令和2年9月定例会 決算特別委員会会議録

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令和2年10月15日(木)
1開会 午前10時2分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 嵯 峨 俊 幸
議事管理担当課長 藤 枝   修
主任主査 千 葉 絵 理
主任主査 糠 森 教 雄
主査 鈴 木   忍
主査 阿 部 真 人
主査 赤 坂 宏 紀
主査 鈴 木 貴 博
1説明員
知事 達 増 拓 也
副知事 保   和 衛
副知事 菊 池   哲
企画理事兼
環境生活部長 藤 澤 敦 子
会計管理者 永 井 榮 一
会計課総括課長兼
会計指導監 大 塚 貴 弘

ふるさと振興部長 佐々木   淳

保健福祉部長 野 原   勝

復興局長 大 槻 英 毅

ILC推進局長 高 橋 勝 重

議会事務局長 南   敏 幸
次長 八重樫 浩 文
参事兼総務課
総括課長 伊 勢   貴
政策調査課長 大 坊 真紀子

総務部長 白 水 伸 英
理事兼副部長兼
総務室長 千 葉 幸 也
総合防災室長 藤 澤   修
参事兼人事課
総括課長 村 上 宏 治
参事兼財政課
総括課長 小 原 重 幸
総務室管理課長 大 森 健 一
法務・情報
公開課長 戸 田   新
職員育成監 内 城   仁
行政経営推進課
総括課長 西 野 文 香
税務課総括課長 奥 寺 敦 哉
管財課総括課長 平 野 信 二
特命参事兼
防災危機管理監 西 島   敦
防災消防課長 坂 本 伸 一
総務事務
センター所長 佐 藤 益 子

政策企画部長 八重樫 幸 治
副部長兼
首席調査監 岩 渕 伸 也
政策企画課
総括課長 照 井 富 也
政策課長 加 藤 真 司
評価課長 北 島 太 郎
秘書課総括課長 安 藤 知 行
儀典調整監 村 上   聡
秘書課管理課長 阿 部 美登利
広聴広報課
総括課長 藤 原 由喜江
報道監 和 田 英 樹
総括調査監 加 藤 勝 章
調査監 畠 山 英 司
調査監 佐 藤 直 樹

会計管理者兼
出納局長 永 井 榮 一
副局長兼総務課
総括課長 藤 澤 良 志
入札課長 佐々木 一 弘
会計課総括課長兼会計指導監 大 塚 貴 弘
審査課長 大 崎 誠 幸

人事委員会
事務局長 今 野 秀 一
職員課総括課長 高 橋 雅 彦

監査委員 寺 沢   剛
監査委員 沼 田 由 子
監査委員事務局長 小 畑   真
参事兼監査第一課
総括課長 小 守 健 一
監査第二課
総括課長 佐々木 昭 司
〇菅野ひろのり委員長 これより本日の会議を開きます。
 これより議事に入ります。
 認定第1号から認定第15号まで、議案第37号及び議案第38号の以上17件を一括議題といたします。
 本日は、昨日に引き続き総括質疑を行った後、議会、総務部、政策企画部、出納局、人事委員会、監査委員関係を終わるように進行したいと思いますので、御協力をお願いいたします。
 また、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、新型コロナウイルス感染症対策として、換気のため、午前は1回、午後はおおむね1時間半ごとに休憩いたしますので、御協力をお願いします。
 これより、昨日に引き続き、総括説明に対する総括質疑を行います。小林正信委員。
   〔小林正信委員質問者席に着く〕(拍手)
〇小林正信委員 公明党の小林正信です。
 このたびのコロナ禍において、県内経済は深刻な打撃を受け、特に東日本大震災津波の被災地では、自然災害も相次ぎ、二重三重の苦しみを受けているという声も聞かれます。
 まずは、県央、県北、県南、沿岸の県民所得の比較と県北、沿岸圏域の所得の底上げについて、どのような取り組みを行ってきたのかお伺いします。
〇佐々木ふるさと振興部長 各圏域の県民所得の比較と底上げについてでありますが、直近のデータである平成29年度における広域振興圏別1人当たり市町村民所得を見ますと、県央が291万3、000円、県南が265万6、000円、県北が264万3、000円、沿岸が278万6、000円となっており、市町村平均を100とした各圏域の水準は、県央が105.1と最も高く、県南が95.8、県北が95.3、沿岸が100.5となっております。
 平成22年度におきましては、平均との比較では、県北では89.8、沿岸では88.1でありましたことから、県内に占める市町村民所得の両圏域の割合は高くなってきており、総生産も伸びております。
 これまで県では、アパレル産業や食産業など地域特性を生かした産業振興に取り組み、平成30年の県北圏域におけるアパレル産業の製造品出荷額は平成26年と比較し18%の増加、同じくブロイラーの農業産出額につきましても11%の増加となっているところであります。
 また、御所野遺跡や三陸ジオパークなど特徴的な地域資源を生かした交流人口の拡大に取り組み、令和元年における県北、沿岸エリアにおける観光客入り込み数は、震災前の平成22年と比較し92%まで回復し、この5年間の比較では106%と増加しているところであります。
 さらに、東日本大震災津波からの復興におけるさまざまな取り組みを通じて、県外の自治体から約2、000名が被災市町村に派遣されるなど多様な主体とのつながりが構築されてきたほか、三陸鉄道の全線開通、三陸沿岸道路など新しい交通ネットワークやガントリークレーンなどの基盤整備も進められてきたところであります。
 こうした成果や基盤は、いわて県民計画(2019~2028)における北いわて産業・社会革新、三陸防災復興の両ゾーンプロジェクトに継承され、さらなる進展を目指し取り組みを進めているところであります。
〇小林正信委員 沿岸は100.5とのことですが、今後は復興需要も終了いたしますし、少しずつ難しくなっていく部分もあるので、この所得を維持していく必要があると思っております。やはり被災地に、産業振興が必要なのではないかと思っております。
 高速道路網や港湾等環境の整備が進んでおりますが、被災地への企業の生産拠点の誘導や企業誘致について、被災市町村に対する支援も含めて、これまでどのような取り組みを行い、また、今後どのように進めていくおつもりか、知事の御見解をお伺いします。
〇達増知事 県は、沿岸被災地の復興を図るため、地域資源を生かした産業の集積と高度化を推進してきたところであり、道路や港湾などのインフラ整備の進展を生かし、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金の活用等も提案しながら企業誘致などに努めた結果、平成23年度以降、食品や物流関連など50件の新増設があったところであります。
 また、市町村とは、企業の立地動向の初期段階から情報を共有するとともに、国や県の優遇制度の活用について助言を行うなど、連携して企業誘致に取り組んでいるところであります。
 今後、インフラ整備のさらなる進展による良好な立地環境や内陸部と比較して有利な優遇制度を効果的に発信しながら、引き続き積極的に企業誘致を進めてまいります。
〇小林正信委員 釜石港、大船渡港のコンテナの取扱量が増加しており、これまでの地道な取り組みに敬意を表したいと思います。
 県としてこの増加の要因をどう捉えているのか、また今後の取り組みについてお伺いします。
〇菊池副知事 釜石港、大船渡港の令和元年度におけるコンテナ取扱貨物量は、釜石港で9、292TEU、大船渡港では3、323TEUと、両港とも過去最高を記録しているところでございます。
 貨物量増加の要因といたしましては、中国や韓国の港と直接つながる外貿定期コンテナ航路が平成29年に釜石港に開設されたことや、県と釜石市及び大船渡市が連携して積極的にポートセールスを行ったことにより、港湾利用企業が増加したことなどが考えられております。
 今後は、貨物量のさらなる増加に向け、県と港湾所在市、そして産業集積の進む内陸部の市町村とも連携を深め、それぞれ港湾の特徴を企業にPRし、一層の利用拡大に取り組んでいく考えであります。
〇小林正信委員 釜石市と大船渡市は、コンテナ貨物の荷主等に対して奨励金を交付しており、これが取扱量の増加にも寄与しているとも考えております。こうした取り組みに対する県の支援の必要性について、お考えをお伺いします。
〇菊池副知事 港湾所在市の取り組みの支援についてでありますが、港湾の利用促進については、これまで県と港湾所在市が役割分担しそれぞれ取り組んできたところであり、釜石市や大船渡市においては、地域の産業振興を推進する立場から、コンテナ貨物の荷主企業等に対する奨励金制度を設けていると承知しております。
 県においては、港湾管理者の立場から、冷凍コンテナ用電源設備の増設など、荷主企業等のニーズに応じた港湾機能の拡充を進めているほか、コンテナの野積み場やガントリークレーンの使用料を低廉に設定するなど、ハード、ソフトの両面から利用促進に取り組んでいるところでございます。
 今後の港湾利用促進に向けた県の取り組みとしましては、船会社や荷主の意向、企業の物流動向等を踏まえ、港湾所在市と一層の連携を図りながら必要な取り組みについて検討してまいります。
〇小林正信委員 コンテナの取扱量を維持できるような取り組みをお願いしたいと思います。
 続いて、誰もがICTを活用できる環境を創出するデジタルミニマム社会の構築は、地方創生の観点から重要な取り組みであります。しかしながら、専門人材の不足が課題であり、全国で約50万人が不足するとも言われております。
 県としても、産学官が連携してICTの利活用事例を紹介するフェアや産業人材育成に向けたセミナーを開催するなど、さまざまな取り組みを行っているところでありますが、令和元年度における人材育成の取り組みについて、進捗状況をお伺いします。
〇佐々木ふるさと振興部長 ICT人材の育成につきましては、県としても重要な取り組みと捉え、いわて県民計画(2019~2028)にも明示しながら対応を進めてきております。
 多様で柔軟な働き方の導入や新型コロナウイルス感染症に対応した新たな日常の構築など、その重要性は一層増してきていると認識しております。
 令和元年度の取り組み実績でありますが、高度技術者養成の講習会を7回開催し、学生12名を含め83名の参加、ICTアドバイザー制度による派遣を県内企業等に4回派遣、企業、大学、県が連携して、広く県民を対象にICTへの理解促進を図るICTフェアを県内2会場、延べ3日間で958名の参加を得たところであります。
 今後、社会のデジタル化が加速すると見込まれ、ICT人材の育成につきましては、積極的に取り組んでいく考えであります。
〇小林正信委員 ことし10月から実証事業が始まっているデジタル活用支援員の取り組みや、これまで各地で行われてきた地域ICTクラブのような地域におけるデジタルディバイドの解消について、今後どのような取り組みを考えておられるのかお伺いします。
〇佐々木ふるさと振興部長 デジタルディバイドの解消についてでありますが、年齢や障がいの有無にかかわらず、県民の誰もが、身近になったインターネットを十分に活用しながら新しい技術にも対応できるよう、ICTに関する知識や経験を共有できる場づくりなど、いわゆるICTリテラシー向上の取り組みが必要と考えております。
 このため県では、昨年度から、ICTによる地域課題解決の支援を行う独自のアドバイザー制度を設け実施しているところであり、デジタルディバイドの解消に向け、市町村、民間事業者等にも積極的な活用を促してまいります。
 また、議員御案内の昨年度まで全国で実証が行われた地域ICTクラブの分析や、今年度、陸前高田市においてデジタル活用支援員により高齢者や障がい者、住民向けに実施する相談会の成果を踏まえ、今後、積極的に県内の情報化に取り組む関係者に対し、これらの事業の展開を図っていく考えであります。
〇小林正信委員 よろしくお願いいたします。
 次に、自治体の情報システムを外部のデータセンターで管理する自治体クラウドについてですが、職員の業務負担やコストの軽減、災害に強い体制の構築などに効果があります。広域で連携し運用している市町村もありますが、市町村の自治体情報システムのクラウド化について、県のこれまでの取り組みと今後の方向性についてお考えをお伺いします。
〇佐々木ふるさと振興部長 自治体クラウドは、情報システムの集約と共同利用を進めることによって、経費の削減や住民サービスの向上等を図るもので、行政情報を保全し、災害、事故等発生時の業務継続を確保する観点からも有効な取り組みと認識しております。
 このため県では、市町村を対象とした研修会やセミナーの開催、アドバイザーの派遣等を行い市町村へのクラウド導入を促してきたところであります。
 現在、4グループ、21市町村が共同で運用する自治体クラウド、2市町が単独でクラウドを導入し運用しているところであります。
 今後とも、国のクラウド化に向けた各種支援制度も活用しながら、市町村の自治体クラウドの導入について働きかけてまいります。
〇小林正信委員 全市町村で行われれば一番よいと思います。そのあたりの支援も、今後よろしくお願いいたします。
 次に、個人や家族が抱える生きづらさやリスクが複雑化、多様化する中、このたびのコロナ禍においては、8050問題やダブルケア、ごみ屋敷、虐待、孤独死など、地域におけるさまざまな課題がより顕在化していると感じております。こうした課題は、従来の制度、分野ごとで対応するのが難しいため、社会福祉法が改正され、課題を抱える本人や家族を丸ごと包括的に支援する体制の整備が、市町村の努力義務とされました。
 令和元年度における、県内の包括的支援体制の整備状況についてお伺いします。
〇菊池副知事 いわゆる8050問題やダブルケアなど、地域住民の抱える課題が複雑化、複合化する中にあって、高齢、障がい、子供、生活困窮といった属性別による従来の支援体制では、はざまのニーズ等への対応に課題があることから、属性を超えた包括的な支援体制の構築を、市町村が創意工夫をもって円滑に実施できる仕組みが必要であります。
 平成29年5月に成立した改正社会福祉法では、市町村において、住民に身近な圏域で、住民の地域福祉活動への参加を促進するための環境の整備や、市町村圏域で関係機関が協働して、複合化した地域生活課題を解決するための体制づくりなどの取り組みを一体的に行う包括的な支援体制を整備することが、努力義務とされたところでございます。
 こうした動きを踏まえ、本県では、令和元年度には、盛岡市、遠野市、矢巾町、岩泉町の4市町において、住民が主体的に地域課題の解決に取り組める体制の整備や福祉、保健、医療、雇用等の関係機関によるネットワークの構築などを行う国のモデル事業を活用して、地域の実情に応じた包括的な支援体制の整備を進めております。
 県といたしましては、ほかの市町村においても、地域の実情等を踏まえながら、包括的な支援体制整備の取り組みが拡大していくよう支援し、高齢者、子供、障がい者など、全ての人々が安心して暮らせる地域社会の実現に取り組んでまいります。
〇小林正信委員 改正社会福祉法において、包括的相談支援、地域への参加支援、地域づくりへの支援といった三つの支援を一体的に行う重層的支援体制整備事業について、県は、市町村に対し、必要な援助を行わなければならないとされました。
 県内の全市町村で体制整備事業が円滑に実施できるよう、県として具体的にどのように取り組んでいくのでしょうか。例えば、市町村担当者とのネットワークを構築する、取り組みのフォローアップのためにアドバイザーを派遣するなどが考えられますが、今後の取り組みについてお伺いします。
〇菊池副知事 包括支援体制の整備に向けた県の取り組みについてでありますが、令和2年6月に成立した改正社会福祉法では、市町村において、地域住民の複雑化、複合化した支援ニーズに対応する包括的な支援体制を構築するため、属性や世代を超えた包括的な相談支援や参加支援、地域づくりに向けた支援を一体的に実施する重層的支援体制整備事業が新たに創設されたところでございます。
 また、同改正法では、県は市町村に対し、包括的支援体制の整備に向けて、重層的支援体制整備事業の実施など、必要な助言、情報提供、援助など後方支援を行わなければならないとされております。
 この事業は、行政と各支援機関、民間団体などさまざまな主体が地域住民と連携し、住民一人一人の状況に応じた支援を行う体制を整備するものであり、住民に身近な地域から市町村域までの各圏域レベルにおいて、分野を横断する取り組みを進めていくことが必要となっております。
 このため、各圏域や分野を超えて支援関係者全体を調整し、情報共有と役割分担を適切に行い、切れ目のない支援をコーディネートできる専門的な福祉人材を育成、確保していくことが重要でございます。
 県としては、連絡調整会議や研修会の開催等により、県と市町村とのネットワークを構築し、必要な助言や情報提供を行うとともに、地域の多様な福祉ニーズに対応する地域福祉活動コーディネーターの育成や、市町村の取り組みをフォローアップするアドバイザーの派遣など、事業を円滑に進めるための人材育成や確保の取り組みを強化し、市町村において包括的支援体制の整備が一層進むよう取り組んでまいります。
〇小林正信委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 続きまして、近年、虐待によって幼い命が奪われる痛ましい事件が後を絶たない状況にあり、具体的な対策が急がれるところであります。
 児童虐待の件数は県内でも年々増加しておりますが、知事は、こうした現状をどう受けとめ、今後どのような対策を進めるお考えかお伺いいたします。
〇達増知事 本県における児童虐待対応件数は年々増加しており、昨今は、新型コロナウイルス感染症対策に伴う外出自粛等による児童虐待リスクの高まりが懸念されております。また、児童虐待とDVが関連しているケースが多いことが指摘されているところであります。
 したがいまして、これまで以上に関係機関が連携し、児童虐待防止の取り組みを進めていく必要があるものと認識しており、宮古児童相談所の改築もその一環であります。
 今後は、児童相談所の体制強化として、児童福祉司や児童心理司といった専門職員の確保と育成を進め、さらに、警察など関係機関との連携強化、市町村の要保護児童対策地域協議会を中心とした地域における見守り体制の強化などの取り組みを進めていく考えであります。
〇小林正信委員 国の児童虐待防止対策体制総合強化プランを受けて、本県の令和元年度の体制強化の状況と今後の計画について、人材の確保という観点を含めお伺いします。
 また、体制強化の一環として、県内の児童相談所への現役の警察官の配置も有効と考えますが、御所見をお伺いします。
〇菊池副知事 年々増加する児童虐待相談に適切に対応するため、児童相談所の専門職員を増員してきたところであり、今年度は、令和元年度に前倒しで採用した分も含めますと、児童福祉司を7人、児童心理司を3人増員し、体制強化を図ってきているところでございます。
 今後も、国の児童虐待防止対策総合強化プランに基づき、児童福祉司等を担える専門職員の計画的な増員を行っていくとともに、児童福祉司任用後研修や警察との合同訓練の継続実施などにより、専門職員の児童虐待対応力の向上に努め、児童相談所の体制を強化してまいります。
 また、警察との連携についてでございますが、これまで、警察OB職員を県福祉総合相談センターに配置し、児童福祉司等と連携した児童虐待対応を行ってきたほか、平成30年9月には、県保健福祉部と警察本部生活安全部との間で児童虐待に関する連携協定を締結し、情報共有や連携した取り組み対応の強化が進んできているところであります。当面は、こうした体制で児童虐待対策に取り組んでいきたいと考えております。
〇小林正信委員 兵庫県明石市では、家庭訪問や乳幼児健診で子供を直接確認できなかった場合、保健師等が子供本人に必ず会うことを徹底する取り組みを行っております。
 本県でも、こうした取り組みを参考に、市町村と連携して、乳幼児健診の未受診児などへの対策の強化を図っていく必要があると思いますが、御所見をお伺いします。
〇菊池副知事 市町村との連携についてでありますが、市町村が行う新生児家庭への訪問の拒否や乳幼児健診の未受診などは、児童虐待へ発展するおそれがあり、場合によっては命にかかわる事案となることも想定されることから、ハイリスクケースとして対応を進める必要があると認識しております。
 各市町村におきましては、御質問の乳幼児はもとより、いわゆる社会的にハイリスクな妊婦を特定妊婦として、母子健康手帳交付の時点から市町村要保護児童対策地域協議会の支援対象としており、母子保健担当者と児童福祉担当者とが連携して対応しているところでございます。
 県といたしましては、児童相談所や広域振興局の職員が同協議会に参画し、情報共有を図るとともに、市町村に対する専門的な助言や相談対応を行うことにより、児童虐待の早期発見と早期対応につなげるよう努めてまいります。
〇小林正信委員 よろしくお願いいたします。
 先日、県福祉総合相談センターを見せていただきまして、一時保護所では、児童が安心して過ごせる環境をつくるために、職員の皆様がさまざまな工夫や努力をされていると感じました。しかし、やはり建物の老朽化が目立っており、県民がより安心して訪れ、相談できる環境の整備が必要とも感じました。
 先ほど述べたように、福祉にかかわる問題が多様化、複雑化する中、同センターの役割は重要性を増しており、さまざまな機能や体制の充実、また、時代に即した相談拠点としてのリニューアルも図られるべきと考えます。
 老朽化した県の公共施設の更新も数多く予定されている中ではありますが、県福祉総合相談センターの建てかえの見通しについて、県のお考えをお伺いします。
〇菊池副知事 県内の児童相談所につきましては、建築から40年以上が経過し老朽化が進んでいるほか、一時保護した児童が生活する一時保護所の環境改善や児童相談所職員の増員に伴う事務室の狭隘化への対応なども必要と認識しております。
 特に、宮古児童相談所は、東日本大震災により建物に亀裂が入るなどの被害を受け、建てかえが必要でありますことから、今年度から改築工事に着手することとしておりまして、現在、契約手続を進めております。
 県福祉総合相談センターにつきましても、全体的な施設の整備、更新の状況を踏まえながら検討を進めていきたいと思います。
〇小林正信委員 次に、県はこれまで、認知症に関する普及啓発や認知症サポーターの養成、当事者、家族の支援、相談、診療体制の充実に努めてこられました。
 令和元年度における相談体制の充実と普及啓発の取り組みについてお伺いします。
〇菊池副知事 認知症対策の取り組みについてでありますが、相談体制については、認知症の方及び家族からの相談窓口として、県高齢者総合支援センターに一般相談窓口を設置しているほか、県内5カ所の認知症疾患医療センターに専門医療相談窓口を設置しており、令和元年度における相談件数は合わせて2、733件となっているところでございます。
 普及啓発につきましては、令和元年度において、認知症サポーター養成講座の開催により1万3、582人の認知症サポーターを養成したほか、小学校99校、4、641人を対象に、孫世代のための認知症講座を開催するなど、認知症に対する正しい知識と理解の普及を図ってきたところでございます。
 加えて、若年性認知症について、福祉や医療、商工関連団体に対して、一般向け及び事業所向けのリーフレットを作成、配付し、若年性認知症に関する正しい理解を啓発するとともに、相談機関等の周知を図っております。
 今後も、認知症に関する普及啓発や相談体制の充実に努め、認知症の方及び家族への支援を図ってまいります。
〇小林正信委員 神奈川県では、認知症カフェをオンラインツールを活用して開催するなど、各地でオンラインを活用した認知症対策の取り組みが進んでおります。
 コロナ禍において、オンラインを活用した認知症の当事者や家族を支える取り組みが必要になってくると考えますが、この取り組みについての県の御所見をお伺いしたいと思います。
〇菊池副知事 コロナ禍における認知症支援の取り組みについてでありますが、本県における認知症カフェの運営状況は、ことし8月時点で県内30市町村121カ所に設置している認知症カフェのうち、約6割に当たる69カ所が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により休業しているところでございます。
 認知症カフェの休業等で外出する機会が減少することによって、認知機能の低下や家族の心身の疲労等への影響が懸念されているところであり、委員御指摘のオンラインを活用した認知症支援は、コロナ禍であっても、友人や地域の方々とのつながりを持つ上で有効な取り組みであると認識しております。
 このため県としては、オンラインを活用した認知症カフェ等の認知症支援の取り組みが進むよう、市町村等に対し、他県の取り組み事例を紹介するとともに、地域包括ケアシステムの実現に向け、高齢者の介護予防や見守り等の生活支援、認知症の方への支援等を行う地域支援事業を活用した市町村の環境整備の取り組みを支援してまいります。
〇小林正信委員 最後に、国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策が今年度で終了いたします。岩手県においても国土強靱化地域計画を策定し、県土の防災、減災のためのインフラ整備を進めております。
 そこで、令和元年度の予算執行における県の計画の進捗状況についてはどのようになっておりますでしょうか。また、市町村における計画も重要と考えますが、各市町村の計画策定状況と県の支援についてお伺いいたします。
〇八重樫政策企画部長 平成30年度から国が集中的に実施している防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策において、令和元年度の県の活用実績は、防災・安全交付金や農村地域防災減災事業など、事業費ベースで約101億円となっています。
 岩手県国土強靱化地域計画において、これらに関連する産業分野と国土保全・交通分野について、目標値に対する実績値の達成状況を見ると、実績値が80%以上となる指標の割合が約94%となっています。
 また、県内市町村の計画の策定状況については、令和2年9月末時点で8市町が策定済みであることに加え、残りの市町村においても策定に向けた作業を進めているところであります。
 このため、市町村が県の計画を参考に地域計画を策定できるよう、9月に県の第2期計画の素案を市町村に対し送付するとともに、県内4地区において、市町村や関係団体等を対象とした地域説明会を開催するなど、市町村における計画の策定支援に努めてまいります。
〇小林正信委員 ぜひ、この策定が進むようにさらに支援をしていただきたいと思っております。
 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)
〇菅野ひろのり委員長 質問者席の消毒のため、しばらくお待ちください。
 次に、山下正勝委員。
   〔山下正勝委員質問者席に着く〕(拍手)
〇山下正勝委員 無所属の山下正勝でございます。
 令和元年度決算について総括質疑をさせていただきます。
 まず、野菜産出額の拡大に向けた取り組みについてでありますが、生産農業所得統計によりますと、本県の平成30年の野菜産出額は303億円で、平成5年のピーク時に比べると113億円も減少しております。野菜の経営体及び作付面積についても年々減少している状況にあります。
 県では、こうした現状と国における新たな米政策の見直し等を踏まえて、水田等に収益性の高い野菜を導入し野菜販売額1億円の産地化を目指した、いわて型野菜トップモデル産地創造事業に平成30年度から取り組んでいるところです。
 この事業は、今年度までの3カ年でモデル的に実施しているものでありますが、これまでの取り組みの成果をどのように評価し、今後の野菜産出額の拡大あるいは復活に向けた取り組みとして、どのように反映させていくお考えなのかお伺いします。
〇達増知事 県では、水田等への高収益野菜の作付拡大によって新たな野菜販売額1億円産地の形成を目指す、いわて型野菜トップモデル産地創造事業を平成30年度に創設し、これまで県内15地区において、タマネギなどの加工、業務用野菜等の生産に必要な高性能機械の導入、ピーマンなどのパイプハウスの団地的整備、ICTの活用により単収を飛躍的に向上させる環境制御装置の導入などを進めてきました。
 また、事業に取り組む経営体ごとに、県農業改良普及センターや市町村、農業団体等で構成する専属の集中支援チームを設置し、きめ細かな栽培、経営管理指導を行っており、こうした取り組みにより、環境制御装置を導入した経営体においては、ミニトマトの10アール当たりの収穫量が約2倍に増加するなどの成果があらわれているところであります。
 県では、これらの取り組みにより育成された産地をモデルとし、そこから得られた高度な栽培技術や経営管理手法等を広く県内に波及させ、本県のトップモデルとなる新たな野菜産地を育成してまいります。
〇山下正勝委員 1億円というと一つのブランド産地になるのですから、農家の気持ちで頑張ってもらわないと、今回はモデル地区でございますが、今後も継続して、沿岸も、県北もございますので、その地区地区に合ったような成果を上げてもらえばありがたいと思います。
 次に、次世代型施設園芸モデル拠点整備についてでありますが、施設園芸の収益性を飛躍的に高める取り組みとして行っている次世代型施設園芸モデルの拠点整備は、温度、湿度、CO2濃度、光環境の作物環境を制御し、収穫量や農家所得を向上させようとするものであります。
 いわて県民計画実施状況報告書によりますと、令和元年度の取り組み実績は、目標値5件に対して、奥州市のキュウリの1件となっております。成果指標達成度はD評価となっています。これをどう捉え、今後、環境制御技術をどのように推進していくのかお伺いします。
〇保副知事 令和元年度の次世代型施設園芸モデル拠点整備についてでございますが、当初は5経営体から要望がありましたが、そのうち4経営体については、事業の実施要件となる面積規模を満たすことができなかったというような事情によりまして、採択件数が1件にとどまったものであります。
 なお、この採択されなかった経営体につきましては、他の補助事業等により希望する機械等を導入しております。
 また、今年度は、4経営体の目標に対して7経営体が事業に取り組んでおりまして、挽回を図っているところでございます。
 高度環境制御技術は、生産量を飛躍的に高める有効な技術であります。生産者からも高い関心が寄せられている一方、現在の高度環境制御技術の装備は多機能かつ高額でありますことから、導入したくてもなかなか導入できないということもあります。現在、県農業研究センターにおきまして、比較的低コストで導入可能な機械や技術の開発を進めております。
 このような技術を早期に開発し、規模拡大を希望する若い担い手等への導入を図るなど、スマート農業技術の一層の活用を進めていきたいと考えております。
〇山下正勝委員 先ほどの答弁にございましたが、1.5倍から2倍の収穫量の向上が目に見え、農業所得も上がると思います。それともう一つは、農業以外の方でも、技術がなくても、こういう技術があれば農業参画できる若い人たちが出てくると思います。
 もう一点は、秋田県が早く実施していますが、メガ団地という構想を考えないと。できれば集約して、1カ所に1億円のメガ団地をつくるとか、そういう方向性で進め、そこに雇用者が生まれるといった面も考えることが、今後、岩手県の野菜産地の営農部分において検討する課題だと思っています。その辺はよろしくお願いしたいと思います。
 次に、林野火災予防対策についてでありますが、林野火災は、県民の財産を大きく焼失させるだけでなく、その復旧にも長い年月が必要となることから、十分な予防策を継続して実施していく必要があります。
 平成29年5月に発生した釜石市の林野火災による復旧事業も継続中と聞いておりますが、復旧が完了した後ももとの状態まで再生するには何十年もの年月がかかります。
 そうした中において、いわて県民計画実施状況報告書によりますと、林野火災予防対策の活動内容指標として消火資機材配備地区数が計画値1地区に対して実績値が1地区となっておりますが、成果指標としての林野火災発生件数が目標値21件に対して59件と目標値の倍以上もあり、D評価となっています。
 県では、このように林野火災が多い現状をどう受けとめ、どのように対策を講じているのかお伺いします。
〇保副知事 今、委員からお話ありましたとおり、令和元年における林野火災発生件数は59件であり、その発生時期は、野山が乾燥する春先が7割でございます。また、発生の原因は、野焼きやたき火など人為的な原因によるものが8割を占めているところでございます。
 このため、できるだけ多くの県民に、特にこの時期に集中して効果的な注意喚起を行うことが必要と受けとめております。
 県では、関係機関、団体で構成する岩手県山火事防止対策推進協議会におきまして、山火事の危険期である3月1日から5月31日までを山火事防止運動月間と定め、全県的な取り組みとして、集中的に入山者へのチラシの配布や農業関係団体を通じた農家への注意喚起、ラジオを活用した広報などに取り組んでおります。また、消防機関への初期消火のための小型動力ポンプ等の配備なども行っております。
 また、県内の10地区にそれぞれ山火事防止対策推進協議会を設置し、山火事防止のパレードや防火パトロールの実施、あるいは入山口への山火事防止横断幕等の掲示など、きめ細かな啓発活動も行っております。
 こうした地道な取り組みで、できるだけ人為的な原因による不注意な山火事を減らすことが重要だと考えております。
〇山下正勝委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、河川の災害復旧についてでありますが、令和元年台風第19号による災害など令和元年度に発生した災害のうち、河川に係る被害箇所が94カ所あり、その災害査定決定額は18億3、000万円余と聞いております。
 決算書にある河川等災害復旧事業のうち、こうした令和元年度発生の河川災害に係るもののほとんどは繰り越し事業として、昨年度に引き続き今年度において復旧作業を実施していると思いますが、現在の復旧状況及び今後の見込みについてお伺いします。
〇菊池副知事 令和元年度に発生した県管理河川の災害復旧状況についてでありますが、令和元年台風第19号豪雨により、沿岸部を中心に47河川94カ所が被災し、これまで43河川80カ所、約85%で復旧工事を進めてきたところであり、9月末現在では、このうち9河川9カ所、約10%が完成したところであります。
 未着手の7河川14カ所については、工事に着手できる環境が整ったところから順次発注手続を進めており、現在復旧工事を進めている箇所とともに今年度内の完成に努めてまいります。
〇山下正勝委員 早急に復旧工事を完了してもらいたいと思います。
 それでは次に、近年頻発している豪雨等による河川災害については、異常出水による堤防の決壊や越水などがありますが、その中には流木により被害が拡大したものもあります。本県においても、令和元年台風第19号や平成28年台風第10号による災害において、多数見受けられたところです。
 山崩れ等の大規模なものの場合は防災ダム等による下流域への流木防止策が考えられますが、川沿いの立ち木が増水により流されることにより、流木災害として被害が拡大することもあります。こうした場合において、何らかの防止策が必要と考えますが、流木が想定される危険箇所の把握状況とそれに伴う対応についてお伺いします。
 また、河川上流部や支流など市町村管理となっている川沿いの立ち木等の流木による被害もあることから、県管理河川に流入する市町村管理河川と連携した対策が必要と考えますが、その取り組み内容についてもあわせてお伺いします。
〇菊池副知事 流木による河川災害の防止策についてでありますが、河川の状況につきましては、定期的な河川巡視や洪水後の巡視のほか、住民の方々からの情報により、倒木のおそれがある箇所や河川内の立ち木が密集している箇所の把握に努めているところでございます。
 このうち、立ち木が流下したり洪水の流れを阻害し浸水被害を及ぼすおそれが高い箇所においては、倒木等の除去を行うほか、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策なども活用しながら、河道掘削とあわせ計画的な立ち木伐採を実施しているところでございます。
 また、市町村との連携についてでございますが、これまでも、国、県、市町村から成る大規模氾濫減災協議会の場などにおいて、河川管理者相互の取り組みを共有し、流域全体で河川災害対策に努めているところでございます。
 加えて、県及び市町村が行う河川の立ち木伐採等に対する財政支援について、全国知事会等を通じ国に要望してきたところでございまして、本年度、新たに緊急浚渫推進事業が創設されたことから、この事業も活用しながら、引き続き、市町村と連携し河川災害対策に取り組むこととしております。
〇山下正勝委員 終わります。(拍手)
〇菅野ひろのり委員長 質問者席の消毒のため、しばらくお待ちください。
 次に、上原康樹委員。
   〔上原康樹委員質問者席に着く〕(拍手)
〇上原康樹委員 無所属の上原康樹でございます。
 4点ございます。まず、避難所、仮設住宅の環境の改善についてです。
 災害時、避難所の様子を見るたび心が痛みます。近年、全国各地で大雨などによる自然災害が増加しており、岩手県におきましても、昨年、台風第19号による災害が発生し、災害救助法に基づき、応急的な対応に要した救助費の決算額は4億2、162万円余に上っております。
 増加する自然災害時に活用される避難所について、一般社団法人避難所・避難生活学会では、雑魚寝による健康被害の発生リスクを低減するため、簡易ベッドの活用を地方自治体に呼びかけるなど、環境改善を求めています。
 その方策として、発災から48時間以内に、快適で十分な数のトイレ、温かい食事を提供するためのキッチン、簡易なベッドを提供するいわゆるTKB48の取り組み―AKBではありません―トレーラーによる長期避難ハウスの活用なども有効であると言われています。
 県では、避難所の環境改善をどのように進めていくお考えか伺います。
〇菊池副知事 避難所の環境改善についてでありますが、本県では、東日本大震災津波の経験も踏まえ、市町村避難所運営マニュアル作成モデルを作成し、避難所の運営主体である市町村への普及を図るとともに、必要な仮設トイレの設置や調理施設の活用による炊き出しの実施など、避難所生活の質の向上を進めてまいりました。
 また、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所運営ガイドラインを作成し、段ボールベッドの活用など、さらなる感染症対策手法の普及に努めております。
 さらに、その実現に資するため、県として、市町村の備蓄を補完する観点から、避難所開設時に必要となる段ボールベッド等の物資について、一定量の備蓄を進めているほか、民間団体との協定に基づく調達など、災害時における必要な物資の調達、確保の対応も図っており、委員から御指摘のあったいわゆるTKB48の取り組みについても着実に進んでいるものと捉えております。
 県といたしましては、今後も、市町村が行う避難所の環境改善に向けたさまざまな取り組みをしっかりと支援してまいる考えであります。
〇上原康樹委員 震災関連事業は減少傾向にありますが、今後、大きな災害が発生した場合、応急仮設住宅の改善も想定しなければなりません。
 東日本大震災発生時の応急仮設住宅には、寒さ対策などが求められました。今後、応急仮設住宅の環境の改善、より暮らしやすい進化した応急仮設住宅の開発にどう取り組まれますか。
〇菊池副知事 応急仮設住宅の環境改善についてでありますが、災害救助法に基づく応急仮設住宅は、プレハブ等による建設型応急住宅、民間賃貸住宅を活用した賃貸型応急住宅及びその他適切な方法によるものに分類され、災害救助法に基づく応急救助の実施主体である県が、被災者に対して供与するものであります。
 東日本大震災津波の際には、建設型応急住宅について、寒さ対策として、壁、床下への断熱材の追加や窓の二重サッシ化、風除室の整備等を実施してきたほか、その他の対策として、入浴施設の追いだき機能の追加や要配慮者向けに玄関スロープや手すりの設置等を順次実施してきたところでありますが、平成28年台風第10号災害の際には、震災での経験を踏まえ、当初から寒冷地対策等に係る設備を整備し居住環境の改善を図ってきたところでございます。
 応急仮設住宅につきましては、迅速性やコスト面などの諸問題を勘案し地域の実情に応じて被災者に供与されることが望ましく、建設型応急住宅については、引き続き、適切な居住環境に配慮して整備し、賃貸型応急住宅については、優良な住宅の確保に努めていくこととしております。
 また、平成30年7月豪雨や北海道胆振東部地震の被災地では、移動性の高いコンテナ型やトレーラーハウス型の施設が災害救助法に基づく応急仮設住宅として提供されており、県としては、これらの事例も踏まえ、被災地の状況に応じた適切な応急仮設住宅を供与し、災害時においても被災者の良好な生活環境の確保に取り組んでまいります。
〇上原康樹委員 丁寧な、そして工夫を重ねるという努力を続けていただきたいと思います。
 次に、高齢者の移住についてです。
 いわて県民計画実施状況報告書によれば、県外からの移住、定住者は、令和元年度の目標値1、320人に対し、実績は1、190人にとどまり、達成度Dとなっております。
 移住、定住者数をふやすためには、今後増加していく高齢者の受け入れが大きなテーマとなりますが、県のお考えを伺います。
〇保副知事 定年退職などを機にふるさとに帰りたいというような方々や、地方で活躍したいと希望する高齢者の方々の思いに応えていくことは、受け入れ側にとって非常に大事であると思っております。県では、首都圏に設置いる移住相談窓口の移住コンシェルジュや、市町村の移住コーディネーターなどが連携しながら、一人一人のニーズに対応して支援を行うことにしております。
 高齢者にフォーカスした形で大々的に移住促進策を行うことも選択肢としてはあると思いますが、高齢者の医療や介護を支える人材の確保や、それに伴う財政負担などの課題もあることから、市町村の意向を十分に踏まえて取り組む必要があるものと考えております。
〇上原康樹委員 移住、定住に壁が見えています。首都圏などでは、もう高齢者には住居を貸す大家がほとんどいないのだそうです。岩手県の場合はどうなのでしょうか。高齢者の移住、定住への支援策はありますか。
〇保副知事 住宅については、国におきまして、高齢者のほか、子育て世帯、外国人など、住宅確保に関して配慮が必要な方々の入居を拒まない住宅として、住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅という、いわゆるセーフティネット住宅制度というものがあり、本県では、現在5、500戸余りの住宅が登録されております。
 こういった登録住宅に関する情報も提供しながら、岩手県に移住したいというニーズに応えることができる環境があることを伝えていきたいと考えております。
〇上原康樹委員 美しいキャッチコピーだけでは高齢者は動きません。具体的に岩手県がどうサポートしていくのかという情報発信が必要です。
 また、同時に、近年脚光を浴びている取り組みとしてCCRC―コンティニュイング・ケア・リタイアメント・コミュニティーというのですが、現役を引退した高齢者が、ついの住みかを選び、そこで地域活動しながら健康に暮らすという仕組みです。その実現のためには、医療、介護、生涯学習などさまざまな分野の連携が必要となります。
 県では、県内の市町村の具体例を踏まえ、どう支援していくのか、お考えをお聞かせください。
〇保副知事 日本版CCRCにつきましては、ふるさと振興部長から御答弁させていただきます。
 まず、情報発信という課題についてですが、県では、移住、定住に関するポータルサイトといたしまして、イーハトー部に入ろう!というキャッチコピーも使いながら、ポータルサイトの運営をしております。このポータルサイトの閲覧数は、このキャッチコピーの定着もあるかと思いますが、年々着実に増加しているところであります。
 また、首都圏等で開催する移住イベントでも会話のきっかけともなっており、このイーハトー部に入ろうということ自体は、年齢に関係なく、幅広い皆様に、いずれだんだんに浸透してきているものと考えております。
 こういったところから、さまざまなきめ細かい情報提供につなげていくということで、今後も、このポータルサイトを活用して進めていきたいと思っております。コロナ禍であるということも踏まえまして、本年度中に、本県の医療体制やテレワークに対応した施設の状況などの情報も追加するような改修を行い、情報発信の強化を図っていきたいと考えております。
〇佐々木ふるさと振興部長 日本版CCRCについてであります。
 国の第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略におきましては、これまで中高年齢者の移住に重点が置かれていた生涯活躍のまちの位置づけを見直し、全世代を対象として、移住者のみならず、関係人口、地元住民も対象とした、誰もが居場所と役割を持つコミュニティづくりを推進することとしております。
 県の第2期ふるさと振興総合戦略におきましても、若者たちが躍動する地域、男女が共に生きやすく、活力ある社会の形成や、健康と長生きのための取り組みを推進し、若者からお年寄りまで全ての人々が安心して暮らせる地域をつくることとしております。
 このため、本県におきましては、医療、福祉、介護需要に対応した人材の確保、定着、育成や地域包括ケアシステムの構築等を進めており、既にCCRCの取り組みを行っている市町村や受け入れに前向きな市町村と連携して、東京一極集中の是正に向け、新たな人の流れを生み出す取り組みなどを展開し、子供からお年寄りまで、あらゆる世代が生き生きと暮らす岩手を目指していきます。
〇上原康樹委員 次は、新型コロナウイルス感染症についてです。
 新型コロナウイルス感染症は、依然、世界的に猛威を振るっています。日本もそうです。その一方で、経済を回すための動きとして行われている、Go Toトラベル、Go To イートのキャンペーン。テレビを初めメディアの関心は、予防策からGo To トラベルやGo To イートに軸足を移した感があります。
 今やGo To と名のつくものにはちょっと逆らえない空気になっているのですが、それでも、岩手県の自営業の方々の中には、みずからの判断で、お客の入店に制限を設ける人たちがいます。
 Go To トラベルやGo To イートが行われる前には、東京方面からのお客に入店を断り、その理由を尋ねられると、古くからの岩手県の常連が高齢であること、そして、みずから持病を抱えていることを告げて、体を張って店先で地域を守ろうとしていました。もうけを削ってでも地域の客を守りたいという思いと、同時に、遠来の客への申しわけなさ。切ないほどの自衛の心です。
 経済の回復を目指し加速する人の流れの一方で、それぞれの皮膚感覚で感染予防の対策を立てる事業者の皆さん。コロナ禍における人々の意識の二極化を感じています。この分断された心の状態をどう克服していくのか、知事のお考えを伺います。
〇達増知事 県外からの観光客等の受け入れに当たっては、まずは、各事業者が感染症対策を徹底することが前提であり、その上で、来県される皆さんと、お互いに配慮し合い、一緒に感染症対策に取り組んでいくことが重要であると考えております。
 県では、新型コロナウイルス感染症の影響が大きい宿泊業や飲食業、運輸業などを対象に、感染症対策等に要する経費を支援しております。
 お尋ねのようなケースについては、やむを得ない事情もあると推察いたします。一方、さまざまな感染症対策等に要する経費の支援がございますので、事業者の皆さんには、感染症対策を講じながら、来県される方々に対して思いやりとおもてなしの心で接していただきたいと考えております。
〇上原康樹委員 そういう思いを幾度も幾度もさまざまな場所で発信して、述べていただきたいと思います。知事、そういうお考えはありますか。
〇達増知事 いわての新しい観光宣言ということで、1、感染症対策に取り組みます、2、変わらない良さで新しい取組を進めます、3、いわての良さを県内、県外の皆さんと共有しますということで、地元事業者と来訪する方々とで力を合わせて感染対策を成功させ、そして、観光や飲食などを楽しんでいただくというようなことを、5月にホテルの会場を借りて、そこで今言ったようなことをアピールし、その宣言を報道していただいたところであります。
 その後、県新型コロナウイルス感染症対策本部の場で知事メッセージの形で同じ趣旨のことを発信したり、また、それを県のホームページ、またツイッターやLINEなどでも発信しているところでありますが、県民が求めている情報共有、また、意識、方向性の心ぞろえのようなことについては、私も努めていきたいと思います。
〇上原康樹委員 何とぞよろしくお願いいたします。
 最後に、安心、安全に暮らせるまちづくりについてお聞きします。
 いわて県民計画実施状況報告書によりますと、1、000人当たりの交通事故発生件数は、令和元年度の目標値1.47件に対し実績は1.59件で達成度がDとなっています。また、交通死亡事故死傷者数も、目標値2、300人に対し、実績は2、425人で達成度はDでございます。
 県民を交通事故から守り、安全・安心に暮らすためには、信号機や標識などの交通安全施設を適切に整備し、計画的に更新していくことも重要であろうと考えますが、県は、今後どのように取り組まれますか。
〇菊池副知事 信号機、道路標識等の交通安全施設についてですが、まず、いわて県民計画(2019~2028)では、委員御指摘の二つの指標を掲げており、令和元年度は、交通事故発生件数、交通事故死傷者数ともに前年に比べ減少しましたが、事故類型で見ると、高齢者が関係する交通事故がわずかな減少にとどまるなどにより、目標値を達成できなかったと聞いております。
 交通安全施設については、交通の安全と円滑の確保等を目的とする交通規制の実施に合わせて整備しており、交通事故や渋滞の発生、地域住民等からの意見、要望、道路の新築、改良、大規模施設の建設などをもとに、交通規制の必要性を個別具体的に検討した上で整備していると聞いているところでございます。
 また、交通安全施設の更新につきましては、計画的な更新が重要でありますことから、警察本部では昨年3月に、岩手県交通安全施設管理計画を策定したところであり、耐用年数を超過した信号機を計画的に更新しているほか、保守点検結果等から、早急に更新が必要と認められる交通安全施設を優先的に更新していると聞いております。引き続き交通安全施設を適切に整備し、計画的に更新していくものと承知しております。
〇上原康樹委員 この10年近く、道路整備が目覚ましいスピードで進んでいますが、行き先の標示やドライバーの安全に配慮した標示が非常に少ないと思います。私も国道106号から分岐して三陸沿岸道路に合流するときに、初めて出会う場面で本当に驚いてしまいまして、行き先を間違えてしまいました。
 こうした現状をどのように認識し、今後どう取り組むのかお聞かせください。
〇菊池副知事 いわゆる道路標識の整備の件についてでありますが、三陸沿岸道路や宮古盛岡横断道路の本線とインターチェンジが接続する一般道路における案内標識につきましては、整備主体である国が、一般道路を管理する県などと協議の上、設置しているものでございます。
 案内標識等による誘導につきましては、道路利用の状況を踏まえ改善される場合もあり、三陸沿岸道路の釜石中央インターチェンジなどにおいては、道路利用者から、分岐点で行き先がわかりにくいという声が発せられ、国において補助的な案内標識の増設が行われたところでございます。
 今後とも、道路利用者の声などの情報は、関係する道路管理者間で共有し、安全、円滑に走行していただけるよう必要な対応を図ってまいります。
〇上原康樹委員 どうか利用者ファーストを。終わります。(拍手)
〇菅野ひろのり委員長 以上で総括説明に対する総括質疑を終わります。
 知事を初め、執行部の皆さんは退席されて結構でございます。御苦労さまでした。
 これより各部局別の審査に入るわけでありますが、委員席の移動を行いますので、その間、暫時休憩いたします。
午前11時18分 休 憩
午前11時41分 再開
〇千葉絢子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより各部局別の審査を行います。
 質疑につきましては、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせのとおり、質疑項目が複数ある場合、関連する事項はできるだけまとめて質疑を行うこと、他の委員と重複した内容の質疑は極力避け、どうしても必要な場合には、関連質疑として短時間かつ簡潔に行うことを基本とすること、数値の確認のみの質疑や要望のみの発言は原則として行わないこととなっております。
 また、議会運営委員会において、新型コロナウイルス感染症対策として、それぞれの日の質問予定人数に応じて、その日の世話人会で協議の上、質疑の目安時間を決定するとされたところです。
 本日は、この後、議会、総務部、政策企画部、出納局、人事委員会、監査委員関係について延べ13人の質問者を予定しており、世話人会の協議により、本日の質疑の目安時間は25分といたしましたので、議事進行に御協力をお願いいたします。
 なお、関連質疑については、その日の質疑の目安時間にかかわらず、関連質疑の目安時間を10分とすることにいたしますので、あらかじめ御了承ください。
 初めに、議会事務局長に議会関係の説明を求めます。
〇南議会事務局長 それでは、令和元年度の議会関係の決算について御説明を申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、154ページをお開き願います。
 154ページから155ページまでにかけてですが、第1款議会費第1項議会費の支出済額は14億643万円余であります。内訳ですが、第1目議会費の支出済額は8億8、135万円余であり、これは、議員の報酬及び費用弁償等の議会運営に要した経費であります。次に、第2目事務局費の支出済額は4億3、987万円余であり、これは、事務局職員33名分の人件費及び事務費等、事務局の管理運営及びタブレット端末を試行的に導入し、情報化の推進に要した経費であります。次に、第3目議員会館費の支出済額は8、520万円余であり、これは、議員会館の維持管理等の管理運営並びに議員会館の空調設備、電気設備及び自家用発電機の改修に要した経費であります。
 以上で議会関係の決算についての説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇千葉絢子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは、議会における受動喫煙防止対策について、全国の都道府県議会、県内の市町村議会における受動喫煙防止対策はどうなっているでしょうか。
〇南議会事務局長 まず、全国の都道府県議会における受動喫煙防止対策の実施状況についてでありますが、令和2年9月9日の調査時点で、敷地内全面禁煙は6道府県、敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用室ありとするものが11府県、建物内禁煙が10都県、建物内禁煙で喫煙専用室ありとするものが20県となっております。
 次に、県内市町村議会における受動喫煙防止対策の実施状況についてでありますが、令和2年4月1日時点で、敷地内全面禁煙は14市町、敷地内禁煙で敷地内に喫煙専用室ありとするものが19市町村となっております。
〇斉藤信委員 敷地内、そして建物内の禁煙が全国では27都道府県ということになります。県内では全ての市町村議会が建物内禁煙、敷地内禁煙を実施しております。
 東北で喫煙室を設けているところはありますか。
〇南議会事務局長 東北では本県のみでございます。
〇斉藤信委員 東北6県の中で、宮城県は置こうとしたのだけれども、県民の批判があって喫煙室は廃止をした。東北では岩手県だけが残った。極めて私は異常な事態ではないかと思います。
 そこで、議会棟の喫煙室が整備された経過について調べていますか。
〇南議会事務局長 現在、議会棟に設置されております喫煙室につきましては、議会運営委員会におきまして、平成22年度から議会棟内の全面禁煙、分煙に係る協議が継続的に行われ、平成26年7月1日の議会運営委員会におきまして喫煙室の設置場所が決定されたところでございます。さらに、その方針を踏まえまして、議会事務局から庁舎管理者である管財課に喫煙室の設置を依頼したものであります。
 その後の日本たばこ産業株式会社からの寄附について総務部に確認いたしましたところ、日本たばこ産業株式会社から寄附の申し出があり、総務部で寄附の妥当性等について検討した上で、正式に寄附を受けることとしたとのことでありました。その後、管財課からは、日本たばこ産業株式会社からの寄附行為により設置する旨、報告を受けたところでございます。
〇斉藤信委員 日本政府も参加しているたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の13条では、いわゆるたばこ会社は社会貢献活動や寄附をしてはならないとなっておりますが、議会事務局長は承知していますか。
〇南議会事務局長 これまでの議会運営委員会等での議論の経過等の中からは、承知をいたしております。
〇斉藤信委員 私は、県庁管財課が日本たばこ産業株式会社からのこの寄附行為を受けたということは間違いだったと思います。たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約に反することだったと。だから、これは見直しをすべきです。
 この寄附は工事費概算額で、税込みで193万9、680円でしたが、覚書が交わされています。覚書を知っていますか。
〇南議会事務局長 承知いたしております。
〇斉藤信委員 覚書の第8条供用期間では何となっていますか。
〇南議会事務局長 第8条供用期間でありますが、甲は、甲乙協議の上定める本喫煙施設の供用開始日から5年間は、自己の責任と負担により本喫煙施設を継続して維持管理するとともに、喫煙施設として本物件の利用者の供用に付するものとするとなっております。
〇斉藤信委員 供用期間は5年なのです。私はもう5年経過したと思います。だから、これはきちんと日本たばこ産業株式会社と協議をして、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の精神に立ち返って、この条約に反する寄附行為をなくしてもらうことが必要なのではないですか。5年間たったのだから。その点において私はあり方を真剣に今再検討すべきだと思いますが、いかがですか。
〇南議会事務局長 今回の議会棟の喫煙室につきましては、基本的に寄附の受け入れ、あるいはその覚書の締結につきましても、執行部側、総務部で行われた内容でありますので、その内容については総務部にお伝えしたいと思います。
〇斉藤信委員 喫煙室の設置を決めたのは県議会で、設置されている場所もいわゆる県議会棟でしょう。あそこも、渡り廊下といえども県議会の施設なのだから。覚書を締結したのは県とたばこ会社ですよ。私は、もう供用期間の5年が過ぎているとしたら、この覚書に基づいて再検討すべきだと強く求めておきたいと思います。
 そこで、この議会棟の喫煙室は、県議会議員以外のどういう方が利用できるのでしょうか。
〇南議会事務局長 喫煙室の利用者の範囲でございますが、議会棟の喫煙室は、会派等控室を禁煙とすることの代替として設置されたものでありますことから、その利用者としては、議員及び議会棟へ用事があって来訪した者を想定しております。
〇斉藤信委員 議会に用事があって来た方は使えると。例えば、県庁の職員、特に幹部職員。県庁は敷地内全面禁煙になっていますが、こういう方々の利用は、私は県庁の全面禁煙措置に反するのではないかと思いますが、いかがですか。
〇南議会事務局長 先ほど申し上げましたように、議会棟の喫煙室の利用者としては、議員及び議会棟へ用事があって来訪した者を想定しておりますので、その中に、県庁職員が議会棟へ用事があって来訪したということであれば、基本的に利用することには問題はないと考えております。
 一方で、総務部の所管にはなりますが、地方公務員法上は、県職員は職務に専念する義務が課せられておりますことから、勤務時間中の場合は、服務上の問題が生ずるものと考えております。
〇斉藤信委員 県庁がせっかく敷地内全面禁煙をしているときに、特に幹部職員だと思うけれども、議会に用事があるかないかわからない形で使われているのではないでしょうか。そういう疑念を持たれるような喫煙室でいいのかということなのですよ、問題は。
 そしてもう一つ、マスコミ関係者はフリーですか。
〇南議会事務局長 先ほども御答弁申し上げましたように、喫煙室の利用者の範囲は、議員及び議会棟へ用事があって来訪した者を想定しておりますので、職業といったものに関係なく、議会棟に用事があって来たものであれば、基本的に利用は可と想定いたしております。
〇斉藤信委員 やっぱりこういう条約に反するような事態において、マスコミ関係者が利用するようであったらまともな批判もできなくなると私はマスコミ関係者に言いたい。私はそのことは厳しく指摘しておきたいし、そういう疑念が広がるような、議会棟に東北ではただ一つ岩手県議会だけに喫煙室を残しておくということについては、根本的な再検討、見直しが必要であり、そのことを5年間の供用期間が切れたということも含めて、しかるべきところで議論していただくように求めるものであります。
 次に、県議会議員の海外行政視察の実施状況についてお聞きいたします。
 2019年度、2020年度の実施状況はどうなっているでしょうか。先ほど決算の説明では議会費で6、000万円余の減額補正となっていましたが、この中に海外行政視察の減額も入っているのでしょうか。
〇南議会事務局長 まず、2019年度、令和元年度における全国の都道府県議会の海外行政視察の実施状況についてでありますが、実施が21県、実施せずが本県を含め26都道府県となっております。
 次に、2020年度、令和2年度における実施状況でありますが、8月1日現在、実施がゼロ、実施せずが本県含め22府県、未定が25都道府県となっております。
 先ほどお尋ねのあった海外行政視察の経費の減額については、先ほど御指摘のあったとおりでございます。
〇斉藤信委員 ことしの実施はゼロとのことですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の中において私は当然だと思います。そして、今、欧州では第1波を超えるような感染の拡大が広がっています。アメリカは引き続き感染が拡大しているという中で、私は、もう来年度も実施する客観的条件がないのではないかと思いますが、いかがですか。
〇南議会事務局長 来年度の海外行政視察の実施についてでございますが、新型コロナウイルス感染症を取り巻く今後の状況を見通すことはなかなか困難ではございますが、議員から、平成14年に議会運営委員会で決定した議員派遣の運用についてに基づき、海外行政視察議員派遣提案書が提出された場合に迅速に対応できるよう、準備は進めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 本当に国内では7月、8月に第2波、恐らくこれから第3波が来る可能性は大きいと思います。そして、ヨーロッパは今、第1波を超える第2波を迎えている。こういう中で、やっぱり新型コロナウイルス感染症対策に県議会も集中し、必要な予算はそういうところにこそ県議会が先頭になって振り向けるべきだと思います。これは、指摘だけにとどめておきます。
 3点目は、政務活動費の領収書のホームページの公開についてお聞きします。
 全国都道府県議会、県内市町村議会の動向はどうなっているでしょうか。
〇南議会事務局長 政務活動費の領収書のホームページでの公開状況についてでございますが、私どもの調査で、本年9月30日現在、都道府県議会では、大阪府、兵庫県など21都府県において公開しており、昨年と比較して3県の増となっております。
 また、県内市町村議会では、盛岡市、宮古市など11市町において公開しており、昨年と比較して増減はございません。
〇斉藤信委員 領収書をホームページに公開するとしているのは、全国で21都府県と3県ふえたということでありました。県内の市町村議会でも11市町で実施されていると。
 以前、本県議会で、領収書のホームページでの公開が議論になったと思いますが、その議論の経過はどうなっていたでしょうか。
〇南議会事務局長 県議会における検討の経過についてでございますが、平成28年11月に日本共産党県議団から、議長に対して、収支報告書とともに領収書等もホームページで公開するよう、政務活動費の情報公開に関する申し入れが提出されたところでございます。
 この申し入れを受け、各会派で協議を重ねてきたところでありますが、その検討の結果、平成29年1月に、当面は現状どおりとし、全国の状況等について情報収集しながらその動向を注視することとされたところでございます。
〇斉藤信委員 今の経過に係る説明では、当面は現状どおりということになったということですが、これは当面です。今、全国で21都府県、県内でも11市町の議会がホームページに領収書を添付している。これは情報公開の課題なのだと思うのです。ここまで全国で、県内で行っているときに、私は岩手県議会も当然踏み込むべきだと思います。
 議会事務局として、事務的にホームページに領収書を添付するに当たり、何らかの障害、課題はありますか。
〇南議会事務局長 ホームページに領収書を公開した場合の課題でございますが、まず、政務活動費の領収書等をホームページで公開するためには、PDF等のデータファイルを作成する必要がございます。このため、議員から提出された全ての書類についてスキャンし、大量のデータファイルを作成する作業が生じますことから、課題といたしましては、職員の業務量が増加することとなると考えております。
〇斉藤信委員 1度やってみれば。これはほかの21都府県でもやられていることですから。食料費の問題が起きたときに、政務活動費の全面的な公開の一歩を踏み出したのは岩手県議会だったのですよ。今や情報公開は後進県になってしまった。
 領収書のホームページ上での公開は、ある意味、全国の流れですので、私は、岩手県議会がおくれをとることなく、この公開に踏み出すべきだと改めて議長にも申し入れをしたいと思いますので、そのことに触れて、私の質問を終わります。
〇伊藤勢至委員 ただいまの喫煙ルームの件について、関連をしてお伺いしたいと思います。
 まず、たばこについてでありますが、本県の優良作物であり、県議会には、葉たばこ・地域特産作物振興議員研究会があって、ずっとこれは活動を継続してきております。そして、もう一つは、たばこの交付税が岩手県にはたしか47億円ぐらい入っているかと思いますが、33市町村にもそれなりに交付されております。
 宮古市で4億円ぐらいかと思いましたが、今、人口減の問題で、例えば宮古市でありますが、東日本大震災津波前は5万6、000の人口が、現在5万500人ぐらいになっていまして、もうすぐ5万人を切るのではないかと言われています。そうした場合に、地方交付金が1億6、000万円ぐらい減少するのではないかと言われております。
 そういった中で、交付金にはいろいろな交付金があるわけでありますが、交付金には色がついているわけではない。一般財源としてガラガラポンしながら政策に使っていくということであります。我々議員は、各地の要望を背負って、それを具現するために要望するわけでありますが、その予算の中に、ただいまたばこ云々に反対している人が要望した事業なり仕事なりに、そのお金がついていかないとも限らない。そういうことを考えますと、もう少し考え方自体にゆとりを持ってもいいのではないか、私はそのように思っているところであります。
 また、誰が利用するかにつきましては、年4回の各定例会の傍聴に来た方も立ち寄って喫煙していかれるのをしかと見ております。そういう部分も考えていただきながら、まさに今つくっているルールの中で、県庁に用事があって来た方には喫煙を許している、それは大変いいことだと思います。
 そういう中で、まだ確認はできておりませんが、アメリカの大学の教授が、今回のコロナ禍の中で、たばこのニコチンがウイルス減少に効果があるのではないかという研究をしているという情報がありました。これは未確認でありますが、もう少し調べた上で、しかるべきときにそういう情報を提供もしたいと思っております。トータルで考えていただいて、議会運営委員会に係るものかもしれませんが、県民も使っているということも考えて御検討いただきたいと思いますが、何か感想があれば。
〇南議会事務局長 ただいま非常に幅広い観点からの御質問を頂戴したと思います。
 今、さまざまな形でいろいろな喫煙所の存廃についてのお話、御指摘を賜ったと考えております。最終的には、私の立場から申し上げられますことは、いずれこの喫煙室の存廃等々、見直し等々については、議員の皆様方の間で十分御協議をいただいた上でお決めいただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
〇千葉絢子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉絢子副委員長 質疑がないようでありますので、これで議会関係の質疑を終わります。
 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
午後0時7分 休 憩
午後1時1分 再開
〇千葉絢子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、総務部長に総務部関係の説明を求めます。
〇白水総務部長 令和元年度決算の概要につきましては、昨日、会計管理者から説明がありましたので、私からは、歳入歳出の構造、歳入全般及び総務部関係の決算の内容について御説明申し上げます。
 まず、歳入の構造について御説明いたします。お手元の令和元年度歳入歳出決算説明書をごらんいただきたいと思います。
 歳入歳出決算説明書の46ページをお開きいただけますでしょうか。第3表一般会計の財源別収入状況でありますが、県税、地方交付税等の一般財源収入の決算額は、この表の一番上の行に記載しておりますが5、656億4、661万円余であり、前年度と比較し188億2、422万円余、率にして3.2%の減となっております。また、国庫支出金、県債等の特定財源収入の決算額は、中段の行になりますが4、449億606万円余と、前年度と比較し206億9、289万円余、4.4%の減となっております。
 続きまして、歳出について御説明申し上げます。恐縮でございますが、少し飛びまして、58ページをお開きいただけますでしょうか。第8表一般会計性質別経費の決算額と一般財源充当状況について御説明申し上げます。
 まず、歳出決算の性質別の状況であります。左側の区分のとおり、義務的経費の計は2、900億741万円余、右のページに参りまして、決算総額に占める割合である決算額構成比は31.0%、前年度と比較し、構成比は0.4ポイントの増、決算額の対前年度増減率は3.1%の減となっております。
 続きまして、左のページ中段の投資的経費の計でございますが2、725億3、157万円余、同様に構成比は29.0%、前年度と比較し1.0ポイントの減、決算額の対前年度増減率は6.8%の減となっております。
 次に、総務部関係の決算について御説明申し上げます。
 最初に、総務部所管の事務事業に係る総合的な評価等について御説明申し上げます。
 令和元年度の予算は、東日本大震災津波からの復興と平成28年台風第10号及び令和元年台風第19号災害からの復旧、復興に最優先で取り組むとともに、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわての実現を推進するため、財源確保や人的資源の確保に向け取り組んでまいりました。
 総務部の重点施策としては、地域防災力の強化などの取り組みを推進したところでございまして、自助、共助、公助による防災体制づくりとして、県民一人一人の防災意識の向上や、地域コミュニティーを基盤とした防災体制の強化、国、県、市町村、防災関係機関が連携し、防災、減災体制の強化などの取り組みを推進したところであります。
 また、いわて県民計画(2019~2028)に掲げる政策の実効性を高めるため、行政経営プランを推進し、将来にわたって安定的な財政構造の構築が図られるよう、中長期的な視点に基づき、歳出の重点化や行政の効率化を推進してまいりたいと考えております。
 それでは、当部の決算について、お手元の令和元年度歳入歳出決算書により御説明申し上げます。
 歳入歳出決算書の12ページをお開きいただけますでしょうか。まず、一般会計についてでありますが、2款総務費1項総務管理費の一部、3項徴税費、6項防災費、16ページに参りまして、12款公債費の一部及び13款諸支出金の一部であり、予算現額の総額は1、702億9、800万円余、これに対する支出済額は1、694億4、752万円余であります。
 なお、令和2年度への繰越額は、総務費の1億8、582万円であります。
 決算の内容につきましては、令和元年度歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で一般会計の説明を終わります。
 続きまして、所管する特別会計について御説明申し上げます。
 恐縮でございます、少し飛びまして、22ページをお開きいただけますでしょうか。一番下の公債管理特別会計でありますが、収入済額は1、873億6、066万円余であり、その主なものは、一般会計及び県債管理基金からの繰入金、借換債であります。
 少し飛びまして、28ページをお開きいただけますでしょうか。中ほどの支出済額ですが、収入済額と同額となっており、その主なものは、県債償還元金及び利子、県債管理基金への積立金であります。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇千葉絢子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇佐藤ケイ子委員 私からは3項目について通告しております。
 まず最初に、税収の確保、滞納対策についてお伺いいたします。
 県税収入ですけれども、令和元年度収入が1、300億円余、不納欠損6、562万円、収入未済額15億7、911万円余ということで、収入未済が前年度よりマイナス1.7億円ぐらいということで、微減といいますか収入未済が少なくなったというので、徴収を頑張った成果が少し見られるかと思って見ました。
 それで、滞納整理の状況についてですけれども、第5次岩手県滞納債権対策基本方針がありますね、その基本方針どおり収入未済額を減らそうという目標でこれまでやってこられたと思います。収入未済額が前年度を下回ること、それから、未収金の新規発生を抑止するよう努めるという方針で取り組んでこられたことだろうと思います。
 滞納整理の状況についてお伺いします。滞納処分、差し押さえ、交付要求などさまざまあるわけですけれども、その滞納処分や不納欠損の処理の状況はどうだったか、まずお伺いいたします。
〇奥寺税務課総括課長 まず、滞納整理の状況についてでございますが、差し押さえにつきましては1、069件、5、700万円余で、前年より1、000万円余増となっております。
 それから、交付要求及び参加差し押さえにつきましては96件、1、900万円余で、前年より1、100万円余の増となっております。
 それから、不納欠損の状況でございますが、こちらにつきましては6、500万円余で、前年よりも1、100万円余減少したところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。結構不納欠損とするのも大変なのです。やっぱり現状をしっかりと把握しなければ処理できないので、そういった意味では、かなり難しい徴収に当たっては積極的な不納欠損もありだなと私は思っております。しっかりと調査をして、この未収金を減らしていくということをしていただきたいと思います。
 それで、岩手県地方税特別滞納整理機構のことについてですけれども、個人県民税は、市町村の住民税と県民税を一緒に市町村が徴収しているわけですけれども、市町村の体制で県民税の収納率が大きく影響を受けるわけです。岩手県地方税特別滞納整理機構に市町村から職員が派遣されておりますけれども、その職員の状況はどうだったのか。そして、派遣市町村に最近固定化が見られるのではないかと、私は最近の5年間の職員名簿を見て思ったのです。市町村によっては、岩手県地方税特別滞納整理機構に出したいけれども、やはり人員が不足していてなかなか出せないという実態もあって、岩手県地方税特別滞納整理機構の取り組みをもう少し市町村でも活用していただければと思っているのですが、その状況はどうだったでしょうか。
〇奥寺税務課総括課長 まず、岩手県地方税特別滞納整理機構についてでございますが、その役割といたしましては、各市町村におきまして、今、佐藤委員から御指摘いただいたように、収入未済の縮減や、あるいは人材育成なども課題となっているところでございますけれども、これらの解消に向けて岩手県地方税特別滞納整理機構を御活用いただきたいと考えております。
 また、市町村からの職員の派遣の状況でございますが、各市町村の滞納の状況であったり、あるいは組織体制によりまして継続派遣が困難なところも確かにございます。盛岡市は創設時より毎年派遣していただいておりますけれども、その他の市町村につきましては、状況に応じて随時派遣をいただいているという状況にございます。
 次に、岩手県地方税特別滞納整理機構の具体的な取り組みでありますが、市町村から個別に引き受けをしている事案につきましては、その滞納額の縮減を図りますほか、その他の事案につきましても、各広域振興局の県税部署と連携しながら、市町村と個別に相談会を開催するなどの支援を行っているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 この滞納整理の事務ですけれども、IT化が進んでもなかなか徴収事務はそんなに簡単なものではなくて、スキルがあったり、伝承するというか技術というのかがあるわけです。そういった意味では、この人材育成にしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、もちろん市町村が抱える課題をしっかり把握していただきたいと思っております。
 それで、この行政経営プランを見ますと、来年度から岩手県地方税特別滞納整理機構の組織の見直しと書かれてあったのですけれども、その見直しの趣旨はどういうことなのでしょうか。
〇奥寺税務課総括課長 岩手県地方税特別滞納整理機構の組織の見直しについてでございますが、岩手県地方税特別滞納整理機構は、県内全市町村の税務担当課長を委員といたします運営委員会を設置しておりまして、3年ごとにその取り組みの成果などを検証の上、組織存続の要否などについて御検討いただいているところでございます。
 佐藤委員から御指摘いただきました行政経営プランでの来年度の見直しでございますが、いわゆる3年ごとの見直しの年に当たっているということでございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。それでは、岩手県地方税特別滞納整理機構に市町村から派遣される場合に、市町村の滞納額によって、お宅の市町村から研修に来ていただいたほうがいいのではないですかというような働きかけはあるのでしょうか。全くその市町村の派遣の意思でこの滞納事務をされているのかどうか、その点をお伺いします。
〇奥寺税務課総括課長 今、佐藤委員から御指摘いただきましたように、それぞれ先ほど申し上げました各市町村の個別相談会などの機会を捉えまして、派遣いただいていないような市町村で、若干成績が悪いと思われるようなところにつきましては、そういうお声がけもさせていただいております。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。では、そのようにお願いします。
 やはり、以前の私の経験でも、岩手県地方税特別滞納整理機構に行った職員の話からすると、大変勉強になったと。市町村は差し押さえの場面で現場に踏み込むということがなかったりするわけです。給与や車の差し押さえなどはありますけれども、現場に踏み込むという本当にいい体験をしたということです。そういった技術をこれからも継承するように、広めるようにしていかなければならないという話がされておりました。ですが、なかなか後から派遣する人員体制が整わないというのが実態となっております。よろしくお願いします。
 次の質問です。職員体制について伺います。
 この職員体制では、いつも欠員の状況が出ております。昨日の知事答弁にもあったのですけれども、ことし2月の時点では、欠員は64人、でも4月の時点で46人と改善されたという答弁がございました。それはそれでよかったとは思うのですけれども、少しずつでも改善してほしいと思うわけですが、実は、会計年度任用職員が、短時間勤務になったということで、実際の人数は、本当は現場では少ない状況だという声を聞いております。さらには、新型コロナウイルス感染症の対応もあって、予定をしていなかった業務が保健福祉部や広域振興局にも出てきているというようなことが現実のようです。
 それで、採用の関係ですけれども、任期付職員の選考採用はどういうふうにしてきたのかということであります。復興・創生期間が終了に近づいておりまして、募集の方向性が課題となっておりますので、どうでしょうか。
〇村上参事兼人事課総括課長 任期付職員の選考採用ということでお尋ねをいただきました。この選考採用でございますが、県の任期付職員として勤務年数が引き続き4年以上、すなわち任期最終年度5年目の職員を対象にして、年齢59歳までの者を対象に任期の定めのない職員に採用する試験でございまして、平成28年度から実施しております。
 これまでに4年間で通算34名を採用いたしましたほか、今年度実施した試験におきましても、一般事務と総合土木の各職種で、一般事務につきましては応募者15名中8名、それから、総合土木は応募者3名中2名、合計で10名が合格となりまして、採用予定となっているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。この任期付職員の方々は、現場でずっと一緒に皆さんと働いてこられていますので、その方々のスキルをこれからも生かしていただければと思います。
 それから、採用をふやしていると思いますけれども、採用辞退者も出ていると聞いているのですが、どのような状況だったのでしょうか。
〇村上参事兼人事課総括課長 採用辞退者の状況でございます。知事部局以外も含めた試験でございますので、全体の数字ということでお答え申し上げますけれども、昨年度、令和元年度に実施した採用試験の結果、県職員I種、II種、III種合わせた合格者に対する辞退率は29.9%となっておりまして、前年度、平成30年度の26.5%と比較して3.4%の増となっております。
 採用予定者の辞退につきましては、県としても必要な人員を確保する上で課題の一つであると考えておりますが、一定の辞退を見込んだ合格者数を設定しておりまして、一部の技術職員を除き、採用予定数はおおむね確保できている状況でございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。辞退者は、結構市町村でもあるのですけれども、こういう方々は両方受けるのですね、国家公務員、県職員、それから市町村職員。それで、前は県職員のほうがいいなという意識があったようですけれども、最近は市町村の職員になることを選択する方々がいらっしゃるようです。やはり、これは県職員の働き方がどうなのかというのを見られているのではないかと思います。遠距離転勤というのも大変そうだなと見られておりますので、働き方改革ができないかと思っているところです。
 それから次、超過勤務の状況でございます。超過勤務ですけれども、上限規定が適用されて1年経過しました。通常は月45時間以内、他律的業務は月100時間未満という制限をしているわけですけれども、実は、県庁内のほとんどの部署が他律的業務の比重が高い部署であり、こういう制限が形骸化されているのではないかとも言われております。
 超過勤務の時間数はどうだったのでしょうか。それから、長時間労働で保健指導の対象者はどうだったのでしょうか。あわせて、精神疾患の療養者の人数はどうなっているでしょうか。
〇村上参事兼人事課総括課長 私から、超過勤務の時間について御答弁させていただきます。
 昨年度、令和元年度における1人当たりの月平均超過勤務時間数は全庁で15.9時間となっておりまして、前年度の15.1時間と比較しまして0.8時間、5.3%の増加となっております。その主な要因としましては、令和元年度台風第19号災害への対応、ラグビーワールドカップ2019への対応、それから、新型コロナウイルス感染症への対応等となっております。
 本年度について見ますと、速報値ではありますが、8月までの1人当たりの月平均超過勤務時間数は13.9時間で、昨年同期比で微減といったような状況でございます。保健福祉企画室や医療政策室などでは50時間を超えていること、それから、広域振興局の保健福祉環境部でも前年度比の3割増になっているといったようなこともありまして、特に、新型コロナウイルス感染症の対応部署において増が目立っているところでございます。
〇佐藤総務事務センター所長 それでは、私からは、長時間労働における保健指導対象者数と精神疾患の療養者数についてお答えいたします。
 まず、長時間労働における保健指導対象者数についてでございますが、令和元年度は延べ301人となっており、平成30年度の217人と比べ84人増加しております。
 増加の要因としては、災害関連業務への従事や産業医の指示により超過勤務時間を制限した職員に対して、翌月以降も継続して指導等を行ったことなどによるものと考えております。
 次に、精神疾患の療養者数についてでございますが、令和元年度は延べ106人となっており、平成30年度の78人と比較して28人増となっております。
 療養に至るには、環境の変化や仕事の悩み、また個人的な問題、あるいはこれらが複合的になっている場合もあり、さまざまな要因が考えられるところでございます。
 また、外部の専門医や臨床心理士の御協力を得ながら、職員が個別に相談する機会をふやしていることにより、早期の治療、療養につながっていることも背景にあるのではないかと考えているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。保健指導も精神疾患も多くなっているという答弁ですね。教職員でも精神疾患で公務災害認定された事例もあったりしました。本当に、なぜ精神疾患を発症したのかというようなことを深掘りして、職場内で対応していただきたいと思いますし、本当に忙しいのだろうなと、考える暇もないくらい余裕がない職場が多いのだなと私は感じております。
 それで、4年間で職員を80人から100人増員する知事部局定数等管理計画が昨年示されておりますけれども、それは順調に達成できそうでしょうか。
〇村上参事兼人事課総括課長 現行の知事部局定数等管理計画におきまして、復興業務については必要な職員数を確保するとしておりまして、復興業務以外につきまして、今、佐藤委員から御指摘がありましたように、新たな行政課題や県民ニーズに適切に対応するとともに、職員のワーク・ライフ・バランスを推進するため80人から100人程度増員する計画としております。
 これに対しまして、復興業務分を含めました今年度の知事部局の職員数は4、409名と、昨年度の4、366名から43名の増員となっており、行政需要に応じた職員数の確保に努めているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 これからもよろしくお願いします。
 それでは、3項目の質問は、女性職員の登用についてであります。女性の管理職、総括課長以上、それから主査以上に占める女性の割合ということでお尋ねしたいと思います。
 県の計画も女性活躍推進のための特定事業主行動計画に基づいて目標が定められておりますが、令和2年は、管理職は9%という目標を立てているのです。本当に低い目標ですけれども、それでも、それに向かって努力していることだろうと思いますが、その状況をお聞きします。
〇内城職員育成監 女性職員の登用についてでございますが、総括課長級以上の管理職のうち女性職員の割合は、令和2年4月1日時点で9.1%となっております。これは平成31年4月1日時点と比較し1.7ポイント上昇したところでございます。
 次に、主査以上の職員のうち女性職員の割合は、同じく令和2年4月1日時点で20.1%となっており、平成31年4月1日時点と比較し0.8ポイント上昇しているところでございます。
 令和2年度における計画目標の達成状況について申し上げますと、総括課長級以上の管理職に占める女性の割合につきましては目標を達成し、主査以上の職員に占める女性職員の割合につきましては、約9割の達成状況となっているところでございます。
 県といたしましては、今年度、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく女性活躍推進のための特定事業主行動計画について、次世代育成支援のための特定事業主行動計画と一体のものとして新たに策定したところでございまして、総括課長級以上の管理職員に占める女性割合を令和7年度に15%とすることを目標として設定し、女性のキャリア形成に係る研修の実施、ロールモデルの発信などに取り組んでいくこととしております。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。少しずつ改善されているようなお話でしたけれども、主査以上のところが目標に達していなかったということで、これからどんどん上がる方々のところの下支えがちょっと心配だと思っています。
 それから、令和7年度の目標は15%とおっしゃったようですけれども、これは大変低い目標ですので、少し改善できないかと思っております。
 国は2020年までに女性の管理職を30%にする目標を立てたわけですけれども、達成できなさそうだというので、女性の中では少し失望感があります。本当に世界のレベルからしても女性の登用が進んでいない日本の状況でありまして、まず、モデルを示すべき県職員から頑張っていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
〇柳村一委員 ただいま佐藤委員から質問がありました職員体制の欠員と超過勤務について、1点だけちょっと所感を伺いたいと思います。
 令和元年度岩手県歳入歳出決算審査意見書の中の個別的意見という部分で、内部管理体制について、複数の職員で確認すれば防止できる単純ミスが見受けられたほか、前年度の監査で指摘を受けたにもかかわらず、今年度も同一事務について連続して指摘を受けたものが認められた。県においては、適正な事務処理を確保するため、一層内部管理体制の確立に努められたいとされております。
 また、職員の資質向上についてでも、内部管理体制上の問題のほか、全体の事務量が増加する中、一部に財務関係法規等について十分な理解がないままに前例を踏襲し事務を進めている現状があるとして、専門的知識と経験を有する職員を活用し、実務を通じた指導や助言、知識や経験の承継ができる職場環境を整備するとともに、目的意識や意欲を高め、職員全体の一層の資質向上に努められたいという意見が出されております。
 ただいま、昨年4、366名から今年度4、409名ということで43名増員にはなったと。でも、計画的にはもっともっとふやさなければいけないということで、職員の補充は、早急に必要な人員をしっかり確保して、管理体制の確立と職員の資質向上に取り組むべきだと考えますけれども、所感がありましたらお願いします。
〇白水総務部長 ただいま非常に重要な御指摘をいただいたと思っております。柳村委員から大きく3点ほど御指摘があったと認識しております。
 まず1点目、職員の欠員の状況でございますが、これは、やはり行政課題が複雑化、多様化してきております中で、さまざまな業務がふえております。特に、新型コロナウイルス感染症対策ということも相まって非常にふえてきておりますので、そういったことも含めて、これはしっかりと、まずは欠員の解消に向けて取り組んでいかなければならないと思っております。
 その中で、先ほども答弁させていただきましたけれども、知事部局定数等管理計画もございますので、そういったことも踏まえてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 それから、2点目につきまして、監査からの御指摘もいただいておりまして、これは令和元年度に内部統制ということで試行的な取り組みをさせていただきましたけれども、その中でも判明したことではございますが、事務体制をしていく仕組みづくりはしっかりやっていく必要があると思っております。これは知事以下の庁議の場でもさまざま課題の共有等もしておりますので、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 それから、3点目の内部管理体制の強化につきましても、御指摘のとおりでございまして、やはり職員の資質向上は継続的に求められていくことだと思っております。さまざまな研修をやっておりますが、特に、今年度はコロナ禍ということでなかなか研修も難しかったところがございますが、いろいろ工夫してさまざまな階層に応じた研修もしております。
 やはり職員の資質向上を図るべく、恒常的にしっかり取り組んでまいりたいと思います。
〇工藤勝子委員 地域防災力の強化についてお伺いいたします。
 震災や台風、ゲリラ豪雨などの発生によって、多くの生命や財産を失うことが発生しております。ことしもゲリラ豪雨等によって熊本県などで大災害となったところでもあります。
 さまざまな災害へのリスクに対する取り組みとして、防災力を強化するために、やはり自助、共助、公助という取り組みによって減災、防災への強化が求められていると思っております。その中におきまして、災害対応力の向上として、まず、自助の知識の普及啓発の取り組みの成果と課題についてお伺いしたいと思っております。
 2020年統計調査白書によりますと、災害の備えに何らかの準備をしている人の割合は46.8%、特に何もしていない人が50.2%、水や食料や非常食をある程度確保している人は76.6%となっております。そういう中において、特に何もしていないと答えている人たちに対する今後の意識防災の向上が大事ではないかと思っておりますけれども、まず、その取り組みの成果と課題についてお伺いいたします。
〇藤澤総合防災室長 防災知識の普及啓発についてでありますが、地震、津波や風水害などが発生した際に迅速に非難するためには、日ごろから県民一人一人が防災に関する知識を深め、防災気象情報等を正しく理解しておくことが重要と認識しております。
 このため県では、県政テレビ番組や新聞広報等を活用した防災に関する情報の発信、岩手県地域防災サポーターによるワークショップの開催、地震体験室を搭載した防災指導車両防災そばっち号を活用した防災教育の実施等により、防災知識の普及啓発に努めているところでございます。
 早期避難の実現に向けては、住民一人一人の防災知識や意識の向上が重要でありますことから、引き続き、住民参加型の防災訓練、県の広報などを通じて普及啓発を図ってまいりたいと考えております。
〇工藤勝子委員 それぞれ一人一人が自分の命を守るということは、今後も非常に大事になってくるのだろうと思っております。
 そういう中において、共助として自主防災組織が結成されております。自主防災組織の活動は、防災力を高めるためにも非常に重要だと思っております。なかなかうちの地域でも、組織はできているのですけれども、特にそれに向けた活動というのは見えない状況でもあります。他の地域でもそういうところが見えます。
 そういう中において、やはりせっかくつくった自主防災組織の活性化に向けた取り組みが重要になってくるのだろうと思っていますけれども、今の取り組みの認識と今後の方向性について伺いたいと思います。
〇藤澤総合防災室長 自主防災組織活動の活性化に対する取り組みについてでありますが、県ではこれまで、自治会を対象とした市町村主催の研修会等に岩手県地域防災サポーターを派遣し、自主防災組織の重要性について説明するとともに、組織化及び活動の活性化を図るため、自主防災組織活性化モデル事業を実施し、取り組み事例を広く県内に紹介、周知するなどの取り組みを進めているところです。
 今後においても、自主防災組織の中核となって活動する人材の養成に向け自主防災組織リーダー研修会を開催するほか、市町村と連携し、自主防災組織の組織化及び活性化に向けた取り組みを推進してまいります。
〇工藤勝子委員 今、やはり地域コミュニティーもそういう中で大事になってくるわけですけれども、新型コロナウイルス感染症の関係で、地域の総会も書面議決のような形で行われていますし、さまざまな集まり、もちろん飲み会などもできない状態がずっと続いております。
 そういう中において、やはりいろいろな組織の中で、どうやってお互いに防災意識を持ち、助け合い、支え合いながら、その地域の中で一人の命も失わないような取り組みをすることが大事になってくるのだろうと思っております。
 この防災力を高めるために研修会という話もありますが、ぜひ、この新型コロナウイルス感染症の合間を縫って、それぞれの市町村と連携もしながら、モデル的な地域をつくりながら進めていってほしいと思っているところであります。
 今回の九州の豪雨に対しましても、いろいろな地域の方々からも、また行政からも、非常に想定外だ、これほど雨が降るとは思っていなかったという言葉がテレビからよく聞こえてまいりました。やはり、その中に公助としての今後の非常に大事な要素が含まれているのではないかと思っています。
 それには、今後の岩手県地域防災計画の見直しを図ることも大事ではないかと思っていますが、その点についてお伺いしたいと思います。
〇藤澤総合防災室長 岩手県地域防災計画の見直しについてでありますが、岩手県地域防災計画は、災害対策基本法に基づき、毎年検討を加え、必要があると認めるときは修正しなければならないとされており、本県においても、国の防災基本計画の修正状況や実際の災害の状況を踏まえ、毎年度、必要な見直しを行っているところであります。
 ことし5月、国の中央防災会議において防災基本計画が修正され、避難所における避難者の過密抑制の観点を取り入れた防災対策の推進等、新型コロナウイルス感染症対策に関する内容についても修正内容として盛り込まれたところであります。
 県としては、国の防災基本計画の修正内容や国から示される通知のほか、本県の新型コロナウイルス感染症対策の取り組み等を踏まえ、防災関係機関や庁内関係部局と十分な意見聴取を行い、岩手県地域防災計画に必要な対策を盛り込めるよう取り組んでまいります。
〇工藤勝子委員 まず、いざ災害が発生したということになりますと、やはり犠牲になるのは高齢者であったり、障がいを持った方であったり、子供であったりと、社会の中で弱者と言われる方々であります。
 気象庁から避難準備、勧告、指示などが発表されるわけですけれども、これが夜間になると避難は一層難しくなってくるわけであります。そういう中において、まず、避難所を早目に開くことが求められるのではないかと感じているところでもあります。この避難所における見直し等も今お話がございましたが、早目にそういう対策をしっかりととることが、マニュアルにより市町村と共有されているのかお伺いしたいと思います。
〇藤澤総合防災室長 避難所運営マニュアルについてでございますが、避難所運営マニュアルは、関係部局から市町村に従来から示されておりますし、また、今回のコロナ禍におきまして、感染症対策に関するマニュアルも担当部局から市町村に示されて、市町村で運用がなされていると認識しております。
〇工藤勝子委員 きのう県では、危機管理の新しい組織をつくると発表しました。この防災に関して行政は非常に縦割りではないかと思ったわけであります。お話を伺っているうちに、例えば、先ほど言ったハザードマップに関しては県土整備部、避難所に入るまでは防災の関係で総務部、そして、環境の部分は環境生活部、保健福祉部のほうに変わるという形であります。
 そういう中で、行政の縦割りに関して、総務部長は防災組織の中でどのように考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
〇白水総務部長 今、工藤勝子委員から非常に重要な御指摘をいただいたと思っております。決算特別委員会の総括質疑でも議論させていただきましたけれども、やはり危機管理という観点で、まず、自然災害の関係はこれまで岩手県もさまざま経験をしてきたところでございますけれども、近年はより複雑化しておりますし、想定外のことが起こるということでございますので、県庁組織においても、いわゆる従来の考え方ではなかなか対処ができなくなってきているところもあると思います。
 ですので、工藤勝子委員がおっしゃったように、まず、縦割りでなかなか連携ができていないということが仮にありましたら、それはしっかりと是正していかないといけないと思っております。そういう意味では、この総務部の防災セクション、それから県土整備部、そして保健福祉部等、関係部署と今まで以上に連携をしっかり構築して取り組んでいきたいと思います。
 それに加えて、やはり議論になっております新型コロナウイルス感染症ということもございまして、さらに、災害の概念自体もより広がってくるような局面もございますので、そういったことも含めて、それにふさわしいあり方あるいは連携の仕方は常に模索していかないといけないものだと思っております。
〇工藤勝子委員 そこで、次は、災害における備蓄体制についてお聞きしたいと思っております。
 備蓄というのは、それぞれの家庭、個人で、備蓄とまでは言わなくても、ある程度、水や非常持ち出し用具をきちんと準備している方々もいらっしゃるわけであります。そして、公的にいろいろな備蓄をしておくことも非常に重要ではないかと思っております。
 そこで、広域防災拠点における備蓄状況についてお尋ねいたします。
〇藤澤総合防災室長 広域防災拠点における備蓄の状況についてでございますが、県では、岩手県災害備蓄指針に基づきまして、広域防災拠点のうち、県内5カ所に分散して災害備蓄に取り組んでいるところでございます。
 具体の品目としましては、お米等の食料、それから、飲料水、毛布、携帯トイレ、簡易組み立てトイレを備蓄しておりまして、市町村における備蓄数量などを勘案した数量を備蓄しております。
 また、今年度におきましては、新型コロナウイルス感染症対策の視点から、段ボールベッド、パーティションなど、感染症対策物資の調達も進めているところでございます。
〇工藤勝子委員 他県で震災が発生したときに、段ボール等も仕切りになりましたが、ああいうものや、何かベッドもある程度準備されたようですけれども、結局、避難する方が多くて対応できなかった。不公平感から結局それを使えなかったという情報もありました。
 そういう中において、今、さまざまな備蓄のお話がありましたけれども、この5カ所において、例えば、
避難する人数にどの程度対応できる備蓄となっていますでしょうか。
〇藤澤総合防災室長 備蓄の状況でございますけれども、まず、感染症対策に関する県の備蓄の状況を御説明しますと、マスクが7、500枚、消毒液675リットル、段ボールベッド、パーティション、先ほど工藤勝子委員から御指摘もございましたが、これらにつきましては全国の引き合いが多うございまして、今、県で確保した数量は、段ボールベッドが2、500床、パーティションが1、000枚と、まだ予定の半分程度になっております。それから、非接触型の体温計については、まだこれからとなっております。
 あと、今申し上げた感染症対策の物資につきましては、各市町村におきましても、段ボールベッド等を中心に備蓄を進めておりますので、徐々にではありますが備蓄の体制が整ってくると認識しております。
〇工藤勝子委員 東日本大震災津波のときも、他県から多くの救援物資をいただいて、それなりに、命も助かったのだろうと思っています。
 例えば、他県で大災害が発生したときに、岩手県で備蓄しているものを他県に供給したことがあるのか、また、そういう仕組みになっているのかというところをお聞きしたいと思います。
〇藤澤総合防災室長 他県に対する県の備蓄の活用についてでございますが、平成28年熊本地震が発生した際に、飲料水、ペットボトルになりますが、8、000リットルを県の備蓄から譲渡した実績がございますし、要請等があれば、今後も必要に応じて支援をしていきたいと考えております。
〇工藤勝子委員 東日本大震災津波が発生したとき、千年に一度と言われました。そうすると、あのような震災はあと千年起きないのではないかと、そういう県民の意識もあったのだろうと思っています。三陸での通常的な地震というのは百年に一度とも言われております。
 そういう中において、例えば、千島列島のほうが動くのではないかという予想もされておりますし、やはり強い緊張感を持った危機管理組織が非常に重要な時期に入ってくるのではないかと思っているところでもあります。
 ぜひ、一人も取り残さない、一人の命もなくすことのないような防災力の強化に努めていただければと、そういう言葉を申し上げまして質問を終わりたいと思います。
〇吉田敬子委員 防災費の中の液体ミルクの備蓄についてお伺いします。
 先ほどは工藤勝子委員からも備蓄の内容等について質疑がありましたけれども、大雨被害や地震など相次ぐ災害に備えて、乳幼児用液体ミルクを備蓄する自治体がふえております。昨年度、岩手県も試行的に購入されましたけれども、その備蓄用の液体ミルクについて、その概要とその後の更新などの状況についてお伺いいたします。
〇藤澤総合防災室長 液体ミルクの備蓄についてでございますが、県では、男女共同参画に配慮した防災対策を行っていくことは極めて重要と考えており、吉田委員御指摘のとおり、昨年度から試行的に液体ミルクの災害備蓄を始め、令和2年2月に504本の液体ミルクを調達したところでございます。
 また、この液体ミルクの賞味期限が令和2年11月に迫っておりますので、今年度においても、9月に同じ数量を調達したところでございます。
〇吉田敬子委員 ことし9月に更新されたということですけれども、昨年度購入したものが、ことし11月に賞味期限になるということで、今回、試行的に購入されたということですが、更新するための504本が、結局破棄せずにどういった方式で、例えば、国ではローリングストック方式を使ってほしいということを提言されていますけれども、そこまでのことが盛り込まれていなかったものなのか、その件についてお伺いしたいと思います。
〇藤澤総合防災室長 御指摘のとおり、液体ミルクの賞味期限が非常に短いものですから、賞味期限間近のものをどう活用したらいいかも一つの課題でございます。今後、関係部局等とも意見交換しながら、その活用については検討してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 ということは、今回購入された時点では、まだどう使うというか、廃棄も含めて全く決まっていなくて、11月に賞味期限が切れる504本については廃棄するということでよろしいのでしょうか。
〇藤澤総合防災室長 11月の賞味期限でまだ1カ月強ありますので、今後の災害等、こういう時期でございますので油断できないと思いますが、いずれにしましても、なかなか期限間近なもの、あるいは過ぎたものを一般の方に提供という部分は難しい面もあろうかと思いますので、一つの課題として研究してまいりたいと考えております。
〇吉田敬子委員 導入されたことに関しては大変評価しておりました。ただ、国からは、賞味期限間近になるミルクは、保育所等施設での給食等の食材として活用すること、防災訓練や啓発活動において活用することなどとされておりました。
 今年度は新型コロナウイルス感染症もあったので、例えば、啓発活動等への活用はちょっと難しかったのかとは思います。県が液体ミルクをどうしていくかというところは、これから研究されるということなのですが、ことし9月にもう既に2回目の購入をされていますね。追加は大変ありがたいというか、いいことなのですけれども、ぜひ、指針をしっかりつくっていっていただきたいと思います。
 それに伴いまして、今回購入されたものは、県民や防災関係の啓発活動、市町村での導入、県の災害備蓄指針への反映について、どのようになっているかをお示しいただきたいと思います。
〇藤澤総合防災室長 県民への啓発、市町村の状況、県災害備蓄指針への反映についてでございますが、県民に対しましては、県政テレビ番組や新聞広報等を活用しまして、非常時の持ち出し品の準備について啓発等を行っているところでございます。
 市町村におきましても、新たに液体ミルクの備蓄を始めているところもあると認識しております。県では、市町村の担当者会議を通じて、まだ備蓄を始めていない市町村に対しては、働きかけを行っているところでございます。
 また、今後、液体ミルクを初めとした乳幼児及び妊産婦等への配慮の視点も取り入れまして、庁内関係課とも意見交換しながら、県の災害備蓄指針の見直しを進めることとしております。
〇吉田敬子委員 先ほどのローリングストック方式なども含めて、まだまだ決まっていないことが多いのだなということを感じたことと、やはり市町村での導入を働きかけることもそうですけれども、市町村がどのくらい備蓄しているかによって県がこのくらいだという役割分担が私は大事だと思っております。
 先ほど工藤勝子委員から部局横断的にというお話がありましたけれども、ちょっと確認したいのですが、昨年度10月に内閣府と厚生労働省から、防災担当と男女共同参画、母子保健担当に対して、災害時における乳児の支援並びに母子に必要となる物資の備蓄及び活用について、関係部局間で連携をして進めていただくようお願いしますという通達があるのですが、であれば、岩手県としては、部局間のそういった話し合いというものはなされていないのでしょうか。
〇藤澤総合防災室長 国からは、本年5月においても、女性の視点からの防災体制の強化を進めるため、男女共同参画の視点からのガイドラインが示されたところでございます。今、御指摘あったとおり、県庁内におきましても、例えば、今、液体ミルクのお話がございましたが、それ以外の食料ですとか、毛布ですとか、それこそ感染症対策の備蓄等につきましても、関係部局としっかり連携しながら、どういった形で備蓄体制を整えていったらいいかというのは、情報共有しながら進めているところでございます。
〇吉田敬子委員 先ほども県の備蓄指針を見直していきたいという答弁がありましたけれども、まず、部局間での連携をしっかり図っていただかないと、防災担当の皆さんだけでは、やはりなかなかわからないところもたくさんあるかと思いますので、ぜひ、積極的に部局間連携を行っていただきたいと思っております。
 岩手県は、備蓄の具体的な品目として、先ほどの工藤勝子委員への答弁にもありましたけれども、食料と飲料水と毛布とトイレの4種類だけが具体的品目になっております。他県では、やはり男女共同参画の視点を踏まえて、それ以外に、育児用粉ミルク、液体ミルク、哺乳瓶、育児用おむつ、大人用おむつ、生理用品、トイレットペーパーなどを具体的な品目に追加しております。
 私は、今回、次の見直しを検討していく中で、ぜひ男女共同参画の視点を踏まえた育児、介護の視点、高齢者の方々、乳幼児、妊産婦の方々が必要な備品もしっかり具体的な品目として設定をして、市町村と県の役割分担をしていただきたいと思いますが、県の御所見をお伺いいたしたいと思います。
〇藤澤総合防災室長 県の備蓄指針の見直しにつきましては、先ほど申し上げた液体ミルク等のほかに、やはり高齢者等を含めた要配慮者に配慮した視点も取り入れまして、具体的には、例えば、組み立て式トイレでありますとか、あと紙おむつなどの介護用品といったものも具体的な品目として入れられないかどうかについて、関係部局と意見交換をしながら、指針の見直し等の検討をしていきたいと考えております。
〇吉田敬子委員 ぜひ、ミルクのことを検討される際に、他県では粉ミルクも液体ミルクも使い捨ての哺乳瓶が必ずセットで品目として追加しております。実際、液体ミルクは缶の中に入っているので、コップで飲める子もいますけれども、ゼロ歳児は哺乳瓶がないと飲めないので、ぜひ、そういったところも踏まえて関係機関と連携をとっていただきたいと思います。
 次に移りたいと思います。内丸地区の喫煙状況についてお伺いしたいと思います。
 ことし4月に改正され、全面施行となった健康増進法では、受動喫煙対策を講じることが義務づけられました。昨年7月から県庁舎が全面禁煙となったことによって、県庁周辺での喫煙がふえておりました。桜山かいわいの飲食店の皆さんから私も直接御相談もいただきましたけれども、路上喫煙者が桜山神社の池の周辺に本当にたくさんいらっしゃったところを私もよく拝見しておりました。そういったことに対する不満の声が上がっておりました。
 その件について、県としてはどのように把握されているのか。昨年度、佐々木朋和委員もこの件について取り上げた際に、県職員に対する指導等を行っていくというお話でしたけれども、その取り組みについてもお伺いしたいと思います。
〇村上参事兼人事課総括課長 内丸地区の喫煙の状況ということでございます。
 まず、県庁舎敷地内の全面禁煙の実施は昨年7月からスタートしたわけですけれども、それにあわせまして、職員に対しまして、まず、勤務時間中に庁舎敷地外で喫煙するために職場を離れる行為は、職務に専念する義務の遵守という観点からは認められませんということ、それから、県民や近隣の店舗、施設等への迷惑となるような行為は厳に慎むようにといった注意喚起を行ってスタートを迎えたということでございます。
 その後、地域からの声ということで、県庁舎敷地内の全面禁煙の実施後に、桜山地区を含めた県庁舎周辺の路上で喫煙する職員への苦情が複数寄せられているところでございまして、こうした苦情を受けまして、職員に対しまして、マナーや服務の問題にとどまらず、法令上、受動喫煙の防止に配慮する義務があること、それから、都市公園区域内である桜山神社参道地区はもともと禁煙区域となっておりますので、あそこで喫煙する行為はできないといったようなことについて、改めて庁議の場あるいは通知等々を通じまして繰り返し注意喚起を行ってきたところでありまして、引き続き徹底を図っていきたいと思っております。
〇吉田敬子委員 飲食店の皆さんからも、その後の状況を伺ったのですが、直接県と盛岡市に対して、ホームページを通じてそういった陳情のメールをされたそうなのですけれども、その後に、盛岡市の保健所と公園みどり課が動いてくださったようで、9月1日からは、その辺が禁煙になるような対策を改めてしていただき、少しは減ったそうです。ただ、そこの場所が減っただけで、どこかに移動して喫煙されているのではないかということを飲食店の皆さんも逆に心配されていて、自分たちのところはよくなったけれども、どこかでまた不満というか不安の声があるのではないかということも懸念されていました。
 以前、佐々木朋和委員も、敷地外の受動喫煙の状況調査についてするべきではないかということを取り上げられましたけれども、まずは、職員の自主的な対応が促進されるよう努めているというところでありましたが、県の見解は変わらない状況でしょうか。
〇平野管財課総括課長 本年2月の予算特別委員会におきまして、佐々木朋和委員から、敷地外の受動喫煙の状況を調べた上で、新たに安全な基準の屋外喫煙施設を設けることについてお尋ねがありました。その際に、我々からは、県立の施設における受動喫煙対策については、原則、敷地内禁煙としておりまして、新たな屋外喫煙施設を設けることは例外的な取り扱いを拡大する方向となるということで、改正後の健康増進法の趣旨に鑑み慎重に対応する必要があるとした考えには、今も変更はございません。
〇吉田敬子委員 健康増進法の改正の部分に対して、私もそれは大変賛同するのですが、ただ、もし受動喫煙になっている状況であれば、県の職員に限らず、この辺の内丸の職員の皆さんを初め、喫煙場所がなくて困っているのであれば、何らかの措置をとらない限り受動喫煙になるわけです。
 私が実際桜山神社かいわいの喫煙がすごくひどい状況のときに歩いた際に、お昼時間が一番すごいのですけれども、子供連れのお母さんたちがすごく困っていて、なぜこれほどたばこを吸っている人たちがいるのか、煙くて歩けないというようなことを聞いておりました。もちろん県職員の皆さんだけではないと思うのですけれども、ぜひ対策を考えて、何とか対応していただきたいと思っております。
 次に移りたいと思います。庁舎内保育所の整備についてお伺いしたいと思います。
 来年度から始まる庁舎内保育施設ですけれども、今定例会中に、議員に対しての内覧会を設定していただき見ることができるとのことで、ありがとうございます。
 その保育所についてですけれども、保育士確保の状況、また、入所者の応募の状況、これはゼロ歳から2歳児までで今月から始まるということですが、3歳以降の保育との連携の状況についてお伺いしたいと思います。
〇佐藤総務事務センター所長 保育士の確保と入所者の応募についてでございますが、まず、保育士については、運営事業者が確保することとなりますが、当該保育運営事業者には岩手県出身の保育士も在籍していることから、本施設での勤務を打診し、また、現地採用も含めて準備を進めていると聞いております。
 入所者の応募については、先ほど吉田委員が申されましたとおり、今月から県職員枠の募集を開始しておりまして、地域枠の一般利用者については、11月から盛岡市において募集を開始する予定と聞いております。
 そして、3歳以降の保育との連携についてでございますが、本施設のような地域型保育事業による認可保育所については、他の保育所等を連携施設として設定することが必須となっております。
 連携施設の役割については、集団保育を体験させるための機会の設定、保育内容に関する支援、保護者の希望に基づく3歳以降の受け入れ等となっております。
 その中で、3歳以降の受け入れのルールについては、地域における必要性に応じて市町村が定めることとされております。
 盛岡市の場合、必ず連携施設に入所できるというルールにはなっておりませんが、地域型保育事業の保育所を卒園して盛岡市内の認可保育施設に入所を希望する場合は、入所審査の基準に加点が付与されることになっております。
〇吉田敬子委員 では、県職員の枠に応募があるかどうかというのはまだわからないわけですね。今回は職場復帰後も母乳育児を継続できるための環境整備をされたということで、大変重要だと思っておりますが、その点も踏まえて、具体的にどのようになっているかお伺いしたいと思います。
〇佐藤総務事務センター所長 入所者の希望の状況ということで、まだ、今募集中でございますが、実は本年6月に利用希望調査を実施いたしました。その際には、庁内保育施設を最優先で利用する予定の方と、庁内保育施設と地域の保育施設どちらかを利用予定とする方を合わせると、定員を上回る状況にはなっております。
 母乳育児の継続に向けた環境整備についてでございますが、職場に近接する保育施設である利点を生かしまして、休憩時間等を利用した母乳育児の継続を可能とするために、施設内に多目的室を整備しております。
 多目的室は、プライバシーに配慮した個室となっておりまして、内部には授乳用につくられた椅子を設置することにしております。
 母乳育児の継続に向けた環境整備は、本施設の特徴の一つとなっており、入所者の募集とあわせて周知を図ってまいります。
〇吉田敬子委員 今回の保育所の施設の中に、母乳育児を継続できるような環境整備をされたということは、本当に大変評価したいと思っております。部局は商工労働観光部になるのですけれども、これまでの議会の中で、母乳育児と仕事の両立支援をしっかりしてほしいということを質疑で取り上げたのですが、やはり、本来は母乳育児を続けたいけれども、結果、保育所が遠かったり、もしくは短時間の時間がとれないために、結局はミルクなりに変更しなければいけない状況になっているのが現状です。
 今回は庁舎内の保育所で母乳育児ができる環境を整備した先駆的な取り組みとして、民間の企業の理解も必要なのですけれども、そういった視点も盛り込んで、ぜひ県内各地に広めていただきたい。この庁舎内保育所に大変期待をしております。たくさんの議員が取り上げられて、今回こういった経緯になったことに関しては大変感謝しておりますので、ぜひ、県職員の皆さんの仕事と生活の両立という視点で頑張っていっていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 先ほど内丸地区の喫煙問題がありましたけれども、先日、内丸の第1、第2町内会と東大通商店街の皆さんから、県職員の昼休み時間の柔軟な運用をという要望がありまして、県庁が11時半から1時半という形で昼休みの運用の柔軟化を機敏に実施されたことに、心から敬意を表したいと思います。
 県職員の反応、地域の商店街の反応など、把握していたら示してください。
〇村上参事兼人事課総括課長 10月5日から、今、斉藤委員から御指摘がありましたように、昼食時間の弾力化ということで、前後30分ずつずらして3パターンで昼休み時間をとれるように見直しをしております。
 私の周囲にも利用した職員がおりますけれども、いつも混んでいるお店が、すごく早く出してくれて、いつも1時ぎりぎりに帰ってくるのだけれども、30分で帰ってきましたとか、やっぱりそういう声があって、いつも待たなくてはならないところ、すぐ帰ってこられるのでいいなというような声が職員からは出ております。
 県議会定例会の期間中でありまして、職員もなかなか休みをずらしがたい環境に若干あるかもわかりませんけれども、そういう声が職員づてで伝わっていくと利用がさらに促進されると思っております。
 制度はスタートしたばかりですので、今の30分前後ずらしたというのが本当に適切な時間設定なのかというのもありますので、少し利用の状況を見ながら、また検討していきたいと思っております。
〇斉藤信委員 商店街の方々には、今までだと12時から12時半の1ラウンドしか利用できなかったけれども、2ラウンド、3ラウンド利用できるようになったということで歓迎されていますので、そのことを最初に触れたいと思います。
 次に、消費税増税の影響額についてお聞きしますが、昨年10月から消費税が10%に増税となりました。国民総生産が大幅に低下することとなっておりますけれども、10%増税の県民1人当たりの負担増、県民全体の負担増はどうなるか、年間ベースで示してください。
〇奥寺税務課総括課長 消費税率の引き上げによる県民負担増についてでありますが、国、地方合わせて消費税率が8%から10%に引き上げられたことによる負担増は、政府試算に基づき推計いたしますと、県民1人当たり年間約2万7、000円、1世帯当たり年間約6万2、000円、県民総負担額は年間約327億5、000万円と推計されるところであります。
〇斉藤信委員 わずか2%の増税でも、今、答弁があったように、総額だと327億5、000万円と大変な影響でした。
 安倍内閣のもとでは2度増税がありまして、5%から10%に増税になりました。安倍内閣によるこの5%から10%に増税された影響額もそれぞれ示してください。
〇奥寺税務課総括課長 5%から10%への消費税率の改正による負担増についてでございますが、5%から8%への引き上げ分としましては、地方消費税に係る平成25年度と平成28年度の決算に基づき推計したものに、先ほど御答弁申し上げました8%から10%引き上げ分の推計を加算したところによりますと、県民1人当たり年間約7万9、000円、1世帯当たり年間約17万8、000円、県民総負担額は年間約958億2、000万円と推計されるところでございます。
〇斉藤信委員 この消費税の増税によって、県民の暮らしも、そして日本全体の経済、岩手県の経済も落ち込んだということを私は厳しく指摘しておきたいと思います。
 そして、この消費税増税の負担増に、今、新型コロナウイルス感染症の新たな負担が重なっているということもしっかり私は見ていくことが必要だと思います。
 次に入ります。昨年の令和元年台風第19号から約1年が経過いたしました。岩手県内では、沿岸を中心にして400ミリ前後の今までに経験のない大雨、そして、洪水となりましたけれども、特に、夜間に9、000人余が避難をするという問題が、予算特別委員会でも審議をされたところであります。
 岩手県も令和元年台風第19号災害対応振り返り報告書を出していますけれども、この令和元年台風第19号災害への取り組みをどのように検証され、課題を明らかにしているのか示してください。
〇藤澤総合防災室長 令和元年台風第19号災害対応振り返り報告書の概要についてでございますが、県の防災対応力のさらなる向上を図るために、県、市町村、防災関係機関、有識者等による検討会を開催し、課題と今後の対応策について検討を重ね、地域防災体制、社会福祉施設等防災、河川・土砂災害防災等の課題と今後のあり方について取りまとめたところでございます。
 課題としましては、地域防災体制につきましては、市町村における避難指示(緊急)の発令が夜間となったこと、住民に避難勧告とは全員避難の意味であることということが正しく伝わっていないなどの課題を整理したところでございます。
 また、今後の県の防災対応のあり方としましては、安全かつ速やかに住民避難を促すため、市町村における避難勧告等発令の支援が必要であること、住民の適切な避難行動につなげるための平時からの取り組みが必要であることなどについて、その対応策を取りまとめたところでございます。
〇斉藤信委員 私は、台風等の場合には、台風の進路情報が気象庁から随時、その予測も含めて示されるので、岩手県風水害対策支援チームがこのときに指摘したように、日中の避難を本当に原則にして、夜間の危険なときの避難ではなくて、日中に避難できるよう徹底を図るべきだと思います。
 そこで、実は昨年どういう避難勧告等が発令されたかと言いますと、避難準備、これは47万8、775人です。避難勧告が24万6、594人、避難指示が19万3、865人。避難勧告までは日中に出されたのです。しかし、それが徹底されなかった。そして真夜中に、未明に避難指示が出された。残念ながら、夜中に約9、000人が避難するという、大雨特別警報は13日の零時40分でした。特別警報というのは、もう災害が発生している、命にかかわる事態が発生しているということです。そういう時間帯に多くの方が避難せざるを得なかったということは、私は、本当に深刻に受けとめなくてはならない問題だと思います。
 もう一つ、これだけの方々に避難勧告、指示が出されているのだけれども、私は、それだけの避難場所はないと思うのです。これだけ避難準備や避難勧告、指示を出すのだったら、それを受ける避難場所の確保が前提になるのではないか。その点は検討されなかったのですか。
〇藤澤総合防災室長 先ほど斉藤委員からお話がありましたとおり、昨年の令和元年台風第19号におきましては、市町村による避難指示(緊急)の発令が夜間になったことで、多くの人が夜間に避難したと見られることが課題として顕在化したところであります。
 県としましては、市町村における避難指示(緊急)等の発令を支援するために、斉藤委員から御紹介がありましたとおり、岩手県風水害対策支援チームを引き続き運用していくとともに、できるだけ早期の避難指示(緊急)の発令と日中の避難完了に努める旨を岩手県地域防災計画に追記したところでございます。
 それから、避難場所の収容能力の話についてでございますが、市町村におきましては、あらかじめ指定避難所を指定しております。当然そこには収容能力、収容数の限度がございますけれども、コロナ禍における分散避難もありまして、今、市町村におきましては、指定避難所以外にも、親戚宅あるいは地元のホテル、旅館等、あるいは自宅が安全な場所である場合には無理に避難をしないというような呼びかけもしております。そういった形で、市町村としては住民一人一人の安全な避難に向けて取り組んでいるところでございます。
〇斉藤信委員 避難場所については、私は令和元年台風第19号災害対応振り返り報告書を見ましたけれども、残念ながら検討されていませんでした。やっぱり避難場所があって安心して避難するのです。特に高齢者、要支援者、こういう人たちは、体育館の雑魚寝だったらかえって大変だというので、たじろいでしまうのです。ましてや、今、新型コロナウイルス感染症で、今までの定員の恐らく半分も避難できないのですね。これは熊本県の豪雨のときにはっきり示されたじゃないですか。
 だから、私は今、検証した避難指示を実行するためには、きちんとした受け皿、安全・安心な避難場所を確保するという、このことに真剣に取り組むべきだと思いますよ。
 そこで、国は避難所としてホテル、旅館等も活用できる、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が活用できると言いました。だから、財源も示して、やっぱりこれからそういう大規模な台風や災害のときには、ホテル、旅館ときちんと契約をして、積極的にホテル、旅館を活用することができると。できれば、その際、高齢者や要援護高齢者、障がい者などを優先してそういうところに避難させる必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇藤澤総合防災室長 今、斉藤委員から非常に重要な御指摘があったと思います。昨今の新型コロナウイルス感染症対策のために、先般、市町村に対して避難所の増設状況を確認いたしました。そうしたところ、八つの市町村におきまして、新たに避難所を増設したということで、具体的には、ホテルあるいは学校、公共施設といったところを増設して、より多くの方に避難していただけるような体制をとったと認識しております。
 また、その避難所を増設しない市町村におきましても、既に避難所として指定している学校等におきまして、従来であれば体育館のみを指定していたのですけれども、そこを拡大しまして、空き教室や会議室といったものも柔軟に避難所として利用しましょうという市町村もふえてきております。
 そういった取り組みをまとめたものを先般市町村にフィードバックしておりますので、そうした先進的な市町村の取り組みをさらに県内にも広げていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 ホテル、旅館が避難所として活用できるという国の通知は、ことしの4月、5月です。だから、これは徹底して―実は平成28年台風第10号の際は、岩泉町がホテル、旅館を活用したのです。だから、既に岩手県内には積極的に、先行的にやっているところもあるし、東日本大震災津波のときには岩手県はホテルを活用してやったわけじゃないですか。だから、ある意味、岩手県はそういう経験を持っている。それを生かして、今後の避難対策、避難場所の確保、やっぱりそういう経験を生かしたら、私は時間をかけなくても、これはもう具体化できるのではないかと思いますので、よろしくお願いしたい。
 もう一つ、令和元年台風第19号災害の特徴は、全国の死者84人、うち65歳以上の死者が65%、自宅での死者34人のうち高齢者が79%でした。やはり高齢者の犠牲者が多かった。逃げられずに自宅で亡くなった、高齢者は約8割ですよ。だから、私はそういう点で、これは令和元年台風第19号災害対応振り返り報告書にもあるのだけれども、避難行動要支援者の個別計画、これは2割しかできていないのです。そして、地域に名簿を事前提供されているのが4割です。困った人を助けられない体制に今なっているのですよ。
 私は、皆さんもこれは検証したことだから、100%やっている自治体があれば、ゼロというところもある。これはずっとそうなのです。改善されていないのです。一番危険なのは自力で逃げられない人たちです。全市町村が責任を持って避難行動要支援者名簿をつくる、個別計画をつくるとなっていても、それがつくられていない。この点について、どう取り組む予定ですか。
〇藤澤総合防災室長 高齢者等、みずから避難が困難な方、特に、避難において支援が必要な方、避難行動要支援者の方々の避難につきましては、とても重要な課題であると認識しております。
 斉藤委員御指摘のとおり、各市町村においては、避難行動要支援者名簿の作成が義務づけられておりまして、一方で、個別計画については未策定の市町村もあるという現状でございます。
 その未策定の理由が、やはり対象数が多いこと、それから、実際の避難のときに支援する方の確保が難しいことや移動手段の確保、こういった部分にも課題があるようです。あと、名簿の提供に当たって、どうしても個人情報の部分が課題となっているという声も聞いておりますので、こういった部分につきましては、担当課である保健福祉部等とも連携しながら、市町村に働きかけを行ってまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 避難行動要支援者名簿と個別計画の策定状況は、何度もこの予算、決算特別委員会で繰り返し議論されています。しかし、改善されていません。厳密に言うと、個別計画は22.4%。ただ、五つの市町村は100%やっているのですよ。やれない理由はないのです。それは、本当に自治体のこの問題に対する姿勢があらわれているのではないか。県が本気になってこれに取り組んでいただきたい。
 次に、会計年度任用職員制度が今年度から導入されました。昨年の期限付臨時職員がどのように会計年度任用職員にフルタイム、パートタイムへ移行されたのか。昨年働いていた方々で希望した人たちは、基本的には採用されたのか示してください。
〇村上参事兼人事課総括課長 会計年度任用職員の導入ということでございます。制度導入に当たりまして、昨年度までの期限付臨時職員や非常勤職員が具体的にどのような会計年度任用職員に移行したかという職員個々の状況についてまでの把握は、なかなか困難な状況にございます。
 全体の職員数に着目した場合、今年度の会計年度任用職員数は、昨年度の臨時、非常勤職員の数と比較して、一部の部局におきまして、事業費の減や育児休業の代替職員が常勤職員に振りかえられたことに伴う減などはございますけれども、それを除けば、おおむね同程度は確保されているものと考えております。全ての皆さんが移行されたかどうかというところまではわかりませんが、おおむね移行する方向で進んだのではないかと考えております。
〇斉藤信委員 私は予算特別委員会のときにも指摘しましたけれども、フルタイムで働いていた期限付臨時職員が571人いました。それが、会計年度ではわずか31人、とんでもなく減らされ、それで月収が減ってしまった。一時金が出るようになったからとんとんと言うけれども、これでは改善にならないのです。
 これは期限付臨時職員の安定的な雇用確保のための制度です。それで、来年も会計年度任用職員を希望したら1年限りで切られるということはあってはならないと思うけれども、その点はいかがですか。
〇村上参事兼人事課総括課長 会計年度任用職員の再度の任用ということでございますけれども、会計年度任用職員につきましては、任用回数に関する制限は設けておりませんので、1回で終わりということはございません。ただ、もちろん任期ごとに選考は致しますが、いずれ、単純に回数でこれ以上任用できないということはございません。
〇斉藤信委員 では、最後に、先ほど県庁職員の喫煙が問題になりましたので、議会棟に喫煙室を整備しましたが、日本たばこ産業株式会社からの寄附だった。しかし、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約、これは日本政府も加入しているものですけれども、日本たばこ産業株式会社は寄附行為が禁じられているというのが国際条約です。それを知って日本たばこ産業株式会社からの寄附を受けたのですか。
〇平野管財課総括課長 議会棟にございます喫煙室の設置につきましては、当時、議会からの申し入れによりまして喫煙室を設置するべく準備を進めておりましたところ、日本たばこ産業株式会社から寄附の申し出があり、部内で寄附受けについて検討した結果、寄附により設置することとしたものでございます。
 当時の寄附受けを行うに当たりまして、今回の喫煙室の設置については、分煙環境の整備への寄与という目的がありましたので、たばこを吸う人、吸わない人の双方に配慮した環境の整備ということで、これに寄与する寄附ということで、寄附目的については問題がないものとして判断し、寄附を受けることとしたものでございます。
〇斉藤信委員 結局、あなたはたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約を知らないでやったということです。それで、覚書の供用期間は5年です。5年が過ぎます。私は、日本の政府も参加しているたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約に基づいて、供用期間5年という覚書ですから、再検討すべきだと思います。
 これは総務部長に聞きましょう。条約の精神に立って再検討すべきではないですか。
〇白水総務部長 この件につきまして、昨年の議会運営委員会等の議論につきましても承知をしております。
 まず、当時の寄附目的については、今、管財課総括課長から御説明いたしましたとおり、受動喫煙防止という観点から、分煙環境の整備ということで、これは非常に公共目的にも資するということで寄附目的に合ったということでございます。
 それから、このたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約につきましては、私も改めて確認をいたしました。その際に、条約の中では国内法に従いということで、具体的には国内法でしっかり定めることとなっておりまして、運用上の細かい点についてはガイドラインで示されているということでございます。
 斉藤委員御指摘のとおり、その趣旨は踏まえないといけないところではあるのですけれども、まずは国内法を国のほうでしっかりと定めていただかないといけないのではないかと思ったところでございます。
 一方で、我々は、国内法を考えたときに、やはり受動喫煙防止というところの義務、努力義務ということで自治体にも課されておりますので、そういった意味からも、引き続き分煙環境の整備ということの寄附目的、公の目的ということで満たしていると考えております。
 斉藤委員御指摘のとおり、供用期間は5年ということでございますけれども、これについても、先ほど議会事務局でも議論いただきましたとおりでございまして、引き続き、議会でさまざま御議論いただきましたところについて、我々もしっかりと検討していければと考えております。
〇千葉絢子副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後2時43分 休 憩
午後2時58分 再開
〇千葉絢子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について延べ8人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行します。
〇千田美津子委員 私からも地域防災について質問いたしますが、先ほど同僚委員からも質問がありましたので、委員長の言うとおり、簡潔に行いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、災害への備えについて。いわて統計白書2020を見まして、ふだんから災害に備え何らかの準備をしている方が4割強ということで、そのくらいなのだなと見たわけですけれども、まず、これらの対策は、先ほどもいろいろ答弁されましたが、この実態、岩手県内の状況について、どのように評価、認識されておりますか、お聞きいたします。
〇藤澤総合防災室長 災害への備えについてでございますが、県民の防災意識は、東日本大震災津波の経験により一時的に高まったものの、全体として低下傾向にあり、引き続き災害に対する備えの意識を高める取り組みが必要であると認識しております。
 県はこれまで、市町村等と連携しながら住民も参加する形での総合防災訓練の実施、岩手県地域防災サポーターの派遣による自主防災組織等の取り組み支援、防災士制度を活用した地域の中核人材の養成、学校における防災教育の推進などに取り組んできたところであります。
 今後とも、引き続き、みずからの命はみずから守る意識を醸成する取り組みを推進し、住民の防災意識の啓発に取り組んでまいります。
〇千田美津子委員 私自身も、一時的にはすごく高まったなと思うのですけれども、10年目に入っておりますので、やはりどんどんこのくらい低くなってしまっているのだということを痛感しました。今答弁もありましたように、本当にさまざまな形で教育をし直すといいますか、そういう高める取り組みが非常に大事だと思っております。
 そういった点で、このいわて統計白書はまた順次出されると思いますので、例えば、今の時点でどの程度まで引き上げたいという目標設定もある程度必要ではないかと私は思うわけですが、そういう議論はされていないのでしょうか。
〇藤澤総合防災室長 県民生活基本調査によりますと、先ほど千田委員が御紹介した平成30年が40%強ということでしたが、震災後の平成24年ですと、これが56%と10ポイントほど高い数字になっております。目標は掲げていないのですけれども、やはり今の数字が高いとは思っておりませんので、さらに意識が高まるように、さまざまな防災対策等に取り組んでまいります。
〇千田美津子委員 それでは、次の質問に行きますけれども、岩手県地域防災サポーターはさまざまな形で活躍をされていると思うのですが、この岩手県地域防災サポーターを活用した活動支援は、今のところ地域に出ていって講演をするとか、そういう形だと思いますけれども、具体的な活動の中身、それから、今、実際に県内ではどれくらいの方々がいらっしゃるのかについてお聞きいたします。
〇藤澤総合防災室長 岩手県地域防災サポーターについてでありますが、登録者数は令和2年9月末現在で47名となっており、主に、県内において防災に関する資格や経験を持つ自主防災組織のリーダー、それから防災士、消防職員OB等が登録されています。
 主な活動は、市町村等からの要請に基づきまして、地域の防災関連研修会などの講師となりまして、防災に関する知識、図上訓練等を行いまして、地域の防災力の向上に取り組んでいるところでございます。
〇千田美津子委員 県内では47名ということで、防災士等を含めてさまざまな研修会の対応をしているということです。
 それで、事前にいただいた資料の中で、県内市町村でどのくらいいらっしゃるかということを見ましたら、一番多いのが、盛岡市と花巻市でそれぞれ8人、一関市が7人、そのほかは1人や2人という状況になっています。
 それで、何人を目指すべきだということではありませんけれども、私は、やっぱり県民全体のレベルアップを考えたときに、一定の目標設定、何人育てるという目標設定をすることが必要ではないかと思っております。そういう意味でも市町村との連携が非常に大事になってきますので、ぜひ、そういう点で目標設定をしていくべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
〇藤澤総合防災室長 千田委員から御指摘いただきましたとおり、県全体で47人ということで、市町村でかなりばらつきがございます。実際派遣する場合にも、例えば、矢巾町のサポーターの方が沿岸に出向いて講義をしてくるなどといった、地元のサポーターを使わずに、遠くから来てもらうというような運用をしているところでございます。
 先ほど御紹介したとおり、消防職員等のОB、こういった方で、本当に地域の防災力の向上に熱心に対応していただける方になっていただいていますので、一人でも多く引き続きなっていただけるような形で取り組んでまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 県内どこにでも行けるわけですけれども、さっき言ったように全体で、日ごろから意識づけしている4割を引き上げる上では、やはり満遍なくといいますか、そういう養成が必要ではないかと思ったので話をしましたが、ぜひ、これからもこれを引き上げるために目標設定もあわせて検討していただきたいと思っております。
 それから、実はこの主要施策の成果の目標値は、何人に教えたかという受講者数で把握をしているわけです。やっぱりこの受講者をふやしていくと同時に、それに対応するサポーターがいなければならないということで、これについては、さっき言ったようにもっとふやしていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、防災士の養成についてお聞きしたいと思います。
 昨年、防災士の養成研修を受けた52名を入れて、2月の時点では県内に2、487人いらっしゃるということでありましたが、市町村ごとの養成状況を把握していれば、それについてお聞きしたいと思います。
 それから、昨年度から自主防災組織に所属している人を市町村から推薦してもらうということだったと思いますが、推薦の状況はどうだったのか、また、今後の見通しについてもお聞きしたいと思います。
〇藤澤総合防災室長 防災士の養成についてでございますが、まず、県内の防災士は9月末時点で2、633人までふえております。
 防災士につきましては、釜石市や岩泉町のように市町独自で防災士の養成に取り組んでいる自治体もありますけれども、先ほど千田委員から御紹介いただいたとおり、多くの市町村からは、推薦に基づいて今年度も11月に養成研修を実施するところでございます。
 その市町村ごとの養成状況という御質問がありました。先ほど防災士の数2、633人ということでしたけれども、やはり市が多い状況になっておりまして、盛岡市、宮古市あるいは釜石市、こういったところが300人、400人の養成状況というような多い数字になっておりますが、一方で1桁台の町村等もございます。
 養成した防災士を対象に、今年度もフォローアップ研修を実施しまして、さらなるスキルアップを図ることとしたいと考えております。
 今後におきましても、防災士養成研修やフォローアップ研修を実施しまして、自主防災組織の活性化、防災士を活用した地区防災計画の策定促進を図るなど、地域防災力の向上を図ってまいりたいと考えております。
〇千田美津子委員 先ほど質問した岩手県地域防災サポーター、そして、今の防災士でありますが、やはりこういう方々、そして、元消防士のような方々が連携をして、自主防災組織等で本当に身近なところで指導できる、そういう状況ができることが非常に理想だと私は思っています。
 実は私も、先月ですけれども、防災士になって初めて講演を頼まれました。9年、10年にもなると、やっぱり意識が低くなり、ほとんど備蓄をしている人はいなくて、備蓄は必要なのかとか、避難所のことなど、いろいろなことを質問されるわけです。やはりそういう講演や研修会を通じて、さらに自分たちもレベルアップしていって、みんながそういう防災の意識を高めることが本当に重要だと感じました。
 ただ、その上で、防災士として資格を取ったとしても、今お話あったようなフォローアップ研修がやっぱり非常に大事になってきますので、資格を取った方々も、岩手県地域防災サポーター、それから防災士にかかわらず、本当に市町村と連携して、地域で活動できる状況をぜひつくっていただきたいわけですが、その点、もう一度お聞きします。
〇藤澤総合防災室長 防災士になっていただいた方には、先ほど申し上げたとおり、フォローアップ研修等を行い、さらには、市町村との連携等も引き続きやっていただけるような仕組みはつくっているのですが、今、千田委員から御指摘あったとおり、防災士になって、その防災士の方々に地域に入って活動していただき、地域の防災力を高めることが本来の目的でございますので、そのために、防災士になった方々が、そういったことに尽力できるような形が続けられるように、市町村とも連携しながら取り組んでまいりたいと思います。
〇千田美津子委員 引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、自主防災組織も通告しておりましたが、これは割愛いたします。
 次に、要配慮者等利用施設避難確保計画を策定した県内要配慮者利用施設の実態と避難訓練がどのような状況にあるか、それから、今後の見通しについてお聞きしたいと思っております。
 全国で自然災害が本当に多発している中で、特に要配慮者利用施設避難確保計画の策定を本当に早く、急いでつくってもらうこと、さらには、それに基づいた避難訓練が非常に重要だと思いますが、これまでにどういう状況になっているかお聞きいたします。
〇藤澤総合防災室長 要配慮者利用施設の防災対策についてでありますが、本県の要配慮者利用施設避難確保計画策定率は、国が、ことし1月1日現在の状況を調査しましたところ82%となっております。82%という数字は全国1位という状況でございました。また、この計画策定とともに避難訓練の実施が義務づけられていることから、現在、実施状況の調査を進めているほか、市町村を通じまして避難訓練の実施を働きかけているところでございます。
 県としては、要配慮者利用施設避難確保計画の未策定施設や避難訓練の未実施施設に対する働きかけを進めていくために、庁内関係課による連絡会議を立ち上げまして、課題の共有を行うとともに、要配慮者利用施設避難確保計画の策定を促す通知を送ったり、あるいは施設管理者向けの講習会の実施等に取り組んでいるところです。
 今後においても、市町村と連携し、要配慮者利用施設避難確保計画の策定、避難訓練の実施について支援してまいります。
〇千田美津子委員 ちょっと確認いたしますが、1月1日現在で国が調査をしたのが、岩手県は82%ということですか。手元にいただいた2月定例会のときは80.6%だったので、そこが上がったというか、逆ですかね。
 それと、実は、今年度になって6月末の状況が77.4%という資料になっているので、この違いがどこから来ているのか、その点をお聞きいたします。
〇藤澤総合防災室長 二つの数字が出ておりまして、先ほど御紹介しました国が調査した82%という数字は、計画策定が義務づけられているものが水害と土砂災害の二つございまして、先ほどの82%というのは、水害のほうの策定が本県は82%ということで、その時点では全国1位という、これは新聞記事にも載ったものでございます。
 あと、先ほど千田委員からお話がありました6月末現在の策定率の77.4%、こちらについては、水害プラス土砂災害の二つの計画策定が分母となっておりますので、分母の捉え方が少し違うといいますか、そういったところで若干の数字の違いが出ているところでございます。
〇千田美津子委員 ちょっと後でその差異については教えていただきたいと思いますが、いずれ国で調べたものが全国で1位と、水害の部分では82%で1位ということで、この間ずっと私も指摘をしてまいりましたけれども、本当に頑張って市町村と力を合わせてこの計画策定の援助をしていただいた成果だと思います。
 それで、水害と土砂災害合わせて今現在だと77.4%ということでありますが、ただ、この間いただいた資料を見ますと、分母と言える洪水浸水指定区域内の施設と土砂災害警戒区域内の施設の数が大分違ってきているのです。
 それで、この差は、指定区域が広がったためにそうなっているのか、それとも、危険な地域に新たに施設を建てたわけはないと思うのですが、この差が非常に大きかったので私は非常に疑問だったわけです。例えば盛岡市であれば、洪水浸水想定区域内の施設がプラス47にふえているのですね。2月にいただいた資料と6月の資料ではそのくらいの差があります。この差が結局どういうことからこうなっているのか、わかれば、その点お聞きしたいと思います。
〇藤澤総合防災室長 今、御紹介いただいた、その数字がなぜこれだけ違ったかという原因までは、申しわけありません、今ちょっと持ち合わせておりません。
〇千田美津子委員 いずれ危険な箇所が岩手県内にはかなりあります。洪水と土砂災害合わせても1、244施設あるわけですが、それがかなり頑張ってきてはいただいていますが、両方合わせると77.4%の策定状況ということで、やはり、いつそういう災害が起きるとも限らないので、これが本当に早く100%に近づくように、さまざまな岩手県風水害対策支援チーム等の支援も受けながら、これをぜひもっともっと早めていただきたいと思っております。
 最後に、岩手県風水害対策支援チームですが、昨年の令和元年台風第19号等々、市町村への支援等で本当に頑張っていただいているわけですが、今後の充実策といいますか、市町村との連携の部分でどういう点を充実させていこうと考えているのか、その点お聞きしたいと思います。
〇藤澤総合防災室長 岩手県風水害対策支援チームの活動についてでありますが、令和元年台風第19号の接近に際しては、市町村の警戒態勢の構築のため、岩手県風水害対策支援チーム会議を開催し、市町村に対し、特に警戒を要する地域や明るい時間帯に避難を完了すること等について、計2回の助言を行い、必要な対応を促したところでございます。これを受け、市町村では日中に避難勧告の発令を行っており、県による市町村への助言に一定の効果があったものと考えております。
 一方で、情報発信においては、住民に対し、差し迫った危機感が伝わるよう工夫する必要があるという意見も頂戴しているところであります。
 県としては、令和元年台風第19号災害対応振り返り報告書における検討結果を踏まえ、市町村における避難指示(緊急)等の発令を支援するため、引き続きこの岩手県風水害対策支援チームを運用するとともに、県の助言を受けた市町村は、できるだけ早期の避難指示(緊急)の発令と日中の避難完了に努める旨を岩手県地域防災計画に追記したところでございます。
〇小林正信委員 私も防災、減災についてお伺いしたいと思います。
 自主防災組織のリーダー研修会について、実績として令和元年は1回とのことでしたけれども、この開催の内容、また、リーダーがおのおのの地域に戻った後のフォロー、市町村との連携はどのようになっているのかお伺いします。
〇藤澤総合防災室長 自主防災組織リーダー研修会は平成22年度から開催しておりますが、昨年度は、小林委員からお話あったとおり、1泊2日の日程で1回です。県内12市町村から21名が参加し、防災に関する講演、災害図上訓練などを通して自主防災組織リーダーのスキルアップを図ったところであります。
 また、自主防災活動を展開するには地元市町村との連携が重要でありますことから、県内各地の自主防災組織のリーダー及び市町村職員60人による自主防災組織連絡会議を開催して、自主防災組織の運営について、活動事例の共有や意見交換を行ったところであります。
 今後においても、こうした研修会や連絡会議の参加者をふやし、内容の充実を図るとともに、自主防災組織への地域防災サポーターの派遣をふやすなど、市町村と一体となってリーダーの育成を進めてまいります。
〇小林正信委員 県内の自主防災組織はかなりの数になると思います。例えば、盛岡市だと町内会単位でやっているところも多くて250を超える数があったと思うのですけれども、今後も研修会でしっかりと知識を身につけて、地域で防災のリーダーシップをとってもらう人材の育成、今21名いらっしゃるということだったのですが、しっかりさらにふやしていっていただきたいと思います。
 そして、こうした地域における事前防災の取り組みの充実も大事ですけれども、災害が発生したときの地域における対応が、住民の生死を分けることにもなると思います。近年の大規模な災害では逃げおくれがかなりのケースで発生しており、それにもかかわらず避難勧告、指示が出ても避難しない人の率が年々ふえているというデータもあります。
 令和2年7月豪雨災害でも、熊本県で65人の方が亡くなられておりましたけれども、そのうち6割の36人の方が自宅または屋内で亡くなっており、災害時にすぐに避難する心構え、また、町内会や消防団による呼びかけ、誘導が重要と考えます。
 県における住民に対する避難行動をとってもらうための周知など、取り組みについてお伺いいたします。
〇藤澤総合防災室長 住民に対する災害時の避難行動の周知についてでありますが、平時から、県及び市町村それぞれの広報媒体を通じまして住民に対し防災意識の啓発を図るとともに、市町村では、住民が早期に避難できるよう、避難場所や避難経路を示したハザードマップ等を作成し周知しているところです。
 災害の発生が予想される場合に、それぞれの地域において住民が避難を速やかに行うことは極めて重要でございまして、市町村では、避難勧告等を発令した際、住民に対する情報伝達に漏れのないよう、防災行政無線や有線放送、広報車による広報などのほか、ホームページや緊急速報メール、SNS等といった情報伝達手段を整備しているところでございます。
〇小林正信委員 令和2年7月豪雨災害に見舞われた地域では、行政や住民がとるべき行動を時系列でまとめた防災行動計画、タイムラインを導入した地域がありました。球磨川流域では、水害タイムラインを策定して、住民参加型の防災会議などで顔の見える関係を築き先手を打ってきたそうです。
 以前、私はマイタイムラインというものを取り上げさせていただきましたけれども、個人のタイムラインの普及についてと、そして、やはり自治会や自主防災組織単位で、住民の防災行動を明確化するコミュニティータイムラインの策定というものも必要になってくるかと思うのですけれども、御所見を少しお伺いしたいと思います。
〇藤澤総合防災室長 まず、マイタイムラインにつきましては、各家庭において、一人一人がどのタイミングで、どのような避難行動をとるか時系列に整理したマイタイムライン策定の促進に取り組む市町村もあることから、こういった先進事例を他の市町村に紹介するなど、市町村の取り組みを支援してまいりたいと思っております。
 また、コミュニティーレベルのタイムラインということでございますが、今、本県におきまして、具体的にそういったコミュニティーレベルのタイムラインとしてどのようなことをやっているかという部分については詳しく承知しておりませんが、先ほど球磨川の事例の御紹介がありましたけれども、他県におきましては、そういった地域の自主防災組織が作成する地区防災計画において、タイムラインの考え方を取り入れた先進事例もあると伺っておりますので、本県における地区防災計画策定支援の際の参考としていきたいと考えております。
〇小林正信委員 ぜひよろしくお願いいたします。
 災害時になかなか避難行動に移れない要因の一つに、指定された避難所が遠いとか、あるいは環境が不便そうで避難する気になれないという点もあるかと思います。そうした状況で、逃げおくれた人は2階に避難をしてくださいという放送がもしあれば、避難しなくてもいいのかなということで2階に上がるだけで終わるような方もいるかもしれません。
 新型コロナウイルス感染症の影響もあって避難所の密やリスクが注目されておりますが、この環境の改善と同時に収容人数も問題だと私も考えます。主に小学校等の体育館が避難所に指定されているところが多いかと思います。先ほど斉藤委員も御指摘されておりましたが、県として全ての被災者が避難所に収容できるのかというシミュレーションなどを行っていたのか、確認のためお伺いいたします。
〇藤澤総合防災室長 まず、避難所の収容人数の現状ですけれども、県内の各市町村における指定避難所の収容人数は、9月1日現在で約45万人となっております。
 それから、新型コロナウイルス感染症拡大の関係で避難所を増設した市町村も、先ほど答弁したとおり8市町村ほどあるのですが、それ以外でも、学校の体育館以外で、空き教室や会議室を活用しようという取り組みも、以前に比べると大分前向きになってきていると実感しております。そういった意味では、収容人数の拡大は徐々に伸びてきているかと考えておりますが、そのシミュレーション的なものは持ち合わせておりません。
〇小林正信委員 わかりました。
 小学校の体育館が避難所になっている割合が多いと申しましたけれども、これによって、例えばハザードマップの浸水区域内に避難所が設定される地域も見受けられます。例として、盛岡市のある地域では、小学校の体育館は2階まで浸水する可能性がある地域もあります。地区の活動センターも福祉センターも同様、2階まで浸水する可能性があるところに避難所があります。そのときは3階、4階に避難してくださいと市からは言われていたという方もいらっしゃるのですけれども、そうなると、今度、収容人数が足りなくなるという状況です。しかも、浸水想定区域内を通って避難所に行かなければならない、そんなハザードマップもあるようで、こうしたことから、私も、避難所の適正化、指定避難所をふやすということ、また、分散化の取り組みが重要ではないかと思います。例えば、安全な高台にテント村をつくるという発想とか、先ほど斉藤委員がおっしゃっていたようなホテルとか旅館の確保も重要かと思います。
 大阪府では、国と市町でワーキンググループをつくって、多様な避難分散体制の整備について検討を今進めているとのことです。その上で、県としての令和元年度の避難所の分散化の取り組み、先ほどおっしゃったような取り組みだと思うのですけれども、また、大阪府の事例のような、市町村と連携して協議体というかワーキンググループをもって避難所の適正化、分散化を計画的に進めていく必要があるのではないかと考えるのですけれども、御所見をお伺いします。
〇藤澤総合防災室長 避難所の分散化につきましては、やはり今般の新型コロナウイルス感染症対策の観点からも非常に重要な課題であると考えております。ホテルや旅館、学校の空き教室を活用するなど、可能な限り多くの避難所を確保できるように、さらに取り組んでいく必要があると思っております。
 また、親戚や友人宅等への避難といったものも含めた分散避難の考え方を県民一人一人に広めていくことも重要と考えておりますので、さまざまな広報媒体等を通じて、指定避難所以外の避難についても周知を図っていきたいと考えております。
〇小林正信委員 それと同時に、先ほど言ったような、ちょっと危険なところにある避難所というのも、市町村と連携して確認はしっかりやっていただきたいと思います。やっぱり浸水するところに避難所があるのはとんでもないことのような気がするので、そういうところの指摘もしっかり県としても行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、県の災害備蓄品について、例えば、どこに、何が、どれくらい備蓄されているかについて、市町村との共有はされているのかお伺いします。
〇藤澤総合防災室長 災害備蓄品の市町村との情報共有についてでございますが、備蓄につきましては、基本的には、まず市町村が必要なものを備蓄する。県は、その市町村の備蓄を補完するという考え方ではあるのですけれども、県がどういったものを、どれぐらい、どこに備蓄しているかについては、市町村とも情報共有を行っております。
〇小林正信委員 よかったです。市町村のほうにもしっかり県の備蓄されている量とか、どこにどれぐらいあるかというのは、きちんと教えていっていただきたいと思います。以前、市町村で、大雨が降ったときに発電機がないということで、どこを探してもなくて、結局なかったのですけれども、それで、ちょっと探してみたら、県のほうで持っていたのが後からわかったというような事例がちょっと聞こえてきたので、やはり市町村にもしっかり県の備蓄品も教えていっていただきたいと思います。
 そして、この備蓄品の食料品はアルファ化米やカロリーメイトが多いと思うのですけれども、先ほど吉田委員もおっしゃっていたように、賞味期限が近くなった場合の更新時に、盛岡市などはそうなのですが、例えばフードバンクに寄附をしている自治体があるようですが、こういった賞味期限が近くなった食料備蓄品の扱いについて、県の取り組みをお伺いします。
〇藤澤総合防災室長 備蓄物資の更新時の活用についてでございますが、岩手県災害備蓄指針におきまして、総合防災訓練など各種訓練において配布する等の方法により、有効活用を行うとしているところでございます。
 ただ、今年度につきましては、8月末に一関市、平泉町で総合防災訓練を行う予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で実動訓練はできずに図上訓練という形で終わってしまいましたので、備蓄物資の有効活用はことしはできずじまいではあったのですが、基本的な考え方は、先ほど申したような考えでございます。
〇小林正信委員 やはり今、コロナ禍で子ども食堂などは大変米不足だということで、お米を持っていくと大変喜ばれるという状況もありました。困窮者支援にも活用できるかと思いますので、そういった部分も今後考えていっていただきたいと思います。
 最後に、私も乳幼児用液体ミルクのローリングストックについて通告していたのですけれども、先ほど吉田委員が質問していただきましたので、1点だけ、11月に期限が切れる液体ミルクが504本、これをただ捨てるというのでは、もったいない精神というかSDGsの理念にも少し反するかと思います。
 例えば、生活困窮世帯や母子世帯に配布する手はずを整えるとか、あるいは、母乳育児を阻害する可能性もあるので、それも配慮しながらという部分もあって難しいとは思うのですけれども、この504本全てをさばけとは言いませんが、何とかさばいていく努力をしていただきたいと思います。
 今後、ローリングストックという考え方をしっかり取り入れてこの液体ミルクの活用をしていただきたいと思いますけれども、そのあたりをお伺いして、終わりたいと思います。
〇藤澤総合防災室長 先ほど吉田委員からも御指摘いただきましたとおり、有効な活用方法につきましては、庁内関係部局とも意見交換しながら検討を進めていきたいと考えております。
〇千葉絢子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉絢子副委員長 質疑がないようでありますので、これで総務部関係の質疑を終わります。
 総務部の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 執行部席の消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、政策企画部長に政策企画部関係の説明を求めます。
〇八重樫政策企画部長 令和元年度の政策企画部関係の決算について説明申し上げます。
 なお、今年度、組織再編がありましたことから、当部からは令和元年度の秘書広報室の所管事業及び政策地域部所管事業のうち、今年度移管された事業について説明いたしますので、あらかじめ御了承願います。
 初めに、政策企画部所管の事務事業に係る総括的な評価及び今後の取り組み方針について説明いたします。
 まず、いわて県民計画(2019~2028)の推進につきましては、各部局と連携し、10の政策分野やプロジェクトに掲げる取り組みを着実に進めるとともに、県民フォーラムの開催やいわて幸福白書2020の作成など、計画に対する理解醸成を図り、県民の積極的な参画、協働の促進に取り組みました。あわせて、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略の策定に取り組みました。
 次に、広報関係についてでありますが、復興支援に対する感謝や復興に取り組む岩手の姿、岩手の魅力を国内外に発信し、震災の風化防止や復興への継続的な支援、岩手ファンの拡大を目指す取り組みを進めました。
 今後の業務推進に当たりましては、政策評価制度に基づきまして、各施策の成果や課題等の分析を行い、その結果を次の施策に適切に反映させていくなど、より効果的な政策推進に努めますとともに、新型コロナウイルス感染症に係る県民へのメッセージを含め、適時適切な広報の展開を目指してまいります。
 こうした取り組みを通じて、各部局とも密接に連携を図りながら、いわて県民計画(2019~2028)の基本目標である東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き、復興に取り組みながらお互いに幸福を守り育てる希望郷いわての実現を目指してまいります。
 続きまして、当部関係の決算について説明申し上げます。お手元の岩手県歳入歳出決算書の12ページと13ページをお開き願います。
 政策企画部に係る決算は、2款総務費2項企画費及び4項地域振興費の支出済額205億9、560万円余のうち、7億9、768万円余であり、不用額は2、219万円余であります。
 決算の内容につきましては、令和元年度歳入歳出決算事項別明細書に記載されておりますが、説明は省略させていただきますので、御了承願います。
 以上で政策企画部関係の説明を終わります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
〇千葉絢子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇伊藤勢至委員 爽やかに質問をしたいと思います。
 東日本大震災津波の発災からもうすぐ10年が経過いたします。1万6、000人の犠牲者を出し、さらに数度の台風で被災をし、三陸沿岸地域は非常に元気がありません。さらに、東日本大震災津波以降、水産漁業のベースであります魚がさっぱりとれなくなってきております。サンマがついこのごろ、漁場が南下してまいりまして、型も若干大きくなってきたようでありますが、これも恐らく前年比の3割、4割程度とれたらいいほうだと思います。さらに、貴重な魚種でありますサケにつきましても、今後恐らく五、六年は資源回復がないだろうと東北大学の先生が言っておりました。
 そういう中で、今、このコロナ禍の中で何をもって三陸沿岸地域を元気づけたらいいのかと考えますと、傷つかずに残っているこの自然景観、つまりは観光ということになるのではないかと思います。
 今、来年の東北デスティネーションキャンペーンの準備に入っていると伺いましたが、これは新型コロナウイルス感染症が収束するかしないか、あるいはワクチンが開発できるかどうかにかかっているわけであります。収束してから、仮に年末あるいは年度末に準備を始めても間に合わないということで準備に入っているのだと思います。そこに期待をしながら、この観光について、やはり三陸沿岸地域は全国的に見てもまだ秘境という部分に入るのだそうでありまして、新型コロナウイルス感染症の感染者が少ないこの東北、そして岩手県は、新型コロナウイルス感染症さえ収束すれば、いい意味でのターゲットになり得るものと思います。
 そこで、冒頭に言いました爽やかな部分で振り返ってみたいのですが、かつて平成6年と7年に、県はさわやか岩手イメージアップ大作戦という政策を実施しました。これは、主要観光地の公衆トイレの水洗化等の環境整備を推進し、観光地のイメージアップを図り、観光客の誘致拡大に資することを目的とする。そして、事業内容といたしましては、平成6年度及び平成7年度の2カ年間で、主要観光地の公衆トイレ119カ所について水洗化等環境整備を図ったものとあります。
 これは、言ってみれば、それまでいわゆるくみ取り式トイレであったものを、たった2年の間に119カ所を水洗化に変えたと。公共下水道があるところならともかく、ないところは合併浄化槽を設置し改修したのだと思います。この質問の通告をした際、岩渕伸也副部長兼首席調査監が関係したと伺いましたので、当時を思い出して、例えば、道の駅でありますと国土交通省、あるいは国立公園でありますと環境省等が関係するものと思いますが、こういうところからの援助、補助等もあって岩手県で実施したのか、それとも岩手県だけの予算で実施したのか。まずは思い出していただいて、答弁をお願いしたいと思います。
〇八重樫政策企画部長 当時、私は財政課の企画調査係におりまして、当時の工藤巌知事のもとで、県内観光地を訪れる方から、岩手県は景観は素晴らしいけれども、トイレが汚いと意見が多く寄せられたこともあり、先ほど委員紹介のとおり、県内の観光地のトイレ119カ所を全て一気に水洗化するという事業を立案いたしました。地域総合整備事業債という起債を活用して、これは県単独事業で実施した岩手県の独自政策であります。1カ所数千万円の事業費となった箇所もありましたが、観光客の利便性の向上に加え、岩手県のイメージアップに大いに貢献した事業であったと考えております。
〇伊藤勢至委員 どうも失礼しました。最初から部長に聞けばよかった。
 そこで、あれから25年が経過いたしまして、国民の生活、県民の生活様式が変わってまいりました。今や新しく家を建てる若い方々は、100%と言っていいと思いますが、腰かけの洋式便器であります。そして、ウォシュレットの装備が当たり前という時代になっておりますので、県内はもとより、他県から来た観光客の皆様に、あるいはふえている外国人観光客から一番ブーイングされるのは、和式トイレであります。
 25年前の主な整備内容はすごいなと思うのですが、身障者トイレ及び洋式トイレを設置する。女子用トイレにベビーベッドを設置するとあるのですが、今、全部見たわけではなく、数カ所しか見ておりませんが、結構和式の便器が多くて、洋式がついていないところが多いのではないかと思っております。これは若干の工事費も要るのだと思いますが、便器をウォシュレットにし、そして、この際ですから、オストメイト装置も付随させる。これなら最先端のトイレ事情になろうかと思います。そして、それは観光客を迎え入れるためのさらなる向上につながるものだと思います。
 きょうの新聞に、民間シンクタンクの株式会社ブランド総合研究所の2020年の都道府県別魅力度ランキングが発表になりましたが、その中で、昨年30位の本県は、ことしは35位だった。どういうことでこうなったのかはわかりませんが、こういうランクは低いよりは高いほうがいいわけでありますので、そういう点で、25年前に一気に行ったような政策でさらなるクリーンヒットを打っていただきたいと思うところであります。
 ある観光会社の社長あるいは運転手にお聞きをしましたが、今、大型バスの観光ルートを決める際に、何で決めるかというと、トイレで決めるというのです。トイレがどこにあって、トイレ休憩を仮に20分とした場合に、便器の数も必要になる。つまり、50人乗りの大型バスに乗り込んだお客さんの半分が女性とすると、大概トイレ休憩は大体20分ですので、便器が2個や3個では20分という時間では間に合わないということを考えて観光地を選んでいるということもあるようであります。
 したがいまして、観光振興は、特にいろいろな意味で復興していくための大きな支援策になると思うのですが、今聞いて、今からやるとは言えないでしょうが、ぜひ、県内の有力観光地といいますか、そこの便器の数を1回調査してみていただきたい。そんなにお金がかかるものではないと思いますので、調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇加藤政策課長 委員から御紹介がございましたさわやかトイレにつきましては、恐れ入りますが、現状は把握していないところでございます。ただ、同時期に登録が開始され、始まりました道の駅におきましては、34カ所全てで水洗化が進んでいる状況でございます。
 また、ウォシュレット化やオストメイト化につきましても、現在26カ所で整備が進んでいるところでございます。
 したがいまして、今後、関係部局あるいは市町村などから現状等調査して、取りまとめをしたいと思います。
〇伊藤勢至委員 いずれ、爽やかな感度をアップするということは非常に大事なことであろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、部長に宿題を出しておきたいと思います。返事は今でなくてもいいです。今じゃないほうがいいな。代々続くおいしいおそば屋さんとかけて、一流ホテルのサニタリールームと解く。その心は後で聞きます。よろしくお願いします。
〇佐々木朋和委員 謎かけの答えも気になるところですが、質問させていただきたいと思います。
 いわて幸福関連指標と具体的な事業とのつながりについて、総括質疑でも質問させていただきましたが、もう少し詳しく質問させていただきたいと思います。
 例として一つ挙げさせていただきますが、このいわて幸福関連指標に余暇時間というものがございます。令和1年度は1日当たり372分ということでD評価。わずかですが、平成29年よりも悪化しているという状況でございました。この原因について、1日当たりの仕事の時間が微減にとどまり、介護時間がふえたことによるとしておりますが、この主要施策の成果に関する説明書を読みますと、それとつながる具体的推進方策指標や具体的事業がなかなか見つけられないという状況です。
 この余暇時間について上げている政策分野は、文化・スポーツあるいは生涯学習というところであり、その余暇時間の活用についての指標や施策は並んでいるのですが、肝心の時間の確保というところについての施策が、ここの分野では見つけることができません。施策体系づくりにおいて、どのような検討があったのかお知らせいただきたいと思います。
〇加藤政策課長 余暇時間についてでありますが、健康・余暇の政策分野では、10年後の目指す岩手像として、健康寿命が長く、いきいきと暮らすことができ、また、自分らしく自由な時間を楽しむことができる岩手を掲げております。県の取り組みにつきましても、自由な時間を楽しむという方向性に沿って、県民が日常的に文化、芸術に親しむ機会の充実などを下位の施策として位置づけているものでございます。
 また、こうした自由な時間を楽しむための前提として十分な余暇時間が必要になりますことから、これを客観的ないわて幸福関連指標としているものでございます。
〇佐々木朋和委員 まさに、私は、余暇の時間を充実させるということは、これからの時代において岩手県の魅力を伝える意味でも重要な指標だと思っておりまして、それについては賛同するものであります。
 一方で、余暇時間の使い方については、趣味も多様化しておりまして、文化、スポーツに使う、あるいは生涯学習に使う人もいれば、漫画を読んだり、ゲームをしたり、それもまた一つの充実した人生なのかとも思います。そういった中にあっては、やはり私は時間の確保というところを、他県に比べてもゆとりのある岩手県だよというところをしっかりとアピールする意味でも重要なのではないかと思っております。
 例えば、ここの政策分野において、再掲になっても働き方改革についての指標を掲げるとか、また、前から申し上げておりますが、介護される側だけじゃなくて、介護する側のダブルケア対策という視点からのKPI等も盛り込むべきだと思いますが、所見を伺いたいと思います。
〇加藤政策課長 余暇時間につきましては、目標に設定した当時、全国でも41位と下位でありましたことから、時間の確保は必要と認識しているところでございます。
 今、お話がございました仕事の働き方改革とか、あるいはダブルケアをする方々の支援につきましては、それぞれ仕事・収入や家族・子育て分野のところ、あるいは介護でありますと健康・余暇のところの健康のところに施策があることから、それらの施策を進めることにより対応していきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 実労働時間とかそちらの分野に書いているということですが、KPIの達成に向けてという意味では、やはり私はこの政策分野にまとめるべきだと思いますし、介護については、される側の視点からのものはありますが、やっぱり介護する側からの視点のKPIがないということですから、この点は指摘をさせていただきたいと思います。
 私は、いわて幸福関連指標という新しいものにチャレンジしているわけですから、4年間のアクションプランの期間中にあっても、柔軟に、課題が出てきたら、具体的推進方策指標等をふやしながら、あるいは参考指標にも加えながら取り組むべきだと思います。きのうの総括質疑での知事からの答弁では、国の生活の質に関する指標についても、柔軟に活用も検討していくという話もありました。
 部長にお聞きしたいと思いますが、アクションプランの途中ででも、私は必要な指標は取り入れていくべきと思いますが、どのようにお感じになっていますか。
〇八重樫政策企画部長 政策推進プラン、アクションプランの見直しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえながら、新しい事業の追加あるいは事業のブラッシュアップを図って機動的に対応していくということで考えております。指標につきましても、ただいま委員から御指摘がありましたことなども踏まえながら、きのうの総括質疑において、国の指標についても参考指標等にというようなお話もありましたし、今、介護される側のKPIがないのでアクションプランの中で考えてはどうかといった先ほどの御指摘も踏まえながら、政策を、より効果的に評価できるような仕組み、あるいは効果的に捉えられるような指標の検討もあわせて進めていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 前向きな答弁をいただいたと思います。
 今、健康・余暇について御紹介させていただきましたが、ほかにも見ると、例えば、自己肯定感を持つお子さんの割合がDであるとか、あるいはモバイル端末の人口普及率がDであるとか、支援的な活動への参加割合がDであるとか、あと、共働き世帯の男性、家事割合はAになっているのですが、実質の女性の家事時間は増加している。こういった指標を見ると、アクションプランの中には、私的なもの、生活に関するもの、あとは人の内面に関するものもふえております。初年度がスタートしておりますが、県としてどのようにアプローチをしていくか、まだまだ模索をしている状況とも感じます。
 このような課題について、令和元年度の状況をどのように評価されているのかをお聞きしたいと思います。
〇照井政策企画課総括課長 いわて県民計画(2019~2028)につきましては、今年度がまず最初の実績値を測定する年度となっており、初年度の実績評価の年になっています。これに加え、いわて県民計画(2019~2028)では、県民の実感も踏まえながら施策評価を進めるという、全く新しいチャレンジをする評価体系になっております。
 こういった取り組みにありましては、部局横断的なクロス・ファンクショナル・チームをつくりながら、議論を深め、政策をこれから検討していくことにしておりますので、そういった過程の中で、課題等を検討しながら、今後の施策立案に向けて取り組んでいきたいと思っております。
〇佐々木朋和委員 通告にないことも聞いて申しわけなかったのですが、今、まさに部局横断的という話もいただきました。また、きのうの総括質疑では、震災を節目に防災も含めた新たな部署も立ち上げるというような話もあり、私も、冒頭申し上げた余暇時間についても、まさに働く時間と、あるいは介護の時間ということで商工と福祉にまたがるような課題でございました。また、結婚・子育てについても、まさにそのような課題だと思っております。
 例えば、結婚応援の店とか子育て応援の店について、事業のKPIを見ると、県庁の職員が100軒近く歩くことを目標に掲げ、その中から30軒とか10軒の成功があるということでしたが、県が現場に行くことは大事ですが、商工の分野は商工団体にお願いすればもっと広がるのではないかと思います。
 そういった意味で、結婚・子育てあるいはワーク・ライフ・バランスについては、保健福祉、商工にまたがるような分野であるので、私は、そういった部分に取り組む新たな組織やより厳密なつながりをつくる体制についても今後検討していくべきだということを申し上げて、終わりたいと思います。
〇斉藤信委員 それでは、新型コロナウイルス感染症対策が昨年度から今年度にかけて、国政、地方政治の最大の課題になったと思いますが、知事として、政府や全国知事会に対して行った提言、要望の内容、その成果についてはいかがでしょうか。
〇照井政策企画課総括課長 全国知事会では、令和2年2月に、全都道府県知事を構成員とします新型コロナウイルス緊急対策本部を設立しており、これまで12回にわたり本部会議を開催しているところでございます。この本部会議の中で、達増知事におきましては、地域の医療提供体制の脆弱性や厳しい経済状況等の地域事情を考慮した国の予算の増額、売り上げが減少した事業者に対する家賃補助や官民ファンドを通じた資本注入、無症状や軽症のまま感染を広げかねない若年層に対する啓発、広報の強化、それから、感染者や帰省者への誹謗中傷、差別の防止などについて提言に盛り込み、国に提言するよう発言したところでございます。
 このほか、積極的感染防止戦略による経済、社会活動の正常化に向け、18道県の有志知事による緊急提言、さらには13県の知事と産学官金の有志114名の連名による緊急提言に賛同し、国への要望を行ったところであります。
 特に、18道県の有志知事による提言につきましては、日本記者クラブでの会見が開催され、会見に出席する5人の知事の一人として達増知事も同席し、提言の重要性について訴えたところでございます。
 こうした全国知事会等との連携した取り組みにより、国の第2次補正予算においては地方創生臨時交付金の増額、家賃支援給付金の創設、中小企業再生ファンドによる支援策などが盛り込まれ、提言の内容が反映されたと認識しております。
 また、誹謗中傷、差別の防止につきましては、国の新型コロナウイルス感染症対策分科会に、偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループが設置され、実態の把握や対策が検討されており、提言の成果が上がっていると認識しております。
〇斉藤信委員 今、詳しく答弁がありました。新型コロナウイルス感染症対策の中で、全国知事会の対応がテレビ、新聞などで報道されて、絶えず達増知事が発言する姿、提言する姿が、全国でも大変注目をされたのではないかと思います。
 特に、今の答弁にもありましたが、5月11日の、感染拡大を防止しながら一日も早く経済、社会活動を正常化し、日常を取り戻すための緊急提言。その中身は、積極的な検査戦略への転換をこの時期に提起したものであり、これには本当に我々も注目しました。
 政府の新型コロナウイルス感染症対策の最大の弱点は、検査体制がなかった、極めて限定されたものであったことでしたが、そこの抜本的転換を求めてきた。4月1日の13県と産官学金の114名による提言は、かなり詳しいものでありましたが、同じ中身です。積極的な検査体制を確立して早期に陽性患者を発見することが、感染防止にとっても経済活動にとっても重要な鍵を握るというこうした提起を、幅広い方々と協働して行ってきたというのは大変大事だったし、その結果、やっと政府も、感染が拡大しているところに限定しながら面的、網羅的な検査を認めるところまで来ました。
 実は先日、世田谷区が医療、介護の関係者の社会的な検査を始めました。これに国も責任を持って財政措置をとるというところまで来ましたので、私は、そういう大きな役割を果たして政府を動かしてきたのではないかと思います。
 二つ目に、新型コロナウイルス感染症対策だけではなく、昨年からことしにかけて、医師確保の課題においても、知事が、医師不足という共通の課題を抱える各県に呼びかけて知事の会をつくり、政府に緊急提言を行ってきたと思いますが、その内容、成果を示してください。
〇照井政策企画課総括課長 医師確保につきましては、これまで、全国知事会において国への要望を行ってきたところでございますが、委員御紹介のとおり、達増知事の呼びかけにより、本県と同じ医師少数県である新潟県など6県知事が発起人となりまして、令和2年1月に、12県で構成する地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会が設立されたところでございます。
 この知事の会では、医師の確保と偏在解消に向けた提言を取りまとめ、8月に国への提言活動を実施したほか、自由民主党の医師養成の過程から医師偏在是正を目指す議員連盟において、達増知事と新潟県知事が提言内容に関する講演を行っております。
 知事の会の提言のうち、医学部臨時定員増の継続につきましては、令和4年度まで継続されることが決まったほか、現在、提言のさらなる実現に向けて、知事の会構成県と厚生労働省による事務レベルの意見交換等を実施しているところでございます。
〇斉藤信委員 12県の知事で地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会を発足し、もう地方の県は共通して医師不足に直面していると提言では言っているのです。今日、我が国の地域医療の現場では、医師の絶対数の不足や地域間、診療科間の偏在が極めて顕著となり、いわば地域医療崩壊の危機的状況にあると。こういう現状認識から医師の増員という提起をしているのでありますが、やっぱり1県、2県で声を上げるより、12県という形で固まってこういう提言をしてきたこと、それも岩手県のイニシアチブでやってきたことは大変大事だと思いますので、この活動をさらに前進させていただきたい。
 次に、三つ目ですが、毎回私は質問しているのですが、知事、副知事と市町村長との意見交換、懇談の実績について示してください。
〇安藤秘書課総括課長 知事と市町村長との懇談の実績についてでございますが、令和元年度は、秘書課として把握している分で11回、延べ19市町村長との懇談を行っており、そのうち30分以上の懇談は7回という状況でございます。
 今年度は、9月末現在6回、延べ6市町村長との懇談を行っており、そのうち30分以上の懇談は4回でございます。
 次に副知事ですが、令和元年度は、両副知事合わせて34回、延べ34市町村長との懇談を行っており、そのうち30分以上懇談は18回でございます。
 今年度は、両副知事合わせて9月末現在で38回、延べ38市町村長との懇談を行っておりまして、そのうち30分以上の懇談は6回という状況でございます。
〇斉藤信委員 昨年度は11回ということで、回数は少ないという感じがしますが、参議院議員通常選挙、岩手県知事選挙がありましたので、それはやむを得ないところがあったのではないかと。ただ、今答弁がありましたように、30分以上の懇談が7回、そのうち6回は被災沿岸市町村との懇談ということで、中身は充実しつつあるのではないかと思います。
 ただ、私は先日も陸前高田市に行ってきましたし、この間、沿岸地域の首長に会ってきましたが、大体じっくり話すとなるとやっぱり60分は必要なのです。だから、その点では、地方政治の本当に末端というか最前線で苦労している首長との懇談を、ぜひ重視をして進めていただきたい。
 あわせて、私は、副知事が知事を補完する役割を果たしてきているのだと思います。例えば、昨年度に保副知事は20回各首長と懇談していますが、30分から60分くらいじっくり懇談をして、必要なら夜の懇談もやると聞いています。やっぱり副知事2人体制でしっかり知事を補完し、ある意味、副知事のほうが本音を率直に言いやすいというのもあるのだから、この副知事2人体制を機能させて、首長との懇談をさらに充実させていただきたいと思いますが、いかがですか。
〇安藤秘書課総括課長 昨年は、今、委員からも御指摘がございましたとおり、岩手県知事選挙期間があったこともあり、懇談回数こそ例年より減少しておりますが、例えばラグビーワールドカップ2019日本大会岩手・釜石開催や三陸防災復興プロジェクト2019の開催に当たりましては、知事、副知事と関係市町村長が懇談を重ね成功に結びついたものと受けとめております。
 また、令和元年台風第19号災害のときも、知事、副知事が分担して現地視察を行い、市町村長との意見交換を行うなど、必要に応じて臨機応変に対応してきたものでございます。
 今後におきましても、引き続き各部局と連携いたしまして、さまざまな機会を捉えて市町村長との懇談の機会を確保していくよう努めてまいります。
〇千葉絢子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
 質疑がないようでありますので、これで政策企画部関係の質疑を終わります。
 この際、世話人会の申し合わせにより10分間ほど休憩いたします。
午後4時17分 休 憩
午後4時32分 再開
〇千葉絢子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、出納局長に出納局関係の説明を求めます。
〇永井会計管理者兼出納局長 出納局関係の決算について御説明申し上げます。
 便宜、お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げます。
 まず、一般会計について御説明申し上げます。
 158ページをお開き願います。2款総務費1項総務管理費1目一般管理費のうち、出納局関係の支出済額は、159ページ備考欄の中ほどに記載のとおり6億6、283万円余であり、これは、職員の人件費などの管理運営費及び県営建設工事入札業務に係る経費であります。次に、160ページをお開き願います。5目会計管理費の支出済額は、161ページの一番下の左端欄に記載のとおり2億1、341万円余であり、その内容につきましては、163ページにお進みいただき、備考欄上段に記載のとおり、管理運営費、収入証紙売りさばき手数料などであります。
 次に、岩手県証紙収入整理特別会計について御説明申し上げます。
 424ページをお開き願います。まず、歳入でありますが、収入済額の合計は、425ページの一番下の欄に記載のとおり35億3、565万円余であります。
 続いて、426ページをお開き願います。歳出でありますが、支出済額の合計は、427ページの左側一番下の欄に記載のとおり34億6、831万円余であり、これは、一般会計及び歳入歳出外現金への繰出金であります。
 次に、465ページをお開き願います。実質収支は、歳入総額から歳出総額を差し引いた6、733万円余であります。
 以上で出納局関係の説明を終わります。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇千葉絢子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇柳村一委員 証紙収入整理特別会計についてお伺いします。
 歳入も歳出もそうなのですが、当初予算に対して、県税と使用料及び手数料がマイナス補正になって決算されています。また、軽自動車税の環境性能割が増額補正になって決算されておりますが、この減額と増額の要因についてお伺いします。
〇藤澤副局長兼総務課総括課長 県税に係る証紙収入の減の要因でございますが、県税の内訳といたしまして、令和元年9月までの自動車取得税及び自動車税、それから、税制改正後の10月からの自動車税の環境性能割、種別割等が対象になりますが、自動車の登録台数の落ち込みにより税収が減ったことによるものであります。
 また、使用料及び手数料の減の要因につきましては、その主な要因は、警察手数料と衛生手数料の減等によるものです。警察手数料につきましては、自動車の保管場所証明、いわゆる車庫証明でございますが、その申請が当初の見込みより少なかったことにより、保管場所証明手数料が減になったことなどによるもの、それから、衛生手数料につきましては、主に屠畜処理件数が当初の見込みを下回ったことにより、屠畜検査手数料が減になったものであり、これらに伴い、証紙収入が当初の見込みより減額となったものでございます。
 また、軽自動車税環境性能割の増の要因については、軽自動車税環境性能割は昨年10月の税制改正により導入された新しい税でありますが、地方財政計画の想定税額をもとに当初予算を算出しましたが、軽自動車の登録台数が当初の見込みよりも伸びたことによって増となったものであり、これに伴って、証紙収入が当初の見込みよりも増額となったものでございます。
〇柳村一委員 新型コロナウイルス感染症とは直接関係はないということでよろしいかと思いますが、当初予算を決めるときに、証紙の場合、県の収入に占める割合も結構あろうかと思いますが、もう少し乖離がないような予算立てというものができなかったのかお伺いします。
〇藤澤副局長兼総務課総括課長 収入を見込むときの算定におきましては、やはり精査をしていくものとは思いますが、ある程度、例えば自動車関係で言いますと、毎年毎年の登録台数は予測ができることから、それをもとに予算を計上し、それ以上の台数の取得とかが生じて不足してしまうことがないように、ある程度備えて計上しているものです。ただ、できる限り決算を想定しながら予算を組んでいきたいと思います。
〇柳村一委員 あと、不用額が3、400万円ほどで前年度より12%増額していますが、これの要因は何だったのでしょうか。
〇藤澤副局長兼総務課総括課長 不用額でございますが、一般会計繰出金の残額と歳入歳出外現金繰出金の残額の合計となります。
 一般会計繰出金の残額は、証紙収入整理特別会計では、証紙によって納入される県税、手数料等の年間の総収入見込み額と同額を一般会計に繰り出すこととして予算計上するものですが、その総収入見込み額と実際の納付額等にずれが生じた場合に、繰出金の額が減って、そのために生じる残額となります。
 それから、歳入歳出外現金繰出金の残額についても、同様に、これは軽自動車税環境性能割でございますが、年間の収入見込み額と実際の納付額にずれが生じたために、繰出金の額が減り、予算の残額が生じたものでございます。
〇柳村一委員 そうであれば、減額のための不用額みたいな部分ということで、理解しました。
 次に、電子収納システム運営費についてお伺いします。この電子収納システム運営費の運営の内容についてお伺いします。
〇大塚会計課総括課長兼会計指導監 まず、このシステムの主な内容についてですが、納入者の利便性の向上や県公金の収納事務の効率化を図るため、マルチペイメントネットワークに接続して収納事務を電子的に行う仕組みとしまして、平成18年度から本県にて導入したものでございます。
 この電子収納サービスは、一般にペイジーと呼ばれるものですが、このペイジーを利用することにより、インターネットバンキングやATMによる納入が可能でありますほか、自動車税のコンビニ納付やクレジット納付にも活用しているところでございます。
〇柳村一委員 県税の納入方法には、銀行、郵便局の窓口納付のほかに、コンビニとか収入印紙とかさまざまありますが、利便性の向上ということで、今の答弁ですとコンビニ収納とペイジーと、あとインターネットを活用したものということですが、この利用率割合みたいなものはどのぐらいになっているのでしょうか。
〇大塚会計課総括課長兼会計指導監 令和元年度における電子収納システムを利用しました県公金の収納件数は、全体で約34万7、000件となっており、これは県公金の収納総件数の62.3%を占めております。
〇柳村一委員 利便性の向上ということで、半数以上はこのシステムを使って県税を納入していただいているということです。ただ、先ほども言ったとおり、いろいろな支払い方法があるということは、逆に言えば、どういう支払い方法がいいのか県民が迷う部分も出てくると思います。また、県としては総務省統一QR「JPQR」普及事業に選出されて電子マネーの普及に取り組んでいる部分もありますが、今ですとペイジーとかそういう部分では電子マネーが使われていないということのようですので、今後、電子マネーとかの使用についての検討はされるのかどうかお伺いします。
〇大塚会計課総括課長兼会計指導監 システムを利用するなどしてキャッシュレス決済、特にJPQRなどのコード決済などを拡充してはどうかという御質問をいただいたと認識しております。
 本県におけるキャッシュレス決済の拡充につきましては、研究、検討を進めるための情報収集を行っているところであり、今後も検討を重ねていく予定ではございます。
 ただ、先行する自治体の事例等を踏まえますと、端末機器の費用や決済手数料の負担のほか、今お話にありましたいわゆる電子マネー等のコード決済につきましては、納入者情報の提供を受けることが困難と考えられること、そして、県が保有する債務者情報との突合が難しいなどの課題が想定されているところでございます。
 また、導入する決済手段や導入対象施設、窓口によって、県民の利便性や事務効果などに影響が生じる可能性が大きいとも考えておりますので、費用対効果の面も含めまして研究を進めてまいります。
〇柳村一委員 前に証紙を廃止して現金化にしてはどうかというお話をしたときも、事務の関係で費用対効果を考えながら検討するというような答弁がありました。何年かたつと、現金ではなくて、今度は電子マネーという部分に時代はどんどん変わってきています。また、コロナ禍によって新しい生活様式と言われるようになってきていますので、県としても早目早目に納入方法等を検討して、県民の利便性向上に努めていただきたいと思います。
〇工藤勝博委員 1点お聞きいたします。
 まずもって、近年、大規模な自然災害が多発しております。その中で、復旧、復興には当局の一番肝心かなめの入札業務があるわけですが、それらについて、皆さん大変御苦労なさっているだろうと思います。改めて敬意を表したいと思います。
 そういう中で、県営事業の入札が大変多いわけですが、震災以降、5億円以上の大きな復旧、復興事業は各委員会で審議して、議会で議決して承認されるということですが、それ以外にも多くの入札案件があろうかと思います。そういう中でも、特に県営建設工事に対して条件入札というものがありますが、それらの基本的な考え方をまずお聞きしたいと思います。
〇佐々木入札課長 県営建設工事の入札業務の執行に当たりましては、信頼性の向上や相互牽制機能の充実を図りながら、透明性、中立性、公正性を確保して適切に進めることを重要と考えており、これまでも、入札契約情報の公表や一般競争入札の全面的な導入等による透明性、公正な競争の確保、指名停止措置基準の見直し等による不正行為の排除徹底、低入札価格調査制度の適切な活用により適切な執行の確保に努めたところでございます。
 また、県内企業の育成、地域経済の活性化、雇用の確保の観点から、施工箇所の地元企業で施工が可能と認められる工事は地元企業が施工することを基本に、県内地元企業の受注機会の確保、受注率の向上に努めたところでございます。
 出納局ではこれらの基本的な考え方を踏まえつつ、個別の入札条件の設定につきましては、工事品質の確保の観点から、工事所管部局におきまして、工事内容を踏まえて必要な施工実績の要件を定め、出納局では入札執行しております。
〇千葉絢子副委員長 執行部に申し上げます。答弁はゆっくりお話しください。
〇工藤勝博委員 さまざまな業種で入札業務があると思いますが、私がいただいている資料でも、例えば交通信号機の移設等は電気設備のAとか、あるいは、土木関係ですと、土木AとかBという、それぞれの事業量によってクラス分けなされております。そういう中にあって、先ほど、地元企業を育成するという意味もありますが、条件をつけた中で、さらに実績がないと入札に参加できない業種といいますか仕事の中身があるということをお聞きしました。
 その中身ですが、去年の11月から12月に入札公告をされた中で、農地基盤整備事業というものがあります。この農地基盤整備事業箇所は県内にたくさんありますし、これからも多くの要望箇所があると思うのです。その中に新たなパイプライン工事の仕様書があったのですが、パイプラインの施設を敷設する事業者から、地元には実績がないということで入札に参加できないのは、やっぱりおかしいだろうと言われました。というのは、同じ管工事ですから、例えば下水管を敷設するとか、いろいろな能力は当然あるわけです。それでも実績がないから入札に参加できなかった。そういうことってこれからも続くのだろうかという話を伺って、それらも含めて改善すべき点は改善しなければならないだろうと思いました。
 特に、基盤整備は数十年に1回しか事業がないのです。恐らくどこの地域でもある程度、40年とか50年あれば次のまた別の段階の基盤整備に入ると思うのですが、1回つくって終わりではないのです。だから、ぜひ地元のそういう事業者が参入できるような仕組みを考えていただきたいという思いでお聞きします。
〇佐々木入札課長 入札参加資格につきましては、良質な施工を確保するため、条件つき一般競争入札における入札参加資格の設定基準により、業種、等級別区分、地元企業の参加を優先する地域要件、品質にすぐれた施工が見込まれるよう施工実績及び技術者施工経験等の要件を設定しているところでございます。
 これまでも、施工実績として認められる期間を10年間から15年間に延長したりですとか、農地基盤整備の入札要件につきましては、元請の実績に限っていたものを下請実績も認めることとするなど、入札参加者の受注機会を確保してきたところでございます。
 農地基盤整備工事におきましても、実績がないため入札参加できないという声は、建設業団体との意見交換会等を通じまして私どもも伺っており、公正な競争の確保、工事品質の確保の観点から、所管する工事発注部局と連携しながら対応していきたいと考えているところでございます。
〇工藤勝博委員 当然、資格審査等も含めて公正な入札要件があると思います。しかし、今の時代に、どの業者だって精いっぱい最高の仕事をするというのが普通だと思うのです。私も国土交通省が出している入札参加資格制度の要件を見せてもらいましたが、恐らく過去のように粗雑な工事をする業者はいないと思うのです。そしてまた、事業実績がなくても、今の時代ですから、いろいろな情報の中で間違いない、仕様書に当てはまった仕事はできると思うのです。ですから、やっぱりそれらも含めて、過去の制度の改めることができる部分は改める必要があるのだろうと私は思います。
 県の工事も相当あるわけです。出納局が直接入札にかける分と、あるいは各広域振興局がかける分。広域振興局のほうが多分多いと思うのですが、それらも含めて、やっぱり地元の事業者の育成といいますか、育てる意味も含めて、しっかり取り組んでいただければと思います。
 例えば、この5億円以下の県の入札事業をやっていますというのが一つの資料としてあれば、私たち議員としても、あそこで今、県の工事がある、やっているというのが目で見ることができるという感じがします。それらも含めて、ぜひとも改善していただければという思いがありますが、いかがでしょうか。
〇永井会計管理者兼出納局長 先ほど入札課長から、ちょっと聞きづらい点があったかと思いますが、誠心誠意答弁させていただきました。
 入札につきましては、まず大原則といたしまして、透明性であるとか中立性、公正性の確保が大前提で考えておりますし、実施に当たりましては、もちろんさまざまな国等のルール等も踏まえつつ、事業者の皆様の意見をしっかりと聞きながら、これまでも制度設計をしてきているところでございます。
 また、現在、東日本大震災津波に係る復旧、復興工事がある程度一定の区切りを迎えつつある状況の中で、県営建設工事の入札という部分について、もっと大きな視点で、さまざま今勉強といいますか、検討をしているところでございますので、委員御指摘のような部分につきましても、改善すべき点があればもちろん改善してまいりたいと考えております。時々刻々と変動する社会情勢に合わせた入札制度を構築して、適切に運用してまいりたいと考えております。
〇工藤勝博委員 今、建設工事現場の皆さんもAIとか、あるいはロボットを使って仕事をしています。もう恐らくこれからどんどんそういう形で間違いのないような仕事の仕方が進むと思うので、それらも含めながら、何回も言うようですが、改善すべきは改善しながら、事業者がさらに成長するような取り組みをぜひやっていただきたいと思います。
〇千葉絢子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉絢子副委員長 質疑がないようでありますので、これで出納局関係の質疑を終わります。
 出納局の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 執行部席の消毒のため、しばらくお待ち願います。
 次に、人事委員会事務局長に人事委員会関係の説明を求めます。
〇今野人事委員会事務局長 人事委員会関係の決算につきまして御説明申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、190ページをお開きいただきたいと存じます。第2款総務費のうち、9項人事委員会費でございます。予算現額1億7、796万円余に対しまして、支出済額は1億7、586万円余でございます。
 内訳でございますが、1目委員会費の支出済額の668万円余は、委員3名分の報酬など委員会の運営に要した経費でございます。次に、2目事務局費の支出済額は1億6、917万円余でございますが、これは、職員16名分の人件費及び事務局における任用関係事務、公平審査事務及び給与関係事務等の管理運営に要した経費でございます。
 以上で人事委員会関係の決算の説明を終わらせていただきます。よろしく御審議賜りますようお願い申し上げます。
〇千葉絢子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇斉藤信委員 それでは、2019年度の労働基準及び労働安全衛生に関する事業場調査結果についてお聞きします。
 月100時間を超える長時間勤務を行った県立学校の教員の実態と面接の状況、改善の取り組みはどうなっているでしょうか。
〇高橋職員課総括課長 県立学校の教育職員の時間外勤務の実態についてでありますが、一昨年度、平成30年度に月100時間を超える時間外勤務を行った県立学校の教育職員は716人でございました。昨年度分つきましては、現在内容を精査中でありますが、人数は一昨年度より減少する見込みでございます。
 これら職員に対する医師の面接指導の状況でありますが、平成30年度の716人のうち、面接指導を受けた人数は12人で、昨年度分については現在精査中であり、人数は同程度となる見込みでありますが、県教育委員会では、今年度から職員の申し出を前提とはせず、時間外勤務が原則月100時間以上の教育職員全てを面接対象にしたと聞いております。
 県教育委員会においては、平成30年度に策定した働き方改革プランに基づき、部活動休養日の設定や業務分掌の見直し、個々の教職員に対応した適切なマネジメントを推進しているところであり、本委員会としては、今後も労働基準監督機関としての立場から、職員の負担軽減や健康の確保にしっかりとつながるよう助言、指導に努めていきます。
〇斉藤信委員 県立学校で月100時間を超える時間外勤務を行った教員が716人。これは全体の20%なのです。5人に1人ですよ。ほとんど前年と変わっていないというか、改善されていないのだと私は思います。
 現場がなぜ改善されないか。皆さんも事業場調査をやっていると思うけれども、改善されない主な要因は何なのですか。
〇高橋職員課総括課長 時間外勤務が多いという話でございますが、その主な内容としましては、やはり部活動指導とか個別の課外指導、あとは、いろいろな校務処理とかというものが多いと私どもは捉まえております。
 そして、そこに関しては極力、ことしも時間外の在校等時間をある程度、一定の線の中におさめてくださいという形で県教育委員会も取り組みを始めておりますので、そういうような働きも注目しながら、今後の学校、そして任命権者である県教育委員会の動向も注視していきたいと考えております。
〇斉藤信委員 月100時間というのは過労死ラインを超えているのです。だから、本来なら直ちに根絶すべき課題ですよ。
 それで、県の教育長宛てに人事委員会の委員長名で文書が出されていますが、それに添付されたものを見ると、これはある県立高校の声ですが、教職員の働き方改革を推進する一方、業務量は減らず、むしろ増加しており、現場の教職員は板挟みの状況にある。多様化する児童生徒、保護者へのきめ細かな対応をしていくには、教職員の定数の増加が望まれるとあります。改善の余地がない、思い切って教員をふやす以外にないという切実な声です。私はそれも一つの側面だと思います。
 ただ、だからといって放置できないので、何度も、教育長等が学校長宛てに文書を出しているけれども、やっぱり出していても改善されない。では、どうするかと。だから、もう一歩踏み込まないとだめなのだと私は思います。
 もう一つ、皆さんの調査で、教員1人当たり月30時間を超えている職場、学校が57職場。これは全体の73%です。月30時間ということは、年間360時間。これは労働基準法で規制されている時間数です。それが学校として73%あるのです。そして、100時間を超えている学校は67校。78校のうち67校です。本当にこれは異常な事態です。だから、異常な事態になれることはあってはならない。
 人事委員会は労働基準監督署ですから、本当に改善するためにどうするか。県の教育長とも教育委員会とも、私は、本当に膝詰め談判でもしてやらないとこれはだめな課題ではないかと思いますが、事務局長、いかがですか。私は毎回このことを聞いているのだけれども、やっぱり改善を実現させるという点で何が必要か、人事委員会としてどういう決意で臨むかをお聞きします。
〇今野人事委員会事務局長 教員につきまして、いわゆる過労死ラインに該当するような勤務の実態がなかなか改善されない状況については、人事委員会としても強い危機感を持ちながら対応しているところでございます。
 いずれ、教員が健康でないと子供たちに対する教育も健全にならないということでございますので、委員がおっしゃったとおり、労働基準監督機関としての人事委員会の任務をしっかりと踏まえながら、これまでも、さまざまな文書等を通じて県教育委員会にはお話をしてきたところでございますが、学校個々の課題もあろうかと存じますので、そういった個別の課題にもきっちりと対応しながら、指導、助言に努めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 ぜひ、実効性のある指導、助言をやっていただきたい。県教育委員会も、確かにいろいろなチームをつくってやっているのですが、やっぱり改善まで行かないと。
 二つ目に、知事部局と選挙管理委員会での年間300時間を超える平均超過勤務時間の実態を示してください。
〇高橋職員課総括課長 令和元年度の超過勤務時間の実績が年間300時間を超える部局についてでございますが、秘書広報室、文化スポーツ部、そして選挙管理委員会事務局が該当します。
 昨年度は、秘書広報室においては、東日本大震災津波伝承館の開館などに伴う皇室御来県の対応など、文化スポーツ部においては、ラグビーワールドカップ2019日本大会岩手・釜石開催や東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催準備など、選挙管理委員会事務局においては、参議院議員選挙、県知事選挙、そして、県議会議員選挙に係る事務などのために、それぞれ前年度より超過勤務時間が多くなったと聞いているところでございます。
 任命権者においては、業務の見直し、そして、超過勤務命令の事前、事後確認の徹底などに取り組むほか、管理職員によるマネジメントの強化や職員の働き方改革の推進を図るなど、職員の超過勤務の縮減に取り組んでいるところでございます。
 本委員会としましては、これら任命権者による長時間勤務の解消に向けた取り組みを注視しつつ、必要に応じて、労働基準監督機関として適切な指導、助言を行ってまいります。
〇斉藤信委員 秘書広報室は、令和元年度は350.1時間でした。前年も322.8時間なのです。秘書広報室の若手の職員が、大学の同窓会報に、毎日夜遅くまで頑張っていると。頑張っているのはいいのだけれども、現役の学生がそれを見たら、ああ県庁というのはひどいところだなと、こうなってしまうのです。
 私は、秘書広報室は決して去年だけではないので、恒常的にそうなっているとすれば、具体的な改善策を求める必要があるのではないか。
 もう一つ、選挙管理委員会は、去年、実に768.5時間です。選挙があるのはわかっていても、驚くべき超過勤務になってしまう。私は、もう人的配置がやっぱり間違っていたのではないかと思います。参議院議員選挙にしても知事選挙にしても、突然の選挙ではないのです。そのときにはきちんと人を配置してやる。1人当たり平均768時間ですよ。これは異常なことなので、そういうことがないように、実効ある指導、改善をしていただきたい。
 もう一つ、選挙管理委員会は、昨年、年次休暇の取得が年間で4.1日でした。5日以上とらせるというのが今の労働基準法です。そこにも届かない。超過勤務とあわせて休暇もとれない。そういう点で、これは具体的な指導をしましたか。
〇高橋職員課総括課長 実際、やはり超過勤務が多い、さらには年次休暇の取得が少ないということに関しましては、任命権者等及び各事業場と直接意見交換などを通じまして、適切な勤務環境の整備を求めていくのが筋と思っております。
 本委員会としましても、課題があると思われる事業場に対しましては、その事業場ごとの具体的な状況や事情も踏まえながら、文書による指導、そのほか訪問して現場の実態を確認して指導を行うなど、実態に即したきめ細かい指導に努めていきたいと考えております。
〇斉藤信委員 これで最後にしますけれども、やっぱり人事委員会というのは、県職員にとっては労働基準監督署ですから、県職員の労働条件を確保する。そして、今、県職員の人気が落ちているわけです。その一つの理由は、やっぱり超過勤務が多いのではないかということ。そういう中で転勤もある。やっぱり働きやすい希望のある職場なのだということを確保するのがあなた方の仕事だから、その責務をしっかり果たしていただきたいけれども、最後に人事委員会事務局長に決意を伺って、終わります。
〇今野人事委員会事務局長 労働基準監督機関としての人事委員会の職責は、全く委員御指摘のとおりでございます。
 働き方改革というものは、県職員のみならず社会全体の喫緊の課題ということについては重々認識しているところであります。先ほども申し上げたところでございますが、人事委員会といたしましては、指導、助言が機械的、形式的なものになることなく、各職場の実態にきめ細かく応じた指導に努めてまいりたいと考えているところでございます。
〇千葉絢子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉絢子副委員長 質疑がないようでありますので、これで人事委員会関係の質疑を終わります。
 人事委員会事務局の皆さんは退席されて結構です。お疲れさまでした。
 次に、監査委員事務局長に監査委員関係の説明を求めます。
〇小畑監査委員事務局長 監査委員関係の決算につきまして御説明を申し上げます。
 お手元の歳入歳出決算事項別明細書により御説明申し上げますので、192ページをお開き願います。第2款総務費のうち、10項監査委員費1目委員費の支出済額は、193ページの中段でございますが、1、928万円余であります。これは、監査委員4名の報酬、給与及び監査等に要した経費であります。2目事務局費の支出済額は2億1、727万円余であり、これは、事務局職員の人件費等事務局の管理運営に要した経費であります。
 以上で監査委員関係の説明を終わります。よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
〇千葉絢子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇千葉絢子副委員長 質疑がないようでありますので、これで監査委員関係の質疑を終わります。
 監査委員事務局の皆さんは、お疲れさまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後5時18分 散 会

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