とか中止とかという言葉はありません。県の医師確保計画では、気仙、釜石管内が現在の産科医師数6人を令和5年度には11人、プラス5人という計画になっておりますけれども、基本的な考え方としては、県立釜石病院でもしっかりと分娩できる体制にするというのが、基本的な考えとしてあるのかどうかお伺いします。
〇野原保健福祉部長 医師確保計画においては、医師の確保を、先ほど申しましたとおり、高い目標ではありますが、掲げて取り組んでいます。一方で、関係学会からは、医師の厳しい勤務環境の改善、安全な分娩環境を確保するための地域周産期母子医療センターの大規模化、重点化、具体的には10名以上という提言がなされています。こうした中にあって、現時点で医療局で、大学としてすぐ再開できるかということをなかなかその調整は難しいと聞いております。
 一方で、今後の周産期につきましては、少子化、産科医不足等を背景にして、分娩取り扱い医療機関が減少している中で、釜石、気仙地域を含めた今後の体制のあり方について、人材やアクセスの確保、また、子育て支援施策の面からも総合的に検討する必要があると考えています。
 こうした観点に加えて、働き方改革への対応なども十分配慮しながら、人口動態、事業動向などを踏まえて、次期保健医療計画策定に向けて、岩手県周産期医療協議会等により体制のあり方について検討をしていく考えであります。
〇岩渕誠委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。

午前11時5分 休 憩

午前11時22分 再 開

〇岩渕誠委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇小野共委員 先ほどの岩崎友一委員の質疑に関連いたしまして、私、当該委員ではありますけれども、重大な話でありますので、事実関係を中心に質疑させていただきたいと思います。
 先ほどの県立釜石病院の分娩体制の話であります。
 現在、分娩体制をとれる県立病院が県内に八つあるわけでありますけれども、そのうちの一つ、県立釜石病院が抜けて七つになるということであります。県内の周産期医療にとってみればかなり重大な話なのだろうと思います。今、周産期医療を四つの医療圏に分けておりますけれども、釜石医療圏は、気仙・釜石周産期体制ということであります。大槌町と釜石市にとりましては、県立釜石病院に対し、周産期の診療センターの県立大船渡病院から、先ほども話があったように、産科の応援医師を派遣していただいているところであります。それにしても、釜石市民、大槌町民にとりましては、釜石で子どもを出産できなくなるのはかなり不安な話であります。そのことはやはり重々承知していただきたいと思います。
 それで一つお伺いしたいのですが、先ほどの話の中で、10月から県立釜石病院が分娩できなくなる。そして、10月から県立大船渡病院に集約するという話がありました。この10月というのはどういう意味ですか。これはどういう意図なのですか。
〇高橋医師支援推進室長 今、県立釜石病院で出産したいということで、県立釜石病院に通院されている妊婦がいらっしゃいますけれども、翌月からできませんというふうになると、やはり妊婦のほうの混乱が生じるということで、ある程度期間を置いて、来年度下半期の10月以降の予定分娩の方について、3月の末から4月ぐらいにそういう説明の時間をとるということでございます。ですので、9月までは何とか応援医師を派遣して継続し、急に来月からできませんということがないように、混乱を避けるためにも半年間の猶予をということでございます。
〇小野共委員 確かにおっしゃるとおり、来月から県立釜石病院で産めなくなりますと言われても困るでしょうから、その周知徹底の時間として、4月から6カ月あるいは7カ月とるということですね。わかりました。
 それでは、10月から県立大船渡病院に集約されましたとなった場合、恐らく市民、町民の人たちは、里帰り出産を考えている方々も含めて、今まで産めたものが、そういった体制ではなくて、釜石市あるいは大槌町に住む妊婦たちに対しては、何か補填措置と言ったら、また語弊があるかもしれませんけれども、激変緩和措置といったようなものも恐らく必要なのだろうと思います。どういうことを考えているのかと。その説明、周知する期間も、4月から恐らく10月までに必要なのだろうと思います。そういった激変の緩和措置のようなものを、どんなことを考えているか聞かせていただきたいと思います。
〇高橋医師支援推進室長 まず、医療局で検討されている事項といたしましては、今、県立釜石病院では、産科医1名と、あと、助産師による院内助産ということもやられておりまして、正常分娩に対応している。この院内助産というのは、妊婦から希望される方もやはり多いわけで、そのサービスを10月以降は県立大船渡病院でも院内助産ができるような体制をとっていくことを検討しております。
 それから、今まで釜石で産んでいたけれども、大船渡まで少し距離がありますということで、産み月になり、出産直前になって、救急搬送とか、夜間の対応に不安がある妊婦につきましては、事前に県立大船渡病院へ入っていただいて、出産に備えていただくような体制も整えようとしております。
 それから、今、県立釜石病院には院内助産とか助産師外来に対応している助産師がおりますので、県立釜石病院では10月以降も妊婦健診とか、産後の産婦のケアとかもやっていくことにしておりますので、産前産後のケアはきちんと県立釜石病院ではやっていく。そして、出産に当たっても、県立釜石病院と県立大船渡病院の助産師が一体的にサポート体制をしいて、健診とかでケアしていた妊婦を大船渡病院で出産するときもフォローできるような体制をとっていこうということを考えておりまして、釜石地域の妊婦の安心を確保していこうということで考えているところでございます。
 それから、地域の方々に対して、これから丁寧な説明をしていこうと考えております。
〇小野共委員 最後にしたいと思います。釜石市内と言っても広うございます。例えば、松倉あるいは野田、大橋、釜石市の西側の人たちにしてみれば、特に松倉の方々にしてみれば、歩いて妊産婦健診のため、県立釜石病院に行けたものが、今度は車で30分ぐらいかかるとか、これはかなりの負担なのだろうと思います。妊産婦健診が2週間に一遍ずつその県立釜石病院でできたとしても、妊産婦の方々に聞くと、健診をやっている病院と分娩できる病院が違うというのはとても不安だという話を聞いているところでございます。その辺の説明もしっかりやっていただきたいと思います。
 最後に、10月までのスケジュール、どういったことを県として市民、町民の方々にしていくのかと。釜石市役所あるいは大槌町役場に対するその周知も含めて、もう少し具体的な話を10月までのタイムスケジュールとして聞きたいと思います。
〇高橋医師支援推進室長 釜石市と大槌町には、先週御説明に伺っております。地域の方々につきましては、先ほど申し上げましたように、3月末から県立釜石病院には掲示をいたしますし、ホームページ等でお知らせするとともに、来年度早々には、公開講座みたいな、考え方をお知らせするような場を設定するとか、市町の保健師さんを対象に講習会、研修会みたいなものを開催、あと、市町と協力いたしまして、市町村の広報を使って住民の皆さんに広報していくということを考えています。
 それから、産前産後ケアにつきましては市町村の事業になっておりますので、県立釜石病院の助産師も協力する中で、市町の産前産後ケア事業にも県立釜石病院としても協力、参画していくことを考えております。それを来年度の早い段階で、具体的に決めていこうと考えております。
〇吉田敬子委員 順番を変えて質問をさせていただきます。妊産婦支援について、先ほど、医師確保計画に関する県立病院等のお話がありましたけれども、医師確保に関することは妊産婦支援にもかなり通じることでありますので、先にお伺いしたいと思います。
 令和2年度、今年度開始のハイリスク妊産婦アクセス支援事業について、今年度の取り組み実績と、来年度の予定、取り組みの評価をお伺いしたいと思います。
〇鎌田特命参事兼地域医療推進課長 ハイリスク妊産婦アクセス支援事業についてでございますが、今年度の取り組み実績といたしましては、8市町村のハイリスク妊産婦72人に交通費等を助成する見込みとなっているところでございます。
 当初の想定では、県内全市町村が活用できるように事業化したところでございますが、周産期母子医療センターが近隣に所在していること、あるいはハイリスク妊産婦が極めて少ないことなどを理由に、今年度の事業実施に至らない市町村がございまして、8市町村の実施となったものでございます。
 来年度の実施予定につきまして市町村に確認したところ、現時点で、13市町村のハイリスク妊産婦約100人が事業を活用する見込みとなっておりまして、引き続き、未実施の市町村に対して事業を周知し、活用を促していくこととしております。
 また、取り組みの評価についてでございますけれども、本事業によってハイリスク妊産婦の身体的、経済的な負担の軽減に一定の成果を上げていると考えているところでございますが、市町村や関係機関の意見を聞きながら、改善すべき点を検証しまして、より多くのハイリスク妊産婦が活用できるように、検討を重ねていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 現在8市町村で、来年度は5市町村が追加になって13市町になると思いますけれども、先ほど釜石病院の件がありましたが、今年度は釜石市が実施になっていなかったわけですけれども、来年度には釜石市が追加されるということでよろしいのでしょうか。
 私がこの課題だと感じているのは、今年度は214人分を予算措置した中で、実際は、現在72人の活用見込みということで3分の1です。活用している市町村がまず少ないというところが課題だと感じておりますし、先ほど、釜石病院で分娩を取り扱わないことになるということは、そういったことも踏まえて、来年度にもこの事業が見込まれることと思いますけれども、その点確認したいと思います。
〇鎌田特命参事兼地域医療推進課長 釜石市の対応でございますけれども、釜石市では、市独自で制度を持っておりまして、釜石市の妊産婦健康診査交通費助成事業において、ハイリスク妊産婦を対象として助成をしていると承知しているところでございます。
〇吉田敬子委員 釜石市のほうでその辺はしっかり確保できているような状況であるということですね。わかりました。
 ハイリスク妊産婦アクセス支援事業は今年度から開始されまして、大変ありがたいと思っているのですが、その対象が、現在、妊娠22週から32週未満の早産か、40歳以上の初産などが対象ということで、本来はもう少し拡充して、支援につなげていっていただきたいと思っています。沿岸、県北の方であっても、盛岡地域の診療所に通院している方がいますが、このハイリスク妊産婦アクセス支援事業は、10の地域周産期母子医療センターのみが対象になっているわけです。来年度やるときに、そういった拡充の検討はされたのでしょうか。お伺いしたいと思います。
〇鎌田特命参事兼地域医療推進課長 対象施設の拡大等についてでございますけれども、分娩医療機関の機能分担によりまして、ハイリスク妊産婦は基本的に周産期母子医療センターで対応することになります。やはり正常分娩を取り扱う分娩取扱診療所に通院する妊産婦と比べまして、どうしても長距離の移動を余儀なくされるものですから、そのことに対しての身体的、経済的な負担の軽減を図ることを目的として、周産期母子医療センターを対象としたハイリスク妊産婦アクセス支援事業を実施することとしているところでございます。
 全施設を対象にすることにつきましては、ハイリスク妊産婦アクセス支援事業の今年度の事業実績を踏まえまして、まずは、現在の事業対象での事業の定着に努めることとしまして、その上で、市町村や関係者の意見等を参考としながら、必要性について検討していくこととしたいと考えております。
〇吉田敬子委員 例えば40歳以上の初産のみ対象なのです。40歳以上でハイリスクであれば、初産に限らず経産婦であってもハイリスクはハイリスクでありますので、なぜ初産だけなのかとか、そういった部分も含めてここをしっかり検証していただきたいと思っております。
 あとは、現在は妊婦健診のみですけれども、産婦健診もありますので、妊産婦支援というのは、妊娠だけではなくて、産後も含めて妊産婦、産後1年未満を妊産婦と言っているわけですから、産婦健診も対象にするなど、そういった病院が、産科施設、分娩施設が減ってきている中で、医師の働き方のみならず、妊産婦の支援なわけですから、妊産婦のために寄り添うという視点をぜひ忘れないでいただきたいと思います。
 もう一つは、他県でもこういったアクセス支援をやっているわけですけれども、これは産婦が結局対象になるわけですが、NICUまたはGCUに入院している新生児を持つ産婦にも対象を拡大しているわけです。これは、例えば今医療的ケアが必要になった場合とか、結局、産婦自身は退院したとしても、赤ちゃんがそのまま1カ月、2カ月、長い方はもっと長く継続して入院するわけですけれども、お母さんは出産して産後も毎日それに付き添わなければいけないわけです。そういったところにもアクセス支援というのをしっかり他県ではやっておりますので、今年度始まって、しっかり実情に即したアクセス支援にしていただきたいと思っておりますが、見解をお伺いしたいと思います。
〇鎌田特命参事兼地域医療推進課長 委員御指摘のとおり、今回のこの事業について、まずは検証の上、どのような対応、拡大、拡充が必要かについて、市町村とか関係者の御意見を参考にしながら、検討させていただきたいと思います。
〇吉田敬子委員 先ほどは医師確保の課題でありまして、私自身は妊産婦支援を取り上げさせていただいたわけですけれども、医師が確保できない状況の中で、妊産婦の支援をどうしていくかというところもすごく大事だと思います。例えば来年度は、盛岡市は産後ケアの通所型デイサービスを始めるということで、県庁所在地で産後ケアの通所型を始めるということは大変ありがたいことだと思っております。
 私がお願いしたいことは、盛岡市は昨年の3月から1年以上かけて、市医師会、県助産師会、市立病院で、産後ケア事業のあり方検討会を設置して、どうしたらいいかというのを、助産師、医師、病院も含めてずっと検討してきたわけです。
 今回、県立釜石病院が出産できない環境になって、確かに釜石市で産前産後ケアをやられるということだと思いますけれども、釜石市だけの問題ではなくて、医療圏を含めてやっていかなければいけない中で、ぜひ、医師確保だけでなく、妊産婦支援と産前産後ケアあり方検討会のようなものを設置して、しっかり取り組む必要があるかと思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。
〇日向特命参事兼次世代育成課長 産後ケア等の拡大についてということでございますけれども、先ほど委員から御紹介のありました盛岡市につきましては、検討会等を設置して、これまで検討を進めてきたと私どもも承知をしております。
 盛岡市のみならず、例えば近隣の市町村においても、同様の取り組みができないかという声もございまして、県としましては、保健所に協議会を設置しておりますので、そういう場を活用し、例えば医療機関は盛岡市内にあるけれども、利用施設として周辺の市町村等が利用できるようにするという取り組みについて検討を進めようと考えておりますので、県としましても、市町村の意向を確認しつつ支援をしていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 盛岡区域だけでなく県全体の全ての周産期医療圏に関することで、ぜひ検討をお願いしたいと思います。
 次に移りたいと思います。さい帯血バンクの取り組みについてお伺いしたいと思います。
 へその緒と胎盤の中に含まれる血液をさい帯血と言っておりますけれども、血液疾患に対する有効な治療方法として、骨髄移植とさい帯血移植とがあります。日本における骨髄及びさい帯血移植の需要についての本県の認識をお伺いします。
〇福士健康国保課総括課長 骨髄移植とさい帯血移植についてでございます。
 まず、骨髄移植は、骨髄バンクに適合するドナーが見つかった場合に、ドナーから提供を受けた骨髄を移植して行うものであるのに対しまして、さい帯血移植につきましては、事前に採取された公的さい帯血バンクに保存されているものを使用して行う違いがございまして、その選択については、患者の病状や適合条件に合わせて主治医が判断して行うこととされているところでございます。
 移植の需要についてでございますけれども、まず、骨髄移植を希望する患者は事前に登録を行うこととされておりまして、日本骨髄バンクの統計によりますと、本年の1月末現在、全国で約1、300名が骨髄バンクに登録していると伺っておりまして、このうち本県では12名が登録されている状況にございます。
 したがいまして、本県を初め全国で数多くの患者が移植治療を待ち望んでいるものと認識しております。
 なお、さい帯血移植でございますけれども、こちらは主治医の判断によりまして、公的バンクに適合するさい帯血が見つかった場合に行われる性質がございますので、事前登録制ではございません。したがいまして、こちらの移植を希望する患者数は承知しておりませんが、先ほどの骨髄バンク登録者と相当数が重複しているのではないかと考えております。
〇吉田敬子委員 さい帯血移植というのは、骨髄移植と違って、提供者との調整がないというところで負担が小さい。それぞれメリット、デメリットはあるわけですけれども、本県の公的及び民間さい帯血バンクの現状について、採取、提供可能な産科施設とあわせてお伺いしたいと思います。
〇福士健康国保課総括課長 さい帯血バンクの現状と採取可能施設の状況についてでございます。
 まず、公的さい帯血バンクにつきましては、現在、厚生労働省の大臣の許可を受けた日本赤十字社等において全国6カ所に設置されてございまして、東北ブロックで、さい帯血の採取可能な施設は、宮城県の2施設のみと伺っております。
 一方の民間さい帯血バンクでございますが、こちらは公的さい帯血バンクと非常に性質が異なっているものでございまして、御自身あるいは御家族の方が将来万が一の病気に備えて、個人が保管費用を負担してさい帯血を預ける機能を有すると認識しております。こちらにつきましても、厚生労働省のホームページによりますと、現在、国に届け出を行っている全国の民間企業は2社と確認しております。
 このうち1社につきましては、同社のホームページを昨年前半に県が確認した際には、ホームページ上で4カ所確認できたのですけれども、現在は公表を行っていない状況ということで、現時点で採取可能な施設を把握することはできない状況となっております。
〇吉田敬子委員 私もいろいろ調べたのですけれども、白血病等に骨髄もしくはさい帯血の移植というのがあって、そのさい帯血移植の制度が始まってから、今は、骨髄移植とさい帯血移植が大体同じ数の実績があるわけです。今まではずっと骨髄移植のほうが多かったわけですけれども、さい帯血の移植がふえているという現状にあります。
 そのような中で、公的と民間がある中で、公的の部分のさい帯血バンクが東北ブロックでは、できる施設がない現状で、ただ、宮城県の2施設のみが一応関東ブロックのほうと連携しているという現状の中で、県内には公的さい帯血バンクと連携した施設がないことについて、県はどう捉えているのか。私は1カ所でも対応できる施設が、民間のさい帯血バンクをやっているところが4カ所あるわけですから、もしかしたら、そういったところの一つの施設でも、公的にできるようなところがもしあるのであれば、県だけでなく、国の支援がかなり必要だと思いますけれども、県からの声がないこと、もしくは東北一体となったブロックの設立、そういうのが必要だと私自身は感じているのですけれども、県の所感をお伺いしたいと思います。
〇福士健康国保課総括課長 骨髄バンク、さい帯血バンクの実績等を委員から御指摘ありましたけれども、全国で見ましても、2019年度の単年度当たりの実績で、骨髄バンクが1、230件余り、さい帯血バンクが1、430件となっておりまして、ほぼ同数もしくはさい帯血バンクのほうが件数が多いのは我々も承知しているところでございます。
 一方で、さい帯血の性質からいくと、適合する方が多いのは科学上、医学上多いことも承知しておりますが、一方で、治療効果とかそういったトータルの面ではいろいろと骨髄バンクとはまた違う問題もあるということも伺っているところでございます。
 こうしたことも踏まえまして、東北地方の公的さい帯血バンクの状況でございますけれども、委員からお話がありましたとおり、平成24年までは宮城さい帯血バンクがあったということも承知しておりますが、その後の法施行等の流れを受けて、全国でも宮城さい帯血バンクを含む5カ所が業務を終了するということで、広域化、ブロック化が進んでいることも承知しております。
 また一方で、さい帯血の採取に当たりましても、国のガイドライン等で医師または適切な訓練を受けたスタッフがこの業務に携わらなければならない。あるいは、遠隔地のバンクとの連携の問題等もあると受けとめているところでございます。
 この公的さい帯血バンクについては、国が推進してきているものであります。そして、性質上、国民一人一人の理解と支えによって運営がなされているものと理解をしております。
 県としても、病気で苦しむ人たちのためにさい帯血を提供したい、あるいは、さい帯血治療を受けたいという県民の思いがかなえられることは望ましいと考えておりますが、こうした中での現状は、宮城県の2施設というところでございます。
〇岩渕誠委員長 答弁は簡潔に願います。
〇福士健康国保課総括課長(続) はい。さい帯血バンクのある関東までの移動距離の長さ、そして、周産期体制の厳しい状況、専門医の不足の状況等の問題を本県も抱えておりますので、こういったものが県内の医療機関で可能になるためには、非常に多くの課題があると考えております。県内の医療関係者の意見も踏まえながら、こうした課題解決に向けた国の対応については、必要に応じて要望することも検討してまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いします。
〇吉田敬子委員 私自身ももう少し研究、勉強を重ねながら、周りの出産を経験したお母さんたちからも、公的さい帯血バンクができるのであれば、やってみたかったなという声も何名か聞いております。現場では、確かに大変な作業だということも認識しておりますけれども、ただ、東北だけがないというのもどうかなと。ここは、私自身も引き続き、課題認識を持っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、保育士の確保についての現状の課題についてお伺いして終わりたいと思います。待機児童解消や勤務環境の改善に向けて、今、県内保育士数がどのくらい必要になっていて、確保はしっかり進んでいるのか、来年度以降についての取り組み状況についてお伺いしたいと思います。
〇中里子ども子育て支援室長 保育士確保の現状と今後の取り組みについてでございますが、令和元年に、県内全ての保育所、保育所型認定こども園を対象に実施をしました保育士確保の状況に係る調査によりますと、受入児童数の拡大のために146人、勤務環境の改善のために176人、合わせて322人の保育士が必要とされたところでございます。前年度に比べますと、必要数はそれぞれ26人減少しておりまして、保育士確保につきましては、少しずつではありますが、進んでいるものと認識しております。
 県では、保育士確保のため、保育士を目指す学生を対象とする保育士修学資金の貸し付けや潜在保育士の再就職を促す保育士・保育所支援センターによるマッチング支援などに取り組んできたところでございます。これまでの2カ年で修学資金の貸し付けを受け卒業した学生41人全員が県内に就職をしまして、また、マッチング支援によりまして、昨年度は120人、今年度は1月末までに78人が再就職するなど、こちらも一定の成果を上げていると考えております。
 保育士修学資金の貸し付けにつきましては、令和3年度当初予算案に貸付枠を35名から40名に拡大する経費を計上させていたところでございます。県では、これらの取り組みのほか、保育士の処遇や労働環境の改善に向けた取り組みも継続しまして、保育士の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、発達障がい児の初期診療の体制の構築について御質問をしたいと思います。
 先ほどから医師不足等々、質疑が行われておりますが、発達障がい児に関する診療、それから治療に関しても、専門の医療機関が少ないのは岩手県の課題であると私は認識しております。その課題をともに考えてくださっている岩手県医師会に所属する小児科医の先生方がこの専門医療機関を支援するための発達障がい児協力支援医療機関をつくって、いろいろと初期の診療に関しての研修を重ねたりなどしております。
 こういった発達障がい児の初期診療の体制の構築について、県として、これから、令和3年度どのような取り組み、支援策を考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。
〇菊池障がい保健福祉課総括課長 発達障がい児の診療体制についてでございますが、発達障がいのある児童に対する支援については、早期発見、早期支援が重要であると考えているところでございます。
 地域の開業医など多くの医師が初期診断に対応できる体制づくりが必要と考えておりまして、特に学齢期の児童については、医療機関と学校との連携が重要と認識しております。
 このため県では、岩手県医師会と連携いたしまして、平成29年度からかかりつけ医等発達障害対応力向上研修を実施いたしますとともに、平成18年度から、県教育委員会との共催により、教育、医療、福祉、保護者等の関係者による岩手県発達障がい者支援体制整備検討委員会・広域特別支援連携協議会を開催しているところでございます。
 医療機関と学校との連携や情報共有の取り組みは、個々の学校により濃淡があると聞いておりますが、令和3年度におきましても、この委員会、協議会の場を活用しまして、県教育委員会とも緊密に連携をし、好事例を関係者間で共有しながら、引き続き、早期発見、早期支援につなげられる支援体制の充実に努めていきたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 教育機関との連携も平成18年から行っていらっしゃるということで答弁いただきましたが、この協力医療機関でいろいろと研修を積んで、実際に診療と治療に携わっている先生方から課題ということで私がお聞きしていることが、WISC検査という初期の診療に必要な検査ですね。医師ができない検査であって、学校でこの検査は実際は行われている。理解のある学校の体制ですと、こういった検査結果もきちんとお医者さんに保護者を通して情報提供するような仕組みができているところもありますし、実際は診療に使うものではないという観点から、医師からの要請に対してWISC検査をするのは、学校の体制上できないという回答がある場合もあるそうです。
 これについては、令和元年度、厚生労働省でもこういった課題等々、全国でどのように取り組んでいるのかという調査をされていて、その中に情報提供書という定型のフォーマットをつくって、その地域の学校と医療との連携を図っているという事例も出されておりました。私は、県でもぜひこういったフォーマットをつくりながら、今、医師不足に対応してみんなで頑張っていこうとしていらっしゃる方々を仕組みの上で支援していくことが必要ではないかと考えているのですけれども、県の所見をお聞きしたいと思います。
〇菊池障がい保健福祉課総括課長 今、委員から早期診断に向けた取り組みのお話がありました。実は、昨年度、当部で開催いたしました医療従事者向け研修におきまして、県内の病院長からも一般小児科の発達障がい診断、治療医への参入を促す方法として、そういった連携の方法について御紹介をいただいているところであります。学校では、知能検査を必要と思われる子供に実施をしており、この検査結果について、家族等との同意のもと病院に情報提供をしてもらうと。それによって医師による早期サポートが得られるというものであります。研修会で紹介された事例であります。
 県の教育委員会では、個人情報保護の観点も含め、まずは実態把握に努めていくとしておりますので、教育委員会のそういった実態把握を確認をした上で、先ほどお話ししました委員会におきまして、教育関係者、小児科医などさまざま意見を聞きながら検討をしていく必要があると考えております。
〇ハクセル美穂子委員 実際に先生方からもそういった御意見が出ているということで、私はこれはゼロ予算だと思いますけれども、県としての仕事は非常に重要なところだと思います。県の組織の中で、保健福祉部と教育委員会とどのように連携して、こういった現場の医師の方々を支援する取り組みをやっていくかというのが、今後、県に求められていることだと思いますので、ぜひ教育委員会の意見を聞くだけではなくて、保健福祉部としても、どういった体制がいいのかというのを積極的に内部で話し合いながら、よりよい体制の構築に努めていただきたいと思いますので、その部分について部長の御意見を聞いて、終わりたいと思います。
〇野原保健福祉部長 発達障がい児の支援のためには、多分、学校現場でもさまざまな先生方は御苦労され支援されていると思います。スクールカウンセラーの方々とか、学校の教育サイドでのさまざまな支援、もちろん家庭での支援もあります。医療関係者も何とか支援したい。みんな思いは子供たちを支援したいという思いで一致しているわけです。
 そういった中にあって、当然情報共有をして、保護者の方々の同意を得て、子供たちのために情報共有して、子供たちのためにみんなで連携して支援しようというのは皆さん多分思いは同じです。何とか環境を整えていくというのが我々の仕事だと理解しておりますので、連携強化に向けて取り組みを進めてまいります。
〇岩渕誠委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。

午後0時1分 休 憩

午後1時2分 再 開

〇城内よしひこ副委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、16人の質問者が予定されております。進行に御協力を願うため、質疑答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行します。
〇小西和子委員 私は1点のみでございます。ひとり親家庭等総合相談支援事業についてお伺いいたします。
 3月13日でしたか、ひとり親に限らず給付金という記事、皆さんもごらんになったと思います。困窮子育て世帯支援ということで、子育て世帯が出費のかさむ新年度を安心して迎えられるようにということで、やっと支援金が支給されることが決まり、幾らかほっとはしていますけれども、まだまだ課題は多いです。
 岩手県の課題として、2018年の岩手県子どもの生活実態調査で、ひとり親家庭において公的支援施策の周知が十分に行き届いていないこと、公的相談窓口が十分に活用されていないことなどが明らかになり、それで、国のスキームで行われる、このひとり親家庭等総合相談支援事業がつくられたわけです。9月に設置したひとり親家庭等応援サポートセンターの周知をどのようにしたのでしょうか。
 といいますのは、2017年に岩手県立大学と盛岡市とで、ひとり親家庭の子どもの生活実態に関する調査研究をしたのですが、その中で、社会福祉協議会に相談をしますと答えたのはゼロだったのです。なので、よほど広報をしないと社会福祉協議会に相談に行かないであろうということからお伺いします。
 各社会福祉協議会のホームページに掲載したのか、広報に掲載したのか。それから、全国的には、施設の名前をいろいろ工夫したり、愛称を工夫したり、電話番号等も語呂合わせにしたりということをしているのですけれども、そういう観点から電話番号もあわせてお伺いします。
〇日向特命参事兼次世代育成課長 ひとり親家庭等応援サポートセンターの周知についてでございますけれども、委託先であります岩手県社会福祉協議会のホームページに掲載しておりますほか、各市町村、ハローワーク、市町村社会福祉協議会等、関係機関118カ所に連絡先の電話番号を掲載した事業周知用のチラシを配布したところでございます。電話番号につきましては、特段、工夫等はしておりませんけれども、019−601−7021でございます。
〇小西和子委員 掲載したのはいつのことですか。
〇日向特命参事兼次世代育成課長 9月に掲載をしております。
〇小西和子委員 なかなか見つけられないという声が聞こえてきましたけれども、9月に掲載をしたということでございますね。
 その次でございますけれども、このひとり親家庭等総合相談支援事業の委託料が、今年度は1、600万円でありまして、職員人件費が950万円でした。そこでお伺いします。
 相談員の配置はいつ行われたのでしょうか。相談件数は何件か。サポートセンターの相談対応時間は、いろいろ夜間にも行いますということがありましたけれども、それで適切かどうかということをお伺いします。
〇日向特命参事兼次世代育成課長 まず、相談員の設置の状況でございますけれども、開設当初の9月から社会福祉士資格を有する担当者を2名配置しております。
 相談件数につきましては、令和3年2月末現在で、延べ53件の相談がございました。このうち、収入、生活費が14件、就労が7件などの相談が多いと、報告を受けているところでございます。
 相談につきましては、生活状況が複雑化しているものや、あるいは病気等を抱えるものなどもありまして、内容によっては1時間、2時間の長時間の対応となるものでありますとか、福祉サービスの利用支援のために事業所等へ同行するなど、相談者の状況に応じた支援を行っていると聞いているところでございます。
 また、相談受付時間につきましては、基本的な時間といたしまして、月曜日から金曜日は午前9時から午後5時15分、第3土曜日につきましても、同様の午前9時から午後5時15分、第2、第3金曜日につきましては午後7時まで延長しておりまして、相談しやすい環境づくりに努めているところでございます。
〇小西和子委員 おかしいです。私が聞いたときに、12月ごろだったでしょうか、まだ相談員は決まっていません。そして、その分、社会福祉協議会の職員が対応に当たっていますと言ったのは、あれは何ですか。
〇日向特命参事兼次世代育成課長 相談員につきましては、当初は社会福祉協議会の職員が2名で対応をしておりましたけれども、1月からは、専門の相談員1名を雇用しまして、2人で対応をしているというところでございます。
〇小西和子委員 ということは、人件費は大幅に残っているということでいいわけですね。
 それでは、次にいきます。担当者の研修は、全県から何人参加し、どのような内容だったのか、各地区担当者から出された質問はどのようなものがあったか、県はどのように対応をしたのか、各地区の現状、状況を、各地区の担当者はどのように分析しているのか。これをお伺いしますのも、事業費、支援者研修実施とありまして、550万円計上されておりますので、お伺いいたします。
〇日向特命参事兼次世代育成課長 今年度は、地域でひとり親家庭等の支援に携わる支援者等を対象としました対応力向上研修会等を実施することで予定しておりましたけれども、新型コロナウイルス感染症の影響によりやむを得ず中止をしたところでございます。
 このため、支援者であります民生児童委員に対しましては、ひとり親支援において期待される役割等に関する資料を配付したところでございます。ひとり親家庭等サポートネットワーク会議を設置しておりまして、その委員の皆様からは、窓口職員の対応力の向上、子供が日常過ごす保育等での気づきが大切などの御意見をいただいたところでございます。
 来年度につきましては、今年度中止いたしました研修を含めまして、新型コロナウイルス感染症の発生状況を勘案しつつ、感染拡大防止に努めた上で実施したいと考えております。
〇小西和子委員 新型コロナウイルス感染症のために研修ができなかったと言いますけれども、皆さんそれぞれリモート会議とかさまざまやっている中で、これだけできなかったということでございますね。不思議です。
 ということは、ここの事業費についても大分残金があるということでございますね。
 それから、先ほどお話がありました岩手県ひとり親家庭等サポートネットワーク会議のメンバーは、国のスキームですと、当事者とつながっている団体、NPO法人とか、多分野から入れるようにということがうたわれているわけです。国のスキームでは多分野から成っているはずですけれども、それはいかがでしょうか。
〇日向特命参事兼次世代育成課長 岩手県ひとり親家庭等サポートネットワーク会議のメンバーについてでございますけれども、本県におきましては、岩手県母子寡婦福祉連合会など、母子福祉関係機関のほか、福祉分野からは子ども食堂等を運営しております子どもの居場所ネットワークいわて、労働分野から岩手労働局、医療分野からは県医師会、住宅分野から岩手県建築住宅センター、教育分野から県教育委員会など、ひとり親支援に関する15の機関から参加をいただいているところでございます。
〇小西和子委員 ということは、日々、大変困窮しているひとり親家庭とつながっているNPO法人も入っているということですか。
〇日向特命参事兼次世代育成課長 メンバーにつきましては、それぞれ福祉、労働等の窓口を担当していただいている方であるとか、あるいは支援をしていただいている方に参画をいただいておりまして、例えば子どもの居場所ネットワークいわてにつきましては、NPO法人インクルいわてのメンバーの方に参画をいただいているところでございます。
〇小西和子委員 十分にひとり親家庭とつながっているNPO法人も入っていますよという答弁ということですね。わかりました。
 それで、今、専門の相談員も1月から、それから、研修も行われなかったと言っているのに、この令和2年度政策評価結果等の政策等への反映状況報告書がありまして、これが、評価aです。これはどうやって、どういう点を評価すればaになるのでしょうか、お伺いいたします。
〇日向特命参事兼次世代育成課長 事業の評価についてでございますけれども、県では、いわて県民計画(2019〜2028)政策推進プランの構成事業につきまして、活動指標と成果指標の評価を行った上で、事業の必要性や有効性を考慮しまして、今後の方向を取りまとめた事務事業評価結果を昨年の11月に公表しているところでございます。
 このうち本事業につきましては、ひとり親サポート地域ネットワーク会議の設置数を活動内容指標に、それから、サポートセンターにおける助言等を含む相談対応件数を成果指標に設定したところでございますが、いずれも9月、10月にかけて評価を行い、その年度の見込みを計上したところでございまして、その時点においては活動指標としてaになるのではないかということで記載をしたものでございます。実際の内容につきましては、これらの活動指標が中止等により低下することから、指標の達成状況につきましては難しい状況になると考えております。
 今年度の実績につきましては、来年度の事務事業評価におきまして評価を行うことになっておりますので、その時点で実績を踏まえ評価させていただきたいと考えております。
〇小西和子委員 ひとり親家庭が本当にこの事業で暮らしが楽になったとか、相談の窓口にきちんとつながったとか、そういうことがあって評価されるべきことなのでありまして、この相談内容につきましても、ホームページを見たのですけれども、ちょっと私は見つけられなかったわけです。だから、どうやってつながったものなのかと大変不思議に思っております。ですから、このaという評価はいかがなものかなと私は思いました。
 今年度の総括に基づいて、ひとり親家庭等応援サポートセンターの次年度の委託についての見解を伺います。
〇日向特命参事兼次世代育成課長 今年度につきましては、さきにお答えしましたとおり、一部の事業を実施することができませんでした。来年度の委託につきましては、現在、準備を進めているところでございますが、今年度中止をしました研修会等を含め、今年度と同様の取り組みを行うこととして、県の規定に基づき公募をしているところでございます。
〇小西和子委員 もう締め切りは過ぎましたよね、12日までだったでしょうか。
 1年間何もできなかったということのないように、次の委託先をしっかりと決めていただきたいと思います。次年度こそ、ひとり親家庭等応援サポートセンターを機能させるために、関係機関等の連携による相談支援体制を9圏域を含め早急に構築すべきと考えますけれども、決意をお伺いします。
〇野原保健福祉部長 新型コロナウイルス感染症の流行が長期化することが想定される中、社会経済情勢への影響を最も受けやすいひとり親家庭に対する支援は重要でありまして、本事業はまさに今求められているものと認識をしています。
 今、次世代育成課長から答弁ありましたとおり、コロナ禍にあって、研修会等一部できなかったものがございます。こうしたことをきちんと検証しながら、次年度に向けて取り組んでまいりたいと思っておりますし、行政などによるさまざまな支援策が行き届いていない、また、我々行政で把握できていないお困りの方がおられるという前提に立ちまして、そういった方にも支援が行き渡りますように、ネットワーク会議や地域の支援者、支援関係機関と連携して取り組んでまいります。
〇小西和子委員 御存じだと思いますけれども、国連児童基金─ユニセフが発表した先進国の子どもの幸福度に関する報告書で、日本の子供に関して、精神的な幸福度が38カ国中37位というショッキングな結果であります。
 さらに、新型コロナウイルス感染症で子供の格差が拡大することが懸念されている。ユニセフでは、5点ほど各国に求めているのですが、その中の1点、子供のいる家庭を支援する新型コロナウイルス感染症関連の政策を改善し、子どもの幸福度を支える予算が緊縮財政措置から守られるようにすることとあります。
 子供の貧困研究に携わる阿部彩さん、皆さんも御存じの方だと思います。東京都立大学の教授ですけれども、子供の貧困は、その精神的幸福度やいじめに遭遇する確率などにもかかわることを指摘しております。日本の子供の幸福度を上げるためには、最も幸福度が低い状況に置かれた格差の底辺の子供とその家庭の状況を改善すること、それが一番であると言っているわけです。
 担当者がもっと子供の貧困に対して敏感であってほしいし、今どんな生活をしているか、食べる物も限られている、食事の回数も減らしている、量も減らしている、お風呂に入りたくても我慢している、そんな子供たちが大勢いるわけです。それを改善するためにこの事業をしっかりとやっていただきたいと思います。この着実な推進を求めて、終わります。
〇臼澤勉委員 それでは私からは大きく2点。
 まず最初に、看護師のいろいろと業務多忙な環境の対応についてお伺いします。
 新型コロナウイルス感染症の流行が長期化する中で、感染患者のケアに疲弊した看護師あるいは看護職員の離職の状況はどのになっているのか。職員のサポートが私は急務と考えますけれども、この現状把握、あるいは調査に対するお考え、御所見をまずお伺いいたします。
〇浅沼特命参事兼医務課長 看護職員の離職または現状把握についてでございますが、県内の看護職員の退職者につきましては公的な統計はございませんので、把握していないところです。
 県立病院の状況について申し上げますと、看護師の普通退職者は、令和元年度は、2月末で47名、令和2年度は、同じく2月末で28名と聞いております。
 退職者数はふえておりませんが、現場での負担は増加していると聞いており、関係団体から調査、情報収集し、新型コロナウイルス感染症に対応する看護職員の現状把握に努めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 現場の実情といいますか、現場の声は、私どもにもいろいろ伝わってきております。そういった中で、看護職員の増員であったり、あるいは夜勤人数の増員を図るなど、労働環境を早急に改善しなければ、この負の連鎖がとまらないといいますか、今は県立病院だけのお話でございましたけれども、現場は相当厳しいという声が聞こえてきております。
 その辺の負の連鎖をとめるための対応をどのように考えているのか。あわせて、危険手当の補償であったり、休業することになった場合の補償、心身のケアに対する補償を含めた対応は、どのようにお考えになっているのかお伺いいたします。
〇浅沼特命参事兼医務課長 看護職員の増員と処遇についてでございますけれども、多くの新型コロナウイルス感染症患者を受け入れております県立病院では、感染者への対応に従事した職員につきましては、一定期間の休養をとってもらい、患者対応が多い病院に対しては、応援職員を派遣するなどの対応によりまして、看護職員に過度の負担がかからないように配慮していると聞いております。
 また、危険手当につきましては、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる全ての医療機関において、そういった危険手当支給の制度を設けているところでございまして、それらの医療機関の負担軽減と医療従事者の待遇の向上を図るために、今般の補正予算及び当初予算におきまして、それらの医療機関に対する危険手当の支給経費を補助する事業費を計上させていただいたところです。
 また、休業補償につきましては、労災保険以外にも、国の直接執行の制度によりまして、労災給付の上乗せ補償を行う保険に加入しております医療機関を対象に、その保険料の一部を補助する事業が行われているところでございまして、県におきましても、こういった制度について医療機関に周知しております。
 次に、心のケアにつきましては、県立病院では、定期的に面談を行い、精神不安が見られる職員には臨床心理士等による個別カウンセリングを行うなどの対応が行われているほか、県看護協会など関係団体や一部の医療機関においても、相談の窓口を設けているという対応が行われていると承知しております。
 今後とも、医療従事者に対しまして、必要な支援を実施していくために、国の予算などを活用しながら対応してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 いろいろ対応されているのは承知しておりますけれども、生活の制約もあるわけで、さまざまなそういった犠牲を払いながら、今、現場で一緒に必死になって対応されている部分についての処遇、手当の改善を求めたいと思います。
 そして、業務軽減に当たって、清掃業務委託がございますけれども、これは現場では進んでいるのでしょうか。本県の現状と今後の対応についてお伺いいたします。
〇浅沼特命参事兼医務課長 業務軽減のための清掃業務の委託についてでございますけれども、県立病院におきましては、通常区域においてはこれまでどおり清掃請負業者の作業員が清掃を行っているところでございますが、新型コロナウイルス感染症患者が入院している病室等の感染区域につきましては、作業員の感染対策に関する知識や経験が十分ではないことから感染リスクを高めてしまうという懸念がございます。また、業者からも懸念が示されているということがございまして、現時点ではほとんどの場合、感染対策に関する知識を有する看護師が清掃を行っており、県立病院以外の医療機関においても同様の状況にあると聞いております。
 このため、県におきましては、昨年12月の全国知事会におきまして、知事から、清掃業者の育成支援を行うよう要請を行ったところでございまして、本年2月には、全国知事会から国に対しまして、看護師の負担軽減を図る観点から、業界団体等と連携して、清掃作業等を担える事業者の育成支援を行うように緊急提言が行われたところでございます。
 医療局では、感染区域の清掃につきまして、徐々に看護師から清掃請負業者に切りかえられるように関係団体、業界団体と意見交換を行い、作業員の研修や指導などの支援を行っていきたいとしておりまして、こういった医療局の取組状況を県立病院以外の病院にも情報提供するなど、必要な支援に努めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いします。
〇臼澤勉委員 御丁寧な答弁ありがとうございました。
 今度、午前中もさまざま議論ありましたけれども、ワクチン接種に当たって、看護師の人材等々が当然必要になるわけですが、潜在看護師の募集状況はどのようになっているのでしょうか。そして、十分な職員確保ができる見込みになっているのか。接種に当たって、やはり復帰される方などはトレーニングも必要になってくると思うのですが、そういった早急な対応をどのように図ろうとしているのかお伺いいたします。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 ワクチン接種に係る潜在看護師の募集状況等でございます。
 今後、市町村におきまして、ワクチンの供給量、配給量の増加によりまして、接種が本格化してまいります。そうした場合に、医療従事者確保のニーズが増加していくことが想定されておりますので、県では、地域の実情や医療資源の状況を踏まえながら、二次医療圏内での共同接種とか、他の医療圏からの派遣、応援など、広域での支援体制を整備することとしております。
 市町村における看護師の募集状況、確保状況については、現段階において具体的な情報は寄せられておりませんが、国においては、潜在看護師の確保に向けて、各都道府県のナースセンターに対し就職希望を登録している潜在看護師と接種会場における求人ニーズとの積極的なマッチング支援を行うよう、周知を行っているところでございます。
 県におきましても、医療従事者確保の状況を踏まえつつ、ナースセンターを設置する県看護協会とも連携し、安全かつ迅速な接種が実施されるよう取り組んでまいります。
 接種に当たってのトレーニングでございますが、このワクチン接種は大規模かつ長期にわたることが想定されますことから、接種に従事する看護師が必要な知識、技術を習得し、安全かつ迅速な接種が行われる体制を整備することが必要と考えております。
 委員から御提言のありましたワクチン接種のトレーニングにつきましては、今後、県看護協会とか医療機関のニーズを把握しながら必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 そして、何よりも心のケアが重要になってまいります。周囲から差別的な発言を受けたり、使命感が強い方ほど精神的に落ち込んでしまうことを懸念するわけでありまして、コロナ禍での働きやすい環境整備が必要と思いますけれども、この看護職の皆様方に対する相談窓口の設置について、県として、どのようにお考えになっているのかお伺いいたします。
〇浅沼特命参事兼医務課長 看護職員の相談窓口の設置についてでございますが、例えば、県の医療局では県立病院の健康サポートをするメンタルヘルスケア支援事業を実施しておりまして、ストレスの悩みなど対処方法について産業カウンセラーによる面談等を実施していると聞いております。
 また、先ほども御答弁さしあげましたけれども、県の看護協会や、そのほか日本看護協会におきましても、看護職員向けの相談窓口を設置しているところでございまして、県としましては、まず、これらの窓口の活用を促していきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ぜひ、その辺の負担感を軽減するような取り組みをお願いしたいと思います。そして、10年前の東日本大震災津波のときのノウハウ、ワクチン接種に当たって、例えば観光業界とも連携しながら、足の確保、送迎であったり、あるいは軽症者のホテルの確保も既にやっておりますけれども、本県の場合は皆様の御努力によってコントロールされているという状況にはありますけれども、ただ、広い県土において、私はやはりある程度広域的に拠点を、宿も確保し、そして、足の送迎をというようなことで、青森県では、いろいろとそういった軽症者の受け入れ態勢においても、新年度12億円とか大きな規模で予算措置しております。その辺のノウハウをぜひ生かしながら、皆様のあるいは医療従事者の皆様のそういった負担軽減、あるいは職員の皆様にとっても負担軽減できるような仕組みを検討していただければと思います。
 次に、児童虐待についてお伺いいたします。コロナ禍において私が危惧しているのは、虐待相談件数の環境が少し高まっているのかなと見ておりますが、この相談件数の状況はどのようになっているのかお伺いいたします。
〇中里子ども子育て支援室長 児童虐待相談対応件数の現状でございますが、本県の児童相談所における令和元年度の相談対応件数は1、427件でありまして、前年度比で249件、21.2%の増となっております。コロナ禍ということでございますので、今年度の状況でございますが、今年度につきましては、現時点で微増という形で推移をしておりまして、昨年度までの大きく増加している状況と比べますと、増加の幅は少ないという状況になっております。
〇臼澤勉委員 やはり今まで増加傾向で進んできております。
 そこで、一時保護所の状況についてもお伺いしたいのですけれども、今どのような状況になっているのか。私も福祉総合相談センターにお伺いし、様子も見させていただいておりますけれども、今の状況についてお伺いいたします。
〇中里子ども子育て支援室長 一時保護所の状況でございます。
 県内に3カ所設置している児童相談所はいずれも、建築から40年以上が経過して老朽化が進んでおりますことから、一時保護した児童が生活する一時保護所の環境改善が必要と認識をしております。昨年度、福祉総合相談センターの一時保護所の個室化等の改修を行いました。今の一時保護所につきましても、個室化ということが求められておりますので、環境改善とあわせて個室化につきましても対応を進めているところでございます。
 今年度から来年度にかけましては、宮古児童相談所の全面改築工事を進めているところでございまして、個別支援が可能な個室を基本とした整備を進めることにより、一時保護児童の生活環境の改善に取り組んでいるところでございます。
〇臼澤勉委員 ぜひ環境整備を進めていただきたいと思うのです。私もちょっと見させていただきましたけれども、福祉総合相談センターのほうも大分よくなっているのかなと思って見ておりますが、ただ、やはり課題として個別対応児童といいますか、そういった子供たちも増加していること、あるいは一時保護所全体の老朽化が著しいという問題、あと、今回の感染症対策の課題もありますので、ぜひその辺の対応をしっかりとしていただきたい。
 そして、何よりも体制強化への取り組みが大事でありますが、児童福祉司あるいは児童心理司、7人、3人とふやしているということは聞いております。来年度も含めてどのように対応をしようとしているのか。もしわかれば、経験年数の浅い職員がある程度その中でも多いかと思うのですけれども、今後のそういった経験値の高い専門性が求められる方々ですので、その辺の育成の部分の状況も含めてお伺いいたします。
〇中里子ども子育て支援室長 児童相談所の人員体制についてでございます。
 年々増加する児童虐待相談に対応するため、児童相談所の専門職員の計画的な増員を行ってきたところでございまして、今年度は、児童福祉司を7人、児童心理司を3人増員したところでございます。
 来年度につきましても、児童福祉司を4人増員することとしておりまして、引き続き、専門職員の計画的な増員を進めてまいりますとともに、児童福祉司任用後研修や警察との合同訓練の実施などによりまして、児童相談所職員の専門性の向上に努めていくこととしております。
〇臼澤勉委員 経験値が高い人が全体としては少ないのかなと見ていまして、二、三年の職員がふえてきているというところの育成の考え方をお伺いします。
〇中里子ども子育て支援室長 経験値のまだ高くはない職員の専門性の向上についてでございます。
 児童福祉法の改正によりまして、平成29年度から児童福祉司に対する任用前の講習、あとは任用後の研修、そして、スーパーバイザー研修の受講が義務づけられたところでございます。このうち、スーパーバイザーの育成としまして、児童福祉司スーパーバイザー研修、こちらは本県は横浜市にある子どもの虹情報研修センターに委託をしまして、前期、後期に分けて計6日間の研修を実施しておりまして、これまでに10名の児童福祉司が修了しております。こういったスーパーバイザーが経験の浅い職員を指導するということで、体制強化の取り組みを進めているところでございます。
〇臼澤勉委員 この児童虐待であったり、保護の部分は、まさにプライベートな家庭の中に入っていかなければいけない、非常にシビアな難しい対応だと思います。県内を見ても、盛岡の福祉総合相談センターや一関児童相談所、宮古児童相談所ということで、人口要件とかいろいろあって、それぞれ4広域にも配置できないような事情はいろいろあるのかもしれませんけれども、ぜひ、その辺の対応の部分を少し国にも働きかけていく必要が私はあろうかと思っております。
 最後に、今回のこの対策については、やはり何よりも市民の目が非常に大事になってくるのかなと。見守り体制の強化を県民参加型で、どう進めていくのか考えるのかがポイントかと思います。次期アクションプランに向けて、新年度予算にどう反映させていくお考えか、あわせてお伺いいたします。
〇中里子ども子育て支援室長 コロナ禍にありまして、児童虐待のリスクが高まることが懸念をされているところでございます。市町村、そして、児童相談所においては、昨年4月に国が打ち出しました子どもの見守り強化アクションプランに基づきまして、民生委員、児童委員や自治会、子育て支援団体など、地域で活動しておられる方々の見守り活動の強化に取り組んでいるところでございます。
 また、要保護児童対策地域協議会を中心とした地域の関係機関が連携を図るとともに、県としては、児童相談所の全国共通ダイヤル189の周知などにも取り組んで、児童虐待の早期発見、早期対応に努めてまいります。
 予算としては、特段、これまでに追加しての計上というものはございませんが、今申し上げました取り組みを強化してまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 私から2点質問をさせていただきたいと思います。
 午前中に岩崎友一委員から医師確保計画等に触れるような部分での質問がありました。私は、そこも含めた中で、保健医療計画についてお伺いしていきたいと思っております。
 といいますのは、これから医療需要の変化に対応した医療提供体制の検討であったりとか、またさらには、新興、再興感染症への対応など、第8次医療計画は、令和6年から11年度の計画でありますけれども、この計画に向けて検討すべき課題は非常に多いと感じております。3年後の策定に向けて、今から検討を進めていく必要があると思いますけれども、どのように進めていくのかをお伺いしたいと思います。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 保健医療計画の見直しに当たりましては、これまで新たな計画期間の約1年前に国から医療計画作成指針が示されまして、これを踏まえて県において具体的な改定作業を行ってきたところでございます。
 一方で、委員御指摘のとおり、第8次医療計画におきましては、新興感染症等の感染拡大時における医療を新たに盛り込む必要があるほか、人口動態や復興道路の全面開通等に伴う交通環境の改善など、地域医療を取り巻く環境は変化しております。医療計画の改定に当たって検討をすべき課題は多いものと認識しております。
 県としては、国の議論の状況を注視しつつ、令和3年度以降、患者の受療行動や医療機関へのアクセスの時間などにつきまして、現状分析を進めていく考えでございます。
〇郷右近浩委員 この間、この質問をさせていただいているのは、令和2年12月に医療計画の中間見直しに係る検討会ということで、多少の修正が加わった。そこでいろいろな修正ができるのかと思ったら、それは先般答弁いただいたように、微修正、数字の調整とかそうした修正だということで、それでまずは、これから3年後の計画に向けて、この岩手県の今の現状をどのようにしていくかというのをしっかりつくり上げていかなければいけないです。
 ただ、それこそ先ほどの県立釜石病院などでも、医局のさまざまな考え方で、ドクターが1人また戻されるというか配置されるといった形であったり、実は、先般の奥州市の総合水沢病院に関しても、一番稼ぎ頭だった整形外科の先生が、3人体制でやっていたのですが、昨年末に2人引き揚げた。そして、ことし1人引き揚げるといったことで、病床のほとんど80%ぐらいをその整形外科でもっていたような病院でありますので、非常に大きなことが起こってしまった。
 これは医局の動きです。そのときにそれぞれ、先ほどは岩手医科大学であり、今回私が話したのは東北大学の話でありますけれども、東北大学にしても、岩手医科大学にしても、医局にドクターが今いない、少ないという中で、何とかしてその少ないドクターで自分のところ、それから、自分たちがしっかりと面倒を見なければいけないところをどのように回すかで腐心している。そうしたことは非常に感じるわけであります。
 そうすると、これからつくっていかなければいけない医療計画は、病院の配置とかさまざまなところまで、どのような機能分担で、どのようにしていくというところまでしっかりと入っていかないといけないのではないかと思っているわけであります。実際問題として国から医療計画の方向性を示されるのもそのとおりの令和4年度末であったりとか、そうしたことはわかってはいるのですけれども、ただ、岩手県の現状を、国の方向性だけでなくて、岩手県の医療をしっかりと守るといった形で動いていただいている皆様方が、一番目に見えている中で検討も進めていかなければいけないと思うわけでありますけれども、その点についてどのようにお考えかお伺いしたいと思います。
〇野原保健福祉部長 委員から、医療計画の今後のあり方について貴重な御意見をいただきました。
 各地域における個々の医療機関の機能分担をどうしていくかというのは、これは地域医療構想の中で、各圏域の中でいろいろ議論をしていく。医療計画の中では、政策医療という形で、がんの医療、循環器の医療、今回、委員から御紹介いただきました新興感染症に対する医療という形で、それぞれの疾病、事業ごとの組み立て、こういった形で両計画によって地域医療の政策面、また、各病院の機能面、両面を進めていきたいと考えています。
 いずれにいたしましても、先ほど御答弁したとおり、新興感染症の対応で、改めて、我が国、岩手県も含めてですけれども、機能分担、こういったような対応も必要だということでの視点が示されております。一般医療と感染症の両立、こういったものも次の計画には求められますので、これは、これまで全くなかった視点だと思っております。
 一方で一般医療、これも周産期医療、岩手県にとっても長年の課題でございます。こういった課題、これまでの不断の課題、また、新しい課題、この両面をきちんとにらんで、また、疾病構造の変化、アクセスの改善、そういったものも十分踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 確かに大きい部分はそのとおりです。ただ、この医療計画自体が疾病であったり、事業ごとの医療体制という中にあって、先ほどの部長からお話があった部分でもありますが、周産期医療であり、小児科医療であり、へき地医療でありと、とにかくトータルでこれをつくっていく。また、地域の医療をどのようにしていくかというのは、今、地域医療構想でしっかりつくり上げていっているという中にあって、これは私の地域の話ではありますけれども、前回、地域医療構想を策定しようとした際に、地域の必要な医療ピースがなかなか組み合わなくて、率直に言えば、奥州市総合水沢病院がきちんとした方向性を示さなかったという中にあって、地域医療をどのようにしていくといったような議論がないまま、この間過ぎてきている。
 これから3年後にこのような医療計画の見直しをするに当たって、実は正直不安なのです。果たして、本当にうちの地域は大丈夫なのだろうか、もしくは、そういう地域がほかにはないのだろうかといった不安を非常に持っております。しかし、その中にあっても、県としてはきちんとした継続できる地域医療をつくり上げていかなければいけないし、安心できるものをつくり上げていかなければいけない。
 だとすると、これから今回の第8次医療計画に対してしっかりと動き出しといった意識を持って取り組んでいかないとだめなのではないかと、私は思うものであります。これについて、もう一度だけ答弁いただければと思います。
〇野原保健福祉部長 先ほどの答弁で、国から1年前に方向性が示されて、それから検討みたいな感じだったと思いますが、決してそういうことではなくて、これは今から目の前の課題、将来的な課題は大きな方向性は見えていますので、今から当然に検討は進めていくものでございます。
 ただ一方で、感染症の対応とか、道路はもうできてきて、受療行動も少し変化もあるのではないかと我々は見ております。データに基づいた施策が必要ですので、そういったデータ、受療動向なども最新のものをきちんと調査をして、これはこれから3年後に向けて検討をずっと進めてまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 ありがとうございます。本来、これはちょっと突き詰めていけば、そのとおり県立病院の配置についてなどということで質問したいのですが、これは前回ちょっと撃沈しておりますので、また、改めて理論構築した上で、しっかり話をさせていただければと思います。
 次に、地域の方々の医療をしっかり守っていく中で、国保税について、お伺いさせていただきたいと思います。
 近年、全体的には国民健康保険の被保険者数が減少傾向にあると。何かさまざまな社会保険関係の方々が、年齢に合わせて、また、さらには今の経済状況に合わせて、雇用状況に合わせて、国保に流れ込んできていると思いきや、これはちょっと減少傾向にあるというこの流れはどうしたって変わっていない状況です。現状のままの市町村単位の国保税としていった場合、国保税負担の市町村格差が、また、さらにどんどん広がっていくのではないか。そして、国においては、これまでは保険税水準の統一を図ることとして、平成30年に都道府県単位という枠組みで今の形の枠組みが示されたわけですけれども、一体、これをどのようにこれからしていこうとしているのか。これは保険税水準の統一に向けていくのか。だとすると、その取り組みはどのようにしていくのか。非常に課題は多いとは思いますが、まずお考えを示していただきたいと思います。
〇福士健康国保課総括課長 国民健康保険税水準の統一化に向けた取り組みについてでございます。
 今般、国においては、安定した国保財政運営の観点から、都道府県での保険税水準の統一の議論を深めることが重要であるといった考え方を打ち出しております。こういった中で、都道府県が策定する国民健康保険運営方針があるのですが、この保険料水準の平準化を盛り込むことを義務化する国民健康保険法の改正の動きが、今国会で行われているところでございます。
 本県では、市町村と協議して県が策定した来年度から3カ年、令和5年度まで対象期間とする第2期運営方針があるわけでございますけれども、国保におきましても、こういった国の考え方も踏まえまして、県内市町村の国保被保険者間の保険税負担の公平性確保の観点に立ち、同じ所得水準、世帯構成であれば、同じ保険税水準となることを将来のあるべき姿とする旨をこの方針の中に明記をしたところでございます。
 委員御指摘のこの保険税水準の統一に向けましては、市町村国保の事業運営や保険税に影響を及ぼすものでございますので、この3カ年の次期運営方針の期間中に、統一の定義とか、保険税水準の統一による影響、そして、課題等について、県と市町村が共有の上、具体的な対応を協議することとしているところでございます。
〇郷右近浩委員 高過ぎる国保税などと言うと誰かのまねみたいになりますけれども、本当にこの国保に関しては、実際問題として、それぞれの所得水準によりますけれども、収入の8%ぐらいになるような形です。7.8%ということで、実際問題、高いという思いが物すごく県民にあり、それぞれの地域の皆さんからいろいろなお話をされます。私個人も高いと思っています。
 その中において、これまでは、国で幾らかずつでも一回国の負担分を下げた部分をさまざまな形で少しずつ手当てしていただいていることは評価するものであります。ただ、まだまだ国でもともとの負担割合の50%までしっかりと手当てしていただきたい。またさらには、本当はこれからの時代の中で、次のステップのどのような形かというのをしっかりと国にとっていただきたいと思うわけであります。
 ただ一方、それを現在の状況の中でどのように継続させていける体系をとれるかといった中で、今国会で保険料水準の統一に向けた議論ということでやられていると聞いておりますし、またさらには、その中で、先ほどお話があったように、将来的に都道府県での保険料水準の統一を目指すこととし、地域の実情に応じて議論を深めることが重要と、そうした考え方で先に進んでいると聞いております。
 ただ、課題はそれぞれの地域の医療資源というか、医療体制であったりとか、被保険者がみんなこれは公平だと言えるような、しっかりとこの保険で診てもらえるといった医療体制の構築が必要なのではないかと思っているわけであります。そうなってくると、先ほどの医療計画ではないですけれども、全体像としてのこの地域の医療をどうしていくかと、どうしたって一体的に進めていかなければいけないと思うわけでありますが、この件に関しましての部長の見解をお聞きしたいと思います。
〇野原保健福祉部長 国保税にはさまざま要素があるのですけれども、例えば医療費水準がありまして、これも単に医師数とかそういうのに限らないのですけれども、県内でも医療費水準で1.6倍ぐらいの差があります。こうした中にあって、先ほど健康国保課総括課長が答弁したとおり、同じ世帯で同じ所得であれば同じ負担であるべきだという、あるべき姿は市町村が共有したところではあるのですが、一方で、やはりまだ市町村間で保険税もかなり違いますし、医療費水準も差があります。
 こういった中で、まず市町村と課題をきちんと共有をしていくことが必要だと考えています。次期計画期間中の中で、そういったものを共有をしながら、まずは長期的なビジョンを市町村と共有していきたいという考えであります。
 一方、こういった国保税、この計画の中では直接医療提供体制に触れているわけではないのですが、先ほど委員から御質問があった医療提供体制ともやはり関連があるものでございますので、医療計画や地域医療構想の進展、医療費適正化計画などもございます。こうしたものときちんと整合をとりながら、今後進めてまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 それこそ医療提供体制であったりとか、また、本当にこれまでの医療費がかからないように、それぞれ抑制のためのさまざまな運動であったり、いろいろな施策であったり、市町村間でこれまでやってきた経緯であったり、そうしたものが本当に違います。
 違う中で言えるのは、さらに高齢化社会がどんどん進展していく中で、被保険者が3、000人の地域であったり、5、000人の地域であったり、また、それが1万人の地域であったりしながら、抱える問題は最終的には同じ方向に向かっていくという中にあって、その辺の見きわめというか、そうしたものをしっかりと考えていただきながら進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
〇高橋穏至委員 3点通告しておりました。
 まず最初に、介護人材の確保についてですが、これに関する令和3年度当初予算案の状況と新型コロナウイルス感染症の影響でより多くの職員が現場では必要になっている状況ではないかと思っております。その一方で、外国人に頼った採用もされているのですけれども、それも難しい状況になってきているということで、今現在の介護人材の充足状況はどうなっているのかということと、それから、今後こういった人材確保に向けた取り組みについてお伺いします。
〇小川長寿社会課総括課長 大きく3点について御質問をいただきました。
 まず最初に、来年度の当初予算案についてでございますが、介護の仕事のイメージアップやキャリア支援員によるマッチング支援のほか、外国人介護人材の受け入れ、あるいは介護ロボット、ICTの導入支援の経費などを計上させていただいたところでございます。
 新型コロナウイルス感染症対策への業務負荷が増している現状を踏まえまして、介護職員の負担軽減や業務効率化を図るため、介護ロボット等の導入支援の経費を拡充するということで、来年度の予算額は2億4、800万円余となっておりまして、今年度の当初予算と比較いたしますと、1億5、700万円ほどの増額となっているところでございます。
 次に、2点目の介護人材の充足状況についてでございますが、各施設の職員配置につきましては、経営上の判断というところが大きくありまして、配置基準を充足した上で、円滑な施設運営を行う観点からの充足状況につきましては、定量的にお示しすることはなかなか難しいところでございますけれども、公益財団法人介護労働安定センターの令和元年度の実態調査によりますと、約7割の事業所が職員の不足感があると回答をしているところでございます。
 また、昨年12月における県内の有効求人倍率で申し上げますと、全産業の1.14倍に対しまして、介護職では2.49倍と、依然として高い状況となっておりまして、人材不足が顕著な状況にございます。介護サービスを安定的に提供するためにも、人材確保対策が重要な課題であると考えております。
 3点目は、今後の取り組みというところでございます。県では、介護分野への若者の参入の促進を図るために、介護福祉士養成施設に通う学生に対する修学資金の貸し付けのほかに、中学2年生を対象としたフリーペーパーの配布、あるいは、イメージアップに向けたテレビCMを活用した魅力発信などに取り組んでいるところでございます。
 また、介護人材キャリア支援員によるマッチング支援につきましては、一般求職者の相談対応、あるいは施設の見学バスツアー、潜在有資格者に対する再就職支援などに取り組んできているところでございます。
 こうした取り組みによりまして、今年度1月の段階でございますけれども、176人が県内の介護事業所に採用されているところでございます。来年度におきましても、先ほど申し上げた取り組みに加えまして、施設における処遇改善の促進、あるいは新たな介護人材として期待される外国人介護人材の受け入れ支援、先ほども申し上げましたけれども、介護ロボットあるいはICTを活用した労働環境改善の取り組みを推進するなど、介護人材の確保に向けまして、総合的に取り組んでいくこととしております。
〇高橋穏至委員 事業者の状況によっては不足状況は一概には言えないという話でしたけれども、依然として求人は2.49倍あるということでした。
 これは、私が、たしか一般質問でも取り上げたのですが、今、介護福祉士を養成する専門学校等は5校あるのですけれども、募集停止が2校あって、実際、三つしか募集してなくて、しかも、その入学者数は定員の充足率40%ということで、なかなかそちらに進もうとする人そのものが少ないというこの状況の中で、これだけ受け入れる準備はできるけれども、そこに高校を卒業して、その職場をなかなか選ばないというところにもうちょっと着目していかなければならないのではないか。外国人に頼る以前にそっちのほうにもうちょっと力を入れるべきではないかと思うのです。今、ロボットの話も出ました。介護の職場の魅力を発信し、取り組む必要性があるのではないかということについて1点。
 それから、奨学金のお話が出ました。この資料もいただいたのですが、平成30年度から67人、令和元年度56人、令和2年度35人と、どんどん活用する人が減っているのですが、この状況をどう捉えているのかお伺いします。
〇小川長寿社会課総括課長 介護の若者の参入ということでございますけれども、委員からお話しいただきましたとおり、介護の仕事の魅力について若者に対して訴求できるような取り組みをしていくことが大事だと考えております。先ほどの答弁でも申し上げました中学2年生への働きかけでありますとか、修学資金の貸し付けなども行っておりますけれども、今後、できるだけ学校へ直接働きかけるような、高校とか中学校に出向くような形も含めて、若者への魅力発信については工夫をしてまいりたいと考えております。
〇大内保健福祉企画室企画課長 介護福祉士修学資金の貸し付けの状況でございます。
 平成30年度が67名、令和元年度が56名、令和2年度が2月末時点で35名の新規貸し付けとなっております。平均しまして、毎年50名程度に貸し付けを行っているところでございますが、令和2年度におきましては、これは文部科学省の事業でございますが、返還を要しない給付型の奨学金の制度が創設されております。恐らくそちらを活用する方がふえたということで、こちらの修学資金の貸し付けが減になったものと考えております。
〇高橋穏至委員 この魅力、これは職場のイメージとして、先ほどのロボットを使って職場環境ということもありますけれども、あと、制度的に給与体系も事業の原資は限られているのでなかなか厳しいものもあるかもしれませんけれども、それを補うような制度をどんどん進めていってもらいたいなと思いますし、また、北上市にもその学校があるわけですけれども、市でも、やはり地元に残ってもらいたいということで奨学金とかいろいろやっていますので、適宜、市町村との連携をとって進めてもらいたい。それがひいては地元定着にもつながっていくと思いますので、ぜひ、そこはお願いして、次の項目にいきたいと思います。
 続いて、保育士確保に関する事業でございます。これは先ほど吉田敬子委員からも質問があったわけですけれども、令和3年度の取り組み、確保状況については、先ほど答弁がありました。それを確保するための取り組みの紹介もあったわけですが、改めて、保育士養成校を目指す学生の状況、それから、県内就職率の状況等について質問をいたします。
〇中里子ども子育て支援室長 保育士を目指す学生の状況でございます。
 県内の指定保育士養成施設の定員が435人となっておりますが、近年の入学者数は400人前後で推移しているところと聞いております。令和2年度における県内の指定保育士養成施設の入学者数は364人となっておりまして、入学定員に占める割合は83.7%となっております。
 次に、保育士の県内就職率でございます。令和2年3月における保育士養成施設卒業者のうち、保育関係施設に就職したのは253人でございまして、このうち県内に就職したのは160人となっており、その割合は63.2%となっております。
〇高橋穏至委員 今、数字をいただいたのですが、やはりこれも入学者が定員に満たない状況になっていて、この状況を整えることに関しては一般質問の中でも一回取り上げたのですが、同じ保育施設を運営するに当たって、もととなる財源といいますかお金は国の制度によって決まってくるわけで、県内、県外そんなに変わりないのではないかと思うのですけれども、どうしても県外のほうに学生が行ってしまう。これが結局、県内就職率の低下につながってくるということで、ひいては、人口減少にまたつながってくるという問題になると思います。
 そこで、ぜひ、これを上げる工夫が必要ではないかなということで、まず県がやっている保育士確保、ひいては県内に残す工夫、それと、市町村の連携をどうやっているかということをお伺いしたいと思います。
 北上市でもありますけれども、やはり市に残っていただきたいということで取り組んでいるのですが、そこの連携はどうなっているかお伺いします。
〇中里子ども子育て支援室長 保育士の確保に向けた取り組みでございます。まずは、県の取り組みでございますが、県は保育士修学資金の貸し付けを実施しておりまして、こちらは来年度枠を5枠ふやすことで予算案を提出させていただいております。
 また、保育所に勤務する保育士資格を持たない方への資格取得費用の補助とか、保育士・保育所支援センターが行う潜在保育士の掘り起こし、施設とのマッチング支援による潜在保育士の確保対策、そして、保育士等の賃金改善を行う施設に対する給付費の加算等による保育士等の処遇改善、そして、新任保育士がやめることなく就業を継続していただけるような研修を実施するということで、保育士の離職防止対策などにも取り組んでいるところでございます。
 市町村における保育士確保に向けた取り組みでございますが、保育士の業務負担軽減を目的としました国及び県の補助制度を活用していただいているほか、独自の保育士確保対策にも取り組んでいる市町村もございまして、令和元年度におきましては、9市町が奨学金の返済に対する支援とか、保育士等として就労する方に対する奨励金の給付、また、保育士の仕事の魅力発信などに取り組んでいる市町村もあると把握しております。
 県としましては、待機児童が発生している市町村との情報交換等におきまして、ほかの市町村の取り組みを紹介するということで取り組んできたところでございまして、引き続き、市町村への助言を行ってまいりたいと考えております。
〇高橋穏至委員 処遇改善の取り組み、これは国のほうでも当然課題としてやっているわけでして、同じ国のベースだけでやっていると、他県に行ってしまう部分がありますので、この上乗せとか市町村と連携した処遇改善を県独自でやっていただいて、これは比較的女性が多いので、女性の県内就職率にも寄与することで、ぜひ、これを取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、3項目目は結婚支援事業についてお伺いしたいと思います。
 令和2年度の県内の状況はどうなっていますでしょうか。岩手であい・幸せ応援事業の予算は若干減額になっているようでございます。新型コロナウイルス感染症の影響があるかどうかはわかりませんが、結婚サポートセンターの運営状況と令和3年度に向けた展望についてお伺いしたいと思います。
〇日向特命参事兼次世代育成課長 まず、今年度の県内の結婚状況についてでございますけれども、本県の婚姻件数を現時点で公表されております人口動態統計の1月から9月までで比較をいたしますと、令和元年が3、264件で前年同期比0.9%減、令和2年度が2、782件で14.8%減となっております。
 令和元年度は、いわゆる令和婚効果によりまして、一時的に減少幅は小さくなったと考えられますが、令和2年度はコロナ禍の影響もあり、減少幅が拡大しているものと考えております。
 また、予算の状況についてでございますけれども、岩手であい・幸せ応援事業の予算につきまして、令和2年度におきましては、i−サポのマッチングシステムの更新経費を計上しておりましたけれども、更新が終了したため減額となったものでございます。
 それから、i−サポの運営状況でございますけれども、これまで会員同士で成婚された方が180人、i−サポで活動しながら会員以外の方と成婚された方が73人、合わせて253人の方が成婚に至っております。
 また、今年度のi−サポのマッチング件数につきましては、1月末現在で、前年同期を22組上回る139組となっておりまして、マッチング件数は増加傾向にございますけれども、成婚数は前年度を下回る見込みとなっております。
 今後、成婚数を増加させていくためには、まず会員の拡大を図っていくことが重要と考えておりまして、SNSを活用して民間団体や市町村の取り組みを含め、結婚に関する情報を発信するとともに、今月からさきに導入いたしました新しいマッチングシステムの運用を開始いたしまして、これまで紹介できなかった会員のマッチング機会の増加に取り組むこととしております。
 引き続き、市町村、関係機関と連携しながら取り組みを進めていく考えでございます。
〇高橋穏至委員 時間も限られていますので、3項目目の次の質問に行きたいと思います。
 もう一つ通告していました、いわてで家族になろうよ未来応援事業の新規の内容ということで、資料を当局からいただいたわけですが、国のスキームに乗ったということで、これについては、私が、9月定例会の一般質問でも取り上げました。その時点では国のほうも確定していなかったので、曖昧な部分があったのですが、今回出てきたということで、このスキームで狙っている成婚の目標、それから、前年度はなかなか使い勝手がよくないということで、県内10市町村しか取り組んでいなかったのですが、これの今後の目標についてお伺いします。
〇日向特命参事兼次世代育成課長 いわてで家族になろうよ未来応援事業についてでございますけれども、本事業は、結婚に伴う新生活の経済的負担を軽減するために、新婚世帯の住宅費用、引っ越し費用等を支援するものでありまして、今年度は、御紹介があったとおり、県内10市町村で国の交付金を活用して実施をしております。
 令和3年度におきましては、国の制度が、対象年齢としまして、34歳以下から39歳以下に、世帯所得が340万円未満から400万円未満に拡充されるほか、県及び市町村で構成する協議会の設置や新婚夫婦を対象に県主催のセミナーを開催し、そこで受講していただくことによりまして、夫婦の年齢が29歳以下の場合は、支給上限額が30万円から60万円に、国の市町村に対する補助率が2分の1から3分の2に引き上げられるというものでございます。
 現在、国が示すこれらの要件を踏まえまして、市町村と連携して準備を進めているところでございますけれども、令和3年度の予算案におきましては、180件弱を見込んでいるところでございます。取り組む市町村につきましては、18市町村程度を見込んでいるところでございます。
〇高橋穏至委員 9月定例会のときは、県の財政も厳しいのだけれども、上乗せしてもっと魅力のある事業にして、全部が取り組めるようにというお話をしたのですが、今、全市町村ではなくて18市町村ということでしたけれども、ぜひ、全部になるよう、また、次の策を検討していただきたいということですが、最後、部長にお伺いします。
〇野原保健福祉部長 委員からは、9月定例会の際にもこの質問をいただきまして、その時点ではまだ固まっていないので、検討ということにしていましたが、今回、国の事業もきちんと決まりましたので、我々としても市町村とともにこの事業を取り組んでいきたいという形で計上させていただきました。
 18市町村でとりあえず積算しましたが、これは全市町村にぜひやっていっていただきたいと考えておりますし、また、進める上で、市町村によってはさまざまな課題もあろうかと思いますので、そういった課題などについても市町村からきちんと伺った上で、実効性のある取り組みとして進めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 私からは1点質問させていただきます。
 ヤングケアラーの実態についてお聞きいたします。
 国においては、今、実態調査に着手して進めている状況ですけれども、1、741団体に令和元年12月から令和2年1月にかけて調査をしたようでありますけれども、ヤングケアラーと思われる子供が1人から5人いるという団体が170団体、6人から10人いるという団体が26団体、11人以上いるというのが23団体と。回収率は40.6%ですけれども、これを見れば、岩手県にもいるのではないかというところがあるのですけれども、本県の状況、実態は、現状、課題はどのように把握されているでしょうか。
〇中里子ども子育て支援室長 本県におけるヤングケアラーの現状と課題についてでございます。
 家族にケアを要する人がいることによりまして、本来大人が担うような家事とか家族の世話などを日常的に行っている子供─ヤングケアラーの支援につきましては、国の研究事業におきまして、今、委員から御紹介をいただきましたように、全国の市町村要保護児童対策地域協議会を対象とした調査が行われたほか、現在、同様に、全国の中学校、高等学校を対象としたサンプル調査が行われているところでございます。
 これらの調査では、残念ながら都道府県ごとの数値が公表されていないため、本県におけるヤングケアラーの具体的な人数等は把握できておりませんが、県内各市町村の要保護児童対策地域協議会において、ネグレクトとして支援対象となっている家庭の中にヤングケアラーと思われるケースが見受けられるということは聞いております。
 このようなヤングケアラーの中には、教育を受ける、子供らしく過ごせるといった子供の権利が守られていない場合があることから、関係機関と連携して実態把握をさらに進めて、介護や障がい、生活困窮等の支援につなげていく必要があると考えております。
〇軽石義則委員 数字、実態は把握されていないようですけれども、見受けられるということは確認をしているとすれば、その部分については早急に対応していかなければならないのではないかと考えております。
 2020年の12月には、岐阜県では8月末で36名いる、徳島県では25人いるというような、それぞれの県でも既に実態調査をして明らかにした上で、対策を進めている県もあるのです。要保護児童対策地域協議会がそれを把握しているという答弁でしたけれども、岩手県において、要保護児童対策地域協議会が現状どのような取り組みをしているのか、もう少し詳しく教えていただけないでしょうか。
〇中里子ども子育て支援室長 市町村の要保護児童対策地域協議会におきましては、学校、教育委員会や医療機関、警察など、地域の関係機関との連携によりまして、児童虐待のほか支援が必要な子供や家庭の状況把握等、必要な支援を行っているところでございます。
 とりわけ児童虐待の相談対応におきましては、これまでにもネグレクトケースの中に、幼い兄弟の面倒を見ているとか、子供のほうが親を支えているといったケースや、家族介護等により学校を休みがちになったり、学力が低下したりといった影響が見られるケースなど、ヤングケアラーと思われるケースがあって、支援が行われていると聞いております。
 県では、昨年度、各市町村に対しまして、要保護児童対策地域協議会において、ヤングケアラーを適切な支援につなげるよう周知を図ったところでございまして、同協議会の実務者会議とか、ケース検討会議、日常的な情報交換を通じた状況把握など、さらなる取り組みが進められるものと考えております。
〇軽石義則委員 各市町村の中で対応されているということですけれども、具体的にどのような支援対応をされているのでしょうか。
〇中里子ども子育て支援室長 ヤングケアラーにつきましては、子供のその状況を把握した上で、子供が行っている家族の支援をサービスにつなげることが重要と考えております。実際、どのようなサービスにつないだかというところまで県として報告をいただいたり把握したりというところまでは至っておりませんが、支援におきましては、家族介護とか、障がい者サービスあるいは生活困窮といったサービスにつなげられたと考えております。
〇軽石義則委員 県としては直接かかわってはいないということですね。
 児童対策のみならず、福祉を含めていろいろな関係団体があるわけですけれども、特に社会福祉協議会はそれぞれ市町村でも持っておりますから、そこには資金面とか生活困窮面いろいろな相談が来ていると思うのですね。そちらとの連携はどうなっているでしょうか。
〇中里子ども子育て支援室長 ヤングケアラーにつきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、家庭における家族の介護や療養などから派生している場合があることから、子供への支援だけではなくて、医療機関とか介護、障がいサービス事業所、そして、社会福祉協議会など、家族の介護や療養を支援している機関との連携が不可欠であると考えております。
 こういった機関と要保護児童対策地域協議会との連携によりまして、ヤングケアラーの早期把握や子供と家族の双方への適切な支援が提供をされるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 そういう連携がこれからはさらに大事だと思いますし、予算のいわゆる事業別に縦割りではなくて、使えるものは連携して使うことが大事ではないかと思っています。
 もう一つは、調査の関係で、学校にも調査が入っていると聞いていますけれども、県の教育委員会と保健福祉部の連携はどのようになっていますか。
〇中里子ども子育て支援室長 教育委員会との連携についてでございます。
 子供の居場所になっている学校が、学級担任が子供の生活状況や心身の変化を認知したり、あるいは、養護教諭とかスクールカウンセラーが子供からの相談を受けたりするなど、家族介護等による子供への影響を把握しやすい立場にあると考えております。
 このような学校が把握した状況について、子供の保護や権利擁護の観点からは、学校や教育委員会も参画をしております要保護児童対策地域協議会において共有して、必要な資源につなげる取り組みを進めているところでございます。
〇軽石義則委員 これまでは市町村が中心に取り組みをしてきたという答弁ですので、教育委員会においても大体そういうことではないかと思われます。もっと地域に掘り下げていきますと、民生児童委員の皆さんもそれぞれさらに現場に近づく、いわゆる家庭に近い状況を把握できる環境にあると思っていますけれども、その皆さんとの連携はどのようになっているでしょうか。
〇中里子ども子育て支援室長 民生委員、児童委員との連携についてでございます。民生委員、児童委員は、各家庭への直接的な相談、支援に加えまして、地域住民の心配な情報を関係機関につなげていくという役割がありますことから、ヤングケアラーの支援におきましても、状況把握とか、関係機関への情報提供など、重要な役割を担うものと期待をするところでございます。
 そのためには、まずはヤングケアラーという考え方が新しいといいますか、最近言われてきたということもございますので、まずは民生委員、児童委員に、ヤングケアラーについての理解を深めていただくことが重要であると認識をしておりまして、今年度、民生委員、児童委員を対象としました研修において、ヤングケアラーを取り上げたところでございます。
 今後も、引き続き、研修とか必要な情報の提供などを通じまして、地域における関係機関の連携が促進されるように取り組んでまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 今年度、研修をしたということで、これから成果が出てくるのではないかと思いますが、民生児童委員の選出に当たって、各町内会単位になると、その役員を選ぶこと自体が非常に難しくなってきておりまして、加えて、いろいろこういう複雑な問題、課題、やるべき役割がふえてくると、民生委員、児童委員の皆さんに、さらに手厚いフォローなり対応をしていかないと、なり手が本当になくなるのではないか。なり手がないということは、そういう情報も把握し切れなくなるのではないかと思いますけれども、その部分はどうなのでしょうか。
〇阿部地域福祉課総括課長 民生委員につきましては、委員御指摘のとおり、なり手不足という問題がございますが、さまざまな研修活動を通じて知識を高めていただくと同時に、地域の活動で、地域にはさまざまな福祉の資源もございますので、民生委員の方だけに負担を背負わせないように、市町村行政、県も含めてさまざまな機関が連携して、地域で取り組めるような体制を整えていきたいと考えています。
〇軽石義則委員 そういうことを今までもやってきても減っているのです。これからは、さらに高齢化して減るのではないかと言われているのです。ぜひ、地域でそういう民生児童委員の役割が何なのか、必要性はどうなのかということを、さらに地域の皆さんにも理解していただく活動、支える活動ですね。なった人だけが負担を背負うのではなくて、地域でその役割をみんなでサポートしていくことがまだ伝わっていないのではないかと思いますけれども、その点はどうですか。
〇阿部地域福祉課総括課長 今般、社会福祉法が改正されまして、来年度から重層的な支援体制整備事業といったものが始まります。その事業の中の一つに、地域の中で福祉課題を共有して、地域の取り組みとして進めていきましょうというものがございます。来年度、そういった研修や理解を深める活動を進めることによりまして、特定の民生委員だけではなくて、地域全体で福祉の課題を捉えてどう対応していくのか、その対応力を高めるための市町村の取り組みが主になりますが、県の支援事業も予算として準備しておりますので、それを適切に進めてまいりたいと考えています。
〇軽石義則委員 支援事業を多くしていただくことも大事ですけれども、なり手が、なってみようとか、ぜひやろうという心意気を持った委員が自前で出てくるように対応していくのがやはり大事ではないかと思いますし、このことは、さらに、これまで以上に取り組みをしていかないと、福祉の域のみならず地域コミュニティーの部分も維持できなくなるのではないかと思いますので、よろしくお願いします。
 最後にしますけれども、今後の取り組みについてお聞きをいたします。
 今、話を聞いた中でも、いろいろな組織、団体と連携しなければ、まさにヤングケアラー、子供が本来であれば学校に行って勉強をする、一緒に友達と仲間づくりをしていく、そういう環境にない子供たちに早く手を差し伸べなければ、岩手県の目標である幸福を実感できないのではないかと思います。
 県内の各議会の中でもヤングケアラーの問題については議論されておりますし、先ほどの答弁では、市町村では対応しているけれども、岩手県としてはまだ何もしていないとは言いませんけれども、状況の把握で終わっている。ぜひ、県として実態調査をしっかりした上で、具体的な対策を進めるべきと考えますけれども、この点はどうでしょうか。
〇中里子ども子育て支援室長 今後の取り組みについてでございます。
 県としては、現在策定中の次期児童虐待防止アクションプランにおきまして、市町村要保護児童対策地域協議会における実態把握の取り組みを盛り込む予定としているところでございます。その取り組みをきっかけとしまして、医療機関や介護、障がいサービス事業所等、家族を支援している機関との連携を促進していきたいと考えております。
 この実態把握につきましては、その手法につきまして、市町村の意見なども聞きながら、現在、検討をしているところでございます。関係機関が連携して、子供の権利擁護、児童虐待予防の視点に立ちまして、家庭に必要な介護等を提供することで、子供たちの負担が軽減され、家庭が抱えるさまざまな課題の解決が図られるよう、引き続き、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇軽石義則委員 引き続きというよりも、ぜひ早急に対応をしていただくことが大事だと思います。
 今週17日には、ヤングケアラーの支援に向けた福祉、介護、医療、教育の連携プロジェクトチーム、これは厚生労働省と文部科学省が合同で設置するようでありますけれども、その会議が開かれる予定だと聞いております。
 岩手県におきましても、このような形で教育委員会ともしっかり連携をとった上で、各団体が連携しなければ見えないところも出てくるはずですし、手厚い対応ができないのではないかと思いますけれども、最後に、教育委員会との連携も含めて、部長からお聞きをして、終わります。
〇野原保健福祉部長 ヤングケアラーにつきましては、まだ実態を我々も十分把握できていない部分がございますし、また、認知についても、福祉の関係者の中でもまだ進んでいない部分がございます。こうした中にあって、ヤングケアラーをきちんと支援をしていく。これは児童福祉だけでなく、障がい、保健、福祉、高齢者福祉、また、貧困の支えるところもそうです。このために学校現場を一番把握しているのが教育委員会ですので、教育委員会と我々福祉サイドのほかにも、さまざまな支援機関が連携して、共有して取り組むことが重要だと考えております。委員からいただいた御指摘、ごもっともでございますので、教育委員会ときちんと連携をしながら、この問題に取り組んでまいりたいと考えています。
〇城内よしひこ副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。

午後2時38分 休 憩

午後2時57分 再 開

〇城内よしひこ副委員長 休憩前に引き続き、質疑を続行いたします。
〇武田哲委員 私からは、岩手県の戦没者追悼式のあり方についてお伺いいたします。
 まず昨年は、戦後75周年ということで、本来であれば大規模に開催しながら、さまざまなことと向き合う時間を県民と一緒に過ごしたかったのだと思います。しかし、新型コロナウイルス感染症の関係で規模を縮小して開催ということになりました。
 私も初めて県主催の追悼式に出席し、来ている方々がほとんど高齢者の方々、そして、戦友の方を思って来る方、家族を思って来る方、さまざまあったと思います。しかし、平日に開催されたということで、今後、遺族会の人たちと話し合っていかなければならないかとは思うのですけれども、次の世代にいかに引き継ぐか、そのことを考えると、平日の開催が本当にいいのか、若い人たちに来てもらうことを主眼とするか、そういったところで土日の開催などを考えていかなければならないのではないかと思っておりますが、その点についてお伺いいたします。
〇阿部地域福祉課総括課長 さきの大戦で本県出身の3万8、000余の方々が犠牲になりました。戦争の惨禍を二度と繰り返さないためにも、戦争の悲惨さと平和の尊さをしっかりと次の世代に継承していくことが必要であることから、県が追悼式をやっております。
 この次の世代に引き継ぐということを踏まえますと、これまでは確かに平日に開催しておりましたけれども、それにこだわることなく、例えば働いている方や学生も参加できるようにするためには、これから先は土曜日、日曜日の開催もしっかり考えていく必要があると思います。さまざま調整が必要にはなりますけれども、可能な限り、皆様が参加しやすい日程、土曜日、日曜日も含めて開催のあり方を改めて考えていきたいと思います。
〇武田哲委員 まずは世代交代、学生の方々とか、それから、広く県民の方々にというお話がありました。遺族会の方々と、開催する曜日に関してとかこれからのあり方を話し合う機会はあるのでしょうか。その点をお伺いします。
〇阿部地域福祉課総括課長 通例で申しますと、午前中に追悼式をして、午後に県の遺族大会をするという並びになっておりますので、その関係もあって遺族会の方々と調整することもあります。ただ、戦没者追悼式というものは、慰霊の対象が軍人、軍属の方のみならず、海外で死没した一般邦人、動員学徒戦災死の方々も含めておりますので、広く県民の皆様に御出席をいただくことも大事かと考えます。そういったことも含めまして、遺族会の大会もありますけれども、そこも含めて、今後、相談していきたいと考えます。
〇武田哲委員 いずれにしましても、県内各市町村の遺族会の方々、そして、そういった方々としっかりと話し合いを行って、そして、これからの戦没者の追悼式のあり方を考えていかなければならないと思っております。
 あわせて、戦後75周年ということで、ある団体の方々からある要望を受けていたことがあったのです。岩手県満州開拓殉難者の霊を守る会の方々から、まず、満蒙開拓の名のもとに国策で進めてきたことです。義勇軍も含めて44団体が岩手県から行っております。合わせて5、000名弱の方々です。その方々が満蒙開拓に臨んでまいりました。しかし、その後、終戦を迎えて、そして、引き揚げる中で、さまざまな混乱の中で亡くなった方が1、000名以上いるわけです。本当に戦争で亡くなった方々もいらっしゃるかもしれませんが、国策の中で、戦争の悲惨さに埋もれてしまい、中国残留孤児の話はありましたので、一時期注目された時期はありましたけれども、その点が少し曖昧になってきているのかなと感じています。
 昨年ちょうど75周年ということで、満州開拓殉難の例を守る会の方々が、県の報道機関とかに慰霊祭を開催しますという案内をしたらしいのですけれども、来た方が1社だけありました。その記事もすごく事細かに書いてはあるのですけれども、ちょうど私もその場にいたので、その取材の様子を見ていて、来た方の父親がその当時県の職員であったと。そして、その父親は満州に岩手の村をつくるのだ、そういう事業を進めなければならないという気持ちで一生懸命募集をしていったのだそうです。お父さんはそのある団の団長として満州に渡った。その来ていた男性も、後から、父親の後を追って満州に渡った。引き揚げてくるとき、結局、ソ連軍に抑留されて、シベリアで随分つらい悲しい思いをした。本当につらい思いをしたようなのです。そういうふうな歴史があるわけです。県だけではありません。各自治体も一生懸命になって、満蒙開拓に向けて人々を送ったのだと思います。
 そういうふうな当時戦争の中で帰ってくる中で亡くなった方々、その慰霊の碑を、当時開拓事業団のほうにあったようですけれども、それを移設して、今はそういったいろいろな方々がいると思うのですけれども、戦争の名のもとに埋もれてしまった方々、そういった方々への対応は今後どんなふうに考えていくのかお伺いしたいと思います。
〇阿部地域福祉課総括課長 県内におきましても、戦没者遺族の方々あるいは強制抑留者の方々などの団体が活動をしております。県も一緒に式典をしたり、それぞれの団体が主催する慰霊祭などにも参加をさせていただいています。
 ただ、そういった団体では、会員の高齢化などが進んできて大変だというお話もあります。具体的には、県の遺族会では、例えば青年部を創設しまして、孫世代とかひ孫世代に運営の軸足を移していく取り組みが始められたところであります。しかしながら、各団体、置かれている状況がそれぞれ異なりますので、直接お話を聞いて、どんな方法があるのか、一緒に考えていく必要があると思います。
 ちなみに、満蒙開拓のほうは、県庁で言えば、当時、農林部局のほうでさまざま対応をしておりました。過去には、昭和40年代であれば、農地林務部農地開拓課というところがあったのですけれども、そこがこの活動とさまざまかかわりがあったということですので、必要に応じて関係する部局などとも相談して、どういう方法があるのかといったことを考えていきたいと思います。
〇武田哲委員 いずれにしましても、去年、この方々からお願いされたのは、さまざまな資料をたくさん持っているが、これをどこにおさめようか。家族に何とかしてくれと言われても、渡したくても、実際、家族に渡す前に、自分が余りにも悲惨な思いをしたので口にも出せない、話したくないという気持ちもやはりかなりあるのです。しかし、自分が今まで持ってきたこの資料をどうやって次の世代に伝えるか。そういった問題と、今、遺族会の方々はすごく悩んでいるのです。残された時間も少ない。そして、伝える手段もどんどん少なくなってきている。
 実際に、3.11のころ、フェイスブックにはさまざま震災のことであふれていましたけれども、実はそのおかげで、3月10日東京大空襲を忘れたのかという書き込みも幾つかあったのです。同じようにいろいろな人たちがいろいろな悲しみをこれまで経験してきているのだと思います。ですから、そういった意味で戦争で亡くなった戦没者だけにフォーカスするのではなくて、もっと広くいろいろな意味でこれからの時代の振り返りといいますか、そこを推し進めて、次の世代に引き継ぐ我々、また、経験していない我々も、しっかりと引き継ぐ使命があると思います。その点をお伺いして、終わりにします。
〇阿部地域福祉課総括課長 県では、昭和47年3月に、援護の記録をつくりまして、戦争で戦死された方の記録もありますが、一方で、満州からの引き揚げ、ソ連軍の侵攻によって生じた苛烈で悲惨な出来事についても記録をおさめております。それは紙ですと劣化しますので、デジタル化しまして、県のホームページでも見られるようにしております。
 また、その各団体が所蔵する資料につきましては、どういうものか詳しく見てみないと正しく判断はできないのですけれども、例えば歴史文化的な価値があるものであれば、図書館や博物館で保管するのがいいのか。あるいは、例えば亡くなられた方の名簿であれば、もしかしたら、地域福祉課で持っているほうがいいのか。あるいは、満蒙開拓団であれば、その開拓の営農活動を含めて、農林部局で持っていたほうがいいのか。いろいろな保存方法があるのですけれども、もし、機会があれば、私、4月以降も地域福祉課におりますので、拝見させていただいて、どこにどういうふうにすればいいのかなといったところを考えたいと思います。
〇武田哲委員 いずれにしましても、今は、資料を整理しながら一生懸命集めているところです。やはり人の目に触れるようにしてもらいたいとか、それから、岩手県出身ではあるが、その家族の方々が全国に散らばっているわけです。自分のルーツを知りたいということで、わざわざこの岩手県に満蒙開拓の話を聞きに来る方もいるわけです。皆さん、現代を生きている我々ですが、その世代の自分のルーツを知りたいと思っている方々もたくさんいるわけですから、そういった資料もすごく大事だと思います。
 いずれ、総務省のホームページには、戦争の空襲を受けたということで、釜石市と盛岡市のことだけしか載っていません。そして、追悼施設というと、釜石市の艦砲射撃を受けた追悼施設が二つ、花巻市に空爆を受けたということで慰霊の施設が三つ、一関市に一つあります。そういったところを県のホームページにもしっかりと載せながら、その歴史としっかり向き合うという姿勢を今後要望しながら、終わります。
〇佐藤ケイ子委員 私からは三つ通告しております。まず、生活福祉資金貸付事業のことについてです。
 新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少した世帯への生活福祉資金の特例貸付ということで、20万円の緊急小口資金、それから、総合支援資金15万円から20万円、そうしたものの貸し付けを県社会福祉協議会で取り扱って、それを、また、県が補助をしているわけですけれども、今、途中ですけれども、令和2年度の貸し付け状況と課題はどうでしょうか。大変困っている世帯が多いと聞いているのですけれども、この貸し付けの状況がどうなっているのか。そして、新年度も、また、6億7、200万円計上されておりますけれども、それは、さらにふえるという見込みで積算したのか、いや、落ち着くだろうかという積算をしたのか、どのような状況かお伺いいたします。
〇阿部地域福祉課総括課長 幾つか御質問をいただきました。
 まず状況についてですが、令和3年2月末時点で、緊急小口資金が3、552件で、昨年5月の670件をピークとして、10月以降は月間200件程度で推移しています。総合支援資金は1、039件となっており、昨年7月の128件をピークに、10月以降は月間100件程度で推移しております。
 ただし、緊急小口資金も総合支援資金とも、この2月はまた若干件数が増加しておりまして、今後もこの資金の需要はあるものと考えております。
 次に課題ですが、現時点におきまして、特例貸付の受付期間が今月末までとなっております。これではちょっと問題がありますので、県としましては、全国知事会を通じて、特例措置の延長を要望しております。
 また、貸し付けだけでは生活の再建が困難な世帯に対する継続的な支援もさらに必要になりますので、生活困窮者自立相談支援機関など、他の制度との連携強化が必要と考えています。
 次に、新年度の積算ですけれども、この予算は、全額国の補助によって賄われますが、令和2年度の国の配分方法が国全体の予算額を各都道府県の貸付実績を案分して割り返して出す方式をとっておりましたので、来年度予算につきましても、これはあくまでも今月末までに受付が終わったものの分だけですけれども、そういったことを勘案して、令和3年度の国の予算全体総額とこれまでの県の配分率を勘案して、6億7、200万円。この中には、貸付原資と事務費も含まれて計算しております。
〇佐藤ケイ子委員 かなり多いですよね。緊急小口資金で毎月200件程度とか、それから、総合支援資金も毎月100件程度とか、本当に、これは今までなかったことだと思います。リーマンショックのときもこういう状況ではなかったという資料が出ておりまして、本当に厳しい状況が見てとれるところです。
 この特例措置の延長はもちろん要望していただいて、国でも対応していただきたいと思っていますし、国も第3次補正予算で出しているようなので、また、この延長もあるのだろうと思うので、そういう困っている方々が、こういった制度をしっかりと受けられるのだということをどうやって周知していくか。大分知られてきたのだろうとは思うのです。それと、その周知のあり方で、返済を猶予できるとか、免除できるとか、そういったこともあるので、それを先に言わないで、返すのが原則ですよと最初に強く言われると、もう返す見込みがないからと諦めたというのもあったので、所得の減少が続いて、住民税非課税世帯とか、償還の免除が出てくるようですから、そういったことも周知してほしいと思うのですけれども、どういうふうになっているでしょうか。
〇阿部地域福祉課総括課長 生活福祉資金につきまして、あらゆる手段をとってお知らせをしています。また、償還免除につきましても、現時点で償還時において、なお、住民税非課税世帯は免除することができるとされておりますが、窓口になっております社会福祉協議会におきまして、貸し付けの相談や申請時に、個別に説明を行うようにしています。
 また、今後、償還免除の具体的な取り扱いが国から示される予定でありまして、その際には、改めて、社会福祉協議会から特例貸付を受けた方々に個別に通知するなど、確実に情報が届くように周知に努めていくこととしています。
 また、返済猶予、償還猶予と言いますけれども、この場合は、借受人または借受世帯が災害、そのほかやむを得ない事由により期限内に償還が困難である場合は、申請に基づいてその償還期間を延長することができますので、償還免除の取り扱いとあわせて貸し付けを受けた方々あるいは申請するときに、しっかりと周知を図ってまいりたいと考えます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。
 それでは次ですけれども、自殺対策についてでございます。これは民間団体、それから、市町村が実施する自殺対策に係る取り組みを支援するということとか、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発を実施するということが上げられておりますけれども、昨年の自殺率の統計が公表された時点で、速報値で岩手県が10万人当たりの自殺率が非常に悪かった、ワーストのほうになっていたというわけです。本県の状況について、前の統計を見ると、実際の自殺者は少なくなってきた傾向がずっとあったようなのですけれども、それでもこのワーストになったということで、その課題認識をお伺いしたいと思います。
〇菊池障がい保健福祉課総括課長 先ごろ、令和2年の発見地をベースにした自殺の統計の速報値が公表されましたけれども、今、データが完全に確定をしているのは住所地ベースのものであります。まず、令和元年の住所地別の確定値を申し上げますと、自殺者数は250人、うち男性が7割、年代別では60歳以上が約5割で、自殺死亡率は20.5%となっております。アクションプランを策定してこれまで取り組んできておりますが、策定前の平成18年との比較では、自殺者数はマイナス217人、自殺死亡率の全国平均との差も10.4ポイントから4.8ポイントに減少をしているところでございます。
 それから、令和2年の速報値は、発見地ベースですけれども、まだデータとして全てそろっているわけではありませんが、全国では2万919人で、前年比750人の増、本県は274人で、前年比2人の減。現時点の速報値ですけれども、こういったものとなっております。
 課題といたしましては、本県の自殺死亡率は、お話あったとおり、依然として全国高位にありまして、特に働き盛り世代の男性や高齢女性が多くなっております。
 それに加えまして、令和2年の速報値では、全国で女性が増加をしているということであります。本県も、年間では全国と同様に前年比増となっておりますが、全国は6月以降非常に顕著な増加が見られましたが、本県ではそういった顕著な傾向は見られないということでございます。
 以上を踏まえまして、令和3年度におきましては、事業所訪問によるメンタルヘルス対策、高齢者のうつの早期発見、支援などの予算を増額して、取り組みの充実を図ることとしておりますし、令和2年における全国的な動向について、現在、公的な調査研究機関が調査分析を進めておりますので、その結果も踏まえまして、本県の取り組みを検討し、引き続き、官民一体となって取り組みを進めていきたいと考えております。
〇城内よしひこ副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いします。
〇佐藤ケイ子委員 実際の人数とすれば、微減というか減少傾向だけれども、ほかの県のほうが減少率が多かったということでいいのですね。
 新年度の予算は、自殺対策緊急強化事業8、500万円と自殺対策事業2、350万円と二つの事業があるのですけれども、この違いは何でしょうか。
〇菊池障がい保健福祉課総括課長 自殺対策緊急強化事業は、国の地域自殺対策強化交付金を財源といたしまして、県が行うゲートキーパーや傾聴ボランティアなどの人材養成、心の健康づくりについての普及啓発などの取り組み、それから、市町村や盛岡いのちの電話など、民間団体が行う相談支援、普及啓発などに対する補助金であります。
 一方、自殺対策事業として今回盛り込みました2、350万円は、国の新型コロナウイルス感染症セーフティネット強化交付金、それから、地域自殺対策強化交付金を財源といたしまして、コロナ禍における経済社会情勢の悪化などを背景に自殺リスクの高まりが懸念されることを踏まえまして、令和3年度当初予算案において新たに計上をしたものでありまして、精神保健福祉センターにおける相談受付の強化、市町村が行う専任職員の配置など、相談体制の強化に対する補助金となっております。
〇佐藤ケイ子委員 相談体制ということですけれども、なかなか相談員も大変だと聞いております。
 それから、盛岡いのちの電話ですけれども、この方々はボランティアでやっていまして、本当に大変な作業をやられているようです。そして、人材を確保するのも大変ですし、本当に多くの方々の寄附でやられている事業ですが、県も支援体制を組んでいただければと思っております。
 それでは次の質問に行きます。緩和ケア等啓発推進事業です。医療用ウイッグ購入の補助は始めてもらってまだ初年度でありました。この初年度の実績の見込みはどうでしょうか。これを多くの市町村が取り組んだでしょうか。どのようにして誘導できたのかできなかったのか、お知らせください。
〇鎌田特命参事兼地域医療推進課長 医療用ウイッグの購入費の補助についてでございますが、今年度から、市町村ががん患者に対して医療用ウイッグの購入費用を補助する場合に、県が市町村補助額の2分の1を1件当たり1万円を上限として補助する制度を実施しているところでございます。
 実績につきましては、制度導入前から市の単独事業として実施していた北上市に加え、新たに、花巻市、一関市が事業を開始しておりまして、今年度は合計で100件前後と見込んでいるところでございます。
 なお、来年度につきましては、市町村への意向調査した結果によりますと、現在実施中の3市を含む計17市町村が事業を実施する予定となっておりまして、実施件数は大幅に拡大する見込みとなっております。
 県といたしましては、引き続き、市町村に対して実施を働きかけていきたいと考えております。
〇佐藤ケイ子委員 本当に額は小さいのですけれども、こういったがん治療の方々が治療しながら働いたり生活する上でさまざまな応援があるということはうれしいことでありまして、ぜひ広めていただきたいと思います。本当に取り組みありがとうございます。
 今度は、新たに、妊よう性温存への補助が加わるということであります。AYA世代といいますか、若い方々が療養で就学とか就労とか、生殖機能が異なってきて大変な方々がたくさんいて、相談体制も大変ですけれども、そういった必要に応じて適切な生殖医療を専門とする施設に紹介するための体制をつくるとか補助金を出すとかさまざまな事業があるわけですけれども、本県で新たに行うのはどの範囲で行うのか、その内容をお知らせください。
〇鎌田特命参事兼地域医療推進課長 妊よう性温存のための医療費助成についてでございますが、若年のがん患者等が受精卵や卵子、精子等を凍結保存する場合に、自費診療となりまして、経済的な負担が大きいことから、患者の負担軽減と妊よう性温存療法の研究を促進するために、来年度から新たに国庫補助制度が創設される予定でございます。
 助成の要件等につきましては、現在、国において検討が進められておりますが、現時点の案では、助成額は、受精卵凍結が35万円、卵子凍結が20万円、卵巣組織凍結が40万円、精子凍結が2万5、000円、精巣内精子回収が35万円を、1回当たりを上限としまして、対象者につきましては、43歳未満のがん患者等に対し2回まで助成することなどが想定されているところでございます。
 県としましては、この国の案をもとに、当初予算案に総額210万円の予算を計上したところでございまして、国から要綱等が示され次第、速やかに事業内容等の周知を図りまして、がん患者等に活用を働きかけていくこととしております。
〇佐藤ケイ子委員 今、国が方向性を打ち出して、それに乗ったということだと伺いました。
 若い方々で、本当に自分の卵子とか精子を保存しておこうと思うか思わないか、強制でもないですし、その相談をすると言っても、お医者さんに相談すればいいのかどうなのか、大変悩ましいことだと思ったりします。それから、2回までの助成になりますけれども、2回までで本当にいいのかどうか、それも悩ましいなと思って、この制度を見ておりました。
 でも、こういうふうに対象者の小児、AYA世代の方々に、病気になってもいろいろな制度があるのだよということをしっかりとお知らせしていただければいいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
〇菅野ひろのり委員 私からは医師確保対策について伺います。先ほど来からありましたので、今年度の要点に絞ってお伺いします。
 岩手県はどのように医師確保ができるのかなということでさまざま資料請求させていただきました。振り返らせていただきますと、まず奨学金養成医師の配置、令和3年は義務履行で100名プラス16名ということで、着実に成果が上がってきていると思っています。あとは奨学金の貸し付け状況も令和2年度は53名ということで、私自身で計算すると、過去で一番多い数字かなということで、厳しい中でも県の皆様方のこの努力に敬意を表したいと思っています。
 そこで、医師確保計画を見ますと、まだまだ不足している現状が見られておりまして、確保すべき医師数と確保見込数との差が125名でありました。では、どうやって上積みしていくのかというと、やはり即戦力医師の招聘数も頑張っていかなければいけないなと見ますと、来年度の事業は若干減少になっております。さらに令和3年は、令和2年が25名に対して30名確保していく計画ということでありました。今後、どのようにして確保していく見込みなのか、お願いいたします。
〇千田医師支援推進監 医師招聘につきましてですが、岩手県医師確保計画における県外からの医師招聘数につきましては、毎年5名ずつふやすという計画としております。令和元年度の実績で言いますと、招聘医師数は9名、それから、今年度ですが、2月1日現在で、新規の採用は6名となっております。
 新年度におきまして減額になっている部分につきましては、今回の新型コロナウイルス感染症の影響もありまして、出張に係る経費、旅費が若干減額になっております。こういった予算減はありますけれども、対面での面接等できない分、ウエブ等を活用して回数を確保して、招聘に努めてまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 これは本当にさまざまな方々の努力の成果であると思っておりますので、引き続き頑張っていただきたいと思っています。
 地域医療基本法の話になりますが、この中でも県独自での取り組みには限界があるということが示されています。そして、医師確保の対策として、五つの視点の医師確保対策を県はやっているわけですが、その中に、勤務医の環境向上支援とかいかに定着するかというのも示されています。
 そこで、今回の事業で非常に大きな金額でありました地域医療勤務環境改善対策整備事業費補助、約1億2、000万円についてお聞きします。救急医療が非常に厳しい状況になっているということで、北上済生会病院、県立千厩病院、県立久慈病院、県立二戸病院、この辺が非常に大変な状況で補助するということでございました。現状と、これを今後どのようにやっていくのか伺います。
〇浅沼特命参事兼医務課長 医師の勤務環境改善に係る事業についての御質問をいただきました。
 本県の医療につきましては、医師の献身的な労働によって支えられているという状況がございます。令和4年4月から、医師に対する時間外労働の上限規制が適用されることになっており、それに向けまして、地域での医療提供体制を確保しつつ、医師の労働時間短縮を進めていく必要がございまして、今回の事業費を計上させていただいたところでございます。
 事業の内容につきましては、救急医療など地域における特別な役割がある医療機関などを対象としておりまして、年間の救急車の受け入れ件数が1、000件から2、000件までの医療機関を対象に補助しようとするものでございます。1、000件から2、000件を対象といたしますが、2、000件以上の医療機関につきましては、診療報酬において措置されることとなっておりますので、この1、000件から2、000件の間の医療機関について、例えば時間外労働時間短縮に向けまして、さまざまな機器を導入したり、設備を整備したり、あるいは医療クラークを導入するなど、そういった経費につきまして、その対象とする医療機関の病床当たりに単価を掛けた積算により補助することになっております。
〇菅野ひろのり委員 救急医療、特にその地域に一つしかないような民間の病院とか少ないような久慈地域とか、救急医療が非常に逼迫していると思っています。例えば県立久慈病院ですと、年間1、775件救急車の受け入れがあるところで、そういったところにしっかり補助をしていただいて、勤務環境改善をしていただく。今、例えば奥州地域は、先ほど紹介もありましたが、医師が減少している中で、いかに医師を確保できるのか、定着していただくのかを、これからも続けていただきたいと思っております。
 そして、最後になりますが、地域医療基本法の中で、やはり医師の定数化というのでしょうか、知事が先頭に立って今まで進めてこられました。今、コロナ禍という中で、なかなか議論が進んでいないのではないかという仕方がない部分はあると思うのですが、重要な課題と捉えております。その現在の進捗、国の反応等を含めてお知らせ願います。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 地域医療基本法でございます。
 県では、国に対し医師の計画的養成や適正配置などを主眼とする地域医療基本法の制定を求めて、これまで政府予算提言・要望や全国への情報発信等を通じてその必要性を提言してきたところでございます。
 国では、昨年4月から、医師不足地域における勤務経験を病院の管理者要件とする制度が始まりました。これには本県の提言内容の一部が反映されているということで、一定程度提言が実現しているのではないかと認識しております。
 今後、さらなる提言の実現を目指すためには、国への働きかけとともに、医療、行政関係者の理解を得て、国民的な議論とするための機運醸成を図っていくことが必要と考えており、引き続き地域医療基本法制定に向けた全国への情報発信を行ってまいります。
 また、この考え方は、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会にも引き継がれております。知事の会の取り組みと両輪で実効性のある医師確保、医師不足対策の実現を目指してまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 これについては大変期待をしておりますし、今、さまざまな奨学金養成医師が配置されている中で、成果は上げているけれども、実態は解決しない現状がありますから、そういった根本的な改善を、引き続き、情報発信を含めお願いをしたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは、新型コロナウイルス感染症のこれまでの県内感染者の状況と分析結果について質問をします。年代別発生状況、重症となった患者数、死亡者の要因はどうでしょうか。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 感染者の年齢層につきましては、20歳代が18%、50歳代が16%、40歳代が16%の順に多くなっておりますが、70歳以上の方の割合が全国の16%に対し23%ということで高くなっております。
 重症となった患者数につきましては、累計で10名と報告されております。
 死亡者につきましては、30名と報告されておりまして、65歳以上の高齢者または何らかの基礎疾患のある患者に限られているところでございます。
〇斉藤信委員 岩手県の場合には、70歳以上の高齢者が23%で多いと、これが死亡者の30名の直接的な要因だったと思います。
 そこで次に、感染経路の分析はどうなっているでしょうか。感染経路不明の患者数、比率を示してください。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 感染経路につきましては、令和2年12月2日から令和3年2月6日までに発症した患者のうち、分析可能な244名の集計となりますが、大きなクラスターが発生した影響もございまして、医療機関が28%、次いで、家族からというのが21%、職場等が13%、飲食店が7%となっております。
 また、感染経路不明の患者につきましては、52名、21%ということでございます。
〇斉藤信委員 次に、感染者の中の無症状患者数、比率、無症状感染者からの感染、これはどうなっているでしょうか。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 無症状病原体保有者でございますが、3月12日までに公表した558名中116名、21%が無症状病原体保有者となっております。また、少なくとも12名の無症状病原体保有者から感染が拡大した事例が20例ございました。
〇斉藤信委員 次に、感染しても他人に感染させない患者の状況の比率はどうでしょうか。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 昨年12月2日からことしの2月6日までに公表された患者のうち、分析可能な229名の集計におきまして、63名、28%が他者に感染させたと推定しております。残り166名、72%は、他者への感染はなかったものと推定しております。
〇斉藤信委員 今、岩手県内の感染者の状況分析をお聞きいたしまして、大体全国的な状況に一致していると。ただ、最初の答弁にあったように、高齢者の感染が多かった。これは医療機関のクラスター発生が大変大きな理由だったのではないか。
 そこで私は、これから新型コロナウイルス感染症を封じ込めるためには、検査体制の抜本的な強化が必要だと思います。そこでお聞きしますが、PCR検査の体制、能力はどうなっているでしょうか。環境保健研究センター、民間検査センター、病院等、そして、そのすみ分けはどうなっているでしょうか。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 PCR検査体制についてでございます。
 1日当たりのPCR検査の能力でございますが、県の環境保健研究センターで240件、民間の検査機関で420件、医療機関等ということで327件と承知しております。関係機関の連携につきましては、医療機関が自院で検査できる場合には、自院でPCR検査や抗原検査を実施いたします。自院で検査を実施しない医療機関につきましては、民間検査機関に委託してPCR検査を実施する例が多い。
 一方で、保健所が行う濃厚接触者等の検査につきましては、主に県の環境保健研究センターで行われます。ただし、クラスターの発生時など、検査、検体数が非常に多いという場合、県の環境保健研究センターの能力を上回る場合も含めて、民間の検査機関に委託して検査を実施する場合もございます。
〇斉藤信委員 合計すると、1日最大能力は987件ですね。この間、拡充されてきたと言っても、私は、無症状の患者の早期発見などを考えたら、もっと思い切って検査体制を強化することが必要だと思います。
 実は今、全自動PCR─ロボットシステムの移動式自動PCR検査システムが開発されていまして、1日最大16時間の稼働率で、2、500検体できると。だから、これを1、000カ所で設置すれば、日本で1日250万検体できるという、そういう点でいくとどんどん技術が進歩していますから、ぜひ、こういう新たな検査システムなども考えていただきたい。
 そこで、無症状感染者の早期発見が新型コロナウイルス感染症の感染を抑止、予防する上で重要だと考えますが、そういう戦略、方針、岩手県はどうなっているでしょうか。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 無症状者の早期発見ということでございますが、感染していることを自覚していない感染者の方を明らかにするために、PCR検査を無症状者を含めて幅広く実施することにつきましては、二次感染を防止するなどのメリットが考えられます。一方で、感染が確認されても、7割以上の方が他者に感染させていないことに加えまして、市中感染のリスクが高くない状況下で無症状者への検査を行うことについては、感染していないのに結果が陽性となる偽陽性が多く発生いたしまして、必要のない方が入院対象になるという大きな課題がございます。岩手県新型コロナウイルス感染症対策専門委員会においても推奨されていないところでございます。
 県としては、県内の感染拡大の状況を見据え、無症状者に対するスクリーニング検査のメリットとデメリットについて、引き続き専門委員会の意見を伺いながら、適切な行政検査を実施し、感染拡大防止に取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 無症状感染者の早期発見は世界の封じ込めた国の教訓であり、このPCR検査の強化を消極的なのは日本だけです。これは本当に異常なことでね。感染症の専門家の中でも意見が分かれていると私は思います。
 そこで、これはオックスフォード大学の論文ですけれども、無症状感染者から感染したのが、発症前の無症状者からは46%、最後まで無症状の方からは10%、あわせて感染者の56%です。先ほど、クラスターや感染が明らかになった方々を調べたら、その濃厚接触者で21%です。いわばあなた方が、感染したつながりで21%、私はやはり4割5割は本当に無症状の方々がまだ放置されているのではないかと思います。そういう意味では、PCR検査は医療の中では確立された検査方法で、最も感度の高い検査方法だと思います。
 実は、全国知事会もやっとこの無症状者に対する検査をやるべきだと提起をしました。そして、これは緊急事態が宣言されたところは、それこそ3月末までに高齢者施設は全部検査となりましたね。それだけではなくて、全国25の都道府県で独自の社会的検査、これは高齢者施設、利用施設などでやられています。隣の秋田県、宮城県、そして、岩手県よりも感染者が少ない鳥取県もやっています。今、幅広くこういう検査をやって、早期に無症状患者を発見して、保護、隔離、治療に結びつける。厚生労働省もやっと遅きに失しながら、それをやらざるを得ないことになっている。全体としては積極的な取り組みをやっていることを私は評価していますけれども、PCR検査による無症状感染者の早期発見に消極的なこの検査体制については残念ながら世界の流れにも全国の流れにもちょっと背を向けたことになっているのではないかと思いますけれども、いかがですか。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 県では、国の新型コロナウイルス感染症対策分科会での提言とか、国からの通知といったものを踏まえまして、2月19日に開催した岩手県新型コロナウイルス感染症対策専門委員会で協議の上、新型コロナウイルス感染症の蔓延期における検査方針を定めたところでございます。この方針の中で、本県が緊急事態宣言の対象地域となった場合や、特定の地域における網羅的な検査として、市中感染のリスクが高いというか、地域において多数の感染者または複数のクラスターが発生した場合には、当該地域を対象として同様の行政検査を行うという方針を立てたところでございます。
 県としては、この方針のもと、引き続き、専門委員会の意見を伺いながら、適切な行政検査を実施し、感染拡大防止に取り組んでまいりたいと思います。そして、行政検査とは別に、医療機関におきましては、それぞれ自前の検査体制によって医療従事者の検査を行ったり、あるいは、高齢者施設におきましても、県の補助金を利用して検査を行っている例がございます。そういった例も参考にしながら、引き続き、PCR検査の拡充に努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 先ほど、この間の感染者の分析を聞きました。私、最大の問題、教訓は、鶯宿温泉病院におけるクラスターであったと思います。118人が感染した。これは高齢者の多い病院で、それが死亡者数にも私は反映したのだと思うのです。
 だから、医療機関でそういうクラスターを発生させない。医療機関や高齢者施設での定期的な検査は、岩手県の教訓から言っても本当に必要なのではないでしょうか。
 そして、もう一つ、これは高田一郎委員が一般質問で取り上げましたけれども、新型コロナウイルス感染症に対応した看護師の約9割が自分が感染するのではないか、させるのではないか、そういう不安、精神的な苦痛を感じている。そして、こういう医療関係者は会食もしない、旅行もしない、1年間そういう努力をして頑張っているのです。私は、岩手県のそういうクラスターの教訓から言っても、第一線で頑張っている、精神的な苦痛を感じながら頑張っているそういう医療関係者にとっても、やはりここは定期的な検査に岩手県も他県のように踏み込む必要があるのではないか。これは部長に聞きましょう。
〇野原保健福祉部長 委員御指摘のとおり、医療関係者、介護施設、ここがクラスターの起点となった場合、やはり大規模になります。また、重症化しやすい方が入院されているということで、そこをきちんと封じ込めていくという視点は全くそのとおりだと考えております。
 一方で、検査のほうをどうしていくかということはやはりさまざま議論ございます。今現状、医療機関においてはかなり独自の取り組みとして、従業員とか救急患者に対してかなり広く行われております。そういったところについて我々もきちんと評価、支援していく視点は必要だとは認識しております。
 一方で、全県的に網羅的にやるかどうか。他県の事例もありますが、必ずしも定期的にやっているかというと、さまざまあると我々も理解をしています。やるからにはきちんとやらなければなりませんので、そのために専門委員会の見解としては、かなり感染者がふえてきた、蓋然性が高まった場合に実施をするという見解が示されましたので、我々もその方針に従って、その際にはきちんと実施をしてまいります。
 この点については、先ほど医療政策室長が答弁したとおり、非常に感染者が少ない状況でやった場合のデメリットといいますか、そういったものも一方ではありますので、そういったことを十分見きわめながら、そうは言っても、蔓延防止のための取り組みは引き続き重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 今、政府は3月21日に緊急事態宣言を解除するのではないかと言われています。ところが、首都圏は高どまりで、新たな変異ウイルスも全国に拡大している。リバウンド、第4波というのを本当に想定した対策をとらなければならない。だから、そういう第4波に向けて、県内で感染が少ないときだからこそ、検査体制の確立や取り組みが必要だと、このことは指摘をしておきたいと思います。
 変異ウイルスの検査については、議会答弁の中で、この間47例検査して、全部が変異がなかったということでした。引き続き、遺伝子検査は全数やられると理解してよろしいですか。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 全数といいますのは、PCR検査でそもそも陽性になった方々で、県の環境保健研究センターに検体が存在するものについては、全数、引き続きやってまいります。
〇斉藤信委員 次に、医療体制についてお聞きいたします。これまで新型コロナウイルス感染症の入院を受け入れた病院数、病床を確保している病院数と病床数はどうなっているでしょうか。危険手当の対象の病院数と医療従事者数はどうなっているか示してください。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れた実績のある医療機関でございますが、本日3月15日現在で20施設でございます。
 病床を確保している医療機関数につきましては、本日現在で24病院、250床程度となっております。
 それから、危険手当の支給対象となる病院数につきましては、病床確保計画におきまして、フェーズ3に至った場合に病床確保する2病院を加えた26病院となっておりまして、その医療従事者数につきましては、およそ1万人程度となっております。
〇斉藤信委員 新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた病院、このうち県立病院、公立病院、公的病院、どうなっていますか。
〇吉田特命参事兼新型コロナウイルス感染症対策監 20病院のうち公的……ちょっと数えます。集計しますので、後ほどお答えいたします。
〇斉藤信委員 では、今の分はロスタイムで。
 これは最後の質問になると思いますけれども、新型コロナウイルス感染症病床確保による一般病床への影響、入院患者、外来患者の減少、手術の延期や減少、健康診断等の減少等、減収の実態をどう把握しているか。
 定例会の答弁にありましたけれども、県単独で空床補償という答弁がありましたが、あれは国の補填とあわせて県単独ということになるのか、そのことも示してください。
〇工藤医療政策室長兼保健福祉企画室総括新型コロナウイルス感染症対策監 一般的な診療への影響につきましては、他県に比べて本県の感染者数は少なく、フェーズ2にとどまったため、感染拡大地域で見られたようないわゆる医療の逼迫には至らなかったものの、県立病院では新規の受け入れの制限とか、不急の手術、検査の延期等の対応を行うなどの影響によりまして、今年度1月末までの患者数を前年同期と比較いたしますと、入院患者数で9.03%の減、外来患者数で9.3%の減となっております。
 県内医療機関の減収の実態につきましては、県立病院の今年度の1月末までの医業収益を前年同期と比較いたしますと、4.2%の減収となっておりまして、県立病院以外の医療機関においても同様の経営状況が続いているものと認識しております。
 空床確保でございますが、空床補償につきましては、国が実施している空床補償と県が上乗せして行っている空床補償がございます。
〇城内よしひこ副委員長 吉田新型コロナウイルス感染症対策監、答えられますか。
〇吉田特命参事兼新型コロナウイルス感染症対策監 県立、市町村立を含めた公立でございますが、受け入れた病院数は12、それから、公的医療機関が3、民間医療機関が5というところでございます。
〇高田一郎委員 私からは、避難行動要支援者の個別計画の策定状況について伺います。これは自分で避難するのが難しい災害弱者の避難計画を事前に決めておくものでありますが、これはなかなか進まない現状にあります。
 そこで今、県内市町村の策定状況はどうなっているのでしょうか。名簿の作成人数に対する個別計画の策定数、及び市町村の策定率について、まずお聞きします。
〇阿部地域福祉課総括課長 令和2年10月1日時点の調査では、19市町村1万8、149人分が策定済みとなっており、避難行動要支援者名簿の作成人数7万8、428人に対する策定率は23.1%となっています。
〇高田一郎委員 市町村別も聞いたのですけれども。
〇阿部地域福祉課総括課長 33市町村あるのですけれども、100%になっている市町村が二戸市、奥州市、雫石町、住田町、田野畑村となっております。
 あと、ゼロの市町村もありますが、平均して23.1%であります。
〇高田一郎委員 東日本大震災津波では、犠牲となった方々の約6割が高齢者。障がい者については、被災者全体の死亡率が2倍ということで、この個別計画の策定は非常に重要だということが言えると思います。
 そこで今、答弁がありましたように、100%の自治体が5市町村、全然策定していない0%の自治体が13市町村あるのですね。これは市町村間にかなり格差があると思います。なぜ進まないのか、課題をどう把握されているのか、そして、100%の自治体もあるわけですけれども、この取り組みの教訓は何なのでしょうか。県はどのような支援をこの間行ってきたのかというのが一つです。
 それから、災害対策基本法の一部改正が国会でこれから議論されようとしていますが、この個別計画の策定については、これまでの推奨から努力義務となるような内容になっています。この法律改正によってどのようにこの個別計画の策定が進むのか、この点についてまとめてお伺いいたします。
〇阿部地域福祉課総括課長 策定が進んでいない市町村では、主な理由として、地域における避難支援者の確保が難しい。それから、職員のノウハウが不足しているというものがあります。
 一方で、策定が100%の市町村では、名簿作成の際に、民生委員など要支援者の心身の状況などの情報聞き取り、名簿作成と並行して個別計画を策定する取り組みや住民など地域の関係者による情報交換会を開催し、この避難行動要支援者の情報共有や安全な避難経路などの話し合いを通じて共助の意識を高め、避難支援者の確保につなげている事例もあります。
 県では、昨年7月に、市町村に対しまして計画策定の具体的な流れや策定事例などをお示ししました。そして、まずは災害リスクが高い区域に住む避難行動要支援者については、優先的に個別計画を策定しましょうということをお願いしました。そうしたところ、昨年10月時点で個別計画を策定している19市町村のほかに、7市町村で具体的な検討が進められるところとなりました。
 また、現在、国におきましては、災害対策基本法の改正によりまして、市町村に個別避難計画の作成を努力義務化することが予定されております。また、その作成経費に対する地方交付税措置のほか、作成手順の参考となる取組指針の改定などの支援策が検討されております。
 県では、今後も国の状況なども注視しながら、必要な情報を市町村に提供するなど、その取り組みを支援していきます。
〇高田一郎委員 これから大規模地震とか豪雨災害、いつ来るかわからない災害に備えて、この個別計画を一刻も早く策定することが求められていると思います。
 今、県内の教訓を聞きますと、やはり市町村の取り組む姿勢と、そして、そこに県がどうかかわって支援していくか、ここが私はやはり大事ではないかと思います。全国では、例えばふだんから高齢者や障がい者のケアに携わるケアマネジャーとかそういう福祉専門職員の力をかりて、日常の仕事の延長線で、この個別計画に取り組む、そういう自治体もあると報道されております。ここには報酬もきちんと支払いながら計画をつくっている自治体もあれば、あるいは訓練に訓練を重ねながら、その中で要配慮者を把握して個別計画をつくっているという、そういうところも全国各地に生まれていますし、県内でも5市町村が100%つくっているわけですから、こういったところに全国や県内の経験に学んで、しっかりとここに取り組む必要があると思います。
 これまで県はさまざまな支援を行ってきましたけれども、研修会の開催とか現況を調査するとかフォーラムを開催するとかそういうことをやってきましたけれども、さらに踏み込んで、課題が進まない理由に、自治体職員が足りないとか、地域の協力が得られないとか、はっきりしているわけでありますから、県がここに専門家を派遣するとか、財政的な支援をするとか、これまでにない踏み込んだ支援をすることが非常に大事ではないかと思いますけれども、改めて、県の対応についてお聞きしたいと思います。
〇阿部地域福祉課総括課長 国におきましては、令和元年台風第19号災害における課題を教訓としまして、高齢者や障がい害者の方などの避難の実効性の確保に向けた取り組みについてどうしたらいいのかといったものを学識経験者など福祉関係者、自治体関係者などを入れて議論して、昨年12月にその結果を取りまとめましたが、その中にも委員の指摘があったとおり、やはり日ごろから避難行動要支援者の状況等を把握しているケアマネジャーや相談支援専門員など、福祉専門職ときちんと連携して策定することが重要だと示されております。
 また、その策定の取り組みに対しましては、財政的な支援も重要であるとされておりまして、国におきましては、この計画策定に要する経費につきまして、新たに市町村に対して地方交付税措置を講ずる予定であります。市町村において、こういったものを財源としながら、福祉専門職に対して計画策定に係る報酬を支払うなど、財政的な支援が期待されているところであります。
 今国会で議論されるとのことですので、年明けには決まるのではないかと考えますが、県では、こうした国の新たな取り組みについてきちんと把握し、市町村にも周知しながら、その取り組みを支援していきたいと考えます。
〇高田一郎委員 個別計画の策定が非常に重要だということが言われて大分たちます。結果として、県内では、13市町村がまだゼロ%でありますから、ぜひ、新年度はこれをさらに改善できるようにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、避難所における感染対策についてお伺いいたします。災害時の避難所における集団感染が心配される中、避難者が安心して避難できる取り組みが非常に大事だと思います。県保健福祉部では、避難所における感染対策のマニュアルを昨年7月だったと思いますが、策定いたしました。その内容、そして、市町村の取り組み状況、これについてまずお伺いいたします。
〇阿部地域福祉課総括課長 その内容につきましては、災害時の避難所における感染リスクを下げるため、可能な限り多くの避難所を開設するなど、三つの密を避けるとともに、避難者に対して、手洗い、せきエチケットなどの基本的な感染対策を徹底し、適正な避難所運営を行うこと。また、あらかじめ避難所におけるマスクや消毒液、パーティション、段ボールベッドなど、感染症対策などに必要な物資を確保しておくことなど、市町村に対して事前の体制整備を促しているものとなっています。
 市町村の取り組み状況については、昨年11月に調査したところでは、定期的な換気や間仕切り、マーキングなどによる十分な換気の実施とスペースの確保、発熱、せき等の症状が出た方のための専用スペースの確保のほか、ホテルや旅館、小中学校の空き教室や閉校した学校などの活用による避難所の増設などの対策が進められており、それぞれの状況に応じた取り組みが進められているところであります。
〇高田一郎委員 私もこのマニュアルを全部読んでみましたけれども、大変立派なマニュアルだと思います。感染対策に必要な物資などの備蓄をしなさいとか、可能な限りの避難所を開設しなさいとか、訓練の必要性、こういった事前の取り組みが大事だということが書かれておりますし、今の答弁でも、事前の体制整備が非常に大事だということをお話しされました。
 やはり大事なことは、県はどういう役割を果たすべきかという点については、マニュアルをつくったのであれば、このマニュアルに沿って事前の整備、体制がきちんとやられているのかという、全体を把握して、そして、必要な支援、援助を行うのが県の役割だと思いますけれども、この点についてはどのように全体を把握されているのか、この点にお伺いしたいと思います。
〇阿部地域福祉課総括課長 感染対策におきまして、まずは物資につきましては、市町村において、調達、備蓄が進められておりますけれども、県としても、市町村の備蓄を補完する観点から、必要となるマスク、消毒液、パーティション、段ボールなど、一定量の備蓄を進めております。
 また、ホテルなど避難所の増設については、先般、市町村に対して調査したところでは、実際に避難所として指定されたところについては、九つの市町村において、ホテルや学校、公共施設などが増設されたところでありますし、そのほかの市町村においても、現在はまだ指定にはなっていないのですけれども、公共施設などを活用して、可能な限り多くの避難所を開設することを現在検討しております。
〇高田一郎委員 先ほど、要避難行動、要配慮者の個別計画の策定状況についてお聞きしましたけれども、市町村間で大分格差があるというお話をしました。恐らく避難所における感染対策についても、マニュアルはつくったけれども、市町村間でも大分格差があるのではないかと思います。
 昨年の7月にできたばかりかもしれませんけれども、県はしっかりとこの実態を把握されていないのではないかと私は今の答弁を聞いて感じました。日本海溝地震とかこれからの豪雨災害に備えて、そこはしっかりと取り組むことが必要だと思います。
 それから、財政支援についても、実際に災害が発生して災害救助法が適用された場合は、災害救助法の中で支援もありますし、必要な物資の調達については、地方創生臨時交付金などで活用されるとは言いますけれども、平時にしっかり取り組むためには、やはり国の財政支援も不十分だと思いますので、財政面も含めて支援を強めていくことも大事なポイントだと思います。この点についてもしっかり国にも求めて、県独自での取り組みも強めて取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、障がい者の就労支援事業についてお聞きいたします。新年度予算案には、障がい者就労社会支援事業費として1、460万円計上されております。これまで障がい者就労支援センターを新たに設置することになっていますが、これまでは被災地限定の事業所の支援でありましたけれども、これを全県に広げるということで、大変いい試みだと思います。
 ただ、全県に広げるという割には当初予算が減少しております。これは十分な予算になっているのか、そして、障がい者就労支援センターの目的と事業概要について、どこに設置するのか、体制も含めて、十分な体制なのか、このこともお伺いしたい。
 それから、時間がないので、あわせてお伺いしますけれども、今回の新型コロナウイルス感染症による事業所の影響について県はどのように把握されているのか、まとめてお伺いしたいと思います。
〇菊池障がい保健福祉課総括課長 県のこれまでの取り組みにつきましては、先ほど委員からお話がありましたとおり、沿岸に障がい者就労支援センターを設置して、沿岸被災地の事業所支援に当たってきたところでありますが、近年、工賃実績を地域別に見ますと、内陸部においても、県の平均工賃を下回る地域がある。それから、新型コロナウイルス感染症による影響が県内全域に及んでいるということで、来年度からは県内全域を対象に工賃向上の支援を行うため、いわて障がい者就労支援センターを設置することとしております。
 主な事業といたしましては、これまで取り組んできました自主生産製品の開発、販路開拓や、農業分野を中心とした新規請負作業の受注拡大への支援、農林水産業者等が障がいを理解するための研修会の開催などに引き続き取り組むとともに、新たに各事業所が保有する印刷機等の機材や請負可能な役務等を調査、データベース化し、これらの情報を発信することで、企業等とのマッチングを促進することとしております。
 本事業におきましては、コーディネーター3名を配置することとしておりまして、県内全域を対象とした支援を行う上で必要な体制を構築できるものと考えております。
 それから、事業所への影響についてでありますが、県社会福祉協議会が実施している新型コロナウイルス感染症の影響調査によりますと、昨年12月の事業収入と前年同月との比較で回答のあった72事業所のうち、増収が37.5%、減収が56.9%となっております。このことから受注の減少やイベントの中止による販売期間の減少等の影響が続いていると認識をしておりますが、先ほど申し上げたいわて障がい者就労支援センターの機能を活用いたしまして、事業所支援に取り組んでいきたいと考えております。
〇高田一郎委員 今お話あった障がい者就労支援センターの全県での取り組みにこれから期待したいと思います。ただ、今、就労支援事業所は、この間の報酬見直し、月額制から日額制になるとか、あるいは、平均工賃が低いほど報酬が下がるというような成果主義なるものが導入されるとか、あるいは送迎加算が減額になるとか、もともと厳しい事業所運営の中で、新型コロナウイルス感染症によってさらに経営が厳しくなっている。今説明があったように、56.9%、半数を超えるような事業所が減収になっているという、そういう状況であります。事業所の中には、工賃を上回る利用料になっている方もおりまして、さらに事業所に来なくなる、そういう懸念も出ております。
 私は、この就労支援センターに期待をするのですけれども、やはり見える成果を出して頑張っていただきたい。福祉的就労であっても、工賃が2万円にもならないというのは、これはやはり改善する必要があります。かつて、岩手県も工賃倍増計画などということで取り組んだ経過もありますので、県も新しい組織をつくって全県の事業所を応援するということであれば、今の事業所の経営状況を考えているときに、思い切った工賃を引き上げるという、そういった構えで取り組んでいただきたいと思いますが、その点にお聞きして、終わりたいと思います。
〇菊池障がい保健福祉課総括課長 県では、障がいのある方が希望する地域において、経済的に自立した生活ができるように、福祉的就労における工賃水準の向上支援に取り組んできたところでございます。
 今、委員からお話もありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で大分厳しいという状況もあります。引き続き、県社会福祉協議会と一緒になって、影響をしっかり把握して、それから、来年度は新たな工賃向上計画の策定も予定しておりますので、その中で関係者の方などからよく意見を聞いて対策を検討していきたいと考えております。
〇上原康樹委員 まずもってコロナ禍における保健福祉部の皆様方の御努力に敬意を表したいと存じます。ありがとうございます。
 さて、長期化するコロナ禍の閉塞感が漂います。その出口を求める人々に向けた新型コロナウイルス感染症をめぐるさまざまな情報の流布が見られます。文書やネット上の記事という形で拡散されています。いわく、マスクは健康に害があるので使ってはいけない、PCR検査は意味がない、同じ調子でワクチン接種も標的にされていたりします。私はうのみにするものではありませんが、このような意見や主張は専門家、お医者さん、学者が実名で発信していることも少なくありません。それぞれのスタンスがあるのでしょう。新型コロナウイルス感染症をどう捉え、どう対応をするのか、その論点をめぐって、今、社会にある種の対立が生まれている気がいたします。その対立、分断のはざまで混乱し戸惑う人々が県民の中にもいると思います。
 県が呼びかけている新型コロナウイルス感染症対応、対策が真っすぐ届くかどうか懸念されるところです。野原保健福祉部長の所感を伺います。
〇野原保健福祉部長 新型コロナウイルス感染症は、人類にとって新しい感染症であり、その病態についてもまだ十分に解明されていないことや、ワクチンについても従来の製造方法とは異なる新しい手法により開発されたものであることなどから、一部の医師等からさまざまな見解が発信されていることは承知をしております。
 情報や科学的根拠については、個人の見解は一番信頼性が低いレベルとされ、専門家の査読を受けて学会誌に発表され、複数の研究結果によって支持されることでより強固で信頼性の高い情報となります。
 マスクやワクチンの有効性については、複数の研究結果や臨床試験から得られた知見から、国際機関や国の専門機関により分析、評価されているものと承知をしております。
 県としては、新型コロナウイルス感染症に関する信頼度の高い最新の情報をわかりやすく県民の皆様に発信していくことが重要と考えておりまして、感染拡大防止に向けまして、県の公式ホームページや広報誌のほか、LINEやTikTokといったSNSを活用するなど、効果的な情報発信に取り組んでいく考えでございます。
〇上原康樹委員 毅然とした新型コロナウイルス感染症対策の姿勢を貫かれるとともに、県民への適切な呼びかけを重ねていくことは、ポストコロナの県政への求心力を高めることになると申し上げまして、終わります。
〇城内よしひこ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑は終わります。
 保健福祉部の皆さん御苦労さまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。

午後4時25分 休 憩

午後4時42分 再 開

〇岩渕誠委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 次に、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇熊谷医療局長 令和3年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 初めに、事業運営に当たっての基本的な考え方について御説明いたします。県立病院を取り巻く環境でございますが、医療提供体制の中核を担う医師につきましては、絶対数の不足はもとより、地域偏在、診療科偏在が深刻な状況であり、医師確保や定着支援の取り組みを行っているものの、診療体制は当面厳しい状況が続くと見込まれます。
 また、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により患者数の減少が顕著であるなど、厳しい経営環境に置かれているところであります。
 一方、診療報酬の上位の施設基準取得やDPCの効率的な運用などの取り組みにより、患者1人1日当たりの収益が増加傾向にあるなど、経費節減の取り組みとあわせ、安定した経営基盤の確立に向け重点的に取り組んでいるところでございます。
 こうした状況のもと、令和3年度の事業運営に当たりましては、岩手県立病院等の経営計画(2019-2024)を着実に推進することにより、県立病院が県民に信頼され、今後とも良質な医療を持続的に提供できるよう、全職員が一丸となってさまざまな取り組みを進めることとしております。
 具体的な計画の推進に当たりましては、医師の確保、定着に向けた取り組みとして、関係大学への派遣要請や即戦力医師の招聘活動、臨床研修医の積極的な受け入れを継続して取り組んでまいります。
 そのほか、現在医師が行っている業務のうち、看護師や薬剤師等の医療技術部門で対応可能な業務を移管するタスクシフティング等医師の業務負担軽減の取り組みの推進や県立病院専門研修プログラムの充実による専門医の育成、県奨学金養成医師の効果的な配置などに引き続き取り組んでまいります。
 また、医療の質や患者サービスの向上を図るため、看護、薬剤部門等各職域の専門資格職員の計画的養成や職員の効率的な配置等による圏域内の一体的な運営を行うとともに、ハラスメント防止対策や病児保育の充実など働きやすい職場環境の整備を行うなど、職員の資質向上や離職防止を図ってまいります。
 こうした取り組みを進めながら、今後におきましても、新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期すとともに、あわせて通常診療との両立に取り組むことにより、県民に良質な医療を持続的に提供できるよう努めてまいります。
 それでは、議案の説明に入らせていただきます。
 議案その1の51ページをお開きください。
 議案第12号、令和3年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、第2条の業務の予定量でございますが、収益的収支及び支出につきましては、病床数を4、793床と定め、年間延患者数を、入院では114万1、000人、外来では169万6、000人と見込むものです。
 次に、資本的収入及び支出でありますが、病院建築工事では、中央病院透析室拡張工事等による所要の事業費を計上するものです。また、医療器械につきましては、磐井病院等に整備する線形加速器システム─リニアック等の購入が主なものであります。
 52ページをお開き願いまして、第3条の収益的収入及び支出につきまして、まず収入ですが、第1款病院事業収益は1、128億3、300万円余を見込んでいるものでございます。次に支出でございますが、第1款病院事業費用は1、130億2、800万円余を見込んでいるものであります。この結果、差し引きでは1億9、500万円余の純損失を見込むものでございます。
 次に、第4条の資本的収入及び支出について、まず支出でございますが、第1款資本的支出は218億3、100万円余を見込んでいるものであり、また、この財源として、第1款資本的収入は146億3、900万円余を見込んでいるものであります。
 続きまして、53ページに参りまして、第5条の債務負担行為ですが、これは、期間が令和4年度にわたります遠野病院冷房設備改修工事等について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものでございます。
 第6条の企業債は、病院建築、医療器械整備、旧南光病院建物解体の財源となる企業債及び特別減収対策企業債の限度額を92億5、800万円とするともに、その償還方法等を定めようとするものでございます。
 第7条は、一時借入金の限度額を143億円と定めようとするものでございます。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものであり、54ページをお開き願いまして、第9条は、薬品、診療材料等の棚卸資産購入限度額を定めようとするものであります。
 第10条重要な資産の取得は、購入予定額が1件7、000万円以上の医療器械等を掲げているものです。
 なお、予算の内容につきましては、予算に関する説明書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で、説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇岩渕誠委員長 ただいまの説明に対し、質疑はありませんか。
〇菅野ひろのり委員 先ほど、保健福祉部でも県立病院の状況についてさまざま答弁もいただきましたので、それを割愛しながら質問をしてまいります。
 まず、医業収益に関しては、経営方針、経営計画に基づいてということでありましたが、今回の新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえて、来年度はどういったところに力点を置いて経営をしていくのか、その方針について伺います。
〇鈴木経営管理課総括課長 令和3年度の経営方針についてでございます。令和3年度当初予算におきましては、今般の新型コロナウイルス感染症の影響により患者数の減少が顕著であるというほか、医療提供体制の中核を担う医師について絶対数の不足はもとより、地域偏在、診療科偏在が深刻な状況であり、県立病院を取り巻く経営環境は厳しい状況が続くものと見込んでいるところでございます。
 このような状況にありましても、県立病院は、地域における医療提供体制を維持し、公的医療機関としての役割は果たしていく必要があると認識をしております。このため、令和3年度におきましても、引き続き新型コロナウイルス感染症への対応と救急医療などの通常医療の両立を図るとともに、経営計画に定める五つの基本方針ごとの重点取組事項を着実に実施することにより、県民への良質な医療の持続的な提供と持続可能な経営基盤の確立に向けて取り組みを進めていくこととしております。
 具体的には、新型コロナウイルス感染症による過度な受診控えの回避について普及啓発を行うことや県立病院の感染対策をPRしていくといったこと、それから、医師の確保、定着に向けて、関係大学への派遣要請や医師の招聘活動等を行っていくこと。医師の業務負担軽減の取り組み、専門資格職員の計画的養成や職員の効率的配置による圏域内の一体的な運営といったものに重点的に取り組むことにしております。
〇菅野ひろのり委員 岩手県の県立病院というのが、今までの歴史を振り返っても、非常に重要な医療体制を構築してきたと思っています。過去を振り返れば、昭和初期から、農村、漁村、住民を守るという厚生連から始まって、昭和40年の初めにはこの体制ができたと御教示いただきました。
 私、今回この県立病院のあり方を、地域医療構想調整会議の中からさまざま疑問というか、思いながらきました。今回、再検証対象ということで、人口減に伴って医療需要が変わるから地域の病院を見直せという指摘の中でやっています。
 一般質問の中でも取り上げさせていただきましたが、再検証が残るのは、県立病院で言うと残り江刺病院だけです。その中で、地域医療構想調整会議において、県立江刺病院は再検証対象の病院として私は議論がなされてないという認識でおりますが、改めて伺います。医療局はどういう認識でしょうか。
〇鈴木経営管理課総括課長 胆江圏域の地域医療構想調整会議でございますけれども、今年度、奥州市立病院で計画の見直しを提出するということで進めていたところですけれども、それがちょっと計画が出なかったというところで、具体的な協議に入れなかったものと考えております。県立病院におきましても、毎年の地域医療構想調整会議に参加をさせていただいて、圏域の状況についていろいろと議論、アドバイザーによる意見などもいただいているところであり、また、委員からお話のあった急性期の見直しといったような御指摘もあったところも踏まえまして、今年度の江刺病院の病床機能報告において、これまで急性期病床で報告していたものを回復期病床ということで報告をさせていただいております。それについて来年度の地域医療構想調整会議の中で、圏域の中でそれがふさわしいのかどうかといったところについて御議論いただくものと認識しております。
〇菅野ひろのり委員 局長が来年度の方針の中で、経営計画に基づいてということをおっしゃられましたが、ちなみに、奥州市が提出する再編計画に伴って、県の県立江刺病院の計画はそれによって変わるということなのかどうか、確認をお願いします。
〇鈴木経営管理課総括課長 奥州市でその計画について、今度、地域医療構想調整会議で御議論をいただくということですので、それも含めて圏域全体で江刺病院なり胆沢病院も含めて、どういう医療提供体制を担っていくかというところについて、今後、議論がされるものと認識しております。
〇菅野ひろのり委員 それは奥州市から県立江刺病院に対して何らかの形で病床の削減あるいは機能について求められるという認識でよいのでしょうか。
〇鈴木経営管理課総括課長 2025年に向けた医療提供体制を圏域の中でどのように議論していくかというところについては、地域医療構想調整会議という場が設けられておりますので、その場の中で議論がされるものと認識しております。
〇菅野ひろのり委員 その場で問題提起するのは誰ですか。市なのか、保健所なのか、医療政策室なのか、どこになりますか。
〇鈴木経営管理課総括課長 基本的には、地域医療構想調整会議につきましては、所管の圏域の保健所が開催をしておりますので、いわゆる直接の行司役は保健所になろうかと思います。
 また、地域医療構想調整会議を所管しているのは医療政策室ですので、そこでどういったような進め方をしていくかということについて、一医療機関として参加している県立江刺病院、県立胆沢病院も、どのように検討していくかというところについて御指示をいただいて、それに対して真摯に対応してまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 そうすると、保健所あるいは医療政策室ということなので、県がということでよろしいですね。
〇鈴木経営管理課総括課長 保健所なり、医療政策室ということで考えております。
〇菅野ひろのり委員 いずれ、この再検証の県立病院に対しては、県にボールがあるという答弁をいただいたと私は思っています。
 なぜ、ここまでこだわって言うかというと、江刺病院の機能を拡充したいとかそういうことを私は言っているわけではなくて、胆江圏域の議論がされていない。県立病院の先生方は当然参加はされています。ただ、議題というのは、常に奥州市の病院の再編についてというところに現段階なっています。とすると、岩手県全般、ほかの地域は全て終わっているわけです。新型コロナウイルス感染症の影響とかでその報告がまだいつというのが示されてない、延長されたわけですが、実際の医療提供、医師の確保もそうですし、需要も変わってきている。機能もどうするのか。県立病院が担ってきた歴史があると。そこに対して住民が医療圏全体としてどうするのだということを強く求められています。
 最後に、局長にお聞きして終わりますが、そういう中で、県がこの議論をしっかりと進める必要があると私は思っていますし、県にボールがあるという認識でありました。今後、どのようにこの議論を進めていくのかお伺いしたいと思います。
〇熊谷医療局長 今、胆江圏域の地域医療構想調整会議の関係でお話がございました。医療局といたしましては、将来の患者動向、それから、疾病構造に応じた効率的な医療提供体制を構築していくことが重要だと思っております。
 中長期的な視点で地域の医療ニーズを把握するとともに、将来の人口動態、それから、患者の受診動向の見通し等を踏まえながら、県立病院が各地域において担うべき役割、規模、機能を、不断に検討をしていく必要があると思っております。
 胆江圏域の調整会議には、委員御指摘のとおり、胆沢及び江刺病院が他の医療機関とともに会議に参画しているところでございます。経営管理課総括課長が先ほど答弁したとおり、今、奥州市総合水沢病院の関係の議論がありますけれども、今後、その場におきまして、将来の病床数、それぞれの医療機関が担うべき役割などについて議論されていくものと認識しております。
 医療局としては、独自に、いわゆる必要な検討は行いますし、調整会議における議論を踏まえつつ、実情に応じて病院ごとの役割、機能の見直しを行っていきたいと考えております。
〇岩崎友一委員 県立釜石病院の関係で、まず最初に建てかえ整備のほうですね。代表質問でも取り上げさせていただきました。前向きな答弁をいただいたと思っておりますが、この建てかえ整備に関してのスケジュール、医療局としてどのように考えているのかお示しをいただきたいと思います。
〇鈴木経営管理課総括課長 県立釜石病院の建てかえになるか改修になるかについて、さまざま課題とか、投資規模とその効果、県立病院全体の経営に及ぼす影響など、さまざまな視点で検討をしていかなければならないものと思っております。
 差し当たりまして、課題と捉えておりますのが、建てかえをする上で、市内に有望な移転、新築の土地の確保がなかなか難しいこと。地元釜石市にもお話はしておりますけれども、新しい土地への移転は、なかなか今は見通せていない状況でございます。そうなりますと、現在の場所での新築となりますので、さまざま土地の制約なども出てまいりますし、その間の臨時駐車場の用地の確保も課題になってくると思っております。
 あとは、どういった規模で建てかえるかというところがなかなかまだ進んでいないところでございまして、今後、釜石圏域の地域医療構想調整会議の中でそういったところも話し合われると聞いておりますので、ある程度見通しが出てくるところを、まず解決していきたいと考えているところでございます。
〇岩崎友一委員 そうすると、スケジュール自体は、いつごろまでに議論を終えて、いつスタートして、いつ終えるというのも、今は全くめどが立っていないということですか。
〇鈴木経営管理課総括課長 この3月に地域医療構想調整会議を開催して、今後の圏域内での県立釜石病院の役割とか規模をどの程度にしていくのがいいのかといったところについて話し合われると聞いておりますけれども、その3月の地域医療構想調整会議の中である程度決まるのか、もう少し時間をかけて検討するのかについては、ちょっと我々でわからない部分がございますので、まずはそういった議論を注視しているところでございます。
〇岩崎友一委員 わかりました。そういった会議も含めて早急に進めていただきたいと思います。
 これは、県立釜石病院単体で早急にやってくれと、県立釜石病院だけの話をしているわけではなくて、先般、県で県立病院の劣化調査をやっているかと思うのですが、県立釜石病院が一番劣化が進んでいる。建物は大丈夫だけれども、中の設備等々の劣化が進んでいるということであります。ほかにも宮古病院を初め調査した段階で劣化が進んでいることが判明しておりますので、医療局の会計も今非常に財政的に厳しい中にあって、県立病院をこれだけ抱えていれば、やはり計画的に整備をしていかなければ、どこかで詰まってしまうと思うのです。どこかの地域がそのあおりを食ってしまうという話になるかと思いますので、そういった観点からも、県立釜石病院の件に関しては早急に進めていただきたいと思います。
 それと、午前中の保健福祉部の審査でも取り上げましたが、産科の分娩の話です。県立釜石病院の整備の話の後に、県立大船渡病院で分娩はしますよという話が来たわけでありますけれども、保健福祉部では、とりあえず今回は県立大船渡病院で分娩をすると。ただ、いずれ県立釜石病院でもできるようにするという明確な答弁は保健福祉部の審査ではもらえなかったわけでありますけれども、これは、医療局としてはどのように考えているのでしょうか。
 また、建てかえ整備をするときに、きちんと分娩もできる体制で整備をするのかどうか。この辺、医療局の考え方をお聞きしたいと思います。
〇高橋医師支援推進室長 先ほど、保健福祉部の審査の際にも部長から答弁がありましたけれども、平成26年12月に関係学会から、産婦人科の少ない中で周産期医療を維持していくためには、地域周産期母子医療センターは大規模化、重点化、具体的には医師を10名配置という提言がなされているところでございまして、県立釜石病院において分娩を再開することにつきましては、大学医局との調整が必然でございますけれども、非常に調整が困難であると想定されるところでございます。
〇岩崎友一委員 簡単に言うと、県立釜石病院で分娩は、10月以降はもう厳しい、今後ずっと大船渡病院で分娩してくださいという、そういうことですか。
〇高橋医師支援推進室長 将来的に地域周産期母子医療センターに医師を集約して重点化するのだという流れの中で、大学の医局でもその学会の考え方は踏襲されておりまして、大学の先生からもいろいろお話を聞きますけれども、やはり全国的な流れの中ではそうだと。それは、医師の働き方改革もある中で、周産期医療の安全な分娩環境を提供していく、そして、医師を守っていくというところではやはり必要だということです。なので、今まで県立釜石病院でやっていたような、一人の産科医が1週間交代で24時間体制で分娩に対応するというような働き方は、これからはなかなか難しいのではないのかなと思っております。
 これから、産科医がどんどんふえていって、地域の周産期母子医療センターに、岩手医科大学の先生は、学会は10人と言っているけれども、せめて5人は配置したいのだとおっしゃっておりますけれども、そこが満たされたときには可能性はあるかもしれませんけれども、かなり厳しい状況と思っております。
〇岩崎友一委員 これはしっかり努力をしてもらわなければ困ります。少子化対策だったり移住、定住政策と、これは相反するのですよね。県立釜石病院は確かに年々取り上げる数が減ってきているのも、データをもらっているからわかりますけれども、これは鶏と卵の話で、体制が整っているからどうのこうのという話になってしまうかと思うのですが、少子化、移住、定住を進めるという部分で、安心して医療を受けられる体制がそばにあるかないかというのは非常に大きな要因になってまいりますので、保健福祉部の際にも言いましたけれども、厳しいではなくて、そうやるように努力をしなければならないと思いますし、そこが整ってこないと、次の県立釜石病院を整備するときのいろいろな病棟のレイアウトにも影響してくると思いますので、それは、今後はもう産めませんではなくて、その体制をもとに戻すように、これはしっかり努力をしてほしいと思いますけれども、いかがですか。
〇熊谷医療局長 今、委員から御指摘をいただきました。医師支援推進室長が答弁いたしましたとおり、大学の医局との調整はかなり困難が予想されます。医療局といたしましては、引き続き、周産期医療を担当します保健福祉部、それから、関係大学と連携をいたしまして、奨学金養成医師の配置、関係大学の派遣要請による産科医等の確保に努めていく考えでございます。
 一定ロットの医師が配置されるという部分が実現できればということですが、そういったことが実現できるよう、私どもとしてもさまざまな医師確保対策に取り組み、そして、関係大学と連絡、調整しながら進めていきたいと考えております。
〇岩崎友一委員 午前中の保健福祉部のやりとりで、県が今年度からスタートした医師確保計画はもう既に絵に描いた餅だというのが判明してしまいました。ただ、ここから、奨学金養成医師もそう、あと、招聘医師の確保も含めて、しっかりやっていただきたいと思います。
 これは現実的な話で、ちょっと具体の話を確認したいのですが、小野共委員も午前中ちょっと言いましたけれども、いろいろ考えますと、大船渡病院から大槌町のインターを下りて遠い地域まで考えた場合、1時間40分です。産気づいて1時間40分走らなければ着かないということで、先日、高橋医師支援推進室長からは救急車でというお話も聞いたわけでありますけれども、基本的に今までは、妊婦は産気づいても救急車は使わないでくださいと病院で言われているらしいのです。それは救急ではありませんからと。その辺の整理はどうなっていますか。
〇高橋医師支援推進室長 もちろん自宅で破水をしたという状況であれば緊急なので、救急車で搬送していただくことは可能だと思います。それ以前に、陣痛が来てそろそろというときもあると思います。そのときは、通常であれば、御家族の方とか、タクシーで行かれる方もいると思いますけれども、それは今までもそういう状況で対応していただいていたのではないかと思いますし、医療局としては、県立釜石病院にも病院の救急車がございますので、それらも使いまして救急搬送態勢は対応していきたいと思っております。地域の消防の救急ももちろん対応していただくことになりますし、あとは、先ほどの保健福祉部の答弁でもいたしましたけれども、大船渡病院に、遠くで救急搬送も、家族の搬送もなかなかできないという方については、あらかじめ大船渡病院に宿泊していただくことも考えておりますので、そういう事態にも対応していきたいと考えております。
〇岩崎友一委員 念のため確認ですけれども、岩手県はこれだけ広いですから、多分、1時間40分とは言わないまでも、分娩できる病院までかなり時間がかかる地域もあるかと思うのですが、その際の救急車を使っていい悪いみたいなルールは、統一的に何かあるものなのでしょうか。
〇高橋医師支援推進室長 どんな状態のときに救急車を要請してもいいとかということは特に決めているものではありませんけれども、御家族なり御本人が判断して、これは急を要するというものについては、もちろん救急車を要請していいと考えております。
〇岩崎友一委員 わかりました。例えば遠野市ですと分娩ができない。遠野市は救急隊員が研修を受けて、救急車はオーケーだと。救急搬送中に破水したり何なりしても取り上げることができる態勢が整っているわけです。そういった部分もやはりしっかりと、これは消防署なので消防士だと思うのですが、しっかりと救急隊員の研修もやっていかなければ、物すごい雑な対応のように感じるのです。特に初産とかはみんな不安ですし、そういったのを考えると、呼んでいいですよと言っても、もしかしたら、救急車の出動件数が今までよりもふえるかもしれない、すぐ来られないかもしれない、そういった場合も想定して、丁寧な対応が求められると思うのですが、いかがですか。
〇高橋医師支援推進室長 遠野市で、救急隊の搬送の研修をやられております。それは、遠野市の救急だけではなくて、釜石大槌地区行政事務組合消防本部も参加して、大船渡病院の産科の小笠原副院長が救急の方と一緒に研修会等の会場に来て、釜石の救急隊も来て、救急搬送の研修を受けております。なので、同消防本部でも十分対応できるスタッフがきちんとそろっていると認識しております。
 我々も今回のことにつきましては、釜石大槌地区行政事務組合消防本部にも十分説明をして、ぜひ協力いただきたいということで要請はしたいと考えております。
〇岩崎友一委員 ちなみに、県内で分娩施設から遠い施設の救急隊員は、全てそういった研修は受けられているものですか。
〇高橋医師支援推進室長 済みません、詳細には把握しておりませんけれども、遠野市消防本部を中心にして、遠野市を会場にして、県内各地から消防職員の方々が集まってきて、研修に参加されていると認識しております。全ての消防職員ということではないかもしれませんけれども、遠野や釜石大槌地区行政事務組合消防本部に限定してではなくて、県内各地からそういう研修に消防職員の方が参加されていると聞いております。
〇岩崎友一委員 研修の件はわかりました。
 ただ、しっかり確認をしていただいて、県内どこで分娩をするといっても、安心してできる体制と、もしかしたらお医者さんによって判断が違うかもしれませんけれども、今までは県立釜石病院で分娩ができたので、救急車は使わないでくださいという医者の指示だったかもしれませんけれども、その辺もしっかりと意思疎通を図っていただきたいと思います。
 最後に一点、今、県立釜石病院で一般不妊治療はやっていると思うのですけれども、10月以降、不妊治療の体制はどうなるのか。
〇菊地医師支援推進監 不妊治療ということでのお問い合わせでございます。高度な不妊治療については、当然、今までも県立釜石病院では対応できなかったものでございますが、一般的な投薬治療とか、タイミング療法と呼ばれるような不妊治療につきましては、外来についてはそのまま継続する予定でございますので、それらの対応は十分にできるものと思っております。
〇岩崎友一委員 いずれにしましても、私も、午前中の質疑の中でも、県内全体的に産科医、小児科医が足りない中で、今回、県立釜石病院が分娩できなくなると。ほかの病院から医師をよこせとかそんな小さい話はしませんけれども、これは全県的な大きな課題でありますから、医師の確保をしっかり進めていただきたい。保健福祉部とセットになって、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
〇岩渕誠委員長 答弁はよろしいですね。
〇吉田敬子委員 通告していた質問の前に、先ほどの県立釜石病院の件でお伺いしたいと思います。きょう知ったものですから、確認をさせていただきたいと思います。
 先ほどの保健福祉部の御答弁でも、妊産婦健診や婦人科外来、産前産後のサポート等は引き続きやっていくということでした。今、県立釜石病院には助産師が15名ほどいらっしゃるかと思っておりますが、この助産師の数は変わらずにということで、その体制は維持されるのかお伺いしたいと思います。
〇一井職員課総括課長 助産師につきましては、令和3年4月の体制について、現在の体制のままとする予定としております。
〇吉田敬子委員 先ほど岩崎友一委員が保健福祉部の審査の際に、いずれは再開ができたらというところに私自身も望みます。なかなか厳しい状況の中で、それ以外のところで妊産婦の産前産後サポート、産後ケアの部分をどう支援していくかという検討はこれからされるかとは思いますけれども、他県だと、県立病院でも産後ケアをやっている病院があります。そういった日帰りだったり、デイだったり、3時間、6時間だとかさまざまありますけれども、ぜひ、助産師の方は同じ一定数の方がいらっしゃるということで、病棟というか場所はあるわけですので、例えば出産はいたし方なく大船渡病院等、他地域でやったとしても、できれば、産後ケアを地域で見られるような体制をぜひとっていただきたい。県立釜石病院が新しくこれから建築もされるということで、その中で、例えば今の病棟のままであれば産後ケアができるけれども、新しくなったときに、その病棟が維持されないとなると、産後ケアのことができなくなります。それも踏まえて、ぜひ検討をしていただきたいと思いますけれども、現段階での御所見をお伺いしたいと思います。
〇高橋医師支援推進室長 今回の10月から県立釜石病院での分娩を取りやめるという話が出る前から、県立釜石病院の中では、何とか産前産後ケアを病院と釜石市と一緒にできないかという話は出ていたと聞いております。
 県立釜石病院はこれまでも院内助産ということで、助産師が中心となって正常分娩に対応する取り組みもやられており、そういう寄り添い型のサポートをするという助産師が現在おりますので、今回の話を受けて、産前産後ケア事業は市町村の事業になりますので、これから市町と一緒に県立病院のスタッフと連携しながら、何とか妊産婦を地域で支える取り組みをさらに進めていきたいと考えております。これからの具体の調整になります。
〇吉田敬子委員 釜石市でも産後ケアはかなり積極的に取り組まれていまして、ぜひ、そういった市との話し合いをしっかりして、県立釜石病院では何がほかにできるかというところをしっかり考えていただきつつ、妊産婦のための支援にぜひつなげていただきたいと思います。
 通告していた質問に入ります。保健福祉部でも取り上げましたけれども、県立病院におけるさい帯血の提供についてお伺いしたいと思います。全国では公的病院でもさい帯血を採取している施設がありますけれども、県立病院での可能性、課題についてお伺いしたいと思います。
〇久慈医事企画課総括課長 さい帯血採取施設の県立病院の可能性、課題についてでございます。移植に用いるさい帯血を採取して、品質を保ちながら管理する施設として、国が示しますガイドライン、手順書に基づく参加スタッフの体制整備とか、あと、教育訓練の実施、採取したさい帯血の搬送方法など、一定の要件を備える必要があると認識しております。こうした適切な対応には、職員体制の確保、施設、設備の充実が課題と考えております。
 そうした中で、県立病院におきます産婦人科、産科の医師が不足した状況の中での体制確保、整備、非常に難しく大きな課題であると認識しております。公的なさい帯血バンクについては国が推進して、多くの方の理解と支え合いによって運営されていると認識しておりますが、今後におきましても、国や地域、そして、関係機関の動向とか、産科医師の考え方、そうしたものを踏まえながら、対応について研究してまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 この件については、さい帯血は保健福祉部で、県全体でどうしていくかということをしっかり協議した上での国への支援もお願いするということだと思いますので、引き続き県立病院等も含めて、その話し合いを研究を重ねていただきたいと思います。
 県立病院でのへその緒の提供状況についてお伺いしたいと思います。分娩を取り扱う県立病院が八つありますけれども、提供するしないはどのような規定があるのかあったのかお伺いしたいと思います。
〇久慈医事企画課総括課長 県立病院におきますへその緒の提供の状況でございます。分娩を取り扱う8病院のうち、へその緒をお渡しして、提供している病院が4病院、お渡ししていない病院が4病院となっております。お渡しするときには、出産されて、分娩された直後にさい帯、へその緒を切断いたしますが、新生児のおなかから2センチくらいのところを切断するわけですけれども、そこからさらに3センチから5センチくらいのところで切ったものを提供用という形で管理する、そして、お渡しするという取り扱いになっております。
 規定につきましては、へその緒の提供といいますものは、古くからの慣習で行われてきたところもございます。医療機関としての明確な取り扱いの規定はございません。ただ、提供の可否について判断基準といいますか、考え方としては、衛生上や管理上の課題とか、産科医の意向等もあって、このように提供するしないといった判断が分かれたものと認識しております。
 なお、提供しない、お渡ししないとしている病院につきましては、その取り扱いにつきまして、妊婦健診とか入院時のオリエンテーションの際に説明をしているところでございます。
〇吉田敬子委員 昔の歴史の中からこういった提供するしないということが出てきたのだと思います。例えば、提供するところは、今のところ、県立釜石病院、久慈病院、中部病院、二戸病院で提供していまして、提供しないのが中央病院、大船渡病院、宮古病院、磐井病院ですけれども、例えば大船渡病院は、平成30年度前までは提供しておりまして、平成30年度以降提供しないということで、ここ2年前に提供しないことに決められております。こういった提供するしないということが分かれていることが県立病院としてどうなのかというところと、確かに、管理されるお医者さんからすると、衛生上の問題とかあるかとは思いますけれども、例えば大船渡病院は2年前に提供しないことになりましたけれども、これは多分その当時に担当されたお医者さんの判断で提供しないことになったのかと思っておりますが、であれば、ほかの今は提供するという四つの病院がいずれもしかしたら、担当するお医者さんの考えでするしないとなってきていいものなのかどうか。
 というのは、へその緒を提供する場合は、病院で桐箱を予算計上されているはずなのですね。そういったことが予算の中に入っている関係上、私は、県立病院でへその緒を提供するしないということをしっかり決めていただきたいというか、本来ならば、へその緒を提供していただきたいという趣旨からの質問の意図ではあるのですが、その件をお伺いしたいと思います。
〇久慈医事企画課総括課長 へその緒を今後提供していく上での課題でございます。今、御指摘ございましたとおり、衛生上の理由とか、感染管理上の理由ということで、そういうリスクの懸念に重きを置いた判断をした病院が提供しないというところに移ったものと認識しております。
 古くからの慣習、母親とそのお子さんがつながっていたあかしという意味で重視している医療機関もございます。他県の医療機関のホームページを見ましても、かなり分かれているという状況でございます。そういう御指摘も踏まえまして、今後におきましても、引き続き、医療局の中での関係する委員会、会議等で研究、検討していきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 提供しない病院では、事前に妊婦健診の際に資料として、うちの病院は提供できませんよということで説明というか、資料の中には書いてありますけれども、妊婦の中では提供していただけないものだと思ってしまって、それを提供してほしいという声もなかなか上げづらいのかと思っております。
 ただ一方で、提供する病院と提供しない病院があるという、その規定が分かれているのが、できれば、サービスの一環にはなるかとは思いますけれども、ぜひ、妊婦の気持ちに寄り添った県立病院として運営していただきたいと思っておりますので、ぜひ、研究を重ねていただければと思います。よろしくお願いいたします。局長にお伺いして、終わりたいと思います。
〇熊谷医療局長 今、委員から御指摘いただいた点も、十分に感染対策委員会等々で説明をいたしまして、よりよい方向は示せるように研究してまいりたいと思います。
〇飯澤匡委員 通告している質問の前に、残念ながら県民の財産を横流しして、非常に嘆かわしい事案が医療局で複数発生しました。冒頭、局長から何か言及があると思ったのですが、なかったので、簡単でいいですから、再発防止策だけしっかり示してください。
〇熊谷医療局長 大変失礼いたしました。
 胆沢病院に勤務する職員が、2月に盛岡市内の商業施設で物品を盗んだ疑いで逮捕されるという不祥事が発生いたしました。この職員は、胆沢病院の病院物品を窃取して、オークションサイトで転売するという事案を起こした人物と同一人物でございまして、さきに懲戒免職処分を行ったところでございます。懲戒処分前ということで、自宅待機中でありましたが、この待機中に、重ねてこのような不祥事を犯したものでございます。
 県を挙げて、この不祥事防止に取り組んでいる中、また、新型コロナウイルス感染症への対応に全力で取り組んでいる中、重ねてこのような事案が発生いたしましたことにつきまして、深くおわび申し上げます。
 繰り返し注意喚起をしていくほか手がないわけでございますが、不祥事の再発防止のために、私も含めて管理職、そして、各職員が日ごろから対話を重ねて、岩手県職員憲章に掲げる職員のあるべき姿を共有しながら、職員の士気高揚に努めていく必要があると、それが重要だと思っています。単に上意下達の形で法令遵守というようことを指導するだけでなくて、職員がみずから法令遵守、公務員倫理について考える場が必要だと思っております。この不祥事が多発していることを深刻に受けとめております。さまざまな取り組み、工夫を凝らして、再発防止に努めて、県民の皆様の信頼回復に努めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 チェック体制をしっかりすればいいのです。それをしっかりやってください。
 それでは、通告した質問をさせていただきます。
 午前中の保健福祉部でもちょっと話が出ましたが、2024年の4月から始まる医師の時間外労働の規制の医療局の対応についてお伺いします。
 まとめてお伺いします。医療局は、暫定特例水準、適用カテゴリーAからCがありますが、どのような対応を考えているか。
 それから、既にこの2024年に向けて連続勤務時間の制限について、これは対応しなければならないことになっています。これは労務管理の徹底、そして、先ほどお話がありましたタスクシフティング、それから追加的健康確保措置、インターバルであるとかそのような措置を現在はもう進めていなければいけないわけですので、その対応についてお伺いします。
〇千田医師支援推進監 令和6年4月から適用されます医師の時間外労働規制についてでありますが、勤務医に適用されます原則的な上限規制水準としましてA水準、年間960時間以内と、救急医療や応援診療等、地域医療の中核機能を担うためやむを得ず長時間労働となる病院の医師に適用されるB水準、臨床研修中の医師など一定期間中に集中して臨床経験を積む必要のある医師に向けたC水準、上限時間は年間1、860時間以内があります。
 これらの水準のうち、B水準につきましては、令和17年度末に解消されること、それから、C水準につきましては、将来的には上限時間の縮減の方針が示されているところでございます。
 このため、現在、医療局におきましては、各病院がどの水準を適用するかについて、病院個々の実情に照らしながら、個別具体の協議を行っている段階であり、令和4年度末をめどに適用水準を決定することとしております。
 続きまして、連続勤務時間制限についての対応方針でございますが、B水準、C水準の特例を受けることになる医師が勤務する病院におきましては、28時間の連続勤務時間制限や勤務時間インターバルの確保が必要となるため、夜間の救急対応した翌日は、外来診療等を休診にするなど、診療体制に影響が出る可能性があると想定されるところであります。
 県立病院においては、今年度、病院の規模等に応じ、夜間、休日の救急患者の受け入れをどのような体制で行うか、幾つかの勤務体制案により必要な医師数や超過勤務時間数、外来診療等への影響についてシミュレーションし、連続勤務時間制限や勤務間インターバルの確保を遵守できる体制について各病院と協議を行い、今後、具体的な取り組みを進めていくこととしております。
〇飯澤匡委員 今の答弁ですと、これからですということですね。一般企業では、既に労働時間についてはかなり規制がかかっていまして、据え置きしている業種もありますけれども、早く検討して、シミュレーションしておかなければならないと思います。
 それで、この時間短縮であったり、こうした働き方改革をしますと、どうしても員数をふやしていかなければいけないということになります。そうしますと、先ほど来お話が出ていますように、医師確保については、さらに力を入れていかないと間に合わないということになりますね。そうしますと、人件費もかなり確保していかなければならないことになります。
 これは通告していませんけれども、今の状況で、何人ぐらい医師をこの法律によって増強しなければならないか。そして、あわせて、大まかでいいですから、どれぐらいの人件費の増が見込まれるか。今答えられないならいいです。ただ、局長ぐらいは、腹づもりでわかっていると思って聞いているわけですから、よろしくお願いします。
〇熊谷医療局長 済みません。非常にざっくりというお話になります。医師確保計画につきましては、保健福祉部が所管で、全国の最低水準といいますか、下位33%に該当している医師数のところは、その33%を超えるような形で医師を確保しなければならない。そういった形で医師の必要数といいますか、今後、確保しなければならない医師数を定めております。
 これとは別個に、医療局経営計画で、医師につきましては、病院で必要な医師数等々を出してもらいまして、全体調整をかけております。これに対して、2018年の計画策定前の減員に対しまして、医師、研修医合わせまして81人を増員するという計画を持っております。ですので、ざっくりと医師の給料が大体2、000万円ぐらいですので、80人でございますので、15億円とか16億円とか、単純計算ではそういうことになろうかと思いますし、それにプラス共済費とかさまざまな費用がかかってくるものと思われます。その辺については、今後さらに、毎年の予算編成等々で対応を検討してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 このように働き方改革は現業にとっては大変なのです。だから、僕は医療局に聞いているのです。現場を預かる方々がそういう危機感を持って医師招聘についても戦略的に行っていかないと、法律をクリアしないと。クリアしないところには、なかなか医師の招聘も困難です。そういうインセンティブをつけるにしても、そこらの道筋をしっかり立てておかないと、私は今の状況をなかなか抜け出せないのではないかと思います。
 2番目の質問は、大体今の質問に類することですので、これは割愛します。
 大きな2番目の質問ですが、周産期医療の体制。
 これは、本日本当に多くの委員から問題意識が提示されておりますが、実は最初の質問をしたのは、時間外労働の上限値ラインを超える医師の割合で、断トツで産婦人科の先生が多いわけです。それだけ激務だということです。したがって、周産期医療体制をしっかり確立していくためには、現状維持では到底間に合っていかない。よほど新機軸で作戦を立ててやっていかないといけないと思うわけです。
 まず質問ですけれども、令和2年までの医師奨学金の貸付者数とそのうち産婦人科を専攻する医師数はどれぐらいなのか。また、小児科医を専攻する医師数はどれぐらいなのか。その現状について御報告願います。
〇菊地医師支援推進監 令和2年度までの医師奨学金の貸付者数についてでございますが、平成20年度の国の医学部定員増に伴いまして、これまで県内三つの奨学金制度によりまして、医療局奨学生275名を含みます590名に対しまして、奨学資金の貸し付けが行われているところでございます。このうち、産婦人科を専攻する医師は7名、うち医療局の奨学生は1名でございます。小児科を専攻する医師は12名、医療局の奨学生は6名となっております。
〇飯澤匡委員 奨学金で県立病院に勤務するお医者さんだけではないと思うのですが、これは一つの指標だと思うのですね。これは非常に厳しい状況だということがよくわかります。
 以前、決算審査で、東北大学の教授から御示唆をいただいたハイボリュームセンター、これは保健福祉部長に尋ねたら、なかなか岩手県では難しいと。岩手医科大学に気兼ねする部分もあるのでしょう。しかし、今日に至って、しっかりした体制を組んでいかないと、ただいま提示していただいた数字をもとに考えますと、岩手県全体でも、どんどん厳しい状況に陥っていくことになります。これらはどうやっていきますか。基本的な方針をお聞きします。
〇熊谷医療局長 ただいま委員から周産期のハイボリュームセンターというお話をいただきました。先ほど来の議論の中でも、産科関係学会におきまして、周産期母子医療センター、産科常勤医10名以上の配置を求めるという提言もあるところでございます。
 一方で、少子化、後継者不足等を背景といたしまして、産科の診療所が減少しておりまして、分娩を取り扱う医療機関が周産期母子医療センターのみである二次医療圏も存在しております。
 本県の地域周産期母子医療センターのあり方については、人材やアクセスの確保等々、総合的に検討する必要があると思っております。今後のあり方という基本的なところでございます。人口動態、医療資源の動向などを踏まえて、保健福祉部が所管しております岩手県周産期協議会により議論を進めていくと伺っております。その議論を踏まえつつ、適切に対処していく考えでございます。現時点におきましては、四つの周産期医療圏ごとに設置されている周産期母子医療センターとしての役割を果たし、即戦力医師、奨学金医師の配置、助産師の確保等、医療スタッフを確保するとともに、関係大学と連絡を密にして連携に努めてまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 この問題が顕在化したのは、実は中部病院の東北大学のドクターの引き揚げからでした。岩手医科大学からの緊急的な支援があって何とか、はっきり言ってびほう策で現在しのいでいるわけです。ただ、これもいつまで続くかわからない。先ほど来議論があった県立釜石病院の状況を見ても、そして、あわせて、前段で質問した医師の働き方改革の流れにも合わせていくと、今の医療局長の答弁だと、いろいろ連携を果たしてやっていくということですが、私は全く根本的な状況に至っていないと。これは保健福祉部で聞いても、なかなか答えが出てこないのです。やはり現業である皆さん方から声を上げて、医師をしっかり確保するためにはどうしたらいいかと。地域偏在についても、毎回毎回決算審議、予算審議でも、同じような答弁が出ていますけれども、何ら解決の様相が出てこないのですね。
 今回は、周産期医療体制について例示を挙げていましたが、医療局としてももう少し本腰を入れて、この体制の維持ではなくて、新たな確立に向けて、しっかりとした政策の柱立てをしていかなければ私はだめだと思うのですが、医療局長いかがですか。
〇熊谷医療局長 将来的な県立病院の医師の確保、それから、どういう形で県民の方々に適正な良質な医療を提供していけるか。ふだんから私ども問題意識を持って検討しておりますし、今後ともやっていく必要があると思っています。そういった観点で政策医療を所管する保健福祉部と関係医科大学と連携をとりながら進めさせていただければと思っております。
〇飯澤匡委員 今の時点で、多分多くの委員の皆さんもなかなか納得はしないのではないかと思います。それだけ概況的にかなり厳しい状況にあるということを皆さん方もよくわかっていると思うのですが、現状の延長線ではやはり大変な状況になるということを私はしっかり受けとめて、目に見えるような形でやっていかなければならないと思っています。
 診療所化の問題で大きな議論が県議会でもありました。地域の医療を守るためにどうしたらいいかということを真剣に県議会でも議論して、現在に至っているわけですが、その理由として、医師の負担を減らすということでしたよね。ところが、4期目以上の先生はわかっていると思うのですが、十数年たって、確かに皆さん方が御努力して奨学生などは大分ふえているけれども、現実感として、特に地域病院はそういう充足感というか、地域の方々が満足するような状況になっていない。いわゆる地域偏在、これは全く解消されていないわけです。
 何のためにあそこまで議論してやったのかということが問われると思うのです。そういう意味において、もうちょっと新しい手を加えてやっていかなければだめだと思うのですが、過去の反省も踏まえてどういうようなことをやっていくのか、まず方針だけでもこの場で明らかにしてほしいと思います。連携だとか、一義的に保健福祉部でやるとか、そういう次元ではないと私は思いますが、いかがですか。
〇熊谷医療局長 私たちも県立病院の院長等々と将来どういうふうにしていったらいいのか、医療局、病院、院長会とさまざま議論をさせていただいているところでございます。例えば地域病院、確かに医師の今の絶対数の不足の中で、地域に求められる十分な医師を供給できていないところでございます。そういった中で、基幹病院に医師を集め、基幹病院と地域病院が一体となった経営を行う、地域の医療の提供を行う、そういった体制に持っていく必要があるというお話をしているところでございます。
 医師の確保、奨学金養成医師も含め、それから、招聘医師の確保、絶対数の確保に今全力で取り組んでいるところでございます。そういったことでさまざまなこれからあるべき姿等々を研究、検討させていただければと思っております。
〇飯澤匡委員 熊谷医療局長は今度政策のほうに、本体のほうに行くわけですから、しっかりやっていただきたいと思いますし、小原医療局次長は御昇任で、しっかりやっていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは最初に、新型コロナウイルス感染症に県立病院がどう対応したかということについてお聞きをしたいと思います。
 私、盛岡市立病院、そして、県立病院では千厩病院、指定感染症病床になっている病院を訪問して、話を聞いてきました。千厩病院ではベッドもふやして、そして、重症の患者も透析の患者も受け入れたというので、大変重要な役割を果たしてきたのではないか。県立磐井病院との連携もあったと思いますけれども、新型コロナウイルス感染症病床について、県立病院が確保している病院と病床数、実際に入院患者を受け入れた病院数を示してください。
〇鈴木経営管理課総括課長 新型コロナウイルス感染症に対応する病床の確保についてでございますけれども、新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れるため、県立病院においては、6病院に22床配置しておりますハンセン症病床を含め15病院で約230床の受け入れ病床を確保しているところでございます。
 これまでに10病院において約200人の感染患者を受け入れてきたところでございます。
〇斉藤信委員 大変大きな役割を果たしていると思います。
 新型コロナウイルス感染症に対応した結果、保健福祉部でも聞きましたけれども、入院患者は9%減、外来は9.3%減、そして、減収は4.2%ということでした。4.2%というのは、これは額で言うとどのぐらいの減収なのか。さまざまな支援策もあったと思いますけれども、この支援策も含めて4.2%の減収ということになるのか示してください。
〇鈴木経営管理課総括課長 1月の経営収支の状況で申し上げますと、4.2%というのは金額にいたしまして31億5、000万円になります。
 クラスターに備えて病床をあけておくということで減収がかなり大きくなっております。ざっとの試算でございますけれども、決算見込みベースで申し上げますと、空床補償をもらう病院でどれぐらいあけているか。そこの病院の入院単価、診療単価をざっくり掛けますと、大体県立病院全体で50億円の減収になるということでございました。
 今年度、補助金として空床補償をいただけるものが、まだ確定はしておりませんけれども、48億数千万円程度と見ておりますので、基本的には、空床をしていた分については、県から補助として手当をいただけるものと考えております。
〇斉藤信委員 そうすると、そうした空床補償を含めて、最終的に31億5、000万円の減収と、こういうことでいいのですか。
〇鈴木経営管理課総括課長 先ほどの31億5、000万円の数字は、1月末での保健福祉部の答弁にあわせたものでございます。一応2月補正を出しておりまして、そちらで決算見込みということで出した予算では、全体で82億円程度の減収でございます。そのうち、空床補償48億円も含めたさまざまな新型コロナウイルス感染症の補助金によりまして、55億円程度の補助金が入っております。
 それ以外については、患者の受診控えとかそういった間接的な部分による減収が大きいと考えております。先ほども申しましたけれども、過度な受診抑制が重症化につながるといった普及啓発を今後も行って、適正な受診をしていただくように、今後とも呼びかけていきたいと思っております。
〇斉藤信委員 2月末で最終的見込みとして幾ら減収になるのかというのを正確にお答えください。
 私が盛岡市立病院へ行ったときにも、患者数が減少している。感染状況を見たら、今、受診を抑制する状況ではないのですよね。そして、かえって病状が悪化しているケースが既に出ているということもお聞きをしてきました。岩手県の場合は、本当に受診抑制する状況では客観的にはないと思うので、そこらも適切に対応していただきたいと思います。
 それと、県立中央病院で患者の集団発生までいくかありました。この要因と対応、教訓について示してください。
〇佐藤業務支援課総括課長 県立中央病院における新型コロナウイルス感染症の院内感染についてでございますが、入院後に陽性が判明した患者がいらっしゃいましたけれども、入院した時点で発熱などの新型コロナウイルス感染症を疑う症状がなかったためPCR検査を実施しておらず、一般の患者として他の患者と病室等を共用していったほか、職員においても、個人防護具の着用など感染症患者としての対応を行っていなかったことが要因であると考えております。
 これまでも県立中央病院におきましては、厚生労働省の指針をもとに、発熱等の症状や感染者との濃厚接触歴など、感染が疑われる患者にはPCR検査を実施してきたところでございますが、今回の事例などを踏まえまして、院内での感染対応マニュアルを改正し、感染の拡大状況に応じて、全身麻酔下の手術や上部消化管内視鏡検査等を実施予定の患者にはスクリーニング検査としてのPCR検査の実施を検討するほか、人口10万人当たり1週間の新規患者数15人以上になるなど、流行が爆発的な時期におきましては、入院する患者のスクリーニング検査の実施も検討するなどの感染防止対策を行ってきたところでございます。
 今後、中央病院での経験を全県立病院で共有しながら、引き続き院内感染防止に努めていきたいと考えております。
〇鈴木経営管理課総括課長 先ほどの最終的な医業収益の減額の見込みでございますけれども、2月補正でございますので3月までの見込み、今年度全体の見込みということでございます。それの令和2年度当初予算との比較で見ますと、医業収益が82億9、300万円減少するという見込みを立てているところでございます。
〇斉藤信委員 医業収益は82億円減収すると。しかし、それに対する補填もあるわけで、空床補償でかなりの額がね。だから、それを含めて最終的な損益はどうかと。医療局長。
〇熊谷医療局長 申しわけございません。医業収益の減は、先ほど経営管理課総括課長が答弁したとおりでございますが、補助金等々さまざまな措置がなされまして、最終の決算見込みでは、2億円から3億円程度の赤字にとどまるのではないかなと思っています。場合によってはもう少し好転するかもしれません。
〇斉藤信委員 わかりました。
 今、県立中央病院の院内感染の教訓。私はPCR検査を徹底するというのがやはり大変大事だったと思うのです。それで、県立病院におけるPCR検査の実績をお聞きします。どれだけ自院で検査されているのか。そして、職員に対してもどういう検査が行われたのか示してください。
〇佐藤業務支援課総括課長 県立病院における検査の実施状況についてでありますが、県立病院では、LAMP法などの検査機器を順次導入し、検査体制の強化を図ってきたほか、民間業者への検査委託を行うなど、積極的に検査を行い、院内感染防止に努めてきたところでございます。
 検査対象につきましても、せきや鼻水、発熱、全身倦怠感など、新型コロナウイルス感染症が疑われた場合の行政検査に加え、県内の感染状況を踏まえ入院前に検査を行うなど、対象範囲を広げて検査を実施してきたところでございます。
 実施検査件数につきましては、2月末現在、県立病院でのPCR検査は6、912件、抗原検査は933件実施しているところでございます。このうち職員につきましては、831件検査を実施しているところでございます。〇斉藤信委員 職員も831件ということで、私は、職員に対しては、医師、看護師含めてもっと積極的にやるべきではないのかと思います。保健福祉部でも紹介しましたけれども、例えば、新型コロナウイルス感染症に対応した看護師は9割が精神的な苦痛、不安を感じながら、会食も旅行も何もしないで本当に頑張っておられる。そういうところで本当に不安を感じているところについては、病院の状況ももちろん考慮しなければだめですけれども、せっかく県立病院としては自前で検査体制があるわけだから、積極的に医療従事者のPCR検査に取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
〇佐藤業務支援課総括課長 県立病院職員の検査につきまして、濃厚接触者として行政検査の対象になった職員のほか、感染の危険性が少しでも疑われる場合には積極的に検査を実施しているところでございます。
 具体的には、入院した患者が後から新型コロナウイルス感染症陽性者と判明するなど、新型コロナウイルス感染症患者として認識していない状況下で対応してしまった場合や、濃厚接触者とまではいかないものの、短時間でも接触した可能性が考えられる場合についても、積極的に検査を実施しているところでございます。
 なお、岩手県新型コロナウイルス感染症対策専門委員会の見解では、定期的あるいは網羅的な検査は市中感染リスクが高くない状況では推奨しないとしておりまして、今後、感染リスクが増大したような場合には、県の検査方針にのっとり適切に対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 どうも専門委員会の見解が障害になって、やれるべき検査が進まないという感じがいたしますが、第2回県立病院経営委員会の資料を見ましたら、PCR検査機器を南光病院を除く19病院に整備となっておりましたが、そうすると、19病院でこれからは自前の検査ができるということになりますか。
〇佐藤業務支援課総括課長 委員御指摘のとおり、南光病院を除いた19病院におきまして、それぞれ自前で検査が実施できる体制が整うところでございます。
〇斉藤信委員 検査体制がそういうふうに強化されていることは、私、大変評価をしたいと思います。
 そこで、医師の確保についてもさまざまな議論がありました。私は、県立病院の経営計画に対して、これまでどれだけの医師の確保になったのか、来年度の見通しを含めて示してください。
〇菊地医師支援推進監 経営計画に対する医師確保の見通しについてでございますが、経営計画では、令和元年度から令和6年度までの6カ年で81名の増員を計画しているところでございます。
 令和2年度末までに、医師28名を増員する計画に対しまして、令和3年1月1日時点での配置実績は9名の増員にとどまっているところでございます。
 来年度の見通しについてでございますが、令和3年度末までに、医師40名を増員する計画に対しまして、令和3年4月時点で39名の増員となる見込みでございます。目標に向けましては、まだ1名足りないことになりますので、引き続き令和3年度末における目標値の達成に向けて、医師の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 奨学生医師の配置は順調に進んで、来年度は100人という答弁もありましたが、臨床研修医が計画に対してうまくいっていないと。臨床研修医の確保がうまくいかない理由と今後の対策を示してください。
〇菊地医師支援推進監 臨床研修医が減少した要因、あとは確保対策でございますが、今年度の臨床研修1年目医師が少なかった、マッチングが思うようにいかなかったというところが大きい理由ではございますが、理由といたしましてはさまざまな要因が複合的に影響しているものと考えられます。一因といたしましては、医学生が臨床研修後の専門研修を見据えまして、専門研修の指導体制やカリキュラムが充実している都市部の病院や大規模病院を志向していることが考えられます。
 県立病院といたしましては、臨床研修医の確保のため、各研修病院における研修プログラムの充実を図るとともに、県立病院に勤めながら専門医を取得できる環境を整備する。あとは、医学生を対象とした合同説明会の実施や奨学生面談によりまして、病院見学者の増加に努め、県内での臨床研修の実施を働きかけていくところに努めていきたいと思います。
 あと、今年度からでございますが、専門研修の指導医になられる方々に対しまして、指導医の手当を創設いたしまして、経済面でも支援していくという形で対応しております。
〇斉藤信委員 最後に、看護師の労働条件の改善についてお聞きをいたします。月9回以上の夜勤の状況はどうなっているのか、改善の取り組みはどうなのか。もう一つは、遠野病院における超過勤務手当不支給の問題が、釜石の労働基準監督署に訴えがあって、これが是正されるという極めて深刻な問題がありました。この問題について、医療局としてどう受けとめて、そういうことが再び起こらないような手だてをとっているのか。このことをお聞きをいたします。
〇一井職員課総括課長 看護職員の月9回以上の夜勤の状況についてでありますが、月9回以上の夜勤に従事した看護職員の数は、今年度12月までの実績で15病院、延べ732人となっております。令和元年度の同じ時期と比較して延べ200人減少しているところでございます。
 医療局においては、これまで育児休業取得者等の代替職員の正規職員による配置、夜勤専従などの多様な勤務形態の導入、採血業務の臨床検査技師への移管などのタスクシフティング等の取り組みを行い、夜勤回数の抑制に努めてきたところでございます。
 また、今年度においては、新たに外部専門家を通じた業務の見直しや、病児保育を導入し院内保育の充実など、職員の負担軽減を図り、働き方改革に資する取り組みを推進してきたところでございます。
 今後も、こうした取り組みを行うとともに、県立病院間で相互応援を行うなど、各病院における業務の繁閑に適時に対応しながら、看護職員1人当たりの夜勤回数の抑制に努めていきたいと考えております。
 次に、県立遠野病院の超過勤務手当についてでございます。超過勤務手当を適正に把握し管理していくためには、事前に命令して事後に確認するという手続の原則や、超過勤務として行う必要がある業務の内容等について職場内での十分な理解と共通認識のもとに、必要な超過勤務についてはしっかり認めることが重要であります。適正な申告がなされるよう、ふだんからコミュニケーションをとり、各職員が必要な超過勤務における業務内容及び勤務実態について相談しやすい職場づくりに努める必要があるものと認識しております。
 看護科の全職員を対象とした聞き取りの結果、超過勤務を申告しづらい雰囲気があるなど、職員間の意思疎通が必ずしも十分ではない面があったことを踏まえ、院内での業務調整や職員サポートを担当する看護師を2名を配置するなど、看護師9名を増員し体制を強化したほか、職員の人事配置に配慮するなどの職場環境の改善を図ったところでございます。また、職場単位で、対象となる業務の内容等についての共通認識を深めるため、具体的な例を挙げながら話し合うなどの取り組みを進めたところであり、この遠野病院の取り組みを他の病院にもお知らせするとともに、ICカードの打刻、超過勤務命令などを適正に行うよう、各病院に周知、徹底したところでございます。
〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇佐々木朋和委員 先ほどの斉藤信委員の答弁の中で、県立病院の経営状況が82億円の減収から新型コロナウイルス感染症関連の補助金等によりまして二、三億円の赤字、さらに経営が改善されるかもしれないという答弁がございました。
 私は、何十億円という赤字の中であったら仕方ないと思いますが、そうやって新型コロナウイルス感染症関連の補助金で県立病院が救われているのであれば、新型コロナウイルス感染症受け入れている県立病院の中に入っている店舗への配慮をすべきだと思います。各新型コロナウイルス感染症受け入れ病院の中に入っている店舗は、まさに空床を確保するため、あるいは面会を自粛していただいているためにそういった機会を失っているわけであります。しかしながら、県立病院そのものは補助金で救われているけれども、中の店舗は救われていない。
 コロナ禍が終息した後にも、ぜひ、そういった店舗には経営を継続してもらうためにも、私は何かしらの補償金を出すべきではないかと思います。各新型コロナウイルス感染症関連の経済対策においては、今は国も大変な事業者の取引先まで補償等が行っているわけでありますから、私はその辺も検討すべきだと思いますけれども、所見を伺いたいと思います。
〇鈴木経営管理課総括課長 各病院に入っております食堂とか売店等のテナントにつきましては、一定の使用料をいただいて活動していただいているという状況でございます。厳しい状況につきましては、各現場からいろいろと要望をいただいており、減免してほしいという要望もいただいておりました。
 基本的には、市町村や県で家賃の補助とかそういったものがあるものについては、それを使っていただくと。それが、例えば、収支の状況が30%以上悪くなった場合は対象にするとかという要件になっていた場合に、市町村の場合は、事業所全体で見て減少幅がどれぐらいかという見方をしていると。そうすると対象にならないテナントも出てくるということで、もし、そういった対象にならないテナントについては、各テナントごとに、病院ごとに見てそういった状況であれば、同じような減免をするといったことで減免措置を講じているところでございます。
〇佐々木朋和委員 今講じているという話もございましたけれども、それではなかなか救われない事業者もおります。ぜひとも、もう一歩踏み込んだ支援をお願いして、終わりたいと思います。
〇岩渕誠委員長 答弁はよろしいですね。
 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩渕誠委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。
 本日は、これをもって散会いたします。
午後6時17分 散 会

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