令和3年2月定例会 予算特別委員会会議記録

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令和3年3月12日(金)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 嵯 峨 俊 幸
議事管理担当課長 藤 枝   修
主任主査 千 葉 絵 理
主任主査 糠 森 教 雄
主査 鈴 木   忍
主査 阿 部 真 人
主査 赤 坂 宏 紀
1 説 明 員
企画理事兼
環境生活部長 藤 澤 敦 子
副部長兼
環境生活企画室長 小 島   純
環境担当技監兼
廃棄物特別
対策室長 佐々木 健 司
若者女性協働
推進室長 高 橋 久 代
環境生活企画室
企画課長 高 橋 利 典
環境生活企画室
管理課長 及 川 博 英
温暖化・エネルギー
対策課長 高 橋 光 羊
放射線影響
対策課長 前 田 敬 之
特命参事兼
ジオパーク
推進課長 菊 池   学
環境保全課
総括課長 黒 田   農
資源循環推進課
総括課長 佐々木 秀 幸
自然保護課
総括課長 谷 藤 親 史
県民くらしの
安全課総括課長 新 沼   司
食の安全安心課長 佐 藤   敦
県民生活安全課長 武 蔵 百 合
消費生活課長 藤 本 さとえ
再生・整備課長 古 澤   勉
廃棄物施設
整備課長 加 藤 研 史
特命参事兼
青少年・男女共同
参画課長 高 井 知 行
特命参事兼
連携協働課長 高 田   聡

警察本部長 大 濱 健 志
警務部長 大 塚 健 滋
生活安全部長 小田島 洋 憲
刑事部長 新 家 勝 昭
交通部長 佐々木 雅 夫
警備部長 石 川   康
警務部参事官兼
首席監察官 阿 部 裕 一
警務部参事官兼
警務課長 玉 澤 賢 一
警務部参事兼
会計課長 米 沢 寿 彦
生活安全部
参事官兼
生活安全企画課長 菅 野 一 也
生活安全部
参事官兼地域課長 前川 剛
刑事部参事官兼
刑事企画課長 中屋敷 修 二
交通部参事官兼
交通企画課長 藤 原   剛
警備部参事官兼
公安課長 田 村   剛
総務課長 永 澤 幸 雄
監察課長 大 沼 淳 司
交通規制課長 佐 藤   晋
警備課長 今 野 清 彦

参事兼
財政課総括課長 小 原 重 幸
〇岩渕誠委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第26号から議案第30号まで、議案第33号、議案第35号、議案第37号から議案第39号まで、及び議案第42号の以上31件を一括議題といたします。
 本日は、環境生活部及び警察本部関係について、延べ20人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は21分といたしましたので、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、目安時間を10分とすることにしておりますので、あらかじめ御了承願います。
 また、これまでと同様に、換気のため休憩いたしますので、御協力をお願いいたします。
 初めに、環境生活部長に環境生活部関係の説明を求めます。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 それでは、令和3年度岩手県一般会計予算のうち、環境生活部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 なお、組織改編により、来年度、当部から復興防災部に移管予定の事業につきましても、当部において説明させていただきますので、あらかじめ御了承願います。
 初めに、当部における予算編成の基本的な考え方でありますが、東日本大震災津波からの復興を着実に進めるとともに、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期しながら、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる政策の推進を図るため、まず、復興推進関係については、災害に強く安全で安心な暮らしを支える防災都市・地域づくりに向け、災害にも対応できる自立、分散型のエネルギー供給体制の構築に取り組むとともに、地域コミュニティーの再生、活性化のため、NPO等が行う復興支援活動などを支援してまいります。
 次に、政策推進関係についてでありますが、家族・子育ての分野では、健全で自立した青少年の育成のため、青少年が、個性や主体性を発揮して自立した活動ができる環境づくりに取り組むとともに、動物の命を大切にする社会をつくるため、動物愛護の意識を高める普及啓発の取り組みなどを推進してまいります。
 居住環境・コミュニティの分野では、快適で豊かな暮らしを支える生活環境をつくるため、生活衛生営業者を対象に、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策の取り組みを促進するとともに、市町村などが実施する水道施設の耐震化や老朽化対策などを支援してまいります。
 安全の分野では、事故や犯罪が少なく、安全・安心に暮らせるまちづくりを進めるため、防犯活動や性犯罪などの被害者に対する支援、交通事故抑止対策や消費者施策の推進などに取り組んでまいります。
 また、食の安全・安心を確保し、地域に根差した食育を進めるため、第16回食育推進全国大会inいわての開催や、食の信頼向上の推進などに取り組んでまいります。
 自然環境の分野では、多様ですぐれた環境を守り、次世代に引き継ぐため、生物多様性の保全や自然との触れ合いの促進、良好な大気、水環境を守る活動や、三陸ジオパークに関する取り組みなどを推進するとともに、循環型地域社会の形成を進めるため、廃棄物の発生抑制や再使用、再生利用の推進、産業廃棄物の適正処理の推進や食品ロス削減推進計画の策定などに取り組んでまいります。
 また、地球温暖化防止に向けた低炭素社会の形成のため、新たに、事業者に対して省エネルギー設備導入補助を実施するなど、温室効果ガス排出削減対策を推進するとともに、再生可能エネルギーの導入促進、気候変動の影響への適応策などに取り組んでまいります。
 参画の分野では、性別や年齢にかかわらず活躍できる社会をつくるため、男女共同参画社会の実現に向けた環境の整備を行うとともに、若者の活躍支援や、企業などにおけるワーク・ライフ・バランスの優良事例の創出などの女性の活躍支援に取り組んでまいります。
 以上が、環境生活部の令和3年度予算編成に当たっての基本的な考え方でございます。
 続きまして、予算議案について御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の6ページをお開き願います。環境生活部関係の予算は、3款民生費2項県民生活費の13億5、109万円のうち、復興防災部所管分を除く13億2、249万9、000円と、7ページに参りまして、4款衛生費2項環境衛生費の93億7、131万8、000円、9ページに飛びまして、12款公債費1項公債費の一部873万円及び13款諸支出金2項公営企業負担金の一部789万4、000円で、合わせまして、総額107億1、044万1、000円であります。これを前年度当初予算額と比較いたしますと19億2、500万円余の減、率にいたしまして15.2%の減となるもので、これは、産業廃棄物処理施設整備事業促進費において、八幡平市に設置を予定している次期最終処分場の整備のための貸付金の減額などによるものです。
 なお、2款総務費6項復興防災費の一部及び3款民生費2項県民生活費の一部、合わせまして3、927万5、000円につきましては、当部から復興防災部へ移管する予算となっております。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、当部関係は、1産業廃棄物処理施設整備事業促進であり、これは、同事業に係る周辺環境整備事業について、工期が翌年度以降にわたることから、債務負担行為を設定しようとするものであります。
 次に、予算関係条例について御説明申し上げます。
 恐れ入りますが、議案その2の28ページをお開き願います。議案第30号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、環境生活部関係の改正内容は、第1条、別表第3ですが、これは、第二種フロン類回収業者登録申請及び登録更新申請手数料について、法改正後、一定期間が経過し、今後、申請が見込まれないことから、審査手数料を廃止するものであります。
 次に、115ページをお開き願います。議案第33号食品衛生法施行条例の一部を改正する条例についてでありますが、これは、法改正に伴い、営業許可申請手数料の額を増額するなど、所要の改正をしようとするものであります。
 以上で、環境生活部の予算関係議案についての説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇岩渕誠委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇小西和子委員 それでは、私から質問させていただきます。1点のみでございます。性犯罪等被害者支援事業についてお伺いいたします。
 性犯罪等被害者支援事業が復興防災部への移管事業となっております。すごく驚きました。委託先のはまなすサポートセンターも驚いております。その理由をお伺いいたします。他県での例もあるのでしょうか。
〇及川環境生活企画室管理課長 性犯罪等被害者支援事業の復興防災部への移管についてでありますが、復興防災部の設置に伴い、県民くらしの安全課県民生活安全担当は、消防に係る施策の調整や産業保安、安心・安全なまちづくり、交通安全対策を担う消防安全課へ移管する予定としております。
 いわて県民計画(2019〜2028)の政策推進の基本方向におきまして、安全分野に含まれる交通安全や犯罪防止につきましては、地域の防災力の向上と合わせて地域の安全として包括的に捉え、現在の防災消防担当と一体化させることにより、地域の安全確保に向けた機能強化が図られると考えられますことから、復興防災部へ移管することとしたところでございます。
 また、他県における性犯罪等被害者支援事業の所管についてでございますけれども、当部で各県のホームページ等で把握している範囲ではございますが、生活、安全、治安といった中で所掌しているものが25道県、防災、危機管理が1県、人権が2都県、男女共同参画が14県、子供、青少年、家庭が5府県となっております。
〇小西和子委員 防災が1県ということでございます。私も、これは男女共同参画とか人権で扱うのがいいかと思っておりました。
 続けます。性犯罪等被害者支援事業の詳細を伺います。相談件数もお願いいたします。
〇武蔵県民生活安全課長 性犯罪等被害者支援事業の内訳についてお答えいたします。
 当事業は、性犯罪、性暴力の被害に遭われた方に、産婦人科、精神科医療、相談、カウンセリング等の心理的支援や捜査関連の支援、弁護士による法的支援等を連携して行う、はまなすサポートの運営に要する事業でございます。
 事業の内訳でございますが、はまなすサポートを構成する医療機関や相談窓口との連携を維持、強化するための会議、研修等に要する連携費用、はまなすサポートセンターの運営業務委託費用、被害者の産婦人科及び精神科の受診及び保険薬局の利用に要した医療費の公費負担、はまなすサポートを周知するための普及啓発費用となっております。
 相談受け付け状況についてでございますが、平成30年度は延べ303件、令和元年度は延べ328件、令和2年度は2月末現在の速報値でございますが延べ388件となっております。
〇小西和子委員 内容等についても詳細にお伺いいたしました。件数もやはりふえている。コロナ禍で女性へのさまざまな暴力等がふえているということが全国的に言われておりますけれども、本県でも当たるのかなと思っております。
 今年度当初予算よりも108万円ほど増額になっておりますが、その理由を伺います。
〇武蔵県民生活安全課長 性犯罪等被害者支援事業費の増額理由についてのお尋ねでございます。
 令和2年度当初予算よりも108万円の増額となっておりますが、その内訳は、相談対応に従事する者の対応能力向上のための研修会への参加経費の増のほか、国において令和3年度中に設置する、夜間休日に相談対応を行うコールセンターとの連携に要するはまなすサポートセンターの人件費などの増、また、若年層への普及啓発拡大のためのカード型リーフレットの配布に要する経費の増などでございます。
〇小西和子委員 国から性犯罪、性暴力対策の強化の方針が昨年6月に示されました。それを受けて、県からは、24時間365日対応の推進の一環として、本年10月をめどに対応時間の1時間拡大の要請を受けている旨、はまなすサポートセンターからお聞きしております。
 実は、はまなすサポートセンターでは相談員に、ボランティアの方々がいらっしゃるのですけれども、手弁当で対応しているのです。せめて旅費ぐらいはという話もいただいているところでございます。前向きに検討していただければと思います。
 では、最後ですけれども、企画理事兼環境生活部長、本当に長いこと女性職員の活躍を牽引してこられたことに敬意を表します。皆さんがロールモデルとしていらっしゃいます。
 岩手県は、女性管理職の割合がワーストの時代もありました。ですけれども、先ほど資料を見ましたら、都道府県の地方公務員の採用割合が38.3%で11位になっている。女性の職員がふえているということ。だけれども、管理職は下から数えて十何番目という、まだまだ低いところではございますが、頑張っているなと私は思っております。
 若い皆様方に対して、ワーク・ライフ・バランスの視点からエールを送っていただきたいと思いますし、それから、環境生活部の皆様方にも、どうぞエールを送っていただきたいと思います。お願いします。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 ただいま小西委員から身に余るお言葉を頂戴いたしましたが、私は、国体局を初め、福祉ですとか職員研修、教育行政など、さまざまな業務を経験させていただきまして、その結果が今にあるのではないかと考えております。それで、さまざまなところで同僚、先輩、そして県議会の皆様にも大変御支援いただき、育てていただいたと思っております。
 委員から、今、県職員の女性採用がふえているというお話がありましたけれども、女性の数全体でいいますと、今4分の1が女性という時代になってきておりまして、環境生活部の職員を初め、県職員の女性全体が、いろいろな職を経験して、経験を積んで、県政に貢献できるよう頑張っていただきたいと考えております。
 甚だ雑駁ではございますが、こんな感じでよろしいでしょうか。失礼いたします。
〇工藤勝子委員 鳥獣保護費についてお尋ねいたします。ニホンジカの関係であります。
 ニホンジカの生育域が県北まで拡大しまして、非常に生息調査が難しい状態になっていると思います。その調査の課題と今後の実態調査の取り組みについてお伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 鳥獣の捕獲頭数の計画と課題についてでございますが、ニホンジカにつきましては、平成27年度以降、狩猟、有害捕獲及び指定管理鳥獣捕獲等事業による捕獲を合わせまして、これまで年間1万頭以上の目標を設定して捕獲に取り組んできたところであり、令和2年度は、これまでの最大捕獲実績数を上回る1万4、500頭を目標として取り組みを進めているところでございます。
 今後の捕獲の計画につきましては、本年度に取り組んでいる鹿の生息頭数の推定調査の結果やモニタリング調査の結果を踏まえて、学識者の意見を聞きながら検討していく必要があり、次年度に予定している令和4年度からの第二種特定鳥獣管理計画の策定とあわせて検討していくこととしております。
 また、計画に即した適切な捕獲のためには、一層の捕獲の担い手の確保や育成を図る必要があることから、県猟友会、市町村等と連携いたしまして、新規狩猟免許取得者の確保のための研修会や啓発活動に継続して取り組んでまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 大体岩手県内に4万頭生息しているという話がありますけれども、それは余り大きく変化はないと捉えていらっしゃいますか。
〇谷藤自然保護課総括課長 ただいま、令和元年度から全県の農家住宅等を対象としたアンケートなどを実施しておりますが、各農家からは、鹿については増加しているという御意見をいただいているところでございまして、4万頭は、ふえるのではないかと見ているところでございます。
 今後の対応につきましては、先ほど申しましたとおり、今後、管理検討委員会とあわせて検討していく形になろうかと思っております。
〇工藤勝子委員 県内に広く分布しているわけでありまして、実態調査というのは難しいと私も思っております。でも、そういう中において、平成の時代は、平成24年までヘリコプターによる調査をやっていたのです。でも、いろいろな財政の関係もありますでしょうし、これはかなり厳しい状況なのだろうと思っております。
そこで、それぞれの市町村に委託して、やはり正確とまでは行かないでしょうけれども、大まかな頭数をしっかり把握するべき。後の管理計画をつくっていくためにも、そこが必要ではないかと思うわけです。それに向けて、例えば今スマート農業で使っているドローンなどを使った調査ということは考えていないでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 鹿の効率的な捕獲のための取り組みといたしまして、国に対してもそういった技術面での開発ですとかと指導をしていただきたいという要望はかねてからさせていただいているところでございますが、鹿の捕獲に向けた取り組みといたしましては、追跡調査のための一定のエリアの調査などは行われているところでございますが、全県域という形になりますと、まだ効果的な調査方法が確立されていないところでございまして、そちらの研究の動向など、今後、他県の動向等も注視してまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 そういう中において、私は夜に遠野市を運転する機会もありまして、非常にふえているなと。道路にも何頭かは必ず出ているというような状況があります。遠野市の被害額は大きいのですけれども、一番は牧草なのです。一番草を食べられてしまうんです。牧草の中で畜産農家の人たちが一番重要視しているのは、一番草の牧草をいかに多くとれるかというところであります。栄養価も高い、量もとれる。ところが、通常の量の3分の1とか4分の1しか収穫できないという、中山間地域で酪農をやっている人たちのそういう声が聞こえるわけであります。
 そういう中において、1万4、500頭も捕獲したという話でありますけれども、後から武田哲委員が担い手のほうの質問をしますが、わなの人たちもふえているのです。そういうところで、1人当たりの捕獲頭数をもう少しふやすことはできないでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 遠野市の取り組みといたしましては、有害捕獲においてのお話でございますが、実施隊員が捕獲するに当たりまして、地域の住民が、その支援の形でいわゆるパトロールを担っていただいて、そして、実施隊員へ通報して捕獲につなげるという地域ぐるみでの取り組みも行われているところでございます。
 農林水産部とも連携いたしまして、できるだけそういった有害捕獲での地域ぐるみでの取り組みを展開していただいて、指定管理鳥獣捕獲等事業とあわせまして、通年での捕獲に今後一層取り組んでいく必要があると考えております。
〇工藤勝子委員 1万4、500頭の処理の方法です。大槌町ではジビエということでも活用されているわけですけれども、放射性物質の関係で、ほとんどが土に埋めるか、あとは、解体して焼いていただくかという形の処理の方法だと思っております。
 そういう中において、この中から、例えば鹿を使った何か特産品みたいな考え方はないでしょうか。例えば、角を活用するとか、皮のなめしとか、そういうことでこの1万頭の命をいただく新たな加工品づくりというようなところに県は考えを持っていかないでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 昨年度、資源の活用という面では、大槌町でジビエの取り組みが始まりましたけれども、まずは、そういったそれぞれの地域での捕獲に合わせた形でのさまざまな取り組みが今後出てくるのかもしれませんが、今の時点で、私どもでそうした取り組み等の情報は十分持ち合わせておりません。いずれ、そういった食産業への活用ですとかといった部分があれば、当部も衛生関係を担っておりますので、側面的には御支援させていただきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 ぜひ、いろいろな形の中で考えていく必要が今後出てくるのではないかと思っているところでもあります。
 今年度も大体同じ1万5、000頭ぐらいを目標として捕獲を進めていくのではないかと思っております。特に私が心配しているのは、農業被害もさることながら、早池峰山の高山植物が食害されるという害が出ております。岩手県と東北森林管理局ですか、私たちは秋田森林管理局と言っているのですけれども、そういう中では、防護柵をつくって入らないようにしていると。聞きましたら、ことしの冬に倒れているのではないですかと聞いたら、全部秋にそれを撤去して、そしてまた春につくり直すというような作業もあるということで、非常に御苦労されているのだなという思いがあります。
 高山植物の何%ぐらいがこの防鹿柵で守られていると捉えておりますか。
〇谷藤自然保護課総括課長 ハンターによります鹿の捕獲につきましては、やはり林道ですとか人が入っていける範囲には、ある程度限界があると考えております。
 全県の約7割から8割は森林に覆われておりますので、人が捕獲できる場所は、全県で見れば一定程度に限られていると考えております。その中での鹿の割合という形になりますと、まだ、今の段階では推定できていないということでございます。
〇工藤勝子委員 私も何回か登山しているのですけれども、結構厳しい山でありまして、でも鹿は下のほう、登山で上がっていくところは林なのです。そして上になると石の山になっていくわけですけれども、みんな林に隠れるところがあるという、環境がいいというのですか。そして荒川高原につながっているところでありまして、繁殖が非常に進んでいるというような形もあると思っております。
 そういう中において、今年度はどのくらいの計画でそこの管理をしようとしているのかお聞きしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 早池峰地域での防鹿柵の設置についてでございますが、早池峰山周辺地域では、平成29年度の早池峰地域保全対策事業推進協議会シカ対策部会における高山植物の食害を踏まえまして、平成30年度からは、東北森林管理局と連携して群生地に防鹿柵の設置に取り組んでいるところでございまして、本年度までに14カ所、延長で約1、500メートルの柵を設置したところでございます。
 学識者が行った複数年のモニタリング調査では、柵の内部では植生の明らかな回復が認められているというお話をいただいておりまして、食害防止には一定の効果があったと報告を受けているところでございます。
 今後につきましては、鹿の動向を踏まえつつ、東北森林管理局と連携して、学識者の指導を受けながら設置について検討していくことにしておりますけれども、令和3年度につきましては、まずはこれまで設置した防鹿柵の資材の交換、それから設置範囲、下にたるみが生じて鹿が首を入れやすくなっている場所があるとかといった部分、あるいは植生の状況で少しエリアを拡大するといった部分を、学識者の指導をいただきながら見直しすることにしておりまして、今後も関係機関の協力を得ながら食害防止対策に努めてまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 そういう中において、貴重なハヤチネウスユキソウとかナンブトラノオとか、日本でここしかないという植物があるわけでありまして、それらを守っていくのも、やはり私たちの仕事ではないかと。そして、県の皆さん、東北森林管理局の皆さんとチームを組んで、これからもぜひ守っていただけるようにお願い申し上げまして、終わりたいと思います。ありがとうございました。
〇吉田敬子委員 動物愛護管理推進事業についてお伺いします。
 2020年、動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律が改正されて、2020年に施行されました。動物の虐待の定義の明確化と罰則の強化が図られております。これによって、都道府県による指導、助言、報告徴収、立入検査が規定されておりますが、第一種、第二種動物取扱業者、第一種は基本的には販売するような業種、そして、第二種は譲渡等をする団体等に分けられていますけれども、その第一種、第二種の動物取扱業者の県内の現状について、県としてどう捉えているのかお伺いしたいと思っております。第一種、第二種それぞれの事業者の推移、立入検査、指導の状況についてお伺いします。
〇佐藤食の安全安心課長 第一種、第二種動物取扱業者の県内の現状についてですが、動物取扱業のさらなる適正化と動物の不適切な取り扱いへの対応の強化のため、動物愛護法が改正され、動物の適正飼養のための規制が強化されたところでございます。都道府県知事による指導、助言、報告徴収、立入検査等が規定されました。
 第一種及び第二種動物取扱業に対し、年1回以上の立入検査を実施しておりますが、現時点において、飼育密度が著しく適正を欠いた状態で飼育する等により、動物を衰弱させるなど、動物虐待の罰則を適用するような事案はないものと認識しております。
 次に、第一種、第二種それぞれ業者数の推移と立入検査、指導の状況についてでございます。県が所管する第一種動物取扱業者の推移と立入検査は、平成29年度が250施設に対し324回、平成30年度が211施設に対し361回、令和元年度が246施設に対し344回実施し、1件の勧告を行ったところでございます。
 また、同じく第二種動物取扱業者の推移と立入検査は、平成29年度が8施設に対し12回、平成30年度が10施設に対して12回、令和元年度が9施設に対し11回実施し、勧告等はございませんでした。
〇吉田敬子委員 この事業者の推移、立入検査の回数をお伺いしましたけれども、先ほどの250、211、246という事業者数は、登録されている全事業者数をお示しいただいたということでよろしいですね。
〇佐藤食の安全安心課長 お答えしました数は、県内全ての事業者ということになります。
〇吉田敬子委員 これまでの勧告は、第一種の中では1件だったというところであります。立入検査した後にですね。
 私自身が県内のさまざまな方から、劣悪な環境で飼育しているブリーダー、繁殖業者が実際にいるという情報提供をいただいておりまして、その事業者の中でお仕事をされていて、余りにもひどかったのでやめたいというような方からですが、県の中では、確かに年1回は立入検査を必ずしていると思うのです。年1回の指導は、基本的には、事前に、いついつ行くということを県の保健所から通知されていて、いつ来るかというのは事業者が把握されていると思うのですが、その確認です。
 情報によると、いつ来るかわかっているので、そのときには、例えば、本来は100頭いるけれども、大分減らし、20頭にして、きれいにした環境で見せているような現状だという、ある何者かの業者ですけれども、そういうような状況をお聞きするのですが、県の立入検査の事前通告、その現状についてお伺いしたいと思います。
〇佐藤食の安全安心課長 最初に、先ほど回答した数の件につきまして、一部訂正させていただきます。
 先ほどお話しした数字につきましては、県が所管する分ということになりますので、盛岡市保健所分を除く数でございます。失礼いたしました。
 次に、立入検査に関しての事前通告等のお話をいただいておりますが、これにつきましては、必ずしも事前通告をルールとして現場で対応しているということではございません。あくまでケース・バイ・ケースといいますか個別対応で、中には、つまり現状を確認する必要があるといった場合には、担当者の判断によって、事前通告なしということも当然あろうかと思っております。そういうことで、そこにつきましては柔軟に対応しているところでございます。
〇吉田敬子委員 県内の業者も第一種だと、盛岡以外になるわけですけれども、これは岩手県動物愛護管理推進計画の中に入っている資料によると、平成25年の調査だと、第一種が事業所数304件とあるのですけれども、これは、盛岡保健所分を入れた数になっていて、事業所数というのは年々微減ということですかね。この辺は300件程度で推移しているということでよろしいのでしょうか。
〇佐藤食の安全安心課長 事業者数の変動の背景までは承知しておりませんけれども、現在把握している推移を見ますと、やはり廃業、新規を含めまして、委員おっしゃるとおり300件前後で推移しているところでございます。
〇吉田敬子委員 今回の動物愛護管理法の改正によって、かなりいろいろ厳しくなってきております。基本的には、その販売は、お店だったりで対面でやることが原則化されていて、インターネットでの販売は、基本的にはやってはいけないことになっていたり、かなり詳細にいろいろ変更になっております。
 これは、私も初めて知った部分もありまして、なかなかそれが、繁殖業者だけでなく、買う側も、そういった現状を知らない部分もあるのかなと私自身思ったりするのですが、それに関しては、県でさまざまな広報等もされているかと思いますが、今回の法改正について、業者以外の県民の皆さんに対する、そういった法改正があるというものをやられているのかお伺いしたいと思います。
〇佐藤食の安全安心課長 今回の法改正で大分内容が変わって、厳しくなっております。これにつきましては、当然、対応する事業者の方を中心に、県としては事前に周知しているところでございます。
 今、御指摘いただきましたように、県民の皆さん、当然一般の飼養者に関しましても、今回の動物愛護法の改正は関係する部分でございますので、ホームページ等での周知には努めているところですが、今いただきました御指摘を受けまして、より一層県民への周知に努めてまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 ことし6月からは、動物取扱業者の遵守基準として、さらに具体的な基準が設けられることとなっておりまして、また、今までは出生後49日までということでしたけれども、出生後56日を経過しない犬、猫の販売等が禁止されることになります。現状で、この二つの基準外となる事業者は県内でどの程度あるか、把握できているのか伺いたいと思います。
〇佐藤食の安全安心課長 明確に56日について国の通知が出てから対応することになりますので、現在、それに対応している、していないというところでの整理は、まだ行っていないところでございます。
〇吉田敬子委員 今回、県内の繁殖業者の劣悪な環境の写真等もいただいて、一つの小さなケージの中に5頭ぐらい入れて管理しているようなところだったり、そもそも建屋自体もなかなか狭くて、そこからほとんど出すことがなく散歩もしないような状況で、これはかなりひどい状況だということで、私も相談を受けて、今回改正された法律の件も初めて知った分もありました。私は今、犬を飼っておりますけれども、それでもなかなか知らないことがたくさんあったなということで、やはり業者もですが、県民の皆さんに対しても、広くこういった法律が改正されているということは、もっと知っていただくことで、買う側も、余りよくない現状のところから買わないようにしようということができるのかなと感じるのです。
 県がまとめている岩手県動物愛護管理推進計画の中にも、県民意識の中で動物取扱業者から受けた被害等についてという項目がありまして、動物取扱業者を利用したことがある人のうち52.5%が、被害を受けたりトラブルや不快な思いをしたことがあると。半分の方が、販売店含めてだと思うのですけれども、そういった動物取扱業者に行ったときに、2人に1人はそういったちょっと嫌だなと思っているということは、立ち入り検査とかも含めていろいろされているとは思うのですが、しっかり不定期も含めてやっていただきたいと思っております。
 これから県民に対する啓発もということですけれども、動物愛護センターが今後設置されることになっておりますし、センターでそういったことも含めて、県民だけでなく業者にもしっかり普及啓発して、監督も含めてしていただきたいと思っておりますが、改めて御所見を伺いたいと思います。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 今回、さまざまな法改正がございまして、県としてもその取り組みに向けて今準備をしているところでございます。一方、委員の御指摘のように、動物の命を預かる動物取扱業者にそういったまずい事例があるというようなお話もまた事実は事実であろうと思われますので、そういったことをしっかりと現場に行って確認したり、指導したりといったことを今後も強めていかなければならないと思いますので、そういう取り組みを行ってまいります。
 あとは、法改正あるいは動物愛護に向けた普及啓発も、ますます重要になると思いますので、一般の方々にも向けたそういった普及啓発なども、今後も強めるよう検討してまいりたいと思います。
〇千葉絢子委員 それでは、私からは、まず、いつもの質問から入らせていただきたいと思います。いわて若者活躍支援強化事業についてお伺いいたします。
 こちらは、ネクストジェネレーションフォーラム2020を初めといたしました事業になるわけですけれども、改めて、これらの事業の開催目的と期待している若者の主体的な活動の具体的な中身、それから、政策的な評価と県政全体への波及効果について、具体的な実績をお示しいただきたいと思います。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 いわて若者活躍支援強化事業についてでございます。
 この事業ですが、若者が活躍できる環境づくりを推進するため、いわて若者カフェの運営、それから、いわてネクストジェネレーションフォーラムの開催等によりまして、若者の交流やネットワークづくりを促進するほか、若者の主体的な活動の支援を実施することとしているところでございます。
 また、当該事業では、若者の豊かな発想力ですとか創造力を生かしまして、復興推進や地域の課題解決や活力創出に結びつくような自発的で積極的な活動を若者の主体的な活動と捉えまして、そうした活動を行う若者グループに対しまして、これまでに若者構想実現事業費補助金で延べ65団体、若者文化振興事業費補助金で16団体に支援を行ったほか、活動に悩みを抱えている若者に対して、県がアドバイザーとして設置しているカフェマスターから、次の展開につながるような助言等を行っているところでございます。
 政策の評価についてでございますが、毎年度、政策評価等の実施状況報告書として取りまとめ、県議会に御報告させていただきまして、公表しておりますが、令和2年11月の報告書においては、若者の活躍支援に関する具体的推進方策指標4指標の達成度は、Aが3指標、Cが1指標であることから、若者活躍支援施策は、おおむね順調であると評価しているところでございます。
 これまでに若者構想実現事業費補助金で支援した中には、若者の自発的で積極的な活動をさらに発展させた事例が生まれているところでございます。例えばでございますけれども、震災復興支援の経験を受け継いだ学生ボランティアの仕組みが、他地域で起こった災害の支援に生かされるようネットワークを形成した事例であるとか、あるいはまた、人口減少対策に資する関係人口の拡大を図るため、首都圏に住む岩手ファンが岩手県とかかわることができるようプラットフォームの構築を行い、若者同士の交流促進やネットワークの拡大を図った事例などでございます。
 こうした若者の活動が、地域社会の活力となり、岩手県の未来を切り開く力になると考えているところでございます。
〇岩渕誠委員長 答弁は簡潔に願います。
〇千葉絢子委員 その効果というか成果は、継続的にこれからも続いていく取り組みに発展しているのでしょうか。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 効果の継続性というお話でございます。
 先ほども御紹介させていただきましたボランティアの関係の学生の取り組みですとか、あるいは関係人口の拡大をテーマにした取り組みなど、さまざまな活動に取り組んでいる団体がふえておりますので、今後も、こういったテーマで若者の取り組みが継続していくものと思っております。
〇千葉絢子委員 これらの活動を通して、若者の県内定着とか地域課題の解決のために具体的にどのような人材を育成できていると自負していらっしゃいますか。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 人材育成という御質問でございます。
 若者の県内定着や地域の課題解決のためには、さまざま多面的な取り組みを継続的に行うことが不可欠であろうと考えているところではございますけれども、我々のいわて若者活躍支援強化事業を通じて、例えば、先ほども御紹介いたしましたが、震災の経験を踏まえて、今後の災害支援に向けネットワークの拡大を図っていこうとする活動を行っている若者ですとか、首都圏と岩手県とのつながり、関係性を生かした企画を実施することで、本県への愛着を高める活動を行っている若者など、ふるさとを愛し、岩手県の復興、発展を担う人材が育成されてきたと考えているところでございます。
〇千葉絢子委員 若者の県内定着は、若年女性の県外流出をとどめるという非常に大事なミッションもあると思っていますが、県政の課題として捉えている若者の課題、それに対して活躍を支援することで一定の解決に導いていくという施策が求められると思います。少なくとも、私が求めている参画の分野の若者支援策は、発表ベースとかではなくて、それが具体的な県政の課題に対してどのようなソリューションになっているかを検証するところだと思っています。
 実際に3、200万円の予算をとられていますけれども、これは毎年3、000万円措置する価値のある支援策として、具体的にどの指標とマッチングしていますか。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 指標との関係の御質問でございます。
 いわて県民計画(2019〜2028)の第1期アクションプランでは、若者活躍支援の具体的推進方策指標としまして、いわて若者交流ポータルサイト登録団体数あるいは、いわて若者交流ポータルサイトアクセス数ですとか、さらには、いわて若者会議参加者数、若者文化祭等の若者関連文化イベント来場者数、こういったところを掲げているところでございまして、これらの指標の目標を達成していくことで、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる基本目標であります、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわての実現に寄与していくものと考えているところでございます。
〇千葉絢子委員 アクセス数とか登録団体数とか、これが本当に地域課題の解決に結びついているかという検証をぜひしていただきたいと思います。その件数が伸びているから若年女性の県外流出がおさまっていますか。また、県内定着を企業などで進めようという動きにつながっていますか。そこをきちんと検証していただかないと、年間3、000万円かけている若者支援策の転換が今求められているのではないかと私は強く感じております。
 実際、去年のネクストジェネレーションフォーラムの参加者数は、オンライン視聴者を含むと書いてありますが、およそ5、300名の参加があったとあります。このオンライン視聴者の数というのはどのような集計の仕方をしていますか。1時間に1回とか、そういうようなところの累計でカウントしているのでしょうか。具体的な人数のとり方について、どのように計測しているのかお伺いしたいです。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 ネクストジェネレーションフォーラムの参加者数のオンライン関係の御質問でございます。
 集計いたしました2日間、11月7日、8日の2日間開催したところでございますけれども、その2日間でオンラインで視聴していただいた人数を集計した分を御報告したところでございます。
〇千葉絢子委員 ですから、その集計の仕方も、この人数でしたと言われればそのとおりなのですけれども、どういった手法でやったのかというところです。
 きのう私はユーチューブ配信の番組にかかわらせていただきまして、それは日本財団のものでした。その時々では450人が視聴とか、日本財団のチャンネルでもそれぐらいなのです。それをどうやったら5、300になるのかというのを改めてきのうの夜、疑問に思ったところだったのです。本当に5、300人も参加したのか、その年代は皆さんが思っている若者たちなのか。私は、これは多分に県庁の職員が見ていたりしたのではないかと思っているのですけれども、そこを具体的に、きちんとターゲット層にアクセスできているか、そこを検証しないと、人数だけではちょっと私は納得できない部分がありますが、その点についてはいかがでしょうか。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 ネクストジェネレーションフォーラムをごらんいただいた人数の関係ということでございます。
 確かに、視聴の件数とかではこれからいろいろと研究の余地もあろうかと思いますけれども、今回、我々がよかったと思っているところは、盛岡市での開催でありまして、また、岩手県は広い県土でございますので、遠いところからの参加はなかなか難しかったりしたところでございますけれども、オンラインという手法は、新型コロナウイルス感染症の関係で工夫してそうせざるを得なくてやったところではございましたが、これまで参加できかねていたような方々ですとか、遠隔地の方にも見ていただくことができて、その点はすごくよかったのではないかと思っているところでございます。
〇千葉絢子委員 よかったというようなものが、実際どのような効果に結びついていくかというところを検証しないと、年間3、000万円、10年で3億円ですからね。それがどのような地域課題の解決につながったか、これは、10年後私がまだ議員をやっていたら、そこもきちんと検証していただきたいと思っております。
 この問題については引き続き取り上げていきますし、私が求めている、そして県民の多くが求めている若者活躍支援策と県の今の施策方向性には、乖離があるということを指摘させていただきたいと思っています。
 次に、いわて男女共同参画プランについて伺います。これは、1月に最終案をお示しいただいておりました。具体的に中身を見せてもらいましたけれども、女性の活躍支援の中で、特に男女均等な雇用機会、待遇の確保など雇用環境の整備というものについてお伺いさせていただきます。
 この女性の活躍支援の項目で、現状と課題について具体的な問題点、数字。例えば、男性の所定内給与額、令和元年賃金構造基本統計調査において、男性を100とした場合、女性は78.3となっており、男女間で格差があります。要因の一つとして、女性が上位の職に登用されていないことが考えられます。
 また、意識調査では、約半数が男性のほうが優遇されていると回答しているとか、あとは、女性の非正規労働者のものですけれども、女性は労働者のうち52.5%が非正規雇用であるという具体的な数字を上げているにもかかわらず、指標において、これがどういう指標で評価されているかというと、この男女均等な雇用機会、待遇の確保など雇用環境の整備についての指標は、職場において男女が平等と感じている人の割合、現状値、令和元年で25.9%を令和7年度には30%に引き上げますという目標だけなのです。この非正規労働者の数をどうしていかなければいけないのですか。何のための女性活躍支援のプランなのかがよくわからなくなっているのですけれども、この項目を数値で管理しようとしていないのはなぜなのか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 女性活躍支援と男女共同参画プランの関係のことでございます。
 県では、今定例会に提出させていただいておりますいわて男女共同参画プランにおいて、施策の基本的方向の第3の柱に女性の活躍支援を掲げ、女性の職業生活における活躍の推進、仕事と生活を両立できる環境づくり、男女均等な雇用機会・待遇の確保など雇用環境の整備等を推進することとしているところでございます。
 このうち、男女均等な雇用機会・待遇の確保など雇用環境の整備の項目については、現状と課題で御紹介いただきました所定内給与額の男女間格差や非正規職員、従業員の男女別割合など具体的な数値を示した上で、施策の方向として、男女雇用機会均等法や短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律などの関係法令や、国の助成制度などについて、国と連携して普及啓発を図り、企業の取り組みを促進すること等を盛り込んでいるものでございます。
 この項目においては、目指す姿を雇用環境が整備され、男女が対等なパートナーシップを発揮し、いきいきと働いていますとしておりまして、この目指す姿をあらわすものとして一番ふさわしいと考えられる、職場において男女が平等と感じている人の割合を指標として採用させていただいているところでございます。
 なお、所定内給与額の男女間格差については、参考指標として進捗状況を毎年度調査し、評価、検証を行うこととしているものでございます。
〇千葉絢子委員 政策評価レポートや実施報告書に参考指標の進捗管理もしっかりしていただきたいと思いますし、3年ごとの見直しのときに、その参考指標を具体的な数値目標に組み込むなど、本当に効果が出るプランとして実行しなければ、岩手県は本当に終わってしまうと私は思っています。ぜひ、そこはしっかり数値管理をしていただきたいと思いますし、その評価の仕方が、現状ですと、どのように成果があったのかなかったのか非常に判断が難しいです。今回の予算特別委員会でも各委員からEBPMについて―エビデンスに基づく政策立案ですね―言われておりますけれども、本当にこれは科学的根拠が重要です。どのようにこのプランに効果が出ているのかしっかり検証していく上でも、感覚ではなくて数字で見えるようにしていただきたい。
 広島県の男女共同参画推進計画は、職場の女性の活躍推進については、岩手県よりもはるかに高い目標と問題意識が感じられ、指標にもきちんと取り込まれているのです。女性の働く割合は広島県でも高く、給与水準は、岩手県とよく似て男性比75%なのです。これをどのようにしていくか。そして、働いている女性の満足度も調査していまして、その満足度を何年後に何%まで引き上げるというような実質的に効果があるような形での指標をとっているのです。
 岩手県の場合は積み重ねなのです。その数値も、例えば子育てにやさしい企業認証数累計とか、その指標を累計でとっていくことに何の意味があるのか、私はちょっとわからない。その年度に新しく取り組んだ新規の会社をどれぐらいつくっていくかのほうが余程数値として目に見える形での評価になると私は思っております。
 最後の質問ですけれども、女性活躍推進員のこれまでの成果は、いつ、どのように議会に報告されるのでしょうか。進捗管理、また政策評価はどのようになっていますでしょうか。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 いわて女性活躍推進員の状況についてでございます。
 このいわて女性活躍推進員ですが、平成30年5月から本年2月までに、県内の企業等970社を訪問し、いわて女性活躍企業等認定制度の活用等の働きかけを行ってきておりまして、本年2月末におけるいわて女性活躍認定企業数は224社となっているところでございます。このうち、いわて女性活躍推進員が訪問して認定につながった企業は116社となっており、いわて女性活躍推進員の活動が、こういった取り組みに大きく貢献しているものと考えているところでございます。
 いわて県民計画(2019〜2028)においては、女性の活躍支援施策として、いわて女性活躍推進員の配置により、いわて女性活躍企業等認定制度をさらに普及することなどを盛り込んでおりまして、この施策の達成状況につきましては、令和2年9月に公表した主要施策の成果に関する説明書及びいわて県民計画実施状況報告書の中でお示ししているところでございます。
 女性の活躍支援施策の一つである、いわて女性活躍認定企業等数の増加に寄与する活動内容を指標として、いわて女性活躍推進員の企業訪問件数を設定しているところでございまして……
〇岩渕誠委員長 答弁は簡潔に願います。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長(続) はい。300社を訪問する計画に向けて、こういったことの進捗管理を行っているところでございます。
〇千葉絢子委員 トータルで970件回りましたということですが、県内にある会社の数は今5万件を超えています。毎年回っても100年かかる話なので、件数は本当に意味がないです。新型コロナウイルス感染症の蔓延によって雇用を切られているのは女性ですよ。女性の非正規雇用が切られていて、それで結局、生活が困窮して、いろいろな生活福祉資金とか、そういった貸し付けもかなり件数が上がっていたり、また、フードバンクなどへの支援要請もかなりふえている。この実態、あおりを食っているのはとにかく女性労働者なのです。
 岩手県の男女共同参画プランでよくスポットが当てられるのは大卒の女性、大企業に勤めている女性、また成功しているフリーランスの方など、社会の中でも十分活躍している人たちです。ただ、私たちが目を向けなければいけないのは、その5万8、000社で働いている高卒以下の一般労働者の多くの非正規雇用の人たちが、どのように活躍していくかが私は大事な視点だと思っておりまして、ここに目を向けない男女共同参画プランというのは、私はちょっと足りないなと思っております。一層の再考というか向上を期待して、終わりたいと思います。
〇岩渕誠委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。

午前11時10分 休 憩

午前11時27分 再 開

〇岩渕誠委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、三つの項目を通告してあるのですけれども、先ほどまでの質疑で重複しているところがありますので、大分割愛させていただきたいと思うのですが、1点目の性犯罪・性暴力被害者支援センターはなますサポートの件です。
 この件については、小西和子委員もおっしゃったのですけれども、相談員の約3割以上が無給とか交通費程度というのが全国で出ているそうなのです。それから、報酬も、最低賃金になっているかなっていないかとか、そんなことで処遇が本当に厳しい。処遇改善、基盤整備の抜本的な改善が必要ですと。それで、今度24時間対応の性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターをどこでもつくっていかなければならないということなので、ぜひ、その充実強化をお願いしたいと思います。
 それから、次の女性活躍推進の関係ですけれども、千葉絢子委員が触れられておりまして、女性活躍推進員の活動とか認定企業数の報告がございました。それで、女性活躍支援強化の事業は1、190万円、それから、いわてワーク・ライフ・バランス促進強化事業は580万円、これは新規事業になっているようですけれども、それで、女性活躍推進員は、今1人で活動されているとお聞きしているのですが、本当にスキルのある方ですし、実績も上げられているわけですが、このような体制でずっといいのかどうかということを疑問に思っています。どのような活動をしていらっしゃるのか。それから、コロナ禍で訪問活動などどう行ったのかお伺いしたいと思います。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 いわて女性活躍推進員の状況についての御質問でございます。
 いわて女性活躍推進員ですが、県内の企業、団体を訪問しまして、経営者等に直接働きかけを行い、女性が活躍しやすい環境づくりを支援するために平成30年5月に配置したものでございます。本年2月までに県内の企業等970社を訪問しまして、認定制度を直接働きかけまして、また、盛岡工業クラブなどの団体や広域振興局等が開催するセミナーにおいて、女性活躍に関する講演を行うなどの活動を行っているところでございます。
 それから、基本的に1人で訪問しているということでございますけれども、1人で訪問する場合もありますが、広域振興局の就業支援や子育て支援の担当職員との同行訪問により、働き方改革やいわて子育てにやさしい企業等認証制度の説明もあわせて行うなど、連携した取り組みを行っているところでございます。
 今後も、企業等に対し、働き方改革や子育て支援施策などを一体的に情報提供し、より女性が働きやすい環境づくりにつなげていきたいと考えているところでございます。
 それから、新型コロナウイルス感染症の関係でございますけれども、一時期、企業訪問による働きかけを行うことが少し難しい時期もあったところではございますが、認定件数を年度ごとに見ますと、平成30年度が40件、令和元年度が46件、本年度は2月までに49件ということで、建設業を中心にふえてきているところでございまして、新型コロナウイルス感染症の直接的な影響はなかったと考えているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 次は、新年度はどういう計画をしているのか。新規事業が入っております。それで、いわて女性活躍認定企業をホームページでも載せておりまして、その内容を見ると、建設関係の事業所が割と多いなと思いました。やはりインセンティブというか、契約、入札にかかわって誘導されるというようなこともあるということで、こういう企業は多いのかなと思っておりますが、企業を訪問して認定を受けなければならないというのも、経営者の皆さんの意識がどうなのかなということを思うのです。
 こういう制度があって、事業主行動計画も立てるように、それから男女平等を推進しましょうということがどこでも言われている中で、でも、訪問しないとやはり意識づけできないというのは、これはどこかに問題があるなと思っているのです。そういう思いと、それから新年度の計画についてお伺いします。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 女性活躍推進員の新年度の活動ということでございます。
 先ほど委員から若干御紹介がございました新規事業のいわてワーク・ライフ・バランス促進強化事業費は、女性活躍推進員とは別の事業として、企業におけるワーク・ライフ・バランスの優良事例を創出、情報発信等を実施する事業でございます。
 女性活躍推進員の今後の取り組みでございますけれども、先ほども御紹介いたしましたが、新年度におきましても、県内企業等への訪問とか、各団体が開催するセミナーの場などの活用により、引き続き県内企業等への制度の普及に努めていきたいと考えているものでございます。
 それから、経営者の意識というようなお話も若干ございました。いろいろ女性活躍推進員から話を聞いているところではございますけれども、企業を訪問して、そういうものに興味があったので、ぜひやりたいから認定手続を進めたいとか、そういった前向きのお話をいただくことも多いものでございますから、この活動をきっかけとして、訪問というのはすごくいい取り組みではないかと思っているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりましたけれども、女性活躍推進員ですが、お一人で週3日程度の勤務ということで、会計年度任用職員ですか、スキルのある方なので非常に活動していただいていると思いますけれども、やっぱり会社訪問とかするにつけても、多くの方々がかかわったほうがよろしいのではないかと。先ほど広域振興局もついて回っているということですけれども、本当に現場が、会社の中がどうなっているのかを肌感覚で職員の方々も実感するべきだろうと思っております。この活動を女性活躍推進員だけに頼ることなく、さらに活動していただければと思っております。
 次にジェンダー平等のことについてでございます。
 性別による固定的な役割分担意識をなくそういわて宣言が出されたわけであります。ですが、どうもこれがまだ皆さんのところにはぴんと来ていないのではないかと思っております。たまたま森喜朗さんの女性蔑視ともとられる発言があって、世の中が男女平等の意識にいろいろ盛り上がって、それから抗議の声もどんどん上がった時期、そのタイミングで、いわて女性の活躍促進連携会議といわてで働こう推進協議会の連名で出されておりまして、私は、それを機に捉えたのかなと受け取ってしまったのです。そうではないというようなことなのだそうですけれども、その経緯、趣旨はどうでしょうか。
〇高橋若者女性協働推進室長 性別による固定的な役割分担意識をなくそういわて宣言についてでございます。
 先ごろ、国土交通省から公表された企業等の東京一極集中に関する懇談会とりまとめによりますと、考えられる東京一極集中の要因の一つとして、東京圏に流入した女性は、それ以外の女性に比べて、地元には、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきという意識を持っている人が多いと考えている人の割合が高いことが指摘されたところです。
 こうした内閣府が令和元年に行いました全国調査によりますと、こうした固定的な性別役割分担の考え方に対して、賛成、どちらかといえば賛成と回答した人の割合は合わせて35%でしたが、岩手県が平成30年度に行った県民意識調査では、同趣旨に同感すると回答した人の割合は13%となっておりました。
 単純比較はできないものの、本県は、固定的な性別役割分担意識は低い傾向にあることがうかがえるところでございますが、こうした固定的な性別役割分担意識は、さまざまな施策に影響を及ぼしますことから、さらになくしていく取り組みが不可欠であると考えております。
 このことから、東京圏への転出要因の根底にある固定的な性別役割分担意識をなくすことに官民一体となって取り組む姿勢を示し、さらになくしていくことで、住みたい、働きたい、帰りたいと思える岩手県の実現につなげていこうという思いを込めて、先行的に、官民連携組織である両組織の連名で、性別による固定的な役割分担意識をなくそういわて宣言を発したところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 意識を変えていこうという運動は、もう何十年もやられているわけですけれども、なかなかその実行効果を上げていくのは難しいことだなとずっと思っております。でも、昔よりは、やっぱり若い世代の男性の方々の意識が全然変わってきたと思います。私たちが婦人会活動をやっているときは、男女平等のことを議論すると、もう疲れてしまうと。年配男性の方々とやり合うのはもう疲れる、もうやらない、議論しない。それで、若い人で、これからの自分の子供たちに男女平等の意識を広げていこうという運動をしたことがあります。でも、そういうものも間違いだったのだなというのが、今、女性たちの中からも出ています。私たちがずっと諦めてきたこと、これが当たり前なのだというようなことを、やっぱり声を出していかなければならないという時代になったと思います。
 この間の森喜朗さんの発言でも、多くの女性団体、それから男性の方々も本当に声を上げて、世の中が変わってきているなと思います。でも、意識を変える中には、制度そのものを、法律そのものをどんどん変えていかなければならない。例えば、選択制の夫婦別姓の制度も全く進まない。こういったことを変えていかなければならない。それによって困っている方々がたくさんいるという、これを当たり前なのだと見過ごしておいてはならないと思います。
 それから、政府も男女共同参画基本計画を閣議決定したわけですけれども、それも指導的地位に女性が占める割合を2020年度までに30%としていたのですが、それが14.8%程度だったということで、今度は目標を示さないことになってしまいました。こういうことだと、なかなか実効性がないと思っております。
 ですから、県の計画も、しっかりと目標数値を上げて実効性を高めていただきたいと思っているところでございます。部長、何か思いがございましたらお聞きして、終わりたいと思います。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 この宣言の趣旨を広めていくためには、まずはトップの意識改革が必要と考えまして、令和3年度の事業ですけれども、いわて女性の活躍促進連携会議と連携して、経営者を対象としたセミナーをまず実施することと、それから、男女共同参画センターを中心に、若い世代を初め、年少からさまざまな世代に向けて、こうした出前講座ですとか研修会を行うこととしております。こうしたことで、いわて宣言を共有して、理解増進に努めたいと考えているところです。
 先ほどアンケートのパーセントの提示がありましたけれども、男女共同参画審議会を年に何回かことしも開催いたしましたが、その中でも委員から、なかなか固定的な性別役割分担意識が根強く残っているという話をたびたび伺うところであります。仮に職場で改善されつつあっても、地域ですとか、あるいは家庭とか、やっぱりいろいろな場面でこういった固定的性別役割分担意識が解消されるためには、小さいころからの教育というようなところも必要だと思いますし、また、来年度事業のトップの意識改革も必要だと思いますので、あらゆる機会を捉えてこの宣言の趣旨を広めてまいりたいと思います。
〇臼澤勉委員 それでは、私からは、ツキノワグマの管理施策についてお伺いいたします。
 連日、地元紙の岩手日報等で熊の被害状況のイラストをよく見るのですけれども、本当に今年度は多かったなと見ております。まず、人身被害、それから農林業への被害の状況、どのような状況で、それに対する御認識をお伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 ツキノワグマによる人身被害と農林業被害の状況についてでございますが、令和2年度は、県内で26件、28名の方が熊による人身被害に遭われておりまして、被害件数は、平成5年の集計以降、最多となったところでございます。
 また、農業被害額につきましては、令和元年度で約4、400万円、林業被害額については、令和元年度で約150万円となっており、令和2年度は、大変出没が多く、皆様方にも大変御心配をおかけしたところだと認識しております。
〇臼澤勉委員 26件ということで、過去最多という被害状況でございました。
 それで、隣の秋田県の資料を見ていましたら、平成20年以降で、秋田県は年間10.5件程度の事故の件数と。それに対して岩手県は、実は最多で13.8件というようなことが書かれていた資料があったものですから、実際にこの6年間ぐらいで見てみましたら、平成27年から令和2年まで101件になっていまして、年平均にすると17件程度という数字にもなっていると。
 それを北上高地あるいは北奥羽と区分で件数を見てみましたら、北上高地のほうが64件、そして北奥羽が37件ということで、大体2対1で北上高地でのそういった人身被害が出ている、ふえている状況だということでありました。
 そして、過去10年間で見ていますと、大量の熊の出没件数というか、この10年間で、5年間、5回も大量出没というような状況になっていて、平成23年以前は、どの程度かというと、たった1回です。だから、岩手県で何が起こっているのかというようなことで、非常に県民あるいは住民の皆様も不安になっております。
 通告していませんけれども、そこら辺の御認識を改めてお伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 本県で熊の出没が多いことにつきまして、学識者からもいろいろお話を聞いているところでございますが、やはり山地山脈が、北上高地と北奥羽と二つ抱えているということが一つ背景にあるということ。それから、委員御指摘のとおり、北上高地側で出没が多いという御指摘もございまして、その理由につきましてはいろいろお話を聞いているところではありますが、明確な理由については、当方としても把握していないところでございます。
〇臼澤勉委員 ぜひ、そこら辺の要因も含めて、いろいろ研究機関も持っている環境生活部ですから、じっくり調査、研究していただきたい。それがないと、防除対策とか、さまざまな施策の対策が、やはり空回りしてしまうのではないかという思いでちょっと指摘しております。
 それで、防除対策と生息環境整備について、具体的に、新年度どのようにやっていく予定なのかお伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 防除対策と生息環境の整備についてでございますけれども、令和2年度には、ブナの結実状況、それから春の雪解けの状況などを見ながら、ツキノワグマの出没に関する注意報などを発表したところでございますが、本年度は、まだ様子を見ている段階にございます。
 また、農林水産部と連携して、国の交付金を活用して、電気柵の設置ややぶの刈り払いなど防除対策の取り組みを推進しているところでございます。
 さらに、森林整備事業においては、コナラなどのツキノワグマの餌となります広葉樹につきまして、造林や保育などを実施しているほか、針葉樹と広葉樹が混交した森林に誘導するための混交林誘導伐を実施し、生息環境の整備にも取り組んでいるところでございます。
 今後におきましても、注意喚起と生息環境の整備につきまして、関係機関と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 例えば電気柵についても、いろいろ取り組まれて、農林水産部と連携してやっていることは承知しております。隣の秋田県では、秋田県立大学などが、トウガラシの成分などを刷り込んだような柵をやることによって、やっぱり熊が逃げていくというような研究、調査も今やっております。ぜひ、岩手県でも、さまざまそういう研究機関とも連携しながら、全国の取り組み事例を参考にし、農林水産部とも連携していただきたい。
 そして、混交林の誘導伐についても、環境生活部でできるところと農林水産部のやるところ、ここはしっかり連携しながら、ちょっと数字がなかなか伸びていないところもあるので、そこら辺は、ぜひ部局間連携していただきたい。
 次に過去5年の捕獲状況、捕獲許可に係る特例許可の状況についてお伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 ツキノワグマの捕獲状況と市町村に対する特例許可についてでございますが、令和2年度の一般狩猟及び許可捕獲を合わせた捕獲頭数は529頭となっておりまして、過去5年間で最多となっております。また、狩猟による捕獲は、速報値でございますが73頭であり、過去5年では2番目に多くなっているところでございます。
 本県では、市町村の臨機の判断による迅速な被害対応を図るため、日常生活の範囲内で人の生命または身体に危害が発生した場合や、人家やその敷地内に侵入があった場合などについては、捕獲許可の権限を市町村に移譲しているほか、通常の県が1件ごとに行う許可に加えて、事前に設定した捕獲上限の範囲内で捕獲許可事務を簡素化する特例許可を行っているところでございます。
 県といたしましては、引き続き、地域個体群の維持とともに、人身被害や農林業被害の軽減対策に取り組むとともに、特例許可制度を含む制度の効果的な運用に努めてまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 捕獲の上限数も毎年上げていっているという御努力には敬意を表しますが、ただ、私はこの数字、グラフを見て思うのが、捕獲の上限数は毎年上げていきながらも、なぜ被害なりが減っていかないのか。そこの科学的なデータのとり方とか、あるいは適正管理という意味でも、ここが本当にマッチングしているのかとか、なかなか山の現状がわからない、つかめないようなところではありますけれども、ここら辺の捕獲上限数を、思い切って少し上げなければ、被害とかの軽減にはなかなか厳しいのかなと。
 そして、地域別で北奥羽と北上高地の捕獲上限数を見ますと、大体1対1ぐらいの割合で捕獲の上限数を整備しているように資料では見るのですけれども、先ほど言ったとおり、被害額は実は北上高地が2対1でふえているという状況において、ここら辺の整合性をどう考えるか、ここは通告していませんけれども、お伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 環境省から捕獲の上限数は一定の範囲内での遵守を求められているところでございますけれども、捕獲上限数の設定によりまして、その範囲内での市町村への特例許可の配分なども行っているところでございます。
 市町村への特例許可の配分は、捕獲の実績やその状況に応じまして市町村に配分しておりますので、捕獲の上限数は、生息の推計上は北上高地と分けておりますけれども、配分については、できるだけ市町村の実情を反映した形での配分をさせていただいているところでございます。
〇臼澤勉委員 現場の農家の方とか、いろいろお話を聞く機会が多いのです。そうすると、冬眠から明けてきた春先の捕獲、ここを、例えば山に行ってとるのではなくて、農地であったり果樹園といったところに出てくる場合の春先の捕獲のところの対策も少し強化していただきたいという声がございます。
 八幡平市と西和賀町でそれぞれ春季捕獲をやっているようでございますけれども、ここら辺を広げるお考えはございますか。
〇谷藤自然保護課総括課長 春熊につきましては、市町村の御希望や、これまでの春熊の伝統ですとか習慣といった部分も考慮しておりますけれども、市町村からそういった御要望があれば、今後いろいろ研究、検討はさせていただきたいと考えております。
〇臼澤勉委員 ぜひ、市町村等とも、地元の声とも連携しながら対策を検討していただきたいと思います。
 そして、モニタリング調査の状況、環境保健研究センターの地球科学部がございますけれども、こちらでいろいろと小規模のヘアトラップとかをやっていると私も認識しておりますし、今、県内で3、400頭ほどいるのではないかというようなことで、いろいろな対策を打っているわけですけれども、モニタリングの今年度の状況、そして今後の対策をどのように進めるお考えかお伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 モニタリング調査についてでございますが、ツキノワグマの出没予測を目的としたミズナラ、コナラなどの豊凶状況調査、農業集落の代表者を対象といたしました野生鳥獣の生息状況等に係るアンケート、それから、ツキノワグマの生息数を把握するための調査などのモニタリングを行わせていただいているところでございます。
 そのうち生息数の調査につきましては、環境保健研究センターなどの協力をいただいておりまして、平成30年度から令和2年度までの3カ年にわたって大規模な現地調査を実施いたしまして、推定生息数の見直しを進め、令和元年度には、北奥羽地域の推定生息数に応じて捕獲の上限数の引き上げを行ったところでございまして、被害の低減に向けた個体数管理に努めているところでございます。
 個体数の調査につきましては、引き続き、こうしたモニタリング調査を継続いたしまして、その調査結果を管理計画や捕獲上限に反映させながら、必要な見直しを図ってまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 環境保健研究センターで2019年ですか、北上高地の南部のほうを調査して966頭、1、500頭程度いるのではないかというようなことで確認しているようでございますが、いずれ、毎年毎年、被害がこうやってふえてきている現状、そして、やはり県民の安全・安心を守っていくのだと。むやみに彼らのいるところに行って、駆除をする必要はないとは思いますけれども、やはり我々が暮らしている生活圏に来ることへの警戒心とか、そういった学習能力を彼らに植えるような形で進めていただきたいと思います。
 第12次鳥獣保護管理事業計画は来年までですか、5カ年計画でやって、見直しが行われると思います。現状を踏まえて、今後、どのようにこの計画に反映させていくお考えか、最後に聞いて、終わりたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 ツキノワグマにつきましては、近年、生活圏へ大量に出没している背景がございまして、人と熊とのあつれきが続いている現状を踏まえまして、今後、学識者等から、専門的な見地からのさまざまな御意見をいただきながら、計画の策定に努めてまいりたいと考えております。
〇岩渕誠委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。

午前11時59分 休 憩

午後1時2分 再 開

〇城内よしひこ副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行します。
〇佐々木朋和委員 私から、第2次岩手県地球温暖化対策実行計画最終案についてお伺いしたいと思います。
 この計画の41ページに国が算出した森林吸収量の推移が載っています。6年分載っているのですが、大体100万トンあたりなのですが、2014年と2015年の数値が突出して200万トン、170万トンとなっておりますが、この要因はどのようになっているのか。また、この推移、推計値は、各都道府県の民有林及び森林管理局、国有林から提出されたデータをもとにしているということですが、吸収量に差が生じると言われる樹齢や間伐森林などがどの程度反映されているのか。
 また、間伐面積がここに参考で載っているのですけれども、平成20年が1万2、530ヘクタールから、平成29年は4、446ヘクタールと3分の1ほどになっております。この差がどの程度この森林吸収量に影響を及ぼすのか、お伺いしたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 森林吸収量の数値についてでありますが、森林吸収量の算定は林野庁で行っているものであり、林野庁では、森林の拡大、縮小の変化、再造林、間伐等の森林整備の状況などについて調査を行い、各都道府県や森林管理局から提出された民有林及び国有林の森林被害に関するデータをもとに、1年間の樹木の増加量を推計し、各都道府県の森林吸収量を算定していると聞いております。
 森林吸収量の増減につきましては、民有林のほか、国有林における間伐等の森林整備の実施状況や森林の伐採及び伐採後の再造林の状況、樹齢の変化など、さまざまな要因が影響しているものと考えているところでございます。
〇佐々木朋和委員 総論的に言っていただいたのですけれども、この2年間だけ森林量がふえたとは思えないので、この点はどうなのですか。もう少し詳しく説明いただけますか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 2014年及び2015年の部分が突出している状況でございますけれども、この林野庁が調査する事業につきましては、毎年度、違う場所を指定した形で調査を行っていると聞いておりまして、その調査を行った場所、岩手県だと五つのエリアに分けた形で調査を行うと聞いております。そのエリアの状況によって、森林吸収量が多い場所、少ない場所があると聞いているところでございます。
〇佐々木朋和委員 そのことが聞きたかったのですけれども、そうすると、今後、2030年の森林吸収量の見込み、目標が過去5年間の平均値と推計しているのです。それで130万トンとなるのですけれども、これがどれほど信憑性があるのかなと思うわけです。この下振れ要素はどの程度あると県は考えているのでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 森林吸収量の下振れ要素でございますけれども、森林による二酸化炭素の吸収量につきましては樹齢とともに変化するものであり、一定の樹齢まで増加した後、樹木の成熟に伴って減少していくことから、今後、森林の高齢化がこのまま進んでいくと吸収量が徐々に減っていくものと考えております。
 なお、2008年から森林吸収量を掲載しておりますけれども、今までの流れを見ますと、年々減少しているというような状況ではないと認識しております。
〇佐々木朋和委員 樹齢によって下がってきていると言うけれども、2008年からの値では減少傾向にはないと。もう少し長いスパンで考えたときのこの減少なのだというようなことのお答えだったのかなと推察をします。
 一方で、場所のランダムさによって200万トンから100万トンの間で幅がある中で、130万トンと決めたわけでありますね。しかも、2030年の目標値は2050年までも継続されることを想定して、最終的なカーボンゼロの目標の9%分と大きくなっているわけです。それが、果たしてこの目標がこのまま、樹齢は今の関係ではそんなに下振れはないとありましたけれども、これが維持されていくのか、場所的なランダムというところの不安要素もありますし、あと、また間伐面積が年々こんなにも減っている中にあって、これについても維持されていくのかということがあります。目標として、県として、この5年間の平均値を持ったわけでありますけれども、その部分も含めて妥当性があるのかなという思いがあるのですが、この目標設定についての所見を伺いたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 森林吸収量の目標設定の考え方でございますけれども、まずは、森林吸収量につきましては、国の林野庁が数値を都道府県に示しているものでございます。本県としましては、国から示された森林吸収量に基づきまして目標を設定するわけでございますけれども、先ほどお話ししたとおり、五つの区域に分かれていることもございますし、1年の多い年と少ない年、そういうところもございますので、その辺も考慮した上で5年平均ということを定めたところでございます。
 当然、2030年目標達成のためには何もしないというわけにはいかないと思いますので、森林吸収機能を最大限に発揮させていくために、森林資源の若返りあるいは育成といったものを行っていくことが必要かと考えております。
〇佐々木朋和委員 まさに何もやらないわけにいかないぐらいでいいのか、それとも果敢に取り組まなければいけないのかというのが見えにくいなというお話でございます。
 そういった中にあって、具体的な取り組み内容についてお伺いしたいと思いますけれども、この森林の保全や林業振興のための取り組みが、もうこの計画に載っていると思うのですが、新たな環境の視点から取り組むというような内容はあるのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 環境の視点からの取り組みでございますけれども、県ではこれまで、県内の産業、運輸、地域活動団体、行政等の全県的な団体で構成する温暖化防止いわて県民会議において、独自に植樹活動をするなどの森林吸収源対策につながるような活動を行ってきた事業所を表彰し、森林吸収源対策の取り組みの促進を図ってきたところでございます。
 今後は、例えば二酸化炭素排出量抑制のための措置を積極的に講じている事業所を認定する、いわて地球環境にやさしい事業所認定制度において、森林吸収源対策の取り組みを行った事業所にインセンティブを付与するような仕組みを導入することなどについて、検討してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 よろしくお願いしたいと思いますが、この計画を見ていても、先ほど指摘したように、森林、林業振興と同じような、重複するような施策が載っておりまして、まさに環境の視点から、今の森林整備についてプラスアルファとなるような取り組みをしていただきたいと思っておりました。
 新規事業で再造林とか間伐あるいは林業アカデミーの部分も載っておりますけれども、例えば林業アカデミーで林業振興、林業のことを学ぶだけではなくて、環境の面から学ぶ、あるいは再造林や間伐についても、林業振興の観点からプラス、やはり環境の面から、どういったときに伐期があるのかといった部分についても、しっかりと林業アカデミーや、あるいは各森林組合等とも連携しながら、ぜひ啓発をしていっていただきたいと思います。
 次に、温室効果ガス算出方法の変更について伺いたいと思います。
 環境省の地方公共団体実行計画策定実施マニュアルを参考に、従来の算定方法を見直し、新たな手法により排出量を再計算したとこの計画には書いておりますけれども、この算定方法の見直しの要点はどのようなものであったのか伺いたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 新しい実行計画の算定方法の見直しでございますけれども、県ではこれまで、電力由来の二酸化炭素の排出量を計算する際に、基準年である1990年と比較し、省エネルギー等の取り組みの成果をわかりやすく示すため、排出係数を固定して計算する方法を採用しておりました。
 しかし、近年、毎年変動する排出量を用いる方法を採用することが全国的に一般的となっておりますことから、本県でも、他の都道府県、国と同様に、電力由来の排出量を、電力会社が交渉する毎年変動する排出係数により算定することとしたものでございます。
 また、電力排出係数の取り扱いの見直しのほかに、国のマニュアルが示した最新の算定方法に基づき、産業部門においては、省エネルギー庁が交渉している総エネルギー統計の使用、民生家庭部門においては、国や業界団体が公表している実績値の使用、民生業務部門においては、業務部門の床面積に関する統計データの使用など、各部門において算出方法を変更したものでございます。
〇佐々木朋和委員 この計画を見ておりますと、今言った排出係数の変更という大きな変更があったわけでありますけれども、過去の各部門別のCO2排出量について総括しているのですが、これが今までの算定方法見直し前の記述となっております。
 例えば産業と家庭だと、それぞれ約100万トン強、弱ぐらいの変動があるのです。経年変化は見てこられたと思いますけれども、それをもとにしての分析でよいのか。一方で全体としての割合は大きく変わっているわけでありますが、その部分に触れずにこれからの計画を立てていっていいものかどうか、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 第2次岩手県地球温暖化対策実行計画の第4章に記載があります現況及びその分析結果につきましては、基準年である1990年から現在までの経過の振り返りということで、過去の総括的な分析を含めて現計画の算定方法で行っているところでございます。
 一方、将来予測、第2次計画の期間における排出量算定につきましては、新しい算定方法を用いることとしまして、これまでの算定方法とは使い分けをしているところでございます。
〇佐々木朋和委員 先ほど御紹介いただいたとおり、排出係数については、ほかの県では変動性が一般的になっていく中で、過去との比較のために岩手県ではそのまま用いていたというのは理解しますけれども、一方で、他県では先んじて変動係数を用いていたのであれば、それにならった係数を使った排出量からの振り返りも必要ではないかと。その中で新しい施策、今後の目標も出てくるのではないかと思っております。計画は最終案ですので、これから盛り込むのも難しいかもしれませんが、ぜひ今後の施策には、その部分も反映しながら取り組んでいただきたいと思います。
 最後にしたいと思います。メガソーラーの評価についてです。
 2030年度の再生可能エネルギーによる電力自給率を65%にすることを目標に掲げております。太陽光も1、398キロワットアワーとしておりますけれども、規模の大小は記載されておりません。超メガソーラーについては、民地開発により県民の懸念もあり、本計画においても森林吸収量との兼ね合いが出てくると思います。
 そういった中で、この計画の中で超メガソーラーはどのように評価されているのか伺いたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 第2次岩手県地球温暖化対策実行計画における大規模太陽光発電事業についてでございますが、平成24年度に始まった固定価格買取制度では、計画から運転までの期間が比較的短く、買い取り価格が高い太陽光発電を中心に導入が進んだものでございます。その後、電力系統の容量不足により、一部を除いて現在受け付けが停止している状況であるものと認識しております。
 県内で1メガワットを超える大規模太陽光発電につきましては、現在、経済産業省で認定を受けているもののうち、約9割の発電所が完成しており、残り1割の20件程度の建設の可能性があるものと認識しております。現時点で、新たなそれ以外の動きはないものと考えております。
 なお、第2次岩手県地球温暖化対策実行計画に掲げる再生可能エネルギーの電力自給率65%の達成を目指すためには、メガソーラーに限定せず、太陽光発電も一定程度の導入を見込んでいるところでございます。
〇佐々木朋和委員 なかなか真正面からの答えではないかと思うのですけれども、ぜひ、私が指摘した分も気をつけていただいて運用をお願いしたいと思います。
 計画全体を見せていただきましたが、スタートしたばかりということで推計ということが多く、また、森林吸収量についても、これから国の精度も高まってくれば、また本県の森林の状況の実態もわかってくるかと思っておりました。
 当部においては、ほかの分野と重なることが多い計画ですけれども、ぜひイニシアチブをとって、また、環境の面からそれぞれの分野にどうかかわっていくかということをしっかり検討しながら進めていただきたいと思いますが、部長に最後聞いて、終わりたいと思います。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 委員御指摘の森林吸収量につきましては、二酸化炭素を減らす上で非常に大きな役割を果たしておりますので、そういったことの推移を今後注意深く見ていかなければならないと思っております。
 それから、メガソーラー等の再生可能エネルギーの導入につきましても、再生可能エネルギーの普及促進は非常に大切ではありますが、同時に、環境保全とか、住民の皆様との意思疎通といったところも非常に重要でありますので、環境アセスメントを適切に運用しながら、今後とも注意深く国や関係団体、そして市町村と連携しながら、二酸化炭素の削減に努めてまいりたいと思います。
〇柳村一委員 私からは、環境衛生総務費についてお伺いします。
 水素利活用による再生可能エネルギー推進事業費の取り組み内容を伺います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 水素利活用による再生可能エネルギー促進事業費についてでありますが、水素利活用による再生可能エネルギー推進事業につきましては、東日本大震災津波を契機として、本県の豊富な再生可能エネルギー資源を最大限に生かし、再生可能エネルギー由来の水素を多様なエネルギー源の一つとして利活用する取り組みを通じて、低炭素で持続可能な社会を目指すものでございます。
 具体的な事業内容としましては、再生可能エネルギー由来の水素の利活用による関連ビジネスの可能性について調査を行い、園芸施設や畜舎など大量のエネルギーを消費する農林水産分野での将来的な利活用に向けた検討を行うほか、水素ステーション整備に向けた関係団体等との意見交換や水素関連企業訪問による水素ステーション整備の意向調査の実施、水素に関する理解促進を目的とした県民向けセミナーの開催などを行うこととしております。
 県としては、これらの取り組みを通じまして、引き続き水素利活用の推進を図っていきたいと考えております。
〇柳村一委員 水素利活用についてはプロジェクトが進み始めて3年を迎えるわけですけれども、来年度、今御説明があったような、いろいろ模索している状態が続いていると思うのですが、この水素利活用を次期地球温暖化対策実行計画においても、余り取り上げられていない部分があります。国の施策も何か定まっていない状況ですけれども、今後どのような形で進めていく方向性かお伺いします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 水素の今後の取り組みの方向性でございますけれども、昨年12月に国で2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略が発表されておりまして、この中で14の重要分野が示されておりますが、これの一つとして水素が入っております。
 今までは石油とかといった化石燃料を使っておりましたけれども、それにかわる新たなエネルギー源ということで水素が期待されておりますし、本県においても、国と同様に水素利活用の推進を図っていきたいと考えております。
〇柳村一委員 国の計画の中では、2020年代後半にはある程度、水素の利活用が進んでいくような展開が見られるわけですけれども、燃料電池自動車はまだまだ無理があるのかなという部分で、地域の水素を活用したサプライチェーンは、特に、県でも県北に対していろいろと研究していこうという考えがあるようです。ここら辺は岩手県として積極的に取り組める部分だと思いますので、第2次計画の変更とかがあるところにしっかりと調査、研究して織り込めるような形で進んでいただきたいと思います。
 次に、ゼロカーボン推進事業費の取り組み内容について伺います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 ゼロカーボン推進事業の取り組み内容でございますけれども、第2次岩手県地球温暖化対策実行計画に基づきまして、温室効果ガス排出量削減目標の達成に向けて、家庭の省エネルギー化促進、事業者の省エネルギー活動の促進、再生可能エネルギーの導入促進、脱炭素化に向けた県民への意識啓発に取り組むこととしております。
 具体的には、家庭向けの取り組みとしまして、令和3年4月に全面施行となる改正建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の建築士から建築主への戸建て住宅等の省エネ性能に関する説明義務制度の適切な運用、省エネ住宅に関するセミナーや相談事業の実施と住宅の断熱性能等を評価する住宅省エネ診断の実施、事業者向けとしましては、県内の中小事業者を対象としたLED照明や空調設備、給湯設備等の高効率省エネルギー設備導入に係る費用の補助、事業活動のエネルギー使用量の削減を図る地球温暖化対策計画書制度の強化など、また、再生可能エネルギーの導入促進に向けた取り組みとして、住宅用の太陽光、蓄電池設備の共同購入を支援する事業の実施などに取り組むこととしております。
〇柳村一委員 環境省の資料によりますと、県内市町村でゼロカーボンを表明しているのが13市町村あるわけですけれども、県と13市町村との認識とか連携、協力、そういう部分ではどのような形をとっているのでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 ゼロカーボンを宣言した県内市町村につきましては、北岩手につきましては9市町村がまとめて宣言したというところもございます。
 県としましては、今後、2050年温室効果ガスゼロに向けまして、こういった市町村と連携しながら、新しい施策等について情報共有した上で取り組んでいきたいと考えております。
〇柳村一委員 それでは、表明していない市町村に対しては、地球温暖化防止対策を県としてどのように取り組んでもらうように進めるのかお伺いします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 現在、環境省で地球温暖化対策の法律の検討を行っていると聞いております。その中では市町村の取り組みという部分も強化されると聞いておりますので、そういった部分につきまして、県の会議あるいは個別の意見交換といった場を活用しながら、まだ取り組んでいない市町村、あるいは今後取り組もうという市町村に情報提供しながらやっていきたいと考えております。
〇柳村一委員 この推進事業費の中では、県民とか事業所に対して啓発とか補助という部分があると思うのですけれども、県が2050年ゼロカーボンを表明したということは、県だけがやればいいわけではなくて、やっぱり県内の全市町村と一緒になって連携してやらなければ、目標達成は到底難しいと思うのですけれども、今後の市町村と県の連携をどのように強化していくお考えかお伺いします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 市町村との連携でございますけれども、2050年温室効果ガスゼロを目指すためには、先ほどお話がありましたとおり、岩手県だけではできないということでございますので、市町村などと協力することは必要なことと考えております。
 2050年温室効果ガスゼロの達成に向けては、環境分野のみならず、さまざまな分野において連携して取り組むことが必要でございます。その取り組みの中では、県民、事業者、市町村を初めとする行政が一体となって取り組むことが必要でございます。
 温暖化防止県民会議の中にも市町村が入っておりますので、そういった会議などを通じて、温室効果ガスの削減を図る緩和策と、災害から県民の命を守る適応策といったものにオール岩手で取り組んでいきたいと考えております。
〇柳村一委員 来年度からスタートする。スタートダッシュをしないと、2050年に実質ゼロというのはかなり難しいと思いますので、それこそしっかりと市町村と連携をとりながら対策してほしいと思います。
 あと、ゼロカーボン推進事業費の中で、ブルーカーボンの普及啓発というお話がありました。どのような普及啓発活動を行うおつもりなのかお伺いします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 ブルーカーボンの事業でございますけれども、ブルーカーボンにつきましては、ワカメ、昆布などといった海藻を使いまして、これらが二酸化炭素吸収源となる、森林と同じような考え方でございますが、こういったブルーカーボンの取り組みにつきましては、現在、横浜市と普代村が連携して行っているものでございます。こういったブルーカーボンの活用に向けた講習会などを今後実施していって、ブルーカーボンの周知に努めていきたいと考えております。
〇柳村一委員 ブルーカーボンの研究では、海洋は陸上よりも大気中のCO2を多く吸収するということで、その40%は沿岸部で吸収されるということでしたが、県として、県内のブルーカーボンの吸収量を試算されて数値化しているものなのでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 ブルーカーボンの量でございますけれども、横浜市で現在、実際に普代村と行っているものにつきましては、数十万トンと聞いております。ただ、それは横浜市が試算方法を決めているものでございまして、それらの結果に基づいてほかの市町村を試算したということは、今のところまだやっていない状況でございます。
〇柳村一委員 普及啓発するにしても、根拠みたいなものがなく普及啓発しても仕方がないわけであります。森林吸収にしても、ブルーカーボンにしても、農林水産部と連携しながら対策とか効果を高めていく必要があると思います。
 次期の地球温暖化対策実行計画の中には紹介程度にしかまだ上げられていないので、これが今後、森林の吸収量と並ぶぐらいの評価がされてくる可能性もありますので、そこら辺、今後どのように計画の中に生かしていくおつもりなのかお聞きして、終わります。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 委員御指摘のとおり、まだブルーカーボンの考え方というのは始まったばかりでございまして、今後、農林水産部と連携しながら、さまざまなほかの地域の取り組みなども含めまして検討していきたいと考えております。
 そして、岩手県として、ブルーカーボンという地域資源は非常に大きいと考えておりますので、こういったところに今後しっかり取り組んで、PRしていきたいと考えております。
〇武田哲委員 それでは、私からは大項目2点、鳥獣被害と盛岡広域のごみ処理計画について伺いますけれども、まず、鳥獣被害についてお伺いいたします。
 指定管理鳥獣捕獲等事業費、鹿、イノシシの捕獲対策、そして、工藤勝子委員からもバトンを渡されましたけれども、指定管理鳥獣捕獲等事業費、つまり新規狩猟者の確保・定着促進事業ですが、この二つの事業のどちらもAになっています。活動指標も成果指標もどちらもAになっていますけれども、まず、この指標について、両事業でどういったものがあるのかお伺いします。
〇谷藤自然保護課総括課長 鳥獣捕獲対策の事業内容指標、それから成果指標についてでございますけれども、事業の活動内容といたしまして、シカ生息調査箇所数、それからイノシシ生息状況調査市町村数を事業の成果内容といたしましては、ニホンジカの捕獲数及びイノシシの捕獲数を設定しているところでございます。
 本事業につきましては、国の交付金を活用して、中長期的に実施していく必要があると考えておりまして、こういう設定をしたものでございます。
 それから、新規狩猟者の確保、定着でございますけれども、こちらの活動内容指標、成果指標についてでございますが、新規狩猟者の確保・定着促進事業における指標としては、事業の活動内容として、担い手研修会の開催回数、事業の成果内容として、新規狩猟免許取得者数を設定しているところでございます。
〇武田哲委員 まず、鹿、イノシシの捕獲事業費ですけれども、今年度1、300万円ほど事業費がふえています。本来、Aであれば、しっかりと数の調整ができているからAだと思うのですね。しかし、予算額はふえていますね。また、工藤勝子委員からも、鹿の報告がかなりふえているのではないかというような指摘もあります。そして、住民からもそういった声がたくさんあります。その中でAの評価というのは何かぴんと来ないのですね。普通、イノシシもそうですけれども、しっかりと数が減っていくのであれば、あるいはコントロールしているのでなければ、Aにはならないのではないかと。実際、住民が感じていること、それからあと、その生息数とか、そういったところの両方をきちんと見ていかなければAにならないと思います。
 また、新規狩猟者ですけれども、研修会の開催状況、コロナ禍で今回はなかなか開催できなかったと思いますが、その点、どんなふうだったのか再度お伺いします。
 それから、免許の取得者数は確かにふえています。しかし、辞退する方々も、返納する方々も大きくふえていますね。実際は、免許を取って終わりではなくて、狩猟申請をしなければとることはできないと。その狩猟申請の状況はどうなっているのでしょうか、その点もお伺いします。
〇谷藤自然保護課総括課長 指標と実感とのずれがあるのではないかというお話でございますが、事務事業評価でございますので、全庁的な考え方に合わせて設定しているものでございます。事業予算を予定どおり投入して、それが実行できたかどうかという形の観点からの指標でございますので、見方によっては、確かに実感とずれている部分もあろうかと思いますが、一応そういう考え方の中で設定させていただいて、Aとなったものでございます。
 それから、狩猟免許取得者とその登録の関係でございますけれども、狩猟免許の登録者数は、令和元年度の数値でいきますと2、959人でございまして、平成30年が2、813人、さらに、平成29年は2、811人で、狩猟登録者についても、わずかではございますが伸びてきている状況になっております。
 狩猟者は、狩猟免許を取得して、狩猟に当たっては狩猟登録を行いますので、その狩猟登録者の人数で申し上げますとただいまの2、959人という形で、増加の傾向にあるということを申し上げさせていただきました。
〇武田哲委員 猟友会の方々から特に鹿、イノシシを捕獲する場合は、ほとんどが銃での狩猟が一般的だと言われています。ところが、免許を取っても狩猟申請をする方々をなかなか確保できない状況だと。ましてや銃のほうの申請をする方は、実際は減ってきていますよね。免許の取得者は、たしか全体的に減ってきていると伺っております。そこの現場で活動する方々、そういったところをしっかりと今後見ていかなければならないのではないかと思っております。
 特に新規狩猟者の確保・定着促進事業費がAにはなっているけれども、猟友会の方々の声としては、しっかりと人の確保ができていないのではないかというところを指摘されているところです。
 事業が円滑に行われたという評価がAになっていますけれども、実際のところの実感との関係性を今後どんなふうに持っていこうと思っているのか、その点をもう一度お伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 捕獲の担い手の対策は、今後、捕獲を推進していく上で重要であると認識しておりまして、指標に関しては、県庁内の一定の考え方に基づいて設定する形になりますので、それで十分反映できていない部分は確かにあるのかもしれません。それとは別に、私どもも狩猟者の確保の数字をふやしていかなければならないという認識でおりますので、そういった観点に立ちまして、今後そういった数値の変動、伸びも見てまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 特にイノシシなどで、私が一番心配しているのは豚熱の関係です。隣県との情報交換、そして、県南部から上がってくるイノシシの生体の数といったところも調査していかなければならないのではないかと思っているのですけれども、現在のイノシシの状況の情報交換、あと調査のあり方についてお伺いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 隣県との情報、それから調査の体制でございますけれども、本県では、北海道、東北地区の自然保護主管課とのブロック会議などの場を通じまして、野生鳥獣の保護管理について情報交換を日ごろから行っているところでございます。
 また、東北地方での豚熱の発生を受けまして、東北農政局主催で野生イノシシの豚熱対策に関する担当者会議が開催されておりまして、本県を含めた東北各県の鳥獣保護の担当課もそちらに連携して出席させていただいておりまして、発生の状況や蔓延防止のための対策強化など、必要な情報の共有を図っているところでございます。
〇武田哲委員 その情報交換の中で、通告しておりましたイノシシの捕獲の手法ですけれども、実際、効果として一番高いと思われるのはどこなのか、そういったところの評価についてお伺いしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 捕獲の方法といいますか、豚熱に関して言えば、先例地から情報収集しておりますが、その防除対策は、国から豚熱の発生に伴いまして具体的な指導がおりてくるとは聞いておりますけれども、それによって直接、現段階で捕獲ができなくなるとか、そういった部分の影響は余り生じていないと聞いているところでございます。
〇武田哲委員 私は、イノシシの個体数をしっかり減らしていかないと、南から北上してくると思うのですね。宮城県、福島県といったところから北上してくるのではないかというところで、イノシシの個体数をしっかり調整していかなければ、まずは豚の飼育をしている方々の不安は拭えないのではないかというところで、その捕獲手法をしっかり検討しなければならないのではないかと思っているのです。そこのところをもう一回お伺いします。
〇谷藤自然保護課総括課長 イノシシの捕獲手法についてでございますけれども、イノシシの令和元年度の捕獲頭数は、一般狩猟、それから市町村が実施している有害捕獲、県が実施している指定管理鳥獣捕獲等事業を合わせて346頭ほどになっております。
 その捕獲方法につきましては、冬季間に実施する指定管理鳥獣捕獲等では銃猟による捕獲が多く、4月から10月を中心に実施する有害捕獲では、くくりわなによる捕獲が多い状況になっております。箱わなによる捕獲は少ない状況になっておりまして、こちらは、イノシシの捕獲に詳しい農林水産省の野生鳥獣被害対策アドバイザーから御指導をいただいてございますが、箱わなによる捕獲は、生息数が少ない場合には非常に難しいという状況にございまして、生息動向に応じた対策を講じていく必要があるものと考えております。
〇武田哲委員 いずれにしましても、住民の方々が不安に思っていること、その中で、不安に寄り添うためにも、どうやってとったらいいか、個体数をどう減らすかの研究も必要ですし、あと、あわせて捕獲する狩猟免許、狩猟する方々ですね。猟友会の方々は、免許を取ったから終わりではない。銃などは、特にさまざまな資格がさらに上にかぶさってくると。人を育てる難しさがあるので、そこのところを今後しっかり検討していただきたいという声がありましたので、そのことも要望しておきます。
 次、盛岡広域ごみ処理計画についてお伺いいたします。
 盛岡広域のごみ処理施設整備について、先日もさまざま新聞に載っておりました。用地のことについては出されておりますけれども、実は、肝心の最終処分場のことが一切、なかなか話が聞かれないと。その点をどのようにお考えなのかお伺いいたします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 委員がおっしゃいますように、盛岡広域ごみ処理施設については、盛岡インターチェンジ付近を最も有力な整備候補地とした協議が検討されていると承知しております。
 盛岡広域での最終処分場の確保についても、必要に応じて、事業主体である8市町が協議するものと承知しております。
〇武田哲委員 盛岡広域のごみ処理計画ですけれども、上には、今策定中の第五次岩手県廃棄物処理計画・岩手県ごみ処理広域化計画の案を今詰めているところだと思いますが、この案の内容を見ると、まず、1日当たりのごみの排出量ですけれども、33市町村中22市町村がふえていると。あと、生活系ごみ排出量、家庭系ごみも25市町村でふえている。事業系のごみ処理も23市町村でふえている。リサイクル率は若干よくて、しかし、その中でも18市町村が悪化していると。ごみの処理量も27市町村でふえている状況です。
 その中で広域化をしっかり進めると計画は書いていますけれども、一番大事なことは、ごみの排出量をどう減らすか、そしてリサイクルをどう進めるか。一番肝心な広域の中での最終処分場の検討がなされない中で、どこにつくられるか、どんな施設かが大事ではないのです。もう一つ大事なことが、肝心の大きな柱があると思うのですが、進め方のそこのところの意識が低いのではないかと思うのですけれども、そこのところをどう考えるのかお伺いいたします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 委員がおっしゃいますように、各市町でごみの量がふえているということで県としても認識しておりますし、県としても、ごみを減らしていく計画を立てて、今回、今策定しております第三次岩手県循環型社会形成推進計画においても、目標値として、ごみを減らしていくという考えのもとに、市町村への指導も行ってきております。
 廃棄物量がふえた要因としましては、住民が直接持ち込んだごみがふえているということを市町村から聞き取りしております。また、家庭からの片づけごみが最近ふえているということで、それに伴いまして最終処分量もふえているということで、これに対しまして、県としては、ごみ分別の徹底、プラスチック廃棄物の排出抑制、食品ロスや生ごみの削減対策について、県民に周知するとともに、市町村と対策をとっていくつもりでございます。
〇武田哲委員 確かにコロナ禍でそういった動きがあると、断捨離だと。私も家族に断捨離されないように気をつけなければならないとは思っているのですけれども、私が今話したのは、平成26年から平成30年度ですよ。ここのところでふえているのです。確かに持ち込みがふえているというのは、令和2年度の話ですね。この案の中に載っている数字は平成26年から平成30年のものです。ですから、その中でもふえていると。
 本当に県民にその意識がまだ浸透していない。そして、持ち込みごみの量もふえているということですけれども、断捨離とか家の中のごみを出すのも大事なのですが、しかし、それはもっともっとリサイクルできるものとか、そういった意識も本当は今までやってこなければならなかったのではないかと思うのです。そこのところの反省がきちんと生かされないまま、広域化のところでどこに建てるかが大事ではないと思うのです。ましてや最終処分場も、炉の選定によって、もしかすると20年間つくらなくてもいいものもあるかもしれません。そこのところの進め方をもう一度検討していただきたいと思うのですが、ちょっとお考えを伺って、最後にします。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 先ほどの私の説明にちょっとわからない点があったと思うのですが、実はこの平成26年から平成30年のときにも、もう片づけごみがふえているということを市町村からは聞き取っております。最近のコロナ禍による影響はこの後出てきますので、それではないということでございますので、ごみを減らすことは、今後も大事なことだと認識しております。
〇千葉盛委員 私からは、まず、省エネ住宅の普及推進についてお伺いします。
 東日本大震災津波から10年の間に県民のエネルギーへの意識は大分進んできたと思うのですけれども、県内の住宅に家庭向けの省エネルギー政策というのは、なかなか進んでいないと感じています。
 まず、先ほど来ゼロカーボンの話とかがありましたけれども、家庭向けの取り組みとして、住宅用の太陽光、蓄電池設備の共同購入を支援する事業の実施に取り組むとしておりまして、支援事業者が決定したようですが、今後どのように進めていくのかお伺いいたします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 太陽光発電設備・蓄電池共同購入事業についてでありますが、当該事業につきましては、補助金にかわる初期費用軽減策としまして、太陽光発電設備や蓄電池の購入希望者を多く募り、一括発注することにより、販売価格の低減を図ることを目的とする事業でございます。
 具体的には、県と協定を締結する支援事業者が、共同購入の事務局を担い、購入希望者を募集し、入札で施工業者を決定した後、購入希望者に対して最終的な意思を確認した上で、順次、工事をするスキームとなっております。
 県では、広報媒体による事業周知などを通じて、太陽光発電設備及び蓄電池の設置による光熱費削減、災害等による停電時の非常用電源利用、二酸化炭素削減など、本事業のメリットを伝えながら購入希望者をふやしていきたいと考えております。
〇千葉盛委員 実際の目標値も必要だと思うのですけれども、他県でも同じような制度をやっておりまして、例えば機材が神奈川県であれば26%安くなったとか、京都府であれば目標設定の10%から20%ぐらい機材が安くなるのではないかといったところも出ています。
 あと、実際により多くの家庭に高い効率性のものが普及していくことが目標だと思いますので、それについてどういう目標設定というか、どう考えているのかお伺いいたします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 本事業につきましては、他県の例もまだそれほど多くない状況でございます。本県につきましては、今回、初めて行う事業ということでございます。
 具体的な、例えば何世帯を目指すかとか、実際どのぐらい安い価格を目指すのかといったものにつきましては、詳細な目標はございませんけれども、ただ、神奈川県で初年度、2017年度が最初の年になりますが、そのときには74世帯の契約があったと承知しております。委員御指摘の市場価格より約26%安くなったというようなことがありますので、こういった他県の事例を参考にしながら、購入希望者には周知を図ってまいりたいと考えております。
〇千葉盛委員 より多くの方々が購入されて、普及されることによって、また意識啓発にもつながると思いますので、しっかりと制度設計をよろしくお願いします。
 次に、先ほども出ていましたけれども、改正建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の関係で、建築士から建築主へ戸建て住宅等の省エネ性能に関する説明義務制度の適切な運用とか、あと、省エネ住宅に関するセミナーとかいろいろ開いていくということですけれども、これは、具体的にしっかりと説明していかなければ、なかなか普及推進につながっていかないと思うのですが、具体的にどのように取り組まれていくのかお伺いいたします。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 省エネ住宅に関する取り組みでございますけれども、改正建築物省エネ法では、令和3年4月から、300平方メートル未満の住宅を設計する際に、建築士が建築主に対して省エネ基準への適合性などについて、書面を交付して説明することが義務づけられたところでございます。
 また、新たに建てようとする住宅について、省エネ基準に適合するように努力義務が課せられることになりますから、建築主に対して、これらの制度の周知を図り、省エネ基準に適合する住宅の普及を図ってまいりたいと考えております。
 省エネ住宅につきましては、家庭の二酸化炭素排出量の削減だけではなく、光熱費の削減や快適な住環境にもつながるなど多くのメリットがあることから、省エネ住宅に関するセミナーや相談事業、住宅省エネ診断などを通じて県民の皆様に理解していただき、地球温暖化対策に寄与する健康で快適な住まいづくりを促進してまいりたいと考えております。
〇千葉盛委員 私も一般質問で、県土整備部でもうちょっと省エネ住宅に力を入れていったほうがいいのではないかという質問に、建築士とか工務店の省エネ基準に対する習熟状況が低いという答弁をされていたのですけれども、低いではなくて、どんどん促していってほしいのですね。他県では、しっかりと普及推進のためにそういったところに力を入れて、もう8割、9割の工務店や建築士たちの習熟度が上がって、かなり高い省エネ基準を満たしている住宅も建築できるようになってきているという地域もありますので、ここはやる気の問題だと思います。
 県土整備部がこういった答弁はしているのですけれども、やっぱり環境サイドからもっとプッシュしてほしいなと。気候非常事態宣言とか、2030年度の目標とかを設定しておりますので、これは環境生活部がしっかり引っ張っていってほしいと思いますが、その辺の連携とかについてお伺いいたします。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 家庭からの二酸化炭素の排出量と申しますのが一つの大きな課題となっているところでございまして、次期の温暖化対策につきましても、目玉事業といいますか新しい事業を用意しております。
 委員からただいま御質問がありました2本の事業については、まさにその新規事業ということで、私どもも力を入れようと思っている事業でございますので、ここは建築、住宅部門と協力しながら、しっかりと進めていく必要があると思っております。
 環境部門だけでは建築部門に強く力を働かせることはちょっと難しいところがありますので、いずれ、各部門と連携して、地球温暖化対策を進めてまいりたいと思います。
〇千葉盛委員 次に、岩手県広域火葬計画についてお伺いいたします。
 東日本大震災津波では、多くの方々が亡くなりまして、地域の火葬場で火葬が行えず、県内他地域、あと他県で火葬となりました。日ごろから市町村、火葬場、民間事業者と連携づくり訓練等が重要となると思いますけれども、災害時における埋葬や火葬に対する備えはどのようになっているのかお伺いいたします。
〇新沼県民くらしの安全課総括課長 災害時における御遺体の埋葬や火葬に対する備えの御質問でございます。
 県では、平成24年11月に岩手県広域火葬計画を策定しまして、県、市町村及び火葬場設置者が行うべき基本事項を定めまして、大規模災害発生時の広域火葬が滞ることなく実施できる体制を構築しているところでございます。
 また、広域火葬計画に基づきまして、災害発生時に火葬に必要な資機材の確保や御遺体の搬送を滞りなく行うため、県、岩手県葬祭業協同組合と全国の葬祭業協同組合連合会の3者による協定と、あとは、県と一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会による協定の二つの協定を締結しているところでございます。
 また、広域調整の基礎資料とするために、毎年度、市町村と火葬場設置者に対しまして、連絡担当部局ですとか火葬能力のところも含めまして火葬場の運営状況を照会して、最新の状況を整理しているところでございます。
 今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりましたが、毎年度、沿岸部ですとか内陸部など実施エリアをかえながら、広域的な火葬の調整を想定した関係者間での情報連絡訓練を実施しているところでございます。
 さらに、宮城県が実施している訓練にも岩手県として参加しておりまして、広域火葬のための体制の確保に努めているところでございます。
〇千葉盛委員 きのう3月11日は発災日で、実際、本当に大変になったのはきょうの3月12日からです。もうすぐ自衛隊とか警察、消防とか、さまざまなほかの県の関係者の方々が来て、遺体の搬送とか捜索とかさまざま行われました。そのとき、やはり最初の1週間かな、2週間まで行くかどうかわからないですが、そこが一番大変な時期でありました。だんだん皆さん家族を捜し始めるといいますか、安置所も最初は定まらなくて、だんだん広域的にあちらこちらにお願いして運んでいったという中で、今度、そうやって捜す人たちも動いていくというすごく大変な状況になっていったのです。
 その中で、火葬ができないというのが、すごく大変だった記憶があります。何事もなければいいのですけれども、計画はすごく大事なのですが、どういった災害が起きて、どういう状況になるかもわかりません。あと、計画の中で、最新の情報を共有しているということだったのですが、大船渡市では、もう使われていない火葬場がまだ残っていましたので、その辺もしっかり調べていただいて、結局、使用をやめるはずだった火葬場を、急遽使うことになって使ったりして、それで多分残っているのだと思うのですけれども。
 どういった状況になるかわかりませんので、災害訓練も、宮城県も大事ですが、身元不明者は、実際、当時は陸前高田市の身元不明者の方々が千葉県に運ばれたりしていました。あと、設置者という言葉がありましたけれども、その設置者自体が、そもそもどういう連絡がとれるかどうかもわかりませんので、もう少し深い連携づくりをしていったほうがよろしいかと思うのですが、その辺についてお伺いいたします。
〇新沼県民くらしの安全課総括課長 委員御指摘のとおり、東日本大震災津波の際には、御遺体の火葬等についてなかなか大変だった状況は、私も当時、環境生活部におりまして認識しているところでございます。
 先ほど申しましたように、日ごろから市町村と、また火葬場設置者とよく現実的なところを想定して、やはり通り一遍の訓練ではなくて、現実に東日本大震災津波のときの経験等を踏まえながら、切実感を持って訓練していくことが大事だと思っております。そういった点を改めて肝に銘じまして訓練を実施してまいりたいと思います。あと、情報については、常に最新のものを確認するように気をつけてまいりたいと思っております。
〇千葉盛委員 課長が当時もいらっしゃったということで、本当にルールどおりになかなか進みませんので、その経験をしっかりつないでいって、しっかりした対応ができるようにしていっていただければと思いますので、よろしくお願いします。
〇菅野ひろのり委員 私は最近、食育の言葉をよく聞くようになりましたので、次期岩手県食の安全安心推進計画、施策8でも食育に通じた普及啓発とありまして、今回、食育推進全国大会の費用が計上されていますので伺います。
 まず、昨年7月20日に実行委員会が開かれているようであります。新型コロナウイルス感染症の関係で確認ですが、このコンセプトの中で交流ゾーン、食べるゾーン、そして2万人という目標を掲げておられます。現在のコロナ禍を鑑みて、感染対策を行いながらということでありますが、これからの計画がどうなっていくのか、やる、やらないの判断も含めて、いつ、どうするのかお伺いします。
〇佐藤食の安全安心課長 新型コロナウイルス感染症の今後の感染状況が見込めない中での開催に対する考え方といったところでございますが、現時点におきまして、岩手県は緊急事態宣言の対象地域とはなっていないことから、新型コロナウイルス感染症に対する感染予防対策を講じ開催することで、準備を進めているところでございます。
 全国的な新型コロナウイルス感染症の感染者数は減少傾向にありますが、今後の感染者数の動向によっては、開催の可否や方法等につきまして、一緒に主催する農林水産省と協議を行っていく必要があると考えております。
 また、判断時期ということでございますが、開催につきましては、やはり感染者の動向を踏まえながら検討していく必要がございます。仮に感染者数の動向が落ちついている、開催の判断をしていても感染者数が急激に増加する、あるいは全国的に緊急事態宣言が発令される、あるいは県内でクラスターが発生するなど状況の変化があった場合につきましては、開催について改めて検討の必要があることから、現段階では最終的な判断時期をお示しすることはなかなかできませんが、今後、3月末に開催を予定している実行委員会でありますとか、開催の1カ月前、2カ月前といった節目節目に、ひとつ検討を行いながら進めていきたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 出展ブースの募集であったりとか、さまざま準備をいただいていると思います。これは、十分感染症対策をとっていただいて、やる、やらないの判断も含めお願いしたいと思います。
 今回これを取り上げました一番の問題は、食育の普及というのが、実際に、言葉はいいのですけれども、果たして本当に普及していっているのか、地域の活動も含めてまだまだ見えないと思っての質問でございました。
 今回、食育の現状、数値などが岩手県で普及されているのかどうか、県はどう把握しているのかを伺います。
〇佐藤食の安全安心課長 本県の食育の現状についてでございますが、現在、継続して実施しております希望郷いわてモニターアンケートの結果においては、食育を実践している県民の割合は増加傾向が見られます。その一方で、県民の食育の関心度については、令和元年度調査では84.1%となり、平成26年度の91.2%から減少傾向が見られることから、引き続き、県民一人一人がみずから食育を実践するよう、さまざまな取り組みを行う必要があるものと考えております。
〇菅野ひろのり委員 食育への関心というのはいろいろな方、非常に高いのだなと思いますが、実態の中で言うと、例えば岩手県子どもの生活実態調査の報告などを見ると、朝食に対する、子供がまだ家族と食べていないであるとか、そういった方々の割合もいる中で、まだまだ普及が進んでいないと思っています。
 また、県がアクションプランに位置づけているのは、計画の策定やキャラバン、コンクール、全国大会とイベントが中心になっている。これも普及啓発という点では重要だと思いますが、実効的な中身ですね。さっき言ったみたいに、例で言うと、小学生の朝食の割合を含めていくとか、食育啓発をした上で中身がどう変わっていくのか、この目標設定もアクションプランに加えていかなければ、実際に進んでいるかどうかは難しいと思うのですが、考えはどうでしょうか。
〇佐藤食の安全安心課長 食育推進計画につきましては、委員から御指摘のとおり、見直しの際に、前計画を比較的踏襲する形で計画を改定したところでございます。
 一方、朝食欠食ということがございましたが、朝食欠食であったり肥満といったところにつきましては、増加傾向に転ずるとか全国平均を上回るといった状態で、やはり課題であると認識しております。
 それにつきましては、今後、さまざまな取り組みにより改善に向けて取り組んでいくこと、そして、参考指標といったあたりには、現在の課題を踏まえた若干の見直しなども加えているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 ぜひ、その中身、本当に普及啓発が実際に伝わっていったのかを成果指標にも加えていっていただきたいと思います。
 そして、食育がつながってくるところは、やはり食べ物の廃棄、これもどんどん少なくなっていくのだろうという考えから、食品ロスの削減推進事業費について伺います。
 これも、食品ロスを奥州市などは調べているようですが、県全体として食品ロスがどの程度なのかを把握するのはなかなか難しいと思っていますが、現状をどう分析されていますでしょうか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 本県の食品ロスの現状把握についてでありますが、まだ食べられるにもかかわらず、ごみとして捨てられる食品ロスの発生量は、平成29年度時点での推計として、日本全体で約612万トンとされております。
 環境省では、発生量推計の精度を確保するため、食品ロスの実態把握を行う市区町村に対して支援事業を実施しております。
 県としても、来年度、食品ロス削減計画策定を目指すこととしており、計画策定に向けた議論の中で、市町村や有識者からの意見を踏まえ、食品ロスの実態把握について検討していくとともに、市町村に対する情報提供や国の支援制度の活用促進など、必要に応じた支援を検討していきたいと思います。
〇菅野ひろのり委員 通告しておりませんが、国の支援事業があるということで、現在、県ではこの支援事業を活用した調査を何市町村でやっているのか、わかればお知らせいただきたいと思います。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 毎年、国で市町村からの応募に応じて支援を行っておりますが、本県では、先ほど委員がおっしゃられたように、奥州市でしか調査は行われておりません。
〇菅野ひろのり委員 そうすると、先ほどの食育と重なって私の中ではつながるのですけれども、まだまだそういった自治体への取り組みまで結びついていないことが多いと思っています。
 奥州市の調査結果を見ると、私は、農村地域ですし食に対する関心が高いのだろうなと、これも当然低いのだろうと思ったのですが、奥州市で、特に農村部で、ごみのサンプルから中身を見てやるという大変な作業をしていただいているわけですが、農村部の中だと4割が食品廃棄だというような結果でありました。
 その中でも、食べずに直接捨てているものが11%ということで、これには賞味期限、消費期限の関連性があるようではありますけれども、やはりこの実態調査を県全般で進めていくことが必要だと私は思っています。
 加えて、国でも、食品廃棄の発生抑制、利用促進の取り組みに係る調査をしている中で、市町村から回答をいただくようなものでありますけれども、岩手県が全国で回収率が一番低くて、10市町村がそれを報告していないような状況だと思っています。
 県は、こういった岩手県内の食品ロスに対する動向、これが普及していっているのかどうか、意識が高いのかどうか、そこら辺をどう捉えていますでしょうか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 市町村と定期的にごみ減量に関する研究会を行った中で、この支援事業についても市町村に活用を進めていましたが、新型コロナウイルス感染症対策の関係で、ごみを直接さわることに抵抗があるということで、残念ながら、ことしは応募がなかったものです。
 この支援事業を国としても継続して、発生量の推計の精度を上げる目的で行っておりますので、今後、市町村への活用を働きかけるとともに、計画を策定する中で、どのような現状把握ができるのか検討していきたいと思います。
〇菅野ひろのり委員 食品廃棄、例えば宴会であるとか、あとはまとまったごみでいうと学校給食などもあるようですが、学校給食に関しては、紫波町が積極的に調査というか再利用の方針をやっているようですが、ほかの市町村だとどこもないようです。やっぱり旗を振ってイベントをしておりますけれども、私は、さまざまなデータから、まだまだ伝わっていっていない現状があるのだと思います。
 個別に市町村の対応を待っているだけだと、かなり時代の流れと現状が乖離してしまって遅いだろうと思っておりますので、今後、県に旗を振っていただきたいと思いますが、その取り組みについて伺って、終わりたいと思います。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 今、委員からさまざまな実態調査の件など御指摘いただきました。食品ロスの削減につきましては、生産、流通から消費に至るまで、さまざまな立場の部署あるいは人々が連携、協力してやらなければならない問題だと考えております。
 次年度策定予定の食品ロス削減推進計画の中で、そういった体制についてきちんと協議をしたいと思いますし、それに当たっては、庁内関係部局や関係団体はもとより、市町村などの意見もきちんと聞きながら、実効性のある計画となるように、来年度策定していきたいと思います。
〇城内よしひこ副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。

午後2時25分 休 憩

午後2時42分 再 開

〇城内よしひこ副委員長 休憩前に引き続き質疑を続行します。
〇千葉秀幸委員 私からは、指定管理鳥獣捕獲事業についてお伺いいたしますが、午前中に工藤勝子委員、そして武田哲委員からも質疑があったので、重複しているところについては割愛いたします。
 イノシシの生息頭数の分析は、なかなか進んでいないと思っております。それに関しては、引き続き調査をよろしくお願いしたいと思っております。
 その中で、県内のどのエリアに多く生息しているのか、その生息域についてどう分析されているのかについてお示しいただきたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 イノシシにつきましては、環境省の調査では、平成24年度末で、岩手県、宮城県、福島県の3県で、その個体数は約10万5、000頭と推定されているところでございますが、生息に偏りがあって、県単独では動向が把握しにくい状況になっております。
 このため県では、生息状況のアンケート調査を実施しておりまして、生息状況のデータにつきましては、できるだけマップ化を図りまして、動向を把握しながら可能な限りの捕獲に努めているところでございます。
〇千葉秀幸委員 ということは、岩手県においても、まだどこの地域にどのぐらいいるとかというところまでの把握は進んでいないということで承知いたしました。
 数年前は、県内の一関市とか陸前高田市で目撃あるいは捕獲されているのが目についておりましたが、先ほど武田哲委員も、南のほうから北上してきているということですが、もう既に33市町村全てで捕獲されていることからしても、県内に相当数増加していることが予測されます。
 県内での比較的少ないところ、あるいは多いところ、これから分析をしていただいた上でより深刻な地域を重点に、研修をふやすなど工夫も必要ではないかと思っております。
 まずは、地域の人に現状の深刻さを知ってもらって、興味を持ってもらうことが非常に大切ではないかと思っております。そして、一定の生息頭数を維持するためには、何といっても、わな猟であったり銃猟だったりするのも、やっぱり人の数が必要であります。ぜひ、担い手を確保するために研修会の実施など活発に行っていただくように、よろしくお願いします。
 ちなみに、現在の狩猟者の数は平成27年には2、810人に対し、令和元年度には3、268人と一定の成果は上げられているように思っておりますが、その取得している方々の平均年齢と、そこに対する課題があれば教えてください。
〇谷藤自然保護課総括課長 狩猟免許所持者の平均年齢につきましては、当方では、環境省の鳥獣関係統計に基づいて年代別に集計しているため、その分類に基づいて申し上げますと、令和元年度では、40歳未満が約14%、40歳以上60歳未満が25%、60歳以上が61%と、60歳以上の免許所持者の割合が高くなっている状況でございます。
〇千葉秀幸委員 やはり免許を持っている方々も高齢者だというのが非常に目につきます。この事業の目的としても、若者の参入促進というところも強くうたっていることから、今後、若い人たちの資格も注目していただきたいと思っております。
 私も生息頭数が増加していることは把握しているものの、なかなか解決に向けて最善の方法がどうあるべきなのかということは非常に難しい問題だと思って、今回も取り上げさせていただきました。しかしながら、鹿、イノシシともに1回に4頭から5頭ぐらい産むということで、繁殖力が高い動物なので非常に待ったなしであるなと思っております。被害がなければそれほど問題ではないですが、実際に農業被害、それからあとは豚熱も心配されるというお話がありましたが、非常に深刻化してきているので、ぜひ、その研究を重ねて、早期に改善を求めたいと思っております。
 次に、いわて若者ステップアップ支援事業についてお伺いします。
 この事業は若者無業者、いわゆるニートの方の自立を支援するための取り組みを行っているとのことですが、以下、この人たちをニートと言わせていただきますが、推計値で本県に約5、800人のニートがいると聞いております。これは相当な数に及んでいるなと思うわけですが、これら改善するための事業、取り組み内容と成果についてお伺いいたします。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 いわて若者ステップアップ支援事業についてお尋ねいただきました。
 まず、県内の若年無業者、いわゆるニートの数は、総務省が平成29年に実施した就業構造基本調査に基づく推計によれば、委員御紹介のとおり、5、800人となっているところでございます。
 県では、こうした社会的自立に向けて困難を抱える青少年を支援するため、いわて若者ステップアップ支援事業において、県内各地でのコミュニケーション能力等の向上を目的とした活動、交流機会の提供、家庭への訪問支援、それから、県内事業所でのジョブトレーニングによる就業に向けた支援等を行っているところでございます。
 こうした取り組みは、国の地域若者サポートステーション事業と連携して実施しているところでございまして、今年度の1月末現在で100名を超える若年無業者の方の就職などの進路決定につながっているところでございます。
〇千葉秀幸委員 まずは、実際にニートが5、800人ほどいると見込まれてはおりますが、そういった方たちを見つけ出すのが非常に困難ではないかと思っております。これらの方々を把握するために、社会福祉協議会あるいはハローワークなどといったところとの連携が検討されていますでしょうか。また、連携されているのであれば、その内容についてもお示しいただきたいと思います。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 若年無業者の支援に当たりましては、ハローワークとか保健所、福祉機関等、さまざまな分野の連携が不可欠でありまして、国、県、市町村一体となって、こうした困難を抱える青少年を支援しているところでございます。
〇千葉秀幸委員 ぜひとも、それぞれのところとの連携を深めて、把握に努めていただきたいと思っております。
 特に、ニートの方の経歴を調べてみると、過去にいじめを受けていた、あるいは会社に就職するものの、挫折を味わったりなど社会への恐怖心を持っている人が大半であるという調べでありました。そんな人に交流支援を行うといっても、なかなか成果を上げられないのは当然であるのかなという思いであります。現に、交流支援の実績は、参加者も418名程度と少ない状況であるかと思っております。
 一方、他県と比較してみると、富山県のように、まずは、本人一人が実際に来るのではなくて、親を巻き込んで、親子で参加していただいて、その中で徐々に相談件数をふやしていくということで、年間2、000人以上の支援に手が届いているという事例もありますが、そういった考えの検討はされていますでしょうか。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 こうした社会的自立に困難を有する青少年の中には、みずから相談機関に出向くことがなかなか難しい方もいらっしゃると思います。そうした場合には、家庭等に出向いての相談、助言等といった訪問支援の活動などもしていくことが重要だと考えております。
〇千葉秀幸委員 また、2020年のデータによると、ひきこもりの76%が男性であると。過去に一度就職して働いた経緯がある人は96%にも及んでおります。5、800人ものニートがいるということは非常に問題であります。こういう人が他人と話す機会をなくしていったり、そして、ひいては家にひきこもりになるので親の助けを求める。しかし、親もいずれは失って、1人になって孤独死に至るという負の連鎖になってくることが考えられるかと思います。
 時間がたてばたつほど社会へ戻ることが難しくなってしまうことが予測されますので、この事業で少しでも多くの方の手助けをしていただきたいと思いますが、まずは、ニートの方を把握し、その方々に寄り添うところから始めるべきと考えますが、所見があればお伺いしたいと思います。
〇高橋若者女性協働推進室長 若年無業者の方に家庭から出ていただくといいますか、そういった相談機関なり活動の場に出てきていただくのが非常に難しいというのは、委員のおっしゃるとおりかと思います。
 県におきましては、こういった若者サポートステーション事業、いわて若者ステップアップ支援事業をしているほか、これに加えまして、やはり関係機関、団体が連携した取り組みが重要だということでございまして、子ども・若者自立支援ネットワーク会議というものを開催しております。これは、法に基づく会議という位置づけになっておりまして、平成28年12月から設置し、毎年度こういった会議あるいは研修会などもその中で年に数回開催しているところでございます。
 この会議は、いろいろな機関が参加している会議でございまして、構成メンバーとしますと、教育ですとか福祉、保健医療の分野、雇用、共生、更生保護、民間支援団体ということで、例えば、県の教育委員会あるいは福祉、保健所の所管課、ひきこもり支援センター、それから発達障がい支援センターですとか、岩手労働局、労働の分野ですね、あとは警察本部、社会福祉協議会など、こういった多数の機関が参加しての会議を設置しております。やはり顔の見える関係づくりの中でのさまざまな若年無業者の方の、例えば相談を受けての状況がどうであるかとか、実態についても情報交換をさせていただいているところです。
 こういったところで、国と連携したいわて若者ステップアップ支援事業もしつつ、さまざまな関係機関と連携しながら、情報共有をし、取りこぼしのないようにといいますか、なるべく相談できる、対応していただける機関との連携した取り組みを現在進めているところでございます。
〔「関連」と呼ぶ者あり〕
〇千葉伝委員 当該委員でありますから簡潔に聞きたいと思います。今、千葉秀幸委員からも質疑がされたイノシシの対策の関係です。
 先ほど我が自由民主党会派からも3人、熊、イノシシ、そして鹿ということで質疑がされたところであります。お聞きしたいのは、イノシシの対策、ほかの鳥獣保護の関係から、野生鳥獣を保護しながら、しっかりと対策もしなければならない。岩手県は広大な面積を有して、野生鳥獣にはすみやすい環境があるのかと思います。しかしながら、被害等もあるので、しっかりとその対策をしていかなければならないということであります。
 ところで、その熊、鹿、イノシシは、たしか何年後かに向けて頭数を半分にするとかという計画で進めていますね。例えば、昨年の目標に対して実際の捕獲等はどうなっているのでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 捕獲につきましては、平成27年度に、鹿とイノシシにつきましては、環境省が推計した平成24年度末の推計値、鹿については4万頭をベースにして、年間1万頭以上の捕獲ということで進めているところでございます。
 イノシシにつきましては、推計値は、先ほどお話ししましたとおり、東北3県のみの推計になっておりますので、県単独での推計は、現在はしていないところでございます。
 捕獲の状況につきましては、各年度、ほぼ1万頭以上の捕獲を進めてきておりますが、アンケート調査等では、現状において、鹿が減っていない、むしろふえているというお話をいただいておりますので、県の猟友会あるいは鹿の管理委員会の中で、学識者からの御意見もいただきながら、できるだけ捕獲をふやす方向で年間の目標設定をしながら、捕獲を進めさせていただいているところでございます。
〇千葉伝委員 鹿については、毎年ここの委員会でも話が出ているわけで、年間に1万頭以上を捕獲するということで、現在4万頭と推計されている鹿を半減させるということで進めているのは承知しているところであります。しかしながら、ふえているということからすれば、もっときちっとしたやり方で進めないと、ふえる一方ではないのかということ、イノシシについては、東北3県の状況という話もありましたけれども、これは2019年度の報告でありますが、食害とか豚熱の関係から、青森県は3頭、岩手県が346頭―捕獲の分です―秋田県が5頭、宮城県が1万791頭、山形県が2、002頭で、福島県が3万738頭ということで、もう2年前にこんな数字で捕獲されている。生息数はその何倍あるかわからない、こういう状況であります。
 岩手県がことしは370頭という捕獲の分で少ないかもしれないけれども、被害が農林だけの話が多いのですが、動物の世界では、豚熱の話が先ほど武田委員からもあったわけで、そこでもし発生すれば、何千万円というとんでもない被害が出るということで、出ないように、今、柵をやったりさまざまな対策を進めて農場のほうではやっていると。
 捕獲は、先ほど猟友会を通す、あるいは市町村を通して捕獲を進めているということだけれども、狩猟免許者全部では3、700人とかという数字になっているけれども、猟友会の会員はたしか1、700人ぐらいの数字になっています。そうすると、実際にイノシシを捕獲するときに、狩猟免許を持った人に集まっていただいて捕獲作戦をするといったときに、なかなか集まらないということも聞くのですが、猟友会だけでやっているのですか、それとも一般の免許を持っている人たちも巻き込んでやっているのか、そこのやり方についてお聞きしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 指定管理鳥獣捕獲等事業につきましては、例えば市町村間での融通もきくような形で全県一本での委託をする関係で、一番組織の大きい猟友会に今委託をしている状況でございます。
 また、市町村は、それぞれの地区の猟友会が基本になっているとは思いますが、有害鳥獣捕獲の形での御協力をいただいているところだと認識しております。
〇千葉伝委員 農林水産部では、イノシシの捕獲について、2年前に、5年後を目指して半減させるということでたしか進めていると思っています。ですから、県も、今やらなければ、さっき言った、宮城県、福島県、山形県はとんでもない数字にふえていると。そうすると、岩手県にいるどこの豚にも感染が起きる状況を起こすことが想定されます。ワクチンもあるわけだけれども、まずは発生させない。そのためには、イノシシを今のうちにたたかないとだめだと思っています。
 動物の保護はそのとおりなのですけれども、今までは、イノシシは岩手県にはゼロだということで、それに戻すということからすれば、全滅させるぐらいの意気込みでやらなければならないと思っています。
 岩手県は何とか王国という名前でやっていますが、まさか野生鳥獣王国にさせようと思ってはいないでしょうから、そこの部分はしっかりと、今のうちに対策、そして捕獲を進めていかないと、被害が大きくなる一方ではないかと思います。ということで、部長に意気込みをお聞きしたいと思います。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 委員御指摘のように、イノシシは非常に繁殖力が強い動物とお聞きしておりますし、また、近年、岩手県にどんどん北上してきているというようなお話も伺っております。
 県では、イノシシ管理計画を策定いたしまして、生息数の抑制あるいは被害の抑制を図ることとして、現在、可能な限り捕獲に努めているところでございます。
 引き続き、猟友会あるいは市町村などと連携して、しっかりと対策をとっていきたいと思いますし、また、豚熱につきましても、感染防止につきまして、これまでも連携はとっておりますけれども、農林水産部と一層連携を強化して対応してまいりたいと思います。
〇千葉伝委員 いずれ、対策は環境生活部のみということではないので、農林水産部と連携しながら、国とも、あるいは市町村とも、あるいは猟友会等、ぜひ強力に対策を進めていただきたい。このことをお願いして、終わります。
〇斉藤信委員 それでは、第三次岩手県循環型社会形成推進計画、これは第五次岩手県廃棄物処理計画・岩手県ごみ処理広域化計画ということになります。この最終案が議会に示されていますので、この点について質問いたします。
 岩手県のごみ処理広域化計画については20年ぶりの改定ということになりますが、この間の20年間の経過を踏まえない計画になっているのではないか。
 一つ、1997年策定された岩手県ごみ処理広域化計画は、ダイオキシン対策を目的に6ブロックでの広域化の方針を打ち出しましたが、どう進められたのでしょうか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 6ブロックでの広域化がどう進められたかについてでありますが、都道府県のごみ処理広域化計画は、廃棄物処理法に基づき国が定めた基本的な方針に従い、一般廃棄物の処理体制の確保に向け、広域的かつ計画的に廃棄物処理施設の整備が進むよう、市町村への技術的な助言を行うため策定しております。
 岩手県ごみ処理広域化計画の6ブロックのうち、沿岸中部ブロックは計画期間前に広域化が完了しており、中部及び沿岸南部の2ブロックは、計画期間内に広域化を実施し、3ブロックの広域化が完了しております。
〇斉藤信委員 この計画から23年たっているのです。三つのブロックは統一化が進んだけれども、あとは進まなかったということは、この計画に問題があったということではないでしょうか。なぜ3ブロックではこの統一化が進まなかったのか、その理由、原因を示してください。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 広域化が進んでいない要因についてでありますが、県北ブロックについては、久慈地区、二戸地区とも、現有施設の延命化が可能であることなどから、当面、現有施設を使用することとしたと承知しております。
 県央ブロックにつきましては、8市町が策定した基本構想において、ブロック内で一つの焼却炉に集約することとされ、盛岡インターチェンジ付近を最も有力な候補地として、地域住民の理解が得られるよう、継続した取り組みが進められると認識しております。
 県南ブロックにおいては、放射性物質による汚染により、ごみ処理や施設建設への影響が懸念されることなどを踏まえ、当面の対応として、2施設体制により計画的な施設整備が進められていると承知しております。
〇斉藤信委員 20年間でごみをめぐる市町村の状況は大きく変わったと。それに対応した計画であるべきだが、残念ながら今回示された計画は、23年前の計画をそのまま書き写すような計画になっている、このことを指摘しておきたいと思います。
 それで、最終案は、ライフサイクル全体での徹底的な資源循環が課題として、3R、特にリデュース、リユースの推進、各種廃棄物の徹底した回収、再資源化体制の確立を提起しています。私は、一極集中の広域化ではなくて、各市町村が責任を持つごみ処理でこそこの課題は進められるのではないかと考えますが、いかがですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 各市町村が責任を持ってごみ処理を進める必要性についてですが、今後、人口減少やごみ排出量の減少が予測されることから、市町村等が、長期的に安定したごみ処理施設の運営ができるよう、広域の取り組みにより3R推進を図ることが必要と考えております。
〇斉藤信委員 紋切り型の答弁だけれども、三つのブロックで統一化しましたが、この3Rの前進とかはごみの減量に結びついていますか。私は、広域化が決してごみを減らす循環型形成の力になっていないと思いますけれども、いかがですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 平成23年に広域化した沿岸南部ブロックと平成27年に広域化した沿岸中部ブロックについて評価しますと、利用者1人当たりの生活ごみ排出量は、広域化前に減少している傾向があり、それぞれ15%と5%減少し効果が確認されております。その後は横ばい傾向になりますが、排出量が減少していることは確認されております。
〇斉藤信委員 これは岩手県ごみ処理広域化計画の資料編の15ページですけれども、1人当たりのごみ処理量は、宮古市が最下位、釜石市は下から6番目、そういう状況ですよ。そして、1人当たりのごみ処理経費も、釜石市、大槌町、大船渡市と沿岸が非常に高いじゃないですか。効率も悪いと。あなた方の資料だとそうなっていますよ。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 先ほど廃棄物利用の減少について御説明しましたが、処理施設の方式等により、ごみ処理の単価は変わっておりますので、そのこと等が影響しているのではないかと想定しております。
〇斉藤信委員 広域化が決してごみの減量に結びついていない。そして経営効率化にも結びついていない。特に釜石市の溶融炉などというのは、本当にこれは何でも燃やすから、減量にならないし経費も高い。それをまねした滝沢市は、大変高くつく焼却場で苦労しているのですよ。それは指摘だけにとどめておきます。
 それで、長寿命化、延命化というのは、循環型社会形成推進交付金の対象事業にもなっています。ごみ処理施設の分散立地による自区内処理に位置づけて取り組むべきだと思いますが、いかがですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 長寿命化、延命化の考え方は、現施設を有効活用することにより廃棄物処理施設のコスト削減を図るものでありますが、長寿命化、延命化は、施設が安定的に稼働する時間を5年から10年程度の間延長するものであり、いずれは環境性能など基本的な施設設備の性能劣化が生じることになります。
 この次の段階で、市町村は安定した持続可能なごみ処理施設の運営を行うため、新施設の建設に当たり、実情に即して、広域化、集約化を進める必要があると認識しております。
〇斉藤信委員 この計画の57ページにこう書いています。集約化に当たっては、市町村等の厳しい財政状況の中でコスト削減を図りつつ、現有施設を活用していくためにストックマネジメントの手法を導入し、地域の実情を踏まえて長寿命化・延命化を検討しますと。ここにこう書いているのだから、こういうことをしっかり考えて、何が何でも、住民が反対しても広域化、一極集中をやるということは、私は、あなた方の計画からいっても違うと。これは指摘だけにとどめておきます。
 今度は、県央ブロックごみ処理広域化計画についてお聞きします。昨年2月27日の推進協議会以降、進捗状況はどうなっていますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 県央ブロックのごみ処理広域化の進捗状況についてでありますが、昨年2月27日に開催された推進協議会以降、広報誌や県央ブロックごみ処理広域化についての冊子を配布、回覧することにより、住民説明がなされているものと承知しております。
〇斉藤信委員 結局、説明会を開かないで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を理由に住民の声を聞かないで、ただ資料を配っているだけ。谷藤盛岡市長が地域住民の合意を踏まえてやると言っていますから、私は、この約束はしっかり守るべきだと。
 それで、県央ブロックごみ処理広域化計画について、先ほど武田哲委員が質問して、私も全くそのとおりだと思うのは、ごみの減量、リサイクルの計画のない大型焼却場の整備、建設計画になっているからです。
 現在、平成30年度で8市町の日量のごみは390トン。ところが500トンの焼却施設をつくると言うのです。これから10年間で人口は4万人減る、20年間で8万人減る。いいですか、そういう中で何で燃やすごみをふやすような焼却施設が必要なのですか。私は、ここに県央ブロックの最大の欠陥があると思いますけれども、いかが考えますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 県央ブロックの8市町が、それぞれ一般廃棄物処理計画に基づいて3Rの推進に引き続き取り組んでいくものとは思いますが、先ほど説明した県央ブロックごみ処理広域化の冊子によれば、施設集約化にあわせて、施設規模の適正化を目指しますという記載がございます。
〇斉藤信委員 だから、候補地を決めるということでやっているけれども、減量もリサイクルの計画もない。示されているのは、さっき言ったように、今でさえ日量390トンなのに、500トンの大規模焼却施設を建設するという計画なのですよ。おかしいじゃないですか。県が助言するというのだったら、こういうことをしっかりと助言、指導すべきなのです。
 次に聞きます。盛岡インターチェンジ付近が最終候補地になっていますが、余りにも問題があるのではないか。この地域はイオンモール盛岡など商業集積地域です。そして、小岩井農場など観光地への交通の要所であり、交通渋滞が絶えず懸念されている地域であります。そして、近隣に住宅団地が形成されています。
 環境への影響等、こういうところに大型焼却施設をつくること自体が、市民の理解が得られない異常な考え方ではないかと思いますけれども、いかがですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 御意見のあった件につきましては、盛岡市が、環境影響の低減に関する最新の技術が採用された施設を目指すとされており、県央ブロック8市町の中で検討されているものと考えております。
〇斉藤信委員 そんなの回答にならないでしょう。ある意味、あそこは一等地ですよ。交通の要所、団地もある、商業地域でもある。もっともっと土地の利活用ができる地域ですよ。そういうところに、大型トラックが毎日たくさん来るような焼却施設をつくっていいのかと。県が助言、指導するのだったら、懸念されるこういう課題についてどう検討されているか、しっかり聞くべきではないですか。そう思いませんか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 盛岡市からは、盛岡インターチェンジ付近が整備候補地とされたのは、アクセスの容易性、収集、運搬の効率性などの選定要素を総合的に評価し、選定されたものと聞いております。
〇斉藤信委員 壊れたレコードのような答弁しないでください。私は具体的な問題を指摘しているのだから。盛岡市のまちづくりに本当に禍根を残しますよ。
 それで、6ブロック統一化と言うけれども、県央ブロックは沿岸南部、沿岸中部と比べて何倍の規模ですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 面積としてはほぼ同じぐらいという……(斉藤信委員「ごみの量」と呼ぶ)ごみの量であれば、県の4割を占めておりますので、4倍ほどの量になると思います。
〇斉藤信委員 全然4倍どころではありません。よく調べて答えてください。今の答弁は会議記録に載るのですよ。4倍どころではないですよ。
 だから、6ブロックといったって、県央ブロックの占める比率は全然違う。面積は奈良県に匹敵します。ごみの量は全県の4割、これが1カ所でいいのかということですよ。分散型の焼却施設こそ私は必要だと思いますよ。全然バランスがとれないじゃないですか。
〇佐々木環境担当技監兼廃棄物特別対策室長 ただいま広い県土でのごみ処理広域化という点でございましたが、広域化に当たりましては、ごみの中継施設ということで、広い面積をカバーするような、一旦収集、運搬を置きかえる施設も発展してきております。北上市、花巻市、遠野市などの所管する中部ごみクリーンセンターにおきましては、遠野市に収集、運搬の中継施設をつくって、効率的な収集、運搬に努めて、ごみ処理をきちんと適正に行っているところからして、県央ブロックでも、相当の運搬体制をとっていくことで適正処理が確保されると考えております。
〇斉藤信委員 全然答えていないですね。3カ所に中継基地をつくったって、ごみの量は同じだから、大型トラックで運ぶだけの話ですよ。あなたは私が言ったことに全然答えていない。
 例えば、これは資料編の17ページですよ。沿岸中部、年度で3万1、376トン、沿岸南部3万661トン。盛岡は、これを全部足さなければだめなのだけれども、盛岡市だけで7万トンですからね。そのほかに、盛岡紫波で3万2、000トン。盛岡紫波だけで沿岸中部、沿岸南部の1基分です。
 谷藤盛岡市長は、住民の合意を踏まえてやっていると言っていますから、しっかり住民の理解を得るように。反対の声がどんどん広がっていますから。
 最後に、吉浜地区の太陽光発電事業についてだけ聞きます。
 この計画変更、これは認定されたのでしょうか。環境アセスメントが新たに必要になると思いますがいかがでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 吉浜地区の太陽光発電事業についてでありますが、当該事業につきましては、事業者が、経済産業省東北経済産業局に事業計画変更認定申請書を提出しており、現在、東北経済産業局において審査が行われているものと認識しております。
〇黒田環境保全課総括課長 環境アセスメントについてでございますけれども、変更申請した事業内容については、現時点では内容の把握ができておりません。今後、内容が判明し次第、その内容を確認し、環境アセスメントに適切に対応してまいります。
〇斉藤信委員 計画変更はまだ認定されていないと、こういうことでよろしいですね。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 委員が御指摘のとおり、まだ経済産業局では変更認定をしていない、審査中ということでございます。
〇城内よしひこ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〇高橋はじめ委員 私からは、メガソーラーについて、先ほど佐々木朋和委員も触れておりましたし、今、斉藤信委員からもありましたが、若干お尋ねしたいと思います。
 数年前に新聞報道でもありましたが、軽米町において進められたメガソーラーの設置地域で、一部、伐根してはいけないというか、しない地域が伐根されておったということで、工事が中断して、その対策をとったという報道もありました。また、遠野市では、一級河川猿ケ石川で赤茶色の濁りが確認され、その濁った水は流域の水田に流入、さらには、ヤマメの養殖一時停止、アユの養殖が減ったということを受けて、令和2年6月に条例を改正して、1万平方メートル以上の太陽光発電事業の認可をやらないという形にしたようでございます。
 こうした状況を受けて、県としてはどのように認識しているのか、そしてまた、自然環境の保護あるいは災害防止への県としての取り組みというのですか、計画の段階あるいはその現状、トラブルといったものについて、市町村へ助言とか指導等を行える立場にあるのか、その可否についてあわせてお伺いしたいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 委員御指摘の事例につきましては、私どもでも承知しているところでございます。
 遠野市のように、独自条例を作成しまして、1万平方メートル以上の太陽光発電を許可しないというようなところもございます。一方で、再生可能エネルギーの導入につきまして、ある程度のものにつきましては導入を促進するというような市町村等もございます。これら市町村の取り組みにつきましては、それぞれの市町村の判断によるものと考えております。
 県としましては―例えば遠野市のように濁水が発生したようなものについて、これは遠野市が事務局になって濁水対策監視委員会というものがございますが、そこに県の職員も委員として参加しているという形で、県の立場から、その対応等について助言等を行ったりしているというようなことがございます。
 また、太陽光発電事業そのものに対する指導等につきましては、経済産業局で認定しております。県としましては、市町村と連携しながら、例えば不適切な事案とかといったものについては、国に情報提供して、3者で情報共有するといったことを行っております。県から事業者に直接指導するものは、関係法令に基づく指導がございますけれども、何もない中で指導という形はなかなか難しいかと考えます。
〇高橋はじめ委員 私もこういう事例ごとに、県としてどのようにかかわっていくかということを何度かお尋ねしたのですが、許認可自体が国で、窓口が市町村ということで、県が飛ばされてしまっているのですね。そういうことで、県としても計画段階からなかなか関与できないという問題がある。私としては大変大きな問題だなと。特に、市町村それぞれにしっかりした体制の中で導入できていればいいのですけれども、人口減少あるいは職員の減少、それから専門的な知識の方が果たしているのかどうかということを含めて考えていきますと、やっぱり県としてもある面では、そういうところにサポートしていかなければならない立場だと思うのです。そういう中にあって県が関与できないということは、国の制度そのものが、私は、大変大きな穴がぽっかりあいているのではないかと思っているところでございます。
 そして、これも今回、国の通常国会に法の改正を出したということだと思っておりますが、各市で太陽光発電施設などの建設が進められている一方で、森林伐採に伴う景観破壊あるいは土砂崩れといった防災上の問題が浮き彫りになってきて、住民トラブルが多発していると。こういった背景をもとに、地球温暖化対策推進法の改正案を今、国会に出して、2022年のスタートを考えているということのようでございます。
 新制度は、まず市区町村に対して、再生可能エネルギー発電施設の促進区域の設定に努めるよう義務づけると。市区町村は、その場所で事業を進める事業者に対して、景観や騒音の防止、地元の雇用促進、災害時の電力供給など地元への配慮事項を設定できるということであるし、事業者は、配慮事項を踏まえて事業計画をつくり、地元住民や県、市区町村、国などでつくる協議会で内容を検討してもらう。協議会で合意が得られた計画に限って正式に申請できるようにする。こういったことで、特区をつくればそこのところはいいのですけれども、では、それ以外はどうなのだというところもあったりして、今後のトラブルも非常に心配されるところでございます。
 それで、既存の施設への対応でありますけれども、想定外の自然災害が多発している現状において、各施設の点検及びふぐあい箇所等、問題が発生しそうな施設での改善命令は、先ほどの流れからするとできそうにもありませんが、できないものかどうか、改めてその辺のところを確認したいと思います。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 既存の太陽光発電施設への対応でございますけれども、直接県が指導するということは、県が所管しております法令あるいは条例に何らかの違反等が発生した場合には、指導、助言という形では対応できるかとは考えております。
 制度自体は、先ほど申し上げましたとおり、国が所管しておりますので、そういった状況がよくないようなことが生じた場合には、市町村と連携しながら、必要に応じて、国に情報提供して、国から指導していただくことは考えられると思います。
〇高橋はじめ委員 今のお話のように、事故が起きてからとかトラブルが起きてからという事後処理的な県としての関与になってしまうのですね。これは、例えば市町村が定期的に設置されているところの点検とか、そういったことは市町村としてはできるのか、あるいはそれに対して実際に実施しているところがあるのかどうか、その辺の情報はあるのですか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 市町村が直接実施している事例ということで、既存の施設でトラブル等がなくて、市町村が独自に点検している施設があるとは、こちらではちょっと認識はしておりません。
 繰り返しになりますけれども、適切に運転されていないような、あるいは適切に工事されていない事案につきましては、連携しながら取り組んでいっているところでございます。
〇高橋はじめ委員 もう一点、これは一定の運用期間を終えて、その後、撤去する際に、その撤去費用が果たして担保されているのかというところが一番心配なところです。まず、あるものを撤去する費用、あるいはその場所を完全にもとの形にというわけにはいかないでしょうけれども、最小限の災害防止の対策を打って、そして原状復帰して撤退するとか、そういうことが担保されているのかどうかが私は一番心配するのですけれども、担保されているのかどうかをどこでお伺いすればわかるものですか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 太陽光発電の撤去に伴う費用等についてでございますけれども、国では、太陽光発電の事業者に対して、撤去費用の積み立てを義務づけております。具体的には、廃棄費用の額が資本費という形で、実際につくられるときにかかった費用の5%以上を積み上げることを国で定めて、それをガイドラインの中で発電事業者に示している状況でございます。
 ただ、一方で、いつまでに積み立てるとかといった部分で曖昧な部分がございましたので、現在、強制的に積み立てる制度について国で検討しているということでございます。
〇高橋はじめ委員 国でしっかりとその辺を確認していただければいいのですけれども、いずれ、間近でそういうことが確認できないというのは非常に不安でありますし、また、強制的な義務づけもこれからだということなので、本当にそれでいいのかなと思っています。
 要は、どういうことかというと、今はこの日進月歩の時代なので、果たして今の再生可能エネルギーがメガソーラーというかソーラーだけなのか、あるいは風力なのか、それにかわるまた別なエネルギーが、俗にいうフリーエネルギーとかそういう話もあるのですけれども、仮にそういったものが現実になったときに、不要となったものがどうやって撤去されるのか。そのまま放置されたら、これは大変なことになるし、それをしっかり担保していかなければならない。
 それらを含めて、やはり計画段階から、あるいは既存の施設についても、県として一定の関与をしていくべきではないかと私は思うのです。そうした場合、どうするかというと、これは読売新聞の全国自治体のアンケートが2月21日の朝刊に載っておりましたけれども、今、全国で138自治体、その中で県は兵庫県と和歌山県と岡山県の3県、あとは135の市町村で、太陽光発電施設の設置を規制する条例が制定されていると。この中に遠野市も入っているわけですけれども、条例が制定された理由については、景観上の観点が111自治体、それから、土砂災害など防災上の観点、自然環境保護のため、あるいは住民の反発、反対、こういう3項目については100自治体以上の回答が制定理由ということで出されておりました。
 それで、約8割の自治体、108の自治体については、2018年以降に、直近ですね、ここで条例が施行となっているということでありますし、施設の設置時に、首長の同意、許可を必要とするのが76自治体、それから、原状回復や撤去、廃棄費用の積み立ての義務づけが54自治体、設置の禁止区域を指定するのが37自治体。こういうことで、それぞれ自主的にことをしっかり担保しなければならないという動きが今出てきております。
 これらを受けて、私は、県としても条例をつくるべきだと思っておりますが、部長の所感をお伺いしたいと思います。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 まずは、県といたしましては、次期温暖化計画に掲げる再生可能エネルギーの電力自給率65%の達成に向けて、その導入促進に取り組んでいるところでございます。
 そして、メガソーラーのお話がございましたけれども、県内で1メガワットを超える大規模太陽光発電につきましては、現在、経済産業省で認定を受けているもののうち約9割の発電所が完成しておりまして、残り1割の20件の建設可能性がありますけれども、それ以外に、現時点で新たな動きはないということです。太陽光発電につきましては、メガソーラーから、家庭用の小さな太陽光をふやそうということで、次期計画の中でもそういったことで今計画をしているところでございます。
 そして、お話のありましたメガソーラーの建設につきましては、県としても昨年、条例改正をいたしまして、まずは環境アセスメントの適切な運用をしてまいりまして、環境に配慮した発電所を設置できるよう、現在も事業者を指導しているところでございます。
 なお、再生可能エネルギーの導入に係る市町村それぞれの考え方につきましては、市町村それぞれ異なるところがありますので、メガソーラーの規制のあり方については、慎重に検討していかなければならないと考えております。
〇高橋はじめ委員 なかなか条例をつくるということは大変な作業でありますし、市町村とか関係団体とのいろいろな調整もあると思いますけれども、いずれ、今後のことを考えると、新たにつくる施設だけではなくて、既存の施設についてどのように対処していくかが私は大事だと思っておりますので、ぜひ、その観点も含めて今後検討していただきたいと思っております。
〇城内よしひこ副委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇城内よしひこ副委員長 質疑がないようでありますので、これで環境生活部関係の質疑を終わります。
 環境生活部の皆さんは退席されて結構です。御苦労さまでした。
 執行部席消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、警察本部長に警察本部関係の説明を求めます。
〇大濱警察本部長 令和3年度の警察本部関係の予算について御説明申し上げます。
 初めに、令和2年における警察業務の推進状況について御説明申し上げます。
 県警察本部は、令和2年の基本姿勢に、県民の期待と信頼に応える力強い警察を掲げ、東日本大震災津波における行方不明者の発見に向けた捜索活動を真摯に行ってきたほか、被災地域のパトロール活動、巡回連絡など、被災された方々の心に寄り添う活動を推進するとともに、次世代を担う子供や女性、高齢者が犯罪等の被害に遭わないようにするための活動を推進するなど、県民の安全・安心の確保に努めてきたところでございます。
 県内の治安情勢を顧みますと、刑法犯認知件数は減少しているものの、殺人や強盗などの凶悪事件が発生しているほか、特殊詐欺被害が依然として高どまりの状況にあるなど厳しい情勢が続いております。
 また、交通事故につきましては、死者数は46人と、昭和29年以降最少を記録した令和元年と同水準で推移したほか、発生件数、傷者数とも令和元年より減少したところでありますが、人口10万人当たりの死者数が全国平均より高いなど憂慮すべき状況にあります。
 こうした情勢を踏まえ、県警察本部では、令和3年の基本姿勢を、昨年に引き続き、県民の期待と信頼に応える力強い警察とするとともに、活動重点といたしまして、被災者に寄り添う警察活動の推進、子供、女性、高齢者の安全を確保するための活動の推進、悪質、重要犯罪の徹底検挙、運転者の安全意識を高める目立つ街頭活動及び交通指導取り締まりの推進、官民一体となったテロ対策の推進及び災害等への対処能力の向上の5項目を掲げ、令和3年度に新たな取り組みといたしまして、特殊詐欺被害予防対策事業では、最新の手口や被害防止対策を紹介するテレビCMの放送など、犯人のうそに気づく力を身につけていただくことに重点を置いた広報啓発活動を展開してまいります。
 いわて登下校防犯プラン推進事業では、青色回転灯装着車両にドライブレコーダーを貸与し、動く防犯カメラとして、登下校時の子供や保護者に対する安心感の醸成、脅威事犯を企てる者に対する強い牽制、有事の際の有力な映像情報など、複合的な防犯効果により子供の安全確保に努めてまいります。
 交通安全広報啓発フォー・アプローチ事業では、持ち運びができるデジタルサイネージを整備し、警察署のほか、高齢者が利用する機会の多い商業施設、病院等における広報啓発に幅広く活用し、安全教室等に参加できない高齢者にも広く注意喚起を図ってまいります。
 震災身元不明遺体ミトコンドリアDNA型鑑定事業では、県警察本部のDNA型鑑定でDNA型が判明していない御遺体に対して、ミトコンドリアDNA型鑑定を行い、新たにミトコンドリアDNA型を判明させることにより、御遺体の身元特定につなげ、一人でも多くの方が御遺族のもとに戻ることができるよう尽力していきたいと考えております。
 県警察本部では、治安情勢の変化に柔軟に対応しながら、これらの新規事業を含めた各種施策を推進し、県民が安全・安心を実感できる地域社会の実現を図ってまいりたいと考えております。
 それでは、令和3年度岩手県一般会計予算のうち、県警察本部関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 お手元の議案その1の8ページをお開きください。県警察本部が所管する予算は、9款警察費306億4、760万円余であります。これを前年度当初予算と比較しますと15億540万円余の増、率にいたしまして5.2%の増となっております。増額の主な要因は、久慈警察署、県北運転免許センターの移転新築に係る警察署庁舎整備事業費の増によるものでございます。
 予算の内容につきましては、予算に関する説明書に記載されておりますので、説明は省略させていただきます。この点につき、御了承願います。
 以上で県警察本部関係の予算についての説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇城内よしひこ副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇小西和子委員 交通事故の少ない社会づくりの重要度は常に上位であります。そこで、交通事故防止対策についてお伺いいたします。
 令和2年も発生件数、傷者数は17年連続で減少しております。死者数46人は、先ほど警察本部長がお話ししたように、昭和29年以降最少を記録いたしました。一昨年の45人と同水準で推移しています。皆様方の日ごろの御奮闘の成果と敬意を表しております。
 令和2年の全事故に占める高齢者死者の割合は67.4%で、前年と比べて1.5ポイント減少しています。人数で比較すると前年と同数の31人に抑えており、増減はゼロであります。運転中が13人と全体の41.9%、前年5人と比べて8人増加しております。状況の分析と今後の対策をお伺いいたします。
〇佐々木交通部長 令和2年中の高齢者が関係する交通事故の状況についてでありますが、委員御指摘のとおり、前年と比較し、発生件数及び負傷者数は減少しましたが、死者数は同数の31人で、全死者に占める割合は、近年で最も高かった一昨年をわずかに下回ったものの、依然として全国平均を大きく上回る状況が続いています。
 高齢死者の状態別では、自動車運転中の死者が前年から大きく増加し、高齢死者全体に占める割合は、ここ10年間で最も高い割合でありました。一方、歩行中の死者が前年から大きく減少し、ここ10年、40%から60%前後の高い比率で推移していた高齢死者全体に占める割合が約26%となりました。
 今後の対策についてでありますが、死者の多くを占める高齢者対策が極めて重要でありますので、引き続き、参加、体験型の交通安全教育、訪問指導での注意喚起など効果的に推進するほか、昨年から取り組んでいる毎週水曜日の信号停止車両に呼びかける広報啓発活動、事故を起こした高齢運転者への支援対策などについても強化してまいりたいと思っております。
〇小西和子委員 さまざまな取り組みをしたことで減ってはきておりますけれども、まだまだ高齢者に占める死者の割合が高いということでありますので、取り組みの強化をお願いいたします。
 令和2年の沿岸5警察署の交通事故の発生件数、死者、傷者数の全てで減少しております。復旧、復興の10年を経て、三陸沿岸道路の全線供用開始が予定されております。今後の沿岸被災地における対策をお伺いいたします。
〇佐々木交通部長 今後の沿岸地域における対策についてでありますが、委員御指摘のとおり、沿岸警察5署における交通事故は、発生件数、死者数、傷者数の全てが前年対比で減少しておりますが、三陸沿岸道路の全線供用開始が予定されており、物流や観光による交通量の増加が見込まれ、事故の発生が懸念されますことから、交通の流れあるいは交通の量、これらの変化を注視しながら、速度取り締まりや警戒活動を強化してまいりたいと思っております。
 また、沿岸地域の方々に対する安全教育、コミュニティラジオ局と連携した広報啓発などにも取り組んでまいりたいと思っております。
〇小西和子委員 逆走等があるのではないかと心配しておりましたけれども、そういうこともなく、皆様方の取り組みの成果があらわれておりますが、交通量の増加に伴う事故等については対策をお願いいたします。
 次ですが、報道によると、JAFの調査で、信号のない横断歩道における車の一時停止率が、昨年は23.2%と前年の13.7%から大幅に改善されて、全国平均21.3%を上回ったと聞きました。
 数年前は、全国最下位グループだったような気がするのです。それをラジオとか新聞とかで聞いたとき、非常にがっかりしました。新聞の投書等でも、岩手県はとてもいいところだけれども、そこだけがちょっとというような声もありましたが、すばらしい取り組みをされたのだなと思います。どのような取り組みを行ったのか、あわせて今後の対策についてもお伺いいたします。
〇佐々木交通部長 初めに、JAFの調査結果についてでありますが、各都道府県2カ所の横断歩道をJAFが選定いたしまして、調査、公表していることは承知しております。停止率の公表数値は、道路の環境、それから交通環境が異なる中での比較ではあるものの、本県においても横断歩道の安全対策を進める上で参考としております。
 昨年で3回目の公表であり、本県は、平成30年が全国順位31位、令和元年が27位で、いずれも全国平均を下回っておりましたが、昨年は20位で全国平均を上回りました。
 実施してきた取り組みについてでありますが、運転者側に歩行者優先の意識を徹底するため、横断歩行者妨害の取り締まり、安全モデル横断歩道を指定しての関係機関、団体と連携した通学路等での街頭活動、横断歩道・チェック・ストップ運動、歩行者側の対策としては、歩行環境シミュレーターを活用した安全教育、街頭指導などを実施してきたところであります。
 これらの対策を引き続き強力に推進するとともに、昨年初めて実施しました県警察本部のユーチューブチャンネルの活用を含め、広報啓発の取り組みを強化していきたいと考えております。
〇小西和子委員 次に、子供、女性を犯罪から守る対策について伺います。
 令和2年の声かけ等脅威事犯の認知件数が466件と、前年比マイナス34件と減少しております。傾向と令和3年の対策について伺います。
〇小田島生活安全部長 まず、令和2年中の脅威事犯の傾向についてでありますが、年齢別では、対象の約3割が小学生と最も多くなっております。
 行為の形態といたしましては、高校生以下の子供では、声かけが全体の約4割、子供以外につきましては、のぞき行為が全体の約2割と、それぞれ最も多くなっております。
 次に、対策についてでありますが、子供の安全確保に向け、いわて登下校防犯プランに掲げる地域の連携強化、多様な担い手による見守りの活性化、そして、不審者情報の共有等、総合的な防犯対策につきまして、学校、関係機関、団体と連携してまいります。
 また、女性の安全確保に向けまして、対象となる方々への予防対策等の研修、県警察本部ホームページ、メール等を通じての予防対策、注意喚起等を継続してまいります。
〇小西和子委員 減っているということで安心しました。
 令和2年のストーカー事案取扱件数が296件で、前年比プラス46件、検挙件数も42件で、前年比プラス9件とともに増加しております。特徴についてお伺いします。あわせて、令和3年の対策について伺います。
〇小田島生活安全部長 まず、令和2年中のストーカー事案の特徴についてでありますが、行為の形態として、被害者宅への押しかけ、つきまとい行為が最も多く、全体の約3割以上を占め、次いで、復縁を迫る、面会を要求するといった義務のないことを要求する行為が2割以上となっております。
 次に、対策についてでありますが、つきまとい等がストーカー行為になり得るということを一人一人が認識することにより、行動が抑止、制御されることになりますので、まずは、どのような行為がストーカー行為に該当するのかといったことにつきまして、一般の方々を対象とした講話やリーフレット等を活用しての活動を継続してまいりたいと思っております。
 また、事件として検挙、禁止命令、警告等の措置を講じることによりまして、行為者自身が、自身の行為が犯罪である、あるいは相手方の思いを認識することになりますので、被害に遭われている方には、早期に県警察本部に相談していただくよう広報等を行ってまいります。
〇小西和子委員 声かけ等脅威事犯もそうですしストーカーもそうですが、被害者にも加害者にもならない教育といったものが重要だと思っております。教育現場でも行っておりますけれども、県警察本部でも取り組みをされていると聞きましたので、よろしくお願いいたします。
 最後ですけれども、性犯罪は、毎回お話ししていますが、魂の殺人と言われるほど被害者に大きな精神的ダメージを与える犯罪であります。一方、他人に知られたくないなどの理由から、誰にも相談することができないまま被害者だけで抱え込むことが少なくない状況であります。
 全国的には、コロナ禍で性犯罪がふえているという報道があります。岩手県でも、はまなすサポートへの相談件数は、2月時点でございますけれども、388件と大幅にふえております。
 それから、本日の地方紙の報道で見たのですが、強制わいせつ致傷容疑で逮捕ということで、50代の男性が、盛岡市内の路上で13歳未満の少女を転ばせて、体をさわり、すり傷などを負わせた疑いのことです。本当に一生心に傷を負うと思うのです。
 そこで、県警察本部長に子供、女性を犯罪から守る決意をお伺いいたします。
〇大濱警察本部長 子供や女性が被害に遭うということで、お尋ねの性犯罪も含めまして、こういった犯罪といいますのは、県民の身近な日常生活の安全を極めて脅かすものでありますので、極めて重要な事案であると認識しております。
 そのため、本年4月1日の予定でありますが、県警察本部に人身安全少年課を新たに設置いたしまして、捜査体制をより一層強化していく所存であります。
 県警察本部といたしましては、引き続き、関係機関等と連携した安全教育や啓発活動、地域全体の防犯意識を高めるための積極的な情報発信等に取り組んでまいりますとともに、犯罪が発生した場合には、被疑者の検挙に向けて、迅速かつ厳正な捜査を実施していきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 私から、交番、駐在所の集約についてお伺いしたいと思います。
 現在、全国的に1人制の交番や駐在所を複数人化する流れにありまして、本県においても、施設の老朽化に伴い建てかえが必要となる交番、駐在所から、複数人化、それに伴う統合を行ってきていると認識しております。
 来年度、統合や設計に入る交番、駐在所の状況をまずお示しいただきたいと思います。
〇小田島生活安全部長 まず、統合計画についてでありますが、令和3年度に統合する交番、駐在所はございません。
 次に、令和3年度に設計を予定している駐在所についてでありますが、千厩警察署管内の藤沢駐在所と保呂羽駐在所を統合し、藤沢駐在所を新築することとして、来年度当初予算案において設計の予算を計上しております。
〇佐々木朋和委員 統合となれば、複数人化による機能の強化が望める反面、所管する地域が広くなる、また、地域から交番や駐在所が消えるところが出てくるということでありますけれども、それに伴う住民の不安解消が必要になると思います。住民への説明の状況や不安の解消策をお示しいただきたいと思います。
〇小田島生活安全部長 まず、住民の方への説明についてでありますが、統合する交番、駐在所管内の行政区長のほか、希望する地域の方にも御出席いただいて説明会を開催しております。
 説明会におきまして、統合の必要性などを丁寧に説明し、意見、要望を十分に聴取した上で、統合後の対策を具体的に説明して、理解をいただいているところであります。
 次に、住民の方の不安の解消についてでありますけれども、説明会等を通じまして、警察官が複数で勤務することによりまして、まずは、現場執行力が強化される、また、駐在所に警察官が不在になる時間が減少していきます。さらには、それに伴いまして、外部活動がより多くできますので、パトロールあるいは巡回連絡等も進めていくことができます。そういう点を説明しながら不安感の解消に努めているところであります。
〇佐々木朋和委員 今、住民説明会で理解が得られたというお話がありましたけれども、一方で、新しい駐在所の場所について、町民から見やすい位置に新しい駐在所を求める声が上がっていたと思います。私も今の藤沢駐在所の場所はわかっているのですけれども、メーンストリートからちょっと下がったところにありまして、藤沢町藤沢に近い人は場所がわかるのですけれども、保呂羽、大籠という地域の皆さんにはなかなか見えづらい。いざというときに、ぱっと駆け込むのにどうかというような声も出ております。
 やはり抑止力と考えたときに、メーンストリートから見える場所にあってほしいといった声が上がっていると聞いておりました。この新施設の立地については、どのような基準で決めているのか伺いたいと思います。
〇小田島生活安全部長 交番、駐在所の設置場所に関する具体的な基準というものはございませんけれども、住民の利便性が高いことと所在がわかりやすいこと、そして、管内の警察事象に対応しやすい位置にあるといったことなどを総合的に勘案して場所を決定しているところであります。
〇佐々木朋和委員 もう藤沢駐在所の場所に決定しているということですか。
〇小田島生活安全部長 藤沢駐在所につきましては、国道456号から西側に30メートルほど進んだところにありまして、やはり国道から見ますとやや見にくい部分もあります。ただ、一方で、市道を挟んだ向かい側には一関市役所の藤沢支所がありますし、付近には中学校や消防分署もあります。そういったこともいろいろ考えまして、やはり住民の利便性とか、例えば災害が発生したときの行政機関との緊密な連携が図りやすい、そして今、駐在所が建っている場所が県有地でありまして、その場所に建てかえるということで財政的負担も軽減されます。そういったことをいろいろ検討いたしました。そういう条件に見合うところを探した結果として、総合的にこの場所という判断になったところであります。
 今後、その場所に建てかえる場合には、例えば国道から見やすく場所がわかる看板や赤色灯を設置することについても検討してまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 私も、最近はしておりませんが、よく朝にその付近で辻立ちをしていたのです。そうすると、今言っていた国道は学校の生徒の通学路でもあるし、車もかなり通ります。また、バスからおりた生徒も歩いていったりというところがありまして、交通の要衝でありますし、藤沢町は機能を集約しておりますので、まさに機能が集約している中心のところなのです。やっぱりそこから見えないということはいかがなものかと思います。せっかく2人制にして不在の警察官がいない状況にしているのに、交番の役割を私も調べてみましたら、立ち番、見張り、在所による警戒というのが大きな任務だとなっているのですけれども、せっかく駐在所の前に立っていただいていても住民からは見えない。
 また、朝、大変交通の危ない時間にも、もし交番の前で、通りに面したところに立っていただいていれば、かなりの抑止力となり、また、親御さんたちも、朝もですけれども、夜の帰り道でも大変安心感が得られると思うのです。せっかくのそういった業務が、私は半減してしまうのではないかと思っております。
 場所についても、県有地があって、その場でという話もありましたが、地域住民の方々もいろいろ動いていただいていて、見に来ていただいているということも存じ上げておりますが、協力する姿勢も見えているということなのです。
 地域において交番がなくなるというのは大変なことなのだけれども、そこを理解して、住民の皆さんが、藤沢のところに集約することを理解した上でお願いしているものですから、私はぜひとも、決定と言わずに、もう少し熟慮していただいて決定すべきだと思うのですけれども、最後に本部長に伺って、終わりたいと思います。
〇大濱警察本部長 お尋ねの現場について、私も昨年、現場を実査しております。おっしゃるとおり、若干通りからは入った場所にあります。ただ、一方で、中学校の登下校路にはなっていたかと思います。
 いずれにいたしましても、駐在所、交番、警察署も含めての統廃合については、我々が治安責任を担うわけですから、まずもって、地域の住民の方々の御意見、御要望にしっかり、真摯に耳を傾けて、それに基づいて判断すべきものと考えております。
 いずれにいたしましても、先ほど部長が答弁したとおり、一方で財政的な問題がありまして、県有地以外に新たに土地を取得して建て直すには制約もございます。いろいろな事情がありますが、御指摘の点を踏まえて、しっかり検討していきたいと思っております。
〇城内よしひこ副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。

午後4時15分 休 憩

午後4時32分 再 開

〇岩渕誠委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
〇名須川晋委員 それでは、私から3点お伺いさせていただきます。
 3月20日ですか、間もなく復興道路、侍浜―洋野種市インターチェンジ間が開通となり、ことし中には復興道路、復興支援道路が全線開通になるという状況になりまして、いろいろと犯罪の広域化あるいは質の変化が懸念されるのではないかと推測するわけであります。仙台―八戸間は最終的には3時間10分の時間短縮が図られるということですが、これについてはどのように捉え、どう対処されるのかお伺いいたします。
〇新家刑事部長 犯罪の質の変化への対処ということでありますが、沿岸警察5署の刑法犯の認知件数の状況を、東日本大震災津波を機に、その前の10年間、震災後の10年間を確認いたしました。震災前の10年間は、平成13年の2、293件から平成22年の1、032件、震災後の10年間は、平成23年の808件から令和2年の436件と年々減少を続けているところであります。ただ、発災当時は一時的に増加したものでりますが、現在は、震災前と同様に減少傾向を維持しているところであります。
 しかし、過去の例を見ますと、東北自動車道の開通により、県外に居住する者が車両を利用して来県して、窃盗などの犯罪を敢行する事案が多発したこともあります。復興道路等の開通に際しても、同様の犯罪の発生が懸念される状況にあります。
 この種の犯罪につきましては、発生、即検挙が最も効果的でありますので、犯人が県内にいるうちに捕まえることが重要であると考えております。復興道路等の初動捜査を担う高速道路交通警察隊に、久慈市、宮古市及び釜石市に各分駐隊を設置して体制強化を図っております。
 今後とも、引き続き、情勢の変化に対応した的確な犯罪捜査を進めてまいります。
〇名須川晋委員 それぞれ延伸していく中で、しっかり見直しがされているということで理解してよろしいものでしょうか。
 また、通過する車をどうやって捕捉しているのか。カメラ、Nシステムというのでしょうか、そういうところも、これまでぶつ切りだった道路がつながることで車の通過する場所も違ってくると思うので、そこに適宜対応していけるのかどうか。
 カメラ等の設置がうまくタイムリーになされているのか、費用とかそういうものはどうなっているのか。これは国で設置するのか、そして、そこに対して県で、ここにつけてくれとか、そういう要望をするものなのか。といいますのも、普通の高速道路であれば、ETCとかがあって後々証拠になるようなものがあると思うのですけれども、復興道路、復興支援道路ですと、そういうものもなく、さっと行って、さっとおりられるということもありますから、その点について質問させていただきます。
〇新家刑事部長 初めに、復興道路などにおける通過車両のカメラによる捕捉でありますけれども、復興道路等においては、自動車のナンバーを自動的に読み取る装置を設置する検討を進めているところであります。
 これらの設置につきましては、新規の設置あるいは既に設置になっているものの移設によって、より効果的な場所の選定が必要であることから、現在、通行車両の状況あるいは隣接する他県の設置計画、設置状況などを勘案して検討を進めているところであります。
〇名須川晋委員 わかりました。この前は、私の地元、花巻市でありますが、花巻市からアワビをとりに大船渡越喜来地区まで行ったという不届き者がおりまして、復興支援道路を花巻市から釜石市を経由して大船渡市に行ったと推測するわけですけれども、大船渡市の漁業関係者の方には大変申しわけないと思っております。そういうところで、悪いやつらの車のナンバーを控えるようなシステムをしっかり整備していただきたいと思います。
 そこで、この復興道路が青森県から岩手県、そして宮城県をつなぐというところで、青森県警察本部や宮城県警察本部との連携はしっかりとれているのかどうかについて伺います。
〇新家刑事部長 隣接県との広域連携ということでありますけれども、重要、特異な事件が当県で発生した場合、あるいは隣接の県で発生し、犯人が逃走している場合には、広域緊急配備という名称で、発生県の警察本部通信指令課において隣接県に事件手配を行います。相互に犯人の検挙に向けて活動をするという制度が確立されておりますので、一層連携を強化していきたいと考えております。
〇名須川晋委員 2点目であります。東北自動車道花巻南インターチェンジから盛岡南インターチェンジ間の最高速度120キロメートル化が、昨年9月に本格運用されまして、私も恩恵を受けているかと言えば、100キロメートルぐらいでいつも速度を設定して行くのですけれども、この試行前後の速度、事故数の変化について、まずはお伺いいたします。
〇佐々木交通部長 盛岡南インターチェンジ―花巻南インターチェンジ間の試行前後の速度、さらには交通事故の件数についてでありますが、1年間の同区間における臨時交通規制が実施されていない状況での実勢速度でありますけれども、試行前は、上りが112.0キロメートル、下りが114.2キロメートル。110キロメートルの試行時では、上りが110.7キロメートル、下りが113.6キロメートル。120キロメートルの試行時は、上りが111.9キロメートル、下りが114.3キロメートルとなっておりまして、大きな変化は認められませんでした。
 さらに、交通事故の関係につきましては、試行前は死亡事故が1件、軽傷事故が4件の計5件。110キロメートルの試行時は、重傷事故が1件、軽傷事故が2件の計3件。120キロメートル試行時は、重傷1件のみでありまして、こちらも減少傾向を示しているという状況にあります。
〇名須川晋委員 そうすると、100キロメートルから120キロメートルに最高速度が変わっても、横ばいあるいは若干減っているということと把握させていただきます。
 そこで、私も高速道路を通行しておりますと、恐らく直線の道路というのはもっとあるのです。体感としては、前沢サービスエリアあたりから北上いたしまして、松尾八幡平インターチェンジまではおおむね直線ではないかと思います。西根インターチェンジあたりで最高速度の80キロメートル規制がたまにあるような状況ですけれども、岩手県の中央部分は直線だと私は認識しております。そうすると、区間の延長も検討したらいいのではないかと思います。そういうマイナス要素がなければ、最高速度の120キロメートル化を拡大延長してもいいのではないかと考えますが、この点についてはどのように捉えますでしょうか。そこに警察庁の方針や何かしら通達等があるものでしょうか。
〇佐々木交通部長 ただいま委員から、さらに直線部分の速度の引き上げというお話がありましたけれども、実は、本運用実施区間以外の平泉前沢インターチェンジから花巻南インターチェンジ、それから盛岡南インターチェンジから松尾八幡平インターチェンジ間、それぞれ一部に最高速度引き上げのための前提条件である設計速度120キロメートルを満たしていない区間があると承知しております。
 したがいまして、検討に際しましては、まずは設計速度を変更するための道路改良をつかさどる道路管理者と協議する必要があります。その上で、安全面を第一に考えつつ、交通事故あるいは交通実態、高速隊の警戒体制といったものを慎重に検討していかなければならないと思っております。
 それから、通達関係のお話もありましたが、120キロメートル本格運用の直前に警察庁から、これまで100キロメートルだった基準が、基準を見直して120キロメートルまでは条件が整えばいいですよという規制基準の改正があったのですが、それにも、設計速度が120キロメートルであることとか、実勢速度が100キロメートル以上であることといった120キロメートルに上げるための細かな条件が加えられている状況にあります。
〇名須川晋委員 その120キロメートルに満たない基準の箇所があるというところで言えば、具体的には、盛岡南インターチェンジと花巻南インターチェンジ間からさらにどこまで延長ができると考えてよろしいのでしょうか。
〇佐々木交通部長 本件は、ちょっと話が戻りますけれども、最高速度120キロメートルの本格実施に向けて、ネクスコであったり、あるいは同様に試行的に実施してきた静岡県警察本部とか、警察庁の高速道路の担当とか、警察庁の規制担当課とか、かなりの回数の打ち合わせ会議を招致されたり現地を見に来られたりという形で、かなり慎重に判断して、最終的には最高速度120キロメートルの部分が、今の花巻南インターチェンジ―盛岡南インターチェンジ間となったものです。
 よって、本格運用後も、ネクスコであったり警察庁あるいは私どもでいろいろ協議しておりますが、現時点で、次はどこを最高速度120キロメートルにしましょうかという具体的な議論には正直言ってなっておりません。
〇名須川晋委員 なっていないということでばっさり切られた感もありますが、安全なら別に最高速度120キロメートルでいいと私は思っておりますので、その辺は、議論としては継続していっていいと私は思います。全く何もない話ではなくて、そういうことも十分これから検討していいのだということでぜひともお考えをいただきたいのですが、大濱本部長、何かコメントがありましたらお願いいたします。
〇大濱警察本部長 御指摘の規制引き上げの延長の件でありますが、こちらは、先ほどの答弁と似通ってきますが、やはり道路管理者の御意見、それから利用される方の御意見に真摯に耳を傾けて、それに基づいて判断していくことがまず大前提なのだろうと思います。
 その中で、今答弁しましたようにさまざまな要件がありますので、そういった要件に当てはまるのか当てはまらないのか、当てはまらないのであれば、これが我々の力でできることなのか、道路管理者でやっていただかなければいけないのかということをしっかり峻別したり、協議、調整しながら進めていくものだと考えております。
 いずれにいたしましても、私どもはやはり安全第一です。交通事故で不幸にも亡くなる方を一人でも出さない社会を目指しておりますので、まずは、安全第一ということで考えていきたいと思います。
〇名須川晋委員 3点目、最後でございます。ヘリコプターテレビ中継システムの更新ということで1億5、000万円ほどの予算計上がなされておりますが、これはどういうシステムなのか、まずはお知らせください。
〇小田島生活安全部長 このシステムにつきましては、県警察本部のヘリコプターに搭載した高画質の映像送信システムでありまして、ヘリコプターで撮影した映像を配信するシステムであります。
〇名須川晋委員 よくテレビで見るような、犯人の車を追いかけて、犯人が車からおりて、それでも逃走を続ける犯人を天から見ているということで、なかなか痛快な光景なのですけれども、更新する前と後の機器はどう違うのか、性能がよくなるものなのかどうかについてお知らせください。
〇小田島生活安全部長 このシステムにつきましては、災害警備のほか、交通取り締まりや各種犯罪捜査等にも活用しておりますので、カメラの性能の詳細につきましては答弁を控えさせていただきますけれども、今回の更新整備によりまして、カメラの感度など性能が向上いたしますので、これまで以上に鮮明な画像を配信することができることになります。
〇名須川晋委員 最後にいたします。例えば防災ヘリコプターですと、これは消防庁の一体計画の中で防災ヘリコプターにこういうカメラ中継システムが整備されているのですが、今回の場合は、岩手県独自ということですか、それとも警察庁の一つのシステムの中に組み込まれていて、広域にも対応しているのか。例えば、首相官邸とか警察庁本部でも、その動画を見ることができるという衛星中継の一つのシステムになっているのか。それと、県の災害対策本部でも県警察本部のこの動画を見られるのかどうか、その点をお伺いいたします。
〇小田島生活安全部長 このシステムにつきましては、大規模災害等が発生した場合には、県警察本部のほかに、やはり県でもしも災害対策本部が設置になりますと、県の総合防災室にもつぶすさに画像が配信されることになります。
 また、災害の状況に応じまして、警察庁ともダイレクトにいろいろ共有いたしますので、その中でそういう画像も共有したり、あるいはそれを活用した対応をしていくことになります。
〇千葉盛委員 まず、東日本大震災津波による身元不明者についてお伺いいたします。
 身元不明者について、現在、福島県はゼロ、宮城県で6体、岩手県では48体となっておりますけれども、この身元不明者が他県と比較して岩手県が多くなっている要因について伺います。
 また、来年度はミトコンドリアDNA型鑑定も行うようですけれども、今後の身元特定に向けてどのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。
〇新家刑事部長 1点目の身元不明者が他県と比較して多くなっている理由でありますが、本県の場合は、東日本大震災津波時に発生いたしました火災によって、御遺体の焼損等が激しいなどの理由から、鑑定を実施したもののDNA型が検出されなかったケースが少なくないということでありまして、個人特定が厳しい状況にあると考えております。
 また、2点目の今後の身元確認の取り組みでありますが、ミトコンドリアDNA型鑑定と合わせまして、身元不明者の身体的な特徴、所持品、発見場所等、複合的な情報から候補者を浮上させて、総合的に判断して身元の特定を進めることとしております。
〇千葉盛委員 それで、きのうも陸前高田市で相談会等を開催していたようですけれども、そういった相談会の状況、人数とか、あと、ふだんの問い合わせとかが現在どういう状況になっているのかお伺いいたします。
〇岩渕誠委員長 答弁できますか。
〇新家刑事部長 ちょっとお待ちください。
〇岩渕誠委員長 それでは、後ほど答弁いただきたいと思います。
〇千葉盛委員 答弁がすぐできないのであれば、次の質問をいたします。
 復興に伴う道路の交通安全についてなのですけれども、先ほど来、三陸沿岸道路等の復興道路が全線開通するということで、交通の取り締まりを強化していくというお答えもあったのですが、これから沿岸地域に観光客など、多くの方々が訪れてくると思います。他の地域で余りにも取り締まりを強化し過ぎて、観光客が、減ったわけではないでしょうけれども、来づらくなったという例もあります。もちろん安全が一番大事ですので、適度な啓発をしていただいて、できるだけ沿岸地域が行きやすい地域になっていくようにお願いをしておきます。
 済みません、質問します。交通安全のほうの質問をします。復興まちづくりがなされてきまして、防災集団移転とか、中心市街地づくりとか、さまざまでき上がってきて、道路もそれに伴って市道、県道、国道とかなり新しくなりました。その中で、計画のときには住民はそうだと思っていなかった安全施設ということで、住民にとってはちょっと不便なものができ上がったりして困っている方もおります。
 そこでお聞きしますけれども、もう少し住民に寄り添った道路づくりへのかかわり方をしていただきたいのですが、警察が考える安全な道路づくりと住民が望む利便性が向上する道路づくりに乖離があるようですが、どのようにして住民に寄り添っていくのかお伺いいたします。
〇佐々木交通部長 道路づくりに関する住民への寄り添い方についてでありますけれども、道路管理者が行う道路の整備に対しまして、警察は、道路交通の安全と円滑を目的として、さまざまな申し入れを行っているところであります。
 具体的には、道路の形状、交通の流れや量、さらには周辺施設の状況等を踏まえまして、道路管理者と協議を行いまして必要な安全対策を講じていただいているところであります。
 委員御指摘のとおり、安全と円滑のために道路管理者にお願いしたりして進めてきた整備にいろいろなメニューがありますから、そのメニューの中では、地域の皆様に御不便をおかけしている場合もあると承知しております。ただ、地域の皆様の安全を確保するための対策であるということ、命にかかわる交通事故防止のための施設整備であったりというところを、どうか御理解いただきたいと思います。
 引き続き、道路管理者と連携しまして、地域の皆様の御意見、御要望に真摯に耳を傾けまして、御理解が得られるように、丁寧な説明を行うなど住民の方々に寄り添って、利便性と安全、円滑のバランスを考慮しながら、道路管理者と協議を進めていきたいと思っております。
〇千葉盛委員 もちろん道路管理者がいてですけれども、例えば集団移転で、それに沿った区画整理がされて道路ができ上がるのですが、住み始めるまで道路を通れたのに、住み始めたら通行どめにされたり、あと、せっかく県道の前にお店を再建したら、急に、道路の真ん中にポールを立てられて入りにくくなったりとか、いろいろあるわけです。
 皆さん道路管理者に相談されるのですけれども、最終的に、安全の観点からということで警察から助言をいただいたということで話が行くわけです。私もそれを伝えに行けば、安全ということを前に出されるとなかなか難しいのですけれども、ただ私からすると、先ほど言ったような重大な事故につながるような部分ではないものもあるような感じがします。
 皆さん、これだけ一度にまちが変わるということもなかなか経験することもないですし、ようやく再建して、今からだというときに、やっぱりちょっとかわいそうだなという面があります。住民たちにとってはすごく大切なことでありますので、今後もまたいろいろ相談させていただきたいのですけれども、もう少し柔軟な対応がなされるべきではないかという部分についてお伺いいたします。
〇佐々木交通部長 ただいま委員から、せっかく店舗を建てたのにポールで入れないという具体的なお話がありました。私も一時期交通規制を担当した時期もありましたので、具体的にイメージしていただくために、例えば十字路交差点で信号運用しています。そこからわずか数十メートル離れたところに店舗ができました。そこで、仮に、先ほど申し上げたポールがない中で、右側に店舗があったとすると、入りたくても対向車が切れないのでとまっている。そうすると、信号が青で右左折で行ったときに、頭が詰まって、結果的に信号が青なのに入れないような状況が出てくるだろう。そのため、ポールで右折できないように規制しようと。ただ、公安委員会の権限の交通規制ではないので、道路管理者と協議を重ねて、道路管理者から住民の意見を吸い上げていただいて、必要があれば、我々警察も説明会に出向いてしっかり説明しているのが現状です。
 ただ、1カ所しか店舗の入り口がないのに、それを塞ぐということは、そもそも余程のことがない限りやらないので、迂回で2カ所、3カ所入り口がある、もうちょっと回ってもらえれば入れるというような環境にある場合には、先ほど申し上げた、信号に直近のところにポールを設置する方向で道路管理者と協議を重ねるのが実態であります。
〇千葉盛委員 もちろん私の説明も簡単にしていますので、塞がれたわけではないですけれども、いろいろな面で、住み始めたり、再建が終わった後に、また新たに設置されるという意味で困るという話です。最初から計画にあって、皆さんいろいろな要望を出してきているわけではなくて、店舗だったら、もしかしたら売り上げに影響があったりとか、実際それもあります。
 あと、家だとすると、すぐ道路に出られたのに、そこを塞がれて遠回りしなければ県道まで行けなくなったりとか、建てた場所も、皆さん本当に考えがあって、それぞれでしっかり決めて、その決めるまでも大変だった中で建てたら、思いがけないことが起きる、そういう意味です。細かい話はいいのですけれども、そういった、道路管理者に相談しても、いつも警察に行き着いてしまうものですから、そこを柔軟に対応していただければという話でしたので、よろしくお願いします。
 では、身元不明者のほうの答弁をよろしくお願いいたします。
〇新家刑事部長 東日本大震災津波による遺体の身元判明の取り組みということでありますが、昨日も相談会を開催いたしました。12組20名の方が相談に来られました。先ほど申し上げたミトコンドリアDNA型鑑定のほかに、歯科カルテの照合とか、医療関係機関等で保管する検体資料のDNA型鑑定、それから似顔絵とか御遺体の特徴といった情報公開などの活動を進めて、何とか一人でも多くの御遺体を引き渡していきたいと考えているところであります。
 ちなみに、平成26年2月以降でありますが、きのうまでの間に、この相談会は27カ所で49回実施しているところであります。
〇斉藤信委員 私も東日本大震災津波による遺体の身元調査をお聞きしようと思いましたが、全く千葉盛委員の質問と重複しました。
 平成23年の身元不明者は166体、現在は48体ということで、本当にこの10年間頑張ってこられたということに、私は敬意を表したいと思います。
 そして、今度、新たなミトコンドリアDNA型鑑定事業費で、最後まで身元不明者の解決に当たるということですので、これはしっかり頑張っていただきたい。余り警察を褒めることはないのですが。
 次に、メールの爆破予告事件とサイバー攻撃について。
 私は昨年の9月定例会の一般質問と決算特別委員会でこの問題を取り上げました。決算特別委員会で取り上げたときには、それまで6件だったのが、10月に5件、県内の各市で爆破予告がありまして、その時点でもう既に11件そういうことがありました。
 これまでに県内ではこうしたメール爆破予告事件のようなものが何件発生しているのか、全国的にはどうなのか、摘発された例はどれだけあるのか示してください。
〇新家刑事部長 メールによる爆破予告事件について当方で把握しております数字は、昨年9月以降、本年2月末までの間に4件となっております。
 また、全国的にはどうかといいますと、全国的な統計数値については、県警察本部では把握しておりません。
 次に、摘発された例でありますけれども、摘発事例については、他の都道府県警察の事例でありますので、答弁は差し控えさせていただきますが、県警察本部としましては、事例も踏まえた上で適正な捜査を行っているところであります。
〇斉藤信委員 メール爆破予告事件というのは、全国で発生しているのです。今の答弁だと9月以降4件ということですが、私が取り上げたときは11件でしたから、これは4件プラス11件ということになるのですか。
〇新家刑事部長 爆破予告の事件については、その犯行の手段がさまざまありますが、当方としてメールによる爆破予告事件として把握しているものは、先ほど申し上げた4件ということであります。
〇斉藤信委員 この1年間で4件ということですか。私は9月定例会で取り上げた上で聞いているのだから、あのときで6件プラス5件ですよ。何で急に4件になるのですか。
〇新家刑事部長 先ほど申し上げましたけれど、昨年9月以降ということでありまして、本年2月までの間、県警察本部が把握したものは4件ということであります。
〇斉藤信委員 時間の無駄な答弁をやらないでください。私はこの1年間でどうかと聞いているのです。摘発の例はないと。これは全国的に連携して取り組まなくてはならない事件でしょう。全国的にどれだけ発生しているかもわからないのですか。言えないのですか。
〇新家刑事部長 繰り返しになりますけれども、全国的な数値につきましては、それぞれの都道府県警察の事件でありますので、当方としては把握はしていないところであります。
〇斉藤信委員 私は1年間のことも聞いたのだよ。去年の9月の答弁と違うのではないの。整合性を図ってください。
〇新家刑事部長 メールによる爆破予告は、前回の御質問のときに6件という報告をしております。その後4件でありますので、10件となります。
〇斉藤信委員 実は私が決算特別委員会で取り上げた後5件発生しているのです。6件の後に、10月に5件。それも私は決算特別委員会で指摘しているのですよ。あなた方の把握はどうなっているのですか。
 それで、サイバー攻撃についてちょっとリアルにお聞きします。警察庁、政府局、岐阜県庁、リクルートなど600組織にサイバー攻撃があったと12月1日の岩手日報に掲載されました。テレワーク機器の欠陥悪用ということで、警察庁も入っているのです。愛知県、岐阜県庁、佐賀県、伊万里市役所、日本政府の観光局、民間企業もです。
 サイバー攻撃の実態というのはどう把握されていますか。県内にこのサイバー攻撃の事例はどのぐらいありますか。
〇小田島生活安全部長 県内におきまして把握しているものはありません。
〇斉藤信委員 県内ではサイバー攻撃はないということですか。違うのではないの、私は資料をもらっている。私がいただいた例は全国の例ですか。岩手県内ではサイバー攻撃の例はないのですか。メール爆破予告だってサイバー攻撃なのではないのですか。
 私が決算特別委員会で聞いたときに、あなた方は、爆破予告事件というのは悪質な事件だ、犯罪に当たると答えているのです。殺人予告なのですから。私は、一関市役所に出されたメールもリアルにあなた方に紹介しました。これはサイバー攻撃ではないのですか。
〇小田島生活安全部長 委員が先ほどお話しされました報道の件につきましては、私どもも承知はいたしております。
 この報道と同様の県内における事例につきましては把握しておりませんけれども、サイバー空間というのは、日常のさまざまな活動が営まれる公共性の高い空間でありますので、私どもも適正に対応してまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 サイバー攻撃というのは、今重大な社会問題、私たちの生命と安全にかかわる問題だと思います。県警察本部が本気になって対応すべき課題でしょう。だから、私が聞いているのは、例えばこの1年間、サイバー攻撃に当たる事件、事例がどのぐらいあったのかと聞いているのです。それは示せないのですか。
〇小田島生活安全部長 県内においては把握しておりません。
〇斉藤信委員 だから、爆破予告事件だってサイバー攻撃でしょうと言っているのです。違うのすか。では、サイバー攻撃の定義を言ってください。そして、警察のサイバー対策の方針はどうなっていますか。
〇小田島生活安全部長 サイバー攻撃につきましては、例えば重要インフラ、鉄道とかガス、電気等、そういったもののシステムを機能不全にまず陥れる。あるいは、政府機関や先端技術を有する企業から機密情報を窃取するということが、サイバー攻撃ということで示されております。
 先ほど委員から爆破予告事件の関係でお話がありましたけれども、一般論といたしまして、この爆破事件は、脅迫罪とか威力業務妨害といった事件ということでの一つの形がありますけれども、それにつきましてはインターネット利用犯罪と。ネットの空間を利用した犯罪でありますので、サイバー犯罪ということでは当然該当するということであります。
〇斉藤信委員 私が県警察本部からいただいた資料、令和2年中岩手県サイバー犯罪検挙件数及びサイバー犯罪関係相談受理件数、合計91件。この内訳は、児童買春、児童ポルノ法違反、詐欺、青少年保護育成条例、不正アクセス禁止法違反、コンピューター電磁的記録犯罪等、そして、上記以外の罪種ということで、私は資料をいただいていますよ。県内合計91件でいいのですか。
〇小田島生活安全部長 ただいま委員からお話のありました事件につきましては、サイバー犯罪ということで、私たちは検挙の数として示しているものであります。
〇斉藤信委員 だから、私がいただいたものには受理件数というのがあって、これは2、643件、検挙件数が91件、これは全国の数ですか。
〇小田島生活安全部長 相談の件数ということであれば、これは我々の相談の区分ということで、例えば、いろいろな該当する区分分けをしておりますけれども、私どもでは、サイバー犯罪につきましては検挙の件数ということでは公表しておりますが、サイバー犯罪は、やはり捜査をしてみないと犯罪かどうかわからないという段階もありますので、あくまでも相談の件数と検挙の件数を公表しているところであります。
〇斉藤信委員 本当に時間が無駄なのだけれども、私がいただいた資料は、令和2年中岩手県サイバー犯罪検挙件数及び相談受理件数ですから、私が紹介したのは、岩手県内で相談受理件数が令和2年に2、643件あった、そして検挙は91件だということでいいですね。
〇小田島生活安全部長 そのとおりであります。
〇斉藤信委員 最初からそう答えたらいいじゃないですか。何かわけのわからない、答えられないような話をずっとして10分過ぎてしまった。本当に、もっと真面目に、議員の質問には県民にわかるように答えてください。議事録に載るのだから。後々まであなたの答弁は残るのですよ。
 それで、私は、このサイバー攻撃ということを踏まえて、デジタル社会というのは本当にもろいものだということをしっかり認識していなければだめだと思うのです。メール爆破予告事件が摘発されないということで、本当に全国の警察が協力して、NTTなどとも協力して、こういうものを許さない取り組みをする必要があるのではないですか。これはなぜ摘発されないのか、その理由、本部長、あなたは全国を回っているから、教えてください。
〇大濱警察本部長 私は、愛知県で刑事部長をしておりますし、警察庁ではサイバー犯罪対策課長もしております。そういった関係で申し上げますけれども……
〇岩渕誠委員長 静粛に願います。
〇大濱警察本部長(続) メール送付による爆破予告については、全国的に多発しております。これにつきましては、詳細は答弁を差し控えますけれども、例えば、私がスマートフォンでそういうことをしたとします。そうすると、多分あしたには私は捕まってしまうのですが、それぐらい容易な手段であれば、すぐ捕まえることはできます。一方で、そういった手段を、高度な匿名化手段を使ったり、あるいは国境を越えて海外におけるサーバー等を使う、いろいろな手段でやっていく手だてがあれば、これは物理的に非常に困難な状況になってまいります。これは法制面でもそうですし、情報技術、テクニカル的にも非常に難しい問題があります。決して警察がサボっているわけではないことを御理解いただきたいと思います。
〇斉藤信委員 だから、サイバー攻撃やメールによる爆破予告事件のように、今の我々のデジタル社会というのは、そういうもろさがある。そういう中で第一線に立っているのは警察なのだから、全国の知恵と技術を結集して、悪知恵を許さないような取り組みをぜひやっていただきたい。
 次に、特殊詐欺事件への対応についてお聞きします。
 特殊詐欺事件の件数、被害額の推移とその特徴、検挙件数と県警察本部の具体的な対応について示してください。
〇小田島生活安全部長 まず、特殊詐欺被害の推移についてでありますが、過去5年を見てみますと、平成28年から平成30年までの間は、被害件数、被害額とも減少傾向にありました。それが、令和元年には増加に転じまして、昨年は、前年に比べ被害件数が1件減少の54件、被害額が100万円ほど増加して約1億5、000万円の被害となっております。
 特徴といたしましては、警察官、金融機関の職員等をかたり、第三者を介在させずにキャッシュカードをだまし取るあるいは盗み取る手口が、おととしから大きく増加いたしまして、昨年も前年同様、被害額の6割を占めているところでありまして、また高齢者の被害につきましても8割近くになっているところであります。
 続きまして、検挙件数についてでありますけれども、検挙件数は前年比11件増加の56件、検挙人員は同じく4人減少の7人となっております。
 次に、対応についてでありますが、金融機関、コンビニエンスストア等と連携した水際阻止、そして、担当部局と連携した対策に関して、今回新たに、だまされていることに気づいていただくための重点的な施策といたしまして、一つには、特殊詐欺の最新手口等をテレビCMで放送する。そして、もう一つにつきましては、やはり詐欺の電話は固定電話へ圧倒的に来ております。7割以上、高齢者については9割以上。キャッシュカードはもう100%固定電話でありますので、電話中に気づいていただけるようなだましのキーワード、例えば暗証番号、お金を返しますといったような言葉を固定電話の脇に置いてもらうようなものを配布して、進めてまいりたいと思っております。
〇斉藤信委員 1億5、000万円余ということで、大変被害が大きいと思うし、被害者の42件、77.8%は65歳以上の高齢者です。今お話があったように、高齢者に伝わるような、届くようなPR、対応をしっかりやっていただきたい。
 最後ですけれども、県警察本部の不祥事についてお聞きします。
 県警察本部の不祥事の対応はどうなっているか。これは新聞報道が出たのでお聞きしますけれども、巡査部長が、公用車で移動中に信号を無視して交差点で車両と衝突する物損事故を起こし、4月29日付で所属長注意を受けました。公用車で信号無視ですよ。そして物損事故。これは所属長注意程度で済むのですか。この記事の中には、4月26日に、50歳代の男性警部補が部下に指導する際、書類を床に投げつけて拾わせるパワハラがあったと。これも所属長注意。私がいただいた資料には、警視になる人たちもパワハラで所属長注意を受けていますが、処分が甘いのではないかと思いますが、この間の不祥事の実態を含めて示してください。
〇阿部参事官兼首席監察官 令和2年、令和3年2月末現在の非違事案の状況について御説明いたします。
 令和2年は、懲戒処分を受けた職員はおりません。懲戒処分に至らない程度の訓戒、注意措置を行った職員が14人おります。
 令和3年は、2月末で懲戒処分を受けた職員、また、訓戒、注意措置を行った職員もおりません。
 先ほどお話がありました巡査部長の信号無視の関係でありますが、事案概要は、委員からお話がありましたが、職員が公用車を運転して信号のある十字路交差点を通過する際に、対面する信号機の赤色灯火を確認しないで交差点に進入、信号に従って交差点に進行してきた車両と出会い頭に衝突した物損事故であります。
 処分の関係でありますが、本事案における所属長注意につきましては、事案の内容や全国、県内におけるこれまでの先例を踏まえまして、厳正に対処しております。
〇斉藤信委員 懲戒処分はないというのは、今は具体的な事例も私は示しましたけれども、やっぱり処分が甘い結果なのだと思います。私は、もっと厳しく対応すべきだということを指摘して、終わります。
〇千田美津子委員 私は大きく分けて2点についてお聞きいたします。
 まず最初に、国際運転免許証についてお聞きしたいと思います。
 国際化の中で国際運転免許取得者がふえていると思いますけれども、県内の現状はどのようになっているでしょうか、お知らせください。
〇佐々木交通部長 国際運転免許証取得者の県内の現状についてでありますが、昨年、岩手県公安委員会が国際運転免許証を交付した件数は241件で、前年比マイナス635件、72%と大きく減少しております。
〇千田美津子委員 大きく減少した理由がもしわかれば、お知らせいただきたいと思います。
 そして、関連してお聞きいたしますけれども、国際運転免許取得者の運転に係る事故とかトラブルが全国でふえていると言われるているわけですが、県内で把握しておられればお知らせください。
〇佐々木交通部長 まず、国際運転免許の交付件数が大きく減少しており、実は、国際免許、国外免許、外国免許からの切りかえの国内免許みたいに、表現が物すごく複雑なのですが、委員から質問のありました国際運転免許取得者という部分で私は件数をお答えしましたが、県内にいて、国外に渡航し渡航先で運転するために本県の公安委員会が交付した件数となりますので、入ってきた人たちは、既に交付を受けて入ってくるので、我々とすれば把握のしようがないというところで、まず1点御理解いただきたい。
 それから、72%も減ったのは、私も一つ一つ分析しているわけではないのですけれども、昨年のコロナ禍の渡航禁止であったり制限というあたりで、通常であればどんどん海外に行っていた方が、渡航できずに減ったのだと思っております。
 次に交通事故ですが、ここも国際運転免許取得者のことです。国際運転免許取得者といっても、国外に出た人は事故を起こしようがないので、国外から来た人が事故を起こして、免許証を確認したら国際運転免許証だったという交通事故については、昨年の発生はありませんでした。さかのぼって5年間を見てみましたところ、3件発生しておりました。
 それから、国際運転免許証の取得に関係するトラブルということで理解しましたが、昨年は、苦情であったり大きなトラブルは、特段報告は受けておりません。
〇千田美津子委員 県内の取得者をつかめないというのが、まずわかりました。
 それで、なぜこのような質問をしたかといいますと、事故は昨年はなし、トラブルもほとんどないような話ありましたが、私は、実際に国際運転免許証を所持していた外国籍の方から相談があって、今回質問をいたしております。何かといいますと、赤信号の点滅で完全停止しなかったということで、その場で道路交通法違反で免許一発取り消しとなって、その日のうちの取り調べで、今後1年間はドライブできません、免許は取れないと言われました。2人の警察官の方から言われたようです。その方は、その日の警察官の指導によって、1年間我慢すればいいのだなと思い。その後、日本での免許を取るために運転免許センターに行ったそうですが、そこで初めて、2年間は免許を取ることができないと、いわゆる欠格期間が2年だと宣言されて大変ショックを受けて私のところに来たわけです。
 それで、お聞きしたいのは、今回の事例は、本来であれば違反しなければよかったのですけれども、違反した日の初動といいますか警察官の方の指導や対応に、私は問題があったのではないかと思います。その場で、その日のうちに適切な指導がしっかりなされていれば、こういう外国籍の方が大変ショックを受けて、その後いろいろ悩む状況になることはなかったのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。
〇佐々木交通部長 今、具体的な委員の知人の方のお話がありましたけれども、まず、いろいろお話がある中で、申しわけないですが、事実はしっかりとお伝えさせていただきたいと思います。
 この方は、決して有効な免許があって、信号無視をもって一発取り消しになったわけではなくて、いわゆる詳しい人は詳しい、詳しくない人は非常に複雑な国際運転免許の話なものですから。いわゆる3カ月ルールというものがありまして、簡単に言えば、国内に住んでいる方が、3カ月に満たない渡航期間で渡った外国で国際運転免許証を取得して、また戻ってきて上陸して、そこから上陸と免許証交付の短いほうから1年間日本国内で運転できるという制度なのです。
 その方の場合は、私が今例で申し上げた、ちょっと日にちは忘れましたけれども、ごく短い渡航で国際免許を取得してやってきて岩手県で暮らしていたということで、信号無視をして、1年有効な免許だったのかというと、もう一度前なのか2回前なのか、3カ月以上渡航していて取得した国際運転免許であれば、そこから1年間有効だったのだけれども、簡単に言うと、その有効期限が切れていた無免許でしたということです。取り消し1年とかという話ではなく、これもまた難しい免許行政の話なのですが、免許のない方が違反しても取り消すものがないということで、欠格期間というのは、免許がある方の次の免許が取れないという期間ですが、拒否保留というものがありまして、免許のない方が違反で検挙されて、免許がないけれども、同じように点数相当を一応考慮しておいて、次に免許を取りましたと。ある程度、無免許の欠格期間と同様な考え方ですが、そのときに免許を取得しても、その期間が経過していなければ、免許を拒否したり保留したりしますよと。乗ってはだめだと定めた期間はきっちりとらせていただきますよという部分なのです。非常に難しい制度の関係でちょっと長くなりました。
 それで、当日の対応がというような話もありましたが、これも私が聞き及んでいるところで大変恐縮ですが、1年間取れないよという話をしたというのも、先ほど簡単に説明したつもりですが、なかなか理解できないかもしれないけれども、結論的には、何を根拠に1年というのかという部分、正直、私は甚だ疑問に思いまして、しっかり調査させたところ、対応した警察官も判明しまして、確認してきたところ、無免許の方の、取れない、次に免許を取れるまでの期間というのは物すごく重要な事柄なので、1年などということは決して話していませんというところで、多分、委員が聞いたものと私が報告を受けていたのと食い違いがあるのかもしれません。長くなってしまいましたが、今のような状況になっております。
〇千田美津子委員 ありがとうございました。国際運転免許証の取得はいいのですけれども、今のような3カ月ルールというのは、詳しい人であればわかるのですが、こういうものに遭遇して初めてわかる。そして、これは全国で実は3カ月ルールのことを知らないという例がすごくあるのです。弁護士などへの相談もすごくふえています。
 そういった意味で、私は、相談のあった方が今答弁があったようにそうなのかというところもありますが、ただ、やっぱり残念なところがあります。私は、その相談された方と一緒に管轄の警察署にも行きましたし、県警察本部にもいろいろ相談に乗ってもらったり、本当に親切に対応はしていただいたのですが、さっき言ったように、そのときの当事者への説明がもっとうまくいくことがないのかなというが非常に残念でありました。
 それで、これからの問題です。国際運転免許証を書きかえたほうがいいよとか、そういうことが警察の方からすればあると思いますが、そういうことを相談する窓口がなかなかわからないのです。その方は、警察署に行ったり大使館に電話をしたりとか、なかなからちが明かなくてそういうことを繰り返したのですけれども、そういう国際運転免許の関係の窓口がどのようになっているのか、そして、そういうことがあるよということもやっぱり周知する必要があるのではないかと思いますので、その点お知らせください。
〇佐々木交通部長 本県の国際運転免許関係の相談については、具体的な手続の窓口も含めまして、県内の各運転免許センター、それから自動車運転免許試験場となっております。
 また、わかりづらい、確かに、私も正直、まだまだ理解できていない部分もあるような気もしていますので、他県のホームページも確認したのですが、複雑な内容なので一度読んでもなかなかわからない。本県でもホームページではお知らせしておりますが、警察庁のホームページがある程度図解入りで詳しく、なるほどという形でわかるようなものができていましたので、委員から通告をいただいたことをきっかけに、警察庁のホームページに本県ホームページからリンクすれば、簡単に見られるように設定はさせていただきました。
〇千田美津子委員 それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、二つ目ですが、警察による図書館の特定利用者に係る情報照会のあり方について質問いたします。
 図書館は、利用者の秘密を守る、これが第一だと思います。これが日本図書館協会の自由に関する宣言というものです。また、令状主義、憲法第35条に基づく令状を確認した場合以外は、利用者の読書事実を漏らさない、これを原則としているようです。
 しかし、最近、警察の方々による図書利用の照会、捜査関係事項照会が全国で非常にふえておりまして、特に札幌弁護士会は、捜査機関が犯罪捜査のために、利用者の同意なく図書館利用情報の開示を求めることは、強制処分として令状主義に服するものというべきと言っているわけですが、このような観点からも今の情報照会はおかしいのではないか、必要であれば令状主義を基本とすべきではないかと考えるわけですが、いかがでしょうか。
〇新家刑事部長 図書館に対する情報照会でありますが、一般論として申し上げれば、警察は任意捜査を原則としております。捜査上必要がある場合には、刑事訴訟法に基づいて、公務所や公私の団体に対して捜査関係事項照会書により各種の照会を行い、これを任意捜査の手段として実施しているところであります。照会による回答が得られない場合には、裁判官の発する令状により、差し押さえを行うなど強制捜査に移行することとし、適正に捜査を推進しているところであります。
〇千田美津子委員 基本が任意捜査だということで、回答が得られないときは令状をという答弁でありました。ただ、図書館でも、そういう情報照会を持ってこられると、現場では相当悩むということもあって、図書館協会でそのような見解を出していることがあります。私は、強制力はないわけですから捜査関係事項照会でやらなくてもいいのではないかと思います。令状をとるには日にちがかかるとか時間がかかると言うのかもしれませんが、なぜそのことでやらなければならないのか、その理由についてもう一度お聞きします。
〇新家刑事部長 繰り返しになりますけれども、警察は任意捜査が原則であります。関係法令などに基づいて、先ほど申し上げた刑事訴訟法等の手続にのっとって、適正に捜査を進めるところであります。
〇千田美津子委員 繰り返しになると思いますからやめますけれども、平成31年3月27日付で捜査関係事項照会の適正な運用についてという指導文書が出されています。この中身をどのように理解されているでしょうか。強制力を持って回答を求めることができないことから、回答に伴う業務負担等、相手方に配慮した照会に努めなければならないときちんと書かれているのです。ですから、やっぱり相手にきちんと配慮しなさいということを、この運用についての文書の中できちっとうたっていると思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
〇新家刑事部長 任意捜査の原則については、これまでも申し上げたとおりであります。その目的が任意捜査で達せられれば強制捜査へは移行しないということであります。つまり、相手側の御負担を考慮してということであります。いずれにしましても、捜査全体について、適正な手続にのっとってまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 国民が捜査に協力するということを否定するものでは全くありません。ただ、最大限、さまざまな個人情報保護とかそういうものを考慮してやるべきではないかということでお話をしているので、よろしくお願いいたします。
 そして、私が一番言いたいのは、図書館の利用情報というのは、内心にかかわる極めてセンシティブな情報なのです。ですから、必要なときは、それなりの手続を経てやるべきだと私は考えるわけですが、この点、本部長に伺って、終わりたいと思います。
〇大濱警察本部長 刑事部長答弁のとおり、警察は、やはり任意捜査で原則進めるということであります。いきなり、例えば強制的に捜索差押許可状を持って、段ボールを持って図書館に行くということは、図書館の方にとっては大変精神的な御負担を強いるようなことになってしまいますので、我々としては、逆に、まずは任意捜査で御協力を願い、どうしてもそれができないということであれば、捜索差押許可状を、刑事訴訟法に基づいて裁判官の発する各個別の令状をとって、これを捜査するということであります。これ以上は、やられて、どうしてもだめと申し上げられないのは大変申しわけないのですけれども、そういうことで御理解いただきたいと思います。
〇上原康樹委員 きのうで3.11から丸10年ということであります。これからを考えて質問させていただきます。
 これまで県警察本部は、月命日に行方不明者の方の捜索に当たってこられました。その姿に多くの県民の方々は共感と信頼、感謝の思いを深めたと思います。すばらしい取り組みだと思います。
 その行方不明者の捜索の件も含めて、今後の岩手県警察本部の被災地、被災者に寄り添うという取り組みをどう進めていこうとしているのか、お考えを伺いたいと思います。
〇石川警備部長 まず、月命日等の今後の捜索活動というお話がありました。この捜索活動につきましては、平成30年度から、月命日にとらわれることなく、被災地の実情を一番よく把握しております沿岸警察署長の判断によりまして、また、行方不明者の御家族や地域住民等からの御要望なども踏まえまして、随時実施してきたところであります。
 県警察本部といたしましては、引き続き、復興工事の進展など捜索現場の環境変化を踏まえながら、関係機関とも連携して、この捜索活動を継続してまいりたい。あわせて、復興途上にある被災地におきまして、コミュニティー対策でありますとか、交通対策と合わせまして総合的にこれらを推進していく所存であります。
〇上原康樹委員 次に、あのときを知る警察官の方の存在というのは大変重要だと思います。あのときの経験、教訓、知識をどうこれから生かしていくのか。とりわけ3.11を知らない若い警察官の方もふえてくるものと思います。どう伝承していくのか。ベテランから若手へどうやって引き継いでいくのか、お考えをお知らせください。
〇大塚警務部長 若い警察官への伝承、教育についてでありますが、県警察本部では、若い警察官を含む全警察職員を対象に、職務倫理教育の一環として東日本大震災津波の伝承教育を行っております。震災を経験した現職の職員、あるいは退職した職員による体験発表でありますとか、特別講師による講演などを行っております。
 特に、若手警察職員を対象としたものといたしましては、警察学校における採用時教育期間中に、東日本大震災津波の被害あるいは警察活動の実態につきまして、実際の映像ですとかスライドを用いた伝承教育を行っております。
 また、被災地における集中捜索活動に参加させたり、被災地を訪問して、被災者の方から直接お話を伺うなどの活動も行っております。
 今後も、震災の記憶を風化させないための伝承教育を継続し、警察職員としての誇りと使命感の醸成に努めてまいります。
〇上原康樹委員 津波に関してもう一点伺います。
 この間、私は総括質疑でもしたのですけれども、大津波がまた予測されるという情報が去年4月に国から、岩手県からも去年9月に公表されて、その調査に臨んでいるところであります。
 沿岸警察署といいますと、やはり災害、とりわけ津波に対する備えを強化しなければいけないと思うのですが、今度、久慈警察署が新しく建築されますね。この久慈警察署の建物自体に未来を見据えた最新の警察署としてどのような工夫が施されていくのか、そういう具体的な計画があれば、このようなところを強化して地域に役立ちたいというお考えがありましたら教えてください。
〇米沢参事兼会計課長 新築する久慈警察署の災害への備えについてでありますが、東日本大震災津波発災時に大規模な停電があったということを踏まえまして、非常用発電設備につきまして、津波があった場合でも簡単には被災しないように、2階以上の高い位置に整備するなど、さらには、発電時間の延長といったことも措置するということで考えております。
〇上原康樹委員 住民にも役立つ警察署という視点も忘れずに、対応をひとつよろしくお願いいたします。
 次は道路交通網です。先ほど名須川晋委員も質問していらっしゃいましたけれども、私は、運転者にとって大変危ない状況がたくさんあらわれてくる場面、それが現在どんどん整備されている道路網の特徴でもあると思っております。別にけなしているわけではありません。
 縦軸に三陸沿岸道路、そして横軸に宮古盛岡横断道路、さらに釜石自動車道と、そこに東北自動車道が絡んで非常に複雑な、ハイスピードな県内の交通網が今完成しつつあります。
 とりわけ制限速度が70キロメートル、ところにより80キロメートル、そういう区間が三陸沿岸道路や釜石自動車道など、大半の区間が1車線です。1車線ということは追い越してもらえないわけですね。私はよく沿岸を往復しますのでこの道路状況を知っているのですけれども、私が制限速度を守って走ろうとしても、ほとんどの運転者が90キロメートルから100キロメートル以上ですっ飛んで行きます。そうしますとどうなるかといいますと、前を70キロメートルで走っていれば、これはあおり運転がほぼ確実にあらわれます。追い越してもらいたいのだけれども、なかなか追い越し車線があらわれないのが実情です。
 こうした速度の違う、意識の違う運転者が同じ1車線の中に混在することの危なさ。これに対して、県警察本部は安全確保のためにどういう措置をとっていこうとお考えでしょうか。
〇佐々木交通部長 ただいま委員から御指摘がありましたが、事実、私も何度か、回数は少ないですけれども、私も当然速度を守って走るので、後ろから結構あおられると言えばあれですが、どうしても先を急いでいる人もいるだろうし、中には規制そのものが、2キロメートル間隔ぐらいでその可変標識は立っているのだけれども、例えばその間、乗って間もなく標識を見落としてしまって、その結果、なれない人だと高速道路と勘違いして、100キロメートルまで出していいのかというような感じで出される方、いろいろな方々がいると思います。
 いずれ、自動車専用道路は、当然ちょっとでも急ハンドルになったり急ブレーキになってしまえば、ガードレールも右左近いので悲惨な結果を招きかねないということで、供用前は、地域の方々にしっかりといろいろな危険な場面を想定して、アドバイスをしたり教育をしたりという部分をやってきました。あと県内広く、一般的ではあるのですが、いろいろな法定講習、更新時講習であったり、あるいは安全管理者講習といった部分で、速度のみならず、規制を守ることの重要性は、これからもしっかり徹底してやっていかなければならないとは感じております。
〇上原康樹委員 私的には、パトカーや白バイによる制限速度走行の姿を見せるだけでも、制限速度で走っている人たちにとってみれば物すごく安心材料になると思うのです。こういう速度で走るのだよということを警察の車両が示しながら走っていくことも、一つの手だとは思います。あるいは、あおり運転の牽制にもなると思います。
 それから、もう一つ質問させていただきます。どんどん完成していく道路ですけれども、配慮に欠けた道路があちこちに見られます。前も私は三陸沿岸道路の宮古中央インターチェンジの話をしましたけれども、あそこの危なさは使うたびにわかってきます。国道106号から宮古中央インターチェンジへ、つまり三陸沿岸道路に合流するために向かって、あそこの合流には信号機もありません。ただその合流するためのスペース、すき間があいているだけなのです。
 宮古中央インターチェンジにさあ入るぞというときに、右に行くにしても左に行くにしても、北に行くにしても南に行くにしても、見通しが余りよくないのです。特に山田方面はカーブしている。すぐ目の前がカーブなのです。そのカーブが、山田のほうからこうぐーっと上がってくる。つまり車両の姿が余りよく見えないのです。ですから、合流しようとするときに、100%安全確保、確信を持てないまま合流するドライバーがかなり多いのではないかと思います。これはいつか事故が起きるのではないかという嫌な予感がしております。
 そういう場所があることを把握されていますか。
〇佐々木交通部長 今、委員御指摘の宮古中央インターチェンジは、供用開始の日のセレモニーに本部長の代理で私が出席させていただいて、その開通のときに初めて走ったのですけれども、その後、一、二度走りましたが、確かに、なれないとなかなか大変なのかなというところが率直な気持ちです。
 いずれ、道路の整備は国土交通省であったり、関連する県土整備部も関連交差点などをやっているのですが、先ほどの答弁でもお話ししたとおり、警察は、関連する交通規制に関してしっかりやらなければならないという部分があって、ただ、道路を管理する道路管理者と、そこを走る車を管理する交通管理者の我々が、しっかり連携しなければならないと思っています。
 委員の御指摘も踏まえまして、まだまだわかりづらい、危ないのではないかというところはあると思います。現に、沿岸地域の警察署にも、危ないのではないかという形で、同じ箇所に多く話があると、これはやっぱり危ないのだろうという形で、具体的に改修の作業につながったりするのでしょうけれども、いずれ、ちょっと取りとめもない話になってしまいましたが、道路管理者と連携しながら、復興道路、復興支援道路が安全に使われていくように、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
〇上原康樹委員 取りとめのない質問になってしまったかもしれませんけれども、いずれにしても、道路管理者との連携を途絶さず、絶えず続けながら点検をして、そして、交通安全に力を尽くしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇岩渕誠委員長 ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇岩渕誠委員長 質疑がないようでありますので、これで警察本部関係の質疑を終わります。
 警察本部の皆様は御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後5時59分 散 会

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