令和2年9月定例会 第10回岩手県議会定例会会議録

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〇18番(佐藤ケイ子君) 希望いわての佐藤ケイ子でございます。
 発議案第1号核兵器禁止条約の批准を求める意見書について、提案理由を申し上げます。
 これまで岩手県議会は、平成29年3月に核兵器禁止条約の交渉会議への参加と条約実現への努力を求める意見書を可決し、また、平成29年10月には、核兵器禁止条約に速やかに署名し批准することを求める意見書を可決し、政府、関係機関に送付しております。また、ことし3月には、県内33市町村全てで同様の意見書が可決されております。
 このように、県内全ての議会で意見書が可決されたことは、被爆者の苦難の歴史に思いをいたし、さらなる被爆者を出さないでほしいという多くの県民の願いと良識が示されたものです。菅義偉政権にかわった今こそ、政府は核廃絶を願う国内や世界の声に応えるときだと思います。
 さて、核兵器禁止条約は、2017年7月、122カ国の賛成で採択され、核廃絶や平和への願いを世界に発信し続けてきた広島、長崎の被爆者の思いが酌み取られました。条約の発効には、50カ国と地域が批准し、90日後に発効されますが、これまでに46カ国の地域が批准し、発効目前というところまで来ています。
 日本政府は、本来であれば、唯一の戦争被爆国として、核廃絶に向け先頭に立って条約への参加を果たし、他国にも参加を促していくべきだったにもかかわらず、条約に不参加の姿勢を貫いています。核兵器の廃絶を求める国際世論に逆行するだけでなく、被爆者の悲願に背を向けています。
 また、米ロのINF─中距離核戦力全廃条約は2019年に失効、ことしのNPT─核不拡散条約再検討会議は1年間延長され、新START─新戦略兵器削減条約は2021年2月の期限切れに対し、延長交渉が難航しており、世界の核兵器廃絶に向けた動向は停滞しています。
 被爆国である日本は今こそ、米国の核の傘や核抑止力に依存するのではなく、核兵器廃絶に向けた強いイニシアチブを発揮するときであり、核のない世界を目指す姿勢を積極的に発信し、核使用禁止の国際的機運を高めるべきであります。
 以上、本意見書案において、核兵器禁止条約を署名、批准することと、核兵器保有国に対して被爆国として署名、批准を促すことを国に要望するものであります。
 委員各位の御理解と御賛同を賜りますようお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。(拍手)
〇議長(関根敏伸君) これより質疑に入るのでありますが、通告がありませんので、質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております発議案第1号核兵器禁止条約の批准を求める意見書は、会議規則第34条第3項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
〇議長(関根敏伸君) 御異議なしと認めます。よって、発議案第1号核兵器禁止条約の批准を求める意見書は、委員会の付託を省略することに決定いたしました。
 これより討論に入ります。
 通告がありますので、発言を許します。佐々木茂光君。
   〔35番佐々木茂光君登壇〕

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