令和2年9月定例会 決算特別委員会会議録

前へ 次へ

令和2年10月21日(水)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 嵯 峨 俊 幸
議事管理担当課長 藤 枝   修
主任主査 千 葉 絵 理
主任主査 糠 森 教 雄
主査 鈴 木   忍
主査 阿 部 真 人
主査 赤 坂 宏 紀
主査 鈴 木 貴 博
1説明員
企画理事兼
環境生活部長 藤 澤 敦 子
副部長兼
環境生活企画室長 小 島   純
環境担当技監兼
廃棄物特別
対策室長 佐々木 健 司
若者女性協働
推進室長 高 橋 久 代
環境生活企画室
企画課長 高 橋 利 典
環境生活企画室
管理課長 及 川 博 英
温暖化・エネルギー
対策課長 高 橋 光 羊
放射線影響
対策課長 前 田 敬 之
特命参事兼
ジオパーク
推進課長 菊 池   学
環境保全課
総括課長 黒 田   農
資源循環推進課
総括課長 佐々木 秀 幸
自然保護課
総括課長 谷 藤 親 史
県民くらしの
安全課総括課長 新 沼   司
県民生活安全課長 武 蔵 百 合
消費生活課長 藤 本 さとえ
廃棄物施設
整備課長 加 藤 研 史
特命参事兼
青少年・男女
共同参画課長 高 井 知 行
特命参事兼
連携協働課長 高 田   聡

労働委員会
事務局長 井 上   馨
参事兼審査調整課
総括課長 蛇 口 秀 人

商工労働観光部長 戸 舘 弘 幸
副部長兼
商工企画室長 平 井 省 三
定住促進・雇用
労働室長 小 原 由 香
ものづくり自動車
産業振興室長 瀬 川 浩 昭
観光・プロ
モーション室長 高 橋 孝 政
商工企画室
企画課長 似 内 憲 一
商工企画室
管理課長 星 野 俊 一
新産業育成課長 藤 村 真 一
経営支援課
総括課長 関 口   等
産業経済交流課
総括課長 橋 場 友 司
地域産業課長 竹 花 光 弘
雇用推進課長 田 中   聡
労働課長 金 野 賢 治
特命参事兼
ものづくり産業
振興課長 十良澤  福 志
自動車産業
振興課長 小 野 和 紀
産業集積推進課長 金 野 拓 美
プロモーション
課長 千 葉 敬 仁

会計管理者 永 井 榮 一
会計課総括課長兼
会計指導監 大 塚 貴 弘

監査委員 寺 沢   剛
監査委員 沼 田 由 子
監査委員事務局長 小 畑   真
参事兼監査第一課
総括課長 小 守 健 一
監査第二課
総括課長 佐々木 昭 司

参事兼財政課
総括課長 小 原 重 幸
〇菅野ひろのり委員長 これより本日の会議を開きます。
 郷右近浩委員は、おくれるとのことでありますので、御了承願います。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、議案第37号及び議案第38号の以上17件を一括議題といたします。
 本日は、環境生活部、労働委員会及び商工労働観光部関係について延べ29人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は20分といたしましたので、議事進行に御協力をお願いします。
 なお、関連質疑については目安時間を10分とし、また、前日同様、換気のため休憩いたしますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、環境生活部長に環境生活部関係の説明を求めます。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 令和元年度の環境生活部の決算について御説明申し上げます。
 なお、本年4月より、配偶者暴力防止対策関係事業を保健福祉部へ移管しておりますので、これから御説明申し上げますものは、現在、当部が所管している内容であることを御了承願います。
 初めに、当部所管の事務事業に係る取り組みと成果及び、今後の取り組み方針について、総括的に御説明申し上げます。
 当部では、東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてを目指し、いわて県民計画(2019~2028)に掲げる政策の着実な推進に取り組んでまいりました。
 まず、復興推進関係についてでございますが、災害に強く安全で安心な暮らしを支える防災都市・地域づくりに向けまして、防災拠点や被災家屋への再生可能エネルギーの積極的な導入を進め、災害時にも対応できる自立・分散型のエネルギー供給体制の構築に取り組みました。
 また、放射性物質の影響対策として、環境放射能のモニタリングや測定結果の情報発信などを行ったほか、市町村などとも連携し、東京電力による損害賠償の実現に向けた取り組みを進めてまいりました。
 さらに、観光資源の再生への支援と新たな魅力の創造に向け、三陸ジオパークの魅力を発信できる人材の育成などにより、ジオパークを核とした交流人口の拡大に取り組みました。
 続きまして、政策推進関係でありますが、家族・子育ての分野では、健全で自立した青少年の育成のため、困難を抱える若者の自立を支援したほか、青少年活動交流センターを拠点とした世代間、地域間交流などを通じ、青少年が愛着を持てる地域づくりに取り組みました。
 居住環境・コミュニティの分野では、快適で豊かな暮らしを支える生活環境づくりに向け、市町村などが実施する水道施設の耐震化や老朽化対策などを支援しました。
 安全の分野では、事故や犯罪が少なく、安全・安心に暮らせるまちづくりに向け、高齢者及び子供の交通事故防止、性犯罪などの被害者に対する支援や消費生活相談体制の充実などの取り組みを実施したほか、食の安全・安心を確保し、地域に根差した食育を進めるため、事業者への食品表示の監視やリスクコミュニケーション、食育に対する県民理解の推進のための普及啓発などに取り組みました。
 自然環境の分野では、多様ですぐれた環境を守り、次世代に引き継ぐため、希少野生動植物の生息環境の保全や鹿などの野生動物による被害防止対策の推進、自然公園施設の整備を進めたほか、環境学習交流センターによる講座の開催などにより、県民の環境学習を推進してまいりました。
 また、循環型地域社会の形成に向け、廃棄物の発生抑制や再使用、再利用の推進、産業廃棄物の不適正処理の未然防止及び青森県境の産業廃棄物不法投棄事案の原状回復、公共関与による新たな産業廃棄物最終処分場の整備に取り組んだほか、地球温暖化防止に向けた低炭素社会の形成に向け、再生可能エネルギーの導入促進や水素の利活用を推進するためのセミナー、気候変動対策に関するシンポジウムなどの開催など、普及啓発に取り組みました。
 参画の分野では、性別や年齢にかかわらず活躍できる社会をつくるため、男女共同参画センターを拠点とした学習機会の提供やLGBTへの理解促進に取り組んだほか、いわてネクストジェネレーションフォーラムや、女性活躍に向けた研修会の開催など、若者や女性が活躍できる環境づくりに取り組みました。
 今後におきましても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策に取り組みながら、いわて県民計画(2019~2028)に掲げる政策の着実な推進を図ってまいります。
 続きまして、令和元年度の当部関係の決算の概要について御説明申し上げます。お手元の令和元年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。
 環境生活部関係の決算は、今年度より保健福祉部へ移管した配偶者暴力防止対策推進事業費を除く、3款民生費2項県民生活費と4款衛生費2項環境衛生費、16ページに参りまして、12款公債費1項公債費の一部と13款諸支出金2項公営企業負担金の一部であり、予算現額の総額は116億1、616万円余、これに対する支出済額の総額は101億6、607万円余であります。
 12ページにお戻りいただきまして、令和2年度への繰越額は、環境衛生費の8億8、838万円余であります。
 決算の内容につきましては、令和元年度歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で環境生活部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇菅野ひろのり委員長 これより質疑を行いますが、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 東日本大震災津波からもうすぐ10年目となりますけれども、この岩手県の沿岸地域、ひいてはオール岩手が随分疲弊をしていると思っておりまして、こういうものに活を入れる意味でも、オール岩手の観点から何かないかなと思いながら、国の力もいただくべきだと思っております。そういう観点で質問をさせてもらいたいと思います。
〇菅野ひろのり委員長 伊藤委員、マスクをつけてください。
〇伊藤勢至委員(続) ちょっと息が詰まる。静かにしゃべるから。
 まず、みちのく潮風トレイルの維持管理についてお伺いいたします。
 みちのく潮風トレイルとは、東日本大震災津波後、持続可能な地域づくりを目指すとともに、豊かな自然と地域の暮らしを未来に引き継ぐため、グリーン復興ビジョンを策定し取り組みを進めてきた、その一つがみちのく潮風トレイルであるとしております。そしてこれは、環境省肝いりの事業であります。青森県八戸市から福島県相馬市まで4県28市町村をつなぐ1、000キロメートルのロングトレイルであります。
 トレイルということでありますから、遊歩道あるいは散策路と訳したほうがいいのかもしれませんが、今、観光旅行の形態が変わってきておりまして、例えば夫婦連れで2人、あるいはペアで、あるいは家族連れという小単位の旅行もふえてきております。そういう人たちにとっては、三陸沿岸、あるいは福島県まで続くこのトレイルは非常に大きな魅力を持って、これからふえていくものと思っております。
 そこでお伺いしますが、この維持管理については県、市町村が分担して取り組んでいると思います。田野畑村から県への統一要望にもあったと思いますけれども、北山崎あるいは鵜の巣断崖のインフォメーションセンター、ビジターセンターなどの設備、主にトイレが入っておりますが、その改良、それから、転落防止柵の補修などの要望が出ていると思うのですけれども、この対応はどのように考えておられますか、まずお伺いします。
〇谷藤自然保護課総括課長 北山崎園地内の施設に関する要望への対応についてでございますが、今年度の市町村要望におきまして、田野畑村から北山崎園地内の2カ所のトイレの洋式化、及び、第二展望台の柵や手すりの補修などにつきまして、要望をいただいているところでございます。
 自然公園施設の再整備につきましては、県内の多くの市町村から再整備や補修の要望を受けておりまして、施設の利用状況や現地調査による老朽化や損傷の状態を把握し、施設の安全確保を優先して整備を進めているところでございます。
 加えて、令和2年度におきましては、令和元年台風第19号により大きな被害を受けた、みちのく潮風トレイルを含む三陸復興国立公園の再整備を第一に進めているところでございます。
 このため、要望をいただいております北山崎園地に係る施設の再整備につきましては、自然環境整備計画に位置づけて、遅くとも令和4年度までには国の交付金を活用して整備を進めていく予定としております。
〇伊藤勢至委員 鵜の巣断崖の転落防止柵は、何か事があってからでは遅いので、200メートルの断崖ですから、東尋坊なんていうのははるかに及ばない日本でも有数の断崖絶壁でありますので、こういうところは優先的にやっていただきたいと思います。
 それから、トイレを改修してほしいという声が多いわけでありますけれども、洋式化にしてくれという要望とプラスして、ウオシュレットは今や世間的には標準仕様になっているはずなのですよ。そして、この際、オストメイト仕様というのも加えたほうが、岩手県のイメージアップにつながると思いますけれども、そういう考え方はおありでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 自然公園内のトイレの仕様についてでございますが、自然公園内のトイレは、快適に自然公園を満喫していただくための重要な施設でございまして、特に洋式化につきましては、高齢者の利用やインバウンド対策の観点からも、早期に取り組んでいく必要があると認識しております。
 また、トイレの環境整備につきましては、バリアフリー対応や、ユニバーサルデザイン化の推進が求められておりますことから、オストメイト対応の施設など、観光客の受け入れ環境の整備を計画的に進めていきたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 岩手県内には二つの国立公園、三陸復興国立公園、十和田八幡平国立公園、そして、国定公園も二つあります。栗駒国定公園、早池峰国定公園。そして、この四つは、いずれも環境省が管理といいますか運営をしているものですね。
 先ほど言いました潮風トレイルは、東日本大震災津波で被災した3県にまたがっている道路であります。したがいまして、これは県の単独ではなかなか難しいと思いますので、環境省の支援をいただいてやっていくべきだ。その理論は、東日本大震災津波で被災したところを手直しあるいは応援していくのだという、大義名分があろうと思います。
 それともう一つは、安倍内閣が退陣をして菅内閣が誕生して、環境大臣は、前にやっていた人になりました。この人は、何か成果を上げたくているのですよ。恐らくその前に東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放流の問題が出てくるかもしれませんが、それは置いておいて―ただ、私は個人的には、これは大反対であります。というのは、福島県沖を流れている海流は黒潮、暖流とも言いますが、三陸沖で蛇行してアメリカのサンフランシスコまで流れていくのです。そして、サンフランシスコに行きますと、北米反流という流れに乗って南米のチリのあたりまで下がるのですね。そして、さらには、赤道反流という流れに乗ってまた九州に帰ってきて、つまり黒潮は太平洋を循環しているのですね。そのうち議論になると思いますが、私はそういうことを考えた上での対応をしていただきたいと思います。
 これは置いておいて、今、一つぐらい何か成果を上げたいと思っている環境大臣に、福島県、岩手県、宮城県の国立公園、国定公園のトイレのウオシュレット、それからオストメイト仕様をぜひやっていただきたい。あの人はすぐ飛びつくと思いますよ。そういう力もかりながらやっていくべきと思いますが、いかがでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 国立公園などのトイレの改良についてでございますが、県では、主要な観光地である国立公園及び国定公園のビジターセンター、それから、登山道や山頂の避難小屋などにトイレを設置しておりまして、観光客や登山者に利用していただいているところでございますが、現在、県が管理する施設は、残念ながら和式トイレが多くなっている現状にございまして、順次洋式化を進めていく必要がありますことから、早期の整備が図られますよう、十分な予算の確保について、国に対して要望してまいりたいと考えております。
〇伊藤勢至委員 最後にしますが、環境省にお願いに行ってもし断られたら、やぼなことを言わないでやってくださいと、お願いをしていただきたいと思います。終わります。
〇城内よしひこ委員 私からは、交通安全指導費についてお伺いしたいと思います。
 これまで、死亡者が1万人を超える昭和の初めのころの時代があって、まさに交通戦争と言われる時代がありました。それから、交通安全というのが自動車社会から注目をされてきたわけですが、今日、コロナ禍、また高齢化の中にあって、自転車が見直されてきています。
 高齢者の方々も免許を返納して自転車に乗る。そういった中にあって、自転車事故というのも多くなってきました。特に、高齢者に起因する事故がふえています。死亡事故の絶対数というのは、おかげさまで減ってきてはいますけれども、この死亡事故を防ぐために、自転車等の安全対策指導は大事だと思っています。小中高ぐらいまではいろいろな形で政策が行き届くわけでありますが、大人になってからというのはなかなか難しい。そういったことをしっかりと県として取り組まなければならないのではないかと思っています。
 これまでの安全指導費の内容等は十二分に理解をしつつ質問するわけでありますが、今後そういった問題意識を持ちながら課題解決をするべきではないかと思うのですが、その辺の指導のあり方というのはどのように考えているか、お伺いしたいと思います。
〇武蔵県民生活安全課長 自転車の安全指導についてでありますが、本県の自転車事故発生件数は、過去5年間はほぼ横ばいで推移しておりますが、自転車事故死傷者における高齢者の割合は25.1%と、全国よりも高い状況にございます。
 自転車の安全な利用につきましては、各市町村の交通指導員による街頭指導や交通安全教室などにおいて、点検整備やヘルメットの着用などの事故防止に向けた意識向上のための取り組みが行われております。また、昨年度は、老人クラブの研修会や地域の高齢者の会合などに職員を派遣いたしまして、高齢者の事故防止に関する講話などの取り組みも行っております。
 さらに、県や警察本部、企業等で構成いたします岩手県交通安全対策協議会におきましては、正しい交通ルールを守る県民運動の取り組みの一つとして、自転車安全指導の日などの設定や、高校生テレビCMコンテストにおける自転車部門の設定、あるいは小中学生を対象といたしましたポスターコンクールの実施、さらに、高齢視聴者をターゲットとしたラジオ番組の放送などの取り組みも行っているところです。
 委員御提案のとおり、これまで高齢者の事故防止に重点を置いた取り組みの割合といたしましては、相対的には高くないという状況もございますことから、高齢者の事故防止の運動を進める中で、自転車事故防止の意識を高めるための普及啓発など、安全利用に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、その取り組みをお願いしたいと思っております。これまで、交通安全については、交通指導、取り締まりというように多分分野が分かれていて、取り締まりのほうは警察がする。指導は、民間や、先ほどの交通安全対策協議会などがその役割を担ってきていると思っています。
 交通安全に対する意識というのは、日本中、そして県民も高まってきております。ただ、いずれ高齢になってくると、勝手気ままに斜め横断をしたりということもあったり、後ろの安全確認等もしなくなったりするというのが、往々にして事故の起因であるようでありますので、そういったことをしっかりと―先輩方に対して指導というのはなかなか難しいかもしれません。そこを徹底していかないと、県民の安心・安全は保たれないのではないかと思うところであります。ぜひ、そういうところもしっかりと取り組んでほしいと思います。
 あわせて、最近、スポーツバイクというのですか、速い―原付バイクは法定速度が30キロメートルと定められていますが、スポーツバイクは60キロメートルぐらい出るのですね。そういう自転車が結構道路を走っていて、なかなか危ないなというところもあります。追い越し、追い抜きというのも結構大変な状況にありますので、そういったことも指導してほしいと思っております。
 この件については警察本部の際にも取り上げましたが、なかなかその対応は難しいという話をされましたので、とするならば、そういった方々に対しても交通指導、そして、あわせて啓発運動も対象にしてほしいと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
〇武蔵県民生活安全課長 御提言いただきました、例えば性能の高い自転車の普及ですとか、またコロナ禍において自転車の利用が高まるといった状況の変化は、十分踏まえて対応すべきものと考えております。
 既存の高齢者を対象とした教室あるいは普及啓発に加えて、こういった自転車に重点を置いた取り組みも、いろいろ工夫しながら取り組んでまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、その点については、本当にお願いしたいと思います。
 次に移ります。希少野生動植物対策保護費であります。本来であればシリーズものとして鹿、熊をやるのですけれども、きょうはハヤチネウスユキソウについてお伺いしたいと思います。
 ハヤチネウスユキソウは、鹿等が、食害と言いますか、食べる可能性があるのではないかとこれまでも言い続けてきたところですが、現状、ハヤチネウスユキソウはどのように推移しているのかお伺いします。
〇谷藤自然保護課総括課長 ハヤチネウスユキソウの状況についてでございますが、県では、ハヤチネウスユキソウの生育状況を把握するため、平成21年度から早池峰山に7地点の調査ポイントを設定して、モニタリング調査を実施しているところでございます。令和元年度の調査では1、021株となり、前年度の748株に比べ274株増加の結果となっております。
 また、ニホンジカによるハヤチネウスユキソウへの影響につきましては、令和元年度に県立博物館の主任専門学芸員が行った調査では、ナンブトラノオなどの食害は見つかっておりますが、ハヤチネウスユキソウの食害は、現時点で確認されていないと報告されております。
 また、加えて、県では、入山者による盗採防止のための巡視やパトロール等を行っておりまして、今後も継続的なモニタリング調査や巡視活動等を行いながら、保護対策に努めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 これまでは人による盗掘でなくなるほうが多かったということでありましたが、今後は、鹿による食害というのは、十二分に注意を払っていかなければならないのではないか。まさに希少植物でありますので、これが早池峰山からなくなってしまうと、早池峰山の価値が半減してしまうと言っても過言ではないと思います。人が盗むのは犯罪ですが、鹿が食うのは、それも犯罪なのだけれども、逮捕しろと言うわけにいかないので、駆除を徹底することになるのだと思います。ぜひ、その点についてはこれまで以上に配慮してほしいと思いますが、その点いかがでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 貴重な早池峰山の高山植物の対応につきましては、県でもセンサーカメラ等を設置してその動向等を調査しながら、対応に当たっているところでございます。また、鹿の高山植物への影響も踏まえて捕獲対策なども進めておりますので、あわせて保全対策に努めてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 最後にしますけれども、森林管理署等の方々とネットを張ったりして、鹿の道筋といいますか、来るものは拒めないということでやっているようではありますが、それも試験的にやっているということのようで、鹿が逆に拡散するのではないかという話を保護団体の方からお伺いしています。そういったことも少し研究をして、鹿が登らないような方策をとってほしいと思います。その辺をお願いして、終わりたいと思います。
〇高橋但馬委員 岩手県における住宅宿泊事業法に基づく届け出の件数について、平成30年度と令和元年度を比較すると、施設数が27施設から52施設と約倍になっています。届け出年月日を見ると、緊急事態宣言中には出ていないのですけれども、解除された5月14日から、私の資料では9件届けが出されておりますが、県内におけるコロナ禍の民泊への影響についてどう考えていますか。
〇新沼県民くらしの安全課総括課長 コロナ禍の県内の民泊事業への影響のお尋ねでございます。
 観光庁が公表しております住宅宿泊事業の宿泊実績によりますと、今年度の実績が公表されている4月から7月までの本県の宿泊人数は193人でございます。昨年度同期の702人と比較して3割弱に減少しているところでございます。
 また、住宅宿泊事業の届け出の状況につきましては、今年度上半期と昨年度上半期の状況を比較しますと、昨年度同期の15件に対しまして、今年度は委員御指摘のとおり9件であり、6割に減少している状況でございます。
 なお、届け出の受理や事業者への指導監督を行っております広域振興局保健福祉環境部及び保健福祉環境センターに聞き取りした調査結果によりますと、コロナ禍の民泊への影響としては、感染を懸念しておやめになるというのが1件あったほか、営業を一時お休みになる事業者ですとか、新規に届け出をしたいけれどもちょっとちゅうちょしている事業者がいるということで、一定の影響があるものと考えております。
〇高橋但馬委員 事業廃止の件数とその理由についてお知らせください。
〇新沼県民くらしの安全課総括課長 事業廃止の件数と理由についてでございます。
 県内の事業廃止件数でございますが、平成30年度が6件、令和元年度が2件、今年度が9月30日時点で2件の、計10件となっております。
 事業廃止理由につきましては、広域振興局に聞き取り調査をした結果でございますが、旅館業の営業許可を新たに受けることとしたのが2件、また事業者の方がお亡くなりになったところが1件、あとは、開設したけれども宿泊者がいないということでおやめになった方が1件、先ほど申し上げましたが、新型コロナウイルス感染症の感染を懸念したものが1件、住宅の利用方法を変更する等事業者の自己都合によるものが5件となっているところでございます。
 新型コロナウイルス感染症を理由とした廃止は1件ということですから、事業廃止の面からは、影響は少ないのではないかと考えているところでございます。
〇高橋但馬委員 私の前任期のときに、盛岡地域のほうで騒音等の問題があって、周辺住民から苦情が出ていたというのは承知しているのですけれども、その苦情の状況と、また違法民泊についてどのようになっているかお願いします。
〇新沼県民くらしの安全課総括課長 騒音、また、周辺住民からの苦情の状況と違法民泊の状況でございます。
 これも広域振興局からの聞き取りでございますが、騒音等、周辺住民からの苦情の状況については、平成30年度に1件ございました。広域振興局の職員が立入検査をしまして、当該事業者に対して指導し、改善が図られたところでございます。
 違法民泊につきましては、今のところ、特に確認されていないところでございます。
 今後も、騒音等、生活環境悪化の防止や違法民泊の取り締まりのために、適切な指導監督及び監視を行ってまいりたいと考えております。
〇高橋但馬委員 承知いたしました。民泊のサイトを見ても、県内の民泊に泊まった方の満足度は割と高く出ている傾向にあったので、いずれ周辺の住民から苦情が出ないような形で、広域振興局と協力しながらやっていただきたいと思います。
 これは質疑ではないですけれども、他県の例として、民泊施設を災害の避難所に活用するという取り組みがあります。これは、県ではなく各市町村の対応になると思うのですけれども、東日本大震災津波や台風災害が起きている本県として、シームレス民泊というのが国や各自治体の連携で生まれ始めているということでありますので、各市町村に情報提供という形でやっていただければと思います。以上で終わります。
〇ハクセル美穂子委員 私からは、若者文化振興事業費についてまず御質問をさせていただきます。
 若者の活躍を支援する取り組みとして、平成26年度からいわて若者文化祭を5回開催されて、昨年度、令和元年度はネクストジェネレーションフォーラムというように形を変えて継続されている事業です。
 このいわてネクストジェネレーションフォーラムは、成果に関する説明書のほうで、非常に来場者数が減っているという結果が出ているのですけれども、この来場者数が伸びなかった要因をどのようにお考えか。
 それから、この事業については、ネクストジェネレーションフォーラム単体に使った事業費が出ていないので、その点、単体に活用された事業費についても、あわせてお知らせください。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 いわて若者文化祭に関する御質問でございます。
 いわて若者文化祭は、若者が取り組むさまざまな活動の成果を発表し交流する機会としまして、先ほど御紹介いただきましたとおり、平成26年度から開催してきたところでございますが、昨年度は、多様な分野で活躍する若者が議論を交わして新たな活動につなげる場として、いわて若者会議との統合を図りまして、いわてネクストジェネレーションフォーラムという形で一体的に開催させていただいたところでございます。
 このいわてネクストジェネレーションフォーラムについては、多様な分野で活躍する若者同士の交流促進やネットワークづくりをより重視する性格に見直したこと、それから、会場を屋内に一本化したこと等によりまして、昨年度の来場者は減少したところでございますが、閉幕イベントの後に実施した交流会の取り組みなどによりまして、地域、学校、職場を超えた新たな若者のつながりが生まれたと認識しているところでございます。
 もう一点御質問がございました事業費についてですけれども、1、070万円余で実施したところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 県の認識としては、当初5、000人を見込んでいた来場者数が、実際は1、685人で3、000人強減ったけれども、何か新たなつながりが生まれたから事業としてはよかったという評価をされているということでよろしいですか。確認です。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 多くの方々に取り組みなどを知っていただくために、たくさんの方に見ていただくことも指標としては大事だと思いまして、それも目指して取り組みを進めておりますが、先ほども御紹介いたしましたネットワークづくりとか交流も重視しておりまして、そういう面で、一定の成果はあったものと認識しております。
〇ハクセル美穂子委員 その生まれたネットワークというのは、今年度の事業には生かされているのでしょうか。その点について、もし生まれたところから新しい何か具体的な事業が進んでいるのだよというような兆しがあるのであれば、それについても御紹介いただきたいと思います。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 ネットワークづくりという御質問でございます。ことしもまたネクストジェネレーションフォーラムということで秋に開催いたしますが、そちらのほうに去年参加していただいた方々もまた参加していただくなど、取り組みが継続しているところでございます。
〇ハクセル美穂子委員 1、070万円を活用して行ってきた。いわて若者文化祭のときから6回、6年継続してきてつながりができたので、来年もまたこのネクストジェネレーションフォーラムに出てもらえるというような弱いつながりだけに、ある意味多額な費用をかけていくというのは、本当に事業効果があるのかどうか、私はすごく疑問に思っています。その点について、選択と集中をするというようなことを、毎年毎年、予算をつくられるときに出されていますけれども、どれが選択に該当するのか、集中するべきところに該当するのか、私は見ていて余りよくわからないなと、いつも思っているのです。これは事業効果としてもかなりおかしいところがあるのではないかと思っています。
 そこで、ちょっと監査委員にお聞きしたいのですけれども、こういうD評価で、同じ予算をずっと使ってきてなかなか結果が出ないという事業について、監査委員はどのような評価をされているかお伺いしたいと思います。
〇寺沢監査委員 確かに評価が悪い場合にどうするかというのはあると思うのですが、これについては、皆さんの御意見をよく聞いてフィードバックする必要があると思います。まずその作業をやっていただく必要があると思います。
〇ハクセル美穂子委員 そうですね。貴重な意見をいただいたと思います。さまざまな方の意見をいただいて、それをフィードバックして、また事業としてどこが直すべき点なのかというのを見直していくというのは、絶対必要なことだと、私も思います。
 これについては、若者目線で大人がつくっているようなフォーラムなのではないかと私は思っています。若者が実際にやりたいことを大人が支援するような、失敗をしたとしても、そこで得るものがあるはずなので、若者が本当にやりたいことは何なのかということをきちんと若者からリサーチした上で、こういったイベントをするべきではないかと考えるのですけれども、その点については今後どのように持っていこうとお考えなのか、もう一回お伺いいたします。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 若者の意見を取り入れるにはという御質問でございます。
 このネクストジェネレーションフォーラムですが、企画部会ということで、大学生などを中心とした意見をもらう組織体に協力をしてもらっております。企画部会は大学生や専門学校生などで構成しているものでございますけれども、そういった部会員の皆さんの意見を聞くなどしながら、先ほどもお話がありました、よりよいものにしていくということは大事だと思います。今後とも見直しをしながら進めていきたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 企画部会の中で意見を聞きながらということですけれども、例えば、いろいろな取り組みの中で、今はクラウドファンディングとか、自分の思いをSNS上でこういうふうにしたいのだというので資金をきちんと集めて、それをプロジェクトにするということをどんどんやっている若者が全国にいっぱいいるわけです。そういった若者のちょっと先輩の若者から、例えば地域貢献のためのプロジェクトを一緒にやろうというように仕掛けてもらうとかですね。たとえクラウドファンディングがうまくいかなくても、達成感とか他者貢献ですね、自分のアイデアが地域のために役立ったのだなという達成感みたいなものを持たせてあげられるように、大人が表に立って引っぱるのではなくて、支えるようなプロジェクトに予算を使っていっていただきたい。
 留学とかそういうことでもいいのかもしれないし、私はいろいろな若者や自分の子供たちとも話をしますけれども、私とはまた全然違う感覚で世の中を見ています。その世の中を見た子供たちが、こうすればよくなるのではないかと、私も気づかされるようなことを話したりしますので、ぜひともそういう意見がどんどん出るような機会を与えていただいて、その上で若者が活躍できる、その支援をする取り組みにこの1、070万円という大きな大きなお金を使っていただきたいと思いますが、部長の所見をお願いいたします。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 ただいま委員からさまざまな御提言をいただきました。このネクストジェネレーションフォーラムでございますが、私ども、若者の皆様にたくさん参加していただきたいということで―その若者の皆様といいますのは、地域づくりですとか、あるいは企業、あるいは文化活動など、さまざまな活動をされている皆様に参加をしていただいて、活動を活性化させ、あるいはネットワークをつくっていただくことなども目的としております。このネクストジェネレーションフォーラムへの参加を通じてネットワークをつくっていただくこと、あるいは今年度のネクストジェネレーションフォーラムにつきましては、新型コロナウイルス感染症対策なども踏まえまして、これまでの会場での発表のほか、オンラインの配信を組み合わせて、遠方からでも多くの方々が参加することが可能な形になっております。
 また、今年度は、若者の関係人口の構築による地方創生といった全体のテーマを設けまして、この場で集まってディスカッションしていただこうという試みもしているところでございます。いずれこの事業費を最大限活用して、岩手の若者の活性化を図っていければと思っておりますので、そういう所存で取り組んでまいりたいと思います。
〇ハクセル美穂子委員 ぜひ、ネクストジェネレーションフォーラムの取り組みから、岩手を代表するようなプロジェクトが生まれて、それがさらに発展していくような流れになっていきますようにお願いをして、次の質問に移りたいと思います。
 三陸ジオパークについて質問をさせていただきます。要点だけ手短に。
 三陸ジオパークは再認定になりまして、認定期間は4年間となりました。本当によかったなと思っています。これまで鋭意取り組んでくださったおかげだと思いますが、この三陸ジオパークが再認定となって、これまで一生懸命活動してきたノウハウというものがたくさんあると思いますので、これをぜひ県内のほかの自然公園とか国立公園の周辺の市町村の取り組みに活用していくべきではないかと思っています。三陸ジオパークで培った知見を県内の他地域に生かしていくべきと考えていますが、その点について、今後どのように進めていくのか伺いたいと思います。
〇菊池特命参事兼ジオパーク推進課長 三陸ジオパークについてでありますが、三陸沿岸各地のジオサイトで、保全活動に加えまして、その成り立ちを理解するための学習会の実施のほか、ジオパークの魅力を伝える住民主体の自発的な活動が見られるなど、エリア一体のジオパーク活動として取り組みの成果が上がりつつあることが認められ、昨年度の認定審査では再認定となりました。
 審査に当たった日本ジオパーク委員会からは、さらなるエリア全体での情報共有やボトムアップ活動の活性化に向けて、ブロック会議や地域協議会を超えた連携、対話等が求められておりますので、今後とも市町村や関係団体と連携して、地域資源を生かしたジオパーク活動の展開等に取り組んでまいります。
 また、このような三陸ジオパーク活動の取り組みや活動の内容をホームページやSNS、広報誌などの広報媒体やイベント開催などを通じて、広く情報発信してまいります。
〇ハクセル美穂子委員 三陸ジオパークの取り組みについて、これからホームページ等で情報発信されるというお話をされていましたが、私は、環境学習もあわせて―この自然環境と共生して、どうやってこれを守り育てるとともに後世に伝えていくかという、そういう環境学習の場づくりにもぜひ活用していただきたいと思っています。
 三陸ジオパークではそういう取り組みがされているのですけれども、他の自然公園の中でも、自然環境だけでなく、それ以外の環境学習ですね、再生可能エネルギーとかにも関連した環境学習ができるような施設等もあるので、そういうのも組み合わせて、ぜひ推進していっていただきたいと。
 これは、ある意味、だんだんに観光資源にもなってくる。観光資源として、自然を守りつつ、きちんとそのための財源を得ながら、今度またさらに環境を守るための意義も学びつつ守っていくというような、いわゆる海外のナショナルパークなどでもやられているような取り組みを進めていくべきだと考えますが、ジオパークと環境学習についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
〇高橋環境生活企画室企画課長 お尋ねのあった事項についてでございますけれども、本県には、三陸ジオパークでありますとか、三陸復興国立公園と十和田八幡平国立公園の二つの国立公園が存在するなど、すぐれた自然環境に恵まれておりまして、こうした自然を守りながら環境学習の取り組みを推進するとともに、例えばエコツーリズムなどの地域資源として活用していくことも重要な視点であると認識しているところでございます。
 委員から御提案がございました広域的な取り組みを推進していくためには、それぞれの地域資源に応じて検討、準備すべき事項も多くありますことから、例えば八幡平地区連絡協議会など、市町村や関係団体で構成されております既存の組織との連携のあり方などについて、研究してまいりたいと考えております。
〇ハクセル美穂子委員 これから研究していかれるという御答弁をいただきましたが、三陸ジオパークで、16市町村ですか、そういったところを連携してというモデルというか型が、今できていると思います。これまでやってきたことをきちんとほかの地区に、ちょっと形は変えてでも、生かしてやっていくということ。自然環境を守るときは、どうしても1市町村だけの取り組みで終わらなくて、国定公園、国立公園に入っている市町村で実際に実行していかなければならないので、それは県のリードが非常に重要になってくると思います。ぜひ、その点についてこれからいろいろ本当に研究していただいて、自然環境を活用していただきたいと思います。その点について、最後、部長にお聞きして、終わりたいと思います。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 委員御指摘のとおり、本県には、本当に多様で貴重な自然が存在しております。こういった地域資源を活用した広域的な環境学習の推進は、とても大切な視点かと考えております。
 一方で、広域的に実施するときには、ジオパークの例もございますように、さまざまな地域の実情において、検討あるいは準備も必要になりますので、市町村ですとか関係の団体の皆さんの御意見なども伺いながら、そのあり方について研究してまいりたいと思います。
〇菅野ひろのり委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午前10時55分 休 憩
午前11時7分 再開
〇菅野ひろのり委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について延べ25人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇高橋はじめ委員 私は、有害鳥獣の駆除について、何点かお尋ねしたいと思います。
 まず一つは、早池峰山周辺地域での鹿の捕獲についてであります。
 早池峰山は希少な高山植物を鹿の食害から守る取り組みということで、目標500頭、これは指定管理鳥獣等の捕獲事業で目標として定めているのですが、この500頭の鹿捕獲と、防鹿柵の設置を進め、約900メートルと聞いておりましたが、このような取り組みをしております。その中で、先ほども少し説明がありましたけれども、令和元年度、令和2年度の食害の状況と捕獲頭数、これはどうなっているのか伺います。
〇谷藤自然保護課総括課長 令和元年度及び令和2年度の高山植物の食害状況と捕獲数についてでございますが、平成30年4月に公表された東北森林管理局によるニホンジカの生息状況調査によりますと、早池峰山周辺地域におけるニホンジカの1平方キロメートル当たりの平均生息密度は、平成23年度の1.5頭から平成29年度の8.2頭に、5年間で5.5倍に増加していると報告されており、また、早池峰地域保全対策事業推進協議会シカ対策部会において、鹿の食害が報告されているところでございます。
 このことから、早池峰山周辺地域における捕獲を促進するため、東北森林管理局と連携してGPS調査による鹿の越冬地の情報も共有しながら、岩手県猟友会の協力のもと捕獲に取り組んだところでございまして、早池峰山周辺地域における令和元年度の捕獲頭数は2、048頭で、平成30年度の捕獲頭数1、756頭に比べ、292頭増加したところでございます。
 御質問のありました指定管理の500頭分に対応する分といたしましては103頭ということで、これは早池峰の中心に近い部分、その部分は山岳地帯でなかなか捕獲ができなかったという結果になっております。
〇高橋はじめ委員 どんどん鹿がふえているという報告でございました。
 現在の鹿の捕獲目標、防鹿柵の設置拡大ということで、これは狙いどおりの効果が出ているのかというところが一番肝なのですけれども、聞くところによると、早池峰山周辺の鹿は複数のグループが存在していて、その周辺を交互に行ったり来たりしているという話もありました。移動していると。狩猟期は山麓から移動し、狩猟期の終了後にまた戻ってくると。要するに、銃の音がすると、生命の危険というか、生存本能というか、それでその場から逃げる、退散すると。狩猟期が終わって、音がしなくなるとまた戻ってくるということで、なかなかいろいろな取り組みをしても、はっきりとした効果が出てこないという話も聞いておりました。
 こうした習性というか行動に合わせた鹿の駆除を行うべきと思いますけれども、今後の取り組み方針とか計画等ございましたら、お伺いしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 早池峰山周辺地域で行う捕獲、防鹿柵の効果及び今後についてでございますけれども、早池峰山周辺地域では高山植物の食害が報告され、平成30年度から東北森林管理局と連携いたしまして高山植物の群生地に防鹿柵の設置を進めております。早池峰地域保全対策事業推進協議会シカ対策部会の御意見もいただきながら、本年度までに14カ所、総延長で1、500メートルの柵を設置したところでございます。
 その防鹿柵の設置効果検証のため、部会委員である県立博物館の主任専門学芸員が行ったモニタリング調査によりますと、柵の内部では植生の回復が報告されており、鹿の食害防止には一定の効果があったものと考えているところでございます。
 なお、設置した柵の保全管理や今後のあり方につきましては、鹿の生息状況を踏まえつつ、学識者の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。
〇高橋はじめ委員 防鹿柵の今後の設置計画等はあるのでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 今年度まで3年間、防鹿柵を設置してきまして、また東北森林管理局のことしまでやってきたもの、それからセンサーカメラの状況等を踏まえて、今後どうあるべきかということは、今後議論していきたいと考えております。
〇高橋はじめ委員 わかりました。防鹿柵は鉄製で非常に重いということで、重いものを下から設置箇所まで運んでいくのは大変だという話をよく聞きました。今後設置する場合には、例えばヘリコプターで途中まで空輸していただいて、そこから設置場所まで運搬するとか、何かしらの負担軽減の方法も検討していただければと思います。設置している方々の中には、高齢の方もたくさん見受けられます。大変だと思いますので、今後ぜひ検討していただければと思います。
 次に、有害鳥獣の捕獲対策についてでありますが、捕獲のためには狩猟免許が必要で、毎年免許取得の試験が行われております。免許の種類は、わな猟、これはくくりわな、網猟、第一種銃猟、これはライフルと散弾銃、第二種銃猟、これは空気銃。この4種類があるということであります。
 令和元年度の狩猟免許取得者数はどのくらいか。そのうち、わな猟で捕獲した熊やカモシカの大型保護獣は、山へ移動し解放しなければならない。その際、麻酔で眠らせて作業を行うということで、麻酔銃を扱える狩猟免許保持者は何人いるのか、これをお伺いしたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 狩猟免許の取得者数、それから麻酔銃の取り扱い者数についてでございますが、令和元年度末の県内の狩猟免許取得者数は3、268人でございまして、その内訳は、第一種銃猟が1、812人、第二種銃猟、空気銃でございますが20人、わな猟が1、314人、網猟が122人となっているところでございます。
 また、麻酔銃の取り扱い者数についてでございますが、岩手県警察本部によりますと、県内の麻酔銃の所持者は5名となっておりますが、麻酔銃を使用するためには、麻酔銃の所持に要する銃砲刀剣類所持等取締法に基づく許可や麻酔薬の使用に要する麻薬及び向精神薬取締法に基づく免許が必要になるほか、野生鳥獣の捕獲後の放獣等を行うための鳥獣の生態に関する知識が必要と考えております。こうした観点から、県内で鳥獣捕獲のために麻酔銃を使用できる者として現在把握している人数は、1名となっております。
〇高橋はじめ委員 広い岩手県、四国4県というところで、麻酔銃を扱える人がたった1人しかいないということで、一番心配しているのは、くくりわなが近年非常にふえてきておりまして、そのことが大変心配されていると。これは後ほどまた聞きます。
 狩猟期と言われる11月1日から2月29日まで主に銃猟、猟銃による捕獲と認識しております。それ以外の期間はわな猟による狩猟であると思いますが、イノシシ、鹿の令和元年度における月ごとの捕獲頭数の統計、まとめておられるのであれば、それを伺いたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 イノシシ、鹿の令和元年度の月ごとの捕獲数についてでございますが、令和元年度のニホンジカの捕獲頭数は、一般狩猟、それから市町村が実施している有害捕獲、県が実施している指定管理鳥獣捕獲等事業、これらを合わせて1万4、420頭、イノシシの捕獲頭数は346頭となっておりまして、いずれも過去最大の捕獲数となっているところでございます。
 ニホンジカ及びイノシシの捕獲につきましては、狩猟期と指定管理鳥獣捕獲等事業の実施期間である11月から2月の冬季に増加する傾向にございまして、令和元年度の月別の捕獲頭数を見ますと、ニホンジカでは11月の捕獲が最も多くなっておりまして、イノシシでは2月が最も多くなっているところでございます。
〇高橋はじめ委員 月ごとの統計数値を見ながら狩猟に対するさまざまな取り組み、そういったものは計画を組む段階でも必要ではないかと思っていますので、ぜひそういう統計も今後とっていただければと思います。
 次に、くくりわなによる狩猟はイノシシやニホンジカをターゲットにしておりますが、まれにツキノワグマや天然記念物のニホンカモシカがわなにかかり錯誤捕獲となります。そのような場合、通常4人がかりで、ロープを輪にして首にかけ、3方向へ引っ張り、1人が足からくくりわなのワイヤーを外す作業を行う。その後、ロープをほどき解放となる。大型獣が身の危険を感じ暴れる中での作業は大変危険を伴うものであります。安全に行うには、麻酔銃で大型獣を眠らせ、その間にわなから外し、ある程度移動するか放置して解放する、こういったことになるということであります。
 地元の猟友クラブから……
〇菅野ひろのり委員長 高橋はじめ委員に申し上げます。質疑は簡潔にお願いします。
〇高橋はじめ委員(続) はい。地元の猟友クラブから、岩手県が銃によるとめ刺しの特別許可を出す。それから、岩手県職員が麻酔銃で眠らせ、くくりわなのロープを外して逃がす。こういった提言をいただきましたが、この提言に対する所感を伺いたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 くくりわな猟におけるカモシカの錯誤捕獲の対応についてでございますが、県では捕獲許可を行った鳥獣以外の鳥獣が捕獲されてしまう、いわゆる錯誤捕獲の防止や安全対策のため、くくりわなを使用する者に対しては、わなの形状や餌づけの方法を工夫して防止に努めることや、定期的な見回りを行うよう指導しているところでございますが、委員御指摘のとおり、ニホンジカの捕獲時に天然記念物のカモシカが捕獲されてしまう事案も発生していると聞いているところでございます。
 この点につきまして、岩手県猟友会にカモシカがわなにかかった場合の対応について確認しましたところ、カモシカの角及び足をロープで固定した上で、わなを外す方法により一般には対処しており、現時点では、余りそれに対して麻酔等の要望はないと伺っているところでございます。
〇高橋はじめ委員 なれた方が作業されるのは大体そんな感じで大丈夫だと思いますが、先ほど、わなの狩猟免許を持たれている方は1、314人とおっしゃいました。わな猟の免許の取得者は、この三、四年で非常にふえているのですね。つまり経験の浅い方がこの猟に参加をしていると。そういう中で、事故が起きなければいいなと思っていたのですが、これは今月の10月7日に農業新聞にありました報道記事です。
 10月5日に愛知県新城市で発表した報道内容ということで、10月2日に市内の男性が、くくりわなにかかっていた天然記念物ニホンカモシカを解放しようと作業中、カモシカの角で太もものつけ根を刺され、自力で下山し病院に搬送されたが、2時間後に死亡されたと、大変痛ましい事故があったのですね。
 こういったことがこれから本県で起きないかというときに、先ほど話をした麻酔銃を扱える方がもう少しいらっしゃれば、その方にお願いして安全に解放の作業ができると思うのですけれども、四国4県に匹敵する本県でたった1人しかいない。最低限、広域振興局に1人ぐらいずつこういう方がいらっしゃれば、広大な山もありますからなかなか難しいのかもしれませんけれども、1人よりは4人ということで、そういう養成とか取り組みは考えていないのか、進めていないのか、お伺いします。
〇谷藤自然保護課総括課長 今後の麻酔銃についての対応ということでございます。先ほどは山林で捕獲する場合という前提でお話を聞いておりましたけれども、今後、住宅密集地などに侵入した小型獣類を放獣するために、一次的な捕獲を行う必要があるケースも想定される、むしろこちらのほうが想定されるということでございまして、そういったケースの場合に、今後の対応といたしまして、まずは他県の取り組みなどを参考といたしまして、麻酔銃を使用することができる人材確保の必要性ですとか、その活用の事例などについて研究してまいりたいと考えております。
〇高橋はじめ委員 どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 イノシシは2歳以上で、年に4頭ぐらい子を産むということです。そうすると相当な数でふえていく。それでこの狩猟頭数と。それから、鹿の場合は1年に1頭ということで、3歳、4歳以上と。でも、例えば2018年に4万頭の数がわかっていますけれども、その半分の2万頭が雌だとして、そのほとんどが1頭ずつ産んだら大変な数になるわけですね。それが1年で1万4、000頭から1万5、000頭の駆除では到底間に合わないということなので、これは相当力を入れて有害駆除をしなければならない。
 ただ問題は、先ほど言ったように命を守る、そういう駆除の仕方をしないとだめだということで、安全の確保をぜひ優先して徹底していただきたい。
 それから、自然保護課で希少動植物の保護をしなければならない。その一方で駆除をしなければならない。アクセルとブレーキとよくありますけれども、大変、これは、どう見ても部署としては線引きをしなければならないのではないかと。ほかに何かそういう部署をつくらなければならないのではないかと、そう思ったりもしておりました。
 部長に、今後の有害駆除に対する取り組みについて、どのように進めていかれるのかお尋ねして、終わりたいと思います。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 委員御指摘のように、ニホンジカあるいはカモシカ(後刻「イノシシ」と訂正)は、生息地域がどんどん拡大をしておりまして、生態系への影響のほか、農業被害も非常にふえているところでございます。
 自然保護課といたしましても、御案内のとおり、野生鳥獣の適切な個体数の管理を行っていますが、一方で、貴重な野生動植物の保護というのも私どもの使命でありますので、両輪で行っているところでございます。
 県といたしましては、いずれも重要な役割でございますので、その辺、バランスをとりながら、また市町村ですとか、あるいはさまざまな団体の皆さんの声なども十分聞きながら、今後対応してまいりたいと思います。
〇佐々木宣和委員 私からは、ツキノワグマの被害対策について伺いたいと思います。
 先日もスーパーマーケットに熊が入り込んだというニュースがあったところですけれども、まず出没の状況、特にわかればエリアに関するところ、そして、やはり熊ですので人身被害の状況について伺いたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 ツキノワグマの出没及び人身被害の状況についてでございますが、令和元年度は、ブナの実の結実状況が不作となり、熊が大量出没することが見込まれたことから、出没に関する注意報を発令したところでございますが、出没頭数は2、806頭で、過去5年間で最も多い出没年度でありました平成28年度の3、070頭に次いで多い出没となりました。
 また、人身被害につきましては、15件、16名の方々が被害に遭われているところでございます。
〇佐々木宣和委員 毎年、人身被害も10件以上あるようですし、そして、毎年非常に熊が多くなってきているようでございますけれども、その中で捕獲の状況に関して伺いたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 令和元年度の狩猟及び許可によるツキノワグマの捕獲総数は426頭であり、過去最高の捕獲数となったところでございます。
 また、捕獲の上限数については、現在、平成30年から3カ年にわたって生息数の大規模調査を実施しておりまして、令和元年度からは、北奥羽地域の推定生息数の見直しを図りまして、捕獲上限数の引き上げを行ったところでございます。
〇佐々木宣和委員 捕獲頭数も、平成29年、平成30年が300頭ぐらいだったのが、昨年は426頭まで上がっていると。それだけ熊が出ているということかと思いますけれども、捕獲上限数に関して、平成30年11月から令和元年10月までが375頭かと思いますが、令和元年11月から令和2年10月まで、次の時期に関して頭数が検討されているということだったのですけれども、上限数は何頭になったのでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 捕獲の上限数の設定につきましては、近年の出没数や捕獲頭数の増加、それから大量出没の頻度を勘案しまして、外部有識者によるツキノワグマ管理検討委員会の意見を踏まえて捕獲の上限数の見直しを行っているところでございまして、令和元年度には508頭を上限数として設定したものでございます。
〇佐々木宣和委員 この上限数も、375頭から次に508頭と、その上限数を引き上げていただいたということは、この数字がもとになって市町村の数字に割り振られていくということかと承知しておりますので、非常にありがたいことなのかなと思っているところでございます。
 次に、山はつながっていますので、岩手県だけでなくて、隣県との連携も重要かと思っていますけれども、この点について伺います。
〇谷藤自然保護課総括課長 隣県との連携についてでございますが、本県では、北海道、東北地区の自然保護主管課とのブロック会議などの場を通じて、野生鳥獣の保護管理につきまして、北海道及び東北各県と定期的に情報交換を行っているところでございます。
 特に、ツキノワグマ対策におきましては、北奥羽個体群の分布域を共有する秋田県との連携は重要であると考えておりまして、課題への対応等で日常から連携を図っているところでございます。
〇佐々木宣和委員 数字から見ても非常にふえているというところで、捕獲頭数も昨年は非常に多かったと。426頭で、また次の段階の捕獲上限数も上げているというところなのですけれども、それでもまだ市町村からは被害対策に関して要望も出ているというようなところでございます。この市町村からの要望の状況と、これからそれにどう応えていくのかという考え方を伺いたいと思います。
〇谷藤自然保護課総括課長 市町村からの要望についてでございますが、令和2年度の市町村要望におきましては、1市町村でございますが、ツキノワグマに係る有害捕獲許可の権限全般について、迅速な対応のため、市町村への移譲をするよう要望を受けているところでございます。
 県では、日常生活の範囲内で人の生命または身体に対してツキノワグマによる危害が発生した場合や、人家またはその敷地内にツキノワグマが侵入している場合などにおいては、現在捕獲許可の権限を市町村に移譲しているところでございます。
 また、市町村の臨機の判断による迅速な被害対応を促進するため、通常の許可に加えて、事前に設定した捕獲上限の範囲内で捕獲許可事務を簡素化する特例許可を行っているところでございます。
 国のガイドラインでは、ツキノワグマによる人身被害や農林業被害の軽減対策に当たっては、地域個体群を将来にわたって保全することも同時に求められているところでございまして、県としては、引き続き、個体群を長期にわたり維持しながら、被害が出ないよう、市町村の状況を把握して、特例許可制度を含めた捕獲許可制度の効果的な運用に努めてまいりたいと考えております。
〇佐々木宣和委員 何にしても、熊ですので人身被害というのはすごく心配なところでございます。市町村と県と連携して取り組んでいただきたいと思っております。
 次に、がらっと変わりまして、生活衛生関係の事業者の状況を伺いたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症で非常に影響を受けている業界かと思っておりますけれども、その状況と、あと経営指導員、また相談体制はどうなっているのか伺いたいと思います。
〇新沼県民くらしの安全課総括課長 新型コロナウイルス感染症による生活衛生営業者への影響等の御質問でございます。
 まず影響でございますが、商工会議所が実施した9月分の影響調査結果等によりますと、飲食業、宿泊業等の生活衛生営業者において、前年同月比の売り上げが61%から80%である割合は8月よりは減少しているものの、一方で、21%から60%である事業者が約7割近くを占めているという状況でございます。
 また、生活衛生営業者の経営等を指導する岩手県生活衛生営業指導センターにおける9月末時点での生活衛生営業者からの相談件数は686件、融資推薦件数89件のうち新型コロナウイルス感染症関係が83件となっておりまして、大きな影響を受けているものと考えております。
 これを踏まえまして、相談体制でございます。経営指導員を5月に1名増員しまして、営業者からの相談等に対応する体制の充実を図ったところでございます。また、9月からさらにもう1名増員いたしまして、感染拡大予防ガイドラインへの対応等の相談とか指導に当るための体制の充実も図ったところでございます。
〇佐々木宣和委員 生活衛生同業組合等を含めて、私も新型コロナウイルス感染症の影響のヒアリングに行かせていただきました。その中で、それぞれの業界の中でどんな状況になっているのかというヒアリングをする際に、飲食業であれホテル業団体であれ、つながりがある中でヒアリングができるというのは、状況調査にはすごく有効な手だてだったと思っております。
 環境生活部ですと、商工労働観光部の支援みたいなところよりは、指導という立場でつき合っているところかと思いますけれども、地域に根差した産業が非常に多い業界と思っておりますので、引き続きの支援をお願いして、終わります。
〇吉田敬子委員 男女共同参画の取り組みについて、まずお伺いいたします。通告していた質疑を多少割愛しながら、まとめて質問させていただきます。
 男女共同参画の取り組みについては、プランを策定して取り組まれておりますけれども、そのうちの女性の活躍支援についてお伺いしたいと思います。
 女性の活躍支援の取り組みについては、いわて女性の活躍促進連携会議を設置しながら、さまざまな取り組みをされております。そしてまた、その中に5部会がありまして、その部会もさまざまな取り組みをされておりますけれども、その取り組みの状況と成果等について、県の見解をお伺いしたいと思います。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 女性の活躍支援の取り組みについてお尋ねがございました。
 県では、官民連携組織であるいわて女性の活躍促進連携会議を設置し、女性活躍のための経営者セミナーや女性のキャリアアップセミナーを開催しているほか、いわて女性活躍企業等認定制度や、いわて子育てにやさしい企業等認証制度の普及など、女性の活躍支援の取り組みを実施してきたところでありまして、女性が働きやすい環境づくりが進んできていると認識しているものであります。
 一方で、就職期の女性の転出が多い傾向にあることが課題となっていることから、女性がそれぞれのライフステージやライフスタイルに対応し活躍できるよう、関係機関や関係部局と連携した取り組みを進めていく必要があると考えているところでございます。
 部会についても御質問がございました。さまざまな分野の女性の活躍を一層推進するためにいわて女性の活躍促進連携会議の中に設置した5部会は、それぞれ年二、三回開催しまして、意見交換やネットワークづくりなどを行っているところでございます。
 このうち女性の就業促進部会と農山漁村で輝く女性部会の二つは、合同で現地調査や交流会を実施しているほか、けんせつ小町部会では、女性技術者と工業高校の生徒との交流会を実施するなど、分野を超えた取り組みや高校生を対象とした取り組みなど、取り組みに広がりが見られているところでございます。
〇吉田敬子委員 まず、その5部会ですけれども、防災部会、子育て支援部会、女性の就業促進部会、農山漁村で輝く女性部会、そしてけんせつ小町部会と5部会あるのですが、この5部会は、部会を設置してから数年活動されていると思います。昨年度は12月にいわてで輝く女性大交流会というのがありまして、その5部会の報告会もありました。
 私は、この5部会でどのような提言がなされているのかをお伺いしたかったのですが、具体的な答弁がなかったので、教えていただきたいことと、県の取り組みの中で、ワーク・ライフ・バランスの部分については、多様な子育て支援サービスの充実を図ることなどがあったりしますけれども、5部会の中でそういった課題であったり提言がなされてきているのではないかと思うので、もう少し具体的なものをお示しいただきたいと思います。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 5部会の取り組み内容ということでございますが、例えば防災部会では、女性消防職員の活躍の推進ですとか、女性消防団員の入団の促進を図るためにはどうしたらいいかというような話し合いをしたりしております。
 子育て支援部会におきましては、多様な保育サービスの提供や、保育士の確保などに向けてどのように推進していったらいいか、意見交換をしてもらっているところでございます。
 女性の就業促進部会につきましては、女性の就業促進、それから女性が企業で活躍するためにはどうしたらいいか、また起業に向けても、意識啓発などをしていくにはどうしたらいいかというようなことをこれまで意見交換していただいたところでございますが、今後、女性の就業促進部会では、提言に向けた活動などもしていきたいということでございます。
 今後、そういった取りまとめもやっていきたいと思っております。
〇吉田敬子委員 私は、その5部会の中での提言が大事だと思っています。そこから例えば保健福祉部の子ども子育て支援室のほうでこういうことが必要だとか、農林水産分野での女性活躍はこういうことが足りないというところにつながると思います。せっかく5部会が設置されていても、ただの意見交換で終わっているのであれば、設置している意味がないのではないかと思っております。
 例えばなのですけれども、先ほど挙げたとおり、多様な子育て支援サービスの充実を図るという、県もこれはしっかりプランの中に書いていて、では、どういったサービスが必要なのかというところまで切り込んでいくことが私は大事だと思っております。
 ことしの夏に出た内閣府の男女共同参画白書の中には、家事、育児、介護と仕事のよりよいバランスや分担を実現するための視点を整理することが大事だということの中に、男性の家事、育児、介護参画のほかに、外部サービスもより柔軟に取り入れていくことで、子育て支援サービスの充実を図っていくことが必要だというところにまで落としているのですけれども、具体的にこういった部会から出てくるような―構成員の課題なのか、県のほうでの内容の充実なのか、もう少し充実を図る必要があると感じております。
 県は、私も含めほかの委員へのこれまでの答弁の中では、M字カーブが解消されてきているというところを成果として挙げているのですけれども、今は、これまでもさまざま課題がありましてM字カーブは解消されているけれども、非正規雇用がふえている現状があって、そういったことも部会で出てきていないのかどうか。これも最近……
〇菅野ひろのり委員長 吉田委員に申し上げます。質問は簡潔にお願いします。
〇吉田敬子委員(続) 済みません。そういったところをもう少し提言につなげていく仕組みをつくっていっていただきたいと思っております。これは答弁をいただきたいと思います。
 その中で、次に、男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備についてでありますけれども、この取り組み状況について。そして、この中には、性的指向や性同一性障がいを理由とした困難な状況に対する理解促進を図るというところも明記されておりますけれども、その取り組み状況と今後の方向性についてお伺いします。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備についての御質問をいただいております。
 県では、男女共同参画センターを中心に、フェスティバルの開催などを通じた意識啓発や学習機会の提供を行っておりまして、地域の活動を支える男女共同参画サポーターの認定者数が着実に増加するなど、人材育成や意識啓発等が進んできているところでございます。
 男女共同参画の推進のためには、県民一人一人がみずからのこととして考え、職場、学校、地域、家庭等において取り組むことが必要であることから、引き続き、学校や企業などへの出前講座の実施などにより普及啓発に取り組んでまいります。
 それから、性的指向や性同一性障がいに関する御質問もございました。性的指向や性同一性障がい等を理由として困難な状況に置かれている方々への支援として、男女共同参画センターに相談窓口を設置するとともに、学校や企業などを対象とし、理解促進を図るための出前講座を実施しております。また令和元年度には生徒や保護者向けの新たなリーフレットを作成したところでございます。
 多様な性について理解し、尊重する社会となるよう、引き続き、相談対応や理解促進を図るための普及啓発の取り組みを行ってまいります。
〇吉田敬子委員 一つ前の女性の活躍支援の部分での答弁もいただきたかったのですが、LGBTに関する理解促進についての御答弁がありましたとおり、県ではセンターを設置されておりまして、LGBTの相談件数が年々増加傾向にあることと、出前講座やパネルの貸し出しの利用頻度もふえております。
 そういった状況の中で、まとめながら質問させていただきますが、今回のいわて男女共同参画プランは、今年度が最終年度ということで、次にまた来年度以降、新しいものをつくっていく中で、このLGBT支援について明記していただくことが大事だと私は考えておりますが、県は四つの大きな柱を立てている中でありますけれども、新しいプラン策定に向けてどのような点に留意していこうと考えているのか、お伺いしたいと思います。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 最初に、女性活躍推進の部会の関係につきましては、さまざま運用につきまして工夫をしていきたいと思います。
 それから、LGBTと新しい男女共同参画プランの関係でございますけれども、LGBTに関しましては、相談窓口を設置したり、これまでも取り組みを進めてきておりますので、そういった普及啓発につきましてプランにどのように記載していくか、検討してまいりたいと思います。
〇吉田敬子委員 この件は、また次の機会にやらせていただきたいと思います。
 次に、食品ロス削減の取り組みについてお伺いしたいと思います。
 6月の一般質問の際は、農林水産分野における食品ロス削減の取り組みについてお伺いさせていただきました。県では、食品ロス削減の取り組みというのは環境生活部が所管し、これまでさまざまな3Rの取り組み等をされておりますけれども、その成果についてお伺いしたいと思います。
 昨年の食品ロスの削減の推進に関する法律の施行によって県の計画策定が望まれておりますけれども、現在どのような状況にあるのかと、今後の方向性も伺いたいと思います。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 食品ロス削減の取り組みについての御質問にお答えしたいと思います。
 ごみとして捨てられる食べ物が全国で612万トンになっているという推計がありまして、ごみの排出削減の観点から、市町村とともに、平成28年度より、食品ロスを削減する取り組みを含むもったいない・いわて3R運動を実施してきております。
 また、もったいない・いわて食べきりキャンペーンを実施し、3010運動の実践についての啓発普及ポスターの作成、配布、着ぐるみのエコロルによる幼稚園等への訪問を行い、食べ残し防止の呼びかけなどの普及啓発に取り組んできたところでございます。
 食品ロスは家庭のほか事業所からも排出されることから、市町村と連携して県民の食品ロスの削減に係る意識啓発に取り組むとともに、事業者への働きかけについても、今後取り組みを進めていきたいと思います。
〇菅野ひろのり委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇小島副部長兼環境生活企画室長 食品ロス削減計画策定の現状と今後の方向性でございますけれども、国が、食品ロスの削減に関する重要な事項につきまして、ことし3月末に策定した食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針におきまして、食品ロスの削減の推進のためには、地域特性を踏まえた取り組みを推進していくことが重要であること、また、食品ロス削減計画は、地域における食品ロスの削減にとって、消費者教育、環境、廃棄物処理、産業振興、地域づくり等の観点から、重要な計画との位置づけを有するものであることなどが規定されておりまして、計画はこの方針を踏まえて策定することとされております。
 食品ロス削減の取り組みにつきましては、多岐にわたる分野における連携した取り組みが重要でありますことから、計画の策定に当たりましては、官民における情報の共有あるいは認識の共有を図りますとともに、関係団体、事業所等の意見を十分に聞きながら、既存の岩手県食育推進計画ですとか岩手県廃棄物処理計画といった関係法令に基づく各種計画との調和にも配意しながら検討を進めていくこととしております。
〇吉田敬子委員 一般質問の際にも取り上げたのですけれども、フードバンク岩手というところがありまして、市民、企業からいただいた食料品を県内の生活に困っている方々へ支援機関を通じて食料支援をされております。食品ロスの計画策定の際に、ぜひ、食品ロス削減というところだけではなく、それが貧困対策とセットになるような取り組みをしっかりしていただきたいと思っております。国の方針の中にも、フードバンクとの連携について明記されておりますので、ぜひそこの点を踏まえて計画策定を進めていっていただきたいと思います。終わります。
〇佐藤ケイ子委員 私は早池峰地域の保全対策事業について伺います。
 早池峰キャンペーンも実施していらして、それはA評価。それからボランティアの参加はC評価。携帯トイレの所持率はA評価。シャトルバスの利用数はB評価。ハヤチネウスユキソウは、個体数667株を維持することが目標でしたが、1、021株とA評価と、先ほどの城内委員の質疑でもあったとおりです。
 それで、登山者の状況について伺います。登山者はどの程度と推計されているか。それから、ことしになって新型コロナウイルス感染症の影響はどうだったのか。それからもう一つ、河原の坊の登山道の再開についてはどうかということ、まずそこをお願いいたします。
〇谷藤自然保護課総括課長 早池峰山の登山者の状況についてでございますが、令和元年5月から10月までの登山者数は、地元3市などで構成します早池峰国定公園地域協議会の調査によりますと、1万4、059名となっているところでございます。
 また、ことしの状況についてでございますが、5月から9月末までの登山者数は7、883名となっており、昨年の同時期と比較いたしますと5、400名余り減少している状況でございます。新型コロナウイルス感染症対策のために講じましたシャトルバスの運休などが影響しているものと考えております。
 それから、河原の坊登山道についてでございますが、早池峰山の代表的な登山コースであります河原の坊コースは、平成28年5月の集中豪雨等に伴う大規模な崩落により通行どめとしているところでございますが、登山愛好者からは、貴重な高山植物が見られるコースとして、再開を期待されているところでございます。
 令和2年6月に、学識経験者や山岳関係者などを構成員とする早池峰山河原の坊登山道調査委員会の委員により現地調査を行ったところでございますが、依然として崩落が続き、危険な状態であることを確認しておりまして、当分の間は閉鎖措置をとらざるを得ない状況となっております。
 今後におきましても、専門家や関係者の意見を踏まえて判断していくこととしたいと思っております。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。
 それでは、その交通の状況についてです。シャトルバスが、経費の問題もあり、それから新型コロナウイルス感染症対策ということもあって運休されておりますけれども、今後の見通しはどうか。それから、駐車違反が結構問題になっているようですけれども、その対策はどうなっているか伺います。
〇谷藤自然保護課総括課長 交通の状況についてでございます。早池峰地域のシャトルバスについては、交通混雑緩和と自然環境保護のため、例年、6月上旬の山開きの日から8月上旬までの間の土曜、日曜、祝日に実施される県道の車両乗り入れ規制に対応いたしまして、早池峰周辺3市と関係機関で組織する早池峰国定公園地域協議会において運行してきておりますが、今年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、運行を取りやめたところでございます。
 今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえながら、早池峰国定公園地域協議会において検討を行い、シャトルバスの運行の可否について判断してまいります。
 また、登山者の自家用車の駐車状況についてでございますが、河原の坊登山口の早池峰総合休憩所の駐車場には約50台が駐車することができますが、休日には駐車場が満杯になることもあり、やむを得ず路肩に駐車する車も散見されるところでございます。
 このため、警察によるパトロールのほか、通行の妨げになる駐車車両に対しまして、自然公園保護管理員による登山者への声かけなどを行いまして、通行車両の安全と混雑緩和を図っております。
〇佐藤ケイ子委員 この駐車違反はちょっと大変なようでして、公園の管理員が声をかけても規制する権限がないということであります。そうすると、一方では、協力してずっと歩いてこられる方は、何だ、駐車してもいいのか、じゃ、自分も車を持ってくればよかったというようなことで、不満の声が出ているということで、さまざまな対策を講じていかなければならないのだろうなと思っております。これからも対応をお願いいたします。
 それから、鹿のことは高橋はじめ委員が聞かれましたので割愛しまして、ユネスコエコパークの登録についてでございます。
 国内で10カ所がユネスコエコパークに登録されておりますが、早池峰地域も有力な候補地としての条件がそろっているということでございます。
 環境省が設置した世界自然遺産候補地の検討会が平成15年に提言したようですけれども、全国の19カ所を調査、検討したということ。その中で世界遺産になっているのは、知床とか富士山とか小笠原とかあるわけです。それから、そのほかに10カ所はユネスコエコパークに登録された。残っているのは、早池峰と数カ所が残っているという状況なわけです。
 この登録をすることにより期待される効果はたくさんあるわけです。地域の活性化、それからブランド価値の向上とか、環境教育とか、ILCの研究者などにもアピールできるのではないかとか、さまざまな効果がその関係者の中では言われているわけですが、どうもそれを束ねて推進する組織ができない。地元市町村もなかなか乗ってこないという問題があるようです。各市町村にわたっているわけでありまして、県が各市町村といろいろな団体との調整にかかわるべきではないかという声がずっとあるわけですけれども、どうでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 ユネスコエコパークの登録についてでございますが、ユネスコエコパークは、生態系の保全と持続可能な利活用の調和を目的とする取り組みでございまして、核心地域、緩衝地域、移行地域の三つのゾーニングを設定する必要があることから、日本で登録されている10カ所は全て国立あるいは国定公園を含む地域となっております。
 早池峰地域につきましては国定公園であり、ユネスコエコパークのエリアとしての要件は備えていると見込まれるところでございますが、構想、計画、実施などの全てのプロセスにおいて、地域の関係者や住民を巻き込み、オープンかつ参加型アプローチがとられていることが求められているところでございます。
 現在、早池峰地域における民間活動として、平成27年度以降、フォーラムの開催などが行われていると承知しておりますが、ユネスコエコパークに登録された地域の事例の多くでは、市町村が推進協議会の事務局となっており、今後、地元市町村を含めた地域のさらなる機運醸成が必要になると考えられますことから、それらの状況も踏まえつつ、先行事例の状況など必要な情報収集を行ってまいります。
〇佐藤ケイ子委員 終わりますけれども、三陸ジオパークに向けた取り組みの実績があるというのが、先ほどのハクセル委員の質疑の中でもあったのですけれども、岩手県を売り込む方法の一つ、それから、自然を豊かにする活動をする人をふやすとか、そういったことをどんどん進めていく、そういうことだろうと思っております。どうぞ積極的な対応をお願い申し上げて、終わります。
〇菅野ひろのり委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時2分 休 憩
午後1時2分 再開
〇千葉絢子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 先ほどの高橋はじめ委員に対する私の答弁でありますが、野生鳥獣の保護と捕獲に関する答弁の中で誤りがございましたので、訂正させていただきます。
 ニホンジカやイノシシなど生息域が拡大しと答弁すべきところを、ニホンジカやカモシカと答弁いたしました。このカモシカはイノシシの誤りでございましたので、おわびして、訂正させていただきます。よろしくお願いいたします。
〇千葉絢子副委員長 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について延べ21人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行します。
〇高橋穏至委員 それでは、午後のスタート、テンポよく行きたいと思います。
 私からは1点、鹿、イノシシの有害鳥獣の対策についてですが、午前中かなり現状と課題について質疑がありました。内容、要点を集約してお伺いしたいと思います。
 主要施策の評価では、目標数に達しているのでA評価となっているのですが、現状、これだけ多くの苦情が寄せられていまして、自由民主党の県内市町村要望でも、かなり多くの市町村から要望が出されております。目標の設定のし直しが必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
〇谷藤自然保護課総括課長 指定管理鳥獣捕獲等事業についてでございますが、ニホンジカ及びイノシシの被害につきましては、環境省の交付金の指定管理鳥獣捕獲等事業及び農林水産省によります鳥獣被害防止総合対策交付金を活用しまして、県猟友会や市町村の協力を得て、ニホンジカ及びイノシシの捕獲に取り組んでいるところでございまして、令和元年度の捕獲実績は、狩猟有害捕獲、指定管理鳥獣捕獲等事業を合わせまして、ニホンジカが1万4、420頭、イノシシが346頭と、いずれも過去最大の捕獲数となっているところでございます。
 しかしながら、ニホンジカにつきましては、これまで農業被害が継続していることや、令和元年度に実施しました県内の農家集落を対象とした野生鳥獣の生息状況等アンケート調査の結果におきまして、減少の傾向が見えないことから、これまでの捕獲情報やモニタリング結果を踏まえて、本年度、県独自による個体数の推計に取り組むこととしております。
 また、イノシシにつきましては、生息に偏りがあり動向が把握しにくいことから、継続してアンケートを実施しながら、関係部と連携いたしまして、可能な限りの捕獲に努めていくこととしております。
〇高橋穏至委員 今答弁の中で出てきたのですが、捕獲に係る費用について、国から交付金が来て、その中でやっているというお話でした。その費用と関連するのですけれども、担い手を確保するために、猟友会でも、若い人たちに呼びかけて、育成等をして広げようとしているのですが、いずれ資格を取るにしても維持するにしても、非常に費用がかかると。それで、今捕獲して1頭当たり幾らというお金が出ているわけですが、実は、ある程度にはなるけれども、どうしてもその維持には足りないというような声も寄せられております。
 そこで、担い手を確保する上でも、特に若い担い手の方々は、資格を持って、例えば講習ですとかいろいろな会合が平日あるということで、農家でやっている人はいいのですけれども、そうではない一般のサラリーマンですと、どうしても土日でないと時間がとれないので、やはり取り組みにくいとか、さまざまそういった取り組みの改良点があるのかなと思います。
 そこで、そういった活動をするための支援のために、まず、お金のかからない体制的な時間の配慮ですとか、あともう一つは、先ほど言った維持費がかかるといったところから、支援の予算の枠組みを拡充するとか、そういった考えはないかお伺いします。
〇谷藤自然保護課総括課長 狩猟者の育成と支援についてでございますが、狩猟免許試験の受験者を対象とした予備講習会や新人狩猟者の技能向上のための研修会を、現在、無料で開催させていただいているとともに、県内各地での狩猟免許試験の実施は休日に実施するようにしております。
 それから、県民の狩猟への興味や関心を高めるための狩猟の担い手研修会などに取り組んでいるところでございます。その費用につきましては、狩猟税の減免などの措置も講じているところでございます。
 また、有害捕獲に係る費用の関係につきましては、当部では所管しておりませんので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
〇高橋穏至委員 日程についてはかなり配慮されているということでお伺いしました。猟友会の方々からいただいた意見でしたので、ぜひそういった情報を集めながら、あと、費用の面ですね、今後、しっかりと詰めていただいて、とる方がいないととれませんので、ぜひそういった対策をしっかりと今後検討していただきたいということを申し添えて、終わりたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは、最初に、令和元年台風第19号災害の対応についてお聞きいたします。
 災害廃棄物処理の進捗状況はどうなっているでしょうか。予算特別委員会のときには、ことしの秋ごろまではと、こういう答弁がありましたが、完了の見通しを含めて示してください。
 あわせて、水道管の耐震化を含めた復旧の進捗状況はどうでしょうか。これは、予算特別委員会のときには遅くとも令和3年度までという話でしたが、完了の見通しはどうなっているでしょうか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 令和元年台風第19号で発生した約5万トンの災害廃棄物について、被災した10市町村で処理が進められており、9月末現在で6市町村において処理が終了しております。残る4市町については、家屋解体や廃棄物混じりの土砂の分別、処理などに時間を要する状況にありますが、市町からの情報によりますと、処理は今年度末までに終了する見込みであると聞いております。
〇新沼県民くらしの安全課総括課長 水道施設の復旧の進捗状況でございます。令和元年台風第19号により被災した7市町村のうち、岩泉町及び田野畑村は令和元年度中に事業が完了し、久慈市、釜石市、山田町及び普代村は今年度中に事業完了の見込みでございます。被害が最も大きかった宮古市につきましては、令和3年度中の事業完了の見込みでございます。
 なお、水道施設の耐震化につきましては、災害復旧事業の対象とされているところでございます。
〇斉藤信委員 宮古市は令和3年度まで水道管の復旧はかかると、ちょっと残念なのですけれども、全力で取り組んでいただきたい。
 次に、県央ブロックのごみ処理広域化計画について質問します。進捗状況はどうなっているでしょうか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 県央ブロックごみ処理広域化計画の進捗状況についてでありますが、ブロック内8市町で構成する県央ブロックごみ・し尿処理広域化推進協議会により検討が進められておりまして、4カ所の整備候補地のうちから、本年2月27日に開催された推進協議会において、最も有力な候補地である盛岡インターチェンジ付近について、地域との協議を継続することとされたと聞いております。
〇斉藤信委員 2月27日の推進協議会以降の動きは全くないということですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 その後、推進協議会は開催されていないと聞いております。
〇斉藤信委員 行き詰まっているような感じがいたしますけれども、私は予算特別委員会のときにも紹介しましたが、八幡平市の市長は、市議会の答弁で、岩手県に対して、20年以上たって進まないのだから見直すべきだと何度も言っていますと。そして、盛岡市の事務局は、8市町が納得しているわけではないことは理解していると。いわば、今、8市町の首長の中でも一枚岩ではないと、こういう状況だと思いますよ。
 そして、谷藤盛岡市長は、このごみ処理広域化計画について、住民の合意を得て進めると。当初4カ所の計画だったのが、盛岡インターチェンジ付近に絞られたのは、その他の3カ所で反対運動が広がったからですね。この認識で間違いないですね。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 広域化による施設整備に対しましては、理解を示す意見と反対する意見など、さまざまな意見が出されていると聞いております。今後とも、事業主体である盛岡市が、地域住民に対し丁寧に説明して、用地選定を進めていくものと考えております。
〇斉藤信委員 住民合意が得られずに、4カ所のうち3カ所は外されたと。そして、1カ所残った盛岡インターチェンジ付近はどうなのかと。地元の前潟地区で反対署名が1、142筆、これは盛岡市に提出されています。お隣の太田地区は827筆の反対署名が提出されていると。私は、盛岡インターチェンジ付近も反対の声が大変大きいのではないか、無視できないのではないかと思いますが、どう思いますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 先ほどもお答えしたように、盛岡市が地域住民への説明を行い、今後の用地選定を進めていくものと考えております。
〇斉藤信委員 それで、実はそもそもは、県央ブロックごみ処理広域化計画というのは、県が作成した計画を踏まえて進めているのですよ。そもそも盛岡インターチェンジ付近はどういうところかというと、交通の要所ですよ。秋田県に行く、盛岡西バイパスで盛南地区、国道4号に行く、そしてゴールデンウイークなどのときには小岩井農場という大変な観光地も控えていると。私は何度も言っているけれども、あそこにイオンが出店するときに大問題になって、道路を拡幅したのですよ。右折路をふやしたのですよね。それは皆さん御承知だと思う。
 そんなところにこんな大規模なごみ処理施設を整備すること自体が、私はちょっと常識と違うのではないかと。そういうことを県として考えたことはありますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 盛岡インターチェンジ付近の交通渋滞問題についてのお話がありましたが、交通事情も含めて、盛岡市が、最有力候補として、地域住民に対して調査結果等を丁寧に説明していくものと考えております。
〇斉藤信委員 交通渋滞解消の計画を出されたのですか。私は聞いたことがないけれども。そんな調査はしていないでしょう。そんな議論もされていませんよ。渋滞解消の議論と調査結果があるのですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 県としては報告を受けておりませんが、盛岡市が今後もその点も含めて詰めていくものと承知しております。
〇斉藤信委員 やってもいないような調査があったような話をしてはだめですよ。シビアな問題なのだから。今、地元の商業者は何と言っているか。ごみ処理施設なんかが来たら地価が下がってやっていけないと、地権者も商業者もそう言っていますよ。そして、あの地域は住宅地としては一級だ、住宅開発をしてほしいと、こういう声もありますよ。
 だから、本当に盛岡のまちづくりを考えるのだったら、あんなところにごみ処理施設を持ってきて、排ガスの量は盛岡クリーンセンターの2倍ですよ。10年、20年蓄積したら、あのかいわいに大変大きな影響を与える。
 そこで、これは9月10日付の新聞ですけれども、上厨川土地区画整理組合が破産しました。実は、この破産した区画整理の場所にこれをやろうとしているのですよ。これは後始末ではないかと。盛岡市は後始末をしようとしているのではないかと。よこしまな狙いじゃないのかと。こう考えられても仕方ないのではないでしょうか。
 上厨川土地区画整理組合の破産についてどう受けとめていますか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 その記事は新聞では読みましたが、盛岡市等からの詳しい報告は承っておりません。
〇斉藤信委員 岩手県のごみ処理広域化計画に基づいて、今、盛岡市広域の8市町が盛岡インターチェンジ付近に最終的に絞って、大型のごみ焼却場を―日量500トンですよ。それを整備しようとしている。私は、場所としても論外だし、そして、こういう土地区画整理組合の破綻の後始末のような開発をするべきではない。そして、重要な商業地域、そして交通の要所でもあると。どこから見たって、県のほうからこの場所はいかがなものかと、こう言うのが県の指導、助言ではないですか。いかがですか。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 その点も含めて、盛岡市とは情報交換はしていきたいと思います。
〇斉藤信委員 極めて重要な答弁でした。そのことも含めて盛岡市と意見交換すると。しっかりやってください。県がミスリードすることがないように。
 次に、大船渡市の吉浜太陽光発電事業についてお聞きします。
 この吉浜地区の太陽光発電事業も、吉浜地区の7割を超える住民が反対しているものです。この計画の内容はどういうものでしょうか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 大船渡市吉浜地区の太陽光発電事業の計画内容についてでありますが、当該事業につきましては、大船渡市から令和2年3月に実施した住民説明会の資料をいただいており、この資料によれば、当初は荒金山と大窪山に太陽光パネルを設置する計画でしたが、大窪山のみに太陽光パネルを設置する計画に変更されたと認識しているところでございます。
〇斉藤信委員 計画が変更されたということになると、これは経済産業省の認可を受けていると思うのですけれども、再申請、再許可が必要になってくると、こういうことですね。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 今回の事業内容の見直しに伴いまして、東北経済産業局に対しまして、固定価格買取制度の変更認定の手続が必要になります。東北経済産業局からは、事業者による変更認定手続がまだ行われていないと聞いているところでございます。
〇斉藤信委員 これは、経済産業省の対応によっては、国や県の環境アセスメントが必要になってくると思いますが、いかがですか。
〇黒田環境保全課総括課長 委員おっしゃるとおり、新しい事業内容について確定した段階で、環境アセスメントについては検討が必要と考えております。
〇斉藤信委員 これも、大船渡市長は、住民の合意を得て進めると繰り返し言明していました。だったら、吉浜地区の7割が署名も集めて反対を表明している、こんなものを絶対ごり押しすべきではないと思いますよ。
 同時に、大窪山というのは県立自然公園内ですよ。県立自然公園というのはどういう意味を持っていますか。こういうところに簡単に開発できるのですか。
〇高橋温暖化・エネルギー対策課長 大船渡地区の住民の大部分が反対しているということでございますが、この事業につきましては、令和元年度に1、300人を超える反対署名があったということと、令和2年度に開催された住民説明会でも反対する意見が多かったと認識しております。
 太陽光発電事業の実施に当たりましては、事業認定する経済産業省が定めている事業計画作成ガイドラインに基づき事業を行う必要がありますが、このガイドラインでは、地域への説明会を開催するなど、事業について理解を得られるように努めることとされております。大船渡市と事業者による住民への丁寧な説明が必要と考えているところでございます。
 県立自然公園内に太陽光発電施設を建設することについてでございますけれども、太陽光発電事業者が施設を建設する場所の選定に当たりましては、関係法令及び条例が適用される場合には、各法令、条例の制定の趣旨を理解し、必要な手続を行い、適用される基準を遵守することが求められております。
 県立自然公園内であっても、県立自然公園条例やその他の関係法令に基づく手続が適切に行われれば、太陽光発電の建設は可能となるものでございます。
〇斉藤信委員 県立自然公園というのは、保護すべき自然があるから指定されているのですよね。そして、ここは市有地なのです。大船渡市の市有地です。民有地ならともかく、県立自然公園の中で、市有地で、私は、特別の事情がなかったら開発すべきものでないと思いますよ。
 ましてや、今適正な手続と言いましたけれども、実は再申請のために大船渡市と事業者が土地の賃貸借変更契約を結んだ。今問題になっている印鑑は3月31日付なのですよ。実際にやったのは4月に入ってからだ。こんなでたらめなことをやっているのですよ。
 こういう意味でも、この大窪山への住民の圧倒的多数が反対する太陽光発電というのは、やはり中止すべきだと。ここは指摘だけにとどめておきます。
 最後です。ちょっと別件でつけ加えてお聞きをしたい。
 実は、現在、岩泉町の有芸地区の風力発電計画が大詰めを迎えています。ここは、イヌワシの重要繁殖地にかかわる開発です。この計画地の牧野周辺では、近郊3カ所の繁殖地のイヌワシが高頻度で確認され、重要な狩場であることが判明をしています。専門家は、イヌワシの計画地内飛来数を年間に換算すると約400回になると。岩手県がレッドデータブックで守るべき、岩手県の象徴と言うべきイヌワシですよ。こういうところに風力発電を開発するというのは、私は絶対許されてはならないと思うけれども、県はどのように対応しているのでしょうか。
〇黒田環境保全課総括課長 岩泉町有芸の風力発電でございますが、こちらは法律上の環境アセスメントの対象となっているところでございまして、開発許可、いわゆる環境アセスメントは、大規模開発に基づく開発行為を環境保全の視点で調整するというものでございますけれども、こちらの岩泉町の事例の場合は、委員おっしゃるとおり、大変貴重な動物等が生息しているエリアでございますので、その旨につきましては国のほうに県として意見を出しているところでございます。
 その意見に対しまして、今後国のほうが判断をするという流れになっておりますけれども、できる限り希少な動植物を守るという位置づけにつきましては、環境省と経済産業省のほうで話し合いが持たれていると聞いております。
〇斉藤信委員 確認しますけれども、これは知事がそういう意見書を出しているということですね。守るべき地域だと。
〇黒田環境保全課総括課長 はい。そのとおりでございます。
〇小西和子委員 私からは1点、男女共同参画社会の実現について伺います。3項目は重複しておりますので割愛いたします。
 世界経済フォーラムが発表した2019年ジェンダー・ギャップ指数の結果では、日本は153カ国中121位で過去最低。中国、韓国、インド、アラブ首長国連邦よりも下です。ジェンダー平等は日本の優先課題です。男女の格差をなくすことで女性の社会進出が進み、その結果、日本のGDPが16%ふえるとの研究も報告されているところです。復興や防災、地域の課題解決に向けた活躍が男女共同参画の視点で行われるよう、女性登用の推進や普及啓発を行うとあります。
 女性委員が参画する市町村防災会議の割合の目標が残念ながら達成できませんでした。その要因と今後の取り組みについて伺います。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 市町村防災会議の女性委員の割合についてでございますが、防災における男女共同参画を推進し、男女の違い等に配慮した防災対策等を進めるためには、防災に関する政策、方針決定過程への女性の参画拡大が重要であると認識しているところでございます。
 女性が参画する市町村防災会議の割合ですが、昨年度からは増加したものの、令和2年4月1日現在で84.8%にとどまっている状況でございます。
 この要因の一つとして、防災関係機関の長等を委員とする充て職が大半を占めており、この充て職についている女性が少ないことが挙げられているところでございます。
 このため、引き続き防災関係部局と連携し、市町村に対し、団体の長に限らない幅広い人選による登用の促進を働きかけるとともに、防災を初めとするさまざまな分野における女性の活躍を支援し、政策、方針決定過程への女性の参画が拡大されるよう取り組みを進めてまいります。
〇小西和子委員 たしか6町村が未達成で、うち野田村、九戸村、一戸町を個別訪問して、女性委員の登用について働きかけていたということでしたね。残り3町村というように捉えておりましたが、先ほど申し上げた2村1町のうちの一つだけが達成できて、あとの二つは残ったというように捉えております。
 ぜひ、避難所運営などについて女性委員からの提言が重要であることを訴えて、さらに働きかけていただきたい。これは、本来であれば総務部なのですが、男女共同参画ということで質問させていただきました。
 次、県民意識調査で、女性が働きやすい状況にあるとの回答が4割に達しておりません。誰もが働きやすい環境をつくる必要があると記されていますが、どのように取り組んだのか。人口流出につながる課題であることから、取り組みを強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。
〇高井特命参事兼青少年・男女共同参画課長 女性が働きやすい環境づくりについてでございますが、県では官民連携組織であるいわて女性の活躍促進連携会議を設置し、女性活躍のための経営者セミナーや女性のキャリアアップセミナーを開催しているほか、いわて女性活躍企業等認定制度や、いわて子育てにやさしい企業等認証制度の普及、また、いわて働き方改革アワードでの女性活躍推進部門の企業表彰など、女性の活躍支援の取り組みを実施してきたところでございます。
 平成30年度に実施した女性活躍促進に関するアンケートでは、労働者に占める女性の割合や管理職のうちの女性の割合は、前回調査より増加しておりまして、女性活躍認定企業や子育てにやさしい認証企業の数もふえていることから、これまでの取り組みの成果があらわれてきているものと認識しているところでございます。
 本県では、就職期の女性の転出が多い傾向にあることから、女性が働きやすい環境づくりをさらに進める必要があると認識しておりまして、女性がそれぞれのライフステージやライフスタイルに対応し、活躍できるよう、関係機関や関係部局と連携した取り組みを一層進めてまいります。
〇小西和子委員 女性の活躍と言うと、ごく限られた女性だけになるわけで、みんなが望んでいるのは底上げです。
 そこで、急ですが、部長にお伺いいたします。
 閉塞感、それから固定的役割分業意識、男尊女卑、そういったイメージというのが、若い女性の流出につながっているという専門家の声があります。そういうマイナスイメージを払拭していく取り組みを進めていかなければならないと考えるわけです。
 SDGsの目標5は、ジェンダー平等を実現しようなのですけれども、職場や地域のジェンダーギャップの解消に取り組んでいる自治体が全国にはたくさんあります。それで、反響を呼んでおります。いわて県民計画(2019~2028)にはないのですけれども、ぜひ岩手県でもそのような取り組みをしていかなければならないのではないかと思っております。
 困窮しているひとり親とか、児童虐待、DVであえいでいる方々を含め、誰ひとり取り残さない岩手の実現に向けての決意を伺って、終わります。
〇藤澤企画理事兼環境生活部長 これまで県では、女性活躍の取り組みといたしまして、先ほど来御説明申し上げましたけれども、働きやすい環境をつくるために、能力開発の取り組みを支援したり、あるいは経営者向けのセミナーを実施するなど、雇用する側と働く側、両面から支援するような取り組みを行ってきたところでございますが、委員御指摘のとおり、やはり固定的役割分担意識が根強く残っているというのが、男女共同参画審議会などでもよく聞かれる言葉でございます。
 委員のお話にもありましたけれども、誰ひとり取り残さないというようなところ、コロナ時代の中でも、大変困っている方々がいるということが連日のように新聞でも報道されておりますので、そういった底上げという部分も留意しながら、今後ますます取り組まなければならないと考えております。
 現在、令和3年度を初年度といたします次期いわて男女共同参画プランの策定を進めているところでございます。この中では、あらゆる分野において女性が意思決定に参加できるということを目標にすると同時に、ただいま委員からお話がありました底上げの部分であれば、誰ひとり取り残さないという部分、あるいは、あらゆる世代の県民がジェンダー平等について理解を深めていかなければならないということも、これからの時代にまさに必要な観点だと思いますので、そういったことを審議会の中で検討いただきながら、新しいプランに反映させていきたいと考えております。
〇上原康樹委員 私は、八幡平市平舘第2地割地内に建設が進められています公共関与型産業廃棄物最終処分場の整備について伺います。
 まず、工事の進捗状況はどうなっていますでしょうか。また、運用が始まるのは令和6年度と資料にありますが、予定どおりでしょうか。
〇加藤廃棄物施設整備課長 処分場の進捗状況と供用開始時期についてでありますけれども、県では、産業廃棄物の適正処理体制を確保することなどのため、いわてクリーンセンターの後継となる公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場を、先ほどお話があったとおり、八幡平市平舘地区に整備することとしたところでありまして、県の要請を受け事業主体となりました一般財団法人クリーンいわて事業団においては、これまでに環境影響評価、民有地の取得、産業廃棄物処理施設設置許可等の許認可手続を終了しておりまして、令和2年度内の建設工事着手に向け、着実に準備を進めているところでございます。
 なお、民有地の取得が半年程度おくれたことで、これからの発注となることとなっておりまして、供用開始時期につきましては、当初令和5年度内としておりましたけれども、令和6年度内となる見込みであります。
〇上原康樹委員 これは大きなプロジェクトには間違いないわけですね。建設は、第1期、第2期、第3期に分けられて、それぞれ15年間、合計45年の使用可能というキャパシティーであります。第1期工事がこれからということになるわけですけれども、この概算工事費用は133億円でございます。その補助割合は、国が4分の1、県が4分の1、国と県で2分の1、あとの半分の2分の1は県からの貸し付けということになっております。つまり75%は県からお金が流れていくということになるわけです。県の関与は非常に大きいものと認識します。
 産業廃棄物最終処分場というのは、器が完成する前と後が大切だと私は感じております。すなわち、前、運営マニュアルの策定、それから運営に当たる技術者の育成、県の支援、予算、そういったものが大切となってきますけれども、県としては技術者の育成、人の育成ですね、どのように支援していこうとお考えでしょうか。
〇加藤廃棄物施設整備課長 技術者の育成というお話でございました。
 県といたしましては、事業主体の選定に当たりまして、奥州市江刺のいわてクリーンセンターの運営主体であります一般財団法人クリーンいわて事業団を事業主体としております。ここを事業主体といたしましたのは、管理型最終処分場を平成7年から運営管理してきたという実績を踏まえておりまして、一般財団法人クリーンいわて事業団においては、そういった技術力、ノウハウを十分に持ち合わせているものと考えております。
〇上原康樹委員 人は育っているという認識で、では、その熟練した技術者の手によって処分場をいかに安全に運転するかということになるのですが、さまざまなケースが想定されます。その中で1点取り上げます。
 大雨に対する運転対応。八幡平市の処分場はもちろんオープン型と言われる屋根のついていない、もっと言えば、野ざらしということになるわけでございます。そういうオープン型の処分場にとって、大雨というのは大変脅威になると思うのですね。近年の豪雨災害を思えば、その備えというのは非常に重要になってきますけれども、県はこの点に関してどう連携し備えていこうとお考えでしょうしか。
〇加藤廃棄物施設整備課長 大雨の備えについての御質問でございます。産業廃棄物最終処分場につきましては、林地開発許可の審査を受けておりまして、大雨に対する備えといたしまして、防災調整池等々の設置が義務づけられているところであります。
 一方、最近の雨の降り方に関しましては、非常に想像を超えるようなところもございますことから、こういった雨の状況などを注視しながら施設の管理を図りたいと考えております。
〇上原康樹委員 それから、廃棄物の中の厄介者、断トツは石こうボードなのですね。廃石こうボードのリサイクルが今大きな課題となっています。既に二戸市の民間企業が、この廃石こうボードを加熱して、無水石こうにして、土壌固化剤、土を固める薬剤の原料として販売しているということです。処分場に持ち込まれる廃石こうボードの量を減らそうという試みに貢献しているものと思いますが、八幡平市の整備が進む処分場にとっても、これは有効な支援となりそうでしょうか。また、こうした廃棄物のリサイクルに関する技術開発に県としてこれからどうかかわれるのか、支援できるのか、そのお考えをお聞かせください。
〇佐々木資源循環推進課総括課長 先ほど委員からお話のありました二戸市の廃石こうボードのリサイクル施設ですが、この施設は、平成24年度に産業廃棄物税を原資とした産業・地域ゼロエミッション推進事業費補助金制度を活用して、土壌改良材として販売する事業を行ったもので、その結果としまして、リサイクル率がその後8倍に向上しております。
 現在は、39%がリサイクルされているものの、一部についてはリサイクルが難しく、埋め立て処分もされているという現状でございます。
 最近、全国的に石こうボードが増加傾向にあるということが言われており、国立環境研究所が令和元年度に策定した廃石こうボードの有効利用ガイドラインができておりまして、これらを周知して、県内のリサイクル向上の取り組みを推進していきたいと考えております。
〇上原康樹委員 こうした大規模な処分場は、人と技術、高度な連携によって成立するものだと思います。単にごみを埋めておしまいというわけではございません。将来的に地域の住民の皆さんにとって有益な場所になることが期待されています。1期、2期、3期、全部合わせて45年という歳月、その果てに待っているのが地域住民の暮らしに益する跡地ということになるはずです。公園などですね。未来の岩手にクリーンなスペースを提供するために、どうぞ岩手県としての有効な連携を続けていただきたいと思います。終わります。
〇千葉絢子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉絢子副委員長 質疑がないようでありますので、これで環境生活部関係の質疑を終わります。
 環境生活部の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 執行部席の消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、労働委員会事務局長に労働委員会関係の説明を求めます。
〇井上労働委員会事務局長 労働委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 労働委員会は、中立、公正な立場で、労使間の紛争解決を支援する機関であります。これに加え、近年、労使間のトラブルの未然防止を目的として、労働相談や学生向けの出前講座を行っております。
 それでは、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。244ページをお開き願います。
 第5款労働費のうち、3項労働委員会費が当委員会が所管するものでございます。予算現額の計1億1、884万円に対し、支出済額は1億1、803万円余となっております。
 支出の内訳でありますが、1目委員会費3、167万9、000円余は、労使紛争の解決を図るための労働委員会の運営に要した経費であり、委員15名に対する報酬及び旅費等の事務費でございます。2目事務局費8、635万1、000円余は、事務局の管理運営に要した経費であり、事務局職員の人件費及び旅費、需用費等の事務費でございます。
 以上で労働委員会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇千葉絢子副委員長 ただいま説明に対し質疑はありませんか。
〇名須川晋委員 それでは、新境地を切り開かせていただきたいと思います。労働委員会については初めて質問させていただきますが、令和元年度の取り組み状況について、まずはお伺いいたします。
 労使の円滑な関係を築いていくには、この労働委員会が非常に大切な機関であると存じますが、その取り組み状況をまずお伺いいたします。
〇蛇口参事兼審査調整課総括課長 令和元年度の取り組み状況についてでございますが、まず、審査、あっせん等の取り扱い件数についてでございます。労働紛争あっせん事件3件、対応の結果、取り下げ1件、打ち切り2件となっております。個別労働関係紛争あっせん事件2件につきましては、結果はいずれも和解成立による解決2件となっております。不当労働行為事件はございませんでした。
 なお、最近の傾向といたしまして、雇用形態の多様化や、労働組合の組織率の低下による労使関係紛争から個別の方向にございまして、全国的に減少傾向にございます。
 そのほかの取り組み状況といたしまして、労働相談専門フリーダイヤルについて、月曜日から金曜日、8時30分から17時15分までの運用。月例無料労働相談会を12回開催、県内各地に出向いて行う出前無料労働相談会を13回開催したほか、学校や企業団体等に委員が出向きまして、ワークルール、事例等の解説を行う出前講座を4校、4団体で、合計で8回実施いたしまして、約400名参加いただいたところでございます。
 なお、労働相談につきましては、令和元年度の件数は350件でございまして、相談につきましては、内容に応じて助言等、適切に対応しておりまして、例えば法令違反等がございます場合は、必要に応じて労働局、労働基準監督署のほうに案内したりとか、また裁判等が必要な場合は弁護士を紹介、話し合い解決を望む場合はあっせん等を進めているところでございます。
〇名須川晋委員 取り下げが1件あったということでございますが、その内容について概略をお伺いさせていただきます。
 また、これは今月9日までの、厚生労働省が見込みも含めて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関連する解雇や雇いどめが6万5、000人ほどとなっているという集計、全国のハローワークや労働局に相談があった事業所の報告をもとに集計ということがございますが、岩手県におけるコロナ禍によるそうした解雇者等々も当然ふえていると思いますし、これからもますます発生してくると思いますけれども、そうした状況についてお伺いするとともに、労働委員会としてほかの組織との連携がどのようになっているのか、お伺いいたします。
〇蛇口参事兼審査調整課総括課長 まず、労働争議あっせん事件で、取り下げについてでございます。取り下げについては、個別的な内容については詳細には申し上げられませんけれども、賃上げ(後刻「賃下げ」と訂正)に係るものでございまして、当委員会の調整を経た後に裁判に発展して、今、裁判で争っているという状況でございます。
 次に、最近の新型コロナウイルス感染症等の雇いどめの状況についてでございます。雇いどめにつきましては、当委員会のほうにも相談がございまして、去年2件でしたが、ことし上半期、9月末現在で3件ほど相談が来ておるところでございます。それに伴いまして、雇いどめにつきましても、労働基準監督署または労働局、そういった労働関係の法令を所管する部局と連携しながら対応しているところでございます。
〇名須川晋委員 3件ほどということですが、恐らくはもっと、泣き寝入りといいますか、なかなか相談するところが見つからない、知らないという方々が大勢いるのではないかなと思います。
 1週間ほど前の新聞報道でございますが、ある女性が、1週間前に来なくていい、出社しなくていいという告知を受けたということでございます。こういう場合は、1カ月前に当然ながら告知をしなければいけない。あるいは、1カ月分の賃金を出すからということの対応が必要であるわけでございますが、泣き寝入りをこの方はされたのでしょう。
 こういう相談体制が周知され、一般的に理解されていれば、こういう事例はなかったものだと思いますし、恐らくは、3件とおっしゃいましたけれども、確かに去年よりは3倍というように数えられるのでしょうが、非常に少ないのではないかなと思います。
 さらなる周知を図る必要があると思いますが、何かその方策について、今現在あるいは今後、取り組んでいくべきではないかと思いますが、その状況についてお伺いをたします。
〇蛇口参事兼審査調整課総括課長 周知活動についてでございます。
 周知活動につきましては最近力を入れているところでございまして、今年度におきましては、例えば盛岡駅のさんさこみちにポスターを掲示したりとか、あと、去年で言えば、岩手県交通のバスにポスター掲示をお願いしております。また、ことしの春先には、コンビニエンスストアにも労働関係の労働相談の案内を配架しまして、県内各コンビニエンスストアで手に取れるようにやっているところでございます。
 また、従来からやっているものといたしましては、県政広報のラジオ、テレビ等を使いまして、県民に広く周知を図っているところでございます。ことしについては特に、宮本前県労働委員会会長がテレビ出演されまして、直接県民に語りかけるなどの活動もしたところでございます。
〇名須川晋委員 労働委員会というこの名称自体が、なかなかとっつきにくいというか、かたいというような感じもありまして、これからもどんどん発生してくるであろうこういう生活困窮者、生活が困難な方々には、大変な状況でございますけれども何とかしっかりと生きていただくように、労働委員会のほうで周知を図っていただきたいと思います。
 また、労働委員会委員名簿を拝見させていただきました。公益委員の方、労働者委員、使用者委員ということで、都道府県の場合は5名、5名、5名とバランスよく、これは法律で決まっておりますが、労働者委員はそれぞれの団体からの推薦と。使用者委員もそのとおりでございます。公益委員は、労働者委員と使用者委員の推薦によるものということで、最終的には知事が任命をするということでございますが、この任命を拒否したという事例はこれまでございますでしょうか。
〇井上労働委員会事務局長 委員の任命に関することにつきましては、所管が商工労働観光部でございますので、事務局としての答弁は控えさせていただきたいと思います。
〇名須川晋委員 わかりました。コメントをいただくわけでございますが、例えば知事が任命しますが、そういう権力を振るう際に、慎重かつ抑制的に、能力や思想や政治的スタンス、さまざまあると思いますけれども、それを受け入れるようなおおようさが必要だと思っております。為政者にはそういうことが重要だと思っております。
 この委員構成は非常にバランスがいいなと。それは法律で決まっているわけでございますけれども、こういうことについても、ぜひとも、さまざまな考え方があるのだと、それが社会であり国家だと思うわけでございますが、これについて事務局長から何かコメントがあればお伺いいたします。
〇井上労働委員会事務局長 労働委員会の委員構成につきましては、公益委員、労働者委員、使用者委員と、いわゆる三者構成に基づきまして、各分野の専門的な識見により労使紛争の解決を図ってきた、これが伝統的な位置づけでございますけれども、近年は労使紛争も個別化しておりまして、個々の労使関係のトラブルを解決しているところでございます。
 さらに、トラブルに発展する前の段階で未然に防止するということ、あるいはトラブルの小さい段階で解決できることが、県民サービスにとって一番望ましいものと考えております。
 こういった観点からいきますと、各委員を適切に任命していただいておりますので、その各委員の識見に期待するものでございます。
〇蛇口参事兼審査調整課総括課長 先ほど名須川委員から御質問ありました件につきまして、私、取り下げのところの内容で賃上げとお話ししましたけれども、賃下げの間違いでございましたので、訂正いたします。申しわけございません。
〇斉藤信委員 それでは、この間の労働相談の内容、件数、そして相談者の男女の比率、これを示してください。
〇蛇口参事兼審査調整課総括課長 労働相談の内容、男女の比率等についてでございます。
 先ほどお話ししましたとおり、令和元年度の相談件数は350件でございますが、相談の内容を項目別に見ますと、多い順から、賃金、手当に関する相談が85件と最も多く、続いてパワーハラスメント、嫌がらせが47件、社会保険、労働保険が45件、退職が35件の順となっております。
 また、相談における男女の比率でございますけれども、男性からの相談が159件で45.4%、女性からの相談が182件で52%、その他組合等からの相談が9件で2.6%となっているところでございます。
〇斉藤信委員 労働相談、女性からの相談が52%ということですね。それで、労働委員会委員の構成で、女性の比率はどうなっていますか。
〇蛇口参事兼審査調整課総括課長 令和2年10月現在でございますけれども、公益委員が5名、労働者委員が5名、使用者委員5名、計15名のうち、女性は、公益委員が1名、使用者委員1名、計2名となっております。比率にすれば13.3%でございます。
〇斉藤信委員 全国の労働委員会の女性の比率はわかりますか。
〇蛇口参事兼審査調整課総括課長 全国の労働委員会の女性の比率についてでございます。最新のもので、令和元年5月に中央労働委員会事務局で調べた全国調査の結果によりますと、全国の労働委員は777名、うち女性は165名、比率とすれば21.2%となっているところでございます。
〇斉藤信委員 岩手県の労働委員会の構成というのは、そういう意味では極めていびつだと。労働相談では、女性からの相談は52%を占めているのに、15分の2ですよ。異常なのは、労働者委員はゼロなのですよ。一番相談している労働者の代表に女性が入っていないと。これは異常ですよ。そして、日本労働組合総連合会に独占されている。これまた二重の異常で、先ほど名須川委員は構成がいいような話をしたけれども、岩手県は本当に構成が二重にゆがんでいると私は思います。
 選任の所管は商工労働観光部なので、そこで私は選任問題をやりますけれども、事務局長、どうですか。女性からこれだけ相談が多いのに労働委員会の女性が少ないというのは―岩手県の方針は、3割は女性にしましょうということでしょう。やはりいびつに感じませんか。
〇井上労働委員会事務局長 事務局でございますので、事務的な観点からのお答えとさせていただきますが、労働相談につきましては、各分野の委員の専門的な識見により適切に対応させていただいていると考えております。
 なお、令和元年度の相談内容を見ますと、賃金、手当、パワーハラスメント、嫌がらせ、社会保険、労働保険、退職といったことが主力になっているようでございますが、この多い件数のほうは、比較的性別の差が少ない分野が多くなっていると認識をしております。特に女性に特徴的なもの、例えばセクハラは2件といったようなもので、特に女性委員の対応、女性相談員の対応が伴うというのは比較的少ない状況と、事務的にはそのように考えております。
〇斉藤信委員 これで終わりますけれども、なぜ女性の相談が多いかというのははっきりしていて、やはり非正規雇用。女性の場合には5割、6割以上が非正規になっている。極めて不安定雇用で、今、新型コロナウイルス感染症のもとで、それこそ問題になった雇いどめとか派遣切りとか、この一番の犠牲者は女性なのです。
 あと、今、事務局長が言った大変大事な問題提起は、セクハラのような相談はやはり女性の労働委員が対応するということなのだと思うのです。
 そういう意味で、実は10月1日に新しい労働委員会の委員が任命されたばかりで、私は達増県政を基本的に評価しているのだけれども、この労働者委員の選任だけは、残念ながら達増県政の汚点の一つだと、そのことを指摘をして、終わります。
〇千葉絢子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉絢子副委員長 質疑がないようでありますので、これで労働委員会関係の質疑を終わります。
 労働委員会事務局の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 執行部席の消毒をいたします。しばらくお待ちください。
 次に、商工労働観光部長に商工労働観光部関係の説明を求めます。
〇戸舘商工労働観光部長 令和元年度の商工労働観光部関係の決算について御説明申し上げます。
 初めに、当部の所管事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方向等について御説明を申し上げます。
 なお、対外戦略に係る事務事業につきましては、本年4月の組織再編に伴いまして、旧政策地域部から商工労働観光部に移管されております。
 当部では、いわて県民計画(2019~2028)の政策推進プランに掲げる活力ある産業のもとで、安定した雇用が確保され、また、やりがいと生活を支える所得が得られる仕事につくことができる岩手の実現に向けて、復興推進プランに掲げる暮らしの再建となりわいの再生と一体的に取り組んでまいりました。
 まずは、雇用労働・移住定住の施策につきましては、政策推進プランにライフスタイルに応じた新しい働き方を通じて一人ひとりの能力を発揮できる環境の整備を掲げておりますが、いわてで働こう推進協議会を核とした新卒者等の県内就職の促進や働き方改革の推進、岩手県で働き暮らす魅力の発信、就職情報マッチングサイトや市町村と連携した移住受け入れ環境の整備、首都圏の移住等に係る相談窓口機能の強化などに取り組み、若者等の地元定着やU・Iターン、雇用、労働環境の整備を促進するとともに、職業訓練の実施等を通じて女性、若者、障がい者等への職業能力開発の支援に取り組んでまいりました。
 次に、中小企業施策については、政策推進プランに地域経済を支える中小企業の振興を掲げておりますが、東日本大震災津波で被災した中小企業者を対象とした県単融資制度やグループ補助金の活用促進、債権買い取り等の金融支援のほか、令和元年台風第19号災害で被災した中小企業者を対象とした災害復旧資金や補助制度等による支援に取り組んでまいりました。
 また、中小企業者の経営力の強化や生産性の向上に向けた経営革新計画、事業継続力強化計画の策定支援、商工指導団体や金融機関等と連携した円滑な事業承継の支援にも取り組んでまいりました。
 ものづくり産業については、政策推進プランに国際競争力が高く、地域の産業、雇用に好循環をもたらすものづくり産業の振興を掲げておりますが、ものづくり産業の中核である自動車、半導体関連産業については、地場企業の技術力、競争力の強化及び産業基盤の強化に取り組んだことなどにより、関連企業の誘致や増設の動きが活発化するなど、特に北上川流域において最先端のものづくり産業の集積が加速しているところであります。
 また、県内ものづくり産業の一層の集積促進と競争力強化に向け、すぐれたものづくり人材の育成、確保、定着の促進に取り組んだほか、企業の生産性や付加価値の向上を図るため、いわて産業振興センターや岩手県工業技術センターなどと連携して、第4次産業革命技術の導入に向けた企業の取り組みを支援してまいりました。
 食産業、地場産業の振興については、政策推進プランに地域資源を生かした魅力ある産業の振興を掲げておりますが、事業者間連携など、付加価値の高い商品開発や生産性の向上に向けた新たな事業活動の取り組みを促進するとともに、フェアや商談会の開催による販路開拓やアンテナショップ等を活用した情報発信、KOUGEI EXPO IN IWATEの開催などにより、食や工芸品を初め、さまざまな県産品の魅力を国内外に広く発信し、販路拡大に取り組んでまいりました。
 観光産業の振興については、政策推進プランに地域経済に好循環をもたらす総合産業としての観光産業の振興を掲げておりますが、地域資源の発掘、磨き上げや二次交通の充実への支援、教育旅行等の誘致に取り組み、広域周遊観光の促進とこれに伴う観光消費の拡大に取り組んでまいりました。
 また、国際観光については、インバウンド向けの旅行商品の造成、販売促進などに加え、県内宿泊施設等に対する無料公衆無線LANなど受け入れ態勢の充実に取り組んでまいりました。
 最後に、今年度、旧政策地域部から移管された対外戦略でありますが、新たにバーチャル技術を活用した動画による情報発信を行うなど、売り込み活動に取り組んでまいりました。
 今後につきましては、震災からの復旧、復興や新型コロナウイルス感染症対策が、いわて県民計画(2019~2028)に掲げる政策の着実な推進にもつながることから、被災した中小企業の本設移行も含めた復旧、復興の支援に取り組むとともに、各事業者に徹底した感染症対策を促した上で、県単融資制度など資金繰りへの支援や、買うなら岩手のもの運動、宿泊割引クーポンなど消費喚起策、オンライン販売やテレワーク促進、ものづくり産業の一層の集積促進と競争力の強化やすぐれたものづくり人材の育成、確保、定着の促進など、新しい生活様式に対応したビジネスモデルへの転換や生産性向上の取り組みに対する支援、いわてで働こう推進協議会を核とした人材確保の取り組み、移住、定住の推進、東京2020オリンピック・パラリンピック及び東北デスティネーションキャンペーンに向けたプロモーションに取り組んでまいります。
 以上、令和元年度の総括的な取り組みと成果及び今後の取り組み方向等について御説明申し上げました。
 続きまして、決算の概要について御説明申し上げます。
 令和元年度岩手県歳入歳出決算書の12ページをお開き願います。
 一般会計歳出における商工労働観光部の決算は、2款総務費のうち4項地域振興費の一部、5款労働費のうち1項労政費、2項職業訓練費、14ページに参りまして、7款商工費1項商工業費、2項観光費、16ページに参りまして、11款災害復旧費のうち1項庁舎等施設災害復旧費の一部、3項商工労働観光施設災害復旧費と、13款諸支出金のうち2項公営企業負担金の一部でありますが、これらの予算現額は1、254億7、700万円余、これに対する支出済額は1、183億193万円余、翌年度繰越額は45億9、269万円余、不用額は25億8、237万円余となっております。
 続きまして、特別会計について御説明申し上げます。ページを飛んでいただきまして40ページをお開き願います。
 中小企業振興資金特別会計でありますが、予算現額は、歳入歳出それぞれ12億5、979万円余であります。
 歳入につきましては、収入済額は12億1、280万円余であり、その主なものは貸付先企業等からの元利償還金等の諸収入であります。歳出につきましては、支出済額は10億2、468万円余であり、その主なものは、高度化資金貸付金の貸し付けなどに要した経費であります。
 決算の内容につきましては、令和元年度歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承お願いいたします。
 以上で商工労働観光部関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇千葉絢子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇名須川晋委員 観光消費額について、まずお伺いいたします。
 いわて県民計画実施状況報告書を見ますと、観光消費額の単価が非常に低いということが書かれておりますが、その理由もある程度は記載されておりますけれども、もう一度お知らせをいただけますでしょうか。
〇高橋観光・プロモーション室長 ただいま御質問にありました観光消費額が低いというところでございますけれども、指標の観光消費額は達成度Dということでございます。これは、昨年度、観光キャンペーン等を展開したところでございますけれども、上半期を中心に増加傾向にあったものが、8月以降は全国的に複数の台風が発生したということがございますし、それから秋口に台風第19号の影響がございましたので、そういったところが原因となり、消費額が目標を下回ったという状況でございます。
〇名須川晋委員 そこに年明けに新型コロナウイルス感染症が襲ってきたわけだと思いますが、確認をさせていただきます。Go To キャンペーン、中身はいろいろありますが、トラベル、そして、いよいよイートも始まりました。そして、これからは商店街とイベントということで始まってまいりますけれども、それぞれ所轄が違う、担当省庁が違うわけでございますが、このGo To キャンペーン自体は、岩手県としてはどこの部が所管をするものなのか。それぞれ別になるわけでございましょうか。
〇似内商工企画室企画課長 Go To キャンペーンは、新型コロナウイルス感染症の影響により売り上げに甚大な打撃を被った観光、運輸業、飲食業、イベント、エンターテインメント事業を支援する、期間限定の官民一体型の国の消費喚起キャンペーンであります。事業を実施する事務局は、それぞれ国において選定しております。
 県は、国に先んじて、買うなら岩手のもの運動、宿泊割引クーポンなどによる消費喚起策に取り組んでいるところであり、これら消費喚起策を担う商工労働観光部が主体となり、Go To キャンペーンと連携した取り組みを進めております。
 Go To キャンペーンの具体の所管というところでは、Go To トラベル、Go To イート、Go To 商店街は商工労働観光部が主体で取り組んでおりますけれども、Go To イベントに関しましては、文化芸術、スポーツ関係団体を所管する文化スポーツ部が主体となり取り組むこととしております。
〇名須川晋委員 文化スポーツ部は終わってしまったので質問はできないわけでございますが、それではまず、地域共通クーポンが岩手県内でなかなか使える場所がないという状況があるかと思いますが、これについてどのように取り組んでいくのか。それぞれの請け負った団体がどんどんもっとPRをしていく。本来はそうなのかもしれませんが、県としても、地域共通クーポンだけではなくて、もちろんGo To イートとGo To 商店街もですけれども、県としてのかかわりをもっと深めていくべきではないかと思うのですが、その辺はどのようになっているのでしょうか。
〇似内商工企画室企画課長 Go To キャンペーンの活用の促進について申し上げますと、例えばGo To イート事業では、運営事務局や商工指導団体と連携した周知でありますとか、県や商工指導団体が配付する感染症対策実行宣言ステッカーのGo To イート参加店舗での活用を推奨しているほか、Go To 商店街事業に関しましては、県主催のセミナーを開催し、事業への参加を促しているところであります。
今後におきましても、県の消費喚起策とGo To キャンペーンを組み合わせ、本県の地域経済の活性化につながるよう、運営事務局あるいは商工指導団体などと連携して取り組んでいきます。
〇名須川晋委員 その地域共通クーポン取り扱いについて、今後、県としてPRを進めていくという先ほどの回答に包含されていると受けとめてよろしいでしょうか。
 それと、Go To イートの登録もこれから、きのうから県内は始まっております。これは二つあるようで、特にクーポンがこれから発売されるような状況にありますけれども、例えばインターネットでの登録となると、御高齢の飲食店経営者もいらっしゃる中で、なかなか日常にインターネットでの申請ということも難しいような小規模な飲食店も多数あるわけでございます。そういうところへもしっかりと訴求をしていく必要があると思われますし、その辺が県の役割であると考えるのですけれども、その対応については何か御検討されておりますでしょうか。
〇関口経営支援課総括課長 まず、Go To イートの飲食店の登録に関しての御質問を賜りました。
 委員御指摘のとおり、インターネットでの申請ということがまずあります。そのほか、受託している事務局のほうで、県内飲食店5、000店に対して登録案内のダイレクトメールを送付しております。そこにある登録要領に基づいて、郵送でも受け付けをすると聞いているところであります。
 県としましては、そのダイレクトメールを送付するときに、Go To イートの場合は、飲食店の登録条件として、感染症対策を実施することが条件になっております。したがいまして、県が今実施している感染症対策の補助金の御案内も一緒に同封させていただいているところであり、そういったところを含めて、受託事務局と連携しながら、登録の申請がふえるように取り組んでいきたいと考えております。
〇名須川晋委員 県内消費が冷え込んでいる中で、こうした施策をしっかりと取り込んで活性化につなげていくことは非常に大事であります。Go To キャンペーンは、さまざま問題がありますけれども、考え方としては非常にいいなと私は思っておりますので、その辺で何とか県の後押しも、小さいところにも目を向けながら後押しをしていく必要性があると思います。
 そうした中で、Go To 商店街が始まります。先行事業、第1次募集では、県内では久慈市の中心商店街が登録をしたということになります。全国でも34カ所程度ということで、これからふえていくものと思いますが、これについて県内の商店街の申し込みをしようという意思のある団体はどれぐらいあるのか、把握されていればお知らせいただきたいと思います。
〇関口経営支援課総括課長 Go To 商店街については、委員から御案内がありましたとおりに、先行募集の1次締め切りに応募したのは、本県では、久慈中心商店街絆魅力創造プロジェクトを実施する久慈商工会議所のみでございます。2次締め切りや3次締め切りには、盛岡市あるいは大船渡市の商店街など、複数の市町村において、申請あるいは申請を検討していると聞いているところであります。
〇名須川晋委員 さまざまPRをする態勢にもこの予算が使われるということで、これ自体はいいと思いますが、実際に事業をするとなると2月14日までという期限が区切られておりまして、一体なぜ2月14日なのかがよくわからないわけでございます。さまざまホームページを使って商店街をPRというような、ソフト事業なら、以降も影響が発揮されると思いますけれども、イベントとなると、岩手県はこれから冬季に入りますから、なかなか人を集めることも難しいとなるわけでございますけれども、何ゆえに2月14日なのか、この辺、おわかりであれば。
 あと、県としても、県内に商店街がたくさんあるわけでございますから、その辺に、こういう事業があって、取り組んでいくべきではないかというようなことで、積極的に商店街を促していくことが必要であろうかと思いますが、いかがでしょう。
〇関口経営支援課総括課長 Go To 商店街につきましては、国が制度設計をしているものであります。県に特にその制度設計の目的、どういう考えでこういう期限を設けたというところについては、現時点で情報等ございませんので、そこはちょっとわかりかねるわけですが、まず、Go To 商店街事業については、季節のイベントや行事とあわせて地域や商店街のよさを伝える取り組みが対象となっております。Go To キャンペーン期間においては、例えばクリスマス、あるいは年末年始の大売り出し、節分などに絡めたイベントの開催が考えられております。
 さらには、新しい生活様式に対応したテークアウトに関するウエブサイト、ECサイトの立ち上げなどの取り組みも対象としております。システムを構築するため、ノウハウ、資金、あるいは商品のラインアップなどの課題があり、個店でウエブサイト等に取り組めない場合でも、キャンペーンを利用し商店街全体として取り組むことも可能と考えております。それぞれの商店街において工夫しながら進めていただきたいと考えている次第であります。
 県としても、先ほど企画課長から答弁もございましたが、県主催のセミナーを近々開催する予定としております。11月11日になりますが、コロナ禍での商店街や中心市街地のあり方について考えるセミナーを商工指導団体、商店街組織と連携して実施する予定でございます。そういった機会を通じて、商店街のほうには、Go To 商店街の事業概要や取り組み、あるいはさまざま相談などにも応じて対応していきたいと考えているところであります。
〇名須川晋委員 地域共通クーポンもですし、Go To イートも、そしてGo To 商店街のほうも、期限が非常に短くなっておりまして、もちろん即効性が必要ということも当然なのですけれども、ここに対応できない商店街とか小さい事業所が、特に地方には多いと思われます。そうした中で、県のほうでしっかりとPR、後押しをしていくということで。請け負った団体はなかなかそこまで手が回らないのではないかと思いますので、そういうところでのしっかりとした後押しをしなければ、せっかくのGo To キャンペーンの意味合いも、地方ほど薄れるというようになろうかと思いますので、早急に取り組んでいただきたいと思います。
 Go To イベントが文化スポーツ部となると、また、そこでの経済効果がどうなのかなと思うわけでございますが、そちらにも目を向けて、岩手県を盛り上げていただきたいと思います。以上です。
〇千葉絢子副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時37分 休 憩
午後2時52分 再開
〇千葉絢子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について延べ13人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇臼澤勉委員 それでは、私からは、移住、定住促進対策、その中でも地方創生移住支援事業についてお伺いいたします。
 事業成果と評価についてお伺いいたします。
〇小原定住推進・雇用労働室長 地方創生移住支援事業の成果と評価でございますが、令和元年度の本県の支給実績は2件でございます。本事業を実施する全国42道府県の制度利用者は、合計で71件でございまして、全国的にも活用が進んでいない状況でございます。
〇臼澤勉委員 全国的にもなかなか厳しいということですが、主要政策評価の中でも、目標値100に対して2件ということで、Dという評価でございました。
 私も知事に対して総括質疑をさせていただきましたが、まさに今岩手県が抱える課題といいますか、取り組むべき三つのうちの、社会減対策であったり、県民所得の乖離幅の縮減という大きな目標があります。まさに商工労働観光部は重要な役割を果たしていると思っております。
 まず、今回のこの事業の御苦労されている点というか、課題認識をどのように捉えているかお伺いします。
〇小原定住推進・雇用労働室長 今回この事業について本県の支給が2件にとどまった要因でございますが、この事業は、対象者を連続して5年以上、東京23区内に居住または通勤していた者という限定がございましたことで、東京23区内に5年間通勤または5年間住んでいる、どちらかではないとだめという要件で、これは非常に使い勝手が悪いということで、国に対して要件の緩和を強く求めてきたところでございます。
 その結果、昨年12月に、居住、通勤期間の要件の一部が緩和されたところでございます。直接5年ではなくて、過去10年の中で居住または通勤が5年あればいいと。ただし、直近の最近の1年間はどちらか、居住か通勤か東京23区内にしてくださいという要件になりましたので、若干は緩和されましたが、画期的な制度改正ではないということで、結局、東京23区内の要件というのが非常にハードルが高くて、今年度でも、この9月末までで利用は7件にとどまっているところでございます。
 このため、これにつきましては、今年度6月に実施しました政府予算要望におきましても、地理的要件、それから年数的要件のさらなる緩和について要望を行いました。
 それから、この要件について、それぞれの方の仕事の仕方、どこに住んでいたかというのを一々聞かないとわからないということで、制度が非常にわかりづらいということで、これにつきましても、制度の周知、広報についても一層充実するようにということについて、全国知事会とも連携して、国に求めているところでございます。
〇千葉絢子副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔にお願いいたします。
〇臼澤勉委員 確認ですけれども、目標値の100件というのは、これは全国的な数値なのですか。岩手県の目標値ですか。
〇小原定住推進・雇用労働室長 こちらにつきましては、要件が詳細にわかる前の目標値だったのでございますが、本県として100件という目標でございました。
〇臼澤勉委員 いろいろ使い勝手が悪いというようなことでの御説明がありましたけれども、岩手県の今4、000人を超える社会減、どうやってこれに歯どめをかけていくのか。知事にも、歯どめの評価というか、まだまだ4、000人をゼロのほうに向かっていかなければいけないという課題認識で、この事業単独で成果が上がるものではないというのは重々承知しております。ですから、さまざまな政策をミックスしながら、今商工労働観光部が持っている雇用対策だとか、あるいはU・Iターンだとか、さまざまな政策がありますので、それを効果的に進めていく必要があろうかと思っております。
 先に進めますけれども、この前、日本経済新聞で秋田県知事のワーケーションの取り組みの記事がバーンと1面で載っていましたし、あるいは宮城県でも、民間と協議会をつくって新たなワーケーションの取り組みをやっております。岩手県の取り組みはどのような状況になっていますか。
〇小原定住推進・雇用労働室長 ワーケーション等の新たな取り組みについてでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、さまざまな県外企業においても、働く場所を選ばずに働けるテレワーク環境が整いつつありますことから、今年度から、本県でテレワークを実施する企業の掘り起こし、それから、テレワーク関連施設の情報発信を行っております。そのほかに、お試しテレワークですとか、本県のテレワーク関連施設、それからワーケーション実施可能施設等の視察も行う予定としておりまして、こちらについて、これらの参加企業なども含めて、企業への情報発信を強化してまいります。
 それから、テレワークを希望する方に対しては、ワーケーション対応可能な施設、それからコワーキングスペース、シェアオフィスなどの情報については、移住、定住のポータルサイト、いわてイーハトー部に入ろうで、10月13日から公表を始めたところでございます。
〇臼澤勉委員 いずれ、各自治体それぞれ取り組まれておりますので、負けずに頑張っていただきたいなと思っております。
 新型コロナウイルス感染症対策の中で、移住・定住促進事業の企画コンペが9月15日に行われたようでございますけれども、この取り組み、今後どういう取り組みを想定しているのか、お聞かせいただきたいと思います。
〇小原定住推進・雇用労働室長 9月15日に公募を開始しました、いわて移住プロモーション事業業務についてでございますが、こちらは、移住プロモーションの動画を作成しまして、SNS等を活用したウエブプロモーションを実施したり、あとは、首都圏駅構内や車両等に映像広告を掲載することによって、本県への移住を促すPR活動を行うものでございます。
 こちらについては、10月16日に企画コンペを実施いたしまして、業務委託候補者を選定したところでございますので、今後1月をめどに、ウエブプロモーション及び交通広告等を実施する予定としております。
〇臼澤勉委員 プロモーションを私は否定するものではありませんけれども、そういった情報発信をしながら、やはり足で稼ぐような取り組み、地道に一件一件当たっていくような取り組みが必要になってくると思います。東京事務所もあります。県外事務所もありますので、そこら辺との連携をしっかりととって取り組んでいっていただきたいということで、そこは指摘にとどめます。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策関連の事業、さまざまございます。商工労働観光部でも所管しておりますけれども、主な事業で、資金貸付金や地域企業経営継続支援事業、観光宿泊施設の緊急対策、ここら辺の事業の今の執行状況、件数等はどのようになっているのかお伺いいたします。
〇関口経営支援課総括課長 感染症対策補助については、現在、34カ所の商工会、商工会議所で受け付けを開始しておりまして、9月末現在の申請件数は1、435件、支給件数は1、008件となっております。
 家賃補助については、現在、32市町村で受け付けをしており、9月末現在の申請件数は3、109件、支給件数は2、769件となっております。
 無利子、無担保の新型コロナウイルス感染症対応資金は、9月末現在の融資実績について、7、019件、1、159億8、803万円、低利子かつ保証料の一部を補給する新型コロナウイルス感染症対策資金は、951件、402億7、038万円となっております。
〇臼澤勉委員 私、なぜ聞いているかというと、企業の皆様とかとお会いしていろいろとお話を聞くと、やはりスピード感を持って対応していただきたいというような声をよく聞くのであります。皆様の今のこの執行状況についての評価はどのような評価か、ちょっと参考までにお聞かせください。
〇関口経営支援課総括課長 融資については、かなり事業者の方々にお借りいただいていると考えております。感染症対策については、8月から開始したところで、まだ間もないところもあり、先ほど答弁申し上げましたが、Go To イートの関係で感染症対策も進めなければならないということで、感染症対策補助金等については、まずは、これからさらに推進を図っていくべきものと思っております。
〇臼澤勉委員 毎月の商工団体の事業者影響調査で、午前中に佐々木宣和委員からも他部局の審査でありましたけれども、9月時点の影響調査は、前年同月比、飲食業41%以上100%売り上げが下がっている割合が49%、約2者に1者ですよ。宿泊業に関しては70%、3者に2者、そのような今の状況になっているという、この状況を商工労働観光部として、どうその声を把握し受けとめているのか、改めてお伺いします。
〇関口経営支援課総括課長 委員から御紹介がありましたアンケート調査にも、21%から40%売り上げが減少しているという状況が半年続いている、あるいは景気回復にはまだまだ時間が必要であるという厳しい声も寄せられております。
 調査の傾向としては、売り上げは幾分改善傾向にはございますが、委員から御指摘があったとおり、飲食店を初めまだまだ厳しい状況にあると認識しております。
〇臼澤勉委員 そこで、県内の新型コロナウイルス感染症関連の倒産件数だとか、あるいは今後の対策。倒産防止対策も商工団体で行っていますけれども、今の状況、どのような状況かお伺いいたします。
〇関口経営支援課総括課長 新型コロナウイルス感染症関連の倒産件数でございます。民間の信用調査会社が公表している数字でお答えさせていただきたいと存じます。帝国データバンクの調査では2件、東京商工リサーチの調査では4件となっております。
 県では、県内事業者の事業の継続と雇用の維持を図っていくため、先ほど申し上げました感染症対応資金などの貸付金、あるいは家賃補助制度等により資金繰り支援策を講じてきているところであり、これらの制度の活用を促しているところであります。
 国においては持続化給付金の支給を行っているところでありますが、新型コロナウイルス感染症がさらに長期化した場合には、事業者における収入の減少が恒常化することが懸念されるため、事業が継続され、雇用が維持されるよう、県では必要な経済対策の長期にわたる実施を要望しているところであります。
〇臼澤勉委員 これから年末にかけて非常にまた厳しい。ましてや、この前、知事も収束の見通しは当然わからないと言っていたような状況にあるという中で、ますます厳しくなってくるのかなと思っております。
 そういった中で、特に観光宿泊施設緊急対策、2、000円クーポン、3、000円クーポンをやっておりますけれども、今までのこの申し込み、あるいは利用実績をどう評価しているのか、改めてお伺いいたします。
〇高橋観光・プロモーション室長 観光宿泊施設緊急対策の評価でございますけれども、これまでこの事業によりまして、厳しい経営が続く宿泊事業者を支援するための感染症対策に必要な設備の整備等に対する補助金ですとか、宿泊事業者に対する生産性向上の取り組みに対する支援金ということで、経営基盤づくりというところがございます。あと、今、委員から御指摘がありました宿泊需要を喚起するための市町村と連携した地元の宿応援割ですとか、県民を対象とした泊まるなら地元割クーポンという宿泊助成制度を措置いたしまして、国の事業と併用することによりまして、より身近なエリアでの周遊のインセンティブが高く、感染症の状況を見ながら柔軟に対応できる仕組みづくりができたと考えているところでございます。
 これらの取り組みによりまして、観光庁宿泊旅行統計によりますと、岩手県の6月の延べ宿泊者数は前年同月比43.6%と半分を下回っておりましたけれども、地元割クーポンの利用が始まった7月は60.2%に回復しており、効果があったと認識しているところでございます。
〇臼澤勉委員 最後にいたしますけれども、いずれ今の対策というのは、いつまでも継続する支援策ではない。先般、地元紙の1面にも、高卒者の県内新卒求人が始まって、なかなか厳しいような記事が出ておりました。県のほうでも、高卒者の県内就職率68.5%、全国39位ということで、目標に対しても非常に厳しい中において、さらに今回のコロナ禍で、高卒者なりの県内就職というのは非常に厳しい環境になってきていると。
 それで、最後にちょっと部長にお伺いしたいのですけれども、今まで、リーマンショックや東日本大震災津波のときにも、企業の雇用支援みたいな形を取り組んでまいりました。私が担当したときも、例えば観光宿泊施設で1年、2年の期間限定で数人の職員を雇って、そして活動費も支援するような対策もありましたけれども、具体的なそういう対策が、今、必要とされているのではないか。商工会長からも要望があります。ぜひ最後に、部長のそこら辺の御所見をお聞きしたいと思います。
〇戸舘商工労働観光部長 雇用の確保についてのお話でありますけれども、高校卒業予定者の就職支援の関係につきましては、採用の時期がおくれていることによって内定がおくれてくることが想定されますので、11月以降、岩手労働局等と連携をして、未内定の高校生の県内就職や、あるいは解雇、雇いどめとなった労働者等の早期の再就職を支援するための企業面談会を県内4広域圏において開催することとしております。
 雇用支援のお話もございました。新型コロナウイルス感染症拡大による影響が長期化する中で、本県の有効求人倍率は8月で0.99倍と1倍を切ったという状況でございます。今後さらに低下することが懸念されますので、雇用の受け皿を確保するという意味で、委員御指摘のような事業も想定されます。
 リーマンショック時を上回るような基金を活用した緊急雇用創出事業を早急に創設することについて、全国知事会を通じて、国に対して既に要望しているところであります。県としては、国の動向を見ながら、引き続き、関係機関と連携して雇用の確保に努めてまいります。
〇臼澤勉委員 まさに、本当に今ここがしっかりと取り組む大事なポイントだと思っておりますので、商工労働観光部の活躍を期待いたします。終わります。
〇吉田敬子委員 地場産業の振興についてお伺いいたします。順番を変えながら質問させていただきます。
 アパレル商談会の成約件数が達成度Cという状況になっておりますけれども、これについての理由と、2018年の製造品出荷額は47億円と、2013年に比べて24%増加していたと承知しておりますが、2019年度の製造品出荷額についてお伺いいたします。
〇竹花地域産業課長 まず、アパレル商談会の成約件数についてですが、達成度がCとなった要因としましては、昨年度、東京都内で2度の商談会を開催しておりますが、消費増税の時期に重なったということもございまして、売り上げ減少が見込まれる中、取引先である大手アパレルメーカー等が取引に消極的だったと分析しています。
 今年度も11月、12月に東京都での商談会を計画しておりますけれども、コロナ禍においても業績が好調なアパレルメーカーの招聘や、ネット商談会も活用した商談相手の拡大などに取り組んでまいります。
 次に、2019年の製造品出荷額ですが、公表されている最新の数値は、委員御指摘の2018年の実績でございます。2019年の実績の統計データは県でも把握していないところでございます。しかしながら、日本百貨店協会によりますと、2019年の全国の百貨店衣料品売り上げは、前年比で4%減少、さらに消費増税もあったということで、本県の製造品出荷額にも影響が出ているものと考えております。
〇吉田敬子委員 今回の新型コロナウイルス感染症の影響ということで、アパレル関連の企業からも直接お話を伺いましたが、受注生産が落ち込む状況の中で、現在は布マスクや医療用ガウンの製造に取り組みながら何とかしのいでいるという声が上がっております。アパレル関連産業の新型コロナウイルス感染症の影響について、県としてどう捉えているのか。また、今年度は自社ブランド開発に県として乗り出しておりますけれども、現状についてお伺いいたします。
〇竹花地域産業課長 アパレル産業における新型コロナウイルス感染症の影響についてですが、本県のアパレル産業は、百貨店等でブランド展開する大手アパレル企業などからの受注生産が主流であることから、取引先の業績悪化により大幅な受注減に見舞われています。多くの企業が、国や県の事業を活用し、布マスクや医療用ガウンの製造に取り組んできたところです。
 ここに来て、一部には本業での業績回復が見られる企業もございますが、高級衣料を中心に業績回復がおくれていると認識しています。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響により、受注生産中心の構造を見直そうとする企業の動きもあることから、県としましては、こうした取り組みに意欲的な企業から、その構造転換を支援していきたいと考えています。
 次に、自社ブランドの開発の現状についてですが、今年度は新しい生活様式をテーマとした自社商品開発や、販売のためのインターネットビジネスへの参入、商品プロモーションを一体的に支援することとし、現在、この取り組みに参加意向を示した7社との調整を開始したところです。
 主に受注生産を行ってきた企業が、自社商品の製造、販売を始めるには、原材料の調達を初め新たに取り組まなければならない課題が多く、苦慮しているところもございますが、事業者にしっかり寄り添い、支援をしてまいりたいと考えています。
〇吉田敬子委員 御答弁にもありましたとおり、今回の新型コロナウイルス感染症の影響で外出の機会が減ったことにより、消費が低迷していることもありますが、コロナ禍が過ぎても、衣料関係の分野は変わっていく可能性があるということも見込みつつ今7社と自社ブランドの開発ということです。しっかり体制づくりといいますか、どういったことが課題なのかを見ていっていただきたいと思っておりますので、ここはまた今後、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 伝統的工芸品月間国民会議全国大会が昨年度ありました。その評価について県としてどのように捉えているのか、お伺いしたいと思います。
 この大会を契機に、後継者の育成だったり、大会後が大事だと思っております。まとめてお伺いしますけれども、漆かき職人等の従事者数は達成度Bと報告書にもありますが、支援のあり方など十分であるかお伺いします。
〇竹花地域産業課長 まず、伝統的工芸品月間国民会議全国大会の成果についてでございますが、本年で19年ぶりとなったこの全国大会には、3日間の開催中、約8万4、000人の来場者があり、観光消費額や広報宣伝効果などで約7億円の経済効果があったと試算しております。大会関係者及び全国の出展者からも非常に高い評価をいただいたところです。
 二つ目の成果としまして、伝統的工芸品産業功労者等表彰において、本県では過去最高となる経済産業大臣表彰3名、東北経済産業局長表彰7名の10名が表彰されるなど、本県の伝統的工芸品をこれまで牽引してきた皆様の功績が高く評価されたこと。
 三つとしましては、本県の若手職人作品展や東北6県伝統的工芸品若手職人フォーラムの開催、さらには県内小、中学生、高校生2、000人の大会参加など、次代を担う若者に参加をいただいたことが大きな成果であったと考えています。
 次に、伝統工芸産業における後継者の育成とその支援状況についてですが、昨年度は、新たに漆関連産業のインターンシップ事業に取り組み、関係機関や企業と連携し、漆かきや木地製作、漆塗りの体験ができるプログラムを作成し、漆工の専攻を有する全国の大学生や専門学生を対象に実施したほか、二戸市の若手塗師等で構成します浄法寺うるしび合同会社の法人化の支援などを通じた後継者の育成にも取り組んだところです。
 今後も、伝統工芸に関心を持つ若者が意欲を持って就業できるよう、関係市町村や関係団体と連携しながら、後継者の確保、育成に取り組んでまいります。
 次に、漆かき職人の従事者数と支援についてでありますが、令和元年度の漆関連産業の従事者数は、目標の134名に対し110名にとどまり、達成度がBとなりました。このうち、漆かき職人の従事者数は、地域おこし協力隊制度の活用などにより、前年度より6名増加しております。しかしながら、それ以外の漆器等の製造業者が8名減少したというところで、このような数字になっています。
 県としましては、これまで、県内外での漆器の販売会の実施や、ホームページや動画の公開による漆の魅力の発信、担い手の確保に向けたインターンシップの実施などに取り組んできたところです。
 今後は、こうした取り組みに加え、関係市町村と連携し、特に雇用主となる事業者の経営力の強化に取り組むことが重要だと考えておりますので、そのあたりにポイントを絞って支援をしてまいりたいと考えています。
〇吉田敬子委員 漆に関しては、二戸市と八幡平市の安比川流域の漆の文化が日本遺産に認定されたということも契機になってほしいなと思っておりますし、漆だけではなく、伝統工芸という産業の部分ですけれども、私も家族で全国大会に参加させていただいて、議員の中にも家族で参加されている方々がたくさんいらっしゃったと思いますし、御答弁の中にあったとおり、体験の部分のブースでたくさん参加されているところを見ました。
 ここは通告していないのですけれども、例えば盛岡市だと盛岡手づくり村という場所がありまして、私も年に何回か行くのですけれども、そこは、私が小学校、中学校のときよりも、いらっしゃる人が年々減っているのではないかなと思っています。公共施設だけではなく、例えば一関市の東山和紙の紙すき館という場所もあったり、そういう民間でやっている場所もあって、体験の施設が県内各地にたくさんあるわけですけれども、今回、全国大会をやったことを契機に、県内の今後の展開というのが何かあるのか。
 そういった公的機関も含めて、民間の機関も、いろいろな体験場所があるのだけれども、こういう大会があればいっぱい人が来てわっとにぎわうのですが、一方で、年間を通じてやっているようなところが、まだまだ生かされていないなという課題があるように私は感じております。
 どの程度そういった施設が体験を含めてあるのか、県として捉えていたらお示しいただきたいことと、こういった施設との連携というのは、今後、何か展開があればお伺いしたいと思います。
〇竹花地域産業課長 体験の施設の数についてでございますが、県としましては、観光とかそういった情報の中で一部把握していることはございますが、そのぐらいかなと思っています。
 今後の連携については、今、オープンファクトリーという言葉で、五感市とかそういった形で、県南で展開されておりますので、一つは、その全国大会を契機にオープンファクトリーの取り組みを全県に広めていきたいと考えております。今年度は北岩手をテーマに取り組みも始めていますので、県としましては、オープンファクトリーを契機に、そういった体験型の施設の利用についても進めていきたいと考えています。
〇吉田敬子委員 ありがとうございます。どうしたら伝統を地場産業の振興につなげられるか、いつも自分も家族でいろいろなところを訪ねながら考えているのですけれども、これからも私も一緒にいろいろ考えたいと思います。
 次に移りたいと思います。母乳育児と仕事の両立支援についてお伺いします。昨年6月の一般質問で取り上げさせていただいた件です。
 これは、いわて子育てにやさしい企業等認証制度の中に、職場等における搾乳や授乳のための環境の整備を認証基準として明示していただきました。それは、保健福祉部で対応していただいたのですけれども、商工労働観光部で企業においての取り組みはどう促されたのか。そして、答弁では研究をしていくということでしたけれども、どのような研究がなされたのかお伺いしたいと思います。
〇金野労働課長 母乳育児と仕事の両立支援の関係でございます。
 お勤めの会社に出勤されて、そこで一緒に授乳されるという育児環境を整備することにつきましては、非常に重要な視点と考えおります。
 いわて県民計画(2019~2028)におきましては、仕事と生活を両立できる環境をつくるため、いわて働き方改革推進運動の展開を行いまして、休暇制度ですとか各種手当など、雇用、労働環境の改善について普及啓発をこの間行っているところでございます。
 委員からもお話がございました、職場等における搾乳ですとか授乳に係る環境の整備につきましては、昨年度、いわて子育てにやさしい企業等認証制度の認証基準に追加されまして、こうした企業の取り組みも評価することとして、普及啓発等もやっているところでございます。本年10月15日時点での認証企業数は175社と、徐々にふえてきているところでもございます。
 また、いわて働き方改革アワードにおきましても、個別部門賞におきまして子育て支援部門を設けまして、企業の子育て支援の取り組みを推奨、支援しているところでございます。
 今回、認証基準に追加されました子育てにやさしい企業等認証制度の取り組みとも連携しながら、働き方改革全般として、企業の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 何か具体的に企業に対して、これが認証制度に入りましたというよう通知なり何なりか、あったのでしょうか。
〇金野労働課長 保健福祉部におきまして、この認証基準を加えたということで、普及啓発に取り組んでいると承知はしております。
〇吉田敬子委員 わかりました。商工労働観光部では、これに特化してというわけではなく子育て全般だと思いますけれども、その部分について、特段何か商工労働観光部として発信したことがあったかどうかだけ、お伺いしたいと思います。
〇金野労働課長 この取り組みについて特化して何かPRしたかというところにつきましては、まだそういったところまでは至っておりませんが、いずれ子育て支援の大きな企業の取り組みということで、今後、働き方改革アワード、それからいわて子育てにやさしい企業等認証、こういったところのタイアップも含めて、周知なり普及を図ってまいりたいと思っております。
〇吉田敬子委員 次に、不妊治療と仕事の両立支援についてお伺いいたします。
 仕事と不妊治療の両立が困難で離職する人が多くありますけれども、両立が困難な状況になっております。全国では支援を行っている企業が3割のみとの調査結果でありましたけれども、岩手県内でのそういった状況を県として把握されているのか、県の取り組み状況についてもお伺いしたいと思います。
〇金野労働課長 不妊治療と仕事の両立支援についてでございます。
 企業における不妊治療の支援につきましても、いわて子育てにやさしい企業等認証制度におきまして、従業員が望む妊娠、出産を実現するための休暇制度等の措置として評価しておりますほか、不妊治療と仕事の両立サポートハンドブックを企業にも配布いたしまして、不妊治療と仕事の両立に向けた理解の促進を図っております。
 また、昨年度、不妊治療のため休暇制度を導入して、いわて子育てにやさしい企業等の認証を受けた企業もあったと聞いております。
 県内の企業における不妊治療への支援の取り組みの実態については、正直把握していないところでございますが、今後、その状況を把握しながら、いわて働き方改革推進運動においても、こういった企業の取り組みを支援、推奨してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 国では、不妊治療に対する保険適用がこれから進んでいきますけれども、その前に、助成額の拡大とか所得制限を緩和するとかというのがあります。これから不妊治療を受けたくても受けられなかった方々が受けられるようになった場合に、その経済的なところは何とかクリアしたとしても、結果、仕事と両立できずに離職するというケースがふえないように、保健福祉部でやっていることと、商工労働観光部での企業への取り組みというのはすごく大事だと私は思っておりますので、母乳育児と仕事の両立とあわせて、ぜひ、もっと商工労働観光部から積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。
〇飯澤匡委員 私は1点だけお伺いします。本委員会は決算でございますので、今の決算にかかわる状況を議会としてもしっかり監視をしていかなければならないという観点でお伺いいたします。
 キオクシアホールディングスのキオクシア岩手に関して伺います。まとめて聞きますので漏れのないようにお願いします。
 現在の生産体制について。雇用人員、正規社員、非正規社員、過去2年の推移について。
 それから、このコロナ禍による影響について、どのように把握しているか示していただきたい。
 そして、経営状況について。有利子負債額、フリーキャッシュフロー、直近の営業利益を示していただきたいと思いますし、この経営状況のデータ、財務データから同社の将来性を県はどのように―これはあくまで財務データから、経営戦略については後から聞きますので、県はどのように分析しているか示してください。
〇瀬川ものづくり自動車産業振興室長 まず、キオクシア岩手の雇用人数と過去2年間の推移についてでございますが、令和2年9月1日現在のキオクシア本社などからの出向者を含めたキオクシア岩手北上工場の従業員は、約1、050人と聞いております。正規、非正規の内訳は公表されておりません。
 過去2年間の推移についてですが、平成29年12月のキオクシア岩手設立以降の第1回新卒者採用後の令和元年5月時点が約250人、それから、ことし春の第2回新卒者採用並びに昨年5月以降の中途採用者などを加えた令和2年5月現在が約1、050人と、工場の稼働に伴い順調に雇用が拡大していると伺っております。
 次に、コロナ禍における影響でございます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、スマートフォンの需要は停滞したものの、感染対策としての在宅勤務や巣ごもり需要などの増加により、データセンターやパソコン向けなどのメモリ需要が堅調であったと聞いておりまして、大きなマイナスの影響は受けていないと捉えております。
 なお、北上工場では、四日市市との往来や海外の技術者の招聘などに一部影響があったものの、感染拡大防止策を徹底した上で生産を立ち上げ、今期第1・四半期から製品出荷が開始されたと聞いております。
 次に、経営状況についてでありますが、キオクシアホールディングスの有価証券報告書によりますと、2020年3月期連結会計年度においては、営業損失が1、731億円、有利子負債額が1兆1、258億円、フリーキャッシュフローがマイナス1、933億円となっています。
 また、今期第1・四半期連結累計期間においては、営業利益が147億円のプラス、有利子負債が1兆1、265億円、フリーキャッシュフローがプラス524億円となっているということでございます。
 これは、昨年度後半以降のメモリ価格が上昇に転じたことで、また、コロナ禍におけるデータセンター向けの需要が堅調に推移したこともあり、キオクシアの直近の営業利益に好影響をもたらしたものと分析をしております。
〇飯澤匡委員 設問の将来性について、県の分析をお願いします。
〇瀬川ものづくり自動車産業振興室長 失礼しました。将来性でございます。
 まず、メモリ業界自体が、多額の設備投資や研究開発費用が先行する作業と捉えておりまして、今後においても、データセンター向けの継続的な需要や、次世代家庭用ゲーム機向けの需要などに加え、5Gサービスの進展に伴うスマートフォンの買いかえ需要など、回復傾向にあると思っています。
 世界的なデジタルデータの総量も、2019年を1とした場合、2024年には3.1倍に急増するという成長産業と捉えておりまして、このような関係から、キオクシアの業績も堅調に推移するものと捉えています。
〇飯澤匡委員 県の考え方は、一般質問等でも、大体そのような分析で進んでいるというお話でございました。しかし、今の財務状況を見ると、決して楽観はできないという状況であります。そういうこともあって、これは旧東芝メモリを切り離して、ベインキャピタルに株式を買いつけてもらうという形で、東芝の経営から切り離したという経緯もございます。
 それで、次の設問に入りますが、新規株式公開、IPOの時期を延期するという発表が9月28日にありました。これは、当初3、200億円ぐらいを資金調達する予定であったのですが、この延期によってキャピタルゲインが既に少なくなってきていると。先ほど室長も申されましたように、次々に新規投資をしないと技術が追いついていかないという非常に厳しい事業環境でありますので、これは非常に痛手であろうと私は、そして株式の業界にいる方々も、大変厳しい評価をしているわけでございます。
 そこで質問しますが、このIPO延期によって、若干私のほうで触れましたけれども、経営に与える影響について。
 そして、これがなかなか厳しいという状況になった場合に、県が把握している情報として、新たな資金調達についてどのような情報を得ているか。
 そして、投資計画の先送りが余儀なくされることになったわけですが、今後の生産計画に与える影響はあると思うのですが、県はどのように分析し把握しているか、お知らせください。
〇瀬川ものづくり自動車産業振興室長 まず、経営に与える影響についてでございます。いわゆる新規株式公開の延期に関しまして、一部報道や専門家によりますと、上場延期がキオクシアの投資戦略に即影響を及ぼすものではないという認識を示されておりますし、私ども信用調査会社からのそういったさまざまな資料も分析しておりますが、現時点での投資に関しての大きな影響はないと考えております。
 それから、資金調達についてでございますが、現在のキオクシアは、先ほど委員御指摘のとおり、大手電機メーカーの中核収益事業であったという実績もございます。その先進性や将来性、それから、会社設立時から有力なコンソーシアムの支援を受けており、資金面での不安は少ないものと考えております。
 今後の生産計画に与える状況でございますが、上場延期後におきましても、キオクシアホールディングスから、四日市工場の第7製造棟の建屋着工時期を当初計画より半年前倒しするという報道もございました。また、今回の上場延期に関し、キオクシア側からは、北上工場の設備投資計画を含めた事業運営に影響が及ぶことはないと聞いております。今後のキオクシアの生産計画への影響は、今のところないものというように考えております。
〇飯澤匡委員 私がこれから言うことは、あなた方が言っていることとは真逆のことを言うわけですが、いずれ問題意識は、しきりに半導体産業を主力産業ということでどんどん推し進めていって、県費も、企業局も合わせて相当な額を投じているわけです。県民としては、同社が永続的に―会社というのは永久的に繁栄するということはあり得ないのですが、中長期的にしっかりとした雇用を確保し、業界の中でもそれなりにポジションを維持していただければ、これにこしたことはないわけですが、ただ、しっかりと現況を冷静に把握して対応していかなければならないというのが、私の今回の質問の趣旨であります。
 それで、きょうの岩手日報の報道によりますと、NAND型フラッシュメモリの世界シェアの5番と6番の会社が、韓国のSKハイニックスとアメリカのインテルが、半導体メモリ事業について、韓国のSKハイニックス側が買収をすると。今まではサムスン電子が一番手、キオクシアホールディングスが二番手ということだったのですが、今度は三番手になるわけです。なおかつ、この業界については、非常に競争相手が激しくうごめき合っていまして、予断を許さない非常に厳しい、何回も言いますけれども、厳しい業界であることは間違いありません。
 それで、新たに米中貿易戦争というファーウェイをめぐる状況において、キオクシアも影響を受けるというように報道されていますが、県当局は、いい面、悪い面をあわせて、どのように把握しているか示してください。
〇瀬川ものづくり自動車産業振興室長 米中貿易戦争の影響についてでございます。
 アメリカの半導体輸出規制の本格適用前における駆け込み需要ということもありまして、フラッシュメモリの出荷増というプラス面があったと認識しております。9月中旬の輸出規制の本格適用後においては、中国の特定企業への出荷ができないというマイナス面もございました。
 しかしながら、半導体関連産業は、中長期で見ると、IoTやAI、第4次産業革命技術や5Gの需要拡大などにより、今後も大きな成長が見込まれる産業と認識しております。また、キオクシアが生産する大容量のフラッシュメモリについても、世界的なデジタル化の進展に伴って需要の拡大が見込まれているところでもあり、県としては、今後の動向を注視しているところでございます。
〇飯澤匡委員 インターネットでこの週末にいろいろ調べてみました。会社の情報について、リクルートを初めいろいろな方々が、内部的な方々も、インターネットにコメントを出しています。これが全てだとは言いませんけれども、その内容を紹介しますと、NAND型フラッシュメモリの世界については、先ほど言ったように、また混沌としてきたと。また、韓国のSKハイニックスについては、きょうの新聞報道によると、ベインキャピタルを通じてキオクシアの株も一部保有しているということで、ますます資本体系が非常に複雑化しているという状況にあります。
 そこで、今の会社の現況は、NAND型フラッシュメモリについては東芝時代から新しい技術を世界に投入してリーディング産業的な役目を負っていたわけですが、実際問題、この事業は他社よりも早くスタートしたおかげで現在のシェアと資産があると、こういう評価もあります。
 あと、半導体技術は競合社より数年レベルでおくれている。差は開いていく一方だろうと。そしてまた、優秀な技術者を十分に確保できていない。今は需要量よりも供給量が少ないので何とかなっているけれども、先ほど質問した中国が、日本からの供給源を断たれると、自国で生産体制を整えて、これを世界に安売りする、ばらまきをするという可能性も否定できない。
 したがって、何度も言いますけれども、岩手県は非常に強力に誘致に力を入れて成功したということなのですが、私自身もいろいろな情報を仕入れてみますと、決して楽観した状況にはないと思うわけです。したがって、やはりここは厳しく見て対応もしていくと。そして、より精度の高い情報を持っていく必要があると思うのですが、その点について、反論めいた話について答弁するというのは大変かもしれませんけれども、所感を求めたいと思います。
〇瀬川ものづくり自動車産業振興室長 委員御指摘のとおり、半導体業界は、日進月歩の技術と大きな投資、資金が必要だということで、非常に厳しい競争下にあることは、我々も認識をしているところであります。
 NAND型フラッシュメモリに限定した話をさせていただければ、まず、キオクシアの技術の先見性というのはまだ維持されていると我々は考えております。今のNAND型フラッシュメモリの技術開発の動向は、積層数、いわゆるメモリ自体の容量をいかに上げていくか。今現在、積層数で言うと120から90後半ぐらいの積層数で各社しのぎを削っているところでございまして、キオクシアもほぼそれに匹敵するような状況のようです。
 ちょっと具体的な話をすると、サムスンが今120ぐらいの積層数でございますけれども、これは一体で成型するタイプのものでございまして、キオクシアは、階層を48階層とか、そういうものを重ね合わせて積み上げていくという方式で、フラッシュメモリそのものもそうなのですけれども、品質とコストとデリバリーというQCDをいかに上げて、品質と価格競争のある製品をつくっていくかという競争の中にあると思っております。
 その点では、今キオクシアがつくるウエスタンデジタルとの共同によるキオクシアの半導体というのは、非常に競争力がまだあって、まだこれからもいける。今、四日市市と北上市の工場がフル生産になると、世界シェアについてもまた大きく地図が変わっていくだろうと思っております。
 いずれ、先行して、フロンティアのキオクシアには、我々もある意味頑張っていただきたいということで、それを成功に結びつけていけるような地域での支援、バックアップを引き続きやっていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 いずれ、そういう姿勢は崩さないだろうという前提のもとに質問しているわけですが、私も重要な関心を持って、これからもこの推移を見守っていきたいと思います。
 この時点で余りマイナスなことは言えないという立場はわかりますが、何度も言いますけれども、しっかりとした情報をつかんで確実な対応していくというのが、やはりこの商工部門では必要だと思いますので、それは申し上げておきます。
 最後に、技術というのは、もう日進月歩どころではなくて、かなりの勢いで進んでいます。米中貿易摩擦によって中国がいかなる手に打って出るか。さらに、技術パラダイムの変化も叫ばれておりますので、微細化技術などというのも新聞で出ていました。こういう新たな技術をいかにして商売のほうにプラスに持っていくかということも必要でありますので、きょうは問題提起をさせていただいて、これから、経営を支援するならば、正確な情報を持ってしっかりやっていただきたいということを添えて、私の質問を終わります。
〇千葉秀幸委員 私からは、移住、定住、U・Iターンについてお伺いいたします。
 まずは、令和元年度のU・Iターン就職者数を示していただきたいと思います。
〇小原定住推進・雇用労働室長 令和元年度のU・Iターン就職者数につきましては751名となっております。こちらについては、昨年度と比較して159名の減少となっております。
〇千葉秀幸委員 県外からの移住、定住者数は達成度Dということで、またU・Iターンの就職者数は達成度Cということで、非常に厳しい成果となっているのかなと私は捉えております。
 今年度はコロナ禍の中、相談対応など、またイベント開催は計画どおりに行われていますでしょうか。
〇小原定住推進・雇用労働室長 イベントでございますが、東京のふるさと回帰支援センターで企画していたイベントについては一部見送ったり、あと、当初対面で企画していたものについてオンラインに切りかえということはしておりますが、これからはオンラインと対面を活用しながら、積極的に下半期イベントを仕掛けていく計画としております。
〇千葉秀幸委員 新型コロナウイルス感染症の影響によって、イベント等の開催は、今後も、規模を縮小したりと、さまざまな取り組みをしながら対応していくという状況が想定されます。
 県では、就職情報マッチングサイト、シゴトバクラシバいわてのサイトを令和2年3月よりリニューアルされました。現在、このサイトに何社がエントリーされていますでしょうか。
〇小原定住推進・雇用労働室長 こちら、直近は令和元年度末の数字でございますが、登録企業数が748社(後刻「9月末現在で806社」と訂正)でございます。それから、求職登録者数は951名というのが年度末でございますが、こちらは今増加していまして、1、214名の方が登録していただいております。
〇千葉秀幸委員 現在このサイトに何社がエントリーされているか。会社です。
〇小原定住推進・雇用労働室長 今、直近は令和2年3月末の数字しか手元にないのですが、そちらが748社でございます。
〇千葉秀幸委員 わかりました。そのサイトを私も見せていただきましたが、本県では非常に大規模、かつ、これはハローワークやいわて暮らしサポートセンター、ジョブカフェいわてとも連携されたサイトということで理解しておりますが、今、東京一極集中も見直されていますし、ぜひこの情報発信の取り組みを続けていただきたいと思います。
 そこで、移住支援事業の概要についてもお伺いしたいと思います。
 これは、東京圏から岩手県に移住し、岩手県内の中小企業等に就業または起業した者に対し、県と市町村が共同して最大100万円の移住支援金を支給するものでありますが、移住支援金対象法人数と令和元年度末の支給実績を示していただきたいと思います。
〇小原定住推進・雇用労働室長 まず、登録法人数でございますが、こちらは10月20日現在でございますが175社となっております。内訳は、建設業が47社、製造業が32社、それから医療、福祉が19社などとなっております。
 支給実績は、令和元年度については2件でございました。
〇千葉秀幸委員 支給実績が2件と非常に少ないなと思っているのですが、このくらいの実績にとどまった原因をどう分析されていますでしょうか。
〇小原定住推進・雇用労働室長 先ほども一部御答弁申し上げましたが、東京23区内要件―23区の中で就業または居住していた方という要件がなかなか厳しくて、そちらの要件に該当しなかった方が多かったと理解しております。
〇千葉秀幸委員 私も、この制度は、御答弁いただきましたとおり、東京23区であったり、さまざまな条件が厳し過ぎることが要因かなというように捉えております。これは国の地方創生推進交付金でありますから、ぜひ多くの方に御活用いただけるように、制度の緩和について国に働きかけをしていただきたいと思います。
 あわせて、対象法人数の増加にも努めていただきたいと思いますが、所見をお伺いいたします。
〇小原定住推進・雇用労働室長 委員おっしゃるとおり、私どもの取り組みとしては、登録法人をふやしていくというのは、引き続き努力していかなければならないことだと思っております。
 私どもとしては、ことしは、8月までに県内の各市町村を訪問いたしまして、対象法人の拡大に向けて協力を依頼しましたほか、県内の商工団体、それから各企業に訪問して、対象法人として登録をするようにという呼びかけ等をしているところでございます。さらに、企業に対する説明会の開催、それから各種広報媒体を利用した周知などにより、さらに登録を促進してまいりたいと考えております。
〇千葉秀幸委員 ぜひともよろしくお願いいたします。
 次に、いわて産業人材奨学金返還支援制度についてでありますが、これもU・Iターン就業を促進するための制度であり、奨学金の返還を助成するものであります。
 今年度は何件の募集がありますでしょうか。お知らせいただきたいと思います。
〇十良澤特命参事兼ものづくり産業振興課長 いわて産業人材奨学金返還支援制度の実績でございますけれども、今年度、現時点における支援対象者の応募は37名となっております。
〇千葉秀幸委員 私が調べた範囲では、募集定員120名と記憶しておりますが、現在37名ということで、ぜひとも周知に努めていただいて、再募集をかけることも検討いただきたいと思います。ことしは、特に新型コロナウイルス感染症の影響で就職の決定が遅くなったりすることも考えられますが、そういった方々にもぜひ御活用いただきたいと思いますが、検討はされていますでしょうか。
〇十良澤特命参事兼ものづくり産業振興課長 奨学金返還支援制度の支援対象者の募集でございますけれども、これまでも定員に満たなかった場合は、2次募集というか追加募集を行っておりますので、今後そのような対応を考えております。
〇千葉秀幸委員 きのうも話したのですが、奨学金返還制度は37%利用されているということで、非常に多くの方が利用されていますから、ぜひとも御活用いただくように促し、支援をお願いいたします。
 次に、来年に迫っている東北DCについてお伺いいたします。
 まず、令和元年度は200万円余の決算額だったのに対して、令和2年度は9、700万円余を予算化しておりますが、現在の活動状況を示していただきたいと思います。
 あわせて、どういった新型コロナウイルス感染症対策をした上での実施を考えていますか、わかる範囲でお知らせいただきたいと思います。
〇高橋観光・プロモーション室長 まず、来年の東北DCに向けた現在の取り組み状況でございます。
 こちらは、東北が連携してさまざまな取り組みを進めているところでございますけれども、9月には東北6県が連携して、徹底した感染症対策を講じた上で、全国の旅行会社等を招請いたしまして現地視察会や商談会を開催し、今月には首都圏等の旅行会社へのキャラバン等を実施したところでございます。
 それから、感染症対策でございますけれども、御案内のとおり、今年度予定した事業が、前半は、新型コロナウイルス感染症の関係でなかなか計画どおり進まないところでございまして、先ほどお話ししたとおり、感染症対策として、それぞれ対面式の商談会をやったところであります。それから、旅行会社の現地視察会ということでエクスカーションを開催したところでありますけれども、そちらでも、懇談の場では、ガイドラインに沿った形の設営をしたという状況でございます。
〇千葉秀幸委員 いよいよだなと思う一方で、なかなかポスターとかCMなど目につく宣伝が見受けられないように私は感じております。
 東北を挙げて、あるいは県を挙げてのビッグイベントだと私は思っております。ぜひ県から機運醸成に向けた発信をしていただきたいと思いますし、今後のPR方法等をお示しいただいて、終わりたいと思います。
〇高橋観光・プロモーション室長 機運醸成と今後のPRでございますけれども、まず前半で言いますと、7月には、新型コロナウイルス感染症の状況がございましたので、岩手県の観光ポータルサイトいわての旅のところで、東北DC期間に限定的に体験できる特別企画を予定しているのですが、そちらを紹介する特設サイトを開設したところでございます。
 それから、今後でございますけれども、特に10月から、県独自の東北DCプレキャンペーンと位置づけまして、岩手に泊まろうキャンペーンの中で、応募者に対しましては東北DCの再訪を促すダイレクトな情報発信などを予定しております。
 それから、CMとかポスター等につきましては、東北DCというところでございますので、6県でこれから制作に入るところでございまして、今後、そういった対外的な部分につきましては、イベント等を通じましてPRを進めていく予定でございます。
〇小原定住推進・雇用労働室長 先ほどの答弁の中で、シゴトバクラシバいわての登録事業者数でございますが、9月末現在で806社となっております。
〇高橋穏至委員 私が通告していました項目につきましては、先ほどの臼澤委員、そして、ただいまの千葉秀幸委員と同じ項目でしたので、1点だけ質問したいと思います。
 雇用促進の関係、いわてで働こう等の事業、要はU・Iターンの部分ですが、主要施策の成果に関する説明書では、目標達成に至らなかった理由については、米中貿易摩擦や消費税による消費低迷の影響により建設業、そして卸売、小売業の新規求人数が減少するなど、増加を想定していた県内有効求人数が減少に転じたことに伴うものという分析ですが、これだけなのでしょうか、お伺いします。
〇小原定住推進・雇用労働室長 U・Iターン就職者に係る達成状況でございますが、本県では、県内の有効求人倍率が全国平均を下回ると人口の社会減が拡大する傾向がございます。過去30年ぐらいのデータを見ると、全国の有効求人倍率と本県の有効求人倍率の差が開いているとき、県が低いときは社会減が非常に多くなるという傾向がございます。
 昨年度につきましては、前年度と比べて全国平均の差が0.22と開いておりますので、有効求人数につきましても月平均で1、800人以上の減少に転じているというところが、達成度がCにとどまった原因の一つではないかと考えているところです。
 それから、先ほども申しましたとおり、2月、3月については、新型コロナウイルス感染症の影響もあったものと考えております。
〇高橋穏至委員 数字を追って、今までそうだったからそうではないかという分析なのですが、果たしてその分析でいいのかなというのは非常に引っかかるところでございます。例えば、有効求人倍率がもっと高いころでも、社会減が大きいわけです。社会減の要因を求人倍率の数字とかそこだけ見ていると、本質的なものが本当はつかめないのではないかなと思っています。
 昨年の私の一般質問でも、定住促進、そして県内の就職率の向上に関して、働きたいと思う人と県内の雇用状況のミスマッチ、要は職業選択のミスマッチがあるのではないかなという指摘をさせていただいたのですが、一つお伺いするのは、例えばU・Iターンをしたい人の相談会には結構件数が多いのですけれども、実際には結びついていないという中で、相談会に来た人のニーズと岩手県の状況が合わなかった原因は何かという分析をしていますでしょうか。
〇小原定住推進・雇用労働室長 雇用ニーズ、求人と求職のミスマッチについてでございますが、さまざま相談会等をやっても、なかなかマッチングしないというところもあると思います。そちらについては、それぞれのイベントのときの状況で感想、御意見を伺うとともに、今回のシゴトバクラシバいわてにつきましては、リクエスト機能をつけまして、登録した方について企業のほうから、こういう資格、こういう経歴、経験のある方が欲しいというようなリクエストを出すとそれに応じるというところで、よりマッチング性を高めておりますので、こちらのシステムについてこれまで以上に活用を図ってまいりたいと考えております。
〇高橋穏至委員 担当課の取り組みについてはそれでもいいかもしれませんが、究極的には社会減を減らすという取り組みを全体の中で考えたときに、今、U・Iターンの担当でのニーズを把握しながら、あとは、部局全体として、商工業、特に製造業は結構たくさんありますのでいいと思います。そうではない弱い部分の産業振興とか、そちらのほうに力を入れていかないと実績は上がらないのではないか。
 いつまでも求人倍率とかそっちのほうに原因を求めていると、結局ほかにどうしようもないという状況になってしまいますので、やはりそこはしっかりと見て、全体的な取り組みが必要と思うのですが、最後、部長にお伺いして、終わりたいと思います。
〇戸舘商工労働観光部長 雇用の場をいかにつくっていくか、求職者が求めるような職場をどう創出していくかということだと思いますけれども、一つには、今、室長から御答弁申し上げましたとおり、岩手県で仕事をしたい方がどんなもの求めているのかということは、しっかり把握をしていかないといけないと思いますし、また、立地する企業側は、人材を求めるという視点も一つあると思いますけれども、企業には企業としての立地をする理由があると思いますので、その辺のすり合わせをしながら、今後とも企業誘致等を進めてまいりたいと考えております。
〇千葉盛委員 まず私は、移住、定住についてお伺いいたします。
 先ほどU・Iターン就職者数等も出ておりましたけれども、令和元年度の移住相談件数の達成度はDで、U・Iターン就職者数の達成度はCとなっております。
 コロナ禍において地方移住への関心が高まっているとされておりますけれども、U・Iターン就職者数は先ほど出ていましたので、移住相談件数を中心に現状と取り組みについてお伺いします。
 あわせて、全国的にサテライトオフィスの誘致活動が活発化しているようですけれども、誘致によってU・Iターンや交流人口の拡大が期待されますが、現状をどのように捉えて、どのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。
〇小原定住推進・雇用労働室長 まず、移住相談件数の現状についてでございます。
 今年度の移住相談件数については、外出自粛の影響等によりまして、4月から6月は低調に推移しておりましたが、7月から9月にかけては、昨年度に比べて増加してきております。
 それから、U・Iターン就職者数については、令和2年9月末現在では、前年同期比70%弱ということで、動きのほうは控えるという傾向が見られているところでございます。
 相談窓口については、いわて銀河プラザに岩手県U・Iターンセンターがございますが、こちらのほうでイベントをやったり、土曜日の相談時間をふやしたりというようなところで、対応を強化しているところでございます。
 それから、サテライトオフィスの誘致等によるU・Iターンの促進についてでございますが、サテライトオフィスについては、県内でも既に数カ所実績がございまして、これをきっかけとしたU・Iターンの促進にも有効であると考えているところでございます。
 県内の市町村におきましても、誘致活動を積極的に行っている市町村もございますので、県としては、引き続き、企業ニーズを把握しながら、市町村と連携して、企業に対して働きかけをしてまいりたいと思います。
 また、本県でのテレワークを実施する企業を掘り起こすために、テレワークのモデル企業を選定しての手法ですとか、あとは、関連施設の視察等を行うことをこれから計画しておりまして、これらの取り組みを通じて、U・Iターンの促進、それから交流人口の拡大につなげてまいりたいと考えております。
〇千葉盛委員 まず、7月から9月にかけては移住相談件数が増加しているということですので、その件数を教えていただきたいのと、あと、そういった相談が最近ふえている中で、どういった方々から相談が多いのか、どういった地域からが多いのかとか、また、それが移住に結びついてきそうなものもあるのか、どういう分析をしているのかお伺いしたいと思います。
〇小原定住推進・雇用労働室長 まず、移住相談の件数でございますが、市町村で対応しているものも多いのですが、そちらのほうは今手元にございませんので、県で把握しているものでございます。
 県のいわて暮らしサポートセンター、岩手県U・Iターンセンター、県庁等で相談対応しているものにつきましてですが、7月は121件、8月が99件、9月が169件ということで、7月が対前年度比148%、8月は少し落ちて78%だったのですけれども、9月は101%となっております。
 次に、相談について、今、細かいデータ等個別の相談状況については持ち合わせておりませんが、外出自粛が解けた7月ぐらいは、本当に岩手県に移住していっても大丈夫なのですか、周りの方の受け入れ態勢は、本当に東京からとか言って大丈夫なのですかみたいな、そういう心配をするような相談も見られたところでございます。
 相談の個別のところについては、熟度はさまざまで、とりあえずどこがいいか探しているという方もいらっしゃいますし、あとは、やはり東京のほうは心配だから地元に帰ってきたいという方もいらっしゃいますので、それぞれの声を聞きながら、その方に沿った伴走型の支援をしてまいりたいと思っております。
〇千葉盛委員 岩手県でも、コロナ禍において移住を考えている方々が増加してきているということにもなっているのかなと。他県では、最近になって相談件数がかなりふえてきているところもありまして、感染が収束したときに、首都圏等から移動を控える必要がないときを見据えて集中的にプロモーションを行っているところもあるみたいですので、県としてもしっかりと分析をして移住につなげていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、観光宿泊等についてお伺いいたします。
 先ほども多少議論にもなっていましたけれども、コロナ禍によって、昨年度末から宿泊施設や飲食店を初め多くの観光関係の業者が大きな影響を受けたことから、県内宿泊に関して観光宿泊施設緊急対策事業を行ってきましたが、10月17日から、おでんせ岩手券ということで、岩手県を除く東北5県と新潟県に地域を拡大して、受け付けが開始されましたが、受け付け状況や反響、そして他県との協力、連携体制について伺います。
 また、県内クーポンの追加等についてはどのように考えているのか、お伺いいたします。
〇高橋観光・プロモーション室長 まず、おでんせ岩手券の受け付けの状況でございますけれども、今お話がありましたとおり、10月17日から受け付けを開始いたしております。10月20日現在、まだ今第1期目の募集期間中でありますけれども、約3万枚の申し込みになっている状況でございます。
 それから、それについての反響でございますけれども、電話やメール等での問い合わせが事務局のほうに250件ほどあると伺っておりまして、問い合わせ内容につきましては、例えばクーポンの申請方法をどうやったらいいでしょうかとか、いつから使えますかとか、利用方法についてのお問い合わせが多いという状況でございます。
 それから、県内クーポンの追加につきましては、9月まで実施した岩手に泊まるなら地元割クーポンという2、000円の実績がございますけれども、その利用実績ですとか、それから、現在募集をかけているおでんせ岩手券もありますが、こちらの応募状況、利用状況等も踏まえながら、追加については検討してまいりたいと考えております。
〇千葉盛委員 3万件ですので、それでもまずかなりの応募があったのかなと思います。
 実績に応じて県内クーポンの追加等については考えていくということでしたけれども、そのとおり、この間の3、000円に増額してから抽選になってしまって手元に届かなかった方もいる中で、今度、岩手県以外の方々にクーポンが行き渡るということになっておりますので、県内でもそういった観光需要、県内に泊まっていろいろな岩手県内のことを県民にわかってもらうチャンスでもありますし、いろいろなまた新たな観光需要につながると思いますので、できるだけ県内クーポンの追加に向けて頑張っていただきたいと思います。
 あと、先ほど答弁がなかったのですけれども、他県から観光客を呼ぶということで、他県との協力、連携体制はどうなっているのか、お伺いいたします。
〇高橋観光・プロモーション室長 他県との連携についてでございますけれども、10月17日から開始したおでんせ岩手券につきましては、他県のほうとも連携をとりながら、前の日の10月16日に東北5県と新潟県の観光関係部局を通じまして、そちらのほうに情報提供しながら、あわせて各県の記者クラブ等にプレスリリースをお願いしたという経緯がございます。
 それから、現在も展開中でございますけれども、東北・新潟絆キャンペーンということで、東北全体が連携しながら、それぞれ各県での取り組みですとか、売り出しているコンテンツ等を連携しながら情報発信をしているところでありますので、こういったところで連携をとりながら、クーポンの利用についても促進していきたいと考えております。
〇千葉盛委員 他県でも岩手県のような取り組みも始まるかもしれませんけれども、お互いに需要を取り合うことになってしまう可能性もあるので、その辺は上手に協力しながらやっていただきたいと思います。
 先ほどGo To トラベルの地域共通クーポンの議論もありましたけれども、登録店舗数が伸び悩んでいるということで、その理由は、手続が複雑だったり周知不足なのか、それともそもそも参加しようとしていないのか、その理由についてどのように分析されているか、お伺いいたします。
〇高橋観光・プロモーション室長 地域共通クーポン券ですとか、さまざまクーポンが発行になるのですが、現在、登録店舗数が伸びていない理由につきましては、詳細な分析をしているところではございません。ただ、そういった状況の中で、我々といたしましても、事務局のほうから、例えば地域共通クーポン券ですとGo To トラベルの割引の15%分になるのですけれども、そういったところの登録案内があった際には、こちらのほうからも市町村とか岩手県観光協会を通じて登録の働きかけを行っているところでありまして、まず制度の周知と、登録に係る手続のところを丁寧に周知しながら、登録をふやしていくということにいたしております。
〇千葉盛委員 せっかくの観光需要の消費喚起の事業ですから、できるだけサポート体制も整備していただいて、周知もお願いしたいと思います。
 最後に、東北デスティネーションキャンペーンについてお伺いいたします。
 先ほどもありましたけれども、そのとおり、プレ企画ということで、おでんせ岩手券をやっているということでありますが、東日本大震災津波から10年の節目でもありまして、今後の東北の観光が大きく左右されるようなイベントだということでもうたわれております。今、東北各地と連携しながら、おでんせ岩手券も含めてやっているということですけれども、先ほどいろいろ議論がありましたので、部長から最後に、成功に向けてどのように取り組んでいかれるかお伺いして、終わりたいと思います。
〇戸舘商工労働観光部長 東日本大震災津波直後の平成24年に岩手県のデスティネーションキャンペーンを実施しておりますけれども、震災10年後という節目での、そして東北6県広域で、しかも6カ月という長期にわたる観光キャンペーンでありますので、国内外の多くの方に東北ならではの魅力に触れていただく絶好の機会でもありますし、これがまた将来に向かっての岩手県の安定的な観光誘客につながるように、観光コンテンツの磨き上げですとか情報発信に取り組んでいきたいと思っています。
 東北全体ですので、ある意味連携をしながら、ともにつくっていく共創もありますけれども、その中で岩手に来ていただくという競うほうの競争もありますので、両方に意を用いながら、岩手県にたくさん観光客の皆さんに来ていただけるように取り組んでまいりたいと思います。
〇千葉絢子副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後4時21分 休 憩
午後4時42分 再開
〇菅野ひろのり委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、7人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇武田哲委員 中小企業の振興策についてですけれども、有効求人倍率の考え方については大体理解いたしました。ただ、総実労働時間は全国の中で最下位とか、そういった状況にあります。労働者あるいは経営者も含めて、県内の働く環境をどのように評価するのか、その点についてまずお伺いいたします。
〇関口経営支援課総括課長 労働者の働く環境に関する評価ということであります。
 委員御指摘のとおり、総労働時間数については、全国での位置づけが下位ということであります。まず、こうした指標を改善していくためにも、地域経済を支える中小企業の生産性の向上を図っていくことが重要であると考えております。
 このため県では、いわて県民計画(2019~2028)において、中小企業の新事業分野の開拓、経済的、社会的環境の変化に対応した経営力の向上の取り組みを促進するとともに、事業承継の円滑化、経営人材の確保、企業のライフステージに対応した切れ目のない金融支援などに取り組むこととしております。
〇武田哲委員 しかし、正社員転換とか処遇改善等要請活動実施回数もDの評価になっています。それから、いわて働き方推進運動参加事業数もDの評価です。この辺はどのように努力されてきたのかお伺いします。
〇金野労働課長 まず、いわて働き方改革推進運動の参加事業所数の評価でございますが、企業の多忙化等ですとか、あと、私どもの働きかけのあり方もございまして、業種ですとか地域的になかなか浸透していないという部分が正直あったかと思います。そういったところで目標数に達していない部分になっていると考えているところでございます。
 また、先ほど総実労働時間数がございましたが、今、学生が就職先を選ぶ際に、賃金とか仕事の内容だけではなくて、勤務時間ですとか休日をしっかり見てくれる企業を望む傾向もあるやに聞いております。やはり総実労働時間ですとか、そういった働き方につきましては、企業の人材確保、定着に大きな意味合いがあると考えております。
 そうしたところから、いわて働き方改革推進運動におきましても、これまでの長時間労働の是正ですとか休暇の促進、育児の支援といったところだけではなくて、そういったことが企業として人材確保につながっていくのだというところをしっかり訴えて、企業の意識改革ですとか具体的な取り組みを支援してまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 先ほど吉田敬子委員から不妊治療の質問もありました。その中で、男性も投薬とかで改善する。しかし、女性は体に受ける影響がすごく大きいわけです。施術後、体に痛みも伴うわけですから、経営者の協力もかなり求められると思います。
 あわせて、若い人たちの考え方は随分変わってきました。自分の時間を大切にする人たちがふえてきていますので、その中で、今後、経営者とどのように改善を目指していくのか、その点をお伺いいたします。
〇金野労働課長 勤務条件の整備、働き方改革というのは、企業としての取り組みだけではなくて、経営者のほうから従業員に対する一つのメッセージだと考えております。そうした中で、従業員としてどれだけ自分のことを見ていただけるのか、そういったところが一つ企業の魅力につながっていくと考えております。そうしたところをしっかり企業に働きかけまして、経営者の方、従業員の方々が一体になって勤務環境の改善に努めていく、そういう働き方改革の推進が非常に重要だと思っております。
 また、これまで働き方改革アワードで表彰された事業者で共通する部分は、経営者サイドと従業員の方々が一体となった取り組みで大きく進展しているというところもございます。そうしたところで、企業の取り組みを推奨、支援してまいりたいと考えております。
〇武田哲委員 いずれにしましても、働く現場、働く人たちが元気であれば、そのとおり収益も上がってくると思います。品質も上がってくると思います。そういったところをしっかりと今後も頑張っていただきたいと思います。
 次に、コロナ禍における商工指導団体の活動を支えながら、各種新型コロナウイルス感染症対策の充実を図るべきと思いますけれども、その点の所見をお伺いいたします。
〇関口経営支援課総括課長 商工指導団体における新型コロナウイルス感染症関連の事業者からの相談件数については、4月以降、一貫して増加傾向にございます。
 商工指導団体には、資金繰りや各種補助金等の申請等の支援も担っていただいているところであり、これらの業務も増加傾向にあります。
 このような状況に対応するため、令和2年度一般会計第3号補正予算により、相談対応等の業務を行うスタッフの増員や専門家派遣等に要する経費を措置し、商工指導団体の体制強化を図ったところであります。
 今後の新型コロナウイルス感染症対策の充実を図っていく観点としては、事業者の本業支援を進めていくことが重要と考えており、商工指導団体と連携し、業態転換やオンライン販売など、新しい生活様式に対応したビジネスモデルの構築や、生産性向上の取り組みを進める事業者の経営革新計画や事業再生計画の策定、実行を支援していくこととしております。
〇武田哲委員 名須川委員からも、Go To 商店街の質問もありました。それで、コロナ禍においてどうやって商店街をつくっていくか、そして活気を取り戻すかということがすごく必要になってくると思います。Go To 商店街をやる中で、その活動費は、各商店街が自前で最初は用意しなければならない。後からそのお金が国から入ってくるということになっています。
 しかし、その活動費を見ると、300万円ですか。あるいは、幾つかの商店街が一緒になるとプラス500万円と。そうしたときに、その活動費をどうやって捻出するかというところが重要になってくるかと思います。金融機関にその辺の貸し出しとか、そういったところを支援するような声がけなどは行っていますでしょうか。
〇関口経営支援課総括課長 Go To 商店街を実施するための経費についてであります。
 国の募集要領によると、委員御指摘のとおり、事業の支払いは事業終了後の精算払いと記載しております。一方で、商店街に資金的余力がないことについては国も把握しているところであり、10月30日からの募集については、一定の条件のもと、精算払いではなく概算払い、事業終了前に補助金を支払いするような形になると思いますけれども、概算払いも対応できるよう調整していると聞いているところであります。
 こういったところについて、国としっかり情報収集をした上で、参加を希望する商店街が応募を断念することのないよう、こうした商店街の声について随時国に伝えていきたいと考えております。
〇武田哲委員 概算払いという話もあります。しかし、活動の幅が狭まらないように、どうやったらしっかりとやってもらえるか。商店街の活気をしっかり取り戻して、そして、買う人たちもそこに訪れるような環境もつくっていかなければならないと思います。
 その中で、金融機関としっかりと連携しながらやっていかなければならないと思いますけれども、商店街の活動費とか、申請のしやすさとか、その辺を今後どのように進めていくのか、その点をお伺いいたします。
〇関口経営支援課総括課長 金融機関との連携については、商工組合中央金庫という金融機関がございます。ここは一般の中小企業者に対しても資金調達をするところでありますが、商店街組織も含め、中小企業等協同組合に対しても金融的な支援を講じるような金融機関でございます。こういったところとも連携しながら、今回のGo To 商店街等に対する経費も含めて商工中央金庫に対して相談できるように、私のほうからも働きかけていきたいと思っております。
〇武田哲委員 そうであれば、まず安心するわけですけれども、11月に説明会があるということでした。そのときには、こういった方策も用意しています、しっかりと取り組んでくださいと、そういう声がけができるように環境整備に努めていただきたいと思います。
 次に、事業承継を受けた企業数の実績値が未確定となっておりますけれども、課題と今後の方策についてお伺いいたします。
〇関口経営支援課総括課長 事業承継についてでありますが、いわて県民計画(2019~2028)の具体的推進方策の指標としている事業承継の支援を受けた企業数は、平成29年度は807件、平成30年度は948件と、年々増加しております。県民計画の主要成果指標を取りまとめた段階ではこの数値は未確定でございますが、令和元年度については1、000件を超え、目標の800件を大きく上回る見込みとなっております。
 中小企業の経営者の高齢化が進む中で、後継者不在の事業者や、事業承継の意向はあるものの具体的な準備を進めていない事業者について、事業承継に向けた準備の必要性を認識してもらうことや、早い段階から後継者教育、各支援制度の周知などが課題と捉えているところであります。
 このことから、県、商工指導団体、金融機関などで構成する岩手県事業承継ネットワークにおいて、後継者の有無や事業者の準備状況を対面で調査する事業承継診断を実施し、事業承継に向けた準備の必要性について気づきを促すとともに、支援ニーズの掘り起こしを行い、解決すべき課題がある場合には、コーディネーターや専門家を派遣するなどして対応しているところであります。
〇武田哲委員 前年度よりしっかりと数字がふえるということですけれども、今答弁にありましたとおり、岩手県は、後継者の高齢化というところが一番ネックになると思っています。そこのところをしっかり進めていかなければならないと思っております。
 昨年度の調査において、事業承継優遇税制とか、補助金とか、そういったものの認知度が随分低い状態でした。その辺の浸透ぐあいはどのようにお考えかお伺いするのと、それから、事業承継を受けた企業の方々の満足度はどのようにして把握しているのか、その点についてお伺いいたします。
〇関口経営支援課総括課長 事業承継の支援制度の周知に関してであります。
 今お話をさせていただいたとおり、事業承継にはいろいろな支援策がございます。まずは、事業承継ネットワークでリーフレットを作成し、商工団体の会報などに折り込みなどもしております。加えて、事業承継ネットワークで出しております新聞広告も通じ、周知を図っているところであります。あわせて、国の支援策についても、委員から御紹介いただいた事業承継補助金あるいは事業承継税制、このあたりについても、同様に、商工会報等の掲載により周知を図っております。こういった広報手段等を通じながら、少しでも事業承継の支援策について周知を図っていきたいと考えております。
 事業承継の支援を受けたところの満足度について、現時点で明確な調査はございません。一方、事業承継全国ネットワーク、岩手県のネットワークの連携した全国版がありますが、今年度、事業承継に係るそういう調査を実施すると聞いております。そういったところを通じて、事業承継の現状であるとか、事業者のニーズとかを引き続き把握していきたいと考えております。
〇武田哲委員 いずれにしましても、企業が求めているものを把握しながら、そして満足度というところに焦点を当てていかなければ、次にどうやったらそれが進むのかというところの課題も見えてこないし、解決策も見えてこないと思います。そこのところをしっかりやりながら、この事業承継について進めていただきたいと思います。
 今後、岩手県内の経済が回復しない限り、出産とか進学とか、さまざまなところに影響が出てきます。今の県内の経済状況を少しでも改善の方向に持っていかなければ、企業の経営だけではなくて、さまざまな部分に影響が出てくるというところをしっかりと意識しながら、このコロナ禍における企業の支援策を拡充していっていただきたいと思います。
 ほかの県と本当は比べたいところもたくさんあるのですけれども、岩手県はどうしても少し遅い感があります。ほかの県がこういうことをやったからこうやるとか。宮城県では、7月の時点でもう第4次の方策まで出しているわけです。しかし、この間ようやく第4次が終わっただけです。やはりそういったところでも、県の支援策を企業にわかるようにしっかりとお知らせしながら支えていっていただきたいと思います。部長のお考えを聞いて、終わります。
〇戸舘商工労働観光部長 新型コロナウイルス感染症のもとでのこの事業者の支援、県でもさまざま対策を打ってまいりました。まずは、しっかりと資金繰りを支援するというのが第1ステップでありましたし、その次には、感染症対策を徹底したいということで、まだこれは十分に浸透していない部分がありますけれども、引き続き努めてまいりたいと思います。その上での消費喚起策ということで、買うなら岩手のもの運動ですとか、観光の宿泊割引なども措置をしてまいりました。
 今後については、このコロナ禍の中で、事業者がしっかりと足腰の強い経営をしていくことが大事になってまいります。そういった意味で、今、事業承継のお話もありましたけれども、地域にとって大事な事業がしっかりと事業体として残っていくというのは大事なことでありますので、そういった事業継続のための経営革新ですとか、テレワーク、オンライン販売といったような新しいビジネスモデルも出てきております。何よりも生産性向上にも取り組んでいかなければならない状況だと思っておりますので、商工指導団体、産業支援機関とよく連携を図りながら取り組んでまいります。
〇米内絋正委員 私も、移住、定住政策について、重複のない範囲で御質問をさせていただきます。
 先ほどもありましたけれども、いわて幸福関連指標が県外からの移住、定住者数についてD評価となった原因のところで、先ほど有効求人倍率が原因として挙げられていたのですけれども、県外からの移住者数と有効求人倍率が関係しているというのは、何かデータ等であるのでしょうか。
〇小原定住推進・雇用労働室長 具体的に有効求人倍率と直結した関係というよりは、過去30年ぐらいの大体の全体的な傾向というところでございます。全国の有効求人倍率と本県の有効求人倍率の差が、岩手県のほうが著しく低いときは社会減が多くなる傾向にあるというのが、ここ過去30年ぐらいのところであるので、岩手県のほうが全国よりも有効求人倍率が低くて仕事が探しづらいという状況になると、入ってこようという人が少ないという傾向がうかがわれるというところでございます。
〇米内絋正委員 今のは、多分社会減との差なのですよね。結局、有効求人倍率もその差ですし、社会減も、転出者数と転入者数の差なのですよね。ここを地方からの移住者、県が設定している千何人という人数と結びつけるのは、かなり乱暴な気がするのです。
 有効求人倍率ですけれども、岩手県の場合、平成23年からずっと上がり続けています。0.5から、平成29年で1.37と上がり続けていますけれども、一方で、転入者数は他県よりも大きな割合でずっと減り続けているわけでございます。なので、殊に移住者に限って、有効求人倍率を持ち出すことは、かなり危険があると思います。
 この移住者というところをどの指標で見るべきかというところなのですけれども、ほかの都道府県がそうであるように、先ほども出ておりましたが、まず移住相談件数をいかにして上げていくというところが、移住者数に直結すると思っております。
 そこで、お伺いしたいのですけれども、2019年4月から2020年1月、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前における移住相談件数の前年度比較等がわかれば、教えていただきたいと思います。
〇小原定住推進・雇用労働室長 相談件数でございますが、平成30年1月から12月―歴年でございますが―では相談件数が3、016件であるのに対して、平成31年、令和元年の歴年1年間の相談実績は3、797件ということで、前年比126%に増加しております。
 それから、2月、3月を除いた10カ月の期間で比較しますと、平成30年度のうち2月、3月を除いた10カ月については相談件数が2、497件であるのに対して、平成元年度については10カ月間で3、138件でございまして、前年度比が126%ということで、どちらも増加傾向が見られるところでございます。
〇米内絋正委員 岩手県の数字だけ見ていると、何かすごいな、相談件数が上がっているな、やはり流れができているのだなと思われるかもしれないのですけれども、近年、私も全国比較できる数字で見てみたのです。
 例えば、平成29年から平成30年だと、岩手県の移住相談件数は3、263件から3、035件、250件ほど減っているのです。移住相談件数が減っている県は全国9都府県しかなくて、東京都、愛知県、大阪府とかの都市部を除くと5県しかないのです。
 平成29年から平成30年、東北全体で見ると、移住相談件数、約2万6、000件から3万7、000件で、40%ふえているのです。東北全体で40%ふえている中で、岩手県だけ減ってしまったのです。
 なので、私が申し上げたいのは、この主要施策の成果に関する説明書にも書かれておるのですけれども、米中貿易摩擦のせいだ、消費税増税のせいだと、国のせいだ、世界のせいだと、ほかのもののせいにするのは大いに結構なのですけれども、分析がそこでとまってしまうと足元の数字を追えなくて、いつの間にか周りに置いていかれるという現状が生まれてしまうと思うのです。
 ここでお聞きしたいのは、3年間で少し幅広く見てみます。平成28年から平成30年、これは全国比較できるところで、東北全体の移住相談件数は1万7、000件から3万7、000件、2.2倍になっているのです。その中で岩手県だけ1.3倍。周りの県、青森県は2.2倍、秋田県も2倍、福島県に関しては3倍。周りの東北がそれだけ伸びている中で、岩手県だけ低い1.3倍。これは、全国平均が1.4倍なので全国平均以下なのですけれども、これは米中貿易摩擦のせいでしょうか。
〇小原定住推進・雇用労働室長 移住相談件数につきましては、私たちはなぜ移住者数が伸びなかったかというところで、いろいろ相談があっても具体的な行動に出られなかった外的要因があるのではないかということの一つとして、米中貿易摩擦等を挙げさせていただいたところですが、相談件数についてもほかの県より伸びていないのではないかというところをデータで示されれば、そのとおりかなというところもございます。
 それにつきましては、東京都に私どもの相談窓口が、有楽町のふるさと回帰支援センターといわて銀河プラザの岩手県U・Iターンセンターの2カ所ございましたが、そちらの連携がこれまでうまくいっていなかった。めいめい動いているようなところもあったので、昨年度から東京事務所に当室の特命課長を置きまして、一緒に連携してやりましょうというような取り組みを始めました。
 それから、今年度につきましては、先ほども述べましたが、いわて銀河プラザの中で空いている時間、空いているイベントスペース等で告知活動をやったり、相談対応時間を延ばしたりというところで、岩手県U・Iターンセンターをまず知ってもらおうという取り組みを積極的に展開しておりますので、今後、ほかの県に負けないように、さらに移住相談件数をふやすように頑張ってまいりたいと思っております。
〇米内絋正委員 移住相談件数をしっかりと伸ばすという方向ですけれども、ここで、では指標の話に入ってまいります。
 移住相談件数という指標に関して、先ほど他県の話もしましたけれども、岩手県が米中貿易摩擦だったり消費税増税のせいで未達という原因分析をしている間に、香川県は2019年度の実績が出ていました。令和元年度ですね。令和元年度は、平成30年度1、697人から1、970人と移住者数が17%増。平成29年度、2年で見てみると、40%移住者がふえているのです。この2年間で40%移住者をふやすために、移住相談件数がどうなっているかというと、3、000件から6、000件に、約2倍に件数が上がっているのです。
 その中で、岩手県は年間10%の移住者をふやすという目標を掲げておりますけれども、移住相談件数をふやす割合の目的も10%増なのです。果たして、移住者数を10%ふやすために相談件数10%増で足りるのか。あるいは、ほかの指標、活動内容指標、成果指標、令和元年度は14分の13で概ね達成以上。90%以上、概ね達成以上になっています。概ね達成以上しているのに全く結果につながっていない、その現状の指標をこのままで行くのか、あるいは本当にここでしっかり根本から、指標の内容が合っているのか、あるいは設定する値は合っているのかというところを考え直す御予定はないでしょうか。
〇小原定住推進・雇用労働室長 指標の見直しについてでございますが、事務事業指標については、例えば、移住体験ツアーの実施、それから移住フェアなどの開催、就職マッチングサイトへの求人など、本県に移住するまでのプロセスの中で、切れ目のない相談、就職支援を行うというような取り組み内容について掲げているところでございます。
 こちらの取り組みについては、移住希望者の状況、それから相談の状況に応じてそれぞれ、移住希望者の方々にも熟度がございますので、すぐ来たいという方と、とりあえず情報収集をされている方とかさまざまいますので、そういう方々の段階に応じて継続して実施していくことによって、いわて幸福関連指標である県外からの移住、定住者数の増加につなげていこうとしているものでございます。
 令和元年度における各事務事業の内容、指標の設定については妥当なものだと考えているところでございますが、各指標については、各事務事業の実施状況を踏まえて、毎年度、必要に応じて見直ししているところでございますので、それについては引き続き検討してまいりたいと考えております。
〇米内絋正委員 では、最後に部長にお聞きしますけれども、今お話の中で、分析が果たして本当に正しいのかどうか。しっかりと移住者増に向けていくために、周りの46都道府県は必死です。物すごい勢いで相談件数がふえている。先ほどお示ししましたとおり、東北へのムーブメントが、数字を見る限りは起きているのです。この3年間で移住相談件数が200%以上になった県が8県あるのですけれども、そのうち4県が東北なのです。きちんとこの流れをつかまえる。地方への移住が脚光を浴びているとは言うのですけれども、そのときに、やはり周りに負けない対策をとっていかないと、5年、10年たったときに、青森県とか秋田県には人がいっぱい行ったけど、岩手県には来なかったよねという恐ろしい結果につながってしまうと思うのです。
 ですので、外部要因の分析はもちろんいいのですけれども、きちんと内部の数字、指標を分析した上で、政策立案というか科学的根拠―安倍政権が科学的根拠がないといって責められていましたけれども、しっかり科学的根拠のある政策立案をしてほしいと思うのですが、いかがでしょうか。
〇戸舘商工労働観光部長 移住、定住の促進に向けては、さまざまな取り組みを進めているところでありますけれども、先ほど具体的推進方策の中の活動指標についての御指摘がございました。これは、室長から答弁したとおり、実際の施策の成果に結びつくかどうかというところが大事でありますので、毎年度必要に応じて見直すことが必要になってまいります。そこは、委員から御指摘のあったような他県の状況等も見ながら、しっかりしたものに見直していきたいと思います。
 いずれ、東北全体にそういうムーブメントがあるという御指摘でありますので、逃さないように取り組んでいきたいと思います。
〇斉藤信委員 最初に、東日本大震災津波からの復興の状況についてお聞きいたします。
 9年7カ月余が経過をしましたが、商工業の復興状況はどうなっているでしょうか。
〇関口経営支援課総括課長 被災市町村における商工団体会員事業所の被害状況調査によれば、令和2年9月1日現在の状況は、被災事業者4、341者のうち営業継続・再開が2、987者、営業未再開が16者、休業が26者、転出が77者、廃業が1、224者となっております。
〇斉藤信委員 できれば前年比ぐらいで答えていただければいいのだけれども、営業再開が減少していて、廃業がふえていると、やはり厳しい状況。一度再開しても廃業になっているという状況、ぱっと出ますか。
〇関口経営支援課総括課長 委員御指摘のとおり、前年度と比較して、令和元年9月1日現在と比較してでございますが、営業継続・再開が47者減少しております。一方、廃業では前年比49者増加しております。
 こういった数字を捉えますと、営業を再開したとしても、何らかの事情で残念ながら廃業に至っている事業者はいると認識しております。
〇斉藤信委員 次に、グループ補助金の実績と今後の申請の見通しを示してください。
 また、グループ補助金は、11年目以降も必要があれば継続すべきだと思いますが、その点も含めてお答えください。
〇関口経営支援課総括課長 グループ補助金の実績についてでございます。これまで、延べ1、562事業者に対して、915億円交付決定をしております。
 グループ補助金の今後の見通しについてでございますが、10月9日まで受け付けしました第25次の公募では、8件の申請があったところであります。県では、市町村、商工団体を通じ、補助金の需要把握に努めているところであり、現時点では令和3年度に21件の申請を見込んでおります。
 グループ補助金の11年目以降の継続については、昨年閣議決定された復興・創生期間後における東日本大震災からの復興の基本方針において、グループ補助金の継続については、復旧に必要な土地造成が復興・創生期間の最終年度に完成する地区など、事業者の責に帰さない事由によりこれまで復旧を行うことができなかった事業者に限り、支援を継続するとされております。
 県では、本年6月にグループ補助金の事業継続と必要な予算措置を要望したところであり、令和3年度復興庁予算の概算要求として、中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業費、いわゆるグループ補助金ですが、これに129億円が盛り込まれており、県としては、今後の予算措置等の状況を注視していくこととしております。
〇斉藤信委員 今年度のグループ補助金の見込みは37件になっておりました。今年度の第1次で14件ですから、残りは今年度の第2次でということでよろしいですね。
 それで、仮設店舗の本設、譲渡、廃業の状況、現状について示してください。
〇関口経営支援課総括課長 令和2年6月末現在で、仮設店舗に入居している商業者は25者となっております。
 商業者の仮設施設からの入退去の状況について、これは令和2年度9月末現在になっておりますが、これまでの入居実績が731者、退去者は706者となっております。退去者のうち仮設施設の再譲渡を受けた商業者を含め、本設に移行した商業者は557者となっております。廃業等その他の理由により退去した商業者は149者となっております。
〇斉藤信委員 6月末現在で25店舗がまだ残っていると。最後まで本設への移行を支援していただきたい。
 次に、コロナ禍のもとでの事業者への支援についてお聞きいたします。
 先ほど、感染症対策の補助が1、435件の申請で1、008件、家賃補助は3、109件の申請で2、769件の支給とありました。感染症対策というのは、全ての事業者、3万事業者が対象なのですよね。だから、本当に今すぐやれるし、やらなくてはならない対策、それが申請で1、435件にとどまっているというのは何なのか。いわば感染症対策の入り口で進んでいないのではないか。
 あと、家賃補助も、県は9、000件対象だと言っていましたから、まだ申請が3分の1にとどまっている。この点も、問題点と打開策について示してください。
〇関口経営支援課総括課長 感染症対策については、現在のところ、先ほど御答弁申し上げました件数になっております。
 事業者にとって感染症対策は非常に重要なところと認識しております。先ほども御答弁申し上げましたが、Go To イートの登録店舗も感染症対策をすることが条件であります。したがいまして、Go To イートの受託事務局と連携しながら、補助金の申請手続についても案内をしておるところでありますし、これまでもいろいろ広報等を打っております。県の広報媒体や同業者組合と連携してDM等を打っております。
 申請が少ないということでありますが、事業者が今申請の準備をしているというところも商工団体から聞いております。したがいまして、事業者の皆さんが申請できるように、商工指導団体と連携して支援をしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 この感染症対策の補助金は10万円で、手続も全然難しくない。そして、これは感染症対策の入り口ですから、これが速やかに広がっていくことで事業者の新型コロナウイルス感染症対策になるわけですから、本当にスピード感を持ってやっていただきたい。大事なのは、県の支援策がどれだけ早く届くかなのです。そういう覚悟でやってください。
 宿泊観光支援の取り組みについて、地元割クーポンが16万2、000枚配られて8万6、000件活用されたと。これは53%です。もっと伸びるとは思いますけれども、全部が活用されない、この問題点は何なのか。この活用を進める、今第2次をやっているわけですから、その点でどういう分析、対策を講じていますか。
〇高橋観光・プロモーション室長 地元割クーポンが8万6、000枚にとどまっている問題点というところでございますけれども、こちらにつきましては、制度が7月からスタートして9月末までの利用期間というところがございましたので、最初のころの制度の周知の仕方ですとか、あと、活用についてもというところがありました。
 まず、こういったクーポンの部分につきましては、市町村割の分もございますし、あと国のGo To トラベル等もございますので、そういったところを使うと、より身近なところでインセンティブが働くような制度になっていますので、そういったところをPRしていく必要があると思っています。
 問題点としては、やはりこういったところをまずしっかり周知しながら、せっかく応募、利用していただくクーポンでございますので、そういったところを課題として捉えています。
 10月以降につきましては、10月から3月までという期間の中での発行になっておりますので、ある程度、期間を長くした中での利用促進を図るようPRしていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 これは直接的な効果がすぐ出る話です。今回、第2次はもう15万枚クーポンが配られているわけですから、これが本当に使われるように取り組みを強めていただきたい。
 雇用調整助成金、休業支援金の申請、支給の実績、私はまだまだ不十分だと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇田中雇用推進課長 雇用調整助成金、休業支援金の申請、支給の実績についてでありますが、岩手労働局によりますと、雇用調整助成金については、10月16日現在の支給申請書受理が2、368事業所から延べ8、018件、支給決定件数が2、259事業所の延べ7、762件と伺っております。
 また、休業者本人に支給される新型コロナウイルス感染症対策休業支援金・給付金は、支給申請が423名から延べ1、134件あり、支給決定は909件で6、372万6、220円と伺っております。
 雇用調整助成金につきましては、これまでも国において、申請手続の簡素化や上限枠の引き上げを行ってきたところではありますけれども、それでもなお、手続の煩雑さというところが課題として残っているものと認識しております。これは県内の商工団体のほうにも伺いまして、やはりまだそういう事業者が多いということを伺いました。
 一方で、新型コロナウイルス感染症対策休業支援金・給付金については、支給申請件数が10月16日現在で1、134件、これは9月18日時点と比較すると78%の増加となっております。制度の周知がまず図られてきているというところがございますし、それに伴いまして利用も進んできているものと考えております。
〇斉藤信委員 次に、紫波町のTKRマニュファクチャリングジャパンが吸収合併になりまして、令和3年1月1日に工場閉鎖になるということですが、この状況、雇用対策、今後の見通しを含めて、県はどう対応されているか示してください。
〇瀬川ものづくり自動車産業振興室長 TKRの今回の生産拠点の集約についてでございますが、まず、グループ会社の再編に伴う国内の事業体制強化のために、令和3年1月1日までに、子会社であるTKRマニュファクチャリングジャパンの東北工場―これは紫波町にございます。これを親会社であるTKRの水沢工場に集約し、経営効率化を高めるためのものと聞いております。
 従業員の影響についてでございますが、東北工場の全従業員を水沢工場に配置転換することを前提に意向調査が実施されたということで、現時点で東北工場の従業員131名中41名が水沢工場への移動の意向を示していると聞いています。残り98名については、会社として引き続き従業員の意向を確認しながら、離職の場合であっても、生活の安定に向けた再就職の支援を行う旨、確認しているところでございます。
〇斉藤信委員 紫波町にとっては139名の従業員というのは大変大きな規模ですので、水沢工場のほうに移行できない98名の再就職に全力を挙げて取り組んでいただきたい。また、そういう企業の社会的責任を果たさせていただきたい。具体的な何か見通しはありますか。
〇田中雇用推進課長 今後の就職支援の対応でございますけれども、きょうもTKRマニュファクチャリングジャパンのほうに向かいまして状況を伺ったところでして、今後、最終的な意向確認終了後、紫波町、またハローワーク盛岡と連携の上、早期の再就職支援について取り組んでまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 最後のテーマですけれども、県の労働委員会労働者委員の任命問題について。
 先ほど労働委員会の審査でお聞きしましたら、委員15名中、女性は2名だと。そして、労働委員会の委員は全部日本労働組合総連合会の推薦ということで、15名中、女性は2名なのだけれども、女性の労働者委員はゼロなのですね。きちんと推薦もあったのだけれども、私は二重の問題があるのではないかと。日本労働組合総連合会独占という問題と、女性が選任されないと。選考基準は何だったのですか。なぜ日本労働組合総連合会が独占し、女性の労働者委員が選任されなかったのですか。
〇金野労働課長 本年10月からの第48期の労働委員会の委員におかれましては、女性の労働者委員の任命は、御指摘のとおりゼロとなっております。
 今回、労働者委員には女性の方の推薦もいただいたところでございますが、県といたしまして、女性委員の登用も選任に当たって重視すべきという視点で位置づけておりますが、労働組合における活動の経歴ですとか活動の広域性、こういったところにより選任したところであります。結果、選任に至らなかったところでございます。
 また、労働者委員の任命に当たりましては、労働組合法の規定に基づきまして、労働組合から推薦のあった方の中から、労働組合における活動の経歴ですとか、今申し上げました広域性等の視点によって、労働者全体を代表する方であるかといったところを総合的に判断いたしまして、適任と認められる方を選任したものでございます。その結果、日本労働組合総連合会から御推薦いただいた方が委員となったところでございます。
〇斉藤信委員 選任基準が全く不明確です。そもそも15名の労働委員会の委員のうち女性はたった2名。岩手県の方針は3割以上にするということでしょう。
 そして、私は労働委員会で聞いたけれども、労働相談の52%が女性労働者からの相談ですよ。セクハラなどの問題に対応するときに女性の労働者委員が大事だと、事務局長が言っていました。
 そして、女性2人の推薦は、パート労働者の責任者であり、県立病院の労働組合の委員長です。どこに経歴の問題があるのですか。
 日本労働組合総連合会独占という名簿を出したのは誰ですか。知事ですか、商工労働観光部ですか。そのことをはっきり示してください。部長。
〇戸舘商工労働観光部長 労働者委員につきましては、労働組合法の規定にのっとりまして、労働組合から推薦があった方の中から、委員として適任と認められる方を、これは系統の別によらずに総合的に判断しているところでございます。
 女性の委員の選任についても、先ほど労働課長のほうから答弁申し上げましたとおり重要な視点と考えておりますけれども、そのことも含めて総合的に判断をしたということであります。
 排除した名簿とかそういうものはなくて、全ての推薦者を一覧のものとして、私どものほうでも選任の手続をさせていただいております。
〇斉藤信委員 日本労働組合総連合会ができる前までは、日本労働組合総評議会、日本労働組合総同盟から、それぞれ労働組合の構成に基づいて選ばれていたのです。日本労働組合総連合会が独占しているのは、日本労働組合総連合会がつくられてからです。しかし、今、全国11都道府県で全国労働組合総連合系の委員も選任されているのですよ。岩手県は本当に全国の流れから立ちおくれた、達増県政の汚点だと、このことを指摘して、終わります。
〇千田美津子委員 まず、雇用対策について3点お聞きしたいと思います。先ほど武田委員からも働き方改革等の質問があったわけですが、私からも質問をいたします。
 まず、安定的な雇用の促進について。令和元年度の政策等への反映状況報告書を見ますと、県内企業の雇用条件や待遇面について、県外企業との差が見られる部分もあることから、企業の収益力等の向上等を支援し、正規雇用の拡大や県内企業の働き方改革の取り組みなど、雇用や労働環境の整備を促進していく必要があると。そして、今後の方向としては、人材育成や補助等を通じた企業の生産性向上、そして第4次産業革命技術への対応を促進する。岩手労働局と連携し、非正規労働者の正社員転換、待遇改善について要請行動を行う等がありますけれども、この状況について説明をお願いいたします。
〇田中雇用推進課長 正規雇用の拡大についてでございますけれども、県では、県内企業の生産性向上や高付加価値化を進め、雇用の拡大が図られるよう、IoT、AIの導入や活用を支援する中小企業総合的成長支援事業や、いわてものづくりイノベーション推進事業などを実施しております。
 また、岩手労働局等と連携し、毎年5月に、県内の経済団体7団体に対して、非正規雇用労働者の正社員転換、待遇改善の取り組みについて要請しているところでございます。
 今後におきましても、雇用の質を高め、安定的な雇用が確保されるよう、国等と連携を図りながら取り組みを進めていきたいと考えております。
〇千田美津子委員 今、IoTやAIを活用しながらということでしたが、これまでの産業といえば、大量生産や大量消費を中心に考えられてきたと思いますが、これからはデジタル技術を通して、その図式が大きく変化しているのだなということを痛感します。
 それで、先ほど私は、県外企業との差が見られる部分もあることからと言いましたが、労働時間が全国平均と比較して長いということもあるのですが、そのほか、賃金の部分でも、全国平均と比べてもかなりの差があるわけです。これらを改善しないことには、県内の就職率を高めるという状況には行かないと思うのですが、これについてはいかがでしょうか。
〇金野労働課長 賃金の改善等のことでございますが、従業員をしっかり養っていくためには、相応の賃金を支払う必要があるとは考えております。また一方で、その賃金を払えるだけの企業の生産性、それから体力をつけていくことも必要と考えております。
 そうしたことから、県といたしましては、さまざまな企業の経営力の強化への支援とあわせまして、また長時間労働の削減ですとか生産性向上を目的としました働き方改革の推進等も進めているところでございます。
 そうしたことで、企業にしっかり魅力を発信していただき、雇用、採用につなげていただくような取り組みを推奨、支援してまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 今お話しされたこともですが、新型コロナウイルス感染症のもとで、企業はますます大変な状況になっていると思います。知事を先頭に要請活動も行っているわけですが、その手応えはどのように感じておられるでしょうか。
〇田中雇用推進課長 今年度の要請につきましては、新型コロナウイルス感染症が拡大しまして非常事態宣言が出されたというところを受けまして、4月に緊急要請ということで、雇用の維持について実施をしまして、その後、例年5月に要請をして、また7月にも、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せなかったものですから、いわてで働こう推進協議会の団体に対して要請をしたところでございます。
 各団体からは、各団体の会員のほうに周知をしていただき、趣旨は御理解いただいているものと考えております。
〇千田美津子委員 引き続きの取り組みをお願いいたします。
 次に、雇用労働環境の整備促進の部分ですが、実労働時間が全国平均と比較して長いということもですが、年次有給休暇の取得率も、全国平均と比較して低い状況であります。これらについても短縮していくことが必要だと思います。
 それからもう一つ、65歳未満の若い世代から全国に比べて年齢調整死亡率が高いという表現があったわけですけれども、これについてはどのような状況でしょうか。そして、どのようにしていこうと考えておられますでしょうか。
〇金野労働課長 雇用、労働環境の整備の促進についてでございます。
 まず、総労働時間が長いというところでございますが、先ほどの答弁と重なる部分がございますが、いわて働き方改革推進運動を通じまして、長時間労働の削減ですとか、生産性の向上と処遇改善等の企業の働き方改革の取り組みを推進しているところでございます。
 また、企業の業務効率化ですとか休暇取得促進等の取り組み、いわゆる働き方改革の取り組みにつきまして、補助金によって支援しているほか、企業の意識改革や具体的な取り組みを支援するため、さまざまな研修会や勉強会も開催しているところでございます。
 また、先ほどもう一点、年齢調整死亡率のところがございました。確かに65歳未満の年齢調整死亡率が特に男性のほうで、本県の場合、全国よりも高いという状況になっているところでございます。また一方で、そういったところもありまして、企業の健康経営という視点も必要になっております。
 保健福祉部で、いわて健康経営事業所の認定ですとか、あとは、健康系アワードの取り組みも行っておりまして、企業の従業員の健康保持、健康増進の取り組みも県として推奨支援しているところでございます。引き続き、働き方改革の中でも、健康経営も含め一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 安心して働ける環境をつくっていくということは本当に急務だなと思いました。特に男性の死亡が多いということですけれども、健康でしっかり働いてもらう、そういう状況をつくる上でも、健康経営ということで、保健福祉部等と連携しながら、ぜひそういう職場づくりをしていただきたいと思います。
 それでは三つ目ですが、女性や若者、障がい者などへの職業能力開発への支援についてお聞きします。
 企業ニーズを踏まえた職業訓練の実施や、女性に配慮した託児サービス付き職業訓練の実施など、離職者等の再就職を支援してこられました。それから、在職者の技能向上に向けた職業訓練や、障がい者の態様に応じた多様な職業訓練の実施など、本当にそういう意味では多様な支援が行われてきたなと思います。そして、県立職業能力開発施設において、高度な技能を継承する技能者を育成する、そして学生の県内就職を促進する取り組みを行ってきたようでありますが、これらの成果についてお聞きいたします。
〇金野労働課長 女性、若者、障がい者などへの職業能力開発の支援についてでございます。
 県の取り組みにつきましては、委員から今御紹介いただいたとおりでございますが、女性の職業訓練につきましては、令和元年度の就職率が76.6%と、目標の84%には達しなかったところでございます。有効求人倍率が高く、訓練を受けずに就職する方も多いという状況もあった中ではございますが、引き続き、受講者一人一人の状況、志向といったものを踏まえたきめ細やかな対応が必要と考えております。
 また、在職者の方を対象とした訓練につきましても、企業の多忙化等もありまして、受講者数が1、965人となったところでございます。引き続き、企業ニーズに合致した訓練内容ですとか、企業から派遣いただきやすいような日程を設定するなど、受講者の増加を図ってまいりたいと考えております。
 それから、障がい者の職業訓練でございますが、就労を希望する障がい者の方が、本県のほか、国ですとか他の機関の障がい者の就業支援制度の中から自分に合ったメニューを選択していただくということになっておりまして、本県の受講者におかれましては、就業の困難度が高い方が比較的多かったというところもあり、就職率が55.0%となったところでございます。
 また、県立職業能力開発施設における県内企業への就職率につきましては、58.7%にとどまっているところでございます。昨年度から、特に産業技術短期大学校におきまして、これまでの訓練科別に行っておりました県内企業の説明会に加えまして、多くの県内企業が参加して訓練科を分けずに行うという、いわゆる企業キャラバンという取り組みも行っておりまして、学生が県内企業と接する機会をふやしまして、学生が県内企業をよく知った上で就職活動を行えるような取り組みを行っているところでございます。引き続き、こういった取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 さまざまなコースを設定していただいて、そういう点では非常にありがたいと思うのですが、ちょっと気になったのが、母子家庭の母等の再就職支援では四つのコースが設定をされていて、希望するところがなかったのかもしれませんけれども、定員が45名に対して利用者が3名だったという資料をいただきました。
 どういう希望があるかということを事前にもっと丁寧に聞き取りをしながら、本当に有意義な支援になるように、一人一人の状況をつかむというお話がありましたが、これをぜひやっていただきたい。
 それから、学生の県内就職率向上のために行ってきた職業能力開発施設での訓練ですけれども、産業技術短期大学校については伸びているのですが、高等技術専門校が過去5年間の中で最低になっているのです。どんどん県内就職率が減っている。これについてはどう見ておられますか。
 それから、障がい者の方については、困難度が高い方が多かったから達成度がDになったとありますけれども、最初から障がい者の方々が就職するというのは本当に大変なことだと思います。そういう中で、どう支援していくか。そういう部分では、こういう切り捨てるような評価ではなくて、きちんとした支援をしっかりしていくことが必要ではないかと思いますので、その点、もう一度お聞きいたします。
〇金野労働課長 まず、高等技術専門校の就職率でございますが、訓練科は、自動車システム科が3校にございます。また、金型技術科が宮古校にございまして、建築科が二戸校にございます。
 自動車システム科につきましては、大手自動車メーカー、いわゆるディーラーからの求人が非常に多く、そういった中で、県内、県外を問わず就職している状況にはございますが、やはり県外からの求人が非常に多いという状況になっております。
 また、金型技術科につきましては企業派遣を中心にやっておりましたが、派遣者が非常に少ないという状況になっているところでございまして、なかなか就職率というところになじまない数字が出ているところでございます。
 あと、産業技術短期大学校の就職率につきましては、県内の企業をよく学生に知ってもらう取り組みがこれまで以上に必要と考えておりまして、そういったところから、県内企業と学生の接点をふやす取り組みを強めているところでございます。
〇田中雇用推進課長 障がい者の職業訓練につきましては、障がい者職業訓練コーディネーターという職員を配置して支援しております。これまでも障がい者の方に寄り添った支援をしながら就職につなげていこうということで取り組んでまいりましたけれども、スキルアップのための研修等を受けながら、これまで以上に、障がい者の方の障がいの程度を勘案した就職支援に取り組んでまいりたいと考えております。
〇金野労働課長 母子家庭の母等を対象とした訓練の部分、答弁漏れがございました。申しわけございません。
 母子家庭の母等を対象といたしました訓練ですが、一般的に母子家庭の方々、特に母親の方々は、職業に一旦ついてから、また子育て等で家庭に入られ、就業のブランクが大きいというところもあり、訓練に入る前に若干の準備訓練を行うメニューが入れてあるところでございます。
 ただ、こちらにつきましては実際に訓練を受ける方々の選択でございまして、そういったところで予備訓練を受けなくてもしっかり訓練に入られる方も多かったところでございまして、結果的にそういったところが数字としては伸びてこなかったというところでございます。やはり、特に女性、母子家庭の方を対象にした訓練のメニューはしっかりと準備していく必要があると思っておりますので、引き続き、こういった対応はしてまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 引き続きよろしくお願いいたします。
 それでは、大きな項目で二つ目ですが、先ほど吉田敬子委員からもお話がありました。私も伝統工芸産業、漆産業、アパレル産業の支援についてお聞きしたいと思います。
 特に漆の部分では、漆の生産拡大など漆振興に取り組むために、いわて漆振興実務者連携会議が開催されているそうですが、その状況について。
 それから、新商品の開発や販路開拓の支援を行うために、岩手県伝統工芸産業アドバイザーを派遣しているようですが、その状況についてお知らせください。
〇竹花地域産業課長 初めに、いわて漆振興実務者連携会議の開催状況についてですが、この会議は、関係団体が連携して漆関連産業の振興を進めることを目的に平成29年度に設置し、令和元年度までに9回の会議を開催してきたところでございます。
 現在、この会議には、漆の生産者団体や研究機関、市町、県の関係課など19団体が参加しているほか、林野庁、文化庁がオブザーバーとして参加し、参加団体の取り組みに関する情報共有、漆の増産、漆器の販路拡大、インターンシップの実施など、具体の取り組みを進めるための連携の場としても機能しているところでございます。
 次に、岩手県伝統工芸産業アドバイザーの派遣状況についてですが、このアドバイザー制度は令和元年度に創設し、デザイナーなど2名の専門家が、事業者からの新商品開発や販路開拓等の相談に対し支援を行っているものです。
 令和元年度は10の企業、団体に対して15回の派遣を行っており、相談内容は、商品開発に関するものが12件、販路開拓に関するものが2件、イベント開催等に関するものが1件となっています。
〇千田美津子委員 特に漆振興の部分で実務者連携会議ですか、二戸市から地域おこし協力隊による漆かき職人―うるしびとと言うのだそうですが、こういう方を採用したとか、岩手大学からは、漆苗の育成に係る研究報告がなされる等の、私はすごくいい会議だなと思っています。ぜひこれからも充実をさせていただきたいと思います。
 それから、伝統工芸産業アドバイザーの派遣ですけれども、支援内容を見ますと、岩谷堂箪笥とコラボした新商品のブランド化や、アパレルとのコラボ新商品開発など、非常に期待されています。これもぜひ継続して成果を上げていきたいなと思っております。
 時間がないので終わります。
〇小林正信委員 私は中小企業支援についてお伺いします。
 このたびのコロナ禍においても、中小企業に対しては十分な相談体制を整備し対応されてきたことと思います。令和元年度における相談体制について、よろず支援拠点の取り組みを含めてお伺いします。
〇関口経営支援課総括課長 中小企業の相談体制についてでありますが、商工指導団体では、中小企業者の経営課題解決に向け継続的にサポートする伴走型支援に取り組んでいるところであり、経営指導員が窓口相談や巡回訪問を行うとともに、事業者の経営革新計画等の策定を支援しているところであります。
 一方、いわて産業振興センターが設置しているよろず支援拠点では、販売戦略や新商品開発等の専門的スキルを有する専門のコーディネーターが、中小企業者の売り上げ、販路拡大、経営改善などさまざまな経営課題について相談対応するとともに、助言、指導を行っているところであります。
 両者の連携については、商工指導団体が相談対応したものでも、事業者の課題解決に向け、専門のコーディネーターのアドバイスを得ることが有効と判断した場合には、よろず支援拠点につないでいるところであります。
〇小林正信委員 地域の企業間のネットワークを強化し、新しいアイデアを生み出すには、行政が組織としていかに企業と交流していくかが大切であり、地域の企業が求める施策を実施するには、地道な企業訪問が大事だと思います。県としても、直接企業を訪問しての支援も行ってきたかと思いますが、取り組みの成果についてどう考えておられるのか。また、訪問することによって企業間の連携の仲立ち、マッチング支援にもつながるかと考えますが、企業間連携のコーディネートの取り組みについてお伺いします。
〇関口経営支援課総括課長 県では、これまでも、食品を含む製造業関連の取引拡大につながる商談会、技術展示会の開催や、新商品開発など新たなビジネスにつなげるセミナー、交流会等の開催などにより、事業者間のネットワークづくりを支援してきたところであります。
 また、商工指導団体の経営指導員のほか、県が任命するアドバイザーや産業振興センターのコーディネーターが企業訪問を行い、相談ニーズの掘り起こしを行っているところであり、企業間のマッチング支援が必要な場合は、県や産業振興センター等が実施しております商談会あるいは交流会等の情報提供をしているところであります。
〇小林正信委員 中小企業の事業承継について、武田委員からもお話がありましたけれども、令和元年度の、事業引継ぎ支援センターにおいて、円滑に事業承継に至った件数をお知らせいただきたいと思います。
〇関口経営支援課総括課長 岩手県事業引継ぎ支援センターのマッチング等の実績でございます。令和元年度の実績で御答弁いたしたいと思います。
 地域の相談件数は111件。繰り返し相談にいらっしゃることもありますので、その延べ件数は285件。マッチングの成約に至った件数は8件となっております。
〇小林正信委員 成功した数が8件ということで、大変な部分もあると思いますが、もう少し努力をしていただきながら―愛知県の事業引継ぎ支援センターでは、直接承継のニーズを掘り起こすために、独自にアンケートを送付しているということでした。こうしたプッシュ型の支援も、企業の思い等を受けとめることができるかと思うのですけれども、今後必要なのかなと思います。また、対面での支援も行っているということでしたけれども、今後はオンラインの活用も考えられると思います。
 岩手県事業引継ぎ支援センターの今後の取り組みの方向性についてお知らせください。
〇関口経営支援課総括課長 まずは、承継ニーズの掘り起こしといった観点からは、アンケートをとってやるということも一つ有効な方法だと考えておりますし、当県の承継ネットワークについては、商工指導団体、あるいは金融機関等で、それぞれの関係する事業者を訪問しながら、事業承継診断という形で支援ニーズの掘り起こしを行っているところであります。
 オンライン等の相談についても、コロナ禍における一つの相談のやり方だと思っています。どういったところでそういうことができるのかというところを含めて、事業承継ネットワークの事務局といろいろ協議、調整をしていきたいと思っています。
〇小林正信委員 よろしくお願いします。
 事業引継ぎ支援センターでは、後継者不在の小規模事業者と創業を志す起業家をマッチングする後継者人材バンクも開設しております。これの令和元年度の取り組み状況がもしわかったら、お知らせいただきたいと思います。
〇関口経営支援課総括課長 マッチングの取り組みについては、今年度からそういう取り組みを始めたところであって、実績等については、済みません、手元に資料がないのでお答えすることは控えたいと思います。
〇小林正信委員 わかりました。
 次に、テレワークについてですけれども、令和元年度の県の取り組みについてお知らせいただければと思います。
〇小原定住推進・雇用労働室長 テレワークについて、令和元年度の取り組みということでございましたけれども、新型コロナウイルス感染症の影響により、県外企業において、働く場所を選ばずに仕事ができるテレワーク環境が整いつつあるというのが、今年度に入ってからということで、今年度から本格的な取り組みを始めたということで、今年度については企業の掘り起こし、それからテレワーク可能施設の情報発信等を始めたところでございます。
〇小林正信委員 先日、東京から来られたIT関係の方とお話しした際に、IT関連は、仕事はどこでもできるので、それプラス、自分の趣味が存分に楽しめる点が重要なのではないかということを伺いました。
 例えば岩手県では、クライミングがたくさん楽しめるとか、山登りができるとか、そうした余暇の過ごし方が大事と思います。そういった視点で例えばイーハトー部に入ろうのポータルサイトをつくっていく必要もあるかと思いますし、またテレワークの取り組みも、そういった視点も必要なのかなと思います。また市町村のテレワーク拠点もあると思いますけれども、これらとの連携、また新たなテレワーク拠点設置の支援なども重要と考えます。こうした点も踏まえて、今後の取り組みについてお伺いします。
〇高橋観光・プロモーション室長 テレワーク拠点の整備というところでありますが、市町村との連携ということであります。
 テレワークの取り組みの一つとして、例えば、先ほどのクライミングや余暇というところでありますと、ワーケーションといった取り組みもあります。県内におきましては、先ほど委員もお話しされたように、市町村でも、例えば釜石市ですとか八幡平市でもいろいろ取り組みを進めているところもございますので、こういったところとも連携しながら誘致を進めていくというところがございます。
 あと、拠点の整備につきましては、宿泊施設の支援の一環として、新型コロナウイルス感染症対策等整備事業というのがございますけれども、この事業の中で、ワーケーション受け入れ環境整備の補助を行っておりまして、こういったところでの拠点整備の支援。それから、市町村においても、県の補助事業の上乗せと、併用可能という形で、そういう環境整備をやっているところがございます。
 こういったところの整備を進めながら、先ほどお話がありましたイーハトー部に入ろうというようなところで情報発信を進め、市町村とも連携を図りながら情報発信を進めていきたいと考えています。
〇小林正信委員 そのワーケーションについて、県内各地でワーケーションの取り組みが行われておりますけれども、県としてどのような連携を行ってきたのか。また、全国の連携という点で、ワーケーション自治体協議会への参加は考えておられるのか、お伺いいたします。
〇高橋観光・プロモーション室長 これまでの市町村との連携についてでございますけれども、先ほど申し上げたワーケーション受け入れ環境整備の補助につきましては、実際に制度をつくるに当たっては、市町村を対象とした説明会を開催いたしまして、そちらのほうと共有を図っているところでございます。
 それから、全国の協議会というところでございますけれども、特に隣県で言いますと、宮城県でも、先般、協議会が設立されたというところもございますし、あと、全国のワーケーション自治体協議会に八幡平市が加入されているという状況がございまして、これらの岩手県よりも先例となる取り組みがございますので、その動向を注視しながら、本県の今後の連携のあり方については研究してまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 それで、宮城県の話は先ほど臼澤委員からもありましたけれども、村井知事を名誉会長としてワーケーションの一層の促進を図る宮城ワーケーション協議会が設立されました。岩手県としても、宮城県に負けないポテンシャルは持っていると思いますが、アピールの点が隣県との差につながっているように感じております。岩手県においてもワーケーションに関する協議会、プラットフォームを立ち上げて取り組みを進めてはいかがかと思いますが、今後のお考えをお伺いします。
〇高橋観光・プロモーション室長 先ほどの答弁と同様なのですが、宮城県でもそういった協議会が設立されたという状況を踏まえ、また全国でも、和歌山県とかが中心になって、そういう取り組みが先例的にございますので、いずれそういった動向を注視しながら、県としても、連携のあり方については研究してまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 わかりました。
 次に起業家支援で、新たに開発されたイノベーションベースについて、例えば陸前高田市においては起業家の支援プログラムができましたが、そうした各市町村とイノベーションベースの連携状況についてお伺いします。
〇藤村新産業育成課長 岩手イノベーションベースについてでありますが、この起業支援拠点は、起業家同士の学びやネットワーク形成の支援、スキルアップ研修、起業相談への対応など、起業家の育成、成長を促す拠点として本年9月に開設したものでございます。
 県と金融、教育、報道といった民間の関係機関から成る協議会を設立いたしまして、この各機関が連携して、起業予備軍の掘り起こしや起業準備への支援、起業後の成長支援に取り組むこととしております。
 市町村、それから商工指導団体におきましては、産業競争力強化法に基づいて、創業支援等事業計画を策定して起業支援に取り組まれておりますので、岩手イノベーションベースといたしましても、こうした機関を協力機関として密接に連携を図りながら、起業家の支援に取り組んでまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 起業した後もイノベーションベースと連携できる場所、またほかの起業家やベンチャー企業と連携できる場所の提供、また起業後におけるインキュベーション施設のような場の提供も必要と考えます。テレワーク拠点ともイメージとしては重なりますが、そうした場の提供も含めた起業後のフォローについてのお考えをお伺いします。
〇藤村新産業育成課長 起業後のフォローアップについてでございますが、岩手イノベーションベースでは、起業後の成長を継続して支援するため、起業家の学びの機会、起業家同士のネットワーク形成の機会となる場を提供することとしております。
 具体的には、毎月、起業家や事業承継した後継者などがメンバーとして集まりまして、事業経験や課題などを共有し、経営活動への気づきや学びにつなげる活動を行うとともに、先輩起業家らを講師とする講演やセミナーなどを開催することといたしております。
 こうした取り組みと、市町村等が開設しておりますインキュベーション施設とよく連携をいたしまして、例えば、このインキュベーション施設を紹介する形で連携するということも可能と考えておりますので、交流事業ですとか研修事業で連携を深めていきたいと考えております。
〇小林正信委員 承知しました。
 さらに、IPUイノベーションセンターについて。
 IT人材の定着には周辺環境の整備も必要かと。これは滝沢市の取り組みが必要と思いますけれども、これも必要かなと。県立大学と滝沢駅の間が少し寂しい印象がありまして、1軒あった商店も閉めてしまったと伺いました。IPUイノベーションセンター街にはパン屋ができたと伺いましたけれども、シリコンバレーの例もありますが、人材の交流の場、カフェや飲食店もイノベーションには必要なのかなと思います。県立大学、IPUイノベーションセンター周辺のまちづくりに関して、御所見をお伺いします。
〇十良澤特命参事兼ものづくり産業振興課長 県立大学周辺、いわゆる県立大学の門前と我々は呼んでおりますけれども、ここにつきましては、滝沢市と県立大学、県の3者で、平成21年3月に、滝沢市IPUイノベーションパーク整備計画を策定しまして、これに基づいて滝沢市が貸し研究所等の整備を進めるとともに、関係機関と連携し、IT関連企業の誘致、それから産学官連携による研究開発の促進や人材育成等の取り組みを進めてきたところでございます。
 このような取り組みによって、県立大学の周辺は、今、委員から御紹介のありましたとおり、本県におけるIT関連企業の一大集積拠点となっており、近年は、パーク内のいわゆる企業立地区画と呼んでおりますけれども、ここにも3社が立地し、先ほど委員御紹介のとおり、カフェを併設したパン屋も出てきているところでございます。
 このように企業の入居が順調に進む中、入居企業からは、従業員の福利厚生等の面から、周辺地域への飲食店やコンビニの充実など、さらなる環境整備を望む声も寄せられているところでございます。
 県立大学及び滝沢駅周辺の活性化につきましては、一体的なまちづくりについて地元滝沢市と協議を進めるとともに、県といたしましては、さらなる企業集積に努めてまいりたいと考えております。
〇小林正信委員 IT人材が集まることでスマートシティの形成が促進されるのではないかと思います。滝沢市では、県立大学の学生も協力してつくられた滝沢NAVIというアプリがあり、これは県内初の自治体情報アプリのことでありますけれども、私もインストールさせていただきました。私は盛岡市民ですけれども、滝沢市からさまざまなお知らせが来るなど、よくできたアプリだと感じました。こうしたアプリを市民が十分に活用しQOLを上げていく。
 また、県は、産学官と連携して県北の課題を解決する取り組みを行いますが、そうした取り組みが地域におけるデジタルディバイドの解消を進める上で有効と思います。
 その上で、IPUイノベーションセンターと県立大学が中心となってスマートシティを進めることは、他地域の模範事例になるのかなと思います。県と滝沢市、IPUイノベーションセンターと県立大学が協力してのスマートシティの形成について、お考えをお伺いします。
〇十良澤特命参事兼ものづくり産業振興課長 スマートシティの取り組みについてでございますけれども、スマートシティは、AIやIoTなどの先端技術の活用によって地域の機能やサービスを効率化、高度化して、各種課題の解決を図り、ソサエティ5.0を実現するものであり、IT関連企業の集積を生かした地方創生や地域の活性化を図る上で、有効な取り組みと認識しております。
 イノベーションセンターを含むイノベーションパークには、現在、IoTやロボット、ソフトウエア開発など多様な企業が立地しており、このような企業と岩手県立大学も含めた地域の連携、協働によるさまざまな取り組みの可能性があると認識しております。
 スマートシティの取り組みにつきましては、まちづくりの主体であります滝沢市や県立大学、それから立地しております関連企業などの意向を踏まえながら、引き続き研究してまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員長 おおむね再開後1時間半が経過いたしますが、この後、質疑を表明している委員があと2人となっていることから、質疑を継続したいと思いますので、御了承願います。
〇山下正勝委員 簡潔に行きます。1点だけでございます。
 シルバー人材センターの各市町村の会員数と令和元年度の運営費補助についてお伺いします。
〇田中雇用推進課長 シルバー人材センターの各市町村の会員数と令和元年度の運営費補助についてでありますが、県内32市町村のシルバー人材センターの会員数の総計は、令和2年8月末で6、776人となっており、令和2年3月末の6、829人と比較すると53人、0.8%の減となっております。
 また、令和元年度の岩手県シルバー人材センター連合会運営費補助については、岩手県シルバー人材センター連合会が行う就業開拓提供事業や普及啓発事業、管理費等に対して補助を行っているものでありまして、その結果、令和元年度の請負受注件数は3万8、869件となっておりまして、これは増加傾向にあります。
 先ほど会員数が減少傾向にあるということを申し上げましたけれども、シルバー人材センターの取り扱う業務は、臨時的、短期的業務が月10日程度まで、軽易な業務が週20時間程度までということで限定されていますので、これにつきまして都道府県知事が地域、業種、職種を指定することにより、週40時間までの就業が可能となります。このように業務拡大等を行うなど、地域の実情や高齢者のニーズを踏まえた多様な就業機会を確保することにより、会員数の増加につなげていきたいと考えております。
〇山下正勝委員 年々会員数が減っているということで、10年前から大分減っているなという感想でございます。
 それで、今会員が一番多いところは盛岡市で、今年度8月で824名となっております。
 ちょっと見ましたけれども、会員募集の中に、60歳以上で働く意欲がある方々が会員となって、長年培った経験や知識を生かして働くことにより地域社会に貢献する。これは各市町村も同じですけれども、最後には、地域社会に貢献するという文章がございます。そういった意味で、私は、これから、当然若い人たちもそうなのですけれども、もう一度、再チャレンジしてもらいたいなと思っております。
 それと、仕事は農業とか庭木とかいろいろな部分がございます。県北のほうではほとんどそうだったのですけれども、今は、全国的に見ますと仕事が多種多様でございます。
 人材センターには、各市町村も大分補助金を出しております。当然これは国、県も出していることだと思っておりますけれども、国と県と、たしか補助金は出ていると思っていますけれども、その辺をお伺いします。
〇田中雇用推進課長 県のシルバー人材センター連合会につきましては、県と国から運営費に対して補助金を支出しております。また、各市町村に設置されているシルバー人材センターについては、岩手県シルバー人材センター連合会を通じて国庫補助金が交付されております。
 なお、国庫補助金の交付対象になるためには、会員数が100人以上、かつ年間就業延べ人員数が5、000人以上であることが条件となっているものでございます。
 また、先ほど委員御発言のとおり、令和元年度は、センターを設置している32の市町村全てが、当該センターに対して補助金を交付していると伺っております。
〇山下正勝委員 それでは、何回も言いますが、60歳以上の技術を持っている方は、岩手県のために頑張ってもらいたいなと思っております。当然、地域の方々をもう一度、地域おこしと言えば申しわけないですけれども、いろいろな部分、協力隊とかそういうところもありますが、私は、そういった方々にも、もう一度岩手県のために頑張ってもらいたいと思います。
 それで、これから岩手県のシルバー人材センター連合会または市町村のシルバー人材センターがありますけれども、そういった方たちに、いろいろな部分で問題点を解決しながら、岩手県を元気にするべきと思います。当然コロナ禍も含めて負けないように頑張ってもらいたいと思いますけれども、部長から所見を伺いたいと思います。
〇戸舘商工労働観光部長 人口減少が進む中で、高齢者の割合も高まっていく、現在もそういう高い状態にあるということであります。
 高齢者の方々が持っている知識、経験、技能、そういったものをできるだけ生かしていっていただきたいと思いますので、このシルバー人材センターの果たす役割はますます重要になるものと認識しております。シルバー人材センター連合会を通じまして、高齢者の働く場の整備をしっかり行ってまいりたいと思います。
〇上原康樹委員 私は、中国における岩手県発信の事業について伺います。
 この質疑について夕べからずっと考えていたところ、今朝、NHKのニュースのニュース項目を見ていて、日中は秋晴れという天気情報のタイトルを、思わず私は、日、中は秋晴れと読み、それにしても粋なタイトルをつけるものだとしばし感心しておりましたが、実際にそうなれば平和だなと思ったところでございます。
 質疑です。令和元年度、中国における岩手県認知度向上促進事業費は1、490万円余でありました。どのような活動を展開したのか。中国側の反応、具体的な成果はどうでしたでしょうか。認知度は向上したのでしょうか。お聞かせください。
〇橋場産業経済交流課総括課長 中国における岩手県認知度向上促進事業の活動内容についてでありますが、この事業は、県産品の販路拡大を図るため、中国で知名度の高い南部鉄器のPRを通じ、食品や工芸を含めて、本県を品質の高いものづくりを行う信頼性の高い地域として売り込み、中国での認知度向上を図ろうとするものです。
 主な活動内容は、2010年の上海万博に共同出展した高級茶業者、上海大可堂での県産品、観光情報の発信、大連及び雲南事務所によるSNSでの本県の魅力発信、昨年11月に上海で行われた第2回中国国際輸入博覧会での岩手県ブースの出展、同じく昨年11月に本県で開催されたKOUGEI EXPO IN IWATEの開催に合わせた中国バイヤーの招聘と商談の実施などでございます。
 中国側の反応、具体的な成果でございますが、中国国際輸入博覧会では、県内7社の商材PRを行いまして、好評であった魚介缶詰や調味料に関して、13件の商談があったところです。
 それから、バイヤー招聘では、漆器や南部鉄器などの工芸品や干しアワビの成約に至っておりまして、これらはコロナ禍の現在においても取引が継続しているところでございます。
〇上原康樹委員 観光、物産品が中心ということでしたけれども、それ以外にも、大災害からの復興ですとか、美しい自然環境を守る取り組みですとか、農村、漁村の暮らしですとか、国を越えたテーマで理解し合えればいいなと提案したいのですが、御所見を伺います。
〇橋場産業経済交流課総括課長 私ども岩手県では、先ほどもちょっと御紹介しましたとおり、大連と雲南の二つの現地事務所を有しておりまして、特に岩手県では、本県に居住経験のある中国人を所長としておりまして、これは他県にない強みだと思っております。
 今回、コロナ禍で両国間の往来が制限される中でも、本県の情報発信ですとか物産に関していろいろできたのも、このような状況があったからだと思っておりますので、引き続きこういう強みを生かして、御提言のありました、例えば復興のあたりですとか、中国国内へのアピールを、先ほども紹介したSNSなども通じながら広く発信していければと思っております。
〇上原康樹委員 またテレビの話で恐縮ですけれども、けさのテレビで、コロナ禍でとられた日本での入国制限措置の緩和が検討されているという情報がありました。政府は10月中にも方向性を出す考えだと伝えていましたけれども、今までコロナ禍で思うように事業展開できなかったと思いますが、今後どういう動きに入っていくおつもりか、お聞かせください。
〇橋場産業経済交流課総括課長 県では、先ほど来御紹介しております大連、雲南の二つの事務所のネットワークを最大限生かして、これも御紹介しましたが、SNSによる本県の情報発信ですとか商談会での観光PRを行っております。それから、県産品を取り扱っている中国のインターネット通販サイトで、例えば小岩井農場など、産地からのライブ配信などにも取り組んでおりまして、これらは両国の往来が制限される中でも続けていることですので、こういう状況下でも岩手県の物産は一定程度売れているという状況にございます。
 今後においても、中国における岩手県の知名度向上を図って、県産品の販路拡大につなげてまいりたいと考えております。
〇上原康樹委員 最後に、アフターコロナの中国の事務所の充実を部長はどうお考えですか。
〇戸舘商工労働観光部長 大連、雲南の二つの事務所を通じて、実際に中国の事業者の方々とのネットワークも年々強化されてきておりますので、この事務所とはしっかりと連携をとりながら、中国における岩手県の認知度を向上させて、物産から観光まで幅広く中国側に働きかけていきたいと思っております。
〇上原康樹委員 中国と日本、緊張が高まる局面もありますけれども、せめて民間の交流においては、晴れ晴れとなるように努めていただくことをお願いして、質疑を終わります。
〇菅野ひろのり委員長 この際、執行部から発言を求められておりますで、これを許します。
〇関口経営支援課総括課長 先ほど小林正信委員から御質問がありました後継者人材バンクの件について、御答弁させていただきたいと思います。
 この事業については、国の令和2年度当初予算で措置されたものであり、後継者不在事業者と創業希望者のマッチング支援を強化するための人材バンクの登録です。全国でそういう人材を登録するという事業でございます。4月から相談業務を開始しておりますし、現在も登録者を募集中でございます。
 ただ、一方で、登録者数等については、国で公表されていないので、答弁は控えさせていただきたいと思います。
〇菅野ひろのり委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇菅野ひろのり委員長 質疑がないようでありますので、これで商工労働観光部関係の質疑を終わります。
 商工労働観光部の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたします。議事進行への御協力、ありがとうございました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後6時28分 散 会

前へ 次へ