令和2年2月定例会 予算特別委員会会議記録

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令和2年3月12日(木)
1開会 午前10時3分
1出席委員 別紙出席簿のとおり
1事務局職員
議事調査課
総括課長 嵯 峨 俊 幸
議事管理担当課長 安 齊 和 男
主任主査 藤 枝   修
主任主査 千 葉 絵 理
主査 上 野 公一郎
主査 鈴 木   忍
主査 赤 坂 宏 紀
主査 鈴 木 貴 博
1説明員
保健福祉部長 野 原   勝
副部長兼
保健福祉企画室長 高 橋   進
副部長兼
医療政策室長 今 野 秀 一
参事兼障がい保健
福祉課総括課長 山 崎   淳
保健福祉企画室
企画課長 阿 部 真 治
保健福祉企画室
管理課長 駒 木 豊 広
健康国保課
総括課長 佐々木   哲
地域福祉課
総括課長 菊 池 優 幸
子ども子育て
支援課総括課長 門 脇 吉 彦
医務課長 福 士   昭
地域医療推進課長 稲 葉   亘

医療局長 熊 谷 泰 樹
次長 三田地 好 文
次長 小 原   勝
経営管理課
総括課長 吉 田 陽 悦
職員課総括課長 一 井   誠
医事企画課
総括課長 菊 地 健 治
業務支援課
総括課長 鎌 田 隆 一
薬事指導監 工 藤 琢 身
看護指導監 高 橋 弥栄子

医師支援推進室長 高 橋 幸 代
参事兼
医師支援推進監 菅 原 朋 則
医師支援推進監 鈴 木   優

財政課総括課長 小 原 重 幸
〇柳村一委員長 これより本日の会議を開き、直ちに議事に入ります。
 議案第1号から議案第20号まで、議案第26号から議案第31号まで、議案第39号及び議案第41号から議案第44号までの以上31件を一括議題といたします。
 本日は、保健福祉部及び医療局関係について延べ23人の質問者を予定しておりますが、午後5時を目途に審査が終了するよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
 初めに、保健福祉部関係の審査を行います。
 なお、小川長寿社会課総括課長は療養のため欠席となりますので、御了承願います。
 保健福祉部長に保健福祉部関係の説明を求めます。
〇野原保健福祉部長 令和2年度の保健福祉部関係の当初予算及び予算関連議案について御説明申し上げます。
 初めに、令和2年度予算編成に当たっての基本的な考え方でございますが、当部では、東日本大震災津波からの復興と平成28年台風第10号災害、令和元年台風第19号災害からの復旧、復興を最優先に取り組むとともに、いわて県民計画(2019〜2028)のもと、県民みんなで目指す将来像の実現に向け、健康・余暇、家族・子育て、安全、仕事・収入、参画の各政策分野で掲げる取り組みと、新しい時代を切り拓くプロジェクトに掲げる健幸づくりプロジェクトを引き続き、戦略的、積極的に推進していく予算として編成したところであります。
 まず、復興の推進の取り組みについてでありますが、4本の柱の一つ、暮らしの再建につきましては、被災者の生活の安定と住環境の再建に向けて支援します、災害に強く、質の高い保健・医療・福祉提供体制を整備します、健康の維持・増進を図るとともに、要保護児童を支援します、地域コミュニティの再生・活性化を支援しますの4項目に取り組んでまいります。
 次に、政策推進の取り組みについてでありますが、まず、健康・余暇の分野では、生涯にわたり心身ともに健やかに生活できる環境をつくります、必要に応じた医療を受けることができる体制を充実します、介護や支援が必要になっても、住み慣れた地域で安心して生活できる環境をつくりますの三つの政策項目について取り組みを進めてまいります。
 また、家族・子育ての分野では、政策項目、安心して子どもを生み育てられる環境をつくりますについて取り組みを進めてまいります。
 加えて、安全の分野では、政策項目、感染症による脅威から一人ひとりの暮らしを守ります。仕事・収入の分野では、子育てと仕事の両立を図る家庭の支援などにより、政策項目、ライフスタイルに応じた新しい働き方を通じて、一人ひとりの能力を発揮できる環境をつくります、参画の分野では、政策項目、性別や年齢、障がいの有無にかかわらず活躍できる社会をつくりますについて、それぞれ取り組みを進めてまいります。
 さらに、新しい時代を切り拓くプロジェクトに掲げる健幸づくりプロジェクトでは、健康、医療、介護のビッグデータを活用した健康増進の取り組みを進めてまいります。
 以上が、令和2年度予算編成に当たりましての当部の基本的な考え方でございます。
 続きまして、当部関係の議案について御説明申し上げます。
 まず、議案第1号令和2年度岩手県一般会計予算でございますが、お手元の議案その1の6ページをお開き願います。
 当部関係の一般会計歳出予算は、3款民生費991億959万円余のうち、2項県民生活費と5項災害救助費の一部を除く898億8、188万円余、7ページの4款衛生費236億2、751万円余のうち、2項環境衛生費を除く124億8、402万円余、9ページに参りまして、12款公債費1項公債費の一部145万円余、13款諸支出金1項公営企業貸付金及び2項公営企業負担金のうち2項公営企業負担金の一部を除く330億1、746万円余であり、合計で1、353億8、482万円余の予算額となっております。これを前年度当初予算と比較しますと41億704万円余、2.9%の減となっております。
 以下、予算の内容につきましては、便宜、予算に関する説明書により御説明申し上げます。お手元の予算に関する説明書の117ページをお開き願います。
 なお、事業内容を中心に説明し、事業ごとの金額の読み上げは省略させていただきますので、御了承をお願いいたします。
 まず、3款民生費であります。3款民生費1項社会福祉費1目社会福祉総務費のうち、右側説明欄の上から9番目、中ほどから少し下の生活福祉資金貸付事業推進費補助は、低所得者世帯等の生活の安定と経済的自立を図るため、岩手県社会福祉協議会が行う生活福祉資金貸付事業等を支援しようとするものであり、あわせて、応急仮設住宅や災害公営住宅等での必要な見守りを行う生活支援相談員を配置しようとするものであります。118ページに参りまして、上から5番目、生活困窮者自立支援事業費は、生活困窮者の自立を支援するため、相談窓口を設置し、就労準備支援や家計改善支援、子供の学習支援等を行おうとするものであります。四つ下、地域再犯防止推進モデル事業費は、更生保護に係る関係機関等との連携体制を構築し、犯罪をした者等のニーズを踏まえた地方再犯防止計画を策定しようとするものであります。2目障がい者福祉費に参りまして、この区分の中ほど、障がい者就労・社会参加支援事業費は、障がい者が地域で自立した生活ができるよう、工賃向上の取り組みや農林水産分野での就労を支援しようとするものであります。119ページに参りまして、一番上、障がい児者医療学講座設置運営寄付金は、地域における障がい児者及びその家族が安心して生活できる環境整備を進めるため、障がい児者医療に関する研究の充実を目的として、岩手医科大学医学部に障がい児者医療学講座を設置しようとするものであります。二つ下、障がい福祉サービス等利用者負担特例措置支援事業費補助は、本年12月まで免除期間を延長した被災者の障がい福祉サービス等の利用者負担の免除に要する経費に対し補助しようとするものであります。3目老人福祉費に参りまして、この区分の上から8番目、介護予防市町村支援事業費は、市町村における介護予防事業の円滑な実施を支援するため、県介護予防市町村支援委員会による助言や市町村の地域包括ケアセンター職員に対する研修等を実施しようとするものであります。120ページに参りまして、一番上、介護人材確保事業費と、その次の介護人材マッチング支援事業費は、介護人材の確保、定着を図るため、キャリア支援による休職者と事業者のマッチングや、介護従事者の負担軽減に向けた介護ロボットの導入への支援のほか、新たに外国人介護従事者を指導する職員に対する研修を行うとともに、外国人留学生への奨学金などを事業者が支援する経費に対し補助しようとするものであります。一つ下、地域包括ケアシステム基盤確立事業費は、市町村における地域包括ケアシステムの構築及び強化、推進に向けた取り組みを促進するため、生活支援コーディネーターや認知症地域支援推進員の養成など、市町村等への支援を行おうとするものであります。三つ下、介護保険サービス利用者負担特例措置支援事業費補助と、その下、後期高齢者医療制度一部負担金特例措置支援事業費補助は、本年12月まで免除期間を延長した被災者の介護保険サービスの利用者負担と、後期高齢者医療制度の一部負担金の免除に要する経費に対し、補助しようとするものであります。121ページに参りまして、5目国民健康保険指導費の一番下、国民健康保険一部負担金特例措置支援事業費補助は、本年12月まで免除期間を延長した被災者の国民健康保険の一部負担金の免除に要する経費に対し補助しようとするものであります。6目婦人保護費の1番下、配偶者暴力防止対策推進事業費は、環境生活部から移管になる事業であります。122ページに参りまして、7目社会福祉施設費の上から4番目、てしろもりの丘整備事業費は、老朽化、狭隘化の著しいみたけ学園及びみたけの園の一部について、移転改築整備しようとするものであります。その次のみたけの杜整備事業費は、みたけの園の残る一部について、同施設の敷地内で改築整備しようとするものであります。
 少しページを飛びまして、126ページをお開き願います。3項児童福祉費1目児童福祉総務費の上から5番目、児童相談所整備事業費は、老朽化が著しい宮古児童相談所について、改築整備しようとするものであります。その六つ下、中ほどの保育対策総合支援事業費は、保育士の確保を図るため、岩手県保育士・保育所支援センターの運営や、保育士資格の取得を目指す学生への修学資金の貸し付けに要する経費に対し補助しようとするものであります。一番下、重症心身障がい児(者)等支援事業費は、重症心身障がい児等への支援を充実するため、短期入所受入体制の拡充を図るとともに、新たに、たん吸引や経管栄養等の医療的ケアの技術向上への取り組みを行おうとするものであります。127ページに参りまして、上から4番目、児童養育支援ネットワーク事業費は、児童虐待の発生予防、早期発見、早期対応、再発防止の総合的な取り組みを推進するため、児童相談所、市町村等の対応力向上を図る取り組みを行おうとするものであり、あわせて、被災児童の心のケアを推進するため、いわて子どもケアセンターを継続して運営しようとするものであります。その三つ下、子育て応援パスポート事業費は、第3子以降の子どもがいる世帯を対象に、県営の文化スポーツ施設等利用料を無料化し、安心して子育てができる社会に向けて、機運を醸成しようとするものであります。五つ下、岩手であい・幸せ応援事業費は、主に若い世代を対象に、“いきいき岩手”結婚サポートセンターの運営による出会いの場づくりなどにより、出会いや結婚を希望する県民への総合的な支援を行おうとするものであります。その三つ下、子どもの未来応援地域ネットワーク形成支援事業費は、子供の居場所づくりの取り組み拡大を図るため、子ども食堂など子供の居場所の立ち上げや、機能強化に要する経費に対して助成しようとするものであります。二つ下、被災地発達障がい児支援体制整備事業費は、被災した発達障がい児(者)の障がい福祉サービス等の利用を支援するため、沿岸地域に専門職員を配置しようとするものであります。128ページに参りまして、3目母子福祉費の上から3番目、ひとり親家庭等総合相談支援事業費は、ひとり親家庭の多様なニーズに対応し、さまざまなサービスの有効活用を促進するため、関係機関等によるネットワークの構築や包括的な相談支援体制の整備を行おうとするものであります。
 130ページに飛んでいただきまして、4項生活保護費2目扶助費は、生活保護世帯に対する生活扶助などの給付に要する経費であります。
 132ページに参りまして、5項災害救助費1目救助費の保健福祉部の一番上、救助費は、令和元年台風第19号の大雨災害による被災者に、応急仮設住宅を提供しようとするものであります。
 133ページに参りまして、4款衛生費であります。4款衛生費1項公衆衛生費1目公衆衛生総務費でありますが、上から2番目、母子保健対策費は、不妊等に対する相談指導や特定不妊治療費助成、小児慢性特定疾患児童等に対する医療給付などを行うとともに、高度医療を提供する総合周産期母子医療センター等の運営に要する経費に対する助成のほか、新たに、通院等の移動による身体的な負担の大きいハイリスク妊産婦に対する交通費の助成や、緊急搬送時に利用されるモバイル型妊婦胎児遠隔モニターの整備に要する経費を助成するなど、周産期医療体制の充実を図ろうとするものであります。下から5番目、受動喫煙対策促進費は、望まない受動喫煙を防止するため、受動喫煙による健康影響等について普及啓発等を行うとともに、多数の者が利用する施設等における受動喫煙防止措置を徹底しようとするものであります。一番下、被災市町村保健センター再建支援事業費補助は、被災した大槌町保健センターの移転新築に要する経費に対し補助しようとするものであります。134ページに参りまして、3目予防費の上から3番目、特定疾患対策費は、難病患者の経済的負担を軽減するため、医療費助成を行おうとするものであります。四つ下、骨髄バンク促進事業費は、ドナー登録者数を増加させ、骨髄提供の機会確保につなげるため、ドナー登録説明員の養成や制度の周知を行うとともに、市町村が行う骨髄等の提供を行った者または事業所への助成に対する経費に対し補助しようとするものであります。一番下、肝炎総合対策推進事業費は、ウイルス性肝炎治療の効果的推進のため、肝炎や肝がん患者等に対する医療費の助成を行うほか、適切な治療を受けられるよう患者等のフォローアップ体制を整備しようとするものであります。135ページに参りまして、4目精神保健費の下から7番目、ひきこもり地域ケアネットワーク推進事業費は、県内のひきこもり当事者及びその家族の支援を行うため、相談支援体制の整備、人材育成等を行おうとするものであります。その二つ下、ギャンブル等依存症対策推進事業費は、新たに、県のギャンブル等依存症対策推進計画を策定しようとするものであります。二つ下、自殺対策緊急強化事業費は、自殺対策を総合的に推進するため、相談支援体制の整備、人材養成、普及啓発等を行おうとするものであります。二つ下、被災地こころのケア対策事業費は、被災者の心のケアを推進するため、こころのケアセンターを継続して運営しようとするものであります。136ページに参りまして、5目高齢者保健費の上から4番目、地域リハビリテーション支援体制整備推進事業費は、脳卒中の既往のある者等に対し住みなれた地域でさまざまな状況に応じたリハビリテーションが、適切かつ円滑に提供される地域リハビリテーションの体制を整備しようとするものであります。
 少しページを飛びまして、144ページをお開き願います。4項医薬費2目医務費につきましては、このページの一番下段からとなりますが、145ページに参りまして上から3番目、医師確保対策費は、医師の確保を図るため、岩手医科大学医学部の地域枠特別推薦入学者に対して修学資金の貸し付けを行うほか、自治医科大学、岩手県国民健康保険団体連合会等が行う医師養成事業に対して助成しようとするものであります。また、岩手県医師確保対策アクションプランに基づく医師確保対策を推進するとともに、県外に在住する医師への訪問活動等に取り組み、即戦力となる医師の招聘を推進しようとするものであります。次の救急医療対策費は、救急医療の確保充実を図るため、病院群輪番制病院の運営や、岩手県高度救命救急センターの運営等に要する経費に対して助成するとともに、小児救急医療体制の整備、ドクターヘリの運航支援等、本県の救急医療体制の充実に取り組もうとするものであります。146ページに参りまして、6番目、産科診療所開設等支援事業費補助は、分娩取扱医療機関が少ない地域等における分娩取扱診療所の整備に要する経費を補助しようとするものであります。下から5番目、医療勤務環境改善支援事業費は、医師や看護師等の医療従事者の離職防止と医療安全の確保を図るため、医療機関の勤務環境改善の取り組みを支援するとともに、国が進める医師の働き方改革と地域医療を守る取り組みを一体的に推進しようとするものであります。二つ下、在宅医療推進費は、在宅療養者が安心して生活し続けられるように、医療、介護等の関係者が連携し、地域の実情に応じた在宅医療介護の提供体制を構築しようとするものであります。147ページに参りまして、上から3番目、医療等ビッグデータ利活用推進費は、健康寿命の延伸を図るため、健康、医療、介護のビッグデータを活用した健康増進の取り組みを推進しようとするものであります。次のアドバンスケアプランニング普及啓発事業費は、患者を主体とした話し合いによる医療及びケアに係る患者自身の意思決定を支援するアドバンスケアプランニングの普及啓発を行おうとするものであります。3目保健師等指導管理費の上から2番目、看護職員確保対策費は、看護職員の確保、定着を図るため、看護職員養成施設の在学生に対して修学資金の貸し付けを行うとともに、看護職員養成施設の運営費に対する助成、看護の質の向上や医療安全の確保、看護職員の早期離職を防止するための新人看護職員研修体制の整備等に総合的に取り組もうとするものであります。
 次に、ページを飛んでいただきまして、243ページをお開き願います。12款公債費1項公債費1目元金のうち145万円余が当部の所管ですが、これは災害援護資金の借入金に係る償還元金であります。
 244ページに参りまして、13款諸支出金1項公営企業貸付金1目公営企業貸付金の県立病院等事業会計運営資金貸付金は、県立病院等事業会計に対し、運営資金の貸し付けを行おうとするものであります。
 245ページに参りまして、2項公営企業負担金1目公営企業負担金の一番上、県立病院等事業会計負担金は、県立病院等事業会計に対して負担を行おうとするものであります。
 次に、債務負担行為について御説明申し上げます。
 議案その1に戻りまして、11ページをお開き願います。第2表債務負担行為の表中、保健福祉部所管の事業は、4みたけの杜整備及び5児童相談所整備で、みたけの杜及び宮古児童相談所の整備が翌年度にわたることから、期間及び限度額を定めて債務を負担しようとするものであります。
 以上で一般会計についての説明を終わります。
 次に、議案第2号令和2年度岩手県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算について御説明申し上げます。
 予算に関する説明書により予算の内容を説明させていただきますので、予算に関する説明書306ページをお開き願います。306ページの歳入と307ページの歳出の予算総額は、それぞれ2億4、283万円余であります。308ページから312ページにかけましての歳入は、一般会計からの繰入金、繰越金及び諸収入であります。313ページから315ページにかけての歳出は、母子家庭及び父子家庭、寡婦の経済的自立、生活意欲の助長、児童福祉の増進などを図るために必要な資金の貸し付けに要する経費であります。
 以上で、母子父子寡婦福祉資金特別会計についての説明を終わります。
 次に、議案第10号令和2年度岩手県国民健康保険特別会計予算について御説明申し上げます。
 引き続き予算に関する説明書392ページをお開き願います。392ページの歳入と393ページ歳出の予算総額は、それぞれ1、103億1、072万円余であります。
 394ページから405ページにかけましての歳入は、1款は、市町村からの負担金である国民健康保険事業費納付金、2款は、国民健康保険事業に係る国の負担金及び補助金、3款から5款までは、それぞれの事業に係る社会保険診療報酬支払基金等からの交付金、7款は一般会計からの繰入金などであります。
 406ページから407ページにかけまして歳出1款総務費は、職員給与費などの事務的経費、岩手県国民健康保険団体連合会への負担金、岩手県国民健康保険運営協議会に係る経費であります。
 408ページに参りまして、2款国民健康保険事業費は、国民健康保険事業に係る保険給付費等交付金、後期高齢者支援金、介護納付金、特別高額医療費共同事業事業費拠出金などであります。
 409ページ、3款保健事業費は、市町村が行う保健事業や医療費適正化の取り組みを支援するためのヘルスアップ支援事業に要する経費であります。
 410ページに参りまして、4款基金積立金は、国民健康保険財政の安定化を図る事業等に要する経費の財源に充てるため、国民健康保険財政安定化基金に積み立てを行うものであります。
 411ページ、5款諸支出金は、前年度の療養給付費交付金等の確定に伴い生じた交付金等の返還に要する経費であります。
 以上で国民健康保険特別会計についての説明を終わります。
 引き続きまして、予算に関連する議案について御説明いたします。
 議案その2の13ページをお開き願います。議案第26号後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例についてでありますが、この条例は、岩手県後期高齢者医療広域連合から徴収する後期高齢者医療財政安定化基金の拠出金に係る拠出率を引き下げようとするものであります。
 14ページをお開き願います。議案第27号子育て支援対策臨時特例基金条例の一部を改正する条例についてでありますが、基金の管理運営について定めている国の要領の改正に伴い、保育所緊急整備事業等の実施期限が延期されたことから、基金の有効期限を延期しようとするものであります。
 少し飛びまして、33ページをお開き願います。
 議案第31号岩手県手数料条例の一部を改正する条例のうち、保健福祉部関係の改正につきましては、45ページに参りまして、別表第4、保健福祉事務関係手数料であります。45ページから48ページにかけましての毒物及び劇物取締法関係につきましては、法の改正に伴い、国の事務の一部が県に移譲されることから、国への経由事務に係る45ページの41の項、毒物劇物製造業又は輸入業登録申請手数料、46ページの45の項、登録更新申請手数料及び47ページの50の項、登録変更申請手数料を廃止するとともに、所要の改正をしようとするものであります。また、48ページから51ページにかけましての覚せい剤取締法関係に係る手数料につきましては、覚せい剤取締法の一部改正に伴い、覚醒剤の表記を改めようとするものであります。
 以上で保健福祉部関係の議案の説明を終わります。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
〇柳村一委員長 これより質疑を行いますが、議会運営委員会の決定及び世話人会の申し合わせにより、各委員の発言の機会を保障するため、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、質疑、答弁とも簡潔明瞭に行い、議事進行に御協力をお願いいたします。
 ただいまの説明に対し質疑はありますか。
〇佐々木順一委員 それでは、早速、新型コロナウイルス感染症対策について質問させていただきます。
 3月6日からPCR検査に保険が適用されました。今日まで一定の期間が経過しておりますが、帰国者・接触者相談センター並びに一般病院などに対する相談件数とPCR検査の実績について、まずはお尋ねいたします。
〇今野副部長兼医療政策室長 相談件数、それからPCR検査の状況についてでございますが、帰国者・接触者相談センターへの相談件数につきましては、3月10日時点で、1、010件でございます。それから、検査の件数は、3月11日、昨日時点で22件の検査を実施しておりまして、結果については全て陰性となっております。
〇佐々木順一委員 それでは、対策のかなめを担っている部長にお伺いいたします。今の数字を踏まえて、あるいは岩手県新型コロナウイルス感染症対策専門委員会の分析なども含めて、公衆衛生と疫学に精通され、ドクターの資格を持つ部長の見解をお尋ねしたいと思います。岩手県の今の状態です。
〇野原保健福祉部長 本県の現状についてでございます。
 今般の新型コロナウイルス感染症対策については、WHOにおいて地域ごとの対策を示しておりまして、その中では、感染者が他地域からの感染者に限定される地域、集団感染、いわゆるクラスターを形成している地域、地域内に広範に感染者が発生している地域、この三つに分類し、その状況に応じた対応が必要としているところでございます。
 まだ感染者の発生が確認されていない本県を含め、クルーズ船下船者等に感染者が限定されている東北各県―宮城県、秋田県及び福島県でございますが、これらも含めて対策の初期段階である、他地域からの感染者に限定されている地域の状態にあるものと認識しているところでございます。
 一方で、新型コロナウイルス感染症は、人々が気づかないうちに感染し、それが感染拡大に重大な役割を果たす特徴があるとされておりますことから、集団感染を早期に発見し早期に対応できる体制を確立することが重要であります。そのため、県では、帰国者・接触者相談センターや、帰国者・接触者外来など、相談から検査、治療へ適切につなげていく体制を整えているところであり、引き続き感染拡大の防止に万全を期してまいります。
〇佐々木順一委員 いずれ、世界保健機関もパンデミック宣言をいたしましたので、まさに岩手県もいつ感染者が発生するのか、これは本当にわからない状況でありますが、持ちこたえているということだろうと思っております。これも、もちろん県職員の皆さん初め関係機関の御努力は御努力としてたたえるものでありますが、県民一人一人の、マスクをつけたり、あるいはせきエチケットや手洗いの励行、こういったものがまだ岩手県で感染者を出していないことにつながっているものと思っております。いずれ引き続き、皆様方の御努力をお願い申し上げたいと思います。
 それでは、関連して、マスク不足についてお伺いいたします。
 本会議の一般質問や予算特別委員会の中で、マスクについては、県の在庫も提供すると同時に、市町村の備蓄についても調査する旨表明されたところでありますが、その後の調査結果についてお伺いをいたします。
〇今野副部長兼医療政策室長 マスクに関する調査の結果でございますが、県内各市町村、各保健所、それから本庁内で保有している分も含めて、いわゆる業務上必要な分を除いた提供可能な分ということで申し上げますが、合計で4万枚を超える数が提供可能との結果を得ているところでございます。
〇佐々木順一委員 今のは、県も市町村も全部含めてという意味ですか。
〇今野副部長兼医療政策室長 はい。
〇佐々木順一委員 恐らく規則に応じて使い道が指定されているものと思います。医療系とそうでないものがあると思いますが、今の4万何がしというのは、医療系を除いたものでありますか。また、医療系、あるいは放出可能なものも含めて、全体でどのぐらいあるのか、もう一回お伺いいたします。
〇今野副部長兼医療政策室長 先ほど、約4万枚と申し上げましたのは、いわゆるサージカルマスクについて調査した結果でございます。
 それから、提供可能な分を含めた全体の数で申し上げますと、これは業務上必要な分も含まれるわけでございますが、市町村、それから県の分を含めまして、約60万枚ということで調査しているところでございます。
〇佐々木順一委員 ちょっと待ってください。もう一回聞きますね。
 では、N95とかサージカルマスクも、一部医療系といいますか、医療スタッフも使用するものではないかと思うのですが、それは最優先で、もちろん医療スタッフのほうには提供しなければならないと思います。あと、高齢者の施設とかですね。それ以外のものも民生用として放出する必要があると思いますが、それはそれとして。
 サージカルマスクと言いましたが、それは民生用でも医療用でもどっちでも使えるわけでありますが、専門的に使うもの以外のマスクというのはないわけでありますか。4万枚と六十なんぼと言いましたから、それも含めて、もう一度お尋ねします。
〇今野副部長兼医療政策室長 先ほど4万枚と申し上げましたのは、いわゆるN95マスクとは別の、サージカルマスクの数ということでございます。申しわけございません。
〇佐々木順一委員 我々は素人なものですから、わかりやすい答弁をお願い申し上げたいと思います。もう一回聞きますが、60万枚というのは何だったでしょうか。もう一回、申しわけない。
〇今野副部長兼医療政策室長 大変わかりにくい言い方で申しわけございませんでした。先ほど60万枚と申し上げましたのは、県や市町村が業務を遂行していく上で必要な部分も含めて保有している数が約60万枚ということで申し上げたところでございます。当面、県あるいは市町村で保有しておかなければならない数を除いて、提供可能な数が4万枚というように申し上げたところでございます。
〇佐々木順一委員 その、保管しておかなければならないというのは、例えばどういうものが挙げられるわけでありますか。詳しくお願いします。
〇今野副部長兼医療政策室長 例えば保健所ということで申し上げますと、仮に新型コロナウイルスへの感染者が確認された場合、疫学調査ということで、感染経路ですとか濃厚接触者の調査を行うといった業務が出てまいります。どうしてもそういった業務に必要な分については確保しておく必要がありますので、そういった意味で申し上げたものでございます。
〇佐々木順一委員 それでは、その4万枚は、どういった手続で提供されるわけでしょうか。例えば予算の面も含めて、現物でお渡しするのか、技術的な話になりますが、そこをお聞きいたします。
〇今野副部長兼医療政策室長 確保したマスクにつきましては、今回、岩手医科大学附属病院、それから県医師会から緊急の要請といった形で要望をいただいているところでございまして、まず当面、特に喫緊の対応を要するということで、岩手医科大学附属病院―岩手医科大学附属病院につきましては、先方と調整しているわけでございますが、当面、まず来週から、週ごとに1万枚程度ずつ提供していきたいと考えております。それから、県医師会を通じまして県内の各医療機関に対して、合計で2万3、000枚程度提供するということで、現在具体的に調整をしているところでございます。
〇佐々木順一委員 マスクはいわば消耗品であります。特に医療系のマスク、それから一般用も含めて、当然ながら今の数では到底足りないわけであります。多分検体をとれば、それ一回でマスクは捨てなければならないわけでありますから、いずれにしろ消耗品でありますので、これで事足りるというわけにはいかないと思います。
 継続的な供給体制を確立することが大事だと思いますが、聞くところによると、国内生産は2割で、あと8割は中国から輸入していると。しかも、国内で2割つくっているわけでありますが、その資材はほとんど中国から輸入していると。そして、報道によれば、中国では工場でつくった製品の日本への提供を差しとめしているというような話も聞こえてくるわけですから、恐らくなかなか十分なマスクを確保することは、今後将来を見れば難しいところもあると思います。
 いずれにしろ十分なマスクの手当てが可能になるように、これは県の仕事ではないかもしれませんが、いずれ関係機関に強く要請していただきまして、このマスク不足を早期に解消していただくよう、お願いを申し上げたいと思います。
 もう一つ、厚生労働省では、流行ピーク時の1日当たりの患者数の推計を公表しました。外来が4、330人、入院が2、470人ということであります。これは最悪のことを想定したものでありますけれども、検査体制の拡充から、当然ながら、医療スタッフの確保、病床の確保、必要に応じて専門外来を臨時につくらなければならないということもあるかもしれません。あるいは、ICU等では人工呼吸器などの高度な医療機器も必要であり、患者数がふえた場合、対応困難な状況も予想されますが、こうした課題にどう対応されていくのか。参考までに、人工呼吸器とかそういった高度な医療機器が岩手県にどのぐらいあるのか、それをお聞きいたします。
〇今野副部長兼医療政策室長 厚生労働省におきましては、3月6日付で各都道府県に対し、患者が大幅にふえた場合の医療提供体制についての検討を通知したという中で、先ほど委員もおっしゃいました具体的な病床数も含めてということでございますが、これにつきましては、都道府県ごとに患者の感染経路が特定できないような状態になった場合に、その時点から約3カ月後をピークに想定し、その時点での患者数を一定の計算式のもとに示したと承知しているところでございます。
 現在、本県では、感染者が確認されていないところでございまして、先ほど申し上げました推計の前提となっているような状態にはないわけでございますが、感染が拡大する事態への移行も想定いたしまして、新型インフルエンザ患者入院医療機関ですとか、感染症指定医療機関の感染症病床以外の病床への搬送等も含めまして、関係医療機関で構成する医療連絡会議の開催等を通じて、準備を進めている状況でございます。
 あわせて、検査体制につきましては、今月中に岩手県環境保健研究センターに検査機器1台を増設することとしておりますが、先月29日に安倍首相が、医師が必要と考えるときは全ての患者が検査を受けることができるような検査能力を確保していくと表明したところでありまして、県としてさまざまな機会を通じて国に必要な対応を求めていきたいと考えているところでございます。
 それから、人工呼吸器ということでございます。県におきましても、これまで新型インフルエンザが県内で発生した場合に備えまして、各種必要な設備、資機材の整備を行ってきたところでございます。これらについては、基本的に今回の新型コロナウイルス感染症にも対応するものでございますが、さらに必要な資機材の整備につきましては、今年度の既存の予算の中で約3、000万円を確保して、早急な整備を進めているところでございます。今回、国の新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第2弾が示されたところでございますが、その中でも、人工呼吸器の導入についての財政支援策も打ち出されているところでありまして、本県としてもその内容を踏まえて、対応を検討してまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員 わかりました。時間がなくなりますので次に移ります。
 お知らせしていませんでしたが、今、放課後児童クラブで過ごしている子供たちがいるわけでありますが、一部、市町村教育委員会の了解を得て、学校の教職員が放課後児童クラブのスタッフの応援に従事しているというところがあります。参考までに、県内で今どういう状況にあるのかお尋ねいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 放課後児童クラブの対応状況についてでございますけれども、これは3月4日時点で県内の調査をさせていただいた結果でございます。
 県内には、現在401カ所の放課後児童クラブがございますけれども、そのうち400カ所、1カ所を除きましては、3月4日の時点で、朝から、いわゆる午前中から開所することを確認しております。残りの1カ所につきましても、3月10日から午前中からの開所をしておりますので、全て午前中からの対応をしております。
 そのうち33カ所におきましては、70名の教員の方々に御協力いただいております。これにつきましては、国からも通知がありまして、よく協議をしながら、そういった協力をしながら運営していくようにということでございますので、当方といたしましても、教育委員会と調整させていただきながら、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇佐々木順一委員 それでは部長に聞きますが、スペインかぜから約100年であります。新型インフルエンザから10年と、医学の歴史を見ると、まさに感染症対策の歴史が医学の歴史そのものではないかと思います。人、物、金が瞬時で動くグローバル化の今日において、また感染症がいつ起きるかわからないわけであります。
 今、国のほうでは新型インフルエンザ等対策特別措置法の法案審議をしておりますが、災害対策基本法の中には、緊急事態条項もあるし、災害救助法もあります。被災者生活再建支援法もあります。それから、激甚災害の制度もあります。いわば完成されたとは言いませんが、網羅された法体系になっているわけであります。
 しかし、今の新型インフルエンザ等対策特別措置法は、多分感染対策に特化した法律であると思います。こういったことを考えれば、今後、感染症にかかわる法律も体系的なものが必要ではないか。あるいは、国に求める必要があるのではないか。特に、救済、救命、救助のところではですね。補償まで入れば本当はいいのだけれども、なかなかそれは難しいと思うわけでありますが、部長はどういった見解をお持ちになるか、これを聞いて、一応、新型コロナウイルス感染症対策は終わります。
〇野原保健福祉部長 感染症に係る体系的な法整備についてでございますが、委員から御紹介がありましたとおり、近年の飛躍的なグローバル化の進行に伴いまして、今回の新型コロナウイルス感染症だけではなく、例えば2003年のSARSでありますとか、2009年の新型インフルエンザなどの例に見られますとおり、世界的な規模で急速な感染拡大を伴う感染症の流行が発生しておりまして、未知の感染症に対するより体系的な対策が必要と考えています。また、従来の予防、医療、感染拡大防止といった感染症対策にとどまらず、住民の生活や社会経済機能への影響も視野に入れた体系整備も求められていると認識しているところでございます。
〇佐々木順一委員 今の部長のお考えは、今は非常時でありますので、いずれいろいろな面で総括をされる時期が来るわけでありますから、その段階で、いろいろ庁内でも協議をしていただいて、全国知事会などを含めて、国に少しでも実効性の上がるような要望を求めていただければと思っております。
 それでは、ギャンブル等依存症対策についてお伺いいたします。
 来年度の予算に関連予算が計上されております。予算を組む場合は、予算を組まなければならない事実がまず岩手県にあることと、法令に基づいた根拠があることが最低条件だと思いますが、これについて、岩手県のギャンブル依存症患者の実態はどうなっているのか。それから、どういった法令に基づいてこれを予算化したのか。そして、来年度はどういう作業をおやりになるのか、お伺いいたします。
〇山崎参事兼障がい保健福祉課総括課長 まず、ギャンブル等依存症患者数ですが、県として人数を調査したものはございませんが、平成29年度に国立研究開発法人日本医療研究開発機構が行った調査によりますと、ギャンブル等依存症が疑われる者の割合を成人の0.8%と推計しているところでございます。あくまでも試算でございますが、この割合を本県の人口に単純に当てはめますと、ギャンブル等依存症の疑いがある者は、およそ8、000人余りとなります。
 続きまして、制度上の根拠でございますが、平成30年10月にギャンブル等依存症対策基本法が施行されまして、都道府県においては、国の基本計画を基本として、ギャンブル等依存症対策の推進に関する計画を策定するよう努めることとされたところでございます。国におきましては、昨年4月にギャンブル等依存症対策推進基本計画を策定いたしましたことから、本県におきましても計画を策定し、依存症の理解を深めるための普及啓発や相談支援などをさらに進めていこうとするものでございます。
 続きまして、新年度予算案における事業でございます。来年度におきましては、行政、医療、福祉、司法、業界団体、あるいは自助グループなどを構成員とするギャンブル等依存症対策に関する協議会を設置いたしまして、本県における計画の策定に向け、計画に盛り込むべき基本的な施策などについて議論を進める予定としておりまして、新年度予算案には、この協議会の運営に係る経費を盛り込んでいるところでございます。
〇柳村一委員長 佐々木順一委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事進行に御協力をお願いします。
〇佐々木順一委員 かしこまりました。短くお伺いいたします。
 精神科医がメーンになるわけでありますが、ギャンブル依存症対策も大事だとは思うのですが、ひきこもり支援とか、自殺対策とか、あるいは心のケア、震災関連のもの、今やっているものがあるわけであります。ここに法律が決まったからギャンブル対策となると、また作業がふえるわけでありまして、それだけ精神科医や体制に余裕があればいいわけでありますが、多分ないと思いますので、その辺も考慮してこの作業は進めるべきだと思っております。
 特に、法案が通ったからやむを得ないわけでありますが、岩手県議会ではこの法律に対してはやめるべきであるという意見書も出しているわけでありますから、そういったことも考えれば、県民が今何を望んでいるかというのは、ギャンブル対策よりも、もっと違った分野のほうに県民の求めがあるものと思っております。それも含めて作業に当たっていただきますようにお願いを申し上げまして、時間になりましたから、やむを得ず質疑を終わります。
〇岩崎友一委員 私は、新型コロナウイルス感染症の関係のみお伺いしたいと思います。
 まず、マスクの関係も含めて、ちょっと確認でありますけれども、そもそもこういったウイルス感染症など、有事の場合の県の備蓄の基本的な考え方について。そして、備蓄という観点から、例えばマスクであったり消毒液であったり、あと、感染症患者ケア用の袖つきエプロンなども不足していると言われていますけれども、この辺の備蓄体制はどうだったのか。また、こういった場合の必要な物資の供給の体制については、どこかと災害協定のようなものを結んでいたのかどうか、お伺いしたいと思います。
〇今野副部長兼医療政策室長 マスクについては先ほど、各市町村と県で提供可能な数ということで、4万枚を確保した上で医療機関に緊急に提供する方向で調整を進めていると申し上げたところでございますが、基本的に、県あるいは市町村で保有している分というのは、市町村あるいは保健所等で通常の業務に使用する分として保有しているいわば在庫といったようなものでございます。
 今回、中国での新型コロナウイルス感染症の発生ということで、中国からのマスクの輸入が途絶したということもございますが、マスクの供給が全く途絶するといったようなことは、基本的に想定できなかった事態でございまして、いわゆる備蓄という形で保有している分というのは、基本的にはなかったということでございます。
 今回は、保有している在庫を緊急に確保いたしまして、提供させていただいたという状況でございます。
〇岩崎友一委員 わかりました。物資の提供に関する協定というのも、どことも結んでいないのですか。そういった協定はないのですか。
〇今野副部長兼医療政策室長 有事に備えまして、例えば医薬品の卸しの事業協同組合と一定の協定は結んでいる状況にございまして、今回、県として業界団体に安定供給の申し入れを行いましたが、そもそも生産自体が供給に追いついていないという中で、現時点では、安定供給には結びついていないという現状でございます。
〇岩崎友一委員 そういった協定を結んでも、やはり有事になれば、いろいろ報道を見ていても、中国で製造しているメーカーと輸出に関してもいろいろあるようで。そう考えますと、今後の話なので深くは言いませんけれども、ウイルス対策という部分でも、感染症対策という部分でも、やはり備蓄というものは必要であるというのが、これからの教訓であると思いますので、その辺はお願いしたいと思います。深くはこの辺は質問いたしません。
 それで、今、県と市町村に約60万枚のマスクがあると。あるにはあるけれどもと。ただ一方で、我々もいろいろ業界団体から話を聞きますと、やはり不足しているという声が聞こえるわけであります。この60万枚というのは、今あるのはわかりましたけれども、必要とされている数はどのくらいあって、県内からの要望数はどのくらいあるのでしょうか。
〇今野副部長兼医療政策室長 具体的な要望の数ということで申し上げますと、今回、岩手医科大学附属病院からも要望をいただいておりまして、このままでいくと、3月4日時点で、あと2週間程度の在庫しかないといったお話があったところでございます。それから、県医師会からも要望をいただいておりまして、いずれ各医療機関も極めて厳しい需給の逼迫状態にあるということでありますが、具体的な数ということで示されているものではないものでございます。
〇岩崎友一委員 県として把握していないというのは、まずいのではないかと思うのですよ。要望が来たからそこに対応するというのではなくて、県として、県内の医療機関あるいは介護福祉施設で、このくらい必要だという数値をしっかり把握しなければ、例えば今提供可能な4万枚も全く管理されないまま出回ってしまう。声を挙げた一部のところだけに配られてしまうという事態になると思うので、県としてしっかりと把握する必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
〇今野副部長兼医療政策室長 今回は緊急の要請ということで、まずは近々ということで対応をさせていただいたわけでございますが、いずれ委員御指摘のとおり、必要数、それから、一方では提供可能数といったものを改めて精査した上で対応してまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員 早急にお願いしたいと思います。
 何でこんな話をするかというと、今、マスクに関しては政府が一括購入をして、必要な医療機関等を中心に配ることになると思うのですが、その窓口は都道府県でよろしいですよね。
〇今野副部長兼医療政策室長 基本的な窓口は県ということで認識しております。
〇岩崎友一委員 必要数を把握していないということは、例えば岩手県に200万枚とか割り当てが来た場合に、どこにどのくらい提供すればいいのかという方針が決まっていないということですよね。ですから、やっぱり必要数を把握して、その割合だったり優先度をしっかりと整理しておかないと、政府からマスクが来ても、どこにどのくらい配ろうかというのが全く決まっていないことと一緒だと思うのですが、今はそういう状況ということでよろしいですか。
〇今野副部長兼医療政策室長 一定程度の需給の状況は把握しているわけでございますが、各医療機関ごとのその時点、その時点の不足状況となりますと、それについては引き続き把握に努めてまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員 しっかり整理が必要だと思います。例えば県立病院であれば、医療局でいいでしょうし、あとは市町村立もありますしね。あとは医師会の分を民間に任せるとか、しっかりと情報を得られる手段、ルートも整理をしながら、その中で必要なマスクの枚数であったり消毒液の個数なんかもしっかりと把握をしてやっていただきたいと思います。
 また、結構見逃されがちなのが、在宅の介護であったり訪問看護ステーションであったり、そういった部分の声がどこまで県に届いているかわかりませんけれども、特に在宅というのも厚生労働省の方針として示されていますので、やっぱりそういった部分もしっかりフォローが必要だと思うのですが、その辺、県の考え方はいかがでしょうか。
〇高橋副部長兼保健福祉企画室長 介護保険サービス関係の事業所でありますと、県で当面3月分くらいまでの不足状況ということで調査をしたところ、施設、あるいは居宅サービスも含めて全体で2、800くらい事業者がございますけれども、そのうち489事業所から3月末までに不足が見込まれると回答をいただいているところでございます。3月末までの不足枚数ということでざっくりとしたところをお聞きしまして、おおむね15万枚くらい不足することを把握しております。
 こうしたことに対しまして、市町村には、高齢者の施設につきましても、医療と同様に、提供できるものがあれば優先的に提供していただきたいということをお願いしておりますし、先ほど委員からもお話がありましたが、国におきましては、高齢者施設あるいは障がい者施設なども含めて社会福祉施設には、再利用可能な布製のマスクだと思いますけれども、少なくとも1人1枚は配れるように進めていると聞いておりますので、その取り組みは進められていると思っております。
 社会福祉施設はまだ、これからどうなるかという部分はありますけれども、基本的には、国が直接施設に送るようなスキームで考えられているということでございまして、県を通じてやるというよりは、国から直接送られるということで進められていると今のところは聞いております。
〇岩崎友一委員 介護関係はしっかりと必要数も把握しているということで、医療関係も同様に、交通整理が必要だと思います。今、大変だと思うのですが、全部県がやるというよりは、医療局であったり、市町村立病院は市町村、医師会とか、役割分担をしながら、把握に努めて、しっかりときめ細やかな支援が必要だと思います。その上でしっかり計画を立てて、政府からマスクが来た場合に早急に対応できるような取り組みをお願いしたいと思うのですが、まず一回、ここで部長の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
〇野原保健福祉部長 委員から御指摘がありましたとおり、マスクまたは消毒薬については、最も必要な場所、例えば医療機関でありますと、高度な医療を提供している施設とか感染症対策を担っている医療機関といったところ、もちろんかかりつけ医の先生方もそうです。そうした部分について、どれぐらい必要なのかをきちんと把握し、また、優先度ですね、どこからやっていくのか、どれぐらい少ないのかということをきちんと把握して、配っていくことを進めていかなくてはならないと考えています。
 国も1、500万枚のサージカルマスク等を供給するということで、来週ぐらいから徐々に県にも来ると伺っておりますので、委員から御指摘があった点は早急に把握をいたします。先日も、実は医師会とも打ち合わせをさせていただいて、これぐらい足りないというところは内々には伺っておりますが、それをきちんと数値化して進めてまいりたいと思います。
 また、岩手医科大学附属病院からも、1カ月間にこれぐらい使っているというのはもう既に伺っていますので、今の状況を踏まえた上で、先ほど室長からも申し上げたとおり、週にまず1万枚配るという形で考えております。
 いずれにいたしましても、必要なところにきちんと行き渡ることを最優先に今後進めてまいりたいと考えております。
〇岩崎友一委員 ぜひよろしくお願いします。早急な対応が必要だと思います。
 次に、感染症指定医療機関の関係であります。県内には九つの二次医療圏がある。その中で釜石医療圏において、今、釜石病院でも大槌病院でも指定されていないのは、大槌病院が、東日本大震災津波後そういった施設を整備しなかったということにあります。先般の一般質問の答弁では、大船渡病院、遠野病院で対応するということでありますけれども、私が今地元で言われるのは、県内に誰も感染者がいないこともありますけれども、やっぱり不安な気持ちは物すごくあるわけですね。釜石医療圏だけなぜ感染症指定医療機関がないのだと。やっぱりいろいろ不安に思っている方々は、大船渡病院とか遠野病院となると、経済的であったり精神的であったり、そういった不安の声は非常に多くあるわけです。
 これは私もテレビで見たのですけれども、感染症外来のために新たにプレハブで受付の窓口をつくったり、その処理をする施設を整備したりする自治体もあるようでありますけれども、釜石医療圏の感染症対策について、県として、プレハブなどを活用して二次医療圏の中で完結できるような取り組みが必要だと思うのですが、どのように考えていますでしょうか。
〇今野副部長兼医療政策室長 ただいまの御質問につきましては、委員おっしゃるとおり、一般質問でもお答えをしておりますとおり、大槌病院は、東日本大震災津波により被災して以来、感染症指定医療機関に指定されていないところですが、いわゆる復興道路の整備等によりましてアクセスが大幅に改善されていることもあり、当面、まずは緊急的な対応が可能かと考えているところでございます。
 今回、新型コロナウイルス感染症への対応につきまして、感染症指定医療機関についてはそのとおりでございますが、当該医療圏の中に、帰国者・接触者外来を整備させていただいているということでございます。
〇岩崎友一委員 その帰国者・接触者外来を整備したというのは、具体的にはどういうことなのですか。ちょっとわからないので、説明をお願いします。
〇今野副部長兼医療政策室長 申しわけございません。新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる、心配されるという方につきましては、まずは電話で各保健所に設置されている帰国者・接触者相談センターに相談をしていただきまして、そこから、必要に応じてさらに帰国者・接触者外来につないで適切に診療を受けていただくという仕組みでございます。
 実は、帰国者・接触者外来を設置している医療機関につきましては、その医療機関での感染拡大を防ぐという趣旨で一般には公表していないところでございますが、、帰国者・接触者相談センターに相談していただいた際には、具体的にその医療機関名をお伝えして、感染につながらないような受診の準備をしていただいて、その外来につなぐといった仕組みでございます。
〇岩崎友一委員 私も理解が悪くて申しわけないですけれども、帰国者・接触者外来に関しては釜石医療圏の中に整備していると。ただ、それ以外に関しては、簡単に言えば、プレハブ等の整備はすることなく、大船渡病院、遠野病院に対応をさせてほしいということなのですね。そういう理解では、違うのですか。
〇今野副部長兼医療政策室長 帰国者・接触者外来については、いわゆる外来での診察ということでございますので、仮に入院の対応が必要になった場合につきましては、基本的には感染症指定医療機関に搬送をさせていただいて対応をするという仕組みでございます。
〇岩崎友一委員 ということは、やはり釜石医療圏でプレハブなり何か応急的に措置するつもりは当面はないというのは、それはそういうことなのですね。
〇今野副部長兼医療政策室長 現時点におきましては、現行の体制で対応させていただきたいと考えているところでございます。
〇岩崎友一委員 確かに、道路がつながりまして大船渡病院も遠野病院も近くはなりました。ただ、この定例会でも、高齢者の免許返納だったり、それに伴う公共交通の確保であったり、今そういった現状がある中で、アクセスが向上したから、それで医療的にもお年寄りが通える環境として利便性が向上しているかというと、またちょっと違う話のような気がするわけであります。実際、例えば釜石市、大槌町の人がそういった診療が必要だといった場合は、ちょっと対応の仕方がわからないですけれども、もし、その診察を受けてくださいという場合に関しては、本人に直接行ってくださいというのが基本的な指導というか、そういった伝え方をするわけですね。
〇今野副部長兼医療政策室長 感染症指定医療機関に入っていただくことが必要だという場合につきましては、搬送は、基本的には保健所が担うことにしておりまして、各保健所におきましては、そのための搬送車を配備して対応させていただくということでございます。
〇岩崎友一委員 ただ、釜石保健所にあるのは1台でしたよね。例えば、今後、PCR検査が容易に受けやすい環境になっていって、搬送が必要な患者がふえた場合に対応できるかどうかという部分もありますので、住民の方々、お年寄りの方々で特に基礎疾患を持っていらっしゃる方々は物すごく不安なのですね。やっぱり時間もかかるし、私が県内1号になったらどうしよう、岩手県ではしっかり対応をしてくれるのかなというような思いを持っている方々も、釜石市、大槌町では非常に多くおりますので、そういった観点から、少しでも負担が生じないような形でぜひ進めてほしいと思います。移送車が1台というのも適切かどうか、あと、応援体制というか、ほかの保健所管内から持ってこられるのかどうかも含めて、上手にしっかり調整してやってほしいと思いますが、最後、部長の見解を聞いて、終わります。
〇野原保健福祉部長 委員から御指摘のありましたとおり、住民の方々は、毎日このような形で想像をされておりまして、高齢者の方々とか基礎疾患を持った方々はリスクが高いといったような形で不安を持っていらっしゃると感じております。
 県では、帰国者・接触者相談センターが24時間体制で相談を受け付けておりまして、まずはそこにお電話をいただいて、帰国者・接触者外来を受診していただくに関しては、御家族の方の車を用意していただいて、まずは、受診をお願いしたいと考えております。
 一方で、先ほど室長が申し上げたとおり、例えば検査をしまして陽性になりましたと。これは感染症指定医療機関等で感染の蔓延防止を図らなくてはならないというケースになれば、これはもう保健所の移送車を活用して、万全の体制をとって感染症指定医療機関等に搬送させていただく。そこで医療も行いますし、もちろん地域に感染を広げないための措置も行ってまいります。また、保健所で、あわせて濃厚接触者の方々、御家族の方々等についてもきちんと調査をさせていただいて、そこから感染が広がらないように対策をしていく。
 予防、医療、治療、地域の蔓延防止の体制は、保健所や医療機関等でこれまでも準備を重ねてまいりましたし、患者搬送についても、各保健所では毎年訓練をしております。また、移送車が足りない場合には、消防と協定を結んでおりますので、救急車の活用、他の圏域からの移送車も活用しながら、柔軟に、地域の方々の健康、感染蔓延防止の観点できちんと取り組んでまいりたいと考えております。
〇千葉伝委員 ただいま岩崎友一委員が、新型コロナウイルス感染症対策、本県の基本的な考え方も含めて質疑されたところであります。有事に備えての物品の管理、それから、今、仮に疑わしい人が出た場合の対応というあたりまでの話が出ました。
 ちょっとお聞きしたいのは、まだ本県では確認されていないわけでありますけれども、仮に陽性者が出た場合、その後の対応ということです。他県で発生した例からすれば、首長、知事とかが、どこで出たといったことの発表をされております。本県の場合はどういうやり方をするのか、もし決めてあるのであればお知らせいただきたい。
 それから、陽性者が出た場合、先ほど部長から追跡調査等々いろいろ万全を期すという話がありましたけれども、例えば病院で出た場合、その病院名まで公表する、しない、その情報公開の基本的な考え方、どういう対応をしていくか、そこの部分、二つお聞きしたいと思います。
〇野原保健福祉部長 仮に発生した場合の公表等の考え方でございます。これは、結論を申しますと、ケース・バイ・ケースという形で申し上げます。
 まずは、もちろん感染者が出た場合は県で発表いたします。また、盛岡市は保健所を持っておりますので、盛岡市の地域に関しましては、県と盛岡市が発表するということになろうかと思います。
 公表する事項につきましては、当然個人情報が特定されないような、何十代、性別、職業、あとは過去14日間ぐらいの移動歴等把握できている部分につきましては当然に公表させていただきますが、あとは、どこまで公表するかという部分は、その対象者の濃厚接触者がどこまで追えている状況かにもよると考えています。
 例えば、もう既に入院されていた方が発症した場合、その段階で濃厚接触者は御家族と医療関係者しかいないような場合、これは地域の方々にその時点で感染を蔓延させるおそれはありませんので、そうした場合は、個人情報に最大限配慮しなくてはならない公表になると思います。
 一方で、今全国的に発生していますけれども、さまざまな施設に多人数でおられたようなことが判明した場合については、利用した施設等の公表も視野に入ってくるかと思います。それに関しましては、公衆衛生上、その地域に感染蔓延を起こさせるおそれがあるかどうか、それを公表することによってクラスターがきちんと追えるかどうか、その観点で公表の判断を考えているものでございます。
 したがいまして、その患者の状態、調査できるかどうか、そういった点も踏まえて、公表につきましては総合的に判断させていただきたいと考えております。
〇千葉伝委員 感染者が出ないことを願うところではありますけれども、仮にということでお聞きしました。いずれ、部長がおっしゃったように、ケース・バイ・ケースということは当然出てくると思いますし、疫学調査で必要最小限でとめられる、あるいは、もうこの範囲にしかないといった場合は、その場合の公表の仕方があるよと。それがどんどん今度は広がっていくような状況においては、クラスターを含めて、やはりその場合の対応をする。問題なのは、県民がどこまでそれを知りたいか、そこの部分を県が逆にどこまで公表するかが大きな観点だと思います。
 それから、発生した場合の対応の仕方ということで、一番怖いのは風評被害で、何日か前に、陽性者がほかの人にうつして歩くみたいな、とんでもない男がいたということで、それはもう論外の話ですけれども。やはり情報をしっかりと管理して、公開の仕方、そして、県民の知る権利、そういったところと県の考え方、もちろん国との対応もあるわけですけれども、前もって有事に備えての県の基本的な考え方も整理していただいているようでありますが、万全を期していただきたい。これはお願いであります。
〇佐々木朋和委員 今までの質疑の中でありました新型コロナウイルス感染症について、私も冒頭、関連して少し質問をさせていただきたいと思います。
 佐々木順一委員の質疑の中で、今、相談が1、010件、そのうちPCR検査が22件、全て陰性ということでありました。この数字が統計的に多いのか少ないのか、ちょっと私もわかりませんので、その部分の分析をどのようにしているのかというところと、今、政府からはPCR検査に進む要件というところも出ているわけでありますけれども、実際に県としては、相談者の中でどういった症状あるいは条件であれば検査に移っているのかお示しをいただきたいと思います。
 また、総括質疑の中で、本年度中に検査機器を1台増設するということで答弁もいただいておりましたが、今は増設になっているのか、確認も含めてお聞きしたいと思います。
〇今野副部長兼医療政策室長 検査の件数についての分析でございますが、一概に数でもってそれを評価するのはなかなか難しい部分もございますが、本県の場合は、検査の要否につきましては、専門委員会で感染症の専門家の先生方何人かに集まっていただきまして、疑い事例の発生の都度、電子メール等で速やかに医学的な御判断をいただいた上で実施の要否を判断しているという状況にあるところでございます。いずれ必要な検査について、それを漏らすことがないような体制で対応させていただいている状況でございます。
 それから、検査機器の増設につきましては、本年度中にということで申し上げてまいりましたが、再来週、その程度には機器が搬入されて、1日、2日後には稼働開始されるといった見込みで進めているところでございます。
〇佐々木朋和委員 疑い事案については電子メールで専門委員会に共有してという話でしたが、これは1、010件、その都度やっているというわけではないのでしょうということですよね。
 そういった意味で、政府も、今2週間と言われたのが、また、10日間経過を見てという話もあって長期化にもなってまいりました。今、県内10カ所の保健所と県庁に帰国者・接触者センターを開設して、24時間体制で相談を受け付けているということでありますが、この長期化の部分も出てきたという中にあって、人員を含めて体制が十分なのか、この点についてもお聞きしたいと思います。
〇今野副部長兼医療政策室長 帰国者・接触者相談センターへの相談件数につきましては、やはり徐々にふえているという状況もございまして、そういったこともあって24時間体制ということでございますが、人員体制につきましては、基本的に医療政策室で担当しておりまして、ここについては、部内全体で対応させていただいているということでございます。特に、緊急の対応が想定されるような深夜帯につきましては、専門職である保健師が携帯電話を持つような形で相談に当たるといった体制をとらせていただいているところでございます。
〇佐々木朋和委員 大変御苦労さまです。敬意を表させていただきたいと思います。
 もう一つ、長期化の懸念という中で放課後児童クラブについても質疑があったところでありますけれども、国が10日に発表した新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第2弾の中にも運営費の補助が盛り込まれました。具体的な内容が明らかになっているのかをお聞きしたいと思うのですけれども、開設になっていない今の時期の午前中の開設というところはもちろんだと思うのですが、規模拡大について、あるいは子供、家庭の負担についても、これはかかり増しで出てきているところだと思うのですが、そういったところも含めての手当てがあるのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
 もう一つ、これから長期化が見えてくると、春休みに入ってきたときに、春休みは今までどおりなのだからといったことも言われる可能性もあると思うのですけれども、その点についても何か指針が示されていればお伺いしたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほど県内の全ての放課後児童クラブで午前中から対応させていただいているとお話をさせていただきました。国からも、これにつきましては、運営費の加算という形で手当てをこれくらいはしますというものが来ております。今、委員からもお話がございましたとおり、人を新たにふやさなければいけない場合につきましては、さらに上乗せしてというところで、ある意味十分なといいますか、単価は設定していただいていると確認をさせていただいているところでございます。
 これから春休みがありますので、放課後児童クラブにつきましては、春も夏も冬もということでございますが、長期の休業時につきましては、基本的には朝から、午前中から開いていただいているところでございます。ですので、今回は急だったからというところはありますけれども、もともと放課後児童クラブにつきましては、そういう体制は長期休暇に合わせてとらせていただいておりますので、その点につきましては体制はしっかりとれると思っております。
 ただ、どこの施設も子供がふえたりとかといったところの事情があると思いますので、それに向けて人を新たに増員しなければならないこともあると思います。先ほど御答弁申し上げましたとおり、教員の方に御協力いただいたり、あるいはその市町村の中の放課後児童クラブの中で、少し余裕のあるところを融通したりといった工夫をしながら、人の手当ても調整していただいていると考えているところでございます。
〇佐々木朋和委員 春休みの対応については、午前中からというのは認識しております。一方で、長期化してくると、今までおじいちゃん、おばあちゃんに見てもらっていた御家庭も、長くなってくれば、おじいちゃん、おばあちゃんの体調もありますから、春休みに向けて需要が今まで以上に多くなってくるのではということでのお話でした。そういった意味では、春休み中になっても、人員をふやさなければいけないということは、加算があると考えてよろしいですね。―了解しました。
 あとは、今は学校の先生に対応していただいていますけれども、春休みになってもそういったことは続いていくのか、そこが懸念されるところでありますし、あとは、お金がついたけれども、人員確保が規模拡大のニーズと合って確保できていくのか、あるいは、これからの見通しなどということがわかれば教えていただきたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 委員から御指摘いただきましたとおり、確かに春休みは通常、朝からやりますので、そういった体制は組んでいるところでございますが、長期化した場合とか、あるいは学校の状況にもよるかと思いますけれども、先生方がなかなか対応できなかったりしたときに人員をどうするかということだと思います。
 先ほど申し上げたところでございますけれども、学校からの協力は引き続きいただけるようにということで調整してまいりますし、また、放課後児童クラブの関係のいわゆる団体といいますか協議会といいますか、そういったところの中で、もう少し広域的に人のやりとりといいますか協力ができるよう要請もしているところでございます。
 ただ、そうは言いましても、本来であれば放課後児童クラブを利用するようなお子様方が、利用できないという状況はやっぱり好ましくありませんので、人をたくさん受け入れることができるように、見ることができるようにということで、場所につきましても、例えば学校の春休み中につきましては体育館を使わせていただくとか、あいている教室を使わせていただくですとか、感染予防も含めての対応にはなりますけれども、そういった対応も含めて、各市町村の中で福祉担当課と教育委員会で調整を進めていただいております。そのあたりにつきまして状況把握をさせていただきながら、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 ぜひ、みんなで協力して乗り切っていくということだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症の最後に、マスクの議論も先ほど来ございました。もちろん大前提として、医療機関あるいは高齢者福祉施設についてのマスク、アルコールの需要をしっかり満たすことがまず第一義だと思います。その上で、今、県内の経済を見ますと、人と接する職業そのものに、みんなもう今はマスク、アルコール消毒は必須になってきていると感じているところです。
 保健福祉部としては、生活衛生同業組合等とのつながりもあると思うのですけれども、先ほどの部長の答弁にあったクラスターを防ぐという意味では、理美容でありますとか調理または宿泊業、そういった不特定多数が集うところにも、働く方を守るためにマスクあるいはアルコールが必要だと思います。国が言う優先的なところがどこまでかというのはありますけれども、保健福祉部としても、医療、福祉施設プラスそういったところであるとか、あるいは県内全体も見ながら要望をしていかなければいけないと思うのですが、そういった部分での把握はどのようにされているのか伺いたいと思います。
〇今野副部長兼医療政策室長 一般の方々を含めての具体的な需要といいますか不足の状況ということになりますと、具体的な数字という形ではなかなか把握できないところでございますが、いずれそういったものも含めて需給について逼迫していると認識しているところでございます。
 いずれ優先度合いというものは当然あるわけでございますが、県としても、知事会等を通じて、マスクの安定供給に向けた対応につきましては要望をしているということでございますし、それから、国においても、月産6億枚というお話がございましたが、そういったことで業界団体への増産を求めているという状況がございます。そういった国の対応とも連携を図りながら、県としても対応をしてまいりたいということでございます。
〇佐々木朋和委員 済みません、聞き方が悪かったです。いずれ県民全体は難しいというのはそのとおりだと思いますけれども、各地域に保健所を有する保健福祉部として、そういったつき合いのある団体あるいは常に指導している業者から情報をとって、全体の状況も把握しながら国に要望していっていただきたいという趣旨でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、ダブルケア対策について伺いたいと思います。
 まず、ダブルケア対策については、いわて県民計画(2019〜2028)の中にも記載されております。しかしながら、一方で、アクションプランの中のKPI等については、なかなか落とし込みが見えてこない。また、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略においても具体的に明記されていないところでありますけれども、まず、前提としてお聞きしますが、今ダブルケア対策について保健福祉部で所管する課はあるのでしょうか。
〇阿部保健福祉企画室企画課長 介護と育児を同時に行ういわゆるダブルケアに関する課題を抱える方に適切に支援を行うためには、介護、子育てなどの施策を所管する課において、それぞれの分野における取り組みを進めているところであります。また、複合的な課題を抱えた方が、身近な地域で相談から支援までのワンストップサービスを受けることができる体制の整備もあわせて進めております。
 具体的には、長寿社会課において、居宅サービス、地域密着型サービス等の提供体制の充実、子ども子育て支援課において、保育所等の拡充や子育てにやさしい職場づくり等による子育て家庭への支援、そして、地域福祉課において、ダブルケアなどの複合的な課題を一体的に受け入れられることができるよう市町村における総合相談支援体制の整備の促進を進めております。これらの取り組みが一体となってダブルケアの対策にも取り組んでいるという形になっております。
 いわて県民計画(2019〜2028)の状況でございますが、健康・余暇の分野におきましては、具体的には総合相談窓口整備の促進、それから、介護サービス提供体制の充実、そして、家族・子育ての分野におきましては、子育て家庭への支援や仕事と生活を両立できる環境づくり等を位置づけております。そして、これらの取り組みに関連するものとして、県が取り組むべき具体的な推進方策の指標も掲げて取り組みを進めております。
 また、第2期岩手県ふるさと振興総合戦略の最終案におきましても、例えば、子育て支援戦略、保健・医療・福祉充実戦略にも、同様の指標を掲げて取り組みを進めております。
〇佐々木朋和委員 説明をいただきましたけれども、そこのまさに連動しているのかというところが課題なのかなと思っております。今の御説明ですと、今挙げていただいた三つの課が連動して、それぞれの困り事を補完しながらやっているというところでありますけれども、なかなかそこが見えないのではないかという指摘でございます。
 では、このダブルケア対策について、ともに課題を共有しながらやっていきましょうよというような核となるのは、今どちらになるのですか。そういうものはるのですか。
〇柳村一委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いします。
〇阿部保健福祉企画室企画課長 一つの課が核となるというところはないのでございますが、一つは、複合的な課題を捉えるというところでダブルケアが代表例としていつも事例に挙げられますが、まずは市町村において、それぞれのニーズの福祉サービスごとではなくて世帯が抱える課題を、介護の課題、子育ての課題を一体的に捉えて、それをそれぞれの必要なサービスにつなげていく、そういった取り組みがダブルケアなど複合的な課題への対応となります。
 したがいまして、県としましては、市町村が実際の最前線になるわけですが、そういった総合相談窓口整備の促進を地域福祉課が主体となって取り組んでいる状況でございます。
〇佐々木朋和委員 地域福祉課が中心となってということでございました。
 私は、保健福祉部内での連携も重要ですけれども、プラス商工労働観光部との連携も必要でありまして、そこをどうやって連動させて取り組んでいくかということの視点が必要だと思っております。
 いわてで働こう推進協議会には、社会福祉協議会から産業界あるいは労働界から代表も参加しておりまして、私は、担当課から、この協議会で議題として取り上げて、実際にケースを検討しながら連動して支援策につなげていくことも必要だと思いますけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
〇菊池地域福祉課総括課長 いわてで働こう推進協議会における検討についてでございますが、ダブルケアなど複合的な課題を抱えた方に対し必要な支援を行うためには、今お話のありましたとおり、介護や子育て支援、そして、総合相談支援体制の整備など保健福祉分野の取り組みのほか、雇用の確保など福祉以外のさまざまな分野と連携していく必要がございます。
 一方、企業においては、子育てや介護等の事情を抱えた従業員に対して、仕事と生活の両立という観点からの配慮が求められておりまして、こうした企業における働き方改革の取り組みの推進により、複合的な課題を抱えた方への支援の充実が図られるよう、福祉分野と産業、雇用分野との連携が必要と考えているところでございます。
 委員から御提言のありました、いわてで働こう推進協議会を初めとしまして、さまざまな機会を活用し、福祉と産業、雇用分野で課題を共有して連携を図っていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 では、具体的にお聞きしたいと思いますけれども、例えば、今まで担当課から、保健福祉分野の政策で子育て支援あるいは介護で対応できない困り事について、商工労働観光部とか、あるいは企業での働き方改革に対して、こういうことで対応をしてほしいといった情報提供等を行っている事柄があればお示しいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇菊池地域福祉課総括課長 商工労働観光部との情報共有を行っている例でありますが、ダブルケアなど複合的な課題に対応するため、厚生労働省では、子育てや介護などの福祉相談支援機関、それから、保健、医療、雇用、就労といったさまざまな関係機関の協働により、市町村における総合的な相談支援体制を構築するモデル事業を実施しております。
 本県では、4市町でモデル事業に取り組んでおりまして、福祉、保健、医療のほか、雇用等の関係機関によるネットワークを構築し、情報共有を図りながら、関係機関が連携してさまざまな生活、福祉課題を抱える住民への支援を行っているところでございます。
 それから、先ほどのいわてで働こう推進協議会におきましては、当部からも出席をし、例えば、いわて子育てにやさしい企業等認証の普及についての取り組み状況の報告などを行って、情報共有も図っているところであります。
 先ほど市町村の取り組みを御説明申し上げましたが、県としては、こうした取り組みを全県的に広げていくこととしておりまして、各市町村で各関係機関と個々の事例について情報共有や連携が図られるよう支援をしていくとともに、市町村での取り組みから育児や介護と仕事との両立に向けた課題等を把握いたしまして、さまざまな機会を通じて商工労働観光部との情報共有を図り、連携を図っていきたいと考えております。
〇佐々木朋和委員 答弁の主語が、厚生労働省がとか市町村がということで、私は、県はどういうことをやっているのだということが聞きたいわけですね。やはり地域福祉課として、子ども子育て支援課、長寿社会課からしっかり情報を集めて、そういったダブルケア世帯がどういうことで困っているのかと。保健福祉部ではここまでやっているけれども、企業に対してはこういうところをやってくれれば、もう一人産もうか、そういった気持ちになってくれるかもしれない。そういった提案を部、課からも、いわてで働こう推進協議会に出ているのであれば、応援企業の普及状況等の報告もいいですけれども、実際にそういったケース検討をしながら、一歩踏み込んでやっていただきたいということであります。
 もう一つは、保健福祉部で連携してやっているのであれば、今、介護施設、保育所の入所条件について、それぞれに子育て、介護の状況はどの程度勘案されているのか伺いたいと思います。
〇高橋副部長兼保健福祉企画室長 まず私から、介護施設の入所要件についてお話を申し上げたいと思います。
 特別養護老人ホームへの入所を決定する際の基準としましては、県社会福祉協議会に高齢者福祉協議会がありますが、こちらが入所に関する指針をつくっておりまして、これが全県的に統一された基準といいますか、判定の基準として運用されているところです。
 その判定基準の中には、介護者の状況という項目がございまして、その中には、子供の養育の状況といった介護者の個別事情についても勘案することになっておりまして、それを判定に反映させることとなっております。
 具体的に申し上げますと、入所の判断基準については、それぞれ点数化して判定しておりますけれども、介護家族が小学生以下の児童を養育している場合には、介護家族が週20時間以上就労している場合と同等に評価をして判定する取り扱いとなっておりまして、こうしたことからダブルケアなどの事情も反映されているものと考えております。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 保育所の関係につきまして、条件ということでお答えをさせていただきたいと思います。
 市町村から保育の必要性の認定を受けるためでございますが、これはそもそも保育が必要かどうかという認定を先に受けなければならないということでございます。その要件の一つといたしまして、同居の親族を常時介護又は看護していることという部分がございます。ここをもちまして、そういう状態にあれば保育が必要だという認定を受けられるところでございます。
 その中でも、先ほど介護の関係で優先度というお話がございましたけれども、保育所も同じような考え方でございます。保育所につきましても、それぞれの市町村で若干の違いはございますけれども、点数化をした中で優先度をどうするかを判断しております。
 保育所の場合につきまして、これはある市町村の場合ということで一例を申し上げたいと思いますが、月160時間以上の居宅外のフルタイムで働いている場合と同等程度の優先度ということでやっているところがございますし、ほぼ就労と同等ぐらいの優先度をもって介護の関係についても要件を高目に見ていただいていると理解しております。
〇柳村一委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 佐々木朋和委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことのないよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
〇佐々木朋和委員 申しわけございません。最後にいたしたいと思います。
 今、条件も言っていただきました。そういったところが子育て世代に届いているのかというところが第1点。今までのアンケート調査においても、なかなか施策を知らないというところもありました。そういった意味では、申し込む前に諦めている世帯も相当いるのではないかと思いますし、また、今点数化あるいは市町村でそれぞれに行われているのか、そういった普及というところも必要だということを指摘させていただきたいと思います。
 最後に、部長にお聞きしたいと思います。今、県では、ダブルケア対策は子育て支援あるいは人口減少対策にとっても重要だということを言っていただいておりますけれども、なかなかそれが現状落とし込めているのかというのが私の指摘でございます。今、県として、ダブルケア対策についてはどのように受けとめているのか、また、実際に現場を動かしていくために部長としてどのように指導をしていくのか、もう一度お伺いして、終わりたいと思います。
〇野原保健福祉部長 ダブルケア対策につきましては、例えば、従来は、子育て支援、介護それぞれが、ある意味縦割りで、制度はありながらやっていた。こういう複合的な福祉的な課題は、ダブルケアなどは本当に典型的だと思うのですが、非常にふえてきていると認識しています。委員から御指摘いただいたとおり、やはり各課できちんと連携をして取り組まなくてはならない、また商工労働観光部とも連携しなくてはならないと考えています。
 また、我々、福祉の制度をそれぞれ一応点数化して評価する制度はあるのですが、それが十分利用者の方に周知されているかどうか、そういったニーズがどうなのかということも含めて、改めてきちんと検証して、このダブルケア対策についてもしっかり実効性が上がるように取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 手短に1件だけ関連質問させていただきたいと思います。
 ただいまの質疑に対する高橋副部長の答弁の中で、特別養護老人ホームにおいても点数化をする中で、そこに配慮というか、その中で勘案しているといったような答弁があったと思います。ただ、ダブルケアの認識自体が、そもそもどのようなものを持っておられるのかという部分でちょっと疑問に思ったので、ここで関連質問をさせていただきたいと思います。
 ダブルケア自体にさまざまな要因があります。要介護5の方々であったり、もしくは認知症であったり、認知症の方と子供を抱えた中で親を見なければいけないとか、いろいろな状況、それからもちろん家庭状況もある中で、単純に特別養護老人ホームの点数化と言ったって、実際問題、例えば認知症の要介護度が要介護2から3などというような形で、かなり家庭の中では大変な思いをして身内を見ている中で、それがきちんと数値に反映されないと。そこに幾ら点数を載っけたって、絶対的に施設で預かってもらえなかったりすると。
 今、特別養護老人ホームの待機者数を考えたとき、どこにも引っかかってこない。だとするなら、やっぱりきちんとそうした問題自体を共有して、しっかりとどうしていくというところまで話をしていかないと、きちんと数値にしていますだけの話ではないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
〇高橋副部長兼保健福祉企画室長 先ほどは大分はしょった説明をいたしまして大変失礼いたしました。入所の判定におきましては、先ほどの件だけではなくて、当然のことでございますけれども、要介護度、それから介護者の状況ということで、先ほど申し上げたようなダブルケア等についても配慮があるということでございます。介護者の状況、それから、退院、退所後の在宅生活がどうなるのかといったような点、そのほか特筆すべき事項として、例えば認知症の状況でありますとか障がいの状況でありますとか、あるいは虐待が疑われる場合でありますとか、さまざまそういったような項目がございます。それから、実際に待機されている期間がどのくらいになっているのかといったようなことを総合的に評価をして判断するということになっております。
 一応点数化をして、名簿をつくって優先順位を決めてやるわけですけれども、実際にその入所の判定の際には、各施設において、各施設の中だけでやるのではなくて、第三者の方を入れた、地域の福祉の方を入れた第三者の目で見た判定会議をやって、入所をしていただいているといったような状況で、さまざまな面で配慮されていると理解をしているところでございます。
〇郷右近浩委員 時間ですので、自分の持ち時間にやります。今、本当は一言だけ言って、これで終わりにしたかったのですよ。ただ、ちょっと納得いかないので、済みません、また後ほど。
〇柳村一委員長 この際、昼食のため午後1時まで休憩いたします。
   午前11時58分 休 憩
午後1時3分再開
〇吉田敬子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 昼食時間中に世話人会を開きましたので、その協議結果を報告いたします。
 予算特別委員会の質疑及び答弁の取り扱いについてでありますが、議会運営委員会の決定のとおり、ほかの委員と重複した内容の質疑は極力行わないこととし、どうしても必要な場合は、関連質疑として短時間かつ簡潔に行うことを基本とする。数値確認のみの質疑及び要望のみの発言は原則として行わないこととする。執行部において、簡潔な答弁とすることについて改めて徹底を求めることとする。部局別審査においては、その部局を所管する常任委員会に所属する委員の発言も認めることとするが、その発言はできるだけ簡潔に行うこととすることについて、改めて御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について延べ20人の質問者が予定されております。進行に御協力願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇飯澤匡委員 それでは、1点のみお伺いします。今後の周産期医療体制の確立について、この点については、さきの決算特別委員会で医療局において質疑をしました。そのことは既にベースになっていると思いますので、その答弁等も踏まえて、改めて保健福祉部においてお聞きをするものでございます。
 さきの質問で、令和元年度までの医師奨学金等の貸付者は537人だが、このうち産婦人科を専攻する医師はわずか5名、小児科を専攻する医師は7名という数の答弁がございました。その点を含めて、今後の体制について現状認識をまずお伺いしますが、現状の四つの周産期医療圏の永続性について、まず認識をお伺いしたいと思います。
 そして、あわせて、まとめて聞きますが、産科医師の確保については、今策定しております岩手県医師確保計画と具体的にどのようにリンクをされているのか、お伺いいたします。
〇稲葉地域医療推進課長 現在の四つの周産期医療圏につきましては、患者搬送や受療動向及び限られた医療資源を踏まえて、岩手県周産期医療協議会における協議を経て、平成20年4月に設定したところでございます。県では、この周産期医療圏を単位として医療提供体制を整備してきておりますが、一方で、近年、産科関係学会からは、周産期母子医療センターの重点化、大規模化に関する提言もあり、安全な分娩のための高い水準の技術力、体制整備の充実が絶えず求められているものと考えております。
 県といたしましては、周産期医療圏の設定につきましては、これまでも医療計画策定の都度、周産期医療協議会等において協議いただいているものであり、当面、現行計画に基づいて周産期医療の充実を図っていくものでございますが、今後、医療資源の動向や、さらには医師の働き方改革への対応など、医療を取り巻く環境の変化に対応すべく、中長期的視点から必要な検討を加えていくべき課題と認識しております。
〇福士医務課長 これまでの県の産科医確保の取り組みでございますけれども、即戦力医師の招聘ですとか、奨学金による医師養成などに取り組んできたところでございます。平成30年度からは、産科を選択した奨学金養成医師の配置特例も設けたところでございまして、来年度は2名が産科を選択する予定となっております。また、養成医師以外にも、若手の医師、特に岩手県で専門研修を始める医師なども、ここ数年は増加の兆しが見られております。
 今般の岩手県医師確保計画でございますけれども、令和5年度までに23名の医師確保の目標を掲げて取り組みを進めることとしております。特に来年度に向けましては、地域枠養成医師になりますけれども、岩手医科大学附属病院の総合周産期母子医療センターでの専門研修期間の一部を義務履行として認めることとしたところでございまして、産科を選択するインセンティブの強化も図っております。また、産科を目指す医学生の裾野を広げるために、医療局医師奨学金にも産科の特別募集枠を設定しているところでございまして、こうした短期的、そして長期的な施策を総合的に進めながら、計画の推進を図ってまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 わかりました。計画は計画として、産科医が不足しているのはここ通年の傾向でありますので、その対策をしてどの程度のめどがつくか。冒頭に質問したのは、稲葉課長の答弁の内容は理解しましたが、今後確実にふやしていくと。それで、今の四つの体制で行けるのかどうか、そこは早急に見直していかなければならないと思うのですが、その医師数の確保が確実にされていくのかどうか、その担保の確実性について、もう一度答弁願います。
〇福士医務課長 養成医師を中心とした取り組みということになると思いますけれども、我々といたしましても、医学生の段階から、あるいは研修医などにも産科を選択するような働きかけなどに努めているところではございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたような、産科を選ぶことでの優位性とか、あるいは産科を今後診療科として選択していくことへのやりがいですとかを丁寧に説明しながら、確保してまいりたいと思います。
 こういった取り組みなどの効果によるものだけではないとは思いますけれども、少し例示を申し上げますと、平成30年度から新しい専門医制度が始まっているわけでございますけれども、岩手県で産科の研修を新たに始める医師は、昨年度は5名、これは養成医師も含みますけれども、ことしは4名ということで、例年にない形での増加の兆しが見られるところでありますので、こういった流れの中で、できるだけ計画の目標が達成できるように、我々も努力してまいりたいと考えております。
〇飯澤匡委員 努力していることは評価いたしますが、できるだけというような形でやっていく状況にはないわけなのですよね。子供の人口減少対策に対しては、まず周産期医療をしっかりやっていくという体制を確保していかないと、子供が生まれないということになってしまいますので。
 さきの決算特別委員会でも申し上げましたが、将来的にも、確実に現場で働く医師が見込めないと。数はふえるのだけれども、現場で働くドクターがどれだけ確保できるのかという見通しができないという、厳しい見方があるわけですね。そこの中で、早く中長期的な体制をしっかり捉えて、岩手県は幸福を追求するということになっていますので、まさにその原点ではなかろうかと思うわけです。
 そういうことも踏まえて、では、来年度予算はどうなっているかというと、一つの事業を例示させていただきますと、周産期医療対策事業費については、前年比6、750万円の減という形になっていて、果たしてどの程度一生懸命やるのかなという思いがあるわけですが、この事業費について、今日までの事業効果と来年度の新たな事業展開をどのように考えているのか、お伺いいたします。
〇稲葉地域医療推進課長 令和2年度予算につきましては、令和元年度に比べ6、700万円余減ということでございますが、これは令和元年度に電子カルテのサーバー更新を行った事業が終了したことに伴い、平年ベースに戻ったという認識でございます。
 これまでの事業効果といたしましては、医療機関と市町村が妊産婦等の情報を共有する周産期医療情報ネットワークシステム、通称いーはとーぶの運用や、超音波画像伝送システムの導入による連携診断体制の構築など、ICTを活用した医療連携によりまして、医師が不足する中にあっても、効率的な医療提供が可能となってきたところでございます。また、周産期母子医療センターの運営や救急搬送コーディネート事業実施に対する支援のほか、産婦人科医、助産師等を対象とした新生児蘇生法及び母体救命研修などの救急研修を実施することにより、これらを総合的に推進して、分娩取扱施設の確保と、新生児、母体の救急搬送体制の確保が図られてきたものと捉えております。
 来年度は、これらの事業を継続して実施することに加えて、どの地域においても安心して妊娠、出産できる医療提供体制を整備するため、新たに、市町村と連携して、ハイリスク妊産婦の通院等に要する交通費を支援する事業や、モバイル型妊婦胎児遠隔モニターにより、妊産婦の緊急搬送時においても、産科医等が妊婦、胎児の状況を的確に把握し、安全・安心な出産を支援する事業なども、新たに予算案に盛り込んでおります。こうした取り組みによりまして、安心して妊娠、出産できる周産期医療の充実に努めていきたいと考えております。
〇飯澤匡委員 諸々聞きたいのですけれども、今回は、最後に部長の考え方を示していただきたいと思います。
 やはりマンパワーを集中して新たなハイボリュームセンターの創設を考える時期に、もう既に来ているのではないか。具体的に、今答弁の中にも、短期的には効果を生みそうな事業を皆さん方は考えてやっていらっしゃると理解はしますが、これから10年先、20年先を考えたときに、もっと抜本的な考え方で進んでいかないと、今その瀬戸際にあるのではないかと思うわけですが、その点についてどのような所見をお持ちか、部長の答弁を求めます。
〇野原保健福祉部長 委員から、ハイボリュームセンターというお話がございました。先ほど課長からも答弁したとおり、学会のほうでも、いわゆる医療の質の向上とか医師の勤務環境の改善から、大規模化を進めるべきという提言が出されているのは承知していますし、医療の安全の面からも、そういった議論があるのは承知しています。
 一方で、少子化や後継者不足等を背景として産科の診療所が減少している中、分娩を取り扱う医療機関が周産期母子医療センターのみである周産期医療圏が存在しています。要は、開業医ではもう産めない地域も出てきているという状況です。そうした中で、本県における地域周産期母子医療センターのあり方については、人材の確保、アクセスの確保のほか、子育て支援施策の面からも、総合的に検討する必要があると考えています。
 今後の周産期医療提供体制のあり方については、こうした観点に加え、医療資源の動向―委員から10年先という話がございました。先ほど答弁の中で、本年度から産科を選択した医師に着目した奨学金制度を医療局で創設しました。効果が出るのは10年先ではありますけれども、10年先を見据えて、この事業を着手いたしました。効果が出るのは先ではございますが、そうしたものを踏まえて、2024年からの次期保健医療計画策定に向けて、岩手県周産期医療協議会等により、周産期医療提供体制のあり方について議論を進めていく考えでございます。
〇郷右近浩委員 午前中の続きをちょっとだけやらせていただきたいと思います。
 ダブルケアの部分ですけれども、ダブルケアについてはさまざまなケースがあって、それぞれの担当部署でいろいろな対策をとっている中で、認識合わせであったり、そのケースにどのように当てはめていくかという中においても、非常に大変だろうということは理解しています。だからこそ、ダブルケアの方々は、どこに相談したらいいかという思いを持って悩まれている。その思いは、佐々木朋和委員からも皆様方に問いかけた質問だったと思います。私自身も同じ思いを持っております。
 だとすると、答弁の中で、さまざまこういうことをやっています、こういうことをやっていますと言っても、現実にそれがきちんとリンクしているのかしていないのかわからない。行政の答弁としてはそうした答弁でいいかもしれませんけれども、ダブルケアを求めている人たちは、寄り添ってもらえるという部分こそが必要なのであって、そうした姿勢をどのように県は出していけるのかという、そこの部分が肝になってくると思います。
 そうした中で、では、どういうことができるのかというのを、課を横断してみんなで話し合う。そして、みんなで共有していく。そうした思いを共有して当たっていくことが、一つずつにしかならないかもしれませんけれども、最大の近道でもあると思っているのですけれども、ダブルケアの部分についてのこれからの取り組みについて、まずは部長の御所見をお伺いしたいと思います。
〇野原保健福祉部長 先ほど来、いわゆる行政的な手段、救う手だてがあるという説明をさせていただきましたが、委員御指摘のとおり、そういった施策、制度が利用者の方々に十分認知されていて活用されているのかということは、我々は真摯に検証していかなくてはならないと考えています。
 先ほども佐々木朋和委員に御答弁申し上げましたとおり、ダブルケアにつきましては、従来の縦割りの高齢者福祉、児童福祉だけの範疇ではなく、複合的な課題として、それぞれの部局、担当課が連携して取り組まなくてはならない課題でありますし、また、実際に現場である市町村とも課題を共有して取り組まなくてはならない課題だと認識しています。
 そうした中にあって、このダブルケアについては、まずは、現状はどうなのかというところをきちっと検証させていただいて、有効な施策につながるよう、取り組みを進めていく考えでございます。
〇郷右近浩委員 ダブルケアの部分については、地域福祉課の菊池課長等も、さまざまな形で、どういうことができるのかといって動かれていたというのは承知しております。だとすると、本当にそれを部として、それぞれの課がいろいろな情報を持ち寄りながら、しっかりと寄り添ってあげられるような対応をとっていただきたいと思うので、どうぞよろしくお願いします。この点についてはこれで終わりにさせていただきたいと思います。
 それでは、私のほうからも地域医療の体制についてお伺いしたいと思います。
 まず最初に、これはちょっと話をしておりませんでしたが、本日冒頭、部長のほうから予算の説明をいただいた際に、146ページの産科診療所開設等支援事業費補助の説明の中で、分娩取扱医療機関が少ない地域にといった文言が含まれていたのですけれども、ちなみに胆江地域は、今現在、分娩取扱医療機関が少ない地域という認定になっているのでしょうか。その点からお伺いします。
〇稲葉地域医療推進課長 産科診療所開設等支援事業費につきましては、国庫補助と県単を活用して診療所を整備するものでございまして、国庫補助は全ての医療機関が手を挙げることが可能ですが、県単で新たに整備する場合は、2、000万円を上限に補助しようとする事業でございます。
 この要件といたしましては、当該市町村に分娩を取り扱う診療所がない市町村においてということを定めておりますので、既に分娩取扱診療所がある市町村で新たに開設する場合には、該当にはならないという扱いにしております。
 したがって、奥州市には既にございますので、該当にはならないという扱いです。
〇郷右近浩委員 わかりました。私の聞き間違いかもしれません。少ないと聞いてしまったのかもしれません。申しわけありませんでした。
 といいますのは、これまでさまざまな形で周産期医療体制を構築してくる際に、何度も質問させていただいてまいりました。その中で、岩手県立胆沢病院への産科の設置の話をする際に、十数年前は、胆江地域は、民間の産科が何軒かあって非常に恵まれているところだと。私自身もそうした思いで、県内みんな大変なのだからといった思いで、それで了解といった思いをさせていただいた点もあります。
 今回もいろいろ資料をいただきました。詳しい数字を云々という話はしませんけれども、しかしながら、今回いただいたデータというのは、平成27年、平成28年、そして平成30年といった中で、そこに記載されている診療所で、既に分娩を取りやめているところが多々ある。一番古いところでは、平成27年は、胆江地区で言えば民間の産科が5軒あったが、現状においては、そのうち2軒しかないという形になります。
 そうしますと、例えば5軒あった平成27年は、そこで688人取り上げていただいていたものが、平成28年、これが少なくなってくるにしたがって、これは大体の数字になりますけれども550人ほど。そして、今またさらにそこの医院がなくなっていく中で、ざっくりした試算ですけれども、377人ぐらいしか年間そこで取り上げることができないと。
 今なぜこういうことを言うかといいますと、もともと産科の医療資源が豊富だと言われた地域であったとしても、今、現状はそのような状態になっている。そして、先日の代表質問で地域医療体制についてお伺いした際に知事からは、周産期医療については県内四つの医療圏を設定し、分娩リスクに応じた適切な医療提供体制の構築を図っているところです、という答弁をいただいています。
 しかしながら、この中で、奥州市の方が岩手県立中部病院で子供を取り上げていただこうとしたところ、断られた。もう中部もいっぱいですと。その後、北上済生会病院で取り上げていただくことができた方がいらっしゃいました。しかし、片や、それでどうしようもなくて、県外で出産された方もいます。今、現状はそうなっているのですよ。
 四つの医療圏を設定してきちんとやっていくという前提条件自体が、もう崩れかかっているのではないかと私は危惧しています。ましてや、これからその地域においては、中部病院の産科の医師の入れかえであったり、またさらに北上済生会病院の建てかえと、いろいろな要素が出てまいります。その中で、果たしてこの四つの医療圏を設定したことが、きちんとその形で機能できるようにやっていけるのかどうか。その部分について、安心させていただくような御答弁をいただければと思います。
〇稲葉地域医療推進課長 周産期医療圏の設定につきましては、医療計画の策定の都度、患者の受療動向などを調査し、そのデータをもとに周産期医療協議会で議論いただいているものでございます。直近では、平成30年度からの医療計画の策定に当たりまして、平成27年、平成28年当時のデータをもとに御協議いただいて、現在の四つの周産期医療圏の設定については、妥当であるという意見をいただいて、現在に至っているものでございます。
 その後、医療機関の分娩取りやめなどの状況が刻々と発生してはいるのですけれども、患者の受療動向、あるいは出生数の動向を踏まえて、絶えず見直ししていく必要があろうかと考えております。
 特に、現在、岩手、中部、胆江地域におきましては、医療機関の事情というのもありまして、分娩取りやめを決めた診療所があったり、中部病院におきましては、ちょうど令和2年度から岩手医科大学附属病院を中心とした診療体制に変わるということで、その間、やはり体制を縮小せざるを得ないという状況にあると話を聞いております。そのため、当面の医療提供体制を確保するため、周辺の関係機関、産科の先生方にお集まりいただいて、当面の受け入れ態勢であるとか受け入れ可能数といったものを情報共有する場を設けておりまして、当面の医療体制確保については、関係者間で情報共有されているものと考えております。
〇郷右近浩委員 情報共有はされているかもしれませんけれども、先ほど言ったのには、さらにその先がありまして、平成27年時点では5軒ほど分娩を取り扱う診療所があった中で、その医院が結局何軒か欠けていく中で、今頑張ってやっていただいている方々も、かなりの御高齢の方々です。先ほど挙げた370人ほどという数字は、これまでと同様にという前提条件で私自身が見た数字でありまして、これまで同様にできない状況のほうがこれから考えられる中で、とてもではないですけれども、全部なくなってからまた違う形での支援を県からもらうといった形がいいのか、どのような形がいいのかわかりませんけれども、決してそうならないために、しっかりやっていかなければいけないと思うものであります。
 そうしたことでは、まだ答弁としてはちょっと納得できないというか、しっかりやっていっていただきたいという思いなのですけれども、私自身も、そうしたときに、これから、再編ではないですけれども、この四つの医療圏というのは果たしてこのままでいいのか、どういう設置のあり方が望ましいのか、そうしたこともしっかりと検討に入れながら進めていかなければいけないものではないかと思うわけであります。これが、先ほど飯澤委員が言ったハイボリュームセンターの形になるのか、しっかりとした形を検討していっていただきたい。
 そして、何よりも、本当に今見えているのは、まさに不安でしかないです。これからの中部病院、そして北上済生会病院の動きによって、この間、どのようにして本当に乗り切れるのか、そうしたことに対しての不安しかないというのが率直な思いです。未来のことについても、ぜひともしっかりと明るい未来を見せていただきたいという思いはありますけれども、差し迫ったこの目の前の未来、ここについて部長の御所見をいただきたいと思います。
〇野原保健福祉部長 昨年、東北大学のほうから、県立中部病院の産科医師の派遣を来年度から取りやめるという話を契機に、県でもさまざま調整してまいりました。また、花巻市内の開業医の先生についても、分娩を同じ時期に休止することもあって、昨年秋に関係者、開業医の先生、盛岡市、一関市磐井のほうの先生まで集まっていただいて会議を開きました。その際には、例えば盛岡赤十字病院であるとか、県立中央病院であるとか、県立磐井病院が、ちゃんと受けますと。大丈夫、何があっても受けますという話をしていただきました。県全体では、県南のその地区の方々に一時的に御迷惑をかけることがあるかもしれないけれども、きちんと、大丈夫、何かあった場合は受けますよと。大丈夫、対応もできますという話をいただいたところです。
 先ほど課長からもお話し申し上げたとおり、中部病院については、医局の医師の交代がございます。また、北上済生会病院についても、ことし11月の開院ということで、その前後はどうしても医療体制を一時的に縮小せざるを得ないという状況もございます。そうした状況については、きちんと関係機関で情報共有しながら、場合によっては、ハイリスクの方々は、盛岡市のほうまであらかじめ来ていただくとかということも、アナウンスをさせていただくこともあろうかと思いますけれども、やはり安全な分娩、あとは、あらかじめきちんと関係機関でそういった体制、連携をとってやっていく。また、母子保健をやっている市町村とも十分連携、情報共有を図りながら、地域の住民の方々の妊産婦の母子保健、周産期医療の確保に努めてまいりたいと考えております。
〇郷右近浩委員 ありがとうございました。まずは、今、部長がおっしゃったような形で、ぜひ進めていただきたいと思います。
 今、胆江地域に産科がないという部分については、正直なことを言って、何とかしてくれという思いでいっぱいです。これまでもですけれども。ただ、しかしながら、県全体を考えたときに、その中でしっかりとした形の産科医療を守るといった思いの部分は、職員の皆様方と共有しながら理解をしてきた。若干ですが、してきたつもりであります。
 ただ、こうなったときに、産科がないところの地域の人たちは断られたなんていう話があれば、そもそもの信頼関係の前提は崩れるわけであります。だとしたら、しっかりとした新しい形の体制、ハイボリュームセンターといったものをつくりながら、養成医師中心の今現在の医師確保対策、さらに招聘もこれまでのような形の条件から何らかの形でもう一歩踏み込めるような、そして、医師がしっかりといるところには、またさらに医師を集めやすいといった、そうしたハイボリュームセンターのメリットを生かしながらやっていくという考え方も、私はあると思っております。
 そうした将来の部分もしっかり合わせて考えながら進めていきたいと思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。
〇野原保健福祉部長 周産期医療につきましては、先ほど飯澤委員にも御答弁申し上げましたけれども、中長期的な観点で進めなければなりません。また、産科医師だけではなくて、小児科医師も非常に重要です。生まれてくる母体よりも、むしろ新生児を救命しなければならないと思います。あと、麻酔科医の確保も必要です。あとは、メンタルヘルスも求められていますので、精神科との連携もあります。そうした意味で、さまざまな診療科の医師の確保、連携、また今いる先生方との関係、そういった中で総合的に検討しなくてはなりませんし、また地域性もございます。アクセスの面も考えなければなりません。
 そうした中にあって、さまざまな観点から、また、いろいろな視点から御意見をいただきながら、そのあり方について真剣に検討を進めてまいります。
〇郷右近浩委員 やめようと思ったのですけれども、今、部長がおっしゃった部分で、周産期を守るために小児科医であり麻酔科医でありといったようなお話をいただきました。全体論としてはそのとおりですし、了解します。
 ただ、実は、胆沢病院に関しては、これまでずっとそれを言われてきたのですよね。周産期の医療体制を組むには、小児科であり麻酔科であり、ワンセットをとにかくしっかりと拡充しなければならないと。小児科も胆沢病院に関しては休止していたといった前提条件もありました。その中で、今の医療資源をどのようにきちんと皆さん方に活用してもらえるか。そうした中で、一定の理解というか、自分自身を納得させながらきたつもりであります。
 ただ、この段になって、そうなってくると、では、いつになったらできるのかと。卵と鶏ではないですけれども、産科医をくださいよ、そうしたら小児科医を何とかつけるように頑張りましょうよという話ではないですか。これがないからあなたのところはできませんではなくて、どうつくり上げようとするかの考え方であって、そこの部分は、私は今まで我慢してきたつもりであります。それが、今回発言させていただいているのは、そうした我慢をしてきたけれども、そこの人間がさらに断られるような状況になった。大変なことはわかるけれども、そのような状況になったから、今回このような形で、さらにまた言わせていただいているところであります。
 なので、これも必要だ、これも必要だ、だからという話ではなくて、それはわかっていますから、しっかりと何とか整えるように、一緒になってつくり上げていければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〇佐々木茂光委員 先ほど来ずっと、新型コロナウイルス感染症にかかわる対策等についてお話をいただいております。その中で、医療資材といいますか、マスクとか医療機器が事業所にどのぐらいあって、必要量がどのぐらいなのかというのをこれからまとめるような話でもありました。一部、既にそういったところに手をかけられているところもあるようでありますが、今ここに来て、医療従事者を含めて、それぞれの対策を立てていく上で、マスクなどが大変不足していると。これから先の見通しも実は立っていないというようなお話でありました。
 そんな中で、これから医療機関を含め障がいのある方々を受け入れている事業所、それから高齢者を受け入れている施設を含めて、その辺の需要と供給の見通しというのは当面立てられているのか。きょう話を聞いた分については、その辺までは来ているのだろうというようには見えておりますが、その辺の配布はいつぐらいから計画的に動かすことができるのかということをまず最初にお尋ねしたいと思います。
〇今野副部長兼医療政策室長 先ほど御答弁を申し上げましたとおり、岩手医科大学附属病院ですとか県医師会を通じて、緊急に提供を進める段取りを進めているところですが、これについては当面の分ということでございます。今後、国が医療機関に関して1、500万枚を一括購入して配布すると。それから福祉施設に対しても布製のマスクを2、000万枚配布するというお話がございますが、各県ごとの枚数ですとか、具体的な時期についてはまだ具体的に示されていない状況ですので、今後やりとりを進めていきますが、そういったものが示されたときに、きちんと需要に応じて配布できるように、医療機関ごと、施設ごとの需要について、さらに精査して把握を急いでいきたいと考えております。
〇佐々木茂光委員 その辺の対応もよろしくお願いしたいと思います。必要だけれども見通しがまだわからないという機関がいっぱいあると思うのですね。そういったところの見通しを含めて、聞き取りをしながら、進めていっていただきたいと思います。
 とにかく、急がなければならないところには、順位的にはイの一番に届けなければならない。例えば医療機関は、今急がなければならないところでもあると思いますので、しっかりと対応していってもらいたいと強く思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次は、地域包括ケアについてです。これも長いこと推進に向けた取り組みはされているのですが、実行に移っているのか移っていないのか。我々沿岸部を含めて、医療機関が乏しかったり、人材が不足しているところは、非常に不安に思っているのですね。ある程度、包括ケア的な機構の中での取り回しがあれば、幾らか安心できる部分があるのかなと思うのですが、その辺の現状の取り組み、それから今言われている課題がどのような方向で解決されようとしているのか、そこまでお話をいただきたいと思います。
〇高橋副部長兼保健福祉企画室長 地域包括ケアの取り組みについてでございますけれども、高齢者が住みなれた地域で医療、介護、予防、住まい、日常生活の支援を一体的に受けることができるよう、全ての市町村で取り組みが進められておりまして、限りある地域の社会資源の中ではございますが、一定程度その必要なサービスが提供できる枠組みは、おおむね整備されてきているのではないかと考えております。
 そういう枠組みができてきつつあるという段階ではございますが、そういった仕組みの中で、地域の高齢者一人一人を支えていくため、人材の確保を含め、それぞれのサービスの基盤や多職種の連携を強化していくことが必要だと考えております。
 特に、地域包括ケアの中でも重要な部分でございますが、医療とか介護といった地域包括ケアに携わる人材のさらなる確保、育成が必要だと考えておりまして、県では、今議会でもいろいろ議論がございますけれども、医師確保についてはさまざまやってきておりますし、介護についても、奨学金の給付とか、求人、求職のマッチングであるとか、そういった形で進めてきているところでございます。
 引き続き、医療介護人材の確保を初め、在宅医療の推進でありますとか、介護予防とか生活支援サービスの充実など、多職種と連携しながら進めていくということをしっかり支援して、地域包括ケアを推進していきたいと考えております。
〇佐々木茂光委員 ということは、現状を鑑みても、かなり時間がかかるという話ですよね。そうですとは言えないのでしょうけれども、それぞれ職種によっても人材が不足している中で、地域の中でそういったものを包括して前に進めていく体制をとっていこうということなのだが、そもそも人材が不足している中で、思うように進みかねているという部分が、今抱えている大きな課題という認識でよろしいですか。
〇高橋副部長兼保健福祉企画室長 現状の課題として実はいろいろあるわけです。いろいろなサービスを提供していくということですので、それぞれのサービスの提供についてそれぞれの地域で違いがございますので、それぞれの地域でいろいろな課題があると。そういった中でも、特に医療介護の人材不足という部分については、大きな課題だというように認識はしております。
 ただ一方で、人材がいない中でもサービスは提供していかなければならないということがございますので、例えば在宅医療の仕組みをしっかりつくっていきましょうとか、医療に限らず、医療、介護、あるいは市町村、いろいろなところと連携して、何とか地域の中で、限りある資源ではございますが、サービスを提供しながらやっていきましょうといったようなことでございます。
〇千葉盛委員 先ほど来、周産期医療についてもいろいろ質問が出ておりますけれども、私からは妊産婦の支援についてお伺いいたします。
 産科の医療体制がなかなか厳しい状況になっているということで、ただ、その状況の中でも、どれだけ妊産婦、子供を産む体制を構築していくかということは非常に大切であると思います。それで、先ほどハイリスク妊産婦のことについて部長も多少触れておりましたけれども、来年度新規にハイリスク妊産婦等の支援もあるようですので、まず県内のハイリスク妊産婦数の推移と、その状況に対する県の課題認識についてお伺いいたします。
〇稲葉地域医療推進課長 ハイリスク妊産婦数の推移と課題認識についてでございますが、本県の出生数は減少傾向にある中で、体重が2、500グラム未満の低出生体重児の割合が約1割ある状況となっております。そして、母の年齢を見ますと、35歳以上の割合では、平成25年が23.6%でございましたが、平成29年は25.3%と、こちらも上昇傾向にあります。出産年齢の上昇などによるリスクを抱える妊産婦の割合が増加しているものと認識しております。
 また、県では、周産期救急搬送コーディネーター事業を岩手医科大学附属病院に委託して実施しております。切迫早産や胎児の異常等、ハイリスクの患者の迅速かつ適切な受け入れ確保、調整を行っているものでございますが、その受け入れ患者数を見ますと、ここ数年200人前後で推移しております。このため、妊娠、出産に係る妊産婦の不安や負担に適切に対応するため、周産期医療機関の機能分担と連携及び救急搬送体制の充実強化による、安心して出産できる体制整備がますます重要になるものと認識しております。
〇千葉盛委員 新年度の新規事業ということで、ハイリスク妊産婦アクセス支援事業、そしてモバイル型妊婦胎児遠隔モニター整備事業等が行われますけれども、まず、どういった効果を期待しているのか。また、各市町村におけるアクセス支援はどのようになっているのか、取り組み状況等をお伺いいたします。
〇稲葉地域医療推進課長 新年度の新規事業2本でございますが、まずハイリスク妊産婦アクセス支援事業につきましては、ハイリスク妊産婦が健診のための通院、あるいは分娩のために周産期母子医療センター等へ入院、場合によっては準備宿泊する場合もございますので、それに要する経費を市町村が助成する場合に県も補助するというものでございます。内容といたしましては、補助基準額を5万円として、その2分の1を県が補助するといった制度を考えております。効果といたしましては、分娩取扱医療機関が年々減少している中で、自宅から周産期母子医療センターまで長距離移動を余儀なくされる妊産婦の身体的、経済的な負担の軽減が期待されるものと考えております。
 また、モバイル型妊婦胎児遠隔モニター整備事業につきましては、リスクの高い妊婦が専用の機器を装着して遠隔でモニタリングをすることで、緊急出産の低減を図ることが可能となるものです。また、もう一つの使い方としては、救急搬送中に妊婦胎児の心拍数等の計測データをリアルタイムに周産期母子医療センターに送信できるものでございます。これにより、円滑な受け入れ態勢の確保につなげるための機器整備を行おうとするものでございます。これによりまして、受け入れ先での医師等による事前の情報共有や、搬送中の必要な処置の指示などが可能となり、周産期母子医療センター到着後に迅速な処置が可能となりますので、安全・安心な出産環境の確保、向上が期待されると考えております。
 もう一つ、各市町村のアクセス支援の取り組み状況についてでございます。県内では今年度、14の市町村がアクセス支援に取り組んでおります。各地域のそれぞれの産科医療機関の状況、あるいは交通事情、また住民のニーズ等を踏まえて実施されているところでございます。事業内容といたしましては、対象者は、広く妊産婦としているところもございますし、ハイリスク妊産婦に特定しているところもございます。また、対象とする交通手段につきましても、公共交通機関とするもの、あるいはタクシー券の交付といった形で実施しているところもございまして、それぞれ独自の内容で取り組まれております。
〇吉田敬子副委員長 執行部に申し上げます。答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
〇千葉盛委員 先ほど来、出ていましたけれども、産科の医師や産む施設が少なくなってきて、全体的に出産数が減っている中で、リスクの高い方々がふえているということで、安心して子供を産めない地域がふえることが一番の悩みですので、何とかそれを払拭できるように。医師数はなかなか急激にはふえていきませんので、医療体制を構築するというのは大変ですが、状況に合わせて、こういったことにお金と人材を惜しまないで、何とかいろいろな体制をとっていってほしいと思います。
 先ほど聞いた話も含めて、ちょっと抽象的になりますけれども、妊産婦支援の県の今後の方向性として、どういうことを考えているのかお伺いいたします。
〇稲葉地域医療推進課長 妊産婦支援につきましては、市町村が実施主体となって、母子保健事業として実施されております。保健師等が継続して支援を行う子育て世代包括支援センターや、産前、産後サポート、産後ケアなどの施策が総合的に実施されております。県では、安心して妊娠、出産、子育てができる環境の構築に向け、市町村に対しましては、各種会議等を通じて子育て世代包括支援センターの設置や産後ケア事業等の実施を働きかけるとともに、支援を行う潜在助産師の掘り起こし等により専門人材の確保や、研修会による母子保健指導者等の資質向上を支援してきたところでございます。
 県といたしましては、今後とも、専門人材の確保や人材育成研修の取り組みを通じて、市町村における子育て世代包括支援センターの体制整備を支援するとともに、市町村や関係機関等と意見交換しながら、広域での取り組みも含めて、地域の実情に応じた事業展開ができるよう、助言を行ってまいりたいと考えております。
〇千葉盛委員 次に、産後ケア事業についてお伺いいたします。
 母子保健法の改正によりまして、自治体における産後ケア事業の実施は努力義務となりました。市町村に対して県は今後どのような支援を行っていくのか、また市町村の課題をどう捉えているのか、お伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 産後ケア事業についてでございますが、市町村が産後ケア事業を実施するに当たりましては、対応スキルを習得した専門人材の確保、あるいは宿泊型ですとかデイサービス型の産後ケア事業を実施できる医療機関や助産所といった地域で妊産婦等を支援する機関の確保が難しいことが課題と認識しているところでございます。
 先ほど医療政策室からも御答弁を申し上げたところでございますが、県におきましては、地域の潜在助産師を掘り起こしまして、事業に御協力いただける助産師のリストアップなどを行っており、さらに研修会等を通じて専門職員の資質の向上を図ってきたところでございます。また、市町村の要望に応じまして、地域の潜在助産師に関する情報提供を行ってきているところでございまして、産後ケア事業等の実施に当たりましては、潜在助産師の活用に至った例も出てきているところでございます。
 これらの取り組みに加えまして、保健所単位で開催しております連絡調整会議の場を活用し、単独ではなかなか事業の実施が難しい小規模な市町村もございますので、広域連携のあり方なども含めて、市町村と意見交換を行いながら、地域の実情に応じた事業展開ができるように助言を行うなど、事業の実施主体である市町村を支援してまいりたいと考えております。
〇千葉盛委員 市町村と連携をしてしっかり行っていただきたいと思います。妊産婦支援、産後ケアもそうですけれども、生まれてくる新生児を大切にするのもそうですし、母体をしっかりと大切にしていく。そして、そういったケアが充実している岩手県なのだということをしっかりと広めていくためにも、どんどん力を入れていってほしいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
 次に、子育て応援パスポート事業について、簡単にお伺いします。
 この事業はどういった目的を持って、どのような効果を期待しているのか。また、対象世帯数とか施設数もお願いします。また、そういった対象になる施設というのは、しっかりと子供の環境、授乳スペースや、乳幼児期等に配慮したトイレ等の設置など、子育てに優しい環境になっているのか、そういったところもお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 子育て応援パスポート事業費についてでございますけれども、この事業は、経済的な負担が増す中で、多子を産み育てようと希望を持つ人たちが、安心して子育てができるように、多子世帯が利用する県営の文化、スポーツ施設を無償化いたしまして、子育てに優しい社会を目指す機運の醸成を図ろうとするものでございます。
 対象世帯数でございますけれども、これは平成27年の国勢調査をもとにしました推計でございますが、おおむね1万5、000世帯程度と見込んでいるところでございます。
 対象施設につきましては、県立施設ということになりますが、22施設を予定しているところでございます。その対象施設の環境整備の状況でございますけれども、例えば授乳スペースを設置しているところは10施設ございますし、乳幼児等に配慮した例えばトイレですとかの環境整備を行っているところは16施設あるというように確認をしているところでございます。
 この取り組みが市町村ですとか民間へ波及いたしまして、多子を産み育てようという希望を持つ方々が、安心して子育てができる環境が整備されることを期待しているところでございます。
〇千葉盛委員 子育て支援の充実という意味では、そういったことも大切なのかなと思うのですけれども、関係している文化スポーツ施設に3人以上の子供を連れていくということが、なかなか大変なこともあると思いますので、まず受け入れ環境をしっかり整えてもらわないとそもそも行けないと思います。
 あと、22施設ということですけれども、例えば私は大船渡市ですが、大船渡市に何施設あって、そして、例えば盛岡市に何施設あるものなのか、その辺の状況をお聞きします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 22施設の市町村別の資料は、ちょっと今持ち合わせていませんので、後ほど答弁させていただきたいと思いますが、やはり県立の施設となりますので、盛岡地域が中心となるところでございます。ただ、大船渡市というお話が出ましたけれども、それにつきましては、県立福祉の里センターがございますので、地域にも幾つかはございますけれども、やはり盛岡市、県央部が中心になっているところでございます。
〇千葉盛委員 そうだと思います。ただでさえ、若い方々、子供を持つ世帯は、私の認識であれば、やはり内陸部、特に盛岡市を中心に出かけてしまうと。それをさらに助長してしまうような政策になってしまうかもしれませんので、先ほどおっしゃっていましたけれども、できれば市町村との連携もどこまで広げられるかは別ですけれども、ある程度、生活圏の中で、ふだんの生活ができる中での施設の無料化なり減免のほうに拡大していっていただければありがたいと思います。休みのたびに多くの人たちが内陸のほうに出かけるということになってしまえば、ちょっと政策としてはどうかなと思いますので、もう少し中身を深めていっていただければと思います。
 そのくらいにしまして、せっかく新しい事業を展開していきますので、子育て支援が充実した県になるように祈っていますので、よろしくお願いします。
〇千葉絢子委員 それでは、私からは、子育て支援について主に伺ってまいります。
 初めに、いわて女性の活躍促進連携会議。先ほど、部局連携の大事な例として、佐々木朋和委員も挙げていらっしゃいましたいわてで働こう推進協議会などにも絡めてお伺いしたいと思います。
 まず、このいわて女性の活躍促進連携会議において、子育て支援部会の事務局は保健福祉部というように環境生活部からは伺っておりますが、担当課は子ども子育て支援課でよろしいのでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 担当につきましては当課、子ども子育て支援課と考えています。
〇千葉絢子委員 では、各部会の報告事項も、事務局の担当課で案をつくっていらっしゃるということでよろしいですか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 部会につきましては、当課が事務局を担当しておりますので、部会の運営なり内容なり取りまとめなりは、当課でさせていただいております。
〇千葉絢子委員 それではお伺いいたします。平成29年の1回目の会議で子育て支援部会の部会長、盛岡大学の大塚先生から三つの論点が挙げられました。これにつきましては、2回目以降の会議で提言も考えているという内容の発言内容でございました。女性の就労継続とか再就職とかといった三つの論点が挙げられていましたが、いずれも就労との関係が深い項目でした。つまり、子育て支援部会が求めているのは、女性の、まずお母さん方の、お父さんも含めてですけれども、就労に関する環境を整備していくことが大切だと認識しているということがわかったわけであります。
 これは4日の総括質疑でも、私、取り上げました。子育て支援、子供の貧困解消については、保育所とかセーフティネットを幾らつくっていったとしても、所得やその労働環境が改善されないことには、どんなに国や県のお金があっても足りないということになっていきます。これらの問題の根本的な原因を解消するには、いずれも親の就労支援や賃金との関係が深いと私は思っているわけですけれども、福祉の観点のみならず、子育て支援は労働施策と一体型で取り組むべきと、私も佐々木朋和委員の指摘に非常に共感をしているわけですが、いわて女性の活躍促進連携会議の子育て支援部会では、この三つの論点について、現在どのような検討が行われているのか把握をしていらっしゃいますか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいま委員から御指摘がございましたとおり、当初は三つの論点に沿って検討をしてまいりまして、その後、2回目以降につきましては、二つに整理させていただきました。その二つに整理させていただきました中身につきましても、やはり保育所における女性の就労支援ですとか働き方改革というところが一つでございますし、もう一つが、企業や社会に、より一層の理解と協力を求めていくための取り組みというところでございます。
 この二つにつきまして、2回目以降の部会で議論をそれぞれしていただきました。こちらは、当課で岩手県子ども・子育て会議も所管をしております。委員の皆様が岩手県子ども・子育て会議の委員も兼ねておりますので、もう少し広い視野、広い部分からの御意見をいただいているところでございます。
 先ほど委員から御指摘いただきましたとおり、就労との関係、雇用との関係は非常に大事だと思っておりまして、今申し上げました二つに整理をした中身につきましても、就労、雇用との関連性が非常に強いところでございます。そういった観点からさまざま議論なり提言なり御意見をいただいている中で、例えば、企業の子育て支援等の働き方改革といいますか、企業の認証の関係とかといったところでは、来年度新たな取り組みに反映する部分もございます。そういった中で、いただいた御意見につきましては、来年度以降、あるいはこれまでの施策の中にも反映させていただいていると思っているところでございます。
〇千葉絢子委員 平成29年のいわて女性の活躍促進連携会議では、確かに、子育て支援部会からは活発な意見が出されておりました。ただ、平成30年以降の議事録を見ますと、部会長の代理として認定NPO法人いわて子育てネット副理事長の両川さんが出ていらっしゃるわけですけれども、両川さんに代表がかわって以降、発言のボリューム、中身については、前年度の取り組みを踏襲していくというような内容になっていて、当初は何十行もあった発言が、5行とか10行とか、本当にボリュームも内容も、私はちょっと薄くなってしまっているなと非常にがっかりした覚えがあります。
 この過去2年間の会議での部会からの報告とか発言内容、年に2回開かれているいわて女性の活躍促進連携会議の全体会議の中でも特に報告はされていないように感じているわけですけれども、施策にどの点を反映させているのかというのが会議録を見ただけでは全くわからないのですが、子育て支援部会として、現在熱心に取り組んでいるのはどんなところなのかを教えていただけますか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほど申し上げましたが、部会におきましては、子育ての部分と仕事の両立の部分と、そういった点に重点を置いて議論していただいているところでございます。
 いわて女性の活躍促進連携会議におきましては、部会における議論の内容につきまして、確かに部会長あるいはその代表の委員の方から御報告をいただいていると思いますが、その中身につきましては、部会での中身をきちんと報告していただいていると思っております。先ほど委員からは、会議録を見まして、ボリューム感が薄いというお話もございましたけれども、中身はしっかりと報告させていただいているという認識を持っているところでございます。
 いわて女性の活躍促進連携会議の中では、確かに出席いただいているさまざまな立場の方に大所高所から御議論いただく場だと思っておりまして、部会の取り組みにつきましては、御意見をいただける貴重な機会だと思っているところでございます。実際にいただいた御意見は、なかなか少ないところがあるかもしれませんが、いずれそういった御意見をいただく場だと認識しているところでございます。
 先ほども申し上げましたが、部会でいただいたさまざまな意見をもとにいたしまして、例えば、本年度から新たに実施をしておりますけれども、年度途中の保育ニーズに対応するようなモデル事業だったり、あるいは企業等認証の関係におきましては、さらに企業における仕事と子育ての両立支援が進むような促進策につきましても事業化をする予定でございますので、今後も、子育て支援を通じた女性活躍の推進には、部会を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
〇千葉絢子委員 先ほどから問題になっているのは、子育て支援は保育所の入所ニーズとかそういったものだけではないと。その就労をどうしていくかという観点から、やはりきちんと連携したほうがいいのではないかと佐々木朋和委員もお話をなさって、そこに部長から答弁もあったわけです。
 今の課長の御答弁ですと、今までどおりの形を踏襲していくという、何か後戻りしているように感じるのですが、もう少し前向きに取り組むために、お互い進捗管理をしてはどうかと思うのですけれども、それこそプロジェクトチームをつくって本当に機能する会議にしていかなければいけないと思っています。
 だって、岩手県子ども・子育て会議とこの子育て支援部会、それから、いわてで働こう推進協議会の取り組み、大体出てくる意見は同じですよね。それを、会議を二つも三つも重ねて意見をもらったところで、それをどのように施策に反映していくか。子育てに関するものは、保健福祉部でできるメニューはこれだからということで提示をするだけではなくて、この取り組みは、最終的に商工労働観光部のこの施策がうまくいくからここのニーズが満たせるのであってというような、やはりお互いを意識した進捗管理にしていかなくてはいけないと思っています。
 野原部長、もう一度、環境生活部と商工労働観光部とどのように具体的に連携をしていかれるかをお伺いしたいと思います。
〇野原保健福祉部長 子育て支援に関しましては、委員御指摘のとおり、就労の部分は非常に重要だと認識しています。例えば我々は岩手県子ども・子育て会議を持っていて、教育委員会とかさまざまな部局に入っていただいているのです。ともすると、それで一応共有はしているつもりになっているところはあるかと思います。委員御指摘のとおり、連携して、お互いどう補い合っていい形にできるかという部分はやはり進めていかなくてはならないと思っておりますので、商工労働観光部また環境生活部でやっている会議、委員も同じような方々がいて重複しているような課題の場合は、少し適切な論点の設定でありますとか議論を活性化するための我々の資料づくりであるとか、さまざま工夫しなくてはならないと考えております。どういう形で議論を活性化させていくかは、関係部局とも意見交換を進めていきたいと思います。
〇千葉絢子委員 この会議は長さが1時間半なのですね。その間に資料の読み合わせで1時間ぐらいかかっていると出席している方から聞いています。30分で年に2回、それで本当に子育て支援とか就労支援が進んでいくのかというところを、やはり担当課としても自問をしていただきたいと思います。この会議の主な目的は資料をつくることではないのですよね。実際、施策としてどう実効性を高めていくかというところだと思いますので、そこは各部局本当に連携をしていただきたいと思っております。環境生活部にも同じようなことを言いました。あしたの商工労働観光部にも、直接申し上げる予定でありますので、しっかり新年度は進めていただきたいと思っています。
 今の子ども子育て支援課の考え方が生かされているのがいわて子どもプランだと思うのですけれども、現在これは策定中ですね。資料を頂戴して、私も拝見をしております。この中の推進する施策において、子育て家庭への支援をいわて子どもプランの中でも上げています。ここでは福祉の観点からの子育て支援のみならず、職業生活と家庭生活との両立のために必要な職場環境の整備に向けて、仕事と子育ての両立を支援する企業の認証、表彰の実施などにより、子育てにやさしい職場環境づくりを推進するとあります。
 これに関連いたしまして、今年度6月に公表されたいわてで働こう推進協議会の働き方改革及びワーク・ライフ・バランスに関する調査結果を見ますと、次世代育成支援対策推進法に基づく、先ほど子ども子育て支援課総括課長から御紹介がありました制度、一般事業主行動計画について、知らないと答えたのが44.3%、そして、取り組みなしと答えている企業が81.8%あるのですね。そして、いわて女性活躍企業等認定制度について、知らないは47.6%、取り組みなしが91.2%です。えるぼし認定、知らないが51.9%、取り組みなしは97.3%。この各種制度について、知らないと回答した企業は半数以上、また、取り組んでいないと回答した企業も80%から97%に上っている。このアンケート結果はごらんになりましたか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 拝見しております。中身については確認をさせていただいております。
〇千葉絢子委員 それをごらんになって、本当にこの取り組みが進んでいると思われますか。いつも子育て支援というと、こういう取り組みに力を入れてまいりますとおっしゃいますが、本当に現場で進んでいると思いますか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 子育てと仕事の両立支援という観点から申し上げますと、当方で担当しているところでは、いわて子育てにやさしい企業等の認証という取り組みがございます。そこにつきましては、現時点で108の企業に認証を取得いただいているところではございますけれども、速度的に見ますと緩やかかなという印象は確かに私自身も持っているところでございます。
 ただ、そういった点も踏まえまして、先ほども申し上げましたが、一般事業主行動計画の策定が進むよう、あるいは県における認証制度でございますけれども、いわて子育てにやさしい企業等の認証等が進むよう、来年度に向けて新たな取り組みをさせていただきたいと考えております。
 一つは、今も委員からお話がありましたとおり、広報というところが大事だと思います。まず知っていただくというものに関しましては、単独のわかりやすいパンフレットをつくらせていただいて、それをまずお配りしたいと思っております。もう一つは、企業の取り組みが進むためには、経営層の方、いわゆるトップの方々に御理解いただくことが非常に大事だと思っておりますので、令和2年度の予算には、企業のトップの方々を対象としたトップセミナーの予算を盛り込み、各地域ごとに実施したいと思っております。
 また、一般事業主行動計画は、従業員100人以上のところについては策定が義務化されておりますので、いかに100人に満たない企業に取り組んでいただくかが大事だと思っております。その中でも、やはり重点化を図って訪問活動し、計画を策定していただくような取り組みをしたいと考えております。100人以下の中でも、例えば50人以上の企業とか、重点化を図りまして、訪問活動あるいは新たにつくりますパンフレットを用いまして、トップセミナーにも参加をしていただきながら、理解が進むような取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇千葉絢子委員 ちなみに、今、御紹介のありました、いわて子育てにやさしい企業等認証、平成30年の調査結果では、知らないが47.8%、取り組みなしが97.6%ですので、御紹介をしたいと思います。
 ちなみに、訪問するとおっしゃっていますけれども、県内には5万社あるわけですね。年間500社回ったところで100年かかるのですよ。訪問活動よりもやらなければいけないことはたくさんあると思いますし、それは保健福祉部だけで頑張るのではなくて、やはりほかの部局ときちんと対話をしてください。よろしくお願いいたします。
 次に、いわて子どもプランの策定の話に戻りますけれども、この策定主体は保健福祉部です。子供の貧困対策を推進するためには何が必要だと書かれているかといいますと、保護者に対する職業生活の安定と向上に資するための就労支援の充実、教育の支援の確実な実施、相談支援の強化を図るなど環境整備を進めることが必要ですと書いてあります。そのために保健福祉部は具体的に何をするのでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 現在、いわて子どもプラン中間案を議会に報告させていただいているところでございますし、今、委員から御紹介いただいたとおりの取り組みの中身を進めたいと考えております。
 ただ、このいわて子どもプランの中でも、子育て支援の中で、先ほどからお話が出ていますけれども、雇用、就労につきましては力を入れたいと考えております。
 なお、今現在、昨年度実施いたしました岩手県子どもの生活実態調査の最終取りまとめを行っているところでございます。その中におきましても、なかなか時間がないために仕事との両立が難しくて、子供を医療機関に連れていくことができないとか、あるいは、特に母子世帯におきましては、フルタイムで就労している割合が低いといったような課題は明らかになってきておりますので、そういったところの就労支援を中心としたさまざまな相談支援ができるような取り組みを、調査結果をもとにいたしまして、いわて子どもプランの中間案にも盛り込みながら、取り組みを進めていくこととしております。
 さらに、先ほど委員が、子育て支援は保育所の入所ニーズとかだけではないとおっしゃいましたけれども、そういったところもやはり両面大事だと思っております。就労支援の部分、それから、就労するための企業に対しての子育てに関する理解、あるいは、先ほど申し上げましたとおり、子育ての保育の部分、子供を預かるという部分についても就労の上では大事でございますので、総合的に取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〇千葉絢子委員 考えていただきたいのは、そういう世帯が介護も抱えた場合にどうするかなのです。介護は40歳以上、50歳以上の人が直面するものではありません。実際にひとり親で乳幼児を育てている方が、同時に介護を抱えるパターンもあるわけですね。そういったときに本当にその答弁でいいのかと。平日、仕事をしている人が、いつ相談に行ったらいいのでしょうか。子供と介護の合間を見て相談に行くのが本当にできるかというところを考えていただきたいと思います。そこが寄り添うということなのではないでしょうか。
 皆さんに見ていただきたいのは、病院とか施設とかそういうところじゃない、私たち議員でもないのです。本当に困っている県民の方々にどのようなサービスが必要とされているか、そのための子どもの生活実態調査であり、各部局でやっているアンケート調査の結果があるのだと思うのですね。
 私が指摘したいのは、県の計画とか事業は、PDCAのP、プラン、あるいはドゥー、アンケート調査とかイベントの実施、先ほどのセミナーとかですね、そういうもので、こういうことが課題になっていますでとどまっていることが多いのではないでしょうか。これは、岩手県ふるさと振興総合戦略を見てもそうですけれども、じゃ、具体的にどうするかというところまでは行っていない。私は、チェックの観点ももっと取り入れて、改善策を検証していくことが大事だと思っています。
 皆さんのやっていること、これは保健福祉部だけに限りませんけれども、PDE、プラン、ドゥー、エンドもしくはPDO、プラン、ドゥー、終わりなのですよ。きちんとチェックをしていただきたいと私は思っています。
 子供たちの貧困を解消するための施策ですけれども、岩手県人口ビジョンの中の女性の所得の年代別傾向もごらんになっているとは思いますが、子育て世代の女性の所得ボリュームゾーン、わかっていらっしゃいますよね。20代女性は150万円から200万円なのです。30代女性、まさに子供を育てている女性の年収のボリュームゾーンは、そこから50万円少ない100万円から149万円になっているのです。ここの問題を何とかしなければ、子育て支援は、どんなに保育所の入所定員を確保したりしても進まないのですよ。一番お金がかかる学齢期の子供を持っている30代女性のボリュームゾーンが、年収100万円から150万円だというところをしっかり考えて、このいわて子どもプランを考えていただきたいと思っています。
 最後にします。プランというのは、つくって終わりではなくて、本当に産み育てやすい環境がつくられているか、きちんと検証をしていくべきだと思っています。そのための親の支援に、言葉だけではなくしっかりと取り組んでいただきたいと思っています。
 いわて子どもプランの中では、高校の進学率とか、経済指標とは何の関係もないところが成果指標とかになっている。それで本当にいいのでしょうかというのを私はちょっとお尋ねしたいのです。これはまだ策定、決定までにはちょっと時間があると思いますので、最終案はいつ出るのでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほど申し上げましたが、いわて子どもプランの中間案につきましては、今定例会で報告させていただいたところでございます。この中身につきましては、昨年度実施いたしました岩手県子どもの生活実態調査の最終的な報告の内容をきちんと盛り込んで策定することにしておりますので、本来でしたら年度内の策定を考えておりましたが、岩手県子どもの生活実態調査の最終報告の取りまとめに時間がかかっておりますので、年度を越えてしまう状況でございます。
 いわて子どもプランの策定につきましては、議会に御承認をいただかなければなりませんので、6月もしくは9月定例会で承認議案としての提出を考えているところでございます。
〇千葉絢子委員 ただ、これは取り組むのは2020年度からになっていますので、6月でも私は遅いと思うのです。9月なんて本当にもってのほかだと思います。これはしっかりと議論をしなければいけない計画だと思っていますので、私は、ここはきちんと注目させていただきたいと思っています。
 本当はこのほかにも、若い世代でふえている自殺問題とか、あとは、施設で育つ子供たちの里親委託、社会的養護自立支援事業も充実させていかなくてはいけないと思っています。今後取り上げていきたいと思っておりますが、きょうは次回の予告で終わりたいと思います。
〇岩渕誠委員 まず、新型コロナウイルス感染症関連でお伺いします。質問が重複している部分は割愛をさせていただきたいと思います。
 現状の取り組みとすれば、感染症指定医療機関の9病院の38床をきちんと確保して、それで受け入れて重症化を防ぐということをまずやっていると思いますし、帰国者・接触者外来も医療圏ごとにあると思いますけれども、これがきちんと機能することで当面取り組んでいると思いますが、その次に来ているのが、恐らく一般病床への受け入れの整備の問題だと思います。
 厚生労働省は、2月末現在で、既に2、000床の感染症の対応病床があるけれども、さらに5、000床以上を確保したと言っていますが、県として確保した病床はあるのでしょうか。
〇今野副部長兼医療政策室長 一般病床の確保の状況でございますが、感染症指定医療機関の感染症病床以外でございますが、現在、県としては、県内において患者の発生拡大といったことも想定いたしまして、新型インフルエンザ患者入院医療機関や感染症指定医療機関の感染症病床以外の病床への搬送等の対応も含め、関係医療機関による医療連絡会議の開催等を通じまして、現在、準備を進めている状況でございます。
〇岩渕誠委員 今月6日付の厚生労働省の通知を見ますと、ピークになると4、300人の外来、入院が2、500、重症はそのうち80という数字が出ていまして、これは推計ではなくてシナリオだという言い方をしています。つまり、ある程度ありますよということを想定しているわけですが、現状、岩手県の病床数は全体で1万3、643床あります。そのうち回復期、慢性期が5、300床程度でありますから、恐らくその収容が見込まれるのは高度急性期あるいは急性期、もしくは休棟中の病床ということになろうかと思うのです。具体的な取り組みは今まさに協議中ということですが、基本的には、どういう考えで、どういう病床にこの患者を入院させることを想定されているのかをお聞かせください。
〇今野副部長兼医療政策室長 具体的には、今、関係医療機関の中で協議中ということではございますが、先ほど申し上げましたように、新型インフルエンザ患者入院医療機関、それから、感染症指定医療機関の感染症病床以外の病床、そういったものを中心に検討を進めているということでございます。
〇岩渕誠委員 これは指摘しておきますけれども、いずれ回復期、慢性期を除くと、実質的に休床中も合わせて岩手県内では8、000床あると。そのうちの2、500床を入院に想定するということは、相当の体制を組んでおく必要はあるということであります。病床の利用率にも関係してくると思いますし、それぞれの病院の医療資源ということもあると思いますけれども、ここが非常に心配される部分でありますので、恐らく各圏域ごとにできれば一般病床も整備されると思いますので、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。
 ここまでの話は、岩手県の場合はどうしてもおおむね公的病院が担っている役割になるかと思うのですが、現状で、今、ルールどおりやれば、帰国者・接触者相談センターに行って、帰国者・接触者外来を紹介されて、そこでPCR検査をして、悪ければ入院、こういう話になるのですが、ただ、どうしても民間クリニックに行くというのが実際だと思います。ましてや、今は花粉症があり、風邪があり、インフルエンザがあり、どういう症状かよくわからないということで、民間クリニックに行くところが多いと思うのですけれども、その辺の感染対策であったり、あるいは役割分担ですね、これはどういうふうに周知をして、徹底するおつもりなのでしょうか。
〇今野副部長兼医療政策室長 先ほど来、御答弁申し上げているところでございますが、医療機関での感染拡大を防ぐという趣旨から、帰国者・接触者相談センターから帰国者・接触者外来といった流れを基本といたしまして対応しているということでございます。
 ただ、委員がおっしゃったとおり、民間クリニックを受診してしまうといったケースも考えられるということでございまして、そういった意味で、新型コロナウイルスへの感染が疑われる場合については、適切に帰国者・接触者相談センターから帰国者・接触者外来につないでいただく。そういった役割も含めて、医療連絡会議には県医師会からも参加をいただいて、連携を図っているといった状況でございます。
〇岩渕誠委員 教科書どおりだとそうなのですけれども、大体そのとおりにならないのが世の中であります。例えば、もう少し職場に対してとか、いろいろなところに働きかけをして情報の周知徹底をしないと、絶対教科書どおりにならないということを言っていただきたいと思います。
 その教科書どおりにならないのは実は県境地帯でありまして、岩手県民が宮城県に行って受診するケースもありますし、その逆もある。それは職場に属して、例えば宮城県の人なのだけれども、一関市に職場があって、具合が悪いので一関市に行きますと。そのときに、宮城県のところへ行ってくださいと、そんな話にはならないと思うのです。ただ、震災のときには、ヘリコプターを一つ飛ばして搬送するだけでも、これは当時の法制度の中で厳密に言うと違反だった。それが教訓になって変わりましたけれども、そういうことはあるわけです。
 特に今、岩手県はまだ感染者がゼロですとか、宮城県は1人ですとか、そんな話をするのですが、我々県境に住んでいますと、そんなのは余り関係ない話でしてね。それよりは、どっちに行ってもきちんとやってくれということが大事ですけれども、その辺はきちんと体制はとれていますか。
〇今野副部長兼医療政策室長 現在の体制としては、県境においてそういったケースが生じた場合に、こうしてくださいといった形で具体的に対応をしているわけではございませんので、委員の御指摘を踏まえて、そこら辺につきましても周知は図ってまいりたいと思います。
〇岩渕誠委員 県境部分はやっぱりだめなのですよ。我々は、よく俗に宮手県と言いますけれども、県境は青森県と岩手県のところもあると思いますが、いずれそういうところを県の意識でやっていくとエアポケットになってしまいますから、これはきちんと宮城県や他県とも協議をしていただきたいと思います。実際には医療圏は関係ないですから、やっていただきたいと思います。
 次の質問に入ります。市町村の避難所運営マニュアルにつきましては、決算特別委員会で吉田敬子委員、そして私も質疑をさせていただきました。年度内には要配慮者への対応状況について県でまとめるという話でありましたけれども、実際はどのようになっているのでしょうか。
〇駒木保健福祉企画室管理課長 委員からの御指摘を受けまして、ことし1月末時点の県内の状況について調査をいたしましたところ、避難所運営マニュアルを策定していると回答があったのは24市町村でございまして、そのうち県のモデルを準拠している15市町村の避難所運営マニュアルにつきましては、要配慮者についての記述を確認しているところでございます。
 今後とも、避難所運営の主体である市町村や福祉避難所となる施設等、関係団体、医療機関等と連携しながら、避難を余儀なくされる要配慮者の方々の避難所における生活の質の向上に取り組んでまいります。
〇岩渕誠委員 ちょっと驚きであります。これだけ災害が発生して、災害弱者に対する部分をどうするかと、今回の予算特別委員会の中ではストーマ(人工肛門)の話も出ました。そういった中で、別に県のマニュアルに沿う必要はないのですけれども、要配慮者への対応がないというのもあるし、そもそも策定していないというのがありますね。これは働きかけ程度で済むものなのか。相当力を入れてやらないと、正直言って、洪水シーズンまでにやらないと大変だと私は思っておりますが、いかがですか。
〇駒木保健福祉企画室管理課長 市町村がつくっているマニュアルにつきましては、見ていきますと大きく二つに分けられております。一つが避難所開設マニュアルといったようなもの、それから、東日本大震災津波のような大規模災害を想定して、避難所の開設から撤収に至るまで記載された避難所運営マニュアルといった二つに分けられるかと思われます。避難所開設マニュアルにつきましては、要配慮者の把握の記述にとどまっておりまして、対応状況までは記載がない状況でございます。
 現在、そういった要配慮者への対応について記載がない市町村におきましては、県の作成モデルを準用しているものと考えておりますけれども、それぞれの市町村における地域特性を踏まえたマニュアルが整備されるよう働きかけをしていきたいと思っておりますし、実際に、1月には沿岸部の市町村にも出向いたこともございます。今後とも、マニュアルの策定に向けて、各市町村に働きかけをしていきたいと思っております。
〇岩渕誠委員 これは、マニュアルがないことも問題ですけれども、問題は、そのマニュアルをつくろうとする動きがあるかないか、そして、そこに一般住民が困っていることを反映する場があるかどうか、これが最も大事であって、それがあれば、そのマニュアルは生きたものになりますし、新しい課題も出てくると思います。ぜひ、これは手法を考えて策定していただきたいと思います。
 それから、県の市町村避難所運営マニュアル作成モデルも平成26年3月の策定であります。この間、台風災害もありましたし、資機材の進化もありました。私は、マニュアルと言うからには、やっぱり点検をしなければならないだろうと。本当は3年に一遍ぐらいとか毎年とかというのが理想的なのでありますが、5年たっています。この見直しの必要性も含めてどのように考えていますか。
〇駒木保健福祉企画室管理課長 確かに、委員御指摘のとおり、見直しの必要性は感じているところでございますし、国におきましては、令和元年東日本台風災害を初め災害が頻発する中で、女性の視点からの防災と復興の重点が増しているとの認識のもと、平成25年に策定された男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針を今年度中に見直すと聞いております。
 これらの国の動きを注視しつつ、他県のガイドラインやハンドブックも参考に、男女共同参画の推進を所管する若者女性協働推進室ですとか、物資の備蓄を所管しております総合防災室などの関係部局と連携して、見直しをしていきたいと考えております。
〇岩渕誠委員 見直しをしたいということですが、来年やりますか。
〇駒木保健福祉企画室管理課長 見直しをします。
〇岩渕誠委員 ぜひ、しっかりやっていただきたいと思います。
 最後に、妊娠支援のお話をさせていただきます。これは一般質問でも取り上げました。そのときは社会的理解に注力した形でお話をさせていただきましたけれども、一方で、経済的負担もやはり現実的にあると思います。その多くは高度生殖補助医療に関してのものでありますけれども、県内における高度生殖補助医療の実施状況について把握されているでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 高度生殖補助医療の実施状況についてでございますが、県で行っております体外受精などの特定不妊治療に係る費用助成を受けずに治療を行う方もいらっしゃいます。これは、県の制度の中において、所得制限があったり、年齢制限があったりということがございます。ですので県全体の正確な数値は承知しておりません。
 ただ、県における直近3年の助成件数で申し上げますと、平成28年度が601件、平成29年度が573件、平成30年度が568件となっているところでございます。
〇岩渕誠委員 実施機関は県内ですか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 県内と県外がおおむね半数ぐらいのパーセンテージでございます。
〇岩渕誠委員 実はそこが問題なのです。この高度生殖補助医療の中で一番の問題になってくるのは、前はPGSと言いましたが、今はPGT−Aと言うそうでありますが、いわゆる着床前遺伝学的検査、着床前スクリーニングと言われるものなのですね。これは、日本は全世界の中で症例数はトップですが、この着床前スクリーニングの実施については、いろいろな意見がありまして実施に至っていない。そのことによってアメリカの7割にとどまっているという状況にあります。
 このことによって何が起きているかというと、これは費用負担の問題にもなりますし、不妊症になる可能性がある女性の精神的負担もあると。したがって、このPGT−Aの解禁を求める声がかなり出ております。
 公益社団法人日本産科婦人科学会では、今ガイドラインをつくってやっていますが、問題は、指定という形ではなくて認定という形になりましたけれども、これをできるところは限られていると思います。県内でできるところはありますか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 着床前診断につきましては、ただいま委員から御紹介がありましたとおり、まだ臨床研究段階だという認識をしているところでございます。これは公益社団法人日本産科婦人科学会の認可手続が必要だというところは理解しておりますけれども、県内の施設の認可状況につきましては、当方では承知できていないところでございます。
〇岩渕誠委員 この着床前診断につきましては、宗教観であったり道徳観であったり、さまざまな問題が指摘をされている中で、日本の場合は、ようやく臨床検査までということになってきて諸外国との差が大きいと。その中で、女性の皆さんの肉体的負担、そして、経済的負担がかなり出てくるわけです。一般的なタイミング法と言われるものよりも、体外受精について言うと100倍費用がかかると。
 PGSについて言えば、受精卵の中の異常な染色体について、これをスクリーニングをかけるということで、いろいろ誤解を招くような表現にはなるのですが、これをそのまま着床しても妊娠に至らないケースがほとんどです。生化学的妊娠に終わるというのがほとんどという状況ですから、これを改善しないといけないのですが、現実は、それができるところはやはり県外が多くなっている。
 そうなると、移動経費の負担が結構出てくるわけであります。もちろん体外受精そのものの負担も高いのですけれども。そういうことから言うと、岩手県内の状況を見て、今の補助金額、経済的な支援の部分を拡充していく必要があると私は考えているのですが、その辺をどのように御認識されていますか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほども申し上げましたが、着床前診断につきましては、研究段階だというところがございます。委員からも御紹介がありましたとおり、倫理的にどうかというお話も確かにございます。ですので、そういった状況につきまして、実態を把握させていただきたいとは思っております。
 今、委員からも御紹介がありましたとおり、そういうことがあるので県外に行かれる。そうすると、交通費なり費用がかかるというところもあると思いますので、そういったところも含めまして、実態については可能な範囲で把握をしてまいりたいと思います。
〇岩渕誠委員 これは臨床試験段階ですけれども、あと2年で終わります。恐らく門戸は開放されてくるだろうと。それまでに県内医療施設でできるというのはなかなか厳しいと思いますし、患者ベースに立って見ると臨床数の多いところになりますから、そうなると当然、そのもの自体が認可になったとしても、依然としてかなりの費用負担がかかると思います。交通の問題、受診の問題も含めて、今、課長がおっしゃったように、ぜひ、経済的な部分も含めて拡充をお願いしたいと思います。
〇吉田敬子副委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほど千葉盛委員から御質問のありました、子育て応援パスポートを利用できる施設、22施設につきまして、市町村ごとの状況を御報告させていただきたいと思います。
 ちょっと数が多くなりますけれども、盛岡市が11カ所、宮古市が1カ所、大船渡市が1カ所、花巻市が1カ所、北上市が1カ所、二戸市が1カ所、八幡平市が2カ所、雫石町が1カ所、金ケ崎町が1カ所、山田町が1カ所、一戸町が1カ所でございます。
 広域振興局別で申し上げますと、盛岡が14、県南が3、沿岸が3、県北が2、こういった状況でございます。
〇城内よしひこ委員 まず、看護職員の確保状況についてお伺いしたいと思います。修学資金の貸し付けを利用している方と次年度に利用しようとされる方々はどれぐらいいらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
〇福士医務課長 看護職員修学資金の状況でございますけれども、毎年度110名の貸付枠を設けて県で貸し付けを行っているところでございます。来年度につきましても、この110名、これには罹災者による申し込みの枠10名を含みますけれども、110名の貸付枠を来年度当初予算に盛り込んだところでございます。
〇城内よしひこ委員 応募される方は何人いて、110名の定員になっているのでしょうか。
〇福士医務課長 来年度、貸し付けを予定している方につきましては、これから、看護職員養成施設に入学が確定してからの申し込みということになりますので、今ちょうど周知を行っているところでございます。新年度4月、5月ぐらいになってからの最終的な決定ということになってまいりますけれども、例年のところで申しますと、110名の貸付枠に対して、それを2割、3割ぐらい上回る方の申し込みが来ている状況でございます。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、利用したいという方々に門戸を開いていっていただいて、岩手県の医療資源の充実を図ってほしいと思います。
 そのこととあわせてお伺いをするのですけれども、看護職員修学資金を利用された方々は、どれぐらい定着をしているのかお伺いしたいと思います。
〇福士医務課長 看護職員修学資金を貸し付けた方の定着状況ということでございまして、一つ短期的なところで申し上げますと、昨年度末、平成31年3月に卒業した貸付者、利用者の方の状況で見てみますと、就業した方が109名いるのですが、そのうち県内に101名が就業しているということで、県外に就職した方はその後の返還ということになりましたが、県内就業率は92.7%となっております。
 我々といたしましても、こういった貸し付けを利用した方が、最終的に県内に残っていただくのが一番の定着策でございます。貸し付けが終わって、所定の義務の年限があるわけですけれども、その後に、その方々にアンケートもとっているところでございますが、回答があった方々については、おおむね、そのまま就業するという回答をいただいているところでございます。
〇城内よしひこ委員 まず、県内に看護師を定着させてほしいと思いますし、その皆さんの取り組みについては一定の評価はいたします。ただ、岩手県で育てています看護学生が県外に流出するということ、特に、県費を使って育てた子供たちが県外に出るということはいかがなものかなと思ったりもしています。ぜひ、そういった子供たちにも、県内での働き場所の優位性であったり、有意義であることもPRをしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
〇福士医務課長 先ほど御答弁申し上げましたとおり、1割までは行きませんが、数名が県外に就業してしまったということで、我々も非常に残念に思っているところではございます。いずれ、こういったことが起きないように、少なくとも県費を投入して養成した看護師につきましては、全て県内に就業してほしいという思いで我々も取り組んでいるところでございます。
 まず一つといたしましては、貸付時からそういったボタンのかけ違いがないように丁寧に説明をした上で貸し付けを行うこと。そして、貸付期間中、いわゆる養成所に修学している間につきましても、県で毎年就職説明会とかいろいろなセミナーのようなものも開催しておりますし、また、養成看護師のみならず、広く体験就業なども県の働きかけで行っているところでございますので、こういった中で、県内に就業することの魅力といったものを丁寧に伝えてまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、そこはよろしくお願いします。
 そこで、看護師の不足の状況と新年度の取り組みはどういうふうになっていますか。これまでも、いわてナースアクション等でいろいろ取り組みをされているのは承知しておりますが、状況についてお伺いしたいと思います。
〇福士医務課長 県内の看護職員の不足状況でありますけれども、先ほど委員からも御紹介がありましたとおり、いわて看護職員確保定着アクションプランの中にいわてナースアクションなども含まれるわけでございますけれども、こういったものによりまして着実に増加は続いているものと考えているところでございます。全国的な比較で申し上げますと、10万人当たりの看護職員数は全国平均を12%ぐらい上回っている状況でございます。まだまだ不足するという声はありますけれども、徐々にではありますが、解消に進んでいるものと考えているところでございます。
 来年度に向けての取り組みということでありますけれども、引き続き、このいわて看護職員確保定着アクションプランに基づきまして、修学資金の貸し付けにより、新規の県内就業者の拡大を推進していくことを軸といたしまして、また、それに加えて、さまざまなセミナーなどを通じた看護を目指す方の拡大などにも取り組んでいくこととしております。また、再就業支援への取り組みも重要でございますので、県ナースセンターなどの取り組みを通じまして、きめ細かなマッチング支援あるいは復職研修などに、来年度も引き続き取り組んでいくこととしております。
〇城内よしひこ委員 ぜひ、よろしくお願いします。県民の安心・安全を守る上で一番大事なものの一つであると思っております。
 そこで、先ほど岩渕委員と部長とのやりとりの中でちょっと気になったのですけれども、今はやっている新型コロナウイルスへの感染者が岩手県でまだ一人も出ていないということですが、その中で、県ではこれまでかかりつけ医を推奨してきた。県立病院の医師の働き方改革も含めて、かかりつけ医が大事だということで、とりあえずまちの開業医にかかって、そこからという流れをつくってきたと思っています。ですので、今後、もし万が一新型コロナウイルスへの感染者発生するとしても、多分かかりつけ医にかかってから皆さんのところに照会されたりするケースが出てくるのだろうと思っています。そういうことの心配はされていないでしょうか。
〇野原保健福祉部長 委員御指摘のとおり、例えば2009年に新型インフルエンザが国内で流行して、結局、今では季節性インフルエンザとして定着してしまったわけですけれども、あのときも、やはり最初はいわゆるクラスター対策、学級閉鎖、学校閉鎖をしていって、ある時点で、あのときは検査薬もありましたし治療薬もあったこともあるのですが、一般の医療機関でも、きちんとかかりつけ医が診ましょうという形になりました。
 今回は、それとケースが違いますのでもちろん一概に比較はできませんけれども、やはりかかりつけ医を持っている患者に関しては、こんな症状ですよというのは、かかりつけ医に電話等で連絡していただいて、例えば時間をあらかじめずらしていただくとか、そこは多分それぞれの先生方が工夫できるのではないかと思っております。そういった点については、医師会の先生方とも今さまざま議論をしております。
 全てが新型コロナウイルス感染症ではありません。持病が悪化してしまうということのほうが多分もっと多いかと思いますので、持病については、きちんとかかりつけ医の先生に診ていただく。疑われる場合については、例えば時間をずらして来ていただくとか、さまざま現場のほうで工夫をしながら対応してまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 新聞にも出ていましたけれども、岩手県はPCR検査の件数が少ないわけであります。これが一気に出たとき、かかりつけ医であったりが、もし、そこにかかっていて、そこから発信源になる―発信源になるという言い方は変ですけれども―そういった状況が出た場合はどのように取り組むのか。先ほど医師会との連携という話もされましたけれども、今のうちにしっかりと傾向と対策を立てるべきだと思います。そうしていかないと県民の不安が一層増すばかりだろうし、それによる混乱が起きかねない。ましてや、先ほどの看護師の方々に対するしっかりとしたその要望も含めて対策をとらなければいけないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
〇野原保健福祉部長 報道等による情報ですけれども、日本医師会では、例えばインフルエンザの診断で咽頭拭い液とか鼻の検査をするのですけれども、あれは、もし新型コロナウイルス感染症だった場合、確かにリスクが高い行為になりますので、地域ではやっている状況とか症状等を鑑みて、そういった臨床的な判断で、検査をせずに処方するとかということもしましょうといったような呼びかけをしていると承知をしています。
 患者は、さまざまな症状がありますので一概には言えないのですけれども、かかりつけの先生ですと患者の状態をずっと診ていますので、普通とちょっと違うなという状況であれば、そこは多分臨機に対応していただけるものと考えております。そういった情報につきましては、医師会等と緊密に意見交換をしながら、現場の医療機関に過度に負担にならないように、そして、患者が適切な医療を受けられるように体制を組んでまいりたいと考えております。
〇城内よしひこ委員 希望的な観測ではなく、ぜひ周知徹底をして、緊密に連絡をとり合って、今になって水際という言葉はないのかもしれないけれども、岩手県で蔓延をしないようにお願いしたいと思います。
 次に、民生児童委員の確保の状況についてお伺いしたいと思います。現状と課題、平均年齢、性別はどのようになっているかお伺いしたいと思います。
〇菊池地域福祉課総括課長 民生児童委員の確保の現状と課題についてでございます。中核市である盛岡市分を含めた本県の定数は3、774人で、昨年12月1日に行われた一斉改選時の委嘱人数は3、602人、充足率は95.4%となっております。その平均年齢は66.0歳で、平成28年の前回改選時から0.6歳高くなっております。性別の割合では、男性が41.5%、女性が58.5%で、前回改選時との比較では、女性の割合が1.4ポイント増となっております。
 一斉改選後、県内の市町村では、自治会等の協力を得て候補者の掘り起こしを引き続き行っておりまして、3月1日時点の委嘱人数は3、645人と43人増加しておりますが、充足率は96.6%にとどまっており、引き続き、なり手の確保に取り組む必要があるということでございます。
 なり手の確保が難しい主な要因といたしましては、民生委員の役割や活動について住民の理解が必ずしも十分ではないということで、活動内容に対する負担感が大きいといったことなどが挙げられておりまして、やりがいを初め、民生委員活動に対する正しい理解の普及が求められていると考えているところでございます。
〇城内よしひこ委員 民生委員の方々は結構ハードな仕事をしていますし、県でも、この間、各部局でのいろいろな話の中で、民生委員にお願いして仕事をするという部分もたくさんあります。ますます負担感がふえていくわけであります。ましてや、今、個人情報の中で、民生委員が平均的に言うと二、三年でかわるのですよね。長くやっている人はたくさんいますけれども、そうでない方もたくさんいらっしゃいます。とすると、なかなかなれない状況であって、なかなか話がかみ合わないという状況があるようであります。ぜひ、しっかりと対応をお願いしたいと思います。
 そこで、新年度の不足も含めて、民生委員に対する軽減策も含めて、取り組みがありましたらお伺いしたいと思います。
〇菊池地域福祉課総括課長 来年度の取り組みについてでありますが、多くの県民の方に民生委員の制度、役割を知っていただき民生委員になっていただく、あるいはその活動を支援いただくことが重要でありますので、市町村や県の民生委員児童委員協議会と連携しまして、県民の理解を深めるための普及活動、それから、ラジオ、広報紙など、さまざまな媒体を活用して広報を行っていくこととしております。
 それから、民生委員を継続していただけるよう、研修会を開催しまして、必要なスキル習得への支援を行いますほか、沿岸被災地におきましては、学識経験者を交えて、民生委員同士が日ごろの活動について助言をし合う機会を設けるなど、精神的負担の軽減にも引き続き取り組んでいくこととしております。
 それから、活動費についてですけれども、民生委員の円滑な活動を支援するということで増額を行うため、当初予算にその増額経費を盛り込んでいるところでございます。
 県としては、こうした取り組みによりまして、活動しやすい環境の整備を図り、定年退職を迎えた年代の方など潜在候補者の掘り起こしを支援していくほか、研修会等の開催などによりまして、継続していただくための支援にも取り組んでまいります。
〇吉田敬子副委員長 この際、世話人会の申し合わせにより、10分間ほど休憩いたします。
   午後3時1分 休 憩
午後3時23分再開
〇柳村一委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員各位及び執行部に申し上げます。この後、本日審査を予定している部局について、延べ12人の質問者が予定されております。進行に御協力を願うため、質疑、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。
 質疑を続行いたします。
〇佐藤ケイ子委員 私からは、保育の実施の関係、それから母子父子寡婦福祉資金貸し付けの関係、民生児童委員の関係、緩和ケアの関係を通告しておりますけれども、先ほど城内委員から民生児童委員の状況について質疑がありましたので、そこは割愛いたします。
 まず、保育の実施についてです。
 千田美津子議員の一般質問の中で、2019年10月の待機児童は467人だった。隠れ待機児童は577人で、合計1、044人の待機児童があったという答弁でありました。そして、令和3年までに待機児童ゼロを目指すという答弁でありました。これが本当に具体的にできるのか、その推進を図っていただきたいと思って質問します。
 まず、待機児童の多い市町村は具体的にはどこでしょうか。そして、新年度、待機児童の多い市町村での定員増は図られるということなのでしょうか。ここ数年、大体待機児童が多い市町村は固まっているような状況ですけれども、その改善が図られそうなのかどうか。そして、新年度の保育定員は全体で何人になるのでしょうか。2019年は3万2、130人程度の定員を目指して増員を図ったわけでありますけれども、それが本当に計画どおり図られたのかどうかという思いをしております。いかがでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 待機児童の状況についてでございますけれども、令和元年10月1日現在で、いわゆる隠れ待機児童を含めた待機児童が多い市町村は、上位五つの市町村で申し上げますと、盛岡市が300人、北上市が152人、滝沢市が138人、奥州市が115人、一関市が84人となっておりまして、合計789人、これが全体の待機児童数の76%を占めているという状況でございます。
 この五つの市のうち三つの市におきましては、今年度、保育所等の施設整備を行っておりまして、盛岡市では90人、北上市では12人、滝沢市では106人の定員増を見込んでいるところでございます。なお、北上市におきましては、今年度は12人の増でございますけれども、来年は188人の定員増を図る施設整備を計画しているところでございます。
 新年度の保育定員につきましては、保育所全体で申し上げますと、今年度行っている保育所等の施設整備によりまして321人の定員増を見込んでおりまして、平成31年4月1日時点の保育定員に上乗せをいたしますと、令和2年4月1日時点の保育定員は、3万2、200人程度と見込まれるところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 3万2、200人程度を見込んでいるということですけれども、実際はなかなか厳しい状況だと思っております。県では保育士確保にも取り組んでいただいて、保育士・保育所支援センターもやってもらって、潜在保育士の掘り起こしなどもやっていただいておりますけれども、なかなかその成果というのは厳しい状況だと思います。これは本県だけではなくて、全国的にも同じように、大変厳しい状況だと思っております。
 そして、保育の無償化が実施されましたので、今度、経費負担の部分でもちょっと大変なことになるのが、公立の部分であります。民間については、国と県と市町村と、消費税増税分の財源で措置されることになるわけですけれども、公立保育所、公立幼稚園もですけれども、ここでは保育所を取り上げますが、市町村が10割負担となってくるわけですね。その中で、公立の責任の持ち方というのが大変薄くなってくるという懸念をしています。本県における公立保育所の所要額は幾らになっていますか。所要額というのは、予算書には、施設型給付費等負担金70億5、700万円余、これは民間分の保育費で、ここには公立分が入っていないわけでして、公立分は幾らになるか。ますます公立保育所の廃止、民営化が進むのではないかと思っていますけれども、民営化の動きについてはどうでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 公立保育施設の所要額でございますけれども、県におきましては、委員からも御紹介がありましたとおり、民間分につきましては県あるいは国ということで負担をしているところでございまして、その額につきましては市町村からの報告がございますので、把握ができるところでございます。ただ、公立保育所につきましては、私立保育所と異なりまして、運営費等が一般財源化されていますので、県として所要額等の報告は求めていないところでございます。
 委員からお話がありましたとおり、無償化ということに絡めてということになりますと、さらにちょっと難しいところがございます。といいますのは、全ての利用児童が無償化になるわけではなくて、ゼロ歳から2歳までの課税世帯につきましては無償化の対象とならないことになりますので、費用負担をどのように分けるか。同じ方が両方の子供を見ているときに、どのように人件費を案分するか、ちょっと難しい作業がございますので、現時点ではそこの部分につきましては把握できていないところでございます。
 また、公立保育所の運営に要する経費や利用者負担額については、国の基準や地域の実態を踏まえまして、これも市町村が独自に定めているところでございますので、先ほど申し上げましたとおり、無償化に関しての所要額ということになりますと、ちょっと難しいところがございますので、御容赦をいただきたいと思います。
 また、公立保育所の民営化についてでございますけれども、令和2年度以降の状況につきましてはちょっと承知をしておりませんが、過去3年間の状況で申し上げますと、平成29年度は5カ所民営化されておりますし、平成30年度は1カ所、令和元年度につきましては3カ所の民営化の動きがあるというところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 わかりました。民営化というのはどんどん進もうとしているわけですけれども、全国的には、保育士が全員やめてしまって保育所が運営できないという事例が起きたり、本当に大変な状況が出てきております。その中で、本県のように町村で運営しているところでは、民営化を進めようにも受け皿がないという状況になりますね。そうすると、特に町村は、公立保育所を運営する中で、財源的にも本当に厳しいことになっていく。細かな保育体制をつくろうという思いはあるわけですけれども、その財源問題がますます厳しい状況になってくるのではないかと思っております。この制度自体が本当に大変な制度になってくるなと思っております。この町村の負担がどのようになっていくか把握されておりますでしょうか。―先ほどの答弁だと把握されていないということですね。いいです。
 町村の財源措置というのは、前は措置費だった。それが十数年ですか、交付税措置された時点で、厚生労働省は、4、000億円だったかな、全額持ちますというように明言したのですけれども、最近はそのことをすっかり忘れていらっしゃるようで、この財源措置が不十分。さらに無償化になって、また都合のいいことを言ったのですけれども、なかなか現実的には厳しいなと思っております。この制度について、公定価格の低い問題も含めて、この制度でいいのかということを国にも要望を上げていただけないかといつも思っているのですけれども、どうでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 公定価格の関係につきましては、さまざまな議論があるところでございます。県といたしましても、保育所のこの部分ということではございませんけれども、子育て支援に関する部分につきましての財源措置の拡充につきましては、国には要望させていただいているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 保育の運営については、保育士の人材確保が一番大事なわけですけれども、県が努力されている分、市町村がやっている分、なかなか追いつかないというのが現状で、難しい問題だなと思っています。
 それでは、無償化にかかわって、今度は副食費ですね。おやつとか、副食費の補助の状況はどうなっているでしょうか。補助している市町村もまちまちなわけですね。全世帯全額補助しているという市町村があり、それから所得の状況に応じて一部補助ですね。それから、軽減措置をしていない市町村も県内であるということで、この取り扱いが異なっているわけですけれども、この異なった対応について県の認識はどうか、この補助の状況はどうか、お伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 初めに、県内の軽減の状況についてお話し申し上げたいと思います。
 副食費の軽減措置につきましては、本年1月末時点での状況でございますが、29市町村におきまして軽減が実施されているところでございます。昨年10月1日現在の状況と比べますと、軽減措置を実施している市町村は2市町村増加しているところでございます。
 委員からも御紹介がありましたとおり、やり方はさまざまでございます。全世帯に対応するもの、あるいは一部低所得世帯ですとか多子世帯に限って対象にしているものという分け方がございますので、そこはそういった状況でございます。
 この状況についての認識ということでございますけれども、保育料につきましては、新たな制度が始まる前については、さまざまな軽減措置を、市町村において独自の軽減措置も含めてやっていただいているところでございますが、それは、それぞれの市町村あるいは地域の実情に応じて、市町村の政策的な判断でやっていただいているものと考えているところでございます。
 県といたしましては、新しい制度の中で、保育料の取り扱いあるいは副食費の取り扱いにつきまして、基本的には制度にのっとって運用していきたいと考えているところでございます。
 さまざま議論になったところでございますけれども、もともと副食費につきましては、保育料の一部として徴収されていた経緯もございますので、サービスを利用される方、あるいは在宅で過ごされる方、副食費、食費につきましては両方かかるわけですから、そういった公平性なども含めまして、こういった制度が成り立っているものと理解しているところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 県は市町村のやる気次第だということでございますね。
 この無償化にかかわって認可外保育所も無償化になっているわけですけれども、保育士の基準とか面積基準とか、かなり緩い中で運営されている認可外保育所があるわけです。そこについては、小規模保育所に移行できるような体制をとっていきましょうということで無償化になっているわけです。それを指導監督するのはどこかというと、県と市町村で、原則として年1回以上の立入調査を実施することになっておりますけれども、現実的にはそのような対応がされているのかどうか、お伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 認可外保育施設に対する指導監督の状況でございますけれども、ただいま委員から御紹介がありましたとおり、県のほか、中核市である盛岡市と、それから県から権限を移譲している市町村がございますので、県の所管はただいま48施設でございます。
 この48施設のうち、本年度は36施設に対して立入調査を実施しております。その差が12ございますけれども、この12施設につきましては、前年度に立入調査を実施した中で、取り組みがしっかり行われているということで、本年度は省略したところでございます。ですので、必要な施設につきましては、全施設、調査を実施しているというところでございます。
〇佐藤ケイ子委員 ぜひ年1回は必ず指導監督していただきたいと思います。前も、児童虐待があるのではないかというような通報があったという事例もありますので、年1回以上ですから、1回やればいいという話ではないので、ぜひお願いをしたいと思っております。
 次は、母子父子寡婦福祉資金の貸し付けについて伺います。
 この会計はかなり未収金があるわけですけれども、この貸付状況と回収の取り組みについてはどうなっているか。平成30年度決算では、収入未済額1億6、774万円でありました。令和元年度、現在の状況、傾向はどのようになっているか。
 そして、以前も質疑しまして、収納委託も中にはしているということで、その収納率は3%前後だということでした。困難事例をお願いしていると思うので、そんなに収納率が期待できないのは当たり前だと思うのですけれども、どういう状況になっているか伺います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 何点かお尋ねがございました。初めに、令和元年度における貸付決定額について御説明させていただきます。これは母子と父子と寡婦と3種類に分かれておりますので、それぞれ申し上げます。母子貸付金につきましては1億644万7、000円、父子貸付金につきましては1、400万9、000円、寡婦貸付金につきましては89万円、計1億2、134万7、000円の貸付額というところでございます。
 滞納の状況について、これは本年2月末時点でございますが、元金、利子及び違約金の収納額の合計で御説明させていただきます。現年度分の調定額につきましては1億8、284万円に対しまして、収納率は86.0%、滞納額は2、562万円でございます。過年度分につきましては、調定額が1億6、579万円に対しまして、収納率は12.3%、滞納額は1億4、288万円でございます。
 回収が難しいと判断される債権につきまして、先ほど委員からも御紹介がありましたとおり、回収業務を委託しているところでございますが、平成30年度の収納実績につきましては、回収率4.3%でございました。前年度からは1.2ポイント上回っているという状況でございます。
〇佐藤ケイ子委員 これは福祉的な貸し付けの制度であります。低所得の方々でないと貸し付けを受けられない制度ですので、順調に償還をするというのはかなり厳しいのかなと思います。現年度で償還できればいいわけですけれども、一旦滞納になって過年度分になってしまうと、それを回収するのはかなり厳しい状況であります。
 そんな中で、ずっと何十年も長期未納者というのがあるわけですね。この長期未納者の状況を把握して、回収不能と判断できる場合には、適切に不納欠損処理をするべきではないかと思います。そのためには、しっかりと督促をしたり、生活実態の把握もしなければならないわけですけれども、その状況はどうなっているか伺います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 滞納者に対する督促あるいは生活実態の把握につきましては、借受人ですとか保証人の方への催告状の送付は当然行っているところでございますし、家庭訪問、あるいは納入計画書の提出ですとか、償還指導も行っているところでございます。県の広域振興局の関係で申し上げますと、母子父子自立支援員や償還協力員がおりますので、連携をとりながら、そういう取り組みをさせていただいているところでございます。
 その償還指導を通じまして、ただいま申し上げました母子父子自立支援員が、借受人ですとかその世帯の生活状況につきまして相談も受け付けており、個々の家庭の状況や生活実態の把握に努めているという状況でございます。
〇佐藤ケイ子委員 個々の生活実態を把握しているということでありますけれども、実際は、長期未納者というのは何年度からの滞納があるかわかりますか。例えば、他県の例では、滞納期間が10年を超えて、かつ債務者が行方不明とか、回収不能な債権であると考えられるものについては、不納欠損処理をするということをやっている県もあるわけです。本県ではこういう処理はしないで、ずっと滞納額も積み上がっているだけではないかと思っているのですけれども、この不納欠損処理の考え方についてはどうでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 滞納額の滞納期間につきましては、申しわけございません、今手元に資料がございませんので調べさせていただきたいと思います。
 通常であれば時効は10年でございますけれども、時効の援用を利用しなければ、ずっと残るというのはそのとおりでございますので、10年以上を超えている債権もあろうかと思っているところでございます。
 不納欠損処理の考え方でございますけれども、基本的には、生活状況の把握をさせていただきながら、当然のことながら、時効に対応する分につきましては、県としても不納欠損処理をしているわけでございますけれども、ただ一方で、きちんと返済をされている方もいらっしゃいますので、そういった方との公平性なりバランスということも考えなければならないと思っております。ですので、不納欠損の対応につきましては、やはり慎重に検討すべきことと思っております。
〇佐藤ケイ子委員 慎重にしなければならないのはそのとおりでありますけれども、いつまでこの債権を引きずっているものなのか、何十年も未納でもそのままにしていてよいのか、検討をお願いしたいと思っております。
 次に、緩和ケア等啓発推進事業の関係です。新年度からウイッグ購入補助を行うということでありますけれども、がん患者の方々を応援するという意味で大変心強いなと思っております。市町村で実施しているところは多分一つだということが以前質疑されていたと思いますが、補助の内容や取り扱い、補助単価、市町村で補助している事業との絡みはどうなるのでしょうか。
〇稲葉地域医療推進課長 ウイッグの購入費補助についてでございますが、がんの治療法により脱毛を生じる場合がございますので、がん患者が外見の変化を補うことで、療養生活の支援、治療と仕事の両立などの一助となるよう、購入費補助を創設するものでございます。具体的には、市町村が、がん患者に対し医療用ウイッグの購入費用を補助する場合、補助額の2分の1を県が補助し、県補助額は1件当たり1万円を上限として実施しようとするものでございます。
 現在、県内の市町村で実施しているのは、北上市のみと認識しておりますが、こういった事業を通じて、経済支援のみならず、がんとの共生でありますとか、がんの正しい理解の促進につながると考えておりますので、市町村に対し事業内容の周知を行い、実施を働きかけていきたいと考えております。
〇柳村一委員長 佐藤ケイ子委員に申し上げます。世話人会の申し合わせにより、1人の委員の質疑が長時間に及ぶことがないよう、議事進行に御協力をお願いいたします。
〇佐藤ケイ子委員 この緩和ケア等啓発推進事業は、金額はそんなに大きくないわけですけれども、多くの方ががんになってしまうという時代ですので、仕事と治療の両立をみんなで応援するのだよという意味で、いい事業だなと思っております。ぜひ、それを多くの市町村に拡大できるよう取り組みをお願いして終わります。
〇臼澤勉委員 まず、私からは、先般厚生労働省が公表しましたPCR検査の実施状況についてお伺いいたします。
 1日の対応可能件数、全国都道府県のデータが公表されております。きょうもほかの委員からもお話がありましたけれども、本県は1日の対応可能件数20件ということで、この数値というのは、全国では岩手県、山梨県、富山県、岡山県、山口県、愛媛県の6県にとどまっております。この理由をまず最初にお伺いします。物理的な理由なのか何なのか、ちょっとお伺いいたします。
〇今野副部長兼医療政策室長 検査可能件数については、今現在検査機器が岩手県環境保健研究センターに1台ということですし、この検査に従事する人員の体制ということもあって、現在20件ということでございます。これは先ほども御答弁申し上げたところでございますが、再来週半ばからは、これを40件に増強するということで進めているところでございます。
〇臼澤勉委員 全国の平均が58件です。それで、岩手県環境保健研究センターのみならず、民間の検査会社なども対応が可能かと思うのです。県内には、例えば私が住んでいる矢巾町というか流通センターの近くにも、環境の検査機関といいますか民間の会社があるのですけれども、そういった検査機関への打診はされているのでしょうか、お伺いします。
〇今野副部長兼医療政策室長 県内の検査機関ということでございますが、我々、県内の状況を調査いたしまして、PCR検査自体を実施して処理できる検査機関は、県内にはないという旨を確認しているところでございます。
〇臼澤勉委員 ないということであれば、しようがないですね。ただ、可能性として、改めていろいろ並行して確認を進めていただきたいと思います。
 これまでの実施総数についても、厚生労働省の数値では27件と、全国でも極めて低い状況です。先ほどお話しした1日の検査対応可能件数20件という県でも、山梨県で318件が実施されていたり、岡山県でも118件、山口県133件、愛媛県162件、富山県では50件を切る47件ということで、岩手県が極めて少ないということです。この状況を県としてどう評価されているのか。要は、コントロールされている結果、少ないということなのか、ちょっとそこら辺、所見をお伺いします。
〇今野副部長兼医療政策室長 確かに、結果といたしまして全国で一番少ない数字になっているところでございますが、検査の実施に当たりましては、先ほど御答弁申し上げましたが、専門委員会の委員に検査の要否について判断を仰ぎながら、必要なものについて検査を漏らさないように実施しているということでございますので、少ないということについては、あるいはまだ岩手県内では感染者が確認されていないという状況もあるかと思いますが、基本的には、必要な分については検査を実施しているという認識でございます。
〇臼澤勉委員 先ほど、岩渕委員から県境の体制の話もありました。私は、こういった非常時も、東北各県と検査機関の体制も含めて、あるいは情報発信についても、連携を図りながら取り組んでいただきたいと要望いたします。
 次に、国民健康保険の関係でお伺いいたします。
 国民健康保険の運営については、3年ごとに検証を行って必要な見直しを行うということで、令和2年度に次期運営方針の検討の協議が行われると私は理解しております。
 そこでお伺いしますが、まず、被保険者数が減少傾向にある中、県として医療費や財政見通しをどのように捉えているのか。そして、保険税水準を現状のまま市町村単位とした場合に、保険税負担の市町村格差は拡大するのか、どのように見ているのか、お伺いいたします。
〇佐々木健康国保課総括課長 国民健康保険の被保険者の医療費ですとか国民健康保険財政の見通しということでございます。
 国民健康保険被保険者の1人当たり医療費につきましては、一貫して増加傾向にありまして、今後も、医療の高度化でありますとか高齢化の進展等により、さらに増加が見込まれるところでございます。これに伴いまして、被保険者の保険税負担が上昇することも懸念されておりまして、今後の国庫財政運営への影響も心配されるところでございます。
 市町村ごとの保険税負担につきましては、必要な金額を算定いたしまして、県において、被保険者数、医療費水準、所得水準により市町村ごとの額を算定いたしまして、納付金及び標準保険料率として示しているものでございます。このうち所得水準につきましては、所得に応じた保険税課税を行えるように調整するものでございますので、市町村間の違いというのは、実質的に医療費水準の差によるものと考えることができるかと思います。
 県が納付金を算定いたしました平成30年度から令和2年度の3カ年におきましては、医療費水準に最大と最小の市町村で1.4倍前後の差が見られるところでございます。現在、その平準化に向けた取り組みを推進しているところでございますが、市町村によっては温度差も見られるところでございまして、この取り組みの状況によっては、今後、差の拡大も考えられるということでございます。
〇臼澤勉委員 御丁寧な答弁ありがとうございました。
 いずれ国のほうでもガイドラインを示して、保険料の統一を目指して、医療サービスの均質化であったり、医療適正化の取り組みを示しているところでありますし、今、医療費水準の大きいところと低いところで1.4倍の差があるということで、平準化に向けた準備をしているという御答弁もありました。将来的に、保険税水準の県内統一について、やはりこの時期、運営方針を含めて議論を進めていく必要があると思うのですが、お伺いいたします。
〇佐々木健康国保課総括課長 現行の運営方針におきましては、市町村間の医療費水準の差異が大きいことなどによりまして、当面の間、保険税水準の統一はしないと明記しているところでございます。医療費適正化の取り組みなどによりまして、医療費水準の平準化の状況を見ながら、3年ごとの見直しの際に検討を行うというように、現在の運営方針では記載しております。
 統一に関しましては、市町村によっても、公平性の観点から、同じ所得水準、世帯構成であれば同じ水準とすべきという意見もございますし、医療費水準に差が大きい現状からは、これは慎重であるべきだという意見もありまして、賛否両論があるところでございます。委員御紹介のように、来年度は見直しの時期に当たっておりますので、その見直しの過程におきまして、本県の将来的な保険税負担のあり方について、市町村と慎重に議論してまいりたいと考えております。
〇臼澤勉委員 同一地域同一負担の原則に向けて、やはり議論を進める必要があろうと思っております。ただ、統一に向けての課題がさまざまあるのも事実かと思っております。インセンティブの確保であったり賦課方式の統一、あるいは市町村ごとに異なる歳入歳出の状況がございますけれども、この課題の解消に向けて、県としてどのように進めるお考えかお伺いします。
〇佐々木健康国保課総括課長 県において保険税水準を統一した場合には、被保険者の負担が公平となるという考え方もございますし、その一方で、医療費水準の低い市町村の被保険者の納得が得られにくいでありますとか、各市町村で行っている医療費適正化のインセンティブが働きにくいといった課題があるものと認識しております。こうしたことから、当面の間、統一の保険税水準とはしないというように記載はしているところでございますけれども、今後、公平性の確保の観点から、まずは疾病の重症化の予防といった医療費の平準化の取り組みを進めながら、今後の運営方針の見直しの過程におきまして、保険税負担のあるべき方向性について、市町村と議論を進めてまいりいと考えております。
〇臼澤勉委員 これから人生100年時代を迎えて、本県が抱えるさまざまな医療を取り巻く課題がございます。そのためにも、疾病予防であったり、健康づくりの役割、取り組みがますます重要になってくると思っております。
 それで、国のほうでも保険者努力支援制度というものを回しながら、抜本的な強化を図ろうということで今動いております。県別の平均獲得点も厚生労働省のほうで公表されておりますが、岩手県が今置かれている状況の評価をどのように捉えているかお伺いします。
〇佐々木健康国保課総括課長 本県の保険者努力支援制度の獲得点数でございますけれども、平成30年度の評価は全国で18位と、おおむね中位から少し上という状況でしたが、本年度は全国で32位と、ちょっと残念な結果になっております。
 これは、糖尿病等の重症化予防の取り組みが進んでいることでありますとか、特定健診の実施率、後発医薬品の使用割合が高いことなどが高く評価されているところですが、一方で、個人の健康づくりに対するインセンティブの提供に取り組む市町村が増加しなかったこと、それから医療費の伸びが全国平均を上回ったことなどが、こういった評価になった要因であると考えております。
〇臼澤勉委員 重症化予防の取り組みと、そして、全国のこの状況を見ますと、青森県や秋田県は、ポイントがちょっと低い、同じような傾向があるのかなと見ております。ぜひこの重症化予防の取り組み、そして、県内市町村のモデルの横展開を進めていく必要があろうと思いますし、市町村別の評価もある程度見える化を図りながら、インセンティブ成果指標の拡大を高める必要があると思っておりますが、県としての取り組み方針をどのように考えているかお伺いします。
〇佐々木健康国保課総括課長 県内の市町村におきましても、市町村分の保険者努力支援制度で高い評価を受けている取り組みがさまざまございます。こうした取り組みを横展開していくことは、県や市町村の保険者努力支援制度の点数獲得にもつながるものでございますし、いわて県民計画(2019〜2028)や下位計画の健康いわて21プランの推進にも寄与するものと考えております。
 現在、県では、いわて県民計画(2019〜2028)に掲げる健幸づくりプロジェクトの取り組みといたしまして、健診、医療、介護の各データを連結して、これに県立病院の電子カルテデータを加えたビッグデータの整備を進めております。今後は、その解析によりまして、市町村の健康課題をより詳細に明らかにすることができるものと期待しておりまして、市町村のさまざまな取り組みを効果的に推進することが可能になると考えております。これまで体制が十分でないために、効果的な保健事業が困難であった市町村もございますので、そういった市町村においても取り組みの推進が期待されるところでございまして、こうした取り組みによって、取り組みの底上げを図ることができるものと考えております。
〇臼澤勉委員 最後にいたします。いずれ重症化予防の取り組みなど、新年度以降、積極的に進めていただきたいと思っております。
 ちょっと御紹介いたしますけれども、クアオルトという、ドイツ語で療養地といような意味合いの言葉があります。クアは英語で言えばケアというか治療という意味ですし、オルトは場所という意味ですけれども、これは昔の高橋洋介医療局長の時代からも、ドイツに行って、いろいろと先進的な医療、そして医療費を縮減していくための、県立病院を含めたトータルの健康なふるさとづくりというか、取り組みを考えておりました。ぜひ、クアオルトのような視点も含めて、例えば本県も、ジオパークや、国立自然公園だとか県立自然公園、あるいは観光との取り組み、こういった部分を積極的に連携して、商品提案をしていってもいいのではないかと思います。最後に部長の所感を聞いて終わりたいと思います。
〇野原保健福祉部長 健康づくりの取り組みにつきましては、さまざまな取り組みを進めなくてはならないと思っておりまして、今、委員から御紹介いただきましたクアオルトですね。宿泊してさまざまな健康メニュー、食材であるとか運動メニューを提供するというアプローチも、大事なものだと理解をしています。
 今、全国の市町村、また都道府県で、いろいろ好事例をやっています。岩手県ならではの特色を生かした健康づくりというのはどういったものがいいのかというのは、委員から御紹介いただいた事例、また全国知事会の中でも好事例の取り組みを紹介していますので、我々がうまく取り入れたらどのように効果的にできるかというのは、不断に研究し、また、いい取り組みについては取り入れて、横展開を進めてまいりたいと考えております。
〇菅野ひろのり委員 私からは、地域医療構想を踏まえた今後の医療体制について伺います。医療局でも少し伺わせていただきたいので、簡潔にお伺いいたします。
 初めに、各区域ごとに今までさまざま議論が行われてきたと思うのですが、その議論を踏まえて、その成果をどのように捉えているか、まずお伺いいたします。
〇今野副部長兼医療政策室長 県内九つの圏域に設置しております地域医療構想調整会議でございますが、特に平成29年度以降につきましては、各医療機関が将来担うべき役割、それから病床機能ごとの病床数などについて議論を行いまして、2025年を見据えた具体的対応方針の取りまとめを進めてきたところでございます。
 こうした中で、例えばということでございますが、県立一戸病院で、地域包括ケア病床の導入ですとか病床数の見直しが実施されましたほか、独立行政法人国立病院機構盛岡医療センターで、重症心身障がい児・者の入院に対応する病床の整備が行われるなど、地域で不足が見込まれる病床機能への転換、それから病床数の見直しが進められているところでございます。
 こうした取り組みによりまして、平成26年度と平成30年度を比較いたしますと、高度急性期及び急性期病床が1、001床、慢性期病床が447床減少したことに対しまして、回復期病床は697床増加するなど、地域医療構想調整会議の議論が、地域の医療提供体制の構築を図るために、一定の役割を果たしてきているものと考えているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 盛岡の病院の報道もさまざまありましたが、その中で再検証対象医療機関、要は10病院でありますが、現在、協議が継続されている地域、病院はどのようになっていますでしょうか。また、進展がない場合はどんな理由でしょうか、お伺いします。
〇今野副部長兼医療政策室長 継続協議となっております区域の協議の状況でございますが、胆江構想区域におきましては、現在、奥州市が中心になって奥州金ケ崎地域医療介護計画の策定を進めておりまして、先日2月12日に開催されました地域医療構想調整会議におきましては、奥州市から、圏域の医療、介護の調査に関する分析結果が報告され、地域の医療、介護の状況が共有されているところでございます。
 今後、その分析結果等に基づいて計画の策定が進められますことから、各病院の具体的対応方針につきましては、その内容を踏まえて協議を行っていくことになっているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 洋野町国民健康保険種市病院や県立一戸病院、県立軽米病院等はまだ協議中なのかなと思っておりますが、確認ですが、そこはどのようになっていますか。
〇今野副部長兼医療政策室長 申しわけございません。確認した上で答弁いたします。
〇菅野ひろのり委員 事前にお伺いしたときは協議中ということで、まだ進展しているのかなという認識ではありましたが、先ほど成功事例として、県立一戸病院の地域包括ケア病床の導入などについて答弁いただきましたので、まず進んでいるのだろうなと思っています。
 そこで、私が今回取り上げさせていただきたいのは、先ほど答弁いただきました胆江圏域、当然私もその選挙区で参加させていただいていますが、今回、継続協議の中身を見たときに、各病院のコメントの中には、全て共通しているのが、奥州市総合水沢病院のあり方を踏まえて対応方針を検討するということが書かれています。すなわち、この3病院に関しては、奥州市総合水沢病院のあり方がわからなければ、その先に進めないのだというように私は認識しています。
 ちなみにこの過程は、奥州市総合水沢病院建設に医師会が反対されて、現在は医療需要などのアンケート結果がまとまったという段階になって、これからなのかなと思っていますが、一方では、奥州市総合水沢病院については、4名でしょうか、麻酔科を含めた先生の退職が決まっているような方向というようにも聞いています。地域にいまして、そういった報道も受けて、住民の方に大きな不安が広がっています。特に胆江圏域だと、住民の方からすると、この議論が二、三年続いているような受けとめなのです。
 そこで、1月に発売された週刊東洋経済に病院関係の特集が組まれていました。その中には、議論が進まない中で、需要減少や医師不足が進めば病院の突然死も避けられないと、非常に厳しい書き方がありました。これを読んだとき、これはもしかして胆江圏域にも当てはまるのではないかという強い危機感を覚えました。
 胆江圏域は、皆さん御承知のとおり、県立胆沢病院が中心になって、病床数、急性期に関しても、例えば県立胆沢病院と県立江刺病院を合わせれば450床ということで、将来の需要予測には十分足りているような環境にあるのです。医療局がしっかりと下支えをしながら議論をリードしていく必要があるのではないかと、現状を見たときに考えるわけですが、県の御認識をお伺いしたいと思います。
〇今野副部長兼医療政策室長 地域医療構想調整会議の議論の進め方でございますが、地域医療構想におきましては、少子高齢化の進展に伴う医療需要の変化を踏まえまして、効率的で質の高い医療提供体制を実現するため、病床機能の分化と連携を推進していくことにしておりますが、その実現に向けましては、各地域の地域医療構想調整会議における協議に基づく医療機関の自主的な取り組みを基本といたしまして、地域で必要な医療機能の確保を図っていくこととしているところでございます。
 一方で、関係者間だけでは協議が進めづらいということも考えられますことから、県といたしましては、病院経営に精通いたしました病院長などを地域医療構想アドバイザーとしてお願いいたしまして、連携して、病床機能に関するデータ分析結果の提供ですとか、客観的、専門的な助言を行うことにより、効率的で質の高い医療体制の構築に取り組んでいきたいと考えております。
 先ほどの件でございますが、久慈及び二戸構想区域におきましても、既に開催いたしました地域医療構想調整会議におきまして、病床機能や病床数の見直しの状況について共有が図られているということでございまして、今年度中に合意が得られる見込みとでございます。
〇菅野ひろのり委員 最後に部長にお聞きしますが、地域医療構想調整会議の議論の進め方について、さまざまな機会を通じて、地域医療構想調整会議に基づく自主的なということを必ずおっしゃいます。だけれども、この自主的が進まないから、やはり停滞して不安が広がっていると。
 先ほどの週刊東洋経済の話にもう一度戻りますが、さらに厳しい書き方もしていました。一般論ですが、市場縮小に向けてお互いに話し合おうというのは、他産業なら談合と同じ、性善説に基づいている協議では話が進まない。再編は言い出した人が悪者扱いにされるから誰も口にできない。本音では誰かに決めてほしいというような指摘もありました。
 私も、参加させていただいたとき、同様の印象を受けたときもやはりありました。あとは、では、市と県がどのようにその場以外で協議しているのか。あるいは、双方の相談であったり話し合いがあるのかというのを聞いたとき、協力してくださいねというような儀礼的な話はあるように聞いておりますが、中身に踏み込んだ、その地域医療をどうしていくのかという議論はなされていないという認識で私はいます。
 そういう中で、これは表なのか水面下なのかわかりませんけれども、先ほど言ったように、県立病院を中心とした議論をしっかりと進めていただきたいと思います。部長に所感をお聞きして終わります。
〇野原保健福祉部長 地域医療構想につきましては、先般、厚生労働省から424の公立病院の公表がございました。再編、統合以外にも、機能分化であるとか連携を含んでいるということではあるのですけれども、地域にとっては、役所から、上から、その病院はこうですよという形で受けとめられた嫌いもあると思っています。
 我々としては、客観的なデータを提供するとか、アドバイザー等を活用しながら議論を活性化していく中で進めたいという思いはあるのですが、一方で、委員から御指摘があったとおり、再編であるとか機能を変えていくという話は、病院の経営であるとか医師の個々の事情であるとか、オープンな場ではなかなか議論しにくい要素もあるのも事実でございます。これまでそういった過去の事例を見ますと、いわゆる表の議論のほかにも、当然、裏でそういったことも含めて、さまざま丁寧な議論を重ねてきて、好事例と言われるようなものについては今に至っているというように理解をしています。
 こうしたものに対しては、当然、我々も、そういった議論に関して相談いただければ、真摯に対応したいと思っておりますし、県として必要な支援をしてまいりたいと思いますけれども、ここは県とか市だけで決める話ではありません。住民の方々、関係者の方々、あとは、現実的に医師を配給していただいている各大学はどう考えているのかということも、一方ではございます。あとは安定的な経営ができるかどうか。そういった総合的な観点から進めなくてはなりませんので、そういった視点で我々もさまざまなアドバイスをしてまいりたいと思いますし、地域医療構想会議での議論が活性化して、意のある形になるように努めてまいりたいと考えております。
〇高橋こうすけ委員 私からは、新型コロナウイルス感染症対策について質問をさせていただきたいと思います。質問が重複しているところもあるため、一部割愛して質問させていただきます。
 先ほど、県のほうでのマスクの状況、在庫が60万枚あって、そして提供できるものが市町村分も含めて約4万枚あるということで、岩手医科大学附属病院に1週間ごとに1万枚、そのほかの医療機関には医師会を通して2万3、000枚を各病院へということでお答えいただいたのを聞いておりましたが、その際の配布方法にちょっと不安を感じておりまして、もう少し具体的にこの動線をどう考えているのかというのを教えていただければと思います。
 例えば、一関市、盛岡市とか、市町村で持っている在庫、市町村分を含めて4万枚ということでございます。一度県のほうでそれを集めて、それから県の医師会に行き、そこからさらに市町村の医療機関に配っていくのか。または、市町村にある在庫が直接それぞれの市町村の医師会に行って市町村の医療機関に行くのか。もしくは、市町村から直接市町村の医療機関に行くのか。そういった動線はどうなっているのか、配布方法等、もしお考えがありましたら教えていただければと思います。
〇今野副部長兼医療政策室長 まず最初に、市町村、県の在庫を含めて、提供可能な分として4万数千枚確保したということを申し上げたのですが、先ほど申し上げておりませんでしたのは、今回、厚生労働省の持っている在庫4万枚をあわせて確保いたしまして、それを合わせた数から岩手医科大学附属病院と医師会に提供させていただくということでございます。
 具体的な提供方法ということでございますが、今、県の医師会と、具体的にどういった形で集めて配ったらいいかということについては調整をさせていただいているところでございますので、できるだけ効率的に、かつ迅速にお配りできるような形で調整してまいりたいと考えております。
〇高橋こうすけ委員 配り方一つで大きく変わってくるというものでもあると思いますので、混乱が起きないように丁寧に御対応していただければなと思います。よろしくお願いいたします。
 それから、現在の新型コロナウイルス感染症の現状について、県民から不安の声が多くある中で、これをいかに、いろいろなデマが出たりとかそういったことがないようにしていくために、ぜひテレビとかCMを使って、知事から直接県民に説明とかお願いというものをしっかりしていくべきなのかなと考えています。例えばテレビでやっている、いわて!わんこ広報室とかそういったもので、感染の疑いがある場合はこういう動き方をしてくださいとか、どうしたらいいのかというのをしっかり知事から県民の皆様に説明、お願いをしていくべきなのかなと思っております。そういった部分はどう考えているのか、お伺いいたします。
〇今野副部長兼医療政策室長 県民への説明ということでございますが、実は、先日3月6日に知事から県民の皆様に対するメッセージを発信させていただいたところでございます。
 感染拡大の防止に当たりまして、実際に県民の皆さんに、県が取り組む施策についての目的、趣旨をきちんと御理解いただいて、適切に行動していただくということが極めて重要ということがございますので、メッセージの中では、通常の感染防止策の徹底ですとか、心配な方はまずは電話で帰国者・接触者相談センターに相談していただくことですとか、品不足がいろいろと言われております、例えばトイレットペーパー等については国内で生産されているということでございますので、普通の消費行動をとっていただくとか、逆に、マスクについては国が業界に大幅な増産要請を行うとともに、医療機関に優先度に応じて供給するといったような取り組みを行っている状況でございますので、協力を願いたいといったことを県のホームページに掲載するとともに、各報道機関からも報道していただいたところでございます。
〇高橋こうすけ委員 私もホームページ、新聞等で拝見しておりますが、それだけでしっかり伝わるのかどうかという部分で、私はちょっと不安に感じております。せっかく県としてテレビで県政番組を放送しているので、そういったものでもしっかり伝えていくべきなのではないかと思っておりますので、ぜひ柔軟な対応をお願いしたいと思っております。
 済みません、これは通告していなかったのですが、仮に感染者が出た場合は、その感染された御本人の方、御家族の方々が不当に差別的な扱いを受けることがないように、関係機関としっかり連携して県全体でぜひ対応をしていっていただきたいと考えているのですが、どのようにお考えなのか、お答えいただければと思います。
〇今野副部長兼医療政策室長 仮に県内で感染者が確認された場合につきましては、いずれ速やかな公表ということになるわけでございますが、部長からも答弁しているとおり、公表に当たりましては、感染拡大の防止という観点で、必要な情報についてきちんと公表していく一方で、本人、家族、関係する方々のプライバシーを尊重するという観点が必要だと認識しております。そういった部分にきちんと配慮しながら、関係者とも連携の上で対応をしてまいりたいと考えております。
〇柳村一委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほど佐藤ケイ子委員からの御質問の中で、母子父子寡婦福祉資金の未済状況につきまして、古いものがどれくらい残りがあるかというところでございます。
 一番古い部分をピックアップさせていただきますと、平成6年度分の調定ということですので25年経過というものがございます。ただ、この件につきましては、そのまま放っておいているということではなくて、少額で、少しずつお返しいただいているところでございまして、直近では、本年の1月に若干返済をいただいているところです。
〇斉藤信委員 それでは、私も新型コロナウイルス感染症対策についてお聞きいたします。
 これまでの答弁で、帰国者・接触者相談センターの相談件数は1、010件、そして、PCR検査は22件という答弁がありました。帰国者・接触者外来の受診件数はどうなっているのか。
 もう一つは、PCR検査件数について、新聞報道では、厚生労働省公表で本県は最初に27件という報道がありましたけれども、このずれは何でしょうか。
〇今野副部長兼医療政策室長 まず、帰国者・接触者外来の受診患者の人数ですが、3月10日時点で24人でございます。
 PCR検査の件数のずれでございますが、国で公表しております件数につきましては、これは、1人当たり2件の検体をとって検査するのが原則でございまして、実際の人数とはずれが出てまいるという関係で、なおかつ、公表件数の時期の期間の対象が違っている関係で数字がずれているということでございます。
〇斉藤信委員 極めておかしいですね。統一すべきですね。岩手県の場合は実人員で出しているということですね。
 それで、帰国者・接触者外来の受信件数は24件でした。24件外来があって、PCR検査が必要となったのが何件だったのでしょうか。
〇今野副部長兼医療政策室長 このPCR検査件数22件のうちには、今回、保険適用の対象として検査が行われたものが2件ございまして、行政検査として実施された件数については20件でございます。いわゆる行政検査として検査が必要だと判断された件数については20件ということでございます。
〇斉藤信委員 もっとわかりやすく聞きますけれども、検査の決定は保健所が窓口ですね。保健所に何件検査の依頼が出たのですか。
〇今野副部長兼医療政策室長 保健所に何件の依頼があったかについては、確認の上でお答えさせていただきたいと思います。
〇斉藤信委員 今、保険適用の話もありましたが、3月6日から保険適用になったのですね。ですから、これは県、医療機関の対応に変化があるのか。前に私が総括質疑で聞いたときには、保険適用になっても変わりませんと。帰国者・接触者外来を受診して、そして、検査が来そうなものは保健所に問い合わせて、専門家の意見を聞いて検査する、こういう仕組みだという回答でしたが、その点は変わるのですか変わらないのですか。
〇今野副部長兼医療政策室長 保険適用後の対応でございますが、保険適用後につきましても、今回、国から通知が出ておりまして、当面の間でございますが、院内感染防止、検査の精度管理の観点から、帰国者・接触者外来及びそれと同等の機能を有する医療機関として県が認めた医療機関が検査を実施することとされているところでございます。
 帰国者・接触者相談センターから帰国者・接触者外来、そういったものを通じて検査の要否が判断されるという部分については同じでございます。ただ、これまでは保健所を通してということでございましたが、保険適用後は、保健所を通さないで、帰国者・接触者外来の医師の判断で検査の実施が判断できるという点で違っているところでございます。
〇斉藤信委員 わかりました。帰国者・接触者外来の医師の判断で検査はできるようになったということですね。
 そして、保険適用の2件も、岩手県の場合は岩手県環境保健研究センターでの検査ということですね。
〇今野副部長兼医療政策室長 今回の検査機関につきましては、岩手県環境保健研究センターということではなくて、県外に事業所を有する民間の検査機関に直接依頼したと聞いているところでございます。
〇斉藤信委員 そうすると、それは帰国者・接触者外来から民間の検査機関に依頼したということですか。この2件について、どういう形で検査されたか示してください。
〇今野副部長兼医療政策室長 検査につきましては、帰国者・接触者外来の医療機関から、直接県外の民間検査機関に依頼して実施されたということでございます。
〇斉藤信委員 公的保険が適用になってそういうことが可能になったと、こういうことですね。そうすると、検査はもっとやりやすくなったということですね。
 それで、検査の数は結果的には少ないのだけれども、それは全てが陰性ですからね。東北もそうですけれども、岩手県の場合には、やっぱり落ちついていると私は評価できるのではないかと思いますが、これは部長にお聞きします。現状、過度に私たちが不安になったり過度に規制することが本当に必要ない状況なのではないかと思いますが、その点、簡潔に答えてください。
〇野原保健福祉部長 現在の状況につきましては、冒頭、佐々木順一委員からも御質問いただきまして、まず、岩手県はもちろんないのですが、例えば東北の隣県にありましても、クルーズ船からの下船者であるなど、流行地からの感染にとどまっておりまして、いわゆる流行している状況にはないと認識しております。
〇斉藤信委員 大変大事な答弁だったと思います。
 それで、マスク、消毒液の医療資材の提供、確保ですけれども、岩手医科大学附属病院、医師会を通じて、県が確保した4万枚、厚生労働省から来る4万枚、この8万枚以上が緊急に手配されると。県立病院では不足はないのですか。例えば、ある県立病院では、看護師に1日マスク1枚という話も聞きましたけれども、県立病院は不足になっているのですか。県立病院も供給の対象ですか。
〇今野副部長兼医療政策室長 県立病院につきましては、現時点で、来月上旬程度までの在庫は確保していると伺っているところでございます。
〇斉藤信委員 わかりました。あとは医療局でお聞きします。
 次に、小中学校の全校一律休校によって、子供たちが今、学童保育、特別支援学校であれば放課後デイサービスなどを利用していますが、どれだけの児童生徒が利用されているか、学童保育、放課後デイサービスは機能しているかを示してください。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 放課後児童クラブの関係について御報告をさせていただきます。これは3月4日時点の調査でございますけれども、児童館も含めて放課後児童クラブをやっている中での利用者というところで御理解いただきたいと思います。数的には1万856人が午前中から放課後児童クラブを利用しているという状況でございます。
〇山崎参事兼障がい保健福祉課総括課長 特別支援学校の生徒が主に利用する放課後等デイサービス事業所の利用者でございますけれども、3月10日現在におきまして656人と承知しております。
〇斉藤信委員 放課後児童クラブは1万856人、これは児童館、児童センターも含めてですか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 はい。
〇斉藤信委員 それで、私は、放課後児童クラブの実態は学校より危険なのではないかと思います。41人以上の放課後児童クラブはどのぐらいありますか。100人以上の放課後児童クラブはどのぐらいありますか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ただいまの利用児童数の登録につきましては、後ほど御報告させていただきます。
〇斉藤信委員 これは国の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の尾身茂副座長がこういうことを言っています。3条件が交わるところに行かないこと。その一つは、密閉空間で換気が悪い、近距離での会話、多くの人が密集するところ。放課後児童クラブはこれに全部当てはまると思いますよ。子供たちの安全を守ると言って、一番過密な狭い放課後児童クラブで対応するのは間違いではないでしょうか。実態を含めて、いかが思いますか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 今回の学校休業に伴い、国からの要請がありまして、安全対策をしっかりした上でということで対応をお願いしているところでございます。ただいま委員からも御指摘がありましたとおり、密閉空間で密集する中でというところがございますので、そこにつきましては、学校を使えるようにということで、教育委員会とも連携させていただきながら、学校内体育館とか空き教室といったところを含めて、もう少し広い空間で換気もきちんと考えながら対応していくというところで御協力をお願いしているところでございます。
〇斉藤信委員 放課後児童クラブは400ありますけれども、41人以上の学童クラブが143、35.7%、100人以上が7カ所あります。70人以上というのは、いわば1クラス今35人学級で2学級規模、倍の密度ですよ。これが100人以上を除いて12カ所。本当に過密なのですよ。そして人員もないと。今、学校は35人学級ですから、大体平均は1クラス20人なのですよ。子供たちの安全を考えるというのだったら、本来、学校でこそ面倒を見るべきではないのかと思います。
 あとは特別支援学校、1、500人余が通っています。1、500人の特別支援学校に職員は1、500人いるのですよ。看護師もいるのですよ。給食もあるのですよ。ここで見ないで、なぜ放課後等デイサービスで見なければだめなのですか。おかしいでしょう。
 昨日の大変大きなニュースで、佐賀県知事が、16日から学校再開を決めて、20の全ての市町村も学校再開すると。それはなぜかというと感染が全然出ていないということですよ。
 私は総括質疑でも知事に質問いたしましたけれども、かえって子供のリスクが高まるようなことがあってはならない。そうしたところをきちんと、どのような方法が効果的か、そこは学校の施設の活用、登校といったことを含めて対応するように調整を図りたいという答弁でした。
 私は、ぜひ岩手県も、落ちついているわけだから、過度に不安になったり規制を強化することを、今、見直して、本当にどこが子供たちにとって安全なのかと。学校の再開、見直しも含めて私は対応すべきだと思いますが、部長、いかがですか。
〇野原保健福祉部長 今般の学校における休校と放課後児童クラブ等における児童をきちんと見るという方針につきましては、総理、政府が決めたことでございますので、どういった背景でこのような判断に至ったのかはわかりかねるところはございますが、一方で、例えばでございますけれども、インフルエンザ等に関しましては、学校を起点に、地域に行く、高齢者にも行くかもしれない、そういったものが背景としてあるのだろうということと、政府の基本方針として感染、蔓延を防ぐとともに社会経済活動へのインパクトを最小限に抑えるといったような判断もあったものと理解しています。
 いずれ、今、日本全国でこのような対応をとっておられます。我々としてどうするかというのは、教育委員会、また、さまざまな視点から意見をいただきながら、総合的な判断が必要であろうと考えているところでございます。
〇斉藤信委員 私は、今の状況をしっかり共通認識にして、子供たちの安全を守る上で何が最善なのかときっちり検討して対応すべきだと思いますよ。
 そこで、私は委員長にお願いしたい。最終日に知事の出席を求めたい。そして、やっぱり今の状況の中で、どれが本当に子供たちにとって安全な対策なのか、全国の動向も含めて、私は、今、知事が、そして地方が判断すべき時期なのかと、そのことを諮っていただきたい。
〇柳村一委員長 後日、世話人会を開催させていただきます。
〇斉藤信委員 それでは、あと残った時間で、高過ぎる国保税の問題について質問いたします。
 盛岡市の標準モデルで、国保税額はどうなって、中小企業に働く労働者の協会けんぽの保険料は幾らなのか示してください。
〇佐々木健康国保課総括課長 盛岡市と協会けんぽの保険料等についてでございますけれども、盛岡市の健康保険と協会けんぽ、それぞれの保険料等の年額でございますが、標準モデルということですので、39歳以下、就労者が1人、子供が2人の4人世帯の年収400万円ということでございます。盛岡市の国保税が40万円、協会けんぽの保険料が19万9、920円と試算されるところでございます。
〇斉藤信委員 低所得者が多くて、無職が多い国保が、中小企業で働く労働者の保険料の倍なのですよ。私は、この格差是正こそ国保問題の一番の問題だと思います。だから、全国知事会は国に対して1兆円の国費投入、公費投入を求めているわけです。だから、今々、高い国保税を上げるのではなくて、やっぱり引き下げる取り組みをどう進めるのか、このことが必要だと思いますけれども、いかがですか。
〇佐々木健康国保課総括課長 国保税の引き下げにつきましては、委員からもただいま御紹介いただきましたとおり、制度自体に構造的な課題がございます。こうしたことを踏まえますと、国の責任におきまして、将来にわたる持続的な財政基盤の確立とか、制度間における保険料負担の平準化という観点で、さらなる財政措置が行われることが必要であると考えております。
 県といたしましては、こうした認識に基づきまして、政府予算提言・要望でありますとか全国の都道府県と連携いたしまして、全国知事会等の要望の機会を捉えまして、国に対して、国庫負担率の引き上げなど、さまざまな財政支援の方策を講じるように継続して要望を行っているところでございます。
〇斉藤信委員 2倍も高い国保税、私は国の責任が極めて重大だと、国庫負担を減らしてきたことが最大の要因だと思います。これは、全国知事会、市長会、町村会もみんな一致していますからね。これを本当に強力に進めていただきたい。
 一方で、しかし、その高い国保税が、国民健康保険の都道府県化によって標準保険料がさらに上がる。これは標準保険料でどのぐらい上がる見込みなのか。実際に来年度、値上げの予定はどうなっているのか、このことを示してください。
 もう一つ、時間がないので聞きますが、全国知事会が国に求めているもう一つ大事な課題があります。子供の均等割の減免です。いわば国保税が高い最大の仕組み上の問題は、世帯一人一人にかかる均等割、人頭税なのですよ。
 宮古市が、ふるさと納税を使って子供の均等割を免除しました。私はすばらしい取り組みだと、県内全ての市町村でもできるのだと思います。そういう意味で、国に求めつつ、子供の均等割は、ぜひ宮古市の経験を市町村に広げるように、県もイニシアチブをとっていただきたい。そして、高過ぎる国保税を抑えるための一般会計の繰り入れは、私は絶対必要だと思いますけれども、いかがですか。
〇佐々木健康国保課総括課長 さまざま御質問いただきましたけれども、ちょっと順不同になりますが、まず、被保険者1人当たりの保険税額、市町村の納付金をベースにした額になりますが、3%程度の医療費の伸びを見込みましたので、1人当たりになりますと2、986円、3.1%の増となる9万9、419円となっているところでございます。
 これに対しまして、各市町村の国保税になりますけれども、県が示したこうした金額でありますとか前年度からの繰越金、低所得者の減免措置などを勘案して決定することになります。令和2年度におきましては、全体では3%伸びるのですが、4市町村が保険税率の引き上げを予定していると聞いているところでございます。
 それから、一般会計からの繰り入れにつきましては、県として、繰り入れをしてはいけないということは申し上げていないわけでございますけれども、財政健全化のためにはできるだけ縮小していきましょうということで、運営方針の中に記載して、市町村とともに取り組んでいるところでございます。現在のところ令和2年度におきましては、10市町村で3億円程度の法定外繰り入れを予定していると認識しております。これは決算の状況によって、また変わり得るものだろうと思います。
 それから、均等割のお話がございました。均等割の減免につきましては、宮古市での取り組みが本年度から始まっているということでございます。ただ、これにつきましても、減免した均等割分の財源をどこかで穴埋めしなければいけないという状況がございまして、これは、宮古市では、ふるさと納税のような財源を使っているとお聞きしておりますけれども、恒久的な財源とはなかなかなりにくいものだろうと思っております。これを続けていくには、負担構造の変更とかといったものを伴いますので、例えば子供のいない家庭にしわ寄せが行くというような状況もございます。
 ですので、県といたしましては、こういった状況にある中で市町村に直接働きかけるのはなかなかむずかしいかと考えておりますし、それぞれの自治体で負担を行いながらやるということは、やっぱり現実的ではないだろう。これは国に対してしっかり求めていきたいと思っていますし、今年度から、厚生労働省と知事会の代表者で構成しますワーキンググループが立ち上げられて、議論が始まっております。そうした中で、国保の均等割の状況についてきちんと訴えながら、国に対して、財政措置を講ずるよう求めていきたいと考えております。
〇神崎浩之委員 放課後児童について1点質問いたします。
 ほとんどの放課後児童クラブが午前中からあけることになったということでありました。これで万々歳ではありません。基本的に放課後児童クラブは8時間が基本ということになります。そうすれば、8時間でフルタイムで働いている方は無理ですよね。8時間前にあけてもらって、8時間後まで預かっていただけないと、どんなに職場が近い人であっても、最低30分前にはあけてもらわなければならない、30分後まで預かってもらわなければだめだということでありますが、これらについて当局はどういう所感を持たれているのかというのが一つ。
 こういうことに対して市町村ごとにばらばらでありまして、8時間の設定でありますから、それ以前、その後については、放課後児童クラブで、サービスで早くあけて、そして遅くまで受け入れているという市町村もあるし、あとは、冷酷にというか、あけるまで親御さんが子供と待っていて、開所してすぐ預けるというところもあります。これらについて市町村の実態についてはどうなのか。
 それから、これらに対して今後も続くであろうということでありますが、これに対する対応は、県として市町村にどう助言していくのか。引き続いて、こういう御時世でありますので、国からもこういう時間外の取り扱いについて何か手だてが出てくるのか、まとめてお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 放課後児童クラブの運営のあり方といいますか内容についてというところでございます。委員から御指摘がございましたとおり、確かに、放課後児童クラブにつきましては、親御さんが仕事に行く前に預けているということがございますので、開所時間はさまざまでございますが、長期休業日は、現在もそうでございますけれども、8時までにはほぼ開所していただいているところでございます。
 また、今、御紹介がありましたとおり8時間ということでございますので、通常、8時から預けて8時間では、親御さんが仕事を終わってから迎えに来るまでには間に合わないことになりますので、当然のことながら、時間を延長するための加算制度がございます。これは各市町村で結構利用していただいておりますので、そういった加算制度の利用を働きかけていきたいと思っております。
 また、実態といたしまして、今、委員から、いわゆるサービス残業的に職員の方々が残っているという意味合いで御紹介いただいたと思っておりますけれども、そのあたりの実態につきましては、きちんと把握させていただきまして、適切な加算の利用促進を働きかけてまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 私からは1点のみです。ひとり親家庭等総合相談支援事業についてお伺いいたします。
 まず、昨年6月に子どもの貧困対策の推進に関する法律が改正されまして、将来が現在及び未来と改正されました。それはどういうことかというと、今おなかをすかせている、電気やガスをとめられた家に住んでいる、夜遅くまで一人で留守番をしなくてはならない、友達と遊べない、部活動を諦めなければならない、生活費のためにブラックバイトをしなくてはならないと、現在もこのような状態を是正しなければならないということから改正されたわけであります。
 そこで、さまざまな議論があり、岩手県ではこの事業を次年度に盛り込んでおりますけれども、この事業内容を具体的に伺います。目的もあわせてお伺いしたいと思います。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ひとり親家庭等総合相談支援事業の内容についてでございますけれども、この事業につきましては、民生児童委員などの地域の支援者が必要に応じて訪問するなど、ひとり親家庭等を地域全体で見守り、その悩みや支援ニーズを丁寧に拾い上げまして、関係機関が連携して適切な支援を行う、ひとり親家庭を支える仕組みを構築しようとするものでございます。
 このため、本事業におきましては、ひとり親家庭等の支援に取り組む市町村あるいは社会福祉協議会、ハローワーク、NPOなどで構成いたしますネットワークを地域ごとに構築することとしているところでございます。
 具体的には、広域振興局保健福祉環境部あるいは保健福祉環境センターが中心となりまして、九つの圏域で、それぞれの地域におけるひとり親家庭等サポートネットワーク会議を設置いたしまして、訪問相談とか同行支援、あるいは継続的な見守り支援などを行う仕組み、そして、専門機関等が連携して支援に当たる体制を整備するとともに、ネットワークの運営と支援の全体の進行管理を行っていこうとするものでございます。
 こうしたネットワークの構築あるいは地域での体制づくりを支援するために、全県レベルでのネットワークを構築いたしまして、その下に、民間委託によります(仮称)ひとり親家庭等応援サポートセンターを設置いたしまして、課題の共有、あるいは支援を平準化するためのガイドラインの策定、さらには支援者の対応力を高めるための研修とか専門的な助言、あるいは地域で解決が困難な事例につきましては、地域に赴いて直接支援を行うというようなことを内容とすることを考えているところでございます。
〇小西和子委員 今、ひとり親家庭等の悩みや支援ニーズを丁寧に拾い上げ、関係機関につなぐ役目を民生児童委員は行うとお話しになりましたけれども、これまで民生児童委員はそのような活動をしてきたのでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 民生児童委員の役割といいますか活動ということでございますけれども、民生児童委員は、住民の生活状況の把握あるいは生活支援、福祉サービスの利用援助など、さまざまな活動を行っておりまして、生活や福祉の課題を抱える地域住民にとりましては、身近な相談相手となっているものと認識しているところでございます。
 また、民生児童委員の役割といたしまして、援助を必要とする者が、その有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるように助言、その他の援助を行うこと、あるいは児童や妊産婦がサービスを適切に利用するために必要な情報の提供とか援助などを行うこととされているところでございます。民生児童委員は、ひとり親家庭等の自立支援など、子育て家庭の福祉の向上を図る役割を果たすことが期待されていると考えております。
 こうしたことから、県では、民生児童委員が、地域の住民の福祉ニーズに対応した実践的な相談援助の技術を習得するために、市町村、民生委員児童委員協議会と連携いたしまして、事例を取り入れたワークショップですとか、そういった研修の充実も図っているところでございます。
 民生児童委員につきましては、このような支援を通じまして対応力を高めていただきながら、町内会とか自治会とかと連携いたしまして、地域住民の生活課題の早期発見あるいは相談支援活動に取り組んでいただいておりまして、今回考えておりますひとり親家庭におきましても、身近な相談相手として必要な資源につなげる役割を担っていただいているものと考えているところでございます。
〇小西和子委員 その支援ニーズに届いていなかった、必要なサービスを活用していなかったというように中間まとめでは出ていますよね。それは、やれなかったからではないのですか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 確かにそういった一面もあるかと思います。今御紹介をいただきました昨年度実施いたしました岩手県子どもの生活実態調査の中では、支援が必要な方にきちんと制度が届いていないというところが明らかになったところでございます。また、公的な相談機関といたしましても、確かに民生児童委員を利用している方は少なかったという実態でございます。ですが、そういった機能は有しているところでございますし、さまざまな研修等を通じまして、対応力の向上などに取り組んでいるところでございますので、引き続き、そういったところにつきましては、今回のひとり親の相談支援事業等を通じまして、関係機関と連携しながら対応力を高めていき、きちんとした対応ができるように努めてまいりたいと思います。
〇小西和子委員 わかりました。先ほど、民生児童委員のなり手がなかなかいないということですが、さらにこの研修を課すということになりますね。つまり、このように貧困に苦しむ人たちは、なかなか本音を見せないわけですよ。貧困というのは、実態が見えにくいと言われているわけですね。そして捉えづらいと言われています。その気持ちをほぐしていって、ほぐしていって、ほぐしていって、相談にまでこぎつけるには、スキルが必要なのです。1回、2回の研修ではできません。ますます民生児童委員のなり手がいなくなると考えます。これは水かけ論になりますからいいです。
 それから、市町村社会福祉協議会も行うとおっしゃっていますけれども、市町村社会福祉協議会もこのような支援をやってきたのでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 市町村社会福祉協機会のこれまでの活動ということでございますけれども、市町村社会福祉協議会につきましては、地域のさまざまな社会資源とのネットワークを有しておりますので、住民の最も身近な地域におきまして、多様な福祉ニーズに応えるため、地域の特性を踏まえた創意工夫を凝らした独自の事業に取り組んでおりますし、地域の福祉活動の拠点としての役割を果たしているものと認識をしているところでございます。
 ひとり親家庭等への支援につきましては、多くの市社会福祉協議会及び一部の町社会福祉協議会もそうでございますけれども、県や市からの委託によりまして、ひとり親家庭を含めた生活困窮者を対象といたしました相談窓口を設置しておりますし、複合的な課題を抱える世帯に対しまして、福祉ニーズに応じた支援計画を策定した上で、関係機関との連携により支援を行っているところと承知しているところでございます。
 また、生活困窮者を対象といたしました相談窓口を設置していない市町村社会福祉協議会においても、支援が必要な世帯を把握した場合につきましては、生活困窮者の相談窓口につないで、連携して支援を行っていただいております。
 そういった活動を通じまして、市町村社会福祉協議会の方々につきましても、対応していただいていると認識をしております。
〇小西和子委員 それでは、(仮称)ひとり親家庭等応援サポートセンターの事業内容と体制、予算額、委託料等の内訳、それから設置期限もあわせて伺いたいと思いますし、大体にしてどこに設置するのでしょうか。それと、国からの補助金とのかかわりについてもお伺いいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 (仮称)ひとり親家庭等応援サポートセンターの設置というところでございます。これは民間委託により設置を予定しておりまして、仮称でございますけれども、ひとり親家庭等応援サポートセンターと言わせていただきたいと思います。これはそれぞれの地域で、訪問相談ですとか同行支援、継続的な見守り支援を行う体制づくり、あるいは相談支援の取り組み自体を支援するというようなことを予定しているところでございます。
 具体的に申し上げますと、県内9カ所の広域振興局等の圏域における連携体制の構築に向けました地域ネットワーク会議の開催支援、あるいは関係機関ですとか支援者の間で課題を共有いたしまして、適切な支援につなげるための支援ガイドラインの策定、そしてひとり親向けの支援策のガイドブック等の作成、民生児童委員など地域の支援者の対応力向上に向けた支援者の研修、こういったところを実施することを予定しているところでございます。
 職員数につきましては2名を予定しております。
 予算につきましては、令和2年度当初予算に1、666万8、000円を計上しているところでございます。内訳といたしましては、委託料として約1、600万円。その内容といたしましては、人件費、それから支援者研修の実施、そういった事務経費を内容として積んでいるところでございます。また、国からの補助でございますが、母子家庭等対策総合支援事業費補助金約760万円を見込んでいるところでございます。
 設置期限につきましては、今のところ設定はしておりません。
〇小西和子委員 設置場所はまだ決まっていないということですか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 失礼しました。設置場所についてでございますが、このひとり親家庭等応援サポートセンターにつきましては、どこに委託するかは公募という形でやらせていただきますので、現時点では、どこが受けていただくかによりまして、そこはちょっと変わってくるところと思っております。
〇小西和子委員 ということは、この予算は、家賃込みということですね。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 家賃と申しますか、現在さまざまな支援活動をされている団体が公募に上がってくるかもしれませんし、全く協定のないところが応募してくるかもしれません。ですので、そのあたりはさまざま変わってくるかと思います。事務経費の中では、そこに対応できるような経費につきましても盛り込ませていただいているところでございます。
〇小西和子委員 先ほどの御説明の中で、ワンストップ相談支援とか出張訪問相談、サービスの申請補助を行う同行支援などというようなこともお話しになったように思います。それでよろしいですね。ワンストップということでよろしいですね。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 ワンストップというところの内容にもよるかと思いますが、今回の新しい事業のところで考えておりますのは、地域の中でそれぞれの人がネットワークを組みまして、どこに相談しても、どこにつながっても、同じような対応ができるようにというところを目指しているものでございます。ですので、そういった意味では、どこにつながっても連携をしながらサービスを同様に受けられるという意味では、ワンストップということになろうかと思います。
〇小西和子委員 当事者にしても、子供や家族が必要なときに助けを求めたり相談できる場所を明確にすることが一番重要だと言われておりますけれども、それに該当するのでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 先ほども申し上げましたとおり、さまざまな地域での支援機関、社会福祉協議会もありますし、民生委員も想定しておりますし、学校ですとか保育所ですとか、さまざまな支援機関を想定してのネットワークを想定しているところでございます。
 そうした中で、気になる子供、あるいは御家庭、直接御家庭から相談を受ける場合もあるかと思いますけれども、そこはきちんとした形で広報、周知をさせていただきまして、こういう取り組みをわかっていただいた上で、おいでいただいて相談を受ける場合もございます。逆に、それぞれの支援機関が気づいたところに家庭訪問等をいたしまして、いわゆる寄り添い方の形で、さまざまなお話を聞く中で、専門機関につなぐですとか、そういった対応を考えております。そういう意味では、委員から先ほど御指摘をいただきました内容に沿っているのかなと思っております。
〇小西和子委員 そういうのを9カ所につくるということでございますね。ですから、その9カ所というのは、ワンストップサービスもできるところと捉えてもよろしいということですね。
 では、続けます。この体制で、2人ということでしたけれども、夜間対応ができるのでしょうか。私は無理だと思いますけれども、いかがですか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 夜間対応という御質問でございますけれども、確かに、県が昨年度実施をいたしました岩手県子どもの生活実態調査の結果におきまして、ひとり親家庭等は公的なサービスを有効に活用していないという結果が出ているところでございますが、地域における包括的な相談支援体制を構築して適切な支援につなげていこうというのが、この取り組みでございます。
 そのため、通常の相談支援は地域の支援機関等が行いまして、ひとり親家庭等応援サポートセンターでは、地域で解決困難な事例につきまして直接支援を行うということは先ほど御説明申し上げたところでございますけれども、夜間の対応におきましては、今後、地域における相談対応の状況ですとか、ひとり親家庭等応援サポートセンターにおける相談支援の状況などを勘案いたしまして、今後検討してまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 わかりました。今後検討ということでございますが、2人で夜間までというのは、ちょっと無理な話だなと思います。
 この相談業務に従事する方というのは専門性が高いわけでありますけれども、きちんと対応できる人材の確保のための予算がきっちりと計上されているのでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 相談業務従事者の報酬でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、ひとり親家庭等応援サポートセンターに対しましては2名の職員を予定しているところでございます。対応する職員につきましては、ひとり親家庭等からの相談に対しまして適切な助言あるいは指導ができるものでございまして、地域ネットワークの構築、あるいは運営についての支援、さらには支援者研修の企画運営ですとか、そういった専門的な内容も含むものと想定をしているところでございます。
 相談に応じる者の具体的な要件といたしましては、先ほど委員のほうからも少し御紹介があったところでございますけれども、例えば、社会福祉士の資格の保有者ですとか、さまざまな福祉に関する相談の実務経験のある方ですとか、そういったことを想定しているところでございます。その報酬につきましては、配置をいたします職員の業務の内容、あるいは専門性が異なることを見込んで委託料の中で算定をさせていただいているものでございます。
〇小西和子委員 非常に不思議に思ったことは、概算要求のときにワンストップセンターという表示がありましたよね。そして、今回の予算の倍ついていました。
 知事は、県としては、民間団体や関係機関の緊密な連携のもと、ひとり親家庭等のニーズに包括的に対応する云々ということで、ワンストップの相談支援、出張訪問相談、サービスの申請補助を行う同行支援、こういうサービスを一体的に提供していくことが必要だと、9月定例会の一般質問に答えております。ですから、よし、ワンストップサービスセンターができるな、そう思っていましたところ、査定で半額にされ、サポートセンターというふうになってしまいました。
 今お話をお聞きしますと、確かに次年度に先ほどの9カ所の拠点をつくるとは言っていますけれども、そんなに簡単にできるものではないと私は思います。県に1カ所、そういうモデルになるワンストップセンターをつくって、そこから各地区に波及させるということがいいのではないかなと思いましたし、知事の発言というのは、私は重いとずっと思ってきました。けれども、そうではないのだなと、今回のことを見てそう思ったのですけれども、このあたりはどうなっているのでしょうか。部長にお聞きしてもいいですか。厳しいですか。済みませんが、お願いいたします。
〇野原保健福祉支部長 委員から御紹介がありましたとおり、9月定例会で知事から、民間団体や関係機関の緊密な連携のもと、ひとり親家庭等のニーズに包括的に対応する相談体制を構築し、ワンストップの相談支援、出張訪問、サービスの申請補助を行う同行支援などを具体的に提供していくという御答弁を申し上げました。その知事の思いの趣旨というのは、この事業の中には、9カ所でございますけれども、既存の関係するさまざまな支援者が、みんなで連携をして、いわゆるワンストップの形で取り組んでいこうという形で盛り込ませていただいたと考えております。
 ワンストップという意味は、1カ所で全部やるとなりますと、盛岡で沿岸とかそこまで、実際、現実にカバーできるのか。やはり全県で均一的なサービスを提供しなければならないという観点で、このような事業という形で組ませていただきました。まずは始めさせていただきまして、その効果の検証も必要だと思っております。そういった中で、今あるさまざまな支援者の方々のネットワーク、これは必要ですので、地域でのネットワークの構築に取り組み、ひとり親家庭等の支援について関係者でまずは共有して、支援に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〇小西和子委員 わかりました。ただ、先ほども言いましたけれども、そこに行けば助けてもらえると。そういう場所というのは、それぞれの9地区に周知をしていただきたいと思います。言いたくても言い出せない。本当に今の状態は、新型コロナウイルス感染症の影響で職を奪われたり、求職もない、食べるものもない、大変な状況の家庭がたくさんあるわけです。飽食時代と言われますけれども、餓死をしている家庭だってあるのですよ。そういうことをやはり当事者目線で私たちは受けとめていかなければならない。ここに行けば助けてもらえるというところを全県9カ所にきちんと設置をして、それを知らしめていただきたいと思います。
 それから、先ほど、2人体制でということで予算が半額になってしまったのですけれども、私は、県が率先して官製ワーキングプアをやめなければならないと思います。プアがプアを支えるなんてことは、あってはならないのですよ。プアをふやすだけなわけですので、県民の幸福度の向上にならないと考えます。子育て日本一とかなんとかと何年か前に言っていましたけれども、こんなのでは子育て日本一になれませんよ。県民の幸福度の向上のために、本気になって取り組んでいただきたいと思います。要望して終わります。
〇柳村一委員長 この際、執行部から発言を求められておりますので、これを許します。
〇今野副部長兼医療政策室長 先ほど斉藤信委員の質問に対しまして、検査の保健所からの相談件数を後から確認して答える旨お答えしておりましたが、検査の実施について相談があった件数は36件ということでございます。
〇柳村一委員長 おおむね再開後2時間が経過いたしましたが、保健福祉部関係の審査終了後休憩いたしたいと思いますので、御了承願います。
〇高田一郎委員 私も新型コロナウイルス感染症対策について質問通告を出しておりましたが、かなりの方々から質問がありましたので割愛いたします。
 しかし、私も障がい者施設からさまざまな要望を受けてきました。障がい者施設も、平時から基礎疾患や健康面、精神面で不安を抱えている入所者がたくさんいるということで、さらにこの問題で不安が出ているというお話もされました。消毒液やマスクの問題も議論されましたけれども、全体をよくつかんで、供給体制の確立のために、県が積極的に万全の対応をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 二つ目は、児童虐待についてお聞きいたします。
 新年度は、宮古児童相談所の改築や児童福祉司の増員などが予算措置をされています。この間、児童福祉法の改正が行われましたけれども、この改正を受けて、岩手県における児童虐待対応をどのように充実、改善させるのか。
 あわせてもう一つお伺いいたします。私はこの間、児童相談所の環境改善、老朽化対策などを求めてきました。本当に対応が難しい子供たちがふえていますし、一関児童相談所を訪問したときにいつも感じているのですけれども、心に傷を持った子供たちが過ごす場所ではないということを感じてきました。こういった一時保護所の兼務体制もありますけれども、この点はどう改善を検討しようとしているのか。あわせて、宮古児童相談所が新年度に新築になると思いますけれども、いよいよ一関児童相談所の改築にも取り組むべき時期に来ているのではないかと思いますが、まとめお聞きいたします。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 児童虐待の対応でございますけれども、平成30年12月に国が示しました児童虐待対策体制総合強化プラン、あるいは昨年6月に公布されました児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法の一部改正がございまして、児童相談所の体制強化等を講じることとされたところでございます。
 県におきましては、来年度、今年度当初から比較をいたしまして、児童福祉司を7人、児童心理司を3人、合わせて10人の専門職員を増員することとしておりまして、児童相談所の人員体制の強化による児童虐待対応の迅速化などを図りますとともに、職員の専門性の向上に努めまして、児童虐待対応の充実に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 それから、児童相談所の改築あるいは環境改善でございますけれども、県内の3児童相談所は、いずれも建築から40年ほどが経過し老朽化しておりますし、児童相談所職員の増員に伴いまして、事務室も狭くなってきているというところがございます。加えまして、一時保護いたしました児童が生活をいたします一時保護所の個室化ですとか、そういった環境改善も必要だと認識をしているところでございます。
 御紹介がありました宮古児童相談所につきましては、東日本大震災津波によりまして建物に亀裂が入るなどの被害を受けておりまして、早急に建てかえが必要というところから、令和2年度当初予算案に、改築に要する経費の一部を計上させていただいているところでございます。
 現在、部が所管いたします公共施設につきまして現況調査を行っておりまして、施設整備のあり方を検討しているところでございます。その中で、一関児童相談所の改築につきましても、検討してまいりたいと考えているところでございます。
 また、一時保護所の職員の児童相談員の兼務の関係でございますけれども、これまで、増加する児童虐待相談に適切に対応するために、児童福祉司ですとか児童心理司の増員を優先してまいりましたが、一時保護所に入所する子供の中には、行動上の問題ですとか、あるいは精神的な問題が顕著にあらわれている場合もございますので、その対応には高い専門性が求められるところでございます。また、一時保護児童数も増加傾向にございますので、今後は児童指導員の専任化を図られますよう、検討してまいりたいと考えています。
〇高田一郎委員 前向きな答弁だったと思います。
 それで、児童相談所の3カ所のあり方についても、この間、児童福祉司の職員配置数も人口比で国から基準が示されてきましたけれども、岩手県の場合は、広大な面積を擁することで、本当に児童相談所は3カ所でいいのかということが、議会でもさまざまな方から要望がありました。今度の改正児童福祉法の中では、中核市での児童相談所の施設整備、人材確保とか育成支援の措置を講ずることになりました。今後の児童相談所の配置のあり方を含めて、やはり検討していくべき課題ではないかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
〇門脇子ども子育て支援課総括課長 児童相談所の配置のあり方でございますけれども、先ほども御説明申し上げましたが、昨年6月に成立いたしました法改正によりまして、政府は、改正法が施行される本年4月から5年間を目途といたしまして、中核市が児童相談所を設置することができるよう、必要な措置を講じるとされたところでございます。
 盛岡市におきましては、平成30年4月に子育て世代包括支援センター、そして市町村子ども家庭総合支援拠点、この二つの機能をあわせ持ちます子ども未来ステーションを設置いたしまして、児童虐待対応の体制を充実させたところでございます。児童相談所の設置につきましては、設置の有無も含めまして検討中と市のほうから伺っているところでございますし、継続してさまざまな情報収集を行っている状況だというようにお話を聞いているところでございます。
 県といたしましては、盛岡市の意向を確認しながら、必要に応じて国の児童相談所の設置促進施策等についての情報提供あるいは意見交換等を続けてまいりまして、児童相談所の配置のあり方につきましては、まずは現状の3児童相談所体制を維持しながら、盛岡市の意向等を踏まえまして、総合的な検討をしてまいりたいと考えております。
〇高田一郎委員 県独自に決められる問題ではありませんので、盛岡市との協議も必要だと思います。今回、法律改正によって施設整備の支援も充実になったと思いますので、それを力に引き続き盛岡市と協議をしながら対応していただきたいと思います。
 次に、被災者の医療費、そして介護保険料の免除措置について質問いたします。今年度の実績見通しと来年度の予算措置の状況、あるいは被災者の声や要望を県は具体的にどのように受けとめているのか。あわせて、これまでの累積の実績はどうなっているか、この点について答弁をお願いいたします。
〇佐々木健康国保課総括課長 東日本大震災津波被災者の医療費一部負担金等の免除についてのお尋ねであります。
 今年度は、国民健康保険、後期高齢者医療制度、介護保険、障がい福祉サービスを合わせまして、年度末における免除対象者が3万3、000人、免除総額は35億5、000万円余となるものと見込んでおります。
 令和2年度におきましても、本年度と同程度の対象者、免除額を見込みまして、市町村等がそれぞれの制度の一部負担金との免除に要する経費といたしまして、一般会計当初予算案に5億1、900万円余を計上したところでございます。
 被災地等におきましては、いまだ応急仮設住宅等で生活している方もいらっしゃいます。当部には具体的な被災者の声も寄せられているところでございます。今般の財政支援の継続に当たりましては、被災地の生活環境でありますとか、被災者の受療状況等を総合的に勘案しつつ、市町村の意向を踏まえて判断をしたところでございます。
 これまでの累積の実績についてもお尋ねがございましたけれども、市町村が免除措置を継続することができるよう県が平成24年から平成30年度まで行った財政支援の総額は25億円余、一部負担金等の免除総額は約229億円となっておりまして、延べ約25万人の被災者の医療や介護サービス等を受ける機会の確保と健康の維持増進に寄与したものと考えています。
〇高田一郎委員 今答弁がありましたように、被災者の25万人の方々の医療と健康増進に大きく寄与されて、私も、内陸に住んでいるたくさんの被災者の方から、本当に生きる勇気、希望を受けたというお話をされました。復興期間10年ということで、財政問題もありますけれども、10年たったからこれでおしまいですよということには、被災地の現状、被災者の皆さんの状況を見たときには、ならないのではないかと私は思います。それで、11年以降も、先ほど言った財政問題もありますけれども、どう継続実施するのか、できるのか、真剣な検討というものが、いよいよ新しい年度、求められているという状況にあるのかなと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
〇佐々木健康国保課総括課長 今後の継続についてでございますけれども、これまで、財政支援を継続するに当たりましては、先ほども申し上げましたけれども、被災地の生活環境でありますとか、被災者の受療状況等を総合的に勘案しつつ、市町村の意向を踏まえて、毎年度、財政支援の継続を判断してまいりました。
 令和3年1月以降の対応につきましては、被災者を取り巻く環境が徐々に変化しているということもございます。そうした中、健康面で不安を抱える被災者の医療、介護サービス等を受ける機会を確保するというのが本制度の意義と考えておりまして、そういった意義を踏まえつつ、引き続き、被災者が必要とする医療等を受けられる支援のあり方について、市町村と意見交換を行いながら検討していく必要があると考えております。
〇高田一郎委員 わかりました。この事業を継続するに当たっては、財政問題とか市町村との協議とか、さまざまな課題がありますけれども、引き続き、市町村としっかり協議をして、何が必要なのかを含めて、検討に取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、被災者の見守りとコミュニティーの確立、生活相談支援員の配置について質問いたします。
 まとめて質問いたします。一つは、生活支援相談員の配置状況と来年の配置の見通しはどうなっているのか。二つ目には、繰り返し求めてきましたけれども、災害公営住宅への生活支援相談員の配置はどうなっているのか。この2点についてお願いいたします。
〇菊池地域福祉課総括課長 生活支援相談員の配置状況等についてでございますが、今年度の配置計画141人に対しまして、令和2年1月末現在では119人となっております。令和2年度におきましては、見守り対象世帯数などを踏まえた市町村社会福祉協議会からの配置要望等に基づきまして、121人の配置を計画しているところでございます。
 それから2点目、災害公営住宅への配置についてでありますが、今年度から生活支援相談員を災害公営住宅の集会所や地域の空き家に配置をする取り組みを行っております。今年度、3市町で実施をしておりますが、令和2年度におきましては5市町の実施を見込んでおります。このうち災害公営住宅への配置は、今年度、大船渡市、大槌町の2市町で2カ所、令和2年度においては、現在のところ、陸前高田市、山田町を加えた2市町、5カ所での実施に向けて調整を行っているところでございます。県としては、県社会福祉協機会、市町村社会福祉協機会と連携をしまして、こうした取り組みの拡大がさらに図られるよう、引き続き取り組んでまいります。
〇高田一郎委員 わかりました。生活支援相談員については、今年度141人に対して来年は121人ということです。減ったというのは、市町村要望がこうなっているからということなのでしょうか。これに対してどの程度の見込みがあるのかについても答弁いただきたいと思います。
 それで、災害公営住宅への生活支援相談員の配置については、来年度、新たにふえて五つの市町村になるということは、大きな前進だと思います。それで、被災者の見守りとコミュニティーの確立、そして災害公営住宅への人の配置というのは、現地の状況を見ると喫緊の課題だと、本気で取り組まなければならない課題だと思います。
 きのうの新聞にも、被災3県の災害公営住宅での孤独死が242人になって、岩手県は49人、7割が男性だという報道もあります。現在の災害公営住宅の入居者の33.6%がひとり暮らしでありますから、このひとり暮らしのところで孤独死が起きております。5、900世帯のうち33%となると、1、650人程度が高齢者のひとり暮らしになるわけです。
 さらに復興局でも、県立大学の調査のことが議論になりました。私もこの県立大学の調査の報道を見てびっくりしたのですけれども、一つは、団地生活の困りごとの第1が、誰が入居しているのかわからないが69%でありますし、相談する相手もいない47%、集合住宅になじめない40%という状況になっております。
 さらに、自治会の役員は70代とか80代の人たちが中心になっているということを考えますと、恐らく復興期間が終わった後の5年間も、こういったコミュニティー支援の財政支援もあると思いますけれども、いずれここ一、二年が時期的には大事な時期だと思います。本気で取り組まなければならない課題ではないかと思いますけれども、県としての現状認識について伺いたいと思います。
〇菊池地域福祉課総括課長 まず生活支援相談員が、今年度の配置計画141人に対して、来年度121人と減ることにつきましては、生活支援相談員が各被災者の見守り支援を行っていく中で、地域とのかかわりもあって孤立をしていないといったような方など、まず一旦、見守りの対象外となるような方も出てきているということで、市町村社会福祉協議会からの配置要望に基づき、こうした計画としているところであります。
 この人数に対して、現在どの程度確保できる見込みかということでございますが、確認をしましたところ、市町村社会福祉協議会の人事の関係もあって確定はしていないということでありましたが、必要な人員が配置されるように検討していると聞いているところでございます。
 それから3点目は、県立大学の先生方の調査などがございまして、新聞にも載りました。委員から御紹介のありましたとおり、近所と地域とかかわる機会が減ったということや、災害公営住宅の集会所の利用がないといったことも報道されているところでございます。いずれこうした状況を私たちも重く受けとめまして、先ほどお話ししましたとおり、県社会福祉協議会、市町村社会福祉協議会と連携をしまして、生活支援相談員の配置のあり方や拠点の配置といったことを進めていきたいと考えております。
〇高田一郎委員 わかりました。それで、災害公営住宅への支援員の配置が3自治体から5自治体に数がふえたことはいいことですけれども、ぜひ、災害公営住宅の一定程度の規模のところには配置するのだという構えで対応してほしいと思います。
 私も宮城県南三陸町の取り組みをたびたび紹介いたしました。生活支援相談員の方々と電話でお話しする機会がありましたけれども、あそこは60人の入居者で1人の生活支援相談員を配置して、そして複数で集会室に配置されていると。1人で60人なので、名簿がなくても一戸一戸の家族の顔が見えるというのですよ。一戸一戸の家族の顔が見えると、世帯の状況がわかると言うのです。そして、集会室に人がいるから入居者も集まってくるし、集会室の利用状況を見ると毎日ホワイトボードに行事が入っていると。
 これからの見守りというのは、自治会の果たす役割は大きいのですけれども、しかし、コミュニティーを強化する上でも、支援員の配置、人の配置というのは決定的に重要だと私は思います。宮城県南三陸町でもやっていますし、さらに大船渡市、大槌町でもやっているわけですから、これをここ一、二年の間に全地域に広げてほしい。そういう考えで取り組んでほしいということを改めてお願いしたいわけですけれども、そのことをお聞きして終わりたいと思います。
〇菊池地域福祉課総括課長 今年度からこの取り組みを始めまして、実際に配置をしている災害公営住宅の自治会の役員の方からも、大変助かっているといった評価もいただいているところであります。いずれ、今の取り組みの状況など、それから他県の取り組みなども参考としながら、今後の展開の方向も検討していきたいと考えております。
〇柳村一委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇柳村一委員長 質疑がないようでありますので、これで保健福祉部関係の質疑を終わります。
 保健福祉部の皆さんはお疲れさまでした。
 この際、世話人会の申し合わせにより、暫時休憩いたします。
   午後5時42分 休 憩
午後6時2分再開
〇吉田敬子副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 次に、医療局長に医療局関係の説明を求めます。
〇熊谷医療局長 まず、予算の説明に入ります前に、新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。
 先般、政府におきまして、新型コロナウイルス感染症対策の基本方針が策定され、感染の流行を早期に終息させるための感染防止対策のほか、国内で大幅に患者が増加したときに備え、重症者対策を中心とした医療提供体制等の整備を進めることなどが、国民に対して示されたところでございます。
 幸い、本県におきましては現在までに感染患者の発生は確認されておりませんが、県内で多数の患者が発生した場合、公立病院である県立病院の役割は極めて重要であると考えております。
 県立病院が県民の命と健康を守る使命を果たすため、保健所を初めとした関係機関との役割分担と連携を進めるとともに、患者の増加に備え、万全な診療体制を整備してまいります。
 それでは、令和2年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして、御説明を申し上げます。
 初めに、事業運営に当たっての基本的な考え方について御説明いたします。
 県立病院を取り巻く環境でございますが、医療提供体制の中核であります医師につきましては、国から示された医師偏在指標において、本県が深刻な医師の不足と偏在の状況にあることが改めて浮き彫りになったところであり、医師の確保や定着支援の取り組みを行っているものの、医師の絶対数の不足などにより、診療体制は当面厳しい状況が続くと見込まれます。
 一方、総合入院体制加算や地域包括ケア入院医療管理料など診療報酬の上位の施設基準取得や、基幹病院での診断群分類別包括支払方式、いわゆるDPCの効率的な運用などの取り組みにより、患者1人1日当たりの収益が増加傾向にあるなど、経費節減の取り組みとあわせ、持続可能な経営基盤の確立に向け重点的に取り組んでおり、収支の改善が図られてきているところでございます。
 こうした状況のもと、令和2年度の事業運営に当たりましては、岩手県立病院等の経営計画(2019―2024)を着実に推進することにより、県立病院が県民に信頼され、今後とも良質な医療を持続的に提供できるよう、全職員が一丸となってさまざまな取り組みを進めることとしております。
 具体的な計画の推進に当たりましては、医師の確保、定着に向けた取り組みとして、関係大学への派遣要請や即戦力医師の招聘活動、臨床研修医の積極的な受け入れを継続して取り組むとともに、周産期医療体制を確保していくため、医師奨学資金貸付金のうち、産婦人科特別枠を新設したところでございます。
 そのほか、現在医師が行っている業務のうち、看護師や薬剤師等の医療技術部門で対応可能な業務を移管するタスクシフティング等、医師の業務負担軽減の取り組みの推進や県立病院専門研修プログラム、指導体制の充実による専攻医の育成、県奨学金養成医師の計画的な配置などに引き続き取り組んでまいります。
 また、医療の質や患者サービスの向上を図るため、看護、薬剤部門等各職域の専門資格職員の計画的養成や職員の効率的な配置等による圏域内の一体的な運営を行うとともに、ワーク・ライフ・バランスを考慮した勤務環境の整備を行うなど、職員の資質向上や離職防止を図ってまいります。
 こうした取り組みを進めながら、県立病院間はもとより、他の医療機関及び介護施設等との役割分担と連携をより一層図り、医療を取り巻く環境が大きく変化する中でも、持続可能な経営基盤のもと、県民に良質な医療を持続的に提供できるよう努めてまいります。
 それでは、議案の説明に入らせていただきます。
 議案その1の52ページをお開き願います。議案第12号令和2年度岩手県立病院等事業会計予算につきまして御説明申し上げます。
 まず、第2条の業務の予定量ですが、収益的収入及び支出につきましては、病床数を4、751床と定め、年間延べ患者数を、入院では124万2、000人、外来では183万2、000人と見込むものでございます。
 次に、資本的収入及び支出でございますが、病院建築工事では、中央病院救急センター等改修工事や中央病院透析室拡張工事、千厩病院冷房設備改修工事に係る所要の事業費を計上するものでございます。また、医療器械につきましては、宮古病院及び二戸病院に整備するリニアック等の購入が主なものでございます。
 第3条の収益的収入及び支出と、53ページに参りまして、第4条の資本的収入及び支出の具体的な内容につきましては、後ほど予算に関する説明書により御説明申し上げます。
 54ページをお開き願います。第5条の債務負担行為でございますが、これは、期間が令和3年度にわたります中央病院透析室拡張工事や千厩病院冷房設備改修工事について、債務負担行為の期間と限度額を定めようとするものであります。
 第6条の企業債は、病院建築及び医療器械整備の財源となる企業債の限度額を69億8、000万円とするとともに、その償還方法等を定めようとするものでございます。
 第7条は、一時借入金の限度額を143億円と定めようとするものであります。
 第8条は、議会の議決を経なければ流用することのできない経費を定めようとするものであり、第9条は、薬品、診療材料等の棚卸資産購入限度額を定めようとするものでございます。
 55ページに参りまして、第10条重要な資産の取得は、購入予定価格が1件7、000万円以上の医療器械等を掲げているものでございます。
 それでは次に、予算に関する説明書の436ページをお開き願います。令和2年度岩手県立病院等事業会計予算実施計画につきまして御説明申し上げます。
 初めに、収益的収入及び支出につきまして、まず、収入ですが、第1款病院事業収益は1、140億9、100万円余で、令和元年度の最終予算と比較しますと、およそ3.5%の増加を見込んでいるものであります。
 第1項医業収益は961億200万円余で、1目入院収益は613億9、900万円余、2目外来収益は284億7、400万円余でございます。3目その他医業収益は62億2、800万円余で、その主なものといたしましては、健康診断等の公衆衛生活動の収益等でございます。
 第2項医業外収益は179億8、900万円余で、その主なものといたしましては、2目補助金5億3、600万円余は、病院群輪番制病院運営費等に係る補助金でございます。3目負担金交付金127億1、400万円余は、結核病床や精神病床及び高度医療等の不採算経費に係る一般会計繰入金でございます。5目長期前受金戻入39億800万円余は、固定資産の取得財源として受け入れた長期前受金の戻入収益でございます。437ページに参りまして、6目その他医業外収益8億2、500万円余は、不動産貸付料等でございます。
 次に、支出につきまして、第1款病院事業費用は1、125億6、800万円余で、令和元年度の最終予算と比較しますと、およそ1.5%の増加を見込んでいるものであります。
 第1項医業費用は1、099億5、500万円余で、その主なものといたしましては、1目給与費579億5、600万円余、2目材料費277億8、400万円余、3目経費159億600万円余、5目減価償却費75億1、000万円余等であります。
 第2項医業外費用は25億1、200万円余で、その主なものといたしましては、438ページをお開き願いまして、1目支払利息及び企業債取扱諸費14億4、100万円余、3目雑損失9億2、800万円余等であります。
 この結果、収入計と支出計の差し引きで15億2、300万円余の純利益を見込むものでございます。
 439ページに参りまして、資本的収入及び支出につきまして御説明申し上げます。
 まず、収入でございますが、その総額は147億4、000万円余で、その主なものといたしまして、1款資本的収入の第1項企業債69億8、000万円余で、これは、中央病院救急センター等改修工事及び医療器械整備等に充てるためのものでございます。
 第2項負担金70億9、100万円余は、施設整備等に係る一般会計からの繰入金でございます。
 第3項補助金6億6、900万円余は、オンライン資格確認システム等に対する医療情報化支援基金等を活用した補助金でございます。
 次に、支出でございますが、その総額は221億3、800万円余で、その主なものといたしましては、440ページをお開き願いまして、第1款資本的支出の第1項建設改良費78億7、400万円余で、その主な内訳は、2目建物費18億6、600万円余、3目医療器械費46億7、700万円余等でございます。
 第2項企業債償還金は128億5、700万円余であります。
 第3項他会計からの長期借入金償還金10億円は、一般会計から借り入れた借入金の一部を償還するものでございます。
 なお、441ページから478ページまでの予定キャッシュ・フロー計算書、給与費明細書、債務負担行為に関する調書、予定貸借対照表、予定損益計算書及び注記につきましては、これまで御説明申し上げた予算の明細等でありますので、説明を省略させていただきます。
 以上で説明を終わります。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
〇吉田敬子副委員長 ただいまの説明に対し質疑はありませんか。
〇菅野ひろのり委員 保健福祉部に引き続きまして、地域医療構想調整会議、医療体制についてお伺いします。
 さきの審議の中で、その成果という中では病床数の削減、例えば急性期は1、001病床削減、慢性期も447減、回復期は697増でございましたが、岩手県の県立病院等の経営計画(2019〜2024)は2019年に策定しているわけでございますが、今後、これは早急にまとまった段階で反映していかなければ経営計画が崩れていくのではないかと思っていますが、これをどのように反映していくのか、まず伺います。
〇吉田経営管理課総括課長 岩手県立病院等の経営計画(2019〜2024)への反映状況についてでございますが、今年度を初年度とする経営計画において取り組む事項として、各病院の担うべき役割と機能、病床機能の適正化を掲げておりまして、具体的には、医療政策に係る国の動向を注視しながら、地域医療構想調整会議における議論を踏まえ、地域の医療資源の状況等、実情に応じて病院ごとの役割、機能を見直すこととしております。引き続き、地域医療構想調整会議での議論を踏まえて適切に対応してまいります。
〇菅野ひろのり委員 実情が会議で示されているわけですから、それはぜひとも反映していただきたいと思います。
 それで、424の病院のリストが公表されたわけでありますが、県の答弁だと、この受けとめ、これは現在の実態に即していないということが再三、知事も答弁されていました。一部の診療実績の反映であったり、2017年7月でしょうか、その1カ月分のデータの利用であったり、私も最初同じ考えではありましたが、一方で、厚生労働省の指摘は大きく二つポイントがあると思っていまして、急性期の医療が大きな負担になっていくと。もう一点が、自治体財政の課題。私はこの二つの指摘に当てはまる区域の医療は、厚生労働省の指摘どおりではないか、また、議論の加速という観点からは公表はよかったのではないかと思っています。
 そこで、今、公表された公立病院が10あって、四つの県立病院が含まれるわけですが、その状況はどうなのか、今後どのようにしていくのか伺います。
〇吉田経営管理課総括課長 再検証とされました県立病院の議論の状況についてでございますが、厚生労働省から再検証の対象とされた本県の公立10病院のうち、県立病院は、東和、江刺、一戸、軽米の4病院が対象とされたところでございます。
 医療局では、地域の実情を踏まえつつ、不断に病床機能、病床数の点検や見直し検討を行っておりますが、東和病院は平成28年度に、江刺病院及び軽米病院は平成29年度に、一戸病院は今年度に、それぞれ地域包括ケア病床を導入するなど回復期機能への転換を図っているほか、江刺病院及び一戸病院では、患者の動向を踏まえ病床数の見直しを行ったところでございます。
 また、東和病院が含まれる岩手中部圏域の地域医療構想調整会議では、病床機能や病床数の対応方針について合意が得られておりまして、その他3病院が含まれる胆江及び二戸圏域の地域医療構想調整会議は、協議中となっているところでございます。
 今後の対応につきましては、県立4病院につきましては、いずれも地域包括ケア病床を導入するなど既に病床機能の転換を図っておりますことから、直ちに病床機能の大幅な見直しが求められるものではないと考えているところです。
〇菅野ひろのり委員 県立病院の状況を見ますと、先ほど御説明いただいたとおり、地域包括ケア病床を含めて、過疎地域とか人口減少に対応した工夫というか転換がされているなと思っています。これは、恐らく医療局の皆さんにも12月に我々会派の1年生、2年生議員の勉強会も開いていただきましたが、創業の精神、県下にあまねく良質な医療の均てんをということをもとに、昭和25年の誕生以来、20病院6地域の診療センターを設置、1時間以内で移動可能な範囲と、これがあらわれているのではないかと思っています。
 また、経営状況、この経営損益も、平成30年の決算は約6億円の黒字、私はこの中身がいいなと思っていて、平成30年の場合は、5病院が黒字でほかを補てんしていると。公立病院が担うのは、過疎地域であっても民間が行けないところに病院をしっかりつくって、その医療を支えていく。しかも、それが中心となる病院が黒字で維持できる。これは、県の皆さんの御努力をいただいて、そして、県立病院が、安心したこの岩手県の医療体制を築いている証拠だと私は思っています。
 その中で、地域医療構想調整会議は、地域医療構想調整会議をもとに自主的な、すなわち、その地域に、例えば胆江であれば、胆江圏域の医師会や民間病院を含めた議論であって、県のこのベースの議論が埋もれてしまっていることに私は危機感を感じています。確かに経営体のレベルが、奥州市、県、開設主体も医療法人や社会福祉法人、市立診療所、施設レベルも部門レベルも重層化しています。
 そこで質問したいのですが、この会議で、仮に、今、私が話をした県立病院の果たしてきた役割、この認識がしっかりとされておらずと言うとあれですが、今後の県立病院の必要性が仮に認められなくなってきた、あるいはダウンサイジングが求められた場合、医療局ではどのように対応していくのか伺います。
〇吉田経営管理課総括課長 地域医療構想調整会議における議論への対応についてでございますが、先ほども申し上げたとおりでございますが、地域の実情を踏まえつつ、不断に病床機能の点検や見直し、検討を行っているところでございます。また、岩手県立病院等の経営計画(2019〜2024)においては、地域医療構想調整会議における議論を踏まえ、実情に応じて病院ごとの役割、機能を見直すこととしているところでございます。
 県立病院は、公的医療機関の役割であるへき地医療、救急医療、高度専門医療等、採算面などの面から民間医療機関による提供が困難な医療を担っておりまして、地域に必要な病院であると認識しているところでございます。
 地域医療構想調整会議におきましては、岩手県保健医療計画との整合性や地域の医療資源の状況等を勘案しながら議論が進められていくものと考えております。仮に、県立病院の規模、機能等の見直しの方向性が示された場合には、その内容を踏まえつつ県立病院としての対応を検討してまいります。
〇菅野ひろのり委員 課長に、胆江管内の議論の中で、今、御説明いただいた内容が、その地域に反映されて議論されていると感じているのかどうか、通告していませんが、伺いたいと思います。
〇吉田経営管理課総括課長 地域医療構想調整会議におきましては、各医療機関の院長とか医療の関係者が集まって議論されているところでありますので、当然に、岩手県保健医療計画とか、それから地域の医療資源の状況、それらを前提に会議が進められているものと考えております。
〇菅野ひろのり委員 私は、これから厚生労働省の指摘も踏まえて、例えば胆江管内をどういうふうにしていくのかと考えるときがあるのですが、そのヒントはさまざまあるのですが、まず一つ、岩手県の医療局の沿革を見させていただきました。
 昭和25年にこの県立病院等事業の設置等に関する条例が公布され、今までさまざまな経緯があります。その中で病院の動き、これは昭和34年度の宮古地方病院と宮古共済病院の合併に始まり、昭和46年は久慈病院、平成12年は一戸病院、そして、平成19年は釜石病院、平成21年は花巻病院と北上病院、これは、合併の歴史なのですよね。
 私は、なぜ合併を繰り返してきているのか、この要因は後で部長にどういう受けとめをしているか伺いたいと思います。そして、直近だと、県立釜石病院と釜石市民病院、県立北上病院と花巻厚生病院の合併、この直近の課題と成果、特に医療資源と財政の観点から、それぞれどのように評価しているのか。また、現時点では、これらの合併の意義は時代とともに変わってきているところがあると思うのですが、その意義を伺いたいと思います。
 ちなみに、レポート等も見させていただいておりますので、県の受けとめは簡潔で結構でございます。お願いします。
〇吉田経営管理課総括課長 県立病院の合併における評価でございますが、まずは、平成19年4月に合併しました県立釜石病院と釜石市民病院につきましては、医療資源の視点においては、県立釜石病院は、急性期病院として人的医療資源の集約化、高度医療機器の重点配置等によりまして診療機能の強化が図られたところでございます。また、釜石のぞみ病院が、旧釜石市民病院の施設を利用し慢性期医療を担うなど、圏域内の役割分担や連携強化が図られたものと認識しております。
 一方で、当初予定していました医師数が確保できない等の課題があったところでございます。経営的には、医師数が予定配置数にならなかったこともあり、合併後の経常利益は黒字ではあるものの、合併前より縮小しているところでございます。
 また、平成21年4月に合併しました県立北上病院と県立花巻厚生病院、現在の中部病院につきましては、医療資源の視点におきましては、医師等の病院間異動が円滑に進められたこともあり、診療科ごとの常勤医師等のスタッフの充実、施設設備の集約化等により医療資源の効率的な運用が図られ、診療機能の強化が図られたところでございます。
 経営的には、合併前の2病院は経常利益が赤字傾向でありましたが、合併後の中部病院は黒字に転換しているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 財政的な効果はあって、医師が離職されたという課題があるということなのだと思います。
 私は二つありまして、一つは、釜石病院の合併当時の院長先生に話を聞くことができました。その中でおっしゃっていたのは、医師の数は、1足す1が2にはならない現状がありましたが、釜石の場合は、累積欠損金が約28億円ある中、行政主導で合併が進められ、その後に医師に伝わって、その結果、医師は離れていった。先生がおっしゃるには、行政主導だったから合併はできたけれども、医師は離れていった。一方で、十分な話し合いができていたら、これは合併にはならなかった。結論として、満場一致で合併とはならないというような印象を、苦しい心情でそうおっしゃっていたと私は受けとめています。
 一方で、1月に山形県の日本海総合病院にも伺わせていただきました。栗谷先生は地方公営企業等経営アドバイザーも担われている有名な先生ですが、この方は、1時間半ほど時間をいただいて、私が行く前に財政の状況も見ていていただいて、きっぱり言われました。これからの医療需要、この財政の問題を含めて、これからは経営をやっていけないよということをはっきり言われました。地方公営企業等経営アドバイザーを使って第三者の目で見てもらったほうがいいと。栗谷先生は、地方公営企業等経営アドバイザーということもあるからかもしれませんが。そこで、私が印象に残っているのは、この議論を進めるには、まず初めに、最良のグランドデザインを示して進めなければいけないということをおっしゃっていました。
 ここで質問に入っていきますが、私は、今回の胆江医療圏、市ではアンケート結果も準備していて、これは、ほぼ充足しているというような内容でありました。病院が、地域的にもバランスがとれている、外来も充足している、入院患者の受け入れも充足、高度医療も県内から見ると十分にあるという中において、栗谷先生がおっしゃっているグランドデザイン、最良のベストの状態は何かというと、私は、この地域を担っている県立病院を中心とした合併、統合を提示して、その上で、やっぱり市民感情は大事です。医師の確保、待遇あるいは財政、これを検証して、議論をまずスタートさせることが大事だと思っておりますが、医療局長の考えを伺います。
〇熊谷医療局長 県立病院を中心とした合併、統合の議論についてでございます。
 県立病院は、公的医療機関の役割であるへき地医療、救急医療、高度専門医療と、採算性などの面から民間医療機関による提供が困難な医療を担う必要があり、本年度を初年度とする岩手県立病院等の経営計画(2019〜2024)におきまして、現行の体制により、県立病院群全体で効率的な運営を行うこととしているところでございます。
 仮に、地域医療構想調整会議におきまして、病院の合併、統合の方向性が示された場合には、まずは、その内容を伺った上で、県立病院としての具体の対応を検討することとなりますけれども、病院の合併、統合には、医療人材の確保や安定した経営基盤の確立、一般会計の負担のあり方などについて総合的な視点で議論する必要がありますことから、県立病院群全体の運営を見据えた検討を行う必要があると考えているところでございます。
〇菅野ひろのり委員 この合併の話であるとか病院再編は、私が話せるほどの問題ではない、もっと大きく深い問題であるとは思っていますが、先日、奥州市の地域医療を考えるシンポジウムに参加させていただいたときに、奥州市総合水沢病院にお世話になった方が、涙ながらに、自分のお子さんが生まれた経緯や、みとりであったりとかといった病院に対する愛着というのでしょうか、そういうことをおっしゃっておられました。各病院にそういった支持者の方といいますか思っている方がいらっしゃる中でも、やはり議論を停滞させてはいけないし、しっかりとした安心感を与えるためにも、グランドデザイン、一番いいベストな状態を示しながら、それではこの地域の実情に合わないからサテライト化がいいね、それか、それぞれに例えばダウンサイジングしましょう、いろいろなそういった議論を始めなければいけないと思っています。
 最後にいたしますが、岩手県の医療の今までの経緯を見ると、先ほどお話ししましたように、合併の歴史でありました。局長は、この岩手県の医療を今後も含めて、なぜ、このように合併が行われてきたのか、これからの必要性などをお聞きして、終わりたいと思います。
〇熊谷医療局長 県立病院、公立病院の使命は、先ほど申し上げたとおりでございます。そして、岩手県の医療をしっかりと守っていく必要があると考えております。
 過去に合併等があったわけでございますが、その時々の必要性と申しますか、医療資源の状況とか、それから収支の状況、さまざまな要因があって合併、統合を行ってきたものと思います。それは、あくまでも県全体で医療を提供していくという必要に応じてやってきたものと思っておりまして、医療局といたしましては、引き続き、県民に良質な医療を提供するために、不断の見直しを行っていく考えでございます。
〇斉藤信委員 今の統合、合併問題で一言、私は釜石の合併問題もこの議会で取り上げてきました。あの合併は失敗ですよ。県立病院が機能強化されたわけでもない、医師がふえたわけでもない。市立病院の医師が全く蚊帳の外に置かれて、みんな帰ってしまったというのが実態でした。ああいうやり方をしたら、本当にこれは失敗にしかならないと。
 だから、今、胆江地域の問題が問題になっていますけれども、地元でしっかり議論して合意をつくっていくことが私は大変大事で、その際、第一線で頑張っている医師の意見を最大限尊重することですよ。今頑張っている医師の方々の意見を尊重しなかったら、これはどんな統合も成功しません。それどころか、あの424病院の再編、統合が出て、それで一番の打撃、影響を受けていることも私は指摘をしておきたいと思います。今頑張っている医師の意見をしっかり聞いて地域医療の積極的なあり方を示すべきだということは、指摘だけにとどめておきます。
 それでは質問に入りますけれども、新型コロナウイルス感染症対策について、県立病院のこの対応、医療体制、特に帰国者・接触者外来を県立病院が担っていると思います。また、指定感染症病床も担っています。ここに必要な医師、看護師の体制がきちんと確立しているのか。あわせて、医療用のマスクや消毒液など医療資材がきちんと確保されているのか。
 私は、さきの保健福祉部でも紹介しましたけれども、ある県立病院でマスクが看護師に1日1枚と。私は、マスクの配置の基準を聞きたいのだけれども、普通は、患者1人に1枚ではないのですか。それが1日1枚なんて言ったら、本当に安全が確保できるのかと思いますが、そのことを示してください。
〇吉田経営管理課総括課長 新型コロナウイルス感染症に対する対応状況でございますが、現在、県立病院の一部に帰国者・接触者外来を設け擬似症患者の対応を行っておりますが、PCR検査の結果が判明するまで病床に収容することとなりますことから、医師及び看護師が診療、看護業務に従事しているところでございます。
 院内感染管理を徹底するため、感染防止対策に係る知識を有する医師や看護師などで構成する院内での感染制御チームが、スタッフへの助言を行うなど、その支援に当たっているところでございます。
 また、帰国者・接触者外来の設置に当たりましては、個人防護服やHEPAフィルターつき空気清浄機など、不足する医療用資機材は、国の補助により整備したところであります。また、医療用マスクにつきましては、当面の必要量を確保しておりますが、対応の長期化に備えまして、各県立病院の実情に応じて、使用量の節減について取り組みを進めているところでございます。
 なお、医療に必要なマスクの確保につきましては、全国知事会等を通じ国に対して要請をしているところであり、知事部局とも連携し確保に努めてまいります。
〇斉藤信委員 帰国者・接触者外来は、恐らく今の体制の中で工夫してやっているのではないかと思います。幸い感染者が出ていないので、いざというときに備えてしっかりした体制をぜひ確立していただきたい。
 先ほど聞いたけれども、看護師の医療用マスクは、基本はどういう形で配布されるのか、現状はどうなっているのか。もう一つは、小中学校の休校措置によって休まざるを得ない看護師の状況はどうなっていますか。
〇鎌田業務支援課総括課長 マスクの使用につきましては、各病院の患者の状況や場面に応じまして、感染リスクの高い場合などにつきましては、必要のある際は、その都度マスクを交換しているという状況になっております。
 マスクを初めとした医療材料につきましては、当面、4月上旬までの必要量は確保しているところでございますけれども、供給が著しく逼迫しているところでございますので、長期化に備えまして、各病院におきまして、病院の実情に応じて、今できる使用量の節減に取り組んでもらっているという状況でございます。
〇一井職員課総括課長 一斉休校への対応状況についてでございますが、新型コロナウイルス感染症対策に伴う小学校等の臨時休業その他の事情により、子の世話を行う職員が、当該世話を行うため勤務しないことがやむを得ないと認められる場合は、知事部局と同様に特別休暇として取り扱うこととしております。3月2日から11日までの間に当該休暇を取得した職員は32人、休暇日数にして32日と3時間でございます。
 なお、職員が当該休暇を取得したことにより、これまでのところ、病院運営に支障が出てはいないところでございます。
〇斉藤信委員 3月2日から11日まで32人というのは、私は大変少ない、休みをとれないような状況の反映なのではないのかと。看護師の年齢構成を考えたら、子育て中の看護師は多いですから、そこを私はちょっと危惧いたします。
 これはそれだけにとどめて、次に、遠野病院の看護師、医師の退職問題について、これは3度目になりますけれども、これは最後の質問だと思ってしっかり答えていただきたい。
 釜石労働基準監督署の指導による超過勤務の実態調査はどうなっていますか。
〇一井職員課総括課長 超過勤務の実態調査についてでありますが、調査対象者は、労働基準監督署からの指導により、昨年4月以降に遠野病院に在籍した全ての看護職員88人としております。
 調査方法は、調査対象者の昨年4月以降の勤務日ごとの正規の勤務時間、タイムカードに記録された出勤、退勤時刻、電子カルテのログイン、ログオフの時刻、超過勤務命令簿による超過勤務時間、業務以外で在院したと申告した時間などのデータを整理しながら、調査対象者へのヒアリングを個別に実施しているところでございます。
 職員のヒアリングについては、88人中86人まで終了し、残り2人となっておりまして、3月末をめどに調査結果を労働基準監督署に報告することとしております。
〇斉藤信委員 そんな答弁じゃだめですよ。本会議の関連質問から、私は知事に対する総括質疑でも、この実態調査を踏まえて、あなた方は対応すると答えているのですよ。
 いいですか、実際に、看護師からは、超過勤務が申請できなかったとたくさんの声が私に寄せられています。それは議会でも明らかにしてきた。電子カルテであなた方が客観的に、まず、第1次超過勤務の実態を把握できたはずです。ヒアリングを含めれば、さらにその超過勤務がふえる。超過勤務の今の段階で把握された概況を示してください。
〇一井職員課総括課長 超過勤務の調査については、現在も調査継続中でありますので、タイムカードに記録された出勤、退勤時刻と電子カルテのログイン、ログオフの時刻との整合性がとれないものもございます。このようなものについては職員へのヒアリングの中で確認を進めているところでございますが、職員の記憶が曖昧なものもありまして、個々の職員の勤務時間の全てを特定することは難しいケースもあります。労働基準監督署と相談しながら、具体的な対応について進めることとしたいと考えております。
〇斉藤信委員 今年度の12月までの看護師の1人平均の超過勤務時間は0.4時間、こう把握されているのですよ。だったら、電子カルテで始業時間と終業時間、こんなものじゃないでしょう。答えてください。
〇一井職員課総括課長 現在、先ほど申し上げました電子カルテのログイン時刻とか、あとは、記録されている超過勤務命令簿等との突き合わせをした上で、職員へのヒアリングをしているところでございます。ヒアリングをした結果を取りまとめて、それを整理しているところでございますので、それを取りまとめた上で労働基準監督署に報告をしたいと考えております。
〇斉藤信委員 きょうは、あなた方が人事の内示をする日ですよ。この超過勤務の実態調査を踏まえないで、どんな人事異動をするのですか。
 医療局長、あなたは調査を踏まえてやると言った。その調査結果の概況を私は聞いているのです。1人何時間ずれていたという話をしていない。1人平均0.4時間というのが、これは違っていたと、そういう報告はできるじゃないですか。局長、はっきり答えてください。
〇熊谷医療局長 先ほど職員課長が答弁したとおり、今、調査中でございますが、電子カルテのデータとの突き合わせをやっております。いわゆる超過勤務、タイムカードの記録時間と電子カルテの時間が異なっているケースがございまして、そこの違いを職員からのヒアリングによって確認しているところですが、なかなかその特定が厳しい状況でございます。
 他方で、電子カルテを業務以外で使用することは基本的に想定されないところでございますので、業務従事と推定される時間については、超過勤務手当を追給することも視野に置きまして、労働基準監督署と相談しながら最終的な取り扱いを決めてまいりたいと考えております。
〇斉藤信委員 だから、電子カルテの始業時間と終業時間だけで0.4時間は超えるでしょうと私は言っているのですよ。
 つい最近、看護師から手紙が来ました。これ、15日から職員のヒアリング、面談相手により本当のことが言えなかった人もいます。医療局本庁職員と遠野病院の総務課職員の2人でヒアリングを行いましたが、総看護師長と通じている総務課職員もいたので、怖くて事実を話せなかったとのことです。ほとんどの職員は半ばやけくそで本当の話をしました。こう言っているのですよ。ほとんどの看護師は本当の話をしているのですよ。
 だから、医療局長、もう一回聞くけれども、いいですか、少なくとも電子カルテの始業時間、終業時間、その前にも働いているのですよ、その後にも働いているのですよ。しかし、それは客観的に把握できるわけだから、その客観的なデータだけで、1人0.4時間というあなた方が超過勤務として認定した時間を大幅に超えているのではないですか。このことをはっきり答えてください。
〇熊谷医療局長 現在、そのデータの突き合わせを行っているところでございまして、具体的な時間につきましてはこれから取りまとめるところでございますが、先ほど申しましたとおり、電子カルテを業務以外で使用することは基本的に想定されないところでございますので、その時間を明らかにした上で、労働基準監督署と相談しながら、最終的な取り扱いを決めてまいりたいと思います。
〇斉藤信委員 私が聞いていることにあなたは答えない。電子カルテの客観的な超過勤務の把握だけで0.4時間は超えていますねと言っているのですよ。圧倒的に超えているでしょう。局長、これだけ答えてください。客観的に把握できるのだから、したのだから。その上でヒアリングをやっているのですよ。客観的に把握した時間プラスアルファがあるのですよ。プラスアルファは吟味してもいい。しかし、電子カルテで客観的に把握したのだけで超過勤務は0.4時間を超えているでしょうと聞いているのです。答えてください。
〇熊谷医療局長 電子カルテのデータと出退勤のタイムカードの違いが出ていることは事実でございます。それから、超過勤務記録簿との違いもあるというところも事実でございます。0.4時間といったような時間につきましては、これから労働基準監督署との協議になりますが、それを超過勤務時間と扱うとすれば、上回るものと考えます。
〇斉藤信委員 早くからそう答えてください。本当に姿勢が悪い。
 私は本会議でも、知事に対する総括質疑でも、遠野病院の総看護師長によるパワハラの実態はリアルに皆さんに紹介しました。超過勤務の申請を認めないという声は多数出ました。大体、総看護師長が来てから、その前の年は1人当たり9.6時間だった、平成30年度は2.0時間、今年度は0.4時間。看護師は信じられないと言っているのですよ。そんなわけないと。これは客観的に総看護師長が超過勤務の申請を認めなかったということになりますね、局長。
〇熊谷医療局長 超過勤務の管理につきましては、医療局において、これまでも各病院に対して通知や会議等で周知を行ってきたところでございますが、釜石労働基準監督署からの指導を受けまして、遠野病院において、改めて周知を図るよう要請しております。
 これを受けて遠野病院では、11月19日に院長講話を行い、その中で各職員に対し超過勤務を適正に申告するよう伝えたところでございます。また、12月25日には、病院長名で職員向けに超過勤務の申請についてという通知を発出いたしまして、同日、院内の各部門の長が集まる管理会議の場で通知の内容を説明し、職員の超過勤務を適正に申請、確認するよう伝えているところでございます。
 なお、現在進めております超過勤務の実態調査の中では、超過勤務を行ったことを翌日に報告すると、上司から、なぜこの時間まで必要だったのかなど、いろいろ聞かれて説明しなければならず、面倒になるので書きづらくなった。超過勤務を行う前に、上司から残る職員の数と人を指定され、超過勤務を希望した職員全員が超過勤務を認められないことがあるなどの声がある一方で、短時間の超過勤務は申告するまでもないと思って出していなかった、超過勤務はきちんと申告できているという声もあったところでございます。
〇斉藤信委員 超過勤務が認められなかったとすれば、労働基準法違反です。これは全国でも、こういう労働基準法違反の幹部職員は処分の対象ですよ。そうですね。確認します。労働基準法違反だったら、これは処分の対象ですね。
〇熊谷医療局長 今、実態調査を進めているところでございますが、先ほど申し上げたように、職員の間でいろいろな認識、回答があるところでございます。そういったことで……(斉藤信委員「意見の違いの問題じゃない」と呼ぶ)はい。認識が異なるということは事実でございますので、そういった点も踏まえて、今後の対応を検討してまいりたいと思っています。
〇斉藤信委員 超過勤務はなかったと言う人はそれでいいのですよ。認められない人が多数いるから問題になっているのですよ。これは意見の違いの問題じゃないのです。
 それで、局長、私は本会議の関連質問でも話しましたが、難病で障害者手帳を持っている看護師が、地域連携室で勤務していたが、一昨年の暮れから病棟勤務、夜勤を打診されて、何度も診断書も提出して話し合いましたが、聞き入れてもらえず、絶望して退職を決意しました。
 もう一人、18年間勤務していた看護師。この人も障がい者認定を受けた人であり、母子家庭で、子供を育てるためには何としてもやめるつもりはありませんでしたが、負担の大きい外来の救急当番を命じられ、休暇もとらずに勤務することを強いられて、絶望してやめざるを得なかった。私の人生大きく変えられた。どうかこの声が届くように願いますと。局長、これはパワーハラスメントじゃないのですか。
〇熊谷医療局長 職員の配置先につきましては、本人の希望や業務能力などを総合的に勘案して決定しております。特に、障がいをお持ちになる職員につきましては、その身体状況などを踏まえ配置しておりまして、遠野病院におきましても、そのように対応しているものと考えております。
 なお、今回退職した障がいを有する職員につきまして、遠野病院で確認いたしましたところ、病棟への配置がえを打診したことはなく、また、夜勤困難であるとの診断書の提出を受け、夜勤にも従事させていないと聞いております。また、退職理由につきましては、体調不良、家庭の事情によるものと伺っているところでございます。
〇斉藤信委員 私が紹介したのは、やめた障がい者本人の訴えですよ。だから、この声を届けてほしい、私の人生変えられたと。医療局長がこの事実を認めないとしたら、あなたに医療局長の資格はない。そういう事態を変えようと2人の医師が辞職願まで出したのではないですか。私は、遠野病院に骨を埋めて頑張るという医師は、やめないで頑張ってほしい、必ず職場を変えると、こうやって私は3回取り上げてきたのですよ。医療局長、医師に対して説得しましたか。全然やってないじゃないですか。
 私はもう一回聞きますよ。本人からの直接の訴えについて、あなたは病院から聞いたと言うけれども、ゆがめられた報告が来ているのではないですか。私の話が本当だったら、これはパワーハラスメントですね。そして、医師の慰留はどうなりましたか。そのことを答えていただきたい。
〇熊谷医療局長 パワーハラスメントの認識についてでございますが、厚生労働省から、パワーハラスメント防止のための指針が令和2年1月15日に出されております。これによりますと、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるものであり、これらの要素全てを満たすものをいうとされております。
 このうち、労働者の就業環境が害される部分の判断基準といたしまして、平均的な労働者の感じ方、すなわち、同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうかを基準とすることが適当とされております。
 現在、超過勤務の実態調査に係るヒアリングを実施している中で、委員からお話のあった内容と同じような声がある一方で、それとは異なる声もございます。国の指針等に照らし、慎重に対応をしていく必要があると認識しております。
 ただ、いずれにしても職員間で認識の相違があるのは事実でございます。対話の促進、信頼関係の構築を図る必要があると考えております。現在、看護科の配置体制の検討を行っているところでございます。
 それから、辞職の意向を示している医師への対応についてでございます。この医師に対しましては、これまで病院長が、辞意表明のあった昨年12月から、機会を捉え、組織運営上の課題への対応について説明するとともに、勤務を継続する場合の条件を伺いながら面談を重ね、慰留に努めているところでございます。
 医療局本庁といたしましても、本年1月の医師支援推進室での慰留に加えまして、2月には医療局次長が面談し、当該医師から要望のありました、職員が働きやすい環境の整備を通じて職員の離職防止に取り組むことを丁寧に説明しながら、勤務の継続について要請してきているところでございます。
〇工藤勝子委員 県立遠野病院に絞られてこういう議論を今までしたことがなかったのだろうと、私はそのように思っているところでもあります。そういう中において、私は、やっぱり遠野市民の健康を守るために、地元の議員として、これからの遠野病院がどうあればいいかということを、そういう大きな課題を、私自体も力がないのですけれども、背負っていると、最重要課題だと捉えているところでもあります。
 遠野病院のほかに遠野市内には入院する施設がないわけであります。そういうこともありまして、結局、救急患者に対しまして、必ず、一旦は遠野病院で診ていただくことになるわけであります。そういう中において、看護師、医師の方々が、それぞれの中で持っているものを生かしてほしいと思っているところでもあります。
 遠野市民は、総合病院という捉え方をしているわけであります。そして、そのためには、総合病院としてしっかりとした機能強化、医師、看護師の対応、そして、初期診療に期待をしているわけです。遠野病院で非常に難しいと思えば、中部病院に搬送されるわけでありますし、そのためにも、初期の診療は非常に大事になってきているわけです。
 入院したいという声がある中にあっても、夜間、医師が足りないわけですよ。たった一人で夜間を担当するような形になっている中で、入院したいと思っても、現在入院している患者がいる中で、さらにまた入院患者を引き受けるということは、非常に厳しいわけであります。さらにまた、夜、救急で患者が入ってくることもあるわけです。医師の負担は非常に大きいのだろうと私は思っています。そして、専門外の患者も入ってくるわけであります。
 そういう中において、遠野病院としてもいろいろな問題がありますけれども、いろいろな形の中で、医師も看護師も遠野市民のために努力している姿を私は評価しているところでもあります。そういう関係の中で、今後、県立遠野病院がしっかりと市民に信頼されることが非常に大事だと思っているのですよ。ただ、一度失った信頼は取り戻すことはそう簡単ではないと思っております。その中においても、これから、医師、そして看護師を充足していただかなければ信頼回復につながっていかないと思っております。まず、その見通しについてお伺いしたいと思います。
〇熊谷医療局長 県立遠野病院は、遠野市内の患者を中心に急性期から回復期の医療を担っております。急性期機能として年間4、000人程度の救急患者の受け入れを行っておりますほか、地域の医療ニーズに対応し、遠野市唯一の透析医療機関として人工透析も行っているところでございます。また、回復期機能では、地域包括ケア病床を有しているほか、訪問診療など地域包括ケアシステムの一翼を担っておりまして、地域における遠野病院の役割は重要と考えております。
 このような認識のもと、来年度の医師の体制につきましては、新たに循環器内科に1名、外科に2名、計3名の医師を配置する予定としておりまして、充実を図る予定としているところでございます。
 また、看護師につきましては、産育休等の代替職員を確保いたしますほか、離職予定の臨時看護師等の補充についても、正規職員の配置で対応するということで増員を図る予定としております。
 また、院内での業務調整や職員サポートを担当する看護師を新たに配置いたしまして、引き続き、配置に係る配慮、不安のある職員へのサポート体制を講じていこうという取り組みを行いたいと考えております。
 遠野病院が地域にとってよりよい病院になっていくためには、まずは、院内での対話の促進、信頼関係の構築を図っていく必要があると認識しております。こうした問題意識に基づき、今申し上げたような職員体制の検討を行っているところでございます。
 今後とも、必要な職員の適正配置に努めますとともに、職員が働きやすい環境の整備を通じて、職員の離職防止に努めるなど、遠野病院が地域において必要とされる医療を提供できるように取り組んでまいります。
〇工藤勝子委員 そういう形の中で、非常に医師が不足している中で3名充足してくれるということは非常にありがたいことだと、私はそのように思っております。そういうことが市民に伝わって、そして、市民の方々が診療を受けて初めて、いろいろな形の中で信頼が回復してくるのだと思っております。
 しかし、お二人やめるということを私も聞いておりました。そういう中において、とどまるという話も聞いております。しかし、一回こじれてしまった医師同士の対話とか信頼関係はどう回復できるのか、私はそこが心配なのですよ。つまり、病院内でいろいろなことが医師同士、また看護師同士でいろいろな意見の相違とか考え方の相違があったときに、患者に即伝わるわけですよ。何なのだ遠野病院はというような形の中で、本当に体の弱い人は医師の対応一つ、看護師の対応一つとっても敏感に感じ取るわけですよ。
 そういう中において、今後、とどまる2人の医師もいらっしゃいますし、看護師もいらっしゃるでしょう。そういう中で、意思というのですか、心の統一というのでしょうか、チームワークというのでしょうか、これに努めていかなければならないのではないかと、そのように思っているところなのです。
 そういう中において、医療局は今後、遠野病院のこの体制、そして、こういう形になってしまった、そこにしっかりと指導と助言をお願いしたいと思うわけですけれども、御所見を伺いたいと思います。
〇熊谷医療局長 先ほども御答弁申し上げましたが、地域にとって遠野病院がよりよい病院になっていくためには、病院内での対話の促進、それから信頼関係の構築を図っていく必要があると認識しております。こうした問題意識に基づいて、現在、看護科の配置体制の検討を進めているところでございます。
 また、将来に向けた病院運営のあり方につきまして、病院長が、その考えを示して職員と対話していく、それが必要だということで、病院長に対して要請しているところでございます。
 医療局といたしましては、今後とも、遠野病院と連携しながら必要な職員の適正配置に努めますとともに、働きやすい環境の整備を通じまして、遠野病院が地域において必要とされる医療を提供できるよう取り組んでまいりたいと思っております。
〇工藤勝子委員 私は体が悪くないので、なかなか病院に行くことはないのですけれども、たまには行って、顔を出しながら、これから医療局の指導を受けながらどのように変わっていくかというところも、事務局長等にお会いして、いろいろと推移を見ていきたいと思っておりますので、今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わります。よろしくお願いいたします。
〇神崎浩之委員 当該委員でありますが、常任委員会で質問しづらい立場にありましたので、この機会をおかりします。
 新年度の人事が固まったこの時期でありますので、県立病院の医師の配置について質問いたします。
 県立病院とはいいながら、医師の人事配置については、各大学病院の医局であったり、教授の人事という兼ね合いが多いと思っております。縄張りがありまして、この既得権というか、そういうものもあって、ただ、もしかすると、これが緩めば、医師の確保、それから偏在の解消にもつながることと思っております。この縄張りが緩やかになっているというような事例は、例えば4月からであるとか、ここ数年あるのかどうか。これは白い巨塔の世界にも入りますのでね。
 ただ、中部病院も、今までは東北大学系でありましたけれども、今回は岩手医科大学が入る。それから、磐井病院についても、ある診療科は東北大学の医師だったのですが、今回は岩手医科大学の医師も入れるようになったという例もあるわけであります。そんなことも含めて、これらは全国から医師を招聘する場合にも、これが緩やかになれば医師も来やすいということもあるかもしれませんけれども、こういう例があるのかどうかお伺いしたいと思います。
 それから、医師確保の関係で一緒に質問しますけれども、ことしから医師の確保ということで、中央病院に病児保育を実施するということであります。これは全病院に必要な制度だと思います。例えば、外科の執刀医が手術中に、子供の具合が悪くなった。手術を途中でやめるわけにいきませんということなので、これは全県立病院に病児保育が必要だと思いますが、あわせて質問をいたしますので、よろしくお願いします。
〇三田地医療局次長 医師の確保、配置の関係でございますが、県立病院の医師につきましては、関係大学から派遣していただいている医師の割合が、全体のおおむね4分の3に当たります。その派遣医師の配置は、病院ごとではなくて、大学の医局単位で、さらに診療科ごとに派遣が行われているところでございます。
 複数の大学によりまして診療科を運営している事例といたしましては、中央病院の腎臓・リウマチ科、それから、中部病院の小児科、磐井病院の循環器内科などがございます。それから、先ほど委員がお話しされましたが、中部病院の特定の診療科、この春からですね。それから、磐井病院におきましても、そのようなことが発生するところでございます。
 そのほかにも、例えば、特定の大学におきまして常勤医師を派遣している診療科におきまして、さらに追加して派遣いただくことが難しいような場合に、異なる大学からスポットで応援で派遣をしていただいているような例は相当数ございます。さらに、医局に属している奨学金養成医師を地域病院に配置するような場合には、そういった大学の垣根なく勤務をしていただくことになります。
 今後、そういった取り扱いがさらに増加していくものと見込んでいるところでございますので、関係大学からの派遣、それから柔軟な配置、両方組み合わせて、医師の確保、地域医療の確保を進めてまいりたいと考えております。
〇一井職員課総括課長 病児保育についてでありますが、女性医師との意見交換会や院長会からの提言を踏まえ、医療従事者が働きやすい環境を整備するために、個々の病院のニーズや専用スペースなどを考慮しながら導入を進めることとしております。委託先における人員や専用スペースの確保ができる見込みとなった中央病院を先行病院として、令和2年10月から受け入れを始める予定で準備を進めているところでございます。
 今後、中部病院での導入に向けて準備を進めるほか、その他の病院についても、委託先の人員体制や専用スペースの状況等を確認の上、導入を検討することとしております。
〇吉田敬子副委員長 ほかに質疑はありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
〇吉田敬子副委員長 質疑がないようでありますので、これで医療局関係の質疑を終わります。
 医療局の皆さんは御苦労さまでした。
 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
午後7時11分 散 会

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